1: 名無しで叶える物語(しまむら) 2021/11/13(土) 22:14:05.36 ID:LFNytLWN
「誕生日おめでとう!!」

璃奈「そっか、もう誕生日なんだ…私」

璃奈「…ありがとう」

メモに小さくお礼を言って家を出る。

璃奈「うう…寒い…」

誕生日だからといって特別何かが起こるわけじゃない。

璃奈「行ってきます」




.

2: 名無しで叶える物語(しまむら) 2021/11/13(土) 22:14:39.21 ID:LFNytLWN
———

——

浅希「あ、あの璃奈!」

璃奈「あ、浅希ちゃん、おはよう」

浅希「うん、おはよう!」

浅希「そして……」

浅希「誕生日おめでとう!!」

璃奈「私の誕生日知ってたの?ありがとう」

浅希「うん!」

浅希「それでさ…ちょっと渡したいものがあるんだけど、いい?」

璃奈「渡したいもの?わたし、落とし物とかしちゃったっけ」

浅希「ううん!そういうのじゃないよ」

4: 名無しで叶える物語(しまむら) 2021/11/13(土) 22:15:13.54 ID:LFNytLWN
浅希「えーっと…///」

浅希「はい!誕生日プレゼント!///」

璃奈「私に?」

浅希「うん!」

璃奈「ほんとうに?」

浅希「うん!」

璃奈「嬉しい…ありがとう」 

璃奈「開けていい?」

浅希「もちろん!」

璃奈「うわぁ…!」

浅希「璃奈に似合うかなっておもって作ってきたんだけど…」

5: 名無しで叶える物語(しまむら) 2021/11/13(土) 22:15:34.03 ID:LFNytLWN
璃奈「作ってきてくれたの?」

浅希「うん///でも初めての編み物だから型崩れしてるかも…」

璃奈「ううん、すっごくうれしいしとってもかわいい!」

璃奈「巻いてみていい?」

浅希「うん!」

璃奈「すごい…あたたかい…」

璃奈「本当にありがとう、大切にするね」

璃奈「でもどういうお返しをすればいいかわからない」

6: 名無しで叶える物語(しまむら) 2021/11/13(土) 22:15:49.64 ID:LFNytLWN
浅希「お返しなんかいらないよ!」

浅希「璃奈が喜んでくれるのが私の一番のお返しだから」

璃奈「うぅ…//『てれてれ』」

浅希「喜んでもらえてよかったよ♪」

キーンコーンカーンコーン

浅希「今日は一緒にお昼食べたいな」

璃奈「うん、私も食べたい!」

私のために手作りまでしてくれたんだ…。私なんかのために…。

ありがとう。ずっと大切にするね。

7: 名無しで叶える物語(しまむら) 2021/11/13(土) 22:16:29.85 ID:LFNytLWN
———

——

キーンコーンカーンコーン

いつも通り授業が終わる。

よく考えたら私以外の人にとってはただの日常。

そう考えると浅希ちゃんのプレゼントは本当にうれしかった。

私にとっての特別な日を、まさか家族以外から祝ってもらえるなんて思ってもいなかった。

同好会の人たちには祝ってもらえるかな。

ああ。だめだめ。変に期待しちゃっても迷惑だよね。

8: 名無しで叶える物語(しまむら) 2021/11/13(土) 22:16:52.73 ID:LFNytLWN
ピロン

侑(今日はレインボー公園に集合でいいかな?)

愛(おっけー!)

かすみ(はーい)

せつ菜(生徒会の活動があるので少しだけ遅れますね)

彼方(遥ちゃんのところに行ってくるね~)

エマ(果林ちゃんと私は衣装取ってくるね!)

しずく(わかりました!)

そう。ただの11月13日。

璃奈「浅希ちゃん」

浅希「どうしたの?」

璃奈「本当にありがとう」

だからこそ、浅希ちゃんの優しさには本当に感謝したい。

ありがとう。

11: 名無しで叶える物語(しまむら) 2021/11/13(土) 22:17:21.58 ID:LFNytLWN
———

——

侑「まずはストレッチからでいいかな?」

かすみ「はーい」

愛「りなりー!アタシとやろっ!」

璃奈「うん」

愛「じゃあ息吸って~」

璃奈「すぅーー…」

愛「吐いて~」

璃奈「はぁーー…」 

愛「おー!!過去最高じゃない?!」

璃奈「うん。自分でもこんなに柔らかくなるとは思わなかった」

私がこんなに成長できるとは思わなかった。

…全部は愛さんが仲良くなってくれたおかげ。

スクールアイドルになれたもの、愛さんといたから。

12: 名無しで叶える物語(しまむら) 2021/11/13(土) 22:17:39.43 ID:LFNytLWN
璃奈「愛さん」

愛「ん?どしたの?」

璃奈「本当にありがとう」

愛「え!急にどうしたの//」

璃奈「この同好会に入れたのも、せつ菜さんのライブを観れたのも、今がこんなに幸せなのも、全部愛さんのおかげだから」

愛「ちょっとはずかしいな///」

愛「愛さんもりなりーと仲良くなれて超幸せだぞ~!」ムギュー‼︎

みんなにとっては普通の日かもしれないけど、私がみんなを笑顔にする。

日頃の感謝のために、ここまで楽しく過ごせたことにお礼をするために、今日の私と同じくらいみんなをハッピーにしたい。

今日はそんな一日にしたい。

13: 名無しで叶える物語(しまむら) 2021/11/13(土) 22:18:19.45 ID:LFNytLWN
———

——

璃奈「はぁ…はぁ…」

侑「りなちゃーん!あと一息~!」

璃奈「はぁ…はぁ…!」

侑「…ストップ!」

侑「すごーい!タイム更新だよ璃奈ちゃん!」

璃奈「はぁ…はぁ…ほんとに?」

侑「うんうん!ほら見て!前回より2秒も更新してる!!」

璃奈「本当だ…」

歩夢「さすがだね!はい、スポーツドリンク」

璃奈「ありがとう」

14: 名無しで叶える物語(しまむら) 2021/11/13(土) 22:18:39.76 ID:LFNytLWN
璃奈「侑さんたちが励ましてくれなかったらこんなに早くならなかった」

璃奈「本当にありがとう」

侑「ううん、璃奈ちゃんが頑張ってみんなに追いつこうって努力した結果だよ」

璃奈「でも私一人だけじゃここまで努力できなかった」

璃奈「侑さんがストップウォッチで測ってくれたりしたから頑張れた」

璃奈「ありがとう」

侑「…どういたしまして」ニコッ

侑「でもここがゴールじゃないよね」

璃奈「うん。もっと頑張る!」

侑「じゃあもっといいタイムが出るまでそのありがとうはお預けでいい?」

璃奈「それでも」

璃奈「それでも…ありがとう」

侑「璃奈ちゃん…」

侑「うん!どういたしまして!」

15: 名無しで叶える物語(しまむら) 2021/11/13(土) 22:19:24.40 ID:LFNytLWN
———

──

せつ菜「お待たせしました!!」

侑「なんとかなった?」

せつ菜「はい!たくさんの数の部活動が協力してくれました!」

侑「よかった~!」

せつ菜「私もストレッチしてから合流するので少し待ってくださいね!」

璃奈「あの、せつ菜さん」

せつ菜「はい、どうかされました?」

璃奈「ストレッチ、手伝う」

せつ菜「ほんとですか?ありがとうございます!!」

せつ菜「ではちょう座体前屈からでよろしいでしょうか?」

璃奈「その前に…」

璃奈「せつ菜さんにお礼が言いたい」

16: 名無しで叶える物語(しまむら) 2021/11/13(土) 22:19:42.41 ID:LFNytLWN
せつ菜「私にですか?」

璃奈「せつ菜さんが私にくれたものがとっても大きいから」

璃奈「あの屋上のライブで私の世界に色がついたから」

璃奈「音楽で、スクールアイドルでみんなと繋がれることを教えてくれたから」

せつ菜「それを言いに来るために私に付き合ってくれたのですか?」

璃奈「うん」

せつ菜「ふふ…ありがとうございます」

せつ菜「でも繋がることを教える側に璃奈さんがなれたことを忘れないでくださいね?」

せつ菜「璃奈さんがいつか、誰かに希望を与えられるように願ってます」

せつ菜「もしそれができたら、私もあそこでライブをしてよかったって思えます」

璃奈「私は、あの時のせつ菜さんになれるかもしれないってこと…?」

せつ菜「はい!そのためにもっともっと練習しましょうね!約束です!」

せつ菜「二人で希望を与えられるヒーローになりましょう!!!」

璃奈「…うん!」

私は言葉しか持ってないから、それを最大限使ってみんなにお礼がしたい。

みんなが笑顔になれるって本当に幸せ。

17: 名無しで叶える物語(しまむら) 2021/11/13(土) 22:20:49.27 ID:LFNytLWN
———

——

歩夢「今日は全然疲れてないのかな?」

璃奈「うん、今日はすっごく元気」

歩夢「そっか、それはよかったよ」

璃奈「…ねえ歩夢さん」

歩夢「どうしたの?」

璃奈「いきなり変なとこ言うけど、私…」

璃奈「私、歩夢さんがずっと羨ましかった」

18: 名無しで叶える物語(しまむら) 2021/11/13(土) 22:21:10.09 ID:LFNytLWN
歩夢「えぇ?!///私のことが?!」

璃奈「うん」

璃奈「ずっとそばにいてくれる親友がいて、とっても表情が可愛くて、わたしに持ってないものをたくさん持ってて…」

璃奈「ジョイポリで今日子ちゃんが歩夢さんに会ってすごく喜んでたのも、もしそれが私だったらな、って思ってた」

璃奈「…すこしだけ嫉妬してたと思う」

歩夢「どうしてそのことを今日言おうと思ったの?」

璃奈「…歩夢さんと同好会で仲良くなれて、もっとつながりたいって思ったから」

璃奈「本当の気持ちを言えばもっと仲良くなれるかなって」

歩夢「…そっか」

璃奈「…ごめんなさい。やっぱり迷惑かな」

歩夢「ううん、そんなことないよ」

歩夢「璃奈ちゃんの気持ち、教えてくれてありがとう」

歩夢「それだけ璃奈ちゃんが私のことを信頼してくれてるって思うと、すごくうれしい!」

歩夢「じゃあ私も本当の気持ち、いっていい?」

璃奈「…うん」

歩夢「璃奈ちゃんのこと、大好きだよ」

歩夢「これからもよろしくね!」

璃奈「うん!」

みんなをハッピーにするつもりが、私の方がどんどんハッピーになっていく気がする…。

19: 名無しで叶える物語(しまむら) 2021/11/13(土) 22:21:42.13 ID:LFNytLWN
———

——

侑「よし!じゃあこれが最後のメニューだね!」

かすみ「そろそろですね!」

璃奈「もう?」

まだ、全然ありがとうを伝えられてない。

しずく「暗くもなってきましたし、これからどんどん冷え込みますからね」

璃奈「…やだ」

しずく「え?」

璃奈「いやだ!」

21: 名無しで叶える物語(しまむら) 2021/11/13(土) 22:21:59.44 ID:LFNytLWN
璃奈「もっとやりたい!」

璃奈「夏だったらもっと暗くなってからでもやってた!」

璃奈「私はもっとここにいたい!」

ふいに家のリビングが脳裏によみがえる。

誰もいない空間。『誕生日おめでとう』とだけ書かれたメモ。

まだ日常に戻りたくない。もう少しだけここにいたい。

璃奈「ほんの少しでいいから…おねがい…」

侑「…ごめんね、もう練習はできないよ」

璃奈「…わかった」

璃奈「ごめんなさい、わがままを言っちゃって」

愛「うん、練習は終わりだね」

しずく「練習は、ね?」

かすみ「かすみんボード『拘束』!」

璃奈「え、ええ?!」

22: 名無しで叶える物語(しまむら) 2021/11/13(土) 22:22:21.40 ID:LFNytLWN
——

——

遠くからざわざわと人の声が聞こえてくる。

かすみ「もうちょっとだよ~」

しずく「私の手、しっかり握っててね?」

「あ!きた!」

「しー!」

さっきまでざわついていたあたりがシン、と静まり返る。

かすみ「ついたよ!」

かすみ「かすみんボード『拘束』かいじょー!」

璃奈「うぅ…ここ…?!」

白いペンライトを持った人たちがたくさん…。

そしてその人たちが一本の道をつくって、温かい拍手を響かせてくれる。

23: 名無しで叶える物語(しまむら) 2021/11/13(土) 22:22:40.72 ID:LFNytLWN
かすみ「ほら、りな子専用の特等席用意したんだよ?」

かすみ「一緒にいこ?」

しずく「三人で一緒にね!」

璃奈「私のために…?」

かすみ「かすみんたちが忘れるわけないでしょ~?」

璃奈「こんなに人がいるのも…?」

かすみ「それはね…」

浅希「璃奈~!」

璃奈「浅希ちゃん!」

璃奈「どうしてこんなに人がいるの?」

浅希「生徒会が放課後いきなり『ニジガク特別ライブFor天王寺璃奈』っていうライブやるって放送してみんなが集まってきたんだって!」

24: 名無しで叶える物語(しまむら) 2021/11/13(土) 22:23:03.02 ID:LFNytLWN
璃奈「この装飾も私のために…?」

しずく「うん!演劇部だったりバスケ部だったりいろんな部活の人たちが協力してくれたの」

しずく「あの大きいロボットも光る部分が璃奈さんのイメージカラーになってるよ!」

璃奈「すごい…こんなところまで…」

しずく「ぜんぶ璃奈さんのためにね」

侑「皆さんこんばんは!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会のマネージャー、高咲侑です!」

侑「本日は『ニジガク特別ライブFor天王寺璃奈』にお越しいただき、本当にありがとうございます!」

侑「今日はニジガクスクールアイドルの素敵なパフォーマンスを天王寺璃奈ちゃんと一緒に楽しんでください!!」

かすみ「じゃあかすみんたちは用意してくるね」

しずく「みんなと一緒に楽しんでね!」

侑「今回のライブではスペシャルゲストとして、東雲学院の近江遥さんにお越しいただきました!」

遥「こんばんは!東雲学院の近江遥です!」

遥「このような素敵な催しに参加できたこと、本当に嬉しく思っています!」

遥「そして天王寺璃奈さん!お誕生日おめでとうございます!」

遥「今宵のライブ、是非楽しんでいってくださいね!」

学校の外からも私のことを祝福してくれるなんて…。去年の誕生日からは想像もつかなくて頭がパンクしそう。

浅希「はい、璃奈」

璃奈「ペンライト?」

浅希「一緒に楽しもう!」

璃奈「…もちろん!」

25: 名無しで叶える物語(しまむら) 2021/11/13(土) 22:23:32.32 ID:LFNytLWN
———

——

DIVE!

せつ菜「トップバッターは私です!遠回りでもいいんです!一緒にヒーローになりましょう!!!!」

Dream With You

歩夢「私の夢も璃奈ちゃんの夢も、一緒に叶えられますように!」

Solitude Rain

しずく「璃奈さんの迷いも不安も全部、私が、私たちが抱きしめてあげます」

La Bella Patria

エマ「璃奈ちゃん、私と新しいステージで一緒に踊ろうね!」

Butterfly

「どんな雨の日でも、璃奈ちゃんなら飛び越えられるはずだよ」

Poppin' UP!

かすみ「りな子の可愛さ、世界中に届きますよーに!」

VIVID WORLD

果林「璃奈ちゃんと一緒なら、この世界ももっと色とりどりになると思うわ!さあ、盛り上がる準備はいいかしら?」

サイコーハート

愛「りなりー!!これからも楽しいこと一緒に始めようねーーー!!!」

あっという間に時間が過ぎていく。

幸せ、っていう言葉だけじゃ足らないくらい幸せ。

26: 名無しで叶える物語(しまむら) 2021/11/13(土) 22:23:56.27 ID:LFNytLWN
侑「今日は璃奈ちゃんと一緒に盛り上がってくれて、本当にありがとうございました!」

侑「それでは最後の曲です」

侑「璃奈ちゃんが限りない夢を抱えて走り出せるように」

侑「そんな璃奈ちゃんの姿に世界が微笑みますように」

侑「『夢がここからはじまるよ』」

瞬間、大きいロボットと同好会のみんなが立っている階段がが虹色に輝き始める。

あの段ボールの中で流して以来の涙がこぼれる。

今日のは幸せの涙。

27: 名無しで叶える物語(しまむら) 2021/11/13(土) 22:24:28.48 ID:LFNytLWN
———

——

「璃奈ちゃんお誕生日おめでとう!」

「またゲームで勝負しようね!」

「天使天才天王寺!天使天才天王寺!」

「ツナガルコネクト聴いてると本当に元気が出ます!大好きです!」

公演のあと、本当にたくさんの人たちから声をかけられる。

私の知らない間に、こんなにたくさんの人たちと繋がることができていた。

今日は私が世界で一番ハッピーな人になっちゃった。

浅希「今日は同好会のみんなと帰るの?」

璃奈「うん、一回みんなにも会いたい」

浅希「わかった、じゃあまた明日!」

璃奈「うん!今日は本当にありがとう」

浅希「璃奈が幸せそうでわたしも幸せ!ばいばい!」

璃奈「ばいばい」

璃奈「……」

璃奈「ふぅ…」

愛「りなりー」

璃奈「あ、愛さん」

愛「みんな公園にもどってるよ」

愛「いっしょにいこ!」

璃奈「うん!」

28: 名無しで叶える物語(しまむら) 2021/11/13(土) 22:24:43.96 ID:LFNytLWN
愛「今日のライブ、どうだった?」

璃奈「全部が最高だった」

璃奈「本当に感謝してもしきれないくらい」

愛「そういわれると超うれしい!」

璃奈「でもこんな幸せな時間が終わっちゃうって思うと…寂しい…」

愛「たしかに日常とのギャップがすごくなるよね」

愛「でもこの楽しい思い出はみんなと共有できたじゃん?」

愛「このライブに参加したみんなが11月13日を最高にハッピーな日にできたって思ったら全然さみしくなんかないよ!」

愛「このハッピーはりなりーがきっかけだしね!」

璃奈「私?」

愛「だって考えてみて?」

愛「このライブができたのも、みんなが集まったのも、愛さんたちも含めてみんなが楽しめたのも、みーーーんなりなりーがいたからだよ!」

愛「そう思うと寂しいなんて全然感じないっしょ?」

璃奈「…うん」

璃奈「みんなが幸せになれて、嬉しい!」

29: 名無しで叶える物語(しまむら) 2021/11/13(土) 22:25:07.15 ID:LFNytLWN
———

——

愛「みんなー!」

彼方「お~愛ちゃん璃奈ちゃん!」

果林「二人が来たことだしさっそくはじめましょ?」

エマ「璃奈ちゃん、ちょっとそこに立ってて?」

璃奈「?うん」

かすみ「愛先輩は身長高いから後ろの列ですよ」

愛「おっけー!」

侑「みんな準備できた?」

侑「じゃあいくよー」

侑「せーの」

30: 名無しで叶える物語(しまむら) 2021/11/13(土) 22:25:33.09 ID:LFNytLWN
「ハッピーバースデートゥーユー」

「ハッピーバースデートゥーユー」

「ハッピーバースデーディアりなちゃーん」

「ハッピーバースデートゥーユー」

「おめでとう!!!!」

彼方「りなちゃ〜ん!おめでとー!!」ムギュー!

璃奈「むぐぅ…あ、ありがとう」

果林「彼方落ち着いて、璃奈ちゃんが苦しそうじゃない」

果林「璃奈ちゃん、おめでとう」

果林「大事な後輩をお祝いできて嬉しいわ」

32: 名無しで叶える物語(しまむら) 2021/11/13(土) 22:25:55.29 ID:LFNytLWN
かすみ「果林先輩なんか固くないですか〜?」

果林「な、なによ」

果林「仕方ないでしょ、こういうのは初めてなんだし…」

璃奈「果林さんのパフォーマンス、やっぱりかっこよかった」

璃奈「ありがとう」

果林「あ、ありがと…」

エマ「よかったね果林ちゃん」

果林「ええ、本当に良かったわ」

璃奈「……みんな!」

璃奈「本当に、ありがとう」

大きい歓声、華々しいステージ。そういうものが脚光を浴びがちだけれど。

支えてくれた仲間たちや友人達が私のためだけに送ってくれた祝福が、何よりも幸せなのかもしれない。

世界の片隅で私にしか聞こえない祝福こそ、魔法こそ、トキメキが溢れた世界への第一歩なのかもしれない。

33: 名無しで叶える物語(しまむら) 2021/11/13(土) 22:26:27.35 ID:LFNytLWN
———

——

明日からはいつもの日常に戻ってしまう。

こういうのをロス、っていうのかもしれないけれど、むしろ明日が来てほしいって思う。

このマフラーを身に着けて、

みんなと仲良くなって超幸せになって、

もっと素敵なありがとうを伝えて、

希望を与えられるヒーローになって、

本当の気持ちを伝えられる人にこれからももっと知り合って、

私が限りない夢を抱えて走れるように、

みんなをもっとハッピーにしていきたい。

34: 名無しで叶える物語(しまむら) 2021/11/13(土) 22:27:22.31 ID:LFNytLWN
璃奈「ただいま」





「おかえり」

「今日は早く帰ってこれたよ」

「誕生日、おめでとう!」

やっぱりもう少しだけ、私だけの幸せを楽しもうかな。

おしまい

引用元: 璃奈「私の誕生日、みんなが幸せの日」