1: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/27(日) 14:06:12.13 ID:/jV/GZKj0
【北海道W.I.S.Eアジト・リビング】



カプリコ 「うううう……。寒いよぅジュナスー……」 ブルブル

ジュナス 「ウラヌス」 チラ

ウラヌス 「お断りします」

ジュナス 「……まだ何も言ってないだろうが?」

ウラヌス 「どうせ僕のコートとマフラーを貸せっていうんでしょう?」

ジュナス 「解ってるならさっさとよこせ。この愚図が」 イラッ

ウラヌス 「それが人にモノを頼む時の態度なんですか? 馬鹿なんですか?」

ジュナス 「…………。力づくで取り上げてほしいようだな?」 ヴン

ウラヌス 「僕に勝てるとでも?」 ピキピキッ

4: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/27(日) 14:09:47.38 ID:/jV/GZKj0
ヴィーゴ 「お……お前ら……喧嘩なら外でやれ。迷惑だ……」

シャイナ 「ヴィーゴさんの言うとおりですよ? それでなくてもこのアジトはボロいんですから」

ジュナス 「もし理子が風邪をひいたらお前の責任だ。解ってるんだろうな?」

ウラヌス 「……」 イラッ

グラナ 「前にも教えただろジュナス? 03号はケチくせえ野郎だって」

カプリコ 「さーむーいーよー……」 ブルブル

ドルキ 「俺の上着を貸してやるか?」

カプリコ 「ドルキの服はタバコ臭いからやだ」 プイッ

ドルキ 「んだよ。ワガママだなお前も」

10: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/27(日) 14:16:35.83 ID:/jV/GZKj0
ウラヌス 「……ところでアンタ」

グラナ 「ん?」

ウラヌス 「さっき『前にも教えた』って言いましたよね?」

グラナ 「あァ、お前の昔話をな。ちょうどお前が不在の時だったから知らねえのも無理はねえか」 ポリポリ

ウラヌス 「ちなみに聞くが……昔話って一体何の事を――――」

カプリコ 「ウラヌスは“そ  ”だってグラナは言ってたよねー」

ウラヌス 「!?」

ドルキ 「ブフッ!? ぶほっ! ゲホゲホゴホッ!」

グラナ 「おいおい笑いすぎだろドルキ。03号に悪いだろうが」 ニヤニヤ

12: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/27(日) 14:17:36.56 ID:/jV/GZKj0
シャイナ 「ぷっ、くくっ……粗  って……ウラヌスさんが……本当ですか?」

ドルキ 「霜焼けになって縮こまってんじゃねーのか?」 ニヤニヤ

ウラヌス 「くっ……!」 ワナワナ

ジュナス 「その反応を見た感じだと、どうやら事実のようだな?」 ニヤニヤ

ウラヌス 「こ、の……ッ!!」 プルプル

トントン

ウラヌス 「?」 クルッ

ヴィーゴ 「ド、ドンマイ……。た、例えお前がカントンでも……テンツでも……差別しないから……」

ウラヌス 「」

グラナ 「ま、気にすんな。アレのデカさが男の全てってワケじゃねぇからよ」 ポンポン

14: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/27(日) 14:20:31.92 ID:/jV/GZKj0
ウラヌス 「キッサマァァアッッ!!! 表に出ろ! 叩きのめしてやる!!」

グラナ 「クリオキネシス使いなのに沸点低いんだよ。テメーは」

ウラヌス 「違う! アンタがボクを振り回すのが悪いんだ!」

グラナ 「シャイナー。俺とコイツをアレでいつものとこまで頼むわ」 クイクイ

シャイナ 「はーい。六方転晶系(ヘキサゴナル・トランスファー・システム)」 スッ

ウラヌス 「今日という今日はアンタを倒し――――」

キィン

ドルキ 「これでちっとは静かになるか」

ヴィーゴ 「ち……違いない……」

16: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/27(日) 14:22:04.36 ID:/jV/GZKj0
ジュナス 「よかったな理子。これでマフラーとコートが手に入るぞ」

カプリコ 「うん……」 ドンヨリ

ジュナス 「? 浮かない顔をしてどうした? 気分が優れないのか?」

カプリコ 「ううん、あのね、ジュナス……」

ジュナス 「?」

カプリコ 「グラナが言った“そ  ”ってどんな意味なの?」

ジュナス 「…………………」

カプリコ 「みんなは笑ってたけど、ウラヌスはすごく怒ってたよね?」

ジュナス 「…………………気のせいだ」

カプリコ 「うそはメーなの」

ジュナス 「…………………」

17: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/27(日) 14:23:53.60 ID:/jV/GZKj0
ジュナス 「理子に意味を教えてやれ、ドルキ」

ドルキ 「は、はぁ!? 何で俺に振んだよ!? こういうのはシャイ――――」

シャイナ 「グラナさんとウラヌスさんのジャッジに行ってきますー」 キュイン

ドルキ 「あっ、逃げやがったな!」

トプン…

ドルキ 「ッ! クソッ、てめえも逃げるのかよヴィーゴ!」

カプリコ 「?」

20: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/27(日) 14:26:32.62 ID:/jV/GZKj0
ドルキ 「……コホン。ま、何だ。その、アレだ。粗  っていうのはな」

カプリコ 「うん」

ドルキ 「ぶっちゃけて言うと、粗末な  ――――」

ヒュバッ!!

ドルキ 「!?」

ジュナス 《……言葉選びには気をつけろ。殺すぞ》 ギロリ

ドルキ 《テメェが悪いんだろうが! 俺の首めがけて刃物投げるとか何考えてんだコラ!!》

ジュナス 《理子に変な知識をつけたら殺す。理子にこのテレパスを傍受されても殺す。理子を納得させられなくても殺す。解ってるな?》

ドルキ 《この腐れロリコンが! 覚えてやがれよ……!!》 ギリッ

カプリコ 「粗末な  ?」

ドルキ 「!」

24: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/27(日) 14:30:17.29 ID:/jV/GZKj0
ドルキ 「そ、粗末な……粗末な  ……そう! 賃金! 賃金だ!!」

カプリコ 「そまつ? ちんぎん?」

ジュナス 「働いた見返りにもらう金のことだ。給料や報酬とも言う」

カプリコ 「頑張ったゴホウビのこと?」

ドルキ 「そう! そうだ! 粗末ってのは、チンケなことな!」

カプリコ 「ふぅん……」

ドルキ 「刺客やってた頃、少ないお金で政府にコキ使われてたんだよアイツは」

カプリコ 「んー……」

26: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/27(日) 14:33:08.06 ID:/jV/GZKj0
ドルキ 「要するに、粗  ってのは頑張ってもゴホウビが少ない奴の事を言うんだ。解ったか?」

カプリコ 「うん! わかったー!」 ニッコリ

ドルキ 「……」 チラッ

ジュナス 「……」 コクコク

ドルキ (ふぅ、やれやだぜ。ったく)

カプリコ 「それじゃあジュナスもドルキも“そ  ”だね!!」

ジュナス 「!?」

ドルキ 「あ、あー……そうなる……か?」

カプリコ 「だって弥勒のために、いっしょうけんめー働いててもゴホウビは少しだけでしょ?」

ドルキ 「ま、まあ、そういうことになる……よな?」 チラッ

ジュナス 「……」 ズーン

28: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/27(日) 14:41:13.26 ID:/jV/GZKj0
キュイン

シャイナ 「ただいま戻りましたー」

グラナ 「よおカプリコ。マフラーとコートをゲットしたぞ」 ヒラヒラ

カプリコ 「本当っ!? グラナありがとう!!」

ザパッ

ヴィーゴ 「俺も……ちょっとアトリエに行ってた……てへぺろ……」

ドルキ 「タイミング狙ってたとしか思えねえぞ。この薄情者どもが」

カプリコ 「ねーねー。グラナー」

グラナ 「んん? どうした?」

カプリコ 「ジュナスとドルキも“そ  ”なんだって!」

グラナ 「…………は? マジでか?」

31: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/27(日) 14:46:36.42 ID:/jV/GZKj0
グラナ 「おいおいおい。お前らまさかカプリコに」 ジロリ

ヴィーゴ 「み、見せた……わけじゃない……だろうな……?」 ジロリ

ドルキ 「アイツはともかく俺がやらかすわけねえだろ。ブッ飛ばすぞテメーら」 イラッ

カプリコ 「ジュナスも“そ  ”だよね! ね!?」

ジュナス 「………………………ああ」 ドヨーン

カプリコ 「みんな二人に優しくしなきゃメーだからね!」

ドルキ (俺まで粗  扱いは癪だが……ジュナスの野郎がヘコんでるから良しとするか、ククク) ニヤニヤ

シャイナ (この違和感は何だろう? とんでもない誤解が生じたのでは……?)

33: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/27(日) 14:51:44.40 ID:/jV/GZKj0
カプリコ 「おっおー♪ マフラーぶっかぶかー。コートぬっくぬくー♪」

ウラヌス 「ぐっ……」 ボロボロ

ドルキ 「あー。そういやすっかり忘れてたわ。お前のこと」

シャイナ 「手当てしてあげましょうか? ウラヌスさん」

ウラヌス 「うるさいっ! ボクのことは放っておけ!!」 ビュオオオ

ドルキ 「イジけて冷気撒き散らし出したぞ……。何とかしろよグラナ」

グラナ 「甘やかさねえで放っとけ」

ドルキ 「冷気で部屋ん中が冷凍庫になっちまうんだっての。察しろよ」

グラナ 「お前とジュナスで慰めてやれ。粗  仲間なんだろ?」

ジュナス 「……」 ピキッ

34: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/27(日) 14:58:13.31 ID:/jV/GZKj0
ジュナス 「グラナ……」 ユラリ

グラナ 「? んな怖ぇ顔してどうした?」

ジュナス 「理子の前で下品な話は止めろ。例えお前でも許せないことがある」 ゴゴゴゴ…

グラナ 「お、おう? そんなに気にしてたのか? 悪い悪い」 ポリポリ

ヴィーゴ 「お、俺はお前らが粗  でも……差別はしない……お前らはお前らだ……」

グラナ 「まあ何だ。とりあえずこの話はもう終わりな。はい終わり終わり」

シャイナ (男所帯だからカプリコちゃんが思春期になったら大変そうだなあ、ここ)

36: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/27(日) 15:05:30.12 ID:/jV/GZKj0
ウラヌス 「……」 イジイジ

シャイナ 「あ。そういえば、マフラーとコート外したウラヌスさんって初めて見た気が」

ヴィーゴ 「ま、真夏でもマフラーをしてたからな……。あ、暑くなかったのか……?」

ウラヌス 「…………これが僕のトレードマークだから」 イジイジ

グラナ 「昔な、真夏に厚着してて熱中症でブッ倒れたことあるんだぜ。コイツ」

ウラヌス 「ッ!」

ドルキ 「だっせー……」

ウラヌス 「うるさいっ! グラナッ! アンタはまたそうやってすぐ僕をダシにする!」

グラナ 「本当のことだろ? いちいち怒鳴んなよウゼーから」

ガチャッ

弥勒 「うるさいぞお前ら。さっきから何を騒いでいるんだ?」

37: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/27(日) 15:08:45.09 ID:/jV/GZKj0
グラナ 「03号が俺に突っかかってくんだよ」

弥勒 「静かにしろウラヌス。お前の怒鳴り声は響く」

ウラヌス 「僕を茶化すグラナが悪いんだ!」

弥勒 「グラナ……。お前もお前だ。自重しろ」

グラナ 「へいへい」

弥勒 「これで仲良く出来るな? 二人とも」

グラナ 「けっ」 プイッ

ウラヌス 「……ふん」 プイッ

シャイナ (この二人、仲が良いんだか悪いんだか) ヒソヒソ

ドルキ (本当に仲が悪いならとっくに殺されてるだろ。ウラヌスの野郎が) ヒソヒソ

38: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/27(日) 15:17:13.66 ID:/jV/GZKj0
弥勒 「それにしても寒いな……ヴィーゴ、ヒーターの設定温度を上げろ」

ヴィーゴ 「こ、これが……設定の上限……もう上がらないよ……」 ピッピッ

弥勒 「む、そうか」

ドルキ 「ファンヒーター1台じゃこれが限界だろ。寒ぃなら何か着込んどけよ?」

弥勒 「自宅では靴下や防寒着を身につけたくない性分でな」

ヴィーゴ 「そ……その気持ちは解る……。窮屈で疲れるからな……」

ドルキ 「ならヒーターの前空けてやるからこっちで温まれよ。ほら」

弥勒 「それには及ばん。こんな時のために強力な助っ人を用意している」 チラ

シャイナ 「はい。アレですね。ただいま」

キュイン ドサッ

ジュナス 「コタツか。あるのを知ってて今まで隠してたのか? シャイナ」

シャイナ 「すいません。何せ合図するまで出すなって口止めされてたんで……」

弥勒 「考え無しに根城を定めるほど俺は愚かではないさ。さあ皆で暖をとろう」

40: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/27(日) 15:23:01.06 ID:/jV/GZKj0
ウラヌス 「ぬくいな……。最高にぬくいな」 ヌクヌク

グラナ 「コタツは良いよなァ。言葉で表すのは難しいけどよぉ、とにかく良いんだわ……」 ヌクヌク

シャイナ 「険悪だったあの二人を、こうも容易く和ませるなんて」

ドルキ 「とんでもねー兵器だな。コタツってのは」

ヴィーゴ 「で……でも……何かが足りない気がするな……口がもの寂しい……」

弥勒 「そう言うと思ってな。お茶と煎餅、それにミカンも箱で用意しておいたぞ」 スッ

ジュナス 「ほう。やけに準備がいいじゃないか」

ピーッ!!

ブオオオ…

カプリコ 「あっ、ヒーターがとまっちゃうよー」

ヴィーゴ 「と……灯油切れだな……」

41: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/27(日) 15:23:55.29 ID:/jV/GZKj0
弥勒 「すまんが誰か給油に行――――」

ドルキ 「しゃあねえなあ。俺が給油してきてやるぜ」 スクッ

ジュナス 「!?」

ウラヌス 「!?」

ヴィーゴ 「!?」

ドルキ 「なんつー顔してんだよ……お前ら……」

シャイナ 「いえ、まさかドルキさんが自発的に雑用をかってでるだなんて……」

グラナ 「変なものでも拾い食いしたのか?」

ドルキ 「ちったあ素直に感謝の言葉を述べるとかできねえのかテメエらは」 イラッ

弥勒 「ではお前に任せるとしよう。頼んだぞ」

ドルキ 「おう」 スタスタスタ

42: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/27(日) 15:29:24.42 ID:/jV/GZKj0
カプリコ 「ジュナスー。ミカンむいてー」

ジュナス 「任せろ」 ズバァ

ヴィーゴ 「ゆ……指でなぞるだけで切れた……ちょっとカッコイイ……」

ウラヌス 「神刃(カミキリ)の無駄遣いだな」 ピキピキピキ

ジュナス 「お前こそ冷凍ミカンを作るのに氷碧眼(ディープフリーズ)を使ってるだろうが」

ウラヌス 「こっちの方がおいしいんですよ」 シャクシャク

グラナ 「そういや昔、グリゴリの給食で出たよなァ。半冷凍のミカンがよ」 バリボリ

ウラヌス 「ああ。食事の時間が一番の楽しみだった……」

弥勒 「グリゴリで給食が出ただと? お前らは何を言っているんだ?」

44: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/27(日) 15:36:20.35 ID:/jV/GZKj0
グラナ 「一日三食、給食が出ただろ? クソ施設だったが調理師の腕は良かったよなあ03号?」

ウラヌス 「違いない。僕は揚げパンとわかめごはんが大好きだった……」

グラナ 「稀に出るプリンやケーキも格別だったぜ」

ジュナス 「待て。俺の記憶には給食など無かったはずだが」

弥勒 「俺もだ……。そうしみじみと話されても理解に苦しむ」

グラナ 「第二次計画じゃ給食制度は無かったのか?」

ウラヌス 「アンタが施設を叩き潰したせいで、予算を切り詰められたんじゃないかな」

ジュナス 「これがジェネレーションギャップ……というヤツか」

弥勒 「くそっ、何て時代だ!!」

45: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/27(日) 15:37:55.38 ID:/jV/GZKj0
グラナ 「ちなみにお前らは何を食わされてたんだ?」

ジュナス 「……吊るされたチューブから流れてくる、味気ない流動食ばかりだったな」

弥勒 「たまに固形状の食事もあったが……。ドッグフードのようなペレット状だった覚えがある」

ウラヌス 「まるで家畜だな」 プークスクス

グラナ 「俺らはリクエストすりゃ焼肉や寿司なんかもたらふく食えたからなァ」 ニヤニヤ

弥勒 「くっ……」

ヴィーゴ 「お……俺らには解らない話だ……」

カプリコ 「ねー」

シャイナ (……! しまった!) ピキーン





シャイナ (ドルキさんが居ない今、この場の貧乏くじ担当は僕……!?)

46: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/27(日) 15:40:11.59 ID:/jV/GZKj0
シャイナ 「……」 スクッ

グラナ 「お? 便所かシャイナ?」

シャイナ 「いえ。僕もドルキさんのお手伝いをしようかと……」

グラナ 「ただの給油だぜ? アイツ一人で十分だろ」

シャイナ 「ね、念のためですよ、念のため」

キュイン

ジュナス 「今更言うのもだが……お前のテレキネシスで給油すれば良かったんじゃないか?」

グラナ 「あーそうかもなー」

48: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/27(日) 15:47:01.08 ID:/jV/GZKj0
【燃料倉庫】

キュイン

ドルキ 「へっ。やっと気付きやがったか」 キュポキュポ

シャイナ 「酷いじゃないですかドルキさん! 僕を置いてしれっと抜け出すなんて!」

ドルキ 「弥勒が役に立ってる時ってのは俺にとっちゃ凶兆だからな。先手打ってやったぜ」 キュッキュッ

シャイナ 「あっ、備蓄してた燃料それで全部ですか?」

ドルキ 「ああ。今から買出しにも行くつもりだけどよ……一緒に行くか?」

シャイナ 「ご一緒させてください。あれは一悶着起きる雰囲気でしたし」

ドルキ 「決まりだな。タンク届けるついでに弥勒に伝えとけ」 ボムッ!!

シャイナ 「わっ!? 燃料倉庫で爆塵者使うとか止めてくださいよ……」

ドルキ 「俺がそんなヘマするかよ」 スパー

49: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/27(日) 15:51:30.40 ID:/jV/GZKj0
弥勒 「ドルキとシャイナが燃料購入に行くそうだ」

グラナ 「フゥン」

弥勒 「ついでに晩飯まで済ませてくるらしい。これは俺たちにとって好都合だ」

グラナ 「何? そりゃどういうことだ?」

弥勒 「今日の晩飯はネットで取り寄せておいた北海道の味覚にしようと思ってな」

グラナ 「……で?」

弥勒 「解らんか? あの二人が居ないことにより俺たちの食い分が増えるという寸法だ」

グラナ 「ケチくせー。アイツらに少しくらい残しててやるとかって考えはねぇのか?」

弥勒 「無い」 キッパリ

51: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/27(日) 15:54:13.77 ID:/jV/GZKj0
ヴィーゴ 「ジ、ジンギスカンが食べたいな……俺は……」

カプリコ 「メロンがいいー!」

ウラヌス 「北海道と言ったら蟹でしょう? 特に毛蟹が美味」

弥勒 「もちろん全て用意してある」

カプリコ 「やったー!」

弥勒 「今晩は北海道の味を心置きなく堪能してくれ」

グラナ 「……イマイチ気乗りしねえけどなァ」

ジュナス 「お前らがグリゴリでの食生活を話したのが悪い」

52: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/27(日) 16:01:10.08 ID:/jV/GZKj0
【北海道都心部・ホテル内レストラン】



シャイナ 「思ったよりも時間かかっちゃいましたね」

ドルキ 「燃料の他に食料品や雑貨も買いにあちこち回ったからなあ」

シャイナ 「田舎のお店は軒並み19:00前に閉まるというのは驚きましたが」

ドルキ 「ちっと勉強になったな、アレは」

シャイナ 「瞬間移動で飛び回ってたせいでお腹ペコペコですよ、僕」

ドルキ 「んならさっさと食うモン持って来いよ。ビュッフェ形式なんだろ? ここ」

シャイナ 「そうします。ドルキさんは何かリクエストありますか?」

ドルキ 「ツマミと酒がありゃ文句はねえ。俺はトイレ行ってくるからその間に用意しておけよ?」 ガタッ

シャイナ 「解りました」

54: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/27(日) 16:05:03.01 ID:/jV/GZKj0
ジャー…

ドルキ 「さてと。そろそろシャイナも戻って来る頃――――」 ガチャッ

ドンッ

??? 「痛ッ!?」

ドルキ 「っと、悪いな小僧。大丈夫か?」

カイル 「いってーな! ドアはゆっくり開けろよ……って、アレ?」

ドルキ 「! テメェは確か……」

カイル 「あーッ! お前!! W.I.S.Eのドル――――ムグッ!?」

ドルキ 「お、大声上げんじゃねえ! バレるだろうが!」

55: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/27(日) 16:06:27.22 ID:/jV/GZKj0
カイル 「んーッ! むぐぅーっ!!」 ジタバタ

ドルキ 「ちっ……。ちょっと個室の中で俺とおしゃべりしようぜ……」 ズルズル

カイル 「んんっ! んむううう!!」 フルフル

…………

……



シャイナ (あれ? ドルキさんがまだ戻ってない?)

??? (カイルのヤツ、どこに行ってやが……ん? アイツは……!)

シャイナ (あ、生ハムがちょっとだけ余ってる。ドルキさんのツマミ用に持っていこうかな)

??? 「……おい」

シャイナ 「はい?」 クルッ

58: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/27(日) 16:11:11.98 ID:/jV/GZKj0
ドルキ 「ようクソガキ……。久しぶりじゃねえか……」

カイル 「ぷはっ! 何すんだよ!?」

ドルキ 「喚き散らすテメェが悪いんだよ。これでも俺らはテロ集団扱いされてるからなあ」

カイル 「だ、黙ってればいいんだろ? バアちゃんが心配するから俺は戻――――」

ガシッ

ドルキ 「待てよ。話はまだ終わっちゃいねえぞ?」

カイル 「え……」

ドルキ 「俺は一度、テメェに殺されててな」 ギロリ

カイル 「な、何言ってんだよお前……? さ、さっきから目が怖いぞ……」

ドルキ 「失われた未来の話だからお前は知らんだろうがな……ククク……」 ゴゴゴゴ…

59: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/27(日) 16:15:27.10 ID:/jV/GZKj0
カイル 「お、俺に何をしようってんだ!?」

ドルキ 「そんなビビんなくても殺しはしねえよ。今からな……」 スッ

カイル 「ヒッ!?」 ビクッ

ドルキ 「コイツをテメェの顔に押し付けてやろうってだけだ……」

カイル 「ッ!! そっ、そいつは……ッ!!」 ゾワッ



っラバーカップ



ドルキ 「使用後間もない逸品らしいな……。見ろ、茶色の固形物がひっついてるし、汚水も滴ってやがる」 ニタァ

カイル 「いっ、いやだああああ!! 便所のスッポンやだああああ!!!!」 ジタバタ

ドルキ 「爽快だぜ……! キサマのそういう顔が見たかった……!」

64: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/27(日) 16:24:34.93 ID:/jV/GZKj0
カイル 「う……うわあああ……嫌だ……嫌だぁ……!」 ガタガタ

ドルキ 「明日からテメェのあだ名はウンコマンだ。覚悟しな……」 ヌウッ

カイル 「助けてッ! アゲハーッ!!」

ドルキ 「往生際が悪いぞ小僧。諦めて――――」

バシュウッ!!

ドルキ 「……ん?」 ブシュウウウウウ

バタッ

アゲハ 「カイル! 無事か!?」

カイル 「アゲハーッ!」 ダキッ

65: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/27(日) 16:25:22.30 ID:/jV/GZKj0
朧 「――――やれやれ。まさかこんなとこで怪我人の治療をする事になるとは」

アゲハ 「悪いな朧。あのまま捨てっぱなしってわけにはいかないくて」

朧 「解ってるさ。こんなつまらない人間を殺して罪になるだなんて不条理の極みだからね」

アゲハ 「ヴァンもサンキューな。おかげで殺さずに済んだぜ」

ヴァン 「大丈夫……」 コクリ

ドルキ 「いや、まず俺に詫びろよ? 危うく身体が真っ二つになるとこだったんだぞ?」

エルモア 「ワシんとこの子供に乱暴しようとしたクセによう言うわ」

シャイナ 「ドルキさん……。子供相手に情けなさすぎますよ?」

ドルキ 「うるせー」

69: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/27(日) 16:29:38.90 ID:/jV/GZKj0
ドルキ 「で、何でテメェらがこんなとこに居るんだ?」

朧 「観光旅行だよ。僕とアゲハ君と、エルモア邸の人たちでね」

ドルキ 「他の取り巻き共が居ねえようだが……」

アゲハ 「雨宮やヒリューなら休日返上、居残り上等で学校行ってるぜ? カブトはどっか行ったし」

ドルキ 「何でテメエだけのうのうと遊んでんだよ。学生だろお前」

アゲハ 「俺はどう足掻いても出席日数不足で留年決定してるからな。行くだけ無駄だろ?」

シャイナ 「すごい割り切り方だ……」

アゲハ 「サイキッカーに学歴は関係ねえし必要もねえ。アンタだって学校中退してW.I.S.Eに入ったんじゃねえか?」

シャイナ 「そうでした。アハハ」

エルモア 「この二人のようになっちゃあいかんよ。解っとるね?」

チルドレン 「「「「「はーい」」」」」

71: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/27(日) 16:40:08.67 ID:/jV/GZKj0
フレデリカ 「アンタらこそ何でここに居るのよ? しかも二人きりで……怪しいわね」

シャイナ 「灯油買うついでに二人であちこち回っててね」

シャオ 「二人で?」

ドルキ 「何だよ。俺とシャイナで出回ってちゃ悪いのか? あん?」

マリー 「あっ……! おめでとうございます!」 ペコリ

ドルキ 「おいコラそばかすっ子。お前今、とんでもねえ思い違いしただろ?」

朧 「買い出しって割には荷物が見当たらないようだけど?」

シャイナ 「買ったものは片っ端からアジトへ転送してるので」

アゲハ 「お前らちゃんと金出して買ってるのか……意外だわ」

シャイナ (活動資金の大半は盗んだお金なんだけどね)

72: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/27(日) 16:48:11.13 ID:/jV/GZKj0
エルモア 「――――さて、ワシらはそろそろ帰るとするかの」

朧 「そうだね。もうすぐ制限時間になっちゃうし」

アゲハ 「え? もうそんな時間なのか……」

エルモア 「さて、お前達、後は何かしたい事あるかい?」

フレデリカ 「カラオケ!」

カイル 「ゲーセン!」

シャオ 「なら俺もゲーセンに……」

マリー 「私はカラオケがいいかなぁ……」

シャオ 「やっぱりカラオケで」 キリッ

73: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/27(日) 16:49:08.71 ID:/jV/GZKj0
ドルキ 「ガキんちょ共を夜通しで遊ばせるってのか、バアさん」

エルモア 「現代っ子はこれくらいでええんじゃよ」

アゲハ 「カラオケ行った後にゲーセンでいいか?」

カイル 「うーん……。アゲハがそういうなら最初にカラオケでもいいぜ」

朧 「決まりだね」

アゲハ 「んじゃ俺らはそろそろ行くわ。弥勒によろしく」 ヒラヒラ

シャイナ 「ごきげんよう」 ヒラヒラ

ドルキ 「俺らもさっさとメシ食わねえと時間切れになっちまうぞ」

シャイナ 「ですね」







エルモア 「ワシらの飲食代はあそこに座ってる筋肉モリモリマッチョの銀髪男に請求しとくれ」

店員 「畏まりました」

カイル 「へへっ、ザマーみやがれってんだ!」

76: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/27(日) 16:55:08.12 ID:/jV/GZKj0
シャイナ 「……」 モグモグ

ドルキ 「……」 モグモグ

シャイナ 「ドルキさん。グリゴリ実験体っていうと」

ドルキ 「あん?」

シャイナ「01号がグラナさん、03号がウラヌスさんじゃないですか」

ドルキ「ああ」

シャイナ「02号ってどんなサイキッカーだったと思いますか?」

ドルキ「パイロキネシス使いに決まってんだろ」

シャイナ「あ。やっぱりドルキさんもそう思いますよね?」

ドルキ 「グラナがテレキネシス、ウラヌスがクリオキネシスだからな」

77: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/27(日) 16:57:48.29 ID:/jV/GZKj0
シャイナ「04号と08号、09号はどんなサイキッカーだったと思います?」

ドルキ 「そうだな……。05号のジュナスは攻撃、刀って感じだろ? 04号はその逆で防御、盾って感じがしねえか?」

シャイナ 「イメージしやすいですねそれ。対になってるというのはしっくりくるかも」

ドルキ 「ジュナスとは全てにおいて対照的な気がするぜ。温和で社交的な性格とかよ」

シャイナ 「となると、女性でショタコンかあ……」

ドルキ 「W.I.S.Eには華やかさが足りねえんだよ。女らしい女が欲しいもんだぜ」

シャイナ 「確かに。女性っ気が無さ過ぎなんですよね」

ドルキ 「女の皮被った地球外生命体、イカれた保護者付きのロリ、ケバくて凶暴な年増くらいしか選択肢がねえからな」

78: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/27(日) 17:02:48.79 ID:/jV/GZKj0
ドルキ 「08号はサポート型だな。違いねえ」

シャイナ 「と、言うとどんなのです?」

ドルキ 「CUREと幻視が使えてアンチ・サイキックも使えるとか」

シャイナ 「便利すぎませんか、それ」

ドルキ 「欲張りすぎか?」

シャイナ 「弥勒さんが泣き出してもおかしくねえ応用力と汎用性かと」

ドルキ 「ま、CURE使いは変人が多いからな。礼儀正しい常識人なら文句はねえよ俺は」

シャイナ 「それじゃ僕とキャラ被りません?」

ドルキ 「どの口がほざいてんだコラ。テメエは腹黒なだけだろ」

シャイナ 「酷いなあ」

79: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/27(日) 17:09:40.98 ID:/jV/GZKj0
シャイナ 「09号がいまいちイメージ掴めないんですよねえ」

ドルキ 「最後発って事もあるし、とんでもねえ能力者なんじゃねえか?」

シャイナ 「え? 後発の方が優れてるんですか?」

ドルキ 「第二次の連中はそうだろ?」

シャイナ 「そうですかねえ?」

ドルキ 「ジュナスよりも弥勒の方が強いし、弥勒よりも弥勒のアネキの方がとんでもねえ力持ってるだろ?」

シャイナ 「……言われてみれば確かに」

ドルキ 「10年単位でタイムスリップ、分身を平行世界へ派遣、乗っ取って他人のPSI行使とかイカれてやがる」

シャイナ 「ですね。となると、09号は超高性能の万能型って感じでしょうか」

ドルキ 「まあこんな妄想するよりも弥勒やグラナに直接聞きゃ早いんだけどな」

シャイナ 「……身もフタも無いじゃないですか。それじゃ」

80: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/27(日) 17:11:20.64 ID:/jV/GZKj0
ドルキ 「だってよ、俺らがグリゴリ実験体の話で盛り上がるってこと自体おかしいだろ?」

シャイナ 「でも僕らに共通する話題って限られてるじゃないですか。他に何か話題あります?」

ドルキ 「……」

シャイナ 「……」

ドルキ 「……ねえな」

シャイナ 「ですよねー」

ドルキ 「コミュニケーション用の話題作りも課題だな」

シャイナ 「会話ゼロの生活なんて耐えれそうに無いですからね……あ。そうそう」

ドルキ 「? 何だよ」

シャイナ 「今頃、誰が貧乏くじ引いてるんでしょうかね?」

ドルキ 「ウラヌスあたりじゃねえのか? 幸薄そうだしよ」

82: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/27(日) 17:15:20.84 ID:/jV/GZKj0
【W.I.S.Eアジト内・リビング】



ウラヌス 「ふう……。食べた食べた……」 ポンポン

ジュナス 「満足したか? 理子」

カプリコ 「うん! おいしかった! おなかいっぱいー!」

ヴィーゴ 「た……たまにする贅沢は食事は最高だな……げっぷ……」

ウラヌス 「あの二人には秘密にしておかないとな。特にドルキが知ったら怒り出す」

弥勒 「証拠隠滅も済ませてある。物的証拠に関しては問題ない」

グラナ 「……」

弥勒 「後はここに居る全員で口裏をあわせれば良いわけだ」

グラナ (ドルキとシャイナのために素潜り漁でもしてきてやるかなァ……)

84: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/27(日) 17:22:42.77 ID:/jV/GZKj0
ドルキ 「お愛想だ」

店員 「畏まりました。少々お待ちください」 ピッピッピッ

ドルキ 「……あ? おいおい。何で10人分の会計なんだ? フザけてんのか?」

店員 「え? 先ほど天樹院ご一行様が、会計はお客様にと仰られてましたので……」

ドルキ 「あ……? あ、あんのクソバババアアアアアアアァァァァ!!!」

シャイナ 「……」 チラッ

ドルキ 「……」 フルフル

店員 「あの、申し訳ありませんが、後のお客様もお待ちになられておりますので――――」

ドルキ 「……」 チラッ

シャイナ 「……」 コクリ

キュイン

店員 「なっ!? き……消えた!? 食い逃げだ! 二人組の男が食い逃げしたぞー!!」

85: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/27(日) 17:23:45.13 ID:/jV/GZKj0
【12月24日・アジト内】


弥勒 「北海道のホテル内レストランで二人組の男が食い逃げ……か。情けない連中だ」 カチカチッ

グラナ 「おーい弥勒ー」 ドガッシャアア!!

グチャッ

弥勒 「」

グラナ 「あァ悪い悪い、ドアで巻き込んじまった」 ポリポリ

弥勒 「部屋に入る時はノックしろとは言ったが、もう少し加減しろグラナ」 ドクドク

グラナ 「不器用なんだよ俺ァ」

弥勒 「……で、何の用だ?」

グラナ 「クリスマスイブの用意するからよ。引き篭もってネットなんかしてないでお前も来いよ」

86: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/27(日) 17:29:02.20 ID:/jV/GZKj0
シャイナ 「今日はクリスマスイブですねえ」

ヴィーゴ 「ク、クリスマス……ふふ……クリスマスか……」 ニヤニヤ

ドルキ 「何笑ってんだよ。気持ち悪ぃな」

ヴィーゴ 「な、何でもないよ……」

カプリコ 「あわてんぼーのーサンタクロースークリスマスまえーにやってきたー♪」

ドルキ 「今日は雪降ってねえな。おいウラヌス、外に出て雪降らせろ」

ウラヌス 「何で僕がそんな事しないといけないんだ。面倒くさい」

ジュナス 「……」 スッ

87: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/27(日) 17:29:44.33 ID:/jV/GZKj0
【ジュナスの私室】



ジュナス 「……デルボロ」

シュタッ

デルボロ 「はっ、こちらに」

ジュナス 「今から俺用にサンタクロースの衣装を作れ」

デルボロ 「ははっ。承りました」

ジュナス 「期限は今日の夕暮れまでだ。それまでに仕上げろ」

デルボロ 「お任せを! 必ずやジュナス様のご期待にお応えいたします!」

シュタッ

ジュナス (プレゼントか……。理子が何を望んでいるのか急いで調べなくては……)

88: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/27(日) 17:39:14.49 ID:/jV/GZKj0
【ドルキの私室】



ドルキ 「次はこれだ。読めるか?」 ピラッ

カプリコ 「げらうとひあ! ごーとぅへる! ふぁっきん!」

ドルキ 「ほー。やるじゃねえか。なら今度は……」 ピラッ

カプリコ 「しっと! きすまいあすちきん! さのばびっち!」

ドルキ 「上出来だ。花マルつけてやるぜ」 カキカキ

カプリコ 「わーい!」

コンコン

ジュナス 「理子。俺だ。居るか?」

カプリコ 「あっ、ジュナス……」 チラッ

ドルキ 「行けよ。今日の授業はもうおしまいだ」

90: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/27(日) 17:47:53.25 ID:/jV/GZKj0
カプリコ 「なーにー?」 ヒョコッ

ジュナス 「今日はクリスマスイブだが……。サンタに頼むプレゼントは決まったか?」

カプリコ 「うん!」

ジュナス 「そうか。理子は何をリクエストしたんだ?」

カプリコ 「うーんとね、えーっとね……」

ジュナス 「……」 ゴクリ

カプリコ 「ひみつー」 ニコッ

ジュナス 「!?」

91: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/27(日) 17:52:07.83 ID:/jV/GZKj0
ドルキ 「これも100点か。カプリコのヤツ、けっこう勉強できるじゃねえか」 カキカキ

コンコン

ドルキ 「ん? 誰だ?」

ジュナス 「ドルキ……ちょっといいか……」

ドルキ 「何だジュナスかよ。開いてるぜ、入ってきな」

ガチャッ

ジュナス 「……」 ドヨーン

ドルキ 「!? ど、どうした!? 死人みてえな顔色になってんぞ!?」

ジュナス 「理子が……俺のせいだ……」 ブツブツ

ドルキ 「は? カプリコがどうかしたのか?」

92: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/27(日) 17:55:22.66 ID:/jV/GZKj0
ジュナス 「あ、ああ……理子が……理子がな……」 ブツブツ

ドルキ 「カプリコが……?」

ジュナス 「反抗期になってしまったんだ……!!!」

ドルキ 「…………は?」

ジュナス 「俺に隠し事をするなんて……どこで教育を間違えたんだ……」 フラフラ

バタッ

ドルキ 「あっ! おいしっかりしろ! ジュナス! おいっ!!」 ユサユサ

93: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/27(日) 17:56:07.80 ID:/jV/GZKj0
ドルキ 「――――つうわけだ。お前ら知恵貸せ」

バーリィ 「と、言われてもネェ」

アッシュ 「俺たちに何をしろってんだよ?」

ドルキ 「薄情な奴らだな。お前らのボスはこんなんなってんだぞ?」 グイッ

ジュナス 「」 ドヨーン

アッシュ 「こ、こりゃあ……」

バーリィ 「重症だネェ」

シャイナ 「あの、ドルキさん? 何で僕まで?」

ドルキ 「てめえW.I.S.Eに入るまでは彼女持ちの糞リア充だったろ。女心にちったあ心得あるだろうが」

シャイナ 「でも僕はロリコンじゃないんで……」

94: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/27(日) 18:01:05.48 ID:/jV/GZKj0
バーリィ 「女心だったら女性に尋ねるのが一番だと思うけどネェ。ネッカ?」 チラッ

ネッカ 「……」

アッシュ 「ネッカ?」

ネッカ 「クリスマス……サンタのプレゼント……か……」 フウッ

ドルキ 「溜息ついてどうしたケバいの。辛気くせーぞ?」

ネッカ 「あ……。ちょっと長くなるんだけどさ、聞いてくれる?」

ドルキ 「もったいぶってねえでさっさと言えよ。まどろっこしい」

ネッカ 「……アタシがまだガキだった頃の話なんだけどね」

95: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/27(日) 18:02:15.48 ID:/jV/GZKj0
ネッカ 「……クリスマスイブに親父が借金残して首吊って、お袋がオトコ作って蒸発した年があったのよ」

シャイナ 「え」

ネッカ 「アタシん家ってさ……家族揃って食卓囲んだ事さえろくに……無くてさ……」

アッシュ 「……」

ネッカ 「両親が死んで親戚の家に引き取られたんだけど……そこでも冷遇されてね……」

バーリィ 「……」

ネッカ 「アタシだけ寝床が物置だったりさ……クリスマスの時は特に辛かったわ」

シャイナ 「……」

ネッカ 「ごちそうやプレゼントで喜ぶのは親戚の子供だけ。アタシは邪魔だって別の薄暗い部屋に追いやられてさ……」

ドルキ 「……」

ネッカ 「親戚らの幸せそうな笑い声を背に、一人泣きながら冷や飯をかっこんでたの……はは、笑えるでしょ……?」

97: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/27(日) 18:10:00.58 ID:/jV/GZKj0
ネッカ 「何かクリスマスイブの度に昔を思い出してさぁ……はは……。あはは……」 ドヨーン

ドルキ 「おいアゴ、お前がコイツに振ったせいだぞ? どうすんだ」

バーリィ 「これはとんだミステイクだった。申し訳ない、ミスタードルキ」

アッシュ 「謝る必要はねえだろバーリィ。こいつが俺らを勝手に呼んだからよ」

ドルキ 「んだとテメェ。腰巾着の中でも特にかませ臭を放ってるザコが調子こいてんじゃねえぞ」

アッシュ 「お情けで星将になれただけの元チンピラだった三下野郎には言われたくねえよ」

ドルキ 「は?」

アッシュ 「ああ?」

シャイナ 「まあまあ。二人ともおさえて……」

99: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/27(日) 18:17:11.40 ID:/jV/GZKj0
シャイナ 「スカージってあと二人居ましたよね?」

ドルキ 「そういや居たな。リーダー格の仏頂面野郎とペプ●マンみてえな格好した奴が」

シャイナ 「彼らはどちらに?」

バーリィ 「あの二人ならジュナス様直々の命を受け、離れ家で衣装作りをしているはず……」

シャイナ 「リーダーの彼ならジュナスさんの治療法を何か知ってるかも……」

ドルキ 「よし。それじゃお前アイツを連れて来い」

100: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/27(日) 18:20:05.56 ID:/jV/GZKj0
【W.I.S.Eアジト・離れ家】



デルボロ 「出来たぞオド。我ながら会心の出来だ」

オド 「……」 パチパチパチ

デルボロ 「これならばジュナス様もきっと満足なされるだろう。お前もそう思うか?」

オド 「……」 コクコク

キュイン

シャイナ 「あ、居た居た」

デルボロ 「む……。何かご用で?」

シャイナ 「ジュナスさんがヘコんでるんだけど……機嫌直す方法とか知らないかなって」

デルボロ 「!? ジュナス様が!?」

101: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/27(日) 18:26:37.32 ID:/jV/GZKj0
デルボロ 「ジュナス様がヘコむだなど……そんな馬鹿なことが……!」 ワナワナ

シャイナ 「とりあえず彼を連れていってもいいかな?」

オド 「……」 コクコク

シャイナ 「それじゃあちょっと借りていくね」

デルボロ 「あのジュナス様がヘコむなどありえるはずがない! 何かの間違い――――」

キュイン

オド 「……」 フリフリ

102: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/27(日) 18:30:23.82 ID:/jV/GZKj0
キュイン

デルボロ 「ジュナス様!」 ダッ

ジュナス 「理子が反抗期……理子が反抗期……」 ブツブツ

デルボロ 「なっ、何たることだ! あのジュナス様がこのような……!!」

バーリィ 「ずっとこの調子でネェ」

デルボロ 「俺たちがついていながらなんたる失態……! お前達! 今まで何をしていたんだ!?」

バーリィ 「そう怒鳴られても……困るよ、ミスターデルボロ」

デルボロ 「ジュナス様! ご覧ください! サンタの衣装が出来上がりました!!」 バッ

ジュナス 「サンタ……衣装……?」 ピクッ

デルボロ 「左様でございます! ジュナス様の命を受け、この私が丹精込めて仕立てました!」

103: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/27(日) 18:37:07.20 ID:/jV/GZKj0
シャイナ 「あの衣装、ついさっき作り始めたらしいですよ? 凄いですよね……ってあれ? ドルキさん?」 キョロキョロ

バーリィ 「彼ならば先ほど部屋を出てどこかへ……」

シャイナ 「ええー……無責任な人だなぁ」

ガチャッ

ドルキ 「誰が無責任だって?」

シャイナ 「あ、ドルキさん……。ジュナスさんを放ってどこ行ってたんです?」

ドルキ 「カプリコの部屋を漁ってたんだよ。何を欲しがってるか手がかりがあると思ってな」

シャイナ 「! なるほど。その様子だともしかして……」

ドルキ 「ドンピシャだ。ご丁寧に枕元に靴下と手紙が置いてあったからな……。メモをとってきてやったぜ」 ヒラッ

ジュナス 「!」 クワッ!!

デルボロ 「おお! ジュナス様が復活なされた!!」

104: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/27(日) 18:44:05.62 ID:/jV/GZKj0
ジュナス 「ドルキ……お前は……!」 ガシッ

ドルキ 「今回のは貸しにしといてやるぜ。でけえ貸しだから覚悟しとけよ?」

ジュナス 「―――ーカプリコの部屋へ勝手に進入して探したのか?」 ギロリ

ドルキ 「まあな。カプリコにはバレてねえから安心し――――」

ジュオッ!!

ドルキ 「!?」 チリチリ…

ジュナス 「殺す……。俺の許可なく理子の部屋に入り私物を漁った……お前を許すわけにはいかん……」 ユラリ

ドルキ 「はあああ!? テメェ! 何トチ狂ってんだ!? 普通は俺に感謝するトコだろうが!?」

ジュナス 「デルボロ! バーリィ! アッシュ! ネッカ! オド! ドルキを討ち取れ!」

ドルキ 「よくも俺の髪焦がしやがって! この恩知らずが!! 星船形態で木っ端微塵にしてやる!!」 ヴン

シャイナ (とばっちり受ける前に避難しておこうっと) キュイン

106: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/27(日) 19:00:35.57 ID:/jV/GZKj0
弥勒 「――――なるほど。それでこのザマか」

ド・ジュ 「「コイツが悪い」」

弥勒 「この期に及んで責任のなすりあいか? アジトが崩壊したんだぞ?」

ドルキ 「ジュナスが悪いっつってんだろ! 人の好意を何だと思って……!」

ジュナス 「他人の部屋を物色したコイツにも非が有る。ましてや理子の私物を……!」

弥勒 「……」 イラッ

ドルキ 「ああ!? テメェ! いい加減にしろ!!」

ジュナス 「いい加減にするのはお前の方だ。殺されなかっただけでもありがたいと思え」

弥勒 「……グラナ」 ハァ

グラナ 「お? アレやるか?」 スッ

弥勒 「頼む。どうやらこの二人は反省する気がないらしい」

107: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/27(日) 19:01:17.27 ID:/jV/GZKj0
グラナ 「日輪“天墜”」 ゴッ

カッ!!

ド・ジュ 「「」」 プスプスプス…

弥勒 「すまんがアジトの修復も頼む」

グラナ 「しょうがねぇなァ、ったく」 ピッ

ガッコンガッコン

グラナ 「うし。いっちょあがりだ」

弥勒 「ご苦労」

グラナ 「んで、カプリコへのプレゼント作戦はどうすんだ?」

弥勒 「無論決行する。彼女の夢を壊すわけにはいかんからな」

グラナ 「んなら夜まで待つか……」

108: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/27(日) 19:05:10.84 ID:/jV/GZKj0
【クリスマスイブ深夜・W.I.S.Eアジト裏山】


キュイン

弥勒 「……どうだ? カプリコは眠っていたか?」

シャイナ 「ええ。もうぐっすりと」

弥勒 「ジュナスとドルキは?」

ヴィーゴ 「む、無理だな……。二人ともまだ動ける状態じゃない……」

グラナ 「すまねぇ。久しぶりに天墜したもんだからよ……力加減を間違っちまったぜ」

弥勒 「本来ならばジュナスにサンタ役を任せてやりたかったが……こうなっては止むをえまい」

ウラヌス 「それで急遽アンタが代役になったってワケか」

グラナ 「そういうこった」

弥勒 「ちなみにサンタ衣装は作り直させた。グラナとジュナスでは体格に差がありすぎるからな」

122: さるさん食らってたすまん&保守サンクス 2013/01/27(日) 20:01:13.03 ID:/jV/GZKj0
シャイナ 「トナカイとソリはどうするんです?」

弥勒 「それなら既に手配してある。……出番だぞ」

億号 「あいよっと」 ヌッ

ウラヌス 「誰だコイツ」

弥勒 「PSIで幻獣を作り出せる男だ」

億号 「つっても俺はトナカイ型のは作れねえぞ? オルガゥスっつう肉食獣型だからな?」

弥勒 「構わんよ」

億号 「そうかい……オルガゥス!」

ヴン

ヴィーゴ 「シ……シーサーっぽいな……これ……」 モフモフ

億号 「いつでも行けるぜ。準備が出来次第、後ろに乗ってくれやサンタさん」

グラナ 「おう」

123: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/27(日) 20:06:33.32 ID:/jV/GZKj0
億号 「――――よし、到着だ。俺は茂みで待ってりゃいいんだな?」

グラナ 「あァ。必要になったらテレパスで呼ぶ」

億号 「了解だ」 ザッザッザッ





グラナ 《聞こえるか弥勒? こっちはスタンバイ完了だ》

弥勒 《了解した。シャイナ》

シャイナ 《はい。行ってきます》 キュイン

ウラヌス 《俺たちはこの場で待機していてていいのか?》

弥勒 《ああ。ヴィーゴと共に俺の指示を待て》

ヴィーゴ 《わ……解った……》

125: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/27(日) 20:10:48.27 ID:/jV/GZKj0
【新造W.I.S.Eアジト内・カプリコの私室】



キュイン

カプリコ 「くー……くー……。ジュナスー……むにゃむにゃ……」

シャイナ 「……」 トントン

カプリコ 「んっ、んぅ~……?」 ピクッ

シャイナ 「……」 ユサユサ

カプリコ 「ふみゅ……だぁれ……?」 ムクリ

キュイン

カプリコ 「……? うに……?」 キョロキョロ

127: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/27(日) 20:17:03.62 ID:/jV/GZKj0
シャイナ 《グラナさん!》

グラナ 《よし。行ってく……うっ!?》

弥勒 《? どうした?》

グラナ 《思ってたよりも煙突が狭い! 俺の身体じゃ入りきらねえ!!》 グッグッ

弥勒 《何だと……!? それならばヴィーゴを急行させる! 同化して煙突を拡げれば――――》

グラナ 《かああああああああ!!》 グッ

ドゴドゴガラガラガラ…

グラナ 《後で直すから許せ》

弥勒 《…………》

128: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/27(日) 20:22:07.79 ID:/jV/GZKj0
ガガガッゴゴゴ!!

カプリコ 「!?」 ビクッ

ドゴォッ!!

グラナ 「メリークリスマス!」

カプリコ 「」

グラナ 「キミが八星理子ちゃんだね?」

カプリコ 「う……うに……」

グラナ (あれ? 何かドン引きされてねぇか俺?)





ウラヌス 《なかなかの役者ぶりじゃないか》

弥勒 《感情を取り戻すため舞台劇やドラマを見てたからな。その成果だろう》

130: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/27(日) 20:28:53.78 ID:/jV/GZKj0
グラナ 「今年はプレゼントではなく、ワシのソリに乗せてあげようと思ってな」

カプリコ 「本当に!?」

グラナ 「あァ……ゴホン、もちろんじゃ。外は寒いから防寒着を着込んでおいで。ワシは外で待っとるよ」

カプリコ 「うに!」





グラナ 《俺だ。プレゼントの手渡して外に出た》

億号 《あいよ。今行くぜ》

ウラヌス 《結局、カプリコは何を希望してたんだ?》

弥勒 《解らん。ジュナスとドルキの交戦で手紙や控えていたメモも消失した》

ヴィーゴ 《メ……メモを取ったドルキ本人も覚えてないのか……?》

弥勒 《天墜の衝撃でド忘れしたらしい》

131: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/27(日) 20:33:52.63 ID:/jV/GZKj0
カプリコ 「あれっ!? サンタさんのソリってトナカイじゃないの!?」 キラキラ

グラナ 「ワシ専用のソリじゃからな。ささ、遠慮なく乗りなさい」

カプリコ 「うん! ……うに? この人誰?」

億号 「!」 ビクッ

グラナ 「あ、あー……。ワ、ワシのお抱え運転手じゃ」

億号 「よ、よろしくねお嬢ちゃん」

カプリコ 「運転手さん? 働いてるの? ゴホウビもらってる?」

グラナ 「そ、そうじゃよ」

カプリコ 「わかったー! でも粗  はメーだからね!」

グラナ 「お、おう……じゃなかった、うむ……」

132: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/27(日) 20:37:40.32 ID:/jV/GZKj0
ヒュオオオ…

グラナ 「どうじゃ? 夜空の散歩というのは最高じゃろ?」

カプリコ 「うん! ジュナスよりも、ずっとはやい!」





弥勒 《グラナたちが飛び立った。ヴィーゴ!》

ヴィーゴ 《潜航師・傀儡》

ズゴゴゴゴ…

ヴィーゴ 《で……出来た……やれ、ウラヌス……》

ウラヌス 《氷碧眼!》

ピキピキピキッ!!

ウラヌス 《仕上げは弥勒、アンタだ》

弥勒 《解っているさ。……生命の樹・峻厳!!》

カッ!!

135: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/27(日) 20:40:48.87 ID:/jV/GZKj0
ピカッ!!

グラナ (弥勒からの合図……! 準備が整ったみてえだな……) チラッ

カプリコ 「うーにー? ねえねえサンタさん、何か光ったよー?」

グラナ 「そうじゃのう。ちょっと行ってみようか」

スイー…

カプリコ 「……! わあ……!」





弥勒 《どうだグラナ。カプリコは喜んでいるか?》

グラナ 《あァ。眼を輝かせて喜んでるぜ。しかしまあ、よくここまで手のこんだオブジェを作ったな?》

137: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/27(日) 20:42:49.29 ID:/jV/GZKj0
弥勒 《潜航師・傀儡で地形を整え、そこへ氷碧眼で多数の氷像を並べたのさ。そして――――》

グラナ 《生命の樹で装飾したってのか。大したモンだ》

弥勒 《かつて仙台で見た光のページェントを参考にした》

グラナ 《仙台……。元々は俺らが破壊しようとした都市か》

弥勒 《後はお前に任せる。頃合いを見計らって戻れよ、グラナ》

グラナ 《ああ……》



…………

……


144: またさるさん食らったすまない 2013/01/27(日) 21:00:24.12 ID:/jV/GZKj0
【新造W.I.S.Eアジト・カプリコの私室】



グラナ 「――――そろそろお別れの時間じゃな」

カプリコ 「うに……もう行っちゃうの?」

グラナ 「寂しいがワシも帰らないとならん」

カプリコ 「行っちゃうんだ……」

ポンッ

カプリコ 「!」

グラナ 「来年になったらまた来るからの。それまで良い子にしてるんじゃよ?」 ナデナデ

カプリコ 「うん! わかった!」 ニコッ

147: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/27(日) 21:02:10.82 ID:/jV/GZKj0
弥勒 《グラナ、ウラヌス、シャイナ、ヴィーゴ、億号、本当にご苦労だった》

弥勒 《現時点をもってサンタ作戦の完了を告げる。この作戦が成功に終わった事を嬉しく思う》

弥勒 《この場には居ないがジュナス、ドルキ、スカージのメンバーにもこの事を伝えておきたい》

弥勒 《……俺からは以上だ》





ジュナス 「……ドルキ」

ドルキ 「……ああ」

ジュナス 「弥勒のヤツら……」

ドルキ 「最初からテレパスが広域放送になってるのに気付いてなかったみてぇだな……」

ジュナス 「全て台無しだな……」





カプリコ 「起きたらみんなにお礼のお手紙かかなきゃ……むにゃむにゃ……」

149: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/27(日) 21:11:14.97 ID:/jV/GZKj0
【1月1日・元旦】



デデーン!! ナルカミ ハイゾノ アウトー

シャイナ 「撮り溜めしてた特番も飽きてきましたねえ」 グテー

ジュナス 「理子……ミカンをとってくれ」 グテー

カプリコ 「うに……ミカンはもうないよー」 グテー

グラナ 「おい……」

弥勒 「何だ」

グラナ 「新年だってのにたるみ過ぎだろお前ら。何だよこのグダグダ感は」

弥勒 「クリスマスで力を使い果たした結果だ。気にするな」 ブッ!!

ウラヌス 「おい誰だ? 今屁をこいたのは」 ムクッ

弥勒 「ドルキだ」

ドルキ 「よく解ったな? すかしたつもりだったんだが」

弥勒 「本当にこいてたのか……」

150: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/27(日) 21:12:06.44 ID:/jV/GZKj0
グラナ 「おいお前ら! 初詣行こうぜ初詣! 一年の計は元旦にあり、だ!」

ヴィーゴ 「お、俺は……寝正月の方が良い……」 ゴロゴロ

ドルキ 「俺もたりぃからパス。神仏に祈るなんてガラでもねえしな」 ボリボリ

グラナ 「んだよ、つれねえなあ」

弥勒 「俺が付き合おう。だが……」

グラナ 「?」

弥勒 「どこの神社へ行くつもりだ?」

グラナ 「最寄の神社でいいだろ? さ、出発だ出発」

弥勒 「そういうところは拘らんのか。頑固なんだか適当なんだか……」

152: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/27(日) 21:20:54.88 ID:/jV/GZKj0
【北海道アジト近隣・神社境内】



シーン…

弥勒 「……寂れすぎだな」

グラナ 「こっちのが良いじゃねえか。静謐で霊験あらたかって雰囲気だろ?」

弥勒 「初詣シーズンだと言うのに猫の子一匹さえ居ないとは」

グラナ 「人が多けりゃ良い神社ってワケでもねぇって。それに知ってるか?」

弥勒 「?」

グラナ 「北海道には人間よりも牛の方が多い市町村もあるんだぜ?」

弥勒 「どうでも良い知識だな。さっさと参拝を済ませて帰るとしよう」

153: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/27(日) 21:28:17.21 ID:/jV/GZKj0
チャリーン チャリーン

グラナ (岩代先生の新連載が末永くジャンプの看板漫画になりますように……)ペコリ

弥勒 (岩代先生の作品全てがメディア化されて大躍進を果たしますように……) パンパン

グラナ 「……っし。こんなとこかァ」

弥勒 「ふ……。随分と熱心に祈祷していたようだな?」

グラナ 「人の事言えた義理かよ。お前も真剣な顔で拝んでたじゃねえか?」

??? 「あっ、湟神神社へようこそ」

グラナ 「お? 何だ。巫女さんが居たんじゃ――――」 クルッ

ミスラ 「新年明けましておめでとうございます」 ペコリ

弥勒 「……」

グラナ 「……」

ミスラ 「ふふふ……。驚いているようだね? まあ無理もないかな」

156: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/27(日) 21:34:21.09 ID:/jV/GZKj0
ミスラ 「何故ボクが生きているか理解が追いつかないのかな? 特別に教えてあげようか?」 チラッ

グラナ 「なァ弥勒。帰りにどっかでメシでも食ってくか?」

弥勒 「そうだな……。たまには外食も悪くないかも知れん」

ミスラ 「えっ? 何? 巫女服が似合ってるって? やだなーもー。いつの間にお世辞を覚えたんだいキミたち?」 チラチラッ

弥勒 「こんな事もあろうかと、予め元旦でも開いている店をネットで調べていてな。そこに行こうか」

グラナ 「ほー。用意が良いじゃねえか」

ミスラ 「ここで再会できたのも何かの縁に違いない! ボクもそろそろW.I.S.Eに戻りたいなー、なんて!」 チラチラチラッ

弥勒 「では行くとしよう」 クルッ

グラナ 「あァ。そうだな」 クルッ

ミスラ 「え、えっ! ちょっ、待って! ボクだよミスラだよ! 無視しないで!! ねえ!? 弥勒! グラナ!」 グイッ

グラナ 「馴れ馴れしく触んじゃねえよ。汚らわしい」 バッ

弥勒 「気安く俺たちの名を呼ぶな。鬱陶しい」 ペッ

ミスラ 「酷い……。そこまで邪険にしなくてもいいじゃないか……」 ウルウル

161: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/27(日) 21:38:21.86 ID:/jV/GZKj0
ミスラ 「それじゃあ改めて。新年明けましておめでとうございます」 ペコリ

グラナ 「チッ。こりゃ帰ったら塩で念入りにお清めしねえとならねえなァ……」 ペッ

弥勒 「正月早々不吉すぎる。今年は厄年になりそうだ……」

ミスラ 「……」 グスッ

??? 「おうおう。客人かの?」

ミスラ 「あ……! おじい様!」 パァァ

弥勒 「おじい様?」 チラッ

一兆 「元旦に人が来るのは数十年ぶりかのお」 ファサッ

ミスラ 「紹介するよ。彼は湟神一兆。ここの神主であり……案内屋さ」

グラナ 「案内屋だァ……?」 ピクッ

165: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/27(日) 21:44:59.28 ID:/jV/GZKj0
グラナ 「つーとジイさんもアレか? ヨウコンとかインハクだのケイオウとか」

一兆 「ケイオウ? 剄櫻の事を言っとるのか?」

弥勒 「何の話だ、グラナ」

グラナ 「前に俺らで海の家開いた時にお化け屋敷やったろ?」

弥勒 「ああ」

グラナ 「あん時に本物の幽霊が出てたの覚えてるか?」

弥勒 「あれか……。もちろん覚えている」

グラナ 「そん時に黒コート来てサングラスかけたオッサンが俺らを助けてくれたんだわ」

一兆 「ふむ。ふむ……。話の筋からすると、ヌシは明神の知り合いということかの?」

グラナ 「知り合いっつーか恩人っつーか……まあ、それっきり会っちゃいねえけどな……」

167: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/27(日) 21:48:35.86 ID:/jV/GZKj0
一兆 「明神の知り合いというのならできる話もあろう。中で茶でもしばきながらどうじゃ?」 クイクイ

グラナ 「……どうする?」

弥勒 「付き合おう。ヴィーゴには良い土産話になりそうだ」

ミスラ 「はーい。二名様ごあんなーい」

一兆 「ああ、あと拝観料として一人300円いただくからの」

弥勒 「!? 何だと……!?」

一兆 「他にもお茶代として700円。しめて1000円じゃからな。キャンセルは利かんぞ。ほっほっほ……」

弥勒 「……ハメられたか」

グラナ 「ビジネスライクなジイさんだぜ……」

169: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/27(日) 21:54:47.17 ID:/jV/GZKj0
【湟神神社内・茶室】



ミスラ 「そう言えばさ。キミたち参拝してたけどお賽銭はいくら入れたの?」

弥勒 「……100円だ。俺もグラナもな」

ミスラ 「ケチくさー。キミたちはW.I.S.Eを支える双璧だろう? そんなんじゃご利益もないよ?」

弥勒 「」 イラッ

グラナ 「安い挑発だ。乗るんじゃねえぞ弥勒」

ミスラ 「せめて紙幣を入れないと示しがつかないんじゃないかな? ねえ、おじい様」

一兆 「うむ。そうじゃのう。よく解らんがミスラが言うのならきっとそうじゃ」

パサッ

弥勒 「……釣りはいらん。とっておけ」

ミスラ 「諭吉先生はいりまーす」

一兆 「グッジョブ!」 グッ

172: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/27(日) 21:59:45.68 ID:/jV/GZKj0
グラナ 「まんまと口車に乗せられやがって……馬鹿野郎が」

弥勒 「男には見栄を張らねばならん時がある」 キリッ

一兆 「男らしいのう。お前さん、きっと大物になるはずじゃ」

弥勒 「夜科アゲハの話では別の世界に居た俺は、世界征服を果たし宙の中心になったらしいからな」 ドヤァ

ミスラ 「でもその話ってさ、別の世界に居たボクを倒して最終的に地球を救ったのはグラナなんでしょ?」

弥勒 「…………」

一兆 「話が見えんのう。何の事かワシにはさっぱりじゃ」

グラナ 「おいジイさん。この茶妙に薄いぞ。普通こういうとこの茶は点てて出すモンじゃねえのかよ?」

一兆 「そりゃ、出涸らしの茶葉を急須で淹れただけじゃからの」 コポポポ…

グラナ 「こんなんで金取るとか完全に詐欺じゃねーか」

174: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/27(日) 22:04:31.64 ID:/jV/GZKj0
グラナ 「ま、一応言っておくけどよ? あのミスラっつーのは――――」

一兆 「中身はバケモノなんじゃろ? 知っとるよ」

グラナ 「……アイツが話したのか?」

一兆 「いいや。ワシとて異能の力を持つ者だからの。それくらいはとうに見抜いておるわ」

グラナ 「いいのかよ? アイツはかつて地球を侵略して人類を滅ぼそうとしたんだぜ?」

一兆 「バケモノでも悪党でも、外面が若くて可愛ければこの湟神一兆、はっきり言って大歓迎じゃ」 ビシッ

グラナ 「中身が一番重要なとこだろジイさん……」

177: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/27(日) 22:11:41.88 ID:/jV/GZKj0
ガラッ

??? 「おい見ろよ、マジで客が来てるぜ? 珍しいこともあるもんだ」

??? 「そうだな……」

弥勒 「! お前らは……」

一兆 「おお、来よったか。遊坂。犬居」

グラナ 「……!」

遊坂 「久しぶりの再開だってのに微妙な反応じゃねえか。もっと喜べよ?」

犬居 「三郎……。いや、天戯弥勒……。俺の事を忘れたとは言わせないぞ……」

弥勒 「……アンタの仕業か?」

一兆 「はて。何の事かの?」

179: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/27(日) 22:18:09.36 ID:/jV/GZKj0
弥勒 「とぼけるなよジイさん。ミスラはともかく、この二人が生きているはずが――――」

一兆 「この三人はとうに死んでおるよ」

弥勒 「何だと……?」

グラナ 「魂魄……」 ボソッ

弥勒 「? どういう事だ? グラナ」

グラナ 「こいつら全員魂だけの存在……そうだろ? ジイさん」

一兆 「ほほう。なかなかどうして、鋭いのう」

グラナ 「アンタが案内屋だっての思い出してな。ピンと来たんだよ」

犬居 「もうネタバレしてしまったか……。つまらんな」

遊坂 「ま、グラナならしょうがねえ。互いに積もる話もあるだろ? もうちっと付き合ってけよ」

グラナ 「……こいつら、成仏しねえのか?」

一兆 「しない、のではなく、できない、んじゃよ。魂の未練が強すぎるばかりか……手強いから年寄りの手に余っての」

グラナ 「……いい加減だなァ。いいのか?」

一兆 「まあ悪さをするでもなく陰魄になるでもないからの。このまま置いておくつもりじゃ」

181: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/27(日) 22:25:18.06 ID:/jV/GZKj0
 
…………

……




弥勒 「――――長々と邪魔したな」 スクッ

一兆 「なんのなんの。今度はW.I.S.E全員で訪ねてくるといい。いつでも歓迎するぞ」

遊坂 「ほらよ。これを持っていきな」 スッ

グラナ 「ん? 何だこれ……?」

遊坂 「俺らからの餞別だ。他の連中にもよろしくな」

犬居 「帰り道にでも中身を見ておくといい」

弥勒 「ほう……。ではありがたく頂くとしようか」

ミスラ 「それじゃあね。バイバイ」

183: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/27(日) 22:33:12.08 ID:/jV/GZKj0
スタスタスタ…

グラナ 「……」 チラッ

弥勒 「……」 スタスタ

グラナ 「……なあ、弥勒」

弥勒 「解っている。これの確認がしたいのだろう?」

グラナ 「あァ。さっきから気になってしょうがねえ。ここで開けちまおうぜ?」

弥勒 「そうするか。まずは遊坂からの餞別だが……」

ガサゴソ

弥勒 「む、これは……」

グラナ 「おみくじ箱みてえだな」

185: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/27(日) 22:38:02.80 ID:/jV/GZKj0
弥勒 「面白そうだ。試しに一本引いてみるとしよう」

シャカシャカ

グラナ 「能書きもあるぜ。えーっとなになに……」

ポロッ

弥勒 「ほう……喜べグラナ、大吉が出たぞ」

グラナ 「遊坂葵謹製、ゴルゴンおみくじだとよ」

弥勒 「普通のおみくじのようだが……これのどこにゴルゴンの要素がある?」

グラナ 「ちっと待ってろ。まだ読んでんだ」

187: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/27(日) 22:42:10.60 ID:/jV/GZKj0
グラナ 「凶から中吉まではフツーのおみくじです。裏には一言アドバイスが書かれています……だとさ」

ムズムズ

弥勒 (……む? 何だ? 俺の手に妙な斑点が……?)

グラナ 「なお、大吉と大凶にはもれなくゴルゴンが注入されているので取り扱いに注意されたし……」

弥勒 「ブッ!? ガフッ!! ガハッ!!」 ゲボッ

グラナ 「って、一歩遅かったか……」

弥勒 「」 ピクピク

188: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/27(日) 22:47:50.90 ID:/jV/GZKj0
グラナ 「犬居からは……ん? 何だこりゃ、ぬいぐるみか?」

弥勒 「……今度は俺が能書きを読む。お前が触れ」

グラナ 「へーへー」

弥勒 「犬居清忠お手製、呪いのアングリーゴーリーぬいぐるみ、と書いてあるな」

グラナ 「へえ。けっこうよく出来てるじゃねえか」 グイッ

弥勒 「なになに……所有者の一番近くに居る他人と、ぬいぐるみの感覚をシンクロ・リンクさせる力が――――え?」

ゴキッ!!

弥勒 「グッ!? グラナ……やめ、やめ……首が千切れ……」 ピクピク

グラナ 「こーゆーデザイン、カプリコが喜びそうだなァ」 グイッ グイッ

ベキベキボキ!!

弥勒 「~~~~ッ!!」 ジタバタ

グラナ 「ん? 何を悶えてんだよお前……あ。もしかしてこのぬいぐるみか……?」

191: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/27(日) 22:53:39.48 ID:/jV/GZKj0
弥勒 「最後はミスラからの餞別だが……」

グラナ 「これ……どう見てもアレだよな……?」


ヌオオオオ…


弥勒 「一応、能書きも読んでみてくれ」

グラナ 「……『これを飲み込むだけでボクやクァト・ネヴァスと一体化できるよ☆ アナタと合体したい……なんてね☆』……だとさ」

弥勒 「やっぱり約束の涙じゃないか」

グラナ 「だな」

弥勒 「……どこか安全な所へ捨ててくれ。グラナ」

グラナ 「言われなくとも……宇宙の果てまで投げ飛ばしてやる……ぜっ!!」 ブンッ!!

キラッ

194: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/27(日) 22:59:07.20 ID:/jV/GZKj0
グラナ 「結局、一つもロクなモンがなかったなァ……」

弥勒 「アイツらが寄越したものだ。最初から期待はしてなか――――」 フラッ

グラナ 「! 弥勒!」 ガシッ

弥勒 「さっきぬいぐるみで脚と腰もやってしまったようだ……」

グラナ 「あー悪ぃな。詫びってワケじゃねえけどアジトまでおんぶしてやるぜ? 乗れよ」

弥勒 「……すまんな」

グラナ 「気にすんな。っつーか半分は俺の責任だしよ」

195: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/27(日) 23:01:09.12 ID:/jV/GZKj0
弥勒 「……」

グラナ 「……」

弥勒 「グラナ」

グラナ 「あァ?」

弥勒 「今年もよろしく頼むぞ」

グラナ 「……あァ」

弥勒 「ふふ……」

グラナ 「へっ、何笑ってんだよ? 気持ちわりーぞ?」

弥勒 「いや……何でもないさ……」



…………

……


217: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/28(月) 00:01:45.89 ID:/jV/GZKj0
【数日後・W.I.S.Eアジト内】



グラナ 「朝飯は俺が作ってやるよ。今日は人日の節句だからなァ」

ドルキ 「人日の節句? 何だそりゃ」

グラナ 「知らねえのか? 七種類の野草を粥にして食う日なんだぜ今日は」

ドルキ 「七種類の野草……ああ、七草粥か」

シャイナ 「セリ、ナズナ、ゴギョウ、ハコベ、ホトケノザ、あと何でしたっけ?」

グラナ 「スズナとスズシロだ。カブとダイコンのこったな」

ヴィーゴ 「そ……それを粥に入れて食うのか……?」

グラナ 「あァ。昨日のうちに山ん中で摘んできた。ほら」 ドサッ

218: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/28(月) 00:02:57.23 ID:/jV/GZKj0
ウラヌス 「……七“草”のはずなのにキノコが混じってるのは何故だ?」

グラナ 「ん? 細かい事は気にすんなよ。多分大丈夫だって」

シャイナ 「これは……なんと言いましょうか……」

ドルキ 「嫌な予感しかしねえぜ……」

ジュナス 「理子。俺が良いと言うまで絶対に食べるんじゃないぞ? 毒見の必要がありそうだ」

カプリコ 「うに!」

グラナ 「さーて。ちゃっちゃと作るからちょっとだけ待ってな。米と水と塩をぶっこんでっと……」

221: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/28(月) 00:07:14.87 ID:ZCeCzR7+0
グラナ 「――――うし、こいつで一丁あがりだ」 スッ

ヌオオオオ…

ジュナス 「……」

ウラヌス 「……」

シャイナ (なんだろう、この異臭と毒々しいまでの色合いの七草粥は……)

グラナ 「とりあえず味見してくれや。なァドルキよ?」 グイッ

ドルキ 「なっ、フザけんな!? 抑え付けてまで無理矢理食わせんじゃ……んがんぐ!!」

グラナ 「よーく味わえよ? どうだ? うまいか?」

ドルキ 「……ま」 モグモグ

グラナ 「ま?」



ドルキ 「まじい……」 オエー



小説2巻「陽のあたる場所へ」に続く ―完―

引用元: 天戯弥勒「今年もよろしく頼む」 グラナ「……あァ」