このみ「まだー」

Ｐ「もうちょっと」ｶﾀｶﾀ

このみ「……まだー」

Ｐ「もうちょっと」ｶﾀｶﾀ

このみ「…………まだー？」

Ｐ「もうちょ……そば屋ですか俺は」ｶﾀ

このみ「出前はまだかー」

Ｐ「今出ましたー」ｶﾀｶﾀ

このみ「」ｲｿｲｿ

Ｐ「あー桁数あわねぇ。何でだー……」ｶﾀｶﾀ

Ｐ「マクロか？　マクロの計算式が間違ってるのか？」

このみ「」ﾊﾞｱｧｧﾝ

Ｐ「……銅鑼の音が聞こえた気がするんですけど」

このみ「気のせい気のせい」ﾊﾟﾀﾊﾟﾀﾊﾟﾀﾊﾟﾀ

Ｐ「配牌が配られてる音が聞こえてるんですけど」

このみ「気のせい気のせい」

Ｐ「書式かねぇ？」

このみ「んー……」ﾁｰ

Ｐ「……一回鳴けば自分を晒す」

このみ「ほらさっさと会計合わせる」

Ｐ「あい」

・・・・・・・・・・・・・・・

Ｐ「あっ、桁数ひっくり返ってる！」

このみ「」ﾛﾝ

Ｐ「軽快だなおい」

このみ「気にしない気にしない」

・・・・・・・・・・・・・・・

Ｐ「終わりましたよー」

このみ「お疲れ様プロデューサー」

Ｐ「金額の合計するところで桁数逆にして入力してましたよ。
　　いやーボーナスが吹っ飛ぶところでした」

このみ「金額の差分が9の倍数になってたでしょ？」

Ｐ「ん？　……あぁ確かにそうでした」

このみ「数字をあべこべに入力してるとそうなるのよ」

Ｐ「へー詳しいですね」

このみ「昔取ったなんとやらよ」ﾎﾟﾝ

Ｐ「……まぁそうだとは思いましたけど天鳳ですよね」

このみ「今南2だからちょっと待ってね」

Ｐ「なかなか熾烈なトップ争いですね」

このみ「そして一歩リード」ﾛﾝ

■南3-0　7順目　ドラ四萬

東：11800
南：23500
西：34500（このみ）
北：30200

　　　　　　　　 　 　　　　　┌──┐
　　　　　　　　　 　　　　 　│③筒│
┌─┬─┬─┬─┬─┼─┬┴┬─┬─┬─┬─┬─┬─┐
│一│二│二│三│四│④│⑤│⑥│⑧│⑧│⑧│..２│.３│
│萬│萬│萬│萬│萬│筒│筒│筒│筒│筒│筒│索│索│

12234m456888p23s ツモ3p ドラ4m

このみ「う～ん」

Ｐ「へー。面白い何切るですね。打点はあんまり要らないから」

このみ「簡単な手が欲しい」

Ｐ「贅沢な」

このみ「えーっと、受け入れ枚数が一番広いのは……」

Ｐ「ほら、早くしないとツモ切られますよ」

このみ「主人を迷わせるツモなんていらんですよ！」

Ｐ「おいコラ」

打③筒

Ｐ「うーん」

このみ「え？　間違えた？」

Ｐ「多分」

このみ「ダメ？」

Ｐ「そのセリフは翼の色香を持って初めて成立するものなのでこのみさんにやられてもときめかな痛い！」

このみ「I want 説明！」ｹﾞｼｹﾞｼｯ

Ｐ「つたない英語力を駆使しなくても説明しま痛い！」

このみ「」ｹﾞｼｹﾞｼｯ

Ｐ「まず局面を整理するとラス前トップ目、二着目とは4300点差、三着目とは11000点差」

このみ「そうね」

Ｐ「ラス目とは22700点差。だいぶ有利に進められる局です。と」

このみ「うん」

Ｐ「そして目下ラス目の親番。流せればラス率がぐっと下がります」

このみ「だいたいラスらないけどね」

Ｐ「黙って聞く」

このみ「はい」

Ｐ「それでこの手牌。打牌候補は一萬、二萬、③⑥筒あたりですよね」

ドラ四萬

┌─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┐
│一│二│二│三│四│③│④│⑤│⑥│⑧│⑧│⑧│...2│..3│
│萬│萬│萬│萬│萬│筒│筒│筒│筒│筒│筒│筒│索│索│

12234m3456888p23s ドラ4m

このみ「まぁそうね。⑧筒って人もいそうだけど」

Ｐ「⑧筒は余剰牌が出るのでおすすめしませんね。
　　で何切るかって話ですけど」

このみ「一番手広い③筒でしょ」

Ｐ「確かに一番受け入れ枚数多いのは③筒ですけど。まずこの局面。愚形リーチは打てませんよね？」

このみ「曲げるけど？」

Ｐ「曲げるな。ラス目の親と喧嘩していいのは小学生までだ」

このみ「……それは暗にこのみお姉さんのこ」

Ｐ「違います。とりあえず愚形では曲げないでください」

このみ「大人の女性は曲げない。このみ覚えたわ」

Ｐ「大人の女性はネト麻にはま、何でもないです」

Ｐ「実際に曲げるかどうかは置いておいて、ダマれるか良形がいいですよね」

このみ「ね」

Ｐ「そう考えてこの手」

ドラ四萬

┌─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┐
│一│二│二│三│四│③│④│⑤│⑥│⑧│⑧│⑧│...2│..3│
│萬│萬│萬│萬│萬│筒│筒│筒│筒│筒│筒│筒│索│索│

12234m3456888p23s ドラ4m

Ｐ「ピンフになりそうでならない、タンヤオもなりそうでならないって分かります？」

このみ「ピンフにするには三萬、タンヤオには１４索の受けがあるってこと？」

Ｐ「醤油こと」

このみ「……」

Ｐ「……」

このみ「……」

Ｐ「……で、なら良形率が高い方がいいですよね」

このみ「うん」

Ｐ「ピンズの三面張とドラ側のノベタンか亜両面。
　　どっちを選択するかって言われたらピンズの三面張じゃないですか？」

このみ「……あーなるほどね。マンズを切った方がよかったってことね」

Ｐ「多分ですけどね。因みに一萬と二萬の比較なら４索鳴ける一萬の方が強いですね。面前だと二萬の方が強そうだけど」

このみ「へー」

Ｐ「……特技麻雀」

このみ「」ｹﾞｼｹﾞｼ

Ｐ「痛い痛い！」

このみ「……仕方ないでしょ。私みたいななんの取り柄も無い人間に特技なんて書かせたらそうなるわよ」

Ｐ「そんな事無いと思いますけど」

このみ「はいはい。お世辞でも嬉しいわよ。あっ」ﾛﾝ

Ｐ「あっ」

東家：11800→6600
北家：30200→35400

このみ「横移動でトップ陥落、か」

■南4-0　ドラ東

東：23500
南：34500（このみ）
西：35400
北： 6600

Ｐ「でもアガリトップですからなんとかなりますよ」

このみ「何とかなるといいわね」

ﾀﾝ ﾀﾝ

このみ：打⑦筒

西家「チー」

　　　　 ┌─┬─┐
┌──┤⑥│⑧│
│⑦筒│筒│筒│

チー768p

西家：打二萬

このみ「なんか負けそう」

Ｐ「まだ決まってないじゃないですか」

ﾀﾝ

東家：打⑤筒

西家「ポン」

　　　　　　　　　赤
┌─┐　　　┌─┐
│⑤├──┤⑤│
│筒│⑤筒│筒│
　　　　 ┌─┬─┐
┌──┤⑥│⑧│
│⑦筒│筒│筒│

ポン555rp チー768p

西家：打４索

このみ「ほらこれ負けるパターンの奴でしょスピードで」

Ｐ「だから、やる前からあきらめないでくださいよ」

このみ「……本当にね。何で私みたいな取り柄の無い人間がアイドルなんてギャンブルやってるんだろ」

Ｐ「……」

このみ「ギャンブル、嫌いなのになぁ」

ツモ③筒

　　　　　　　　　 　　　　　　　 　┌──┐
　　　　　　　　　 　　　　　　　　 │③筒│
┌─┬─┬─┬─┬─┬─┼─┬┴┬─┬─┬─┬─┬─┐
│一│二│三│四│五│①│①│④│⑤│..1│...2│..3│...3│
│萬│萬│萬│萬│萬│筒│筒│筒│筒│索│索│索│索│

12345m1145p1233s ツモ3p

このみ：打３索

西家「…………ポン」

　　　 　┌─┬─┐
┌──┤..3│..3│
│..3筒│索│索│
　　　　　　　　　赤
┌─┐　　　┌─┐
│⑤├──┤⑤│
│筒│⑤筒│筒│
　　　　 ┌─┬─┐
┌──┤⑥│⑧│
│⑦筒│筒│筒│

ポン333s ポン555p チー768p

打四萬

西家捨牌

┌─┬─┬─┬─┬─┬─┐
│　.│...9│②│..1│一│一│
│西│索│筒│索│萬│萬│
┌─┬─┬─┬─┐
│二│　.│...4│四│
│萬│撥│索│萬│

西9s2p1s1m1m
2m撥4s4m

Ｐ「……ん？」

Ｐ（一萬の対子落としはタンヤオ移行だとして）

Ｐ（⑦筒チー打二萬）

Ｐ（⑤筒ポン打４索）

Ｐ（３索ポン打四萬？）

このみ「早く♪　早く♪」

Ｐ（西家の打点はタンヤオ赤の2000点濃厚で）

Ｐ（最終手出しが四萬だから普通に考えれば三六萬か五八萬が待ちだけど）

Ｐ（ってことは）

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　赤
┌─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┐ ┌─┐　　　┌─┐　　　　　┌─┬─┐
│四│四│五│...3│..3│..4│ Ｘ│ Ｘ.│ │⑤├──┤⑤│ ┌──┤⑥│⑧│
│萬│萬│萬│索│索│索│ Ｘ│ Ｘ.│ │筒│⑤筒│筒│ │⑦筒│筒│筒│

445m334sXX ポン555rp チー768p

Ｐ（ここから４索？　Ｘ牌が雀頭じゃなくてターツなら考えられるけど）

Ｐ（ピンズはほとんど無いしＸ牌がマンズってのも考えにくい捨牌だよな。となるとソーズだけど）

Ｐ「ラス目がソーズ染めだからほとんどないと思うんだけど……」

このみ「ん？　どうかしたプロデューサー」

Ｐ（Ｘ牌雀頭ならタンヤオ移行は考えにくい）

Ｐ（Ｘ牌がターツだったら待ちはマンズ？）

Ｐ（いや待て、確定両面待ちの鳴きに逡巡するか？）

Ｐ（鳴きを悩む形……片アガリの形になったのか？　いやそれならタンヤオ移行しないはず）

Ｐ「……聴牌からの受け変えか！」

このみ「だからどうしたのよプロデューサー」

Ｐ（だとするとマンズは関連牌。このみさんの手牌からあり得る形はマンズの上のみ！）

Ｐ（打４索の時点で聴牌とするなら３索が雀頭で四萬は待ちの関連牌、考えられる形は）

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　赤
┌─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┐ ┌─┐　　　┌─┐　　　　　┌─┬─┐
│四│六│八│八│八│...3│..3│..4│ │⑤├──┤⑤│ ┌──┤⑥│⑧│
│萬│萬│萬│萬│萬│索│索│索│ │筒│⑤筒│筒│ │⑦筒│筒│筒│

46888m334s ポン555rp チー768p

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　赤
┌─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┐ ┌─┐　　　┌─┐　　　　　┌─┬─┐
│四│六│七│七│七│...3│..3│..4│ │⑤├──┤⑤│ ┌──┤⑥│⑧│
│萬│萬│萬│萬│萬│索│索│索│ │筒│⑤筒│筒│ │⑦筒│筒│筒│

46777m334s ポン555rp チー768p

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　赤
┌─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┐ ┌─┐　　　┌─┐　　　　　┌─┬─┐
│四│四│五│六│六│...3│..3│..4│ │⑤├──┤⑤│ ┌──┤⑥│⑧│
│萬│萬│萬│萬│萬│索│索│索│ │筒│⑤筒│筒│ │⑦筒│筒│筒│

44566m334s ポン555rp チー768p

Ｐ（こんなパターンか！）

このみ：ツモ四萬

　　　　　　　　　　　　　 　 ┌──┐
　　　　　　　　　　　　　 　 │四萬│
┌─┬─┬─┬─┬─┴─┬┴┬─┬─┬─┬─┬─┬─┐
│一│二│三│四│五│①│①│③│④│⑤│...1│..2│..3│
│萬│萬│萬│萬│萬│筒│筒│筒│筒│筒│索│索│索│

12345m11345p123s ツモ4m

このみ「おとなりさんだったわね」

Ｐ（四四五六六萬のパターンが否定された！）

Ｐ（残りは六七萬待ちか五六八萬、打点は2000点！）

Ｐ「リーチ！　リーチですこのみさん！」

このみ「え？　なんで？　アガリトップなのに？」

Ｐ「後で説明しますから！　俺を信じてリーチしてください！」

このみ「え、ええ！」

Ｐ「このみさん」

このみ「なにプロデューサー」

Ｐ「六萬出たら祈ってください」

このみ「？」

北家：打六萬

このみ「いえ～い♪　ロンロン」

西家「ロン」

このみ「……ほ？」

西家：タンヤオ赤ドラ 2000点
赤
┌─┬─┬─┬─┐　　　　　┌─┬─┐ ┌─┐　 　　┌─┐　　　　　┌─┬─┐
│六│七│七│七│ ┌──┤...3│...3│ │⑤├──┤⑤│ ┌──┤⑥│⑧│
│萬│萬│萬│萬│ │...3索│索│索│ │筒│⑤筒│筒│ │⑦筒│筒│筒│

6777m ポン333s ポン555rp チー768p

■南4-0　ドラ東：裏ドラ１索

　　 ＿＿　　　　　　＿＿
　　/　　/|　 ミ　 　/ .9 /|
　/ 北 //　ミ　　 / 索//
...| ￣ |/　　　　　| ￣ |/
　￣￣　　　　　　￣￣

このみ：リーチピンフ裏ドラ：3900点

┌─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┐
│二│三│四│四│五│①│①│③│④│⑤│..1│..2│...3│
│萬│萬│萬│萬│萬│筒│筒│筒│筒│筒│索│索│索│

23445m11345p123s

東：23500
南：38400（+3900）（このみ）
西：37400（+2000）
北： 700

・・・・・・・・・・・・・・・

このみ「……すごいわね。リーチしてなかったら点数足りなくてトップに届かなかったんだ」

Ｐ「まぁ裏ドラ乗せたこのみさんの運が良かったんですけどね」

このみ「はー。なんかすっきりした。よしプロデューサー！　飲みに行くわよ！」

Ｐ「その前に事務所閉める準備しますよ」

このみ「はーい」

Ｐ「……このみさん」

このみ「なーにプロデューサー」

Ｐ「俺のこと、信じてくださいよ」

このみ「はいはい。今度からはちゃーんと考えてから打牌しますよー」

Ｐ「そっちじゃなくて。……あーいや、なんて言うか、その」

Ｐ「確かにアイドルはギャンブルかもしれないですけど、えーっと……」

このみ「煮え切らないわねぇ。このみお姉さんにちゃっちゃと言っちゃいなさい」

Ｐ「俺はこのみさんと一生一緒にギャンブルしたいです」

このみ「……？」

Ｐ「…………あー！　ほら早く片してビール行きましょうビール！」

このみ「おー！　行っちゃいますかー！」

Ｐ「あ、免許書持ってます？　また警察沙汰は勘べ痛い！」

このみ「私 は 小 学 生 じ ゃ な い ！」ｹﾞｼｹﾞｼ

・・・・・・・・・・・・・・・

ﾜｲﾜｲｶﾞﾔｶﾞﾔ

Ｐ「次なにいきます？　日本酒もあるみたいですけど」

このみ「いいじゃないの。日本酒にしましょう日本酒に」

Ｐ「あいとも？　って所の見たいですね」

このみ「あいゆうね愛友」

Ｐ「へー。あっすいませーん。これお願いしまーす」

このみ「愛youって書くと愛の告白みたいね」

Ｐ「……そーですね」

このみ（……あれ？　もしかしてさっきのって）

Ｐ「俺はこのみさんと一生一緒にギャンブルしたいです」

このみ（もしかしなくてもプロポーズ……？）

Ｐ「から揚げ冷めちゃいますよこのみさん」

このみ「そそそそうねそうね！」

Ｐ「……？　どうかしました？」

このみ「どうもしないわどうも！　さ、さぁじゃんじゃん飲みましょー！」

Ｐ「お、おー！」

このみ（なんで気づかなかった私！）

このみ「つのだー！」

・・・・・・・・・・・・・・・

亜利沙「ムフフ♪」

Ｐ「……一応聞いておこうか。誰を盗った？」

亜利沙「盗撮なんてしてませんよ～。これは我が事務所のセキュリティカメラです！」

Ｐ「そうか。うん、まぁいいんじゃないかな」

亜利沙「そ・れ・に。ここに収められているのはアイドルちゃんじゃなくて。……ムフフッ」

Ｐ「……なんだよ気色悪い」

亜利沙「いやー！　プロデューサーさんの回りくどいプロポーズが不発に終わったこの初々しい映像があー！　何するんですかプロデューサーさん！」

Ｐ「事務所盗撮すな！　没収だ没収！　データも削除だ削除！」

亜利沙「あいやー！」

久々に天鳳打ったら四段って表示されてたんですけど、バグですか？　つのだに報告した方がいいですか？