1: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/18(金) 19:59:00.40 ID:czQWOxC30
勇者B「ふー束の間の休息だ」

勇者D「全くだ」

勇者C「なんだお前ら。まだ魔王を倒してないのか?」

勇者B「倒したって大変なの」

勇者E「うーさぶさぶ。悪いね、遅くなって」

勇者A「おう、ってなんで全裸なんだよ!」

勇者E「強くなる事と引き換えに、二度と服が着れなくなってしまった……」

4: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/18(金) 20:01:07.30 ID:czQWOxC30
勇者A「……なんだ、頑張れよ」

勇者E「強く生きるよ」

勇者B「実際強くなったんだろ?」

勇者E「まあな」

勇者D「とりあえず近状報告からしないか?」

勇者C「そうだな。唯一あらゆるしがらみから開放される定例会だしな」

5: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/18(金) 20:04:02.44 ID:czQWOxC30
勇者A「去年は……ああ魔王倒した直後だったからなー」

勇者A「紆余曲折あって魔王とは今伴侶の間柄だ」

勇者E「なんだよそれ」

勇者B「氏ね」

勇者C「爆ぜろ」

勇者D「消えろ」

勇者A「お前ら辛辣だな……何があったんだ」

7: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/18(金) 20:07:36.36 ID:czQWOxC30
勇者A「まーそんな訳で、共存的な流れになっている」

勇者A「課題はまだまだあるけども、まあ平和になった感じだな」

勇者E「共存反対派の魔王軍とかないのか?」

勇者A「んーそんな感じは無いかな? 人間側からの物資支援とかもあって、安定して食っていける環境になったし」

勇者D「リア充氏ね」

勇者B「くそー幸せ者め。不幸になれば良い」

勇者C「そこまで言うのか。Bはもう少しで魔王倒せそうって去年言ってたじゃん。どうしたんだよ」

勇者B「魔王倒しても良い事ねーからなー」

9: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/18(金) 20:11:15.46 ID:czQWOxC30
勇者C「何があったんだ?」

勇者B「魔王を倒したんだけどもさー今は国の争いに使われているんだ」

勇者D「傀儡状態か。しんどいな、それは」

勇者B「姫様も助けてフラグ立ったと思ったのに、帰還したら政略結婚してるしさー」

勇者E「ソロだっけ? 親密になれる相手がいないときっついよな」

勇者B「全くだ」

11: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/18(金) 20:14:29.33 ID:czQWOxC30
勇者B「リア充とかカップルとか氏ねばいいのに」

勇者B「そういえばCも意中の子がPTにいるんじゃなかったのか?」

勇者A「そういやそんな事言っていたっけ」

勇者E「何があったんだ?」

勇者C「……魔王は倒したんだ」

勇者C「倒して帰還して告白したんだ」

勇者D「振られたのか……」

勇者C「仲間の戦士とデキていやがった……」

ABDE「……」

12: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/18(金) 20:17:37.57 ID:czQWOxC30
勇者C「すげー親密だったんだぞ? 出会った当初、旅立ちの時は凄い内気な僧侶でさ」

勇者C「だんだんと心開いていってくれて、微笑んでくれるようになったんだぞ?」

勇者A「あーそれ分かる」

勇者B「ソロだから分かんね」

勇者E「俺もだ」

勇者D「俺、そこまで慕われていないからなぁ」

勇者C「ちょっとした事があった時、照れ笑いを隠しながら二人だけの秘密ですよ、ってめっちゃ可愛かったんだぞ!」ダンダン

勇者B「それが蓋を開けてみれば、か……政略結婚で奪われた俺の方がまだ救いがあんのかなぁ」

14: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/18(金) 20:21:45.82 ID:czQWOxC30
勇者D「なんだ幸せになったのは勇者Aぐらいか?」

勇者A「お前はどうなんだ?」

勇者D「PTだけどイケメン騎士がいるから望み薄」

勇者B「人選ミス過ぎるだろう」

勇者D「だって初期から強かったんだもの」

勇者E「魔王の方はどうなったんだ?」

勇者D「まだ攻略中……っていうかあれ倒せない」

勇者B「あー規格外魔王に当たっちまったか」

勇者C「三班の勇者達は全員、規格外魔王らしいぞ」

勇者D「あ、なんか嬉しい」

勇者A「俺も聞いたな。なんか毎日魔王にぶっ殺される日々らしい」

勇者E「なにその地獄絵図」

15: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/18(金) 20:25:13.65 ID:czQWOxC30
勇者B「因みに魔王は男? 女?」

勇者D「お、女だ……ヤンデレ? みたいな感じでヤバイ」ガタガタ

勇者D「ま、毎日俺に迫っては惨殺していくんだ」ガタガタブルブル

勇者C「なんか俺、生きる勇気が湧いてきた」

勇者B「奇遇だな。俺もだ」

勇者E「そうか? 俺は何時でも普通に生きているぞ」

勇者A「全裸なのに……」

勇者C「逞しい奴だ」

17: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/18(金) 20:29:47.43 ID:czQWOxC30
勇者D「……で、お前はどうなんだよ」

勇者E「魔王を倒したよ……戦う仲間はいないから、始めに王様からもらった妖精と旅してる」

勇者B「それはそれで羨ましいな」

勇者C「国に使われたりしていないのか」

勇者E「俺が旅立った国は開始三時間で消滅したからな」

勇者B「何があった」

勇者E「いやほら、俺のところは魔王が世界を食う闇を召還させたから」

勇者D「よく去年こっち来れたな」

勇者E「その間闇が止まってたよ。マジ空気読める子」

勇者A「空気読んでくれるの魔王軍だけじゃないんだな……」

18: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/18(金) 20:33:59.26 ID:czQWOxC30
勇者E「で、その妖精と共に時々人を助けたり」

勇者E「迷宮に潜ったり、美味いものを食べながらのんびりしてるよ」

勇者B「一番冒険者らしいその後だな」

勇者C「にしても道中仲間は捉らなかったのか?」

勇者E「幽閉されている王女様なら見つけた」

勇者D「助けなかったのか?」

勇者E「牢屋ごと槍で……」

勇者A「なにそれ怖い」

勇者E「あ、あともう一人見つけた」

勇者E「見つけた時には魔物に食い殺されてたけど」

勇者B「お前の所ハード過ぎないか?」

21: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/18(金) 20:38:42.27 ID:czQWOxC30
勇者C「ま、幸せになってるのはAだけって事で爆ぜろ」

勇者B「そういや、お前は人間関係しか聞いていないが魔王討伐後はどうなったんだ」

勇者C「一応英雄としてやっているけど、良いように使われているだけだ」

勇者D「政略結婚とか無いのか? お姫様ととか」

勇者C「無いから余計にむなしいんじゃないか……」

勇者E「もうお前も旅に出たらどうだ? 楽しいぞ。世界は広いし、まだまだ見た事の無い物でたくさんだ」

勇者C「お前と違って大抵の勇者は世界の隅々まで回るんだよ……」

勇者D「火山から落ちれば新世界にいけるんじゃね?」

勇者C「なんてリスキーな……」

22: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/18(金) 20:41:33.22 ID:czQWOxC30
勇者A「じゃああれだ。こっからは皆で意見出し合って」

勇者A「個々の世界でより良い暮らしを得られるよう模索するってのは」

勇者B「お、いいね」

勇者C「まー現状が変わるなら良いかな」

勇者D「……規格外魔王の倒し方」シクシク

勇者E「Dが不憫すぎる」

勇者C「ある意味一番不憫なのはお前のはずなんだが……」

23: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/18(金) 20:45:33.93 ID:czQWOxC30
勇者A「Bは発言権くらいはあるんだろ?」

勇者B「あるにはあるけど……なんかもー俺、お国の犬ってイメージがあるんだよね」

勇者C「本当に傀儡だなおい。反旗でも翻したらどうだ?」

勇者D「力はあるんだし物の試しにやってみたら?」

勇者B「お前ら、人の人生にとりあえず感覚で反逆を勧めないでくれる?」

勇者E「けど他にあまり方法無くないか? それこそ俺みたいに旅をするくらいしか」

勇者A「……と言うわけで勇者Bは良し、と」

勇者C「諦めた」

勇者D「諦めは肝心だもんな……」

勇者E「自分に言い聞かせてる?」

24: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/18(金) 20:48:33.10 ID:czQWOxC30
勇者C「まあ、俺は頑張れば何とか幸せくらい掴めそうだからなぁ」

勇者A「そうなのか?」

勇者C「もうちょい準備が整ったら遠方の国で騎士でもやろうかと」

勇者E「そりゃまたスケールダウンだな」

勇者C「でも腕はあるからな。なあに、元々裸一貫、剣術だけでここまできたんだ」

勇者A「何気にタフだな。爆ぜろとか言ったくせに」

勇者C「幸せそうだったからな」

25: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/18(金) 20:51:12.73 ID:czQWOxC30
勇者A「あー……Dは……」コンコン

勇者C「え? 誰? もう誰も来ないよな?」

勇者B「何これ怪奇現象?」

魔王D「失礼するぞ」ガチャ

勇者D「おわあああ! うわああああ!!」

勇者C「ちょちょ、定例会の日はそういうの無しだって!」

魔王D「事前に言ってくれればお休みを上げたさ。しかし勇者Dは何も言わなかったからな」

勇者E「そりゃあお前が悪いな」

勇者D「あばばばば! あばばばばばば!」フルフル

28: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/18(金) 20:55:40.13 ID:czQWOxC30
勇者B「なんだかんだで美人さんじゃないか。羨ましいな」

勇者D「ああああああ! うああああああああ!」ガタガタ

魔王D「ふふ、勇者……足繁く私の元に通うように言っておったのに」ギュゥ

勇者D「ひぁっ! たす、たすけ!」ブルブル

勇者C「巻き込まれないように少し避難するか」

勇者B「そっちもうちょい詰めて」

勇者E「コタツが狭くなるな」

29: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/18(金) 20:58:19.28 ID:czQWOxC30
魔王D「ふふふ……勇者D、可愛いぞ勇者D」スリスリ

勇者D「 ! !」ガタガタガタガタ

勇者C「最早言葉にならない叫びだ」

勇者B「あいつのステータスってどんなもん?」

勇者A「これ」サッ

勇者E「俺のところと表示が違うからよく分からないが高そうだ」

勇者C「これ滅茶苦茶強くないか? 俺のところだったらソロで魔王倒せるぞ」

勇者B「そのDがこれだけ怯えるのか」ゴクリ

32: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/18(金) 21:02:51.91 ID:czQWOxC30
魔王D「……ああ良い匂いだ……さて、そろそろ」ヌラリ

勇者D「ぃっ!」ビクン

勇者B「舌なめずりエロいな」

魔王D「勇者D……」ズヌ

勇者A「貫手?!」

勇者D「 ! !」パクパク

魔王D「そして手を返して……ふっ!」ブチィ

勇者B「ナニアレ」

勇者E「心の臓……」

33: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/18(金) 21:05:36.76 ID:czQWOxC30
魔王D「……」グジュゥハグゥ

勇者A「く、食ってやがる」

勇者C「Dは……」

勇者D「」ビクンビクン

魔王D「ああ、可愛い私の勇者D……まだ生きているのだな」ギュゥ

魔王D「少しずつ絶命までの時間が延びている……嬉しいぞ」スリスリ

勇者E「俺、初めて恐怖した」

勇者B「奇遇だな……」

勇者C「俺は今の自分の環境が幸せに思えてきた」

38: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/18(金) 21:10:04.01 ID:czQWOxC30
魔王D「んむ……あ……ちゅぷ……ぷは」

魔王D「ふふ……勇者Dとの接吻は何時も血の味だな」

勇者C「それってつまり……」ガタガタ

魔王D「他の者にはすまないが私"達"はお暇とさせて頂こう」

勇者A「お幸せに……」

魔王D「うむ、私は今とっても幸せだぞ」ニコ

勇者E(あの行動さえ無ければ凄い美人で羨ましいんだけどなぁ)ヒソヒソ

勇者B(全くだ)ヒソ

40: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/18(金) 21:13:59.94 ID:czQWOxC30
勇者A「今年の定例会は自身の幸せを噛み締めるものになってしまったな」

勇者B「勇者Dに合掌」

勇者C「合わせて黙祷」

ABCE「……」

勇者B「まだ朝だし昼頃にはあいつも蘇生されるかなぁ」

勇者C「だろうな」

勇者E「戻ってくるかな?」

勇者A「望み薄そうだな……まあ仕方ないよな」

勇者C「可哀想だけども俺達が干渉しちゃ不味いし、干渉しても役に立てないもんな」

43: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/18(金) 21:18:00.56 ID:czQWOxC30
勇者C「昼飯どうする?」

勇者D「出前でよくないか?」

勇者A「ドラゴンステーキでいい? それともクラーケン寿司?」

勇者B「エルフの自然食店も捨てがたいな」

勇者C「俺、トロールピザがいいかも」

勇者E「焦げてたり枯れてたりする草じゃなければいいや」

勇者A「お前凄い生活していたんだな」

44: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/18(金) 21:21:41.51 ID:czQWOxC30
……
勇者A「ウノ、上がりー」

勇者C「くそー!」

勇者B「あーあー……Cが赤にするからー」

勇者E「相手の手札くらい心の目で見なきゃ」

勇者C「できるかー!」コンコン

勇者A「Dかな?」

勇者B「だろうな」ガチャ

勇者D「……」カタカタ

魔王D「ふふ」スリスリ

勇者C「Oh...」

45: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/18(金) 21:25:25.39 ID:czQWOxC30
魔王D「私との約束を破った罰だ。が、今日は定例会だからな」ヌラリ

魔王D「今日はもう殺したりはしないよ」ガブゥ

勇者D「ぁっぅ」ビクン

勇者A「首筋噛まれて血吸われている……」

魔王D「嗚呼……勇者Dの血暖かい、それになんと美味な事か」チロチロ

勇者B「舌で首筋を這わせるとか凄いエロいよな」

勇者C「その舌が真赤でなければなー」

勇者D「助けて」ボソボソ

勇者E「無理」

勇者A「無理だなー」

47: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/18(金) 21:29:54.26 ID:czQWOxC30
勇者C「晩飯は鍋だけどいいか?」

魔王D「うむ構わんぞ……そうだな私は勇者Dの血で食べるとするか」

勇者B「D……強く生きろ」

勇者D「ぁ……ぅぅ」フルフル

勇者C「だよなー」

勇者E「とりあえず俺、鍋の用意始めるわ」

勇者A「俺も手伝うよ」

魔王D「ふふふ」チロチロ

勇者D「……」ガタガタブルブル

48: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/18(金) 21:32:42.91 ID:czQWOxC30
勇者B「リジェネレーションかけるか?」

勇者D「殺して……いっそ殺して」フルフル

勇者C「俺特殊な技覚えてさ。二度目の人生、つって一度の戦闘で一度だけ使えるんだが」

勇者C「一回だけその場で復活できるんだ」

勇者D「いや……いやだ」フルフル

魔王D「勇者Dが嫌がっているではないか……あまり虐めてやるな」

勇者C「えっ?」

勇者B「ごめん何言っているか分からない」

52: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/18(金) 21:36:48.20 ID:czQWOxC30
……
勇者C「あー食った食った」

勇者A「そろそろ0時か」

勇者B「今日はどうする? 俺はここで寝て明日発つんだが」

勇者A「悪いね。魔王には帰るって言ったんだ」

勇者C「リア充氏ね」

勇者E「本当にそればっかだな」

勇者B「それよか」チラ

魔王D「ふふふふ……もうすぐで明日だぞ勇者D」

魔王D「私はとっても我慢したのだぞぉ」スリスリ

勇者D「」

勇者A「恐怖でDが息してない」

勇者C「どこまで不憫な奴なんだ」

54: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/18(金) 21:40:19.88 ID:czQWOxC30
0時
魔王D「ふっ」ブチィ

勇者C「首もいだー!!」

デュラハンD「」ビクンビクン

魔王D「勇者D……勇者D……可愛いぞ」ギュウ

勇者B「もうやだこのスプラッター劇場」

魔王D「さて、私達はこれにて。御機嫌よう、他の世界の勇者達」

魔王D「最も、勇者Dの可愛らしさには敵わんがな」チュッチュッ

勇者E「えー……あー」

勇者B「どうぞどうぞ、勇者DがNo1でいいです」

57: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/18(金) 21:44:57.49 ID:czQWOxC30
勇者A「嵐が去っていったな」

勇者B「俺、もう寝るわ。なんか疲れた」

勇者C「俺もここで寝ていくわ」

勇者E「俺は寝なくても平気だなー」

勇者A「じゃあ俺はそろそろ行くわー」

勇者B「おーまた来年なー」

勇者C「奥さん連れて来いよリア充」

勇者A「機会があればなー」

勇者E「じゃーなー」

      勇者B「よお」勇者A「遅かったな」 終

引用元: 勇者B「よお」勇者A「遅かったな」