3: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/10(木) 01:57:05.86 ID:bhC0yhae0
角田「暇か?」
神戸「どちらかと言われれば」
右京「角田課長、お早うございます」
角田「うらやましいねえ、いつも暇で」
神戸「好きで暇なわけじゃないんですけどね」
神戸「どちらかと言われれば」
右京「角田課長、お早うございます」
角田「うらやましいねえ、いつも暇で」
神戸「好きで暇なわけじゃないんですけどね」
6: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/10(木) 02:02:42.71 ID:bhC0yhae0
「昨日未明、765プロダクションにてプロデューサーとして働いていた、
赤羽根ケンジさんが、稽古中の舞台から転落して死亡していたことが分かりました。
警察では事故と見て…」
角田「お?これ、1課が捜査してる奴だよ」
神戸「プロダクション…ってことは芸能事務所ですか」
角田「そうそう。生っすか!?サンデーって番組知ってる?」
神戸「いえ、あまりそういう番組は見ないので」
角田「アイドルが生で色んなことやる番組なんだけど、そのアイドルが765プロダクション所属なんだよ」
神戸「そうなんですか。無駄にお詳しい」
角田「いやね、女房が好きで見てんだよ。いい年してなあ?」
神戸「で、角田課長も一緒に見ている」
角田「いやね、この年になると健気に頑張る若い子を見るとこう目頭が熱くなってさ」
赤羽根ケンジさんが、稽古中の舞台から転落して死亡していたことが分かりました。
警察では事故と見て…」
角田「お?これ、1課が捜査してる奴だよ」
神戸「プロダクション…ってことは芸能事務所ですか」
角田「そうそう。生っすか!?サンデーって番組知ってる?」
神戸「いえ、あまりそういう番組は見ないので」
角田「アイドルが生で色んなことやる番組なんだけど、そのアイドルが765プロダクション所属なんだよ」
神戸「そうなんですか。無駄にお詳しい」
角田「いやね、女房が好きで見てんだよ。いい年してなあ?」
神戸「で、角田課長も一緒に見ている」
角田「いやね、この年になると健気に頑張る若い子を見るとこう目頭が熱くなってさ」
12: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/10(木) 02:06:45.12 ID:bhC0yhae0
右京「1課が捜査…ということは殺人の可能性があったのでしょうか?」
角田「詳しいことは知らないけど、ガイシャが転落した時の状況に少し不審な点があったんだってよ。
ま、結局事故として処理するみたいだけどさ」
右京「不審な点…気になりますねえ」
神戸「また杉下さんの悪い癖ですか。行くんでしょ、現場?」
右京「神戸君、君は別に付いて来なくてもよろしいんですよ?」
神戸「いえ、お供します。何せ暇なもので」
角田「詳しいことは知らないけど、ガイシャが転落した時の状況に少し不審な点があったんだってよ。
ま、結局事故として処理するみたいだけどさ」
右京「不審な点…気になりますねえ」
神戸「また杉下さんの悪い癖ですか。行くんでしょ、現場?」
右京「神戸君、君は別に付いて来なくてもよろしいんですよ?」
神戸「いえ、お供します。何せ暇なもので」
13: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/10(木) 02:11:54.43 ID:bhC0yhae0
米沢「おや、杉下警部殿。この間お借りいたしましたCD、何度も聞かせて頂いております。
いやあ、やはり小金治は最高ですなあ」
右京「米沢さん。例の転落死事件についてなのですが…」
米沢「おお、その件ですか。いや、警部殿ならきっと来ると思って
現場写真を既に用意させて頂きました」
神戸「いつもながら仕事が早い」
米沢「こちらへどうぞ」
右京「拝見いたします」
いやあ、やはり小金治は最高ですなあ」
右京「米沢さん。例の転落死事件についてなのですが…」
米沢「おお、その件ですか。いや、警部殿ならきっと来ると思って
現場写真を既に用意させて頂きました」
神戸「いつもながら仕事が早い」
米沢「こちらへどうぞ」
右京「拝見いたします」
17: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/10(木) 02:25:48.29 ID:bhC0yhae0
米沢「遺体が発見されたのは舞台の真下。ちょうどステージの部分が下がる仕組みになっているところです。
稽古中ということもあり、その部分は下がっていたままになっていたそうです」
右京「被害者は仰向けに倒れていますねえ」
米沢「ええ。舞台から足を滑らせて落ちたにしては、少し気にはなる体勢です」
神戸「ちなみにその舞台の高さはどのくらいなんでしょうか?」
米沢「約2m~3m…といったところでしょうな」
神戸「なるほど…。仮にこれが殺人だとした場合、殺すには少々心もとない高さのような気もします」
右京「死亡推定時刻は分かっているのでしょうか?」
米沢「ええ。昨晩の深夜0時から1時の間かと思われます」
稽古中ということもあり、その部分は下がっていたままになっていたそうです」
右京「被害者は仰向けに倒れていますねえ」
米沢「ええ。舞台から足を滑らせて落ちたにしては、少し気にはなる体勢です」
神戸「ちなみにその舞台の高さはどのくらいなんでしょうか?」
米沢「約2m~3m…といったところでしょうな」
神戸「なるほど…。仮にこれが殺人だとした場合、殺すには少々心もとない高さのような気もします」
右京「死亡推定時刻は分かっているのでしょうか?」
米沢「ええ。昨晩の深夜0時から1時の間かと思われます」
19: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/10(木) 02:34:55.35 ID:bhC0yhae0
右京「遺体の第一発見者は?」
米沢「被害者の所属するプロダクションのアイドル、天海春香さんです。
今度出演する舞台の稽古の為、朝早くに現場入りしたところ、死亡した被害者を発見したそうです」
神戸「被害者は何故、その死亡推定時刻に舞台へ来てたのでしょうか?」
米沢「関係者の話ですと、舞台のチェックをしていたそうです」
神戸「う~ん。現時点の情報だと事故の可能性が高いと思われますが?」
右京「果たしてそうでしょうか?」
米沢「被害者の所属するプロダクションのアイドル、天海春香さんです。
今度出演する舞台の稽古の為、朝早くに現場入りしたところ、死亡した被害者を発見したそうです」
神戸「被害者は何故、その死亡推定時刻に舞台へ来てたのでしょうか?」
米沢「関係者の話ですと、舞台のチェックをしていたそうです」
神戸「う~ん。現時点の情報だと事故の可能性が高いと思われますが?」
右京「果たしてそうでしょうか?」
20: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/10(木) 02:39:49.88 ID:bhC0yhae0
神戸「と、仰いますと?」
右京「被害者の胸ポケットを見てください」
神戸「胸ポケット…あ、メガネが入ってますね」
右京「ええ、メガネを畳んだ状態で入れています。
米沢さん、被害者の遺体からコンタクトレンズなどは発見されましたでしょうか?」
米沢「いえ、コンタクトレンズの類は使用していないそうです」
右京「だとしたら変ですねえ。舞台のチェックをしていた筈なのに、
被害者は何故メガネをかけていなかったのでしょうか?」
神戸「言われてみると、確かに変ですね」
右京「この事件…ただの事故では無いのかも知れませんねえ」
右京「被害者の胸ポケットを見てください」
神戸「胸ポケット…あ、メガネが入ってますね」
右京「ええ、メガネを畳んだ状態で入れています。
米沢さん、被害者の遺体からコンタクトレンズなどは発見されましたでしょうか?」
米沢「いえ、コンタクトレンズの類は使用していないそうです」
右京「だとしたら変ですねえ。舞台のチェックをしていた筈なのに、
被害者は何故メガネをかけていなかったのでしょうか?」
神戸「言われてみると、確かに変ですね」
右京「この事件…ただの事故では無いのかも知れませんねえ」
21: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/10(木) 02:48:06.02 ID:bhC0yhae0
~事件現場~
スタッフ「こちらです」
神戸「ここが事件のあった舞台か。実際に見てみると、意外と高いですね」
右京「ええ」
神戸「舞台にこんな穴が開いてるのに、視力の弱かったであろう被害者がメガネも無しに動き回る。
…確かに不自然としかいいようがありません」
右京「もしかすると、違う目的があったのかも知れませんねえ」
神戸「違う目的…とは?」
美希「グスン、グスン…ハニー~何で死んじゃったの~?」
右京「おや、お嬢さん。どうされましたか?」
スタッフ「こちらです」
神戸「ここが事件のあった舞台か。実際に見てみると、意外と高いですね」
右京「ええ」
神戸「舞台にこんな穴が開いてるのに、視力の弱かったであろう被害者がメガネも無しに動き回る。
…確かに不自然としかいいようがありません」
右京「もしかすると、違う目的があったのかも知れませんねえ」
神戸「違う目的…とは?」
美希「グスン、グスン…ハニー~何で死んじゃったの~?」
右京「おや、お嬢さん。どうされましたか?」
26: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/10(木) 02:50:59.37 ID:bhC0yhae0
美希「グスン、グスン。おじさんたち誰なの?」
右京「警視庁特命係の杉下と申します」
神戸「同じく神戸です」
美希「グスン…けーしちょーって、おじさんたち警察の人なの?」
神戸「お、おじさんは1人だけだと思うんだけどな」
右京「ええ。昨日の転落事件について、捜査しに来ました」
美希「そうなんだ…。グスン。私、美希なの」
右京「美希さん…ですか」
右京「警視庁特命係の杉下と申します」
神戸「同じく神戸です」
美希「グスン…けーしちょーって、おじさんたち警察の人なの?」
神戸「お、おじさんは1人だけだと思うんだけどな」
右京「ええ。昨日の転落事件について、捜査しに来ました」
美希「そうなんだ…。グスン。私、美希なの」
右京「美希さん…ですか」
27: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/10(木) 02:57:17.57 ID:bhC0yhae0
右京「失礼ですが、ハニー…とは赤羽根さんのことでしょうか?」
美希「うん。ハニーはハニーなの」
神戸「彼のことをそういう風に呼ぶってことは、
美希さんは赤羽根さんと深い仲…ってことでしょうか?」
美希「グスン、グスン、え~ん」
神戸「…これは困りましたね杉下さん」
右京「ええ、暫くそっとしておいた方がいいかも知れません」
美希「うん。ハニーはハニーなの」
神戸「彼のことをそういう風に呼ぶってことは、
美希さんは赤羽根さんと深い仲…ってことでしょうか?」
美希「グスン、グスン、え~ん」
神戸「…これは困りましたね杉下さん」
右京「ええ、暫くそっとしておいた方がいいかも知れません」
29: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/10(木) 03:03:37.53 ID:bhC0yhae0
律子「美希、まだ泣いてるの?…あなたたちは一体?」
右京「これは失礼、警視庁特命係の杉下と申します」
神戸「同じく神戸です」
律子「警視庁…警察の方がどうして?確か事故だと伺いましたが…」
右京「ええ。事故と言えども捜査はするものですから」
律子「そうですか。…あ、私は秋月律子と申します。
死んだ赤羽根に代わって、彼女たちのプロデュースをしております」
神戸「ということは、彼女は?」
律子「ええ、彼女は我々765プロダクション所属のアイドル、星井美希です。
今度の舞台にも出演予定なんですが…」
美希「え~ん、ハニ~!」
律子「…昨日からこの調子で」
右京「これは失礼、警視庁特命係の杉下と申します」
神戸「同じく神戸です」
律子「警視庁…警察の方がどうして?確か事故だと伺いましたが…」
右京「ええ。事故と言えども捜査はするものですから」
律子「そうですか。…あ、私は秋月律子と申します。
死んだ赤羽根に代わって、彼女たちのプロデュースをしております」
神戸「ということは、彼女は?」
律子「ええ、彼女は我々765プロダクション所属のアイドル、星井美希です。
今度の舞台にも出演予定なんですが…」
美希「え~ん、ハニ~!」
律子「…昨日からこの調子で」
34: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/10(木) 03:09:52.68 ID:bhC0yhae0
右京「心中、お察しいたします」
律子「…美希!いつまでも泣いていたいたってプロデューサーは帰って来ないの!」
美希「でも…でも…」
律子「春香はちゃんと稽古しているでしょ!あなたも彼女を見習ってしっかりしなさい!」
美希「ううぅ…」
右京「…春香、とは第一発見者の天海春香さんのことでしょうか?」
律子「え、ええ、そうですが」
律子「…美希!いつまでも泣いていたいたってプロデューサーは帰って来ないの!」
美希「でも…でも…」
律子「春香はちゃんと稽古しているでしょ!あなたも彼女を見習ってしっかりしなさい!」
美希「ううぅ…」
右京「…春香、とは第一発見者の天海春香さんのことでしょうか?」
律子「え、ええ、そうですが」
35: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/10(木) 03:12:57.12 ID:bhC0yhae0
神戸「遺体の第一発見者ともなれば美希さん以上にショックも大きかったと思うのですが?」
律子「ええ。でも、彼女は目の前に迫った公演に向けて稽古を頑張っています」
右京「お強いのですねえ」
律子「いえ、強いわけではないのかも知れません」
神戸「と言うと?」
律子「…彼女は稽古に打ち込むことで辛い現実を忘れようとしているんだと思います」
右京「…どうやら赤羽根さんは自分のプロデュースしている彼女たちから
とても慕われていたようですねえ」
律子「ええ。でも、彼女は目の前に迫った公演に向けて稽古を頑張っています」
右京「お強いのですねえ」
律子「いえ、強いわけではないのかも知れません」
神戸「と言うと?」
律子「…彼女は稽古に打ち込むことで辛い現実を忘れようとしているんだと思います」
右京「…どうやら赤羽根さんは自分のプロデュースしている彼女たちから
とても慕われていたようですねえ」
37: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/10(木) 03:16:05.24 ID:bhC0yhae0
律子「ええ。事務所にいる子たちも皆同じように悲しんでいます」
右京「失礼ですが、秋月さんは昨日はここに?」
律子「いえ、事務所で竜宮小町のスケジュール調整を行っていました」
神戸「竜宮小町?」
律子「あ、私がプロデュースしているアイドルユニットです。
はは、結構有名になったつもりなんだけどな」
右京「申し訳ございません。何分、こういうことには疎いものですから」
律子「いえいえ」
右京「失礼ですが、秋月さんは昨日はここに?」
律子「いえ、事務所で竜宮小町のスケジュール調整を行っていました」
神戸「竜宮小町?」
律子「あ、私がプロデュースしているアイドルユニットです。
はは、結構有名になったつもりなんだけどな」
右京「申し訳ございません。何分、こういうことには疎いものですから」
律子「いえいえ」
41: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/10(木) 03:25:00.87 ID:bhC0yhae0
右京「知らないついでに伺いたいのですが、
プロデューサーともなれば舞台のチェックなんかもなさるのでしょうか?」
律子「そうですね…。拘る人はそこまでやるかも知れませんが、
普通は専門のスタッフに任せるものだと思います」
右京「なるほど。では、赤羽根さんはこの舞台に拘りを持っていらっしゃった?」
律子「…どうでしょう?彼、この仕事に力は入れていたと思いますけど、
そこまで拘っていたかまでは分からないです」
右京「そうですか。有難うございました」
律子「はい」
右京「あ、もう一つだけ」
プロデューサーともなれば舞台のチェックなんかもなさるのでしょうか?」
律子「そうですね…。拘る人はそこまでやるかも知れませんが、
普通は専門のスタッフに任せるものだと思います」
右京「なるほど。では、赤羽根さんはこの舞台に拘りを持っていらっしゃった?」
律子「…どうでしょう?彼、この仕事に力は入れていたと思いますけど、
そこまで拘っていたかまでは分からないです」
右京「そうですか。有難うございました」
律子「はい」
右京「あ、もう一つだけ」
43: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/10(木) 03:32:18.60 ID:bhC0yhae0
右京「事件のあった日、天海春香さんと星井美希さんはどうされたかご存知でしょうか?
お二人ともこの舞台に出る予定だそうですが…」
律子「杉下さん、事故…なんですよね?」
右京「ええ。これは形式的な質問なのでご了承下さると助かります」
律子「…二人とも夜10時までにはここを出ている筈です。
労働基準法がありますから」
右京「満18歳に満たない者を午後10時から午前5時までの間において使用してはならない。
確かにそうですねえ」
律子「アイドルはイメージが大切ですから…。そういうのはきちんと守らないと示しがつきません」
右京「有難うございました」
律子「では、私はこれで…」
お二人ともこの舞台に出る予定だそうですが…」
律子「杉下さん、事故…なんですよね?」
右京「ええ。これは形式的な質問なのでご了承下さると助かります」
律子「…二人とも夜10時までにはここを出ている筈です。
労働基準法がありますから」
右京「満18歳に満たない者を午後10時から午前5時までの間において使用してはならない。
確かにそうですねえ」
律子「アイドルはイメージが大切ですから…。そういうのはきちんと守らないと示しがつきません」
右京「有難うございました」
律子「では、私はこれで…」
47: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/10(木) 03:48:28.29 ID:bhC0yhae0
神戸「…杉下さん」
右京「はい?」
神戸「まさか、彼女たちを疑っているんじゃないでしょうね?」
右京「彼女たち、とは?」
神戸「天海春香と星井美希ですよ。ついでにあの秋月律子って人も」
右京「さあ、どうでしょうねえ?」
神戸「お言葉ですが、少なくともあの美希って子の涙は本物だと思いますよ」
右京「本物だからといって、犯人ではないということにはなりませんよ?」
神戸「…」
右京「さて、事件当日に何人のスタッフが残っていたかを知りたいですねえ。
それと、天海春香さんからも話を聞かなければなりません」
右京「はい?」
神戸「まさか、彼女たちを疑っているんじゃないでしょうね?」
右京「彼女たち、とは?」
神戸「天海春香と星井美希ですよ。ついでにあの秋月律子って人も」
右京「さあ、どうでしょうねえ?」
神戸「お言葉ですが、少なくともあの美希って子の涙は本物だと思いますよ」
右京「本物だからといって、犯人ではないということにはなりませんよ?」
神戸「…」
右京「さて、事件当日に何人のスタッフが残っていたかを知りたいですねえ。
それと、天海春香さんからも話を聞かなければなりません」
56: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/10(木) 04:21:58.36 ID:bhC0yhae0
スタッフ「当日ですか…?確か、当日は早上がりで10時には誰もいなかったと思いますよ。
残ってたとしても清掃員くらいじゃないですかね?」
右京「そうですか。有難うございます」
神戸「早上がり…ってことは、ますますもって被害者の行動には疑問が残ります。
何で深夜0時までここに残っていたのでしょうか?」
右京「やはり別の目的があったのでしょうねえ。例えば、誰かと会う約束をしていた…とか」
神戸「誰かと会う…か。だとしたら穏やかではないですね。現に、彼は死体となって発見されている」
右京「おや、彼女は…」
残ってたとしても清掃員くらいじゃないですかね?」
右京「そうですか。有難うございます」
神戸「早上がり…ってことは、ますますもって被害者の行動には疑問が残ります。
何で深夜0時までここに残っていたのでしょうか?」
右京「やはり別の目的があったのでしょうねえ。例えば、誰かと会う約束をしていた…とか」
神戸「誰かと会う…か。だとしたら穏やかではないですね。現に、彼は死体となって発見されている」
右京「おや、彼女は…」
57: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/10(木) 04:24:31.44 ID:bhC0yhae0
春香「…」
神戸「どうやら彼女が天海春香みたいですね。あそこのポスターに載っているのも彼女ですし」
右京「稽古中ですか。では、少し待たせて貰いましょうか」
~20分後~
スタッフ「休憩入りま~す」
春香「ふう…」
右京「稽古でお疲れのところ、失礼いたします」
春香「…あなたたちは?」
神戸「どうやら彼女が天海春香みたいですね。あそこのポスターに載っているのも彼女ですし」
右京「稽古中ですか。では、少し待たせて貰いましょうか」
~20分後~
スタッフ「休憩入りま~す」
春香「ふう…」
右京「稽古でお疲れのところ、失礼いたします」
春香「…あなたたちは?」
59: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/10(木) 04:31:23.44 ID:bhC0yhae0
春香「…警察、ですか」
右京「ええ、よろしければ二三お話を伺いたいのですが…」
春香「はい。私でよろしければ」
右京「事件当日、赤羽根さんは舞台のチェックをすると残ったそうですが
そのことについて、何か聞かされたことなどありますでしょうか?」
春香「…いえ、特には」
神戸「赤羽根さんはこの舞台に力を入れていた、と秋月さんから伺ったのですが」
春香「…私の為、なんです」
右京「春香さんの為…ですか」
右京「ええ、よろしければ二三お話を伺いたいのですが…」
春香「はい。私でよろしければ」
右京「事件当日、赤羽根さんは舞台のチェックをすると残ったそうですが
そのことについて、何か聞かされたことなどありますでしょうか?」
春香「…いえ、特には」
神戸「赤羽根さんはこの舞台に力を入れていた、と秋月さんから伺ったのですが」
春香「…私の為、なんです」
右京「春香さんの為…ですか」
61: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/10(木) 04:35:33.51 ID:bhC0yhae0
春香「私、今後について色々悩んでいて…。その時、プロデューサーさんが
この舞台の仕事を持って来てくれたんです」
右京「悩んでいた…とは?」
春香「私、事務所の他の子たちと違って、何も特徴ないし何が秀でてるってのも無くて…
このままアイドルやってても、いつか行き詰っちゃうなって感じてたんです。
その時、プロデューサーさんがこの舞台の仕事を取って来て言ってくれたんです。
『春香、新しいことに挑戦していけば、きっと君のやりたいことも見つかるさ』って。
だから私、この舞台は絶対に成功させたいんです」
右京「なるほど。そうでしたか」
この舞台の仕事を持って来てくれたんです」
右京「悩んでいた…とは?」
春香「私、事務所の他の子たちと違って、何も特徴ないし何が秀でてるってのも無くて…
このままアイドルやってても、いつか行き詰っちゃうなって感じてたんです。
その時、プロデューサーさんがこの舞台の仕事を取って来て言ってくれたんです。
『春香、新しいことに挑戦していけば、きっと君のやりたいことも見つかるさ』って。
だから私、この舞台は絶対に成功させたいんです」
右京「なるほど。そうでしたか」
62: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/10(木) 04:40:50.89 ID:bhC0yhae0
右京「ところで、お気を悪くされたら申し訳ないのですが
事件当日の春香さんはどのようなスケジュールだったのでしょうか?」
春香「…それってどういう意味ですか?」
右京「いえ、形式的な質問です。そこまで深い意味はありませんよ」
春香「…夜7時に稽古が終わった後、事務所に帰って少し時間を潰してから帰宅しました」
右京「帰宅なさったのは何時頃でしょう?」
春香「…時計を見たら夜の11時頃だったと思います」
右京「なるほど、有難うございます」
事件当日の春香さんはどのようなスケジュールだったのでしょうか?」
春香「…それってどういう意味ですか?」
右京「いえ、形式的な質問です。そこまで深い意味はありませんよ」
春香「…夜7時に稽古が終わった後、事務所に帰って少し時間を潰してから帰宅しました」
右京「帰宅なさったのは何時頃でしょう?」
春香「…時計を見たら夜の11時頃だったと思います」
右京「なるほど、有難うございます」
64: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/10(木) 04:46:37.33 ID:bhC0yhae0
神戸「これで、あらかた話は聞き終わったわけですが」
右京「事件現場を詳しく見てみましょうか」
神戸「分かりました」
~赤羽根の遺体があった場所~
右京「暗いですね。ペンライト点けましょう」
神戸「ちょうど、死体の頭の部分に血痕がありますね。うっ…想像しちゃった」
右京「ここに後頭部をぶつけ、それが致命傷になった…。
それが鑑識の見解だそうです」
神戸「異論を挟む余地ありますか?」
右京「あると思いますよ」
右京「事件現場を詳しく見てみましょうか」
神戸「分かりました」
~赤羽根の遺体があった場所~
右京「暗いですね。ペンライト点けましょう」
神戸「ちょうど、死体の頭の部分に血痕がありますね。うっ…想像しちゃった」
右京「ここに後頭部をぶつけ、それが致命傷になった…。
それが鑑識の見解だそうです」
神戸「異論を挟む余地ありますか?」
右京「あると思いますよ」
67: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/10(木) 04:54:01.45 ID:bhC0yhae0
右京「被害者は後頭部とは言え、ほぼ頭頂部に損傷を受けてました。
仮に足を滑らせて落ちた…或いは突き落とされたにしては位置的におかしいと思いませんか?」
神戸「確かに…頭から真っ逆さまに落ちないとそんなところに傷はつきませんね。
…ってことは、転落死じゃない?」
右京「ええ。彼は別の場所で殺された後、ここへ運び込まれた。
その可能性が出て来ました」
仮に足を滑らせて落ちた…或いは突き落とされたにしては位置的におかしいと思いませんか?」
神戸「確かに…頭から真っ逆さまに落ちないとそんなところに傷はつきませんね。
…ってことは、転落死じゃない?」
右京「ええ。彼は別の場所で殺された後、ここへ運び込まれた。
その可能性が出て来ました」
69: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/10(木) 04:58:53.10 ID:bhC0yhae0
神戸「この血痕は叩きつけられて付着したものではないってことですね」
右京「ええ。別の場所で殺されたならば、彼がメガネをかけていなかった理由も説明がつきます。
それに、ここは舞台の真下ですが、出入り口は他にもあります。
この舞台のことを知っていれば、誰でもここへ死体を運ぶことは出来たでしょうねえ」
神戸「では、彼は何処で殺されたのでしょうか?」
右京「恐らくこの劇場内の何処かでしょう」
神戸「だとすれば、一番怪しいのは…」
右京「ええ、赤羽根さんが使っていたであろう待機室です」
右京「ええ。別の場所で殺されたならば、彼がメガネをかけていなかった理由も説明がつきます。
それに、ここは舞台の真下ですが、出入り口は他にもあります。
この舞台のことを知っていれば、誰でもここへ死体を運ぶことは出来たでしょうねえ」
神戸「では、彼は何処で殺されたのでしょうか?」
右京「恐らくこの劇場内の何処かでしょう」
神戸「だとすれば、一番怪しいのは…」
右京「ええ、赤羽根さんが使っていたであろう待機室です」
70: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/10(木) 05:03:13.50 ID:bhC0yhae0
スタッフ「赤羽根さんが使っていた部屋…ですか。
確か、そこの部屋ですよ」
右京「ちなみに、この部屋へは事件以降誰か出入りしましたでしょうか?」
スタッフ「いいや。普段そこは使ってない部屋ですし、誰も入らないと思いますよ」
右京「有難うございます。」
~待機室~
神戸「ごく普通の部屋ですね」
右京「ええ」
神戸「では、調べますか」
確か、そこの部屋ですよ」
右京「ちなみに、この部屋へは事件以降誰か出入りしましたでしょうか?」
スタッフ「いいや。普段そこは使ってない部屋ですし、誰も入らないと思いますよ」
右京「有難うございます。」
~待機室~
神戸「ごく普通の部屋ですね」
右京「ええ」
神戸「では、調べますか」
72: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/10(木) 05:07:08.73 ID:bhC0yhae0
右京「…神戸君、こちらのロッカーを見て下さい」
神戸「何ですか?…ん、これは?」
右京「ええ、僅かですが移動した形跡があります。
それもごく最近」
神戸「ん?このロッカー扉が開き難いですね。そんなに古いわけでも無いのに…」
右京「…米沢さんを呼びましょう」
神戸「何ですか?…ん、これは?」
右京「ええ、僅かですが移動した形跡があります。
それもごく最近」
神戸「ん?このロッカー扉が開き難いですね。そんなに古いわけでも無いのに…」
右京「…米沢さんを呼びましょう」
73: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/10(木) 05:09:53.58 ID:bhC0yhae0
米沢「…準備が出来ました」
右京「では、神戸君お願いします」
神戸「はい」
パチッ
神戸「…これは」
右京「…思ったとおりですねえ」
米沢「ルミノール液が反応していますな」
神戸「それも、ロッカーの角に…ですね」
右京「間違いありません。赤羽根さんはこの部屋で殺されたんでしょう」
右京「では、神戸君お願いします」
神戸「はい」
パチッ
神戸「…これは」
右京「…思ったとおりですねえ」
米沢「ルミノール液が反応していますな」
神戸「それも、ロッカーの角に…ですね」
右京「間違いありません。赤羽根さんはこの部屋で殺されたんでしょう」
74: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/10(木) 05:13:57.73 ID:bhC0yhae0
米沢「これは一大事ですな。私は戻って報告を」
右京「さて、殺害現場は分かりました。次の疑問は…」
神戸「どうやって遺体を運んだか…ですね」
右京「ええ。深夜とはいえ、清掃員や守衛の方が何人かいたそうですからねえ」
神戸「彼らに見つからないように運ぶ…となると方法は限られますね」
右京「ええ」
右京「さて、殺害現場は分かりました。次の疑問は…」
神戸「どうやって遺体を運んだか…ですね」
右京「ええ。深夜とはいえ、清掃員や守衛の方が何人かいたそうですからねえ」
神戸「彼らに見つからないように運ぶ…となると方法は限られますね」
右京「ええ」
75: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/10(木) 05:17:03.59 ID:bhC0yhae0
清掃員「…いや、確かに当日勤務してましたけど、特に物音とかそういうのは聞いてないですね」
右京「なるほど」
神戸「杉下さん。監視カメラの映像をお借りすることが出来ました」
右京「分かりました。では、そちらは後で確認いたしましょう」
神戸「ちなみに、守衛さんも事件当日に怪しい人物などは見掛けなかったそうです」
右京「そうですか」
右京「なるほど」
神戸「杉下さん。監視カメラの映像をお借りすることが出来ました」
右京「分かりました。では、そちらは後で確認いたしましょう」
神戸「ちなみに、守衛さんも事件当日に怪しい人物などは見掛けなかったそうです」
右京「そうですか」
76: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/10(木) 05:19:27.28 ID:bhC0yhae0
~鑑識課~
神戸「…清掃員と守衛の方しか映ってないですね」
米沢「ですなあ」
右京「…!米沢さん、ここ止めてください」
米沢「はい」
右京「…なるほど」
神戸「何がなるほどなんですか?」
右京「赤羽根さんを殺した犯人が分かりました」
神戸「…清掃員と守衛の方しか映ってないですね」
米沢「ですなあ」
右京「…!米沢さん、ここ止めてください」
米沢「はい」
右京「…なるほど」
神戸「何がなるほどなんですか?」
右京「赤羽根さんを殺した犯人が分かりました」
79: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/10(木) 05:23:02.76 ID:bhC0yhae0
~事件現場~
美希「グスングスン」
律子「全く…」
春香「美希…」
右京「お忙しい中、お集まり頂き有難うございます」
律子「…何なんですか、一体?」
右京「ええ、事件の真相についてお話しなければと思いまして」
春香「真相…?」
美希「グスングスン」
律子「全く…」
春香「美希…」
右京「お忙しい中、お集まり頂き有難うございます」
律子「…何なんですか、一体?」
右京「ええ、事件の真相についてお話しなければと思いまして」
春香「真相…?」
80: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/10(木) 05:24:53.67 ID:bhC0yhae0
右京「単刀直入に言います。赤羽根さんは事故ではありませんでした」
律子「え?」
春香「それって…?」
神戸「赤羽根さんは他殺であることが分かったんですよ」
右京「ええ、彼はこの舞台ではなく、待機室で殺されたんです」
美希「どういうこと…なの?」
律子「え?」
春香「それって…?」
神戸「赤羽根さんは他殺であることが分かったんですよ」
右京「ええ、彼はこの舞台ではなく、待機室で殺されたんです」
美希「どういうこと…なの?」
82: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/10(木) 05:29:21.80 ID:bhC0yhae0
右京「順を追って説明しましょう。赤羽根さんは事件当日、
舞台のチェックをすると言ってこの劇場に残りました。
ですが、それは舞台のチェックの為では無かった」
律子「と言いますと?」
右京「彼は誰かと会う約束をしていたんですよ。そう真犯人と」
春香「しん…はんにん?」
右京「事件当日、舞台稽古は早上がりで夜8時には既にスタッフも殆ど帰っている状態でした。
そんな日にわざわざ深夜まで残るということは、かなり近しい人物との約束だったんでしょう」
律子「まさか、その人物がこの中にいるって言うんじゃ…」
神戸「残念ながら」
舞台のチェックをすると言ってこの劇場に残りました。
ですが、それは舞台のチェックの為では無かった」
律子「と言いますと?」
右京「彼は誰かと会う約束をしていたんですよ。そう真犯人と」
春香「しん…はんにん?」
右京「事件当日、舞台稽古は早上がりで夜8時には既にスタッフも殆ど帰っている状態でした。
そんな日にわざわざ深夜まで残るということは、かなり近しい人物との約束だったんでしょう」
律子「まさか、その人物がこの中にいるって言うんじゃ…」
神戸「残念ながら」
83: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/10(木) 05:34:41.86 ID:bhC0yhae0
春香「そんな!?」
右京「彼は舞台ではなく、彼が使用していた待機室にて、
その誰かと待ち合わせをし、そして殺されてしまった。
犯人は咄嗟に、舞台からの転落死に見せかけようと待機室からこの舞台まで
死体を運んだんですよ」
律子「それは無理です。だって私たちは女の子なんですよ?
大の男1人を運ぶだなんて…」
右京「こちらをご覧下さい」
律子「写真…?」
右京「ええ、これはこの劇場の監視カメラで撮影されたものをプリントアウトしたものです」
右京「彼は舞台ではなく、彼が使用していた待機室にて、
その誰かと待ち合わせをし、そして殺されてしまった。
犯人は咄嗟に、舞台からの転落死に見せかけようと待機室からこの舞台まで
死体を運んだんですよ」
律子「それは無理です。だって私たちは女の子なんですよ?
大の男1人を運ぶだなんて…」
右京「こちらをご覧下さい」
律子「写真…?」
右京「ええ、これはこの劇場の監視カメラで撮影されたものをプリントアウトしたものです」
84: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/10(木) 05:37:15.91 ID:bhC0yhae0
右京「こちらをよく見て下さい。この清掃員が運んでいる台車。
そう、ここに赤羽根さんがいたんですよ」
神戸「台車を使えば、か弱い女の子でも死体を運ぶことは充分可能です」
右京「そして、この台車を運ぶ清掃員をよく見て下さい」
律子「!?こ、これって…」
右京「このブロンド…あなたではないですか?星井美希さん」
美希「…!!」
そう、ここに赤羽根さんがいたんですよ」
神戸「台車を使えば、か弱い女の子でも死体を運ぶことは充分可能です」
右京「そして、この台車を運ぶ清掃員をよく見て下さい」
律子「!?こ、これって…」
右京「このブロンド…あなたではないですか?星井美希さん」
美希「…!!」
86: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/10(木) 05:44:21.72 ID:bhC0yhae0
神戸「体格もちょうど君くらいだね」
美希「…」
右京「あなたは舞台稽古が終わった後、帰るフリをして実は劇場内に潜んでいた。
恐らく、清掃員になりすましていたんでしょうねえ」
神戸「当日勤務していた清掃員から当日清掃員用の服が1着無くなっていたけれど
朝には何故かあったと証言がありました」
右京「その服を調べれば、あなたが着ていたことが証明されます。
そしてこの監視カメラの映像と照らし合わせれば、十分な証拠になると思いますよ」
律子「…美希」
春香「…どうして?」
美希「…」
右京「あなたは舞台稽古が終わった後、帰るフリをして実は劇場内に潜んでいた。
恐らく、清掃員になりすましていたんでしょうねえ」
神戸「当日勤務していた清掃員から当日清掃員用の服が1着無くなっていたけれど
朝には何故かあったと証言がありました」
右京「その服を調べれば、あなたが着ていたことが証明されます。
そしてこの監視カメラの映像と照らし合わせれば、十分な証拠になると思いますよ」
律子「…美希」
春香「…どうして?」
88: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/10(木) 05:46:31.55 ID:bhC0yhae0
美希「…だって」
律子「…」
美希「…だってハニーが」
春香「美希…?」
美希「ハニーが春香のことばっかり構うんだもん!!」
律子「…」
美希「…だってハニーが」
春香「美希…?」
美希「ハニーが春香のことばっかり構うんだもん!!」
90: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/10(木) 05:51:05.63 ID:bhC0yhae0
~回想~
赤羽根「どうしたんだ美希…こんな夜遅くにこんな場所で二人で会いたいだなんて…」
美希「…ねえ、どうしてハニーは最近美希のこと構ってくれないの?」
赤羽根「そんな…別に美希を無視しているわけじゃないだろ?」
美希「ハニー、最近春香のことばっかり!」
赤羽根「仕方ないだろ。今、春香は悩んでいるんだ。
俺が支えてあげないと…」
美希「ハニーのバカ!!」
赤羽根「うわ…!!」
ゴスッ
赤羽根「…」
美希「ハニー…?」
赤羽根「どうしたんだ美希…こんな夜遅くにこんな場所で二人で会いたいだなんて…」
美希「…ねえ、どうしてハニーは最近美希のこと構ってくれないの?」
赤羽根「そんな…別に美希を無視しているわけじゃないだろ?」
美希「ハニー、最近春香のことばっかり!」
赤羽根「仕方ないだろ。今、春香は悩んでいるんだ。
俺が支えてあげないと…」
美希「ハニーのバカ!!」
赤羽根「うわ…!!」
ゴスッ
赤羽根「…」
美希「ハニー…?」
92: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/10(木) 05:57:16.97 ID:bhC0yhae0
美希「…殺すつもりなんて無かったの」
春香「美希…」
律子「あなたって子は…」
右京「彼の愛は彼がプロデュースする全ての子に注がれたものです。
それが自分だけに向けられるべきものだというのは、ただの傲慢なんじゃないでしょうかねえ?」
美希「…美希、取り返しのつかないことをしちゃったの」
神戸「…君は未成年だから少年法が適用される」
右京「しかし、それで受ける刑罰は軽くなったとしても、彼を殺した罪の重さは変わりません。
あなたは一生をかけて償わなきゃいけません。
彼と彼が愛を注いできた他の子たちに…」
春香「美希…」
律子「あなたって子は…」
右京「彼の愛は彼がプロデュースする全ての子に注がれたものです。
それが自分だけに向けられるべきものだというのは、ただの傲慢なんじゃないでしょうかねえ?」
美希「…美希、取り返しのつかないことをしちゃったの」
神戸「…君は未成年だから少年法が適用される」
右京「しかし、それで受ける刑罰は軽くなったとしても、彼を殺した罪の重さは変わりません。
あなたは一生をかけて償わなきゃいけません。
彼と彼が愛を注いできた他の子たちに…」
93: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/10(木) 06:07:03.22 ID:bhC0yhae0
~花の里~
神戸「765プロダクションはどうなるんでしょうかね?
殺意が無かったとはいえ、所属アイドルが自分のプロデューサーを殺すなんて」
右京「765プロダクションですか…。
少年法があるので彼女自身は実名報道されないでしょうが、
事務所はマスコミの格好の的でしょうねえ」
神戸「皆の為と注いできた愛情が、1人の嫉妬を生み、それが自分だけでなく
事務所をも滅ぼした…か」
たまき「何だか皮肉な話ですね」
右京「愛というものの本質を知っていれば、こんな悲劇にはならないんでしょうがねえ」
神戸「仕方ないですよ。愛というものの本質を知るには彼女は…いや、僕らは幼過ぎるんです」
右京「君が言うとそこはかとない説得力を感じますねえ」
神戸「それ、褒めてます?」
右京「さて…どうでしょう」
END
神戸「765プロダクションはどうなるんでしょうかね?
殺意が無かったとはいえ、所属アイドルが自分のプロデューサーを殺すなんて」
右京「765プロダクションですか…。
少年法があるので彼女自身は実名報道されないでしょうが、
事務所はマスコミの格好の的でしょうねえ」
神戸「皆の為と注いできた愛情が、1人の嫉妬を生み、それが自分だけでなく
事務所をも滅ぼした…か」
たまき「何だか皮肉な話ですね」
右京「愛というものの本質を知っていれば、こんな悲劇にはならないんでしょうがねえ」
神戸「仕方ないですよ。愛というものの本質を知るには彼女は…いや、僕らは幼過ぎるんです」
右京「君が言うとそこはかとない説得力を感じますねえ」
神戸「それ、褒めてます?」
右京「さて…どうでしょう」
END
コメントする
このブログにコメントするにはログインが必要です。
さんログアウト
この記事には許可ユーザしかコメントができません。