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――― 海ノ町・路地裏


隣町の主神「ふい~ ちょっと飲み過ぎちゃったかなぁ~」フラフラ

 モクモク

主神「ん? 霧・・・ いつの間に」キョロキョロ

 『この・・・ 町から・・・ 出て・・・』

主神「え? 誰かいるんですか?」

 『あなた邪魔・・・ この町に必要ない・・・』

主神「ど、どこに隠れているんです? 悪戯にしてはタチが悪いですよ」キョロキョロ

 『隠れてないよ。 上・・・』

主神「うえ?」クルッ

 『あはははははは!』


主神「・・・ぁ」バタッ

354: ◆8YCWQhLlF2 2020/10/05(月) 20:13:05 ID:DJXIjJjs

~あらすじ

神様「神宮の女神、神ちゃんです!」

神使「お付きの神使です」

355: ◆8YCWQhLlF2 2020/10/05(月) 20:14:06 ID:DJXIjJjs

――― 数日後・山ノ町神社


主神「本当なんです! 信じて下さいってば~!」

神様「神使君、帰ろう」

主神「待って下さい! 私だって怖いんです!!」ガシッ

神様「別に怖い訳じゃねーし! もう秋だし! お化けは夏だし!!」

主神「話を聞いて頂けるまで離しません!!」

神様「話なら今聞いただろ! それモノノケだよ! 私の管轄外だ!!」

主神「400年生きてますがモノノケなんて見たことないですよ~」

神様「目撃第1号おめでとさん! よかったね!」

主神「も~ お願いですから助けて下さいよ神様~」

神様「得体の知れない物に触って、何かあっても責任取れねーんだよ!」ゲシゲシ

主神「それを言ったら私だって! 隣の海ノ町は元々の管理地じゃないですし!」

356: ◆8YCWQhLlF2 2020/10/05(月) 20:15:12 ID:DJXIjJjs

神使「まあまあ、お二人とも取りあえず冷静に」

主神「神使さんは信じてくれますよね!」

神使「要約すると、霧の中で人影を見たという事ですよね?」

主神「あれは人ではありません、でも女の子でした」

神様「女の子なら人だろ・・・」

主神「人って浮きませんよね? それにカピチューが肩に乗ってたんです」

神様「・・・・・・。 えっと・・・ なに?」

主人「カピチューです。 こう、黄色くて丸っとした」

神様「・・・・・・」

神使「私の知る限り、カピチューはゲームのキャラだと思うのですが認識は合っていますか?」

主神「はい。 30センチくらいでしょうか、その子の肩にチョコンと」

357: ◆8YCWQhLlF2 2020/10/05(月) 20:15:56 ID:DJXIjJjs

神様「神使君、こいつに良い医者を紹介してやってくれ。 じゃバイバイ」

主神「神様~ 話はこれだけじゃないんですよぉ~」ガシッ

神様「だから離せって!!」

主神「はい、話します。 実は―――」

神様「そっちの話せじゃねーよ!」

神使「神様も、ちゃんとお話を最後まで聞いたらお小遣い上げますから」

神様「うむ、その言葉をずっと待っていた。 話を続け給え主神君」

主神「ありがとうございます神使さん。 後で是非お礼をさせて下さい」

神様「私にしろよ…」

主神「実はこちらが本題なのですが・・・―――」

361: ◆8YCWQhLlF2 2020/10/07(水) 19:05:00 ID:Rszs7N36

~ 数日前・隣町(海ノ町)


主神「今日のお昼はホッケ定食にしようかなぁ~♪ うん、そうしよう!」テクテク

 「あの」

主神「ん? 私ですか?」クルッ

少女「この町へは何をしに?」

主神「何をって、ご飯を食べに。 そこの定食屋です」

少女「止めに来たんじゃないんですか?」

主神「止めに? 何をです?」キョトン

少女「そんな事も分からないなんて、神の力って大したことないんですね」ハァ

主神「!? あなた、何で私の正体を・・・」

少女「先日忠告をしたと思うんですが」

主神「忠告・・・ !? あなた、まさか先日のカピチュー!?」

362: ◆8YCWQhLlF2 2020/10/07(水) 19:05:51 ID:Rszs7N36

少女「・・・・・・」

主神「いえ、その・・・ すいません」

少女「警告です。 30分以内にこの町から出て下さい。 でないと・・・」

主神「・・・でないと?」ゴクリ

少女「この町に災厄が降ることになります。 あなたは望みますか?」ズイッ

主神「ひぃ!」ゾッ

少女「あはははははは」

主神「・・・・・・」バタリ


~~~
~~

363: ◆8YCWQhLlF2 2020/10/07(水) 19:06:35 ID:Rszs7N36


主神「という事がありまして」

神様「怖っ! っていうかお前気絶しすぎだろ」

神使「その少女さんは、最初にお話し頂いた子と一緒だったんですか?」

主神「ハッキリとは覚えてはいないのですが、そうみたいですね」

神様「お前取り憑かれたね。 やっぱり私の管轄外だし帰る」 トテトテ

神使「神様、取りあえず最後まで話を聞きましょう」

主神「そうですよ!」グイッ

神様「グヘェ! いや、聞いたってどうにもならないって!」ジタバタ

364: ◆8YCWQhLlF2 2020/10/07(水) 19:07:19 ID:Rszs7N36

神使「30分以内に町を出ろというのはどういう意味なのでしょう」

主神「それなんですが・・・ 実はその1時間後に事故があったんです」

神使「事故?」

主神「海ノ町の大通りで地盤沈下が」

神様「あっ、それニュースで見た。 3日くらい前だよな」

主神「タイミングが良すぎると思いませんか?」

神様「偶然じゃねーの?」

神使「確か奇跡的に巻き込まれた人はいなかったと聞きましたが」

主神「もしかしたら、あの子が防いだんじゃないかと」

神使「少女さんの言った“止める”というのは、地盤沈下による犠牲者・・・」

365: ◆8YCWQhLlF2 2020/10/07(水) 19:08:10 ID:Rszs7N36

神様「だったら普通地盤沈下の方を止めない?」

神使「神であれば止めることは出来るのでしょうか?」

神様「分かりもしない事故なんかどうやって止めんだよ。 預言者じゃあるまいし」

神使「それですと、少女さんは神以上の存在という事になりますが」

神様「やっぱモノノケだね。 よし帰ろう」

主神「これを見てもそう言えますか?」ペラッ

神使「これは・・・ お札(ふだ)ですか?」

神様「綺麗な字だね。 上手上手」

主神「どうぞ」スッ

神様「パードゥン?」

主神「どうぞ」ズイッ

366: ◆8YCWQhLlF2 2020/10/07(水) 19:08:50 ID:Rszs7N36

神様「・・・・・・。 ちょっとだけだぞ。 先っちょ触るだけだからな」ペトッ

神使「どうですか?」

神様「先っちょが濡れて・・・ いや~ん、この温もり体が火照っちゃう」クネクネ

神使「神様?」ジトー

神様「うそうそ。 っていうか何だよこれ。 何か変なの感じるんですけど・・・」

主神「結界のような物じゃないかと。 事故があった現場の周囲に置かれていました」

神使「まさか、このお札のお陰で巻き込まれた人が出なかったと?」

主神「断言は出来ませんが」

神使「その少女さんというのは一体・・・」


トントン


一同「!?」ビクッ

367: ◆8YCWQhLlF2 2020/10/07(水) 21:13:01 ID:Rszs7N36


ガチャ


巫女「本日はようこそ」フカブカ

主神「巫女さんでしたか」ホッ

巫女「お飲み物をお持ちしました」スタスタ

神様「お、いいね~ 私はできれば気付けにシュワシュワしたものを」

巫女「コーラですがよろしいでしょうか」ニコッ

神様「ナイス! これが欲しかったの!」

巫女「こちらは濃いめの緑茶です」コトッ

神使「良い濁りですね。 ありがとうございます」

巫女「主神様はコーヒー牛乳ですね」コトッ

神使「いつもすみません。 頂きます」

巫女「何かございましたらお声を。 それでは、ごゆっくり」スタスタ


ガチャ

368: ◆8YCWQhLlF2 2020/10/07(水) 21:13:42 ID:Rszs7N36

神様「今の子は?」

主神「巫女です」

神様「そんなの見りゃ分かるよ。 あの格好で巫女じゃなかったら何なんだよ・・・」

神使「こちらの神社の巫女さんですか?」

主神「はい、確か高校を卒業してからすぐに。 しっかり者でとても良い子です」

神様「良いね~ かわゆいし、一番脂がのってる時期だね」ジュル

神使「えーと・・・ お話しの続きなのですが、その少女さんの素性はお調べになったのですか?」

主神「はい。 隣町の中学2年生、聞いた限りでは普通の女子中学生のようですが」

神使「どうされますか神様」

神様「そうだね~ この場合は経験上放置がベストな選択かな」

神使「まずは気付かれないように少女さんを詳しく調べる必要がありますよね」

主神「しかし、私は素性がバレているようですし」

369: ◆8YCWQhLlF2 2020/10/07(水) 21:14:17 ID:Rszs7N36

神様「んじゃ、解決したらメールだけ送っておいて。 話聞いたし私は帰る」

主神「待ってくだいさよ神様~」ガシッ

神様「だから離せよ! そんなの神宮の調査部にやらせろって」

神使「それは少しマズいですね」

神様「は? 何でだよ」

神使「私達に報酬が入りません。 お金が欲しいんです」

神様「お前・・・ いつからそんなこと言う子になっちゃったの?」

神使「あっ! 良い方法を思いつきました」

神様「神使君の良い方法はいつも良くない気がします!」

神使「きっと神様も気に入ってくれると思いますよ?」

神様「どんな妙案でも私は100パーセント動かないからな」

371: ◆8YCWQhLlF2 2020/10/09(金) 22:11:11 ID:6.fGVMeE

――― 翌日・隣町 海ノ中学校


教師「では、自己紹介をお願いします」

神様「三重の方にある何とかっていう学校から来た“神宮 御子(じんぐう みこ)”です」ペコリ

教師「神宮付属皇學院中学校だね。 他に挨拶とか抱負はある?」

神様「そうですね、まずはこの2年4組を私の配下に置くことが目標です」グッ

教師「ここは2年3組だよ。 まずは自分のクラスを覚えないとね」ハハハッ

神様「え?」

教師「じゃ、神宮さんはそこの空いている席に座って下さい」

神様「はあ」トテトテ


教師「神宮さんは来月までの限定的な転校なので、短い間だけど皆仲良く」

生徒達「はーい」

372: ◆8YCWQhLlF2 2020/10/09(金) 22:12:21 ID:6.fGVMeE

神様「よいしょ。 よろしゅうねお隣さん!」ニコッ

隣席の少女「よろしく」ニコッ

神様「私の事は親しみを込めて“かわゆい神ちゃん”って呼んで欲しいなぁ」クネクネ

少女「私は少女。 困ったことがあったら何でも言ってね」

神様「・・・ん? ごめん、もう一度名前教えて?」

少女「少女だよ?」

神様「・・・・・・。 え~と・・・」

少女「どうかしたの?」

神様「いや、なんで同じクラスなのかなって」

少女「だって、同じクラスの方が都合が良いでしょ?」フフッ

神様「・・・・・・」

少女「神ちゃんて凄い後光だね。 何の神さま?」ニコッ

373: ◆8YCWQhLlF2 2020/10/09(金) 22:13:25 ID:6.fGVMeE

――― 30分後・校門


神使「急でしたが、これで無事に転入手続きは終わりです」

主神「しかし神様を転入させるなんて凄いアイデアですね」

神使「神様の性格上、絶対に快諾すると思いました」

主神「バレたりしないでしょうか?」

神使「少女さんとは別クラスで手配したので、神様がミスさえしなければ大丈夫かと」

主神「それが一番心配ですが」


 神様「本当だよ」


神使・主神「!?」クルッ

神様「チャオ」

神使「神様! 学校はどうされたんですか!?」

神様「バレちゃいました」テヘッ

374: ◆8YCWQhLlF2 2020/10/09(金) 22:14:29 ID:6.fGVMeE

――― 昼・定食屋


神使「いくら何でもバレるのが早すぎますよ・・・」

神様「私のせいじゃないって! 大体何でクラスが同じなんだよ、話が違うだろ」

神使「え!? 同じクラスだったんですか?」

神様「2年3組。 しかも隣の席が少女ちゃんなんてあり得ないだろ」

主神「神使さん、これは一体・・・」

神使「おかしいですね。 確か神様は2年4組だったはずですが」

神様「いきなり“神ちゃんて後光が凄いね”って言われた」

神使「後光?」

主神「もしかして、少女さんは神力を察知出来る能力があるのでは?」

神使「いえ、その線は薄いと思います」

主神「?」

375: ◆8YCWQhLlF2 2020/10/09(金) 22:15:22 ID:6.fGVMeE

神使「神様は神力ゼロですから」

神様「そうそう、私って神力ないから気付かれない。ってうるせーよ」ゲシッ

神使「痛っ!」

主神「では一体どうして・・・」

神様「今回に限っては私は1ミリも悪くないからな」


店員「はいお待たせ。 牡蠣フライ定食に牡蠣フライ追加の方は?」


神様「あっ、私だ」

神使「凄い量ですね。 牡蠣フライばかりそんなに食べられるんですか?」

神様「余裕よ」パクパク

376: ◆8YCWQhLlF2 2020/10/09(金) 22:16:49 ID:6.fGVMeE

神使「しかし、なんでこんな手違いが・・・」

主神「バレてしまったからには別の方法を考える必要がありそうですね」

神使「神様はどう思います?」

神様「私に聞くなよ・・・ まぁ、私の後光が見えたってのはちょっと変だよなぁ」

主神「神様くらいでしたら神力ゼロと言っても、僅かに残っているのでは?」

神様「私だってバカじゃないよ。 今朝、学校へ行く前に神力は完全に抜いたし」

神使「ではどうして神様の正体が・・・」

神様「少女ちゃんは私達の事を以前から知っていた。 または知る機会があった」

主神「私がこの件を相談したのは昨日が初めてですし、とてもそんな時間は・・・」

377: ◆8YCWQhLlF2 2020/10/09(金) 22:17:33 ID:6.fGVMeE

神使「どちらにしろ別の調査方法を模索した方が良さそうですね」

神様「いや、このまま成り行きに任せて相手の出方を見た方が良いかもな」

主神「何か良い方法でも?」

神様「飯食い終わったら、私はもう一度学校に戻る」

神使「大丈夫でしょうか? 少し心配な気もしますが・・・」

神様「だって」

主神・神使「?」

神様「この制服かわゆいし、もう少し着ていたい」モグモグ

主神・神使「・・・・・・」


神様「すいませーん! 牡蠣フライおかわり!!」

379: ◆8YCWQhLlF2 2020/10/12(月) 21:59:12 ID:NeT/D3MI

――― 放課後・教室


 ガヤガヤ

生徒A「神宮さん、朝はどうしたの?」

生徒B「急に教室飛び出していったけど」

神様「あ~ ちょっとね。 えーと・・・ 女の子なもので」アハハハ

生徒A「そ、そうだったんだ///」

生徒B「ごめんね、変なこと聞いちゃって///」

神様「変な心配させちゃって悪かったね」ハハハ

少女「でも、良かった。 もう学校に戻ってこないと思って心配しちゃったよ」

神様「私もそれなりに場数踏んでるから、あの位の事ではダメージゼロよ」ニッ

少女「・・・・・・」

380: ◆8YCWQhLlF2 2020/10/12(月) 21:59:54 ID:NeT/D3MI

神様「あっ、それと皆も私のことは神ちゃんって呼んで」

生徒A「うん。 そういえば、神ちゃんて神宮御子(じんぐうみこ)っていう名前だよね」

神様「そだね。 ちなみに最初の“じ”にアクセントね」

生徒A「・・・そうなんだ」

生徒B「何か御利益ありそうな名前だね」

神様「おみくじは必ず大吉を引けるしね」

生徒A「うそ!?」

生徒B「何か見分け方とかあるの?」

神様「神の力」ニヤッ

少女「・・・・・・」

神様「な~んてね」ウヒャヒャ

381: ◆8YCWQhLlF2 2020/10/12(月) 22:00:36 ID:NeT/D3MI

少女「神宮の学校に通ってるって事は、将来は神主とか巫女にでもなるの?」

神様「え~ 少女ちゃん、それを私に聞いちゃうの~?」

少女「・・・・・・」

神様「うそうそ。 ま、何を隠そう私は神宮で巫女をやってたしね」

生徒A「え!? 神ちゃんって巫女さんなの?」

神様「こう見えて私は優等生なのだよ」フンスッ

生徒A「少女ちゃんとどっちが成績が上なんだろうね」

生徒B「少女ちゃんはいつも成績トップだもんね」

少女「そ、そんな事ないよ///」

神様「おほほっ。 これはどちらが上か楽しみですな」カッカッカッ

少女「・・・・・・」イラッ

382: ◆8YCWQhLlF2 2020/10/12(月) 22:01:15 ID:NeT/D3MI

生徒A「あっ、でも中学生で巫女さんって凄いね」アタフタ

生徒B「う、うん。 格好いいよね」アセアセ

神様「巫女の御子ちゃん。 みこみこってダジャレかよオイ!」ウヒャヒャ

一同「・・・・・・」

神様「あっ、神宮巫女と神宮御子でダブルミーミングじゃん。 すげー」

少女「ミーニング。 神ちゃん英語は苦手みたいだね」ニコッ

生徒A・B「・・・・・・(少女ちゃんがキレてる)」タラタラ

生徒B「え~と・・・ か、神ちゃんの家って海ノ町?」

神様「山之町、隣町だね。 転校期間中は山之神社に住んでる」

生徒B「神社に!?」

383: ◆8YCWQhLlF2 2020/10/12(月) 22:03:15 ID:NeT/D3MI

生徒A「少女ちゃんと同じだね」

少女「・・・・・・」

神様「?」

生徒B「ちょっとA子ちゃん」コソッ

生徒A「あっ、ごめん・・・」

少女「気にしないで」ニコッ

神様「少女ちゃんの家って神社なの?」

少女「神社の近くに住んでるだけだよ」

神様「ふ~ん」

生徒A「そ、そうだ! 神ちゃん、まだここら辺って慣れてないでしょ」

生徒B「案内がてらこの後お茶でもしない?」

神様「だったら歓迎会してよ」

生徒B「え~ それ自分から言うの~?」アハハハ

384: ◆8YCWQhLlF2 2020/10/12(月) 22:03:48 ID:NeT/D3MI

神様「うちの神社大きいし、これから皆で来ない? もてなすよ」

生徒A「あっ、行ってみたーい」

神様「じゃ、決まり! 少女ちゃんも来てくれるよね?」

少女「私は用事があるから」

神様「え~ 来てよ~ 歓迎してよ~」スリスリ

少女「わ、分かったから。 そんなにくっ付かないでよ」

神様「私、職員室に寄って行くから校門で待ち合わせね。 じゃ、また後で」タッタッタッ


生徒A「神ちゃんて変わってるね・・・」

生徒B「猪突猛進って感じだよね」

少女「なんか・・・ 調子狂うなぁ」ボソッ

385: ◆8YCWQhLlF2 2020/10/12(月) 22:04:20 ID:NeT/D3MI

――― 廊下


prrr prrr

神使『はい神使です』

神様「あっ、犬ころか? これから皆でそっち行くから」

神使『皆って、まさか少女さんもですか!?』

神様「そう。 少女ちゃん含めクラスメイト3人」

神使『何が事前に準備しておくことはございますでしょうか』

神様「お菓子、ケーキ、コーラ、間に合えばピザも。 後は~」

神使『いえ、そういう意味ではなく・・・』

神様「いいか? 私のこれからの学生生活の立ち位置がかかっている。 手を抜くなよ」

神使『ちょ、かm―――』

ピッ

神様「さ~て、どう出てくるかな?」ニヤッ

387: ◆8YCWQhLlF2 2020/10/15(木) 02:58:25 ID:7L0fanAA

――― 山之神社


神様「ささ、みんな上がって」

生徒A「ねぇ神ちゃん、ここって本殿って言うところでしょ?」

神様「よく知ってるね」

生徒B「本殿って神聖な場所だよね。 勝手に入っちゃっても良いの?」

神様「神聖? 金と欲にまみれた願いを聞くための穢れた場所だよ」

生徒A「そうなんだ・・・」

少女「・・・・・・」

神様「ま、立ち話も何だし早く中に入って」ニコッ

一同「お邪魔しま~す」

388: ◆8YCWQhLlF2 2020/10/15(木) 02:59:20 ID:7L0fanAA

生徒A「うわ~ 凄い豪華」キョロキョロ

生徒B「壁がキラキラしてる」キョロキョロ

神様「こういうのにお金使わないと色々とうるさいんだって。 税金対策って言うの?」


 トントン


神様「だれ?」

神使「私です。 お菓子をお持ちしました」

神様「お~ サンキュ」

神使「皆さん、ようこそいらっしゃいました」ペコリ

生徒A・B(格好いい!!)キュン

389: ◆8YCWQhLlF2 2020/10/15(木) 03:00:19 ID:7L0fanAA

神様「おい犬ころ、ピザとケーキがないんだけど」ゴソゴソ

神使「そんな物すぐに用意できるわけないじゃないですか・・・」

神様「ったく、使えねーな」チッ

生徒A「ちょっと神ちゃん、こちらの方は?」コソッ

神様「ん? こいつは、え~と・・・」

神使「神宮の神職で神使と申します」

神様「そうそう、私のお付きとして連れてきた犬ころ」

神使「お付きというかお守りですね。 皆さん、どうぞよろしくお願いします」ニコッ

生徒A・B(凄く格好いい!!)キュン

390: ◆8YCWQhLlF2 2020/10/15(木) 03:01:40 ID:7L0fanAA

神様「そうだ神使君、巫女ちゃんを紹介したいから呼んできて」

神使「それが、先程急用で主神さ・・・ お二人で一緒に外に出られました」

神様「そうなの?」

神使「戻りは遅くなるようです」

神様「ふ~ん」チラッ

少女「」ホッ

神様「・・・・・・」


神様「よーし! それじゃ、神ちゃん歓迎会スタートゥ!」

391: ◆8YCWQhLlF2 2020/10/15(木) 03:02:53 ID:7L0fanAA

――― 1時間後


神様「――という訳で全部私の物になった訳よ」

生徒A「神ちゃん面白い!」ケラケラ

生徒B「もうダメ、笑いすぎてお腹痛い」ヒーヒー

神様「どうよ少女ちゃん、私の武勇伝は」

少女「これ以上笑えない・・・ 腹筋が死んだ」ピクピク

神様「おまる」ボソッ

少女「ダメ! それ以上言わないで」プッ クスクス

神様「まぁ私にかかればこんなもんよ」フンスッ

生徒A「神ちゃん、お手洗い借りてもいい?」

神様「おまる貸そうか?」

生徒A「もう良いって! これ以上笑ったら漏れちゃう」クスクス

神様「建物が複雑だから案内してあげる」

392: ◆8YCWQhLlF2 2020/10/15(木) 03:03:29 ID:7L0fanAA

――― 廊下


生徒A「大きい神社だね。 確かにこれは迷うわ」テクテク

神様「間借りしてるだけだから、私の家じゃないけどね」トテトテ

生徒A「隣町のちっこい神社とは大違い」

神様「あれ? 隣町には神社がないって聞いてるけど」

生徒A「あ~ 昔はあったんだよ」

神様「学校で少女ちゃんの家も神社だって言ってたね」

生徒A「あっ・・・ うん・・・」

神様「言いたくなければ無理には聞かないけど」

生徒A「そういう訳じゃないんだけど・・・」

神様「?」

393: ◆8YCWQhLlF2 2020/10/15(木) 03:04:04 ID:7L0fanAA

生徒A「隣町にあった神社って、元々少女ちゃんの家だったんだよ」

神様「だった?」

生徒A「詳しい理由は知らないけど、廃止されたって聞いてる」

神様「廃止・・・ それっていつ頃?」

生徒A「確か3年くらい前だったかな」

神様「・・・・・・。 少女ちゃんてその神社で巫女さんとかしてたの?」

生徒A「まだ小学生だったし、そういう事はしてなかったんじゃないかな」

神様「そっか・・・」

生徒A「でも、神社がなくなってから大変なんだよ」ハァ

神様「何が?」

394: ◆8YCWQhLlF2 2020/10/15(木) 03:04:35 ID:7L0fanAA

生徒A「出るらしいよ~ 先週、うちのクラスのC子ちゃんが見たんだって」

神様「・・・何を見たのでしょうか」

生徒A「カエルの軍曹が、ぴょんぴょん跳ねてるのを!」

神様「・・・・・・」

生徒A「ゲロゲ~ロ! ゲロゲロりんちょ! って追いかけてきて!」ズイッ

神様「・・・・・・」ゴクリ

生徒A「あっ、あそこがトイレ?」

神様「え? あっ、うん」

生徒A「行ってくるね~」タッタッタッ


神様「モノノケやんけ!」

396: ◆8YCWQhLlF2 2020/10/17(土) 05:12:13 ID:BMpIOBj.

――― 町外れの喫茶店


主神「誰も来ませんね」

巫女「隣町で起こっている怪異の件で話があるという事だったのですが」

主神「電話をしてきた方にお心当たりは?」

巫女「」フルフル

 prrr prrr

巫女「あっ、すいません。 私の携帯です」

主神「気にせずどうぞ」ニコッ

巫女「もしもし・・・ うん・・・ うん・・・ 分かった」ピッ

主神「私達を呼び出した方からですか?」

巫女「いえ。 ・・・妹です」

主神「そうですか。 もう1時間経ちましたし、今日は帰りましょうか」

巫女「そうですね」

397: ◆8YCWQhLlF2 2020/10/17(土) 05:14:09 ID:BMpIOBj.


――― 神社・本殿


神様「神ちゃんトイレより帰還しました!」


 バンッ!


少女「うん、これから帰るから」ピッ


神様「あっ、ごめん電話中だった? 大きな音立ててすまんね」

少女「大丈夫」ニコッ

生徒B「暗くなってきたし、私達そろそろ帰るね」

神様「うちの犬ころに送らせようか?」

少女「まだ明るいし大丈夫」

神様「じゃ、神社の出口まで見送りを」

398: ◆8YCWQhLlF2 2020/10/17(土) 05:14:57 ID:BMpIOBj.

――― 鳥居前


生徒A「今日はありがとね、神ちゃん」

神様「今度は神さまを紹介してあげるから」

生徒B「神さま!?」

生徒A「神ちゃん面白~い」

神様「少女ちゃんも、近いうちにゆっくり話そうね」

少女「そうだね」ニコッ

生徒B「じゃ、また明日学校で」

神使「お気をつけてお帰り下さい」ペコリ

神様「ばいばーい」

399: ◆8YCWQhLlF2 2020/10/17(土) 05:15:44 ID:BMpIOBj.

神様「さてと、社務所戻って残ったお菓子を食べますか」

神使「も~ 神を紹介するだなんて余計なことを話さないで下さいよ・・・」

神様「気にすんなって。 これも作戦よ。さ・く・せ・ん」

神使「本当ですか?」

神様「それより、主神と巫女ちゃんはどこに行ったんだ?」

神使「実は神様達が来る直前に呼び出しの電話がありまして」

神様「急なお祓いの依頼でも入ったか?」

神使「今回の怪異の件で相談があるという内容だったそうです」

神様「は? 相手は」

神使「身に覚えはない方のようです」

神様「ふ~ん」

400: ◆8YCWQhLlF2 2020/10/17(土) 05:16:40 ID:BMpIOBj.


 主神「只今戻りました」テクテク


神様「おっ、噂をすれば」

主神「うわっ! 神様眩しいですね。 凄い後光が出てますが・・・」

神様「あ? あ~ 忘れてた。 ゴメンゴメン」シュ~ン

主神「収まりましたね。 流石神様、あれほどの後光を出せるとは」

神使「神様、後光を出されてたんですか?」

神様「あ~ ちょっとね」

神使「それより主神さま、例の呼び出しの件はいかがでしたか?」

主神「それが・・・ ここでは何ですし、社務所の方でお話しを」

401: ◆8YCWQhLlF2 2020/10/17(土) 05:17:18 ID:BMpIOBj.

――― 社務所


神様「怪異の件で呼び出しがあったって聞いたけど」

主神「結局待ち合わせの時間になっても誰も来ませんでした」

神使「内容的に悪戯という事も考えにくいですし、相手の真意が気になりますね」

神様「その呼びだし、ちょっとタイミングが良すぎるな」

神使「どういう事です?」

神様「電話を受けたのはお前か?」

主神「いえ、巫女さんです」

神様「う~ん・・・ あれ? 巫女ちゃんは?」キョロキョロ

402: ◆8YCWQhLlF2 2020/10/17(土) 05:18:27 ID:BMpIOBj.

主神「今日はもう遅いので直帰してもらいました」

神様「残念。 一緒にお風呂入りたかったのに」

神使「お願いですから巫女さんが嫌がることだけは止めて下さい」

神様「分かってるよ・・・ そんなマジになるなって」

神使「それより、神様の方は少女さんの件で何か分かりましたか?」

神様「ん? そうだね~ ちょっと変だな」

主神「やはり、少女さんから何か得体の知れないものを感じたんですか?」

神様「逆。 あれ、どう見ても普通の中学生だぞ」

神使「普通の女子中学生は宙を浮いたり、預言じみた事など出来ないと思うのですが」

神様「さっき私が出してた後光、ずっと少女ちゃんの前でも出してたんだよ」

神使「後光を?」

403: ◆8YCWQhLlF2 2020/10/17(土) 05:19:34 ID:BMpIOBj.

主神「まさか、少女さんは気がつかなかったんですか?」

神様「おかしいだろ? 前に“凄い後光ですね”とか言ったくせに」

神使「気付いていない振りをしていたとか」

神様「それはないって。 あんだけの後光を出されたら眩しくて仕方ないし」

神使「私には分からなかったのですが、そんなに眩しいんですか?」

主神「2万ルーメンくらいはありました」

神使「それは直視できない明るさですね。 かなり眩しいです」

神様「後光は電球かよ・・・」

404: ◆8YCWQhLlF2 2020/10/17(土) 05:20:25 ID:BMpIOBj.

主神「でも、それだけで決めつけるのは早計では?」

神様「他にも色々やったよ。 体に神力流してみたり結界符近づけたりさ」

神使「効果はなかったんですか?」

神様「全く。 久々にすげー勢いで神力使ったから疲れたよ」

神使「あの・・・ その神力はどこから?」

神様「本殿に神力がたんまり詰まった変な像があってさ」

主神「それ・・・ うちのご神体・・・」

神様「そこから吸い取った」

主神「わ、私が丹精込めて貯めた神力が・・・」

神様「半分くらい使っちゃった! ごめーんね」テヘッ

主神「はふっ」ヘナヘナ

406: ◆8YCWQhLlF2 2020/10/19(月) 22:31:57 ID:P17ezW5U

――― 翌日・学校


先生「――ですから、この和歌を訳すと~」


神様「はぁ~ 暇だなぁ~」ボー

少女「ちゃんと授業聞かないとダメなんじゃないの? 神なんでしょ?」ボソッ

神様「いや~ あの和歌、訳し方を間違ってるし覚えても意味ないって」

少女「何で神ちゃんがそんな事まで知ってるのよ」

神様「だって、あれ作ったの私だもん」

少女「はあ?」


先生「おい少女、何か質問でもあるのか?」

少女「え!? いえ・・・ すみません」ジロッ

神様「なるほど、ここはそう訳すのか。 ためになるなる」フムッ

少女「・・・・・・」イラッ

407: ◆8YCWQhLlF2 2020/10/19(月) 22:33:14 ID:P17ezW5U


先生「ここテストに出るからちゃんと聞いておけよ。 で、次の行は―――」


神様「ごめーんね」ボソッ

少女「もう話しかけないで」キッ

神様「そんなつれないこと言わないでさぁ~」

少女「・・・・・・」

神様「はぁ~ ・・・ん?」

チョロチョロ

神様「・・・・・・。 ねぇ少女ちゃん」

少女「もぉ、今度は何よ」

神様「いや、何か変な生き物が・・・」

少女「変な? どこ?」キョロキョロ

408: ◆8YCWQhLlF2 2020/10/19(月) 22:34:00 ID:P17ezW5U


 変な生き物「ハッハー!」


神様「・・・・・・。 ネズミの里?」

少女「は?」



 生徒C「キャー!!」


先生「どうしたんです!?」

生徒C「ネズミの里の生き物が!」

先生「ネズミ?」キョロキョロ


 ガヤガヤ

409: ◆8YCWQhLlF2 2020/10/19(月) 22:34:52 ID:P17ezW5U


少女「神ちゃん、まさかこの教室に何かいるの?」

神様「いや、だからネズミの・・・ 少女ちゃん見えないの?」

少女「・・・・・・」


 変な生き物「ハッハー! ハッハー!」テクテク


生徒C「キャー! こっち来ないで!」

先生「大丈夫ですかC子さん!? ネズミなんかいませんよ?」


神様「マズいな」ガタッ

先生「あっ、神宮さん! 席に戻って―――」

410: 以下、名無しが深夜にお送りします 2020/10/19(月) 22:35:30 ID:P17ezW5U

神様「C子ちゃん、落ち着いて」ボソッ

生徒C「神ちゃん! あれ! アレ! ネズミの・・・ ミッk―――」

神様「それ以上言っちゃダメ、色んな意味で面倒だから」

生徒C「あれ何? 何で・・・ みんなは見えてないの?」

神様「大丈夫、私には見えてる。 悪いけどちょっと眠ってて」ポワッ

生徒C「え?・・・」ガクッ

神様「昨日の神力少し残しておいて良かったわ」


少女「・・・・・・」

411: ◆8YCWQhLlF2 2020/10/19(月) 22:36:43 ID:P17ezW5U

先生「誰かC子さんを保健室に」

神様「なんか気分悪そうなので先にトイレ連れて行きます~」トテトテ


 ガヤガヤ


先生「ほら、みんな落ち着いて」


少女「・・・・・・」ガタッ

先生「少女さん、C子さんの方は神宮さんに任せて」

少女「神宮さんは保健室の場所を知りません。 私も付き添います」タッタッタッ

先生「あぁ・・・ そういえば転校してきたばかりだったな・・・」

413: ◆8YCWQhLlF2 2020/10/19(月) 22:37:37 ID:P17ezW5U

――― 数分後・保健室


コンコン

少女「失礼しまーす」ガラガラ

少女「C子ちゃん? 神ちゃん?」キョロキョロ


 シーン


少女「あっ、C子ちゃん!」タッタッタッ

C子「・・・・・・」スヤスヤ

少女「寝てる・・・ 神ちゃん? 居ないの?」キョロキョロ


 シーン


少女「・・・・・・」ゴソゴソ

少女「ごめんね、C子ちゃん」スッ


 ポワポワ

414: ◆8YCWQhLlF2 2020/10/19(月) 22:38:23 ID:P17ezW5U


 神様「何やってるのかな?」トテトテ


少女「!?」クルッ

神様「来ると思った」

少女「神ちゃん・・・ 全く気配感じなかったのに・・・」

神様「私をそこらの神と同じに思っちゃダメよん。 それより、今かなり不思議な力を感じたけど」

少女「・・・・・・」コソッ

神様「後ろに隠したのは何かなぁ~? お札かなぁ~?」

少女「何のこと? じゃ、私教室に戻るね」スタスタ

神様「ねぇ、私に協力する気はない?」

少女「え?」

神様「力になれると思うけど?」

少女「・・・私、神って信じてないんです」スタスタ


神様「ん~・・・」

418: ◆8YCWQhLlF2 2020/10/23(金) 21:18:33 ID:xEI2jbZY

――― 社務所


神様「たでーま~」トテトテ

神使「お帰りなさいませ」

神様「今日のおやつは?」

神使「“の”って何ですか・・・ そんな習慣は記憶にないですが」

神様「じゃあ巫女ちゃんにもらうし良いよーだ!」ベー

神使「巫女さんは主神さまと一緒にお仕事中です」

神様「主神と仕事・・・ だと!?」

神使「何でそんなに驚いているんですか・・・」

神様「あいつが進んで仕事をする光景を私は一度も見たことがない!」

神使「そんな失礼な・・・ 神様が勝手に神社の神力を使ったからですよ」

神様「あ~ 参拝者を増やして神力をまた貯めたいのか」

神使「神様もお手伝いしないとダメですよ。 さ、行きましょう」ガシッ

神様「え!? 私も手伝うの?」スルズル

419: ◆8YCWQhLlF2 2020/10/23(金) 21:19:27 ID:xEI2jbZY

――― 本殿


主神「ネズミの里?」

神様「そう、学校でハッハー!を見た」

巫女「・・・・・・」

神使「それって、着ぐるみとかそんな感じの物ですか?」

神様「違うって。 ハッハー! は中に人なんかいないし」

神使「設定上はそうですが・・・」

神様「設定とか言うな。 本当だからね? 嘘ついてないからね?」

巫女「あの・・・」

神様「ん?」

420: ◆8YCWQhLlF2 2020/10/23(金) 21:20:32 ID:xEI2jbZY

巫女「それって1体だけですか?」

神様「うん。 私が見たのは1体だけ」

巫女「・・・・・・」

神様「何か思い当たる節でも?」

巫女「いえ、そういう訳では」

主神「確かに巫女さんの言うように、恋人のミギーちゃんやダックもいないと役者が揃いませんよね」

巫女「そういう意味で聞いた訳でもないのですが・・・」

主神「やっぱりモノノケはいるんですね!」

神様「モノノケねぇ~」グテッ

主神「あー! 神様が作ったおみくじ全部大凶って書いてあるじゃないですか!」

神様「どうせ誰も引かないんだし良いだろ。 こっちの方が面白いって」

主神「面白くないですよ・・・ 参拝者来てくれなくなっちゃうじゃないですか・・・」

神様「うるせー」

421: ◆8YCWQhLlF2 2020/10/23(金) 21:21:30 ID:xEI2jbZY

神使「モノノケが出たとなっては学校は大騒ぎだったのでは?」

神様「それが、見えるヤツと見えない奴がいるみたいなんだよね~」

神使「どういう事です?」

神様「ん~」チラッ

巫女「」サラサラ

神様「・・・・・・」ジーッ

巫女「? どうかなさいましたか?」

神様「何書いてるの?」

巫女「これはお守り用のお札です」

神様「ふ~ん・・・ 巫女ちゃんは字が上手だね」

巫女「え? あ、ありがとうございます」

422: ◆8YCWQhLlF2 2020/10/23(金) 21:22:18 ID:xEI2jbZY

神様「ねぇ、“繋”って字書いて」

巫女「繋・・・ ですか?」

神様「私、好きなんだよね~ その字」

巫女「分かりました」サラサラ

神様「・・・・・・」ジー

巫女「どうぞ」スッ

神様「あんがと、やっぱ上手いわ。 この字バランスが難しいんだよね~」

巫女「ありがとうございます」ニコッ

423: ◆8YCWQhLlF2 2020/10/23(金) 21:23:07 ID:xEI2jbZY

神様「じゃ、おやすみ」ゴロン

神使「ちょっと神様、こんな所で寝ないで下さいよ・・・」

神様「色々疲れて、もう無理なんだよ」

主神「夕飯の前にお風呂入りますか? すぐに湧かしますが」

神様「風呂かぁ~」グテー

巫女「あっ、でしたら私が準備して参ります」

神様「巫女ちゃんも一緒に入ってくれる?」

巫女「え!?」

神使「またそんな意味不明なことを・・・」

424: ◆8YCWQhLlF2 2020/10/23(金) 21:23:55 ID:xEI2jbZY

主神「それでしてら、海ノ町にある銭湯にでも行きますか?」

神様「お、いいね!」ガバッ

巫女「・・・・・・」

神様「巫女ちゃんも行くでしょ?」

巫女「あの・・・ 私はおみくじのセットもしないといけないので・・・」

神様「え~ 一緒に行こうよ~」スリスリ

巫女「・・・・・・。 分かりました」

神様「よし、決まり! んじゃ皆で一緒に銭湯へ!」

巫女「折角ですし、ストロベリー温泉に行きませんか?」

神使「ストロベリー温泉?」

425: ◆8YCWQhLlF2 2020/10/23(金) 21:24:30 ID:xEI2jbZY

主神「そういえばそんな温泉がありましたね」

神様「何そのイカした名前の温泉! そこにする!」

主神「結構遠いですよ?」

巫女「この時間でしたら電車を使えば間に合うと思います」

主神「そうですね。 折角の提案ですし、ストロベリー温泉にしましょうか」

神様「ヨッシャ! 燃えたぎってきたぜ!」

426: ◆8YCWQhLlF2 2020/10/30(金) 00:29:46 ID:rwDMruAs

――― 山ノ駅


神様「うへ~ やっと駅かよ。 こんなに遠かったっけ?」

主神「神社からですと本当は隣町の海ノ駅の方が近いんですが・・・」

神様「じゃぁそっちから乗れよ!」

巫女「こちらの駅の方が電車の本数が多いんです」

神様「あ~ そういう事ね」

神使「では、行きましょうか」

427: ◆8YCWQhLlF2 2020/10/30(金) 00:30:24 ID:rwDMruAs

――― 電車内


 ガタンゴトン


神様「どのくらい乗るの?」

巫女「二駅先ですからすぐ着くと思います」

神様「良かった。 38時間とか言われたらどうしようかと思った」

巫女「38時間!?」

神様「冗談だと思うでしょ? でもこのクソ犬は平気でそういう事するの」

神使「金銭的に色々ありまして・・・」

428: ◆8YCWQhLlF2 2020/10/30(金) 00:31:21 ID:rwDMruAs

主神「神様はお金いっぱい持っているじゃないですか」

神様「あ?」

神使「神宮銀行の神様の口座には18円しか残高がないんです」

主神「あれ? 神宮資産管理銀行の方がメインですよね?」

神様「ねぇ、そういうトップシークレットをベラベラ話さないでくれる?」

主神「あっ、そうでした。 すみません・・・」

神使「毎日金欠金欠言ってるならその銀行からお金下ろせば良いじゃないですか」

神様「キャッシュカードがねーんだよ。 そもそも、その銀行がどこにあるかも知らねーし」

神使「そうなんですか・・・」

429: ◆8YCWQhLlF2 2020/10/30(金) 00:32:04 ID:rwDMruAs


 放送「まもなく~ 海山の境駅に到着しま~す」


巫女「あっ、私ちょっとお手洗いに行ってきます」

神様「あんまり長いことブリブリしてると置いて行っちゃうよ~」

巫女「そ、そんなに長くありません! それに・・・し、小の方です///」スタスタ

神使「神様・・・ はしたなさ過ぎますよ」

主神「あまり虐めないで下さい。 30年ぶりの大切な巫女さんなんですから」

神様「分かってるって。 あそこまで優秀な巫女は中々――― !?」クルッ


 ポワ ポワ~ン


神使「どうしました?」

神様「・・・・・・。 後ろの車両から変な力を感じた」

430: ◆8YCWQhLlF2 2020/10/30(金) 00:32:36 ID:rwDMruAs

神使「後ろって、巫女さんがトイレに!」

神様「しまった!」タッタッタッ

神使「あっ、神様!」タッタッタッ


神様「主神はこの車両で待機! 何かあったら――― ウギャッ」ドンッ

巫女「キャッ!」ドンッ

神様「痛たた・・・」

巫女「どうされたんですか!?」

神使「巫女さん無事でしたか」ホッ

431: ◆8YCWQhLlF2 2020/10/30(金) 00:33:08 ID:rwDMruAs

巫女「そんなに慌てて何かあったんですか?」

神様「隣の車両で変な物を見たり感じたりしなかった?」

巫女「いえ、特には。 お手洗いに行っただけですから」

神使「後ろの車両を見てきます」スタスタ

神様「気をつけろよ」


神使「あれ?」キョロキョロ

神様「どした、何かあったか?」

神使「後ろにの車両には誰もいないようです。 ただ・・・」

神様「ただ?」

神使「いえ・・・ 何でも・・・」

神様「?」

432: ◆8YCWQhLlF2 2020/10/30(金) 00:33:40 ID:rwDMruAs

――― 数分後


神使「一体何だったのでしょう」

主神「私にも微かですが神力に近いものを感じました」

神様「巫女ちゃんは何か見たりしなかった?」

巫女「いえ、特に何も」

神使「・・・・・・。 お手洗いに不審な点はありませんでしたか?」

巫女「なかったと思います」

神使「・・・そうですか」

433: ◆8YCWQhLlF2 2020/10/30(金) 00:34:15 ID:rwDMruAs


 放送「まもなく~ ストロベリー温泉駅に到着しま~す」


巫女「あっ、そろそろ着くみたいですね」

神使「どうされますか?」

神様「決まってるだろ」

神使「そうですね、このまま放置しては―――」

神様「ストロベリー温泉で私はイチゴ姫になる!!」

神使「・・・・・・」


 プシュー


神様「ほら、早く降りるぞ」トテトテ

435: ◆8YCWQhLlF2 2020/11/02(月) 23:50:59 ID:QSF0Es.Q

――― 海ノ中学・教室


生徒A「どう? 見つかった?」

生徒B「保健室にはいなかったよ」


 少女「どうしたの? こんな時間まで」テクテク


生徒A「あっ、少女ちゃん」

生徒B「少女ちゃんもまだ学校に残ってたんだ」

少女「委員会が長引いて。 下校時間過ぎてるけど何かあった?」

生徒A「実はC子ちゃんがいなくて」

少女「C子ちゃん? 先に帰ったんじゃないの?」

生徒B「でも鞄はまだあるんだよね」

生徒A「今朝のこともあるし、ちょっと心配で・・・」

少女「・・・・・・」

436: ◆8YCWQhLlF2 2020/11/02(月) 23:51:50 ID:QSF0Es.Q

生徒A「神ちゃんに相談してみる?」

生徒B「そうだね。 電話してみようか」

少女「まって」

生徒AB「?」

少女「私が電話する。 その間にC子ちゃんを探しましょう」

生徒A「探すって・・・ 校舎は全部探したけど当てでもあるの?」

少女「私はもう一度校内を探すから、2人は校外の近場を捜してみて」

生徒B「うん」

生徒A「分かった」

少女「何かあれば携帯で連絡を取り合いましょう」

生徒A「じゃ、私達外行ってくるね」タッタッタッ



少女「・・・・・・。 まさか・・・」ボソッ

437: ◆8YCWQhLlF2 2020/11/02(月) 23:53:29 ID:QSF0Es.Q


――― ストロベリー大浴場


 チャポン


神様「いや~ 良い気持ちだねぇ~」ブクブク

巫女「この温泉は美容にとても効果があるみたいです」

神様「マジで!? んじゃ、体の内側も綺麗にしちゃお~」ゴクゴク

巫女「流石にそれは・・・ あまり飲まない方が良いかと」

神様「卵臭い・・・ そういえば温泉の元って・・・」ウエー

巫女「色はピンクでも、成分は温泉ですから」フフフ


神様「・・・巫女ちゃんはさぁ、どうして巫女になろうと思ったの?」

巫女「そうですね・・・ 私、将来は神社で働きたいと思っているんです」

神様「もう働いてるじゃん」

438: ◆8YCWQhLlF2 2020/11/02(月) 23:54:29 ID:QSF0Es.Q

巫女「その・・・ 巫女としてではなくて、神社を管理できる立場になりたいと」

神様「あ~ 宮司って事ね」

巫女「まぁ・・・ そんな感じですね」

神様「今この業界は大変だよ~ 儲からないし」

巫女「そうみたいですね。 私はあまりお金には興味がないので」ハハハ

神様「まあ、困ったことがあったら何でも言ってね。 相談に乗るから」

巫女「その時はよろしくお願いします」ニコッ

神様「この町に立ち寄って巫女ちゃんと出会えたのも何かの縁だろうしね」

巫女「・・・・・・。 神ちゃん様は海ノ町で起こっている件でこちらに来たんですよね?」

神様「まぁね。 何か知ってたりするのかな?」

439: ◆8YCWQhLlF2 2020/11/03(火) 00:07:24 ID:3RtMd9Mw

巫女「いえ、その・・・・ 私も見たことありますので」

神様「なるほど。 何か隠してそうな感じはしてたけど」

巫女「海ノ町では目撃情報は以前からありましたし。 特に最近は多いですから」

神様「まぁ、私的にはあまり触れたくないんだけどねぇ~」

巫女「モノノケは本当に悪い存在なんでしょうか・・・ 私にはそうは思えないんです」

神様「・・・・・・。 平安の末期、とある地から魑魅魍魎が出ると相談があってさ」

巫女「え?」

神様「私は実際にその地に足は運ばなかったから真偽は不明だけどね」

巫女「どうして、対処なさらなかったのですか?」

神様「対処・・・ か」

巫女「・・・・・・」

440: ◆8YCWQhLlF2 2020/11/03(火) 00:08:30 ID:3RtMd9Mw

神様「私にはモノノケの気配は感じ取れなかったっていうのが正直なところ」

巫女「・・・・・・」

神様「私の知らない事柄に首突っ込んでも良し悪しの判断が出来ない」

巫女「神でも分からない事があるんですか?」

神様「そりゃあるさね。 犬ころが隠してるへそくりの場所とか、全く分からないし」

巫女「それは・・・ 分かってしまったらへそくりではなくなりますから・・・」

神様「それと同じ」

巫女「?」

神様「分かっていたら対処せざるを得ないから」

441: ◆8YCWQhLlF2 2020/11/03(火) 00:09:30 ID:3RtMd9Mw

巫女「もし、神ちゃん様の知らない世界が存在していたとしたら・・・」

神様「したら?」

巫女「神ちゃん様は何かしらの対処をして頂けるんですか?」

神様「面白い質問だ」

巫女「・・・」

神様「今の私の気持ちとしてはやっぱり対処はしないかな」

巫女「それはこの国を治める神としてあまりにも無責任では?」

神様「へぇ~」

巫女「あっ・・・ すいません、失礼な発言でした」

神様「気にしないで。 ただ巫女ちゃんは一つ勘違いをしている」

巫女「勘違い?」

442: ◆8YCWQhLlF2 2020/11/03(火) 00:10:09 ID:3RtMd9Mw

神様「神はこの国を治める存在じゃない」

巫女「え?」

神様「極論を言えば私が知ることが出来ない世界は私の管轄じゃない」

巫女「・・・随分と割り切られているんですね」

神様「ん~ その考え方もちょっと違うな」

巫女「?」

神様「まあ、私が守護する対象である人達に危害を加えるというなら話は別だけど」

巫女「・・・・・・」

神様「あともう一つ、対処をして欲しいと誰かの強い願いがあればその望みは叶える」

巫女「・・・・・・」

神様「まぁ、今は紙一重かな~」

巫女「・・・そうですか」

443: ◆8YCWQhLlF2 2020/11/03(火) 00:10:47 ID:3RtMd9Mw

神様「さて、そろそろ上がりますか」サバッ

巫女「神ちゃん様・・・ お願いがあるのですが・・・」

神様「おや? 何かな?」


巫女「せめて前は隠して下さい///」

神様「そっちか~!」


巫女「・・・・・・」

444: ◆8YCWQhLlF2 2020/11/03(火) 00:12:40 ID:3RtMd9Mw

――― ロビー


神様「うひょ~ このイチゴ牛乳うますぎ!」ゴクゴク

神使「ちょっと神様! 何本飲んでるんですか」

神様「だってこの自販機、手首に巻いた輪っか近づけるだけで出てくるんだもん」

神使「それ買ってるんですよ・・・ 後で精算されるんです・・・」

神様「気にすんなって。 あれ? 巫女ちゃんは?」キョロキョロ

主神「急ぎの用があるようで先に帰りました」

神様「そうなの?」

神使「もしかして、お風呂で巫女さんに引っ付いたり  ペロしたりしたんじゃないですか?」

神様「してねーよ! いつ私がそんな事したよ!」

神使「いつもしてます」

主神「何か携帯の留守電を聞いて慌てて飛び出していったようですが」

神様「ふ~ん・・・」

446: ◆8YCWQhLlF2 2020/11/05(木) 02:20:30 ID:D.8AdPPc


――― 夜・本殿


神様「Zzz」グガー

神使「神様、寝るなら部屋に戻ってから寝て下さい」

神様「ん~ Zzz」モゾモゾ

神使「あっ、ご神体を枕なんかにしてバチ当たりますよ?」ユサユサ

神様「当てられるもんなら当ててみろってんだよ」ムニャムニャ

神使「まったく・・・」

447: ◆8YCWQhLlF2 2020/11/05(木) 02:21:44 ID:D.8AdPPc


prrrr prrrr


神使「? 神様、携帯が鳴ってますよ」

神様「んだよこんな夜中に~」モソモソ

神使「夜中って・・・ まだ夜9時前ですが」

神様「もひもひ~ 皆のアイドル神ちゃんでしゅ」

 生徒A『あっ! 神ちゃん! 助けて!』

神様「その声・・・ どうしたの! 何事!?」ガバッ

 生徒A『海ノ町の神社! きゃ!』

神様「海ノ・・・ 今行く! 5分で着くから!」

448: ◆8YCWQhLlF2 2020/11/05(木) 02:22:39 ID:D.8AdPPc

神使「どうされたんです?」

神様「主神は!」

神使「隣町にお酒を飲みに行かれましたが」

神様「つかえねーなー!」タッタッタッ

神使「ちょ、神様!」

神様「犬ころはここで待機してろ! 何かあったら電話する!」

神使「わかりました・・・」


神使「っていうか、ご神体置いていって下さい!」

449: ◆8YCWQhLlF2 2020/11/05(木) 02:23:17 ID:D.8AdPPc

――― 海ノ神社前


 神様「お~い!」タッタッタッ


生徒A「あっ! 神ちゃん! 助けて!!」

生徒B「お化け! お化けが!!」


 変な生き物「ハロー ハロー」


神様「!? キテェー・・・」ゴクリ

キテェー「あなた失礼ね。 初対面なんだからさん付けで呼ぶのが礼儀じゃないの?」

神様「あっ、すいません・・・ っていうか声髙っ!」

450: ◆8YCWQhLlF2 2020/11/05(木) 02:24:25 ID:D.8AdPPc

生徒A「神ちゃん! 向こうからもたくさん来る!」

神様「神社の中に入って隠れよう」

生徒B「それが門に鍵がかかってて入れないの!」

神様「神力錠か・・・」ガチャガチャ

生徒A「しんりきじょう?」

神様「液晶画面付って、いつの間にこんな最新型を作ったんだよ・・・」

生徒A「神ちゃん! 左からも何か変なのが来てる! 囲まれちゃう!」

神様「至急の対策が要の料、神の名におきて鍵を開くことおきつ!」ポワッ


 “文法が正しくありません”


神様「ざけんなよ! 最高神の言うこと聞けや!!」ガチャガチャ

 カチャ

神様「開いた! 2人とも早く神社の中に!」

生徒AB「うん」タッタッタッ

451: ◆8YCWQhLlF2 2020/11/05(木) 02:25:28 ID:D.8AdPPc

――― 海ノ神社・本殿内


神様「よし! これで内側から鍵かけときゃしばらく持つかな」

生徒A「ねぇ神ちゃん、さっきの何?」

生徒B「やっぱりお化けかな?」

神様「う~ん・・・ キテェーさんをお化けと言って良いのか微妙だけど」

生徒A「どうしよう。 ここに隠れていてもすぐ見つかっちゃうよ」

生徒B「私達食べられちゃうのかな?」

神様「さ~て、どうすっかなぁ~」

生徒A「あれ? 神ちゃん何持ってるの?」

神様「ん? これは・・・ 枕だね。 さっきまで寝てたから持って来ちゃった」

生徒B「随分と硬そうな枕だね・・・ 何かの像に見えるけど」

神様「・・・・・・。 あのさ、二人に協力してもらいたいことがあるんだけど」

生徒A「協力?」

神様「ちょっと巫女してみない?」

452: ◆8YCWQhLlF2 2020/11/05(木) 02:26:45 ID:D.8AdPPc

生徒B「神ちゃん、こんな時に何言ってるの?」

神様「やっぱり神の力の行使には巫女が必要じゃん?」

生徒A「え? どういう事?」

神様「私だけだと力の暴走が心配でさ。 二人に中和をしてもらいたい訳よ」

生徒AB「?」

神様「私が神力解放したら2人で神力が暴走しないようにコントロールして」

生徒A「神ちゃんが何を言っているのか分からないんだけど・・・」

神様「すぐ分かるから。 二人とも少し眩しいかも知れないから気をつけてね」

453: ◆8YCWQhLlF2 2020/11/05(木) 02:27:32 ID:D.8AdPPc

神様「持ってて良かったご神体! ごめんね主神! 神力解放!!」


ピカー


生徒A「ちょ! なにこの光!?」

生徒B「眩しい!!」


シュー


神様「もう大丈夫。 目を開けて」

生徒A「ん・・・ って神ちゃん!?」

生徒B「え!? その格好・・・ 何?」

454: ◆8YCWQhLlF2 2020/11/05(木) 02:28:16 ID:D.8AdPPc

神様「装束。 まぁ着なくても良いんだけど雰囲気が出るし」

生徒AB「・・・・・・」

神様「あー・・・ 驚いちゃった?」

生徒AB「うん・・・」

神様「私は一応神宮の女神。 俗に言う神さまってやつ」

生徒AB「・・・・・・」ポケー

神様「お~い」フリフリ

生徒A「え? あの・・・ え!?」

神様「まぁ驚くのも無理ないよね。 今は基本的に神の存在を隠してるし」

生徒A「嘘でしょ・・・」

生徒B「信じられない・・・」

455: ◆8YCWQhLlF2 2020/11/05(木) 02:29:28 ID:D.8AdPPc

神様「と言うわけで、二人もお着替え~」ピカッ


ポワポワ


生徒A「え!?」

生徒B「何この格好!? いつの間に・・・」

神様「お、いいね~ 巫女服似合うじゃん」

生徒B「あっ・・・ 神ちゃんに後光が差してる・・・」

神様「期間限定だけど神付巫女になったからだね。 お付きの巫女には見えるんだよ」

生徒A「本当に神ちゃんって神さまなんだ・・・」


神様「さてと、それじゃちょっと暴れますか!」

456: ◆8YCWQhLlF2 2020/11/06(金) 01:26:29 ID:zBp4sbDQ

生徒A「暴れるって何する気?」

神様「さっきも言ったけど、二人は私が神力解放している時に神力の流れを弱めてね」

生徒A「え!? ちょ、何それ!」

生徒B「流れってどうするの!?」

神様「大丈夫。 何とかなるさ」ポワポワ

生徒A「そんな急に言われても―――」

神様「モノノケめ! 私のマイフレンズ達に牙を向けたこと後悔するが良い!」ウヒャヒャ


 ボワー


神様「う~ん 久しぶりやね~ この感じ。 全力で行きまっせ!」ポワポワ

457: ◆8YCWQhLlF2 2020/11/06(金) 01:27:03 ID:zBp4sbDQ

生徒A「すごい・・・ これが神さまの力・・・」

生徒B「神ちゃんの神力が体に流れ込んでくる・・・」

神様「さて、それじゃ発動しますか! 破魔の―――」


 バチン!


神様「痛ッ!? これは・・・ 外部からの対抗? 嘘だろ!?」


 バチン!


神様「うぎゃーん!」ズサー


 モクモク


生徒A「きゃっ!」バタッ

生徒B「うっ!」バタッ

458: ◆8YCWQhLlF2 2020/11/06(金) 01:27:35 ID:zBp4sbDQ


 シュー


生徒A「痛たたっ・・・」

生徒B「何が起こったの? 電気ショックみたいなの感じたけど・・・」

生徒A「あれ? 神ちゃんは?」キョロキョロ

生徒B「・・・消えた」


 ギー


生徒AB「!?」クルッ


 ??「こんばんは。 2人ともケガはない?」

459: ◆8YCWQhLlF2 2020/11/06(金) 01:28:24 ID:zBp4sbDQ

――― 某所


神様「うへぇ~ 凄え神力対抗だったな・・・ ん?」


 「ちょっと何あの子・・・」
 「おいおいマジかよ・・・」


神様「あれ? どこだココ??」キョロキョロ


警官「ねぇ・・・ 君何やってるの?」

神様「え?」クルッ

460: ◆8YCWQhLlF2 2020/11/06(金) 01:29:23 ID:zBp4sbDQ

警官「こんな時間に駅前で・・・ その・・・ ちょっとマズいんじゃないの?」

神様「駅前? ってか、何でこんなに人だかりが・・・ 何かあったの?」

警官「まあね。 女の子が全裸で駅前にいたら人だかりはできるでしょ」

神様「何その 女! どこ? 私も見たい」

警官「君だよ」

神様「?」

警官「駅前で全裸になっている女の子は君」

神様「・・・・・・。 んが!!」

462: ◆8YCWQhLlF2 2020/11/09(月) 21:45:42 ID:VdMOdJgM


――― 1時間後・交番


神使「本当にご迷惑をおかけしました」フカブカ

神様「もう全裸で外には出ません」フカブカ

警官「事件性はないようだし、今日の所は大目に見るけど気をつけて」

神使「温情ありがとうございます。 キツく言って聞かせますので」

神様「本当にごめんなさい」ペコリ

463: ◆8YCWQhLlF2 2020/11/09(月) 21:47:48 ID:VdMOdJgM


――― 帰り道


テクテク

神使「警察から電話が来たときはビックリしましたよ」

神様「私の方がビックリしたっちゅーの。 久しぶりに超恥ずかしかったわ」

神使「神様でも恥ずかしいと思うことがあるんですね。 ちょっと意外です」

神様「お前・・・ 私だって多少の恥じらい位は持ってるっつーの」

神使「多少・・・ それより一体何があったんです?」

神様「あ? 海ノ神社に行ったんだよ。 んで、気付いたら駅前で真裸だった」

464: ◆8YCWQhLlF2 2020/11/09(月) 21:48:51 ID:VdMOdJgM

神使「海ノ神社? それって、ご学友の方と関係があるのですか」

神様「そうだ! 助けに行かないと!」

神使「ご安心下さい。 みなさん山ノ神社の方にいますよ」

神様「は?」

神使「私が交番へ向かうのと入れ替わりで山ノ神社へ来まして」

神様「マジで!? 私と同じように飛ばされたのか? まさか真裸!?」

神使「いえ、歩いて来ました。 でも2人は巫女さんの格好をしてましたね」

神様「良かった~ 無事だったか」ホッ

465: ◆8YCWQhLlF2 2020/11/09(月) 21:49:34 ID:VdMOdJgM

――― 山ノ神社


 ガラガラ


神様「たでーま」

主神「あっ、神様。 お帰りなさい」

神様「私のマイフレンズ達が来てるって聞いたけど」

主神「先程みなさんお帰りになりました」

神様「帰った!? まさかJCだけで帰したのか?」

主神「いえいえ。 巫女さんにお願いしました」

神様「巫女ちゃんに?」

主神「はい。 こちらには巫女さんが連れてきたので」

神様「・・・・・・」

466: ◆8YCWQhLlF2 2020/11/09(月) 21:50:26 ID:VdMOdJgM

――― 社務所


神様「巫女ちゃんが連れて来たってどういう事?」

主神「海ノ神社の前でウロウロしている子達を巫女さんが見つけたようで」

神様「それで保護してここに連れてきたと?」

主神「はい。 巫女さんはそう言ってましたね」

神様「2人の様子は? 何か言ってたか?」

主神「2人? あ~ 巫女服を着ていた子達は何も覚えていないと言っていましたが」

神様「覚えてない?」

主神「私服を着た子の方は何か知っている感じでしたが、何も話してくれませんでした」

神様「ん? ちょっと待って。 2人だけじゃないの?」

467: ◆8YCWQhLlF2 2020/11/09(月) 21:51:15 ID:VdMOdJgM

主神「3人ですね。 同じ学校の子のようでしたが」

神様「誰だ? それ」

神使「神様の認識と食い違う点があるみたいですね」

神様「私が電話を受けて海ノ神社に行ったときは、クラスメイト2人だけだった」

神使「海ノ神社で何があったんです?」

神様「キテェー・・・ いや、キテェーさんに囲まれてた」

主神「キテェー?」

神様「キテェーさん。 ちゃんとさん付けしないとダメ」

主神「はあ・・・」

468: ◆8YCWQhLlF2 2020/11/09(月) 21:52:03 ID:VdMOdJgM

神様「んで、ちょっとヤバそうだったから神力使って破魔をしようとした」

神使「破魔?」

主神「珍しいですね。 神様がそんな大技を出すなんて」

神様「しかも結構本気なヤツ。 久しぶりだったから中和のために2人を巫女にたてたんだけど」

神使「なるほど。 それで2人は巫女服を着ていたんですか」

神様「その後は~・・・ そうだ! 私が神力解放したら打ち消されたんだよ」

主神「え!?」

神様「んで、気がついたら駅前で 女してた」

主神「ちょっと待って下さい。それ本当ですか!?」

神様「本当。 久しぶりにビックリしたわ」

神使「確かに気がついたら駅前で全裸になっていたらビックリですよね」

主神「いえ、そちらはいつものことですので大して驚かないのですが・・・」

神様「おい」

469: ◆8YCWQhLlF2 2020/11/09(月) 21:52:42 ID:VdMOdJgM

主神「神様の破魔を打ち消すって流石に何かの間違いでは?」

神使「私にはよく分らないのですが、そんなに大変なことなのですか?」

主神「少なくとも神様の力を超える神力容量が必要ですから」

神使「神様の神力が弱かったという事は?」

神様「装束付けたしほぼMAX。 神体からの神力を極限まで圧縮して放出したから」

主神「神体?」

神様「うん。 丁度手元に神体があってさ、助かったよ」

主神「あの・・・ それって・・・」

神様「全部使っちゃった。 ごめーんね!」テヘッ

主神「うおっぷ!」バタリ

471: ◆8YCWQhLlF2 2020/11/14(土) 23:00:29 ID:XoRY0yyg

――― 翌日・学校


神様「おはよ~さん」トテトテ


少女「・・・おはよう」

生徒A「あっ、神ちゃんおはよう」

生徒B「おはよー 何か眠そうだね」

神様「まぁね。 C子ちゃんもおはよ~」

生徒C「・・・おはよう」


神様「2人とも昨日は大丈夫だった?」

生徒A「昨日?」

472: ◆8YCWQhLlF2 2020/11/14(土) 23:01:28 ID:XoRY0yyg

神様「あの後、うちの神社に来たって聞いたけど」

生徒B「神ちゃん何言ってるの?」

神様「えっ?」


生徒A「昨日は放課後に皆でサイセリアでケーキ食べてすぐ別れたじゃん」

神様「は?」


生徒B「そうそう。 神ちゃんカキプリンばっかり食べて」

神様「カキプリン!? サイセリアで?」

473: ◆8YCWQhLlF2 2020/11/14(土) 23:02:34 ID:XoRY0yyg

生徒A「え~ あれだけ食べておいて覚えてないの?」

神様「そんなもの食べたんなら絶対忘れないと思うんだけど」


少女「神ちゃん物忘れ酷すぎじゃない?」フフフ

神様「・・・少女ちゃんも一緒に行ったの?」

少女「酷いな~ あれだけ食べ比べしたのに」ニヤッ

神様「・・・・・・」


生徒C「あの・・・」

神様「ん?」

少女「どうしたのC子ちゃん」キッ

生徒C「・・・なんでもない」ブルッ

神様「そう・・・」

474: ◆8YCWQhLlF2 2020/11/14(土) 23:08:19 ID:XoRY0yyg

――― 昼休み・トイレ


生徒C「・・・・・・」ハァ


 神様「C子ちゃん?」ボソッ

生徒C「え?」キョロキョロ

 神様「そのまま鏡で身だしなみ整えてる振りでもしてて」

生徒C「・・・神ちゃん? どこ」キョロキョロ

 神様「隣のトイレ。 大丈夫、他から見えないから」

生徒C「・・・・・・」

475: ◆8YCWQhLlF2 2020/11/14(土) 23:09:19 ID:XoRY0yyg

 神様「昨日何があったか覚えてる?」

生徒C「記憶が曖昧で・・・」

 神様「うちの神社に来た?」

生徒C「うん」

 神様「少女ちゃん達とサイセリアに行った?」

生徒C「行ってない・・・ と思う」

 神様「覚えていることだけでも教えて欲しい」

生徒C「でも・・・」

 神様「もしかして、誰かに口止めされてる? 」

少女「・・・・・・」

476: ◆8YCWQhLlF2 2020/11/14(土) 23:12:00 ID:XoRY0yyg

 神様「人の記憶が改竄されてる。 正直に話して」

生徒C「でも、こんな話をしたらおかしいと思われるし」

 神様「大丈夫。 私にもハッハーが見えたんだから」

生徒C「・・・・・・。 実はモノノケがいっぱいいる世界に紛れ込んだような気がして」

 神様「昨日?」

生徒C「うん。 保健室で目が覚めたら知らない世界で・・・」

 神様「夢とかじゃなくて?」

生徒C「・・・・・・」

 神様「ごめん。 疑うようなこと聞いて」

生徒C「いいの。 私も夢なんじゃないかって思ってるくらいだから」

 神様「どうやってそこから帰ってきたの?」

生徒C「突然凄い光に包まれて」

 神様「・・・・・・」

477: ◆8YCWQhLlF2 2020/11/14(土) 23:14:54 ID:XoRY0yyg

生徒C「気がついたら海ノ神社前で・・・ 巫女服を着た2人がいて」

 神様「その時の2人の様子は?」

生徒C「何かボーッとしてた。 そこで山ノ神社の巫女さんに偶然会って」

 神様「なるほどね」

生徒C「やっぱり変だよね・・・ 少女ちゃんの言うように忘れた方が良いのかも」

 神様「もしかして、少女ちゃんに相談したの?」

生徒C「うん」

 神様「・・・・・・」

478: ◆8YCWQhLlF2 2020/11/14(土) 23:15:29 ID:XoRY0yyg

生徒C「少女ちゃんが―――」


 ギー

 女子生徒「でさぁ~」
 女子生徒「わかる~」


生徒C「誰かトイレに入って来たみたい」

 神様「放課後もう少し詳しく聞かせてもらっても良い?」

生徒C「うん」


 神様「・・・・・・」

482: ◆8YCWQhLlF2 2020/11/19(木) 00:49:28 ID:LJlDv3bU


――― 廊下


生徒C「やっぱり私おかしくなっちゃたのかな」ボソッ


 少女「そんな事ないよ」


生徒C「え!?」クルッ

少女「言ったでしょ? 早く忘れた方が良いって」ニコッ

生徒C「・・・少女 ・・・ちゃん?」

少女「ごめんね。 保健室で急に神ちゃんが来ちゃったから上手く処置できなくて」

生徒C「なに・・・ 言ってるの?」

少女「今度は大丈夫。 これで全部忘れられるから」

生徒C「な・・・ なにする気?」ブルブル

少女「すぐ終わるから」ニコッ

生徒C「え・・・ やだ・・・ やめ―――」

483: ◆8YCWQhLlF2 2020/11/19(木) 00:50:44 ID:LJlDv3bU

――― 放課後


神様「C子ちゅあ~ん」ダキッ

生徒C「うわ! 神ちゃん!?」クルッ

神様「さっきの話の続きなんだけど」ボソッ

生徒C「はなし?」

神様「モノノケちゃんのお話し」

生徒C「? そんな話したっけ?」キョトン

神様「・・・・・・」

生徒C「あっ、もしかしてカキプリンに乗ってたお化けみたいなお菓子の件?」

神様「いや、えーと・・・ 何というか・・・ うん」

生徒C「あれ何がモチーフなんだろうね。 私が思うに―――」

神様「・・・・・・」

484: ◆8YCWQhLlF2 2020/11/19(木) 00:52:03 ID:LJlDv3bU

――― 山ノ神社・社務所


神様「たでーま!」ズカズカ

神使「お帰りなさいませ。 カキプリン食べます?」

神様「お前もかよ! 皆してカキプリン言いやがって」

神使「今日は随分とご機嫌斜めですね」

神様「んがー! 先手打たれた!! ちきしょー! ぐやじぃー」バタバタ

神使「先手? もしかして少女さんにですか?」

神様「私好みのかわゆいオナゴだと思って甘く見過ぎていたようだ」

神使「神様が女子中学生にやられるなんて珍しいですね」

神様「あ? 私がJCなんかに負けるわけないだろうが」

神使「?」

485: ◆8YCWQhLlF2 2020/11/19(木) 00:53:36 ID:LJlDv3bU


 巫女「あっ、お帰りなさいませ神ちゃんさま」スタスタ


神様「・・・・・・。 ただいま」チラッ

巫女「そのカキプリンとても美味しいので神ちゃん様もどうぞ」ニコッ

神使「これ巫女さんが買ってきてくれたんですよ」

巫女「神ちゃん様が好物だと聞きまして」

神様「カキは好きだね、好物だし。 1日6食カキでも良い」

神使「1日6食って何ですか・・・」

巫女「飲み物がないですね。 今コーラ持ってきます」スタスタ

486: ◆8YCWQhLlF2 2020/11/19(木) 00:54:45 ID:LJlDv3bU

神様「・・・・・・」ハァ

神使「どうしたんです? 食べないなら私がもらっちゃいますけど」

神様「食うに決まってんだろ! 寄越せよ!」ガシッ

神使「あっ、そんな奪い取らなくても・・・」

神様「ん? これ・・・ 何?」

神使「言ったじゃないですか。 カキプリンです」

神様「カキって果物の柿かよ・・・」

神使「まさか海にいる牡蠣が入ってると思ったんですか?」

神様「だって私の好物だって」

神使「カキ違いですね」

神様「・・・・・・」

487: ◆8YCWQhLlF2 2020/11/19(木) 00:55:20 ID:LJlDv3bU

神使「どうされました?」

神様「巫女ちゃんは何で私の好物を知ってるんだ?」

神使「さぁ、神様がお話になったのでは?」

神様「・・・・・・」

神使「何か気になることでも?」


神様「あ~ そういう事か・・・」

神使「?」

神様「こりゃ面倒だな。 早々に手を打つか」

489: ◆8YCWQhLlF2 2020/11/23(月) 22:33:25 ID:htuIZfZc

――― 夜・本殿


主神「遅くなりました」テクテク

神様「おぉ、巫女ちゃんは?」

主神「帰り支度中です。 あと15分もあれば終わるかと」

神様「よし、んじゃそれまでにで終わらそう」

神使「巫女さんには内緒のお話ですか?」

神様「今回の件の主犯候補がいたらマズいだろ?」

神使「え? どういう事です?」

主神「まさか巫女さんが犯人って言ってます? 少女さんではないのですか?」

神様「まぁまぁ、それを補強するために2人に聞きたいことがあるんだわ」

490: ◆8YCWQhLlF2 2020/11/23(月) 22:34:33 ID:htuIZfZc

神使「私達にですか?」

神様「まず主神。 お前、私達がここへ来る前に巫女ちゃんにこの件の話しをした?」

主神「当然してます。 神様達に滞在して頂く部屋や食事の都合もありますし」

神様「もうひとつ、巫女ちゃんと一緒に海ノ町へ行ったことはあるか?」

主神「隣町ですか? う~ん・・・ 記憶にはないですね。 最近は海ノ町方面からの依頼もないですし」

神様「依頼か・・・ いつ頃から仕事が来なくなった?」

主神「3年くらい前からパッタリです」ハァ

神様「巫女ちゃんがこの神社に来た頃からだな」

主神「まさか巫女さんが隣町からの依頼を断っていると!?」

491: ◆8YCWQhLlF2 2020/11/23(月) 22:35:12 ID:htuIZfZc

神様「ん~ その話は一旦おいておこう。 次はイチゴ温泉事件」

神使「イチゴ温泉って、先日みんなで行った場所ですよね」

神様「そう、最初は海ノ町にある銭湯に行く予定だった」

神使「確か、イチゴ温泉を提案したのは巫女さん」

主神「イチゴ温泉に何かあるんですか?」

神様「いや、問題は行く途中の電車の中での出来事」

神使「神様が不思議な力を感じたという件ですか?」

神様「あの時、巫女ちゃんはトイレに行っていた」

主神「それが何か?」

神使「トイレ・・・ あっ」ハッ

492: ◆8YCWQhLlF2 2020/11/23(月) 22:36:00 ID:htuIZfZc

神様「何だ」

神使「関係があるのか分からないですが、あの電車トイレが付いていなかったんです」

神様「あ?」

神使「私が後ろの車両を見たときにはトイレはどこにもありませんでした」

主神「巫女さんは実際にはトイレに行っていないと?」

神使「気になってトイレに行ったのかを聞いたんですが、行ったと言っていたんです」

神様「・・・・・・。 あの電車が走っていたのは山ノ町だけだよな」

主神「はい。 ほんの一瞬だけ海ノ町を横切る区間はありますが」

神様「ほぉ」

主神「確か、イチゴ温泉の一つ前の駅辺りが海ノ町です」

493: ◆8YCWQhLlF2 2020/11/23(月) 22:37:17 ID:htuIZfZc

神様「ちょうど巫女ちゃんがトイレに行って変な力を感じた辺りだな」

神使「もしかして、巫女さんが海ノ町へ入ると何かが起こるという事ですか?」

神様「逆。 私達が入ると何かが起こる」

主神「私達が?」

神様「正確に言うと、神力を持つ者が海ノ町に入ると何かが起こる」

神使「何が起こるのですか?」

神様「神力共鳴による結界異常」

主神・神使「?」

神様「モノノケだよ。 それを打ち消すために―――」

494: ◆8YCWQhLlF2 2020/11/23(月) 22:38:25 ID:htuIZfZc


 トントン


一同「!?」クルッ


 ガチャッ


巫女「それでは、私はこれで失礼させて頂きます」ペコリ

主神「ご、ご苦労様でした」

巫女「社務所の方は鍵をかけておきましたので」

主神「ありがとうございます。 お気を付けてお帰り下さい」

巫女「はい。 神ちゃん様と神使様もご苦労様です」ペコリ

神様「ばいばーい」

神使「ご苦労様でした」ペコリ


 ガチャッ

495: ◆8YCWQhLlF2 2020/11/23(月) 22:39:05 ID:htuIZfZc


主神「もしかして話を聞かれたでしょうか・・・」

神様「聞かせたんだよ」

主神「え!?」


神様「追うぞ」

神使「追うって、巫女さんをですか!?」」

主神「着替えてきます」

神様「主神はここにいろ。 私と犬ころで追うから」

主神「はあ。 では、お気を付けて」

498: ◆8YCWQhLlF2 2020/11/26(木) 22:16:01 ID:c5r8RAt2

――― 海ノ町・商店街


 ガヤガヤ

 巫女「コロッケとアジフライ2枚ずつ下さい」

 店主「はいよ」


神様「なぁ、あれどう思う?」

神使「お夕飯の買い物のように見えますが」

神様「あんなに可愛い子がアジフライは無いだろ」

神使「そうでしょうか? 良いチョイスだと思いますが」

神様「お前が犬ころである所以、それは私との絶望的な認識の差」

神使「・・・ちなみに、神様の思考は」

神様「私ならウズラの卵揚げ10個にする」

神使「聞いた私がバカでした。 すみません」

神様「分かればよろしい」

499: ◆8YCWQhLlF2 2020/11/26(木) 22:17:18 ID:c5r8RAt2


 少女「かーみちゃん」


神様「・・・」チラッ

少女「こんばんは」ニコッ

神様「おやおや、買い物? こんな所で偶然だね」

少女「偶然だと思う?」

神様「いいねぇ~ その全て知ってますが何か? 的な態度。 全知全能の神のつもりですか?」

少女「あはは。 だって、いかにも怪しい挙動だったんだもん」

神様「それはお互い様じゃない? 私達が海ノ町に入ってからずっと付けたくせに」

少女「・・・・・・」

神様「冗談だって。 そこの惣菜屋さんでコロッケとアジフライでも買おうと思ってさ」

少女「なるほど。 今その2つを買った女の人を付けてたんだね」ニコッ

神様「駆け引きは面倒だし、用件を聞きましょうか」

少女「・・・・・・」

500: ◆8YCWQhLlF2 2020/11/26(木) 22:18:02 ID:c5r8RAt2

神様「何なら場所を変えてもいいけど、サイセリアにでも入―――」

少女「お願いします。 この町から出て下さい」フカブカ

神使「しょ、少女さん!? 急にどうしたんですか?」

神様「そうきたか~ これは想定外」アチャー

少女「神の力を持った者がこの町に入って欲しくないの」

神様「神力を持った者は海ノ町に入ってくれるなって事?」

少女「そう」

神様「それは、少女ちゃんからのお願い? それとも他の誰かからの伝言?」

少女「私からのお願い」

501: ◆8YCWQhLlF2 2020/11/26(木) 22:18:38 ID:c5r8RAt2

神様「う~ん、残念だけどその願いは叶えられないなぁ」

少女「どうして?」

神様「ん~ まず、願いを受ける前提としての条件が整っていないから」

少女「お賽銭のこと? もし祈願が必要ならすぐにでも山ノ神社へ伺うよ?」

神様「そうじゃないって」

少女「じゃあ、どうしたらお願いを聞いてもらえるの?」

神様「だから、そもそも私と犬ころが海ノ町を出て行く理由がないし」

少女「やっぱり神って人の願いを叶えてくれないんだね。 がっかり」ハァ

神様「そうじゃなくて、私も犬ころも神力は持ってないからその願いは叶えられないんだよ」

少女「え?」

502: ◆8YCWQhLlF2 2020/11/26(木) 22:19:13 ID:c5r8RAt2

神様「私達の神力の有無も分からずにそんな事を言ったの?」

少女「・・・・・・」

神様「普通のJCなんだから、そんな事に首を突っ込まなくても良いんじゃない?」

少女「っ!」キッ

神様「理由は知らないけど、深追いしない方が良いと思うよ?」

少女「あなたに私の気持ちなんか分かるわけない!!」

神様「・・・・・・」

少女「あっ、大声出してごめん」

神様「早朝、海ノ神社本殿で結界解除の儀を行う」

少女「え!?」

503: ◆8YCWQhLlF2 2020/11/26(木) 22:20:04 ID:c5r8RAt2

神様「この町に張られた結界は私好みじゃない」

少女「だめ・・・ そんな事をしたらこの町が!」

神様「帰るぞ、犬ころ」トテトテ

神使「え? ちょ、神様」

少女「そんなに全裸で飛ばされたことを怒ってるの!?」

神様「違うし! 怒ってないし! 全然気にしてないし! 恥ずかしくなかったし!!」

神使(かなり恥ずかしかったんですね・・・)


巫女「・・・・・・」コソッ

504: ◆8YCWQhLlF2 2020/11/26(木) 22:20:43 ID:c5r8RAt2

――― 帰り道


神使「巫女さんの方は追わなくても良いんですか?」

神様「目的は達成できたし。 どうせ全部聞こえてただろ」

神使「そうですね。 あれだけ大声で話せば」

神様「さてと、忙しくなるぞ~」

神使「この後はどうされるんです?」

神様「決まってるだろ。 神ちゃんショーの開幕だよ」

神使「うっ」

神様「ここからはずっと神ちゃんターンだ!」ウヒャヒャ

神使「巫女さん、少女さん、どうかご無事で・・・」

506: ◆8YCWQhLlF2 2020/11/29(日) 02:02:23 ID:5v9J8OWw

――― 翌日・早朝


神使「神様、神様」ユサユサ

神様「ん~ 何だよ・・・ まだ外暗いじゃん」ムニャムニャ

神使「そろそろ準備した方が良いのでは?」

神様「あ? 何をだよ」

神使「海ノ神社に行くんですよね?」

神様「いかねーよ面倒くさい。 いつもの時間に起こして」モゾモゾ

神使「えぇっ・・・ 少女さんに行くって啖呵切ったじゃないですか・・・」

神様「今日行くとは言ってないし」ムニャムニャ

神使「何て最低な宣戦布告・・・」

507: ◆8YCWQhLlF2 2020/11/29(日) 02:03:12 ID:5v9J8OWw

――― 朝・社務所


ガラガラ

巫女「おはよございます・・・」フラッ

主神「おはようございます巫女さん。 って眠そうですね」

巫女「え!? あっ、すいません。 少し夜更かしをしてしまいまして」

主神「調子悪いならお休みしてもらっても」

巫女「お気遣いありがとうございます。 午後何も無いようでしたら早めに―――」

主神「あっ、今日は夕方に業者と年末用の限定おみくじの打ち合わせがありますので」

巫女「・・・はい」


神様「おっ、巫女ちゃんおはよ~。 学校行ってくるねー♪」トテトテ


巫女「・・・・・・。 行ってらっしゃいませ」

508: ◆8YCWQhLlF2 2020/11/29(日) 02:04:44 ID:5v9J8OWw

――― 学校


 神様「おはよ~」トテトテ

生徒達「おはよー」

少女「・・・・・・」ボー

神様「おや? 少女ちゃんは寝不足ですか」

少女「・・・・・・」ジトー

生徒A「今日の1限は国語の小テストだからね」

神様「なるほど。 それで夜遅くまで・・・ いや早朝から頑張っていた訳ですか」ニヤッ

少女「白々しい・・・」ボソッ

神様「私は古文得意だから。 100点間違いなし!」ウヒャヒャ

少女「私も得意だし」

神様「ほぉ~ これはどちらが上か白黒付けようじゃないですか」

少女「っ!」キッ

509: ◆8YCWQhLlF2 2020/11/29(日) 02:05:37 ID:5v9J8OWw

――― 夕方・社務所


神様「たでーまー」トテトテ

主神「今日は早い戻りですね」

神様「お小遣い尽きちゃって買い食い出来ないし」

巫女「・・・・・・」ボー

神様「巫~女ちゃん!」ダキッ

巫女「え? あっ、お帰りなさいませ! すいません、ボッとしてました」

神様「寝不足? ゆっくりと休んだ方が良いよ?」

巫女「ありがとうございます。 今日はゆっくりと家で休みます」

神様「私もちょっと寝てこようかな」

主神「もう寝るんですか!?」

神様「明日は早いし。 色々と準備もあるしね~」トテトテ

巫女「・・・・・・」

510: ◆8YCWQhLlF2 2020/11/29(日) 02:06:22 ID:5v9J8OWw

――― 翌朝・社務所


 ガラガラ


巫女「おはようございます」ヨロヨロ

主神「おはよ・・・ って、巫女さん! 大丈夫ですか?」

巫女「お気遣いなく・・・」

主神「休まれた方が良くないですか?」

巫女「午後に地鎮祭があるので、巫女が居ないと格好が付かないと思って。 でも―――」

主神「それもそうですね。 今日も一日頑張りましょう」

巫女「はい・・・」ガクッ


神様「おっ、巫女ちゃんおはよ~。 学校行ってくるねー♪♪」トテトテ


巫女「・・・・・・。 行ってらっしゃいませ・・・」ハァ

511: ◆8YCWQhLlF2 2020/11/29(日) 02:07:05 ID:5v9J8OWw

――― 学校


 神様「おっはよ~」トテトテ

生徒達「おはよー」

少女「・・・・・・」グテッ

神様「おや? 今日も少女ちゃんは寝不足ですか」

少女「うるさい。 話しかけないで」

神様「ちゃんと寝ないとお肌荒れちゃうよ?」ニシシ

少女「・・・誰のせいだと思ってるのよ」ボソッ


先生「おーい、席に着け~ 昨日のテスト返すぞ」


 ガヤガヤ

512: ◆8YCWQhLlF2 2020/11/29(日) 02:08:29 ID:5v9J8OWw

先生「まずは少女さん」

少女「はい」スタスタ

先生「凡ミスなんて珍しいな。 でも良い点数だ」


 お~


少女(92点!? しまった! レ点を見逃した・・・ しかも2カ所も)シュン

先生「次は神宮さん」

神様「は~い♪」トテトテ

513: ◆8YCWQhLlF2 2020/11/29(日) 02:09:37 ID:5v9J8OWw

先生「頑張ったな。 はい」ペラッ

神様「ん? 先生、なんでここ×なの?」

先生「どこだ?」

神様「この作者の気持ちを答えなさいってとこ」

先生「そこは“わざわざ遠くまで会いに来てくれた恋人の事を思っている”が正解だな」

神様「いやいや“おはぎを持ってきてくれた事を喜んでいる”だって」

先生「どこの文脈からおはぎが出てくるんだよ」

神様「私が言うんだから間違いないでしょ。 作った本人なんだし」

先生「そこまで妄想して作者の気持ちを導き出さなくてもいい」

神様「ちぇ~ あいつの持ってくるおはぎは超がつくほど美味しかったのに」トテトテ

514: ◆8YCWQhLlF2 2020/11/29(日) 02:10:13 ID:5v9J8OWw

神様「あ~あ。 残念」グテッ

少女「一応聞いておくわ。 何点だった?」

神様「98点」ニヤッ

少女「っ!」

神様「わりーね」ウヒャヒャ

517: ◆8YCWQhLlF2 2020/12/03(木) 01:44:49 ID:NAKf13gs


――― 夜・本殿


 ギー

主神「遅くなりました」テクテク


神様「お~ お疲れ」

神使「遅くまでご苦労様です」

神様「どうだった?」

主神「ようやく見つけました。 写真も撮ってきました」スッ

神様「間違いない、これだ。 どこにあった?」

主神「逆側の町の境界です。 遠くて大変でした」

神使「これで準備は整ったわけですね」

主神「いよいよ決行です」コトッ

神使「? 主神さま、その牛の置物は?」

518: ◆8YCWQhLlF2 2020/12/03(木) 01:46:04 ID:NAKf13gs

主神「これですか? 可愛いですよね、牛の置物。 うちの新しいご神体です」

神使「ご神体?」

神様「私からのプレゼント。 この前神力使っちゃったからそのお詫び」

主神「私、牛乳が好きなので嬉しいです。 中々お目にかかれない一級品とお見受けしました」

神使「神様いつの間にそんな物を・・・」

神様「学校の帰りに100均で買った」

主神「ひゃ!? え? 有名工芸家の作とかではないのですか!?」

神様「私がそんなに金持ってるわけ無いだろ」

主神「・・・・・・」

神様「神力の方は少し溜ってきたみたいだな」スリスリ

主神「えぇ、まぁ。 ここ数日合間をぬって祈願成就を頑張りましたから」

519: ◆8YCWQhLlF2 2020/12/03(木) 01:47:36 ID:NAKf13gs

神様「で、巫女ちゃんの様子は?」

主神「それはもうフラフラですね。 先程も帰り際に鳥居に頭をぶつけてました」

神使「だいぶ睡眠不足みたいですね」

主神「ちなみに、少女さんの方は?」

神様「向こうはイライラ全開で尖ったナイフになってる」

神使「若いですから肉体的な疲労よりもイライラが先に出てしまうんでしょうね」

神様「そんな状態でも学校に来てテストも良い点数取って中々ガッツはあるぞ」

神使「お話を聞いている限りでは負けず嫌いの気質があるようですが」

神様「ん~・・・ どうかなぁ」

主神「?」

520: ◆8YCWQhLlF2 2020/12/03(木) 01:48:35 ID:NAKf13gs

神様「ま、それは置いておこう。 作戦を次のステップに進めるぞ」

神使「結構危うい作戦のような気もしますが」

神様「大丈夫。 間違いなく上手くいくって」

神使「だと良いのですが」

神様「それよりさぁ、前から気になってたんだけど天井のヤツは何だ?」

主神「天井? あ~ シミでしょうか?」ジー

神様「」ゴソッ

神使「・・・・・・。 神様、何を―――」

神様「ソイヤッ!」ゲシッ

神使「痛い!!」

主神「どうされました神使さん?」

521: ◆8YCWQhLlF2 2020/12/03(木) 01:49:48 ID:NAKf13gs

神様「も~ 神使君はシミがお化けに見えちゃうなんてお可愛いこと」オホホ

神使「・・・・・・(神様、ご神体をすり替えましたね・・・)」スリスリ


主神「建物自体は結構古いですし、気になるようでしたら隠しますが」

神様「大丈夫大丈夫。 それより、このご神体そこに戻しておくぞ」

主神「ありがとうございます」


神様「んじゃ、明日は各々作戦準備だけに専念してくれ」

主神「はい!」


神使「・・・・・・(神様は何を企んでいるのやら)」ハァ

525: ◆8YCWQhLlF2 2020/12/07(月) 22:23:54 ID:ecOyXiTQ

――― 翌日朝・山ノ神社


巫女「おじゃまします」フラフラ

主神「え?」

巫女「あっ、すみません。 こんばんは」

主神「まだ朝ですが・・・ だいぶお疲れのようですね」

巫女「とても良いお布団日よりですね。 羽毛がいいです」フラフラ

主神「・・・・・・」


神様「おっ、巫女ちゃんおはよ~。 学校行ってくるねー」トテトテ


巫女「今日の神ちゃん様の巫女は食べ放題なんですね」フフッ

主神「・・・・・・(怖い)」

526: ◆8YCWQhLlF2 2020/12/07(月) 22:25:01 ID:ecOyXiTQ

――― 学校


神様「おっはよ~」トテトテ

生徒A「あっ、神ちゃん」オロオロ

神様「どしたの?」

生徒A「あれ・・・」チラッ


生徒B「ねぇ少女ちゃん、大丈夫?」

少女「・・・・・・」ボー

生徒B「目の下すごい隈だよ? ちゃんと寝てる?」

少女「結界符いっぱい食べてきたから大丈夫」ボー

生徒B「けっ!? それ何?」


生徒A「少女ちゃんが色々とヤバいの」

神様「みたいだね」

527: ◆8YCWQhLlF2 2020/12/07(月) 22:25:59 ID:ecOyXiTQ


――― 放課後・教室


神様「――うよ、凄い――しょ」

生徒A「凄―― ねぇ、それ――うやってるの?」


少女「ん・・・」ウトウト

少女(寝ちゃってた・・・ もう放課後・・・)


生徒A「神ちゃん凄い!!」

神様「でしょ? これは神の力! 神が扱える神力なのだよ!」ウヒャヒャ


少女「(神力・・・) ・・・・・・神力!?」ガバッ

528: ◆8YCWQhLlF2 2020/12/07(月) 22:26:46 ID:ecOyXiTQ


生徒A「あっ、少女ちゃん起きた?」

生徒B「少女ちゃんも見てよ、神ちゃん凄いの」


 フワフワ~


少女「!?」

神様「消しゴムが空中を浮いてま~す」

少女「神ちゃん・・・ あなた、まさか・・・」

神様「神の力、絶賛開放中!」

少女「そんな・・・(結界を張らないとモノノケが!)」ゴソゴソ

神様「おや、何かお探しですか?」ヒラヒラ

529: ◆8YCWQhLlF2 2020/12/07(月) 22:27:33 ID:ecOyXiTQ

少女「!? そのお札・・・ 何で神ちゃんがそれを!」

神様「床に落ちてた」

少女「返して!」

神様「良いけど。 いらない物だと思って落書きしちゃった。 ごめ~んね」

少女「っ!」タッタッタッ


生徒A「少女ちゃん!? どこ行くの?」

神様「きっとトイレだよ。 ずっと寝てたから」

生徒B「あっ、この消しゴム真ん中に透明な糸が通ってる」

神様「バ~レ~た~か~」テヘッ

530: ◆8YCWQhLlF2 2020/12/07(月) 22:28:06 ID:ecOyXiTQ

――― 山ノ神社


巫女「・・・・・・」ウトウト


神使「巫女さん、ご苦労様です」


巫女「!? 神使様!」ハッ

神使「大丈夫ですか?」

巫女「すみません。 ボーとしてしまいました」

神使「主神様はお出かけなので、早めに上がって頂いて大丈夫ですよ」

巫女「出かけ・・・ え? どちらに」

531: ◆8YCWQhLlF2 2020/12/07(月) 22:28:41 ID:ecOyXiTQ

神使「急な地鎮祭のご依頼があって、海ノ町まで行ったようです」

巫女「海ノ町!? どのくらい前ですか!」ガタッ

神使「30分ほど前ですね」

巫女「そんな・・・」

神使「海ノ町の商店街で16時開始と伺っています」

巫女「(あと5分!?) すみません! 私ちょっと行ってきます!」タッタッタッ


神使「あっ! 巫女さん!!」

神使「・・・・・・。 さて、私も出かけますか」

534: ◆8YCWQhLlF2 2020/12/12(土) 00:36:21 ID:aEDkE1uc

――― 海ノ町・商店街


巫女(おかしい・・・ 町に張ってある結界に異常を感じない)タッタッタッ

 ブルブル ブルブル

巫女「?(電話・・・)」ピッ

巫女「もしもし・・・ え! 学校で神力を!? そんな・・・」

巫女「・・・分かりました。 私は商店街の周辺を調べますので後程海ノ神社で」ピッ


巫女(どうしよう、主神様と神ちゃん様が同時に神力を発動したらこの町は・・・)


 主神「どうされましたか?」


巫女「!?」クルッ

主神「巫女服を着たまま出歩くと目立ちますよ?」

巫女「主神様・・・」

主神「少し付き合っていただけますか?」

巫女「・・・・・・」

535: ◆8YCWQhLlF2 2020/12/12(土) 00:37:29 ID:aEDkE1uc

――― 海ノ神社前


少女「ハァ・・・ ハァ・・・」ゼェゼェ

少女「・・・・・・(門に鍵がかかってない。 神社に誰かいる・・・)」


 神使「随分とお疲れのようですね」


少女「!?」クルッ

神使「海ノ神社にご用ですか?」ニコッ

少女「あなた、確か山ノ神社の・・・」

神使「神様のお付きで神使と申します」ペコリ

少女「どうしてここに」キッ

神使「本殿までご案内いたします」

少女「・・・・・・」

536: ◆8YCWQhLlF2 2020/12/12(土) 00:38:22 ID:aEDkE1uc

――― 海ノ神社・本殿


神使「どうぞお入り下さい」


 ギー


少女「・・・やっぱり」ハァ

神様「ハロ~」

少女「私よりどうして早くここにいるの?」

神様「私は神だよ? その位は造作も無い」ニヤッ

少女「・・・・・・」

神使(タクシー代は神様のお小遣いから引きますからね)

537: ◆8YCWQhLlF2 2020/12/12(土) 00:39:16 ID:aEDkE1uc

神使「神様、私は外に居ますので何かありましたらお呼び下さい」

神様「おう」


 ギー バタン


少女「・・・・・・。 巫女服似合ってるね」

神様「でしょ! 少女ちゃんは普段着ないの?」

少女「どうして私が着る必要あるの? 私は巫女じゃないんだけど」

神様「確かに。 巫女服より祭儀服の方が似合うかも」

少女「? ・・・どういう意味?」

神様「ま、それは置いておきましょうか」

538: ◆8YCWQhLlF2 2020/12/12(土) 00:40:17 ID:aEDkE1uc

少女「私をこんな所に呼び出して何がしたいの?」

神様「前に言ったじゃん。 海ノ町に張られた結界を解くって」

少女「そう簡単にはいかないと思うけど」

神様「おや、何か対策でもしているのかな?」

少女「何日も間を開けてくれたお陰で色々と対策は出来たわ」

神様「へ~」

少女「私達をフラフラにして、その隙を突いてくるって事は予想できたしね」

神様「へ~」

少女「でも、約束は早朝じゃなかった?」

神様「甘いなぁ~」

少女「?」

539: ◆8YCWQhLlF2 2020/12/12(土) 00:41:44 ID:aEDkE1uc

神様「準備は朝までに済ませた。 私だってバカじゃないさね」ニヤッ

少女「っ!」


神様「」コトッ

少女「なに・・・ その牛の置物は」

神様「これ? 神力が詰まったご神体。 少ない量だけど十分かな」

少女「・・・・・・」

神様「今から良いもの見せてあげる」ニヤッ

少女「ここで神力を出したらまた裸で転送されちゃうわよ?」

神様「じゃ、試してみようか」

少女「・・・・・・」

540: ◆8YCWQhLlF2 2020/12/12(土) 00:45:03 ID:aEDkE1uc

神様「海ノ町に張られし結界の再構築を命ず!」ポワ

少女「だから封印の解除は無駄だって言っ―― !?」ハッ


神様「やっぱ少くね~ あいつ全然仕事してねーじゃん」ポワッ


少女「うそ・・・(神ちゃんが転送されない!?)」

神様「さ~て、本気出しちゃ―――」


 神使「ちょ! 下がって下さい!」


神様「?」クルッ


 バンッ

541: ◆8YCWQhLlF2 2020/12/12(土) 00:45:55 ID:aEDkE1uc


 「封!!」

 ボワボワ~


神様「んぎゃー! 神力抵抗! やっぱ強えぇ~!」ズサー


 巫女「ハァ・・・ ハァ・・・」ゼェゼェ


少女「!」


 巫女「大丈夫ですか、少女さん」タッタッタッ

542: ◆8YCWQhLlF2 2020/12/12(土) 00:46:39 ID:aEDkE1uc

少女「地神さま・・・」

神様「痛たた・・・ 私の方も心配してよ・・・」ムクッ


巫女「」キッ


神様「そんな怖い顔しなさんなって。 お楽しみはこれからなんだからさぁ~」

巫女「え?」

神様「予定通り。 始まりまっせ」ニヤッ

543: ◆8YCWQhLlF2 2020/12/12(土) 00:47:31 ID:aEDkE1uc


 ワチャワチャ


巫女「そんな・・・」

少女「うそ、なにこれ・・・」

巫女「なんでモノノケが。 まさか結界構築に失敗した!?」

神様「いやいや、海ノ町の周囲に張ってあった結界符にちょっと細工しただけ」

巫女「細工!?」

神様「前に巫女ちゃんに書いてもらった“繋”の符を“結”の上に張った」

巫女「!?」

神様「キーになる結界符を見つけるのに時間かかったわ」

544: ◆8YCWQhLlF2 2020/12/12(土) 00:48:31 ID:aEDkE1uc

巫女「まさか、私が再結界を発動することを狙って」

神様「結界の再構築を発動すると、繋がっちゃうんですよ~」テヘッ

巫女「っ! 何でそんな事を!」


 神使「神様! 外にモノノケが!!」

 主神「参道に凄い量いるんですけど!!」


神様「大丈夫だよ、この神社以外には出られないようにしてるから」

巫女「・・・・・・」

神様「あと、この神社にいるヤツには見えちゃうように結界を弄ってみた」

巫女「まさか・・・ 少女さん!?」クルッ

545: ◆8YCWQhLlF2 2020/12/12(土) 00:49:07 ID:aEDkE1uc

少女「これがモノノケ・・・ 初めて・・・ 見た・・・」

巫女「!? 少女さん! 見ちゃダメです!」ダキッ

少女「嬉しい・・・ 初めてモノノケを・・・ 初めて・・・・・・」

巫女「少女さん! ダメです! 見ちゃいけません!」

少女「モノノケ・・・ 違う・・・ 私はモノノケを・・・ あっ」ブルブル

巫女「大丈夫です。 あなたは違います・・・ あなたは違うから・・・ 大丈夫」ギュッ

少女「うっ!」バタリ

巫女「少女さん? 少女さん!?」ユサユサ

神様「気を失っただけだよ。 大丈夫」

巫女「・・・・・・」

546: ◆8YCWQhLlF2 2020/12/12(土) 00:49:45 ID:aEDkE1uc


神様「土地神、とでも呼べば良いのかな?」

巫女「・・・・・・」コクリ

548: ◆8YCWQhLlF2 2020/12/21(月) 23:23:42 ID:Lm68JRd2

――― 数分後・参道


 ワチャワチャ


モノノケ「あんた色男だねぇ。 私と一緒に朝まで付き合わない?」

神使「すみません・・・ そういうのはちょっと・・・」


モノノケ「      ペロ」

主神「あの・・・ あんまり顔を  ペロしないで下さい・・・」


 ワチャワチャ

549: ◆8YCWQhLlF2 2020/12/21(月) 23:24:57 ID:Lm68JRd2

巫女「神使様と主神様は助けなくてもよろしいでしょうか」

神様「放っておいて何か害とかある?」

巫女「いえ、それは大丈夫ですが・・・ 何なら私がモノノケを追い払いましょうか」

神様「いいの。 しばらくあのままにしておこう」

巫女「そうですか」ンショ

神様「少女ちゃん背負って重くない?」

巫女「大丈夫です。 この子、意外と軽いので」フフッ

神様「しかし凄い量のモノノケだな・・・」

巫女「こちら側でこれだけの量を一度に見たのは私も久しぶりです」


 モノノケ「ねぇ」ツンツン


神様「?」クルッ

550: ◆8YCWQhLlF2 2020/12/21(月) 23:26:06 ID:Lm68JRd2

モノノケ「傘は持たなくても良いの?」

神様「かさ? っていうかピグミン?」

巫女「その子は雨のモノノケです。 たぶん雨でも降るんじゃないでしょうか」

神様「へぇ~ 便利じゃん。 明日は晴れる?」

モノノケ「分かんないよ~」タッタッタッ


神様「あっ、行っちゃった・・・」

巫女「雨のモノノケは雨のことしか分からないですから」

神様「ん~・・・ ちょっと不便だな」

巫女「ちなみに、先程から主神さまに纏わり付いているのは牛乳のモノノケです」

神様「あいつ牛乳好きだからな。 お似合いじゃん」

巫女「神使様に付き纏っているのは・・・ あれは狛犬のモノノケかと」

神様「ふ~ん。っていうか、狛犬?」

551: ◆8YCWQhLlF2 2020/12/21(月) 23:27:36 ID:Lm68JRd2

巫女「はい。 モノノケはこの世に存在する生命・モノ、一つ一つに存在します」

神様「もしかして“ピザ”のモノノケとか“牡蠣”のモノノケもいるの!?」

巫女「もちろんです。 それこそ八百万」

神様「それはモノノケと言うより・・・」

巫女「言葉を借りれば八百万の神といった方が良いかもしれませんね」

神様「そういう事か」

巫女「?」

神様「いやさ、昔先代に私らの系に属さない神が無数にいる土地があるって聞いたことがあって」

巫女「神ちゃん様の先代・・・ それって随分と昔の話ですよね」

神様「冗談かと思ってたんだけど・・・ こういう事だったのか」

552: ◆8YCWQhLlF2 2020/12/21(月) 23:28:34 ID:Lm68JRd2

巫女「そういえば、神ちゃん様は先代様の面影がありますね」ジー

神様「もしかして、幼女・・・ というか、あのクソ女と会ったことあるの!?」

巫女「はい、何度か。 もう何千年も前ですけど」

神様「・・・巫女ちゃんって今お幾つ?」

巫女「覚えていませんが、神ちゃん様の先代様よりは古いですよ?」

神様「パイセンですね。 偉そうにしてすんません」ペコリ

巫女「そんな! お願いですから今までと同じように気さくに接して下さい」オロオロ

神様「何というか領地を勝手に荒らしてしまったみたいで、ごめんなさいパイセン!」ドゲザ

巫女「そんな事はないです。 正直言いますと限界でした」

神様「?」

553: ◆8YCWQhLlF2 2020/12/21(月) 23:29:19 ID:Lm68JRd2

巫女「神社を追い出され、モノノケ達の管理も上手くいかず・・・ それに」

神様「少女ちゃん」

巫女「」コクリ

神様「この子は何?」

巫女「お察しかとは思いますがモノノケです」

神様「やっぱそうか。 ちなみに何のモノノケ?」

巫女「この子は、人のモノノケ」

神様「人・・・ って事は人の神?」

巫女「はい」

554: ◆8YCWQhLlF2 2020/12/21(月) 23:29:58 ID:Lm68JRd2

神様「それは、私みたいな神の存在とは違うの?」

巫女「それは私にも分かりません」

神様「・・・・・・」

巫女「私の考えですが、あまりそこは重要でない気がします」

神様「同意。 深追いは止めよう」

巫女「」ニコッ


神様「それより、少女ちゃんはモノノケの記憶を押さえ込まれているみたいだけど」

巫女「この子は、自分の存在を受け入れることが出来なかったんです」

神様「なるほどね。 だから少女ちゃんにはモノノケが見えないようにしてた訳か」

巫女「精神的に受け入れることが出来るようになったら話すつもりでした」

神様「それまではモノノケであることは隠して、人として育てようと」

巫女「はい」

555: ◆8YCWQhLlF2 2020/12/21(月) 23:31:10 ID:Lm68JRd2

神様「もしかして、モノノケの世界と人の世界を分けたのもそれが原因?」

巫女「いいえ、時代の流れです。 この地だけ特別扱いすることが出来なくなったので」

神様「いつ頃?」

巫女「平安の末期頃だったと記憶してます」

神様「あの時か・・・」

巫女「最初のうちは特に問題は無かったのですが・・・」

神様「結界の揺らぎ」

巫女「どうしても結界に綻びができて、モノノケが人の世界で見られることが・・・ 当然その逆も」

神様「それを修正するのが巫女ちゃん・・・ いや、土地神の仕事」

巫女「はい。 少女にはそのサポートをお願いしていました」

556: ◆8YCWQhLlF2 2020/12/21(月) 23:31:49 ID:Lm68JRd2

神様「で、この海ノ神社は結界維持のための要っていう認識でOK?」

巫女「その通りです」

神様「ちなみに、どうしてここは閉鎖になったの?」

巫女「それは・・・」


 神使「神様ー!!」

 主神「助けて下さーい!!」


神様「うるせーな~」

巫女「そろそろお二人を助けてあげましょうか」


少女「・・・・・・」

558: ◆8YCWQhLlF2 2020/12/29(火) 20:35:42 ID:wpt9dUKs

――― 海ノ神社・旧宝物庫


 ギー


巫女「ここならモノノケ達も寄りつかないので大丈夫です」

主神「しかし驚きました。 まさかモノノケの世界があるだなんて」

神様「主神さぁ、お前は何で海ノ町を管轄するようになったんだ?」

主神「こちらの神社が税金滞納で破産したので」

神様「破産!?」

巫女「うっ」ドキッ

神様「マジ?」

巫女「お恥ずかしいですが3年前に・・・///」モジモジ

主神「元々ここは神宮とは関係のない神社だったので、破産後に競売にかかっていたんです」

神様「それを神宮が買ったと?」

559: ◆8YCWQhLlF2 2020/12/29(火) 20:37:03 ID:wpt9dUKs

主神「そうです。 でも老朽化が進んでいたので閉鎖してうちが管理することになりまして」

神様「あ~ それで巫女ちゃんは山ノ神社にバイトに出稼ぎか・・・」

巫女「お金の件はもちろん、神社運営の知識を一から身に付ける必要もありましたので・・・」

神様「私よりも長く生きてるんだし、それくらいの知識はあるんじゃないの?」

巫女「だったら良かったのですが、その結果がこれなので」

神様「あっ、うん。 そうね・・・」

主神「それでしたら素性なんか隠さずに、初めから言って頂ければ良かったのに」

巫女「そう上手くいかないんです。 海ノ町以外の地では私には何の力もありませんし・・・」

神使「何か良い方法はないでしょうか」

神様「巫女ちゃんはこの先どうするつもり?」

巫女「万策尽きたので、モノノケの世界側から強力な結界を張ってこちらの世界と断絶させようかと」

神様「巫女ちゃんの拠点をモノノケの世界に移すって事?」

巫女「はい」

560: ◆8YCWQhLlF2 2020/12/29(火) 20:37:45 ID:wpt9dUKs

主神「それは海ノ町から出て行くという事ですか?」

巫女「モノノケが出なくなった後は、神宮の方でこの地を管轄して頂ければと」

主神「それって解決策になるのでしょうか? 私達よりも長くこの地を守ってきたのですよね?」

巫女「・・・・・・」

主神「本来であれば、私達神宮側が海ノ町から出て行く立場ですし」

巫女「そんな事はございません。 これも時代の流れなのでしょう」

主神「少女さんはどうされるつもりなんですか?」

巫女「・・・・・・」


神様「まぁまぁ、その位で。 って、少女ちゃんは?」キョロキョロ

巫女「少女でしたら少し夜風に当たってくると外に出ました。 たぶん裏手かと」

神様「向こうの意見も聞いてみますかね」

561: ◆8YCWQhLlF2 2020/12/29(火) 20:38:42 ID:wpt9dUKs


――― 宝物庫裏


 ワチャワチャ


少女「・・・・・・」ボー


 神様「しかし、色々なモノノケ達がいますなぁ~」トテトテ


少女「」チラッ

神様「となり座ってもいい?」

少女「できれば一人にし―――」

神様「嫌だって言っても座っちゃうけどねぇ~」ヨイショ

562: ◆8YCWQhLlF2 2020/12/29(火) 20:39:18 ID:wpt9dUKs

少女「なに?」

神様「全部聞いてたんでしょ?」

少女「白々しい・・・ 私に聞かせるために話してたくせに。 神ちゃんは演技派だね」

神様「お互い様でしょ。 気絶した振りまでしちゃってさぁ」

少女「・・・・・・」

神様「どこまで知ってた?」

少女「地神さまって、意外と抜けてるところがあるの」

神様「?」

少女「地神さまが海ノ町を離れると、私に掛けられていた封印が緩くなる」

神様「ん?」

少女「結構前から正体に気が付いていたわ」

神様「あ~ それって・・・」

少女「私も演技派だって事」

563: ◆8YCWQhLlF2 2020/12/29(火) 20:40:02 ID:wpt9dUKs

神様「もしかして、“初めてモノノケを見た!”って下りも演技?」

少女「・・・半分演技で半分は本当。 モノノケが見られない封印はかなり強力だったから」

神様「じゃぁモノノケさん達を見て驚いたのは本当だったと」

少女「そうね。 姿形を認識できたのは私の記憶では初めて」

神様「どうして自分の正体に気が付いていたことを巫女ちゃんには隠してるの?」

少女「地神さまがそう願ってるんだし。 心配させたくなかった」

神様「健気だねぇ~」

少女「うるさい」プイッ

神様「私の見立てだと、巫女ちゃんは人の心が読めるっぽいけど気付かれてんじゃないの?」

少女「神ちゃんは地神さまのことを分かってないわね」ハァ

神様「?」

564: ◆8YCWQhLlF2 2020/12/29(火) 20:40:58 ID:wpt9dUKs

少女「地神さまがそんな力を使うはずないじゃない」

神様「でも、私の好物とか話してもいないことを知ってたけど」

少女「全部山ノ神社のダメ神さんが地神さまに言った事よ。 情報ダダ漏れ」

神様「あのクソ主神・・・ あとで〆て三枚におろしてやる」グヌヌ

少女「地神さまは本当にに立派で、尊敬できる方」

神様「ふ~ん。 で、これからどうするつもり?」

少女「決まってるでしょ。 今まで通り地神さまに合わせるだけよ」

神様「巫女ちゃんがこの世界から離れるって言ったら?」

少女「付いていく」

神様「少女はこちらに残れって言ったら?」

少女「・・・従う」

神様「うへ~ 面倒くせ」

565: ◆8YCWQhLlF2 2020/12/29(火) 20:41:44 ID:wpt9dUKs

少女「・・・・・・。 やっぱり私、神ちゃんは好きじゃない。 嫌い」

神様「ストレート拒絶はキツいっす」

少女「ごめんね、言い直す。 神ちゃんとは分かり合えない」

神様「何故にそこまで私を嫌うわけ? 私ってとっても気さくでかわゆいじゃん」

少女「はぁ?」

神様「私を嫌いになる理由が分からない! みんな大好き神ちゃんだよ?」

少女「簡潔に言えば同業者だからよ」

神様「同業?」

少女「神ちゃん達は神宮側の神、私達も規模は違えどモノノケ側の神」

神様「神同士じゃん。 仲良くいこうよ~」

少女「人は自分のテリトリーを荒らす者は許せない性格なの。 特に私は人のモノノケだしね」

566: ◆8YCWQhLlF2 2020/12/29(火) 20:42:48 ID:wpt9dUKs

神様「なるほど。 本家に嫉妬する分家ってことか」フム

少女「だれが分家よ! 私達から見たらそっちが分家なんだけど」

神様「大企業の社長に嫉妬する中小企業の社長、っていう例えの方が分かりやすい?」

少女「神ちゃん最低。 信じられない。 幻滅した。 私から3メートル離れて」

神様「冗談だって・・・ マジ言葉の選択がキツいっす」

少女「話は終わり? すぐに帰れとは言わないけれど、なるべく早めにこの町から出て行って欲しいな」

神様「私がすぐ出ていくと思う?」

少女「思えない」

神様「分かってんじゃん。 ま、出て行く前に落とし前だけは付けさせてもらうわ」

少女「何? 私と勝負でもするつもり?」

神様「いやいや。 その発想はどういう思考で導き出されたわけ?」

567: ◆8YCWQhLlF2 2020/12/29(火) 20:43:19 ID:wpt9dUKs

少女「勝負を売られたからには全力で買うわよ? 神vs神の頂上決戦ね」

神様「血の気が多いなぁ。 落とし前っていうのはそういう意味じゃないんだけど・・・」

少女「前の小テストでは体調不良で負けたけど、万全の状態なら神ちゃんなんて相手にならないし」

神様「はぁぁぁ!?」

少女「もしかして、私と勝負するのが怖い?」ニヤッ

神様「言ってくれますなぁ~ 悪いけど、私はこうみえて学問の知識は凄いよ?」

少女「じゃ、こういうのはどうかしら。 来月ある期末試験の総合点で勝負をつける」

神様「いいぜ~ ちなみに負けた方の罰ゲームは?」

少女「負けた方は勝った方の指示に従うってのはどうかしら」

神様「望む所よ!」

568: ◆8YCWQhLlF2 2020/12/29(火) 20:43:51 ID:wpt9dUKs

少女「ま、神ちゃんなんか私の足下にも及ばないと思うけど」フッ

神様「上等だコラ! 全力でぶっ潰してやる!」

少女「それはコッチのセ・リ・フ」

神様「分家が本家に敵わないって事を教え込んでやらぁ!」

少女「だから、なんで私が分家なのよ・・・」

神様「精々私に負けないように勉学に勤しむことですな! ばーか!」タッタッタッ



少女「あれが神? 私達あんなガキんちょに負けたの?」ハァ

少女「・・・でも。 そうか、私達はすでに・・・」ボソッ

573: ◆8YCWQhLlF2 2021/01/05(火) 00:16:57 ID:Ejl.vlV.


――― 宝物庫


 ギー


神使「あっ、神様」

主神「少女さんの方はどうでした?」

神様「ん? あ~ モノノケ達を見て興奮してる」

巫女「・・・・・・。 そうですか」


神様「良い子だよ。 人のかわゆいところを凝縮したみたいだ」

巫女「?」

574: ◆8YCWQhLlF2 2021/01/05(火) 00:17:43 ID:Ejl.vlV.

神様「取りあえず今日の所は帰ろうぜ。 眠くなってきた」

主神「そうですね。 よろしければ巫女さん達も山ノ神社へ来ませんか?」

巫女「え?」

主神「今後のこともありますし、よろしいですよね神様?」

神様「私はOKよ。 部屋もいっぱいあるし」

巫女「ありがとうございます。 でも今日は二人で自宅に帰ります」

神様「近いの?」

巫女「はい。 ここからですと歩いて5分くらいですので」

神様「んじゃ、途中まで一緒に帰ろ?」

巫女「その前に、モノノケ達を戻してきます。 流石にこのままではマズいので」ニコッ

575: ◆8YCWQhLlF2 2021/01/05(火) 00:18:17 ID:Ejl.vlV.

――― 帰り道


 テクテク

少女「―― それで、マシュマロのモノノケがね――」キャッ キャッ

巫女「そうなんですか?」フフフ


 テクテク

神使「巫女さんと少女さんはとても仲が良いようですね」

神様「少女ちゃんはツンツンしないで普段から笑顔でいれば良いのにな」

576: ◆8YCWQhLlF2 2021/01/05(火) 00:18:50 ID:Ejl.vlV.

巫女「それでは皆さん、私達はここで」

主神「土日はゆっくり休んで頂いて、週明けはいつも通り神社に来て頂けますよね?」

巫女「ありがとうございます。 週明けは時間通り出勤します」ニコッ

神様「少女ちゃんも、また来週学校で」

少女「そうね」

神様「なんか冷たくね?」

少女「そう? いつも通りだけど」

神様「・・・・・・。 そうだ、良いもの上げる」ゴソゴソ

少女「?」

577: ◆8YCWQhLlF2 2021/01/05(火) 00:19:42 ID:Ejl.vlV.

神様「はい、これ」スッ

少女「お守り?」

神様「まぁ、御利益無いんだけど持ってて欲しいなぁ~って」

少女「・・・・・・」

神様「もらってよ~」スリスリ

少女「わ、分かったよ」


巫女「それでは、失礼いたします。 今日はありがとうございました」フカブカ

 テクテク

神様「バイバ~イ!」

578: ◆8YCWQhLlF2 2021/01/05(火) 00:20:14 ID:Ejl.vlV.

神様「さてと、私達も帰りますかね」

主神「この後はどうするつもりなんですか?」

神様「あ?」

主神「流石に巫女さん達をモノノケの世界に、って事はないですよね?」

神使「ご安心を。 神様が首を突っ込んで起こした事態を放っておくはずありません。 ね、神様?」

神様「良く分かってんじゃん。 ここはパイセンの為に一肌脱ぎますかね」ニヤッ

神使「うっ・・・」

神様「うっ! って何だよ!」ゲシッ

主神「ちなみに、どんな作戦なんです?」

神様「主神さぁ、ちょっと教えてもらいたい場所があるんだけど」

主神「?」

581: ◆8YCWQhLlF2 2021/01/10(日) 23:41:38 ID:Uv.i5s9o


――― 翌日朝


神使「おはようございます」テクテク

主神「おはようございます神使さん。 ゆっくり眠れましたか?」

神使「お陰様で。 神様の姿が見当たらないのですがご存じありませんか?」

主神「神様でしたら朝一で神宮に行きましたよ」

神使「神宮!?」

主神「神宮資産管理銀行に用があるとか」

神使「そういえば、昨日主神さまに場所を聞いていましたね」

主神「新幹線を使えば片道2時間ですし、明日には戻ると言ってました」

神使「神様は新幹線に乗るほどお金は持っていないと思うのですが」

582: ◆8YCWQhLlF2 2021/01/10(日) 23:43:09 ID:Uv.i5s9o

主神「そうなんですか? グリーン車の切符をクレジットカードで買ってましたけど」

神使「グリーン車!? クレジットカード!?」

ゴソゴソ

主神「?」

神使「・・・・・・。 私のクレジットカードがない」

主神「神様は自分のカード使ったのでは?」

神使「神様のカードはすでに限度額を超えているので使えません」

主神「でも、クレジットカードって他人の物は使えないですよね?」

神使「それが私のカードの暗証番号がバレているんです」

主神「あ~・・・ それで窓口でなく不慣れな券売機で買ってたんですね」

神使「悪知恵ばかり覚えて・・・ バレたら捕まりますよ」ハァ

583: ◆8YCWQhLlF2 2021/01/10(日) 23:44:16 ID:Uv.i5s9o


――― 神宮・地下特別個室


神様「ほぇ~ 神宮の地下にこんな場所あったんだ・・・」トテトテ

守衛「こちらの部屋となります」


 ギー


神様「ここ? ただの応接室みたいだけど、本当に銀行?」キョロキョロ

守衛「私も詳しくは知らされておりませんので。 こちらにご案内するようにと」

神様「ふ~ん。 そうなんだ」


守衛「それでは失礼致します。 すぐに係の者が参りますので」


 バタン

584: ◆8YCWQhLlF2 2021/01/10(日) 23:45:02 ID:Uv.i5s9o

神様「何か思ってたのと違うな」


 コンコン

神様「? どうぞ~」


 ガチャッ

 「失礼致します」フカブカ


神様「A子ちゃん!?」

A子「あっ、神ちゃんだ」

神様「こんな所で何してんの・・・ あっ、飲み物ならコーラでお願い」

A子「そんなの自分で買ってきなよ」

神様「・・・本当に何しに来たの? ここは神宮の巫女でも立入禁止っぽいけど」

585: ◆8YCWQhLlF2 2021/01/10(日) 23:45:41 ID:Uv.i5s9o

A子「え? 資産管理銀行のお客さんが来てるって聞いたんだけど」

神様「それ私」

A子「合ってんじゃん」

神様「まさかとは思うけど、A子ちゃんが銀行の人?」

A子「そだよ。 私が掛け持ちで神宮資産管理銀行の担当してるの」

神様「またまた~ A子ちゃんが銀行の管理? 冗談でしょ、しかも掛け持ちって」

A子「失礼だなぁ。 前の大宮司が辞める前に引き継いだんだよ」

神様「なんでA子ちゃんなんかに・・・」

A子「だって顧客は一人しか居ないし、やることないから楽だって。 月1500円の手当も付くし」

神様「安っす!」

586: ◆8YCWQhLlF2 2021/01/10(日) 23:46:26 ID:Uv.i5s9o

A子「銀行のたった一人のお客さんって神ちゃんだったんだ」

神様「そうなの? 私だけの銀行ってなんか凄くね!?」

A子「で、何の用?」

神様「銀行に来たんだから目的は一つ! お金を下ろしたいの」

A子「いくら?」

神様「逆に残高っていくらあるの?」

A子「いくらでも言って!」

神様「さすがA子ちゃん! 格好いい~」

A子「ドヤサッ!」フンスッ

神様「じゃ、じゃぁ取りあえず10億円くらい下ろそっかなぁ~」クネクネ

587: ◆8YCWQhLlF2 2021/01/10(日) 23:47:08 ID:Uv.i5s9o

A子「それは無理だよ。 何言ってんの?」

神様「だ、だよね~ んじゃ1億円くらいならどう?」

A子「無理無理」ハァ

神様「そっか~ その位はいけると思ったんだけど・・・ んじゃ1千万円で!」

A子「だから無理だって」

神様「え? その位は流石にあるでしょ。 明治時代までの資産を全部入れてあると思うんだけど」

A子「そうじゃなくて、現金は1円もないんだって」

神様「?」

A子「実際の現金はないから、振り込みだけで対応するの」

588: ◆8YCWQhLlF2 2021/01/10(日) 23:47:55 ID:Uv.i5s9o

神様「つまり・・・ どういう意味?」

A子「どういう意味だろ?」


神様「何かマニュアルとかそんな感じの書類はない?」

A子「これ」ドサッ

神様「おう・・・ 結構あるね」

A子「資産表と売却先のリストだって」

神様「売却?」

A子「資産管理銀行で必要になったお金はここに載ってる資産表の中から売却して現金化するらしいよ」

神様「あ~ そういう事ね」

589: ◆8YCWQhLlF2 2021/01/10(日) 23:48:45 ID:Uv.i5s9o

A子「どれ売る?」

神様「うわっ、神宮本庁とかあるけどこれって売っていいの?」

A子「売却先は日本国政府のみだって。 でも売ったら3兆円だよ!」

神様「さんちょう・・・」ゴクリ

Aこ「でも、これはダメだよ? 売っちゃったら私無職になっちゃうし」

神様「だよね~ 私も無職になっちゃうか。 あっ、これなんかどう?」

A子「参伍報告文書? なにこれ」

神様「通称みこ書」

A子「巫女書?」

590: ◆8YCWQhLlF2 2021/01/10(日) 23:49:20 ID:Uv.i5s9o

神様「そう。 昔、悪代官から没収した金銀財宝を保管してある場所が記載された報告書」

A子「埋蔵金のありかが書いてある文書って事? なんで巫女書なの?」

神様「私が率いる巫女軍団が起こした反乱だから。 巫女で参伍、なんちゃって」ウヒャヒャ

A子「ふ~ん。 うわっ! 資産見積もり20~50億だって!」

神様「いいね~」

A子「こんな大金何に使うの?」

神様「ちょっと古い神社を建て直したくてさぁ」

A子「今の時代に神社なんて立て直さなくても。 元取れないよ?」

神様「まぁね~ そこも悩みの種でさ」

A子「これだけのお金使うなら少し変わった神社がいいなぁ」

神様「変わったって?」

A子「例えば―――」

592: ◆8YCWQhLlF2 2021/01/18(月) 22:29:29 ID:hmERLUJs

――― 翌日・山ノ神社


 ガラガラ


神様「たでーま~」

神使「・・・・・・」

神様「おや神使君。 出迎えご苦労」

神使「返して頂けますか?」スッ

神様「?」

神使「私のクレジットカード」

神様「っ!」ビクッ

神使「新幹線のグリーン車代と、食費、買い物代の合わせて6万5千円は天引きです」

神様「あい・・・」

593: ◆8YCWQhLlF2 2021/01/18(月) 22:32:05 ID:hmERLUJs


――― 本殿


 ギー


主神「神様、お戻りでしたか」

神様「うん、今戻ったところ。 何か変わったことは?」

主神「一点、少しマズいことが・・・」

神様「何か問題でもあったか?」


主神「うちのご神体がすり替わっているんです」

神様「っ!」ビクッ

594: ◆8YCWQhLlF2 2021/01/18(月) 22:33:07 ID:hmERLUJs

主神「で、神様の部屋から同じ牛さんの象が出てきました。 こんなに沢山」


 ゴロゴロッ


神様「・・・・・・」

主神「全部に“予備”ってシールが貼ってあります。 何の予備でしょう?」

神様「ちょっと何を言っているのか難しくて分からないですね」

主神「私の貯めた神力」ボソッ

神様「オーケー。 取り引きしよう」

主神「取り引き?」

神様「実はうまい話があるんだよ」ズイッ

主神「そ、それはどうのような・・・」

神様「聞くか?」ニヤッ

595: ◆8YCWQhLlF2 2021/01/18(月) 22:33:54 ID:hmERLUJs

――― 夜・社務所


神様「ん~・・・」

神使「どうされたんです?」

神様「あ? 勉強してんだよ。 来月試験だし」

神使「神様が勉強!?」

神様「何その失礼なリアクション。 こう見えて私は勉強大好きっ子だぜ?」

神使「はじめて聞きました・・・ でも、どうしてそんなに本気出してるんです?」

神様「負けられない戦いがそこにあるから」キリッ

神使「・・・・・・。 そうですか、まぁ頑張って下さい」

神様「夜食は生牡蠣20個でいいや」

神使「それ夜食で出すメニューじゃないですよね・・・」

596: ◆8YCWQhLlF2 2021/01/18(月) 22:34:48 ID:hmERLUJs

――― 週明け・山ノ神社


神様「おっはよ~」トテトテ

主神「あっ、神様・・・」

神様「お昼のお弁当くれ」

主神「それが・・・」

神様「?」

神使「実は巫女さんが出勤してないようでして、今日はパンでも買って頂ければと」

神様「は?」

主神「携帯にも何度かかけたんですが連絡が取れず」

神使「疲れが溜って寝ているだけならいいのですが・・・」

神様「ん~ 取りあえず学校行ってくるわ。 何かあったら電話してくれ」タッタッタッ

597: ◆8YCWQhLlF2 2021/01/18(月) 22:35:18 ID:hmERLUJs

――― 学校


 ガラガラ

 神様「」キョロキョロ


生徒A「あっ、神ちゃんおはよう」

神様「おは。 少女ちゃんは来てない?」

生徒A「少女ちゃん?」

神様「いつも一番に来てるし、いないって事は今日は休みか?」

598: ◆8YCWQhLlF2 2021/01/18(月) 22:36:07 ID:hmERLUJs

生徒B「ねぇ、少女ちゃんって誰?」

神様「え?」

生徒A「別のクラスの子? でも聞いたことない名前だなぁ。 B子ちゃん知ってる?」

生徒B「知らないなぁ」

神様「・・・・・・」


生徒A「それより神ちゃん、今日の放課後サイセリアで―――」

神様「っ!」タッタッタッ

生徒B「ちょ、神ちゃん! どこ行くの!?」

600: ◆8YCWQhLlF2 2021/01/26(火) 02:05:40 ID:FoQtZErI

――― 10分後・海ノ神社


 神様「お~い」タッタッタッ


神使「あっ、神様」

神様「どうだ?」

主神「本殿を中心に強力な結界が張られているようです」

神様「見たことない結界だな」

神使「もしかして巫女さんと少女さんはモノノケの世界に・・・」

神様「間違いないな。 向こうから結界を張ったんだろ」

主神「流石に我々では解除できそうに無いですね」

601: ◆8YCWQhLlF2 2021/01/26(火) 02:06:28 ID:FoQtZErI

神使「巫女さん達はもうこちらに戻って来ないつもりなんでしょうか」

神様「どうして・・・ どうして黙って行っちゃうんだよ!!」クッ!

神使「神様・・・」


神様「な~んてね」ウヒャヒャ

主神・神使「・・・・・・」

神様「お前達二人で取りあえず金目になりそうな物だけ運び出せ」

神使「え!?」

神様「この神社、ぶっ潰すぞ」

神使「ど、どういう事ですか!?」

602: ◆8YCWQhLlF2 2021/01/26(火) 02:07:39 ID:FoQtZErI

神様「言ったとおりだよ。 まずは海ノ神社を解体して更地にする」

神使「解体!? 更地になんかしてその後はどうするんですか?」

神様「遊園地にしようぜぇ~」

神使「・・・・・・」

神様「どちらにしろ解体は必要だし、近くに山ノ神社だってあるんだからここは必要ないだろ」

神使「いくら何でもこのタイミングで解体しなくても。 巫女さんと少女さんはどうするんですか」

神様「どうしようもないだろ。 主神、後は任せたぞ」

主神「え? あっ、はい・・・」

神使「・・・・・・」

神様「大丈夫だよ。 立派な遊園地にするから」

神使「そこを心配しているわけではないのですが・・・」

603: ◆8YCWQhLlF2 2021/01/26(火) 02:11:04 ID:FoQtZErI

――― 翌週


 ガガガガッ


神使「もうほとんど残っていませんね」

神様「解体って結構早いのな」

神使「神社の隣にあった建物も解体しているみたいですが?」

神様「あ~ 隣の土地を買ったから一緒に潰してる」

神使「え!?」

神様「なんかボロボロの空き家だったし、不動産屋に欲しいって言ったら売ってくれた」

神使「そんなに土地を広くしてどうされるんです? まさか本当に遊園地を作る気ですか!?」

神様「本気も本気、大マジよ。 有言実行、それが神ちゃんのモットー」

604: ◆8YCWQhLlF2 2021/01/26(火) 02:11:54 ID:FoQtZErI

神使「そんなお金どこから・・・」

神様「心配すんなって。 私の隠し貯金を使っただけだから」

神使「・・・そのお金の出所は問題ないんですよね? これ以上の借金は本当に洒落になりませんよ?」

神様「大丈夫だよ。 ちゃんと銀行の人が手続きしてくれたんだから」

神使「だったら良いのですが」

神様「今日中に更地にして、明日からアトラクションの建設に入るぞ」

神使「こんな町中にジェットコースターは無理ですよ? 苦情ラッシュになりますから」

神様「そんなありふれたものなんか作らねーよ。 もっと独創的なアトラクションだよ」ニヒヒ

607: ◆8YCWQhLlF2 2021/02/04(木) 23:14:08 ID:prglVsVw

――― 翌月・山ノ神社


神様「ふぁ~ おはよ~」トテトテ

神使「おはようございます。 昨日も随分遅くまで勉強されていたようですね」

神様「まぁね~ あれ? 主神は?」キョロキョロ

神使「海ノ神社へ行かれました」

神様「そういえば、そろそろ完成だな」

神使「私には今だに何の施設なのか分からないですが」

神様「考えるんじゃない。 感じるんだよ」

神使「そうですか。 私にはまだ早すぎたようです」

神様「んじゃ、学校行ってくる。 帰りに海ノ神社に寄るって主神に言っておいて」タッタッタッ

神使「行ってらっしゃいませ・・・」

608: ◆8YCWQhLlF2 2021/02/04(木) 23:14:59 ID:prglVsVw

――― 学校


神様「おはよ~さん」ガラガラ

生徒A「あっ、神ちゃん・・・」


 ガヤガヤ


神様「ん? 何か騒がしいけど、どしたの?」

生徒A「神ちゃんの隣の空いている席を片付けて前に詰めるんだって」

神様「え?」

609: ◆8YCWQhLlF2 2021/02/04(木) 23:15:50 ID:prglVsVw


先生「お~い、空き机の中に入っている教科書は誰のヤツだ?」


神様「先生」トテトテ

先生「おう、どうした? この教科書は神宮さんのヤツか?」

神様「いえ。 あの~ この席、もう少しこのままにしておいてもらえないでしょうか」

先生「そうは言ってもなぁ」

神様「せめて期末試験が終わるまではこのままに・・・」


 生徒A「私からもお願いします」

 生徒B「お願いします」


先生「まぁ、そこまで言うのであれば試験まではこのままでも構わないが・・・」

神様「ありがとうございます」ペコリ

610: ◆8YCWQhLlF2 2021/02/04(木) 23:17:56 ID:prglVsVw

――― 昼休み


神様「ねぇ」

生徒A「な~に?」モグモグ

生徒B「お弁当ならあげないよ?」モグモグ

神様「え~ って、そうじゃなくて・・・ 空き席の件」

生徒A「あ~ 何となくだけどあの机は片付けちゃダメな気がして」

生徒B「私も。 なんか誰か座っていた気がするんだよね」

神様「・・・そう」

生徒A「でも、思い出せないんだよね~」

生徒B「そうそう。 出てきそうで出てこないモヤモヤした感じ、もしかして神ちゃんも?」

611: ◆8YCWQhLlF2 2021/02/04(木) 23:18:31 ID:prglVsVw

神様「私は・・・ 私は覚えてる」

生徒A・B「え?」

神様「ここは、少女ちゃんの席」

生徒A「少女・・・ ちゃん?」

神様「負けず嫌いで、ちょっと短気で生意気な優等生」

生徒B「・・・・・・。 それ神ちゃんの事じゃないの?」

神様「いやいや、私は生意気じゃないし。 負けず嫌いでも短気でもないよ?」

生徒B「えっと・・・ そうなんだ」

612: ◆8YCWQhLlF2 2021/02/04(木) 23:19:04 ID:prglVsVw

生徒A「少女ちゃん・・・かぁ」

生徒B「聞いたことあるような無いような~」ウーン


神様「私と期末試験の得点勝負の約束をしてるんだよ」

生徒A「試験・・・」ウッ

生徒B「明日だね・・・ なんか急に食欲がなくなってきたよ・・・」

神様「食欲がないならそのお弁当食べてあげようか?」

生徒A・B「お気遣い無く」

613: ◆8YCWQhLlF2 2021/02/04(木) 23:19:54 ID:prglVsVw

――― 夕方/旧・海ノ神社


 神様「お~い」タッタッタッ


主神「ご苦労様です。 もう下校の時間でしたか」

神様「おう。 犬ころも来てたんだ」

神使「はい。 完成と聞いたもので」

神様「出来はどうだ?」

主神「和をふんだんに取り入れた斬新な建物が良い感じです」

神様「ん~ 私的にはもう少し洋風テイストが良かったんだけど」

主神「施工が神宮建設ですから。 時間もありませんでしたし」

神様「多少は大目に見るか」

614: ◆8YCWQhLlF2 2021/02/04(木) 23:20:38 ID:prglVsVw

神使「あの、それでここは一体どういう施設なのでしょうか?」

神様「ムフフ~ 聞きたいか?」

神使「それはまぁ」


神様「ここは“モノノケランド”だ!」ドヤッ


神使「・・・・・・。 はい?」

神様「モノノケと触れ合える斬新な施設」

主神「ちょ、ちょっと待って下さい」

神様「なに?」

主神「私は神様から“モーモーランド”と聞いていたのですが」

神様「モーモー? 何それ」

主神「え!?」

615: ◆8YCWQhLlF2 2021/02/04(木) 23:21:24 ID:prglVsVw

神様「それ、ただの牧場じゃん」

主神「牧場じゃないんですか!?」

神様「こんな町中に牧場はないだろ。 常識で考えろって」

主神「・・・・・・」


神使「え~と・・・ どこからモノノケさん達を連れてくるんですか?」

主神「結界が張られてこちらの世界と分断されているかと思いますが」

神様「そだね」

神使「どうされるおつもりで?」

神様「結界を解除してもらえば良いじゃん」

主神「まぁそうなんですが、問題は私達では解除出来ない結界でして」

神様「張った本人が解除すれば良いだろうが」

主神「それが可能であれば苦労しないのですが」

616: ◆8YCWQhLlF2 2021/02/04(木) 23:22:14 ID:prglVsVw

神様「確かに。 んじゃ巫女ちゃんと少女ちゃんを呼び戻しますか」

主神・神使「え!?」

神使「そんな事が出来るのですか!?」

神様「私が何の策もせずにあの二人を野放しにするとでも思った?」

神使・主神「はい」

神様「お前ら、後で電気あんま神ちゃんスペシャル10連ね」

神使・主神「・・・・・・」

神様「まぁ見てろって。 私のずる賢・・・ 神がかり的な力を刮目せよ!」スッ

主神「? 神様・・・ その牛の象って・・・」

617: ◆8YCWQhLlF2 2021/02/04(木) 23:23:04 ID:prglVsVw

神様「我が守護の証を召還せし。 我が神力に応えよ!」ポワッ

主神「ちょ、神様! 待って! 私の神力! 待って~!!」

神様「神力全解放!」


 ピカー


神使「あっ」

主神「う~・・・」

622: ◆8YCWQhLlF2 2021/02/10(水) 01:34:52 ID:QKhM5ujc


 シュン


少女「―――で、神ちゃんったら私に勝つんだって鼻息荒くしちゃって」

巫女「そうなんですか?」フフフ

少女「だから、私言ってやっ・・・ って、あれ?」キョロキョロ

巫女「?」クルッ


 神様「ハロ~」


少女「神ちゃん!?」

巫女「しゅ・・・ 主神さまと神使さま!?」


主神「どうも、お久しぶりです」ペコリ

神使「ご、ご無沙汰しております」ペコリ

623: ◆8YCWQhLlF2 2021/02/10(水) 01:35:37 ID:QKhM5ujc

少女「どうして神ちゃん達がモノノケの世界に!?」

神様「いやいや、逆だよ」

少女「?」

神様「ここ、人間の世界ですが」

少女「え?」

巫女「どうして・・・ 結界が機能していたはずですが・・・」

神様「私の神力を引き寄せて戻しただけなんだけどね」

巫女「引き寄せ・・・ どういう意味でしょうか?」

神様「少女ちゃんにあげた私のお守り」

少女「お守りって・・・」ゴソゴソ

624: ◆8YCWQhLlF2 2021/02/10(水) 01:36:24 ID:QKhM5ujc

少女「もしかして、これ?」スッ

神様「そう、それ。 私の持ってるお守りの中で一番強力な神力を入れてあるヤツ」

巫女「まさか、神ちゃん様の神力を少女に持たせて召還したと?」

神様「ザッツライト!」


少女「どうして・・・」

神様「?」

少女「どうして私達を戻したの!」

625: ◆8YCWQhLlF2 2021/02/10(水) 01:37:04 ID:QKhM5ujc

神様「決まってんじゃん。 明日は勝負の日だし」

少女「はぁ?」

神様「明日は期末試験だぜ」

少女「期末って・・・ そんな理由で?」

神様「そんなって失礼な。 私は受けた勝負はどんな事をしてでも勝つ!!」

少女「それって結界を壊してまですること?」

神様「すること」


巫女「このままだとまたモノノケがこちらの世界に・・・」

神様「大丈夫。 結界維持は手を打ってあるから」

巫女「?」

626: ◆8YCWQhLlF2 2021/02/10(水) 01:38:10 ID:QKhM5ujc

~~~
~~


――― 数日前・りんごちゃん神宮


 prrr prrr


狐娘「? 凄爺様、携帯が鳴っておりますが」

凄爺「四柱結界の維持で手が離せん。 代わりに出てくれ」

狐娘「わかりました」テクテク


 ピッ

狐娘「はい、凄爺さまの携帯です」

神様『あっ、もしもし? その声は狐娘ちゃん?』

狐娘「神ちゃんさま! ご無沙汰しております」

 凄爺「ん? クソガキからか?」

627: ◆8YCWQhLlF2 2021/02/10(水) 01:38:54 ID:QKhM5ujc

神様『実はお願いがあってさぁ』

狐娘「お願い・・・ どのような?」

 凄爺「安請け合いはするでないぞ」


神様『新しく結界維持をお願いしたのがあって』

狐娘「追加の結界維持ですか?」

 凄爺「断れ」


神様『ちょっと見たことのない結界で定期的な維持も必要になる案件なんだよね~』

狐娘「神ちゃん様でも見たことのない結界なのですか?」

 凄爺「絶対に断れ」

628: ◆8YCWQhLlF2 2021/02/10(水) 01:39:43 ID:QKhM5ujc

神様『凄爺って追加で結界維持お願い出来そう?』

狐娘「」チラッ

 凄爺「無理じゃ。 これ以上仕事増やされたら死ぬ」


狐娘「ちなみに、どのような結界なのでしょうか?」

神様『モノノケの世界と人間の世界の次元結界。 しかも結構複雑な術式』

狐娘「モノノケ!? 次元結界!?」

 凄爺「ふざけるな! そんなもの扱ったことなど無いわ!」


神様『何とかならないかなぁ。 困っている人とモノノケちゃん達がいてさぁ』

狐娘「それは困りましたね・・・」

 凄爺「おい、ヤツの口車に乗せられるんじゃないぞ!」

629: ◆8YCWQhLlF2 2021/02/10(水) 01:41:36 ID:QKhM5ujc

神様『頼むよ~ ちゃんと埋め合わせはするから』

狐娘「・・・・・・」チラッ

 凄爺「狐娘! 替われ! ワシと電話を替われ!」


神様『うちの神使君がさぁ、狐娘ちゃんならきっと取り持ってくれるからって』

狐娘「先輩が!?」

神様『神使君がどうしても狐娘ちゃんにお願いしたいって』

狐娘「お任せ下さい! 凄爺さまは完璧にこなすとおっしゃっております!」

 凄爺「言っとらん!!」


神様『助かったよ。 ありがと、狐娘ちゃん』

狐娘「困ったときはお互い様です!」

神様『んじゃ、詳細は後でラインするねぇ~ それと神使君のベスト写真も送るわ』

狐娘「お待ちしております!!」キャッ キャッ

630: ◆8YCWQhLlF2 2021/02/10(水) 01:42:14 ID:QKhM5ujc

 ピッ


狐娘「ゴホン」

凄爺「おい」

狐娘「私もお手伝いしますので。 がんばりましょう!」フンスッ

凄爺「ワシは助手の選定を間違えたか・・・」ハァ



~~
~~~

631: ◆8YCWQhLlF2 2021/02/16(火) 06:13:06 ID:1VkqqWC.

――― 旧海ノ神社・裏手


巫女「本当にここが海ノ神社なんですか?」キョロキョロ

少女「面影が跡形もないんだけど」

神様「元・海ノ神社ね。 新しく観光施設に改造したけど」

少女「破産して神社を手放した私達に言う権利はないけど・・・ 神聖さゼロね」

神様「こう見えても神宮最高の最新設備なんですぜ」

巫女「設備?」

神様「まずは、あれ。 結界維持のための柱」

632: ◆8YCWQhLlF2 2021/02/16(火) 06:15:03 ID:1VkqqWC.

巫女「随分と高さのある見事な御柱ですね」

神様「あれで青森から結界の維持と次元接続の管理を担うらしい」

巫女「次元接続?」

神様「人とモノノケの世界を柱の下にある小屋を通じて行き来可能」

巫女「まさか結界の解読をされたんですか!?」

神様「らしい」

巫女「そんな簡単には解読できないと思うのですが・・・」

神様「何か、すっげー大変だったって聞いた」

巫女「絶対に解除されないと思っていた自惚れが恥ずかしいです・・・」

633: ◆8YCWQhLlF2 2021/02/16(火) 06:15:48 ID:1VkqqWC.

少女「で? それは向こうにある変ちくりんな建物は何の関係があるわけ?」

神様「分からないかなぁ~?」

少女「分かるわけないでしょ」

神様「商売だよ」

少女「は?」

神様「これ、いくらかかったと思う?」

少女「知らないけど・・・ 1千万くらい?」

神様「ここの整地で1億、結界維持の柱の建設が3億、少女ちゃん達の住居とか合わせたら8億もかかっているのだ!」

少女・巫女「8億!?」

634: ◆8YCWQhLlF2 2021/02/16(火) 06:16:38 ID:1VkqqWC.

神様「そんだけつぎ込んだんだから、せめて元は取ってもらわないとね~」

少女「そんな大金一生かかっても返せないわよ。 一体私達に何させるつもりなのよ」

神様「簡単に言えば遊園地的なアトラクション管理のお仕事」

少女「遊園地?」

神様「まぁ百聞は一見にしかず。 当施設一番の目玉にご案内しま~す」トテトテ

巫女・少女「・・・・・・」

635: ◆8YCWQhLlF2 2021/02/16(火) 06:17:42 ID:1VkqqWC.

――― 変な形の建物


主神「ようこそ、いらっしゃいませ!」

巫女「主神さま・・・ 何をしているのですか」

神様「主神にはこのアトラクション施設の館長を任せた」

主神「神様からは、モーモーランドの館長と聞いていたのですが」

神様「思い込みは良くないぞ」

主神「・・・・・・。 まぁ、どうぞ中へお入り下さい」

巫女「では・・・」テクテク

少女「おじゃまします」テクテク


 ギー


巫女・少女「!?」

636: ◆8YCWQhLlF2 2021/02/16(火) 06:18:47 ID:1VkqqWC.


 ワチャワチャ


巫女「モノノケ達が・・・」

少女「いっぱいいる・・・」


神様「ここはモノノケ達とふれあえる“モノノケ友達館”!」

少女・巫女「・・・・・・」


神様「良いアイデアだと思わない?」

少女「いやいや」

巫女「モノノケ達は一体誰と触れ合うのでしょうか・・・」

神様「そりゃ人でしょ」

639: ◆8YCWQhLlF2 2021/02/16(火) 21:59:52 ID:1VkqqWC.

少女「神ちゃん、自分で何を言ってるか分かってるの?」

神様「もちろん。 何か問題でも?」

少女「大問題よ! モノノケの存在が世間に知れ渡ったら大騒ぎになる!」

神様「本当にそう思う?」

少女「思う。 逆にそう思わない理由が見つからない」

神様「んじゃ、ここへ遊びに来た人は記憶を操作してから帰ってもらうとか」

少女「あのねぇ・・・ そんな事を一々出来るわけないでしょうが」ハァ

神様「え~ 今までモノノケ見た人の記憶をチマチマと操作してきたくせに~」

少女「それは・・・ 数が違いすぎるでしょ」

神様「本当に~?」チラッ

巫女「・・・・・・」

640: ◆8YCWQhLlF2 2021/02/16(火) 22:00:53 ID:1VkqqWC.

神使「神様、何を考えているんですか?」

神様「ん? 私が考えるベストな選択肢が二つある」

巫女「それはどのような・・・」

神様「一つは、ここを訪れた人からモノノケの記憶を消してから帰す」

少女「さっきも聞いた。 論外ね」

神様「んじゃ、もう一つの方で」

少女「私達を帰して結界を張り直す。 そして、ここはオープンすることなく閉鎖」

神様「それは私的に論外なのよ」

巫女「ではどのような?」

神様「もう~ 分かってるくせに~」

少女「勿体つけずに言いなさいよ」

641: ◆8YCWQhLlF2 2021/02/16(火) 22:01:56 ID:1VkqqWC.

神様「すでにかけられている暗示を解く」

巫女「!」ビクッ

少女「はぁ? どういう意味?」

神様「太古の昔から現在まで、超強力な暗示結界がかけられているんでしょ?」

主神・神使・少女「え!?」

神様「簡単に言えば、モノノケの存在は本来周知の事実ってこと」

神使「ちょっと待って下さい。 言っている意味が分からないのですが」

神様「分かれよ。 モノノケはこの世に存在しないって暗示がこの国全体にかけられているんだよ」

主神「そんな・・・ それだけの規模の暗示なんてかけられるのですか?」

神様「いや~ 凄いね巫女ちゃんは。 流石パイセン」

巫女「・・・・・・」

642: ◆8YCWQhLlF2 2021/02/16(火) 22:02:48 ID:1VkqqWC.

少女「地神さま、こんな妄想に付き合う必要はないですよ。 ハッキリ言ってやって下さい」

巫女「・・・・・・。 神ちゃんさま、良くお気づきになられましたね」

少女「え!? 本当に!?」

巫女「仰るとおり、モノノケの存在は周知の事実です。 私が記憶操作をして封じています」

神様「ほら、言った通りじゃん。 どうよ私の推理は!」フンスッ

神使「正直ビックリしました・・・」

主神「正直ビックリしました・・・」

少女「正直ビックリしました・・・」

神様「正直ビックリしました・・・」

巫女「・・・・・・。 ビックリしました///」

647: ◆8YCWQhLlF2 2021/02/23(火) 23:48:14 ID:VjDBbCrg

主神「でも、どうしてそんな事をしているのですか?」

巫女「それは・・・」

神様「ま、取りあえずはこの施設から少しずつ元の姿に戻していきましょ」

少女「ごめん、神ちゃんの目的が全く分からないんだけど」

神様「あ? 最初に言ったじゃん。 全ては明日のテスト勝負のためだって」

少女「あのね、今更私が学校なんかに行くわけないでしょ」ハァ

神様「何? 勝負するのが怖い? まぁ少女ちゃん負けちゃうもんねぇ~」

少女「はぁ?」キッ

神様「私、凄いよ? 超勉強したし」ニヤッ

648: ◆8YCWQhLlF2 2021/02/23(火) 23:49:04 ID:VjDBbCrg

少女「学校のテストなんて普段の努力の積み重ねよ。 そんな付け焼き刃に私が負けるわけないじゃない」

神様「そんだけ威勢を張るなら勝負せーやー!」

少女「私がそんなベタベタな挑発にのると思ってるの?」

神様「最初に挑発してきたのはそっちだろーが!!」

神使「まぁまぁ、お二人とも冷静に」

少女「私は冷静よ」

神様「私なんて超冷静だし! 感情死滅してんかよ!ってくらい冷静だし!!」ムキー

神使「顔真っ赤ですが・・・」

649: ◆8YCWQhLlF2 2021/02/23(火) 23:49:43 ID:VjDBbCrg

主神「えーと・・・ あっ、施設の案内をしますので巫女さんと少女さんどうぞこちらへ」テクテク

巫女「はあ、では。 少女も行きますよ」テクテク

少女「全く・・・ べ~~だっ!」テクテク

神様「べーべーべー!!」


神使「神様、そんな無理に白黒付けなくても」

神様「悪いど最初に白黒付けようって言ったのはあっちだからね?」

神使「だからってそんなに無理強いしなくても・・・ 少女さんも色々とあるでしょうし」

神様「そんな安い理由じゃねーよ」

神使「?」

神様「・・・・・・。 犬ころ、コーラ飲みたいから買ってきて!」

650: ◆8YCWQhLlF2 2021/02/23(火) 23:50:20 ID:VjDBbCrg

――― 10分後・裏庭


神使「神様、どうぞ」スッ

神様「おっ、缶コーラじゃん。 ここの自販機は優秀だな」プシュッ

神使「神様の意思が働いたとしか思えないラインナップしか売っていませんでしたが」

神様「そういえば、私が指示したような気もする」ゴクゴク


神使「まさかモノノケの存在が当たり前の事実だったなんて未だに信じられません」

神様「本当だよ。 私の天才的な洞察力が無ければ解決できなかったわ」ゴクゴク

651: ◆8YCWQhLlF2 2021/02/23(火) 23:52:16 ID:VjDBbCrg

神使「どうして暗示がかかっていると分かったんです?」

神様「まぁ、少し考えれば分かるはずだったんだよ」

神使「?」


神様「私は今まで妖怪とかお化け、幽霊なんかは見たことがない。 当然モノノケも」

神使「私もございませんね」

神様「じゃぁ、どうして居る居ないなんて噂が立つんだ?」

神使「?」

652: ◆8YCWQhLlF2 2021/02/23(火) 23:59:15 ID:VjDBbCrg

神様「人は見たことないものは想像なんて出来ない」

神使「今回のように結界の歪みで偶然モノノケさんを見た人がいたのでは?」

神様「そのレベルなら、見たことのない人は存在の想像は難しいだろうなぁ」

神使「なるほど。 確かに私も見たことはありませんでしたが姿形の想像は何となく出来ました」

神様「つまり、全員モノノケ自体の概念は多少なり持っていたという事」

神使「巫女さんの結界が完全ではなかったという事でしょうか?」

神様「さぁね~ そうかも知れないし、わざとかも知れない・・・」

神使「存在自体はみんなに知ってもらいたかったのかも知れませんね」

神様「巫女ちゃんは私よりも年上だし、あまり深追いは出来ないけどな」

653: ◆8YCWQhLlF2 2021/02/24(水) 00:00:13 ID:I1CEslkQ

神使「でも、それだけのヒントで良くそこまでたどり着けましたね」

神様「まぁ私は凄いって事だよ。 褒めて称えて牡蠣を献上せよ!!」カッカッカッ


 ??「神ちゃん様~」タッタッタッ


神様・神使「?」クルッ

狐娘「お久しぶりです」ペコリ

神使「狐娘さん!?」

狐娘「ご無沙汰しております神使先輩///」モジモジ

神様「・・・・・・」

654: ◆8YCWQhLlF2 2021/02/24(水) 00:00:58 ID:I1CEslkQ

狐娘「神ちゃん様、先日は電話で失礼しました」ペコリ

神様「・・・・・・。 お、おう」

神使「どうして狐娘さんがこちらに?」

狐娘「結界維持の御柱の最終調整です」

神使「それはそれはご苦労様です」ニコッ

狐娘「はうっ!」ポッ

神様「んじゃ、私はちょっと向こうに用事があるんで」

狐娘「モノノケさんの暗示結界は上手く解けましたか?」

神様「!」ビクッ

655: ◆8YCWQhLlF2 2021/02/24(水) 00:01:58 ID:I1CEslkQ

神使「え? もうこの国全体の結界を解かれたんですか?」

狐娘「いえいえ、そんな事をしたら大騒ぎですから」

神使「でも、今結界を解いたと」

狐娘「神ちゃん様にだけ結界を解いたんです」

神使「それはどういう事でしょうか?」

狐娘「凄爺様と結界解析をしていた時に強大な暗示結界を確認しまして、テスト的に神ちゃん様に暗示解除をしたんです」

神使「へぇ~ 神様にだけ暗示解除を。 そうだったんですか」ジー

神様「ま、まぁ暗示解除なんか無くても私には全てお見通しだったんだけどね」アセアセ

神使「へぇ~」

656: ◆8YCWQhLlF2 2021/02/24(水) 00:03:10 ID:I1CEslkQ

神様「何ていうか・・・ そう、考察の補強をしただけ!」

神使「・・・・・・」ジー

神様「すいません、暗示解除がなければ全く分かりませんでした」ドゲザ

神使「謝れる子は良い子です」

神様「ありがとうございます!」

狐娘「?」

657: ◆8YCWQhLlF2 2021/03/02(火) 01:49:49 ID:bFVw9rEY

神使「狐娘さんは今日はゆっくりしていけるのですか?」

狐娘「それが、調整を終えたらすぐに戻らないといけなくて・・・」

神使「今日中に終わるのですか?」

狐娘「徹夜で作業して明日の夕方の新幹線に間に合えばと言う感じです」

神使「相変わらず狐娘さんは頑張り屋さんですね」ニコッ

狐娘「はぁ~」ウットリ

神様「狐娘ちゃん? 口から涎垂れてるけど・・・」

狐娘「!? あ! すみません!!」ジュルリ

神使「体調良くないのですか?」

狐娘「いえ! その・・・ お、御柱はどちらでしょうか!」

神使「向こう側のようですが、ご案内しましょうか?」

狐娘「大丈夫です! 一人で行けます!!///」タッタッタッ

658: ◆8YCWQhLlF2 2021/03/02(火) 01:50:25 ID:bFVw9rEY

神使「狐娘さん顔が赤かったですが大丈夫でしょうか?」

神様「放っておきゃ治るだろ」

神使「りんごちゃん神宮のお二人が結界維持をされるのであれば安心ですね」

神様「まぁね。 結構大変そうだけど」

神使「今まで巫女さんは一人でこなしていたなんて、凄い神力量なんですね」

神様「流石パイセン、どうやったらそんな量の神力を得られるのか教えて欲しいわ」


 モノノケ「教えてあげようかぁ~」


神様「?」

659: ◆8YCWQhLlF2 2021/03/02(火) 01:50:56 ID:bFVw9rEY

モノノケ「巫女ちゃんには神力の神さまが付いてるからだよ」

神様「なにそれ! そんな奴いるの!?」

モノノケ「何を隠そう私が神力のモノノケなのだ!」エヘン

神様「マ・ジ・で!?」

モノノケ「マ・ジ・で!」

神様「ほぉ。 アヒルっぽいかわゆい姿なのに中々のお力をお持ちのようで」ゴクリ

モノノケ「巫女ちゃんにならいくらでも神力を補充しちゃうも~ん」

神様「ねぇ~ 巫女ちゃんから私に鞍替えしない?」

モノノケ「嫌だよ~だ」

660: ◆8YCWQhLlF2 2021/03/02(火) 01:51:32 ID:bFVw9rEY

神様「そう言わずにさぁ~ ちょっと私とお話ししな~い?」ワナワナ

モノノケ「ちょ・・・ ちょっとそれ以上近づかないで・・・」

神様「私についてくれたら生牡蠣いっぱい食べさせてあげるからぁ」

モノノケ「生牡蠣はお腹壊してピーピーになるから嫌・・・」

神様「大丈夫だよ。 一緒にドキドキを味わおうぜ~」

モノノケ「嫌だー!!」タッタッタッ

神様「あっ! 逃げないで! 待って~」タッタッタッ


 モノノケ「きゃ~」

 神様「おら! まてやー!」タッタッタッ


神使「神様・・・」

661: ◆8YCWQhLlF2 2021/03/02(火) 01:52:48 ID:bFVw9rEY


 巫女「何かございましたか?」テクテク

神使「あっ、巫女さん。 神様が神力のモノノケさんを・・・」

巫女「神力? あの子は“おまる”のモノノケですが」

神使「おまる!?」

巫女「いたずら好きで困りものです」ハァ

神使「そうでしたか・・・」

巫女「でも、とても楽しそう」

662: ◆8YCWQhLlF2 2021/03/02(火) 01:53:54 ID:bFVw9rEY

神使「見学の方は終わったんですか?」

巫女「一通り。 今は少女が結界維持装置の操作方法を教えてもらっているところです」

神使「今回は神様が勝手なことをして申し訳ございませんでした」ペコリ

巫女「そんな事はありません。 こちらに戻れたことは感謝しています」

神使「・・・・・・。 一つお伺いしてもよろしいでしょうか?」

巫女「私に答えられることでしたら」

神使「どうしてモノノケの世界へ行かれたのですか?」

巫女「・・・・・・。 私、神ちゃん様を利用したんです」

神使「え?」

667: ◆8YCWQhLlF2 2021/03/05(金) 04:05:53 ID:LG8HH0XE

巫女「モノノケの管理は私の力では無理でした」

神使「でも、今までは守ってこられたのですよね?」

巫女「崩壊するのは時間の問題だったと思います。 ですから・・・ 私は神ちゃん様に進退を預けたんです」

神使「進退?」

巫女「私が必要か、不必要かを」

神使「不必要なんて事は無いと思いますが。 モノノケさん達にとって巫女さんはとても大切な存在なのですよね」


巫女「・・・神使さんは今の世界が好きですか?」

神使「?」

巫女「人がいて、神使がいて、神がいて・・・ 多種多様な生物が共存する今の姿のことです」

神使「それが普通だと思っているので、好き嫌いという事は考えたことなかったです」

668: ◆8YCWQhLlF2 2021/03/05(金) 04:06:46 ID:LG8HH0XE

巫女「とても素晴らしい回答です。 きっと神ちゃん様も喜ぶと思いますよ」

神使「神様が? どういう関係があるのでしょうか」

巫女「昔は全て別の世界だったんです」

神使「え?」

巫女「現在の生物学的に言うところの“科”や“目”くらいの分類で世界が分断されていたのです」

神使「そんな・・・ はじめて聞きました」

巫女「太古の昔のことですから」

669: ◆8YCWQhLlF2 2021/03/05(金) 04:07:20 ID:LG8HH0XE

神使「それがどうして現在の姿に?」

巫女「神ちゃん様の先代様が統一をしていったのです」

神使「幼女神さまが?」

巫女「当然それぞれの管理者は反対し全力で抵抗しました。 私も反対派でしたから」

神使「それが崩れて今の姿になっているという事は・・・」

巫女「はい。 私が管轄するモノノケの世界以外は全て統一されてしまいました」

神使「巫女さんだけが残ったという事ですか!? それは凄いですね・・・」

巫女「少しは見直して頂けましたか? 私、こう見えて武闘派なんです」フフッ

670: ◆8YCWQhLlF2 2021/03/05(金) 04:08:35 ID:LG8HH0XE

神使「神様ともやり合ったのですか?」

巫女「私は直接ないですが。 でも、神ちゃん様は一人で別の統一の仕方を模索されていました」

神使「別の・・・ それはどういった方法でしょうか」

巫女「神使」

神使「?」

巫女「神と人、そして動物を統一して神使という存在を作りました」

神使「・・・・・・」

巫女「驚きましたか? あなた達“神使”という存在は神ちゃん様の理想型なんですよ?」

神使「えっと・・・」

巫女「どうしてそんな事をしていたのか、その時は私にも理解できなかったですが・・・」

671: ◆8YCWQhLlF2 2021/03/05(金) 04:09:14 ID:LG8HH0XE

神使「スケールが大きすぎて私にはついて行けそうにないお話です」

巫女「ごめんなさい、混乱させるつもりはなかったのですが」

神使「まさに“神の戦い”といった時代ですね」

巫女「当時は大変な時代と思いましたが、今に思えば一番楽しかったかも知れません」

神使「やはり神という存在は凄いのですね」

巫女「神ちゃん様と先代様はとくに強い力を持っていました」

神使「その二人に対抗した巫女さんも十分凄いと思いますが」

巫女「確かに神の力という事だけで言えば私の方が勝っていると思います」

神使「では、どうして身を引くようなことを・・・」

巫女「神ちゃん様と神使様にお会いしてようやく気付いたんです」

神使「?」

672: ◆8YCWQhLlF2 2021/03/05(金) 04:10:02 ID:LG8HH0XE


巫女「完全に私の負けだって。 私の役目は終わったと」


神使「しかし、神様も今回は随分と苦戦していたみたいですが」

巫女「そうですね・・・ 追い返すだけであれば簡単に勝敗は着いたと思います」

神使「どうして、そうなさらなかったのですか?」

巫女「その考えが間違っていたからです」

神使「?」

巫女「神の力は強すぎるんです。 神ちゃん様はそれに気付き、私は気付けなかった・・・」

673: ◆8YCWQhLlF2 2021/03/05(金) 04:10:40 ID:LG8HH0XE


巫女「・・・・・・。 神ちゃん様には力が無かったんです」


神使「力・・・ 神力の事でしょうか?」

巫女「はい。 この国を治める最高神の神力がゼロだったなんてビックリしました」

神使「お恥ずかしい限りです・・・」

巫女「でも、それが正しい力の使い方だったんです。 いえ、それが神ちゃん様が辿り着いた道」

神使「道?」

巫女「私は守る為には力が必要だと思っていました」

神使「間違っていないような気もしますが」

巫女「私が使っていた力は、モノノケの存在を抑え込むための物」

674: ◆8YCWQhLlF2 2021/03/05(金) 04:11:15 ID:LG8HH0XE


巫女「私は、誰にも頼ることをしなかった。 なまじ力がある事に自惚れていたんです」


神使「・・・・・・」

巫女「こんな簡単な事、どうして気付かなかったんでしょう。 学ぶ機会は沢山あったのに・・・」


神使「神様は他人に頼りすぎのような気もしますが」

巫女「そうなんですか?」

神使「毎日大変ですよ。 アレやれコレやれって、自分で出来ることすらやらないんですから」

巫女「ふふっ」クスッ

神使「“巫女服着させろ”、“足袋履かせろ”、“あ~んで食わせろ”とか」

巫女「・・・・・・」

神使「歩挙げ句の果てには歩くのが面倒だからおんぶしろって」ハァ

675: ◆8YCWQhLlF2 2021/03/05(金) 04:12:02 ID:LG8HH0XE


巫女「・・・・・・。 私からも神使さんに一つ質問しても良いですか?」

神使「私にですか?」

巫女「神使さんは、神ちゃん様とはどういう関係なのですか?」

神使「は!?」

巫女「どういう関係なのですか?」ズイッ

神使「じょ・・・ 上司と部下。 神とお付きの神使な関係です」

巫女「・・・・・・」ジー

神使(もしかして、私の心を読まれて・・・)ゴクリ

巫女「・・・・・・」ジー

676: ◆8YCWQhLlF2 2021/03/05(金) 04:12:33 ID:LG8HH0XE

神使「え~と・・・ 正直、恋い焦がれております///」

巫女「えっ? そうなんですか!? それは意外です」キョトン

神使「は!? 私の心を読まれたのでは!?」

巫女「そんな事はしませんよ。 私は“良きパートナー”という言葉を期待していたのですが」

神使「今のは忘れて下さい。 本当にお願いします」ドゲザ

巫女「どうしようかなぁ~」ニタニタ

神使「神様とは良きパートナーです!」

巫女「私、これでも性格がかなりひん曲がっているんです」

神使「・・・・・・」

677: ◆8YCWQhLlF2 2021/03/05(金) 04:13:13 ID:LG8HH0XE

巫女「冗談ですよ。 今のは聞かなかったことにしておきます」フフッ

神使「ありがとうございます」ホッ

巫女「でも、私が神ちゃん様だったら・・・ その言葉を早く聞きたいと思いますけどね」

神使「・・・・・・」

巫女「すみません。 ちょっと意地悪でした」クスクス

神使「え~と・・・ あっ、神様が抱きついている“おまる”のモノノケさんを助けないと!」

巫女「そうですね」ニコッ

682: ◆8YCWQhLlF2 2021/03/08(月) 23:59:47 ID:lR3s7dcY

――― 翌日・学校


 ガラガラ

神様「おはよーさん」トテトテ


生徒A「あっ、神ちゃん様おはようございます」

神様「おはよ・・・ ん? 様?」


生徒A「今日は良い天気だよね」

生徒B「テストじゃなければなぁ~・・・」

神様「私は今日のテスト楽しみですわ」カッカッカッ

生徒B「相当自信があるようで・・・」

神様「勿の論の助よ。 で、私の隣の席にいるのはどちら様ですかな?」

少女「・・・・・・」

683: ◆8YCWQhLlF2 2021/03/09(火) 00:00:32 ID:blfqc9ws

神様「おや、少女ちゃんでしたか。 昨日まで空席だったから転校生かと思ったよ」

生徒B「空席? 2年になってから少女ちゃんの席って変わってないよね」

少女「そうね。 まさか、神ちゃん痴呆? まぁその歳じゃ無理もないけど」ニヤッ

神様「あ?」

生徒A「相変わらずだね・・・ そんな事を面と向かって言えるの少女ちゃんくらいだよ」ハハハ


 先生「おーい、席に着け。 テスト始めるぞ~」


神様「正々堂々、どちらが上か決着をつけようぜ」

少女「そんなのやる前から分かってるのに。 アホくさ」プイッ

神様「何を!? その腐った性根、コテンパンにへし折ってやる!」

684: ◆8YCWQhLlF2 2021/03/09(火) 00:01:05 ID:blfqc9ws

――― テスト中


神様「う~ん・・・ ここってどうやって解くんだっけ?」ウーン


 生徒「先生ー」


先生「どうした?」

生徒「黒板にモノノケが張り付いていてテストに集中出来ません」

先生「モノノケ?」クルッ


 モノノケ「あたいもテスト受けたーい」


先生「・・・・・・」

685: ◆8YCWQhLlF2 2021/03/09(火) 00:01:42 ID:blfqc9ws

神様「うお! モノノケやんけ!」


 生徒「うわ~ かわいい~」
 生徒「あのモノノケ初めて見た~」


先生「おい、少女。 これ何とかならないか?」

少女「・・・・・・」

先生「っていうか、これ何のモノノケだ?」

少女「その子は電子黒板のモノノケです。 最近生まれたばかりの新米ちゃんです」

神様「電子黒板!? ニッチすぎだろ・・・」

686: ◆8YCWQhLlF2 2021/03/09(火) 00:02:19 ID:blfqc9ws

 モノノケ「少女ちゃ~ん。 やっほ~」


少女「学校が終わったら遊んであげるから、今日はお帰りなさい」


 モノノケ「わかったー」スー


先生「おっ、消えた・・・」

神様「ほぉ、これはこれは」

少女「モノノケは人にとって身近な存在。 驚くことでもないわ」

神様「へぇ~」

少女「神ちゃんの責任でこういう世界構造になったんだから、少しは責任を感じて欲しいんだけど」

神様「結界解除の効果か。 良きかな良きかな」

少女「おめでたいわね」ハァ


先生「よーし、テスト再開だ。 おしゃべり禁止な」

687: ◆8YCWQhLlF2 2021/03/09(火) 00:02:53 ID:blfqc9ws

―――放課後


生徒A「テストどうだった?」

生徒B「最悪。 あれ問題意地悪すぎでしょ」

神様「まぁ多少クセはあったよねー」


生徒A「ねぇ、少女ちゃん。 気分転換に今日モノノケランドに行っても良い?」

少女「え?」

生徒B「あっ、わたしもモノノケちゃんと触れ合いたい!」

少女「構わないけど・・・」

688: ◆8YCWQhLlF2 2021/03/09(火) 00:03:36 ID:blfqc9ws

神様「いいねぇ~ 私も一緒に行く~」

生徒AB「・・・・・・」

神様「?」

生徒A「もちろんです。 是非ご一緒に」

神様「敬語流行ってるの?」

生徒B「え~と・・・ 一度家に帰ってからモノノケランドの入り口集合で良い?」

少女「今日は施設点検で臨時休業なんだけど、特別入場チケット用意しておく」

生徒A「やったー! 貸し切り! じゃ、また後でね~」タッタッタッ

生徒B「ばいばーい!」タッタッタッ

神様「さようなら~」フリフリ


 生徒AB「!?」ペコリ

689: ◆8YCWQhLlF2 2021/03/09(火) 00:04:24 ID:blfqc9ws


少女「はぁ~・・・」グテッ

神様「ねぇ、少女ちゃん?」

少女「なに」

神様「モノノケランドってもうオープンしてるの?」

少女「そういう風に暗示を付加したの。 その方が都合が良いし」

神様「ふ~ん。 あ、あともう一つ聞きたいんだけど」

少女「なによ。 私、昨日狐娘さんと徹夜で暗示補正してたから疲れてるの」

神様「いやさ、なんか皆さんの私への接し方に距離を感じるんですけど気のせいでしょうか?」

少女「・・・・・・。 気のせいじゃない?」

神様「そうかなぁ?」ウーン

少女「いつも通りだって」ニヤッ

692: ◆8YCWQhLlF2 2021/03/18(木) 23:27:08 ID:NJZRwtQs


――― 山ノ神社


ガラガラ


神様「たでーまー」トテトテ

神使「あっ! 神様! 大変な事がおこっ―――」

神様「私モノノケランド行ってくる。 戻り遅くなるから夕ご飯は遅くて良いや」タッタッタッ

神使「ちょ、神様!」


 神様「牡蠣フライでよろしく~」タッタッタッ


神使「・・・・・・。 私、知りませんよ?」

693: ◆8YCWQhLlF2 2021/03/18(木) 23:28:02 ID:NJZRwtQs


――― 海ノ町・商店街


神様「う~ん・・・ 何かお土産でも買っていくかなぁ」キョロキョロ


 和菓子屋「いちご大福特売だよ~」


神様「おっ、いちご大福良いねぇ~ あれにしよ」トテトテ


神様「おっちゃん、いちご大福6つ頂戴」

和菓子屋「いらっしゃ・・・ !?」ビクッ

神様「お土産だから包んでくれる?」

和菓子屋「は、はい! すぐにお包みします!!」ゴソゴソ

神様「?」

694: ◆8YCWQhLlF2 2021/03/18(木) 23:28:35 ID:NJZRwtQs

和菓子屋「お待たせしました」

神様「いくら?」

和菓子屋「お代なんて滅相もない。 どうぞお持ち下さい」スッ

神様「え? いいの?」

和菓子屋「勿論です。 今日は大安吉日、どうぞお納め下さい」

神様「ラッキ~ んじゃもらっていくね。 あんがと」トテトテ


和菓子屋「・・・・・・。 はぁ~・・・ 緊張した」

695: ◆8YCWQhLlF2 2021/03/18(木) 23:29:20 ID:NJZRwtQs

神様「いや~ 儲けた儲けた!」トテトテ

 通行人「・・・・・・」ペコリ

神様「?」ペコリ


神様「知り合いだっけか? まぁいいか」トテトテ

 通行人「!?」フカブカ

神様「・・・こんちは」


神様「・・・・・・」トテトテ

 通行人「」ペコリ
 通行人「」ペコリ

神様「・・・・・・」ペコリ


神様「これって・・・ !! もしかして、私の人徳に皆が気付いた!?」ニヘエ

696: ◆8YCWQhLlF2 2021/03/18(木) 23:30:07 ID:NJZRwtQs

――― モノノケランド(旧海ノ神社)


 神様「お待たせ~」トテトテ


生徒A「あっ」

神様「ちょっと遅れちゃった。 ごめ~んね」

少女「ちょっと? 20分も遅刻しておいて」

神様「いや~ お土産買ってきたからさぁ」

少女「お土産?」

神様「超高級いちご大福!!」

生徒B「私大好物!」

生徒A「私も!」

神様「うむ。 皆、我に感謝し崇め奉るが吉と知り給え! 頭が高いぞ!」カッカッカッ

697: ◆8YCWQhLlF2 2021/03/18(木) 23:30:58 ID:NJZRwtQs

生徒A「!! もっ、申し訳ございません!」ドゲザ

生徒B「生意気な言葉使い大変失礼しました!!」ドゲザ

神様「え!? ちょ、何? なんで土下座!? やめてって・・・」オロオロ


少女「流石この国を治める最高神様は下々の者にも寛大ね」ニヤッ

神様「・・・ちょっと少女ちゃん、こっち来て」グイッ

少女「な、何よ。 制服伸びちゃうから引っ張らないで」ズルズル

698: ◆8YCWQhLlF2 2021/03/18(木) 23:31:49 ID:NJZRwtQs

――― 建物裏


神様「説明プリーズ」

少女「何の?」

神様「いやいや、おかしいでしょ。 なんか皆の私への接し方がいつもと違うし」

少女「それが普通の態度じゃない?」

神様「・・・・・・。 もしかして、私の正体バレてる?」

少女「神ちゃんはこの国の最高神。 何か間違いでもある?」

神様「ない。 でもね、それ隠してるの。 内緒なの。 シーなの」

少女「昨日まではそうだったみたいね」

699: ◆8YCWQhLlF2 2021/03/18(木) 23:32:27 ID:NJZRwtQs

神様「どういう意味?」

少女「さて問題。 昨日と今日、何が変わったでしょうか」

神様「モノノケの存在がオープンになった」

少女「厳密に言えば暗示結界を緩めた。 まだ完全に解除はしてないけど」

神様「それが何か?」

少女「ここまで言っても分からないの?」

神様「全く」

少女「神ちゃんは神の存在を今までどうやって隠してたの?」

神様「ん? え~と・・・ 何となく? 強いて言うなら私の努力の賜」

700: ◆8YCWQhLlF2 2021/03/18(木) 23:33:08 ID:NJZRwtQs

少女「努力だけで隠せるの? だったら地神様も苦労しなかったのに」

神様「・・・・・・。 まさか、私が張ってた暗示結界も一緒に解いたりとかしてないよね?」

少女「その結界の事って他に誰か知ってる?」

神様「誰にも言ってない。 他の神にも話していない」

少女「あら。 それは大変」

神様「・・・・・・。 まさか・・・」

少女「一緒に解除されちゃったみたいね」クスクス

神様「何て事してくれとんねん!」

少女「暗示結界を解除したのは私じゃなくて、そちら側の方よ?」

神様「んが!」

703: ◆8YCWQhLlF2 2021/03/22(月) 00:20:30 ID:Y4qvqDtg

――― モノノケランド・中庭


狐娘「ふわ~・・・ ようやく終わりました。 結局貫徹になるなんて私の力もまだまだですね・・・」フラフラ


 神様「狐娘ちゃーん!」タッタッタッ


狐娘「神ちゃん様?」クルッ

神様「お願いが! お願いがあるのです!」ガシッ

狐娘「え!? ちょ、どうされたんですか?」

704: ◆8YCWQhLlF2 2021/03/22(月) 00:21:12 ID:Y4qvqDtg

神様「結界を! 結界を張って欲しいの!」

狐娘「結界ですか? どの位の規模でしょう」

神様「大きいの!」

狐娘「この建物の侵入結界くらいでしたら私でも可能だと思いますが」

神様「そんな小さいのじゃなくて、この国全体に!」

狐娘「・・・・・・。 はい?」

神様「日本全土に暗示結界を今すぐ張って!」

狐娘「この国全体!? そんな巨大な結界・・・ しかも暗示結界なんて凄爺様クラスでないと」

705: ◆8YCWQhLlF2 2021/03/22(月) 00:21:46 ID:Y4qvqDtg

神様「何でもするから・・・凄爺には内緒で、しかも超特急で・・・ 頼むよ」ガクッ

狐娘「私の力ではとても・・・ それに、そんな事を勝手にしたら凄爺様に大目玉を食らってしまいます」

神様「神使君を1ヶ月りんごちゃん神宮に貸し出す!」

狐娘「!」ピクッ

神様「2ヶ月! 狐娘ちゃん専属で貸すから!」

狐娘「!! お任せ下さい! この狐娘、自分の力を超えて挑む所存です!!」フンスッ

神様「狐娘ちゃんは話が分かるヤツで助かるよ」ウルウル

狐娘「でも、ちょっとだけ寝させてもらっても良いですか?」

706: ◆8YCWQhLlF2 2021/03/22(月) 00:22:42 ID:Y4qvqDtg

――― 山ノ神社・本殿


主神「ふんふ~ん♪ ようやく神力も溜ってきました」キュッキュッ

神使「主神さま、ご神体を磨いている状況ではないのですが・・・」

主神「まぁ私達に出来ることなんて何もありませんからね。 きっと時が解決してくれますよ」

神使「そんな悠長な・・・」

神体『おい』

主神・神使「・・・・・・」キョロキョロ

神体『おい、聞こえないのか?』

主神「あれ? おかしいですね・・・ 私の神体から声が聞こえます」

神使「この声、この状況・・・ 以前、私同じ体験をしたことがあります」

707: ◆8YCWQhLlF2 2021/03/22(月) 00:23:13 ID:Y4qvqDtg

神体『お前は相変わらず仕事をしてないようじゃな』

主神「まさか、りんごのじじい!?」

神体(凄爺)『お前、後でりんごちゃん神宮へ一人で来い』

主神「・・・・・・」

神使「凄爺様、ご無沙汰しております」

凄爺『その声は、ガキのお付きか?』

神使「その節はお世話になりました。 今日はどういうご用件で?」

凄爺『ワシ自らが出張る事態、お前も分かっているであろう』

神使「神の存在がオープンになっている件でしょうか・・・」

708: ◆8YCWQhLlF2 2021/03/22(月) 00:27:16 ID:Y4qvqDtg

凄爺『全く・・・ あのクソガキはワシに内緒で暗示結界を張っていたとは』

神使「やはりそういう事でしたか」

凄爺『まだ完全には解除されてはおらぬが、張り直さねばならんな』

神使「可能なんでしょうか?」

凄爺『正直厳しいのぉ。 結界自体は張ることは出来るが安定化のために人柱が必要じゃ』

神使「人柱?」

凄爺『簡潔に言えば結界維持を担う生け贄じゃ。 まぁ言うても多少の行動制限が伴う程度じゃが』

主神「でしたら、私がやりましょうか? どうせずっとここにいますし」

凄爺『バカ者、神力で不安定になってしまうわ』

神使「では私が」

凄爺『それも無理じゃ。 人柱は読んで字のごとく“人”またはそれに準ずる物でなければ務まらぬ』

709: ◆8YCWQhLlF2 2021/03/22(月) 00:28:01 ID:Y4qvqDtg

主神「それって結構ハードル高いですよね」

神使「どういう事です?」

主神「いや、人の寿命では結界維持に限界もありますし」

神使「確かに言われてみれば・・・」

凄爺『まぁ良い。 その件に関しては少し考える』

神使「お手数をおかけします」

凄爺『じゃが、その前にクソガキに少しお仕置きが必要じゃな』

神使「それに関しては私からも是非お願いします」

凄爺『うむ。 では二人共、ワシに協力せい』

神使・主神「?」

710: ◆8YCWQhLlF2 2021/03/22(月) 00:28:34 ID:Y4qvqDtg

――― 数分後・山ノ神社社務所


 ガラガラ


神様「うわ~ん!!」タッタッタッ

神使「お帰りなさいませ。 そんなに慌てていかがされました?」

神様「神使く~ん! 皆が私を崇め奉ってくるの~」ウワーン

神使「それは良い事ではございませんか。 なんと言っても神様はこの国の最高神なのですから」ニコッ

神様「し、神使君!?」

主神「お勤めご苦労様です神様。 湯浴みのご用意が出来ておりますが」テクテク

神様「主神・・・ お前までどうした!? お前はそんな気の利いたことするヤツじゃないだろ!」

711: ◆8YCWQhLlF2 2021/03/22(月) 00:29:08 ID:Y4qvqDtg

主神「そんな・・・ 私はただ・・・ 最高神様のために・・・ ちょっと首吊ってきます」

神様「待て待て! 怒ってないから! お前の気遣い心から感謝するから!」

主神「有り難き慈悲。 その心の広さ、流石最高神・神様!」ウルウル

神様「マジでそういうのやめて下さいませんか? 気持ち悪い」

主神「気持ち悪い!? ・・・ちょっと首吊ってきます」

神様「あー! もう!!」ジタバタ

神使「神様、そろそろ祭儀服にお着替えになられては?」

神様「は? 何で祭儀服なんかに着替えるの?」

神使「最高神がいつまでもそのような下々と同じ格好もどうかと思いますので」

神様「うわ~ん! 今日はもう寝る~! 明日まで起こさないで!!」タッタッタッ

712: ◆8YCWQhLlF2 2021/03/22(月) 00:29:44 ID:Y4qvqDtg


神使「だいぶ効いてますね」

主神「よほど最高神扱いされるのが嫌なんでしょう」

神使「普段は崇め奉れと大口を叩いているくせに、いざとなるとヘタレるんですよね」

主神「神様らしいといいますか・・・ しかし神様が最も精神的ダメージを負うお仕置きを思いつく凄爺が怖いです」


主神・神使「ご武運を」パンパンッ

716: ◆8YCWQhLlF2 2021/03/26(金) 00:03:40 ID:qvZH5pe.

――― 深夜・モノノケランド


少女「こんなもんかな」ガチャガチャ


 巫女「遅くまでご苦労様」トテトテ


少女「地神さま」

巫女「結界維持装置の調子はどうですか?」

少女「順調です。 もう少し結界調整のスピードを速めることも出来ますけど」

巫女「悩ましいところですね・・・」

少女「神ちゃんの件ですか?」

巫女「えぇ」

少女「凄爺さんに聞いてみます? 何かアドバイスをもらえるかも」

717: ◆8YCWQhLlF2 2021/03/26(金) 00:04:16 ID:qvZH5pe.


 凄爺『うむ。 良きタイミングじゃ』


少女「?」キョロキョロ


 凄爺『結界維持装置を中継して話をしておる』


巫女「凄爺さま、こんな遅くまでご苦労様です」

凄爺『これがワシの仕事、気にせずとも』


巫女「こんな時間に何か急用でしょうか?」

凄爺『其方達の心配事と同じであろう。 聞いてもらえるであろうか』

巫女「もちろんでございます」

718: ◆8YCWQhLlF2 2021/03/26(金) 00:05:37 ID:qvZH5pe.

少女「じゃあ、私は部屋に戻ってるね」

凄爺『お主も一緒に聞いて欲しい』

少女「私も?」

凄爺『話の内容はお主と、クソガキに関わる事じゃ』

少女「私?」

凄爺『相談に乗ってもらえると助かる』

少女「はあ」

719: ◆8YCWQhLlF2 2021/03/26(金) 00:06:41 ID:qvZH5pe.


――― 翌日・学校


先生「よ~し、それじゃぁテスト返すぞ」


 ガヤガヤ


少女「」チラッ

神様「・・・・・・」ブルブル

少女「・・・・・・。 今更緊張しても仕方ないと思うけど?」

神様「そっちの意味で震えてるわけじゃないから」

少女「あれだけ自信満々だったんだし、良い点数なんじゃないの? 最高神さ・ま」ニヤッ

神様「それ止めて。 マジで今精神追い込まれてるの」

720: ◆8YCWQhLlF2 2021/03/26(金) 00:07:15 ID:qvZH5pe.


 先生「次は少女さん」


少女「はい」スタスタ

先生「流石だ。 相変わらずだな」

少女「ありがとうございます」ペコリ


神様「どう?」

少女「100点」

神様「やるじゃん・・・」チッ

721: ◆8YCWQhLlF2 2021/03/26(金) 00:08:00 ID:qvZH5pe.


 先生「次は、最高神 神宮天上乃御子大御神さま」


神様「あっ、はい。 それ、たぶん私のことですよね」トテトテ

先生「流石最高神様、我が校始まって以来の高得点です」


 生徒「お~」


神様「え? あの・・・ この点数って・・・」

先生「全教科100点超えでございます」


 生徒「流石最高神様、素敵」
 生徒「100点を超えるなんてまさに神業」


神様「・・・・・・」

722: ◆8YCWQhLlF2 2021/03/26(金) 00:08:49 ID:qvZH5pe.

少女「へ~ 流石最高神さま。 下々にはどうがんばっても取れない点数、私の完敗です」

神様「いやいや、こことここ×のはずなのに何で○なの? 後、どうして100点突破してるの?」

少女「だって、神ちゃんはこの国で一番偉い最高神だもの」

神様「偉くないし。 それに神とテストの点数なんて何の関係もないじゃん」

少女「×なんて付けたらどんな神罰をくらうか分からないじゃない」ニヤッ

神様「神罰なんてしないよ・・・」

少女「理由はどうあれ、勝負は私の負け。 何すれば良い?」

神様「こ・・・ こんなの私の求めていた勝負じゃなーい!」タッタッタッ

少女「ちょ、神ちゃん!? まだ授業が―――」


 神様「ちくしょー! もう嫌だ~!!」タッタッタッ


少女「・・・・・・」

725: ◆8YCWQhLlF2 2021/03/31(水) 22:33:52 ID:1UYvtEMM


――― 夕方・山ノ神社


 コンコン

神使「はーい」ガラガラ


 少女「こんにちは」ペコリ


神使「おや、少女さんじゃないですか」

少女「あの・・・ 神ちゃんいますか」

神使「いるにはいるのですが・・・」

少女「?」

神使「取りあえず中へどうぞ」

少女「お邪魔します」

726: ◆8YCWQhLlF2 2021/03/31(水) 22:34:31 ID:1UYvtEMM

――― 本殿


神使「神様はこちらの本殿の中に・・・」

少女「中に入っても?」

神使「それが・・・」

少女「何か取り込み中ですか?」

神使「え~と・・・ この穴から中を覗いてみて下さい」

少女「?」コソッ

727: ◆8YCWQhLlF2 2021/03/31(水) 22:35:17 ID:1UYvtEMM


 神様「怖い・・・ 怖いよ・・・」ブルブル

 狐娘「怖い・・・ 怖いよ・・・」ブルブル


少女「・・・・・・」

神使「と、言うような状況です」

少女「神ちゃんが震えている理由は分かるんですけど、どうして狐娘さんまで?」

神使「どうも神様の口車に乗ろうとしたのがバレたようで、凄爺様に大目玉をもらったそうです」

少女「はあ、そうなんですか。 お気の毒に」

神使「こういう状況でして、しばらく表に出てこないと思います」

少女「そのようですね・・・」ハァ

神使「折角ですし、社務所でお茶でもいかがでしょうか」

少女「・・・・・・。 ではお言葉に甘えて」

728: ◆8YCWQhLlF2 2021/03/31(水) 22:36:41 ID:1UYvtEMM

――― 社務所


神使「―――という感じで神様の正体が知れ渡ってしまったようで」

少女「神ちゃんの結界が崩壊したのは知ってます」

主神「そうなんですか?」

少女「はい。 僅かですが地神さまも感じたようで」

神使「流石ですね」

少女「昨日りんごちゃん神宮の凄爺さんから相談もあったので」

主神「りんごのじじいが?」

少女「はい。 その時に、神ちゃんへのお仕置きの件も聞きました」

729: ◆8YCWQhLlF2 2021/03/31(水) 22:38:15 ID:1UYvtEMM

主神「元は神様がダマテンで結界を張っていたのが原因ですからね」

少女「神ちゃん相当堪えていましたね」

神使「・・・・・・。 神様のことを気にかけて頂きありがとうございます」ペコリ

少女「わ、私は神ちゃんが凹んでいる姿が見れて嬉しかったというか///」

神使「?」

少女「その・・・ 地神さまが気になるから見に行けって言ったんで・・・ 仕方なく・・・」モジモシ

神使「そうでしたか。 巫女さんにもよろしくお伝え下さい」ニコッ


少女「・・・・・・」


神使「少女さん?」

730: ◆8YCWQhLlF2 2021/03/31(水) 22:38:51 ID:1UYvtEMM

少女「あの!」ガタッ

神使・主神「!?」


少女「その・・・ え~と・・・ごめんなさい!」フカブカ

主神「え!? 急にどうしたんです?」

少女「私、何度も主神さまを怖がらせるようなことをしてしまって・・・」

主神「・・・あ~ 大丈夫ですよ。 ぜ、全然怖くなかったですし。 こう見えて神ですから」アセアセ

少女「神使さんにも嫌な思いをさせたと思います・・・」

神使「私は何も。 気にする必要などございませんよ」

731: ◆8YCWQhLlF2 2021/03/31(水) 22:39:34 ID:1UYvtEMM

少女「私、こんな性格で性根も腐ってますし表裏も激しいし・・・」

少女「いろんな人に迷惑をかけたと自覚はしています」

少女「だから・・・ ごめんなさい!」フカブカ


主神「何かあったんですか?」

少女「私、神ちゃんがこの町に来たのはモノノケの世界を壊すのが目的だと思ってました」

少女「でも、蓋を開けてみれば・・・ モノノケの存在とか、地神さまの悩みとか全部解決していて」

少女「それって、全部神ちゃんのお陰なんだって」

神使「・・・・・・」

732: ◆8YCWQhLlF2 2021/03/31(水) 22:40:11 ID:1UYvtEMM

少女「凄爺さんから、神ちゃんの過去の話も色々と聞きました」

神使「神様のことを?」

少女「私、神ちゃんがあんなに苦労してきたなんて知らなかったから・・・」

神使「神様はそれを見せないように・・・ いえ、知られないようしていますからね」


少女「私、今日は神ちゃんに謝ろうと思って来たんです・・・」


神使「必要ないですよ」

少女「え?」

主神「そうですね、私もその意見に同意します」

733: ◆8YCWQhLlF2 2021/03/31(水) 22:40:55 ID:1UYvtEMM

少女「でも、わたし神ちゃんを相当傷つけたと思いますし。 きちんとお礼もしたいし」

神使「神様が一番喜ぶ方法をお教えしましょうか」

少女「?」

神使「今まで通り、いえ今まで以上に神様を罵って挑発することです」

少女「どういう事ですか?」

主神「神様は敵が欲しいんです。 それも仲良しの天敵が」

少女「仲良しの天敵?」

神使「簡単に言えば、神様は友達が欲しいんですよ」

主神「正直、これが意外と少ないんです」

少女「でも、私にはそんな資格・・・ 最高神と友達だなんて」

734: ◆8YCWQhLlF2 2021/03/31(水) 22:41:28 ID:1UYvtEMM

神使「みんな神様の正体を知ると、そう言って距離を置いてしまうんです」

主神「他の神でも神様とは対等に接することも難しいですからね」

少女「・・・・・・」


神使「神様はああ見えても最高神。 少女さんの性格くらい最初から見破っていますよ」

主神「それ込みで神様はちょっかい出してたんでしょうし」

神使「神様は今の少女さんが好きなんです。 表裏があって、でも根っこは優しくて芯の強い少女さんが」

主神「そうですね。 少女さんは神様が大好物な性格だと思いますから」

735: ◆8YCWQhLlF2 2021/03/31(水) 22:42:38 ID:1UYvtEMM

少女「神ちゃんてMなんですか?」

神使「難しいですね。 SでもありMでもあります」

主神「両刀使いですね。 私と同じです」

少女「え・・・ それ、言い方がちょっと気持ち悪い」ゾッ

主神「そう。 その顔! 神様が大好な顔です。 もちろん私も」グッ

少女・神使「・・・・・・」

神使「ま、まぁそういう事ですから神様との関係は今まで通りでお願い出来ませんでしょうか」

少女「・・・・・・。 分かりました」

736: ◆8YCWQhLlF2 2021/03/31(水) 22:43:42 ID:1UYvtEMM

神使「神様が調子こいてウザくなったら私に相談して下さい」

少女「はい」クスッ


神使「もう一杯、お茶はいかがですか?」

少女「いえ、今日はこれで失礼します」スッ

神使「そうですか。 モノノケランドまでお送りします」

少女「まだ明るいですし大丈夫です」

神使「では、お気を付けてお帰り下さい」

主神「明日から、私も館長としてできる限りは出勤いたしますので」


少女「・・・・・・」


神使「少女さん?」

少女「あの、お二人にお願いがあるのですが」

主神・神使「?」

740: ◆8YCWQhLlF2 2021/04/02(金) 22:02:05 ID:t0c7Tl5I

――― 夜・山ノ神社本殿


神様「いーやーだー」ジタバタ

神使「ワガママ言っていないで来て下さい!」グイグイ

神様「お外出たくない! ずっとここでニートしてる!!」

神使「全く・・・」ハァ

神様「それより狐娘ちゃんはどこだよ! さっきお前に連れて行かれたきり帰ってこないぞ!!」

神使「先程凄爺さまから電話があって・・・」

神様「あって?」

741: ◆8YCWQhLlF2 2021/04/02(金) 22:02:43 ID:t0c7Tl5I

神使「話をしている途中で意識を失っ・・・ 疲れが溜っていた様で今は寝室で寝ています」

神様「“意識を失って”って言いかけただろ! ぜってーここから出ない!!」

神使「神様は同じ目に遭いたくないですよね?」ニコッ

神様「・・・・・・。 ど、どこに連れて行く気だよ」

神使「モノノケランドです」

神様「モノノケ? 何しに?」

神使「行けば分かりますから」

神様「・・・・・・」

742: ◆8YCWQhLlF2 2021/04/02(金) 22:03:25 ID:t0c7Tl5I

――― モノノケランド


神様「こんな遅くに連れてきて、誰もいないじゃないかよ」キョロキョロ

神使「まぁまぁ。 そろそろ時間ですから」

神様「時間?」


 少女「ようこそモノノケランドへ!」


神様「?」クルッ

少女「しけた顔してるわね。 それでもこの国の最高神?」

神様「そうですが何か?」

少女「ふっ、私にテストで負けたのがそんなに悔しいの?」

神様「悔しくねーし! それに私の方がテストの点数高かったし! 100点超えだし!!」

743: ◆8YCWQhLlF2 2021/04/02(金) 22:04:04 ID:t0c7Tl5I

少女「私は全問正解、神ちゃんは確かミスがあったわよね? 無理矢理正解になってたけど」ニヤッ

神様「うぐっ」

少女「厳密に言えば私の勝ち」

神様「学校では“神ちゃんの勝ち”とか言ってたくせに」ブツブツ

少女「なに?」

神様「何でもないですぅー」

少女「忘れてないでしょうね? 負けた方が勝った方の言うことを聞くって約束」

神様「今回はノーカン、ノ~カン」

少女「そう。 じゃあ、こういうのはどうかしら?」

神様「あ?」

744: ◆8YCWQhLlF2 2021/04/02(金) 22:04:53 ID:t0c7Tl5I

少女「私が神ちゃんの願いを一つ叶えてあげる」

神様「はい?」

少女「最高神ですら叶えられない願いを私が叶える。 それが成就できたら私の言う事を二つ聞く事」

神様「ほぉ」

少女「勝負から少しかけ離れるけど、お互い悪くないと思わない?」

神様「いいねぇ、面白い。 その勝負のった!」

少女「じゃあ、私はこれから祈願成就の準備に取りかかるから明日学校で会いましょう」

神様「うっ・・・ 学校行くの? っていうか、私まだ願いを言ってないんだけど」

少女「私を誰だと思ってるの? そんなの聞かなくても分かるわ」

神様「その生意気な態度、好きだぜ。 よし、あえて聞かずにいておこう」

少女「私は別に構わないけど、本当に聞かなくても良いの?」

神様「その方が面白いし。 外に出るのは嫌だけど明日は我慢して学校行ってやる!」

少女「私の力が凄すぎて腰を抜かさないようにね」クスクス

745: ◆8YCWQhLlF2 2021/04/02(金) 22:06:09 ID:t0c7Tl5I


――― 物陰


神使(少女さん・・・)


 巫女「こんなに遅くにどうしたんです?」テクテク


神使「?」クルッ


巫女「こんばんは」ペコリ

神使「巫女さんでしたか」ホッ

巫女「神ちゃんさま・・・ と、少女? あの二人は何をしてるんです?」

神使「とても素敵な意地の張り合いです」

巫女「そうですか。 それは喜ばしい事ですね」ニコッ


神使「・・・・・・。 あの」

巫女「?」

746: ◆8YCWQhLlF2 2021/04/02(金) 22:06:43 ID:t0c7Tl5I

神使「少女さんを巻き込んでしまって申し訳ございません」フカブカ

巫女「あの子が自分で決めた事ですから。 それにこの役を任せるには適任だと思います」

神使「でも、少女さんの生活を犠牲にしてまで・・・」

巫女「多少の行動制限があるくらいです。 心配には及ばないと思いますよ?」

神使「そう言って頂けるとありがたいです」

巫女「私も少女を見習わないと」

神使「?」

巫女「ふふっ。 では、私はこれで」スタスタ


神使「・・・・・・。 巫女さん?」

749: ◆8YCWQhLlF2 2021/04/08(木) 02:31:22 ID:dsXZiCkc


――― 翌日・山ノ神社


神様「おはよう也」トテトテ

神使「おはようございま―― ぶっ!」ゲホゲホ

主神「神様!? どうしたんですかその格好は!」

神様「あ? 我は最高神也や。 これはその装束也」

神使「どうして継姫様みたいな喋り方を・・・」

主神「まさか、その格好で学校へ行くんですか?」

神様「もう諦めた。 これなら皆ビビって声かけてこないだろうし」

主神「確かに声はかけてこないと思いますね。(色々な意味で)」

750: ◆8YCWQhLlF2 2021/04/08(木) 02:32:19 ID:dsXZiCkc

神使「しかし、少々目立ちすぎでは?」

神様「お前、この前は装束着て過ごせって言ったじゃねーかよ!」

神使「うっ」


主神「神使さん、神使さん」チョイチョイ

神使「?」

主神「やはり、神様は暗示結界が再構成されたことに気が付いていないようですね」ボソッ

神使「教えて上げたいところですが、少女さんとの約束もありますし」ボソッ

751: ◆8YCWQhLlF2 2021/04/08(木) 02:32:58 ID:dsXZiCkc

神様「おいそこ! 何コソコソ話してんだよ」

神使「いえ、別に」

神様「お前ら、何か怪しいなぁ?」ジー

主神「な、なにがです?」

神様「私への態度がおざなりになってる気がする」

神使・主神「・・・・・・」

神様「もしかして~ 何か隠し事でも・・・」

神使「そ、そんな事はございませんよ」

主神「わ、私達は神様を常に崇め奉り尊敬致しております」

神様「じゃあ、何をコソコソ話してたんだ? 言うてみぃ」

752: ◆8YCWQhLlF2 2021/04/08(木) 02:33:35 ID:dsXZiCkc

神使「え~と・・・ 失礼ながら平緒の色は紫の方がよろしいのでは? と思ったもので」

神様「平緒?」

主神「そうですね。 やはり最高神ですから格の高いお色の方が」

神様「あ~ 朱色は私のこだわりなのだよ。 紫は階位が高いとか考え古すぎ」

神使「そ、そうでしたか。 失礼しました」ハハハ

神様「まぁいいや。 んじゃ、学校行ってくる」

神使「お気を付けて」

主神「色々な意味でお気を付けて・・・」


 神様「ったく歩きにくいなぁ」トテトテ


神使・主神「・・・・・・」

主神「流石にあの格好は止めた方が良かったでしょうか」

神使「難しいところですね・・・」

753: ◆8YCWQhLlF2 2021/04/08(木) 02:34:25 ID:dsXZiCkc

――― 海ノ町・町中


神様「♪~」トテトテ

 通行人「!?」

神様「おはよう」

 通行人「え!? あ、おはようございます」


神様「おはよう」

 通行人「ど、どうも・・・」ペコリ


神様「いや~ これはこれで懐かしいねぇ。 昔を思い出すよ」トテトテ


通行人「あれ何?」

通行人「コスプレってやつ?」

754: ◆8YCWQhLlF2 2021/04/08(木) 02:34:56 ID:dsXZiCkc


――― 学校


 ガラガラ


神様「皆おはよう也」トテトテ


 生徒達「・・・・・・」


神様「ここは学校、我を敬い奉る必要などない也。 一生徒として接してくれると嬉しい也や」オホホ


 シーン

755: ◆8YCWQhLlF2 2021/04/08(木) 02:35:41 ID:dsXZiCkc

少女「神ちゃん・・・」

神様「おはよう也。 どうかな? 私の正装は」

少女「あっ、うん。 その・・・ 古風だね」

神様「本当はもう少しゴテゴテしてんだけど、動きにくいから少し簡素化してみた也」

少女「そ、そうなんだ。 でも、目立ちすぎじゃ・・・」

神様「もう吹っ切れたよ。 これはコレで悪くないと思ってね。也」

少女「いや、でも学校だし制服の方が・・・ あと語尾のナリって何?」

神様「私は最高神だよ? その示しだけは付けないと。 あと、也は也ナリ」

少女「・・・・・・。 あのね、神ちゃんその件なんだけど―――」

756: ◆8YCWQhLlF2 2021/04/08(木) 02:36:18 ID:dsXZiCkc

生徒A「ねぇ神ちゃん、その格好どうしたの?」

神様「ん?」

生徒B「いくら神宮の人だからって、それは流石に引くんだけど・・・」

神様「・・・・・・。 だって私、神だし」

生徒A「神?」

生徒B「神ちゃん・・・ 頭大丈夫?」

神様「は? ちょ、何? どういう事??」


 ガラガラ

 先生「よーし。ホームルーム始めるぞ~ って、神宮! 何て格好しているんだ!!」


神様「え?」

757: ◆8YCWQhLlF2 2021/04/08(木) 02:37:04 ID:dsXZiCkc

――― お昼休み


神様「う~///」

少女「ずっと顔が赤いけど熱でもあるの? 最高神さ・ま」クスッ

神様「ここまで恥ずかしかったの数百年ぶりなんですけど! 絶対許さない!」ムスッ

少女「私からの祈願成就は気に入らなかった?」

神様「結界張り直したなら朝に言ってよ! 電話してよ! 事前に教えてよ!!」

少女「敢えて聞かないって言ったのは神ちゃんだけど?」

神様「うぐっ・・・ まぁそうだけどさぁ」

少女「もしかして迷惑だった?」

神様「・・・・・・。 いや、そんな事は・・・」ブツブツ

少女「よかった」

758: ◆8YCWQhLlF2 2021/04/08(木) 02:37:55 ID:dsXZiCkc

神様「でも、あの暗示結界はそう簡単に張れるようなものじゃないと思うけど。 どうやったの?」

少女「それは秘密。 別に私が一人で張り直したわけじゃないし」

神様「?」

少女「神は神力成就の方法なんて種明かしないでしょ?」

神様「感じ悪っ!」

少女「さて、それじゃ私のお願いも聞いてもらおうかしら」

神様「はぁ・・・ まあ約束だし、何か願いでもあるの?」

少女「学校が終わったらモノノケランドに来て」

神様「モノノケランドに?」

少女「その時に話すわ」

759: ◆8YCWQhLlF2 2021/04/14(水) 00:28:45 ID:FbleumL2

――― 夕方・モノノケランド


 神様「よぉ」トテトテ


主神「あっ、神様」

神使「学校は終わられたんですか?」

神様「まぁね。 っていうか、お前ら結界が復活してたこと私に隠してたろ」ジー

神使「え!? さ、さぁ何のことでしょうか?」アセアセ

主神「わ、私達も先程気が付いた所でして」アセアセ

神様「はぁ~・・・ まぁ良いけど。 で? お前達はここで何してるの?」

主神「私は館長としての仕事を」

神使「私はお手伝いですね」

760: ◆8YCWQhLlF2 2021/04/14(水) 00:29:19 ID:FbleumL2

神様「山ノ神社は不在かよ・・・」

主神「まさかまさか。 狐娘さんにお留守番してもらっております」

神様「狐娘ちゃんが?」

神使「凄爺様から次のお仕置きが決まるまで、奉公するようにと厳命を受けたようで」

神様「次のお仕置きって何だよ・・・」ブルッ


神使「少女さんから裏庭で待っていると伝言を預かっております」

神様「ふ~ん。 お前らもグルって訳か」ジトー

神使・主神「!?」

神様「今日は付き合ってやるけど、後でちゃんと話せよ」トテトテ


主神「流石神様・・・ お見通しのようですね・・・」

神使「やはり私達では役不足っぽかったですね・・・」

761: ◆8YCWQhLlF2 2021/04/14(水) 00:29:54 ID:FbleumL2

――― モノノケランド・裏庭


 神様「はろ~」トテトテ


少女「いらっしゃい」クルッ

神様「へぇ~ 中々様になってるじゃん」

少女「こ、これは・・・ モノノケランドの制服だから。 仕方なく・・・」モジモジ

神様「作ったの? 言ってくれれば私の装束あげたのに」

少女「これは、地神さまからのプレゼントだから・・・ これが良いの!///」

神様「そっか。 上等な装束だよそれ、似合う似合う」

少女「ほ、本当?」パァ

762: ◆8YCWQhLlF2 2021/04/14(水) 00:30:35 ID:FbleumL2

神様「まぁ私の上級装束には及ばないけど」ニヤッ

少女「感じ悪っ」


神様「さて、前置きはここまでにして約束通り願いを聞きましょうか」

少女「・・・・・・」

神様「さあ、其方の願い我に聞かせてみよ」

少女「・・・・・・」

神様「どうした? 最高神自らが願いを叶えると言っている」

少女「・・・・・・。 まず一つ目! モノノケランドの安泰を祈願して下さい!」フカブカ

神様「承ろう。 二つ目の願いを申せ」

少女「二つ目! ・・・・・・。 二つ目は・・・」モジモジ

神様「?」

763: ◆8YCWQhLlF2 2021/04/14(水) 00:31:10 ID:FbleumL2

少女「わ、私と・・・ 私と、友達になって下さい!」フカブカ

神様「・・・・・・」


少女「だ、ダメ?」

神様「その願いは難しい」

少女「そ、そうだよね。 虫が良すぎるよね」シュン

神様「いやいや、そうじゃなくて」

少女「?」

神様「親友とか、そんな感じじゃダメかな?」

少女「え?」

神様「だってすでに友達だし。 あっ、マブダチとかそんな感じの方がカッチョイイかな」ウーン

少女「じゃあ・・・ し、親友で///」

764: ◆8YCWQhLlF2 2021/04/14(水) 00:31:45 ID:FbleumL2

神様「でも、それもちょっと照れくさいよね。 “永遠のライバル”とか“盟友”なんてどう?」

少女「え? それなら普通の友達で良いよ。恥ずかしいし」

神様「ただの友達じゃ願いの成就には入らないって言ったじゃん」

少女「言い方なんてどうでも良いと思うけど?」

神様「いや~ でもさぁ」

少女「神ちゃん、ちょっとしつこい」

神様「!?」

少女「わかった。 そしたら、もう一つのお願いはここの草むしりで」

神様「ちょっと待てや! そんな雑な願い久しぶりに聞いたわ! 神だよ? 我は神なりぞ?」

少女「願いは願いよ? 神宮の神は願いの大小で成就を振り分けたりするの? 小さっ」ハァ

神様「ム・カ・つ・くー!」キー

少女「ふふっ、神ちゃん面白い」クスクス

765: ◆8YCWQhLlF2 2021/04/14(水) 00:32:30 ID:FbleumL2

神様「あのさぁ、1分前まで私にペコペコしたくせになんでそんなに態度が変わるの?」

少女「ペコペコなんかしてないけど?」

神様「してたね! モノノケランドの安泰を祈願して下さい! ってフカブカしたし!」

少女「そっちだって、申せ! とか、承ろう! な~んて偉そうに」

神様「威厳ですぅ~ 神としての貫禄ですぅ~」

少女「威厳? 貫禄? ろくに神力も使えないくせにどの面下げてそんな言葉を使ってるの?」

神様「言ったな! よ~し、私の本気見せてやるよ!」

少女「見せられるだけの物を持ってるなら見せてみなさいよ! このポンコツ女神!」

神様「あー! 言っちゃいけないこと言った!」ムキー

766: ◆8YCWQhLlF2 2021/04/14(水) 00:33:02 ID:FbleumL2


――― 物陰


神使「何て品のない喧嘩を・・・」

主神「小学生レベルですよね・・・ まぁ神様らしいと言えばそうなんですが・・・」


 巫女「また随分と面白そうなことをしてますね」テクテク


神使「巫女さん」

巫女「少女の様子はどうですか?」

神使「あの通りです」

767: ◆8YCWQhLlF2 2021/04/14(水) 00:33:38 ID:FbleumL2


 神様「私なんて、昔はチヤホヤされて凄かったんですー」

 少女「それでそんな子供みたいな性格なんだ。 いい加減成長したら?」

 神様「うっせーよ!! そっちの方がお子ちゃまだろーが!!」キー


巫女「随分と打ち解けたようですね」クスッ

神使「ははは」

769: ◆8YCWQhLlF2 2021/04/21(水) 23:14:57 ID:8JMxnCRc

巫女「・・・・・・。 最初から何も心配する必要なんてなかったのですね」ボソッ

主神「?」

巫女「主神さま、諸々の失礼を深くお詫びいたします」フカブカ

主神「え、ちょっと・・・ 止めて下さいよ。 どうしたんですか急に」オロオロ

巫女「海ノ神社を追い出され、路頭に迷っていた私を迎え入れてくれた事は本当に感謝しております」

主神「私なんか何も・・・ それに、お世話になったのは私の方ですから」

巫女「今日まで、あの子と暮らしてこられたのは主神さまのお陰です」フカブカ

主神「巫女さん・・・」

770: ◆8YCWQhLlF2 2021/04/21(水) 23:15:47 ID:8JMxnCRc

神使「主神さまはどういう経緯で巫女さんを雇われたのですか?」

主神「えっ? それは~・・・」

巫女「私が町を歩いていたら声をかけて頂いたんです」

神使「それって、スカウトですか?」

巫女「そういえば、どうして私に声をかけて頂けたのでしょう」

主神「え~と・・・ 着物姿が美しかったので・・・」ボソッ

神使「・・・・・・」

主神「・・・・・・」

神使「え? それだけですか?」

主神「だって、こんなに若くて和服美人とか絶対巫女向きだと思ったんですよ」

巫女「ふふっ、ありがとうございます」ニコッ

771: ◆8YCWQhLlF2 2021/04/21(水) 23:16:31 ID:8JMxnCRc

神使「それは、主神さまが巫女さんのことを好みだったという―――」

主神「そ、そんな事より事務所でお茶でもどうです?」

巫女「そうですね。 和菓子のモノノケも来ているので美味しい大福を作ってもらいましょう」

神使「あの二人は・・・ まぁ、後で良いでしょう」

主神「では、早速―――」


 ブーン


巫女・神使・主神「?」クルッ

神使「来客でしょうか?」

巫女「随分と高級なお車ですね」

神使「・・・・・・。 あの車って・・・」

主神「ドアに神宮紋みたいなものが入っているようですが。 私ちょっと見てきます」タッタッタッ

772: ◆8YCWQhLlF2 2021/04/21(水) 23:17:02 ID:8JMxnCRc

巫女「神使さんどうされたんですか? 顔色が良くないようですけど」

神使「いえ・・・ 別に・・・」

巫女「?」

神使「残念ですが、今日は失礼しなければいけなくなりそうです」

巫女「え?」

神使「大福はとても魅力だったのですが・・・」

巫女「何か急ぎの御用でも?」

神使「下手したら神宮に戻らないといけないかも知れなく・・・」

巫女「・・・・・・。 それは、この町を出て行くという事でしょうか」

神使「場合によっては」

巫女「・・・そうですか」

773: ◆8YCWQhLlF2 2021/04/21(水) 23:17:33 ID:8JMxnCRc

神使「正直、私達ももう少しこちらに滞在していたいのですが」

巫女「でしたら、近いうちにお礼を兼ねて宴を設けさせて下さい」

神使「お気持ちだけで結構です。 たぶんそこまで時間もなさそうなので」

巫女「そんな急に?」



 主神「ちょ・・・ 待って下さいってば・・・」

 長官「どきたまえ」ギロッ

 主神「はい。 長官殿・・・」



神使(やっぱり・・・)

775: ◆8YCWQhLlF2 2021/04/30(金) 23:34:09 ID:qjA1Kb5M


長官「久しぶりだね、神使君」テクテク

 ズルズル

神使「あははは・・・ お久しぶりです長官さん。 何を引き摺っておられるのでしょうか?」

長官「これか? うちの巫女のA子君だよ。 ちょっと意識が無くなっちゃたけど」ポイッ


 ドサッ ゴロッ


神使「うっ!」ゾッ

776: ◆8YCWQhLlF2 2021/04/30(金) 23:35:35 ID:qjA1Kb5M

長官「良く出来ているだろ? これは人形だよ」ハハハ

神使「人形!?」


主神「そういえば長官さんてからくり技師でしたね」

神使「からくり?」

主神「からくり人形を作らせたらこの国で最高峰とまで言われた凄腕だったんですよ」

長官「“だった”とは失礼じゃないか? まだまだ腕はなまっていないつもりだ」

神使「どうしてこんな精巧な人形を・・・」

長官「この位の準備をしないと神ちゃんに逃げられてしまうからね」


主神「これ本当に人形ですか? 体温感じますけど・・・ 肌も柔い」ペタペタ

A子似の人形「う~ん・・・」

主神「・・・・・・ぇ?」

777: ◆8YCWQhLlF2 2021/04/30(金) 23:36:15 ID:qjA1Kb5M

長官「もしかして、あなた様がモノノケ最高神さまでしょうか」

巫女「え? あ、はい。 初めまして」フカブカ

長官「お初にお目にかかります。 神宮神様機構の長官と申します」フカブカ

巫女「長官様?」

長官「今回の一件、こちらにはご迷惑がかからぬよう神宮内で手配を行なっております」

巫女「お気遣いありがとうございます」フカブカ

長官「とんでもございません。 全てこちら側の責任ですから」

778: ◆8YCWQhLlF2 2021/04/30(金) 23:36:54 ID:qjA1Kb5M

主神「どうして長官さんがここへ?」

長官「決まっている。 神ちゃん、A子君、狐娘君を神宮の折檻室に閉じ込めるために来た」

一同「折檻室!?」

巫女「ちょっと待って下さい。 神ちゃん様は私達のために・・・」

長官「承知しております。 その件に関しては不問としておりますので」

神使「ではどのような罪状で?」

長官「神ちゃんとA子君が、神宮の資産を勝手に売却して金策をした」

神使「え!?」

779: ◆8YCWQhLlF2 2021/04/30(金) 23:38:00 ID:qjA1Kb5M

長官「まぁ、それは良い。 私が調べた限りでは適切な処置だったと思うからね」

神使「では何故?」

長官「残ったお金を返却した形跡がない」

神使「あ、それはダメですね」


巫女「狐娘様は? 彼女は結界を張るために態々来て頂いたと伺っておりますが」

長官「彼女は・・・」チラッ

神使「?」

長官「凄爺に内緒で神ちゃんと何かを企んでいたようだ。 凄爺から一緒に折檻室行きを頼まれた」

巫女「そうなんですか・・・」


長官「さて、神ちゃんを連れて帰るか」ヨイショ

A子似の人形のような物「痛たたっ!」

主神・神使・巫女「・・・・・・(人形って喋りましたっけ?)」

780: ◆8YCWQhLlF2 2021/04/30(金) 23:38:40 ID:qjA1Kb5M

――― 裏庭


神様「どうよ! やっぱ、私って凄くね?」

巫女「そんなミジンコみたいな手柄で威張りくさるなんてどんだけ小さいの?」

長官「全くだ」

神様「あ? この小さな積み重ねが・・・ この国の・・・ って、長官君?」

長官「久しぶりだ、神ちゃん」ニコッ

神様「!?」タッタッタッ

長官「こら! 何で逃げようとしてるんだ!」ガシッ

神様「何もしてない! 何もしてないって!!」ジタバタ

長官「じゃあ逃げる必要は無いだろ」

神様「つい反射で・・・ って、長官君が引き摺っているのって何でしょうか?」

781: ◆8YCWQhLlF2 2021/04/30(金) 23:40:03 ID:qjA1Kb5M

長官「あぁ、これか?」ポイッ


 ドサッ ゴロッ


神様「A子ちゃん!?」

長官「あまり手荒な事はしたくなかったんだが、逃げようとするから」

神様「」ゾッ

長官「こうなりたくなければ大人しく一緒に来るんだ」

神様「こ、これ人形でしょ? 精巧なからくり人形でしょ? わ、分かってるし・・・」

A子似の人形のようなA子「・・・・・・」グー

神様「へ、へぇ~ 人形もお腹すくんだ・・・」

A子「・・・恥ずっ///」

782: ◆8YCWQhLlF2 2021/04/30(金) 23:40:40 ID:qjA1Kb5M

神様「・・・・・・。 うにゃー!!」ガシッ

少女「ちょ、神ちゃん離してよ!」

神様「あれモノノケだよ! モノノケ! 何とかして!!」

少女「え~ 違うよ。 どう見ても人じゃん」

神様「そっちの方が怖いわ!!」

長官「往生際が悪いぞ! 早く来るんだ!」グイグイ

神様「い~や~だ~ 殺される!!」ギュッ

少女「もうっ! 神ちゃん離してって! 引っ張ったら装束破れちゃう!」

長官「ほら! 早く来るんだ!」グイグイ

783: ◆8YCWQhLlF2 2021/04/30(金) 23:41:25 ID:qjA1Kb5M

少女「そうよ。 大人しく従った方が―――」

神様「人柱の件、ありがと」ボソッ

少女「え?」

神様「このお礼はいつか必ず」パッ

少女「神ちゃん?」


長官「やっと離れたか。 いくぞ」ガシッ

神様「歩ける! 自分で歩けるから~! っていうかA子ちゃんはあのまま捨てていくの?」ズルズル

長官「烏の餌にでもなるさ」

神様「A子ちゃーん!!」ズルズル



少女「・・・・・・」

784: ◆8YCWQhLlF2 2021/05/03(月) 02:34:41 ID:aze3Ds1E


少女「あ~あ・・・ 気付かれてたか。 やっぱり敵わないなぁ・・・」


 巫女「――― なんですね」

 神使「はい。 毎度の―――」


少女「?」クルッ

少女(あれ? 向こうにいるのって神使さんと地神さま?)

785: ◆8YCWQhLlF2 2021/05/03(月) 02:35:35 ID:aze3Ds1E


――― 物陰


神使「すいません。 こんなお別れで・・・」

巫女「え? 本当にこれで神ちゃん様とはお別れなんですか!?」

神使「まぁ、いつもこんな感じなんです」ハハハ

巫女「そうなんですね・・・ でも」フフッ

神使「?」

巫女「いえ、神ちゃん様らしいなって思いまして」

神使「なんと言いますか、反応に困りますね」ハハハ

巫女「・・・・・・」チラッ


 少女「」コソッ

786: ◆8YCWQhLlF2 2021/05/03(月) 02:36:18 ID:aze3Ds1E

巫女「神使様、神ちゃん様に伝言をお願いしても良いでしょうか?」

神使「伝言ですか?」

巫女「私、モノノケ側の最高神を引退することにしました」

神使「え!?」

巫女「そして、神の力とも今日でお別れです」

神使「そんな・・・ 一体どうして!?」

巫女「あっ、でも別に消えたりする訳ではございませんからそこは心配しないで下さい」

神使「そんな事になるようであれば全力でお止めします」

巫女「お優しいんですね」クスクス

神使「一介の神使相手にからかわないで下さいよ」

巫女「ごめんなさい。 でも、最高神を引退することはもう決めたことですので」

787: ◆8YCWQhLlF2 2021/05/03(月) 02:36:53 ID:aze3Ds1E

神使「少女さんに引き継がれるのですか?」

巫女「さぁ、その判断は私には分かりません」

神使「しかし、モノノケさん達の管理をする方が不在になってしまうのでは・・・」

巫女「もう必要ないと思いませんか?」

神使「・・・・・・」

巫女「ごめんなさい。 変な意味で言ったのではないのですが」

神使「上の方達の考えることは、私にはまだ難しいようです」

巫女「そんな事はないですよ。 モノノケ達の存在は私の力がなくても問題ないと判断しただけです」

788: ◆8YCWQhLlF2 2021/05/03(月) 02:37:25 ID:aze3Ds1E

神使「でも、神の力まで失う必要は・・・」

巫女「私、決めたんです。 この力の最後の使い道を」

神使「?」

巫女「神使さん、あなたにはこの先とても素敵な未来が待っています」

神使「それは・・・ どういう事でしょうか」

巫女「私が神として今まで出来なかった、願いの成就というのを最後にあなたで試させて下さい」

神使「え?」

巫女「神ちゃん様の真似事ですが」ニコッ

789: ◆8YCWQhLlF2 2021/05/03(月) 02:38:18 ID:aze3Ds1E

神使「いや、神様のはそういうものでは・・・ 神力ありませんし」

巫女「私は神力が使えるので、神ちゃん様より効くかも知れませんね」ニコッ

神使「・・・・・・」

巫女「守護する事だけに使ってきた力ですから、うまく出来るか分かりませんが」スッ

神使「ちょ、一体何を!?」

巫女「神使さん、あなたに素敵な未来と祝福の祈願を」ポワッ


 ポワッ ポワッ


神使「巫女さん・・・」

790: ◆8YCWQhLlF2 2021/05/03(月) 02:38:50 ID:aze3Ds1E

巫女「ふぅ。 私の神力成就が上手く効いたら、いつか報告しに来て下さいね」ニコッ

神使「どうして、私なんかにそんな事を・・・ 少女さんに使って頂いた方が・・・」

巫女「少女は私が側に居る事が一番の望みでしょうから、神の力を使うまでもありません」

神使「でしたら、直接神様に・・・」

巫女「あなたが幸せになることが、神ちゃん様への恩返しになると判断したからです」

神使「神様の?」

巫女「神ちゃん様は最高神です。 そのような存在を守り通すために少しだけ私も協力させて下さい」ニコッ

神使「巫女さん・・・ ありがとうございます」フカブカ

巫女「ようやく、肩の荷がおりた気分です」

神使「長きにわたりお勤めご苦労様でした」

791: ◆8YCWQhLlF2 2021/05/03(月) 02:39:23 ID:aze3Ds1E

巫女「これからは、今まで出来なかった事をいっぱい楽しみます」

神使「そうですね。 あっ、旅行とかいいですよ。 長閑な田舎を散策し―――」

巫女「旅行良いですね! 私、コンクリートジャングルに憧れてるんです!」キラキラ

神使「・・・え?」

巫女「新宿観光に渋谷でお買い物! 私の夢だったんです!」

神使「それは・・・ うちの神様と気があいそうですね」

巫女「こうしちゃいられません! 早速旅支度を!」タッタッタッ


神使「巫女さ・・・ あぁ、巫女さんが神様と同じような性格になってしまいそうで心配です」


 少女「元々同じよ」


神使「?」

792: ◆8YCWQhLlF2 2021/05/03(月) 02:39:56 ID:aze3Ds1E

少女「地神さまは猫かぶりだから。 根っこの部分は神ちゃんと同じ」

神使「少女さん、居たのですか」

少女「隠れてたつもりでした?」ニヤッ

神使「もしかして、先程の巫女さんとの会話も・・・」

少女「地神さまは私に聞かれている事を気が付いていたみたいだけど」

神使「・・・よろしかったのですか?」

少女「何がです?」

神使「巫女さんが最高神を引退して・・・」

793: ◆8YCWQhLlF2 2021/05/03(月) 02:40:27 ID:aze3Ds1E

少女「地神さまがそれで少しでも楽になるのであれば、私は大賛成です」

神使「そうですね。 巫女さんも悩んで出した結論でしょうし、後悔もなさそうでしたから」

少女「それはどうかしら」

神使「?」

少女「たぶん今頃、隠れて裏でワンワン泣いていると思う」

神使「・・・・・・」

少女「数千年・・・ そんな長い時間担ってきた役を辞めるなんて簡単に割り切れるわけない」

神使「そうですよね・・・」

794: ◆8YCWQhLlF2 2021/05/03(月) 02:41:09 ID:aze3Ds1E

少女「だから、私が・・・ 私が地神さまとモノノケをこれから守ってあげないと」

神使「少女さん・・・」

少女「地神さまは優しくて・・・ いつだって自分の事よりモノノケの事を最優先で考えてくれて・・・」

神使「それが分かる少女さんも、とても優しい方だと思いますよ」

少女「・・・今回は色々とありがとうございました」フカブカ

神使「そんな、私になんかに頭を下げないで下さい」

少女「いいえ。 初めてなんです」

神使「?」

少女「地神さまが本心で話してくれたことが。 地神さまの心を聞くことが出来たことが・・・」


少女「だから、本当にありがとうございました」


神使「神様に伝えておきます」

795: ◆8YCWQhLlF2 2021/05/03(月) 02:41:49 ID:aze3Ds1E

少女「うっ・・・ それは///」

神使「大丈夫です。 たぶん、神様は最初から全部知っていたと思いますから」

少女「え?」

神使「実はこの町に来たいと行ったのは神様なんです」

少女「神ちゃんが?」

神使「本来であれば別の場所に行く予定だったんですが、どうしても海ノ町に行きたいとダダをこねて」

少女「・・・・・・」

神使「神様は本音を出すのが下手なので、いつも回りくどいんですよ」ハハハ

少女「地神さまと同じですね」クスッ

神使「少女さんとも同じです」

少女「うぐっ・・・」

796: ◆8YCWQhLlF2 2021/05/03(月) 02:43:03 ID:aze3Ds1E

神使「色々と大変でしょうが、これから頑張って下さい」

少女「神使さんもお幸せに。 地神さまの神力をもらったのは神使さんが初めてなんですから」

神使「期待に応えられるよう精進いたします」

少女「絶対幸せになって下さいよ? でないと地神さま泣いちゃいますからね」


 神使長「色恋ばなしの途中で悪いんだが」


神使「!?」クルッ

神使長「君も一緒に来るんだ」

神使「神使長・・・ やはり一緒に来られていたのですね」

797: ◆8YCWQhLlF2 2021/05/03(月) 02:43:36 ID:aze3Ds1E

神使長「すまないね、割り込んでしまって」

少女「いえ・・・」

神使長「あの、神使長様が背負っているのは・・・」

神使長「狐娘くんだ。 凄爺と電話をしていたら意識が遠いところに行ってしまったようでな」

神使「はあ・・・ そうでしたか・・・」

神使長「早く車へいくぞ」テクテク

神使「では、そういう訳で私も失礼致します」ペコリ

少女「お、お気を付けて・・・ 無事を祈ってます」


 神使長「神使君! 早く来るんだ」


神使「は! はい!!」タッタッタッ

798: ◆8YCWQhLlF2 2021/05/03(月) 02:44:15 ID:aze3Ds1E

――― 参道


少女「はぁ・・・」テクテク


 巫女「ため息なんかついてどうしたんです?」


少女「地神さま・・・」

巫女「皆さん、行ってしまわれましたね」

少女「そうですね・・・ って、地神さま目が赤いですけど大丈夫ですか?」

巫女「ご、ゴミが入ったんです。 気にせず」

少女「へぇ~」ニヤニヤ

799: ◆8YCWQhLlF2 2021/05/03(月) 02:44:45 ID:aze3Ds1E

巫女「揶揄うんじゃありません」

少女「すいませんですぅ」

巫女「そういう態度、少女の悪いくせですよ?」

少女「ふふっ」クスッ

巫女「?」

少女「さん付け、やめてくれたのが嬉しくて」

巫女「・・・・・・。 私があなたとの垣根を作っていたことに気付いたんです。 だから止めました」

少女「ありがとうございます。 とっても嬉しいです」ニコッ

巫女「あなたも私のことを呼び捨てしても構わないのですよ?」ニヤッ

少女「地神さまも性格悪いですよね?」

巫女「ふふっ。 お互い様ってヤツですね」

800: ◆8YCWQhLlF2 2021/05/03(月) 02:45:23 ID:aze3Ds1E


 ブーン


巫女・少女「?」


 神様「少女ちゃん! 巫女ちゃーん! バイバ~イ。 まったね~」


少女「ベ~~~だっ! フンッ!」プイッ

巫女「」フカブカ


 長官「窓から顔を出すな!!」ゴツン!

 神様「痛い!」


 ブーン

801: ◆8YCWQhLlF2 2021/05/03(月) 02:45:56 ID:aze3Ds1E


巫女「さて! 新しい生活、二人で頑張りましょう」

少女「うん!」




主神「あの・・・ お忘れかも知れませんが、私もいるのですが・・・」

A子「私もー」ムクッ

主神「!?」

A子「私はどうやって帰ればいいんだろう?」

主神「人形じゃなかったんですね・・・」

A子「私? 人形だよ?」

主神「え? ん~・・・ 長官さんの拵えた人形はついに一線を越えてしまいましたか・・・」

803: ◆8YCWQhLlF2 2021/05/04(火) 06:19:57 ID:R1.815XA


――― 車内


 ブーン


神様「ふぅ」

長官「すまないね。 少し早く着きすぎたかな?」

神様「あ~ 大丈夫。 丁度良いタイミングだった」

長官「モノノケランドの件に関しては、神宮から切り離して資金援助をする段取りで進めている」

神様「大丈夫そう?」

長官「独立機関の財団を立ち上げるつもりだ。 まずはあの土地の所有を神宮以外にしないとな」

神様「よく分からないけど、神宮がちょっかい出してこなければそれで良いや」

804: ◆8YCWQhLlF2 2021/05/04(火) 06:20:31 ID:R1.815XA

長官「しかし、大変なことをしてくれたもんだ」ハァ

神様「元に戻しただけだよ」

長官「私が悩んでいるのは神ちゃんの張っていた結界の件だ」

神様「それなぁ~」

長官「全く・・・ 神宮にはどう言い訳するつもりだい?」

神様「・・・・・・」

長官「さっきの少女さんが新しい結界の人柱だって事が神宮に知れたら大変だぞ?」

神様「やっぱ狙ってくるよな」

805: ◆8YCWQhLlF2 2021/05/04(火) 06:21:12 ID:R1.815XA

長官「当然だろ。 神の存在が公になれば神宮には絶大な崇敬が集まるからな」

神様「金と名誉か・・・」

長官「ちゃんと守ってあげるんだぞ」

神様「当たり前さね。 何人たりとも少女ちゃんには指一本触れさせるつもりはない」

長官「しばらくは根回しでいっぱいになりそうだな」

神様「わーてるよ。 だから小細工までして抜け出したんだろうが」

長官「なら良いが」

神様「まぁ・・・ 落とし前だけはちゃんと付けさせてもらいますよ。 ・・・親友だし」ゴニョゴニョ

長官「そうかい。 K7の神と神宮の役員達が待っているから飛ばすぞ」


 ブーン

806: ◆8YCWQhLlF2 2021/05/04(火) 06:21:43 ID:R1.815XA

――― 翌日・夕方/神宮


神様「うへ~ じがれだ」バタッ


猫神「神ちゃん、よく頑張ったね~」

狐神「いやいや、会議中暴れまくってただけじゃん・・・」

神使「私は中には入れなかったので詳細は分からないですが、外まで神様の罵声が響いていました・・・」

長官「“お前ら呪うぞ!”って発言は神としてどうなんだい?」

神様「だってアイツらが言うこと聞かないからぁ~」

狐神「呪いってどうやんの? 教えてよ」

神様「しらねーよ。 私がやり方を聞きたいわ」

狐神「あんた、相変わらず適当よね・・・」

807: ◆8YCWQhLlF2 2021/05/04(火) 06:22:46 ID:R1.815XA

神使「これで無事に事は収まったのでしょうか?」

長官「少女さんの護衛も問題なさそうだしひとまずは安心だな」

猫神「当面は神が持ち回りでお手伝い名目って形で出向するからね~」

神使「それは何よりです」

狐神「最初は私か・・・」ハァ

神様「モノノケランドの維持は問題ないんだよな?」

長官「大丈夫だ。 モノノケ財団の方で全て面倒を見る手はずになっている」

神様「その財団ってそんなに資金力あるの?」

長官「あぁ。 先日とある文書を見つけてな、それを資金源にした」

神様「文書?」

808: ◆8YCWQhLlF2 2021/05/04(火) 06:23:28 ID:R1.815XA

長官「A子君が隠し・・・ 偶然発見した埋蔵金のありかが記載された文章なんだが」

神様「・・・・・・」

狐神「へぇー 埋蔵金なんて久しぶりに聞いたわね」

長官「どうしたんだい神ちゃん。 顔色が悪いようだが何か気になることでもあるのかい?」

神様「いや・・・ その埋蔵金のお金って・・・」

長官「あぁ、A子君がどこかに振り込み手続きをしようとしていたらしいんだが全て回収した」

神様「!?」

長官「あんな大金、久しぶりに見たよ」ハハハ

神様「えっと・・・ そのお金って、モノノケランドの建設費・・・」

809: ◆8YCWQhLlF2 2021/05/04(火) 06:24:04 ID:R1.815XA

長官「そういえば、神宮建設から請求書が届いていたから費用は神ちゃんに付けておいたよ」

神様「待って。 それいくらよ」

長官「10億」

神様「・・・・・・」

神使「神様・・・」

狐神「あんた、そんな大金払えるの?」

猫神「神ちゃんお金持ちだねぇ~」

神様「無理無理無理! 無理だってそんな大金!!」

長官「大丈夫だ。 何百年かかるか分からないがコツコツ返済していけば良い」

神様「嫌だ!」

810: ◆8YCWQhLlF2 2021/05/04(火) 06:24:43 ID:R1.815XA

長官「さて」ガシッ

神様「え? どうしたの? 急に腕掴んで・・・」

長官「分かっているだろ?」ニコッ

神様「・・・・・・。 あの、逃げないのでそんなに強く腕を掴まないで下さい」ジタバタ

長官「じゃあ、なぜジタバタしているんだい?」

神様「・・・・・・」

長官「それじゃ、一緒に行こうか」

神様「どちらへ?」

長官「A子君と狐娘君が先に待っている」

神様「どこででしょうか・・・」

811: ◆8YCWQhLlF2 2021/05/04(火) 06:25:18 ID:R1.815XA

長官「昨日言っただろ? 折檻室だ」

神様「!? ちょっと待って! あれは私を神宮に戻すためのお芝居じゃ!?」

長官「そんなわけ無いだろ!」

神様「いやーだー」ジタバタ

猫神・狐神「?」

神様「おい! 猫と狐! 助けろー!」

狐神「あんた、また何かしたの?」

神様「してない! してないって!!」

812: ◆8YCWQhLlF2 2021/05/04(火) 06:25:50 ID:R1.815XA

長官「埋蔵金をネコババしようとしだろ!」

神様「まだ手を付けてないって!」

長官「“まだ”って何だ」

神様「そういう意味じゃなくて! ちょ、離してー!」ズルズル

長官「今回は長期戦だ。 3人で仲良くやるんだぞ」


神様「いーやーだー」ズルズル


猫神・狐神・神使「・・・・・・」

813: ◆8YCWQhLlF2 2021/05/04(火) 06:26:25 ID:R1.815XA

狐神「折角伊勢に来たんだし、外でお茶でもしない?」

猫神「あっ、いいねぇ~」

狐神「神使君も一緒にどう?」

神使「お供致します」

狐神「よし! 実はここ来るときオシャレなお店見つけてさ。 行こうか」テクテク

猫神「楽しみ~」テクテク



 神様「助けてー!!」ズルズル


神使「まだまだ借金生活から抜けられそうにありませんね」ハァ





神様「神様だ!」 神使「神力ゼロですが・・・」
~ 番外編 『モノノケランド』~
おわり

引用元: 神様「神様だっ!」 神使「神力ゼロですが・・・」 5社目