1: ◆5F5enKB7wjS6 21/10/29(金)21:14:45 ID:oLV0


―――泰葉のルーム


泰葉「そろそろラジオのネタを考えようと思います!」バン


李衣菜「んぇ?」ゴロゴロ…

加蓮「……ラジオのネタぁ?」グデグデ…

泰葉「ほら起きて。もう話すネタが底を尽きかけてるんだよ?」

加蓮「んー、いちいち考えなくても私たちの人生って波乱万丈だし?」

李衣菜「真面目だなぁ。心配しなくても本番になれば蛇口捻ったみたいに会話できるよ」

加蓮「そーそー。今日も泰葉の前髪は綺麗にカーブしてますーって」

泰葉「 考 え る の 」

「「は、はい」」

2: ◆5F5enKB7wjS6 21/10/29(金)21:15:46 ID:oLV0
泰葉「こほん。それでは挙手制で行きたいと思います。いい感じに話せたらメモします」

李衣菜「うす」

加蓮「おす」

泰葉「はい」スッ

加蓮「はい泰葉さん」

泰葉「この間ね、夕飯のお買い物の帰りに猫ちゃんに出くわして」

李衣菜「ほうほう」

泰葉「わぁかわいいって思って、路地裏に歩いてったからついて行ったの」

加蓮「それどうせ迷子オチじゃないの?」

泰葉「、…………」

李衣菜「えー」

3: ◆5F5enKB7wjS6 21/10/29(金)21:16:31 ID:oLV0
泰葉「……違う。違うの。迷子じゃない。あれは迷子とは言わないからセーフだよ」

加蓮「じゃーどういうことか説明してよ?」

李衣菜「そーだそーだ」

泰葉「だって、だってね? あの子が『ついて来い』って鈴を鳴らしてね? にゃぁんと振り向いて!」

李衣菜「飼い猫かぁ。お家に帰ろうとしてたんじゃない?」

加蓮「でしょ。んで?」

泰葉「私はもう猫ちゃんまっしぐらで。もう夢中で。気づいたら行き止まりで猫ちゃんは奥の塀を越えて行きました」

加蓮「おめでとう迷子」

李衣菜「おめでとう」

4: ◆5F5enKB7wjS6 21/10/29(金)21:17:17 ID:oLV0
泰葉「迷子じゃない、決して迷子では! 私は猫ちゃんについて行っただけ、私を置いてった猫ちゃんが悪いの!」

李衣菜「罪を猫になすりつけた」

加蓮「なんで意地張ってんの?」

泰葉「だって、私はもう迷子にならない……私の前にはアイドルという未来があるから」

李衣菜「ポエム始まっちゃったよ」

加蓮「誤魔化そうとしてるじゃん」

泰葉「夕日が沈んで灯される街灯。私はそのスポットライトを浴びて一言……『ここはどこ?』」

加蓮「それはもう迷子なんだよね」

李衣菜「言い逃れできないね」

5: ◆5F5enKB7wjS6 21/10/29(金)21:17:56 ID:oLV0
泰葉「地図アプリでなんとか元の道に戻れました。あー良かった……おわり」

加蓮「泰葉が迷子になっただけの話聞いてファンのみんな喜ぶ?」

李衣菜「性懲りもなく猫についてって迷子になったっていうのはまぁ……」

泰葉「猫ちゃんアイドルが既にいるからダメかな?」

加蓮「ポエム吐き出して泰葉らしさを演出したのはいいんじゃない? そこは好きだよ」

李衣菜「確かに。私たちももう少しツッコミを多めにした方がいいかな」

泰葉「うん、ドライな感じは良かったよ」

6: ◆5F5enKB7wjS6 21/10/29(金)21:18:36 ID:oLV0
李衣菜「んー……」メモメモ

泰葉「…………」メモメモ…

加蓮「…………よし、っと」モメモメモ…


泰葉「というふうにやっていきましょう」

李衣菜「分かった!」

加蓮「収録前だとゆっくり話せないし、いいかもねこういうの」

李衣菜「そだね。あとで練り直すこともできるし」

泰葉「ね、やってよかったでしょう? それじゃあ次の人!」

7: ◆5F5enKB7wjS6 21/10/29(金)21:19:32 ID:oLV0
加蓮「はい!」スッ

李衣菜「お」

泰葉「はい元気な加蓮さん」

加蓮「よーし、じゃあね……これは私がまだ小学生だった頃の話なんだけど」

李衣菜「導入が怖い系なんだよなー」

加蓮「当時入院してた病院――もう今は潰れてしまってるけど、そのくらい古い病院でね。こんな噂があったの」

泰葉「ほ、本格的……!」

李衣菜「ごくり……!」

加蓮「『消灯時間を過ぎた第2病棟4階には幽霊が出る』。シンプルだけど、子供には強烈な話だったわけ」

加蓮「――なんたって、小児科の患者が入院する階のすぐ下が……第2病棟4階だったからね」

8: ◆5F5enKB7wjS6 21/10/29(金)21:20:22 ID:oLV0
泰葉「……!」プルプル

李衣菜「…………!!」プルプル

加蓮「早い早い。ていうかラジオじゃ耳塞いでるの分かんないし。オチは別に怖くないから普通に相槌入れてよ」

李衣菜「そ、そうなの?」

加蓮「うん、結構しょうもないオチ。あ、ちゃんと怖い話の体で進めるけどね」

泰葉「ならここで加蓮が『耳塞がないでちゃんと聞いてよ』ってちょっと和ませる感じでいこう?」

加蓮「おっけ、じゃ続きね。で……幽霊とかおばけに興味津々な子もいるわけ。『こっそり見に行こうぜ』、なんて言っちゃう元気な子もいてさ」

9: ◆5F5enKB7wjS6 21/10/29(金)21:21:04 ID:oLV0
泰葉「ふふ、入院してるのに?」

加蓮「そうそう、入院してるのにね♪ わんぱくな男の子だったなー」

李衣菜「加蓮はどうだったの? 一緒に見に行った?」

加蓮「興味はあったけど見には行かなかったよ。おばけよりも怖ーいナースさんがいたし」

李衣菜「そりゃ怖いね~♪」

加蓮「だからね、行ったのはその子だけだったんだ。『幽霊捕まえてやる!』って消灯後にこっそり抜け出して……暗ーい階段を降りてって……」

李衣菜「おお……」

泰葉「勇気がある……!」

加蓮「――最初に異変が起きたのは階段を降りきる直前だった……ガタンッ!! って大きな音が響いたんだって」

10: ◆5F5enKB7wjS6 21/10/29(金)21:21:53 ID:oLV0
李衣菜「っ!!」ビクッ

泰葉「きゅ、急に大きな声出さないで……!」

加蓮「そりゃもう飛び跳ねたって。声も出そうになったけどなんとか堪えて……震える足で音の鳴った方、待合室に向かったの」

李衣菜「普通に怖くなってきた……!?」

加蓮「ふふん、ノッてきた♪ 誰も居ないはずなんだよ……ナースステーションも反対方向でみんな寝静まってるのに。しかも何かを引きずる音まで聞こえだして……!」

泰葉「!!!」ギュゥ

李衣菜「痛い痛いそんな手ぇ握らないで泰葉!」

11: ◆5F5enKB7wjS6 21/10/29(金)21:22:46 ID:oLV0
加蓮「ついに待合室まで辿り着いた男の子はね……見ちゃったの」

李衣菜「……!!」

加蓮「暗闇にぼんやりと浮かび上がる――」

泰葉「…………ッ!!」


加蓮「甘いココアを飲みながら寛ぐおじいさんをね!」


李衣菜「えっ?」

泰葉「えっ??」

加蓮「っていうオチ~♪ 甘いものを控えろって言われてたけど我慢できなくて、大きな音はココアを自販機で買った音で、引きずってたのは足だったんだってさ♪」

12: ◆5F5enKB7wjS6 21/10/29(金)21:23:31 ID:oLV0
李衣菜「うん、まぁ……怖くないね確かに」

泰葉「本当にしょうもない……」

加蓮「だから言ったでしょ~♪ 2人とも本気で怖がっててウケる~!」ケラケラ

泰葉「そ、それで? よくある話だとここから何かおかしなことが起きたりするものだよ!」カァ

加蓮「あはは、顔赤いし♪ んー、特になかったんじゃない? もう昔のことだし私も細かいこと覚えてないんだよね」

李衣菜「インパクトはあったよね。オチが分かってないとやっぱり怖いよ」

13: ◆5F5enKB7wjS6 21/10/29(金)21:24:24 ID:oLV0
加蓮「じゃあひと捻り盛っとく?」

泰葉「うーん……そうだね。怖い話かと思ったらがっかりしちゃう人もいるかもしれないし」

李衣菜「……あ、最後のおじいさんの反応は? ここでおかしなところを言わせたら不気味じゃないかな?」

加蓮「不気味ねー……ゾクッとくる感じ?」

李衣菜「うんうん、そう」

泰葉「……おじいさんが『黙っといてくれる代わりに君たちにもジュースを奢ろう』、って言ったことにする?」

14: ◆5F5enKB7wjS6 21/10/29(金)21:25:07 ID:oLV0
李衣菜「? 変なところ無い気がするけど…………え、あっ」

加蓮「あ! 泰葉天才! 男の子1人だったもん!」

李衣菜「それだー!」

泰葉「ふふっ♪ 加蓮が何の気も無しに言ってオチにすればいい感じになりそうだよね」

加蓮「任せて♪ くだらないオチだったことに呆れる2人を笑いながら~っと」メモメモ

泰葉「私たちももっと怖がるリアクションを取らないとね……」メモメモ

李衣菜「泰葉本気でビビってたと思うけどいたたたた抓んないで」メモメモ

15: ◆5F5enKB7wjS6 21/10/29(金)21:25:47 ID:oLV0
加蓮「はい、これで私の話は終わりね。次は李衣菜!」

李衣菜「えっ。挙手制じゃなかったの?」

泰葉「ここまで来たら、ね?」

加蓮「ねー。李衣菜もひとつやふたつ面白い話あるでしょ?」

李衣菜「う、うーん。そんな面白くないかもだけど……」

加蓮「お、あるんじゃん♪」

泰葉「聞かせて聞かせて♪」

李衣菜「こないだの話なんだけど、吸血鬼に会ったんだよ」

加蓮「…………」

泰葉「…………」

「「は???」」

16: ◆5F5enKB7wjS6 21/10/29(金)21:26:36 ID:oLV0
李衣菜「ちょ、そんな目で見ないで! 2人も知ってるでしょ、最近SNSでそういう都市伝説が流行ってるの!」

泰葉「それは知ってるけど……」

加蓮「あれでしょ、満月の夜に赤いマントを纏った金髪の……ってやつ。アンタ信じてるの?」

李衣菜「も、もちろん信じてなかったけどさ。その元ネタ? っぽい人に会ったというか、遊ばれたというか……」

泰葉「色んな意味で気になる……。話してみて」

李衣菜「うん。これはレッスンが終わったあと帰ろうとして、駅前の通りを歩いてた時だったんだけど」

加蓮「ふーん」

李衣菜「ネイルいじってないで聞いて??」

17: ◆5F5enKB7wjS6 21/10/29(金)21:27:19 ID:oLV0
加蓮「聞いてるって。興味ないフリ♪」

泰葉「無関心もアクセントだね」

李衣菜「うぅ、これラジオで話すんだよね……リスナーのみんなにも呆れられそう」

加蓮「大丈夫、滑稽なのが面白いから!」

李衣菜「滑稽!?」

泰葉「まぁまぁ、とりあえず話を進めて李衣菜♪」クスクス

李衣菜「もー……。んん、で……歩いてたら、視界の端に金色が映ったんだよ。もう夜8時くらいで暗かったのにすごく目立ってさ、足を止めちゃって」

加蓮「……うんうん、それで?」

泰葉「興味出てきたね、加蓮」

18: ◆5F5enKB7wjS6 21/10/29(金)21:28:21 ID:oLV0
李衣菜「目で追っても人混みの中をするするーって抜けてって、なんか妙に惹かれちゃってさ……」

泰葉「もしかして追いかけちゃったの?」

李衣菜「い、一瞬私の方を振り向いた気がして。それでにこって笑いかけられて、つい」

加蓮「それって顔見たってこと?」

李衣菜「うん、女の人だったんだよっ。透き通った白い肌に赤い瞳で長い金髪でさ、真っ赤なカーディガンを羽織ってたんだ」

加蓮「……そんな絵に描いたような人いるぅ? 確かに吸血鬼っぽいけど」

泰葉「赤いマントじゃなくてカーディガンだったんだね」

19: ◆5F5enKB7wjS6 21/10/29(金)21:29:04 ID:oLV0
李衣菜「そう……ほんと綺麗だったんだよ。月明かりに金髪がキラキラ反射して……」ウットリ

泰葉「李衣菜が見惚れるほどだなんて……」

加蓮「よっぽど美人だったわけね。ほら続き」ペシ

李衣菜「はっ!? あ、ごめんごめん……それでついてったらいつの間にか路地裏に入ってたんだよね」

加蓮「は?」

泰葉「ただでさえ暗いのに??」

李衣菜「い、いや明かりはあったよっ? 怖い人とかいなかったし、すぐ元の通りに戻れるように――」

泰葉「もっと危機意識を持って!」

加蓮「なんかあってからじゃ遅いでしょ!」

20: ◆5F5enKB7wjS6 21/10/29(金)21:29:46 ID:oLV0
李衣菜「ひぃすいませんっ!」

加蓮「ったくもう。どうする泰葉、アレンジしとく?」

泰葉「うん。というか私のネタと被ってるし、気づいたら駅前の公園に誘われてたってことにしましょう」

加蓮「じゃそれで。いい?」

李衣菜「は、はい……」

泰葉「で、その李衣菜を『公園に』誘い込んだ女の人はどうしてたの?」

李衣菜「え、えっとね……正直覚えてない、かも。見惚れてたのもあるけど、頭に靄がかかったみたいになってて」

21: ◆5F5enKB7wjS6 21/10/29(金)21:30:38 ID:oLV0
泰葉「…………」ジトー

加蓮「…………」シラーッ

李衣菜「ほんとなんだってば! うーんうーん……あの時たしか……あ、満月をバックに佇んでて……」

加蓮「……想像するとすごく絵になるけども」

李衣菜「うん、なんだか本当に絵画みたいだったよ。それで……そうだ、唇に人差し指を当てて『またね♪』って。気づいたら私、駅の改札にいたんだよ」

泰葉「……以上、李衣菜が公園で居眠りしてたってお話でした」

加蓮「わーつまんなーい。ボツだね」

李衣菜「私だってわけ分かんなかったんだよー! 信じてー!」

22: ◆5F5enKB7wjS6 21/10/29(金)21:31:22 ID:oLV0
泰葉「百歩譲って信じるとして、ちょっとオチが弱いよ。もっと血を吸われたとか眷属になっちゃったとか……」

李衣菜「そっちのが信じられなくない!?」

加蓮「李衣菜ってば女の吸血鬼に襲われたってことじゃん。えっちじゃん」

李衣菜「どこがぁ!?」

泰葉「最近の時流に乗れてていいね、このオチ♪」

加蓮「人たらしの李衣菜と人を支配する吸血鬼は惹かれ合って、くんずほぐれつ……!」

李衣菜「ちがーーーう!!」

23: ◆5F5enKB7wjS6 21/10/29(金)21:32:19 ID:oLV0
泰葉「じゃあそんな感じで♪」メモメモ

加蓮「おっけー♪」メモメモ

李衣菜「うぅ、私だけ身を切りすぎてないかな……」メモメモ…

加蓮「大丈夫大丈夫、誰も信じないって♪」

李衣菜「不思議な人と出会ったのはほんとなのにぃ……」

泰葉「ふふ。李衣菜がそんなウソつくわけないし、私は信じるよ? 世の中不思議なことがいっぱいだから」

加蓮「まぁね。噂じゃ本物のサンタもアイドルやってるって聞くし」

24: ◆5F5enKB7wjS6 21/10/29(金)21:33:13 ID:oLV0
李衣菜「そ、そういうフォローちゃんとしてね? 世の中不思議だね、で終わらせようよっ」

加蓮「はいはい、任せて♪」

泰葉「ハロウィンも近いし悪くないネタだったね。ふう、これで次の収録は大丈夫そう」

加蓮「ん、いい感じに練れたんじゃない?」

李衣菜「どうする? まだネタ出しする?」

泰葉「とりあえずこのくらいかな。あんまり一度にたくさんネタを作るとPさんに確認してもらう時に負担になっちゃうから」

加蓮「あ、それもそうだね。前に私たちでいっぱい企画考えてったらPさん大変そうだったし」

李衣菜「だったらさっきの吸血鬼と私がくんずほぐれつっていうのを弾いてほしいんだけど」

25: ◆5F5enKB7wjS6 21/10/29(金)21:34:20 ID:oLV0
泰葉「それは私が何としてでも押し通すから大丈夫♪」

加蓮「ふふっ、泰葉ってば頼りになる~♪」

李衣菜「私ウソはダメだと思う!」

泰葉「ウソじゃなくて脚色って言うんだよ? 多少の誇張はエンターテイメントのカギなんだから!」フンス

加蓮「私泰葉センパイに一生ついてくね!」キラキラ

李衣菜「こんなのロックじゃなーいっ!」ウワーン


―――

――




P(そんなこともありつつ、3人が持ってきたネタは問題なく放送され、リスナーにも好評を得たようだ。めでたしめでたし)

26: ◆5F5enKB7wjS6 21/10/29(金)21:35:12 ID:oLV0


―――とあるお屋敷


「~~♪」


泰葉『――本日もそろそろお別れのお時間です。李衣菜のお話、皆さんも楽しめました?』

加蓮『リスナーのみんなも何か不思議な出来事があったら、私たちに教えてね♪』

李衣菜『吸血鬼っぽい金髪美人の目撃情報、待ってます! 泰葉も加蓮も、スタッフさんまでニヤニヤしてて絶対信じてないよー!』

『『信じてる信じてる~♪』』

李衣菜『もう! また来週っ!』


「――あは♪ 吸血鬼っぽい金髪美人、かぁ」

「…………お嬢さま、もしや」

27: ◆5F5enKB7wjS6 21/10/29(金)21:36:17 ID:oLV0
「偶然だよ、偶然。リーナちゃんみたいな可愛い娘を誑かすなんて許せないなぁ♪」

「戯れが過ぎますよ。突然アイドルのラジオを聴こうと言い出したのはこういうことでしたか」

「どう、面白かったでしょ? 最近のお気に入りなの、このアイドルさんたち」

「……悪くは、ありませんでしたが。以前、私のクラスメイトの方もこのアイドルグループについて話していたような」

「! 千夜ちゃんも好きになった? アイドルっ」

「お嬢さまがご興味を示されたのでしたら、私も聴取を続けてみましょう」

「うんっ。一緒に、好きになろう?」

「お嬢さまのお心のままに」


―――

――


28: ◆5F5enKB7wjS6 21/10/29(金)21:37:19 ID:oLV0


李衣菜『――続いて、ラジオネーム「真っ赤なカーディガン」さんからのメール。……あれ?』

加蓮『真っ赤なカーディガン? ってどこかで聞いたような??』

泰葉『もしかしてこの間李衣菜が話した吸血鬼……!?』

加蓮『いやありえなくない!? まさかの本人!?』

李衣菜『よ、読むね。「李衣菜ちゃん、お久しぶり♪ また満月の夜に会いたいね♪」本人だーーー!!』

『『ウソーーー!?』』


「あは、採用されちゃった♪」

「お嬢さまはメール職人の才能までお持ちなのですね」

「ふふふっ♪ 楽しいねっ」

「……ふふ」



(――この小さくか細い縁が、いつかこの子にとって新しい『幸せ』になることを祈って)



李衣菜『続き読むよっ。えっと、「私には大切な子がいて――」』



おわり

引用元: モバP「だりやすかれんのネタ合わせ」