1: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/26(土) 22:44:06.03 ID:nlrUJnyq0
P「おー、悪いな。会社の車だけじゃなくて、俺個人のまでメンテして貰って」

美世「どうってことないよ。むしろいろんな車弄れて嬉しいしね」

P「そうだ。お礼ってほどじゃないけど、直して貰った車でどこかに連れてくよ」

美世「ホント!?」

P「ああ。ただ、次の休みになるけどさ」

美世「それでいいよ。うーん、どこに行こうかなぁ」

P「まだ時間はあるし、のんびり考えたらいいよ」

美世「うん、そうするね!」

2: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/26(土) 22:45:05.18 ID:nlrUJnyq0
当日


友紀「おはようございます!」

洋子「やっほー、プロデューサー」

P「あれ? 二人も来たんだ」

美世「どこに行こうか相談したら、こうなってね」

友紀「キャッツの試合を見に行こうよ、プロデューサー!」

洋子「試合は夜だから、それまでドライブがてら適当に寄り道しよ」

美世「と、言うわけなんだけど、大丈夫?」

P「大丈夫大丈夫。それじゃ行くか」

3: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/26(土) 22:47:31.32 ID:nlrUJnyq0
移動


洋子「ふと思ったけど」

美世「どうしたの?」

洋子「私たちってみんな二十歳だけど、化粧っ気ないなぁと思ってね」

友紀「化粧なんてしなくていいよ。試合が始まったら興奮して汗掻いちゃうし」

美世「そうそう。車やバイク弄ってたら油塗れになるしね」

洋子「そっか。なら仕方ないね」

P「おいおい」

4: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/26(土) 22:49:53.70 ID:nlrUJnyq0
P「女の子の目標となるアイドル達がなんて話してるんだよ」

洋子「えー。プロデューサーは女の子に化粧を強制するの?」

美世「セクハラだー!」

友紀「パワハラだー!」

P「そんなつもりはないけど、やり方さえまともに知らないのはまずいんじゃないか?」

洋子「うっ」
美世「うっ」

友紀「そうなの?」

5: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/26(土) 22:52:08.85 ID:nlrUJnyq0
P「二名は自覚あって、一名はそれ以前の問題だった」

洋子「で、でもでも! 最近は美嘉ちゃんに教えて貰って、勉強してるもん!」

美世「あ、あたしもだよ!」

友紀「そうだったの?」

P「……洋子、美世。ほんの少しでいいから、友紀にそっち方面の興味を持たせてくれ」

8: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/26(土) 22:54:26.25 ID:nlrUJnyq0
友紀「別に良いよ。しなくて困った事ないから」

洋子「でも友紀ちゃんって素のお肌綺麗だよね。なにしてるの? 半身浴?」

友紀「特別な事はなにもやってないよ? 石鹸でごしごし洗ってるくらい」

美世「長い髪はお手入れ大変だけど、どんなシャンプー使ってる?」

友紀「スーパーで売ってた特売のやつ。リンスと合わせて二百円しなかったかな」

洋子「う、羨ましい……」

美世「なんでこんなに個人差が……」

9: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/26(土) 22:56:20.44 ID:nlrUJnyq0
友紀「あっ、バッティングセンター! プロデューサー、ちょっと打って行こうよ!」

P「おう、いいぞ」

美世「野球? 野球に秘訣があるの?」

洋子「バット買って、半身浴の前に素振りでもしようかな……」

P「ないと思うぞ、野球にそんな効果」

10: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/26(土) 22:58:03.37 ID:nlrUJnyq0
バッティングセンター


洋子「少し古い建物だね」

友紀「これくらいの小汚さがないとバッティングセンターに来たって気がしないよ」

P「なにでかい声で失礼な事言ってんだ。まぁ、小奇麗な室内より、半ば雨曝しの方が俺も好きだけど」

友紀「でしょでしょ?」

美世「あたし、初めてなんだけどどうすればいいかな?」

洋子「私もー」

P「バットの振り方は知ってるか?」

美世「そのくらいは。中高の体育の授業でソフトボールがあったから」

洋子「右に同じ」

友紀「じゃあ、後は簡単だよ。バットとヘルメット持って、好きな速度のところに入るだけ」

13: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/26(土) 23:00:02.13 ID:nlrUJnyq0
P「そこのネット越しに見える機械にお金を入れたら始まるぞ」

洋子「スタートと一時停止のボタンは?」

P「そんなんあるか。マシーンが動き出したら、終わるまで止まらんぞ」

美世「途中でお手洗いに行きたくなったら?」

P「先に済ませとけよ」

友紀「語るより実際にやってみた方が早いよ。と言うわけで、一番、姫川友紀! 行っきまーす!」

15: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/26(土) 23:02:00.62 ID:nlrUJnyq0
美世「友紀ちゃんが入った扉に135キロってプレートあるけど、早いの?」

P「遅くはないけど、慣れた人から見れば、大して早くもないな」

洋子「ここの最速って150キロなんだ」

美世「プロデューサーは打てる?」

P「最近来てないし、どうだろな。それより、友紀が打ち始めるぞ」

友紀「うおりゃー!」

美世「うわっ、早い!」

洋子「でも、友紀ちゃん、普通に打ったね」

美世「すごいよ、友紀ちゃん!」

17: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/26(土) 23:04:03.35 ID:nlrUJnyq0
友紀「あー! あと少しだったのに!」

洋子「? なにが少しだったんだろ?」

P「奥のネットに、ホームランって板があるだろ? 店によるけど、大抵は当たれば一回無料になるんだよ」

美世「へー」

P「それと、ここの店の入り口に人の名前が書いてある札が見えるよな?」

美世「壁のやつだね」

P「あれ、ホームラン打つと、自分のを作って並べてくれるんだ」

洋子「よーし、なら私も名前を載せて後世に語り継いで貰う!」

P「……そこまで大層なもんじゃないけどな。あっ、友紀が打ち損じた」

友紀「ちくしょー!」

19: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/26(土) 23:06:00.65 ID:nlrUJnyq0
移動


友紀「楽しかったね!」

洋子「終盤は慣れて白熱したから、結構いい汗掻いたよ」

P「そりゃなによりだ」

美世「プロデューサーさんもカッコよかったよ」

友紀「150キロの自打球は笑ったけどね」

P「うっせうっせ。まだ顎がヒリヒリするんだからほっとけ」

21: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/26(土) 23:08:01.78 ID:nlrUJnyq0
洋子「でも、それ以外は普通に打ててたよね。すごかったよ!」

友紀「あたしもあの速度だと、当てるだけで精一杯かな」

P「まあ? これでも? 少しは? 野球を? 齧ってたし?」

洋子「うっわー。褒めたら途端に腹立たしい表情と言葉遣いになったよ、この人」

友紀「いつか、カイエン乗りてぇって言いそうな調子の乗り方だね」

美世「誰がそんな事言ったの?」

P「車好きとして反応するのは当然だと思うけど、スルーしてやってくれ」

美世「? よくわからないけど、もう言及しないよ」

23: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/26(土) 23:10:00.42 ID:nlrUJnyq0
P「さて、一応球場に向かってるけど、まだまだ時間があるから、行きたい場所があったら行ってくれ」

洋子「はい!」

P「はい、洋子」

洋子「汗掻いちゃったし、温泉に行きたいです!」

美世「いいね。ついでにマッサージでも受けたら、結構いい時間になりそう」

P「野球観戦前にか?」

洋子「その後はまたお風呂に入ればいいの!」

P「風呂好き半身浴マニアめ」

洋子「マ、マニアってほどじゃないよ!」

友紀「さっぱりしてから野球見るのも悪くないと思うよ」

P「それもそうだな。じゃあ、適当なスーパー銭湯にでも行くか」

『はーい』

25: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/26(土) 23:12:01.28 ID:nlrUJnyq0
旅館


P「適当な、とか言いながら、山奥の老舗旅館にいます」

美世「誰に話しかけてるの?」

P「なんでもない。にしても、立派な旅館なのにお風呂入るだけでもいいんだな」

美世「女将さんの話じゃ、温泉の方がメインで、宿泊はついでで経営してるらしいからね」

洋子「にしても、球場に行く時にあんな山道通るんだ」

友紀「あたしはいつも電車で行ってたから知らなかったよ」

27: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/26(土) 23:14:03.85 ID:nlrUJnyq0
P「街の方が道は近いけど混むからな。遠回りになるけど、こっちの方が早いんだ」

友紀「そうだったんだ。物知りだね」

P「いつだったか、友紀が始球式で投げた時に、打ち合わせで何度か通ってな」

美世「お疲れ様、プロデューサーさん。ここでのんびり疲れを癒そ」

P「そうだな」

洋子「じゃあしゅっぱーつ!」

28: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/26(土) 23:16:11.74 ID:nlrUJnyq0
温泉


P「ふぅ、温まるなぁ……」

美世「プロデューサーさん、ちゃんといる?」

P「いるけど、お化けを怖がってる子供みたいな言い方だな」

美世「ふふふ、温泉で柵越しに男の人と話すのって初めてだから、なんか楽しい」

30: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/26(土) 23:18:00.91 ID:nlrUJnyq0
P「友紀と洋子はどうした?」

美世「友紀ちゃんが適当に体洗って入ろうとしたから、洋子ちゃんが教鞭握って指導してる」

洋子「もっと丁寧に! 髪もお肌も乱暴に扱い過ぎ!」

友紀「えー、もういいよ。普通に洗ったんだから」

洋子「よくない! あんなんで今の状態を維持できるってどれだけ恵まれてるの!?」

P「……聞こえたよ」

美世「そんな感じです」

31: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/26(土) 23:20:01.38 ID:nlrUJnyq0
P「友紀、体ぐらいちゃんと洗えよ! 洋子は程々にな!」

洋子「あっ、プロデューサー。私たちの声、聞こえてたの?」

P「途中からな」

友紀「プロデューサーからも洋子ちゃんに言ってよー。あたしの体はもう満足してるって」

P(  く聞こえるのは、俺の脳にある男成分の化学反応か? それとも温泉効果か?)

洋子「……仕方ない。今回はこのくらいでお風呂に入ろ」

友紀「助かったぁ……」

34: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/26(土) 23:22:15.62 ID:nlrUJnyq0
洋子「でも、次はもっとしっかり教えるからね。そうだ! 今日は私の家に泊まりに来て。色々捗るし」

美世「あっ、それならあたしも良い?」

洋子「勿論。二人で一から十まで友紀ちゃんに仕込もうね」

友紀「えぇ~」

洋子「ちなみに決定事項だから」

友紀「そんなぁ……球場でお酒飲んで、帰ったらお家で気持ちよく寝る予定だったのに」

P(アイドルの声を聞きながら温泉っていいものだなぁ)

P(……  い意味じゃないよ?)

36: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/26(土) 23:24:08.03 ID:nlrUJnyq0
球場


P「やってまいりました、某球場」

美世「って言っても、もう席に座ってるけどね」

友紀「すみませーん! ビール!」

洋子「私もー!」

美世「プロデューサーさん、あたしも良いかな?」

P「いいぞ。帰りも俺が運転するから安心しな」

友紀「さっすがプロデューサー!」

洋子「安心して酔えるね!」

P「気分良く酔うのは良いけど、車までは歩ける程度にな」

友紀「女の子を三人くらい担げないと、ベースを踏んだだけで肉離れになるよ」

P「ねぇから」

37: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/26(土) 23:26:01.03 ID:nlrUJnyq0
美世「あっ、試合が始まったぽいね」

友紀「みずきちゃん、出だしが大事だよ! 慎重にね!」

洋子「プロデューサー、みずきちゃんって、ピッチャーの女の子?」

P「そうだぞ」

美世「かわいい子だね。スカウトしないの?」

P「流石に現役のプロスポーツ選手に声をかけるのはな。もうどこかの事務所と繋がってるだろうし」

美世「それもそっか」

39: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/26(土) 23:28:01.54 ID:nlrUJnyq0
友紀「三人とも、大きな声を出して応援しないと!」

P「そう言うわけで、応援に集中しますか」

洋子「おっけー」

美世「うん」

41: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/26(土) 23:30:05.23 ID:nlrUJnyq0
帰り道


P「兵どもが夢の後だな」

美世「意味が違うと思うよ? それに二人は現在進行形で夢の中だしね」

友紀「み、みずきちゃん、そのコースは打たれちゃう……むにゃむにゃ」

洋子「うふふ、またプロデューサー、ボールぶつけた……むにゃむにゃ」

P「……なんてコメントしたらいい寝言なんだよ」

美世「さあ?」

42: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/26(土) 23:32:39.69 ID:nlrUJnyq0
P「洋子はともかく、友紀はいつもどうやって球場から帰ってるんだろうな」

美世「普段はもっと飲む量を抑えてるんじゃないかな?」

P「だといいけど。そうそう、美世も寝ていいぞ」

美世「大丈夫だよ。お酒はほどほどにしか飲んでないから」

P「とか言って、こっそり目を擦ってるのが見えたぞ」

美世「あー、いけないんだ。女の子の隠してる行動盗み見るなんて」

P「はいはい。着いたらちゃんと起こしてあげるよ」

43: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/26(土) 23:34:02.75 ID:nlrUJnyq0
美世「うーん……どうせなら、起こさずにお姫様だっこでベッドまで運んで」

P「気が向いたらな」

美世「そういう言い方の時って、絶対にしないよね」

P「どうだろな」

美世「いじわる。不貞寝するもんね!」

P「はい、お休み」

美世「……うん、お休み。それとね」

P「うん?」

美世「今日はありがと。楽しかったよ」

P「どういたしまして」

美世「うん」

44: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/26(土) 23:36:15.06 ID:nlrUJnyq0
翌日


美世「こんにちわっ」

P「おう。おはよう、美世」

美世「あっ、プロデューサーさん。この前は本当にありがとね」

P「そんなに何度も礼を言われる事じゃないって」

美世「あたしが言いたいから良いの。お姫様だっこは少し恥ずかしかったけど……」

P「助手席のお姫様のご要望だったからな」

美世「あの時は酔ってたの! それと話は変わるけど」

P「ん?」

美世「今度のドライブは二人っきりがいいな、なんて言ってみちゃったり」

46: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/26(土) 23:39:43.18 ID:nlrUJnyq0
P「二人も良いけど、みんなで行った方が楽しくないか?」

美世「もうっ。鈍感さんは罪なんだからね」

P「なんの事だ?」

美世「なんでもありませーん! ちょっとご機嫌斜めなので、会社の車のエンジン見て癒されて来る!」

P「気をつけてな」

美世「ふーんだ」


P(まぁ、気が向いたら二人でどっかに行こうな、美世)


終わり

引用元: 美世「プロデューサーさん、車の整備終わったよ」