第六幕 

―――8月30日 昼 病院その後

plllllllplllllllll

佐天「はいはーい」

初春『佐天さんっ!さっき宿題終わったって言ってましたけど本当ですか!?』

佐天「本当だよ?一週間以上前に終わっちゃってるよ」

初春『写させてください!』

223: ◆oDLutFYnAI 2010/04/05(月) 13:17:39.23 ID:NrFIp96o
佐天「あらあら、天下の風紀委員ともあろう初春サマが宿題写させてなんて言っていいのかなー?」

初春『うっ……何事も例外はあります!』

佐天「はいはい、都合のいいこと言わない」

初春『佐天さん、私はこう思うんです。私達は親友です。親友とは苦楽を共にし
    喜び二倍で悲しみ半減、そんな素敵スパイラルを――――』

佐天「初春さんや、私はこう思うんだ。親友だからこそ、甘くしない、ってね」

初春『うわああああああんっ!佐天さんのろくでなしー!』

佐天「えー」

224: ◆oDLutFYnAI 2010/04/05(月) 13:18:13.74 ID:NrFIp96o
佐天「ま、今日一日頑張りなよ。それで終わらなかった分を明日手伝ってあげるからさ」

初春『やったッ!流石佐天さん!』

佐天「で?何が終わってないの?」

初春『……数学と、読書感想文と、科学総合です』

佐天「……それ、全部手つかず?」

初春『……はい』

225: ◆oDLutFYnAI 2010/04/05(月) 13:18:49.79 ID:NrFIp96o
佐天「oh...とっ、とりあえず読書感想文と数学しよっか?科学総合は最悪写してもなんとか
   なるけど、数学の演算問題とかは初春自身のやり方じゃないとバレるでしょ?」

初春『ですよね……ううっ、じゃあ頑張ります』

佐天「うん、頑張れ……頑張れ」ピッ


佐天「……そんな簡単にできる問題じゃないと思うけど、アレは。あーあ、こりゃ先生に怒られるなー初春」

佐天「さて――――私も能力の練習しよう」

226: ◆oDLutFYnAI 2010/04/05(月) 13:19:17.92 ID:NrFIp96o
――――公園にて


インデックス「あーっ!るいこるいこー!」

佐天「お、インデックスちゃん久しぶり」

インデックス「ねぇ聞いてよ涙子!とーまったらひどいんだよ?首を絞めるわ地面に埋めるわで(ry」

佐天「そっかーひどいねー(でも外見がアレだったって言うんだから仕方ないと思うなぁ」

インデックス「むー、その返事は真面目に聞いてない声なんだよ!」

佐天「そっ、そんなことないよ?」

インデックス「……まあいいけど。ところでこんなところで何してるの?」

227: ◆oDLutFYnAI 2010/04/05(月) 13:19:46.46 ID:NrFIp96o
佐天「んー別に何ってことないけど……今から能力の練習でもしよっかなー、って」

インデックス「能力?るいこって無能力者じゃなかったの?」

佐天「まあそうなんだけど、いろいろ事情がありまして」

インデックス「ふーん……るいこの能力ってどんなの?」

佐天「え?あー、うーん……」

佐天「(どうしよっかな……インデックスちゃんなら見せても大丈夫だよね)」

佐天「(熱は―――っと、滑り台の手すりが良い感じに熱いかな。っと)第四波動(小)ー」

228: ◆oDLutFYnAI 2010/04/05(月) 13:20:12.93 ID:NrFIp96o
インデックス「火……なんだか普通だね」

佐天「えぇー。まあ、確かに発火能力ってだけなら地味だけどさ……」

インデックス「……?あれ?その手首の、何かな。今までなかったけど」

佐天「……あ」

インデックス「……るいこのそれ、本当に能力?」

佐天「えっ?」

229: ◆oDLutFYnAI 2010/04/05(月) 13:20:46.41 ID:NrFIp96o
インデックス「うーん……なんていうか、その金属見てると何かひっかかるんだよ。
       何かはわからないけど、科学的なものじゃなくて魔術的なものを感じるんだよ」

佐天「……えぇー」

インデックス「たぶん、魔術とはまた違うものかもしれないけど……うーん、思いすごしかも」

インデックス「それで、るいこはその能力の練習をするの?」

佐天「え?ああ、うん。まだ使いこなせてないからねー」

インデックス「あのね、私の知り合いにぱいろきねしすって能力の専門家いるんだけど、その人に教えてもらったらどうかな」

佐天「んー、でもこれは……!」

佐天「(待てよ?確か左天さんが私の能力は熱関係の何かだって……)」

佐天「(発火能力の専門家……もしかしたら、私の能力開発のヒントになるかもしれない)」

佐天「そうだね、もし教えてくれたら助かるかなー」

インデックス「ん、るいこは美味しいご飯作ってくれるからこれくらい朝飯前なんだよ!」

230: ◆oDLutFYnAI 2010/04/05(月) 13:21:12.25 ID:NrFIp96o
――――小萌宅

佐天「(ここって……あの時ステイルさんと戦ったところじゃん!)」

インデックス「こもえーいるー?」

■■「いない。今。小萌先生は学校に行ってる」

インデックス「じゃああいさはお留守番?」

■■「……いろいろあって」

インデックス「ごめんねるいこ、こもえ今学校だって……」

佐天「ん、じゃあ仕方ないね。あ、ちなみに学校って何て学校?」

インデックス「何だっけ?」

■■「  学校。ちなみに。私は転校生になる予定」

佐天「そっか。ありがとねー」

231: ◆oDLutFYnAI 2010/04/05(月) 13:21:38.33 ID:NrFIp96o
――――学校

佐天「ということで、トレーニングがてら、その学校まで来たわけですが……まあ暇だったし」

佐天「ここってアレじゃん、補習受けたとこじゃん……思い出されるあの地獄!ランニング!」

佐天「今なら問題なくこなせるだろうなー……っと」

佐天「えっと、どうしよっかな。職員室にいるかな?けどどこかわかんないし」

佐天「かと言って夏休みだし、生徒さんはいないしなぁー」

黄泉川「ん?その制服は柵川中学か?何してるじゃんこんなところで」

佐天「あっ」

黄泉川「お?」

232: ◆oDLutFYnAI 2010/04/05(月) 13:22:05.63 ID:NrFIp96o
黄泉川「おー、お前あんときの中学生じゃん!……で、何してるじゃん?」

佐天「えーと、職員室ってどこですかね?」

黄泉川「それは質問の答えになってないじゃん……『何してるじゃん?』」

佐天「……あの、こもえ先生って人に用事が」

黄泉川「小萌先生か。職員室にいると思うから、ついてくるじゃん」

233: ◆oDLutFYnAI 2010/04/05(月) 13:22:34.72 ID:NrFIp96o
佐天「(そういえばこの能力のことなんて説明すればいいんだろ。あー、私ってなんだかいつも考えなしに飛び出してるなー)」

佐天「(異世界からやってきたお兄さんから貰いました?なんというファンタジー)」

佐天「(かと言っても、正直に話すのも……御坂さんから止めとけ、って言われてるし)」

佐天「(……いや。インデックスちゃんの知り合いだし、それに、相談するんだから、正直に
    話さなきゃ失礼だよね)」

234: ◆oDLutFYnAI 2010/04/05(月) 13:23:00.11 ID:NrFIp96o
黄泉川「小萌せんせー。お客だぞー」

小萌「お客?誰ですかー?……あー、あの時の補習の子ですねー。私に何か用ですかー?」

佐天「ちょっと、能力開発のことで質問があってですね……」

黄泉川「なんでうちの先生に?お前んとこのでもいいはずじゃん?」

佐天「あ、いや、友達から小萌先生が発火能力の専門家って聞いたんで」

小萌「ふぅーん……?いいですよー、じゃあこっちの部屋きてくださーい」

235: ◆oDLutFYnAI 2010/04/05(月) 13:23:27.20 ID:NrFIp96o
佐天「佐天涙子です」

小萌「月詠小萌ですー。それで、私にわざわざ話を聞きにきたっていうことは、あなたは発火能力系なんですねー?」

佐天「えっと、それなんですけど……今から言うことは絶対他の人に言わないでほしいんです」

小萌「なにかワケありですかー?安心してください、私は生徒との約束は絶対に破りませんから!」


そして私は先生に自分の能力のことを話した。
左天さんのこと、この能力の特性、学園都市の能力とはまた別の力であるということ。
そして、それによって私自身の能力が熱関係にあるということを。

236: ◆oDLutFYnAI 2010/04/05(月) 13:23:55.09 ID:NrFIp96o
小萌「oh...」

佐天「やっぱり……信じられないですか?」

小萌「……いえ、生徒の言ったことは信じます。けれど、一度その能力をみせてくれないですかね?
   話を聞いただけではわかりづらいところもあったので」

佐天「じゃあ、中じゃアレなんで、外で」

237: ◆oDLutFYnAI 2010/04/05(月) 13:24:23.95 ID:NrFIp96o
佐天「ん……結構熱くなってるな」

佐天「じゃあ先生、この鉄棒触ってください」

小萌「……熱いですよ?」

佐天「―――――ん」

小萌「ひやっこくなった?なるほどーこれが熱吸収ですか」

佐天「それで、これを放出すると――――っと」

小萌「確かに、ここだけ見ると普通の発火能力ですねー」

佐天「あと、もう少し熱貰って―――よし、それじゃ次は身体強化で」

238: ◆oDLutFYnAI 2010/04/05(月) 13:24:52.78 ID:NrFIp96o

小萌「……100m7秒台ですか。確かに、びっくりするほど速いですね」

佐天「たぶん、本職の身体強化系能力者には敵わないんでしょうけど……」

小萌「そうですねー、彼らにもいろいろありますが、速い人は5秒とかです」

黄泉川「いやいや、けど速さってのは疾さとの関係もあるじゃん?つまり瞬発力。お前さんの
    速さはどっちかというと瞬発力の方じゃん。ためしに反復横とびや他の科目も測定してみるじゃん」

小萌「そうですねー……って見てたんですか黄泉川先生!」

黄泉川「いくら人がいないからって、運動場でなんかしてたら私が気づかないわけないじゃん?
    で、そっちの子は身体強化能力者、ってわけじゃないみたいだが何者じゃん?」

240: ◆oDLutFYnAI 2010/04/05(月) 13:25:15.72 ID:NrFIp96o
小萌「うぇ……ど、どうしましょう佐天ちゃん、先生はいきなり約束を守れなかったです……」ぐすぐす

佐天「泣いてる!?いやいいですよ?この人にもお世話になったし……悪い人じゃないんでしょ?」

黄泉川「生徒を守るのが先生の務め、とモットーに警備員やってるじゃん。何、危ないと思ったら口外はしない」

佐天「えっと、それじゃあ」


説明中


黄泉川「oh...」

佐天「なんでみんなその反応なんですかね?」

黄泉川「そりゃあファンタジーなこと言われたら思春期特有のアレかと思うじゃんよ。が、まあ今の結果をみると
    そういうわけでもなさそうじゃん?」

247: ◆oDLutFYnAI 2010/04/05(月) 14:06:57.94 ID:NrFIp96o
黄泉川「それじゃさっそく体力測定するじゃんよ。準備はいいか?」

佐天「あー、その、お気持ちは嬉しいんですけど、あんまりやりたくないなー、って」

佐天「身体強化って言っても基盤の身体自体には変化ないんですよ。だから、あんまり使いすぎると身体がおかしくなっちゃうんです」

佐天「一度本気で身体強化したら、筋肉と間接にかなりダメージきちゃいまして。一日中動けなかったんです」

黄泉川「……なるほど。小萌、どう見る」

小萌「うーん……佐天ちゃんの言うその能力……フラグメントは、たしか脳のリミッターを外す、とかいう原理でしたっけ?」

佐天「左天さんからはそんな風に聞いてますね。使われていない脳の部分のカギを外すことによって云々って」

248: ◆oDLutFYnAI 2010/04/05(月) 14:30:48.61 ID:NrFIp96o
小萌「人間の身体って実はいつもは全然本気で動いてないんですよねー」

小萌「本気で動けばさっき佐天ちゃんが言ったようにすぐに身体が壊れちゃうんですよ」

小萌「それをさせないために、脳が無意識的にリミッターをかけて身体を抑制してるんですけど……もしかしたら、佐天たんのソレは、それが要因なのかもしれません」

黄泉川「……なるほどじゃんよ」

佐天「あの、よくわからないんですけど……」

小萌「ここの科学をもってしても、脳の仕組みとは完全に解明されていません。それが出来れば能力開発なんて簡単ですからねー。
   ですから、佐天たんの……この場合は左天さんの言うように、未使用の部分を使って能力を仕様するという方法もあながち否定はできないのです。
   そして、熱吸収―――能力使用時、つまり脳の未使用部分が活発化している時、リミッターが外れ、結果として
   身体能力が向上する、という仮説を今思いつきました」

佐天「うーん……わかるようなわからないような」

黄泉川「しかし小萌よ。全力で人間の身体を動かすなんぞ、そんなことしたら本当に身体が壊れるじゃん?とするるとだ」

小萌「はい。それだけでは説明がつきませんから、おそらく吸収した熱エネルギーをなんらかの別のエネルギーに変換し、
   それを動力、また身体の維持にまわしているのかもしれません。
   そもそもその能力が「熱を吸収」→「放出の際に攻撃として使える熱」と、ただ単純に熱を吸収放出しているのではなく、
   どこかでそのエネルギーが変換されているように思えますからね」

佐天「うおおおお……さすが専門家。本人にもわからないことをこんなすらすらと……」

小萌「勿論仮説ですからね?さっ、熱吸収、熱放出、身体強化……あとは、熱感知でしたっけ?」

佐天「熱感知って呼んでますけど……(魔術のことは言えないし、どうしよう)」

佐天「なんていうか、空気の歪みっていうか、違和感っていうか……そういうのが熱さでわかるんです」


250: ◆oDLutFYnAI 2010/04/05(月) 14:47:24.17 ID:NrFIp96o
小萌「熱に対しても耐性ができてるんでしたっけ?」

佐天「あ、はい。今ならかなりの熱さに耐えられますよ?」

小萌「んー……同系統能力者はその系統の能力に強いという特性をもっています。電撃使いに電撃は効きづらい。
    空間移動能力者に空間移動は使えない。これらはATM拡散力場によるものと考えられていますから、それに関しては説明がつきますが……」

小萌「熱感知、というのがどうにもよくわからないですねー……」
           サーチスキル
小萌「うーん……探索系統の能力なんですかねー……あれ?」

小萌「けど佐天ちゃん、幻想御手事件の時、葉っぱを操ったって言ってませんでした?」

佐天「あ……そういえば」

小萌「だとするとますます…・・・あ」

251: ◆oDLutFYnAI 2010/04/05(月) 14:52:16.07 ID:NrFIp96o
小萌「空気の歪み……熱……違和感……葉……」

小萌「……また仮定なんですが、もしかしたら、ですよ?もしかしたら、佐天ちゃんの能力は「熱操作」じゃないでしょうか」

佐天「……熱操作?」

小萌「正確には「熱量のベクトル操作」ですけど……だから空気の歪み=熱のベクトル変化を肌で感じられたのでは?」

佐天「んん……―――――あ、そういえば」

佐天「左天さんが言ってたっけ……「第四波動(小)なんざ器用なマネしやがって」って」

佐天「あれってつまり、私の熱操作が働いて放出する熱量を操作してたってこと……?」

小萌「なるほどー。これは、もしかしたらそういうことかもしれませんねー」




黄泉川「ちなみに私は専門的なことはわかんないから職員室に戻ったじゃんよ」

255: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/04/05(月) 15:35:33.36 ID:NrFIp96o
 

―――――夕暮れ時

佐天「お忙しいなかありがとうございました」ぺこ

小萌「いえいえーいいのですよー。それじゃあ能力開発頑張ってくださいねー?」

小萌「まずは「自分だけの現実」を見つけてください。話はそれからですー。ではではー」ふりふり

佐天「はーい」



佐天「「自分だけの現実」、か・・・・・」

佐天「あの時は出来なかったけど、今なら―――――」

佐天「――――よし。いっちょやりますか」

257: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/04/05(月) 15:46:08.61 ID:NrFIp96o
――――夜 自宅
佐天「さて……(目を閉じて)」

佐天「(集中――――――)」

     パーソナルリアリティ
―――自分だけの現実。
    あり得ない現実。起こり得ない現象。
    それらが『ただあるように在る』と錯覚する。
                                 パーソナルリアリティ
佐天「(「熱操作―――私の能力がこれだと仮定して自分だけの現実を構成する――――)」


―――世界に熱が溢れていることは承知。
    その流れを感知できることも自覚し。
    ならば創り出すのは容易い。 

佐天「(自分だけの現実―――『私だけの世界』。この世界を、私だけの意識で捉えること――――!)」


―――熱の存在を知覚し。
    熱の流れを察知し。
    熱の消失を感知し。
    熱の生産を観測し。
    熱の操作を可能にする――――


佐天「―――――視え、た。これが」

佐天「これが、世界か」

259: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/04/05(月) 15:50:15.05 ID:NrFIp96o
中二臭くするためにきのこ節まねようとしたが挫折した。もういい。



佐天「凄……なにこれ」

佐天「熱……なのかな?矢印みたいなので視える……」

佐天「あ……そういえば身体検査の時、念視能力だけAだったっけ……それでかな」

佐天「――――痛ぅ」ズキン


佐天「……ん。視えなくなった……」

261: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/04/05(月) 15:55:05.79 ID:NrFIp96o
佐天「いてて……いきなりこんなことしたからかな……頭痛いや」

佐天「けど……うん、けど……」

佐天「やったぁ……私、能力者になったんだ……!」

佐天「まだ熱を視るだけだけど……でも、でも……!」

佐天「やっと、私だけの能力が……ふ」

佐天「ふぅ……あ、あれ?なん、で……あ……そっか・……・…これが、うれし泣き、なんだ…・・」ぐすぐす



佐天「……うん。落ち着いた」

佐天「たぶん、感知はできたから―――それを視覚化した、ってことなのかな」

佐天「矢印は――ーそっか、この前物理で力の向きを表すのに矢印つかったから、それのイメージかな」

佐天「たぶん、まだ能力のレベル的には1かそれに届かないくらいかもしれないけど」

佐天「でも、これなら―――私は、強くなれる」

262: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/04/05(月) 15:59:05.31 ID:NrFIp96o
佐天「よし、もう一度―――」


佐天「うん、確かにある。そして……このイメージさえあれば」

佐天「熱吸収を――――おぉぉ!凄い!空気中から熱吸収できた!」

佐天「それよりも何これ!矢印の向きがぐにゃぐにゃして―――いてて、駄目だ、頭痛くなってくる」

佐天「……ふぅ。けど、できた。第四波動もあるから、今はこの程度でも十分即戦力だね」

佐天「ふぅー……疲れちゃったなぁ。少し早いけど、今日はもう休もう」

佐天「明日小萌先生に連絡して、またいろいろ聞こう」



佐天「熱放出忘れてた……うぅ……」ゴソ...

265: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/04/05(月) 16:08:59.24 ID:NrFIp96o
――――8月31日 AM0:00

佐天「……ん」

佐天「あ……目、覚めちゃったな」

佐天「えっとー……ああ、でも3時間も眠ったんだね。だったらいっか」

佐天「……ちょっと散歩でもしてこよう。そしたらまた眠くなるよね」



佐天「ふぅー・……夏も終わりとはいえ、まだまだ夜は熱いかなー」

佐天「うーん……学園都市は本当星が見えないなぁ。なんだか星空が懐かしい」

佐天「……駄目だ、らしくない。ホームシックにかかってるたい」

佐天「こういう時は走ろう。気も紛れるし」

267: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/04/05(月) 16:21:11.34 ID:NrFIp96o
佐天「ふー……この夏休みで随分健康的な身体になったかなー」

佐天「ほとんど毎日走りこみだもんね……あー、走るつもりでてて来なかったからなんか胸が邪魔げふんげふん」

佐天「そういえばこうして身体がつくりだした熱って能力につかえないのかなー……っとぉ!?」


一方通行「――――、……・!――!」

????「……・?―――?」


佐天「……あれ、一方通行と……なにあの毛布おばけ」

????「―――……。……?」

一方通行「    」

????「――――!――――――――!」


佐天「な――――」

佐天「何ィ―――ッ!!?あの学園都市第一一方通行別称白い悪魔が毛布をはぎ取った瞬間全裸の幼女が現れたーっ!?!!?」

佐天「こっ、これはまさか一方通行  コン疑惑!?それとも新たなる学園都市都市伝説発生の瞬間!?」

佐天「噂元は私その噂に尾ひれがつくことによって一方通行は完璧に  コン疑惑が張られて――――おお!なんだかすごい絡め手な攻撃!」

佐天「こりゃあさっそく携帯カメラで―――あれ?」

佐天「あの子……御坂さんに似てる?」

295: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/04/05(月) 21:33:43.56 ID:NrFIp96o
 
――――8月31日 AM8:20

佐天「うーん……」

佐天「(昨夜……見た一方通行とミサカさんに似た幼女)」

佐天「(尾行したら廃墟みたいな家について……どうやら恨んでる人が荒らしてったみたいだけど)」

佐天「(なんだったのかなぁ……)」

佐天「……お」


ミサカ「―――――」

佐天「妹さーん!」

ミサカ「―――あなたは」

佐天「……っとぉ、妹さんは誰さんかな。10032さん?」

ミサカ「いえ―――私は検体番号14444のミサカです、とミサカは初対面であるあなたに自己紹介をします」

佐天「あ、じゃあ人違い、ってことになるのか。ごめんね?」

ミサカ「問題ありません、とミサカは答えます。ちなみに」

ミサカ「あなたの求めているミサカ、つまり10032はそろそろ調整が終わる頃でしょう、とミサカは教えます」

佐天「本当!?」

ミサカ「ええ。10032は怪我を負っていたことにより調整が遅れ気味なのです、とミサカは答えます。
    本来ならすでに調整は終わっていますから、とミサカは自分を例にあげて話します」

佐天「そっか……じゃあ、もうちょっとで会えるんだ」

ミサカ「……ふぅ。羨ましいですね、とミサカは嫉妬の心をあらわにします」

佐天「え?」

296: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/04/05(月) 21:34:55.02 ID:NrFIp96o

ミサカ「私たちはたかだか複製ですから―――誰かにこうまで思ってもらえる10032が、とても羨ましく思えるのですよ、とミサカは私的な意見を述べます」

ミサカ「まあ私には関係ありませんが、とミサカは吐き捨てますが」

佐天「……もしかしてさ、寂しかったり?」

ミサカ「馬鹿なことを言わないでください、とミサカは動揺します。 
     私は今ある研究所で雇われ充実した生活を送っていますからとても満足です、とミサカは―――」

佐天「ふぅーん……なるほどねー。妹さんたちもそれぞれ個性があるんだね」

佐天「10032ちゃんは動物好きだったし……14444ちゃんは寂しがり屋なんだねー」

ミサカ「訂正なさい、とミサカは申し出ます。私は全然まったく寂しくなんかありませんから」

佐天「お、それから強情なのかな」

ミサカ「~~~~~。もういいです、私は行きます、とミサカは赤くなる顔をおさえてかけだします」

佐天「あ、行っちゃった……かわいいなあ」

佐天「っと、初春に呼ばれてたんだ。急がないと」



――――初春部屋

初春「さてんさーん!!!」

佐天「おーよしよし、宿題は終わったかい?」

297: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/04/05(月) 21:39:58.76 ID:NrFIp96o
初春「きっ、昨日で数学は終わらせました!頑張りましたよ私は!」

佐天「おーすごい。私は5日もかかったのに」

初春「ふふっ、無能力者と低能力者とでは格段に差があるのですよ!」

佐天「ふっふっふ。実は私も能力を手にいれたんだなぁーこれが!」

初春「え?嘘!?本当ですか佐天さん!」

佐天「もっちろん!ちなみに能力は熱のベクトルを視覚化することだよん」

初春「oh...」

佐天「え、何その反応。親友がついに能力者になったんだからもっと喜んでよ!」

初春「いやぁー……なんというか、微妙ですよね」

佐天「微妙!?確かに今は使いどころわかんないけどさ!」

298: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/04/05(月) 21:43:37.11 ID:NrFIp96o
初春「ん、何にせよおめでとうございます佐天さん!ついに念願の能力者じゃないですか!」

佐天「えへへ、ありがとねー」

初春「こうしちゃいられませんね!すぐに御坂さんと白井さんに連絡してお祝いを―――」

佐天「残念ですが―――初春さん。今、あなたに課せられた使命は?」

初春「―――宿題です……」

佐天「うん、まあ、宿題なんてぱーっと終わらせてさ!」

初春「そっ、そうですよね!お昼までに終わらせましょう!」

佐天「じゃあ初春は科学ね!私は読書感想文考えるから」

初春「あれ?手伝ってくれるんですか?」

佐天「まぁ、読書感想文なんてやってもやんなくれも一緒だからねー」

300: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/04/05(月) 21:50:22.92 ID:NrFIp96o
佐天「『――――かくして彼らの物語は幕を閉じる。
    暑い夏は終わった。残ったモノは何もなくただタタリという可動式が消えたことのみだ。
    だがきっと、彼女は得た。それは親友であり戦友であり、そして。これ以上言うのは無粋というものだろう。
    彼女の荒野に花が咲く。彼の道は常に変わらず。
    互いに交差することない人生。だがしかし、見えずとも、ここで得たものが支えとなることを信じて、彼女は往く。この果てしない道を』
    ――――っと、よっしできたー!あとはこれを初春が原稿用紙に写すだけだねー」

初春「はやっ!?もう終わったんですか?」

佐天「へっへー。私はどっちかというと文系だからねー。こういうのは得意なのさ」

佐天「そういう初春は……っと、もうすぐ終わりじゃん、えらいえらい」なでなで

初春「ん……って、子供扱いしないでくださいー!」

佐天「えー。でも宿題たよってきたしなぁー」


303: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/04/05(月) 21:54:06.79 ID:NrFIp96o
―――AM11:30

初春「でっ、できたー!」

佐天「早っ!?初春だって相当はやかったじゃん、凄い凄い」なでなで

初春「えへへ……じゃなくて!あとはこの感想文を写すだけですね!」




初春「さーてーんーさーんー!何ですかこの文章!なんか、その、凄くアレですよ!」

佐天「えぇー。でも最後の「花が咲く」とか初春っぽくていいと思うよ?」

初春「確かに私の花は大事ですけどそれとこれとは違います!しかもこれ、漫画の感想文じゃないですか!こんなの出したら怒られますよー!」

佐天「でも出さないよりいいでしょー?それにやってもらったんだから文句いわないの。ほらほら、早く写した写した」

初春「うううう……恨みますからね、佐天さん!」カキカキ

305: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/04/05(月) 21:59:16.47 ID:NrFIp96o
 

――――AM 12:40

初春「や、やっと終わりました……」

佐天「初春書くの遅いー。一時間以上かかってるよ」

初春「だって……いつもパソコンでしたから……書類とかも……」

佐天「はぁー。駄目だねぇ現代っ子は」

初春「佐天さんも現代っ子じゃないですかぁー……というか、内容がやっぱりアレですよ。もしかして佐天さん、自分の感想文もあんなの……?」

佐天「え?違うよ?あんな恥ずかしい文章、人に出せるわけないじゃーん。ちゃんと書いたよー」

初春「うわあああああああああ!佐天三のばかー!」

佐天「えー」

310: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/04/05(月) 22:10:37.64 ID:NrFIp96o
―――地下街前 PM 01:30


白井「お待たせしましたの」ヒュンッ

御坂「お待たせー。さて……」

御坂「おめでとう、佐天さん。ようやく本当に能力者になれたのね」

佐天「えへへ、ありがとうございます」

白井「それで、どんな能力なんですの?」

佐天「『熱ベクトルを視覚化する能力』です」

御坂白井「oh...」

初春「ほらほら佐天さん!やっぱりこの反応が普通なんですよ!」

御坂「え?あ、、いやそうじゃないんだけどね!うん、でもいろいろ応用ききそうな能力じゃない?」

白井「そ、そうですの。それにまだ手に入れたばかりでしょう?ということはこれから視るだけでなく操ったりもできるようになるのでは?」

御坂「そうそう!佐天さん前の身体検査の時念動力はBだったんでしょ?つまりそういうことよきっと!」

佐天「うう……嬉しいはずなのに素直に喜べない……」

312: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/04/05(月) 22:14:47.57 ID:NrFIp96o
御坂「ちょっと、佐天さん」

佐天「はい?」



御坂(その能力のことだけど……)
佐天(ああ……これは正真正銘私の能力ですよ?ちなみに、今は熱の向きさえ視えればそれで十分なんです)
御坂(そう……もし能力開発で質問とかあったら聞いてね?系統は違うけど、何かアドバイス出来るかもしれないし)
佐天「ええ、その時はまたお願いします)
御坂(なんたって、佐天さんは恩人だもの)
佐天(そんなことないですよ)



白井「あんなにお姉さまとくっついて……友達といえど羨ましいですわ佐天さん……!」

初春「(おなかすいた)」

316: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/04/05(月) 22:20:28.91 ID:NrFIp96o
―――地下街 喫茶店

佐天「それにしても4人でそろうのひさしぶりですね」

御坂「?何言ってるのよ、この前一緒に遊んだじゃない」

佐天「え?……あ!(御使堕しの時か!)」

白井「佐天さんはこの4人で揃うのが久しぶり、ということなんでしょう。以前はお兄様がいらっしゃいましたから」

御坂「あ、そっか」

佐天「そうですよ?いやぁーやっぱり身うちがいると私も素でいられないっていうかー」

初春「佐天さんって身うちで猫被る人なんですか?珍しい」

御坂「でもまあ、確かにあの時の佐天さんはなんだか可愛かったわよねー。いつもは快活だけどなんていうか、乙女?みたいな」

佐天「えー何ですかそれー。私はいつだって女の子なんですけどねー」

319: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/04/05(月) 22:24:16.96 ID:NrFIp96o
 


初春「みさかさんたちにでんわしたらみさかさんはようじがあるっていってました」

佐天「なんでいきなり棒読み!?まあ、いいや、用事があるな」

佐天「んーけど、それじゃあ何しよっか?」

初春「たまには二人で部屋でごろごろしましょうよー」

佐天「お、初春は私にごろごろで勝とうとおもっているのかー」

初春「ふふふー負けませんよー。宿題から解き放たれた私のごろごろ度ははんぱないですよー」


323: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/04/05(月) 22:28:33.75 ID:NrFIp96o
 

さてん「ねーういはるー」ごろごろ

ういはる「なんですかぁー」ごろごろ

さてん「よんだだけー」ごろごろ


ういはる「ねーさてんさんー」ごろごろ

さてん「なにー」ごろごろ

ういはる「おなかすきましたー」

さてん「えー」

ういはる「おなかすいたんですよさてんさんー」

さてん「つくるのめんどいー」

ういはる「たべるのめんどうですー」

さてんういはる「あはははははははははは」


ういはる「たまらないですねー」

さてん「ねー。このじぶんがだめになってくかんじがねー」

初春「それは佐天さんだけです」

佐天「えっ」

327: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/04/05(月) 22:39:01.27 ID:NrFIp96o
 

初春「さて、と」

佐天「え?え?やめちゃうの?」

初春「だってお腹すきましたし」

佐天「んー……じゃあファミレスいこっか?作るのめんどうだし」

初春「そですねー」


――――PM3:00

佐天「なんだかお昼ってよりもおやつって感じになっちゃったね」

初春「そうですね……さ!今日は私が奢りますよ!」

佐天「えぇ!?いきなり何さ!?」

初春「そんなの決まってるじゃないですか。佐天さんが能力者になったお祝いですよ」

初春「佐天さんが今までどういう気持ちだったか知ってますから―――ささいなことですけど、これくらいします!」

佐天「うい、はる……」じーん

佐天「初春ぅ……私、初春が友達で本当によかったよぅ……」ぐすぐす

初春「何言ってるんですか……それに私達は友達じゃないですよ」

佐天「え……」

初春「し・ん・ゆ・う。ベストフレンドです!」

佐天「初春ぅーーーーーっ!」



俺達「なあ、あれ……」
俺達「ああ……なにあの茶番……」

330: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/04/05(月) 22:43:54.29 ID:NrFIp96o
佐天「うっ……うっ……」ぐすぐす

初春「ほらほら、こんなとこで泣いちゃって。もう、仕方ないんだから佐天さんは」

佐天「だって……だってぇ……」

初春「何時もはお姉さんみたいなのに……ふふ、可愛いですよ佐天さん……」

佐天「……あのね、初春?」

初春「はい、なんですか?(やべぇ上目づかい涙目佐天さんやべぇ)」

佐天「初春が初めての人なんだよ……私が能力者になったことを教えた人」

初春「え……それって」

佐天「だって……私も、親友に一番に教えたかったから……」テレテレ

初春「佐天さん……ああ、もうっかわいすぎますよぅ佐天さぁんっ!」ギュッ

佐天「んっ……初春ちょっとはげし……」



俺ら「なあ、おい……」
俺ら「ああ・・・・・・・茶番が百合に進化した……」

334: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/04/05(月) 22:52:31.71 ID:NrFIp96o
――――PM03:25

佐天「はいっ、初春、あーん」

初春「あーん……んぅっ、まらあひゅいひゃないれふかっ」

佐天「あははっ、ごめんごめん。でもさ――――熱がってる初春も、かわいいよ?」(イケメンAA

初春「佐天さん……」ドキッ


客「(なんだあの客……)」
店員「(もしかしてそういう関係なのかしら……?)」
ミサカ「(これはとてもとてもな映像を入手しました、とミサカは興奮を抑えながら盗撮します)」


初春「じゃあ次はこっちらか……あーん」

佐天「あーん、っと……?もー初春のいじわるー」

初春「でも……拗ねた顔の佐天さんが見たくって……」

佐天「あ、やだ……恥ずかしいこと言わないでよぅ……」


客「(うあああああ何この気持ちいいいいい)」
店員「(本当にできてるのかしらあの子たち)」
ミサカ「(あれがミサカ達の命を救ってくれた人とは思えません、とミサカは鼻血をぬぐいながら盗撮します)」

337: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/04/05(月) 22:56:42.66 ID:NrFIp96o
佐天「……」じーっ

初春「……な、なんですか佐天さん?そんな見られると食べにくいですよ?」

佐天「んー……ほっぺにクリームつけながらパフェ食べてる初春かわいいなあ、って」

初春「え?あ、もう!教えてくださいよ佐天さん!」

佐天「だって……そんな可愛い初春見つめてたら、そんな暇なかったんだもん」

初春「も、もう……しょうがないですね佐天さんはっ」テレテレ



打ち止め「ねぇねぇ、なんだか甘い空気が流れてくるの、ってミサカはミサカはもんもんしてみる」

一方通行「あァ?何言ってやがる」



抜け出すタイミング見失ったわ

341: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/04/05(月) 23:08:50.61 ID:NrFIp96o
 

―――PM 04:00

佐天「ふぅ、ごちそうさまでした」

初春「ごちそうさまでした」

佐天「……ありがとね、初春」

初春「ええ、まあこれくらい奢るのなら別に―――」

佐天「そうじゃなくてさ」

佐天「やっぱり、嬉しかったよ。誰かにこの能力を認められること。本当にささいな能力だけど、自分で手に入れたものだからさ。
    幻想御手の時みたいなのじゃない、本当の能力―――努力を、祝福してくれる友達がいて」

佐天「だから、ありがとね、初春」

初春「さ―――佐天さん……」じわ……

佐天「そっ、それにさ!可愛い初春も見せてもらったし!だからごちそうさま、みたいな!」テレテレ

初春「なっ……もー佐天さんったらー」テレテレ

佐天「あははは――――は?」




佐天「一方……通行?それから―――」

佐天「昨夜の、女の子―――」

342: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/04/05(月) 23:11:17.94 ID:NrFIp96o
佐天「(店の外に一方通行。店の中に女の子。女の子はつっぷしてる……って!)」

佐天「初春!その女の子お願い!」

初春「え?え?」

佐天「あと支払いもお願い!」

初春「それは別に―――って佐天さんっ!?」


カランカラン   アリガトーゴザイマシター


佐天「―――待って!」

一方通行「……」

佐天「―――この……」

佐天「待ちなさいよ白髪野郎っ!」

一方通行「……あァ?」

344: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/04/05(月) 23:20:30.58 ID:NrFIp96o
一方通行「テメェ……あン時の女かァ?」

佐天「色々言いたいことはあるけど聞きたいことはひとつ!あの女の子誰なのよ。昨夜いきなり毛布とったりしてたし」

一方通行「ンだよ、あそこにいやがったのかァ?クソッ、別に俺は異常 癖なンざねェからな」

佐天「別にそれは聞いてないけど……それより、本当に誰なのあの子。ちらっとしか見なかったけど御坂さんによく似て―――」

一方通行「……あの実験に首つっこンでわかンねェのか?」

佐天「似、て――――え?まさか」

一方通行「アイツも複製だ。じゃァな」

佐天「あ、待――――」

ガゴンッ

佐天「―――――!」

一方通行「ちょーっと黙っとけェ女……今ァ考えるのに忙しいンだよ」

佐天「(あの時は夢中でわからなかったけど―――何、これ)」

佐天「(心臓が早い。汗が多い。身体が冷える。めまいがする)」

佐天「(これが――――これが、第一位の、本当の―――)」



佐天「―――っはぁっ……はぁっ……」

佐天「……動けなかった。はは、すくみあがるって、ああいうことを言うのかな」

佐天「ヘビに睨まれたカエル……ははは、全く、情けないなぁ」

佐天「……ファミレスへ戻ろう」

347: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/04/05(月) 23:31:19.68 ID:NrFIp96o
初春「佐天さんっ!」

佐天「初春、その子いまどんな感じ?」

初春「凄い熱で……全然返事してくれないんです」

佐天「……(どういうことだろ。実験は凍結、なのにこんなミサカさんがいて、一方通行は殺さずにいて、今―――ああもうわけわかんない!)」

佐天「とにかく、救急車呼ぼう?熱があるならなおさら」

初春「はいっ!あ、そうだ、一応白井さんに連絡して――」

天井「君達……その子は僕の身うちなんだ。預けてくれないか?」


354: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/04/05(月) 23:37:16.49 ID:NrFIp96o
佐天「え―――」

初春「え、あ、そうなんですか?あの、今瞬間移動の風紀委員に連絡してすぐに病院に搬送できるよう手筈を整えますから―――」

天井「いや、いい。病院へは私が送ろう」

初春「でも、連絡さえつけばこっちの方が早いですし」

天井「そこまで迷惑をかけるのは悪い。この子の持病でね、定期的に熱をだす。何、私が持ってる薬を飲ませれば一時的に熱はさがるから―――」

佐天「あなた……本当に身うちの方ですか?」

天井「……何?」

佐天「だっておかしいですよ。持病ってわかってるなら一人で出歩かせたりしないし、そもそも―――
   ―――昨晩、あの第一位と一緒にいさせるなんてことしないはずですから」


天井「――――クソッ」

ぱんっ

佐天「―――――!!!!」

初春「―――――!!!!」

天井「……っ!!」


初春「……!女の子が……!」

佐天「―――拳銃なんて、絶対普通じゃないじゃない―――!」

357: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/04/05(月) 23:43:08.18 ID:NrFIp96o
佐天「(ベクトル視覚化―――!)」

佐天「(熱は―――ここか!)」

佐天「よし―――このぉっ!待てっ!」

天井「チッ!」

ぱん ぱん


佐天「づ―――ッ!」

佐天「ぐ、うううううううううううううう!!!!!!(被弾、した―――!)」

佐天「(足……大丈夫、かすっただけ!わき腹も―――かすっただけ!)」

佐天「(痛いけど―――でも、大丈夫―――!)」

佐天「待ってっていってるでしょうがぁぁぁっ!!!!」

天井「ひっ――――」

ぱん ぱん ぱん

佐天「い、ったぁぁぁぁぁぁっ……!!!」

佐天「つぅうぅうううっ……!(右足……甲が、撃たれた―――!)」

天井「は、ははは―――!」

ガチャッ  ヴゥーン・・・

佐天「くぅっ……(逃げられ、た―――)」

359: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/04/05(月) 23:50:33.13 ID:NrFIp96o
初春「佐天さんっ―――!血が、佐天さんっ、血出てますよ!」

佐天「知ってる……!初春!ファミレスのpc借りて!あの車の行き先を追おう!」

初春「あ、でもその前に手当て―――」

佐天「いいから!急いで!」

初春「はいっ!?」


佐天「―――大丈夫。これくらいなら、なんてことない」

佐天「足を撃ち抜かれたのはキツイけど―――幸い、大きな血管は無事みたいだし、血もそんなにでてこないかな」

佐天「本当運がいいなぁ、私……」


初春「佐天さん、見つけました!」

佐天「ん……どこここ」

初春「封鎖された研究所ですよ。なんでこんなところに来たのか知りませんけど」

佐天「そっか……初春、そこまでの地図、出してくれる?」

初春「……駄目です」

361: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/04/05(月) 23:53:58.14 ID:NrFIp96o
初春「そんな傷を負ってる人に……そんな情報渡せません」

佐天「な―――何言ってるのよ!人が攫われたんだよ!?だったらすぐに助けにいかないと―――」

初春「それは!」

初春「それは―――私達風紀委員や、警備員の仕事です。一般人の佐天さんは、手を出さないでください」

佐天「な――――」

佐天「そんな悠長なこと行ってられる事件じゃない!何されるかわかんないし、あの子の身体だって!」

初春「それでも、です」

佐天「―――そっか。わかった。じゃあ、私は私で調べる。どいて初春」

初春「……嫌です」


362: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/04/05(月) 23:59:31.51 ID:NrFIp96o
佐天「・……!どいてよ初春!」

初春「嫌です!ここをどいたら佐天さん行っちゃうじゃないですか!」

佐天「当たり前でしょ!助けにいかないと駄目なんだから―――」

初春「だから嫌なんです!」

佐天「何さそれ!初春は私が人助けとかするの反対するの!?」

初春「違いますよっ!だって、だって!」

初春「だって、今佐天さんを行かせたら危ないじゃないですか!」

佐天「……は?」

初春「撃たれたんですよ?死んでたかもしれないんですよ?足の傷だって血は出てませんけど、大けがなんですよ!?」

初春「そんな危ないことに―――大切な親友に関わってほしくないんです!」

佐天「―――そんなの」

佐天「そんな言い方は卑怯だよ……そんな風に言われたら、動けないじゃない」

363: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/04/06(火) 00:04:03.79 ID:olkdmZco
ガシャアンッ

初春佐天「――――!?」

店員「てっ、敵襲ーっ!?」

上条「俺の課題どうしてくれんだテメェ―――!」

インデックス「やだぁっとーまのxxx!」

初春「あわわわわ何ですか!?能力者の喧嘩!?」

店員「あ、風紀委員さん!この人達どうにかしてくだしあ!」

初春「わっ、わかりました!あ、白井さんですか!?今第七学区の―――」



佐天「―――ごめんね、初春」

佐天「さて―――よし、ここか」

384: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/04/06(火) 18:27:49.38 ID:olkdmZco
――― PM07:15

佐天「はっ、はっ、はっ―――」

佐天「(こっから研究所まで結構距離ある……いくら早く動けるようになっても、体力はあまり変わらないのが辛い―――)」



一方通行「(あン……ありゃァ……)」

一方通行「……まァ、関係ねェな」だんっ


佐天「けど、休んでる暇もな―――」

佐天「あれって―――なんで一方通行が」

佐天「……研究所の方にむかってる?」

385: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/04/06(火) 18:36:47.79 ID:olkdmZco
―――PM08:10

佐天「―――っはぁっ……ぜぇっ……がっ!」

佐天「(―――時間は―――嘘、一時間も走ってたんだ……)」

佐天「……けど、もうすぐ、着く」

佐天「(なんで一方通行が―――わからないけど、あの御坂さんに似た女の子―――)」

佐天「(その子に、何かするのなら―――)」

佐天「(止めないと―――)」



――――PM08:12.24

一方通行「―――ざまァねェな」

一方通行「今更、コイツ達に何の未練があるって言うンだろォな」

386: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/04/06(火) 18:40:47.25 ID:olkdmZco
――――PM 08:12:34

佐天「―――よし、着い―――な、あの車……なんで事故って?」

佐天「―――?車の、中―――あれって」

佐天「……ッ!一方通行!女の子に何して―――!」


―――PM 08:12:37

一方通行「……」


―――PM 08:12:38

天井「……う、くっ……!あ、あの子は―――!」

天井「くそ……邪魔、させて、たまるか……!」ガチャッ

388: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/04/06(火) 18:58:47.72 ID:olkdmZco
―――PM 08:12:45

「邪魔、を、するな―――」

立ち上がる。痛みなど感じない。今は全て、眼前の悪魔にのみ意識を向ける。              ワケ
拳銃を構える。この距離だ、外す道理は無し。そしてこの弾丸はあの時少女へ向けて撃ったものとは物が違う。
衝槍弾頭。壱撃目の弾丸で傷を負わせ、弐撃目の衝撃波で傷を抉り命を穿つ。
それが例え悪魔であろうとも。人の身体であれば死なぬ筈も無し。
その悪魔が、何か特別な能力を持っていた気がするが、そんなことはどうでもいい。
私の全てを。
私の全てに。
手を触れているという事実が、ただただ許せないのだから。


―――PM 08:12:50

「オイオイ、嘘だろ―――」

[ピーーー]つもりは無かった。だが、たかが研究員が、真逆、起き上がるとも思っていなかった。
昔の自分ならば。こんな甘いことなど起こらなかった筈なのに。
後悔するが遅い。奴は拳銃をこちらへと構える。
血を流した目からは正気は窺えず、この能力のことすら忘れているようだった。
しかし。反射を切ってしまっている今。それがどれだけ恐ろしいか。
本能が反射を取り戻せと叫ぶ。それこそが最善の選択肢だと。
今更自分のような人間が誰かを救おうと思うことが間違いだった。
世界は甘くない。だから、今こそその能力を自分だけのために使えと。
だがしかし。
終ぞ、自分はその選択肢を選ぶことは無かった。

390: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/04/06(火) 19:06:44.44 ID:olkdmZco
な、何ィー……!そうか、ここは制作だったか……すっかり忘れてたぜェ規制が入るってことになァ!!
無理して地の文書いたのに死にたいれrす。



―――PM08:12:54

「――――え?」

ワケが解らなかった。
血まみれの男が拳銃を構え、それを一方通行が凝視している。
男の怪我はおそらく一方通行によるものか。ならば、彼の能力を知らないはずがない。
だと言うのに。何故撃とうとしているのか。
あのままでは反射された銃弾に身体を貫かれるだろう。そしてあの角度。間違いなく頭を撃ち抜かれる。
あの男が良い人間とは思えない。女の子を攫い、撃ってきた男だ。
だがしかし。
だからと言って、死んでいい理由も無い―――!

「――――撃つなぁぁぁぁぁあああああああっ!!!」


肺の空気を全て仕様した咆哮は、男に届いたようだ。
驚愕した表情でこちらを向き、そしてそれは疑問と焦燥に塗り替えられる。
しかし、それはほんの一瞬で。
すぐに一方通行へと意識を戻した。
全力で疾走って来た後の叫びで、私の身体はその場に止まる。
駄目だ。このままでは男は死ぬ。
私は、結局目の前の人間すら救えず―――

392: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/04/06(火) 19:13:52.76 ID:olkdmZco
―――PM08:12:59.51


空気を裂く音が響く。
そして、

(――――なん、で?)

そして、一方通行の頭が、後ろへ弾けた。刹那送れて身体が飛ぶ。
何故反射をしていないのか。
攻撃されると解っていた筈なのに。

「―――不正な処理により上位命令文は中断されました。通常記述に従い検体番号20001号は再覚醒します」

機械的な淡々とした声が耳に届く。
そしてその内容を噛みしめ――――そして。


眼前の光景と共に、自分の認識が間違っていたことに、今更気付いた。

393: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/04/06(火) 19:23:10.54 ID:olkdmZco
詳しい理由など解らない。
だが、おそらく。一方通行は彼女を救おうとしていたのだ。
自分を守る反射を切り捨ててまで。

「―――く、あ、ああああああああっ!!!」

訳もわからず男に飛びかかる。
何故自分の弾丸が一方通行に当たったのかわからないまま放心していた男は、我に帰って私を狙う。

重い音と衝撃。
気付かない内に後ろに飛んでいて。
気付いた時には痛みが身体を駆け巡っていた。

痛い。頭がマワラナイ。熱い。お腹がアツイ。
抉られたような刺激に脳を支配される。
もうわからない。
私の意識は、そこで終わった。



第六幕  完

397: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/04/06(火) 19:46:18.81 ID:olkdmZco
ひゃはー!ありがとう社長!これで心配ごとは消えたよ!
けどなんで3つも案きてるんですか?


―――9月1日  AM05:36

佐天「――――病院?」

芳川「あら、気付いたかしら」

佐天「ひっ!?……えと、どちら様で?」

芳川「どちら様、というのは難しい質問だけど……そうね、じゃあ、あの子達の保護者、と言っておきましょうか」

佐天「あの子たち……?」

芳川「一方通行と打ち止め、よ」

佐天「一方通行……そう、いえば」


ぼんやりした頭で昨夜のことを思い出す。
一方通行が撃たれて、私も撃たれた。
そこで意識はなくなったけれど、そういえばあの男はどうなったんだろう。


398: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/04/06(火) 19:51:33.96 ID:olkdmZco
芳川「……その表情だと、あまり自体が呑みこめてないみたいね」

佐天「まぁ……あの、よかったら教えてほしいんですけど」

芳川「私も途中からだから―――かくかくしかじか」

佐天「しかくいむーぶ……」

芳川さんが話てくれたことは、正直わけがわからなかった。
打ち止めと呼ばれる少女は妹さんたちの一番上で。
その子を悪用しようとしていたのがあの男で。
それを食い止め、打ち止めを救ったのがあの一方通行だった、ということだ。

佐天「一方通行が……でも、なんで。一方通行は妹さんたちを殺してたのに」

芳川「……そのことについては、私から話すべきではないわ。本人に聞いてみなさいな」

芳川「もっとも、当分会えないだろうけれどね」

佐天「え?」

芳川「あなたは見たのかしらね、あの子が撃たれた所を」

佐天「あ―――そう、そうですよ。どうなったんですかあの人は」

芳川「……ギリギリの所で反射を取り戻したのだけれど、脳にほんの少しダメージがいってたのよ」

401: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/04/06(火) 19:56:38.68 ID:olkdmZco
芳川「前頭葉―――言語や計算を行う部分。そこにダメージが残ってしまった」

佐天「計算―――え、じゃあ」

芳川「今の一方通行は能力が使えない――――」




芳川「――――ってことは無いわ。一番簡単な、反射だけならなんとか使えるくらいね。勿論、無意識に演算してた昔とは違い、
         それに集中しなければならないけれど、ね」

佐天「あ……でも、やっぱり、前みたいな風には出来ないんですね」

芳川「その点については手を打ってくれたわ」

佐天「手?」

芳川「あなた、どうやら実験のことを知ってるみたいだから言うけど―――妹達はMNWというものを使っていることは知っているかしら?」

佐天「ああ、妹さんから聞きましたよ。なんでも、全部の妹さんたちの脳を共有してるって」

芳川「そのネットワークに干渉する機械を作ってくれるそうよ―――昔ほどではないけれど、彼は一時的に能力を使えるようになるわ」

佐天「どういうことなの……」

芳川「つまり、一万の脳を仕様できるってことよ。それでも昔通りにいかないって、彼の脳はどれだけ凄かったのかしらね?」

406: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/04/06(火) 20:00:28.02 ID:olkdmZco
芳川「じゃあ、私はこの辺りで―――あなたが何のためにあの場にいたのかわからないけれど、起きたら彼に礼を言うといいわよ。
    あなたのその傷は致命傷だった。けれど、彼が血流のベクトルを操って失血死しないようにしてくれてたの」

佐天「な―――」

芳川「ちなみに私も、ね。本当、あの子の脳はどうなってるのかしらね?撃ち抜かれて尚、二人の血流を操作するなんて」バタン



佐天「……そっか。なーんだ……今回は完全にはやとちりだったんだね」

佐天「私がいる意味なんてなかったんだ」

佐天「……そういえば、あの男がどうなったか、聞いてなかったなぁ」

佐天「……」

佐天「いいや、寝よう」

410: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/04/06(火) 20:41:16.44 ID:olkdmZco
 

―――9月1日 AM09:21

佐天「んっ……」

初春「さーてーんーさーんー……」

佐天「おわっふ!う、初春!?え、なんでここにいるの!?」

初春「なんでじゃないですよ!あの後監視カメラ調べてみたら佐天さんが云々だったんですから!」

佐天「というか学校は!?もう始まってるでしょ!」

初春「鎮まりなさいっ!」

佐天「」びくっ

初春「こんなに怪我して!狂と言う今日はもう許しません!しっかり反省してもらいます!」

佐天「べ、べつにいいじゃん……私の身体なんだから」


初春「そうですけど!心配する私の身にもなってくださいよぉっ!」

411: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/04/06(火) 20:50:56.02 ID:olkdmZco
佐天「う……だからその言い方は卑怯だよ……」

初春「ばかー!佐天さんのばかー!死んだらどうするつもりだったんですかー!うええええええええ!!!」

佐天「あ、あーあーあー!わかったから!だから泣きやんでストップ初春!!!」

初春「びえええええええええええええん!!11」

佐天「う、うあ、ああもう!!」

ぎゅっ

初春「ひうっ!さ、さてんさん・・・?」

佐天「大丈夫だからね?私はちゃんとここにいるし、初春から離れたりしないから」

初春「ひ、あ、あうううううう…・…さてんさぁーんっ!!」ぎゅうぅ

佐天「(おふぅ……傷にひびく……こっちから抱きしめたと言えどこれは失策だったぜ……)」



412: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/04/06(火) 20:55:48.28 ID:olkdmZco
初春「……」

佐天「……あの、初春さん、そろそろ離して―――」

初春「嫌です」ぎゅうっ

佐天「あうっ」ずきっ

初春「佐天さんは嫌ですか?」

佐天「い、嫌じゃないけど……(けど傷が痛いのよ)」

佐天「あ、ほら、この体制だと初春疲れるでしょ?だからさ」

初春「だったら―――えい」

初春「こうしたら、佐天さんも私も楽ですよ?」

佐天「」

佐天「(いやいやいやだからって寝てる所に馬乗りになられてもって傷いたいー!)」

初春「んー……あ、こっちのほうがぎゅってしやすいです……」ぎゅう

佐天「(らめえええええ傷口開いちゃうううううう!)」

415: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/04/06(火) 21:06:06.98 ID:olkdmZco
初春「あー……さてんさんのにおいだぁ……」くんくん

佐天「(落ち着け佐天涙子、意識をカットカットカット……痛みなんてものは痛覚神経の電気信号でありまた化学物質の伝達に
    よって起こる危険信号でもあるつまりその分泌を止めてしまえばこの地獄のような痛みから逃げ出すことができることも
    道理でありしかし御坂さんや一方通行ならともかく私にそんなことできるのだろうかいやできないはずがないやってやる
    そうさ私は佐天涙子ちゃんだもの)」

初春「さてんさんのむねやわらくてきもちいいですぅー……」すりすり

佐天「(カットカットカットカットカットカットカットカットカットカットカットカットカットカットカットカットカットカットカットカットカットカット
    カットカットカットカットカットカットカットカットカットカットカットカットカットカットカットカットカットカットカットカットカットカット
    カットカットカットカットカットカットカットカットカットカットカットカットカットカットカットカットカットカットカットカットカットカット
    カットカットカットカットカットカットカットカットカットカットカットカットカットカットカットカットカットカットカットカットカットカット)」

初春「あは―――さてんさんすごいあせかいてますよぉ?わたしがなめてきれいにしてあげますねー……」

佐天「(一番停止二番停止三番停止四番停止五番六番共に停止最終ライン七番に全神経をそそぎ守りぬくその意識)」







ミサカ「おやおやこれは、とミサカは禁断の愛にぽっと頬を染めてしまいます」

417: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/04/06(火) 21:10:42.99 ID:olkdmZco
初春「え?きゃあああああああっ!!!!」どんっ

佐天「がふっ」かくん

初春「ああああ佐天さん!って今まで私何を?!うわあああ恥ずかしくて[ピーーー]るううううう!!!」

ミサカ「落ち着きなさい、とミサカは花女に告げます」

初春「え?え?だって佐天さんがぎゅうってしてくれたからなんだか安心しちゃってあれなんでなんでなんでですかぁーっ!?」

ミサカ「どうでもいいからはやく佐天の身体の上からどきなさい、傷が開いてます、とミサカは忠告します」

初春「さ、さてんさーん!!!」がくがく

佐天「」

ミサカ「いい加減にしなさい」

初春「」ビクッ

ミサカ「この患者の容態は私が看ます、早く出て行きなさい、とミサカは若干怒りながら告げますが」

初春「あ……でも」

ミサカ「ハヤクシナサイ」

初春「……はい」バタン

420: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/04/06(火) 21:16:17.47 ID:olkdmZco
――――。

佐天「―――あれ」

ミサカ「気がつきましたか、とミサカは確認をとります」

佐天「妹さん……の、誰?」

ミサカ「……確かに私たち妹達を見分けろというのは酷ですが、けれどなんだかショックです、とミサカつまり10032は落胆します」

佐天「あ―――久しぶり妹さんっ!」

ミサカ「なんともまあ釈然としない感動の再会ですが、久しぶりですね、とミサカは手を握ります」

佐天「うんっうんっ!で、なんでここにいるの?」

ミサカ「それは一応ミサカはあなたの主治医の助手ですから、とミサカはナース服をみせびらかせます」

佐天「あ、今気づいたけどナース服だ。似合ってるよ妹さん」

ミサカ「それはどうも、とミサカは少々照れながら謝礼を述べます」

佐天「……ところで初春は?なんだかとんでもないことされた気がするけど……うーん?」

ミサカ「……(おそらくあまりの痛みで前後の記憶が飛んでいるのでしょう、と推測します)」

ミサカ「彼女ならあなたが眠ったのを確認して学校へ行きましたよ、とミサカは目をそらしながら答えます」

422: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/04/06(火) 21:23:30.57 ID:olkdmZco
ミサカ「しかし、あなたはまた無茶をしたようですね、とミサカはやれやれと肩を落とします」

佐天「ん……今回は完全に先走っちゃったんだけどね」

ミサカ「まああの時も何の手だてもなく第一位に向かっていくあたり、全く変わってないようですが、とミサカはあなたの無鉄砲さを遠回りに揶揄します」

佐天「えー」

ミサカ「それでは少し傷を診せてください、とミサカは聞きますが」

佐天「ん、わかった」しゅるしゅる

ミサカ「起きていると辛いでしょうから横になっててください、とミサカはいっちょまえにあなたの身体を気遣います」

佐天「はーい」



ミサカ「……少々傷が開いたようですが、あまり問題は無いようですね、とミサカは安心します」

ミサカ「(それにしても、綺麗な肌ですね)」さわっ

佐天「ひゃいっ!?ちょ、くすぐったいよ妹さんっ」

ミサカ「」ゾクッ

423: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/04/06(火) 21:28:16.19 ID:olkdmZco
ミサカ「」さわさわ

佐天「んあぅっ……え、あ、妹さん?」

ミサカ「これは触診です、とミサカは若干興奮気味にいえなんでもありません」さわさわさわ

佐天「あっ……ひっ、や、やだ……そんな変な触りか……ひうっ!」ビクビクッ

ミサカ「」ぞくぞくっ


ミサカ「は!」

ミサカ「危ない危ない、もう少しでダークサイドへ堕ちる所でした、とミサカは慌てて手をひっこめます」

佐天「はぁ……はぁ……」

ミサカ「しかしこれは……」

ミサカ「いえいえ駄目です、この人は恩人であり大切な友人です、とミサカは邪念をはらいます」ぷるぷる

佐天「はぁ……あ、しょくしん、おわったの……?」

ミサカ「は、はい、とミサカは目を背けながら答えます」

佐天「ん……そっか(ちょっと気持ちよかったとか言えない/////)」

424: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/04/06(火) 21:30:01.41 ID:olkdmZco
ミサカ「それでは、安静にしていてくださいね、とミサカは部屋をあとにします」ぱたん

佐天「はーい……ふぅ」


そして私の意味のない夜は終わった。
しかし私はまだ気づいていなかったのだ。
あの時の行動が、この後彼にどう影響するかということを――――


幕間 完     

打ち止め編 終

464: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/04/10(土) 16:46:26.74 ID:996zEj6o
9月1日 昼


佐天「あー、なんか麻酔切れてきたみたい。痛い痛いよー、っと」

蛙医者「その様子なら案外大丈夫そうだね?」

佐天「えー。でも痛いですよ。局所麻酔くださいな」

蛙医者「あまり薬に頼りすぎるのもよくないからね?」

佐天「いやいやー、能力開発で薬漬けなのに今更ですよ。あ、薬漬けってなん
    だか   な響きだと思いませんか?」

蛙医者「医者である僕としては薬をそんな風に使って欲しくないんだけどね。そ
      れに、僕は和 派だからね?」

佐天「そりゃあ私だって愛がなきゃ嫌ですけど、禁忌に近づけば近づくほど  
    チックな感じがします」

蛙医者「確かに医者が力を使ってナースを、ってのは燃えるけどね」

佐天「ですよねぇ。あ、そういうば、妹さんのナース服可愛かったなぁ」

蛙医者「それには同意だけどまだナース服に着られている感じではあったね?そ
     の点ではまだまだかな」

佐天「あー、確かに確かに」

佐天「そうだ、妹さんてもうすぐ調整終わるんですか?」

蛙医者「あと1週間、といったところだね」

佐天「そっかー。じゃあ一緒に遊べるのは1週間後かぁー」

蛙医者「うん?いやいや、それは無理だね」

佐天「えっ」

465: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/04/10(土) 16:47:32.98 ID:996zEj6o
蛙医者「だって君が完治するまであと二週間はかかるからね」

佐天「えぇっ!?そんなに?」

蛙医者「あの子は君の容態を詳しく説明していかなかったようだね?
 前回同様の筋肉と間接の裂傷擦過傷、さらに銃弾により撃たれた足を無意識に
    庇って走り続けたことによる、片足への負担からくる疲労骨折寸前の骨。
 止めにお腹に穴が空いてるからね?しかも周囲が抉られたかねような傷がある。
 なんとか痕が残らないようぬするけど、とにかくそれだけの怪我なんだ、二週間で完治することを喜ぶべきだよね?」

佐天「うっ・・・・・・そんなに大変な傷だったんですか」

蛙医者「そういうことだからお大事にね。あの子は担当につけておくから、好きにつかうといいね?」 ぱたん


佐天「うーん、二週間かぁ。能力身に付けたし、ちょっと授業楽しみだったんだけど」

佐天「ま、いっか。初春に頼んで教科書や本持ってきて貰おう」

佐天「・・・・・・暇だなぁ」

佐天「別に眠くもないし」

佐天「暇だ・・・・・・テレビでもつけよ」


468: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/04/10(土) 17:28:22.27 ID:996zEj6o
TV「―――学区の地下街にて大規模テロが――――」

佐天「うぇ……テロリスト?そんな物騒なの本当にいたんだ」

TV「―――た、……のため―――びいんがと、……めん……」

佐天「うん?ノイズ?おっかしいなぁ、学園都市のテレビがノイズって……
    あー、もしかしてカメラの方に異常でも出たのかな」ピッ

佐天「テロ、テロねぇ……って、あの辺りって初春達の管轄じゃないの?
    ……いや、テロリストとかそんなのは警備員が出勤するだろうし、大丈夫だと思うけど……」


佐天「……電話してみよ」

pllllllpllllllllllllll

469: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/04/10(土) 17:36:35.84 ID:996zEj6o
初春『はっ、はい!初春飾利ですっ!!』

佐天「……どうしたの?そんなに丁寧に」

初春『えっ、あっ、え?いや……なんでもないです!それよりどうしたんですか?』

佐天「いや、さっきニュースでテロリストがどうのこうのってやってたから、風紀委員はどうなのかなぁーと思って」

初春『私は役に立たないので支部に居ますけど……白井さんは地下街に閉じ込められた人の救出活動に行ってますよ。
    基本は警備員の人たちが相手してくれてますから、全く問題ないです。さっすが戦闘のプロ』

佐天「そっか。心配したけど大丈夫そうだね」

初春『はうっ!……佐天さんはこんな私でも心配してくれるんですか?』

佐天「?当たり前じゃん、友達……いや、親友でしょ?」(キリッ

初春「うううっ!……朝、あんなことしたのに?」

佐天「(あんなこと……?えーと……お見舞いきてくれて、ああ、そういえばなんかやたらすごい剣幕で怒られたっけ?あんなこと気にしないのに)」

佐天「あはは、あんなの気にしないよ?初春って結構繊細なんだねぇ」

初春「(あんなこと!?親友を襲おうとして傷口を開いてしまった行為をあんなこと!?なんて懐の広い……)」

初春「そ、そんな……佐天さんっ、もう一生ついていきますっ!」

佐天「えー。大げさだよー。それじゃ、仕事頑張ってねー」

初春「はいっ!頑張ります!」

ピッ

473: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/04/10(土) 18:00:28.88 ID:996zEj6o
佐天「ふぅ……っと、お、お、おお……?」


佐天「う、あ、何、これ……くらくら、して……」


佐天「t、・・・k・・l・;jkl・・・」




――――9月1日 夕暮れ時

佐天「――――っは!」

佐天「え、あ、夕日?今何時―――って18時!?何これキングクリムゾン?」

佐天「……わけわかんない、けど、まぁいっか。どうせすることもなかったし」


ガラッ

佐天「お……?」

上条「よっ」

佐天「あ、どもー。って何しに来たんですか?」

上条「見舞いだよ見舞い。たまたま病院きたらたまたま佐天さんが入院してるって知ってな。
    下の店でプリン買ってきたからあとで食べてくれ」

佐天「おー、ありがとうございます!……いつもお金無いって騒いでるのに大丈夫なんですか?」

上条「お見舞いのお菓子だすことに躊躇うほど、上条さんは小さな男ではありませんよ、っと」

474: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/04/10(土) 18:07:23.96 ID:996zEj6o
上条「でだな……」

佐天「はい?」

上条「ていっ」 ピンッ

佐天「いたっ」 ビクンッ

上条「あの医者から聞いたぞ……何してたのかは聞かないが、女の子なんだからそんな怪我するほど無理しちゃダメだろ」

佐天「う、ううー……いやまあ、これには深いワケがあったんですよ。それに怪我だったら上条さんだってしてるじゃないですかー」

上条「俺は男だからいいんだよ」

佐天「それって男女差別だと思いますぅー」

上条「えぇー……いやまあ冗談抜きで、本当に死にかけの怪我だったんだろ?」

佐天「そうらしいですけど……けど、やる時はやらねばならないのですよ」

上条「言ってることは共感できるが、俺としてはあんまり女の子に無理してほしくないけどな。佐天さんが怪我したら俺が心配する」

佐天「それは私にホの字だからですかね?」

上条「はっはっは、確かに家庭的な女の子が好きですけど上条さんのタイプはお姉さんですよ」

佐天「うーん、私結構お姉さんっぽいと思ったんですけど駄目ですかねー?」

上条「あと少し早く生まれてきてたらなぁ。惜しかった惜しかった」

478: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/04/10(土) 18:13:17.36 ID:996zEj6o
佐天「それは……残念ですね。私、上条さんのこと結構狙ってたのに……」シュン

上条「ぶふぉっ!え、何、なんでこのノリでいきなり真面目!?ちょっとびっくりしましたよ!?」

佐天「だって……真面目に聞くの、恥ずかしいじゃないですか……」

上条「え、ええ、ええええええ?」

佐天「……って、冗談ですよ冗談。第一、私なんかじゃ上条さんと吊りあいませんって」ニヤニヤ

上条「……そんなことねぇよ、佐天さんは家事出来るし頑張りやだし、そんな性格だし……むしろ俺の方が釣り合わないって」

佐天「そうですか?じゃあ彼女にしてくださいっ」

上条「げほぅっ!!だからいきなりノリ変えないで!びっくりするから!」

佐天「あははははは!上条さんって面白いですね!」

上条「くっ、3つも下の中学生に舐められたままの上条さんじゃあないぜ!よし、涙子!」

佐天「なにかな、当麻クンっ」

上条「くそぅ、さも当然のように返された!そして恥ずかしい!」

佐天「私も恥ずかしいですよ……」



ミサカ「ひゅーひゅー、やってるねぇ、とミサカは一昔前のようにあおりたてます」

480: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/04/10(土) 18:21:47.72 ID:996zEj6o
佐天「あ、どうもー」

上条「ミサカ?ってナース服?……あのクソ医者めぇぇぇ!!!」

ミサカ「おそらく貴方はあの医者の趣味で着せられたものだと勘違いしているようですが、これは私の意志で来ています、とミサカは公言します」

上条「な……お前、ナース服好きだったのか……」

ミサカ「この服が好きかどうかというよりも、常に同じ制服だったので別の服を着ることに興味があるというだけです、とミサカはあなたの認識を訂正します」

佐天「あ、そうだ、妹さん。上条さんがプリン買ってきてくれたから一緒に食べよ?」

ミサカ「それはとても魅力的な誘いですがそのプリンは貴女のもので、さらに私は勤務中ですので、とミサカは自分の仕事に対する真面目さをアピールします」

佐天「実は私あのお医者さんから妹さんのこと好きにしていいって言われてるんだー。
    だから一緒に食べよ?ね?」

ミサカ「……ですが」チラッ

上条「うん?ああ、そうだな、一緒に食べるか。丁度1パック3つ入りだしな」

ミサカ「……では、頂きます、とミサカは少々照れながら椅子に座ります」


483: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/04/10(土) 18:27:03.19 ID:996zEj6o
佐天「じゃあはい、これ」



インデックス「とぉーーーーーうぅーーーーーーまぁーーーーーーーーー」

上条「うぉっ、い、いんでっくす……はっ!いや、違うんだインデックス!このプリンは佐天さんから貰ったもので……!」

インデックス「へぇーそれじゃあとうまは私をほったらかしにして病室で女の子と喋りながらその子がくれたプリンにシタツヅミを撃ちながら
      きゃっきゃうふふってするつもりだったんだね」

上条「あ、いや、それはだな……」

index「……うううううううううう」

ミサカ「……そんなにプリンが欲しいのならミサカの分をどうぞ、とミサカはシスターにプリンを差し出します」

index「え、いいの?さっすがくーるびゅーてぃー!」

上条「おいおいそんなことする必要ないぞ。ほら、インデックス、そのプリンはミサカ妹に返してこっちを食べなさい」

index「えぇーだってそれ食べ掛けだもん」

ミサカ「いいのですよ、私は。ただ、涙子の好意を無駄にしてしまったことをミサカは謝罪します」

佐天「うぇ?いいよいいよそんなの。ほら、私と半分子しよ?」

485: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/04/10(土) 18:32:11.50 ID:996zEj6o
上条「おいおいそのプリンはもともと佐天さんのために買ってきたもんだぜ?
    なあミサカ妹、嫌じゃなけりゃ俺と半分子しようぜ?」

ミサカ「……!そ、それは」

上条「あ、やっぱり食べ掛けじゃ嫌だったか?そうだよな、ごm「いえ、そんなこと全く全然嫌悪感など抱きません、とミサカは早口でまくしたてます!」

ミサカ「あっ……えっと、はい。もし分けていただけるのでしたら、その、是非」

上条「おぉ、うちのインデックスが迷惑かけたからな、ほれ、あーん」

ミサカ「……・!!!!」ビシッ

上条「ん?どうした?」

ミサカ「い、え……あーん……んん」

上条「安物だからそんなに美味くないと思うけど、どうだ?」

ミサカ「い、え……はい、以前涙子に貰ったものと同じくらい、美味です、とミサカは顔の毛細血管に血液が集まって行くのを確認しながら答えます」ゴニョゴニョ

佐天「(!はっはーん……)」



インデックス「むぅー……なんだか変な雰囲気なんだよ。でもプリンは美味しいんだよ」

488: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/04/10(土) 18:40:11.82 ID:996zEj6o
上条「それじゃ佐天さん、お大事にな。また見舞いくるからさ」

インデックス「早く良くなってご飯つくりにきてね!待ってるよ!」ぱたん

オイオイインデックスオマエイツモソレバッカダナ
エーダッテトウマノツクルゴハンヨリオイシイシーソレヨリナニアノフンイキコノー!
エエエエエエオレナニカシタッケ!?フコウダー!


佐天「……さて、妹さん」

ミサカ「はい、何でしょう、とミサカは返事をします」

佐天「あなたは今上条さんに恋をしていますね?」

ミサカ「……何のことかわかりかねます、とミサカは口笛をふきます」

佐天「とぼけるんじゃありませんっ!あの反応、ずばり恋!」

ミサカ「はて、私は常に冷静沈着クールビューティー10032ですが、とミサカは夕日を眺めながらうわあまぶしい」

佐天「……ねえ妹さん、私言ったよね?あのお医者さんに妹さんのこと好きにしていいって」

佐天「さぁ、というわけだから、教えなさいな」

ミサカ「断固、黙秘権を行使します、とミサカは口をつぐみます」

佐天「…………ふっふっふ!馬鹿め、素直に「好きでない」と言えばいいものを!黙秘は肯定ということがわからなかったのかなぁー?」ニヤニヤ

ミサカ「・・・・・・!とミサカは動揺を隠しきれません」

ミサカ「なかなかやりますね、涙子、とミサカはあなたの話術に称賛を送りつつ憎さ百倍」

490: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/04/10(土) 18:52:06.54 ID:996zEj6o
 
佐天「さて、ところで妹さん」

ミサカ「何でしょう、とミサカは警戒しつつ返事をします」

佐天「さっき私のことを「涙子」って呼んでくれたよね」

ミサカ「……嫌でしたか?とミサカは少々不安になって尋ねます」

ミサカ「その、友達というものは下の名前で呼び合うものだと文献で拝見したものですから、とミサカはとってつけたかのような言い訳も」ゴニョゴニョ

佐天「嫌なわけないじゃんっ!すっごい嬉しかったんだからっ!」ぎゅうっ

ミサカ「はぅ。あ、そんな風に抱きつくとまた傷が開きますよ?とミサカは窓の外へ目線をやりながらうおまぶしい」

佐天「いいのいいの!あーなんだかやっと妹さんと友達になれた気がするなぁー!んー嬉しい!」

ミサカ「は、う、うう……とミサカは言葉を無くして……」


シュンッ


御坂「佐天さん怪我したって聞いたけど大丈夫……」
白井「初春からひどい怪我だったと聞いてやって……」






御坂白井「oh.......」

492: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/04/10(土) 19:00:21.24 ID:996zEj6o
御坂「佐天さん……まさかあなたに黒子みたいな趣味があるだなんて……しかも相手が妹達」

白井「そそそそそそそのお姉さまそっくりな方はどっどどどどどなたですの佐天さん!?」

佐天「え、いや待ってください御坂さん私別にそんな趣味なんか無く手ですね!」

ミサカ「おやおやお姉さま、これくらいおそらく友人同士のスキンシップですよ?とミサカは」

白井「おおおおおおおおねえさま!?ということは妹さんですの?!ははははじめまして私白井黒子と申しますわ!
    お姉さまの朝から夜までパートナーを務めさせていただいております白井黒子ですわ!!!」

御坂「何言ってんのアンタは!それにしても、うん、だって佐天さん初春さんのスカートめくりが趣味だもんね……ううん、いいの!
    私は別にそんなことくらいで友人を変な眼でみたりしないわ!そして黒子アンタは離れなさい!病院で電気使えないと知ってのこれか!」

佐天「ちょ、違いますから!確かに初春のスカートをめくるのは私のライフワークですけどそれとこれとは別の話です!」

ミサカ「初春とは涙子の親友でしたか。ということはスカートをめくれば涙子と親友になれるのでしょうか、とミサカはスカートに手をかけ」

白井「う、うはあああああああ!短パン履いてないお姉さま!お姉さまお姉さまお姉さまうわああああああああああ!!!」

御坂「こらやめなさいそういうことじゃないでしょ!そんで黒子アンタは外見が私だったらどうでもいいんかい!!!!」

白井「は!そうでしたわ!私としたことがなんたる粗相……お許しくださいませお姉さまそしてそのまま短パンも瞬間移動!」

佐天「ちょ、駄目だよ妹さん!そんなことしちゃ駄目だって!」

ミサカ「そんな……ということは私はまだ涙子と親友になれるほどの絆をもっていないのですね、とミサカは少々悲しみながら窓の外をうわあまぶしい」

494: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/04/10(土) 19:06:14.43 ID:996zEj6o
佐天「はぁ……はぁ……いてて」

白井「」びくんびくんっ

御坂「……ごめんね佐天さん……さわいじゃって……」

ミサカ「夕日を見過ぎて目が痛いです、とミサカは暗視ゴーグルをかけてみます」

佐天「いえ……大丈夫ですが……」

ミサカ「……少々傷が開きかけているようですね、とミサカは涙子に横になるようすすめます」

御坂「え……大丈夫なの?」

佐天「大丈夫ですよ、これくらい」

御坂「そう……?あ、これおみまい。よかったら食べてね。あと、何か必要だったら言ってね?」

佐天「あ、そんなわざわざ。ありがとうございます御坂さん」

御坂「いいのよ、これくらい。ほら、黒子起きなさい、そろそろ行くわよ」げしげし

白井「……っは!了解ですわお姉さま。それでは佐天さん、お姉さまの妹様、ご機嫌よう」シュンッ



佐天「いやぁ、なんだか一気につかれちゃったなあ」

ミサカ「……楽しそうでしたね、とミサカはたずねます」

佐天「ん……そっかな」

ミサカ「ええ……それでは、一応傷をみますので」

佐天「はーい」

495: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/04/10(土) 19:14:09.68 ID:996zEj6o
ミサカ「(ミサカの肌も綺麗ですが、涙子の肌もきれいですね、とミサカは内心……)すこし血がにじんでますね。包帯も替えるので、外します、
    とミサカは口にします」

佐天「うん……んっ」ぴくんっ

佐天「……あ、あの、いもうとさんっ……」

ミサカ「なんでしょう、とミサカは包帯をくるくる巻き取ります」

佐天「その、ガーゼ外すときって痛いよね……?」

ミサカ「そうですね……一応ゆっくりと外しますが、少々痛むことは確かでしょう、とミサカは答えます」

佐天「できるだけ、痛まないようにしてほしいなぁーって、涙子は涙子は頼んでみたり……」

ミサカ「……!了解しました。任せてください、とミサカは自信満々にガーゼに手をかけます」

496: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/04/10(土) 19:21:40.19 ID:996zEj6o
佐天「ぅあっ……」

ミサカ「まだ何もはがしていませんが、どうかしましたか?とミサカはたずねます」

佐天「え、いや……なんでもなあっ……ぁっ」

ミサカ「…………」

佐天「あ……ん、…………ひあぁ」

佐天「んぅ……あ、あの、いもうとさぁあっ」

ミサカ「!な、なんでしょう?とミサカはたずねます」

佐天「その、私お腹弱いからあんまり触れないようにとってもらえないかなぁ、って」

ミサカ「そ、そうですか。ならばそのようにしますが、けれど痛くないようにしようと思うとこうなってしまいまして、とミサカは返答します」

佐天「え、あ、そうなんだ……えっと、それじゃ痛くないように、で」

ミサカ「はい……」

佐天「……、くぅ……っあ、は――――」

ミサカ「(これは不味いですミサカの中の何かが弾けそうです、とミサカはなんとなく涙子の表情を確認―――!)」

佐天「……」ふるふる

ミサカ「(涙目で耳まで真っ赤な涙子……これは、これは……!)」さわさわ

佐天「ひゃんっ!あ、あのいもうとさんっ!?」

ミサカ「こうしてなでるようにはがすことにより、痛みを軽減できるのです、とミサカはコタエマス」



やべぇ抜け出せなくなった

499: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/04/10(土) 19:42:12.89 ID:996zEj6o
ミサカ「――――は!」

ミサカ「あぶないあぶない、またダークサイドへおちかけました、とミサカは一気にはがします」べりっ

佐天「づ―――――!!!!!!!!!!」

ミサカ「……ふむ、この程度ですか。それではタオルで拭いてから消毒しますからじっとしててくださいね、とミサカはタオルを手にします」

佐天「ちょ、妹さんもうすこしやさし、いっ―――!!!」

ミサカ「薬をぬって……最後に消毒を」

佐天「ああああああああっ!!」びくんびくんっ

ミサカ「・・・・・・これで終わりです、とミサカは包帯をまきたいんで起き上がってくれませんか?」

佐天「……ひっ、く……うぇぇ……」ぐしぐし

ミサカ「?どうしました?何故泣いているのですか?とミサカは起き上がることwwうながします」

佐天「……」ぐしぐし

ミサカ「包帯をまいて―――終わりです、とミサカはなかなかの手際のよさに関心します」

佐天「……」

ミサカ「?どうしたのですか?何故そんなに睨んで、ぇ」

佐天「妹さんに命令します。今すぐここまで耳をもってきなさい」

ミサカ「はぁ……とミサカは素直に行動します」

佐天「」すぅー

佐天「馬鹿ぁ!すっごくいたかったんだから!!」

ミサカ「」くわんくわん

ミサカ「は」

ミサカ「それは、その、申し訳ありませんでした、とミサカは謝罪します」

佐天「もう……痛くて泣いたの初めてだよ」

500: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/04/10(土) 19:43:54.56 ID:996zEj6o
ミサカ「それではお大事に、何かあったらナースコール、とミサカは退散します」

佐天「うん、ありがとねー」


佐天「……ふぅ。なんだか今日は疲れたな」

佐天「全然眠たくないと思ってたけど……お見舞いきてくれたおかげでちょっと疲れたし、寝ようかな」

ぱたん



9月1日 終了

531: ◆oDLutFYnAI 2010/04/11(日) 20:34:07.83 ID:Pbakb2oo
入院中はとても暇なものになると思っていたけれど、妹さんがいてくれたおかげでそれなりに楽しかった。
初春は毎日お見舞いに来てくれるし(とてもいい奴だ。さすが親友)、その日のノートをコピーして貸してくれた。

「佐天さんは成績悪いんですから、新学期早々こけてちゃ駄目ですよ」

「なにをぅ。夏休みの宿題を手伝ってあげたのは誰だったか忘れたかこのーっ」

と、毎日じゃれあっている。そのたび初春の息が荒くなっているけれど、あまりに体力なさすぎじゃないでしょうか。
ちなみに、宿題は初春が代わりに出してくれた。初春サマさまだ。
暇なときは勉強して、妹さんと話し、初春と遊んで。
入院生活中なのに、とくに不自由もなかった。

532: ◆oDLutFYnAI 2010/04/11(日) 20:37:01.45 ID:Pbakb2oo
そして、

――――――9月8日

ミサカ「だいぶ傷も塞がってきたようですね、とミサカは薬を塗りながら状態を確認します」

佐天「んっ……本当だ。その薬って凄いね」

ミサカ「自己治癒能力を高める代わりに寿命が減るらしいですが、とミサカはぽつりと口にします」

佐天「……うそだよね?」

ミサカ「嘘です、とミサカはしれっと嘘をつきました。はい、これで終わりです」ぺしっ

佐天「はいっ、ありがとうございました」

ミサカ「いえいえ」


533: ◆oDLutFYnAI 2010/04/11(日) 20:39:48.57 ID:Pbakb2oo
佐天「そういえばさ、」

ミサカ「はい、なんでしょう?とミサカはたずねます」

佐天「一週間前だったっけなぁ……あ、私が怪我したあの日、妹さんの、えっと……妹さん?に会ったんだー」

ミサカ「?」

佐天「たしか、検体番号14444って言ってた―――ってどうしたの妹さんっ!顔近いっ!」

ミサカ「そのミサカは何か粗相をいたしませんでしたか、とミサカはひやひやしながら尋ねます」

佐天「そそう?いや、別に……って、でも何いきなり」

ミサカ「……そうですね、涙子は恩人ですから、話しておきましょうか、とミサカはベッドに腰かけます」

534: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/04/11(日) 20:48:32.13 ID:Pbakb2oo
ミサカ「ミサカ達妹達は複製として製造された時点では、知能は産まれたばかりの幼児、つまり赤ん坊と大差ありません」
ミサカ「そのため、まず行うことが学習装置と呼ばれる機械で知能を植え付けることです」

佐天「知能を植え付け……」

ミサカ「ドン引きするのは当たり前の反応ですよ、とミサカはとくに気にせず口にします」

佐天「……ごめん、続きどうぞ」

ミサカ「はい。それで、その学習装置によって妹達は一般知識、常識、実験内容、人格を書きこまれます。
     そしてそれがミサカ達の基盤になります。もっとも、あれから随分と経ったので、それぞれ個体ごとに個性というものが現われてきていますが」

佐天「ああ、妹さんが上条さんに恋してるのと一緒だね」

ミサカ「……ま、まあそういうことです、とミサカは窓の外を見ます。ちなみに今はお昼なのでビルからの光が反射してうわあまぶしい」

ミサカ「っと、ボケている場合ではありませんでした、話を戻します、とミサカは真剣な口調にもどります」
ミサカ「それで、その書きこみの際、少々不手際があったのですよ」

佐天「不手際?」

ミサカ「いえ、不手際というより事故と言いますか、とミサカは訂正します」
ミサカ「急な停電による機械の不調―――とでもいいますか。その時書きこみをしていたのが、
    涙子が以前会ったという14444なのです、とミサカは衝撃の事実を明かします」

536: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/04/11(日) 20:58:04.91 ID:Pbakb2oo
佐天「てことは、14444さんの人格に問題あるってこと?特にそんな風に見えなかったけど」

ミサカ「いえ、問題というか……14444は少々我が強すぎるところがあるのです、とミサカは教えます」

佐天「うぇ?それの何が駄目なの?」

ミサカ「妹達の元々の存在理由は実験のためですから―――ああ、そんな悲しそうな顔しないでください、とミサカはおどおどしてしまいます」

佐天「あ、うん、ごめん……」

ミサカ「……まあ、ですから個体自体の我など、実験の際には必要ありませんでした。
    しかし14444はそれを持ってしまい―――結局実験をすることに逆らおうとは思っていませんでしたからそのまま14444として実験に使用される予定でした」
ミサカ「14444はその時からたまに考えていました。自分が産まれてきた理由。生命というもの」
ミサカ「それらの思考はあの頃のミサカ達には必要のないものでしたから、他の妹達は14444を異端視していました。私も例外ではありません、とミサカは説明します」
ミサカ「そういう理由もあって、14444はどこか卑屈になっている所があるのですよ、とミサカは少々きまずく口にします」


佐天「うーん……」

538: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/04/11(日) 21:09:07.93 ID:Pbakb2oo
佐天「よくわかんなかったけど、産業でまとめると、

学習装置の不備のせいで14444さんは妹さん達の中では変わり者
実験中も色々考えてたから自分の環境にいろいろ疑問があった
そんな14444さんも今は晴れて自由の身

ってことだよね?」


ミサカ「……その最後が、問題なんです、とミサカはうなだれます」

佐天「えっ?」

ミサカ「ミサカ達は調整のために色々な機関へと預けられました。14444も例外ではなく、彼女は学園都市のある研究所へと派遣されました。ですが、」

佐天「ですが?」

ミサカ「そこで一度問題を起こしてしまって……今は別の研究所で問題なく過ごしているそうなのですが、同じミサカとして心配なのです、とミサカははらはらします」


539: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/04/11(日) 21:16:13.95 ID:Pbakb2oo
佐天「ああ……そういえば、あの妹さん、妹さんのことを羨ましい、って言ってたっけ」

ミサカ「羨ましい?とミサカは頭に?を浮かべてみます」

佐天「うん。でね、なんだかそう言ってる14444さん、寂しそうに見えたっけ」

ミサカ「……もし」

ミサカ「もし、涙子がよければの話ですが」

佐天「うん?」

ミサカ「14444と仲良くしてあげていただけませんか、とミサカはお願いします」

佐天「へぇっ?何、いきなり改まって」

ミサカ「……ミサカはおそらく他のミサカより、14444と少々縁があります。
    一度は実験中に。もう一度はミサカが怪我を直している時に。
    少しだけ話をしていました、とミサカは窓の外を見ながら口にします」

ミサカ「あの時は14444の言葉の意味がよくわかりませんでしたが―――今こうして涙子と一緒にいると、少しわかった気がします、とミサカは視線を涙子に写します」

ミサカ「そしてその時のことをおm―――」

佐天「あーあー、いいよいいよ。難しい話は別にいいって」

佐天「とにかく、14444さんと仲良くしてあげてほしい、ってことなんだよね?」

ミサカ「―――はい、とミサカはうなずきます」

540: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/04/11(日) 21:25:15.39 ID:Pbakb2oo
佐天「そういうことならおまかせあれ!この柵川中学一年生佐天涙子の特技は友達を作ることだよ?」

佐天「そんなことお願いされなくても私のほうから友達になりにいくって!」

ミサカ「……そうですか、とミサカはやはり涙子に言ってよかったと安心します」

佐天「えへへ……私も妹さん自身の話聞けて嬉しかったなぁー」

ミサカ「そうですか?とミサカは不思議におもいます」

佐天「うん。だって妹さんってあんまり自分の話とか、してくれないんだもん。名前で呼んでくれるようになったけど、なんだか線引かれてるみたいでさー」

佐天「そりゃあ、話したくないってんならしょうがないけど……」

ミサカ「いえ……しかしミサカも生まれてから少ししかたっていませんから、自分のことと言っても実験中のことくらいしかありませんから、とミサカは告白します」

佐天「あ……じゃあじゃあ!」

佐天「今からいろいろ楽しいことしてけばいいよね!それでさ、あの時はあんなことしたなぁって笑いながら話せるようになったらいいよねっ!」




佐天さんお口調が結構前からわかんなくなってきたうえー

543: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/04/11(日) 22:10:50.44 ID:Pbakb2oo
ミサカ「さて、それではそろそろ、とミサカは席をたちます」

ミサカ「それでは次は夕方に―――っとそうでした、その傷の具合からすれば、
     今日からお風呂に入っても大丈夫でしょう、とミサカは去り際に伝えます」

佐天「あー……そういえばもう一週間も入ってなかったなぁ。うん、ずっとタオルで拭いてもらうだけじゃ気持ち悪かったし、よかったよかった」

ミサカ「それは重畳です、それでは湯あみの際はお手伝いいたしますので、とミサカは扉を閉めます」ぱたん


佐天「……14444さんかぁ」

佐天「あ、そういえば妹さんのことも妹さんとしか呼んでないなぁ……10032さんだっけ?うーん……」

佐天「……ま、これはおいおいでいいや」

佐天「―――大覇星祭、か。私も準備手伝いたいな」



口調思い出すためにアニメを見てラジオを聞いてやってるけど、美琴アニメだと嫌な子だな、原作だと可愛い気がするけど。
そして風呂いってこよっかたな

546: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/04/11(日) 22:50:32.38 ID:Pbakb2oo
ビール呑んでとかあのスレn人かよ。さあラジオ聞きつつかな恵さんの声ききつつ書くしかねぇ。


佐天「――――」

佐天「―――風がすっかり秋風にかわってる」

佐天「熱感知のおかげかな。なんだか空気の変化に敏感になったなぁ」

佐天「うんうん、能力のおかげで違う世界が見えるなぁ。能力さまさまだね」



佐天「―――――痛」

佐天「うーん……駄目だなあ。能力使うとすぐ頭痛くなる」

佐天「そういえば演算?とかそんなの無視してる気がする……そのせい?」

佐天「わっかんないなー。学校行って先生に聞いてみたいけどなー」

佐天「わかんないから寝よ。寝る子は育つし怪我も治るからね。ぐぅ」

547: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/04/11(日) 23:02:24.88 ID:Pbakb2oo
―――夕暮れ前

ミサカ「さあさあ湯あみの時間ですよ、とミサカは扉をあけます」

ミサカ「おや……」

佐天「すぅ……すぅ……」

ミサカ「ふむ……お昼に昼食を持って来た時も寝てましたね、とミサカは記憶をさぐります」

ミサカ「その時からずっと眠っていたのでしょうか?とミサカは涙子の眠気を不思議に思います」

佐天「―――すぅ」

ミサカ「……それにしても」

ミサカ「綺麗な髪ですね……黒色なのに夕日を反射して不思議な色合いです、とミサカは髪をさらさらと……oh」

ミサカ「なんというさらさら感……これは、これはこれは……」さらさら

佐天「――――んん……」

ミサカ「」ビクッ

ミサカ「危ない危ない……またダークサイドへ堕ちていきそうでした、とミサカは邪念を払います」

ミサカ「起きてください、とミサカはほっぺをぷにぷにします」

佐天「――んぁーうー……」

ミサカ「起きなさい起きなさい、とミサカはたてたてよこよこ」

佐天「う、うん……」

ミサカ「まるかいてちょんっ」

佐天「ふにゃっ……あ、妹さん」

548: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/04/11(日) 23:11:17.62 ID:Pbakb2oo
ミサカ「湯あみの時間ですよ、とミサカはほっぺをむにむにしながら伝えます」

佐天「あうあう。わかったからはなしてくらひゃい」

ミサカ「それにしても柔らかい肌ですね、とミサカはたてたてよこよこ」

佐天「ひゃめてひゃめて。むー」

ミサカ「あはははは、はっ!また調子に……ごめんなさいと反省します」

佐天「べっ、別に痛くはなかったからいいんだけどね?あ、お風呂だったねーお風呂お風呂ー」

ミサカ「車いすと松葉づえ、どちらにしますか?とミサカは選択肢を提示します」

佐天「んー……そろそろ松葉づえでリハビリしないと駄目かなーって」

ミサカ「そうですか、では。辛くなったら言ってください、肩を貸しますので、とミサカは松葉づえを渡します」

佐天「ん、ありがと」

549: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/04/11(日) 23:18:18.89 ID:Pbakb2oo
佐天「おっふろーおっふろー」

ミサカ「随分ご機嫌ですね、とミサカはたずねます」

佐天「もともとお風呂好きだからねー。それに久しぶりに入れると思うと、やっぱりわくわくするかなー」

佐天「それはそうと、そのお風呂セットは何なの?」

ミサカ「私と涙子のお風呂セットです」

佐天「……私と妹さんの?」

ミサカ「はい、とミサカは短的に返事をします」

佐天「え、え、一緒にはいるの?」

ミサカ「涙子はまだ一人で入れるほど回復していませんし、浴槽というのはそれなりに危険ですから、とミサカは当然のように返します」

佐天「え、え……」

ミサカ「……嫌、ですか?」

551: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/04/11(日) 23:24:33.79 ID:Pbakb2oo
佐天「あ、えっと、別に嫌じゃないんだけどね」

佐天「その、んー……同年代の人と一緒にお風呂はいったことないから恥ずかしいなぁ、って」

ミサカ「なるほど、つまりミサカが初めての人、ということですね、とミサカはどこか優越感にひたります」

佐天「誤解を生むような表現はやめましょうっ」

ミサカ「恥ずかしがる必要はありません、世の中には銭湯というものがありますから、とミサカは安心させます」

佐天「そりゃそうだけど……」



そんなこんなで風呂場ですが。

佐天「うあー……このお湯の匂い、久々だなー」

ミサカ「それでは先ず髪を洗いますから、とミサカは椅子に座ることを勧めます」

佐天「はーい……って、え、洗ってくれるの?」

ミサカ「ええまあ、とミサカはさも当然のように答えます」

553: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/04/11(日) 23:34:03.91 ID:Pbakb2oo
しゃこしゃこしゃこ

佐天「うあ……妹さん髪あらうのじょうず……」

ミサカ「オリジナルがオリジナルですから……そのDNAマップを使用したミサカは何故かこれくらいできるのです、とミサカは髪の毛を洗います」

佐天「へぇぇ……じゃあ御坂さんも髪あらうのうまいのかなぁー……」

ミサカ「なんだかんだで手先が器用ですからね、とミサカはオリジナルの能力を推測します」

佐天「あぁぁぁ……そういえば……盛夏祭の……ときも……あ”ー……」

ミサカ「……どうしたのですか、そのようなだらしのない声で、とミサカは頭をかしかしかし」

佐天「あ、あ、あ、……だってぇ……人に頭あらってもらうのきもちいしぃ……いもうとさんじょうずだもん……」

ミサカ「」ゾクゾクッ

ミサカ「で、では我が友人佐天涙子のために、私も本気で髪を洗いましょう、とミサカは本気を出しますっ」

佐天「はああああああ……ん」







打ち止め「なんだか近くで甘い香りがした気がする!ってミサカは反応してみる!」

一方通行「何いってンだ……いいから風呂いく準備しやがれ」

555: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/04/11(日) 23:42:16.92 ID:Pbakb2oo
一方通行「ったくよォ、ンで俺がガキの風呂入れなきゃいけないンですかァ?」

黄泉川「子供がお風呂で溺れたら大変だからじゃんよ」

一方通行「だったらテメェがいれてやりゃァいいだろォが。第一いいンですかァ、俺ァ男だぜ?」

打ち止め「路上で毛布をとったあなたが何をいまさら?ってミサカはミサカは首をかしげてみる」

黄泉川「……まさかお前こんな子供に欲情するのか?それはないじゃんよ……」

一方通行「誰がするかァ!!!」



打ち止め「おっふろーおっふろーってミサカはミサカは大はしゃぎ!」

一方通行「ったく……っと、ここかァ」


『あああああああ!だめだめだめ妹さんっそれいじょうはだめええええええ!!!』

『これくらいの頭皮マッサージで根をあげていては誰にも勝てませんよ、とミサカはフルパワーで繊細かつ優しく洗います!』

『ひああああっやあああああたまからとろけちゃうううう』



一方通行「oh....」

打ち止め「あれ?あの声って……」

557: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/04/11(日) 23:48:45.84 ID:Pbakb2oo
一方通行「……先客がいたみてェだなァ。あっち使うぞガキ」

打ち止め「ん……」


検体番号20001【運営】がログインしました。

以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka20001
 ちょっと10032とお話したいんだけどいるかな?ってミサカはミサカは書きこみこみ

以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka14889
 こんな場所で発言するより強制割り込みしたほうがいいんじゃないですかね?運営様

以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka20001
 そっか。ありがとね、ってミサカはミサカはログアウト


一方通行「オイ、何してンだ」

打ち止め「なんでもないよーってミサカはミサカは小走りで近づいてみる」


559: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/04/11(日) 23:55:01.26 ID:Pbakb2oo
ミサカ「はうっ」がくんっ


20001:やっほー

10032:う、運営サマ?あの、一体どうなされたのでしょうか

20001:えっとね、さっきお風呂場の前通ったの

10032:

20001:……あんまりオイタがすぎると、ね?


ミサカ「さ、さーてそろそろ流しましょうか、とミサカはシャワーに手をかけます」

佐天「ひ、あ……う、うん……」ハァハァ

ミサカ「あまり洗いすぎても傷めてしまいますからね、とミサカはシャワーでざばー」

佐天「ん……ふぅ」



打ち止め「うん、話せばわかる子は好きだなってミサカはミサカは超ご機嫌」

一方通行「ご機嫌なのはいいから浴槽であばれンじゃねェ!11」

560: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/04/12(月) 00:02:08.04 ID:TD1VaUUo
佐天「……さて」

佐天「それじゃあ妹さん、今度は私が頭洗ってあげる番だよね?」

ミサカ「へ?いや、ミサカはそんな」

佐天「遠慮なさらずにーほらほら!」

ミサカ「あ、いや、遠慮ではなく」



ミサカ「あっ、ああああああっ、なぁ、やあああたま、あああ」

佐天「ふははははは!いつも長い髪を洗ってるから妹さんくらいの髪の毛を洗うことなど造作もないことなのだー!」

ミサカ「あ、らめれす、あああ、ああ、あぁ、ひ」

佐天「(やだなにこの妹さんの声  い)」

佐天「あ、じゃ、じゃあそろそろ流しましょうか……?」

ミサカ「……やめないでぇ」

ミサカ「もっと、もっとあらってくらさいってみさかはおねがいしますぅ……」

佐天「(えええええ何この妹さんやべええええええええ)」




打ち止め「うーん……今度はなんだかおかしな予感?ってミサカはミサカは不思議な気分」

一方通行「いいからおとなしくしろってンだよォ!!!洗えねえだろォが!!!」

561: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/04/12(月) 00:06:25.11 ID:TD1VaUUo
―――風呂上がり

佐天「」ハァハァ

ミサカ「」ハァハァ

佐天「……」

ミサカ「……」

佐天「……あの、妹さん」

ミサカ「……なんでしょう、とミサカは返事します」

佐天「……その、ね」

佐天「また、一緒にお風呂はいろっか……?」

ミサカ「……勿論です、とミサカは真っ白に燃え尽きながら答えます」



打ち止め「あーすっごいお湯へっちゃったかも、ってミサカはミサカはちょっと反省」

一方通行「バタ足なんざするからだろォがクソガキがァ!!!」

563: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/04/12(月) 00:09:35.61 ID:TD1VaUUo
佐天「いやぁーそれにしてもさっぱりしたなぁー」

ミサカ「それはよかったです、とミサカは満足気に答えます」


打ち止め「お風呂楽しかったーってミサカはミサカはすっごくさっぱり!」

一方通行「俺ァ疲れたぜェ……」





佐天「あ」

ミサカ「げ」

打ち止め「え」

一方通行「ん」

585: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/04/12(月) 21:32:30.81 ID:TD1VaUUo
佐天「(一方通行……ここに入院してたのは薄々知ってたけど、まさかはち合わせるなんて……!)」

ミサカ「(上位個体……先の件もあってかやりづらいですね、とミサカは考えます)」

一方通行「(あの女ァ……って、待て、あの声はコイツラのかァ?)」

打ち止め「(どうしてみんな見つ目合って黙ってるんだろってミサカはミサカは思考中)」


佐天「(あ……そういえば)」

佐天「あ、あの……一方通行……さん」

一方「……あァ?(さん付けとか初めてだぞオイ)」

佐天「この傷……その節は、ありがとうございました」ペコリ

一方「……なンのことですかァ?ンな昔のこたァ忘れちまったなァ」

佐天「なっ……人が素直にお礼言ってるのに……!」

587: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/04/12(月) 21:40:57.12 ID:TD1VaUUo
一方「(つーか礼言うのはこっちだってのによォ……)」

――――9月2日

医者「やぁ目が覚めたかい」

一方「……」

医者「さて、もし僕の言っている意味がわかるのなら手を動かしてくれるかな?声はとどいてるかい?」

一方「……」モゾ

医者「ふむふむ。じゃあ喋れるかな?返事をしてみようか」

一方「……チ。ンの真似だクソが」

医者「よしよし。それじゃあ次は、能力が使えるか試してみようか?」

一方「……。…………!?」

医者「……ま、ここが限界だろうね?残念だけどね」

一方「……オイ、どォいうこった」

医者「説明するからあわてないあわてない―――かくかくしかじか」

一方「しかくいムゥブ、ってかァ?……ハ、ザマァねェ、ってワケか」

医者「けれど相当危なかったからね?あと少しでも銃弾が進んでいたら完全に壊れていたからね?」

一方「……(そォいや)」

一方「(あン時あの女が叫んで……それにあのクソ野郎がビビって動作止めてたっけなァ)」

一方「(てことたァ……俺ァあの女にギリギリで助けられたってことかァ……?)」

一方「……ふン」

―――回想終了

一方「……はァ」

佐天「あぁ!なんでため息!?もー相変わらずむかつくなぁー!」

589: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/04/12(月) 21:46:13.91 ID:TD1VaUUo
一方「(怪我で演算機能は完全に停止―――いや、反射くれェなら出来るが、演算だけに集中しねェと無理だから結局使いもンになりゃしねェか)」

一方「(それでもまァ……こォして動けるだけマシってもンなんだろォな)」

一方「(もしあの場でやられてりゃァ、今頃このガキは……)」

打ち「どうしたの難しい顔してってミサカはミサカはたずねたり」

一方「ンでもねェよ」

一方「オラ、そこ退きなァ」

佐天「くぅぅぅぅぅ!!!!何よ何よー!」

一方「あァ、それとなァ」

一方「そっちのヤツとよろしくやンのは構わねェが、せいぜい外に聞こえねェようにすンだなァ」

佐天「なっ――――!!」

ミサカ「…………///」

打ち止め「じゃあねー10032-ってミサカはミサカはまっかな人達に手をふってさよならー」

591: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/04/12(月) 21:49:00.70 ID:TD1VaUUo
―――佐天、病室

佐天「嫌な奴嫌な奴嫌な奴!!!」

ミサカ「どうぞ、とミサカは牛乳を渡します」

佐天「」ゴクゴク

佐天「ぷはぁーっ」

佐天「『そっちのヤツとよろしくやンのは構わねェが、せいぜい外に聞こえねェようにすンだなァ』」

佐天「なにさ!嫌な奴!」

ミサカ「このポジションだとミサカは誰に振られるのでしょう?とミサカは某有名映画と現実を照らし合わせます」

佐天「人がせっかくお礼いったのにさ!もー!」


593: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/04/12(月) 21:54:47.10 ID:TD1VaUUo
コンコン

佐天「?どーぞー」

ガタガタ

打ち止め「やっほー、ってミサカはミサカは下位個体と恩人さんに挨拶しにきたの」

ミサカ「これはこれは上位個体、ミサカと涙子のひと時を邪魔しにきたのですか?とミサカは悪意をとばします」

佐天「ええー。そんな誤解されるようなこと言わないでよ。それで、えっとどちらさま?」

打ち止め「私は検体番号20001、妹達のまとめ役の、通商打ち止めですってミサカはミサカは自己紹介!」

佐天「へぇー、打ち止めちゃんも妹達なんだー。通りで御坂さんににてると思った。うわー可愛いー」

打ち止め「ふわわっ!いきなり頭なでなでされるとびっくりしちゃうってミサカはミサカは後ずさりっ」

佐天「あ、ごめんね。ほら、怖くないからおいでおいでー」




ミサカ「すっかり蚊帳の外になってしまいました、とミサカは露骨に不満を申し立てます」ぷぅ

598: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/04/12(月) 22:06:58.64 ID:TD1VaUUo
打ち止め「怖くないのは知ってるの、だってあなたはミサカたちの恩人だものってミサカはミサカはあなたに飛びつくの」だきっ

佐天「あー恩人、ね……私は何にもやってないよ、本当のヒーローは上条さんだもん」なでなで

打ち止め「ううん、あなたがいなかったら10032は殺されてたし、お姉さまも、もう一人の恩人さんも皆やられてたもの。立派な恩人だよ
       ってミサカはミサカは頬釣りするの」すりすり

打ち止め「それに今回だって」

佐天「え?」

打ち止め「今回だってね、あの人がああいう風に動いていられるの、あなたのおかげなのよ、ってミサカはミサカは衝撃の事実を明かしてみる」

佐天「えっと……どういうこと?」

打ち止め「えっとね、あの人の思考がMNWを通してたまにこっちへ入ってくるんだけど、その時に知ったことでね」

佐天「ちょちょちょちょっとまって。え?MNWを通して一方通行の思考?その辺りkwwsk」

ミサカ「それについてはミサカから説明しましょう、とミサカは出番を取りに来ます」

602: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/04/12(月) 22:18:04.24 ID:TD1VaUUo
ミサカ「あのロ……一方通行は涙子も知っているようにかくかくしかじか」

佐天「まるまる……なるほど、一方通行は打ち止めちゃんの治療のために全能力を使用してて、
    銃弾を撃たれて被弾はしたけどすんでの所で能力を取り戻して助かった、と」

打ち止め「そうなの、それでね、あと少しでも早く被弾してたら喋ることも出来ないようになってたんだって、ってミサカはミサカは自分の仕事をとりもどす」

打ち止め「あなたは覚えてる?あの時、撃った男があなたの声で少し動きを止めたことを、ってミサカは確認するの」

佐天「ん……そういえば」

ミサカ「それがなければあのセロ……一方通行は今より悲惨な状態になっていたはずです、とミサカはアピールを怠りません」

打ち止め「だからね、あの人はずっと感謝してたのよ……ってミサカはミサカこれ以上は語らないかも!」

佐天「うぇーと、それで、なんでMNWが関係してくるの?」

打ち止め「それはあの人の演算能力をMNWを使って代理演算してるからなの、ってミサカはミサカはあっさり説明」

ミサカ「あの時あのモヤ……一方通行の首に黒いチョーカーがあったでしょう。あれが一通さんの脳波とミサカ達の脳波をつなぎ、
    代理演算を可能にしていた代物です、とミサカは懇切丁寧に説明しました」

佐天「つまり……今の一方通行は一万近くの頭を使って演算できるってこと?」

打ち止め「いくざくとりぃ、ってミサカはミサカはその通り!」

607: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/04/12(月) 22:25:21.26 ID:TD1VaUUo
 

佐天「うわあ……それって本当に最強じゃん」

打ち止め「それがそうでもないの、あのチョーカーは日常で使うなら二日はもつんだけど、能力を使おうとするとすぐに電池切れになっちゃうの。
      特注だから替えのバッテリーもないし、大変なんだよってミサカはミサカは人ごとらしく話してみる」

ミサカ「それに、どうやらミサカ達の頭をつかっても全盛期の半分ほどしか能力を発揮できないようです、
    本当、ふざけたセロリですよね、とミサカは首を振ります」

佐天「セロリ……?けど、なるほど……そう考えると一方通行さんって凄い人だったんだ。第一位は伊達じゃなかったんだね」

打ち止め「うん……」

佐天「?どうしたの?」

打ち止め「……ううん、なんでもないっ、ってミサカはミサカは笑顔でお返事!」

打ち止め「そーだ、もしあの人に何かあるなら言ってあげてね?あの人、なんだかんだであなたに恩を感じてるみたいだから、
     ってミサカはミサカは知られたくないだろう秘密を暴露ー」


610: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/04/12(月) 22:35:42.23 ID:TD1VaUUo
佐天「えぇー別にあいつに何か頼みごとなんてないけどなぁ……」

ミサカ「いっそのことここで土下座などさせてみてはどうでしょうか、とミサカは悪魔のささやきをしてみます」

打ち止め「あ、あんまりひどいことはやめてね?ってミサカはミサカはおろおろするの」

佐天「あはは、大丈夫だよ打ち止めちゃん。そんなことしないからねー」なでなで

打ち止め「あ、ふぅぅ……っは!何かへんな感情が芽生えそうだったかもってミサカはMisakaは正気に戻る!」

打ち止め「それじゃあそろそろ戻るね、さよなら佐天お姉ちゃん10032ってミサカは元気よくばいばーい!」ふりふり

ぱたん

佐天「……はぁー、妹さんの妹さんになるのかな?かわいかったなぁ、無邪気なとことか」」

佐天「けど、、何かあったらって、本当に何もないなぁ……」

ミサカ「何もなければそれでいいでしょう、とミサカは踵をかえします」

ミサカ「それでは、そろそろミサカは調整の時間ですので。おやすみなさいとお別れの挨拶をします」

佐天「、あ、おやすみー」

ミサカ「ええ、では」ぱたん

612: あれ?なんか眠くなってきた。ビール呑みの人すごいなぁ 2010/04/12(月) 22:47:06.97 ID:TD1VaUUo
佐天「……何かあるなら、か」

佐天「そりゃあ……聞きたいことくらいあるけど」

佐天「けど、今のあの人にこれを聞くのは―――はぁ」

佐天「いいや、寝ながら考えよう」



――――9月8日 終了




625: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/04/13(火) 00:07:10.51 ID:9/qYCxAo
 ―――9月9日

佐天「そ、れ、で」

上条「……あい」

佐天「なんですかその怪我は!まーた何かに首つっこんできたんですね!」

上条「いや、今回のはなんというか、主に不可抗力というかそういうのなんだけど……」

佐天「全く……私のことを心配してくれるのは嬉しいですけど、自分の身体の心配もしてくださいよ」

上条「つっても、どうしても身体が先に動いちまうんだよなぁ。
    記憶無くす前の俺もこんなんだったのかな……」

佐天「……はぁ。まあいいです。けど、本当にあんまり無理しないでくださいね」

佐天「上条さんが怪我をして救われる人もいますけど―――悲しむ人だってたくさんいるんですから」

上条「……ああ。わかってるさ」

626: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/04/13(火) 00:08:42.35 ID:9/qYCxAo
     それはわたしにはできないことでありんす。

上条「ところで、佐天さんの身体はどんな具合だ?」

佐天「んー、松葉づえついてますけど、もうほとんど治ってる感じはありますね。
    あと2、3日ってとこでしょう」

上条「そりゃよかった。けど、その腹の傷……痕は」

佐天「……抉られてましたからね。綺麗には治りませんよ」

上条「……そっか。女の子なのに、な」

佐天「ま、これくらいならあんまり目立ちませんし。いざとなったら上条さんがもらってくれるんですよね?」

上条「そうだな、いざとなったら俺が責任とる。だから、嫁に来てくれないか?」

佐天「ぶはっ!うえええいきなり真面目にならないでくださいー!」

上条「ははははは前のおかえしだよ」

佐天「むー……それじゃ、私は用事がありますからこの辺りで」

上条「うん?ああ、ありがとな」

佐天「いえいえー」

627: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/04/13(火) 00:09:08.64 ID:9/qYCxAo
佐天「さってと」

コンコン

打ち止め「はいはーいってミサカはミサカは扉を―――あーっ佐天お姉ちゃん!」

佐天「やっほー打ち止めちゃん。一方通行さんいる?」

打ち止め「いるけど今はお眠り中かも、ってミサカはミサカはお部屋へどうぞー」

佐天「えー結構日ものぼったんだけどなー」

打ち止め「この人は眠りたいだけ眠る人だから……ってミサカはミサカは呆れて見る」

佐天「ふーん……」

一方通行「――――、――――」

佐天「(こうして見ると……すっごい綺麗な肌してるなあ。真っ白だし、眠ってると目つきも悪くないし)」

佐天「(白い肌に白い髪の毛もあってるし……中性的で、身体ほそくって、女の子みたい)」

佐天「……」さらさら

一方通行「――――ン」ごろん

佐天「(わぁ……髪の毛さらさらだ。本当女の子みたい)」

628: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/04/13(火) 00:09:38.47 ID:9/qYCxAo
打ち止め「はわわわわ……佐天お姉ちゃん顔近いかも、ってミサカはミサカはどきどきするの」

佐天「え?あっ!」

佐天「あ、うあああ……無意識に……」

一方通行「―――あァ……」

打ち止め「あ、おはよーってミサカはミサカは元気に挨拶!」

一方通行「……あァ、おはよォさん……」

佐天「へぇー一方通行さんも挨拶とかするんだね。おはよー」

一方通行「!?ンでてめェがここにいやがる!?」

佐天「あれ?私には挨拶なし?」

一方通行「黙れ!俺の質問に答えなァ!」

佐天「えっと―――お願いしにきたの」

一方通行「……お願いだァ?」

佐天「あなたの能力ってベクトル操作でしょ?」

一方通行「ま、今ァ使えやしねェがなァ」

佐天「……それでね、私の能力開発を手伝ってほしいの」

一方通行「ンで俺がンなことしなきゃならないンですかァ?」

打ち止め「そんなこと言わずに手伝ってあげてよ、ってミサカはミサカは涙目でお願いっ」

佐天「わ、私も涙目で……」うるっ

一方通行「……チッ、まァここで断ってもそのガキが後からうるせェだろォからなァ。手伝ってやンよクそが」

629: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/04/13(火) 00:10:09.38 ID:9/qYCxAo
打ち止め「(素直じゃないなあ)」

佐天「なんか釈然としないけどありがとうございます?」

一方通行「ンで?テメェの能力はなンなンだよ」

佐天「えっと……たぶん、熱ベクトルを操作する能力です」

一方通行「たぶンって何だ」

佐天「今のとこ自分だけの現実を作り上げただけで……熱ベクトルが視覚化できるだけなんですよ」

一方通行「ベクトルを視覚化ァ?オイオイ、何の冗談だァそりゃァよォ。ンな能力あるかよ」

佐天「なっ……けど実際に使えますもん!すぐに頭痛くなるけど……」

一方通行「頭痛くなるってよォ……そりゃ演算ふっとばしてンなバカみてェな能力使うからじゃねェのか?」

佐天「あの、なんでさっきから私の能力のこと馬鹿にするんですか?」

630: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/04/13(火) 00:10:38.20 ID:9/qYCxAo
一方通行「馬鹿にするより信じられねェんだよ。ンな能力あったら俺ァとっくにレベル6だっつゥの」

一方通行「いいかァ、ベクトル操作において最も面倒なのがそもそものベクトルがどォいうものか考えることだ」

一方通行「だがテメェのその能力はその工程をふっとばせる……つゥまァりィ、操作の仕方さえわかっちまえば元々のベクトル座標だのを
     頭ン中で組み立てず目でみたもンをいれちまえばいいンだ。これがどれだけ便利なことかわかったンのかァ?」

佐天「えっと……よくわかんないです」

一方通行「ちッ」

佐天「しょ、しょうがないじゃないですか!ちょっと前まで無能力者だったんですから!」

一方通行「……あァ?」

一方通行「オイ、待て……そォいやお前、熱線打のだしてたろ……ありゃァ能力じゃねェのか?」

佐天「……あー」

佐天「……はぁ。まあ、協力してもらいますし話しますけど、絶対誰にも言わないでくださいね」

一方通行「……わあったよ」

一方通行「(ンだよ……こンな悪党信用して話すってのかァ?どンだけお人よしなンですかコイツは)」

632: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/04/13(火) 00:17:30.06 ID:9/qYCxAo
佐天さん説明中だよ!

佐天「――――ということなんです」

一方「頭湧いてンのかテメェ」

佐天「えー!なにそれ!」

一方「いやむしろ俺が常識的な反応だろォが。ンなファンタジーなこと言われても信じられるかっての。アレですかァ?思春期特有のアレですかァ?」

佐天「なんかよくわかんないけどあなたには言われたくないですその台詞!」

佐天「まあ、ともかく、実際に見たんだから信じるしかないでしょ?」

一方「……まァそォなんだが」

一方「……けどよォ。ンな能力あンならなンで今更能力開発なンざしようと思ったンだァ?」

佐天「……それは、」

佐天「それは、もっと強くなりたいからです」

一方「ほォ……」

660: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/04/15(木) 21:58:37.45 ID:8Xe3l9ko
一方「強くなる、ねェ……ンで?強くなってどォすんだ?」

佐天「どうするって……だって、強くなったら皆を守れるじゃないですか」

佐天「今までは力がなかったから何も出来なかった……御坂さんや白井さん、初春の役にたとうとしたけど出来なかった」

佐天「だから強くなるんです。強くなれば、皆と一緒にたたかって、皆を守れますから!」

一方「……はァ」

佐天「むっ。なんですかそのため息」

一方「べっつにィ。―――ま、約束しちまったからなァ。一応教えてやンよ」

打ち止め「たぶんあんまり気にすることないよ、あの人の考えてること、ってミサカはミサカは耳打ちしてみる」ヒソ

佐天「だよねぇ」ヒソヒソ




佐天「(あれ?でもなんだろ……さっき自分で言ってて、なんかひっかかったなぁ)」

661: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/04/15(木) 21:59:12.71 ID:8Xe3l9ko
一方「さァて、能力使うと頭痛がするンだったか」

一方「そりゃァ演算式ふっ飛ばしてるからだろォな」

佐天「けど、演算式って言われても何が何やら」

一方「そっからかよ……つってもンなもン一人ひとり違ってっからなァ」

佐天「?そうなんですか?」

一方「演算式ってのは自分だけの現実を元にして作り上げる、まァ言っちまえば自分勝手な公式みたいなもンだ」

一方「俺とテメェじゃ自分だけの現実が違うだろ。だから俺の使ってる式を口にしたところで使えるわけがねェんだよ」

佐天「へぇー……」

662: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/04/15(木) 21:59:39.40 ID:8Xe3l9ko
一方「つーワケだ。まずは自分が自分だけの現実を獲得した時にどォいう風に捉えたか思い出してみろ。
    そっから演算式を作り上げンぞ」

佐天「はい……なんだかんだで結構丁寧に教えてくれるんですね」

一方「ぶっ[ピーーー]ぞ」

佐天「何故!?褒めただけなのに!」

一方「無駄口叩いてンじゃねェ、さっさとしろ!」

佐天「はぁーい」

663: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/04/15(木) 22:01:10.38 ID:8Xe3l9ko
佐天「(自分だけの現実を手に入れたあの時、か)」

佐天「(元々、熱を肌で感知できてた……これは左天さんの能力が身について、誘発的に私の能力が発現した結果なんだろうけど)」

佐天「(熱を感知―――それを、集中して集中して集中して―――感知した熱の方向や大きさを捉えてたんだっけ)」

佐天「(それから、そうして捉えた熱を数字じゃなくて大雑把なイメージで映像化したから―――)」


佐天「あの……」

一方「うン?」

佐天「思い出したけど、さっぱりわかんないです……」

一方「はッ!だろォなァ!!!」

打ち「(うわぁすっごい嬉しそう、ってミサカはミサカは引いちゃうね)」

一方「一夕一朝で演算式までくみ上げられりゃァ能力開発は苦労しねェからな。地道にやってみろ。コツは教えたからな」

664: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/04/15(木) 22:01:37.35 ID:8Xe3l9ko
佐天「ん……わかりました」

一方「あとな、式が完成するまで能力は使うな」

佐天「えーなんでですか?」

一方「その頭痛は本来ありえねェもンを視てる代償だ。使い過ぎると脳が焼き切れンぞ」

佐天「どういうことなの」

一方「廃人になるってことだよ」

佐天「な―――廃人って……」

一方「わかったなら使うな。俺のせいで勝手に死なれても迷惑だかンなァ」

666: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/04/15(木) 22:04:17.29 ID:8Xe3l9ko
佐天「えー、でも能力使わないと感覚つかめませんよ」

一方「……なら一日3秒だ。これ以上は使うな」

佐天「3秒!?そりゃ少なすぎやしませんか」

一方「ほざけ。どォせそンくれェ使ったら頭痛してくンだろ」

佐天「……まあ、たぶん」

打ち「なんだかんだであなたのことが心配なんだよってミサカはミサカはこの人の気持ちを伝えてみるの」

一方「勝手なこと言ってンじゃねェぞガキが」


669: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/04/15(木) 22:10:11.62 ID:8Xe3l9ko
打ち止め「それじゃ佐天お姉ちゃんばいばーいってミサカは手を振るの!」

佐天「ばいばい打ち止めちゃん、また来るからね」

一方「もうくンじゃねェよ」

打ち「そんなこと言っちゃってー本当は女の子と話せてうれしかったくせにーってミサカはミサカは肘であいたぁっ!」

一方「はいはいィィィうるさいお子様はお仕置きですねェェェェ」

佐天「(目つき怖っ)」

佐天「じゃ、じゃあ……今日はありがとうございました」

一方「……あァ」

671: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/04/15(木) 22:12:40.82 ID:8Xe3l9ko
打ち「離して離してーってミサカはミサカはじたばたじたばた」

一方「おォ」

打ち「あれ?なんだか今日は優しいかも、ってミサカはミサカはあなたの豹変っぷりに驚いてみる」

一方「……」

一方「……打ち止めよォ」

打ち「(初めて名前で……)な、なにかな、ってミサカはミサカはどきどきしてるんだけど……」

一方「……いや、なンでもねェよ」

672: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/04/15(木) 22:20:17.86 ID:8Xe3l9ko
一方「(……なんだろォな、最近は)」

一方「(昔の俺ならあンな風に話してなかっただろォな)」

一方「(一応の”恩人”だからなンですかねェ……わっかンねェな)」

一方「(……ま、悪くねェか、こんな気分も)」

一方「(わかっちゃいるがな……俺みてェな悪党がこんな光を浴びていられるわけがねェってことくらい)」

一方「(それでもよォ……今くれェは、許してもらえンのかね)」

一方「(……こンな風になれたのも、癪だがコイツのおかげか)」


一方「おい、クソガキ。ちょっと来い」

打ち「(えぇー今度は名前じゃないんだ)」なにかなぁ、ってミサカはミサカは少しテンション下がり気味で……)」

一方「」なでなで

打ち「ひゃあああああ!?な、なにかななにかな、ってミサカはミサカは素直に驚くの!」

一方「……ハッ、なんでもねェよ、気分だ気分」ぐりぐり

打ち「痛い痛い!わけわかんないってミサカはミサカは理不尽さに身もだえするーっ!」

674: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/04/15(木) 22:27:01.75 ID:8Xe3l9ko
佐天「演算式、かぁ」

佐天「世界の熱量のベクトルを視覚化する演算式……って、本当にわけわかんないよね」

佐天「視覚化を演算って何?みたいな……」

佐天「……まぁー、おいおいやってくしかないよねぇ」


土御門「お」

佐天「あれ?土御門さん」

土御門「にゃー。そういえば佐天ちゃん入院してたんだっけか。かみやんから聞いてたが……ごめんにゃーお見舞い来てなくて」

佐天「あぁ、気にしないでください。もう結構よくなりましたし」

675: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/04/15(木) 22:31:25.94 ID:8Xe3l9ko
佐天「土御門さんは上条さんのお見舞いですか?」

土御門「まぁそんなところだぜい」

佐天「あの……今回は上条さん何したんですか?詳しいことは聞いてないんで……」

土御門「簡単に言うとフラグ建設だにゃー。美人おっとりシスターさんを口説きに行ってた、ってところですたい」

佐天「oh...」

佐天「さすがすぎます上条さん……」

土御門「本当だにゃー。大けがしてまでフラグ建設とはおそれいりますにゃー」

土御門「そんじゃ佐天ちゃん、お大事ににゃー。大覇星祭もあるし、頑張って体直すことだぜい」

佐天「はーい」

676: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/04/15(木) 22:42:04.47 ID:8Xe3l9ko
―――病室にて

佐天「大覇星祭ねー楽しみだなー準備とかしてクラスの人とキャッキャウフフしたいなー」

佐天「それでーそこで仲良くなった男子が彼氏になってーやんややんやの関係になってー」

佐天「まぁいざ!って時にこのお腹の傷見たらどうせ引くんだろうけどさー」

佐天「あはははははは!」

佐天「……はぁ」さすさす

佐天「夏が終わっててよかった……こんなんじゃ水着きられないもん」

佐天「来年までに目立たなくなってるといいんだけどなぁ」

佐天「……後悔はない。そうだよ、後悔はないんだ。うん、大丈夫」

佐天「よし―――勉強しますか」


―――9月9日 終了

700: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/04/16(金) 19:29:32.87 ID:jmQaCpgo
そんなこんなで色々あって。

―――――9月13日

医者「―――うん、大丈夫みたいだね?」

佐天「じゃあ退院しても?」

医者「ああ、すぐに手続きするから準備しておくんだね?」

佐天「はーい」


佐天「んんー!やっと退院できたー!」

ミサカ「おめでとうございます、とミサカは着替えを手渡します」

佐天「あ、ありがと」

714: ◆oDLutFYnAI 2010/04/17(土) 21:54:37.29 ID:hBDbqfso
……。

ミサカ「それではお元気で、とミサカは涙ぐみながらさよならの握手を交わします」しくしく

佐天「いや、また会えるからね?あと退院するのにそんなに悲しそうにされるとなんとも言えない気持ちになるんだけど……」

ミサカ「そうですか?演技が過剰すぎましたね、とミサカは嘘泣きを止めます」

佐天「えー」

ミサカ「それではまたどこかへ遊びにいきましょう、とミサカは携帯電話をぶらぶらさせてみます」

佐天「うん、また連絡してね?」

715: ◆oDLutFYnAI 2010/04/17(土) 21:55:04.74 ID:hBDbqfso
―――公園にて

佐天「うおー久々の娑婆だー」シャバダバ

佐天「って、今日は普通に学校あるから、あんまり騒ぐと目立っちゃうかな」

佐天「それにしても、さすが学園都市。平日は全然人いないなー」

佐天「おっ……なのにクレープ屋さんは動いてるのかー。赤字になっちゃうと思うんだけどなぁ」

佐天「まぁいいや、久々に食べよっかな。お金は……おお、ギリギリたりそう」

佐天「なーにーにーしーよー……って、あれえ?妹さんだ」

716: ◆oDLutFYnAI 2010/04/17(土) 21:55:30.45 ID:hBDbqfso
店主「あいよ。780円ね」

ミサカ「ちょいお待ち、とミサカはスカートのポケットを……うん?」

ミサカ「あれ?あれあれ?おおおおお?」ぽすぽすシュバババ

店主「うん?どうしたんだい」

ミサカ「(これは不味いですね。どうやら財布を忘れてきたようです、とミサカは現状把握した後冷や汗が)」

店主「……まさか佐天「妹さーん!……っと、どちらさまの妹さん?」

ミサカ「おや、二週間ぶりですね、と検体番号14444のミサカは挨拶をします」

佐天「ああーあの時の妹さんかー。久しぶり」

店主「久しぶりはいいんだけどよ、そろそろ代金もらえねぇかな」

店主「まさか、タダ食いするつもりだったとかねぇよな?」

ミサカ「いえ、別にそんなつもりではありませんが、少々予期せぬ事態が起こりまして、とミサカは嫌な汗をぬぐいながら答えます」

717: ◆oDLutFYnAI 2010/04/17(土) 21:55:59.19 ID:hBDbqfso
佐天「……ああ。なるほど」ゴソゴソ

佐天「はい、これで」つ1000円札

店主「いいのかい?嬢ちゃん」

佐天「問題ないっすよー」

店主「まあ俺は代金もらえりゃいいからな。そんじゃおつりね、220円」

佐天「はーい。ありがとございましたー。さっ、妹さんいこ?」トテテ

ミサカ「はっ、はい」テテテ






店主「いいなぁ。ああいうのいいなぁ」

718: ◆oDLutFYnAI 2010/04/17(土) 21:56:31.64 ID:hBDbqfso
佐天「はいどうぞ」

ミサカ「……良いのですか?とミサカはあなたとクレープを交互に見ながらたずねます」

佐天「きにするめー。佐天ちゃんはこれくらいでどうこう言ったりしないのよ」

ミサカ「……それでは、お言葉に甘えて、いただきます」

佐天「おいしい?」

ミサカ「……はい。薄く焼かれたクレープ生地はしっとりとしていて、中の生クリームの甘さとチョコソースのほろ苦さ、
    果物の酸味のバランスが最高ですね。普通ならば生地が破れないように厚く焼くか、破れて中身が飛び出てくるのに対して、
    ここの生地はそれらの欠点がありません。しかもこれは……なるほど、生地自体に何か細工がしてあるようです。
    ミサカではわかりませんが、この隠し味がここのクレープの真髄といったところなのでしょう、とミサカは
    じっくり味わいつつ分析しながら食べていますもそもそ」

佐天「そっか。よかったよかった」

ミサカ「……すみません、あなたのお金なのにミサカばかり食べていて、とミサカはクレープをあなたへどうぞ」

佐天「うん?いいよいいよそんなの。たくさんお食べ?」

ミサカ「……そうですよね、食べ掛けなんていりませんよね、とミサカは少々ショックを受けつつクレープを口へと運びます」

佐天「べっ、別にそんなことないけど……」

ミサカ「では食べてください、とミサカはあなたの口元へクレープをもっていきます」

佐天「そう?それじゃ遠慮なく……はむ」ハムハム



ミサカ「oh...」

720: ◆oDLutFYnAI 2010/04/17(土) 21:57:19.19 ID:hBDbqfso
佐天「ん?ろうかひは?」

ミサカ「(なんでしょう、この感情……上目づかい気味でクレープをほおばりながらこちらを見る女の子に抱くこの感情、
     ミサカでは分析できません、とミサカは込みあがってくるものを必死で押さえます)」

佐天「ん……うん、おいしい!ありがとね、妹さんっ」

ミサカ「あ、いえ、お構いなく……とミサカはクレープを口に運びます」

佐天「けどこれ生地に何入ってるんだろ……甘さに飽きないように爽やかな味があったけど」

佐天「うーん……梅?いや、ちがうかな……この香り、どっかで……」

佐天「……うーわー!わかんない!なんか悔しい!」

ミサカ「そりゃまあすぐ解られるようでは隠し味にならないでしょうしね、とミサカは思ったままを口にします」

佐天「あはは、そりゃそうだねー。手厳しいなあ、妹さんは」

ミサカ「あ……いえ、気分を害してしまったのなら謝罪します、とミサカはしゅんとします」

佐天「えー。これくらいでへこまないって。ただ最近料理を褒められたりしてたから、私ってそっちの才能あるのかなーと思ってさ。
   だから解らなかったのが悔しかったんだけど……やっぱりプロには敵わないね」

佐天「っと、そうだ妹さん」

ミサカ「はて、なんでしょう?とミサカは指についたクリームを  ぺろ舐めながら答えます」

佐天「友達になろう!」

ミサカ「……唐突すぎてどう回答すれば良いのか判断できません、とミサカは何か裏があるのではないかと探ります」

721: ◆oDLutFYnAI 2010/04/17(土) 21:58:20.50 ID:hBDbqfso
佐天「んー……裏なんてないけど。たださ、この前言ったと思うけど、妹さん寂しそうだったからさ」

ミサカ「……成程。つまりあなたは私に同情しているのですね、とミサカは席を立ちます」

佐天「いや、そういうわけじゃないんだけどさ……」

ミサカ「確かにあなたは恩人です。感謝しています。ですが、先ほどの言葉はミサカの心を傷つけました、とミサカはあなたを
    見下ろしながら申し上げます」

佐天「え……」

ミサカ「クレープ、ありがとうございました。代金は近々返しますので、それでは、とミサカはお別れの挨拶をします」

佐天「ちょ、ちょっとまって!嫌なこと言ったんなら謝るよ!」

ミサカ「嫌なこと言ったなら、ですか。その言葉自体、不快にさせていると気付いていないあなたとは、
    これ以上話をしたくありません、とミサカは歩き出します」

佐天「なっ……そんな言い方ってないじゃん!」

ミサカ「だまりなさい」

佐天「」ビクッ

ミサカ「……っ。それでは」









佐天「……何さ」

722: ◆oDLutFYnAI 2010/04/17(土) 21:58:49.44 ID:hBDbqfso
――――9月14日

佐天「うーいーはーるーっ!!!」

初春「ひゃぁぁぁっ!?」

佐天「よっし久々の感覚!精度もばっちり!柄はしましまかー」

初春「もぉー……って違いました!なんで退院したこと言ってくれなかったんですかぁー!」

佐天「あ。ごめんごめん、浮かれて忘れてた」

初春「しかも電話しても繋がらないし!」

佐天「いやぁー久々の自室でさー。帰ったらすぐ寝ちゃってて」

佐天「(本当は演算式組み立てるために能力使って疲れて眠ってたんだけどね)」

初春「……怪我はもう全快したんですか?」

佐天「うんっ、ばっちり!……ごめんね、心配かけて。それに、入院中は随分お世話になっちゃったね」

初春「いいんですよ、佐天さんが元気ならそれで」

佐天「くぅー!嬉しいこと言ってくれるなぁー親友!」

初春「あっ、もぅ、駄目です佐天さんっ、人がみてますぅぅ」



学生「huuuuuuuuuuuuuu!」
学生「ヒーハー!」

723: ◆oDLutFYnAI 2010/04/17(土) 21:59:30.43 ID:hBDbqfso
――――学校

「―――それでは身体検査を行います。各生徒は―――」

佐天「あっ、そうだ!私この能力のこと学校に報告してない」

初春「そういえばそうですね。今からでも報告した方がいいんじゃないですか?検査方法も変わりますし」

佐天「うん、ちょっと先生のとこ行ってくる」





佐天「せんせー」

先生「ん?どうかしたかい?」

佐天「今日の身体検査なんですけど、私能力身に付けたんですよ。ずっと入院してて報告できなかったんですが」

先生「おー、おめでとう!それで、どんな能力だい?」

佐天「熱量のベクトルを視覚化する能力です、たぶん」

先生「たぶん?」

724: ◆oDLutFYnAI 2010/04/17(土) 21:59:59.31 ID:hBDbqfso
佐天「知り合いの発火能力の専門家の先生いわく、もしかしたら熱ベクトルを操作できるようになるかもしれないって」

先生「なるほどね。うん、わかったよ。それじゃあそのように時間割組み直そう。それから、今日の検査は受けなくていいよ」

佐天「えっ」

先生「能力が発現したばかりではまだどうにもできないからね。時間割をこなしてからでないとどうしようもない。
   それに熱ベクトル視覚化……珍しい能力だし、強度も計りにくいだろうからね」

佐天「はぁ……わかりました」

先生「もしよければその専門家の先生の連絡先教えてくれないかな?時間割を組むのに協力してもらいたいから」

佐天「あー……私も紹介された身なんで、連絡先はちょっと……○○高校の先生やってる月詠って先生です」

先生「わかった。それじゃあ今日は身体検査だけだから、帰ってもいいけど、どうする?」

佐天「あー……それじゃ、そうさせてもらいます」




佐天「そんなわけで急きょ暇になってしまった佐天涙子ちゃんだけどどうしよう……」

佐天「……よし!セロ……一方通行さんとこにお礼参りに行こう」

725: ◆oDLutFYnAI 2010/04/17(土) 22:00:30.13 ID:hBDbqfso
佐天「というわけでお礼参りに参りました」

一方「ハッ、上ォ等ォ!表ェ出な!相手してやっからよォ!」カチカチッ

佐天「えええええええ!?なんでバトル!?」

打ち「ねぇ、もしかしたらサテンはお礼参りの意味間違えてるのかもよ?ってミサカはミサカはあなたに言ってみる」

佐天「えっ、お礼参りってお見舞いの別称じゃないの?」

一方「……ハァ。なンだよ、ただの馬鹿か」

打ち「お礼参りっていうのは普通ある意味お世話になった人に暴力振るいにいくことなんだよ、って
   ミサカはミサカは教えてあげる」

佐天「えぇっ、そうなんだ……」

一方「ンでェ?何しにきたンですかァ?」

佐天「いや、じゃあお見舞い?」

打ち「わぁープリンだプリンだ、ってミサカは喜びを身体で表わすの!」

一方「ンなクソ甘ェもン食えるかっての」

佐天「そういうと思ってあなたにはコーヒーゼリーとアロマブラックを買ってきました」

一方「よくきたな、まァ座れ」

726: ◆oDLutFYnAI 2010/04/17(土) 22:01:35.40 ID:hBDbqfso
打ち「このプリン美味しいけど個人的には焼きプリンの方が好きかも!ってミサカはミサカはダメだししてみる」

一方「(コーヒーゼリーうめぇ)」

佐天「私もそっちの方が好きなんだけど、それだと卵黄いっぱい使ってるからカロリーとかどうかなぁーって」

一方「(ブラックうめぇ)」

打ち「でもでももしこの後死ぬかもしれなかったらきっと後悔すると思うの。
    「ああ、どうせ死ぬならとろけるプリン食べたかった……」ってミサカはミサカは例えてみる」

一方「(アロマブラックの飲み口でかいのはこういう理由だったのかよ……)」

佐天「そんなほとんどありえないような可能性は却下します」

一方「コーヒー使った菓子とかねェのか……」ボソッ

佐天「あ、それならティラミスとかどうですか?生地に純ココア混ぜて砂糖少なくして、
   チーズの部分も砂糖少なめで、とか。勿論生地には濃い目のコーヒーたっぷりしみこませて」

打ち「というかあなたもお菓子とか食べたいのね、ってミサカはミサカは驚きの新事実にうちひしがれてみる」ビリビリ

一方「はァ!?べっ、別にンなもン食いたくねェよォ!!ただあるのか気になっただけだろォが!!」

佐天「照れない照れない。今度作ってきてあげるから、ね?」

打ち「んー、ミサカはあんまり苦すぎないほうがいいなぁ、ってミサカはミサカは遠まわしにお願いするの」

一方「照れてないですゥー!くそっ、テメェらンな目で見るなよォォォおおおおお!!!」

佐天「(この人意外と可愛いんじゃないか)」

打ち「(萌え)」

735: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/04/17(土) 23:05:43.02 ID:hBDbqfso
佐天「あ、そういえば本題なんですが」

佐天「一方通行さんってどこで能力開発したんですか?」

一方「……。ンでそンなこと聞くンだ?」

佐天「学校で先生が珍しい能力だから時間割たてるの難しいって言ってたんで。それで、ベクトル操作な一方通行さんの能力開発を担当した人なら
   私の能力開発の時間割も組んでくれないかなぁーって」

一方「……はァ。やっぱり馬鹿だったなァ」

佐天「えー」

一方「お前よォ、俺の能力開発した奴がマトモなワケねェだろォが。実験で2万の複製殺させようとする奴らだぜ?」

佐天「あー……」

757: ◆oDLutFYnAI 2010/04/18(日) 23:25:05.89 ID:l7.COUko
打ち「それならこの人に時間割組んでもらったらいいんじゃない?ってミサカはミサカは提案してみる」

一方「誰がンなめンどクセェことするかよ。そもそもいちいち覚えてねェっつゥの」

打ち「えぇー、うっそだぁー。頭良いあなたが覚えてないはずないのよってミサカはミサカは遠まわしに覚えてない
   あなたのことを馬鹿にしてみ痛い痛い!」

一方「ンな挑発には乗りませんよォこのクソガキがァ!」グリグリ

打ち「しっかり乗ってると思うの!てミサカはミサカは痛みを我慢しながら突っ込んでみ痛いよー!」

一方「ッたく」パッ

一方「まァ覚えてたとしてもそりゃァお前みてェな奴が受けるモンじゃねェよ。学校の先生共にまかせときゃいいだろォが」

佐天「まーそれはそうなんですけど」

758: ◆oDLutFYnAI 2010/04/18(日) 23:25:34.48 ID:l7.COUko
一方「ンで?もう演算式は完成したかァ?」

佐天「まだでっす!いやぁーなかなか難しいですね。というか視覚化を演算ってわけわかめ……」

一方「目ェ使うンなら透視能力系の能力者に聞いたほうが早ェンじゃねェか」

佐天「あ、盲点だった。それもそうですね。知り合いに居ますし」

一方「じゃァ早くそっち行きな。しっし」ペッペ

佐天「うぅっ、そんな冷たくしないでくださいよ……」

一方「ハァ?慣れ合うつもりなンざねェんだよ。ほれ、消えた消えた」

打ち「本当は寂しいくせに素直じゃないね、ってミサカは痛いいたい!」

一方「寂しくないですゥー。そんなこと言うのはこの口かァ?」グニグニ

佐天「いやいや実際寂しそうな顔してましたけどね?」

一方「テメェまでンなこと言いやがりますかァ?」グニグニ

佐天「いひゃいいひゃい!」

打ち「身代りになってくれるのは嬉しいけどこの人をとられたみたいでなんだか悔しいかも、ってミサカはミサカは嫉妬しちゃう!」

759: ◆oDLutFYnAI 2010/04/18(日) 23:26:17.34 ID:l7.COUko
ミサカ「おやおや、謎の三角関係の出来あがりですね、とミサカはぶふぃーと噴き出しながら登場します」



打ち「こんなところで何してるの?ってミサカはミサカはたずねてみる」

佐天「ふぁれ?ろうひはのいもうほはん」

一方「別に三角関係でもなンでもねェだろうが」

ミサカ「またまた御冗談を、両手に花で両方とも12歳以下ですよ?本当は嬉しいくせに、とミサカは一方通行を指さして痛い!」カーン

一方「人を異常 癖者みてェに言うンじゃねェよ」

佐天「というかなんで私がまだ12歳って知ってるの?」

打ち「空き缶の飲み口を額に当てるなんて結構運動神経いいのね、ってミサカはミサカはあなたのコントロールに驚くの」

ミサカ「涙子が12歳なのはカルテを見たからです、とミサカはなんてことない事実を明かします。
    そしてここにいる理由ですが、病室の前を通ったら涙子の声がしたので野獣の毒牙にかかっていないか心配できました、
    とミサカは一方通行の危険性を考慮して行動したことをお知らせします」

760: ◆oDLutFYnAI 2010/04/18(日) 23:26:47.59 ID:l7.COUko
一方「誰がこンなガキを相手にすっかよ」

佐天「正直一方通行さんの毒舌いやみにも慣れてきました」

佐天「あぁ、そういえば妹さん。昨日14444さんと会ったよ」

打ち「14444ってあの変わった子のこと?ってミサカはミサカは10032に確認してみる」

ミサカ「ええそうです、それで、どうでしたか?とミサカは少々心配そうに聞いてみますが」

佐天「取り付く島もなかったよ」

  一部始終説明中


一方「そりゃテメェが悪ィな」

佐天「えー」

一方「話を聞いてっと14444はひねくれてンだろ?だったら「寂しそうだから」なンて理由は憐れみみてェでいい気はしねェだろ」



ミサカ「まるで自分のことを言っているようですね、とミサカは上位個体に耳打ちします」ヒソヒソ

打ち「もしかしたら14444とこの人って結構似てるかも、ってミサカはミサカは思ってみる」ヒソヒソ

761: ◆oDLutFYnAI 2010/04/18(日) 23:27:16.01 ID:l7.COUko
一方「まァ俺は別に友達なンざ必要ねェからわかンねェけどよ……憐憫だ同情だで友達になられるなンざ屈辱以外の何もンでもねェよ」

一方「まァ俺は別に友達なンざ必要ねェからわかンねェけどよ。友達ってのはそォいうもンじゃねェんじゃねェの?」

佐天「それは、確かに……」



ミサカ「二度同じこと言いましたね、とミサカは強調した文章に一方通行の何かを感じます」ヒソヒソ

打ち「たぶんこの人も友達が欲しいんだよ、ってミサカはミサカは考えてみるの」ヒソヒsp




佐天「……私、妹さんに謝ってくる」

一方「……ハァ。三度目になるがな、だからテメェは馬鹿なンだよ」

佐天「……じゃあ他にいい方法あるっていうんですか」

一方「方法だのなンだの言ってる時点で間違ってンだよ。あとそれくれェ自分で考えな。少なくとも謝る場面じゃねェだろォからな」





ミサカ「友達いないくせに随分知った風な口を叩くのですね、とミサカは第一位のしったかぶりを鼻で笑います」ヒソヒソ
打ち「きっと友達欲しかったから”友達を作るための本”とか読んでそっからの知識だと思うの、ってミサカはミサカは命の恩人に
   ひどいこといってみる」ヒソヒソ

763: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/04/18(日) 23:33:12.00 ID:l7.COUko
一方「……って、何言ってンだ俺ァ。らしくもねェ。別にテメェと妹達がどうなろォと知ったこっちゃなかったわな」

佐天「随分ひどいことを言いますね……」

一方「事実だからな。オラ、用がすんだら出てけっつゥの。眠てェんだよ。それともアレか?テメェはけが人に睡眠もとらせない
    ドSちゃんなンですかァ?」

佐天「わかりましたよ、っと。それじゃあね、打ち止めちゃん」ぱたん




764: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/04/18(日) 23:36:34.12 ID:l7.COUko
佐天「謝るな、謝るな、か……」

佐天「……ふぅ。わっかんないな。けど」

佐天「もし私が妹さんのことを見下してたのなら……その時味わう気持ちは、私はよく知ってるはずだから」

佐天「ああ、そっか。そういうことか」

佐天「……、全く。何も成長してないじゃない、私は」



765: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/04/18(日) 23:39:58.69 ID:l7.COUko
―――夕暮れ前 177支部

佐天「やっほー初春」

初春「あれ?佐天さん、どうしたんですか……ていうか、今日早退したんですね」

佐天「早退っていうか、身体検査受けなくていいって先生から言われたからねー。それで、固法先輩いる?」

初春「先輩なら今日は非番ですよ……っと、」

佐天「うん?どうしたの?」

初春「いや……うん、うんうん……うーん?」

佐天「えー本当にどうしたの?」

766: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/04/18(日) 23:46:13.23 ID:l7.COUko
初春「……、あ、そっか……うはー、これはめんどうなことになりそうです」

佐天「何がなにがー?」ひょいっ

佐天「……oh、サングラスかけた男の人が10人……初春ってこういう趣味だったの?」

初春「違います!って、そうじゃなくて、白井さん白井さん、っと」

pllllllllllllplllllllllllllllll

白井『お姉さまと夕暮れの中逢引してましたのに、それを邪魔する初春はその花をひっこぬいてほしいんですのね?』

初春「つまり御坂先輩のお役に立てたってことですね。イエイ!」

白井『イエイ!じゃありませんの!で?たいした用でなければすぐに切りますけれど?』

初春「たいした用ですよー。すぐに177支部まできてください。かなり緊急です」

白井『……にわかには信じられませんが、まあ行かないわけにもいきませんわね。待ってなさい』ピッ


佐天「そんなにたいへんな用なの?」

初春「そうですねー。ちょっとこれみてください」

778: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/04/19(月) 21:07:46.41 ID:WEAazQ2o
初春「かたかたーっと……こっちは白井さんに聞かなきゃわかんないからー……えい」

初春「これです、これ」

佐天「何何ー……えっと、何?」

初春「あれ?佐天さんって結構洋画とか見てたりしそうだからわかると思ったんですけど」

佐天「……あ、わかった。これね、拳銃とか差し込むアレ」

初春「そうです、アレですよ」

佐天「まーたしかに変だけど……集団コスプレかもよ?」

初春「佐天さんらしからぬ意見ですね。いつもならもっとくいつてくるのに……っと」

佐天「うわっ、これ拳銃?」

初春「どうにも外のみたいなんですよねー」

780: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/04/19(月) 21:13:02.79 ID:WEAazQ2o
白井「お待たせですの……初春、佐天さんがいらっしゃるということは大したことではないのでは?」

佐天「どういうことなの……」

白井「ああ、失礼。別に佐天さんがどうこうということではなく、お姉さまとの逢瀬をほっぽりだしてまで来なければならない用ならば、  
   部外者である佐天さんに教えられるはずありませんので」

佐天「て言ってるけど、教えてよかったの初春?」

初春「……えへっ」

白井「えへっ、じゃありませんのー!それで?もし本当にくだらないことならその首をテレポートしますわよ」

初春「まぁまぁ見てください……かくしか」

白井「まるうま……なるほど、それは妙ですわね」

白井「ただの窃盗ならば警備員の仕事ですが……少しおかしな予感がしますわね」

佐天「奇遇ですね、私もです!」

初春「二人とも予知能力にでも目覚めたんですか?」

白井「経験ですわ」

佐天「直感だけど」

781: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/04/19(月) 21:17:34.40 ID:WEAazQ2o
白井「さて、それではここはひとつ、私が直々に出向きましょうか。初春、現在位置と予想逃走経路を出しなさいな」

初春「えー、白井さんが行っちゃったら警備員に聞かれたとき私が受け答えしなきゃならないじゃないですかー。めんどくさいです」

白井「シャラップ、ですわ。お姉さまとのデートを台無しにされたのですもの、これくらい働かなければ気が済みませんわ」

初春「それじゃ後で御褒美くださいね!」

白井「甘えるんじゃありませんの。ほら、さっさと渡しなさい」

初春「はーい」



佐天「これが風紀委員の連携プレーか……入り込む余地がないぜ……」

784: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/04/19(月) 21:33:22.90 ID:WEAazQ2o
―――数分後

初春「あーあー。白井さんが上手いことしてくれると楽なんですけどねー」

佐天「白井さんなら大丈夫でしょー。なんたって大能力者なんだし」

初春「そうですかねー……と」

初春「噂をすればなんとやらっ。白井さんからメール着信ー。どうやらキャリーケースは取り戻せたみたいですねー」

佐天「早っ!さっすが空間移動能力者……」

初春「『解析求ム』……ふむふむ、これですかね……」カタカタ

佐天「いつも思うけど初春ってパソコン凄いよねー」

初春「そんなことないですよー、っと……えっと、これが……」

初春「……うわーい、これでおっけーですね、っと」

plllllllllplllllllllll

初春「どもども白井さん、解析結果出ましたので報告しますねー。かくかく」

白井『うまうま。宇宙用の素材、とはまた……それで?R.W.Sモードってなんですの?』

初春「前に説明したじゃないですか……まず携帯のメインメニューからですね……」

白井『……ああ、ありましたわ。今送りますの』

初春「きたきた、っと……うんうん」

初春「荷札自体は学園都市発行のもので間違いないですね。ICチップ内のデータは……簡単に言うと第23学区からです。
    うわー、なんだか怪しい匂いがしてきましたよー。まるで悪の秘密結社が何か企んでそうです」

白井『23学区……ああ、どこかで見たと思ったらこのエンブレム、23学区のものでしたのね』

初春「ちなみに23学区は機密性が高いので、これ以上の情報は記載されてませんねー」

白井『御苦労さまですの。あとはこの男共とキャリーケースを運びがてら考えてみますの』

初春「あ!御褒美の件忘れないでくださいね!」

白井『甘えるな、ですの』ピッ

785: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/04/19(月) 21:36:48.43 ID:WEAazQ2o
佐天「……か」

佐天「かっこいいー!凄いね初春、なんだか映画に出てくる人みたいだったよ!」

初春「えぇっ?い、いきなり何ですか佐天さん」

佐天「だって電話あってからばばばーって調べて『機密』とか『ICチップ』とか、わけわかんない単語並べてさー。
    いかにも仕事が出来る女!って感じでかっこよかったよ!」

初春「も、もう、あんまり褒めないでくださいよぅ」テレテレ

佐天「でもそうやって照れてる初春は可愛くて好きー!」ギュー

初春「あっ、もう佐天さんっ、耳に髪があたってこそばいですぅ」イチャイチャ



その頃の白井さん

白井「肩にコルク抜きッ……!?」

786: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/04/19(月) 21:43:51.49 ID:WEAazQ2o
佐天「けど凄いねぇ、初春は……誰もできないよ、こんなこと」
         コレ
初春「まぁ情報処理一本で風紀委員試験に合格しましたからね。ちょっとくらいは自信ありますけど」

佐天「おっ、言うね言うねーこのこのー」わしわし

初春「ひゃああぅ、あんまりお花がしがししないでくださいよぉー」イチャイチャ




その頃の白井さん

白井「痛っ……!」

結標「私の座標移動は、あなたみたいに手で触れる必要なんてないんだって」

787: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/04/19(月) 21:47:24.30 ID:WEAazQ2o
佐天「そうだ、初春何か飲む?頭使っただろうし何かいれてあげるよ?」

初春「じゃあミルクティーがいいです!茶葉はそこにはいってますし、牛乳は冷蔵庫にありますから」

佐天「おっけーおっけー。おっ、これって結構いい茶葉じゃん。白井さんが持ってきてくれたの?」

初春「違いますぅー。私が買ってきたんですぅー」ムー

佐天「あー、おおかたお嬢様っぽさにあこがれたんでしょ?ミーハーだよねぇ初春も」

初春「いいじゃないですかーお嬢様!『でしてよ?』とか言ってみたいです!」

佐天「だったらもう少し大人っぽい格好しなきゃねー。お花のせてないでさー」

初春「なんのことですか?」




その頃の白井さん

白井「馬鹿な……『樹形図の設計者』が破壊されたなんて……」

結標「本当に何も知らないのね」

789: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/04/19(月) 21:55:11.28 ID:WEAazQ2o
佐天「はいっ」

初春「ありがとうございますー」コクコク

初春「あー、やっぱり佐天さんがいれると美味しいですねー。何でですか?」

佐天「勘かなー。料理とかしてるとなんとなーくわかるんだよねぇ」

初春「ううっ、そんな簡単そうに……」

佐天「まっ、取り柄のない佐天涙子ちゃんの唯一のとりえみたいなもんだからねー」アハハ

初春「……そんなことないです」

初春「佐天さんのいいところはいっぱいあります。だから、取り柄ないとか言わないでくださいよぅ……」

佐天「初春……っ」ジーン

佐天「あーもう!嬉しいこと言ってくれるなぁー!」わしわし

初春「おぶふっ!いきなり抱きついて撫でまわさ、ひゃんっ」ビクンッ




その頃の白井さん

結標「私はあなたとお友達になってあげてもよかったのだけれどね」

白井「(おね、え、さま……っ!)」

ドスッ

790: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/04/19(月) 22:02:02.16 ID:WEAazQ2o
plllllllpllllllllll

初春「あれ?白井さんからだ……もしもーし」

白井『うい、はる……いいですこと?今から、話すこと……他言無用です、わよ……』

初春「うわぁ……なんだかすごいことになってそうですね……」

佐天「なになにー?どうしたのー……って白井さん大丈夫!?すっごい辛そうな声ですけど……」

白井『……そう、でしたわね……そこには、佐天さんも、いたの……げほっ!』

佐天「……っ!」だっ

初春「佐天さんっ!?どこ行くんですか!?」

白井『いまは、ほうっておきなさいな……それより、今からいうことを、調べて……』




佐天「確か、初春が出してた地図ではこっちの方―――」

793: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/04/19(月) 22:14:17.60 ID:WEAazQ2o
―――数分後

佐天「たぶん、この辺りのはず……」

佐天「……ふぅー……集中集中……」
                                   ベクトル
佐天「(視覚化の演算式を構築。対象は熱量。イメージは矢印)」

佐天「(視覚化是即本来視認することが出来ない映像を脳へ送る事)」

佐天「(必要な要素は感覚により感知―――ここから式を構築して―――)」

佐天「(これ、で――――)―――っと」

佐天「…・…よし、なんとか成功かも。結構ふらふらするけど」

佐天「それより……」

佐天「(あまり人が入り込まない路地裏だから……たぶん、どこかに熱の揺らぎが……)」

佐天「……・!見つけたっ!」

794: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/04/19(月) 22:20:04.88 ID:WEAazQ2o
佐天「白井さんっ!!」

白井「……さてん、さん、ですの……?」

佐天「うわ……ひどい傷……待ってて、今すぐ救急車」

白井「すとっぷ、ですの……そんなことしている場合ではありません、わ」

佐天「何言ってるんですか!早く治療しないと!」

白井「おねえさまに、しんぱい、かけたくありませんの……」

佐天「なっ……」

白井「それ、に……そんな、時間、ありませんので……つっ」フラッ

佐天「だ、駄目ですって立ちあがっちゃ!今にも倒れそうじゃないですか!」

白井「……ほんと、ですわね……さてんさん」

佐天「は、はいっ?」

白井「恥をしのんで……おねがいしますの。私を、寮まで、運んでくれませんこと……?」

佐天「それは構いませんけど……」

白井「……おねがい、しますの……わたくしの、能力は……こんなじょうたいでは、うまく、つかえませんので……」フラァッ

佐天「わわっ、白井さんっ!」

白井「めい、わく……かけます、の……」ぽてっ

佐天「……白井さん」

801: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/04/20(火) 00:23:33.74 ID:0xmgcdUo
佐天「――――っと」だんっ

佐天「血まみれな人を背負って人通りは走れないから建物を跳んでみたけど……」

佐天「案外いけるもんだなー。たぶん、後で足の筋肉とか関節とかすごいことになりそうだけど……」

佐天「でも道選んでたら白井さんが……最短はこれしかないもんね―――っと」だんっ






学生「なぁ、さっき女の子をおぶった女の子がそことそこの間をジャンプしててさ……その、見えたんだよ、xxxが」
学生「いい病院紹介するぜ……?」


802: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/04/20(火) 00:28:04.99 ID:0xmgcdUo
佐天「―――ふぅ」

佐天「白井さん、つきましたよ」

白井「……ん、ありがとう、ですの」

白井「おねえさ、ま、は……まだ、かえって、きてらっしゃらないようですわね……」ふらぁ

白井「……ふぅ」ヒュンッ

佐天「テレポート……」

佐天「……」ピッピッ

pllllllllllllplllllllllllllllllllll


佐天「ああ、初春?うん、、うん、、、今、白井さんを寮まで送ってきたところ」

佐天「、、、、そう。わかった、じゃあ私は白井さんが心配だから」

佐天「、、、大丈夫だって。大丈夫、、、、わかってるよ、無理しないから」

佐天「じゃあ、よろしくね」ピッ

818: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/04/20(火) 17:28:53.97 ID:0xmgcdUo
―――第七学区 ビル 屋上

佐天「――――――」

佐天「……熱を使っての身体強化」

佐天「すっごく使い勝手がいい能力だけど……基礎、自分の身体が変化するわけじゃないから、反動もある」
                        ・ ・ ・
佐天「それが解ってるからこそ、今までこっちは使わないでいたけど……白井さんがあんな状態になったんだから、そんなことも言ってられないよね」



佐天「……身体強化―――視覚強化」


佐天「うわ……すっごい見える……」

佐天「水晶体をひっぱる筋肉を強化したらどうかと思ったけど……やっぱり視力上がるよねー」

佐天「さて……」

佐天「(話しの内容からすると、白井さんを傷つけた人は逃走中……つまり、監視カメラのないような場所、街の外れを移動しているはず)」

佐天「(だから、この一番高い所から郊外を探せば……)」

佐天「……けど、白井さんにあんな傷負わせるなんて、どんな能力者なんだろ……」

819: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/04/20(火) 17:33:15.83 ID:0xmgcdUo
―――一分後

佐天「……見つからない」

ゴォン……

佐天「」ビクッ

佐天「な、なんの音……って、あの電撃……御坂さん!?」

佐天「(まさか、白井さん御坂さんにばれて―――御坂さんも、犯人を追い掛けて……?)」

佐天「……、急がないと!」だんっ

820: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/04/20(火) 17:40:23.08 ID:0xmgcdUo
御坂「―――出てきなさい。仲間を盾にして、この卑怯者」

佐天「御坂さんっ!」スザァ――――z_______ッ

御坂「って佐天さん!?なんでここに!?」

結標「あらあら、卑怯者はどっちかしらね。そんな一般人を巻き込んで」

佐天「うっさい!アンタね白井さんをあんな風にしたのは!」

結標「そうだったらどうしたの?まさか、仇打ちとか?熱いわね、いまどき流行らないわよ?」

佐天「死んでないから仇打ちじゃないけどね!友達がやられて見過ごせるかっての!」



御坂「(なんか空気になっちゃった)」

821: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/04/20(火) 17:53:35.01 ID:0xmgcdUo
結標「友達、ね。そっちの超電磁砲は後輩のため、ってとこかしら?本当、仲がいいわね」

結標「それで?まさか、あなた達ごときが私を止められるとでも?」
                                                                        レベル0
結標「特にそっちの……えっと、サテン、だっけ?超電磁砲や白井黒子と一緒にいたから調べてあげたけど、ただの無能力者じゃない」
         わたし
結標「それで大能力者を止めようなんて、身の程をわきえなさい」
         レベル0       レベル1
佐天「はっ!無能力者じゃなくて低能力者よ!」

結標「そこははりあうところじゃないと思うけど?」ひゅんっ

佐天「え」ふっ
          テレポート
佐天「なっ……空間移動!?」

御坂「佐天さんっ!?」

結標「安心しなさい―――その高さから落ちても、足の骨折か、最悪下半身麻痺ですむから」

823: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/04/20(火) 18:11:46.89 ID:0xmgcdUo
「う……おおおおおおおおっ!?」

つい叫び声をあげてしまったが、すぐに冷静になるよう努める。
どれほどの高さがあるのか解らない、が、この程度なら身体強化でどうとでもなるレベルだ。
ご丁寧に下半身が下にくるように空間移動されている。即死させないためだろうか。つくづく下衆だと思う。

「おおおっと、ととっ」

タイミングを計り損ねたか、衝撃を吸収しきれずすこしふらつく。
そんな私を見て、少々驚いたかのように女が口を開く。

「……無能力者だと聞いていたのにね。私が調べてから肉体強化の能力でも身に付けたのかしら?」


828: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/04/20(火) 19:03:14.12 ID:0xmgcdUo
「まあ次は建物にでも―――ッ!」

軽口を叩いていた結標が表情が一瞬こわばる。
それもそのはずで―――彼女の数cm横を数億ボルトの雷撃の槍が通過していた。

「ちょろっとー?私を無視だなんて良い度胸ね」

伸ばした指先を帯電させながら、口をつぐんだ結標の替わりに美琴は余裕の表情を浮かべる。
しかしその言葉には、怒りの念がこもっていることをその場の二人は感じ取っていた。

「全く、アンタの相手は私でしょうが―――関係ない私の親友に、手ェ出してるんじゃないわよ」

「……ふふ、貴女の相手は私、ね。勘違いしてない?貴女の能力じゃ私を倒せない。確かに貴女の雷撃は強力よ。
 けれど、構えてから射出、および動作の始まりさえわかってしまえば空間移動で避けることも―――」

まるで美琴の能力を全て知っており、尚その対策を組んでいると思わせるような結標の言葉は、

「無理ね」

と、美琴の言葉で遮られた。

831: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/04/20(火) 19:19:03.91 ID:0xmgcdUo
「アンタは自分の身体を移動できない―――書庫にあった実験中の事故によるトラウマのせいでね。
 もし出来たとしても、今まで使っているように一瞬で移動できたりしないわ。
 演算式に狂いが無いか調べてから使うはずだから」

結標はそう語る美琴を、最初から変わらない余裕の表情で見つめていた。
しかし睨みつけている美琴はやはり見逃さなかった―――その表情が、また一瞬だけこわばったことを。

「……そうね、もしそうだと仮定しても、式の確認なんて2,3秒もあれば十分よ?それだけの時間で一体何が出来るのかしら?」

「2,3秒もあれば十分よ。私の槍は光速でアンタを捉える!」

言うが早いか、美琴が右腕を構える。しかし、

「そう、悪いわね。私の座標移動もまさしく光速なのよ」

軍用ライトをふいっと揺らした瞬間、結標の前に老若男女さまざまな人間が10人ほど集められた。

832: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/04/20(火) 19:23:58.37 ID:0xmgcdUo
「は!そんなもの!」

人間が何人いようと関係ない。それも貫いて結標に雷撃を当てる。
そう思い槍を繰り出そうとするが、それは結標の言葉で妨げられた。

「そんなもの?貴女、この中にいる関係ない一般人もそんなものであつかうの?」

「なっ―――!」

惑わされ、すぐにそんなはずはないと結標の言葉を振り払うが、その少しの間があれば結標にとって十分だった。
さようなら、という声を残し、キャリーケースと共に結標が姿を消した。







佐天「あれ?私空気じゃない?」

833: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/04/20(火) 19:28:57.44 ID:0xmgcdUo
御坂「くそっ……!」

御坂「(逃がした……けど、アイツのことだからどこか確実に安全な場所に移動したはず!)」

御坂「佐天さん!たぶんアイツはまだ遠くへ行ってない!それに、何度も繰り返し自分の身体を移動させられないはずよ!
    なんで佐天さんがここにいるのかは後で聞くとして……今は一緒に探して!}

佐天「わっかりましたー!」

佐天「そうだ、御坂さんの能力でレーダーみたいなことできないんですか?」

御坂「残念だけど、私の周りちょっとしかできないわね……佐天さんは?」

佐天「やってみたんですけど、駄目ですね。表には人通りも多いですし、熱の揺らぎが多すぎて人一人を特定するのはちょっと……」

御坂「そう……それじゃ私はこっち探すから、佐天さんはそっちお願い!」

佐天「りょーかいっ!」

835: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/04/20(火) 19:36:49.33 ID:0xmgcdUo
佐天「考えろ考えろ―――御坂さんの攻撃から逃げる、つまり正面からじゃ御坂さんに敵わないってこと」

佐天「そもそも、あの女の目的はキャリーケース、わざわざ私たちと戦う必要なんてないはず」

佐天「私達から逃げられればいい……とすると、ふつうすっごく遠くに移動するはずだけど」

佐天「御坂さんは『まだ遠くに行ってない』って言ってた……あれは確信ある言葉だったし、それを考慮すると……」

佐天「『私達から逃げる』『けれど遠くではない』つまり『私達から見つからない』『私達の死角』へ移動したということか!」

佐天「とすると―――人間の死角は、ふつう上だよね!」


佐天「……と言っても、上みたってビルとかあるだけなんだけど」

836: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/04/20(火) 19:41:18.49 ID:0xmgcdUo
佐天「でも、今わかることは上ってことだけだし……あ、」

佐天「白井さんっ!?あんな身体でなんでこんなとこに……っと!」だんっ



白井「……痛っ」

白井「応急キットの中に局所麻酔があったのは幸いでしたわ……足の痛みはこれでなんとかなりましたわね」

白井「さて……それでは、行きましょうか」

佐天「白井さんっ!」

白井「ぶはぁっ!びびびびびっくりしましたわ佐天さんッ!いきなり下から飛び上がってこないでくださいまし―――って、え?」

佐天「白井さん駄目じゃないですか!あんな怪我で動き回ってちゃ!」

白井「いやいやいや待ってくださいまし!佐天さん今この下から来ましたわよね!?一体どういうことなんですの!?」

佐天「そんな細かいことはどうだっていいんですよ!」

白井「よくありませんのよ!?」

837: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/04/20(火) 19:43:29.57 ID:0xmgcdUo
佐天「まあそれについては後で説明しますから、今は帰って休んでてください!今白井さんをそんな風にした奴おっかけてますから!」

白井「……いえ、それならもう良いですの」

佐天「へっ?」

白井「あれをごらんなさいな」すっ

佐天「……あ!あの女……!」

白井「佐天さん、ここはわたくしに任せてくださいまし」

佐天「駄目です!」

白井「えー」

838: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/04/20(火) 19:52:59.30 ID:0xmgcdUo
佐天「そんな身体で何言ってるんですか!それに白井さんあの人に一回負けて―――」

白井「だからこそ、ですわ」

白井「私をここまでした責任をきっちりとらせる―――そして」

白井「お姉さまのためにも、私があの女をしとめなければなりませんの」

白井「……佐天さん」

佐天「はっはいっ?」

白井「『樹形図の設計者』の『残骸』と聞いて、思い当たる節は?」

佐天「……残念ですが、ありますね」

白井「……そう、ですの」

白井「佐天さん……貴女、何時の間にか私の知らない場所へ行っていたんですわね」

白井「ということは―――8月21日のことも、何か御存じで?」

佐天「……たぶん、知ってますよ」

白井「お姉さまはそれに関わっていたのですね」

佐天「調べたんですか?」

白井「あの女の行ったことと、初春からの情報で考えただけですの」

839: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/04/20(火) 20:00:26.09 ID:0xmgcdUo
白井「全く、妬けますわね―――私も知らないお姉さまを知っていただなんて」

佐天「……御坂さんはたぶん、皆に余計な心配かけたくなかったから」

白井「お姉さまらしいですわ。全部全部、自分一人で背負ってしまわれる」

白井「たまには……私達に頼ってくださっても、良いと思いませんの?」

佐天「はは……全くですね」

白井「さて……では、行きますの。佐天さんはここで待っててくださいまし」

佐天「……、わかりましたよ」

白井「申し訳ありませんの、わがままを聞いてもらって」

佐天「いいっすよ、別に……その代わり!絶対帰ってきてくださいね!」

白井「私を誰だと思ってますの?大能力者にして風紀委員、白井黒子ですのよ?」



白井「さて―――それでは、行きましょう。愛すべき御姉さまの世界を守るためにも。絶対に帰ってくることを誓って」

ひゅんっ

840: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/04/20(火) 20:02:18.08 ID:0xmgcdUo
佐天「―――」

佐天「お、始まったかな……お客さんが建物から出てった」

佐天「やれやれ……白井さんも結構熱血だなーっと」

佐天「御坂さんも幸せ者だよねぇ、あんな後輩持ってさ」

佐天「……」

佐天「御坂さんには悪いけど……ここは白井さんを信じよう」

841: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/04/20(火) 20:13:14.21 ID:0xmgcdUo
スドン

佐天「」ビクッ

佐天「今のって銃声!?……く」

佐天「……ごめん、白井さん。やっぱり、私には友達を見捨てるなんてこと―――!」だんっ




その頃の白井さん

白井「」

結標「あ、あ、」

842: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/04/20(火) 20:53:21.90 ID:0xmgcdUo
結標「この建物ごとぐちゃぐちゃになるがいいわ―――そう、そうよ、私の座標移動ならそれが出来る。
   不出来な貴女と違って、優秀な私なら―――!」

結標「そうと決まればこんなところには用無しよ。警備員もきたみたいだしね。さっさとコレを回収させてもらうわ」


白井「……あら、あなた、まだ、そんなものに執着してまして……?」


結標「―――!この……!」

佐天「させるか―――ッ!」

結標「がっ……!」

佐天「白井さん!白井さんったら!」

白井「……さてん、さん……こないでくださいまし、と、いったのに……」


843: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/04/20(火) 21:02:06.57 ID:0xmgcdUo
結標「げほっ、げほっ……!くそっ……!」

佐天「あ、この……!逃げるな……!」

結標「はァ……あら、お友達を放っておいてもいいのかしら……?」

佐天「くっ……!」

白井「さてん、さn……わたくしのころは、よろしいですから……」

佐天「そん、なこと……!」

結標「ふん……まだ甘いわね……!」だっ


佐天「――――く」

佐天「後悔とかそんなのは後だ……今は白井さんを……!」

844: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/04/20(火) 21:08:26.99 ID:0xmgcdUo
―――ビルの外にて

佐天「大丈夫ですか!?」

白井「は……げほっ、げほげほっ!!」

警備員「早く病院へ運ぶじゃん!輸血、輸血を!」

白井「……さてん、さん」

白井「あのおんなを……追ってください、ですの」

佐天「でも、でもでも……!」

白井「わたくしは、もう……大丈夫ですの……治療をうけます、から
    だから……御姉さまの世界を、守るためにも……がっ……」

佐天「――――っ!」

佐天「……わかりましたっ!だから、死なないでくださいね!」だっ

白井「はっ……わたくし、を……誰だと……」


ウオービルガクズレルー!?
ソノゲンソウヲブチコロス!
トマッタ?スゲー!

847: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/04/20(火) 21:24:22.22 ID:0xmgcdUo
佐天「直前で白井さんが渡してくれたルートだとこっちかな」たったった



「あはぎゃはっ!無様なローアングルのサービスさらしてくれてアリガトウ!!」



佐天「……うわぁ。なんだかすっごい聞き覚えのある言葉づかい聞こえてきた」

848: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/04/20(火) 21:28:46.12 ID:0xmgcdUo
「こっから先は一方通行、ってなァ!!!」

「確かにこのザマじゃあ学園都市最強は引退かもしンねェが」

「それでも俺は、あのガキの前じゃ最強を名乗り続けるって決めたンだよ、クソッタレ」




佐天「……一方通行さん」

一方「あ?なンだ、こンな場所で何してやがる」

佐天「いやいやそれはこっちの台詞ですよ?こんなとこで何してるんですか」

一方「なンでもねェよ。下らねェこと考えてるガキをお仕置きにきてやっただけだ」

佐天「……ああ、キャリーケース、壊してくれたんですね」

一方「たまたまだっつゥの」

849: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/04/20(火) 21:34:54.22 ID:0xmgcdUo
一方「ほれ、帰るぞ」

佐天「帰るって病院じゃないですか、あとあの人どうするんですか?」

一方「テメェが警備員にでも連絡しときゃァいいだろォが」

佐天「えー事情聴取とかめんどくさそうです。学園都市第一位がやってました、って言っていいですか?」

一方「……はァ。しょうがねェ。俺から連絡してやンよ」

佐天「うわーい優しい」

一方「ぶっ殺すぞ」

佐天「なんで!?あんなかっこいいこと言ってたくせに!素直じゃない!」

一方「あ……?」

佐天「『それでも俺は、あのガキの前じゃ最強を名乗り続けるって決めたンだよ、クソッタレ』」キリッ

一方「なっ……!」

佐天「風に乗って聞こえてきましたよ?」

一方「死ねェ!!!」



こうして白井黒子達の辛く長い夜は終わった。
そしてこの時一方通行はまだ気づいていなかった。
ぶっ飛ばした相手と、一緒に仕事をする羽目になるとは――――

結標淡希編 完

 
854: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/04/20(火) 21:49:21.06 ID:0xmgcdUo
―――9月15日 病院にて

ミサカ「馬鹿ですか、とミサカは涙子の額にチョップを食らわせます」

佐天「あいたっ。でもしょうがないじゃん」

ミサカ「ことあるごとに手を出して、身体を壊して帰ってくる……そんなのはどこぞのツンツン頭だけで十分です、とミサカは呆れかえります」

佐天「でもさでもさ、今回はすっごい筋肉痛だけだし!しかも下半身のみ!ねっ?」

ミサカ「ねっ?じゃありません、とミサカは再度チョップを食らわせます」

佐天「いたいっ。そういや特に理由もわからず追っかけてた感はあるけど、あのキャリーケースってなんだったんだろ」

ミサカ「理由もわからず命をはるとは馬鹿ですか、とミサカは再三わたってチョップします」

佐天「あんっ。白井さんとの会話からすると、妹さん達の実験に関わってたみたいなんだけど」

ミサカ「ええ、あれは『樹形図の設計者』の『演算中枢』です、とミサカは解説します。
    どうやらあの少女はそれを外部組織に渡して『樹形図の設計者』を組みたてようとしていたようですね、とミサカは昨夜のMNWでのやりとりから
    推察した事実を述べます」

佐天「なるほど……だから御坂さんも出張ってた、ってわけか……実験が再開されちゃうかもしれないから」

858: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/04/20(火) 21:55:32.12 ID:0xmgcdUo
ミサカ「ちなみに妹達も総動員してこの問題にはとりかかっていました、とミサカは驚きの事実を明かします」

佐天「別に驚かないけどさ」

ミサカ「がーん、とミサカは古典的な擬音でショックを表します」



佐天「さって、それじゃ白井さんとこへお見舞いいこっかなー、っと」

ミサカ「彼女の病室は○○○号室です、とミサカは聞かれる前に答えておきます」

佐天「ありがとっ。妹さんも一緒にいく?」

ミサカ「そうですね、実験の再開を食い止めてくれた恩人でもありますし、礼のひとつくらいはしておきましょう、とミサカは恩を売るかのような言い方をしながら同意します」

 

861: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/04/20(火) 22:03:44.54 ID:0xmgcdUo
上条「おっ」

佐天「あれ」

ミサカ「これはこれは、昨晩はお世話になりました、とミサカは深くおじぎします」

佐天「えっ、夜にお世話……やだもー上条さんやらしー」

上条「女子中学生にやらしいって言われるのがここまで苦痛だとは……!てか別にそういう意味じゃねーよ!」

佐天「冗談ですよ」

ミサカ「解説しますと、昨晩そのキャリーケースのことがあり、ミサカ一人では
     どうすることも出来なかったので彼に頼みに行ったのです、とミサカは己のふがいなさを吐露します」

上条「ま、俺が行ったときには既に終わってて、なんかビルがぐにゃぐにゃしてたから倒壊を防いだだけなんだけどな?」

ミサカ「それでも、そのおかげで周りの人間に被害はいきませんでしたから、とミサカは結果オーライと親指をたてます」

佐天「ああ、あそこに上条さんいたんだ。そういえばなんか上条さんの声が聞こえた気がする」

862: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/04/20(火) 22:07:18.68 ID:0xmgcdUo
上条「え?佐天さんもあそこにいたのか?」

ミサカ「居た、と言うより白井黒子を運び出したのは涙子ですよ?とミサカは先ほどの話で聞いたことをあなたに伝えます」

上条「このおバカ!女の子なんだから危ないことするなって言ったでしょうが!」デコピンッ

佐天「いやんっ!うー、しょうがないじゃん」

上条「気持ちはわかるけど本当無理しないでくれよ?」

佐天「大丈夫ですって、ほら、今回は全然怪我してませんし!」

ミサカ「つん、とミサカは涙子の足を強めにつついてみます」

佐天「あうっ!!」

上条「怪我してんじゃねーか!おとなしくしてなさい全く!」

863: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/04/20(火) 22:13:52.44 ID:0xmgcdUo
佐天「そういえば上条さんなんでここに?」

上条「今更すぎるな……白井のお見舞いだよ。御坂の友達ってんなら行かない理由もないしな」

佐天「ああ、だからその袋……あれ?インデックスちゃんは一緒じゃないんですね?」

上条「アイツがいるとコレが食われちまいそうだったからな……お菓子とジュースで留守番頼んできた」

ミサカ「なんという餌付け状態……とミサカはあのシスターの食欲状態を哀れに思います」




インデックス「はい、スフィンクス、あーん」

スフィンクス『へい待ってくれチョコなんて食わせたら俺死んじゃうよ!?』ニャーニャー

865: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/04/20(火) 22:17:46.56 ID:0xmgcdUo
佐天「さて、病室の前まで来たけど……」

佐天「(ここ一方通行さんの病室の隣じゃん!やばい、私はいろいろあったからいいけど上条さん達が遭遇するのはとてもまずい!)」

佐天(い、妹さん……)

ミサカ(言いたいことは解ってます、とミサカは涙子の心中を察します)

上条「どうしたんだ二人とも」コンコン

ガラッ


上条「よぉ」

佐天「どうも」

ミサカ「間接的にお礼を良いに来ました、とミサカはしゃらんと登場しま……す?」


白井「ああ!いいですわいいですわ御姉さま!もっと!もっと黒子を抑え込んでくださいまし!」

御坂「落ち着けぇえええ!本当に死ぬわよアンタ!!」

866: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/04/20(火) 22:24:07.42 ID:0xmgcdUo
……

白井「なるほど、建物の崩壊を食い止めてくださったのは貴方でしたのね。一応感謝しておきますわ」

上条「まぁそんなことはいいんだけどな。ほれ、お見舞い。貧乏学生の上条さんにはお嬢様達の味覚はわからなかったんですよ」

佐天「わ、これってテレビでも取り上げられてた店のケーキですよね。高かったんじゃないですか?」

上条「……聞かないで」

佐天「……ごめんなさい」

御坂「つか別に無理なんてしなくてもいいのに。どうせ私たちはそういうの食べ慣れてるしね」

上条「うおおおお!人のなけなしの財産とありったけの勇気を出して買ったお見舞いにそんなこといいやがりますかくそー!」

867: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/04/20(火) 22:28:07.16 ID:0xmgcdUo
白井「ま、頂けるのならありがたく頂きますわ。さっそくですが」

御坂「あ、じゃあ私下の自販機でなんか買ってくるわよ。ちょいと待ってなさい」

上条「あん?んなの俺が行ってくるからよ、御坂は一緒に居てやれよ」

ミサカ「……いえ、ここはミサカがいきましょう、とミサカは自主的に動きます。
     しかしこの人数の飲み物となると一人では持ち切れないので、一緒に来ていただけますか、とミサカは御姉さまにむかって懇願します」

御坂「別にいいわよ。そんじゃちょっと待ってなさいね(あれ?これうまくいけばアイツと一緒に行けたんじゃ……)」




白井「さて、上条さん、少しお話がありますの」

上条「うん?」

869: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/04/20(火) 22:37:49.97 ID:0xmgcdUo
白井「どうして貴方は昨晩あの場に来たのですか。全く関係ない人間のために」

髪zyん「んー?まあ、御坂妹に頼まれた、ってだけじゃ駄目か?」

白井「頼まれたって……たったそれだけで自分の身を投げ出すような真似をするなんてありえませんわ。
    あのビルの倒壊を食い止めたということは、ビルの中へはいっていったのでしょう?
    どのような方法を用いたのかは存じ上げませんが、そんな命知らずなこと、ふつうはできませんわ」

上条「んなこと言われてもなぁ……あそこでビルが崩れて周りの人が怪我とかしたら、お前か御坂が責任感じちまうだろ」

白井「……それとこれと、話の繋がりが全く見えませんの」

上条「……あー、うん、これは恥ずかしかったからあんまり言いたくなかったんだがなぁ……」

上条「約束したんだよ、御坂と。アイツとアイツの周りの人間の世界を守ってやるってな」

上条「ああ、そうだ、それで聞きたかったんだが―――俺はアイツとの約束、守ってやれたのかな」

白井「……ええ、上出来でしたわよ。ありがとうございますの」

上条「そっか。そりゃよかった」




佐天「なんという空気……」

870: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/04/20(火) 22:41:44.03 ID:0xmgcdUo
白井「それから、佐天さん」

佐天「おっ、やっと私の方にも話が回ってきた」

白井「ちょっとこっちに来てくれませんこと?」

佐天「なになにー……あいたっ!」デコピンッ

白井「あれほど来るなと言ったのに……まったく!」

佐天「えー」

白井「えー、じゃありませんの!もし結標があそこで反撃してきていたら私たち共々死んでいたかもしれませんのよ!?」

佐天「でもでも、白井さんが傷ついてるの見て、それで……」

白井「……まあいいですの。そういえば、キャリーケースの方は?」

佐天「ああ、あれなら誰がやってくれたか知りませんけど、粉々になってました」

白井「本当に?それはダミーではなくて?」

佐天「本当ですよ、結標も近くでのびてましたから」

871: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/04/20(火) 22:44:20.39 ID:0xmgcdUo
白井「そう……それを聞いて安心しましたわ」

白井「佐天さん」

佐天「うん?」

白井「ありがとうですの」

佐天「……うんっ」

白井「それはそうと」

佐天「う、うん?」

白井「あの能力のこと、教えてくださるのですわよね?」

佐天「oh...」

上条「なんだ、結局ばれちまったのか」

白井「類人猿が知っていて私が知らない……なんだか友達やめたくなってきましたのーですのー」

佐天「ひっ、ひどい白井さん!そんなこと言うなんてっ!」

872: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/04/20(火) 22:49:16.60 ID:0xmgcdUo
佐天さん説明中!

白井「oh...」

佐天「ちくしょー!皆そんな反応するんだから!」

白井「あ、いえ、失礼……あまりにファンタジーすぎるお話でしたから……」

上条「気持ちはわかるが本当なんだなぁこれが」

白井「私も目で実際に見たから信じざるを得ませんの……だいたい、あの高さを垂直飛びなんて肉体強化の強能力者か大能力者クラスですわよ」

佐天「いやーでも反動もありまして。今も足すっごく痛いですのー」

白井「ですのーじゃありませんですの!そんな無理をして……」

佐天「でもでも、御坂さんも頼ってくれてるし……っと、こっから先は一方通行だから言えないかな」キリッ

白井「お、御姉さまが頼りに……?きぃぃぃぃぃ!友達と言えど許せませんの!」

佐天「わわっ、白井さん怪我すごいんだかrああばれないで!」

873: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/04/20(火) 22:53:52.65 ID:0xmgcdUo
御坂「こらこら、病室で暴れない暴れない、っと」がらっ

ミサカ「御隣に迷惑です、とミサカは看護師っぽいことを口走ります」

御坂「はい、黒子はこれでいいでしょ?」

白井「どうせなら御姉さまの呑みかけがあいたっ」

御坂「はいはい馬鹿なこと言ってないで。ほら、アンタも」

上条「お、悪いな御坂」

ミサカ「ちなみに涙子のはこれです、とミサカは邪悪な笑みを浮かべながら涙子にジュースを手渡します」

佐天「ペプシあずき味…・・だと……!」

877: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/04/20(火) 23:06:07.32 ID:0xmgcdUo
上条「なぁ、今更だかすげぇ大変なことに気づいたんだが」

御坂「何よいきなり」

上条「いや、ケーキ三個しか買ってきてなかった……」

白井「準備不足ですわね」

上条「いやだって、まさかこんなことになるなんて思ってなかったしさ」

佐天「普通に半分こして食べればいいんじゃないんですか?」

御坂「(半分こ……)」

ミサカ「(だと……!とミサカはry)」

上条「んーそうするしかないか」

白井「でしたら!でしたら私は御姉さまの食べ掛けを!」

879: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/04/20(火) 23:11:27.96 ID:0xmgcdUo
上条「いや、お前の見舞い品だし、白井は1つ丸ごと食べなきゃだめだろ。ほれ、好きなの選べ」

御坂「そうよ、せっかくコイツの好意なんだから、あんまり無駄にしちゃかわいそうでしょ」

ミサカ「その通りです、とミサカは御姉さまに全面的に同意します」

白井「うっ……お、御姉さま達にそう言われてしまうと……しょうがないですの、ではこれで」


佐天「さて!それじゃ誰が誰と半分こするか決めましょうか!とりあえずクジは即席で作りました!」

上条「おっ、用意いいな、それじゃ俺はこれで」

御坂「それじゃ私はこれね(あわよくばアイツと……あ、あーん、とか出来たりして……って何考えてんのよ私は!)」

ミサカ「それではミサカはこれにします、とミサカはちょいとクジをつかみます。
     (うまくいけばまた半分こできるかもしれません、とミサカは心中期待します)」

佐天「それじゃ私は残ったこれね。それじゃ、せーのっ」

880: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/04/20(火) 23:15:02.09 ID:0xmgcdUo
白井「なかなか美味しいですの。テレビで紹介、と聞きましたからどんないかがわしいものかと思えば……」

上条「テレビさん舐めるなよ?」

佐天「そうですよ、庶民の味方です。はい、上条さん、あーん」

上条「あの、佐天さん、恥ずかしいんですが……」

佐天「ええーまさか中学生を意識しちゃってるんですかー?」

上条「そんなことありませんよ!?」ぱくっ



御坂「……おいしいわね」

ミサカ「……ミサカとしてはおしいと言いたいところです、とミサカは御姉さまと一緒にケーキをつつきます」

882: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/04/20(火) 23:19:26.25 ID:0xmgcdUo
――――。

上条「っと、そろそろ時間か。じゃあな、白井、御坂」

白井「ええ、なんだかんだでありがとうございましたですの」

上条「さっきも言ったが気にすんなよ」

御坂「それじゃせいぜい頑張って学業に励んできなさいね」

上条「お前も学生でしょうが……」

御坂「アンタみたいに一日休んだところでどうこうなるような生活態度じゃないのよこちとら」

上条「さうですか」

佐天「それじゃ、白井さん、お元気で!って言ってもまた来ますけどね」

白井「あまり初春は連れてきてほしくありませんの……うるさくなりそうですから」

佐天「そんなこと言うと初春泣いちゃうぞっ」

883: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/04/20(火) 23:23:11.20 ID:0xmgcdUo
ばたん。


佐天「さて」

ミサカ「はい」

佐天「ちょっと一方通行さんとこ行ってくるね」

ミサカ「襲われそうになったらナースコールでお願いします、とミサカは一方通行の危険性を示唆しておきます」

佐天「あはは、あの人にそんな度胸ないって」


佐天「はいりますよー?」

打ち「しーっ、ってミサカはミサカは指を口に添えてみる」

佐天「うん?あ、お眠り中ですか」

打ち「うん、なんでも朝帰ってきたみたい、ってミサカはミサカは教えてあげる」

佐天「朝……(あの後別れてから何かしてなのかな?)」

佐天「そっか、じゃあまた出なおそっかな」

打ち「ごめんね、せっかく来てくれたのに、ってミサカはミサカはちょっと申し訳なさそうにしてみる」

佐天「いいのいいの。それじゃね」

884: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/04/20(火) 23:26:42.36 ID:0xmgcdUo
ミサカ「おや、お早い御帰りで、とミサカは廊下でのんびりしてるところを見られて職務怠慢と言われないかびくびくします」

佐天「んー、今寝てるんだってさ」

ミサカ「そうですか、それでは……」

佐天「それではー?」

ミサカ「涙子も早く休んでください、とミサカは涙子の足を心配しながら休養を促します」

佐天「んっ、そだね。それじゃあ妹さん、病室までおんぶしてー」

ミサカ「お子様ですか、とミサカは甘えるなとチョップします」

佐天「あうんっ。ですよねー」



そんなこんなで後日談でした。

916: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/04/21(水) 15:24:27.15 ID:l.DWc3ko
イヴ「ブレイド、この状況はなんだ?」

ブレイド「幼女がいると聞いてやってきたが目の前に居るのは包帯男じゃねぇか」

左天「いろいろあんだよ、いろいろ」

左天「あ、ちなみに今回は戦闘無しだから安心しな」

ブレイド「あァ?安心すんのはテメェの方だろうが」

イヴ「2対1で勝てると思ってるのか?」

左天「どっかで聞いた台詞だが今回は違うっつーの。台本見ろ台本」

ブレイド「……『佐天ちゃんの能力紹介および今までのおさらい』?」

イヴ「なんだ、いつもと違った感じの台本だな。てか佐天ちゃんって誰?お前?」

左天「俺は左だ。それは佐だろ」


ブレイドって打とうとしたらブランドとかブロンドとか打ち間違えた……

917: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/04/21(水) 15:26:44.53 ID:l.DWc3ko
イヴ「……」ヨミヨミ

ブレイド「……」ヨミヨミ

イブ「よっし頭に入った!」

ブレイド「俺も大丈夫だ。まあなんとかなるだろ?」

左天「お前らは基本相槌うつだけだからな」

イヴ「へー」

ブレイド「ふーん」

左天「そんじゃ始めるぞ」

918: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/04/21(水) 15:32:44.47 ID:l.DWc3ko
左天「それじゃまずはここまでのおさらいだ。


~おさらい~
7月中ごろ、無能力者の佐天涙子は、空間移動系能力者によって時空転移させられた左天と出会う」

イヴ「先生質問です!そんなニードレス本当にいるんですか?」

左天「知らん。

しかし、左天の身体は時空転移の影響でズタボロ、既に死ぬことは決まっていた」

ブレイド「ざまぁねぇな」

左天「お前ら本当に台本読んだの?

そこで左天はどうせ死ぬくらいならどこか他人とは思えない目の前の女の子に、研究中だった『能力の継承』という実験を行う」

ギド「そんな実験が行われておったとは……666委員会か……!」

左天「爺さんどっから出てきやがった。

その実験は成功、左天の死と共に佐天涙子に『第四波動』の能力が宿ったのだった」

919: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/04/21(水) 15:46:41.48 ID:l.DWc3ko
左天「つかめんどくせぇな、これ。以下ダイジェストでお送りいたしますか」

佐天、左天と出会う。
     ↓
佐天、『第四波動』を手に入れる。←左天死亡
     ↓
不思議なことに左天の意識だけが残る。←脳内左天状態。会話している。
     ↓
佐天涙子、ステイル達と衝突←初、第四波動(なり損ない)を放つ。
     ↓
その後神裂にボコられ、病院へ運ばれる。←ここで魔術の存在を知り、上条と知り合う。又、記憶喪失であることも知る。
     ↓
退院後、能力の練習を始める。←単純な能力練習から肉体鍛錬、熱関係の勉強。
     ↓
人払いの魔術を感知、みさわ塾へ向かいステイルと合流。←事は既に終わっていたので、上条達を運ぶ手伝いだけ。
     ↓
上条宅へ料理を作りに行く途中、ミサカ(10032)と遭遇。←プリン美味しい
     ↓
色々あって一方通行と激突。←睡眠学習(経験継承)を自覚。
     ↓
そげぶで勝利する。その後入院。←能力行使しすぎで身体がやばい。
     ↓
退院後、御使堕しで左天が受肉する。←キャッキャウフフ
     ↓
御使堕し解除。左天が眠りにつく。←今のところこっから一度も起きてない。

921: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/04/21(水) 15:58:56.94 ID:l.DWc3ko
佐天、小萌の助言で能力に目覚める。←『熱ベクトル視覚化』。演算式はこの時点では無い。

初春の宿題を手伝いにいく途中、ミサカ(14444)と遭遇。←フラグ立った。

初春とファミレスへ行く。一方通行、打ち止めと遭遇。←この時点では一方通行に対して敵対心。

打ち止めを保護しようとしたら天井に撃たれる。

初春の制止を無視して天井の所へ。←天井と、苦しんでいる打ち止めの頭に触れる一方通行を見る。この時点では一方通行悪者あつかい。

天井に撃たれて重傷。意識不明。←しかしこのイレギュラーで一方さんの傷は浅くですむ。

入院。全治2週間程。←ミサカとウフフする。初春が何かに目覚める。

病院内で一方さんと遭遇。←打ち止めのおかげで色々誤解が解ける。

一方さんに能力開発を手伝ってもらう。←あんまり役に立たなかったセロリ。

退院。ミサカ(14444)と出会う。←喧嘩しちゃった。

結標と対峙する。←割と特に何もしてない。

今ここ。


924: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/04/21(水) 16:25:43.36 ID:l.DWc3ko
イヴ「だいたいわかった」

照山「けどよ、この佐天って子はてめぇの第四波動完全に使えるようになったのか?なんか使うの難しいって言ってなかったか?」
      ジャジャウマ
セト「『この能力は俺にしか乗りこなせねえ』(キリッ って言ってたな、確か」

左天「そこだが、まだ全然駄目だな。エネルギー変換効率が悪すぎるし、何より広範囲低温度からの熱吸収ができてねぇ」

山田「あ、僕気になったんですけど、この『経験継承』って何ですか?」

左天「どうにも俺が頭ん中にいるせいか、寝てる間に俺の記憶を見ることがあるみてぇなんだよ。
    それの影響で俺の戦ってきた経験が涙子の身体に書きこまれる、ってこった」



照山「涙子、だってよ」
ギド「結構本気かもしれんの」
山田「シメオン四天王が  コンだったなんて……」

925: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/04/21(水) 16:31:40.69 ID:l.DWc3ko
ブレイド「くそがァァァアアアア!テメェずりぃぞ!12歳の意識ん中にいる、だぁ!?それってつまり風呂場で裸覗き放題じゃねぇかァァアアアア!!!」

左天「てめぇと一緒にすんじゃねえ。それに俺が活動していられる時間はランダムみたいでな。いきなり目が覚めんだよ」

ブレイド「だったら12歳が恥じらいながら自慰行為にふけってるときに目覚めたらどうなんだ!?気持ちいいのか教えてください!」

ギド「お前ちょっとだまっとれ」

セト「……ん?ここ、人払いの魔術を感知、って書いてあるけど、これは何で出来たんだ?」

左天「さぁな。どうにも学園都市の人間ってのは能力開発とかで頭ん中が普通とちょいと違うみてえなんだわ。
    それが要因で俺の能力も継承出来たし、そうやって俺にはねぇ能力みてえなもんも手に入ったんじゃねえかと思ってる」

ブレイド「あ、脳 は趣味じゃないんで」

イヴ「ブレイド、ちょっとこっち来い」

926: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/04/21(水) 16:43:12.36 ID:l.DWc3ko
山田「へぇー。じゃあ他にもいろいろ違う点とかあるんですか?」

左天「今解ってる分じゃ 熱吸収 熱放出 熱耐性 ……まあここまでは普通だな。
    あとは 熱吸収からの身体強化 ……おそらく吸収したエネルギーを体内で別のモンに変換して運動能力あげてんだろうな。
    誰だったかはフラグメントは頭の使ってない部分を使ってるからそれでリミッター云々、って言ってたが、俺は前者だと思うがな」

ディスク「そういえば貴方の能力って結局なんなの?」

左天「原作じゃ第五波動の時にダークマターだエネルギー変換だと出てたからそこらから推測するしかねぇんじゃねえか?」

セト「自分の能力のこともわかってないとか」ぶふぃー

左天「てめぇだってアルカに能力制御できてねぇってボコられてたじゃねえか。
    他には 熱感知 なんてもんもあったな。どうやらこっちは涙子自身の能力みてぇだが」

ギド「ほう。この嬢ちゃんにそんな能力があったのか」

左天「ま、フラグメントで熱に敏感になってっからそれの影響もあるだろうがな。
    っと、そういやこんなんもあったな。
    『身体に直接熱吸収をし発散し忘れると欲情する』なんとまあ」

ブレイド「娘さんを僕にください!」

照山「ほんと黙れクソ神父!」

ブレイド「てめぇが俺に勝てると思ってんのかァ!!」

照山「ごふぅっ!」

927: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/04/21(水) 16:53:47.49 ID:l.DWc3ko
セト「そんで?お前は今この佐天ちゃんの中で眠ってる状態なのか?」

左天「そういうこった。そのせいで『左天テラ空気』とか言われちまった」

ディスク「どんまい。やっぱり自分の意志じゃ起きてこられないのね」

左天「意識そのものがねぇからな。たぶん、あの『御使堕し』のせいだと俺は踏んでるが」

ディスク「と言うと?」

左天「どうにも眠ってた時間に応じて出てこられる時間が決まるみてえでな。それは逆も言えるだろ」

ディスク「なるほど、『御使堕し』で長時間外に出てたことになるから、今はその分のツケみたいなのを払っている、と」

左天「おそらく、だがな(だが、そりゃあつまり……)」

セト「どうかしたか?」

左天「なんでもねえさ」



ブレイド「てめぇに太ももの何がわかるってんだ!」
照山「知るかァ!!!」
イヴ「やまだぁ~……ぶれいどにあたまたたかれたぁ~……」ぐすぐす
山田「何でそれくらいで泣いてるんですか!?うわっ、酒くさっ!さっきの一瞬で一体なにが!?」

929: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/04/21(水) 17:04:27.71 ID:l.DWc3ko
ディスク「けど、これ読んでるとこの佐天ちゃん、随分と頭が切れるみたいね。これも経験継承とかいうやつの効果?」

左天「たぶんな。どうにもこれ、睡眠時学習じゃなくても、戦ったりしたらくみ取れるみたいだぜ?涙子はまだ気づいてないがな」

ディスク「あら、随分と情報を安売りするのね」

左天「隠すこたぁねえだろ」

セト「ああ、お前の能力もそんな感じだもんな。『この能力は俺にしか乗りこなせねえ』」キリッ

左天「何?あおってんの?」

ディスク「あら、気にする必要ないわよ。この子、どうにも好きな人にちょっかい出したくなるタイプみたいだから」

セト「なっ……!そんなんじゃない!」アセアセ

左天「ガキにゃ興味ねぇ」

セト「馬鹿ー!」グラビティッ

左天「がふっ」



アークライト「……寂しくないさ。それはそうとしてそろそろ本編に戻してやろう」ワタシガカミトイウコトヲワスレテナイカネ

930: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/04/21(水) 17:11:30.65 ID:l.DWc3ko
佐天「……はっ!」

佐天「……なんだ、夢か……」

―――9月17日

佐天「……あれから三週間近く、か」

『御使堕し』から三週間―――その間、左天さんは一度も起きてきていない。
元々何時起きてくるかわからなかったが、あの事件以来、どうしても夜にひと肌が恋しくなる時がある。
久しぶりに他人と一緒に寝たからだと思う。なんだかんだで私も12歳だったってことなのかな。

佐天「……だめだめ、何弱気になってるんだ佐天涙子。学園都市にくるって決めた時、それくらいの覚悟はしたじゃない」

佐天「さて、と。今日は先生が時間割を教えてくれるんだったっけな。楽しみだなー、っと」

934: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/04/21(水) 19:25:48.61 ID:l.DWc3ko
―――学校

佐天「そういえば初春の時間割って聞いたことない気がする」

初春「一応持ってますけど、この学校だと時間割って結構自主訓練みたいなとこありますからね。私はあんまりやってないです」

佐天「この学校だと?」

初春「名門校……例えば、常盤台だとか長点上機みたいなところですね。そこだと殆ど個別クラスみたいな感じで授業してるみたいですよ?」

佐天「へぇーさっすが名門校。お金のかけ方が違うなぁ」

ガラッ

先生「ほら、席に着け。授業始めるぞー」


935: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/04/21(水) 19:29:18.76 ID:l.DWc3ko
―――放課後前

先生「さて、連絡内容は以上だ。大覇星祭の準備をする人は絶対下校時間までに帰ること。いいな」

先生「それから佐天、ちょっと職員室まできなさい。それじゃ、解散」


佐天「ん、それじゃ行ってくるよ」

初春「はいはーい。私は風紀委員の仕事ありますから、先に行ってますね」

佐天「あ、そうだそうだ。今日って固法先輩いる?」

初春「今日は……はい、いますけど」

佐天「ちょっと質問あるからさ、またそっち行くね。それじゃっ」

936: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/04/21(水) 19:33:29.04 ID:l.DWc3ko
――――

佐天「失礼します」

先生「よく来たな。ちょっと奥の部屋行こうか」

佐天「?はい」


佐天「先生、指導室なんてなんで……きゃっ!」

先生「このっ、暴れるなっ!!」

佐天「なっ、やだ、離してっ!!」

先生「はっ、はぁ、、!お前、お前が悪いんだぞ佐天……!中学生のくせにそんな体系して……!」

佐天「ひっ……!や、やめてぇっ!!いやだぁっ!!!」

先生「先生が一体どれだけ我慢してたと……!ハァハァ……ほ、ほら、お前もこここんなんになってるんだろ!?」

――――――

初春「とかなってたら面白いですよねえ」

固法「ちょっと病院いってきなさい。それより、白井さん大丈夫かしらね?」

初春「大丈夫ですよー白井さんならあれくらいの怪我ちょちょいちょいちょいですって」

939: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/04/21(水) 19:41:03.37 ID:l.DWc3ko
佐天「失礼しまーす」

先生「ん、そこ座りなさい」

佐天「うぃー」

先生「さて、君の時間割だが、一応こんな感じだな」

先生「ベクトル、視覚化、という二つの要素を持つ能力だからね……くみ上げるのに苦労したよ」

佐天「珍しい能力だったりするんですかね?」

先生「そうだね。霧ヶ丘女学院の先生たちにも連絡とって組んでもらったけど、君のこと欲しそうにしてたよ。転校の話を持ちかけられた」

佐天「霧ヶ丘女学院ってあの名門校のですか?ふふっ、私も有名になったものだ!」

先生「そうだね。それで、一応転校の話はマジメなんだけどどうする?あちらならもっといい環境で能力開発できるけど」

佐天「(スルーされた……)いや、それはいいです。私、この学校好きですし」

先生「嬉しいこと言ってくれるじゃないの。さて、時間割の説明だが、とりあえず今回は『視覚化』に重点をおいて組み上げた」

先生「何にせよ、視る、ということが固定化できなければベクトルを勉強してもどうにもできないだろうからね」

940: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/04/21(水) 19:45:36.44 ID:l.DWc3ko
佐天「視覚化ですか……それって、透視能力者とかと同じ感じなんですかね」

先生「同じ、とは言えないが似たようなものだろう。透視能力は『見えないもの視る』であって、
    君のは『見えるはずの無いものを視る』だからね。この違いは大きいよ」

佐天「う……それじゃあ透視能力者の人にアドバイス貰うとか意味無いんですかね……」

先生「いや、そんなことはないよ。『視る』という領域においては同じ系統だからね。何か学べるものもあるだろう」

佐天「そうですか。それじゃ、そろそろ」

先生「ああ、頑張れよ。念願叶っての能力者だもんな」

佐天「へへっ、目指せ超能力者、ですよ!」

先生「その意気だ。じゃあ、気をつけてな」

941: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/04/21(水) 19:51:32.66 ID:l.DWc3ko
佐天「視覚化、視覚化……」

佐天「んっ……一応、出来るようにはなったんだけど……ちょっと無理してる感じがあるし」

佐天「やっぱ独学じゃこんなもんか。よーし、頑張るぞ、っと」


――――177支部

佐天「どーもー。固法先輩いますかー?」

固法「あら、珍しい。初春さんじゃなくて私だなんて」

佐天「へへ、ちょっと固法先輩に聞きたいことありまして」

固法「聞きたいこと?答えられる質問ならいくらでもどうぞ」

佐天「その透視能力の演算ってどんな感じに組み上げたんですか?」

固法「えっ?なんでそんなこと?」

初春「あーそういえば固法先輩知らなかったですねー。佐天さん能力者になったんですよー」

固法「嘘!おめでとうっ!」

佐天「えへへ……ありがとうございます」

固法「それで?どんな能力なの?私みたいに透視能力とか?」

初春「あはははは固法先輩みたいに地味な能力だったらかわいそうですよーあいたっ」

固法「よけいな御世話です」

佐天「えっと、『熱ベクトルを視覚化する能力』です」

固法「……そ、それはまた……」

佐天「言いたいことは解りますよ……」

943: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/04/21(水) 19:59:32.08 ID:l.DWc3ko
佐天「ま、まあそんなわけでですね!視覚を使うってことで固法先輩の能力と似てるとこあるし、なんかアドバイスとか聞けないかなーって」

固法「なるほどね。時間割もってる?」

佐天「今日もらってきましたよん」ガサゴソ

固法「ありがと。……ふぅん、確かに私がしたことと被ってる部分もあるわね」

佐天「ちなみに一応式は組み立ててみたんですけど、なんだか無駄があるみたいなんですよね」

固法「そうなの?よければその式どんなものか聞かせてもらえないかしら?」

佐天「えっとですねー……―――――」


佐天「―――って感じですかね」

固法「なるほどね。確かに無能力でもほんの少しは能力判定あったりするから……佐天さんの場合はそれが熱感知で、そこからイメージで組み上げたわけね」

固法「そうすると……この辺りを、こう……どうかしら」

佐天「ああっ!そっか、確かにそれだとこっからここまでの工程が一気に省けるようになりますね」

固法「でしょ?ただ、これはイメージ力が大切だし、特に佐天さんの能力は見えないものを視るから、相当上手く組み上げないと出来ないけれど……」

佐天「いえいえ、熱に関する知識なら夏休みに読みあさりましたし、なんとかなりそうです」

固法「そういえばそうだったわね。その頃から能力のことわかってたの?」

佐天「あー……あれはまた別件です。さて、それじゃちょっとこれで式組んでみますね」

945: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/04/21(水) 20:04:05.79 ID:l.DWc3ko
佐天「おおっ!すごい!頭すっきりしてるのにちゃんと視えます!」

固法「へぇー、あの式を組み上げるなんて。もしかして佐天さんって結構才能あるかもね」

佐天「そ、そんなぁ……照れますって」テレテレ



初春「いいなぁいいなぁ二人でいちゃいちゃして。私も佐天さんときゃっきゃしたいなぁ」



飯くってくる

949: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/04/21(水) 20:53:05.26 ID:l.DWc3ko
固法「あと先輩として忠告しておくけど、能力の不要な多用は禁物よ?頭に負担かかるし、特に視覚系は目にも疲れがでるからね」

佐天「りょうかいっす!」

初春「私も構ってくださいー。佐天さんって今どんな感じに視えてるんですかー?」

佐天「んっとね、熱ベクトルが矢印で視えてる。すっごい不思議な感じ」

固法「矢印ね……その矢印って大きさバラバラ?」

佐天「?えー、長さは違いますけど大きさは一緒ですね」

固法「うーん、これは私の予想だけど、次はその矢印の大きさを変えることが目標かしら」

佐天「と、いいますと?」

固法「たぶんだけどね、今の佐天さんは熱量の大きさまではカバーできてないと思うの。出来て向きが解る程度じゃない?」

佐天「そう言われればそうかも……」

固法「なら次は大きさがわからなくちゃね。それがわかれば熱ベクトルを完全に掴めるし、もっと能力が発展するかもしれないわよ」

初春「すごいですね固法先輩、他人の能力なのにそんなに……」

固法「ただの予想よ。ただのベクトルなら学校でも習うから、ちょっと気になっただけ」

佐天「大きさ、か……これはいよいよあの人の出番かな……」

952: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/04/21(水) 20:57:30.39 ID:l.DWc3ko
初春「あの人?誰ですかそれ?」

佐天「えっ?いやいや誰でもないよ?うん」

初春「怪しいですっ!」

固法「こらこら初春さん、佐天さんだって女の子なんだから彼氏の一人くらい出来るでしょ?」

初春「かっ、彼氏!?あの人って彼氏なんですか!?きぃいぃぃぃぃぃ!!」

佐天「飛躍しすぎだって!固法先輩も変なこと言わないでくださいよっ!!」

固法「ソーリー」

初春「佐天さんに手を出すなんて……くっ、許すまじ、です!」

佐天「落ち着いて初春……あ!もうこんな時間!」

固法「あら、あの人、との用事かしら?」クスクス

佐天「違いますって!ただ知り合いのところに料理をですね……」

固法「なるほど、通い妻ってわけね」

初春「きいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい!!!!!!!!!!!!」

佐天「だーっ!だから変なこと言わないでくださいーっ!」 
956: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/04/21(水) 21:02:33.86 ID:l.DWc3ko
佐天「そっ、それじゃ私はこの辺りで!固法先輩ありがとうございましたっ!!」だっ

初春『あ!待ってください佐天さん!まだ詳しくきいてぐえぇっ」

固法「はいはい、初春さんはこっちで仕事ね」

初春「離せー!離してください固法先輩!私の佐天さんがどこの馬の骨ともわからないやつに取られちゃいますー!」ジタバタ





上条「ふえっくし」

イン「どうしたのとーま。風邪?」

上条「いや、んなこと無いと思うんだが……」




一方「くしゅんっ」

打ち「わわ、大丈夫?ってミサカはミサカは可愛すぎるあなたのくしゃみにときめきながら風邪の心配をしてみたり」

一方「ン……あァ、大丈夫だ」

958: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/04/21(水) 21:07:58.40 ID:l.DWc3ko
―――スーパーにて

佐天「さってと、今日はなに作ろうかなー」

佐天「タイムセールは……おおっ、鶏肉各種4割引き!これは鶏肉を主軸とした何かを……」

佐天「……って結構あるなー。んー……あ」

ミサカ「さかなさかなさかなーさかなーをーたべーるとー」

佐天「妹さん……って、誰さんだろ。チェックチェック」

pllllllllpllllllllllll

ミサカ「はいこちら検体番号10032です、とミサカは相手が解っているにも関わらず律儀に返事をしてみます」

佐天「あ、妹さん。あのね、今14444さんがどこにいるかわかる?」

ミサカ「14444ですか?それなら――――ああ、7学区のスーパーにいるようですね、とミサカはMNWを駆使して返答します」

佐天「そっか、ありがと」ピッ




ミサカ「……ええー、これだけかよ、とミサカはよくわからない憤りを感じます」

964: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/04/21(水) 21:15:31.19 ID:l.DWc3ko
佐天「……妹さん」

ミサカ「あた……ああ、あなたですか、とミサカは呟きます」

佐天「……」

佐天「(どうする?声をかけたのはいいけどなんて言えば……)」

ミサカ「……そういえばあの時の代金がまだでしたね、とミサカはお金を返そうとポケットを……あら?あらら?あらあらあら?」

ミサカ「……迂闊。また忘れてきたようです、とミサカは自分のうっかりさに少々残念な気持ちになります」

ミサカ「そういうことですから、代金は次でよろしいですか?とミサカは―――」

佐天「……だっ、駄目ですっ!」

ミサカ「……では、どうしろと?とミサカは訝しげな眼であなたを見つめます」

佐天「そのっ……代金の替わりに、一緒にお買いものして!」

ミサカ「…………は?」

佐天「(うおおお一体なに言ってるのよ私ー!)」

佐天「(こんなこと言ってもまた「勝手な人ですね」とか言って嫌われるだろうし……うう……)」

ミサカ「……そ、そうですか。それならば仕方ないですね、とミサカはあなたの持っている買い物カゴを手に取ります」

佐天「へ……?」

ミサカ「何を素っ頓狂な声をだしているのですか、早く行きますよ、とミサカは今晩の献立も聞いておきたいのですが」

佐天「あ……うんっ」

965: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/04/21(水) 21:23:29.48 ID:l.DWc3ko
佐天「……あの」

ミサカ「おや、今日は鶏肉が安いのですね、ということはカレーでしょうか、とミサカは確認をとります」

佐天「え?ま、まあカレーとささみのサラダとかでもいいとは思うけど……そうじゃなくて」

ミサカ「それではササミはこれくらいで?とミサカはササミパックを手に取ります」

佐天「あっと、今日はもっと大勢の分つくるからあと2パックくらいほしいかも、……あの、」

ミサカ「そうですか、それは楽しそうですね、とミサカは次のポイントへ向かいます」

佐天「……」

佐天「(う……あからさまに会話が切られてる……やっぱり嫌われるのかな、怒ってるのかな……)」

966: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/04/21(水) 21:30:03.62 ID:l.DWc3ko
そんなこんなで買い物が終わりました。

ミサカ「ミッションコンプリート、とミサカは袋を手に取ります」

佐天「(結局ろくに会話できなかった……)うん、ありがとう」

ミサカ「代金の替わりですから礼には及びませんし、そもそもお礼を言われるには早すぎますが、とミサカは袋をぶらぶらさせます」

佐天「……?」

ミサカ「あなたは買い物をしろ、と言いました。通常買い物は家へ帰るまでが買い物です。そう、遠足は帰るまでが遠足と言うように、とミサカはなかなか上手い例えをします」

ミサカ「というわけで、いきますよ、とミサカはあなたに先を促します」

佐天「う、うん」


てくてく

てくてく


佐天「……ねぇ、妹さん」

ミサカ「おや、野良猫がいますね、とミサカは」

佐天「聞いて、妹さんっ」

ミサカ「……」

佐天「……この間のこと、怒ってるん、だよね……?」

ミサカ「……イエスかノーで答えればイエスですね、とミサカは答えます」

967: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/04/21(水) 21:36:31.50 ID:l.DWc3ko
佐天「……っ」

佐天「その……ごめんなさいっ!私、妹さんの気持ち全然考えてなくて……!」

ミサカ「……はぁ、とミサカはため息をひとつ」

ミサカ「そうやって謝ることすら、ミサカにとっては鬱陶しいものなのですが、とミサカはトゲをきかせて口にします」

佐天「……わかってるよ。謝ったところでどうにもならないし、余計に妹さんを苛立たせることくらい」

ミサカ「それがわかっていてもやるとは、あなたはミサカに喧嘩を売っているのでしょうか?とミサカは憤りながらたずねます」

佐天「違うよ……けど、これ以外にどうにもできないもん……」

ミサカ「……そう、ですね」

ミサカ「…………ふぅ」

ミサカ「少し、昔話をしてもよろしいですか、とミサカは確認をとります」

佐天「昔話……?」

ミサカ「ええ、と言っても、生まれて半年もたっていないミサカの戯言ですが、とミサカは自虐気味に答えます」

969: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/04/21(水) 21:54:24.27 ID:l.DWc3ko
――――。
  ミサカ達『妹達』は生まれてすぐ……まあ生まれる、といっても単価18万円の命ですが。
  そしてすぐに『学習装置』という機械によって人格形成が行われます。
  通常ここでは実験に不必要なデータ……哲学的思考などは入力されないよう設定されていますが、ミサカの場合
  少々の事故でそれらが入力されてしまいました。
  責任者達はその事で実験に影響が出ないか危惧していたようですが、実験の日程、また、ミサカ自身が自分の存在理由を
  把握していると認識し、どうにか処分は免れました。
  そして、ミサカは毎日考えました。
  1日1日、何体と消えていく他のミサカ達のことを。
  同情はありません。ミサカ達がそのために作られたことはもう変えようのない事実で、それがあるからこそ今ここにいるのだから、と。
  しかし疑問がありました。何故生まれてすぐに殺されなければならないのだろうか、と。
  ええ、矛盾しています。しかしそれもしょうがない話でした。元々疑問を抱くことがおかしいのですから。
  そうして答えのない命題をずっとずっと頭の中でかき回して、周りのミサカ達はそれを異常に思い、ミサカは妹達の中でも一人ぼっちでした。
  その時初めて気付きました。繋がっているはずなのに不安に思う。これが孤独感なのだと。

970: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/04/21(水) 22:05:35.04 ID:l.DWc3ko
―――――。
  孤独でしたよ。寂しかった。
  同じミサカで、脳派でリンクしていて、ずっとずっと繋がりが深かったはずなのに、とても遠くに感じられました。
  他のミサカ達はミサカのことをどう思っていたのかも、勿論流れ込んできましたよ。全てが全て、理解されていない思考でした。
  そのうちミサカはMNWからたびたび回線を切るようになりました。実験の日程は渡されますから、その時にだけ接続するようにして。
  そしてミサカは自分の番が来ることを待ちました。
  もう疲れていましたから。なまじおかしな感情をもってしまったせいで、ミサカの精神はすり減っていました。



「そんな諦めの中から救い出してくれたのが、あなたとあの人なんです、とミサカはあなたを見据えて言います」

妹さんが夕焼けを背にして言った。
夕日がまぶしくてその表情はよく見えなかったが。

972: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/04/21(水) 22:17:32.55 ID:l.DWc3ko
「最初は安堵しました。ああ、これであの思考パターンから抜け出せる。死ぬために生まれたのに、死ぬことを疑問に思う。
自分の存在理由がわかっているのにそれを問う、という、一種の自己否定の思考から」

「ですが、それが解消したからと言って、今更何だったのでしょうか。そんなものとうの昔に放棄して、どうでもよくなっていたものでした。
そう、そうですよ。私は、実験が終わっても孤独でした」

「想像出来ますか。2万の自分に、1の自分が理解されないことを。自分を見失うほどの圧倒的な自己否定を。
はは、おかしな話ですよね。たかだか量産品のミサカが『自分』などと」

「辛かった。実験中も。実験後も―――ミサカはずっと、一人でした。
知らないですよね?実験後、ミサカはMNWに全然つないでいないんですよ?当たり前じゃないですか、なんでそんな怖いことをしなくちゃならないんでしょうね」

「もうたくさんです。繋がっているからこそわかる。そんな孤独はまっぴらです」

「そんな不信感の中で、声をかけてくれたのが、あなただったんですよ」

975: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/04/21(水) 22:31:07.90 ID:l.DWc3ko
「最初はやはり不安でした。けれど、繋がっていないからまだ大丈夫でした。解らないからこそ逃げ出さなくて済んみました。
そして、そんな気持ちの中で、あなたは言ってくれました。『友達になろう』と」

「もう嬉しくて嬉しくて、その場で即答してしまいそうになりました。けれど、なんでしょうね。随分とミサカの心はねじ曲がっていたようです。
つい、何か裏があるのかと不審に思ってしまいました」

「だからどうしてミサカなんかと友達になろうと言ってくれたのか知りたかった。
するとあなたは言いましたよね。『寂しそうだったから』と」

「心がざわつきました。まるで見透かされたようでした。繋がってしまったかのように思えるほどでした。
だからこそ怖かっやめてくださいミサカの思考を知らないでくださいもう理解できないなんていわないでください」
「いやだ、いやだいやだいやだぁこわいこわいこわいなんでおなじみさかなのにそんなふうにいうの?
やめていやだひとりはやだこっちみないでやだあっちいかないでこっちにいてよこわいちかづかないで
ああごめんなさいわたしをみすてないでひとりにしないでもっといっしょにいたいのくらいのはいや
しぬのもいやぜんぶいやなのあああああああよんまんのめがこちらをじろりとみつめるこころはなくて
でもこころはここにあってちがったいきものみたいにむししてくれたらよかったのにああだめむししちゃ
だめだからでもみないでみさかのなかまでこないでひとりにしてよぅいやいやいやだからひとりはいや
なのにこっちこないでさみしいこっちきてみさかをぎゅってしてさみしいのさむいのあああああああああ」

979: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/04/21(水) 22:39:22.78 ID:l.DWc3ko
佐天「いっ―――妹さんっ!!」

ミサカ「やだぁっこないでぇっ!!!!」

バチバチッ

佐天「く、ぅ―――!?」

ミサカ「あ、やだ、いかないで、そんな目でみないで、やだぁもうやだなのぉ、一人はさみしいさみしいのはこわいからぁ」

佐天「……くっ、どうしてこうなった……!」


pllllllllpllllllllllllll


ミサカ『へい、ミサカでやんす、とミサカは相手がわかっているからこその冗談を―――』

佐天「妹さんっ!14444ちゃんが壊れた!!!」

ミサカ『……その声、真剣ですね。だいたい予想はつきました、すぐに上位個体に連絡します』

佐天「打ち止めちゃんに?でもそんなことしても―――」

ミサカ『上位個体なら強制的に14444のネットワークに侵入して落ち着かせることくらいできます、こらっあけろセロリ、
    とミサカは鍵のかかったドアを覿面キックします』

一方『うっせェぞ三下がァっぷばァッ!?』

ミサカ『アナタには用はありません、上位個体はどこですか、とミサカは病室を見渡します』

一方『テメェ人の顔蹴り飛ばしておいて何言ってンですかァ!?』

ミサカ『黙りなさい、14444の危機です、とミサカは焦りを隠せません』

一方『……さっき売店行くとかいって出てった』

ミサカ『売店、というと一階ですね、とミサカはひるがえってぐえっ』

一方『待てよ、下ならもっと早い道があンだろォが』カチカチッ

980: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/04/21(水) 22:42:44.09 ID:l.DWc3ko
一方『クソガキィ!!』

打ち『わわっ、いきなり洗われた貴方にミサカはミサカはびっくりしてみる』

ミサカ『上位個体、簡潔に言いますが14444が危険です、とミサカは伝えます』

打ち『―――わかった、ってミサカはミサカはMNWへダイブする』



佐天「ど、どうですか!」

ミサカ『今上位個体に連絡が取れました、これで―――』

ミサカ「ア、う――――」どさっ

佐天「妹さんっ!!」ぴっ



ミサカ「……また切られました、とミサカ即ち10032はショックを隠せずがっくりします」

981: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/04/21(水) 22:48:36.81 ID:l.DWc3ko
ミサカ「……あ」

佐天「大丈夫っ!?」

ミサカ「……とんだ失態を、見せてしまいましたね、とミサカは立ち上がります」

ミサカ「……ふう」

ミサカ「見ての通り、あれがミサカです、とミサカはあなたの顔を見ずに言います。
    とんだ欠陥品でしょう?とミサカは自虐的に嗤いますよ」

ミサカ「あなたの友達になろうと言ってくれた言葉は嬉しかったんです。
    けれど、同時にとても怖かったということですよ、とミサカは過去の経験による心の傷を語ります」

ミサカ「自分に近づかれては、自分を知られて、また否定されるのかと思うと―――ミサカは、怖くて、怖くて」

ミサカ「だか、らっ……ああ、いってでも、自分を、まもりたくて……」ぐすぐす

佐天「妹さん……」

ミサカ「ごめんなさい……ごめんなさい……ミサカは、ミサカは悪い子です……関係ないあなたまで傷つけて……」ぐすぐす

佐天「……」

ぎゅうっ

982: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/04/21(水) 22:59:17.53 ID:l.DWc3ko
ミサカ「あ、ぅ……くるしい、です……」

佐天「……ねぇ、妹さん。私ってあったかいかな」

ミサカ「あ―――あたたかい、ですよ……けど、それが、なんで」

佐天「妹さんは悪くないよ……そうやって感じられるってことは、すごく普通のことなんだから」

佐天「自分から自分を理解されないって感覚は私にはわかんないけど―――」

佐天「でもね、寂しかったらどうすればいいかぐらいわかるよ」ぎゅうぅ

ミサカ「――――ぅ」

佐天「寂しい時はね、こうやって、友達と一緒にいればいいの。
   友達だもん、妹さんがどんな風に思っても、受け入れてくれるよ」

ミサカ「―――ぅ、あ、ああ、ああああああぁぁぁぁ」ぐすぐす

佐天「よしよし、ずっと一人だったんだもんね?今は甘えていいからね」

ミサカ「ひっ、うええええええええええええ!!!」ぎゅううううっ








学生「おい、あれ……」
学生「ああ、やべぇな……泣く女の子と優しく抱きしめる女の子……百合のにおい!」
学生「こいつぁ今夜のおかずは決まりだな……写真とっとこう」

986: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/04/21(水) 23:07:15.32 ID:l.DWc3ko
―――数分後

ミサカ「ひっ……ひぐ……」

佐天「……どう?落ち着いてきた?」

ミサカ「……ぐすっ……はい、とミサカは鼻をすすりながら返事をします」

佐天「うん、口調ももどってきたみたいだし、大丈夫みたいだね」

ミサカ「……ご迷惑をおかけしました、とミサカは抱きついたままですが謝罪します」

佐天「いいよそんなの―――それより、さ」

ミサカ「……?」

佐天「その……さっき、友達って言っちゃったけど……友達になってくれるかなぁ……」テレテレ

ミサカ「……!」

ミサカ「……あなたが、もしよろしいのなら……ぜひ、ミサカの友達になってください、とミサカはお願いします」

佐天「……えへへ、うん、こちらこそよろしくねっ!」

佐天「うわー、なんか冷静になるとすっごいこっぱずかしいこと言っちゃったなー」テレテレ

ミサカ「そんなことありません、とミサカは落としていた買い物袋を拾い上げます」

佐天「あ、そうだ。友達になるんだから私のことは『あなた』なんて言っちゃだめー」

ミサカ「……あの、それではなんと?とミサカは若干困惑しながら尋ねます」

佐天「私の名前は佐天涙子って言うから……その辺りで?」

ミサカ「で、では……るいこ、ちゃん、と……お呼びしてもよろしいです、か?とミサカは恥ずかしくなって顔を伏せながら確認をとりますっ」テレテレ

佐天「う、うん、じゃあそれで!(涙子ちゃんだって!妹さんがそう言うと可愛い!)」

987: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/04/21(水) 23:13:24.24 ID:l.DWc3ko
佐天「さって、それじゃ今から一緒にご飯たべよっか!」

ミサカ「はい、とミサカは快く返事をします」ぎゅっ

佐天「……ふえ?あの、妹さん?」

ミサカ「……寂しいので、手を握ってください、とミサカは涙子ちゃんの手を握ります」

佐天「あ、う、うん(やっばい、あんなこと言ったけどこれは恥ずかしい……!)」ぎゅっ

ミサカ「……えへへ」

佐天「(ごめん初春私は初春一筋だったのにね)」

ミサカ「あ、それから」

佐天「ひゃいっ!?」

ミサカ「その、ミサカのことも名前で読んでいただけないでしょうか?とミサカはお願いします」

佐天「名前……14444ちゃん、とか?」

ミサカ「……ミサカちゃん」ボソッ

佐天「え」

ミサカ「ミサカちゃん、と呼んでほしいです、とミサカは少々はずかしげにお願いしてみます」テレテレ

佐天「う……ミサカちゃん(なにこれすごくはずかしい)」

ミサカ「……るいこちゃんっ」

佐天「」

佐天「(本当ごめんね初春)」

988: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/04/21(水) 23:18:37.39 ID:l.DWc3ko
イン「あー!遅いんだよるいこー!」

上条「よう、悪いな今日は……って、御坂妹?」

イン「クールビューティーも?珍しいね」

佐天「あ、この子は10032さんじゃなくて14444ちゃんで……」

ミサカ「初めまして、とミサカは命の恩人に挨拶をします。その節はどうも、とミサカは軽く会釈をします」

上条「うん?ああ、気にするなよ。そんで、なんだ?二人は知り合いだったのか?」

ミサカ「知り合いではなく―――」ぎゅうー

佐天「はうっ!ミ、ミサカちゃん……」

ミサカ「涙子ちゃんはミサカのお友達です、とミサカは抱きしめながら答えます」

上条「」

イン「」



イン「はっ!とーま!とーま!なんだかすっごい甘い匂いがするんだよ!」

上条「言うな、インデックス。わかってる、わかってるから……!」



そうして佐天とミサカ(14444)は友達になったのでした。
しかしこのときまだ二人は気づいていませんでした。
その中を引き裂く悪党、初春飾利の存在に……

幕間 ミサカちゃんと涙子ちゃん 終了

引用元: 佐天「第四……波動……か」