1: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/01/01(土) 01:51:18.15 ID:PzEGEYLTP
新年。

元日、である。

紅白やらを観ながら年を越す……。

いや。

俺は寝たい。

だから、新年は寝て越そう。

そう思っていた。

3: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/01/01(土) 01:54:14.43 ID:PzEGEYLTP
男「そろそろ寝るか」

時間は12月31日11時。

とりあえず、もうそろそろ新年である。

今年はいろいろあったなぁ、と思いつつ。

男「妹、寝るわ」

妹「え? 寝ちゃうの?」

男「おう、あけおメールとかめんどくさいから俺は寝る」

妹「……メール来るの?」

ちょっと怪しい質問である。

4: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/01/01(土) 01:58:18.85 ID:PzEGEYLTP
男「く、来るはずだ」

妹「なら、いいけど」

妹は煎餅を食いながら。

妹「あ、お年玉くれる?」

男「甘ったれるな」

俺はそう言って、居間から出て行った。

5: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/01/01(土) 02:03:37.80 ID:PzEGEYLTP
可愛い妹に恵みを~という声を聞こえながらも俺は階段を上って行った。

男「ふわぁぁ……」

そろそろ今年も終わり。

来年の目標は……むぅ。

『あいつより優位に立つ』

……いや、なんか違うな。

6: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/01/01(土) 02:06:41.74 ID:PzEGEYLTP
とりあえず俺は。

ベッドに倒れこむ。

「ぎゃっ」

男「!?」

なんか、声が聞こえた。

女「ふぅ……いきなり大胆だね」

男「ええええええええええええええええ!?」

女「年末に大声を出さないでくれ」

いやいやいやいや。不法侵入だろう。

9: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/01/01(土) 02:10:51.96 ID:PzEGEYLTP
男「お前、どうやってきた!?」

女「ん? 家で普通に着替えてきたけれど」

男「着た、じゃねえ!」

どうやって来たんだ、ってことだ。

女「普通に玄関から、入ったけれど」

知らないぞ、俺。

10: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/01/01(土) 02:14:10.59 ID:PzEGEYLTP
……あ。

俺がコンビニに行った時か?

男「……何時くらいに?」

女「ベッドを触ればわかると思うよ」

触ってみる。

めっちゃ暖かい。

うわあ、マジかよ。

こいつ何時間もここにいたのか。

11: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/01/01(土) 02:17:18.97 ID:PzEGEYLTP
女「君のにおいに包まれていたせいか、ボクは今ドキドキドキドキギトギトだよ」

なんか最後汚いな。

女「今にもいじってしまいそうだ」

どこをだ。

男「それで、何しに来た」

女「君はいつもそう言うね」

意味もなく来ちゃ悪いのかい、と。

少し怒を表している。

12: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/01/01(土) 02:20:52.13 ID:PzEGEYLTP
女「君と新年を迎えようと思って」

男「ふぅん」

女「反応が薄いね」

別に。

そんなことだろうと思ったから。

男「……じゃあ普通に言えばいいじゃないか」

女「言っても同じ反応だろう? それに、君は寝て越すだろうと思ったから」

だから待機していた、ってことか。

13: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/01/01(土) 02:25:59.17 ID:PzEGEYLTP
女「でもずっと来ないから、寂しかったなぁ」

なんだその笑顔は。

男「悪かったな」

女「でも、今こうして会えたから、ボクは嬉しいよ」

男「……」

女「ボクの予想に狂いはなかった」

15: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/01/01(土) 02:29:29.89 ID:PzEGEYLTP
男「そうだな」

寝て越そうと考えていたのもあるけれど。

俺は眠い。

男「すまんが、俺は寝る」

女「そうか」

そう言って。

俺のベッドの端に寄る。

男「……なんだよ」

女「添い寝だよ」

16: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/01/01(土) 02:36:14.33 ID:PzEGEYLTP
男「朝起きてお前の顔は見たくない」

女「ひどいことを言うね……」

男「悪いけど、帰れ」

女「補導されてしまうよ」

男「お前は一度された方がいいと思う」

女「酷いいいようだね……」

でも、微笑んでやがる。

17: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/01/01(土) 02:40:10.67 ID:PzEGEYLTP
女「わかった」

男「え?」

女「帰るよ、お休み」

男「そ、そうか」

意外だった。

正直、帰らないと思っていたから。

女「じゃあね。良いお年を」

男「おう」

21:   2011/01/01(土) 02:44:20.25 ID:PzEGEYLTP
やつはどうやら本当に帰ったらしい。

トイレに立てこもることもなく。

……いや、そんなことするやつじゃないけど。

それじゃあ寝るかな。

自分、良いお年を。






25: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/01/01(土) 02:57:24.72 ID:PzEGEYLTP
妹「明けましておめでとうなんだよ!」

男「なんだよその不人気になりそうな口調は……」

妹「ファンに怒られちゃうよ」

ああ、俺もそう思った。

妹「まぁまぁ今日はテンションあげて行きましょう!」

男「年始早々、騒々しい奴だ」

妹「ふふっ、良いダジャレだね」

意識はしてなかった。

……本当だ。

27: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/01/01(土) 03:03:15.46 ID:PzEGEYLTP
ここでいきなりのインターホン。

妹「むむ? 新年早々、インターホンが騒々しい!」

男「やめろ、恥ずかしい」

妹「ごめんねー。ちょっと出てくるよ~」

男「頼んだ」

まったく。

兄を慕わない妹だ。

28: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/01/01(土) 03:06:02.46 ID:PzEGEYLTP
妹「あ、女さん! 今出ますねー」

妹の声が漏れている。

でかい声だ。

テンションのせいかな。

それにしても、あいつか。

妹「新年明けましておめでとうございまーす」

声でけえって。

妹「……うわああ!!!」

どうした!?

30: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/01/01(土) 03:19:36.12 ID:PzEGEYLTP
妹「ちょ、ちょっと! ベイビー!」

男「なんだその呼び方は」

こいつ、一度もちゃんと俺のことを『兄』と呼んだことがない。

妹「いいから来て!」

男「ったく……一体なんだ……よ?」

女「あ、おはよう」

男「……お、おう」

そこには。

振袖姿の、やつがいた。

31: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/01/01(土) 03:26:11.54 ID:PzEGEYLTP
女「どうかな?」

ニッコリと、笑う。

男「えっと……」

妹、なにニヤニヤしてんだ。

男「……明けましておめでとう」

女「うん、明けましておめでとう」

妹、なにガクッとしてんだ。

32: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/01/01(土) 03:34:11.10 ID:PzEGEYLTP
女「ふふ……」

ニッコリと笑ってる。

妹「私も着たいなぁ……フリスク」

なんか違うぞ。

女「それは服用するものだよ」

……あれ? 微妙にかかってるのか、これ。

服用するもの……か?


33: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/01/01(土) 03:38:41.06 ID:PzEGEYLTP
男「お前も新年早々……」

女「騒々しいかい?」

……。

女「まさかこんなところで初ダジャレを言ってしまうとは……ふふ」

なんか一人でウケてる。

男「で、何しに来た?」

女「もちろん、初詣に決まっているだろう?」

34: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/01/01(土) 03:52:01.79 ID:PzEGEYLTP
まあ。

そうだろうと思ったけど。

女「暇かな?」

男「暇じゃない日の方が少ないくらいだ」

女「そうか」

妹「いいなぁ!」

男「お前もついてくればいいじゃねえか」

別にお前も、用事ないだろ。

俺よりはありそうだけど。

36: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/01/01(土) 04:12:59.51 ID:PzEGEYLTP
妹「いやいや、私はとてもとても!」

男「?」

へんなやつ。

妹「私はおせち料理作って待ってマックス!」

男「そうか」

どうやら、待ってるらしい。

なるほどな。

次回のためのアピールか。

女「それじゃあ、早速いかないか?」

どこにだよ。

新年早々 ネタか。

56: 私です。 2011/01/01(土) 13:24:05.40 ID:PzEGEYLTP
男「初詣に、行く」

女「うん」

とりあえず、ちゃんと言っておいた。

女「その服でいいのかい?」

男「何か悪いのか?」

女「うーん……寒くないかい?」

よく見ると。

俺の下は   だけだった。

妹め。

注意しろよ。

57: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/01/01(土) 13:26:16.19 ID:PzEGEYLTP
やけにスースーすると思ったら。

男「す、すまん」

女「ふふ、眼福だよ」

新年明けても、こいつは変わらないな。

男「着替えてくる」

女「もう少し待ってくれ」

なんでだ。

女「目に焼きつけるから」

すぐに俺は部屋に走った。

58: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/01/01(土) 13:30:41.20 ID:PzEGEYLTP
男「ったく……」

あいつはやはり変 だ。

男「少しはこっちのことくらい考えろ……ん?」

確認すると。

男「……わお」

  は  ていたりして。

59: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/01/01(土) 13:32:41.74 ID:PzEGEYLTP
待て待て待て。

いつから?

When?

おい、これは結構まずいぞ。

男「……あ」

思い当たる場面があった。

しかし。

認めたくない。

60: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/01/01(土) 13:37:48.15 ID:PzEGEYLTP
相当張ってやがる。

眼福……か。

畜生。

普通わかるのに。

こんな恥ずかしいことをしてしまうとは。

男「……まあ」

気にしなくてもいいだろう。

とりあえず、着替えよう。

61: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/01/01(土) 13:50:25.46 ID:PzEGEYLTP
男「待たせたな」

女「股競ったな?」

どんな競技だ。

女「ふふ、それじゃあ行こうか」

男「おう」

よかった。

パンツの話にならなかった。

62: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/01/01(土) 14:05:39.94 ID:PzEGEYLTP
男「クリスマスといいお前は服装がころころ変わるな」

女「そうかい? 行事だからだよ」

男「そうだな」

でも、俺はどっちも何も着てなかったな。

……いや、服は着てたけど。

女「ボクは君のサンタさん、見たかったなぁ」

男「今年にでも期待しとけ」

……ってあれ?

こいつ、なんで下半身見てるんだ?

64: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/01/01(土) 14:13:27.71 ID:PzEGEYLTP
ああ。

そっちのサンタか。

女「ふふ、今年か……遠いね」

ここは。

スルーだな。

男「この近くに初詣できる場所あったか?」

女「神社があるよ」

男「そうか」

女「手、握っていい?」

いきなりだな。

67: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/01/01(土) 14:19:32.57 ID:PzEGEYLTP
男「なんで?」

女「握りたいから」

男「……」

恥ずかしい。

女「駄目かな?」

男「いや、別に」

切実に恥ずかしい!

68: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/01/01(土) 15:06:21.30 ID:PzEGEYLTP
女「……どうしたんだい?」

やつは俺を下から覗くように見る。

女「ふふっ、恥ずかしい?」

バレているようだ。

女「ボクだって、恥ずかしい」

でもね、と。

俺の手を掴んで、無理やり握る。

女「恥ずかしさ以上に、嬉しいんだ」

72: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/01/01(土) 18:08:33.48 ID:PzEGEYLTP
俺は。

やつの小さい手を離さないように、強く握る。

女「強いね」

嬉しそうである。

まあ。

悪くない。

75: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/01/01(土) 19:23:26.69 ID:PzEGEYLTP
女「おせち料理は、ボクもいただいていいのかな?」

男「いいんじゃないか?」

どうせ俺と妹じゃ食えないだろうし。

女「そうか、ありがとう」

……帰ればおせちが待ってるのか。

新年、初よだれ。

77: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/01/01(土) 19:27:15.42 ID:PzEGEYLTP
女「ふふ、食欲が口に出てるよ」

男「ふんっ」

女「想像力豊かだね」

そうなるな。

男「さっさと初詣に行って、家に帰りたいぜ」

女「ボクはいやだな」

Why?

78: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/01/01(土) 19:29:07.62 ID:PzEGEYLTP
男「お前……嫌いなのか!?」

好き嫌いはよくないぜ!

俺は大好きです!

というか、たいていのものは大好きです!

といいつつ、子供舌です!

女「ボクは……君と一緒にいたいから」

79: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/01/01(土) 19:43:11.16 ID:PzEGEYLTP
男「……」

女「あ、えっと……こんな理由じゃ、駄目なのかな?」

男「いや」

なんだろう。

この……ときめき……か?

うん。

今すぐに抱きしめたくなったというか、なんというか。

80: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/01/01(土) 19:47:17.74 ID:PzEGEYLTP
女「は、早く行こう」

恥ずかしがりながら、少し歩みを早めるやつ。

でも。

女「っ……」

俺たちは手を握っている。

男「ゆっくり、行こうぜ」

笑って、やつを見る。

女「ふふっ、意地悪だね」

82: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/01/01(土) 19:50:46.96 ID:PzEGEYLTP
男「お、おう……」

女「?」

なんなんだ。

今日のこいつ。

なんか、綺麗だ。

それに。

歩いてから、全然話が盛り上がらない。

83: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/01/01(土) 19:58:02.28 ID:PzEGEYLTP
女「今日は良い天気だね」

男「!? あ、ああ……」

女「ちょっと前のクリスマスとは大違いだね」

男「そ、そうだな」

まずいまずい。

なんか話ができないぞ。

84: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/01/01(土) 20:04:55.11 ID:PzEGEYLTP
女「昨日は、勝手に部屋に入って、ごめんね」

男「あ!? え、気にしてない気にしてない!」

女「そうだったのかい? なら、良かった」

ニッコリと笑うだけで。

ドキドキしてる。

女「ん……」

男「ど、どうした?」

女「ちょっと……手、強すぎるかな」

苦笑いしている。

85: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/01/01(土) 20:14:25.46 ID:PzEGEYLTP
なんか、俺汗凄いんだけど。

女「? 汗凄いよ?」

男「ああ、大丈夫だ」

女「ボクが厚着をすすめたからかな?」

男「いや、そんなことないよ」

さすがにパンツ一丁は無理だったし。

女「……よいしょっと」

男「!!」

やつは。

俺の汗を、手持ちのハンカチで拭った。

女「大丈夫?」

やばい、死にそう。

101: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/01/02(日) 01:06:25.33 ID:/HMuQpVHP
女「なんか、顔赤いよ?」

なんだ。

なんなんだ!?

頼むから。

 ネタを言え。

 ネタを言って、俺を呆れさせてくれ。

女「熱は……」

おでこを当てるなぁぁぁぁぁ!!!

102: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/01/02(日) 01:11:42.03 ID:/HMuQpVHP
男「や、やめろ!」

女「あっ……ごめん」

謝り方まで。

やつは可憐だった。

女「今日は、酷いことしてばっかりだね。新しい年なのに……」

シュンとなるやつ。

やばい、なんでこんなにドキドキしてるんだ!?

103: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/01/02(日) 01:13:53.59 ID:/HMuQpVHP
男「いや、あの……だな」

このままでは。

思春期真っ盛りボーイなんてあだ名がついちまう。

女「?」

男「……なんでもない」

可愛い。

一言、今日のこいつは。

可愛い。

105: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/01/02(日) 01:16:44.81 ID:/HMuQpVHP
女「ふふ、おかしい」

男「え?」

女「なんだか、今日の君は、おかしい」

いや。

お前に言われたくない。

男「そうでもねえよ」

女「寝起きだからかな? ふふっ」

106: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/01/02(日) 01:20:00.45 ID:/HMuQpVHP
男「……」

ああ、もう。

結局、こいつにはやられっぱなしだ。

女「でも、もうすこし話をしてくれないと、悲しいかな」

男「……すまん」

女「謝ることじゃないよ。全然」

その言葉のやつは。

どこか、寂しげだった。

108: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/01/02(日) 01:26:18.46 ID:/HMuQpVHP
男「……くそ」

調子が狂う。

いつも狂わされてるけど。

今日のは全然違うぞ。

女「あ」

男「!?」

女「人が増えてきたね」

そうか、もう神社の近くなのか。

109: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/01/02(日) 01:30:22.22 ID:/HMuQpVHP
女「離れないように」

やつの手の力が強くなる。

女「ギュッと、握っててね」

ダメだ。

今日のこいつは。

俺の中で一番デレデレしてやがる。

なんだろう。

こいつはツンデレではないけど。

あえて言うなら、シモデレって感じ。

110: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/01/02(日) 01:42:10.68 ID:/HMuQpVHP
男「本当に増えてきたな」

女「大分混んでるね」

こりゃあ本当に離れちまうかも……?

女「おっと……」

男「凄いな……」

女「うん、困ったね」

とりあえず、参拝はしたい。

111: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/01/02(日) 01:54:44.89 ID:/HMuQpVHP
女「振袖は動きづらいなぁ」

男「大丈夫か?」

女「うん、平気……あっ」

男「!」

よろけたやつを、俺が助ける。

女「あっ……」

男「……」

凄い密着。

男「だ、大丈夫か?」

女「うん、大丈夫」

胸の鼓動が、太鼓の達人の鬼みたいだ。

148: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/01/02(日) 18:50:17.41 ID:/HMuQpVHP
男「怪我するなよ」

女「君のおかげで大丈夫だったよ、ありがとう」

男「お……おう」

女「手だけじゃ不安だね」

男「そ、そうか?」

女「だから……腕……いい?」

俺はどうしたらいい?

149: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/01/02(日) 18:53:44.79 ID:/HMuQpVHP
男「い、いいぞ」

女「ありがとう」

こんなことが。

俺に起きていいのか!?

リア充という言葉は。

俺にはきっと来ないと思っていたのに。

どうなっていやがる。

150: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/01/02(日) 18:57:50.03 ID:/HMuQpVHP
女「ふふっ」

男「どうした?」

女「初日から、腕を組めるなんて」

幸先がいい、と。

ニッコリと笑う。

三次元に使えるとは思わなかったが。

俺、萌えてる。

悶えてる。

152:  2011/01/02(日) 19:26:35.10 ID:/HMuQpVHP
男「お、お前今日おかしい」

聞いてみるしかない。

女「え?」

男「な、なんか、変だぞ」

女「変かな?」

なんでここで。

戸惑った顔をする。

いつものお前なら。

笑ってるはずだ。

154: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/01/02(日) 19:34:37.11 ID:/HMuQpVHP
 しいかい? とか。

言ってくるはずなんだ。

女「ごめん、いやだった?」

うわああああああああああああ。

誰だよこいつ。

こんな可愛いやつ、知らないぞ!?

……あれ?

これでいいのか?

156: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/01/02(日) 19:50:12.16 ID:/HMuQpVHP
女「ボクのこと、嫌いになった?」

可愛い。

こんなこと言われたら。

普通うざいんだけど。

凄く、可愛い。

ごめん、今回は。

なんかキモいことばかり言ってる気がする。

157: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/01/02(日) 20:00:24.01 ID:/HMuQpVHP
男「あー……全然、そんなことない」

女「そっか、良かった」

不安そうな顔から、安心した顔に。

女「ボク、君に嫌われたら……」

うう。

守ってあげたいオーラが。

出てやがる。

158: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/01/02(日) 20:13:54.98 ID:/HMuQpVHP
俺はどうすればいい?

この不思議な気持ちを。

大きな海に投げ捨てればいいのか。

高い山の山頂で置き忘れを装えばいいのか。

そんなことは、するだけ無駄だろう。

恥ずかしいのに。

今のやつになら。

普通に、優しい接し方ができそうだ。

159: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/01/02(日) 20:26:55.53 ID:/HMuQpVHP
男「やっと辿り着いた……」

女「さ、お願いをしよう。」

そして。

願い事を、念じた。

男「……」

女「……」

このときは、俺もやつも沈黙だった。

163: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/01/02(日) 21:53:37.78 ID:/HMuQpVHP
男「……よし」

女「うん」

男「とりあえず、おみくじもするか」

女「そうだね」

これで今年の運勢を占う。

さて、どうかな。

164: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/01/02(日) 22:20:28.85 ID:/HMuQpVHP
男「……」

女「……」

お、おう……。

大凶、である。

男「……お、おい」

女「ん? ……あ、大凶のようだね」

男「お、おう」

ふふふっと。

笑う。

166: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/01/02(日) 22:57:31.37 ID:/HMuQpVHP
男「なんだよ」

何笑ってるんだ?

女「いやあ……はははっ」

やつは自分のおみくじを見せる。

女「ボクも、大凶だ」

まさかのまさかである。

167: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/01/02(日) 23:01:42.96 ID:/HMuQpVHP
女「ふふっ、一緒だね」

男「そうだな」

女「嬉しくない?」

男「いや」

今の俺なら、言える。

男「嬉しいよ」

女「ふふっ、そうか」

ああ……気持ち悪い。

自分が自分じゃないみたいだ。

168: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/01/02(日) 23:06:27.86 ID:/HMuQpVHP
女「じゃあ、結ぼうか」

男「おう」

女「ボクたちの、縁をね」

ああ、そうだな。

男「おう」

女「利き手と逆の手でね」

もちろん。

169: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/01/02(日) 23:12:08.61 ID:/HMuQpVHP
男「ここ空いてるな……よしっ」

結構高いところだけど、まあいいか。

女「……」

男「どうした? あそこ空いてるぞ」

女「……」

男「そこはお前じゃ無理だ」

女「君と、一緒の、とこがいい」

背伸びして、頑張ってる。

171: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/01/02(日) 23:18:38.64 ID:/HMuQpVHP
男「……」

女「おっと、手助けは無用! ボクがやるんだ」

男「あんまり無茶するなよ」

女「うん」

背伸びをして、ヨロリヨロリとしている。

危なっかしいなぁ。

172: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/01/02(日) 23:23:05.64 ID:/HMuQpVHP
振袖姿で。

一生懸命だ。

男「……見てられん」

女「うう……」

でも。

俺はもう少しだけ待ってみる。

175: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/01/02(日) 23:27:58.57 ID:/HMuQpVHP
そして。

女「……助けて」

男「……おい」

やっとか。

2時間経ってるぞ。

男「どうすりゃいい?」

女「肩車してくれないか?」

……お前。

振袖でそれは……お前……。

176: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/01/02(日) 23:31:52.53 ID:/HMuQpVHP
俺は即座に、やつのおみくじを奪った。

女「!」

そして、結ぼうとする。

女「だ、ダメ!」

男「ええい、肩車なんてできるか!」

俺が結んだほうが一番楽だ!

女「お願い、やめて……」

俺の手は、停止した。

178: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/01/02(日) 23:40:49.24 ID:/HMuQpVHP
……今日のやつは。

愛しい。

男「わかったよ……ただし、おんぶだ!」

女「うんっ」

元気にスマイル。

ああ、可愛いっ、可愛いっ!

179: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/01/02(日) 23:48:25.74 ID:/HMuQpVHP
落ち着け、落ち着くんだボーイ。

女「お、落とさないでね?」

もちろんですとも!

男「ほら、どうだ?」

女「うん、良い感じ……よいしょ」

人は、結構少なくなっていた。

女「うん、できた」

216: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/01/03(月) 21:13:05.64 ID:P8zCRkKZP
男「よし、降ろすぞ」

女「うん、ありがとう」

ふう。

空いたベンチに座る。

男「はぁ……」

女「ごめんね、長く待たせて」

217: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/01/03(月) 21:16:51.48 ID:P8zCRkKZP
男「ああ、いいよ」

女「本当に?」

男「今日のお前……なんか、可愛いから」

女「え?」

男「いや、普通に」

正直に、気持ちを言えることができるようになってる。

221: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/01/03(月) 21:23:40.34 ID:P8zCRkKZP
女「可愛い……?」

男「お、おう」

女「そうか……ふむ」

なぜか、訝しげにしている。

男「どうしたんだ?」

女「なるほど……ね」

いやな笑み。

222: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/01/03(月) 21:25:39.81 ID:P8zCRkKZP
女「君は、ああいう女の子が好きなんだね」

男「ど、どういう……」

女「ふふっ」

そう言って。

女「ごめんね、ボクは君を騙していた」

男「え?」

女「ふふっ、可愛いって言ってくれてありがとう」

225:   2011/01/03(月) 21:36:05.32 ID:P8zCRkKZP
男「……?」

女「ふふっ、相当驚いてるね」

男「ど、どういうことだ……?」

女「だから」

顔を近づける。

女「ボクの異変には、気づいていただろう?」

男「ま、まあ……」

なんか、可愛いっつーか、なんつーか。

226: ◆O/RL35ibIk 2011/01/03(月) 21:39:14.37 ID:P8zCRkKZP
女「だから、それはボクの演技だ」

男「」

そんな。

そんなバカな。

あの赤面も。

あの毒気のない笑顔も。

全部!?

228: ◆O/RL35ibIk 2011/01/03(月) 21:50:18.03 ID:P8zCRkKZP
女「君の好みは優しい女の子なんだね」

男「……」

まんまと俺は。

騙されてしまったようだ。

女「ふふ、いつもだったら怒るところも、全部許してくれたしね」

死にたい。

自分が憎いぞぉ。

229: ◆O/RL35ibIk 2011/01/03(月) 21:59:23.33 ID:P8zCRkKZP
男「はぁ……」

じゃあ、あのやつは。

嘘だったのか。

男「不幸だ……」

女「新年早々、幻想をぶち殺されちゃったね」

本当に不幸だ。

231: ◆O/RL35ibIk 2011/01/03(月) 22:03:45.45 ID:P8zCRkKZP
女「ん? どうしたんだい?」

男「落ち着け……落ち着け……」

女「お、ちつ、け?」

ああああ。

いつものやつだ。

戻ってる。

 ネタが戻ってる。

女「ふう、やっとハメを外せるよ」

232: ◆O/RL35ibIk 2011/01/03(月) 22:16:12.77 ID:P8zCRkKZP
男「帰る」

女「孵るのかい?」

卵からか!?

男「悪いが俺は新年早々嫌な思いをした。帰ります」

女「そうか」

そう言って。ベンチを立ち。

トコトコと歩く。

女「……」

ついてくる。

233: ◆O/RL35ibIk 2011/01/03(月) 22:21:27.54 ID:P8zCRkKZP
男「ついてくるなよ」

女「ボクも同じ方向のところに用があるからね」

男「そうかよ」

ちょっと速く走る。

女「あっ、待って」

男「なんでだよ」

女「振袖は走れないから」

俺は走った。

234: ◆O/RL35ibIk 2011/01/03(月) 22:30:23.57 ID:P8zCRkKZP
男「ふぅ……」

結局、置いてきてしまった。

まあ、これくらいしないと。

俺の怒りは収まらん。

……ちょっと、悪いことしたかな。

男「ただいま」

妹「おかえ……り?」

男「疑問形はなんだ」

頭にとんでもないハテナが見える。

238: ◆O/RL35ibIk 2011/01/03(月) 23:08:32.97 ID:P8zCRkKZP
妹「女さんは?」

男「ああ」

あいつは。

男「置いて帰って来た」

妹「じゃあ、家には入れません、出てって~」

男「なんでだよ!?」

押すな!

239: ◆O/RL35ibIk 2011/01/03(月) 23:12:20.03 ID:P8zCRkKZP
妹「おせち料理は三人分用意しました」

男「俺が食う」

妹「突然ですが、問題です」

男「あん?」

妹「私はおせち料理を作り、何時間待っていたでしょうか」

……。

男「俺が悪かった!!」

240: ◆O/RL35ibIk 2011/01/03(月) 23:16:20.27 ID:P8zCRkKZP
妹「謝るならまず行動で表しましょう。GO!」

男「くぅ!」

俺は走った。

どこだ……どこにいる!?

女「あ」

男「!」

突然角にあらわれたやつと。

ぶつかる。

242: ◆O/RL35ibIk 2011/01/03(月) 23:19:40.45 ID:P8zCRkKZP
男「のわっ」

女「……んん」

ぶつかった後。

俺は、やつの。

  の無い胸に。

顔をうずめていた。

いや、ぶつかったが正しい表現か。

ちょっと痛かったし。

247: ◆O/RL35ibIk 2011/01/03(月) 23:31:11.35 ID:P8zCRkKZP
女「ふむ……こんなラッキー   を君が持っているとは」

どういうことだ。

こんな鉄板みたいな胸のどこが……。

あ。

なんか、尻触ってる。

男「わ、悪い!」

女「ふふ、初めて触られたよ」

俺も初めて触った。

248: ◆O/RL35ibIk 2011/01/03(月) 23:36:33.07 ID:P8zCRkKZP
男「大丈夫か?」

女「うん。お尻は大丈夫」

尻以外は痛いのかよ。

女「胸が痛んだよ、二つの意味で」

男「そうかい」

これで、家に入れる。

女「おせち料理、よばれてもいいんだよね?」

男「おう」

そうしないと中に入れない。

255: ◆O/RL35ibIk 2011/01/04(火) 01:28:16.67 ID:tdWaLjxDP
女「ふふ、妹くんが作ったものだから、楽しみだ」

男「なんだよ、俺が作ったのはダメなのか?」

女「君は作る必要が無いから、いいのさ」

男「は?」

女「ボクが作るからね」

夫婦か。

256: ◆O/RL35ibIk 2011/01/04(火) 01:31:34.30 ID:tdWaLjxDP
男「ただいま」

妹「はや!」

女「ふふっ、迷惑をかけたね」

妹「全然いいですよ!」

態度変えやがって。

女「む、妹くん、『全然』の使い方がなっていないよ」

妹「あううっ、女さんに指摘されちゃった!」

女「妹くん、指で摘まむとは……」

男「ああ、もういいからいいから」

変なことを言うのはやめろ。

257: ◆O/RL35ibIk 2011/01/04(火) 01:36:18.08 ID:tdWaLjxDP
関係無いけど。

俺が一番気になるのは。

妹の『あううっ』である。

男「とりあえず、妹が腕によりをかけて作ったおせちを頼む」

妹「あ、わかったー」

スタコラと、台所に行った。

その間に家にあがる。

女「ねえ、腕にナニをかけるんだい?」

男「縒だ」

ナニじゃねえよ。

 

260: ◆O/RL35ibIk 2011/01/04(火) 01:46:12.20 ID:tdWaLjxDP
妹「おまたせしました~」

女「おまん……」

男「う、うまそーーー!!」

あぶねぇ、なんか変なこと言いそうだったぞ。

女「感想を言わせてくれよ」

男「お前確実に違っただろうが!」

妹「ちょっと! うるさい!」

俺に言ってるのか!?

261: ◆O/RL35ibIk 2011/01/04(火) 01:49:41.77 ID:tdWaLjxDP
女「見た目も綺麗……それに、かまぼこのピンクとか」

男「これは紅白を表してるんだ」

女「知ってるよ。ボクはおま……」

男「さっさと食おうぜ!」

お腹空いたけど、そろそろ疲れてきた。

妹「もう! 女さんがなにか言おうとしてるのにうるさいなぁ!」

男「うるさい! あとでお年玉やるから!」

妹「……じゃあ、食べましょう」

切り替えが早かった。

262: ◆O/RL35ibIk 2011/01/04(火) 01:52:38.30 ID:tdWaLjxDP
くそ、現金な妹め。

ん、何笑ってやがる。

女「いやぁ……面白いね」

妹「あ、笑ってくれてる!」

妹よ、俺とやつへの反応の違いはなんだ。

男「……いただきます」

妹「いただきます!」

女「いただきます……あっ」

やつが箸をこぼした。

264: ◆O/RL35ibIk 2011/01/04(火) 01:57:34.62 ID:tdWaLjxDP
俺の、近くに。

女「ごめん、ごめん」

そう言って。

俺の  に手を持っていく。

男「あからさま過ぎるだろ!?」

女「え?」

すでに手はなく。

やつは箸を持っていた。

265: ◆O/RL35ibIk 2011/01/04(火) 02:03:03.76 ID:tdWaLjxDP
女「?」

キョトンとしつつ。

俺には見える。

やつの禍々しいオーラが。

小悪魔な笑みが。

妹「ふ、二人とも見つめあって……きゃっ」

うざい妹である。

266: ◆O/RL35ibIk 2011/01/04(火) 02:05:54.55 ID:tdWaLjxDP
女「彼の熱い視線は、ボクの大好物だからね」

妹「えー、それはないですよー」

ひどいぜ、妹。

女「そんなこと、言っちゃダメだよ」

おや。

やつが凄くムッとしてる。

女「思ってても、言っちゃダメ」

妹「ご、ごめんなさい!」

頑固な妹が素直に謝った。

309: ◆O/RL35ibIk 2011/01/04(火) 20:44:47.96 ID:tdWaLjxDP
女「ボクの大事な人なんだから」

うっ。

こんな近くで。

というか、本人のいるところで。

そんな恥ずかしいことを言うんじゃねぇ。

妹「いいなぁいいなぁ……愛されてますなぁ!」

男「めんどくさいぞ、お前」

312: ◆O/RL35ibIk 2011/01/04(火) 20:54:59.36 ID:tdWaLjxDP
妹「う、酷い!」

男「ったく」

やつは戻ったけど。

妹の掴みづらいテンションは戻らず、か。

そのあとは黙々と箸をつついた。

途中、 ネタを言いそうになるやつを止めていたけど。

……これじゃあ黙々じゃないな。

313: ◆O/RL35ibIk 2011/01/04(火) 21:10:39.50 ID:tdWaLjxDP
男「ご馳走さま」

妹「はーい、お粗末さま」

女「ボクはイヤミとチビ太が好きだな」

おそ松くんじゃねえよ。

女「手伝おうか? 妹くん」

妹「いいですよ、気にしないでください!」

男「そうだぜ、気にするな」

妹「あんたが言うな」

その通りである。

314: ◆O/RL35ibIk 2011/01/04(火) 21:18:31.55 ID:tdWaLjxDP
女「さて、と」

男「ん? なんだ」

いきなり、やつは。

ポチ袋を出した。

女「妹くんにお年玉さ」

妹「お年玉!?」

男「水滴ってるぞ。皿洗いしてからにしろ」

妹「はーい」

やれやれ。

余計なもん持ってきやがって。

315: ◆O/RL35ibIk 2011/01/04(火) 21:22:43.15 ID:tdWaLjxDP
女「君もあげるのかい?」

男「ああ、そうだな」

やらないと、あとがめんどくさい。

女「ボクには?」

男「誰がやるかよ」

女「ふふっ、そうだね」

   な本を購入した財布には痛いかもね、と。

静かにささやく。

……何故、知っている。

317: ◆O/RL35ibIk 2011/01/04(火) 21:26:49.44 ID:tdWaLjxDP
女「 欲が有り余ってるなら、ボクで発散してもいいのに」

男「……」

妹にバレたらどうするんだよ。

女「まあ、ボクのでは挟めないけれど」

皮肉そうに言った。

ああ、そうだな。

お前じゃあ、挟めない。

318: ◆O/RL35ibIk 2011/01/04(火) 21:33:00.84 ID:tdWaLjxDP
男「あのなぁ」

妹「おっとしっだま!」

がめつい妹がやってきた。

女「はい、少しだけど、ね」

妹「ありがとうございま~す! わおっ! 5000円!?」

なっ……!

男「おい、いくらなんでも奮発しすぎじゃないか!?」

女「そんなことないよ。大事な人の妹だもの」

逆に少ないくらいだ、と。

ふざけたことを言う。

319: ◆O/RL35ibIk 2011/01/04(火) 21:38:28.27 ID:tdWaLjxDP
男「……」

妹「ひゃっほう! ありがたく頂きます!」

男「……やれやれ」

俺はそう言って、立ち上がる。

女「どうしたんだい?」

男「部屋に行く」

女「じゃあボクも」

まあ、そうだろうな。

320: ◆O/RL35ibIk 2011/01/04(火) 21:42:45.80 ID:tdWaLjxDP
階段をのぼる。

やつも、のぼる(音が聞こえる)。

女「ふふっ」

部屋に入る時に、やつは笑った。

そして、後ろでドアを閉める。

嫌な予感。

女「ボクは正直、ア   がしたかった」

いきなり 猥である。

321: ◆O/RL35ibIk 2011/01/04(火) 21:44:34.24 ID:tdWaLjxDP
男「なんだよ急に……」

女「僕たちはまだ――」

なんだよ。

女「――○○と●●だ」

ストレートだな、おい。

女「頬にキス、唇同士でキスまでした。あっ、ハグもした」

男「モンハン?」

女「剥いでない」

ちょっとしたジョーク。

322: ◆O/RL35ibIk 2011/01/04(火) 21:47:54.98 ID:tdWaLjxDP
女「さらにボクなんて●●すらしたことがない」

男「俺は経験が無い」

女「●●の経験は豊富だろう?」

……否定はできない。

女「だから、ボクは……」

そう言うやつを。

俺は押し倒した。

323: ◆O/RL35ibIk 2011/01/04(火) 21:49:58.66 ID:tdWaLjxDP
女「あっ」

いきなりでビックリしたのか、反応が鈍い。

男「つまり、こういうことをしたいって、ことか?」

女「そ、そう、そう」

ゆっくり頷く。

男「ふーん」

325: バイさるに驚きを隠せない ◆O/RL35ibIk 2011/01/04(火) 22:06:51.94 ID:tdWaLjxDP
女「ボクが何故●●をしないのか、わかるかい?」

男「知らん」

知りたくもないけれど。

女「それは……自分ではなく、本当に、本当の最初は君がいいからなんだ」

凄いな。

俺、愛されてる。

男「……恥ずかしいことを平気で言うんじゃねえ!」

女「素直な言葉だ」

328: ◆O/RL35ibIk 2011/01/04(火) 22:13:58.45 ID:tdWaLjxDP
男「……」

俺の唇がやつのおでこに当たる。

女「!」

驚いてる。

女「……」

目をつぶっている。

なんだろう。

いいの……か?

330: ◆O/RL35ibIk 2011/01/04(火) 22:16:55.58 ID:tdWaLjxDP
顔は赤くて。

体温が高い。

男「……」

女「か、覚悟は……できてる!」

男「やめた」

女「ええっ!?」

男「……なんか、やだ」

女「ど、どうして……?」

うるうるしている。

331: ◆O/RL35ibIk 2011/01/04(火) 22:20:08.38 ID:tdWaLjxDP
女「もしかして、ボクのことが……」

そういうことじゃない。

なんでだろうか。

こいつは。

誘うのは上手いくせに。

いざとなると弱い。

相当な恥ずかしがり屋だし。

……あの、クリスマスの時も、である。

332: ◆O/RL35ibIk 2011/01/04(火) 22:24:56.56 ID:tdWaLjxDP
それがいやだ。

いつも通りでいてくれれば。

俺はやりやすい。

こんなときに。

さっきみたいな性格になるのが、いやだ。

女「……やはり、君は……」

ベッドの下をまさぐる。

女「胸が大きい方がいいんだね!?」

何故隠し場所を!?

333: ◆O/RL35ibIk 2011/01/04(火) 22:28:54.10 ID:tdWaLjxDP
女「どうすればこんなにも……」

なに振袖を脱ごうとしてる!?

 らだ!

男「やめろって、落ち着け!」

女「胸の大きさはすでに落ち着いている!」

そんなこと言ってない!

334: ◆O/RL35ibIk 2011/01/04(火) 22:30:54.13 ID:tdWaLjxDP
男「はぁはぁ……」

女「はぁはぁ」

振袖を脱ごうとするやつを止め。

また、さっきの押し倒したときと同じ形に。

男「……」

女「……ふふっ」

男「あん?」

女「君は、本当に意地悪だね」

337: ◆O/RL35ibIk 2011/01/04(火) 22:46:06.94 ID:tdWaLjxDP
顔は赤いが、笑っている。

女「今日は」

そう言って。

唇に、キス。

女「これで我慢しておくよ」

男「……おう」

まあ、これはこれで。

女「……お願い事、なに?」

願い事。

338: ◆O/RL35ibIk 2011/01/04(火) 22:49:50.91 ID:tdWaLjxDP
男「いつもと同じ、平凡な一日が過ごせますように」

女「ふふっ、そうか」

男「……なんだよ」

女「君らしくって、嬉しくてね」

男「そうか?」

女「うん、とっても君らしい」

男「そうかよ……お前は?」

339: ◆O/RL35ibIk 2011/01/04(火) 22:51:28.05 ID:tdWaLjxDP
女「ボクかい?」

俺だけに言わせるなんざ許さん。

女「ボクは……」

すこし目を泳がせた後。

いつも以上の笑顔で、

女「君と同じさ」

男「嘘だろ」

女「嘘じゃないよ、ほんとのことさ」

男「……けっ」

342: バイさる!バイさる! ◆O/RL35ibIk 2011/01/04(火) 23:01:08.03 ID:tdWaLjxDP
信じられないな。

でも。

男「今年も、よろしく」

女「うん、よろしくだね」

だけど、と。

女「さすがに妹くんが見ている時にこの体勢は……恥ずかしいかな」

男「!?」

妹「げっ」

344: ◆O/RL35ibIk 2011/01/04(火) 23:25:38.11 ID:tdWaLjxDP
男「妹ぉ……」

妹「ははは……ご、ごゆっくり♪」

ごゆっくりじゃねええええ!!

女「ふふ、大人の階段、のぼってみるかい?」

男「変なこと言ってんじゃねえ!!」

妹「え、遠慮しときますっ!」

猛ダッシュで。

逃げられた。

373: ◆O/RL35ibIk 2011/01/05(水) 12:29:26.08 ID:H3NDaEyBP
男「妹に変なイメージを植え付けるな!」

女「ボクが悪いのかい?」

……いや。

俺も、悪いけど。

女「ふふっ」

笑って。

もう一度、俺にキス。

374: ◆O/RL35ibIk 2011/01/05(水) 12:31:10.27 ID:H3NDaEyBP
女「今年もこんな感じで」

ニコッと笑顔で。

女「いられたらいいね」

男「……そうだな」

正月。

今年も、色々ありそうだ。

END

引用元: 女「君と新年を祝えるのはとても嬉しいよ」