6: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/31(木) 19:46:30.04 ID:6bo1juhl0
ミルドラース(魔王同士の親睦を深める会って聞いたが……知った顔ばかりじゃないか)



デスタムーア「あ、お疲れ様ッス、ミルドラース先輩」

ミルドラース「おお、デスタムーアか。今日はやけにいかつい恰好してるな」

デスタムーア「せっかくのパーティなんで、今日は第二形体でキメようかと思いまして」

ミルドラース「いい筋肉だ。鍛えているな。」

デスタムーア「先輩こそ。今日はまた清楚な格好ですね」

ミルドラース「真の方だと、ちょっと会場狭くしてしまうからな。老人の姿なのが少し残念だが」

デスタムーア「うわ、オレそんなこと全然考えてなかったッス! やべ、第三形態にしとこうかな……」

ミルドラース「いやいや、気にするな。私の考えだから。お前はその方がサマになってるよ」

デスタムーア「そ、そうっすか? ありがとうございます!」

10: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/31(木) 19:48:55.16 ID:6bo1juhl0
りゅうおう「やあ、二人とも」

デスタムーア「りゅ、りゅうおう先生!?」

ミルドラース「いらしてたんですか!?」

りゅうおう「ああ。先日、勇者が世界の半分を欲しいって言いに来たからな。
       運よく都合が空いて、参加することができたんだよ」

デスタムーア「すげえ……勇者を手中に収めるなんて……さすがは初代魔王ですね!」

りゅうおう「はは。何を言う。二回攻撃も凍てつく波動も出来ないわたしなんぞ、ただのロートルだよ」

ミルドラース「そんな。先生が魔王のなんたるかを作った、始祖じゃないですか。ご謙遜なさらないでください」

デスタムーア「今のオレ達が、倒されてから形体変える、ってのも先生のアイデアが元なんですよ!?」

りゅうおう「そうなのか……。はは、まいったな。」

ゾーマ「おうい、りゅうおー!」

りゅうおう「おっと、ゾーマ様がお呼びだ。少し行ってくるよ」

ミルドラース・デスタムーア「「はい、失礼します!」」

16: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/31(木) 19:52:00.75 ID:6bo1juhl0
――――。


ミルドラース「……りゅうおう先生の、更に先生のゾーマ様……か」

デスタムーア「今のアレフガルトの、土台を作った方でしたっけ?」

ミルドラース「ああ。登場自体は、りゅうおう先生の方が早いんだがな。
         わざわざゾーマ様が、先に出るのはお前の方が良いと推挙されたそうだ
         ドラゴンクエストなのに、最後のボスが竜じゃないならおかしいだろう、ってことで」

デスタムーア「おおー! かっけえッスね! たしかに、竜っぽいのってりゅうおう先生くらいですもんね」

ミルドラース「おいおい。私やピサロさんが先に出たのも、キミのおかげだろう?」

デスタムーア「あ、そういえば。……いや、でもオレは先輩方が先に行ってくれて良かったですよ。
         全然準備出来てなかった時なんで、あのまま行ってたらじじいの状態で殺されてエンディングでしたww」

ミルドラース「そうだったのか。たしかに、ピサロさんやエスターク君なんかは完全形体の途中で出て行ってしまったからなぁ……」

22: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/31(木) 19:55:41.18 ID:6bo1juhl0
デスタムーア「でもピサロさん、戦ってる最中に進化して完成しますよね」

ミルドラース「どっちが主人公側なんだ、ってぐらいの覚醒っぷりだな」

デスタムーア「……ところで、今日は魔王って全員来るんです? ハドラーくんとか異魔神くんとか見てないッスけど」

ミルドラース「ああ、彼らは我々と少し事情が違うからな。ハドラーくんは、超魔生物になるらしいから調整で来れないらしい
        バーンくんも、凍れる時の秘法が解除できないからまたの機会にしたい、とのこと。
        異魔神くんは、顔だけだから今は無理だそうだ。最終形態になったら絶対に行きます。って息巻いてたな」

デスタムーア「バラモスくんは?」

ミルドラース「どっちの?」

デスタムーア「いや、オレがバラモスくん、って言うならあっちですよ。水に弱い方の……」

ミルドラース「ああ。彼も今は根城を動けないから、ダメだそうだ」

デスタムーア「そうでしたか。ジュエルボーン、教えて欲しかったんだけどなー」

ミルドラース「あー、アレは素晴らしい呪文だね」

デスタムーア「いちいち、魔物に一定額持たせるのって結構大変ですよね」

ミルドラース「ああ、面倒だ」

25: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/31(木) 19:58:49.37 ID:6bo1juhl0
シドー「ようお前ら、何してんだこんな隅っこで」

ミルドラース(うっ! シドーさん……!) ヒソヒソ

デスタムーア(オレ、この人苦手なんですよ……中途半端な立ち位置なのに、やけに態度デカくて) ヒソヒソ

シドー「そっちの首尾はどうだ、ああん?」

ミルドラース「この前、やけに対魔族性能の高い人間を魔界に誘致いたしました」

シドー「おう、それで」

ミルドラース「それで……あ、王族っぽい生まれの子どもをさらっております」

シドー「……だけか?」

ミルドラース「は、はい」

シドー「あほかてめええええ!!!」

ヒュルルルン……ドコォ! ドコォッ!

ミルドラース「うぐっ!?」

デスタムーア(シドーさんのルカナンからの二回連続攻撃だ……痛そう)

27: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/31(木) 20:02:35.47 ID:6bo1juhl0
シドー「さらうぐれー下級魔族でもできんだよ! やるなら、国の一つや二つ滅ぼせや!!
     こっちは、勇者の子孫の城をOPでぶっ壊してるぐれー本気なんだぞ!? やる気あんのかてめえ!!」

ミルドラース「す、すみません……」(それやったの全部ハーゴンさんじゃ……)

ハーゴン「こらこら、シドー。何を大声出しているんだ」

シドー「おうハーゴン。ああ、ちょっと魔王としての教育的指導をだな」

デスタムーア(あんた魔王じゃなくて破壊神だけどな)

デスタムーア(ハーゴンさんも魔王じゃないし……)

ハーゴン「そうか。とはいえやりすぎだよ。せっかくのパーティなんだから、楽しまなければな」

ミルドラース「すみません……」

ハーゴン「こちらこそ悪かったな。……して、デスタムーアくん」

デスタムーア「はい?」

ハーゴン「キミは、何をしたのかな? 勇者に対して」

デスタムーア「あ、はい。お……僕の世界では、勇者はいないんで、とりあえずそれっぽいのを夢の世界に閉じ込めました」

ハーゴン「ほうほう」

29: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/31(木) 20:06:13.98 ID:6bo1juhl0
デスタムーア「強い武器防具の持ち主のメダル王、最強の魔術師の血統を持つカルベローナ
         強力な特技が習得可能になるダーマ神殿などを封印しました」

ハーゴン「なるほどなるほど」

デスタムーア「また、その夢の世界の番人でもあるゼニス城も封印しております」

ハーゴン「そうかそうか」

デスタムーア「……以上です」

ハーゴン「……それは、キミがやったのかね?」

デスタムーア「はい?」

ハーゴン「それは、全て君が直接やったのかと聞いているんだ」

デスタムーア「いえ……指令は出しましたが自分は、その夢と現実の狭間の世界に居ましたので……」

デスタムーア「あちらに居る、ムドーやデュラン達に収めさせております」


ムドー「デュランくん、またパンツとマントだけかい?」

デュラン「すみません、これが正装なんですよ……」

35: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/31(木) 20:10:00.81 ID:6bo1juhl0
ハーゴン「ふーむ……。自分の力を使わず、全て部下に……か」

デスタムーア「……」

ハーゴン「楽だわな。失敗し、敗北しても責任は部下に押し付けられるから」

デスタムーア「なっ……それはっ!!」

ハーゴン「まあ良い。なんとかなってるなら、それでな。期待しているぞ、二人とも」

シドー「そーいや、あっちにバラモスいるってよ」

ハーゴン「どちらの?」

シドー「マホトーンが効く方だ」

ハーゴン「あのトカゲ頭、こんな場によく来れたものだ。たかが地上制圧した程度のくせに」

シドー「ちょっと遊んでやるか。お前の甘い息で眠らせてやろうぜwww」

ハーゴン「ほっほっほ。そういえば彼は魔王の癖に眠るんだったかな。
       状態異常の効かない隙のなさこそが魔王と、しっかり教えてあげねば……」

40: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/31(木) 20:13:42.17 ID:6bo1juhl0
――――。

デスタムーア「……あの、ミルドラース先輩。大丈夫ですか。オレ、ベホマラーならできますけど……」

ミルドラース「いや心配いらない。これぐらいなら、自動回復のスキルで勝手に治るよ。ありがとな」

デスタムーア「いえ。大丈夫です。しかし、腹立ちますね。シドーさんだってルカナン効くのに……」

ミルドラース「気にするな。気性の荒い魔王だって居るんだ。むしろ、冷血な魔王の方が少ないぞ。
         ほら、例えばあの二人とか。」


デスピサロ(やべえ、知り合い全然居ない……普段部下とばっかり話してるから魔王の友達いねーんだよな……)

エスターク「Zzz……」


デスタムーア「あー。ピサロさんとエスタークさんですか……確かに、どっちかといえば静かな方ですね」

ミルドラース「けど、ピサロさんは初っ端から勇者の故郷そのものをぶち壊す知将だ。
         エスタークくんは、私と組んだ時は地中深くで眠り、ほぼ無害だったが……
         ピサロさんと組んだ時は毒ガスで大量の人間を無差別に殺したそうだぞ」

デスタムーア「無差別……そりゃまた凄いですね」





ざわ……ざわ……

45: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/31(木) 20:16:29.20 ID:6bo1juhl0
デスタムーア「? なんかやけに騒がしいですね。誰か来たのかな?」

ミルドラース「……! あ、あれは!」


ドドドドドド!!


デスタムーア「ま、まさか!!」


ドドドドドドドドド!!!!




    ド
   

オルゴ・デミーラ「あ、先輩方お疲れ様です」 ドゲザッ


        ン
 

           !!!

51: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/31(木) 20:20:07.08 ID:6bo1juhl0
ミルドラース「オルゴ・デミーラくん……!!」

オルゴ・デミーラ「すみません。神を倒していたら遅れてしまいまして。
            あ、これ土産です。アンチョビサンドとアミット饅頭」

デスタムーア「そんな……こんなのいいのに。気にしなくて」

オルゴ・デミーラ「いえ。魔族の王たる偉大な先輩方の前ですから。自分、常に敬意を払って行動したいのです。
           あ、ご迷惑なら持ち帰りますが……」

ミルドラース「いや、いいよ。ありがとう。フロントに預けておくよ。……しかし、相変わらず謙虚だなキミは」

オルゴ・デミーラ「とんでもない! あ、他の魔王様にも配らないといけないんで、一旦これで。また後でお話聞かせてください」 バッ

デスタムーア(なんて美しい一礼なんだ……オカマっぽい衣装が、逆に麗しさを演出している……!!)

ミルドラース「ああ……。また後でな」

55: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/31(木) 20:23:33.01 ID:6bo1juhl0
――――。



デスタムーア「ふー……なんか変な汗出ました」

ミルドラース「私もだ。まさか、彼も来ているとはな……」

デスタムーア「世界でただ一つの島を除き、すべてを制圧する大魔王ですからね」

ミルドラース「石板の封印を解くことによって、光の戦士が抵抗をしているようだが……。
         私には、世界のほぼすべてを封印するなんてとてつもない芸当、できやしないよ」

デスタムーア「オレもです。せいぜい、夢の世界に分けるのが関の山だったのに……」

ミルドラース「自信を無くしそうだ……」

デスタムーア「何言ってるんですか。
          新人のラプソーン君なんて、部下のドルマゲスに役目奪われまくって悔しい、って最近よく愚痴ってくるんですよ?」

ミルドラース「彼は封印されたのが杖だったからねぇ……浸食タイプだから、本体よりも浸食された方を重視してしまうのは仕方ないよ」

デスタムーア「ぶっちゃけオレも、ムドー君に結構お株を奪われた感ありますし……」

ミルドラース「私なんて、最近はゲマ君が何でもやっちゃうんだよ……彼は有能すぎだ。私の部下なんてもったいない」

58: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/31(木) 20:26:53.85 ID:6bo1juhl0
デスタムーア「最後に控えてるダークドレアム君のがオレより強いってどうなんだろ。オレもなんか……寂しいッス」

ミルドラース「彼は対魔族の力を持った特別な存在だから仕方ないだろう。私なんて、皇帝エスタークだぞ?
         いきなり前回の魔王を同期に持ってくるなんて、どうかしている。扱いが大変だったよ」

デスタムーア「比べでオルゴ・デミーラくんは、目立たないにも関わらず、強力で凶悪な部下を多数……」

ミルドラース「自分自身が喰われない程度に、尚且つ役目もきっちり果たす……そんな部下が私も欲しかった」

デスタムーア「だめッスよ。あんまりゲマさんの悪口言っちゃ。一応勇者の系譜を痛めつけてくれた方なんですから」

ミルドラース「わかってるが……。イブールくんが、最近そのことでちょっと不満を漏らしていてね」

デスタムーア「なんでです?」

ミルドラース「地上世界の支配者的立ち位置なのに、なんであんな一瞬しか出てこない役なんだ、って」

デスタムーア「あー……」

63: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/31(木) 20:29:49.11 ID:6bo1juhl0
ミルドラース「不憫だから、通常攻撃は全部痛恨の一撃にしてもいい。
        凍てつく波動も、二回行動もしていいって言ったんだけどね」

デスタムーア「もっとわかりやすく目立てないと、イマイチですよね」

ミルドラース「それは私も同じだろう」

デスタムーア「なんというか、影薄いんですかね……オレ達」

ミルドラース「それは認めざるを得ないな……」

デスタムーア・ミルドラース「「はぁ……」」


トントン


ミルドラース「ん?」

クルッ

ゾーマ「楽しんでいるかい?」

67: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/31(木) 20:32:50.08 ID:6bo1juhl0
ミルドラース「!? ぞ、ゾーマ様!?」

デスタムーア「い、いかがなされたんですか!? 我々なんかのところへ!?」

ゾーマ「なに、不幸が逃げる、暗黒闘気のため息が聞こえてね」

ミルドラース「し、失礼しました!」

ゾーマ「……それで、一体どうしたのだね?」

デスタムーア「実は……」




――――。


ゾーマ「ふぅむ。魔王にも関わらず、今一つ目立てないことに焦りを……ね」

ミルドラース「本当は全部自分が悪いのです。
         面倒な役割は、部下におしつけて征服させるなんて……」

デスタムーア「やっぱり、魔王たる以上は自分で何もかもやらないとダメですよね……りゅうおう先生みたいに」

70: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/31(木) 20:36:35.55 ID:6bo1juhl0
ゾーマ「それは違うよ」

ミルドラース・デスタムーア「え?」

ゾーマ「余なんて、バラモスくんの助力あってこその魔王なのだ。
      彼がいなければ、そもそも余の知名度なんて地上ではゼロなのだよ」

ミルドラース「ですが、あれは更なる絶望を与える最高の演出に……」

ゾーマ「そう、それだよ」

デスタムーア「え?」

ゾーマ「あえて、厳しい言い方をするが……君たち二人は、タイミングが悪すぎたんだ」

ミルドラース「タイミング……といいますと」

ゾーマ「二人とも、魔王に匹敵するような素晴らしい部下がいるだろう」

ミルドラース「はい」

デスタムーア「僕は、業績が芳しいので魔王の称号を与えた者もいますね」

74: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/31(木) 20:39:30.21 ID:6bo1juhl0
ゾーマ「配置の仕方も悪くない、絶望を与える任務もきっちりこなしている」

ゾーマ「にも関わらず、何故君らより人気があるか」

ミルドラース・デスタムーア「……」

ゾーマ「それは偏に、出てくるタイミングだよ」

ミルドラース「登場の機会……ですか」

ゾーマ「余は、地上を制圧しているバラモス君をやっとの思いで倒し、さあ宴の開始だ!
     というところで、人間共を殺戮しながら登場した」

デスタムーア「あれには勇者も絶望してましたね。
         長く水中に潜った時、息が限界で呼吸しようと浮上するも、水面間近で足を引っ張られるような……」

ゾーマ「そこなのだ。余は、地上での知名度はほぼゼロ。けれども、運の良いことに世間では知れ渡っている」

ゾーマ「それをなんとかできれば、少しは良くなるのではないか?
     もっとこう、人間たちにも存在を示唆するとか」

ミルドラース「な、なるほど!」

ゾーマ「能力でいえば、君たちの方がずっと上だろう?
     余なんてマヒャドと凍える吹雪に、凍てつく波動だぞ?
     え~~と……君たちはなにが出来たっけな?」

80: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/31(木) 20:43:32.99 ID:6bo1juhl0
ミルドラース「輝く息、凍てつく波動とメラゾーマに仲間呼び。
         変身後は、加えて灼熱とイオナズン、マホカンタ、瞑想。偶にルカナンもします」

ゾーマ「デスタムーアくんは?」

デスタムーア「凍てつく波動や炎の玉、攻撃力倍増の特殊攻撃。最大三回攻撃。
         今のこの形態では、スカラやバイキルト、突進や回し蹴りにしっぷう突き。最大四回攻撃。
         最終では、色々やります。ベホマラーに正拳突き……」

ゾーマ「ベホマラー!? 大魔王がベホマラーするのかね!? シドー君以来か、回復呪文を使う魔王なんて!?」

ミルドラース(一応、私も使うがこれは とくぎ だしな……)

デスタムーア「あはは……。ま、まあその……卑怯ですが、頭と両手の三分割するんで、回復呪文使っちゃおっかなー、と」

ゾーマ「卑怯なものか! そうか、分割……その手があったか……。いや、素晴らしい!
     余も変身しておけばよかったかな」



瞬間! 二人の脳裏には、ボツになったゾーマ第二形体の姿が!!

83: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/31(木) 20:46:49.46 ID:6bo1juhl0
ミルドラース「!! い、いや。ゾーマ様はそのお姿こそ至高です。そのままでよろしかったかと」

デスタムーア「そ、そうですよ! そもそも、連戦になるんですから変身までしなくても問題はないかと……」

ゾーマ「そうか。そこまで言うなら、そのままにしておこうか」

ミルドラース・デスタムーア(ほっ……)


ミルドラース「……しかし、いくらパターンや変身の多彩さはあっても、知名度が上がらなければ……」

ゾーマ「原石としては決して悪くない魔王なのだが……もっとこう、魔王らしさを活かした戦術をとってみるとかどうだね?」

デスタムーア「魔王らしさ……」

ゾーマ「そうだな……ボスからは逃げられないから、それを利用するとか」

ミルドラース「それはこの前、バーン君がやってました」

ゾーマ「では、巨大化した後に、あえて小さくなりパワー凝縮で戦闘力上昇というのは?」

デスタムーア「異魔神くんがこれから使うんで、やめてくださいって言ってました」

89: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/31(木) 20:49:59.46 ID:6bo1juhl0
ゾーマ「それじゃ、裏ボスを超える強さを実は持っているというのは?
     過去にそやつを倒した経験を持っているとか、拍が付くんじゃないか?」

ミルドラース「考えてみたんですが、それもオルゴ・デミーラくんがやってしまいまして……」

ゾーマ「そうか……残念だ」

ミルドラース「ゾーマ様、ありがたいお言葉痛み入ります。
        ですが、私は所詮、弱小魔王です。ひっそりと、やっていくことにしたんで……もう大丈夫ございます」
 
デスタムーア「どうせコロッと殺されるだけですから、適当にやり抜けます」

ゾーマ「バカもの!!!」

ドコン! ドコン!

ミルドラース・デスタムーア「「アベルッ!?」」

94: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/31(木) 20:52:39.65 ID:6bo1juhl0
ゾーマ「よいか。魔王というのは……いや最後に対峙する大魔王というのはだな。
     どれだけ知られていなくても、どれだけ勇者や光の戦士から軽んじられても」

ゾーマ「厳かで不気味で毅然とし、低く、くぐもった声で恐ろしい言葉を吐かなければならない」

ゾーマ「確かに、余たちは人間をアリ程度の屑と思っているし、討伐に来る勇者の抵抗が鬱陶しく思うものだろう」

ゾーマ「だがな、彼らは彼らで。忌み嫌いながら、侮蔑しながらも、それでも余に、魔王に対抗するため一生懸命生きておるのだ」

ミルドラース「……」

ゾーマ「本気で全力で遺恨なく遺憾なく向かって来るものへは、例え敵であっても最上級の持て成しをもって応戦する」



ゾーマ「それが、真の大魔王なのだ」

102: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/31(木) 20:55:45.21 ID:6bo1juhl0
デスタムーア「ゾーマ様……」

ゾーマ「ここだけの話、余なんて特殊なアイテムないと剥がせない衣を纏う、っていうガチっぷりなのだぞ?」

ミルドラース「あはは。たしかに、光の玉の存在しらない人も稀に居るぐらいですし」

ゾーマ「それぐらいで良いのだよ。少しズルいと思わせるくらいの戦術をとる、それで良い」

デスタムーア「……そうですね。オレもザオリクとか使っちゃおうかな……」

ゾーマ「あとは、台詞だ」

ミルドラース「台詞?」

ゾーマ「勇者と対峙した時、何て言うかは考えているのだろう?」

デスタムーア「ええ、それはもちろん」

108: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/31(木) 20:59:24.98 ID:6bo1juhl0
ゾーマ「例えば余の場合……」

ゾーマ『勇者よ! なにゆえもがき生きるのか? ほろびこそわがよろこび。
     死にゆく者こそ美しい。さあ わがうでの中で息絶えるがよい!』

ゾーマ「だが……」

デスタムーア(かっけえ……! シンプルでいて、勇者を圧倒するという意志をしっかり伝えた完璧な言葉……!!) キラキラ

ミルドラース(やっぱ魔王の中の魔王様は格が違うものだ) ウットリ

ゾーマ「二人は、どのような風に言っているのかな?」

ミルドラース「私は、世界が既に自分の物であること、部下をよくやっつけてここまで来たな。という感じのを言っております」

ゾーマ「ふぅむ」

デスタムーア「自分は、待っていたぞ。全身全霊を持ってぶっ殺してやろう。という体です」

ゾーマ「なるほど……ミルドラースくん」

ミルドラース「はい」

111: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/31(木) 21:02:07.35 ID:6bo1juhl0
ゾーマ「ゲマくんやイブールくんには悪いが、威厳を持たせるためだ。
     地上征服、勇者誕生防止に対し活躍した彼らのことを、あえて出汁にしよう」

ミルドラース「え? い、いや、そんなこと出来ませんよ。彼らが居たから、私は魔界で力を蓄えられたのですから!?」

ゾーマ「だが、大魔王の威厳を損なうのだけはならない。それこそ、ゲマくん達の地位も落としかねんぞ?」

ミルドラース「う……」

ゾーマ「そうだな、例えば
   
   『私のしもべたちがあれこれとはたらいていたようだが……
    あのようなことはそもそも必要のないくだらない努力にすぎなかったのだ。』
 
    なんて、どうだろう?」

デスタムーア「うわー。なんか、凄い上から目線ですね……カッコいいけど」

ゾーマ「それが良いのだ。苦戦し畏怖の対象であったゲマ君らのことすら眼中にない、おぞましい台詞だとは思わないかね?」

ミルドラース「た、確かに!」

112: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/31(木) 21:04:41.44 ID:6bo1juhl0
ゾーマ「デスタムーアくんの場合なら……老人の場合に言うとすれば……
    
   『だまってあそばせておればいい気になりおって……。
    そろそろわしのほうからお前たちをつぶしにいこうかと思っておったところじゃ。』

    などは、どうだろうか」

ミルドラース「遊ばせる、というのは面白いですね。光の戦士の努力を、些細なことみたいに侮蔑するとは!」

ゾーマ「敗れた時にも、格好良い言葉が言えればいいのだが、それはまだ君たちには難しいだろう。
     しかし、これで少しはインパクトが上がるはずだ。」

デスタムーア「うー、そんな台詞、軽やかに言えるかなぁ」

ゾーマ「練習だよ練習。余も昔は、大事な場面で噛んでしまって一旦カットとかあったからねぇ」

ミルドラース「カットって、あの勇者たちを問答無用で、瞬時に教会まで押し戻す、超奥の手のアレでしょうか?」

ゾーマ「ああ。たまに、戻しすぎて勇者のレベルや所持金所有物をすべて初期化してしまうこともあったがね」

デスタムーア「うわ、そりゃ真の大魔王による所業ですよwww」

ゾーマ「はっはっは。そうかね」

120: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/31(木) 21:09:20.39 ID:6bo1juhl0
ミルドラース「ゾーマ様。この度はご指導ご鞭撻のほどありがとうございました」

デスタムーア「僕も、今回のを励みに懸命に球を回し続けます」

ゾーマ「うむ。頑張ってくれよ、新世代の魔王よ!」

ミルドラース・デスタムーア「「はい!」」

ゾーマ「では、共に飲み明かそう。今日は、こうやって親睦を深める為に開いたパーティなのだから」

デスタムーア「よーし、飲むぞー! あ、オレ、ももんじゃのソテー持ってきますね!」

ミルドラース「あ、ついでにガップリン100%絞りのジュースをお願いできるかな」

ゾーマ「おや、キミは下戸かね」

ミルドラース「この形態だとお酒に弱いんですよ。第二形体なら、大丈夫なんですが……面目ない」

ゾーマ「良い良い。余も実は下戸でな。闇の衣がなければ、ホイミも受け付けられないのだ」

ミルドラース「そうだったのですか……」

ゾーマ「まあそれは良い。今日は大いに楽しもう」

ミルドラース「はい!」

129: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/31(木) 21:12:35.75 ID:6bo1juhl0
その晩、宴は朝まで行われた。

ある魔王は一発芸のベギラマで場を騒がせ

ある魔王は無差別にルカナンをしてしまい

ある魔王がそれを凍てつく波動で解除してあげ

ある魔王はケーキを切ろうとギガスラッシュを暴発し

ある魔王はそれを受けたものの瞑想が間に合わず死亡し

ある魔王は慌ててそれをザオリクで治療した

それを見ていた魔王は、怪しげな瞳でうっかりみんなを眠りに誘ってしまったそうな。

端っこの方で、ただひたすらに暴れ牛どりのチキンをガっついていた巨漢の新人魔王は、騒ぎがあったことすら知らない

132: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/31(木) 21:16:12.46 ID:6bo1juhl0
それから


二人の魔王は、一生懸命台詞の練習をし、勇者や光の戦士に言葉を吐き続けた。

噛もうが、ど忘れしようが、何度も失敗を繰り返してでも魔王としての威厳を構築していく。


ゾーマやオルゴ・デミーラのような、カリスマ性のある真の魔王として有りたい


その気持ちは同じだった。









その後のこと

134: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/31(木) 21:19:05.59 ID:6bo1juhl0
ミルドラース「私が…… やぶれる…… とは」

ゴゴゴゴゴ……

V主人公「やった! 遂に仇を取ったぞ!!」




デスタムーア「私の世界が……くずれ……ぐはっ!!」

ゴゴゴゴゴゴ……

Ⅵ主人公「これで世界は一つに戻る! 大魔王を討ったんだ!!」






ミルドラース・デスタムーア(ああ、いつもより喜んでくれている……やりましたよ、ゾーマ様……!)




魔王としての立場として嬉しいことに

見事に普段より更に恨みを倍増させた主人公たちにやられてしまった二人の魔王

彼らの責務が完全に失敗したにも関わらず、何故だか二人の面構えはやけに充実感に満ち溢れていた……。

138: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/31(木) 21:21:26.94 ID:6bo1juhl0
――――

――




~~テレビの前にて~~~



ピッ


ピッ








――――THE END――――


プレイヤー「ふー……」

143: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/31(木) 21:23:58.20 ID:6bo1juhl0
プレイヤー「なんかⅤとⅥのラスボスって、影薄かったな」




おしまい

引用元: ミルドラース「魔王パーティーか……」