【シャニマス】灯織「それは違います!」【ダンガンロンパ】 前編 

【シャニマス】灯織「それは違います!」【ダンガンロンパ】 中編 

【シャニマス】灯織「それは違います!」【ダンガンロンパ】 後編 

【シャニマス×ダンガンロンパ】灯織「その矛盾、撃ち抜きます!」【安価進行】 前編 

【シャニマス×ダンガンロンパ】灯織「その矛盾、撃ち抜きます!」【安価進行】 中編 

【シャニマス×ダンガンロンパ】灯織「その矛盾、撃ち抜きます!」【安価進行】 後編 

【シャニマス×ダンガンロンパ】灯織「私はこの絆を諦めません」【安価進行】 前編 

【シャニマス×ダンガンロンパ】灯織「私はこの絆を諦めません」【安価進行】 中編 

【シャニマス×ダンガンロンパ】灯織「私はこの絆を諦めません」【安価進行】 後編 

【シャニマス×ダンガンロンパ】灯織「これが私たちの答えです」【安価進行】 完結 

【シャニマス×ダンガンロンパ】にちか「それは違くないですかー!?」【安価進行】  前編 

【シャニマス×ダンガンロンパ】にちか「それは違くないですかー!?」【安価進行】 中編

【シャニマス×ダンガンロンパ】にちか「それは違くないですかー!?」【安価進行】 後編

2: ◆vqFdMa6h2. 2022/01/23(日) 15:24:46.29 ID:cnX2/6Pb0

【2章段階での主人公の情報】

‣習得スキル…特になし

‣現在のモノクマメダル枚数…69枚

‣現在の希望のカケラ…24個

‣現在の所持品
【ココナッツジュース】
【ジャバの天然塩】
【ひまわりの種】
【エプロンドレス】
【新品のサラシ】
【オスシリンダー】
【メスシリンダー】
【トイカメラ】
【ドライビングニトロ】
【蒔絵竹刀】
【絶対音叉】
【七支刀】
【バール】

3: ◆vqFdMa6h2. 2022/01/23(日) 15:27:35.67 ID:cnX2/6Pb0

‣通信簿および親愛度

【超高校級の占い師】風野灯織…0【DEAD】
【超社会人級の料理人】 月岡恋鐘…1.5
【超大学生級の写真部】 三峰結華…0
【超高校級の服飾委員】 田中摩美々…0
【超小学生級の道徳の時間】 小宮果穂…1.0
【超高校級のインフルエンサー】 園田智代子…0.5
【超大学生級の令嬢】 有栖川夏葉…0
【超社会人級の手芸部】 桑山千雪…10.5【DEAD】
【超中学生級の総合の時間】 芹沢あさひ…2.0
【超専門学校生級の広報委員】 黛冬優子…0.5
【超高校級のギャル】 和泉愛依…0
【超高校級の???】 浅倉透…0
【超高校級の帰宅部】 市川雛菜…0
【超高校級の幸運】 七草にちか…0【DEAD】
【超社会人級のダンサー】 緋田美琴…0

4: ◆vqFdMa6h2. 2022/01/23(日) 15:28:51.09 ID:cnX2/6Pb0
‣コロシアイ南国生活のしおり

【ルール その1 この島では過度の暴力は禁止です。みんなで平和にほのぼのと暮らしてくださいね】
【ルール その2 お互いを思いやって仲良く生活し、“希望のカケラ”を集めていきましょう】
【ルール その3 ポイ捨てや自然破壊はいけませんよ。この島の豊かな自然と共存共栄しましょう】
【ルール その4 引率の先生が生徒達に直接干渉する事はありません。ただし規則違反があった場合は別です】

【ルール その5 生徒内で殺人が起きた場合は、その一定時間後に、全員参加が義務付けられる学級裁判が行われます】
【ルール その6 学級裁判で正しいクロを指摘した場合はクロだけが処刑されます】
【ルール その7 学級裁判で正しいクロを指摘できなかった場合は、校則違反とみなして残りの生徒は全員処刑されます】
【ルール その8 生き残ったクロは歌姫計画の成功者として罪が免除され、島から脱出してメジャーデビューが確約されます】
【ルール その9 3人以上の人間が死体を最初に発見した際に、それを知らせる“死体発見アナウンス”が流れます】
【ルール その10 監視カメラやモニターをはじめ、島に設置されたものを許可なく破壊することを禁じます】
【ルール その11 この島について調べるのは自由です。特に行動に制限は課せられません】
【ルール その12 “コロシアイ南国生活”で同一のクロが殺せるのは2人までとします】

【注意 なお、修学旅行のルールは、学園長の都合により順次増えていく場合があります】

5: ◆vqFdMa6h2. 2022/01/23(日) 15:30:19.51 ID:cnX2/6Pb0
【2章学級裁判のコトダマ】

‣【モノクマファイル2】
〔被害者は桑山千雪。死亡推定時刻は午後9時前後。死体は下腹部を矢で貫かれており、内臓の損傷も激しく、出血量も多量であるため、死因は失血死であると断定する〕

‣【図書館の入退館管理カメラ】
〔図書館の入り口に設置されていたセンサー式のカメラ。利用者の入退館を感知して自動で写真を撮影する。千雪が入館する写真、冬優子が入館する写真、冬優子が退館する写真の三枚が撮影されていた〕

‣【図書館利用規則】
〔①図書館の本はみんなの共有財産です。大切に使いましょう。
②館内での飲食は禁止です。飲食物を持ち込む際はカバンに入れるようにしてください。
③館内ではお静かに。他の利用者の迷惑にならないようにしてください。
④本を借りる際は受付でバーコードを読み取り、その旨を記帳してください。
⑤一部の本は貸出禁止となっていますので借りる前に確かめるようにしてください。〕

‣【あさひの証言】
〔あさひは愛依と冬優子が花火大会を離れる際にその場に居合わせていた。愛依はあさひと冬優子に体調不良のためシャワールームのトイレに行くと告げて離脱。冬優子はあさひと結華に薬を取りにドラッグストアに行くと告げて離脱した〕


6: ◆vqFdMa6h2. 2022/01/23(日) 15:31:12.39 ID:cnX2/6Pb0

‣【ボウガン】
〔図書館の二階に落ちていたボウガン。型番は『BT-38』で、同じ型番の矢でないと撃つことはできない〕

‣【現場の血痕】
〔千雪から漏れ出た血の痕。腹から出た血液はその場に血だまりを作っており、ほかには散らされた様子もない。あくまで図書館内で千雪は殺害されたものと思われる〕

‣【凶器の矢】
〔死体のそばに転がっていた銀色の矢。型番はBT-49で、先端の矢じりには千雪の血がべったりと付着している〕

‣【血まみれの本】
〔千雪の死体の下敷きになっていた本。血液にまみれた本は中を読むこともできそうにない〕

‣【モノミの証言】
〔花火大会の最中、透と雛菜の説得に向かったところ逆に部屋で二人立ち合いの下監禁状態となってしまったので、透と雛菜は事件に関与することができない〕

‣【下剤の残りかす】
〔シャワールームのごみ箱に捨てられていた袋。中には粉末の下剤が入っていたものと思われる〕

‣【かまいたちの真夜中】
〔モノクマが今回の事件の動機として用意したゲーム。ノンフィクションのゲームであると銘打ってあり、ゲーム中では283プロの人間によるコロシアイが収録されていた。ルカと美琴のプレイではノーマルエンドにしかたどり着けなかった〕


7: ◆vqFdMa6h2. 2022/01/23(日) 15:31:45.78 ID:cnX2/6Pb0

以上スレ立てまで、学級裁判開始時はこちらのスレッドで進行します。

8: ◆vqFdMa6h2. 2022/01/23(日) 21:01:26.82 ID:cnX2/6Pb0





【学級裁判 開廷!】






9: ◆vqFdMa6h2. 2022/01/23(日) 21:02:28.79 ID:cnX2/6Pb0

モノクマ「まずは学級裁判のルールの確認から始めます」

モノクマ「学級裁判ではオマエラの中に潜む殺人犯のクロを探して議論していただきます」

モノクマ「議論の結果導き出した犯人がクロだった場合はクロだけがおしおき、シロだった場合はクロの生徒以外の全員がおしおきされ、クロのみが歌姫計画の成功者としてこの島を脱出できまーす!」

モノミ「うぅ……二回目なんて、聞きたくなかったでちゅ……」

モノミ「指をくわえることもできない自分が情けないでちゅ……歯がゆくて歯がゆくて……」

モノミ「あれ、あちしに歯ってあるのかな?」

摩美々「まさか私たちもここにまた来ることになるとは思いもしなかったケドー……」

夏葉「……この場に立つと、どうしても足が竦んでしまうわね」

果穂「夏葉さん……」

夏葉「大丈夫よ果穂、たとえ恐怖心がこみあげてきても私は逃げない」

夏葉「どんな真実であろうとも、正面から向き合う覚悟はできているわ」

ルカ「ウダウダ言ってても仕方ねえ、出来るところから始めるぞ」

(何としてもこの事件だけは……自分の手で、クロを導き出さなくちゃいけねえ)

(それがあいつにできる、せめてもの罪滅ぼしだ……)

(……千雪!)


10: ◆vqFdMa6h2. 2022/01/23(日) 21:03:29.10 ID:cnX2/6Pb0

あさひ「でも、今回は容疑者が絞られてるっすよね?」

透「え、そうなの」

ルカ「……さっきも話したが、てめェら二人を除いて、ここにいる連中は全員花火大会に参加していた。アリバイの上では十分な証言を持つ人間が大半だ」

雛菜「え~! 雛菜たちはやってないよ~~~~!」

結華「まあ、それは議論を重ねるうちにおいおい明らかにしていくとしてさ……」

結華「とりあえずはそのアリバイ整理からしていくのがいいんじゃない? ほら、花火大会参加者の中にも途中で離席した人がいるから……まずはその人の動きを把握しておくのがよさげでしょ」

恋鐘「途中で離席したのは確か……愛依と冬優子と千雪だったとよ」

愛依「う、うう……」

冬優子「……はい、途中でふゆは一度離席しました」

冬優子「でも、ふゆたちは無関係です! 事件とは全く関係ないですから!」

美琴「……それも含めて、まずは議論しようか」

(……あいつの嘘は明らかなんだ)

(まずはそれを指摘して、議論を進めていくぞ)

11: ◆vqFdMa6h2. 2022/01/23(日) 21:04:59.19 ID:cnX2/6Pb0
-------------------------------------------------
【ノンストップ議論開始!】

発言力:♡×5
集中力:☆×5

コトダマ
‣【あさひの証言】
‣【図書館の入退館管理カメラ】
‣【現場の血痕】
‣【かまいたちの真夜中】

恋鐘「花火大会途中で抜け出したのは愛依と冬優子と千雪の三人ばい!」

愛依「うちは途中でお腹が痛くなっちゃって……」

愛依「それからずっと【シャワールームのトイレにこもってた】、それだけ!」

冬優子「ふゆは愛依ちゃんの帰りが遅いから、ドラッグストアに薬を取りに行ってました!」

冬優子「【それ以外はどこにも行ってません】、もちろん図書館にも」

夏葉「千雪は確かノクチルの二人に爆発を知らせに行ったはずよ」

夏葉「……なぜか、【図書館に行っていた】みたいだけど」

雛菜「そんなの雛菜たちは知りません~」

雛菜「【雛菜と透先輩は二人で部屋にいました】し~」

雛菜「アルストロメリアのお姉さんにも合ってないです~」


【正しいコトダマで矛盾する発言を論破しろ!】

1.発言する(コトダマと撃ち込む先の発言を併せて指定安価)
2.集中力を使う(ロンパ候補の発言の数が減る)

↓1

13: ◆vqFdMa6h2. 2022/01/23(日) 21:16:17.41 ID:cnX2/6Pb0

ルカ「それは違うぞ!」論破!

【BREAK!】

ルカ「ぶりっ子女、そんな下手糞な嘘つくぐらいならやめときな」

冬優子「……ルカちゃん、ちょっとその言い方は失礼なんじゃないかな?」

ルカ「……お前がドラッグストアにしか行ってないだぁ? そんなわけがないんだよ」

ルカ「これを見ろ、お前が図書館に入ってきたことを示す動かぬ証拠、写真だよ」

美琴「図書館の入り口に設置されていた人感センサー付きの監視カメラ。図書館に誰かが入退室するたびにシャッターが下りて撮影される仕組みだったみたい」

美琴「そこに映ってたんだ。冬優子ちゃんの写真」

冬優子「……!」

ルカ「これがお前じゃないってんなら……いったい誰なんだろうな?」

智代子「どうみても、ふゆちゃんだよね……」

愛依「あ、冬優子ちゃんの双子の妹さんとか……」

あさひ「愛依ちゃん、冬優子ちゃんが一人っ子なの知ってるっすよね?」

冬優子「……わかりました、隠しても仕方ないですよね」

14: ◆vqFdMa6h2. 2022/01/23(日) 21:18:44.72 ID:cnX2/6Pb0

冬優子「はい、ふゆは図書館には確かに一度立ち寄りました。でもそれだけ、千雪さんにも会ってません」

結華「な、なんでそんな図書館なんかに? めいめいの薬を取りに行ったんじゃなかったの?」

冬優子「うん、そうなんだけどね? 愛依ちゃんの帰りが遅いから、心配になって……体調不良の愛依ちゃんの場所を探してたの」

冬優子「それで第2の島のあちこちを探してたから……それで映っちゃったのかも」

美琴「ルカ……どう?」

ルカ「……ああ」

ルカ「おい、ぶりっ子女!」

冬優子「……ルカちゃん、言葉遣いは綺麗にした方がふゆいいと思うなあ」

ルカ「言ったはずだ。下手糞な嘘をつくのはやめろってな」

ルカ「そこのギャル女を探してたから偶然図書館に立ち寄った? そんなわきゃねーんだよ」

冬優子「……!」

(こいつが図書館にギャル女を探しに行くわけがない)

(その証拠は確かにあったはずだ)

-------------------------------------------------

【正しいコトダマを選べ!】

>>5 >>6

↓1

15: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2022/01/23(日) 21:25:23.06 ID:pIZ7BDuX0
【あさひの証言】

16: ◆vqFdMa6h2. 2022/01/23(日) 21:27:18.85 ID:cnX2/6Pb0

ルカ「これだ!」

【解!】

ルカ「おい中学生、ギャル女が会場を離れるとき……このぶりっ子女も同じ場所にいたんだったな」

あさひ「はいっす、冬優子ちゃんもいたはずっすよ」

ルカ「だったらこいつも聞いたはずだよな? 『シャワールームのトイレに行く』ってよ」

冬優子「あっ……!」

ルカ「居場所は事前に知ってたはずだ、わざわざ探しに行く理由がないんだよ」

摩美々「まあ、それにそもそも証言としても信頼性に欠けるケドねー」

摩美々「愛依のことが心配だって言うんなら、それこそわざわざ一人で手間暇かけて探すかーって感じだし」

智代子「そっか……それこそ千雪さんを探した時みたいに手分けして探したほうがいいもんね!」

果穂「あれ……? だったら、ふゆさんはどうして図書館に行ったんですか?」

冬優子「そ、それは……」

ルカ「まあ、そう簡単に話しちゃくれねーよな」

夏葉「ルカ、あなたには冬優子が図書館に行った理由がわかるの?」

ルカ「いや? 私にはわかんねー」

恋鐘「そ、そいやったら議論が進まんとよ……!?」

ルカ「でも、その手掛かりとなるものを知っていそうな人間なら一人心当たりがあるぜ」

結華「ホント!? それって誰!?」

(ぶりっこ女が図書館に行った理由の一端を知っていそうな人間……)

(つまりはぶりっ子女の動向に注意していたやつってことだ)

-------------------------------------------------

【怪しい人物を指摘しろ!】

↓1

17: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2022/01/23(日) 21:45:02.54 ID:pIZ7BDuX0
千雪

18: ◆vqFdMa6h2. 2022/01/23(日) 21:48:35.58 ID:cnX2/6Pb0

(千雪……あいつがもし生きていれば、図書館で居合わせた時のことを聞けたかもわからねーが……それはもう無理な話だ)

発言力:♡×5→♡×4

(今生きている人間の中で、あいつに注目している人間がいなかったか……?)

(花火大会の最中じゃなくとも、【準備中】とか……特にこのぶりっ子女に目を向けている人間がいたような……)

-------------------------------------------------

【怪しい人物を指摘しろ!】

↓1

19: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2022/01/23(日) 21:51:10.35 ID:pIZ7BDuX0
美琴

20: ◆vqFdMa6h2. 2022/01/23(日) 21:53:20.97 ID:cnX2/6Pb0

ルカ「お前だ!」

【解!】

ルカ「美琴、お前確か花火大会の前、やたらぶりっ子女のことを気にしてたよな?」

美琴「え?」


≪結華「よし、それじゃ今度こそ解散だね!」

摩美々「お疲れさまでしたぁ」

千雪「花火大会、いい思い出にしましょう!」

ルカ「美琴、私たちも行こうぜ」

美琴「うん」

ルカ「……? 美琴、どうかしたか?」

美琴「……ううん、なんでもない」

ルカ「……? まあ、いいか……」

(美琴の奴……どうしたんだ?)

(今美琴がぼうっと見てたのは……ストレイライトのぶりっ子女か? 一体、どうして……?)≫


ルカ「あの時にお前、何を見てたんだ? ぶりっ子女で、何か気になるところがあったんじゃないか?」

美琴「……えっと、準備の時だよね?」

美琴「……」

21: ◆vqFdMa6h2. 2022/01/23(日) 21:54:47.91 ID:cnX2/6Pb0

美琴「あ、思い出した」

美琴「冬優子ちゃん、あの時何か紙を持っていたの……確か」

果穂「紙……ですか?」

美琴「うん、他の人の目を避けるようにして持っているようだったから……何か大事なものなのかなって」

冬優子「そ、それは……」

あさひ「冬優子ちゃん、何を隠してるっすか?」

冬優子「……っ」

夏葉「……誰かに、呼び出しを受けていたんじゃないかしら」

智代子「よ、呼び出し!?」

夏葉「そうでもないと図書館にわざわざ行く理由がないわ。それに、美琴が目撃したという紙も、その呼び出し状だと考えれば納得がいく」

冬優子「う、うぅ……」

果穂「じゃあ、冬優子さんはあたしたちの誰かに、図書館に呼ばれてたってことですか?」

ルカ「どうなんだよ」

冬優子「……………………」



冬優子「……はい、美琴さんの見たとおり、呼び出しがあったのは本当です」



22: ◆vqFdMa6h2. 2022/01/23(日) 21:56:03.90 ID:cnX2/6Pb0

美琴「……!」

冬優子「ふゆは花火大会の前に呼び出しの手紙を受け取ってました。そして花火大会の最中にその指示に従って抜け出したんです」

恋鐘「て、手紙……誰から受け取ったと!?」

冬優子「それは……ふゆにもわからなくて」

摩美々「灯織と同じパターンで、差出人不明なわけだー」

透「ポストに入れたりしたらわかんないもんね、誰か」

智代子「ふゆちゃん、その手紙にはなんて書いてあったの?」

冬優子「え……?」

智代子「わざわざ花火大会の最中に抜け出すんだもん、よっぽどのことが書いてあったんだよね! その……にちかちゃんが灯織ちゃん宛に書いたときみたいな……」

冬優子「えっと……その……」

果穂「ふゆさん……?」

ルカ「何を口ごもることがあんだよ、お前にとっちゃ重要な局面だぞ」

美琴「……うん、呼び出しが事実だって証明できれば冬優子ちゃんに対する疑いが幾分か弱まる可能性はある」

冬優子「で、でも……」

ルカ「……あ?」




冬優子「ごめんなさい……その呼び出しの中身は、言えないんです」




23: ◆vqFdMa6h2. 2022/01/23(日) 21:57:18.80 ID:cnX2/6Pb0

ルカ「はぁ……?」

冬優子「……でも! 図書館に呼び出されていたのは本当なんです! ふゆは、あの場所に誘われただけだったんです!」

夏葉「……物証はない、内容を明かすこともできない。裏を取れるのは真偽不明の美琴の証言だけ」

夏葉「……冬優子、あなたへの疑念はむしろ強まったかもしれないわ」

愛依「そ、そんな!」

雛菜「あは~、そうですね~?」

雛菜「だって、この状況で隠し事なんて普通やらなくないですか~? 何かそこに、後ろめたいことでもないとしないですよね~」

愛依「ち、違うって……冬優子ちゃんはなんかジジョ―があるだけなんだって!」

愛依「ね、ねえ……あさひちゃん!?」

あさひ「……そうっすね」

あさひ「冬優子ちゃん、わたしもこの状況で嘘とか隠し事は良くないと思うっす」

冬優子「あ、あさひちゃん……」

あさひ「でも、冬優子ちゃんがわざわざそうするってことは必ず意味があるってことっすよね? それなら、わたしは冬優子ちゃんのために戦うっすよ」

愛依「……うん、うちもあさひちゃんと一緒! 冬優子ちゃんがこう言うってことは絶対何か大きな意味があるはず!」

愛依「冬優子ちゃん、うちは信じてるよ……絶対に冬優子ちゃんはクロなんかじゃないって!」

24: ◆vqFdMa6h2. 2022/01/23(日) 21:58:36.18 ID:cnX2/6Pb0

摩美々「盛り上がってるとこ悪いんだけどさぁ……愛依も有力容疑者ってこと忘れてないー?」

愛依「え」

結華「めいめいも花火大会の最中にアリバイがなかったのは事実だしね……図書館のカメラに写ってはいなかったけど、怪しいっちゃ怪しいんだよ……」

愛依「で、でもうち……ずっとトイレにいただけだから……」

美琴「それに、ノクチルの二人も」

透「え」

雛菜「へ~?」

智代子「何をしてたのかまだ全然明らかになってないもん、三人の話ももっと聞いてみないとね!」

透「でも……うちら、なんもないよ」

透「さっき雛菜が言った通り、ずっと部屋にいただけだしさ」

夏葉「追求したとて、これ以上の証言は出てこないようね……」

ルカ「こいつらの言ってることはどっちも間違っちゃいねーと思う」

美琴「ルカ?」

ルカ「ギャル女にノクチル、どっちの証言にも裏付けとなる証拠があるんだよ」

あさひ「そっすね、冬優子ちゃんはまだしも愛依ちゃんは嘘なんかついてないと思うっす」

冬優子「……」

(ギャル女がずっとシャワールームのトイレに籠ってた……)

(その証言を裏付ける、籠る理由となった証拠品があったはずだ……)

-------------------------------------------------
【正しいコトダマを選べ!】

>>5 >>6

↓1

25: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2022/01/23(日) 22:02:25.78 ID:M07dgtlT0
下剤の残りかす

26: ◆vqFdMa6h2. 2022/01/23(日) 22:05:53.88 ID:cnX2/6Pb0

ルカ「これだ!」

【解!】

ルカ「海水浴場のシャワールーム、その中央にある大広間。あそこにはゴミ箱があったのは全員知ってるよな」

果穂「はい! のみもののペットボトルをいれたりするゴミ箱です!」

ルカ「あの中に入ってたんだよ、下剤の粉末薬……その残りかすがな」

果穂「げざい……ってなんですか? おくすりの何かなんですか?」

夏葉「……そうね、酸化マグネシウムのようなものが代表的で、腸内の浸透圧を高めて動きを活性化させる薬よ」

果穂「え、えっと……」

智代子「だ、大丈夫だよ果穂! お薬って分かってればそれで充分、うん!」

透「あー、あれだ」

透「めっちゃ出る奴」

智代子「ダメだよ透ちゃん?! そこより先は、言っちゃダメだよ!?」

透「お尻から」

智代子「それはもうほとんど言っちゃってるよ!?」

27: ◆vqFdMa6h2. 2022/01/23(日) 22:07:30.59 ID:cnX2/6Pb0

ルカ「……まあ、とにかくギャル女の発言には妥当性があるってことだ」

ルカ「他の人間の誰かに薬を盛られたせいで動けなかった、その可能性は高い」

愛依「……」

あさひ「愛依ちゃん?」

ルカ「……あんまりこの話題の議論するのも問題だろうから、次いくぞ」

ルカ「ノクチルの二人、お前らのアリバイも裏付ける証拠がある」

雛菜「そうなんですか~? まあもともと雛菜たちは事件と無関係なので、当然っちゃ当然ですけど~」

(ノクチルの連中のアリバイを裏付ける証拠は……あれだ)

-------------------------------------------------
【正しいコトダマを選べ!】

>>5 >>6

↓1

28: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2022/01/23(日) 22:24:06.70 ID:pIZ7BDuX0
【モノミの証言】

30: ◆vqFdMa6h2. 2022/01/23(日) 22:27:01.78 ID:cnX2/6Pb0

ルカ「これだ!」

【解!】

ルカ「そこで縛られてる不細工な人形、あいつがこいつらの証言を裏付けるんだ」

モノミ「……あ、あちしでちゅか?」

モノクマ「こらー! ボクの許可なしに勝手に喋らない!」

あさひ「モノクマ、議論に必要なことっすよ。今だけしゃべらせてあげてほしいっす」

夏葉「公平な議論のため、証言を要求するわ」

モノクマ「こいつの証言なんかが参考になるの? 出来損ないの妹を持つ兄は訝しんだ」

モノクマ「まあでもいいや、裁判のためだもんね。ン許可するゥ」

雛菜「モノミ、雛菜たちのアリバイを保証して~?」

モノミ「はい! わかりまちた!」

モノミ「確かにノクチルの二人はミナサンが花火大会の時間中、ずっとお部屋にいまちたよ。あちしは花火大会に参加しないか説得を試みたんでちゅが……」

モノミ「二人には断られて、そのままあちしの身体をまさぐられて遊ばれてしまいまちた……」

あさひ「えー! いいなぁ! わたし、まだ研究全然できてないのに―!」

(……諦めてなかったのか)

31: ◆vqFdMa6h2. 2022/01/23(日) 22:27:51.50 ID:cnX2/6Pb0

透「なんだっけ、飛んで火にいる夏の虫ってやつ?」

雛菜「わざわざ部屋に乗り込んできたからカギ閉めて隅々まで調べちゃった~!」

モノミ「あちしの純情は弄ばれてしまいまちた……」

雛菜「モノミはね~、お尻の辺りにホクロがあるんだよ~!」

(ほ、ホクロ……!?)

智代子「お、お尻を見たの!?」

雛菜「うん、おむつを剥いたので~」

智代子「剝いちゃったの!?」

雛菜「剥いちゃいました~」

智代子「そんな甘栗みたいに!?」


32: ◆vqFdMa6h2. 2022/01/23(日) 22:28:29.72 ID:cnX2/6Pb0

ルカ「まあ、とにかく。花火大会参加者じゃない連中も、ぶりっこ女を除いて一応アリバイはあるんだ」

ルカ「やっぱり詰めていくべきはお前だろ」

冬優子「……で、でも……本当に、知らないの……!」

雛菜「そもそも~、その呼び出しって本当だったんですか~?」

雛菜「あくまでシーズのお姉さんの推測だし~、中身を見せない教えないって変だし~」

恋鐘「呼び出しが嘘やったと? そいやったら……なんで冬優子は図書館に行ったばい?」

透「殺すため」

(……!)

透「それしかなくない?」

冬優子「と、透ちゃん……!?」

夏葉「……それも含めて、まずは冬優子の行動について議論しましょう」

夏葉「冬優子は呼び出されたという図書館で何をしたのか」


33: ◆vqFdMa6h2. 2022/01/23(日) 22:29:49.15 ID:cnX2/6Pb0
-------------------------------------------------
【ノンストップ議論開始!】

発言力:♡×4
集中力:☆×5

コトダマ
‣【図書館の入退館管理カメラ】
‣【あさひの証言】
‣【モノクマファイル2】
‣【凶器の矢】

冬優子「ふゆは呼び出されただけなんです……」

冬優子「千雪さんとも会ってません!」

雛菜「でも呼び出された証拠も開示できなくて内容も話せないとか~」

雛菜「そんなことってあるんですかね~」

愛依「何か冬優子ちゃんにはジジョ―があるんだって!」

摩美々「事情はさておいてさぁ……【千雪とも会ってない】のは流石に怪しくないー?」

結華「さっきの写真でも【千雪姉さんが先に図書館に入ってた】し……」

結華「中で会って当然って思うよね……」

果穂「冬優子さんは図書館で会った千雪さんの」

果穂「おなかに【凶器を刺しちゃった】んですか……?」

冬優子「ち、違うの……」


【正しいコトダマで矛盾する発言を論破しろ!】

1.発言する(コトダマと撃ち込む先の発言を併せて指定安価)
2.集中力を使う(ロンパ候補の発言の数が減る)

↓1

34: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2022/01/23(日) 22:49:17.13 ID:M07dgtlT0
【凶器を刺しちゃった】に【凶器の矢】

35: ◆vqFdMa6h2. 2022/01/23(日) 22:51:54.05 ID:cnX2/6Pb0

ルカ「それは違うぞ!」論破!

【BREAK!】

ルカ「千雪の死因は確かに腹部への刺し傷だ。でも、刺し殺したってのは……成立しない」

果穂「え、でもこのファイルには……えっと」

智代子「腹部に深く突き刺さった凶器による臓器損傷および失血死……ってあるよ?」

ルカ「そこに書いてあるのは、あくまで凶器が突き刺さったことだけ。別に犯人が自分の手で刺したとは書いてない」

ルカ「そして、現場に残ってた凶器……あれを見る限り自分の手で刺したとは考えづらいんだよ」

美琴「千雪さんの命を奪ったのは弓矢の矢なの。先端の矢じりで命を奪ったようだけど、柱の部分は細くて手で持って使うには不適切な凶器」

美琴「刺そうとしても、途中で曲がったり折れたりしちゃったら意味ないでしょ?」

果穂「そうですね……す、すみません!」

ルカ「……別に気にするこたねーよ、腹を刺されて死んだと聞けば普通は犯人が自分の手で刺したと思うだろうからな」

36: ◆vqFdMa6h2. 2022/01/23(日) 22:53:19.66 ID:cnX2/6Pb0

恋鐘「でもそいやったとやら犯人はどうやって千雪んことば刺したったと?」

美琴「ちょっと考えてみればすぐに分かるよ。ほら、千雪ちゃんに刺さってた凶器は、弓矢の矢でしょ?」

夏葉「それはつまり……射殺ということ?」

智代子「確かに……事件現場の図書館の二階にはボウガンが置いてあったよ!」

智代子「犯人はあそこに隠れておいて、図書館にやってきた千雪さんを射殺したんだね」

あさひ「ボウガンの構造自体は簡単っす。わたしたちがイメージする銃と基本的には変わらなくて、引き金を引けば文字通りに矢が発射されるっすよ」

透「カチッ、ばーん……ぶすっ」

透「そういうことだ」

雛菜「で、それをストレイの人がやっちゃったってことなんですよね~?」

冬優子「ちょ、ちょっと待ってください! それっておかしいです……」

冬優子「さっき確認した図書館の入室記録の写真……あれだとふゆは千雪さんより後に入ってきたことになってましたよね?」

冬優子「だとしたら千雪さんより先に入って隠れて狙撃するなんてことはできないですよ!」

愛依「そーじゃん……! 千雪さんが先に入ってる以上はムジュンしちゃうんじゃん!?」

摩美々「や、別に順序が逆でもそれは変わらないでしょー……?」

摩美々「この図書館の空間の中に冬優子と千雪の二人しかいなかったのは事実なんだし、どっちが先に入ろうとも射殺が可能なのは冬優子だけだよー?」

結華「確かにそれはそうなんだよね……ふゆゆにボウガンで銃を撃つことが不可能だった証拠でもあれば話は別なんだけど……」

透「むしろ逆。うちらでも簡単に扱えるのがボウガン」

透「……でしょ?」

あさひ「……」

(……あいつがボウガンを使えなかった証拠……そんなもんはない)

(……ただ、あのボウガンが使われたかどうかは分かるんじゃねーのか?)

37: ◆vqFdMa6h2. 2022/01/23(日) 22:54:34.67 ID:cnX2/6Pb0
-------------------------------------------------
【ノンストップ議論開始!】

発言力:♡×4
集中力:☆×5

コトダマ
‣【モノクマファイル2】
‣【モノミの証言】
‣【ボウガン】
‣【凶器の矢】

果穂「千雪さんの死因は【弓矢の矢】です!」

美琴「矢はそれそのものを直接刺すには不向き」

美琴「形状と強度の問題から考えても、【本来の使い道で使った】と考えるのがよさそうだね」

智代子「犯人は千雪さんより先に図書館に忍び込んで」

智代子「【遅れてやってきた千雪さんを標的にした】んだね!」

結華「ボウガン自体の扱いは簡単みたい」

結華「ふゆゆでも使うことはできたはずだよ」

冬優子「ちがうの、ふゆは撃ってなんかない!」

透「使い方はめっちゃ簡単」

透「うちらのうち誰でも使えるってさ」

雛菜「あの図書館には【二人しかいなかった】んだし~」

雛菜「現場に会った【あのボウガンであなたが撃った】のは明らかですよね~?」

冬優子「ふゆは、何も知らないんだって……!」


【正しいコトダマで矛盾する発言を論破しろ!】

1.発言する(コトダマと撃ち込む先の発言を併せて指定安価)
2.集中力を使う(ロンパ候補の発言の数が減る)

↓1

38: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2022/01/23(日) 23:00:15.78 ID:E9Fw9h3fO
あのボウガンであなたが撃った に ボウガン

39: ◆vqFdMa6h2. 2022/01/23(日) 23:01:35.59 ID:cnX2/6Pb0

ルカ「それは違うだろ!」

【BREAK!】

ルカ「確かにあの現場に残ってたボウガンを使えばだれでも簡単に千雪を射殺することはできただろうな」

ルカ「でも、それはボウガンにちゃんとした弾があればの話だ」

恋鐘「た、たま……?」

ルカ「ハンドガンなんかでも話は聞くだろ? 銃にはそれぞれ対応している弾の口径があるからそれと合致するものを使わなくちゃならないって」

ルカ「それとおんなじだ。現場に残されていたボウガン、そして千雪の命を奪った矢とでは型番が違うんだよ」

雛菜「型番が違う……」

ルカ「どれだけ鋭利な矢じりだろうと、それが射出できないんじゃ意味がねえ。あのボウガンじゃ千雪の命を奪った矢は発射はできなかったはずだ」

智代子「な、なるほど……」

40: この選択で本日は終わりにします ◆vqFdMa6h2. 2022/01/23(日) 23:02:40.48 ID:cnX2/6Pb0

智代子「ていうか、そんな型番の違いが生まれるほどボウガンに種類ってあるんだね!?」

あさひ「多分犯人はスーパーマーケットでボウガンを調達したっすよ」

あさひ「ほら、灯織ちゃんが暗視スコープを手に入れたのもあのスーパーマーケットだったはずっす。大体の物はあそこで揃うっすから」

(……あの時、あいつと飲み交わした酒もそのスーパーで買ったんだったな)

摩美々「犯罪道具がそんなに簡単に入手可能なスーパーって問題でしょー……」

夏葉「ちょ、ちょっと待って! それっておかしいわ……!」

夏葉「あのボウガンが事件に無関係だって言うなら……どうしてあんなところにボウガンがあったの……? 図書館に備え付けの物だったとでもいうの?」

恋鐘「確かにそうやね……型番の違うボウガン、ますます意味が分からんばい」

あさひ「そうっすか? 型番が違っても犯人はボウガンを用意する必要があったんすよ?」

あさひ「それならその目的は限られてくると思うっす」

(中学生の言うとおりだ……ボウガンをこれ見よがしに犯人はあそこに配置した)

(それなら、その狙いは……)

-------------------------------------------------
【正しい選択肢を選べ!】

・犯行時刻の誤認のため
・犯行現場の誤認のため
・殺害方法の偽装のため

↓1

41: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2022/01/23(日) 23:06:13.85 ID:bMMrPvs00
犯行現場の誤認のため

43: ◆vqFdMa6h2. 2022/01/24(月) 21:01:05.98 ID:Be8zOgUb0

ルカ「これだ!」

【解!】

ルカ「現場の誤認だ……千雪の死因が腹部に刺された矢である以上、誰しもが射殺されたと思う。そこにボウガンなんて置いてあれば、誰もがそこから撃ったと思いこむはずだ」

透「一番わかりやすいもんね。矢を撃つ方法として」

摩美々「まさか投擲するわけにもいかないしねー」

夏葉「……ええ、そうね」

智代子「な、夏葉ちゃんでも流石に厳しいんじゃないかな……ほら、あの矢って細くて投げるには不向きだし!」

夏葉「智代子……何の心配をしているの」

ルカ「まあそういうことだ、図書館で千雪を狙撃するという構図を私たちが勝手に脳内で描くことを期待しての配置だったんだろ」

果穂「ということは……千雪さんは図書館じゃなくて、別の所で死んじゃったんですか?」

ルカ「わざわざ誤認させるってことはそういうことなんだろうな」

愛依「……えっ?!」

愛依「そ、それってさ……冬優子ちゃんは、クロじゃないってことなんじゃ……」

冬優子「……!」

結華「ふゆゆが犯人なら、わざわざ自分に不利な証拠を用意するとは思えないもんね」

美琴「状況だけ見ると、他の誰かが冬優子ちゃんに罪をかぶせるために配置したように見えるよね」

愛依「そ、そう……冬優子ちゃんはなんも悪くなくて、事件ともマジでムカンケーなんだよ!」



【恋鐘「その推理は下味がなっとらん!」】反論!




44: ◆vqFdMa6h2. 2022/01/24(月) 21:03:48.51 ID:Be8zOgUb0

恋鐘「それは決断を逸りすぎだと思うばい! 確かに現場にあったボウガンを冬優子が置く意味はなか!」

恋鐘「でも、それ以上に重要な証拠として……図書館の入室記録の写真はどう説明をつけるばい!?」

恋鐘「千雪と冬優子しかあの図書館には入室しとらん……しかも千雪は図書館から出とらんとよ!」

恋鐘「その問題が解決しない限りは、最有力の容疑者は冬優子のままやけんね!」

-------------------------------------------------
【反論ショーダウン開始!】

発言力:♡×4
集中力:☆×5

コトノハ
‣【図書館の入退館管理カメラ】
‣【現場の血痕】
‣【凶器の矢】
‣【血まみれの本】


恋鐘「千雪の命を奪ったのはボウガンの矢たい!」

恋鐘「矢を撃つにはボウガン以外の手段はなか」

恋鐘「でも、現場にあったボウガンと凶器の矢では型番が合わん」

恋鐘「確かにこれは不自然な謎やけど……」

恋鐘「そもそも図書館に入室したのは千雪と冬優子の二人だけばい!」

恋鐘「過程がどうあれ、千雪を撃つことができたのは冬優子だけになるとよ!」

◆◇◆◇◆◇◆◇
【発展!】

ルカ「型番が合わないボウガンを用意する必要性はない……」

ルカ「あいつの他に誰かが置いたと考えるのが自然だろ!?」

◆◇◆◇◆◇◆◇

恋鐘「議論が堂々巡りばい!」

恋鐘「前提としてあの図書館には千雪と冬優子の他に」

恋鐘「【誰も入っとらんかった】はずたい!」

恋鐘「だから千雪を撃つことができた人間は他におらんとよ」

恋鐘「も~! ルカも分からず屋やね~~~!」


【矛盾する発言を正しいコトノハでコンマ40以上で論破しろ!】

1.発言する(コトダマと撃ち込む先の発言を併せて指定安価)
2.集中力を使う(コトダマの数が減る)

↓1

45: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2022/01/24(月) 21:27:21.07 ID:2KlsoHz+0
2

46: ◆vqFdMa6h2. 2022/01/24(月) 21:30:33.39 ID:Be8zOgUb0
2 選択

【集中力を消費しました】
集中力:☆×5→☆×4

(あいつの反論は、誰も二人の他には図書館には出入りしてなかったという論点に基づく)

(なら、それを否定する材料を用意できれば……)

-------------------------------------------------
【反論ショーダウン開始!】

発言力:♡×4
集中力:☆×4

コトノハ
‣【図書館の入退館管理カメラ】
‣【凶器の矢】


恋鐘「千雪の命を奪ったのはボウガンの矢たい!」

恋鐘「矢を撃つにはボウガン以外の手段はなか」

恋鐘「でも、現場にあったボウガンと凶器の矢では型番が合わん」

恋鐘「確かにこれは不自然な謎やけど……」

恋鐘「そもそも図書館に入室したのは千雪と冬優子の二人だけばい!」

恋鐘「過程がどうあれ、千雪を撃つことができたのは冬優子だけになるとよ!」

◆◇◆◇◆◇◆◇
【発展!】

ルカ「型番が合わないボウガンを用意する必要性はない……」

ルカ「あいつの他に誰かが置いたと考えるのが自然だろ!?」

◆◇◆◇◆◇◆◇

恋鐘「議論が堂々巡りばい!」

恋鐘「前提としてあの図書館には千雪と冬優子の他に」

恋鐘「【誰も入っとらんかった】はずたい!」

恋鐘「だから千雪を撃つことができた人間は他におらんとよ」

恋鐘「も~! ルカも分からず屋やね~~~!」


【矛盾する発言を正しいコトノハでコンマ40以上で論破しろ!】

1.発言する(コトダマと撃ち込む先の発言を併せて指定安価)
2.集中力を使う(コトダマの数が減る)

↓1

47: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2022/01/24(月) 21:47:45.82 ID:2KlsoHz+0
図書館の入退館管理カメラ】

48: ◆vqFdMa6h2. 2022/01/24(月) 21:50:42.12 ID:Be8zOgUb0

恋鐘「やけん、そのカメラには千雪と冬優子の二人しか映っとらんとやろ~?!」

恋鐘「やっぱり他の人間が図書館に出入りした可能性はなか!」

発言力:♡×4→♡×3

(チッ……これじゃなかったみたいだな)

(写真そのものを否定するのは難しい、それなら別の可能性を提示するしかないか)

-------------------------------------------------
【反論ショーダウン開始!】

発言力:♡×3
集中力:☆×4

コトノハ
‣【図書館の入退館管理カメラ】
‣【凶器の矢】


恋鐘「千雪の命を奪ったのはボウガンの矢たい!」

恋鐘「矢を撃つにはボウガン以外の手段はなか」

恋鐘「でも、現場にあったボウガンと凶器の矢では型番が合わん」

恋鐘「確かにこれは不自然な謎やけど……」

恋鐘「そもそも図書館に入室したのは千雪と冬優子の二人だけばい!」

恋鐘「過程がどうあれ、千雪を撃つことができたのは冬優子だけになるとよ!」

◆◇◆◇◆◇◆◇
【発展!】

ルカ「型番が合わないボウガンを用意する必要性はない……」

ルカ「あいつの他に誰かが置いたと考えるのが自然だろ!?」

◆◇◆◇◆◇◆◇

恋鐘「議論が堂々巡りばい!」

恋鐘「前提としてあの図書館には千雪と冬優子の他に」

恋鐘「【誰も入っとらんかった】はずたい!」

恋鐘「だから千雪を撃つことができた人間は他におらんとよ」

恋鐘「も~! ルカも分からず屋やね~~~!」


【矛盾する発言を正しいコトノハでコンマ40以上で論破しろ!】

1.発言する(コトダマと撃ち込む先の発言を併せて指定安価)

↓1

49: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2022/01/24(月) 21:51:43.55 ID:2KlsoHz+0
凶器の矢

50: ◆vqFdMa6h2. 2022/01/24(月) 21:54:36.01 ID:Be8zOgUb0

ルカ「その矛盾、斬らせてもらう!」論破!

【BREAK!】

ルカ「……あの図書館に入ったのがぶりっこ女と千雪の二人だけ。その前提があるなら、ボウガンがどれほど怪しかろうと射殺した犯人はぶりっ子女が有力だろう」

冬優子「ルカちゃん、もう意地になってるのかな」

ルカ「本当に、第三者が介入した可能性はなかったのか?」

恋鐘「ふぇ? ど、どういう意味ばい?」

ルカ「千雪の死体の状況をもう一度振り返るぞ。あいつは図書館の中央で、腹から血を流して絶命していた」

果穂「……うぅ、千雪さん……おなかをおさえて苦しそうでした……」

ルカ「そしてその死体の傍らには、命を奪った矢が落ちていた」

恋鐘「そ、そうばい……あのボウガンが偽物やったとしても、犯人はやっぱり射殺を行って……」

摩美々「実際モノクマファイルに書いてあるわけだしねー、凶器は矢なのは間違いないよー」

ルカ「じゃあ、なんで矢はそこに【落ちてた】んだ?」

恋鐘「ふぇ?」

結華「……そ、そうか……! ボウガンで撃たれた矢は本来そのまま千雪姉さんに深く突き刺さったままのはずなんだ!」


51: ◆vqFdMa6h2. 2022/01/24(月) 21:55:44.05 ID:Be8zOgUb0

あさひ「体内に侵入した凶器は筋肉とか脂肪とかに引っかかって、普通は抜け落ちたりなんかしないはずっす。でも、千雪さんに突き刺さったはずの矢は地面に落ちていた」

あさひ「これっておかしいっすよね?」

透「え、てことは……誰かが矢を抜いたってこと?」

夏葉「常識的に考えて、わざわざそんなことをする必要はないわ。千雪の下腹部に矢は命中していたわけだし、撃った人物からすれば放っておけば千雪が直に命を落とすことは明らかだったはずよ」

摩美々「要は被害者の千雪と撃った犯人と、現場を荒らした人間の三人が図書館にはいたはずだってことー?」

愛依「じゃああのボウガンを置いたのは、その現場を荒らした人間になるんだ!」

ルカ「ああ、そうなるとやっぱり……」


ルカ「……あれ?」


雛菜「へ~、面白い話ですね~」

雛菜「てっきり現場には被害者と犯人の二人しかいなかったのかと思ったけど、三人目がいたなんて~」

雛菜「……でも、それって~」



雛菜「【犯人ではない誰か】が増えたってだけですよね~?」




52: ◆vqFdMa6h2. 2022/01/24(月) 21:57:27.73 ID:Be8zOgUb0

冬優子「え……」

雛菜「犯人がやるには不自然な行為をその人がやったって明らかになったことでむしろ犯人の行動はわかりやすくなりますよね~」

雛菜「花火大会を途中で離脱して、図書館にボウガンをもって侵入する」

雛菜「そしてそのまま射殺した後に退室」

雛菜「これだけの単純な話だもんな~」

冬優子「ま、待って! さっきのルカちゃんの推理だと、型番の違うボウガンを置いた理由は犯行現場の誤認のためだったでしょ?」

冬優子「なら、その犯人だと思われてる人はただ犯行を擦り付けられてるだけで、本当の犯人は別にいる……」

冬優子「その第三者が犯人なんじゃないのかな?!」

智代子「で、でも……本当にその第三者っていたのかな」

冬優子「え!?」

智代子「確かに矢が抜かれてたのは不自然だけど……入室管理記録の写真でふゆちゃん以外写ってなかった以上は、その第三者の存在もいたかどうか定かじゃないし……」

冬優子「そ、それは……!」



【モノクマ「天下分け目の関ケ原!」】対立!



56: ◆vqFdMa6h2. 2022/01/24(月) 22:11:26.24 ID:Be8zOgUb0
-------------------------------------------------
【意見対立】

【議論スクラム開始!】

「犯人は黛冬優子だ!」vs【犯人は第三者だ!】

発言力:♡×3
集中力:☆×4.5


恋鐘「千雪の命を冬優子が矢を使って奪ったばい!」

透「撃ったんでしょ、ボウガン」

智代子「ルカちゃんの推理はあくまで可能性……明確な根拠はないんだよね?」

夏葉「他の全員にはアリバイがあったのよ? やはり議論は冬優子が犯人に帰結するわ」

摩美々「図書館の入室記録の写真には千雪と冬優子の二人の写真しかなかったんだよー?」

雛菜「この期に及んで脅迫文を公開できないのも怪しいですよね~」

摩美々「冬優子は最初図書館に行ってたのを隠してた、証言にも信ぴょう性がないってー」

-------------------------------------------------
【意見スロット】

【アリバイ】
【脅迫文】
【可能性】
【嘘】
【凶器】
【写真】
【ボウガン】
-------------------------------------------------

【意見スロットを正しい順番に並び替え、敵スクラムを向かい討て!】

1.スクラムを指示する(解答)
2.集中力を使う(一部スロットが自動で正答位置に並び代わる)

↓1

57: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2022/01/24(月) 22:14:15.76 ID:2KlsoHz+0
凶器ボウガン可能性アリバイ写真脅迫文嘘

58: ◆vqFdMa6h2. 2022/01/24(月) 22:16:09.66 ID:Be8zOgUb0

【ルカ「邪魔なんだよ」】

恋鐘「千雪の命を冬優子が矢を使って奪ったばい!」
【ルカ「ぶりっこ女!」
 冬優子「ふゆじゃなくても、誰でもあの矢を使うことはできたはずだよ!」】

透「撃ったんでしょ、ボウガン」
【ルカ「メガネ女!」
 結華「実際に犯行に使ったボウガンは見つかってない……まだ議論の余地は残ってるんじゃない!?」】

智代子「ルカちゃんの推理はあくまで可能性……明確な根拠はないんだよね?」
【ルカ「ここは私が!」
 ルカ「可能性は可能性だけど、十分な妥当性はある可能性だと思うぞ」】

夏葉「他の全員にはアリバイがあったのよ? やはり議論は冬優子が犯人に帰結するわ」
【ルカ「小学生!」
 果穂「本当にみんなアリバイがあったのか……もっと議論が必要です!」】

摩美々「図書館の入室記録の写真には千雪と冬優子の二人の写真しかなかったんだよー?」
【ルカ「中学生!」
 あさひ「あの記録、そのまま飲み込んでいいんすかね? わたしはもうちょっと見当が必要だと思うっす」】

雛菜「この期に及んで脅迫文を公開できないのも怪しいですよね~」
【ルカ「ギャル女!」
 愛依「冬優子ちゃんには何かジジョ―がある……お願い、信じてあげて!」】

摩美々「冬優子は最初図書館に行ってたのを隠してた、証言にも信ぴょう性がないってー」
【ルカ「美琴!」
 美琴「嘘のすべてが悪じゃない……それが真実を導くこともあるでしょ?」】

-------------------------------------------------
【CROUCH BIND】

【SET!】

【コンマの合計値280以上で相手のスクラムを打ち破れ!】

↓直下より七回連続でコンマ判定

68: ◆vqFdMa6h2. 2022/01/24(月) 22:32:10.99 ID:Be8zOgUb0

【コンマ判定:22+81+23+77+22+63+1=289】

【全論破】

「「「「「「「「これが私たちの答えだ!」」」」」」」」

【BREAK!】

ルカ「確かに図書館の入室記録の写真は重要な証拠だ」

ルカ「でも、それと現場の状況に食い違いが発生している以上はそれを解消しないことには前に進めない」

ルカ「いつまでもそこに気を取られて議論を停滞させてんじゃねーよ」

冬優子「ルカちゃん……」

ルカ「……けッ」

夏葉「でも、私たちのアリバイがその写真の信ぴょう性は裏付けているはずだわ」

夏葉「千雪と冬優子以外の動向は全員把握済み、図書館に立ち入ったものは誰一人としていないもの」

智代子「そうだよね……正直なところ、あの写真に疑問点はないんだもん」

果穂「で、でも……あたし、ふゆさんが犯人には思えないんです……」


69: ◆vqFdMa6h2. 2022/01/24(月) 22:33:25.30 ID:Be8zOgUb0

あさひ「……ねえ、あの写真って最初に発見したのは誰だったんすか?」

ルカ「……あ?」

あさひ「あの情報って他の人づてに聞いた人が多いんじゃないっすか? わたしも愛依ちゃんと一緒に捜査をしてる時に他の人から聞いたっす」

結華「確かに、そうだったような……」

美琴「私たちだよ」

美琴「私とルカが現場を調べているときに、入り口の扉にあるのを発見したの」

あさひ「……」

愛依「あ、あさひちゃん……どうしたん?」

あさひ「美琴さんとルカさんに聞きたいっすけど、そのカメラ……発見した時はどんな状態だったっす?」

ルカ「……え?」

(カメラの、【状態】……?)


70: ◆vqFdMa6h2. 2022/01/24(月) 22:34:13.06 ID:Be8zOgUb0

≪美琴「……なんだろう、あれ」

ルカ「どうした? 美琴」

美琴「扉の上に、何か取り付けられてるの……ちょっと待って」

美琴が指さした先には何か機械のようなもの。
そう高い位置にはないが、私からすれば台が必要な高さ。美琴はそれに背伸びもほとんどしないまま手を届かせてみせた。

ピッ

美琴「……あ、【点いた】」

ルカ「んだそれ、カメラか?」

美琴「……うん、そうみたい。見て」≫


ルカ「……電源が、切れてた……!?」

あさひ「……やっぱり」

あさひ「冬優子ちゃんが犯人じゃなかったら、図書館には他に誰かが出入りしたはずっす。でも、それはカメラの写真で否定されてしまっていた」

あさひ「けど、今の二人の証言で状況は大きく変わったと思うっす」

(……こいつ……自分が持ってる情報以上の所まで思考してやがるのか……!)

美琴「ルカ、どういうこと?」

ルカ「……こいつの言ってること、私にも見えて来たぜ」

ルカ「すべての矛盾を解決する、一つの答えがな」


71: ◆vqFdMa6h2. 2022/01/24(月) 22:35:03.65 ID:Be8zOgUb0
-------------------------------------------------
【ロジカルダイブ開始!】


Q1.図書館を捜査した時、あのカメラの状態は?
A.正常に作動していた B.電源が落とされていた

Q2.桑山千雪が死んだとき、あのカメラの状態は?
A.電源が入っていた B.電源が切られていた C.センサーに細工がされていた D.レンズに目隠しされていた

Q3.カメラに工作をしたのは?
A.黛冬優子 B.桑山千雪 C.第三者 D.モノクマ


【正しい道筋を選んで推理を組み立てろ!】

↓1

72: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2022/01/24(月) 22:35:55.62 ID:2KlsoHz+0
bbc

73: ◆vqFdMa6h2. 2022/01/24(月) 22:40:44.78 ID:Be8zOgUb0

【BBC】

発言力:♡×3→♡×2

(いや、ちがう……そもそもあのカメラに細工をするにはまず図書館内にいることが大前提だ)

(そして、あのカメラが撮影した写真にはあの二人以外の人間は映っちゃいなかった)

(つまり、あのカメラに細工をしたのは……)

-------------------------------------------------
【ロジカルダイブ開始!】


Q1.図書館を捜査した時、あのカメラの状態は?
A.正常に作動していた B.電源が落とされていた

Q2.桑山千雪が死んだとき、あのカメラの状態は?
A.電源が入っていた B.電源が切られていた C.センサーに細工がされていた D.レンズに目隠しされていた

Q3.カメラに工作をしたのは?
A.黛冬優子 B.桑山千雪 C.第三者 D.モノクマ


【正しい道筋を選んで推理を組み立てろ!】

↓1

74: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2022/01/24(月) 22:49:05.08 ID:2KlsoHz+0
bbb

75: ◆vqFdMa6h2. 2022/01/24(月) 22:52:12.85 ID:Be8zOgUb0

ルカ「推理はつながった!」

【COMPLETE!】

ルカ「中学生、お前はずっと疑問に思ってたんだろ。この入室管理の写真たちの中に、どうしてあの写真が混ざってないのか」

あさひ「そうっすね。初めて見た時から、おかしいなって思ってたっす」

果穂「あさひさん……? どういうことですか?」

果穂「写真にはちゃんと千雪さんとふゆさんが写ってますよ?」

あさひ「足りてない写真は、【美琴さんとルカさんの写真】だよ」

あさひ「ほら、わたしたちよりも先に死体を発見した二人は少なくとも現場に踏み込んだ最初の人になるから、その時点でカメラの電源がついてたなら写真は撮られてないとおかしいでしょ?」

果穂「あっ……! たしかにそうですね……!」

あさひ「その写真がないってことは、美琴さん達がカメラの電源を落としたか、もっと前から電源が落ちてないとおかしいって思ったんだ!」

ルカ「当然ながら私たちが電源を切ったわけじゃない。死体を見つけてそれどころじゃなかったし……私たちもカメラに気づいたのは捜査が始まってから」

ルカ「だからちゃんと作動していたなら私たちどころかここにいる全員の写真がないとおかしいんだよ」

夏葉「なるほど……そういうことね、合点がいったわ」


76: ◆vqFdMa6h2. 2022/01/24(月) 22:53:57.59 ID:Be8zOgUb0

美琴「それに、確か私がデータを見た時……電源は切れていたと思う」

美琴「特に気にも留めていなかったけど……よくよく考えれば24時間稼働させていなければ意味のないカメラだもんね」

(おいおい……)

愛依「あれ……でも、それっておかしくない? あの写真ってさ、千雪さんが入って、冬優子ちゃんが入って、冬優子ちゃんが出て……の三枚なんでしょ?」

愛依「第三者が電源を切るんだったら、入ってくるタイミングがないじゃん!」

恋鐘「確かにそいやったら、第三者が図書館に入る時の写真もないとおかしかろうもん」

あさひ「だから、自然とそのカメラの電源を切ったのは千雪さんってことになるっす」

あさひ「冬優子ちゃんが出ていく姿はちゃんと写真に写ってるっすからね」

摩美々「えー、そうなるのかなぁ……」

摩美々「モノクマが切った可能性とか、入り口を経由せずとも電源を落とす手段はないのー?」

モノクマ「おっと、ボクに疑いをかけるのは感心しませんな!」

モノクマ「このコロシアイ南国生活において、管理者のボクと参加者のオマエラは相互不干渉の関係にあります」

モノクマ「事件を起こすにあたって肩入れをすることは一切ないと明言しておくよ! もし破ったら桜の木の下に埋めてもらって構わないからね!」

結華「いやいや、相互不干渉とか言って、思いっきり動機も用意してるじゃん……」

智代子「あくまで事件中は協力しないってことかな……」

77: ◆vqFdMa6h2. 2022/01/24(月) 22:55:26.50 ID:Be8zOgUb0

透「図書館に入り口以外から侵入する方法……は考えてもしゃーない感じか」

透「アリバイ、みんなあるしね」

夏葉「となると消去法的にあのカメラの電源を落としたのはやはり千雪になるのね……」

美琴「ということは、冬優子ちゃんが図書館を出ていったとき……彼女は生きていたことになるね」

雛菜「あは~?」

ルカ「ああ、カメラの電源を落とすことは死人にはできやしない。ぶりっこ女が目撃したとかしてないだとかもはや関係ない」

ルカ「あいつが図書館に入ってから出るまで、千雪は一滴の血も流しちゃいなかったんだよ……!」

愛依「そ、それってつまり……」

冬優子「ふゆの無実が証明されたんですね……!」

あさひ「……」

78: ◆vqFdMa6h2. 2022/01/24(月) 22:56:13.00 ID:Be8zOgUb0




雛菜「違いますよね~?」





79: ◆vqFdMa6h2. 2022/01/24(月) 22:58:05.42 ID:Be8zOgUb0

雛菜「カメラを切ったのは被害者、しかも容疑者のストレイの人が出て行った後に切られたのは間違いない」

雛菜「それはそうですけど~、それって無実を証明したことになります~?」

愛依「ひ、雛菜ちゃん……!?」

愛依「いやいやいやいや、冬優子ちゃんが図書館を出た時には千雪さんはまだ生きてたんだよ!? だったら……」

雛菜「そう、そこまでですよね~」

雛菜「今証明されたのは、ストレイの人の退出時に被害者はまだ生きていたってだけ。それ以降のカメラが作動していない時間に図書館に戻ってきて殺害した可能性も全然残ってますよ~?」

冬優子「え、ええ!? そ、そんなわけない……ふゆ、それ以降は本当に図書館には行ってません!」

雛菜「でも、それを証明できますか~?」

冬優子「……そ、それは……」

雛菜「花火大会が終わるまでずっと、海岸には戻ってこなかったって聞きましたけど?」

冬優子「ふゆはそれ以降は、ドラッグストアに……」

雛菜「そのアリバイを証明する人って他にいます~?」

冬優子「……い、いない……でも違うの! ふゆじゃない……!」


80: ◆vqFdMa6h2. 2022/01/24(月) 22:58:54.45 ID:Be8zOgUb0

雛菜「他のみんなはアリバイあるんですよね~」


冬優子「そ、それでも……!」


雛菜「むしろこの写真を改めて見てみると、入室の時って手ぶらで凶器の一つも持ってないし……」


冬優子「ちがう……」


雛菜「ここで一度口論になって、スーパーに凶器を取りに走ったとか~」


冬優子「ちがう、ちがうんだって……」



雛菜「どう考えても犯人はあなたですよね~?」



81: ◆vqFdMa6h2. 2022/01/24(月) 22:59:49.50 ID:Be8zOgUb0





冬優子「あ~~~~~~~~! もう、うっさいわね!」






82: ◆vqFdMa6h2. 2022/01/24(月) 23:00:54.75 ID:Be8zOgUb0

冬優子「あんたさっきからねちっこくしつっこいのよ、いい加減にしなさいよ!」

冬優子「斑鳩ルカがさんざん言ってるでしょ、あの事件現場の証拠はふゆを犯人に仕立て上げるために揃えられたものばっかなのよ!」

冬優子「何? あのボウガンとかふゆは全く知らないし、使ったこともない。射殺するなんてもってのほかなんだから!」

冬優子「出ていってからもふゆは一度も戻ってない、ドラッグストアに行くって一度言った手前そのつじつま合わせに必死だったんだっつーの!」

冬優子「もうピーチクパーチクうっさいのよ、重箱の隅を楊枝でほじくるような真似ばっかして!」

冬優子「ふゆは本当に、正真正銘潔白の無実なんだから! いい加減に理解しなさいよね!」




ルカ「……は?」




83: ◆vqFdMa6h2. 2022/01/24(月) 23:02:25.74 ID:Be8zOgUb0

冬優子「はぁ……はぁ……何よ」

愛依「ふ、冬優子ちゃん冬優子ちゃん」

冬優子「はぁ……はぁ……愛依まで何? 今ふゆ滅茶苦茶イラついてんだけど」

愛依「で、出てる! 冬優子ちゃんの……冬優子ちゃんが出てるって!」

冬優子「はぁ? あんた何言って……」

冬優子「……」

冬優子「…………」

冬優子「…………………………………………………………………………」




冬優子「…………………………………………………………………………あっ」



「「「「「「………………………………」」」」」」


84: ◆vqFdMa6h2. 2022/01/24(月) 23:04:27.75 ID:Be8zOgUb0




「「「「「「「えええええええええ!?!??!?!?」」」」」」





88: ◆vqFdMa6h2. 2022/01/25(火) 20:59:56.77 ID:AY0G9Zdm0

智代子「え、えええええええええええ!?!?」

夏葉「い、今何が起こったの……?」

透「おー……アンビリーバボー……」

摩美々「ちょ、ちょっと……こんな冬優子……見たことないんですケド」

美琴「びっくりした……」

冬優子「……」

冬優子「な、なーんて、冗談です♡」

結華「ふ、ふゆゆ……流石に手遅れだと思う」

冬優子「……」

冬優子「……はぁぁぁぁぁぁぁ……これ、もうどうしようもないやつ?」

あさひ「どうしようもないやつっすね」

冬優子「これ、もう隠せないやつ?」

愛依「隠せない系だと思う」

冬優子「……はぁ、そうよ、そうなの。ふゆはもともとこういう人間」

冬優子「やらかした……かんっぜんに頭に血が上ったわ……」

89: ◆vqFdMa6h2. 2022/01/25(火) 21:01:34.03 ID:AY0G9Zdm0

雛菜「……」

智代子「ひ、雛菜ちゃん戻ってきて!? 確かにびっくりだったけど!」

冬優子「あんたのせいよ、今までずっとこいつら以外には隠してきてたのに……こんなところで暴かれるなんて屈辱だわ」

恋鐘「暴かれるというか、自分から曝け出しとったばい」

果穂「あ、あたしまだよくわかってません……」

夏葉「……果穂、今まで冬優子が私たちに見せていた顔は彼女の素ではなかったということよ」

夏葉「今見せている冬優子こそが本来の冬優子、ということらしいわ」

果穂「本当の、ふゆさん……」

冬優子「そういう言い方をされると少しだけ癪ね。ふゆからすれば別にアイドルとしてのふゆも普段のふゆもふゆ自身であることには変わりないの」

冬優子「ただ使い分けていただけ、その方が都合もよくて、皆にも愛される」

冬優子「……ごく一部の例外を除いてね」

果穂「あさひさんと愛依さんは、ずっと知ってたんですか……?」

あさひ「うん!」

愛依「うちも……ユニットで活動し始めてからすぐに、今の冬優子ちゃんを見せてもらったんだ」

90: ◆vqFdMa6h2. 2022/01/25(火) 21:02:25.44 ID:AY0G9Zdm0

冬優子「もうこの際だから一切合切全部話すわね」

冬優子「ほら、市川雛菜。あんたが見たがってた脅迫状……これのことでしょ」


そういうとぶりっ子女は懐にしまい込んだくしゃくしゃの紙を私たちの目の前で広げた。
コピー用紙ほどの紙質だろうか、全体に走る折り目で多少見づらくはあったもののその内容は見て取れる。乱れた筆跡でこう書かれていた。

『黛冬優子 お前の本性を私は知っている
 もし他の連中にばらされたくなければ図書館に来い
 他の誰かを連れてこようものなら即座に噂を流す』


冬優子「あんたたちに素のふゆを隠すようにしていたから、これを見た時は相当に焦ったわ」

冬優子「ここまでふゆが積み上げてきたものを、勝手に突き崩そうってんだから」

冬優子「何としてもそれだけは防がないと、その一心でふゆは一人で図書館に行ったわけ」

冬優子「ま、もうこうなっちゃったわけだから……意味もないけどね」


コトダマゲット!【冬優子宛の脅迫状】
〔事件当日冬優子のもとに送り届けられた脅迫状。図書館に来なければ彼女の本当の性格を言いふらす旨が書かれており、これを防ぐため冬優子は図書館へと向かった〕

91: ◆vqFdMa6h2. 2022/01/25(火) 21:04:27.54 ID:AY0G9Zdm0

ルカ「……色々と言いたいことはあるだろうが、こいつがこれまで主張していた脅迫状が届いたってのはどうやら本当みたいだ」

ルカ「こいつの性格を見越して、この紙を全員に共有は出来ないだろうと踏んでのことだったんだろうけど……やりすぎたみたいだな」

冬優子「これでもふゆが犯人だって主張する? 偽装工作のやりすぎでおかしくなった犯人とでも糾弾するのかしら」

雛菜「む~……」

冬優子「はぁ、でもこれでスッキリしたわ。ずっと我慢してたものを一気にぶちまけるのは中々に爽快ね」

冬優子「……その代償として、一気に全部失ったわけだけど」

(……私にこいつらの間柄のことはわからねえ)

(でも、ここまでひた隠しにし続けた本性。それを打ち明ければ本人とその周囲との関係性が変わらないはずがない)

(……こいつの内心は私たちが推し量れるような状態ではないだろうな)

愛依「冬優子ちゃん……」

あさひ「……」

冬優子「……はぁ」


そのため息は重たかった。
ずっと肩にのせていた重荷を下ろした一方で、新たに背負い込むこととなった諦観と失望。
さっき自身が言った通り、今この瞬間にこれまで積み上げてきたものは完全に瓦解してしまった。
仲間との間に横たわる絆なんかも、もう失われてしまうかもしれない。
彼女は力なくその手で証言台を掴んだ。膝から下は力が抜けて、引っこ抜かれた柳の木のよう。失意という状態をそのまま写し取ったようだ。

92: ◆vqFdMa6h2. 2022/01/25(火) 21:05:53.69 ID:AY0G9Zdm0


……でも、そんな彼女を救い上げる者がいた。



果穂「ふゆさんは何も失ってなんかいません!」



小学生は溌溂とした笑顔で、外野で聞いていた私の耳を劈くほどの声量で言い放つ。
他の連中もそれは同じ事、一気に小学生のもとに視線を向けて、やがて追従を始める。

冬優子「えっ……?」

恋鐘「そうばい! 何を勘違いしとるか知らんけど、うちらがそんぐらいのことで冬優子のことを嫌いになるなんてことあり得んたい!」

結華「……うん、むしろふゆゆの本音を聞けて嬉しいかな」

夏葉「ふふ……クリスマスのマラソンの時の情熱、やはり私の見当違いではなかったようね」

美琴「素敵だと思う。それも、冬優子ちゃんの魅力じゃないかな」

果穂「あたし、すっごくすっごくかっこいいと思います! 今まで見ていたふゆさんも、今初めて見たふゆさんも、どっちも!」

冬優子「……あんたたち」


こいつにはその光景が信じられないものとして映ったらしい。
それもそうだろう、ずっと連中に本性を隠し続けてきたということは、少なかれバレてしまうことに怯えている部分があったということ。
かつて、そういった経験があったのか。
私にはそれを知る術はないが、口をパクパクと動かす姿を見ると、『報われた』という言葉を持ち出さずにはいられなかった。


あさひ「よかったっすね、冬優子ちゃん!」

冬優子「……うっさい」


93: ◆vqFdMa6h2. 2022/01/25(火) 21:07:45.13 ID:AY0G9Zdm0

顔を背けて本音を話さない辺り、照れ屋な部分があるのだろう。少しだけ自分自身と重なるようでこそばゆい。
一旦の落着を見た私は、話題の転換を申し出る。


ルカ「まあその、なんだ……えっと……」

冬優子「あら、どうしたの? ははーん、あんた、ふゆの呼び方に困ってるんでしょ」

ルカ「は、はぁ? う、うっせえ……!」

冬優子「『ふゆちゃん』でいいわよ」

ルカ「だ、誰が呼ぶか……!」

ルカ「とにかく、こいつの疑いはだいぶ薄くなったはずだ。脅迫状の存在が確定した以上、犯行現場の偽装をする必要はないしな」

夏葉「ええ、今の冬優子の様子を見ていても嘘をついているようには思えないわ」

摩美々「でも、アリバイがないのって冬優子だけなんだよねー……これがある限り、しょーじき他の人間に疑いかけようがないっていうかぁ……」

愛依「花火大会に参加してたみんなはお互いのアリバイを保証してるんだもんね……」

透「うちらはモノミが見てくれてたしさ」

モノミ「はいっ! 二人のアリバイはあちしが保証しまちゅよ!」

恋鐘「そいやったら愛依はどがんね? 愛依も下剤を盛られた証拠はあったけど、ずっとトイレにおったかはわからんと」

愛依「そ、それはさ……」

智代子「あんまり追求したくはないけど……その可能性はあるのかな……?」

(……ダメだ、アリバイは全員にしっかりと残っている)

(逆に、ストレイライトの連中だけが宙ぶらりんな面があって……なんだか誘導されているような気もする)

(……なんとなく気持ち悪いな)

94: ◆vqFdMa6h2. 2022/01/25(火) 21:08:39.39 ID:AY0G9Zdm0

美琴「ねえ、ルカ」

ルカ「美琴……どうしたんだよ、急に」

美琴「アリバイって本当に大事なのかな」

ルカ「はぁ……そりゃそうだろ」

美琴「……にちかちゃんの事件の時、にちかちゃんはみんなの目の前で灯織ちゃんを殺害したよね」

ルカ「あれは……アリバイとか以前の話だろ」

美琴「うん。でも……他の人の目さえ欺けば、一緒にいながらでも殺害はできるってことだよね」

ルカ「……美琴、それって」

美琴「アリバイ関係なく殺害できる方法はないのかな」

ルカ「……アリバイ、関係なく……だと……?」

(今回の殺害に用いられた凶器はボウガン、そのことは間違いないはずだ)

(だとしたら普通、ちゃんと狙いを定めて撃つ必要がある……加害者と被害者が同じ場所にいることは大前提)

(花火大会にいながら、図書館にいる千雪を殺害する方法があるってのか……?)

美琴「ルカ、改めて状況を整理してみて」

美琴「これまでに出てきた情報を繋ぎ合わせて、新しい可能性を見つける」

美琴「……できるかな」

ルカ「ハッ……上等だよ」

(私の勘があいつは犯人じゃないと言ってる……だったら、その勘を信じて進むまで)

(私の行く道は、誰にも指図させねえ……!)


95: ◆vqFdMa6h2. 2022/01/25(火) 21:10:12.42 ID:AY0G9Zdm0
-------------------------------------------------
【ロジカルダイブ開始!】

発言力:♡×2


Q1.図書館に置かれたボウガン、その目的は何を誤認させることにあった?
A.犯行時刻 B.犯行方法 C.犯行現場 

Q2.犯人はアリバイを確保したままどうやって犯行に及んだ?
A.他の人間に殺害させた B.被害者自身にやってこさせた C.トラップを仕掛けた D.本当は犯人なんていない

Q3.桑山千雪はどこで命を落とした?
A.図書館内 B.図書館の外


【正しい道筋を選んで推理を組み立てろ!】

↓1

96: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2022/01/25(火) 21:15:56.35 ID:SXvc47wI0
aba

97: ◆vqFdMa6h2. 2022/01/25(火) 21:20:20.88 ID:AY0G9Zdm0

発言力:♡×2→♡×1

(うーん……犯人の仕掛けた偽装工作、あれは図書館で襲撃されたと誤認させるためのものだったよな)

(つまり、犯人は別の所でボウガンを撃ったことになる……)

(でも、ストレイとノクチル以外の人間は全員花火大会にいた)

(そしてそのうちの誰も千雪には会ってない……)

(ともなると、千雪を殺害する方法って……)

-------------------------------------------------
【ロジカルダイブ開始!】

発言力:♡×1


Q1.図書館に置かれたボウガン、その目的は何を誤認させることにあった?
A.犯行時刻 B.犯行方法 C.犯行現場 

Q2.犯人はアリバイを確保したままどうやって犯行に及んだ?
A.他の人間に殺害させた B.被害者自身にやってこさせた C.トラップを仕掛けた D.本当は犯人なんていない

Q3.桑山千雪はどこで命を落とした?
A.図書館内 B.図書館の外


【正しい道筋を選んで推理を組み立てろ!】

↓1

98: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2022/01/25(火) 21:23:27.22 ID:SXvc47wI0
ccb

99: ◆vqFdMa6h2. 2022/01/25(火) 21:27:08.83 ID:AY0G9Zdm0

【発言力がゼロになりました】

【クリア後報酬が半減しました】

【コンテニューを行うため発言力が最大まで回復します】

(……いや、あと少し、あと少しなんだ)

(現場の状況をよく思い出せ……千雪は図書館の外で襲われたんだろうが……実際に死んだ場所はどうだ……?)

(あいつの流した血液に何かヒントはないか……?)

-------------------------------------------------
【ロジカルダイブ開始!】

発言力:♡×5


Q1.図書館に置かれたボウガン、その目的は何を誤認させることにあった?
A.犯行時刻 B.犯行方法 C.犯行現場 

Q2.犯人はアリバイを確保したままどうやって犯行に及んだ?
A.他の人間に殺害させた B.被害者自身にやってこさせた C.トラップを仕掛けた D.本当は犯人なんていない

Q3.桑山千雪はどこで命を落とした?
A.図書館内 B.図書館の外


【正しい道筋を選んで推理を組み立てろ!】

↓1

100: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2022/01/25(火) 21:29:37.69 ID:dB96vFuA0
CCA

101: ◆vqFdMa6h2. 2022/01/25(火) 21:30:36.05 ID:AY0G9Zdm0

ルカ「推理はつながった!」

【COMPLETE!】

ルカ「おい、待て! ちがう、私たちが話し合うべきはアリバイなんかじゃねー」

ルカ「アリバイを確保したうえで、千雪を殺害したその方法なんだよ……!」

愛依「あ、アリバイを確保したうえで……殺害……?」

冬優子「それってつまり、花火大会に参加していた人間に犯人がいるって言いたいわけ?」

ルカ「まあ、私の直感ではあるんだけど……花火大会を途中で離脱した連中はどうも怪しく思えない。発言も要領を得ないし、疑いを晴らすための回答も用意していない」

ルカ「目をそちらに向けさせて、自分から疑いの目をそらそうとしてるように思えるんだよ」

摩美々「や、いくら気持ちは分かるケド……だからといって、アリバイを確保したまま、なんて理想論が過ぎないー?」

結華「アリバイがあるってことは、その場を動いていないってことだから……物理的に千雪姉さんに接触すらできないよね?」

ルカ「だから、接触する必要がないってことだ」


102: ◆vqFdMa6h2. 2022/01/25(火) 21:31:35.28 ID:AY0G9Zdm0

透「被害者と犯人が遭遇しない殺害方法ってこと?」

あさひ「そっすね、例えばトラップを仕掛けるとかは可能かもしれないっす」

あさひ「よくドラマとかであるじゃないっすか、時間が経つと銃が発射される装置とか、勝手に降ってくるハンマーとか」

あさひ「千雪さんの行動さえ抑えておけば、本人がその場にいなくても殺害できるトラップを作ることは可能だと思うっすよ」

果穂「トラップってことは……ワナですか!?」

結華「被害者をジェットコースターに載せて、途中にピアノ線を仕掛けておけば勝手に首が飛ぶ! みたいなやつだ!」

摩美々「なにそれ三峰猟奇的―」

結華「あ、ありゃ……? マイナーだった……? 高校生探偵が小さくなる直前のお話なんだけど……?」

夏葉「千雪の死因はあくまで腹部を突き刺したあの矢よね? だとしたらそれを利用したトラップということになるけれど……」

夏葉「図書館にはそんな設備は見当たらなかったわよ?」

ルカ「だから、いつまで図書館の話をしてんだよ。千雪は図書館を途中で出た、それならトラップは別に外に仕掛けておいてもいい」

智代子「え? そ、外……?」

ルカ「ああ、むしろ犯人からすればそこまでお見通しだったのかもな。千雪が花火大会の最中に図書館を訪れて、そしてその後出ていくまで」

恋鐘「ふぇぇぇ!? は、犯人は何者たい!?」

恋鐘「千雪が図書館にやってきて、そのあと移動するなんてどうしてわかると!?」

夏葉「そうね……それなら次はどうして犯人はそんなトラップを用意することができたのかについて話し合ってみましょうか」

雛菜「犯人がどうして被害者の行動を掌握していたのかってことですよね~?」

美琴「それはつまり……どうして千雪さんがあの図書館にやってきたのかを指すことにもなるよね」

愛依「それこそ冬優子ちゃんなんか知らんの?」

冬優子「知んないわよ……何度も言うけどふゆは桑山千雪には図書館では一度も会ってない。理由なんかピンともスンとも来ないわよ」

(そういえばそうだ……ストレイのあいつは脅迫状をもらったからやってきたという明確な理由がある)

(だが、千雪はどうしてあんな唐突に嘘をついてまで図書館を抜け出したんだ……?)


103: ◆vqFdMa6h2. 2022/01/25(火) 21:33:10.32 ID:AY0G9Zdm0
-------------------------------------------------
【ノンストップ議論開始!】

発言力:♡×5
集中力:☆×5

コトダマ
‣【冬優子宛の脅迫状】
‣【図書館の入退館管理カメラ】
‣【血まみれの本】
‣【モノミの証言】


恋鐘「千雪の行動が全部わかっとったなんて犯人はエスパーばい!?」

美琴「犯人はある程度千雪さんの行動を把握できた……」

美琴「千雪さんの行動の理由がわかればおのずと見えてくるかもしれないね」

あさひ「なんで図書館なんかに行ったんすかね?」

愛依「冬優子ちゃんみたいに〔脅迫状を貰ってた〕とか!」

冬優子「だとしたらどうして図書館から出ていくのよ……」

結華「単純にとおるんとひななんが〔図書館にいると思った〕とか?」

摩美々「やみくもに二人を探させても犯人もトラップを仕掛けようがなくないー?」

果穂「千雪さんは図書館にいきました!」

果穂「なら、〔図書館の本に用があった〕んです!」

智代子「花火大会の途中でわざわざ読みたい本なんかあるのかな……?」


【正しいコトダマで正しい発言に同意しろ!】

1.発言する(コトダマと撃ち込む先の発言を併せて指定安価)
2.集中力を使う(ロンパ候補の発言の数が減る)

↓1

104: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2022/01/25(火) 21:34:45.78 ID:SXvc47wI0
図書館の本に用があった 血まみれの本

106: ◆vqFdMa6h2. 2022/01/25(火) 21:37:56.93 ID:AY0G9Zdm0

ルカ「テメェの言うとおりだ」同意!

【BREAK!】

ルカ「ハッ、そうだ、その通りだよ。図書館に行くなんて動機は一つしかねーよな?」

果穂「はい! 図書館は本を借りるところです!」

果穂「それ以外のことはあんまりやっちゃいけません! 水を飲んだり、走ったり……マナーい反になります!」

ルカ「マナーはまあ抜きにしても……千雪が図書館の本に用があったのは間違いないと思うぜ」

ルカ「だってあの死体には不自然に下敷きになった本があっただろ? あの本自体は千雪の血がべったりついていて正直中身は見れたもんじゃねーが、あんなに山積みになっている本と離れたところで一冊だけ隠すように下敷きになっている本……意味がないわけないよな」

冬優子「でも、その本は実際なんなの? その一冊のためだけに桑山千雪が図書館に来たって言うんなら、その正体は明らかにしないとダメよね」

雛菜「ん~……雛菜は知らないですね~」

夏葉「私もあまり見慣れない装丁ね……厚紙の表紙のものだから、学術書などではなく、雑誌類もしくはそれに近しい媒体のものに見えるわ」

107: ◆vqFdMa6h2. 2022/01/25(火) 21:38:50.47 ID:AY0G9Zdm0

愛依「ん~~~~?」

愛依「……あっ! あさひちゃん、あさひちゃんならこの本がなんなのかわかんない?!」

あさひ「わたしっすか?」

冬優子「そういえば……あんた、第2の島が開いてからは結構この図書館に入り浸ってなかった?」

あさひ「まあ、そうっすね。時々見に来てたんで、大体どこに何の本があるかぐらいは分かるっす」

美琴「あさひちゃん、この本に見覚えは無いの?」

あさひ「うーん……」

ルカ「……」

あさひ「うーん……」

美琴「……」




あさひ「あっ、わかったかも。これ、【ゲームの攻略本】っすね」




108: ◆vqFdMa6h2. 2022/01/25(火) 21:39:56.01 ID:AY0G9Zdm0

ルカ「……は? げ、ゲームの……攻略本?」

あさひ「はいっす、あの図書館はなんでもフリージャンルで置いてあったんで、レトロゲームから最新ゲームまでの攻略本も一通りは置いてあったっすよ。読んではないっすけど、材質とかはそれにそっくりっす」

果穂「ど、どうして千雪さんがゲームのこうりゃく本を持ってたんでしょうか……」

智代子「まさかゲームがやりたくなって持ち出そうとしたわけじゃないよね……?」

(……ゲームの攻略本、か)

(千雪の行動が少しずつ見えて来たな……この島で、ゲームと言えばあれしかない……!)

ルカ「もしかして、千雪の持っていた攻略本は……あれと関係があるんじゃねーのか……?」

美琴「ルカ、それって」

ルカ「ああ……千雪の持っていた本は、あれと関係している……!」

-------------------------------------------------
【正しいコトダマを指摘しろ!】

>>5 >>6

↓1

109: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2022/01/25(火) 21:40:48.88 ID:dB96vFuA0
【かまいたちの真夜中】

111: ◆vqFdMa6h2. 2022/01/25(火) 21:43:58.72 ID:AY0G9Zdm0

ルカ「これだ!」

【解!】

ルカ「今回の動機だよ……モノクマが用意した『かまいたちの真夜中』、あれの攻略本がこれだったんじゃねーのか?」

愛依「あ、あさひちゃん!」

あさひ「わたしにはその本が実際どうだったのかはわからないっすけど……その可能性は高そうっすね」

あさひ「わざわざ抜け出してまで取りに行く価値がある本、その点ではすごく納得できる推理っすよ! ルカさん!」

(なんでちょっと上から目線なんだよ……)

智代子「て、ていうかちょっと待って!? さ、さっきから『かまいたちの真夜中』の攻略本って……あのゲームはプレイ禁止だったよね!?」

智代子「そもそも攻略以前の問題じゃ……」

夏葉「……智代子、私たちが交わしたのはあくまで口約束。そこに拘束力はないわ」

智代子「え……!」

夏葉「……少なくとも千雪はあのゲームをプレイして、そしてクリアも成し遂げているとみるのがよさそうね」

ルカ「そうなるだろうな」

112: ◆vqFdMa6h2. 2022/01/25(火) 21:45:01.50 ID:AY0G9Zdm0

(私も捜査中にあのゲームは少しだけ触った。頓珍漢なゲームではあったが……登場人物にはいずれも見覚えがあった)

(……もし、あれを千雪が見ていたのなら)

(…………)

(……いや、今はそれを考えてる場合じゃねえ、大事なのはその攻略本を千雪が知っていたであろうということ)

(事実だけをもとに考えるんだ……!)

美琴「きっと千雪さんは花火大会の途中で、何かこの本を思い出す出来事があったんだろうね」

美琴「それで、わざわざ抜け出してまで図書館にこの本を確認しに行った」

ルカ「千雪の目的にはそれだけの緊急性があったってことだな……」

雛菜「ん~、急いで本を取りに行ったってことは他の人にとられたくなかったってことですよね~」

果穂「そういえばあさひさん、このこうりゃく本って図書館のどこにあったんですか?」

あさひ「ゲームの攻略本は確か、二階の壁沿いの本棚だったかな!」

(二階の壁沿い……確かあの図書館って、中央が吹き抜けになっているんだったな)

(他の人に本を取られたくない、中央が吹き抜けの図書館、二階の壁沿いの配置……)

(あと少し、あと少しで千雪が図書館にやってきた理由が見えそうだ……)

-------------------------------------------------

【ひらめきアナグラム開始!】


し/ア/ゲ/リ/の/ム/―/ク/そ


【正しい順番に並べ替えろ!】

↓1

113: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2022/01/25(火) 21:47:13.94 ID:/PqgxFpf0
ゲームクリアのそし

114: ◆vqFdMa6h2. 2022/01/25(火) 21:49:26.33 ID:AY0G9Zdm0

ルカ「来た、天啓ってやつがよ!」

【解!】

ルカ「千雪が図書館に行きたがったのはモノクマの混ぜた爆弾による爆破騒動があった直後、あの時誰も私たちが怪我をすることはなかったが、一つ千雪にとって大きなハプニングがあったんだ」

恋鐘「爆破騒動……あー! あの打ち上げかと思ったら、爆弾だったやつやね!」

摩美々「恋鐘が確認もせずに火を点けたやつでしょー?」

恋鐘「えへへ……面目なか……」

ルカ「あの時、爆発の衝撃によって島中がまるで地震に襲われたかのように揺れたんだ。それこそ、図書館の本棚を倒す位にな」

雛菜「図書館の本棚が倒れるくらい~?」

夏葉「第1の島にいた透と雛菜はあまりピンと来ないかもしれないけど、あの時の衝撃はすさまじかったの。私たちは立っていられないくらいの横揺れだったわ」

愛依「だから図書館はあんなに本で散らばってたんだ!」

冬優子「確かにふゆが足を踏み入れた時からあんなだったし……あの膨大な数の本を人の手だけで取りだすのは不可能よね」

115: ◆vqFdMa6h2. 2022/01/25(火) 21:50:27.63 ID:AY0G9Zdm0

ルカ「そして何よりあの図書館は中央に吹き抜けのある二階建て。横揺れで本棚を飛び出した本は勢いよくそのまま一階へと落下する」

ルカ「中学生、ゲームの攻略本は二階に収められてたんだったな?」

あさひ「はいっす、二階の割と手前側だったと思うっす」

ルカ「おそらく千雪はあの衝撃を感じ取った瞬間に、その攻略本が本棚から零れ落ちた光景を想像したんだ」

ルカ「なんとしても他の誰かがあの攻略本を手にする前に元あった場所に隠しておかないと、ってな」

摩美々「それってつまり、私たちの誰にもゲームを攻略させないためってことですかぁ?」

ルカ「攻略本の存在が明るみに出るのを防いでるんだ、そうなるだろうな」

美琴「……」

ルカ「……あのゲームの内容については後だ、ただこれで見えてきた部分もあるだろ?」

ルカ「そこの女が図書館に行ったとき、千雪に出会わなかったのもこれで解決だ」

冬優子「はぁ?」

美琴「千雪さんはゲームのクリアを防ぎたかった。なら、ゲームの攻略本を手にしている状態でほかの誰かに会う訳にはいかないでしょ?」

果穂「たしかにそうです……! そんな本を持っていたら、なにか意味があるって思っちゃいます!」

冬優子「桑山千雪自ら、ふゆの目を避けて身を隠してたってわけね」

116: ◆vqFdMa6h2. 2022/01/25(火) 21:51:39.09 ID:AY0G9Zdm0

ルカ「そして、犯人も千雪の行動についてその意図を理解していた」

ルカ「他の誰かにゲームをクリアさせない、そのために図書館の攻略本は守らなければいけない」

ルカ「そこまでの千雪の行動理由を理解していないと、トラップにはめることは不可能だ」

結華「じゃあ犯人は千雪姉さんと仲のいい人?」

あさひ「それだと容疑者はみんなになっちゃうっすよ」

ルカ「……いいかえると、千雪がゲームをクリアしたこと、クリアができることを知っていた人間になるな。なんたって、図書館にある図書館を秘匿していることを知っているのは大前提だ」

智代子「じゃあ犯人もゲームをクリアした人間なんだね!」

果穂「へ? そうなんですか?」

智代子「うん、だって図書館にある本を隠しているのを知っていないとダメでしょ? それなら犯人だってゲームをクリアした人間なんじゃない?」

美琴「……いや、どうだろう」

美琴「ゲームのクリアをしていない人間だとしても、千雪さんが図書館の本を大事に隠していると知ることができれば、それを犯行に含むことは可能だよ」

美琴「大事なのは大きな衝撃を島全体に与えることができれば、千雪さんを図書館に誘導できるってことだから」

夏葉「犯人は千雪に接触をしていたのかもしれないわ。ゲームのクリアの方法を教えるようにせがんでいた、とか」

夏葉「そうなると余計に千雪の警戒心を強めることもでき、図書館への誘導もしやすくなるわ」

117: ◆vqFdMa6h2. 2022/01/25(火) 21:54:14.43 ID:AY0G9Zdm0

冬優子「ちょっと待ちなさいよ、あんたさっき桑山千雪は図書館の外で殺されたって言ったばっかじゃない」

冬優子「図書館に誘導したところで、それからどうなるっていうのよ」

ルカ「そこでお前の出番なんだよ、黛冬優子」

冬優子「……は、はぁ!? な、なによ……急に名前呼ぶんじゃないわよ……」

ルカ「図書館にあるはずの攻略本を急いで確認しに行った千雪。だがあいつが図書館に入った瞬間目にしたのはそこら中の本棚から零れ落ちて山積みになって散乱した本棚」

ルカ「すぐにお目当ての攻略本を探し当てることができたとは考えづらいだろうな」

ルカ「なんとか誰よりも先に見つけ出そうとしていたその時」

愛依「冬優子ちゃんがやってきた……!」

ルカ「お前がやってきたことで千雪は急いで姿を隠す。ゲームクリアへの手掛かりを与えないためには、ここで千雪が本を探していると知れるのは都合が悪かった」

ルカ「でもお前はそんなこととも露知らず、自分の秘密を守るためにその場でしばらく待機」

冬優子「もしかして、その間に桑山千雪はふゆが攻略本を見つけたと勘違いした……?」

美琴「犯人はそれも利用したんだろうね」

美琴「脅迫状を貰っている以上そう簡単に冬優子ちゃんは現場を離れられないし、待ちの時間もあるから……本を探し出して読んだ、と疑われるだけの時間を稼ぐことは簡単」

冬優子「ふゆは一向に呼び出し相手が姿を見せないからしびれを切らしてそこで出ていく……」

結華「この時千雪姉さんは勘違いをしちゃってるから……」

透「追いかけるかもね」

冬優子「……!」

雛菜「ゲームの攻略本を読んじゃったかもしれないなら、それでクリアされるって思っちゃうかも~」


118: ◆vqFdMa6h2. 2022/01/25(火) 21:56:36.57 ID:AY0G9Zdm0

(……そうか、そういうことか)

(そこまで千雪の行動が見えているのなら、トラップだってどこに仕掛ければいいのかその場所は絞ることができる)

(だってそこは証拠隠滅も兼ねることのできる、最良のポイントなんだから)

ルカ「犯人は千雪の思惑をすべて理解したうえで、それを犯行に利用した」

ルカ「犯人がトラップを仕掛けたのは……あそこだったんだよ!」

-------------------------------------------------
【スポットセレクト開始!】

発言力:♡×5
集中力:☆×5

【第2の島の中で犯人がトラップを仕掛けたと思われる場所を指摘しろ!】

1.解答(場所指摘)
2.集中力を使う(ヒントを得ます)

↓1

119: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2022/01/25(火) 21:59:07.66 ID:SXvc47wI0
2

120: ◆vqFdMa6h2. 2022/01/25(火) 22:03:01.06 ID:AY0G9Zdm0
集中力:☆×5→☆×4

(犯人が利用したのは、千雪が他の人間のゲームのクリアを阻止したいという心理)

(そうなると、図書館の他に千雪が必ず行く、行かざるを得ない場所がないだろうか?)

(そもそも、あのゲームは【中央の島】にあるんだったよな……)

-------------------------------------------------
【スポットセレクト開始!】

発言力:♡×5
集中力:☆×4

【第2の島の中で犯人がトラップを仕掛けたと思われる場所を指摘しろ!】

1.解答(場所指摘)
2.集中力を使う(ヒントを得ます)

↓1

121: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2022/01/25(火) 22:05:26.64 ID:SXvc47wI0
遺跡

122: ◆vqFdMa6h2. 2022/01/25(火) 22:08:41.81 ID:AY0G9Zdm0

発言力:♡×5→♡×4

(うーん……わざわざ立ち寄るようには思えないな……)

(もっと直接的に必ず通過するような場所はなかったか……?)

(第2の島……もっと広く見たほうがいいのかもしれないな)

-------------------------------------------------
【スポットセレクト開始!】

発言力:♡×4
集中力:☆×4

【第2の島の中で犯人がトラップを仕掛けたと思われる場所を指摘しろ!】

1.解答(場所指摘)
2.集中力を使う(ヒントを得ます)

↓1

123: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2022/01/25(火) 22:10:23.59 ID:SXvc47wI0
ドラッグストア

124: ◆vqFdMa6h2. 2022/01/25(火) 22:11:27.83 ID:AY0G9Zdm0

発言力:♡×4→♡×3

(うーん……わざわざ立ち寄るようには思えないな……)

(もっと直接的に必ず通過するような場所はなかったか……?)

(第2の島……もっと広く見たほうがいいのかもしれないな)

-------------------------------------------------
【スポットセレクト開始!】

発言力:♡×3
集中力:☆×4

【第2の島の中で犯人がトラップを仕掛けたと思われる場所を指摘しろ!】

1.解答(場所指摘)
2.集中力を使う(ヒントを得ます)

↓1

125: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2022/01/25(火) 22:13:24.59 ID:SXvc47wI0
ダイナー

126: ◆vqFdMa6h2. 2022/01/25(火) 22:15:10.84 ID:AY0G9Zdm0

発言力:♡×3→♡×2

(うーん……わざわざ立ち寄るようには思えないな……)

(もっと直接的に必ず通過するような場所はなかったか……?)

(第2の島……もっと広く見たほうがいいのかもしれないな)

-------------------------------------------------
【スポットセレクト開始!】

発言力:♡×2
集中力:☆×4

【第2の島の中で犯人がトラップを仕掛けたと思われる場所を指摘しろ!】

1.解答(場所指摘)
2.集中力を使う(ヒントを得ます)

↓1

127: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2022/01/25(火) 22:16:27.38 ID:SXvc47wI0
ビーチ

128: ◆vqFdMa6h2. 2022/01/25(火) 22:17:47.24 ID:AY0G9Zdm0

発言力:♡×2→♡×1

(うーん……わざわざ立ち寄るようには思えないな……)

(もっと直接的に必ず通過するような場所はなかったか……?)

(第2の島……もっと広く見たほうがいいのかもしれないな)

-------------------------------------------------
【スポットセレクト開始!】

発言力:♡×1
集中力:☆×4

【第2の島の中で犯人がトラップを仕掛けたと思われる場所を指摘しろ!】

1.解答(場所指摘)
2.集中力を使う(ヒントを得ます)

↓1

129: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2022/01/25(火) 22:19:04.96 ID:dB96vFuA0

130: ◆vqFdMa6h2. 2022/01/25(火) 22:20:28.25 ID:AY0G9Zdm0

ルカ「ここだ!」

【解!】

ルカ「千雪は最初っから最後まで、他のやつにゲームをクリアさせないために動いていた……」

ルカ「なあ、美琴。ゲームをクリアさせないためにはまず何をするのが手っ取り早いと思う?」

美琴「え……? どうだろう……ゲーム機を壊す、とか?」

結華「美琴姉さん、それはそもそも校則違反だって」

美琴「あっ、そっか」

あさひ「ゲームをクリアさせないんだったら、まずゲームをやらせなければいいっす!」

ルカ「正解だ」

ルカ「ゲーム機を壊さなくとも、ゲーム機に近づけさえさせなければいいんだ。説得でも暴力でも手段はいくらでもある」

ルカ「でもそれをするには、どうしても現場に千雪自身が行く必要がある。ゲーム機に近づけさせないうえでも、対策を講じるうえでもな」

ルカ「そこのそいつがゲームをクリアしようと試みると考えた千雪が図書館を出て次に行こうとした場所はもう言わなくても分かるな?」

智代子「そうか、【中央の島】のジャバウォック公園に向かうんだね!」

131: ◆vqFdMa6h2. 2022/01/25(火) 22:21:43.77 ID:AY0G9Zdm0

ルカ「そうなると、千雪が必ず通らなくてはならないポイントがある。そこは花火大会中の人間が来るわけもなく、証拠隠滅だって簡単な場所」

ルカ「だって、海の上なんだからな」

美琴「もしかして、それって……【橋】?」

ルカ「橋の柱にボウガンをくくりつけておけばいい。ワイヤーを足元の高さにピンと張って、それを引き金に固定する。そうするとどうだ? 誰かが通ろうとすればそいつめがけて射出される即席のトラップの完成だ」

夏葉「あの橋なら幅も一定だし、しかも被害者が通る場所も絞られている。他の場所に仕掛けるより失敗のリスクははるかに少ないと言えるわね」

果穂「しょうこいんめつも……海の上ならかんたんです!」

果穂「ボウガンが矢をうったら、そのまま海に落ちちゃうのでそれでおしまいなんですね!」

透「え、でもそれって環境破壊。校則違反なんじゃん?」

ルカ「私たちが禁じられているのは島の環境の破壊。その周りの海はグレーゾーンってとこだろうな」

智代子「じ、実際どうなの、モノクマ!?」

モノクマ「どうなのと言われましても、そういうSDGs的なことはオマエラの方が詳しいんじゃないの?」

果穂「さすてーなぼぅ……でぃべろっぷめん……ごー!」

夏葉「……今は、モノクマのルールの裁定について問い合わせているのだけど」

132: ◆vqFdMa6h2. 2022/01/25(火) 22:22:41.30 ID:AY0G9Zdm0

モノクマ「まあ、ボクの信条としましては規則は時に寛容たれと言ったところですね」

モノクマ「面白くなるのなら、OK! もし今の斑鳩さんの推理と同じ方法が犯人が取ったとて、ボクは見逃すでしょうね!」

雛菜「ってことは、この方針で考えてもよさそうですね~」

恋鐘「勝手に凶器まで消えてしまうトラップとは、犯人も抜け目がなかね……」

美琴「この方法ならアリバイを確保したままでも殺害が可能だし、現場にも証拠が残らない」

美琴「私たちの誰でも実行可能な方法だよ」

ルカ「……いや、それは違うな」




ルカ「この方法が可能なのはただ一人に限られる」





133: ◆vqFdMa6h2. 2022/01/25(火) 22:23:31.15 ID:AY0G9Zdm0

あさひ「……」

恋鐘「え?! な、なしてそうなると?!」

愛依「……そっか! このトラップは島の移動にはないとダメな橋に仕掛けるんだもん! 自分より後に誰かが通る可能性がある間は、仕掛けらんないんだ!」

ルカ「やるじゃねーかギャル女」

愛依「マジ!? 当たった感じ!?」

ルカ「だから、犯人は花火大会を開く第2の島に【最後にやってきた人間】になるってワケだ」

ルカ「……分かってんだろ、お前のことだよ」

-------------------------------------------------
【クロを指摘しろ!】

↓1

134: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2022/01/25(火) 22:25:09.03 ID:SXvc47wI0
まみみ

135: ◆vqFdMa6h2. 2022/01/25(火) 22:27:35.30 ID:AY0G9Zdm0

ルカ「お前だ」

【解!】

ルカ「田中摩美々……確か花火大会に最後に到着したのはお前だったよな?」

摩美々「んー、そうだったっけー」

ルカ「どうだ? お前がやってきたときに、なんか橋で怪しいもんでも見たか?」

ルカ「それとも、お前がそのときに仕掛けたのか?」

摩美々「……」

摩美々「まぁ、さっきまでの話で言えば私が有力なのかもしれませんケド……流石にそれはないって言うかぁ」

結華「そ、そうだよ! まみみんは寝坊しただけで、そんなトラップなんかしかけてない!」

恋鐘「そもそもトラップの話だってルカの推理上の話でしかなか!」

ルカ「ああ、知ってる。あくまで今の話は私の推理が正しければ、の話だ」

ルカ「でもな、思い出してみろ。途中で抜けた連中の姿が見えなくなったとき、橋を真っ先に調べに行ったのは誰だった?」

摩美々「……」


136: ◆vqFdMa6h2. 2022/01/25(火) 22:28:49.39 ID:AY0G9Zdm0

≪美琴「そうだね、手分けして早いとこ探しておかないと」

あさひ「冬優子ちゃんはドラッグストアに行くって言ったから、多分そこにいるはずっすよ。わたし、そっちを探しに行くっす」

結華「待って! 一人で行くのは危ないし……三峰もついていく!」

夏葉「とりあえずはこの島の中を探したほうがいいわね……遺跡の方も見ておきましょうか、智代子、果穂。いいかしら?」

智代子「うん、ついていくね!」

果穂「はい、わかりました!」

ルカ「私と美琴は図書館に行ってみる、いいか?」

美琴「わかった」

摩美々「じゃあ私と恋鐘で島の外周をざっと見てみよっかぁ。私が【左回り】で、恋鐘が右回りねー」

恋鐘「うん、任せといて!」

結華「発見次第すぐに連絡するようにしよう! とにかく……早いとこ三人を見つけないと……!」≫


ルカ「わざわざ長崎女に指示まで出して、真っ先に橋のある【左回り】を取ったのには何か意図がありそうなもんだがな」

摩美々「別に深い意味なんてないですよー、そっちにいるかなって思っただけなので―」

摩美々「それともルカは私たちの善意を疑うつもり―?」

(豪胆なものだな、平然としらを切って、汗一つ流さない)

(でもな、あいにくながら私は283の連中みたく甘くはないんだよ)

137: ◆vqFdMa6h2. 2022/01/25(火) 22:29:41.74 ID:AY0G9Zdm0

ルカ「……ハッ」

ルカ「そうだな、疑ってるよ。お前があの時見せた優しさも、仲間を思う気持ちとやらも全部、全部な」

恋鐘「なっ……なんてこというばいルカ! それは失礼たい!」

ルカ「失礼、大いに結構。言ったはずだ、私はあくまで自分の生き残る道のために動く。そのための障壁となるものは何だろうとぶち破る」

ルカ「たとえお前ら同士の絆だろうと知ったこっちゃない、私の行く道は誰にも邪魔させねえ。それが私の生き方だ」

摩美々「ふーん……かっこいいですねー」

摩美々「でも、今の話もあくまで疑いの範疇でしかないし……摩美々を疑うなら、証拠を提出してくださいよー」

摩美々「千雪が図書館を出た証拠も、私がトラップを仕掛けた証拠も、何一つ提出されてないですよねー?」

(ちっ……結局そうなるか)

(こいつの犯行はとにかく証拠を残しちゃいねえ)

(自分が手を下さずとも相手が勝手に死ぬ、心理分析とトラップの合わせ技なんだからな)

(こうなったからには……【正攻法】じゃ届かないかもな)

138: ◆vqFdMa6h2. 2022/01/25(火) 22:31:11.95 ID:AY0G9Zdm0
-------------------------------------------------
【偽証ミスディレクション開始!】

発言力:♡×1
集中力:☆×4

コトダマ
‣【血まみれの本】
‣【現場の血痕】
‣【モノクマファイル2】
‣【図書館の入退館管理カメラ】


摩美々「千雪はゲームクリアを阻止するために動いていた」

摩美々「それなら入退室を行った冬優子を目撃した後は【中央の島の広場に行く】」

摩美々「だからそこにトラップを仕掛ければ殺害可能」

摩美々「でもそれって、全部ルカの推理でしかないよねー?」

摩美々「【千雪が図書館を出た証拠】も」

摩美々「私が【トラップを仕掛けた証拠】も」

摩美々「なんにも残ってないよねー」

愛依「キジョーのニューロンってやつ!?」

冬優子「……神経じゃなくて、電荷ね」

愛依「キジョーのアーロン……?」

冬優子「……誰なのよ、そいつは」


【嘘のコトダマで議論の流れを捻じ曲げろ!】

1.発言する(コトダマと撃ち込む先の発言を併せて指定安価)
2.集中力を使う(ロンパ候補の発言の数が減る)

↓1

139: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2022/01/25(火) 22:32:51.34 ID:SXvc47wI0
2

141: ◆vqFdMa6h2. 2022/01/25(火) 22:36:11.50 ID:AY0G9Zdm0

【集中力:☆×4→☆×3】

【ロンパ候補の発言数が減少しました】

【ロンパ候補の発言が一つになったため、集中力ゲージの効果対象が変わりました】

-------------------------------------------------
【偽証ミスディレクション開始!】

発言力:♡×1
集中力:☆×3

コトダマ
‣【血まみれの本】
‣【現場の血痕】
‣【モノクマファイル2】
‣【図書館の入退館管理カメラ】


摩美々「千雪はゲームクリアを阻止するために動いていた」

摩美々「それなら入退室を行った冬優子を目撃した後は中央の島の広場に行く」

摩美々「だからそこにトラップを仕掛ければ殺害可能」

摩美々「でもそれって、全部ルカの推理でしかないよねー?」

摩美々「【千雪が図書館を出た証拠】も」

摩美々「私がトラップを仕掛けた証拠も」

摩美々「なんにも残ってないよねー」

愛依「キジョーのニューロンってやつ!?」

冬優子「……神経じゃなくて、電荷ね」

愛依「キジョーのアーロン……?」

冬優子「……誰なのよ、そいつは」


【嘘のコトダマで議論の流れを捻じ曲げろ!】

1.発言する(コトダマと撃ち込む先の発言を併せて指定安価)
2.集中力を使う(候補のコトダマの数が減る)

↓1

142: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2022/01/25(火) 22:37:32.71 ID:SXvc47wI0
図書館の入退館管理カメラ】

143: ◆vqFdMa6h2. 2022/01/25(火) 22:39:49.23 ID:AY0G9Zdm0

【発言力がゼロになりました】

【クリア後報酬が半減しました】

【コンテニューを行うため発言力が最大まで回復します】

(だめだ……入退館カメラの写真は全員に共有している物的証拠)

(今更別の写真がありました、なんて嘘をついたところで見え見えじゃねえか……!)

(つくならもっと別の嘘……千雪が【図書館を移動していない証拠】をもとにして、嘘をつくしかねえ……!)

-------------------------------------------------
【偽証ミスディレクション開始!】

発言力:♡×5
集中力:☆×3

コトダマ
‣【血まみれの本】
‣【現場の血痕】
‣【モノクマファイル2】
‣【図書館の入退館管理カメラ】


摩美々「千雪はゲームクリアを阻止するために動いていた」

摩美々「それなら入退室を行った冬優子を目撃した後は中央の島の広場に行く」

摩美々「だからそこにトラップを仕掛ければ殺害可能」

摩美々「でもそれって、全部ルカの推理でしかないよねー?」

摩美々「【千雪が図書館を出た証拠】も」

摩美々「私がトラップを仕掛けた証拠も」

摩美々「なんにも残ってないよねー」

愛依「キジョーのニューロンってやつ!?」

冬優子「……神経じゃなくて、電荷ね」

愛依「キジョーのアーロン……?」

冬優子「……誰なのよ、そいつは」


【嘘のコトダマで議論の流れを捻じ曲げろ!】

1.発言する(コトダマと撃ち込む先の発言を併せて指定安価)
2.集中力を使う(候補のコトダマの数が減る)

↓1

144: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2022/01/25(火) 22:41:18.10 ID:SXvc47wI0
現場の血痕

145: ◆vqFdMa6h2. 2022/01/25(火) 22:42:53.17 ID:AY0G9Zdm0

ルカ「この嘘で真実を炙りだす!」偽証!

【BREAK!】

ルカ「証拠、ねぇ……まあ、確かに今は残っちゃいねえかもな」

摩美々「随分あっさりと認めるんですねー」

ルカ「まあな、今その証拠がなくとも……少なくとも私と美琴はその証拠を目撃してるんだからな」

美琴「……!」

ルカ「美琴、図書館に入る前……入り口の付近には血痕があったの、覚えてるよな?」

美琴「……血痕?」

ルカ「ああ、まるでどこかから血を流しながら歩いてきて、図書館に入っていくようなそんな血痕だ」

美琴「……」

美琴「……うん、確かにあったはずだよ。滴った血が地面に落ちていた」

摩美々「……!」

146: ◆vqFdMa6h2. 2022/01/25(火) 22:44:08.76 ID:AY0G9Zdm0

ルカ「死体発見でパニック状態で全員を集めているうちに、自然と地面が踏み荒らされてその血痕は見えなくなっちまったけど……私たちの見た血痕が証拠になるはずだ」

冬優子「ふゆは図書館を出入りした時、どこも怪我なんてしてなかったから……当然、その血痕も桑山千雪のものになるはずね」

あさひ「千雪さんも花火大会中は特にけがはしてなかったっすから、図書館を入るタイミングでは血が落ちることはなかったはずっすね」

果穂「なら、もう一度千雪さんが出入りした時に血を流したんですね!」

摩美々「ちょ、ちょっと待ちなよー、もうそんな証拠は残ってないんでしょー……だったら」

美琴「でも、私とルカが二人でその血痕があったと証言している」

美琴「死体発見アナウンスが鳴ったのは真っ先に駆け付けたあさひちゃんが発見したタイミングだから、犯人以外の三人という条件は私とルカとあさひちゃんで満たされているよね」

あさひ「そうなると、シロ確定の二人の証言はそのまま証拠と言い換えてもいいと思うっす」

摩美々「……」

ルカ「千雪は間違いなく図書館から一度出て行っている、そうなるとやっぱり私の推理通りの行動をとった……それを犯人も予測していたとみて間違いないだろ」





【結華「その推理は手ブレしちゃってるよ!」】反論!





147: ◆vqFdMa6h2. 2022/01/25(火) 22:46:25.80 ID:AY0G9Zdm0

結華「ルカルカ、そうは問屋が卸さないよ!」

ルカ「あ?」

結華「現場付近に血痕があったからって、それが本当に千雪姉さんのものだとは限らないでしょ! もしかしたら事件前に垂れていたものかもしれないし……」

ルカ「いや、その可能性は低い……」

結華「可能性が低い、それが何!? 学級裁判はどんな些細な可能性も検討しないといけないんじゃなかった!?」

-------------------------------------------------

【反論ショーダウン開始!】

発言力:♡×5
集中力:☆×3

コトノハ
‣【図書館利用規則】
‣【現場の血痕】
‣【血まみれの本】
‣【凶器の矢】


結華「千雪姉さんは図書館を本当に出入りしたの?」

結華「入退館のカメラを操作するのもよくわからないし」

結華「攻略本のためにやってきたってのも憶測でしょ?」

結華「まみみんをそんなことで疑うなんて」

結華「三峰は黙っていられない」

◆◇◆◇◆◇◆◇
【発展!】

ルカ「大事そうに抱えられていた一冊、あれはゲームの攻略本だったんだよ」

ルカ「だとしたら、ストレイの女を追って公園に行くのは自然なこと」

ルカ「誰でも予想ができたことだ」

ルカ「血痕の存在はそれを確かに裏付ける!」

◆◇◆◇◆◇◆◇

結華「血痕がもし存在するならそうかもしれないけど……」

結華「今は【もう残っていない】以上三峰は認めないよ」

結華「それにそもそもそんなに攻略本を守りたいんだったら」

結華「千雪姉さんが【本を持ち出しているはず】だよね?」

結華「ルカルカの推理は根底から瓦解してる」

結華「まみみんが千雪姉さんの行動を掌握することなんてできないよ!」


【矛盾する発言を正しいコトノハでコンマ40以上で論破しろ!】

1.発言する(コトノハと斬りつける先の発言を併せて指定安価)
2.集中力を使う(ロンパ候補の発言の数が減る)

↓1

148: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2022/01/25(火) 22:47:55.11 ID:SXvc47wI0
本を持ち出しているはず 図書館利用規則

150: ◆vqFdMa6h2. 2022/01/25(火) 22:50:30.80 ID:AY0G9Zdm0

【コンマ判定11】

発言力:♡×4→♡×3

結華「ルカルカ……三峰もここは引けないの」

結華「そんな太刀筋じゃ、届かないんだから」

(チッ……当たってはいたが、あと少し届かなかったか……)

(もっと、切れ味のある一撃を食らわせないと……!)

-------------------------------------------------

【反論ショーダウン開始!】

発言力:♡×4
集中力:☆×3

コトノハ
‣【図書館利用規則】
‣【現場の血痕】
‣【血まみれの本】
‣【凶器の矢】


結華「千雪姉さんは図書館を本当に出入りしたの?」

結華「入退館のカメラを操作するのもよくわからないし」

結華「攻略本のためにやってきたってのも憶測でしょ?」

結華「まみみんをそんなことで疑うなんて」

結華「三峰は黙っていられない」

◆◇◆◇◆◇◆◇
【発展!】

ルカ「大事そうに抱えられていた一冊、あれはゲームの攻略本だったんだよ」

ルカ「だとしたら、ストレイの女を追って公園に行くのは自然なこと」

ルカ「誰でも予想ができたことだ」

ルカ「血痕の存在はそれを確かに裏付ける!」

◆◇◆◇◆◇◆◇

結華「血痕がもし存在するならそうかもしれないけど……」

結華「今は【もう残っていない】以上三峰は認めないよ」

結華「それにそもそもそんなに攻略本を守りたいんだったら」

結華「千雪姉さんが【本を持ち出しているはず】だよね?」

結華「ルカルカの推理は根底から瓦解してる」

結華「まみみんが千雪姉さんの行動を掌握することなんてできないよ!」


【矛盾する発言を正しいコトノハでコンマ40以上で論破しろ!】

1.発言する(コトノハと斬りつける先の発言を併せて指定安価)
2.集中力を使う(ロンパ候補の発言の数が減る)

↓1

151: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2022/01/25(火) 22:52:27.29 ID:SXvc47wI0
本を持ち出しているはず 図書館利用規則

153: ◆vqFdMa6h2. 2022/01/25(火) 22:53:36.01 ID:AY0G9Zdm0
【コンマ判定29】

発言力:♡×3→♡×2

結華「ルカルカ……三峰もここは引けないの」

結華「そんな太刀筋じゃ、届かないんだから」

(チッ……当たってはいたが、あと少し届かなかったか……)

(もっと、切れ味のある一撃を食らわせないと……!)

-------------------------------------------------

【反論ショーダウン開始!】

発言力:♡×4
集中力:☆×3

コトノハ
‣【図書館利用規則】
‣【現場の血痕】
‣【血まみれの本】
‣【凶器の矢】


結華「千雪姉さんは図書館を本当に出入りしたの?」

結華「入退館のカメラを操作するのもよくわからないし」

結華「攻略本のためにやってきたってのも憶測でしょ?」

結華「まみみんをそんなことで疑うなんて」

結華「三峰は黙っていられない」

◆◇◆◇◆◇◆◇
【発展!】

ルカ「大事そうに抱えられていた一冊、あれはゲームの攻略本だったんだよ」

ルカ「だとしたら、ストレイの女を追って公園に行くのは自然なこと」

ルカ「誰でも予想ができたことだ」

ルカ「血痕の存在はそれを確かに裏付ける!」

◆◇◆◇◆◇◆◇

結華「血痕がもし存在するならそうかもしれないけど……」

結華「今は【もう残っていない】以上三峰は認めないよ」

結華「それにそもそもそんなに攻略本を守りたいんだったら」

結華「千雪姉さんが【本を持ち出しているはず】だよね?」

結華「ルカルカの推理は根底から瓦解してる」

結華「まみみんが千雪姉さんの行動を掌握することなんてできないよ!」


【矛盾する発言を正しいコトノハでコンマ40以上で論破しろ!】

1.発言する(コトノハと斬りつける先の発言を併せて指定安価)
2.集中力を使う(ロンパ候補の発言の数が減る)

↓1

154: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2022/01/25(火) 22:54:41.07 ID:dB96vFuA0
【本を持ち出しているはず】に【図書館利用規則】

155: ◆vqFdMa6h2. 2022/01/25(火) 22:55:45.74 ID:AY0G9Zdm0
【コンマ判定07】

発言力:♡×2→♡×1

結華「ルカルカ……三峰もここは引けないの」

結華「そんな太刀筋じゃ、届かないんだから」

(チッ……当たってはいたが、あと少し届かなかったか……)

(もっと、切れ味のある一撃を食らわせないと……!)

-------------------------------------------------

【反論ショーダウン開始!】

発言力:♡×4
集中力:☆×3

コトノハ
‣【図書館利用規則】
‣【現場の血痕】
‣【血まみれの本】
‣【凶器の矢】


結華「千雪姉さんは図書館を本当に出入りしたの?」

結華「入退館のカメラを操作するのもよくわからないし」

結華「攻略本のためにやってきたってのも憶測でしょ?」

結華「まみみんをそんなことで疑うなんて」

結華「三峰は黙っていられない」

◆◇◆◇◆◇◆◇
【発展!】

ルカ「大事そうに抱えられていた一冊、あれはゲームの攻略本だったんだよ」

ルカ「だとしたら、ストレイの女を追って公園に行くのは自然なこと」

ルカ「誰でも予想ができたことだ」

ルカ「血痕の存在はそれを確かに裏付ける!」

◆◇◆◇◆◇◆◇

結華「血痕がもし存在するならそうかもしれないけど……」

結華「今は【もう残っていない】以上三峰は認めないよ」

結華「それにそもそもそんなに攻略本を守りたいんだったら」

結華「千雪姉さんが【本を持ち出しているはず】だよね?」

結華「ルカルカの推理は根底から瓦解してる」

結華「まみみんが千雪姉さんの行動を掌握することなんてできないよ!」


【矛盾する発言を正しいコトノハでコンマ40以上で論破しろ!】

1.発言する(コトノハと斬りつける先の発言を併せて指定安価)
2.集中力を使う(ロンパ候補の発言の数が減る)

↓1

156: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2022/01/25(火) 22:59:29.38 ID:97CAW84cO
【本を持ち出しているはず】に【図書館利用規則】

157: コンマ値の緩和はスキルで代替しているのでここは厳しめで許してください ◆vqFdMa6h2. 2022/01/25(火) 23:00:54.24 ID:AY0G9Zdm0

【コンマ判定 38】

【発言力がゼロになりました】

【クリア後報酬が半減しました】

【コンテニューを行うため発言力が最大まで回復します】

結華「ルカルカ……三峰もここは引けないの」

結華「そんな太刀筋じゃ、届かないんだから」

(チッ……当たってはいたが、あと少し届かなかったか……)

(もっと、切れ味のある一撃を食らわせないと……!)

-------------------------------------------------

【反論ショーダウン開始!】

発言力:♡×5
集中力:☆×3

コトノハ
‣【図書館利用規則】
‣【現場の血痕】
‣【血まみれの本】
‣【凶器の矢】


結華「千雪姉さんは図書館を本当に出入りしたの?」

結華「入退館のカメラを操作するのもよくわからないし」

結華「攻略本のためにやってきたってのも憶測でしょ?」

結華「まみみんをそんなことで疑うなんて」

結華「三峰は黙っていられない」

◆◇◆◇◆◇◆◇
【発展!】

ルカ「大事そうに抱えられていた一冊、あれはゲームの攻略本だったんだよ」

ルカ「だとしたら、ストレイの女を追って公園に行くのは自然なこと」

ルカ「誰でも予想ができたことだ」

ルカ「血痕の存在はそれを確かに裏付ける!」

◆◇◆◇◆◇◆◇

結華「血痕がもし存在するならそうかもしれないけど……」

結華「今は【もう残っていない】以上三峰は認めないよ」

結華「それにそもそもそんなに攻略本を守りたいんだったら」

結華「千雪姉さんが【本を持ち出しているはず】だよね?」

結華「ルカルカの推理は根底から瓦解してる」

結華「まみみんが千雪姉さんの行動を掌握することなんてできないよ!」


【矛盾する発言を正しいコトノハでコンマ40以上で論破しろ!】

1.発言する(コトノハと斬りつける先の発言を併せて指定安価)
2.集中力を使う(ロンパ候補の発言の数が減る)

↓1

158: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2022/01/25(火) 23:02:44.24 ID:SXvc47wI0
本を持ち出しているはず 図書館利用規則

159: ◆vqFdMa6h2. 2022/01/25(火) 23:03:43.70 ID:AY0G9Zdm0

【コンマ判定 24】

発言力:♡×5→♡×4

結華「ルカルカ……三峰もここは引けないの」

結華「そんな太刀筋じゃ、届かないんだから」

(チッ……当たってはいたが、あと少し届かなかったか……)

(もっと、切れ味のある一撃を食らわせないと……!)

-------------------------------------------------

【反論ショーダウン開始!】

発言力:♡×4
集中力:☆×3

コトノハ
‣【図書館利用規則】
‣【現場の血痕】
‣【血まみれの本】
‣【凶器の矢】


結華「千雪姉さんは図書館を本当に出入りしたの?」

結華「入退館のカメラを操作するのもよくわからないし」

結華「攻略本のためにやってきたってのも憶測でしょ?」

結華「まみみんをそんなことで疑うなんて」

結華「三峰は黙っていられない」

◆◇◆◇◆◇◆◇
【発展!】

ルカ「大事そうに抱えられていた一冊、あれはゲームの攻略本だったんだよ」

ルカ「だとしたら、ストレイの女を追って公園に行くのは自然なこと」

ルカ「誰でも予想ができたことだ」

ルカ「血痕の存在はそれを確かに裏付ける!」

◆◇◆◇◆◇◆◇

結華「血痕がもし存在するならそうかもしれないけど……」

結華「今は【もう残っていない】以上三峰は認めないよ」

結華「それにそもそもそんなに攻略本を守りたいんだったら」

結華「千雪姉さんが【本を持ち出しているはず】だよね?」

結華「ルカルカの推理は根底から瓦解してる」

結華「まみみんが千雪姉さんの行動を掌握することなんてできないよ!」


【矛盾する発言を正しいコトノハでコンマ40以上で論破しろ!】

1.発言する(コトノハと斬りつける先の発言を併せて指定安価)
2.集中力を使う(ロンパ候補の発言の数が減る)

↓1

160: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2022/01/25(火) 23:04:14.87 ID:97CAW84cO
【本を持ち出しているはず】に【図書館利用規則】

166: 少し早いですが再開します ◆vqFdMa6h2. 2022/01/26(水) 20:48:07.07 ID:IcRhkOje0

ルカ「その矛盾、斬らせてもらう!」論破!

【BREAK!】

ルカ「攻略本の存在さえ隠せばゲームのクリアを妨害できる。それは確かにそうなんだろうな、そうじゃなきゃ千雪もあんな風に攻略本を隠したりしない」

結華「だから、そもそもその攻略本を借りておけばいい話でしょ……千雪姉さんの持っていたあの本が攻略本だとしても別物で……あれを取りに戻るなんて予測は立てられない」

智代子「そういえばそうだよね……ゲームのクリアを阻止するんなら、自分の部屋にでもその本を隠しておけば解決しそうじゃない?」

美琴「……それはできなかったのかもしれない」

結華「え?」

ルカ「図書館の本はすべてが貸し出し可能だったわけじゃねーんだ、そうだろ中学生?」

あさひ「そうっすね、一部の本は【禁帯出】扱いだったっす」

あさひ「図書館の中でしか読むことができない本で、借りて出ることは不可能なんすよ」

ルカ「そのゲームの攻略本とやらは禁帯出扱いだったのかもしれない……だからこそ、犯人は図書館に千雪を誘導することができたんだ」

167: ◆vqFdMa6h2. 2022/01/26(水) 20:49:22.32 ID:IcRhkOje0

結華「ま、待ってよ! それもあくまで可能性でしょ?!」

ルカ「だったら確かめてみるか? 本なら、ちゃんと残ってる。今から現場に戻ってその本を勝手に持ち出そうとすればペナルティも発生すんだろ」

結華「……!」

ルカ「まあそんな手間すんのも面倒だ。モノクマ、聞いてただろ?」

モノクマ「うーん、そうですね。ここまでの推理でたどり着いたことを見ましても、その本が攻略本であるか否か、禁帯出扱いであるか否かについてはもはや9割がた明らかになっていることなので」

モノクマ「いいでしょう! 事実として皆さんにお伝えします!」

モノクマ「斑鳩さんの予想通り、その本はゲーム『かまいたちの真夜中』の攻略本で、【禁帯出】扱いの一冊なのです!」

モノクマ「これでよかった?」

ルカ「……これでテメェの主張も崩れたな」

結華「……ッ!」

168: ◆vqFdMa6h2. 2022/01/26(水) 20:51:24.69 ID:IcRhkOje0

摩美々「なにそれ、勝ったつもりですかぁ?」

ルカ「……何が言いたい」

摩美々「や、まあ確かに犯人が千雪の行動をある程度掌握できたのはそうかもしれないですケドー」

摩美々「トラップに関しては全く証明されてないですよねー」

摩美々「可能だったのは摩美々だけとか言われても、まるでサッパリっていうかぁ」

夏葉「確かに……そんなトラップがあったことが前提で話が進んでいるけれど、その存在については一切証明されていないわね」

ルカ「そ、そんな証拠……」

(あるわけねえ……あったとしても、そんなもの私たちが知る余地もない……!)

(だって私たちは事件現場は完全に図書館だと思っていた……)

(そんな【橋】なんて捜査していない……)


169: ◆vqFdMa6h2. 2022/01/26(水) 20:52:56.31 ID:IcRhkOje0

美琴「……ルカ、落ち着いて」

ルカ「あ? な、なんだよ美琴……」

美琴「私たちは今確実に彼女を追い詰めている。あと一歩のところなんだよ」

ルカ「でも、その一歩が……」

美琴「橋の捜査をしていないから、だよね」

ルカ「……」

美琴「でも、さっきのルカの推理なら……橋を調べていたとしても一緒だと思う。凶器は海に落ちているし、千雪さんの血痕も落ちちゃいない」

美琴「だとしたら私たちが注目すべきなのはどこなんだろうね」

(私たちが注目すべきところ……?)

(……千雪の命を奪ったトラップはもはや残っちゃいない、だとしたら証拠が残るとすれば……)



(千雪本人の【体】、か……?)



ルカ「そうか……そういうことか」

摩美々「えー、なんですか急に気持ち悪い……」

ルカ「田中摩美々、そろそろケリつけようぜ。私とお前、どっちの言うことが正しいのか」

摩美々「ケリも何も……証拠がない以上は摩美々の言い分の方が正しいのは明白でしょー?」

ルカ「なら、確かめてみろよ……本当に証拠が何一つ残っちゃいねえのかな!」


170: ◆vqFdMa6h2. 2022/01/26(水) 20:54:04.74 ID:IcRhkOje0
-------------------------------------------------
【パニックトークアクション開始!】


摩美々「証拠の提出を要求しますー」【防御力 30】
摩美々「眠たくなってきちゃいましたぁ」【防御力 35】
摩美々「ふはははー、摩美々は潔白ですよー」【防御力 40】
摩美々「それで本気―?」【防御力 45】
摩美々「摩美々は悪い子ですからー」【防御力 50】


【盾の防御力をコンマで削り取れ!】

↓直下より五回連続判定


176: ◆vqFdMa6h2. 2022/01/26(水) 21:17:18.70 ID:IcRhkOje0
-------------------------------------------------
【パニックトークアクション開始!】

発言力:♡×4→♡×3

摩美々「証拠の提出を要求しますー」【残り防御力 6】
摩美々「眠たくなってきちゃいましたぁ」【BREAK!】
摩美々「ふはははー、摩美々は潔白ですよー」【防御力 12】
摩美々「それで本気―?」【BREAK!】
摩美々「摩美々は悪い子ですからー」【BREAK!】


【盾の防御力をコンマで削り取れ!】

↓直下より二回連続判定

179: ◆vqFdMa6h2. 2022/01/26(水) 21:22:29.67 ID:IcRhkOje0
-------------------------------------------------

【ALL BREAK!】

ルカ「そこまで言うなら見せてやるよ……!」


【摩美々「私がトラップを仕掛けた証拠なんて、どこにありますー?」】


り傷/の脛/千雪/の切


【正しい順番に並び替えて、コンマ値60以上でとどめをさせ!】

↓1

180: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2022/01/26(水) 21:32:26.09 ID:lsA6xdjG0
千雪の脛の切り傷

181: ◆vqFdMa6h2. 2022/01/26(水) 21:35:05.15 ID:IcRhkOje0

【コンマ09】

発言力:♡×3→♡×2

摩美々「そんなんじゃ届かないですよー?」

摩美々「摩美々に勝ちたいなら全力を出してくださいー」


【摩美々「私がトラップを仕掛けた証拠なんて、どこにありますー?」】


り傷/の脛/千雪/の切


【正しい順番に並び替えて、コンマ値60以上でとどめをさせ!】

↓1

182: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2022/01/26(水) 21:36:37.02 ID:cNxBVQgF0
千雪の脛の切り傷

183: うぅ…… ◆vqFdMa6h2. 2022/01/26(水) 21:38:07.98 ID:IcRhkOje0

【コンマ02】

発言力:♡×2→♡×1

摩美々「そんなんじゃ届かないですよー?」

摩美々「摩美々に勝ちたいなら全力を出してくださいー」


【摩美々「私がトラップを仕掛けた証拠なんて、どこにありますー?」】


り傷/の脛/千雪/の切


【正しい順番に並び替えて、コンマ値60以上でとどめをさせ!】

↓1

184: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2022/01/26(水) 21:38:38.21 ID:lsA6xdjG0
千雪の脛の切り傷

185: アンティーカコンマ強い… ◆vqFdMa6h2. 2022/01/26(水) 21:42:05.17 ID:IcRhkOje0

【コンマ21】

【発言力がゼロになりました】

【クリア後報酬はこれ以上減少しません】

【コンテニューを行うため発言力が最大まで回復します】


摩美々「そんなんじゃ届かないですよー?」

摩美々「摩美々に勝ちたいなら全力を出してくださいー」


【摩美々「私がトラップを仕掛けた証拠なんて、どこにありますー?」】


り傷/の脛/千雪/の切


【正しい順番に並び替えて、コンマ値60以上でとどめをさせ!】

↓1

186: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2022/01/26(水) 21:44:20.71 ID:cNxBVQgF0
千雪の脛の切り傷

187: アンティーカつよかった… ◆vqFdMa6h2. 2022/01/26(水) 21:45:19.42 ID:IcRhkOje0

ルカ「これで終わりだ!」

【BREAK!】

ルカ「確かにトラップを仕掛けた直接の証拠はどこにも残っちゃいない」

ルカ「でもな、千雪がトラップにかかった証拠なら残ってるんだよ」

摩美々「……はぁ?」

ルカ「あいつの死体の脛の部分、何かで擦り切れたような傷跡がついてたんだ。しかも血もにじんでいて、新しいものがな」


≪ルカ「……モノクマファイルにあった通りの状態だな、腹をぶっ刺されたせいで大量の血が流れてて、それが原因で死んじまってる」

美琴「ほかに目立った外傷はなさそうだね」

ルカ「脛に切り傷みたいなのがついてるけど……まあこれぐらいは日常生活でつく範疇だしな」≫


ルカ「その時は特に気にも留めていなかったが、私の言ったようなボウガンのワイヤートラップだったんなら話は別だ」

摩美々「……!!」

ルカ「千雪がワイヤーに引っかかった瞬間、ボウガンが撃たれて、そのままボウガンはワイヤーごと海に落下する。その時千雪の足に触れていたワイヤーは千雪の足との間にすさまじい摩擦を生じさせる」

夏葉「そんなの……切り傷どころか火傷を起こしてもおかしくないわ……!」

ルカ「つまりだ、死体にその傷跡が残っていたのが何よりの証拠。犯人はワイヤーを使ったボウガンのトラップを使って、千雪の命を奪った!」

ルカ「そしてそれが可能だったのは、花火大会に最後にやってきたお前しかいないんだよ、田中摩美々!」

摩美々「……」

摩美々「…………」

摩美々「……………………」

188: ◆vqFdMa6h2. 2022/01/26(水) 21:46:01.97 ID:IcRhkOje0





摩美々「……せいかーい」






189: ◆vqFdMa6h2. 2022/01/26(水) 21:47:39.99 ID:IcRhkOje0

結華「……えっ?」

恋鐘「ま、摩美々? おふざけはよくなかよ、ちゃんと反論ばせんと」

摩美々「ルカ、やるじゃん。よくわかったねー」

ルカ「……お前」

摩美々「うまく行ったと思ったんだけどなー、全部が全部バラされちゃった」

恋鐘「ち、違うばい! そ、そんなはずはなかよ!」

恋鐘「ルカの推理は的外れで、全部全部大間違い!」

恋鐘「摩美々が人の命を奪うなんて、そがんことするはずが……」

摩美々「恋鐘、悪いんだけど少し黙ってー」

恋鐘「……!」

摩美々「摩美々だって摩美々なりの美学って言うのがあるので、敗北を突き付けられた以上は見苦しく抵抗とかしたくないんだよー」

摩美々「負けたからには潔くステージを降りる、それがダークヒーローってやつじゃない? ね、果穂―」

果穂「ま、摩美々さん……」

摩美々「ねぇ、ルカー。もうちょっと付き合ってよ」

ルカ「あ?」

摩美々「確かに千雪を殺したクロは私なんだケドさぁ……」


190: ◆vqFdMa6h2. 2022/01/26(水) 21:48:28.45 ID:IcRhkOje0





摩美々「この事件、私も知らない【何か】が動いてるんだよねー」






191: ◆vqFdMa6h2. 2022/01/26(水) 21:49:29.97 ID:IcRhkOje0

ルカ「……は?」

摩美々「だから、私の行った犯行とは全く無関係に動いているものがいくつもあるんだよ」

智代子「そ、それって、第三者って人のこと……?」

愛依「そーいえば……千雪さんのお腹に刺さった矢が抜かれてたのとか、解決してなかったよね」

摩美々「私は花火大会からは一度も離脱してない、矢を引き抜くなんてできないし……」



摩美々「それに、そもそも私は冬優子に脅迫状なんか送ってないんだよねー」



冬優子「……は、はぁ?! あ、あんた何言ってんのよ!」

(ど、どうなってる……? 犯人はこいつで、こいつ自体もそれを認めている)

(なのに、どうしてここで謎が生まれるんだ……?)

192: ◆vqFdMa6h2. 2022/01/26(水) 21:51:34.58 ID:IcRhkOje0
-------------------------------------------------
【ノンストップ議論開始!】

発言力:♡×5
集中力:☆×3

コトダマ
‣【図書館の入退館管理カメラ】
‣【血まみれの本】
‣【冬優子宛の脅迫状】
‣【ボウガン】

摩美々「犯人は私で、私が千雪が殺した」

摩美々「それは間違ってないケド……」

摩美々「この事件には【他の人間が絡んでいる】のは間違いないよー」

冬優子「そ、そんなこと言われたって……」

冬優子「あんたがふゆに【脅迫状を送り付けて】スケープゴートにしようとしたんでしょ!?」

冬優子「【図書館で偽装工作までして】……入念にやってたじゃないの!」

果穂「犯人でもない、ひがい者でもない第三者がいるんでしょうか」

果穂「まさか、この事件にはくろまくがいるんですか……!」

果穂「悪の組織の大ボス、ですね……!」

【正しいコトダマで矛盾する発言を論破しろ!】

1.発言する(コトダマと撃ち込む先の発言を併せて指定安価)
2.集中力を使う(ロンパ候補の発言の数が減る)

↓1

193: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2022/01/26(水) 21:58:30.75 ID:lsA6xdjG0
図書館で偽装工作までして 図書館の入退館管理カメラ

194: ◆vqFdMa6h2. 2022/01/26(水) 22:02:03.77 ID:IcRhkOje0

発言力:♡×5→♡×4

冬優子「確かにカメラに関しては田中摩美々の偽装工作ではないけど……」

冬優子「それは田中摩美々が図書館で偽装工作をしなかった証拠ではないわよね?」

(うーん、少しだけ違ったみたいだ)

(田中摩美々の行動として黛冬優子が列挙しているものを完全に否定するものをぶつけなきゃならねーか……?)

-------------------------------------------------
【ノンストップ議論開始!】

発言力:♡×4
集中力:☆×3

コトダマ
‣【図書館の入退館管理カメラ】
‣【血まみれの本】
‣【冬優子宛の脅迫状】
‣【ボウガン】


摩美々「犯人は私で、私が千雪が殺した」

摩美々「それは間違ってないケド……」

摩美々「この事件には【他の人間が絡んでいる】のは間違いないよー」

冬優子「そ、そんなこと言われたって……」

冬優子「あんたがふゆに【脅迫状を送り付けて】スケープゴートにしようとしたんでしょ!?」

冬優子「【図書館で偽装工作までして】……入念にやってたじゃないの!」

果穂「犯人でもない、ひがい者でもない第三者がいるんでしょうか」

果穂「まさか、この事件にはくろまくがいるんですか……!」

果穂「悪の組織の大ボス、ですね……!」


【正しいコトダマで矛盾する発言を論破しろ!】

1.発言する(コトダマと撃ち込む先の発言を併せて指定安価)
2.集中力を使う(ロンパ候補の発言の数が減る)

↓1

195: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2022/01/26(水) 22:07:02.62 ID:pGkL0z1HO
集中力

196: ◆vqFdMa6h2. 2022/01/26(水) 22:09:36.68 ID:IcRhkOje0

集中力:☆×3→☆×2

【集中力を消費しました】

【ロンパ先の候補が減少しました】

【集中力の効果対象が変わりました】

-------------------------------------------------
【ノンストップ議論開始!】

発言力:♡×4
集中力:☆×2

コトダマ
‣【図書館の入退館管理カメラ】
‣【血まみれの本】
‣【冬優子宛の脅迫状】
‣【ボウガン】


摩美々「犯人は私で、私が千雪が殺した」

摩美々「それは間違ってないケド……」

摩美々「この事件には他の人間が絡んでいるのは間違いないよー」

冬優子「そ、そんなこと言われたって……」

冬優子「あんたがふゆに【脅迫状を送り付けて】スケープゴートにしようとしたんでしょ!?」

冬優子「図書館で偽装工作までして……入念にやってたじゃないの!」

果穂「犯人でもない、ひがい者でもない第三者がいるんでしょうか」

果穂「まさか、この事件にはくろまくがいるんですか……!」

果穂「悪の組織の大ボス、ですね……!」


【正しいコトダマで矛盾する発言を論破しろ!】

1.発言する(コトダマと撃ち込む先の発言を併せて指定安価)
2.集中力を使う(コトダマの数が減る)

↓1

197: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2022/01/26(水) 22:11:02.12 ID:cNxBVQgF0
脅迫状を送りつけて に 冬優子宛の脅迫状

200: ◆vqFdMa6h2. 2022/01/26(水) 22:12:03.63 ID:IcRhkOje0

ルカ「それは違うぞ!」論破!

【BREAK!】

ルカ「そうだ……こいつの言うとおりだ。こいつに脅迫状が出せたはずがねえ……!」

冬優子「は、はぁ?! あんたも見たでしょさっき、ふゆの脅迫状!」

冬優子「ふゆはこれのせいで犯行を擦り付けられそうになったのよ!? なら田中摩美々が出したとしか思えないでしょ!?」

ルカ「確かにその状況だけ見ればそうだがよ……お前が素を見せた時のこと、思い出してみろよ」


≪智代子「え、えええええええええええ!?!?」

夏葉「い、今何が起こったの……?」

透「おー……アンビリーバボー……」

摩美々「ちょ、ちょっと……こんな冬優子……【見たことない】んですケド」

美琴「びっくりした……」

冬優子「……」

冬優子「な、なーんて、冗談です♡」≫


ルカ「明らかにこいつは動揺していた、あれは演技なんかじゃねえ。本気でお前の豹変ぶりに驚いていた反応だったぞ」

摩美々「実際、冬優子の素なんてあの時まで知らなかったですからぁ……」

摩美々「摩美々たちに見せる顔がすべてじゃないとは思ってたけど、あそこまでは予想外だったんだよねー」

201: ◆vqFdMa6h2. 2022/01/26(水) 22:13:11.25 ID:IcRhkOje0

冬優子「じゃ、じゃあ何……? こいつは犯人じゃないってこと……?」

ルカ「いや、それはこいつ自身が犯行を自供している以上それは無い」

ルカ「となると、お前に罪を擦り付けようとした人間はまた別になるってことだ」

摩美々「そもそも摩美々が犯人になってもらおうとしたのは愛依の方だしねー」

愛依「う、うち!?」

摩美々「下剤入りドリンク、摩美々が仕掛けたのはそっちの方だよ」

愛依「そ、そんな……摩美々ちゃん、悪戯がすぎるってぇ……」

ルカ「大体、お前の素のことを知ってる人間なんてごくごく一部。この事務所でもほとんどの人間が知らない」

ルカ「それと……こうなると不自然な点が他にも浮上する。図書館二階のボウガン、あれもお前が置いたものじゃないんじゃねーか?」

摩美々「……!」

202: ◆vqFdMa6h2. 2022/01/26(水) 22:13:59.19 ID:IcRhkOje0

ルカ「だって、そもそもストレイのこいつを図書館に呼ぶ計画なんかじゃないならあれを置く意味もない。しかもボウガンの型番の違いなんてミスも犯してる」

ルカ「第三者の人間が、お前の計画を知ったうえで偽装工作を無断で行ったような妙な杜撰さがあるんだよ」

摩美々「摩美々の計画を乗っ取ろうとしたってことですかぁ?」

美琴「どちらかというと、計画の補強かな。弱みを握った相手なら脅迫の証拠も提出できないし、ただ大会を途中退出しただけの愛依ちゃんよりも疑念を強めることができる」

ルカ「そして、そんなことができる人間は限られる。だってこいつの本性を知っていた人間はほんのわずか、なんだからな」

冬優子「ま、まさか……」

(やっと掴んだ……!)

(私たちに紛れて推理をかき乱そうとする【狸】、その尻尾……!)

ルカ「事件をかき乱した第三者は……お前だ!」

-------------------------------------------------
【怪しい人物を指摘しろ!】

↓1

203: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2022/01/26(水) 22:29:16.49 ID:pGkL0z1HO
せ、芹沢あさひ?

204: ◆vqFdMa6h2. 2022/01/26(水) 22:30:56.57 ID:IcRhkOje0

ルカ「お前しかいない!」

【解!】

ルカ「なあ、中学生。お前……どういうつもりなんだ?」

あさひ「……」

ルカ「そいつに脅迫状を送り付けておいて、いざ裁判になったら庇い立てる。まるでお前の手のひらで踊る私たちを嘲笑うようじゃねーか」

あさひ「……」

ルカ「なんとか言えよ! お前はずっと、私たちの推理をどんなつもりで聞いてたんだっつってんだよ!」

あさひ「……」

205: ◆vqFdMa6h2. 2022/01/26(水) 22:31:31.98 ID:IcRhkOje0





あさひ「……あー、そういうことか」






206: ◆vqFdMa6h2. 2022/01/26(水) 22:32:39.78 ID:IcRhkOje0

あさひ「そっすね、冬優子ちゃんの性格の秘密を知ってたのはこの島ではわたしと愛依ちゃんだけ」

あさひ「愛依ちゃんは摩美々ちゃんに犯行を既に擦り付けられる役になっている」

あさひ「……なら、わたししかいないんだ」

ルカ「あ……?!」

愛依「あ、あさひちゃん、違うよね!? あさひちゃんがそんなこと……」

あさひ「……やるっすね」

ルカ「ハッ、バレねえと思ったか? それとも、そいつがまさか本性を暴露するとは思わなかったか?」

ルカ「どのみち今回はお前の計画は失敗に終わったってことなんだよ」

智代子「ちょ、ちょっと待って! 今回『は』……?」

智代子「今回ってことは……前回があるの……?」

(チッ……結局、言わなくちゃならねーか……)

(前回の事件に残る謎、そしてそれを振りまく【狸】の存在……)

207: ◆vqFdMa6h2. 2022/01/26(水) 22:34:12.69 ID:IcRhkOje0

ルカ「前回の事件、七草にちかが風野灯織を殺した事件は覚えてるよな?」

夏葉「忘れるはずがないわ、彼女が透を殺害する目的の計画が、些細な出来事でねじ曲がってしまった事件よね」

透「……あー」

ルカ「あの事件、解決したようにみえて……まだ謎が残ってたよな?」

果穂「なぞ……ですか?」

ルカ「暗視スコープと鉄串だ。七草にちかの計画では風野灯織が暗視スコープを使えず転倒するなんてものは入っちゃいない。ただあいつは暗がりの中で刺し通せればそれでよかったんだからな」

ルカ「そのせいで私が床下に潜んでいただとか疑われることになって……その時に疑いをかけてきたのも、お前だったよな」

あさひ「……そうだったっすか?」

ルカ「そして鉄串。風野灯織の命を奪った一本の他に、事件発生前に一本無くなっていた。あれも私を疑う一要因だったはずだ」

あさひ「……」


208: ◆vqFdMa6h2. 2022/01/26(水) 22:35:33.54 ID:IcRhkOje0

ルカ「そして今思えば……七草にちかがターゲットを間違えた夜光塗料塗りの花飾り。あれを作ったのもお前だったよな」

果穂「え……?」

夏葉「ちょ、ちょっと待って頂戴……それじゃまさか……」

夏葉「あの事件は最初から……あさひによって、あさひの思い通りに書き換えられていたというの!?」

ルカ「私たちの中に何食わぬ顔して潜伏して仲間面の仲良しこよし。でもその腹の内はそんな甘っちょろいもんじゃない」

ルカ「私たちの命を自分の思い通りにかき乱すだけの【狸】野郎だったんだよ……!」




愛依「そ、そんなわけないじゃん……! あさひちゃんがそんなことするわけない!」




あさひ「愛依ちゃん……」

209: ◆vqFdMa6h2. 2022/01/26(水) 22:36:42.37 ID:IcRhkOje0

愛依「さっきから聞いてればルカちゃんひどすぎるよ! あさひちゃんが冬優子ちゃんの大切な秘密をキョーハクの材料に使うなんてあるはずない!」

冬優子「……脅迫された本人が言うことじゃないと思うけど」

冬優子「ふゆも流石にこいつがそんなことするとは思えない。確かに何考えてんのかわかんないような奴だけど……ふゆの直感ではあんたのそれには同意できないわ」

ルカ「……ハッ、勝手にしろ」

あさひ「……」

愛依「あさひちゃん、ほら、みんなに違うって言おう? あさひちゃんがこんなことするわけないもんね!?」

あさひ「愛依ちゃん、無駄っすよ」

愛依「えっ!?」

あさひ「状況的には、わたししかこれは不可能……今いくら反論したって無駄っす」

(……何を余裕ぶってやがる)

(あいつしかいねえ、あいつが狸なのは明らかなんだよ……!)

210: ◆vqFdMa6h2. 2022/01/26(水) 22:37:55.37 ID:IcRhkOje0

摩美々「……とりあえず、摩美々の事件をかき乱したのがあさひなのは分かったケド」

摩美々「あさひが千雪のお腹に刺さってた矢を抜いたってのはおかしいよねー?」

果穂「はい……あさひさんは最後まであたしたちといっしょにいました……」

果穂「千雪さんを発見するより先に図書館で矢をぬくのはできません……」

ルカ「それはそうなんだよな……」

美琴「……なら、ちがうんじゃないかな」

ルカ「はぁ?」

美琴「この事件の都合がつかないところを第三者に負担させようとするから無理が出る。それなら、もっと別の視点から見てみればいいんじゃない?」

(もっと、別の視点から……?)

(【第三者以外の人間】が……関係してるってのか……?)

-------------------------------------------------
【ロジカルダイブ開始!】

発言力:♡×4

Q1.千雪の腹に刺さった矢はどこで撃たれた?
A.図書館内 B.橋の上 C.花火大会会場

Q2.千雪の腹に刺さった矢が抜かれたのはどこ?
A.橋の上 B.図書館までの道中 C.図書館内

Q3.千雪の腹に刺さった矢を抜いたのは?
A.黛冬優子 B.芹沢あさひ C.田中摩美々 D.桑山千雪

Q4.矢をわざわざ抜いた目的は?
A.証拠隠滅のため B.とどめを刺すため C.再利用するため D.犯行を擦り付けるため


【正しい道筋を選んで推理を組み立てろ!】

↓1

211: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2022/01/26(水) 22:47:23.09 ID:cNxBVQgF0
BCDA

212: ◆vqFdMa6h2. 2022/01/26(水) 22:50:21.67 ID:IcRhkOje0

発言力:♡×4→♡×3

(千雪と黛冬優子、それに芹沢あさひ以外の人間が関与はしていないはずだ……)

(なら、あの矢を抜いた人間として考えられるのも千雪で間違いない)

(じゃあ、千雪が矢を抜いた理由って……?)

(あいつの性格を考えてみると……その目的が見えてくるかもしれない)

-------------------------------------------------
【ロジカルダイブ開始!】

発言力:♡×3

Q1.千雪の腹に刺さった矢はどこで撃たれた?
A.図書館内 B.橋の上 C.花火大会会場

Q2.千雪の腹に刺さった矢が抜かれたのはどこ?
A.橋の上 B.図書館までの道中 C.図書館内

Q3.千雪の腹に刺さった矢を抜いたのは?
A.黛冬優子 B.芹沢あさひ C.田中摩美々 D.桑山千雪

Q4.矢をわざわざ抜いた目的は?
A.証拠隠滅のため B.とどめを刺すため C.再利用するため D.犯行を擦り付けるため


【正しい道筋を選んで推理を組み立てろ!】

↓1

213: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2022/01/26(水) 22:52:17.54 ID:LVK+/45L0
BCDB

214: ◆vqFdMa6h2. 2022/01/26(水) 22:53:29.95 ID:IcRhkOje0

ルカ「推理はつながった!」

【COMPLETE!】

ルカ「そうか……単純な話だったんだ……矢を引き抜いた人物は最初っから私たちは知ってたんだ」

智代子「だ、誰なの!? ルカちゃん!?」

夏葉「事件の犯人である摩美々? 脅迫されていた冬優子? 事件をかき乱す【狸】のあさひ?」

ルカ「いや、この事件には深くかかわっている人間がもう一人いるだろ?」

雛菜「ん~~~~~~?」



透「あ、あれだ。【被害者】」



ルカ「ああ、矢を抜いたのは、撃たれた千雪本人だったんだよ」

夏葉「そんな馬鹿な……! 撃たれた本人が矢を抜く理由なんてないわ!」

夏葉「あの矢は深く突き刺さっていた、引き抜きなんかしたらその瞬間命を落とすことは明白じゃない!」

215: ◆vqFdMa6h2. 2022/01/26(水) 22:55:03.51 ID:IcRhkOje0

果穂「え、えっと……それって……」

美琴「刺されただけじゃ出血はそこまでしないんだ。刺さった凶器が蓋の役割を果たすからね」

美琴「一番出血量が多いのは抜かれた時、その瞬間辺りには大量の血が流れることになる」

ルカ「千雪が狙ったのはそれだったんだよ」

愛依「ど、どーいうこと……? なんで、わざわざ血を流すわけ……?」

あさひ「もしかして……【自殺】っすか……?」

摩美々「は、はぁ……? ど、どういうことですか、それ……?」

ルカ「千雪は自分の手で矢を引き抜くことで、自分自身の死因を矢が突き刺さったことから、矢を引き抜いたことに替えようとしたんだ」

ルカ「何度も言っているように、あいつに突き刺さった矢はかなり深かった。満足な治療設備もないこの島じゃ自分の命が助からないことは目に見えていたんだと思う」

ルカ「だからこそ、残り僅かな命を使って、その運命を変えたかった。自分の手で自分自身を殺したことにしたかったんだ」

摩美々「そ、それってつまり……」

摩美々「他のみんなも道連れにしようとしたってことですか……?」

愛依「え……?」

摩美々「だって、そうじゃないですかぁ……千雪のその引き抜くという動作一つでクロは変わってしまう……そうしたら、摩美々たちは正しい正解を導き出せない可能性だって出てきてしまう……」

摩美々「もうこのままじゃ死んでしまう……それならいっそ、って……」



ルカ「そんなわけねーだろ」



216: ◆vqFdMa6h2. 2022/01/26(水) 22:56:01.48 ID:IcRhkOje0

ルカ「何馬鹿なこと言ってんだ、お前らの方が千雪との付き合いはなげーだろうが」

ルカ「あいつがそんな恨みがましい真似をすると思うか? あいつはいつだって自分以外のことを気にかけて、勝手に一緒になって悩むような、そんなお節介女なんだよ」

美琴「……私も、千雪さんの狙いはもっと別の所にあると思う」

美琴「千雪さんがクロになったとしたら、大きく変わることが一つあるよね?」

摩美々「はぁ……?」

ルカ「千雪は……お前を救おうとしたんだよ、田中摩美々」

摩美々「……」

ルカ「正確には『ボウガンのトラップを作った人間』を、だろうな。直接の死因が矢を引き抜いたことに変われば、ボウガンを仕掛けた人間はクロではなくなる」

ルカ「そいつが桑山千雪の命を奪ったという事実だけでも雪ぐことができるんだ」

摩美々「そ、それって……」

ルカ「あいつは最期の瞬間、その一瞬まで自分以外の誰かのことを思っていた」

ルカ「他の誰かが自分を殺したという事実を背負って今後生きていくこと、学級裁判という舞台で孤立無援の立場で生き残りをかけて戦わないといけないこと、その結果他の連中を欺かなければならないこと、裏切りを行わねばならないこと」

ルカ「……そんなの、あいつは黙ってみていられない人間だと思う」

摩美々「……」

ルカ「ホント、お節介が過ぎるよな」

(まあ、それがあいつらしいけどな)

ルカ「……私たちが投票すべき相手も、これで決まったな」

ルカ「この事件のクロとして私たちが指摘しなくちゃいけないのは……」

-------------------------------------------------
【クロを指摘しろ!】

↓1

217: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2022/01/26(水) 22:58:11.17 ID:LVK+/45L0
【桑山千雪】

219: ◆vqFdMa6h2. 2022/01/26(水) 23:00:08.11 ID:IcRhkOje0

ルカ「……」

【解!】

◆◇◆◇◆◇◆◇

「……はぁ……はぁ……」

「……痛い……」

ズキズキと痛む下腹部に目を向けると、月明かりに反射して銀色の柱が輝いた。
私の身体からこぼれる赤い液体はその柱を伝ってぽたぽたと地面に落ちる。

「はぁ……はぁ……まだ……ダメ……」

「まだ……ここで死ぬわけには……いかないもの……」

「甘奈ちゃん……ごめんね……あなたを守ることができなくて……」

「霧子ちゃん……ごめんね……あなたを許すことができなくて……」

「はぁ……はぁ……」

飛びそうになる意識を何度も何度も無理やり引き戻して、その歩みを進めた。
右足を引きずり、左足を引きずり、図書館にたどり着くことだけを目指して、歩く。

220: ◆vqFdMa6h2. 2022/01/26(水) 23:01:25.31 ID:IcRhkOje0

「……やっと……着い……た……」

図書館にたどり着いたとき、もはや下腹部の痛みは感じなくなっていた。
痛みとは別の、生暖かく突き刺すようなものが全身に通い始めている。
私の腹に突き刺さった矢から血液に載せて全身に行き届こうとしているそれは、直感で分かった。
遅効性の【死】だ。
死が、今まさに全身に回ろうとしている。
持って後数分、いや、一分にも満たないかもしれない。

「……はぁ……はぁ……」

それでも意地と執念でなんとか体を動かした重たい扉をなんとか押し開けて、わずかな隙間から図書館に侵入する。
そして山積みになっていた本の中から、その一冊だけを手に取った。
もはや視界すらも霞んでいたけど、それが私の探していた一冊だというのはなぜだかすぐに分かった。
誰にも読ませられない、一冊。私から漏れ出る液で汚して、侵して、使えなくする一冊。
その本を左手に携えて、もう片方の手は銀の柱に当てた。私の腹を突き破るそれを握れば、腹の肉と破れた臓物とが、ゴチュッと静かに喚く。

221: ◆vqFdMa6h2. 2022/01/26(水) 23:02:32.66 ID:IcRhkOje0

「……これで……あなたは……クロじゃ……なくなる……」

私には、その【あなた】が誰かはわからない。
でも、その【あなた】を私は赦したい。救いたい。
ほんの一時の気の迷いで、すべてを失ってしまうなんてこと、私は認められないから。
たとえ【あなた】が私を憎んでいようと、恨んでいようと、それで人生を棒に振る必要なんてない。
桑山千雪を殺したという十字架は、私が背負えばいい。
それで【あなた】が生き永らえることができるなら、その後の残った時間でいくらでも反省できる時間はあるでしょう。

私は【あなた】がいつしか私の死に立ち返って、涙を一滴でも流してくれるなら、それでいい。
……なんて、少しだけ欲張りなのかな。でも、これぐらいは許してくれるよね。


「……はぁ……はぁ……」


____だって、私はまだまだお子様なんだから。





「ばいばい……みんな……!」

力を込めて、銀の柱を引き抜いた。



222: ◆vqFdMa6h2. 2022/01/26(水) 23:03:18.23 ID:IcRhkOje0

◆◇◆◇◆◇◆◇

ルカ「……これでいいんだろ、千雪」

ルカ「お前が最期の最後に残した希望……ちゃんとたどり着いたぜ」

摩美々「そん、な……千雪は……自分を殺そうとした人間のために……?」

恋鐘「……それも、誰かもわからん、犯人のためばい」

結華「……まみみん、今まみみんが背負うことになったものってさ、相当に大きいよ」

結華「千雪姉さんが許してくれたこと、そして千雪姉さんがまみみんを救うために投げうったもの……その全部をこれから背負っていかなくちゃダメなんだ」

摩美々「……そうだねー」

ルカ「ようやく、終わったんだな」

ルカ「私たちはこれで真実にたどり着いた……この学級裁判の正しい結末、そして私たちのこれから生きていくための道筋に」

223: ◆vqFdMa6h2. 2022/01/26(水) 23:04:00.85 ID:IcRhkOje0





あさひ「それは違うっすよ」






224: ◆vqFdMa6h2. 2022/01/26(水) 23:04:48.75 ID:IcRhkOje0

冬優子「あ、あさひ……? あんた……」

あさひ「今ルカさんがたどり着いたのは、事実であって結末じゃない。わたしたちが目指すべき答えじゃないっす」

ルカ「テメェ……まだ裁判をかき乱すつもりかよ」

愛依「ま、待って……! みんながあさひちゃんを疑う気持ちはわかる……いやわかんないけど!」

愛依「でも、何か大事なことを言おうとしてるっぽいし……聞いてあげて!」

夏葉「……ルカ、いったん落ち着きましょう」

夏葉「裁判はあくまで公平に裁く場。発言権は平等に全員に与えられるべきだわ。その妥当性を問うのは、発言が終わってからの話よ」

ルカ「……わかった、言うだけ言いな」

(こいつが何を言おうとも耳を貸すつもりはない)

(なんたってこいつは【狸】、面白半分で事件をかき乱す野郎なんだからな)

(今私たちがたどり着いた真相を覆す方法なんて……)

225: ◆vqFdMa6h2. 2022/01/26(水) 23:05:46.00 ID:IcRhkOje0



あさひ「クロの判定をするのは、千雪さんじゃなくてモノクマっす」



あさひ「わたしが言いたいのはそれだけっすよ」

ルカ「……は?」

ルカ「お前、それどういう意味だよ……おい!」

恋鐘「何を当たり前のことを急に言い出すばい……そげんこと、このコロシアイ南国生活においては当然のことっちゃろ?」

美琴「……もしかして」

美琴「ルカ、この裁判では何度も言われてきたことだけど……推理だけで真実にたどり着くことはできないの」

美琴「大切なのは、確固たる裏付け。今のルカの結論には、それがない」

ルカ「う、裏付けがない……だと……?」

(どういう意味だ……?)

(今の私の推理で裏付けがないって……どういうことなんだ……?)

-------------------------------------------------
【正しい選択肢を選べ!】

・千雪が矢を引き抜いた証拠がない
・モノクマが千雪をクロにするとは限らない
・本当にボウガンのトラップが設置されていたかわからない

↓1

226: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2022/01/26(水) 23:07:53.99 ID:cNxBVQgF0
モノクマが千雪をクロにするとは限らない

229: ◆vqFdMa6h2. 2022/01/26(水) 23:09:41.07 ID:IcRhkOje0

ルカ「……!」

【解!】

ルカ「ボウガンのトラップで突き刺さった矢、あれを引き抜いたことで千雪は命を落とした……そこは間違いないはずだ」

ルカ「でも、その場合で千雪がクロになるかどうかは……私たちの希望的観測でしかなかった……」

結華「……え、そ、それじゃあまさか……」

恋鐘「摩美々がクロになる可能性も、まだ残っとるばい……?」

摩美々「……!」

美琴「直接の死因は大量出血だけど……その原因となった矢を刺したのは摩美々ちゃん……」

美琴「どちらをクロにするかの判断は……私たちじゃつけられないよ」

恋鐘「し、心配せんでよかよ! 千雪は命を懸けて摩美々を救うために動いてくれたばい! その頑張りを無碍にするようなわけ……」

230: ◆vqFdMa6h2. 2022/01/26(水) 23:10:38.06 ID:IcRhkOje0




モノクマ「鶏が先か、卵が先か」



モノクマ「この命題に世界中の哲学者がナン百年と頭を悩ましてきました」

モノクマ「ですが、ボクはこう言いたい!」

モノクマ「結論は原因より先に立たず! 卵というものが存在する以上は、ニワトリが先に存在していた、それ以外の結論はないだろう!」

モノクマ「そして、今私たちの前にはある命題が横たわっています」

モノクマ「刺した人間が悪いのか、矢を引き抜いた人間が悪いのか」

モノクマ「これもボクは同じように考えます」

231: ◆vqFdMa6h2. 2022/01/26(水) 23:11:18.33 ID:IcRhkOje0




モノクマ「矢を引き抜くという動作は、そもそも矢を刺すという動作が無ければ存在しえない!」





232: ◆vqFdMa6h2. 2022/01/26(水) 23:12:49.21 ID:IcRhkOje0

モノクマ「まあ、ていうか常識的に考えればそうでしょ。矢を刺して抜くとこまで全部自分でやってれば流石に自殺だけどさぁ……そんなんじゃないし」

結華「……そん、な」

摩美々「……はぁ、やっぱりそうですよねー」

摩美々「ちょっとくらいは希望持っちゃいましたケド……そう甘くはないですよねー」

恋鐘「ま、まだばい……摩美々がクロなわけなか! もう一度ルカの推理を洗い直して……」

夏葉「……恋鐘、ルカの推理を摩美々はすべて認めているの」

夏葉「……これ以上、結論が裏返ることはないわ」

恋鐘「バカ言わんといて! うちはいつまでも摩美々の味方やけん、投票なんかせんよ!」

結華「そうだよ……まみみんに投票なんて、できるはずない……」

摩美々「……」

摩美々「……ルカ、最後に摩美々からお願い一ついいですかぁ?」

ルカ「……もう一つどころじゃなく聞いてる気がするけどな」

摩美々「この分からず屋二人のために、噛み砕いて事件の流れを整理してやってくれないー?」

摩美々「まぁ、素直に聞くかどうかは別としてさぁ……それはけじめとしてちゃんとつけておかないと、摩美々も寝覚めが悪いのでー」

ルカ「……チッ、面倒くせぇ……」

ルカ「わかったよ、改めて田中摩美々、お前の犯行を最初から最後まで振り返る。それでこの事件も終わりにするぞ」

摩美々「ん、頼んだぁ」

ルカ「行くぞ、これがこの事件の真実だ……!」

233: ◆vqFdMa6h2. 2022/01/26(水) 23:14:06.48 ID:IcRhkOje0
-------------------------------------------------
【クライマックス推理開始!】

【act.1】

ルカ「今回の事件は、仕組み自体は簡単な話だった。ただ、証拠隠滅と犯行の擦り付けが丹念に行われていたことで、私たちの思考は犯人の思い通りに操られてしまっていたんだ」

ルカ「事件が起きたのは花火大会の最中。犯人は花火大会に参加する前に準備の悉くを終えてしまっていた。といってもやることは単純だ。犯行を擦り付ける役として、ギャル女の飲み物に下剤を仕込む。そのうえで、千雪の命を奪うためのトラップを第2の島と中央の島を結ぶ橋の柱に取り付ける。これだけの話だったんだ」

ルカ「後は適当に動機のゲームに手を付けようとしているとでも触れ込めば、ゲームの攻略を阻止しようとしている千雪は勝手にジャバウォック島に向かい、その途中で仕掛けを作動させて命を落とす。単純だが、目に見える証拠も残りづらい計画だ」

ルカ「でも、この事件はそれだけじゃ終わらない……私たちの中に潜む【狸】、芹沢あさひによる介入があったんだ」

◆◇◆◇◆◇◆◇

【act.2】

ルカ「どこから中学生が事件のことを嗅ぎつけたのかはわからないが、こいつは今回の犯人に相談をするようなこともせず、単独で行動を始めた。まず最初に行ったのが、黛冬優子への脅迫状の送付」

ルカ「あいつがこの島に来てからもずっと隠していた本性を公開すると仄めかした脅迫状、まあ裁判で追い詰められて結局その秘密は図らずも公開されることになっちまったが、その前段階ではこいつを脅迫するにはこれ以上ない材料だったはずだ」

ルカ「そして、黛冬優子に犯行を擦り付けるために、今度は図書館の内部にボウガンを設置した。千雪の命を奪った場所をこの図書館内部に誤認させるためなんだろうが……生憎、千雪の腹に刺さった矢とは型番が違った。むしろこのボウガンはここ以外で殺害が行われたことを示す手がかりになっちまったんだ」


234: ◆vqFdMa6h2. 2022/01/26(水) 23:15:16.52 ID:IcRhkOje0

◆◇◆◇◆◇◆◇

【act.3】

ルカ「そして花火大会本番。犯人は何食わぬ顔で一番遅れて参加、これは橋にトラップを仕掛けるのに自分より後に橋を渡る人間がいると不都合だからだ。犯人は予定通りに計画を進めていく、下剤をもって犯行を擦り付ける役のギャル女にトイレに籠らせアリバイを無理やりに奪う」

ルカ「でも、ここから犯人にとってのイレギュラーが連続する。まず第一に爆破騒動だ。モノクマが気まぐれで混ぜた爆弾によって島中が揺れ、図書館の本も二階から落下して一階へ。これも今思えば、狸が意図的に爆弾を混ぜていたってことなんだろうな。なんたって芹沢あさひは花火の準備係になっていたんだから」

ルカ「爆破騒動のさなか、千雪は思ったはずだ。今の衝撃でもしかすると攻略本が他の人の目につくところに落下しているかもしれない、確かめないと、ってな」

ルカ「そしてここからは芹沢あさひの予定通りに事件が進行する。まず最初に攻略本を確かめるために千雪が入室。その次に脅迫状を手にした黛冬優子が入室する。千雪は慌てて身を隠した。なんたって、ここでこそこそ行動しているのが見つかれば、他の誰かが攻略本の存在に勘づいてしまうからな」

ルカ「黛冬優子はそのまま暫く呼び出し主を待った後、痺れを切らして退室。千雪がその背中を見届けると、一つの疑念が沸き上がる。もしかして、黛冬優子は攻略本を見つけて、ゲームをクリアするために去ったんじゃないだろうか」

ルカ「そうなると千雪も黙っているわけにはいかない、なんとしてもそれだけは防がないといけない……千雪はすぐにその後を追った。図書館の入り口に取り付けられた入退室管理用のカメラを止めてからな」

ルカ「出入りする姿をこれ以上録画されたくなかった……ってところだろうな。後でデータを消すつもりだったのかもしれない、一応ノクチルの二人に説明に行くっていう体で大会を抜け出してたんだしな」


235: ◆vqFdMa6h2. 2022/01/26(水) 23:16:08.01 ID:IcRhkOje0
◆◇◆◇◆◇◆◇

【act.4】

ルカ「千雪が向かったのは中央の島のジャバウォック公園。黛冬優子がゲームをクリアしに向かったんだとすれば、その目的地はここだ。そして、公園に行くためには必ず通る場所がある。……そう、犯人が花火大会に参加する前にトラップを仕掛けておいたあの橋だ」

ルカ「橋の柱にワイヤートラップを設置し、通過の際に足を引っかけるとボウガンが撃たれる仕組み……それが作動した瞬間、千雪の脛には切り傷が付いた。そして見事狙い通りに矢は千雪の下腹部に深く深く突き刺さった」

ルカ「……確かに致命傷の一撃ではあったが、それで千雪が即死するには至らなかった。矢が突き刺さるだけじゃ出血もそこまでない、そして何より、千雪には強い精神力があった。『誰も自分を殺したクロにしたくない』『攻略本の存在だけは隠し通したい』その思いでなんとか踏みとどまったんだと思う」

ルカ「そしてどうにかたどり着いた図書館で、千雪は攻略本を手に取り、自分の手で矢を引き抜いた。その瞬間、矢が蓋の役割を果たしていた分大量の血が流れだした。現場には千雪の血が水たまりのようになるほど、死因になるには十分な量だったと思う」

ルカ「でも……モノクマの結論は違った。直接の死因よりも、それが生じるきっかけとなったトラップを仕掛けたほうがクロとしては適切だという判断だった。千雪の命がけの策は……無駄に終わってしまった」

ルカ「でも、だとしても私たちがあいつの死から感じ取れる想いは本物だ。あいつは最期の最後まで、他の人間のことを想って行動していた。それは間違いねーんだ」


ルカ「……だから、目を背けるんじゃねー」



ルカ「この事件の犯人は、【田中摩美々】なんだよ」



【COMPLETE!】

-------------------------------------------------

236: ◆vqFdMa6h2. 2022/01/26(水) 23:17:46.22 ID:IcRhkOje0

ルカ「私たちにできることは、自分たちが生き残るために他の人間を切り捨てることだ。その判断から逃げ出すことは、自分自身の命を投げ出すことと同じ」

ルカ「そんな無責任な真似、してんじゃねーよ」

結華「……まみみん、一つだけお願いしてもいい?」

摩美々「ん、一つだけねー」

結華「さっきさ、千雪姉さんが命がけでまみみんを守ろうとしたって話になった時……背負ったものがあるって話をしたよね」

摩美々「千雪が許したこと、そして許すために投げうったもの……だったよねー」




結華「……それ、これから先は三峰が代わりに背負うから」




237: ◆vqFdMa6h2. 2022/01/26(水) 23:18:26.27 ID:IcRhkOje0

恋鐘「ゆ、結華……結華は摩美々を諦めると?!」

結華「そんなわけない! 三峰だって……まみみんがクロだなんて、今も信じてない……」

結華「でも、もし、もし仮に……ここでまみみんがクロとして、処刑されてしまうようなことがあるのなら……」

結華「……私が、それを背負う責務があるの」

摩美々「三峰……それって」

結華「ほら、だってそうでしょ? 三峰ってばアンティーカのみんなのお姉さんなんだから! かわいい妹が困ってるなら手を差し伸べるし、かわいい妹から受け継げるものは受け継ぎたい」

結華「だからまみみん、一つだけお願い。まみみんの素直な気持ちを聞かせてほしいな」

結華「いつもみたいに余裕ぶった態度で取り繕ってない、ありのままの……あなたの気持ちを」

摩美々「……ふふー、料金は高くつきますよー」

結華「あちゃー、困ったなぁ……生憎持ち合わせはメダルが30枚程度しか」

摩美々「手元にあるじゃないですかぁ、お金に替えられないだけの価値のある」

摩美々「……投票権が」

結華「……ホント生意気な妹を持ったものですよ、こりゃ」

238: ◆vqFdMa6h2. 2022/01/26(水) 23:19:03.81 ID:IcRhkOje0

モノクマ「どうやら結論が出たみたいですね!」

モノミ「やい、モノクマ! 桑山さんの気持ちを踏みにじって、それで満足でちゅか!」

モノクマ「死に際の決死の覚悟を無駄な元だと踏みにじるなんて、上等な料理にハチミツをブチまけるがごとき思想だよね!」

モノクマ「まあでもボクってばクマなので。ハチミツ大好きなので、なんにでもハチミツかけちゃうので」

モノクマ「ちなみにおすすめはアツアツのご飯に納豆と刻みのり、それとショウガを混ぜた後にハチミツを垂らすあまあま納豆丼だよ!」

モノクマ「じつはハチミツと納豆ってすごく相性がよくってね。あの粘っこさの二重奏は中々癖になるんだよなぁ」

モノミ「はえ~、あちしも今度やってみようかな」

モノミ「……ってコラー! おいしそうな料理でけむに巻こうとするんじゃないでちゅー!」

モノクマ「それでは行ってみましょう、投票ターイム! オマエラはお手元のスイッチでクロだと思う人物に投票してくださーい!」

モノクマ「議論の結果導き出されたクロは正解なのか、不正解なのかー!」

モノクマ「さあ、どっちなんでしょうかね?」

239: ◆vqFdMa6h2. 2022/01/26(水) 23:19:45.09 ID:IcRhkOje0
-------------------------------------------------


     【VOTE】
〔摩美々〕〔摩美々〕〔摩美々〕

 CONGRATULATIONS!!!!

   パッパラー!!!


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240: ◆vqFdMa6h2. 2022/01/26(水) 23:20:26.02 ID:IcRhkOje0





【学級裁判 閉廷!】





245: 公式生放送を見ていて少し遅れました、ゆっくり投下していきます。 ◆vqFdMa6h2. 2022/01/27(木) 21:23:03.11 ID:m2HupEjL0
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CHAPTER 02

厄災薄命前夜

裁判終了


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246: ◆vqFdMa6h2. 2022/01/27(木) 21:24:06.66 ID:m2HupEjL0

モノクマ「なんと! 二連続大正解~~~!」

モノクマ「オートマティックなトラップを仕掛けて、超社会人級の手芸部である桑山千雪お姉さんを殺害したクロは超高校級の服飾委員の田中摩美々さんなのでしたぁ~~~~!」

摩美々「……はぁ」


一度は千雪の決死の覚悟のもとに解放されるかと思った処刑の重荷。
それを背負い直されたことによって、田中摩美々の表情はより沈痛なものになっていた。


夏葉「まさか、こんな終わり方になるとは思わなかったわ」

夏葉「摩美々、あなたの犯した罪は到底許されるべきものではない。でも、だとしても、あなたをこの場で失いたくはなかったわ」

摩美々「……ごめんなさいー」

智代子「夏葉ちゃん……」

冬優子「田中摩美々、あんたのやったことはふゆとしても許せない」

冬優子「うちの大事なユニットメンバーを身代わりに据えようとしたなんて、いい度胸じゃないの」

摩美々「そっか……冬優子は自分のことより、そっちで怒るんだぁ……」

冬優子「はぁ? 当たり前でしょ、ふゆの脅迫状に関してはあんたがやったことじゃない」

冬優子「まして、あさひがやったことでもないのよ」

あさひ「……!!」

夏葉「そのことも、おいおい話をしましょう……もちろん、透のこともね」

透「……うん、私も話したいかな」

雛菜「透先輩~?」

247: ◆vqFdMa6h2. 2022/01/27(木) 21:25:38.08 ID:m2HupEjL0

美琴「今はそれよりも、限られた時間をどう使うべきかだよ」

美琴「モノクマがいつ強制的に執行してくるかもわからない。その前に話をしておかなくちゃ。そうでしょ?」

結華「美琴姉さん……うん、ありがとう」


美琴に促されるままに、メガネ女は田中摩美々の前に立った。
裁判の幕引き、その間際にこいつはユニット仲間の本当の気持ちに向き合うことを決めた。
それがユニットの年長者としての責任なのか、それともこいつとしての覚悟なのか。
私たちはその行く末を見届けてやらなくちゃならない。


摩美々「その前に料金の精算からねー、モノクマ、三峰の投票先はぁ?」

モノクマ「え? はいはい、えーっと……三峰さんは田中さんに投票してますね!」

モノクマ「ていうか投票は満場一致なので気にもしてなかったよ、どしたの急に!」

モノミ「もう、デリカシーがないでちゅね! あんたは女性の心をもっと勉強するべきでちゅ!」

摩美々「そっかぁ、三峰も、恋鐘も……やってくれたんだぁ」

恋鐘「うちも……最後に聞きたか、摩美々の本当の気持ちを」

恋鐘「だから、うちも逃げんかった。摩美々がそがん覚悟決めとるんやったらうちもそれを尊重するって決めたばい」

摩美々「ふふー、及第点ってとこですかねー」

結華「これでまだ及第点? 手厳しいなぁ」

摩美々「……」

248: ◆vqFdMa6h2. 2022/01/27(木) 21:26:48.98 ID:m2HupEjL0

それまでは飄々と周りを茶化しながら話していた田中摩美々。
だが、その時は刻一刻と近づいている。そのことを彼女も感じ取ったのだろう。
二人を前にして、自分の髪を撫でた後呼吸を一つ。
努めて落ち着いてみせるその顔は、少し強張っていた。


摩美々「摩美々が千雪を殺そうって決めたのはあの動機が発表された翌日、この島に来てから9日目の夜だよ」

(私が美琴とひさしぶりに練習をした日か……)

摩美々「私は、モノクマの用意したあのゲームをプレイしちゃったんだよねー」

結華「え……ゲームって、【かまいたちの真夜中】!?」

美琴「やっぱり、そうだったんだね」

摩美々「あのゲームは、ノンフィクション。実在の人物を題材にした、実際に起きたゲームを再現したゲームだったんだよー」

果穂「え、そ、それって……生きている人が、ゲームに出てくるってことですか?」

智代子「架空の人物じゃないってことだよ、果穂」


249: ◆vqFdMa6h2. 2022/01/27(木) 21:27:59.65 ID:m2HupEjL0

ルカ「……あのゲームに出てきてたのは、てめェら283プロの人間だ」

雛菜「へ~?」

ルカ「今この場所に立っていない人間ばかりだけどな、私でも知ってる顔ぶれだったし……お前からすれば気が気でなかったんだろ?」

摩美々「その調子だとルカはプレイした側なんですねー」

ルカ「事件の捜査の時に、だけどな」

摩美々「なら、あのゲームがどんな内容だったのかも知ってますよねー」

(……言えって言うのか)


私を見つめたまま押し黙る田中摩美々。
学級裁判終わりという空気の中で、あんな凄惨な事件を口語るのは流石に抵抗を感じるが、
これより死に行くものたっての希望だ、聞いてやらないわけにもいかない。
それに、こいつはきっと私が語らない限りは本心を語るつもりもないんだろう。

250: ◆vqFdMa6h2. 2022/01/27(木) 21:28:28.63 ID:m2HupEjL0



ルカ「あのゲームでは……大崎甘奈が杜野凛世と幽谷霧子を襲撃して、大崎甜花を殺害していた」



愛依「……え? い、今の……うちの聞き間違い……?」

夏葉「甘奈が、凛世と霧子を襲って、甜花を……殺害した……?」

恋鐘「る、ルカ……冗談にしても悪質ばい……! 人の命をネタになんかしちゃいかんとよ……!」

摩美々「ルカは何も嘘を言ってない」

恋鐘「摩美々……!?」

摩美々「だって、同じものを、私は見たからこそ……この事件を引き起こしたんだから」


251: ◆vqFdMa6h2. 2022/01/27(木) 21:29:24.64 ID:m2HupEjL0
◆◇◆◇◆◇◆◇

あのゲームの真相は、明らかにしないとダメだった。

あのゲームに出てきていたキャラクター達、名前こそ持っていなかったケド……
私たち283の人間が見れば一発でわかる。
あのシナリオで描かれていたのは、甘奈が凛世や霧子を次々と襲っていく様子。手には刃物をもって、姿を隠して……

『Normal END』

でも、ゲームの中ではその真相にはたどり着けない。
甘奈が刃物を振り回し、霧子を襲い、甜花の死体が映って終わる。
勿論、このゲームが現実のものだなんて手放しに信じたわけじゃない。
でも、甜花の写真の妙なリアルさ、そして何よりこの場にいない霧子の存在が、どうしても気になって仕方がなかった。

モノミが抜き取ったという私たちの記憶。
その空白の記憶の中で、私たちが忘れ去ってしまった重要なものがあるとすれば……
それはきっと、この中にある。

でも、どれだけ試してもこのゲームをクリアする方法は分からなかった。
何度挑戦しても、画面には『Normal END』の文字が浮かび上がり、真実は闇の中。

私はその真実が欲しくて欲しくて……藁にも縋る気持ちだった。

他のみんなにはゲームをプレイしたことは黙っていなきゃダメだった。
でも……千雪にだけは、黙っていることはできなかった。

252: ◆vqFdMa6h2. 2022/01/27(木) 21:30:45.11 ID:m2HupEjL0

ピンポーン

千雪「……あら? 摩美々ちゃん、こんな遅くにどうしたの?」

摩美々「こんばんはー……ちょっと、話が合って……中入ってもいいー?」

千雪「あら、珍しい……うん、大丈夫よ。入って」


千雪はその時も平然としていて、まるで私の来訪の理由にも心当たりがなさそうだった。
私を部屋に招き入れると、千雪はちゃきちゃきと支度をしてお茶とお菓子とを机の上に広げた。


千雪「じゃあお姉さんに相談、聞かせてもらおうかな」

摩美々「……千雪はさぁ、あの広場のゲームってやったぁ?」

千雪「……!」


俄かに千雪の目元がピクリと動いた。

253: ◆vqFdMa6h2. 2022/01/27(木) 21:31:26.56 ID:m2HupEjL0


千雪「さあ……あの時、みんなゲームはやらないって約束だったでしょ?」


そんな安っぽい嘘で誤魔化し通せると思っているなら舐められたものだ。
人を騙したり嵌めたり、そういう悪戯じみたことは悪い子の専売特許。
他の誰かは騙せても摩美々の目は騙せない。
明らかな手ごたえを感じて、一切隠しもせずにその話を持ち出した。


摩美々「摩美々はさぁ、やっちゃったんだよねー。あのゲーム」

千雪「え……?」

摩美々「で、あのゲームはどんな内容だったと思うー?」

千雪「さ、さぁ……どうかしら」

摩美々「ゲームの中で甘奈が霧子を殺そうとしてたんだよ」

千雪「……!」


そんなのただのゲームの中のフィクションだ、普通はそう言ってあしらえばいい。
でも、千雪はそれをしなかった。私の口から出たその言葉を前に肩を震わせて、押し黙る。
間違いない、千雪はこのゲームの内容を知っていた。
プレイした側の人間の反応だ。


254: ◆vqFdMa6h2. 2022/01/27(木) 21:32:13.02 ID:m2HupEjL0

摩美々「甘奈、どうしちゃったんだろうねー。あんな風に追い詰められちゃって……けがの治療をしていた凛世と霧子に追い打ちをかけるように襲撃をかけて」

摩美々「まるでホッケーマスクの殺人鬼って感じじゃないー?」

千雪「……あ、甘奈ちゃん、が……」

摩美々「……ねえ、千雪―」

千雪「……え」

摩美々「いい加減嘘つくのやめてくれるー? 千雪はあのゲーム、プレイしたんだよねー?」

千雪「わ、私は……」

摩美々「私の目を見て答えてもらえますかぁ」

千雪「……っ!」

千雪「ま、摩美々ちゃん、は……その、霧子ちゃんのことを……あのゲームをやってどう思ったの?」

摩美々「はぁ? なんで霧子……今は甘奈の話をしてるんですケドー」

千雪「え……?」

摩美々「……?」

千雪「もしかして、摩美々ちゃん……ゲームのクリアはしてないの……?」


その瞬間、千雪の表情が一変した。


255: ◆vqFdMa6h2. 2022/01/27(木) 21:33:21.34 ID:m2HupEjL0

摩美々「ちょっと待っ……クリアって……もしかして、別のエンディングに千雪は到達したの……?!」

千雪「……摩美々ちゃん、悪いけど、お話はこれ以上できないわ」

摩美々「そ、そんなの認められないって……霧子は、霧子はどうなったの……!?」

千雪「あなたの見た通りよ、それ以上でも、それ以下でもないの」

摩美々「だから嘘つくのはやめ____」



千雪「ごめんなさい」




バンッ!

256: ◆vqFdMa6h2. 2022/01/27(木) 21:34:43.51 ID:m2HupEjL0

しばらく、何が起きたのかわからなかった。
見たことのない剣幕の千雪にいつの間にか立ち上がって後ずさりしていたらしく、私はその体を簡単に部屋の外に突き飛ばされてしまった。
そして眼前で響く施錠音。完全に締め出された形だ。


摩美々「……」


今の様子からしても、千雪が私に対して、ゲームのクリアした先にある真相を隠そうとしていることは明らかだった。
そして、私に投げかけたあの質問。

____「霧子についてどう思ったか」

霧子の安否以上のものがそこに含まれているのは間違いない。それさえも隠すということは、きっとそこに何らかの不都合が生じている。
甘奈についてもまるで答えようともしない。
ただ自分だけがたどり着いた真相を胸に抱えて、押し黙っている。
真相を共有しようという考えは毛頭持ち合わせていないらしい。

257: ◆vqFdMa6h2. 2022/01/27(木) 21:35:52.64 ID:m2HupEjL0





____誰も知らない真相は、虚構と同じ。






258: ◆vqFdMa6h2. 2022/01/27(木) 21:36:51.31 ID:m2HupEjL0

私の中に芽生えたのは、口封じという発想だった。
私自身、いつの間にかあのゲームの真相を知りたいという欲求から真相を知るのが怖いという不安感にその根底の思想が切り替わっていた。
甘奈が霧子を襲ったその後に何が起き、誰が死に、誰が生き永らえたのか。
それより先の真実に目を向けるのが、怖かった。
だから遠ざけた。
真相を知る人間をこの世から抹消することで、その真相を闇に葬り去ろうとした。

でも、この不安に足を取られたことで、私はもっと大切なものを見失っていた。





……私には霧子の他にも、アンティーカの仲間がいたというのに。


259: ◆vqFdMa6h2. 2022/01/27(木) 21:38:04.08 ID:m2HupEjL0

◆◇◆◇◆◇◆◇


摩美々「摩美々は……怖かったんですよ、あの事件の続きを知ることが」

摩美々「だって、甘奈は正常じゃなかった。みんなを殺さないとダメ、だなんて私の知る甘奈じゃなくて……その結果、実際……甜花を手にかけた」

摩美々「その先に待っている結末なんて、分かり切ってるじゃん」

摩美々「でも、だからこそ、それを知る人間さえ消してしまえばそれはあくまで予測で済む、確定はしない」

摩美々「摩美々は……霧子の死を、知りたくなかったんですよ……」

結華「まみみん……」


それは、震える身体で無理やり絞り出した、か細く、幽かな本心だった。
きっと、今この瞬間になるまで田中摩美々自身もその感情の言語化は出来ていなかった。
自分の口から出た『怖かった』『知りたくなかった』その言葉に自分自身で戸惑っているようで、田中摩美々はせわしなく自分のツインテールを撫でていた。
人というのは恐ろしい生き物だ、自分を突き動かしているものの正体も分からずに、それに従ってしまうのだから。

そして気が付いたときにはもう遅い。
無自覚な恐怖の暴走の行く末が、この今の田中摩美々だ。
283の連中の中でも冷静に事態を見極める側だとばかり思っていた、いやその認識は誤ってはいない。

ただ、彼女も年相応の【子供】だった、というだけ。

260: ◆vqFdMa6h2. 2022/01/27(木) 21:38:42.23 ID:m2HupEjL0

結華「……それでもやっぱり、三峰はもっと早くに、三峰に話してほしかったって思っちゃうな」

摩美々「……」

結華「そしたら、何も解決は出来なくても、一緒に怖がってあげることぐらいはできたかもしれないじゃん?」

結華「三峰が言えたことじゃないけどさ、不安とか恐怖とかって一人で抱え込んじゃうと膨らみまくっちゃって……それでも本人は一人で解決できる、誰も頼りたくないとか思っちゃうんだよね」

結華「そんな時、誰かに話すとちょっとだけ楽になったりして……」

摩美々「そう、だったカモ……ねー」

結華「……ごめんね、まみみん。三峰が、気づいてあげればよかったんだよね」

摩美々「ちょっと、なんでここで自分を責めるのー。どう考えても悪いのは摩美々じゃーん」

結華「……はぁ、Pたんみたいに上手くはいかないか。まだまだ三峰も若造ってことですな」

摩美々「じゃあ、摩美々は赤ん坊かなぁ」

結華「あはは、なにそれー」


おちゃらけた態度には、努めて明るくしようとしているのが透けて見えた。
三峰結華も、今逃げ出したいほどの恐怖を感じている。
暫くののち、今自分の目の前に経っている、愛してやまないユニットの仲間はその命を落とす。
でも、だからこそ、そこに涙を持ち込みたくはなかったのだろう。
無理やりにでも口角を吊り上げて、おどけた笑い方をした。

その笑い方が、あまりにも屈託がなく、ひどく痛々しくて、私は思わず目をそむけた。

261: ◆vqFdMa6h2. 2022/01/27(木) 21:39:53.97 ID:m2HupEjL0





____そむけた先で、目が合ったのは、モノクマだった。



モノクマ「あのさ、そんなに気になるんなら……【TRUE END】、見ちゃいます?」






262: ◆vqFdMa6h2. 2022/01/27(木) 21:40:37.73 ID:m2HupEjL0

ルカ「……は? おま……何言って……!」


俄かに動揺が走った。
ゲームの隠されたエンディング、真のクリアは千雪がずっと隠し続け、田中摩美々が闇に葬り去ろうとしたパンドラの匣だ。
それをこの場において、衆目に晒すというのは持つ意味が歪に大きい。


モノクマ「やっぱりね、製作者としましてはゲームも隅々までプレイしてもらいたいと思っちゃうわけですよ! なんたって我が子なんですからね!」


声高に語るモノクマに対し、どうしても尻込みをする面々。
それもそのはず、私と美琴、田中摩美々以外はおそらくゲームをプレイもしていない。
大崎甜花の死という事実をつい先ほどの情報として受け取った彼女たちからすれば、これ以上の情報などそう簡単に受け入れようなんて思わない。

263: ◆vqFdMa6h2. 2022/01/27(木) 21:41:24.16 ID:m2HupEjL0

……でも、そんな中でも食いついた人間が一人。
彼女は身を乗り出すようにしてまで、その【もう一つのエンディング】を求めた。
ずっと知りたくて知りたくてたまらなかった真実に向かって、必死に手を伸ばす。


摩美々「え、え……? そ、それって……霧子がどうなったかも見れるってことですか……?」

結華「ま、まみみん……ちょっと、落ち着いて……!」

摩美々「お、教えて……どうすればTRUE ENDが見れるんですか……」

モノクマ「おっ、いい反応ですねぇ。流石、事件を引き起こしただけのことはあるなぁ! ではでは、田中さんのそのやる気にこたえてお教えしましょう!」

モノクマ「タイトル画面で↑↑↓↓←→←→BAを入力してください! されば真実の扉は開かれよう……」

摩美々「げ、ゲームはどこなんですかぁ?! 早く、早く入力しないと……」

恋鐘「摩美々、ちょっと冷静にならんね! 摩美々はそのエンディングを封印ばするために千雪んこと狙ったと違ったばい!?」

摩美々「それどころじゃない……摩美々はもうあと少しの命なんだよ……真実を自分の目で確かめないと、一生知ることは出来ないんだから……!」


264: ◆vqFdMa6h2. 2022/01/27(木) 21:41:56.58 ID:m2HupEjL0

田中摩美々はもはや獣のようだった。
他の人間の手を振りほどき、言葉を拒絶し、真実という餌を追い求める。
もはや今の彼女には誰の言葉も届かない。
鬼気迫る様子に全員一歩引く中、彼女は裁判場の一角に置かれた筐体を見つけ、それに飛びついた。


摩美々「↑↑↓↓←→←→BA……↑↑↓↓←→←→BA……」


譫言のように口走るコマンドを、震える手でボタンを押してなぞった。
その瞬間、聞いたことのない効果音が鳴り響き、タイトル画面は私の知るものから一変した。


『かまいたちの真夜中 真相編』


摩美々「来た……来た……! これで、霧子がどうなったか分かるんだぁ……」


265: ◆vqFdMa6h2. 2022/01/27(木) 21:42:46.66 ID:m2HupEjL0

『それは、惨劇が巻き起こる前の日の晩。
学園内に住まう者たちの悉くが自分の部屋へ戻り、瞼を閉じて明日へ備えていた深夜の頃だった。
人目をはばかる様にして、廊下を歩む者が一人。
その手には一枚の紙片が握られていた。

ピンポーン

目当ての部屋の前でインターホンを鳴らした。この学園の寄宿舎は防音設備。
例え隣室だろうとも訪問があったことには気づかれはしまい。
まさか他の人間は、こんな時間に【D子】が出歩いているとは夢にも思わないだろう。

そして、数秒後。扉はゆっくりと開いた。
彼女を出迎えた人物は口を閉ざしたままに入室を促す。
そのただならぬ空気に生唾を一つ飲み込むと、静かに、後ろ手に扉を閉じてD子は彼女の後をついていった。』

266: ◆vqFdMa6h2. 2022/01/27(木) 21:44:04.08 ID:m2HupEjL0

『F子:来てくれてありがとう、D子ちゃん……♪

部屋の主であるF子は不敵な笑みを浮かべていた。
彼女は普段から笑顔を見せることが多い。柔和な雰囲気に不思議な魅力を兼ね備えた彼女の笑顔にはいつも力を貰っていた。
でも、今この局面において彼女の笑顔ほど不気味なものはない。だって、その裏には並々ならぬ思惑があることが分かり切っているから。

F子:お手紙、呼んでくれたんだね……
D子:……F子ちゃん、これどういうことなのかな
F子:え?


【D子 お前の命運は既に私の手中にある すべてを失いたくないのなら私の命令に従え】


D子:これ、どうみても脅迫状だよね……?
F子:ふふ……ふふふふ……♪
D子:な、なにがおかしいのかな
F子:これ、どうぞ……♪

F子はD子に近づいて、その手にある機械を握らせた。液晶付きのボタン操作、D子自身も見慣れている物だ。
____これは、【E子の使っていた】ゲーム機。

F子に促されるままにそれを起動する。

267: ◆vqFdMa6h2. 2022/01/27(木) 21:45:00.35 ID:m2HupEjL0

最新のゲーム機は多機能だ。写真撮影、動画撮影なんてお手の物。
手元のゲーム機でも、写真撮影用のアプリが起動していた。
既に何枚か撮影されているらしい、D子はその閲覧を始めた。

F子:ふふふふ……♪

そこに映っていたのは、最愛の姉・【E子】。
E子は数日前から体調を崩しており、F子の看病の下にあるはずだった。
そんな彼女が点滴を受けている写真がそこにあった。

でも、その点滴は普通じゃない。
そのパックには【必ず希釈して使用すること】と書かれているのだ。
心臓が嫌に早く打つ。呼吸も浅くなる。

268: ◆vqFdMa6h2. 2022/01/27(木) 21:45:37.17 ID:m2HupEjL0

F子:カリウム製剤はね、急速注入すると不整脈や心停止に繋がっちゃうんだ……
F子:これだけの量を、薄めることなく投与しちゃったら……E子ちゃんはどうなっちゃうのかな……
D子:や、やめて……! なんで、そんなことするの……!?

必死の問いかけをF子は嘲笑いながら体をくねらせる。
生殺を自分が握っていることに酔いしれるような恍惚とした表情、その口元からは一筋の涎さえ垂れていた。
違う、あまりにも違いすぎる。これまでずっと見てきたF子の人物像とあまりにも乖離している。
D子は自分の前のその人間を、もはやF子として見ることさえ拒んだ。
それでも、拒絶さえも無視してF子はD子に躙り寄る。

F子:お姉ちゃんがとっても大好きなD子ちゃんにお願いです……
D子:な、なに……何をしようとしてるの……?
F子:D子ちゃんには、別の誰かを……生贄さんを探してきて欲しいんだ……
F子:E子ちゃんの代わりに、死んじゃう誰かを……
D子:そ、そんなのって
F子:みんなの命は平等です……だからね、誰かを守るには、誰かを犠牲にしなくちゃダメなんだ……

破綻した喋り口。平等も何も、勝手にその天秤を置いたのはF子自身だ。
でも、D子にそこを追求することなどできない。E子が人質に取られていること、そしてF子に対する恐怖心が言葉を詰まらせる。

269: ◆vqFdMa6h2. 2022/01/27(木) 21:46:29.69 ID:m2HupEjL0

F子:D子ちゃんを一人にはしないよ……わたしも、協力する……
D子:な、なんで……? この学園じゃ、クロになるのは実行犯だけなんだよ……?
F子:ふふ……♪ わたしはね、みんなのポカポカが見たいんだ……
F子:手を取り合って立ち向かうあたたかさ……諦めず立ち上がるあたたかさ……
F子:そして、誰かのために戦うあたたかさ……
F子:D子ちゃん、お願いします……E子ちゃんのために、他の誰かを裏切ってください
D子:そ、そん……な……

F子はただ人を殺せと言っているのではない。自分にもその片棒を担がせて、特等席でその殺人ショーを見せろと要求してくる。

F子:これで心臓を狙えば一撃だから……

手渡されたのは新品の彫刻刀。その刃先は木材を抉るには十分すぎるほどによく研がれている。
彼女のいう通り、これを人の心臓に突き立てようなら、すっぽりと心臓を抜き取ることも可能だろう。
でも、それは人の命を奪い去るにしてはあまりに軽くて、乾いていて、それがとても不気味だった。

F子:じゃあ、作戦会議だね……どうやって、誰を殺そっか……?

D子の瞳を覗き込むその黒く濁り切った眼。
D子はその絶望にどっぷりと身体が浸かっていくのをゆっくりと実感していた。
一度落ちたら抜け出せない底無しの沼に、彼女は呑み込まれていたのである』

270: ◆vqFdMa6h2. 2022/01/27(木) 21:47:53.13 ID:m2HupEjL0

『D子:はぁ……はぁ……ごめん、C子ちゃん……でも、E子ちゃんのため、だから……

まだ事は始まったばかり、計画の初歩段階としてC子を襲い、騒ぎを起こす。そのために彫刻刀をちらつかせて不安を煽り、突き飛ばした。
肌を裂いたわけでも、肉に突き立てたわけでもない、取っ組み合い程度のやりとりなのに、D子の心臓はかつてないほどに暴れていた。
拍動が煩い、今にも喉から飛び出そうだ。
人をこれから殺めるという認識が、必要以上に血を沸騰させた。

バタバタ…

廊下の方から何人かの足音が聞こえた。D子の潜伏する女子トイレの前を抜けて、彼女たちは上階層へ。

F子の扇動がうまく行ったのだろう。今回の計画はF子による扇動が鍵を握る。
F子の捏造の目撃情報で上に登らせている間に保健室でF子と合流。C子をそこで気絶させ、体育館まで二人で運搬。
保健室に残ったF子がまたC子が連れ去られたと今度は寄宿舎エリアに誘導する。
ここで不審者役を交代して、今度はD子が保健室で襲われた形をとり、お互いのアリバイを確保したうえで体育館のC子を殺害する。そういう計画だ。

D子は恐る恐る扉を開けて首を覗かせる。誰もいない、今なら問題ないようだ。

271: ◆vqFdMa6h2. 2022/01/27(木) 21:49:03.04 ID:m2HupEjL0

そろりそろりとたどり着いた保健室。
中からはC子とF子の話し声が聞こえてくる。こうやって聞いていると、F子が狂ってしまったとは俄かに思い難い。
だが、彼女は確実に狂気に蝕まれている。
D子もその狂気から逃れる術などないのだ。
まだD子は不審者を演ぜねばならない、覚悟を決めて扉を引く。

D子:見つけた……
C子:……!? な、なぜここに……?!
F子:C子ちゃん、危ない……!

F子が庇うようにC子に覆い被さった。
視界を一気に遮るこの瞬間が合図、D子が後頭部を殴りつけるような素振りをすると、呻き声を上げながらF子はその場に崩れ落ちた。

C子:F子さん……!?
D子:次はお前だ……

F子の気絶は狂言だが、ここは本番。失敗すれば計画そのものがパー。愛してやまない姉の命も危うい。
渾身の力でこめかみを目掛けて殴りつけた。
元々痩身のC子は思っていた以上に軽く、地面に体を打ちつけても大した音はしなかった。

272: ◆vqFdMa6h2. 2022/01/27(木) 21:49:42.16 ID:m2HupEjL0

D子:……気絶、しちゃった……?

思わずそう口にしてしまった。
人を殴るなんて生まれて初めて、その手応えの気色悪さに掌を何度も見直す。

F子:D子ちゃん、力持ちさんだね……

戸惑い喘いでいると床に寝そべっていたF子がゆらりと身を起こしながら微笑んだ。
これでもう引き下がれない、その確信を携えた薄気味悪い微笑みだ。

D子:……次は、C子ちゃんを体育館に運ぶんだね?
F子:うん……いっしょに頑張ろうね……!

____「いっしょに頑張る」

アイドルとして活動していた頃も何度も耳にした言葉なのに、その言葉にゾワッと背筋を凍らされる経験はこれが初めてだった。
仲間ではなく、【共犯】。二人の関係性を指し示す言葉もこれで完全に変わってしまった。』

273: ◆vqFdMa6h2. 2022/01/27(木) 21:51:07.38 ID:m2HupEjL0

『体育館にC子を横たえて、大きな息を一つついた。
C子を襲撃して以来、D子はずっと着ぐるみを着ていた。
犯人を奇怪な存在として印象付けるための格好、そして犯人が複数人である事をカモフラージュするための格好だ。
運搬、殺害、逃走、そのいずれもこれを着たまま行うため手足は出せる設計にしておいたが、呼吸がしづらいのは盲点だった。
ただ持ち上げて運ぶほどの動作なのに、息苦しさが想像以上に体力を奪う。自分の吐いた息が篭っているのも心地悪い。

D子:とりあえず、これで第一段階、なんだよね
F子:うん……D子ちゃん、ノリノリだね……!

思ってもない事を。無理矢理従わせておいてノリノリも何もあったもんじゃない。

274: ◆vqFdMa6h2. 2022/01/27(木) 21:51:54.28 ID:m2HupEjL0

D子:C子ちゃん、ごめんね……こんな形で巻き込んじゃって

横たわるC子の姿を見ると、罪悪感という罪悪感が胃の奥底から湧き上がってくる。
ただ小柄だったというだけ、ただ狙いやすかったというだけ、それだけの理由でC子はこの数十分後に命を落とすことになる。

____他でもない、D子の手によって。
その事を思うとD子は譫言のように謝罪の言葉を口にせざるを得なかった。
そんな様子をF子は静かにクスクスと笑って見つめていた。

F子:ご苦労様でした……♪

突如としてF子はねぎらいの言葉をかけた。
それはきっと、共犯として最初の一線を超えたことに対する評価の言葉なのだろうと思った。
これはただの始まりに過ぎない、D子はそれをわかっていたから、その言葉は流して終わらせようとした。

D子:……まだまだだよね、F子ちゃん



F子:ううん、D子ちゃんはここまでだから……ご苦労様でした……♪



275: ◆vqFdMa6h2. 2022/01/27(木) 21:52:35.38 ID:m2HupEjL0

____でも、そうではなかった。

D子:え?

鮮血。
視界の一面が赤に彩られたかと思うと、喉のあたりに焼けつくような痛みを感じる。
痛みを訴えるため声を上げようとするが、声の代わりに飛沫が散る。




F子:今回の事件のクロは、わたしなんだよ……?





276: ◆vqFdMa6h2. 2022/01/27(木) 21:53:07.50 ID:m2HupEjL0

騙されていた、最初からF子はそのつもりだったのだ。
姉のE子を人質にされればD子が何も言えなくなる事を知っていて、自分のための舞台装置にしていたのだ。
絶命までの数瞬、途絶えゆく意識の中で思う。

もし、あの夜に断ることができたなら。
目の前のF子を突き飛ばして、E子をすぐに助けに行くことができたなら。

D子は選び取る選択肢を最初から間違えていた。
選ぶべき選択肢を踏むには、彼女は優しすぎて、少しばかり臆病だったのだ。
瞼が重い、段々とF子を挟むようにシャッターが降りてくる。

F子:ここまで手伝ってくれたお礼に、最後に教えてあげるね……?

崩れゆく身体に近づき、F子は囁く。
かつて共に過ごした日々と同じ調子の、柔和な響き。

277: ◆vqFdMa6h2. 2022/01/27(木) 21:54:12.82 ID:m2HupEjL0





F子:E子ちゃんは、もうとっくに死んじゃってるんだよ……♪





ただ、そこに並べ立てる事実はかつてないほどに残酷だった。』

278: ◆vqFdMa6h2. 2022/01/27(木) 21:54:56.58 ID:m2HupEjL0






『TRUE END』





摩美々「……はぁ?」

279: ◆vqFdMa6h2. 2022/01/27(木) 21:55:34.36 ID:m2HupEjL0

摩美々「こ、これ……何ですかぁ……?」


ゲームをクリアし終えた田中摩美々は弱々しく声を上げる。
当然だ、外野のある私ですらそのシナリオは飲み下すことができない異物感を感じている。
ユニットの仲間の無事を願い追い求めたはずの真実は、あまりにも残酷な形で牙を剥いた。


モノクマ「何って、TRUE ENDだよ?」

モノクマ「オマエが知りたくて知りたくて、でも知るのが怖くて桑山さんを手にかけてまで隠蔽しようとした真実そのものだよ!」

摩美々「ち、違う……摩美々が知りたかった真実はこんな……」

モノクマ「ん? なんでオマエが勝手に真実を裁定してるの?」

モノクマ「真実ってのは誰の意思にも関係なくそこに存在しているからこそ真実なんだよ? 誰かの願望や意思に合わせて動くものはただの都合の良い欺瞞だよね!」

摩美々「じゃあ本当に……霧子が甘奈を脅迫して……その上で甘奈を裏切って殺したっていうんですかぁ……?」

モノクマ「へー、オマエにはそう見えたんだ」

モノクマ「ごめんね、これはあくまでゲームだからさ、その細かい設定まではわかんないや!」

摩美々「ふ、ふざけないでくださいよー、このゲームがノンフィクションって言ったのはあなた……」

モノクマ「うぷぷぷ……さあどっちなんでしょうね?」


モノクマはのらりくらりと田中摩美々の追及を躱す。
このゲームが真実なのかどうか、そもそもノンフィクションという言葉をどこまで信用していいのか、それを知るのはモノクマのみ。
モノクマはその絶対的な知の優位を振り翳して悦に浸っているようだった。

280: ◆vqFdMa6h2. 2022/01/27(木) 21:57:10.27 ID:m2HupEjL0


モノクマ「まあ真偽はどうあれ、これが桑山さんが隠し通そうとした残酷な真実なんだよね」


モノクマ「桑山さんは最初この終わり方を見たときに相当戸惑ったはずだよ。だって、ノーマルエンドでは狂乱に堕ちた大崎甘奈さんが人を殺したシナリオだったのに、その裏では幽谷霧子さんが彼女を唆していた。つまりは加害者と被害者がそっくりそのまま裏返ったわけだしね」


モノクマ「それと同時に、大崎甜花さんのみならず大崎甘奈さんまでもが命を落としてゲームは終わってしまう。二人の面倒を見ていた桑山さんの感じた絶望もまた計り知れないだろうね」


モノクマ「でもね、彼女は憎しみを幽谷さんに向けようとはしなかったんだ。恨み憎しみ妬み嫉み……そのいずれをぶつける理由も権利も彼女にはあったのにね」


モノクマ「このゲームのエンディングを明らかにして仕舞えば、大崎さんの無念を晴らすこともできたかもしれない、それでも彼女はそうしない選択肢をとったんだ」


281: ◆vqFdMa6h2. 2022/01/27(木) 21:58:26.13 ID:m2HupEjL0


『今私が、これを明らかにしてしまえばアンティーカの3人は悲しんでしまう。大切なお友達が誰かを裏切るような真似をしてしまったこと、そしてお友達が変わり果てた事を知ってしまって……』


モノクマ「この島で暮らす年長者として、桑山さんは他のみんなを守る義務があると感じていました。ここで一緒に暮らすみんなが、できる限り多くの人が悲しまない選択肢を選ぶ決意をしたのです」


『もし誰かがゲームをプレイしてしまっても、私だけを憎めばいい。アルストロメリアは今はもう私だけ、私だけが憎しみをもらい受ければ解決する』


モノクマ「アンティーカの3人を守るため、ひいてはこの島の全員を守るため、彼女は罪と罰を背負い込む事を決意したのです。真実を闇に葬る事で、恨むべき相手は一人だけだとみんなに教えようとしたのです」

モノクマ「たとえそれが間違った真実だったとしても、ね」

282: ◆vqFdMa6h2. 2022/01/27(木) 21:59:23.13 ID:m2HupEjL0

モノクマ「でも、彼女の想いは届きませんでした。真実を隠そうとする彼女を疑う者が現れたのです。しかも、その疑う者は彼女が庇おうとしたアンティーカの一人だったのです」


『どうして教えてくれないんですかぁ……? もしかして、霧子を甘奈が殺す決定的なシーンがあるから、それをなんとか隠そうとしてる、とか?』

『摩美々ちゃん、わかって欲しいの……この真実は、あなたに知ってほしくない。心優しいあなたの胸を痛ませたくはないの』


モノクマ「二人の思惑はどこまでも平行線、交わることはありませんでした」


『霧子の安否を知りたい……でも、知るのが怖い』


モノクマ「そしてやがて、片方の直線がぶれ始めたのです」


『怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い』


モノクマ「知識欲はねじ曲がり、未知への恐怖へ。妄想ばかりが膨らんでいき、知らない真実は彼女の中でいつのまにか怪物に化けてしまったのです」

283: ◆vqFdMa6h2. 2022/01/27(木) 22:00:01.33 ID:m2HupEjL0

モノクマ「あーあ、田中さんが自分の好奇心に振り回されるんじゃなくて、少しでも桑山さんの想いに触れることができていたらこんな悲しい結末にはならなかっただろうにね」

摩美々「……そん、な」


千雪の覚悟は想像以上だった。彼女は一人でこの凄惨な真実を受け止め、そのうえで遺された人間全員を守ろうとしていたのだ。
私と肩を並べて花火をしていたあの瞬間も、ずっと心の中ではその苦しみが渦巻いていたことだろう。
そんな苦しみから彼女は解放されることもなく、すべては終わってしまった。

田中摩美々は愕然とその場に膝をついた。
真実を知ったこと以上に、千雪の心中を知ったことで、押し寄せてくるものがあったのだろう。
罪悪感というよりも、それは後悔に近かった。
自分自身の衝動を抑え込むことができなかった、その理性の敗北に打ちひしがれている。

284: ◆vqFdMa6h2. 2022/01/27(木) 22:01:15.56 ID:m2HupEjL0



……だが、時間はもう残っていなかった。



モノクマ「ま、これで全部明らかになったことですし、やっちゃいますか!」

結華「ま、待ってよ……それって……おしおき……?!」

摩美々「……ッ!」

モノクマ「うん、知りたかった真実を知れて田中さんも満足したでしょ? それにほら、そろそろお開きにしないとそこのキッズたちもお眠じゃないかなって」

果穂「そ、そんなことありません! あたしは全くねむくなんてないですから……摩美々さんをころさないであげてください……!」

あさひ「わたしも、摩美々ちゃんとまだお別れなんてしたくないっすよ」

摩美々「まだ、まだですよ……」

モノクマ「ん?」


摩美々「まだ、摩美々の知りたい真実は知れてないって……【霧子がどうなった】のか、これじゃわかんないじゃないですか……」


そうだ、確かに真相編と銘打っていたものの、そこにあったのは幽谷霧子の残忍な裏切りまで。
その先、大崎甘奈を殺害した後のことを私たちは知らない。
断片的に、恣意的に切り取られた情報を受け取ったことで、田中摩美々の中の衝動が再び熱を帯びる。
あの殺害の果てに幽谷霧子は何を手にしたのか、そして何を失ったのか。
誰よりもそばで見てきた存在だからこそのそれは、『知りたい』という知識欲よりももっと根源的なもの、『知っておかなければならない』だった。

285: ◆vqFdMa6h2. 2022/01/27(木) 22:01:54.93 ID:m2HupEjL0

でも、それを分かったうえでモノクマは田中摩美々の問いかけの一切を無視した。
あのエンディングを見ればその欲望が顔をのぞかせるのを知っていたから、
それを踏みにじるこの時を待ちわびていたかのように、声高々意気揚々として、処刑を宣言する。


摩美々「霧子は、無事なんですか……? 咲耶は? 他のみんなは?」


モノクマ「今回も、超高校級の服飾委員である田中摩美々さんのためにスペシャルなおしおきを用意しましたぞ!」


摩美々「教えてくださいよ、みんなは無事なんですか……?」


モノクマ「それでは張り切っていきましょう!」


摩美々「あのゲームは、本当にノンフィクションなんですか?」


モノクマ「おしおきターイム!」


摩美々「誰でもいいから教えてよ……」


286: ◆vqFdMa6h2. 2022/01/27(木) 22:02:32.68 ID:m2HupEjL0





摩美々「真実を、摩美々に教えてよ……」





287: ◆vqFdMa6h2. 2022/01/27(木) 22:03:20.18 ID:m2HupEjL0
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GAMEOVER

タナカさんがクロにきまりました。
おしおきをかいしします。



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288: ◆vqFdMa6h2. 2022/01/27(木) 22:04:02.82 ID:m2HupEjL0

普段から『悪い子』を自称している田中さん。
そんな彼女は今裁きの場についています。
彼女に下されるのは『天国行き』か、それとも『地獄行き』か!?
閻魔大王様のアンサーズチェック!

…………
…………
…………

おめでとう!
見事『地獄行き』の片道切符を手に入れましたね!
これで名実ともに『悪い子』ですよ〜!

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地獄めぐりぶらり旅

超高校級の服飾委員 田中摩美々処刑執行



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289: ◆vqFdMa6h2. 2022/01/27(木) 22:06:29.88 ID:m2HupEjL0

地獄に落とされた田中さんがまず最初に登らされるのは針山地獄!
まち針を刺された剣山みたいな針山をよじ登らなければ下から登ってくる巨大なトカゲに丸呑みにされてしまいます。
急いで急いで登らないと、ほら!
手に針が刺さったぐらいで止まってちゃダメダメ!
最近の若者はダメですねぇ、針が足を貫通したぐらいで音を上げちゃって。
それでも虫みたいに必死に必死に這い上がって、なんとか頂上に辿り着きました。


針山地獄を登ってみると行き着いたのは賽の河原!
早いところネイルストーンを積んで塔にしてしまわないとカメレオンに捕食されちゃいますよ!
だけどいくら積んでも積んでも獄卒に倒されてしまう、それが賽の河原。
出来たと思ってもすぐ壊されて、また出来たと思っても壊されて。
手足に空いた穴も痛むのか、いよいよ途中から田中さんは積むことすらできずに終わってしまいました。
当然田中さんは間に合わず、そのままカメレオンの口の中へ。

290: ◆vqFdMa6h2. 2022/01/27(木) 22:08:33.74 ID:m2HupEjL0

カメレオンの口の中は最後の審判、その寝台の上。
田中さんは気がつけばその舌をペンチでつまみ上げられている状態。

子供の時からよく言いますよね、『嘘をつくと閻魔様に舌を抜かれる』って!
嘘ばっかりついて人を揶揄ってばかりの田中さんの舌……こんなもの、もう要りませんよね!

ガタンッ!

音を立てて寝台の乗っていた床は抜け落ち、田中さんの舌の先っぽは体とお別れを告げました。
ぺンチにつままれた舌だけが風に靡いて、なんだか柳の葉っぱみたい。





地獄の地の底で自らの血に沈む田中さん、大好きな爬虫類とお揃いの舌になってしまいましたね。
これぞまさしくスプリットタン、なんちゃって!

291: ◆vqFdMa6h2. 2022/01/27(木) 22:09:51.16 ID:m2HupEjL0

……田中摩美々は死んだ。

知りたくて知りたくて仕方がない真実。その断片だけを渡されたまま、新たに沸きあがった疑問の身を抱えて、果てた。
その虚しさを前にして、私たちは言葉を発することができずにいた。


モノクマ「日本の夏、おしおきの夏……いやあ、これぞまさしく南国生活の風物詩ですな」

モノミ「なんてことを……なんてことをしてくれたんでちゅか!」

モノクマ「夜空に輝くは花火、地底に輝くは命の爆散。どっちが眩しいかって話ですよね」

モノミ「そんな品評会したくないでちゅよ!」

結華「……なんで、なんでまみみんにあんな残酷な真似をしたの!」

モノクマ「ん? なんのこと?」

恋鐘「ゲームのことたい! あんな終わり方なら、見せんほうがよかったのに……なんで最後の最後、追い詰めるようなことを……」

モノクマ「やれやれ、真実を教えてなかったら教えなかったで文句言うくせにさ、ボクは求められたままに真実を与えてやっただけだよ?」

292: ◆vqFdMa6h2. 2022/01/27(木) 22:10:20.06 ID:m2HupEjL0

結華「……でも、それでも……まみみんに、わざわざあんな表情させなくてもよかったじゃん……」

恋鐘「結華……」


メガネ女はその場に膝をついてすすり泣く。
あれだけ冷静に事態を見極めていたはずの田中摩美々が散々取り乱して命を落としたという光景はインパクトも大きく、私の耳にも彼女の悲痛な叫びが沁みついてしまっていた。
真実はいつも私たちを救う訳ではない、むしろ最後の最後に追い詰める決め手にもなりかねない。
あいつの死は私たちの心に大きく影を落とすこととなった。


あさひ「……あのゲーム、本当だったっすかね」

夏葉「……凛世」


そして、283プロの連中は私とは別に、新たな事実を咀嚼せねばならない。
大崎甜花と大崎甘奈の死、そしてあのゲームの中で起きていた【惨劇】だ。
幽谷霧子が二人を手にかけたあれはいったい何だったのか。

……その答えは全員の頭にぼんやりとは浮かんでいた。
でも、それを口にするのはためらわれる。
田中摩美々と同じだ、誰かがそれを口にしてしまえば、それが絶対になるような気がして、怖くて怖くて、その一歩が踏み出せない。

293: ◆vqFdMa6h2. 2022/01/27(木) 22:10:58.57 ID:m2HupEjL0





モノクマ「もしかして、このコロシアイは一回目じゃないのかもしれないね!」





そういう一歩だからこそ、モノクマは悠々とそれを口にした。

294: ◆vqFdMa6h2. 2022/01/27(木) 22:11:32.33 ID:m2HupEjL0

ルカ「お、お前……なんてこと言い出すんだよ!」

モノクマ「あのゲームが文字通りのノンフィクションなら、あのゲームに出ていたみんなはオマエラと同じようにコロシアイをさせられていたのかもしれないよね。ほら、それなら幽谷さんが二人を手にかけるのも納得でしょ?」

ルカ「ざけんな! そんなこと、そんなことあってたまっかよ!」


声を荒げる私とは別に、283の連中は静まり返っていた。
自分たちの頭にも浮かんだ可能性、それを場に持ち出されたことによって完全に委縮している。
その可能性に怯え、おずおずと肩をすくめる。

295: ◆vqFdMa6h2. 2022/01/27(木) 22:12:02.64 ID:m2HupEjL0

モノクマ「さあここでクエスチョン! この南国生活に参加していない283プロダクションのメンバー……櫻木真乃さん、八宮めぐるさん!」

美琴「……」

ルカ「……」

モノクマ「幽谷霧子さん、白瀬咲耶さん!」

結華「きりりんとさくやん……」

恋鐘「そ、そんなわけなか……ありえんって……」

モノクマ「西城樹里さん、杜野凛世さん!」

果穂「えっ……」

夏葉「違う、違うわ果穂……そんなわけない」

智代子「……二人とも」

モノクマ「大崎姉妹はまあ置いといて、樋口円香さん、福丸小糸さん!」

透「……」

雛菜「あは~……」

モノクマ「以上の面々は一体全体どうしちゃったんでしょうかね? 彼女たちは希望ヶ峰歌姫計画に選ばれなかったんでしょうかね?」

モノクマ「うぷぷぷ……ゆっくり考えてごらんよ、答えはきっとオマエラならたどり着けるからさ」

296: ◆vqFdMa6h2. 2022/01/27(木) 22:13:10.65 ID:m2HupEjL0

私たちの間に、新たな疑問が投げ込まれた。
それは、答えの見え透いた疑問。
でもその答えはあまりにも重たすぎて、受け止めようとすれば膝が砕け散ってしまいそうな、何があっても認めたくない、最悪の答えだ。
それぞれ全員が解答に辿り着いたであろう沈んだ表情を浮かべると、モノクマは満足げに裁判場を後にした。
残された私たちの間には重たい空気ばかりが漂う。


結華「……ごめん、三峰ちょっともう耐えられない」

恋鐘「あっ、結華……待って、そんなふらついとって、一人じゃ帰れるか心配ばい!」


やがてアンティーカの二人が裁判場を後にした。
大切な存在を今しがた失ったばかりの二人、誰もそれを遮ろうとはしなかった。

297: ◆vqFdMa6h2. 2022/01/27(木) 22:14:02.78 ID:m2HupEjL0

あさひ「あのゲームが本当なら、わたしたちの他にもコロシアイはあったはずっすけど、みんながまだ死んだと決まったわけじゃないっすよ」


長い長い沈黙に耐えかねて口を開いたのは、中学生だった。
年の割に落ち着いた様子で、淡々と彼女なりに現状の分析を口にする。


あさひ「霧子ちゃん、甘奈ちゃん、甜花ちゃんの三人で起きたことは残念っすけど……今それを悲しんでてもしょうがないっすよ、わたしたちだって今コロシアイの真っ最中だし……」


____でも、今それは完全に悪手だった。


雛菜「ストレイライトの人たちには雛菜たちの気持ちなんかわかんない」

愛依「ひ、雛菜ちゃん……?」

雛菜「いいですよね~、ストレイライトの人たちは、みんなこの場に揃ってて。でも、他のみんなは今だってずっと不安なんですよ~?」

愛依「……で、でもうちらだって、283のみんなのことは心配で……」

雛菜「283のみんな、じゃなくて雛菜たちはユニットの仲間として心配してるんですよね~」

愛依「ご、ごめん……」

298: ◆vqFdMa6h2. 2022/01/27(木) 22:14:41.53 ID:m2HupEjL0

智代子「……樹里ちゃんと凛世ちゃんがここにいない……その理由ってなんなのかな……?」

あさひ「だから、それを今考えても……」

冬優子「ちょっと一回黙りなさいあさひ!」

あさひ「……!」


黛冬優子が口を押えるようにして発言を遮った。
ずっとキャラを演じ分けて、好感度を保つようにしてきた分、場に適した立ち回りは心得ているようだ。
中学生が口を開けば開くほど、場の空気が悪化しているのは私にも感じ取れた。

それに、私自身にも湧き上がる衝動と怒り、それは『反発』だ。


夏葉「……申し訳ないけど、冬優子と愛依はあさひを連れて早くこの裁判場を去ってもらえないかしら」

愛依「な、夏葉ちゃん……?」

夏葉「今あさひにかかっている嫌疑がもし本当なのだとすれば、あさひが口にしている言葉はすべて仲間たちへの冒涜や侮辱に等しいのよ……!」

夏葉「あなたは、人が人を殺すことの意味を本当に理解しているの……?!」


299: ◆vqFdMa6h2. 2022/01/27(木) 22:15:28.23 ID:m2HupEjL0

この裁判のさなか判明した事実、芹沢あさひは事件をかき乱す【狸】である。
そのことがある以上、こいつが他の人間の生死に対する感情に口出しをすることは誰の目にも見ても許されざる侵犯だ。
小金持ちの震える右手が、彼女の感じている憤りとやるせなさをまさに体現していた。


あさひ「……えっ」

夏葉「……お願い、今は私たちから距離を置いてもらえるかしら。冷静になる時間をちょうだい」

冬優子「……行くわよ、あさひ」

あさひ「え、冬優子ちゃん?」

冬優子「……出ていく前に言っておくけど、あさひは変な奴だけど、そんな人の死を弄ぶような真似はしない。あの脅迫状だって別の誰かが送ってきたものだってふゆは信じてるから」

愛依「あっ、ちょ、冬優子ちゃん! あさひちゃん!」


ストレイライトの連中も追い出されるようにして裁判場を後にした。
最後に見せた中学生の寂しげな目、だけど現場の証拠の数々が、あいつが狸であることを物語っている。
恨みこそすれ、恨まれる道理などない。
……その筈だ。

300: ◆vqFdMa6h2. 2022/01/27(木) 22:17:34.90 ID:m2HupEjL0

果穂「あさひさん……」

夏葉「……果穂、悪いけどあさひとの不用意な接触は避けてちょうだい。これも、あなたのためだから」

果穂「でも、あさひさんがあんなことをするはずがないです……! なにかのまちがいです!」

夏葉「……私にも、分からないのよ」


完全に、空中分解だ。
この島にいた16人、全員で生きて帰ろうとそう息巻いていた人数の頭数が1つ、2つの消えていき、その間にあった結束はもはや意味をなしていない。
アンティーカはその中心核を失ったように危うく、放課後クライマックスガールズとノクチルは不安の薄靄を払しょくできず、ストレイライトは孤立への道をたどる。
ユニットそれぞれがまるで島になり、島の間には橋もかからない。
孤立無援の小集団があちらこちらに浮かび上がる、そんな不和の絶海が生まれ育ってしまった。


夏葉「コロシアイだなんて……そんなことが以前にもあったなんて、そんなこと、あり得ないわ……あっちゃならないもの……」


そうやって自分自身に言い聞かせるように口にしても、内心がそうは思っていないことは全員が知っている。
そうでなければ、わざわざあの中学生を遠ざけはしない。

301: ◆vqFdMa6h2. 2022/01/27(木) 22:19:08.12 ID:m2HupEjL0

美琴「……灯織ちゃんが、生きていれば訊ねることもできたんだけど」

ルカ「……そういえば、あいつの名前もゲーム中に出てきてたな」

美琴「うん、おそらくはA子、主人公があの子だったんだと思う」


≪灯織「以前、私も……誰も信用できないような【疑心暗鬼の状態】に陥ったことがありました。その時、私は大切なものをいくつも失って……そんな悲しみを、ここでも背負う訳にはいかないんです」≫


美琴「ルカはその時いなかったんだけど、灯織ちゃんはかつての体験を仄めかして語る時があったんだ。私たちはその意味を理解していなかったけど……もしかして、このことだったのかも」

ルカ「じゃああいつは……コロシアイに生き抜いて、またここでコロシアイに巻き込まれたってのか……?」


風野灯織、あいつも謎の多い人間だった。
というよりも、元々持っていた印象と少し違っていた。確か私がここに来る前の限りでは、あそこまでハキハキと先導に立つような人間ではなかったはずだ。
別に臆病者だと揶揄するつもりはないが、どちらかといえば一歩引いた補佐的な役回りをするような女だったように思う。
それが、人を信じぬくことを訴えかけるような情熱に満ちた姿勢を見せ、さらには全員を一人で守り抜こうとして……命を落とした。
あいつは、私たちの失っている記憶とやらの中で、何を見て、何を味わってきたのだろうか。

302: ◆vqFdMa6h2. 2022/01/27(木) 22:20:32.68 ID:m2HupEjL0

美琴「……」


美琴は、風野灯織のことを考えながらも視線は別の所に向けていた。


透「……」


その先にいたのは、浅倉透。
七草にちかが死の間際に告発した、外部との関与の疑われる人間。美琴の考えるところはすぐに私にも理解できた。


ルカ「……おい、お前……何か知ってるんじゃねえのか?」

透「え……何?」


こいつなら、あり得る。
私たちの失った記憶を、あったかもしれないコロシアイを、私たちの知りたい真実を知っている可能性がある。

303: ◆vqFdMa6h2. 2022/01/27(木) 22:21:25.64 ID:m2HupEjL0

ルカ「何、じゃねえ。七草にちかの裁判からずっと姿をくらましやがって、ちょうどいい機会だ。話してもらうぞ、お前はいったい何者なんだよ」

雛菜「ちょっと! 透先輩に何する気なんですか~! 透先輩に何かしようって言うなら雛菜が相手になりますけど~!」

ルカ「退いてろ、お前だって気になんだろ。残りの幼馴染が今どうなっているのか」

雛菜「……! そ、それは~……」

ルカ「……お前、あのゲームの中のコロシアイについて、何か知ってんじゃねえのか?」

透「……」

ルカ「答えろよ、浅倉透」

透「……」

304: ◆vqFdMa6h2. 2022/01/27(木) 22:22:23.38 ID:m2HupEjL0



透「……知らない」



ルカ「お、お前……この期に及んで……!」

ガッ

浅倉透は頑なだった。
私が胸ぐらをつかんでも、まるで口を開こうとしない。
美琴が頬を叩いたときと同じだ。
こいつは何かを知ったうえで隠している、それは明らかなのだ。
でも、どれだけこちらが問い詰めたところでそれを今は語ることがないのもまた明らかだった。


透「……ごめん、話せることとかないから」

ルカ「……クソッ」


恫喝する私と目線を合わせるのも厭わず、ただじっと見つめている。
そのことが却って不気味で、私はその手を緩めた。

305: ◆vqFdMa6h2. 2022/01/27(木) 22:23:04.14 ID:m2HupEjL0

雛菜「透先輩、大丈夫……?」

透「全然、へーきへーき」

雛菜「……雛菜たちも、出ますね」


ただ、前回なら能天気女はここで私たちにもっと突っかかってきていたはずだ。
好いてやまない先輩を傷つけられたことに怒り心頭だった前回と異なり、今回は自分自身の中に沸いた疑問を認めているのか、ただその体をいたわるにとどめた。
能天気女はむしろ申し訳なさそうにするかのように、足早にその場を後にする。


美琴「……」


美琴はと言うと、汲んだその腕に指を食いこませて苛立ちを滲ませていた。
まだ七草にちかの浅倉透に向けた憎悪のしがらみから抜け出せてはいないんだろう。
私は、それに対して言葉を発することはできない。
他人が推し量るには、あまりに猛っている衝動だ。

306: ◆vqFdMa6h2. 2022/01/27(木) 22:23:58.39 ID:m2HupEjL0

そして残されたのは、放課後クライマックスガールズの連中と私たちの五人だけ。
顔を見合わせ、ため息とともに甘党女が切り出す。


智代子「……これから、どうしよっか。私たち、まだこの生活を続けなくちゃいけないんだよね……?」

ルカ「……どうするもこうするもないだろ、とりあえずは地上に戻らねーことには何も変わらねーぞ」


中学生の言っていたことは決して間違ってはいない、正論だ。
ここで他の連中の安否を心配してそわそわしていても事態が好転することもないし、その答えを得ることもない。
私たちがすべきなのは、自分たちの生還を第一に考えること。


夏葉「……そうね、みんな一度頭を冷やすべきだわ」

果穂「そう、ですね……あたしたち、協力しないといけないはずなのに……今のままじゃ……」

美琴「……」


帰りのエレベーターの空気は重たかった。
誰も言葉を発さずに、ただ壁にもたれて俯いていた。
仲間の死、仲間の裏切り、失った記憶、真偽不明の真実……受け入れがたいその全てを何度も何度も頭の中で検証するだけの時間だった。

そして、何も言わぬままホテルへと戻り、それぞれの個室へと帰っていく。
今日の所は、もうそうするしかない。
数時間前のあの花火大会の活気は、もはやどこにもなかった。

307: ◆vqFdMa6h2. 2022/01/27(木) 22:25:11.57 ID:m2HupEjL0
-------------------------------------------------
【ルカのコテージ】


「……」

帰るなりベッドにどさっと横になった。
やっと今この瞬間になって、実感するものがある。

(千雪は、本当に死んじまったんだな)

千雪の死体を見た瞬間から、必死に必死に麻痺させてきた神経が活動を始めた。
神経は情報を運ぶ。強引に押し切られて以来、無理やりに作らされた共に過ごしてきた時間という情報を、手足の先から脳の細胞の一つ一つまでに行き届かせる。
あの夜初めて飲んだ熱燗の味、並んで浴びた潮風の匂い、ともに散らした花火の閃光。
そんな何気ないものが蘇っては消えていく。

「……こんなの、ガラじゃねえって……!」

ベッド脇のちり紙を目元に押し当てた。
ちり紙は水を吸い上げて、少し重くなった。

308: ◆vqFdMa6h2. 2022/01/27(木) 22:25:43.49 ID:m2HupEjL0

「……クソッ、クソッ……!」

この島のコロシアイで一番苦しいのは、ここなんだろう。
遺された人間が、犯人を恨もうとしてもそれは適わない。
犯人もまた、この島に無理やり狂わされただけの哀れな存在。
恨みをぶつけたところで、その空虚さばかりが返ってくる。
更には、その犯人を殺すのは自分たち自身だ。
そこに正義も悪もない、大義名分のない死ばかりが募り、自分たちの生になる。
拳を振り上げても、下ろす先がない。



「……病んだ」



それでもなお立ち上がれるほど、私は立派な存在じゃない。

309: ◆vqFdMa6h2. 2022/01/27(木) 22:27:03.50 ID:m2HupEjL0






_____だから、私は千雪が遺してくれたものと共に生きる。







310: ◆vqFdMa6h2. 2022/01/27(木) 22:28:12.70 ID:m2HupEjL0
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【美琴のコテージ】

一人で立ち上がれないなら、他のやつの手を借りる。
私はまだまだ一人だけで生きていけるほど、大人じゃない。
完全なカミサマなんかじゃなくて、未成熟なただの子供だと気づいたから。


美琴「……おいしい」

ルカ「……だろ、私も千雪の受け売りだけどよ。案外いけんだろ」

美琴「うん、熱燗ってこんな感じなんだね」

ルカ「たまにはツマミぐらい食えよ、酒だけだと却って体に悪いぞ」

美琴「ふふっ、ルカも冗談言うんだね」

ルカ「……うっせ」


机の上に酒とツマミを広げ、胡坐を組んだ。
ファンの連中には見せられないような、恥も醜聞もあったもんじゃないありのままの私。
それを見せられる存在が、今再び私のもとにいることに、感謝せずにはいられない。

311: ◆vqFdMa6h2. 2022/01/27(木) 22:29:01.52 ID:m2HupEjL0

美琴「そんなに一気に飲んで大丈夫?」

ルカ「大丈夫だよ、今更年上ぶんな」


照れくささで酒を仰いだ。
度数高めの酒を選んだせいか、やたらと今日は周りが早い。
やたらと額の辺りが暑くて、手を団扇がわりにする。


美琴「……ありがとう、ルカ。一人でいたら、私も不安を感じていただろうから」

ルカ「……おう、そうかよ」


美琴なりの優しさだろう。
目元を腫らして急に来訪した私に、負い目を感じさせないための言葉だった。


ルカ「成人してまずよかったと思うのは、やっぱ酒だな。酒があれば大体のことは忘れられる」

美琴「そうなんだ」

ルカ「そうなんだって……お前相変わらず飲んでないんだな」

美琴「うん、体にはあまり良くないでしょ?」

ルカ「ハッ……プロ意識が高いことで」


私とコンビを組んでいた時からずっと美琴はそうだ。
打ち上げの場でも酒は断って、ジンジャーエールを啜っていたような女。
芯がぶれないと言えば聞こえはいいが、ノリが悪いと取られたりはしていないだろうかと心配になる。

312: ◆vqFdMa6h2. 2022/01/27(木) 22:29:33.95 ID:m2HupEjL0

ルカ「ま、今日くらいはいいだろ?」

美琴「うん……そうだね」

美琴「この島にいる限りは……あまり関係ないかも」

酒に中てられたのか、美琴もあまり見ない表情で弱音を零した。

美琴「……これからどうなるんだろうね。みんな、バラバラになっちゃった」

ルカ「……おう」

美琴「アンティーカも、放クラも、ストレイライトも、ノクチルも……それぞれがバラバラになって……協力して脱出なんて、できそうにないかも」


そんなこと知ったこっちゃない。
私にとって大切なのは、ただ私一人が生き残ること。
他の人間が同士討ちしようが、仲間割れを起こそうが関係ない。



……以前までなら、そう思っていた。



313: ◆vqFdMa6h2. 2022/01/27(木) 22:30:35.33 ID:m2HupEjL0



≪千雪「ルカちゃん、線香花火、落ちてるよ」

ルカ「え……あ、あああああ!? お、お前今のはずるだろ!?」

千雪「私は何もしてないもの、今のはルカちゃんの負けですー」

(く、クソ……!)

ルカ「はぁ……わかったよ、私の負けだ。なんでも命令を言いな」

千雪「そっか、命令かぁ……考えてなかったなぁ」

千雪「……じゃあルカちゃんには、お友達を作ってもらおうかな」

ルカ「は、はぁ……?」

千雪「283プロのみんなともっと仲良くしましょう!」

ルカ「い、いやいや……今も花火大会に参加はしてるだろ?」

千雪「うん、だからその調子でみんなと関わり続けてほしいの。悩んだり、苦しんだりしたときに、一人で抱え込まないように」

ルカ「なんだよそれ……」

千雪「お酒の力がなくたって、ちゃんと自分から相談できるようになりましょう!」

ルカ「はいはい、わかりましたよ……」≫



314: ◆vqFdMa6h2. 2022/01/27(木) 22:31:48.35 ID:m2HupEjL0

私には、あいつから与えられた命令がある。
勝負というものは正々堂々ルールに則って行われなくちゃならない、それは勝敗決定後のペナルティだって同様に。
最後まで履行されることでやっと勝負は勝負として成立させられるのだ。


____本当に、とんでもない罰ゲームを考えつくものだ。


ルカ「……畜生、とんだ難題だよ」

美琴「……ルカ?」


私は酒を一気に飲み干して、御猪口を机に音を立てて置いた。
その音に反応して、美琴の視線もこちらへ。


ルカ「……っあー! 効くな、これ」


酒の勢いに任せて言ってしまえ。
千雪の下した命令、託してくれた想い、それは私にしかできないことだ。
一度孤立無援の闇に落ちた私だからこそ、この濃霧のかかった状況を切り開くことができる。
身体が焼けるように熱い。燃えているのは、腹の中、そのもっともっと奥の底。
飲みほした酒が、その炎の勢いをより激しくする。
立ち昇る豪炎はやがて火柱へ。
そして焔は力となり、衝動となり、言葉になる。

315: ◆vqFdMa6h2. 2022/01/27(木) 22:32:25.59 ID:m2HupEjL0



ルカ「……やるぞ、美琴。私たちが生きて帰るため、そんで、これ以上誰も死なさないため」



ルカ「このままじゃ、ダメだろ」


ルカ「私たちが……動かねーと」


美琴「……変わったね、ルカ」

ルカ「……うるせーよ」


美琴の言葉に乱暴な返事をしながら、また猪口に酒を注ぎ直した。

316: ◆vqFdMa6h2. 2022/01/27(木) 22:33:43.43 ID:m2HupEjL0
-------------------------------------------------
【???】


「……あちしは何としても戦い抜きまちゅ」


「たとえ、どんな敵が相手だって、誰があちしの前に立ちふさがったって」


「あちしは決してあきらめまちぇんよ」


「なんたってあちしはミナサンの南国生活を率いるディレクター」


「そして、あちしは希望ヶ峰学園の名前を背負って立つ超絶激かわマスコットなんでちゅから」


「希望ヶ峰学園歌姫計画……その遂行のため、あちしはこの身もささげる想いなんでちゅ!」


「だから、待っててくだちゃいね!」

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317: ◆vqFdMa6h2. 2022/01/27(木) 22:34:44.19 ID:m2HupEjL0
-------------------------------------------------



CHAPTER 02

厄災薄命前夜

END

残り生存者数
12人

To be continued…



-------------------------------------------------

318: ◆vqFdMa6h2. 2022/01/27(木) 22:36:26.18 ID:m2HupEjL0


【CHAPTER 02をクリアしました!】


【クリア報酬としてモノクマメダルを20枚獲得しました!】


【アイテム:使いかけのリップを手に入れました!】
〔CHAPTER02を生き抜いた証。使い手を失ったその独特の色合いのリップは乾燥にひび割れている〕


319: ◆vqFdMa6h2. 2022/01/27(木) 22:41:56.74 ID:m2HupEjL0

以上で2章はおしまいになります。
振り返ってみるとルカが主人公になるにあたっての立志編のようなお話でしたね。
書き始める前はここまで千雪との関係性が濃くなるとは思っていなかったので私としても意外な展開に転がりました。
シャニ本編では美琴との関係性修復どころか、まともな絡みも(なんなら出番も)まだそんなにないんですよね……
そして、それ故に今章は前シリーズの終盤並みの文量となっていました。今後は流石にここまでにはならない……はず。

さて、3章ですがまたしばらくお時間をいただきます。
更新の前には2章再開時と同様に事前に告知を書き込みにまいりますので気長にお待ちください。
ある程度話はすでにまとまっているので、早めに完成させられるよう頑張ります。

それでは2章もお付き合いいただきありがとうございました、またよろしくお願いします。