2: 1 ◆NsfUjTiOGg 2011/07/02(土) 22:33:36.58 ID:QJdERIvm0

杏子「この近辺の魔法少女は多過ぎんだよ」

杏子「巴マミ、暁美ほむら、美樹さやか、鹿目まどか、暁美ほむら……そしてアタシ」

杏子「六人もいるじゃねえか」

杏子「……」

杏子「あ、五人だった」

杏子「まあ多過ぎることに変わりはねぇな」

4: 1 ◆NsfUjTiOGg 2011/07/02(土) 22:35:30.83 ID:QJdERIvm0

杏子「しかもアイツラ、正義の味方を気取ってやがるのが気に入らねー」

杏子「アタシは一人で戦ってるのに、アイツラは群れて行動してるのもムカつくな」

杏子「それに最近じゃアタシの縄張りでも魔女退治してやがる」

杏子「おかげでアタシの獲物が減っちまった」

杏子「……少し前までは狩り放題だったのにさー」

杏子「魔女が減ったからすることがなくて……毎晩グッスリ眠れちまう」

5: 1 ◆NsfUjTiOGg 2011/07/02(土) 22:36:50.90 ID:QJdERIvm0

杏子「全部アイツラのせいだ!」

杏子「バイトを始めるくらい暇な時間が出来ちまったのも……」

杏子「バイト先の賄いメシが美味いのも……」

杏子「給料あるから着る物にも困らなくなったのも……」

杏子「全部アイツラのせいだ!」

杏子「こうなったらアイツラ全員に、お礼参りしてやる……!!」

6: 1 ◆NsfUjTiOGg 2011/07/02(土) 22:37:54.41 ID:QJdERIvm0

杏子「まずはそうだな……美樹さやかを狙うか」

杏子「アイツは一番気に入らないんだよ」

杏子「大した実力もないくせに突っ掛かってきたり」

杏子「他人の為に願いを使う優しさを持ってたり」

杏子「そのくせ時折見せるフツーの女の子らしさが可愛いのもムカつくんだよな!」

杏子「クックック……アイツは病院送りにでもしてやるか!」

7: 1 ◆NsfUjTiOGg 2011/07/02(土) 22:39:09.18 ID:QJdERIvm0

~放課後~

さやか「今日は一人で下校中のさやかちゃんです」

杏子「おっ……いたいた。都合よく一人で歩いてやがる」

杏子「しかもイヤホンして音楽を聴いてるとはな……ふふっ」

杏子「周囲への警戒を怠るとどうなるか……その身体に教えてやるよ!」

ブブー!

杏子「ん……!? さやかの方へトラックが突っ込んで……!」

トラック「危なーい!」

キキー! ドカーン!

さやか「きゃあああ!?」

9: 1 ◆NsfUjTiOGg 2011/07/02(土) 22:40:14.65 ID:QJdERIvm0

さやか「あっ……ぐっ……!!」

さやか「あ、足が、トラックの下敷きに……」

さやか「痛い……痛いよぉ!」

さやか(魔法少女に変身すればこれくらい耐えられるけど……!)

トラック「す、すみません! 大丈夫ですか!?」

さやか(駄目だ、人に見られちゃう……こんな状況じゃ魔法少女になんてなれないっ!)

さやか「誰か……誰か助けて!!」

11: 1 ◆NsfUjTiOGg 2011/07/02(土) 22:41:47.57 ID:QJdERIvm0

杏子「……何てことだ!」

杏子「アイツを病院送りにする絶好のチャンスじゃねーか!」

杏子「行くぜ、変っ身!」キュピーン





杏子「情けねー恰好してるじゃないか、美樹さやか!」

さやか「あ、あんた! っ……なんで人前で魔法少女になってんのよ!」

杏子「ああん? んなことアンタには関係ないだろ?」

杏子「今からアンタは病院送りにされるんだからなあ!」

さやか「なっ……!?」

さやか(コイツまさか、動けないあたしを痛めつける気じゃ……!)

杏子「おりゃあああ!」

ドカーン!

12: 1 ◆NsfUjTiOGg 2011/07/02(土) 22:42:41.31 ID:QJdERIvm0

さやか「っ……!?」

さやか(トラックを吹っ飛ばした……!?)

杏子「さーて覚悟しな、ソッコーで病院送りしてやる!」

がしっ

さやか「え、ちょっと待って……」

杏子「いくぜぇぇぇ!」

さやか「ひゃあああああ!」

ばひゅーん

トラック「と、飛んでいった……何者なんだ彼女は……」

14: 1 ◆NsfUjTiOGg 2011/07/02(土) 22:43:46.63 ID:QJdERIvm0

~病院~

杏子「無事にさやかを病院送りにしてやったぜ」

杏子「医者の話じゃ入院は確実らしい」

杏子「へんっ! ざまーみろってんだ」

杏子「あんな奴、しばらくは病院でのんびり過ごして、疲れを癒しちまえばいいんだ!」

杏子「……後は仕上げに、言葉攻めして精神的に追い詰めてやるとするか」

杏子「面会の許可が出る日が楽しみだね! あーはっはっは……!」

15: 1 ◆NsfUjTiOGg 2011/07/02(土) 22:45:18.67 ID:QJdERIvm0

~病院・さやかの病室~

まどか「でも良かった、さやかちゃんが無事で……」

マミ「トラックに轢かれた、なんて聞いたから凄く心配したのよ?」

さやか「いやー、怪我自体は骨折程度だったんだけどさ」

さやか「能力を使えば簡単に治せるけど……お医者さんの前じゃ使うわけにもいかなかったから」

ほむら「貴女にしては賢明な判断ね、美樹さやか」

まどか「もう! ほむらちゃんたら、そんな言い方しちゃ駄目だよ!」

17: 1 ◆NsfUjTiOGg 2011/07/02(土) 22:46:14.37 ID:QJdERIvm0

マミ「……ところで、貴女を助けた謎の人物がいるっていう噂を耳にしたんだけれど」

さやか「あ、うん……あいつに助けられたんだ。佐倉杏子に」

まどか「杏子ちゃんに?」

ほむら「意外ね……そういう人助けとかしないタイプだと思っていたけれど」

さやか「それがさ、訳わかんないんだよ……あいつさ、人前で変身しちゃったんだよ? あたしを助けるために」

ほむら「何ですって? 白昼堂々と魔法少女の力を使ったというの?」

さやか「うん。あいつ、他人に正体を知られるのがトラウマなくせにね……」

マミ「そうだったわね……彼女は確か、お父さんに魔法のことを知られて……」

まどか「…………」

19: 1 ◆NsfUjTiOGg 2011/07/02(土) 22:47:24.22 ID:QJdERIvm0

まどか「……きっとさ、杏子ちゃんは……」

さやか「?」

まどか「さやかちゃんのことが大好きなんだよ!」

さやか「っ!! ば、バカ! 変な冗談はよしてよ!」

まどか「ううん、冗談で言ってるわけじゃないよ。杏子ちゃんはきっと、さやかちゃんのことが大好きで……」

まどか「さやかちゃんと友達になりたいって思ってるんだよ!」

まどか「だから魔法を使うことも躊躇わなかったんじゃないかな?」

さやか「そう、なのかな……? でも……」

21: 1 ◆NsfUjTiOGg 2011/07/02(土) 22:49:01.97 ID:QJdERIvm0

マミ「……ねえ美樹さん。貴女はどう思ってるの?」

さやか「え……?」

マミ「貴女は佐倉さんに助けられて、感謝している?」

さやか「う、うん。ちょっとおせっかいな気もしたけど、まぁ一応は感謝してる……」

マミ「ならその気持ちに正直になるべきよ。きっとその方が良い関係を築けるわ」

マミ「私たちと彼女は今までライバルみたいな関係だったから、急に仲良くなるのは無理でも……」

マミ「少しずつ、歩み寄っていけたらいいなって私は思うの」

さやか「マミさん……」

22: 1 ◆NsfUjTiOGg 2011/07/02(土) 22:50:18.97 ID:QJdERIvm0

ほむら「……佐倉杏子と敵対関係にあっても、何も利がないわ」

ほむら「彼女は魔法少女として優秀な部類に入るもの」

ほむら「これを機に、彼女を仲間に引き込むのも良いと思う」

さやか「……ははっ、えらそーな言い方してるけど、アンタもアイツと仲良くしたいってわけね?」

ほむら「…………」

ほむら「否定はしないわ」

23: 1 ◆NsfUjTiOGg 2011/07/02(土) 22:51:27.18 ID:QJdERIvm0

さやか「……みんなやっぱりアイツと仲良くしたいって思ってるんだ?」

まどか「もちろんだよ!」

マミ「同じ魔法少女だもの、お友達になりたいと思ってるわ」

ほむら「……戦力になる人間を拒む理由はないわ」

さやか「……そっか、みんなが言うなら仕方がないや。あたしもアイツと仲良くしてみるかな」

マミ「ふふ、決まりね? ……私たちの今後の目標は、佐倉さんと仲良くなること。これで良い?」

まどか「はいっ!」

さやか「うんっ!」

ほむら「……ええ」

24: 1 ◆NsfUjTiOGg 2011/07/02(土) 22:52:46.92 ID:QJdERIvm0

~数十分後・さやかの病室~

杏子「よう、美樹さやか! 相変わらずシケた顔してるね」

さやか「……何よ? お見舞いに来てくれたわけ?」

杏子「いいや? 魔法少女のくせに事故で怪我するようなマヌケを笑いに来ただけさ」

さやか「……ふーん。で? 笑えるツラしてた?」

杏子「ああ傑作だね! 気分が晴れ晴れするな」

さやか「むがー!! アンタ何なのよその態度は! ちょっと見直しかけてたのに!」

杏子「見直す? 馬っ鹿じゃねーの? どこにそんな要素があったんだよ」

さやか「あーもう! 用がないなら帰ってよ!」

25: 1 ◆NsfUjTiOGg 2011/07/02(土) 22:53:40.56 ID:QJdERIvm0

杏子「おっと、そういうわけにはいかないさ。まだ話があるからね」

さやか「何よ?」

杏子「アンタ、しばらく入院するんだろ?」

さやか「……ほんの数日だけどね。いきなり魔法で治癒したら不自然だし」

杏子「そのあいだ、巴マミたちの戦力に穴が開くわけだ」

さやか「っ!! あ、あたしだってホントは皆と戦いたいよ! でも……」



杏子「ならアタシが、アンタの代わりに戦っておいてやるよ」

27: 1 ◆NsfUjTiOGg 2011/07/02(土) 23:05:33.90 ID:QJdERIvm0

さやか「え……?」

杏子「アイツラと組んで、魔女を退治しておいてやる」

さやか「い、いいの? だってアンタ、あたし達のやりかたは気に入らないって、ずっと一人で戦ってきてたのに……」

さやか「なのに、あたしなんかのために……協力してくれるっていうの?」

杏子「勘違いすんなよ? アタシはグリーフシードが欲しいだけなんだからな」

杏子「勿論アンタの代わりに戦うんだから、アンタの取り分をアタシのモンにさせてもらうよ?」

さやか「ちょ……な、なによそれ!! ずるくない!?」

杏子「あっはっは! どーだい、悔しいだろ?」

さやか「こ、困るわよ! アタシのソウルジェムが真っ黒になったらどーしてくれんのよ!」

杏子「なーに心配すんな、アンタがどーしてもっていうならちょっとぐらい分けてやる」



杏子「……だからさ、アンタは余計なこと考えないで大人しく寝てりゃーいいんだよ」



さやか(あ……)

29: 1 ◆NsfUjTiOGg 2011/07/02(土) 23:08:55.65 ID:QJdERIvm0

さやか(……そっか、分かっちゃった)

さやか(コイツ、あたしに気を使ってこんな言い方してるんだ)

さやか(……何よ、悪者ぶっちゃってさ。馬鹿みたい!)

さやか(でも……)

杏子「あん? なんだよ黙り込みやがって、そんなに悔しいのか?」

さやか「……うん、くやしいよ」

杏子「そーかそーか! ははっ、こりゃ気分いいぜ!」

さやか(……ちょっとだけアンタがカッコ良く思えちゃってさ)

30: 1 ◆NsfUjTiOGg 2011/07/02(土) 23:09:48.93 ID:QJdERIvm0

杏子「ま、とにかくだ。アンタは入院生活を満喫してればいいよ」

杏子「そのあいだにアタシは大活躍さ! アイツラからも信頼されまくるだろーね」

杏子「退院する頃にはアンタの居場所なんてなくなってるかもしれねーな? ふふっ」

さやか「バーカ、そんなわけないでしょ。アンタじゃあたしの代わりなんて務まるわけないじゃん」

さやか「すぐに退院して、あたしと皆のコンビネーションってやつをみせてやるんだから!」

さやか「だから……」

さやか「それまで待ってなさいよね……杏子」

杏子「ふん……楽しみにしてるよ、さやか」

32: 1 ◆NsfUjTiOGg 2011/07/02(土) 23:11:53.01 ID:QJdERIvm0

――病室から出た――

杏子(くっくっく……さやかの不安を煽りまくってやったぜ!)

杏子(『自分は要らない子なんじゃないか』と、震えるアイツの姿が目に浮かぶな)

杏子(アタシ自身が巴マミのグループに入ることで、さやかの地位を奪いつつ……)

杏子(更に他の連中の弱みも握る)

杏子(我ながら恐ろしい策を思いついたもんだ。ふふ……)

杏子(さて、お次は誰を陥れてやろうかな……!)

35: 1 ◆NsfUjTiOGg 2011/07/02(土) 23:16:02.37 ID:QJdERIvm0

次回、巴マミ編へ続く。

杏子「そーだ、マミの家に居候して精神的苦痛を与えてやろう!」

83: 1 ◆NsfUjTiOGg 2011/07/17(日) 23:48:56.54 ID:0QveSIA30

~マミの家~

杏子「と、いう訳でだ。さやかが復帰するまでアタシもマミ達と一緒に戦うよ」

マミ「佐倉さんが協力してくれるなんて心強いわ、これから宜しくね!」

杏子「おう、任せときなって。さやかの10倍は役に立ってみせるからさ!」

ほむら「貴女と美樹さやかの実力差を考えれば、それくらいの働きは余裕でしょうね」

まどか「もうっ、ほむらちゃんたら! またそんな言い方をして……!」

ほむら「ご、ごめんなさい。冗談よ」

マミ「うふふ」

84: 1 ◆NsfUjTiOGg 2011/07/17(日) 23:50:36.25 ID:0QveSIA30

マミ「……ところで佐倉さん、以前から聞きたかったのだけれど」

杏子「え?」

マミ「貴女って普段、どこで寝泊まりしているの?」

杏子「ああ、基本的に野宿だよ。たまにホテルとかにも泊まるけど」

まどか「ええっ!? の、野宿っ?」

マミ(……やっぱり)

まどか「危なくないの? その、泥棒に遭ったりとか……」

杏子「なーに平気だよ。魔法少女なんだし」

ほむら「……ある意味尊敬するわ、その神経の図太さは」

杏子「よせやい照れるだろっ」

85: 1 ◆NsfUjTiOGg 2011/07/17(日) 23:51:56.23 ID:0QveSIA30

マミ「……うん、わかりました」

杏子「ん?」

マミ「今日から佐倉さんには私の家で暮らしてもらいます!」

杏子「なっ……!? オイ、本気で言ってるのかよマミ?」

マミ「もちろん私は本気よ。いくら魔法少女だからって、年頃の女の子が野宿だなんて良くないわ」

マミ「だからね、佐倉さん。私と一緒に暮らしましょう?」

杏子「いや、でも、そんなの悪いし……」

マミ「遠慮なんてする必要ないわよ。どうせ私は一人暮らしなんだから」

杏子「う、うーん……」

86: 1 ◆NsfUjTiOGg 2011/07/17(日) 23:52:56.40 ID:0QveSIA30

ほむら「……巴マミの言う通りにするべきだと思うわ。いざというときに貴女の所在が分からないと不便だもの」

ほむら「まどかもそう思うでしょう?」

まどか「えっ? ……うん、そうだね! それに一緒に過ごせば、もっと仲良くなれると思うし!」

マミ「ふふ。ほら、二人もこう言ってるわよ?」

杏子「…………」

杏子「分かったよ。マミ、アンタの家に住ませてもらうことにする」

マミ「うん、決定ね! それじゃあ改めて……よろしくね、佐倉さん♪」

杏子「ああ、よろしくな。世話になるよ」

87: 1 ◆NsfUjTiOGg 2011/07/17(日) 23:54:11.62 ID:0QveSIA30

杏子(…………)

杏子(上手くいったな。予想通りの展開だ!)

杏子(甘ちゃんなマミならアタシを放って置かないだろうと思ったよ)

杏子(おかげで滞りなく計画が進められる)

杏子(……今回の目的は、マミの家を乗っ取ることだ!)

杏子(見滝原市をアタシの縄張りとして管理することになった場合、拠点が必要になるだろうからな)

杏子(まずはマミの弱みを握って、精神的に追い詰めて……)

杏子(そんでもってこの家をアタシのものにしてやるぞ!)

杏子(それに……マミはこの街の魔法少女たちにとってリーダー的存在だからな)

杏子(しかも美人だし、料理も上手だし、優しい、スタイル抜群だし……)

杏子(アイツが腑抜けちまえば他の連中の士気もガタ落ち。アタシの天下が待ってるっていう寸法さ)

杏子(くくく……たっぷり可愛がってやるよ、マミ)

88: 1 ◆NsfUjTiOGg 2011/07/17(日) 23:55:16.02 ID:0QveSIA30

ほむら「……でも寝るところはどうするつもりなの? ベッドは二つもないでしょう?」

杏子「あ、そっか。なんだったらアタシがソファーで寝るぞ?」

マミ「ふふ……大丈夫、こんなこともあろうかと来客用のお蒲団が用意してあるのよ!」

まどか「さすがはマミさん! 備えは万全ですね!」

ほむら「ちなみにその蒲団が役に立ったことは?」

マミ「一度もないわ。新品同然よ」

杏子「ふーん。友達が泊まったりとか、そーいうことは無かったんだな」

マミ「…………うん」

89: 1 ◆NsfUjTiOGg 2011/07/17(日) 23:56:48.42 ID:0QveSIA30

~翌朝、マミの家~

マミ「それじゃあ私は学校に行くけど……散らかしたりしないでね?」

杏子「んなことしねーって」

マミ「出かけるときはちゃんと鍵をかけるのよ?」

杏子「ガキじゃねーんだからそれくらい分かるよ」

マミ「お昼代はテーブルの上に置いたからね? お腹が空いたら何か買うのよ?」

杏子「……なあ、もしかしてアタシをからかってるのか?」

マミ「あら、分かっちゃった?」

杏子「……さっさと学校行けよっ!」

マミ「うふふ……いってきます♪」

ガチャッ

杏子「…………」

杏子「よし、行ったな。今のうちに家中を漁って……」

杏子「マミの弱点をゲットしてやるぞ!」

90: 1 ◆NsfUjTiOGg 2011/07/17(日) 23:58:09.40 ID:0QveSIA30

杏子「何かねーかな」

ガサゴソ

杏子「おっ、日記じゃん。読んでみるか」

杏子「ふむふむ、こいつは面白い……」

QB「……何をしてるんだい、杏子」

杏子「見れば分かるだろ? マミのプライベートを暴いてるんだよ」

杏子「くくっ……そうかそうか。アイツ、体重が増えたことを悩んでるんだな」

QB「他人の秘密を盗み見るなんて……あまり褒められた趣味じゃないと思うけど」

QB「何故そんなことをしているのかな?」

杏子「もちろんマミの奴を陥れてやるためさ」

QB「なんだって!? 杏子、まさかキミは……マミを裏切るつもりかいっ!?」

杏子「っ!? なんで分かったんだ!?」

QB「僕の洞察力を甘く見ないでよね、お見通しだよ!」

QB「マミの気持ちを踏みにじるなんて許せない! これは報告させてもらうからね!」

杏子「ちっ! こーなったら仕方ねぇな……テメェも可愛がってやるよ!」

QB「な、何をっ? やめっ……うわああ!」

91: 1 ◆NsfUjTiOGg 2011/07/17(日) 23:58:51.98 ID:0QveSIA30

~浴室~

杏子「はーいお客様ー、痒いところはございませんかー」

わしゃわしゃ

QB「あー、もうちょっと尻尾のほうを……」

杏子「はーい」

QB「そこそこ、ふぅー……いいキモチ」

杏子「シャンプー流しますねー、目をつぶってくださーい」

シャワー

QB「んー……」

杏子「はい、おしまいでーす。お疲れ様でしたー」

QB「いやーサッパリしたー」

92: 1 ◆NsfUjTiOGg 2011/07/17(日) 23:59:48.03 ID:0QveSIA30

QB「ありがとう、おかげで生き返った気分だよ!」

杏子「そいつは良かった。あと、ついでにコレをやるよ」

QB「なんだい、コレは?」

杏子「ノミ避けの首輪だよ。着けてるだけで効果があるスグレモノさ」

QB「それはありがたい。マミはこういうことに気が利かなくてね……」

杏子「そうなのか? 意外だな」

QB「マミってば僕のことを妖精さんか何かだと思ってるらしいんだよ」

QB「ノミ、ダニ対策なんて考えてもくれないんだ」

杏子「なるほど、そりゃ大変だな。ま、これからはアタシが居るから心配すんな」

杏子「ただしその代わりに……分かるだろ?」

QB「……うん、分かってるよ……君がマミに何をしようと、僕は邪魔をしない」

QB(ごめんよ、マミ……)

95: 1 ◆NsfUjTiOGg 2011/07/18(月) 00:04:22.32 ID:MPivrlB70

杏子「さてと。マミが学校に行っている間に『仕込み』を済ませてやるかな」

QB「仕込み?」

杏子「ああ、美味しい美味しいカレーを作ってやろうと思ってね」

QB「なんだ、意外と優しいところもあるんだね、杏子は」

杏子「バーカ、んな訳ねーだろ。これは嫌がらせなんだよ」

杏子「マミの奴、自分が太ってると思い込んでるらしいからな。ウマいモンを腹一杯食わせて苦しませてやるんだ」

QB「ひ、酷い……! 乙女の悩みを嘲笑う行為だ!」

杏子「くだらねーこと考えてるアイツが馬鹿なんだよ」

杏子「痩せる必要なんて無いくらい理想的な体型のくせにダイエットしようだなんてな」

杏子「しかも日記によると食事制限で痩せようとしてるみてーだし……ますます馬鹿げてるぜ」

杏子「くっくっく……アンタの思い通りにはさせねーからな、マミ」

97: 1 ◆NsfUjTiOGg 2011/07/18(月) 00:06:11.47 ID:MPivrlB70

QB「それで、まずはどうするんだい?」

杏子「冷蔵庫には殆ど食材が入ってなかった。まずは材料の買い出しだな」

QB「と、なるとお金が必要だよね……やっぱりマミのお財布に手を出すの?」

杏子「馬っ鹿、んなことしてバレたら追い出されちまうかもしれないだろ」

杏子「ここは自腹を切るんだよ。バイトで稼いだ金でな」

杏子「アタシはこの家に居座り続けて、最終的に占領するのが目的なんだ。そのためには慎重に動かねーとな」

QB(なんて狡猾なんだ……僕なんかじゃとても太刀打ちできそうにない……!)

98: 1 ◆NsfUjTiOGg 2011/07/18(月) 00:07:04.90 ID:MPivrlB70

――数時間後――

杏子「そんなわけで、カレーを作ったぞ」

QB「充分に煮込まれてトロリとした茄子が食欲をそそるね」

杏子「佐倉杏子特製のスペシャル野菜カレーだ。美味くて美味くて食べ過ぎちまうだろうよ」

QB「……その分、マミは苦しむことになるんだね……」

杏子「それだけじゃねーぞ。なんと隠し味にアタシの愛情がたっぷり込められてるんだ!」

杏子「くくっ、アタシみたいな奴の愛情入りだなんて知ったら……マミはさぞかし困惑するだろうよ」

QB「見事な搦め手だね……一分の隙も見当たらないよ」

杏子「そーだろ? くっくっく……マミの反応が楽しみだな」

99: 1 ◆NsfUjTiOGg 2011/07/18(月) 00:07:56.72 ID:MPivrlB70

~放課後~

マミ(ふうっ、少し遅くなっちゃったわ)

マミ(先生ったらいきなり用事を押し付けるんですもの……)

マミ(早く帰らないと佐倉さんが心配だわ。ちゃんとお昼御飯は食べたのかしら?)

マミ(今は何してるのかな……出かけてる可能性もあるけど)

マミ(もしかしたら退屈して寝てたりするかもしれないわね)

マミ(……ふふっ)

マミ(私ったら佐倉さんのことばかり考えてる……)

マミ(でも、いいものね。帰りを待つ人が居るっていうのは)

101: 1 ◆NsfUjTiOGg 2011/07/18(月) 00:08:57.75 ID:MPivrlB70

~マミの家~

マミ「ただいまー」

QB「あ、マミ! お帰りなさい!」

マミ「……あら? キュゥべえ、お洒落な首輪を着けてるじゃない。どうしたの?」

QB「杏子から貰ったんだよ、良いでしょう?」

マミ「佐倉さんから?」

QB「うん! しかもそれだけじゃなくてね、さっきシャンプーもしてもらったんだ!」

QB「全身サッパリして気持ち良かったよ! また今度してもらう約束もしたんだ♪」

マミ「そうなの……良かったわね」

マミ(ちょっぴりガサツなイメージがあったけど……優しいのね、佐倉さんって)

102: 1 ◆NsfUjTiOGg 2011/07/18(月) 00:09:36.44 ID:MPivrlB70

マミ「でもキュゥべえったらズルいじゃない。自分だけ佐倉さんに色々してもらって」

QB「えへへ……」

マミ「……ところで、その佐倉さんは何処に居るの?」

QB「杏子なら買物に出掛けたよ。ゴハンを炊こうとしたらお米が無かったから、慌てて買いに行ったんだ」

マミ「あら、そうなの……悪いことしちゃったわね」

QB「そろそろ帰ってくる頃だと思うけど……」

杏子「うーっす」

QB「あっ、噂をすれば……だね」

QB(もう帰ってきちゃった、か……)

103: 1 ◆NsfUjTiOGg 2011/07/18(月) 00:11:40.68 ID:MPivrlB70

マミ「お帰りなさい、佐倉さん」

杏子「おー、もう帰ってたのか。お帰りマミ」

マミ「ええ、ただいま。買物に行ってくれたんですって?」

杏子「そーだよ。ほら、米だ」

杏子「やっぱカレーにはライスがないと話にならないからな!」

マミ「……カレー?」

杏子「ふふふ……そうさ! 今日の晩御飯はアタシの手作りカレーなんだぞ!」

マミ「まあ! 佐倉さんが作ってくれたの? ……でもどうして急に?」

杏子「そりゃ勿論マミに食べさせるために決まってるだろ?」

104: 1 ◆NsfUjTiOGg 2011/07/18(月) 00:12:47.46 ID:MPivrlB70

マミ「えっ……わ、私のために?」

杏子「……ま、そーいうこった」

マミ「ふふっ……ありがとう、すっごく嬉しいわ!」

杏子「たくさん作ったからな。腹一杯食べてくれよ?」

マミ「ええ、喜んで頂くわ。夕食の時間が楽しみね!」

マミ「でもその前に……今日の魔女退治に出掛けましょう? 鹿目さんも暁美さんも待ってるわ」

マミ「それに、いっぱい身体を動かしたほうが、ご飯も美味しく食べられるでしょうしね?」

杏子「! ……そうだな」

105: 1 ◆NsfUjTiOGg 2011/07/18(月) 00:13:44.52 ID:MPivrlB70

魔女「うわー」

杏子「とりゃー」

106: 1 ◆NsfUjTiOGg 2011/07/18(月) 00:14:15.44 ID:MPivrlB70

――無事に魔女退治を終え帰宅した――

杏子「さすがに魔法少女が四人もいれば魔女退治も余裕だったな」

マミ「ええ、そうね。私なんか攻撃に参加するタイミングが殆ど無かったわ」

マミ「佐倉さんが大体の敵を倒しちゃうんですもの」

杏子「マミに余計なカロリー……じゃなかった、魔力を消費させる必要もないだろうと思ってな」

杏子「あれくらいの雑魚ならアタシに任せてくれればいいんだよ」

マミ「そういうわけにもいかないでしょう。私達はチームなんだから」

杏子「へいへい。まあその辺の議論は……メシでも食べながらにしないか?」

マミ「そうね。佐倉さんが作ってくれたカレー、ご馳走になるわ」

107: 1 ◆NsfUjTiOGg 2011/07/18(月) 00:15:20.61 ID:MPivrlB70

…………。

マミ「美味しい……!」

杏子「だろ? バンバンおかわりしてくれよ?」

マミ「ええ! これは何回もおかわりしちゃいそうだわ……」

杏子「ふふっ……そいつは良かった。期待していた通りのセリフが聞けて嬉しいよ」

杏子「さーて、アタシも食べるかな。……いただきます」

杏子「もぐもぐ……うん、旨い! 我ながら良く出来てるな!」

杏子「こりゃアタシもおかわりが止まらなくなりそーだぞ」

マミ「うふふ……よかったわね」

杏子「ああ。マミも好きなだけ食って良いからな?」

108: 1 ◆NsfUjTiOGg 2011/07/18(月) 00:16:06.66 ID:MPivrlB70

杏子「……ま、カレーって結構カロリーあるんだけどさ」

マミ「ちょ! ちょっと、そういうこと言うの止めてよ……」

杏子「あっはっは、気にすんなって! マミは全然太ってないんだから平気だろ?」

マミ「そ、そーかしら? 私、太ってない?」

杏子「マミのどこが太ってるって言うんだよ? 見事なスレンダー美人じゃねーか」

マミ「そう? そうかしら? えへへ……」

杏子「あ、でも美人って言うのは言いすぎだったかな」

マミ「……もうっ! わざわざ訂正しなくてもいいのに!」

杏子「あははっ!」

マミ(佐倉さんったら、一言多いんだから……)

109: 1 ◆NsfUjTiOGg 2011/07/18(月) 00:17:00.15 ID:MPivrlB70

マミ(……それにしても)

マミ(誰かに夕食を作ってもらうなんて、何年ぶりかしら……)

マミ(こんなふうに一緒に食卓を囲むなんてこともずっとなかったし……)

マミ(お昼はいつも鹿目さん達と食べてるけど……そういうのとはまた違うのよね)

マミ(あったかい御飯があって、団欒があって……)

マミ(……なんだか思い出しちゃうなぁ、昔のこと……)

マミ(…………)

マミ(……お父さん……お母さん……)

110: 1 ◆NsfUjTiOGg 2011/07/18(月) 00:17:56.40 ID:MPivrlB70

杏子「……マミ? 泣いてるのか?」

マミ「え……? あ……」

マミ「……ご、ごめんなさい、みっともないところ見せちゃって……」ゴシゴシ

杏子「もしかしてカレー辛過ぎだったか?」

マミ「……違うの、そんなことないわ」

マミ「美味しくて、幸せだから……涙が溢れちゃったの……」

杏子「そーかそーか、ならジャンジャン食え! もっと幸せな気持ちになれるさ」

杏子「……満腹になりゃ、悲しいことも嫌なことも……少しの間だけは忘れられるだろーしな」

マミ「……うん。ありがとう」

杏子「いいから食いなって。ほら、おかわり分けてやるよ」

111: 1 ◆NsfUjTiOGg 2011/07/18(月) 00:19:36.17 ID:MPivrlB70

――食事を終えた――

QB『マミ、泣いていたね』テレパシー

杏子『ああ、そーだな。泣くほどカロリーが気になったんだろ』テレパシー

QB『……あの子の涙を見て、キミは何とも思わないの?!』

QB『あんな……あんな酷いことをして、何とも思わなかったの?!』

杏子『何も感じないわけないだろ? サイコーに気分が良いさ!』

杏子『手作りのメシを誰かに食べてもらえるのが、こんなに楽しいことだったなんてな……くっくっく』

QB『杏子……キミってやつは……!!』



杏子(マミを精神的に追い詰める作戦は大成功だ)

杏子(これならこの家を乗っ取るのも余裕だな……ふふ)

杏子(……よし。今夜、一気に勝負をしかけてやるぞ!)

112: 1 ◆NsfUjTiOGg 2011/07/18(月) 00:20:10.54 ID:MPivrlB70

~その夜・マミさんinベッド~

マミ(はぁ……さっきは格好悪いところ見せちゃったなぁ)

マミ(お父さんとお母さんを思い出して泣いちゃうなんて……)

マミ(……もう立ち直れた気でいたけれど……私、寂しかったのね)

マミ(うん……そうなんだわ。だから佐倉さんを強引に泊まらせた……善意の振りをして)

マミ(嫌な子ね、私。自分の心を満たすために他人を利用したんだわ)

マミ(…………)

マミ(数日したら佐倉さんは、この家を出て行っちゃうのよね……きっと)

マミ(美樹さんが復帰するまでの協力関係ですもの……)

マミ(私なんかとずっと一緒にいてくれるはずがないわよね……)

113: 1 ◆NsfUjTiOGg 2011/07/18(月) 00:20:52.29 ID:MPivrlB70

杏子「……まだ起きてるか?」

マミ「あっ……佐倉さん? どうしたの?」

杏子「なーに、マミと話がしたいと思ってさ」

杏子「邪魔するぜ。もっと奥に詰めてくれよ」

マミ「きゃっ? ちょっ、ちょっと……何で私のベッドに入ってくるの?」

杏子「いーだろ別に、取って食おうってんじゃないんだからさ」

杏子「まあ駄目だって言っても無理矢理入れさせてもらうけどな」

マミ「もう……強引なんだから……」

114: 1 ◆NsfUjTiOGg 2011/07/18(月) 00:21:36.53 ID:MPivrlB70

杏子「……うん、やっぱ二人で寝ると少し狭いな」

マミ「私から力尽くで奪っておいて……そんなこと言うの?」

杏子「いや、この狭さがちょうどいいんだよ」

杏子「……今夜は寝かさないからな、マミ」

マミ「えっ……!?」

マミ「ま、待って! それどういう意味で……な、何をする気!?」

杏子「何って、さっき言ったじゃねーか。マミと話がしたいんだよ」

マミ「あ……そ、そう。変な意味じゃないのね」

杏子「変な意味?」

マミ「な、何でもないから! それで、話って何?」

115: 1 ◆NsfUjTiOGg 2011/07/18(月) 00:22:11.37 ID:MPivrlB70

杏子「……別に特別な話があるってわけじゃないんだ」

杏子「ただ、マミと色々なことが話したいだけさ」

マミ「色々って言われても……良く分からないわ」

杏子「うーん、じゃあさ。好きな食べ物はなんだ?」

マミ「え? そうね……やっぱりケーキとか?」

杏子「好きな色は?」

マミ「黄色ね」

杏子「惚れてる男はいるのか?」

マミ「い、いないわよそんなの」

116: 1 ◆NsfUjTiOGg 2011/07/18(月) 00:23:08.50 ID:MPivrlB70

…………。

マミ「ふあ……」

マミ(ちょっと眠くなってきちゃった……でも佐倉さんは寝かせてくれそうにないわね)

杏子「んーと、じゃあ次は……」

マミ「……ねえ、さっきからずっと質問ばっかりだけど、楽しいの?」

杏子「ん? ああ、楽しいぞ。マミのことをたくさん知れるのはさ」

マミ「……私のことを?」

杏子「そーさ。だから……次はこの    について聞こうかな!」ガバッ!

マミ「きゃ!? や、やだっ、  ないで……!」

杏子「……すげえな。いったい何でこんなに大きくなったんだ?」モ モ

マミ「し、知らないわっ……知らないから、止めっ……ひゃん!?」

117: 1 ◆NsfUjTiOGg 2011/07/18(月) 00:24:02.64 ID:MPivrlB70

杏子「おー。マミがそんな声出すなんてな……こりゃ面白いや、ここが弱点なんだな」モ ッ

マミ「あひっ!? お、お願いだからっ……そんなとこ触らないで、佐倉さんっ!」

杏子「ふっふっふ。どーしようかな?」

杏子「そうだな……止めてやってもいいけど、その代わりにアタシの要求を呑んでもらおうかな?」

マミ「よ、要求?」

杏子「どーする? ほらほら、早く決めないともっと激しくしちまうぞー?」モ モ モ モ

マミ「あんっ……!! わ、分かったから!! なんでも言うこと聞くからもう止めて!」

杏子「言ったな? よーし、それならこれくらいで勘弁してやろう」

マミ「はぁっ、はぁっ、はぁっ……た、助かった……」

118: 1 ◆NsfUjTiOGg 2011/07/18(月) 00:27:09.66 ID:MPivrlB70

マミ(さ、佐倉さんがこんなスキンシップをしてくるなんて思わなかったわ……)

マミ(変な汗かいちゃったじゃない、もぅ……)

マミ(……ちょっぴり楽しかったけど、ね)

マミ(夜更かしして、一緒になってはしゃいで……)

マミ(ふふ……まるで普通の女の子みたいよね)

マミ(…………)

マミ(……やっぱり、佐倉さんにはこの家に居て欲しいな)

マミ(私の我が儘だけど……寂しさを紛らわしたいだけなのかもしれないけど……)

119: 1 ◆NsfUjTiOGg 2011/07/18(月) 00:28:22.27 ID:MPivrlB70

杏子「さーて、約束通りアタシの言うことを聞いてもらうぞ」

マミ「な、何かしら? 痛いのとかは嫌よ?」

杏子「ふっふっふ……どーだろうなぁ?」

マミ(ま、まさか   なことだったりしないわよね……?)

杏子「よし、それじゃあアタシからの要求は……」



杏子「アタシを、マミの家族にしてくれ」



マミ「え……? 家族……?」

杏子「そうさ、家族だよ」

マミ「それって……えと、つまり、どういう意味で……?」

120: 1 ◆NsfUjTiOGg 2011/07/18(月) 00:29:04.81 ID:MPivrlB70

杏子「……アタシはさ、サイテーな人生を送ってきたんだ」

杏子「家族を失って、汚いことにも手を染めながら生きてきた」

杏子「今更そのことを後悔する気はないよ。過ぎたことだからな」

杏子「でもさ……」

杏子「これからもずっとそんな人生を送るのかって思うと……怖いんだ」

杏子「いつかアタシは壊れちまうんじゃないかって」

杏子「辛くて、嫌で、心が折れちまうかもしれないって」

杏子「そう考えると……怖いんだ」

マミ「…………」

121: 1 ◆NsfUjTiOGg 2011/07/18(月) 00:31:49.02 ID:MPivrlB70

杏子「でもな……」

杏子「魔女と戦って傷ついても、生きることに疲れても」

杏子「……帰る場所さえあればアタシは頑張れると思うんだよ」

杏子「あったかい寝床があって、あったかい飯を食えて……」

杏子「そんでもって……マミがいてくれれば、アタシは頑張れる」

杏子「きっと、このサイテーな人生も怖くない」



杏子「だからさ、この家を……此処をアタシの帰る場所にさせてくれよ」



マミ「佐倉さん……」

マミ(……貴女は、こんな私なんかを必要としてくれるの?)

マミ(私の家族になってくれるの?)

マミ(私と……一緒に居てくれるの?)

122: 1 ◆NsfUjTiOGg 2011/07/18(月) 00:32:24.28 ID:MPivrlB70

杏子「……い、嫌だなんて言ったらまた    モ モ するぞっ」

杏子「今度はマミが泣くまで  のを止めないぞっ」

杏子「それでも嫌だって言うなら……」

杏子「……アタシは……大人しく出て行くよ」

マミ「…………」

マミ「……馬鹿ね」

杏子「え?」

マミ「私が佐倉さんを……大切な家族を追い出すわけないじゃない」

杏子「……!」

123: 1 ◆NsfUjTiOGg 2011/07/18(月) 00:33:52.33 ID:MPivrlB70

マミ「私もね、ホントは寂しかったの」

マミ「寂しさを埋めるために誰かに傍に居て欲しくて……」

マミ「だから佐倉さんをウチに誘ったのよ」

マミ「でも、きっと貴女はいつか居なくなってしまうと思ってた」

マミ「なのに……」

マミ「なのに貴女の方から一緒に居たいなんて言ってくれて……」

マミ「私……こんなに嬉しい気持ちになっちゃった……」

杏子「マミ……」

マミ「佐倉さん……こんな私だけど……家族と呼んでくれる?」

杏子「……勿論さ!」

マミ「……ありがとう、佐倉さん……!」

124: 1 ◆NsfUjTiOGg 2011/07/18(月) 00:34:33.90 ID:MPivrlB70

マミ「……うふふ、嬉しい。これで私たちは家族ね?」

杏子「そうだぞ。……やっぱり出ていけなんて言ったら泣くからな!」

マミ「ふふ、そんなこと言わないわよ」

マミ「もうこの家は私と佐倉さんの家なんだから」

杏子「へへ……そっか」

杏子「そうだ、これからもメシはアタシが作るよ」

杏子「マミが幸せ太りするくらい美味いメシを毎日作ってやる!」

マミ「ふ、太るのはちょっと困るわね……」

杏子「あはは!」

126: 1 ◆NsfUjTiOGg 2011/07/18(月) 00:35:46.92 ID:MPivrlB70

――数時間後――

杏子「ZZZ……」

マミ「今夜は寝かさない、なんて言っておいて……先に寝ちゃったのね」

マミ「しかも思い切り抱きついてくれちゃって。私は抱き枕じゃないのに、まったくもう……」

杏子「むにゃむにゃ……ぁ」

マミ「?」

杏子「おかあ……さん……」

マミ(あ……)

マミ「お母さん、か……」

杏子「すぅ……すぅ……」

マミ「大丈夫、これからは私が一緒よ……もう何も怖くないからね?」

ギュッ……

127: 1 ◆NsfUjTiOGg 2011/07/18(月) 00:36:28.92 ID:MPivrlB70

――翌朝――

マミ「ふあぁ……おはよう、佐倉さん」

杏子「おう、遅かったな。もう朝飯の準備は出来てるぞ」

マミ「……佐倉さんのせいで寝不足なのよ……」

杏子「ふーん、アタシは全然眠くないけどな?」

マミ(……私より先に寝てたものね)

杏子「ま、別に良いかそんな細かいことは。それより朝飯だ!」

杏子「昨日のカレーの残りに手を加えて、ホットサンドにしてみたんだけど……どうだい?」

マミ「美味しそうね。喜んでいただくわ!」

杏子「へへ……」

128: 1 ◆NsfUjTiOGg 2011/07/18(月) 00:37:35.20 ID:MPivrlB70

マミ「……ところで、佐倉さん。昨夜の話だけど……」

杏子「うん?」

マミ「昨日も話した通り、今後はこの家を自分の家だと思ってくれて構わないわ」

マミ「でも、私から一つだけ条件を出そうと思うの」

杏子「……な、なんだ?」ゴクリ

マミ「……杏子って呼ばせて頂戴?」

杏子「へ?」

マミ「だって私たちはもう家族でしょう? いつまでも名字で呼んでたらおかしいじゃない」

杏子「……ははっ、そーだな! うん、アタシのことは杏子って呼べよ!」

マミ「ええ、それじゃあ……朝ご飯にしましょうか、杏子?」

杏子「おうっ!」

129: 1 ◆NsfUjTiOGg 2011/07/18(月) 00:38:37.02 ID:MPivrlB70

杏子(…………)

杏子(ふう……条件とか言われた時は焦ったが……上手くいったみたいだな!)

杏子(精神的に追い詰めて、冷静な判断力を奪って……不当な要求を飲ませてやる作戦は大成功だ!)

杏子(これでもう此処はアタシんちになるわけだ……ふふ)

杏子(それにしてもチョロイ奴だぜマミは……)

杏子(昨日も『マミが居てくれれば頑張れる』なんて言ったら、まるで花が咲いたみたいに嬉しそうな顔しやがった)

杏子(アタシはただ本心を言葉にしただけなのにな……くくく)

杏子(あんなにチョロイといつか悪い奴に騙されるんじゃないかって、逆に心配になっちまうね)

杏子(おっと、もうすでにアタシという極悪人に騙されてるんだった。それなら変な虫が着く心配もねーな!)

杏子(ふふ……今日から『家族』として守ってやるとするかね……あーっはっは!!)

131: 1 ◆NsfUjTiOGg 2011/07/18(月) 00:40:23.99 ID:MPivrlB70

※おまけ

~昼休み・マミのクラス~

まどか「マミさーん、起きてくださーい」ユサユサ

マミ「ううーん……むにゃむにゃ……」

ほむら「起きないわね……」

まどか「珍しいね、マミさんが学校で寝ちゃうなんて」

ほむら「そうね。早く起きてくれないと昼食を食べる時間が無くなってしまうのだけれど……」

まどか「うん……それに二年生の私たちがここに居るのも、ちょっとね」

ほむら「確かに……さすがに三年生の教室は居心地良くないわね」

まどか「早くマミさんに起きてもらわないと。マミさーん?」ユサユサ

マミ「あふ……駄目よ杏子……そんなとこ触っちゃ……」

まどほむ「…………!?」

132: 1 ◆NsfUjTiOGg 2011/07/18(月) 00:41:48.64 ID:MPivrlB70

まどか「も、もうマミさんたら……変な寝言だね?」

ほむら「そ、そうね……それに杏子って、いつから名前で呼ぶようになったのかしら」

マミ「もぉ……またなの……? もう、ホントに    好きなのね……杏子ったら……むにゃむにゃ」

まどか「ねえほむらちゃん……今、マミさんなんて……?」

ほむら「お  ……いえ、この場で言うべき言葉ではないわね」

マミ「うふふ……今日も甘えん坊さんね……一緒に寝ましょ、杏子……」

ほむら「……そっとしておきましょう。彼女は幸せな夢を見ているのよ……」

まどか「……うん。そうだね」





マミ「…………」

マミ「あら? もうこんな時間じゃない……ずいぶん寝ちゃってたのね、私」

マミ「……それにしてもおかしな夢だったわね」

マミ「私がお母さんになって、杏子を育ててあげる夢だなんて……うふふ」

133: 1 ◆NsfUjTiOGg 2011/07/18(月) 00:42:56.02 ID:MPivrlB70

次回・暁美ほむら編に続く。

杏子「大好きなまどかの前で恥をかかせてやるぜ!」

杏子「そうだな……アイツが苦手そうなゲーセンにでも連れて行こう!」

165: 1 ◆NsfUjTiOGg 2011/07/24(日) 14:31:37.64 ID:rHfB4Lco0

~見滝原市・病院~

杏子「おーっす。今日も来てやったぞ、さやか」

さやか「あ、また来たんだ杏子。今日も話を聞かせてくれるの?」

杏子「勿論さ。いつものようにアタシの活躍を聞かせてやるぜ! 覚悟しろよ?」

さやか「あんたって意外とマメな奴だよねー、毎日必ず報告に来るなんてさ」

杏子「くっくっく……嫌になるだろ? 何も出来なくて、話を聞くだけの自分が」

さやか「……そーね。ちょっとだけ」

さやか「恭介もこんな気分だったのかなーって思うよ」

杏子「恭介? ああ、さやかが願いを使って助けたボーヤのことか」

さやか「うん、そーだよ」

さやか「したいことが出来ないって、こんなにもどかしい気持ちになるんだね……」

166: 1 ◆NsfUjTiOGg 2011/07/24(日) 14:32:33.04 ID:rHfB4Lco0

さやか「……でも、そんな思いをするのも今日で終わりなんだけどさ!」

杏子「そっか。退院は明日だもんな」

さやか「そーよ! 魔法少女さやかちゃん、大復活!」

さやか「…………」

さやか「……あんたは、どーするの?」

杏子「ん?」

さやか「あたしが復帰するまで代わりに戦ってくれる約束だったでしょ?」

さやか「それってつまり、あたしが退院したら……」

杏子「あー、そのことか」

杏子「……残念だったな、アタシは抜けるつもりはねーよ」

167: 1 ◆NsfUjTiOGg 2011/07/24(日) 14:33:43.50 ID:rHfB4Lco0

さやか「え……? こ、これからも一緒に戦ってくれるの?」

杏子「オイオイ、前にも言ったかもしれねーけどな……勘違いすんなよ?」

杏子「アンタらと慣れ合う気はねーんだからな」

さやか「……あくまでグリーフシードが目的だっていうのね?」

杏子「そういうことさ。あと、ついでに……」

杏子「さやかとかいうヘタレ魔法少女にアタシの実力を見せつけて、自信喪失させてやろうかと思ってね」

さやか「なっ、誰がヘタレよ!」

杏子「ふふ……すぐに分かるさ。アタシとアンタの圧倒的な実力差ってやつがな」

168: 1 ◆NsfUjTiOGg 2011/07/24(日) 14:34:47.83 ID:rHfB4Lco0

杏子「ま、自分の弱さをよーく理解したら……アタシの戦い方を手本にでもするんだね」

杏子「そ-すりゃアンタも少しはマシになるだろーよ!」

杏子「……さやかは経験が足りないだけで、才能はあるんだしさ」ボソッ

さやか「え?」

杏子「な、なんでもねーよ! 今のは忘れろ!」

さやか「…………」クスッ

さやか「まったくもう、杏子ってば相変わらず素直じゃないんだから……」





杏子(あぶねーあぶねー、つい本音が出ちまったぜ)

杏子(まあアタシの狙いはバレなかったみたいだから良しとするか。くっくっく……)

杏子(……そうさ、さやかは才能はあるんだ)

杏子(それならアタシ色に染め上げて、便利な手駒として使ってやるのも悪くないよねぇ!)

杏子(楽しみに待ってなよ、さやか。近い将来、アタシがアンタのご主人様になってやるよ!)

169: 1 ◆NsfUjTiOGg 2011/07/24(日) 14:35:52.98 ID:rHfB4Lco0

さやか「……あいにくだけどね、あたしは杏子の活躍を見たって自信喪失なんてしないんだから!」

さやか「むしろやる気がみなぎって、魔女も使い魔もボッコボコにしてやるわよ!」

杏子「はっ……意気込みは認めてやるけどな、あんま調子に乗るんじゃねーぞ」

杏子「油断してるとまた怪我して病院に逆戻りになっちまうぞ?」

さやか「むっ。馬鹿にしないでよね、そんなミス犯すわけないじゃない」

杏子「どーだか……数日とはいえ、ブランクがあるわけだからね」

杏子「思い通りに動けなくて大失敗をやらかすんじゃないか?」

さやか「そんなの杏子の勝手な想像でしょ!」

杏子「アタシの予想は結構当たるんだぜ?」

さやか「当たるもんか!」

杏子「ふーん……そこまで言うなら賭けでもしようか」

さやか「え? 賭け……?」

170: 1 ◆NsfUjTiOGg 2011/07/24(日) 14:36:58.48 ID:rHfB4Lco0

杏子「そう、賭けだ」

杏子「さやかが間抜けなミスを犯して怪我をしたら……アタシの勝ち」

杏子「アタシの予想が外れて何事もなかったら……さやかの勝ち」

杏子「負けた方は、そうだな……何でも言うことを聞く、ってことにしよう」

杏子「ど-だい、この勝負乗るかい?」

さやか「……いいじゃない、乗ったよ!」

杏子「ほー、即決か」

さやか「当たり前じゃん、その条件ならあたしが負けるわけないもんね!」

杏子「ふっふっふ……後悔しても知らねーぞ」

さやか「後悔なんかあるわけないでしょっ」

杏子「よーし、良く言った。そんなら明日から勝負開始だ!」

171: 1 ◆NsfUjTiOGg 2011/07/24(日) 14:37:46.80 ID:rHfB4Lco0

さやか(……でも、あたしが勝ったら何をさせようかな)

さやか(何でも言うことを聞かせられるのかぁ……どうしよ)

さやか(……そういえば、杏子って結構料理が出来るんだっけか)

さやか(マミさんが嬉しそうに話してたよね、毎日美味しいゴハンを作ってくれるんだって)

さやか(……ずるいよね、マミさんだけ杏子の手料理を食べられるなんて)

さやか(良し、決めた! あたしが勝ったら杏子にご馳走を作らせよう!)

さやか(……いや、待てよ? 料理だけじゃもったいないかな?)

さやか(他にも色々させたいな。うーん……)

さやか(そうだ! 杏子にはあたし専属のメイドになってもらおう!)

さやか(料理だけじゃなくて他のこともやらせよう。もちろんメイド服姿でね!)

さやか(うっふっふ。勝利が楽しみだわ……!)

172: 1 ◆NsfUjTiOGg 2011/07/24(日) 14:38:36.23 ID:rHfB4Lco0

杏子(くく……やっぱ馬鹿な奴だな、さやかは)

杏子(アタシの出した条件じゃあ圧倒的にさやかが不利なのに気がつかないなんてね)

杏子(……アタシは賭けの期限を指定していない。つまりアタシが勝つまで勝負は続くってことさ!)

杏子(さやか……アンタはもうアタシの手の内にいるんだよ)

杏子(気がついた時には手遅れだ。アタシの命令をきいてもらうことになるぞ……ふふふ)

杏子(アンタがアタシの下僕になる日もそう遠くねーぞ、さやかぁ!)

杏子(くっくっく……ふっふっふ……はぁーはっはっは!!)

………………

…………

……

173: 1 ◆NsfUjTiOGg 2011/07/24(日) 14:39:36.16 ID:rHfB4Lco0

マミ「駄目です」

杏子「えっ?」

マミ「そんな賭けなんて認めるわけないでしょ。魔女退治は遊びじゃないのよ?」

さやか「別に平気ですって! あたしが怪我しなければいいだけなんですから!」

マミ「だーめ。余計なこと考えてたら頭から齧られちゃうかもしれないわ」

杏子「えー、でもさ……」

マミ「それに、負けたらなんでも言うことを聞くだなんて……よ、良くないと思うわ」

杏子「え?」

さやか「……マミさん、もしかして変な想像してません?」

マミ「し、してないわよ!」

マミ「とにかく、駄目なものは駄目! 言うこと聞かない子は……お家に入れてあげないわよ!」

杏子「ううっ! ご、ごめんなさい、賭けはしません……」

マミ「……うん、分かれば良いのよ♪」

174: 1 ◆NsfUjTiOGg 2011/07/24(日) 14:40:56.64 ID:rHfB4Lco0

さやか「……怒られちゃったね」

杏子「うん……」

さやか「賭けとか止めて真面目に戦おっか……」

杏子「そーだな……」

さやか「……それにしてもさっきの杏子の顔、情けなかったわー」ニヤニヤ

さやか「さすがのアンタもマミさんには逆らえないのね?」

杏子「う、うるせいやい!」





杏子(く、くそう。今回の作戦は失敗か……)

杏子(……た、たまには敗北の味を知るのも悪くないけどな!)

杏子(悔しくなんてないさ! この経験がアタシをもっと強くするんだからね!)

杏子(お、おぼえてろよぉ……)

209: 1 ◆NsfUjTiOGg 2011/08/22(月) 01:16:50.27 ID:vpwJlQuA0

QB「昔々あるところに、赤頭巾を被った可愛い女の子がいたんだ」

QB「焔のように真っ赤な頭巾がトレードマークな彼女は、皆からほむずきんちゃんと呼ばれて親しまれていたよ」

QB「そんな彼女がある日、母親からお使いを頼まれたことから物語は始まるんだ」



さやか「ほむらー、悪いんだけどお使い頼まれてくんない?」

ほむら「構わないわ」

さやか「さんきゅー。んじゃ、これをまどかのとこまで届けてやってよ」

ほむら「これは……葡萄酒と手作りのケーキね。まどかのために用意したの?」

さやか「ま、そんなとこかな。まどかってば一人暮らしだから心配だしね」

ほむら「そうね……」

210: 1 ◆NsfUjTiOGg 2011/08/22(月) 01:18:02.57 ID:vpwJlQuA0

QB「そんなわけで……母親から甘ーいケーキと葡萄酒を受け取って、ほむらはまどかの家に向かったよ」

QB「まどかの家は山奥にある。ちょっぴり危険な道のりだけど……大丈夫かなあ?」



ほむら「まだまだ先は長いわね」

ほむら「あの花畑で少し休憩するとしましょう」

ほむら「……ふう」

ほむら「お腹も空いたし、私の分のケーキを食べようかしら」

にゅいーん

ほむら「やっぱり便利ね、この盾。ケーキも焼きたてのまま収納出来るなんて」

ほむら「……ホムホム」

ほむら「それにしても、こんな山奥に娘一人をお使いに行かせるなんて……」

ほむら「正気の沙汰とは思えないわね」

ほむら「やっぱりさやかってホント馬鹿」

211: 1 ◆NsfUjTiOGg 2011/08/22(月) 01:18:55.38 ID:vpwJlQuA0

QB「愚痴りつつもケーキを堪能しているほむらだけど……」

QB「こんなところでのんびりしていていいのかな?」

QB「実はこの辺りには危険なオオカミが出るんだ」

QB「襲われないうちに移動したほうがいいと思うんだけど……」

QB「あ……もう手遅れみたいだね」



杏子「ほむらー!」

ほむら「あら、杏子」

杏子「よう! 今日も美味しそうだね!」

ほむら「ケーキのことね? 良かったら半分あげるわ」

杏子「アタシが言ったのはそっちじゃないんだけど……まあいいや、ケーキもらうぞ!」

ほむら「はい、どうぞ」

212: 1 ◆NsfUjTiOGg 2011/08/22(月) 01:19:43.91 ID:vpwJlQuA0

QB「赤毛のオオカミは、ほむらを食べたいみたいだね」

QB「今はケーキで満足しているみたいだけど……」

QB「いつ牙を剥くか分からないよ。恐ろしいなあ」

QB「……おや、早速なにか企んでいるみたいだ」



杏子「もぐもぐ。ほむらはこれから何処へ行くんだ?」

ほむら「まどかの家よ。ケーキと葡萄酒を届けに行くの」

杏子「ふーん……その二つだけなのか?」

ほむら「え?」

杏子「どうせならさ、お花も持って行ってあげたらどうだい? きっと喜んでもらえるぞ!」

213: 1 ◆NsfUjTiOGg 2011/08/22(月) 01:20:41.33 ID:vpwJlQuA0

ほむら「でも……お花なんて持ってないわ」

杏子「大丈夫! そこら辺に生えてるのを持ってけばいいんだよ!」

ほむら「それもそうね。幸いこの辺りは綺麗なお花が沢山咲いているし……」

杏子「うんうん!」

ほむら「それじゃあ此処でお花を摘んでいくことにするわ」

杏子「アタシはちょっと用事があるから手伝えねーけど……頑張れよ、ほむら!」

ほむら「ええ頑張るわ。ありがとう、杏子……金髪で巨 の猟師には気をつけるのよ?」

杏子「うん? 大丈夫だよ、アタシはオオカミなんだからね! じゃーな!」

214: 1 ◆NsfUjTiOGg 2011/08/22(月) 01:21:42.91 ID:vpwJlQuA0

杏子「……ふふふ」

杏子「これで時間稼ぎは出来た……」

杏子「今のうちにまどかの家に行くかな!」

杏子「前菜にまどかをパクっと頂いて……」

杏子「遅れてきたほむらはメインディッシュとしてご馳走になっちまおう!」

杏子「楽しみだなあ……くっくっく」



QB「大変だ、オオカミはまどかもほむらも食べちゃうつもりらしい」

QB「嗚呼、無力なまどかとほむらの運命や如何に?」

215: 1 ◆NsfUjTiOGg 2011/08/22(月) 01:22:25.43 ID:vpwJlQuA0

~まどかの家~

コンコンッ!

杏子「こんにちはまどかちゃん。私だよ、ほむらだよ!」

まどか「あ、ほむらちゃん! 鍵はかかってないから入っていいよ~」

杏子「ごめん、悪いんだけどまどかちゃんがドアを開けてくれないかな?」

まどか「えっ、なんで?」

杏子「両手いっぱいにケーキを持ってるから、私じゃ開けられないんだ!」

まどか「わあっ! そんなにいっぱいケーキを持って来てくれたの? いま開けるね!」

杏子「くくく……」

ガチャッ

まどか「……えっ!? あなたは、杏子ちゃん……!?」

杏子「いただきまーす!」

216: 1 ◆NsfUjTiOGg 2011/08/22(月) 01:23:19.52 ID:vpwJlQuA0

QB「ずる賢いオオカミは嘘をついて、まどかの家に上がり込んだ!」

QB「そして驚いたまどかが抵抗するよりも先に牙を剥き、首筋に食らい付いたのであった!!」



杏子「はむっ」

まどか「ひあっ!?」

杏子「あむあむ…………」

まどか「や、止めてよっ! くすぐったいっ……あひぃっ!!」

杏子「うーん美味しい♪ やっぱりまどかはほんのり甘いんだな……はむはむ」

まどか「んひっ!? ず、ずるいよ、ほむらちゃんのフリをするなんて……あひぃっ!?」

杏子「くくく、お菓子に釣られたまどかが悪いんだよ……れろれろれろっ」

まどか「~~っ!!」

217: 1 ◆NsfUjTiOGg 2011/08/22(月) 01:24:10.10 ID:vpwJlQuA0

杏子「さてと、次はそのさくらんぼみたいな唇をいただいちまおうかな!」

まどか「や、やめっ……!」

杏子「むちゅ~♪」

まどか「んむっ!?」

杏子「れろっ……ぴちゅ……ちゅぱ……」

まどか「あ……ふあ……」

杏子「ちゅっ……どうした? もう抵抗しないのか?」

まどか「ふぇ……?」

杏子「くくっ……眼がとろけちまってるな」

杏子「まあいいさ。全身余すところなく美味しくいただいてやるよ、まどか」

まどか「あふ……あんっ……! そこは、だめぇ……!」








QB「そのあと可哀想なまどかはオオカミに食べられちゃったんだ……」

218: 1 ◆NsfUjTiOGg 2011/08/22(月) 01:25:12.92 ID:vpwJlQuA0

QB「さて、なにも知らないほむらは、まどかの家にやってきたよ」

QB「まどかに喜んでもらえると信じて摘んできたお花と、ケーキと、葡萄酒を持って……」



コンコン

ほむら「まどか? 私よ、ケーキを持ってきたわ」

???「そーかいそーかい。んじゃ、中にお入りよ」

ほむら「ええ、お邪魔するわね」

ガチャ

ほむら「……? なにこの臭い……」

???「さっきまで運動してたからね、ちょっと汗臭いのかもしれないね」

ほむら「そうなの? 元気いっぱいなのね、まどかは」

???「くくっ……そうさ、アタシはいつだって元気いっぱいさ」

219: 1 ◆NsfUjTiOGg 2011/08/22(月) 01:26:00.00 ID:vpwJlQuA0

ほむら「あら、まどか? お蒲団にもぐりこんで何しているの?」

???「それはね、とっても気持ちのいいことさ」

ほむら「どうしてお蒲団の中でもぞもぞ動いているの?」

???「こうすると    くなれるからさ……んちゅっ…… 」

ほむら「……どうして何かを    ような音を立ててるの?」

???「ここを  ると    くしてあげられるからさ…… !」

まどか「 ! きょ、杏子ちゃん、もっとぉ……!!」

ほむら「……どうしてまどかの声が布団の中からするの?」

???「それはな……こういうことさ!!」

ガバッ!

ほむら「なっ……!?」



QB「布団を跳ね飛ばして現れたのは凶暴なオオカミと……」

QB「一糸まとわぬ姿にされてしまった哀れな犠牲者、まどかであった!」

220: 1 ◆NsfUjTiOGg 2011/08/22(月) 01:26:43.36 ID:vpwJlQuA0

QB「生まれたままの姿のまどかに気を取られたほむらは……」

QB「オオカミに隙を突かれてあっという間に取り押さえられてしまったよ!」



杏子「捕まえたぜ、ほむら~?」

ほむら「くっ……離しなさい!」

杏子「ほら、まどか。打ち合わせ通りに……」

まどか「う、うん……ごめんね、ほむらちゃん……」

ほむら「まどかっ! 貴女いったいなにを……!?」

杏子「なーに、ほむらにはたくさん酒をご馳走しようと思ってさ」

221: 1 ◆NsfUjTiOGg 2011/08/22(月) 01:27:26.00 ID:vpwJlQuA0

QB「まどかはほむらが持ってきた葡萄酒を口いっぱいに含むと……」

QB「そのまま口移しでほむらに無理矢理呑ませ始めたんだ!」



まどか「んっ……んんっ……!」

ほむら「うぷっ……んぐぅ……!!」

ごくっごくっ……

杏子「あはは! 良い飲みっぷりだねえ、ほむら!」

ほむら「ぷはっ……! ま、まどか、どうしてこんなことを……!」

まどか「だって……言うこと聞けば杏子ちゃんがもっと気持ち良くしてくれるって……」

ほむら「……!? 佐倉、杏子……まどかに何をしたの!?」

杏子「なにって、ナニに決まってんだろーが? あははははは!」

222: 1 ◆NsfUjTiOGg 2011/08/22(月) 01:28:32.78 ID:vpwJlQuA0

杏子「……さ、続けな、まどか」

まどか「ふぁい……」

ほむら「やめっ……んぶっ!!」

杏子「さてと、アタシはこっちのお口からほむらに飲ませてやるかね……」

ほむら「んんーっ!? んー!! んんーっ!!!」



QB「恐ろしいオオカミと、その傀儡と化したまどか」

QB「二人からの責めを三日三晩受け続け……」

QB「次第にほむらは正気を保てなくなっていったよ」

………………

…………

……

223: 1 ◆NsfUjTiOGg 2011/08/22(月) 01:29:13.01 ID:vpwJlQuA0

ほむら「も……もうやめひぇ……わたひ……これいじょうは……」

杏子「あはは! 締りのないツラしやがって!」

まどか「ほむらちゃん……素敵だよ」

ほむら「まどかぁ……」

まどか「ね、ほむらちゃん。ほむらちゃんももっと気持ち良くなっちゃおうよ」

まどか「杏子ちゃんに美味しく食べてもらっちゃおう?」

まどか「そしたら私とおんなじになれるんだよ……?」

ほむら「ま、まどかぁ……」

杏子「……どーするんだい、ほむら?」

ほむら「わ、わらひ……わたひは……!!」

224: 1 ◆NsfUjTiOGg 2011/08/22(月) 01:30:13.73 ID:vpwJlQuA0

QB「そんなわけで、ほむらもオオカミに食べられちゃった」

QB「ほむらもまどかも、もう日常には戻れない」

QB「オオカミに骨までしゃぶられて……」

QB「いや、魂までしゃぶりつくされて……」

QB「死ぬまでオオカミに食べられ続けるんだ」

QB「でも……」



ほむら「あふっ……杏子……おねがい、私もうっ……!」

まどか「杏子ちゃぁん……私もぉ……!」

杏子「あははは! 今日も腹いっぱいになるまで美味しく食べてやるよ!」



QB「うん、三人とも幸せそうだね!」

QB「めでたしめでたし!」



『ほむずきんちゃん』

おしまい。

254: 1 ◆NsfUjTiOGg 2011/09/10(土) 23:39:36.52 ID:/qPf4KFt0

~見滝原市・とある鉄橋~

ほむら(同じ時間を繰り返しているのだから、当たり前だけれど……)

ほむら(変わらないわね、此処から見る風景は)

ほむら(……あの日もこんな夕焼けが綺麗な日だった)

ほむら(私がまどかに命を救われた、あの日も……)

ほむら「…………」

杏子「なーに一人で黄昏れてんだよ、ほむら?」

ほむら「きゃっ……!?」

255: 1 ◆NsfUjTiOGg 2011/09/10(土) 23:40:25.44 ID:/qPf4KFt0

杏子「おー。意外と可愛い声で驚くんだな、アンタ」

ほむら「……何か用かしら、佐倉杏子?」

杏子「いや? たまたま通りがかっただけさ」

杏子「なんだか悩みでもありそうなツラしてたからね、つい声をかけちまったんだよ」

ほむら「……そう」

杏子「で、何でこんなとこでボーッとしてたんだい?」

ほむら「貴女には関係のないことよ」

杏子「……まどかのことでも考えてたのか?」

ほむら「っ!」

杏子「ふふっ……図星だな?」

杏子「気がついてるか? アンタって意外と顔に出るタイプだぞ」

ほむら「余計なお世話よ……」

256: 1 ◆NsfUjTiOGg 2011/09/10(土) 23:41:02.08 ID:/qPf4KFt0

杏子「そーそー、まどかと言えばさ……前から気になってたことがあるんだよな」

ほむら「何?」

杏子「アンタとまどかはスッゲー仲が良いじゃん?」

杏子「なのにアンタは……何で時々、すごく悲しい眼でまどかを見るんだ?」

ほむら「!」

ほむら「……気のせいでしょう」

杏子「いいや、間違いないね」

杏子「……愛おしい、けれど何かを諦めている」

杏子「そんな眼をしている時があるんだよ、ほむらは」

257: 1 ◆NsfUjTiOGg 2011/09/10(土) 23:42:04.98 ID:/qPf4KFt0

ほむら「貴女は何が言いたいの?」

杏子「……悩みがあるんだろ? 話してみなよ、聞いてやるぜ」

ほむら「悩みなんて……ないわ」

杏子「嘘だね」

ほむら「本当よ」

杏子「本当だ、って言うならなんで眼を逸らすんだ?」

杏子「ほら……こっちを見て正直に答えろよ」

ほむら「しつこいわよ、佐倉杏子。貴女に話すことなんて……!」キッ

杏子「よしよし、ようやく眼を合わせてくれたね」



杏子『……さあ、告白しな。アンタの苦しみを』



ほむら「あ……」

ほむら(何……? 頭がボーっとして……)

259: 1 ◆NsfUjTiOGg 2011/09/10(土) 23:43:43.31 ID:/qPf4KFt0

杏子『警戒する必要なんてない。アタシ達は仲間なんだから』

杏子『話してみなよ。幾らかは気が楽になるぞ?』

ほむら「ええ……でも……」

杏子『怖がらなくていいさ。無理して全部を語る必要はないんだからな』

杏子『まずは少しずつ聞かせてくれれば良いんだよ』

杏子『さあ、話して御覧』

ほむら「うん……そうね」

ほむら「……話すわ、私の想いを」

260: 1 ◆NsfUjTiOGg 2011/09/10(土) 23:45:11.12 ID:/qPf4KFt0

ほむら「私は……」

ほむら「私は、まどかに伝えたいことがあるの」

ほむら「……あのとき助けてくれてありがとう、って言いたい」

ほむら「約束守れなくてごめん、って謝りたい」

ほむら「まどかのことを誰よりも大好きだって……」

ほむら「嘘偽りのない言葉で、本当の気持ちを伝えたい」

ほむら「……でも……ダメなの」

ほむら「私の『今』とまどかの『今』は、もう修整出来ないほどズレてしまった」

ほむら「時間の流れが、私とまどかの間に絶望的な距離を生んでしまった」

ほむら「だから言えないの。伝えられないの」

ほむら「何も知らないまどかに伝えたって、きっと気持ち悪く思われるだけだもの……」

261: 1 ◆NsfUjTiOGg 2011/09/10(土) 23:46:06.15 ID:/qPf4KFt0

杏子『表に出せぬ秘めたる想い……』

杏子『なるほど……それでアンタは悩んでたのか、ほむら』

ほむら「ええそうよ……情けないと思うでしょう?」

ほむら「拒絶されて傷つくのが怖い臆病者なのよ、私は……」

杏子『恥じる必要はないさ。人は皆、怯えながら生きている』

杏子『誰もが臆病者なんだよ、人間っていうのはな』

ほむら「…………」

杏子『だが、ほむらは運が良いぜ? アタシという味方を得たんだからな』

ほむら「味方……?」

262: 1 ◆NsfUjTiOGg 2011/09/10(土) 23:47:11.90 ID:/qPf4KFt0

杏子『そうさ。アタシはアンタの力になってやる』

杏子『さあ、眼を閉じてみな』

ほむら「……うん」

杏子『ほむらが勇気を出せるように……』

杏子『ほんの一歩踏み出せるように』

杏子『素敵な魔法をかけてやるよ』



………………

…………

……



ほむら「……?」

ほむら(私……何をしていたんだったかしら?)

ほむら(思い出せない……誰かと話をしていたような気もするけれど……)

ほむら(……疲れているのね、私)

ほむら(早く帰りましょう。いつの間にか日も沈んでいるし……)

263: 1 ◆NsfUjTiOGg 2011/09/10(土) 23:48:59.14 ID:/qPf4KFt0

QB「行ったみたいだよ。ちょっとボーっとしてたけど問題はないみたい」

杏子「……よし。偵察ごくろうさん」

杏子「久しぶりに使ったから心配だったけど……」

杏子「上手くいったみたいだな、アタシの幻惑魔法!」

QB「……どうして暁美ほむらの悩みなんか聞き出したの、杏子?」

杏子「アイツがまどかに特別な感情を抱いていることを確認したかったからね」

杏子「アタシのプラン通りに事を運ぶためにも重要なことだったんだよ」

杏子「ふふ……あんなにも簡単にアタシの術に嵌まってくれるとは思ってなかったけどな」

杏子「ほむらの奴……いつもクールでカッコいいくせに、あんな切なげな表情みせやがって」

杏子「思わず胸がキュンってしちまったぜ、くっくっく……」

264: 1 ◆NsfUjTiOGg 2011/09/10(土) 23:49:54.89 ID:/qPf4KFt0

QB「……杏子はまた酷いことをする気なんだね」

杏子「そうさ。今回の目的はほむらに赤っ恥をかかせることだ」

杏子「ほむらの奴は随分とまどかに執着してるからな」

杏子「だからまどかの前で恥ずかしい思いをさせて、苦しめてやるのさ!」

QB「な、なんて非道なんだ……キミは人の心を持っていないの……!?」

杏子「へっ、アタシはとっくの昔に人間を辞めてるんだぞ?」

杏子「んなもん持ってるわきゃねーだろうが!」

QB「うう……」

265: 1 ◆NsfUjTiOGg 2011/09/10(土) 23:50:45.50 ID:/qPf4KFt0

QB「ぼ、僕はキミに意見できる立場じゃないけど……でも」

QB「出来ればあまり可哀想なことはしないであげてほしいな」

QB「ほむらに恥をかかせて満足したら、それ以上のことは……」

杏子「くっくっく……馬鹿言うなよ、キュゥべえ」

杏子「そんな程度でアタシが満足するなんてありえないだろ?」

QB「……やっぱりそうだよね……」

QB(……可哀想なほむら。でもゴメンね、僕は杏子に逆らえないんだ……)

266: 1 ◆NsfUjTiOGg 2011/09/10(土) 23:51:22.97 ID:/qPf4KFt0

杏子「……アタシはほむらとまどかみたいな『お友達ごっこ』の関係が大嫌いでね」

杏子「ああいう奴らを見るとメチャクチャにしてやりたくなるんだよ!」

QB「そのためにほむらの面子を潰すっていうの……?」

杏子「ああ。ほむらがたっぷり恥を晒して、落ち込んだ姿を見せれば……」

杏子「甘ちゃんのまどかはきっと心配して放っておかないだろう?」

杏子「その優しさを逆手に取って、二人の友情をブチ壊してやるのさ!」

QB「どういうこと? 優しさが友情を壊すって……」

267: 1 ◆NsfUjTiOGg 2011/09/10(土) 23:52:19.93 ID:/qPf4KFt0

杏子「落ち込むほむらと、慰めるまどか」

杏子「普通に考えれば信頼関係が強まりそうなシチュエーションだが……」

杏子「優しさっていうのは受け取りかた次第で全く別のものになることもあるんだよ」

杏子「アタシがほんの少し誘導してやれば、二人は友情を深めるどころか……ってわけさ」

QB「?……良く分からないや……」

杏子「くく……感情が理解できないお前には難しいかもな」

杏子「ま、キュゥべえにも分かるように簡単に言うと、アタシの今回の最終目標はだ……」

杏子「ほむらとまどかが二度と元の『お友達』に戻れないように――――」




杏子「あの二人を恋人同士にしてやるってことさ!!」




QB「なっ……なんだって……!?」

268: 1 ◆NsfUjTiOGg 2011/09/10(土) 23:53:16.24 ID:/qPf4KFt0

QB「そんな馬鹿な! 二人を同性愛者にするつもりかい!?」

杏子「ふふ……禁断の恋ってやつさ。面白いだろ?」

杏子「まあ普通ならそう簡単に恋愛観が変わることはないだろうが……」

杏子「だがアイツらはアッチの素質がある」

杏子「少し背中を押してやれば簡単に道を踏み外すだろうよ……くっくっく」

QB「ただでさえ魔法少女という非日常を生きている彼女たちを……」

QB「更なる茨の道へと追い込むなんて……!」

QB「何て残酷なことを企むんだ、杏子は!」

269: 1 ◆NsfUjTiOGg 2011/09/10(土) 23:54:32.66 ID:/qPf4KFt0

QB「はっ!? そういえばさっき別れ際に……ほむらに変な魔法をかけていたよね……!?」

QB「勇気が出る素敵な魔法とかなんとか!」

QB「もしかしてアレでほむらを洗脳して、思い通りに操るつもりなんじゃ……!?」

杏子「……はあ、相変わらずオマエはアホだな。洗脳なんてつまらない真似するわきゃねーだろ」

杏子「あくまであの二人の意志を尊重して、カップル成立させてやるのが一流ってもんさ」

QB「そ、そうなんだ……」

QB「でもそれならさっきの魔法は何だったの?」

杏子「くくっ……アレはな、ほむらに暗示をかけたんだよ」

杏子「ほむらが『弱い自分をまどかに隠せなくなる』ようにな……!」

QB「弱い自分を……?」

杏子「そうさ……ほむらの奴、明日になったら驚くだろうよ!」

杏子「今までまどかに隠してきた本当のじぐおえごほぉおええええっ!」ビチャビチャビチャ

QB「うわぁあああああああ!?」

270: 1 ◆NsfUjTiOGg 2011/09/10(土) 23:55:58.72 ID:/qPf4KFt0

QB「ど、どうしたの杏子!? 急に吐くなんて……大丈夫なの!?」

杏子「がはっ、ごほっ……やべ、幻惑魔法の反動か……」

杏子「封印してたのに無理矢理使ったから……身体への負荷が……ごふっ!」ビチャッ

QB「ひいっ!」

杏子「……すげぇ、人間ってこんなに血を吐けるんだな」

杏子「はあはあ……おえっ……」

杏子「……ふう……少し落ち着いてきたぞ。えーと、それで……なんだっけ?」

QB「は、話よりもお医者さんに行った方が……」

271: 1 ◆NsfUjTiOGg 2011/09/10(土) 23:56:43.20 ID:/qPf4KFt0

杏子「あーそうだ、ほむらを陥れるために暗示をかけたんだった」

杏子「アイツらの『お友達』の関係がブチ壊れる第一歩となるような、ね」

QB「それどころじゃないよ!! 杏子、キミの身体は……!」

杏子「まどかと友達でいられなくなったとき……」

杏子「ほむらがどんな泣き顔を見せてくれるか、今から楽しみだな!」

杏子「想像しただけでワクワクするぜ!」

杏子「ワクワクしすぎてなんかこう胃を針で刺すような痛みを感じるぞ!」

杏子「くっくっく……あーっはっはっはうぐごおげええええっ」ビチャビチャ

QB「うわあああああああ!?」

272: 1 ◆NsfUjTiOGg 2011/09/10(土) 23:57:24.76 ID:/qPf4KFt0

~翌朝・登校時~

ほむら(あら、あそこを歩いているのは……美樹さやかだわ)

ほむら「……おはよう、美樹さやか」

さやか「あ、ほむらじゃん。おいーっす!」

さやか「いやー、こうして登校中に会うのは久しぶりだね」

ほむら「そうね。貴女が無事に退院出来てよかったわ」

さやか「何よ? 珍しく嬉しいこと言ってくれるじゃない」

ほむら「……粗忽な貴女のせいで、魔法のことがバレるんじゃないかと心配していたのよ」

さやか「はあ……そうね、あんたはそういう奴だったわね」

273: 1 ◆NsfUjTiOGg 2011/09/10(土) 23:58:41.95 ID:/qPf4KFt0

さやか「……おっ、まどか発見! おーい、まどかぁー!」

まどか「あ、さやかちゃん、ほむらちゃん!」

ほむら「……っ!?」ドクンッ

ほむら(何……? まどかを見たら、急に胸が苦しく……!)

さやか「おっはよー! まどか!」

まどか「おはよう、さやかちゃん! 今日からまた一緒だね♪」

さやか「おおっ、あたしの嫁よ! 嬉しいぞぉー!」

まどか「うふふ、さやかちゃんったら……」

ほむら「ううっ……うううう……」

まどか「あれ? ほむらちゃん、どうかしたの? 顔色が……」

ほむら「まどかっ……まどかぁっ!!」ダキッ!

まどか「えっ!? きゃっ……!!」

さやか「ちょっ、ちょっとほむら!? なに急に抱き着いてんの!?」

274: 1 ◆NsfUjTiOGg 2011/09/10(土) 23:59:44.31 ID:/qPf4KFt0

まどか「あわわ……! ほむらちゃ、気持ちは嬉しいけどこんな所じゃダメだよ……!」

ほむら「ぐすっ……ひぐっ……」

まどか「……?」

ほむら「ごめんなさい、まどか……私……私は……!」グスッ

まどか「……ほむらちゃん? 泣いてるの……?」

ほむら「ううっ……ひぐっ……うううう……!」ポロポロ

さやか「ま、マジ泣き? どーしたのよ、あんた!?」

まどか「ほむらちゃん……」

275: 1 ◆NsfUjTiOGg 2011/09/11(日) 00:00:51.58 ID:L8DUcDUq0

まどか「……大丈夫だよほむらちゃん、落ち着いて?」ナデナデ

まどか「悲しいことがあったのかな? 良ければ私に話してほしいな」

ほむら「ぐすっ……まどかっ……まどかぁ……」

モブ1「なんなんだろ、あれ……」ヒソヒソ

モブ2「泣いてるみたいだけど」ヒソヒソ

モブ3「き、禁断の恋ですわ……!」ヒソヒソ

さやか「と、とりあえず場所を移そうよ。目立っちゃってるからさ」

まどか「……うん、そうだね。行こう、ほむらちゃん?」

ほむら「ぐすっ……ひっく……」コクン

276: 1 ◆NsfUjTiOGg 2011/09/11(日) 00:01:46.68 ID:L8DUcDUq0

杏子「ふふ……暗示はバッチリ効いてるみたいだね」ノゾキミ

杏子「ほむらの奴、アタシの期待したとおりに……いや、期待以上の醜態を晒しやがった」

QB「あれが暁美ほむら? まるで別人じゃないか……」

QB「……ホントに暗示をかけただけなの?」

杏子「おっと変な勘違いはするなよ?」

杏子「昨日も言ったが、アタシはほむらを意のままに操ってるわけじゃない」

杏子「あくまでアイツが元々抱いていた感情を利用しているだけさ」

杏子「それにしても……まどかにあんなこと仕出かして……くくっ」

杏子「恥ずかしくて恥ずかしくて死にたくなっちまうだろうなあ、ほむらの奴!」

277: 1 ◆NsfUjTiOGg 2011/09/11(日) 00:02:59.73 ID:L8DUcDUq0

~学校・保健室~

まどか「少し、落ち着いたみたいだね?」

ほむら「ええ……」

さやか「まどかに抱き着いたまんまだけどね」

ほむら「それは……その……」

ほむら「ごめんなさい、まどか……私、貴女から離れたくない……」ギュッ

まどか「安心して、ほむらちゃん。私なんかで良ければ一緒に居てあげるから……」ナデナデ

さやか「……まどかは優しいねぇ」

278: 1 ◆NsfUjTiOGg 2011/09/11(日) 00:04:07.73 ID:L8DUcDUq0

さやか「でもさ、このままじゃ授業を受けらんないよ? どーすんの?」

まどか「私は……ほむらちゃんが元気になるまで傍に居ようと思うの」

まどか「悪いけど、さやかちゃんは先生に言い訳しておいてくれないかな?」

さやか「オッケー。まどかは保健係だし、適当に理由を付ければ納得してもらえるでしょ」

ほむら「……ごめんなさい、美樹さん……貴女にも迷惑かけてしまって……」

さやか「『美樹さん』? ほむらがそんな風に呼ぶのって初めてだね」

ほむら「あっ……その、つい……」

さやか「ふふっ。まあとにかく、先生にはあたしから言っておくから」

さやか「二人はゆっくりしてなよ?」

まどか「うん、お願いするね、さやかちゃん」

ほむら「……ありがとう」

279: 1 ◆NsfUjTiOGg 2011/09/11(日) 00:05:28.39 ID:L8DUcDUq0

ほむら(……まどかと二人きりになってしまった……保健の先生も外出中みたいだし……)

ほむら(他に誰も居ない部屋で、まどかとベッドに腰掛けて……これじゃまるで……)

ほむら(っ!? わ、私ったら何を考えてるの……!?)

まどか「……ねえ、ほむらちゃん」

ほむら「はひっ!?」

まどか「?」

ほむら「ご、ごめんなさい……えっと、なにか?」

まどか「あ、うん。ねえ、ほむらちゃん……何かあったの?」

まどか「今のほむらちゃん、とっても辛そうで……私まで悲しくなっちゃうよ」

ほむら「まどか……」

280: 1 ◆NsfUjTiOGg 2011/09/11(日) 00:06:18.49 ID:L8DUcDUq0

ほむら「……私にも良くわからないの」

ほむら「まどかを見たら急に胸が苦しくなって……」

ほむら「まどかへの気持ちが溢れ出して、抑え切れなくなって……」

まどか「えっ……?」ドキッ

まどか「わ、私への気持ちって?」

ほむら「あっ! その……今のは……」

ほむら「な、なんでもないから……えと、気にしないで?」

まどか「う、うん……」

281: 1 ◆NsfUjTiOGg 2011/09/11(日) 00:06:59.76 ID:L8DUcDUq0

ほむら「…………」

ほむら「その……ごめんなさい」

まどか「えっ?」

ほむら「……気持ち悪いよね。いきなり抱き着いたり、こんなこと言ったりして……」

まどか「そ、そんなことないよ!」

まどか「私は、ほ、ほむらちゃんにならくっつかれても嫌じゃないし……」

ほむら「本当……?」

まどか「ほ、ホントだよっ」

282: 1 ◆NsfUjTiOGg 2011/09/11(日) 00:08:31.46 ID:L8DUcDUq0

~廊下・保健室前~

杏子「良い感じじゃないか」ノゾキミ

QB「何を話しているのかは聞き取れないけど……ギクシャクしてるのが見て取れるね」

杏子「そーだな。その証拠にアイツ等、さっきから目を合わせようともしねー」

QB「仲良しなはずの二人が、気まずくて顔も見れなくなるなんて……」

杏子「くっくっく、やっぱアタシの魔法は凶悪だね!」

杏子「……だが、このまま二人を保健室に居させても事態は進展しないだろうな」

QB「僕としてはそのほうが心が痛まずに済むんだけど……」

杏子「残念だがそうはいかねーよ」

杏子「ちょいと強引な手段になるが……二人にはドキドキのイベントを用意してあるのさ!」

QB「いったいどうするつもりなの?」

杏子「ふふ……それはな……」









(省略されました。続きを読むにはあんこちゃんあんあん!と書き込むか次回投下をお待ちください)

329: 1 ◆NsfUjTiOGg 2011/10/08(土) 10:33:40.58 ID:lWNcG4n/0

~保健室~

ガラッ

杏子「よっ、お二人さん!」

ほむら「きゃっ……!?」

まどか「杏子ちゃん!? ど、どうしてここに?」

杏子「ほむらの様子が変だ、って話を聞いてね。見に来てやったよ」

ほむら(話を聞いて……? 誰から聞いたのかしら……?)

杏子「ふーん、確かに様子がおかしいな……何だか弱々しい感じだ」

330: 1 ◆NsfUjTiOGg 2011/10/08(土) 10:34:42.13 ID:lWNcG4n/0

杏子「大丈夫なのか? 熱とかはないか?」

ほむら「……」コクリ

まどか「うん、体調は悪くないみたいなの」

杏子「ふむふむ、となると精神的な問題か……」ジロジロ

ほむら「っ……」ギュウ

まどか「く、苦しいよほむらちゃんっ、締めつけすぎ……!」

ほむら「あっ……! ご、ごめんなさい……」

まどか「だ、大丈夫だよ。……杏子ちゃんも、あんまりジロジロ見ないであげて?」

杏子「ああ、ワリイ」

331: 1 ◆NsfUjTiOGg 2011/10/08(土) 10:37:17.71 ID:lWNcG4n/0

杏子「うーん、要するに気持ちが落ち込んじゃってるって感じかー」

杏子「……おっ、そーだ! 良いこと考えたぞ!」

まどか「え? どうしたの、急に」

杏子「思い付いたんだよ、ほむらを元気づける方法をさ」

ほむら「え……?」

まどか「ホントっ? なになに、どうするの?」

杏子「ふっふっふ……それはな」

杏子「学校サボって、思いっ切り遊んじまえば良いんだよ!」

まどか「え……えー?」

ほむら「そ、それはちょっと……」

332: 1 ◆NsfUjTiOGg 2011/10/08(土) 10:38:22.12 ID:lWNcG4n/0

杏子「なあ、ほむら! 抜け出しちまおうぜ、授業なんかどーでも良いじゃん?」

ほむら「いえ、その……私は……」

杏子「ほむらもたまには息抜きしたいよな?」

ほむら「え……ええと」

杏子「ほら、行こうぜ! まどかも誘ってさ!」

ほむら「は……はい」

ほむら「そ、そうだよね、一日くらい、そんな日があったって、良いよね」

まどか(……ほむら、ちゃん? なんだか喋りかたが……)

杏子「よっしゃ、決まりだな! どっか遊びに行こーぜ!」

333: 1 ◆NsfUjTiOGg 2011/10/08(土) 10:39:48.64 ID:lWNcG4n/0

杏子「もちろんまどかも一緒だからな?」

まどか「えっ? う……うんっ!」

まどか「ほむらちゃんが行くなら……放っておけないもん、私も行くよ!」

杏子「よしよし、それじゃあ早速ゲーセンにでも行こうか!」

杏子「楽しいゲームがいっぱいあるし、ほむらも気に入ると思うぞ!」

まどか「あ、でも待って、早退するならさやかちゃんに伝えておかないと……」

杏子「細かいことは良いんだよ。さ、行こーぜ!」グイグイ

ほむら「あ、ちょ、ちょっと、押さないで……!」

334: 1 ◆NsfUjTiOGg 2011/10/08(土) 10:42:01.68 ID:lWNcG4n/0

QB《やっぱりいつものほむらと違うね》テレパシー

QB《普段の彼女なら強引に誘われても断るのに……》

杏子《くくっ、アタシの暗示のおかげだな》テレパシー

QB《恐ろしい力だね……杏子の魔法は》

QB《……もしかしてほむらは、一生このままキミの暗示の影響下にあるの?》

杏子《さすがにそこまで強力な暗示はかけらんねーよ》

杏子《一日経過するか、もしくは……》



杏子《とんでもなくドキドキするような経験をすれば、暗示は解けるだろうね》ニヤリ



QB《ドキドキ……?》

335: 1 ◆NsfUjTiOGg 2011/10/08(土) 10:43:39.17 ID:lWNcG4n/0

~ゲームセンター~

杏子「ここがアタシのお気に入りのゲーセンさっ!」

まどか「へー、そうなんだ?」

杏子「そうだよ。最新機種がそこそこ揃ってるし、警察もあんまり来ないから補導の心配も少ないんだ」

ほむら「ほ、補導……?」

杏子「そんなにビビるなよ、いざとなったらアタシが魔法でどうにかするし」

ほむら「はい……」

杏子「……それにしても、ずっとまどかの腕に抱き着いたまんまなんだな、ほむら」

ほむら「……ごめんなさい……でも、私は……」

まどか「よしよし……気にしないでいいんだよ、ほむらちゃん?」ナデナデ

杏子「ふふ、まどかは面倒見がいいんだな」

336: 1 ◆NsfUjTiOGg 2011/10/08(土) 10:46:09.85 ID:lWNcG4n/0

杏子「さてと。まずは何から遊ぶかなー?」

ほむら「…………」

ほむら(……やっぱりゲームセンターって苦手……騒がしいし、チカチカするし)

ほむら(どうして断らなかったのかな、私……)

まどか「……ねえ、ほむらちゃん」

ほむら「あ……なに? まどか、どうかしたの?」

まどか「あのさ、えっと……もう学校はずる休みしちゃったわけだし……」

まどか「せっかくだからさ、思いっ切りはしゃいじゃおうよ!」

まどか「それで、嫌なことも暗い気持ちも全部吹き飛ばしちゃお?」

まどか「……ねっ?」

ほむら(まどか……私を元気づけようとして……?)

ほむら「……うん、まどか……一緒に楽しもう?」

まどか「うんっ!」

337: 1 ◆NsfUjTiOGg 2011/10/08(土) 10:47:50.14 ID:lWNcG4n/0

杏子「んじゃ、まずは肩慣らしにこれなんかどうだい?」

ほむら「これは?」

杏子「クイズゲームさ。まあ試しに二人でやってみなよ」チャリーン

まどか「よーっし! 頑張ろう、ほむらちゃん!」

ほむら「わ、私、あんまり自信ない……」

まどか「大丈夫! ほむらちゃんは勉強も出来るし、きっとクイズも簡単だよ!」

ほむら「えっ!?」

ほむら(どうしよう……私が勉強出来るように見えるのは……)

ほむら(ループを繰り返して同じ授業ばかり受けてるから、っていうだけなのに……)

ほむら(こんなクイズゲームの問題なんて分からないわ、きっと……)

まどか「あ、始まるよ!」

338: 1 ◆NsfUjTiOGg 2011/10/08(土) 10:49:42.48 ID:lWNcG4n/0

☆第一問☆

『大人気ガールズバンドアニメ、『おりこん!!』の主人公、おりこの親友の名前は?』

まどか「あっ、『おりこん!!』だ! 私このアニメ観たことあるよ!」

ほむら「え……ええっ? あ、アニメ……?」

杏子「あー、言い忘れてたけど。問題のジャンルはアニメ・特撮を選択しておいたよ」

まどか「そーなの?」

ほむら「い、いまさらそんなこと言われても……!」

ほむら(アニメ? 特撮? そんなの観ないから全然わかんない……!)

まどか「……えーと、おりこちゃんのお友達の名前は……き、り、か、っと」ピポッ

\ピンポーン/

ほむら「あ……」

まどか「やったあ! 大正解だよっ!」

ほむら「う、うんっ」

まどか「よーし、この調子で行こう!」

339: 1 ◆NsfUjTiOGg 2011/10/08(土) 10:52:42.57 ID:lWNcG4n/0

~数分後~

まどか「わー! 全問正解だって! すごいね、ほむらちゃん!」

ほむら「や、やったね、まどか……」

ほむら(……結局、私は一問もわからなかった……)

ほむら(時間停止も答えが分からなきゃ役に立たないし……)

杏子「おお、初めてにしちゃスゲーじゃねーか」

まどか「えへへ、アニメとかって得意なんだ! 私、小さい弟がいるから一緒に観ることが多くて」

杏子「なるほどなー」

まどか「それに、杏子ちゃんが教えてくれなきゃ分からない問題もあったし……ありがとね、杏子ちゃん!」

杏子「なーに、礼ならいらねーよ」

ほむら(まどか、楽しそう……佐倉さんも……)

ほむら(いっそ私なんていないほうが……)

まどか「……」ジーッ

まどか「ほむらちゃん、次いこっか!」

ほむら「はい……」

340: 1 ◆NsfUjTiOGg 2011/10/08(土) 10:53:24.91 ID:lWNcG4n/0

QB(ひどく落ち込んでるよ、ほむら……)ノゾキミ

QB(自分が役に立てなかったことがショックだったんだね……可哀相に)

QB(負い目を感じてるのか、まどかから少し距離を置いてるし……)

QB(あんな様子じゃあ、ラブラブになる余裕なんてなさそうだ)

QB(杏子はこの後どうするんだろう……)

341: 1 ◆NsfUjTiOGg 2011/10/08(土) 10:55:38.74 ID:lWNcG4n/0

杏子「この辺はクレーンゲームのエリアだぞ」

まどか「色々あるね……あっ、ほむらちゃんアレ見て!」

ほむら「?」

まどか「あそこのクレーンゲーム、景品がゆまにゃんのヌイグルミだよ!」

ほむら「あ……ホントだ……確か見滝原市のイメージキャラクターなんだよね?」

まどか「そうだよ。いま大人気なんだよね、ゆまにゃん!」

まどか「いいなあアレ、可愛いなあ……」

杏子「まどかはゆまにゃんが好きなんだな。そんなら挑戦してみよーぜ、クレーンゲーム!」

まどか「うん! やってみたい!」

342: 1 ◆NsfUjTiOGg 2011/10/08(土) 10:57:14.55 ID:lWNcG4n/0

ほむら(クレーンゲーム……私じゃ取れないんだろうな……)

ほむら(また時間停止が役に立たなそうなゲームだし……はぁ)

杏子《……なあ、ほむら》テレパシー

ほむら《?》

杏子《アンタ、挑戦してみたらどーだい?》

ほむら《え、でも……私、初めてだから……》

杏子《ここでバシッとゲットすれば、さっきの汚名返上になるじゃんか》

杏子《きっとまどかにも喜んで貰えるぞ?》

ほむら《そ、そうだよね……うん、それじゃあ私やってみます……!》

343: 1 ◆NsfUjTiOGg 2011/10/08(土) 10:58:38.29 ID:lWNcG4n/0

ほむら「ね、ねぇまどか……まずは私が挑戦してもいい?」

まどか「え? うん、いいよ!」

まどか「頑張ってね、ほむらちゃん!」

ほむら「ありがとう……ちょっと不安だけど、やってみる……!」

ほむら「ええと、まずはお金を……あっ!」

チャリーン

まどか「ああっ、隙間に入っていっちゃった!」

ほむら「う、ううう……」

344: 1 ◆NsfUjTiOGg 2011/10/08(土) 10:59:22.66 ID:lWNcG4n/0

杏子「ははっ! 緊張しすぎなんだよ、ほむらは」

杏子「ほら、まずは身体の力を抜きなっ」

モ モ ッ

ほむら「ひゃうっ!?」

杏子「こんなに固くなってるじゃんか、もっとリラックスしないと上手くいかないぞ?」

ほむら「リ……リラックスすればいいの?」

杏子「そーそー。深呼吸でもしてさ」

ほむら「すー、はー……」

345: 1 ◆NsfUjTiOGg 2011/10/08(土) 11:01:43.09 ID:lWNcG4n/0

杏子「そしたらナカを良ーく見てご覧?」

杏子「特に の近くは大事なトコだからね、じっくり、なめ回すように観察しな」

ほむら「分かった……」ジーッ

杏子「すぐにオトせそうな奴がいるのが分かるだろ?」

ほむら「うん……あの子ならイケそうな気がする」

杏子「よしよし、飲み込みが早いじゃねーか」

杏子「そうだな……アイツの  のところにアームを   んでやりな」

杏子「そうすりゃあっさり堕ちるだろうよ」

杏子「大事なのはイメージさ。どこに入れるか、アームがどう動くか……よーく考えな」

ほむら「いめーじ……」

ほむら「なんだか……私、出来ちゃいそうな気がしてきた……」

杏子「ふふ、上手くイッた自分を想像出来たみたいだな」

杏子「それじゃ…… 入れるぞ……」

ほむら「お願い、します……」

チャリーン

346: 1 ◆NsfUjTiOGg 2011/10/08(土) 11:03:07.62 ID:lWNcG4n/0

ピロピロピロ...

ほむら「あ……動き出した……!」

まどか「ほむらちゃん、ファイトだよ!」

ほむら「うん……!」

ほむら「まずはこっちに移動して……」

ピロピロピロ...

杏子「ん、良い位置だ!」

ほむら「それで次はこっち……」

ピロピロピロ...

まどか「どきどき」

ほむら「……ここだわ!」

ピロピロピロ...

杏子「!」

まどか「あっ……!」

ゴトッ!

347: 1 ◆NsfUjTiOGg 2011/10/08(土) 11:07:01.66 ID:lWNcG4n/0

杏子「おお! 一発で取るなんてやるじゃんか!」

まどか「すごい、すごいよほむらちゃん!」

ほむら「やった……やったわまどか! 私にも取れた!」抱き付きっ!

まどか「きゃっ!」

ほむら「初めてだったけど出来たの! 嬉しい……!」

まどか「ほ……ほむらちゃ、顔が近すぎるよぉ……!」ドキドキ

ほむら「あっ……!」パッ

ほむら「……ご、ごめんなさい、私ったらまた……!」

まどか「う、ううん。大丈夫だよ」

まどか「はしゃいじゃってるほむらちゃんも可愛かったし……」

ほむら「も、もう……まどかったら、からかわないで……」

まどか「えへへ……」

348: 1 ◆NsfUjTiOGg 2011/10/08(土) 11:08:59.94 ID:lWNcG4n/0

QB(クイズゲームで落ち込んだかと思えば……)

QB(今度はクレーンゲームで大はしゃぎ、か)

QB(……そうか、そういうことだったんだね)

QB(思い切り落ち込ませたあと、逆に思い切り喜ばせる)

QB(その落差でほむらの張り詰めた心を緩めさせ、普段なら見せない一面を引き出し……)

QB(まどかの前で恥ずかしい思いをさせたというわけか……!)

QB(そしてまどかも、そんなほむらにときめいている……)

QB(恐ろしく緻密な作戦だ……まるで悪魔の所業だよ)

QB(佐倉杏子……僕はとんでもない魔法少女《カイブツ》を生み出してしまったのかもしれない……!)

349: 1 ◆NsfUjTiOGg 2011/10/08(土) 11:10:51.88 ID:lWNcG4n/0

杏子「……おーい、せっかく取った景品を忘れてるぞ、ほむら」ぽいっ

ほむら「きゃ……あ、ありがとう」

ほむら「……そうだ、これあげるね、まどか」

まどか「え、いいの?」

ほむら「うん。今日付き合ってくれたお礼に……」

まどか「でも、ほむらちゃんの初めてだったんでしょ?」

ほむら「……だからこそ……私の初めてだから、まどかに貰ってほしいの……」

まどか「ほむらちゃん……」///

ほむら「まどか……」///

杏子「ははっ、やっぱアンタらってお似合いのカップルだよな」

ほむまど「えっ!?」

350: 1 ◆NsfUjTiOGg 2011/10/08(土) 11:11:31.24 ID:lWNcG4n/0

ほむら「さ、佐倉さん、何を言って……!」

まどか「そ、そうだよ! 女の子同士で、か、カップルだなんて……!」

杏子「ふぅーん、違うのか? 二人とも好き合ってるもんかと思ってたけど」

ほむら「違っ、そんなんじゃ……!」

まどか「わ、私たちは……えと、友達だもん! ね、ほむらちゃん?」

杏子「友達ねぇ……?」ニヤニヤ

まどか「もうっ……」

351: 1 ◆NsfUjTiOGg 2011/10/08(土) 11:12:43.47 ID:lWNcG4n/0

~数時間後~

杏子「アタシのオススメは一通りプレイし終わっちまったなー」

まどか「いっぱい遊んだね!」

杏子「どーだいほむら? 楽しかったかい?」

ほむら「うん、とっても」

ほむら「ゲームセンターって苦手だったけれど、良い思い出になった……かな」

杏子「アタシのおかげだな!」

杏子「いや……大好きなまどかがいたから、かな?」ニヤニヤ

ほむら「っ……」///

まどか「きょっ、杏子ちゃんたらまた恥ずかしいこと言って……!」

杏子「あははっ」

352: 1 ◆NsfUjTiOGg 2011/10/08(土) 11:13:28.47 ID:lWNcG4n/0

まどか「ほ、ほむらちゃんも元気になったことだし……そろそろ出ようか?」

ほむら「そっ、そうだね。もうゲームセンターは満喫したから……」

杏子「おっと待ちなよ。その前に記念撮影といかないかい?」

ほむら「え? 記念撮影……?」

まどか「あっ、プリクラだね!」

杏子「そ。せっかくだから撮っておこうぜ」

まどか「うん、いいね! 行こっ、ほむらちゃん!」

ほむら「え、ええ……」



杏子「……ふふ」

杏子(さて、いよいよ大詰めだ)

杏子(お友達同士の楽しい日常はこれでお終い)

杏子(夢から覚める時間だぜ、ほむら……!)

353: 1 ◆NsfUjTiOGg 2011/10/08(土) 11:14:22.26 ID:lWNcG4n/0

~プリクラマシーン内部~

杏子「えーと、背景を選んでっと……」

ほむら「中は結構狭いんだ……」

まどか「そ、そうだね。息がかかっちゃいそうなくらいだね」

杏子「二人とももっとくっつきなよ、入りきらねーぞ」

ほむら「うん……」///

まどか「そ、そうだね」///

杏子「準備できたな。んじゃ撮るぞー」ポチッ

『5』

ほむら「なんだか頬が引きつってるような気がする……」

まどか「リラックスしてニッコリ笑わなきゃねっ」

『4』

杏子「あれ、まどか? 髪に糸クズついてるぞ?」

まどか「えっ? やだっ、どこ?」

ほむら「……? 私には見えないけど……」

『3…』

354: 1 ◆NsfUjTiOGg 2011/10/08(土) 11:15:16.41 ID:lWNcG4n/0

杏子「ほら、まどかの前髪の辺りだってば。ほむら、とってやれよ」

ほむら「は、はい……まどか、こちらを向いてもらってもいい?」

まどか「う、うん」

ほむら(……! まどかの顔がこんなに近くに……)ドキドキ

まどか(あ……ほむらちゃん、どんどん真っ赤になって……)ドキドキ

ほむら「い、糸クズなんて見当たらないわ……?」

杏子「もっと良く見ろよ! ほらそこ、なんかくっついてんじゃん!」

ほむら「ん……?」じーっ

杏子「――――ま、嘘だけどな!」

ぐいっ!

ほむら「きゃっ!?」

まどか「ふぇっ……!?」

……ちゅっ!

355: 1 ◆NsfUjTiOGg 2011/10/08(土) 11:16:20.82 ID:lWNcG4n/0

ほむら「っ……!?」

まどか「んむっ!?」

パシャッ!

ほむら「ふあっ……! ま、まどか、ごめんなさい……!!」

まどか「ほ、ほむらちゃ……! いま、わ、私たち、キスしちゃっ……!」

ほむら(まどかの唇と私の唇がくっついて……!)ドキドキ

ほむら(し……しかも少し湿った感触が……これってまどかの……!?)ドキドキドキ

ほむら(うう……ドキドキしすぎてもう頭がおかしくなりそう……!!)ドキドキドキドキ

杏子「あっはっは、決定的瞬間が撮れたな!」

ほむら「さっ……佐倉さ……」



ほむら「……佐倉杏子! なんてことを!」



杏子「……」ニヤッ

356: 1 ◆NsfUjTiOGg 2011/10/08(土) 11:16:54.50 ID:lWNcG4n/0

まどか「ひ、ひどいよ……こんなのってないよ!」

杏子「ふふふ、そんなに怒るなって」

杏子「好きな人にファーストキスを捧げられたんだ、もっと喜びなよ!」

ほむら「ふぁ、ファーストキスって……!」

まどか「ど、どうして私が初めてだって知ってるの!?」

ほむら「え?」

まどか「あっ……」

357: 1 ◆NsfUjTiOGg 2011/10/08(土) 11:17:51.45 ID:lWNcG4n/0

ほむら「ま、まどかも初めてだったのね……?」

まどか「えと、じゃあほむらちゃんも……?」

ほむら「うん……初めてだったの」

まどか「そ、そっか……ごめんね、ほむらちゃんの初めてを貰っちゃって」

ほむら「いえ……わ、私は、初めての相手がまどかで……よ、よかったわ」///

まどか「ほむらちゃん……! わ、私も……その……」///

杏子「撮影した写真に落書き出来るみたいだな。何か書くか?」

ほむら「まどか……」///

まどか「ほむらちゃん……」///

杏子「……聞いてねーな。勝手にやらせてもらうか」

杏子「うーん、『キス魔でゴメンネ♪ガマン出来なくなっちゃった☆』とでも書いておこう」カキカキ

358: 1 ◆NsfUjTiOGg 2011/10/08(土) 11:20:34.37 ID:lWNcG4n/0

杏子「プリクラも撮ったし、充分に遊び尽くしたな!」

ほむら「え、ええ……そうね」

まどか「でもこの写真、スッゴく恥ずかしいよぉ……」

杏子「まだそんなこと言ってんのか? いいじゃんか、二人の愛の証だろ」

ほむら「愛……」///

杏子「まあ、ほむらも元気を取り戻したみたいだし、今日は解散といこうか」

まどか「う、うん」

杏子「それに……アタシが居たら、熱々カップルさんのお邪魔になりそうだしね?」

まどか「……っ」///

ほむら「なっ……い、いい加減にしなさい佐倉杏子!」

杏子「はははっ! それじゃ、またな!」ダッ

まどか「あっ、杏子ちゃん!?」

タッタッタ……

ほむら「……止める間もなく行ってしまったわね」

まどか「うん……」

359: 1 ◆NsfUjTiOGg 2011/10/08(土) 11:24:03.94 ID:lWNcG4n/0

まどか「……でも良かった、ほむらちゃんが元気になったみたいで!」

ほむら「え?」

まどか「ほら、朝のときみたいに暗い顔してないし、いつもの調子に戻ってきてるよ」

ほむら「あ……そういえば……たしかに気分も楽になった気がするわ」

ほむら「なんだかずっと頭の中がモヤモヤしてたのだけれど……それももうなくなったみたい」

まどか「ふふ、杏子ちゃんが一緒に遊んでくれたおかげだね!」

ほむら「ええ……」

ほむら「でも、私が元気になった一番の理由はまどかが居てくれたからよ」

ほむら「まどかが傍に居てくれたから、私は……」

まどか「ほむらちゃん……えへへっ」

360: 1 ◆NsfUjTiOGg 2011/10/08(土) 11:24:39.44 ID:lWNcG4n/0

まどか「……ね、これからどうしよっか?」

ほむら「えっと……」

ほむら「……今さら学校へ行くのも気が進まないし」

ほむら「その、良かったら……わ、私の家に来ない?」

まどか「えっ……」ドキッ

ほむら「ダメ、かしら?」

まどか「う、ううん! 私、ほむらちゃんちに行きたいな!」

まどか「その、えと、ほむらちゃんといっぱいお話したい気分だし……」

ほむら「まどか……」///

まどか「ほむらちゃん……」///

361: 1 ◆NsfUjTiOGg 2011/10/08(土) 11:26:03.72 ID:lWNcG4n/0

杏子「くくく……大胆な行動に出たな、ほむら」

QB「……二人とも行っちゃうけど、追わなくていいの?」

杏子「ああ。アイツラはもう放っておいても問題ないからな」

杏子「後は勝手に転げ落ちるだけさ、禁断の愛の世界にね……くくくっ」

QB「そんな……」

杏子「!」

杏子「話はあとだ。この気配……魔女が近くに居るぞ」

QB「ええっ!? た、大変だ! すぐにほむら達を呼び戻さなきゃ!」

杏子「馬鹿、んな無粋な真似が出来るかよ」

杏子「アイツラの邪魔をするわけにはいかねー。アタシ一人で片づけてやるさ」

杏子「……行くぜ!」ダッ!

362: 1 ◆NsfUjTiOGg 2011/10/08(土) 11:29:23.48 ID:lWNcG4n/0

~数時間後~

まどか「ご、ごめんねほむらちゃん。お風呂借りたうえに下着まで……」

ほむら「あのままじゃ風邪をひいてしまうもの。仕方がないわ」

ほむら「そ、それに……まどかをあんな風にしてしまったのは……わ、私のほうだし……」///

まどか「ほむらちゃんっ……は、恥ずかしいから、もうそのことは言わないで……」///

ほむら「ご、ごめんなさい」

まどか「……え、えとっ……みんなは今頃どうしてるかなっ?」

まどか「さやかちゃんもマミさんもまだ学校なのかな?」

ほむら「そ、そうね。まだ授業中なんじゃないかしら」

363: 1 ◆NsfUjTiOGg 2011/10/08(土) 11:30:09.36 ID:lWNcG4n/0

まどか「杏子ちゃんはどうしてるのかな。マミさんの家でのんびりしてるのかな」

ほむら「佐倉、杏子……」

まどか「ほむらちゃん?」

ほむら「私ね、思い出したの」

まどか「えっ? なんのこと?」

ほむら「今日、私の調子がおかしかった理由」

まどか「あ……原因が分かったんだ?」

ほむら「ええ」

ほむら「……私は昨日、佐倉杏子と会っていたのよ」

ほむら「そして彼女に幻惑魔法で暗示をかけられた……」

364: 1 ◆NsfUjTiOGg 2011/10/08(土) 11:30:55.44 ID:lWNcG4n/0

まどか「暗示って、どんな?」

ほむら「まだ完全には思い出せていないけど、たしか……」



杏子『本当の自分を、まどかにさらけ出しな』



ほむら「……彼女はそう言っていたわ」

まどか「ホントの、ほむらちゃん……」

ほむら「ええ、そうよ」

ほむら「自分に自信が持てなくて、ずっと言いだせずにいた私の本当の気持ちを……」

ほむら「まどかのことが大好きだっていう気持ちを……」

ほむら「……佐倉杏子は引きだしてくれたの」

まどか「そっか……じゃあ私たちがこうしているのも、杏子ちゃんのおかげなんだね」

ほむら「ふふ、そうね……たくさん感謝しないとね」

365: 1 ◆NsfUjTiOGg 2011/10/08(土) 11:31:35.76 ID:lWNcG4n/0

ほむら(……本当に、『今回』の佐倉杏子は良い働きをしてくれている……)

ほむら(家族として巴マミの心の隙間を埋め……)

ほむら(ライバルとして美樹さやかの技術を伸ばし……)

ほむら(そ、それに……私とまどかの仲も取り持ってくれた……)

ほむら(……佐倉杏子が何を考えているのかは分からないけれど)

ほむら(おかげで皆、戦力面でも精神的な面でも充実している)

ほむら(これなら……今回は……上手くいくかも知れない)

366: 1 ◆NsfUjTiOGg 2011/10/08(土) 11:32:05.79 ID:lWNcG4n/0

まどか「ほむらちゃん? 難しい顔してどうしたの?」

ほむら「……ねえ、まどか」

ほむら「大切な話があるのだけれど、聞いてくれる?」

まどか「うん、勿論だよ!」

ほむら「ありがとう……」

まどか「それで、話ってなあに?」

ほむら「……あのね、まどか」

ほむら「信じられないかもしれないけど……」

ほむら「私……私ね……」



ほむら「――――未来から、来たんだよ」

384: 1 ◆NsfUjTiOGg 2011/10/10(月) 21:25:48.51 ID:oA1/XzBY0
※おまけ

マミ「……それで、私達に黙ってゲームセンターで遊んでた、ってわけ?」

まどか「は、はい……」

さやか「まったくもー! 心配したんだからね!」プンスカ

ほむら「……ごめんなさい」

杏子「まーまー、いいじゃんか! そのおかげでほむらも元気になったんだしさ!」

マミ「それはそうだけど……」

杏子「ほむらってば大はしゃぎしちゃってさー、プリクラも凄いのが撮れたんだぜ?」

さやか「ふーん? プリクラなんて撮ったんだ、見せてよ」

ほむら「っ!?」

385: 1 ◆NsfUjTiOGg 2011/10/10(月) 21:26:36.90 ID:oA1/XzBY0

まどか「そ、それはダメっ!!」

さやか「……ははーん? その慌てっぷり、さては相当恥ずかしい写真を撮ったんだな?」

マミ「あら、面白そうね。無断欠席の罰として見せてもらおうかな?」

ほむら「お願い、やめっ……!?」

りぼーん☆

まどか「きゃっ、これ……マミさんのリボン……!?」

マミ「ごめんなさい、少し拘束させてもらうわね……ふふっ」

さやか「さっすがマミさん! 歴戦の勇者の判断力ですなぁ」

まどか「ひ、ひどいよマミさんっ」

386: 1 ◆NsfUjTiOGg 2011/10/10(月) 21:27:20.27 ID:oA1/XzBY0

さやか「んで、どんなのを撮ったわけ? ちょっと見せてよ」

杏子「んー? でも二人が嫌がってるしなあ」

ほむら「佐倉杏子……!」

マミ「ケーキ2個でどうかしら?」

杏子「オーケー、手を打とう」

まどか「杏子ちゃん、そんなぁ……」

杏子「ほれ、これがそのプリクラだよ」

マミ「うふふ、さーて二人はどんな顔をしてるのかしら?」

さやか「見せて見せて!」

まどか「やだっ、やめてよぉ……恥ずかしいよぉ!」

ほむら「うううう……!」

387: 1 ◆NsfUjTiOGg 2011/10/10(月) 21:28:12.49 ID:oA1/XzBY0

さやか「あはは、なにコレ! ほむらってば目が半開きになってるよ!」

ほむら「……え?」

マミ「ふふ、本当ね。いつもの暁美さんからは考えられないわ」

まどか「……?」

ほむら(……どういうこと、この反応? 私とまどかがキスしてることには触れないの……?)

杏子《一つ貸しだぞ、ほむら、まどか》テレパシー

ほむら《佐倉杏子? 貴女なにかしたの?》テレパシー

杏子《幻惑魔法でちょっとね。アイツらには当たり障りのない写真に見えてるはずだよ》

まどか《本当?》

杏子《まあ何て言うか……確かにアレを見られたら恥ずかしいもんな》

388: 1 ◆NsfUjTiOGg 2011/10/10(月) 21:29:30.40 ID:oA1/XzBY0

ほむら《……気を使ってくれたのね?》

杏子《そんなんじゃねーよ》

ほむら《なんにせよ、貴女のおかげで助かったわ》

まどか「私とほむらちゃんのキスプリクラは見られずに済んだんだねっ」

さやか「ん?」

マミ「え?」

まどか「あ」

杏子「オイオイ……」

ほむら「……まどか……声に出てるわ……」

401: 1 ◆NsfUjTiOGg 2011/10/22(土) 16:28:28.67 ID:4m0x/ZX10

マミ(それは、美樹さんの退院祝いに皆でささやかなパーティをしていたときのことでした)



杏子「ティロ・フィナーレって、なんなんだ?」

マミ「え?」

まどか「ふぇっ?」

さやか「あー……」

ほむら「…………」

402: 1 ◆NsfUjTiOGg 2011/10/22(土) 16:29:13.42 ID:4m0x/ZX10

杏子「ほら、たまに叫んでるじゃん『てぃろ・ふぃな~れ~』って」

杏子「あれ、なんなんだ?」

マミ「わ、技名だけれど……」

杏子「ふーん、技名かー」

杏子「じゃあ何で技名を叫ぶんだ?」

マミ「えーと、その……何て言うか……」

マミ(……元々は辛い戦いの中で気を紛らわせるために始めたんだけど)

マミ(でも、今はただ単にカッコつけてるだけで深い理由はないのよね……)

マミ(い、言えないわ、そんなこと……!)

403: 1 ◆NsfUjTiOGg 2011/10/22(土) 16:29:54.56 ID:4m0x/ZX10

マミ「その、あのね、あれは……」

まどか「あ、あれは気合いを入れてるんですよね、マミさん!」

マミ(!)カナメサン!

マミ「ええ、そうよ! 最大限の威力を引き出すために気持ちを込めてるのよ」

杏子「なるほど、思い切り技をぶっ放すためだったのか」

さやか「そ、そうなんですか。いやー、初めて知りましたよー」

杏子「ふむふむ。マミは技名を叫ぶと気合いが入るのか……」

杏子「そーだ! それならさ、マミのために新しい技名を考えてやろうか?」

マミ「えぇっ?」

404: 1 ◆NsfUjTiOGg 2011/10/22(土) 16:30:59.51 ID:4m0x/ZX10

杏子「うん、決めた! アタシたち四人で技名を作ってプレゼントしてやるよ!」

さやか「ちょ、四人でって! あたし達も考えるわけ?」

ほむら「……あまり気が乗らないのだけれど」

杏子「なんだよ冷たい奴らだなー。マミを喜ばせたいと思わないのかよ」

さやか「いやー、なんつーか恥ずかしいし……」

マミ「う、ううう……そうよね、恥ずかしいわよね……」

さやか「あっ! べ、別にマミさんのことが恥ずかしいとかそーいうんじゃないですからね!?」

マミ「……ぐすん」

405: 1 ◆NsfUjTiOGg 2011/10/22(土) 16:31:47.00 ID:4m0x/ZX10

まどか「わ、私は杏子ちゃんの意見に賛成だよ!」

杏子「おっ?」

まどか「私、カッコイイ技名を考えたりするの好きだし……」

まどか「マミさんに素敵な必殺技をプレゼントしてあげたいな!」

マミ「鹿目さん……!」

杏子「まどかは良い奴だな……それじゃあ一緒に考えよーぜ!」

まどか「うんっ」

まどか「ね、ほむらちゃんも一緒に考えよ?」

ほむら「まどかがそう言うなら……」

さやか「しょーがないなー、あたしも付き合ってあげるよ」

406: 1 ◆NsfUjTiOGg 2011/10/22(土) 16:32:46.17 ID:4m0x/ZX10

杏子「んじゃ、案を出していこうか……っとその前に」

杏子「悪いけど、まずマミには耳を塞いでおいてもらおうかな」

マミ「え? どうして?」

杏子「新技が決まってからマミに発表する、って形にしたほうが盛り上がるじゃん?」

さやか「あー、なるほどね」

マミ「まあ言いたいことは分からなくもないけど……」

杏子「と、いうわけで……キュゥべえ!」

QB「呼んだかい?」

杏子「話は聞いてただろ? マミの耳を塞いでてやってくれよ」

QB「わかったよ。それじゃあマミ、ちょっと失礼するね」

モフモフ

マミ「きゃっ、く、くすぐったい!」

杏子「よしよし。これで準備万端だ」

杏子「それじゃあ早速、皆で考えようか!」

まどか「うん!」

ほむら「……ええ」

さやか「おっけー」



マミ(まったくもう……杏子ったら強引なんだから)

マミ(でも、私のためにしてくれてるのよね……)

マミ(うふふっ……ありがとう、杏子)

407: 1 ◆NsfUjTiOGg 2011/10/22(土) 16:38:30.22 ID:4m0x/ZX10

杏子「まずは……やっぱ技名にはマミのイメージと合った言葉を入れたいよな」

まどか「マミさんのイメージかあ」

さやか「というと……頼れるお姉さん的な?」

ほむら「……技名には結び付かないわね」

杏子「お姉さんか……いっそのこと女王とかにしないか?」

さやか「じょ、女王様……? なんかヤラしい……」ちらっ

マミ「?」

さやか「あ、いえ、なんでもないです!」

408: 1 ◆NsfUjTiOGg 2011/10/22(土) 16:39:17.68 ID:4m0x/ZX10

まどか「女王……英語にするならクイーンだね!」

杏子「お、いいかも」

ほむら「クイーン……それなら『クイーンオブハート』なんてどうかしら?」

さやか「アリスからの引用? ほむらにしてはファンシーなセンスじゃん」

ほむら「た、単なる思い付きよ」

まどか「クイーンオブハートかあ……うん、どことなくマミさんっぽい気がするかも!」

杏子「確かに。そういうの好きそうだよなアイツ」

さやか「童話をもじって技名を決めるとか、喜びそうだよね」



マミ(……なんだか好き勝手言われている気がするわ)

409: 1 ◆NsfUjTiOGg 2011/10/22(土) 16:43:47.88 ID:4m0x/ZX10

まどか「じゃあマミさんの新必殺技は『クイーンオブハート』で決定しちゃう?」

さやか「いいんじゃない? あたしとしてはサッサと決めちゃいたいし」

杏子「ああ、アタシも特に文句は……」

杏子「……いやちょっと待てよ? クイーンオブハートってどんな技なんだ?」

さやか「ああ、そう言えば……」

ほむら「確かに……攻撃の際の掛け声には思えないわね」

まどか「マミさんの魔法は銃を撃つのと、リボンを操るのと、治療するのだから……」

さやか「その中からだったら回復が一番雰囲気に合ってるかな?」

杏子「回復するたんびに叫ぶのか? 『クイーンオブハート!』って」

ほむら「なんだか……間抜けね」

さやか「無駄に疲れそうだよ……」

杏子「うーん、残念だけどクイーンオブハートは却下だな」

まどか「そっか、クイーンオブハートは却下……っと」メモメモ

さやか「あれ、何してんの?」

まどか「一応メモしておこうと思って……えへへ」

410: 1 ◆NsfUjTiOGg 2011/10/22(土) 16:44:54.45 ID:4m0x/ZX10

杏子「もっと技名っぽいのを考えようぜ。強そうなやつ」

さやか「強いヤツと言えばなーんだ? はい、まどか答えてー」

まどか「えっ!? うーんと……強い人といえば、勝つ人?」

ほむら「強者が勝利する……シンプルだけど真実をついた論理ね」

さやか「勝利……つまりビクトリー! 必殺! ビクトリーファイヤー!!」

杏子「おおっ、なんか熱いな」

まどか「よ、良くわかんないけど強そう!!」

ほむら「まさしく必殺技っぽい響きだわ」

さやか「……でもダサいよね」

杏子「自分で言うか」

さやか「ノリでごまかしてみたけど無理だわ、ダサい」

まどか「うーん……そもそもビクトリーって単語が少年マンガ的な感じだよね」

ほむら「そうね、巴マミのイメージからは掛け離れているわ」

杏子「んじゃ、ビクトリーは却下で」

まどか「は~い。ビクトリーファイヤーは却下、っと……」メモメモ



マミ(なんだかんだ言って、みんな楽しそうね)

マミ(……私は見てるだけで退屈になってきたんだけど……)

411: 1 ◆NsfUjTiOGg 2011/10/22(土) 16:47:05.85 ID:4m0x/ZX10

まどか「マミさんって正義のヒロインだよね」

さやか「そうだね。見滝原を守る正義の魔法少女だもん」

杏子「けっ、気に入らねーな」

まどか「でも正義の味方マミさんが……あえて逆に悪っぽい技を使ったらカッコイイと思うんだ!」

さやか「おおーっ。アリかも?」

杏子「ダークヒロインか……イイな、気に入った!」

まどか「でしょ? えへへ」

ほむら「その表情から察するに……まどかはもう悪っぽい技名を考えついているわね?」

まどか「うん! あのね……『ナイトメア・バインド』ってどうかな!」

さやか「ナイトメア? 悪だから悪夢ってこと?」

ほむら「それにバインド……『拘束』かしら?」

杏子「合わせて『悪夢の拘束』……つ、強そうだな!」

まどか「えへへ……ほら、マミさんの拘束魔法って名前がないでしょ?」

まどか「だから技名をつけてあげたいなあ、って前から思ってたんだ~」

さやか「前から考えてたのね、まどか……」

ほむら「貴女って子は……」

まどか「てへへ」



マミ(あ、そういえばトイレットペーパーがなくなりそうなのよね)

マミ(後で買いにいかないと)

412: 1 ◆NsfUjTiOGg 2011/10/22(土) 16:48:08.30 ID:4m0x/ZX10

杏子「マミの新必殺技は『ナイトメア・バインド』で決定で良いのか?」

さやか「ま、いいんじゃない? 割とカッコイイ気がするし」

まどか「わーい、それじゃあナイトメア・バインドに決定……」

QB「みんな、ちょっと待って」

まどか「え? どうかしたの、キュゥべえ」

QB「僕も意見したいんだけど、いいかな?」

杏子「キュゥべえも技名を決めたいのか?」

QB「うん。なんたってマミとの付き合いが一番長いのは僕だからね」

QB「マミを喜ばせるためなら協力しないわけにはいかないよ」

さやか「へー、アンタって意外と義理堅いんだ」

杏子「ふーん……?」



マミ(みんなの視線がこっちに……ああ、キュゥべえを見てるのね)

マミ(……なんとなく居心地が悪いわ)キョロキョロ

413: 1 ◆NsfUjTiOGg 2011/10/22(土) 16:49:02.96 ID:4m0x/ZX10

杏子「んじゃ、キュゥべえの意見とやらを聞かせてもらおうか」

QB「うん。まどかの考えたナイトメア・バインドだけど……英語でしょ?」

QB「マミのティロ・フィナーレはイタリア語なのに、いきなり英語の新技を使うのは変なんじゃないかな」

さやか「あ……確かに、言われてみると……」

杏子「そうだな、イタリア語で統一しないとカッコ悪いかもな」

まどか「えー? じゃあナイトメア・バインドはボツなの?」

QB「僕はその方が良いと思うね」

杏子「さて、どうする?」

さやか「うーん、残念だけど……キュゥべえの言うことも理解できるし」

まどか「そっかあ……じゃあナイトメア・バインドはお蔵入りだね」メモメモ

ほむら「……キュゥべえ。まどかの案を否定した以上は、代替案があるんでしょうね?」

QB「勿論さ。こんなこともあろうかと考えておいてあったんだ」

さやか「……まどかみたいだね」

414: 1 ◆NsfUjTiOGg 2011/10/22(土) 16:50:10.08 ID:4m0x/ZX10

QB「僕の考えた技名は――――『シルテ・アルビコッカ』」

まどか「しるて、あるびこっか?」

QB「淵き流砂という意味さ」

QB「流れる砂のように敵を搦め捕り、藻掻けば藻掻くほど深みに嵌まる……」

QB「マミの拘束魔法をイメージした名前だよ」

さやか「へー、かっこいいじゃん」

杏子「すげー強そうだし!」

QB「語感を優先したから文法的には正しくないけどね」

ほむら「……まどかはどう思うの?」

まどか「うん、いいんじゃないかな!」

ほむら「そう……」

杏子「じゃあ反対意見もなさそうだし……」

さやか「『シルテ・アルビコッカ』に決定だね!」

まどか「はーい、『シルテ・アルビコッカ』に決定っと……」メモメモ

415: 1 ◆NsfUjTiOGg 2011/10/22(土) 16:50:41.62 ID:4m0x/ZX10

QB(……やった、上手くいったぞ!)

QB(『シルテ・アルビコッカ』……その意味は『淵き流砂』なんかじゃない)

QB(『シルテ』は『罠』。そして『アルビコッカ』は……『あんず』)

QB(すなわち『あんずの罠』!)

QB(『あんず』はもちろん杏子のことを指している!)

QB(マミならきっとこの意味が分かってくれるに違いないよ!)

QB(『みんな杏子に騙されてる』、という僕からのメッセージも伝わるはずだ!)

416: 1 ◆NsfUjTiOGg 2011/10/22(土) 16:53:17.79 ID:4m0x/ZX10

杏子「つーわけで、マミの新技が決まったぞ!」

QB「もう僕はマミから離れても良さそうだね」ヒョイ

まどか「えへへ、マミさん! 技名が決まりましたよー」

マミ「…………」

さやか「……マミさん?」

杏子「どうしたんだ? 黙り込んじゃって……」

マミ「…………」

杏子「…………!?」



杏子「し、死んでる……!?」

418: 1 ◆NsfUjTiOGg 2011/10/22(土) 16:55:01.92 ID:4m0x/ZX10

さやか「いや寝てるだけでしょ」

まどか「マミさんだけ話に加われなかったから、退屈して寝ちゃったんだね」

ほむら「くだらない冗談はやめなさい、佐倉杏子」

杏子「なんだよノリ悪いなー」

QB「ほらマミ、起きてー」ぺちぺち

マミ「ふぇ……? あ、ごめんなさい、ウトウトしてたわ……」

杏子「マミが居眠りしてるあいだに技名が出来たぞ」

マミ「まあ……! それで、どんな名前になったの?」

QB「それはね……」

杏子「『シルテ・アルビコッカ』だよ」

マミ「シルテ、アルビコッカ?」

419: 1 ◆NsfUjTiOGg 2011/10/22(土) 16:56:43.22 ID:4m0x/ZX10

まどか「はい! 淵き流砂っていう意味だそうです」

マミ「え?」

さやか「マミさんがリボンで敵を搦め捕るのをイメージしたとかなんとか」

マミ「そうなの? ……でも、『アルビコッカ』って」

ほむら「……?」

マミ(アルビコッカって、『あんず』って意味じゃ……)

杏子「あれ、お気に召さなかったか? 良いと思ったんだけどなー」

マミ(あ……! もしかして、杏子……?)

マミ「……ふふ、そういうことね」

QB「!」

マミ「気に入ったわ、シルテ・アルビコッカ。これから使わせてもらうことにするわね!」

まどか「やったあ!」

ほむら「……喜んでもらえてなによりだわ」

さやか「いやー、良かった良かった」

420: 1 ◆NsfUjTiOGg 2011/10/22(土) 16:58:07.10 ID:4m0x/ZX10

マミ「……ところで、そのメモは何?」

まどか「あ、これですか? みんなのアイディアをまとめたものです」

マミ「見てもいいかしら?」

まどか「はいっ」

マミ「ありがとう。……ふむふむ」

クイーンオブハート

ビクトリーファイヤー

ナイトメア・バインド

シルテ・アルビコッカ

マミ「ふふふ、みんな色々考えてくれたのね」

杏子「ちなみに一番ダサいのがさやかの作品だぞ」

さやか「ちょっ! 何よそれ!」

マミ「ふぅん? 美樹さんが考えたのはどれなのかしらね?」クスクス

さやか「や、やめてよマミさん! 恥ずかしいっ……!」

421: 1 ◆NsfUjTiOGg 2011/10/22(土) 17:00:29.74 ID:4m0x/ZX10

QB(……さっきのマミの反応……ボクのメッセージは伝わったみたいだ!)

QB(やったぞ、これで今後は杏子のことを警戒してくれるはず……)

QB(もう思い通りにはいかないよ、杏子!)



マミ(ふふ。アルビコッカ……『杏子』ね)

マミ(わざわざ自分の名前を技名に入れるなんて……可愛いところがあるじゃない、杏子ったら)

マミ(しかもそれを私に贈るってことは、私に名前を呼んでほしいってことよね)

マミ(うふふ……愛されちゃってるなあ、私♪)



杏子(なんかマミがこっち見てニヤニヤしてる……)

さやか(なんかマミさんの眼差しが慈愛に満ちてるよ……)

まどか(マミさん……やっぱり杏子ちゃんのこと……?)ドキドキ

422: 1 ◆NsfUjTiOGg 2011/10/22(土) 17:02:29.88 ID:4m0x/ZX10

………………

…………

……。




マミ(そんなわけで、私に新しい技が出来たわ)

マミ(シルテ・アルビコッカ……大切な家族の名を冠したこの技があれば……)

マミ(きっとどんな困難にも立ち向かえる……!!)

マミ(身体が軽い……こんな気持ちになるなんて初めて……)

マミ(――――もう何も怖くない!)

446: 1 ◆NsfUjTiOGg 2011/11/26(土) 23:40:42.95 ID:IfDN3LU00

~マミの家~

杏子「――――ワルプルギスの夜?」

ほむら「ええ。一週間後、奴はこの街に現れるわ」

マミ「どうしてそう断言出来るの?」

ほむら「今まで隠していたけれど……私の魔法は『時間』に関するものなのよ」

ほむら「だから未来のことも少しだけ分かるの」

さやか「ああっ! もしかして昨日、抜き打ちテストがあるのを知ってたのも……!」

ほむら「……そうよ、私の魔法のおかげ」

さやか「ええーっ! なにそれズルイ!」

まどか「さ、さやかちゃん。それは今は置いておこうよ」



まどか《……ほむらちゃん、未来から来たってことは話さないの?》テレパシー

ほむら《話すと長くなるし……信じてもらえるとは限らないから》テレパシー

447: 1 ◆NsfUjTiOGg 2011/11/26(土) 23:41:33.83 ID:IfDN3LU00

マミ「……私たちは勝てるの? ワルプルギスの夜に」

ほむら「それは分からないわ。戦ってみないことには……」

杏子「ふーん。未来が分かるって言っても万能じゃあないんだな?」

ほむら「ええ、不確定要素に左右されることが多いのよ」

ほむら「でも、ワルプルギスの夜がどんな敵なのかは分かるわ」

さやか「そうなの?」

ほむら「ええ」

杏子「へえ……じゃあさ、そのワルプルって奴はどんぐらい強いわけ?」

ほむら「ワルプルギスを放置していたら……間違いなく見滝原全域が廃墟と化してしまう」

ほむら「アレはそれだけの力を持っているわ」

さやか「……マジ?」

ほむら「事実よ」

448: 1 ◆NsfUjTiOGg 2011/11/26(土) 23:42:38.90 ID:IfDN3LU00

マミ「今までで一番厳しい戦いになりそうね……」

ほむら「…………」

まどか「大丈夫だよ、ほむらちゃん」

ほむら「えっ?」

まどか「私たち5人が力を合わせれば、ワルプルギスの夜にも絶対勝てるよ!」

まどか「だからそんなに心配そうな顔しないで、ね?」

ほむら「まどか……」

さやか「そーだよ! どんなに敵が強くたって、正義の魔法少女は負けないんだから!」

マミ「ふふっ、そうね。私たちならきっとどんな敵だって倒せるわ!」

449: 1 ◆NsfUjTiOGg 2011/11/26(土) 23:43:05.13 ID:IfDN3LU00

ほむら「……そうね。そうよね」

ほむら「必ず勝ちましょう。ワルプルギスの夜に……!」

まどか「うんっ!」

さやか「おう!」

ほむら「まずは……私が知るワルプルギスの情報を全て伝えるわ」

ほむら「そこから戦略を練りましょう」

マミ「わかったわ」

杏子「…………」

450: 1 ◆NsfUjTiOGg 2011/11/26(土) 23:43:42.14 ID:IfDN3LU00

………………

…………

……

マミ「なるほどね……」

さやか「聞けば聞くほどヤバい敵だっていうのが分かるよ」

ほむら「……怖じ気づいたのかしら?」

さやか「はっ! んなわけないじゃん!」

さやか「むしろ逆に燃え上がっちゃってますね、さやかちゃんは!」

まどか「ふふ、さやかちゃんったら……」

さやか「……ところで、杏子はどーかしたの? さっきから黙り込んじゃってるけど」

杏子「…………」

マミ「杏子?」



杏子「――――悪いがアタシは抜けさせてもらうよ」



ほむら「え……?」

451: 1 ◆NsfUjTiOGg 2011/11/26(土) 23:45:05.60 ID:IfDN3LU00

杏子「んな化け物と戦って、収入がグリーフシード1個じゃ割に合わねーじゃんか」

杏子「そういうのは相手にしない、って決めてんだよアタシは」

ほむら「貴女、本気で言ってるの……?!」

まどか「わ、ワルプルギスを放っておいたら沢山の人が犠牲になっちゃうんだよ?」

杏子「関係ねーな。この街がどうなろうと知ったこっちゃねーし」

杏子「何千、何万と死んだって、アタシはアタシさえ生きてりゃそれでいいんだよ」

さやか「……なにそれ、冗談にしちゃ笑えないんだけど」

杏子「冗談を言ってるように聞こえたか?」

杏子「アタシにとって他人の死なんてどうでもいい」

杏子「仮にアンタの大好きなボーヤが瓦礫に押し潰されて死んだって、アタシには関係のないことさ」

さやか「……杏子っ、あんた!!」グイッ

杏子「んだよ……離せよ」

マミ「やめなさい!」

452: 1 ◆NsfUjTiOGg 2011/11/26(土) 23:47:35.60 ID:IfDN3LU00

マミ「杏子……本当に、それが貴女の本心なの……?」

杏子「ああそうさ。何か文句でもあんのか?」

まどか「そんな……どうして……?」

杏子「だいたいアンタらはバカなんだよ。赤の他人のために命を張るなんてさ」

杏子「アンタらみたいなバカに付き合って、アタシまで死ぬなんて御免だね」

マミ「……私たちは家族でしょう? 赤の他人なんかじゃ……」

杏子「くく……あーはっはっは! おいマミ、まさかオマエ本気にしてたのか?」

マミ「え……」

杏子「家族だ? 笑わせるぜ、あんなのゴッコ遊びに決まってんじゃねーか!」

マミ「!!」

杏子「あれはな、アンタんちに居座るためにテキトーなこと言ってただけだよ」

杏子「アタシとアンタが家族になんてなれるわけねーだろうが!」

さやか「……っ!!」

まどか「だ、ダメだよさやかちゃん! 暴力はダメ!」ガシッ

さやか「離してよまどか! このバカをぶん殴ってやるんだから!」

453: 1 ◆NsfUjTiOGg 2011/11/26(土) 23:48:35.77 ID:IfDN3LU00

マミ「――――出ていって」

まどか「えっ、ま、マミさん……?」

マミ「出ていきなさい。……赤の他人を、私の家に居させてあげるつもりはないわ」

杏子「……けっ、言われなくたってそのつもりだよ」

まどか「ま、待ってよ二人とも! そんな、そんなのって……!」

杏子「……じゃあな」

マミ「……さよなら。もう二度と顔を見せないで」

まどか「あ……! 杏子ちゃ……!」

454: 1 ◆NsfUjTiOGg 2011/11/26(土) 23:50:26.51 ID:IfDN3LU00

ガチャッ

...バタン

さやか「……なんなのよアイツ!! あそこまで最低なヤツだったなんて思わなかった!」

まどか「き、きっと何か事情があるんだよ! じゃなきゃ杏子ちゃんがあんな酷いこと言うわけないよ!」

マミ「…………」

まどか「ねえ、ほむらちゃん! ほむらちゃんもそう思うよね? 杏子ちゃんが理由もなくあんなこと……」

まどか「……ほむらちゃん?」

ほむら「……どうして……? 今度は、今回こそは、上手く行く、って……思ってたのに……」

まどか「あっ……」

マミ「……暁美さん、泣いているの?」

ほむら「またダメなの……? 私がいけないの? 私が、私のせいで……っ」

まどか「……っ!!」

まどか「そんなことないよ! ほむらちゃんは悪くない!」

まどか「……私、もう一度杏子ちゃんと話してくる!」

ダッ

さやか「あ、ちょっとまどか!?」

455: 1 ◆NsfUjTiOGg 2011/11/26(土) 23:50:56.05 ID:IfDN3LU00

~路地裏~

まどか「待ってよ杏子ちゃん!」

杏子「……ウゼーな。着いてくんなよ」

まどか「ねえ杏子ちゃん、どうしてあんなことを言ったの?」

まどか「あんなの杏子ちゃんの本当の考えじゃないよね? 何か理由があるんだよね?」

杏子「しつこいぞ。さっきも言っただろ、アレがアタシの本心だって」

まどか「で、でも今まで仲良くやってきたでしょっ? これからも一緒に戦おうよ! ワルプルギスをやっつけようよ!」

杏子「……そういうのがウゼェって言ってんだよ!!」

まどか「ひっ……!?」ビクッ

456: 1 ◆NsfUjTiOGg 2011/11/26(土) 23:51:27.87 ID:IfDN3LU00

杏子「……ああ、そうだな。アタシの発言に何か理由があるとしたらそれはアンタらだよ」

杏子「アタシはアンタらみたいな正義の味方ごっこしてるヤツらが大嫌いでね」

杏子「特にまどか、アンタは『誰かのために戦うのが幸せなの~』とかほざくタイプだろ?」

杏子「虫酸が走るんだよね、そーいう偽善者ってさあ!」

まどか「ぎ、偽善なんかじゃないよ! 私はホントにみんなを助けたいと思ってるもん!」

杏子「……救い用のねーバカだな、テメーは」

杏子「やっぱりアンタらとは戦えないね。そんな理想を強要されるなんて真っ平ゴメンだ」

まどか「強要だなんて……」

457: 1 ◆NsfUjTiOGg 2011/11/26(土) 23:51:58.85 ID:IfDN3LU00

杏子「アタシは風見野に帰る」

杏子「もうアタシに干渉すんなよ。今度会ったら……殺すぞ」

まどか「きょ、杏子ちゃ……」

杏子「…………」スタスタ

まどか「あ……」

まどか「…………」グスッ

まどか「……こんなの……こんなのってないよ……っ」

458: 1 ◆NsfUjTiOGg 2011/11/26(土) 23:53:30.99 ID:IfDN3LU00

………………

…………

……

まどか(――――杏子ちゃんが私達のもとを去ってから、もう六日が経ちました)

まどか(あれから杏子ちゃんが姿を見せることは一度もなく……)

まどか(みんなも決して話題に出そうとはしませんでした)

まどか(表向きは平気そうに振る舞っているけど……)

まどか(やっぱり何処か重たい空気です)

まどか(……杏子ちゃん……)

459: 1 ◆NsfUjTiOGg 2011/11/26(土) 23:54:28.06 ID:IfDN3LU00

~ほむらの家~

まどか「……いよいよ明日、だね」

ほむら「ええ……」

まどか「やっぱり杏子ちゃんは来てくれないのかな」

ほむら「……彼女のことは忘れましょう」

ほむら「戦う意志がない者を無理に連れて来ても……意味がないもの」

まどか「…………」

460: 1 ◆NsfUjTiOGg 2011/11/26(土) 23:55:24.17 ID:IfDN3LU00

ほむら「それよりも……まどか、忘れていないわよね?」

まどか「えっ?」

ほむら「約束したでしょう。たとえ何があっても……」

まどか「……魔力を使い切っちゃダメなんだよね」

ほむら「そうよ」

ほむら「……貴女が命を賭けて全力を出せば、ワルプルギスの夜は倒せるかもしれない」

ほむら「でもそれと同時に……」

まどか「私が魔女になっちゃう……」

ほむら「……ええ」

ほむら「約束よ、まどか。絶対に魔女にならないで」

ほむら「……私を、置いて逝かないで……」

まどか「……うん……」

461: 1 ◆NsfUjTiOGg 2011/11/26(土) 23:56:26.86 ID:IfDN3LU00

~さやかの家~

さやか「あーあ……明日、か」

さやか「はあ……期末試験よりずっと緊張するよ」

さやか「……ワルプルギスの夜……勝てるのかな、あたし達で」

さやか「……せめて、あと一人いてくれたら心強いのに」

さやか「…………」

さやか「……な、何考えてんのよ、あたしは!」

さやか「あんなサイテーなヤツの力を借りるなんてありえないわ!」

さやか「あたし達だけで倒してみせるんだから……!」

462: 1 ◆NsfUjTiOGg 2011/11/26(土) 23:57:11.71 ID:IfDN3LU00

~マミの家~

ガチャン!

マミ「あっ……ティーカップが……!」

マミ「杏子のお気に入りだったのに……怒られちゃうわ」

マミ「…………っ」

マミ「馬鹿ね……なに言ってるのかしら、私」

マミ「杏子は……佐倉さんはもう出て行ったんだから、関係ないわよね」

マミ「……他の食器も片付けましょう」

マミ「明日の戦いの前に、気持ちの整理をつけておかなきゃ……」

463: 1 ◆NsfUjTiOGg 2011/11/26(土) 23:58:40.43 ID:IfDN3LU00

QB(杏子……いったいどういうつもりなの?)

QB(今まで皆を騙して信頼を得てきたのに、それを全部ひっくり返しちゃうなんて)

QB(僕にはキミの考えがさっぱり分からないよ……)

QB(マミたちを利用して見滝原を手中に収めたかったんじゃないの?)

QB(…………!)

QB(そうか、わかったぞ……!)

QB(ワルプルギスの夜は強敵だ……さすがのマミたちもただでは済まないだろう)

QB(きっと杏子は、みんなが弱り切ったところで襲い掛かって……!)

QB(なんてことだ……みんなに知らせないと!)

464: 1 ◆NsfUjTiOGg 2011/11/26(土) 23:59:51.83 ID:IfDN3LU00

~決戦の日~

マミ「いよいよ、ね」

さやか「いかにも何か起きそうな天気じゃん」

ほむら「……作戦は覚えているわね?」

まどか「うんっ、バッチリだよ!」

ほむら「勝ちましょう、ワルプルギスの夜に……!」

QB「……僕の忠告も忘れていないよね?」

QB「間違いなく佐倉杏子は漁夫の利を狙っている」

QB「ワルプルギスの夜に勝利したあとも、油断は禁物だよ」

マミ「…………」

さやか「……ふんっ」

まどか「……ホントに、そうなのかな……」

ほむら「まどか……」

465: 1 ◆NsfUjTiOGg 2011/11/27(日) 00:02:50.06 ID:JUj5z0yi0

QB「まどか、キミはまだ杏子を信じているのかい?」

まどか「だって……」

QB「彼女がこの町を狙っているのは疑いようのない事実だよ」

QB「最悪の場合、キミたちを殺してでも奪おうとしてくるかもしれない」

まどか「そんなこと言わないでよ! 杏子ちゃんが、そんなっ……!」

QB「警戒は怠るべきじゃないと思うけどなあ」

466: 1 ◆NsfUjTiOGg 2011/11/27(日) 00:03:22.36 ID:JUj5z0yi0



ほむら「……まどか、お喋りはそこまでよ」

まどか「え?」



マミ「そうみたいね……この気配」



さやか「いよいよお出ましってわけ?」



ほむら「ええ……来るわ!」



まどか「……ワルプルギスの夜……!!」





《アハハハハハハッッ!》

467: 1 ◆NsfUjTiOGg 2011/11/27(日) 00:05:00.94 ID:JUj5z0yi0

~風見野市~

「うわっ……凄い風だな」

「なんかデッカイ嵐が来てるらしいよ」

「へー……」

「見滝原じゃ避難警報だかなんだかが発令されたらしいぞ」

「マジかよ、こっちもヤバいんじゃねーのか?」

杏子「…………ふんっ」

468: 1 ◆NsfUjTiOGg 2011/11/27(日) 00:06:34.35 ID:JUj5z0yi0

《アハハハハハッ!》

さやか「くっそ、どーなってんのよ!」

マミ「攻撃が全然通じてない……!?」

《キャハハハハハッ!》

まどか「それにっ、使い魔も強すぎるよぉっ!」

ほむら「いったん体勢を整えましょう! 時間停止を使っ……」

まどか「っ! ほむらちゃん、後ろ!! 使い魔が……!」

《キャハハッ!》

ほむら「なっ……しまっ!!」

...ドスッ

ほむら「ぐ、あ……」

まどか「ほ……ほむらちゃん!!」

469: 1 ◆NsfUjTiOGg 2011/11/27(日) 00:07:45.52 ID:JUj5z0yi0

マミ「暁美さん!?」

さやか「このバカ使い魔っ、ほむらから離れろ!!」ザシュッ!

《キャハッ!》

ほむら「う……くぅっ……」

まどか「ほむらちゃん、しっかりして!」

マミ「待ってて、いま治療するわ!」

ほむら「……わ、私は大丈夫、よ……」

さやか「そんなに血を流して何言ってんのよ!」

マミ「使い魔の攻撃がお腹を貫通したのよ、平気な訳が……」

ほむら「そ、そんなことより、みんな、散らばって……! 一カ所に集まったりなんかしたら奴に……」



《アハハハハハッ!!!!!》



まどか「あ……!!」

ほむら(――――っ!!)

ほむら(逃げ……ダメっ、間に合わない!!)

470: 1 ◆NsfUjTiOGg 2011/11/27(日) 00:11:26.83 ID:JUj5z0yi0

…………。

まどか「く、うぅっ……!」

まどか「ほむらちゃん、みんなっ……大丈夫っ?」

ほむら「まど、か……ゴフッ……げほっ、げほっ!」

まどか「ほむらちゃんっ!!」

さやか「ぅ……」

マミ「ぁ……」

まどか(さやかちゃんもマミさんも酷い怪我……!)

471: 1 ◆NsfUjTiOGg 2011/11/27(日) 00:12:08.15 ID:JUj5z0yi0

ほむら「まど、か……あなたは、二人を連れて、逃げて……」

まどか「そんな……! ほむらちゃんを置いていけって言うの!? そんなこと出来るわけないよ!」

ほむら「わ、私は、もう、戦えない……から」

ほむら「だから……捨てて、いってちょうだ、い」

まどか「ほむらちゃんのバカっ! 弱気なこと言わないでよ!」

ほむら「早く、しなさいっ……! 今、マミや、さやかを、助けられるのは……あなたしか……」

472: 1 ◆NsfUjTiOGg 2011/11/27(日) 00:13:05.04 ID:JUj5z0yi0

《アハハハハハハハ!》

まどか(どうしよう……このままじゃ……!)

まどか(みんなやられちゃう……マミさんも、さやかちゃんも)

まどか(大好きなほむらちゃんも……!)

まどか(私……私に出来ることは……)

まどか「…………」

ほむら「……まど、か?」

まどか「……ごめんね、ほむらちゃん」

まどか「やっぱり約束……守れないみたい」

ほむら「……っ!!」

473: 1 ◆NsfUjTiOGg 2011/11/27(日) 00:14:27.08 ID:JUj5z0yi0

ほむら「まどっ……まさ、かっ……!!」

まどか「あのね、ほむらちゃん……お願いがあるの」

まどか「私がいなくなっても……みんなと仲良くしてほしいんだ」

ほむら「まど、かっ……そんな、最期みたいなこと……言わないで……!」

まどか「……マミさんは、意外と寂しいがり屋さんだから、側に居てあげてね?」

まどか「さやかちゃんは、ほむらちゃんを怒らせちゃうこともあるけど……あんまりケンカしないでね?」

ほむら「やめて……そんなお願いなんて聞きたくないっ」

474: 1 ◆NsfUjTiOGg 2011/11/27(日) 00:17:11.07 ID:JUj5z0yi0

まどか「ほむらちゃん……私ね、本当に、本当にあなたのことが大好きだった」

まどか「だから……後のことは……私が魔女になっちゃう前に、よろしくね……」

パァアアア...

ほむら(まどかの全身が、光って……!?)

ほむら「待って……やめて、まどかぁっ……!」

まどか「私、みんなと戦えて良かった」

まどか「最期に大好きなみんなを守れるなら……」

まどか「私、とっても幸せだよ」

ほむら「まどかっ……まどかぁぁぁぁっ!」




杏子「――――幸せ、ねぇ?」




まどか「……え?」

475: 1 ◆NsfUjTiOGg 2011/11/27(日) 00:19:01.40 ID:JUj5z0yi0

杏子「それがアンタの幸せってわけか、まどか?」

まどか「きょ、杏子ちゃん!? 来てくれ……きゃ!?」

ジャラジャラジャラ!

ほむら「こ、これは……鎖っ……?」

まどか「鎖で出来た檻が、私たちを囲んで……」

まどか「ど、どういうつもりなの、杏子ちゃん!」

杏子「……アタシさあ、アンタみたいに幸せとか何とかほざいてる奴を見ると……」

杏子「踏みにじりたくなるんだよね、その幸せごと!」

まどか「っ……!?」

杏子「だからアタシがブッ壊してやるよ」

杏子「自分の命を犠牲にして誰かを助けるなんていう……くだらねー幸せをさぁ!!」

476: 1 ◆NsfUjTiOGg 2011/11/27(日) 00:20:28.89 ID:JUj5z0yi0

ほむら「佐倉、杏子っ、まさか貴女……!」

ほむら「まどかを犠牲にしないために、一人でワルプルギスと戦う気なの!?」

まどか「なっ……! そんなっ、無謀過ぎるよ!」

杏子「はあ? 何言ってんだアンタら」

杏子「アタシはあーいうのとは戦わねー主義だって言ったろうが」

まどか「え……?」

杏子「戦いはしない。ちょいと遊んでやるだけさ」

ほむら「ど、どういう……?」

杏子「……まあ大人しくそこで見てなよ」

杏子「アタシが美味しいトコ全部持っていく、クライマックスシーンをさ!」

477: 1 ◆NsfUjTiOGg 2011/11/27(日) 00:21:06.43 ID:JUj5z0yi0

まどか「ま、待ってよ杏子ちゃん! ここから出して! 私も一緒に戦っ……」

杏子「なんだまどか? そこの死にかけを放っておく気か?」

さやか「うう……」

マミ「くっ……あっ……」

まどか「……!」

杏子「ほれ、お情けでグリーフシードも二つ三つ恵んでやるよ」

杏子「アンタはそいつで魔力を回復して、死に損ない共を治療してやりな」

杏子「ま、地味な仕事だけど……アンタにはお似合いさ! あはは!」

まどか「杏子ちゃん……」

まどか「…………」

まどか「……うん、分かったよ。私はここで、みんなを治療する」

まどか「それが終わったら、すぐに手伝いに行くから! だからお願い……絶対、絶対死なないでね?」

杏子「……約束はできねーな」

杏子「なんたってアタシは悪党だからね」

478: 1 ◆NsfUjTiOGg 2011/11/27(日) 00:22:50.31 ID:JUj5z0yi0

《アハハハハハッ!》

杏子「おっと、お客様がお待ちのようだ」

杏子「そろそろおもてなしをしてやらねーとな」

杏子「んじゃ……ちょっくら行ってくるぜ!」

ダッ!

まどか「杏子ちゃんっ……!」

ほむら「……勝手な真似してっ……!」

ほむら「まどかっ、早く治療を……」

ほむら「死なせるわけにはいかないわっ……佐倉杏子を、私たちの仲間をっ!」

まどか「うんっ!」

479: 1 ◆NsfUjTiOGg 2011/11/27(日) 00:24:02.02 ID:JUj5z0yi0

《キャハハハハッ!》

杏子「さーて……待たせたね、ワルプルギス」

杏子「ここからはアタシがお相手してやるよ」

杏子「この佐倉杏子サマの魔法を存分に味わってもらうぜ?」

《アハハハハハッ!》

杏子「……行くぞ」

杏子『――――ロッソ・ファンタズマ!』

480: 1 ◆NsfUjTiOGg 2011/11/27(日) 00:26:05.00 ID:JUj5z0yi0

《アハハハハハッ!》

杏子『ほらほらっ、どこ見てやがる!』

杏子『アタシはこっちだぞ使い魔どもっ!』

《キャハハハハ!》

杏子『ふん、そんな攻撃あたるかよ!』

《アハハハハハッ!》

杏子『悔しいかい、ノロマ?』

杏子『悔しかったらアタシのスピードについてきなよ!』

《キャハハハハ!》

481: 1 ◆NsfUjTiOGg 2011/11/27(日) 00:28:42.66 ID:JUj5z0yi0

まどか「す……すごい……杏子ちゃん、ワルプルギスを翻弄してる……!?」

ほむら「でも、あの戦い方じゃ、決定打には……ごほっ!」

まどか「ま、まだ喋っちゃダメだよ、ほむらちゃん!」

ほむら「いえ……私のほうはもう平気よ」

ほむら「それよりもマミとさやかを……手分けして治療しましょう!」

まどか「う、うん、わかった!」

482: 1 ◆NsfUjTiOGg 2011/11/27(日) 00:30:05.02 ID:JUj5z0yi0

…………。

さやか「う……ゲホッ、ごほっ」

まどか「頑張って、さやかちゃん!」

マミ「くっ、ううっ」

ほむら「二人とも意識が戻らないわ……!」

まどか「どうしよう、このままじゃ杏子ちゃんが……」

まどか「……あれ……?」

ほむら「どうしたの、まどか?」

まどか「ワルプルギスの夜が……向かってる方向が変わったような……?」

ほむら「え?」

《キャハハハハ!》

ほむら「……確かに、さっきまでは避難所に直撃するコースだったのに」

ほむら「今は……あっ!?」

まどか「もしかして……!」

ほむら「佐倉杏子が、ワルプルギスの夜を誘導してるんだわ!」

まどか「それも、出来るだけ人がいない方向に……!?」

483: 1 ◆NsfUjTiOGg 2011/11/27(日) 00:32:03.27 ID:JUj5z0yi0

《アハハハハハ――――》

まどか「ワルプルギスの夜がどんどん遠ざかってくよ!」

ほむら「……幻惑魔法による撹乱でワルプルギスを誘導する……」

ほむら「考えたこともなかったわ、そんなの……」

まどか「『ワルプルギスとは戦わない』って、こういうことだったんだ……!」

まどか「でもあんな作戦があったなら、どうして杏子ちゃんは話してくれなかったんだろう……」

まどか「杏子ちゃん一人でやるより、みんなで協力したほうが……」

ほむら「…………」

ほむら「恐らく……あのやり方では被害をゼロにすることは出来ないからよ」

まどか「え?」

484: 1 ◆NsfUjTiOGg 2011/11/27(日) 00:33:03.70 ID:JUj5z0yi0

ほむら「大勢の人を救うために、街の一部を選んで犠牲にしなければならない……」

ほむら「そんな非情な選択が、マミやさやかに……貴女に出来る?」

まどか「……!」

ほむら「それに……もしかしたらワルプルギスを誘導した先で……」

ほむら「……一般人が巻き込まれて命を落とすこともあるかもしれない」

まどか「そ、そんな……じゃあ、まさか、杏子ちゃんは」

ほむら「私たちの手を汚させないため……」

ほむら「自分ですべての罪を背負うため、一人で戦うことを選んだのよ……!」

まどか「……杏子ちゃん……!!」

485: 1 ◆NsfUjTiOGg 2011/11/27(日) 00:35:09.51 ID:JUj5z0yi0

杏子(……そろそろアイツらも気がついたころかな?)

杏子(ふふ、さぞかし悔しいだろーねぇ?)

杏子(必死こいて倒そうとしてた敵を、アタシが逃がしちゃうんだからさ!)

杏子(『命を賭けて街を守る!』……なんて考えのまどかからしたら、最悪の展開だろうしね!)

杏子(活躍の場を奪われ、街にも被害が出る……)

杏子(まどかのヤツが涙で枕を濡らすのが目に浮かぶようだよ!)

杏子(あーっはっはっは!)


《アハハハハッ!》


杏子『おっと、そんなに慌てるなよワルプルギス』

杏子『グリーフシードの貯えもタップリある』

杏子『まだまだ夜はこれからさ!』

杏子『アタシとのダンス、楽しんでもらうぜ?』


《アハハハハハッ!》


杏子『……はッ、喜んでもらえて何よりだ!』

486: 1 ◆NsfUjTiOGg 2011/11/27(日) 00:37:08.27 ID:JUj5z0yi0

さやか「……ま、まどか……?」

まどか「さやかちゃん! 気がついたんだね!」

さやか「あたしは確か、ワルプルギスの攻撃を喰らって……」

さやか「って何これ? あたし達の周りに檻みたいのが」

まどか「杏子ちゃんの魔法だよ、私達を守ってくれてるんだ!」

さやか「杏子がっ……来てくれたの!?」

まどか「うん、実は……」

487: 1 ◆NsfUjTiOGg 2011/11/27(日) 00:38:25.15 ID:JUj5z0yi0

さやか「……そんなっ、じゃあ杏子がマミさんに酷いこと言ってたのは……」

まどか「……私達を巻き込まないためだったんだよ……」

さやか「あの馬鹿っ!!」

まどか「もう立てるよね、さやかちゃん? 早く杏子ちゃんのとこに行こう!」

さやか「もちろんよ! あいつにだけ良いカッコさせらんないって!」

ほむら「こっちも準備は出来たわ」

マミ「ごめんなさい、お待たせしちゃって……」

まどか「マミさん!」

マミ「私も事情を聞いたわ。急いであの子の所へ向かいましょう」

マミ「佐倉さんを……いえ、杏子を一人で戦わせるわけにはいかないもの!」

まどか「はいっ!」

488: 1 ◆NsfUjTiOGg 2011/11/27(日) 00:39:30.05 ID:JUj5z0yi0

さやか「それじゃあ早速、この邪魔な檻をブッ壊しちゃいましょーか!」

マミ「ええ、美樹さんお願い!」

さやか「おう、任せ……」

パキィィン...

さやか「……えっ、あ、あれ? まだ何もしてないよ、あたし」

まどか「檻が、勝手に消えちゃった……?」

ほむら「……まさか……!!」

489: 1 ◆NsfUjTiOGg 2011/11/27(日) 00:40:45.47 ID:JUj5z0yi0

《アハハハハハッ!!》

杏子「……げほッ! う、ぐ、おぇぇぇ……っ!」

ビチャビチャビチャ...

杏子「ごほっ……げ、幻惑魔法の反動、かっ……こんなときに……」

《アハハハハハッ!》

杏子「……へっ、面白ぇ」

杏子「血まみれの魔法少女! アタシに相応しいじゃんか!」

杏子「まだ魔力は尽きちゃいねぇ! こんくらいじゃ終わらねーぞ!」

杏子「ロッソ・ファンタズマぁぁあっ!」

490: 1 ◆NsfUjTiOGg 2011/11/27(日) 00:41:32.53 ID:JUj5z0yi0

《キャハハハハッ!》

《キャハハハハッ!》

《キャハハハハッ!》

さやか「くっそお! 邪魔だってのっ!」

まどか「まだこんなに使い魔がいたなんて!」

マミ「これじゃあ杏子の所へ行けない……!」

さやか「ほむらっ! 時間停止はっ!?」

ほむら「無理よ! 今の私の魔力じゃ、この数を突破出来るほどの時間は止められないっ……!」

マミ「強行突破しかないってわけ、ねっ!」

まどか(急がないと……杏子ちゃんが!)

491: 1 ◆NsfUjTiOGg 2011/11/27(日) 00:42:56.69 ID:JUj5z0yi0

《アハハハハハ――――》

杏子(……なんだ? ワルプルギスの夜が……)

杏子(姿勢を変えようとしてる?)

杏子(っ! そーいや、ほむらのヤツが言ってたな)



『ワルプルギスの夜は逆さまの姿勢で宙に浮かんでいるわ』

『けれど奴が本当の力を解放するときは、その体勢をやめる』

『……そうなったら、この街は終わりよ』

『ワルプルギスの夜は、見滝原を完全に壊滅させるでしょうね……』

492: 1 ◆NsfUjTiOGg 2011/11/27(日) 00:44:19.29 ID:JUj5z0yi0

《――――アハハハハハッッッ!!!》

杏子「……ふざけんなッ!!」

杏子「げほッ……この街はアタシの縄張りだ! アタシの狩り場だ!」

杏子「見滝原のものは全部アタシのものなんだよ!」

杏子「マミも、さやかも、まどかもほむらも、全部、アタシのものだ!」

杏子「う、ぐっ……おぇぇっ……!!」

杏子「はぁっ、はぁっ……テメーなんかに、好き勝手されてたまるかぁっ!」

《アハハハハハッ!》

杏子「うぉぉぉぉぉぉっ!」

493: 1 ◆NsfUjTiOGg 2011/11/27(日) 00:46:39.54 ID:JUj5z0yi0

まどか「な、何っ? 凄い魔力を感じるよ!?」

さやか「あっ、あれ見て! 真っ赤な光が……」

マミ「この感じは、杏子!?」

まどか「だ……ダメっ! ダメだよ杏子ちゃん! そんなことしたら杏子ちゃんが……!」

さやか「あいつまさか、死ぬ気なの……!?」

マミ「杏子っ……!」

494: 1 ◆NsfUjTiOGg 2011/11/27(日) 00:49:27.17 ID:JUj5z0yi0

《アハハハハハハハハッッ!》

杏子「喰らいやがれぇぇぇぇぇぇ!!!」












――――私たちはもう家族でしょう?


杏子(あ……)


――――あんたのことは……まあ嫌いじゃないよ


杏子(なんだこりゃ……)


――――頼りにしてるわ、佐倉杏子


杏子(走馬灯、ってやつか……?)


――――杏子ちゃん、一緒にがんばろうね!


杏子(ふんッ……)


杏子(最期まで、うるせー連中だな……まったくよ)

495: 1 ◆NsfUjTiOGg 2011/11/27(日) 00:51:30.67 ID:JUj5z0yi0

………………

…………

……

ほむら「空が……晴れていくわ」

マミ「ワルプルギスの夜が去ったのね……」

まどか「……でも……」

QB「いやあ、凄い威力だったね」

QB「……佐倉杏子の『最期の』一撃は」

QB「まさか全力を出したワルプルギスの夜の攻撃を逸らすなんて!」

QB「おかげで街への被害もごく最小限に抑えられた」

QB「ワルプルギスの夜を討ち滅ぼすまでには至らなかったみたいだけど、退けることは出来たし」

QB「見滝原を狙う悪の魔法少女、佐倉杏子ももういない」

QB「理想的な結末と言えるよね!」

まどか「……ぐすっ」

マミ「キュゥべえ、貴方って子は……」

496: 1 ◆NsfUjTiOGg 2011/11/27(日) 00:52:59.81 ID:JUj5z0yi0

QB「どうしたんだい皆? そんな浮かない顔して」

QB「悪は滅びた! 皆も無事だ! まさしくハッピーエンドじゃないか」

さやか「……黙れよっ!」

QB「きゅっ!?」

まどか「キュゥべえには……私達の気持ちがわからないの?」

QB「……杏子は見滝原を狙ってた。君たちを欺いていたんだよ」

QB「なのになんで、彼女の死を嘆くんだい?」

まどか「杏子ちゃんが悪い魔法少女だったどうかなんて、関係ないっ!」

まどか「もしキュゥべえの言うことがホントだったとしても、私達は杏子ちゃんに生きていて欲しかった!」

マミ「縄張り争いなんて、私達にはどうでもいいの」

マミ「ただ……杏子がいてくれれば、それだけで良かったのに……」

QB「……君達は、そこまで杏子に毒されてしまったんだね……」

497: 1 ◆NsfUjTiOGg 2011/11/27(日) 00:53:58.57 ID:JUj5z0yi0

さやか「う……あああああっ!!」

ほむら「……さやか?」

さやか「杏子ぉっ!!」

さやか「帰ってきなさいよ馬鹿ぁっ!」

さやか「あんたには言いたいことがいっぱいあんのよっ!」

さやか「っ……グリーフシードが欲しいならっ……いくらでもくれてやるわよっ……」

さやか「だからっ……」

さやか「帰ってきてよ、杏子ぉ……」グスッ

マミ「美樹さん……ううっ……」

ほむら「……くっ」

まどか「……うわあああん……!!」





杏子「……ほー? それじゃあさっそく献上してもらおうかな、グリーフシード」

さやか「っ……!?」

マミ「え……!?」

498: 1 ◆NsfUjTiOGg 2011/11/27(日) 00:55:35.79 ID:JUj5z0yi0

杏子「よぉ、どいつもこいつもシケたツラしてるな?」

まどか「きょ、杏子ちゃん!? ……え、ホントに杏子ちゃんなの!?」

杏子「なに当たり前のこと言ってんだ。寝ぼけてんのか?」

ほむら「あの状況でどうやって……!?」

杏子「へっ、あれくらいどーってことねーよ」

杏子「アタシがちょいとばかし本気を出せば、ね」

さやか「きょ、杏子……!!」

杏子「ん?」

さやか「生きてたならなんでさっさと出てこなかったのよ!」

さやか「あたし達がどれだけ心配したか……!」

杏子「あー、はいはい……説教なら後回しにしてくれ」

杏子「……さすがのアタシもちょっとキツかったからさ、早いとこソウルジェムを浄化したいんだよ」

さやか「……馬鹿っ!」ブンッ!

杏子「あ痛てっ、グリーフシード投げんなっ! 先っぽが刺さったぞ!」

499: 1 ◆NsfUjTiOGg 2011/11/27(日) 00:57:38.88 ID:JUj5z0yi0

マミ「……くすっ」

杏子「な、なんだよマミ。何がおかしいってんだ」

マミ「うふふ……だって、杏子ったら全然いつも通りなんですもの……」

マミ「本当に……あなたが無事で本当に良かった……!」グスッ

杏子「おいおい、泣いてんのかマミ?」

杏子「……鬼の目にも涙、ってやつだな」

マミ「なっ……だ、誰が鬼ですって!?」

杏子「あははっ」

500: 1 ◆NsfUjTiOGg 2011/11/27(日) 00:58:23.30 ID:JUj5z0yi0

まどか「杏子ちゃん!」

杏子「ん?」

まどか「ありがとう……それと、ごめんなさい」

まどか「あのとき私のこと止めてくれて……杏子ちゃんにこんな無理をさせちゃって……」

杏子「……感謝されるよーなことはしてねーよ」

杏子「謝られるようなこともな」

まどか「でも……」

杏子「アタシはアンタが気に入らなかったから、アンタの見せ場を奪っただけさ」

杏子「……悪どいだろ? ははっ」

まどか「……もうっ、杏子ちゃんったら」

まどか「でも私はそんな杏子ちゃんが大好きだよっ♪」

杏子「ばっ、何言ってやがんだよ」

まどか「えへへっ」

501: 1 ◆NsfUjTiOGg 2011/11/27(日) 00:59:32.01 ID:JUj5z0yi0

ほむら「…………」

さやか「おーいまどか、ほむらが怖い顔してるぞー」

まどか「あっ、か、勘違いしないでねっ? 私が一番大好きなのはほむらちゃんなんだからっ!」

ほむら「そう。嬉しいわまどか」

ほむら「ところで佐倉杏子。ちょっとお話ししたいことがあるから来てもらえるかしら?」グイグイ

杏子「ちょっ、耳引っ張んな! いてててっ!」

まどか「ほ、ほむらちゃん!? どこ行くの!?」

ほむら「人の来なそうな体育館裏よ。屋上でもいいわ」

さやか「何処のだよ! ……って消えた!?」

マミ「わ、わざわざ時間停止を使ったの……?」

まどか「ほ、ほむらちゃーん!!」

502: 1 ◆NsfUjTiOGg 2011/11/27(日) 01:00:40.21 ID:JUj5z0yi0

QB(……わけわかんないよ!)

QB(みんな杏子に騙されてたって言うのに……)

QB(なんであんなに楽しそうに笑うんだろ?)

QB(そんなに杏子が好きなのかな)

QB(感情がないボクにはさっぱり理解出来ないや)

QB(…………)

QB(……でも、杏子が生きてたってことは)

QB(また彼女にシャンプーして貰えるかもしれないよね……?)

QB(……きゅっぷい!)

503: 1 ◆NsfUjTiOGg 2011/11/27(日) 01:03:09.88 ID:JUj5z0yi0

………………

…………

……

まどか(……こうして、私たちはワルプルギスの夜を乗り越えることが出来ました)

まどか(街への被害もごく僅かで……)

まどか(軽い怪我をした人が何人かいたみたいだけど、死傷者はゼロ)

まどか(『大災害を耐え抜いた奇跡の街、見滝原!』なんてニュースにもなっちゃいました)

まどか(みんなの笑顔を守れたのは……全部、杏子ちゃんのおかげです)

まどか(……あれから、杏子ちゃんはまたマミさんの家で暮らし始めました)

まどか(時々さやかちゃんとケンカもするけど、それは信頼する仲間だからこそで……)

まどか(みんなで一緒の時間を過ごせて……私、とっても幸せです!)

まどか(こんな毎日がずっと続いてくれればいいなぁ……)

521: 1 ◆NsfUjTiOGg 2011/12/03(土) 16:04:04.48 ID:LQSzJ/Rx0

~廃墟と化した教会~

杏子「ただいまー、ってか?」

杏子「……うわっ、ヒデーなこりゃ。こんなに散らかっちまって……」

杏子「この前の嵐のせいだな……まったく、ワルプルギスのヤローめ」

杏子「しゃーない、気合い入れて掃除するか」

杏子「こんなことならアイツらに手伝ってもらうべきだったかな……」

杏子「……いや、コレはアタシがやらなきゃいけないんだ」

杏子「アイツらの手を借りるわけにはいかねーよな」

522: 1 ◆NsfUjTiOGg 2011/12/03(土) 16:05:55.22 ID:LQSzJ/Rx0

………。

杏子「よいしょっ、と」

杏子「ん。あらかた片付いたな」

杏子「もうこれくらいで充分だろ」

ヒラリ...

杏子「あっ……?」

杏子「写真……か」

杏子「こんなもんがまだ残ってたなんて、な」

523: 1 ◆NsfUjTiOGg 2011/12/03(土) 16:08:47.67 ID:LQSzJ/Rx0

杏子「……父さん」

杏子「母さん……」

杏子「モモ……」

杏子「……天国なんてモンがあるかどーか知らないけどさ」

杏子「アタシも、ようやく皆と同じトコに行けそうだよ」

杏子「……うん、そうなんだ」




杏子「アタシ……もう死んでるんだ」

524: 1 ◆NsfUjTiOGg 2011/12/03(土) 16:09:24.33 ID:LQSzJ/Rx0

杏子「この前の嵐の時に、ワルプルギスっていうスゲー化け物と戦ってさ」

杏子「相打ちになって死んじゃったんだよな、これが」

杏子「……今ここにいるのは幻。まあ幽霊みたいなもんさ」

杏子「凄いだろ? アタシの周りの連中も、誰も気が付いてないんだぜ」

杏子「マミも、さやかも、まどかもほむらも、アタシが死んでることを知らないんだ」

525: 1 ◆NsfUjTiOGg 2011/12/03(土) 16:10:01.03 ID:LQSzJ/Rx0

杏子「……今日も何も言わずに出て来たからさー、きっと不思議に思うだろうね」

杏子「いつまで待ってもアタシが帰ってこなくて、さ」

杏子「アイツらは馬鹿だから、一生アタシの帰りを待ち続けるだろうなー」

杏子「ふふ、想像しただけで笑えるよ」

杏子「最期まで極悪だろ? アタシってばさ」

杏子「父さんの言う通りの邪悪な魔女になってやったよ、あはは」

526: 1 ◆NsfUjTiOGg 2011/12/03(土) 16:10:45.70 ID:LQSzJ/Rx0

杏子「……ふう、いっぺんに話したせいかな? やけに疲れちまった」

杏子「アタシも……そろそろ休ませてもらおうかな……」

杏子「……よっこらしょ」ゴロン

杏子「はは……さすがに木の床は寝心地悪いな」

杏子「まあ贅沢も言ってらんねーか……」

杏子「…………」

杏子「……おやすみ、皆……」



「――――杏子ぉっ!!」



杏子「……?」

527: 1 ◆NsfUjTiOGg 2011/12/03(土) 16:11:20.89 ID:LQSzJ/Rx0

さやか「待ちなさいよ! なに黙って居なくなろうとしてんのよ!」

マミ「お願い杏子っ……私たちを置いていかないで!」

まどか「杏子ちゃんっ! 死んじゃやだよぉ!!」

ほむら「私はまだ、貴女に恩を返してないわ……!」

杏子「――――ははは」

杏子「最期の最期で、アタシの計画は大失敗に終わっちまったみたいだね……」

さやか「なに言ってんのよ……! んなトコで寝てないで起きなさいって!」

528: 1 ◆NsfUjTiOGg 2011/12/03(土) 16:11:56.05 ID:LQSzJ/Rx0

杏子「あーあ……仕方がねーな」

杏子「こーなったら悪党らしく捨てゼリフでも遺していくかなあ……」

マミ「馬鹿っ……! 変な冗談はやめてよ!!」

杏子「マミ……アンタはお姉さんぶってるのがウゼェんだよ」

マミ「えっ……?」

杏子「変に気を使うんじゃねーよ……一つしか歳が違わねーんだからさ」

マミ「……うん、うんっ、分かったわっ……」

529: 1 ◆NsfUjTiOGg 2011/12/03(土) 16:12:26.69 ID:LQSzJ/Rx0

杏子「さやか……アンタは無理して明るく振る舞ってる時があるよな」

さやか「何よ……それの何が悪いのよっ……!」

杏子「……ガマンする必要なんてねーんだよ。泣きてーときは泣け、バカ」

さやか「うるさいっ……! 今はそんなことどうだっていいでしょ!」

さやか「だから杏子……お願いだから……いかないでよぉ……!」

杏子「そーそー……そうやって泣けばいいさ」

530: 1 ◆NsfUjTiOGg 2011/12/03(土) 16:12:56.09 ID:LQSzJ/Rx0

杏子「ほむら……アンタは一人で何でも出来ちまうトコが気に入らねーな」

ほむら「いいえ……私は……皆がいなきゃ何も出来ないわ……」

杏子「……なんだ、分かってんならいいんだよ」

杏子「後は……まどか以外の仲間も大事にしてやれよ……?」

ほむら「……貴女もっ、その中の一人よ……! 貴女を……失いたくない!」

杏子「はは……冗談はよせって……」

531: 1 ◆NsfUjTiOGg 2011/12/03(土) 16:13:38.52 ID:LQSzJ/Rx0

杏子「……まどかは……アタシが言いたいこと、分かるよな?」

まどか「えっ……?」

杏子「……もっと自分を大事にしろ」

杏子「アンタが傷付いたら悲しむヤツが周りにいる、ってこと……忘れんじゃねーぞ……」

まどか「杏子ちゃんだって! 杏子ちゃんがいなくなっちゃ、私も、皆も、悲しいよぉ!!」

杏子「ばーか、アタシはいいんだよ……」

まどか「なんでっ……なんでそんな……!!」

532: 1 ◆NsfUjTiOGg 2011/12/03(土) 16:15:03.75 ID:LQSzJ/Rx0

杏子「あー……言いたいこと言ったからスッキリした……」

杏子「負け犬の遠吠えってのも、良いもんだな……」

杏子「もう……思い残すこともねーや」

まどか「やめてよっ……縁起でもないこと言わないでよぉ……!」

杏子「……ああ……最期に、もう一つ言わせてもらうよ……」

杏子「……アタシさ……ホントは、アンタ達のこと……」

杏子「――――……。」

まどか「え……? 何? 聞こえないよ杏子ちゃんっ……!」

ほむら「っ!? 佐倉杏子の身体が……消えていく……!!」

さやか「待って……待てって言ってるだろ! 行かないでよ、杏子ぉ!」

マミ「また……また家族を失うなんて……そんなの嫌ぁ……!!」



杏子(……じゃあな、みんな……)



まどか「杏子ちゃんっ……杏子ちゃぁぁぁん!!」

533: 1 ◆NsfUjTiOGg 2011/12/03(土) 16:15:50.03 ID:LQSzJ/Rx0

………………

…………

……。

534: 1 ◆NsfUjTiOGg 2011/12/03(土) 16:16:16.44 ID:LQSzJ/Rx0

~数ヶ月後・魔女の結界内部~

マミ「美樹さんっ、使い魔がそっちにいったわ!」

さやか「おっけー任せて! てりゃあああ!!」

ズバズバズバ!

使い魔「ギィャァァァ...」

さやか「うっしゃ、ちょろいもんね!」

まどか「さすがさやかちゃん!」

ほむら「……とりあえず、使い魔は一掃できたみたいね」

535: 1 ◆NsfUjTiOGg 2011/12/03(土) 16:16:47.66 ID:LQSzJ/Rx0

マミ「あとは、この奥にいる魔女を倒すだけね!」

さやか「さやかちゃん大活躍! のおかげで楽勝ですねー」

ほむら「ええ……今日のさやかは特に良い動きだと思うわ」

さやか「おっ?」

マミ「暁美さんが美樹さんを褒めるなんて珍しいわね」

ほむら「せ、正当な評価をしただけよ」

まどか「うふふ」

536: 1 ◆NsfUjTiOGg 2011/12/03(土) 16:17:29.84 ID:LQSzJ/Rx0

マミ「でも確かに最近の美樹さんは凄いわね。何かコツを掴んだみたいな……」

さやか「あ……うん、ちょっと杏子に助言されたことを思い出してさ」

さやか「参考にしてみたらスッゴい戦いやすくなったんだよねー」

まどか「へぇー、そうなんだ?」

ほむら「杏子はさやかのことを良く見ていたものね」

さやか「……最近になってようやく分かったよ。あいつのアドバイスって凄い的確だったんだね」

さやか「なんてゆーか? あたしへの愛が込められてるってゆーか? あははっ」

マミ「わ、私だって杏子に愛されてたわっ」

マミ「必殺技も考えてもらったもの!」

ほむら「何を張り合ってるのよマミ……」

537: 1 ◆NsfUjTiOGg 2011/12/03(土) 16:18:34.92 ID:LQSzJ/Rx0

まどか「私がこうして皆と一緒に居られるのも杏子ちゃんのおかげだし……」

まどか「杏子ちゃんは……私たちに沢山のものを残していってくれたんだね」

ほむら「そうね……」

まどか「そ、それに……ほむらちゃんとも、らぶらぶになれたし……」ピトッ

ほむら「も、もうっ、まどかったらこんなとこで……」

まどか「えへへ……」

ほむら「うふふ」

さやか「あー……ごほんごほん」

マミ「……そういうのは二人っきりの時にしてくれないかしら?」

ほむら「あっ、ご、ごめんなさい……」

まどか「つ、つい……その……」

538: 1 ◆NsfUjTiOGg 2011/12/03(土) 16:21:06.99 ID:LQSzJ/Rx0

QB(……佐倉杏子、キミは本当に恐ろしい魔法少女だったよ)

QB(キミの悪意がどれだけ皆の心を傷付けたことか……)

QB(……でも残念だったね)

QB(キミという巨悪に打ち勝ち、みんなはまた一つ強くなった)

QB(くじけることなく彼女たちは今も戦い続けているよ)

QB(悪は滅び、必ず最後に正義が勝つものなのさ……この世界は)

QB(…………)

QB(首輪、そろそろ買い替えないとなあ……)

539: 1 ◆NsfUjTiOGg 2011/12/03(土) 16:26:23.36 ID:LQSzJ/Rx0

さやか「……そういえば今日はこの後、マミさんが晩ご飯をご馳走してくれるんだよね?」

マミ「ええ。マミさん特製のスペシャル野菜カレーが用意出来てるわよ♪」

さやか「おおっ、こりゃノンビリしてらんないや」

まどか「早く魔女をやっつけちゃわないとね!」

ほむら「ふふ……そうね」

マミ「それじゃ、みんなやる気も充分みたいだし……行きましょうか!」

さやか「おうっ!」

まどか「はいっ!」

ほむら「ええ!」

540: 1 ◆NsfUjTiOGg 2011/12/03(土) 16:27:13.04 ID:LQSzJ/Rx0
















           /Y: : l: : : : : : ヽ:::::ヽ: : : : `ヽ、:::::ヽ: :\::::::::::::::::、
          /: /: : {: : : : : : ヽ:ヽ::::::ヽ: : : : : :\::::ヽ: : \:::::::::::::、
         /: :/: : : :i{: :ヽ: : : : : :\: ヽ、: : :――,: :ヽ: : : :\: :::::::.:、
        /: : : l: : iヽ{ ヽ、:ヽ: : : : : :\、:ヽ:、: : : : : : : ヽ: : : : : ヽ::::::::ヽ
       l: : : :|: : :l:.i、ヽ>: ヽ: : : : : 、: ヾ、: ヽ:\: : : : : ヽ : : : : :.ヽ::.:::::\
       |:/ .|:/i: : : l「´,ゝ、 _,>:ヽ: : : ヽ、Y´_ヽヽ: : : : : :ヽ: : : : : : : : :.:.:.:.:`ヽ、
       レ i/ l:i: : ヾ rTリ ' ヾ、ヽ: :ヽ>{, ヽ: : : : : : : :ヽ: : : : : : : : : :.:.:.:::::::`::ヽ..、
         '  ヽi、: :iヽ |;.}   ヽ:ヽ: :.l }'ヽ ノ: : : : : : : : :ヽ: : : : : : ::::::::::ヽ`ヽ、:::::::::::`::ー..-..、
            ヽヽノ  '     ヽ:.i: :| -,'イ: : : : : : : : : : : ヽ::::::::::::::::::::::::::::ヾ/` ゙ ー--::::::::::::::
             ヽ         、 !:|、:| |  l: ヽ: : : : : : : : : : :::::::::::::::::::::::::::::::::::::`:ヽ.、    ̄ ̄
              ヽ    _,      ! /    ヽ: ヽ: : : : :\: : : ヽ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::`::゙ ー-..、_
     __r-.、,-、     `ヽ ´          ノソー-―- 、: :ヽ: : :ノ :::::::::::::;;;;;:;;;:::::::::::::::::::::::::::::::::::::
   ,r‐〈 .| Y |r-、     ヽ   __ - ' ヽ//:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ヽ: : /::::::::::::::: ;     ;:: : : ::::::::::::::::::::,'
 ,r〈ヽ ヽ| ,!r‐' ,)ヽ       ̄     / /         , ':::::::::::::::::::::::;    ,':::::::::::::::::::::::::::,'
 ,>、ヽヽJ` ー'ヽ ./            //         l :::::::::::::::::::::,:'     ,'.:::::::::::::::::::::::;
 { ヾ'       .!            / ___  -_-      , ` --       (::::::::::::::::::::::, '
  ヽノ       ,ノ ,、__          /r,. - '´ ´       l           ゙ ゙ ::::::::::::::,:'


                 ≪……頑張れよ、みんな……≫

541: 1 ◆NsfUjTiOGg 2011/12/03(土) 16:29:02.98 ID:LQSzJ/Rx0

これにてこのSSは完結です。

皆さんのご声援のおかげで悪は滅び、ハッピーエンドを迎えることができました。
悪が支配するバッドエンドも考えていたのですが、
やはりQBが言っていたように最後に
正義が勝つ結末でなければならないと思いなおし、この結末になりました。

5か月間もの長い間お付き合いいただき本当にありがとうございました。

576: 1 ◆NsfUjTiOGg 2011/12/12(月) 00:40:42.50 ID:Dl/gJ3J40

~ある日の見滝原市・住宅地~

杏子「さて……ほむらとまどかを恋人同士にしてやったことだし」

杏子「次は何をしてアイツらを追い詰めてやろーかな?」

QB「き、君はまだ悪事を重ねる気なのかい!?」

QB「いったいどれだけ皆を傷付ければ気が済むの……!?」

杏子「くくっ……さてね?」

杏子「……ん、あれは……」



仁美「はあ……」



杏子「……いかにも金持ってそうなお嬢ちゃんじゃんか」

577: 1 ◆NsfUjTiOGg 2011/12/12(月) 00:41:21.47 ID:Dl/gJ3J40

QB「あれは……さやかの友人の志筑仁美だね」

杏子「ああ、アイツがさやかの話に良く出てくる志筑仁美なのか?」

杏子「ふーん……そーかいそーかい」ニヤッ

QB「はっ!? ま、まさか杏子、仁美にまで何かする気じゃ……!」

杏子「くっくっくっ……良く分かったな?」

QB「そ、そんなのダメだよ!」

QB「彼女は魔法少女じゃないんだよ!? 素質も持たない一般人だ!」

QB「それなのに酷い目に合わせるなんて……!」

杏子「ふんっ、さやかなんかと友達になっちまったアイツが悪いのさ!」

杏子「それに友人であるアイツが傷付けば、さやかもショックを受けるだろうしね……ふふふ」

QB「そ、そんな……!!」

578: 1 ◆NsfUjTiOGg 2011/12/12(月) 00:42:37.19 ID:Dl/gJ3J40

杏子「さーて何をしてやろうかな……?」

杏子「……そーだ! さやかが普段、仁美のことをどう話してるかチクってやろう!」

QB「な、なんだって!?」

杏子「自分のいないところで友人が陰口を叩いていると知ったら……さぞかし傷付くだろーねぇ?」

QB「杏子っ、キミはまさか二人の友情を引き裂くつもりなのかい!?」

杏子「結果的にそーなるかもしれないな? ははっ!」

QB「外道っ……! なんて鬼畜なんだキミは……!」

杏子「褒めてもらって光栄だよ……あーはっはっ!」

QB「ううっ……」

杏子「……んじゃ、早速行動に移るとしますかね!」

579: 1 ◆NsfUjTiOGg 2011/12/12(月) 00:43:05.51 ID:Dl/gJ3J40

仁美「はあ……」

仁美(最近、なんだか独りでいる時間が増えましたわ……)

仁美(恭介さんはコンクールの練習で忙しいみたいですし……)

仁美(さやかさんもまどかさんも、ご一緒する機会がないですし……)

仁美(私は今日もお稽古をこなして……独り寂しく家に帰って……)

仁美「はあ……」

580: 1 ◆NsfUjTiOGg 2011/12/12(月) 00:43:56.83 ID:Dl/gJ3J40

杏子「なあアンタ、もしかして志筑仁美じゃないか?」

仁美「えっ? あ、はい。そうですわ」

杏子「やっぱりそーか! いやー、話に聞いてた通りのコだなー」

仁美「……貴女は? どこかでお会いしましたかしら……?」

杏子「アタシは佐倉杏子。さやかの友達だよ」

仁美「まあ! さやかさんの?」

杏子「そ。アイツからアンタの話は良く聞かされてたからさー、つい話しかけちゃった」

杏子「あ、もしかして迷惑だったか? ごめんな」

仁美「い、いえ! そんなことはありませんわ」

杏子「そっか、良かった」

581: 1 ◆NsfUjTiOGg 2011/12/12(月) 00:46:03.25 ID:Dl/gJ3J40

杏子「なあ、今から時間あるか? ちょっと喫茶店でも入って話そうよ」

仁美「えっ? えーと……」

杏子「一度話してみたかったんだよねー、さやかが大好きだっていう大親友の仁美ちゃんとさ!」

仁美「だ、大好き? 大親友? さやかさんが私のことをそんなふうに……?」

杏子「そーそー。さやかってばアンタのことホントに大好きらしくてさー」

仁美(さ、さやかさんが……私のことを……?)

杏子「えっへっへ、気になるか? 気になるだろ? だったらちょっとお話ししてこーぜ?」

仁美「うーん……」

仁美(少しくらいなら……寄り道しても構いませんわよね……?)

仁美「……はい、ぜひ色々聞かせてください!」

杏子「よっしゃ、んじゃどっか入ろうぜ!」





杏子《くくく……まんまと釣られやがったな》テレパシー

QB《友人が自分のことを周りにどう話しているのか……誰だって気になるもんね》テレパシー

QB《巧みに人間の心理を突いているよ……やっぱりキミは恐ろしい魔法少女だね……》

杏子《そうだろ? くくくっ》

582: 1 ◆NsfUjTiOGg 2011/12/12(月) 00:46:58.12 ID:Dl/gJ3J40

~喫茶店~

杏子「それじゃ改めて、アタシは佐倉杏子だ。よろしくな」

仁美「私は志筑仁美です。よろしくお願いしますわ」

杏子「うーん……やっぱさやかの言ってた通り、言動の一つ一つから上品さが感じられるな、アンタは」

仁美「さ、さやかさんがそんなふうにおっしゃっていたんですか?」

杏子「おう。『上品で、いかにもお嬢さんって感じで……』」

杏子「『でもお茶目なトコもある、とっても可愛いヤツで……』」

杏子「『あたしの自慢の友達だよ!』……ってな具合に言ってたな」

仁美「な、なんだか恥ずかしいですわ……」

583: 1 ◆NsfUjTiOGg 2011/12/12(月) 00:48:16.82 ID:Dl/gJ3J40

QB(……効果はてきめんみたいだ……)

QB(志筑仁美の顔があんなに真っ赤になってるよ)

QB(陰で好き勝手言われていることを知って、相当な衝撃を受けたんだね)

QB(しかも杏子は嘘を一つもついていない)

QB(後でこの会話がさやかに伝わることも想定している訳だ……)

QB(くっ……やっぱり杏子には敵わないよ……)

584: 1 ◆NsfUjTiOGg 2011/12/12(月) 00:49:41.09 ID:Dl/gJ3J40

杏子「そーいえば仁美の手はスベスベで綺麗だ、とも言ってたな」

仁美「そ、そんなことまで? もうっ、さやかさんたら……」

杏子「……うん、確かに綺麗だな」

仁美「あまり見つめないでくださいまし……」

杏子「なあちょっと触ってみてもいいか?」

仁美「えっ! は……はい」

杏子「さんきゅー。んじゃ遠慮なく」

585: 1 ◆NsfUjTiOGg 2011/12/12(月) 00:50:29.17 ID:Dl/gJ3J40

杏子「……おお、スベスベだ」ナデナデ

仁美「んッ……く、くすぐったいですわ」

杏子「何か特別な手入れとかしてるのか?」ナデナデ

仁美「い、いえ特には……ひゃんっ!?」ビクン!

杏子「撫で心地いいなぁ……ずっとこうしてたい気分だよ」ナデクリナデクリ

仁美「や、やめてくださっ……そんな、股のトコばっかり弄らないで……!」

杏子「あ、悪い悪い! つい夢中になっちまった」

仁美「はあはあ……きょ、杏子さんて……積極的な方なんですのね……」///

586: 1 ◆NsfUjTiOGg 2011/12/12(月) 00:51:30.49 ID:Dl/gJ3J40

仁美「と、ところで、気になっていたことがあるのですが……」

杏子「なんだい?」

仁美「さやかさんとは、どういうふうにお知り合いになったんですか?」

杏子「うーん、何て言うか……」

杏子「同じコトしてたら知り合った、って感じかな」

仁美「同じコト……?」

杏子「詳しくは言えないよ、さやかも嫌がるだろうしね」

杏子「あ、でも別に悪いことしてるわけじゃないからな?」

587: 1 ◆NsfUjTiOGg 2011/12/12(月) 00:52:25.02 ID:Dl/gJ3J40

仁美「……ソレは今も続けられているのですか?」

杏子「ああ」

杏子「念のため言っておくけど、アンタには出来ないことだよ」

仁美「そう、ですか……」

杏子「さやかのヤツも、その用事が忙しくてなかなかアンタに会えないでいるけど……」

杏子「……別に仲間外れにしようとしてるわけじゃないぞ?」

仁美「はい……」

杏子「いつか機会があったら、きちんと話したいって言ってたし」

杏子「その時まで待っててやってくれよな?」

仁美「……わかりましたわ」

杏子「んじゃこの話はお終いだ」

杏子「次はそーだなあ、仁美の    の  心地についてさやかが語った時の話でも……」

仁美「や、やめてくださいまし!」

588: 1 ◆NsfUjTiOGg 2011/12/12(月) 00:53:59.15 ID:Dl/gJ3J40

………………

…………

……


589: 1 ◆NsfUjTiOGg 2011/12/12(月) 00:54:21.95 ID:Dl/gJ3J40

~喫茶店を出た~

仁美「今日はありがとうございました。とっても楽しかったですわ♪」

杏子「アタシも楽しかったよ、付き合ってくれてサンキューな」

杏子「仁美の家はどっちなんだ?」

仁美「私の家はこっちの道をまっすぐですわ」

杏子「おっ、なら同じだな。途中まで一緒にいこうぜ」

仁美「はい、喜んで」

590: 1 ◆NsfUjTiOGg 2011/12/12(月) 00:55:20.54 ID:Dl/gJ3J40

杏子(くくく……これでもかと言うほどさやかの陰口をチクってやったぜ!)

杏子(もうウンザリしてるだろーね、仁美の奴!)

杏子(途中であやうく魔法少女の話をしそーになっちまったけど……)

杏子(良い感じにはぐらかして、さやかへの不信感を増すことにも成功した!)

杏子(ふふっ! 今度二人が顔を合わせる時が楽しみだね!)

杏子(あーっはっはっは!)

591: 1 ◆NsfUjTiOGg 2011/12/12(月) 00:56:06.56 ID:Dl/gJ3J40

仁美(うふふ、楽しかったですわ)

仁美(こうして誰かと一緒にお茶したのも……)

仁美(ずいぶんと久しぶりでしたわね)

仁美(…………)

仁美(でも……きっと明日からまた、私は一人ぼっちなんですわ)

仁美(杏子さんに会えたのは偶然ですし……)

仁美(さやかさんも……)

592: 1 ◆NsfUjTiOGg 2011/12/12(月) 00:57:11.15 ID:Dl/gJ3J40

仁美(……さやかさんが放課後に何かしていらっしゃるのは薄々気が付いていましたけど……)

仁美(私に内緒で一体なにをしていらっしゃるのかしら……)

仁美(杏子さんも教えてくれそうにないですし……)

仁美「はあ……」



《だったら……いっそ力ずくで聞き出しちゃえば良いんだよ》



仁美「え……」

杏子「!」

593: 1 ◆NsfUjTiOGg 2011/12/12(月) 00:58:29.78 ID:Dl/gJ3J40

杏子(魔女――!! ちっ、アタシとしたことが迂闊だった!)

仁美「この声は……? 嫌っ、私は、そんな……!」

《やっちゃおうよ! ほらほら!》

仁美「あ……ああ……?」

杏子「仁美っ! 耳を貸すな!」

《やっちゃえヤッちゃえ殺っちゃえ!》

仁美「う、ああああっ!」

ブンッ!

杏子「うわっ!」

594: 1 ◆NsfUjTiOGg 2011/12/12(月) 00:59:41.19 ID:Dl/gJ3J40

仁美「あああっ、うああっ!」

ブンッ!

杏子「くっ……! やけにキレのあるボディブローじゃんか!」

杏子「なんか格闘技でもかじってんのか、仁美っ?」

仁美「ああああっ!」

杏子「……聴こえちゃいねーか」

QB「ど、どうするんだい杏子!?」

杏子「お、いたのかキュゥべえ」

QB「酷いよっ!?」

595: 1 ◆NsfUjTiOGg 2011/12/12(月) 01:01:40.96 ID:Dl/gJ3J40

杏子(……さて、どーするかな?)

杏子(魔女を倒せば仁美も正気に戻るだろーけど、それじゃつまんねーな)

杏子(単なる人助けなんてアタシの性に合わねーし)

杏子「……そーだ! ここは一つこの状況を利用して……ふふっ」

QB「え、何をする気なの?」

仁美「ああぁぅああ!」

杏子「…………」スタスタ

QB「え、ちょっと杏子! そんな無防備に近付いたら危ないよ!」

596: 1 ◆NsfUjTiOGg 2011/12/12(月) 01:02:53.73 ID:Dl/gJ3J40

ゴスッ!

杏子「う、ぐっ……!」

仁美「あはぁ……♪」

杏子「……はは、結構イテェな、仁美のパンチ……」

QB「杏子!? そんな、わざわざ自分から殴られに行くなんて……!?」

仁美「あはっ、あははっ!」

ガスッ! バキッ! ドスッ!

杏子「ぐっ、あっ、うっ……!」

QB「は、反撃しないと! 何やってるの杏子!?」

597: 1 ◆NsfUjTiOGg 2011/12/12(月) 01:05:29.84 ID:Dl/gJ3J40

杏子《バーカ、これでいいんだよ》テレパシー

QB《!?》

杏子《仁美自ら『証拠』を作ってくれるんだ、利用しない手はねーだろ》

QB《証拠……ハッ、まさか!?》

QB《仁美に暴力を振るわせて、慰謝料を請求するつもりなのかい!?》

杏子《ご名答!》

杏子《イイトコのお嬢さんなら警察沙汰は避けたいだろーからね》

杏子《くくっ……たっぷり儲けさせてもらうぜ、仁美ちゃんよぉ?》

QB《ひ、酷過ぎる……!》

598: 1 ◆NsfUjTiOGg 2011/12/12(月) 01:06:19.78 ID:Dl/gJ3J40

仁美「あはぁっ……あはははっ……!」

ドカッ!バキッ!

杏子「ぐっ、くぅぅっ……!」

杏子「なかなかやるじゃんか、仁美……」

杏子「ぺっ……口の中、切れちまった」

仁美「あははは――――」

杏子「ほら、もっとこいよ! こんぐらいじゃアタシは倒れねーぞ!」

仁美「あははあは!」

ガスッ!ボカッ!

599: 1 ◆NsfUjTiOGg 2011/12/12(月) 01:07:18.88 ID:Dl/gJ3J40

ドスッ!

杏子「げほっ……い、今のは中々効いたな……」

仁美「うふ、うふふ……」

仁美「……ねえ、杏子さん……?」

杏子「っ! アンタ正気に……」

仁美「どーしてわたくしに殴られてくれてるんですのぉ?」

仁美「もしかしてそーいう趣味をお持ちなんですのぉ……うふふっ!」

杏子(いや、違うか……魔女に操られて喋ってるだけだな)

600: 1 ◆NsfUjTiOGg 2011/12/12(月) 01:08:15.48 ID:Dl/gJ3J40

杏子「……アタシさ、仁美の気持ち良く分かるんだよ」

仁美「……?」

杏子「アンタ、さやかの……友達の輪に入れなくて辛かったんだろ?」

仁美「っ!!」

杏子「でも勇気がなくて、自分の気持ちが言いだせなくて……」

杏子「いっぱいいっぱい胸の中にため込んじまってる」

仁美「う……うるさいですわっ!!」

バキィ!

杏子「げほっ!」

601: 1 ◆NsfUjTiOGg 2011/12/12(月) 01:16:05.89 ID:Dl/gJ3J40

杏子「……ちょ、ちょうどいい機会じゃんか」

杏子「ここでブチまけちまえよ!」

杏子「溜まったモン全部はき出しちまえ!」

仁美「うううううっ……!」

杏子「アンタのやり場のない気持ちも全部……」

杏子「……みんなアタシが受け止めてやるからさ」

仁美「うあああああああっ!!」

仁美「わたくしはっ、恭介さんが好きで! でもさやかさんも好きで!」

仁美「みんなで仲良く過ごせたらいいって、そう思ってただけなのに!」

仁美「どうしてなんですの!? なんで私は、一人ぼっちなんですの!?」

バキッ!ゴスッ!ドカッ!

杏子「か、はっ……」

杏子「っはは! そう、それでいいんだよ!」

602: 1 ◆NsfUjTiOGg 2011/12/12(月) 01:17:37.34 ID:Dl/gJ3J40

仁美「はぁっ……はぁっ……!」

杏子「ゲほッ……な、なんだ、もう終わりか?」

仁美「……ど……どうしてっ……!」

杏子「うん?」

仁美「なぜ杏子さんは、今日会ったばかりのわたくしに……そこまで……!」

杏子「…………」

杏子「……んなモン決まってんだろ?」

仁美「え……」

杏子「アタシ達は今日、一緒にお茶を飲んで……」

杏子「さやかの話で盛り上がって、楽しい時間を過ごした」

杏子「……なら、アタシ達はもう友達じゃんか」

杏子「友達の愚痴くらい、いくらでも聞いてやるのは当たりまえのことだろ?」

仁美「――――!!」

杏子「だからさ、アンタは……」



杏子「一人ぼっちなんかじゃ、ねーんだよ」



仁美「あ、あああああああっ……」

603: 1 ◆NsfUjTiOGg 2011/12/12(月) 01:18:14.93 ID:Dl/gJ3J40

仁美「――――あ……」

フラッ...

杏子「おっと!」ガシッ

杏子「気を失ったか……流石に無理をさせすぎたかな」

杏子「ま、もう充分殴られたし……イテテ」

杏子「そろそろ魔女のお相手でもしてやりますかね!」

ゾゾゾゾ...

QB「杏子! 魔女が来るよ!」

杏子「分かってるっての!」

杏子「――――行くぜ!」

604: 1 ◆NsfUjTiOGg 2011/12/12(月) 01:18:45.09 ID:Dl/gJ3J40

………………

…………

……。


605: 1 ◆NsfUjTiOGg 2011/12/12(月) 01:20:17.18 ID:Dl/gJ3J40

仁美「う……わ、私は……いったい……」

杏子「目が覚めたか、仁美」

仁美「杏子さ……!? そ、そのお怪我は……」

杏子「これか? これは……」

仁美「あっ……ああっ!!」

仁美「わ、私っ、なんてことを……ごめんなさいっ……ごめんなさい杏子さん!」

杏子「はは、へーきだよこれくらい」

仁美「でもっ、私が杏子さんを! 私のせいで……!」

杏子「大丈夫だってば。この程度なら唾つけとけば治るし」

仁美「わ、わかりましたわ! なら僭越ながら私が唾をつけさせて――――」

杏子「いやいらねーから!! やめろって!!」

606: 1 ◆NsfUjTiOGg 2011/12/12(月) 01:21:02.94 ID:Dl/gJ3J40

仁美「ごめんなさい……本当に……なんてお詫びをしたらいいか……」グスッ

杏子「だから大丈夫だって。あーもう、泣くなよ」

杏子「アンタは普通の状態じゃなかったんだ。なんか変な声が聞こえただろ?」

杏子「アレに操られてただけで……アンタは何も悪くないんだよ」

仁美「でも……だって……」グスグス

杏子「やれやれしょうがねーな……」

杏子「……んじゃ、アンタにはアタシをキズモノにした責任を取ってもらおうかな?」

仁美「は、はい! 私にできることならなんでもしますわ!」

杏子「そーだなぁ、それなら……」

杏子「……パジャマ」

仁美「え?」

杏子「パジャマ買ってくれよ」

仁美「ぱ、パジャマですか……?」

607: 1 ◆NsfUjTiOGg 2011/12/12(月) 01:23:02.64 ID:Dl/gJ3J40

杏子「そ。んでもって仁美の部屋に置いといてくれ」

仁美「えと、それはどういう意味が……」

杏子「アタシさ、友達の家でパジャマパーティするのが夢だったんだよな」

杏子「だからいつでも仁美の家にお泊りできるようにさ」

杏子「アタシのパジャマ、置いといてくれよ」

仁美「そ、そんなことで許してくださるのですか……?」

杏子「そんなこと、だと? おいおい、アタシの夢を馬鹿にする気か?」

仁美「い、いえっ! そんなことはありませんわ!」

杏子「んじゃ決まりだな! パジャマ、買っておいてくれよ?」ニカッ

仁美「……はいっ! 買っておきますわ!」

仁美「ですから……遠慮せずに好きな時に来てください!」

杏子「おうっ!」

608: 1 ◆NsfUjTiOGg 2011/12/12(月) 01:24:03.05 ID:Dl/gJ3J40

仁美(……杏子さんみたいな人……初めてですわ)

仁美(今日会って、少しお話しただけなのに私の気持ちを見抜いて……)

仁美(私の気持ちを正面から受け止めてくださった……)

仁美(しかもあんなに私が酷いことしたのに笑って許して下さるなんて)

仁美(それに……あんな素敵な笑顔で……私のことを友達だなんて言ってくださって……)

仁美(杏子さん……)ドキドキ

609: 1 ◆NsfUjTiOGg 2011/12/12(月) 01:25:19.56 ID:Dl/gJ3J40

仁美「あ……でも……そういえば」

杏子「ん? どうした?」

仁美「あの……一つだけ聞いてもよろしいですか?」

仁美「私が聴いたあの声は……私を操ったあの声は、いったい何だったんですの?」

仁美「それに、杏子さんの服装が一瞬で変わって、何かと戦っていたような気が……」

杏子「ああ、あれか」

杏子「うーん……まあアレが、アタシやさやかの秘密ってわけだ」

610: 1 ◆NsfUjTiOGg 2011/12/12(月) 01:26:28.45 ID:Dl/gJ3J40

杏子「詳しく説明するのは止めとくよ。それはさやかの役目だからね」

杏子「いつか自分から説明したい、って言ってたしな」

仁美「…………」

杏子「どうしても、っていうなら教えてやってもいいけど?」

仁美「……いえ、いいですわ」

仁美「杏子さんがそうおっしゃるなら、私はさやかさんを信じて待ちますわ」

仁美「……友達、ですもの!」

杏子「……ん、そっか」

611: 1 ◆NsfUjTiOGg 2011/12/12(月) 01:28:03.93 ID:Dl/gJ3J40

杏子「……おっと、もうこんな時間じゃんか! そろそろ帰らねーとな」

仁美「あ……! わ、私も門限が……!」

仁美「どうしましょう、今からじゃ走っても間に合わないですわ……!」

杏子「あちゃー……悪い、アタシが誘ったせいだな」

仁美「い、いえ! そんなことは!」

杏子「……なあ仁美、アンタは高いトコ平気か?」

仁美「え? あ、はい、割と大丈夫ですけれど」

杏子「んじゃアタシが連れてってやるよ! ひとっ飛びでアンタんチまでさ!」

ガシッ!

杏子「ほら、しっかり掴まれよー?」

仁美「え、あの、杏子さん? いったい何を?」

杏子「……クラスのみんなには内緒だぞ?」

仁美「え……きゃああああ!?」

バヒュゥゥゥゥン!





QB「……飛んでっちゃった」

QB「……ぼ、僕を置いてかないでよー! 待ってよ杏子ー!」

612: 1 ◆NsfUjTiOGg 2011/12/12(月) 01:28:31.25 ID:Dl/gJ3J40

杏子(……いやー、それにしてもまさかこんなに上手くいくなんてな)

杏子(単にちょっと苛めてやろうと思ってただけなのに……)

杏子(魔女のおかげで第2の寝床をゲットだぜ!)

杏子(これで万が一マミの家を追い出されても安心だな!)

杏子(仁美の奴も良い駒として扱えそうだし……)

杏子(たっぷりと可愛がってやるとするかね! あーはっはっは!)

杏子(……さーてお次は何をしてやろうか!)

614: 1 ◆NsfUjTiOGg 2011/12/12(月) 01:30:02.82 ID:Dl/gJ3J40

~数日後~

恭介「聞いてくれないか中沢? 最近志筑さんがとっても楽しそうなんだ!」

恭介「杏子さん、っていうコと友達になったらしいんだけどさ」

恭介「『私の全てを受け止めてくださった方ですの』とか」

恭介「『私はあの方をキズモノにしてしまった責任をとる必要があるんですの』とか」

恭介「『一緒にお空も飛びましたの。とっても気持ち良かったんですのよ?』とか」

恭介「楽しそうにその子のことを話してくれるんだ!」

恭介「志筑さんが幸せそうでボクも嬉しいよ……ってあれ?」

恭介「中沢? どうして鼻血なんか出してるんだい?」

629: 1 ◆NsfUjTiOGg 2011/12/24(土) 21:22:55.31 ID:pDYv9vpQ0

~ある日の見滝原市・路地裏~

杏子「アタシは風見野に帰る」

杏子「もうアタシに干渉すんなよ。今度会ったら……殺すぞ」

まどか「そんな……待ってよ杏子ちゃん!」

杏子「…………」

まどか「杏子ちゃんっ……杏子ちゃぁあん!」





杏子(……と、まあそんなわけで風見野に戻ってきたわけだが)

杏子(とりあえずワルプルギスとやらに備えてグリーフシードを稼いでおくかな……)

杏子(……お、早速魔女の気配が)

630: 1 ◆NsfUjTiOGg 2011/12/24(土) 21:23:55.61 ID:pDYv9vpQ0

~魔女の結界内部~

魔女「ギャアアア...!」

杏子「一丁あがりっと」

杏子「やっぱ援護射撃がねーと少し面倒くせーなぁ」

杏子「ま、そんくらいでやられるアタシじゃねーけどさ」

杏子「……しっかし、どーするかねコレ」



ゆま「…………」



杏子「おいガキ、起きてるか?」

ゆま「あ……あ……」

杏子(……周りに転がってるのは……このガキの両親か?)

杏子(とっくに手遅れだな……やれやれ)

631: 1 ◆NsfUjTiOGg 2011/12/24(土) 21:25:16.52 ID:pDYv9vpQ0

ゆま「うう……ううっ……!」

杏子「泣いたって両親は生き返んねーぞ」

ゆま「……うあああっ!」

杏子「チッ……これだからガキは……」

杏子(……ん? そーだ、イイコト思い付いたぞ!)

杏子(ここでこのガキを攫って……アタシ好みに 教してやるってのも面白そーだな!)

杏子(くっくっく……テンション上がってきた!)

杏子「よぉーし、クソガキ!」

ゆま「っ!?」ビクッ

杏子「来な。アタシがお前を立派な鬼畜にしてやるよ」

632: 1 ◆NsfUjTiOGg 2011/12/24(土) 21:26:33.82 ID:pDYv9vpQ0

~風見野市・公園~

杏子「ほら食べな。美味しい美味しいアンマンだぞー」

ゆま「……もぐもぐ」

杏子「鬼畜の道は険しいからな、しっかり食べて体力をつけるんだぞ!」

ゆま「……きちく?」

杏子「悪い奴、ってことさ」

ゆま「わたし悪いコになるの?」

杏子「そーさ! お前は血も涙もない極悪人になるのさ!」

ゆま「……よくわかんない」

633: 1 ◆NsfUjTiOGg 2011/12/24(土) 21:27:53.91 ID:pDYv9vpQ0

杏子「鬼畜はいいぞー、好きなことを好きな時に出来る」

杏子「サイっコーに楽しい生活だぞー」

杏子「今から始めればホラ! 洗剤もセットでつけちゃうぞー」

ゆま「……ねえ、お姉ちゃん」

杏子「ん?」

ゆま「きちくになれば、お姉ちゃんみたいに強くなれるの?」

ゆま「お姉ちゃんみたいにキラキラーって変身して、バケモノをやっつけられる?」

杏子「…………」

杏子「……アタシみたいに、っていうのは無理だね」

ゆま「そう、なんだ……」

杏子「……でも、アタシの 教を受けて立派な鬼畜になれば……」

杏子「アタシの次くらいには強くなれるかもしんねーな?」

ゆま「……!」

ゆま「じゃあなる! わたし、きちくになるよ!」

杏子「くくっ……よく言った!」

634: 1 ◆NsfUjTiOGg 2011/12/24(土) 21:28:41.24 ID:pDYv9vpQ0

杏子「ところで、お前の名前は何て言うんだ?」

ゆま「えっ?」

杏子「いつまでも『お前』じゃ、やりづらいだろ」

杏子「アタシは杏子。佐倉杏子だ」

ゆま「わたしはゆま! 千歳ゆまだよ!」

杏子「オッケー、ゆまだな」

杏子「んじゃ、ゆま! 早速 教してやるよ!」

ゆま「わーい!」

635: 1 ◆NsfUjTiOGg 2011/12/24(土) 21:30:17.65 ID:pDYv9vpQ0

~ 教生活1日目~

杏子「よし……あそこのばーさんを最初の獲物にしよう」

杏子「あの荷物をムリヤリ奪ってやりな!」

ゆま「う……うん!」

杏子「なーに大丈夫さ、アタシの教えた通りにやれば上手くいくよ」

ゆま「が、がんばるね!」

ゆま「……おばーちゃん! その荷物貸して?」

バーチャン「おやまあ……持ってくれるのかい? ありがとうねぇ」

ゆま「どういたしまして!」

ゆま「よいしょ……わあ、重たいね!」

バーチャン「欲張っていっぱい買っちゃったからねぇ……大丈夫かい? 持てるかい?」

ゆま「へーきだよ! わたしに任せて!」

ゆま「よいしょ、よいしょ……」

636: 1 ◆NsfUjTiOGg 2011/12/24(土) 21:32:05.25 ID:pDYv9vpQ0

…………。

バーチャン「ありがとうねぇ、わざわざ家まで運んでもらっちゃって」

バーチャン「はい、お礼にさっき買ったリンゴをあげるね」

ゆま「いいの? わーい」

ゆま(やったあ! 上手く荷物を奪えたよ!)



杏子(くくっ……なかなか見込みがあるじゃんか)

637: 1 ◆NsfUjTiOGg 2011/12/24(土) 21:33:39.00 ID:pDYv9vpQ0

~ 教生活2日目~

杏子「さて今日は……おっ、アレがいいな」

ゆま「どれ?」

杏子「あっちから走って来る男の子がいるだろ」

ゆま「うん」

杏子「アイツに嫌がらせして転ばせてやりな!」

ゆま「ええっ? で、でもそんなことしたら……」

杏子「甘ったれんな! 言うこと聞かねーと柔らかいベッドでスヤスヤ寝かせるぞコラ!」

ゆま「ひっ……! そ、そんなのやだよ! 日中からそんなノンビリしてたら一日が勿体ないよ!」

杏子「そーだろう? ならさっさとやれ!」

ゆま「う、うう……」

638: 1 ◆NsfUjTiOGg 2011/12/24(土) 21:35:21.89 ID:pDYv9vpQ0

少年「ハァハァ……!」タッタッタ

ゆま「……ええ~い!」

ガッ!

少年「うわああっ!?」

ズシャァ!

少年「い……痛い……」

少年「な、何をするんだよ!」

ゆま「えっ、えーっと」

639: 1 ◆NsfUjTiOGg 2011/12/24(土) 21:35:55.61 ID:pDYv9vpQ0

店員「……ようやく捕まえたぞ、ボーズ」ガシッ

少年「ひっ!?」

ゆま「え?」

店員「ありがとうよ嬢ちゃん。コイツは万引きの常習犯でな」

店員「嬢ちゃんのおかげでようやく捕まえることが出来たよ」

ゆま「そ、そーなの?」

店員「そうだよ。……オラッ、大人しくついて来やがれ!」

少年「く、くそぉ……!」

640: 1 ◆NsfUjTiOGg 2011/12/24(土) 21:37:05.09 ID:pDYv9vpQ0

ゆま「はわぁ……」

杏子「どーだい、ゆま? 調子に乗ってる生意気なガキを不幸のドン底に落としてやった気分は」

ゆま「えと……あのね」

ゆま「胸の奥があったかくなって……ポカポカして……」

ゆま「……すっごいキモチ良かった!」

杏子「はは! そうかそうか!」

杏子「ゆまは才能があるぞ、アタシが保証するよ」

ゆま「ホント? じゃあ、すぐにゆまもキラキラーって変身出来るようになる?」

杏子「あん?」

641: 1 ◆NsfUjTiOGg 2011/12/24(土) 21:38:14.97 ID:pDYv9vpQ0

ゆま「キョーコの言う通り、きちくの才能があるんでしょ? なら……」

杏子「ばーか、ゆまにはまだ変身は無理だよ」

ゆま「えー? じゃあ後どれくらいかかるの?」

杏子「そうだなあ、このままならあと一年は必要かなあ」

ゆま「一年も!? そんなのヤダよぉ、もっと短く出来ないの?」

杏子「ふう、やれやれ……」

杏子(ちょいと調子に乗っちまったみたいだな)

杏子(仕方ない、次はキツめの 教にしてやるかね……くくくっ)

642: 1 ◆NsfUjTiOGg 2011/12/24(土) 21:39:05.32 ID:pDYv9vpQ0

~ 教生活3日目~

杏子「今日はこの河原で鬼畜行為をおこなってもらうぞ」

ゆま「ここで何をすればいいの?」

杏子「それは自分で考えな」

ゆま「えっ……」

杏子「今回アタシは一切口出ししない。お前の実力……みせてもらうよ」

ゆま「……! 分かったよ! わたし頑張るね!」

ゆま「ゆまの鬼畜っぷりに腰抜かさないでよね、キョーコ!」

杏子「くく、楽しみにしてるぜ?」

杏子「んじゃ、アタシは隠れて見てるからな。精々ガンバレよ」

ゆま「うん!」

643: 1 ◆NsfUjTiOGg 2011/12/24(土) 21:39:52.02 ID:pDYv9vpQ0

ゆま(よーし、何をしちゃおっかなあ)

ゆま(まずはゴミでも拾おうかな?)

ゆま(……うん、いいかも!)

ゆま(いっぱいゴミを集めて……ゴミ処理場をパンクさせちゃおう!)

ゆま(きっとみんな困るぞー、えっへっへ)

ゆま(さっそく行動開始だよ!)

644: 1 ◆NsfUjTiOGg 2011/12/24(土) 21:41:45.21 ID:pDYv9vpQ0

…………。

ゆま「よいしょ、よいしょ……」

ガサゴソ

ゆま「ふう、だいぶ集まったなぁ」

ゆま「……あれ? コレは……お財布だ!」

ゆま「えっへっへ、良いもの見つけちゃったな~、どうしよっかなあ~」

ゆま「うーん……そうだ!」

ゆま「交番まで持って行って、持ち主に謝礼を要求しちゃおう!」

ゆま「えっへっへ、わたしってば鬼畜だね!」

645: 1 ◆NsfUjTiOGg 2011/12/24(土) 21:42:42.97 ID:pDYv9vpQ0

ゆま「えーと、この近くの交番は~」

トテトテ

男「ああっ、オレの財布だ!!」

女「嘘、マジで?」

ゆま「えっ?」

男「間違いない……この前スラれたオレの財布!」

女「なんでこんなチビが持ってるわけ?」

ゆま(このお兄ちゃんが財布の持ち主さんなんだ……)

ゆま(えへへっ、交番に行く手間が省けたね!)

ゆま「あのね! このお財布はわたしが……」

男「……お前が盗ったんだな!?」

ゆま「……え?」

646: 1 ◆NsfUjTiOGg 2011/12/24(土) 21:45:57.77 ID:pDYv9vpQ0

男「返せよ!」

ガシッ!

ゆま「きゃっ!」

男「中身は……からっぽじゃんか!? クソッ、このガキ!!」

ゆま「ち、違うよ! わたしはただ拾っただけで……」

女「うわ、このチビ最低だねー。しらばっくれる気だよ」

男「舐めやがって……! こいっ、警察に突き出してやる!」

グイッ!

ゆま「やだっ! 離してよぉ!」

男「ったく! どんな教育を受けてきたんだか……親の顔が見てみてーな!」

女「泥だらけで汚ないカッコだし、虐待でも受けてたんじゃないのぉ? アハハ!」

ゆま「……っ!!」

647: 1 ◆NsfUjTiOGg 2011/12/24(土) 21:46:49.10 ID:pDYv9vpQ0

?「あのー、すみません」

男「ん? なんだよ金髪縦ロールのオネーサン」

?「その子は盗ってませんよ。私、その子が拾うところを見ましたから」

男「え?」

ゆま「!」

?「ねえそうよね? あなたは拾っただけよね?」

ゆま「あ……うん! そうだよ、わたしは盗ってなんかないよ!」

男「そ、そーなのか?」

女「なに信じかけてるのよ! そんな金髪縦ロール巨 オンナに騙されちゃダメだって!」

男「いや、でもこの金髪縦ロール巨 お姉さん(若干垂れ目)が嘘をついてるようには見えないし」

女「なんでそんなこと言えんのよ!」

男「いや、だって美人だし」

女「……バカッ! もう知らない!」タッタッタ

男「あ、オイ! ちょっと待てよ!」タッタッタ

648: 1 ◆NsfUjTiOGg 2011/12/24(土) 21:47:33.75 ID:pDYv9vpQ0

?「ふう……困った人達だったわね」

ゆま「あっ、ありがとう金髪縦ロールの巨 (垂れ目気味)で紅茶好きそうなお姉ちゃん!」

?「いいのよ、お礼なんて」

?「それより早くお姉ちゃんのところに帰りなさい? 向こうで待ってたわよ」

ゆま「え? う、うん。バイバイお姉ちゃん!」

?「ええ、バイバイ」

タッタッタ...

?「…………」

?「やれやれ……世話の焼ける奴だな」

キラキラー

杏子「このアタシにわざわざ幻惑魔法まで使わせやがって、まったく……」

杏子「……おえっぷ」

649: 1 ◆NsfUjTiOGg 2011/12/24(土) 21:49:03.79 ID:pDYv9vpQ0

………………

…………

……。

杏子「偉そうなコト言った割には随分とブザマだったじゃんか、ゆま」

ゆま「うう……」

杏子「通りすがりの一般人に助けられるなんてね……情けない」

ゆま「ごめんなさい……」

杏子「ま、でもこれで分かったろ? 身の程って奴がさ」

杏子「一人じゃ何にも出来ないんだよ、お前は」

ゆま「あ……」ビクッ

杏子「これに懲りたら調子に乗った言動は控えてだな……」

杏子「……ん? どーした?」

ゆま「う……うああ……!」ガクガク

650: 1 ◆NsfUjTiOGg 2011/12/24(土) 21:51:44.20 ID:pDYv9vpQ0

《この役立たずが!》

《何にも出来ないゴミなんだよ、お前は!》

《お前なんて産むんじゃなかったよ、まったく!》

《今度ふざけた真似したら捨ててやるからね!》



ゆま「う……ううう……!」

杏子「お、オイゆま? どーしたってんだ?」

ゆま「……ゆ、ゆまっ、はっ! 役立たずなんかじゃないよ!」

杏子「なっ……?」

ゆま「何にも出来ないゴミなんかじゃないっ! ゆまは何だってするよ!」

ゆま「だから……だからっ……」グスッ

ゆま「ゆまを捨てないでよ、キョーコぉ……」

杏子「…………」

651: 1 ◆NsfUjTiOGg 2011/12/24(土) 21:53:29.38 ID:pDYv9vpQ0

杏子「……甘えたこと言ってんじゃねーよ」

ゆま「っ!」ビクッ

杏子「『捨てないで』、だと? 何も分かっちゃいねーな」

杏子「……アタシがお前の鬼畜 教を途中で止めてやるわけがねーだろうが」

ゆま「え……?」

杏子「 教はまだまだ続くんだ、お前が嫌だって言ってもな」

ゆま「それって……つまり……」

杏子「くっくっく…… 教が終わるまでいっつも傍に居て監視してやる、ってことだよ」

ゆま「……!」

杏子「立派な鬼畜になるまでは逃がさねーからな、ゆま!」

ゆま「……え、えへへ……ホントに、キョーコは鬼畜だね……」

ゆま「こわくて……ゆま、涙がとまんないよ……」グスッ

杏子「そーだろ? あーっはっはっは!」

ゆま(キョーコ……ありがと……)