1: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/02/24(水) 04:52:09.01 ID:LUWESdfU0
ルパン「今度のお宝はすげぇぜジゲ~ン」
次元「へっ、どうせまたロクでもないもんなんだろう?」
ルパン「そう言うなって」

ルパン「今回のヤマは、五ェ門に不二子、そして謎の集団も狙ってやがる」

ルパン「どうだい? ワクワクしてこねぇか?」
次元「ああ、まあな」

しんのすけ「おねいさ~ん! オラとお茶しな~い?」

ルパン・次元「……なんだ、ありゃ」

ルパン「――『ルパン三世、嵐を呼ぶ子供!』、この後すぐ!」

しんのすけ「見れば?」

2: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/02/24(水) 04:57:51.73 ID:LUWESdfU0
美術館

みさえ「――うわぁ、どの絵も凄いわねぇ」
ひろし「ああ。なんつーか、芸術は心洗われるな!」

しんのすけ「とーちゃん! ほら、あれ見て! あれ!」

ひろし「おい、しんのすけ。美術館では、あんまり大声を出すなって」
しんのすけ「裸のおねいさんの写真が飾ってあるぞ!」
みさえ「もう! 芸術っていうのはそういうものなの!」

ひろし「いや~、とーちゃんとしては、裸じゃない方が風情があって……」

みさえ「あなた」
ひろし「いっ、いや! ゴホン!」

ひろし「しんのすけ。芸術っていうのは、やらしい目で見ちゃいけないんだぞ?」
しんのすけ「ほ~い」

4: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/02/24(水) 05:03:15.22 ID:LUWESdfU0
みさえ「――それにしても、美術館の招待券が当たるなんてついてたわねぇ」
ひろし「商店街の福引にしちゃ、妙に気取ってるけどな」

しんのすけ「オラが金のxxxxを出したかおかげだぞ、エッヘン!」

一般客「!?」

ザワザワ……!

みさえ「こっ、こら! あんまり大きな声でそういう事言わないの!」
ひろし「ふっ、福引の当たりの色が金色だったんだよな!」

ひろし「アハハハハハ……!」
みさえ「オホホホホホ……!」

一般客「……ホッ」

しんのすけ「でも、金のxxxxが一つだけでかわいそうだったぞ」

ひろし・みさえ「しんのすけ!」

6: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/02/24(水) 05:07:56.46 ID:LUWESdfU0
ひろし・みさえ「……はぁ……はぁ……!」グデー

しんのすけ「もー、美術館は走ったりしちゃいけないんだぞ!」

ひろし・みさえ「お前が変な事を大声で言うからじゃ!」

しんのすけ「いやぁ~///」

ひろし・みさえ「褒めてないっつーの!」

警備員「……ゴホン!」

ひろし・みさえ「す、すみません」
しんのすけ「大声を出すから、また怒られちゃったし」
ひろし・みさえ「……!」

ひろし「……やれやれ。カリカリするのも疲れたな」
みさえ「……そうね。そろそろ、ツイン・ゴールデンっていうのを見に行きましょ」

7: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/02/24(水) 05:15:52.74 ID:LUWESdfU0
アナウンス『ツイン・ゴールデンは、先日遺跡から発掘された古代の秘宝です』

アナウンス『その価値は、専門家のモンノスゲー・エライ博士でも
      値が付けられない程とされており、学術的な価値も相当なものです』

しんのすけ「お~、金色のでっかいxxxxだぞ」

ひろし「あれ一個で、家と車のローンなんか一発で返せるんだろうなぁ」
みさえ「あなた……」
しんのすけ「ダメだぞとーちゃん。xxxxは、二つで一つなんだから」
ひろし「まぁ、それもそうだな」

みさえ「それにしても綺麗ね~」
ひろし「だけど、新聞やニュースじゃ変な報道がされてたな」

みさえ「ええ。確か、ツイン・ゴールデンを――」

ひろし「――ルパンが狙ってるらしい、っていうな」

しんのすけ「……“ヌ”パン?」

9: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/02/24(水) 05:22:18.15 ID:LUWESdfU0
ひろし「ああ、なんでも世界一の大泥棒で、狙った獲物は逃がさないらしい」
しんのすけ「ほほう。魚釣りで、
        狙った獲物に逃げられるとーちゃんとはえらい違いですな」
ひろし「トホホ……それを言うなって」

みさえ「でも、ルパンに盗まれる前に見れて良かったじゃない」
ひろし「そだな。いくら凄いものでも、盗まれちゃったら見る事は出来ないもんな」

しんのすけ「かーちゃん……そんなに金のxxxxが見たかったの?」

みさえ「誤解を招く言い方をするんじゃありません!」

警備員・一般客「……ゴホン!」

みさえ「……オホホホホ!」

10: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/02/24(水) 05:30:20.49 ID:LUWESdfU0
ひろし「――まぁ、今回ばかりはルパンもお手上げだろ」

しんのすけ「足は?」
ひろし「ナハハ、足は洗うもんだな! 泥棒なだけに!」
しんのすけ「とーちゃんも、良く足を洗ってる……。
        ハッ! まさかとーちゃんは泥棒……!?」
ひろし「そりゃ水虫だから……チクショー、言わせるなって」

みさえ「美術館の外の警備も凄いし、
     対ルパンのエキスパートの銭形警部も来るみたいだしね」

ひろし「ルパンが捕まったら、ニュースはそればっかりになりそうだな」

しんのすけ「小宮のえっちゃんも?」

ひろし「勿論、小宮悦子もだ」

ジリリリリリリリリリリ!!

野原一家「!?」

11: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/02/24(水) 05:35:04.04 ID:LUWESdfU0
みさえ「何、このサイレン……!?」

ジリリリリリリリリ!!

ひろし「まさか火事か!?
     ――みさえ、しんのすけ! 俺から離れるんじゃないぞ!」
みさえ「あなた……!」

しんのすけ「お~! とーちゃんカッコイイぞ!」

ひろし「え、そうか?///」

みさえ「馬鹿な事やってる場合じゃないでしょ!」


『緊急事態です! ルパンが……ルパンが現れました!』


『一般客の方は、係員の誘導に従い、速やかに避難してください!』

12: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/02/24(水) 05:40:44.19 ID:LUWESdfU0
     ・    ・    ・
美術館、外

警官「銭形警部! 一般客の退避、七割程完了しました」

銭形「うむ、避難作業を急がせろ」

警官「はっ!」

銭形「……ルパンめぇ!
    こんな昼間から気球で接近など、舐めた真似をぉ……!」

銭形「――だが、この通り美術館の包囲は整っている!
    貴様が入り込む隙なんか、微塵もありゃせんぞ!」

銭形「ンッフッフ! 今日こそ逮捕するぞ、ルパ~ン!」

13: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/02/24(水) 05:45:24.79 ID:LUWESdfU0
     ・    ・    ・
美術館

ひろし「もうすぐ外だぞ、二人共!」
みさえ「ええ!」

一般客「どけーっ! 早くここから逃げなきゃ!」

ドンッ!

ひろし「痛っ!? 危ねえな、バッキャロー!」
みさえ「あなた、玄関よっ!」
ひろし「よし、もうすぐだから頑張るんだ!」

ひろし「絶対に手を話すんじゃないぞ!」

ぎゅっ!

15: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/02/24(水) 05:52:10.51 ID:LUWESdfU0
ひろし・みさえ「……はぁ……はぁ……!」グデー

みさえ「……は~っ! もう、せっかく美術館に来たっていうのに、
     なんだか走りっぱなしな気がするわ」
ひろし「イタタタ……!」
みさえ「!? 大丈夫、あなた! どこか怪我でもしたの!?」

ひろし「急に走ったから、腰が……!」

みさえ「――もう! 脅かさないでよ!」ウルウル
ひろし「……すまん。今度から、運動しておくようにする」
みさえ「しんちゃんは怪我とかしてない?」
ひろし「そうだな。さっきからやけに大人しいけど、どうかしたのか……」

ぎゅっ!

展示の人形「」

ひろし・みさえ「……って」

ひろし・みさえ「わ―――っ!!?」

16: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/02/24(水) 05:58:10.90 ID:LUWESdfU0
     ・    ・    ・
美術館、中

しんのすけ「――もー、美術館の中は、走っちゃいけないんだぞ」

てくてく

しんのすけ「それなのに、とーちゃんもかーちゃんも全く」

てくてく

しんのすけ「お、これはこれはさっきの裸のおねいさん、また会いましたな。
        葉っぱだけで寒くない? オラのジャンパー着る?」

ガタンッ!

しんのすけ「お? なんだ、今の音」

警備員「――チッ! まだ避難してない奴がいたのか!」
警官「……」

ジワ~ッ……!

しんのすけ「おぉ、刑事さんがケチャップまみれでお昼寝している」

18: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/02/24(水) 06:04:14.70 ID:LUWESdfU0
警備員「見られたからには――」

しんのすけ「ん?」

警備員「ガキと言えど、生かしてはおけん!」
しんのすけ「鬼ごっこ? よ~し、負けないぞ!」

ちょこまかちょこまか!

警備員「こっ、このっ! 逃げるな!」
しんのすけ「うっほほ~い!」

ちょこまかちょこまか!

警備員「いい加減に――!」

???「ヌフフフフ!」

警備員「!? 誰だ!」

チャラッチャラッチャラッチャラ~♪

20: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/02/24(水) 06:10:53.53 ID:LUWESdfU0
???「そ~んな事してっと、お宝は戴いちまうぜ?」

チャラッチャラッチャラッチャラ~♪

警備員「くっ! 姿を見せろ」

チャラッ、チャラッ♪ デデン♪ チャラッ、チャラッ♪ デデン♪

しんのすけ「あれ? いつからあそこに――」

チャラッ、チャラッ♪

ルパン「――この、ルパン三世様がな」

ルパン・ザ・サ――~~~ワァーオ!

23: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/02/24(水) 06:33:56.50 ID:LUWESdfU0
警備員「……ルパンだと?」

しんのすけ「あれ? 鬼ごっこはもう終わり?」

ルパン「ど~やらそうみたいだぜ、坊主」

しんのすけ「オラ、坊主じゃないぞ!
        野原しんのすけ、五歳!」

ルパン「……」

ルパン「アーッハッハッハ! こいつぁ元気が良い坊主だ!」
しんのすけ「もー! 坊主じゃなくて、しんのすけだぞ!」
ルパン「悪ぃ悪ぃ……しんのすけ、だったか?
     お前さんみてぇに、ちゃ~んと自己紹介が出来ると良いんだがな」

ルパン「なぁ、警備員さんよ」

警備員「……」

24: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/02/24(水) 06:40:19.25 ID:LUWESdfU0
警備員「そうか……お前が、“あの”ルパン三世とかいうコソ泥か」

ルパン「いかにも」
しんのすけ「たこにも」
ルパン「……いやいや、俺としんのすけは初対面だろう?」
しんのすけ「そういえばそうだった」

警備員「貴様のようなコソ泥に、我がゾーサン帝国の秘宝を渡すか!」

ドンドンッ!!

ルパン「おっと!……やっぱり、ちゃんとした自己紹介はしちゃくれねーか」

しんのすけ「うおお――っ!?」

ルパン「坊主……じゃなかった、しんのすけ!
     流れ弾に当たらないように隠れてな!」

しんのすけ「ほい!」

25: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/02/24(水) 06:44:23.79 ID:LUWESdfU0
ドンドンッ!

ルパン「……それにしても、ゾーサン帝国ってのは――」

ドンッ!

しんのすけ「うおぉ、裸のおねいさんの●●が片方とれたぞ」

ルパン「――とっくに滅んだんじゃあなかったか?
     どうして、その滅んだ帝国がツイン・ゴールデンを欲しがる?」

警備員「貴様にそれを話す理由は――」

ドンッ!

しんのすけ「ぬおぉ! もう片方の●●まで」

警備員「無いっ!」

26: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/02/24(水) 06:50:31.18 ID:LUWESdfU0
警備員「ツイン・ゴールデンは渡さんぞ、ルパンっ!」

ドンドンッ!

ルパン「わ~りぃんだけどもさ、そういう物ほど欲しくなっちゃうのよね」

ドンドンッ!

ルパン「ほら、俺ってば泥棒だから。ヌフフフフ」

ガヤガヤガヤガヤ……!

警備員「――チッ! 時間をかけすぎたか!」
ルパン「って事は……」

バターン!

銭形「ルパ~ン! 今日こそ逮捕する~!」

ルパン「……やっぱりとっつぁんかよ」

27: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/02/24(水) 06:55:43.50 ID:LUWESdfU0
警備員「――銭形警部、ルパンはあそこです!」

ルパン「あっ! ずっりぃ!」

銭形「ようし、でかした! 総員、突撃ー!」
警官隊「おーっ!」

ルパン「……仕方ねぇ。
     予定通り貰うもんを貰って、とっととズラかるか」

銭形「甘いぞルパン! ツイン・ゴールデンは、
    鉄壁の警備システムが守っているんだからなぁ! ワッハハハ!」

ルパン「警備システム? そいつぁ、厄介だな、と」

ひょいっ

ルパン「――ツイン・ゴールデン。確かに戴いたぜ」

銭形「なっ、なんだと~おぉ!?」

警備員「チッ! 使えん奴らだ!」ボソッ

28: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/02/24(水) 07:02:28.41 ID:LUWESdfU0
銭形「逃がすな! 追えっ、追え~っ!」
警官隊「逮捕する~っ!」

パリーン!

銭形「テラスの窓が!? 今度は何だ~ぁ!?」

バタタタタタタ!

次元「ルパン! とっととズラかるぜ!」

ルパン「良~いタイミングだぜ次元!」

銭形「ヘリだとぉ!? 外の警官隊は何をやってたんだ!?」

次元「早くしろ! なんだかやべぇ!」
ルパン「……あん?」

警官「警部! 外の警備をしていた者達と連絡がとれません!」
銭形「何だって!?」

30: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/02/24(水) 07:06:15.86 ID:LUWESdfU0
     ・    ・    ・
美術館、外

黒覆面A「シャアッ!」

シュピンッ!

警官「うぐっ!?」

…ドサッ!

黒覆面B「――外の制圧は完了。
       敵のヘリが行った……逃がすな」

31: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/02/24(水) 07:10:59.90 ID:LUWESdfU0
     ・    ・    ・
美術館、中

銭形「こりゃあ、一体どういうことだ……!?
    ルパン! 貴様の仕業か!?」

ルパン「どういうことか知りたけりゃ、
     そこのなんちゃって警備員にでも聞くと良いぜぇ、とっつぁん」

銭形「なぁにぃ? おい、貴様――」

警備員「――チッ!」

バッ!

銭形「なっ、なんだ貴様は!? ええい、怪しい奴め!」

黒仮面「――ルパン! ツイン・ゴールデンを渡せっ!」

ルパン「そいつぁ聞けねぇな。次元、出してくれ!」
次元「ほいきた!」

33: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/02/24(水) 07:17:33.99 ID:LUWESdfU0
黒仮面「逃がすか!」

銭形「待て~っ、ルパ~~~ン!!」

ルパン「あ~ばよ~っ!」

銭形「ツイン・ゴールデンだけでなく
    ――子供まで誘拐するなど許さんぞ~っ!」

ルパン「……子供?」
次元「おい、ルパン! その、背中にくっついてるのは何だ!?」
ルパン「……背中?」

しんのすけ「よ」

ルパン「わ――ッ!? な~んでくっていてきちゃったの!」
しんのすけ「いや~、隠れてたらいつの間にか」
ルパン「そ~んなわけないでしょーが!」

34: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/02/24(水) 07:22:42.79 ID:LUWESdfU0
ルパン「次元! ちょっと待ってくれ!」
次元「そんな時間はねぇ! 出すぞ!」
しんのすけ「うんうん。オラもそう思うぞ」

ルパン「このままだと、坊主も一緒に行かなきゃならないでしょーが!」

しんのすけ「お?」

しんのすけ「……」

しんのすけ「ぬおおーっ!?」
ルパン「……気付いてなかったのかよ」

次元「!? ルパン、ミサイルが来る! 掴まれ!」

ルパン・しんのすけ「!?」

35: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/02/24(水) 07:24:55.78 ID:LUWESdfU0
     ・    ・    ・
美術館・屋上

黒仮面「ルパンめ、逃がすか!――構え!」

黒覆面A「……!」

ガチャッ!

黒仮面「――撃てっ!」

黒覆面A「!」

ドォンッ!

36: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/02/24(水) 07:30:21.92 ID:LUWESdfU0
     ・    ・    ・

次元「ちいっ! 避け切れねぇっ!」

ルパン「なんとかしろぃ、次元!」
しんのすけ「そうだそうだ! “ヌ”パンの言う通りだぞ!」

次元「無茶言うな! こっちゃ操縦で手一杯なんだよ!」

ゴオオ~ッ!

しんのすけ「うおおーっ!?」
ルパン「っ……!」


???「きえいっ!」

シュピィンッ!


五ェ門「……またつまらぬ物を斬ってしまった」

ルパン・次元「五ェ門!」

38: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/02/24(水) 07:37:14.90 ID:LUWESdfU0
ルパン「どうして五ェ門がここに……?
     それに、ここは空の上――」

五ェ門「……」
不二子「ハァ~イ、ルパン。どう、このセスナ。
      素敵だと思わな~い?」

ルパン「不二子!?」
しんのすけ「おおっ! はじめましておねいさん!」

不二子「あら、なぁにその子?」

しんのすけ「オラ、野原しんのすけ、五歳!
        おねいさんのお名前は?」

不二子「私は不二子。それで、こっちは五ェ門」
五ェ門「……」

しんのすけ「ほほう。そっちのおじさんは、
        刀も使うし、ぶりぶりざえもんに似てますな」

五ェ門「!?」

42: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/02/24(水) 07:46:06.61 ID:LUWESdfU0
五ェ門「ぶ、ぶりっ……!?」

しんのすけ「ところで、おねいさんはたまねぎ食べれる?
        納豆にはネギ入れる方?」

不二子「……アハハハハッ! なぁに、この子面白いわね」
五ェ門「……ぶりぶりざえもんとは……」

しんのすけ「いやぁ~///」

ルパン「――それより不二子。お前の目的は何だ?」

不二子「あら? 目的が無くちゃ、貴方に会いに来ちゃいけないっていうの?」
しんのすけ「ひどいぞおじさん!
        オラと不二子ちゃんの仲を裂こうだなんて!」
不二子「ホント、つれない人ね」
しんのすけ「この鬼ー! 泥棒ー!」

ルパン「……鬼かは知らねぇけれどもよ、泥棒ではあるなぁ」

43: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/02/24(水) 07:51:07.07 ID:LUWESdfU0
ルパン「――ツイン・ゴールデンが示す財宝……。
     お前さんの目的はソレだろ?」

不二子「そんな事言ったかしら?」

ルパン「……全く、どっから嗅ぎつけてくんのかねぇ」

不二子「ねぇ、ルパン。お宝の独り占めはよくないと思わない?」

ルパン「へいへい。わあっかりましたよ」
次元「おい、ルパン!」
ルパン「しょうがねえだろ? ここで首を横に振ったら、
     あのセスナに取り付けられた機銃が火を噴きそうだからな」

不二子「わかってるじゃない」
五ェ門「……ぶり」

46: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/02/24(水) 07:57:40.54 ID:LUWESdfU0
ルパン「そんじゃまぁ、とりあえず……」
次元「だな」
五ェ門「うむ」
不二子「そうね。コブ付きじゃ締まらないもの」

しんのすけ「お?」

ルパン「このまま一緒に行くわけにゃあいかねえだろ?
     カッコイイパパと、綺麗なママの所に帰らなきゃな」

しんのすけ「オラのとーちゃんはヒゲが濃くて足が臭いし、
        かーちゃんは妖怪ケツデカおばばだぞ」

ルパン「がく!……でも、帰らないとな」

しんのすけ「うん」


黒仮面「――目撃者を生かしておくと思うのか?」


一同「!?」

47: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/02/24(水) 08:03:06.21 ID:LUWESdfU0
次元「軍用のヘリ!? もう追いついてきやがったのか!」
不二子「このままじゃまずいわよ、ルパン!」

銭形「ルパ~ン! 待て~い!」

五ェ門「銭形も来たぞ!」
ルパン「とっつぁんは車だから振り切れそうだが、問題は――」

ひろし「しんのすけ~~~っ! 刑事さん! もっとスピード上げて!」
みさえ「しんちゃ~~~ん! 早くっ! 逃げられちゃうじゃないの!」
銭形「アイタタタ! わかっとるから、揺らすな~あぁ!」

しんのすけ「とーちゃん! かーちゃん!」
ルパン「お前さんの両親が、どうしてとっつぁんの車に……」

49: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/02/24(水) 08:09:18.78 ID:LUWESdfU0
ひろし「息子が浚われたっていうのに、
     ジッっとしてられる親が居てたまるか!」
みさえ「世界一の泥棒だか何だか知らないけど、息子を返して!」

しんのすけ「とーちゃん……かーちゃん……」

ひろし「今助けるかな! しんのすけ!」
みさえ「待っててね! しんちゃん!」
銭形「息子を思う親の気持ち……グスッ!
    この銭形、必ずやその気持ちに応えて――」

しんのすけ「二人だけパトカーに乗るなんてズルいぞ!」

ひろし・みさえ・銭形「――」だああーっ!

50: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/02/24(水) 08:14:15.67 ID:LUWESdfU0
黒仮面「――お遊びはそこまでにしてもらおうか」

不二子「!? イヤ~ン! どうしてこっちをロックするのよ!」

ルパン「不二子、五ェ門!
     そのセスナは捨てて、こっちに飛び移れ!」

五ェ門「……仕方あるまい」
不二子「イヤよ! このセスナ、どれだけしたと思ってるの!?」

ルパン「そ~んな事言ってる場合じゃないっつーの!」

不二子「……もう! ぜ~ったい、お宝は手に入れるんだから!」
五ェ門「……!」

黒仮面「撃ていっ!」

ドォンッ!

52: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/02/24(水) 08:21:11.88 ID:LUWESdfU0
黒仮面「――ちいっ! 次は逃がさんっ!」

銭形「待て~~~ルパ~~~ぁあンッ!」

ルパン「次元っ! “とっておき”で一気に突き放すぞ!」
次元「しかし、この人数乗ってちゃ機体がもつかわからねえぞ!?」
ルパン「それでもやるしかねえだろ!」
次元「……ええい!」

ルパン「皆、しっかり捕まれよ!」

五ェ門「……」コクリ
しんのすけ「あはぁ~///」
不二子「もう、どこ触ってるのよ、xxx!」

次元「――南無三!」

ポチッ!

53: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/02/24(水) 08:27:12.74 ID:LUWESdfU0
ゴゴ……ゴゴゴゴ……!

黒仮面「機体の側面に、ジェットの噴射口が……!?」
黒覆面「い、いかがなさいますか!?」
黒仮面「……今は見逃すしかない」

黒仮面「――だが、奴らの目的が我らゾーサン帝国の“真の”秘宝なら、
      必ずや再び会うだろう」

黒仮面「その時を楽しみにしていろ、ルパン……!」

黒仮面「フハハハハハ……フハハハハハハッ!」

55: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/02/24(水) 08:31:05.69 ID:LUWESdfU0
ゴゴ……ゴゴゴゴ……!

ひろし「おい! このままじゃ逃げられちまうぞ!?」
みさえ「もっとスピードを上げなさいよ!」

ゴゴゴゴゴゴ……!

銭形「わかっとる! わかっとるが……!」

ゴォオオオオオオ――ッ!!

しんのすけ「とーちゃ――~~ん! かーちゃ――~~ん!」

ひろし「しんのすけ――~~っ!」
みさえ「しんちゃ――~~んっ!」

 
59: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/02/24(水) 08:57:33.14 ID:LUWESdfU0
     ・    ・    ・
三日後

コンコン!

「――銭形警部」

銭形「わかっとる。……通せ」

「……はい」

ガチャッ

ひろし「……どうも、銭形警部」
みさえ「……」

銭形「野原さん――どうぞおかけください」

60: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/02/24(水) 09:02:26.49 ID:LUWESdfU0
ひろし「ルパンの足取りは――しんのすけは、まだ見つからないんですか!?」
みさえ「あなたっ、落ち着いて!」

銭形「……」

ひろし「だけどっ!?」
みさえ「ここであたなが大声を出したって、
     しんちゃんは見つからないのよ!?」
ひろし「えーえー、そうですね! その通りだよ!
     よくそんなに冷静でいられるよな!」

銭形「お、お二人共ちょっと落ち着いて……」

みさえ「何!? まさか、私が冷静だとでも思ってるわけ!?」

ひろし「俺にはそうとしか見えないね!」

みさえ「私だって……私だってねぇ!
     泣き喚いてしんちゃんが戻ってくるなら、いくらでもそうするわよ!」

ひろし「みさえ……すまん、俺が馬鹿だった」

銭形「……落ち着かれましたかな」

 

62: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/02/24(水) 09:08:01.94 ID:LUWESdfU0
ひろし「……すみません、みっともない所をお見せして」

銭形「いやいや、お子さんが連れ去られたのですから、
    ご両親のそのお気持ちはむしろ当然でしょう」

みさえ「そう言ってくれると助かります」
ひろし「銭形警部……ルパンはまだ見つからないんですか?」

銭形「……申し訳ありません。
    全力で捜索してはいるんですが、何せ奴は神出鬼没でしてな」

ひろし「そうですか……」
みさえ「あぁ、しんちゃん……!」

銭形「――しかし、ご安心ください」

銭形「この銭形の命にかえましても、必ずやルパンを捕まえ、
    しんのすけ君をお二人の元へ送り届けましょう!」

ひろし・みさえ「銭形警部……」

63: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/02/24(水) 09:14:59.11 ID:LUWESdfU0
銭形「――しかし、しんのすけ君をちゃんと迎えてあげるためにも、
    今お二人が無理をするのはいただけませんな」

ひろし・みさえ「?」

銭形「見たところ、顔色が大分悪いじゃーありませんか」

ひろし・みさえ「それは……」

銭形「お子さんが戻ってきた時にご両親が体を壊していては、
    悲しむのはお子さんでありますからなぁ」

ひろし「それを言ったら、銭形警部だって……」
みさえ「目の下のクマがひどいですよ?
     もしかして、一睡もなさってないんじゃ……」

銭形「ワシゃあ独り身ですし、心配する家族もありません」

銭形「それに――困っている人のために無理をするのが、
    我々警察の務めでありますので」

64: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/02/24(水) 09:20:09.58 ID:LUWESdfU0
ひろし・みさえ「……」

銭形「ん? どうかなされましたかな?」

ひろし「――それでも、根をつめすぎても良くありませんよ」
みさえ「ええ。いざルパンと対峙した時に、
     寝不足で体が動かないんじゃ困りますもの」

銭形「あいや、しかし……」

ひろし「どうです銭形警部!
     今夜当たり、クイッと一杯!」
みさえ「それは良い考えね!」

銭形「野原さん……」

銭形「――それじゃあ、お呼ばれしましょうかな!」

ひろし・みさえ「ええ、是非!」

66: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/02/24(水) 09:28:10.90 ID:LUWESdfU0
     ・    ・    ・

しんのすけ「アークショ~ンか~め~ん~正義のか~め~ん~♪」
        ゴゴーッゴー♪ レッツゴ~~~♪」

五ェ門「アクション仮面……なんと義に厚い男か……!」

しんのすけ「うんうん、おじさんも中々見所があるなぁ」
五ェ門「……おじさんではない。
     拙者の名は五ェ門だと言ったであろうが」

しんのすけ「ぶりぶりざえもん?」

五ェ門「……もうおじさんで構わん!」
しんのすけ「んもー、良い大人がすねるなんてみっともないぞ」

次元「で? 俺たちはいつまでこうしてりゃ良いんだ?」
不二子「そうね。つまらなくはないんだけど、ちょっと飽きてきちゃったわ」

ルパン「……勝手なこと言ってくれるぜ、全くよ」

67: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/02/24(水) 09:32:07.34 ID:LUWESdfU0
次元「大体よ、そのツイン・ゴールデンは何だってんだ?」

不二子「私も調べたんだけど、結局大したことはわからなかったわ。
      ねぇ、ルパン。本当に、それがもんの凄いお宝になるの?」

ルパン「なんでぇ、不二子も知らなかったのか」

ルパン「……そんじゃま、コイツの説明がてら――」

キラーン!

ルパン「――今回のお宝の話でもするか」

しんのすけ「おおっ、金のxxxx」

71: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/02/24(水) 09:38:54.23 ID:LUWESdfU0
ルパン「――16世紀初頭、ヨーロッパで圧倒的な力を振るいながらも、
     ある時忽然と歴史の表舞台から姿を消した国があった」

ルパン「その名も――ゾーサン帝国」

ルパン「ゾーサン帝国が力を振るっていたのは、
     その資金力を背景にしていたのさ」

次元「金の力で近隣諸国を従えてた、ってのか?」

ルパン「ああ、そうさ」

不二子「でもルパン、どうしてそのゾーサン帝国が滅んじゃったわけ?」

ルパン「焦るなって。面白いのはここからなんだからよ」

72: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/02/24(水) 09:44:05.89 ID:LUWESdfU0
ルパン「――おかしいとは思わねえか?
     いくらなんでも、近隣諸国を従えるだけの金の力なんてよ」

次元「……確かにな」
不二子「そうね。私が近隣諸国のどこかの国の女王だったら、
      ゾーサン帝国に攻め入ってお金を頂戴しちゃうもの」

ルパン「過激だねぇ、不二子は」

不二子「スリルを楽しめるのが、良い女の条件でしょう?」

ルパン「ホントそのとーり! さぁっすが不二子ちゃん!」

次元「おい、ルパン。いいから話の続きをしやがれ」

ルパン「へいへい」

ルパン「二人の言う通り、ただ金が大量にあるだけじゃ駄目だ。
     他の国に攻め入られたら、いくらなんでもおしまいさ」

ルパン「――だが、近隣諸国は、ゾーサン帝国を攻める事が出来なかった」

73: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/02/24(水) 09:49:18.22 ID:LUWESdfU0
次元「そりゃまたどうして。まさか、ゾーサン帝国ってのが、
    物凄い軍事力を持ってたってオチじゃねえだろうな?」

ルパン「いんや。むしろ、俺が調べた所によると
     軍事力なんてほっとんど無く、金に任せて遊びほうけてたらしいぜ?」

不二子「あこがれるわねぇ、そんな生活!」

ルパン「――そんなゾーサン帝国が、どうして猛威をふるえたのか」

ルパン「その答えがこれ――ツイン・ゴールデンなのさ」

キラーン!

次元「勿体ぶるんじゃねえ。とっとと結論を言え」

ルパン「……仕方ねぇな」

ルパン「このツイン・ゴールデンは――黄金を無限に生み出す、
     魔法みたいな装置を起動するためのキーなんだ」

75: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/02/24(水) 09:57:47.77 ID:LUWESdfU0
次元「黄金を無限に生み出す? へっ、馬鹿言っちゃいけねえ」
不二子「そうねぇ……錬金術じゃあるまいし」

ルパン「ピンポンピンポーン! 大正解!
     冴えてるじゃねえか不二子」

不二子「えっ?」

ルパン「錬金術の研究が最も盛んだったのは16世紀。
     そして、ゾーサン帝国が隆盛を極めたのも丁度同じ時期だ」

ルパン「無限と思われる程の財力を誇ったゾーサン帝国に、
     錬金術が最も盛んな時期」

ルパン「そして、こいつは思ったと通りただの黄金の塊じゃなく、
     何か特殊な細工がしてあるって解析結果が出た」

キラーン!

ルパン「加えて、あの謎の集団……」

ルパン「――どうよ? 黄金を無限に生み出す装置じゃないまでも、
     もんのすげぇお宝の匂いがプンプンしてこねえか?」

77: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/02/24(水) 10:03:22.00 ID:LUWESdfU0
次元「……だがよ、ルパン」
ルパン「あん?」
次元「そこまでわかってるってんなら、
    どうしてとっととお宝を頂戴しに行かねぇんだ?」
不二子「だから、イマイチ信用できないのよね」

ルパン「……そ~れがさ~あ!
     このツイン・ゴールデンが鍵になってるとは思うんだがな?」

ルパン「調べてみても、装置の在り処がサ~ッパリわっかんねぇのよ」

不二子「なぁに!? それじゃ、
     いつまでこうしてればいいかわかんないってこと?」
ルパン「……そゆこと」

ルパン「……――悪ぃな、しんのすけ」

しんのすけ「お?」


80: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/02/24(水) 10:10:22.32 ID:LUWESdfU0
ルパン「本当はすぐに帰してやるつもりだったんだが、
     そ~もいかなくなっちまってよ」

ルパン「――お前さんが見た奴は、どうやら相当危険な奴らしい。
     このままお家に帰しちゃうとよ、おんもしろくない事になりそうなんだわ」

ルパン「さすがにそうなるってわかってて、
     そのまま帰すのは更におもしろくねぇ、ってのが俺達の考えだ」

ルパン「ホントはすぐにでもお宝を手に入れて、
     アイツらの目がしんのすけに向かないようにしたかったんだけどな」

しんのすけ「全くぅ、帰らなくてかーちゃんに怒られるのはオラなんだぞ」

ルパン「……そんじゃ、俺も一緒にお前さんのかーちゃんに怒られるさ」

しんのすけ「おおっ! それなら安心だぞ!」

ルパン「ヌフッ! そう言ってもらえると助かるぜ」

81: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/02/24(水) 10:20:23.09 ID:LUWESdfU0
ルパン「まぁ、代わりと言っちゃあなんだが、
     ある程度不自由はさせないつもりだ」

しんのすけ「家じゃあチョコビもアクション仮面もカンタムもセーラームフーンも
        途中で止められるから、オラ満足だぞ!」

次元「お子様は気楽で羨ましいぜ」
五ェ門「次元。アクション仮面は、その……捨てたものではない」
次元「……お前さん、何を言ってんだ?」
五ェ門「……」

不二子「寝る前とお菓子を食べたら、ちゃんと歯を磨かないと駄目よ?
     虫歯だらけだと、女の子に嫌われちゃうんだから」
しんのすけ「不二子ちゃんは、歯を磨く人がタイプ?」
不二子「勿論」

しんのすけ「おおっ! オラ、ちゃんと歯を磨くぞ!」

82: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/02/24(水) 10:27:18.22 ID:LUWESdfU0
しんのすけ「う~ん……でも、何かお礼をしないとなぁ」
ルパン「そ~んな事気にすんなって」
しんのすけ「人に何かして貰ったら、
        ちゃんと何かお礼をしなさいってかーちゃんが言ってた!」

次元「くっくっく! そうかい、それじゃあ何かして貰おうじゃねえか」
五ェ門「……うむ」
不二子「そうねぇ。ルパンの仕事が終わるまで退屈だしね」
ルパン「おいお~い、その言い方は無いんじゃないの?」

しんのすけ「それじゃ――」

一同「……」


しんのすけ「ぞ~おさん♪ ぞ~おさん♪」


一同「――」だああーっ!


……ピカアアア――ンッ!


しんのすけ「お?」

83: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/02/24(水) 10:31:09.16 ID:LUWESdfU0
次元「!? なんだ!?」
五ェ門「ツイン・ゴールデンが光りだした……!?」

ピカアアア――ンッ!

しんのすけ「スポットライトの用意までされてたなんて///」

不二子「違うわよ! ねえ、ルパン! どういう事!?」
ルパン「俺だってわっかんねーよ!」

しんのすけ「これはサービスしないと。
        ぞ~おさん♪ ぞ~おさん♪」

ピカアアアアアア――――ンッ!!

ルパン「! 光で何も見えねぇ――!」

しんのすけ「ぞ~おさん♪ ぞ~おさん♪」

85: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/02/24(水) 10:36:08.84 ID:LUWESdfU0
ルパン「っ……! 収まったか……?」

しんのすけ「……ふぅ。いや~、良い汗かいたなぁ」

次元「!? ルパン! ツイン・ゴールデンが無ぇぞ!」
ルパン「何だって!?」
五ェ門「……誰かが進入してきた気配は無かった」
不二子「何よぉ! これじゃあ、お宝が手に入らないじゃない!」
ルパン「俺に言われたって、何があったのか――」


しんのすけ「ぬおお――っ!?」


ルパン「!? どうした、しんのすけ!」

しんのすけ「お、オラのぞーさんが……」

キラーン!

しんのすけ「金のぞーさんになっちゃったぞ……」

99: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/02/24(水) 14:46:12.35 ID:LUWESdfU0
     ・    ・    ・
某所、地下

黒仮面「……」

黒頭巾A「――黒仮面よ、まだツイン・ゴールデンの足取りは掴めんのか」

黒仮面「……申し訳ありません。
     現在、全力でルパンを探しているのですが……」

黒頭巾B「言い訳はいらん! 我々が求めているのは、
      ツイン・ゴールデンと、それが生み出すもののみ!」
黒頭巾C「そのためにも……任せたぞ、黒仮面よ」

黒仮面「……はっ!」

黒頭巾達「ふふふ……ふぇははははは……!」

黒仮面(ふん……老いぼれ共が)

102: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/02/24(水) 14:54:54.32 ID:LUWESdfU0
黒仮面(ゾーサン帝国の真の秘宝は、
     貴様らのような金の亡者に渡すものか)

黒仮面(――精々利用させて貰うとしよう……!)

黒仮面「――ルパンの足取りは掴めたか?」

黒覆面A「はっ! 我が国の領内で、
      ルパンと思わしき人物の目撃情報があがっています」
黒覆面B「小さな子供を連れているとの情報もありますので、
      まず、間違いは無いかと」

黒仮面「ルパンめ……! まさか、これ程早くゾーサン帝国に伝わる舞、
      ゾーサンダンスの謎を解き明かしたというのか……!」

黒仮面「ゾーサンダンスは、皇族にだけ伝わる秘中の秘……。
     一体どうやって……」

黒覆面C「いかがなされますか?」

黒仮面「決まっている。――ただちに出撃し、
     ツイン・ゴールデンの使用者となった者を我らの手に!」

黒覆面達「了解っ!」

103: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/02/24(水) 14:59:33.25 ID:LUWESdfU0
     ・    ・    ・

シロ「クゥ~ン……」

ひろし「……そうかぁ、シロ。やっぱりお前も寂しいか」

シロ「クゥ~ン……」

みさえ「銭形警部が、きっとしんちゃんを取り戻してくれるわよ……」
ひろし「あぁ、そうだな……」

prrrr!prrrr!

ひろし「電話……鳴ってるぞ」
みさえ「……えぇ」

ぱたぱたぱた…

ひろし「……グスッ! チクショー、どこにいるんだよ、しんのすけ……!」


みさえ「あなた――――っ!!」


ひろし「!?」

104: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/02/24(水) 15:05:02.17 ID:LUWESdfU0
ひろし「ど、どうしたんだよみさえ?
     大声なんか出したりしたら、またご近所さんに」
みさえ「し、しん、しんしん……しん……!」
ひろし「しんしん? 雪なんか、これっぽっちも降ってないぞ」

みさえ「しんのすけが見つかったらしいのよ!」

ひろし「何だって!? でで、電話を貸してみろ!」
みさえ「はい!」
ひろし「もしもし!? 銭形警部ですか!?
     もしもし! もしも――し!!」

銭形『あっ、あまり大声を出さんでも聞こえとります!』

ひろし「クソッ、このポンコツ! よく聞こえねえぞ!」

銭形『ですからぁ、もう少し声を小さくしてくださぁーい!』

ひろし「……あ。俺の声で聞こえなかったのか」

107: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/02/24(水) 15:12:08.30 ID:LUWESdfU0
ひろし「その、しんのすけが見つかったって本当ですか!?」
みさえ「……!」

銭形『確証は無いですが、間違いないでしょうな』

ひろし「恐らくって……!」
みさえ「ねえ、どうなってるのあなた!?」
ひろし「シーッ! 今、詳しい話を聞いてる!」
みさえ「……!」コクコク
ひろし「確証が無いのに、どうして間違い無いなんて言い切れるんですか?」

銭形『……お子さんは、ルパンと行動を共にしている可能性が高い。
    そして、入ってきた情報はルパン一味と、お子さんの特徴に一致している』

銭形『――何より、ワシの勘が告げているんですよ。
    ルパンある所に銭形あり、と申しますからな』

ひろし・みさえ「……」

108: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/02/24(水) 15:18:44.73 ID:LUWESdfU0
銭形『……そういう訳ですので、ワシぁこれから現地に飛びます。
    お二人は、大船に乗ったつもりで――』

ひろし「あっ、あのっ!」

銭形『はい?』

ひろし「俺も……俺も、連れて行ってください!」
みさえ「あなた!?」

銭形『なっ――なんだってぇ~えぇ!?』

ひろし「しんのすけが寂しい思いをしてるってのに、
     大人しく会社になんて行ってられません!」
みさえ「ちょっとあなた!」
ひろし「……すまん、みさえ。もしかしたら……もしかするかもしれないけど、
     俺の命にかえてもしんのすけは必ず――」

みさえ「馬鹿なこと言わないでっ!」

ひろし「……すまん」

みさえ「私も行くに決まってるじゃない!」

ひろし「へっ?」

110: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/02/24(水) 15:27:13.24 ID:LUWESdfU0
ひろし「だっ――駄目だ駄目だ! いきなり何を言い出すんだ!?」
みさえ「それはこっちの台詞よ! あなただって……!」
ひろし「俺は良いんだよ! 俺は、しんのすけの父親だから!」
みさえ「それなら、私だってあの子の母親だわ!」
ひろし・みさえ「……!」

銭形『ゴホン! あー、よろしいですかな?』

ひろし「あ、す、すみません……」
みさえ「銭形警部! 私たちも連れて行ってください!」
ひろし「みさえ、お前……!」
みさえ「私だけを置いていったら、当分晩酌のビールは無しよ」
ひろし「……」

ひろし「……はは、そりゃ参った。
     そこまで言われちゃ、承知しないわけにはいかないな」

みさえ「あなたっ……!」
ひろし「みさえっ……!」

銭形『ウォッホン! よろしいですかなぁ?』

111: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/02/24(水) 15:34:17.28 ID:LUWESdfU0
銭形『わかってるとはぁ思いますが、
    今回の件は非常に危険だ』

銭形『ワシも全力を尽くしますが、
    それでもお二人の身の安全は保障しかねます』

ひろし「上司や得意先にあたまを下げて、
     部下に文句を言われても平気な俺なら大丈夫です!」
みさえ「わたしも、“あの”しんのすけの母親をやってるんです。
     並大抵の事でどうにかなったりするもんですか!」

銭形『……やれやれ、これは止めても聞き入れてくれそうにありませんなぁ』

ひろし・みさえ「はいっ!」

銭形『それではお聞きしますが……海外ですのでパスポートと――』

銭形『絶対に諦めない根性と、悪に立ち向かう勇気をお持ちですかな?』ニヤリ

113: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/02/24(水) 15:42:39.94 ID:LUWESdfU0
 

ひろし「――よし、これで準備は整ったな」
みさえ「あなた。はい、これ」
ひろし「おう」

ひょいっ

みさえ「しんのすけが見つかった時、
     あの子の服がないと困るものね」
ひろし「そうだな……!」

シロ「ワンワン!」

ひろし「シロ……まさか、お前も付いて来たいっていうのか?」

シロ「ワンッ!」

ひろし「……よ~し! 銭形警部に頼み込んでみるか!」

シロ「ワンッ! ヘッヘッヘッヘ」

114: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/02/24(水) 15:48:04.88 ID:LUWESdfU0
     ・    ・    ・
空港

ひろし・みさえ「銭形警部~~~っ!」

銭形「……来ましたか。それじゃ、出発――」

ひろし「あのっ!」

銭形「はい?」

みさえ「あの……この子も連れて行って良いですか!?」
シロ「ワンッ!」

銭形「いっ、犬ぅ~?」

ひろし「コイツも、しんのすけを心配する家族の一員なんです!」
みさえ「お願いします!」
シロ「クゥ~ン」

銭形「……はぁ、やれやれ」

116: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/02/24(水) 15:54:15.04 ID:LUWESdfU0
ひろし・みさえ「お願いします! 銭形警部!」
シロ「ワンワンッ!」

銭形「……お願いも何も、その犬はワシが特別に手配した、
    対ルパン用の特殊警察犬じゃあありませんでしたかな?」

ひろし・みさえ「!」
シロ「ワンッ!」

銭形「だから、連れて行くのは当然の事でしょう。
    な~にを言っとるんですか、ワハハハハ!」

ひろし「……ははは! そうでしたそうでした!」
みさえ「良かったわね、シロ!」
シロ「ワンッ!」
銭形「――それじゃあ、話もまとまった所で……」

銭形「しゅっぱ~つ!」
ひろし・みさえ「おしんこーっ!」
シロ「ワンワ~ンッ!」

120: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/02/24(水) 16:02:43.73 ID:LUWESdfU0
     ・    ・    ・
欧州、某所

しんのすけ「うおぉ~! パツキンぎゃるでいっぱいだぞ!」

美女「クスクスッ! ハァ~イ」

しんのすけ「はぁ~い///」
ルパン「ハァ~イ。……ヌフフ、どうよしんのすけ?」
しんのすけ「あの●●●●、よしなが先生に見習ってもらいたいもんですな」
ルパン「ヌフフフフ! お前さんも言うじゃねえか」
しんのすけ「いやぁ~///」

しんのすけ「でもルパン。あんまり目立っちゃいけないって、
        次元が言ってなかったっけ?」
ルパン「おいおい、その話には続きがあっただろ?」
しんのすけ「そだっけ?」

122: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/02/24(水) 16:08:11.11 ID:LUWESdfU0
ルパン「お前さんのおかげで財宝の大体の位置はわかったが、
     あともう一押しが足りねぇ」
しんのすけ「オラの金色のぞーさんのおかげだな」
ルパン「ああ、そうだな」

ルパン「ツイン・ゴールデンとくっついたしんのすけのぞーさんの鼻が、
     この国を示してくれた所までは良かった」

しんのすけ「この国に着くまで、いつも同じ方向を向いてて大変だったぞ……」

ルパン「アッハハハ! しんのすけが、なんとか星人……だっけか?
     変な動きをしてた時は、痛くて悲鳴をあげてたっけなぁ?」

しんのすけ「んもー! あの時の事は忘れる約束だぞ!」

ルパン「ニシシシ! わ~りぃわりぃ!
     あんまりにもおかしかったもんで、つい、な」

しんのすけ「全くぅ」

123: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/02/24(水) 16:14:20.74 ID:LUWESdfU0
ルパン「……話を戻すぜ」

ルパン「――調べてみても、
     ゾーサン帝国の真の財宝の在り処はわからなかった」

ルパン「だがよ、そいつを知ってそうな奴らがいただろう?」

しんのすけ「おぉ、あの黒い奴らだね」

ルパン「その通り」

ルパン「だから、こうしてわざと目立つようにして、
     アイツらが引っかかるのを待つってぇ事さ」

しんのすけ「オラはてっきり、ルパンが外人のおねいさんを見たいのかと……」
ルパン「がく! おいおい、しんのすけは、
     俺がそんな軽い奴に見えるのかい?」

美女「ハァ~イ」

ルパン・しんのすけ「はぁ~い///」

しんのすけ「……そうとしか見えないぞ」

124: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/02/24(水) 16:15:30.84 ID:LUWESdfU0
おやつ

127: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/02/24(水) 16:43:58.39 ID:LUWESdfU0
ルパン「……まぁ、今はゆっくりしてようぜ。
     これから忙しくなるんだから――」

ルパン「!……奴さん達、おいでなすったみたいだぜ」

しんのすけ「おイモナスった?」
ルパン「あの黒い奴らが現れたってこった!」


黒覆面A・B・C「シャアアーッ!」


しんのすけ「ぬおお~っ!?」
ルパン「しんのすけ! しっかり掴まってな!」
しんのすけ「ほいさー!」

128: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/02/24(水) 16:50:52.03 ID:LUWESdfU0
一般市民「キャアアーッ!?」
一般市民「オーノー!?」

ルパン「こんな街中で襲ってくるたぁ、良い度胸じゃねえか!」

ドンドンッ!

黒覆面A「……ツイン・ゴールデンの使用者を渡せ」

ルパン「使用者? さぁ~て、なんのことかなぁ?」
しんのすけ「ルパン、忘れちゃったのか。
        金のxxxxだったらオラのぞーさんにくっついたじゃな~い」
ルパン「あ~、そういえばそうだったなぁ」

ルパン「――って! どうして言うんだよ!?」
しんのすけ「もう! どうしてのっちゃうの!?」
ルパン「ああもう! ああ言えばこう言う!」
しんのすけ「こう言えばああ言う~」

黒覆面B「……その小僧か!」

130: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/02/24(水) 16:56:05.95 ID:LUWESdfU0
黒覆面C「シャアーッ!」

ルパン・しんのすけ「!?」

――ドンドンッ!

黒覆面C「……うぐっ!?」

ドサッ!

次元「――へっ! 誰か忘れちゃいませんか、ってんだ」

ルパン「さっすが次元ちゃん!」
しんのすけ「ナイトスイミングだぞ」
ルパン「それを言うならナイスタイミング!」

131: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/02/24(水) 17:01:10.75 ID:LUWESdfU0
五ェ門「きえああーっ!」

シュピィンッ!

黒覆面X・Y・Z「……」

…ドサリッ!

五ェ門「――ボヤボヤしている暇はないぞ、ルパン!」
不二子「そうよ!」

ドンドンッ!

不二子「この周辺はすっかり囲まれちゃってるわ! 凄い数よ!」

ルパン「……奴さん達、日本の時とは違って今度は本気みてぇだな」
しんのすけ「どうするの、ルパン?」
ルパン「アクション仮面だったら正々堂々戦うんだろうが――」

ルパン「俺たちゃ泥棒! 戦うのはお仕事じゃないの! 一旦引くぜ!」

132: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/02/24(水) 17:08:04.49 ID:LUWESdfU0
     ・    ・    ・

五ェ門「きえあっ!」

シュピインンッ!

次元「ったく! しつこいったらありゃしねえ!」

ドンドンッ!

不二子「でも、このままなら逃げ切れそうね!」

ドンッ!

ルパン「……」

ルパン(――いや、おかしい)

黒覆面達「……!」

ルパン(これだけの人数がいたら、もっと効果的な包囲が出来るはず――)

ルパン「――しまった!」
しんのすけ「ドアが?」

ルパン「こりゃあ罠だ!」

134: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/02/24(水) 17:17:39.84 ID:LUWESdfU0
黒仮面「――フハハハッ! 今頃気付いても遅いぞ、ルパン!」

黒覆面達「……!」

次元「ちいっ! 完全に囲まれたか!」
五ェ門「……」
不二子「ど~するのよルパン!?」

ルパン「――なぁ、黒仮面さんよ。おかしいとは思わねえか?」

黒仮面「……何?」

ルパン「どうして俺が、わざわざ自分の居場所を教えるような真似を
     したかってぇ事をさ」

黒仮面「ふん! 大方、ツイン・ゴールデンの示す場所がわからず、
      我々をおびき寄せ、その情報を得ようという所だろう!」

ルパン「ご明察」

ルパン「――だが、それだけじゃあ50点しかやれねぇな」

黒仮面「……どういう意味だ」

136: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/02/24(水) 17:23:22.77 ID:LUWESdfU0
ルパン「お前さんは知らねえかもしれねえがな、
     俺達ってばすんごい奴に追われてるわけよ」
次元「――あぁ、確かに奴の執念は本物だな」
不二子「そうねぇ。確かに、あんた達よりもゾッとさせられるわ」
五ェ門「……うむ」

黒仮面「なんだ? お前達、一体誰の事を言っている……!?」

しんのすけ「そうだぞ! 自分達ばっかりズルいぞ!
        ねえ、変な顔の人」

黒仮面「これは素顔ではない! 仮面だ!」

しんのすけ「あ、そ」

ルパン「誰のことかは――」


銭形「ルパ~~~ン! 逮捕する~~~っ!」


ルパン「――本人に聞いたほうが早いんじゃねえか?」

137: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/02/24(水) 17:28:14.01 ID:LUWESdfU0
黒覆面D「ええいっ! そこの車止まれ!」

銭形「どけどけぃ! どかんと、どうなっても知らんぞ!」

黒覆面E「シャアアーッ!」

銭形「日本の警察を舐めるな~あぁ!」

黒覆面F「……よし! 取り付いたぞ!」

みさえ「あっ、あなた!」
ひろし「おう、まっ、任せろ!」

黒覆面F「ふん、ただの民間人ごときに――」

ひろし「くらえっ! 三日間はき続けた靴下攻撃!」

黒覆面F「うおぅっ……!?」

……ドサッ!

ひろし「やっ、やったぞ!」
みさえ「素敵よ、あなたっ!」

140: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/02/24(水) 17:35:58.62 ID:LUWESdfU0
ルパン「――予定じゃあ、
     お前達よりも先にとっつぁんが来るはずだったんだぜ?」

ルパン「多分、とっつぁんが遅れた理由は――」

ひろし「しんのすけ――っ!」
みさえ「しんちゃ――んっ!」

しんのすけ「おおっ! とーちゃん! かーちゃん!」

ひろし「今助けるぞーっ!」
みさえ「ちょっとそこのアンタ! 手を離しなさいよ!」

ガインッ!

黒覆面G「うぐっ!?」

しんのすけ「妖怪お短気おばば……」

みさえ「何ですって~~~っ!?」

ルパン「……だけどまぁ、おかげで良~いタイミングになってくれたな」

黒仮面「おのれ……!」

141: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/02/24(水) 17:43:10.48 ID:LUWESdfU0
ルパン「さあ、大人しくとっつぁんに捕まりな」

ルパン「お前さんを捕まえて情報が欲しい所ではあったが、
     あの様子を見る限りそんな余裕はなさそうだ」

ルパン「それに、邪魔が入らないんなら、
     こっちはゆ~っくりお宝の在り処を探ることが出来るからよ」

黒仮面「そうはいくか!――かかれっ!」

黒覆面達「シャアアーッ!」

ルパン「往生際がわりったらありゃしねえぜ、ったくよぉ!」

ルパン「次元、五ェ門、不二子っ!」

次元、五ェ門、不二子「おうっ!」

143: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/02/24(水) 17:48:31.90 ID:LUWESdfU0
銭形「それにしても、何なんだコイツらは!?」

黒覆面達「シャアアーッ!」

ルパン「とっつぁん! 良~い事を教えてやるぜ!」

ドンドンッ!

銭形「ルパン!」

ルパン「こいつらはな、日本で美術館お襲った奴らの一味さ!
     そして、今もこのしんのすけを狙ってる!」
しんのすけ「オラが美少年なのが理由だぞ!」
ルパン「そうじゃないっつーの!」

ルパン「とにかく! コイツらを放っておいてもいいのかい!?」

銭形「んむむむ……! なんだかわからんが、
    まとめて逮捕する~っ!」

ルパン「さっすがとっつぁん! 話がわかるぜ!」

147: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/02/24(水) 17:54:20.68 ID:LUWESdfU0
ドンドンッ!

黒仮面「――ちいっ! このままでは埒が明かん!」

黒仮面「お前達! 目標の奪取を優先しろ!
     ルパン一味や日本の警官は捨て置け!」

黒覆面「はっ!」

ルパン「へっ! やっぱりそう来やがったか!」

ルパン「しんのすけ! わかってるたぁ思うが、
     俺から離れるんじゃねぇぞ!……って――」

美人「うぅん……」
しんのすけ「おぉ、顔を隠してるから気になって見てみたら、
        中身は綺麗なおねいさんだったぞ」

ルパン「――な~にをやってるんだ、しんのすけ!」

148: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/02/24(水) 17:58:37.96 ID:LUWESdfU0
銭形「むうっ!? こりゃいかん!」

ひろし「――みさえっ!」
みさえ「――ええ、あなたっ!」

ガチャッ!

銭形「あっ、コラ! 今車を降りちゃ危ない!」

ひろし・みさえ「うおおおおおりゃあああああっ!!」

ぷ~ん!

黒覆面H「うっ!? 臭っ……!」

ドゲシッ!

黒覆面I「なっ、なんて尻の威力だ……!」

ひろし・みさえ「しんのすけえええええっ!」

149: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/02/24(水) 18:04:19.20 ID:LUWESdfU0
ルパン「――しんのすけ! 早くこっちに来るんだ!」

しんのすけ「ほーい」

――ヒョイッ!

しんのすけ「お?」
黒仮面「――フハハハッ! 詰めが甘かったようだな、ルパン!」

ルパン「ちいっ!……悔しいが、どうやらそうらしいな」

バタタタタタタ!

五ェ門「ルパン! このままでは逃げられるぞ!?」
次元「ちいっ!」

カチャリ!

ルパン「次元よせっ! この位置じゃ、しんのすけに当たっちまうかもしれねえ!」
次元「くそっ! どうする事も出来ねえってのか!?」

150: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/02/24(水) 18:09:00.79 ID:LUWESdfU0
バタタタタタタ!

黒仮面「対象は確保した! 出せっ!」

黒覆面「はっ!」

ルパン「くっ……!」


ひろし・みさえ「うおおおおりゃあああああっ!」

ガシイッ!


しんのすけ「とーちゃん! かーちゃん!」

黒仮面「!? 何をしている! ロープを放せ!」

ひろし「へっへ~ん! 死んでも離すもんか!」
みさえ「離すのはそっちでしょ! しんのすけを返して!」

151: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/02/24(水) 18:13:29.83 ID:LUWESdfU0
     ・    ・    ・

黒覆面J「ちいっ! 撃ち落とせ!」
黒覆面K・L・M・N「!」

カチャリ!

銭形「そうはいくか~ぁ!」

ヒュッ!

黒覆面J・K・L・M・N「うっ、うわあああっ!?」

グルグルグルグル……ビシイッ!

銭形「貴様ら全員、銃刀法違反の罪で逮捕する~っ!」

銭形「……あれ? この国の法律ではどうだったっけか?」

153: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/02/24(水) 18:19:46.26 ID:LUWESdfU0
     ・    ・    ・

黒仮面「くっ! こうなったら仕方ない……!」

しんのすけ「そういえば、その仮面の下ってどんな顔なの?」

黒仮面「うわっ!? おい、ちょっ、この馬鹿!」
しんのすけ「隠さなくても良いのに~」

よじよじよじよじ

黒仮面「あははははっ! こら、くすぐったいっ! あはははは!」
しんのすけ「そーれ」
黒仮面「やっ、やめっ――」

カポッ!

しんのすけ「おぉ……すっごい美人だぞ」
(黒仮面)「くっ……!」

155: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/02/24(水) 18:23:57.50 ID:LUWESdfU0
     ・    ・    ・

ルパン「おっ、女ぁ!?」

五ェ門「……美しい」
不二子「ふんだ! 私の方が綺麗よ!」

次元「おい、ルパン! アイツの額の刺青は……」
ルパン「――ああ、間違いねえ」

ルパン「古文書の中にあった、
     ゾーサン帝国の皇族の紋章と全く同じだ……」

     ・    ・    ・

黒覆面「大丈夫ですか、黒仮面様!?」

(黒仮面)「構うなっ! 出せっ!」

黒覆面「はっ、はいっ!」

 

158: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/02/24(水) 18:32:54.07 ID:LUWESdfU0
バタタタタタッ!

(黒仮面)「――さらばだルパン! もう会うことは無いだろうがな!」

ルパン「ちっくしょう! 待ちやがれ!」
銭形「おいルパン! 一体全体、何がどうなってる!?」
ルパン「今は説明してる時間なんて無いってぇの!」
銭形「あ、おい!」

バタタタタタ!

ひろし「うおおおっ!? たっ、たけええええっ!?」
みさえ「ひいいいいっ!?」

(黒仮面)「フハハハハハッ!」

しんのすけ「ルパ――ン!」

ルパン「しんのすけ――っ!」

163: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/02/24(水) 19:12:31.53 ID:LUWESdfU0
     ・    ・    ・

黒頭巾A「ワァハハハハ! 良くやったぞ、黒仮面!」

黒仮面「……お褒めに預かり、光栄でございます」

黒頭巾B「少々予定は狂ったが、これで無限の富を手にする事が出来る!」
黒頭巾C「その暁には、ゾーサン帝国の再建も許そうか」

黒仮面「いえ、それには及びません」

黒頭巾A「ふむ、欲の無いことだ」
黒頭巾B「我々に比べれば、誰だってそうであろうよ」
黒頭巾C「ワァハハハハ! 違いない!」

黒仮面「……」

164: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/02/24(水) 19:16:17.87 ID:LUWESdfU0
     ・    ・    ・
客室

ひろし「――駄目だ、この窓も開かない……」
みさえ「こっちも駄目……」

ひろし「どっかの屋敷に着いたと思ったら、
     急にここに放り込まれたけど……」
みさえ「しんちゃん……無事なのかしら」

ひろし・みさえ「……」

ひろし「――とにかく、逃げ道を探してみよう」
みさえ「……ええ、そうね。
     部屋中探せば、どこかに抜け穴か何かあるかもしれないもの」

ひろし・みさえ「しんのすけ……!」

165: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/02/24(水) 19:20:07.49 ID:LUWESdfU0
     ・    ・    ・
部屋

しんのすけ「う~ん、暇だなぁ」

しんのすけ「お菓子やジュースはあるけど、
        それ以外は何もないぞ」

しんのすけ「テレビか水着のおねいさんの写真集があれば良いのに」

カチャカチャ……カチャリッ!

しんのすけ「お?」

ガチャッ!

しんのすけ「っ……!」


シロ「ワンワンッ!」


しんのすけ「シロっ!!」

166: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/02/24(水) 19:24:42.19 ID:LUWESdfU0
しんのすけ「どうしてシロがここに居るんだ?」
シロ「ヘッヘッヘッヘッ!」

しんのすけ「まかさ……シロの偽者?」

シロ「クゥ~ン! クゥ~ン!」

しんのすけ「じゃあ、本物?」

シロ「ワンワンッ!」

しんのすけ「もー! ちゃんと喋ってくれないと、
        本当はどっちなのかわからないぞ!」
シロ「……」

シロ「ワンッ!」

くるりんっ!

しんのすけ「おおっ! わたあめ! 本物のシロだったぞ!」
シロ「ワンッ!」

黒仮面「――くっくっく! なんだ、その芸は……くくくっ!」

167: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/02/24(水) 19:30:47.32 ID:LUWESdfU0
ガチャッ

黒仮面「全く、荷物の中に犬が入っていた時は驚いた」

バタンッ!

しんのすけ・シロ「……」

黒仮面「どうした? 怖くて言葉も出ないか?」


しんのすけ「どちらさま?」


黒仮面「――」だああーっ!

黒仮面「お前をここに連れてきたのは私だろう!」
しんのすけ「おぉ、そうだったそうだった」

168: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/02/24(水) 19:37:39.24 ID:LUWESdfU0
しんのすけ「それで、美人のおねいさんが何の用?
        デートのお誘い?」
黒仮面「……いいや、違う」

しんのすけ「ほーい! モテる男はつらいなぁ」

黒仮面「違うと言っているだろう!」
しんのすけ「あら」

黒仮面「少年――君に協力してもらいたい」
しんのすけ「今日? “りょく”って何?」
黒仮面「……力を貸してもらいたいのだ」
しんのすけ「おぉ、なるほど」

しんのすけ「だったら、最初から協力してくれって言えばいいのに」

黒仮面「意味はわかっていたんじゃないか!」

黒仮面「……くうっ、調子の狂う奴だ」
しんのすけ「いやぁ~///それほどでも~///」
黒仮面「褒めてない!」

169: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/02/24(水) 19:42:59.52 ID:LUWESdfU0
黒仮面「……はぁ。仮面をつけて叫ぶと苦しいんだぞ?」
しんのすけ「アクション仮面みたいに、口のとこだけ出せば良いのに」
黒仮面「? なんだ、それは」
しんのすけ「ええっ、知らないの!?」
黒仮面「あ、ああ」

しんのすけ「悪の手から皆を守る正義のヒーローだぞ!」

黒仮面「悪の手から……か」

しんのすけ「ん?」
黒仮面「……いや、なんでもない」

黒仮面「――そういえば、自己紹介がまだだったな」

黒仮面「私の名は、オヒメ・サーマ・ゾーサン」

カポッ

オヒメ「ゾーサン帝国の……皇族の末裔だ」

171: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/02/24(水) 19:48:57.02 ID:LUWESdfU0
しんのすけ「オラ、野原しんのすけ! 五歳!」

オヒメ「小さいと思っていたが、まだそんな歳なのか」

しんのすけ「それで、こっちがシロ」
シロ「ワンッ!」
しんのすけ「とーちゃんがひろしで、かーちゃんがみさえ。
        とーちゃんのほうのとーちゃんは――」

オヒメ「い、いや。もう十分だ」
しんのすけ「まあまあ、遠慮なさらずに」
オヒメ「そうか? それじゃあ、遠慮なく……」

オヒメ「……――そろそろ話を進めていいか?」

しんのすけ「待ちくたびれそうだぞ」

オヒメ「……本当に変な子供だな、しんのすけは」

174: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/02/24(水) 19:54:27.53 ID:LUWESdfU0
オヒメ「ゾーサン帝国と、その秘宝の話はどこまで聞いている?」

しんのすけ「王様が着ているのは実は透明な服じゃなくて、
        未来の技術でつくられたシースルーってとこまで」

オヒメ「最初から話そう」

オヒメ「――16世紀、圧倒的な財力を背景に、
    ヨーロッパで猛威を振るっていたゾーサン帝国という国があった」

しんのすけ「お、その話なら覚えてるぞ!
        インキン術だっけ?」

オヒメ「錬金術だ!……ゴホン!」

オヒメ「――錬金術を極めた私の先祖は、
     ゾーサン帝国をより強固なものにしていった……」

175: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/02/24(水) 20:01:50.88 ID:LUWESdfU0
オヒメ「錬金術の粋を集めた装置は、私達皇族と、
     その力を増幅するツイン・ゴールデンが無いと不可能だった」

オヒメ「それ故、近隣諸国に略奪される恐れもなく、
     ゾーサン帝国は繁栄を極めていったんだ」

オヒメ「……だが、近隣諸国は、ゾーサン帝国から輸出される金を奪い合い、
    血で血を洗う戦争をするようになっていったんだ」

しんのすけ「……おお」

オヒメ「このままでは、ヨーロッパ全土が戦火に包まれる。
     ……そう思った当時のゾーサン皇帝は、装置の廃棄を決定した」

オヒメ「それを知った近隣諸国は、我先にとゾーサン帝国に攻め入ったんだ。
     残りの金塊を手に入れるためと、あわよくば装置を自分のものにしようと、な」

176: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/02/24(水) 20:06:17.08 ID:LUWESdfU0
オヒメ「――だが、そのことを予見していた皇帝は、
     ツイン・ゴールデンを国外へと持ち出していたんだ」

オヒメ「そして、その存在は時間をかけてゆっくりと忘れ去られていく……」

オヒメ「……――はず、だったんだ」

しんのすけ「遺跡から、金のxxxxが見つかったから?」

オヒメ「その通り」

オヒメ「そして、それを知ったゾーサン帝国の家臣の末裔が、
     再び富と権力を手に入れようと動き出した、というわけさ」

しんのすけ「ん~……」

オヒメ「? どうした?」

しんのすけ「オヒメちゃんの話、なんか変だぞ」

177: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/02/24(水) 20:10:40.47 ID:LUWESdfU0
オヒメ「私の話が……おかしい?」
しんのすけ「うん」
オヒメ「どこがおかしいというんだ?」

しんのすけ「だって、オヒメちゃんの言い方だと、
        インキン術の装置は動かしちゃいけないんでしょ?」

オヒメ「ああ、そうだ。またあれが使われるようになれば、
    また不幸な争いが繰り返されるかもしれない」

しんのすけ「だったら、どうしてオヒメちゃんは、
        悪いやつらに協力してるの?」

オヒメ「それは――装置を完全に破壊するためだ」

しんのすけ「ほほう」

180: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/02/24(水) 20:15:03.48 ID:LUWESdfU0
オヒメ「ツイン・ゴールデンは、
     使い方によっては装置を破壊する鍵にもなる」

オヒメ「しんのすけ……だから、お前に協力して欲しいんだ」

しんのすけ「ん~、よくわかんないけど良いよ」

オヒメ「ほっ、本当か!?」

しんのすけ「オヒメちゃんは良い事をしようとしてるんだよね?
        だったら、とーちゃんもかーちゃんも怒らないと思うぞ!」

オヒメ「ありがとう、しんのすけ!」

ぎゅっ!

しんのすけ「あはぁ~///」

181: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/02/24(水) 20:19:19.85 ID:LUWESdfU0
     ・    ・    ・

ひろし・みさえ「……はぁ……はぁ……!」

ひろし「くっそー……! やっぱり逃げるのは無理なのかよ……!」
みさえ「ねぇ……私達、これからどうなっちゃうの?」
ひろし「さぁなぁ……しんのすけ、無事だと良いんだけど」

ひろし・みさえ「……」

コンコン

ひろし・みさえ「!?」

ひろし「――みさえ、チャンスだ!」ボソッ
みさえ「危ないわよ!」ボソッ
ひろし「馬鹿っ! 今を逃したら、
     次のチャンスはいつになるかわからないだろ!」ボソッ
みさえ「……気をつけてね」ボソッ
ひろし「おうよ!」ボソッ

182: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/02/24(水) 20:23:52.74 ID:LUWESdfU0
コンコン

ひろし「……なんだよ、何か用かよ」

『――入るぞ』

ひろし「!」
ひろし(この声……確か、あの黒い仮面の奴だ!)
ひろし「……勝手にしろぃ」

……ガチャッ!

ひろし「くらえええっ! 接待ゴルフで鍛えたこのスイングをおおおっ!」

ブウンッ!

しんのすけ「お?」

スカッ!

ひろし「だああああっ!?」ゴロゴロゴロッ
しんのすけ「おー、さすがとーちゃん。
        良い扇風機ですなぁ」

みさえ「しんちゃん!」

183: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/02/24(水) 20:31:20.26 ID:LUWESdfU0
しんのすけ「よ」

ひろし「しっ、しんのすけ!? しんのすけなのか!?」

しんのすけ「反町隆史です」

みさえ「何言ってんの! あんたみたいなイガグリ頭と
     ゲジゲジの眉毛を見間違うもんですか!」
ひろし「あぁ、全くだ!」
しんのすけ「そう?」

ひろし・みさえ「しんのすけえええっ!」
しんのすけ「とーちゃん! かーちゃーん!」

ぎゅっ!

ひろし「無事で良かった! 良かったなぁ、しんのすけ!」グリグリ
しんのすけ「ぬおお! とーちゃん、おヒゲが痛いぞ~!」
ひろし「そうかそうか! ウリウリ~!」グリグリ!
みさえ「もう、あなたったら!……グスッ!」

シロ「ワンワンッ♪」

184: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/02/24(水) 20:36:07.35 ID:LUWESdfU0
ゴハン
やべえ一日で終わらねえ

188: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/02/24(水) 21:06:59.97 ID:LUWESdfU0
黒仮面「……感動の再会、というわけか」

ひろし「! てめえっ! よくもノコノコ顔が出せたな」
しんのすけ「仮面をつけてるぞ」
ひろし「あぁ、確かに」
みさえ「そういう問題じゃないでしょ!」
ひろし「そっ、そうだった!」

ひろし「やいやいやい! 家族には、指一本触れさせねえからな!」

黒仮面「……」

ひろし「なっ、なんだ!? やるのか!?」

黒仮面「……」

ひろし「俺は空手100段なんだぞ!? ホワーッ! チョワーッ!」

黒仮面「――くくくっ! やはり、しんのすけの家族だな!」

189: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/02/24(水) 21:11:26.25 ID:LUWESdfU0
ひろし「……なんだよ、それがどうしたってんだ」

黒仮面「いや――」

カポッ

オヒメ「――愉快な所が似ているな、と思ったんだ」

ひろし「いやぁ~///美人にそう言われると照れるなぁ///」

……

ひろし「……――はっ!?」

みさえ「あ~な~た~?」ゴゴゴゴゴ

ひろし「いっ、今のは違うんだ! ホラ、美人だったから“つい”!」

みさえ「いくら美人だからって、自分を浚った相手にデレデレする奴があるかー!」

ぐりぐりぐりぐり!

ひろし「ぎゃあああっ! 許してくれ、みさえー!」

190: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/02/24(水) 21:17:39.72 ID:LUWESdfU0
オヒメ「……くっくくっ! あははははは!」

みさえ「ほら見なさい! 笑われてるじゃないの!」
ひろし「お、俺だけが悪いってのかよ……!?」
みさえ「何か言った?」
ひろし「……いえ、別になんでも」

オヒメ「しんのすけ、お前のご両親は本当に愉快だな……くくくっ!」
しんのすけ「はぁ……親がこれだと、子供は苦労するよ」
オヒメ「お前が言えた台詞ではないと思うぞ」
しんのすけ「エッヘン!」
オヒメ「褒めてはいない……くくっ!」

ひろし「何だ?……おい、しんのすけ」
みさえ「なんだか、妙に仲が良さそうじゃないの……」

しんのすけ「オラの魅力で、オヒメちゃんをメロメロにしただけだぞ」
オヒメ「こら、嘘をつくんじゃない」
しんのすけ「ほーい」

ひろし・みさえ「……?」

191: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/02/24(水) 21:22:15.07 ID:LUWESdfU0
     ・    ・    ・

ひろし「――そうかぁ、そんな事が……」
みさえ「それじゃあ、オヒメちゃんは味方なのね?」

オヒメ「そう思ってくれると、私としても嬉しい」

ひろし「成る程……――よし、わかった! 俺達も協力するよ!」

オヒメ「良いのか!?」

みさえ「良いも何も、しんちゃんは協力するんでしょ?」
しんのすけ「うん」
みさえ「だったら、私達が協力するにはそれで十分よ」
しんのすけ「おおっ! とーちゃん、かーちゃん、太っ腹~!」

シロ「ワンワンッ!」
ひろし「はははっ! シロ、お前も手伝うって?」
シロ「ワンッ!」

オヒメ「皆……!」

192: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/02/24(水) 21:30:06.56 ID:LUWESdfU0
ひろし「だけど……これだけは約束してくれ」

オヒメ「……」

ひろし「俺達の身の安全は、絶対に保障してくれ」

オヒメ「それは――勿論だ」

ひろし「ホッ!……それが聞けたら十分だよ」
みさえ「ねぇ、オヒメちゃん」

オヒメ「何だ?」

みさえ「貴方……ゾーサン帝国の装置を破壊したら、
     その後どうするつもりなの?」

オヒメ「……さて、な。そんな事、考えたことも無かった……」

しんのすけ「だったら、ウチに来れば?」

オヒメ「――えっ?」

193: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/02/24(水) 21:35:25.68 ID:LUWESdfU0
オヒメ「しんのすけ、冗談はよせ」

ひろし「おおっ、そりゃ良いや!」
みさえ「そうね、空いてる部屋もあるし丁度良いわ!」

オヒメ「だっ、だが私は――!」

ひろし「ストップ!」

オヒメ「っ!」

ひろし「俺は警察でもなく、泥棒でもないただの平凡なサラリーマンだ。
     だから、その先は聞かないよ」
みさえ「私だって、どこにでも居る美人の主婦よ」
しんのすけ「妖怪ケツデカおばばのくせに」

ドガッ!

みさえ「――だから、そういう細かい事は抜き抜き!」
オヒメ「二人共……ありがとう。本当に嬉しい」

しんのすけ「前が見えねぇ」

197: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/02/24(水) 21:42:33.78 ID:LUWESdfU0
オヒメ「そうだな……貴方達の家に厄介になるのも、悪くない」

ひろし「そうだなぁ、風呂掃除くらいは手伝ってくれよ?」
オヒメ「任せてくれ。掃除は得意だ」
みさえ「お料理は?」
オヒメ「……申し訳ないが、役に立てそうにない」
みさえ「それなら覚えれば良いのよ。
     時間はたっぷりあるんだし、私が教えてあげるわ!」
オヒメ「本当か?」
みさえ「勿論よ!」
シロ「ワンワンッ!」
オヒメ「わかっている。お前の散歩にも付き合おう」
シロ「ワンワーンッ♪」

オヒメ「あぁ……本当に楽しみだ……!」

オヒメ「……でも、そのためにはまず――!」

しんのすけ「ゾーサン帝国の装置を壊すぞ!」

ひろし・みさえ・オヒメ「おーっ!」
シロ「ワンッ!」

201: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/02/24(水) 21:47:01.89 ID:LUWESdfU0
     ・    ・    ・

黒頭巾A「――黒仮面よ」

黒仮面「はっ! ここに……」

黒頭巾B「ゾーサン帝国の秘宝を手に入れるための鍵は?」

黒仮面「ここに揃いましてございます」

しんのすけ「……」

ひろし「くそーっ! しんのすけを離しやがれ!」
みさえ「そうよ! いい加減にしなさいよね!」

黒頭巾C「小僧。ツイン・ゴールデンを見せてみよ」

しんのすけ「あらぁん、xxxな人ねぇん」

黒頭巾達「……!」

204: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/02/24(水) 21:53:03.52 ID:LUWESdfU0
黒仮面「小僧、言う通りにしろ」
しんのすけ「ほーい」

ぺろんっ!…キラーンッ!

黒頭巾A「おぉっ……!」
黒頭巾B「この輝きは、まさしくツイン・ゴールデン!」
黒頭巾C「黒仮面、いや、オヒメ・サーマ・ゾーサンよ!
      額の紋章を見せてみよ!」

黒仮面「……はっ!」

カポッ

オヒメ「……」

黒頭巾A「これで……これで、無限の富が我らの手に!」
黒頭巾B「然り! そのためにもまず――」

黒頭巾C「者共! 裏切り者のその女を捕らえろっ!」

一同「!?」

205: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/02/24(水) 21:56:54.07 ID:LUWESdfU0
黒覆面「シャアアーッ!」

オヒメ「くうっ!?」

しんのすけ・ひろし・みさえ「オヒメちゃん!」

オヒメ「何をなさるのですか!?」

黒頭巾A「このたわけめ!」
黒頭巾B「貴様の裏切り……我々が知らないとでも思ったのか!」

オヒメ「まさか……盗聴されていたのか……!?」

黒頭巾C「そのまさかよ。我々が、
       過去に民を裏切り国を滅ぼした皇族の末裔を信用するとでも?」

オヒメ「くっ……! 貴様らぁ……!」

黒頭巾達「フハハハハハッ!」

208: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/02/24(水) 22:04:15.88 ID:LUWESdfU0
黒頭巾A「欲の無いフリをして、とんでもない小娘よ」
黒頭巾B「大人しく我らに従っていれば良かったものを」
黒頭巾C「ワァハハハ! 皇族の末裔が堕ちたものよな!」

オヒメ「離せ! 離せぇっ!」

黒頭巾A「やはり、我らの欲望の前では何一つなきに等しいか」
黒頭巾B「そうとも。誰であろうと、我々を止めることは――」


???『出来ちゃったりするんだな、これが』


黒頭巾C「!? だっ、誰だ!?」

ザワザワ……!

しんのすけ「今の声、オラの背中から……?」

???『話はぜ~んぶ聞かせて貰ったぜ』

しんのすけ「その声は!」

ルパン『そう! 天下の大泥棒、ルパ~ン三世様よ』

212: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/02/24(水) 22:12:47.26 ID:LUWESdfU0
黒頭巾A「るっ、ルパンだと!?」

ルパン『盗聴器をしかけて調子に乗るのは良いんだけどもさ~あ、
     自分達がそれに気付かなきゃ世話が無ぇや』

黒頭巾B「ぐぐぐ……! おのれぇ……!」

ルパン『悪ぃが、もう装置のある場所は調べがついた』

ルパン『お宝を手に入れるためには、ツイン・ゴールデンと紋章っていう、
     二つの鍵さえありゃあもう十分だ』

ルパン『――という訳で、しんのすけとオヒメって子に、
     ついでと言っちゃ何だが、しんのすけの家族も頂戴するぜ』

ルパン『……ルパ~ン三世』

しんのすけ「おぉ、カッコイイぞ!」

213: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/02/24(水) 22:17:30.99 ID:LUWESdfU0
黒頭巾A「こっ、こうしてはおれん!」
黒頭巾B「そこの者! 小僧につけられている盗聴器を!」

黒覆面「はっ!」

ごそごそっ!

しんのすけ「あっ、イヤン、そこはぁん」

黒覆面「――ありました! やはり、発信機にもなっています!」

黒頭巾C「今すぐ破壊しろ!」

黒覆面「!」

バキィンッ!

黒頭巾達「ぐぬぅううう……!」

214: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/02/24(水) 22:20:59.59 ID:LUWESdfU0
黒頭巾A「発信機だったということは、
       この場所も知られたという事か」
黒頭巾B「一刻も早く、装置の元へ向かうのだ!」
黒頭巾C「そ、そうだな……それしかあるまい」

オヒメ「くくくくっ……!」

黒頭巾A「……何がおかしい?」

オヒメ「なに、随分と余裕が無い、と思ってな」

黒頭巾B「ほざけ!」

黒覆面「ふんっ!」

ドカッ!

オヒメ「ぐうっ!?」

しんのすけ「コラーっ! オヒメちゃんに何するんだ!」

216: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/02/24(水) 22:26:40.73 ID:LUWESdfU0
黒覆面「なっ、なんだこのガキ!」
しんのすけ「ぬおおりゃあああっ!」
黒覆面「おい、馬鹿! やめ――」

ずんっ!!

黒覆面「ぎゃあああっ!?」

しんのすけ「……またつまらぬものを挿してしまった」

黒覆面達「小僧を捕らえろっ!」
しんのすけ「ぬおおっ!? 離せー!」

ひろし・みさえ「しんのすけっ!」
オヒメ「しん……のすけ……!」

黒頭巾A「グズグズするなっ! すぐに出発するぞ!」
黒頭巾B「あと一歩……あと一歩なのだ!」
黒頭巾C「我々の邪魔は、誰にもさせん……!」

218: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/02/24(水) 22:32:56.92 ID:LUWESdfU0
     ・    ・    ・

次元「――ルパン。奴さん達、移動を始めたみたいだぜ」
五ェ門「こちらの狙い通り、という訳か」

ルパン「ああ、このまま目的地まで案内して貰おうじゃねえか」

不二子「でもルパン……本当に大丈夫なの?」
ルパン「ああ、心配はいらないぜ」

ルパン「――なあ、とっつぁん?」

銭形「ふん! 勘違いをするんじゃあない!
    国民を守るのも、警察の務めだからな!」

ルパン「だから、しんのすけの両親にも発信機をつけておいたのかい?」

銭形「そのこたぁ、あの二人は知らん。
    嘘がつけない人らだってのは、嫌と言う程わかっとるからな」

ルパン「ん~! 備えあれば嬉しいな、ってか!」

219: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/02/24(水) 22:38:10.93 ID:LUWESdfU0
銭形「ルパン、わかっとるだろうな」

ルパン「ん?」

銭形「手を組むのは、野原さん一家を助け出すまでだ。
    その後は、必ず貴様を逮捕するからな」

ルパン「へいへい、わあってますよ」
次元「ヒュ~ッ! おっかねぇ」
五ェ門「……だからこそ、信が置けるというもの」
不二子「何? お宝を手に入れるのは見逃してくれないの?」

銭形「バッカモン! それとこれとは話が別だ!」

一同「……ふぅ」

銭形「大体だなぁ! 位置がわかっとったんだから、
    そのまま突入すれば……」
ルパン「その話は何度もしたろ? ドサクサに紛れて逃げられるかもしれねえから、
     まず、こうやって相手を焦らせて余裕を無くそう、ってよ」
銭形「おぉ、そういやそうだった」

220: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/02/24(水) 22:42:53.39 ID:LUWESdfU0
ルパン「……おかげで、まんまと作戦にハマってくれたわけだ」

次元「ルパン、見ろ! 発信機の反応が……」

ルパン「消えた……?」

銭形「なぁにぃ!?」
ルパン「とっつぁん、まさか不良品だったんじゃねえだろうな?」
銭形「そんなはずがあるか!」
ルパン「だとしたら……」

五ェ門「ルパン、前方に山があるぞ」

ルパン「山だって?」
銭形「おい、ルパン! どうするんだ!」

ルパン「……とにかく、降りてみるしかねぇな。
     これ以上飛行機で近づくと、いくらなんでも気付かれちまう」

262: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/02/25(木) 13:56:26.53 ID:8ZN3rC6c0
     ・    ・    ・
山のふもと、大岩の前

黒覆面「――モタモタするな!」

ドンッ!

みさえ「きゃあっ!?」
ひろし「おい、テメエ! 俺の女房に何すんだ!」
みさえ「だ、駄目よ……! 抵抗をしたら、何をされるかわからないもの……!」
ひろし「お前は黙ってろ! ここで何もしない奴が、
     お前の旦那で良いわけないだろうが!」

黒覆面「貴様ら、いい加減に――!」

ひろし「かかって来い、コノヤロー!」

黒頭巾A「無駄話はそこまでにしておけ」
黒頭巾B「可愛い子供がどうなっても良いのかな?」

しんのすけ「うおおーっ! 離せーっ!」ジタバタ

ひろし「くうっ……! わ、わかった!
     言う通りにするから、しんのすけには手を出すな!」

264: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/02/25(木) 14:01:34.18 ID:8ZN3rC6c0
黒頭巾C「ワァハハハッ! 美しい家族愛だな!」
黒頭巾A「いいか小僧。お前がもしも我々に協力しないのなら――」

黒覆面「……!」

チャキッ!

ひろし・みさえ「ひいっ!?」

黒頭巾B「――少し、残念なことになってしまう」

しんのすけ「このヒキョーものー!
        とーちゃんとかーちゃんを離せー!」

黒頭巾A「お前が我々に協力すれば、
      両親は無事に開放してやろう」
黒頭巾B「もっとも、お前には装置を動かすための鍵になってもらうので、
       再び会えるのはいつになるかわからんがな」

しんのすけ「うう~!」

265: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/02/25(木) 14:05:34.88 ID:8ZN3rC6c0
しんのすけ「だけど……だけど、オラはオヒメちゃんと約束したんだ!」

黒頭巾C「ああ、装置を破壊するという愚かな約束か」

しんのすけ「愚かなんかじゃないぞ!」

黒頭巾A「いいや、愚かだ」
黒頭巾B「愚かでなければ、このような目に遭わずに済んだ」

オヒメ「……」グッタリ

しんのすけ「オヒメちゃん!」

オヒメ「しんのす、け……約束のことは……いい……!」

しんのすけ「でも、約束を破るのはいけない事だって、
        とーちゃんもかーちゃんも言ってたぞ!」

ひろし・みさえ「しんのすけ……」

オヒメ「いや……いいんだ……」

266: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/02/25(木) 14:10:03.66 ID:8ZN3rC6c0
オヒメ「ここで下手な真似、をすれば……」

黒覆面「!」

チャキッ!

ひろし・みさえ「っ……!?」

オヒメ「二人っ、が……うぐっ!」

野原一家「オヒメちゃん!」

オヒメ「……――私は……目的のため、っに……!」

オヒメ「貴方達を――犠牲にすることは……出来ない……」

野原一家「……」

黒頭巾達「ワァハハハハハハッ!」

267: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/02/25(木) 14:16:03.94 ID:8ZN3rC6c0
黒頭巾A「黒い仮面を被り、目的のためには手段を選ばなかったお前が、
       こんなに簡単に情にほだされるとは思わなんだ!」
黒頭巾B「いやいや、初めからこうしていれば早かったか」
黒頭巾C「かもしれぬな!」

黒頭巾達「ワァハハハハッ!」

ひろし「……お前ら……人間じゃねえ……!」
みさえ「悪魔よ! あんた達、人の皮を被った悪魔だわ!」

黒頭巾A「かもしれぬな!」

黒頭巾達「ワァハハハハハッ!」

黒頭巾B「――さあ、装置への扉を開いて貰おう」

オヒメ「……ああ……わかった」

……パァアアアーッ……!

しんのすけ「オヒメちゃんのオデコが光ってる……」

268: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/02/25(木) 14:25:00.04 ID:8ZN3rC6c0
黒頭巾A「ゾーサン帝国の、皇族だけが開くことの出来る扉……」
黒頭巾B「そして、ツイン・ゴールデンが揃った今……」
黒頭巾C「その扉は、我々の繁栄への扉へとなった!」

ゴゴゴゴゴゴ……!

ひろし「なっ、何だ何だ!? 一体何が起こるっていうんだ!?」
みさえ「地震!?――見て! 岩が二つに割れて――!」

ゴゴゴゴゴ……ゴォォォォン……!

しんのすけ「電気が点いてないなんて、
        お客さんに優しくないデパ地下だなぁ」

一同「――」だああーっ!

黒頭巾A「……――明かりを持てぃ!」
黒頭巾B「最低限の人数を除き、ここから先へはついてくる事は許さん!」
黒頭巾C「残った者は森へ潜み、万が一の事態に備えよ!」

黒覆面達「はっ!」

270: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/02/25(木) 14:30:51.72 ID:8ZN3rC6c0
     ・    ・    ・
森、大岩周辺

ルパン「――確か、反応はこのあたりで消えたんだが……」

次元「何もねぇな。あるのは木と草ばっかりだ」
五ェ門「……銭形よ。お主のつけた発信機は、本当にあてになるのか?」
不二子「そうねぇ。もしかしたら、逆に罠にかかったのかも」

銭形「……」

ルパン「おい? どうしたよ、とっつぁん?」

銭形「――臭うな」

ルパン「臭うって……とっつぁんが風呂に入ってないからじゃねえのか?」

銭形「バカモン! そうじゃあない!」

銭形「ワシの鼻が――このあたりに悪党がワンサカ居ると告げてるんだ」

271: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/02/25(木) 14:35:47.97 ID:8ZN3rC6c0
ルパン「そりゃまあ、俺達が近くにいるしよ」
次元「ルパンの言う通り、別に何も――」

カチッ、シュボッ!

次元「フーッ……おかしいこたぁねえな」
不二子「やっぱり、一度奴らのアジトに行って、
     ちゃんと調べた方が良いんじゃない?」
五ェ門「うむ。その方が確実に――」

銭形「!」

チャキッ!

ルパン「おい、とっつぁん! 何す――」

ドォンッ!

黒覆面「……ぐあっ!?」

…ドサッ!

ルパン「――るんだ、って……」

銭形「やはり、ワシの鼻に狂いは無かったようだな」

272: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/02/25(木) 14:41:45.87 ID:8ZN3rC6c0
ルパン「へっ……どうやら、俺達を歓迎する準備は出来てたみてぇだな」

次元「あぁ、おちおち煙草を吸ってる暇もねぇらしい」
チャキッ!

五ェ門「……」
キンッ!

不二子「熱~い歓迎は良いんだけど、マナーがなってないみたいね」
チャキッ!

ルパン「助かったぜ、とっつぁん」
チャキッ!

銭形「勘違いするな。ワシゃあ、お前を逮捕するまで死んで貰っちゃ困るだけだ。
    それに、野原さん達を助けるためには、お前の力が必要――」

ドォンッ!

黒覆面「ぐうっ……」

…ドサッ!

銭形「――だし……な」

ルパン「油断大敵だぜ、とっつぁ~ん」
銭形「……ふん! 抜かせ!」

275: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/02/25(木) 14:50:08.59 ID:8ZN3rC6c0
     ・    ・    ・
地下へと続く階段

コツ…コツ…コツ…コツ…

ひろし「……はぁ……ひぃ……!」
みさえ「一体……どこまで降りれば……良いのよ……!?」

黒頭巾A「もう間もなく着く。無駄口を叩くな」
黒頭巾B「――そう! もう間も無く、無限の富が……!」

オヒメ「……はぁ……はぁ……!」
しんのすけ「オヒメちゃん、大丈夫?」
オヒメ「ああ……心配は、いらない……」
しんのすけ「でも、運動してる時のかーちゃんよりも汗かいてるぞ!」

みさえ「ぐっ……!」

オヒメ「心配してくれ、て……ありがとう、しんのすけ……」ニコリ
しんのすけ「オヒメちゃん……」

277: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/02/25(木) 14:57:21.08 ID:8ZN3rC6c0
黒頭巾A「――ついに来た」
黒頭巾B「おぉ、ようやくこの先を見ることが出来るのか!」
黒頭巾C「この扉の先に、ゾーサン帝国の富を生み出した装置がある!」

ドォオオン……!

ひろし「くそうっ! とうとう着いちまったのか……!」
みさえ「ねぇ、これからどうなっちゃうの……?」
ひろし「……俺にもわかんねぇ。ただ――」

黒頭巾A「さあ! 紋章と、ツイン・ゴールデンを!」
黒頭巾B「さあ! さあ!」
黒頭巾C「さあさあさあ!」

しんのすけ「さーっ!」(福原愛の格好で)

黒覆面「ふんっ!」

ズルッ!

しんのすけ「あぁん、大胆ねぇん」

キラーン!

279: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/02/25(木) 15:01:24.24 ID:8ZN3rC6c0
黒頭巾A「ツイン・ゴールデンと、紋章が揃った時」

しんのすけ「おぉ、オラのぞーさんが……!」

キラキラキラキラ……!

オヒメ「とうとう……きてしまったか……!」

……パァアアアーッ……!

黒頭巾B「装置への扉が――」

ゴゴゴゴゴゴ……!

黒頭巾C「――開かれる……!」

ゴゴゴゴゴ……ゴォォォォン……!

黒頭巾達「クククク……ワァハハハハハッ!」

280: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/02/25(木) 15:05:12.11 ID:8ZN3rC6c0
     ・    ・    ・

黒覆面達「シャアアアーッ!」

次元「ふんっ!」

ドンドンッ!

次元「――おい、ルパン! これじゃ埒が明かねえ!」

五ェ門「きえああーっ!」

シュピッ、シュピインッ!

五ェ門「――次元の言う通りだ。 いくらこ奴らを倒した所で――」

ドォンッ!

不二子「――どうにもならないわよ!?」

ルパン「ちっ! わぁかってるっての!」

281: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/02/25(木) 15:08:50.62 ID:8ZN3rC6c0
ルパン「だがよ、肝心の装置の場所がわからないんじゃ……!」

ドォンッ!

ルパン「俺だって、どうする事も――」


「――ワ――ワン――」


ルパン「ん? 何だ今のは……?」

ルパン(――犬の鳴き声? だが、どうしてこんな場所で……)


「ワンワンッ! ワンッ! ワォーンッ!」


銭形「あん? この鳴き声は確か……?」

282: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/02/25(木) 15:14:25.33 ID:8ZN3rC6c0
ルパン「とっつぁん、知ってるのかい?」
銭形「どこかで聞いた鳴き声なんだが……ん~むむ……!」


「ワンワンッ! ワォーンッ!」


銭形「おお、思い出したぞ! 確かこりゃあ、
    野原さんちシロって犬の鳴き声だ!」

ルパン「! でかしたぜぇ、とっつぁん!」

ドンドン! ドォンッ!

銭形「何だって~えぇ!?」

ルパン「とにかく! 今はこの犬の声がする所まで走れってこった!」

一同「わかった!」

「ワンワンワンワンッ! ワォ~~~ンッ!」

284: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/02/25(木) 15:19:39.44 ID:8ZN3rC6c0
     ・    ・    ・

黒覆面「くっ! この犬、いつの間に荷物に紛れ込んでたんだ!」

シロ「ワンワンッ! フーッ!」

黒覆面「――ようし、捕まえたぞ!」
シロ「キャインッ!?」
黒覆面「……犬は嫌いじゃないが、
     ここまで騒がれちゃ始末するしかない」
シロ「……!」ブルブル!
黒覆面「悪く――」

ドォンッ!

シロ「キャインッ!?」


銭形「――思うなよ?」


黒覆面「……」

……ドサッ!

銭形「……って、聞こえとらんか」

シロ「! ワンワンッ!」

285: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/02/25(木) 15:24:27.12 ID:8ZN3rC6c0
シロ「ワンワンッ♪」
銭形「よ~しよしよし! なんでこんな所に居るか知らんが、
    よく無事だったなぁ、お前!」
シロ「ワンッ!」

テテテテテ!

銭形「お、おい……どこに行こうってんだぁ?」

ルパン「ヌフ! どうやら、この犬はか~なり頭が良いみてぇだな」

ドンドンッ!

銭形「? いきなり何を言い出すんだ、ルパン」

ルパン「その犬が示してる岩の周りをよ~く見てみな」

銭形「こりゃあ……足跡か? だが、岩へ向かって跡が無くなっとる……」

286: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/02/25(木) 15:29:11.47 ID:8ZN3rC6c0
ルパン「つまり……五ェ門っ!」

五ェ門「承知っ! てえああ――っ!」

シュッ、シュピインッ! ピィンッ!

……ガラガラガラッ!

銭形「こりゃあ……階段じゃあないか!」

ルパン「そういう事」

ルパン「内壁の光の反射を見るに、壁には鉱石の粒が混じってるらしい。
     だから、とっつぁんの発信機もここで反応が途絶えちまったんだ」

銭形「ってぇ事は、つまり……」

ルパン「この先に、目当てのもんが何もかもあるって事さ」

287: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/02/25(木) 15:35:10.10 ID:8ZN3rC6c0
黒覆面達「シャアアーッ!」

ルパン「――んだけんども!」

ドンドンッ!

ルパン「今入ったら、袋のネズミになっちゃうのよね、これがまた」

銭形「ふん、そんなこたぁ気にするんじゃない」

ルパン「あん? そりゃまたどうして」

銭形「次元! 五ェ門! 不二子ぉ!」

次元「何だい、この忙しいときに!」
五ェ門「……お主、まさか」
不二子「諦めて、私達だけ逮捕しようって気になったんじゃないでしょうね!?」

銭形「バッカモ~ン! ワシの辞書に、諦めるって文字はないわい!」

ドンドォンッ!

289: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/02/25(木) 15:38:50.41 ID:8ZN3rC6c0
銭形「ルパン、こっから先はお前一人で行けぃ!」

ルパン「おいおい、そりゃ本気で言ってるのかい?」

銭形「こんな時に冗談を言う奴があるか!」

銭形「――ここはワシらが食い止めるから、
    とっとと行って、野原さん達を助けてこんかい!」

ルパン「だがよ、そのついでにお宝も戴いちまうかもしれねえぞ?」

銭形「そうなったら、お前を現行犯で逮捕すれば良いだけの事よ!
    わぁはははは!」

ルパン「……とっつぁん」

290: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/02/25(木) 15:42:30.65 ID:8ZN3rC6c0
次元「へっ! 銭形のとっつぁんよ!」

ドンドンッ!

次元「さすがにそいつぁ、カッコつけすぎじゃねえのかい?」

五ェ門「きえあああーっ!」

シュピッ、シュピインッ!

五ェ門「……うむ」

不二子「ホォ~ント、今回は損な役回りだわ」

ドォンッ!

不二子「――おかげで、ヤケドしちゃいそう」

293: さるった 2010/02/25(木) 15:49:53.68 ID:6CbAufg8P
銭形「行けぃルパン! ボヤボヤしてると逮捕するぞ!」

ドンドンッ!

ルパン「――そりゃあ怖ぇや」

ルパン「そんじゃ、ちょっくら行ってくるとしますかね!」

銭形「ルパ~~~ン!」

銭形「野原さん達を助けて戻ったら、
    ちゃんとワシに逮捕されるんだぞ~~~っ!」

ルパン「そいつぁ約束出来ねえぜ、とっつぁ~~~んっ!」

銭形「……」

銭形「……頼んだぞ、ルパン……!」

297: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/02/25(木) 16:09:20.77 ID:8ZN3rC6c0
     ・    ・    ・
大空洞

ひろし「何だここ? 何も無いじゃねえか……」
みさえ「真ん中に台座みたいなのがあるけど……」

黒頭巾A「然り!」
黒頭巾B「あの台座こそ、富を生み出す舞踏をする祭壇よ!」
黒頭巾C「さあ、小僧!」
しんのすけ「寿司チェーン」

黒頭巾達「あの祭壇で、ゾーサンダンスを踊るのだ!」

オヒメ「もう……なす術はないのか……!」

ひろし・みさえ「……」

ひろし・みさえ「……へっ?」

298: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/02/25(木) 16:15:27.10 ID:8ZN3rC6c0
ひろし「な、なぁ、ちょっと待ってくれ」
みさえ「ゾーサンダンスって……まさか、あの踊りなの?」

黒頭巾A「とぼけても無駄だ」

黒頭巾B「ツイン・ゴールデンを使用したという事は、
      ゾーサンダンスを踊ったという事」

黒頭巾C「皇族の末裔であるオヒメにツイン・ゴールデンを使用させ、
       手間を省こうと思ったが……」

黒頭巾A「皇族に仕える者が、ゾーサンダンスを踊る代理をした、
       という伝承も残されていたからな」

黒頭巾B「皇族の末裔であるオヒメと、
       ツイン・ゴールデンの使用者である小僧が祭壇に居れば問題は無い」

黒頭巾C「さあ! ゾーサンダンスを踊り、我らに富をもたらすのだ!」

ひろし・みさえ「~~~っ!?」

301: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/02/25(木) 16:19:46.75 ID:8ZN3rC6c0
ひろし「おっ、お前ら! そんなおそろしいことを考えてたのか!?」
みさえ「女の子に、あんな踊りをさせようだなんておかしいよ!」

黒頭巾A「何を言う。ゾーサンダンスは儀式に用いる神聖な踊り」
黒頭巾B「おかしな所など、何一つない」

ひろし「……コイツら、マジで言ってやがる」
みさえ「……見た目もそうだけど、やっぱりまともじゃないわ」

黒頭巾C「二つの鍵を祭壇へ!」

黒覆面「はっ!」

ぐいっ!

オヒメ「あぐうっ!?」
しんのすけ「こらーっ! オヒメちゃんに乱暴するな!」ジタバタ!

黒頭巾達「いよいよ……いよいよだ……!」

302: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/02/25(木) 16:24:35.36 ID:8ZN3rC6c0
黒覆面「ふんっ!」

…ドサッ!

オヒメ「くぁっ……!?」

ぽいっ!

しんのすけ「うおぉおお……!」

ころころころころっ……!

しんのすけ「……ぬふんっ!――オヒメちゃーん!」

たたたたっ!

しんのすけ「オヒメちゃん、大丈夫!?
        美白も良いけど、オラは健康的なのも好きだぞ!」

オヒメ「はは……どっちでもいい、んじゃ……ないか……」

しんのすけ「そうとも言う!」

304: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/02/25(木) 16:33:57.61 ID:8ZN3rC6c0
黒頭巾C「さあ小僧! 親の命が惜しくば、
      ゾーサンダンスを踊るのだ!」

チャキッ!

ひろし・みさえ「っ……!」

しんのすけ「でも……だけど……!」
オヒメ「しんのすけ……」

黒頭巾A「我々の夢が叶う……!」
黒頭巾B「無限の富が……!」

黒頭巾C「さあ、ゾーサンダンスを踊――」


「あ~らら、こりゃまた物騒なダンスパーティだこと」


しんのすけ「!――“ヌ”パンッ!」

「……おいおい、もう俺様の名前を忘れちまったのかい?」


ルパン「――俺様の名は、ルパン三世。世界一の大泥棒さ」


しんのすけ「おぉ、そうだったそうだった」

308: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/02/25(木) 16:42:03.54 ID:8ZN3rC6c0
黒頭巾A「ルパンだと……!? ええい、外の者は何をしていたのだ!」

ルパン「そいつらだったら、今頃こわ~い奴らと遊んでるぜ」

黒頭巾B「ぐ、ぐぬぬぬぬ……!」

ルパン「ちょいと遅くなっちまったが目的のもんを頂戴に来たぜ。
     欲にまみれた亡霊さん達よ」

黒頭巾C「ここまで来て、貴様なんぞの好きにさせるかかああっ!」

チャキッ!

ドォンッ!

黒頭巾C「……ぐはあっ!?」

…ドサッ!

ルパン「いいや、好きにさせて貰うぜ。何せ俺は泥棒だから、な」

309: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/02/25(木) 16:45:52.55 ID:8ZN3rC6c0
黒頭巾A「くっ……!」
黒頭巾B「おのれ……おのれぇ……!」

ルパン「大丈夫かい? そこのお二人さん」

ひろし「あ、あんたは泥棒なんだろ?」
みさえ「なのに、どうして私達を……」

ルパン「なぁ~に、ちょいとした約束みたいなもんよ」

ルパン「それに、俺は狙った獲物を逃がさないのさ」

ひろし・みさえ「……」

ルパン「――それで、お前さん達はどうする?
     降参でもしてみるかい?」

黒頭巾A・B「っ……!」

310: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/02/25(木) 16:50:09.36 ID:8ZN3rC6c0
黒頭巾A「……ふふ、フワハハハハハ!」
黒頭巾B「詰めが甘いな、ルパン!」

ルパン「あん?」

黒頭巾A「まだ、ツイン・ゴールデンと紋章は我々の手の中!」
黒頭巾B「いくらお前とて、どうする事も出来はしまい!」

黒覆面「!」

チャキッ!

しんのすけ「うおぉ!?」
オヒメ「くうっ……あ……!」

ひろし・みさえ「しんのすけっ! オヒメちゃんっ!」

黒頭巾A・B「ワァハハハハッ!」

ルパン「……おいおい。お前達、本気で言ってるのか?」

312: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/02/25(木) 16:57:10.12 ID:8ZN3rC6c0
ルパン「……しんのすけとあの子」

しんのすけ・オヒメ「っ……!」

ルパン「どっちかが欠けても、
     お前さんたちの望むもんは手に入らなくなるんだぜ?」

黒頭巾A「然り! だが、我々の手に入らぬものには興味が無い!」
黒頭巾B「だがルパン! お前は無限の富を
       自分の手で壊す事は出来なかろう?」

ルパン「……ちっ! どこまでも腐ってやがるぜ、ったく」

黒頭巾A「さあ、銃を捨てろ!」
黒頭巾B「さもなくば――」

ひろし「なあ頼む! このままじゃ、二人が!」
みさえ「お願いよ! 貴方、お金なんていくらでも持ってるんでしょ!?」

ルパン「……」

ルパン「……やれやれ、仕方ねぇか」

…ガチャンッ!

315: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/02/25(木) 17:04:05.76 ID:8ZN3rC6c0
黒頭巾A「そうだ、それで良い……!」
黒頭巾B「そのまま両手を上げろ!」

ルパン「……」

黒覆面「……」

…カチャリ!

ルパン「……!」

黒頭巾A「天下の大泥棒、ルパン三世の最期が、
      我々の栄光の幕開けとなるっ!」
黒頭巾B「――撃てええぃっ!」

ルパン「っ――!?」

黒覆面「!」


しんのすけ「ふ~っ」


黒覆面「あはぁん」ヘニャッ

パァンッ!

ルパン「! でかしたぜ、しんのすけっ!」

318: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/02/25(木) 17:11:19.94 ID:8ZN3rC6c0
ルパン「ふっ!」

ゴロゴロゴロッ!

ドォンッ!

黒覆面「ぐぁあっ!?」

…ドサッ!

黒頭巾A「こっ、小僧ぉおおおおおっ!」
黒頭巾B「余計な真似をおおおっ!」

しんのすけ「何?」

黒頭巾A「おのれ……おのれええええっ!」
黒頭巾B「ルパアアアアアンッ!」

ルパン「!」

320: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/02/25(木) 17:14:00.88 ID:8ZN3rC6c0
ルパン「ちいいっ!」

オヒメ「!? しんのすけっ!」

ガバッ!

しんのすけ「おわあっ!? オヒメちゃんそんな、
        いきなり大胆――」


ドンドンドンッ!


オヒメ「あぐっ……!」


しんのすけ「――えっ?」

321: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/02/25(木) 17:17:44.08 ID:8ZN3rC6c0
ルパン「……」

黒頭巾A・B「」

ルパン「……間に……合わなかったか……!」


オヒメ「大丈夫……か……?」

しんのすけ「う、うん」

オヒメ「……そうか……良かった……」ニコリ

…ヌルリ

しんのすけ「……ケチャップが」

325: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/02/25(木) 17:24:09.04 ID:8ZN3rC6c0
ひろし「しんのすけ――っ! オヒメちゃ――ん!」

ダダダダダダッ!

みさえ「大丈夫!? 怪我は――っ……!?」

オヒメ「ゴフッ! ゴフッ!」

しんのすけ「とーちゃん、かーちゃん……」

ひろし「おい! しっかりしろ! おい!」
みさえ「血が……と、とりあえず止血を……!」

オヒメ「しん……のすけ……ゴフッ! ゴフッ!」

しんのすけ「な、何……?」

オヒメ「少し、だけ……ゴフッ! 耳を……貸してくれ……」

しんのすけ「オラの耳は取り外し出来ないぞ」

オヒメ「ゴフッ! ゴフッ!」

しんのすけ「……何?」

326: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/02/25(木) 17:32:09.29 ID:8ZN3rC6c0
オヒメ「――」
しんのすけ「うん……うん……」


ルパン「――よう、しんのすけ」


しんのすけ「……ルパン」

しんのすけ「――ちょっと待ってね。オラ、やる事が出来たぞ」

ルパン「……あん?」


しんのすけ「よっこいせ、っと」

ぬぎっ!


ひろし「お、おい、しんのすけ……どうしてズボンを下ろすんだ……?」
みさえ「だって、ゾーサンダンスをしたら……!」

オヒメ「ゴホッ! ゴホッ!」

327: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/02/25(木) 17:36:03.29 ID:8ZN3rC6c0
ルパン「……まあ、お前さんがゾーサンダンスを踊ってくれるなら、
     こっちとしちゃ助かるんだけどよ」

ルパン「――本当に良いのかい?」

しんのすけ「ルパンは、ゾーサン帝国の秘宝が欲しいんだよね?」

ルパン「ああ、まあな。そのために、ここまで来たんだ」

しんのすけ「――だから、オラはこうするんだぞ!」

ひろし「おい馬鹿! やめろ、しんのすけ――っ!」
みさえ「そんな事をしたら……!」


しんのすけ「ケツだけ星人! ぶりぶりー! ぶりぶりー!」


ルパン・ひろし・みさえ「!?」

オヒメ「……ふふっ……」

……ゴゴゴゴゴゴゴゴッ……!

328: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/02/25(木) 17:40:38.15 ID:8ZN3rC6c0
ルパン「なんだ、この揺れは……!?」

ゴゴゴゴゴゴッ……!

オヒメ「くくっ……正しい、踊りが……されなかった、から……」

ルパン「!?」

オヒメ「装置、が……壊れ……はじめたのさ……! ゴフッ! ゴフッ!」

ゴゴゴゴゴゴゴゴッ……!

しんのすけ「ぶりぶりー! ぶりぶりー! ぶりぶりー!」

ルパン「……」

ルパン「――へっ! やってくれるじゃねえか」

しんのすけ「この装置は、誰も使っちゃいけないんだぞ!」

しんのすけ「ルパンにだって渡すもんかー! ぶりぶりー!」

329: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/02/25(木) 17:44:53.21 ID:8ZN3rC6c0
オヒメ「もう十分だ……しんのすけ……!」

しんのすけ「ほい」

オヒメ「三人、とも……早く、ここから逃げろっ……!」

ひろし「三人とも、って……オヒメちゃんはどうするんだよ!?」

オヒメ「……」フルフル

みさえ「そんな……こんなのって……!」

オヒメ「早く……行けえっ! ゴフッ!」

ひろし「……すまんっ!」

ひょいっ

しんのすけ「とーちゃん?」

332: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/02/25(木) 17:48:57.47 ID:8ZN3rC6c0
しんのすけ「とーちゃん……どうして泣いてるの?」

ひろし「なっ、泣いてなんかいねぇやい! グスッ!」ポロポロ
みさえ「そっ、そうよ! しんちゃんの見間違いよ! ヒック!」ポロポロ

しんのすけ「かーちゃんまで……」

オヒメ「……しんのすけ……」

しんのすけ「オヒメちゃん?」


オヒメ「……ありがとう」ニコリ


ひろし「うっ、うわあああああっ!」ポロポロ
みさえ「あああああああっ!」ポロポロ

ダッ――!

しんのすけ「待ってとーちゃん! まだオヒメちゃんが!」


オヒメ「……さよなら」


しんのすけ「オヒメちゃああああああんっ!!」

334: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/02/25(木) 18:00:16.30 ID:8ZN3rC6c0
 
ゴゴゴゴゴゴッ……!

オヒメ「どうした……お前は……行かないのか……? ゴフッ!」

ルパン「……なぁ~に、この音からして、
     もう少しだけゆっくりする時間がありそうなんでね」

オヒメ「……だったら……一つ、頼みを……ゴフッ!
    聞いて、くれるか……? ゴフッ! ゴフッ!」

ルパン「今回はお前さんの勝ちだったんだ、
     それ位はお安い御用だぜ」

オヒメ「……すまん……ゴフッ! ゴフッ!」

ルパン「勝ち逃げってぇのが、ちょいと癪だけど、な」

オヒメ「ふふっ……私の……頼み、は……」

ゴゴゴゴゴゴゴゴッ!

オヒメ「――」

ルパン「……」コクリ

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴッ……!

335: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/02/25(木) 18:05:19.69 ID:8ZN3rC6c0
     ・    ・    ・


ひろし・みさえ「……はぁ……はぁっ……!」ポロポロ

銭形「皆さん、無事でしたかぁ!」

黒覆面達「!?」
黒覆面a「あいつらが出てきたという事は……」
黒覆面b「や、やっぱり失敗したんだ!」
黒覆面c「うわあああっ! 逃げろおおおっ!」

次元「おい、良いのかいとっつぁん?」
五ェ門「このままでは、奴らに逃げられてしまうぞ」

銭形「ふん! お前達に心配されでんでも、
    無線で応援を呼んでおるわい!」

不二子「ええっ!? いつの間に……!」

337: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/02/25(木) 18:09:27.79 ID:8ZN3rC6c0
しんのすけ「んーっ! んんーっ!」ジタバタ

ひろし・みさえ「っ……!」ポロポロ

ぎゅっ!

しんのすけ「離してーっ! オヒメちゃんが、
        オヒメちゃんが――っ!」ジタバタ

ひろし「すまん、しんのすけ……!」ポロポロ
みさえ「もう、オヒメちゃんは……!」ポロポロ

ゴゴゴゴゴゴ!

次元「おい、ルパンの野郎はまだなのか!?」
五ェ門「!? まずい――」

ゴゴゴゴゴゴ……ゴゴォォォン……!

銭形「……おい……ルパン……?」

しんのすけ「オヒメちゃあああああんっ!」

338: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/02/25(木) 18:13:22.57 ID:8ZN3rC6c0
一同「……」

しんのすけ「オヒメちゃんが……オヒメちゃんがぁ……!」ウルッ!

銭形「ルパ~~~ン! お前は、
    ワシに逮捕されると言っただろうが~~~っ!」


ルパン「――そ~んな約束をした覚えは無いぜ、とっつぁんよ」

黒仮面「……」

バタタタタタタタタ!

銭形「おおっ! やっぱり生きとったか、ルパン!」
次元「へっ、焦らせやがって」
五ェ門「やはり、殺しても死なん男よ」
不二子「でも……どこから出てきたっていうの?」

ひろし「おい……あの鎧はもしかして……!」
みさえ「もしかしても何も無いわよ! あれは絶対……!」

しんのすけ「オヒメちゃんだぞ!」

345: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/02/25(木) 18:19:19.69 ID:8ZN3rC6c0
ルパン「さあっすがに今回ばかりはやべえと思ったがな?
     ここに居るオヒメちゃ~んが――」

黒仮面「……」

ルパン「皇族だけに伝わる、秘密の通路を教えてくれて助かったぜ」

バタタタタタタタタ!

次元「だが、そいつは――」

ルパン「このヘリかい? こいつは黒頭巾達が、
     俺達が空から攻めて来た時のための備えだったみてぇだな」

ルパン「ヌフフフ! もっとも、地上から行ったから使う機会が
     無かったみたいでよ。こうやって再利用させて貰ってるってぇわけさ」

しんのすけ「お~い、オヒメちゃ~ん!」ブンブン

ルパン「――おおっと! この子はお前さんと一緒にゃ行かないぜ?」

しんのすけ「えっ?」

348: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/02/25(木) 18:25:11.04 ID:8ZN3rC6c0
ルパン「何せ、この俺様を出し抜くほどの逸材だ。
     泥棒にスカウトしないわけにはいかないわな」

黒仮面「……」

しんのすけ「ウソだ! だって、オヒメちゃんはウチに来るって――」

ルパン「しんのすけ、良~い言葉を教えてやるぜ」

ルパン「――嘘つきは泥棒の始まり、ってな」

しんのすけ「……」

ルパン「しんのすけとその家族は無理だったが、
     オヒメちゃんと――」

黒仮面「……」

ルパン「――ツイン・ゴールデン」

キラーン!

しんのすけ「あれ? そういえば……おらのぞーさんが元に戻ってるぞ」

ルパン「――確かに、戴いたぜ」

350: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/02/25(木) 18:29:35.96 ID:8ZN3rC6c0
     ・    ・    ・
少し前

ルパン「お前さんを生きてるように、しんのすけに思わせる……か」

オヒメ「……ああ」
ルパン「ま~、確かにあれがお別れってことになっちゃあ、
     あんまり良い気分はしねぇからな」
オヒメ「私の事、っで……あの、人達を……ゴフッ!」

オヒメ「……悲しませたく……ない……」

ルパン「……や~れやれ、こいつぁとんでもない頼みを引き受けちまったな」
オヒメ「あそ、っこに……ゴフッ! 抜け道、ゴフッ! ゴフッ!」

ルパン「……もう喋るな」

オヒメ「……」コクリ

ルパン「――あばよ。ゾーサン帝国の、最後のプリンセス」

352: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/02/25(木) 18:34:20.54 ID:8ZN3rC6c0
     ・    ・    ・
現在

バタタタタタッ!

ルパン「――さあ、とっととズラかるぜ!
     このあたり、警官がウヨウヨ潜んでやがる!」

次元「よっ、と! 今回の儲けはそれだけか?」
五ェ門「……」
不二子「ねぇ、せめてそのツイン・ゴールデンは私に頂戴よ!」
ルパン「そっ、そりゃないぜ不二子~!」

銭形「待てコラ、ルパ~~~ンッ!」

ルパン「一仕事終えた後なんだから、ちょっとはゆっくりしようぜ~?」

銭形「な~にを言っとるか! そこにルパンが居る限り、
    ワシの職務は年中無休だ~あぁ!」

353: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/02/25(木) 18:38:58.98 ID:8ZN3rC6c0
しんのすけ「オヒメちゃ~~~んっ!」

黒仮面「……」

しんのすけ「また会おうね~~~っ!」

黒仮面「……」

コトンッ…

しんのすけ「おぉ、頷いたぞ!」

しんのすけ「バイバ~~~イ!」

ルパン「あ~ばよ~っ!」

銭形「待てと言っとるのがわからんのか~っ!」

しんのすけ「“ヌ”パンも、ついでにバイバ~~~イ!」

356: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/02/25(木) 18:44:34.55 ID:8ZN3rC6c0

キャスト

ルパン三世
次元大介
石川五ェ門
峰不二子
銭形警部

野原しんのすけ
野原ひろし
野原みさえ
シロ

オヒメ
黒頭巾A・B・C
黒覆面達


スペシャルサンクス

このスレに書き込んだ全員

企画

>>1

365: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/02/25(木) 18:48:24.05 ID:8ZN3rC6c0
     ・    ・    ・

みさえ「――しんちゃ~んっ!」

みさえ「早くしないと、幼稚園のバスが出ちゃうわよ~っ!」

しんのすけ「ほーい!」

しんのすけ「もー、ゆっくりおトイレも出来ないぞ」


『ふふっ! 相変わらずだな、しんのすけ』


しんのすけ「お?」

みさえ「しんのすけ~っ!」

しんのすけ「……」

しんのすけ「ほーい! 今行く~っ!」


おしまい

引用元: ルパン三世 嵐を呼ぶ子供!