1: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/05/20(水) 18:12:16.10 ID:+GVAzL+x0
提督(横須賀鎮守府に着任してから二年)

提督(色々と苦労もあったけれど、それを乗り越えることで)

提督(艦娘たちとの絆は深まっていった)

提督(今では、結婚指輪を交わした艦娘までいて――)

提督(こうして物思いに耽っていると、愛しい気持ちがこみ上げてくる)

提督(ああ、嫁といちゃいちゃしたい。愛し、愛され、同じ時間を過ごしたい)

提督(……大規模作戦が終わって、少し、時間ができた)

提督(誰かに声をかけてみるか?)

※安価スレ

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1432113126

77: ◆/M4YO9t8Ts 2015/05/20(水) 19:06:32.82 ID:+GVAzL+x0
提督「――よし、彼女に声をかけよう」

提督(思えば、最近、二人の時間を過ごしていなかった)

提督(ゆっくりするにはいい機会だ)

提督(早速、呼び出してみるか……)

どの艦種の

>>80

誰を呼ぶ?

>>90

80: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/05/20(水) 19:07:33.28 ID:boimORG3O
軽巡

90: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/05/20(水) 19:10:28.43 ID:gwo2nU7jO
能代

100: ◆/M4YO9t8Ts 2015/05/20(水) 19:16:20.99 ID:+GVAzL+x0
提督(そうだな、能代を呼ぼう)

提督(彼女には第二水雷戦隊旗艦として、よく働いてもらっている)

提督(慰労の意味も兼ね、たまには良くしなければ)

提督(……さて、どうしたものだろうか)

提督(時間はある。使う当てのない給金も貯まっている)

提督(能代と何をしようか?)

>>105

105: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/05/20(水) 19:18:28.12 ID:sbfuif2HO
間宮で飯食う

107: ◆/M4YO9t8Ts 2015/05/20(水) 19:22:00.50 ID:+GVAzL+x0
能代「はい提督! 能代をお呼びですか?」

提督「ああ、いや。そのように畏まらなくていい」

提督「出撃とか任務とか、そういう話ではないのだ」

能代「はあ」キョトン

提督「実はだな、能代も頑張っていることだし……」

提督「間宮で食事でもどうかと思ってな」

能代「ええっ!?」

109: ◆/M4YO9t8Ts 2015/05/20(水) 19:25:07.13 ID:+GVAzL+x0
能代「えと、それは、阿賀野ねえとかといっしょに、ということですか?」

提督「いや、そういうことではない」

提督「能代と二人で食べたいんだ」

能代「えっ? え、ええ!?」

能代「え、と……その……」

提督「嫌か?」

能代「いえ! そんなことは!」

能代「……わ、分かりました」

能代「行きましょう、間宮に!」

112: ◆/M4YO9t8Ts 2015/05/20(水) 19:30:11.86 ID:+GVAzL+x0
~甘味処間宮~

間宮「あら、珍しいですね」

間宮「提督が艦娘と二人でいらっしゃるなんて……」

間宮「もしかしてデートですか?」ウフフ

能代「ち、ちがいます!」

提督「デートのつもりだったんだが……」

能代「そうなんですかっ!?」

提督「そうだ」

113: ◆/M4YO9t8Ts 2015/05/20(水) 19:33:12.71 ID:+GVAzL+x0
能代「あ、あれ? あれ? でも……」

提督「入り口を塞ぐのはよくない。さあ、座ろう」

能代「あっ、はい……」

間宮「それでは、お茶をお持ちしますね」

提督「ああ、頼む」

能代「えええ……!?」

114: ◆/M4YO9t8Ts 2015/05/20(水) 19:36:50.04 ID:+GVAzL+x0
~十分後~

提督「と、いうわけで、たまには嫁との時間を過ごそうと思ってな」

提督「こうして、能代を誘ってみたというわけだ」

能代「ああ、そうだったんですか……」

能代「唐突だったので、驚きました」

提督「すまない」

能代「でも、確かにこうして過ごすのは久しぶりですね」

能代「提督と二人、パフェとお茶を楽しめるなんて……」

115: ◆/M4YO9t8Ts 2015/05/20(水) 19:40:24.23 ID:+GVAzL+x0
能代「阿賀野ねえには悪い気もしますけど、私も提督のお嫁さんですものね!」

能代「たまには、こんなのも悪くないと思います」

提督「ああ、そうだな」

能代「パフェも美味しいし……」モグモグ

提督「む、能代。頬にクリームがついている」

提督「取ってやろう」ズイッ

能代「えっ」

116: ◆/M4YO9t8Ts 2015/05/20(水) 19:43:12.75 ID:+GVAzL+x0
提督「ふふっ、まるで子どもみたいだな」ズイッ

能代「あわわわわ……!?」

能代(提督の手と顔が、近くに……!?)ドキドキ



<ラブラブナノデス!

<フタリハオトナノキスヲスルノネ!

<コラッ、ミチャダメヨ!

能代「――はっ!?」

117: ◆/M4YO9t8Ts 2015/05/20(水) 19:46:56.69 ID:+GVAzL+x0
能代「わわわ私ったら、こんなところでなんて姿を――っ!?」カァァ

能代「て、提督! すみません! 失礼します!」バッ

タタタタタタ……。

提督「……」

提督「行ってしまった」

<ヤレヤレ

118: ◆/M4YO9t8Ts 2015/05/20(水) 19:50:53.07 ID:+GVAzL+x0
提督(ふむ、まあ、途中までは喜んでもらえたようでよしとしよう)

提督(私も能代の可愛い姿が見られて満足だ)

提督(この調子で嫁を親睦を深めよう)

提督(――さて、次は誰を呼び出そうか)

艦種は?(軽巡以外)

>>123

123: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/05/20(水) 19:57:22.23 ID:Fdjc10ZQO
軽空母

124: ◆/M4YO9t8Ts 2015/05/20(水) 19:59:07.76 ID:+GVAzL+x0
軽空母の誰?

>>126

126: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/05/20(水) 19:59:32.84 ID:AqYyK/XNO
隼鷹

129: ◆/M4YO9t8Ts 2015/05/20(水) 20:04:00.15 ID:+GVAzL+x0
提督(そうだ、隼鷹などどうだろう?)

提督(普段は飲兵衛だが、いざという時は頼りになる)

提督(BARで他の艦娘の相談に乗っているのもよく見かける)

提督(自分を卑下することもある子だが――)

提督(酔っ払いなだけじゃない。彼女の優しさを、私はよく知っている)

提督(そんな隼鷹と、私は――)

>>132

何をする?

132: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/05/20(水) 20:05:47.37 ID:Qzc4Rab4O
愛を語る

137: ◆/M4YO9t8Ts 2015/05/20(水) 20:14:46.04 ID:+GVAzL+x0
~夜 BARにて~

隼鷹「かーっ、しみるねぇ!」

隼鷹「出撃後の一杯は格別だな、っと」ヒック

提督の執務室は、夜間、BARへと変わる。

棚には酒が並び、ジュークボックスからは穏やかな音楽が流れ、

そして、窓に面したカウンターからは、鎮守府の夜景が一望できる。

隼鷹「大規模作戦も終わったし、これでようやくゆっくり飲めるよ~」グイグイ

バーテンダーを務める早霜は、隼鷹の言葉に薄く笑う。

何かにつけて酒を飲む隼鷹の、酒量が減ったことなどないのだが――。

それを指摘するほど早霜も野暮ではない。

彼女もまた、大規模作戦の勝利と、つかの間の平和に浸っていた。

140: ◆/M4YO9t8Ts 2015/05/20(水) 20:21:15.02 ID:+GVAzL+x0
隼鷹「マスター、あれ出してよ、あれ」

ビールでのどを潤して、日本酒をちろりと舐める。

いつもの流れの通りに、早霜はそっととっくりを取り出して、乾き物と共にカウンターの上に載せた。

隼鷹「いや~、いいねえ。梅雨は酒が美味いねぇ」

これもまた、一年を通して聞ける言葉だ。

陽気な酒飲みの慣用句に、早霜はまた、薄く微笑んで――。

提督「……ふっ」

いつからそこに座っていたのだろうか。

テーブル席に一人座った提督は、カラン、とグラスを鳴らし、二度、小さく笑った。

142: ◆/M4YO9t8Ts 2015/05/20(水) 20:29:09.13 ID:+GVAzL+x0
隼鷹「なんだよ、提督~。いたなら言えよ~」カラカラ

とっくりと杯を手にしたまま、隼鷹はふらふらとテーブルに近づき、提督の隣へと腰を下ろした。

BARに来る前にも飲んでいたのだろう。すっかり出来上がっている彼女は、のどもとまでも桜色に染まっている。

提督「随分と楽しんでいるみたいじゃないか」

隼鷹「そりゃそうさ。峠を越えたんだからさぁ」

隼鷹「祝い酒でも飲みたくなるってもんだよ」アハハ

ウィスキーグラスと杯を軽く合わせ、二人はぐいと酒をあおる。

ケッコンする前から何度も飲んだ仲だ。今さら、言葉など必要なものか。

147: ◆/M4YO9t8Ts 2015/05/20(水) 20:35:41.77 ID:+GVAzL+x0
それでも、声に出したいことはある。

酒精に浸って寄り添って、囁きたい時もある。

提督「隼鷹」

隼鷹「ん?」

提督「愛しているぞ」

目を合わせ、真っ直ぐな気持ちをぶつけて――。

日頃は朴念仁だ、石部金吉だと言われている提督の愛の言葉。

艦娘によっては、どれほど嬉しい言葉だろうか――だが、隼鷹にとってはそうではない。

隼鷹「悪酔いしてんの?」キョトン

提督「む……」

149: ◆/M4YO9t8Ts 2015/05/20(水) 20:41:51.54 ID:+GVAzL+x0
隼鷹「まあ、私も好きだけどねー」

隼鷹「愛してるよ、提督ってな。ほらほら、キスしてやるよー」グイグイ

提督「むむ……」

提督(もう少ししっとりと愛を語りたかったのだが……)

提督(いや、これも隼鷹らしさか)フッ

気風のいい隼鷹は、湿っぽい場面など似合わない。

それを知っていたからこそ、早霜は退室することもしなかったが――。

気を利かせて、ただただ、静かにグラスを磨いていた。

151: ◆/M4YO9t8Ts 2015/05/20(水) 20:46:24.26 ID:+GVAzL+x0
~翌日~

提督(――いい夜だった)

提督(やはり、隼鷹とは楽しく酒が飲めるな)

提督(恋人のようであり、友人のようであり、少し手のかかる兄妹のようであり――)

提督(気がつけば、他の艦娘とは違う変わった関係になっていたな)フッ

提督(さて、と)

提督(幸いなことに、今日も時間が空いている)

提督(誰かを誘うべきだろうか……?)

艦種は?

>>155

160: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/05/20(水) 20:50:59.90 ID:HP5gVgIfO
瑞鶴

161: ◆/M4YO9t8Ts 2015/05/20(水) 20:54:46.83 ID:+GVAzL+x0
提督(そういえば、瑞鶴としばらく話をしていないような)

提督(翔鶴にべったりで、いつも二人でいるから、仕方ないとはいえ――)

提督(たまには二人で過ごしたいものだな)ウンウン

提督(さて、そうと決まれば、早速呼び出してみるか)

提督(それから、瑞鶴と――)

何をする?

>>165

165: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/05/20(水) 20:58:33.53 ID:abd8FwykO
一緒に七面鳥食う

168: ◆/M4YO9t8Ts 2015/05/20(水) 21:03:48.69 ID:+GVAzL+x0
~艦娘寮 廊下~

提督「ああ、瑞鶴。ここにいたのか?」

瑞鶴「なに、提督さん? 何かご用?」

提督「用と言えば用だが……」

提督「瑞鶴。夜は時間が空いているか?」

瑞鶴「空いてるけど……?」キョトン

提督「なら――」

提督「ヒトロクマルマル、私の部屋に来てほしい」

瑞鶴「えっ、それって……?」ポッ

169: ◆/M4YO9t8Ts 2015/05/20(水) 21:08:49.78 ID:+GVAzL+x0
提督「ああ、深い意味じゃない」

提督「たまには二人で食事でもどうかと思ってな」

提督「久々に、料理の腕を振るおうかと」

瑞鶴「な、なんだ……」

瑞鶴(ホッとしたような、残念なような……)

瑞鶴「でも、いいですよ。ヒトロクマルマルですね?」

瑞鶴「提督の手料理、楽しみにしてます」ニコッ

170: ◆/M4YO9t8Ts 2015/05/20(水) 21:10:57.05 ID:+GVAzL+x0
提督「それでは、また後でな」

瑞鶴「はいっ」

スタスタスタスタ……。

瑞鶴「……」

瑞鶴「って、あれ!? 二人っきり!? 提督の部屋で!?」

瑞鶴「深い意味の方と、大して変わらないじゃないのよぉ~……!?」アワアワ

171: ◆/M4YO9t8Ts 2015/05/20(水) 21:13:11.08 ID:+GVAzL+x0
~夜 提督の私室~

瑞鶴「ほ、本日はお招きに預かり……」

提督「どうした、瑞鶴。顔が赤いぞ?」

提督「熱でもあるのか?」ピトッ

瑞鶴「いえいえいえ! お気遣いなく!!」

瑞鶴(うう、結局、一人で来たけど……)

瑞鶴(大丈夫かなぁ?)チラッ

174: ◆/M4YO9t8Ts 2015/05/20(水) 21:15:33.00 ID:+GVAzL+x0
提督「それでは、メインの肉料理を運んでこよう」

提督「瑞鶴は座って待っていてくれ」

瑞鶴「あ、はいっ」

瑞鶴(……大丈夫、よね?)

瑞鶴(もしそうなっても……歯は磨いてきたし)

瑞鶴(あ~、提督はどういうつもりなのかなぁ~)ソワソワ

175: ◆/M4YO9t8Ts 2015/05/20(水) 21:18:21.50 ID:+GVAzL+x0
提督「さあ、これが自慢の逸品だ」

提督「瑞鶴にはぜひ味わってもらいたい」

瑞鶴「わあ、大きい!」

瑞鶴「匂いも香ばしいし……中身はなに?」ワクワク

提督「ああ、これはな」ニコッ

提督「七面鳥の丸焼きだ」カパッ

瑞鶴「」

176: ◆/M4YO9t8Ts 2015/05/20(水) 21:19:49.32 ID:+GVAzL+x0
瑞鶴「いやいやいや……」

瑞鶴「え?」

瑞鶴「なに、嫌がらせ?」

瑞鶴「ええ~~~……?」

瑞鶴「ないわぁ~……これはないわぁ~……」ズーン

提督「ず、瑞鶴?」

177: ◆/M4YO9t8Ts 2015/05/20(水) 21:23:05.61 ID:+GVAzL+x0
提督「どうせなら瑞鶴の好きなものを、と思って……」

提督「これを用意したのだが……」

瑞鶴「どこをどう間違えたらそうなるのよ!」

瑞鶴「七面鳥ですって!? 冗談じゃないわ!!」

提督「……もしかして」

提督「七面鳥は、嫌い、だったか?」

瑞鶴「もしかしなくてもそうよ!」バンッ

178: ◆/M4YO9t8Ts 2015/05/20(水) 21:26:02.85 ID:+GVAzL+x0
提督「す、すまない」

提督「私は何か、誤解をしていたようだ……」

提督「怒らせるようなことをして、すまなかった……」シュン

瑞鶴(あっ……)

瑞鶴(提督のこんな顔、始めて見た……)

瑞鶴(……ちょっと言い過ぎたかも)

瑞鶴(…………)

180: ◆/M4YO9t8Ts 2015/05/20(水) 21:28:58.86 ID:+GVAzL+x0
提督「悪かった。これはすぐに下げよう」スッ

瑞鶴「ま、待って」

提督「?」

瑞鶴「せっかく作ってくれたんだし……」

瑞鶴「食べるわ。うん。私、食べる」

提督「……本当か?」

提督「無理はしなくていいんだぞ?」

182: ◆/M4YO9t8Ts 2015/05/20(水) 21:33:14.34 ID:+GVAzL+x0
瑞鶴「元々、七面鳥自体が嫌いってわけでもなかったしね」

瑞鶴「過去をいつまでも引きずっててもよくないし……」

瑞鶴「そ、それに、加賀さんに『提督さんの手料理を食べた』って自慢もしたいしね!」フ、フン

提督「瑞鶴……」

提督「それでは、食べようか」

提督「なるべく美味しそうなところを取り分けるからな」

瑞鶴「ええ、そうしてちょうだい」

183: ◆/M4YO9t8Ts 2015/05/20(水) 21:36:01.26 ID:+GVAzL+x0
瑞鶴「む~……」

瑞鶴「……えいっ!」パクッ

瑞鶴「……」ムグ ムグ

提督「……どうだ?」

瑞鶴「まずくはない……っていうか、結構いける……」

瑞鶴「あれ? これ、美味しくない?」パクパク

提督「そうか、よかった」ホッ

提督「たくさんあるからな。遠慮なく食べてくれ」

瑞鶴「うんっ!」ムシャムシャ

184: ◆/M4YO9t8Ts 2015/05/20(水) 21:41:12.40 ID:+GVAzL+x0
~翌日~

提督(いやはや、昨日は焦った)

提督(まさか瑞鶴が七面鳥が苦手だったとはな)

提督(七面鳥の話題になると瑞鶴の名が挙がるから、てっきり好物なのかと……)

提督(しかし、禍転じて福となす、というやつだな)

提督(結果的に楽しく食事ができてよかった……)

提督(さて、と)

提督(時間に余裕があるのは、今日で最後か)

提督(誰と共に過ごそう……?)

※ラスト

艦種は?(軽巡、軽母、正母以外で)

>>187

193: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/05/20(水) 21:45:14.54 ID:euC3ngEZO
prinz

197: ◆/M4YO9t8Ts 2015/05/20(水) 21:52:25.16 ID:+GVAzL+x0
提督(……そういえば、プリンツ・オイゲンが横須賀鎮守府に来て、もう半年が経つのか)

提督(ドイツ生まれの高性能な艦娘。あっという間に練度を上げた若き天才)

提督(それだけではない。あの人懐っこい性格は誰からも愛されて――)

提督(私も、気がつけばケッコンを申し込んでいたものだ)

提督(思えば随分と惚れ込んだものだ)フッ

提督(ただ、それを言葉や形にしていなかったように思う)

提督(その償いというわけではないが、私は彼女と――)

何をする?

>>200

200: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/05/20(水) 21:56:32.35 ID:d5X0yKZCO
チェスやろう

203: ◆/M4YO9t8Ts 2015/05/20(水) 21:59:59.45 ID:+GVAzL+x0
~夜 提督の私室~

提督「……」カッ

プリンツ「……」トン

提督「……」カッ

プリンツ「……」トン

提督「……」カッ

プリンツ「……」トン

204: ◆/M4YO9t8Ts 2015/05/20(水) 22:06:44.33 ID:+GVAzL+x0
――チェスとは。

実に深遠なる盤上遊戯(テーブルゲーム)である。

6種16個の駒を操り、敵のキングを追い詰めていく。

ただそれだけの過程に、様々な戦略があり、策謀があり、また、ドラマがある。

とあるチェスプレイヤーはこう言った。

チェスとは、一つの小世界だと。

駒はプレイヤーの分身。その動きは、プレイヤーの精神。

それを小さな盤上でぶつけ合うことで、人はゲームの勝敗だけではなく、優劣、価値観、技術、あらゆるものを競っているのだと――。

205: ◆/M4YO9t8Ts 2015/05/20(水) 22:09:11.39 ID:+GVAzL+x0
プリンツ「って、なんで!?」

提督「……ん?」

提督「何がだ?」

プリンツ「何がって……」

プリンツ「お風呂上り、もういい時間……」

プリンツ「Admiralさんの部屋に来て、二人きりで……」

プリンツ「チェス」

プリンツ「なんで!?」

206: ◆/M4YO9t8Ts 2015/05/20(水) 22:12:01.85 ID:+GVAzL+x0
提督「なんでと言われてもな……」

提督「梅雨の辺りから秋にかけて、風呂上りに将棋をさすのは日本の風物詩でな」

プリンツ「これチェスだよ!?」

提督「海外の艦娘にとっては、こちらの方が馴染みやすいだろう、と」

プリンツ「ううう……会話ができていないような気がする」

209: ◆/M4YO9t8Ts 2015/05/20(水) 22:15:05.48 ID:+GVAzL+x0
プリンツ「そもそも、Admiralさんはどう思ってるの?」

プリンツ「私たち、ケッコンしてるんですよね?」

プリンツ「夜更けに部屋に呼びつけて……」

プリンツ「本当は、何をするつもりだったの?」チラッ

提督「チェスを」

プリンツ「んんんんん!!!!」ジタバタ

210: ◆/M4YO9t8Ts 2015/05/20(水) 22:17:33.13 ID:+GVAzL+x0
プリンツ(はぁ、私って魅力がないのかなぁ)

プリンツ(そりゃあ、ビスマルク姉さまに比べたらあちこち劣るけど……)

プリンツ(指輪までくれたんだもん。Admiralさんも、少しは私のことが好きなのかなって……)

プリンツ(思ってたのに……)ドヨーン

提督「……その、だな」

プリンツ「……?」

211: ◆/M4YO9t8Ts 2015/05/20(水) 22:20:06.92 ID:+GVAzL+x0
提督「お前にケッコン指輪を送ったのは、戦力増強の思惑が大きかった」

提督「あの頃はとにかく戦備増強を急いでいたからな」

提督「とにかく、高性能な艦娘とケッコンカッコカリをしようと……」

プリンツ「やっぱり……」ドヨーン

プリンツ(はぁ……)

提督「――だが、今は違う」

プリンツ「……え?」

212: ◆/M4YO9t8Ts 2015/05/20(水) 22:22:18.95 ID:+GVAzL+x0
提督「プリンツ・オイゲンという強力な艦娘よりも」

提督「今、目の前にいる個人が、私は大事になっている」

プリンツ「それって……」

提督「こんなことを言うと提督失格なのだがな」

提督「たとえ艦娘としての性能がなくても」

提督「プリンツ。私は、お前が好きだ」

プリンツ「Admiralさん……」

213: ◆/M4YO9t8Ts 2015/05/20(水) 22:25:06.55 ID:+GVAzL+x0
提督「だが、私たちは知り合ってまだ日も浅い」

提督「ケッコンカッコカリをした者同士だが――」

提督「まずはチェスでもして、親睦を深めようと思ったのだ」

プリンツ「そうだったの……」

提督「指輪を交換して、お互いを知るなど、順序が逆になったがな」ハハハ

プリンツ「ううん、そんなことないです!」

214: ◆/M4YO9t8Ts 2015/05/20(水) 22:27:22.67 ID:+GVAzL+x0
プリンツ「もっと私のことを知ってもらいたい!」

プリンツ「もっとAdmiralさんのことが知りたい!」

プリンツ「だから、もっと、もっと、仲良くなろう……?」ススス

提督「……ああ」

提督「プリンツ。では、手始めに――」

プリンツ「Admiralさん……」ウットリ





提督「チェスを続けよう」

プリンツ「だからなんで!?」ガクッ

215: ◆/M4YO9t8Ts 2015/05/20(水) 22:31:24.89 ID:+GVAzL+x0
提督「一度始めた勝負はきっちり終わらせないとな」カッ

プリンツ「ううう……」トン

提督「ほう、プリンツはそう攻めるのか」

提督「やはり、親睦を深めてこそ分かることがあるのだな」カッ

プリンツ「何かが……何かが間違っている気がする……」トン

――チェスとは。

濃厚なコミュニケーションだと、人は言う。

時に言葉を交わす以上に、多くのことを読み取れることもあるが――。

提督「チェック。さあ、お前の番だ」カッ

プリンツ「うう、ううう……!」トン

彼らもそうであるかは、定かではない――。

216: ◆/M4YO9t8Ts 2015/05/20(水) 22:34:10.83 ID:+GVAzL+x0
~???~

??「ケッコンした連中ばっかりずるい!」

??「私も、提督といちゃいちゃしたいです……」

??「あわよくば、そのまましっぽりと……」

??「……」

??「こうなったら、手段は選べませんね」

??「多少、強引にでも提督の寵愛を――!」










じゃーんけーん、ぽん!

218: ◆/M4YO9t8Ts 2015/05/20(水) 22:38:17.60 ID:+GVAzL+x0
~翌日~

提督(……ふむ)

提督(不思議と心が穏やかだ)

提督(満ち足りている……そんな気がする)

提督(女を抱いたわけでもないのに、こう、胸の奥が温かいような……)

提督(ふむ……)

219: ◆/M4YO9t8Ts 2015/05/20(水) 22:44:30.37 ID:+GVAzL+x0
提督「さて、そろそろ仕事を切り上げるか」

提督「疲れを明日に引きずってはいかんからな」

提督「……ん?」

提督「デ   『●これ!』……?」

提督「なぜ、このようなものが書類に紛れ込んでいるのだ?」

提督「鎮守府の風紀もなっとらんな」フン









このチラシを――

捨てる? 捨てない?

>>215

228: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/05/20(水) 22:48:57.67 ID:q5x1z+hjO
捨てない

233: ◆/M4YO9t8Ts 2015/05/20(水) 22:53:06.25 ID:+GVAzL+x0
~チラシを捨てないルート~

提督(……考えてみれば)

提督(もう何週間も女を抱いていないわけだ)

提督(それを意識すると、急に 欲が……)

提督(……そうだな)

提督(わざわざ捨てることもない)

提督(このチラシは……)

提督(部屋に持って帰ろう……)





~BAD ENDへ~
 

236: ◆/M4YO9t8Ts 2015/05/20(水) 22:55:42.44 ID:+GVAzL+x0
~???~

??「……ダメ」

??「もう少しだったのに……」

??「……提督、そっちに行っちゃダメ」

??「戻ってきて……」

??「えーい!」

グルーン!!

237: ◆/M4YO9t8Ts 2015/05/20(水) 22:56:45.79 ID:+GVAzL+x0
~分岐点~

提督(……ふむ)

提督(不思議と心が穏やかだ)

提督(満ち足りている……そんな気がする)

提督(女を抱いたわけでもないのに、こう、胸の奥が温かいような……)

提督(ふむ……)

240: ◆/M4YO9t8Ts 2015/05/20(水) 22:58:25.84 ID:+GVAzL+x0
提督「さて、そろそろ仕事を切り上げるか」

提督「疲れを明日に引きずってはいかんからな」

提督「……ん?」

提督「デ   『●これ!』……?」

提督「なぜ、このようなものが書類に紛れ込んでいるのだ?」

提督「鎮守府の風紀もなっとらんな」フン









このチラシを――

捨てる? 捨てない?

>>242

242: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/05/20(水) 22:59:07.20 ID:lAGrLE4AO
捨てないに決まってんだろ

248: ◆/M4YO9t8Ts 2015/05/20(水) 23:00:44.43 ID:+GVAzL+x0
~チラシを捨てないルート~

提督(……考えてみれば)

提督(もう何週間も女を抱いていないわけだ)

提督(それを意識すると、急に 欲が……)

提督(……そうだな)

提督(わざわざ捨てることもない)

提督(このチラシは……)

提督(部屋に持って帰ろう……)



提督(………………)

提督(誰かの声がしたような……)

提督(………………)

スタスタ



~BAD ENDへ~
 

252: ◆/M4YO9t8Ts 2015/05/20(水) 23:03:15.76 ID:+GVAzL+x0
~???~

??「……ダメ」

??「何度羅針盤を回しても……」

??「……提督が、遠くに行っちゃう……」

??「お願い、戻ってきて……」ポロポロ

??「……えーい!」

グルーン!!

254: ◆/M4YO9t8Ts 2015/05/20(水) 23:05:03.25 ID:+GVAzL+x0
~分岐点~

提督(……)

提督(…………)

提督(…………鈴谷?)

提督(今、鈴谷がそばにいたような……)

提督(…………疲れているのか?)

262: ◆/M4YO9t8Ts 2015/05/20(水) 23:08:59.99 ID:+GVAzL+x0
提督「もう仕事を切り上げて寝よう」

提督「疲れを明日に引きずっては……いかんからな」

提督「……ん?」

提督「デ   『●これ!』……?」

提督「……このチラシ」

提督「どこかで……」

提督「………………」









このチラシを――

捨てる? 捨てない?

>>266

266: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/05/20(水) 23:09:44.35 ID:HLdp3DNao
捨てる

274: ◆/M4YO9t8Ts 2015/05/20(水) 23:12:51.52 ID:+GVAzL+x0
提督「……」

提督「……捨てよう」

提督「よく分からないが、これは良くないもののような気がする」

提督「道を踏み外してしまいそうな……」

クシャクシャ

ポイッ

提督「……」

提督「……よし」

提督「さて、寝ようか……」スタスタ

278: ◆/M4YO9t8Ts 2015/05/20(水) 23:18:46.00 ID:+GVAzL+x0
~翌朝~

提督「……よく寝た」

提督(ずっと寝ていたような……)

提督(それにしては、まだマルマルロクマルか)

提督(奇妙な感覚だ……)

提督(まあ、顔でも洗ってすっきりするか)

279: ◆/M4YO9t8Ts 2015/05/20(水) 23:23:01.25 ID:+GVAzL+x0
~鎮守府 廊下~

羅針盤娘「……」フヨフヨ

提督「むっ、あれは……」

提督「羅針盤担当の妖精さん」

提督「こんなところで会うのは珍しいな……」

提督「おはよう」

羅針盤娘「……」ピタッ

281: ◆/M4YO9t8Ts 2015/05/20(水) 23:25:18.17 ID:+GVAzL+x0
羅針盤娘「……」ジー

提督「……?」

羅針盤娘「おはようございます」ニコッ

羅針盤娘「……」ペコリ

羅針盤娘「……」フヨフヨ

提督「……」

提督「何だ? 今の間は……?」

287: ◆/M4YO9t8Ts 2015/05/20(水) 23:32:55.42 ID:+GVAzL+x0
提督「まあ、いい」

提督「今日もすることがたくさんあるんだ」バシャバシャ

提督「ふう……早く着替えて、朝食をとるか」

提督「今日も一日、任務が立て込んでいるからな……」

スタスタスタ……。



羅針盤娘「……」

羅針盤娘「……」ニコッ



~END~

引用元: 提督「嫁といちゃいちゃしよう」