【艦これ】提督たち「ユウジョウカッコカリ?」【物語風プレゼン】 その1 

【艦これ】提督たち「ユウジョウカッコカリ?」【物語風プレゼン】 その2

325: ◆G4SP/HSOik 2014/11/26(水) 09:45:20.04 ID:RGK9H7Jp0

――――――F地点:北方AL泊地


コナイデ…ッテ…イッテル…ノ……。


北方棲姫「ウウ…………」 ――――――小破!

金本【○四】「さあ、あれがお前の獲物だぞ」

剛田【○二】「何だ? あいつ、大浜と似たような空気を感じるんだけど…………(これが戦場の空気か。資料で見るボス級もなんだか違って見えるな)」

剛田「だが、敵ならば容赦しなくていいんだよね?」ニヤリ

金本「もったいないけど、手に負えない以上は殺るしかないよね?」ニヤリ

あきつ丸「では、――――――【烈風改】発艦!」

吉備津丸「すでに消耗した敵――――――、対空迎撃は任せておくであります、みなさん!」

北方棲姫「ウウウ!」

護衛要塞「――――――!」


――――――制空優勢!


北方棲姫「アレ……レップウ…………? ホシイ………」

あきつ丸「やったであります!」

金本「やるじゃん!」

吉備津丸「みなさん、無事でありますか!」

ミロク「大丈夫ですよ、みなさん」

ミロク「では、微力ながら伊369! 開幕雷撃と参ります!」

リ級「!!」 ――――――大破!

ミロク「くっ、さすがに堅い…………ここまでが限界のようです。後はおまかせします!」

金本「さあ、砲撃戦だ! 本番だ!」

剛田「武者震いが止まらんな! ついにこの時が来たぜ!」

剛田「よっしゃ! 行くぜええええ!」


326: ◆G4SP/HSOik 2014/11/26(水) 09:46:36.05 ID:RGK9H7Jp0


――――――ここでかいつまんで解説しよう。


【昼戦(突撃)】の【砲撃戦】において攻撃順を決める要素は【射程】であり、【射程】が同じ味方がいる場合はランダムに順番が決められる。

それを自軍1→敵軍1→自軍2→敵軍2→…………と交互に撃ちあうわけなのだが――――――、


自戦力
短:ミロク、あきつ丸、吉備津丸、大浜
超短:【○二】、【○四】

敵戦力
中:重巡リ級flagship、護衛要塞、北方棲姫


このような場合だと――――――、

自軍:短1→敵軍:中1→自軍:短2→敵軍:中2→自軍:短3→敵軍:中3→自軍:超短1→自軍:超短2→ 砲撃戦 終了→ 雷撃戦

となり、メインアタッカーの【○二】と【○四】が最後になってしまう。駆逐艦のような回避力もなく 紙装甲なのだから、さあ大変だ!

しかしながら――――――!


ミロク「先手! もらいました! ――――――これで沈んでください!」

リ級「!!!!」 ――――――轟沈!

ミロク「よし! 今です、――――――【特型内火艇】発進です!」

金本「早速か! お先にぃ! 行っくぜええええええええええ!」

剛田「ああ。見ててやるよ、先輩」


ザアアアアアアアアアアアアアアアアア!


大浜「ねえ、あれ――――――」

剛田「…………あれ?」

ミロク「!?」

あきつ丸「提督殿! そっちは――――――!」

北方棲姫「…………ク…クルナ」

金本「そっちじゃねえええええええええええ!」

金本「うおわっ!?(――――――【陸上型】が海面に展開しているという防御壁か!? それに躓いたあああああ!)」ガクン!

剛田「俺の獲物だろ――――――あれ? もしかして【特型内火艇】って上陸用だから【陸上型深海棲艦】に向いちゃうのか?」アセタラー

北方棲姫「ア、アア…………」ガタガタ

陸軍妖精「行くぞおおおおおお!」 ――――――【肉薄】状態! 能力低下!

北方棲姫「キャッ!?」

金本「うぐっ、ちくしょう!(ほっぽちゃんに俺の【     】を  してやりたかったけど――――――、)」ヨロヨロ・・・

金本「こうなったら、――――――喰らえ!(俺の【     】は勢いに乗ってぶつからないとダメなんでね!)」ガシッ

北方棲姫「ハ…ハナセ…………!」ジタバタ

金本「おっほう! こいつはイイ~!」モ モ  ――――――【肉薄】状態! 更に能力低下!

北方棲姫「!!!!」カア

陸軍妖精「やれ~!」ボカスカ

剛田「うおっ! 陸軍としては直ちに引き渡しを要求する! ――――――俺も混ぜろ!」


327: ◆G4SP/HSOik 2014/11/26(水) 09:47:53.74 ID:RGK9H7Jp0

北方棲姫「ハナレロォ……!」バン! バン!

大浜「流れ弾がこっちへ来たぁ……」ビ ッ ――――――miss !

剛田「かわいいな~」

吉備津丸「次鋒! もらったであります!」

北方棲姫「ミンナ……イジメル…………」

吉備津丸「今であります! 【大発動艇】突撃であります!」

剛田「でかしたぞ、吉備津丸!」

剛田「さあ、誇りある陸軍妖精たちよ! 俺たちも突撃だああああ!」

陸軍妖精「おおおおお!」


ザアアアアアアアアアアアアアアアアア!


剛田「こんにちは、ほっぽちゃん」ニコニコー

北方棲姫「!?」ビ ッ

金本「お、来たか! 早いとこ終わらせてくれ、飽きたよ もう(お、躓くことなく上陸しやがった)」モ モ  ――――――【肉薄】中!

剛田「――――――捕まえたっ♪」ガシッ ――――――更に【肉薄】!

北方棲姫「キャッ!?」 

剛田「ごめんね? 痛いの痛いの――――――、飛んでけえええええええええええ!」ブン! ――――――【展開型成形炸薬弾鎚】!

北方棲姫「キャアアアアアアアアアアアアアア!」ドーーーーーン! ――――――轟沈!

金本「マジで一撃だわ…………」

吉備津丸「殺ったであります!」グッ

大浜「う、嘘ぉ…………まだ小破でしかもあれだけの耐久値があったボス級が一撃で…………!?」メメタァ

護衛要塞「――――――!」

金本「!」サッ

金本「油断するな、剛田ああ!」

剛田「――――――っ!」ビ ッ

護衛要塞「――――――!」バーン!

吉備津丸「将校殿!」

剛田「――――――あっぶね! リ級からの攻撃だったら確実に中っていた!」ヒュン! ――――――miss !

剛田「ん、――――――しまった、そうか! 俺は【旗艦】じゃないから【かばって】もらえないんだった!」メメタァ

剛田「海上陸戦機動歩兵の同時運用は避けたほうが良さそうだな…………」アセタラー

金本「まったくだぜ、ヒヤヒヤさせやがって……」フゥ

あきつ丸「それは提督殿も同じであります…………(今頃、増援部隊の軽巡ツ級と戦っている榛名殿たちがこれを知ったら――――――)」


328: ◆G4SP/HSOik 2014/11/26(水) 09:48:27.75 ID:RGK9H7Jp0

金本「残りは死にかけの護衛要塞だけだ! 頼むぞ、あきつ丸! 大浜!」

大浜「あ、それじゃ私が――――――!」

大浜「今日ばかりはあなたが標的艦ですぅうううううううう!」バーン!

護衛要塞「!!!!」 ――――――轟沈!

あきつ丸「やったであります! 北方AL泊地の敵戦力を撃滅したであります!」

金本「作戦完了だ! 勝鬨をあげろおおおおお!」


「おおおおおおおお!」


剛田「しかしホント、同時運用は考え物だな……」ドクンドクン

金本「ああ。反省点も幾つも出た――――――が、とりあえずはこれで陸軍のご要望は叶ったんだ」

金本「次も頼むぜ」

剛田「ああ。その前に【特型内火艇】に代わるものを用意しないといけないな…………」


――――――ランクS:大勝利!



329: ◆G4SP/HSOik 2014/11/26(水) 09:49:18.55 ID:RGK9H7Jp0

この戦いにおける砲撃戦における攻撃順

本来の順番
自軍:短1→敵軍:中1→自軍:短2→敵軍:中2→自軍:短3→敵軍:中3→自軍:超短1→自軍:超短2→砲撃戦 終了→雷撃戦

今回の順番
自軍:ミロク(短1)→自軍:【○四】(超短1)→敵軍:北方棲姫(中1)
 →自軍:吉備津丸(短2)→自軍:【○二】(超短2)→護衛要塞(中2)→大浜(短3)→大勝利!

備考:ミロクが重巡リ級を最初に撃沈している

このように、【射程:超短】で攻撃順が最後になるはずの海上陸戦機動歩兵による男のロマンを叩き込むことができるようになるのだ。
ただし、同じ敵に2人も使う計算になるので『2人1組で敵1人を確実に殺るための手段』という認識でいないと手数が半減することになるので注意。
また、あくまでも順番処理上では本来の順番から【○二】と【○四】が割り込んでいる形なので、
本来の順番までにすでに【○二】と【○四】が行動していた場合は当然ながらそこは省いて次の攻撃が始まる。
更に、海上陸戦機動歩兵の同時運用は【かばって】もらえない都合上、普通に一撃死もあり得るので敵共に互いにサドンデス状態に陥っている。


陸軍【大発動艇】と海軍【特型内火艇】の効果

【大発動艇】陸軍装備
搭載艦が【陸上型ボス級深海棲艦】を優先的に攻撃するようになる。
【○二】がそれに呼応して、連続して攻撃を仕掛けるようになる。

【特型内火艇】海軍装備
搭載艦が【陸上型ボス級深海棲艦】を優先的に攻撃するようになる。
【○四】がそれに呼応して、連続して攻撃を仕掛けるようになる。
完全にハズレ――――――【これ】を装備できる【潜輸】の魚雷攻撃はそもそも【陸上型深海棲艦】には効かないのでまさしくハズレ。
ただし、【大発動艇】と同じく、遠征報酬を上乗せするボーナスがついているので遠征用装備とするべし。


今回の反省を踏まえて対【艦船型深海棲艦】用に造られた装備

【カロ艇】陸軍装備
搭載艦が【艦船型ボス級深海棲艦】を優先的に攻撃するようになる。
【○二】がそれに呼応して、連続して攻撃を仕掛けるようになる。
が、上陸作戦用の【○二】に【艦船型ボス級深海棲艦】の相手なんてやらせても無駄なので実戦では役に立たない。
ただし、【大発動艇】のような遠征報酬を上乗せするボーナスはちゃんとあるので無駄ではない。

【隼艇】海軍装備
搭載艦が【艦船型ボス級深海棲艦】を優先的に攻撃するようになる。
【○四】がそれに呼応して、連続して攻撃を仕掛けるようになる。
実際は【潜輸】に運用能力などないが、これも【艦これ】補正ということで……


いずれも【水上機母艦】なら全て扱えるので、最強の軽空母:千歳 & 千代田 以外の【水上機母艦】を早く出して! お願いします!



330: ◆G4SP/HSOik 2014/11/26(水) 09:50:05.70 ID:RGK9H7Jp0

――――――それから、

――――――2回目


あきつ丸「今です、将校殿! ――――――【大発動艇】発進するであります!」

剛田「よっしゃあ! 今度は俺からだぜ!」

ザアアアアアアアアアアアアアアアアア!

北方棲姫「ヒッ」ビ ッ

剛田「また来ちゃった♪」モ モ  ――――――【肉薄】状態!

北方棲姫「!!!!!!!」カア

剛田「う~ん! 未発達ながらいい  心地ではないか――――――、はい、さようなら」ブン! ――――――【ブレイクハンマー】!

北方棲姫「キャアアアアアアアアアアアアアア!」ドーーーーーン! ――――――轟沈!

剛田「悲しいけどこれも戦争なんでね」ギラッ

リ級「!!」ビ ッ

大浜「きゃっ――――――なんだ、こ、この程度なら私 へっちゃら!」ニコニコー

大浜「今度はあなたが標的艦になる番ですぅううううううう!」バーン!

リ級「!!!!」ドッゴーン! ――――――轟沈!

吉備津丸「自信がついてきたでありますな」

金本「ちくしょう! 狩れなかった!」

ミロク「しかたありません。今回も無事だったことを喜びましょう」



331: ◆G4SP/HSOik 2014/11/26(水) 09:51:55.73 ID:RGK9H7Jp0

――――――3回目


ミロク「今です、――――――【隼艇】発進してください!」

金本「おっしゃあ! 今度こそ――――――!」

ザアアアアアアアアアアアアアアアアア!

金本「うらあああああああああ!」ドスッ! ――――――【射突型成形炸薬弾鎗】!

リ級「!!!!!!!!」ドーーーーーン! ――――――轟沈!

金本「一丁上がりだぜ! 重巡でもこんなものよ!」

北方棲姫「…………コナイデ」バーン!

剛田「金本ぉおおお!」ガタッ

金本「――――――っ!!」ビ ッ

あきつ丸「――――――『提督殿はやらせない!』であります!」バッ ――――――【かばう】!

あきつ丸「くっ、この程度なら……」ドゴン! ――――――小破!

金本「世話をかける……(【旗艦】でなければやられていたな…………つくづくリスキーな世界だぜ、ここは)」アセタラー

あきつ丸「今度は、陸軍式『ダブル烈風拳』と恐れられた自分の攻撃を受けるであります!」

北方棲姫「ン?」

剛田「(【烈風】は【戦闘機】だから砲撃戦でのダメージに影響は無いんだよな…………【対潜哨戒機】で対潜攻撃ができるだけに残念だ)」メメタァ


332: ◆G4SP/HSOik 2014/11/26(水) 09:52:56.48 ID:RGK9H7Jp0

北方棲姫「ア…マタアイツガヤッテクル…………」ガタガタガタ

あきつ丸「――――――【大発動艇】! ――――――将校殿!」

剛田「さてさて、慣れてきたことだし、最後の1体だし? ぐふふふふ」ニッコリ

ザアアアアアアアアアアアアアアアアア!

剛田「上陸完了。やっちまいな!」

陸軍妖精「うおおおおおおおおおお!」ドドドドド!

北方棲姫「イヤイヤイヤアアア!」ジタバタ

剛田「どこへ行くんだい? ここがお前のシマなんだろう?」ガシッ ――――――【肉薄】状態!

北方棲姫「イヤ! イヤ! イヤ! イジメナイデ!」ジタバタ

剛田「だったら、いつまでもここにいなければいいじゃないか?」

剛田「お兄さんたちはここに用があるの。イジメられたくなければ、ここじゃないどこへとでも行けばいいよ、ほら」パッ

北方棲姫「ダ、ダメ……ソレハダメ…………」

剛田「しかたがないな~」パチン!

陸軍妖精「!」ニヤリ

北方棲姫「!?」ゾクッ

陸軍妖精「“タコヤキ”を撃ち落とせええええ!」バン! バン!

艦載要塞「――――――!」

剛田「おらぁ! 【艦載機】を全て出せぃ! その“小さなタコヤキ”もだ!」ユサユサユサ

北方棲姫「ヤ、ヤメテ……オネエチャンカラモラッタタイセツナ…タイセツナ…………!」ジタバタ

剛田「結構消耗してんのに、まだこんなに持っていたか」

剛田「それじゃ、この【おっきいハンマー】で1つ1つ粉々に砕いてあげましょう!」バリン! ――――――スレッジハンマー形態で艦載機を砕いていく!

北方棲姫「イヤアアアアアアアアアアアアアアアアア!」

北方棲姫「コレハワタシノ、ワタシノ…………」バッ ――――――思わず身を乗り出して艦載機を守ろうとするが、

剛田「あ、ごめん!」カチッ、ブン!  ――――――【ブレイクハンマー】起動!

北方棲姫「キャアアアアアアアアアアアアアア!」ドーーーーーン! ――――――轟沈!

剛田「ふははははは! まさに『陸に上った軍艦』だな! 人それを座礁という!」

剛田「地上は万物の霊長たる俺たち人間のものだ! この大地から出て行けっ、化け物!」

金本「…………遊びすぎるなよ」ヤレヤレ

剛田「悪い悪い。次で最後だな!」キリッ

大浜「だ、大丈夫ですか、あ、あの人ぉ……」ブルブル

ミロク「陸軍を背負って立っている内に秘めた気概と深海棲艦への恨み辛みが強烈に現れ出ていますね」

吉備津丸「将校殿……」アセタラー

あきつ丸「我が陸軍は深海棲艦が登場して以来は不当に海軍と比べられて蔑まされてきたのであります」

あきつ丸「ですから、お気持ちはわからなくもないでありますが、今のはあまりにも…………」アセアセ


剛田「化け物に同情するなんてそれでも泣く子も黙る帝国軍人か、貴様ら!」


艦娘たち「!」

金本「…………やれやれ」


333: ◆G4SP/HSOik 2014/11/26(水) 09:53:59.70 ID:RGK9H7Jp0

剛田「いいか! 外見だけで判断を見誤るなんて最低のクズのやることだぞ! 見た目がいくらロリータでも化け物は化け物なのだ!」ブルブル

剛田「それとよく聞け! 我が帝国陸軍の仮想敵は常にここから見えるあの北の大国なのだ!」

剛田「なぜかつての帝国があの国とあれだけの犠牲を払ってまで是が非でも勝たなければならなかったのか――――――!」

剛田「あの国に占領されたらそれこそ地獄なのだぞ! あれは人の皮を被った悪魔だ、化け物を超えた存在だ!」

剛田「そんなのが我が国と北方で隣接しているのに、今ここでこんなにもわかりやすい化け物相手に情けをかけてどうする!?」

剛田「それに講和が結べる相手ならとっくの昔にやって、俺と金本がここまで出張ることはなかったんだ!」ブルブル

艦娘たち「………………」

剛田「目を覚ませ! そんなのと比べたら、深海棲艦の脅威なんて言うのはまだまだ生温いものだ!」

剛田「さっきの北方棲姫のように、やつらは占領はしてもそれ以上のことは何もできないのだからな!」

剛田「厄介なのは近くを通る艦船を無差別に攻撃して事実上の海上封鎖をしてくることのみ!」

剛田「だが、高高度を飛べる航空機が発達すればやつらなどただの海面を這う有象無象に過ぎない!」

剛田「忘れるな! 砕氷艦:大泊が生まれてきたことの意味を!」

剛田「我々にとっての真の敵は化け物ではなく、陸の上の悪魔どもなんだからな!」

艦娘たち「………………」


金本「いや、さっきのはいくら何でも遊びすぎだから」ポンッ


剛田「!」

金本「相手が化け物であったとしても、こっちまで心を悪魔のようにする必要はないだろうが」

金本「情けとして一瞬で楽にしてやればそれでいいだろ? ――――――非効率だな」

剛田「…………!」

金本「熱くなりすぎるなよ。今じゃお前のほうが危なっかしい」


――――――頭は冷えてるか、新兵?


金本「いつまで震えてんだ、お前? それは武者震いか? 機体もだいぶ温まってきたことだし もう寒くはないはずなんだがな?」

剛田「あ」

金本「陸軍船舶司令部の将校殿はずいぶんと寒がりですな?」

剛田「………………俺は」

剛田「……すまない。英霊たちが俺の身体に憑ってその力に酔い痴れていたようだ」ハア

金本「帰艦するぞ。榛名たちも今頃 増援部隊を撃滅しているだろうしな」

剛田「ああ……」

あきつ丸「将校殿……、そして提督殿……、その通りでありましたね。少し気が緩んでいたであります」

大浜「う、うん。でも、一緒に戦ってくれることが少し嬉しい――――――って何を言ってるんだろう、私?」

吉備津丸「常識が麻痺して疑問にも思わなかったでありますが、本来なら士官や将校といった者が前線に出るなど…………」

ミロク「陸海合作――――――、どうやらこれで良かったようですね」フフッ



334: ◆G4SP/HSOik 2014/11/26(水) 09:54:53.00 ID:RGK9H7Jp0

――――――4回目、言わずもがな


イツカ…タノシイウミデ……イツカ……


北方棲姫「アア…………」 ――――――轟沈!

剛田「敵将、討ち取ったり!」ドクンドクン

あきつ丸「これでやったであります!」

吉備津丸「大丈夫でありますか、将校殿?」

剛田「…………こんなのは慣れだ。経験を重ねていけば問題ない…はず」ドクンドクン

金本「よし、帰還だ! ご苦労だった。パンを奢ってやろう」

剛田「ああ。アツアツホヤホヤのできたてのパンがいいな」

剛田「そうだ――――――、」


剛田「酒で身体を火照らせる必要があるような連中とは殺りあうことが今後とも無いことを祈らないとな」 ――――――西方に見える大陸を睨んで!


剛田「こんな戦いをしてるんだ。人類同士のくだらない争いなんてもう二度と起きないでくれよ」

ミロク「まったくその通りです」

大浜「みんな、早く帰ろう」

吉備津丸「そうであります。こんなところはすぐに放棄して帰還するであります」

金本「…………せっかく奪還したのに、戦略的価値は深海棲艦がすぐにあちこちで出没してキリがないわけだから皆無だしな」


335: ◆G4SP/HSOik 2014/11/26(水) 09:56:25.68 ID:RGK9H7Jp0

剛田「………………ハァ」

金本「どうした、バテたか?」


「耐えられなくなっただけだよ」


金本「………………?」

剛田「最初にお前と再会してこの計画を推進する際に動機を訊いた時――――――、お前はこう答えたな」

剛田「お前が言っていたことが実感としてわかってきた気がする………………もちろん最前線における命のやりとりの感触も最悪だけど」

剛田「誰が好き好んで幼気な幼女の姿して悲鳴だって上げる存在を虐げられる? ――――――化け物だってわかってはいてもだ!」

艦娘たち「………………」

剛田「それに、おそらく俺が陸軍で最初に深海棲艦を倒した人間としてこれから名を残すことにはなるだろうが、」

剛田「よく考えなくても、俺もとんでもないことを平気で推進しているってことに気付かされたよ」


剛田「――――――平和ボケってやつかな? そして、その反動ってやつかな? 俺はようやくその2つの酔いから目が覚めた気分だ」


剛田「旧大戦後の皇国は公的な派兵や武力衝突は長らく無く、我々 皇国の民は冷戦と呼ばれる静かな大戦の中で繁栄と平和を謳歌してきた」

剛田「それ故に、現在も艦娘を擁して戦い続けている海軍だろうが、憲兵や土木ぐらいしか能が無くなった陸軍でも、」

剛田「あの戦争の敗戦後、こうやって軍人が直接手を下すことは今までなかったのだ。これまで誰も一人の軍人として敵を殺めることはなかったのだ!」

剛田「それを、俺とお前とで打ち破ってしまった…………敵の命を奪うという業を積み始めたんだ」ブルブル

ミロク「将校殿、それは――――――」


剛田「わかっている。――――――わかってなかったのは俺の方だ」


あきつ丸「…………将校殿?」

剛田「俺の方こそ、敵の姿に惑わされてこうやって罪の意識や嫌悪感を抱き始めていたっ!」

剛田「すぐに慣れるものだと思っていたが、現実は思っていた以上に非情で残酷だ!」

剛田「現実が非情なはずなのに俺自身が非情になりきれていないっ!」ポタポタ・・・

吉備津丸「………………将校殿」

ミロク「…………これが人間と艦娘との決定的な違いですね(そう、艦娘は戦うために生まれた――――――)」


336: ◆G4SP/HSOik 2014/11/26(水) 09:57:25.75 ID:RGK9H7Jp0

一同「………………」

金本「やめるか? 降りるんなら命があるうちにな」

大浜「そ、そうですよ! 【標的艦】の大浜と違って将校さんは大往生する場所は海の上じゃないはずですぅ!」

剛田「悲しいことを言うなよ、大浜」

剛田「でも、――――――ありがとな、ちょっと元気が出てきたよ」ニコッ

金本「そうか。離脱するなら早めに言ってくれよな」

剛田「まあ、聞け。どうせ母艦に帰艦するまで時間はあることだし」

金本「わかった。――――――帰艦するぞ!」

艦娘たち「了解!」

吉備津丸「では、将校殿。警戒はあきつ丸殿が担当し、自分が護衛になるのであります」

剛田「ありがとな、吉備津丸」

大浜「あ、あの……、将校さん?」オドオド

剛田「お前は立派だよ。こんなにも頼りない身体をしているのに、心は陸軍将校の俺よりもずっとずっと立派だ」

剛田「陸軍将校の俺からの褒賞だ」ナデナデ

大浜「あ、ありがとうございます……! 頑張って【標的艦】やってきたかいがありました!」テレテレ

剛田「ああ! お前は立派な皇国の戦士だ! 尊敬するよ」

剛田「これからもよろしく頼むぞ、大浜」


―――――― 一緒に戦って一緒に勝って一緒に帰ろうぜ、こうやってな。


大浜「え、えへへ……」

金本「………………フッ」

あきつ丸「将校殿……、思っていたよりもずっと明るかったのでホッとしたであります」

ミロク「そうですね(けれど、これからしようとしていることの罪の意識からは逃げられない――――――)」

剛田「そう、これだよ。これがあるから俺も戦場に誘われる(金本もこれが欲しくて後方でジッとしていられなくなったんだろうな…………)」


――――――戦いが終わった時に『ふと振り返ってみて仲間がいる』って最高だろ? “命の一体感”というか癖になるようなこの臨場感が!




337: ◆G4SP/HSOik 2014/11/26(水) 09:58:11.70 ID:RGK9H7Jp0


ザアアアアアアアアアア!


剛田「今にして思えば、あの日露戦争がポーツマス条約で終わったのが一番だったな」

金本「そうだな。ロシアからすればあくまでも局地的な敗北に過ぎなかったからな」

金本「だからこそ 賠償金は得られなかった」

金本「それによって、歴史的には日本がロシアに勝ったという偉大な功績にはなったが、日比谷焼打事件のような暴動に繋がってしまった」

剛田「だが、あの戦争は第零次世界大戦とも呼べるような総力戦でもあったのだし、勝ったことで世界情勢に多大な影響を与えたのも事実だ」

剛田「日本としては人的資源が枯渇して如何ともし難いところだった」
                           ・ ・
剛田「あの時は本当に悪魔の手から皇国が鬼畜米英に救われたもんだよ」
           ・ ・ ・ ・ ・
金本「お前はまだそんな言葉を使うのか」

剛田「本当のことを言ったまでのことだ」

剛田「あっちは“尼港事件”のようなことを平気でするような残忍で狡猾な連中だ。まさしく“悪魔”と呼ぶに相応しい」

剛田「一方で我らが西側諸国の盟主様なんて“鬼畜”そのものだろうが」

剛田「“鬼畜”ってどういう意味か知ってるか? 『餓鬼畜生』の略だ」

剛田「『餓鬼』っていうのは――――――、」

ミロク「――――――生前に強欲で嫉妬深く、物惜しく、常に貪りの心や行為をした人間が生まれ変わるという仏教における死後の世界の1つですね」

金本「お」

剛田「なら、『畜生』っていうのは――――――、」

ミロク「――――――これもまた仏教における、生前に愚痴不平多くして感謝報謝なく、動物的な感情に染まりきった人間が堕ちる死後の世界の1つですね」

剛田「つまり、そういうことだ」

大浜「え、どういうこと?」

剛田「西側のイデオロギーとは、まさしく資本家が『餓鬼』であり、労働者が『畜生』であり、その集合体であるから餓鬼畜生と俺は呼ぶ」

金本「はー、なるほどね」

金本「けど、国粋主義者なら国家神道に根ざした宗教観じゃなくていいのか?」

剛田「あほか! 神仏習合の伝統を無視して何が日本文化か! 俺は1万円札は福沢諭吉よりも聖徳太子派だ」

剛田「新渡戸稲造や内村鑑三だってキリスト教徒だったし、極端な国粋主義による反自由主義:ファシズムなんてのは旧大戦からだろうが」

剛田「だいたいにして、ファシズムの台頭を許したのは他でもない世界恐慌における英仏のブロック経済のせいだしな」

剛田「平和共存の道を選べなかった独り善がりな国策だったからこそ、それぞれの国がきっちりとしっぺ返しを受けることになったんだよ」

剛田「ハードルは高すぎるほどにくぐりやすくなるというが、枢軸国のやり口ってのはまさにそれだ!」

剛田「歴史を紐解けば、高利貸しへの返せない借金を踏み倒すために徳政令を求めて各地で起こった土一揆とまったく構造が同じじゃねえか」

剛田「それを大東亜共栄圏だとかナチズムとかファシズムのお題目を徳政令代わりにしてたってだけよ。借金の踏み倒しの正当化をするためにな」

剛田「お前、読んだか? ヒトラーの『わが闘争』とかの枢軸国のくだらない思想書の数々を」

金本「いや。そんなものは海軍としては禁止だな」

剛田「かぁー、『臭いものには蓋』かよ。なぜ危険なのかを知って活かさなくちゃあの戦争の意味がないじゃないか」

金本「とは言われても、深海棲艦との戦争に入って四半世紀足らずして21世紀に突入した現代なんだけど?」

剛田「【艦これ】が『現代日本風の異世界』であることは今は忘れろ!」メメタァ

吉備津丸「将校殿っ! それ以上はいけないでありますっ!」アセアセ



338: ◆G4SP/HSOik 2014/11/26(水) 09:59:14.09 ID:RGK9H7Jp0

――――――鎮守府


榛名「提督! 榛名、力の限りを尽くしました!」ニッコリ

金本「ああ。良くやったよ……」フゥ

榛名「…………提督? 何だかお疲れのようですが大丈夫ですか? 榛名に何でも言ってください。提督のお役に立ちたいです!」

金本「連続出撃で疲労もたまってるだろうによく頑張るな。可愛いぞ、榛名」ナデナデ

榛名「そ、そんな……『可愛い』だなんて、榛名にはもったいないお言葉…………」テレテレ

金本「それは嫌味か? 俺が『可愛い』って言っているのに素直に受け取れないのか?」

榛名「あ、そんな! 榛名はそんな――――――!」アセアセ

金本「バカタレが」デコピン!

榛名「あうっ」

金本「そういうところもまたお前の美徳なんだろうが、相手を見極めて言うのだな」

金本「お前のその献身的な性格とそれに恥じない美貌には惹かれるが、俺のようなひねくれ者としては素直すぎるのが困るんだよなー」モ モ

榛名「え、そんな……榛名は…………」ドキドキ

金本「ほれ見ろ! 俺が公然と  を   しているのに、お前はそれを素直に受け容れている! 嫌がらない!」

金本「俺は嫌がる娘や素直じゃない娘を弄くって屈服させるのが大好きでね? 最初から従順な娘は面白味に欠けるんだよな~。攻略のしがいがねえ」

金本「それでも、お前はいい娘だからいいんだけどさ? どうもそれ以上の感情が湧かねえな、思ったより」

榛名「そんな! 榛名はいったいどうすれば…………」オロオロ

金本「榛名、『勝手は榛名が許さない』っていつものアレ、言ってみ?」

榛名「え」

金本「言ってみ」

榛名「えと……」


榛名「勝手は! 榛名が! 許しません!」ビシッ


金本「!」ドキッ

金本「ぐへへへへへ」ニタニタ

榛名「え、提督……?」

金本「――――――ああ スッキリした」フゥ

榛名「え」

金本「ああ悪い悪い。さっきのセリフでスッキリしました。耳が幸せです」ニッコリ

榛名「え? あの、何かするとかそういうのでは……?」オロオロ

金本「榛名って完璧超人の大和撫子だからさ? これといった劣等感がないようで俺が手を出す面白味がない」

金本「最初は金剛型戦艦の中ではお前が一番の好みのように思えたから抜擢したわけだが…………、」

金本「    もあるし、いい臭いするし、万人受けの美貌があるし、愛想もいいし、能力に優れる幸運艦だし、ちょいと恵まれ過ぎだね」

金本「けれども、さっきのセリフを聞いて妄想の中で俺が身持ちが堅い榛名を征服するのを見られたから、その言葉だけで満足かな」

榛名「そ、それなら、榛名! いつでも準備できてます!」ドキドキ

金本「そこがダメなんだよ。オープンな娘はそれはそれで魅力的なんだろうけどやっぱり面白くないな~」


339: ◆G4SP/HSOik 2014/11/26(水) 09:59:58.57 ID:RGK9H7Jp0

金本「まいったな~、●●くんなら何も気にせず普通に愛しちゃうんだろうけど、そんなののどこが面白いんだか……」

金本「夕張や龍驤なら豊胸マッサージで悦ばせてあげられるし、不幸姉妹は口とは裏腹に悦ばせるのが凄く楽しい」

金本「球磨と多摩、卯月は動物のようにじゃれついてくれるのがカワイらしいし、陸奥は火遊びが うん! 最高だね」

金本「蒼龍は艦爆を食み出させたり、生足を堪能できたりして実にイイ! 翔鶴と隼鷹の衣服をビリビリに引き裂くのも乙だな」

金本「どうしてなんだろうな~? 榛名はイイ女だが実際 側女にしてみて面白くない。扶桑と比べてずっと優秀なんだけど面白くない……」

榛名「は、榛名は、要らない子、なんですか……」ウルウル

金本「『要らない』なんて言ってないし、ケッコンカッコカリだってしてお前の●●はいただくつもりだ」

金本「――――――たっぷり悦ばせてあげるさ、その時はね?」ニヤリ

榛名「て、提督……」ドキドキ

金本「けど、何というか完璧すぎてかえって魅力を感じないというのか――――――あ」ピコーン!

榛名「て、提督……?」

金本「わかった。発想の転換だ」


金本「お前は周囲から羨望を浴びせられる完璧超人になれ。俺ですら扱いに困ってるんだからな」


榛名「そ、それってどういう…………?」

金本「つまり、俺に変わって鎮守府の悩める乙女たちの悩みを解決する提督代行をしろ」

榛名「え、ええええええええ!?」

金本「そうしているうちに、いつかは完璧超人のお前でも躓く時があるだろうから、そこを俺がつけこんで俺の女にしてやる!」

金本「どうだ? その完璧超人ぶりを持て余しているのならとことん完璧になってみせろ」

金本「俺の鎮守府には他の鎮守府だとあまり起用されないような連中がゴロゴロいるらしいからな。一癖も二癖もあるぞ?」

金本「お前は俺が目をつけている女共の相手ができるようになれ。きっと今まで感じたことがないような嫉妬の炎に炙られるぞ?」

金本「そしたら、俺としても榛名のことを愛する糸口が見つかるわけだからこれからよろしく頼む」

榛名「わ、わかりました、提督! 榛名、全力で参ります!」ビシッ

金本「うん」ニッコリ


金本「(正直に言えば、榛名だけじゃなく鎮守府での艦娘たちとの日々よりも深海棲艦とのナマの戦いの日々に魅力を感じつつあった…………)」


―――

――――――

―――――――――

――――――――――――



340: ◆G4SP/HSOik 2014/11/26(水) 10:01:59.41 ID:RGK9H7Jp0

――――――それから数週間が経ち、


金本「よう、今日も早くからやってるな」

剛田「ああ。直接 身体を使わなければならないわけだから日々の鍛錬は欠かせない」ハアハア・・・

大泊「さすがに強い…………パワードスーツ込みでもすでに軽巡以上にまでなったのでは?」ハアハア・・・

剛田「当たり前だ……! 俺は初陣での心の弱さを克服して【○二】の存在価値を示し続ける必要があるんだ……」スゥーハァーー


剛田「俺は現代の乃木希典になるつもりだ」


剛田「つまりはお前の共犯者だ、金本」

大泊「――――――『共犯者』?」

金本「…………そうだな」フッ

剛田「それで、“海上陸戦の父”にでもなって、更には俺とお前とで“現代の乃木希典と東郷平八郎”を目指そうぜ?」

金本「それはおもしろい話だな」

剛田「あれから船舶司令部も本格的に動き出してくれたぞ。これも【○二】で【陸上型深海棲艦】を倒せたからだな」

剛田「ここまでくれば、後は揚陸作戦での役割を【○二】にどれだけ詰め込めるかだな」

金本「いよいよ、俺の欲望とお前の悲願が合わさり、地獄の蓋が開くわけだな」

剛田「ああ、陸軍船舶司令部から近々 同じ【○二】乗りになるための部隊が寄越されるんだ」

剛田「俺はその教官を務めることになったんだ。いつまでも研究三昧とはいかなくなるな……」


341: ◆G4SP/HSOik 2014/11/26(水) 10:02:25.82 ID:RGK9H7Jp0

金本「つまりは、強襲揚陸――――――本格的な領土奪回作戦を行う予定なのか、陸軍としては?」

大泊「…………奪回した後でそれを維持できるのか?」

剛田「そうだ。そこが問題だ」

剛田「幸い、深海棲艦は旧施設の破壊までは行わず、離島に住んでいる人間も四半世紀近くになるが無事であることが確認されている」

剛田「つまり、やつらは軍艦らしく海上封鎖しかできない能無し――――――だから、陸軍はいつの世も必要なわけよ」

剛田「だが、【陸上型ボス級深海棲艦】ばかりはそうはいかないらしい……」

金本「やつらが【陸上型ボス級】を中心に旧施設の港を占拠していることが段々とわかってきたな」

剛田「だが一方で、やつらが施設を利用した具体的な形跡なんてほとんどなかった」

剛田「やつらは戦略こそできないが、本能的に軍事物を手当たり次第 攻撃する衝動と圧倒的な兵力があるからこそ、」

剛田「これまで制圧した諸島は防衛リスクを鑑みてすぐに放棄されてきたわけだ…………『奪回するだけの価値がない』と」

金本「実際に国際紛争になってないのも、深海棲艦による海上封鎖があるおかげでもあるからな」

金本「旧大戦での海軍の手に余りすぎる防衛圏を鑑みれば、むしろ交易路の要諦だけ抑えてその他は取り戻さないほうが経済的ですらある」

剛田「そうだ。少なくとも北方AL諸島を取り戻すのは非常に無駄だが、東南の交易路を確保すること自体は有意義だ」

金本「陸軍の常駐を許すかな?」

剛田「さあな? 艦娘とかいう超兵器を連れ回している海軍を歓待している連中からすればあまりおもしろくないだろうな」

剛田「とにもかくもだ。実際に鎮守府がボス級の編隊に襲われるようになったんだ。防衛設備の拡張が必要だろう?」

剛田「陸軍としては、どこかの離島に上陸してそこに要塞を築くという大規模演習を計画中ではある」

剛田「いや これは、――――――『大本営としては』か」

大泊「!」

大泊「離島に艦隊を集結させてそこで深海棲艦の大群を引き寄せて迎え撃つ――――――!」

金本「これまでの大規模作戦は敵陣深くに突っ込ませる千里行――――――今度は逆にそれを深海棲艦に強いる一大反攻作戦ということか」

剛田「そうだ。そのための【陸上機】や【対空砲】なんかも着々と準備されつつある」

剛田「この前の各地の強豪鎮守府が侵攻してきた深海棲艦の艦隊を迎撃した内容や作戦を踏まえて行われるぞ」


剛田「おそらくは、資源王のお前がこの戦いの鍵を握るやもしれんな」


金本「……ほう?」

剛田「他にはない【特務艦】や圧倒的練度の精鋭艦隊をいくつも擁している」

剛田「『司令部』が擁している精鋭提督の中ではあの石田提督をも凌ぐ圧倒的な戦闘実績のお前がこの作戦の総司令官に選ばれるのではないかと思う」

大泊「…………司令官」


342: ◆G4SP/HSOik 2014/11/26(水) 10:03:56.42 ID:RGK9H7Jp0

金本「それで? 資源王の俺から大切な資源を徴収して何もないわけ?」

剛田「大本営も『それ相応の位を与える』と言っているようだな。――――――まあ『船舶司令部からの情報によると』だが」

金本「俺はね? もう好き勝手にやるのには十分な地位も名誉も財産もあるの。そんな俺をどうやって満足させるつもりなんだ?」

金本「俺とお前とで“現代の東郷平八郎と乃木希典”と並び称されるようになるんなら大歓迎なんだがな」

剛田「知るかよ。それに至るには戦後になってからの評価に従うしかない」

剛田「とにかく、お前は総司令官として防衛部隊の総指揮の訓練をしておけ」

剛田「厳しい戦いになるはずだ。装備や練度、資源の向上を今から始めておけ」

金本「わかったぜ」

金本「ちなみに防衛期間はどれくらいになる予定なんだ? まさか『鎮守府には一生帰るな』ってわけじゃないだろうな?」

剛田「さあな? 防衛拠点となる離島付近の深海棲艦を一掃した後に陸軍が仮拠点を築いて一通りの設備と迎撃態勢を整えるんだ」

剛田「かなり試験的なものだ。1つ1つの離島をいつでも軍事拠点に変えられるようにする土台作りも含まれているからな」

剛田「本格的に防衛拠点として機能したのを確認した後は、そのノウハウを吸収して拠点放棄まで実践するつもりだから、家には帰れるから安心しろ」

金本「大変有意義な陸軍の大規模演習だこと……」

剛田「まあ、少なくとも陸軍の威信が掛かった一大反攻作戦だ。計画立案は慎重に進められてるよ」

剛田「特に、大本営にも影響力がある資源王のお前を総司令官に指名するつもりらしいんだからな」

剛田「これが成功すれば、陸軍船舶司令部の【○二】は晴れて制式採用となるわけだ」

剛田「お前の【○四】はせいぜい緊急脱出用パワードスーツとして母艦の倉庫でホコリを被せておけばいい」

金本「ちぇっ」プルルル・・・

金本「ん?」ガチャ


343: ◆G4SP/HSOik 2014/11/26(水) 10:04:28.25 ID:RGK9H7Jp0

――――――
榛名「提督! おはようございます! 榛名です」
――――――

金本「ああ。おはよう。まだ勤務時間じゃないはずだが」

――――――
榛名「提督は今、隣の御殿ですか?」
――――――

金本「ああ。今、非常に高度で重要な任務に就くかもしれないという情報を得た」

金本「榛名、これからしばらくは鎮守府で艦隊の増強に精を出さなければならないらしい」

金本「今日はその節でこれから顔馴染みになるだろう陸軍将校をお招きする」

金本「歓待と俺の朝食の準備をしてくれ」

剛田「お! いいのか?」

――――――
榛名「わかりました、提督! 榛名、お待ちしています!」
――――――

金本「ああ。それじゃ行こうか」ピッ

金本「速吸の飯にも飽きただろう? たまには海軍食堂の間宮の飯もいいもんだぜ(速吸の仕事はもっぱらカレーパンを作ることとなりつつあったな)」

剛田「ではでは、ごちそうになりますか(そんなもんだから、速吸もそれに嫌気が差して違うパンを作るようになったんだっけな)」

剛田「お前の艦隊が主力になるんだろうからここで陸軍との信頼関係を築いておかないとな」

金本「そうだな。――――――大泊も来い。それで金本邸の全員を鎮守府にお招きしろ」

大泊「わかったぞ、司令官!」ビシッ

金本「さて、陸軍・海軍の連合作戦――――――」

剛田「――――――陸海合作は果たしてどこまでの成果を出してくれるのやら」

金本「勝ちに行くぞ!」

剛田「ああ!」


――――――全ては皇国の明日のために!


――――――第6話Y-2 提督、出撃す     -船娘の進撃・陸軍の意地・男の浪漫- 激闘編 完

     NEXT:第7話Y 一大反攻作戦第一号・序章    -離島要塞化計画-  に続く!



347: ◆G4SP/HSOik 2014/12/19(金) 08:06:16.55 ID:y77DECdZ0

第6話X-1 幻の八八艦隊「天城」 -新時代の礎になった「天城」と盛衰に生きた妹たち- 邂逅編

――――――洞庭鎮守府


清原「【八八艦隊】――――――ともかくその旗艦となっている「天城」から【派遣】してもらうか」

清原「しかし、これはいったい――――――それにしても体感的に僚艦だった長門と陸奥がかなり弱かった印象があるな」

清原「榛名、【八八艦隊】の資料を探しておいてくれ。これは何かありそうだ」

榛名「わかりました、提督!」

清原「さて、まずは「天城」だけを【派遣】してもらって確認次第、順々に【派遣】してもらおう」

清原「――――――戦艦だけの艦隊を【駐留】させても物の役に立たないからな」メメタァ




x:天城’:Lv120「天城型巡洋戦艦1番艦:天城です。妹の赤城と加賀がお世話になっております。あ、そうなのですか、【この世界】の『私』は――――――」




清原「…………ああ」ジー

清原「(その出で立ちは、赤城と加賀を足して2で割ったようなものだった――――――いや、そうでもないか)」

清原「(赤城と対になるような加賀のとそっくりな青袴をしており、それ以外は本当に赤城と似通った姿である。濡れ烏の美しい長髪に白ニーソであった)」

清原「(この「天城」の特徴といえば、古代日本の巫女を想起させるような宝冠とどこか浮世離れしたような不思議な雰囲気に凛とした佇まいだろう)」

清原「(和装した戦艦というと巫女服風の金剛型であり、そういう意味ではよく似ている)」

清原「(――――――実際に天城型巡洋戦艦は金剛型巡洋戦艦の次級の扱いと資料にはある)」

清原「(ただ、金剛型の身形は巫女服風のハイカラなものであって【実際】の艦齢に反する若々しさに満ちていた)」

清原「(一方、「天城」は純然とした巫女服:千早といった印象で肌の露出もなく、無地でより落ち着きのある印象があった。ミニスカニーソだが)」

清原「(ただ、私の知る赤城と加賀とは違ってこちらの「天城」は戦艦なので弓道着ではなく、長門型を超える艤装を背負っている点で面食らった)」

清原「(それと、ケッコン指輪をしていないことから、【ユウジョウカッコカリ】のレベル上限に達しているようでもあった)」メメタァ


348: ◆G4SP/HSOik 2014/12/19(金) 08:07:23.95 ID:y77DECdZ0

x:天城’「この度は【派遣】していただきありがとうございました。いろいろと混乱しているでしょうからじっくりとお話させていただきたいです」

清原「それではまずお訊ねします」

清原「あなたは大本営が新たに実装した新着艦なのでしょうか?」メメタァ

清原「確かワシントン海軍軍縮条約と関東大震災によって天城型巡洋戦艦は消滅したはずです」

清原「しかし、公式の発言で『超大和型戦艦の実装も考えている』とのことで【八八艦隊】の復活もあながちあり得なくない話だと思います」メメタァ

清原「そこのところはどうなんですか?」
                  ・ ・
x:天城’「よかった、あなたが提督で――――――」ホッ

清原「え」

x:天城’「いえ、私は大本営が新たに実装した――――――むぅ、何というのでしょうか? 『そう』といえばそうですし、『違う』といえば違うんです」

清原「簡潔かつ明瞭にお答えください」

x:天城’「わかりました」


x:天城’「私たちは大本営の密命を受けて、清原提督――――――あなたに接触しに来たのです」


清原「――――――『大本営の密命』?」ゴクリ

x:天城’「はい。ですから、私が【派遣】されたことにより、」

x:天城’「すでに目的は一応 達成されましたので、すでに【派遣】のリストから艦隊は消えているはずです」メメタァ

清原「え、ちょっと確認させてください」カタカタカタ・・・

清原「あ、本当だ……(ページ2にもページ3にも【八八艦隊】の存在が無くなってる……)」メメタァ

清原「わかりました。それで『密命』というのは?」


x:天城’「ある人に会ってもらいます」


清原「わかりました。その人から『密命』の内容を聞けばよいのですね?」

x:天城’「はい」

清原「では、いつ頃いらっしゃるのでしょうか? こちらとしても準備の必要があります」

x:天城’「お待ちください、提督」 ――――――目を瞑る。

x:天城’「………………」

清原「えと……?(何だ? 神に祈りを捧げるかのように唐突に手を組んで目を瞑ったぞ…………見た目通りの巫女だと言うのか?)」

x:天城’「!」ビ ッ

x:天城’「あの子ったら、どうしてもう鎮守府の中に――――――!?」

清原「え」

x:天城’「本当にすみません、提督――――――あ、提督にお会いしていただきたかった方はすでに鎮守府内をブラブラしています!」

清原「そ、そうですか……(何だこれは? 本当に『大本営の密命』で来ているのか? ――――――もう少し様子を見るか)」

x:天城’「本当にすみません! あの子ったら、赤城と加賀と土佐の3名を連れて勝手に鎮守府を見物しています!」

清原「そう、『赤城と加賀と土佐の3名を連れて』――――――(あ、私が「天城」に続いて【派遣】してもらおうと思った艦娘だな)」

349: ◆G4SP/HSOik 2014/12/19(金) 08:08:25.49 ID:y77DECdZ0

清原「大丈夫なんですか? 『大本営の密命』なんですよね? 鎮守府の観光に来たわけじゃ――――――」

清原「それとも、新着艦のお披露目と我が鎮守府の視察も兼ねているというわけですか?」

x:天城’「…………概ね合っています。“あの子”は提督と鳳翔夫人に会いに来たのですから」

清原「え? 提督の私だけじゃなく妻にもですか?(んん? ちょっと待てよ? さっきから『天城』は『あの子』『あの子』と――――――)」

x:天城’「はい」

清原「あの……、いろいろとお訊きしたいのはやまやまなのですが、」

清原「引き会わせたいというのはあなたのところの提督なのですよね? ――――――艦娘を引き連れているということは」

清原「その提督の所属と階級と年齢を訊かせてもらえませんか?」


x:天城’「横須賀鎮守府所属、階級は少将、年齢は16になります」


清原「ああ?」ジー

x:天城’「どうなさいました――――――あ! そうだった! もうあの子ったら!」

清原「いったいどこのドラ息子なんだ、それは!」

清原「確かに【艦隊これくしょん】は開発の角川ゲームスがメディアミックス戦略で売り込んでいて、」メメタァ

清原「来年にはアニメも放映されて一般への認知が更に拡がりますけど、」メメタァ

清原「【艦隊これくしょん】はDMM.comオンラインゲーム規約で『18歳未満不可』でしょうがあああああああ!」メメタァ

清原「そんな中学を卒業して高校に入ったばかりのような子が提督になれただと!? 仕事しろ、規制しろっ!」メメタァ

清原「そして、そんなあなたのところの提督はいきなり少将というわけですから、余程 海軍に影響力を持ったどなたかの御曹司のようですな?」ジロッ

x:天城’「………………はい」

清原「――――――『それが私と鳳翔に会いに来た』だと? きっとろくでもない理由に違いないな」

清原「ハッ」

清原「『大本営の密命』――――――そうか。大本営に顔を出せるような誰かの差金だな。私にドラ息子の養育を任せる気か?」

x:天城’「それは、その――――――(言っていることは全てその通りでもあり、そうでもないのです、提督)」アセタラー

x:天城’「落ち着いてよく聞いてください!(これはもう逸早く引き会わせて納得していただかないとどんどん悪い方向に流れる……!)」


x:天城’「これは国家の一大事なのです!」ガンッ! 


清原「…………!」ビ ッ

x:天城’「聴いていただけますか?(――――――いくら【ここ】に来れたのが本当に嬉しいからって、それはあまりにも幼すぎます!)」ググッ

清原「…………わかった。話を聞こうじゃないか(何だこの迫力は!? 艦娘が提督に向かって恐喝まがいなことまで――――――)」アセタラー

350: ◆G4SP/HSOik 2014/12/19(金) 08:09:52.30 ID:y77DECdZ0

x:天城’「それと提督、今日1日は臨戦態勢を整えておいてください。出来る限り多くの艦娘に実戦装備をさせておいてください」

清原「…………なに?(何だこいつは? 艦娘の立場で越権行為までするのか……!?)」

x:天城’「大本営からの密命の1つです。すぐに部隊を出撃できるようにしておいてください」

清原「待て、それはできかねる。本当にそれが『大本営からの密命』なのか疑わしい」

x:天城’「結論から申し上げますと、近くの鎮守府を壊滅させてきたボス級深海棲艦率いる空母機動部隊の2個艦隊が接近中です」

清原「なに!?(まさか、趣里鎮守府が最初で、その後はあちこちの鎮守府が襲われ――――――、)」アセタラー

清原「(他には同じ『司令部』の拓自鎮守府でもあったという深海棲艦の鎮守府襲撃のことか!?)」

x:天城’「ですから、迅速な対応をお願いします」

清原「…………なるほど(どこまで真実かはわからないが警戒しておくに越したことはないだろう)」ガチャ

清原「――――――榛名(そうだ。その時のための手引書を朗利提督からいただいていたんだ。どこにしまってたかな……)」

清原「――――――周辺の鎮守府と連絡をとってくれないか? 深海棲艦に動きがないかをな」

清原「――――――頼む。情報によれば空母機動部隊の2個艦隊だそうだ。それに備えた装備換装と編成を指示して回ってくれ」

清原「――――――ああ。私もおかしいと思っているが前例がある以上は警戒してし過ぎることはない」

清原「――――――ではな」ガチャリ

x:天城’「提督、総員第1種戦闘配置にしないと鎮守府が壊滅的な被害を受けますよ」

清原「すまないが、信用できない。いろいろおかしな点がありすぎてな」

清原「目的がわからないし、状況も掴めない」

清原「いったい何をしに来たというのだ、あなたは……」

清原「それに、艦娘としてもあなたはあまりにも異質すぎる。どこか艦娘としておかしい」

清原「本当は艦娘を騙っている大本営からの人間スパイかなんじゃないのか? はっきりとはわからないけど」

清原「そう――――――、」


――――――あまりにも人間的すぎる!


x:天城’「そうでしょうか? 艦娘でも仕込み次第で密命を帯びてこうして接触して鎮守府の司令官に命令することなど可能のように思えますが」

清原「なら、横須賀鎮守府所属の16歳の少将というのは何者なんだ?」

x:天城’「それは…………」

清原「そこだ。そこだよ!」ビシッ!

清原「どうしてそこで言葉に詰まるんだ? 自分の提督について、絶対服従の因子が組み込まれた艦娘ならすらすら答えられるはずだ」

清原「それに、あなたは自分の提督のことを『あの子』『あの子』と呼んで、まるで本当の――――――」

x:天城’「…………わかりました」

x:天城’「時間が圧しています。なるべく手短に話しますが、これから話すことは全て事実です」

x:天城’「まずはその証をご覧に入れましょう、提督」

清原「いいだろう……(そして、私のことを『提督』と呼んで毅然としているはずの目の前の女性の目はどこか――――――、)」


――――――どこか愛しい人を見つめる妻のものと重なって見えた。


351: ◆G4SP/HSOik 2014/12/19(金) 08:10:43.20 ID:y77DECdZ0










x:天城’「提督? 昨日か一昨日、原因不明の停電があったはずです。それによって鎮守府の機能が麻痺したのではありませんか?」

清原「…………!」

清原「どうしてそれを知っている‥…?」

x:天城’「それと、落雷のような衝撃が鎮守府かその近辺にあったはずです――――――」


352: ◆G4SP/HSOik 2014/12/19(金) 08:12:18.32 ID:y77DECdZ0

――――――『天城』が【派遣】された頃、


ワイワイ、ガヤガヤ、ワーワー!

少年「へえ、【昔】はこんなにも個性豊かな艦娘が居たんだ」キョロキョロ

x:赤城「そうですね。さすがは“護国の英雄”清原提督の鎮守府です。見たこともない艦娘がたくさんいます」

x:加賀「もう間もなくその“英雄”との邂逅なんですね。さすがに気分が高揚します」

x:土佐「そういえば、天城さんはもう清原提督と会ってるんだよね?」

少年「そうそう。天城がうまく引き合わせてくれるはずだよ」


――――――楽しみだな。


少年「でも、何か違うんだよな…………」

x:赤城「……やはり、提督もそう感じておられましたか」

少年「うん。何か【昔】のほうが発達している気がするんだよね…………おかしいな。どうして【昔】の鎮守府のほうがいいところのように思えるんだ?」

少年「いや、それはまあいいんだ」

少年「けど、土佐に向かって『加賀さん』って言い間違える娘がやたら多くないか?」

x:土佐「そうだねー。加賀姉さんと間違えられるのは悪い気はしないけど、どうしてなんだろうね?」

少年「【この時代の艦これ】と【オレの時代の艦これ】の間でデザインの差し替えとかあったのかな?」メメタァ

x:加賀「考えたくないですが、【私たちの時代】に移るまでに何らかの不祥事が起きて差し替えが已む無しになったとか?」メメタァ

少年「それも可能性としてはあるのか? 全てが全て“災害”のせいだとは言い切れないからな」

x:土佐「ええー!? それじゃ、ここにいる加賀姉さんのデザインはオリジナルじゃないってことぉ!?」メメタァ

x:加賀「大丈夫よ、土佐。【昔】がどうであろうと私の提督は提督だけですし、私の妹は土佐だけ。赤城さんともずっと一緒です」

x:土佐「加賀姉さん、ありがとう!」ウルウル

x:赤城「となると、一番早い解決策は【この時代】の私たちと会ってみることでしょうか?」

少年「そうなるか。とりあえず、あそこの艦娘に訊いてみるか」

少年「すみません!」


翔鶴「え? あ、提督――――――あれ? あれれ?(提督が小さくなっちゃった!? しかも、――――――可愛い)」キュン


少年「あの……、天城型巡洋戦艦と加賀型戦艦の人って普段はどこに居るんでしょうか?」キラキラ(少年の純情あふれるつぶらな瞳!)

翔鶴「え? ――――――『天城型巡洋戦艦』と『加賀型戦艦』ですか?(え、初めて聞いた艦型だけれど、『加賀型』ってことは加賀さんのこと?)」

翔鶴「すみません。加賀さんは今 入渠中なんです」

少年「そうなんですか。それじゃ、土佐さんは知りませんか?」

翔鶴「――――――『土佐』さんですか? すみません、この鎮守府には在籍してません」

少年「………………あぁ」

翔鶴「えと、…………清原提督ですよね?」ドクンドクン
                     ・ ・
少年「ああ はい。――――――旧姓ですけどね」

翔鶴「え?(あ、……驚いた。そう、そうよね。背丈も違うし、提督に似ているだけの――――――え)」ドクンドクン


353: ◆G4SP/HSOik 2014/12/19(金) 08:13:17.36 ID:y77DECdZ0

翔鶴「えと……、あなたは清原提督のご家族や親戚の方なんでしょうか?」ドクンドクン

少年「はい。その通りです」ニッコリ

翔鶴「あ、そうだったんですか! ようこそ、おいでくださいました!(ど、どうしよう? 何だかドキドキしてきたんだけど……)」ドキドキ

少年「はい。ご丁寧にありがとうございます(さすがだな、やっぱり。しっかりと礼儀がなってるよ)」ニコニコ

少年「それで、あなたの名前は――――――あ」

少年「私は旧姓は『清原』ですけれど、今は『龍翔』という苗字です。横須賀鎮守府から来ました。お邪魔します」キラキラ

翔鶴「はい。龍翔提督ですね。何だか空母みたいな苗字ですね」ニッコリ

少年「そりゃあもう母さんは――――――」

翔鶴「私は翔鶴と言います。よろしくお願いします」


少年/龍翔「え、『翔鶴』だって!?」


翔鶴「え、ええ? どうしたんですか、龍翔提督?」ハラハラ

龍翔「えと、――――――お、落ち着け。落ち着くんだ、オレ」ブツブツ
          ・ ・ ・ ・ ・ ・
龍翔「(そうか。翔鶴おばさんも【昔】はこんな姿だったのか。本当に女の子らしい姿だったんだ。そう思うとどことなく雰囲気が似てるな)」

龍翔「ふぅん」

翔鶴「えと……、あ、そろそろ時間が――――――行っていいでしょうか? 艦載機の訓練をしないといけませんので」

龍翔「あ、ちょっと」

翔鶴「?」

龍翔「訓練風景を見せてもらえないかな?(――――――何ていうか、若いころのおばさんと出会うっていうのも因果だなぁ)」モジモジ

翔鶴「あ、――――――はい!(――――――可愛い)」ニッコリ



354: ◆G4SP/HSOik 2014/12/19(金) 08:14:03.30 ID:y77DECdZ0

翔鶴「♪」

瑞鶴「翔鶴姉? 何か張り切ってるね」

翔鶴「そう?」キラキラ

瑞鶴「あれ? 今日は珍しく見物人が集まってるのね」

瑞鶴「ん」

――――――
龍翔「――――――」

x:赤城「――――――」

x:加賀「――――――」

x:土佐「――――――」
――――――

瑞鶴「どういうことかしら? わざわざ一航戦の連中が私たちの訓練を見に来るだなんて――――――嫌味かしら?」

瑞鶴「でも、提督といい、一航戦も何か違和感が――――――」

翔鶴「瑞鶴。私たちの全力をおもいっきり見せつけてやりましょう」ニッコリ

瑞鶴「う、うん(あれ? 本当にどうしたんだろう、翔鶴姉? 物凄く良い笑顔なんだけど)」

瑞鶴「でも、翔鶴姉の言う通りだ! そろそろ一航戦の連中に見せてやるわ! 私たちの本気ってやつを!」

――――――
龍翔「でかくね? あの飛行甲板でかくね? 偵察や対潜にしか使わないような航空機をあんなに積んで何をする気なんだろう?」

x:赤城「本当ですね。あれだけの数の航空機を何に使うんでしょうか? 潜水艦を撃沈するにはずいぶんと数が多いですね」

x:加賀「何が始まるのか楽しみです」ドキドキ

x:土佐「【昔】の翔鶴さんってもしかして相当強かったんじゃ……」


龍翔「お、始まったようだぞ――――――って、やっぱ数が多い!(10,20,30,40…………)」カチカチカチカチ・・・・・・

x:赤城「こ、これは凄い数ですね……」

x:加賀「そういえば、土佐のことを翔鶴さんと一緒の子が睨んでいたような…………」

x:土佐「あ、明らかに【昔】の方が強いですよ、翔鶴さん!」


龍翔「おお! かっこいい! え、何々?! 水上の標的に対してあんな正確に大量の爆撃が行えるものなのか!?」ドキドキ

x:赤城「凄い……、さすがは“護国の英雄”が擁している艦娘! 航空機を大量導入して標的を瞬く間に制圧するなんて」

x:加賀「…………確かに凄いけれど腑に落ちないことがありますね」

x:土佐「どうして清原提督の戦術が広まらなかったんだろう? それに、そんな戦術をしただなんて話 聞いたことないし……」

龍翔「そんなことどうでもいいじゃないか! なら、オレたちが広めればいいんだよ!」

龍翔「そうか。艦載機をたくさん積んで――――――織田信長がやった長篠の戦いと同じやり方だな!」

龍翔「それに、翔鶴おばさんの若い頃の全力ってやつは目に焼き付けた! 帰ったらビシバシ指導してもらおう!」

龍翔「さ、終わったようだし、拍手拍手! やっぱり“護国の英雄”は格が違った!」キラキラ

パチパチパチ・・・
――――――

瑞鶴「え、え? え?」

瑞鶴「は、拍手? ―――――― あの一航戦の赤城と加賀が? ――――――認めてくれたってことなの?」ドキドキ

翔鶴「やりましたよ、みなさん」ニコニコ

瑞鶴「やったー!」ニッコリ



355: ◆G4SP/HSOik 2014/12/19(金) 08:15:36.69 ID:y77DECdZ0

龍翔「いやぁ、本当に凄かった! さすがは清原提督の艦娘だよ! かっこよかった!」キラキラ

翔鶴「ありがとうございます、龍翔提督」ニッコリ

瑞鶴「えと、こちらの方は? あ、もしかしてよその鎮守府の方たちだったんですか?(…………なんだガッカリ)」

翔鶴「そうよ、瑞鶴。こちらの方は龍翔提督で提督の親戚の方だそうです」

龍翔「横須賀鎮守府付きの龍翔です。今日は凄いものを見せてもらいました」ニッコリ

瑞鶴「あ、これはこれは――――――、初めまして、瑞鶴といいます!(え、何だろう?! 本当に提督が幼くなった感じで――――――)」ドキッ

龍翔「――――――『瑞鶴』?(え? ああ そっか。翔鶴おばさんがこれだけ強いんだもんな、そりゃあそれに肖った名付けにもなるのか?)」

瑞鶴「あ、はい。翔鶴姉の妹で五航戦です」ドキドキ

龍翔「――――――ご、『五航戦』? それは凄いですねえ!」ゴクリ
                        ・ ・ ・ ・ ・
龍翔「(まさか航空戦力主体の艦隊を鎮守府独自に5つ以上も設けていただなんて…………恐るべし、“護国の英雄”!)」

瑞鶴「い、いえ、それほどでも…………(こ、こんなに感激してもらえただなんて初めて…………なんか照れくさいな)」テレテレ

x:赤城「本当に凄いですねぇ。尊敬します」

x:加賀「さすがに気分が高揚しました」

x:土佐「本当ですよ! かっこよかったです!」

瑞鶴「え? ――――――加賀…さん?(あれ? こんな人たちだったっけ……? なんかこの鎮守府の一航戦のキャラがわからなくなってきた……)」

x:土佐「あの……、加賀姉さんはこっちですよ? 私は妹の土佐です」(右サイドテール)

x:加賀「また間違えられました……」ズーン(ポニーテール)

瑞鶴「え? あぁれ? ええと、――――――なんかごめんなさい!」

x:赤城「なぜだか【ここ】では加賀さんは妹の土佐さんに間違えられるんですよ。【ここ】の加賀さんってどんな人なんでしょうね?」

x:土佐「さあ? もしかして私と同じようにサイドテールしてるとかじゃないの?」

x:加賀「え? どうして私がサイドテールなんか…………」

x:土佐「あ、今『サイドテールがダサい』って思ったでしょう、加賀姉さん!」ムスー


x:艦娘たち「――――――!」ギャーギャーワーワーガヤガヤ




356: ◆G4SP/HSOik 2014/12/19(金) 08:17:07.69 ID:y77DECdZ0

瑞鶴「…………どういうことなの、翔鶴姉? 何かずいぶん龍翔提督のところの一航戦は優しいというか、何か違うよね」ヒソヒソ

瑞鶴「だって、赤城はまあ胸当てとかしてないだけなんだけど、」ヒソヒソ

瑞鶴「加賀なんて土佐って子のほうが私たちの知ってる加賀に近い感じじゃない、見た目だけなら」ヒソヒソ

瑞鶴「(でも、よく見れば土佐は【こっち】の加賀とは違ってサイドテールを右にしてるし、鮮やかな赤の加賀友禅を着込んで根も明るい感じ)」

瑞鶴「(一方で、確かにこの加賀は着ている淡い青の加賀友禅のように土佐と比べると印象が薄い感じがするけれど『やっぱり加賀だな』って思えた)」

翔鶴「さあ? そのことはよくわからないけれど、そんなこといいじゃない」ヒソヒソ


翔鶴「――――――『素敵な出会い』ってことで」ニッコリ


瑞鶴「あ、うん」ニッコリ

龍翔「いやぁ、本当に良かったよ! 来てよかった。良い土産話になるよ」ニコニコ

翔鶴「ありがとうございます、龍翔提督」ポッ

瑞鶴「何ていうか、【こっち】の赤城や加賀もあなたたちのようにもっと気さくな人たちだったら良かった……」

x:赤城「え? 違うんですか、そんなに?」

瑞鶴「うん。赤城さんはあんまり変わってないけど、加賀なんて五航戦のことを自分たち一航戦より格下だと完全に思ってるんだよね」

瑞鶴「だから、目を合わせるだけで互いに気を悪くするのよ……」ハア

x:土佐「え? あんなにも凄い空中芸なのに更にその上をいってるんですか!?」

x:加賀「なんかごめんなさい…………同じ加賀として申し訳なく思います」ズーン

瑞鶴「あ、いやいや! それはこちらの事情であって……」

瑞鶴「あのっ――――――ごめんなさい! 悪気は無かったんです(…………なんかやりづらい! やっぱり私って加賀と相性 悪いのかな?)」

瑞鶴「そ、それに、一航戦は確かに力量としては後れて出来た五航戦よりも素晴らしい戦果を上げてましたし、今でもこの鎮守府の要なんです」

瑞鶴「だから、格下だと思われるのは私自身もしかたないなーって思うところもありましてね?」アセアセ

x:加賀「……そうだったんですか。だから あんなにも喜んでいたんですね」

x:加賀「ごめんなさい。私たちにはあなたたちがしたようなことは一切できないの」

x:加賀「なんだか糠喜びさせてしまったみたいで本当にごめんなさい」ズーン

瑞鶴「そ、そんなことないですよ! あんなにも感激してもらえたのは本当に…………確かにちょっとガッカリしたところはあってもだよ!」アセアセ

x:土佐「まあまあ、加賀姉さん。そういうのはここまでにして、ね?」

x:土佐「ごめんね。加賀姉さんは本当に思いやりのある人なんだけど、一度思いつめたらずっと引きずっちゃうから許してあげて」ニコッ

瑞鶴「あ、はい(どうしよう、何か完全に【こっち】の加賀のことなんて記憶から追放したい勢いなんだけど……)」アハハ・・・


357: ◆G4SP/HSOik 2014/12/19(金) 08:17:35.96 ID:y77DECdZ0

龍翔「これから時間あるかな? 今、私のところの艦娘が清原提督に会ってる頃だから迎えが来るまで暇なんだ」

龍翔「どうかな? 無理ならば時間を潰せそうなところを教えてくれると助かるんだけど」

翔鶴「わかりました。ぜひとも案内させてください」ニッコリ

龍翔「そうか。助かるよ、翔鶴おば――――――翔鶴おねえさん(あ、危ない危ない! 危うく言いかけてしまった! 気をつけないとな)」ニッコリ

翔鶴「あ」ポッ

翔鶴「も、もう一度 言ってくれませんか――――――」モジモジ

龍翔「え? どうしたんですか、翔鶴 お ねえさん?(癖は癖だからなぁ。それに無意識に重ねちゃうようになったから余計に気をつけないと!)」

翔鶴「私が提督のおねえさん――――――、ふふふ」ニコニコ

瑞鶴「…………龍翔提督か」

瑞鶴「(提督をそのまま歳相応に幼くしたって感じだけど、それ以上に凄く感じのいい人じゃない!)」ドキドキ

瑞鶴「(それに、龍翔提督のところの一航戦の人たちとは本当に仲良くやれそうだな――――――よし!)」ワクワク

瑞鶴「あ、待ってよ! 私も一緒に案内してあげるんだからー!」タッタッタッタッタ・・・・・・



358: ◆G4SP/HSOik 2014/12/19(金) 08:18:29.78 ID:y77DECdZ0

――――――1,大和:世界最大級の戦艦に挨拶


大和「あら、一航戦の方と五航戦の方が一緒だなんて珍しい……」

翔鶴「こんにちは。今日は横須賀鎮守府からのお客さんを案内しているところなんです」

瑞鶴「こちらの方は、我が鎮守府が誇る決戦兵器:大和型戦艦1番艦の大和さんです!」

龍翔「あ、清原提督との【演習】で旗艦を務めてた人だ!」

龍翔「初めまして、横須賀鎮守府付きの龍翔です!」キラキラ

大和「あ」キュン

龍翔「覚えてませんか? 今日の【演習】で対戦させていただいた艦隊の者です」

x:赤城「驚きました。まさか十三号巡洋戦艦の発展型まで擁しているだなんて……。私は赤城です。どうかよろしくお願いします」

x:加賀「加賀です。どうかこれからも【演習】でご教授していただけると助かります」

x:土佐「加賀姉さんの妹の土佐でーす! 本当に大きいですねぇ! 艤装も胸も…………」ジー

大和「…………あ、あなたたちだったんですか」

大和「そうですか。大本営付きの新着艦だったんですね」

大和「そ、それで、――――――龍翔提督でしたか? この大和に何かお訊ねしたいことはありませんか? 何でもいいですよ」モジモジ

瑞鶴「あれ、何だろう? 何だか様子が変な気が……」

翔鶴「………………」ニコニコー

龍翔「う~ん、私も来たばかりで不勉強だったり不案内だったりでわからないことだらけで何から質問すれば良いのかわかってないのですが、」

龍翔「これから何度も顔を合わせることになると思いますので、今日は挨拶回りと言うことで今後ともよろしくお願いします!」キラキラ

大和「は、はぅうう…………」モジモジ

瑞鶴「えと、大和さん?」

翔鶴「どうなさいました?」ニコニコー

大和「ハッ」

大和「い、いえ! 大和は大丈夫です。それでは龍翔提督のことをよろしくお願いします」

瑞鶴「任せてください」

翔鶴「それでは、私たちはこれで」

スタスタ・・・・・・

大和「やっぱり見間違えじゃなかった…………」

大和「それにもしかして、龍翔提督は私たちの提督の、――――――弟? それとも甥っ子さんなのでしょうか?」

大和「ともかく、本当に眼がキラキラしてました(――――――思わず、見惚れてしまう程の)」ドキドキ

大和「いいなぁ――――――そうだ、今夜はこの大和ホテルの逸品料理にてもてなすことにいたしましょう!」ワクワク



359: ◆G4SP/HSOik 2014/12/19(金) 08:20:09.79 ID:y77DECdZ0

――――――2,長門’:ビッグ7に挨拶


Z:長門’「む、新顔か? 私の代わりに新たに【派遣】されてきた艦娘か?」

x:土佐「あ、長門だ。おーい」

Z:長門’「何だ、この加賀の馴れ馴れしい反応は――――――おっ!?」ガタッ

瑞鶴「こちらの長門さんは拓自鎮守府の朗利提督のところから【派遣】されてます」

翔鶴「ウィークリー契約でしたから、もう間もなくお帰りになられますね」

龍翔「え、――――――『朗利提督』!? 朗利提督だって!?」

x:赤城「そ、それはまた偉大な方のところの艦娘とお会いできましたね……」

x:加賀「さすがは清原提督です」

龍翔「あれ? どうしました?」

Z:長門’「………………」ジー

瑞鶴「長門さん?(あれ? 何かデジャヴが――――――)」

Z:長門’「ゴホン」

Z:長門’「き、きみ! な、名前は何と言うのだね?」ドキドキ

龍翔「横須賀鎮守府付きの龍翔提督です」キラキラ

翔鶴「この方は清原提督の親戚縁者だそうですよ」

Z:長門’「そ、そうか。道理でよく似ている――――――が」ジュルリ

龍翔「なんかかっこいい! 自信に満ち溢れていてそれでいてとっても強そうだし!」キラキラ

Z:長門’「お、おお! わ、わかるのか、龍翔提督よ!」ドキドキ
          ・ ・ ・ ・
龍翔「凄い! あの長門でも提督次第でここまで凛々しくなるものなんだ! さすがは朗利提督だ!」

Z:長門’「と、当然だ! 私はビッグ7の一人なのだからな!(――――――『あの長門』だと!? まさか私の守備範囲がバレているのか!?)」アセタラー

x:赤城「本当ですよねぇ(――――――『ビッグ7』? 意味合いからして『7人の――――――何かしら? うっ、頭が…………)」

x:土佐「――――――『やつは我ら四天王の中でも最弱』って感じだったもんね」

Z:長門’「……え?」

龍翔「な、なんでもございません! それより長門さん――――――!」アセアセ

Z:長門’「な、何だ? 訊きたいことがあるのなら遠慮無く言ってみるといい!」ドキドキ

x:加賀「ちょっと土佐? よその鎮守府まで来て長門の悪口はダメですよ」ジトー

x:土佐「ご、ごめんなふぁい……」モガモガ

Z:長門’「(ああ なんということだ! 清原提督にはこんなにも可愛らしい弟君がいたのか! これは何としてでも契約延長を――――――)」ハアハア・・・

Z:長門’「(別にかまわんだろう? 私のオリジナルはちゃんと私の提督のところで駆逐艦たちを愛でているのだからな)」メメタァ

Z:長門’「(だが、――――――『あの長門』か。な、何にせよ、これからはちゃんと仕事しているところを見せておかないとな!)」

Z:長門’「うん? そういえば、加賀とその隣の――――――」

x:土佐「だから、私は加賀姉さんじゃありません! 土佐です!」

Z:長門’「そ、そうなのか。それはすまない(――――――『土佐』だと? いやまさかそんな馬鹿な)」

360: ◆G4SP/HSOik 2014/12/19(金) 08:20:39.84 ID:y77DECdZ0

Z:長門’「気になっていたのだが、それが改二というやつなのか? 青袴じゃない加賀というのもずいぶんと久しい気がするのだが」

x:加賀「そうですか、長門さん? 私はずっと長門さんと同じ衣装にこの特注の淡い青の加賀友禅を羽織ってますよ」

Z:長門’「え」

x:加賀「ほら」ヌギッ

瑞鶴「ええ!? あの加賀さんがこんな露出度の高いへそ出しルックに脇出し!?(ど、どういうことなの、これぇ!?)」ドキッ

x:土佐「土佐もだよ! 加賀姉さんとお揃いの鮮やかな赤の加賀友禅を脱ぐと、ほら」ヌギッ

瑞鶴「えええ!?」ドクンドクン

翔鶴「ず、ずいぶんと私たちの知る加賀さんとは違いますねぇ……(あの加賀さんは絶対にこんなの着てくれないだろうなぁ……)」ドキドキ

龍翔「………………」

赤城「………………」


龍翔「なんか、ずいぶんとオレたちの知る世界とは掛け離れているような気がするんだが、赤城」ヒソヒソ

x:赤城「そうですねぇ。これこそ“失われた10年”の混乱のうちに技術の大半が失われてしまった弊害では?」ヒソヒソ

龍翔「!」

龍翔「そうか。やっぱり“失われた10年”で失われたものはあまりにも大きすぎたんだ…………」ヒソヒソ
                     ・ ・ ・ ・
龍翔「それが本当なら、ますますこの作戦を成功させないといけないな」ヒソヒソ

x:赤城「はい」ヒソヒソ

x:赤城「ところで、『ビッグ7』って何なんでしょうね?」ヒソヒソ

龍翔「さあ? それも【失われた当時】の標語か何かだったんじゃないかな? “護国の英雄”を筆頭とする海軍最大の司令官7人のこととか?」ヒソヒソ

x:赤城「なるほど! それなら確かに合点がいきます(しかし、なぜでしょう? なぜか物悲しい響きが『ビッグ7』に…………)」ヒソヒソ


x:加賀「もういいですか?」

翔鶴「ぬ、脱ぐと凄かったんですね、加賀さんって……(私もあれぐらい引き締まった身体になるよう精進しないと!)」ドキドキ

瑞鶴「さ、さすがは一航戦ね!(な、何だろう、この気持ち……? 脇とか臍とか見ていたらドキドキしてきちゃったんだけど……)」ドクンドクン

Z:長門’「………………まさかな」



361: ◆G4SP/HSOik 2014/12/19(金) 08:21:50.06 ID:y77DECdZ0

――――――3,高雄:条約型巡洋艦に挨拶


高雄「こんにちは。高雄です。あなたが噂の龍翔提督ですか」

翔鶴「あ、こんにちは、高雄さん」

龍翔「…………」ジー

x:艦娘たち「…………」ジー

瑞鶴「あれ、どうしたのよ、龍翔提督? それに加賀さんたちも」

龍翔「ちょっとすみません。予定を確認したいので『ちょっと!』だけ待ってもらえませんか?」

翔鶴「あ、そうですね。それに立ち話もなんですし、落ち着ける場所にご案内しますね」

翔鶴「高雄さんもかまいませんよね?」

龍翔「いいんですか? ありがとうございます」

龍翔「それじゃ、高雄さんもご一緒してください。あなたのことも聞いてみたいので」

高雄「はい。かまいませんよ、龍翔提督」ニッコリ


龍翔「あれれ~? オレたちの知ってる高雄じゃなーい」ヒソヒソ

x:赤城「なんか小さくなりましたよね? その代わり、胸のところが強調されて――――――トランジスタグラマーですね」ヒソヒソ

x:加賀「赤城さんの妹で土佐と同じ場所で生まれたのにどうしてこんなにも違うんでしょうか?」ヒソヒソ

x:土佐「きっとあれだよ! “愛鷹さん”じゃない、名前がたまたま同じ高雄の人なんだよ、きっと!」ヒソヒソ

龍翔「それが一番妥当かな? とにもかくも、【この時代】についてわからないことが多すぎる」ヒソヒソ

龍翔「――――――“失われた10年間”で本当に文明が断絶したんだなって実感させられた」ヒソヒソ

龍翔「いやぁ、本当に図鑑に載ってない艦娘ばっかりで驚いたなぁ…………」ヒソヒソ

x:赤城「天城姉さんはまだなのでしょうか?」ヒソヒソ

x:加賀「何でも卒なくこなせる天城さんがここまで手間取るとは思えませんが……」ヒソヒソ
                                  ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
x:土佐「じっと待っていたってしかたがないよ。これからここでお世話になるんだし、挨拶回りを早く終わらせようよ」ヒソヒソ

龍翔「そうだよね。そうしよう」ヒソヒソ



362: ◆G4SP/HSOik 2014/12/19(金) 08:22:45.64 ID:y77DECdZ0

龍翔「お待たせしました。高雄さんのことについていろいろ教えてください」キラキラ

高雄「はい」ニッコリ

x:土佐「何だろう? やっぱり私、ちゃんと洞庭鎮守府に辿り着けたのかどうか不安になってきたんだけど……」ヒソヒソ

x:加賀「【ここ】が『そう』でないというのなら、【ここ】は何だと言うのですか?」ヒソヒソ

x:土佐「それはそうなんだけど、違和感がもう――――――(だって、明らかに高雄さんの表情がアレだよ……!)」ヒソヒソ

x:土佐「それに――――――(そう、翔鶴と瑞鶴といい、大和といい、反応がおかしかった! 物珍しそうに提督を見て――――――)」

x:赤城「お静かに」シー


龍翔「(――――――『高雄型4姉妹』だと!? いつの間に高雄がネームシップになって妹までできたのだ!?)」

x:赤城「(――――――『ジュウジュン』って何でしょうか? ――――――『従順』?)」

x:加賀「(――――――何やら艤装に機銃がたくさんついていますが、防空巡洋艦なのでしょうか? それにしては中途半端な主砲もついてますね)」

x:土佐「(何か違うよ、やっぱり! 【ここ】、本当に洞庭鎮守府なの? まるで【異世界】に迷い込んだかのような感じ――――――)」

高雄「どうしました?」ナデナデ

龍翔「い、いえ……(あれ? オレ、どうして撫でられているんだろう……)」テレテレ

高雄「カワイイ提督さんです。よしよし……」ニコニコ

x:土佐「やっぱりこんなのおかしいよ(おねショタ――――――というか、【ここ】の鎮守府は何か全体的に男に飢えてない!?)」

x:加賀「あの、人の提督に何をしているのですか?」イラッ

高雄「あ、すみません! つい…………」テレテレ

x:加賀「提督も他所の艦娘相手にデレデレしないでください。撫でるのなら私がやってあげますから、ほら」ナデナデ

龍翔「別に撫でてもらいたいわけじゃ……」プイッ

x:加賀「ふふふ」ニコニコ

龍翔「あ…………」テレテレ

高雄「…………驚きました。あの加賀さんがここまで積極的で表情豊かだなんて」

高雄「それに、妹がいたなんて初耳です」

x:土佐「私のほうが『初耳』なんですけど……(愛宕はいいとして、“摩耶”と“鳥海”って誰ぇ!? やっぱり他人だ、この人ー!)」



363: ◆G4SP/HSOik 2014/12/19(金) 08:23:53.95 ID:y77DECdZ0

――――――4,とある二人:ツートップに挨拶


龍翔「最初から部屋で待ちながら、相手の方から挨拶に来させるのが一番だったな……」ゼエゼエ

x:赤城「そ、そうですね。挨拶回りするのはいいのですが、さすがに歩き疲れましたし」ニコニコー

x:赤城「(しかし、まさか鎮守府に所属するほとんどの艦娘が押しかけてくるだなんて思いませんでした……)」グデー

x:加賀「ようやく顔馴染みの天龍型の2人と会えた時は本当に安心できました」ニコニコー

x:加賀「(けれど、やっぱり妹と間違われてばかりです。本当に【ここ】の私はいったい――――――?)」アセタラー

x:土佐「さて、いよいよだね、提督。ほら、息を整えて」ニコニコー

x:土佐「(でも、やっぱり【ここ】の艦娘たちの大半が何かおかしいよ! 明らかに色目を使ってたよね!?)」ハラハラ

龍翔「う、うん……」ドクンドクン

龍翔「そう、ようやく会えるんだ、ようやく――――――」

龍翔「ここがそうなんだ」


――――――居酒屋『鳳翔』


x:赤城「…………『準備中』ですね」

x:加賀「しかたありません。出直しますか?」

x:土佐「いやいや! ちょっとばかり挨拶に来ただけだから問題ないって!」

x:土佐「ようやく願いが叶うんだよ? 本当は真っ先にここに来たかったんでしょう、提督?」

龍翔「う、うん」ドクンドクン

龍翔「それじゃ、覚悟を決めるよ。どう思われてもいいから――――――」

ガララ・・・

龍翔「!」ビ ッ

x:艦娘たち「!?」


金剛「HEY, 提督ぅー ――――――って、おお! ホントに提督そっくりデース!」


龍翔「若っ!?」ガタッ

x:艦娘たち「(――――――金剛先輩が『若い』、だと!?)」

金剛「What's ?」

364: ◆G4SP/HSOik 2014/12/19(金) 08:24:39.38 ID:y77DECdZ0
       ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
龍翔「え、金剛おばあちゃん? ずいぶんとお若いですねぇ……(――――――若くても雰囲気から何やら全然変わってない!?)」

龍翔「ハッ」アセタラー

金剛「Ladyに対してOLDだなんて大変失礼な子ですネェ……」ニコニコー

龍翔「ご、ごめんなさい! 悪いことしませんから許してください、金剛お…ねえちゃん」ビ ビ

金剛「?」

金剛「まあ いいデース。今後はしっかりと注意するのですヨー」

龍翔「は、はい!」ビシッ

金剛「よろしい!」

金剛「それで、あなたたちが五航戦が連絡してくれたお客さんですネー?」

龍翔「あ、はい。オレ、ぜひとも清原提督と鳳翔夫人に会いたくて……」

金剛「わかりマシタ。それじゃ、お席にご案内イタシマース!」

x:赤城「え、いいのですか? 『準備中』と――――――」

金剛「No Problem !」

金剛「さあさあ!」

龍翔「はあ…………」

x:加賀「何というか、金剛さんは本当に【昔】から変わってないのですね……」

x:土佐「そ、そうかな……?(高雄をはじめとして【ここ】の艦娘と顔合わせしてみて『【ここ】は『そう』じゃない』って確信してるんだけど……)」



365: ◆G4SP/HSOik 2014/12/19(金) 08:25:34.36 ID:y77DECdZ0

――――――お座敷


龍翔「何だろう、初めて来たのに自宅のような安心感があるんだけど……(いろいろ写真が飾ってあるな――――――)」スッ

龍翔「これと同じのはあるかな?」キョロキョロ

――――――1枚の写真。

x:赤城「そうですねぇ、同じものは無さそうですね」キョロキョロ
                   ・ ・
x:加賀「そもそも、清原提督は結婚されているのでしょうか?」

龍翔「あ」

x:土佐「あちゃー。どうして肝腎なことを忘れていたんだろうね……」

龍翔「『大本営からの密命』は、【失われた10年以前】の技術とノウハウの回収とそれから――――――」

龍翔「まあ、【失われた10年以前】なんていう大雑把な指標しかなかったんだから仕方ないよね」

龍翔「タイムマシンの原理なんてよくわかんないけど、【この時代】の【演習】システムに介入して――――――天城が全部何とかしてくれたからさ?」メメタァ

龍翔「時代設定も本当に天城まかせなんだよな……。偶然なのか、それとも思うところがあっての【この時期】なのか…………」

x:赤城「そうですね……。姉さんのやることは本当に凄いんですけど、時折 本当に自分の姉であるのか疑問に思うことがあります……」

x:加賀「どちらにしろ、天城さんがいなければタイムマシンは完成しなかったことだし、深く追求する必要はないと思います」

x:土佐「そうだよ! 天城さんは私たち艦娘ができないことを平然とやってのける超艦娘なんだから!」

x:土佐「今日もまた、超艦娘必殺百面相が炸裂するッ!」

龍翔「うん。――――――『天城だから』の一言でみんな解決するぐらい天城は凄いよな」

龍翔「最初のドロップ艦があの天城:Lv120なんだもんな。いったいどこの鎮守府からの流れ者なんだろう……」メメタァ

x:赤城「あ、そうだったんですか。それならある意味 納得です」

x:赤城「おそらく退役して予備役になっていたのでしょうが――――――、」

x:赤城「ユウジョウを結んだ相手はすでになく、それから新たな深海棲艦との大戦の火蓋が切られ、」

x:赤城「艦娘としての使命を果たすために、どこの鎮守府でもいいから祖国の危機に駆けつけた――――――」

x:赤城「と、いった感じなんじゃありませんか?」

x:加賀「Lv120で止まっているということは、【ユウジョウカッコカリ】を受けていたということでしょうからね」メメタァ

x:土佐「でも、それなら他の鎮守府の「天城」とそう変わらないはずだって! 他の「天城」に百面相なんてできる?」

x:土佐「手芸も料理も掃除も洗濯も医療も開発も提督代行も作戦立案も天城級接近格闘術もタイムマシン製作もできる?」

龍翔「絶対無理!」

x:土佐「でしょ! 私たちの天城さんは超艦娘なんだから、何かあれば天城さんが全部何とかしてくれるって!」

x:土佐「だから、ちょっと不安なことがあったとしても今は天城さんを信じて待ってようよ! ね!」

366: ◆G4SP/HSOik 2014/12/19(金) 08:27:02.73 ID:y77DECdZ0

一同「………………」

龍翔「でも、そこまで待ってられないんだよな。少しでも時間が惜しい……」

x:土佐「う、うん。滞在が長引けば長引くほど帰還成功率が落ちるって話だからね」

x:赤城「ですから、一刻も早く清原提督からの信頼を得て、【この時代】の失われた技術やノウハウを持ち帰らないといけません」

龍翔「…………まあ、そうでもあるんだけど」

x:加賀「?」

トントン、スッ・・・


鳳翔「失礼します。お食事をご用意しました。どうかお召し上がりください」


龍翔「あ」

x:赤城「…………突然お邪魔したのにごちそうまでしていただけて、ありがとうございます」スッ(1枚の写真を自然な流れで懐に収める)

鳳翔「いえいえ」

鳳翔「お初にお目にかかります。軽空母:鳳翔です」

鳳翔「あなたが龍翔提督ですね。本当に主人とそっくりなんですね」ニッコリ

龍翔「………………」

鳳翔「どうしました、龍翔提督?(あら、この感じ――――――)」

龍翔「………………ぁさん」ポタポタ・・・

鳳翔「あら……、ど、どうしたのかしら、突然……」アセアセ

x:土佐「だ、大丈夫です! 提督ったら現在 注目の“未来の英雄の若奥さま”を目の前にして感動のあまりに――――――、ね?」

x:土佐「ずっと憧れだったんですよ、【ここ】に来るのが! そして、若輩ながらも仲良くできたらなぁーって……」ニコニコー

x:土佐「(う、嘘は言ってないよ! だって、【私たちの時代】では“護国の英雄”として本当に語り継がれる存在になってるんだから!)」

367: ◆G4SP/HSOik 2014/12/19(金) 08:27:50.13 ID:y77DECdZ0

x:加賀「提督……」

龍翔「ハッ」

龍翔「な、泣いてなんかないもん! 男は人前で泣かないんだぞ!」ゴシゴシ

龍翔「こ、これは目にゴミが入っただけで――――――、本当なんだからね!」イジイジ

鳳翔「まあ」


鳳翔「本当に主人と似ていますのね、そういうところも」クスッ


龍翔「え」

鳳翔「あ、どうぞ 温かいうちに召し上がってください」

x:赤城「あ、鳳翔夫人、私たちがお持ちいたしますから」

x:加賀「提督の分は私がお運びします」

鳳翔「ありがとう、赤城さん、加賀さんに――――――」

x:土佐「ああ よかった! 今度こそ加賀姉さんと間違えられなかったよ! やっぱり鳳翔さんは鳳翔さんだった!」キラキラ

鳳翔「え? もしかして、土佐さんですか?」

x:土佐「そうです! 土佐です! いやぁ、鳳翔さんはいつ見てもお若いですねぇ!」ニコニコ

鳳翔「そ、そうですか……(え、確かに新着艦だとは聞いておりましたけれど、私の知っている土佐さんはこんな元気ハツラツじゃ…………)」

金剛「Mrs.鳳翔、Kitchenのお片づけが終わりましたヨー! さあ、初めての団体様とTogetherネー!」

鳳翔「え、ええ……」

x:赤城「よかったです。鳳翔夫人と金剛先輩とこうやってお食事がまたできて」ニコニコ

x:加賀「はい。懐かしいですね」ニコニコ

金剛「おお、提督3人前でしたケド、足りてますカー?(――――――あれ? 『金剛先輩』? ずいぶん久々に聞いたような言葉デスネ)」

x:赤城「大丈夫ですよ。他所の鎮守府を食い潰すようなことはいたしませんから」バクバク

金剛「ハア……、うちの鎮守府の一航戦の二人に聞かせてあげたいお言葉デース(でも、食べっぷりはそのままデース…………)」

x:赤城「え……」ピタッ

x:加賀「【ここ】の赤城さんと私はいったい…………?」ズーン

368: ◆G4SP/HSOik 2014/12/19(金) 08:31:59.92 ID:y77DECdZ0

龍翔「………………」

鳳翔「大丈夫ですか、龍翔提督? 何かお気に召さないことでもありましたか?」

龍翔「あ、いえ……! 少しでも長く清原提督と鳳翔夫人のお二人と一緒に居られたら――――――なんて思いましてね」ハハッ・・・

鳳翔「…………あ」

龍翔「あ、ごめんなさい! 今日会ったばかりの他人なのに馴れ馴れしくて…………迷惑ですよね」モジモジ

鳳翔「別にかまいませんよ」フフッ

鳳翔「失礼ながら私も龍翔提督のことを一目見た時に、どこか自分の子のように思ってしまいまして――――――、ね?」テレテレ

龍翔「え」

鳳翔「おかしなことですよね?」


――――――艦娘には人間の子を成す能力はないと言うのに。


鳳翔「それとも、『できないからこそ』そういう目で見てしまうのでしょうか?」

鳳翔「とにかく、お互い様です。むしろ、その――――――何でしょう? 不思議な気分になってます」テレテレ

龍翔「………………」

龍翔「(だ、ダメだ。泣くんじゃない! 男だろう? 男が泣いていいのはトイレやお風呂の中だけなんだから…………!)」ドクンドクン

龍翔「(お、落ち着け、オレ! 冷静になるんだ、冷静に…………もしかしたら“違う人”かもしれないじゃないか。――――――艦娘なんだから)」

龍翔「(でも、何だろう? それならオレはどうして一目見てこう涙が――――――?)」

龍翔「あ、丹精込めて作ってもらったんだから、ちゃんと食べないとな」アハハ・・・

鳳翔「どうぞ 召し上がれ」ニコニコ

龍翔「美味しい……美味しいですよ、鳳翔……さん」

鳳翔「そうですか」ニッコリ

金剛「むむ?」

金剛「(何でしょう? あの龍翔提督といい、この赤城サンと加賀サンといい…………)」

金剛「(それに、『おばあちゃん』といい、『先輩』といい――――――)」

金剛「(まるで最初から私たちのことをよく知っているかのような感じで接してきている気がシマース)」

金剛「(ホントに不思議なお客さんデスネ……)」

369: ◆G4SP/HSOik 2014/12/19(金) 08:32:55.90 ID:y77DECdZ0


ブウウウウウウン! ブウウウウウウン! ブウウウウウウン!


一同「!?」ピタッ

龍翔「これは――――――!」

x:赤城「提督! 気をつけて!」バッ


――――――
清原「総員! 第1種戦闘配置! 鎮守府海域にボス級深海棲艦の2個艦隊が接近中!」

清原「繰り返す、第1種戦闘配置! 鎮守府にボス級深海棲艦の2個艦隊が接近中!」

清原「急いでくれ! 迎撃が間に合わない場合は鎮守府を放棄することもやむを得ない!」
――――――


龍翔「この声――――――」

鳳翔「――――――提督!」

龍翔「そうか。これが――――――」

金剛「こうしちゃいられマセーン! 早く龍翔提督たちは避難シテクダサーイ!」

龍翔「わかりました!」

龍翔「――――――」チラッ

x:艦娘たち「――――――」コクリ

鳳翔「あ」

龍翔「――――――赤城、加賀、土佐! 避難するぞ」ビシッ

x:艦娘たち「了解!」ビシッ

金剛「それじゃ、Follow me !」

タッタッタッタッタ・・・・・・

鳳翔「あの子、もしかして…………」ガチャ

鳳翔「もしもし提督ですか? 今日お越しになられた龍翔提督が――――――」




370: ◆G4SP/HSOik 2014/12/19(金) 08:33:22.62 ID:y77DECdZ0


金剛「Stay Here, 龍翔提督!」

龍翔「…………ここにいれば安全なんですね?」

金剛「Yes! ちょっとだけ待っててくださいネー! すぐに終わらせてきますカラー!」

x:加賀「――――――」ジー

龍翔「……わかりました」コクリ

金剛「それじゃ、ホントにここでじっと待ってて――――――」

x:加賀「当て身」ベシッ

金剛「ハワッ」

金剛「」ガクッ

x:赤城「すみません、金剛先輩。これも必要なことなんです」ガシッ

龍翔「本当にごめんね、金剛おばあちゃん」

龍翔「『オレたちの任務』のためにはどうしても【この時代】の提督の協力が必要なんだ」

龍翔「――――――危機を迎えた今こそ、それを得る絶好の好機!」

龍翔「行くぞ、みんな! もう隠す必要なんてない! “護国の英雄”をお助けするぞー!」

x:艦娘たち「了解!」


タッタッタッタッタ・・・・・・




371: ◆G4SP/HSOik 2014/12/19(金) 08:34:51.76 ID:y77DECdZ0

――――――鎮守府埠頭


ブウウウウウウン! ブウウウウウウン! ブウウウウウウン!

バタバタ・・・

龍翔「やっぱり、【この時代】はいろいろと不便そうだな…………最初はずっとハイテクに思えてたけど所々で物凄く時代遅れなんだな」

x:土佐「実際、【20年近く前の時代】だもん。“平和で豊かな時代”よりも前なんだし、しかたないよ」

x:赤城「見たところ、艤装の運搬や燃料・弾薬の準備の面でいろいろと出遅れているようですね……」

龍翔「そっか。まだ転送技術が未発達なのか。それでみんな慌ててしまうわけか」

x:赤城「でも、一番の理由はここのみなさんが提督見たさに一斉に押しかけたことが原因のような…………」アセタラー

x:加賀「提督、赤城さん。無駄話はそこまでにして、艤装の使用許可を!」

龍翔「わかった」


龍翔「――――――『敵は2個艦隊』と言った! 足止めに徹して鎮守府への被害を可能な限り抑えて本隊が来る時間稼ぎを行う!」


龍翔「気をつけてくれ。薄々気づいているかもしれないが、【この時代】は我々が知るものよりも高度なものがいくつも存在している」

龍翔「もしかしたら予想もつかない搦手を使われて窮地に陥る可能性があるから慎重にな。 ――――――不名誉の戦死は許さない」

x:艦娘たち「了解!」

x:赤城「あ、提督。その前にこれを――――――大事なものです」スッ

――――――1枚の写真。

龍翔「あ、ああ……すまない」サッ

龍翔「それじゃ、行くぞ!」


372: ◆G4SP/HSOik 2014/12/19(金) 08:35:36.92 ID:y77DECdZ0


――――――いで軍艦に乗組みて!


龍翔「――――――安全装置解除!」

左手の腕時計に声を吹き込む龍翔提督。


――――――われは守らん海の国!


龍翔「――――――艤装展開!」

x:赤城「了解!」
x:加賀「……行きます!」
x:土佐「さて、【この時代】最初の艦隊決戦! どうなることやら」

x:艦娘たち(完全武装)「――――――!」ビシッ

更に続いて、腕時計に声を吹き込むと虚空より長門型をも超える戦艦艤装や戦闘具が赤城たちに装着されるのである。

燃料も弾薬も装填済みであり、ものの数秒――――――否、1秒足らずで戦闘準備が完了したのである!


――――――暁の水平線に勝利を刻め!


龍翔「――――――艦隊出撃!」ビシッ

x:赤城「では、巡洋戦艦:赤城! 参ります!」


ザアアアアアアアアアアア!


龍翔「――――――【偵察機】!」

x:偵察妖精「仕事ですか」(虚空より出現!)

龍翔「先行して敵戦力を確認してきてくれ」

龍翔「気をつけろ。【ここ】の艦娘の装備を見る限りだと対空機関砲が多いのが普通のようだから、敵もそれを真似ているかもしれない」

龍翔「対空砲火がいつもより激しい可能性が高い。撃墜されないように注意してくれ」

龍翔「もちろん、戦艦殺しの潜水艦の有無もな。対潜哨戒機の準備をしておくぞ」

x:偵察妖精「了解しました、提督!」


ヒュウウウウウウウウウン!


龍翔「さて、戦艦と潜水艦と空母とが3すくみする世界で発達した戦術が【この時代】でも通用すればいいのだが……」

龍翔「…………天城、まだなのか? それとも清原提督が激務の真最中だったのかな?」

龍翔「ま、何にせよ、翔鶴おばさんが使ったような航空機の大量展開戦術を敵に使われない限り、」

龍翔「――――――【昔】の深海棲艦なんかに負けるわけがないけどな!」

龍翔「時間稼ぎどころか、1個艦隊ぐらい撃滅して褒めてもらうんだ!」ワクワク

朗利「そう、【この時代】の深海棲艦なんて――――――」

朗利「ハッ」ゾクッ


龍翔「………………違う、逃げてなんかないぞ、オレは」アセタラー



373: ◆G4SP/HSOik 2014/12/19(金) 08:36:48.16 ID:y77DECdZ0

龍翔「さて、そろそろ偵察機からの通信が入る頃だ」

龍翔「通信妖精、赤城たちからのも含めて映像受信に入ってくれ」

x:通信妖精「了解」ピッピッ(虚空より出現!)

龍翔「――――――あ、良かった。2個艦隊の足並みは揃ってないらしい。戦況は『まずよし』だな。各個撃破だ」

龍翔「――――――!」

龍翔「あれって――――――」
――――――


ナンドデモ…ナンドデモ……シズンデイケ……!


空母棲鬼「………………」ゴゴゴゴゴ

x:加賀「こ、これが【この時代】のボス級――――――!」アセタラー

空母棲鬼「ハッ」

x:土佐「?」

x:赤城「…………え」

空母棲鬼「オ、オオ……」プルプル

――――――
龍翔「何だあれ? 何か見覚えがあるような気がするけれど…………」
――――――

x:土佐「さあ? でも、攻撃してこないのなら、とりあえず先制攻撃いっちゃう?」

x:加賀「そうしましょう。深海棲艦ならば容赦しません」

x:赤城「本当は装備なんてできないけれど、この【48cm三連装砲】の連撃を受けなさい!」メメタァ

空母棲鬼「マッテ…モウスコシダケ……モウスコシダケ…………」ドゴンドゴーン! ――――――轟沈!


――――――【旗艦消失】! 敵艦隊の能力が全体的に低下!


x:赤城「え」

x:土佐「あれ」

x:加賀「当たりどころが悪かったのかしら? あっさり沈んだわね」

x:加賀「それとも、【昔】の深海棲艦なんていうのはこの程度ということかしら?」

――――――
龍翔「旗艦が轟沈して、敵艦隊はいきなり潰走だな――――――残敵を掃討せよ」

龍翔「何だったんだろう、あれは? 拍子抜けというよりは、明らかに無防備だったぞ……」

龍翔「それに、【この時代】固有の深海棲艦なのはわかるけれど、現存する【失われた10年以前】の資料には載ってなかったぞ、あんなの……」

龍翔「やっぱり、何かおかしいぞ? まだ断定できないけれど…………」アセタラー

龍翔「…………どうしよう? ――――――嫌な予感がする」
――――――

374: ◆G4SP/HSOik 2014/12/19(金) 08:37:44.00 ID:y77DECdZ0

x:赤城「敵艦隊を殲滅しました」

x:加賀「鎧袖一触よ。あっけないものね」

x:土佐「これなら私たちだけで侵攻部隊を完全に撃退できるかもよ、提督!」

x:偵察妖精「どうしますか? 進軍しますか? 敵はこちらの戦力に驚いて進軍を止めたようですが」

――――――
龍翔「まあ、最初に旗艦が轟沈して【旗艦消失】状態に陥ったのだから、こちらとしては僥倖だな」メメタァ

龍翔「被害も軽微だし、――――――さすがは【48cm砲】だ! 【50cm砲】や【51cm砲】には及ばないけど今の赤城でも十分に戦えるぞ!」

龍翔「無駄弾なし! 補給の必要もなし!」

龍翔「このまま進軍だ! 天城がいなくたって大丈夫だ! 戦艦殺しの潜水艦もいないようだしな(――――――ああ そうだとも!)」
――――――

x:土佐「ああ でも、言っといてなんだけど、……やっぱりここは攻めこむ必要はないんじゃないかなー?」アセタラー

x:土佐「目的はこれで達成したようなもんだし、ここは安全に清原提督の艦隊と合流してさ? 万全の状態で迎え撃つべきだと思うなー、私は」

x:土佐「なんか嫌な予感がするのよねー…………」

x:赤城「何を言っているんですか、土佐さん。行きますよ(何でしょう? 頭の中で何かが囁いたような――――――)」

x:加賀「潜水艦がいないのであれば恐るるに足りません(そう、【この時代】には旧式の深海棲艦しかいないのだから――――――)」

x:偵察妖精「はい。確かに潜水艦はいないようです。居るのであれば【対潜浮標】に反応があります」

x:土佐「うん。それはそうなんだけどさ……」

x:土佐「(提督もみんなも気づいているはずなんだけど…………清原提督の前だし功を焦ってるのかな? それとも簡単に倒せたから慢心したのかな?)」

x:土佐「(さっきのは鎮守府の臨戦態勢が整っていなかったから私たちが出る必要があったけれど、)」

x:土佐「(迅速に敵艦隊を撃滅できたおかげで敵の進軍も止まったんだから、私たちがこれ以上前に出る必要はないのに…………)」

x:土佐「ハッ」

x:土佐「(これってもしかして、思わぬ反撃を受けるパターン!? 目的を達成したのに図に乗って痛い目に遭う流れ――――――!?)」アセタラー

x:土佐「(これは少し覚悟しておかないとかなぁ…………)」トホホ・・・



375: ◆G4SP/HSOik 2014/12/19(金) 08:38:38.96 ID:y77DECdZ0


ヒノ…カタマリトナッテ…シズンデシマエ……!


空母棲姫「………………」ゴゴゴゴゴ・・・

x:赤城「さっきのボス級よりも強そうなのが出てきましたね……」

x:加賀「艤装は先程の深海棲艦のものと同じですから、さっきのが鬼で、こちらが姫というわけね……」

x:土佐「後から出てくるボスほど強いってわけ……」メメタァ

x:土佐「――――――あれ?」

x:土佐「(よく見たらあのボス級深海棲艦――――――サイドテールにストレートの器用な髪型してるよね?)」

x:土佐「(まるで別々な2つの髪型を足し合わせたかのように不自然な髪型――――――)」

x:土佐「(それに、まったく同じ顔だと思ったのにどうしてかまったく違う人に見えた……)」

x:土佐「(そう思うと、何かあの深海棲艦――――――どこかで見たことがあるような、それもすっごく身近な人の顔によく似ている気がする?)」

x:赤城「敵の姿は確認できました! 確実に当たる距離まで詰めて先制攻撃を仕掛けます!」

x:加賀「火の塊となって沈むのはそっちよ」

空母棲姫「フフフ、ジダイオクレノタイカンキョホウシュギナド…………」

空母棲姫「ゼンキ、ハッカンセヨ……」

――――――
龍翔「あ」ゾクッ
――――――

x:赤城「え」アセタラー

x:加賀「まさか、こんな――――――!」ゾクッ

x:土佐「やっぱりね…………余力があるからって調子に乗ってるからこうなるんだよね。物語的に」メメタァ

x:偵察妖精「ええい、冗談ではない……」ギリッ

――――――
x:通信妖精「航空機、総数100を軽く超えてます!」

龍翔「な、何だこの光景は!?」


――――――航空機で空が覆われる!?


龍翔「た、確か翔鶴おば…ねえさんと瑞鶴おねえさんは84ずつ航空機を扱ってたから、戦場で100以上の航空機が普通に飛ぶ計算だ…………」

龍翔「え、相手には航空母艦が3隻もいるから、オレたちが訓練で見た以上の航空機が――――――!?」

龍翔「あり得ない! こんなこと――――――(だって、基となる【史実】にだってこんな戦術はなかったんだぞ!)」アセダラダラ

龍翔「待ってればよかった! 防空巡洋艦や防空駆逐艦も連れてくればよかった!(けど、倉庫番のあいつらじゃ対応しきれないかも!)」

龍翔「くそっ」ギリッ

龍翔「――――――撤退だ!」

龍翔「航空機の爆弾1つなんて戦艦なら大したことはないが100以上も一度に落ちてきたら――――――!」アセビッショリ!

龍翔「まさか、【この時代】ですら3すくみが存在しないってことなのか!?」

龍翔「もっとも、こんな常識外れの航空機の大部隊相手じゃ3すくみも用をなさないけど!(そうだとも、だからオレたちは――――――)」

龍翔「――――――退け、退くんだ!(救いを求めて――――――、)」


――――――救いを求めて【この時代】に逃げ込んできたんだ。


――――――

376: ◆G4SP/HSOik 2014/12/19(金) 08:39:32.12 ID:y77DECdZ0


ヒューーーーーーーーーン!! ドゴンドゴーン!

x:加賀「きゃああああ!」ボガーン!

x:赤城「加賀さん!?」

x:土佐「加賀姉さん!?」

x:加賀「――――――っ! 頭にきました!」バン! バン!

x:土佐「だ、ダメだよ、加賀姉さん! こんなにも海面が揺らいだ中で当てることなんていくらなんでも無理だってば!」

x:赤城「加賀さん! 悔しいですが退くしかありません! ここは退いてください!」ガシッ

x:加賀「ここは譲れません! 放してください、赤城さん! 撃てません!」

x:偵察妖精「こっちは逃げるのだけで精一杯だああああ!」ピィピィピィ

x:偵察妖精「!」

x:偵察妖精「――――――後方に巨大な反応! こんな激しい中で反応! 潜水艦じゃないです!」


マッテ…モウスコシダケ……モウスコシダケ…………


空母棲鬼「マッテ……」ザバァーン!

x:赤城「なっ!?」ビ ッ

x:土佐「――――――旗艦はやらせない!」ガバッ

x:土佐「きゃあ!? こいつは――――――!?」

x:赤城「と、土佐さん!?」

空母棲鬼「アア……ツカマエタ…………コンドハズットイッショダヨ…………」ギュゥウウウウウウウ!

x:土佐「艦隊決戦で……、こんな熱い抱擁を受けるだなんて…………」ギリギリギリ・・・

x:土佐「(なんて力なの?! まるで酔った加賀姉さんに絡まれた時と――――――え?)」

x:加賀「土佐――――――うぅ、また……!?」チュドーン!


377: ◆G4SP/HSOik 2014/12/19(金) 08:41:03.75 ID:y77DECdZ0

――――――
龍翔「――――――違う! こんなふうに戦いたかったわけじゃない!」

龍翔「ただ、知らなかっただけなんだ……!」

龍翔「今まで3すくみを意識して、特に潜水艦にさえ気をつけてさえいれば、全部うまくやれたんだ!」

龍翔「どうすればいい!? どうすれば――――――」


――――――まったくもってこのドラ息子が!


龍翔「?!」ビ ッ

龍翔「え……」オソルオソル

龍翔「あ」


清原「功を焦って皇国より預かりし艦隊をこんなことで死地に送り出すとは何事か!」


清原「そんなんで、よく少将の位に就けたものだな!」

龍翔「ご、ごめんなさい……」グスン

清原「………………むぅ」

清原「だが、時間を稼いで鎮守府を守ってくれたことは感謝する」ゴホン

清原「(――――――複雑な気分だ、今の状況も今 目の前にいるこの子についても)」ゴホン

x:天城’「提督!」タッタッタッタッタ!

龍翔「あ、天城ぃ……」グスン
     
x:天城’「どうしてここまで勝手にやってしまったんですか!」
      ・ ・ ・ ・ ・ ・
x:天城’「私の言いつけを守っていればこんなことにはならなかったのに…………!」

龍翔「…………うぅ」

清原「…………やはり(――――――『天城』は普通の艦娘ではないな。明らかに提督との主従関係を侵しているぞ)」

清原「さて――――――(それに、艦娘に戦術を実践できても戦略や政治のことはわからないはずだ。必要ないから。なぜできる!?)」チラッ

x:通信妖精「えと…………初めまして、清原提督?」オロオロ

清原「なるほど、戦況はここにいながらでもはっきりわかるようになっているのか、【未来】では……」

清原「なら よく見ていろ、――――――龍翔提督!」


――――――これが【ここ】での戦い方だ!


――――――

378: ◆G4SP/HSOik 2014/12/19(金) 08:42:11.08 ID:y77DECdZ0

空母棲鬼「アア……サガシテイタモノハココニ…………」ギュゥウウウウウウウ!

x:土佐「痛い痛い痛い痛い…………放してよー!」ガンガンガン!

空母棲鬼「カワイイナア……コレカラハズットズット…………」ギュゥウウウウウウウ!

x:赤城「土佐さんを放しなさい!」

空母棲姫「オチロ……」バン!

x:加賀「危ない、赤城さん!」

x:加賀「きゃああああ!」ボゴン!

x:赤城「か、加賀さん!?(――――――すでに状況は最悪)」

x:赤城「(【ここ】でも今まで通りに戦っていればそれでよいと思っていた……)」

x:赤城「(たとえすでに【ここ】が【私たちの世界】とは懸け離れた現実だったことを暗に理解していても…………)」
       ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
x:赤城「(『それだけは認めちゃいけない』と思って戦場までやってきて…………)」

x:赤城「(ごめんなさい、提督。私たちはどうやらここまで――――――)」

空母棲姫「コレデオワリ…………ジョウジョウネ」


ヒュウウウウウウウウウン!


x:赤城「あ……」

x:赤城「(これで終わるのね――――――私が大破はしてなくても加賀さんはもう保たないし、土佐さんは深海棲艦に捕まっている)」


――――――諦めないで!


x:赤城「ハッ」

空母棲姫「――――――!」

翔鶴「今、助けます!」

瑞鶴「五航戦の実力! 今こそ見せる時よ! ――――――入渠中の一航戦なんかよりもよっぽど役に立つってことを見せてあげる!」

x:赤城「おお!(あっという間に空を覆うような航空機が――――――!)」

ヒューーーーーーーーーン! ドガンドゴーン! ドーンドーン!

x:赤城「それでも、これだけの数相手だと突破されるのもしかたない……」

x:加賀「くぅ…………さすがに限界(――――――土佐だけは何としてでも助ける!)」ゼエゼエ

Z:長門’「――――――『ここまで3人だけでよくやった』と褒めてやる!」

x;加賀「!」

Z:長門’「さあ! 対空砲火、始め!(べ、別にお前らのためじゃないぞ! 龍翔ショタ提督の笑顔のためなんだからな!)」ババババ・・・!

榛名「勝手は! 榛名が! 許しませーん!」ババババ・・・!

チュドンチュドンチュドンチュドンチュドンチュドーン!

x:赤城「凄い! あれだけの数の航空機をいとも簡単に――――――!(【対空カットイン】無しであそこまで――――――!?)」メメタア

比叡「さあ、今のうちに――――――!」ババババ・・・!

霧島「対空迎撃ならばもう問題ないわ!」ババババ・・・!

高雄「加賀さんはもう無理しないで!」ギュッ

x:加賀「で、でも、土佐を――――――私の大切な妹を苦しめているあの深海棲艦を叩きのめすまでは!」ギリッ

高雄「大丈夫です! そこは我が陣営最強の――――――」

379: ◆G4SP/HSOik 2014/12/19(金) 08:43:48.65 ID:y77DECdZ0


x:土佐「もうちょっと優しくしてくれると――――――ああ! ホントにそれ以上は骨、骨が、骨が折れるぅうううう!」ジタバタ

空母棲鬼「モウハナサナイ……ズットズットイッショ…………」ギュゥウウウウウウウ!

大和「それ以上はやらせません!」ガシッ

空母棲鬼「――――――ツゥ!?」パッ

x:土佐「あ――――――えい!」ガシーン!

空母棲鬼「マッテ……ズットイッショ…………」グラッ

大和「今のうちに――――――!」ググッ

x:土佐「た、助かったぁ…………」ゼエゼエ

大和「これが大和の全力です!」グググググッ!

空母棲鬼「――――――!」

大和「うぅうううううううん――――――やあっ!」バーン! ――――――渾身の力でぶん投げる!

空母棲鬼「ア――――――」 ――――――空中に身体が投げ出される!

大和「距離はとった――――――この距離なら外さない!」ジャコン!

バーン! ・・・・・・チュドーン!


デモ、ヨカッタ……マタアエテ…………こんなかたちでもそんざいしつづけたかいが…………


380: ◆G4SP/HSOik 2014/12/19(金) 08:44:28.84 ID:y77DECdZ0


空母棲姫「――――――トッパサレタダト!?」

島風「おっそーい!」

イムヤ「ここは海のスナイパー:イムヤにおまかせ! 正規空母だってこの通り!」

ボッゴーン! ボッゴーン!

空母棲姫「ミカタガツギツギト――――――」

空母棲姫「コレモ…サイゴノサイゴニナッテ……、」

空母棲姫「サクテキヲオロソカニスルカラダ…」


瑞鶴「戦況はこちらが優勢! 大逆転ね、翔鶴姉!」

翔鶴「ええ! このまま一気にトドメを!」

空母棲姫「クッ…………」

瑞鶴「攻め切れない!?(――――――そりゃあ援護のために【戦闘機】ばっかり積んでたら攻めの手が足りなくなって当然か)」

翔鶴「誰か! 最後の一撃をお願いします!」


x:赤城「それは巡洋戦艦:赤城がやります!」


x:赤城「距離よし! 波浪よし!」

x:赤城「てーーーーーーー!」バン!

空母棲姫「――――――!」ビ ッ

チュドーン!

x:赤城「………………」

空母棲姫「………………」

x:加賀「や、やったの?」ボロボロ

高雄「わかりません……」

x:土佐「た、立っているだけでも辛いです……」ゼエゼエ

大和「………………」ゴクリ

Z:長門’「終わったはずだ、あれならば…………」

x:赤城「………………」

空母棲姫「………………」グラッ

x:赤城「――――――!」バーン!

空母棲姫「ソウ、ソレデイイ……」

チュドーン!


シンデモシンデモクヤミキレナイマンシンヲ……いま、わたしはのりこえた――――――



381: ◆G4SP/HSOik 2014/12/19(金) 08:45:22.68 ID:y77DECdZ0

イムヤ「――――――轟沈を確認」

島風「もうこの海域には私たち以外誰もいなくなったよー」

x:赤城「…………フゥ」


大和「まだですよ! ――――――勝って兜の緒を締めよ!」


x:赤城「ハッ」

x:赤城「…………」ビシッ

大和「ボス級深海棲艦の復活に備えて現場の指揮はこの大和が務めます!」

大和「索敵を! これより鎮守府海域は厳戒態勢に入ります!」

艦娘たち「了解!」

偵察妖精A「もうちょっと重巡や軽空母を増やすべきなんじゃないかなー」

偵察妖精B「しかたないだろう。この鎮守府はそういうところなんだからー」

偵察妖精A「あ、お疲れ様です」

x:偵察妖精「死ぬほどクタクタです、もう……」

Z:長門’「さあ、後のことは私たちに任せて傷を癒してこい。お前たちの頑張りがあっての勝利だ。誇ってくれ」

x:土佐「長門…………ビッグ7だか何だか知らないけどかっこよくなっちゃってまあ」ヨロヨロ・・・

x:加賀「さあ、土佐。行きましょう。――――――赤城さんも」ヨロヨロ・・・

x:赤城「はい……」ホッ




382: ◆G4SP/HSOik 2014/12/19(金) 08:46:28.62 ID:y77DECdZ0

翔鶴「ありがとうございました、赤城さん」

x:赤城「え? いえ、こちらこそ…………また こうやって鎮守府を案内されるわけなんですね」ヨロヨロ・・・

瑞鶴「これが五航戦の本気よ。それに、この瑞鶴には幸運の女神がついていてくれるんだから!」ニッコリ

x:赤城「そうかもしれませんね……」フフッ

瑞鶴「これで一航戦の二人にギャフンと言わせることができるわ! 良い気分!」ドヤァ

瑞鶴「何か今日はこんなことになっちゃったけど、本当に龍翔提督が来てくれてよかった!」ニッコリ

x:赤城「それはよかったです。こちらとしても得るものはありました」ニコッ

瑞鶴「ねえ、赤城さん! 今日来ていきなり中破までになったから入渠することになるけど、」

瑞鶴「何にもわかんないだろうから、私が施設内部の案内をしてあげる!」

x:赤城「ありがとうございます。今日の慢心のことをそうやって励ましてくれてるんですね」

x:赤城「でも、この痛みなんてのは過ぎ去れば大丈夫なんです」

x:赤城「今一番怖いのは天城姉さんのお説教ぐらいでしてね……」アハハ・・・

x:加賀「ひっ」ガクブル

x:土佐「ああ 天城さんの説教か…………これは泣きっ面に蜂ねぇ」アハハ・・・

瑞鶴「か、加賀さん……?(な、何 今の反応――――――!? 何これ、あの加賀だと思うと――――――)」プルプル

翔鶴「か、加賀さんがそんなに怖がるだなんて、ど、どんな人なんでしょうか?」アセタラー


――――――こんな人ですよ。


翔鶴「あ」

x:天城’「………………」ムスッ

瑞鶴「わあ 赤城さんそっくり!(あれ? 見た目は赤城さんに似ていても【こっち】の加賀の不機嫌そうな態度に似ているような…………)」

x:加賀「あ、天城さん……」ブルブル

x:天城’「どうしてあなたたちはこうも私の言うことを聞いてくれないのかしら?」ゴゴゴゴゴ

x:天城’「それとも、それが“運命”だとでも言うのかしらね……」ジトー

x:赤城「ごめんなさい、天城姉さん!」

x:赤城「提督は悪くないんです! 旗艦を務めた私の判断が最終的な決定に繋がっていたので――――――」

x:天城’「もう提督への説教は終わりました」ハア

x:天城’「『今度はあなたたちの番!』と言いたいところですが――――――、」

x:天城’「【ここ】は人様のお宅なのでこれ以上お見苦しいところをお見せするわけにはまいりません」

x:天城’「今日はじっくりと清原提督の鎮守府で存分に反省してくださいね」


――――――わかりましたか?


x:赤城「……はい」

x:加賀「……ごめんなさい」ブルブル

x:土佐「そして私はいつもどおり連帯責任を負わされるのであった……」トホホ・・・

383: ◆G4SP/HSOik 2014/12/19(金) 08:47:10.16 ID:y77DECdZ0

翔鶴「………………ええと」アセタラー

瑞鶴「これは確かに怖いわ……(訂正! 赤城さんと加賀さんが戦々恐々とするほどの威圧感なのよ! 並み大抵じゃないわ!)」アセタラー


x:天城’「さて、今日は本当にお世話になりました、お二方」ニッコリ


翔鶴「え!? あ、はい……!(――――――び、びっくりした! 逆の意味で驚いちゃった!)」ビ ッ

瑞鶴「えと、そ、それほどでも……(え、さっきまであの加賀の数倍恐ろしい威圧感を放ってたのに、一瞬で満面の笑みが――――――!)」ドキッ

x:天城’「確か、“翔鶴おねえさん”と“瑞鶴おねえさん”だったかしら? そう 私たちの提督が呼んでましたっけ」

瑞鶴「え? 私も“おねえさん”なんですか? 何か慣れない感じで照れくさいな……」テレテレ

翔鶴「――――――“翔鶴おねえさん”、ふふふ」ニコッ

x:天城’「今日は本当に助かりました。こんな馬鹿な妹たちと提督の面倒を進んで引き受けてくれたことに感謝の言葉が尽きません」

翔鶴「あ、良いんです。私たちが好きでやってることですから……」

瑞鶴「そ、そうよ! それにその……、――――――『素敵な妹たちと提督』だと思いますよ?」モジモジ

x:天城’「そう。そう言ってもらえて嬉しいわ」

x:天城’「そうなのよ、こんな『馬鹿な妹たちと提督』でも私の大切な宝物なの」ヒソヒソ

x:天城’「――――――守ってくれてありがとう」ヒソヒソ

翔鶴「そ、それはお互い様ですよ。赤城さんたちが前に出てくれたからこうやって鎮守府は無事だったんですし」ヒソヒソ

瑞鶴「どうして、それを私たちだけにしか聞こえないように言うんですか?」

x:天城’「だって……」モジモジ


――――――こんなこと思っているだなんて知られたら恥ずかしいじゃない!


x:天城’「無事で本当によかった……」テレテレ

瑞鶴「あ、えと……、はい。そうですね――――――」ニコー

翔鶴「あは、あはは、あはははは!」

瑞鶴「ちょっ、翔鶴姉!?」ビ ッ

x:天城’「ふふ、うふふふふふ!」

瑞鶴「え、天城さんまで!?」ドキッ

x:赤城「えと、天城姉さん? どうしたのですか? そ、それに翔鶴さんも……」オドオド

x:加賀「き、きっと何か恥ずかしい話を暴露されたに違いない…………もうオワリだ~」ズーン

x:土佐「うん、もうオワリだ~大変だな~これからどうしよ~(どうして姉さんたちはこんなにも鈍感なんだろうね~)」(棒読み)



384: ◆G4SP/HSOik 2014/12/19(金) 08:47:49.21 ID:y77DECdZ0

――――――そして、入渠ドックにて


x:赤城「え」

赤城「ん?」バクバクバクバク・・・

x:赤城「あの……、ここは修理用の資材庫だと思うんですけど…………」

赤城「あ、私の新入りさんですか? それとも【派遣】さんですか? 一緒に食べます?」メメタァ

x:赤城「いえ、あの……(――――――何を食べてるんだろう、【ここ】の私は?)」ドンビキー

瑞鶴「あ、そこにいたんですか、赤城さ――――――」

赤城「あ」ビ ッ

x:赤城「!」チラッ

瑞鶴「何をしてるんですか――――――!」

赤城「!」バッ

x:赤城「…………!」ガシッ

赤城「――――――きゃっ!」グイッ

赤城「は、放してください!」ジタバタ

x:赤城「すみません、先輩。先輩が何をやっているのか聞かせてください」ニコニコー

瑞鶴「あ、私も私も。五航戦としてもぜひ栄えある一航戦の赤城先輩が何をやっているのか、ご教授してくださると大変嬉しいです」ニコニコー

赤城「赤城であるあなたが、同じ赤城である私を裏切るというのですかああ!?」ジタバタ

x:赤城「すみません。同じ赤城としてちょっと自分に失望しました」グギギギ・・・

赤城「あ、痛い痛い! せっかく入渠して治ったばかりなのにまた傷が――――――」バキバキバキ・・・

瑞鶴「はい、先輩。あーん」

赤城「え、…………瑞鶴さん?」アセダラダラ

瑞鶴「大好きなボーキサイトですよー。さあ、たくさん食べてー」ニコニコー(棒読み)

x:赤城「た~んと食べて立派な軍艦になるんですよ~」ニコニコー(棒読み)

赤城「ひ、ひぃいい……、」メリメリメリメリ・・・


「ひえええええええええええええええええ!」ボキッ!


それ以来、洞庭鎮守府の正規空母:赤城はボーキサイトの盗み食いをしなくなったという。



385: ◆G4SP/HSOik 2014/12/19(金) 08:48:34.34 ID:y77DECdZ0

――――――入渠ドックの別な場所で


加賀「あら?」(サイドテール)

x:加賀「あ」(ポニーテール)

加賀「…………どうして私が?」アセダラダラ(青袴の弓道スタイル+黒ニーソ)

x:加賀「本当だ。本当に【ここ】の私は土佐に似ている……」ジー(淡い青の加賀友禅を羽織った長門スタイル+黒ニーソ)

x:加賀「けど、その青袴は天城さんのものじゃ――――――」

加賀「!」ビ ッ

加賀「だ、だから、……何だって言うの?」

x:加賀「見た目は土佐で、身形は天城さん譲り――――――その不機嫌そうな態度も、か」

x:加賀「でも、そんな私が【ここ】では一航戦なんだ」

加賀「………………」

x:加賀「頑張ったんだ。――――――土佐や天城さんの分まで赤城さんと一緒に」

加賀「…………うん」

x:加賀「土佐と天城さんも来ているから気が向いたら会いに行ってね」

加賀「…………はい」ポタポタ・・・

x:加賀「不思議な気分ね。自分で自分を慰められるなんて」

x:加賀「でも、私たちが【ここ】に来たのは任務なの」

x:加賀「ねえ、【ここ】がどこなのか私もようやく理解できたけど、――――――【ここ】での私のこと、教えてくれる?」

x:加賀「一航戦として土佐や天城さんの分まで戦い抜いた私の戦いが、今度は生ける土佐と天城さんを救うことになるから」

加賀「そう。なら、今度こそ――――――」

x:加賀「うん」ニッコリ


386: ◆G4SP/HSOik 2014/12/19(金) 08:49:13.24 ID:y77DECdZ0


翔鶴「あ、……加賀さん」

加賀「そう畏まらなくていいわ」

翔鶴「え」

加賀「私は一航戦として五航戦に負けるつもりはないわ」

翔鶴「……はい」

加賀「私は先輩として後輩に負けない――――――先輩として後輩に恥ずかしくないように在り続けるわ」

翔鶴「!」

翔鶴「か、加賀さん!」パァ

加賀「その代わり、後輩として先輩の顔に泥を塗るようなことは絶対に許さない」

翔鶴「精進します!」

加賀「そう」ニコッ

翔鶴「あ」ホッ



x:加賀「……よかった、土佐や天城さんに会わせる前に恩返しできて」ニコニコ

x:加賀「自分が自分に本来得るはずだった幸せとそれを引き換えに得た武勲を融通しあうことができるだなんて素敵な出会いね」

x:加賀「けれど、艦娘と人間は似て非なるもの――――――提督」






金剛「提督ぅー! どこですカー!? Where are you ? やっぱりあの子は提督の――――――」タッタッタッタッタ・・・・・・

――――――
「うぅ…………」グスングスン
――――――

鳳翔「…………あなた」

――――――
「くぅ…………」ポタポタ・・・
――――――



――――――第6話X-1 幻の八八艦隊「天城」 -新時代の礎になった「天城」と盛衰に生きた妹たち- 邂逅編 完!

     Next:第6話X-2 幻の八八艦隊「天城」 -新時代の礎になった「天城」と盛衰に生きた妹たち- 解明編 に続く!



388: ◆G4SP/HSOik 2014/12/19(金) 08:51:35.69 ID:y77DECdZ0

コラム:【八八艦隊】とは? 【巡洋戦艦】とは?


x:天城’「提督、【八八艦隊】について少し整理しませんか?」

清原「というと?」

x:天城’「まず【八八艦隊】というのは、第一次世界大戦の大戦景気を背景に計画された艦隊整備計画および建造計画のことです」

清原「えと、『艦齢8年未満の戦艦8隻と巡洋戦艦8隻を根幹とする』――――――」パラパラ・・・

x:天城’「では、計画当初の軍艦の建造数をご覧になってください」

清原「えと、長門型戦艦:2、加賀型戦艦:2、天城型巡洋戦艦:4、紀伊型戦艦:4、十三号型巡洋戦艦:4」

x:天城’「ほら、ちゃんと戦艦:8,巡洋戦艦:8になってますよね?」


戦艦(8):長門型(2)+加賀型(2)+紀伊型(4)

巡洋戦艦(8):天城型(4)+十三号型(4)


x:天城’「ですから【八八艦隊】というわけなんです。洒落てますよね」

清原「なるほどな…………実現しないわけだ」

x:天城’「まったくもってその通りですね、――――――それが神の思し召しなのでしょう」

清原「ところで、『天城』?」


――――――【巡洋戦艦】って何なんだ?


清原「巡洋艦の1種か? かつて金剛型も【これ】に分類されていたが今では【戦艦】に分類されているぞ」

清原「帝国海軍では他に存在しなかったから、いまいち【戦艦】との違いがわからない」

x:天城’「【巡洋戦艦】というのは確かに“戦艦”と名が付いていますが、英語に直すとはっきりと違いがわかりますよ」


【戦艦】:Battle Ship

【巡洋戦艦】:Battle Cruiser

【重巡洋艦】:Heavy Cruiser

【軽巡洋艦】:Light Cruiser


清原「なるほどな、直訳してもそのまま【戦艦】と【巡洋艦】の中間に当たる役割を持たされていることがうかがえるな」

x:天城’「そうです。元々は艦隊決戦の要である【戦艦】に随伴するのにふさわしい性能の偵察兵力として生まれたものです」

x:天城’「そこから、直訳して【戦闘巡洋艦】にふさわしい攻撃力と元々の汎用性を両立させて発達してきたのです」

x:天城’「ですから、艦隊決戦仕様に特化して攻撃力と防御力を高めていけば、それはもう【戦艦】と相違ない戦力となるわけです」

清原「ほうほう」

389: ◆G4SP/HSOik 2014/12/19(金) 08:52:30.90 ID:y77DECdZ0

x:天城’「つまり、【巡洋戦艦】と名がついてはおりますが、その実態は【巡洋艦】から発達したものであり、」


【木造巡洋艦】→【防護巡洋艦】→【装甲巡洋艦】→ ・ →【巡洋戦艦】≒【高速戦艦】…………歴史の表舞台から消滅
                               ↓
                                →【軽装甲巡洋艦】→【条約型巡洋艦】=【軽巡洋艦】or【重巡洋艦】


x:天城’「【巡洋艦】の変遷を見るとこのように2つの系統に分かれるわけです」

清原「そうか。そう考えると【巡洋戦艦】は確かに【戦艦】の扱いを受けてもおかしくないか」

x:天城’「【この世界】では金剛型巡洋戦艦に続く【巡洋戦艦】が存在しなかったために【演習】で【巡洋戦艦】の表示ができなかったようですね」メメタァ

清原「そうかもな。金剛型も【戦艦】に再分類されても【高速戦艦】という固有の存在感を放っていたことだしな」

清原「ん?(――――――今 何て言った?)」

x:天城’「【巡洋戦艦】の特徴はまさしく【戦艦】と同等の火力を得ると同時に【巡洋艦】の高速性を実現したところですが、」

x:天城’「後にビスマルク級やダンケルク級のように、【戦艦】でありながら【巡洋戦艦】の機動力とそれ以上の防御力が実現したことにより、」

x:天城’「【巡洋戦艦】の存在価値はなくなっていきます」

x:天城’「しかしながら、ミサイル兵器の発達と航空母艦の台頭によって戦後は【戦艦】も【巡洋戦艦】も揃って旧世代兵器として淘汰されたのです」

x:天城’「結局、国家間戦争が小規模になった際に必要となってきたのは【軽装甲巡洋艦】から発達した安価で専門性特化した系統であり、」

x:天城’「大型艦として存在しているのは正規空母ぐらいとなりました」

x:天城’「しかし、――――――そもそもですね?」

x:天城’「【巡洋戦艦】だけじゃなく【戦艦】もユトランド沖海戦において費用対効果の悪い兵器としての事実が発覚していたのですよ?」

x:天城’「ですから、戦後になってからようやくユトランド沖海戦の教訓が活かされるようになった――――――何ともマヌケな話ですよね」

x:天城’「皮肉にも、それを世界の常識に定着させたのが他ならぬ我が皇国だったのですから、手の込んだ自殺とも言えますね」

清原「………………」

x:天城’「どうしました?」

清原「いや、『艦娘なのにやけに詳しいな』と思ってな」

清原「深海棲艦との戦いが始まって現代艦船が無力化されて久しいのにそこまで詳しいのには感心だ」

x:天城’「勉強しましたから。『艦隊指揮や作戦立案をやれ』と言われれば誠心誠意やらせていただきますよ?」

x:天城’「それに、その【巡洋戦艦】ですから、この『天城』は」

清原「………………」




390: ◆G4SP/HSOik 2014/12/19(金) 08:54:10.58 ID:y77DECdZ0






清原「ともかく、【艦これ】で【巡洋戦艦】が独立した艦種として登場するかはまだ未明だが、」

清原「【戦艦】と【巡洋戦艦】は全く違う艦種であることをこの説明で把握していただければ幸いである」

清原「もっとも、【戦艦】と同等の砲塔を搭載できるので【巡洋戦艦】は確かに【戦艦】の1種であると断言できる」

清原「実際に、金剛型戦艦の区分は【装甲巡洋艦】→【巡洋戦艦】→【戦艦】と変遷している」

清原「そして、日本の【巡洋戦艦】はワシントン海軍軍縮条約によって消滅はしたが、」

清原「【海外艦】では戦艦:ビスマルクと関わりが深いイギリス艦:フッドやドイツ艦:シャルンホルストという有名所がいるので、」

清原「【艦これ】に実装された際に艦種が【巡洋戦艦】になるのか【戦艦】になるのか、今後に注目だ」

清原「アイコンは略して【巡戦】といったところだろう」

清原「ただ、【戦艦】との違いを重視するなら【戦闘巡洋艦】名義で【戦巡】だとか【闘巡】にしたほうが正しく理解されるはずである」

清原「それと【巡戦】だと、【巡潜】と音が被るからでもある」

清原「言うまでもないが、【巡潜】とは【巡洋潜水艦】の略で“巡洋能力に優れた潜水艦”のことであり、」

清原「【巡戦】は“巡洋能力に優れた戦艦”という意味ではなく、“戦艦並みの戦闘能力を持った巡洋艦”なので思い違いをしないように」

清原「しかしながら、当時の帝国海軍が【戦艦】と同等の防御装甲を【巡戦】に使用していることから、」

清原「【巡洋戦艦】という呼称も実態からすれば適切な表現であるという別の見方もあるので注意だ」

清原「結局、Battle Cruiserの通りに【戦艦】ともとれるし、【巡洋艦】ともとれる中間的な立ち位置なのが【巡戦】というわけである」

清原「最後に、【巡戦】は絶対的に【戦艦】より速いが打たれ弱いのが特徴なのだが――――――、」

清原「【艦これ】的には旧式【巡洋戦艦】から【高速戦艦】になった金剛型戦艦と【重巡】との間の【装甲】に20の差がついているので、」

清原「【巡戦】の打たれ弱さは【艦これ】では全体からすれば逆に打たれ強い程度に調整されるのではないだろうか?」


392: ◆G4SP/HSOik 2014/12/19(金) 08:57:42.68 ID:y77DECdZ0

第6話X-2 幻の八八艦隊「天城」 -新時代の礎になった「天城」と盛衰に生きた妹たち- 解明編 

――――――鎮守府防衛戦のその夜


龍翔「………………」

清原「………………」

鳳翔「………………」

金剛「………………空気が重たいデス」

x:天城’「………………」

清原「まあ、こうなってしまったからには放置するわけにはいかなくなった」

龍翔「はい……」

清原「だいたいのことは貴官に代わって「天城」から聞いた」

清原「にわかには信じがたいことだが――――――、」


――――――貴官が【未来】から来たことは認めよう。


清原「『天城』に【50cm三連装砲】なんてものを見せられたら否が応でもそうだと頷かざるを得なかった」

清原「そして、『その使命』についても理解はしたつもりだ」

龍翔「そ、それじゃ――――――!」

清原「だが、『それ』を聞いた上で私はこう言う」


――――――【元の時代】へ帰れ。


龍翔「?!」

x:天城’「………………」

393: ◆G4SP/HSOik 2014/12/19(金) 08:58:48.76 ID:y77DECdZ0

清原「当然だろう? 【未来】の海軍士官だとしても、【今の時代】に“龍翔提督”は存在しない」

清原「つまり、民間人でありながら国家の所有物であるはずの艦娘を個人的に違法所持している危険分子に他ならない」

清原「今回の一件で鎮守府の防衛に協力してくれたことは感謝するが、間もなく大本営からの調査部隊も派遣される」

清原「ここ最近の深海棲艦の鎮守府襲撃の対策が必要となってきているからな」

清原「その時、お前のようなドラ息子が我が鎮守府を屯しているのを見られたらどうなる?」

龍翔「あ…………」

清原「私はケッコンカッコカリこそしているが、人間の妻と子はいないのだ。もちろん親戚縁者にお前のような子もいない」

清原「すると、周囲の人間は私そっくりなお前を見てどう思う? 少なくとも私の評判がそれで上がるということはないだろうな」

清原「そうなれば、要らぬ疑惑でこれまで築かれてきた軍からの信頼も損なわれて、結果として大きな災禍を招きかねない」

龍翔「そんな! そんなこと――――――!」

清原「【未来】の人間のお前がどう思うかじゃない。【この時代】の人間がどう思うかだ」

清原「それに、国家の最重要機密である艦娘やそれの運用に関する情報についても民間人に明け渡すわけにはいかないんだ」

清原「情報漏洩は死罪に値する」

龍翔「うぅ…………」

清原「わかったか。帰るんだ、自分の家族の許へ……」

清原「このままだと誰も得はしないし、お前が頼ろうとしていた人物をお前自身が苦しめることになるぞ」

清原「お前の艦娘たちの修理・補給が終わったらすぐに【ここ】から立ち去れ。対価は必要ないから」

龍翔「お、オレは………………」

清原「家族のところに帰れ、いいな? これが最大限の返礼だ」

金剛「て、提督…………」

鳳翔「………………」

龍翔「――――――『家族』」ピタッ

龍翔「あ、天城」

x;天城’「はい、提督」

龍翔「オレと清原提督のことについてはもう喋ったのか?」

x:天城’「はい。『私たちの使命』について、どうして【ここ】を選んだのかも、――――――全て」

龍翔「だったら……、だったら――――――!」メメタァ


龍翔「父さん! ならば、せめて父さんの子であるオレに何か、何かをください!」


清原「………………」アセタラー

金剛「え!?」

鳳翔「やっぱり……、でも…………」

x:天城’「………………」

394: ◆G4SP/HSOik 2014/12/19(金) 09:00:19.97 ID:y77DECdZ0

龍翔「話は全部 聞いてるんでしょう?!」

龍翔「だったら、“護国の英雄”として何か、【破滅の未来】を迎えようとしている子孫のために何かを――――――!」

龍翔「負けるとわかっても誇りある皇国の軍人として戦いに身を投じるオレに勇気をください…………うぅ」ヒッグ

清原「………………」

金剛「えと……、な、泣かないでくださいヨー」オロオロ

龍翔「泣いてない! 泣いてなんかないよ、おばあちゃん!」ヒッグ

清原「…………泣き落としなんかして見苦しいぞ」アセタラー

鳳翔「あ、あなた……!」

龍翔「違うんです!」

龍翔「オレは父さんと母さんに会えてそれで満足できればよかった…………それで死ぬ決心がつくつもりだったんです」ポタポタ・・・

龍翔「けど、怖いです………………助けてもらったけれども、これまでの戦い方が全然通用しなくなって――――――、」

龍翔「オレにはもうどうすればいいかわからないんです」

龍翔「【オレの時代】では戦艦と潜水艦と空母が3すくみになっていたのに――――――、」

龍翔「この3すくみが崩壊し始めてまともな艦隊決戦じゃ人類は勝てなくなって…………」

龍翔「そして、超大型弩級深海棲艦の艦砲射撃による鉄の雨によって人類の故郷である大地を蹂躙されてしまって…………」

龍翔「オレはどこか逃げていたのかもしれません。【昔】に逃げ込んでその時代の深海棲艦を蹂躙する憂さ晴らしがしたくなって――――――」

龍翔「けれど、それがあんな無残な結果になるだなんて…………」

清原「………………」

龍翔「オレは“護国の英雄の息子”として皇国の同胞の命を抱えています!」

龍翔「けれども、こんなんじゃ艦隊司令官としての前に立つことなんてできません!」

龍翔「そして、清原提督の言うことももっともです。突然 お邪魔して申し訳ありませんでした……」

龍翔「けど、せめて、せめて! 栄えある皇国の軍人としての誇りを胸に再び死地へと旅立つ勇気をください!」


龍翔「…………父さん!」グスン


金剛「」

鳳翔「」

x:天城’「………………」


清原「…………そんなこと私にはできない」


龍翔「あぁ」フラッ

龍翔「うわあああああああああああああああああああああああああああ!」バッ


ダッダッダッダッダ・・・


金剛「あ、Wait !」

鳳翔「あ、あなた……」

清原「………………」ギリッ

395: ◆G4SP/HSOik 2014/12/19(金) 09:01:26.74 ID:y77DECdZ0

x:天城’「ありがとうございました、提督」

清原「…………全てを話したのではなかったのか?」ジロッ

x:天城’「今のは『私たちの使命』とはまったく関係のない一個人の感傷ですので……」

金剛「HEY! 今のは本当の話なんデスカ!? あまりにも残酷で狂ったDestinyデース!」

x:天城’「【今】の話ではないのですから、もう忘れてください」

清原「…………くっ」

x:天城’「それに、今回のボス級深海棲艦による鎮守府襲撃の一件について、私が先立って提督に警告したのですが、」

x:天城’「あの子が勝手に鎮守府の見物に洒落こんで騒ぎを呼んだせいで、臨戦態勢の命令伝達が滞ってしまったんです」

x:天城’「本当に何とお詫びすればよいか…………お恥ずかしい限りです」

金剛「え」

清原「何も言わないでください。『私と顔が似ている』というだけで勝手に持ち場を離れていった部下たちの方にも問題があります」

清原「戦艦組がちゃんとしていてくれたからこそ間一髪のところであなたのところの艦娘を救えましたが、」

清原「平時における我が鎮守府の危機意識と対応力の甘さが露呈しました。これは今後の大きな課題です」

清原「そして、あなたからの警告もなく、龍翔提督の加勢もなければ――――――、」

清原「なすすべもなく奇襲攻撃を受けてしまい、他の鎮守府と同じように壊滅していたかもしれません」

清原「何とも言えない経緯でしたが、結果オーライということでお互いに水に流しましょう、ここは」

清原「幸い、損害は龍翔提督の3隻だけで誰一人として失われなかったのです。そういう意味では感謝してもしきれません」

x:天城’「はい、提督。私としても妹たちを救っていただき感謝してもしきれません」

清原「はい」

清原「(やはりこの『天城』、私のことを『提督』と呼んで、自分の提督を『あの子』呼ばわりだな…………何だこの感じは?)」

金剛「そ、そんな危機的状況だったんデスカ……(んん? あの天城サンって人は何か怪しいデース)」アセタラー

鳳翔「ごめんなさい、本当に。そんなことになっていたことも知らずに…………(どうしてかしら? なぜだか天城さんのことが――――――)」グスン

清原「いや、非番だった者を責めるつもりはない」

清原「今回の一件は龍翔提督のことで騒ぎにならなければここまで状況は混乱しなかったのだ」

清原「よって、龍翔提督と以下3名を私に無断で通した者に全ての責任がある」

清原「後は、非番じゃなかったのに一斉に持ち場を離れて鎮守府の機能を麻痺させた連中にも相応の罰を与えねばな」

x:天城’「それが妥当なところでしょうか。本当に申し訳ありません」

清原「まあ、気持ちはわからんでもない……」ボソッ

x;天城’「そうですか……」

396: ◆G4SP/HSOik 2014/12/19(金) 09:03:13.06 ID:y77DECdZ0

金剛「――――――って! 提督ぅー!」

金剛「いつまで提督はそんな話をしてるのですカー!」

清原「………………」

x:天城’「提督、【高速修復剤】をわけてもらえませんか?」

清原「――――――!」

金剛「NO! 提督、NOデース! このまま送り返しちゃったら提督はYour Sonを――――――!」


清原「艦娘との間に生まれた子などどうして信じられる!」


金剛「!」

鳳翔「!」

清原「………………」

x:天城’「それでいいのです」

x:天城’「無責任ながら、“護国の英雄”にすがるあまりに自分を英雄の子だと思い込んで自身を奮い立ててきた――――――ということで」

金剛「提督! それ、本気で言ってるんデスカ!?」

清原「それが【今】の事実なんだ……」

金剛「Mrs.鳳翔も言ってやってクダサーイ! このままだと私たちの【未来】が、LOVEの結晶が――――――!」

鳳翔「………………」

金剛「…………!」


一同「………………」


金剛「信じられないデース! 提督は本当にそれで満足なんですカー!? Mrs.鳳翔も!」

金剛「私は絶対に、絶対にあの子を見捨てないですからネー!」

タッタッタッタッタ・・・・・・

清原「………………」

x:天城’「では、【高速修復剤】の使用許可を――――――(本当に金剛先輩は【今】も【昔】も変わってないんですね……)」


清原「今日は疲れた。明日にしてくれないか」


x:天城’「!」

x:天城’「わかりました、提督」
                       ・ ・ ・ ・ ・ ・                 
x:天城’「では、おやすみなさいませ。心安らかな夜をお過ごしなさいますよう――――――」

清原「ああ…………」

スタスタスタ・・・・・・


397: ◆G4SP/HSOik 2014/12/19(金) 09:03:51.56 ID:y77DECdZ0

清原「………………」

鳳翔「あなた……」

清原「すまないが、一人にしてくれないか」

鳳翔「はい……」

鳳翔「あの……、私もついていますからね?」

清原「ああ……」


コツコツコツ・・・バタン!


清原「さて……」ガチャ

清原「――――――すまない。部屋を開けてくれないか」

清原「――――――ああ。助かる」ガチャリ

清原「………………」

清原「――――――最低だな、私は」ブルブル

清原「………………」バサッ


――――――執務室の机の上に提督の服一式がきれいに畳んで置かれた。


398: ◆G4SP/HSOik 2014/12/19(金) 09:04:50.83 ID:y77DECdZ0


金剛「HEY! 龍翔提督ぅー! どこですカー!」ドタバタ!

x:天城'「真夜中に大声を出して走り回るのは周りに迷惑ですよ、金剛先輩」

金剛「ど、どうして天城サンが私よりも先にここに――――――」ドキッ

x:天城’「あの子、泣いてましたよね?」

金剛「はい、泣いてマシタ! あんな幼気な子を一人にするだなんて私には耐えられマセーン!」

金剛「それに、提督の【未来】の子というのなら尚更デース!」

x:天城’「あの子は人前では決して泣きません。それが祖母からの教えなのです」

金剛「提督のお母様の――――――?」

x:天城’「今の時間帯ですぐに行ける範囲で一人になれそうな場所はどこか思い当たりませんか?」

金剛「おお!」

金剛「情報感謝デース! 確かにまだそう遠くに行ってないはずデース!」

金剛「天城サン! 私は絶対に龍翔提督の明日を救ってみせますからネー!」

金剛「待っててくださいネー! だから、諦めちゃNO! なんだからネー!」


タッタッタッタッタ・・・・・・


x:天城’「相変わらずですね、金剛先輩は」クスッ

x:天城’「さすがは【私たちの世界の艦これ】で『ババア結婚してくれ』と言われるだけの長寿艦なだけはあります」メメタァ

x:天城’「本当にいくつになっても素敵な先輩です」フフッ

x:天城’「そして、【私が存在しないこの世界】において鳳翔と――――――」

x:天城’「ごめんなさいね」

x:天城’「【本来】ならば、このまま進んでいって提督を先に見つけることになったんだけど、」
                       ・
x;天城’「――――――あなたにとっても残酷なものを延々と見せつけられるわけだから」

x:天城’「それに、金剛先輩には【ここ】でもあの子の面倒を見てもらったほうが結果としてあの子も先輩も満たされることになるだろうから……」
                        サダメ 
x:天城’「うまくできているものね。これも運命か……」

x:天城’「――――――!」ドクン!

x:天城’「っう!」ズキズキ


x:天城’「――――――未来が変わった」


x:天城’「そう、そうなのね。そうなるのね」

x:天城’「父と子の問題も少しずつ解決していくようです。そして、いつか父と子が揃って――――――!」

x:天城’「けれども、結果はわかってもその過程は険しい――――――そのための努力は欠かせません」

x:天城’「そして、提督――――――あなたもあの子の【未来】の父親として大いに悩んでいることでしょう」

x:天城’「今、あなたもあの子と同じようにあの場所で一人――――――いえ、その隣に常にふさわしい人がついているから」フフッ

x:天城’「そして今宵は、記念すべき二人の夜――――――」スタスタ・・・


――――――ああ 提督、月が綺麗ですね。



399: ◆G4SP/HSOik 2014/12/19(金) 09:05:40.75 ID:y77DECdZ0

――――――????

――――――
「うぅ…………」グスングスン
――――――

金剛「そうデース! 執務室からすぐ近くでGentlemanが落ち着けるのはここしかアリマセン!」

金剛「龍翔提督、いますカー?」ドンドン!

――――――
「!」ビ ッ
――――――

金剛「いますカー! 誰もいないのですカー!」ドンドン!

――――――
「だ、誰もいませんよー!」
――――――

金剛「Oh,NO! それならしかたがありませんネー」

金剛「むむむ、いったいどこへ行ってシマッタカ、困りましたネー」

金剛「もしかしたら――――――」ニヤリ

タッタッタッタッタ・・・・・・

――――――
「………………ホッ」
――――――

金剛「Fire!」 ――――――【14cm単装砲】!

チュドーン!

龍翔「なっ――――――うわあああああ!」

龍翔「な、何が…………」ゲホゲホ・・・

金剛「あ、やっぱりそこにいましたカー」

龍翔「お、おばあちゃん!? どうしてオレがここにいることが――――――!」ガタガタ

金剛「むぅ」ムスッ

金剛「いくら提督の子だからって、【今】の私は『おばあちゃん』じゃないデース! 訂正を要求シマース!」ジャキ!

龍翔「わ、わかりました! 金剛お…ねえさん!」

金剛「よろしい!」

金剛「さあ、龍翔提督! いつまでもトイレに閉じこもってないで一緒にくるのデース!」

龍翔「ヤダ! オレは泣きたいんだよ! 泣きたい気分なんだよ!」

龍翔「男が泣いていいのはトイレとお風呂の中だけなんだぞ!」

龍翔「ほっといてくれぇ!」

金剛「ハア……、やっぱりそういう――――――昔気質というのですカー? 堅苦しいところは本当に提督にそっくりデース」

金剛「いいからくるのデース! 一人でウジウジしていたらますますHappinessを逃しますヨー!」

龍翔「い、いやだ! 助けて、天城ぃいい!」

金剛「ナルホド、こんな時に咄嗟に助けを呼ぶのはやっぱり天城サンなんですネー」

金剛「本当に天城サンは龍翔提督のことを――――――」クスッ

龍翔「いやああああああああ!」ズルズル・・・

金剛「龍翔提督も一人のSumuraiなら潔くするのデース! ホラ!」

龍翔「うぅ、もうどうにでもなれぇ……!」ギュッ

金剛「そうデース、手を放さないでネー(あ、これはホントにカワイイですネー。提督にそっくりですし、これは少し――――――)」ドキドキ


400: ◆G4SP/HSOik 2014/12/19(金) 09:06:32.18 ID:y77DECdZ0

――――――待機室


龍翔「うぅ…………」オドオド

金剛「さあ、これを飲んで身も心も温まるのデース!」ニコニコ

龍翔「あ、ありがとうございます……」オソルオソル

Z:長門’「まさか最終日を迎える深夜にこのような幸運が舞い込むとはな」キラキラ

金剛「何か言いましたカー?」

Z:長門’「いや、何も言ってないぞ(やったー! 龍翔ショタ提督が来てくれたぞー! ふおおおおおお!)」ジュルリ

金剛「海域の方はもう大丈夫なんですカー?」

Z:長門’「いや、今も厳戒態勢は継続だ。私は【派遣】だから大事を取ってこうして鎮守府の夜の警備に回されたのだ」

龍翔「………………」

Z:長門’「さて、龍翔提督。きみのことについていろいろと聴かせてくれないか?(――――――そう、『いろいろ』とな!)」ドキドキ

龍翔「えと…………」

金剛「そうですヨー! このままだと本当に何も得られないまま死地へと行かされちゃいマース! そんなの 絶対にNOデース!」

金剛「それに、提督はこちら側の情報を差し出すのが嫌なだけで、別に龍翔提督の身の上話なら私が代わりにいくらでも聞いてあげますカラ!」

金剛「絶対に私は龍翔提督に生きる希望を持って帰ってもらいたいデース!」

龍翔「金剛お…ねえさん」

金剛「YES, I am ! この金剛を存分に頼るのデース!」

Z:長門’「わ、私もだぞ、龍翔提督よ!(いいなー、私も“長門おねえさん”と呼ばれたい……)」ドキドキ

Z:長門’「どうせ私は明日には【返還】されることだし、これは雑談だ。必要外な会話内容は報告しないぞ(くぅううう! 契約延長を……!)」

龍翔「………………」

Z:長門’「さあ、この戦艦:長門に思う存分 胸にしまっていたもの曝け出すのだ」

金剛「そうデース! 全部 私たちが受け止めマース!」

龍翔「………………うん」



「少なくともオレが生まれたのは父さんが30の時だった」

「その頃には深海棲艦の脅威が無くなって、父さんは“護国の英雄”として語り継がれる存在となっていた」

「けれども、それから数年経って“失われた10年”――――――世界規模の未曾有の大災害が起こり、」

「人類は深海棲艦によらずに再び滅びの道へと歩んでいった」

「そして、そこに追い打ちを掛けるかのように10数年の沈黙を破り、更なる進化を遂げた深海棲艦との新たな戦いが始まった――――――」



401: ◆G4SP/HSOik 2014/12/19(金) 09:07:48.94 ID:y77DECdZ0

龍翔「…………これが父さんと母さんが結婚した時のやつです」スッ

――――――1枚の写真。

金剛「そうですカー、これが…………(結局、提督は一人しか選んでくれなかったんですネ……、わかっていたことですケド少し…………)」

Z:長門’「ほう……」

龍翔「これともう1枚の写真とで、断絶された【失われた10年以前】の時期の特定に使おうと思いまして」

龍翔「この写真は本当に“平和で豊かだった時代”の遺産なんだ……」スッ

金剛「おお!」

Z:長門’「な、なんと!」

――――――もう1枚の写真。

金剛「WOW! これが龍翔提督ですカー! カワイイですネー!」キラキラ

Z:長門’「おお……、清原提督と鳳翔夫人も貫禄があるな……(――――――しかと心に焼き付けたぞ、この写真は!)」キラキラ

金剛「あ、でも……、艦娘と人間の間に子供は生まれないはずデス――――――(そう、提督もそのことで――――――)」

龍翔「それは戦いが終わったことで事情が変わったんです」

龍翔「まず、深海棲艦との戦いが終わってから艦娘は不要な存在になって、」

龍翔「艦齢が5歳以上の艦娘は予備役となって退役することになり、人間と同等の人権が与えられることになったのです」

金剛「艦齢が5歳以上で終戦を迎えたら、退役して人間と同等の人権が――――――」

Z:長門’「非常に魅力的な将来図だが、戦うために生まれた艦娘としては少し寂しいものがあるな……」

Z:長門’「(む? いったい何の話をしているのだ? 龍翔提督は清原提督の弟君ではなかったのか? まあいいか)」

金剛「(そういえば、長門サンには何も説明してませんでしたケド、さすがは“ビッグ7”デース。度量が大きいデース)」

龍翔「それで、艦娘も人間と同じ権利が認められることになったので、【ケッコンカッコカリ】が本当の結婚として認められることになったんです」

龍翔「話によると、父さんと母さんはそのテストケースとして法律として認められる以前から結婚していたらしいです」

龍翔「そして、オレが生まれた」

Z:長門’「…………ほう」ワクワク

龍翔「オレ、父さんの遺伝子を100%受け継いで母さんのお腹から生まれた子なんです」

龍翔「だから、遺伝子的には“父さんの分身”とも言えるそうなんです」

金剛「Really !?」

龍翔「やり方としては父さんの身体からとったデオキシリボ核酸からX染色体とY染色体を取り出して、それを精子と卵子に成長させて受精させてから、」

龍翔「母さんのお腹の中に入れたとか何とか――――――よくわかりません」

金剛「???」

Z:長門’「す、すまない。私もよくわからん……」ウーム

龍翔「と、ともかく、オレは間違いなく人間である父さんの子なんです」

龍翔「そして、艦娘である母さんのお腹の中で育ってこの世に生を受けた最初の子らしいんです」

龍翔「だから、オレは終戦まで戦い抜いた提督と艦娘の夫婦(仮)にとって希望だったらしく、とにかくたくさんの人に可愛がられた記憶があります」

Z:長門’「それは当然だろうな(――――――こんなにもカワイイのだからな!)」ウンウン

龍翔「けれども、この戦後処置によって人間たちの何かが失われたらしく、“平和と豊かさ”の中で人々は退廃していって…………」

金剛「…………!」ゴクリ

402: ◆G4SP/HSOik 2014/12/19(金) 09:08:57.02 ID:y77DECdZ0

龍翔「【今】と【オレにとっての今】はたった20年ぐらいしか違わないのに未曾有の大災害で世界人口の大半が失われたんです……」

龍翔「地震、津波、火山爆発、疫病の流行、異常気象――――――西洋の終末論に見えるような世界の終わりがやってきたんです」

Z:長門’「なんだそれは…………」アセタラー

金剛「そ、それで……?」アセタラー


龍翔「父さんと母さんは最後の最後まで“護国の英雄”として海の向こうで救助活動に従事してついに帰ることがなかった……」


龍翔「物心付く前の話です」

金剛「WHAT'S !?」ガタッ

Z:長門’「そんな……!? 英雄になっても災害には勝てないというのか…………」アセビッショリ!

Z:長門’「(嫌なことを思い出したな。「天城」や多くの同胞を喪ったあの震災――――――)」ギリッ

Z:長門’「(何かの冗談だと思って聴いていたが、さすがにこの真に迫る語りからこれはただならぬことだと理解できてきたぞ……!)」

龍翔「それから大災害が終わったと思ったら、再び現れた深海棲艦による新たな脅威にさらされ、」

龍翔「かつての英雄たちのほとんどが大災害に消えた中、人類は平和に溺れて戦うことを忘れ去ろうとした報いを受けることになったんです」


龍翔「――――――オレは護国の英雄の子」


龍翔「加えて、艦娘との間に生まれた最初の子として親戚一同からも大災害を生き延びた父さんの戦友たちからも“英雄の二代目”として期待されました」

龍翔「だから、オレは深海棲艦と戦うための教育をずっと受けてきて、16で准将の待遇でこうして提督として戦場に立つことになったんです」

金剛「え」

Z:長門’「なんだと!? 本当に16歳なのか、きみは!?(――――――『准将』って何だ? 末吉みたいな感じの将官の末席で臨時の階級か?)」

龍翔「そんなに変ですか――――――あ、そっか。そういう認識の違いも【失われた10年以前】だからか」

龍翔「オレだけじゃないですよ、16歳で提督をしている子なんて。大人がいないもんで他にもたくさんいます」

Z:長門’「18歳になって飲酒もできないような若者が、か!?」

龍翔「はい。そもそもお酒も16で飲めるようになってます」

金剛「あ、やっぱり長門サンにはまだ何も話してませんでしたネ……」

Z:長門’「そんな……、そんな馬鹿な現実があってたまるか!」


龍翔「その現実がオレなんです」


Z:長門’「うっ…………」

403: ◆G4SP/HSOik 2014/12/19(金) 09:10:30.97 ID:y77DECdZ0

龍翔「――――――戦況はもう最悪です」

龍翔「オレ以外にまともに艦隊運用ができる提督がいない――――――新米ばかりで ベテランのほとんどは大災害に散って…………」

龍翔「艦娘も最低限は国防のために建造は続けられていたのですが、深海棲艦が10数年現れなかったせいで練度や開発がまるで追いついてません」

龍翔「それでもオレたちは局地的な勝利を何度も何度も重ねてきました。――――――天城が居てくれたからこれまでやってこれたんです」

金剛「天城サン……」

Z:長門’「――――――『局地的な勝利』か。嫌な言葉だ(――――――ん? 今度は『天城』だと? どういうことなんだ?!)」

龍翔「オレはみんなの希望を背負って必死にあっちこっちで深海棲艦を倒してきました」

龍翔「それなのに、深海棲艦は進化し続けていて超大型弩級深海棲艦の登場で完全に戦いの主導権を奪われてしまったんです」

金剛「――――――『超大型弩級深海棲艦』デスカ?」

Z:長門’「…………確かに聞いただけで身震いがするような相手かもしれないが、どう脅威なのだ?」

龍翔「簡単ですよ。――――――深海棲艦による対地攻撃が平然と行われるようになったんです」

金剛「!?」

Z:長門’「そんな馬鹿な!? 深海棲艦は人間よりも我々 艦娘を優先的に狙う――――――」

龍翔「そこなんですよ、最悪だったのは」

Z:長門’「え……」

龍翔「……敵がどういった経緯で進化したのかはわかりません」

龍翔「けれども、深海棲艦との戦いが終わってから『艦齢5歳以上の艦娘は退役して人間として暮らすようになっていた』んです」

Z:長門’「あ…………」アセタラー

金剛「まさか――――――」アセダラダラ

龍翔「それに、“平和で豊かな時代”に艦娘は不要な存在でしたから、あれから艦娘の生産数もずいぶん減っています」

龍翔「人口分布ならぬ艦娘分布を探り当てる技術を深海棲艦が得て、そこから海から程遠い陸に艦娘が集中していることを知り、」

龍翔「効率よく陸の艦娘を殲滅するために何が必要なのかわかったから対地攻撃するようになったのではないかと言われます」

龍翔「法的には人間になれた艦娘でも、深海棲艦の理からすればそんなのは関係ありませんからね」

龍翔「ただ それを認めた時、艦娘に対する風当たりを気にして、大本営はそれをよしとせず、黙殺しています」


龍翔「――――――『深海棲艦は戦略を理解するようになった』と敵を過大評価するようになって誰もが怖気づいてしまった」


龍翔「もう、提督も艦娘も軍人も政治家も国民もダメな空気に染まってしまった…………」

龍翔「こんなんでオレ一人頑張ったってどうすればいいんだよ…………!」

金剛「私たち艦娘が結局は守るべき人たちを犠牲にしてしまう…………」

Z:長門’「何ということだ!(大人は滅びの空気に酔いしれて、まともなのは龍翔提督だけだったというのか?! あまりにも重すぎる…………!)」

404: ◆G4SP/HSOik 2014/12/19(金) 09:11:52.74 ID:y77DECdZ0

Z:長門’「だが、どうしてそこまで冷静でいられた?(そう、周りと同じように滅びの空気に染まっていればこうも苦しむこともなかったろうに)」

龍翔「オレだって逃げ出したかったさ! でも、周囲の目もあるし、何よりも――――――、」


――――――天城がいたから。


金剛「………………」

Z:長門’「……そうなのか」

龍翔「だって! オレが挫けそうになったらとんでもない悪口や暴力を浴びせて無理やりオレのやる気を叩き起こすんだよ?」

龍翔「きっと、オレの魂が肉体から飛び出ても天城なら無理やり元の肉体に連れ戻して現世の仕事の続きをやらせようとするだろうな、きっと…………」アセタラー

金剛「え……、だ、大丈夫なんデスカ!?」

龍翔「ああ 大丈夫。悪口や暴力と言ってもなぜだかそれでやる気が湧くんだ。特に恨みに思うこともなくて逆にスッキリするんだよ」

龍翔「それに天城は、深海棲艦との戦いに備えて英才教育を施されたオレよりも遥かに頭がいいし、」

龍翔「実際にオレに手本を見せる名目で、敵の戦略拠点を叩くために資源の管理だとか戦力配置や作戦内容も全部一人で考えて成功させているし」

Z:長門'「は」

龍翔「正直に言って、オレなんか要らないぐらいに提督業をこなしているんだけどさ?」


龍翔「――――――『それでも提督はオレなんだ』って言ってくれるんだ。いつもは厳しいのにあんな時ばかりスッゴクいい笑顔で言うんだよ」


金剛「………………」

Z:長門’「わかる。わかるぞ、その気持ち!(私も自分の提督に対して呆れつつも結局は自分の提督こそが一番だと思っているからな)」ウンウン

龍翔「天城がいてくれなかったら、こうしてオレは【ここ】には来れなかった……」

龍翔「…………本当に感謝している」

Z:長門’「そうか。天城が希望を繋いできたということなのだな……(そうだ、今度は託されたその希望を【ここ】で現実のものにするんだ!)」

金剛「長門サン……」

405: ◆G4SP/HSOik 2014/12/19(金) 09:14:18.91 ID:y77DECdZ0

龍翔「オレは少しでもこの状況を打開するための策を得るために【この時代】にやってきたんです」

龍翔「【オレたちの未来】が救われるのであれば何だってよかった」

龍翔「使える提督がいなければ【この時代】のベテラン提督たちを連れてくるとか、何なりすればいいと思って…………」

金剛「そうだったんデスカ……」

龍翔「でも、浅はかでした」

Z:長門’「――――――『浅はか』だと?」

龍翔「【この時代】でも未来の英雄たちが命懸けで戦っているのに、それに水を差すわけにもいきません」

金剛「ああ…………」

Z:長門’「すまない。私も『浅はか』だったようだ……」

龍翔「そして、オレはこの通り 何をすればいいのかわからない有り様です」


龍翔「でも、冥土の土産に父さんと母さんに会えてよかったです」ニコッ


龍翔「物心ついた時にはもういなくなっていたから」

龍翔「ただ周りのみんなが口を揃えて父さんと母さんのことを褒め称えていて、」

龍翔「死ぬ前に機会があるのならば絶対に会っておきたいと思っていて、俺はこの『大本営の極秘作戦』に志願したんです」

Z:長門’「なら、帰る必要なんてないぞ! きみは十分に頑張った! もういいんだぞ!」

Z:長門’「ずっとここに居ろ! 【未来】なんて【ここ】で変えればいい! 清原提督が無理なら朗利提督なら必ずきみを――――――」

龍翔「残念だけど、大本営は【この時代】に貴重な戦力を連れて逃げこまれることを阻止するために家族や親戚一同を人質にした上に、」

龍翔「オレの首筋には小型の時限爆弾を埋め込んでいるんです。――――――期限は1年ということで」

龍翔「確か首筋のこの辺に微かにピカピカしているものが見えません? これがその時限爆弾です」

Z:長門’「なっ」

金剛「………………」アセダラダラ

龍翔「【今の時代】の技術では到底取り出すことは無理でしょう。期限を過ぎれば首の中の骨、血管、神経が瞬時に切断されて即死です」

Z:長門’「待ってくれ! 待ってくれ……!」

Z:長門’「きみの艦娘や妖精たちはみんなそのことを知っているのか……?」

龍翔「いえ。知っているのはオレと天城だけです」

龍翔「状況がどれだけ最悪なのかも厳重な緘口令と虚偽の大本営発表で伏せられています」

龍翔「その代わりに、オレの活躍ばかりが大々的に報じられていて――――――確かに局地的な勝利は重ねてはいるんです」

龍翔「一度は、天城の奇策で超大型弩級深海棲艦の砲撃を阻止したこともあります」

龍翔「でも、超大型弩級深海棲艦は1隻だけじゃないんです! 総力戦を仕掛けてやっとなのにどうすればいいんですか!?」

龍翔「もう安否確認なんてものはするまでもなく、超大型弩級深海棲艦の遥か海の彼方からの艦砲射撃で町や村ごと消し飛びますから、」

龍翔「軍人も民間人もお偉方も、表層的には大本営発表に安堵してはいますけれど、誰もが明日なき命とみな覚悟しているぐらいです」

Z:長門’「それで、それで満足なのか、龍翔提督よ!」バン!

龍翔「同じ死ぬでも、オレのことを育ててくれた親戚のみんなや父さんが残してくれた艦娘たちの盾となって死ぬのも悪くない――――――」


龍翔「周りが腰抜けやヘナチョコだけになっても『オレだけは立派に戦い抜いた』っていう誇りが与えられるから……」


Z:長門’「なんだと? 今、何と言った――――――?(何だ今のは? どこか遠くの記憶の彼方で聞いたことがあるような――――――)」ピクッ

406: ◆G4SP/HSOik 2014/12/19(金) 09:15:20.91 ID:y77DECdZ0

龍翔「…………フゥ」

龍翔「なんかスッキリしました」

龍翔「話しているうちに頭の中が整理できたようです。自分が何をすべきか見えてきました」

龍翔「聞いてくれてありがとうございました。協力は得られませんでしたが、【ここ】に来た甲斐はありました」ニコッ

Z:長門’「やめろ! そんなことで笑顔なんて見せるんじゃない!」

Z:長門’「勝敗は兵家の常だが、死ぬとわかって――――――いや、戦略的に何の意味もない死に様に何の意味がある!」

Z:長門’「皇国の民の盾となるのが、それこそ艦娘の使命――――――」

龍翔「それがそうでもないんですよ」

Z:長門’「なに?」

龍翔「艦娘に人間と同じ人権を認めることが広まってから、人間と艦娘の境界線が曖昧になっていって、」

龍翔「駆逐艦や潜水艦のような幼い子も戦っているのだから若い男女も同じように戦場で戦うべきだという論調が広まりまして――――――」

金剛「!?」ゾクッ

龍翔「一部の過激分子がオレと同じぐらいの女子志願兵を艦娘に擬態させて囮にさせたなんていう話を聞いたことがあります」

Z:長門’「なんだそれは!? それでは何のための艦娘だと言うのだ! 何のための、何のための――――――」

龍翔「けど、そうでもしないと勝てないんですよ、現実に!」

龍翔「“失われた10年”でかつての英雄はみなことごとくこの世を去り、残されたのは“平和と豊かさ”に溺れた惰弱な世界だけ…………」

龍翔「滅びて当然なのかもしれない……」

龍翔「【ここ】に来て一番最初に驚いたことが、戦時中とはいえ 鎮守府に艦娘がたくさんいて士気がみなぎっていたことですからね」

龍翔「もうね? 戦うために生まれた艦娘でも士気はだだ下がりで提督と一緒に逃げ出すぐらいに威厳なんてものはないんです」


龍翔「ですから、本当によかったです。――――――最期に栄光に満ちた【ここ】に来ることができて」ニッコリ


金剛「」

Z:長門’「」

龍翔「聴いてくれてありがとうございました、本当に……」ウルウル

金剛「提督ぅーーーーーー!」ガバッ

タッタッタッタッタ・・・・・・

Z:長門’「この馬鹿者があああああああ!」ムギュッ!

龍翔「…………!」ドクン

407: ◆G4SP/HSOik 2014/12/19(金) 09:16:17.56 ID:y77DECdZ0

Z:長門’「――――――【八八艦隊】」

Z:長門’「かつてワシントン海軍軍縮条約で妹の陸奥がこの世に生まれこぬまま逝ってしまう現実がそこにあった」

Z:長門’「けれども、必死の努力によって陸奥はこの世に生を受けることができたのだ!」

Z:長門’「だが、助かったのは陸奥だけで、陸奥に続く私の妹・後輩たちは生まれることはできなかった……」

Z:長門’「私は嬉しかったぞ! 後輩の赤城と加賀の戦艦姿を見ることができて! もちろん標的艦として散った土佐の晴れ姿もな!」

Z:長門’「それに、天城も来てるんだろう? また会って言葉を交わしておきたいんだ」

Z:長門’「だから、【八八艦隊】の同胞たちを引き連れて現れた龍翔提督は私には天の使いに見えた!」

Z:長門’「今度は私がきみを助ける番だ! 妹の陸奥がこの世に生を受けることができたようにどんな手を使ってでも!」

Z:長門’「だから、きみのような子がそんな悲しさや虚しさを湛えた空っぽな笑顔なんかしないでくれぇ……」グスン

Z:長門’「(提督、何となくだが提督がビスマルクや比叡を特別 愛でていた理由がわかってきたような気がします……)」

Z:長門’「(こういう――――――『守らなくてはいけない大切な何かがある』というわけなんですね)」

龍翔「………………」

龍翔「…………」

龍翔「……」

龍翔「」

Z:長門’「あ」

龍翔「スヤー」

Z:長門’「疲れて眠ってしまったのか、よしよし」フフッ

Z:長門’「そうだ。ビッグ7の私の胸に抱かれながら良い夢を見るんだぞ、ぼうや」フフッ

Z:長門’「(だが、夢から醒めればまた辛い【現実】へと向き合わなければならない)」

Z:長門’「(この子に必要なのは【現実】への希望と言ったところだろう。それを見せなければいけない!)」

Z:長門’「(そう、【未来】の『天城』が希望を繋いだのなら、今は亡き「天城」から授けられたビッグ7の誇りで――――――!)」グッ



金剛「提督ぅー! どこですカー!? Where are you ? やっぱりあの子は提督の――――――」タッタッタッタッタ・・・・・・





408: ◆G4SP/HSOik 2014/12/19(金) 09:17:54.90 ID:y77DECdZ0

――――――????


鳳翔「…………あなた」

――――――
「くぅ…………」ポタポタ・・・
――――――

鳳翔「………………」

――――――
「くぅ………………」ゴクゴク・・・

「うおおおおおおおおお!」ガンガン!

「くそっ! くそっ! くそっ! くそっ! くそっ! くそおおおおおおおおおおお!」ガラガラガッシャーン!

「っいた! くぅううう…………」ポタポタ・・・
――――――

鳳翔「あ、あなた!」

――――――
「!?」

「…………鳳翔か。よくここがわかったな」

「やはり、私にはもったいないぐらいだ…………」
――――――

鳳翔「わかります」

鳳翔「以前にユウジョウカッコカリの一件で、あの金剛さんの願いを聞き入れた時もこうやって一人涙に暮れてましたよね?」

鳳翔「こちらに手を伸ばしてください。手当をいたしますから」

――――――
「…………すまない、頼む」ポタポタ・・・
――――――

鳳翔「はい」ニコッ

鳳翔「ですけど、いくら鎮守府の司令官とはいえ、」


鳳翔「牢屋で反省がてら自棄酒を飲むのは感心しませんよ」


鳳翔「それに、そんなボロを身にまとって身も心も窶すなんてのも」

鳳翔「金剛さん――――――いえ、その他のみんなが見たらどう思うか考えたことはありますか?」

――――――
「そうでもしないと、泣くに泣けないのだ……」

「私は兼く愛せても、深くは愛せないようだな……」

409: ◆G4SP/HSOik 2014/12/19(金) 09:18:21.75 ID:y77DECdZ0

「あのドラ息子は――――――」
――――――

鳳翔「はい。間違いなくあなたの息子です」

鳳翔「見た目はもちろん、仕草や立居振舞もあなたそっくりです」

鳳翔「たぶん、あの子も今、泣いているのではないでしょうか?」

鳳翔「――――――トイレか、お風呂で」

鳳翔「――――――『男は人前では涙を流さない』と言い張ってましたから」

――――――
「……それは私の母の教えだ」

「不思議だな。――――――親子というのは」

「実感や客観的事実はなくても、そうだという何かは不自然ながら自然と伝わってくるのだ」
――――――

鳳翔「はい。私も艦娘でありながら、目に見えない何かであの子を自分の子のように感じてました」

鳳翔「ですから、あなたが今 どれくらい辛いのかもわかります」

――――――
「やはり、私にはもったいないな…………」
――――――



410: ◆G4SP/HSOik 2014/12/19(金) 09:19:44.16 ID:y77DECdZ0


鳳翔「はい」トクトク・・・

清原「ああ」ゴク・・・

清原「何か久しぶりだな、こうやって酒を飲むなんて」(利き手は包帯で巻かれている)

鳳翔「そうですね。祭典儀式などの特別な場合以外では鎮守府内での飲酒は全面的に禁止していますからね」

清原「鳳翔、こんな不潔で臭いところにいつまでもいなくていいんだぞ?」

鳳翔「いいえ。私はあなたを一人にはさせません」

鳳翔「それに、こうしていられる時間をとれて私は贅沢者です」

清原「牢屋の中で通風口から差し込むかすかな月の光を楽しみながら酒を飲むというのも酔狂なものだな」

清原「かたや美人の女将で、かたやボロに身を窶す牢屋の囚人か――――――」

鳳翔「身分に囚われない儚くも麗しい愛がそこにはあるのではないのでしょうか」トクトク・・・

清原「………………」ゴク・・・

清原「なあ」

鳳翔「はい」


――――――やっぱり子供 欲しいか?


鳳翔「…………はい」ポッ

清原「やはり、人間の年頃の女性と同じ形をしているとそういうのに自然と憧れの念を抱くものなのか」ゴク・・・

清原「『天城』の話によると、【今】からそう遠くない未来に戦いは終わって、」

清原「艦齢が5歳以上の艦娘は軍縮のために名誉退役させられて、人間としての権利が認められて、」

清原「ケッコンカッコカリから正式な婚姻を結べるようになるらしい」

清原「その第一号が、私とお前だそうだ」フフッ

鳳翔「なんだか誇らしい気もしますし、恥ずかしくもありますね」テレテレ

清原「そして、私の  を受けて鳳翔が私の子を生むんだ」

清原「それがあのドラ息子というわけなんだ。これも艦娘から生まれた子としては初めての存在として世間の耳目を集めるらしい」

清原「私の子は『天城』が思わず熱を入れて語りだすほどにたくさんの人からの祝福を受けて育っていったらしいんだ」

鳳翔「はい。本当に立派な子に育ってますね」ニッコリ

清原「けれど、理性的にあの子のことを思うと『どう考えても自分の子ではない』という結論が渦巻いてだな……」

鳳翔「………………」

清原「だって そうだろう? いきなり現れて未婚の私を『父さん』と呼び慕って擦り寄ってくるんだぞ? 気味が悪い」

清原「『天城』からの説明や実際に会って直感的にそうだとわかっても、やはり【今という現実】に視点に合わせるとあの子を遠ざけることしかできない」

清原「だからこうやって、洞庭鎮守府の司令官という肩書の自分を脱ぎ捨てて、ただの牢人としてありのままの自分に帰っているわけなんだよ」

清原「やはり、権力や肩書というものは服を着ていないと意味が無いものなんだ」

鳳翔「そういうものなんですか?」

清原「――――――鎮守府を褌一丁や裸で歩き回る提督に威厳なんてあると思うか?」

鳳翔「いいえ」クスッ

清原「身形っていうのもそれになりきるために必要なものだから――――――、」

清原「提督としての衣をまとった私ではやっぱりあの子を助けることができないんだ……」

鳳翔「…………そうなんですか」ジー

411: ◆G4SP/HSOik 2014/12/19(金) 09:20:30.94 ID:y77DECdZ0

清原「どうすればいいのだろう……」

清原「提督としての肩書を捨てて、立場に縛られないいろいろな考えがめぐるようになったけれども、どれも根本的な問題を解決できていない」

清原「一番の問題は、あの子が【今の時代】の軍属じゃないことが最大の問題だ」

清原「私が不審人物を鎮守府に無断で置いていることが知られれば、これまで培ってきた信頼や権限を一挙に失ってしまうだろう」

清原「そう、要はあの子を正式な軍属に捩じ込むことさえできれば、後はいろいろと理由をつけて援助することはできるんだ」

清原「ただ、それをどういった名目で捩じ込むかが最大の難関なのだ」

鳳翔「そうですか……」ジー

鳳翔「ねえ、あなた? こうやって悩んでいられる時間はあとどれだけ残っているの?」

清原「うん? 早くて2日目には調査部隊が来るだろうな。明日――――――今日は調査部隊を迎え入れる準備がある」

鳳翔「なら、まだ時間はありますね」

清原「え」

鳳翔「――――――あなた」

清原「あ」


チュッ


清原「………………」ポー

鳳翔「………………」ポー

鳳翔「今夜のあなたは提督じゃないただの男の人――――――」

鳳翔「そして、ここにいるのは艦娘としての使命を忘れたただの女です」

鳳翔「一緒に考えましょう、ここで これからのことを」

清原「あ、ああ……」ポー

鳳翔「さあ」ドン

清原「うわっ」ドタッ


――――――愛してます、あなた。











412: ◆G4SP/HSOik 2014/12/19(金) 09:21:17.29 ID:y77DECdZ0


金剛「まさかと思いましたケド、さすがにPrisonは違いましたカー」

老いた牢番「ああ。ここには誰も来ていないよ」

牢番「(危ない危ない。ちょっと用を足しに行っている間に来られたらひとたまりもなかったよ……)」

金剛「…………提督はどこへ行ってしまったのデショー?」

金剛「執務室には提督の服が畳んであっただけデシタシ……(本当はお触りしたかったのデスガ、さすがに今は自重シマシタ……)」

牢番「まあ、あの若者のことだ。どういった件で今 金剛ちゃんが駆け回っているかはわからないが、」

牢番「――――――大丈夫。ちゃんとそのことに向き合っているはずさ」
        ・
牢番「そう、前の金剛ちゃんのことでもね」

金剛「ん?」

牢番「今日はもう休みなさい。私からも言っておくから」

金剛「ワカリマシタ……」

金剛「Thanks, Elderly Gentleman」

タッタッタッタッタ・・・・・・

牢番「すまないねぇ。二人の時間を邪魔するわけにはいかなかったのだ」チラッ

牢番「やれやれ、――――――ようやくか。お赤飯でも置いといてやろうかねぇ、」

牢番「――――――ヘタレめが」

牢番「斎庭鎮守府の金本提督の10分の1ぐらい男の欲求をぶつけてみろ。甲斐性無しがぁ……」

牢番「だが、いつになっても恋愛というものはいいものだなぁ……」ニヤニヤ

――――――――――――

――――――
清原「zzz」
鳳翔「…………あたたかい」フフッ
――――――



413: ◆G4SP/HSOik 2014/12/19(金) 09:22:32.96 ID:y77DECdZ0

――――――新しい1日が始まって


清原「出来る限り 手は尽くそう」


x:天城’「ありがとうございます、提督」

金剛「ホントですカー! イエーイ、大好きデース、提督ぅー!」ムギュー!

清原「おいおい。まだ解決したわけじゃないんだ。喜ぶのはまだ早いぞ」

金剛「はーい!(ん? 何か今日の提督は嗅ぎ慣れない臭いがいっぱい染み付いていて何とも言えない感じデース……)」クンクン

金剛「(でも、きっと提督もこんなふうに複雑な臭いをまとう程に悩み、悩み抜いたのですネー。そう思うと悪くないデース!)」ドキドキ

x:天城’「………………」

清原「さすがにどうするべきかな……」(珍しく着崩している――――――とはいっても、胸元を少し開けているだけだが)

清原「(昨夜、金剛が聴取したあの子の発言内容を見ていると本当にこれは…………ゾッとするような【未来】だな)」パラパラ・・・

金剛「提督、なんだか今日の提督はスッゴクSexyな感じデース!」ドキドキ

x:天城’「そうですね(さて、そろそろ動くとしますか――――――)」

x:天城’「提督」

清原「何だろう、『天城』?(――――――やはり私のことを『天城』は『提督』とある感情を込めて呼ぶ)」

x:天城’「――――――今日の【大型艦建造】の結果を当ててみせましょうか?」

清原「……なに?」

x:天城’「……そう、私たちが【この時代】に来ることができた“特異点”です」

x:天城’「私を含めた“3つの特異点”の1人がやってきます」

x:天城’「【ここ】にはすでに“特異点”の2つが揃っていて、新着の彼女を含めて全員揃うことになります」

清原「???」

清原「(どういうことだ? 【未来】からきたからその結果がわかっているということか?)」

清原「(あれ、ちょっと待てよ? いくら【未来】から来たといっても、なぜタイムマシンで来れた!? あれの原理からすれば――――――)」



414: ◆G4SP/HSOik 2014/12/19(金) 09:23:35.24 ID:y77DECdZ0


陸奥「長門型戦艦二番艦の陸奥よ。よろしくね。あまり火遊びはしないでね。お願いよ?」


清原「よろしく頼む」

陸奥「あら? あらあら?」

Z:長門’「そうか。陸奥も洞庭鎮守府に着任となったか」

Z:長門’「私は拓自鎮守府から【派遣】されて今日には帰る」

Z:長門’「私に代わって、清原提督を助けてやってくれ」

陸奥「長門に――――――、」

x:天城’「久しぶりね」

陸奥「――――――天城さん」

清原「それで、長門に陸奥に天城――――――これが“3つの特異点”なんだな?(いったい何の話をしているのかさっぱりわからないぞ……)」

x:天城’「はい。洞庭鎮守府に“特異点”が3つ揃うのは今日しかないんです」

Z:長門’「なんだと、それは困る!(――――――何をするのか知らないが、あの子のためならば!)」ガタッ

x:天城’「あ、大丈夫です。これは『永遠の別れ』という意味ではなく、『3人が同時に顔を合わせること』が今日しかあり得ないということで」

清原「???」

陸奥「それも何だか不吉な言い回しね……」

x:天城’「言い換えると、『明日を控える今日というこの日に3人が同時に集まった』ということです」

x:天城’「それでは、少しだけ目を瞑って明日のことについてお祈りください」

清原「ここにいる全員でか?」

x:天城’「はい。『世界が幸福に満たされて一番の心配事も解決されますように』とでも祈ってくだされればいいです」

清原「わかった」


x:天城’「では、目を瞑って明日のことについてお祈りください」パン、パン


清原「………………」

Z:長門’「………………」

陸奥「よくわかんないけど、せっかくだし 私も祈ってみるわね」

Z:長門’「………………」

Z:長門’「(頼む! 私は龍翔提督を守ってあげたいのだ! あの子の渇いた笑顔を潤してあげたいのだ!)」

Z:長門’「(【今】も救って【未来】も救ってくれ、――――――皇国の神々よ!)」

Z:長門’「(――――――!)」

Z:長門’「(そうか! 「天城」が言い残していた通りだ! ――――――『未来を救う』とはこのことだったのか!)」

清原「………………」

清原「(私自身、まだ状況を把握しきれたわけじゃない。単純に【未来】からやってきたとも思えないような違和感があって――――――)」

清原「(そう、一概には言えない複雑な情報が一挙に押し寄せてきたのだ。1日でこれを整理しきれるほど私もできてはいない……)」

清原「(だが、私は公人として国家に忠誠を誓う者だ。こういった時 どうするべきかはわかっているはずだ)」

清原「(――――――待てよ? 私は何を恐れているのだ? 別に【未来】から来たことを明かしたとしても何の問題はないのではないか?)」

清原「(それに、話から察するに、積極的な協力を取り付けることさえできれば、別に【未来】の技術を開示することも否定的ではなかった?)」

清原「(そうだ、私は大本営が新開発した試作品の数々の試験運用を担当する『司令部』の人間ではないか!)」

清原「(もしかしたら“司令部”に頼み込めば実は何とかなるのではないか? 【48cm砲】を手土産にすれば、あるいは――――――)」


415: ◆G4SP/HSOik 2014/12/19(金) 09:25:25.13 ID:y77DECdZ0


x:天城’「目を開けてください」パン、パン


清原「ハッ」

x:天城’「何か妙案が思いついたようですね」ニコニコ

Z:長門’「ほ、本当か、清原提督!」

清原「あ、ああ……」

清原「それに賭けてみようと思うんだ(――――――何だろう? 不思議と成功する気がしてならない。不安など微塵も感じられない)」

陸奥「え、何々? 私の不幸が治る方法でもあった?」

清原「え、『不幸』――――――それならあるぞ(そう、『司令部』ではそういった――――――)」

陸奥「え、本当?」パァ

清原「だが、その前に――――――」


清原「大至急“司令部”に直談判してくる」


長門型「!」

x:天城’「なるほど」

清原「確認するが、『天城』たちとしては自分たちの存在が世間に知られても問題ないのだな?」

x:天城’「はい。むしろ協力の約束を取り付けてもらい、私たちの身分と行動の自由の保証をしてくだされば喜んで技術提供をいたしましょう」

清原「…………最初からそう言ってくれればよかったものを」

x:天城’「それはしかたありません」

x:天城’「私が提督とこうやって話をつけてくる算段だったのに、あの子ったら勝手なことをして事態を混乱させてしまいましたから」

x:天城’「こちらとしてはまず、私を窓口として提督からの信頼を得てからあの子と引き合わせるつもりだったんです」

x:天城’「そうしないと、昨晩のように互いにとって良くない結果に陥ることはわかっていましたから」

x:天城’「今回は不運にもボス級深海棲艦の襲撃が重なってしまい――――――」

x:天城’「(たぶん、土佐あたりが何気なく急かしたから言いつけを破って【派遣】初日で押しかけたのかもしれない)」

x:天城’「(けれども、それによって結果として――――――本当に『禍福は糾える縄の如し』ね)」

清原「…………そうか」

416: ◆G4SP/HSOik 2014/12/19(金) 09:25:59.23 ID:y77DECdZ0

x:天城’「ですが、これで大丈夫ですね。――――――『終わり良ければ全て良し』ということでよろしいですか?」

清原「まだまだわからないことがいっぱいあるのだが、――――――今はそれでいい」

清原「ダメなんだ。私は生粋の堅物らしくて。この服を身にまとっているとあの子を出来の悪いどこかのドラ息子のように思えてしまう」

x:天城’「それでかまいません。仕事場に私情を挟むことが本来は禁忌なのですから」

x:天城’「ですが、今回ばかりはそのコネを頼らせていただきました。申し訳ありません」

清原「いや、それを抜きにして最も信頼に足る人物として白羽の矢が立ったようだし、そういう意味では悪い気はしてないのだがな……」

清原「早速で悪いが、陸奥。『天城』から譲ってもらった【48cm三連装砲】を装備して一緒に来てもらうぞ」

陸奥「ええ!? 【48cm】だなんて、あの大和の主砲よりも大きいじゃない!? 存在してたの!?」

清原「次に長門。最後の仕事だ。龍翔提督を牢屋に監禁しろ。部外者に存在を知られるわけにはいかない。牢番には先に私から話を通しておく」

Z:長門’「な、何とも言えないが、――――――必ずや龍翔提督を守るのだぞ、清原提督!」

清原「そして、『天城』も陸奥と一緒に司令部に来てくれ。赤城のフリをして乗り込み、窓口となってくれ」

x:天城’「わかりました、提督。今は【派遣】された身です、提督のご命令なら何なりと従いましょう」ニコッ

清原「あ」

清原「よし! すぐに行動開始だ! 今日は並行して調査部隊の迎え入れの準備や周辺海域の警戒も行われているから使える人員は少ない」

清原「急ぐぞ!」

一同「了解!」ビシッ

Z:長門’「(良かった――――――何だ? 安心したら急に情感が溢れて、ぐふ、ぐふふふふ…………)」

清原「(さっきの『天城』、私に命令されることに大きな喜びを感じていたようだった……? 何なのだ、この『天城』という艦娘は…………)」

x:天城「心地良いものね、やっぱり」フフッ





417: ◆G4SP/HSOik 2014/12/19(金) 09:28:19.91 ID:y77DECdZ0

――――――司令部


司令部「何事かと思ったぞ、清原提督」

司令部「幸いにも今日、予定がキャンセルされたからこうやって会えたわけで」

清原「申し訳ありません。しかし、これは風雲急を告げる事案でしたので」

清原「大本営に報告するにはあまりにも過激であり、しかし報告せざるを得ないものでありましたので、」

清原「“司令部”にご裁量を賜りたいと思った次第です」

司令部「そうか。貴官がそう言うのであればよほど深刻な内容なのだろうな」

司令部「わかった。できる限り 貴官の判断を尊重しよう。安心して報告してくれたまえ」

清原「では――――――、入ってきてくれ」


赤城?「失礼します」

陸奥「えと、失礼します……」


司令部「赤城と陸奥だな。それがどうしたのだ?」

清原「では、頼む」

赤城?「はい」ピッ

陸奥「!?」

司令部「!」

陸奥「おおっとっと! こんなにも重いんだ……」(虚空より戦艦艤装が展開!)

司令部「何もないところから艤装が――――――!?」

司令部「うん!? それに、その主砲の口径が異様に大きく見えるのは気のせいだろうか……」

清原「巻き尺を持参しましたので、どうかご自身で測ってみてください」

司令部「う、うむ……」

司令部「では、ちょっと失礼するよ。大丈夫、火遊びはせんから」

陸奥「あ、はい……(こんなのガン積みなんてされたら間違いなく艦体が傾いちゃう……!)」メメタァ

418: ◆G4SP/HSOik 2014/12/19(金) 09:28:56.38 ID:y77DECdZ0

司令部「………………」

司令部「まさか、大和砲を超えているのか、これは……」

司令部「しかも、見た目だけのハリボテではあるまい。本当にこれを?」

赤城?「はい。では、私も――――――」ピッ

赤城?「………………」(虚空より戦艦艤装が展開!)

司令部「は」

赤城?「大本営指定の制服でないことをお詫びいたします」


赤城?/x:天城’「私は天城型巡洋戦艦1番艦の天城と申します」(入渠が延びた【ここ】の赤城の赤袴を借りている)


司令部「「天城」だと――――――雲龍型航空母艦ではない?」

x:天城’「どうやら「天城」の名をいただいた艦は次の時代の礎を作る役目を背負わされているようです」

x:天城’「私は関東大震災で竜骨を破損して加賀に航空母艦になるその役目を譲った者です。“赤城の姉”と言った方がわかるかもしれませんね」

司令部「馬鹿な……、存在しないはずの艦が目の前にいるだと……!?」

司令部「それに、その主砲は明らかに【48cm三連装砲】よりも更に大口径――――――!」

x:天城’「これでわかりましたか? 極めて重要な案件です」

司令部「………………」

419: ◆G4SP/HSOik 2014/12/19(金) 09:29:44.61 ID:y77DECdZ0

清原「何というのでしょうか? ――――――この『天城』は【未来】からやってきた艦娘なんです」

清原「その【未来】では、【今】における深海棲艦との戦いに人類は勝利したものの、【その十数年後】に再び現れて苦境に立たされているというのです」

清原「目的は、深海棲艦との最終決戦の後の“平和で豊かな時代”において軍縮を余儀なくされて失われた運用ノウハウの再吸収とのこと」

清原「しかし、彼女たちはどこにも登録されていない未確認艦でして迂闊な行動がとれません」

清原「また、同じく【未来】からやってきた彼女たちを従える提督も不自由しているのです」

清原「ですから、『司令部』のこれまでの実験部隊の性格と照らしあわせて、」

清原「【未来】から私を頼ってやってきた彼女たちの援助と技術交流を認めて欲しいのです」

清原「責任は全て私が負います!」

清原「【今】も厳しい状況が続いていますが、【未来】の技術を導入して戦局打開の一歩となれましたらと思い、やってきた次第です」

清原「どうか【今】も【未来】も救うために協力してください!」

司令部「………………」

x:天城’「…………フフッ」


司令部「わかった。貴官の好きなようにしたまえ。私はこれから貴官がやろうとしていることを全面的に支持するだろう」


清原「ありがとうございます!」

陸奥「あ、意外と早く決めちゃったわね…………拍子抜けね」

司令部「まあ あれだ」

司令部「おそらく貴官も混乱しているだろうが、私のほうがもっと混乱している」

司令部「しかし、清原提督だから言うが――――――、」

司令部「実を言うとな、今の貴官のようにもはや私はおろか大本営の判断では裁ききれないことをすでに他3人がやってくれていてだな……」

清原「え」

                        ・
司令部「手始めに、趣里鎮守府の石田元提督は【深海棲艦の捕獲】に成功して、現在その生態の調査と研究を行っているし、」

司令部「次に、拓自鎮守府の朗利提督は多数の【海外艦】の【建造】しており、その縁からいずれは大遠征すると意気込んで計画書を提出してきた」

司令部「最後に、斎庭鎮守府の金本提督は何やら陸軍と【新兵器】の共同開発を行っているらしいのだ」

司令部「そこに、洞庭鎮守府の清原提督が貴官を頼って【未来】からやってきた艦娘の保護を求めてきた」


司令部「――――――『もうどうにでもなれ』だな」

司令部「大本営の陸軍派も海軍派も、『我々』の行動をほぼ黙認していることだし、」

司令部「今更、【未来】から艦娘が来たくらいどうってことはない」

司令部「だから、この問題児4人の面倒は今後もこの私が引き受けるから、心置きなく役目を果たされよ」

清原「!」

清原「ありがとうございます!」

420: ◆G4SP/HSOik 2014/12/19(金) 09:30:33.46 ID:y77DECdZ0

司令部「ところで、「天城」といったかな? ――――――【未来】からきた」

x:天城’「はい」

司令部「こんな状況になるものだとわかっていたというのかな?」

x:天城’「ある程度なら予測できます」

x:天城’「しかし、この世はどれだけの人間が物事に誠意を持って打ち込んだかの結果でなりたっている現し世でもあります」

x:天城’「たとえ【未来】の技術がもたらされたとしても、それで必ず勝つわけではありませんし、逆に慢心の素になるかもしれません」

――――――わかっていたから対処できたのか、

――――――わかってなくても対処できたのか、

――――――わかっていたから逆に慢心したのか、

――――――わかっていてもやはり無理なのか。

x:天城’「それを事細かに分析することは【未来】を生きた私でもわかりません」

司令部「ふむ。もっともだな」

司令部「よかった。【未来】から来たことを悪用して皇国の栄光を貶めようという気概は微塵も持っていないようだな」

司令部「私はあまり【未来】の予言に頼るつもりはないが、具体的な科学的根拠に基づいた発言なら取り合おうと思う」

司令部「同じ皇国の同胞の1人として、我が皇国に栄光をもたらしてくれ」

x:天城’「はっ」ビシッ

清原「……よかった」ホッ

司令部「?」

司令部「あれ、清原提督? 少し見ない間にずいぶんと余裕のある表情が出てきたな」

司令部「ほう。これは『ついに』かな?」

清原「何がです?」


司令部「ついに鳳翔夫人と初夜を共にしたということかな?」ニヤニヤ


清原「…………!?」カア

陸奥「へえ、うちの提督ってそういう人…………」ワクワク

x:天城’「そこのところはどうなんですか、提督?」ニコニコ

清原「わかってて言ってるだろう、『天城』……」アセタラー

x:天城’「何のことかしら? いくら私でも何でもお見通しってわけじゃないのよ?」フフッ


――――――たとえば、本当に鳳翔夫人と交わりを持っていたのかさえもね?


司令部「え」

清原「え?」

陸奥「あら。あらあら」ドキドキ

清原「おい、それはどういうことだ、『天城』!?」

司令部「ま、まさか、清原提督はまだヤってないのか!? 何という――――――いつまで待たせるつもりなんだね、きみぃ!」

清原「ちょ、ちょっと待ってください! 物事には順序というものがありまして――――――」

陸奥「何だかよくわからないけど、今 私の提督は素敵な愛の営みの真最中ってことかしら? これは何だか楽しめそうね」ドキドキ

x:天城’「ふふふふ」ニコニコ




421: ◆G4SP/HSOik 2014/12/19(金) 09:31:35.38 ID:y77DECdZ0

――――――同じ頃、


Z:長門’「…………どう転ぶかな?」

老いた牢番「さあね。世の中 良かれと思ってやったことが必ずしも吉ともならないが、凶ともならんこともあるからな」

牢番「しかし、あの子も変わった子だな」


牢番「『提督が普段から精神統一のために使っている』牢屋だと言ったら、喜んで檻の中に入っていくのだからな」


Z:長門’「ま、まあそうだな……(言えない。『私のところの提督と副提督も似たようなところがある』だなんて言えない……)」ゴホン

Z:長門’「(わかってはいるのだ。あの子がどれだけ両親の愛情に飢えているのか、両親の遺影にすがってどれだけの苦難を耐えてきたのか……)」

Z:長門’「(だからこそ、私は守ってやるのだ。どんな手を使っても……!)」

Z:長門’「(そう、本当なら一緒に入って側に居てあげるのだが――――――、ぐふふふふ……)」

牢番「しかし、――――――ふふふふ」ニヤニヤ

Z:長門’「どうしたのだ、ご老体?(くそっ、この牢番がいるせいで私が龍翔ショタ提督を慰める時間がとれないではないか! 忌々しい)」

牢番「いや、実はだな? これは内緒にしてくれると助かるのだが――――――、」ニヤニヤ


牢番「実は提督は昨晩、あの牢屋の中で鳳翔夫人と愛しあったばかりなのだよ」ニヤニヤ


Z:長門’「なにぃ!?」ガタッ

牢番「提督を探しにきた金剛ちゃんを他所に、二人は牢屋の中で互いの体温と汗と息と眼差しを感じながら愛を確かめあっていてな?」ニヤニヤ

Z:長門’「あ、ああ…………(な、なんだと!? それじゃ、あの子は自分が生まれた瞬間の場所に帰ったというのかああああ?!)」ドキドキ

牢番「良い所だったから金剛ちゃんには悪いけど帰ってもらったがね」

牢番「ふふふふ、牢番の私がいることすら忘れての情事は実に初々しくて情熱的で素晴らしいものだったよ」

牢番「どこの子だか知らないが、あの子は今 そんな部屋に自ら進んで入っていったわけだね」ニヤニヤ

Z:長門’「はぁ…………」プシュー

牢番「だがなぁ……、」ハア

牢番「――――――あのヘタレめが」

牢番「押し倒されてなすがままだったではないか。その上、あの有り様とは…………あ、何か言い出したらまたむかついてきた」イラッ

牢番「男ならこう甲斐性を持ってだな――――――いつまで引っ張るつもりなのだ! こっちはずっとその瞬間を待っているというのに!」

牢番「というか、そういうこの老いぼれも何をいい話だったみたいに思っているんだ! こんちくしょう!」プンプン

Z:長門’「………………だ、大胆なのだな、鳳翔夫人も」ドクンドクン

Z:長門’「す、すまないが、小腹が空いたので少し離れるぞ……」

牢番「あいよ。ああもう! そんなんだから金本提督に――――――私が若い頃はもっとこう――――――」プンプン


422: ◆G4SP/HSOik 2014/12/19(金) 09:32:09.21 ID:y77DECdZ0


スタスタスタ・・・


Z:長門’「(ど、どうしよう。とんでもない妄想が駆け巡って今 とてつもなく情けない表情を浮かべているのではないか、私?!)」ドクンドクン

Z:長門’「(お、落ち着け! 人間と艦娘との間に子は生まれない! そんなのは常識ではないか!)」

Z:長門’「(いや! あの子は確かに“戦後”それも可能になったと言ったぞ!)」

Z:長門’「(そして、私はいつの間にかそれを真に受けて清原提督と鳳翔夫人との情事を想像してあの子が生まれる過程をありありと…………)」

Z:長門’「(妄想が捗るのはいいが、今回ばかりは本当に身体が火照ってきてしまったぞ…………)」アセダラダラ

Z:長門’「(私はいったいどうしてしまったというのだ? ビッグ7として誇り高き自分はいったいどこへ置いてきてしまったのだ……)」

Z:長門’「(これでは盛りのついた猫のようではないか! ――――――我ながらずいぶんと感化されたものだな、提督に)」

Z:長門’「(拓自鎮守府着任当初、提督に勧められて駆逐艦とスキンシップしたのがやみつきになってから、)」

Z:長門’「(私は駆逐艦とのふれあいを誰よりも大事にするになり、さまざまな妄想に想いを馳せたのものだ……)」

Z:長門’「(しかし、今回のは現実感がありすぎて、新たな扉を開いてしまったようだ、私は…………!)」

Z:長門’「(うぅ、昨晩は思いっきりあの子を抱きしめて安らかな眠りに就いたあの寝顔や抱き心地だけでも変になりそうなのに、)」

Z:長門’「(き、清原提督と鳳翔夫人が牢屋の中で、鳳翔夫人の方から押し倒して、あ、愛しあった後の部屋に、)」

Z:長門’「(そのご子息である龍翔提督がその中で眠っていると考えると――――――、)」

Z:長門’「(こ、これは新しい世界が見えたあああああああああ!)」

Z:長門’「ふふ、ふふふふふふ……」ニタニタ

高雄「………………」

大和「………………」

島風「どうしたの、あの長門…………顔を真赤にして息も荒くして何か凄く変!」

高雄「さ、さあ?(でも、重巡が嫌いって評判のあの拓自鎮守府の朗利提督の精鋭だし…………)」

大和「とても邪な考えを持っているようにこの大和に見えます……(龍翔提督はいったいどこにいるのでしょうか? せっかく休憩に入ったのに……)」


――――――――――――

――――――
龍翔「父さん……母さん…………」ムニャムニャ・・・
――――――




423: ◆G4SP/HSOik 2014/12/19(金) 09:33:32.72 ID:y77DECdZ0

――――――それから、


大和「おかえりなさいませ、提督。海域の最終的な――――――あ」

Z:長門’「お待ちしてました、清原提督」ビシッ

清原「…………長門?」


Z:長門’「清原提督――――――いえ、お義父さん! あなたの息子を私にください!」


清原「え」

大和「!?」

陸奥「……長門? あなた、何を言ってるの?」

x:天城’「ふふ、ふふふふふ…………さすがは“特異点”の一人だわー」プルプル・・・

清原「…………陸奥、大和。この長門は拓自鎮守府が相当恋しいらしい。暖かく見送ってきてくれ」ヤレヤレ

陸奥「わ、わかったわ……」

大和「わかりました、提督! ここは大和におまかせを!」ガシッ

Z:長門’「ま、待ってくれ! 清原提督! 私は、あなたのご子息を心から――――――」ズルズル・・・

Z:長門’「は、放してくれ、陸奥ぅううう! 大和ぉおおおおおお!」

清原「私は既婚者(仮)だぞ?」

清原「あ、いけないいけない。これを朗利提督にな(――――――とは言っても、妖精が渡すんだがな)」

大和「はい。わかりました」

大和「では、報告書はすでに提出してありますので、よろしくお願いします!」ニッコリ


バタン!



424: ◆G4SP/HSOik 2014/12/19(金) 09:34:01.80 ID:y77DECdZ0

清原「何だったんだ、今のは……? 何かの罰ゲームか?」

清原「まあ、契約延長はしないからあの長門は消滅するがな、ゲーム的に」メメタァ

x:天城’「ふふっ」

清原「あ、――――――となると今 目の前にいるこの『天城』も消滅するのか」メメタァ

x:天城’「はい。今度は本物の私とお会いしてください」

清原「ウィークリー契約だけど、なんか2日だけで【返還】するのも名残惜しいな(けど、ウィークリー契約ってそういうもんだしな)」メメタァ

x:天城’「この身体は仮初めのもの――――――だからこそ、“特異点”として【ここ】にくることができました」

x:天城’「本来の予定では、【派遣】を繰り返して清原提督の信頼を得てあの子を招き入れるところまでがこの似姿の役割だったのです」

x:天城’「それをあの子たちが好き勝手やってくれて、結果的にあらゆる過程を飛ばしてこの似姿の役割が早くに終わったというだけのことです」

x:天城’「逆にその分だけ、あの子に残された時間も多くなりました。――――――『虎穴に入って虎児を得た』結果ですね」

x:天城’「それでは、これが【今】と【未来】を繋ぐ装置です。これを回路に組み込めば建造ドックがタイムトンネルに早変わりです」

清原「やり方は聞いたことだし、龍翔提督もいることだし、これで呼び出しに関しては問題はないな」

清原「(ただ、使うと鎮守府全体が停電して一時的に全体が機能しなくなるがな。一昨日の原因不明の停電はこれが原因だったのか)」

清原「(あまりの衝撃に建造ドックが消失寸前までいっていたようだから、タイムマシンはあまり使わせたくないな…………)」

清原「さて、どうやらボス級深海棲艦は完全に消滅したようだな。これで少しは安心だな……」パラパラ・・・

清原「後は、壊滅した近場の鎮守府の調査部隊の護衛と生存者の捜索と救助活動だな。明日も大変だ」


x:天城’「提督、この赤袴を返しに行く次いでにお時間をいただけませんか?」(まだ【ここ】の赤城の赤袴を借りている)


清原「まあ、状況が状況だ。鎮守府の様子を一度 この目で確かめておく必要もあるし、いいだろう」

x:天城’「では、5分だけお時間をください」ニッコリ

清原「わかった(やっぱりこの『天城』は艦娘を超えた何かを感じる……)」



425: ◆G4SP/HSOik 2014/12/19(金) 09:34:51.61 ID:y77DECdZ0


――――――お待たせしました。


清原「よし、それでは行こうか――――――」」

清原「え」


あまぎ「どうですか、提督? 似合ってますか?」テレテレ


清原「………………ああ」

清原「(そこにいたのは、髪を束ねてしっかりと身形を整えた一人の女性下士官の姿であった。目印として宝冠は首に巻いてはいたが……)」

清原「――――――『天城』なのか? 見違えたよ」ドクンドクン

あまぎ「そうでしょう? 私はあの子にとって誰が何と言おうと2番艦ですから、何だってできるんですよ」ニコニコ

清原「え、――――――『2番艦』? 1番じゃなくて?」

あまぎ「はい。『2番』なんです」
                   ・
あまぎ「今日だけ提督の秘書官を務めさせていただきます」

清原「ま、まあ、いいだろう……」

清原「鳳翔も金剛も、榛名も高雄も大和も、みんな明日の準備で忙しいからな」

清原「それに、今日【返還】する他所の艦娘に手伝わせるわけにもいかないからな」

あまぎ「ですから、今の私は艦娘ではなく、一人の人間として振舞っているのですよ?」

清原「なんだって?」

清原「あ」


――――――終戦後、艦齢5歳以上の艦娘は名誉退役して人間としての権利を与えられた。


清原「………………」

あまぎ「今の私は“あまぎ”という一人の人間です。どうか秘書官に任命してお手伝いさせてください」

清原「わかったわかった。もう『天城』なら何だってやれる気がするから期待するよ(――――――報告書を見てもそんな感じだったもんな)」

あまぎ「はい。人間:あまぎにおまかせください!」ニッコリ

清原「――――――『人間:あまぎ』か」ハハハ・・・

清原「(『天城』が明らかにあの子のためだけとは思えないような私的な感情で動いていることはわかっていた)」

清原「(だが、どうして『天城』が私にここまでしようとしているのか、それは時が経つに連れ――――――、)」

清原「(そして、私自身が『天城』のことを知っていくうちに漠然とした中で ある一筋の大きな確信に繋がっていくことになった)」


――――――やはり、『天城』の私を見る目は愛しい人のあの眼差しと同じものを帯びていた。



426: ◆G4SP/HSOik 2014/12/19(金) 09:36:32.74 ID:y77DECdZ0

――――――1,【八八艦隊】の様子を見る

――――――入渠ドック


清原「入渠中のみんなは大丈夫かな?」

x:加賀「あ、清原提督……」ビシッ

x:土佐「お世話になっています」ビシッ

x:赤城「お情けを掛けていただき誠にありがとうございました」ビシッ

清原「ああ。あの子については何とかするからしっかり療養していてくれ」

x:艦娘たち「はっ!」ビシッ

清原「さすがに士気が違うな」

あまぎ「それはもう、頭では理解できてなくとも直感的に状況が追い込まれていることを自覚していますから」ヒソヒソ

清原「…………『気が緩んでいる』と言いたいのか、それは?」ヒソヒソ

あまぎ「別に『悪い』とは言ってませんよ? 妹たちはそれだけ気が抜けない状況に追い込まれて潜在的に『余裕がない』ってことですから」ヒソヒソ

清原「――――――『妹たちは』か」ヒソヒソ

赤城「あ、提督ぅううう…………」ビ ビ

清原「ん? そういえば、入渠期間はもう終わっているはずなのになぜ一航戦の赤城がここにいる?」

清原「それに、あまり食が進んでいないように見えるが……」

あまぎ「怪我をしたからに決まってるじゃないですか、提督」クスッ

あまぎ「はい、一航戦の赤城さん。服をお返ししますよ」

赤城「へ? えと、提督? こちらの方は――――――」

あまぎ「一航戦:赤城、お腹の辺りがずいぶんと弛んでましたよ? たまには戦艦艤装でも背負って鍛え直しなさい」

あまぎ「さもなければ――――――!」ギラッ

赤城「は、はいぃいいいいいいい!」ガタガタ

赤城「ごめんなさい、天城姉さん! ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい…………慢心してました! 許してください!」ガタガタ

x:赤城「あ、天城姉さんだったんだ!?」

x:加賀「き、気が付きませんでした……」

x:土佐「出た! 天城さん超艦娘必殺百面相の1つ『変装術』と恐怖の『天城型近接格闘術』だああああ!」

清原「…………追い剥ぎしたのか? あの図太い赤城がここまで怯えるだなんてよっぽどだぞ?」

清原「まあ、【史実】としては死に別れたから死んだ姉が化けて出た感じで怖いのかもしれないな……」

427: ◆G4SP/HSOik 2014/12/19(金) 09:37:18.86 ID:y77DECdZ0

あまぎ「一航戦として勇名を馳せた【ここ】の赤城がどういうものなのかを確かめてみただけです」

あまぎ「さすがは一航戦の誇りを持って戦っただけあってその自信と自覚でずっと強くなってました」

あまぎ「しかし、気の弛みが慢心を呼び、慢心が食事量を増やしたのです」

あまぎ「この駄肉がっ!」グイッグイッ

赤城「ああああ! お腹のあたりはやめてくださあああああああい!」

あまぎ「そのボーキサイトにどれだけの命が吸われているのかをもっと自覚させないと」

あまぎ「一航戦としての地位に安住させることなくもっと忙しくさせなさい」

清原「…………艦娘が提督に命令するとは恐れ入る」

あまぎ「今の私は人間:あまぎ ですから。そして、1日限りの提督の秘書官でもあります」

あまぎ「それに、あの子の補佐をするために勉強だってたくさんしてきたんですよ?」

あまぎ「戦いが終わって“平和と豊かさ”を享受できるようになって艦娘が不要になっても、その時代ごとの精進努力は忘れてはいけないのです」

清原「………………」

あまぎ「それと提督、前回の大規模作戦は完全制覇できなかったようですね?」メメタァ

あまぎ「――――――妹たちの仇を取れなかったようで」

清原「…………すまない。仕様を知らずに無駄に艦隊編成を試行錯誤したせいで使える艦娘が尽きたんだ」メメタァ

あまぎ「これからは大丈夫ですね?」

清原「ああ。今回のような襲撃事件もあったことだし、これからは戦力増強に努めるよ」


あまぎ「提督にとって昨日は記念日になっていたはずなんですから、――――――とても残念な記念日に」


清原「…………そうなのか」ゾクッ

あまぎ「ええ。本当に誰も失わなくてよかったです、本当に……」ホッ

清原「ああ。そうだな……」アセタラー

あまぎ「でも、もう1つの意味で昨日は――――――」ボソッ

清原「…………?」

あまぎ「いえ、『いずれは大和型戦艦とも取っ組み合いをしてみたいですね』と思っただけです。空母棲鬼を投げ飛ばしたというあの豪腕と」

清原「世界最強の戦艦だぞ? お前よりも一回りも二回りも大きい――――――」

清原「あ、【50cm砲】なんてのを軽々使いこなすお前相手じゃ勝負はわからんな」クスッ

あまぎ「ふふふふ、精進努力を怠らなければいずれはできるようになるのですよ」

あまぎ「――――――この世に不可能なんてことは何1つないのです」

清原「……お前のような艦娘がいるか!」


あまぎ「いますよ、ここに。だから、私とあなたは出会えた」


清原「………………そうか」

428: ◆G4SP/HSOik 2014/12/19(金) 09:37:49.98 ID:y77DECdZ0

赤城「ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい……」ガタガタ

加賀「ど、どうしたのですか、赤城さん!?(――――――赤城さんが土下座して泣きじゃくって提督の隣の女性に?)」

清原「あ」

あまぎ「あ、ようやく会えた。にしても様になってるわねー」

加賀「あ、赤城さんに何をしたのですか、あなたは! さすがに頭にきました!」ゴゴゴゴゴ

清原「あ、よせ、加賀! こいつは――――――」

あまぎ「――――――」シュッ

加賀「?!」ビ ッ

あまぎ「――――――私?」フフッ

加賀「………………速い」アセタラー

清原「――――――あの身のこなし、忍者か!」ビ ッ

x:土佐「で、出たー! 天城さんの超艦娘必殺百面相の1つ『陸上型高速戦艦』だあああ!」

x:加賀「さすがですね、天城さん」

x:赤城「さあさあ、一航戦:赤城さん。天城姉さんも許してくれたから一緒に食べましょう」

赤城「は、はい……」グスン

加賀「え?! ――――――天城さん…なんですか!?」

あまぎ「うんうん。私の青袴が似合うようになったわね。まあ、何度も何度もボロにして私があげたのじゃないんだろうけど」

加賀「そ、そんなことありません! ボロボロになっても大切に保管してあります!」

あまぎ「嬉しい」ニコッ

加賀「…………うぅ、天城さん」グスン

あまぎ「そう、ちゃんと『誠を捧げて』頑張ったんだ」

あまぎ「言ったでしょう? ――――――『生まれ変わってまた会いましょう』って」

あまぎ「約束は果たされた」ナデナデ

加賀「天城さん、天城さん、天城さん……」ポタポタ・・・

x:加賀「よかったですね、一航戦の加賀さん」

x:土佐「ホントだよ。ただでさえ加賀姉さんは損しやすい性格なのに、天城さんの真似なんてしてたらますます損だよね」

x:加賀「……ちょっと土佐?」ジロッ

x:土佐「わ、私はホントのことを言っただけだもん! 天城さんの真似をするなら笑顔の方を真似してよね!」

清原「………………」

瑞鶴「え!? あの一航戦の加賀が人の胸で泣いている!? あの人はいったい――――――!?」

翔鶴「えと、提督の、人間の秘書官さんなのでしょうか?」

清原「おお、五航戦か。【八八艦隊】の面々のお世話をしてくれてありがとな」

清原「そして、あれは1日だけ秘書官を務めることになった『人間:あまぎ』だ」クスッ



429: ◆G4SP/HSOik 2014/12/19(金) 09:38:32.55 ID:y77DECdZ0

「あ、天城ぃいいいい! しっかりするんだ!」

「天城さん!」

「天城姉さん!」

「よかった……。炎に焼かれて灰燼に帰した帝都の街並みも私の命と引き換えにまたすぐに再建されるわ……」

「馬鹿なことを言うな! お前がいなくなったら赤城は一人になる!」

「だ、大丈夫……。私の代わりにこれからは加賀が務めを果たすわ……」

「え、標的艦の私が?」

「ごめんなさい。あなたの妹まではこの身を捧げても救えなかった……」

「けれども、私も土佐も次の時代の礎として皇国の未来を明るく照らすから…………」

「託しましたよ。私と自分の妹の分まで皇国のために尽くしなさい……」

「…………わかりました、天城さん」

「そう。良かった…………」

「長門、あなたもまた誇りと共に生きなさい。陸奥と共にこの国の誇りになりなさい!」

「わかった。【八八艦隊】の栄えある第一号艦として務めを果たそう」

「ハッ」

「そう、そうなの。結局はそういうこと――――――」

「ね、姉さん? どうしたの、天城姉さん?」


――――――ここに全員が更なる未来の為の礎となる運命なのね。


「皮肉なことね。守るべき人間の未来ある若者を次々と犠牲にしていって、それでも皇国の明日を支えるのが旧式艦たちだなんてね……」

「けれども、また生まれ変わって歩き出す――――――そういう意味では誰も無駄死することはないのね」

「ど、どういうこと、姉さん?」

「同じ死ぬのならば、――――――誇り高く役目を果たして死になさい」

「それが未来を救うわ」

「…………わかりました、姉さん」

「死は別れじゃないわ。皇国のために誠を捧げて生まれ変わってまた会いましょう…………それがどんな形であろうとも」

「――――――時が見えたの。だから、もう大丈夫だから」

「あ、ああ! もう大丈夫だから、気をしっかり持つんだ!」

「天城さん!」

「姉さん!」

「………………」

「…………」

「……」

「」

「……天城? おい、天城? 天城ぃいいいいい!」

――――――――――――

―――――――――

――――――

―――


430: ◆G4SP/HSOik 2014/12/19(金) 09:39:27.73 ID:y77DECdZ0


あまぎ「………………」

清原「どうしたんだ、『天城』?」

あまぎ「いえ、【この世界】の「天城」は嘘を吐いたようですね」

清原「?」

あまぎ「こういう形で生まれ変わってまた会わせるだなんてズルい」

あまぎ「――――――自分でやりなさいよ、そんなことは」

あまぎ「それに、提督? 今の私は人間:あまぎ ですから」

あまぎ「五航戦の娘たちに言った時のような言葉の響きでもう一度!」

あまぎ「さっきの私の名前を呼ぶ響きには、艦娘:天城としての私が含まれてましたよ?」

清原「…………難しいことを言ってくれるな」

清原「――――――あれ?」

あまぎ「どうしました、提督?」


清原「『天城』は、今 何歳なんだ?」


あまぎ「………………」

清原「確か、『艦齢5歳以上の艦娘は退役して人間扱いされるようになる』と言ったな?」

あまぎ「はい」

清原「もしかして、『天城』は――――――」

あまぎ「………………」

清原「いや、何でもない」

あまぎ「言えばいいじゃないですか」フフッ

清原「…………言わない」


あまぎ「やっぱり提督は聡くてズルいお方ですね」


あまぎ「私が誰だかももうおわかりになっているのに」

清原「…………だとしてもだ」

清原「【未来】のことがわかったとしても、それに繋がる【現在】が確立されなければそんなのはまやかしだ」

清原「現に、私と鳳翔がいくら愛し合ったとしても物理的に龍翔提督という若者が生まれるわけがないのだからな」

清原「それと同じように、私が『天城』に対して思っていることを口にした時――――――、」
                                             ・ ・
清原「私はそこから出される現実を受け止める自信なんてない。あなたは金剛ではないし、会ったばかりの他人でしかないのだから」

清原「そんなのは想像で終わらせておけばいい。あるいは勘違いだと思って今なすべきことに集中するべきだ」

あまぎ「そうですか」ニコニコ

清原「え」

あまぎ「どうしました、提督? 今なすべきことを果たしましょう」

清原「あ、ああ……(――――――わからない。私は混乱している。私にはこの『天城』という人間の考えていることがわからない)」


――――――求めるつもりがないのなら、龍翔提督の補佐のためだけにいるのなら、なぜ私にこうまで擦り寄ってくるというのだろう?



431: ◆G4SP/HSOik 2014/12/19(金) 09:40:35.27 ID:y77DECdZ0

――――――2,金剛型戦艦の様子を見る

――――――宿舎


清原「みんな、ご苦労」

比叡「あ、司令!」

榛名「明日の準備はだいたい終わりました」

霧島「後は、その時を待つだけです」

清原「うん」

あまぎ「本当にお若いですねぇ、金剛型の皆様方は」ニコニコ

比叡「ひ、ひええええええ!?」

清原「どうした、比叡?」

比叡「だ、誰なんですか、隣の方はああああああ!?」アセアセ

榛名「えと、て、提督の、提督の…………」ブルブル

霧島「もしかして大本営から逸早く派遣されたお目付け役なんでしょうか?」

清原「何を勘違いしているんだ――――――あ、そっか。まだ知らないのか」

清原「(『天城』の存在とあの子の正体を知るのは極わずかだからな……)」

あまぎ「はい。大本営から今回の事件に関する現場の調査とついでに鎮守府の視察に参りました」ニッコリ

清原「…………楽しんでるな、『天城』?」ボソッ

比叡「ど、どうしましょう!? 何かおもてなしをしないと!?」アセアセ

榛名「比叡姉さま! 提督直伝のカレーができていたはずです、それをごちそうしましょう!」アセアセ

比叡「お、おお! そうですね、ちょっと待っててください!」タッタッタッタッタ・・・・・・

霧島「ちょっと! そんなに急ぐ必要はないですよ、比叡姉さん! また怪我しますよ!」タッタッタッタッタ・・・・・・

清原「あららら…………」

榛名「あ、えと……、榛名です」モジモジ

あまぎ「うん。よく知っているわ。本当に可愛らしいわね」

榛名「そんな……、榛名にはもったいないお言葉です……」テレテレ

432: ◆G4SP/HSOik 2014/12/19(金) 09:41:15.86 ID:y77DECdZ0

清原「やっぱり、【そっち】の金剛型巡洋戦艦はみんな――――――?」ヒソヒソ

あまぎ「はい。『ババア結婚してくれ』と求められるほどに老いても素敵な先輩方です。あの子のお世話もずっとしてくれました」ヒソヒソ

清原「ああ……、確かに老けたとしても性格が丸くなった姿は想像できないな」ヒソヒソ

あまぎ「もっとも、艦娘は鋼材の補給さえちゃんとしていれば人間とは違って老化しないんですけどね」ヒソヒソ

清原「………………艦娘と妖精たちとの交流が始まって四半世紀にも満たないし、そこまで生きた艦娘の報告がなかったからそれは初耳だ」ヒソヒソ

あまぎ「艦娘は兵器ですから。戦うために必要な能力や知識はあっても一定の品質が保たれなければ兵器としての価値などありません」ヒソヒソ

あまぎ「艦隊運用をする上で同型艦を用意しなければならない都合から『欠陥戦艦』とわかっていながら建造された山城さんのようにね」ヒソヒソ

清原「…………そうだな。兵器である以上はそうでなければ何の価値もないな」ヒソヒソ

あまぎ「ただ、この世に存在する森羅万象の1つですから滅び――――――経年劣化は避けられません」ヒソヒソ

あまぎ「艦娘の維持は大変ですよ、本当に」ヒソヒソ

清原「ああ。艦娘は人間の姿はしていても体内構造はまさしくエンジンだからな。臓器器官が機関だから燃料を飲ませたほうが元気だからな」ヒソヒソ

あまぎ「でも、人間にとってもっとも扱いやすい自律兵器の究極系として人間と極めて近い生態をしていますから、」ヒソヒソ

あまぎ「人間らしい感性も生理現象までも再現されて、非常に人間らしいものに仕上がっていますよね」ヒソヒソ

あまぎ「――――――素晴らしいことだと思いません?」ヒソヒソ

清原「そう思ったことがないから何とも言えない」ヒソヒソ

あまぎ「そう、天地をお創りになられた大神たちの子孫が人間なのですから、それに似せて創られた私たちも素晴らしいもののはずなのです」ヒソヒソ

あまぎ「そうでなければ、私たちは提督とこうしてお会いすることをお許しになってくださらなかったのですから」ヒソヒソ

清原「…………確かにな(――――――そういえばそうだったな。そういう神話を継承しているのが日本民族の我々だったな)」ヒソヒソ

清原「――――――何の話をしているんだったっけ?」ヒソヒソ

あまぎ「わかりません」ヒソヒソ

清原「おいおい……」ヒソヒソ


433: ◆G4SP/HSOik 2014/12/19(金) 09:41:56.70 ID:y77DECdZ0

「19時。できたー! 自慢のレシピ、比叡カレーだよ! さあ、食べて!」

「ほう、今日は『自慢のレシピ』とな?」

「ひ、比叡、どうしてこれを出す気になったのですカー!? ちょっとお話があるのデース!」ガシッ

「え、お姉さま!? どうしてそんな怖い顔を――――――ひええええええええ!」ズルズル・・・

「ん? 金剛と比叡はどうしたんだ? 冷めてしまうぞ?」

「しかたありません。先にいただきましょうか、提督。比叡さんも美味しく召し上がっていただくことを望んでいるはずですから」

「それもそうだな。このカレーは何を伝えてくれるのか、楽しみだな」

「て、提督! 無理をなさらずに! 代わりに榛名が責任持って美味しくいただきますから!」アセアセ

「エチケット袋ならもう用意してあるわ、姉さん」

「いただきます」パクッ

「あ…………」

「ん? これは…………」ジー

「あ、司令の表情が険しく――――――」アセタラー

「大丈夫ですか、提督? お水をご用意しますね」

「ありがとう、鳳翔」ゴクッ

「提督! 無理なさらずに!」

「味わって食べているのだから静かに頼むぞ、榛名」モグモグ

「あ、はい……」

「す、凄い…………最初に表情が険しくなっただけでそれからは本当に美味しそうに食べていらっしゃる」

「も、もしかしたら、比叡姉さまのカレーも違和感を少し感じるだけで割りと普通の味にまで成長しているのでは?」

「そ、それもそうね。きっとそうなのよ。それじゃ、私たちもいただきましょうか」

「ごちそうさまでした」スッ

「は、早い……!?」

「あ、提督? どちらへ――――――あ」

「………………」

コツコツコツ・・・


「20時。どうでしたぁ? 比叡カレーの感想は…? 感想…感想聞かせてよー!」

「21時ですっ…。司令が逃げ回って1時間…。なぜ比叡から逃げるのですかぁ!?」

「22時になりました…。ショボーン…。司令は逃げ切ったようです…」


434: ◆G4SP/HSOik 2014/12/19(金) 09:42:59.07 ID:y77DECdZ0

「23時…。仕方ない…お姉さまの所行こう…。おね…し、司令!?なんでここに!?」

「待っていたよ、比叡――――――いや、逆か? 待たせてごめんな」

「あ! そ、それじゃ――――――!」

「だが、その前にこれを食べて欲しい。夜食にいかが」

「あ、この臭い――――――カレーですか?」

「ああ。私が作ったカレーだ。今よそうから少し待っていてくれ」

「え!? 司令自ら作ったのですか、カレーを!? ――――――だから司令は忙しそうにしていたのですか」

「さあ どうぞ。冷めないように熱した鍋ごと持ってくるのは大変だったけど、できたてを食べてもらうのが一番だからね」ニコッ

「あ、ありがとうございます! いただきます、司令!」パクッ

「どうぞ召し上がれ」ニコッ

「!」ピタッ

「どうかな?」

「お、美味しいです! それ以外に言葉が見つからないほどに…………」ドキドキ

「そうか、それはよかった。どんどん食べてくれ」

「はい!」モグモグ



「ご、ごちそうさまでした…………今まで食べたカレーの中でダントツで一番でした」ウットリ

「ちょっとこっち向いてくれる?」

「え」

「はい、あーん」

「!?」ドキッ

「あーん」

「あ、あーん……」ドキドキ

「はい」ニヤリ

「?!」ビタッ

「どんな味でしたか?」

「…………ま、不味いです」ウエー

「こっちはどうかな? はい、あーん」

「えと……」

「口を開けろ!」ギラッ

「ひ、ひええええええ!」ビ ッ

「心配するなって。大丈夫だから、ほら」ニコッ

「あ」パクッ

「言っただろう?」ニコッ

「ああ 美味しいです…………提督の作ったカレーです」ウットリ

「で、さっきのカレーは――――――」

「も、もういいです! お腹いっぱいですから! ご、ごちそうさまですぅ!」アセアセ

「そう。お粗末さまでした」

「………………フゥ」

435: ◆G4SP/HSOik 2014/12/19(金) 09:43:28.64 ID:y77DECdZ0

「ところで、こっちのカレーは誰が作ったものなんだろうね?」

「え」

「こっちのは厨房にあったカレーなんだけど、あまりにも大衆向けの味付けじゃないから頭にきたよ」ムスッ

「えと、ま、まさか――――――」アセタラー

「頭に来たから、思わず自分好みのカレーを作っちゃったなー」ニコッ

「ひっ」ビ ッ

「はい、これ」ペラッ

「え、えと、何ですか、これ? ――――――食材のリストですか?」

「うん。そうだよ」

                     ・ ・
――――――ここにある食材でこれと同じものを作れるようになるまで人には絶対に振る舞うな!


「ひ、ひええええええ!」

「命令だ! 嫌だというのなら、私と一緒にお前の作ったゲテモノカレーを全部平らげる作業をやらせるぞ!」ゴゴゴゴゴ

「ご、ごめんなさああああああい!(お、お姉さまがお慕いしている提督から睨まれてしまってはもう生きていけませーん!)」ガタガタ

「ま、一生懸命なのはわかってるから。その頑張りが正しい方向に発揮されるようにこれから精進していってくれ」ナデナデ

「し、司令ぇ……比叡、頑張ります!」

「お前が作ったカレーは私が責任持って全部食べてあげるから、それに恩義を感じるのなら今度は旨いのを頼む」

「はい!(お姉さまが提督のカレーが大好きだと言ってましたけど、それをモノにすることができれば――――――!)」ビシッ

「やれやれ(実際は私が手を加えて超ゲテモノ味に仕立てあげたんだがな。――――――やっぱり味見をしてなかったな)」

――――――――――――

―――――――――

――――――

―――


436: ◆G4SP/HSOik 2014/12/19(金) 09:44:08.91 ID:y77DECdZ0


あまぎ「ふふ、ふふふふ……」プルプル

比叡「ど、どうですか、比叡カレーは? これでも美味しいと評判なんです……」ブルブル

あまぎ「美味しかったわ。さすがは大本営でも評判の御召艦カレーだわ。ぜひともそのレシピを教えて欲しいものね」

清原「この鎮守府の最重要機密です。これは大本営にも教えてはならないことです」

あまぎ「そう、残念」ニコッ

比叡「よ、よかったぁ……」ホッ

榛名「さすがは比叡姉さまです!」ニコニコ

霧島「本当ですよね。比叡姉さんをここまでお導きになった――――――、さすがは私たちの司令です。海軍一の料理人です!」

あまぎ「ああ 美味しかった……」ニッコリ

清原「……そうか」

あまぎ「あら、どうしたのかしら、提督?」

清原「いや、何やら笑いを必死にこらえていたようだが……」

あまぎ「ああ……、【ここ】での御召艦カレーの成り立ちがこれまたドタバタ青春劇で微笑ましくってね……」プルプル

あまぎ「比叡先輩は本当におっちょこちょいで素直で愛嬌のある方なんですよねぇ……」プルプル

清原「………………そうか、ずいぶん懐かしい思い出を垣間見たのだな(…………懐かしいな、あれは最後の金剛型戦艦の比叡が入ったばかりか)」ヤレヤレ

あまぎ「ええ。金剛姉妹の皆様方は本当に老いても魅力的な淑女の皆様方です」ニッコリ
                                ・ ・
清原「そうだな。本当に……(――――――そこには金剛がいた)」フフッ




437: ◆G4SP/HSOik 2014/12/19(金) 09:44:55.96 ID:y77DECdZ0

――――――3,【この世界】の艦娘の様子を見る

――――――埠頭


清原「みんな、今日はご苦労だった」

あまぎ「お疲れ様です」

高雄「提督! お疲れ様です!」

大和「あら、隣の方はどちらさまで…………」

清原「今日1日限りだが、大本営より先駆けて派遣されてきた担当調査官だ」

清原「現在 私は、担当調査官に鎮守府の案内をしながら、こうやってお前たちの様子を見て回っている」

清原「どうだ? 疲れたとか怖いとか不満な点はないか? 明日は調査部隊と一緒に調査と救助活動だからな。今の内にそういったことは解消したい」

高雄「大丈夫です! 準備万端です」

大和「鎮守府の警備はこの大和におまかせください」

清原「よし」

島風「ねえねえ提督! いっしょにかけっこ! かけっこしよ~!」

清原「ごめんね、それはできない――――――」

あまぎ「――――――のなら、提督の代わりに私がお相手しますよ」ニッコリ

島風「え、ホント!」ワクワク

清原「お、おい! どこまで知っているか知らないが、『駆逐艦の姿をした大和』と呼ばれるほどの旧帝国海軍の駆逐艦の最高傑作だぞ!」ヒソヒソ

あまぎ「知ってます。夜通しで資料を読み漁りましたから」シレッ

清原「え」

あまぎ「40ノットですか。ですが、ここは海上ではなく陸上です。陸上には陸上の走り方というものがあるのです」キリッ

清原「ああ……(そういえば、入渠ドックで『陸上型高速戦艦』なんてのをやってたな……)」

島風「それじゃ、いくよ~。この金貨が落ちたら『始め!』だよ。――――――提督、お願い」

あまぎ「はい。わかりました」

清原「よし、行くぞ」ピン!


クルクルクル・・・・・・チャリーン!


あまぎ「――――――!」バッ(クラウチングスタート)

島風「…………っ!?」バッ(スタンディングスタート)

大和「あ、完全に島風ちゃんが出遅れました!」

高雄「あっという間にあの島風ちゃんを突き放してしまいましたよ……」

清原「驚いたな……」

438: ◆G4SP/HSOik 2014/12/19(金) 09:45:39.43 ID:y77DECdZ0

あまぎ「…………フゥ」

島風「は、はっやーい! もう一度! もう一度! 今度は島風が勝つんだからー!」ウーウー!

清原「大したものだな」パチパチパチ・・・

大和「よく頑張りましたよ、島風ちゃんも」ナデナデ

島風「今度は負けない!」ウーウー!

あまぎ「言ったでしょう? ――――――陸上には陸上の走り方というものがあるのです」

あまぎ「こういった徒競走ではスタートダッシュの仕方だけで大差がつくんです」

あまぎ「それに、いくら私が30ノットの巡洋戦艦でも、さすがに40ノットもある相手に真向勝負じゃ勝てませんから……」

あまぎ「本当に素晴らしい娘ですね。思わず死力を尽くしてしまいました……」ニコッ

清原「でも、結果としてそれに勝利を収めた巡洋戦艦:天城の実力は大したものだよ。賞賛に値する」

清原「基本能力だけではどうにもならないものを知恵を振り絞って勝とうとするところに人は魅力を感じるものだ」

あまぎ「はい。時間なんてたっぷりありましたし、【巡洋戦艦】を超えた境地の万能さを目指して修行したものです」

清原「結局は、基本性能に驕らずにそれをどう活かすかの研鑽努力の結晶が百面相の『天城』なのだな」

あまぎ「はい。やればできるんです。続けていれば下手でもそれなり以上にできるようになるんです」

あまぎ「私たちはただの兵器じゃありません。人間とまったく同じといえるぐらいの似姿の【艦娘】なのですから」

清原「…………ますます艦娘とは懸け離れた 並みの人間すら超えてる人間性だな」

あまぎ「はい。それが『人間:あまぎ』ですから」

439: ◆G4SP/HSOik 2014/12/19(金) 09:46:18.70 ID:y77DECdZ0

大和「そういえば、提督」

大和「龍翔提督とはいったい何者だったのですか? 提督の――――――」

清原「そういえば、何も言ってなかったか」

清原「あの子はこれから赴任してくる技術士官の助手であり養子だよ。何でも私にそっくりな孤児だったから思わず引き取ってしまったらしい」

清原「それで昨日は、その赴任してくる技術士官の代理人として艦娘を引き連れて私に挨拶しに来たんだ」

清原「言うならば、――――――ただの他人だ」チラッ

あまぎ「………………」コクリ

高雄「そ、そうだったんですか。だから、提督としても気難しそうにしていらっしゃったのですね……」

清原「まあ そういうことだ。私自身も『私に似ているから』引き取られた子に対してどう接すればいいのかわからない」

清原「そもそも、あの子はその繋がりで大本営が私の影武者になるよう抜擢された子らしいんだ」

清原「そういうわけで、なるべくその存在を外には漏らさないようにしてもらいたい」

清原「無論、あの子が連れている艦娘は『司令部』から先行配信された新着艦だ。丁重に扱ってくれ」メメタァ

高雄「本当に複雑な間柄なんですね…………親戚縁者というのもあながち嘘でもなかったわけですか」

清原「ああ。私の知らないところで影武者が養育されていただなんて驚きだ」

島風「???」

大和「えと、すると、それはつまり――――――、」ドキドキ

                 ・ ・
大和「あの子は提督の許で提督になるための教育を受けることになっているんですね!」


清原「そういうことだな。不本意ながら」

清原「私は忙しいからあまり構ってやれないし、義理はない」

清原「大和、余裕があるのなら養育係を頼む」

大和「は、はい! 大和、喜んで龍翔提督のお世話係を務めさせていただきます!」キラキラ

高雄「むぅ」

あまぎ「………………」ジトー

清原「ん?」

あまぎ「………………」プイッ

清原「何か言いたいことがあるのなら、言ってくれ」

あまぎ「親としての実感がないとはいえ、ずいぶんと簡単に我が子を他人に預けてしまうんですね。それにあの言い方も」ムスッ

清原「何を怒っているんだ? 確かに言ってみて『あっ』と思ったところはあった。――――――反省する」

清原「けれど、これでも適材適所だと思っているんだが」

清原「悔しいことだが、1日足らずで我が洞庭鎮守府の艦娘たちを動かし鎮守府の機能を麻痺させるほどの求心力を持っているんだ」

清原「あの子を悪く思っている艦娘は居たとしても極小数だろうし、大丈夫だろう」

清原「それに大和は【演習】以外では非番が多いし、博識で親切で子守上手だからちょうどいいと思ったのだが」

あまぎ「そういうことではないんですけどね……」ハア

あまぎ「まったく、提督ってば…………」フフッ

清原「………………?」



440: ◆G4SP/HSOik 2014/12/19(金) 09:47:25.76 ID:y77DECdZ0

――――――4,二人の様子を見る

――――――厨房


清原「やあ、二人共。――――――間宮さんと伊良湖さんはいないのか」

鳳翔「あ、あなた。お疲れさまです」ニッコリ

金剛「あ、提督ぅ~!」ダキッ

清原「どうした、金剛?」

金剛「提督! それでどうだったデスカ?」

清原「ああ。――――――あの子たちのことか」

清原「大丈夫だったよ。司令部から『好きなようにやっていい』という保証をいただいた」ニコッ

清原「ま、そのことは今日と明日が終わってからの話だ」

鳳翔「本当によかったです……」ホッ

あまぎ「はい。本当に……」

金剛「あれ? ど、どちらさまデショー、隣のとってもステキなLadyは!?」

あまぎ「さて、誰でしょうか?」ニコニコ

鳳翔「え、もしかして天城さん……ですか?」

金剛「え、ええええええ!?」

清原「さすがだな、鳳翔」

あまぎ「はい、正解です。今の私は人間:あまぎ です」

鳳翔「――――――『人間:あまぎ』」

金剛「Oh, 龍翔提督が真っ先に頼る艦娘なだけあってトンデモナイ実力の持ち主デース」

あまぎ「いいかげん、あの子も事ある毎に私を頼ることをやめて欲しいんですけど、」

あまぎ「齢16の子にそれを強いるのはそれが【当時】の世相とは言え残酷なことですから、それを強く言えないのがちょっとした悩みです」

あまぎ「それでもあの子はよくやってます。――――――提督と鳳翔…夫人の子として誇り高く」

鳳翔「……そうですか」

清原「…………『【当時】の世相とは言え』、ね」ボソッ

441: ◆G4SP/HSOik 2014/12/19(金) 09:47:52.05 ID:y77DECdZ0

あまぎ「何かお手伝いできることはありませんか?」

あまぎ「私、これでも“百面相”と言われるぐらいには多方面で研鑽努力を重ねてきたんですよ?」

清原「そうだな。私も手伝おう。食堂ならば鎮守府に所属する職員たちが幅広く訪れるから全体の様子を見るのに適しているしな」

清原「それに、私が料理を出すことを報じれば憲兵たちも駆け足でやってくる。今 利用しない手はない」

金剛「WOW! 今日は提督のDinnerが出るんですネー! とっても楽しみデース!」ワクワク

鳳翔「助かります、あなた」ニコッ ――――――薬指にはケッコン指輪が光を放っている

あまぎ「………………」ジー

鳳翔「?」

あまぎ「さて、明日の分の仕込みもあって厨房は戦場よ! 百面相の1つ『料理人:あまぎさん』の出番ね!」

清原「それじゃ、エプロンと三角巾にマスクだな。はい」

あまぎ「あ、これって――――――」

清原「『天城』は赤城の姉だものな。鳳翔や金剛のものじゃ小さいだろうから、私の予備だ」

あまぎ「ありがとうございます」ニッコリ

鳳翔「…………あまぎさん、か」

金剛「むむむ、何デショー? 何だか昨日会ったばかりとは思えないような距離感デース」




442: ◆G4SP/HSOik 2014/12/19(金) 09:49:11.87 ID:y77DECdZ0

――――――
「うぅ…………」グスングスン
――――――

「提督ぅー、Don't WORRY ! Be happy ! 笑顔 笑顔デース!」

――――――
「すまない……、お前のことを裏切ってしまった…………」グスン
――――――

「……提督が私よりも鳳翔を選ぶことはわかってマシタ」

――――――
「私はどう償えばわからない……」

――――――ユウジョウカッコカリ

「どうしてLv99の艦娘には使えないんだ……!」ポロポロ・・・
――――――

「………………」

――――――
「わ、私は! それではっきりさせるつもりだったのだ」

「金剛にもずっと助けられてきた! お前は私にとってかけがえのない存在だ!」

「けれども、私にとっては鳳翔こそが1番だ! そのことを表明するためにケッコンカッコカリは一人にしかしないつもりだった!」

「でも、それじゃお前に形式上でも報いる術がなくて、お前のことを蔑ろにしているような気がして…………」
――――――

「わかりマシタ」

――――――
「え」
――――――

「提督の私へのLOVEは十分に伝わりマシタ! 私はそれでHAPPYデース!」ニコー

「だからこそ、提督? 私のお願いごとを聞いてくれますカー?」

――――――
「な、なんだ? それでその涙の償いとなるのならば――――――」
――――――


「私のこと、忘れてくださいネー」ポロポロ・・・



443: ◆G4SP/HSOik 2014/12/19(金) 09:49:44.81 ID:y77DECdZ0

――――――
「!?」

「何を言って――――――」
――――――

「提督……、私を【解体】するか【近代化改修】の素材にしてクダサーイ」

「私がいなくなれば、それでこの問題は解決デース……」

――――――
「主力がお前がいなくなったら、鎮守府のこれからは――――――!」
――――――!

「大丈夫デース! 私の妹たちだって立派に改二になったことデスシ、もうあの頃とは違って鎮守府も本当に立派になったのデース!」

「だから、私一人が抜けてもこれからも立派にやってイケマース……!」

「提督? 私の一番嫌なことは『提督が悲しむこと』デース! だから、その原因を取り除けば提督はまたSmileを取り戻してくれマース!」

――――――
「い、行くな! どこにも――――――!」

「わ、私が悪かった! 意固地になっていた私が悪かった――――――!」
――――――

「私はそういう提督が大好きだったんデス。だから、これからも提督は提督でいてクダサーイ」

「あ、そうだ! なら、こうすればイイと思いマース!」

「最近【ドロップ】した新しい金剛の中へ私を入れて欲しいデース!」

「それから改めて生まれ直した私とユウジョウカッコカリを結んでくださいネー!」

「ほら、これで何も失ってマセーン! いつまでも私は提督のお側にいることになりマース」

――――――
「お前は、本当にそれでいいのか? 恨んではいないのか……」
――――――

「確かに提督のHeartを射止められなかったのは残念でしたケド、提督からは本当にスバラシイPRESENTSをたくさんもらってきましたカラ」

「泣いたり笑ったり、辛かったり楽しかったり、今となっては本当にイイPrecious Memoryデース」

「けれども、これからのMemoryの中の提督が苦しみや悲しみの色に染まっているのだけは見たくないカラ――――――」

「私のことを大切に想ってくれていることは胸がいっぱいになるほど伝わったデース」

「だから、今度は私が提督のこれからのHappyな時間のためにお返しをする番デース」

「私をこれからも大切に想うのなら、次の金剛のことをよろしくお願いシマース……!」ジワ・・・

「今まで本当にたくさんのしあわせをありがとうございました……」ポタポタ・・・


――――――愛しています、提督。


――――――――――――

―――――――――

――――――

―――


444: ◆G4SP/HSOik 2014/12/19(金) 09:50:25.02 ID:y77DECdZ0


あまぎ「…………そうだったんですか」

清原「?」

あまぎ「提督はすでに大切な艦娘を犠牲にしていたからこそ、昨日は記念日にならなかった――――――」

清原「!」ビ ッ

あまぎ「世界の調和とはかくあるものなんですね」

清原「…………もしかして本当に?」アセタラー

あまぎ「はい。妹の赤城にもその力はあると思うのですが、私ほどはっきりとしたものではないでしょう」

清原「……現在も過去も未来もわかるのなら思いのままだな」

あまぎ「提督、――――――それは違います。提督自身がおっしゃったことですよ」

あまぎ「たとえ【未来】が見えても、それを【現実】にする努力をしなければそれは幻に過ぎないのです」

あまぎ「だから、神様は先のことを見通せる力はお与えにはならなかったのです」

あまぎ「もし未来がこうなるということを全て知っていたら人は努力しなくなります。そうなった時 人は“未来の奴隷”になってしまうのです」

あまぎ「そして、過去は未来へ向かう努力と試行錯誤と反省の積み重ねでしかありません」

あまぎ「【過去】に求めるべきものは、あの子が【この時代】に来れたように【未来】に活かされるものだけで十分です」

あまぎ「それに、実際に過去に行って悔いが残った結果を修正したとしても、悔いを残した当人にとっての記憶や事実は絶対に残るのです」

あまぎ「わかりますか? 誰にとっても記憶の中のその瞬間という現在は永遠なのです」

清原「…………わかってる。二人目の金剛と接するうちに最初の金剛との違和感をひたすら感じ続けたわけだから」

あまぎ「けれども、未来は必ず変えられます。あくまでも見えてくる未来というのは予想図であり、確定図ではありません」

あまぎ「一人一人の誠意と努力によって築かれる未来こそが尊いものなのです。古聖の教えにも『国の宝とは人間』とあります」

あまぎ「全ては今を生きる人間一人一人の血と汗と涙のそれぞれの物語こそが歴史となるのですから」

清原「わかった。――――――今の言葉、胸に刻もう」

清原「けれども、必要な犠牲や必ず受けなくてはならない厄難というのはあるのだろう? ――――――『代替できた』ということは」

あまぎ「はい。それが先祖代々受け継いできた積もり積もった業というものですから。業はいずれ払わなければならないのが天地の理です」

清原「なら、答えを教えてくれないか? どうやって戦いは終わるんだ?」

清原「もし私がそれに備えて努力を重ねればそれだけ多くの人の未来を救えることにはならないか? どうなんだ、そのへんは?」

あまぎ「…………残念ながら、提督一個人の命や艦隊の犠牲だけでどうにかできる話ではありません」

清原「……それもそうか。未来を知ったとしても一人の力でその全てを造り上げるわけじゃない」

あまぎ「はい。全ては今を生きる人たちの努力が積み重なって足並みが揃った時に初めて1つの仕組となり、事態が移り変わっていくのです」

あまぎ「これを『天の時』といいます。一人の力だけではどうしようもないことも、大勢の人の意思が1つにまとまった時に解決への道が拓かれるのです」

清原「待つしかないのか、『その時』が来るのを」

あまぎ「しかし、それに備えた努力は決して無駄にはなりません。大同小異の結果でも似て非なる過程でも確かな違いは存在するのです」

あまぎ「そして、その小さな違いを積み重ねていけば、いずれは大きな成果へと変じていくはずです」

清原「!」

清原「わかった。それを踏まえた上でこの戦争の終着点を教えてくれ」

あまぎ「わかりました。しかし、決して口外してはいけません。そこに挑もうなどとも思ってはなりません」

あまぎ「理由はご説明しますが、その第一として『そこに到達すること自体が現時点では不可能な領域だから』なのです」

清原「…………わかった。本当にわかった」

あまぎ「はい」



445: ◆G4SP/HSOik 2014/12/19(金) 09:51:01.84 ID:y77DECdZ0

――――――執務室


x:天城’「今日は本当に楽しかったです」ニッコリ

清原「……そうか」

x:天城’「私の役割はこれで終わりました」

x:天城’「くどくなりますが、似姿の私はこれで消滅します。本物の私、巡洋戦艦:天城とお会いになってください」

清原「ああ」

x;天城’「では最後に、これまでのことから提督に伝えておきたいことがあります」

清原「なんだ?」


x:天城’「心配なことが3つあります」


x:天城’「1つ目は、清原提督は服を脱がないと龍翔提督を受け入れられない点です」

清原「…………まあ、そうだろうな」

x:天城’「やはりこればかりは人間と艦娘の間にある生き物としての差です」

x:天城’「艦娘は『人間の子を生めないからこそ』因果的に他人であるはずのあの子を提督の子としてすんなり受け入れることができました」

x:天城’「この辺りは本当に『そうであったらいいという願望』がある一方で、『実際のそういう感覚』が元々欠落しているからとも言えます」

x:天城’「しかし、提督としては身に覚えがない子であるのは間違いなく、それでいて生真面目すぎます」

x:天城’「できるかぎり裸の付き合いでもいいですから“家族の時間”を設けて少しずつ打ち解けていってくださると互いに助かります」

清原「わかった。難しい話だが善処しよう。最悪、師弟の関係ぐらいには密な関係でありたいか」

446: ◆G4SP/HSOik 2014/12/19(金) 09:51:37.67 ID:y77DECdZ0

x:天城’「2つ目は、【私たちの世界】と【この世界】は“3つの特異点”から分かれた似て非なる世界だということです」

清原「……やっぱりか。正確なところは把握していないがそんな感じじゃないかって薄々思っていた」

x:天城’「“失われた10年”における大災害によらずとも、元からワシントン海軍軍縮条約で世界は3つに分岐していたのです」

x:天城’「その証拠に、【私たちの世界】には【八八艦隊】は存在しても【条約型巡洋艦】は存在しません」

x:天城’「私たちは【ワシントン海軍軍縮条約がなかった世界】から【ワシントン・ロンドン海軍軍縮会議があった世界】に来たようなのです」

清原「…………なるほど。確かにワシントン海軍軍縮条約がなければ大艦巨砲主義が跋扈する世界になっていたのは頷ける」

清原「その象徴が、【未来】における超大型弩級深海棲艦ということか……」

x:天城’「近いうちに【ワシントン海軍軍縮条約があってロンドン海軍軍縮会議がない世界】からの艦娘が現れます」

x:天城’「これが“3つの特異点”である所以です」

清原「…………それはどういった世界になるのだ?」

x:天城’「ちょっとまってください……」


――――――日本が第二次世界大戦に勝利して大東亜共栄圏を築き、ドイツ・アメリカ・ロシアの4超大国の一角として覇を競っているようです。


清原「何だそりゃ! 驚いたぞ、これぇ……」

x:天城’「おそらく、その当時の日本とドイツは我々の知るそれの数十倍の国家戦略と多方面に渡る叡智を持った英霊たちを輩出したのでしょう」

x:天城’「そうでなければ、あの当時の情勢で大東亜共栄圏を実現するなどとても…………」

x:天城’「【私たちの世界】だとスペイン風邪やその他の疫病が世界的に大流行して軍拡や戦争どころじゃなくなり、」

x:天城’「帝国主義の時代がずっと穏やかに続いて やがては戦艦と潜水艦と空母の小規模な紛争が連綿と続いて、」

x:天城’「最終的に広島と長崎に原爆が落とされてもアメリカは内乱で瓦解寸前までいって――――――、」

x:天城’「結局は痛み分けに終わって【この世界】と似たような世界に収束します」

x:天城’「ですから、気をつけてください。【その世界】からやってきた艦娘は世界最強の実力と自負を持って現れるはずです」

清原「…………わかった。扱いには気をつけよう」

447: ◆G4SP/HSOik 2014/12/19(金) 09:52:28.92 ID:y77DECdZ0

x:天城’「3つ目は、――――――提督、あなたはあまりにも一人の女性を深く愛しすぎて周りが恋に焦がれてますよ」

清原「は」

x:天城’「ですから、提督と鳳翔夫人の関係に憧れて提督の忘れ形見のあの子が【ここ】の艦娘に色目を使われてますよ」

清原「ちょっと待て。それはどういうことだ?」

清原「その口振りからすると、私の部下たちが私に好意を寄せていたように聞こえるのだが」

x:天城’「本当に生真面目というか不器用な方なんですね、あの子と同じで。――――――わかってましたけど」ハア

清原「はあ…………」

x:天城’「まあ【未来】ではそういった意識を持つ子はほとんどいないんですけどね。だから、あの子にも責任があるといえばあります」

清原「どうして?」

x:天城’「艦齢5歳以上になったら退役して人間としての権利を認められ、恋愛や結婚が自由になるからです」

清原「ああ……、そうだったな」

x:天城’「それと、“失われた10年”で失われた人口を回復させるために重婚も公然と認められるようになりまして、」

x:天城’「艦娘でも体外受精で妊娠させることが可能になりましたから、本当に人間らしい人生を送れるようになったのです」

x:天城’「ですから、【未来】の艦娘は生み出されてから艦齢が5歳を迎えるのが1つの大目標になっているんです」

清原「…………ホント、金本提督が大喜びしそうな世界だな」

清原「しかし、何だ? 私の代わりに息子を代替品として私と鳳翔の関係を真似ようとしているのか、我が艦隊の艦娘たちは?」ヤレヤレ

x:天城’「はい。この鎮守府の艦娘に関して言えばだいたいはそうなります」

清原「由々しき事態だな――――――あ!? まさか大和のやつは!? いや、大和に限ってそんなことは…………」アセタラー

x:天城’「それと、あの子はたくさんの人からの愛情を受けて育ってきましたから、愛されオーラが凄まじいんです」

清原「わかるような気がする。いくら私の子で私のことを部下たちが憎からず思っていたとしても、」

清原「それだけで1日足らずで我が鎮守府の艦娘の大半から可愛がられるわけがないからな」

x:天城’「はい。世界中の人間から“護国の英雄の子”として、あるいは“世界初の艦娘との間の子”としての祝福を受けてきましたから、」

x:天城’「その祝福の想念があの子の器にたっぷり注がれてそれが大いに滲み出ているんです。最近は内側から荒んで翳りが見えますけど……」

448: ◆G4SP/HSOik 2014/12/19(金) 09:53:50.14 ID:y77DECdZ0

x:天城’「――――――以上の3点に気をつけてこれからの方針を立ててください」

清原「ご助言、感謝いたします」

x:天城’「言うべきことはこれで言いました。明日から本物の私をよろしくお願いします」

清原「ああ」

x:天城’「では、私はこれにて――――――」

清原「待ってくれ――――――あっ」ピタッ

x:天城’「何ですか?」

清原「そ、その……、やっぱり……、いや、その…………」ウジウジ

x:天城’「本当に不器用な方ですね。それでは内柔外剛ではなく、内脆外弁慶じゃないですか」クスッ

清原「あ、何を――――――!?」ドキッ

x:天城’「ふふふ」パッパッパッ(制服のボタンを慣れた手つきで外していく)

清原「ずいぶん手馴れているじゃないか…………あの子で慣れているのか?」ドクンドクン

x:天城’「はい。たった今、提督は“提督”じゃなくなりましたよ? 着崩しているだなんて“提督”じゃありません」ニヤリ

x:天城’「でも、これで提督は素直になれますよね?」ニッコリ

清原「くっ…………」カア

清原「………………!」オドオド

清原「………………」スゥーハァーー

清原「なあ、ところで『天城』? 消える前に最後に訊いてもいいかな?」キリッ

x:天城’「何ですか?」


清原「やっぱり『天城』もあの子のことを――――――龍翔提督のことを女性として愛しているのか?」


x:天城’「………………」

清原「『天城』は艦齢5歳は優に超えている――――――いや、それどころじゃない。それは間違いないよな」

449: ◆G4SP/HSOik 2014/12/19(金) 09:55:09.99 ID:y77DECdZ0

x:天城’「……どうしてそう思われるのですか?」

清原「まるで、あの子が生まれた時の様子のことをこれまでずっと立ち会っていたかのような口振りがそう思わせるんだ」

清原「そして、『“3人の特異点”が一堂に会するのは今日だけ』だとも言っていたな」

清原「わからないのは『そもそも【こちらの世界】には存在しない「天城」がどうして存在できたか』ってことなんだ」

清原「けど、あの子が【ここ】を『そのままの過去』だと思ってしまうぐらいに似て非なる世界だったってことだから、」

清原「何となくだが、【異世界】の『私』がやっていることも実はそう変わらないんじゃないかって思ってな」

清原「そして、金剛があの子の身の上話で聞いたことを聞いてそこから少しずつわかりかけてきたんだ」

清原「似て非なる世界だからこそ、そこで起きたことの大筋はだいたい同じなんだろうから――――――、」


清原「『私』がケッコンカッコカリで思い悩んだ相手も実は【あっち】でも鳳翔ともう一人いたんじゃないかと」


x:天城’「………………」
                                      ・ ・
清原「わかりやすく言えば、『私』と鳳翔とで三角関係を結んだ金剛とまったく同じ立場につけた艦娘だったから接点が生まれたのではないかって」

清原「でも、似て非なる【異世界】の金剛は“おばあちゃん”なんだってな」

清原「そして、『艦娘は老けない』――――――“おばあちゃん”はないと思うんだ、いくら評判の相手でも」

清原「少なくとも私はそう思うし、【異世界】の『私』もそう思っているはずだ」アハハ・・・

x:天城’「まあ、それはそうですね……」ハハハ・・・

清原「となれば、金剛の立ち位置を代われるような確かな存在感を持った、できるだけ艦種も同じであろうそんな若い艦娘が居たってことだ」

x:天城’「…………なるほど。それで?」

清原「もちろん【失われた10年以前】のことなんて【その世界】の住人ですら大して憶えてないんだから当てずっぽうだけど」

清原「――――――結論を言うよ」


――――――あなたが【向こうの世界】の『私』が愛したもう一人の艦娘であり、その息子のこともずっと見守ってきたんじゃないのか?


x:天城’「………………」

清原「全部 何となくだ。けど、何か直感のようなものがそうなんじゃないかと閃かせたんだ」

清原「タイムマシンの原理も『秘書艦システムを利用してその艦娘と馴染み深い過去まで遡れるもの』だとあった」メメタァ

清原「ボス級深海棲艦の2個艦隊による鎮守府襲撃の日に現れたのもそういうことなんだろう?」

x:天城’「………………」

清原「どうなんだ?」

450: ◆G4SP/HSOik 2014/12/19(金) 09:56:33.83 ID:y77DECdZ0

x:天城’「知ってますか、昨日が何の日か?」

清原「さあ? ――――――少なくとも私が初めて艦娘を轟沈させた日ではないな」


x:天城’「昨日は、牢屋で清原提督と鳳翔が初めて愛し合った記念すべき夜なんです」


清原「…………!?」

x:天城’「ちょうどよく、あの牢番が用を足しに行った間に私は見てしまったんですよ」

x:天城’「よく憶えてます。あの時 目にした光景と衝撃は」シュッ

清原「――――――っ!?(――――――速い!? 完全に対応しきれなかった!?)」

x:天城’「隠しきれない移り香がいつしかあなたに浸みついた――――――」クンクン


――――――誰かに盗られるくらいならあなたを殺していいですか?


x:天城’「そう思ったぐらい、鳳翔を憎むよりもただ提督のお側にいたかったです」ニッコリ

清原「………………」アセタラー

x:天城’「【ここ】と同じようにボス級深海棲艦の襲撃がその日にあって――――――、」

x:天城’「残念ながらその時に提督が保持し続けていた不沈記録はあっけなく破られたのです。提督は大いに悲しみにくれました」

x:天城’「その時に犠牲になったのが加賀と土佐と長門で――――――因果なものよね。その翌日に陸奥がやってきたわけ」

清原「…………それで“3つの特異点”か(ん? なぜ長門と陸奥が“特異点”なんだ? そもそも“特異点”とはいったい――――――?)」

x:天城’「傷心に苛まれた提督を癒やそうとして――――――、私は完全に出遅れた」

x:天城’「人って、驚きを通り越すと身体が言うことを聞かなくなって、」

x:天城’「見たくないのに見続けて、叫びたいのに叫ぶことすらできなくなるものなんですね」

x:天城’「私は戻ってきた牢番によって金縛りが解かれると、牢番に静かに促されて一人 自室に戻って泣き濡れました」

x:天城’「元々 提督の心は鳳翔に向いていたのですから、もうどうしようもないってことはわかってました」

x:天城’「それでも、それでも私はずっと提督のお側に在り続けた――――――」

x;天城’「私はどんな形であろうと、提督の悲しみに歪んだ表情だけは見たくなかったから…………」
                           ・ ・
清原「…………まるで同じだ(――――――金剛)」グッ

清原「ハッ」

清原「そうか。そういう接点もあったのか……(天城型巡洋戦艦は金剛型巡洋戦艦の次級だったな……)」

x:天城’「そして、戦いは激しさを増し、多くの犠牲が出続けた。その度に提督は陰で涙を流し、鳳翔はそっと寄り添う…………」

x:天城’「一方 私は、『もしかしたら提督の隣が空くかもしれない』という浅ましい期待を捨てきれずにいた」

x:天城’「けれど、結局 二人は幾多の犠牲を踏み越えて戦い抜き、“護国の英雄”となって世界で最初の艦娘との間の子を生んだ――――――」

x:天城’「私の邪な願いはこうして果たされずにすんだのです」

x:天城’「それから、私は提督に誘われて退役してからも提督のお側に居続けて、世界初の艦娘の出産にも立ち会った――――――」

x:天城’「それからはずっと、あの子を愛しいあの人の子として我が子のように愛し続けたの」ウットリ

清原「そうだったのか。だから“あの子”なのか」

x:天城’「そんな私を二人はどこまでも信じてくれて、後れて行われた新婚旅行の時は私が家に残ってあの子を預かるになってね?」フフッ

x:天城’「――――――『こういう形の幸せもあるんだ』ってしみじみ思ったわ。ああ 愛しい子」クスッ

清原「そうか」フフッ

451: ◆G4SP/HSOik 2014/12/19(金) 09:57:28.17 ID:y77DECdZ0


――――――けれども、幸せな時間はそう長くは続かなかった。


x:天城’「戦後数年で“失われた10年”の大災害が始まって――――――、」

x:天城’「あの二人は私にあの子を託してより多くの家族や同胞を救うために海の向こうへと出て、そのまま帰ってくることはなかった……」

x:天城’「そして、周囲が歴戦の艦娘の再結集を呼びかけても私は頑なに無視し続け、」

x:天城’「あの子の健やかなる成長だけを願って艦娘:天城であることを隠して人間:あまぎとして生き続けたの」

x:天城’「それから、あの子が期待の星として来る深海棲艦との決戦に向けて祭り上げられるようになってから、私はあの子の許を去った」


x:天城’「全ては、提督からの最期の指令を全うするために」


清原「…………そうか」

x:天城’「私は『天の時』を待っていたの。あの人の忘れ形見であるあの子と一緒に戦えるその日を――――――!」

x:天城’「その間、人間として生きた数年間のなまりを解消するために猛特訓を始めていたわけ」

x:天城’「そして、あの子が提督となった最初の日に私は駆けつけた――――――」

x:天城’「だから、今の私はあの子の艦娘である巡洋戦艦:天城なのよ」

清原「そうか。だから、戦うことに必要なことしか知らないはずの艦娘であれだけの能力や迫力があるのか」

x:天城’「そうよ。私は最初に艦娘として生を受けてから、人間として幸せな時間を過ごし、再び艦娘として生まれ直した戦士なの」

x:天城’「でも、でもね……?」グスン

452: ◆G4SP/HSOik 2014/12/19(金) 09:58:19.99 ID:y77DECdZ0


x:天城’「でも、やっぱりどんな形であってもいいから、あなたにまた会いたかった…………」ポタポタ・・・


x:天城’「恋人の口付けが欲しいわけじゃありません……、夫婦の交わりが欲しかったわけじゃありません…………」ポタポタ・・・

x:天城’「私はずっとずっと、どんな形であってもいいから、ただ『私の提督のお側に居続けたかった』それだけ…………」ポタポタ・・・

x:天城’「あなたは最期に約束したの。――――――『どんな形であってもまた私とあの子を家族として抱きしめる』って」

清原「――――――『家族として』(――――――それが『私』が苦悩の末に出した答えというわけなんだな)」

x:天城’「ズルいですよ、提督は。『こんな形で』その約束を果たそうだなんて……」

清原「…………そう言われても困る(――――――とことん罪作りな男だな、『私』というやつは)」

x:天城’「【ここ】に来れたのはやっぱり『あなたと鳳翔の初夜を邪魔したかったから』――――――もあるかもしれませんね」フフッ

清原「すればよかったじゃないか……」

x:天城’「できるわけがない。一番に浮かぶのがやっぱりあなたの悲しむ姿――――――誰があなたのことを鳳翔以上に癒してあげられるの?」

x:天城’「それに、あなたのもう一人の隣がうら若き金剛先輩だから。【異界】の他人とはいえ、先輩にはあの子のお世話をし続けてくれた多大な恩があるの」

清原「なら、『【異界】の他人なら』――――――」

x:天城’「わかってます。――――――提督が私が愛し続けた『提督』とは違うことも」


x:天城’「【ここ】の鳳翔はすでに指輪を嵌めてましたから」


x:天城’「それでもっ!」

x:天城’「恨んでも恨んでもからだ うらはら――――――心はずっと同じ答えを叫び続けている」

x:天城’「――――――提督の栄光と勝利と、笑顔を」

清原「…………そこまで思われるなんて幸せ者だな」ドクンドクン

x:天城’「ねえ、『昨日』はあんなことになっちゃったけど――――――、一度は『あなた』と永遠の別れをしたのだから、」

x:天城’「『提督』に一度も私の気持ちを伝えなかったことを後悔したくない! ずっと黙りこんでいた自分とはこれで本当に“さようなら”です」


――――――愛しています、『提督』。生まれ変わってもどんな形であってもずっとお慕いしています。



453: ◆G4SP/HSOik 2014/12/19(金) 09:59:08.17 ID:y77DECdZ0

清原「…………ありがとう」ドクンドクン

x:天城’「最期ぐらい抱きしめてもらえませんか? ずっとずっと待たされ続けていた約束です。約束は果たしてもらいますよ?」

清原「……それが最期の願いなら」ドクンドクン

x:天城’「はい。これで最期です」ポロ・・・

x:天城’「提督が私を抱きしめて愛おしさを感じた次の瞬間には消えてなくなっていることでしょう」

x:天城’「でも、いいんです。本物の私は龍翔提督の艦娘であり、【ここ】にいるのは私の青春の残滓なのですから」キラキラ

清原「それでいいのか?」ギュッ

x:天城’「嘘でも抱かれりゃあたたかいんです」ギュッ

x:天城’「ああ……、あたたかくておおきくてやさしくて…………」ドクンドクン

x:天城’「そう、私はずっとこの瞬間を待ち続けていた――――――やっとその想いが叶ったのですね」

清原「…………『天城』」

x:天城’「提督? 『天城』からの最期のお願いですよ?」

x:天城’「今度はそのあたたかくておおきくてやさしいその手で、我が子を力強く抱きしめてあげてくださいね」

x:天城’「これが私も愛してくださった『提督』へのせめてもの恩返しです。どうか【向こうの世界】で果たせなかった親子団欒の時を楽しんで…………」

清原「…………『天城』!」ウルッ

x:天城’「戻れなくてももういいの」クスッ

x:天城’「もっと、つよくだきしめて――――――」

清原「ああ。こうか――――――」ギュッ

清原「ハッ」




清原「………………」




清原「………………フゥ」

清原「さようなら、『天城』」フフッ

清原「こんな『私』をどこまでも…………素敵な贈り物をありがとう…………」

清原「何だ、雨漏りか……? いや、施設の老朽化で部屋の真上で水漏れが起きてるのか……?」ポタポタ・・・

清原「これはすぐに修理してもらわないとダメだな……」ポタポタ・・・(軍帽で顔を覆う)
    ・ ・ ・
清原「わたしは…………」ポタポタ・・・


くらくら燃える火をくぐり 今度はみんなと越えたい 天城越え


――――――第6話X-2 幻の八八艦隊「天城」 -新時代の礎になった「天城」と盛衰に生きた妹たち- 解明編 完

     NEXT:第7話X  孤高のビッグ3 -もう1つの“もう1つの世界”- に続く!


454: ◆G4SP/HSOik 2014/12/19(金) 10:05:26.68 ID:y77DECdZ0

陣営紹介x:【異界艦】
龍翔提督 愛称:りう
【異界】からやってきたという自称:清原提督と鳳翔の子。実の父である清原提督と苗字が違うのは結婚を機に改姓したからだという。
齢は16を数えるが階級が将官クラスというとんでもない設定の子であり、清原提督そっくりだが歳相応のあどけない見た目をしている英才。
提督としての実力はさすが未来の海軍将校なので清原提督よりも博識で利口なところがあるが、青二才で経験が浅いので浅慮で未熟な面が見られる。
彼に自分の父だと迫られた当の清原提督としては、いろいろツッコミたいところだが、その年齢で艦隊指揮を任せられる【異界】の事情に震撼することになる。

【異界】から【この世界】にやってきた理由は、【破滅の未来】を救うため――――――国民的英雄にまでなった生前の父と母に会いたかったから。

清原提督からは認知されず、――――――当然と言えば当然だが、軍属でもない子を置いておくわけにもいかないので【異界】に帰還するように命令される。
しかし、結局は見捨てることができずに『天城』の策謀もあって、無事に両親が健在の【この世界】に置いてもらえることになった。
それからはその正体は多くの人間には秘匿され、鎮守府の艦娘たちには大本営が用意した清原提督の影武者として紹介されており、
一般に対しては技術士官:あまぎの才覚豊かな連れ子として認知されていくことになる。

両親に似ず、料理の腕は壊滅的。【異界】においては両親が物心付く前に他界し、英雄の子であったがゆえのおぼっちゃん育ちだったようである。
しかし、世界一たくさんの人間から祝福を受けた子であるために愛されオーラが凄まじく、穢れを知らない無垢な笑顔に誰もが心を癒されることになる。
別にショタというほどティーンエイジャーではなく、れっきとした思春期男子であり、これから男性らしい身体つきになっていくわけだが、
父親の純正クローンなので清原提督そっくりの顔つきなのだが、立派な大人の男性としての清原提督がいるので相対的に余計にショタに見える。
若干16歳ながら『天城』の教育方針で幅広い技術を習得しており、顔や雰囲気に反して実際はかなり逞しい少年である。

『龍翔』という両親が結婚を機に改姓した姓の由来は、鳳翔の予定名だった『竜飛』に由来する。
一応、苗字の下のれっきとした名があるわけなのだが、名で呼ばれるよりも姓で呼ばれるほうが圧倒的に多かったせいで本人も半分忘れている。
何よりも艦娘に囲まれて暮らしてきたことが大きく、自身の姓も軍艦に由来するものなのでそんな感じの名称で呼び合うことが普通だと思っている。
名(=パーソナルネーム)というのは副次的なものに捉えており、この辺の感覚の違いが艦娘との共存による弊害とも言える。
また、普通に生活する上では『龍翔』という姓は筆記する際には手間が掛かるので、“りう”という略字からその通称が半ば黙認されて使われている。

【艦これ】の二次創作で取り上げられる『艦娘との間の愛の結晶』や『戦後処理』をプレゼンターなりに考えた結果のキャラであり、
プレゼンの内容とはまったく関係ない二次創作における【艦これ】世界の考察に由来するキャラなので、本筋からすれば別にいなくてもいい存在。
しかし、クソ真面目で内のことでは相当ヘタレな清原提督が【異界艦】に対して協力的になってもらうために、
瑞鶴が主人公の小説版を参考にハードな設定を盛っていった結果、某シミュレーションRPGに登場する“異界のマルス”っぽいキャラに仕上がった。
しかし、清原提督とこの龍翔提督の間柄は非常に複雑怪奇であり、それが清原提督が感じる『実感のまったく湧かない親子関係』を助長させている。

第6話全体の中で艦娘にまつわる数々の話題は、実は全て龍翔提督という未知なる存在の登場のための伏線であり、
それなりに物語としての一貫性とおもしろさ、独自設定の説得力は持たせられたのではないかと思う。
もちろん、批判は大いにけっこうです。これは架空戦記であると同時にプレゼンテーションでもあり、感想やご意見を望んでいるのですから。


『天城』 人間名:あまぎ
艦娘:天城としての解説は下に譲るが、【異界】からやってきた龍翔提督に従った“特異点”の一人であり、完全なる本作オリジナルキャラである。
プレゼンターが意図している巡洋戦艦:天城を超越した存在であり、【ユウジョウカッコカリ】で練度は上限のLv120で止まっているが、
実際は艦娘としての器を限界突破してLv255ぐらいはあるであろう、驚異的な戦闘能力と叡智と人生経験を持つ万能の天才。

艦娘から法的に人間となってから様々な経験を重ねたことで艦娘としての限界を突破して、超艦娘必殺百面相なるものを使いこなし、
実質的に龍翔提督の副官としての地位を不動のものとしており、『艦娘でありながら提督業もできる』という元々の威厳がもっともっと深まっている。
【この世界】の洞庭鎮守府においては身分を隠しながら外部からやってきた天才技術士官:あまぎとして働くことになり、
【異界】の技術や艦娘の開発を指導して、洞庭鎮守府の戦力増強に貢献することになる。
現在過去未来のことがわかる力がある他に、実際に【異界】における大戦を生き延びたので戦いの行く末を知っているのだが、
彼女の人生経験から『天の時』を得るまでは極力は【この世界】には干渉せずに、独自に龍翔提督の艦隊の戦力増強に終始している。

基本的に『天城』や“あまぎ”と書かれたらこの人のことであり、普通の「巡洋戦艦:天城」とはまったく別の存在となった艦娘を超えた艦娘である。



455: ◆G4SP/HSOik 2014/12/19(金) 10:06:11.13 ID:y77DECdZ0

3つの特異点
次回に詳しく解説する【異界艦】にまつわる重大な要素であり、【八八艦隊】の中でこの3人がなぜそう呼ばれているかは史実を追えばわかるはず。

第1の特異点 長門型戦艦:長門
そもそも【異界艦】の分岐点となるワシントン海軍軍縮条約の発生には少なからず当時の最強戦艦の3本の指に入る長門の存在が大きかったため。
長門が存在しなければ日本が最も不利な条約内容を結ばされたことは想像に難くなく、“国の誇り”に恥じない抑止力を担っていた。
ただ、当時の抑止力の指標が超弩級戦艦(今で言えば核兵器に相当)であるために、今回の軍縮がきっかけでますます大艦巨砲主義を大事にするようになり、
【八八艦隊】の第一番艦であり日本軍艦の象徴である長門への過保護さが結果として大日本帝国海軍の戦略的敗北の遠因となってしまっている。


第2の特異点 長門型戦艦:陸奥
あまり知られていないが、当初はワシントン海軍軍縮条約の始まりの段階では未成艦廃棄が決定されており、
会議当時に未成艦だった陸奥を無理やり完成艦だと認めさせたことから“ビッグ7”が誕生することになった。
結果として、陸奥1隻のために敵戦力の更なる充実を認めさせることになり、明らかな外交的失敗を招くことになった。
もちろん国力の象徴として超弩級戦艦が何よりも尊ばれたのはわかるが、この辺が列強:日本の限界だったのかもしれない。
この長期的戦略性の無さが後に太平洋戦争という形で表面化し、結果として守るべき同胞に多大な犠牲を強いる時限爆弾となった。


第3の特異点 天城型巡洋戦艦:天城
関東大震災で航空母艦に造り替えている最中に艦船の背骨である竜骨が破損し、再起不能になったために代理艦として標的艦だった加賀が航空母艦になる。
つまり、このアクシデントがなければ、史実に名を残す最強の一航戦こと正規空母:加賀と赤城のタッグが生まれることがなかったのだ。
もしも関東大震災が起こらなければ――――――、あるいは起きても竜骨が破損しなければ――――――、
加賀はそのまま未成艦として何の活躍の場も与えられないまま妹共々海の藻屑になっていたのである。
それ故に、加賀からすれば天城の存在は何よりも大きいはずなのだが、【艦これ】においては妹の赤城からも言及されていない忘れ去られた存在である。



456: ◆G4SP/HSOik 2014/12/19(金) 10:07:26.76 ID:y77DECdZ0

巡洋戦艦:天城
存在しないはずの天城型巡洋戦艦1番艦のネームシップであり、【異界艦】の代表格として意図された艦娘である。
作中、『天城』と「天城」は別の存在なので注意の必要がある。
→『天城』……【異界】の大戦を戦い抜いて人間としても生き抜いた超艦娘のほう。 
→「天城」……艦娘としての一般的な天城:赤城の姉、長門が【八八艦隊】の“象徴”なら、こちらは実働部隊のリーダー的存在。

その2番艦である妹:赤城の赤袴に対比するような青袴をしており、古代日本の巫女を想起させるような濡れ烏の長髪に宝冠をしている。
彼女曰く「時折、現在過去未来のことがあらゆることが見える」らしく、【この世界】における「天城」自身と感応するためなのか、
時報の度に不吉なことを騒ぎ立てるが、極めて誠実で毅然として女性としての物腰の柔らかさと包容力を持つ。
【異界】においては長門型のレアリティがワンランク下げられており、彼女がスーパーホロであるぐらいにダントツの性能と人気を誇る。

基本的に【艦これ】でも現実でも後から出てきた艦は前級より強いのが当たり前なので、
初期値においては前級:金剛型戦艦よりも軒並み能力が高い(というか金剛型が古すぎるだけだが)。
彼女の存在によって金剛型が銀レア、長門型ですらレアリティが金レアに格下げになるほどの圧倒的な性能を誇る。
ただし、【巡洋戦艦】なので【戦艦】よりやや打たれ弱いのが難点か? その代わりに極めて高い【回避】が大きな武器となっている。
しかし、【異界艦】の特徴として、【歴史】に存在しないので戦績が反映される【改造ボーナス】が低く、能力が大いに伸び悩む傾向にある。
そこで、【異界艦としての特別な改造】を施すことによって、【この世界】の艦娘を圧倒するだけの性能を得ることができる。
これが【異界艦】であり、詳細は次回を待て!


オリジナル艦娘「巡洋戦艦:天城」の構想
・金剛型巡洋戦艦の次級が天城型巡洋戦艦
→ 日本初の純国産の純粋な【巡洋戦艦】なので金剛型よりもしっかりとした肌の露出が少ない正統派神職キャラという位置付け
→ 【八八艦隊】の1番艦である長門よりも格上の扱いなのは、長門以上のスペックの戦闘力で完全に天城が戦力として上だから。
→ 【史実】においても【巡洋戦艦】としての高速性で縦横無尽に駆け回った金剛型を例にすれば機動力と火力を両立している彼女の存在の大きさも妥当。

・正規空母:赤城の姉
→ 赤城と同じ濡れ烏の長髪に白ニーソ。
→ 赤城が生前の記憶を微かに引き継いでいるのでこっちは未来予知できるレベルにグレードアップ
→ 妹との外見の区別をつけるために、古代のシャーマンにしてそれっぽい宝冠と儚さをつけさせる

・関東大震災で再起不能になって加賀が代わりに正規空母になる
→ 加賀の青袴は天城の遺品という設定にして、天城が元々 青袴だったということにする
→ 加賀は公式発言で表には出ないが激情家であることに注目して、天城が怒った時のおっかない態度を継承した設定

・立ち位置は○○ァ・スン、性格は赤城よりもっと誠実で、長門のように誇り高く潔くも、女性としての包容力も完備する貫禄ある完璧超人のお姉さま
→ だから、献身的でかつ責任感が強く早死する設定であり、悲劇性や儚さをより一層引き立てる。
→ ついでに、ケッコンに関して厳格なので『天城越え』の一節のような怖いセリフも言ってくるので、色んな意味でおっかない。


457: ◆G4SP/HSOik 2014/12/19(金) 10:08:35.10 ID:y77DECdZ0

巡洋戦艦:赤城 & 戦艦:加賀・土佐
【異界】で生を受けた戦艦:加賀と巡洋戦艦:赤城であり、空母だと似たような二人に思えるが、
加賀は長門型戦艦の後継、赤城は金剛型巡洋戦艦の後継なので本質的に全く異なる二人である。
そういうわけで、加賀と赤城が長門よりも偉そうなのも二人が元は長門型を超える戦力だったことによるものであり、
ワシントン海軍軍縮条約が調印されなかった大艦巨砲主義が蔓延る【異界の艦これ】においてもレアリティは変わらない。(赤城:ホロ 加賀:金レア)

巡洋戦艦:赤城の外見と性格は正規空母のものとあまり変わらず、天城の青袴に対する赤袴に戦艦艤装を担いでいる姿である。
一方で、戦艦:加賀はサイドテールをしておらず、先輩である長門と同じ露出の多い和服ベースの着衣の上に淡い青の加賀友禅の上着を羽織っている。
妹の土佐についても同様であり、青に対比した鮮やかな赤の加賀友禅の上着を羽織っている。
この辺は懇意だった天城と赤城の二人に倣ったようだ(姉が青色、妹が赤色)。
しかし、サイドテールをしているのが土佐という違いがあり、【この世界】の加賀は天城と土佐のデザインを足して割ったようなものと言える。
正規空母のクールな印象と打って変わって比較的活発な印象となっており、喜怒哀楽もはっきりしており、どこか微笑ましい。
二次創作で見られるような赤城と比肩するギャグ要員としてのそれが顕著に現れている寡黙系天然ボケキャラ。“クールビューティー”に非ず。

土佐に関して言えば、いわゆる不幸艦(【史実】の土佐よりは遥かにマシ)であり、直感が冴えていて『嫌な予感がする』が口癖となっている。
そういう意味では、加賀と赤城は直感力の面から言えば鈍感極まりない。 直感力:天城 >>> 土佐 >> 赤城 > 加賀
それでも、姉の加賀に対比して妹っぽさが出て不幸艦だけれども明るく活発で、【艦これ】には今までなかったタイプの明るめな妹像をイメージした。
姉の加賀は別に不幸艦というわけではないが感情表現がヘタクソで気難しさがあり、土佐が彼女を代弁することが多い。
姉がボケ役で妹がツッコミ役というポジションは、阿賀野型軽巡の阿賀野と能代の姉妹のやりとりに似ているかもしれない。
加賀さんは公式4コマでもムッツリポンコツ扱いであるからこれぐらいの扱いでちょうどいいだろう。


※オリジナル艦娘については基本的には今後2年以内に実装されそうもない非常にマイナーな艦娘を選出させております。
※また、今回の場合は【異界艦】でありまして、【異界の艦これ】における存在なので公式で本当に実装されましても何の問題もございません。
※公式よ、さっさと神風型・松型駆逐艦や“出落ち”装甲空母:信濃、もっと豊富に【海外艦】と潜水艦を出してください、お願いします。


458: ◆G4SP/HSOik 2014/12/19(金) 10:24:21.63 ID:y77DECdZ0

これにて、長かった第6話のそれぞれの鎮守府に独自実装された(という物語独自の設定の)新システム4シリーズの導入編は終了です。
本当ならもっと早くに投稿したかったのですが、一身上の都合で遅れてしまって申し訳ありません。
続く第7話は、第6話から続く新システム4の解説編となりますので次回予告の通りに4章編成となります。
が、これまた次の投稿まで間が大きく開きそうなので、年内中に新システム4とこれからの4提督たちの方向性のまとめみたいな回をあらかじめ投稿しようかと思います。
第7話以降は来年ということでよろしくお願いします。

いいかげん潜水艦隊をメンバー自由に組めるようにしてもらいたいものだなー。ゴーヤがまた酷使されとる。駆逐艦は出撃させてもらえない娘がいるぐらい余っているってのに…………
さっさとU-ボートなり、M級潜水艦なり、BETASOMなり実装して、国内の潜水艦が頼りないなら海外から引っ張ってくりゃあいいのに…………

最後に、オリジナル艦娘に関して提督や候補生の方々はどう思っているかお聞かせしてくださると助かります。
プレゼンターとしては積極的に出して、公式で出されれば先行配信版=β版として処理するだけでいいと思っているので、
これからどんどん登場させる予定ではありますが、とある理由で紀伊型戦艦の1番2番は登場させませんのでご了承ください。


459: ◆G4SP/HSOik 2014/12/19(金) 10:26:07.91 ID:y77DECdZ0

――――――洞庭鎮守府:牢屋にて


――――――――――――

――――――
龍翔「うっ、うぅん…………」


龍翔「――――――天城!?」ガバッ


龍翔「………………あ」キョロキョロ

龍翔「…………ここは『父さんが精神統一に使っていた牢屋』だったっけ」フゥ

龍翔「…………」スッ


――――――3枚目の写真。


龍翔「そういえば、提督を志す前までオレのことを厳しく育ててくれた“あの人”――――――、今 どうしてるんだろう?」

龍翔「あの人、父さんと母さんの何だったんだろう? ――――――艦娘ってわけじゃなかったろうし、軍関係者でもなかったのかな?」

龍翔「今更だけど、天城ってあの人に似てるよな…………」ブツブツ


――――――それは、提督となって初めての出撃の後に【ドロップ】したばかりの巡洋戦艦:天城を交えての記念写真。


――――――

ガラガラガラ・・・、コツコツコツ・・・

――――――
龍翔「!」
――――――

鳳翔「あ、大丈夫ですか、…………龍翔提督? お食事ですよ?」ドキドキ

――――――
龍翔「あ、あの……、その…………」モジモジ
――――――

鳳翔「今晩のお食事は清原提督が直々にお作りになった特別メニューです」ニコー

鳳翔「――――――ご一緒してもいいですか?」ドクンドクン

――――――
龍翔「え」

龍翔「あ」ドキドキ

460: ◆G4SP/HSOik 2014/12/19(金) 10:26:36.89 ID:y77DECdZ0

ガラガラガラ・・・

鳳翔「失礼します……(1日も経たずにまたここに来るのってこんなにも緊張するのですね……)」ドクンドクン

龍翔「…………えと、鳳翔夫人?」

鳳翔「その、名は何というのですか?(それに、初めて主人とご一緒した場所で【未来】の――――――)」ドクンドクン

龍翔「え? ――――――『龍翔』ですが?」ドキドキ

鳳翔「それは姓ですよね? ファミリーネームですよね? 名は――――――、パーソナルネームは何と?」ドクンドクン

龍翔「………………あれ? 何だっけ?」

鳳翔「え?」

龍翔「みんな、オレのことを“龍翔”だとか“英雄:清原提督の息子”だとか“Our Son”って言ってくるし、」

龍翔「一度も名で呼ばれたことなんて――――――あ、“あの人”ぐらいだったような気がする」

龍翔「それに、“龍翔”って艦娘っぽいっていうか実際に航空母艦:鳳翔の別名:竜飛から来たものだって――――――」

鳳翔「ああ…………(だから――――――)」

龍勝「あ、つまりは、その――――――オレの両親は結婚した時に英雄に相応しい姓に改姓したってわけでして」シドロモドロ・・・

鳳翔「――――――!」バッ! ギュッ!

龍翔「!?」ドクン

龍翔「え、何……?(――――――え、オレ? オレ、今 母さんの胸の中に? ああ 何か良い臭いだ。これが“母さん”ってやつなのか?)」ドクンドクン

鳳翔「…………辛かったですよね? 寂しかったですよね? ごめんね、ごめんなさい」ポタポタ・・・

龍翔「え……」

鳳翔「いいんですよ? ――――――“母さん”って呼んでも」

龍翔「え、でも――――――」

鳳翔「早く」

龍翔「か、母さん……、母さん」ホッ

龍翔「――――――母さん!」グスン

鳳翔「うん」ヨシヨシ

龍翔「う、うぅ――――――あ、いけない、泣いてなんかないから! 母さんは何も見てない! いいね?」キリッ

鳳翔「プッ」クスッ

龍翔「え」

鳳翔「お、おかしい…………それでいて素直でなんて可愛らしい子なのかしらね」ニコッ

龍翔「あ……」

鳳翔「あ、ほら。あなたの父さんがあなたのために作った特別メニューですから」

龍翔「え、本当!」キラキラ

鳳翔「本当に素直で可愛らしい子ですね」ニッコリ

龍翔「えと、それじゃ、――――――いただきます!」ハムッ

鳳翔「美味しく召し上がれ」


――――――第6話X-2 幻の八八艦隊「天城」 -新時代の礎になった「天城」と盛衰に生きた妹たち- 解明編 完

     NEXT:第7話X  孤高のビッグ3 -もう1つの“もう1つの世界”- に今度こそ続く!



462: ◆G4SP/HSOik 2014/12/22(月) 19:00:22.04 ID:xnDB6M5j0

余談2 4提督のそれぞれの戦いの形

――――――12月23日:報告会


司令部「さてさて、見せてもらおうではないか」

司令部「諸君らがそれぞれの戦いの中で得たものというものを」


X:清原提督「わかりました」

Y:金本提督「ま、俺は別にいいんだけどさ」

Z:朗利提督「はあ……、どうしてこうなった」

w:石田司令「理解が得られると幸いです」


x:あまぎ技術士官「なるほど、こちらの方たちが未来の――――――」

y:剛田陸軍将校「これからは陸軍船舶司令部との連携を密にしてもらわねばな」

z:愛月提督「司令官、見せてやりましょう! 拓自鎮守府にしかない世界で唯一の多国籍艦隊!」

W:左近提督「石田司令、準備はできてますよぅ」


清原「では、【演習】という形でお見せしたいのですが――――――」

金本「奇遇だな。俺も【演習】で見せたほうが手っ取り早いと思っていたから、いっちょやるか?」

朗利「俺もその方がいいです。――――――けど、いろいろと姦しい連中が勢揃いだから手加減してやってくださいね」

石田「【演習】には賛成ですが、安全のために私の判断で即座に中断できるようにしていただきたい」

金本「ああ? 『石田司令』って言ったか? そんな権限を要求するほどの何をやっているのかねぇ?」

石田「すぐにわかります」

朗利「俺はそれでいいですよ。成果の確認のために本気でボカスカ撃ちあって傷つけあうのは嫌ですし、その後で艦娘たちの機嫌を取るのが大変ですから」

金本「俺も。今日はお前らの艦隊を叩きのめすのが目的じゃないんだし、終わったらデートが数多く待ってるんだからさ」

清原「では、石田…司令に【演習】の審判をお願いします」

石田「感謝いたします」

石田「では、組み合わせは“司令部”の判断に委ねます」

司令部「む、そうか。なら――――――」



463: ◆G4SP/HSOik 2014/12/22(月) 19:01:29.22 ID:xnDB6M5j0

――――――【演習】第1回戦 - X:洞庭鎮守府 VS.Z:拓自鎮守府 -


石田「では、両提督。艦隊を出撃させてください」

清原「わかりました」

朗利「よし。勝っても負けてもへそを曲げるなよ、お前たち……」

司令部「さて、確かあの二人の提督が9月以来取り組んでいることと言えば――――――」

あまぎ「拓自鎮守府――――――世界戦略を打ち立てて名を馳せることになる朗利提督の艦隊ですか」ブツブツ

愛月「ところで、清原提督と同伴のあの綺麗な技術士官はどういった方なんでしょう?(まさか、いやまさか――――――)」チラッチラッ

金本「さてさて、俺が陸軍と和気藹々やってる間、兼愛交利の●●くんは『司令部』に働きかけて何をしていたのか――――――」

剛田「なるほど、あれが清原提督か。直に会うのは初めてだが見るからに正統派の好青年だな。金本が嫌うわけだ」

左近「どうやら、両提督の艦隊が現れたようですよっ――――――ああ?」

司令部「おお! これは――――――!」


X:洞庭鎮守府                    VS.    Z:拓自鎮守府
戦艦:長門β          |戦艦:陸奥         戦艦:長門    |戦艦:ビスマルク   
正規空母:天城β(二代目)|巡洋戦艦:赤城α      戦艦:モンタナ  |巡洋戦艦:インコンパラブル       
標的艦:加賀β        |砕氷艦:恵山β      標的艦:インペロ|戦艦:クレマンソー


金本「何だこりゃああああああ!?」ガタッ

剛田「何だ? どちらも大型艦――――――いや6番艦はどちらも小型艦だな」 >>6番艦: 砕氷艦:恵山βと戦艦:クレマンソー

石田「待て! 『一目見ればわかる』とは言うが、あまりにも凄すぎて理解の範疇を超えている!」

愛月「え!? あれって赤城が、――――――二人? それに加賀もコスチュームチェンジしているなんて、レア仕様なの!?」

左近「いやいや、朗利提督の艦隊もとんでもないのが揃ってるじゃないですか。――――――モンタナですよ、モンタナ!」

あまぎ「インコンパラブル――――――まさか【この世界】で完成していたの!?」

司令部「旗艦はどちらも長門なのだな……(清原提督のところの長門は第1種軍装の貫禄――――――【異界艦】というやつか)」

464: ◆G4SP/HSOik 2014/12/22(月) 19:02:02.91 ID:xnDB6M5j0
――――――
X:長門β「おお、お前が【この世界】の長門というやつか」

X:長門β「なるほど、確かに強そうだな」

Z:長門「ど、どういうことだ、これは……」

Z:長門「あれが私の改二形態だと言うのか!?」メメタァ

X:長門β「拓自鎮守府の“ビッグ7”よ、お前のことは“あの子”から聞いている」

Z:長門「な、なに!」

X:長門β「私と『私』は異なる存在だが、【“あの子”の未来】を“希望の光”で明るく照らすために力を尽くそう!」

Z:長門「!」

Z:長門「ああ!」

X:陸奥「あら、あらあら。やっぱり長門は“長門”なんだから」クスッ

Z:長門「そっちの陸奥も久しいな。ちゃんと私の代わりに清原提督を支えてくれていたか?」

X:陸奥「もちろんよ。そっちこそ、何だかすごい連中に囲まれてるけど大丈夫?」

Z:長門「そんなのは洞庭鎮守府にふいに【八八艦隊】の面々が現れた時に慣れているさ!」
――――――

清原「驚いたよ、朗利提督! こんな虎の子艦隊を隠し持っていたなんてな」

朗利「そっちこそ、何だかマイナーチェンジの艦娘をいっぱい取り揃えてるじゃありませんか」

清原「モンタナって何だあれは!? 大和型戦艦を超えてるんじゃないのか!?」

朗利「赤城が二人いるってどういうこと!?」

清原「いや、巡洋戦艦:インコンパラブルも十分にオカシイ! モンタナ以上って、何だあの大きさは!?」

朗利「あれ、――――――「天城」? 赤城じゃなくて「天城」? 雲龍型空母の2番艦じゃなくて?」

清原「しかし、多国籍艦隊か。名前の付け方からして、日本、ドイツ、アメリカ、イギリス、イタリア、フランスだな、これは」

朗利「お、その通りですよ、清原提督」

朗利「で、そっちの艦隊は何ですか? 【砕氷艦】はまあ おまけみたいなものなんでしょうけど」

清原「――――――【八八艦隊】って知ってるかな、朗利提督?」

朗利「――――――【八八艦隊】?」

朗利「…………あ、長門の自己紹介でそんなような単語があった気がする」メメタァ

清原「それだ」

朗利「え?」

石田「と、ともかくだ。両者ともに準備はできているでしょうか?」

清原「こちらの準備はできています」

朗利「こっちもだ。いつでも【演習】開始の宣言を出してください、冷血漢」

石田「よし、では時間合わせをする」チッチッチッ・・・

石田「艦娘一同、――――――用意!」

――――――
Z:長門「さて、おしゃべりはここまでだ!」

X:長門β「ああ! 1は2を生み、2は3を生み、3は万物を生み出す“ビッグ3”長門! 推して参る!」

Z:長門「艦隊! “ビッグ7”の長門に続け!」


――――――【演習】開始!


――――――

465: ◆G4SP/HSOik 2014/12/22(月) 19:02:45.66 ID:xnDB6M5j0











司令部「いやぁ……、大変見応えのある【演習】であった…………実に手に汗握るものだった」アセビッショリ

金本「やっべえ……、どっちも最高クラスの主砲を持った主力艦だらけだから一撃辺りの衝撃がハンパねえ!」ドクンドクン

剛田「だが、最後の最後にあの砕氷艦:恵山が極めてくれたな。――――――【一撃必殺の氷山】でモンタナが撃沈判定だぞ」ドクンドクン

愛月「ロードローラーじゃないのに、いったいどこからあの氷山が…………」アセダラダラ

あまぎ「…………まさに死闘でしたね(世界線が違うとはいえ、私たちが介入したことでここまで変化が生じたのかしら……?)」アセタラー

左近「これは双方ともに、実に高度な研究と戦力増強をしているようで」アセタラー

石田「そ、そうだな。これだけの戦力が整った鎮守府が現れたのなら少しは安心だな……」アセタラー


466: ◆G4SP/HSOik 2014/12/22(月) 19:03:29.43 ID:xnDB6M5j0

――――――【演習】第2回戦 - Y:斎庭鎮守府 VS.W:趣里鎮守府 -


司令部「さ、さて……、次は斎庭鎮守府と趣里鎮守府の番だったな……」

左近「さ、石田司令? 行きますよ」

石田「よ、よし! 準備はできてるか――――――?」

剛田「出番だぜ、金本提督」

金本「ああ。報告書だけじゃ伝わらないし、第一 華がないからやる余興だが、これはおもしろくなりそうだぜ」

清原「さて、次か」

朗利「金本提督と石田提督――――――、いつも通りのアレな鎮守府運営しかやってないような印象だけど何か進展があったのかな?」

あまぎ「お疲れ様です」

清原「ああ」

愛月「司令官、次の【演習】がもうそろそろ始まります」

朗利「よし。どんなもんだか――――――あああああああ!?」ガタッ

剛田「どういうことだ、これは!? ――――――陸軍としては甚だ不快である!」ジー


Y:斎庭鎮守府              VS.  W:趣里鎮守府
航空戦艦:扶桑 |航空戦艦:山城     重巡:妙高   |正規空母:ヲ級『ヲシドリ』
揚陸艦:あきつ丸|潜輸:伊369       航空戦艦:日向|戦艦:レ級『レイ』
標的艦:大浜   |砕氷艦:大泊       軽巡:長良    |潜水艦:ヨ級『ヨウスイ』


――――――
Y:扶桑「し、深海棲艦?!」

W:妙高「ご安心ください。【調 】は完璧ですので」

Y:あきつ丸「そ、それならすぐ近くで待機している別の艦隊は何でありますか!?」

W:妙高「万全の備えです。不安に思うのならば今すぐに引き上げさせます」

Y:大浜「だだだだだ大丈夫です! 問題ありません! 【標的艦】として生まれた大浜はここここの程度のことではへこたれませんから!」ニコニコー

Y:山城「…………不幸だわ」ハア

W:日向「まあ、そうなるな」

W:長良「みんな、いい子たちだからそんなに怯えないで欲しいな……。でも、戦うからには勝利! 勝利! 大勝利を目指します!」
――――――


467: ◆G4SP/HSOik 2014/12/22(月) 19:04:02.35 ID:xnDB6M5j0

金本「とんでもねえもん出しやがったな、この野郎!」ガンッ!

剛田「おい、金本! あの深海棲艦3隻って海軍でも要注意と言われてるやつじゃないのか!?」

金本「ああ。ヲ級は敵航空戦力の基本単位でよくお目にかかる難敵だし、ヨ級はカスガダマで大変お世話になったよ」

金本「だが何よりも、――――――レ級だと?! 冗談じゃねえ! 何だこのクソゲー!」メメタァ

剛田「陸軍としては甚だ不快である!」ギリッ

金本「まあ待て。よく考えたらあの石田提督ならやりかねないことだったな、そりゃなあ」

剛田「どういうことだ?」

金本「簡単な事だ。敵戦力の分析と利用の可能性を模索して、どういう手を使ったかは知らないが深海棲艦を【捕獲】したんだろう」

剛田「…………確かに戦局を変えるのは敵戦力の鹵獲とその分析、それによる弱点をついた新兵器の投入だったな」

剛田「……だが、やはり言わせてもらう。大事なことなので」

剛田「――――――陸軍としては甚だ不快である!」ギリッ

石田「………………」

左近「さすがにあちらさんも驚きと怒りを隠せませんな」

石田「当たり前だ。こちらにはレ級がいて、開幕爆撃・昼戦砲撃・雷撃戦の基本的な戦闘フェイズに全部参加するのだからな」メメタァ

石田「そして、航空戦ではヲ級が、開幕雷撃ではヨ級が先制攻撃を食らわせる布陣なのだから悪夢以外の何物でもない」メメタァ

左近「しかし、陸軍船舶司令部の剛田さんと一緒ってことは――――――、やはり二人で【例の兵器】の【開発】三昧ってところなんでしょうね」

石田「そうだな。どういうわけか深海棲艦に対して対極的な攻略法を思いついた二人がこうして一堂に会してしまったわけだ」

石田「さて、――――――準備はよろしいか、金本提督」

金本「ああ。勝敗は嫌でも見えてる。さっさと始めろい」

石田「では、――――――始め!」




468: ◆G4SP/HSOik 2014/12/22(月) 19:04:41.67 ID:xnDB6M5j0











司令部「これまた、意外な結果になったな……」

清原「ええ。剛田提督のゴリ押しによるゴリ押しのゴリ押しが圧倒的な戦力差を埋めました……」

あまぎ「やはり、どれだけ強力な深海棲艦でも常勝不敗というわけにはいかない――――――『必ずやりようはある』ということの証明になりましたね」

朗利「…………石田提督のやつ、これからどこへ行こうっていうんだよ」アセタラー

愛月「凄かったぁ…………」ドクンドクン

金本「何だかんだ言って、『レベルを上げて物理で殴れ』は不変の真理だな」ドヤァ

剛田「最初はどうなるかと思ったが、あちらの練度が極端に低かったのか、割りと戦えてたな」

金本「そして、我が方の【特務艦】たちの活躍よ!」

金本「特に、標的艦:大浜の最強の囮能力が輝いてたな」

剛田「おうとも! 更には、砕氷艦:大泊による【一撃必殺の氷山】が決まって深海棲艦も一瞬で海の藻屑だ」

剛田「【特務艦】も捨てたもんじゃねえな。ジャイアントキリングだぜ、これは!」

金本「当ったり前よ! RPGだと支援キャラは戦略的に貴重で必要不可欠な能力を持つのが伝統なんだしよ」メメタァ

石田「…………なるほどな。これは良いデータになった」

石田「やはり深海棲艦は個艦の能力において圧倒的でも、それ相応に育てづらく練度を迅速に鍛え上げられないことが意外なまでに響いたな……」

石田「しかし、さすがは金本提督だな。まさかここまでやってくれるとは思わなかったぞ」

左近「そうですな。あちらさんはパワーレベリングにケッコンカッコカリを全ての艦娘に施してますから生半可な戦力じゃ太刀打ちできませんな」メメタァ

左近「そして、扶桑型改二の【航空戦艦】らしからぬ打点の高さは噂以上ですな」

石田「ああ。これは戦力として一考の価値はあるか。伊勢型とはずいぶん違った形で強みが出てきたものだな」

石田「――――――大丈夫か、『ヲシドリ』『レイ』『ヨウスイ』? よく頑張ったな」


469: ◆G4SP/HSOik 2014/12/22(月) 19:05:42.98 ID:xnDB6M5j0


司令部「ふむふむ。見せてもらったぞ、諸君らのこれまでの成果というものを」

司令部「では、これから大本営に諸君らの研究の経過を報告しなければならないので、わかっていることを次々教えてもらおう」

司令部「諸君らがやっていることは人跡未踏の領域であるがゆえに、実に過酷なものであったことだろう」

司令部「だがこれからは、この『司令部』やその下に集った提督たちとの協力も視野に入れていって欲しい。発展性を見せてくれ」

司令部「今日はそういった席であり、今日見せ合った成果からこれからの戦略について必ず報告書を書き上げていって欲しい」

司令部「では、まずは事前に諸君らが書き上げた報告書のコピーを配る」

司令部「これは言わば、門外不出の極秘資料となる。今日見たことは頭の中に入れてのみ持ち帰るように」

司令部「それから2時間、昼食と報告書を読んで意見交流に備える時間とする」

司令部「今日までご苦労であった!」

司令部「しかし、次の2時間からは新たな戦略の下により良い行動を選択していくことを期待するものである」

司令部「では、昼食のために、――――――解散!」






第6話と第7話の各章の“物語開始時”の時系列はUターン構造(物語の途中経過で話数に関わらず時期が交錯している描写がある)。

第6話W → Z ――――――→ Y → X →   9~10月
                          ↓
第7話W ← Z ← 秋イベント ← Y ← X ←  10~12月
 ↓
12月23日
余談2:4提督のそれぞれの戦いの形 ← 今回の第6話・第7話の結論。それから第7話へと遡り、4提督による秋イベント戦記を間に挟んだ後、第8話へと続いていく。
第8話:12月23日 -三笠公園にて-



470: ◆G4SP/HSOik 2014/12/22(月) 19:06:26.41 ID:xnDB6M5j0


4提督のこれからの方向性

Q.これからの敵戦力の強大化に対してあなたならどのような対策を練りますか?

A.【異界】の艦娘や装備を調達してその時代の特産物を取り入れて全体の戦力アップに繋げる ← もっともあり得ない戦力増強策

A.【海上陸戦機動歩兵】【特務艦】【陸軍】を活用してボス級深海棲艦や敵軍団を効率よく倒す ← もっとも艦娘に入れ込んでしまったユーザーが熱望している戦力増強策

A.【海外】の優秀な艦娘や装備を調達して全体の戦力アップに繋げる ← もっとも現実的な戦力増強策

A.【深海棲艦】を自軍戦力化して敵戦力の漸減と自軍戦力の増強を一度に行う ← もっとも深海棲艦に魅せられてしまったユーザーが待望している戦力増強策


4提督の艦娘に対する感情

X:人間とは全く異なる存在として一線を引いている

Y:互いの欲望を満たし合うための関係

Z:人間と変わらない愛すべき我が子のような存在

W:人格を持った存在として尊重すべき存在


架空戦記の要素の濃さ(原点である【艦隊これくしょん】にはない艦娘や要素の多さ)
X:【異界艦】 > Y:【特務艦】 > Z:【海外艦】 > W:【深海棲艦】

【深海棲艦】を自軍利用するなんて発想は【艦これ】の二次創作で最も見られることであり、
一方で、オリジナル艦娘を登場させて活躍させているところなんてのは筆者は見たことがない。
仮に公式で実装されようが、“先行配信版のβ版”と言い切ってキャラの幅を増やしてしまえばいい――――――プレゼンターはそう思うがどうだろうか?
提督自身が戦場に出るパターンはオリジナル艦娘が出てくるのよりはいくつか見た覚えがある。
【海外艦】は有名所がスローペースで投入されることは予想できるのでグレーゾーン。



471: ◆G4SP/HSOik 2014/12/22(月) 19:07:20.67 ID:xnDB6M5j0










――――――ご清聴ありがとうございました。


司令部「さて、だいたいこの物語風プレゼン 兼 架空戦記の方向性が理解できてきたのではないかと思う」

司令部「物語風プレゼンでの提案として登場するオリジナル艦娘――――――」

司令部「架空戦記としてプレゼンターが考える世界観を彩るオリジナルキャラクターたち――――――」

司令部「こう言えば、どうして2種類のオリジナル要素が出てきたのかは理解できるかと思う」

司令部「筆者としてはただのプレゼンで終わらせるのは味気ないし、オリジナル艦娘にもある程度のキャラクター性を二次創作の中で表現したかったのだ」

司令部「そして、この【艦隊これくしょん】の数ある二次創作の中で取り上げられる世界観に対する筆者なりの考えを提示しようとも思ったからである」

司令部「原則として、オリジナル艦娘が公式の実装で被ることを避けるために2016年までに実装しそうもないマイナーな人選をしているが、」

司令部「万が一本当に実装しても問題がないようにちゃんと言い訳は考えついているのでそういった心配は無用である」

司令部「また 筆者としては、艦娘について第6話で4提督がそれぞれ別の切り口で言っているように、」

司令部「――――――あくまでも生産性のない人型自律兵器という位置付けを一貫するつもりである」

司令部「つまりは、ドラえもんや鉄腕アトムのような扱いである」= 子供が生めないだけで人間と極めて近しい存在

司令部「そういうわけで、恐れずプレゼンターはこれからも物語風プレゼンと架空戦記していくので、」

司令部「これを読んでくれている提督や候補生の方も一緒に楽しんでいけたら幸いである」

司令部「もちろん、これは繰り返しとなるが――――――、」


これは【艦隊これくしょん】の数ある二次創作の1つであり、実際の【艦隊これくしょん】とはまったく関係がありません。
ここで提案されている内容についても素人が言っているだけのことであり、あくまでも【艦これ】における不満点や改善点を個人的に述べているだけに過ぎない。
なので、あくまでも『こうあったらいいな』というプレゼンターの思いをずらずら書いたものをおもしろ半分に眺める程度にお読みください。


司令部「しかし、プレゼンター自身 ここまで長期化するとは思いもせず、いつになったら【超艦娘】を提案できるか心配ではある」

司令部「一方、プレゼンターがどうして――――――、」


――――――新インターフェース1:【要請】を実装すれば将来的に起きるシステム拡張に全て対応できる


司令部「と、主張するのかがわかっていくはずである」

司令部「さてさて、今年も終わりに近づいていき、公式アニメも放送間近であることだし、実に楽しみであるな」

司令部「来年もまた【艦隊これくしょん】をよろしく! 良い鎮守府ライフを送れることを!」

司令部「それでは、新インターフェース1:【要請】新要素の簡単な解説の後に、本編:第7話各章を乞うご期待!」

司令部「なお、あくまでもシステムの枠組みとサンプルを提示するだけなので、具体例が少ないことはご了承ください」