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CHAPTER 01
MIDNIGHTのせいにして
非日常編
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CHAPTER 01
MIDNIGHTのせいにして
非日常編
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294: ◆zbOQ645F4s 2021/11/27(土) 20:59:02.60 ID:2HvOXjB50
ほんの数分前、下手すれば数十秒前の話だ。
彼女は私たちと一緒に卓を囲んで、食事を口に運んで、和気あいあいとした会話をしていた。
ついさっきまで、生きていたはずなんだ。
……それなのに。
床に体をぐったりと預けた弛緩し切ったその体からは生気というものを一切感じない。
もはや“これ”がちょっと前には生きていたといわれても、信じられないほどに……【死んでいる】。
これまで漠然としたイメージでしか掴んでいなかった『死』が、これ以上ない鮮明かつ立体的で実像的な形で、私たちの前に姿を現した。
にちか「な、なんで……なんで……なんで風野さんが!?」
思わず風野さんの体に手を触れた。
まだその体はほんのりと温かく、彼女が命を落としたのがつい先ほどであったのを物語る。
ただ、その温かさは私の手の中で急速に、静かに……失われていく。
295: ◆zbOQ645F4s 2021/11/27(土) 21:00:11.89 ID:2HvOXjB50
智代子「灯織ちゃん! 灯織ちゃん?!」
あさひ「これ……!!」
果穂「……ひお、り……さん……?」
夏葉「……!! 果穂、見ちゃダメよ!」
にちか「……!! と、とりあえず、テーブルクロスでもかけて隠します!」
小学生が見るにはあまりに刺激が強すぎる。
とっさに私は近くにあったテーブルクロスを死体の上からかぶせた。
恋鐘「灯織、灯織……! 何が、何が起きとうね?!」
結華「ドッキリ……じゃあなさそうだよね」
透「……うん」
考えもしなかった事態を前に狼狽する私たち。目の前で起きているそれを咀嚼することができず、何度も何度も疑った。
頬をつねりもしたかもしれない。
悪い夢であってくれ。
そんなことを現実で思う時が来るなんて、思いもしなかった。
____でも、現実はそんな私たちのことを嘲笑う。
296: ◆zbOQ645F4s 2021/11/27(土) 21:02:06.00 ID:2HvOXjB50
ピンポンパンポーン!
冬優子「ひゃぁ!? こ、これって……?」
『死体が発見されました! 一定の自由時間の後、学級裁判を開きます!』
にちか「……は?」
雛菜「ん~? 何~? 今のアナウンス~?」
矢継ぎ早に理解不能を押し付けてくるのが現実というやつだ。
ショート気味な思考回路に割り込んできた突然のアナウンス。
それを確かめるような時間も与えてくれずに、モノクマは姿を現した。
バビューン!!
モノクマ「どうもです!」
結華「も、モノクマ……! こ、これ何がどうなって……」
モノクマ「どうしたのさ、オマエラ。揃いもそろって校長室のツボを割っちゃったみたいな顔しちゃってさ」
智代子「そ、そんな可愛いものじゃないよ! 灯織ちゃんが、灯織ちゃんが……!」
モノクマ「なあんだ、ちゃんと状況はよくわかってるんじゃない。そうだよ、今この状況はオマエラが目で確認したとおり!」
297: ◆zbOQ645F4s 2021/11/27(土) 21:03:07.16 ID:2HvOXjB50
モノクマ「【風野灯織】さんが【オマエラの中の誰か】に【殺された】んだよー!」
298: ◆zbOQ645F4s 2021/11/27(土) 21:05:11.47 ID:2HvOXjB50
にちか「……!」
本当に、軽々しく口にした。
人の命が誰かの手によって失われたという新聞でも一面を飾るような大きな出来事を、さも当然に、むしろ娯楽の一つでもあるかのように、飄々と。
夏葉「ふざけないで頂戴……! 私たちの誰かが灯織を手にかけただなんて……そんなこと、あり得るわけないでしょう……?!」
モノクマ「あらあら、放課後クライマックスガールズの年長者たる有栖川さんらしからぬ言動でごぜーますね」
夏葉「ど、どういう意味かしら……?」
モノクマ「最年少の小宮さんを抱え込んでおいて、そんな現実逃避みたいなことを口にしちゃってさ、子供の教育には悪影響なんじゃない?」
智代子「げ、現実逃避なんかじゃないよ! だって……わたしも夏葉ちゃんと同じ考え! 仲間内でコロシアイなんて……!」
モノクマ「……はぁぁぁぁ、めんどっちいなぁもう! イヤイヤ期は未就学児の段階でフツー済ませておくものだよ!」
モノクマ「オマエラがどうこう言おうと確かにそれは勝手さ、でもいつまでも現実を直視しないと困るのはオマエラなんだよ」
摩美々「それって、さっきのアナウンスで言ってた【学級裁判】ってのー?」
(……!!)
(そういえばそんなことを言っていた。これまでに聞いたことのない言葉、それが今から開かれると……)
モノクマ「そう! そしてその【学級裁判】こそがこのコロシアイ南国生活のメインディッシュなのです!」
299: ◆zbOQ645F4s 2021/11/27(土) 21:07:46.44 ID:2HvOXjB50
モノクマ「オマエラ、この南国生活のしおりはしっかり確認してくれたよね?」
雛菜「モノミの書いてた、自然を大切にするとか仲良くするとかのやつ~?」
透「……あれ、なんか増えてる」
にちか「え……?」
モノクマ「クロとなった生徒が本当にほかのシロの生徒に殺害を行ったことがバレていないか精査する、それが【学級裁判】なのです!」
【ルール その5 生徒内で殺人が起きた場合は、その一定時間後に、全員参加が義務付けられる学級裁判が行われます】
【ルール その6 学級裁判で正しいクロを指摘した場合はクロだけが処刑されます】
【ルール その7 学級裁判で正しいクロを指摘できなかった場合は、校則違反とみなして残りの生徒は全員処刑されます】
【ルール その8 生き残ったクロは歌姫計画の成功者として罪が免除され、島から脱出してメジャーデビューが確約されます】
モノクマ「学級裁判では誰かを殺害したクロを見つけ出すために全員参加で議論を行っていただきます。議論の結果指摘した生徒がクロだった場合は、クロだけがおしおき。間違った生徒を指摘した場合は、クロ以外の生徒全員がおしおきされ、見事クロの生徒が希望ヶ峰学園歌姫計画の成功者として、この島を出ることができるのです!」
モノクマ「ま、ほかにも細々したルールはあるけど、それは後で各自確認しといてよね!」
冬優子「それってつまりは犯人当てをしろってことですか……?」
恋鐘「ちょ、ちょっと待たんね! さっきから言うとる【おしおき】って何―?!」
モノクマ「あー、そっか! オマエラってばおしおきも知らないんだ! あのね、おしおきっていうのはね……」
300: ◆zbOQ645F4s 2021/11/27(土) 21:08:41.36 ID:2HvOXjB50
モノクマ「平たく言っちゃえば【処刑】だよ! エクスキューション!」
モノクマ「巨大な火山に突き落として人間とんかつを作るとか、大量のロボットで一斉に斬殺するとか! 薬を大量投入してオーバードーズにするのもいいなあ、いっそシンプルに野生動物を従えて轢き殺すのもあり! 予算があればゲームに見立てて処刑なんかもしちゃったりして!」
モノクマ「いやぁ、今から夢と妄想が膨らみまクリスティーナ!」
301: ◆zbOQ645F4s 2021/11/27(土) 21:10:14.74 ID:2HvOXjB50
にちか「……え? い、いやいやいやいや! じょ、冗談だよね……?」
モノクマ「冗談? いつだってボクは本気だよ、ブリバリのマジだよ!」
モノクマ「だってさ、これはコロシアイなんだよ? 一方的に殺すだけじゃ面白くない、殺し殺されのリスクを味わってもらわないと! いわばおしおきはコロシアイにおける、天ぷらの塩ってことだね」
言葉を失った。
モノクマは、ただ私たちの命を弄んでいるんじゃない。
人間としての尊厳すらも、おもちゃとしか見ていない。
人を殺す方法を晩御飯のおかずを考えるときのように、浮足立った口調で話すそれは、別の生物……いや、同じ世界の住人とも思えない異質さだった。
透「……じゃ、灯織ちゃんを殺した犯人を見つけないと……死ぬのはうちら?」
智代子「しかもおしおきなんて、ひどい方法で……」
302: ◆zbOQ645F4s 2021/11/27(土) 21:11:54.88 ID:2HvOXjB50
あさひ「……モノクマ、それって誰が正解不正解を決定するっすか?」
モノクマ「あ、そこに関しては安心してくれていいよ。ボクは千里眼を持っているからね、今回の事件の犯人もマルっとスリっとお見通し!」
モノクマ「どっちに加担するとか一切なしに公平に判断いたします!」
雛菜「こんな真っ暗闇で起きた事件なのに~?」
モノクマ「まあね、クマは夜目が効くからさ」
モノクマ「さ、立ち止まってる時間はないよ! ほら、犯人を見つけないと最終的に困る、死ぬことになるのはオマエラだよ~!」
にちか「……っ!」
夏葉「……致し方ないわ。捜査を行いましょう」
智代子「夏葉ちゃん!?」
夏葉「……私だって認めたくないわ。でも、だからといって止まっていたら……私だけでなく、果穂や智代子……大切な仲間を失ってしまうことになる。それ以上に耐えがたいことはないもの」
摩美々「……夏葉の言う通りだよ、灯織のためにも今摩美々たちがすべきことはここで泣き叫ぶことなんかじゃないってー」
冬優子「……やりましょう。捜査を……ふゆたちは戦わなくちゃいけないですよ」
夏葉「智代子、果穂のことは頼めるかしら。少なくともこの凄惨な現場は果穂に見せるべきじゃないわ」
果穂「……夏葉さん」
智代子「う、うん……行こう、果穂」
モノクマ「うんうん、えらいね。やっぱりこういう時に場を引っ張ってくれるのは年長者のお姉さん型なんだよね。ボクもお姉ちゃんが欲しかったよ」
摩美々「用件が済んだなら引っ込んでてくれるー?」
モノクマ「ああ、ちょっと待ってよ。まだボクにはやるべきことが残ってるからさ」
ピピッ
モノクマ「オマエラの電子生徒手帳に【モノクマファイル】を送っといたから確認しといてよね!」
モノクマに言われるがまま電子生徒手帳に目を落とす。
見慣れたホーム画面には初めて見るポップアップ。それをタップしてみると、画面いっぱいに刑事ドラマで見るようなプロファイリングのデータのようなものが現れた。
303: ◆zbOQ645F4s 2021/11/27(土) 21:13:30.42 ID:2HvOXjB50
モノクマ「これはモノクマファイル! 事件の捜査についてオマエラにとって重要な情報が収められています。死因だとか死亡推定時刻とかってずぶの素人のオマエラじゃわかんないじゃん? そういうのを調べる手間を省いてくれますよ!」
あさひ「でも今回の事件はそこら辺の情報は見ればわかるっすよ」
冬優子「わっ、あ、あさひちゃん!? そんな急にテーブルクロスをめくっちゃダメ!」
あさひ「え、でもこうしないと状況わかんないじゃないっすか」
夏葉「……いずれ直視せねばならない現実よ。果穂もいないし、大丈夫よ」
あさひ「……だって、冬優子ちゃん!」
モノクマ「まぁ今回は不必要かもしれないけどさ、今後の事件では有効になるかもしれないよ!」
摩美々「今後とか、やめてよねー……」
結華「それじゃあこれを踏まえて捜査するしかないか……」
夏葉「ええ……そのようね」
にちか「……」
透「しゃー、やるかー」
恋鐘「ふ、踏ん張りどころばい……気合い入れていかんと!」
モノクマ「では、ボクは捜査の様子を自分の部屋から生暖かい目で見守らせてもらうよ! グッドラック!」
バビューン!!
冬優子「行っちゃいましたね……」
夏葉「……覚悟を決めるしかないわ」
にちか「……は、はい!」
304: ◆zbOQ645F4s 2021/11/27(土) 21:14:35.83 ID:2HvOXjB50
イかれてる。
仲間の死ってだけで手いっぱいなのに、それに加えて犯人捜し?
胸に燻ぶるこれに蓋をして、無理やりにでも動けって?
……でも、それをするしかないんだよね。
犯人以外の全員が生きていくのなら、それしか道はない。
……怖い。
死にたくない。
でも、だからこそ、動かなくちゃ。
暗闇に沈んでいる、残酷で凄惨な真実を無理やりにも引きずり出して、白日の下に晒す。
その結果、犯人が死ぬことになろうとも。
____それしか道は、ないんだから。
【捜査開始】
305: ◆zbOQ645F4s 2021/11/27(土) 21:16:12.12 ID:2HvOXjB50
さて、まずはさっきモノクマに渡されたモノクマファイルとやらのデータの確認からかな?
『被害者は風野灯織。死亡推定時刻は午後11時30分ごろ。旧館で行われていたパーティ中に発生した停電の中で襲われたものとみられる。死因は胸部を正面から鋭利な刃物で一突きされたことによる臓器損傷によるショック死並びに失血死。ほぼ即死だったものと思われる』
まあ、さっき芹沢さんも言ってたけど今回の情報に関しては『見ればわかる』範疇だよね。
風野さんは私たちの目の前で死んだわけだし、死因も状況を見れば明らか。
一応の見分記録としては使えるかな……?
コトダマゲット!【モノクマファイル1】
〔被害者は風野灯織。死亡推定時刻は午後11時30分ごろ。旧館で行われていたパーティ中に発生した停電の中で襲われたものとみられる。死体は胸部を千枚通しのような細くとがった鋭利な刃物で胸元を貫通している、これが直接の死因となったと思われる。臓器損傷によるショック死並びに失血死。ほぼ即死だったものと思われる〕
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丁度モノクマファイルを確認し終え、捜査を始めようとした頃合いだった。
大広間の扉は突然にものすごい勢いで開かれた。
バンッ!
愛依「い、今のアナウンス……それにこのデータって……?!」
千雪「ひ、灯織ちゃんは……!?」
大広間の殺害現場にちょうど居合わせていなかった人たちだ。
確か愛依さんは停電中にブレーカーを入れるために部屋を出て、千雪さんはもっと早くにルカさんに花束を渡すために部屋を出ていた。
美琴「……本当に、殺人事件が起きたの?」
そして、美琴さんはさらに早くに玄関で夜風にあたっていた。
ルカ「……ハッ! あんなこと言ってた割に……私より先に動いた奴がいるんじゃねーか」
そもそも参加すらしていないルカさんもいるんだけど。
306: ◆zbOQ645F4s 2021/11/27(土) 21:18:58.38 ID:2HvOXjB50
四人とも情報は聞きかじった程度でしか知らず、赤い血の中に倒れている風野さんの姿を見るなり、叫ぶでもなく金切り声をあげるでもなく、口元を抑えるようにして戸惑いの色を見せた。
愛依「灯織ちゃんが……ひ、灯織ちゃんが……」
千雪「……そんな」
美琴「……」
ルカ「……けっ」
夏葉「色々と思うところはあると思うけど、今は犯人を見つけることが先決よ。校則に追加された学級裁判のルール、これに則ってシロ側が勝利しなければ……私たちが命を落としてしまう」
愛依「……うぅ……うち、そんな……」
摩美々「今は一秒でも時間が惜しいワケー、だから早いとこ分担も決めとかないとー」
結華「まみみん、分担って?」
307: ◆zbOQ645F4s 2021/11/27(土) 21:21:10.70 ID:2HvOXjB50
摩美々「推理する側と現場を保存する側ってとこかなー。ほら、真犯人側からすれば証拠は一つでも取り除きたいじゃーん。見とく人がいないと真実からは遠ざかると思うんだよねー」
透「あー、それじゃ見とくよ。うちら」
雛菜「雛菜も推理とかできそうにないし~、透先輩の手伝いする~!」
にちか「あ、あの……! もうちょっといたほうがいいと思います、見張り!」
(流石に浅倉さんと……その仲良しの市川さんじゃ心配だ)
愛依「じゃあうちも見とく……今はまだ、灯織ちゃんのこと、受け入れられそうにないし……」
愛依「ごめん、冬優子ちゃん……あさひちゃんのこと、見てあげて。多分きっと、うちよりももっとショック受けてると思うし」
冬優子「う、うん……」
あさひ「……」
(でも、ショックを受けているというよりも深く考えている、みたいな感じっぽいけどな……)
308: ◆zbOQ645F4s 2021/11/27(土) 21:22:51.42 ID:2HvOXjB50
夏葉「それじゃあ残りはとにかく捜査に集中しましょう。証拠を一つでも多く集めて、真実をなんとしても見つけ出すの」
美琴「にちかちゃん、手伝ってもらえる?」
にちか「え、あ、はい! ぜひ!」
美琴「よかった。私は途中からパーティから抜けてたし、その情報も共有しておきたかったの」
にちか「そうですね……美琴さんのお話も少し聞かせていただければ!」
よし、ここからが本格的な捜査だ。
調べるべきはひとまずこの犯行現場である【大広間】。
それにここにいる人たちに【聞き込み】もしなくちゃだよね。
あとは……【倉庫】ぐらい見ておくべきかな。
事件に関係するものはあそこで調達されている可能性も高い!
時間はいつまであるかわからない。
とにかく今は、できることをすべてやり抜くんだ……!
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【大広間の捜査】
1.死体周辺を調べる
2.結華に聞き込み
3.あさひに聞き込み
4.エアコンを調べる
5.美琴と情報共有する
↓1
309: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2021/11/27(土) 21:26:04.09 ID:SCKCfH0t0
2
310: ◆zbOQ645F4s 2021/11/27(土) 21:29:21.90 ID:2HvOXjB50
2 選択
【結華に聞き込み】
今回の事件において、重要な情報を握っているだろう人が一人いる。
彼女は事件が起きる直前の私たちをそのままの形で可視化された形の情報として持っている。
集合写真という形で。
にちか「結華さん、ちょっと話聞いてもいいです?」
結華「ああ……にっちゃん……うん、大丈夫だよ」
にちか「あの、停電が発生する前にパーティの写真を撮ってましたよね。あれって今見られます?」
美琴「写真?」
結華「ああ、美琴姉さんは知らないか……停電が起きる直前に大広間にいた皆で一度写真を撮ったんだよね。美琴姉さん、千雪姉さんとルカルカ以外の全員が写った写真なんだけど……はいこれ」
結華さんのデジカメを二人で覗き込む。
言った通り、パーティの参加者はほぼ全員が写り込んでいる。
料理を片手に笑顔を浮かべて、まさかこの後に風野さんが命を落とすなんて誰一人として考えていなかっただろう。
結華「あと……一応事件が発生してからすぐに写真も撮ったんだけど、これも見る?」
続いて出てきたのは風野さんの死体を発見した直後の写真。
停電の中でパニック状態だった私たちが荒らしてしまった現場の様子が写っている。
テーブルも一卓倒れていて、料理も散乱している。
結華「うーん、これを見れば大体の停電中の参加者の立ち位置とかわかりそうだよね」
にちか「確かにそうですね……あの暗闇の中で大きく動いた人はそうそういないですし」
結華「確かめいめいが停電を直しに行ったぐらいだっけ……?」
美琴「……ねえ、その写真をもとに立ち位置の情報を整理してもらえるかな。私は開錠にいなかったから、知っておきたいの」
結華「了解! 今の三峰にできるのはそれぐらいだしね! 【上面図】を裁判までに作っておきますよ!」
あの暗闇の中で何が起きたのか、それを今から完全にうかがい知ることは難しい。
でも、立ち位置さえわかればその手掛かりとしてはこれ以上ないはずだ。
結華さん、頑張って……!!
コトダマゲット!【パーティの上面図】
〔結華の写真をもとにした上面図。現在鋭意制作中〕
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1.死体周辺を調べる
2.あさひに聞き込み
3.エアコンを調べる
4.美琴と情報共有する
↓1
【結華に聞き込み】
今回の事件において、重要な情報を握っているだろう人が一人いる。
彼女は事件が起きる直前の私たちをそのままの形で可視化された形の情報として持っている。
集合写真という形で。
にちか「結華さん、ちょっと話聞いてもいいです?」
結華「ああ……にっちゃん……うん、大丈夫だよ」
にちか「あの、停電が発生する前にパーティの写真を撮ってましたよね。あれって今見られます?」
美琴「写真?」
結華「ああ、美琴姉さんは知らないか……停電が起きる直前に大広間にいた皆で一度写真を撮ったんだよね。美琴姉さん、千雪姉さんとルカルカ以外の全員が写った写真なんだけど……はいこれ」
結華さんのデジカメを二人で覗き込む。
言った通り、パーティの参加者はほぼ全員が写り込んでいる。
料理を片手に笑顔を浮かべて、まさかこの後に風野さんが命を落とすなんて誰一人として考えていなかっただろう。
結華「あと……一応事件が発生してからすぐに写真も撮ったんだけど、これも見る?」
続いて出てきたのは風野さんの死体を発見した直後の写真。
停電の中でパニック状態だった私たちが荒らしてしまった現場の様子が写っている。
テーブルも一卓倒れていて、料理も散乱している。
結華「うーん、これを見れば大体の停電中の参加者の立ち位置とかわかりそうだよね」
にちか「確かにそうですね……あの暗闇の中で大きく動いた人はそうそういないですし」
結華「確かめいめいが停電を直しに行ったぐらいだっけ……?」
美琴「……ねえ、その写真をもとに立ち位置の情報を整理してもらえるかな。私は開錠にいなかったから、知っておきたいの」
結華「了解! 今の三峰にできるのはそれぐらいだしね! 【上面図】を裁判までに作っておきますよ!」
あの暗闇の中で何が起きたのか、それを今から完全にうかがい知ることは難しい。
でも、立ち位置さえわかればその手掛かりとしてはこれ以上ないはずだ。
結華さん、頑張って……!!
コトダマゲット!【パーティの上面図】
〔結華の写真をもとにした上面図。現在鋭意制作中〕
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1.死体周辺を調べる
2.あさひに聞き込み
3.エアコンを調べる
4.美琴と情報共有する
↓1
311: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2021/11/27(土) 21:50:25.19 ID:QFqYBZKM0
1
312: ◆zbOQ645F4s 2021/11/27(土) 21:56:33.24 ID:2HvOXjB50
1 選択
【風野灯織の死体周辺】
風野さんの死体だ……
胸に深く突き刺さった凶器はもう残っていないけど、そこからあふれ出る血液はまだ乾いてもいない。
それはつまり、命を落とした、その瞬間からそう経っていないことを表している。
美琴「にちかちゃんたちの目の前で事件は起きたんだよね?」
にちか「はい……とはいえ停電中だったので、よく見えなかったんですけど」
美琴「……確かに、今は真夜中だしここには外の光を取り入れられそうな光もないね」
にちか「完っっ全に真っ暗でした。あの中で不用意に動いてたらそれはもう大変だぞー!って感じで」
美琴「……だとしたら、どうやって犯人は灯織ちゃんを刺したのかな?」
にちか「……暗闇でも犯人は見えてたってことなんですかね?」
美琴「どうだろう……ただ、そこにヒントはありそうだね」
(あの暗闇の中ではどこに誰がいるかの判別をつけることは不可能だった)
(……暗闇に目が慣れる、ほどの時間じゃなかったはずだよね)
美琴「さて、死体を少し調べてみようか」
1.死体についている花飾り
2.死体の傍らのスコープ
3.死体にかけていたテーブルクロス
4.死体の近くで散乱している料理
↓1
【風野灯織の死体周辺】
風野さんの死体だ……
胸に深く突き刺さった凶器はもう残っていないけど、そこからあふれ出る血液はまだ乾いてもいない。
それはつまり、命を落とした、その瞬間からそう経っていないことを表している。
美琴「にちかちゃんたちの目の前で事件は起きたんだよね?」
にちか「はい……とはいえ停電中だったので、よく見えなかったんですけど」
美琴「……確かに、今は真夜中だしここには外の光を取り入れられそうな光もないね」
にちか「完っっ全に真っ暗でした。あの中で不用意に動いてたらそれはもう大変だぞー!って感じで」
美琴「……だとしたら、どうやって犯人は灯織ちゃんを刺したのかな?」
にちか「……暗闇でも犯人は見えてたってことなんですかね?」
美琴「どうだろう……ただ、そこにヒントはありそうだね」
(あの暗闇の中ではどこに誰がいるかの判別をつけることは不可能だった)
(……暗闇に目が慣れる、ほどの時間じゃなかったはずだよね)
美琴「さて、死体を少し調べてみようか」
1.死体についている花飾り
2.死体の傍らのスコープ
3.死体にかけていたテーブルクロス
4.死体の近くで散乱している料理
↓1
313: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2021/11/27(土) 22:01:42.62 ID:QFqYBZKM0
1
314: ◆zbOQ645F4s 2021/11/27(土) 22:06:30.64 ID:2HvOXjB50
1 選択
【死体についている花飾り】
にちか「あ、そういえば風野さん……まだこの花飾りつけっぱなしだったんですね」
美琴「旧館に入る時にもらったやつ? 私もまだつけてるけど……あれ、皆はつけてないんだね」
にちか「あー、そっか! 二人がいなくなってから芹沢さんと果穂ちゃんと千雪さんの花束づくりが始まったからだ」
美琴「花束?」
にちか「はい、全員分の花飾りを集めなおして、それを一つにしたんです。それでパーティに来てない……あっ」
美琴「ルカに、渡してくれようとしたんだね」
にちか「……は、はい」
美琴「気を遣わせちゃったかな。大丈夫、ルカのことを思ってくれたのは純粋にうれしい」
(よ、よかった……)
にちか「でも、結局あの花束ってどうなったんだろう……後で千雪さんに確認しておいた方がいいかもしれませんね」
美琴「うん、私もちょっと……見てみたいかも」
コトダマゲット!【胸元の花飾り】
〔パーティの参加者が胸につけていた花飾り。被害者となった灯織もその胸につけたままになっている〕
【千雪への聞き込みが可能になりました!】
1.死体の傍らのスコープ
2.死体にかけていたテーブルクロス
3.死体の近くで散乱している料理
↓1
【死体についている花飾り】
にちか「あ、そういえば風野さん……まだこの花飾りつけっぱなしだったんですね」
美琴「旧館に入る時にもらったやつ? 私もまだつけてるけど……あれ、皆はつけてないんだね」
にちか「あー、そっか! 二人がいなくなってから芹沢さんと果穂ちゃんと千雪さんの花束づくりが始まったからだ」
美琴「花束?」
にちか「はい、全員分の花飾りを集めなおして、それを一つにしたんです。それでパーティに来てない……あっ」
美琴「ルカに、渡してくれようとしたんだね」
にちか「……は、はい」
美琴「気を遣わせちゃったかな。大丈夫、ルカのことを思ってくれたのは純粋にうれしい」
(よ、よかった……)
にちか「でも、結局あの花束ってどうなったんだろう……後で千雪さんに確認しておいた方がいいかもしれませんね」
美琴「うん、私もちょっと……見てみたいかも」
コトダマゲット!【胸元の花飾り】
〔パーティの参加者が胸につけていた花飾り。被害者となった灯織もその胸につけたままになっている〕
【千雪への聞き込みが可能になりました!】
1.死体の傍らのスコープ
2.死体にかけていたテーブルクロス
3.死体の近くで散乱している料理
↓1
315: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2021/11/27(土) 22:12:11.32 ID:QFqYBZKM0
1
316: ◆zbOQ645F4s 2021/11/27(土) 22:16:09.31 ID:2HvOXjB50
1 選択
【死体の傍らのスコープ】
風野さんの死体のそばにはあまり見なれない、珍妙な機械が落ちている。
双眼鏡のような形状、いやむしろVRゴーグルのようというべきか。
とにかく頭に装着して使う、スコープ型のものらしい。
美琴「……これ、暗視スコープかな」
にちか「暗視……ですか?」
美琴「うん……前、バラエティのロケで使ったことがあるから。これを使えば暗闇でも赤外線で物を見ることができるはず」
(どんなバラエティに出たんだろう……)
にちか「……あれ? それってつまり……これを使えば停電中でも物が見れたってコトじゃないです?!」
美琴「普通ならね。……にちかちゃん、これ、覗き込んでもらえる?」
にちか「え? は、はい……」
にちか「……うわ?! ま、真っ黒ですよ、美琴さん!」
美琴「これ、レンズの部分がペンキか何かで黒色に塗りつぶされてる。スコープとして機能しないように細工がされてるみたい」
にちか「さ、細工?!」
美琴「……これは、どういうことなのかな」
真っ暗闇でも動ける暗視スコープ。
通常ならこれで行動可能なはずだけど……塗りつぶされてたせいで使えない。
じゃあ、これを用意したのって……?
コトダマゲット!【暗視スコープ】
〔死体付近に落ちていた暗視スコープ。通常なら暗闇でも物を見ることができるが、レンズ部分が塗りつぶされて使用不可〕
1.死体にかけていたテーブルクロス
2.死体の近くで散乱している料理
↓1
【死体の傍らのスコープ】
風野さんの死体のそばにはあまり見なれない、珍妙な機械が落ちている。
双眼鏡のような形状、いやむしろVRゴーグルのようというべきか。
とにかく頭に装着して使う、スコープ型のものらしい。
美琴「……これ、暗視スコープかな」
にちか「暗視……ですか?」
美琴「うん……前、バラエティのロケで使ったことがあるから。これを使えば暗闇でも赤外線で物を見ることができるはず」
(どんなバラエティに出たんだろう……)
にちか「……あれ? それってつまり……これを使えば停電中でも物が見れたってコトじゃないです?!」
美琴「普通ならね。……にちかちゃん、これ、覗き込んでもらえる?」
にちか「え? は、はい……」
にちか「……うわ?! ま、真っ黒ですよ、美琴さん!」
美琴「これ、レンズの部分がペンキか何かで黒色に塗りつぶされてる。スコープとして機能しないように細工がされてるみたい」
にちか「さ、細工?!」
美琴「……これは、どういうことなのかな」
真っ暗闇でも動ける暗視スコープ。
通常ならこれで行動可能なはずだけど……塗りつぶされてたせいで使えない。
じゃあ、これを用意したのって……?
コトダマゲット!【暗視スコープ】
〔死体付近に落ちていた暗視スコープ。通常なら暗闇でも物を見ることができるが、レンズ部分が塗りつぶされて使用不可〕
1.死体にかけていたテーブルクロス
2.死体の近くで散乱している料理
↓1
317: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2021/11/27(土) 22:17:17.30 ID:QFqYBZKM0
1
319: ◆zbOQ645F4s 2021/11/27(土) 22:20:15.32 ID:2HvOXjB50
1 選択
【死体にかけていたテーブルクロス】
死体の傍らには、つい先ほど果穂ちゃんの目から死体を隠すために使っていたテーブルクロスをぐしゃぐしゃにしておいてある。
美琴「とっさの判断……よかったよ」
にちか「え、えへへ……小学生にはさすがに刺激が強すぎですからね」
死体にある傷は胸部の貫通痕のみだけど、あふれ出る血液はかなりの量。
私たち高校生でもうっとたじろいでしまうようなインパクト。
死体に一瞬かぶせただけのテーブルクロスも、その内側に風野さんの血液を写し取って真っ赤に染まっている。
にちか「うわうわ……ここまでついてると洗濯しても落ちませんよ……」
美琴「そうなの?」
にちか「血とかってただでさえ落ちにくいのにここまでべったりだと流石にご愁傷さまって感じです!」
にちか「……いや、この状況じゃ使う表現じゃなかったですね……すみません」
美琴「ううん、気にしてないから」
コトダマゲット!【テーブルクロス】
〔果穂に死体を見せないようににちかが死体にかぶせたテーブルクロス。灯織の血によって真っ赤に染まっている〕
【選択肢が残り一つとなったので自動で進行します】
【死体にかけていたテーブルクロス】
死体の傍らには、つい先ほど果穂ちゃんの目から死体を隠すために使っていたテーブルクロスをぐしゃぐしゃにしておいてある。
美琴「とっさの判断……よかったよ」
にちか「え、えへへ……小学生にはさすがに刺激が強すぎですからね」
死体にある傷は胸部の貫通痕のみだけど、あふれ出る血液はかなりの量。
私たち高校生でもうっとたじろいでしまうようなインパクト。
死体に一瞬かぶせただけのテーブルクロスも、その内側に風野さんの血液を写し取って真っ赤に染まっている。
にちか「うわうわ……ここまでついてると洗濯しても落ちませんよ……」
美琴「そうなの?」
にちか「血とかってただでさえ落ちにくいのにここまでべったりだと流石にご愁傷さまって感じです!」
にちか「……いや、この状況じゃ使う表現じゃなかったですね……すみません」
美琴「ううん、気にしてないから」
コトダマゲット!【テーブルクロス】
〔果穂に死体を見せないようににちかが死体にかぶせたテーブルクロス。灯織の血によって真っ赤に染まっている〕
【選択肢が残り一つとなったので自動で進行します】
320: ◆zbOQ645F4s 2021/11/27(土) 22:21:16.38 ID:2HvOXjB50
【死体の近くで散乱している料理】
美琴「和洋折衷……恋鐘ちゃん、本当に料理が上手なんだね」
にちか「確かご実家がもともと料理屋さんだって言ってましたよね!」
美琴「うん……流石だよね。こんな串焼きなんか作り方、わからないな」
にちか「夏祭りの屋台とかで売ってるのよりもっとでかいですもんねー……こんなの火も通らないですって」
美琴「……あれ? このシュラスコ……肉だけ串から引き抜いてあるんだね」
にちか「……? え、あ……はい……そうみたいですけど……」
美琴「……」
(……何か気になってるのかな?)
……とはいえ、実家の料理屋さんでこんな料理をふるまっているとは到底思いづらいんだよね。
シュラスコにチャーハン、ラザニア、etc……いったいどんなお店ならこんな取り合わせになるんだろう。
もしかして、ホテルのバイキングとかやってる感じだったりして。
うーん、私もこれぐらいできたほうがいいのかな……?
でも、そのおいしそうな料理の数々はその悉くが床に無残な形でぶちまけられている。
美琴「……勿体ないね」
にちか「はい……これ、結構まだ量がありますよね」
美琴「私がパーティにいた時はこんな風じゃなかったよね?」
にちか「ええ、まあ……多分停電中じゃないですかね。誰かが足を引っかけて倒したみたいなめちゃでかい音がしてたので!」
美琴「それは……倒した人が心配だね」
にちか「あはは……そうですね」
あのしっちゃかめっちゃかな状況なら誰かが倒してもおかしくない。
みんなそう思ってるみたいだけど……どうだろう、これって『そんな認識』のままでいいのかな……?
コトダマゲット!【床に散乱した料理】
〔シュラスコやチャーハン、ラザニアなど和洋折衷の品目の並んだ恋鐘特製料理。停電中のパニックで床に食べかけの料理がぶちまけられている〕
321: ◆zbOQ645F4s 2021/11/27(土) 22:22:53.37 ID:2HvOXjB50
にちか「死体のそばで調べられるのはこれくらいです?」
美琴「そうだね。新しく確認したいこともできたから、併せて検証しようか」
にちか「はい!」
-------------------------------------------------
1.あさひに聞き込み
2.エアコンを調べる
3.美琴と情報共有する
4.千雪に聞き込み
↓1
322: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2021/11/27(土) 22:24:26.12 ID:QFqYBZKM0
1
323: ◆zbOQ645F4s 2021/11/27(土) 22:26:07.63 ID:2HvOXjB50
1 選択
【あさひに聞き込み】
芹沢さん、なんだか深く集中して風野さんの死体を眺めているな……
にちか「せ、芹沢さん……あの、ちょっと、いい……?」
あさひ「……」
冬優子「あ、あはは……あさひちゃん、なんだか考え事してるみたい……ちょっと待ってくださいね」
冬優子「あさひちゃ~ん? にちかちゃんと美琴さんがお話したいって言ってくれてるよ~?」
あさひ「……今忙しいっす」
にちか「えぇ……」
美琴「ちょっとでいいの、何か気づいたことはないかな?」
あさひ「今はわたしも捜査中だから、にちかちゃんと美琴さんと一緒っすよ?」
冬優子「ほら、あさひちゃん。あさひちゃんだからこそ気づいたこともあったりするんじゃないかな?」
あさひ「わたしだから気づいたこと……気づいたこと……」
あさひ「特にないっすね!」
にちか「な、無いの?!」
美琴「……聞き方がまずかったかな、きっとこの子は……漠然とした聞き方じゃ分からないんだと思う」
にちか「さ、流石美琴さん! お医者さんみたいな洞察力です!」
美琴「あさひちゃん、あなたの知っていることで私の知らなさそうな情報はないかな」
あさひ「……」
あさひ「あ、それじゃあ美琴さんがいなかった時のことでいいっすか?」
にちか「それってつまり、美琴さんが離席中のときのこと?」
あさひ「ていうか停電中っすかね。あの時、真っ暗闇でみんなの姿は見えなかったっすけど、誰が何をしゃべってたかぐらいは分かったから……それでいいっすか?」
冬優子「え?! あ、あの時の会話を聞き分けて、さらに覚えてるの?!」
あさひ「……? そうっすけど……どうかしたっすか?」
美琴「聞かせてもらえる?」
あさひ「はいっす。えっと確か……」
【あさひに聞き込み】
芹沢さん、なんだか深く集中して風野さんの死体を眺めているな……
にちか「せ、芹沢さん……あの、ちょっと、いい……?」
あさひ「……」
冬優子「あ、あはは……あさひちゃん、なんだか考え事してるみたい……ちょっと待ってくださいね」
冬優子「あさひちゃ~ん? にちかちゃんと美琴さんがお話したいって言ってくれてるよ~?」
あさひ「……今忙しいっす」
にちか「えぇ……」
美琴「ちょっとでいいの、何か気づいたことはないかな?」
あさひ「今はわたしも捜査中だから、にちかちゃんと美琴さんと一緒っすよ?」
冬優子「ほら、あさひちゃん。あさひちゃんだからこそ気づいたこともあったりするんじゃないかな?」
あさひ「わたしだから気づいたこと……気づいたこと……」
あさひ「特にないっすね!」
にちか「な、無いの?!」
美琴「……聞き方がまずかったかな、きっとこの子は……漠然とした聞き方じゃ分からないんだと思う」
にちか「さ、流石美琴さん! お医者さんみたいな洞察力です!」
美琴「あさひちゃん、あなたの知っていることで私の知らなさそうな情報はないかな」
あさひ「……」
あさひ「あ、それじゃあ美琴さんがいなかった時のことでいいっすか?」
にちか「それってつまり、美琴さんが離席中のときのこと?」
あさひ「ていうか停電中っすかね。あの時、真っ暗闇でみんなの姿は見えなかったっすけど、誰が何をしゃべってたかぐらいは分かったから……それでいいっすか?」
冬優子「え?! あ、あの時の会話を聞き分けて、さらに覚えてるの?!」
あさひ「……? そうっすけど……どうかしたっすか?」
美琴「聞かせてもらえる?」
あさひ「はいっす。えっと確か……」
324: ◆zbOQ645F4s 2021/11/27(土) 22:27:14.05 ID:2HvOXjB50
◆◇◆◇◆◇
バンッ!
恋鐘「ふぇ~~~~!? 真っ暗ばい~~~~~!」
果穂「く、くらいですー! て、てい電ですか?!」
雛菜「あは~! お化け屋敷みたい~~~♡」
灯織「だ、大丈夫です……こういうこともあろうかと……あれ?」
冬優子「やーん! ど、どうしましょう……暗くて何も見えません……」
結華「これぞまさにお先真っ暗ってね!」
夏葉「みんな落ち着いて、不用意に動くと危ないわ」
ガシャーン!
智代子「だ、大丈夫?! 今誰か転ばなかった?!」
摩美々「ちょっとー、今誰か足踏んだでしょー?」
灯織「え……? な、なん……で……」
タパパッ
透「あれ、から揚げどっか行った……から揚げから揚げ……」
愛依「ちょ、ちょっと待ってて! うちがどうにかブレーカー入れてくるから! 壁伝いに行けばなんとかなるっしょ!」
あさひ「なんだか目も慣れてきたっすね」
パッ
◆◇◆◇◆◇
バンッ!
恋鐘「ふぇ~~~~!? 真っ暗ばい~~~~~!」
果穂「く、くらいですー! て、てい電ですか?!」
雛菜「あは~! お化け屋敷みたい~~~♡」
灯織「だ、大丈夫です……こういうこともあろうかと……あれ?」
冬優子「やーん! ど、どうしましょう……暗くて何も見えません……」
結華「これぞまさにお先真っ暗ってね!」
夏葉「みんな落ち着いて、不用意に動くと危ないわ」
ガシャーン!
智代子「だ、大丈夫?! 今誰か転ばなかった?!」
摩美々「ちょっとー、今誰か足踏んだでしょー?」
灯織「え……? な、なん……で……」
タパパッ
透「あれ、から揚げどっか行った……から揚げから揚げ……」
愛依「ちょ、ちょっと待ってて! うちがどうにかブレーカー入れてくるから! 壁伝いに行けばなんとかなるっしょ!」
あさひ「なんだか目も慣れてきたっすね」
パッ
◆◇◆◇◆◇
325: ◆zbOQ645F4s 2021/11/27(土) 22:29:41.73 ID:2HvOXjB50
あさひ「多分こんな感じだったっす」
冬優子「す、すごい……あさひちゃん、流石の記憶力だね」
美琴「……だいぶ混乱していたんだね」
にちか「突然でしたからねー」
美琴「……それにしても、灯織ちゃんの発言がなんだか不思議だね」
≪灯織「だ、大丈夫です……こういうこともあろうかと……あれ?」≫
美琴「停電になっても何か対策をしていたような口ぶり……でも最終的に彼女も動揺している」
冬優子「何かがうまくいかなかったんでしょうか……?」
≪灯織「え……? な、なん……で……」≫
美琴「そして彼女が刺されたのはこのタイミングかな?」
にちか「ちょうど大きな物音がした直後くらいですねー、その後に水が飛び散るような音がしてて……」
あさひ「多分返り血っすね。突き刺した瞬間に犯人は灯織ちゃんの血液を浴びたはずっすよ」
美琴「……でも、そんな人はいないよね?」
冬優子「どういうことなんでしょう……」
美琴「……あさひちゃん、邪魔してごめんね。ありがとう、参考になったから」
あさひ「そっすか? それならよかったっす!」
芹沢さんから聞けた停電中の私たちのやり取り……
具体的に何か判明したわけじゃないけど、死の直前の灯織ちゃんの言動が少しでも分かったのは収穫かな?
コトダマゲット!【あさひの証言】
〔あさひは旧館が停電になった時の反応を正確に聞き取っていた。発言は以下の通り。
恋鐘「ふぇ~~~~!? 真っ暗ばい~~~~~!」
果穂「く、くらいですー! て、てい電ですか?!」
雛菜「あは~! お化け屋敷みたい~~~♡」
灯織「だ、大丈夫です……こういうこともあろうかと……あれ?」
冬優子「やーん! ど、どうしましょう……暗くて何も見えません……」
結華「これぞまさにお先真っ暗ってね!」
夏葉「みんな落ち着いて、不用意に動くと危ないわ」
ガシャーン!
智代子「だ、大丈夫?! 今誰か転ばなかった?!」
摩美々「ちょっとー、今誰か足踏んだでしょー?」
灯織「え……? な、なん……で……」
タパパッ
透「あれ、から揚げどっか行った……から揚げから揚げ……」
愛依「ちょ、ちょっと待ってて! うちがどうにかブレーカー入れてくるから! 壁伝いに行けばなんとかなるっしょ!」
あさひ「なんだか目も慣れてきたっすね」〕
-------------------------------------------------
1.エアコンを調べる
2.美琴と情報共有する
3.千雪に聞き込み
↓1
326: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2021/11/27(土) 22:29:52.94 ID:QFqYBZKM0
2
327: ◆zbOQ645F4s 2021/11/27(土) 22:32:51.25 ID:2HvOXjB50
2 選択
【美琴と情報共有】
美琴「それじゃあ私が合流するまでのことを聞かせてもらえるかな」
にちか「はい……えっと、覚えている限りで全部、お話しますね!」
私は美琴さんにすべてのことを話した。
パーティの中の騒ぎの様子から停電中のパニックまで。
流石に詳細部までは伝えられなかったけど、何があったかぐらいは全部伝えることができたはず。
美琴さんは私の話を聞き終えると、「そう」とだけ返し、私にも情報を少しだけ与えてくれた。
美琴「私は……ずっと玄関にいたの」
にちか「旧館のですか?」
美琴「そう、出てすぐのところ。モノクマやルカが近づいてこないようにじっと見てたんだけど……誰も近寄っては来なかったかな」
にちか「まあ、そうですよねー……」
美琴「一回だけ、千雪さんが出ていったときはあったけど、出入りもそれぐらいかな」
(千雪さんが出ていったのは、きっと花束を作ったときのことだな……)
美琴「ごめんね、特に何も見ていなくて」
にちか「いえいえ! 美琴さんは何も見ていない、それだけでも重要な情報になりますよ!」
美琴「そうなの?」
にちか「はい!」
コトダマゲット!【美琴の証言】
〔美琴が旧館の玄関に出てからは、千雪が出て行ったのみで他に誰も来ていない〕
-------------------------------------------------
1.エアコンを調べる
2.千雪に聞き込み
↓1
【美琴と情報共有】
美琴「それじゃあ私が合流するまでのことを聞かせてもらえるかな」
にちか「はい……えっと、覚えている限りで全部、お話しますね!」
私は美琴さんにすべてのことを話した。
パーティの中の騒ぎの様子から停電中のパニックまで。
流石に詳細部までは伝えられなかったけど、何があったかぐらいは全部伝えることができたはず。
美琴さんは私の話を聞き終えると、「そう」とだけ返し、私にも情報を少しだけ与えてくれた。
美琴「私は……ずっと玄関にいたの」
にちか「旧館のですか?」
美琴「そう、出てすぐのところ。モノクマやルカが近づいてこないようにじっと見てたんだけど……誰も近寄っては来なかったかな」
にちか「まあ、そうですよねー……」
美琴「一回だけ、千雪さんが出ていったときはあったけど、出入りもそれぐらいかな」
(千雪さんが出ていったのは、きっと花束を作ったときのことだな……)
美琴「ごめんね、特に何も見ていなくて」
にちか「いえいえ! 美琴さんは何も見ていない、それだけでも重要な情報になりますよ!」
美琴「そうなの?」
にちか「はい!」
コトダマゲット!【美琴の証言】
〔美琴が旧館の玄関に出てからは、千雪が出て行ったのみで他に誰も来ていない〕
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1.エアコンを調べる
2.千雪に聞き込み
↓1
328: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2021/11/27(土) 22:34:59.08 ID:QFqYBZKM0
1
329: ◆zbOQ645F4s 2021/11/27(土) 22:36:56.97 ID:2HvOXjB50
1 選択
【エアコン】
美琴「そういえば、なんだかやたら涼しいような気がするね」
にちか「言われてみれば……夜ってのもありますけど、むしろ肌寒いくらいです!」
美琴「……もしかして、エアコンがついてる?」
にちか「……! そうみたいです!」
よく耳を澄ますとどこかから風が吹き込むような音がしている。
ボロい旧館ではあるものの、流石に隙間風が差し込むほどじゃない。
これは間違いなく、空調から出ている音だ。
にちか「そういえば、停電が発生する直前に……」
≪恋鐘「結華、写真どがん感じになったばい? ちょっと見せてくれんね?」
結華「オッケー、ちょっと待って……今アルバム開くから……」
ピピッ≫
にちか「何かが作動するような電子音が鳴ってました!」
美琴「……! ちょっと、見てみようか」
美琴「……やっぱり、23時30分にタイマーが設定されている。この島の気候は割と穏やかなようだから誰も操作せず、気づかなかったんだね」
にちか「じゃあこれって……何か意図的なものってことですよね」
美琴「停電とも無関係には思えないかな、ちゃんと抑えておいた方がいい情報だと思う」
にちか「は、はい!」
コトダマゲット!【エアコンのスイッチ】
〔大広間のエアコンは事件発生直前の午後11時30分に起動するようにタイマーがセットされていた。なお、停電が起きたのはその直後〕
【選択肢が残り一つとなったので自動で進行します】
【エアコン】
美琴「そういえば、なんだかやたら涼しいような気がするね」
にちか「言われてみれば……夜ってのもありますけど、むしろ肌寒いくらいです!」
美琴「……もしかして、エアコンがついてる?」
にちか「……! そうみたいです!」
よく耳を澄ますとどこかから風が吹き込むような音がしている。
ボロい旧館ではあるものの、流石に隙間風が差し込むほどじゃない。
これは間違いなく、空調から出ている音だ。
にちか「そういえば、停電が発生する直前に……」
≪恋鐘「結華、写真どがん感じになったばい? ちょっと見せてくれんね?」
結華「オッケー、ちょっと待って……今アルバム開くから……」
ピピッ≫
にちか「何かが作動するような電子音が鳴ってました!」
美琴「……! ちょっと、見てみようか」
美琴「……やっぱり、23時30分にタイマーが設定されている。この島の気候は割と穏やかなようだから誰も操作せず、気づかなかったんだね」
にちか「じゃあこれって……何か意図的なものってことですよね」
美琴「停電とも無関係には思えないかな、ちゃんと抑えておいた方がいい情報だと思う」
にちか「は、はい!」
コトダマゲット!【エアコンのスイッチ】
〔大広間のエアコンは事件発生直前の午後11時30分に起動するようにタイマーがセットされていた。なお、停電が起きたのはその直後〕
【選択肢が残り一つとなったので自動で進行します】
330: ◆zbOQ645F4s 2021/11/27(土) 22:38:05.46 ID:2HvOXjB50
【千雪に聞き込み】
千雪「……」
千雪さん、かなり思いつめた表情をしているな。
事件が起きたのは偶然にも彼女がパーティ会場を後にしたとき。
今この島にいる人間の中では年長者の部類にあたる彼女からすれば何か思うところがあるのかもしれない。
にちか「あの、千雪さん! 今ちょっと話聞いてもいいですか?」
千雪「あら? うん、大丈夫だけれど……どうしたの?」
にちか「えっと……千雪さんがパーティを途中で抜けた時の話をちょっと伺いたいんですけど……」
千雪「……! ええ、そうよね……停電中に姿を消してたんだもの、疑われても仕方ないよね」
にちか「え、ええ?! そ、そういうわけではなくてですね!」
美琴「みんなの花飾りを集めて作ったっていう花束について聞きたかったの。私はその花束づくりを知らなかったし、にちかちゃんも千雪さんが旧館を出てからのことは知らないから」
千雪「なんだ、そうだったの……でも、特に話せるようなことは何もないかなぁ……」
331: ◆zbOQ645F4s 2021/11/27(土) 22:39:03.42 ID:2HvOXjB50
千雪「あさひちゃんの思い付きでルカちゃんに花束を渡すことになって……会場に居合わせた灯織ちゃん、美琴ちゃん、ルカちゃん以外の全員の花飾りで花束を作ったわ」
千雪「それを私が代表してルカちゃんに渡しに行った……でも、結局ルカちゃんは見つからずにそのまま今の状態に至るの」
にちか「午後11時30分ごろはどのあたりにいましたー?」
千雪「えっと……ロケットパンチマーケットのあたりかしら? でも誰もアリバイを証明してくれる人はいないな」
美琴「大丈夫、旧館から出ていく千雪さんは私が見ているし、戻ってくる千雪さんは見ていない。停電の最中に事件に関与できないのは私が把握してる」
千雪「そ、それならいいんだけど……」
千雪さんは灯織さんを刺すことはできなかった。
それよりも重要なのは花束周りの話だよね。
誰の花飾りが使われてなかったのか、それが結局ルカさんの手にはわたっていないこと。ここら辺を押さえておく必要がありそう。
コトダマゲット!【花束】
〔パーティの参加者が身に着けていた花飾りを使って作った花束。あさひがパーティの最中に思い付いたものであり、灯織・美琴・ルカ以外でその場に居合わせた参加者全員の花飾りを使って制作した。ルカに渡す予定だったが、結局渡すことはできなかった〕
-------------------------------------------------
にちか「大広間での捜査はこんなところですかねー……」
美琴「そうだね……上面図ができるまでには時間もかかりそうだし、ほかのところを調べておこうか」
にちか「それなら倉庫を見といたほうがいいかもです、廊下の奥まったところだし、何かを調達するにはもってこいですから!」
美琴「わかった、倉庫に行ってみようか。時間もあまり残っていないようだから、急がないとね」
にちか「はい!」
332: ◆zbOQ645F4s 2021/11/27(土) 22:40:28.41 ID:2HvOXjB50
【倉庫】
みんなの掃除のおかげか朝には蜘蛛の巣まみれだった倉庫も、今は見違えたように綺麗になり、備品も基本的には整然と並べられている。
コンセントの前の不自然なアイロン台を除いては。
美琴「……あれ? これ、出しっぱなしみたいだね」
にちか「ですねー、コンセントにも刺しっぱなし……これ電気代めっちゃかかるやつですよ」
美琴「アイロン……みたいだね。しかも三台も」
にちか「まさか誰かがシャツを三つもしわ伸ばしした―とかじゃないですよね。これ」
美琴「……それか三台ぶんくらい大きなシャツを着ていたとか」
にちか「あはは! そんなの巨人じゃないですかー!」
美琴「でも、これはおそらく意図的なものなんだろうね」
にちか「そうですよねー……何もなしにこんなことするわけないし」
美琴「……何を狙っているのかな」
挿しっぱなしのアイロンか……
いつからこのままなのかは正確にはわからないけど、挿した時から数えると相当に旧館内の電力を食っていたはずだよね。
そこから見える狙いって……?
コトダマゲット!【倉庫のアイロン】
〔旧館倉庫でコンセントに挿しっぱなしになっていたアイロン三台。いつからそのままかはわからないが、相当に旧館の電力を消費していたものと思われる〕
333: ◆zbOQ645F4s 2021/11/27(土) 22:41:18.17 ID:2HvOXjB50
【棚】
倉庫の棚も、はじめのゴミ屋敷のようなありさまとは見違えたように綺麗に整列されている。
確かここも風野さんが整理整頓していたっけ。彼女の性格、その「らしさ」が前面に押し出された寸分の乱れもない並べ方。
美琴「すごいね、こういうビニールひもとかって散乱しやすいのに。よくまとめてある」
にちか「真ん中に押し込んだりしてもすぐ撓んじゃいますよねー、わかります!」
美琴「専用のケースも使わずに……縁側を紐自身で結んであるんだね。器用な整理の方法」
にちか「にしても他のものもほとんど乱れてないし……流石は血液型A型ですよね!」
美琴「ふふ、そうかも。……あれ、これは誰かが使用したのかな」
にちか「美琴さん?」
美琴「この缶だけ蓋がちゃんとしまってないから……これって、夜光塗料?」
にちか「夜光塗料って言うと暗闇でもほんのり光るやつですよね?」
美琴「うん、そう……バミる時とかでも使うことがたまにあるかな。暗所でも位置とか場所が確認できる便利な塗料なの」
にちか「ふーん……それを、誰かが使ったんですよね」
美琴「……私は特に使用先にピンとくることはないかな」
誰かが使った夜光塗料か……
暗所で用いるには効果的、今回の停電とも何か関係があるかもしれないよね。
コトダマゲット!【夜光塗料】
〔倉庫に備蓄してあった塗料。暗闇の中でもほのかに発光し、大体の位置などを確認することができる。何者かが使用した痕跡がある〕
334: ◆zbOQ645F4s 2021/11/27(土) 22:42:48.17 ID:2HvOXjB50
他に倉庫にはとくにみるべきものも何もない、そう考えて部屋を出ようとした。
にちか「あ、あれ……? 美琴さん……どうしました、何か気になるものでもある感じです?」
美琴「えっと……そうだね、ちょっとだけ」
美琴さんの視線の先にあったのは段ボールの山。数段にわたってずっしりと積み上げたそれはおいそれと簡単には運べなさそう。
でも、美琴さんが目を付けたのは段ボールそのものではなく、その下。
美琴「ここ……なんだか妙な跡がついてるの」
にちか「跡ですか……?」
美琴「昼の掃除で全体的にきれいにした後だけど、ここの一部分は色が少しほかの床と違って……何か物を引きずったように埃がつぶれて引きずられてる」
にちか「……わ、ほんとですね! 多分この段ボールを引きずった跡ですよこれ!」
美琴「すこし、どけてみようか」
にちか「はい!」
美琴さんの指示に従っててきぱきと段ボールを他所にどかす。
最後の段ボールを持ち上げた時、私たちの目に飛び込んできたのはこれまでに見たことのない取っ手付きの区画。
引き上げればパカっと外れてしまいそうな……
美琴「……扉?」
335: ◆zbOQ645F4s 2021/11/27(土) 22:44:01.90 ID:2HvOXjB50
そういえばこの旧館は床が高く作られている。玄関から入る時でも数段階段を上って入館する設計だったはずだ。
実際、扉を引き上げてみるとそこは収納ではなく、明確な床下としての空間があるようだった。
美琴「入ってみようか」
にちか「み、美琴さんは入っちゃダメです! こんなとこ、絶対ばっちいですから! 私が代表して入るので……美琴さんは待っててください!」
美琴「そう?」
少し扉を開けただけでも埃が舞い上がった。
昼の掃除でもだれも手をつけてない空間なんだろう。
こんなんじゃゴキブリやネズミが住み着いている可能性もある。
そんなところ、美琴さんに入ってもらう訳にはいかない。
慌てて私は名乗りを上げて、美琴さんの代わりに飛び込んだ。
にちか「うーわ、暗……」
ただ、床下空間はほとんど真っ暗。床板の隙間から部屋の光が多少差し込んではいるものの、ほとんど見えてないのと同じ。
這いつくばって進むにしても、前後すら怪しいみたいな空間だ。
美琴「……何か怪しいものはあった?」
にちか「いや、全くって感じです……そもそも物があるかどうかすら見えないし、こんなの誰も入れないですって」
目立った成果も上がらず、私たちは床下の調査を引き上げた。
美琴「残念。せっかく新発見だと思ったんだけどな」
にちか「い、いや! 発見は発見ですよ! 事件に使うのは難しそうですけど……何か別の方法があったのかもしれないですし……!」
美琴「一応、覚えておくだけ覚えておこうか」
にちか「はい!」
336: ◆zbOQ645F4s 2021/11/27(土) 22:45:29.32 ID:2HvOXjB50
____
______
________
にちか「大体捜査はし終えましたかね、美琴さんも状況はつかめました?」
美琴「うん……大体は。でも、まだ時間が残っているのなら、もう一つだけ調べておきたいところがあるの」
にちか「どこですか?」
美琴「灯織ちゃんの部屋。……彼女がパーティの直前まで何を考えていたのか、それを知りたいの」
思えば、パーティの最中の彼女はいつもとは様子が違っていた。
どこか気弱だけど、責任感は強くて、なんでも一人で背負いこんでしまう。
そんな彼女の性格の起伏の上振れと下振れとが同時に顔を出したような、そんなチグハグとした振る舞いが見て取れた。
何が彼女にあんな行動の数々を取らせたのか、確かにそれはこの島にいる全員が知っておくべきことだろう。
私は美琴さんに賛同の意志を示した。
337: ◆zbOQ645F4s 2021/11/27(土) 22:48:08.98 ID:2HvOXjB50
【灯織のコテージ前】
にちか「来ちゃいましたけど……でも、どうやって入りましょう」
美琴「そっか……鍵もないもんね……どうしよっか」
美琴さんはあたりをきょろきょろと見渡すも解決の方法が見つからないとみるやいなや、すぐに口に手を添えて呼びかけ始めた。
美琴「モノクマ! 力を貸してもらえるかな」
にちか「そ、そんなスマホのAIアシスタントじゃないんですから……」
バビューン!!
モノクマ「およびですか!」
にちか「で、出た!?」
美琴「うん、灯織ちゃんの部屋の鍵を開けてほしいの。頼めるかな」
特に驚く様子もなく淡々とモノクマに開錠を要求して見せる美琴さん。
モノクマの音速レスポンスとか、色々と私としては気になるところではあったんだけど……美琴さんのお邪魔をしてはならない。
その手はすぐに引っ込めた。
338: ◆zbOQ645F4s 2021/11/27(土) 22:49:15.00 ID:2HvOXjB50
モノクマ「えっ?! 女子高生の部屋の鍵を開けてしまうなんて……そ、そんな破廉恥な!」
にちか「は、ハレンチって……死語ですよ、おじさんくさすぎます!」
モノクマ「死語とはなんだ死語とは! 温故知新という言葉を知らないのか!」
にちか「もうそのキレ方がおじさんなんですって……!」
美琴「二人で楽しくおしゃべり中のところ悪いけど……扉は結局開けてもらえるのかな」
モノクマ「だから言ってるでしょ! 教育者としてはそんなインモラルな企てには協力できないよ!」
にちか「美琴さんがそんなことするわけないじゃないですか!」
モノクマ「いや、分からないよ……案外その澄ました表情の裏はとんでもない野獣が潜んでいるのかもしれないよ……?!」
美琴「ううん、やましいつもりがあるわけじゃないの。これも捜査のためだから」
(うわぁ……モノクマの発言とかガンスルーだよ美琴さん……)
モノクマ「なんだよノリ悪いなぁ……まあいいですよ、例えハレンチ目的でも許可してましたし」
モノクマ「死人に口なし、プライバシーなし! 思う存分隅から隅まで調べていいよ。彼女相当ため込んでたみたいだしさ」
美琴「……ため込んでた?」
モノクマ「クックックッ……まあそれは自分の目で見たほうが早いよ。あのパーティの裏に隠された彼女の葛藤はきっとすぐに感じ取れるからさ」
バビューン!!
にちか「い、行っちゃいましたね」
美琴「あのパーティの裏に隠された葛藤……か。にちかちゃん、見てみよう」
にちか「は、はい!」
モノクマは言葉通り開錠を済ませておいてくれたようで、扉はすんなりと開いた。
339: ◆zbOQ645F4s 2021/11/27(土) 22:50:32.54 ID:2HvOXjB50
【灯織のコテージ】
持ち主を失った部屋はどこか空虚な雰囲気が漂っていた。
それは風野灯織という人間の人柄によるところもあっただろう。
本やスリッパなどすべての並びがきっちりと揃えられ、ベッドの布団ですら折り目正しく整えられたそこは、もはや未使用と言われても気が付かない。
生活感をうかがい知れるのは、シャワールームの壁についたわずかな水滴。
そして、机の上に広げられた、少しだけ縁にくしゃっとしたゆがみのある紙一枚ぐらい。
美琴「この紙……」
すぐに私たちはその紙を手に取って広げてみた。
340: ◆zbOQ645F4s 2021/11/27(土) 22:51:22.31 ID:2HvOXjB50
『今夜必ず誰かが死ぬ
夜を一人で過ごさぬようご用心』
341: ◆zbOQ645F4s 2021/11/27(土) 22:52:26.08 ID:2HvOXjB50
乱雑な字体で、まるで殴りつけたかのように刻まれた文字。
その文面は忌まわしい予言のような文言で、目に入れた瞬間に肩を冷たいものが撫でた。
にちか「こ、これって……」
美琴「脅迫文……みたいだね」
思い返せば、あのパーティの朝に風野さんは何か紙を隠し持っていた。
レストランに入ってきた私を見るなり、その紙を隠して誤魔化してたけど……あの時に持っていた紙がこれだったんだ。
そうでもないと、すぐにその後にパーティを開こうなんて言い出さない。
美琴「彼女、これをみたからパーティなんか……」
にちか「全然そんなこと言ってなかったのに……」
美琴「……言わなかったし、言えなかったんだろうね。自分の言葉で全員を不安にさせてしまうぐらいなら、自分一人で抱えたほうがいい。そういう子だから」
確かに、『今夜必ず誰かが死ぬ』なんて言われたら全員その『誰か』が自分のことを指しているんじゃないかとパニックになってしまうだろう。
でも、それは風野さん自身も同じはず。それなのに彼女は自分一人で引き受けて、それを防ぐために動くという選択を取った。
……やっぱり彼女は、私がこれまでに見てきた通り【強い】人だったんだ。その強さが、良くも悪くもある。
342: ◆zbOQ645F4s 2021/11/27(土) 22:53:22.35 ID:2HvOXjB50
美琴「……でも、もしかしたらこの脅迫文の主からすればパーティを開かないにせよ、灯織ちゃんが全員を同じ場所に集めることもある程度見越していたのかもね」
にちか「……『夜を一人で過ごさぬようご用心』、要は誰も一人にするなってことですもんね。風野さんに脅迫状を渡しておけば、きっと人を集めようとするのは想像も余裕です!」
美琴「集団の目の前ではなから灯織ちゃんを殺す予定だったってこと……かな」
にちか「もしかして、ほかの誰かに罪を擦り付ける目的だったんですかねー」
美琴「そうかもしれないね。現に今はほぼ全員が容疑者として間違いなさそうだし」
この脅迫状がすべての引き金になった。
風野さんの不安を煽って、パーティ開催を焚きつけて、その悉くを利用して。
犯人の手のひらの上で踊らされたとは言わないけど、風野さんの心を利用した狡猾で凶悪な犯行……しかもよりにもよって命を落としたのは風野さん本人。
流石にやるせないよ。
美琴「筆跡から送り主の特定は……難しそうだね」
にちか「犯人はここからじゃわからないですけど……風野さんの心情を知る上ではこれ以上になく重要な証拠です!」
美琴「そうだね。……彼女の気持ちは、ここにいる全員が知っておくべき情報だと思うから。必ず、伝えてあげようね」
にちか「はい!」
コトダマゲット!【脅迫状】
〔事件の発生前に灯織のもとへ送られていた脅迫状。『今夜必ず誰かが死ぬ 夜を一人で過ごさぬようご用心』との文言で、にちかたちを一か所に集めようという意図が垣間見える〕
343: ◆zbOQ645F4s 2021/11/27(土) 22:54:36.66 ID:2HvOXjB50
キーンコーンカーンコーン…
『オマエラは【はじめて】についてどう思う? ボクは【はじめて】ほど価値のあるものもないと思うな』
『はじめてフグを食べた人、はじめて納豆を食べた人、はじめてカニ味噌を食べた人。食一つとってもこれだけたくさんの【はじめて】を持つ勇敢な偉人たちがいるんだから』
『さて、今から始まるのはオマエラにとって、歌姫計画にとって、このコロシアイ南国生活にとっての【はじめて】の学級裁判。さあ、そこにはどんなドラマがあるんでしょうね』
『さあ、オマエラの【はじめて】を見せてチョーダイ! 【1の島・モノクマロック前】に全員集合だよー!』
プツン……
344: ◆zbOQ645F4s 2021/11/27(土) 22:56:09.30 ID:2HvOXjB50
にちか「時間……みたいですね」
美琴「うん、もう行かないとダメみたい」
モノクマのアナウンスを聞いた私たちは顔を見合わせた。
いつも、ステージに上る前は美琴さんの表情を見ていた。
アイドルとしての歴も浅く、場数も踏んでいない私はどんな時でも大概緊張し腐って体も震えていたけど……美琴さんはいつだって冷静だった。
むしろ次のステージでどんなことをするのか、何をすればより魅せられるのか、その『次』をよくするためにいつも思考を巡らせている様子だった。
……今。
あの美琴さんでさえも、少し顔がこわばっている。眉にはわずかに力がこもり、口元を結ぶその溝はいつもより深い。
これから私たちを待ち受けているのは、生きるか死ぬかの瀬戸際。全員の命を懸けてクロとシロが争いあう『学級裁判』。
それでもきっと、美琴さんは死ぬことが怖くて緊張しているんじゃない。
多分美琴さんは、これで負ければもうステージに上れなくなることに恐怖している。
私の恐怖とはわけが違う。私の、こんな身勝手な恐怖と一緒じゃない。
美琴「……不安だとは思うけど、ここにいても仕方ないから」
にちか「は、はい……!」
美琴さんの言うとおりだ。
裁判に負けるどうこう以前に、きっとモノクマに従わなければもっと急速に一方的な死を迎える羽目になるだろう。
私たちに選択権はない。
____行くしか、ない。
345: ◆zbOQ645F4s 2021/11/27(土) 22:57:48.63 ID:2HvOXjB50
【モノクマロック】
中央の島の海岸沿い。妙に開けた空間には、これまた妙に堂々と鎮座する奇妙な岩肌がある。
まるで山一個を切り出したような規模感のそれは、何十年という歴史をかけて作り上げた彫刻のように、表面がモノクマの顔で彫り込まれている。
その光景が、とてつもなく異様だった。……だって、
愛依「な、なんこれ……こんな岩、昨日までなかったよね……?」
あさひ「はいっす、この島って公園以外に行くところなんてなかったはずっすよ」
冬優子「ひ、一晩のうちにこんな大きな岩ができちゃったの……?」
ルカ「……ったくどうなってやがんだ……?! 混乱してきやがる……」
美琴「……ルカ、来たんだ」
ルカ「当たり前だ。私の命だってかかってる、283プロの連中に任せてなんかいられねーからな」
雛菜「それにしても、どうしてこんなところに雛菜たちは呼び出されたんですかね~?」
透「いないね、モノクマ」
摩美々「呼び出しておいて本人はだんまりだなんて、いい御身分ですねー」
と口々にモノクマへの不満を声に出し始めた頃。タイミングを見計らったようにそれは始まった。
346: ◆zbOQ645F4s 2021/11/27(土) 22:59:27.38 ID:2HvOXjB50
ゴゴゴゴゴゴ…
恋鐘「じ、地震~~~~~!?」
千雪「ううん、これは地震じゃないわ……あれ!」
千雪さんが指さした方向、岩壁に切り出されたモノクマの顔の一つが激しく振動していた。
この揺れはその地響きといったところなのか、お腹の臓物までグラグラと揺らすその波動がなんとも心地悪くて耐え難い。
その不快な横揺れを耐えきったかと思うと、今度目に飛び込んできたのは……そのモノクマの口から射出されるエスカレーターだった。
果穂「す、すごいですーーーー! 悪の秘密結社の秘密基地みたいですーーーーー!!」
夏葉「驚いたわね……なんて技術力なの……?!」
智代子「か、感心してる場合じゃないよね!?」
透「……あー」
結華「と、とおるん!? 危ないって、そんなノータイムで乗り込んじゃ……!」
透「えっ……でも、行くしかなくない?」
雛菜「雛菜もついてく~~~~!」
結華「ひ、ひななんまで?!」
摩美々「……多分透たちが正解、学級裁判ってのはこのエスカレーターの先でやるんだろうねー」
にちか「じゃあ、これ乗らなきゃな感じですか……?」
摩美々「多分ねー」
エスカレーターの先を見た。
モノクマを模した岩像の口の中へと伸びているエスカレーター、それに乗ってしまえばまるで自分から捕食されに向かうよう。
きっと、あの中が【学級裁判場】。
その意味では捕食というのもあながち間違いじゃない。
これから私たちはモノクマに殺される人間をみんなで選ぶんだから。
モノクマにとっては私たちの絶望が糧になる……今から始まるのは、そのための晩餐のようなもの。
(……最悪だ)
私たちは次々とエスカレーターに乗り込んだ。
エスカレーターはゆっくりと時間をかけて一人一人を丁寧に丁寧に口の中へと運んでいき……そして最後の一人が無事口の中に収められたその時。
ガシャーン!
地鳴りのような音を立ててエスカレーターを収縮させ、私たちは、次なる旅へと駆り出された。
347: ◆zbOQ645F4s 2021/11/27(土) 23:02:12.62 ID:2HvOXjB50
【モノクマロック内部】
智代子「今度はエレベーターみたいだね……」
エスカレーターに迎え入れられたモノクマの口蓋。
それは私たちを乗せたまま下へと動き出す。ゴウンゴウンというけたたましい機械音とともに、ゆっくりと下っていく。
摩美々「あの岩の中身はこんな大きなエレベーターだったってことみたいだねー」
ルカ「ちっ……あんなゴテゴテの演出やる必要あったのか? 岩とか挟まず直でエレベーターでいいだろ」
愛依「あはは……それはそーかも」
はじめこそ、ここまでの道中の仰々しさに雑談めいた独り言を零していたけれど。
あさひ「でも、すごい勢いで下に向かってるっすね。どこまで行くんだろ……」
果穂「はい……地下でもものすごくおく深くに向かってる気がします……!」
段々とその道のりが長く、深くなっていくごとに____
「…………」
____エレベーターの中の会話は少なくなっていった。
多分、モノクマはこれも見越してエレベーターの速度を緩慢にしていたんだろう。
私たちが気持ちを紛らわせるために交わす言葉を無理やりにでも底をつかせて、そこから生まれる自分との自問自答の時間。
無理やりにでも不安と恐怖がせりあがってくるその時間を作り出そうとしている。
実際、私の目の前にも広がってくるものがあった。
それまで凪いでいた水面に、一滴の絵の具を落としたように。
複雑で実体のない軌道を描きながら、それは広がっていく。
取り除こう、掴もうと手を伸ばしてもがけば水流が生まれ、濁りは一層波及する。
不安というのは少しでも混ざってしまえばすべてを飲み込んでいく。
もう、元の色には戻れない。
348: ◆zbOQ645F4s 2021/11/27(土) 23:03:57.61 ID:2HvOXjB50
美琴「……怖い?」
ふと美琴さんに肩を触られて、肝を冷やす。
飛び上がったような反応をする私に、美琴さんは変わらず優しいまなざしを向けた。
にちか「こ、怖くなんか……! ___いや、怖い……です。流石に」
美琴「大丈夫。隠さなくていいから」
にちか「す、すみません……体、どうしても震えちゃって」
美琴「……奈落」
にちか「え……?」
美琴「こうやってエレベーターで下ってると、ステージを出る前のことを思い出すんだ」
にちか「ああー……!! そっちの奈落なんですね、私てっきり___
美琴「奈落の底から見える景色……どのステージでも同じものが見えるんだ」
美琴「ステージを照らすライト、たくさんの観客、その手に握りしめられたペンライト……ううん、もっとその向こうにはスタッフさんや会場を設営してくれた人たちだって」
美琴「……そのために、私たちは最高のパフォーマンスをしなくちゃ……感動させなくちゃいけない」
美琴「奈落」
美琴「ここを出た時のためにすべてがある」
美琴「……にちかちゃん、まだここに【すべて】を置いていくわけにはいかないの」
にちか「美琴さん……!!」
美琴さんはそれ以上は口にしなかった。
私への励まし然として始めたその語り口だったけど、その結びは違っていた。
美琴さんが口にしたのは【決意】の言葉。
今自分が沈んでいく学級裁判場という奈落、そこから迫り出た時のことを思い描いた【決意】。
このどん底からも美琴さんはせり出して、その先でまた最高のパフォーマンスを披露しようとしている。
349: ◆zbOQ645F4s 2021/11/27(土) 23:05:25.29 ID:2HvOXjB50
……私は美琴さんみたいになりたい。
違うんだ、私は美琴さんとは。
奈落にいるときに考えていたのは、いつもそこを出た後の孤独感。
あのライトの下では、私を支えてくれる人はもう近くにはいない。
そう、考えていた。
美琴「……私は、にちかちゃんの【すべて】もまだ見れていないと思っているから」
……なれるかな、私も。
言えるかな、同じことを。
____いや、今だけは言わせてもらう。
不格好でなんの裏付けもない、ただの虚勢でも、今だけは。
にちか「私にとっても、奈落は……奈落を出た時のために【すべて】があるので!」
にちか「絶対、這ってでも出てみせますよ!」
嘘から出た実、なんてことわざを引用したらなんだかおばさんくさいけど、この虚勢が私に本当の力をくれると、信じた。
長い長い降下の果てにエレベーターはついにたどり着く。
私たちの命を懸けた舌戦の舞台、地の底の奈落……学級裁判場へと。
350: ◆zbOQ645F4s 2021/11/27(土) 23:07:29.47 ID:2HvOXjB50
【地下裁判場】
モノクマ「ようこそお越しくださいました! 我が学級裁判場へー!」
エレベーターの扉が開くと目に飛び込んできたのは、ギラついた配色とはミスマッチなほどにきっちりと柱や垂れ幕の整えられた荘厳さすらある裁判場。
その中央には被告人席、検察席、弁護席などなく、その代わりと言わんばかりに、円形に並べたてられた席が16ほどある。
にちか「ここが裁判場……なんですか」
モノクマ「そう! ここでオマエラにはクロとシロとで真実と嘘をめぐる、血沸き肉躍る学級裁判を繰り広げてもらいまーす!」
モノミ「何が血沸き肉躍るでちゅか! これ以上のコロシアイだなんて、あちしが許しまちぇんよ!」
モノクマ「うるさいなあ……オマエは連れてきてもらえただけでも感謝しろよ!」
千雪「まあ……モノミちゃん、あんなしばりつけられて……かわいそう」
モノミ「ミナサン……申し訳ないでちゅ、学級裁判だなんて野蛮なこと……なんとしても阻止したかったんでちゅが……うぅ……あちしのマジカルステッキが無事ならこんなことには……」
ルカ「安心しろ、誰もお前には期待しちゃいねえから」
351: ◆zbOQ645F4s 2021/11/27(土) 23:08:22.63 ID:2HvOXjB50
結華「そうだ、裁判が始まる前にみんなに渡しておくものがあるんだよね!」
にちか「もしかして、できたんですか?」
結華「なんとか! 全員用意しておいたから、裁判に役立ててもらえると助かる!」
ルカ「あ? なんだよ、この紙きれ……」
結華「これは事件現場の上面図! 停電の前後で写真を撮ってたから、その情報をもとにどこに誰が立っていたのかを大まかにまとめておいたんだよ」
美琴「ありがとう……すごく助かる」
千雪「うん、当時現場にいることができなかったから……これを頼りに考えさせてもらうね」
結華「ふー、これで三峰も貢献できたかな!」
摩美々「裁判はこれからなんですケドー」
(パーティ会場の上面図……停電当時の状況はこれで大体が掴めそう)
(よし、これをもとに推理するぞ……!)
コトダマアップデート!【パーティの上面図】
〔結華の写真をもとに製作した上面図。停電前後の参加者の立ち位置が大体把握できる(https://ux.getuploader.com/sssokuhouvip/download/172)〕
352: ◆zbOQ645F4s 2021/11/27(土) 23:09:06.23 ID:2HvOXjB50
あさひ「ねえ、いつになったら裁判始まるっすか? クロを早く当てたいっすよ!」
モノクマ「おっ、いいねえ! 芹沢さんのように自主性のある生徒は先生大好きなんです!」
モノクマ「芹沢さんの要望もありましたし、さっさと始めちゃいましょうか! オマエラはそれぞれ自分の名前の書いてある席についてくださーい!」
モノクマの指示を受けて、私たちはそれぞれ自分の席とされている証言台の上に立つ。
円形に並べられたこの証言台からは、全員の顔がよく見える。
不安、動揺、焦り、緊張、切迫、混乱……その全てがここでは暴き出されてしまうだろう。
でも、今この瞬間にもこの場所ではそれら感情をベールにして真実を隠している殺人犯の【クロ】が存在している。
私たちは、それを暴き出さなくちゃいけない。
353: ◆zbOQ645F4s 2021/11/27(土) 23:10:44.55 ID:2HvOXjB50
超高校級の占い師、風野灯織。
人一倍責任感が強くて、正義感も強かった彼女は本来気弱な性格なのにそれを押してまで私たちを守るために最後の最後まで動いてくれた。
思えば、このコロシアイ南国生活が始まった時だって私たちを冷静に戻してくれたのは彼女だった。
疑念と信頼、その両方を否定することなく、プラスの方を多くできるように。そうやって一歩ずつ踏み出していけばいい。
彼女がそう言ってくれたおかげで救われた人が何人いるだろう。
彼女がかつて陥った疑心暗鬼、その詳細を聞くことは適わなかったけど……私たちはかならずこの疑心暗鬼の学級裁判も乗り切ってみせる。
____それが彼女の意志のはずだから。
354: ◆zbOQ645F4s 2021/11/27(土) 23:11:29.22 ID:2HvOXjB50
私たちは進む。
どれだけ絶望的な真相が待っていたって、そこに希望が微塵も残っていなくたって。
進むしかない、進むことしかできない。
後戻りしたってなにもない。
私たちのすぐ背後にでも死神はその鎌を振り上げて迫っている。
ちょっとでもこの歩みを止めてしまえば、待っている結末は……死。
だから、行くしかない。
それが学級裁判、それが私たちの生きる道。
355: ◆zbOQ645F4s 2021/11/27(土) 23:12:39.06 ID:2HvOXjB50
____それが私たちの命の在り方なんだから。
356: ◆zbOQ645F4s 2021/11/27(土) 23:14:45.60 ID:2HvOXjB50
■□■□■□■□■□■□■□■□■□■
☆学級裁判について
さて、次回より学級裁判が本格的に始まりますが、ここでアナウンスでございます。
前作にあたる風野灯織主人公のお話では特に報酬まわりのシステムについては言及をしておりませんでしたが、ノンストップ議論や反論ショーダウンなど『安価・コンマを利用する問題数×2』を基本として、そこから誤答の分メダルを差し引いたものが報酬になっていました。
今回はシステムをがらりと変えて、『裁判ごとに報酬数は一定に設定』し、クリアさえすればそれがそのままもらえる形になります。
ただ、大きな変更点として【発言力】と【集中力】を導入します。
【発言力】はいわば体力、これがゼロになればゲームオーバー。クリア報酬は一気に半減してしまいます。
【集中力】は戦闘アイテムのようなもの。ゲージを使用するたびに、コトダマの数が減少したり、ロンパポイントが減少したり、ゲームを有利にする効果が発動します。
どちらも初期状態は『5』でのスタートです。これら二つのゲージに効果を持つスキルもございますので、是非ご検討ください。
併せて、毎章裁判前には自動販売機・希望のカケラのスキル交換を可能とします。
裁判中に発動できる消費アイテムや、裁判を有利に進めるスキルを習得して是非とも報酬を満額そのままお受け取りくださいませ。
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☆学級裁判について
さて、次回より学級裁判が本格的に始まりますが、ここでアナウンスでございます。
前作にあたる風野灯織主人公のお話では特に報酬まわりのシステムについては言及をしておりませんでしたが、ノンストップ議論や反論ショーダウンなど『安価・コンマを利用する問題数×2』を基本として、そこから誤答の分メダルを差し引いたものが報酬になっていました。
今回はシステムをがらりと変えて、『裁判ごとに報酬数は一定に設定』し、クリアさえすればそれがそのままもらえる形になります。
ただ、大きな変更点として【発言力】と【集中力】を導入します。
【発言力】はいわば体力、これがゼロになればゲームオーバー。クリア報酬は一気に半減してしまいます。
【集中力】は戦闘アイテムのようなもの。ゲージを使用するたびに、コトダマの数が減少したり、ロンパポイントが減少したり、ゲームを有利にする効果が発動します。
どちらも初期状態は『5』でのスタートです。これら二つのゲージに効果を持つスキルもございますので、是非ご検討ください。
併せて、毎章裁判前には自動販売機・希望のカケラのスキル交換を可能とします。
裁判中に発動できる消費アイテムや、裁判を有利に進めるスキルを習得して是非とも報酬を満額そのままお受け取りくださいませ。
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360: ◆zbOQ645F4s 2021/11/27(土) 23:39:04.99 ID:2HvOXjB50
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【裁判前準備パート】
☆裁判を有利に進めるアイテムを獲得することができます
何か購入したいものがある場合は次回までにその旨を書き込んでください。
指定が多ければ多数決、特に購入指定が無ければ何も購入せず裁判を開始します。
‣にちかの現在の状況
【現在のモノクマメダル枚数…10枚】
【現在の希望のカケラ…18個】
【自動販売機】
≪消耗品≫
【ヒーリングタルト】…5枚
〔誰の口にも合いやすいマイルドな口当たりの優しい甘さ。裁判中に使用すると発言力を2回復できる〕
【ヒーリングフルーツタルト】…10枚
〔フルーツをトッピングして満足感アップ。裁判中に使用すると発言力を4回復できる〕
【高級ヒーリングタルト】…15枚
〔国産フルーツを贅沢にトッピングした高級タルト。裁判中に使用すると発言力が最大まで回復する〕
【プロデュース手帳】…15枚
〔これは彼と彼女たちが過ごしてきた美しき日々の証。誰よりも理解者たる彼は、いつだってそばで戦ってくれる。裁判中に使用するとノンストップ議論・反論ショーダウンを無条件クリアする〕
≪希望のカケラ交換≫
【花風Smiley】必要な希望のカケラの数…20個
〔毎日の自由行動回数が2回から3回になる〕
【Scoop up Scrap】必要な希望のカケラの数…30個
〔他のアイドルとの交流時に、所持品の中で何が渡すと喜ばれるプレゼントなのか分かる〕
【霧・音・燦・燦】必要な希望のカケラの数…10個
〔発言力ゲージが+2される〕
【幸福のリズム】必要な希望のカケラの数…30個
〔他のアイドルとの交流時の親愛度上昇が+0.5される〕
【I・OWE・U】必要な希望のカケラの数…20個
〔発言力ゲージが+3される〕
【われにかへれ】必要な希望のカケラの数…20個
〔集中力ゲージが+3される〕
【ピトス・エルピス】必要な希望のカケラの数…20個
〔反論ショーダウン・パニックトークアクションの時コンマの基本値が+15される〕
【おみくじ結びますか】必要な希望のカケラの数…10個
〔集中力ゲージが+2される〕
■□■□■□■□■□■□■□■□■□■
【裁判前準備パート】
☆裁判を有利に進めるアイテムを獲得することができます
何か購入したいものがある場合は次回までにその旨を書き込んでください。
指定が多ければ多数決、特に購入指定が無ければ何も購入せず裁判を開始します。
‣にちかの現在の状況
【現在のモノクマメダル枚数…10枚】
【現在の希望のカケラ…18個】
【自動販売機】
≪消耗品≫
【ヒーリングタルト】…5枚
〔誰の口にも合いやすいマイルドな口当たりの優しい甘さ。裁判中に使用すると発言力を2回復できる〕
【ヒーリングフルーツタルト】…10枚
〔フルーツをトッピングして満足感アップ。裁判中に使用すると発言力を4回復できる〕
【高級ヒーリングタルト】…15枚
〔国産フルーツを贅沢にトッピングした高級タルト。裁判中に使用すると発言力が最大まで回復する〕
【プロデュース手帳】…15枚
〔これは彼と彼女たちが過ごしてきた美しき日々の証。誰よりも理解者たる彼は、いつだってそばで戦ってくれる。裁判中に使用するとノンストップ議論・反論ショーダウンを無条件クリアする〕
≪希望のカケラ交換≫
【花風Smiley】必要な希望のカケラの数…20個
〔毎日の自由行動回数が2回から3回になる〕
【Scoop up Scrap】必要な希望のカケラの数…30個
〔他のアイドルとの交流時に、所持品の中で何が渡すと喜ばれるプレゼントなのか分かる〕
【霧・音・燦・燦】必要な希望のカケラの数…10個
〔発言力ゲージが+2される〕
【幸福のリズム】必要な希望のカケラの数…30個
〔他のアイドルとの交流時の親愛度上昇が+0.5される〕
【I・OWE・U】必要な希望のカケラの数…20個
〔発言力ゲージが+3される〕
【われにかへれ】必要な希望のカケラの数…20個
〔集中力ゲージが+3される〕
【ピトス・エルピス】必要な希望のカケラの数…20個
〔反論ショーダウン・パニックトークアクションの時コンマの基本値が+15される〕
【おみくじ結びますか】必要な希望のカケラの数…10個
〔集中力ゲージが+2される〕
■□■□■□■□■□■□■□■□■□■
365: ◆zbOQ645F4s 2021/11/28(日) 20:50:13.37 ID:zANooWfn0
コトダマ
‣【モノクマファイル1】
〔被害者は風野灯織。死亡推定時刻は午後11時30分ごろ。旧館で行われていたパーティ中に発生した停電の中で襲われたものとみられる。死体は胸部を千枚通しのような細くとがった鋭利な刃物で胸元を貫通している、これが直接の死因となったと思われる。臓器損傷によるショック死並びに失血死。ほぼ即死だったものと思われる〕
‣【パーティの上面図】
〔結華の写真をもとに製作した上面図。停電前後の参加者の立ち位置が大体把握できる〕
‣【胸元の花飾り】
〔パーティの参加者が胸につけていた花飾り。被害者となった灯織もその胸につけたままになっている〕
‣【テーブルクロス】
〔果穂に死体を見せないようににちかが死体にかぶせたテーブルクロス。灯織の血によって真っ赤に染まっている〕
‣【あさひの証言】
〔あさひは旧館が停電になった時の反応を正確に聞き取っていた。発言は以下の通り。
恋鐘「ふぇ~~~~!? 真っ暗ばい~~~~~!」
果穂「く、くらいですー! て、てい電ですか?!」
雛菜「あは~! お化け屋敷みたい~~~♡」
灯織「だ、大丈夫です……こういうこともあろうかと……あれ?」
冬優子「やーん! ど、どうしましょう……暗くて何も見えません……」
結華「これぞまさにお先真っ暗ってね!」
夏葉「みんな落ち着いて、不用意に動くと危ないわ」
ガシャーン!
智代子「だ、大丈夫?! 今誰か転ばなかった?!」
摩美々「ちょっとー、今誰か足踏んだでしょー?」
灯織「え……? な、なん……で……」
タパパッ
透「あれ、から揚げどっか行った……から揚げから揚げ……」
愛依「ちょ、ちょっと待ってて! うちがどうにかブレーカー入れてくるから! 壁伝いに行けばなんとかなるっしょ!」
あさひ「なんだか目も慣れてきたっすね」〕
‣【モノクマファイル1】
〔被害者は風野灯織。死亡推定時刻は午後11時30分ごろ。旧館で行われていたパーティ中に発生した停電の中で襲われたものとみられる。死体は胸部を千枚通しのような細くとがった鋭利な刃物で胸元を貫通している、これが直接の死因となったと思われる。臓器損傷によるショック死並びに失血死。ほぼ即死だったものと思われる〕
‣【パーティの上面図】
〔結華の写真をもとに製作した上面図。停電前後の参加者の立ち位置が大体把握できる〕
‣【胸元の花飾り】
〔パーティの参加者が胸につけていた花飾り。被害者となった灯織もその胸につけたままになっている〕
‣【テーブルクロス】
〔果穂に死体を見せないようににちかが死体にかぶせたテーブルクロス。灯織の血によって真っ赤に染まっている〕
‣【あさひの証言】
〔あさひは旧館が停電になった時の反応を正確に聞き取っていた。発言は以下の通り。
恋鐘「ふぇ~~~~!? 真っ暗ばい~~~~~!」
果穂「く、くらいですー! て、てい電ですか?!」
雛菜「あは~! お化け屋敷みたい~~~♡」
灯織「だ、大丈夫です……こういうこともあろうかと……あれ?」
冬優子「やーん! ど、どうしましょう……暗くて何も見えません……」
結華「これぞまさにお先真っ暗ってね!」
夏葉「みんな落ち着いて、不用意に動くと危ないわ」
ガシャーン!
智代子「だ、大丈夫?! 今誰か転ばなかった?!」
摩美々「ちょっとー、今誰か足踏んだでしょー?」
灯織「え……? な、なん……で……」
タパパッ
透「あれ、から揚げどっか行った……から揚げから揚げ……」
愛依「ちょ、ちょっと待ってて! うちがどうにかブレーカー入れてくるから! 壁伝いに行けばなんとかなるっしょ!」
あさひ「なんだか目も慣れてきたっすね」〕
366: ◆zbOQ645F4s 2021/11/28(日) 20:51:33.17 ID:zANooWfn0
‣【床に散乱した料理】
〔シュラスコやチャーハン、ラザニアなど和洋折衷の品目の並んだ恋鐘特製料理。停電中のパニックで床に食べかけの料理がぶちまけられている〕
‣【暗視スコープ】
〔死体付近に落ちていた暗視スコープ。通常なら暗闇でも物を見ることができるが、レンズ部分が塗りつぶされて使用不可〕
‣【エアコンのスイッチ】
〔大広間のエアコンは事件発生直前の午後11時30分に起動するようにタイマーがセットされていた。なお、停電が起きたのはその直後〕
‣【美琴の証言】
〔美琴が旧館の玄関に出てからは、千雪が出て行ったのみで他に誰も来ていない〕
‣【倉庫のアイロン】
〔旧館倉庫でコンセントに挿しっぱなしになっていたアイロン三台。いつからそのままかはわからないが、相当に旧館の電力を消費していたものと思われる〕
‣【蛍光塗料】
〔倉庫に備蓄してあった塗料。暗闇の中でもほのかに発光し、大体の位置などを確認することができる。何者かが使用した痕跡がある〕
‣【花束】
〔パーティの参加者が身に着けていた花飾りを使って作った花束。あさひがパーティの最中に思い付いたものであり、灯織・美琴・ルカ以外でその場に居合わせた参加者全員の花飾りを使って制作した。ルカに渡す予定だったが、結局渡すことはできなかった〕
‣【脅迫状】
〔事件の発生前に灯織のもとへ送られていた脅迫状。『今夜必ず誰かが死ぬ 夜を一人で過ごさぬようご用心』との文言で、にちかたちを一か所に集めようという意図が垣間見える〕
‣【パーティの上面図】
〔結華の写真をもとに製作した上面図。停電前後の参加者の立ち位置が大体把握できる(https://imgur.com/a/9eVfvnk.jpg)〕
367: ◆zbOQ645F4s 2021/11/28(日) 20:52:29.74 ID:zANooWfn0
------------------------------------------------
【学級裁判 開廷!】
------------------------------------------------
【学級裁判 開廷!】
------------------------------------------------
368: ◆zbOQ645F4s 2021/11/28(日) 20:54:44.36 ID:zANooWfn0
モノクマ「まずは学級裁判のルールの確認から始めます」
モノクマ「学級裁判ではオマエラの中に潜む殺人犯のクロを探して議論していただきます」
モノクマ「議論の結果導き出した犯人がクロだった場合はクロだけがおしおき、シロだった場合はクロの生徒以外の全員がおしおきされ、クロのみが歌姫計画の成功者としてこの島を脱出できまーす!」
モノミ「うぅ……聞けば聞くほど残酷なルールでちゅ……」
にちか「本当にこの中にクロが……?」
美琴「ねえ、議論を始める前に一ついいかな?」
美琴「……あれ、何かな。空席のところに灯織ちゃんの写真を張り付けた看板が立っているけれど」
モノクマ「死んだからって仲間外れはかわいそうでしょ? オマエラがいつでも風野さんのことを思い出せるように腕によりをかけて遺影をこしらえました!」
愛依「その割に顔にバッテンされてるんだけど……」
雛菜「脱落者って感じですね~」
369: ◆zbOQ645F4s 2021/11/28(日) 20:56:17.71 ID:zANooWfn0
ルカ「まあいい、さっさと始めるとしようぜ」
ルカ「私はこの事件とは一切無関係だけどよ。議論でミスれば死ぬのは私も一緒だ。283プロと道連れなんてのはごめんだからな」
夏葉「ルカの言うとおりね、議論を始めることにしましょう。今は少しのタイムロスでも惜しいもの」
果穂「……」
夏葉「果穂……怯えなくていいわ、私たちで正しい正解を導き出してみせる。あなたの命も、絶対に守り抜いて見せるから」
果穂「あ、あの……! そうじゃなくて……!」
智代子「果穂……?」
果穂「あたしにも……あたしにも、いっしょに戦わせてください!」
果穂「灯織さんはいつもあたしにやさしくしてくれた……大事な大事な人なんです! そんな人が死んじゃった……その真そうを考えるのを人まかせにしたくないんです!」
夏葉「……果穂、あなたはやっぱり強い子ね」
夏葉「ええ、こちらからもお願いするわ。果穂の力を貸してちょうだい!」
果穂「……はい!」
智代子「といっても、どこから議論を始めればいいのかな?」
千雪「殺人事件なんて、初めてのことだもの……私にもサッパリ」
冬優子「まずは状況を整理するところから始めませんか? ふゆたちは現場にいたけど、事件当時現場にいなかった美琴さん、千雪さん、ルカさんには確認が必要だと思います」
美琴「うん、そうだね。ある程度は聞いてはいるけど……まだ分からないところもあるから」
透「ん、それじゃそこからだ」
(ついに始まる……学級裁判が)
(私たちはこの裁判で正しい犯人を見つけ出さなくちゃいけない)
(そうじゃなければ……)
(……そのためにも、議論の流れを見極めるんだ。正しい推理の流れを、私が導かないと!)
370: ◆zbOQ645F4s 2021/11/28(日) 20:59:49.16 ID:zANooWfn0
-------------------------------------------------
【ノンストップ議論開始!】
発言力:♡×5
集中力:☆×5
コトダマ
‣【モノクマファイル1】
‣【あさひの証言】
‣【暗視スコープ】
ルカ「被害者は風野灯織……」
ルカ「パーティの最中に殺されたらしいな」
夏葉「パーティには【ルカ以外の全員が参加していた】わ」
千雪「途中に退室したのは私と美琴ちゃんだよね」
恋鐘「灯織も食べ過ぎでちょっとだけ離脱した場面があったばい!」
果穂「しばらくしたら落ち着いた灯織さんももどってきました!」
結華「ひおりんが戻ってきたんで、みんなで集合写真を三峰が撮って……」
結華「その直後ぐらいに【停電が起きた】んだよね」
愛依「停電中に灯織ちゃんは【包丁か何かで胸を刺されて】……」
愛依「暗闇の中で死んじゃったんだよね……」
恋鐘「うぅ……なんで灯織が死ななくちゃいけんかったとやろ……」
【正しいコトダマで矛盾する発言を論破しろ!】
1.発言する(コトダマと撃ち込む先の発言を併せて指定安価)
2.集中力を使う(ロンパ候補の発言の数が減る)
↓1
【ノンストップ議論開始!】
発言力:♡×5
集中力:☆×5
コトダマ
‣【モノクマファイル1】
‣【あさひの証言】
‣【暗視スコープ】
ルカ「被害者は風野灯織……」
ルカ「パーティの最中に殺されたらしいな」
夏葉「パーティには【ルカ以外の全員が参加していた】わ」
千雪「途中に退室したのは私と美琴ちゃんだよね」
恋鐘「灯織も食べ過ぎでちょっとだけ離脱した場面があったばい!」
果穂「しばらくしたら落ち着いた灯織さんももどってきました!」
結華「ひおりんが戻ってきたんで、みんなで集合写真を三峰が撮って……」
結華「その直後ぐらいに【停電が起きた】んだよね」
愛依「停電中に灯織ちゃんは【包丁か何かで胸を刺されて】……」
愛依「暗闇の中で死んじゃったんだよね……」
恋鐘「うぅ……なんで灯織が死ななくちゃいけんかったとやろ……」
【正しいコトダマで矛盾する発言を論破しろ!】
1.発言する(コトダマと撃ち込む先の発言を併せて指定安価)
2.集中力を使う(ロンパ候補の発言の数が減る)
↓1
371: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2021/11/28(日) 21:16:41.85 ID:uvx71tAz0
2
373: ◆zbOQ645F4s 2021/11/28(日) 21:18:27.54 ID:zANooWfn0
2 選択
【集中力ゲージを消費しました】
【ロンパ候補の発言が減少します】
-------------------------------------------------
【ノンストップ議論開始!】
発言力:♡×5
集中力:☆×4
コトダマ
‣【モノクマファイル1】
‣【あさひの証言】
‣【暗視スコープ】
ルカ「被害者は風野灯織……」
ルカ「パーティの最中に殺されたらしいな」
夏葉「パーティにはルカ以外の全員が参加していたわ」
千雪「途中に退室したのは私と美琴ちゃんだよね」
恋鐘「灯織も食べ過ぎでちょっとだけ離脱した場面があったばい!」
果穂「しばらくしたら落ち着いた灯織さんももどってきました!」
結華「ひおりんが戻ってきたんで、みんなで集合写真を三峰が撮って……」
結華「その直後ぐらいに停電が起きたんだよね」
愛依「停電中に灯織ちゃんは【包丁か何かで胸を刺されて】……」
愛依「暗闇の中で死んじゃったんだよね……」
恋鐘「うぅ……なんで灯織が死ななくちゃいけんかったとやろ……」
【正しいコトダマで矛盾する発言を論破しろ!】
1.発言する(コトダマと撃ち込む先の発言を併せて指定安価)
↓1
【集中力ゲージを消費しました】
【ロンパ候補の発言が減少します】
-------------------------------------------------
【ノンストップ議論開始!】
発言力:♡×5
集中力:☆×4
コトダマ
‣【モノクマファイル1】
‣【あさひの証言】
‣【暗視スコープ】
ルカ「被害者は風野灯織……」
ルカ「パーティの最中に殺されたらしいな」
夏葉「パーティにはルカ以外の全員が参加していたわ」
千雪「途中に退室したのは私と美琴ちゃんだよね」
恋鐘「灯織も食べ過ぎでちょっとだけ離脱した場面があったばい!」
果穂「しばらくしたら落ち着いた灯織さんももどってきました!」
結華「ひおりんが戻ってきたんで、みんなで集合写真を三峰が撮って……」
結華「その直後ぐらいに停電が起きたんだよね」
愛依「停電中に灯織ちゃんは【包丁か何かで胸を刺されて】……」
愛依「暗闇の中で死んじゃったんだよね……」
恋鐘「うぅ……なんで灯織が死ななくちゃいけんかったとやろ……」
【正しいコトダマで矛盾する発言を論破しろ!】
1.発言する(コトダマと撃ち込む先の発言を併せて指定安価)
↓1
374: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2021/11/28(日) 21:18:28.22 ID:uvx71tAz0
包丁 に モノクマファイル
375: ◆zbOQ645F4s 2021/11/28(日) 21:21:31.23 ID:zANooWfn0
にちか「それは違くないですかー?!」論破!
【BREAK!】(集中力ゲージ:☆4→4.5)
にちか「ちょっと待ってください愛依さん! 風野さんを刺した凶器は、包丁じゃないです!」
愛依「え? そ、そうなん……?」
冬優子「愛依ちゃん、モノクマファイルを見てみようか?」
冬優子「ほら、灯織ちゃんの命を奪った傷についてこう書いてあるの。『千枚通しのような細くとがった鋭利な刃物で胸元を貫通している』、これって包丁じゃありえないよね?」
愛依「そっか……千枚どーし……!」
愛依「……って何なん?」
摩美々「アイスピックとかそういう形状のやつのことだよー」
果穂「ソードじゃなくて、サーベルってことですね!」
千雪「でも、そんな凶器現場にはなかったよね……?」
にちか「犯人がどこかに隠したのか、持ち出したかってとこですね。多分」
透「じゃ、マジックとかだ」
透「種も仕掛けもございません……ってやつ」
あさひ「えっ! マジックっすか!? 見てみたいっす!」
美琴「……犯人はよほどの使い手だったのかな」
美琴「ほら、暗闇の中で一突きで命を奪うなんてなかなか難しいから」
結華「それは確かにそうなんだよね……あの時の真っ暗闇でわざわざそんな方法を選ぶものかね、普通」
摩美々「……じゃあ次はその現場の状況についてでも話そうかー」
摩美々「あの時現場で何が起きていたのか、灯織はいつ死んだのか。それを明らかにする時間だよー」
376: ◆zbOQ645F4s 2021/11/28(日) 21:23:07.42 ID:zANooWfn0
-------------------------------------------------
【ノンストップ議論開始!】
発言力:♡×5
集中力:☆×4.5
コトダマ
‣【モノクマファイル1】
‣【エアコンのスイッチ】
‣【胸元の花飾り】
冬優子「事件が起きたのは停電中」
冬優子「結華ちゃんの集合写真を撮った直後に停電が起きたんです」
雛菜「犯人はあの【真っ暗の中で殺した】んですね~?」
雛菜「随分と目がいい犯人なんですね~」
愛依「うちが気づいてれば、灯織ちゃんは死ななくて済んだんかな……」
結華「めいめい、正直あの時はみんなパニックだししょうがないよ」
摩美々「摩美々の足踏んだ犯人、ずっと捜してまーす」
恋鐘「あんとき、確か机が倒れる音がしとったばい」
恋鐘「やけん、きっと灯織は【犯人と争った】とよ」
恋鐘「抵抗むなしく灯織は胸を刺されて死んでしまったばい……」
【正しいコトダマで矛盾する発言を論破しろ!】
1.発言する(コトダマと撃ち込む先の発言を併せて指定安価)
2.集中力を使う(ロンパ候補の発言の数が減る)
↓1
【ノンストップ議論開始!】
発言力:♡×5
集中力:☆×4.5
コトダマ
‣【モノクマファイル1】
‣【エアコンのスイッチ】
‣【胸元の花飾り】
冬優子「事件が起きたのは停電中」
冬優子「結華ちゃんの集合写真を撮った直後に停電が起きたんです」
雛菜「犯人はあの【真っ暗の中で殺した】んですね~?」
雛菜「随分と目がいい犯人なんですね~」
愛依「うちが気づいてれば、灯織ちゃんは死ななくて済んだんかな……」
結華「めいめい、正直あの時はみんなパニックだししょうがないよ」
摩美々「摩美々の足踏んだ犯人、ずっと捜してまーす」
恋鐘「あんとき、確か机が倒れる音がしとったばい」
恋鐘「やけん、きっと灯織は【犯人と争った】とよ」
恋鐘「抵抗むなしく灯織は胸を刺されて死んでしまったばい……」
【正しいコトダマで矛盾する発言を論破しろ!】
1.発言する(コトダマと撃ち込む先の発言を併せて指定安価)
2.集中力を使う(ロンパ候補の発言の数が減る)
↓1
377: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2021/11/28(日) 21:26:09.28 ID:uvx71tAz0
犯人と争った モノクマファイル1
378: ◆zbOQ645F4s 2021/11/28(日) 21:28:27.69 ID:zANooWfn0
にちか「それは違くないですかー!?」論破!
【BREAK!】(集中力:☆4.5→5)
にちか「恋鐘さん、確かにあの暗闇の中では机が倒れる音がしてました」
にちか「でも、風野さんは犯人と争うことなんかできなかったはずです」
恋鐘「ふぇ?」
摩美々「恋鐘もモノクマファイルをちゃんと読んでよねー。しっかり書いてあるじゃん、灯織は【即死】だったって」
あさひ「ピンポイントで心臓を貫かれていたら動くこともままならないと思うっす」
夏葉「犯人と争うことはできなかった……灯織は何がどうなっているのかもわからないままに命を落としたということね」
透「突然真っ暗になって、さらに突然刺されて。それで、死んだ……」
透「怖いね、めっちゃ」
ルカ「ハッ! 闇討ちだなんて随分とこすいクロなんだな」
智代子「ん……? ちょっと待って? それじゃああの時机を倒したのって誰なの?」
智代子「灯織ちゃんが犯人と争って倒したんじゃなかったら、別に倒した人がいるってことだよね?」
美琴「聞いてみればいいんじゃないかな、倒したのが誰なのか」
夏葉「それもそうね……ついうっかり倒してしまっただけなんだろうし、倒した本人はその心当たりがあるはずよ」
摩美々「じゃあ机を倒してしまったうっかりさんは挙手―」
「「「……」」」
379: ◆zbOQ645F4s 2021/11/28(日) 21:29:37.43 ID:zANooWfn0
愛依「あ、あれ……?」
結華「あはは、机を倒した時にこがたんの料理もぶちまけちゃったからそれで言いづらい感じだったりする?」
恋鐘「うちは別に料理をぐちゃっとされたことを怒っとらんけん名乗り出て~!」
「「「……」」」
美琴「……誰も名乗り出ないね」
ルカ「おい、どうなってんだよ。この中の誰かが机を倒したんじゃないのか?」
あさひ「……」
あさひ「名乗り出ないんじゃなくて、名乗り出れないんじゃないっすかね」
愛依「あ、あさひちゃん?」
あさひ「机を倒したことに犯人に繋がる証拠があるとか……」
あさひ「もしくは、今その人がどうしても話せない状況にあるかのどっちかっす」
(え……? その人がどうしても離せない状況にある……?)
果穂「まさか、悪の怪人につかまってるんですか……?!」
千雪「犯人に脅されて言えない……ってこと?」
あさひ「そうじゃなくて、この場所にいない人が机を倒したってことっす」
にちか「芹沢さん……それってもしかして……」
(今この場所にいない人……? そんなのって一人しかいないよね……?)
-------------------------------------------------
【怪しい人物を指摘しろ!】
↓1
380: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2021/11/28(日) 21:36:26.37 ID:uvx71tAz0
ひおり
381: ◆zbOQ645F4s 2021/11/28(日) 21:38:48.91 ID:zANooWfn0
にちか「お前だー!」
【解!】
にちか「もしかして、風野さんのことを言ってる……?」
あさひ「はいっす。倒した本人が死んでるんじゃ名乗り出ることはできないっすよね?」
雛菜「え~? 今さっき否定したばっかりじゃないですか~?」
雛菜「被害者は即死だったから犯人と争うことはなかったって」
夏葉「ええ、今さっき否定したのは犯人と争ったこと」
夏葉「でも、それ以前に灯織が単独で机を倒していた可能性は依然として残ったままよ」
愛依「灯織ちゃんが……?」
恋鐘「じゃああん机の音は事件とは無関係に起きたものだったってこと~?」
摩美々「事件そのものに無関係かはわからないケド、犯人と灯織の二人のやり取りに関わるものではなかったんだよー」
摩美々「だって即死、だったんだからねー」
恋鐘「だとしたら、灯織はどうして机を倒したりなんかしたばい?」
冬優子「じゃあ、次はそこについて話し合ってみようか♡」
冬優子「灯織ちゃんはどうして停電中に机を倒しちゃったのか!」
382: ◆zbOQ645F4s 2021/11/28(日) 21:41:10.71 ID:zANooWfn0
-------------------------------------------------
【ノンストップ議論開始!】
発言力:♡×5
集中力:☆×5
コトダマ
‣【パーティの上面図】
‣【あさひの証言】
‣【倉庫のアイロン】
夏葉「あの机を倒したのは灯織だった……」
夏葉「それなら誰も名乗り出ないのも納得ね」
愛依「どうして灯織ちゃんは机を倒しちゃったんかな?」
結華「どうしても何も暗闇で≪パニック状態だった≫からじゃないの?」
結華「あの場にいた全員、混乱状態だったわけだしさ」
冬優子「倒して≪音を立てることが目的だった≫とかはないかな?」
冬優子「机の倒れる音でほかの何かの音を誤魔化したとか……」
ルカ「普通【停電中は動こうとしない】だろ」
ルカ「下手に動けば転んで怪我しちまうかもしれねーしな」
ルカ「そもそもホントに机はホクロ女が倒したのかよ?」
【正しいコトダマで矛盾する発言を論破もしくは正しい発言に同意しろ!】
1.発言する(コトダマと撃ち込む先の発言を併せて指定安価)
2.集中力を使う(ロンパ候補の発言の数が減る)
↓1
【ノンストップ議論開始!】
発言力:♡×5
集中力:☆×5
コトダマ
‣【パーティの上面図】
‣【あさひの証言】
‣【倉庫のアイロン】
夏葉「あの机を倒したのは灯織だった……」
夏葉「それなら誰も名乗り出ないのも納得ね」
愛依「どうして灯織ちゃんは机を倒しちゃったんかな?」
結華「どうしても何も暗闇で≪パニック状態だった≫からじゃないの?」
結華「あの場にいた全員、混乱状態だったわけだしさ」
冬優子「倒して≪音を立てることが目的だった≫とかはないかな?」
冬優子「机の倒れる音でほかの何かの音を誤魔化したとか……」
ルカ「普通【停電中は動こうとしない】だろ」
ルカ「下手に動けば転んで怪我しちまうかもしれねーしな」
ルカ「そもそもホントに机はホクロ女が倒したのかよ?」
【正しいコトダマで矛盾する発言を論破もしくは正しい発言に同意しろ!】
1.発言する(コトダマと撃ち込む先の発言を併せて指定安価)
2.集中力を使う(ロンパ候補の発言の数が減る)
↓1
383: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2021/11/28(日) 21:42:16.59 ID:uvx71tAz0
2
384: ◆zbOQ645F4s 2021/11/28(日) 21:44:52.15 ID:zANooWfn0
2 選択
【集中力ゲージを消費しました】
【ロンパ候補の発言が減ります】
-------------------------------------------------
【ノンストップ議論開始!】
発言力:♡×5
集中力:☆×4
コトダマ
‣【パーティの上面図】
‣【あさひの証言】
‣【倉庫のアイロン】
夏葉「あの机を倒したのは灯織だった……」
夏葉「それなら誰も名乗り出ないのも納得ね」
愛依「どうして灯織ちゃんは机を倒しちゃったんかな?」
結華「どうしても何も暗闇でパニック状態だったからじゃないの?」
結華「あの場にいた全員、混乱状態だったわけだしさ」
冬優子「倒して音を立てることが目的だったとかはないかな?」
冬優子「机の倒れる音でほかの何かの音を誤魔化したとか……」
ルカ「普通【停電中は動こうとしない】だろ」
ルカ「下手に動けば転んで怪我しちまうかもしれねーしな」
ルカ「そもそもホントに机はホクロ女が倒したのかよ?」
【正しいコトダマで矛盾する発言を論破しろ!】
1.発言する(コトダマと撃ち込む先の発言を併せて指定安価)
2.集中力を使う(ロンパ候補の発言の数が減る)
↓1
【集中力ゲージを消費しました】
【ロンパ候補の発言が減ります】
-------------------------------------------------
【ノンストップ議論開始!】
発言力:♡×5
集中力:☆×4
コトダマ
‣【パーティの上面図】
‣【あさひの証言】
‣【倉庫のアイロン】
夏葉「あの机を倒したのは灯織だった……」
夏葉「それなら誰も名乗り出ないのも納得ね」
愛依「どうして灯織ちゃんは机を倒しちゃったんかな?」
結華「どうしても何も暗闇でパニック状態だったからじゃないの?」
結華「あの場にいた全員、混乱状態だったわけだしさ」
冬優子「倒して音を立てることが目的だったとかはないかな?」
冬優子「机の倒れる音でほかの何かの音を誤魔化したとか……」
ルカ「普通【停電中は動こうとしない】だろ」
ルカ「下手に動けば転んで怪我しちまうかもしれねーしな」
ルカ「そもそもホントに机はホクロ女が倒したのかよ?」
【正しいコトダマで矛盾する発言を論破しろ!】
1.発言する(コトダマと撃ち込む先の発言を併せて指定安価)
2.集中力を使う(ロンパ候補の発言の数が減る)
↓1
385: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2021/11/28(日) 21:46:54.01 ID:uvx71tAz0
あさひの証言
386: ◆zbOQ645F4s 2021/11/28(日) 21:48:38.63 ID:zANooWfn0
にちか「それは違くないですかー!?」論破!
【BREAK!】(集中力:☆4→4.5)
にちか「確かに普通真っ暗闇なら動こうとはしないはず……停電なら停電が治るまでその場で待ち続けますよね」
ルカ「あ? お、おう……」
にちか「でも、芹沢さんは聞いてたんです。あの真っ暗闇でも何かをしようとしている風野さんの声を!」
あさひ「あー、アレのコトっすね」
≪灯織「だ、大丈夫です……こういうこともあろうかと……あれ?」≫
あさひ「確かに灯織ちゃんは何かをやろうとしてたっす。暗闇の中でも安全を確保するための準備があったっぽいんっすよね」
透「あー、じゃあその途中でやっちゃったんだ」
透「がしゃーんとごろごろ、って感じで」
結華「ひおりんなら何か対策をしててもおかしくはないよね……」
結華「それこそあの入場時のボディチェックだって、そこまでやるかって感じの厳重さだったしさ」
にちか「風野さんはその何かのために動き出したところで、足を引っかけて机を倒してしまった可能性があります!」
【千雪「その推理、ほつれちゃってます!」】反論!
387: ◆zbOQ645F4s 2021/11/28(日) 21:50:42.74 ID:zANooWfn0
千雪「ちょっと待ってくれるかな? それ、少しおかしいと思うの」
にちか「え……? な、何がですか……?」
千雪「灯織ちゃんがあの暗闇の中で机を倒してしまった」
千雪「机を倒した張本人が名乗り出ない今、その説は有力に見えちゃうけど……やっぱり灯織ちゃんが倒したとは思いづらいかな」
千雪「それに、あさひちゃんの聞いた灯織ちゃんの暗闇での安全対策……それもわかってるんだから」
-------------------------------------------------
【反論ショーダウン開始!】
発言力:♡×5
集中力:☆×4.5
コトノハ
‣【胸元の花飾り】
‣【暗視スコープ】
‣【エアコンのスイッチ】
千雪「やっぱり灯織ちゃんが机を倒したとは考えづらいよ」
千雪「今その根拠を裏付けるのは誰も名乗り出ないという状況証拠だけ」
千雪「灯織ちゃんが倒したっていう直接の証拠はないよね?」
千雪「でも反対に机を倒していないことを証明することはできるの」
千雪「推理の軌道修正をすべきじゃないかな」
◇◆◇◆◇◆◇◆
【発展!】
にちか「待ってください! 机を倒していない証拠……?」
にちか「そ、そんなものがあるっていうんですか?!」
◇◆◇◆◇◆◇◆
千雪「簡単なことなの」
千雪「灯織ちゃんの死体のそばに落ちていた暗視スコープ」
千雪「あれを使えば【暗闇の中でも見通すことができる】わ」
千雪「わざわざ見えている机にぶつかって倒しに行く必要もないよね?」
千雪「死体のそばにスコープが落ちていた以上」
千雪「机を倒したのは灯織ちゃんとは思えないな」
【矛盾する発言を正しいコトノハでコンマ30以上で論破しろ!】
↓1
388: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2021/11/28(日) 21:52:00.62 ID:uvx71tAz0
暗闇 に 暗視スコープ
389: ◆zbOQ645F4s 2021/11/28(日) 21:54:54.04 ID:zANooWfn0
にちか「その矛盾、斬っちゃいますからね!」
【BREAK!】(集中力:☆4.5→5)
にちか「死体のそばに落ちていた暗視スコープ……あれ、実は使えなかったんです」
千雪「使えなかった……?」
にちか「はい、レンズの上から黒い絵の具か何かで塗りつぶされてて、暗闇どころか向こう側も見えないぞって感じなんですよ。だから逆にあれをつけちゃえば見えてるものも見えなくなるぐらいで……」
にちか「暗視スコープがあったからって風野さんが辺りを見えてたとは限らないんじゃないですかね!」
千雪「たしかにそれはそうかも……でも、なんでスコープのレンズが塗りつぶされてたのかな?」
美琴「それこそ犯人の策略なんじゃないかな」
美琴「犯人が灯織ちゃんの暗視スコープの準備を知ったうえで、それに黒い絵の具を塗りつけたのだとしたら……意図的に隙を作ることができるよね」
美琴「灯織ちゃんは見えるようになると思って装着したスコープ、それが機能しなかったら相当に焦るはずだよ」
あさひ「そういえば……わたしが聞いた灯織ちゃんの声もそうだったっすね」
あさひ「灯織ちゃんは何か予定していたはずのことがうまくいかなかった。そんな感じの声を出してたっす」
390: ◆zbOQ645F4s 2021/11/28(日) 21:56:43.94 ID:zANooWfn0
夏葉「なるほど、つまりはこういうことね」
夏葉「突然の停電でパニックに陥る私たち。それを律して安全を確保するために灯織はスコープを片手に動き出した」
夏葉「でもスコープは実際は機能せず、それに動揺した灯織は机をうっかり倒してしまった」
果穂「す、すごいです! 灯織さんの動きが目にうかぶようですー!」
智代子「じゃあ灯織ちゃんはそれでうっかり転んじゃったところを殺されたんだ!」
智代子「転んだ状態だと、抵抗しようにもできないもんね!」
ルカ「けっ……どこまでもこすい犯人だな」
冬優子「……ってことは、犯人は停電することまで織り込み済みだったってことですか?」
冬優子「暗視スコープに細工をしたところで、停電が起きなきゃ意味がないですよね?」
透「いいんじゃない、電気消せば」
結華「いやいや……パーティ中に突然照明を落とすような奇行、三峰たちも流石に見逃さないって」
恋鐘「あれはれっきとした『停電』だったばい。ブツンって感じで唐突に起きたことやったけんね!」
果穂「じゃあ、犯人はてい電が起きるように細工をしていたってことですか?」
にちか「うん、犯人はあのタイミングで停電が起きるように仕掛けをしていたんだと思う」
結華「三峰が写真を撮った直後を狙って?」
にちか「というよりは……あの時間を狙って、ですかね」
(犯人が午後11時30分に停電が起きるように狙って細工を仕掛けた証拠……)
(捜査の時に現場で私たちも見つけていたはずだ)
-------------------------------------------------
【正しいコトダマを指摘しろ!】
>>365~>>366
↓1
391: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2021/11/28(日) 21:58:15.36 ID:uvx71tAz0
エアコンのスイッチ
392: ◆zbOQ645F4s 2021/11/28(日) 22:00:55.59 ID:zANooWfn0
にちか「これだー!」
【解!】
にちか「大広間のエアコン、皆さんもあれの音を聞きましたよね?」
結華「そういえば! 三峰がちょうどこがたんに写真を見せようとしたタイミングで……」
≪恋鐘「結華、写真どがん感じになったばい? ちょっと見せてくれんね?」
結華「オッケー、ちょっと待って……今アルバム開くから……」
ピピッ≫
恋鐘「何かが起動したような電子音がしとったばい!」
にちか「美琴さんと一緒に確認したんですけど、旧館中のエアコンが午後11時30分に作動するようにタイマーが設定されてたんです」
にちか「旧館中のエアコンが同時に起動して、それが停電の引き金になったんだと思います!」
雛菜「そっか~、それなら狙ったタイミングで停電を起こせますね~」
愛依「でも、そんなにうまくいくもんなの?」
愛依「確かにそれなら停電を起こすタイミングは選べたかもしんないけどさぁ……? 停電になるぐらい、ブレーカーが落ちるぐらいの電力の消費にはならなくない?」
にちか「はい、これだけだと不十分です! だから、犯人はその前段階の仕込みもやってたと思うんですよね!」
果穂「仕込み……ですか?」
夏葉「どういう意味か説明してもらえるかしら?」
(エアコンの起動で停電を引き起こすのに必要なこと……)
(つまりはあの起動で、ブレーカーの耐えられる電力消費の臨界点を超えさせる必要があるんだよね)
(それなら犯人のやっていた仕込みとはあれのことになる……!)
-------------------------------------------------
【正しいコトダマを指摘しろ!】
>>365~>>366
↓1
393: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2021/11/28(日) 22:02:14.73 ID:uvx71tAz0
倉庫のアイロン
394: ◆zbOQ645F4s 2021/11/28(日) 22:03:42.71 ID:zANooWfn0
にちか「これだー!」
【解!】
にちか「倉庫にあったアイロンですよ! あれ、三つも電源に刺しっぱなしになってて、あっっつあつの状態になってたんです!」
にちか「アイロンってコンセントに刺してたら基本点きっぱなしじゃないですか。それが三つも重なってたら相当な負荷なはずですよ!」
にちか「それでブレーカーが落ちないぎりぎりのところを保っておいて……」
あさひ「エアコンのスイッチが入った瞬間にブレーカーが落ちる仕組みなんっすね!」
千雪「確かにアイロンってよく電気を食うものね……」
透「おー、停電の時限爆弾じゃん」
夏葉「そのトリックが行われたのは間違いなさそうね……アイロンもエアコンも、それ以外で使う理由もないもの」
果穂「あれ……? でも、だとしたら犯人がしぼり込めませんか?」
果穂「倉庫でアイロンを使ってたなら、倉庫に入った人が犯人です!」
千雪「どうかなぁ……お昼にやった掃除はルカちゃん以外みんなが参加して、どこを誰が掃除しているのか分からない状態だったもの」
恋鐘「うちも倉庫には出入りはしたけど、アイロンの状況はよく知らんたい」
透「できるね、誰でも。トリックは」
ルカ「いや、それは違うな」
美琴「……ルカ?」
395: ◆zbOQ645F4s 2021/11/28(日) 22:05:36.32 ID:zANooWfn0
ルカ「私はそもそもその掃除に参加していないんだ。なら、その倉庫のアイロンとやらを仕掛けることもできねえだろ」
あさひ「いや、そうはならないっす」
ルカ「あ?」
あさひ「だって、掃除は昼には終わったんすよ? そこからパーティまでの時間は十分あるっす。ルカさんも旧館に忍び込んで停電のトリックを仕込むこと自体は可能だったはずっす!」
ルカ「なっ……!」
冬優子「誰かがずっと入り口を見張ってたわけでもないし……確かに誰にでもアイロンとエアコンのトリックを仕込むこと自体は可能みたいですね」
ルカ「ちっ……わざわざ旧館でパーティなんて面倒なことしやがって!」
雛菜「そういえばすごく今更なんですけど~、どうして急にパーティなんかやろうって言いだしたんですかね~?」
にちか「え?」
雛菜「だってそうじゃないですか~? どっちかっていうのそういうやるタイプのキャラっぽくないし~、決起集会ならもっと早くにやるべきだったんじゃないですかね~」
夏葉「それは……灯織なりに気を回したんじゃないかしら」
美琴「あのパーティは決起集会なんかじゃなかったんだよ」
美琴「彼女はもっと別の理由があって、私たちをあの場に集めたかった。そうだよね、にちかちゃん」
にちか「は、はい!」
結華「別の理由……? 三峰たち全員を集めるほどの理由が、あったっていうの?」
夏葉「それなら聞かせてもらおうかしら。どうして灯織はパーティを開こうと思ったの?」
(彼女が突然にパーティを思い立った理由、それはあれしかない……)
-------------------------------------------------
【正しいコトダマを指摘しろ!】
>>365~>>366
↓1
396: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2021/11/28(日) 22:09:32.88 ID:uvx71tAz0
脅迫状
397: ◆zbOQ645F4s 2021/11/28(日) 22:11:27.27 ID:zANooWfn0
にちか「これだー!」
【解!】
にちか「実は風野さんのもとには脅迫文が届いていたんです」
夏葉「嘘……?!」
にちか「『今夜必ず誰かを殺す』……ちょっと字が汚くて、どこの誰が書いたかまではわからないですけど。これが風野さんの部屋に置きっぱなしになってました」
にちか「そしてあのパーティの日の朝……レストランで私は見たんです」
にちか「彼女が何か紙を懐に隠すのを。きっとあの時の彼女は、この脅迫文を見たばかりだったんじゃないですかね」
智代子「それもあって全員が一堂に会するパーティを開こうとしたんだね!」
美琴「一つの場に全員を集めてしまえば、監視もできる……」
美琴「それに入場の時にも厳重なボディチェックをしていたし、あれは私たちを守るためにやっていたんだね」
夏葉「灯織はそれを誰にも打ち明けることなく、誰かを不安にすることもなく……黙って一人で立ち向かっていたのね……」
果穂「灯織さんは、ヒーローです……あたしたちみんなのことを守ろうとしてくれた、ヒーローです!」
398: ◆zbOQ645F4s 2021/11/28(日) 22:13:10.50 ID:zANooWfn0
摩美々「実際、あの現場に武器を持ち込むのは不可能だったはずだよー」
摩美々「摩美々のジョークグッズのナイフですら許さないで回収してた。少しでも危険のあるものは全部あのジュラルミンケースの中だからねー」
恋鐘「うちも料理が終わり次第調理道具はほとんど全部回収されてしまったばい! まだちゃんと洗ってもなかったやつもあって……多分あのケースの中はギトギトになっとるとやろ」
あさひ「えー、わたしのドライバーもギトギトなんすか?」
智代子「でも、そこまで警戒してたのに灯織ちゃんは殺されちゃったんだよね……?」
愛依「千枚どーしみたいな細くとがった凶器……でも、その正体はわかってないんだったよね」
夏葉「犯人はどうやって凶器を持ち込んだのかしら……」
あさひ「……」
あさひ「……あ、わかった」
にちか「せ、芹沢さん? わかったって何が?」
あさひ「全部っすよ、全部」
ルカ「はぁ? それってどういう……」
399: ◆zbOQ645F4s 2021/11/28(日) 22:14:26.35 ID:zANooWfn0
あさひ「灯織ちゃんを殺したのは、ルカさんだったんすね」
400: ◆zbOQ645F4s 2021/11/28(日) 22:15:19.84 ID:zANooWfn0
(……え?)
ルカ「は、はぁ?! 何を言い出してるんだよ、お前……」
あさひ「だってそうじゃないっすか。現場に凶器を持ち込むことができたのはルカさんだけっすよ」
ルカ「ら、埒が明かねえ……話が飛躍しすぎだろ」
ルカ「今の話ってパーティの参加者は全員武器の持ち込みが不可能だったってだけで……私はそもそもパーティに参加してないから無関係……」
あさひ「だからっすよ。パーティに参加していないルカさんしか持ち込むことはできなかったはずっす」
あさひ「灯織ちゃんはかなりの厳戒態勢だった。厨房の調理道具も使った後はすぐに回収するほど……おそらく凶器そのものを旧館に隠しておくのは困難だったはずっす」
あさひ「そうなるとどこかのタイミングで持ち込む必要がある……で、それができたのはルカさんだけっす!」
(……パーティの参加者は全員ボディチェックを受けていた)
(だからルカさんしか凶器を持ち込めない……?)
(それってどういうことなの……?)
(考えろ、考えるんだ……! 芹沢さんの推理、その道筋を……!)
401: ◆zbOQ645F4s 2021/11/28(日) 22:17:13.12 ID:zANooWfn0
-------------------------------------------------
【ロジカルダイブ開始!】
発言力:♡×5
Q1.パーティの参加者は凶器を現場に持ち込むことはできた?
A.可能 B.不可能
Q2.犯人が現場に凶器を持ち込むことができたタイミングは?
A.灯織が旧館に来る前 B.犯人がパーティに参加するとき C.会場が停電する直前
Q3.犯人はボディチェックを受けた?
A.受けた B.受けていない
【正しい道筋を選んで推理を組み立てろ!】
↓1
-------------------------------------------------
【ロジカルダイブ開始!】
発言力:♡×5
Q1.パーティの参加者は凶器を現場に持ち込むことはできた?
A.可能 B.不可能
Q2.犯人が現場に凶器を持ち込むことができたタイミングは?
A.灯織が旧館に来る前 B.犯人がパーティに参加するとき C.会場が停電する直前
Q3.犯人はボディチェックを受けた?
A.受けた B.受けていない
【正しい道筋を選んで推理を組み立てろ!】
↓1
-------------------------------------------------
402: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2021/11/28(日) 22:18:45.73 ID:uvx71tAz0
Aca
404: ◆zbOQ645F4s 2021/11/28(日) 22:22:29.20 ID:zANooWfn0
>>402
(いや……そうじゃない)
(ボディチェックは私自身がこの目で確認したし、自分の手で行った)
(あれをスルーして武器を持ち込むことなんかできるはずない)
(なら、芹沢さんの発言の意図は……)
-------------------------------------------------
【ロジカルダイブ開始!】
発言力:♡×4
Q1.パーティの参加者は凶器を現場に持ち込むことはできた?
A.可能 B.不可能
Q2.犯人が現場に凶器を持ち込むことができたタイミングは?
A.灯織が旧館に来る前 B.犯人がパーティに参加するとき C.会場が停電する直前
Q3.犯人はボディチェックを受けた?
A.受けた B.受けていない
【正しい道筋を選んで推理を組み立てろ!】
↓1
-------------------------------------------------
(いや……そうじゃない)
(ボディチェックは私自身がこの目で確認したし、自分の手で行った)
(あれをスルーして武器を持ち込むことなんかできるはずない)
(なら、芹沢さんの発言の意図は……)
-------------------------------------------------
【ロジカルダイブ開始!】
発言力:♡×4
Q1.パーティの参加者は凶器を現場に持ち込むことはできた?
A.可能 B.不可能
Q2.犯人が現場に凶器を持ち込むことができたタイミングは?
A.灯織が旧館に来る前 B.犯人がパーティに参加するとき C.会場が停電する直前
Q3.犯人はボディチェックを受けた?
A.受けた B.受けていない
【正しい道筋を選んで推理を組み立てろ!】
↓1
-------------------------------------------------
405: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2021/11/28(日) 22:32:03.37 ID:uvx71tAz0
Baa
406: ◆zbOQ645F4s 2021/11/28(日) 22:34:31.92 ID:zANooWfn0
>>405
(いや、あと少し……あとちょっとなんだけど……!)
(芹沢さんはルカさんをクロとして告発するつもりだ)
(ルカさんは……パーティには参加してなかったよね!)
(そうなると……)
-------------------------------------------------
【ロジカルダイブ開始!】
発言力:♡×3
Q1.パーティの参加者は凶器を現場に持ち込むことはできた?
A.可能 B.不可能
Q2.犯人が現場に凶器を持ち込むことができたタイミングは?
A.灯織が旧館に来る前 B.犯人がパーティに参加するとき C.会場が停電する直前
Q3.犯人はボディチェックを受けた?
A.受けた B.受けていない
【正しい道筋を選んで推理を組み立てろ!】
↓1
-------------------------------------------------
(いや、あと少し……あとちょっとなんだけど……!)
(芹沢さんはルカさんをクロとして告発するつもりだ)
(ルカさんは……パーティには参加してなかったよね!)
(そうなると……)
-------------------------------------------------
【ロジカルダイブ開始!】
発言力:♡×3
Q1.パーティの参加者は凶器を現場に持ち込むことはできた?
A.可能 B.不可能
Q2.犯人が現場に凶器を持ち込むことができたタイミングは?
A.灯織が旧館に来る前 B.犯人がパーティに参加するとき C.会場が停電する直前
Q3.犯人はボディチェックを受けた?
A.受けた B.受けていない
【正しい道筋を選んで推理を組み立てろ!】
↓1
-------------------------------------------------
407: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2021/11/28(日) 22:36:20.56 ID:uvx71tAz0
Bab
408: ◆zbOQ645F4s 2021/11/28(日) 22:38:20.66 ID:zANooWfn0
にちか「推理、繋がっちゃいましたよ!」
【COMPLETE!】
にちか「もしかして、そういうことなの……?」
にちか「私たちパーティの参加者は全員……ボディチェックを受けている。全身くまなく手で触ってまでのチェック、見落としがあったとは考えづらい」
にちか「でも逆に言えば、パーティの参加者じゃない人はボディチェックを受けていない。現場に凶器を持ち込むことは可能だった……?」
ルカ「お、おい待てって……パーティに参加してないってことは、現場にもいないってことだろ?」
あさひ「いや、必ずしもそうとは限らないっす。灯織ちゃんより先に旧館にやってきて、どこかに隠れておけば問題ないはずっす」
あさひ「わたしたちは全員パーティに参加しているから、パーティ中はルカさんに鉢合わせる心配もない。それこそ倉庫なんかに隠れておけばいいっすね」
千雪「倉庫もお昼に掃除してからは誰も立ち寄ってないみたいだもんね……だからこそ、誰もアイロンのトリックに気づけなかった」
ルカ「待て、そうはさせねえぞ! あのホクロ女が厳戒態勢だったのはさっきも確認したよな? だったらあいつはちゃんと倉庫まで確認したはずだ。倉庫じゃ隠れ場所としては不十分だろうが!」
あさひ「え? 別に倉庫の部屋そのままとは言ってないっすよ?」
ルカ「はぁ? ど、どういうことだよ。まさか段ボールとかワゴンとかの中に隠れてたとでもいうつもりか?」
(いや、きっと芹沢さんが言っているのはあそこのことだ……)
(この旧館の中で、唯一誰の目にもつくことがなく、隠れ場所に最適だった空間が倉庫にはある……!)
-------------------------------------------------
【ひらめきアナグラム開始!】
た/ゆ/か/し
【正しい順番に並べ替えろ!】
↓1
409: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2021/11/28(日) 22:40:26.62 ID:8bNXmz4V0
ゆかした
410: ◆zbOQ645F4s 2021/11/28(日) 22:42:54.97 ID:zANooWfn0
にちか「閃いちゃいました!」
【解!】
にちか「倉庫自体は隠れ場所として不十分……それは間違いありません。でも……倉庫から行くことのできる、床下なら話は別ってことです?」
愛依「ゆ、床下……?! そんなとこ行けんの?!」
美琴「他の荷物の陰に隠れてて分かりづらいけど……倉庫の床には扉が付いていて、そこから床下に行けるみたい。特に部屋ごとの仕切りもない空間で、旧館ならどの部屋の床下にもそこから移動可能だったみたいだよ」
ルカ「ま、まさか……私がそこに隠れてたっていうのか?!」
結華「さすがのひおりんでもわざわざ床下までは覗かない……ていうかそもそもその存在すら知らなかった可能性もあるよね」
結華「現にめいめいをはじめとした大多数は気づいてなかったみたいだしさ」
ルカ「わ、私も知らないってそんなとこ……」
あさひ「でも、この方法なら灯織ちゃんにバレずに凶器を持ち込むことができるっす!」
千雪「それが可能なのもルカちゃんだけ……」
雛菜「パーティ中にわざわざ床下を覗き込むこともないですしね~」
あさひ「どうっすか? ルカさん、違うっすか?」
ルカ「違うか? だと……?」
ルカ「違う違う! 大間違いに決まってんだろ!」
ルカ「大体私はパーティなんかそもそも知らねえし旧館に近寄ってもいない! 床下も何も、部屋の構造すら知らないんだよ!」
あさひ「そんなの口でならなんとでも言えるじゃないっすか」
ルカ「ざけんな! そんなこじつけで犯人にされてたまるかよ!」
411: ◆zbOQ645F4s 2021/11/28(日) 22:44:35.55 ID:zANooWfn0
-------------------------------------------------
【ノンストップ議論開始!】
発言力:♡×3
集中力:☆×5
コトダマ
‣【胸元の花飾り】
‣【暗視スコープ】
‣【脅迫状】
ルカ「私がホクロ女より早く会場入りして」
ルカ「【床下に凶器を持ち込んで隠れてた】ぁ?!」
ルカ「そんなのあるわけねーだろ!」
果穂「でも、ルカさん以外の全員……」
果穂「【ボディチェックを受けている】ので凶器はもちこめないです!」
千雪「旧館の設備も灯織ちゃんは入念にチェックをしてたし……」
千雪「≪凶器の見落としがあった≫とは思いづらいかな」
恋鐘「ルカは【床下で停電の起きる午後11時半まで待っとって】……」
恋鐘「停電が起きたら灯織を刺し殺したとよ!」
ルカ「そんなのそもそも不可能だ!」
ルカ「暗闇で動けないのは【潜んでた犯人も同じ】だし」
ルカ「ライトでも使おうもんなら参加者連中にもろ分かりだろうが!」
【正しいコトダマで矛盾する発言を論破もしくは正しい発言に同意しろ!】
1.発言する(コトダマと撃ち込む先の発言を併せて指定安価)
2.集中力を使う(ロンパ候補の発言の数が減る)
↓1
【ノンストップ議論開始!】
発言力:♡×3
集中力:☆×5
コトダマ
‣【胸元の花飾り】
‣【暗視スコープ】
‣【脅迫状】
ルカ「私がホクロ女より早く会場入りして」
ルカ「【床下に凶器を持ち込んで隠れてた】ぁ?!」
ルカ「そんなのあるわけねーだろ!」
果穂「でも、ルカさん以外の全員……」
果穂「【ボディチェックを受けている】ので凶器はもちこめないです!」
千雪「旧館の設備も灯織ちゃんは入念にチェックをしてたし……」
千雪「≪凶器の見落としがあった≫とは思いづらいかな」
恋鐘「ルカは【床下で停電の起きる午後11時半まで待っとって】……」
恋鐘「停電が起きたら灯織を刺し殺したとよ!」
ルカ「そんなのそもそも不可能だ!」
ルカ「暗闇で動けないのは【潜んでた犯人も同じ】だし」
ルカ「ライトでも使おうもんなら参加者連中にもろ分かりだろうが!」
【正しいコトダマで矛盾する発言を論破もしくは正しい発言に同意しろ!】
1.発言する(コトダマと撃ち込む先の発言を併せて指定安価)
2.集中力を使う(ロンパ候補の発言の数が減る)
↓1
412: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2021/11/28(日) 22:49:07.43 ID:uvx71tAz0
潜んでた犯人 暗視スコープ
414: ◆zbOQ645F4s 2021/11/28(日) 22:56:47.56 ID:zANooWfn0
>>412
にちか「それは違くないですかー?!」論破!
【BREAK!】
にちか「いや、暗闇で行動自体は犯人なら可能だったかもしれない……それこそ、風野さんより先に会場に入って、姿を隠していた犯人なら」
ルカ「ど、どういう意味だよ……」
にちか「だってボディチェックを受けていないんですから……凶器の他にも物を持ち込むことは可能だったはずです」
千雪「……もしかして、それって!」
あさひ「暗視スコープっす! 灯織ちゃんのは使えない状態だったかもしれないっすけど、犯人が別で持ち込んでいれば暗闇でも見ることはできたはずっす」
愛依「暗視スコープは別に光ったりするわけじゃないもんね……! 確かにこれなら停電中でも灯織ちゃんを狙って刺すことができたんじゃん?!」
智代子「じゃあ、あの時……私たちの目の前にルカちゃんはいたんだ……」
智代子「あの暗闇の向こうで、灯織ちゃんを刺し殺そうとスコープを装着して……」
夏葉「……ルカ、あなた」
ルカ「違う、何もかも違う……! バカ言うなって……!」
にちか「それは違くないですかー?!」論破!
【BREAK!】
にちか「いや、暗闇で行動自体は犯人なら可能だったかもしれない……それこそ、風野さんより先に会場に入って、姿を隠していた犯人なら」
ルカ「ど、どういう意味だよ……」
にちか「だってボディチェックを受けていないんですから……凶器の他にも物を持ち込むことは可能だったはずです」
千雪「……もしかして、それって!」
あさひ「暗視スコープっす! 灯織ちゃんのは使えない状態だったかもしれないっすけど、犯人が別で持ち込んでいれば暗闇でも見ることはできたはずっす」
愛依「暗視スコープは別に光ったりするわけじゃないもんね……! 確かにこれなら停電中でも灯織ちゃんを狙って刺すことができたんじゃん?!」
智代子「じゃあ、あの時……私たちの目の前にルカちゃんはいたんだ……」
智代子「あの暗闇の向こうで、灯織ちゃんを刺し殺そうとスコープを装着して……」
夏葉「……ルカ、あなた」
ルカ「違う、何もかも違う……! バカ言うなって……!」
415: ◆zbOQ645F4s 2021/11/28(日) 22:58:20.76 ID:zANooWfn0
ルカ「そ、そもそも! 暗視スコープをつければ動けたかもしれねえけど……そんな時間があるのかよ?!」
夏葉「……確かにそうね、確かに理論上犯行は可能だとしても停電の実際の時間はせいぜい一分や二分。倉庫から大広間に移動して、灯織を刺殺して脱出となるとかなり慌ただしくなるわ」
愛依「そういえば、うち……停電を直すために途中で大広間を出て事務室に行こうとしたけど、誰にも出くわさなかったよ?」
にちか「……!」
愛依「大広間の扉も開いてなかったし……ルカちゃんが部屋を出入りしたっていう推理は違和感あんだよね……」
ルカ「ほ、ほら! そうだろ! 私がたとえ床下に隠れていたとしても、犯行は不可能なんだって……」
あさひ「それは違うっすよ」
ルカ「……!!」
あさひ「別に、わざわざ大広間を出入りしなくたって灯織ちゃんを刺すことはできるっす」
結華「ちょい待ちちょい待ち! ひおりんは大広間で死んじゃってたんだよ?!」
結華「大広間に行かずに殺害なんて、そんなの不可能では?!」
あさひ「それはそうっすね」
冬優子「それはそうって……あさひちゃん、どういうことなのかな?」
あさひ「だから、犯人は大広間には行ったんすよ。でも、大広間の扉を出入りはしてないっす!」
雛菜「ん~? なにそれ~、なぞなぞですか~?」
透「あ、じゃあテレポートだ」
果穂「す、すごいですー! ルカさんはエスパーなんですかー!?」
摩美々「事態を余計ややこしくしないー」
(大広間の扉を出入りせずに、大広間に行く……?)
(そんな魔法みたいな方法が本当にあるのかな……)
416: ◆zbOQ645F4s 2021/11/28(日) 22:59:36.97 ID:zANooWfn0
-------------------------------------------------
【ロジカルダイブ開始!】
発言力:♡×3
Q1.犯人はどうやって風野灯織を殺害した?
A.絞殺 B.毒殺 C.刺殺 D.撲殺
Q2.犯人は事件当時どこにいた?
A.大広間 B.床下 C.旧館の外
Q3.殺害した瞬間、風野灯織の体制は?
A.直立 B.座位 C.転倒
Q4.犯人はどうやって風野灯織を刺した?
A.床下から突き上げた B.凶器を罠として仕掛けておいた C.ボウガンで射出した
【正しい道筋を選んで推理を組み立てろ!】
↓1
-------------------------------------------------
【ロジカルダイブ開始!】
発言力:♡×3
Q1.犯人はどうやって風野灯織を殺害した?
A.絞殺 B.毒殺 C.刺殺 D.撲殺
Q2.犯人は事件当時どこにいた?
A.大広間 B.床下 C.旧館の外
Q3.殺害した瞬間、風野灯織の体制は?
A.直立 B.座位 C.転倒
Q4.犯人はどうやって風野灯織を刺した?
A.床下から突き上げた B.凶器を罠として仕掛けておいた C.ボウガンで射出した
【正しい道筋を選んで推理を組み立てろ!】
↓1
-------------------------------------------------
417: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2021/11/28(日) 23:00:14.02 ID:aSAPK3mP0
cbca
418: ◆zbOQ645F4s 2021/11/28(日) 23:02:15.14 ID:zANooWfn0
にちか「推理、繋がっちゃいましたよ!」
【COMPLETE!】
にちか「そうか、芹沢さんは床下のことを言ってるんだ……」
結華「ま、また床下……?!」
美琴「旧館の床下は人が一人はいるには十分な空間があって、部屋ごとの仕切りもなく移動ができる。大広間の真下になら床下から移動は可能だね」
愛依「で、でも……床下からじゃ灯織ちゃんは刺せないじゃん?」
あさひ「なんでっすか?」
愛依「な、なんでって……旧館でやってたのって立食パーティじゃん? 立ったままの灯織ちゃんじゃ刺そうにも凶器が届かないっしょ」
あさひ「……? だから、犯人は刺すことができるっすよね?」
夏葉「……! ついさっき、机の倒れる音の議論で結局倒したのは灯織だという結論に至った。机を倒した際に灯織が転倒していた可能性はかなり高いわ……!」
ルカ「お、おい……それじゃまさか……」
あさひ「転んだところをめがけて、犯人は床下から思いっきり凶器を突き上げたんすよ!」
419: ◆zbOQ645F4s 2021/11/28(日) 23:03:36.84 ID:zANooWfn0
千雪「パーティ会場の床、結構板と板との間は空いてたし……細くてとがった凶器なら使うこともできるかもしれないよね」
智代子「しかもこれなら愛依ちゃんと出会わなくても犯行が可能……!」
摩美々「途中で停電がなおったとしてもその姿を見られることもない……ノーリスクな方法だねー」
果穂「それが可能だったのは、ルカさんだけ……なんですよね」
結華「パーティの参加者は全員そもそもの前提が通らないからねー」
結華「できるのはパーティ中に姿を目撃されてないルカルカだけってことかな!」
ルカ「ふ、ふざけんな……あくまでそれは可能ってだけの話で……」
透「でも、ないじゃん。それ以外の方法」
ルカ「……ちっ!」
あさひ「やっぱり灯織ちゃんを殺せるのはルカさんしかいないっすよ!」
420: ◆zbOQ645F4s 2021/11/28(日) 23:05:07.70 ID:zANooWfn0
……いいのかな。
今この議論の場は明確に一つの終着点に向かって動いている。
_____【風野灯織を殺害したのは斑鳩ルカである】。
確かに彼女はこのコロシアイ南国生活が始まる際に、『私は殺せる』とそう啖呵を切った。
それからもルカさんは私や美琴さんと何度も衝突を繰り返し、憎まれ口を叩き、とても信頼関係を築くなんてしてこなかった。
誰かを手にかける人間、候補で言えば最有力であるだろう。
でも、そんな彼女でも一つだけわかっているものがある。
本人がそう言ったわけでもない、ましてやそれを彼女は否定すらした。
でも、私には確信がある。
私だから確信の持てる、ただ一つだけの真実。
彼女は、今も美琴さんを________。
そんな確信があるからこそ、私はこう胸を張って言うことができる。
【斑鳩ルカは人を殺さない】
421: ◆zbOQ645F4s 2021/11/28(日) 23:06:30.57 ID:zANooWfn0
殺せるはずが、無いんだ。
自分自身の胸の内をずっと押し殺したままで、自分だけ逃げ去ることなんかきっと彼女はできやしない。
そこで逃げられるほど淡泊な人間であるなら、とっくに彼女はアイドルなんてやめているはずだ。
彼女が“カミサマ”に身を堕としてまで芸能界にい続けている理由。
そんなもの、分かり切ってる。
私は、本当にこのままでいいのかな。
違ったことを正しいと言って。
正しいことを違ったと言って。
真実を嘘に捻じ曲げた果てにたどり着くそれに、【希望】なんてあるの?
……それなら、もう一度捻じ曲げてやる。
歪みを元通りにすることは難しいけど、似た形に歪みなおさせることはできる。
それができるのは、私だけなんだ……!!
422: ◆zbOQ645F4s 2021/11/28(日) 23:07:34.55 ID:zANooWfn0
■□■□■□■□■□■□■□■□■□■
☆偽証について
さて、これより新しいノンストップ議論・『偽証ミスディレクション』がはじまります。
本家ではv3にて登場したシステムですね。
現在七草さまがお持ちのコトダマの情報を捻じ曲げて相手に打ち込むことで、議論の流れもまた捻じ曲げてしまおうという中々にゆがんだ議論なのでございます。
要は、『この情報がああだったらいいのにな』というポイントにぶつけてやれということです。
偽証ミスディレクションは通常の議論と異なり、嘘をつくという新たなリスクを背負うことになります。そのため、誤答で受けるダメージは通常よりも高くなりやすく、間違えるごとにダメージは増していきます。
なお、通常のノンストップ議論では偽証を行うことはできません。
【偽証ミスディレクション】という名前の議論が行われたときのみ適用されるシステムとお考え下さい。
それでは、よい二枚舌ライフを!
■□■□■□■□■□■□■□■□■□■
☆偽証について
さて、これより新しいノンストップ議論・『偽証ミスディレクション』がはじまります。
本家ではv3にて登場したシステムですね。
現在七草さまがお持ちのコトダマの情報を捻じ曲げて相手に打ち込むことで、議論の流れもまた捻じ曲げてしまおうという中々にゆがんだ議論なのでございます。
要は、『この情報がああだったらいいのにな』というポイントにぶつけてやれということです。
偽証ミスディレクションは通常の議論と異なり、嘘をつくという新たなリスクを背負うことになります。そのため、誤答で受けるダメージは通常よりも高くなりやすく、間違えるごとにダメージは増していきます。
なお、通常のノンストップ議論では偽証を行うことはできません。
【偽証ミスディレクション】という名前の議論が行われたときのみ適用されるシステムとお考え下さい。
それでは、よい二枚舌ライフを!
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423: 本日はこちらの議論でおしまいにします ◆zbOQ645F4s 2021/11/28(日) 23:10:07.08 ID:zANooWfn0
-------------------------------------------------
【偽証ミスディレクション開始!】
発言力:♡×3
集中力:☆×5
コトダマ
‣【モノクマファイル1】
‣【美琴の証言】
‣【あさひの証言】
あさひ「灯織ちゃんより先に旧館に入れば」
あさひ「【凶器を持ち込むこともできる】っす」
千雪「倉庫の床下にずっと隠れておけばその姿が見つかることもないし…」
千雪「後はパーティ中に【停電が発生する】のを待つだけ」
智代子「停電が起きたら【暗視スコープ】で床下を移動して」
智代子「転んでいる灯織ちゃんを刺せばいいんだもんね!」
摩美々「それが可能なのは、パーティに参加していなくて」
摩美々「パーティ中の【アリバイがない】唯一の人物であるルカだけなんだよねー」
ルカ「違う……違うんだよ……!」
ルカ「私は、私は……!」
【嘘のコトダマで議論の流れを捻じ曲げろ!】
1.発言する(コトダマと撃ち込む先の発言を併せて指定安価)
2.集中力を使う(ロンパ候補の発言の数が減る)
↓1
【偽証ミスディレクション開始!】
発言力:♡×3
集中力:☆×5
コトダマ
‣【モノクマファイル1】
‣【美琴の証言】
‣【あさひの証言】
あさひ「灯織ちゃんより先に旧館に入れば」
あさひ「【凶器を持ち込むこともできる】っす」
千雪「倉庫の床下にずっと隠れておけばその姿が見つかることもないし…」
千雪「後はパーティ中に【停電が発生する】のを待つだけ」
智代子「停電が起きたら【暗視スコープ】で床下を移動して」
智代子「転んでいる灯織ちゃんを刺せばいいんだもんね!」
摩美々「それが可能なのは、パーティに参加していなくて」
摩美々「パーティ中の【アリバイがない】唯一の人物であるルカだけなんだよねー」
ルカ「違う……違うんだよ……!」
ルカ「私は、私は……!」
【嘘のコトダマで議論の流れを捻じ曲げろ!】
1.発言する(コトダマと撃ち込む先の発言を併せて指定安価)
2.集中力を使う(ロンパ候補の発言の数が減る)
↓1
424: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2021/11/28(日) 23:16:27.73 ID:aSAPK3mP0
アリバイがない に 美琴の証言
429: 続きから再開します ◆zbOQ645F4s 2021/11/29(月) 20:35:00.13 ID:YOXWFtRz0
にちか「この嘘で、真実を!」偽証!
【BREAK!】
(正直なところ……これは文字通りの賭けだ)
(今から私が言うのは完全な嘘だし、これを口にすることをきっと美琴さんは良しとしない)
(そのうえで、美琴さんが私の意図に気づいて……)
(そして、ルカさんを、想ってくれないと……!)
恋鐘「にちか、どげんしたと?」
にちか「……実は、ここまでずっと黙っていたことがあるんです」
夏葉「黙っていたこと……? 何かしら」
にちか「パーティの最中に、退室したのは美琴さん、千雪さん、風野さんの三人。そのうち風野さんは旧館内で少し休んですぐに戻ってきて、千雪さんはルカさんを探してホテルを出た」
にちか「でも、美琴さんはずっと旧館の入り口で監視をしていたんです」
美琴「……にちかちゃん?」
にちか「言ってましたよね、美琴さん。見張りをしているときに……一度ルカさんが様子を見に来たって」
430: ◆zbOQ645F4s 2021/11/29(月) 20:35:45.56 ID:YOXWFtRz0
美琴「えっ……?」
ルカ「はぁ……?!」
にちか「美琴さん……!」
美琴「……」
(もはやこれしか手はない。アリバイの一切が存在しないルカさんを守るためには、無理やりでもアリバイを作らないと……)
(この嘘さえ通れば……芹沢さんの推理は根底から瓦解する……!)
夏葉「ちょ、ちょっと待って頂戴! 美琴はこれまで一度もそんなことを口にしていないでしょう? ルカのアリバイがあるというならもっと早くに言うべきタイミングはあったはずよ!」
にちか「言えなかったんです……美琴さんはルカさんのことをよく思っていませんから」
結華「いやいや! だ、だとしてもでしょ?! 今は全員の命がかかってるんだし、恨み嫉みなんかにとらわれてる場合じゃ……」
(お、お願いです……美琴さん……!)
美琴「……」
(ルカさんを救えるのは美琴さんだけ……)
(そして、ルカさんは絶対に犯人じゃないから……!)
美琴「私は……」
431: ◆zbOQ645F4s 2021/11/29(月) 20:36:52.09 ID:YOXWFtRz0
美琴「……確かに、一度だけルカと会ってるよ」
432: ◆zbOQ645F4s 2021/11/29(月) 20:38:20.69 ID:YOXWFtRz0
ルカ「み、美琴……!?」
美琴「確か千雪さんと入れ替わりぐらいだったかな。どこでパーティの話を聞いたのか知らないけど、ちょっかいを出してきて」
美琴「そんな暇があるなら脱出方法の一つでも探したらどうだ、なんて……嫌になっちゃうよね」
(み、美琴さん……!)
(わかってくれたんだ……!)
あさひ「ふーん……それ、本当っすか?」
美琴「うん、本当だよ」
愛依「じゃ、じゃあどういうこと……? あさひちゃんの今までの推理は……」
透「間違ってた、全部」
結華「そ、そんな……?!」
にちか「パーティ中は全員がその存在をほかの誰かに一度は確認されている……風野さんがボディチェックをする前から隠れる、なんて不可能なんですって!」
ルカ「緑チビ……お前、どういうつもりだよ」
にちか「どういうつもりも何も、みんなで生き残るためですよ! 間違った人をクロにするわけにはいかないんです!」
ルカ「お前……!?」
結華「で、でも待ってよ……そうなると、凶器はどうなるの?! ひおりんのボディチェックがあるから持ち込むのは不可能って話だったんでしょ?!」
千雪「ルカちゃんが灯織ちゃんより先に旧館に入る方法が、一番持ち込むうえではやっぱり確実に思えるんだけどなぁ……」
あさひ「……やっぱり、納得いかないっす」
(とりあえず議論が決着する事態は防げたはず。あとはこの議論を本来あるべき流れに戻さなきゃだよね……!)
(もうちょっとだ、気合入れてくぞ……!)
433: ◆zbOQ645F4s 2021/11/29(月) 20:39:55.34 ID:YOXWFtRz0
-------------------------------------------------
【ノンストップ議論開始!】
発言力:♡×3
集中力:☆×5
コトダマ
‣【モノクマファイル1】
‣【床に散乱した料理】
‣【花束】
冬優子「灯織ちゃんは細くて長い鋭利な刃物で刺されちゃったんですよね……」
美琴「胸部を貫通したって書いてあるから……それなりの長さと強度のあるものだよ」
摩美々「ボディチェックをスルーしてそんなの持ち込むって無理じゃないー?」
あさひ「やっぱり、先に旧館に入って待機しておく方法が一番確実っす」
恋鐘「何個かに分割して運ぶ方法はどがんね?」
恋鐘「旧館に入ってから≪組み立てて武器を作る≫ばい!」
夏葉「元から≪現場に凶器があった≫と考えてみるのはどうかしら」
夏葉「私たちが何気なく見落としたものが、案外凶器かもしれないじゃない?」
愛依「灯織ちゃんが脅迫文を受けて≪用意していた武器を逆に利用されちゃった≫、とかは?!」
摩美々「そんなの、持ってたっけー?」
【正しいコトダマで正しい発言に同意しろ!】
1.発言する(コトダマと撃ち込む先の発言を併せて指定安価)
2.集中力を使う(ロンパ候補の発言の数が減る)
↓1
【ノンストップ議論開始!】
発言力:♡×3
集中力:☆×5
コトダマ
‣【モノクマファイル1】
‣【床に散乱した料理】
‣【花束】
冬優子「灯織ちゃんは細くて長い鋭利な刃物で刺されちゃったんですよね……」
美琴「胸部を貫通したって書いてあるから……それなりの長さと強度のあるものだよ」
摩美々「ボディチェックをスルーしてそんなの持ち込むって無理じゃないー?」
あさひ「やっぱり、先に旧館に入って待機しておく方法が一番確実っす」
恋鐘「何個かに分割して運ぶ方法はどがんね?」
恋鐘「旧館に入ってから≪組み立てて武器を作る≫ばい!」
夏葉「元から≪現場に凶器があった≫と考えてみるのはどうかしら」
夏葉「私たちが何気なく見落としたものが、案外凶器かもしれないじゃない?」
愛依「灯織ちゃんが脅迫文を受けて≪用意していた武器を逆に利用されちゃった≫、とかは?!」
摩美々「そんなの、持ってたっけー?」
【正しいコトダマで正しい発言に同意しろ!】
1.発言する(コトダマと撃ち込む先の発言を併せて指定安価)
2.集中力を使う(ロンパ候補の発言の数が減る)
↓1
434: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2021/11/29(月) 20:41:03.65 ID:kR8WzFmv0
現場に凶器 に 料理
435: ◆zbOQ645F4s 2021/11/29(月) 20:44:35.54 ID:YOXWFtRz0
にちか「それなんじゃないですかね!」同意!
【BREAK!】
にちか「そうですよ、元から現場に武器があったとすれば……別にボディチェックを突破する必要もないんです!」
にちか「なんなら手ぶらで旧館に入っちゃって……そのままふらっと現場にある武器を使っちゃえばいいんですから!」
結華「だから、何度も言ってるじゃん! ひおりんは厳戒態勢で、ありとあらゆる危険物を回収してたって」
にちか「基本的には、です! 月岡さん、厨房の調理器具を風野さんが回収したタイミングって全部料理が完成してからでしたよね?」
恋鐘「え? た、確か……そうやったと」
千雪「料理をするのに包丁も何もなしじゃできないもんね……でも、料理が大広間に並んだらすぐにそれも回収されたんでしょ?」
千雪「どっちみち武器を確保することは難しいんじゃないかしら」
愛依「確かに……持ち出す隙なんか無い感じじゃん?」
にちか「だから、凶器として持ち出す必要はなかったんです。もっと別の形で……凶器は堂々と私たちの前にあったんですよ」
冬優子「ふゆたちの前に……?」
冬優子「……あっ、それってもしかして……テーブルの上の料理のこと?!」
恋鐘「ふぇぇぇぇぇ?! うちん料理~~~~~~~!?」
美琴「単純に灯織ちゃんも見落としたんだろうね。あれだけ厳戒態勢だった灯織ちゃんも目の前の料理を見て、毒を入れられてる可能性は考慮したものの……それ自体が殺害に使われるとは思わなかった」
摩美々「あー、それであの暴食だったんだぁ……」
摩美々「摩美々をはじめ全員ドン引きで食べるどころじゃなかったもんねー、自分一人で毒見を引き受けてたってわけなんだぁ」
智代子「で、でも……いったいどの料理を使って灯織ちゃんを刺したの?!」
智代子「どれも美味しくて……殺人級の味だったけど、本当に命を奪った料理はどれなんですか?!」
(風野さんの死因は胸部を細長い凶器で貫かれたこと)
(それなら、あの時の料理で凶器になりうるのは一つしかない!)
-------------------------------------------------
・ちゃんぽん
・チャーハン
・シュラスコ
・フライドチキン
・ラザニア
【正しい選択肢を選べ!】
↓1
436: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2021/11/29(月) 20:47:59.54 ID:p/L/z85Y0
シュラスコ
437: ◆zbOQ645F4s 2021/11/29(月) 20:49:07.75 ID:YOXWFtRz0
にちか「これだー!」
【解!】
にちか「もちろんシュラスコですよ、肉を貫いてる鉄串……これを使ったんです」
美琴「実際現場に散乱していた肉の一部には貫かれたような跡があったの。これはもともと鉄串にささっていたものなんだろうね」
美琴「わざわざシュラスコの肉を引き抜いてから食べてた人がいるなら、話は別だけど」
ルカ「しかしこうやって見るとこれ以上なく凶器って感じの面構えの鉄串だな」
夏葉「床板の合間を縫って通せる貫通力のあるもの……ええ、本当にうってつけね」
にちか「刺した後は床下にでも落としてしまえばいい。隠滅も簡単です!」
透「逆に言えば、これを使えたのって大広間にいた人だけだよね。だって、ほかだとシュラスコ触れないし」
にちか「そ、そうなんですよ! だから、そうなるとルカさんには絶対不可能でー……」
恋鐘「ちょ、ちょっと待たんね!」
冬優子「恋鐘ちゃん……? どうかしたの?」
恋鐘「こん鉄串を犯人が使ったからって大広間の人間が犯人とは限らんばい!」
ルカ「なんでだよ! 鉄串は大広間にしかないもんだろ? 料理を作った後は備品も全部ホクロ女に回収されたって……」
438: ◆zbOQ645F4s 2021/11/29(月) 20:50:16.46 ID:YOXWFtRz0
恋鐘「だって、この鉄串はうちが厨房入った時には既にもう一本無くなっとったけん!」
439: ◆zbOQ645F4s 2021/11/29(月) 20:51:38.25 ID:YOXWFtRz0
にちか「う、嘘……!?」
恋鐘「厨房には備品リストがあって、スプーンから鍋までなんでも数が書いてあるんよ。それに照らし合わせたら、確かに鉄串が一本足り取らんかったばい」
(そ、そんな……!)
(せっかくルカさんの容疑を完全に晴らせると思ったのに……!)
あさひ「それじゃ、ルカさんが鉄串を持ち出していた可能性は普通にあるっすね」
ルカ「なっ……お、お前しつこいな……」
果穂「さっきまでのお話といっしょですよね! 灯織さんより先に旧館に入ってかくれていた方がずっと安全でかくじつな方法です!」
雛菜「え~? でもアリバイがあるって言ってますよ~?」
結華「そんなに急にルカルカのアリバイを信じるなんてできないって!」
美琴「……今まで黙っててごめんね」
千雪「でも……床下のトリックを使えば疑問はほとんど消えるんだよね」
夏葉「それもあくまであさひが立てた推論に過ぎないわ、確たる証拠もないもの」
あさひ「わたしはやっぱりルカさんが犯人だと思うっす」
にちか「違う、ルカさんは犯人じゃないって……!」
【モノクマ「真実は二つに一つ!」】意見対立!
440: ◆zbOQ645F4s 2021/11/29(月) 20:55:24.81 ID:YOXWFtRz0
にちか「な、何?! モノクマ!?」
モノクマ「いやあ、やっぱり学級裁判ってのはこうじゃないとね。クロの思惑とシロの推理とがぶつかり合う、この瞬間が脳汁つゆだくドバドバなんですわ!」
モノミ「コラー! また何かよからぬことを企んでまちゅね!」
モノクマ「いやいや! ボクはあくまで裁判を公平に進行したいだけさ! だからこういうときはオマエラの味方、オマエラが思う存分意見をぶつけ合えるように、お手伝いをしてやるよ!」
にちか「て、手伝い……?」
モノクマ「思う存分オマエラの意見を正面からぶつけ合ってくれればいいんだよ! いざ! サイエンスが未来を切り開くとき! 変形裁判場・オーーーーン!」
-------------------------------------------------
【意見対立】
【議論スクラム開始!】
「犯人は床下にいた!」vs【犯人は大広間にいた!】
果穂「犯人が現場にいたら、てい電中でも事件にあたしたちも気づくと思います!」
冬優子「犯人は床下に隠れて、転んじゃった灯織ちゃんを突き上げて殺害したんです!」
結華「凶器を現場に持ち込むにはひおりんより先に旧館に行く必要があるんだよ?」
千雪「灯織ちゃんより旧館に早くついて、ずっと隠れられるのはパーティに参加していないルカちゃんだけよ」
あさひ「ルカさんのアリバイを証明してるのは美琴さんだけ。それも嘘かもしれないっすよね」
恋鐘「事件ん前から鉄串の数が足り取らんかったけん、ルカがこいを使って灯織刺したばい!」
摩美々「暗闇の中で行動するなんて暗視スコープでもないと無理だし、それを持ち込めたのってボディチェックされてないルカだけじゃーん」
-------------------------------------------------
【意見スロット】
【行動】
【停電】
【転倒】
【鉄串】
【アリバイ】
【嘘】
【凶器】
-------------------------------------------------
発言力:♡×3
集中力:☆×5
【意見スロットを正しい順番に並び替え、敵スクラムを向かい討て!】
1.スクラムを指示する(解答)
2.集中力を使う(一部スロットが自動で正答位置に並び代わる)
↓1
441: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2021/11/29(月) 20:57:05.10 ID:p/L/z85Y0
停電
443: ◆zbOQ645F4s 2021/11/29(月) 20:59:32.10 ID:YOXWFtRz0
一応再安価出しておきますね
-------------------------------------------------
【意見対立】
【議論スクラム開始!】
「犯人は床下にいた!」vs【犯人は大広間にいた!】
果穂「犯人が現場にいたら、てい電中でも事件にあたしたちも気づくと思います!」
冬優子「犯人は床下に隠れて、転んじゃった灯織ちゃんを突き上げて殺害したんです!」
結華「凶器を現場に持ち込むにはひおりんより先に旧館に行く必要があるんだよ?」
千雪「灯織ちゃんより旧館に早くついて、ずっと隠れられるのはパーティに参加していないルカちゃんだけよ」
あさひ「ルカさんのアリバイを証明してるのは美琴さんだけ。それも嘘かもしれないっすよね」
恋鐘「事件ん前から鉄串の数が足り取らんかったけん、ルカがこいを使って灯織刺したばい!」
摩美々「暗闇の中で行動するなんて暗視スコープでもないと無理だし、それを持ち込めたのってボディチェックされてないルカだけじゃーん」
-------------------------------------------------
【意見スロット】
【行動】
【停電】
【転倒】
【鉄串】
【アリバイ】
【嘘】
【凶器】
-------------------------------------------------
発言力:♡×3
集中力:☆×5
【意見スロットを正しい順番に並び替え、敵スクラムを向かい討て!】
1.スクラムを指示する(解答)
2.集中力を使う(一部スロットが自動で正答位置に並び代わる)
↓1
-------------------------------------------------
【意見対立】
【議論スクラム開始!】
「犯人は床下にいた!」vs【犯人は大広間にいた!】
果穂「犯人が現場にいたら、てい電中でも事件にあたしたちも気づくと思います!」
冬優子「犯人は床下に隠れて、転んじゃった灯織ちゃんを突き上げて殺害したんです!」
結華「凶器を現場に持ち込むにはひおりんより先に旧館に行く必要があるんだよ?」
千雪「灯織ちゃんより旧館に早くついて、ずっと隠れられるのはパーティに参加していないルカちゃんだけよ」
あさひ「ルカさんのアリバイを証明してるのは美琴さんだけ。それも嘘かもしれないっすよね」
恋鐘「事件ん前から鉄串の数が足り取らんかったけん、ルカがこいを使って灯織刺したばい!」
摩美々「暗闇の中で行動するなんて暗視スコープでもないと無理だし、それを持ち込めたのってボディチェックされてないルカだけじゃーん」
-------------------------------------------------
【意見スロット】
【行動】
【停電】
【転倒】
【鉄串】
【アリバイ】
【嘘】
【凶器】
-------------------------------------------------
発言力:♡×3
集中力:☆×5
【意見スロットを正しい順番に並び替え、敵スクラムを向かい討て!】
1.スクラムを指示する(解答)
2.集中力を使う(一部スロットが自動で正答位置に並び代わる)
↓1
444: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2021/11/29(月) 21:02:40.18 ID:p/L/z85Y0
停電
転倒
凶器
アリバイ
嘘
鉄串
行動
転倒
凶器
アリバイ
嘘
鉄串
行動
445: ◆zbOQ645F4s 2021/11/29(月) 21:05:41.46 ID:YOXWFtRz0
-------------------------------------------------
【停電】
【転倒】
【凶器】
【アリバイ】
【嘘】
【鉄串】
【行動】
-------------------------------------------------
【CORRECT!】
【にちか「生きて帰る、そのために……!」】
果穂「犯人が現場にいたら、てい電中でも事件にあたしたちも気づくと思います!」
【にちか「浅倉さん!」
透「わけわかんなかったじゃん、停電。パニックだったし」】
冬優子「犯人は床下に隠れて、転んじゃった灯織ちゃんを突き上げて殺害したんです!」
【にちか「園田さん!」
智代子「でも、灯織ちゃんが転んだのっていわば偶然だし……狙って殺すにはリスクが高いよ!」】
結華「凶器を現場に持ち込むにはひおりんより先に旧館に行く必要があるんだよ?」
【にちか「夏葉さん!」
夏葉「いえ、凶器は現場で調達すればいいの……パーティの料理に使われていた鉄串を使うのよ!」】
千雪「灯織ちゃんより旧館に早くついて、ずっと隠れられるのはパーティに参加していないルカちゃんだけよ」
【にちか「ここは私が!」
にちか「美琴さんがルカさんのパーティ中のアリバイも証明してます!」】
あさひ「ルカさんのアリバイを証明してるのは美琴さんだけ。それも嘘かもしれないっすよね」
【にちか「美琴さん!」
美琴「私がそんな嘘をつくメリットはないよね。大丈夫、安心して」】
恋鐘「事件ん前から鉄串の数が足り取らんかったけん、ルカがこいを使って灯織刺したばい!」
【にちか「愛依さん!」
愛依「で、でもそれがいつなくなったのかもわからないし……事件に関係してるかはビミョーじゃん?!」】
摩美々「暗闇の中で行動するなんて暗視スコープでもないと無理だし、それを持ち込めたのってボディチェックされてないルカだけじゃーん」
【にちか「市川さん!」
雛菜「ほかにもなにか方法はあったかもしれないし~、決めつけるには早くないですか~?」】
-------------------------------------------------
【CROUCH BIND】
【SET!】
【コンマの合計値210以上で相手のスクラムを打ち破れ!】
↓直下より七回連続でコンマ判定
【停電】
【転倒】
【凶器】
【アリバイ】
【嘘】
【鉄串】
【行動】
-------------------------------------------------
【CORRECT!】
【にちか「生きて帰る、そのために……!」】
果穂「犯人が現場にいたら、てい電中でも事件にあたしたちも気づくと思います!」
【にちか「浅倉さん!」
透「わけわかんなかったじゃん、停電。パニックだったし」】
冬優子「犯人は床下に隠れて、転んじゃった灯織ちゃんを突き上げて殺害したんです!」
【にちか「園田さん!」
智代子「でも、灯織ちゃんが転んだのっていわば偶然だし……狙って殺すにはリスクが高いよ!」】
結華「凶器を現場に持ち込むにはひおりんより先に旧館に行く必要があるんだよ?」
【にちか「夏葉さん!」
夏葉「いえ、凶器は現場で調達すればいいの……パーティの料理に使われていた鉄串を使うのよ!」】
千雪「灯織ちゃんより旧館に早くついて、ずっと隠れられるのはパーティに参加していないルカちゃんだけよ」
【にちか「ここは私が!」
にちか「美琴さんがルカさんのパーティ中のアリバイも証明してます!」】
あさひ「ルカさんのアリバイを証明してるのは美琴さんだけ。それも嘘かもしれないっすよね」
【にちか「美琴さん!」
美琴「私がそんな嘘をつくメリットはないよね。大丈夫、安心して」】
恋鐘「事件ん前から鉄串の数が足り取らんかったけん、ルカがこいを使って灯織刺したばい!」
【にちか「愛依さん!」
愛依「で、でもそれがいつなくなったのかもわからないし……事件に関係してるかはビミョーじゃん?!」】
摩美々「暗闇の中で行動するなんて暗視スコープでもないと無理だし、それを持ち込めたのってボディチェックされてないルカだけじゃーん」
【にちか「市川さん!」
雛菜「ほかにもなにか方法はあったかもしれないし~、決めつけるには早くないですか~?」】
-------------------------------------------------
【CROUCH BIND】
【SET!】
【コンマの合計値210以上で相手のスクラムを打ち破れ!】
↓直下より七回連続でコンマ判定
446: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2021/11/29(月) 21:07:14.18 ID:kR8WzFmv0
あ
454: ◆zbOQ645F4s 2021/11/29(月) 21:21:02.91 ID:YOXWFtRz0
【コンマ判定:18+91+78+71+32+100+01=391】
【全論破】
「「「「「「「「これが私たちの答えだ!」」」」」」」」
【BREAK!】
にちか「確かに、床下にルカさんが潜んでいたことにしていろんな可能性をぶん投げちゃえば話は楽かもしれないですけど……それじゃダメなんです!」
にちか「そもそもルカさんには美琴さんとのアリバイがありますし……それに、床下の方法にも疑問点がないわけじゃないです!」
にちか「まだ……ルカさんが犯人だって断言するには早いんですよ……!」
夏葉「この裁判には私たち全員の命がかかっている。だからこそ、ありとあらゆる可能性を検討すべきだと思うの。もちろんルカが床下に潜んでいた可能性も含めてね」
夏葉「だから次はほかの可能性も検討するべきじゃないかしら。そのうえでルカへの疑念を新たにするのなら、それは健全な議論の流れだわ」
にちか「夏葉さん……!」
ルカ「なんなんだよ……お前ら……」
美琴「……私は今もルカのことは疑ってるよ」
美琴「でも、それ以上に……にちかちゃんのことを信じているの」
にちか「美琴さん……あ、ありがとうございます!」
あさひ「……わたしはやっぱりルカさんが犯人だと思うっす」
愛依「あさひちゃん……」
あさひ「でも、ほかに何か灯織ちゃんを刺す方法があるならそれも聞いてみたいっす。なんだか面白そうっす!」
結華「お、面白そうって……はは、あさたんはやっぱりあさたんだなぁ」
【全論破】
「「「「「「「「これが私たちの答えだ!」」」」」」」」
【BREAK!】
にちか「確かに、床下にルカさんが潜んでいたことにしていろんな可能性をぶん投げちゃえば話は楽かもしれないですけど……それじゃダメなんです!」
にちか「そもそもルカさんには美琴さんとのアリバイがありますし……それに、床下の方法にも疑問点がないわけじゃないです!」
にちか「まだ……ルカさんが犯人だって断言するには早いんですよ……!」
夏葉「この裁判には私たち全員の命がかかっている。だからこそ、ありとあらゆる可能性を検討すべきだと思うの。もちろんルカが床下に潜んでいた可能性も含めてね」
夏葉「だから次はほかの可能性も検討するべきじゃないかしら。そのうえでルカへの疑念を新たにするのなら、それは健全な議論の流れだわ」
にちか「夏葉さん……!」
ルカ「なんなんだよ……お前ら……」
美琴「……私は今もルカのことは疑ってるよ」
美琴「でも、それ以上に……にちかちゃんのことを信じているの」
にちか「美琴さん……あ、ありがとうございます!」
あさひ「……わたしはやっぱりルカさんが犯人だと思うっす」
愛依「あさひちゃん……」
あさひ「でも、ほかに何か灯織ちゃんを刺す方法があるならそれも聞いてみたいっす。なんだか面白そうっす!」
結華「お、面白そうって……はは、あさたんはやっぱりあさたんだなぁ」
455: ◆zbOQ645F4s 2021/11/29(月) 21:22:11.33 ID:YOXWFtRz0
透「でもさ、ほかの人は暗視スコープ持ってないよ。どうやんの」
透「鉄串は誰でも持てるけどさ。暗闇で心臓めがけてあんな長いの、無理じゃん」
千雪「そこでどうしても止まっちゃうよね……あの停電の暗闇は、暗視スコープでもない限りは動けそうにないし……」
あさひ「暗闇で動く方法っすか……」
美琴「……前に一度、ナイトパフォーマンスをしたことがあるの」
にちか「美琴さん?」
美琴「海外のダンスユニットの凱旋パフォーマンスでね、照明を全部落として手足にLEDをつけて真っ暗闇の中で踊ったの」
愛依「え?! く、暗闇の中で踊ったって……それ危なくない?! だって隣で踊ってる人見えないんでしょ?!」
美琴「うん、見えてない。でも……パフォーマンスはみんなの分も把握してるし、手足につけたライトが大体の目安にはなっていたから」
あさひ「……大体の、目安」
美琴「どうかな、それと同じ考え方なら……なんとかならない?」
結華「そうか、真っ暗闇の中で全部が見えなくてもいい……何か目安になるものがあれば、それで動くことはできる……!」
摩美々「でも、そんな目安になるものなんてあったー?」
摩美々「停電中は摩美々たちもその場にいたけど、特に何も目立ってなかったと思うケドー」
(……そう、逆に目立ってしまったらいけないんだ)
(だって、犯人がすべて見えるように、明るくしてしまったら停電の意味がない)
(必要最低限だけ照らしてくれる、そういう目安で十分)
(だから犯人は、あれを使ったんだ……)
-------------------------------------------------
【正しいコトダマを選べ!】
>>365~>>366
↓1
456: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2021/11/29(月) 21:23:33.69 ID:kR8WzFmv0
蛍光塗料
457: あ、今更ですが蛍光塗料→夜光塗料ですね…修正出来てなかった… ◆zbOQ645F4s 2021/11/29(月) 21:25:46.71 ID:YOXWFtRz0
にちか「これだー!」
【解!】
にちか「犯人はこれを使ったんです!」
あさひ「それって……ペンキっすか?」
にちか「ペンキはペンキでも……夜光塗料なんです、これ! 暗闇になるとほんのりと光って、その場所を照らしてくれる便利物! これを犯人は近くのものに塗り付けておいて……その光を頼りに風野さんまでにじり寄ったんですよ!」
雛菜「でも、そんな光なんて使ったら雛菜たちパーティの参加者にバレちゃいません~?」
美琴「……いや、そうでもないと思うよ」
美琴「所詮塗料の発光なんてそこまで大した光でもないし……注意して探さないとわからないぐらいのほんのりとした光。あのパニック状態の中なら、視界に入ってもそれほど気にも留めないんじゃないかな」
千雪「……」
夏葉「あら? どうしたの、千雪?」
千雪「夏葉ちゃん……うーん、勘違いかもしれないんだけど……なんだかあの塗料に見覚えがあるような気がして……」
果穂「……」
智代子「どうしたの、果穂? なんだか静かだね」
果穂「ちょこ先輩……その、あたしも、あのペンキに見覚えがあるんです……なんででしょう……」
(……え?)
恋鐘「ライブの設営かなんかで使ったことでもあるとやろか?」
摩美々「だったら摩美々たちにも見覚えがあってもおかしくないよねー。あいにく摩美々は見おぼえないですよー?」
(果穂ちゃんと千雪さんの二人が見覚えがある……?)
にちか「もしかして……二人は、あれにこの塗料を使ってたんじゃないですか?」
-------------------------------------------------
【正しいコトダマを指摘しろ!】
>>365~>>366
↓1
458: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2021/11/29(月) 21:27:28.68 ID:kR8WzFmv0
蛍光塗料
459: あ、今更ですが蛍光塗料→夜光塗料ですね…修正出来てなかった… ◆zbOQ645F4s 2021/11/29(月) 21:29:51.55 ID:YOXWFtRz0
発言力:♡×3→2
結華「に、にっちゃん!? お、落ち着いて……今はその塗料を二人がどう使ったかって話だよ!?」
にちか「え……あ、わああああ!! す、すみません……間違えました!」
美琴「にちかちゃん、大丈夫。きっと考え方は間違ってないはずだから」
にちか「は、はい!」
(果穂ちゃんと千雪さん……あの二人が関わって、塗料を使うようなものって……)
(……あれしかないよね!)
にちか「もしかして……二人は、あれにこの塗料を使ってたんじゃないですか?」
-------------------------------------------------
【正しいコトダマを指摘しろ!】
>>365~>>366
↓1
460: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2021/11/29(月) 21:31:28.27 ID:p/L/z85Y0
胸元の花飾り
461: ◆zbOQ645F4s 2021/11/29(月) 21:34:56.62 ID:YOXWFtRz0
にちか「これだー!」
【解!】
にちか「パーティの入り口で配ってた花飾り……これじゃないですか?」
千雪「……! うん、それ……! それに色を付けるのに使ったの……!」
千雪「突発的な思い付きで作ったものだったから……ただ布をまとめるだけじゃ寂しくて、倉庫においてあったものを使わせてもらったの」
果穂「千雪さんのアイデアでお花も二色でぴかぴかの花かざりになったんです!」
雛菜「パーティでつけるには妙にギラギラだと思ってたんですよね~」
千雪「いいアイデアだと思ったんだけどなぁ……」
結華「い、いやいや! 実際この花飾りでパーティは華やかになってたし、ナイスアイデアだと思うよ!?」
冬優子「花飾りの着色に夜光塗料が使われていた……」
冬優子「ということは、犯人はその花飾りを頼りにして殺人を行ったってことですか?」
【愛依「そんな推理じゃキメらんないって!」】反論!
462: ◆zbOQ645F4s 2021/11/29(月) 21:36:12.74 ID:YOXWFtRz0
愛依「ま、待って?! それってばおかしくない?!」
にちか「愛依さん……? ど、どうしたんですか、急に大きな声を出して……」
愛依「確かにその夜光塗料で停電中でも犯人は大体の位置を把握できたかもしんないけどさ……それってなんかヘンじゃない?」
にちか「ヘン……ですか?」
愛依「夜光塗料を頼りに殺人なんかできないんじゃん? にちかちゃんの推理は大事なところが抜けてるし、うちが教えてあげる!」
-------------------------------------------------
【反論ショーダウン開始!】
発言力:♡×2
集中力:☆×5
コトノハ
‣【花束】
‣【暗視スコープ】
‣【美琴の証言】
愛依「犯人は停電中の暗闇でも」
愛依「灯織ちゃんの位置が分かって」
愛依「凶器を持って行動できた」
愛依「暗視スコープがあれば話は早いけど」
愛依「現場じゃ見つかってない系」
愛依「でも、夜光塗料を目印にしたってのはやっぱムリ!」
愛依「チメー的な矛盾ってのがあるっしょ!」
◇◆◇◆◇◆◇◆
【発展!】
にちか「蛍光塗料を塗りつけておけば暗闇でも位置が把握できるのは確かです!」
にちか「暗視スコープも何も必要ないですってー!」
◇◆◇◆◇◆◇◆
愛依「それはそうなんだけど、大事なのは花飾りも夜光塗料を使ってたってとこ!」
愛依「参加者は全員花飾りをつけてたんだよ?!」
愛依「そんなんで停電になったら……【そこら中が光っちゃって】本当の目印がわかんないよ!」
愛依「どれが正解かもわからないんじゃ行動なんてできない」
愛依「犯人は殺害不可能になっちゃう系!」
【矛盾する発言を正しいコトノハでコンマ30以上で論破しろ!】
↓1
463: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2021/11/29(月) 21:38:32.63 ID:kR8WzFmv0
そこらじゅうが光って 花束
464: ◆zbOQ645F4s 2021/11/29(月) 21:41:57.98 ID:YOXWFtRz0
にちか「その矛盾、斬っちゃうので!」
【BREAK!】
にちか「花飾りに夜光塗料が使われていた、その状況なら確かに停電になってもどれがどれかサッパリだと思います」
愛依「だよねだよね?! ルカちゃん以外の全員が入場の時にもらってたんだから!」
夏葉「ええ、確かに私ももらったわね」
夏葉「でも、その後に……果穂とあさひに渡したわ」
愛依「……え?」
愛依「あ、あああああ!! そ、そうじゃん……うちも渡したんだった!」
にちか「気づきました? あのパーティを途中で退席した美琴さんと風野さん以外の全員はあの場で突然始まった花束づくりに協力して、みんな花飾りを手放してるんですよー!」
千雪「全員の花飾りで花束を作ってルカちゃんに渡してあげようと思って」
千雪「パーティは来たくないのかもしれないけど……私たちの思いだけでも知ってほしかったの」
ルカ「……そうかよ」
あさひ「でも、その結果大広間から夜光塗料の使われた花飾りはすべて撤去されたっす。これなら犯人が何かに塗り付けておいた夜光塗料も判別が簡単っすね!」
冬優子「暗くなった室内で光る唯一のポイント、それを頼りにすればいいんだね!」
465: ◆zbOQ645F4s 2021/11/29(月) 21:43:00.76 ID:YOXWFtRz0
透「……あれ」
雛菜「どうしたの~? 透先輩~?」
透「……夜光塗料が使われた花飾り、停電の時には全部なくなってたって話」
透「引っ掛かるんだよね、なんか」
にちか「あ、浅倉さん……」
透「……あ、そっか。灯織ちゃんだ」
透「灯織ちゃんは花束を作った後で合流したから……胸につけっぱだったよね、確か」
あさひ「あー、そういえばそうっすね。灯織ちゃんからはもらってないっす」
摩美々「それは摩美々たちも確認したよー。灯織は胸に花飾りをつけっぱなしだった」
摩美々「その花飾りごと、凶器が貫いてたよねー」
夏葉「……【花飾りごと】、ですって?」
摩美々「そう、花の上からブスリって感じの跡だったねー」
智代子「ど、どうしたの夏葉ちゃん……何か思いついた?」
夏葉「……私も、何かが引っ掛かるような気がするのだけど」
466: ◆zbOQ645F4s 2021/11/29(月) 21:43:43.17 ID:YOXWFtRz0
(…………)
(……………………)
(…………………………………………)
愛依「……あれ? ど、どうしたの……にちかちゃん」
にちか「えー? 愛依さんこそどうしたんですかー? そんな急にー?」
愛依「い、いや……どうしたも何もさ……」
果穂「にちかさん……何かあったんですか?」
にちか「え? 果穂ちゃんまで急にどうしたのー?」
美琴「にちかちゃん……? どうして……?」
467: ◆zbOQ645F4s 2021/11/29(月) 21:44:21.93 ID:YOXWFtRz0
美琴「どうして、にちかちゃんは……泣いているの?」
468: ◆zbOQ645F4s 2021/11/29(月) 21:45:19.61 ID:YOXWFtRz0
(……あー、やっぱり無理だ。しんどい)
469: ◆zbOQ645F4s 2021/11/29(月) 21:46:19.71 ID:YOXWFtRz0
(こういうの慣れてないんだって。だって私ってただの一般人なんだよ? ちょっとばかりほかの人よりもアイドルとかに興味が強いだけの一般人)
(生まれ持ったものなんて、何も無い。ただ貧乏な家族の不幸な子供ってだけ)
(度胸も勇気も持ち合わせてない、そりゃ不安にも負けるし、緊張にだって弱い)
(さっきから心臓もバックバクだし、今からでもすぐにゲロ吐いちゃいそう)
(……でも、【あなた】は違うよね)
(私よりもずっと早くに美琴さんの隣に立って、私よりもずっと長い間美琴さんと一緒にいたんだもん)
(体力だってメンタルだって私とは大違い。そうでしょ?)
470: ◆zbOQ645F4s 2021/11/29(月) 21:47:31.53 ID:YOXWFtRz0
「……おい、どういうつもりなんだよ」
(……どういうつもりって言われてもなー、私だって最初はこんなことになると思ってなかったんだよ?)
(だって、こうなるって分かってたら手紙をわざわざ送り付けたりなんかしない)
(犯行計画なんか、立てたりなんかしないって)
「ふざけんな……お前は、お前は……ほかの全員を裏切ろうとしたってのか……?」
(……あはは、確かに結局はそうなっちゃいますね)
(そっか……美琴さんのことも、騙そうとしたんだ。私)
「救いようもないバカヤローだよ、お前は」
(ですよねー、自分でもドン引きですよ)
(どこまで生きたいんだー!って思います、惨めにもほどがありますよね!)
「……なぁ、お前はどうしたいんだよ」
「なんで、さっき私を助けた?」
(……あー、さっきの)
(なんでなんですかね、ルカさんがクロだと勘違いされたまま投票タイムになれば、私の勝ちでしたよね)
「……なんで」
「なんで……?!」
471: ◆zbOQ645F4s 2021/11/29(月) 21:48:30.83 ID:YOXWFtRz0
「なんで生きるのを諦めちまったんだよ……七草にちか……!」
(……あはは)
472: ◆zbOQ645F4s 2021/11/29(月) 21:49:36.92 ID:YOXWFtRz0
私の目からあふれ出ていたそれは、ある分では彼女の言うとおりだった。
もうこれ以上は隠しきれない、すべてが明らかになる。
私の出番はここまでだという自分の命そのものに対する諦観の涙。
でも、それが全部じゃない。
他のみんなを裏切ってしまったことに対する罪の意識?
仲間の命を奪ってしまったことに対する虚しさ?
多分挙げてたらキリがない。
でも、一番は……きっと、【悔しさ】。
齢16程度の人間でも、こういう時は昔とやらを思い出すらしい。
“現在”から観測して10年程度の昔、まだお姉ちゃんと仲が良かったころの記憶。
別に今が不仲ってわけじゃないけど、感情を素直のありのままに吐き出せて、それを受け止めてもらえてた時期の記憶。
___もう二度と、会うことのできないお姉ちゃんとの記憶。
ちゃんと謝りたかったな。
お姉ちゃんのお弁当に焦げた肉を押し付けたこと、テストの点数をずっと黙って遊びまわってたこと。バイト代が足りないときは、スーパーの買い物ケチって趣味に充ててたこと。
こんな出来の悪い妹で、ごめんね。お姉ちゃん。
473: ◆zbOQ645F4s 2021/11/29(月) 21:50:53.65 ID:YOXWFtRz0
でも、何よりも謝らなきゃなのは美琴さんだ。
こんなポンコツとユニットを組んでくれて、私のことを目にかけてくれて、アドバイスもしてくれたし練習も面倒見てくれた。
数えきれないの恩があって、まだ返すこともできていなかったのに……
私は、逃げた。
美琴さんと向き合うことから逃げた。
まだ、夢をかなえることもできていなかった。その道の途中だった。
隣を走るってそう決めたのに……逃げた。
本当に、ごめんなさい美琴さん。
最高のパフォーマンスで最高のステージに立つ、その夢……叶えられませんでした。
裏切ろうって気持ちがあったわけじゃない。
むしろ私は、みんなを助けたかった。
助けるために武器をとって、思いっきり振りかざして……
_____いや、これも言い訳だよね。
474: ◆zbOQ645F4s 2021/11/29(月) 21:52:45.31 ID:YOXWFtRz0
私はエゴで事件を引き起こしたんだ。
それを今更取り繕っても仕方がない。
殺人犯に許されるのは、自分の罪を悔いて首を垂れることだけ。
そして、死に行く者に許されるのは、遺される人に思いを託すことだけ。
私は、私のこの思いを託さなくちゃいけない。
____他でもない、【あの人】に。
475: ◆zbOQ645F4s 2021/11/29(月) 21:53:53.54 ID:YOXWFtRz0
(……ねえ、ルカさん)
「なんだよ」
(どうせ私、これから死ぬんだし……一生のお願いってやつ使ってもいいですか?)
「……好きにしな」
(……美琴さんのこと、お願いします)
「……お断りだ」
(あはは、だと思ったー!)
「……お前の願いなんか背負って生きていくつもりは毛頭ねえよ。私はただ、私のやりたいようにやる」
「……その過程でお前の願いが叶ったんなら、そん時はお前自身の幸運を喜びな」
(……ちょっとかっこいいって思っちゃいました)
「お前に言われても嬉しくないんだよ」
(……ははっ、ですよね!)
「……だから、私はお前とは一切関係なく……この裁判を終わらせる」
「このイかれた学級裁判を終わらせて……私が私のために、未来を切り開く……!」
476: ◆zbOQ645F4s 2021/11/29(月) 21:54:41.94 ID:YOXWFtRz0
【ルカ「生き残るのは……私だ!」】
-------------------------------------------------
【クロを指摘しろ!】
↓1
477: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2021/11/29(月) 21:58:38.41 ID:Pau9SU5i0
にちか
478: ◆zbOQ645F4s 2021/11/29(月) 22:01:27.66 ID:YOXWFtRz0
ルカ「……お前だ」
【解!】
ルカ「……そうかよ」
ルカ「お前がその気なら、乗ってやる。ただ、それだけだ。私はその後の保証はしない」
ルカ「てめェの気持ちはてめェ自身で伝えろ、人に任せるんじゃねえ」
ルカ「……私だって、絶対……そうするからよ」
にちか「はは……約束ですよ!」
美琴「……何を話しているの?」
ルカ「悪いな、美琴。……私は、私の正しいと思う道を選ぶ」
ルカ「風野灯織を殺した犯人は七草にちか、てめェなんだろ」
にちか「……」
愛依「え、えええええええええええ?!」
結華「に、にっちゃんが……!?」
479: ◆zbOQ645F4s 2021/11/29(月) 22:02:30.53 ID:YOXWFtRz0
ルカ「犯人はあの停電の中で見事に被害者の心臓を一突きで貫いてみせた。それならそれ相応の準備が必要だ」
ルカ「確かに暗視スコープを使えば一発かもしれない。ただ、そんなのボディチェック以前に旧館に忍び込む以外で持ち込みようがないし、持ち込めた人間はいない」
ルカ「ならどうやって犯人は風野灯織の心臓を刺したのか……それはさっき言った通り夜光塗料を使ったんだよ」
ルカ「問題はその夜光塗料を犯人が何にどう塗ったのか、なんだけど……その答えを指し示すのが死体の状況なんだよ」
恋鐘「死体の状況……?」
夏葉「やっぱり、そういうことなのね……!」
(風野灯織の死体にはある一つの特徴があった)
(それが犯人が夜光塗料をどう使っていたのかを表す唯一絶対の証拠になる……!)
-------------------------------------------------
【正しい選択肢を選べ!】
発言力:♡×2
・死体は床に倒れていた
・死体は花飾りの上から胸部を貫かれていた
・直前に暗視スコープを使っていた
↓1
480: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2021/11/29(月) 22:08:41.10 ID:kR8WzFmv0
花飾り
482: ◆zbOQ645F4s 2021/11/29(月) 22:09:35.49 ID:YOXWFtRz0
ルカ「これだ!」
【解!】
ルカ「死因になった胸部の貫通痕。これは花飾りごと貫かれたものだったろ?」
ルカ「花飾りには夜光塗料が使われていた、つまり暗闇でもこれだけは光ってたんだよ。要は犯人はそれを目標にして凶器を振りかざしたんだ」
智代子「そ、そっか……だから胸につける花飾りだったんだね!」
智代子「必然的に心臓の前につけることになるから、それを目標にして貫けば絶対致命傷になるはずだよ!」
夏葉「……いえ、智代子。そうではないの」
智代子「あ、ありゃ?」
夏葉「思い返してちょうだい。もともとこの花飾りは千雪と果穂の思い付きで始めたものだったでしょう?」
恋鐘「ふぇ~~~!? それやったら、千雪と果穂が犯人ばい?!」
千雪「え、ええ?! ち、違うわ……!?」
夏葉「もちろん二人は犯人なんかじゃない。もし二人が犯人ならすべての花飾りに彩色をする必要がない、むしろ混乱するだけなんだもの」
冬優子「それこそ暗闇の中であちらこちらが光って狙いが付けられなくなっちゃいますもんね……!」
夏葉「だからおそらく、犯人にとってあの花飾りは不測の事態だったはずよ。まさか自分が犯行用に用意していた夜光塗料をそんな風に使われるとも思っていなかった」
雛菜「じゃあ犯人は花飾りとは別で夜光塗料を使ってたんですね~?」
あさひ「それこそ犯人は直接殺す予定の対象の胸元に塗料を塗りつけてたんじゃないっすかね。自分だけが分かるぐらいに少量で」
あさひ「で、停電が起きたらそこを刺すようにしてたんっすよ!」
摩美々「……ちょっと待ってよ、それってつまりー」
483: ◆zbOQ645F4s 2021/11/29(月) 22:10:10.55 ID:YOXWFtRz0
摩美々「犯人は標的を勘違いして灯織を刺しちゃったってワケー?」
484: ◆zbOQ645F4s 2021/11/29(月) 22:11:22.41 ID:YOXWFtRz0
にちか「……!」
夏葉「……そう考えるのが妥当だわ」
夏葉「犯人を含めて千雪と果穂以外にあの塗料が花飾りに使われていたことを知っていた人間はいない。そして、灯織以外の花飾りはすべて花束にして持ち出されている」
夏葉「暗闇の中で犯人のつけた目印ともう一つ、灯織の花飾りだけが光っていた……」
透「犯人は自分の目印と勘違いしちゃったんだ」
智代子「そ、そんな……」
ルカ「そして、そんなもともとの目印を付けられるタイミングなんてそうそうあるもんじゃねえ。胸元を触るなんて不自然な行為、同性でも普通は拒否するはずだ」
ルカ「でも、それが唯一自然に行えたタイミングがあるんだよ」
愛依「そ、それって……」
あさひ「ボディチェックのタイミングっすよね」
ルカ「……参加してない私からすれば聞きかじった情報でしかないけど、なにやら相当に丁寧にやってたらしいじゃねえか」
摩美々「それはもう丁寧ってレベルじゃなかったよー」
摩美々「頭の先からつま先まで、ありとあらゆるところをまさぐられちゃいましたからー」
雛菜「どこにも隠し物ができないように、隅々まで見られちゃったよね~!」
冬優子「確かに、このタイミングなら違和感なく塗料を塗ることができるかも……」
ルカ「そしてこのボディチェックをやってたのは、被害者の風野灯織と……七草にちか、てめェなんだよ」
【美琴「そんな推理じゃ魅せられない」】反論!
485: ◆zbOQ645F4s 2021/11/29(月) 22:12:28.50 ID:YOXWFtRz0
美琴「……ルカ、少し黙って」
ルカ「み、美琴……!?」
美琴「犯人が夜光塗料を使って胸元に塗り付けた。そしてそれが可能なのはボディチェックのタイミングだけ?」
美琴「そんなのただの推測でしょ、ルカの妄想を押し付けないで」
ルカ「も、妄想って……違う、私は……!」
美琴「にちかちゃんが犯人なわけない……そんなの、認められない……!」
-------------------------------------------------
【反論ショーダウン開始!】
発言力:♡×2
集中力:☆×5
コトノハ
‣【モノクマファイル1】
‣【テーブルクロス】
‣【夜光塗料】
美琴「犯人が夜光塗料を胸元に塗り付けて」
美琴「それを目印にして凶器を突き刺そうとした?」
美琴「そんなのただの推測でしょ?」
美琴「ボディチェック以外にも、うっかりぶつかった体を装うとか」
美琴「塗料を塗りつけるタイミングはいくらでも生み出せる」
美琴「にちかちゃん以外にもチャンスはあったんじゃない?」
◇◆◇◆◇◆◇◆
【発展!】
ルカ「そんな不自然なことをしてたらほかの連中の目にもとまるだろ……!」
ルカ「違和感なく塗料を塗れる機会なんて、ボディチェックぐらいのもんだろ!」
◇◆◇◆◇◆◇◆
美琴「パーティに参加もしていないルカに何が分かるの?」
美琴「大体あの大広間で刺殺なんてしようものなら」
美琴「服に【返り血が付着する】はずでしょ?」
美琴「にちかちゃんは全身綺麗なまま」
美琴「床下に犯人が潜んでいた節の方が有力に感じるけど」
美琴「もう……ルカは黙ってて」
【矛盾する発言を正しいコトノハでコンマ30以上で論破しろ!】
↓1
486: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2021/11/29(月) 22:14:36.49 ID:JRwVEyrw0
【返り血が付着する】←テーブルクロス
487: ◆zbOQ645F4s 2021/11/29(月) 22:15:51.81 ID:YOXWFtRz0
ルカ「その矛盾、斬らせてもらう!」
【BREAK!】
ルカ「確かに七草にちかの服には返り血なんて付いてねえ。でも、だからといって犯行を否定する証拠にはならないと思う」
美琴「灯織ちゃんは心臓を貫かれてた。出血量も相当なものだと思うけど」
ルカ「ああ、そうだろうな。だからこそ、そいつは返り血を防ぐための道具を使ったんだ」
ルカ「パーティ会場の机の全部に敷かれていたテーブルクロスだよ。これを頭からかぶっておけば返り血も受け止めてくれるはずだ」
美琴「……」
結華「ちょ、ちょっと待って! でも、あの会場にはそんな予備のテーブルクロスなんかなかったよ?!」
摩美々「何も予備のテーブルクロスなんか用意する必要はないでしょー?」
果穂「もしかして、あのたおされてたテーブルのテーブルクロスですか?!」
智代子「え? で、でもあれって灯織ちゃんが倒したんじゃ……」
冬優子「その前提からして違ったんだね……!」
冬優子「シュラスコのお肉が鉄串から抜かれていたのも含めて不自然な細工が為された痕跡を隠すために犯人が机を倒した……」
冬優子「灯織ちゃんが暗視スコープを使おうとしてふらついたわけじゃなかったんですね!」
488: ◆zbOQ645F4s 2021/11/29(月) 22:16:47.56 ID:YOXWFtRz0
美琴「……まだだよ。たとえそれで返り血を防ぐことができたとしても、今度はそのテーブルクロスが不自然になる」
美琴「偶然たまたま血にぬれたテーブルクロスがあったとでも言い訳するの?」
ルカ「……ぐっ!」
果穂「……あ、あの! そんな言い訳は必要ないと思います!」
ルカ「小学生……? お、お前……」
果穂「ルカさんはその時、まだきてなかったので知らないと思うんですけど……にちかさんは、あたしが死体を見ないように、近くのテーブルクロスで死体をかくしてくれたんです」
果穂「もし、そのテーブルクロスに返り血がついていたとしても……そのときについたものだとみなさん思うはずです!」
夏葉「果穂……あなたの言うとおりだわ!」
あさひ「あの時、真っ先に灯織ちゃんの死体を隠したのも……にちかちゃんだったっすよね」
≪智代子「灯織ちゃん! 灯織ちゃん?!」
あさひ「これ……!!」
果穂「……ひお、り……さん……?」
夏葉「……!! 果穂、見ちゃダメよ!」
にちか「……!! と、とりあえず、テーブルクロスでもかけて隠します!」
小学生が見るにはあまりに刺激が強すぎる。
とっさに私は【近くにあったテーブルクロスを】死体の上からかぶせた。≫
490: ◆zbOQ645F4s 2021/11/29(月) 22:18:12.46 ID:YOXWFtRz0
美琴「嘘……」
にちか「……」
ルカ「美琴……お前の気持ちは察して余りある」
ルカ「だけど……ここで選択を間違えたら、私と美琴だけじゃねえ……ここにいる全員の命が奪われちまうんだ……!」
ルカ「お前はそれでいいのかよ……!」
美琴「……認めない」
美琴「ルカなんかにはわからない……にちかちゃんは、誰かを殺すような人じゃない」
にちか「美琴さん……」
美琴「それ以上言うなら、許さない……絶対に」
ルカ「……わかったよ」
ルカ「たとえ美琴に一生憎まれることになろうとも……私はこの道を譲るつもりはない。絶対に正しい真実にたどりついてみせるからな!」
-------------------------------------------------
【パニックトークアクション開始!】
発言力:♡×2
美琴「ルカに何が分かるの?」【防御力20】
美琴「違うの」【防御力25】
美琴「ルカは黙ってて」【防御力30】
美琴「にちかちゃんを守れるなら」【防御力35】
美琴「……死んだっていいの」【防御力40】
【盾の防御力をコンマで削り取れ!】
↓直下より五回連続判定
491: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2021/11/29(月) 22:18:38.09 ID:kR8WzFmv0
あ
496: ◆zbOQ645F4s 2021/11/29(月) 22:25:05.00 ID:YOXWFtRz0
(チッ……! あと少し……!)
(私の進む道だ……美琴だろうと、この歩みは止めさせねえ……!)
-------------------------------------------------
【パニックトークアクション開始!】
発言力:♡×2→1
美琴「ルカに何が分かるの?」【防御力11】
美琴「違うの」【BREAK!】
美琴「ルカは黙ってて」【BREAK!】
美琴「にちかちゃんを守れるなら」【防御力11】
美琴「……死んだっていいの」【BREAK!】
【盾の防御力をコンマで削り取れ!】
↓直下より二回連続判定
497: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2021/11/29(月) 22:26:14.74 ID:Pau9SU5i0
あ
499: ◆zbOQ645F4s 2021/11/29(月) 22:32:37.87 ID:YOXWFtRz0
-------------------------------------------------
【ALL BREAK!】
ルカ「美琴……!」
【美琴「にちかちゃんが犯人だという決定的な証拠でもあるの?」】
上面図/ティ/会場の/パー
【正しい順番に並び替えて、コンマ値50以上でとどめをさせ!】
↓1
【ALL BREAK!】
ルカ「美琴……!」
【美琴「にちかちゃんが犯人だという決定的な証拠でもあるの?」】
上面図/ティ/会場の/パー
【正しい順番に並び替えて、コンマ値50以上でとどめをさせ!】
↓1
500: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2021/11/29(月) 22:37:09.02 ID:JRwVEyrw0
パーティ会場の上面図
502: ◆zbOQ645F4s 2021/11/29(月) 22:40:16.30 ID:YOXWFtRz0
【発言力がゼロになりました】
(届かない……)
(まだ、まだだ……私は戦える……!)
-------------------------------------------------
【美琴「にちかちゃんが犯人だという決定的な証拠でもあるの?」】
上面図/ティ/会場の/パー
【正しい順番に並び替えて、コンマ値50以上でとどめをさせ!】
↓1
503: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2021/11/29(月) 22:47:04.74 ID:kR8WzFmv0
パーティ会場の上面図
504: ◆zbOQ645F4s 2021/11/29(月) 22:49:14.81 ID:YOXWFtRz0
ルカ「これで終わりだ!」
【BREAK!】
ルカ「美琴……今回の事件の犯人は犯行に使った凶器も、返り血を防ぐ防御も……どっちも現場で調達している」
ルカ「パーティ会場のテーブル、あそこには凶器の鉄串を使ったシュラスコもあったし、返り血を防げるテーブルクロスも乗っている。だから、それを使うには机を倒す必要があったんだ」
美琴「……だから何?」
ルカ「メガネ女、パーティ会場で撮った写真を見せてくれ」
結華「メガネ女って……三峰のことだよね? え、えっと……はい! これ!」
結華「一応集合写真を撮った時、事件が起きた後と二枚撮って……そこから現場の見取り図的なのも作ってたんだよね」
恋鐘「さすがは結華! よう気が回っとるね!」
ルカ「これを見れば一目瞭然なんだよ。停電の中で倒されたテーブル、その向きを見てくれ」
美琴「……向き?」
ルカ「被害者の風野灯織の方に頭を向けてぶっ倒れてるんだよ、このテーブルは。もともとの推理である、被害者本人がテーブルを倒したって話ならこれは妙だろ?」
ルカ「だって、わざわざ回り込んで倒したことになるんだからな」
摩美々「反対ににちかの位置関係はというとー……」
愛依「にちかちゃん……【脚側】にいるじゃん……!」
505: ◆zbOQ645F4s 2021/11/29(月) 22:52:42.63 ID:YOXWFtRz0
ルカ「脚側にいるのは勿論こいつだけじゃねー。でも、ボディチェックの件にテーブルクロスの件、総合して考えると……犯人の候補として最有力なのはこいつしかいねーだろ」
にちか「……」
美琴「……違う」
ルカ「美琴……お前……」
美琴「……違う、これもまだあくまで可能性でしかないから。決定的な証拠じゃない」
にちか「もうやめてください!」
美琴「……にちかちゃん」
にちか「美琴さん、これ以上は……もういいんです。風野さんを殺しちゃったの、私なんですよ」
美琴「嘘……だよ、ね」
にちか「いやー、もう嘘は吐きつかれちゃいましたよ。だってキツくないですか?! 始まってからずーーーーーーっと! 犯人はわかり切ってるのにわかってないみたいな演技して!」
冬優子「本当に、にちかちゃんなんだね……?」
にちか「あはは……ごめんなさい、私です。私が夜光塗料を使って、暗闇の中で人を殺したんです。まあ……もともとの狙いとは外れちゃったんですけどね」
果穂「あたしたちの花飾りのせいで、灯織さんは死んじゃったんですか……?」
にちか「ちがう、それは違う! 私がいなければそもそも殺しなんか起きてないんだから! 果穂ちゃんが自分を責める必要はまっったくないから!」
506: ◆zbOQ645F4s 2021/11/29(月) 22:54:43.42 ID:YOXWFtRz0
にちか「……全部全部、私が悪いんです。誰にも相談しないで、勝手に突っ走って」
美琴「……本当にね」
にちか「美琴さんにはいくら謝っても足りないです。この裁判の中で、私のことを信じて嘘までついてくれたのに」
摩美々「やっぱりルカのアリバイは嘘だったんだー」
にちか「ああでもしないとルカさんが犯人扱いされちゃってましたから」
あさひ「……? それ、変っすよ。だってにちかちゃんが黙ってれば、にちかちゃんは裁判に勝てたんすよね?」
にちか「……最初はね、私も勝とうとしたんだ」
にちか「だから芹沢さんの推理に便乗したし、机を倒した人の時にも名乗りを挙げなかった」
にちか「でも……ほかのみんなが必死に議論をして、生き残ろうとしている中で自分だけみんなを欺こうとして……」
にちか「私が生き残るってことは、その全員を殺すことになるから……それはできないなって途中で思ったんだ」
にちか「こんなので一番になったからって……私は、うれしくない」
にちか「きっともうイヤだって! めちゃくちゃに後悔して……そんで、呆れるくらいに死にたくなるに決まってる」
にちか「だから、もう……終わらせてください。これ以上は、もう」
ルカ「……」
ルカ「……言っとくけど、これは美琴のためでも、ましてお前のためでもない」
美琴「……!」
にちか「……!」
ルカ「私が私として生き抜くため。そのために……初めから事件を振り返って真実を確かめる。その結果導き出される犯人に、投票する。それだけだ……!」
507: ◆zbOQ645F4s 2021/11/29(月) 22:55:47.61 ID:YOXWFtRz0
-------------------------------------------------
【クライマックス推理開始!】
【act.1】
「今回の事件の犯人が最初に行ったのは脅迫文の作成だ。風野灯織のもとに送り付けた手紙、あれはきっと……もともと狙っていた標的含めて全員を一か所にまとめたかったんだろうな。犯人がどこまでを想定していたのかはわからないけど、その集めた先で犯行を行った。全員の目の前で、堂々と、な」
「脅迫文を受けて風野灯織はすぐに全員を集めてのパーティを企画した。パーティの最中なら全員を監視下に置けるし、参加時のボディチェックということで不安材料も除去できる。なんとかこの一晩をしのぐ、その上ではこれ以上ない画期的な作戦だったと思う」
「そして会場に選んだのはホテルの旧館。これまで誰も出入りしてこなかったとこだ。閉鎖的な空間ってのは監視の上では都合がいい。だけど、これまで誰も出入りしてこなかった場所なもんで想像以上にその建物は汚かった」
「そこで風野灯織は掃除をしたわけだが……ここで私以外の全員が掃除に参加した。283プロの仲良しムード、いい子ちゃんムードからすればこれを抑止することはできなかっただろうが……結果としてそのムードのせいで犯人に仕掛けを作る隙を与えてしまった」
「掃除の最中、ほかの連中の目を盗んで犯人が行ったのは停電のための仕掛けづくり。まずはこっそりと倉庫のコンセントにアイロンを挿しておき、常に三台が稼働している状態にする。そのうえで、旧館中のエアコンにタイマーを設定。午後11時30分になると同時に電源が入り、停電が発生する仕組みだ。この停電が犯人にとっては犯行のネック。他の参加者たちの目の前で犯行を行うため、自分自身を真っ暗闇で隠してしまう必要があったんだ」
◇◆◇◆◇◆◇◆
【act.2】
「そしていよいよパーティ本番。何食わぬ顔で参加者になった犯人はそこで、風野灯織にボディチェックの協力を求められた。多分これももともとの想定のうちじゃない、どこか別のタイミングで夜光塗料は使う予定だったんだろうが……むしろ犯人にとっては好都合。より違和感のない形で標的の胸部に塗料を塗りつけることができるんだからな」
「でも、ここで想定外がもう一つ。それはパーティを始めるにあたって小学生と手芸女が二人で花飾りをこさえてたってことだ。しかもそれの彩色に使ったのは犯人も用意していた蛍光塗料。まさか犯人も同じ塗料が使われてたとは思わなかったんだろうな、風野灯織に言われるがまま、その花飾りを参加者の全員に渡してしまったんだ」
「いざパーティが始まると、風野灯織は警戒をより一層強めた。料理も真っ先に自分が口にして、料理に使った調理器具も全部没収。万全には万全を期すつもりだったんだろう。……でも、見落としがあった。それは料理そのものだ。シュラスコに使われていた鉄串……まさかそれが犯行に使われるとは思わなかったんだ」
「そしてはじめの毒見で慣れない早食いをした風野灯織は一度離席、会場の外へ。他にも会場を離れた人間は二人いる。夜風にあたりながらモノクマと私が近づかないよう監視をするために出た美琴と、ほかの連中の花飾りを集めて花束を作った手芸女だ。だが、この手芸女が花束を作ったタイミングが厄介なことを引き起こしやがった。花束を作ったのはちょうど風野灯織の離席中。風野灯織が再びパーティに戻った時、唯一こいつだけが胸に花飾りをつけている状況を引き起こしちまったんだ」
【クライマックス推理開始!】
【act.1】
「今回の事件の犯人が最初に行ったのは脅迫文の作成だ。風野灯織のもとに送り付けた手紙、あれはきっと……もともと狙っていた標的含めて全員を一か所にまとめたかったんだろうな。犯人がどこまでを想定していたのかはわからないけど、その集めた先で犯行を行った。全員の目の前で、堂々と、な」
「脅迫文を受けて風野灯織はすぐに全員を集めてのパーティを企画した。パーティの最中なら全員を監視下に置けるし、参加時のボディチェックということで不安材料も除去できる。なんとかこの一晩をしのぐ、その上ではこれ以上ない画期的な作戦だったと思う」
「そして会場に選んだのはホテルの旧館。これまで誰も出入りしてこなかったとこだ。閉鎖的な空間ってのは監視の上では都合がいい。だけど、これまで誰も出入りしてこなかった場所なもんで想像以上にその建物は汚かった」
「そこで風野灯織は掃除をしたわけだが……ここで私以外の全員が掃除に参加した。283プロの仲良しムード、いい子ちゃんムードからすればこれを抑止することはできなかっただろうが……結果としてそのムードのせいで犯人に仕掛けを作る隙を与えてしまった」
「掃除の最中、ほかの連中の目を盗んで犯人が行ったのは停電のための仕掛けづくり。まずはこっそりと倉庫のコンセントにアイロンを挿しておき、常に三台が稼働している状態にする。そのうえで、旧館中のエアコンにタイマーを設定。午後11時30分になると同時に電源が入り、停電が発生する仕組みだ。この停電が犯人にとっては犯行のネック。他の参加者たちの目の前で犯行を行うため、自分自身を真っ暗闇で隠してしまう必要があったんだ」
◇◆◇◆◇◆◇◆
【act.2】
「そしていよいよパーティ本番。何食わぬ顔で参加者になった犯人はそこで、風野灯織にボディチェックの協力を求められた。多分これももともとの想定のうちじゃない、どこか別のタイミングで夜光塗料は使う予定だったんだろうが……むしろ犯人にとっては好都合。より違和感のない形で標的の胸部に塗料を塗りつけることができるんだからな」
「でも、ここで想定外がもう一つ。それはパーティを始めるにあたって小学生と手芸女が二人で花飾りをこさえてたってことだ。しかもそれの彩色に使ったのは犯人も用意していた蛍光塗料。まさか犯人も同じ塗料が使われてたとは思わなかったんだろうな、風野灯織に言われるがまま、その花飾りを参加者の全員に渡してしまったんだ」
「いざパーティが始まると、風野灯織は警戒をより一層強めた。料理も真っ先に自分が口にして、料理に使った調理器具も全部没収。万全には万全を期すつもりだったんだろう。……でも、見落としがあった。それは料理そのものだ。シュラスコに使われていた鉄串……まさかそれが犯行に使われるとは思わなかったんだ」
「そしてはじめの毒見で慣れない早食いをした風野灯織は一度離席、会場の外へ。他にも会場を離れた人間は二人いる。夜風にあたりながらモノクマと私が近づかないよう監視をするために出た美琴と、ほかの連中の花飾りを集めて花束を作った手芸女だ。だが、この手芸女が花束を作ったタイミングが厄介なことを引き起こしやがった。花束を作ったのはちょうど風野灯織の離席中。風野灯織が再びパーティに戻った時、唯一こいつだけが胸に花飾りをつけている状況を引き起こしちまったんだ」
508: ◆zbOQ645F4s 2021/11/29(月) 22:57:07.42 ID:YOXWFtRz0
◇◆◇◆◇◆◇◆
【act.3】
「風野灯織が戻ってきて、メガネ女が集合写真を撮った直後。ちょうど時間が午後11時30分になったタイミングで昼に仕込んでおいた仕掛けが作動。エアコンの起動とともに旧館中が停電した。それと同時に行動を開始したのが犯人。周りのパニックに紛れて、まずはシュラスコから鉄串を抜き取った。この一本が風野灯織の命を奪った凶器……その心臓を貫いたんだ」
「そして次に必要なのが返り血を防ぐためのテーブルクロス。その調達の意味もあって犯人は堂々とその机を蹴り倒した。大きな音を立てて倒れる机に、ほかの人間の注意を引き寄せる効果もあったかもな。でも、犯人の本当の狙いはそこじゃねえ。凶器と防御策とを手に入れた犯人はいよいよ犯行の時」
「昼間につけておいた標的の塗料めがけて鉄串を振りかざす。……その予定だった。あの会場では犯人のつけた塗料のほかにもう一つ光るものがあった。それは……風野灯織の花飾りだ。同じ塗料を使われていた花飾りを、風野灯織ただ一人だけが身に着けていたせいで……犯人は殺害する相手を間違えてしまったんだ」
「そして停電がなおった時、犯人は相当に焦ったと思う。本当に殺す予定だったのはこいつじゃない、なんでこいつが死んでいるんだ? ……ってな、それでもまだ犯人は冷静だった。そりゃそうだ、こいつだって命がけなんだからな。手元に残った返り血の付着したテーブルクロス、これを見られるわけにはいかなかった。だからこいつは大胆にもそのテーブルクロスを死体にかけやがった。小学生には刺激が強いから、死体を隠さなきゃ……その名目でな」
◇◆◇◆◇◆◇◆
「花飾りのことがなければ、犯行はバレなかったかもしれない。傷口から漏れ出した血液で胸元の塗料なんかは隠れてしまうだろうしな。でも、犯人は間違って花飾りの上から刺してしまった。深紅の血の色に染まった花弁が、犯人に繋がる証拠になったんだ」
「……七草にちか。お前がやったんだろ……?!」
【COMPLETE!】
【act.3】
「風野灯織が戻ってきて、メガネ女が集合写真を撮った直後。ちょうど時間が午後11時30分になったタイミングで昼に仕込んでおいた仕掛けが作動。エアコンの起動とともに旧館中が停電した。それと同時に行動を開始したのが犯人。周りのパニックに紛れて、まずはシュラスコから鉄串を抜き取った。この一本が風野灯織の命を奪った凶器……その心臓を貫いたんだ」
「そして次に必要なのが返り血を防ぐためのテーブルクロス。その調達の意味もあって犯人は堂々とその机を蹴り倒した。大きな音を立てて倒れる机に、ほかの人間の注意を引き寄せる効果もあったかもな。でも、犯人の本当の狙いはそこじゃねえ。凶器と防御策とを手に入れた犯人はいよいよ犯行の時」
「昼間につけておいた標的の塗料めがけて鉄串を振りかざす。……その予定だった。あの会場では犯人のつけた塗料のほかにもう一つ光るものがあった。それは……風野灯織の花飾りだ。同じ塗料を使われていた花飾りを、風野灯織ただ一人だけが身に着けていたせいで……犯人は殺害する相手を間違えてしまったんだ」
「そして停電がなおった時、犯人は相当に焦ったと思う。本当に殺す予定だったのはこいつじゃない、なんでこいつが死んでいるんだ? ……ってな、それでもまだ犯人は冷静だった。そりゃそうだ、こいつだって命がけなんだからな。手元に残った返り血の付着したテーブルクロス、これを見られるわけにはいかなかった。だからこいつは大胆にもそのテーブルクロスを死体にかけやがった。小学生には刺激が強いから、死体を隠さなきゃ……その名目でな」
◇◆◇◆◇◆◇◆
「花飾りのことがなければ、犯行はバレなかったかもしれない。傷口から漏れ出した血液で胸元の塗料なんかは隠れてしまうだろうしな。でも、犯人は間違って花飾りの上から刺してしまった。深紅の血の色に染まった花弁が、犯人に繋がる証拠になったんだ」
「……七草にちか。お前がやったんだろ……?!」
【COMPLETE!】
509: ◆zbOQ645F4s 2021/11/29(月) 22:59:18.36 ID:YOXWFtRz0
ルカ「これが事件のすべて……お前らの目の前で起きた、その全貌だよ」
にちか「ありがとうございます、ルカさん。全部言った通りですよ」
ルカ「……けっ」
夏葉「……本当に、これで間違いはないのよね」
にちか「はい、もうじゃんじゃん私に投票しちゃってくれて大丈夫ですので!」
結華「……そんな」
愛依「うち、嫌だよ……」
あさひ「……にちかちゃん、結構面白かったっすよ」
にちか「芹沢さん……?」
あさひ「まさかあの真っ暗闇でわたしの目の前で犯行に及ぶなんて、考えもしなかったっす。その発想はすっごくおもしろかったっす」
冬優子「あ、あさひちゃん……!!」
あさひ「でも……にちかちゃんと灯織ちゃんとお別れは……したくないっす」
にちか「……!!」
あさひ「なんなんすかね、これ。二人ともう会えない、もうしゃべれないって思うと……胸のあたりが重く、冷たく感じるんすよ」
美琴「……ごめんね、あさひちゃん」
あさひ「どうして美琴さんが謝るっすか……?」
美琴「……本当に、ごめんね」
510: ◆zbOQ645F4s 2021/11/29(月) 23:00:52.58 ID:YOXWFtRz0
にちか「美琴さん……美琴さんも、ちゃんと私に入れてくださいね」
美琴「……」
にちか「美琴さんは私がいなくなった後も、芸能界に残ってトップを目指してもらわないと! むしろ足を引っ張る私がいなくて身軽~!みたいな________
ルカ「くだらねえ真似はやめろ」
にちか「……!!」
ルカ「お前が言ったんだろ、自分の本当の気持ちに嘘をつくなって」
ルカ「今のお前の口から出てる言葉のどこが本当なんだよ、どこが美琴のことを思ってるんだよ」
ルカ「死に際を綺麗に飾ろうとするんじゃねえ、もっと惨めに醜く……一生の別れを悔め。そこにしかお前の本当の気持ちはないだろ」
にちか「……ホント、自分じゃできないことを人に要求して身勝手ですよね!」
ルカ「……そんで美琴、お前もだよ」
美琴「……私?」
ルカ「お前も、正面から向き合ってやらねえと……こいつだって本音が言えないだろ。いい加減見てやれよ、お前の隣に立ってくれてたやつのことぐらいな」
美琴「……」
ルカ「……私相手にはできなかったこと、こいつ相手ならできんだろ」
「「「…………」」」
511: ◆zbOQ645F4s 2021/11/29(月) 23:02:25.52 ID:YOXWFtRz0
モノミ「うぅ……うぅ……緋田さんとのユニット経験がある二人同士の会話は……涙なしには見られまちぇんね……」
モノクマ「ぐー……ぐー……」
モノミ「って寝てるー!」
モノクマ「むにゃむにゃ……もうお腹いっぱい……」
モノミ「使い古されまくってこの令和の時代にもうネタとしても扱われないレベルの古典的な夢を見てるんでちゅか?!」
モノクマ「……はっ! ボクは一体……? ここはどこ……?」
モノミ「アンタはモノクマ、今は学級裁判中でちゅよー!」
モノクマ「ああ、そうだったそうだった。確か途中までは起きてたと思うんだけど、ついうっかり寝ちゃってたよ!」
モノミ「ったく……しっかりしてくだちゃいね。アンタは仮にもこの南国生活を率いる立場なんでちゅよ! どこから記憶がないんでちゅか? あちしが教えてあげまちゅ!」
モノクマ「えっと確か……緋田さんが斑鳩さんにできなかったことを七草さん相手にはできるとかどうこう」
モノミ「ついさっきじゃないでちゅか! 全部見てたんじゃないでちゅか!」
モノクマ「はい! というわけで議論も出尽くしたようですし……そろそろ行っときますか!」
モノクマ「投票ターイム! オマエラはお手元のスイッチでクロだと思う人物に投票してくださーい!」
モノクマ「議論の結果導き出されたクロは正解なのか、不正解なのかー!」
モノクマ「さあ、どっちなんでしょうかね?」
512: ◆zbOQ645F4s 2021/11/29(月) 23:03:36.72 ID:YOXWFtRz0
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【VOTE】
〔にちか〕〔にちか〕〔にちか〕
CONGRATULATIONS!!!!
パッパラー!!!
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【VOTE】
〔にちか〕〔にちか〕〔にちか〕
CONGRATULATIONS!!!!
パッパラー!!!
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513: ◆zbOQ645F4s 2021/11/29(月) 23:04:26.07 ID:YOXWFtRz0
【学級裁判 閉廷!】
522: ◆zbOQ645F4s 2021/11/30(火) 21:57:48.32 ID:BBrd2CUc0
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CHAPTER 01
MIDNIGHTのせいにして
裁判終了
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CHAPTER 01
MIDNIGHTのせいにして
裁判終了
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523: ◆zbOQ645F4s 2021/11/30(火) 21:58:52.91 ID:BBrd2CUc0
モノクマ「大正解! みんなを率いるリーダー、希望の象徴だった風野灯織さんを殺害した極悪非道なクロは七草にちかさんなのでしたー!」
結華「本当に、にっちゃんが……ひおりんを……?」
果穂「にちかさん……!」
にちか「……投票してくれてありがとうございます」
美琴「……」
投票結果は正解。
風野灯織を殺害したのは七草にちか。
モノクマのやたらハイトーンな声とは魔反対に押し黙っている連中はうつむいて、文字通り葬式の参列のような空気が漂っている。
七草にちかが本当に人を殺していたこと、そしてその人間を自らが殺人犯だと告発し次なる犠牲者に差し出したこと。
そのどちらに気を沈めているのかは私には測りかねる。
ただ、その悉くが絶望という言葉で表現するに足る表情を浮かべていることは事実だ。
524: ◆zbOQ645F4s 2021/11/30(火) 21:59:58.93 ID:BBrd2CUc0
モノクマ「みんなが楽しくパーティの準備をしていた中で一人別の人間を殺す準備をしていたなんて、なんとも殊勝な殺人犯ですね!」
千雪「さ、殺人犯だなんて……」
モノクマ「殺人犯でしょ。だって七草さんは明確な殺意を抱いていた、これは神様にだって否定できない事実だよ!」
(……その“神様”ってのは、私のことじゃないな)
摩美々「……ねえ、ルカの言ってた推理って全部正しかったのー?」
にちか「はい……何から何まで言ってた通りです」
摩美々「だとしたら……にちかは本当は誰を殺そうとしてたのー?」
美琴「え……」
摩美々「だって灯織はその誰かと勘違いされて殺されちゃったんでしょー、にちかが塗料を直接塗り付けた……本当は殺されるはずだった人物がいるはずじゃーん」
にちか「……言いたく、ないです」
愛依「にちかちゃん……?」
にちか「言いたくない、言えない……! 今この場所で、私が殺そうとした人間なんて言っちゃったら……!」
千雪「摩美々ちゃん、そっとしておこう……? にちかちゃんが可哀そうよ」
あさひ「わたしはハッキリさせておくべきだと思うっす」
525: ◆zbOQ645F4s 2021/11/30(火) 22:01:26.80 ID:BBrd2CUc0
愛依「あ、あさひちゃん……!」
あさひ「にちかちゃんだって、灯織ちゃんを殺しちゃったのは不本意だったはずっす。本当に殺したかった相手への思いを隠したまま死んじゃって、にちかちゃんはそれでいいっすか?」
にちか「違うの……私が殺したかった相手には、恨みとか妬みとかがあったわけじゃなくて……」
モノクマ「ああ、もうまどろっこしいなあ! そんなに気になるなら手っ取り早い方法があるじゃない!」
モノミ「ちょっと、今はミナサンが七草さんとお話しているんでちゅから余計な口出しをして邪魔しないでくだちゃい!」
モノクマ「だからこんなうだうだ言ってる無駄な時間を使うくらいなら、もっと一発ですっぱりとターゲットが分かる方法があるじゃない!」
モノミ「え?」
モノクマ「こういうことだよ!」
バンッ!
俄かに暗闇に包まれる裁判場。
モノクマ「七草さんは殺したい相手に夜光塗料を塗りつけてたんだよ? 裁判場ごと真っ暗にしちゃえばおのずと浮かび上がってくるじゃない!」
モノクマ「それこそ暗闇を仄照らす明かりのようにね!」
526: ◆zbOQ645F4s 2021/11/30(火) 22:03:12.41 ID:BBrd2CUc0
私は参加をしていなかったけど、きっと風野灯織が命を落としたのはこんな暗闇だったんだろうな。
手足の所在もわからなくて、すぐ近くに人がいることはわかっているはずなのに、心がざわつく。
その心のざわつきが目線を走らせる。首を振って、目を凝らし、明かりと呼べる元を探し求める。
そして、その右往左往はある一点で収束した。ちょうど人間の胸のあたりの高さに、わずかに光るものがある。
ほんの一点ほどで、言われなければなかなか気づかない。それぐらいの光量が顔をのぞかせ、私を見つめている。
ルカ「……てめェだったんだな、七草にちかの本当のターゲットってのは」
暗闇の中、私はそのターゲットに近づいていく。
まだそのターゲットは自分のことを指されているのに気づいていないのか、夜光塗料もぼんやりとして動かない。
でも、そんなことは知ったことではない。
たとえ無自覚だったとしても、他者に殺意を抱かれていたその事実は知るべきだし、知られるべき。私はそう思う。
だからそいつの肩に、手をかけた。
丁度この位置に立っていたのはアイツのはずだ。
この裁判の間、終始涼しい顔して、まるで自分は無関係ですともいわんばかりの表情を浮かべていた……【あの女】。
527: ◆zbOQ645F4s 2021/11/30(火) 22:04:11.20 ID:BBrd2CUc0
ルカ「【浅倉透】……お前の代わりに風野灯織は死んだんだよ」
528: ◆zbOQ645F4s 2021/11/30(火) 22:06:13.94 ID:BBrd2CUc0
瞬間、裁判場に明かりがともった。
私が手を乗せている肩の持ち主は案の定浅倉透で、自分が選ばれたことに戸惑っている様子だった。
口をまごつかせて、柄でもなくよろけて見せた。
透「え、私……?」
雛菜「透先輩~~~?! なんで~~~!?」
あさひ「にちかちゃんが夜光塗料を塗りつけることができたのはボディチェックのタイミング。誰を標的にしても夜光塗料を塗るチャンスはいくらでもあったはずっす」
雛菜「そういえば……透先輩のボディチェックをしたのって」
≪灯織「市川さん……いえ、まだ始まっていません。その前に身体検査をしてもよろしいでしょうか? ……七草さん、浅倉さんをお願いします」
にちか「は、はい!」
透「厳重じゃん、めっちゃ」
にちか「ここまでやる必要はあるんですかねー……」
とはいえ一度引き受けてしまった仕事。風野さんに言われるがままに浅倉さんの身体検査を行った。全身をパンパンと叩いていき、不審なものはないか確かめて、さらには【胸元も襟を掴ませてもらって】一応は確認。
透「えー、恥ず……」
にちか「す、すみません……」≫
透「あの時かー」
にちか「……これ以上ないチャンスだと思ったんです。浅倉さんを殺すなら今しかない、って」
冬優子「ちゃ、チャンスって……」
529: ◆zbOQ645F4s 2021/11/30(火) 22:07:04.74 ID:BBrd2CUc0
智代子「な、なんで……なんで透ちゃんを殺そうと思ったの?!」
ルカ「どういうことか、説明してもらえるよな」
にちか「……」
七草にちかはなおも俯いていた。
本当にこいつはどこまで苛立たせる。美琴の隣でいつまでもうじうじうじうじと……自分を口にすることに怯えてばかり。
ルカ「……ッ!」
その苛立ちが、私に七草にちかの胸倉をつかませた。
夏葉「ルカ……! そんな乱暴な真似は……!」
にちか「夏葉さん……いいんです」
ルカ「言えよ」
にちか「……わかりましたよ」
私の顔をその間近にとらえた七草にちかは、観念した様子でその口を動かし始めた。
にちか「……発端は、モノクマの提示したあの動機でした」
恋鐘「漫才に託けて、うちらの記憶が長い間にわたってトンどることを示した、あん動機ばい?」
530: ◆zbOQ645F4s 2021/11/30(火) 22:08:57.55 ID:BBrd2CUc0
≪モノクマ「でもな、おかんはそのマスコットはみんなの記憶を奪っとるって言うんよな」
モノミ「それは……!」
モノミ「あ、あれ……?」
モノクマ「コロシアイ南国生活に参加しているみんなの記憶を奪っちゃってるあくどいマスコットがいるんだってさ。全く、ひどいマスコットもいたものだよね!」
モノミ「あ、あはは……ほ、本当でちゅね……いったい誰のことやら……」
モノクマ「ほんでおかんが言うにはな、そのマスコットってピンク色のウサギみたいな見た目らしいんや!」
モノミ「……い、今のあちしはツートンカラーの愛らしいウサギでちゅ……人畜無害なウサギさんでちゅ……」
モノクマ「でもな、おかんが言うには最近そのウサギは色を変えられた挙句、お兄さんができたらしいねんな!」
モノミ「いやあああああああ! それ以上はやめてくだちゃい!」
モノクマ「で、オトンが言うにはな、それってモノミちゃうか?って!」
モノミ「……」
モノクマ「もうええわ! どうも、ありがとうございました~~~!」≫
にちか「私の家って貧乏なんですよ。片親だし、母は入院中だし……おかげさまで安アパートにおじいちゃんおばあちゃんとお姉ちゃんとで暮らして」
にちか「お姉ちゃんは毎日バイトを掛け持ちして全部生活費にして、私もアルバイトしながらアイドルやって」
にちか「……とてもじゃないけど、何年も持つような生活じゃないんですよ」
にちか「それなのに、記憶が飛んでる? 私の知らない時間が流れてる?」
にちか「じゃあそれはどれくらい? 数時間や数日ならまだしも、もし数か月……数年なんか経っていたとしたら……」
にちか「家族は、どうなってるんですか……?」
531: ◆zbOQ645F4s 2021/11/30(火) 22:11:17.12 ID:BBrd2CUc0
冬優子「にちかちゃん……あの漫才を、本当に信じちゃったんだね……」
千雪「仕方ないわ……今私たちの身に起こってることはどれも信じがたいことばかり。どれが本当か嘘かなんて、もう誰にも分らないもの……」
にちか「だから確かめなきゃって……この島を早く出て確かめなきゃって……」
にちか「でも、それでもぎゅっと抑え込もうとしたんです。だって、不安に感じているのはみんな同じだし……私以外の人にも家族だっていますから」
美琴「じゃあ、どうして……?」
にちか「浅倉さんです」
透「……え」
にちか「殺しちゃダメ、殺すなんてもってのほか。そう思ってたのに……浅倉さんは、浅倉さんは……!」
(……っ!)
七草にちかが浅倉透を見つめるその瞳はこれまでの生活の中で見た七草にちかのどの表情よりも鋭く、尖っていて……それは、以前私が七草にちかにぶつけた視線と全く同じだった。
___敵意、そして【殺意】。
今にもその咽喉元を掻っ切って命を奪い去ろうかという剣幕がそこにはあった。
532: ◆zbOQ645F4s 2021/11/30(火) 22:13:30.71 ID:BBrd2CUc0
夏葉「にちか……お願い、あなたに透に対する敵意と殺意を抱かせたその原因と理由を教えてもらえないかしら」
夏葉「……私たちも、何もわからないままにすべてを終えたくはないのよ」
雛菜「……」
(いつもの能天気女も今回ばかりは頭にキてるみたいだな……)
にちか「……あれは、この島に来て四日目の朝の話です。前の日に私はルカさんと喧嘩みたいになって……なんだか気も立っていて、寝れなくていつもより早く起きちゃったんです」
ルカ「……そうだったな」
美琴「……」
あさひ「四日目ってことは、あの漫才があった日の朝っすね」
果穂「それじゃあにちかさんは……動機がはっぴょうされるよりもはやくに透さんをころそうと思っていたんですか……?」
(……七草にちかは首を縦には振らなかった)
にちか「落ち着けなくて、私は本当になんとなく……なんとなくの気持ちで散歩をしに外に出たんです」
にちか「その結果、私は見てしまったんです……浅倉さんの、【裏切り】の証拠を……」
ルカ「……う、【裏切り】……だと……?」
冬優子「う、裏切りってことは……透ちゃんが……モノクマ側ってこと……?」
愛依「と、透ちゃん?! う、ウソだよね!?」
透「……」
雛菜「と、透先輩……?」
にちか「……浅倉さんが何も言わないなら私が全部言いますよ」
533: ◆zbOQ645F4s 2021/11/30(火) 22:14:51.83 ID:BBrd2CUc0
=========
≪island life:day 4 moring time≫
=========
534: ◆zbOQ645F4s 2021/11/30(火) 22:16:32.35 ID:BBrd2CUc0
【牧場】
私の中の『なんとなく』は静けさを求めていたのか、コロシアイという言葉からイメージされる人由来の脅威から身を置きたかったのか。
気が付けば私は人ではなくむしろ家畜たちがのびのびと過ごす穏やかな牧場に足を運んでいた。
獣の放つ、ありのままの臭いが鼻について煩わしい。
けれど、誰もいない、なにも無い、ただそこにあるだけの牧場の景色は存外私の気持ちを落ち着かせた。
「……はぁ」
私もあの牛みたいに何も考えずだらだらと過ごすだけの一日を送りたい。
あ、でも乳しぼりとかは嫌だな。生理的に無理。
それに家畜って最終的には食べられるんでしょ……最悪じゃん。
どうせなら食べられないし、人に触られないような動物が……
なんてとりとめもないことをひたすらに考えていた、その時だった。
私の視線の先にうっすらと人影が見えた。
その人物はあたりの様子を慎重に伺って、誰にも見つからないように姿を隠しているようだ。
まさかルカさんが何か犯行を企てているんじゃ……?
そんな危惧がふっと湧き上がり、私もスニーキングよろしく身を隠し、慎重に慎重にその人物との距離を詰めていく。
……その人物と背中合わせぐらいの距離までやってきた。
小説とかだと、こういうときでも肝心のその人物はピンとこないとかありがちだけど……
これは現実だ。非現実っぽいだけで、現実だ。
現実というのは、嘘をつかない。
私の中の『なんとなく』は静けさを求めていたのか、コロシアイという言葉からイメージされる人由来の脅威から身を置きたかったのか。
気が付けば私は人ではなくむしろ家畜たちがのびのびと過ごす穏やかな牧場に足を運んでいた。
獣の放つ、ありのままの臭いが鼻について煩わしい。
けれど、誰もいない、なにも無い、ただそこにあるだけの牧場の景色は存外私の気持ちを落ち着かせた。
「……はぁ」
私もあの牛みたいに何も考えずだらだらと過ごすだけの一日を送りたい。
あ、でも乳しぼりとかは嫌だな。生理的に無理。
それに家畜って最終的には食べられるんでしょ……最悪じゃん。
どうせなら食べられないし、人に触られないような動物が……
なんてとりとめもないことをひたすらに考えていた、その時だった。
私の視線の先にうっすらと人影が見えた。
その人物はあたりの様子を慎重に伺って、誰にも見つからないように姿を隠しているようだ。
まさかルカさんが何か犯行を企てているんじゃ……?
そんな危惧がふっと湧き上がり、私もスニーキングよろしく身を隠し、慎重に慎重にその人物との距離を詰めていく。
……その人物と背中合わせぐらいの距離までやってきた。
小説とかだと、こういうときでも肝心のその人物はピンとこないとかありがちだけど……
これは現実だ。非現実っぽいだけで、現実だ。
現実というのは、嘘をつかない。
535: ◆zbOQ645F4s 2021/11/30(火) 22:18:52.23 ID:BBrd2CUc0
透「……あー、うん。大丈夫、今のところは」
536: ◆zbOQ645F4s 2021/11/30(火) 22:20:48.55 ID:BBrd2CUc0
(……浅倉さん?)
浅倉さんは誰かと会話していた。とはいえほかの人物の気配はない。
彼女が何かしらの方法で外部と連絡を取っているのは明らかだ。
もしかして、助けを呼んでくれている?
そう思うと声が飛び出そうだったが、ぐっと堪えた。
(……信用してばかりじゃ、ダメだ。疑いながらの信用じゃないと……)
浅倉さんは悪い人じゃない。それは私だってわかってる。
でも今、ここではコロシアイ南国生活が行われている。
悪い人じゃなくたって、何か間違いは起こってしまうかもしれない。
そのリスクを検討しないと、足元をすくわれるのは私。
必死に自分を押さえつけて、息を殺した。
透「バレてない、平気だって」
透「あー……うん、多分、覚えてない。何も言ってこなかったし」
透「……計画通りだから」
(……浅倉さん?!)
537: ◆zbOQ645F4s 2021/11/30(火) 22:22:55.67 ID:BBrd2CUc0
浅倉さんの言っている言葉はところごころが歯抜けだ。
元から多くを語る人ではないけど、この欠落は電話口の相手がそれを語っているから殊更語らないということに由来する。
ただ、その抜けた中身とやらが、私に疑念を抱かせるには十分すぎる要因であることは確かだった。
透「こっちから仕掛けるよ、黙ってたら……やられるのはこっち」
(……!!)
……『仕掛ける』?
その言葉の意図するところはわからない。ただ、彼女の通話相手が、そして何より彼女自身が何かを『仕掛ける』……その言葉に何か良からぬものを感じ取るのは当然のことだった。
透「……うん、それじゃあまた」
戸惑いと驚きで勝手に出てしまう声を抑え込んで、必死に口を押える私の背後でその通話は終わった。
浅倉さんは深く息を一つつくと、あたりをきょろきょろと見まわし始めた。どうやら今の話を聞いた人間がいないか、点検に動き出したらしい。
(……まずい!)
すぐ背後には壁を挟んで私がいる。
このまま見つかったら、私は彼女に何をされるかもわからない。
すぐに私はその場を離れて走り出した。
多分……見つかりはしなかったはず。
538: ◆zbOQ645F4s 2021/11/30(火) 22:23:49.37 ID:BBrd2CUc0
透「……」
透「……まだ、間に合うから」
539: ◆zbOQ645F4s 2021/11/30(火) 22:25:10.56 ID:BBrd2CUc0
◇◆◇◆◇◆◇◆
にちか「初めから、裏切ってたんですよ。浅倉さんは。私たちが外の世界と連絡が取れないことに焦っていた中で、別の誰かと連絡を取っていて……一人だけこの孤立無援の恐怖を感じていなかった」
にちか「だから私思ったんです。ああ、この人はちがう……私たちの仲間じゃない、モノクマとの内通者なんだって」
透「……」
夏葉「……透、説明してもらえるかしら。あなたの口で」
透「あー……」
透「あの時の、にちかちゃんだったんだ」
摩美々「……それは、認めたってことでいいのー?」
透「えっと……うん、大体は。にちかちゃんの言う通り」
結華「と、とおるん……? それ、本気……?」
透「え、うん」
智代子「に、にちかちゃんが聞いたっていう話も全部本当なの?!」
透「マジ」
愛依「そ、そんな……で、でも透ちゃん、別に悪い人と話してたわけじゃないんでしょ?!」
愛依「だ、誰と話してたん?! う、うちらの味方なんでしょ?!」
透「……言えないんだよね、トップシークレット」
にちか「初めから、裏切ってたんですよ。浅倉さんは。私たちが外の世界と連絡が取れないことに焦っていた中で、別の誰かと連絡を取っていて……一人だけこの孤立無援の恐怖を感じていなかった」
にちか「だから私思ったんです。ああ、この人はちがう……私たちの仲間じゃない、モノクマとの内通者なんだって」
透「……」
夏葉「……透、説明してもらえるかしら。あなたの口で」
透「あー……」
透「あの時の、にちかちゃんだったんだ」
摩美々「……それは、認めたってことでいいのー?」
透「えっと……うん、大体は。にちかちゃんの言う通り」
結華「と、とおるん……? それ、本気……?」
透「え、うん」
智代子「に、にちかちゃんが聞いたっていう話も全部本当なの?!」
透「マジ」
愛依「そ、そんな……で、でも透ちゃん、別に悪い人と話してたわけじゃないんでしょ?!」
愛依「だ、誰と話してたん?! う、うちらの味方なんでしょ?!」
透「……言えないんだよね、トップシークレット」
540: ◆zbOQ645F4s 2021/11/30(火) 22:26:17.61 ID:BBrd2CUc0
夏葉「あなた、状況を理解しているの? あなたは私たちをこのコロシアイに巻き込んだ、この企てを行った人間の一人と目されているのよ?」
透「違うよ」
(……!)
透「それは、違う。……けど、言えないから……ごめん」
摩美々「何を言えないことがあるのー? 摩美々たちにとってプラスなら、言えばいいじゃんー」
透「……」
摩美々「黙秘権を行使します……ってコト?」
雛菜「なんで……?」
雛菜「透先輩……? 雛菜には話してくれるよね……?」
透「……雛菜」
雛菜「透先輩……!」
透「……ごめん」
雛菜「……そん、な」
(……チッ)
夏葉「……透のことは一旦、後に置いておきましょう。ともかく、にちかはこの透に対する疑念を拭い去ることができなかったのね?」
冬優子「そして、その疑念から……犯行を決意しちゃったってことなんだね……」
にちか「私は……浅倉さんなら殺してしまってもいい、むしろ殺すべきだって……私たちのことをコロシアイの標的に選んだ黒幕の側の人間なら、許しておけない……死んじゃえって……!」
541: ◆zbOQ645F4s 2021/11/30(火) 22:26:54.49 ID:BBrd2CUc0
モノクマ「何被害者ぶってんの?」
542: ◆zbOQ645F4s 2021/11/30(火) 22:27:59.45 ID:BBrd2CUc0
ルカ「……ッ!?」
モノクマ「さっきから黙って聴いてればさぁ……七草さんの話って要は『自分が帰りたいから、比較的怪しい人間を狙って殺しました』ってだけだしさ」
モノクマ「しかもそれも黙って自分自身のうちにしまっておかずに直ぐにみんなに言えば良かったじゃん!」
モノクマ「それなのにこんな結末って……」
モノクマ「一番仲間のことを信じてなかったのは七草さんなんじゃーん!」
ルカ「……ッ!」
(こ、こいつ……塗り替えるつもりか?)
(七草にちかへの同情を、もっと別の……どす黒い感情で……!)
にちか「それ、は……」
モノクマ「それとも……もしかして、唾をつけておいたのかな? 後でこいつは私が殺す、そのための正当な名目は自分だけのものだ……ってね!」
七草にちかに向けられる視線が少しずつその色合いを変えていく。
悲哀の別れを演出する、冷たくも温かい視線から、疑いの籠った純然たる熱を帯びた視線。
肌を灼くようなその視線を前にして、七草にちかの体はまるで凍えるかのように振動を始めた。
543: ◆zbOQ645F4s 2021/11/30(火) 22:29:02.13 ID:BBrd2CUc0
モノミ「ち、違いまちゅ! 七草さんは……疑心暗鬼を食い止めようとしただけなんでちゅ!」
モノミ「こんなみんなが不安に感じて日々を過ごしている中で、浅倉さんの不審な行動を共有すればみんながきっと暴走してしまうって……」
モノクマ「だからそれが七草さんの不信なんじゃん!」
モノクマ「お互いが仲良しで、本当に信じ合えるんだったらその疑心暗鬼だって生じない!」
モノクマ「どれだけ取り繕っても七草さんが283プロ同士の信頼と絆を信じていなかった事実は覆らないよ!」
わざとらしく仰々しく、その声を張り上げるようにして私たちに呼びかけるモノクマ。反論の言葉を返すものはいなかった。
信頼なんてもの、証明のしようが無い。
手を繋いで、隣でニコニコ笑っていても、その腹の中はその本人にしかわからない。
自分が信頼していたって、相手はそうじゃない。
私も、その信頼の脆弱さを誰よりも一番理解している。
____だから、この酷く沈んだ膠着状態で口を開いたのもまた、【脆弱さを一番理解している人間】だった。
544: ◆zbOQ645F4s 2021/11/30(火) 22:29:33.32 ID:BBrd2CUc0
美琴「少し黙って」
545: ◆zbOQ645F4s 2021/11/30(火) 22:31:16.09 ID:BBrd2CUc0
にちか「み、美琴さん……」
美琴「にちかちゃんは確かに私たちにその疑念を打ち明けようとはしなかった。でもそれが信頼していなかったことと同じかどうかはわからないでしょ?」
美琴「信じているからこそ、言えないことだってある。相手のことを思うからこそ、黙っていることがある」
美琴「だって、にちかちゃんが本当に私たちのことを信じていないなら……自分から罪の告白なんてしないでしょ?」
《にちか「……最初はね、私も勝とうとしたんだ」
にちか「だから芹沢さんの推理に便乗したし、机を倒した人の時にも名乗りを挙げなかった」
にちか「でも……ほかのみんなが必死に議論をして、生き残ろうとしている中で自分だけみんなを欺こうとして……」
にちか「私が生き残るってことは、その全員を殺すことになるから……それはできないなって途中で思ったんだ」
にちか「こんなので一番になったからって……私は、うれしくない」
にちか「きっともうイヤだって! めちゃくちゃに後悔して……そんで、呆れるくらいに死にたくなるに決まってる」
にちか「だから、もう……終わらせてください。これ以上は、もう」》
美琴「少なくとも、今のにちかちゃんは私たちを利用しようという気持ちじゃない。それにきっと……ずっと苦しみ続けてきたんだろうと思うから」
美琴「私たちのことを信頼していない自分と、私たちのことを信頼している自分。その鬩ぎ合いに」
546: ◆zbOQ645F4s 2021/11/30(火) 22:32:57.97 ID:BBrd2CUc0
ルカ「……ケッ」
ルカ「おい、そろそろ腹を括るタイミングらしいぜ、七草にちか。お前が死ぬ前に私たちに、美琴に届けたい言葉……聞かせてみろよ」
ルカ「ただし、それを変に取り繕うようなことがあれば……分かってるな?」
にちか「……ルカさん」
にちか「それじゃ、見といてくださいよ。今からやるのはルカさんにとってのお手本なんですからね!」
(ハッ……)
クソ生意気に私に向かって拳を向けた七草にちか。いつの間にかその体の震えはひいていた。
ブレることないその拳を引っ込めて、意を決したように向き直る。
それに正対するのは、美琴だ。
547: ◆zbOQ645F4s 2021/11/30(火) 22:33:52.15 ID:BBrd2CUc0
にちか「……まず第一に、私のやったことは間違いじゃないと思ってます。私が動かなくちゃ浅倉さんが何をしていたか分からない、それに家族のことだって一生わからないまま。そんなのでどうやって生きていくんですか」
にちか「でも、それとは別に。後悔をずっとしてます。どうしてそれを打ち明けられなかったのか、皆さんに……そして、美琴さんに」
にちか「ずっと、ずっっっと思ってたんです。私は美琴さんのことが大好きで、憧れで……でも、美琴さんはきっとそうじゃない」
にちか「美琴さんにとって私はきっとただのお荷物。歌もダンスも足元にも及ばない。経験だってない」
にちか「そんな年下のお守りを無理やりさせられて……私のことをよく思うはずなんかない」
にちか「……私なんかいらないんじゃないかって」
にちか「だから、話せなかった。話したくなかった。言ってしまえばきっと、美琴さんに余計なものを背負わせてしまうから」
にちか「重たすぎる荷物を、下ろされるのが怖かったんです」
美琴「……ッ!」
548: ◆zbOQ645F4s 2021/11/30(火) 22:34:48.21 ID:BBrd2CUc0
正直言って、妬けてしまう。
私の時に、そんな表情でもして見せたかよ。
私の時に、そんな涙を流したかよ。
私の時に、そんなに優しく抱きしめたりなんかしてくれたかよ。
……嗚呼、きっと私という失敗例があるからこそお前はその一歩を踏み出せたんだよな。
一度掴み損ねた“ソレ”をお前は思ってくれてたんだよな。
【もう、二度と離したくない】……って。
549: ◆zbOQ645F4s 2021/11/30(火) 22:36:33.64 ID:BBrd2CUc0
にちか「み、美琴さん……!?」
美琴「ごめんね……」
にちか「美琴さんが謝ることないですよ……私が、私が……」
美琴「違う……自分の気持ちを伝えていなかった私が悪いから」
美琴「にちかちゃん……さっき、エレベーターに乗っている時にした話、覚えてる?」
にちか「奈落……ですか?」
美琴「うん……ステージに出る前、いつも考えているの。この先にある、一瞬のパフォーマンスのために私の【すべて】はある。その【すべて】のために、私はある」
美琴「でもね……その【すべて】は私一人じゃ作れないの」
にちか「……!!」
550: ◆zbOQ645F4s 2021/11/30(火) 22:37:49.46 ID:BBrd2CUc0
美琴「隣で歌ってくれる、踊ってくれる。ちょっと遅れちゃっても一生懸命についてきてくれる」
美琴「そして、私のことを気にかけて無理やりにでも笑顔を見せてくれる」
美琴「ごめんね、少しだけ嘘をついた」
美琴「私のとっての奈落はもう一つ」
美琴「奈落」
美琴「ステージの下。私は一人になる。誰の助けもない、誰も隣にいない。出番を待つその時間に、自分自身を顧みる」
美琴「……でも、ここを出れば私は孤独ではなくなる。私を待ち構えてくれる人が、ファンが、スタッフが、プロデューサーが」
美琴「……そして、隣に立ってくれるパートナーがいる。その人たちのために、【すべて】がある。私の【すべて】はそのためにある」
美琴「……なんて」
にちか「美琴さん……あはは、美琴さんは……ずっと見てくれてたんですね」
にちか「それなのに、私ってば、本当に救えないなー!」
にちか「バカ、バカ、バカ……本当に私って……」
にちか「バカすぎじゃないですか……」
551: ◆zbOQ645F4s 2021/11/30(火) 22:38:52.38 ID:BBrd2CUc0
誰も言葉を挟み込みはしなかった。
まるで姉妹であるかのように抱きしめ合う二人の姿をただ傍観していた。
283プロでは唯一の二人ユニット、その二人の間に横たわる関係性……絆とも言い換えられるそれは、他の人間のそれとは違っていたからだ。
もともと歪な関係性だった。かたや一度解散を経験した曰く付きの物件、かたやただの一般人上がりの没個性な小娘。
……それが今や、これだ。
ここ島に来てからもずっと、私は考えていた。
どうして美琴は私ではなく、こんなガキを選んだのか。
人間というのは面倒な生き物だと思う。
感情をすべて素直に伝えられれば丸く収まるというのに、その口は、手は、足は……思うように動かないことの方が多い。
その意味では、やっとこいつは救われたんだ。
ずっとその胸に押し込んでいた感情を吐き出すことができた。
それに、その感情を相手にも返してもらえたんだから。
七草にちかはこれ以上なく幸せ者で、
552: ◆zbOQ645F4s 2021/11/30(火) 22:39:41.08 ID:BBrd2CUc0
___________私がなれなかった“私”だ。
ルカ「ハッ……」
553: ◆zbOQ645F4s 2021/11/30(火) 22:40:55.24 ID:BBrd2CUc0
____だけど、そんな感慨に耽る時間は唐突に終わりを告げる。
モノクマ「さて、そろそろ始めちゃいましょうか!」
554: ◆zbOQ645F4s 2021/11/30(火) 22:42:11.82 ID:BBrd2CUc0
ルカ「……おい、始めるってまさか」
冬優子「おしおき……処刑……!?」
美琴「……!」
愛依「た、タンマタンマ! べ、別にいいじゃん! にちかちゃんも反省してるし、灯織ちゃんもにちかちゃんのことを恨んでなんか……!」
モノクマ「何か勘違いをしてるようだけど、処刑ってね。誰かの溜飲を下すわけにやるんじゃないんだよ?」
モノクマ「許されざる大罪を背負った人間に、然るべき罰を下す! ただそれだけのことなんだから!」
夏葉「大罪って……あなたがいなければにちかはこんな人を殺めたりなんかしなかったのよ?!」
モノクマ「うぷぷ……だからって罪が消えるわけじゃないよね? 他の誰かに唆されたら無罪だってんなら、戦争はなんになるの?」
モノクマ「お国のために他の国の人間を山ほど殺しても仕方ないことで終わらせるの?」
夏葉「そ、それは論点のすり替えだわ……!」
モノクマ「小宮さんの大好きなヒーロー特撮でも、悪いことをした悪役は必ずその報いを受けますよね?」
果穂「そ、そうじゃない怪人だっています……! 反省した怪人は、まちの平和のためにヒーローを助けてくれることも……」
モノクマ「……」
モノクマ「ま、どうあれおしおきを止めるなんてあり得ないので止めるだけ無駄ですよー!」
智代子「む、無視なんて酷すぎるよ!」
モノクマ「うるさいうるさい! ボクがクロといえばクロ、シロといえばシロ! それがすべてだよ!」
摩美々「モノクロツートンの存在がそれ言うー……?」
モノクマ「キッチリカッチリ、七草さんには死んでもらいますからね!」
にちか「……死ん、で……」
モノクマ「おしおきのないコロシアイなんて、お魚抜きの海鮮丼ですからね!」
(……くそッ!)
血の気が引く、とはまさにこのことを言うんだろう。
手足の力が地面に吸い取られるように抜けていき、体温が急速に冷めていく。
反対に込み上げてくるのはむせ返るような嫌悪感。嘔吐感にも近しい衝動が私の喉元を襲った。
555: ◆zbOQ645F4s 2021/11/30(火) 22:43:45.21 ID:BBrd2CUc0
モノクマ「今回も、超高校級の幸運である七草にちかさんのためにスペシャルなおしおきを用意しました!」
にちか「美琴さん、最後に本当のことを言えて、本当のことを聞けて良かったです」
にちか「えっと……その……私はこれから死んじゃうみたいなんですけど……頑張ってください!」
にちか「美琴さんは絶対絶対ぜっったい! 一番のアイドルになれるので!」
にちか「【SHHisの緋田美琴】として……一番になってください!」
モノクマ「それでは張り切っていきましょう! おしおきターイム!」
556: ◆zbOQ645F4s 2021/11/30(火) 22:44:48.55 ID:BBrd2CUc0
にちか「【奈落】の底からでも、応援してますから!」
557: ◆zbOQ645F4s 2021/11/30(火) 22:46:46.70 ID:BBrd2CUc0
-----------------------------------------------
GAMEOVER
ナナクサさんがクロにきまりました。
おしおきをかいしします。
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GAMEOVER
ナナクサさんがクロにきまりました。
おしおきをかいしします。
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558: ◆zbOQ645F4s 2021/11/30(火) 22:48:08.59 ID:BBrd2CUc0
あまり恵まれた家庭環境ではないお家に生まれた七草さん。
そんな彼女がアイドルとしてデビューして、もうそれなりの月日が流れました。
憧れの緋田さんとタッグを組んでスターダムを上り詰める彼女の姿には本当に勇気をもらえますね。
でも、そんな彼女は……今本当に輝いているのでしょうか。
今彼女の履いている靴は……
___一体誰の【靴】なんでしょう?
-----------------------------------------------
ヴぇりべりいかレたサいゴ
超高校級の幸運 七草にちか処刑執行
-----------------------------------------------
とある敏腕プロデューサーがこんな言葉を口にしたことがあります。
「足に合わせるんじゃない、靴に合わせるんだ」
そう、トップアイドルならどんな靴でも華麗に着こなして、そのレッテルに見合うだけのパフォーマンスを披露できるはず!
559: ◆zbOQ645F4s 2021/11/30(火) 22:50:02.12 ID:BBrd2CUc0
七草さんもこれから上を目指していくなら、ありとあらゆる靴を履きこなせるはずですよね。
玉座に手や膝をベルトで固定された七草さん、そんな彼女に今回用意された靴はこちら!
編み込みの決まったお洒落なブーツ!……ただし、【鉄製】の物ですが。
でも、まだこのブーツは七草さんには少し大きいみたいです。足を入れてもまだブカブカ。
なら、キチンとサイズに合わせないとですよね!
せっかくなら、その隙間はファンからのプレゼントで埋めてしまいましょう。
ファンレターに寄せ書き、花束にプレゼント、スタミナドリンクやチョコレートまで。
ドンドンドンドンファンからの愛がブーツに詰まっていきます。
やがて七草さんの足とブーツとに空いていた隙間は無くなり、ギチギチに。
……でも、まさかファンからの想いを受け取らないなんて言いませんよね?
まだまだファンからのプレゼントはたくさんありますよ〜!
監視カメラに盗聴器、GPSなんかも貰っちゃって! 愛されてますね〜!
え? 靴にはもう入らない?
それもそうですね、これは七草さんのためだけに職人が作り上げた鉄製のブーツ!
強固な作りのブーツはそう簡単には形も変わりません。
でもでも……「足に合わせるんじゃない、靴に合わせるんだ」でしたよね!
560: ◆zbOQ645F4s 2021/11/30(火) 22:51:34.75 ID:BBrd2CUc0
バキッ ボキッ グシャッ
七草さんの足をバキバキに押し潰しながらでもプレゼントは受け取ってもらいます。
それがファンからの愛、そしてトップアイドルになる上での痛みなのですから。
自分自身を変えずにトップになれる存在なんていません、今一度の苦しみを受け入れないで何だと言うんですか。
……あれ?
もしかして、足の骨がバキバキに砕かれた痛みで気を失ってます?
あーもう、仕方ないなぁ!
その程度の覚悟しかない「灰被り」にはシンデレラストーリーなんか似合わないってことで!
七草さんの頭上にあったカボチャのくす玉からは大きな大きなガラスの靴が落ちてきて。
……グシャァ
アイドルになる心構えもなってない只の一般人は、自分の身の丈に合わない【靴】に押しつぶされて死んでしまいましたとさ。
561: ◆zbOQ645F4s 2021/11/30(火) 22:52:17.44 ID:BBrd2CUc0
___七草にちかが死んだ。
562: ◆zbOQ645F4s 2021/11/30(火) 22:54:38.39 ID:BBrd2CUc0
美琴の周りをブンブン飛び交う煩わしい蝿のような女が死んだ。
そんな願ってもない事態を前にして、晴れやかな感慨を……抱けなかった。
想定外に私の膝は支柱を失ったかのように崩れ落ち、気がつけば両の掌を地面にくっつけて、体を戦慄かせるようにしていた。
一言言葉を吐き捨ててやりたかった。
されども私の喉は何かに打ち震えたようで、口から出るのはそれこそ羽虫の羽音のように聞くに耐えない弱々しい絞り出したような声だった。
私が、七草にちかの死を前にして抱いているこの感情はなんだ?
奴は憎しみ、嫉み、煩わしいだけの存在だったはずだ。
私と美琴の間に横たわる軋轢を土足で踏み荒らして、図々しくも自分の了見で食ってかかってきた余所者でしかなかった。
なら、この上体を支えている両腕を上げて万歳でもしてやればいい。
あいつの死に為るべきは歓喜じゃなかったのか。
その掌は、溶接されたように地面から離れない。
「……畜生」
私の口から出てくるのは、その一言だけだった。
563: ◆zbOQ645F4s 2021/11/30(火) 22:56:41.04 ID:BBrd2CUc0
モノクマ「ヒャーッホウ! 久しぶりのおしおきで思わず昂っちゃうね!」
モノクマ「ビンッビンだぜ! これが……生の悦び?」
千雪「……」
恋鐘「……」
愛依「……」
モノミ「うぅ……七草さん……モノクマ、なんて酷いことをするんでちゅか……」
モノクマの品性のかけらも無い煽り文句。
本来なら激昂しそうな連中も、その拳は垂れ下がったまま。言葉一つ出てこない様子を見るに、相当キているらしい。
そして、言うまでもなく一番、そういう状態なのは……
美琴「……」
ルカ「……美琴」
美琴はまるで魂が抜けたみたいに動かなかった。
さっきまで手に抱き抱えていた相方が奪われ、その先で惨たらしい死を遂げた。
尊厳を踏み躙られて、人生そのものを嘲笑うような、そんな最悪の方法だった。
もう、今の美琴に言葉は届きそうもない。
(……何が『美琴さんは任せましたよ』だ)
(私に出来ることなんか、何にもない……お前の穴を塞ぐことなんて、お前にしかできねえだろ……)
564: ◆zbOQ645F4s 2021/11/30(火) 22:58:33.60 ID:BBrd2CUc0
果穂「夏葉さん……夏葉さんの手で何にも見えないです……にちかさんは、どうなったんですか……?」
夏葉「……」
果穂「にちかさんは……しんじゃったんですか……?」
夏葉「……っ!」
夏葉「モノクマ! もういいでしょう! あなたの目論見通り、仲間同士でコロシアイが起きて、あなたの私刑でにちかも……!」
夏葉「あなたの目的は果たされたはずでしょう?! 私たちを解放しなさい!」
モノクマ「うぷぷぷ……目的が果たされた? バカを言っちゃいけないよ」
モノクマ「これはまだ第一歩、スタートラインから一歩踏み出しただけに過ぎないんだよ。まだまだゴールテープは遠く先さ」
夏葉「あ、あなたは何を目的にしているの……?!」
モノクマ「それはオマエラも知っての通りさ! これはあくまで希望ヶ峰学園歌姫計画なんだからさ」
モノクマ「このコロシアイを生き抜いて勝利する……そんな最高の希望の象徴たるアイドルを作り出すこと、それが目的なんだよ」
モノクマ「だから、まだまだ終われない。むしろここからが本番だよ! 最初のコロシアイを経たオマエラがどうするのか……目が離せないよね!」
摩美々「……モノクマの狙い通りになんかさせませんケド」
モノクマ「ぶひゃひゃひゃひゃ! この惨状を前にしてそんなこと言われても説得力ないんですけど!」
565: ◆zbOQ645F4s 2021/11/30(火) 23:00:42.74 ID:BBrd2CUc0
恋鐘「うちらはもうこれ以上間違えんよ……今度こそ、ちゃんとお互いを信用して……全部全部共有するばい」
恋鐘「秘密も不安も、全部仲間で分かち合えば何も怖いことなんかなか……!」
モノクマ「……? やれやれ、カーカー喧しいから何かと思えば、月岡さんは人間じゃなくてカラスさんなの?」
恋鐘「な、なん……!?」
モノクマ「だって、ついさっきのことを忘れちゃって……それって丸っ切り鳥頭じゃん!」
モノクマ「秘密を共有するも何も、浅倉さんがダンマリじゃんかー!」
透「……」
(……そうだ、こいつは)
結華「ま、待ってよ……とおるんは確かに三峰たちに秘密を抱えてるけど、敵対してるわけじゃないんだしさ……」
モノクマ「そうだね、浅倉さんはそう言ってたね!」
摩美々「何ぃ? その言い方ぁ?」
モノクマ「別にー? 浅倉さんはそう言ってたなーってそれだけだよ?」
モノクマ「ま、ボクが内通者だとしても同じように言い訳するかもなーなんて思わなくもないけどさ!」
566: ◆zbOQ645F4s 2021/11/30(火) 23:01:59.04 ID:BBrd2CUc0
透「……ちが」
モノクマ「そりゃ素直に黒幕と繋がってますなんて普通は言わないよ、そんなの針の筵になりにいくようなもんだからね!」
……やられた。
こいつがやったのは、疑念をほんの僅かに後押しするだけの一言。
でも、そのほんの一言は真っ白なシーツに一滴こぼれただけのコーヒーの染みのように気になって仕方がない。
浅倉透という人間を前にした時に、脳裏にその僅かな可能性がよぎってしまう。
私たちに、そういう呪いをかけてきやがった。
そして、タチが悪いのが最初に浅倉透への疑念を口にしたのが、今もうこの場所にはいない七草にちかだということ。
その事実を前にした時、【あいつ】はまともじゃいられなくなる。
美琴「……にちかちゃんはあなたのことを疑っていたけど、あくまで答える気はないの?」
透「……」
美琴「……そう」
(美琴……)
字面だけ言えば淡白に尋ねただけ。
ただ、私にはわかる。その瞳に仄かに灯っているワインレッドの火種、これがある時の美琴は大抵碌でもないことをしでかす。
____そして、その予感はやっぱり的中した。
567: ◆zbOQ645F4s 2021/11/30(火) 23:03:35.38 ID:BBrd2CUc0
パンッ
透「……痛ッ」
美琴「……私はあなたを信用できない。本当のことを話さない限りはね」
ルカ「……美琴ッ!」
慌てて美琴を羽交い締めにした。
誰かを引っ叩くなんて今まで見たこともない。
美琴自身も、自分自身の感情の向け所を見失っているのだ。
私の腕に収まった美琴は抵抗するでもない、ただ静かにその肩を震わせていた。
千雪「落ち着いて……何も透ちゃんが敵だと決まったわけじゃないでしょう?」
あさひ「でも、味方とも言えないっすよ?」
智代子「だからって、手をあげたりしちゃダメだよ……!」
緊張の海に美琴が投じた一石が、水面を揺らし、波は畝り、そして決壊したように溢れ出た声が一つ。
568: ◆zbOQ645F4s 2021/11/30(火) 23:05:04.91 ID:BBrd2CUc0
雛菜「うるさ〜〜〜〜〜〜い!」
雛菜「透先輩のことを信じられない人は好きにすればいいですけど、雛菜はどうだって透先輩のことを信じてるもん〜〜〜!!」
冬優子「ひ、雛菜ちゃん……落ち着いて……」
雛菜「もう知りませ〜ん!」
浅倉透の腕を引ったくるように掴んだかと思うとズイズイと私たちの間を通り過ぎて、二人そのままエレベーターに乗り込んでその姿は見えなくなった。
果穂「雛菜さん……」
愛依「行っちゃった、ね……」
モノミ「い、市川さん! 浅倉さん! 待ってくだちゃい!」
モノクマ「うぷぷぷ……何だっけ、信頼? 友情? それって今のオマエラに使う権利のある言葉なのかな?」
モノクマ「この、空中分解寸前のオマエラの間に絆なんかあるのかな?!」
最悪の捨て台詞を吐き捨ててモノクマはその姿を消した。
569: ◆zbOQ645F4s 2021/11/30(火) 23:06:26.38 ID:BBrd2CUc0
「「「……」」」
また、不信の果てに大切なものをその手から溢してしまった。
残された私たちには、そういう退廃的かつ諦観的な重たい空気が漂っている。
(……知ったことかよ)
でも、私にはそれは関係ない。
私はこいつらとは違う。
自分が生きるために七草にちかという人間を切り捨てて、はなから信用なんかもしていない。
私は私、ただそれだけで生きていけばいい。
美琴をその手から離すと、踵を返して背を向け、私もエレベータへと向かう。
知ったこっちゃない。
勝手に意気消沈してればいい。
私は巻き込まれただけの部外者だ。
信じるだの信じないだの、決めるのはお前たちの仕事だろ。
570: ◆zbOQ645F4s 2021/11/30(火) 23:07:52.50 ID:BBrd2CUc0
(……あ?)
でも、何故かその足が動かない。
エレベーターに乗り込もうとするその一歩が踏み出せない。
こいつらの状況を見かねて、後ろ髪を引かれているとでもいうのか?
そんなわけない、私は慈善主義でも博愛主義でもなんでもない。
神様なら救いの手を差し伸べるかもしれない、でも生憎私はカミサマだ。
そんな選択肢は毛頭持ち合わせちゃいない。
___私に出来るのは、その背中を見せることだけだ。
ルカ「……死にたくないんだよ」
571: ◆zbOQ645F4s 2021/11/30(火) 23:09:57.21 ID:BBrd2CUc0
ルカ「こんなところで、283プロの連中に足を引っ張られて死ぬなんか最悪だ。勝手に内輪揉めして内部分裂しかかってる間抜けな連中、死ぬなら勝手にそっちで死んでくれ」
ルカ「でも、今は私もお前らと一蓮托生らしいからな。この学級裁判とやらで負ければ私も一緒に死ぬ……本当に、どこまで行っても最悪だよ」
夏葉「ルカ……あなたね……!」
ルカ「だから、いつまでそんなしょうもないとこにいるんだよ。一生そのまま不信を嘆いてるつもりなのか?」
恋鐘「……!」
愛依「……!」
ルカ「信じられなかったんだったら今から信じればいいんだろ? 七草にちかが、そうやって信じ直してくれたから私たちは今生きてるんじゃ無かったのか?」
美琴「……ルカ」
あいつの死に様を利用するのは癪だけど、今のこいつらにはあいつが必要だ。
283プロの間にある信頼を、絆を、証明したままに死んでいった【あいつ】の力が。
ルカ「七草にちかのことを信頼してるんなら、エレベーターに乗れよ。……こんな所にいるより、さっさと帰ったほうがいいだろ」
572: ◆zbOQ645F4s 2021/11/30(火) 23:11:01.09 ID:BBrd2CUc0
私の言葉にも明確な返答はしてこなかった。
憎まれ口の私に対する敵対心なのか、それともまだ踏ん切りをつけられていないからなのか。
ともかく、言葉では何も返ってこなくとも、行動は正直な連中だ。
一人、一人と私の横を通って、エレベーターへと乗り込んでいく。
まあ、中には何を勘違いしたのか感謝の言葉を投げてくる奴もいたけど。
それは当然ながら無視してやった。
感謝される謂れはひとつもない、するとしても相手は私じゃないだろ。
そして、最後の一人。
美琴「……」
美琴も無言で歩き出し、私の隣へ。
表情はまだずっと暗いまま、口もギュッと結ばれていた。
それなのに、すれ違うその一瞬の間に……美琴の声を聞いた気がした。
573: ◆zbOQ645F4s 2021/11/30(火) 23:11:50.03 ID:BBrd2CUc0
「……信じてた」
574: ◆zbOQ645F4s 2021/11/30(火) 23:13:56.85 ID:BBrd2CUc0
それは、その言葉は……
『私は七草にちかのことを』?『283プロのみんなのことを』?
それとも________
いや、どうでもいい。
今の私に大切なのは、私自身が生き延びることだ。
間違っても、絆を改めて見定めることなんかじゃない。
それにきっと今のは幻聴だ。
私も長時間の議論で疲れていただけなんだろう。
そう思って眉間を指で押さえて、息を一つ。
何故だか、次はその一歩を踏み出せた。
575: ◆zbOQ645F4s 2021/11/30(火) 23:15:07.21 ID:BBrd2CUc0
-------------------------------------------------
【第1の島 ホテル】
裁判が終わった後の感想戦なんかに付き合ってる暇はない。
地上へと戻った私は他の連中とは行動を一緒にせず、そのままホテルへと戻ることにした。
疲れている。
ホテルに帰る道中でも手や足には倦怠感を覚えたし、頭はずっとキリキリと痛む場所がある。胸には何かがつっかえたようでどことなく息苦しい。
ゆっくりと寝でもしたら少しは回復するだろうか。
そんなことを考えながらホテルに帰った私。
だがその私の考えは他所に、体と本能とは、別の場所に私を運んだ。
-------------------------------------------------
【第1の島 ホテル】
裁判が終わった後の感想戦なんかに付き合ってる暇はない。
地上へと戻った私は他の連中とは行動を一緒にせず、そのままホテルへと戻ることにした。
疲れている。
ホテルに帰る道中でも手や足には倦怠感を覚えたし、頭はずっとキリキリと痛む場所がある。胸には何かがつっかえたようでどことなく息苦しい。
ゆっくりと寝でもしたら少しは回復するだろうか。
そんなことを考えながらホテルに帰った私。
だがその私の考えは他所に、体と本能とは、別の場所に私を運んだ。
-------------------------------------------------
576: ◆zbOQ645F4s 2021/11/30(火) 23:22:29.63 ID:BBrd2CUc0
【旧館】
……ハッ。
どういうつもりだよ、自分が参加していなかったパーティで人が死んだ。
今更そのことを悔やみにきたってのか?
まさか風野灯織の死を悼みにきたってのか?
いや、そんなちゃちな感慨ならこんな所には来ない。
私がここにきたのはもっと別な理由だ。
それは言うなれば、一つの好奇心。
私には、どうしても知りたいことがあった。
その答えがここにはきっと眠っている。
「……そうだよな、この事件はまだ終わってなんかない」
「風野灯織を殺したのは七草にちかだった。ただ、それだけのことなんだよ」
「まだ、出てきてないものがある。顕在化していない悪意がある」
「七草にちかの裏に姿を隠した、【狸】が紛れ込んでるんだよ」
577: ◆zbOQ645F4s 2021/11/30(火) 23:23:51.20 ID:BBrd2CUc0
≪にちか「死体のそばに落ちていた暗視スコープ……あれ、実は使えなかったんです」
千雪「使えなかった……?」
にちか「はい、レンズの上から【黒い絵の具か何かで塗りつぶされてて】、暗闇どころか向こう側も見えないぞって感じなんですよ。だから逆にあれをつけちゃえば見えてるものも見えなくなるぐらいで……」
にちか「暗視スコープがあったからって風野さんが辺りを見えてたとは限らないんじゃないですかね!」
千雪「たしかにそれはそうかも……でも、なんでスコープのレンズが塗りつぶされてたのかな?」
美琴「それこそ犯人の策略なんじゃないかな」
美琴「犯人が灯織ちゃんの暗視スコープの準備を知ったうえで、それに黒い絵の具を塗りつけたのだとしたら……意図的に隙を作ることができるよね」≫
「……風野灯織が停電中に仕様を試みた暗視スコープは何者かにレンズ部分が黒塗りにされる細工をされていた」
「でも、七草にちかはそんなの犯行計画には入れていなかった。それも当然だ、あいつは風野灯織を狙ってなんかいなかったんだからな」
「しかも、それだけじゃない」
≪恋鐘「こん鉄串を犯人が使ったからって大広間の人間が犯人とは限らんばい!」
ルカ「なんでだよ! 鉄串は大広間にしかないもんだろ? 料理を作った後は備品も全部ホクロ女に回収されたって……」
恋鐘「だって、この【鉄串はうちが厨房入った時には既にもう一本無くなっとった】けん!」
にちか「う、嘘……!?」
恋鐘「厨房には備品リストがあって、スプーンから鍋までなんでも数が書いてあるんよ。それに照らし合わせたら、確かに鉄串が一本足り取らんかったばい」≫
「旧館の鉄串は風野灯織殺害に使われた一本以外にももう一本、その所在が分からなくなっていた。しかもそれを持ち出した人間はいまだにわかっちゃいない」
「私たちがこの島にくる以前になくなってた……そんなことがあるってのか?」
「私たちの中に潜む【狸】は何を考えてやがる……?」
578: ◆zbOQ645F4s 2021/11/30(火) 23:25:00.39 ID:BBrd2CUc0
「あはは、やっぱり気づいてたんっすね」
579: ◆zbOQ645F4s 2021/11/30(火) 23:26:09.04 ID:BBrd2CUc0
思わず振り返った。
今のは、幻聴じゃない。
確実に私の後ろにいた、【何者か】の声だ。
でも、視界には何の姿も捉えることはできなかった。
人気もない物静かな夜にプールの水音がするだけ。
波ひとつない水面には、満月が綺麗にそのまま象られている。
「ハッ……あんな事件があったってのに嘘みたいだな」
月光というのは不思議なものだ。
月そのものが光っているわけでもないのに、太陽の光を我が物顔で地球に押し付けてくる。
満月ともなると虎の威を借る狐っぷりにも拍車がかかる。
闇に姿を紛れさせようとしても、その光の元に晒される。
夜だというのに、満月の元では隠れることすらままならないのだ。
580: ◆zbOQ645F4s 2021/11/30(火) 23:28:15.62 ID:BBrd2CUc0
「……ん?」
そこで漸く、気づいた。
今私の目の前で、プールの水面に写っているのは紛れもない月だ。満月だ。
東京に居たんじゃなかなか見ることのできない、立派なまでの満月だ。
「どうなってる……?」
でも、それはおかしい。
私が満月を見れるはずがない。
「なんで、なんでだよ……」
月というのは一ヶ月の間に満ち欠けを繰り返す。
先の二週間で満ちた月は、後の二週間でその姿を欠いていく。
……じゃあ、なんでこの月はずっと変わらない……【満月のまま】なんだ?
581: ◆zbOQ645F4s 2021/11/30(火) 23:29:05.18 ID:BBrd2CUc0
この島に来た、はじめの夜。
≪煌々と輝く【満月】の月光の元、沈黙だけが流れた。
伏目がちに猜疑の視線を送る人、仲間をかばうようにして背を向ける人、狼狽えた様子で口をパカパカさせる人……その反応はまちまちだが、恐怖と不安というマイナス感情の鎖には全員が全員縛り上げられている。≫
あの時も変わらず満月が出ていたはずだ。
途端に全身の毛が逆立つような感覚を覚えて飛び上がった。
「……気色悪い」
もう私の目の前にあるそれを、私の知るそれとは思えなかった。
……目眩がするような感覚だ。
千鳥足のようになりながら、ヨタヨタと私は自分の部屋へと戻っていった。
582: ◆zbOQ645F4s 2021/11/30(火) 23:30:24.14 ID:BBrd2CUc0
-------------------------------------------------
【???】
「やっぱり、話してくれないの?」
「……」
「そっか~……」
「……」
「ううん、気にしないで~。それでも、もう信じるって決めたから」
「……でも」
「何があっても、雛菜は透先輩の味方だよ。他の全員を敵に回しても、雛菜だけは絶対に透先輩を見放さない」
「……」
「……そう約束したからね~~~~~!」
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【???】
「やっぱり、話してくれないの?」
「……」
「そっか~……」
「……」
「ううん、気にしないで~。それでも、もう信じるって決めたから」
「……でも」
「何があっても、雛菜は透先輩の味方だよ。他の全員を敵に回しても、雛菜だけは絶対に透先輩を見放さない」
「……」
「……そう約束したからね~~~~~!」
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583: ◆zbOQ645F4s 2021/11/30(火) 23:31:20.29 ID:BBrd2CUc0
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CHAPTER 01
MIDNIGHTのせいにして
END
残り生存者数
14人
To be continued…
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CHAPTER 01
MIDNIGHTのせいにして
END
残り生存者数
14人
To be continued…
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584: ◆zbOQ645F4s 2021/11/30(火) 23:32:22.75 ID:BBrd2CUc0
【CHAPTER 01をクリアしました!】
【クリア報酬としてモノクマメダルを60枚獲得しました!】
【アイテム:割れた名盤を手に入れました!】
〔CHAPTER01を生き抜いた証。かつて流星のごとく姿を現し、そして短い活動期間のもとに消えていった伝説的なアイドルのレコード。ある少女の胸を打ち、夢を抱かせた伝説的なサウンドは、レコード自体が割れてしまった今となっては聞く術もない〕
585: ◆zbOQ645F4s 2021/11/30(火) 23:38:36.29 ID:BBrd2CUc0
というわけで第一章はこれにて終了です。
次章からは主人公を新たにルカに替えて物語が進行していきます。
丁度今日シーズの感謝祭イベントシナリオが追加されましたね。
新規ユニットということもあり、原作シャニマスのシナリオ次第で軌道修正も視野に入れていましたが……
とりあえず今回は大丈夫そうかな……?
ルカのメンタル面がちょっと本作では強すぎな感じもしますが。
さて、第二章なのですがまだまだ書き溜めは出来ておりませんので、しばらくお待ちいただくこととなります。
恐らく年内更新は難しいと思います……来年の一月に公開できればいいな、ぐらいに考えています。
それにシャニは年末年始クソ長シナリオ君が追加されるのは確定事項みたいなものですしね……
それではひとまずお疲れさまでした。
またよろしくお願いいたします。
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