1: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/07(月) 00:38:31.82 ID:IuSVNwE+0
オルカ「ああ、世界初のフルダイブVRMMORPG、どんなものかは知ってるか?」

カイト「うん、ゲームの世界で現実と同じように体を動かせるんでしょ?」

オルカ「多重電界による脳との直接神経結合技術。
    今までは電解液に体を満たすかプラグを脊椎に挿すしかなかったのが、
    ただのヘッドギアで実現したんだ、これは本当にすごい技術なんだぜ」

カイト「その技術を一人で基礎設計しちゃったんだっけ?茅場明彦って」

オルカ「しかも膨大な情報を内部処理できるから、ただのパソコンから通常の回線で接続できるし、
    ゲームデータを動かすサーバーさえ用意できれば1万人以上ものデータを同時処理することができるんだ」

2: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/07(月) 00:39:59.26 ID:IuSVNwE+0
カイト「オ、オルカ落ち着いてよ。そんなキャラだったっけ…」

オルカ「この時代にこんなすごいゲームができるんだ!これが落ち着いてられるかよ。
お前だってやりたいだろ?」

カイト「うん。もし買えたらやろうと思ってナーヴギアも買ったんだけどさ、製品版は買えそうにないや」

オルカ「ふふーん、俺に感謝しろよ?なんと製品版を手に入れられたんだ!一緒にやらないか?」

カイト「すごいじゃないか!でもどうやって?」

オルカ「実は俺、βテストやってたんだ。テスターには製品版移行データが購入できてな。
     お前の分は自力で買ってきた」

カイト「オルカありがとう!じゃあ今から受け取りに行くよ!」

オルカ「最初の街にログインして待ってるからな、早く来いよ」

4: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/07(月) 00:41:29.32 ID:IuSVNwE+0
オルカ「お、来たな」

カイト「すごいや、本当に現実と変わらないようにしか感じないよ」

オルカ「動きのコツを掴むのにちょうどいいマップがあるから、まずはそこに行くか」

はじまりの街・西フィールド

カイト「うわっ!」ドサッ

雑魚MOB「」ブヒブヒ

オルカ「初動が重要だって言ったろ?タメを作ってスキルを発動させるんだ」

カイト「タメ…」キュイーン…ズバッ

雑魚MOB「」バシューン

カイト「やった!」

オルカ「おめでとう!じゃあ次どんどん行こうか」

5: >>3そこはせめてヤスヒコにしといたって… 2013/01/07(月) 00:43:35.50 ID:IuSVNwE+0
???「」タタタッ

オルカ「ん?なんだ今のPC、追われてた?それにこのマップにあんなモンスターいたか?」

カイト「助けに行こう!」タタタッ

オルカ「モンスターの方は俺に任せろ!」

カイト「大丈夫?」

???「これを…」

カイト「これは?」

???「強い力…。使う人の気持ち一つで、救い…滅び…どちらにでもなる」

7: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/07(月) 00:46:32.36 ID:IuSVNwE+0
オルカ「何だコイツ、普通じゃない。攻撃が効いてない?」

謎MOB「」スッ

オルカ「うっ、くそっ…動けない…。うわあああああああああ!」

オルカ「ごめん…俺…、こんなはずじゃ…逃げ…」バシュー

謎MOB「」スッ

???「…きゃああああああああ」バシュー

謎MOB「」スゥ…

カイト「消えた…、助けられなかった…。何も出来なかったなんて…」

パァー

カイト「なんだろう?あの女の子が光の粒になって一つが…」

「データセグメント「ユイの心」を手に入れた」

カイト「PCじゃなかった?とにかく今はオルカが心配だ…。ログアウトして連絡を取ろう…」

8: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/07(月) 00:48:22.69 ID:IuSVNwE+0
あの後オルカは意識不明になり、今も入院している。
どうしてこんなことに…。
ぼくは意識不明になった手がかりのために、あの謎のモンスターと少女を探してダンジョンに潜り続けたけど、
未だにこのゲームのメインダンジョン、アインクラッドの第1層すら突破できていなかった。

バルムンク「はーい!じゃあそろそろ始めさせてもらいます」

バルムンク「俺の名はバルムンク、気持ち的にナイトをやっている」

「ジョブシステムなんてないだろw」「ナイトってw」

バルムンク「今日、俺たちのパーティがボスの部屋を見つけた」

バルムンク「俺たちでボスを攻略して、第2層に到達しようじゃないか!」

「おおー!」「いいぞー!」ピュウー

9: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/07(月) 00:50:14.14 ID:IuSVNwE+0
バルムンク「じゃあ早速だけど攻略会議を始めようと思う。まずはパーティを組んでくれ」

カイト(どうしよう…、ずっとソロだったから知り合いがいない…)

「俺たちは当然組むよな」「じゃあ俺リーダーやっちゃおうかなw」

カイト(ん?あの人もソロなのかな?出来ればパーティ組めないかな)ジー

???「なに?なによ?何か言いたいわけ?」

カイト「い、いや…」

???「あ、分かった。アンタ初心者ね?特別教えてあげるけど、そうやってじろじろ見るのはマナー違反!」

カイト「…」

???「てんてんてんじゃないっちゅーの。なんなのよもう」

11: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/07(月) 00:52:29.79 ID:IuSVNwE+0
カイト(この人は無理そうだな…、他に組んでもらえる人いないかな)キョロキョロ

???「ちょっとアンタ!知り合いいないんでしょ?特別にパーティ組んであげてもいいよ」

カイト「じゃ、じゃあとりあえずよろしく。ぼくはカイト」

ブラックローズ「アタシはブラックローズ、よろしくね」

ソレジャアパーティハクメタカナ ボスハ…

バルムンク「攻略会議は以上だ。最後に金は自動均等割、経験値は倒したパーティのもの
        アイテムはゲットした人のものとする」

バルムンク「明日は朝10時に出発する!では解散!」

14: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/07(月) 00:54:25.89 ID:IuSVNwE+0
第1層 森のフィールド

カイト「じゃあ確認しておくけど、ぼくたちのパーティの役目はボスの取り巻きを近づけさせないこと」

カイト「ぼくがソードスキルで武器を跳ね上げさせるから、すかさずスイッチして攻撃してね」

ブラックローズ「スイッチ?」

カイト「もしかして、パーティ組むのこれが初めて?」

ブラックローズ「組んだのはこれが初めてだけど、それくらい知ってるわよ!ただやったことがないだけなんだから!」

カイト「…」

15: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/07(月) 00:56:35.74 ID:IuSVNwE+0
ボスの部屋前

バルムンク「聞いてくれみんな!俺から言うことはたった一つだ!必ず生きて帰れ!いくぞ!」

ギィィ

バルムンク「なんだ?来た時のボスとは違う!みんな気をつけろ!」

ザザッザザザー

第一相 死の恐怖 スケィス

カイト「アイツはオルカをやったモンスターだ!ようやく見つけた!」

バルムンク「見た目は違ってもやることは同じだ!集団でブロックして、スイッチで攻撃!」

ゼンパーティススメ!ウォォォ!

18: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/07(月) 00:58:11.89 ID:IuSVNwE+0
スケィス「…」

ブラックローズ「てやあああああああああ!」スバァ

カイト(初心者だと思ってたけどあんな大剣を器用に…、凄まじい攻撃だ)

「よし、なんとかあと一歩まで減らせたな」

バルムンク「みんな下がれ!ここは俺が出る!」

カイト(どうしたんだろう?ここは全員で包囲するのがセオリーなのに)

スケィス「」スッ

カイト「危ない!あの攻撃は!」

20: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/07(月) 01:00:22.12 ID:IuSVNwE+0
バルムンク「なに?うわあああああああああ!」ドサッ

「バルムンクはん!」

カイト「バルムンクさん!どうして一人で…、今すぐ回復を!」

バルムンク「いいんだ…、ラストアタックボーナスによるレアアイテム狙い…。最初からそれが目的だったんだ…」

バルムンク「俺はみんなを利用したんだ。これは報いなのかもな…。だから回復はもういい…」

カイト「そんな!あなたはみんなを率いて戦ったじゃないですか!」

バルムンク「頼む…、ボスを倒してくれ。みんなのために…」バシュー

スケィス「」スッ

ウワァァァ!ニゲロォ

23: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/07(月) 01:03:21.16 ID:IuSVNwE+0
カイト「このままじゃ、みんなが…」

カイト(もうオルカの時みたいに、なにもできないのはイヤだ!)

???(本、本を開いて…)

カイト(なんだ?声が聞こえる…)

???(強い力。使う人の気持一つで、救い…滅び…どちらにでもなる)

カイト「うわあああああああああ!」パァー

カイト(なんだろう?スキルリストが更新されて…、双剣スキル?これを使えばアイツを!)グッ

ブラックローズ「アタシも行くわよ!」

カイト「ありがとう。手順はさっきと同じ、ぼくが攻撃を凌ぐから、スイッチして攻撃して!」ウオォォォ

24: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/07(月) 01:05:30.79 ID:IuSVNwE+0
スケィス「…」ズァッ

カイト「ブラックローズ、スイッチ!」ガキィン!

ブラックローズ「はぁぁぁぁぁぁ!」ズバッ

カイト「よし!ブラックローズ、最後の攻撃、一緒にお願い!」

ブラックローズ「了解!」

カイト「うぉぉぉぉぉぉぉ!」ズバッ

スケィス「…」バシュー

カイト「はぁはぁ、やった…!」

「congratulations!!
 Last attack bonus」
「bonus item
 データセグメント ユイの心」

25: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/07(月) 01:07:36.57 ID:IuSVNwE+0
ブラックローズ「お疲れ様、おめでとう!」

ワァァァァァァ!ヤッタァァァァ!タオシタゾォォォォォ!

「なんでや!なんでバルムンクはんを見殺しにしたんや!」

ザワザワ…

「そういえば回復間に合いそうだったのに…」「もしかしてラストアタックボーナスを手に入れるためにわざと見殺しに…」

「さっきのスキルもなんや!チートやないか!」

カイト「ぼ、ぼくは…」

ブラックローズ「ちょっとアンタ!助けてもらっておいてそれはないんじゃないの?!」

「くっ、今回は許しといたるわ!」

27: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/07(月) 01:10:15.44 ID:IuSVNwE+0
カイト「ありがとう、ブラックローズ」

ブラックローズ「でもなんなのよ、さっきのは?」

カイト「みんながオルカ、ぼくの友達みたいに意識不明になっちゃうと思ったら、女の子の声が聞こえたんだ」

カイト「そしたらあのスキルが使えるようになってて…」

ブラックローズ「意識不明…。あの、なんていうか今日はもう落ちるね。いつかまた会いましょ…」

30: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/07(月) 01:13:00.32 ID:IuSVNwE+0
あれからぼくは、ソロで攻略の最前線に潜り続けている。
リアルでもSAOのプレイ中に意識不明になる者が増えて、運営会社も揉み消すのに必死だ。
重要参考人である開発者、茅場明彦は未だ消息不明、警察も躍起になって捜査してる。
攻略組と行動して攻略することで、エリアボスとして不規則に現れるあの謎のモンスターも第六相まで倒すことが出来た。
ボスを倒してデータセグメントを集めれば、またあの女の子と会えるんじゃないかと思う。
またあの子に会えれば、この意識不明事件の手がかりになる気がする。
意識不明者を助けるためにも、早く攻略しなくちゃ…。


第75層 迷宮エリア

カイト「今日はもうだいぶ深くまで潜ったな…。そろそろ休憩しよう」ハァハァ

カツンカツン

ブラックローズ「あらカイト、こんなとこで奇遇ね」

カイト「ブラックローズ!久しぶりだね。この前の攻略会議以来だっけ」

33: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/07(月) 01:16:40.25 ID:IuSVNwE+0
カイト「今やトップギルド血盟騎士団の副団長様が、ソロでこんなところまで?」

ブラックローズ「うちのギルド、幹部に護衛なんかつくようになってさ。鬱陶しいから撒いてきたらこんなとこまで来ちゃったのよ」

ブラックローズ「アンタの方は相変わらずソロでレベル上げ?」

カイト「うん、双剣スキルをあんまり見られたくないしね。いろいろ言われるのイヤだから」

ブラックローズ「ああ、この前のあれでしょ?軍を全滅させた青い悪魔。それを単独撃破した双剣使いの50連撃」

カイト「茶化さないでよ。あの時は攻略に失敗した軍の人達を助けるために必死で」

カイト「その後も本当に大変だったんだから。ブラックローズのギルドの団長さんにもスカウトされるし」

ブラックローズ「デュエルで負けたら我がギルドに入りたまえ、だっけ?」

カイト「丁重にお断りさせてもらったけどね。攻略組として参加すれば文句はないだろうし、戦う理由がないもの」

34: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/07(月) 01:22:49.06 ID:IuSVNwE+0
ブラックローズ「よし、じゃあ久しぶりにパーティ組みましょ。アタシとならいいでしょ?それともイヤなの?」

カイト「い、イヤじゃないけど…」

ブラックローズ「じゃあ決まりね。前衛はよろしく!」

カイト「そ、そんなぁ」


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


カイト(やっぱり手練れが一人いると、安定するなあ)

ブラックローズ「カイト、スイッチいくわよ!」ガキィン!

カイト「う、うん!」ズバッ

テクテク

ブラックローズ「カイト、あれ…」

カイト「うん、間違いない。ボスの部屋だ…」

40: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/07(月) 01:25:48.81 ID:IuSVNwE+0
ブラックローズ「どうする?覗くだけ覗いてみる?」

カイト「ボスモンスターはその守護する部屋からは決して出ない。あの謎のモンスターは例外だけど…」

カイト「ドアを開けてボスを覗いたら、すぐ転移結晶で戻れば大丈夫だと思う」

ブラックローズ「う、うん…」

カイト「いい?開けるよ…」ギィィ

ザザッザザザー

カイト「このノイズは…!転移して!」パキィン シュッ

45: スマヌもう淡々と続けるわ… 2013/01/07(月) 01:27:57.25 ID:IuSVNwE+0
第55層 グランザム

カイト「今の、またあのモンスターだったよね…」

ブラックローズ「うん…、次は第七相か…」

カイト「アイツら、後何体いるんだろう…」

ブラックローズ「このペースで行けば、あと1体か2体…」

カイト「本当に全部倒せるのかな…、一回でもやられれば意識不明になるんだよね」

カイト「それに全部倒して本当に意識が戻るのかな…、もしオルカの意識が戻らなかったら…」

ブラックローズ「アンタがそんなこと言っててどうするのよ!アンタがいたからアタシだってここまでやってこれたのに」

カイト「ごめん…」

50: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/07(月) 01:30:35.25 ID:IuSVNwE+0
ブラックローズ「アタシの弟はね、このゲームをやってて意識不明になったの」

ブラックローズ「アンタと初めて会った時、無理やりパーティに誘ったでしょ?」

ブラックローズ「弟を元に戻そうと思ってこのゲームを始めたけど、ホントはずっと怖かった」

ブラックローズ「今でもそれは一緒…、怖くて怖くて仕方ない…」

ブラックローズ「なのに、アンタまでそんなこと言い出したらアタシどうすればいいのよ…」グスッ

カイト「ごめん…、泣かないでよブラックローズ」

ブラックローズ「だれが泣いてるって?見えもしないのに、いい加減なこと言わないでくれるっ?」

カイト「…」

ブラックローズ「またそうやって、てんてんてんじゃないっちゅーの」

52: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/07(月) 01:32:20.46 ID:IuSVNwE+0
カイト「ぼく、意識不明のこともオルカのことも、みんな背負った気になってた」

カイト「だからソロでずっと、最前線で攻略し続けて…」

カイト「みんなどうにかしたいんだよね…。ぼくだけじゃない」

カイト「ブラックローズも、みんなも、こんなこと早く終わりにしたいんだよね…」

ブラックローズ「ウン…」グスッ

カイト「今自分たちにできることはなにか…。とにかくいいと思うことをやっていこう」

カイト「今はそれしか前に進むことはできないんだから…」

ブラックローズ「うん。これからは一緒にがんばろっ!きっとうまくいく。アタシの勘は当たるんだからっ」

カイト「ありがとう…」

53: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/07(月) 01:34:39.64 ID:IuSVNwE+0
第75層 コリニア 転移門広場

ザワザワ

カイト・ブラックローズ「」シュンッ

オイアレ… アノソウケンツカイノ…

ヒースクリフ「」ザッザッ

ヒースクリフ「コリドー、オープン。さあ、行こうか」

第75層 迷宮エリア ボスの部屋前

ヒースクリフ「準備はいいかな?」

ヒースクリフ「基本的には血盟騎士団が前衛で攻撃を食い止めるので、
        可能な限り攻撃パターンを見切り柔軟に反撃して欲しい」

ヒースクリフ「厳しい戦いになるだろうが、諸君の力なら切り抜けられると信じている」

ヒースクリフ「解放の日の為に!」

ウォォォォォォ

55: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/07(月) 01:37:23.42 ID:IuSVNwE+0
ギィィ

ザザッザザザ-

第七相 復讐する者 タルヴォス

ヒースクリフ「戦闘開始!!」

ワァァァァァ

ブラックローズ「な、なによあの巨大な杭は!」

タルヴォス「」ズズズッ

ヒースクリフ「固まるな!距離を取れ!」

ウワァァァァァ

タルヴォス「」ドシュッ

ギャァァァァァ バシュー

カイト「い、一撃で…」

57: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/07(月) 01:39:53.65 ID:IuSVNwE+0
タルヴォス「」ドシュッ

ヒースクリフ「」ガキィン

ウ、ウワァァァァァァ

カイト「下がって!」ガキィン

カイト「お、重すぎる…」ギリギリ

ブラックローズ「はぁぁぁぁぁぁ!」ズバッ

ブラックローズ「二人同時に受ければいける!アタシたちならできるわ!」

カイト「よし、杭はぼくたちが食い止めるから、みんなは側面から攻撃して!」

ウオォォォォォォ

58: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/07(月) 01:42:10.81 ID:IuSVNwE+0
ワァァァァァァ ドカバキ

ヒースクリフ「全員、突撃!!」

ウオォォォォォォ ボコスカ

タルヴォス「」バシュー

パァー

カイト「アイテムインベントリの中の、データセグメントが集まって…」

???「…」パチッ

ブラックローズ「この女の子、一体どこから…」

???「」キョロキョロ

カイト「キ、キミは…」

???「…パ、パパー!」ダッ

カイト「え?」

ブラックローズ「へ?…なんですとぉ~!」

59: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/07(月) 01:45:41.56 ID:IuSVNwE+0
カイト「…あれ?」スカッ

???「パパー!」ダキッ

ヒースクリフ「え…?」

ブラックローズ「ヒースクリフ団長…?」

ヒースクリフ「え、えーっと、何かの間違いじゃないかな?私はキミのパパではないよ」

ユイ「何言ってるの?パパはユイのパパだよ!」プクー

ヒースクリフ「そうは言うがね、私はキミのパパになった覚えはないんだが」

ユイ「何でそんなウソ吐くの…?ユイはカヤバパパの子供だよ!」

ブラックローズ「カヤバ…パパ?」

カイト「カヤバって、もしかして茅場明彦?」

ユイ「うん、茅場明彦はユイを作ってくれたの。だからカヤバパパはユイのパパなんだよ」

60: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/07(月) 01:49:33.58 ID:IuSVNwE+0
ブラックローズ「どういうことですか?ヒースクリフ団長が茅場明彦?」

ヒースクリフ「こうなってしまっては仕方ない。確かに、私は茅場明彦だ」

ヒースクリフ「もっとも私の実体はもう現実には存在しないがね。このPCに定着した精神の残滓にすぎない」

カイト「それは一体、どういういことですか?」

ヒースクリフ「私もこの世界を正常に戻そうとしているということさ」

ヒースクリフ「この世界の異常を察知した私は異常を調べ、その原因はシステムの暴走だと分かった」

ヒースクリフ「システムの根幹、この世界そのものたる存在。モルガナ・モード・ゴン」

ヒースクリフ「ユイを生み出す為に私が設計したシステムだ。モルガナがユイの母なら確かに私はパパと言うわけか」

62: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/07(月) 01:52:41.91 ID:IuSVNwE+0
ヒースクリフ「モルガナに会うためには、現実の体は邪魔になる。
        精神だけになりシステムの奥底まで潜ってモルガナを止める必要があった」

ヒースクリフ「しかし私は失敗してしまった。モルガナを止めることが出来ず、私の精神は散逸してしまった」

ヒースクリフ「だが、精神の残滓がこのPCに定着し、なんとか消滅を免れることができた」

ヒースクリフ「モルガナはそのことに気づいている。私は一般PCとして隠れ続けた。なんとしてでもモルガナを止めるために」

カイト「そういう、ことですか」

ヒースクリフ「だがこれは予想外だったな。モルガナですら気づかないこの私に、ユイが気づいてしまうとは」

63: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/07(月) 01:55:47.23 ID:IuSVNwE+0
ユイ「パパー」スリスリ

ヒースクリフ「今はまだ幼女のようだが、私の理想とする世界で、理想の住人として究極のAIとなるだろう」

ヒースクリフ「モルガナは自分の存在意義が失われることを悟って、それを阻止しようとしている」

ヒースクリフ「しかし、モルガナの化身たる八相の第七相が敗北し、ユイが復活したことをモルガナは気づいている」

ヒースクリフ「そうなると、この私が茅場明彦であることにも気づかれてしまっただろうな」

ヒースクリフ「アインクラッドの各層に八相を配置することで、私をあぶり出そうとしていたようだ」

ヒースクリフ「しかし気づいた今、八相最後の一体である第八相を直接ここに差し向けようとするだろう」

ヒースクリフ「なにせユイと私という自分の脅威が、ここに集まっているのだからな」

ヒースクリフ「だがこれは我々にとってもチャンスだ。モルガナの化身をここで全て葬ることができる」

ヒースクリフ「黄昏が明けるのはもうすぐだ。だが心し給え、夜明け前が最も暗いのだと。来るぞ」

64: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/07(月) 01:59:47.21 ID:IuSVNwE+0
ザザッザザザー

第八相 再誕 コルベニク

カイト「コイツで最後だ、行くぞ!」ダッ

ウオォォォォォォ

ブラックローズ「はああああああああああ!」ズバッ

コルベニク「」ブゥン

カイト「殻みたいなものに包まれて、攻撃が効かなくなった?」

ブラックローズ「どうなってるのよっ!」

カイト「だめだ、ここで諦めたら…」ダッ

カテルノカコレ… ヤッパリムリナンジャ…

ブラックローズ「諦めたら負けよ!」

カイト「オルカを、返せえええええええええ」ガキィン!

65: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/07(月) 02:01:34.58 ID:IuSVNwE+0
ユイ「みんな、来た。みんなも一緒に、戦うよ!」

パァー

オルカ「お前らだけに任せてられっかよ!」

カズ「姉ちゃん!ブラックローズって姉ちゃんだろ!」

バルムンク「オレも、もう一度一緒に戦わせてくれ。みんなのために!」

バシュー

コルベニク「」ピキピキ

カイト「未帰還者になったみんなの意識が!これならいける!」

ヒースクリフ「はああああああああ!」

ブラックローズ「てやあああああああああ!」

コルベニク「」パキィン

カイト「殻が割れた!あと一息だ!」ズバッ

66: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/07(月) 02:03:39.68 ID:IuSVNwE+0
コルベニク「」パァー

カイト「敵の姿が、変わって…?」

コルベニク「」キュイーン

カイト「あの攻撃が、こんな広範囲に…。これじゃ避けられない…」

ヒースクリフ「これまで、か…」バシュー

ブラックローズ「いやあああああああっ!」バシュー

カイト「諦めて、たまるかあああああああああ!」ダッ

カイト「はあああああああああああ!はっ!」ザッ

ユイ「」バッ

カイト「ユイ!?どうして庇って…。ダメだ、止められないっ」ドスッ

ユイ「かあ…さん」バシュー

カイト「ユイーっ!」



オギャー オギャー

68: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/07(月) 02:06:24.45 ID:IuSVNwE+0
ヒースクリフ「データ正常、やったか」

カイト「ユイの声が聞こえたんだ。でも彼女は…」

ヒースクリフ「生まれたんだ。ユイもモルガナも。生まれるために一度、死ななければならなかったのかもしれない」

ヒースクリフ「八相とモルガナが消え去ったことで、コンピュータウィルスのように
       ナーヴギアから脳を侵食されていた未帰還者も全て現実に帰ることが出来ただろう」

ヒースクリフ「私の理想の世界で人間を超えて成長し続ける究極のAI。それを実現するために多くのものを犠牲にしてしまったが、
       最後に未帰還者達だけは元に戻すことが出来た」

ヒースクリフ「現実に実体のない私の意識は、永久にこの世界を彷徨うことになるだろうが、
       せめてもの償いとしてこの世界を見守るとしよう」

ブラックローズ「世界を変えるのは、みんなの心…。終わったんだね、これで…」

カイト「ううん…。はじまったんだよ」

69: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/07(月) 02:10:17.27 ID:IuSVNwE+0
これで一応終了
途中誤爆したりしてスマンカッタ…

引用元: カイト「ソードアート・オンライン?」