1: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/05(土) 19:32:34.33 ID:NOGrlpeu0
────────────────────────
───────────────
──それは、木々が紅葉に変わり始めた秋の日のこと。
それは奇遇なのか、はたまた奇跡と呼べるに値する事象なのか……。
そんな出来事が私、巴マミをおそった。
マミ(今日も疲れたわね…)トボトボ
マミ「鹿目さんも、美樹さんと一緒に下校してるのかしらね…」ハァ…
マミ「たまには、友達の家にパジャマパーティーとか……、
じゃなかったら御茶会とか…してみたいわ……」
マミ「あっ…あらやだ。私ったらまた独り言……」
───────────────
──それは、木々が紅葉に変わり始めた秋の日のこと。
それは奇遇なのか、はたまた奇跡と呼べるに値する事象なのか……。
そんな出来事が私、巴マミをおそった。
マミ(今日も疲れたわね…)トボトボ
マミ「鹿目さんも、美樹さんと一緒に下校してるのかしらね…」ハァ…
マミ「たまには、友達の家にパジャマパーティーとか……、
じゃなかったら御茶会とか…してみたいわ……」
マミ「あっ…あらやだ。私ったらまた独り言……」
8: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/05(土) 19:36:04.03 ID:NOGrlpeu0
マミ(寂しいのね、私……)ハァ…
マミ「……、ん?」
??? キョロキョロ… キョロキョロ…
マミ(…迷子、かしら……)チラッ
??? キョロキョロ… キョロキョロ…
マミ「……、ん?」
??? キョロキョロ… キョロキョロ…
マミ(…迷子、かしら……)チラッ
??? キョロキョロ… キョロキョロ…
10: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/05(土) 19:41:28.50 ID:NOGrlpeu0
マミ「えっと…」
??? 「っ……」ジロッ
マミ「迷子かな~お嬢ちゃん…」ニコッ
マミ(ってどこの不審者よ私っ! このコミュ障マミッ!)
???「話しかけないでください。あなたのことが嫌いです」キッ
マミ「…………」ガクッ
マミ(ガ-ン…)
マミ(な、何なの…この子!? 両親はどんな教育してるのよっ!)
??? 「っ……」ジロッ
マミ「迷子かな~お嬢ちゃん…」ニコッ
マミ(ってどこの不審者よ私っ! このコミュ障マミッ!)
???「話しかけないでください。あなたのことが嫌いです」キッ
マミ「…………」ガクッ
マミ(ガ-ン…)
マミ(な、何なの…この子!? 両親はどんな教育してるのよっ!)
11: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/05(土) 19:50:45.99 ID:NOGrlpeu0
??? キョロキョロ… キョロキョロ…
マミ(た、確かに私の言動はおかしかったけど…嫌いって、いくらなんでも……!)
??? キョロキョロ… キョロキョロ…
マミ(悔しい…。なんとしてでもこの子に一泡吹かせたい…!)
??? キョロキョロ… キョロキョロ…
マミ「ね…ねぇ。お腹空いてない?」ニコッ
???「……」ジトー
マミ「……」
???「……」キョロキョロ
ビキビキ…!
マミ(た、確かに私の言動はおかしかったけど…嫌いって、いくらなんでも……!)
??? キョロキョロ… キョロキョロ…
マミ(悔しい…。なんとしてでもこの子に一泡吹かせたい…!)
??? キョロキョロ… キョロキョロ…
マミ「ね…ねぇ。お腹空いてない?」ニコッ
???「……」ジトー
マミ「……」
???「……」キョロキョロ
ビキビキ…!
14: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/05(土) 19:56:10.98 ID:NOGrlpeu0
マミ「無視…スルッテ……するって……するっ──ティロ・フィナーレ!!」ボカッ
???「っ!? ……!!」
ボカボカボカボカボカボカボカボカ
────────────────────────
───────────────
マミ「……はっ! 私ったら///」
見た目小学生、口だけは一丁前の女の子相手に本気で掴みかかって、本気で引っかきあって、
本気で争っている中学生の姿が、そこにはあった。
そう、私だった。
???「っ!? ……!!」
ボカボカボカボカボカボカボカボカ
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───────────────
マミ「……はっ! 私ったら///」
見た目小学生、口だけは一丁前の女の子相手に本気で掴みかかって、本気で引っかきあって、
本気で争っている中学生の姿が、そこにはあった。
そう、私だった。
17: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/05(土) 20:00:49.83 ID:NOGrlpeu0
???「ゥゥゥゥ~~……!」
マミ「そんな威嚇本能をさらけ出さないでっ! ご、ごめんなさい! 大人気なかったわっ」ペコッ
???「そうです、大人としてあなたは最低です」
マミ(ぐっ、下手にでたらいい気になって…!)
マミ「…お姉さん仲直りしたいな、お名前は?」
八九寺「……八九寺真宵です、私の名前は八九寺真宵ですっ。
お父さんとお母さんがつけてくれた、すばらしい名前です!」
マミ「そんな威嚇本能をさらけ出さないでっ! ご、ごめんなさい! 大人気なかったわっ」ペコッ
???「そうです、大人としてあなたは最低です」
マミ(ぐっ、下手にでたらいい気になって…!)
マミ「…お姉さん仲直りしたいな、お名前は?」
八九寺「……八九寺真宵です、私の名前は八九寺真宵ですっ。
お父さんとお母さんがつけてくれた、すばらしい名前です!」
19: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/05(土) 20:08:00.44 ID:NOGrlpeu0
マミ(……なんだ、案外素直そうな子じゃない)ニコッ
マミ「…私、巴マミ。みんなは〝マミさん″ってよんでるわ」
マミ(そういえば、なんでみんな〝マミさん″なのかしら…)ソボクナギモン
八九寺「すいません、さっきの暴言は昔の口癖でして──」
八九寺「──では、〝おい、巴!″とこれから呼ばせてもらいます」ニコッ
マミ「って、いつから私が亭主関白の家の妻になったのよっ」
八九寺「おおっ! なかなかのツッコミですね〝おい、巴!″」
マミ「褒めていただき光栄ですけど、まずは呼び名を変えて頂戴!」
マミ「…私、巴マミ。みんなは〝マミさん″ってよんでるわ」
マミ(そういえば、なんでみんな〝マミさん″なのかしら…)ソボクナギモン
八九寺「すいません、さっきの暴言は昔の口癖でして──」
八九寺「──では、〝おい、巴!″とこれから呼ばせてもらいます」ニコッ
マミ「って、いつから私が亭主関白の家の妻になったのよっ」
八九寺「おおっ! なかなかのツッコミですね〝おい、巴!″」
マミ「褒めていただき光栄ですけど、まずは呼び名を変えて頂戴!」
21: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/05(土) 20:15:16.73 ID:NOGrlpeu0
────────────────────────
───────────────
八九寺「で、マミさん」
マミ「なぁに? まよいちゃん」
八九寺「何かお悩みではないですか?」
マミ「え? なんで突然?」キョトン
八九寺「い、いえ……なんとなくです。ちなみに今私の中で〝なんとなく″が流行語になっています」
マミ「若干第二次成長期の子が連呼する言葉じゃないわね…」
マミ「…あっ、そういえばあなた迷子なんじゃないの?」
八九寺「……? なんのことですか、私はただマミさんに良く似た殿方を探していただけです」
マミ「殿方……?」
───────────────
八九寺「で、マミさん」
マミ「なぁに? まよいちゃん」
八九寺「何かお悩みではないですか?」
マミ「え? なんで突然?」キョトン
八九寺「い、いえ……なんとなくです。ちなみに今私の中で〝なんとなく″が流行語になっています」
マミ「若干第二次成長期の子が連呼する言葉じゃないわね…」
マミ「…あっ、そういえばあなた迷子なんじゃないの?」
八九寺「……? なんのことですか、私はただマミさんに良く似た殿方を探していただけです」
マミ「殿方……?」
22: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/05(土) 20:20:28.09 ID:NOGrlpeu0
八九寺「はいっ。すぐ暴力をふるい、いつも一人で下校している人です」
マミ「随分な言われようね……って、じゃあなんで無視したのよっ!」
八九寺「私は何をされても口を割りません、なんのことですか?」
マミ「しらばっくれる自信に満ち溢れているわねぇ」
マミ「……家に美味しいお菓子があるんだけど──」
八九寺「きゃほーぅ! 事を赤裸々に語る場にはもってこいですね」キラキラ
マミ(ただの子供だったわ…)
マミ「随分な言われようね……って、じゃあなんで無視したのよっ!」
八九寺「私は何をされても口を割りません、なんのことですか?」
マミ「しらばっくれる自信に満ち溢れているわねぇ」
マミ「……家に美味しいお菓子があるんだけど──」
八九寺「きゃほーぅ! 事を赤裸々に語る場にはもってこいですね」キラキラ
マミ(ただの子供だったわ…)
25: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/05(土) 20:28:59.20 ID:NOGrlpeu0
────────────────────────
───────マミさん宅────────
八九寺「大きなお部屋ですねー…」キョロキョロ
マミ「ほんと、一人で暮らすには広すぎるわ」
八九寺「お一人?」
マミ「ええ……そこに座っていて。今お菓子とお茶持ってくるから」
八九寺「wktk」
マミ(どうしよう、その場の勢いで連れて来てしまったけど…)
マミ(親御さん、心配しないかしら)カチャカチャ
マミ(それどころか、結局あの子の家とかわかってないんじゃない!?)カチャカ…
マミ(そうだわ! すっかりまよいちゃんのペースに乗せられて、私としたことが……)カチャカチャ
マミ(でもあのリュックを見る限り…家出?)
マミ(…まあ、お茶でも飲みながら訊いてみましょう)
───────マミさん宅────────
八九寺「大きなお部屋ですねー…」キョロキョロ
マミ「ほんと、一人で暮らすには広すぎるわ」
八九寺「お一人?」
マミ「ええ……そこに座っていて。今お菓子とお茶持ってくるから」
八九寺「wktk」
マミ(どうしよう、その場の勢いで連れて来てしまったけど…)
マミ(親御さん、心配しないかしら)カチャカチャ
マミ(それどころか、結局あの子の家とかわかってないんじゃない!?)カチャカ…
マミ(そうだわ! すっかりまよいちゃんのペースに乗せられて、私としたことが……)カチャカチャ
マミ(でもあのリュックを見る限り…家出?)
マミ(…まあ、お茶でも飲みながら訊いてみましょう)
26: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/05(土) 20:37:12.64 ID:NOGrlpeu0
マミ「はい、おまたせしました」トンッ
八九寺「うわぁ~~……ショートケーキなんて久しぶりですっ」
マミ「うふふ…さあ、召し上がれ」
八九寺「いっただきまーす!」パクッ
マミ「私も…」パクッ
「「ん~~~、美味しい!」」
マミ(って、舌鼓してる場合じゃないわ)
マミ「ねえ、まよいちゃん」
八九寺「っ? なんですふぁ?」
八九寺「うわぁ~~……ショートケーキなんて久しぶりですっ」
マミ「うふふ…さあ、召し上がれ」
八九寺「いっただきまーす!」パクッ
マミ「私も…」パクッ
「「ん~~~、美味しい!」」
マミ(って、舌鼓してる場合じゃないわ)
マミ「ねえ、まよいちゃん」
八九寺「っ? なんですふぁ?」
27: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/05(土) 20:45:49.74 ID:NOGrlpeu0
マミ「あなた、お家に帰らなくていいの? お父さんとお母さんが待ってるでしょ」
八九寺「……カミさま」
カミさま「人を勝手に崇め仰ぐんじゃありません。私の名前はマミよ」
八九寺「失礼、噛みました」
八九寺「さっき、このお家では一人って…」チラッ
マミ「……私、両親を亡くしちゃってね」
八九寺「……!」
マミ「このマンションで一人で暮らしているの、親戚が借りてくれたんだけどね」
八九寺「す、すみません。出過ぎた話を…」
マミ「いいのよ、まよいちゃんの話もきかせてもらえる?」
八九寺「……カミさま」
カミさま「人を勝手に崇め仰ぐんじゃありません。私の名前はマミよ」
八九寺「失礼、噛みました」
八九寺「さっき、このお家では一人って…」チラッ
マミ「……私、両親を亡くしちゃってね」
八九寺「……!」
マミ「このマンションで一人で暮らしているの、親戚が借りてくれたんだけどね」
八九寺「す、すみません。出過ぎた話を…」
マミ「いいのよ、まよいちゃんの話もきかせてもらえる?」
28: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/05(土) 20:53:45.82 ID:NOGrlpeu0
八九寺「では……私も家族と離ればなれになってしまいまして、その名残やら何とやらです」
マミ「…そう」
マミ(…言葉を濁すわね……あまり言いたくないことなのかしら)
マミ(まぁ…そういうこともあるわよね)
マミ「で……どうするの?」
八九寺「何がでしょうか?」
マミ「今日、行くあては?」
八九寺「行くあてなんていつもありません……私、流離いの〝浮浪者″なのでっ」
マミ「それを言うなら〝放浪者″でしょ? …良かったら泊まっていかない?」
マミ「…そう」
マミ(…言葉を濁すわね……あまり言いたくないことなのかしら)
マミ(まぁ…そういうこともあるわよね)
マミ「で……どうするの?」
八九寺「何がでしょうか?」
マミ「今日、行くあては?」
八九寺「行くあてなんていつもありません……私、流離いの〝浮浪者″なのでっ」
マミ「それを言うなら〝放浪者″でしょ? …良かったら泊まっていかない?」
29: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/05(土) 21:01:04.40 ID:NOGrlpeu0
八九寺「えっ!? いいんでしゅか?」
マミ「急に口調が幼くなったわね」…キュン
八九寺「媚を大セールス中でしゅ! 本当にいいんでしゅか?」
マミ「可愛い子ぶらなくても泊めるわよ、
ましてや夜に女の子を放っておくなんてできないわ」…キュンキュン
八九寺「やりぃーです! 今日はパジャマパーティーです!」
マミ「パジャマ……パーティー…!」パァッ
その日、生まれて初めてのパジャマパーティーを行った。
互いに深入りできない、少しばかり億劫な語り場だったけど、
それでもまよいちゃんと私だけのパーティーは、深夜まで続いた。
マミ「急に口調が幼くなったわね」…キュン
八九寺「媚を大セールス中でしゅ! 本当にいいんでしゅか?」
マミ「可愛い子ぶらなくても泊めるわよ、
ましてや夜に女の子を放っておくなんてできないわ」…キュンキュン
八九寺「やりぃーです! 今日はパジャマパーティーです!」
マミ「パジャマ……パーティー…!」パァッ
その日、生まれて初めてのパジャマパーティーを行った。
互いに深入りできない、少しばかり億劫な語り場だったけど、
それでもまよいちゃんと私だけのパーティーは、深夜まで続いた。
30: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/05(土) 21:06:22.93 ID:NOGrlpeu0
────────────────────────
───────数日後────────
マミ「それにしても、不思議な子だったわね」
さやか「へぇ~小学生で家出かぁ…私もやったなぁ……」
まどか「でも、その時は怒ってても…なんだかんだ言って」
さやか「その日のうちにちゃんと家に帰るんだよなぁ…」
まどか「そう考えると、その子ってすごいですね」
マミ「そうね……最近の子は大人なのね」
マミ(でも…そう考えると、家出にしては元気だったわね)
さやか「もしかしてその子……両親に会えない幽霊だったりしてぇ~……」
まどか「ウェヒヒヒ…冗談でも良くないよ~」
マミ「」
───────数日後────────
マミ「それにしても、不思議な子だったわね」
さやか「へぇ~小学生で家出かぁ…私もやったなぁ……」
まどか「でも、その時は怒ってても…なんだかんだ言って」
さやか「その日のうちにちゃんと家に帰るんだよなぁ…」
まどか「そう考えると、その子ってすごいですね」
マミ「そうね……最近の子は大人なのね」
マミ(でも…そう考えると、家出にしては元気だったわね)
さやか「もしかしてその子……両親に会えない幽霊だったりしてぇ~……」
まどか「ウェヒヒヒ…冗談でも良くないよ~」
マミ「」
33: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/05(土) 21:15:19.83 ID:NOGrlpeu0
────────────────────────
───────────────
マミ「……」スタスタ
マミ(結局…あの子は家についたのかしら)
マミ「……あっ」
八九寺 キョロキョロ… キョロキョロ…
マミ「…また、会ったわね」ニコッ
八九寺「……あっ、ナミさん」
ナミ「人を某人気海賊漫画の人気ヒロインに仕立て上げないで頂戴。私の名前はマミよ」
八九寺「失礼、噛みました」ペコッ
マミ「違うわ、わざとでしょ?」
八九寺「……噛みまみた!」
マミ「わざとじゃない!?」
八九寺「神マミさん」
マミ「いったいどこの新興宗教なのぉ!?」
───────────────
マミ「……」スタスタ
マミ(結局…あの子は家についたのかしら)
マミ「……あっ」
八九寺 キョロキョロ… キョロキョロ…
マミ「…また、会ったわね」ニコッ
八九寺「……あっ、ナミさん」
ナミ「人を某人気海賊漫画の人気ヒロインに仕立て上げないで頂戴。私の名前はマミよ」
八九寺「失礼、噛みました」ペコッ
マミ「違うわ、わざとでしょ?」
八九寺「……噛みまみた!」
マミ「わざとじゃない!?」
八九寺「神マミさん」
マミ「いったいどこの新興宗教なのぉ!?」
35: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/05(土) 21:24:41.62 ID:NOGrlpeu0
────────────────────────
──────────────
マミ「…で、もしかして今日も迷子?」チラッ
八九寺「まあ、そんなところです」
マミ(またこの子、今度はしっかり送り届けないと)
マミ「もう、ちょっと地図貸してみなさい」
八九寺「……どうぞ」
マミ「はいどうも……なんだ、案外近いじゃない」
──────────────
マミ「…で、もしかして今日も迷子?」チラッ
八九寺「まあ、そんなところです」
マミ(またこの子、今度はしっかり送り届けないと)
マミ「もう、ちょっと地図貸してみなさい」
八九寺「……どうぞ」
マミ「はいどうも……なんだ、案外近いじゃない」
37: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/05(土) 21:30:25.78 ID:NOGrlpeu0
八九寺「い、いいですよ…自分で帰れますっ、
わざわざマミさんの手を煩わすことではありません」
マミ「まよいちゃんに拒否権はないわ。大人として、あなたを家まで送る義務があるのっ」
八九寺「……わかりました、そこまで行ったなら…今度こそ赤裸々に自白します」
マミ「……?」
マミ(急にどうしたのかしら…この前の話?)
マミ(まあどちらにしろ、まよいちゃんのお家に行くしかないようね)
マミ「じゃあ、ついて来てね。行きましょう」
わざわざマミさんの手を煩わすことではありません」
マミ「まよいちゃんに拒否権はないわ。大人として、あなたを家まで送る義務があるのっ」
八九寺「……わかりました、そこまで行ったなら…今度こそ赤裸々に自白します」
マミ「……?」
マミ(急にどうしたのかしら…この前の話?)
マミ(まあどちらにしろ、まよいちゃんのお家に行くしかないようね)
マミ「じゃあ、ついて来てね。行きましょう」
38: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/05(土) 21:38:16.66 ID:NOGrlpeu0
────────────────────────
──────────────
マミ「あら、行き過ぎちゃったかしら…」
八九寺「YO! YO! こんなんじゃあ日が暮れちゃいますYO!」
マミ「下手くそなラップを近くで歌わないで頂戴。恥ずかしいでしょ……」
八九寺「歩き疲れました…そこらで休み…っ」ビクッ
マミ「あら…どうしたの急に黙り込んで──」
ほむら「巴マミ」ファサ
マミ「……!」
マミ(暁美ほむら…)
──────────────
マミ「あら、行き過ぎちゃったかしら…」
八九寺「YO! YO! こんなんじゃあ日が暮れちゃいますYO!」
マミ「下手くそなラップを近くで歌わないで頂戴。恥ずかしいでしょ……」
八九寺「歩き疲れました…そこらで休み…っ」ビクッ
マミ「あら…どうしたの急に黙り込んで──」
ほむら「巴マミ」ファサ
マミ「……!」
マミ(暁美ほむら…)
39: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/05(土) 21:45:47.09 ID:NOGrlpeu0
マミ「何の用かしら、暁美さん」
ほむら「いいえ。たまたま通りかかっただけだけど、不思議なことをしていると思って」
マミ「…そう」
マミ(不思議なことって……小学生を連れていることかしら)
マミ「…いきましょう」
ほむら「? ……どこへ?」
八九寺「……」
マミ「ほら……まよいちゃん」
八九寺「はっ、はい!」
ほむら「…ちょっと」
マミ「何かしら?」
ほむら「私も、同行させてもらってもいいかしら」ファサ
ほむら「いいえ。たまたま通りかかっただけだけど、不思議なことをしていると思って」
マミ「…そう」
マミ(不思議なことって……小学生を連れていることかしら)
マミ「…いきましょう」
ほむら「? ……どこへ?」
八九寺「……」
マミ「ほら……まよいちゃん」
八九寺「はっ、はい!」
ほむら「…ちょっと」
マミ「何かしら?」
ほむら「私も、同行させてもらってもいいかしら」ファサ
41: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/05(土) 21:53:50.47 ID:NOGrlpeu0
マミ「あら、わざわざ貴方の手を煩わせることじゃないわ」
ほむら「貴方と違って暇なのよ、巴マミ」
マミ(それを言うなら〝暇じゃない″じゃないの? まあいいか…)
八九寺「ぷっ…プフー! それをいうなら〝暇じゃない″じゃないですかぁ!?」ゲラゲラ
マミ(ちょ、ちょっとまよいちゃんっ! GJ)
ほむら「……どうしたの、行かないの?」ファサ
マミ「…ええ、行きましょう」
マミ(メンタル強いのね……暁美さん)
それから数十分、私達は住宅街を徘徊した。
ボケとツッコミの応酬は最後まで続き、暁美さんがその輪に加わることも、
結局最後までなかった。
ほむら「貴方と違って暇なのよ、巴マミ」
マミ(それを言うなら〝暇じゃない″じゃないの? まあいいか…)
八九寺「ぷっ…プフー! それをいうなら〝暇じゃない″じゃないですかぁ!?」ゲラゲラ
マミ(ちょ、ちょっとまよいちゃんっ! GJ)
ほむら「……どうしたの、行かないの?」ファサ
マミ「…ええ、行きましょう」
マミ(メンタル強いのね……暁美さん)
それから数十分、私達は住宅街を徘徊した。
ボケとツッコミの応酬は最後まで続き、暁美さんがその輪に加わることも、
結局最後までなかった。
45: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/05(土) 22:00:29.05 ID:NOGrlpeu0
────────────────────────
───────────────
マミ「住所はここであってるけど……」
八九寺「……」
マミ(……更地?)
ほむら「……ねぇ巴マミ。私、ずっと気になっていたことがあるんだけど……」
マミ「何かしら…」
ほむら「私……」ファサ
──あなたが、誰と話しているのか分からないのよ──
マミ「っ!?」
───────────────
マミ「住所はここであってるけど……」
八九寺「……」
マミ(……更地?)
ほむら「……ねぇ巴マミ。私、ずっと気になっていたことがあるんだけど……」
マミ「何かしら…」
ほむら「私……」ファサ
──あなたが、誰と話しているのか分からないのよ──
マミ「っ!?」
47: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/05(土) 22:05:15.52 ID:NOGrlpeu0
マミ「暁美さん、あなた何を言って──」
八九寺「そろそろ、ですかね……」フゥ…
八九寺「すいませんマミさん、私…ずっと話すことを渋っていました」
マミ「まよい、ちゃん…?」
八九寺「私は、この世の人間じゃありませんっ」ニコッ
八九寺「そろそろ、ですかね……」フゥ…
八九寺「すいませんマミさん、私…ずっと話すことを渋っていました」
マミ「まよい、ちゃん…?」
八九寺「私は、この世の人間じゃありませんっ」ニコッ
48: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/05(土) 22:11:18.54 ID:NOGrlpeu0
────────────────────────
───────────────
八九寺「マミさんみたいな人は、たまーにいるんです」
マミ「幽霊…なの?」
八九寺「そうです、あまりバレたくなかったんですが…」
マミ(そうは見えない……でも)チラッ
ほむら「……」
マミ「からかっては、ないのよね……」
───────────────
八九寺「マミさんみたいな人は、たまーにいるんです」
マミ「幽霊…なの?」
八九寺「そうです、あまりバレたくなかったんですが…」
マミ(そうは見えない……でも)チラッ
ほむら「……」
マミ「からかっては、ないのよね……」
50: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/05(土) 22:16:42.05 ID:NOGrlpeu0
ほむら「……この子との絡みは一度あったわ」
マミ「えっ?」
ほむら「私が、ホチキスを振り回す役をしていた時のことよ」
マミ「いきなりなんの話!?」
ほむら「……〝万死に値するわ″」
八九寺「うわぁ~なんとなく似ていると思ったらっ! そうだったんですね」
マミ「この話はティロ・フィナーレ!」
マミ「えっ?」
ほむら「私が、ホチキスを振り回す役をしていた時のことよ」
マミ「いきなりなんの話!?」
ほむら「……〝万死に値するわ″」
八九寺「うわぁ~なんとなく似ていると思ったらっ! そうだったんですね」
マミ「この話はティロ・フィナーレ!」
52: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/05(土) 22:22:26.60 ID:NOGrlpeu0
────────────────────────
───────────────
ほむら「そうね…そもそもこの作風はこっちの話じゃなかったわ」ファサ
八九寺「化け物がでる話の方ですね」
マミ「話を…戻すわよ」ハァ…
マミ「まよいちゃん、あなた…幽霊なの?」
八九寺「はい…自分自身の問題は解決して、今は街をうろうろしているだけですが」
マミ「そう…だったの」
八九寺「人間……知らないことがいいことだってありますから」
───────────────
ほむら「そうね…そもそもこの作風はこっちの話じゃなかったわ」ファサ
八九寺「化け物がでる話の方ですね」
マミ「話を…戻すわよ」ハァ…
マミ「まよいちゃん、あなた…幽霊なの?」
八九寺「はい…自分自身の問題は解決して、今は街をうろうろしているだけですが」
マミ「そう…だったの」
八九寺「人間……知らないことがいいことだってありますから」
53: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/05(土) 22:28:13.45 ID:NOGrlpeu0
八九寺「ファミさん…」
ファミ「人を音階を逆行させたような名前で呼ぶんじゃありませんっ。私の名前はマミよ」
八九寺「すいません…噛みました」
マミ(違う、わざとよ…って、いう空気じゃないか)
八九寺「私のこと、嫌いになりました?」チラッ
マミ(まさかまよいちゃん、そんなことを心配して…)
ほむら「……お邪魔のようね」シュンッ─
ファミ「人を音階を逆行させたような名前で呼ぶんじゃありませんっ。私の名前はマミよ」
八九寺「すいません…噛みました」
マミ(違う、わざとよ…って、いう空気じゃないか)
八九寺「私のこと、嫌いになりました?」チラッ
マミ(まさかまよいちゃん、そんなことを心配して…)
ほむら「……お邪魔のようね」シュンッ─
56: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/05(土) 22:35:36.75 ID:NOGrlpeu0
マミ「…そんなわけないじゃない」ダキッ
八九寺「……っ! 膨よかですっ」ギュッ
マミ「もうお互い…独りぼっちじゃないんだもの」
マミ「帰るお家がないのなら、いつでも遊びにきてもいいのよ?」
八九寺「ほんとですか!? きゃほーぅ! 友達ですねっ」
マミ「何いってるの。初めから友達よ」ニコッ
八九寺「では、事件解決記念として…改めて言葉にさせて頂きますっ」ニコッ
マミ「はいはい、ウフフ──」
八Q寺「僕と契約して、お友達になってほしいんだ!!」
マミさん「ってティロ・フィナーレ!!!!」
─完─
八九寺「……っ! 膨よかですっ」ギュッ
マミ「もうお互い…独りぼっちじゃないんだもの」
マミ「帰るお家がないのなら、いつでも遊びにきてもいいのよ?」
八九寺「ほんとですか!? きゃほーぅ! 友達ですねっ」
マミ「何いってるの。初めから友達よ」ニコッ
八九寺「では、事件解決記念として…改めて言葉にさせて頂きますっ」ニコッ
マミ「はいはい、ウフフ──」
八Q寺「僕と契約して、お友達になってほしいんだ!!」
マミさん「ってティロ・フィナーレ!!!!」
─完─
引用元: ・マミ「違うわ、わざとでしょ?」
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