2: ◆/X.qgBLki2 2015/08/25(火) 05:36:04.69 ID:dFc7shfzO
マエストローク「…………」トボトボ


コーン号「ん……?」


コーン号「おい、お前マエストロークか?」


マエストローク「あ……。やぁ…….コーン号。久しぶりだね」


コーン号「久しぶりだなぁ!何年ぶりだよ!」


マエストローク「はは……お互い会う機会がなかったからね…」


コーン号「久しぶりにこれから飲みに行かないか?」


マエストローク「うん……いいよ」


ーーーー
ーー

ヘイッ、レッドポーションニハイオマチ!


コーン号「お、きたきた!じゃ、再開を祝ってかんぱーい!!」


マエストローク「かんぱい」


コーン号「くー、やっぱ元祖の味は違うなー。500ライフが染み渡るぜ」ゴクゴク


マエストローク「…………」ゴクゴク

3: ◆/X.qgBLki2 2015/08/25(火) 05:39:52.29 ID:dFc7shfzO
コーン号「そういえば最近どうよ?新入りが入ったんだって?たしか、ハミングちゃんだっけか」


マエストローク「うん、彼女は中々強いからね。ムズムズや他の魔人とも仲良くやってるよ」


コーン号「ダイレクトは中々強いよなぁ……他にあまり代わりがいないからねぇ」


マエストローク「………」ビクッ


コーン号「そういや、この前な――」


マエストローク「………」


マエストローク(かわりがいない…か)


ーーーー
ーー


コーン号「――それでよう。エクストラソードの奴と組んで、ベエルゼの奴を墓地送りにしたのは傑作だったぜ!」


マエストローク「うん……」


コーン号「んー、聞いてんのか?マエストロークぅ?」ペシッ


マエストローク「うん…」


コーン号「…どうした。さっきから元気ねぇな…?」


マエストローク「あ……いや、別に…」


コーン号「……もしかしてまだ気にしてんのか。エクストラから落とされた事」


マエストローク「…………」ビクッ

4: ◆/X.qgBLki2 2015/08/25(火) 05:42:25.58 ID:dFc7shfzO
コーン号「……どうやら、図星みたいだな。….まぁ、割り切るのは簡単じゃないよな」


マエストローク「…………」


コーン号「当時は、俺も相当腐ったなぁ。まさかエクストラデッキから居場所がなくなるとは思わなんだ」


コーン号「そういや、ホープの奴は出世したよな。今や神をも殺すときたもんだ。ま、流石は主人公の相棒カードだよ」


マエストローク「僕だって……」


コーン号「マエストロークよ。気持ちは分かる。だが、今の俺たちがエクストラに割って入るのが難しい事ぐらい分かるだろう」


コーン号「今や、あのアークナイトの野郎でさえ落ちてきてんだ。今度のフレシアとか言う奴の事聞いたか?」


マエストローク「うん………とても同じランクとは思えないよ……」


5: ◆/X.qgBLki2 2015/08/25(火) 05:45:08.56 ID:dFc7shfzO
コーン号「どんどん新しい奴が来るんだ。ロートルは舞台から降りなきゃいけないのは必然なんだよ」


マエストローク「そうだ……よね」


コーン号「たくっ……仮にも一時代を築いた奴がしけた顔すんなよな」


マエストローク「ごめん…」


コーン号「まあ、頑張れや。ほら、連絡先。何かあったら連絡しろよ。戦友なんだからな」



マエストローク「ありがとう…コーン号」


13: ◆/X.qgBLki2 2015/08/25(火) 11:05:41.44 ID:CSLpAPyRO
ーーーー
ーー


マエストローク「……コーン号、あいつも頑張ってんだね…」


マエストローク「あ、今日は採用面接の日だ…えっと…先ずはガジェ社か」


マエストローク「よし、頑張ろう…」


ーーーー
ーー


赤ガジェ「――それで、マエストロークさんの特技は破壊耐性と裏守備にする事、と」


マエストローク「は、はい。奈落をされても耐えることができます」


黄ガジェ「ふむふむ」


マエストローク「あと、あのオピオン対策に使われていた実績もあります」


緑ガジェ「成る程……うーん…マエストロークさん」


マエストローク「は、はい」


緑ガジェ「申し訳ないのですが、今回の採用は見送らせていただきます」

14: ◆/X.qgBLki2 2015/08/25(火) 11:09:33.18 ID:CSLpAPyRO
マエストローク「え……な、何故ですか」


黄ガジェ「端的に言うと、我が社のエクストラに入れるスペースがないのですよ」


赤ガジェ「確かにあなたの能力は有用です。が、他のカードより優先する事はできないのです」


緑ガジェ「言ってしまえば、代わりがきいてしまう」


マエストローク「….…」


ーーーー
ーー


マエストローク「………結局他のも駄目だった」


マエストローク「代わりがきく。優先する理由がない…….か」


マエストローク「そうだよね…。裏守備はカステル君も出来るし、僕にはそもそもプトレやビュート君達程カードパワーもない」

15: ◆/X.qgBLki2 2015/08/25(火) 11:13:32.22 ID:CSLpAPyRO
マエストローク「もう僕を必要とするデッキなんてないんだよね……」


マエストローク「はぁ……何が一時代を築いただよ。もう誰もそんな事覚えていないんだ…」


マエストローク「…なんでランク4なんかに生まれたんだろ。ランク3だったらあの子たちと一緒にやれたのに…」グスッ


マエストローク「僕なんて……うっ……うっ…生まれてこなきゃよかったんだ…。もう…消えてなくなりたい…っ」グスッ


??「その願い、叶えてやろう」


マエストローク「え、誰?!うわっ、地面が割れ――、うわあああ?!」


ーーーー
ーーーー


マエストローク「ん………ううっ。あれ、ここは….….?」


??「ここは、虚構の海。カードの墓場。人々から忘れさられた者が来る場所」


マエストローク「あ、あなたは誰?」


ボイド「我が名は虚構王アンフォームド・ボイド。この墓場の主」

 

16: ◆/X.qgBLki2 2015/08/25(火) 11:15:59.68 ID:CSLpAPyRO
マエストローク(アンフォームド・ボイド?見たことのないカードだ…)


マエストローク「ぼ、ボイドさん?ここはどこ何ですか?な、何故僕を連れてきたんですか?」


ボイド「何故?我を呼んだのはお前だ。下を見てみろ」


マエストローク「……っ。な、なに。このカード達は…」


ボイド「忘れ去られたカード達だ。彼らを思い出す決闘者はもういない」


ボイド「さぁ、お前もここに沈むのだ。虚構の海に沈めば、もう苦しむ必要はなくなるぞ」


マエストローク「…………」


マエストローク(そうだ……どうせ誰も僕を使ってくれないんだ…なら、いっそ……)


マエストローク「………」ズブズブ


ボイド「そうだ…….虚構に身を委ねるのだ…」


マエストローク(ああ…気持ちいい。なんだが眠くなってきた…)

17: ◆/X.qgBLki2 2015/08/25(火) 11:18:11.72 ID:CSLpAPyRO

??「待て!!」


ボイド「む…….き、貴様は?!」


マエストローク(え….…だ、誰)


??「さぁ、マエストローク君。掴まるんだ!」ガシッ


マエストローク「あ……」


ボイド「くそっ。行かせはせぬぞ!」


??「くらえっ。効果発動!」


ボイド「ぎゃああああ!う、裏守備に!せっかく上げた攻守がああああ!!」


??「よし、今だ。戻るぞマエストローク君!」ギュッ


マエストローク「は、はい…」ギュッ

18: ◆/X.qgBLki2 2015/08/25(火) 11:19:50.79 ID:CSLpAPyRO
ーーーー
ーー


??「ふぅ…….ここまでくれば平気だろう」


マエストローク「あ、あの…….///」


??「おっと、失礼。抱きっぱなしだったね。でも緊急時だ。許してくれよ」


マエストローク「う、うん。あの、助けてくれてありがとうございました。あなたはいったい…」


??「私かい?うーん、強いて言うなら君と似た者かな」


マエストローク「似た者…?」


??「それより、何であんな所にいたんだい?あそこは君の様な人がいる場所じゃあないよ」


マエストローク「………」


??「何かあったみたいだね。…話してごらんよ」


マエストローク「……実は――」

19: ◆/X.qgBLki2 2015/08/25(火) 11:21:08.37 ID:CSLpAPyRO
ーーーー
ーー

??「――成る程。デッキに居場所がなくなったねぇ」


マエストローク「………」


??「……うん。分かるよその気持ち。私も同じ思いを前にしたからさ」


マエストローク「あなたも……ですか?」


??「うん。昔はよく使われていたのに、使われなくなってしまった。……私もそうだったよ」


??「突然必要とされなくなるのは辛いよね。私も消えてなくなりたかとたよ」


??「でもさ、使われなくなるのは仕方のない事なんだよ。古いものは淘汰されるのが自然の成り行きさ」


マエストローク「でも……あなたはそれで良いんですか。忘れ去られて平気なんですか?」

21: ◆/X.qgBLki2 2015/08/25(火) 11:23:18.78 ID:CSLpAPyRO
??「マエストローク君。私達のいた記録はなくならないんだよ。私達が作った指標が次のカード達を作っていく」


??「そうやってOCGの歴史は積み上げられてきた。マエストローク君の前にも無数の先人達をがいたんだよ」


マエストローク「先人達….」


??「彼らは私達が立っているOCGの礎になっているんだ。決して虚構なんかじゃない。意味のあるものだ」


マエストローク「礎になる……」


??「ま、君はまだ早いけどね。まだまだ働けるよ。ほら、君の友達が呼んでるよ」


マエストローク「あ、…待って!貴方は….!」


??「じゃあね。強く生きるんだよ」

22: ◆/X.qgBLki2 2015/08/25(火) 11:25:15.22 ID:CSLpAPyRO
ーーーー
ーー


コーン号「お…….マエストロークっ!」


マエストローク「………っは!こ、ここは…あれ、コーン号?」


コーン号「よ、よかった。し、心配したんだぜ….。お前…路上で倒れていて、3日も目を覚まさないから…」


マエストローク「….…そうか。僕は倒れていたのか……ごめん。心配かけた」


コーン号「全く……。それで…….大丈夫なのかよ。多分原因はこの前のだろう?」


マエストローク「………」


――私達のいた記録はなくならないんだよ。私達が作った指標が次のカード達を作っていく。


マエストローク「うん。大丈夫だよ」


コーン号「本当か?」


マエストローク「うん、ちょっとだけ分かったんだ。….……僕はここにいる。その記録は……なくならないんだって」


マエストローク「先人達の為にも僕はここにいなくちゃいけないんだって……」


コーン号「……なーにかっこつけてんだよ」ペシッ


マエストローク「痛っ。もう、なんだよっ。ひっくり返すよ!」

23: ◆/X.qgBLki2 2015/08/25(火) 11:26:40.81 ID:CSLpAPyRO
コーン号「お、やっといつものマエストロークに戻ったか。よし、じゃあこっちは墓地に送ってやるよ!」


マエストローク「何おう、久しぶりでも負けないからね!」


アハハッアハハッ





こうしてマエストロークは自らの悩みを克服した。しかし、マエストロークとコーン号が再び環境のエクストラデッキに入る事はなかった。だが、彼らの作った指標は確かにOCGの歴史に刻まれている。


ーー完ーー

引用元: マエストローク「エクストラデッキに居場所が無い…」