1: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/26(水) 19:23:27.78 ID:Cg8sTCra0
綾乃「やっぱり無理!私には無理よ……歳納京子をクリスマスデートに誘うなんて……」

千歳「でも、クリスマスは歳納さんと一緒に過ごしたいんやろ?」

綾乃「そ、それは……そうだけど……」

千歳「だったら、勇気出さなあかんよ。大丈夫、綾乃ちゃんに勇気が足りないんゆうなら……うちの勇気、いくらでもあげるから」ニコッ

綾乃「千歳……。ありがとね。……うん!頑張ってみるわ!ファイトファイトファイファイビーチよ!」

千歳「その調子やで!クリスマスイブまであと一週間、もう時間はあらへん!」

綾乃「今日、生徒会の仕事が終わったら……歳納京子に、デートのお誘いを……!」

千歳「ほな、さっさと仕事終わらすで!あっ、西垣先生に書類届けな」

綾乃「理科室にいるって言ってたわよね。届けに行きましょ」

2: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/26(水) 19:28:30.34 ID:Cg8sTCra0
※理科室にて

綾乃「西垣せんせ~」ガラッ

千歳「いらっしゃいますか~?」

\ドカーン!/

綾乃「きゃあああ!」

千歳「な、なんや!?」

綾乃「ま、またなんか実験してるんですか!?」ケホケホッ

奈々「ああ、済まん済まん。大丈夫だ、人体に被害のない火薬量だからな」

綾乃「そういう問題じゃありませんってば!」

4: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/26(水) 19:34:38.51 ID:Cg8sTCra0
千歳「今度はどんな実験してはるんですか?」

奈々「ああ、それはな……」

りせ「…………///」ギュッ

奈々「ふふっ、そうかそうか。ありがとな、松本」ナデナデ

りせ「…………///」

奈々「はは、そこまで言われると照れるな。うん、私も松本のことが大好きだ」

綾乃「え、えっと///西垣先生?会長?」

千歳「あらあら、ラブラブやなぁ///」

奈々「うむ、実験は成功だ。この爆弾を見たまえ」

綾乃「そのちっちゃくて丸っこい爆弾がどうかしたんですか?」

奈々「この爆弾の起爆スイッチを押した者は、自分の恋心に素直になり、恋に積極的になる」

綾乃「なっ///」

5: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/26(水) 19:40:14.41 ID:Cg8sTCra0
千歳「なんやとぉ!?」クワッ

奈々「名付けて『愛のバクダン』だ!」ドヤァ

りせ「…………///」ギュッ

奈々「ああ、今度の休みは一日中一緒にいるよ」ナデナデ

綾乃「会長からピンク色のオーラが漂ってる気がするわ」

千歳「西垣先生!その爆弾一つください!」

綾乃「ちょ!?何言ってるのよ千歳!」

奈々「良いぞ。ほれ」ヒョイッ

千歳「ありがとうございます!ささ、綾乃ちゃん、この爆弾のスイッチを押すんや!」

綾乃「押すわけないでしょー!こ、こんなの押したら……私……!」

千歳「綾乃ちゃん、歳納さんと仲良くなりたいんやろ?これなら手っ取り早くいくで!」グイグイ

8: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/26(水) 19:48:12.12 ID:Cg8sTCra0
綾乃「な、なんでそんなに必死なのよ!そんなのに頼るなんて……嫌よ!」ドンッ

千歳「あっ!」ポチッ

綾乃「あっ……」

\ドカーン!/


──
───
────

奈々「……池田が押してしまったか……。さて、どうなるか見ものだな」

綾乃「ち、千歳!?大丈夫!?」

千歳「うん、平気……。綾乃ちゃん、心配してくれてありがとうな」ギュッ

綾乃「えっ!?ち、千歳!?」

千歳「うち、うち……そんな優しい綾乃ちゃんのことが、大好きや!」ギューッ

綾乃「ち、ちとせぇ!?」

10: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/26(水) 19:53:36.51 ID:Cg8sTCra0
りせ「…………」

奈々「ほう、こういうことになるのか」

千歳「綾乃ちゃん綾乃ちゃん綾乃ちゃーん!綾乃ちゃん大好き愛してる!」キャッキャッ

綾乃「ち、ちちち千歳!?こ、これどーいうことよ!西垣先生!」オロオロ

奈々「つまり、そういうことだ」

綾乃「だからどういうことですか!」

奈々「やれやれ、私の口から言われないとわからないのか?杉浦は私が受け持った生徒の中でもかなり理解力に長けていると思っていたのだが」

11: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/26(水) 19:56:03.96 ID:Cg8sTCra0
奈々「まあ、あれだ……」

奈々「池田が恋してる相手は杉浦だということだ」

千歳「きゃー!改めて言われると照れるなぁ」キャッキャッ

綾乃「えっ…………」

綾乃「えええええええええ!?」

13: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/26(水) 20:02:51.71 ID:Cg8sTCra0
※生徒会室にて

綾乃(嘘よ……だって千歳は、私の恋を応援してくれてたのに……)

綾乃(き、きっと西垣先生が作った爆弾がどこかおかしかったのよ!そうに決まっているわ!)

綾乃(だって……『自分の恋心に素直になる』だなんて……)

綾乃(西垣先生の話だと、『個人差はあるが、効き目はおよそ一週間といったところだ』か……)

綾乃(一週間……ずっと千歳はこのままなの?)ハァ

千歳「ふふっ、考え事してる綾乃ちゃんもかわええなぁ。何考えてるん?」

綾乃「千歳……」

千歳「ああっ!ひょっとして歳納さんのこと考えてるんやろ!酷い!うちというものがありながら!」

15: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/26(水) 20:08:24.58 ID:Cg8sTCra0
綾乃「ち、違うわよ!」

千歳「うちはこんなに、綾乃ちゃんのことが大好きなのにー!綾乃ちゃんのバカバカバカ!」ポカポカ

綾乃「お、落ち着いて千歳!」

千歳「なあ綾乃ちゃん、クリスマスはうちと一緒にいてくれる?」

綾乃「えっ?」

千歳「お願い綾乃ちゃん……。綾乃ちゃんと一緒やなかったら、うち死んでまう。孤独死してまう」

綾乃「で、でも……」

千歳「なっ?お願い綾乃ちゃん……」ジーッ

17: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/26(水) 20:14:32.96 ID:Cg8sTCra0
綾乃「…………はぁ。わかったわ」

千歳「ほんま!?ぃやったあ!嬉しくて今にも天に召されそうや!やったやった!綾乃ちゃんありがとな!大好きやー!」ギューッ

綾乃(歳納京子をデートに誘う前で良かったわ……)

綾乃(でも、クリスマスを親友と過ごせるのはとても嬉しいけど、よりによって千歳が私の背中を押してくれた直後にこんなことになるなんて……)

綾乃(ねえ千歳、私わからないよ……)

綾乃(千歳は本当に、私に恋しているの?千歳は本当に、私の恋を応援してくれていたの?)

綾乃(私はこれから……どうしたらいいの……?)

千歳「えへへ///綾乃ちゃんとクリスマスデート!」ルンルン

20: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/26(水) 20:21:12.27 ID:Cg8sTCra0
>>12月24日

千歳「綾乃ちゃん、この服とか似合うんやない?」

綾乃「ほんとだ、可愛い…!ねえねえ、千歳にはこれとか似合うんじゃない?」

千歳「ほんまや!かわええなぁ!ちょっと試着してみない?」

綾乃「そうね。試着室行きましょ」

綾乃(こうして街中で買い物をしたりして、クリスマスイブを千歳と過ごしているのだけれど……)

綾乃(爆弾のせいでおかしくなった千歳ともう一週間も過ごしているから、だんだん慣れてきたわ。今日だって、千歳がしょっちゅう抱きついてきたり愛の言葉を囁いてきたりするけど、なんだかんだで私も楽しんでるし)

21: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/26(水) 20:27:17.21 ID:Cg8sTCra0
綾乃(心のモヤモヤはまだ残ってるけど、爆弾の効果ももうすぐ切れるはずだし……とりあえずは、千歳との時間を楽しまなきゃね)

綾乃「……って、なんで千歳が私の試着室に入ってくるのよ!」

千歳「まあまあ、ええやんええやん」ニコニコ

綾乃「こ、ここ一人用よ!2人じゃちょっと……いやかなり狭いし」

千歳「……えへへ///2人っきりやね」

綾乃「!?///」ドキッ

24: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/26(水) 20:33:21.01 ID:Cg8sTCra0
千歳「なあ綾乃ちゃん、ここでなら……」

綾乃「こ、ここここ、ここでならなんなのよ!」タジタジ

千歳「えへへ、じょーだんや。ほな、外で綾乃ちゃんが着替えるの待っとるから、終わったら呼んでな~」

綾乃「も、もうっ!」


※とあるレストランにて

綾乃「うん……美味しい!」

千歳「良かったぁ。喜んでもらえて嬉しいわぁ」ニコニコ

綾乃「千歳が選んでくれたお店、とっても良いわね。内装の雰囲気もお洒落だし、何より料理は美味しいし」

26: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/26(水) 20:40:28.28 ID:Cg8sTCra0
千歳「せっかくのクリスマスデートやからね、下見と調査は念入りにやったで。ほら綾乃ちゃん、うちの料理も食べる?はい、あーん」スッ

綾乃「え、ええ。あーん……もぐもぐ…///」

千歳「どう?美味しい?」

綾乃「うん///」

千歳「ほな、もうちょい食べてええよ。あーん」スッ

綾乃(すっかり恋人気分な千歳といると……私までなんだか、そんな気がしちゃって……)

綾乃(すごく、ドキドキするわ///)

綾乃(もし、千歳が私の恋人だったら……)

綾乃(…………///)カァァ

27: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/26(水) 20:46:48.48 ID:Cg8sTCra0
※数十分後

千歳「なあ、綾乃ちゃん。今日は楽しい?」

綾乃「ええ。……とっても楽しいわ」

千歳「嘘やない?」

綾乃「嘘じゃないわよ。本当よ」

千歳「うちも今日、とってもとっても楽しい。幸せ絶頂や。せやから、これから先、ずっとずっと……」

29: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/26(水) 20:57:09.69 ID:Cg8sTCra0
千歳「綾乃ちゃんと毎年、こうやってクリスマスを2人きりで過ごしたいなぁって」

綾乃「そ、それって、つまり……」

千歳「あっ、そろそろお店出よか。次はカラオケや!」

綾乃「う、うん。そうね……」

綾乃(予感がするわ……。もしかしたら私、今日の最後に、すごく重要な決断をしなきゃいけないのかもしれない)

綾乃(この一週間、まるで船見さんにアタックする吉川さんみたいに千歳は大胆だったけど……)

綾乃(本気で告白してきたわけじゃない。交際を迫ってきたわけじゃない)

32: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/26(水) 21:03:58.68 ID:Cg8sTCra0
綾乃(でも今日の千歳は……なんだか覚悟を決めてきているような気がするの)

綾乃(私……わからないよ……)

綾乃(歳納京子に恋をしている私は、千歳から本気で気持ちを伝えられたら……どうすればいいの?)

綾乃(そもそも千歳は本当に私のことが好きなの?西垣先生の爆弾のせいでありもしない恋心をでっち上げられてるだけじゃないの?)

綾乃(爆弾の効き目は一週間前後……。今日中に切れるかもしれないし、切れないかもしれない……)

35: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/26(水) 21:10:12.11 ID:Cg8sTCra0
※とある丘の上の公園にて

千歳「この公園、広い割に人が全然いないんよ。ほら、あんなにたくさんベンチあるのに、うちらの他に座ってる人おらんやろ?」

綾乃「そうね。ていうか……良い眺めだわ。夕焼けがとても綺麗……」

千歳「今日は夕焼け見れてラッキーやな。この丘の公園から見える眺め、絶景やろ?」

綾乃「ええ……。思わずため息が出ちゃうくらい」

千歳「雪が舞うホワイトクリスマスもええけど、鮮やかな夕焼けってのもまた……」

綾乃「素敵よね」ニコッ

千歳「でもやっぱり……綾乃ちゃんのほうが美しい」スッ

綾乃「ち、千歳……///」

36: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/26(水) 21:17:22.56 ID:Cg8sTCra0

──
───

綾乃(それからしばらく、私と千歳は肩を寄せ合いベンチに座りながら、街を照らし出す夕焼けを静かに眺めていた)

綾乃(会話はなかった。なんだか千歳は、伝えたい言葉を頭の中で何度も反芻しているような……そんな感じだった)

千歳「…………綾乃ちゃん」

綾乃「…………何?」

千歳「うちは綾乃ちゃんのことが好き」

綾乃「…………」

38: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/26(水) 21:24:59.39 ID:Cg8sTCra0
千歳「去年の春に綾乃ちゃんに出会ってから、うちは幸せやった……。とっても素敵な親友ができて、毎日毎日楽しかった」

千歳「綾乃ちゃんが歳納さんに恋してるって気づいてからも、それは変わへんかった。だって綾乃ちゃんの幸せがうちの幸せやもん」

千歳「けどな……うちも恋してるんよ」

千歳「優しくて笑顔が素敵で、でも意地っ張りで素直になれなくて」

千歳「生徒会で一緒に仕事したり、家で一緒に勉強会したりして気づいた、その頑張り屋で努力家なところも」

千歳「怖がりで踏み出せないいじらしいところも、それでも歳納さんと仲良くなろうともがく一生懸命なところも」

千歳「笑った顔も怒った顔も照れた顔も泣き顔も、りんごのように真っ赤に染まった顔も、うちにだけ見せてくれた柔らかなほほ笑みも……」

千歳「綾乃ちゃんを構成する全てが、うちは大好き」

39: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/26(水) 21:29:51.03 ID:Cg8sTCra0
千歳「綾乃ちゃん……お願い、これからは……」

千歳「うちと…………」

綾乃「千歳…………」

千歳「うち…と………」

千歳「……あれ?うち、何を……」

綾乃「……?千歳?」

千歳「うち……あ、綾乃ちゃんに……こないなこと……」

綾乃「ち、千歳!?どうしたの?」

40: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/26(水) 21:36:06.42 ID:Cg8sTCra0
千歳「なんで……なんでや!?なんでうち、綾乃ちゃんとこんなことしてるの?今日はクリスマスイブで、綾乃ちゃんは歳納さんとデートに行くはずやったのに!」

綾乃「千歳!落ち着いて!ま、まさか……爆弾の効果が切れたの?」

千歳「ごめん、ごめんな綾乃ちゃん。ほんまに……ごめんっ!うち、最低や……」ダダダッ

綾乃「ちょっ、千歳!?どこ行くの?待って!」ダダダッ

ギュッ

その手を掴まなければいけない気がした。
痛いって言われても、離しちゃいけない気がした。

綾乃「お、落ち着いて千歳。大丈夫よ、私は全然気にしてないから……」

千歳「ごめん……ごめんな綾乃ちゃん」グスン

44: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/26(水) 21:44:09.00 ID:Cg8sTCra0
綾乃「いいのよ。大丈夫だから……」

千歳「綾乃ちゃんの幸せがうちの幸せなのに、なんでうち、綾乃ちゃんを困らせるようなことしてるの?」

綾乃「そ、それは、あの爆弾が……」

千歳「違う!爆弾のせいやない。うちがいけないんや!うちが……綾乃ちゃんに恋なんかしとるから!」

綾乃「────っ!」

千歳「やっぱりうち、綾乃ちゃんのそばにいたらいけないんや!だって、消せへんのやもん!この恋心、どうやったって消せへんのや!」

千歳「せやから……うち、綾乃ちゃんの親友やめる」

綾乃「なっ!?」

千歳「だってこのままじゃ……どっちも辛いだけやろ?綾乃ちゃんを困らせたくないから……もう、綾乃ちゃんのそばにはおれへん……」

綾乃「嫌……嫌よそんなの!千歳がいなくなるなんて嫌!」

45: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/26(水) 21:49:17.32 ID:Cg8sTCra0
千歳「ごめん、ほんまにごめん。綾乃ちゃんに恋なんかしちゃって、ほんまに……」

綾乃「千歳の…………」

綾乃「バカァァァァァァ!!」

千歳「っ!?」ビクッ

綾乃「謝るところが違う!綾乃ちゃんに恋なんかしちゃってごめん?バッッッカじゃないの?嬉しいに決まってるわよこのバカー!」

千歳「えっ、えっ…」

綾乃「バカバカバカ……親友やめるとか言わないでよバカ!千歳がそばにいなかったら生きてたってつまらないわよ!」

千歳「で、でも、綾乃ちゃんには歳納さんがおるやん!歳納さんと結ばれればええやろ!」

綾乃「そういう問題じゃないのよバカ!じゃあ何?千歳は私がそばにいなくても平気だって言うの?」

47: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/26(水) 21:54:36.30 ID:Cg8sTCra0
千歳「へ、平気なわけあらへん!でも、うち……」

綾乃「私と…………」


綾乃「私と付き合いましょう、千歳」


千歳「…………は?何を…………何を言うてんの!?」

綾乃「ずっとずっと、千歳と一緒にいたい」

千歳「やめて!そんなこと言わんといて!そんなの自分の気持ちを押し殺してるだけやん!」

千歳「だって綾乃ちゃんは歳納さんのことが好きなんやろ?うちを悲しませないために、うちとの関係を繋ぎ止めておくために自分の恋心を捻じ曲げるなんて、そんなの間違ってる!」

綾乃「今の言葉……そのまま千歳に返すわ」

千歳「なっ!?」

48: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/26(水) 21:59:15.13 ID:Cg8sTCra0
綾乃「千歳だって同じじゃない。自分の恋心を押さえつけて……私のこと言えない」

千歳「そ、それは……」

綾乃「でも、私は違う」

千歳「えっ?」

綾乃「押さえつけてなんていない。捻じ曲げてなんていない。私が恋人にしたいのは……私の恋人になって欲しいのは」

綾乃「千歳、あなたよ」

千歳「嘘や…」

綾乃「嘘じゃない!」

千歳「嘘や!」

綾乃「嘘じゃないないナイアガラよ!」

50: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/26(水) 22:05:34.58 ID:Cg8sTCra0
綾乃「この一週間の私に対する千歳の態度が本心だって知った。嬉しかった。こんなにも私のこと想ってくれて!」

綾乃「今日のデートで感じた。千歳と本当に恋人になれるなら、きっと毎日が楽しくってしかたがない、幸せいっぱいの日々になるんだろうなって!」

綾乃「千歳が本気で私のことを愛してくれている……。それに気づいちゃったら、私……」

千歳「あ、綾乃ちゃん……」

綾乃「…………千歳の、せいなんだからね」

綾乃「私が失恋したのは、全部全部千歳のせいなんだから!責任とってよね!」

千歳「し、失恋?」

綾乃「もう、前みたいに歳納京子に恋できないじゃない!千歳千歳千歳!私の心を千歳でいっぱいにされちゃったわ!」

綾乃「好き……」

綾乃「千歳のことが大好き!一生一緒にいたいっ!!」

54: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/26(水) 22:10:50.09 ID:Cg8sTCra0
千歳「ええの……?うちにこんな、幸せなことが起こるなんて……夢みたいや……」

綾乃「夢と見せかけて……現実よ」

千歳「こんなの、こんなの……ほんまに……」

綾乃「ねえ、千歳。は、早く、返事を……聞かせてくれないかしら?」

千歳「うちも……綾乃ちゃんのことが大好き」

綾乃「うん」

千歳「ずっとずっと、一緒にいたい」

綾乃「うん」

千歳「これが……うちの答えや!」ダダダッ

56: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/26(水) 22:13:04.15 ID:Cg8sTCra0

──
───

綾乃(体当たりと勘違いするほどの勢いで抱きついてきた千歳をよろめきながら受けとめて)

綾乃(溢れる衝動のままに、私たちはキスを交わした)

綾乃(勢い強過ぎて、歯が当たっちゃって痛かったけどね)フフッ

58: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/26(水) 22:18:05.33 ID:Cg8sTCra0


綾乃「5…4…3…2…1…………」

千歳「メリークリスマス」ニコッ

綾乃「メリークリスマス」ニコッ


綾乃(千歳の家でまったりしながら聖夜を過ごし、12月25日を迎えた)

綾乃(私たちが恋人になったことは、ちょっと照れくさかったけど千鶴さんに報告した)

綾乃(よだれの出過ぎで脱水症状起こしかけて、大慌てになったけどね)アハハ…

綾乃(今はこうして、千歳の部屋で2人きり。千鶴さんも一緒で良かったのに、私たちを2人きりにすると言い張って聞かなかった)

60: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/26(水) 22:21:03.20 ID:Cg8sTCra0
千歳「こんな幸せなクリスマス、生まれて初めてや」

綾乃「私もよ……。ねえ千歳、これ……受け取って」スッ

千歳「綾乃ちゃん、それ……!ありがとう、ありがとう綾乃ちゃん!う、うちも用意してたで!これ、受け取って!」スッ

綾乃「わぁ……ありがとう千歳!」

2人同時に、互いのプレゼントの包装紙を破いた。
千歳の手には眩いブローチが、私の手には……あれ?

千歳「も、もしかして、同じやつ?」

綾乃「ほ、本当だ……」

61: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/26(水) 22:23:29.84 ID:Cg8sTCra0
クリスマスに起きた奇跡。
すっごく高かったけど、奮発して買って良かった。
私たちは、偶然にもお揃いのブローチを手に入れた。
恋人になってから初めての『お揃い』

千歳「ふふっ、嬉しいなぁ……」

綾乃「愛してるわ、千歳……」

千歳「うちも、綾乃ちゃんのこと愛してるで……」

今度は優しく、慎重に……
私たちは唇を重ねた。


おわり

引用元: 綾乃「私と千歳のクリスマス」