1: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/28(金) 00:13:34.14 ID:DSRPON96O
~休み時間、ごらく部~

結衣「いきなり何を言い出すんだ……」

京子「いやー、今年も終わりに近づいて色々と振り返ってみたんだけどさ」

結衣「?」

京子「私達って、あかりから見たらどう思われてるのかな……、って思って」

結衣「え?」

2: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/28(金) 00:15:28.47 ID:DSRPON96O
京子「ほら、ごらく部を作った時に3人目は絶対あかりって決めてたじゃん?」

結衣「うん……。やっぱりずっと一緒だったから快く迎え入れてあげたくてね……」

京子「それなのにあかりにいいスタート切らせてあげられなかったというか……」

京子「申し訳ないって気持ちが湧いてきてさ……」

結衣「うん……」

京子「いや、勿論ちなつちゃんが入部してくれて、一緒に遊んだのだって大事だけど」

京子「何と言うか……、あかりから見て私達ってすごく嫌な奴に見えてた時期があったんじゃないか……、って」

結衣「そ、そうなのかな……」

京子「そこまではいかなくても……、きっと悩んだはずなんだよね」

4: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/28(金) 00:17:09.34 ID:DSRPON96O
京子「今ではわだかまりも大分なくなったとは思うけど……」

京子「こう……、ふとした時にあの頃を思い出させて気まずくなっちゃうんじゃないかって……」

京子「それに……、やっぱり中学生になったばっかりのあかりが一番頼りたいのって私達だったと思うから……」

京子「いきなり突き放されたように見えたんじゃないかっ、て……」

6: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/28(金) 00:19:18.36 ID:DSRPON96O
結衣「なんか、ネガティブな話ばかりになってるな……」

京子「いやでも……、私が紙芝居描いたことあったじゃん?」

結衣「ああ、唐突に何を描いてるんだって思ったけどよく考えたら……」

結衣「京子にとっても、私達にとってもあかりは大切なんだ、って内容だったよね?」

京子「うん……。やっぱりあかりがいなきゃ……、と思ったらさ……、気持ちを抑えられなくてあれ描いちゃった……///」ポッ

結衣「うーん、あかりは京子に対しては、わだかまりはないんじゃないの?」

結衣「何だかんだであかりは色々喜んでくれてるし、遊びの中心は京子だし」

結衣「でも私はあまりあかりを楽しませたりって出来てないと思うし……、どうなんだろう」

京子「いやー、でも結衣なんか二人きりになった時に結構いいムードになってたみたいじゃん?」

京子「あかりはあの日すごくニコニコしてたよ?」

7: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/28(金) 00:21:43.81 ID:DSRPON96O
京子「しかも結衣ったら、あの日以来結構あかりを意識してたりして?」ニヤニヤ

結衣「う……///」カアァ

京子「こう……、かっこつけていきなりあかりの目の前でコーヒーを飲み始めたり……」

京子「しかもあかりの方をチラチラ見て……、何を期待してたのかな~?」ニヤニヤ

結衣「ぐ……///」

京子「写真を撮った時なんて、いきなりあかりを抱き寄せたりしてね~」ニヤニヤ

結衣「うう……///」カオマッカ

9: >>8 甘々~なら私です 2012/12/28(金) 00:25:08.69 ID:DSRPON96O
京子「とまぁ、色々振り返ってみたらさ」

京子「やっぱり、一度意識し始めると、あかりの存在って私達の中ではすごく大きくなってる、ってのは確かだと思うんだよ」

京子「それにあかりは表には出さなくてもこれまでにたくさんのことを堪えてきたんじゃないか、って」

京子「だから、私達があかりを甘えさせてあげられないか、って……」

結衣「うん……。私も賛成だな」

結衣「けど……、何をしたらいいんだ?」

結衣「というか……、この計画の名前の意味ってよくわからないんだけど……」

10: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/28(金) 00:28:11.80 ID:DSRPON96O
京子「いやー、冬って距離が縮まるイベント盛り沢山じゃん?」ニヤニヤ

京子「パーティー開いたり、炬燵でほのぼのしたり、手袋忘れて手を繋いだり、二人でマフラー巻いたり……」

結衣「えらく行動が具体的だな?」ジトーッ

京子「う……、まあ、やってみる価値はあるかなー、ってさ……///」モジモジ

結衣「要するに……、単にあかりとゆりゆりしたいだけ?」

京子「む……、まぁ一押し出来ないかな、ってさ……///」

京子「そ、それに結衣だってやってみたいでしょ?///」

結衣「ま、まあ否定は出来ないな……///」

京子「よーし、京あか結強化計画、決行するぜー!」

結衣「待って」

京子「何?」

結衣「結あか京強化計画じゃないのが気に入らない。何だかもう負けてる気分になる」

京子「そこかよ」

13: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/28(金) 00:31:11.79 ID:DSRPON96O
※ちなつは風邪でお休み

~吉川家~

ちなつ「うーん……、うーん……」

ともこ「大変……、すごくうなされてるみたい……」

ちなつ「…………、あるある、って言わないでぇ……」

ともこ「……? どんな夢を見ているのかしら……?」

14: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/28(金) 00:33:40.35 ID:DSRPON96O
~放課後、ごらく部~

ガラッ

京子「おーっす」

結衣「こんにちは」

あかり「あっ、こんにちは、京子ちゃん! 結衣ちゃん!」ニコッ

京子「おー、今日もあかりは元気いっぱいだな!」

結衣「うん……、あかりの顔見ると安心するな」

あかり「うん……、二人にそう言ってもらえるとすっごく嬉しいなぁ」ニコニコ

京子(さて……、ここまではいつもどおり……)

京子(何かしてあげられることはないかな……)

15: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/28(金) 00:36:24.63 ID:DSRPON96O
あかり「あ、お外寒かったでしょ? 今あかりがお茶いれてあげるね!」

結衣(自分から真っ先に……、やっぱりこういう子なんだよな)クスッ

京子(うーん、こっちから動いていかなきゃ……)

京子(……、そうだ!)ピコーン

京子「あかりー、お茶いれる前にちょっといいかー?」

あかり「なぁに? 京子ちゃん?」

京子「そりゃっ」

ピトッ

あかり「わっ……///」

17: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/28(金) 00:39:07.14 ID:DSRPON96O
京子「おー、あかりのほっぺあったけぇ♪」フニフニ

あかり「きょ、京子ちゃん……///」

京子「いやー、手が冷たくって待ってられなくってさ」

京子「あかりって髪が赤いから温かそうなイメージがあって……」

京子「うーん、想像通りの温かさだよこりゃ」フニフニ

あかり「……///」

京子「お、熱くなってる熱くなってる♪」

京子「よーし、あかりのほっぺいじりは私の冬の日課だな!」

結衣「……」ジトーッ

18: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/28(金) 00:41:53.46 ID:DSRPON96O
あかり「あの……、京子ちゃん、そろそろ……///」

京子「いやー、いつまでも触っていたい柔らかさだよこれ」フニフニ

あかり「きょ、京子ちゃん、ちょっと強いよぉ……」

京子「あ、悪い悪いそれじゃ……」パッ

結衣「……」ジトーッ

京子(あ、やべ……)

京子「ゆ、結衣も触ってみたら?」アセアセ

結衣「う、うん……。あかりさえ良ければ……」パアァ

あかり・京子(嬉しそう)

19: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/28(金) 00:43:51.06 ID:DSRPON96O
あかり「うん、どうぞ、結衣ちゃん」

結衣「あ、ありがと……」

ピトッ

京子(まあ、見せつけられたら誰だって拗ねるよなこれ……)

結衣「……」フニフニ

あかり(結衣ちゃん……、真剣なお顔で触ってる……)

結衣「……」フニフニ

京子(変なスイッチ入ってないかこいつ……)

21: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/28(金) 00:46:17.96 ID:DSRPON96O
結衣(確かにこれは京子の言うとおりだな……)フニフニ

結衣(やっぱり間近で見ると……、可愛いな、あかりは……)フニフニ

結衣「……」フニフニ

結衣「……」

結衣「…………」ニコッ

あかり・京子「!」

結衣(や、やばい、ついニヤけてしまった……///)カアァ

23: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/28(金) 00:48:46.61 ID:DSRPON96O
結衣「え、あ、その……///」バッ

結衣「ご、ごめんね……、あかり……///」カアァ

あかり「いや、あかりは別に嫌じゃ……///」

京子「いやー、結衣さん、頬筋緩みっぱなしですな~」ニヤニヤ

結衣「う、うるさい……///」スタスタ

ガラッ ピシャッ←押し入れに閉じこもった

京子「ゆ、結衣! 恥ずかしがらなくていいから!」

あかり「そ、そうだよぉ! すっごく結衣ちゃんの笑ったお顔は素敵だから!」

26: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/28(金) 00:50:30.53 ID:DSRPON96O
………

京子「いやー、やっぱりこの時期はおコタの魅力には逆らえませんな~」ヌクヌク

結衣「うん……」←結局寒くて出て来た

あかり「あ、そうだ! 今日はみかん持ってきたの! 一緒に食べよ!」

京子「おおー、ナイスあかり隊員!」

京子「いやー、気が利いて……、いいお嫁さんになれるんじゃないの~?」ニヤニヤ

あかり「そ、そんな、大袈裟だよぉ」

京子「そういえばあかりって小さい頃『大きくなったら京子ちゃんのお嫁さんになる!』ってしょっちゅう言ってたよな~」

結衣「言ってない言ってない」

27: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/28(金) 00:53:38.97 ID:DSRPON96O
京子「いやでも、うちのお母さんなんてよく、あかりがうちの子なら……、とか言うよ?」

京子「触ると温かいし、気が利くし、一緒にいると楽しいし……」

京子「一家に一人、あかり、って感じだな!」ドヤッ

結衣「はい、あかり、あんな奴は無視して、あ~ん」スッ

あかり「ゆ、結衣ちゃん、恥ずかしいよぉ///」

結衣「いいの、さっきのお詫びだよ」クスッ

京子(うおお、着実にゆりゆりしていらっしゃる……)

28: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/28(金) 00:56:23.63 ID:DSRPON96O
結衣「でも……、あかりがいたら楽しいってのは本当だな」

あかり「そ、そうかなぁ……」

結衣「こう……、何を話してもあかりは聞き上手に徹してくれるというか……」

結衣「話をしていて安心感があるんだよね」

あかり「うん……。ありがとう、結衣ちゃん」ニコッ

結衣「調子に乗ってエスカレートする奴もいるけどね」ボソッ

京子「」ギクッ

結衣(しかし褒めてあげると嬉しそうな反応するな……。やっぱり素直な子なんだな)クスッ

結衣(いやでも……、やっぱりそれは溜め込んでる気持ちの裏返しでもあるのかな……)

31: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/28(金) 00:58:56.62 ID:DSRPON96O
京子「……」カキカキ

結衣「何書いてんの?」

京子「んー、すごろく」カキカキ

結衣「またあれか……」

結衣「何かやたらに『京子ちゃん大好きと言う』のマスが多いな……」

京子「えー、ちゃんとここにも『結衣ちゃん大好きと言う』も一つ……」ニヤニヤ

結衣「明らかに字が小さいんだけど……」

京子「おー、拗ねてる拗ねてる」ニヤニヤ

結衣「拗ねてない」

あかり(京子ちゃんと結衣ちゃんがお話してると……、やっぱりいつものごらく部って感じだなぁ)ニコッ

あかり(でもやっぱり、ちなつちゃんがいないのは寂しいなぁ……)

32: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/28(金) 01:01:23.89 ID:DSRPON96O
結衣「やれやれ……、鏡に映った自分の顔見てやってなよもう……」

結衣「さ、あかり、あいつはほっといて私達で何かする?」

あかり「……」ニコニコ

結衣「どうしたの?」

あかり「あ、いや、やっぱり二人は仲良しさんなんだなぁって思ったらつい……」

結衣「そっか……」クスッ

京子(誰かが楽しそうなら自分も嬉しいって子なんだよな、昔から)クスッ

京子(だからこそ……、もっと何とかしてあげなきゃな……)

34: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/28(金) 01:04:33.45 ID:DSRPON96O
………

京子「うん……、自分でやってたら虚しくなってきた……」ショボン

結衣「それなら最初からしなきゃよかったのに……」

あかり「……」

あかり「京子ちゃん、大好き!」

結衣「え?」

京子「おおっ……!?」ドキッ

あかり「あ、その、あかりが言ってあげたらどんな感じなのかな、って……///」

あかり「そう思ったらつい……///」

京子「うん……、何かこう……、グッと来たよ」ニコッ

京子(あの時は何故スルーしてしまったんだ……。ああ、罪悪感が……)

京子(でもこれからはもっと、あかりの素直な気持ちに応えてあげなきゃな)クスッ

35: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/28(金) 01:07:07.72 ID:DSRPON96O
結衣「何ニヤけてんだよ」

京子「え、そ、そうかな?」アタフタ

結衣「うん。頬緩みっぱなし」

京子(あ、こいつ羨ましいだけだな)ニヤニヤ

京子「いや、結衣も言われてみ? あかりさえ良ければだけどさ」

あかり「うん……、それじゃ……、結衣ちゃん大好き!」ニコッ

結衣「お、おお……///」カアァ

京子「な、グッと来るだろ?」ニヤニヤ

結衣「……///」プイッ

あかり「結衣ちゃん、また押し入れに閉じこもっちゃ駄目だよ~」クスッ

40: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/28(金) 01:09:38.04 ID:DSRPON96O
京子「うーん、今特にやることはないなぁ……」ゴロゴロ

結衣「でも帰るにはちょっと早い時間だよな……」

あかり「あ、そうだ、ちょっと宿題してもいい?」

結衣「冬休みの宿題?」

あかり「うん、早めに済ませておこう、って」

京子「はぁ、真面目だね~」ケラケラ

結衣「お前はあかりを見習え」

41: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/28(金) 01:12:40.03 ID:DSRPON96O
あかり「いや……、やっぱり皆と遊べなかったりするのが嫌だから……」ニコッ

京子・結衣(うおっ! まぶしっ!)

京子「へへっ、あかりらしい理由だな~ (結構嬉しかったりして……)」ドキドキ

結衣「うん……、でもわからないところがあったらわかる範囲で教えてあげるからね?」

結衣「何ならちなつちゃんも誘って冬休みの間私の家で勉強会とかしてもいいからさ」

京子「あっ、何さりげなく頼もしい先輩アピールしてんだよ!」

京子「それにナチュラルに私が除かれてたような……」

結衣「お前は漫画やら持ち込んで妨害しそうだからな……」

京子「むー、そんなことないもん」プー

あかり「……」クスッ

42: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/28(金) 01:15:38.77 ID:DSRPON96O
………

京子「あ、下校時刻になっちゃったな……」

結衣「そうだな、帰ろうか」

あかり「うん」

京子「あ、手袋忘れちゃってた……」

あかり「あ、だから来た時に手が冷たくて……」

京子「うん……、だからさ……」

ギュッ

あかり「わっ……///」

京子「これは冬の定番だよね~」ニヤニヤ

結衣(うわ……、わざとらしい……)

45: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/28(金) 01:18:38.23 ID:DSRPON96O
京子「それじゃ……」ギュッ

あかり「う、うん……///」

結衣「……」

結衣「……」ゴソゴソ

結衣「あ、私も手袋忘れちゃった……」

結衣「だから私も……」

ギュッ

あかり「わわっ……///」

京子「ゆ、結衣! 今鞄に手袋しまっただろ!?」

結衣「さてね?」

京子「ぐぬぬ……」

46: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/28(金) 01:21:28.49 ID:DSRPON96O
~帰り道~

京子「雪、積もっちゃったな~」

あかり「昔は雪が降ると遊びの幅が広がった気がしてたんだけどね~」

結衣「うん……。帰り道に雪合戦とかしたりね」

あかり「真っ暗になるまで続けてたりね~」

京子「いやー、やっぱりスポーツって燃えるよな!」

結衣「いや、お前は雪玉ぶつけられて真っ先に泣いてた」

あかり「うん……、そんなこともあったねぇ」クスッ

京子「え、そ、そうだったっけ?」

47: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/28(金) 01:23:40.00 ID:DSRPON96O
結衣「私とあかりが身を盾にしてな……」

あかり「うんうん」クスッ

結衣「お前、しょっちゅうあかりに励ましてもらってたよなぁ」

京子「うう……///」カオマッカ

京子「……」

京子「いや、思い返してみれば……」

京子「あの時のあかりって……、結構かっこよかったかも……///」ポッ

結衣「頬まで赤らめて……、器用だなお前……」

あかり「うーん、あかりにはかっこいいなんて言葉は似合わないよぉ」クスッ

京子(いや、今私結構マジだった……///)ドキドキ

49: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/28(金) 01:26:02.94 ID:DSRPON96O
結衣「違う仲良しグループの子達が絡んできたりしてね」

あかり「最初は険悪だったりするんだけど……」

結衣「うん。最後にはまた明日、なんて言って打ち解けてたりね」

京子「やはりスポーツは人を熱くするものが……」

結衣「お前は空気を凍らせる側だっただろ」

京子「はい」ショボン

あかり「思い返せばあの頃って、不思議だったよねぇ……」

50: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/28(金) 01:29:42.45 ID:DSRPON96O
結衣「うん……、仲良くなりたいって素直に言葉に出せなかったりね」

結衣「その点あかりは素直な気持ちを出せるから、羨ましいな」

あかり「そ、そうかなぁ……」テレテレ

あかり「何だか結衣ちゃん……、本当に大人って気がするなぁ」

結衣「そんなことないって」

結衣「ま、好きな子に意地悪する奴を間近で見てるけどね……」ボソッ

京子「」←この人

あかり「?」

52: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/28(金) 01:32:42.30 ID:DSRPON96O
あかり「でも、結衣ちゃんは一人でお料理もお勉強もお掃除もして……」

あかり「やっぱり違うなぁ、って思うんだよねぇ」

結衣「そんなことないよ。最初は失敗ばっかりだったしさ……」

京子「うーん、教えてあげればいいじゃん?」

結衣「え?」

京子「いや、明日は休みだし、この機会に結衣ん家でさ……」

京子「それに寂しがりな結衣ちゃんはあかりちゃんの手を離したくなさそうに見えるよ~?」ニヤニヤ

結衣「う……///」カアァ

53: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/28(金) 01:35:46.45 ID:DSRPON96O
結衣「いや、私は泊まりに来てくれたらすごく嬉しいけど、あかりは……」

あかり「うん……、今日はお母さんもお姉ちゃんも帰りが遅いって言ってたし……」

あかり「結衣ちゃんのお家、お泊りしてもいいかな?」

結衣「うん……、大歓迎だよ」

京子「よーし! 盛大にいくぜー!」

結衣「何故お前が一番張り切ってるんだ……」

54: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/28(金) 01:39:19.90 ID:DSRPON96O
結衣「あ、買い物してなかったな……」

京子「それじゃスーパーに寄ろっか」

あかり「うん」

~スーパー~

結衣「これで……、手に持った時に重いものを選ぶのが……」

あかり「ふむふむ……」

京子「ちぇーっ、いい雰囲気作っちゃって……」プー

京子「しかもさりげなく密着してないか? あのムッツリめ……」

56: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/28(金) 01:41:32.02 ID:DSRPON96O
京子「おー、新婚さん? いやー、今夜はお熱くなりそうですな~?」ニヤニヤ

結衣「う……///」カアァ

あかり「……///」カアァ

京子「ふむふむ、満更でもなさそうですなぁ?」ニヤニヤ

57: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/28(金) 01:44:22.30 ID:DSRPON96O
~再び帰り道~

京子(しまった、荷物持ってるから手、繋げないなこりゃ……)

結衣「……///」モジモジ

あかり「……///」テレテレ

京子(そして、この二人は何だか初々しい空気を醸し出しちゃってるし……)

58: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/28(金) 01:47:18.80 ID:DSRPON96O
京子「うーん、今私達って、傍から見たらどう見えてるんだろうね?」

結衣「え?」

京子「いや、買い物袋ぶら下げて歩いてるなんて、すごく仲良さそうじゃん?」

あかり「うん……、そうだねぇ」

京子「無愛想な長女、底抜けに明るい次女と三女ってとこ?」

結衣「おいコラ」

京子「いやでも……、こう一緒にいてさ、あかりが私の妹って間違えられるのって、結構嬉しかったりしたんだよ?」

結衣「む……、た、確かに……」

京子「ま、今日はお姉ちゃんが思い切り妹を甘えさせてあげたい、そんな日なんだよね」

結衣「うん……。そうだな」

あかり「うん……」ニコッ

60: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/28(金) 01:50:47.33 ID:DSRPON96O
~結衣宅~

結衣「ここはこう……、力を込めて……」

あかり「やっぱり結衣ちゃん、手慣れてるなぁ……」

結衣「いやいや、あかりだってすぐ出来るようになるって」

結衣「それにあかりは私の一言一言にしっかり頷いてくれて……、なんだか教え甲斐があるんだよ」

結衣「聞きたいことがあればまたこうやって教えてあげるから……」

京子「通い妻ゲット」ボソッ

結衣「ぐ……///」カアァ

あかり「?」

61: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/28(金) 01:54:22.16 ID:DSRPON96O
あかり「でも結衣ちゃん、本当にすごいなぁって思うよぉ」

あかり「謙遜なんてしなくたって……」

結衣「いやいや、私はあかりが思っているようなもんじゃないって」

結衣「さっきだって、結構わがまま言っちゃったんじゃないかって思うし……」

あかり「そ、そうなのかなぁ……」

あかり「あれ、結構あかりと結衣ちゃん、お話が弾んでるみたい?」

結衣「うん……、そうだね」

62: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/28(金) 01:58:07.18 ID:DSRPON96O
結衣「さっきも言ったけど、あかりと話してると安心するんだよ」

あかり「え?」

結衣「どこかの誰かさんは突拍子もない事を言い出したり、冷やかしたりするし……」

結衣「普段のごらく部でだって、ちなつちゃんは私達の事をたくさん知ろうとしてくれてるけど」

結衣「初めて出来た中学の後輩ってのもあるから、これでいいのかな、変に思われないかな、って言葉を選んじゃう時があるんだ」

結衣「でもあかりは素直だから……、それに応えて自分もあれこれ隠しちゃいけないって気持ちになれるんだよ」

あかり「そっかぁ……、そう思ってもらえて嬉しいなぁ」ニコッ

63: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/28(金) 02:01:57.97 ID:DSRPON96O
京子(さっきから何サラっとあかり口説いてるんだよこいつ……)ムスッ

結衣(うわ、京子から負のオーラが……。フォローしてあげなくちゃな)

結衣「京子だってさ、きっと私と同じ気持ちだと思うんだよ」

あかり「え?」

結衣「あかりはこう……、困ったり、拗ねたり、色んな表情をするじゃない」

結衣「でも最後には笑ってくれて……、京子はきっとその顔を見るのが楽しみで仕方なくて……」

京子(あー、結構恥ずかしいなこれ……///)カアァ

65: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/28(金) 02:05:16.94 ID:DSRPON96O
あかり「うん……、京子ちゃんはあかりにたくさん声をかけてくれて……」

あかり「そこからあかりが皆のお話に入っていけて……」

あかり「ああ、皆揃ってるんだぁ、って感じがするんだよねぇ」パアァ

京子・結衣(うおっ! まぶしっ!)

あかり「お泊り……、ちなつちゃんも誘ってあげたかったね」

結衣「うん……。そうだね」

京子「明日お見舞い行こうなー」

66: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/28(金) 02:08:57.28 ID:DSRPON96O
結衣「さて、ご飯食べようか」

あかり「あかりはお味噌汁作ったんだよぉ」

京子「それでは、いただきます!」

京子「……」ズーッ

京子「おおっ、この味噌汁うめぇ♪」

あかり「よかった……」ホッ

京子「こんな味噌汁が毎日飲めたら幸せだな……!」ギュッ

あかり「わわっ……、きょ、京子ちゃん……///」カアァ

結衣「あかりの手を握っていつの時代のアピールをしてるんだこいつは……」

67: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/28(金) 02:12:28.69 ID:DSRPON96O
※お風呂は省略されました

京子「さて、風呂上がりの楽しみといったら、やっぱりラムレーズンだよな♪」

結衣「ちゃっかりカゴに突っ込みやがって……」

京子「さっ、私が特別にあーんで食べさせてやろう」

あかり「ええっ、そ、そんな……///」

京子「いいからいいから。あ、目を閉じて食べると味がよくわかるようになるんだぞ?」

結衣「ああ、よく言われるなそれ……」

69: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/28(金) 02:14:59.28 ID:DSRPON96O
あかり「う、うん、それでは……///」スーッ…

結衣(うん……。何だかんだで甘えたい気持ちがやっぱりあるんだな)クスッ

京子「よし、そのまま目を閉じてろよ~?」ニヤニヤ

京子「……」パクッ

結衣(うわ、この期に及んでまだ意地悪するのかこいつは……)

京子「……///」スーッ

結衣(ってまさか!?)

京子(ふふっ、口移しで結衣をぶっちぎっちゃうもんね///)スーッ

結衣「おいコラ」スパーン

京子「はぅっ!」

あかり「?」

70: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/28(金) 02:18:15.10 ID:DSRPON96O
あかり「……」ウトウト

結衣「あ、もう九時過ぎちゃったな……」

あかり「あ、あかりはもっと……」ウトウト

結衣「大丈夫。あかりと遊べる日は今日だけじゃないから」

結衣「明日は休みだし、冬休みだって、いっぱい遊べるよ。絶対約束する」

あかり「うん……」ウトウト

京子「じゃあ私が布団敷くから、あかり頼むな~」

結衣「うん」

71: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/28(金) 02:21:47.42 ID:DSRPON96O
あかり「……」スースー

結衣「ふふっ、私の服掴んじゃって……」クスッ

結衣「いつの間にか、あかりもこんなに大きくなったんだな……」

結衣「いや、一つ違うくらいで言うことじゃないかこれは」クスッ

結衣「今日はあかりの気持ちに気付いて、応えてあげられたのかな……」

結衣「やっぱり、私達二人はまだまだあかりの事を知っているようで、わからない事ばかりだな」

結衣「でも……、今凄くドキドキしてる。この気持ちは忘れたくないな……」

京子「結衣ー、布団敷いたよー」

結衣「おお、ありがと」

73: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/28(金) 02:24:29.39 ID:DSRPON96O
京子「ほれほれ」ポンポン

結衣「何だよその怪しい挙動」

京子「今日はあかりと一緒に寝る!」キラキラ

結衣「目を輝かせて言うな」

結衣「……」

結衣「それじゃ私も……、と」ゴソゴソ

京子「おー、あかりを挟んで川の字かー」ニヤニヤ

結衣「何だよその顔は」

京子「いや別に?」

結衣「ふーん……」

74: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/28(金) 02:27:21.52 ID:DSRPON96O
あかり「……ん」ゴロッ

京子「お、あかりが私の方、向いた」

結衣「だから?」

京子「羨ましいだろ~?」

結衣「いや別に」

京子「そんなこと言って結衣さん、あかりに密着してるよ~?」ニヤニヤ

結衣「ぐっ……///」カアァ

75: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/28(金) 02:30:16.65 ID:DSRPON96O
京子「ねぇ結衣」

結衣「何?」

京子「やっぱり、あかりは絶対寂しかったと思う」

結衣「うん……。そうだな」

京子「考えてみればさ、私達来年三年生になって、あかりと過ごせる時間って案外多くないんだよね」

結衣「うん……」

京子「楽しい思い出だって勿論作れたけど、やっぱり少しでもあかりに寂しい思いさせちゃったのって、すごくやだ」

結衣「うん……。今日だって、ふとした事で一歩下がってた気がするよ」

京子「あかりはきっと、何となく気付いては堪えてたと思う」

結衣「うん……。あかりは強がってるんだな、って思った」

76: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/28(金) 02:34:01.58 ID:DSRPON96O
京子「勿論、ちなつちゃんだって、ちっぱいちゃんだって、ひまっちゃんだってあかりの大切な友達で」

京子「あかりの中での私の順番なんてわからないけど」

京子「やっぱり私自身は、あかりの特別でありたいな、って今すごく思うんだよ」

結衣「うん……。私も多分同じだな」

京子「皆が大好きだって言えるあかりが、私達と距離を感じて、私達のせいで悲しむなんて、絶対やだ」

京子「だからさ、難しい事はわかんないけど今日みたいに、いっぱい手を繋いだり出来たらな、って思うんだよね」

京子「私今、あかりと友達になれて、幼馴染でいられて、本当に良かったな、って思ってるよ」

結衣「うん……」

京子「ま、あかりがいなきゃ私が寂しいってのが本音なんだけどね~」ケラケラ

結衣「うん……。高校生になってからだって、毎日たくさん電話とか、メール送って」

結衣「ごらく部で集まって、いっぱい遊びにも誘ってあげような」

78: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/28(金) 02:38:11.36 ID:DSRPON96O
京子「で、京あか結強化計画だけどさ」

結衣「何?」

京子「6:4でどう?」

結衣「は?」

京子「いや、京あかと結あかの比率」

結衣「それはあかりが決めることだろ」

京子「おおっ、自信たっぷりって感じだね~?」ニヤニヤ

京子「しかし……、何だかお互いに火がついてきちゃったみたいだね?」

結衣「……そうだな。私今、頭の中はあかりの事だらけだよ」

京子「負けないよ?」

結衣「ああ」



おしまい

引用元: 結衣「京あか結強化計画……?」