3: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/09/20(日) 12:55:05.55 ID:q9lVpIlq0
乙坂「やれ、サイバー・ツイン・ドラゴン!」

乙坂「エヴォリューション・ツイン・バースト!!」

「うわああああああぁぁぁ…!!」

「うわああああぁぁぁ…!!」

LP0

乙坂「手応えのない。おまえのようなのが準優勝まで勝ち進むとは…よっぽどちんけな大会だったようだな」

「てめぇっ…」

乙坂「ま、暇つぶしにはなったがな…じゃあな」



乙坂「これでここいら一帯の大会は終わりか…次は隣の方まで行ってみっかな」

「見つけた、乙坂有宇!」

乙坂「?」

友利「暇そうなところごめんなさい、ちょっとお伺いしてもよろしいですか?」

乙坂「初対面からご挨拶だな。なんだ?」

友利「先ほどのデュエル、見させてもらいました」

友利「私、以前にあの大会で優勝した友利です」

4: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/09/20(日) 13:10:56.59 ID:q9lVpIlq0
乙坂「へぇ…それで? 事実上の決勝戦でもやる気か?」

友利「そんなオーバーなものじゃないんですがね、デュエルがしたいという点では間違った受け取り方ではないでしょう」

乙坂「なるほど…まあいいだろう。さっきの奴よりは歯応えがありそうだ」

友利「話が早くて助かります。んじゃ遠慮なく」

「「デュエル」」

乙坂LP4000

友利LP4000

乙坂「俺は、《サイバー・ドラゴン・コア》を召喚!」

攻撃力400

乙坂「このカードの召喚に成功した時、デッキからサイバーまたはサイバネティックと名のついた魔法・罠カードを手札に加える」

乙坂「俺は、《サイバー・リペア・プラント》を選択」

乙坂「さらにカードを一伏せて、ターンエンド」

5: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/09/20(日) 13:12:28.21 ID:q9lVpIlq0
 

乙坂「へぇ…それで? 事実上の決勝戦でもやる気か?」

友利「そんなオーバーなものじゃないんですがね、デュエルがしたいという点では間違った受け取り方ではないでしょう」

乙坂「なるほど…まあいいだろう。さっきの奴よりは歯応えがありそうだ」

友利「話が早くて助かります。んじゃ遠慮なく」

「「デュエル」」

乙坂LP4000

友利LP4000

乙坂「俺は、《サイバー・ドラゴン・コア》を召喚!」

攻撃翌力400

乙坂「このカードの召喚に成功した時、デッキからサイバーまたはサイバネティックと名のついた魔法・罠カードを手札に加える」

乙坂「俺は、《サイバー・リペア・プラント》を選択」

乙坂「さらにカードを一伏せて、ターンエンド」

7: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/09/20(日) 13:28:43.68 ID:q9lVpIlq0

友利「私のターン!」

友利「私は《セイクリッド・シェラタン》を召喚!」

ATK700

友利「セイクリッド・シェラタンが召喚に成功した時、デッキからセイクリッドと名のついたモンスター1体を手札に加える事ができる」

友利「私は、《セイクリッド・カウスト》を選択」

友利「カードを一枚伏せて、ターン終了です」

乙坂「攻撃力で上回っていても攻撃して来ないか…」

友利「お互い、ファーストターンは様子見ですかね」

乙坂「様子見? デュエルってのは一気に勝負を決めるもんだ」

友利「そうですか、とても私よりも低い攻撃力を攻撃表示で並べた方の言葉とか思えないです」

乙坂「心配はいらない、俺はいつだって本気でデュエルをする。どんなに弱いデュエリストが相手でもな」

9: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/09/20(日) 13:50:52.48 ID:q9lVpIlq0
乙坂の一人称、俺→僕

友利「おぉー、ひょっとして格好つけちゃってます?

乙坂「ああ、相手の全力を出す前に打ち負かす。その時の絶望に染まる顔が目に浮かぶようだぜ」

友利「引くなっ」

乙坂「僕のターン!」

乙坂「僕は魔法カード、《パワー・ボンド》を発動!」

乙坂「手札またはフィールド上から融合素材モンスターを墓地に送り、機械族の融合モンスター1体を特殊召喚する!」

友利(やはり融合使い…!)

乙坂「僕はは手札にある《サイバー・ドラゴン》とカード名がサイバー・ドラゴンとなったコアの二体を融合!」

乙坂「融合召喚!」

乙坂「殲滅せよ、《キメラテック・ランページ・ドラゴン》!!」

攻撃力2100

友利「!?」

友利(キメラテック・ランページ・ドラゴン…さっきのモンスターと違う…!?)

乙坂「さらに、パワー・ボンドの効果発動!」

乙坂「この効果によって特殊召喚したモンスターの攻撃力は元々の攻撃力分アップする!」

キメラテック・ランページ・ドラゴン(攻撃力4200)

友利「4200!?」

10: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/09/20(日) 13:58:16.20 ID:q9lVpIlq0
乙坂「キメラテック・ランページ・ドラゴンの効果発動!」

乙坂「このカードが融合召喚に成功した時、素材としたモンスターの数まで魔法・罠カードを破壊する!」

友利「な!? ミラフォが!」

乙坂「本番はこれからだ、キメラテック・ランページ・ドラゴンのさらなる効果発動!」

乙坂「1ターンに1度、デッキから機械族・光属性モンスターを2体まで墓地へ送ることで、このターン、通常攻撃に加えて送ったモンスターの数だけ攻撃できる」

乙坂「僕はデッキの《サイバー・ドラゴン・ツヴァイ》《サイバー・ドラゴン・コア》の二体を墓地に送り、ランページ・ドラゴンの攻撃回数を三回にする!」

友利「…!」

乙坂「やれ、キメラテック・ランページ・ドラゴン!」

乙坂「アルティメット・エヴォリューション・バースト(攻撃名適当)!!」

友利「ぐうっ…あああああぁぁぁっ!!」

友利LP0


11: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/09/20(日) 16:23:00.75 ID:ILnuAgUNO
友利「痛え…」

友利(まさかこれほどに強いとは…いや、これほどならだな)

友利「完敗です、想像以上の――って、待ちやがれ! まだ話は終わってねぇ!」

乙坂「あ? お前僕とデュエルがしたかったんじゃないのか?」

友利「もちろんそれも目的の中のひとつです。ですが我々の真の目的は強いデュエリストを探し出すこと、それが第一です」

乙坂「強いデュエリストを探す? なんの為に?」

友利「アカデミアに打ち勝つ為です」

乙坂「アカデミア?」

友利「一から話すと長くなりますので詳細は後回しにさせてもらいますが、貴方にとっては強いデュエリストと戦えるこれ以上にない場所だと思いますよ?」

乙坂「そうか、断る」

友利「そう…強いデュエリストを求めるあなたは――って、断るんかい!」

乙坂「二回も同じツッコミは見てる側も冷めるぞ?」

友利「な、なんで?」

乙坂「アカデミアなんていうくらいだからどっかの集団を相手にするんだろ? そんなのを相手にたった今知り合ったの女と一緒に群れろなんて方が無理な話だ」

友利「ひょっとして怖い? 確かにアカデミアはおそらく今まであなたが戦った相手よりもさらに上を行きます。それともあれですか? 自分より格下の相手としか戦えないヘタレデュエリストなんですかー?」

乙坂「そーそー僕って本当はヘタレで人見知りでコミュ障なんだよ。というわけで、僕なんかじゃキミの役に立てそうもないからじゃねー(棒)」

友利「あぁ嘘嘘! 撤回するから戻って来いやーっ!!」

12: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/09/20(日) 18:29:05.32 ID:ILnuAgUNO

2時間後

高城「というわけです」

乙坂「なるほど…この世には4つのパラレルワールドが存在し、この世界…スタンダードを除く3つの次元で抗争が起きているってか」

友利(結局高城を呼び出して一から説明することになった…)

高城「このスタンダード以外の次元はエクストラデッキを使用する召喚方法に応じた発展をしており、融合、シンクロ、エクシーズの3つが存在します」

乙坂「で、お前とその女のエクシーズ次元はアカデミアに襲われたと?」

高城「はい、先ほどお話したように、アカデミアはあなたと同じ融合使い。我々エクシーズ次元の天敵であると同時に、何か情報を掴めるかもしれないと思ったからです」

乙坂「ほぅ…なら融合使召喚の凄さはわかったろ。僕は帰る」

友利「帰るなっ」

乙坂「なんなんだ一体…」

高城「私たちの故郷であるエクシーズ次元は、融合次元からやってきたアカデミアの侵略者達によって、ハートランドが破壊され、住人達の多くが次々とカードの中に封印されてしまいました」

高城「僅かに生存している者達が残っており、彼らは「レジスタンス」を結成して、アカデミアへ反抗する機会を窺っているんです…」

高城「お願いします乙坂さん、私たちに力を貸してもらえませんかっ?」

乙坂「んなこと言われてもなぁ、僕関係ないし」

友利「私にできることならなんでもします」

乙坂「ん?」
 

17: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/09/20(日) 21:12:33.62 ID:ILnuAgUNO
 

乙坂(今なんでもって言ったよな?)

乙坂「おいお前、友利だったな」

友利「はい?」

乙坂「本当になんでもするか?」

友利「ええ、私のできることなら」

乙坂「よし、なら僕の女になれ」

友利「は?」
高城「は?」

乙坂「なんだ聞こえなかったのか? もう一度言ってやろうか?」

友利「……へ? あなたの…女?」

乙坂「そうだ」

友利「は、はぁ? あなた頭おかしいんじゃないっすか?」

乙坂「僕はいつだって本気だが? それに僕の目から見てもお前はいい女だ。少なくとも僕が今まで戦った女の中じゃマシなデュエルをする」

高城「あ、えっと…」

友利「…帰れ、高城」

高城「と、友利さん?」

友利「帰れ…こいつとは私がひとりで話をつける」

高城(無言の逃走)

乙坂「この条件が呑めないなら、お前らの仲間にはならねぇ。どうする?」

友利「…いいっすよ、あなたの女になってあげます」

乙坂「それは結構。物分りのいい女は好きだ」

友利「はい? いきなりなに言って…っっ!?」

乙坂「とりあえずは、僕の女になった証を紳士に教えてやる」

わなわなと震える、乾いた唇に熱い感触が伝わる。


唇同士が触れると、友利熱い吐息が肌を撫でた。

19: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/09/20(日) 21:37:23.72 ID:ILnuAgUNO
翌朝

友利「わっけわかんない! あいつの頭は虫が湧いてるのか!?」

高城「落ち着いてください友利さん。きっと…そう! あなたに一目惚れしたんじゃないでしょうか?」

友利「デュエルで私をボコボコにした後は真っ先に帰ろうとしてましたが? アカデミアとの戦いは一秒のビハインドもなしに拒否られましたが? ムードもなしにいきなり真顔でファーストキスを奪われましたが?」

高城「それはきっと…彼なりの照れ隠しのようなもので…(震え声)」

友利「もういい…とりあえずは、あいつを手懐けられただけでも良しとしましょう」

友利「彼の召喚エネルギーは?」

高城「ご安心を、アカデミアのものとは違うようです」

友利「なるほど…とりあえずは敵ではないってことですね」

高城「ただ…」

友利「ただ…なんですか?」

高城「上回ってるんです…アカデミアの召喚エネルギーを」

友利「え?」

高城「スタンダードでの召喚エネルギーは、今まで我々が実験してきた限り他次元のデュエリストの召喚エネルギーを超えることはなかった。それをよりによってアカデミアの召喚エネルギーを上回るなどまずありえません」

友利(乙坂有宇…どうやら、もう少し調べる必要がありそうです…)

友利(ああそれと、召喚エネルギーってなんだよ?なんて突っ込むなよ? 絶対に?)

20: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/09/21(月) 13:56:08.19 ID:TEpv2VSm0
放課後

友利「私はセイクリッド・プレアデスで、ダイレクトアタック!」

高城「うわああああぁぁぁ…」

高城LP0

乙坂「お見事、これで友利の5連勝だ」パチパチ

友利「いつもの事です。高城なんかに負ける程落ちぶれちゃいません」

高城「いやはやなんとも、言葉が痛い」

友利「わかっているとは思いますが、あなたは明日からこの星ノ海学園編入予定です。今更ボイコットはなしですよ?」

乙坂「ああ、お前が僕の女である以上、できる限りの協力はする」

友利「それが本心だと願うばかりです。ですが正直、乙坂さんが味方になってくれてもアカデミアとの戦いに勝算があるとはまだ思えません」

高城「そうでしょうか? ですが友利さんはあの時、オベリスクフォースを相手にギリギリとはいえ勝利を掴んだじゃありませんか」

乙坂「オベリスクフォース?」

友利「アカデミアの戦士のひとりです。勘違いしないでもらいたいのは、我々は決して正々堂々のデュエルで負かされた訳ではありません」

乙坂「エクシーズ次元がか」

高城「アカデミアの人間はそう言います。彼らが融合召喚を使うように、私たちの故郷ではエクシーズ召喚が流行できたからね」

友利「数百、数千というデュエリストがひとりを相手に少なくとも三人掛かりで戦いを挑んでいるのを私は確かに目にしています。運が良かったのでしょう、私の相手になったのはたまたま単独で行動していたオベリスクフォースと呼ばれているデュエリストでした」

乙坂「つまり、お前らの故郷は数の暴力で滅ぼされたって訳か」

乙坂「話はわかった。確かに友利の言う通りだ。現段階じゃ三匹の蟻が千のゴキブリに挑んで行くようなもんだ。少なくとも友利と互角…あるいわそれ以上のデュエリストを探すことが先決だな」

友利「ご理解感謝します」

乙坂「それから高城、お前はもう少し腕を上げておけ。今のままじゃ足手まといにしかならないぜ?」

高城「あはは…ダブルで厳しいですねぇ…」

21: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/09/21(月) 14:12:23.92 ID:TEpv2VSm0
数日後

友利「お邪魔します」

高城「こんにちは」

柚咲「こんにちはー!」

歩未「みなさんようこそおいでくださいましたー…って、ゆさりん!? 」

柚咲「皆さんに誘われたので、一緒に来ちゃいました♪」

乙坂「言わなかったか? 西森柚咲が星ノ海学園に転入してきたと」

歩未「本物のゆさりんですーーっ!!」

柚咲「は、鼻血が!?」

友利「止血!」

歩未「か、感動ですー! 握手とサインとその他もろもろしてください!」

柚咲「乙坂さん、かわいい妹さんですねー」

乙坂「残念ながら戦力には程遠いけどな」

友利「それでも期待はしていたんですけどね。ここいら周辺のショップ大会でも、とくに使えるデュエリストはいませんでしたから」

柚咲「せっかくの生徒会メンバーに入れていただいたというのに、戦力にならないのは申し訳ないです」

高城「心配無用! 可愛いから大丈夫ですっ」キラーン!

美砂「あぁ? んだとこらぁ!」

24: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/09/21(月) 15:37:33.19 ID:TEpv2VSm0
よくわからないけど直った!

美砂「乙坂、お前、強いんだってな。私とデュエルしろ」

乙坂「…ようやく出てきたか」

美砂「私は生きていた頃まではレディースチームの総長で「流れ星」の名でデュエルに明け暮れていたもんだぜ」

美砂「お前が勝った時にはアカデミアと戦ってやるぜ」

乙坂「そいつは頼もしい。だがまずは、この女に勝つことが条件だ」

友利「ちょ! 私はお前の弟子か! つーかそんなこと勝手に決めんな!」

乙坂「弟子じゃねぇよ。今はお前ひとりの力=アカデミアの人間の実力と考えていいんだろ? つまり、少なくともお前に勝つような実力がなければアカデミアとの戦いには出せんという訳だ」

美砂「そいつは丁度いい。見とけよ乙坂、私の本当の力を」

友利「こいつらふたりして私を測定器にしやがって…いいですよ、不本意ながら受けてあげます」

「「デュエル」」

友利LP4000

美砂LP4000

28: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/09/21(月) 23:32:43.46 ID:TEpv2VSm0
数十分後

友利「はぁ…はぁ…はぁ…」

美砂「はぁ…はぁ…はぁ…」

友利LP900

美砂LP400

友利・手札:1
モンスター:なし
魔法・罠:なし
伏せカード:なし

美砂・手札:0
モンスター:サンダー・ユニコーン(攻撃力2200)
魔法・罠:なし
伏せカード:二枚

歩未「二人共すごいデュエルでこざるーっ!」

高城「友利さんを相手にここまでやるとは…流石は流れ星というところですか」

友利「私のターン!」

友利(きたーーっ!)

友利「私は魔法カード、《死者蘇生》を発動!」

友利「墓地から《セイクリッド・プレアデス》を特殊召喚!」

攻撃力2500

乙坂「このタイミングで死者蘇生を引くか…」

美沙「はっ、永続罠発動! 《デモンズ・チューン》!」

美沙「このカードで、フィールドの効果モンスター1体を選択。選択したモンスター効果は無効化され、攻撃宣言をすることはできねぇ!」

美沙「まだまだ甘いぜ、友利奈緒!」

友利「その言葉、そのままあなたに返しますよ」

美沙「あぁ?」

友利「私はプレアデスをオーバーレイ・ユニットとして、オーバーレイ!」

友利「現れろ、ランク6!《セイクリッド・トレミスM7》!」

攻撃力2700

美沙「んな!? エクシーズモンスターを素材としたエクシーズ召喚だぁ!?」

友利「トレミスは、私の場のプレアデスをオーバーレイ・ユニットとしてエクシーズ召喚できます」

友利「最後の最後で罠のタイミングを間違えましたね…セイクリッド・トレミスで、サンダー・ユニコーンを攻撃!」

歩未「これで決まりですー!」

美沙「そうはいくかよっ! 罠発動! 《破壊指輪》!」

美沙「私はこれで、サンダー・ユニコーンを破壊するぜ!」

友利「!?」

高城「自分で自分のモンスターを破壊!?」

美沙「こいつは、自分フィールドの表側表示モンスター1体を破壊し、お互いに1000ポイントのダメージを受ける!」

乙坂(友利のライフは900…美沙は400…それに1000ポイントのダメージを受ければ…)

友利LP0

美沙LP0

デュエル構成を思いつかなかった非力な私を許してくれ

29: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/09/22(火) 01:47:07.47 ID:X9CECEi+0

高城「相打ち…?」

友利「やってくれましたね、引き分けなんて経験したのは数年ぶりっすよ」

美沙「流星と呼ばれたこの私が引き分け…だと?」

美沙「覚えておけ友利奈緒、それに乙坂、その女をぶちのめした後はてめえの番だ!」

歩未「あ、ゆさりん!? 行っちゃいました」

友利「放っておけばいずれは元に戻るでしょう」

高城「それで友利さん、乙坂さん、彼女はどうでした? 私としてはアカデミアと戦うのに十分な力になってくれると思いますが」

乙坂「確かに、美沙のデッキ構成は見事だった。妹の方はデュエルに関しては素人らしいしな。その点は評価する」

乙坂「それだけじゃない。友利のエース、セイクリッド・プレアデスはオーバーレイ・ユニットをひとつ使うことで、相手フィールドにあるカード一枚を手札に戻す鬼畜モンスター。そんなのを相手に何ターンも戦ったんだ。流星という肩書きも嘘じゃないんだろう」

高城「では…」

乙坂「だが残念ながら、友利を100とするならあいつの評価は50ってところだ」

高城「え?」

友利「随分と厳しいっすね。私としては70はあげてもいいと思いますけど」

高城「どういうことですか? はっ、やっぱりゆさりん本人じゃないからっ」

友利「引くなっ! そっちじゃねぇ!」

乙坂「今のデュエル、友利の最後のターンであの女はデモンズ・チューンを発動したよな? あれを何故バトルフェイズで使わなかった?」

高城「バトルフェイズ中に? あ…」

友利「気づきましたか…そうです、もしもあの時、バトルフェイズ中にデモンズ・チューンを使われていればトレミスだろうがプレアデスだろうがサンダー・ユニコーンを破壊することは不可能でした。そして、サンダー・ユニコーンの効果で確実に次のターンでやられるのがオチでしょう」

高城「では、彼女の評価が下がったのはプレイングの問題で?」

乙坂「それ以外にも、勝てたデュエルをプレイングミスで逃した場面はいくつかあった。だが見込みはある。あいにくと、結果には満足できてなかったようだしな、近い内にまた挑んで来るだろうよ」

友利「私としては気が重いんですけどねー」

30: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/09/22(火) 01:57:47.99 ID:X9CECEi+0

乙坂「柚咲が学校にきていない?」

友利「ええ。学校側にも連絡は入っていないようです」

乙坂「で、あれか?」

高城「……………」廃人状態

乙坂「仕方ねぇ。放課後、お前らは柚咲の家に行ってこい。僕は適当にそこいらを探してみる」

31: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/09/22(火) 02:52:17.21 ID:X9CECEi+0
乙坂(とは言ったものの、柚咲とは知り合って間もない上に姉のことなんてまるでわからねぇ。最初から心当たりも何もないんだがな)

「す、すげえっ! レベルが違うぜ!」

「ゆさりんってデュエルもできるんだ!」

「あれって本当にゆさりんなのか? テレビで見たのと随分と印象が違うような…」

乙坂「あ? ゆさりんだ?」

美沙「いけ、サンダー・ユニコーン! ダイレクトアタックだ!」

美沙「サンダー・スピアー!!」

「うわああああぁぁぁ…!!」

美沙「けっ、こんなんじゃリハビリにもなりゃあしねぇ」

乙坂「よう、何してんだ?」

美沙「ん? ああ、乙坂か。見てわかんねぇか? 武者修行だよ」

乙坂「はぁ?」


無人の公園

乙坂「そんなに引き分けが納得できないか?」

美沙「当たり前だ。私はレディースチームの総長になってから一度たりとも勝利を逃したことはねぇ。少しでも強くなる為にはやっぱり実戦経験が一番だからよ」

乙坂「なるほど…間違った考え方じゃないな。負けはおろか、自分の隣に立つ存在すらも許さないってか」

美沙「友利に伝えといてくれ、明日にも再戦を申し込みに行くってな」

乙坂「今のままじゃ返り討ちにされるのがオチだな」

美沙「あぁ?」

乙坂「第一、今更雑魚相手に勝ったところでデュエルが強くなんてレベルじゃないだろ。そんな暇があったら、デッキを見直す方がよっぽど為になるっつーの」

美沙「てめえ、黙って聞いてりゃあ偉そうに言いやがって! 気が変わった、今すぐ私とこの場でデュエルしな! 今から頭を下げるなら許してやらないこともないがな」

乙坂「首を下に動かすと蕁麻疹ができるんだよ。病気なんだ、悪いな」

美沙「ちっ、なら仕方ねぇな」

乙坂「(・Д・)ノ」

乙坂(信じた…?)

美沙「さあ、デュエルディスクを構えな! お前を倒せば私は友利よりも強いことになるしな、好都合だ」

乙坂「やれやれ」

「「デュエル」」

32: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/09/22(火) 03:24:20.99 ID:X9CECEi+0
乙坂LP4000

美沙LP4000

美沙「先行はもらうぜ。私はチューナーモンスター、《虚栄の大猿》を特殊召喚!」

攻撃力1200

美沙「このカードは、手札から獣族モンスター1体を墓地に送ることで特殊召喚ができる」

美沙「さらに、《素早いモモンガ》を通常召喚!」

攻撃力1000

美沙「レベル2の素早いモモンガに、レベル5の虚栄の大猿をチューニング!」

美沙「天駆ける雷よ、雲海を切り裂き、その蹄を地上に穿て!」

美沙「シンクロ召喚!」

美沙「轟け、《ボルテック・バイコーン》!!」

攻撃力2500

美沙「私はカードを一枚伏せて、ターンエンドだ」

美沙・伏せカード:一枚

美沙「さあ乙坂、きやがれ!」

乙坂「僕のターン!」

乙坂「僕は《サイバー・ドラゴン・ツヴァイ》を召喚!」

攻撃力1500

乙坂「召喚したサイバー・ドラゴン・ツヴァイを除外し、レベル10の《サイバー・エルタニン》を手札から特殊召喚!」

攻撃力?

美沙「レベル10だと!?」

乙坂「サイバー・エルタニンは、自分のフィールド、または墓地から機械族・光属性モンスターを全て除外することで特殊召喚できる。そしてエルタニンの攻撃力は、除外したモンスター1体につき500ポイントの数値になる」

サイバー・エルタニン(攻撃力500)

美沙「ふざけやがって。レベル10で攻撃力500? てめぇ、まだ私を舐めてんのか?」

乙坂「僕はいたって真面目だ。サイバー・エルタニンの効果発動!」

乙坂「このカードが特殊召喚に成功した時、このカード以外のフィールドに表側表示で存在するモンスターを全て墓地へ送る!」

美沙「なんだと!?」

乙坂「くらえ、コンステレイション・シージュ!!」



33: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/09/22(火) 03:25:52.66 ID:X9CECEi+0
美沙「見くびんじゃねぇ! 永続罠、《安全地帯》を発動!」

美沙「このカードは、フィールドに攻撃表示で存在するモンスター1体を選択。選択したモンスターは相手のカードの効果の対象にならず、バトル及び相手のカードの効果では破壊されない!」

美沙「私はこれを、ボルテック・バイコーンに使うぜ!」

乙坂「無意味だな。エルタニンの効果は対象を取らず、破壊でもない。安全地帯で無効にはできねぇよ」

美沙「な!?」

乙坂「僕はエルタニンをリリースし、《サイバー・ドラゴン》をアドバンス召喚!」

サイバー・ドラゴン(攻撃力4200)

美沙「攻撃力4200!?」

乙坂「エヴォリューション・バースト!!」

美沙「うわああああぁぁぁ…!!」

美沙LP0

そろそろ寝る。多分明日の昼に少し書く



34: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/09/22(火) 03:30:08.77 ID:X9CECEi+0
ごめん、乙坂通常召喚二回してた(笑)

美沙「見くびんじゃねぇ! 永続罠、《安全地帯》を発動!」

美沙「このカードは、フィールドに攻撃表示で存在するモンスター1体を選択。選択したモンスターは相手のカードの効果の対象にならず、バトル及び相手のカードの効果では破壊されない!」

美沙「私はこれを、ボルテック・バイコーンに使うぜ!」

乙坂「無意味だな。エルタニンの効果は対象を取らず、破壊でもない。安全地帯で無効にはできねぇよ」

美沙「な!?」

乙坂「さらに手札から、《二重召喚》を発動!」

乙坂「これにより、二回目の通常召喚を可能にする!」

乙坂「僕はエルタニンをリリースし、《サイバー・ドラゴン》をアドバンス召喚!」

サイバー・ドラゴン(攻撃力4200)

美沙「攻撃力4200!?」

乙坂「エヴォリューション・バースト!!」

美沙「うわああああぁぁぁ…!!」

美沙LP0

今度こそ寝る。

35: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/09/22(火) 03:34:51.93 ID:X9CECEi+0
一度ならず二度もミスる俺って一体…

美沙「見くびんじゃねぇ! 永続罠、《安全地帯》を発動!」

美沙「このカードは、フィールドに攻撃表示で存在するモンスター1体を選択。選択したモンスターは相手のカードの効果の対象にならず、バトル及び相手のカードの効果では破壊されない!」

美沙「私はこれを、ボルテック・バイコーンに使うぜ!」

乙坂「無意味だな。エルタニンの効果は対象を取らず、破壊でもない。安全地帯で無効にはできねぇよ」

美沙「な!?」

乙坂「さらに手札から、《二重召喚》を発動!」

乙坂「これにより、二回目の通常召喚を可能にする!」

乙坂「僕はエルタニンをリリースし、《サイバー・ドラゴン》をアドバンス召喚!」

攻撃力2100

乙坂「終わりだ。僕はサイバー・ドラゴンで、ダイレクトアタック!」

乙坂「同時に速攻魔法、《リミッター解除》を発動!」

乙坂「自分フィールドに存在する機械族モンスター全ての攻撃力を二倍にする!」

美沙「!?」

サイバー・ドラゴン(攻撃力4200)

美沙「攻撃力4200!?」

乙坂「エヴォリューション・バースト!!」

美沙「うわああああぁぁぁ…!!」

美沙LP0 

38: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/09/22(火) 13:52:21.03 ID:5mowyv6bO
沙「てめぇ、何者だ?」

乙坂「デュエルと強い女だけに趣味があるただの若者さ」

美沙「冗談もほどほどにしやがれ! そんなチャラ男にこの私が負ける訳がねぇ!」

乙坂「知らねーよそんなこと。ま、実力の違いってヤツ〜?」

美沙「んな…」

乙坂「友利とのデュエルもやめとくんだな。今のお前じゃ勝てねぇよ」

美沙「この私があんな女に負けるってのか!?」

乙坂「つか、問題はおまえのプレイングだ」

美沙「は?」

乙坂「前の友利とのデュエル、おまえは少なくとも二回のミスをしている。最後のターンに至っては勝てたデュエルをみすみす捨てるほどにな」

美沙「なんだって?」

乙坂「友利自身、おまえのプレイングミスには気づいていた。今の段階で再戦を挑んだとしてもそこを突かれれば負けに転落するのは言うまでもない」

美沙(なんつー上から目線で偉そうな野郎だ…しかし、確かに一理――うん? 待てよ)

美沙「おい、逆に言えばそれを改善すれば私の力は友利よりも上になるってことだな?」

乙坂「可能性はあるな」

美沙「……乙坂…」

乙坂「なんだ?」

美沙「…私に、デュエルの特訓をしてくれ」

乙坂「ああ、いいぜ」

美沙「え? 即答?」

乙坂「ただし、条件がある」

美沙「条件?」

乙坂「僕の女になれ」

美沙「はぁ!?」

39: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/09/22(火) 14:10:48.95 ID:5mowyv6bO

翌日

友利(どうなってる? 昨日無断欠勤した黒羽に続き、今日は乙坂までも…まさか、彼女の身に何か? それを知った乙坂が、まさか…)


昼休み

友利「黒羽さんが乙坂さんと歩いてた?」

高城「はい。丁度反対方向だったんで声はかけなかったのですが、大体22時くらいでしょうか。駅近くのネットカフェに入って行ったのを確かに目撃しました」

友利「22時にネットカフェ……二人で……」

高城「しかし、学校側にも連絡がないとは妙ですね。また美沙さんが関係してるのでしょうか?」

友利「行くぞ、高城…」

高城「はい?」

友利「黒羽さんをあんな男に任せるのは危険です。初対面で女の子の唇を奪うような男とアイドルが一緒になるなどあり得ません」

高城「いえ、まだ午後の授業が…何より我々は生徒会ですし――」

友利「いいからてめぇは黙ってついて来りゃあいいんだよ」

高城(無言の涙)

40: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/09/23(水) 01:51:06.36 ID:P+1qbo2l0
1時間後

高城「はぁ…はぁ…こんな街中で乙坂さんを探し出すなんて無茶ですよ。こんなことをしなくても乙坂さんの携帯に直接かければいいだけの話じゃないですか」

友利「んなことは言われる前にやってんだよ。それに、難しいことはありませんよ。黒羽さんが一緒なら目立つでしょうし、それは美沙さんも一緒です」

高城「でも、これだけ探していないんならまたネットカフェかどこかの可能性が…」

友利「ネットカフェ…?」ギロッ

高城「な、なんでもありません…」

乙坂「よう、誰探してんだ?」

高城「おおっ! グッドタイミングです、乙坂さんっ」

友利「懺悔の用意はできていますか?」ニコッ

高城(怖い! あの笑顔超怖い!)

乙坂「ほれ、郵便」

友利「一体今まで――って、え?」

高城「果たし状…しかも美沙さんからっ?」

乙坂「デュエルは三日後、負ければ黙っておまえの言うことに従うらしい」

友利「ってことはあんた、今までずっと黒羽さんといたのかよ!?」

乙坂「ああ」

友利「ああ、じゃねぇ! 一体あの女と何やってんすか?」

乙坂「コーチ」

友利「は?」

乙坂「毎日あいつを鍛えてる」

高城「生徒会の活動はどうするんですか?」

乙坂「緊急があったらここに電話してくれ。三日間は家にも戻らない。歩未にも言ってある」

高城「しかし驚きました。まさか乙坂さんと美沙さんがそこまで仲良くなっていたなんて」

乙坂「最近は妹の方なんて滅多に出てこないけどな。それに今は僕の女だ」

友利「はぁ!?」

高城「乙坂さんがゆさりんを!?」

乙坂「姉の方だけだ。強い女には魅力がある。友利とは違った魅力がな」

友利(こいつ二股しといて堂々としてやがる)

乙坂「じゃあな、三日後を楽しみにしてる」

友利「ふ……あははは……」

高城「友利さん?」

友利「高城、ナイフ持ってこい…」

高城「は?」

友利「あいつを殺して私も死にます」

高城「えっ!?」

友利「許さねぇ、乙坂有宇! 僕の女になれなんて言いながら、他の女とネットカフェなんて行きやがって!」

高城「え? そっち? 美沙さんを口説いた方じゃないんですか?」

友利「私自ら死の制裁を加えてやる! 追うぞ!」

高城「ちょっ、いつもの冷静な友利さんに戻ってくださいよ〜!」


42: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/09/23(水) 04:20:03.08 ID:P+1qbo2l0

生徒会室

友利「………」イライラ

高城「………」

友利「………」イライラ

高城(く、空気が重い…何か楽しい話をしなければ)

高城「しかし乙坂さんに弟子入りするなんて美沙さんも思い切りましたね〜。どこまで強くなってることやら」

友利「あぁ? あなた、私が彼女に負けると言いたいんすか?」

高城「い、いえ、そういう訳ではないですが…彼女のバックには乙坂さんがついていることもありますし、友利さんも万全の対策をしておくべきかと…」

友利(無言の威圧)

高城「あ、いや…」

高城「そうですよっ、乙坂さんも乙坂さんです。友利さんの時と同じにしても亡くなられているとはいえゆさりんの身体にキスなどしたとしたら大問題――やば…」

友利「……………」

高城(なんだかドス黒いオーラ出ちゃってるんですがー!? 目も黒いし、口元歪んでるし、髪まで逆立ってるー!?)

高城(乙坂さーーんっ!! ヘルプミーー!!)



その頃の乙坂

乙坂「だいぶ様になって来たな」

美沙「当然だ。私の才能を持ってすりゃあ朝飯前よ」

美沙「でもよ、これで本当に友利に勝てんのか?」

乙坂「少なくとも今までよりは勝機はある。僕が後ろにいる以上、友利も何かしらの対策はしてくるだろう。が、おまえの弱点がプレイングであるとわかってる今、戦術そのものを変えてくると思うことは想像しにくいだろうぜ。断言はできないけどな」

乙坂「友利はおそらく、僕がおまえの弱点を埋めてくると考えて来るはずだ。それを狙え、あいつは予想外に弱いタイプだろうからな」

美沙「…あいつのこと、よくわかってんだな」

乙坂「僕の女第一号だからな。当然だ」

美沙「なーにが第一号だ。この浮気野郎が」

乙坂「浮気とは心外な。僕は強い女なら誰でも愛せるぞ。証拠を見せてやろうか?

美沙「証拠? な…お――っ!?」

乙坂(無言の    キス)

美沙「ぷはっ…!」

乙坂「ま、こういうことだ」

美沙「な…な…///」

乙坂「今日はこれくらいにしておくか。腹も減った。そろそろ昼飯行こうぜ」

美沙「お、おう…」

今日は寝ます。続きはまた昼かなぁ

45: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/09/23(水) 18:00:11.54 ID:FyufE8ygO
デュエル一日前、とあるファミレス

友利「あん…あむっ…」とうもろこしやけ食い中

高城「あの、友利さん…」

友利「なんすか?」

高城「例のデュエルは明日ですが、本当に大丈夫なんですか? なんの対策もなしに…」

友利「以前の戦いで彼女のデュエルは把握しています。乙坂さんも言っていたでしょう? 最大の弱点も」

高城「いやまあ、そうなんですが…昨日も言った通り、今はその乙坂さんと二人で…」

友利「ふ・た・り・で?」ニコッ

高城「な、なんでもありません…」

「なんで僕まで付き合わすんだよ」

「一人で食べてもつまらねぇだろ、いいから行くぞ」

友利「!?」

高城「この声…ひょっとして」

乙坂「ん? おまえも来てたのか?」

美沙「友利じゃねぇか、こんなところで会えるとは光栄だぜ。この前は引き分けに終わったが、今度はそうは行かねえ、首を洗って待ってな!」

友利(お〜と〜さ〜か〜…!!)

高城(に、睨んでる…乙坂さんを睨んでる…!)

友利「一緒に食事に来るのもコーチの役目ですか?」ギロッ

乙坂「いや、これまでの授業料代わりに奢ってやるって無理やり連れて来られたんだが」

美沙「おーおー、明日までは私”だけ”の乙坂さんだぜ? 馴れ馴れしくしないでくれよな♪」

友利「………」ゴゴゴゴ…

高城(怒ってる…今まで見たこともないくらいに怒っていらっしゃる!)

 

46: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/09/23(水) 19:58:30.79 ID:FyufE8ygO

美沙「それじゃあ乙坂、訓練終了のお祝いだ。遠慮なく食え」

乙坂「いいのか? 僕は遠慮がないぜ?」

美沙「私の妹の財産を見くびらないで欲しいね」

乙坂「そりゃあ頼もしい」

高城(ゆさりん可哀想…)

友利「訓練終了のお祝いならもうこいつを振り回す必要はないんじゃないですか? そろそろ返してくださいよ。私たちにとっても必要な人材ですからね」

美沙「あと一日あるって言ってんだろう? ていうか引っ付くなっ、この中古女!」

友利「誰が中古だこらぁぁ!! ていうか、キス以降のことはまだしてねぇ!!」

美沙「キスの以降はない? はっ、おかしくって腹痛いわ。こっちはすでに二回も混浴温泉に入った仲だぜ?」

友利「な!?」

高城「ゆさりんと混浴だとぉぉぉ!? 乙坂さん、本当ですか!?」

乙坂「ああ、二日連続でな」

友利「二日かよ!? それ以上の関係にはなってたりするんすか!?」

高城「それ以上…?」

高城「………」

高城「うわああああぁぁぁっ!! 殺してやる、殺してやるぞ乙坂有宇ぃぃぃ!! うっ!?」どすっ

乙坂「それくらいにしとけ美沙、わざわざ煽りにきたんじゃないんだろ?」腹パンで沈めた

美沙「それもそうだな、安心していいぜ、別に何もねぇ。ただ単にお互いの身体の洗い合いをしただけだ」

友利「してんじゃねぇかぁぁぁっ!」

乙坂「いや、それ嘘だからな。真っ赤な」

47: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/09/23(水) 20:54:32.45 ID:FyufE8ygO

翌日

友利(いよいよか…最低で変人でど変 の人間は今日も学校にきていない。確かあいつ、二日連続で一緒に入ったって言ってたよな? 昨日もまた美沙と――)

友利(もしかしたら、今度こそ風呂で…)

友利「………」

友利「あーーーっ!」

友利(あり得ん。なんであんな奴のことなんか気になるんだぁ? イライラする、こうなったら美沙とのデュエルに勝って乙坂の鼻を明かしてやるしかねぇ)

「おい、友利。少し顔貸せや」


無人の公園

美沙「…遅い」

乙坂「もう時間過ぎてるぞ。高城、時間と場所は伝えてくれたよな?」

高城「ええ、それは言われた通りに。本人も不自然ような顔でわかりましたと返事をもらっていますが…」

美沙「あー、いつまで待たせやがる。ビビって不戦敗かよ?」

高城「これはもう、間違いありませんね」

乙坂「何か知ってるのか?」

高城「察しはつきますが、知らない方がいいと思いますよ?」

乙坂「よし、教えろ」

高城「ですよねー」



校舎裏

「ちっ…また聞く気なしかよ」

「おい! 聞いてんのか!?」

友利「………」

「ムカつくな」

「まず、リカの分!!!」

友利「ぐっ…!?

「次は百合子の分!」

友利「がっ…! ぐうっ…!?」

「まだまだぁ!」

乙坂「また随分と派手にやられてまあ」

友利「っ!?」

「なんだおまえ、誰だ?」

「こいつ、この前転入してきた?」

乙坂「んなとこで油売ってる場合かよ。美沙が待ちくたびれてる、さっさと行こうぜ」

「はぁ? ちょっと待て、まだウチらの復讐は終わっちゃいねぇ!」

乙坂「復讐だ?」

「ああそうだよ、そいつは生徒会長って立場を利用してウチらのダチを殴るは脅しをかけるわしてんだよ」

「わかるだろ? 元より悪いのはその女だ」

「理解したならさっさと消えな。あんたに恨みはないよ」

乙坂「そういうことか、よくわかった。行くぞ、友利」

友利「は?」

「てめぇちゃんと話聞いてたのかよ!?」

「もう構うな。一緒にやっちまえ!」

48: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/09/24(木) 00:25:53.25 ID:5Z0tBVtF0
友利「っ!」

ひとりが地面を蹴り、乙坂に殴りかかってきた。

乙坂はその拳を避け、逆に一撃を叩き込む。

「ぐっ…!?」

悠長に遊んでいるほど、今は暇じゃない。

終わらせるべく、追撃を叩き込む。

わずか二発。

「が…!」

崩れるのを確認し、他四人に向き直った。

「なんだよこいつ…」

「怯むな、囲め!」

「…うん、わかった」

「くそ、いいところで…」

「うおおおおお!」

残りの女子四人が乙坂を攻め立てる。

友利「乙坂さん…!」

乙坂(あーどうしよ、避けるか?)

乙坂(いや、その必要もねぇな)

友利「!!」

拳が乙坂に突き刺さる。

だが、ダメージはない。

蹴りも、問題はない。

「う、嘘でしょ…?」

乙坂「仕掛けたのはそっちなんだからな。悪く思うなよ?」

「何をっ?」

乙坂は女のひとりの頭を掴み、思い切り壁へと叩きつける。

「がはっ!」

友利(うわ、痛そう…)

腕を引く。

「な、何…!?」

二度目。

別の女を壁に叩きつけ、地面に放り投げた。

どすっ!

「がはっ!!」

最後のひとりの首を掴んだまま、壁に叩きつける。

「ぐ…っ…」

まだリーダーらしき女は若干意識があるのか、弱々しい力で乙坂の腕を握る。


49: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/09/24(木) 00:27:00.00 ID:5Z0tBVtF0

乙坂「はい終わり、と」

どすっ!!

友利(えぐっ…)

そのまま首を持ち上げ、地面に叩きつける。

女が次に反応することはなかった。

乙坂は、さらに首を持ち上げる。

友利「…そこまでです、乙坂さん」

乙坂「もういいのか?」

友利「それ以上続ければ死にかねません」

乙坂「やれやれ」手を離す

友利「相手が女の子でも容赦しないんすね」

乙坂「戦いに男も女もない。それはデュエルだろうが拳だろうが同じだ」

友利「とりあえず、ありがとうございます…」

乙坂「礼はいらん。僕は自分の女を守っただけだ。さっさと行こうぜ」

友利「………」

乙坂「何か言いたそうだな?」

友利「あなたは、本当にこのスタンダードの人間なんですか? 何を隠してるんすか?」

乙坂「おいおい、見た目通り正義、平和、博愛主義の三拍子揃ったこの僕が隠し事なんてする訳がないだろう(キリッ)」

友利「引くなっ!」

乙坂「それに、おまえだって人のこと言えるのか?」

友利「え?」

乙坂「誰の命令かは知らねえが、伝えとけ。こそこそ隠れながら監視をするのは、臆病者のすることだってな」

乙坂「先に待ってるぜ、早く来いよー」

友利「…なんで、あいつ」

50: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/09/24(木) 00:58:12.41 ID:5Z0tBVtF0

友利「お待たせしました」

美沙「おっそーーいっ! この私を待たせるとは百万年早えんだよ!」

友利「リンチに合ってたもので遅れちゃいました。いつでもいいですよ?」

美沙「リンチだぁ? そいつは面白え。おい友利、デュエルが終わったら一緒にボコしに行こうぜ」

友利「ご心配なく、乙坂さんが全員病院送りにしてくれました」

美沙「んだよ、乙坂だけが満足かよ…」

高城「乙坂さん、病院送りって…」

乙坂「心配するな、死んじゃいない」

高城「いや、そういう問題でしょうか…」

美沙「今日こそ決着をつけてやる。いくぜぇ!」

「「デュエル」」

友利LP4000

美沙LP4000

美沙「先行はもらった。私は永続魔法、《黒い旋風》を発動!」

美沙「こいつは、自分フィールドにBFモンスターが召喚された時、そのモンスターより低い攻撃力を持つBFを手札に加えるのさ!」

友利「BF…?」

美沙「さらに私は、《BF-蒼炎のシュラ》を召喚!」

攻撃力1800

美沙「黒い旋風の効果発動! 私が選択したのは、《BF-疾風のゲイル》」

美沙「私はカードを一枚伏せて、ターンエンドだ」

美沙・伏せカード:一枚

51: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/09/24(木) 02:26:48.82 ID:5Z0tBVtF0
高城「BF…以前美沙さんが使っていたものとは違うモンスターですね。あなたの差し金ですか?」

乙坂「さぁな。まだデュエルは始まったばかりだ。気長に見ようぜ」

友利「私のターン、ドロー」

友利「私は《セイクリッド・ポルクス》を召喚!」

攻撃力1700

友利「セイクリッド・ポルクスが召喚に成功したターン、通常召喚に加えて1度だけセイクリッドモンスター1体を召喚できます」

友利「私はさらに、《セイクリッド・カウスト》を通常召喚!」

攻撃力1800

友利「セイクリッド・カウストの効果発動!」

友利「1ターンに2度、自分フィールドのセイクリッドモンスター1体のレベルを1つ上げ、または下げることができる」

友利「これによりセイクリッド・カウスト、ポルクスのレベルをひとつずつ上げる」

セイクリッド・ポルクス(LV5)

セイクリッド・カウスト(LV5)

高城「レベル5が二体…早くもお出ましですね」

美沙「罠カードオープン! 《ゴッドバードアタック》!」

美沙「自分フィールドの鳥獣族モンスター1体をリリースし、 フィールドのカード二枚を破壊する!」

友利「何!?」

美沙「私はシュラをリリースして、おまえの場にある二体のセリクリッドモンスターを破壊する!」

友利(カウストとポルクスが破壊された…!)

美沙「危ねぇ危ねぇ、一度エクシーズを決められたらゾンビのように使いまわされるからな。早めに潰させてもらったぜ」

友利「随分とガチガチな罠カードを使って来るんですね。イメージと違いますよ」

美沙「文句なら乙坂に言って欲しいね。これは乙坂が私に進めたカードの一枚だぜ?」

友利「意外と真面目コーチやってたんすね」ギロッ

乙坂「頑張れー、まだまだ始まったばかりだぞー」

友利(あいつ後で蹴っ飛ばす)

美沙「余所見とは余裕だな。おまえのターンは終わりなのかよ?」

友利「私はカードを二枚伏せて、ターンエンドです」

友利・伏せカード:二枚

美沙「いくぜ、私のターン!」

美沙「私はチューナーモンスター、《BF-極北のブリザード》を召喚!」

攻撃力1300

美沙「黒い旋風の効果で、デッキの《BF-大旆のヴァーユ》を手札に加えるぜ」

美沙「さらにブリザードが召喚に成功した時、墓地にあるレベル4以下のBF1体を守備表示で特殊召喚できる!」

美沙「来い、《BF-蒼炎のシュラ》!」

守備力1200

美沙「私はレベル6の蒼炎のシュラに、レベル2のブリザードをチューニング!」

美沙「シンクロ召喚!」

美沙「出でよ、レベル6! 《BF-星影のノートゥング》!」

攻撃力2400

52: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/09/24(木) 02:51:30.67 ID:5Z0tBVtF0

高城「レベル6のシンクロモンスター…あれが彼女のエースですか」

美沙「ノートゥングが特殊召喚に成功した時、相手に800ポイントのダメージを与える!

友利「くっ…」

友利LP3200

友利「なら、そのエースには早速ご退場願いましょう」

友利「罠発動! 《奈落の落とし穴》!」

友利「相手が攻撃力1500以上のモンスターを召喚・特殊召喚した時、そのモンスターを破壊しゲームから除外する!」

美沙「なんだと!?」

乙坂「やるじゃねぇか、罠がガチガチなのはお互い様だがな」

美沙「ちっ…ならば魔法カード、《おろかな埋葬》を発動!」

美沙「これにより、デッキから《BF-精鋭のゼピュロス》を墓地に捨てるぜ」

美沙「そしてこのカードが墓地に存在する場合、自分フィールドで表側表示のカードを手札に戻すことで墓地から特殊召喚し、私は400ポイントのダメージを受ける!」

美沙「戻って来い、精鋭のゼピュロス!」

攻撃力1600

美沙LP3600

美沙「さらに私は、《BF-疾風のゲイル》を特殊召喚!」

攻撃力1300

美沙「こいつはな、自分の場にBFがいる場合、手札から特殊召喚できんだぜ」

高城「あの状況から一気に二体のモンスターを…」

友利「ちっ…」

美沙「バトルだ! 私はゼピュロスで、ダイレクトアタック!」

友利「ぐうぅっ…!」

友利LP1600

美沙「続け、疾風のゲイル! ダイレクトアタックだ!」

友利「あああぁぁぁ…っ!」

友利LP300

高城「友利さんのライブが…!」

美沙「私はカードを一枚伏せ、ターンエンドだ」

美沙・伏せカード:一枚

美沙「この程度で手も足も出ねえか? どうやら乙坂とのトレーニングで差がついちまったようだな! はっはっはっ」

ごめん、デュエルの途中だけど眠い。明日はなるべく早く書くよ(多分)

54: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/09/24(木) 14:14:00.03 ID:Ssn/UcJcO

「友利さんのライブが…!」←ライフの間違え

友利「…驚きました、BFのインチキ効果も合わさって素晴らしいタクティクスです」

高城「あれって褒めてるんでしょうか?」

乙坂「さあ?」

友利「だがな、傲るのは勝ってからにしろよ…」

美沙「あ?」

友利「戦場じゃそれが全てだ…途中経過なんか関係ねぇ、全てが終わった時にどっちが立ってるかが全てなんだよ!」

高城「戦場…!」

乙坂「………」

友利「私のターン!」

友利「私は、《セイクリッド・ソンブレス》を召喚!」

攻撃力1550

友利「ソンブレスの効果発動!」

友利「墓地にあるセイクリッドモンスター1体を除外し、墓地のセイクリッドモンスター1体を手札に加える」

友利「私は墓地にある《セイクリッド・ポルクス》を除外し、《セイクリッド・カウスト》を回収」

友利「さらにこの効果を適用したターンのメインフェイズ、セイクリッドモンスター1体を召喚できる!」

美沙「な!?」

友利「私は再び、《セイクリッド・カウスト》を召喚!」

攻撃力1800

友利「カウストは1ターンに2度、フィールドのセイクリッドモンスターのレベルをひとつ上げるか下げることができる」

友利「私はカウスト、ソンブレスのレベルをひとつ上げる!」

セイクリッド・ソンブレス(LV5)

セイクリッド・カウスト(LV5)

高城「これで再び、レベル5が二体…」

友利「私はレベル5のセイクリッド・ソンブレスとカウストでオーバーレイ!」

友利「星々の光、今大地を震わせ降臨せよ!」

友利「エクシーズ召喚!」

友利「現れろ、ランク5! 《セイクリッド・プレアデス》!!」

攻撃力2500

美沙「くっ…ついに召喚されちまったな」

友利「セイクリッド・プレアデスで、ゼピュロスを攻撃!」

美沙「甘い! 罠発動! 《次元幽閉》!」

美沙「相手モンスターの攻撃宣言時、そのモンスターを除外する!」

友利「甘いのはそっちだ。カウンター罠、《エクシーズ・リフレクト》発動!」

友利「フィールドのエクシーズモンスターを対象にするモンスター効果・魔法・罠カードの発動を無効にし破壊。その後、相手ライフに800ポイントダメージを与える!」

美沙「なんだと? ぐっ…!」

美沙LP2800

友利「バトルは続行中。セイクリッド・プレアデス! ゼピュロスを攻撃!」

美沙「ぐうぅぅっ!」

美沙LP1900

56: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/09/25(金) 04:06:32.26 ID:t7Y+DXJz0
乙坂(ゲイルを残した…?)

友利「私はカードを一枚伏せて、ターン終了です」

友利・伏せカード:一枚

高城「ライフでは負けているものの、プレアデスのオーバーレイ・ユニットは無傷。これはわからなくなってきましたね」

乙坂「そうだな…だが潮時だ、このデュエル、次のターンにも」

美沙「私のターン!」

友利「ここで私は、永続罠発動! 《安全地帯》!」

友利「フィールドに攻撃表示で存在するモンスター1体を選択。選択したモンスターは相手のカードの効果の対象にならず、戦闘及び相手のカードの効果では破壊されない!」

美沙「くっ…お前も入れてやがったか。しかもこれじゃあゲイルの効果を使えねえ」

乙坂(だが安全地帯にはデメリットもある。しかもゲイルはチューナーモンスターだ。どこまで読んでいる?)

美沙「私は魔法カード、《闇の誘惑》を発動!」

美沙「この効果により、デッキからカードを二枚ドローし、手札の闇属性モンスター1体をゲームから除外する!」

美沙「私は手札の、《BF-大旆のヴァーユ》を除外!」

友利「プレアデスの効果発動!」

友利「1ターンに1度、オーバーレイ・ユニットをひとつ使って、あなたの場の疾風のゲイルを手札に戻します!」

高城「え?」

乙坂(安全地帯を発動したにも関わらず今度はプレアデスの効果をゲイルに使うだと? 一見するとプレアデスの効果を無駄に使うだけのプレイングだが)

美沙「やけになって自滅を選んだか? いいぜ、今持てる最大限の力でトドメを刺してやるよ!」

美沙「私は精鋭のゼピュロスの効果で手札に戻した《黒い旋風》を再び発動!」

美沙「さらに、《BF-暁のシロッコ》を召喚!」

攻撃力2000

美沙「こいつは相手フィールドにモンスターが存在し、自分フィールド上にモンスターが存在しない場合、リリースなしで召喚できる」

高城「相手フィールドに…それじゃあ」

美沙「そうよ、お前がプレアデスの効果でゲイルを手札に戻さなきゃこの状況は変わってたかもな」

美沙「黒い旋風の効果で、暁のシロッコの攻撃力以下のBFを手札に加える!」

57: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/09/25(金) 04:11:09.22 ID:t7Y+DXJz0
美沙「私は手札に加えた《BF-黒槍のブラスト》を特殊召喚!」

攻撃力1700

美沙「こいつも同様に、自分の場にBFが居る場合、手札から特殊召喚できる」

美沙「同じ効果で、手札から疾風のゲイルを特殊召喚!」

攻撃力1300

高城「一気にモンスターが三体…!」

美沙「暁のシロッコの効果発動!

美沙「自分の場のBFと名のついたモンスター1体を選択し、その攻撃力を選択したモンスター以外のBFの合計分アップする!」

暁のシロッコ(攻撃力5000)

友利「攻撃力5000…!」

美沙「この効果を発動したターン、選択したモンスター以外は攻撃できない」

乙坂(プレアデスの効果はもう使えない。友利のライフは300…安全地帯の効果で戦闘破壊されないとはいえ、ダメージは通る…あるのは手札の――っ!?」

乙坂「なるほど…やっとわかったぜ」

高城「え? 何がです?」

美沙「終わりだ、暁のシロッコ! プレアデスを攻撃!」

美沙「ダークウィングスラッシュ!!」

友利(ここだ!)カンコーン!

友利「私は手札にある《オネスト》の効果発動!」

美沙「何? このタイミングでっ」

友利「私の場に存在する光属性モンスターがバトルを行うダメージステップ時、このカードを手札から墓地へ送る事で、エンドフェイズまでプレアデスの攻撃力を暁のシロッコの攻撃力分だけアップする!」

美沙「なんだと!?」

セイクリッド・プレアデス(攻撃力7500)

高城「んな!?」

美沙「バカなっ、攻撃力7500だぁ!?」

友利「警戒心が足りませんでしたね。セイクリッド・プレアデスで、暁のシロッコへ反撃!」

美沙「くっ…!」

美沙(この私が、まさか…!)

美沙「うわあああぁぁぁっ!」

美沙LP0

今日はここまでにします。後半のデュエル構成適当だったかな?

58: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/09/25(金) 19:35:20.27 ID:Z9GuEVFCO

美沙「負けたー!」

高城「お見事です友利さん、ですが何故プレアデスのオーバーレイ・ユニットを無駄打ちしたのです? あれがなければもう少し楽に勝てたと思うのですが

友利「あなたはアホなんですか? 最後のどんでん返しを見てもなおわからないほどの馬鹿なんですか?」

高城「なんだかダブルな悪口言われた!?」

乙坂「あえて使ったのさ、友利は。プレアデスの効果は1ターンに1度、安全地帯を最初に発動したのはゲイルの効果で攻撃力を半分にされるのを恐れたからだ。そうなれば、一撃でライフを削り切るのは不可能になるからな」

乙坂「友利は美沙がバトルで自身のライフを削り切る戦術を取ると読んだ。プレアデスの効果が使えれば、美沙は無駄な攻撃はして来ねえ。オネストの効果で確実に仕留める為にあえて危険な綱渡りを選んだ…違うか?」

友利「正解です、流石っすね」

美沙「くぅ〜、安全地帯を破壊できるカードさえ引けてれば…!」

友利「私が怖かったのはそこです。こればかりはあなたの引きに賭けるしかありませんでした」

高城「それで乙坂さん、美沙さんはどうですか?」

乙坂「期待通りの結果は出してくれた。後は友利、お前が決めろ」

友利「そうですね…では美沙さん、私と乙坂さん、そしてこの雑魚と一緒にアカデミアと戦ってくれますか?」

高城「雑魚…」グサッ

美沙「乙坂から聞いたんだろ? 負けたからには何も言わねえ。お前の言う事に従ってやるよ」

友利「そうですか…では乙坂さん、行きましょう」

乙坂「は? なんだよ」

友利「三日間の間、生徒会の仕事をほったらかしにした埋め合わせはしてもらいます。あ、お二人は来なくて結構ですよ。これは私の許可なく勝手にサボったこいつへの罰なので」

乙坂「やれやれ…わかったよ、どこへでも連れて行け」

美沙「ちょっと待った! そんな事、この私が許すとでも思ってんのか? 私の乙坂に対して」

友利「私の…」ゴゴゴゴ…

高城「やば…」

友利「こいつのコーチ期間は三日間だけじゃなかったんすか?」

美沙「ああそうさ、でも、乙坂自身を諦めた訳じゃないぜ? なんせ三日連続でお風呂に入った仲なんだからな」

友利「三日連続…だと?」

美沙「というわけで乙坂、今から再特訓だ! 今度こそ友利を打ち倒せるデッキを作ろうぜ!」

友利「待てやこらぁぁ! あんた私の言ったこと聞いてたんすか!? 」

美沙「それとこれとは別問題ってもんだろ? アカデミアとの戦いにも為になることだぜ?」

友利「そんなの屁理屈です。大体あんた私の言うことに従うって」

美沙「それこそ別問題だぜ」

友利「別じゃねぇ!」

美沙「別だ!」

乙坂「あーあ、また面倒になってきやがった」

高城「半分以上は乙坂さんが悪いのではないでしょうか?」

乙坂「僕が? 何故に?」

高城「もういいです…」

友利「往生際が悪いですね…」

美沙「なんならもう一回デュエルしてやるぜ? 今度は乙坂の自由権をかけてな」

友利「わかりました。受けてたってやります」

高城「まあまあ二人共、いろいろお疲れでしょう? なんなら四人でお茶でも」

友利「てめぇは帰れ」
高城「てめぇは帰れ」

高城(無言じゃない号泣き)

59: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/09/26(土) 01:35:10.70 ID:zGWUYbd50

友利「以上です」

『わかった、報告ありがとうね。後は引き続き監視を頼めるかい?』

友利「言われなくてもそうしますよ。といっても、あの男がその気になればすぐに血の海渡ることになりそうっすけど」

『こっちもそれなりに調べたけど、ここ数年の動きは闇の中。後は直接本人に尋ねるか妹の方に話を聞くしかないと思う』

友利「そのつもりです…ただ、どうにもあの泰然自若な感じはやりにくいっすね」

『何、それも今の俺たちには儲けものさ。彼の実力は奈緒ちゃんにとっても俺たちにとっても大きな力になるはずだよ』

友利「まあ、それは認めますけど…それで、あなたの方は次の協力者に目星はつきましたか?」

『…? 奈緒ちゃんは何も聞いてない? 三日くらい前から各地のショップ大会を荒らしまわっているデュエリストの事」

友利「え?」

『心して聞いて欲しい。おそらくそれは、他次元のデュエリストだ』



深夜、乙坂家

乙坂(ただいま〜と)

歩未「おかえりなさいです、お兄ちゃん…」

乙坂「…? 歩未、まだ起きてたのか?」

歩未「ご飯、作っておいたので温めてから食べて下さい」

乙坂「ああ、丁度腹減ってた。風呂に入ってから食べるよ。お前はもう寝ろ、明日も早いだろ?」

歩未「あの、お兄ちゃん」

乙坂「なんだ?」

歩未「明日も遅いですか?」

乙坂「多分な、前から言ってるが無理して夕食を作る必要はないぞ。お前は自分の事だけを考えていくだけでいいんだ。僕の事は気にしなくていい」

歩未「一人も二人も変わらないから気にしないで大丈夫なのです。できれば明日は早めに帰って来て下さい」

乙坂「努力はする」

歩未「…お休みなさい」

乙坂「…ああ、お休み」

乙坂「……はぁ…」

乙坂(変わっちまったな、いや、僕が変えちまったのか…?)

乙坂(ま、一般的には普通の兄妹なんだがな)

60: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/09/26(土) 02:44:45.27 ID:zGWUYbd50

翌日

高城「襲撃事件?」

友利「そうです、ここ三日の間で各地で起きているとの情報を手に入れました」

柚咲「怖いですねー…犯人も早く捕まって欲しいです」

乙坂「で、その事件が僕たちが集まったのとどういう関係がある?」

友利「これを見てください」スッ

高城「っ!?」

柚咲「これは…写真ですか?」

乙坂(違う、デュエルモンスターズのカード…)

高城「カードに封印されてる…」

乙坂「何?」

柚咲「どういうことですか?」

友利「このカードに描かれている人物は、三日前にあるショップ大会で優勝した人物…その直後から行方知らずになっているそうです」

柚咲「…? それがこのカードと関係が?」

友利「わからないっすか? 彼は生きているんです、このカードの中で」

柚咲「えぇっ!?」

高城「っ…」

乙坂「…アカデミアの侵略か」

友利「それはまだわかりません、ただ可能性は高いでしょう」

友利「私や高城の故郷であるエクシーズ次元…ハートランドは他次元からやってきたアカデミアのデュエリストによって次々とカードの中に封印されてしまいました。私や高城もその現象を何度も見ています」

高城「ついに、スタンダードにもアカデミアの手が伸びてきたんですね…」

柚咲「この人たちはどうなるんですか…」

友利「残念ながら、私たちにはどうしようもありません。ただ、ひとつだけ気になることがあります、乙坂さん」

乙坂「なんだ?」

友利「この襲撃事件は、あなたが私たちと出会う前に荒らしまわっていたショップ大会で起きています」

友利「私は、襲撃犯の目的はあなただと推理してるんです」

62: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/09/26(土) 03:15:55.42 ID:zGWUYbd50


乙坂「は?」

柚咲「乙坂さんをですか!?」

高城「それは、我々と同じだと考えて大丈夫なんでしょうか?」

友利「可能性はなくはないでしょう。仮にこれがアカデミアの仕業だとするなら、スタンダードでも指折りの実力者である乙坂さんを消そうとしてるのか、あるいは自分たちの支配下に置きたいと考えているのか」

友利「目的はとにかく、このまま犯人を野放しにはしておけません」

乙坂「動くのか?」

友利「当然です。とりあえず、二手に分かれて探しましょう。乙坂さんは黒羽と一緒にまだ襲撃が起きていないショップを探してください。私は高城と一緒に行きます」

高城「あれ? いいんですか友利さん、柚咲さんと乙坂さんを二人だけにしても」

友利「いいんです」

高城(あれ? 今回はリアクション薄い…)


乙坂サイド

乙坂「ここもダメか…次行くぞ」

柚咲「はいっ」

乙坂「また随分と張り切ってるな」

柚咲「乙坂さんが一緒なら百人力ですっ」

柚咲「それに、久しぶりに喋れたので大満足してるんです」

乙坂「ま、最近は姉が全部持って行ってたからな」

柚咲「次はどこに行くんですか? 隣町?」

乙坂「そっちは友利たちが確認に行っている。僕たちは次が最後だ。終わり次第二人と合流しよう」

柚咲「そうですね、バラバラはやっぱり不安です」


友利サイド

高城「乙坂さんに言えない事情でもあったんですか?」

友利「先に帰ってください」

高城「え?」

友利「よく考えてみれば、一人は残るべきでした。仮にアカデミアの人間が来るなら、召喚エネルギーでわかるはずでしょう?」

高城「いやまあ、そうなんですけど…それじゃあ友利さんが一人になってしまいますよ?」

友利「問題ないです。仮に複数が相手だとしても味方があなたじゃ頼りになるとは思えません」

高城「」グサッグサッ

友利「これは命令だ。私には他にやることがある。分かったな?」

高城「わかりました(泣)」

63: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/09/26(土) 14:25:02.21 ID:3o/yHpMtO
柚咲「どうでしたか?」

乙坂「手掛かりなしだ」

柚咲「そうですか…喜べばいいのか悲しめばいいのか微妙なところですね」

乙坂「まあ、ここら一帯は人通りも少ないしな。襲撃するなら打ってつけの場所だ。もう少し様子を見ようぜ」

――うわああぁぁぁっ!

乙坂「!?」

柚咲「乙坂さん、今の声…!」

乙坂「いいタイミングだな。行こう」



歩未「ごめんなさい、遅れてしまいましたっ」

友利「お待ちしていました。別に気にしないで大丈夫ですよ、私が無理に呼びつけたので」

友利「2回ほど会ってるよね? 覚えてるかな?」

歩未「はい。引っ越しの手伝いにきてくれた時とゆさりんとデュエルをして見せたくれた時ですね」

歩未「それで今日は、どのようなご用件で?」

友利「そんなに硬くならなくても大丈夫ですよ。少しお話しを聞きたいだけっすから」

歩未「それは、お兄ちゃんの事でしょうか?」

友利「鋭いね。でもその様子だと、硬くならずにいられない内容なのでしょうか?」

歩未「お姉ちゃんが聞きたいのは、お兄ちゃんのなんなんですか?」

友利「全てです」

歩未「…わかりました」

友利「もちろん知っている限りで大丈夫、後は直接本人に聞くからね」

歩未「…お兄ちゃんは、ある日を境にいなくなってしまったんです」

友利「え?」

歩未「そして戻ってきた時には、お兄ちゃんはお兄ちゃんじゃなくなっていました」

64: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/09/26(土) 14:26:20.52 ID:3o/yHpMtO
黒咲「答えろ、貴様とアカデミアの関係は」

「知らねえよっ、そもそもなんだよアカデミアってっ」

柚咲(乙坂さん)

乙坂(ああ、間違いないな。あの不審者が襲撃犯に間違いはないだろう)

黒咲「ならば何故あの大会でアカデミアだったデュエリストが出ている!?」

「俺が知るかっ!!」

黒咲「ならば時間の無駄だ」

「は? 何…うわああぁぁぁっ!」

柚咲(っ!?)

乙坂(消えた…カードに封印されたのか…?)

黒咲「っ! 誰だ、そこに隠れているのかわかっている!」

柚咲「ひ…!」

乙坂(見つかったか。止むを得ん、お前はここにいろ)

柚咲(乙坂さん?)

黒咲「貴様は…」

乙坂「乙坂有宇…お前が襲撃していた大会でのかつての優勝者だ」

黒咲「なんだと? ネズミは貴様かっ」

乙坂「ネズミ?」

黒咲「俺とデュエルしろ! アカデミアは跡形もなく消し去ってやる」

乙坂「あ? アカデミアだ?」

黒咲「そして俺が勝ったなら、瑠璃の居場所を言え!」

乙坂「瑠璃? 何のことだ?」

黒咲「来なければこちらからいく!」

乙坂「いや、聞けよ」

黒咲「俺は手札から、《RR-インペイル・レイニアス》を召喚!」

攻撃力1700

黒咲「さらにカードを一枚伏せて、ターンエンド」

黒咲・伏せカード:一枚

黒咲「さあ、お前の番だ!」

乙坂(駄目だこいつ…早くなんとかしないと…)








66: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/09/27(日) 04:01:41.32 ID:RR9wgbQY0

黒咲「どうした、すでにデュエルは始まっているぞ」

乙坂「お前が勝手に始めたんだろうが…まあいい、久しぶりに歯応えがありそうだ。受けてやるよ」

乙坂「僕のターン!」

乙坂「僕は手札から、魔法カード、《融合》を発動!」

黒咲「っ…」

乙坂(まずは様子見といくか)

乙坂「僕は手札の《サイバー・ドラゴン》二体を融合!」

乙坂「融合召喚!」

乙坂「現れろ、《サイバー・ツイン・ドラゴン》!!」

攻撃力2800

柚咲(出ましたっ、乙坂さんの融合モンスター!)

乙坂「僕はサイバー・ツイン・ドラゴンで、インペイル・レイニアスを攻撃!」

乙坂「エヴォリューション・ツイン・バースト!!」

黒咲「罠発動!《RR-レディネス》!」

黒咲「このターン、自分フィールドのRRモンスターはバトルでは破壊されない!」

乙坂「だが、ダメージは受けてもらう」

黒咲LP2900

乙坂「まだだ。サイバー・ツイン・ドラゴンは1ターンに2度攻撃できる。再びインペイル・レイニアスを攻撃!」

乙坂「エヴォリューション・ツイン・バースト!!」

黒咲「ぐうっ」

黒咲LP1800

乙坂「僕はカードを一枚伏せて、ターンエンド」

乙坂・伏せカード:一枚

黒咲「俺のターン!」

黒咲「俺は《RR-ミミクリー・レイニアス》を召喚!」

攻撃力1100

黒咲「レベル4のミミクリー・レイニアスとインペイル・レイニアスでオーバーレイ!」

黒咲「冥府の猛禽よ、闇の眼力で真実をあばき、鋭き鉤爪で栄光をもぎ取れ!」

黒咲「エクシーズ召喚!」

黒咲「飛来せよ、ランク4!《RR-フォース・ストリクス》!」

攻撃力100

乙坂「エクシーズ召喚…」

乙坂(アカデミアに連れ去られた…カードに封印…なるほど、そういうことか)


友利「いなくなった…行方不明ってこと?」

歩未「そうなのです、丁度このくらいの季節から約一年間…本当に偶然の出来事だったんです」

歩未「元々あゆとお兄ちゃんは離婚した母が親権を叔父に渡したため二人暮らしが出来ていたのですが、お兄ちゃんがいれば寂しくはありませんでした。ううん、楽しかったんです」

歩未「だから、あゆは待っていたんです。いつの日か、お兄ちゃんとが帰って来るって」

友利(私と…同じ…?)

67: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/09/27(日) 12:10:40.71 ID:RR9wgbQY0

歩未「だから、あゆは待っていたんです。いつの日か、お兄ちゃんが帰って来るって」に修正



歩未「そんな日が続いて一年…ようやくお兄ちゃんが帰ってきました」

歩未「でも、あゆの知っているお兄ちゃんじゃなくなっていたんです」

歩未「ズルいところもありましたけど、あゆにとっては頼りになる優しいお兄ちゃんだったのに、怖いんです、今のお兄ちゃんは」

歩未「マイペースで冷静沈着、目は据わってまるで人殺しのように殺伐としてました…今でもそう、お兄ちゃんは私を避けてる感じがして、正直どうすればいいのかわからないんです」ポロポロ

友利「…もういいです、ごめんなさい。辛い話をさせちゃいました」

友利(乙坂が変わったのは一年前から…? 考えてみれば、彼の噂を耳にしたのは約半年前…これはもう白を切られる覚悟で行くしかないっすね)

プルルルル… プルルルル…

友利「…? 失礼します、はい」

高城『友利さんですか? 高城です』

友利「言われなくてもわかります。どうかしました?」

高城『市内で乙坂さんのものと思われる融合召喚エネルギーをキャッチしました』

友利「見つかったようっすね、相変わらず仕事が早くて助かります。で、相手は融合ですか?」

高城『いえ、これは…エクシーズです。それも非常に強力な』

友利「強力なエクシーズ召喚…まさか、レジスタンスか?」

高城『そこまでは実際に見てみないとなんとも…向かいますか?』

友利「当然です。では十分後に駅で…はい、では」

友利「ごめんなさい歩未ちゃん、急用が出来ました」

歩未「お兄ちゃんに会いに行くんですか?」

友利「ええ、どうやら彼が最初に見つけてくれたようなので」

歩未「…それじゃあ、一つだけ伝えてくださいなのです」

歩未「今晩の夕食は一緒に食べようって」

友利「それだけでいいんですか?」

歩未「…はい」

友利「…わかりました。必ず伝えます」

68: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/09/27(日) 16:58:48.56 ID:RR9wgbQY0

乙坂LP4000

黒咲LP1800

乙坂・手札:2
モンスター:サイバー・ツイン・ドラゴン(攻撃力2800)
魔法・罠:なし
伏せカード:一枚

黒咲・手札:3
モンスター:RR-フォース・ストリクス(攻撃力100)
魔法・罠:なし
伏せカード:なし

乙坂(攻撃力100のエクシーズモンスター…さて、何を見せてくれるのか)

黒咲「フォース・ストリクスは1ターンに1度、オーバーレイ・ユニットを使うことで、デッキから闇属性・鳥獣族・レベル4のモンスターを手札に加える」

黒咲「俺が加えるのは、《RR-バニシング・レイニアス》」

黒咲「さらに、オーバーレイ・ユニットとして墓地に送られたミミクリー・レイニアスを除外し、デッキからRRカード1枚を手札に加える」

黒咲「俺は、《RR-ファジー・レイニアス》を選択する」

乙坂「墓地に送ったモンスター効果と合わせて一気に手札のカードを二枚増やすか」

黒咲「手札は十分に増えた。やらせてもらう」

黒咲「速攻魔法、《RUM-レヴォリューション・フォース》発動!」

黒咲「自分フィールドのエクシーズモンスター1体をランクアップさせ、ランクが1つ高いRR1体をエクシーズ召喚する!」

乙坂「何…!?」

黒咲「獰猛なるハヤブサよ。激戦を切り抜けしその翼翻し、寄せ来る敵を打ち破れ!」

黒咲「ランクアップ・エクシーズ・チェンジ!」

黒咲「現れろ、ランク5!《RR-ブレイズ・ファルコン》!」

攻撃力1000

美沙「ランクアップだ!? んなエクシーズ召喚聞いたことねぇぞ!」

乙坂「いきなり出てくるな、つか隠れてろって言っただろ」

黒咲「ブレイズ・ファルコンにオーバーレイ・ユニットがある時、このカードは直接攻撃できる!いけ!」

乙坂LP3000

乙坂「ふ…」

黒咲「ブレイズ・ファルコンの効果発動!」

黒咲「このカードが相手にバトルダメージを与えた時、 相手フィールドのモンスター1体を破壊する!」

乙坂「くっ…」

乙坂(サイバー・ツイン・ドラゴンを破壊するか)

黒咲「俺はカードを二枚伏せ、ターンエンド」

黒咲・伏せカード:二枚

69: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/09/27(日) 17:10:20.11 ID:RR9wgbQY0
乙坂「僕のターン!」

乙坂「僕は魔法カード、《死者蘇生》を発動!」

黒咲「無駄だ。カウンター罠、《ラプターズ・ガスト》を発動!

黒咲「自分フィールドにRRカードが存在し、 魔法・罠カードが発動した時、その発動を無効にし破壊する!」

乙坂「なるほど…そう簡単には使わせちゃくれねぇって訳か。なら二枚目はどうする」

乙坂「永続罠発動! 《リビングデッドの呼び声》!」

乙坂「自分の墓地からモンスター1体を攻撃表示で特殊召喚する!」

黒咲「なんだと!?」

乙坂「蘇れ、《サイバー・ツイン・ドラゴン》!」

攻撃力2800

乙坂「流石に二枚目のラプターズ・ガストはなかったか。危ねえ危ねえ」

黒咲「貴様、俺を愚弄する気か!?」

乙坂「愚弄するかどうかはこのデュエルで見極めてやるよ」

乙坂「バトルだ! サイバー・ツイン・ドラゴンで、ブレイズ・ファルコンを攻撃!」

美沙「あいつのライフは丁度1800、ジャストで乙坂の勝ちだぜ!」

黒咲「俺は墓地にある《RR-レディネス》の効果発動!」

黒咲「墓地にRRモンスターが存在する時、墓地のこのカードを除外し、このターンに自分が受ける全てのダメージを0にする!」

乙坂「…!」

黒咲「しかし当然、バトルによる破壊は免れはしない。だが…」

黒咲「速攻魔法、《RUM-ラプターズ・フォース》!」

黒咲「バトルによって破壊されたブレイズ・ファルコンを復活させ、ランクが1つ高いRR1体にランクアップさせる!」

美沙「二回目のランクアップ!?」

黒咲「誇り高きハヤブサよ。英雄の血潮に染まる翼翻し 革命の道を突き進め!」

黒咲「ランクアップ・エクシーズ・チェンジ!」

黒咲「現れろ、ランク6!《RR-レヴォリューション・ファルコン》!」

攻撃力2000

70: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/09/27(日) 17:12:51.35 ID:RR9wgbQY0
黒咲「このカードが特殊召喚されたモンスターと戦闘を行うダメージステップ開始時、そのモンスターの攻撃力・守備力を0にする!」

乙坂「なるほど…これじゃあ例えサイバー・ツイン・ドラゴンに二回目の攻撃が出来ようがみすみすやられに行くようなもんだ」

美沙(この不審者、見かけによらずとんでもなく強えぜ。あの乙坂と互角にやり合ってやがる)

乙坂「僕はカードを一枚伏せ、ターンエンド」

乙坂・伏せカード:一枚

黒咲「俺のター――…」

友利「そこまでです」

黒咲「っ!?」

美沙「友利?」

乙坂「それに高城まで、来てたのか」

高城「これは無益な戦いです。あなたはスタンダードのデュエリストを襲撃しに来た訳ではないんでしょう?」

黒咲「無益だと? そいつは融合次元の敵だ! そしてそいつに協力しているお前達も敵だ!」

乙坂「だーかーらー、僕はアカデミアじゃねぇって」

黒咲「っ…白を切るのもいい加減に…!」

友利「本当ですよ。彼の召喚エネルギーは融合次元のデュエリストともまるで違います。むしろそれ以上と言っても過言ではないでしょう」

黒咲「アカデミアを上回っているだと…?」

乙坂「僕はれっきとしたスタンダードの人間だ。ショップ大会優勝者の襲撃犯を探していたら犯人らしき奴に、お前に出会っただけだ。人の話を聞かず勝手にデュエルをしやがって…」

黒咲「貴様たちは何者だ?」

友利「今から3年前に融合次元の人間は我々の故郷であるハートランドに攻め混んできました」

友利「突然の事態に私たちは慌てふためき、仮初めの防衛をするので精一杯でした」

黒咲「っ!? 何故――まさか貴様ら…!」

不審者生徒会に入れた方が盛り上がるかな

74: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/09/28(月) 01:51:43.90 ID:S0IGa0SD0
黒咲「では、お前たちもハートランドから…」

友利「そうです、このスタンダードに来たのはアカデミアとの戦いには強いデュエリストが必要だと判断した為…あなたもでしょう?」

黒咲「確かにそうだ。だが、つまらん。どいつもこいつも口先ばかりで歯応えがあるデュエリストなど一人もいなかった」

友利「ではこれ以上無益な襲撃はやめて下さい。あいにくとすでに対アカデミアへの部隊はこちらで検討済みです」

黒咲「こいつらが…」

美沙「あ? なんか文句でもあんのか?」

高城「美沙さん、そんなケンカ腰にならなくても…」

黒咲「ふん…それよりも貴様、本当にスタンダードか?」

乙坂「どいつもこいつも同じ質問ばっかりだな。何でそう思うんだ?」

黒咲「今のデュエルでお前が見せた実戦テクニック…あれは今までに俺が相手にしたスタンダードのデュエリストとは格が違った。それに、さっきその女も言っていただろ。貴様の融合召喚エネルギーはアカデミアのものとは比べものにならんと」

乙坂(いや実戦テクニックってなんだよ…召喚エネルギーってなんだよ…)

乙坂「んなことより、瑠璃とはなんだ?」

黒咲「っ! 何故貴様が瑠璃の事を…!」

乙坂「いや、お前が最初に瑠璃の居場所を言えなんて言いながらデュエルを申し込んで来たんだろうが…」

黒咲「あ、ああ…そうだったか? 不覚だった…」

美沙(結構弄られるなこいつ)

友利「言いたくなければ言わなくても結構です。本題ですが黒咲さん、私たちと組む気はありませんか?」

黒咲「組むだと?」

高城「我々は数少ないハートランドの生き残り。それに、現時点私たち生徒会の最強デュエリストである乙坂さんとも対等のデュエルを繰り広げた。これ以上心強い味方はいないでしょう」

黒咲「仮に同意するとして、俺に何をさせるつもりだ?」

友利「星ノ海学園に編入して下さい」

黒咲「は?」

75: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/09/28(月) 03:01:37.13 ID:S0IGa0SD0
高城「割と簡単にOKしてくれましたね」

柚咲「友利さんたちと同じ故郷で育った訳ですし、親近感があったという事でしょうか?」

友利「そうかもしれません。ともあれ、アカデミアとの戦いに必要な戦力をまた一人獲得出来たのは大きな収穫です」

乙坂「黒咲の編入は一週間後だったか?」

高城「はい、身分も何もないだけに少し手間かもしれませんが、そこは上手くやります。では皆さん、また明日会いましょう」

柚咲「さようなら〜」

乙坂「ああ」

乙坂(といっても、こっちはまだ仕事が残ってるんだがな。あんなのとやり合った後に今度は雑魚共と戦わなきゃならんとは、嫌だねぇ全く)

友利「どこに行くんですか?」

乙坂「ああ、少し寄るところがあってな。お前ももう帰るんだろ? またな」

友利「………」

友利「…あなたの言う少しとは、夕方から日時が変わるまでの事を言ってるんですか?」

乙坂「あ?」

友利「少し失望しましたよ。あなたは変 で女たらしで得意といえばデュエルと頭だけの男ですが、守るべき人はきちんと守る…その覚悟がある人間だと思っていました」

乙坂「…歩未に聞いたんだな?」

友利「そうですね、私ともあろう者が同情しちゃいましたよ。まさか、こんな身近に自分と同じ境遇の人が居たなんて」

乙坂「兄のことか」

友利「ええ。以前に話しましたよね? 私の兄はアカデミア襲撃のショックで廃人になってしまったと」

友利「そんな訳で、家族を失う苦しみは痛いほどわかるんす。ここはあえて一番の疑問をぶつけてみましょう」

友利「あなた一体、歩未ちゃんの知らない一年間をどうやって生きて来たんですか?」

76: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/09/29(火) 02:28:56.14 ID:lfcu6SNH0
乙坂「軟禁されてた」

友利「え…」

乙坂「具体的に言うなら、そうだな…生き方を教わっ…来たさ。とっても素敵なやり方でな」

乙坂「何度死ぬかと思ったかわかりゃあしねえ。地獄のような場所だったさ、一日一回のデュエルに勝たなきゃ拷問みたいな訓練を受けさせるわ、飯もろくに貰えなかった」

乙坂「嫌でも毎日聞かされたぜ。生きたければ勝て、負けは全ての終わりだ、なんてな」

友利「どういうことっすか…何であなたがそんな目に…」

乙坂「さぁな、そこまでは知らん。気がついた時には見知らぬ部屋で拘束されてた、手元にあるのはデッキとディスク。それだけだ」

乙坂「話すことは話してやった。もう行くぜ」

友利「ちょっと待って…!」

乙坂「ああそれと、これ伝えといてくれ。用があるなら自分から出向いてこい。まずはお前の力が僕より上だと証明してみろってな」

友利「…いつから気付いてたんすか?」

乙坂「ああ、今ので100パー確信になったわ」

友利(こいつ殺してえ)

乙坂「物騒な事思うな」

友利「エスパーかあんたはっ …歩未ちゃんの事はいいんですか?」

乙坂「夕食までには間に合わせるように努力はする」

友利「それが本心だと願います。時間を取らせてすみませんでした」

乙坂「ああ、じゃあな」



隼翼「本当、やるようになったもんだ」

隼翼「奈緒ちゃんと漫才やってる時でさえ…あ、歩きながらこっち見てるし。こりゃあもう監視じゃないね。むしろ逆にこっちが監視されてる気分だ」

隼翼「そこまで望むならいいだろう。挑発に乗ろう。ただしそれはちゃんと場を整えてからだ。ちゃんとね」

77: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/09/29(火) 03:27:20.72 ID:lfcu6SNH0

一週間後

黒咲「なるほど…ここがお前達が通う学校か」

高城「歓迎します黒咲さん、心強い味方が増えるのは願ってもない事です」

黒咲「ふん…役に立たなければすぐにでも切り捨てるからな」

乙坂「つーか、制服似合わねえな」

黒咲「大きなお世話だ…で、具体的には何をすればいい?」

友利「表向きは一生徒として普通の学校生活を満喫して頂いて構いません。用があればこちらから連絡します」

黒咲「何をのんびりとしたことを言っている! 俺は学校生活を送りにきた訳ではない。アカデミアを叩き潰す為の戦力を探しに来たのではないのか!」

友利「ええ。ですから今日までに情報は手に入れておきました。放課後に生徒会室に来てください。そこで全てを話します」

黒咲「成果を期待している」


放課後

乙坂「は?」

友利「停学です」

柚咲「なんでも黒咲さん、お昼休みにトラブルを起こした生徒と乱闘して何人かを病院送りにしてしまったそうなんです」

高城「その内の三人は全治一か月。停学で済んだのは幸いかもしれませんね」

乙坂「…初日からとんだフィーバーだな、あいつ」

友利「仕方ありません。こんな時の為の生徒会ですし、これから黒咲さんの部屋に行きましょう。そこで全てをお話しします」

79: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/09/29(火) 14:10:32.07 ID:hwfHVlncO
黒咲「貴様が掴んだ情報とはなんだ?」

友利「初日から乱闘騒ぎを起こした問題児のくせに偉そうに言ってくれますね…いいでしょう、話してあげますよ」

友利「単刀直入に言うと、あなた達にはこれから開催される舞網チャンピオンシップというデュエル大会に出場して欲しいんです」

乙坂「デュエル大会?」

友利「ああ、もちろん私も参加するっすよ。ついでに高城も。資格は公式戦勝率6割以上なのでここに居る黒羽さん以外は問題ないでしょう」

黒咲「何かと期待してみればデュエル大会だと? ふざけるな! 俺達は遊びに行くんじゃない! 余計な寄り道をしている暇などない筈だ!」

友利「私は勝てない戦いはしません」

黒咲「なんだと? どういう意味だ?」

高城「確かに我々の戦力は以前とは段違いに上がりました。しかし、まだ足りません。今のメンバーでアカデミアとの戦い挑んだところで私たちに勝算は皆無と言っていいでしょう」

黒咲「貴様らと手を組んだのは間違いだった」

柚咲「黒咲さん?」

乙坂「どこへ行く?」

黒咲「俺は一人でアカデミアに乗り込む。そして、瑠璃を救い出す」

友利「大会にはアカデミアのデュエリストも出場します」

黒咲「っ…」

友利「それに、未だあなた達が見たこともない新しい召喚を使う者も出てくるでしょう。もしも仲間が増やせるかもしれないというなら、まずはそちらを優先するべきです」

黒咲「ちっ…」

80: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/09/29(火) 22:27:21.19 ID:CC9qCJZqO
乙坂「大観衆が見ているほどの大会だ。これで駄目ならもうスタンダードに期待はできないな」

友利「ええ。これが最後のチャンスと言っていいでしょう」

柚咲「皆さんやっぱりすごいんですね! 私も力になれればいいのですが…」

黒咲「なんだお前、前にあった時とは随分とキャラが違うな」

柚咲「え? 私はいつもこんな感じですよ?」

黒咲「…? おい、どういう事だ」

乙坂「後で説明してやる」

高城「黒羽さんは公式戦はまだなんでしたっけ?」

柚咲「そうなんです。ルールも覚えたばかりですし、そこまで大きな大会に参加するのはちょっと」

友利「無理はしなくていいっすよ、高城はともかく、乙坂さんと黒咲さんは問題なく勝ち上がるでしょうし」

黒咲「負けるのが怖くて参加しないか…鉄の意志も鋼の強さもないな」

美砂「あぁ!? てめぇ今柚咲のこと馬鹿にしやがったか!?」

黒咲「ふん…やはり今までのは猫を被っていただけか?」

柚咲「あ、あれ? 私一体…?」

黒咲「まるで意味がわからんぞ!」

乙坂「深く考えんな。で、黒羽はどうしたい?」

柚咲「そうですねぇ…それじゃあ」

乙坂にデュエル教えてもらって柚咲にもフラグ立てた方がいい?

84: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/09/30(水) 12:37:38.96 ID:A6EsstG+O

なるべくストーリー進めながらフラグ立てます

柚咲「乙坂さん、私にデュエルを教えてくれませんか?」

友利「え?」

乙坂「僕に?」

柚咲「はい! 友利さんはお忙しいそうですし、黒咲さんもしばらくは停学でしょう? 高城さんは…高城ですし、何よりこの中で一番お強い乙坂さんに頼むのが賢明かと」

高城「さりげなくゆさりんに侮辱されたーっ!」

黒咲「気に入らんな、今の言い方だと乙坂有宇の実力の方が俺より上だと聞こえる。所詮スタンダードで覚えた融合などまがい物にすぎん」

乙坂「へー、まがい物ねぇ。ならそのまがい物に追い込まれた本物のエクシーズ使い(笑)さんはとんだ恥晒しって訳だ」

黒咲「なんだと貴様っ! もう一度言ってみろ! 次は只ではおかんぞ!」

乙坂「だったらどうする? 決着つけるか?」

黒咲「いいだろう。次こそ貴様を完膚なきまでに叩き潰してやる!」

高城「まあまあお二人共」

柚咲「乙坂さん、どうですか?」

乙坂「そうだな…」

友利「無駄っすよ黒羽さん、そいつは”強い女”にしか優しくしないんす。まあそれはそれで無理やり自分の女にしたがるような女たらしですけどね」

乙坂「別にいいぞ」

友利「は?」

86: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/09/30(水) 19:26:15.66 ID:A6EsstG+O
柚咲「本当ですかっ?」

友利「…今なんて?」

柚咲「…? 本当ですかっ?」

友利「あなたじゃありません。そこのTHE・変 に聞いてるんです」

乙坂「あーあ…高城」

高城「え? 私ですか!?」

友利「お前だお前、乙坂有宇!」

乙坂「なんだ、黒羽が強くなるのに不満があるのか?」

友利「いえ? というよりあなた、強い女にしか興味なかったんじゃなかったんすか?」

乙坂「強いかどうかはこれから判断するさ。育てて見込みがあれば良し、なければ切り捨てるだけだ」

高城「しかし、大丈夫でしょうか? 大会開始は五日後、それに柚咲さんは1からのスタートですから今から公式戦で6連勝しなければいけないことになるんですよ?」

乙坂「心配ない。二日でショップ大会で優勝するくらいのレベルに引き上げてやる。後は適当な相手を六人潰せばいいだろ」

柚咲「流石は乙坂さん、頼もしいです!」

黒咲「ふん…大したハードルではないな」

乙坂「時間がないんだったな、早速始めるか」

柚咲「よろしくお願いしま〜す!」

友利「………」ゴゴゴゴ…

88: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/09/30(水) 20:35:02.81 ID:r1zRmrbGO
翌日、ある喫茶店

柚咲「なるほど…そこで速攻魔法を使うんですね」

乙坂「そういうことだ、自分のターンでは罠と違って伏せる必要もないからバトル時には相手に読まれにくいのも強みだ。ただし伏せたターンは罠と一緒で使えないからな。その辺は間違えないようにしろよ」

柚咲「はーい!」

乙坂「デッキ自体は悪くはないか。 少しいじればすぐにマトモなデッキになりそうだ。ま、しばらくはルールを把握することから始めようぜ」

柚咲「いいですね。必ずご期待に応えます」


「お待たせしました。苺パフェとコーヒー二つになります! って、え?」

高城「…こんな事する必要があるんでしょうか」サングラス着用

友利「はぁ? これであの二人の仲が急展開したらどうするんですか? あなた責任取れんすか?」帽子とサングラスで変装

黒咲「何故俺まで付き合わされねばならん。第一、俺は停学中ではなかったのか?」不審者時代の格好

友利「生徒会長の私が一緒ですし、何とかなるでしょう。そんなことより、黒羽さんがあいつに毒される前に引き離す方法でも考えて下さい」

高城「ただ単にデュエルのルールを教わってるだけに見えるんですがね…」

(何、こいつら不審者…? 何だか前に座ってる二人のカップル見てるし…警察に通報した方が…?)

友利「あ、パフェとコーヒーはそこにおいて下さい」

「は、はい…」


柚咲「では、融合は魔法カードを、シンクロとエクシーズは場にモンスターを揃える事が最低条件なんですね?」

乙坂「ああ、友利や高城のデュエルでエクシーズは見慣れてるだろ? シンクロは魔法カードがいらなくなった代わりにフィールドだけに合計レベルのモンスターを召喚する事が条件になった儀式みたいなもんだ」

柚咲「大会の皆さんは一体どんな召喚方を使って来るんでしょう?」

乙坂「さぁな、そこまでは知らねえ。ただ、全ての特殊召喚を潰すという選択もあるぜ? その場合は今のデッキを大幅に改造する形になっちまうけどな」

柚咲「う〜ん…初めて自分で作ったデッキですし、それはちょっとしたくないですねぇ」

「お待たせしました。チェコレートパフェになります」

乙坂「少し休憩すっか」

柚咲「いいですね。乙坂さんは注文しなかったんですか?」

乙坂「ああ、そこまで腹も減ってなかったしな。まあ目の前でパフェなんて食われたらそんな気もなくなって来るんだが」

柚咲「良かったら少し食べます? こんなに沢山は私のお腹に入りませんし」

乙坂「いいのか? そういう事ならありがたく頂くが」

柚咲「では! はい、あ~ん」

乙坂「お? 大胆じゃねぇか。じゃあこっちも負けずに…あ~ん」

89: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/09/30(水) 22:11:55.38 ID:r1zRmrbGO

高城「ゆ、ゆさりんが乙坂さんにあ〜ん…だと…」

黒咲「店の中でイチャイチャと…恋人同士とはいえ鉄の意志も鋼の強さもない」

ガチャァァァン!!

黒咲「っ!?」

友利(無言のコップ握力破壊)

黒咲「な、なんだ!?」

友利「誰と誰が恋人同士に見えるんすか…?」

黒咲「決まってるだろ。乙坂有――」

友利「乙坂有宇君と、誰ですか?」ギロッ

黒咲「………」別のテーブルのカップルを指差す

友利「ですよねー」


柚咲 「おいしいですかー?」

乙坂「ああ、いい女に食わせてもらうパフェは格別だな」

柚咲「良かったです。次は何処に行きますか?」

乙坂「デッキも出来上がった事だしな、軽く腕試しと行くか。可能なら今日の内に公式戦をするのもいいかもな」

柚咲「わかりました。お手柔らかにお願いしますね♪」


高城「店を出るようですね」

友利「追うぞ、二人共」

黒咲「デュエルをするだけなんだろ? もう帰っていいか?」

友利「あ?」

黒咲「なんでもない」

92: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/10/01(木) 01:24:30.51 ID:fCGIqDog0
柚咲「バトルです! アテナで、ダイレクトアタック!」

「うわああああぁぁぁっ!」

LP0

柚咲「やりましたっ、乙坂さん!」

乙坂「ああ、上出来だ」

「ゆ、ゆさりんとデュエルできた…これで人生に悔いはねぇ…がくっ」


友利「普通に勝っちゃいましたね」

高城「ゆさりんのデュエルマジカッケェです!」

黒咲「所詮は一勝、舞網チャンピオンシップに出場するには6連勝必要なんだろう? まだまだ浮かれている場合ではないな」


柚咲「乙坂さんは指導もお上手なんですね。私でもこんな短時間で勝てるようになるなんて」

乙坂「なに、そうでもないさ」

柚咲「あ…」

乙坂「僕はただ基本を教えただけさ。少しの間でここまで成長したのはお前の学習能力があってこそだ。胸を張っていいと思うぜ」頭ナデナデ

柚咲「…あ、ありがとうございます…///」


高城「ゆさりんの頭を撫でた、乙坂さん…あなたって人は…!!」

黒咲「あのくらいで褒めるとは…とんだ優男だな、乙坂有宇」

友利(頭撫でた…)

友利(私にはまだ一回もしたことないくせに黒羽さん”だけ”の頭を撫でた…)


柚咲「お次はどうしましょう?」

乙坂「そろそろマシなデュエリストと戦ってみるか」

乙坂「おい、そこの不審者三人。居るんだろう? 出てこい」

93: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/10/01(木) 02:40:13.05 ID:fCGIqDog0

柚咲「不審者三人って…友利さんに高城さん、黒咲さんまでっ」

高城「やっぱりバレてました?」

黒咲「…いつから気付いていた」

乙坂「逆にお前らはその格好でバレないと思ったのか…」

友利「…随分と優しく教えてたみたいっすね」じーー…

乙坂「睨んでるんだろうがサングラスと帽子じゃまるで威圧感がねぇな」

高城「それで乙坂さん、何をさせたいんですか?」

乙坂「高城、黒羽とデュエルしてやれ」

高城「えっ!?」

黒咲「どういうことだ?」

乙坂「そろそろ黒羽にも公式戦を経験させたい。流石に今のレベルで黒咲や友利と戦っても話にならんからな。高城くらいが丁度いい」

柚咲「高城さんと…ですか?」

友利「この中の選択としちゃ間違ってませんが、高城より弱いデュエリストなら探せば居るでしょう? 公式戦で一回でも負ければ大会には出られなくなってしまうんですよ?」

乙坂「高城に負けるようならそれまでだ。どうする? やらないのか?」

柚咲「…高城さん、お願いします!」

高城「黒羽さん…」

柚咲「もっともっと上に行きたいんです、負けるなら負けるで構いません。そこまでのゆさりんだったで諦めます」

柚咲「…それに、乙坂さんの女になることも…///」ボソッ

乙坂「あ? なんか言ったか?」

柚咲「いえ!」

友利「………」聞こえた

高城「わ、私だってゆさりんとのデュエルをみすみす逃すなんて出来ませんよ! できることなら別の意味でのデュエルもしたい! ぐへっ」

友利(無言のツッコミ蹴り+ストレス発散)

乙坂「顔面キックかよ、これからデュエルするんだから少しは加減してやれ」

友利「こいつならこれくらい大丈夫ですよ」

高城「さあ、行きますよ黒羽さんっ」

柚咲「はいっ」

友利「ほーらね?」

乙坂「やれやれ」

「「デュエル」」

94: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/10/02(金) 02:45:07.16 ID:a/qX7zHr0
数ターン後

高城「バトル! 私はBK 拘束蛮兵リードブローで、アテナを攻撃!」

高城「同時に墓地にある《BK カウンターブロー》の効果発動!」

高城「BKが戦闘を行うダメージステップ時、手札か墓地にあるこのカードを除外し、そのモンスターの攻撃力をエンドフェイズまで1000ポイントアップさせます!」

BK 拘束蛮兵リードブロー(攻撃力3200)

柚咲「攻撃力3200…!」

高城「フィニッシュです! ライトニング・ファースト!!」

柚咲「きゃあああぁぁぁっ!」

柚咲LP0

高城「ゆ、ゆさりぃぃぃんっ!?」ダッシュ

友利「どうでしたか、彼女?」

黒咲「見た通りだろう。ヤツに負けるようなら戦力としては期待できん」

黒咲「ただ、愛すべき男の為に勝ちたいと願う鉄の意志は評価してやってもいい」

友利「愛すべき男って誰のことでしょうか?」ニコッ

黒咲「…想像に任せる」

柚咲「ごめんなさい乙坂さん、負けちゃいました…」

乙坂「ああ、残念ながら大会には届かなかったか…ま、気にすんな。元々この戦争に”お前”は無関係なんだからな」

高城「…まさか乙坂さん、最初から黒羽さんを大会に参加させる気なんてなかったんじゃないですか?」

友利「なるほど、美人はアカデミアとの戦いに巻き込みたくなかった訳ですか。美人は」

乙坂「さあな、そう思いたいなら思ってろ」

柚咲「あの、乙坂さん」

乙坂「なんだ?」

柚咲「…有宇さんと呼んでもいいでしょうか?」

友利「は?」

高城「な…んだと…!?」

乙坂「ああ、構わんが」

柚咲「またデュエルを教えて下さいね、有宇さん♪」

高城「いいデュエルでした黒羽さん、ぜひ私の事は丈士朗とお呼びください!」

柚咲「またデュエルして下さいね、高城さん♪」

高城「(^o^)」

ちょっとあっさりすぎたかな? 次は大会編に行く予定

95: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/10/02(金) 14:03:02.38 ID:/nks050SO
大会当日

「さあ、今年も始まりました! 最強デュエリストを決める記念すべきデュエル大会!」

「優勝の称号を手にするのは誰だ!?」

「そしてこここそ、その名誉を勝ち取る最高の舞台…デュエルスタジアムだぁぁぁーーっ!」

ワーッ… ワーッ… ワーッ…

高城「……すごい人ですね…」

乙坂「ああ、こいつは恐れ入ったな」

黒咲「文字通りスタジアム並みの広さという訳か。おい、本当にアカデミアのデュエリストは来るんだろうな?」

友利「ええ。わかってるとは思いますが、私たちの目的はあくまでも戦力を上げることにあります。大会以外で余計な騒ぎは起こさないで下さいよ?」

黒咲「ふん…」

柚咲「うぅ…燃えるです! でも残念ながらゆさりんはこの中でデュエルをすることはできないです…」

高城「この人数じゃ仕方ありませんよ。この次に頑張りましょう。ね?」

「では早速一回戦の組み合わせを発表致します。選手の皆さんは登録カードを各自ディスクにセットして下さい」

高城「登録カード…これですね」

乙坂「入場する前に貰ったやつか」

「登録カードは大会運営コンピューターから特殊電波を受信し皆さんの対戦相手をご案内します。もちろん、勝ち進むにつれて対戦相手は更新されていきます」

友利「なるほど、便利っすね。では…早速」ガチャ

友利「沢渡シンゴ…? また残念そうなイケメンですね。しかも第一試合ですか」

96: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/10/02(金) 14:20:59.31 ID:/nks050SO
高城「私は相手は…?」ガチャ

高城「隼翼…明日ですね」

友利「!」

高城「…? 友利さんのお知り合いですか?」

友利「いえ、苗字が表示されてないのでおかしいと思っただけです」

友利(ま、高城なら丁度いいか。ほんの一欠片でも実力が見られるでしょう)

乙坂「片方しかないのは僕も同じだな。もっともこっちは名前だが」

柚咲「有宇さんは誰と?」

乙坂「今日のラスト試合、相手はこいつ」

友利「熊耳…顔を隠す程の長髪かつずぶ濡れとは随分と怪しい相手っすね」

高城「黒咲さんは?」

黒咲「紫雲院素良…乙坂有宇の一つ前だ」

柚咲「わぁ…随分と可愛い男の子が相手なんですね。では今日は高城さん以外の応援ということで」

高城「そうしますか。お互い全力で行きましょう」

友利「紫雲院…素良…」

友利(偶然にしては出来すぎてる対戦カード…この可愛らしい顔をした男の子がアカデミア…? 乙坂とやり合う熊耳という奴も…こりゃあ一回戦目から大変そうっすね)

「覚悟が決まったところで本日の第一試合、友利奈緒VS沢渡シンゴ! ステージへお上がり下さい!」

友利「ふぅ…では行ってきます」

乙坂「ああ、頑張れよー」

98: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/10/03(土) 04:26:50.47 ID:PxFkkZWZ0

「さあ、注目の第一試合、ショップ大会で連勝を続けた友利選手に続き、LDSのエースデュエリストである沢渡選手の対戦。これは最初から盛り上がってまいりました!」

柚咲「友利さん、頑張って下さーい!」

高城「大丈夫ですよ。私の知る限り一対一で友利さんが敗北したのは乙坂さんくらいのものです。必ず勝ちます」

黒咲「ふん…」

沢渡「随分と買われてるねえお嬢さん」

友利「ま、お手柔らかに」

沢渡「ふ…そうだな。この沢渡シンゴが世界の広さを教えてやるぜ!」

「沢渡さん! 今度のカードで叩きのめしちゃって下さい!

「マジ強すぎっすよ!」

沢渡「チッチッチ、違うなぁ。強すぎるのはモンスターじゃない。本当に強いのは、この――」

「「「沢渡さーん!」」」

沢渡「オーイエス!」

沢渡「そう! 計算された策略、的確な判断力、タフな精神力、恵まれた容姿、全て兼ね備えているのは....?」

「「「沢渡さん!」」」

沢渡「つまり!勝つべくして――」

「あ、あの…そろそろ始めてもよろしいでしょうか?」

沢渡「あ、もうちょっと待って」

沢渡「つまり! 勝つべくして勝つ! 完璧なるデュエリスト。それがッ――」

「「「沢渡さん!!!」」」

沢渡「そう! いや、新たなカードを手にもした今、むしろネオ沢渡と呼んでくれ。ネオ――?」

「「「沢渡さーん!!!!」」」

沢渡「オーケイオーケイ!」

乙坂「………」

黒咲「………」

友利(変な奴…)

「えー、気を取り直して。舞網チャンピオンシップ第一試合、いよいよ開幕だーっ!!」

沢渡「待たせたな、さあやろうか!」

「「デュエル」」

101: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/10/03(土) 14:20:23.72 ID:XKVpmhymO
沢渡「せめてものハンデだ。先行はあんたにやるよ」

友利「随分と余裕っすね、では遠慮なく私のター――あ…」

乙坂「?」

柚咲「友利さん、どうしたんでしょう」

高城「いつもと様子が違いますね」

友利「…私はカードを一枚伏せて、ターンエンド」

友利・伏せカード:一枚

沢渡「あん?」

「意外な展開、友利選手はカードを伏せただけでターンを終了してしまったぞーっ」

黒咲「手札に召喚できるモンスターがなかったか」

高城「そんな…友利さんに限って」

友利「………」

友利(アカン、事故った)

沢渡「俺のターン!」

沢渡「俺は手札から、《冥帝従騎エイドス》を召喚!」

攻撃力800

沢渡「このカードが召喚・特殊召喚に成功したこのターン、通常召喚に加えてアドバンス召喚できる!」

沢渡「召喚したエイドスをリリースし、アドバンス召喚!」

沢渡「現れろ、《氷帝メビウス》!」

攻撃力2400

「よしっ、最初からメビウスを召喚だぜ!」

沢渡「メビウスの効果発動!」

沢渡「このカードがアドバンス召喚に成功した時、フィールドにある魔法・罠カードを二枚まで選択して破壊できる!」

友利「なんだと!?」

沢渡「俺が破壊するのは当然、あんたの一枚の伏せカードだ!」

「友利選手の伏せカードが破壊されたーっ!」

沢渡「《次元幽閉》か…随分とおっかないカードを使ってくるねえ。だがこのネオ沢渡には無力だ!」

沢渡「いけ、氷帝メビウス! ダイレクトアタック!」

沢渡「アイス・ランス!!」

友利「ああああぁぁぁっ!」

友利LP1600

104: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/10/04(日) 14:04:05.48 ID:c4IwGjMZO
友利「…私のターン!」

友利(…! 行ける)

友利「私は手札から、《セイクリッド・グレディ》を召喚!

攻撃力1600

友利「グレディが召喚に成功した時、手札からレベル4のセイクリッドモンスター1体を特殊召喚できます」

友利「これにより私は、手札の《セイクリッド・カウスト》を特殊召喚!」

攻撃力1800

友利「カウストはフィールドのセイクリッドモンスター1体を選択し、1ターンに2度、選択したモンスターのレベルを上げ、または下げることができる」

沢渡「なるほど、 これが決まればレベル5のモンスターが二体…」

高城「来ますよ、いつものが」

沢渡「残念ながら来ないんだよねぇ。永続罠発動! 《連撃の帝王》!」

沢渡「1ターンに1度、相手のメインフェイズ及びバトルフェイズ、モンスター1体をアドバンス召喚する!」

友利「このタイミングでアドバンス召喚!?」

沢渡「俺はメビウスをリリース!」

沢渡「出でよ、《怨邪帝ガイウス》!」

攻撃力2800

黒咲「レベル8のモンスター…」

沢渡「そう…だがこいつはアドバンス召喚したモンスター1体をリリースしてアドバンス召喚できる。そしてアドバンス召喚に成功した場合、 フィールドのカード1枚を除外し、相手に1000ポイントのダメージを与える!」

友利「な!?」

沢渡「俺はセイクリッド・グレディを除外! 1000ポイントのダメージをくらってもらうぜ!」

友利「ぐうっ!」

友利LP600

沢渡「どうだ、俺の完璧なデュエルは? 死角などあるまい」

苗字「友利さんのライフはもう600しか…!」

高城「沢渡シンゴ…大きな口を叩いただけはありますね。友利さんをここまで」

乙坂「…あいつ、悪くないかもな」

沢渡「女性を痛ぶるのは俺のポリシーに反するもの。サレンダーしたらどうだ? 恥をかくだけだよ?」

「沢渡さん、優し〜いっ!」

友利「私はカードを一枚伏せて、ターンエンドです」

友利・伏せカード:一枚

105: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/10/04(日) 19:01:01.62 ID:c4IwGjMZO
沢渡「諦めの悪いお嬢さんだ。俺のターン!」

沢渡「バトル! 俺は怨邪帝ガイウスで、カウストを攻撃!」

友利「罠カード、《ハーフ・アンブレイク》発動!」

友利「このターン、カウストはバトルでは破壊されず、発生するダメージは半分になる!」

友利LP100

「友利選手、ギリギリで踏みとどまったーっ」

沢渡「計算外の事を…! ターンエンド」

沢渡「まあいいさ、次の俺のターンまで生かしといてやる」

柚咲「友利さんが、負けるんですか…?」

高城「大丈夫ですよ、柚咲さん。我々にとってはいつもの光景です」

柚咲「でも…」

黒咲「黙って見ていろ。ヤツもハートランドの人間ならば、これくらいのことは想定内のはずだ。でなければ、あの地獄を生き抜いているはずがない」

乙坂「地獄ね…」

友利(そう…崖っぷちなどいつもの事。それを耐え、乗り越える為にここにいる。まだ始まりでもないこんな場所で負ける訳には行かないっすよね)

友利「私のターン!」

友利「私は手札から、《セイクリッド・アクベス》を召喚!」

攻撃力800

友利「このカードが召喚・特殊召喚に成功した時、 自分フィールド上の全てのセイクリッドモンスターの攻撃力は500ポイントアップする」

セイクリッド・アクベス(攻撃力1300)

セイクリッド・カウスト(攻撃力2300)

沢渡「はっ、たかが攻撃力が500上がったところで」

友利「そしてカウストの効果で、二体のセイクリッドモンスターのレベルをひとつ上げます」

セイクリッド・アクベス(LV5)

セイクリッド・カウスト(LV5)

友利「私はレベル5のセイクリッド・ソンブレスとカウストでオーバーレイ!」

友利「エクシーズ召喚!」

友利「現れろ、《No.61 ヴォルカザウルス》!」

攻撃力2500

106: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/10/04(日) 19:23:37.76 ID:c4IwGjMZO

高城「プレアデスじゃない!?」

黒咲「ナンバーズ…」

沢渡「ようやくエクシーズモンスターのお出ましか…だが所詮は攻撃力2500、俺のガイウスの敵じゃない」

友利「そうでしょうか? ヴォルカザウルスの効果発動!」

友利「ヴォルカザウルスは1ターンに1度、オーバーレイ・ユニットを使うことで相手モンスター1体を破壊し、その元々の攻撃力分のダメージを与える!」

沢渡「何!?」

友利「私はガイウスを破壊。マグマックス!」

沢渡「うっそぉぉぉん!!」

沢渡LP1200

「やべぇ沢渡さん!」

「攻撃力2500のヴォルカザウルスのダイレクトアタックを受けたら…」

友利「ご安心を。ヴォルカザウルスは効果を使ったターン、ダイレクトアタックはできませんよ」

沢渡「驚かせやがって…最後っ屁ってやつか」

友利「できませんが…このカードは、自分の場のランク5・6のエクシーズモンスターの上に重ねてエクシーズ召喚することができます」

沢渡「はいぃぃっ!?」

友利「現れろ、ランク7! 《迅雷の騎士 ガイアドラグーン》!」

攻撃力2600

「これは、エクシーズモンスターを素材としたエクシーズ召喚!」

乙坂「ヴォルカザウルスの効果でダイレクトアタックができないのは自身のみ。他は関係ないってか」

沢渡「待て待て待て! 4000デュエルでそんなんありか!?」

乙坂「帝使いのお前が言うな」

黒咲「最初のデュエルから攻撃力4200の三回攻撃をかました貴様も言うな」

友利「バトル!ガイアドラグーンで、ダイレクトアタック!」

沢渡「うぎゃあああぁぁぁっ!」

沢渡LP0

「き、決まったーっ!」

「残りライフ100というあと一歩の状況まで追い込んだ沢渡選手でしたが、友利選手のガチガチエクシーズワンキルの前に敗れ去りましたーっ」

柚咲「友利さん、素敵です!」

高城「やりましたね…」

黒咲「当然の結果だ。こんなところで負けるようならアカデミアとの戦いには足手まといだからな」

乙坂(はいはいツンデレツンデレ)

108: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/10/04(日) 21:16:45.51 ID:c4IwGjMZO
モニタールーム

隼翼「何か用か?」

熊耳「友利奈緒の二回戦行きが決定した」

隼翼「知ってる。ずっと見ていたからな。で、聞きたいことはそれだけか」

熊耳「何故俺を乙坂有宇と戦わせる? ヤツの相手はお前じゃなかったのか?」

隼翼「気に入らないのか?」

熊耳「そうだな…この大会にはアカデミアのデュエリストも出ている。それを潰すのが俺たちランサーズの役目のはずだ」

隼翼「もちろんわかってる。だが今はそれよりも来るべき時に備えこの大会の中からランサーズに相応しいデュエリストを選抜する事の方が先決だ」

隼翼「それに、期待は裏切っちゃいない。あいつがお前に勝つことができたなら次は俺が直々に戦うつもりさ」

熊耳「そーかい。つまり俺は乙坂有宇の実力を確かめるための噛ませ犬って訳だな。こうなったらやけだ。意地でもあの正体不明の男を負かしてみたくなってきたぜ」

隼翼「そうじゃなきゃ困るぜ? 有宇の力量を見る為にもな」

熊耳「期待通りに成長しているといいけどな」


「決まったーっ!」

「舞網チャンピオンシップ一回戦、その第二試合に勝ったのは月影選手!」

柚咲「あっという間でしたね」

乙坂「さっきの沢渡シンゴといい、今の月影といい…この大会、なかなかに期待できるかもな」

「続きまして本日の第三試合、紫雲院素良VS黒咲隼選手! ステージへお上がり下さい!」

黒咲「っ…」

高城「ついにこの時が来ましたか…」

友利「念の為に言いますが、倒せたとしてもカード化は決してしないで下さい。彼は私たちにとって有力な研究材料となり得ます。アカデミアに対抗する為の」

黒咲「わかっている」

109: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/10/05(月) 01:15:02.40 ID:ObOx1zo4O

「初日から目が離せない舞網チャンピオンシップ第一回戦、もちろん次の試合にも注目したいところ。皆さん、大きな拍手で二人のデュエリストをお迎えください!」

パチパチパチパチ!

素良「ありがとうみんな、期待に応えて今度は僕がお客さんを楽しませてあげるからね〜」

乙坂「あれか?」

友利「ええ。間違いありません」

柚咲「あんな可愛い男の子が、本当にアカデミアなんでしょうか?」

高城「…見かけじゃありませんよ、人は…あの笑い声、断末魔も…私と友利さんの心に深く刻み込まれています。すぐにわかりますよ、彼が本性を見せれば」

黒咲(紫雲院素良…アカデミア…こいつが瑠璃を)

素良「どうしたの? お腹でも痛いの? 僕とちゃんとデュエルできる」

黒咲「人の心配より自分の心配をしろ…貴様が本物の融合使いだというのなら、俺は容赦しない」

素良「ふーん…面白いじゃん。それじゃあ、行かせてもらいま〜す!」

「「デュエル」」

数ターン後(本編でやってるので省略)

「やられたらやり返す! ただ今のところ、紫雲院選手の攻防をことごとく防いでいる黒咲選手が有利! このまま終わってしまうのかーっ!」

柚咲「これじゃあまるで…」

友利「そうです、戦場なんすよ…もうこのデュエルは」

黒咲「薄ら笑いはどうした?」

素良「!!」

黒咲「少しは狩られる者の気持ちが分かったか?」

高城「………」

黒咲「貴様達はいつも笑いながら俺の仲間達を襲い続けた。だがもはや俺達は無抵抗で打ち倒される獲物ではない!」

素良「はぁ? 余裕がない? 冗談言うなよ、こんなデュエル…キャンディ舐めながらだって僕にはできる!」ガリッ

乙坂(おい、舐めろよ)

素良「遊びさ。本気でやるわけないじゃん。僕の仲間だって、そう。みんな遊びで君達を狩ってるんだ」

素良「だって君達は僕らにとってハンティングゲームの獲物なんだから!」

高城「獲物…ゲーム…」



隼翼(やはり彼がアカデミアだったか)

110: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/10/05(月) 02:01:14.31 ID:sufKgHwn0
黒咲「俺たちレジスタンスは常に最悪の事態を想定しながら戦ってきた。共に戦ってきた仲間を敵に連れ去られることも考えながら」

友利「っ…」

黒咲「だが、たとえ奪われたとしても俺たちは決して見捨てない。仲間は…必ず奪い返す!」

素良「っ!?」

黒咲「速攻魔法、《RUM-レヴォリューション・フォース》!」

黒咲「ブレイズ・ファルコンをランクアップさせ、ランクが1つ高いRR1体にエクシーズ召喚する!」

素良「何ぃ!?」

黒咲「誇り高きハヤブサよ。英雄の血潮に染まる翼翻し 革命の道を突き進め!」

黒咲「ランクアップ・エクシーズ・チェンジ!」

黒咲「現れろ、ランク6!《RR-レヴォリューション・ファルコン》!」

攻撃力2000

「な、なんと黒咲選手のエクシーズモンスターがさらにランクアップ!」

黒咲「レヴォリューション・ファルコンの効果発動!」

黒咲「このモンスターがRRエクシーズモンスターを素材としている時、相手モンスター1体を破壊し、その攻撃力の半分のダメージを与える!」

素良「何!?」

黒咲「いけ、レヴォリューション・ファルコン!」

黒咲「革命の火に焼かれて、散れ!」

素良「うわあああぁぁぁっ!」

素良LP0

「…か、勝ったのは黒咲選手ーっ!」

シーン…

乙坂「………」

黒咲「ふん…」

素良「待て…勝負はまだ終わってない…!」

黒咲「?」

素良「僕が負けるはずない…エクシーズの奴らなんかにこの僕が!!」

黒咲(無言のシカト)

素良「待て! 逃げるな……もういちど…僕とデュエルを…」バタン


熊耳「大会としては盛り上がり過ぎている気はするが、とりあえず第一段階はクリアだな」

隼翼「至急紫雲院素良を病院へ。回復次第聞きたいことが山ほどある」

熊耳「自分でやるんだな。俺がこれからやるべきことはわかっているはずだろ?」

隼翼「そうだったな。ま、せっかくだ。君たちのデュエルはしっかりと生で見させてもらうさ」

熊耳「ああ、そうしてくれ。それじゃあ行くか」

111: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/10/05(月) 03:06:31.55 ID:sufKgHwn0
高城「お疲れ様でした、黒咲さん」

友利「流石でしたね」

黒咲「アカデミアに負ける訳にはいかん。それは貴様らも同じだろう」

柚咲「…こんなデュエルを友利さんたちは経験してたんですね、有宇さん」

乙坂「みたいだな」

「えー、黒咲選手と紫雲院選手のインパクトのある一戦から、本日のラストデュエル! 乙坂有宇VS熊耳選手! さあ、入場です!」

ワーッ… ワーッ…

乙坂「行くか」

柚咲「ファイトです、有宇さん!」

高城「油断はしないで下さいよ」

友利「そうですね…あなたは常に本気を出していると言いながら、相手をからかって楽しむ事が好きですから。この大会中はその悪い癖はなしでお願いします」

乙坂「わかってるよ。ま、お前らは気楽に見てろ」

友利(あまつさえ乙坂が負けるとは思えないが、熊耳…彼があの人の差し金だったとしたら…? もしかしたら黒咲戦以上に重要な試合になるかもしれない)


熊耳「やっと会えたな乙坂有宇、待ってたぞ」

乙坂「どこかでお会いしたか?」

熊耳「いいや、噂に聞いただけだ。星ノ海学園に行く前は街のショップ大会を荒らしまわっていたデュエリストってな」

乙坂「なるほど…僕も随分有名になったもんだ」

熊耳「そんなお前と大観衆の前で戦えるんだ。デュエリストとしてこれほど嬉しい事はない」

乙坂「光栄だよ。で、お前の親分は何が狙いで?」

熊耳「…はて、なんのことやら」

乙坂「まだ喋りたくないか…まあいいだろ。お前らの望むように動いてやるよ。要は僕とデュエルがしたいんだろ?」

熊耳(こいつ…)

熊耳「まあ、そういう事だ」

「さあ、それでは第四試合、本日最後のデュエルのスタートだ!」

「「デュエル」」

113: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/10/05(月) 18:58:39.89 ID:ObOx1zo4O
 

乙坂LP4000

熊耳LP4000

熊耳「先行は俺だ。俺は《宝玉獣 アメジスト・キャット》を召喚!」

攻撃力1200

熊耳「さらにカードを一枚伏せて、ターンエンド」

熊耳・伏せカード:一枚

乙坂「僕のターン!」

乙坂「僕の場にモンスターがなく、相手フィールドにのみモンスターが存在する場合、手札からこいつを特殊召喚できる」

乙坂「現れろ、《サイバー・ドラゴン》!」

攻撃力2100

乙坂「僕はサイバー・ドラゴンで、アメジスト・キャットを攻撃!」

熊耳「永続罠、《宝玉の集結》!」

熊耳「1ターンに1度、自分フィールドの宝玉獣が破壊された場合、デッキから宝玉獣1体を特殊召喚する!」

乙坂「エヴォリューション・バースト!」

熊耳「ぐうっ!」

熊耳LP3100

熊耳「破壊されたアメジスト・キャット破壊魔法・罠ゾーンに留まる」

熊耳「そして宝玉の集結の効果により、デッキの《宝玉獣 コバルト・イーグル》を特殊召喚!」

攻撃力1400

乙坂「僕はこれでターンエンド」

「互いに最初のターンを終えた乙坂選手と熊耳選手、まずは互角の始まり。ここからが本番だーっ!」

熊耳「随分と舐められたもんだな。なんの伏せカードもなしか?」

乙坂「そうだな…これから少しずつ手の内を見せてやるさ、こそこそと監視してる親分の為にもな」

熊耳「そんな余裕がお前さんにあればな」

熊耳「俺のターン!」

熊耳「俺はスケール2の《宝玉の守護者》とスケール5の《宝玉の先導者》でペンデュラムスケールをセッティング!」

熊耳「これでレベル3と4のモンスターが同時に召喚可能」

熊耳「ペンデュラム召喚!」

熊耳「現れろ、《宝玉獣 サファイア・ペガサス》! 《アンバー・マンモス》!」

宝玉獣 サファイア・ペガサス(攻撃力1800)

宝玉獣 アンバー・マンモス(攻撃力1700)

手札不足でトパーズ・タイガーは犠牲になった

115: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/10/05(月) 20:23:16.02 ID:ObOx1zo4O
「これはすごい、一気に手札のモンスターを大量に召喚だーっ!」

高城「ペンデュラム召喚!?」

柚咲「わぁっ、あんな召喚ゆさりん見た事ないですよ!」

友利(ペンデュラム…やっぱりあの人の関係者だったか)

黒咲「なるほど…あれが貴様の言っていた新たな召喚方という訳か。となれば、俺達以外にもアカデミアと戦っているデュエリストもいるという事か?」

友利「いずれわかりますよ、いずれね」

熊耳「サファイア・ペガサスの効果発動!」

熊耳「このカードが召喚・特殊召喚に成功した時、デッキ・手札・墓地にある宝玉獣を魔法・罠ゾーンに置く」

熊耳「来い、《宝玉獣 エメラルド・タートル》!」

熊耳「そして、レベル4のコバルト・イーグルとアンバー・マンモスでオーバーレイ!」

熊耳「満たされぬ魂を乗せた方舟よ。光届かぬ深淵より浮上せよ!」

熊耳「エクシーズ召喚!」

熊耳「現れろ、《No.101 S・H・Ark Knight》!」

攻撃力2100

「これは、ペンデュラムからのエクシーズ召喚!」

乙坂「ほぅ…」

熊耳「アーク・ナイトの効果発動!」

熊耳「オーバーレイ・ユニットをふたつ使い、相手フィールドに攻撃表示で存在する特殊召喚されたモンスター1体を選択し、そのカードをオーバーレイ・ユニットとする!」

乙坂「何?」

「乙坂選手のサイバー・ドラゴンがアーク・ナイトに奪われたーっ!」

柚咲「そんな…!」

高城「これじゃあ乙坂さんのフィールドガラ空きじゃないですか!」

熊耳「バトルだ! サファイア・ペガサスで、ダイレクトアタック!」

熊耳「サファイア・トルネード!」

乙坂「ぐうっ!」

乙坂LP2200

熊耳「続け、アーク・ナイト! ダイレクトアタック!」

熊耳「ミリオン・ファントム・フラッド!」

乙坂「ぐあああぁぁぁっ!」

乙坂LP100

熊耳「俺はこれでターンエンド」

117: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/10/05(月) 21:40:06.97 ID:ObOx1zo4O

「乙坂選手、辛うじて生き残ったーっ!」

高城「ライフ100…あの乙坂さんがこれほどまで」

乙坂「ふ…僕のターン!」

熊耳「顔色一つ変えずか…痩せ我慢というやつか?」

乙坂「痩せ我慢だ? 違う違う、これは余裕ってやつさ」

熊耳「なんだと?」

乙坂「僕は魔法カード、《逆境の宝札》を発動!」

乙坂「相手の場に特殊召喚されたモンスターが存在し、自分の場にモンスターが存在しない時、カードを二枚ドローする!」

乙坂「まずはその目障りなカードから…速攻魔法、《サイクロン》を発動!」

乙坂「僕はこれで、宝玉の集結を破壊する!」

熊耳「くっ…」

乙坂「僕は再び、《サイバー・ドラゴン》を特殊召喚!」

攻撃力2100

乙坂「さらに、《融合呪印生物-光》を通常召喚!」

攻撃力1000

乙坂「このモンスターは融合素材モンスター1体の代わりにする事ができ、必要となる融合素材モンスターをリリースすることで、リリースしたモンスターを融合素材とする光属性の融合モンスター1体をエクストラデッキから特殊召喚する!」

乙坂「僕はサイバー・ドラゴンと、融合呪印生物-光を墓地に送る」

乙坂「現れろ、《サイバー・ツイン・ドラゴン》!」

攻撃力2800

友利「現れたな…」

乙坂「バトルだ! 僕はサイバー・ツイン・ドラゴンで、アーク・ナイトを攻撃!」

熊耳「アーク・ナイトの効果発動!」

熊耳「オーバーレイ・ユニットを身代わりとして、自身の破壊を無効にする!」

乙坂「だが、ダメージは受けてもらう」

乙坂「エヴォリューション・ツイン・バースト!!」

熊耳「くっ…!」

熊耳LP2400

乙坂「二回目のバトル。サファイア・ペガサスを攻撃!」

熊耳「ぐあああぁぁぁっ!」

熊耳LP1400

熊耳「破壊されたサファイア・ペガサスは宝玉となる」

乙坂「僕はカードを一枚伏せて、ターンエンド」

乙坂・伏せカード:一枚

「乙坂選手、融合モンスターで魂を込めた反撃! ギリギリで踏みとどまっているーっ!」

熊耳(ギリギリ…? 本当にそうならいいがな、今は…)

ちなみに逆境の宝札はゼアルの未OCGカードです。これからもちょくちょく出てくるかもしれないが、ドルベと高城と沢渡さんが何でもするから許してくれ

118: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/10/05(月) 22:20:40.85 ID:ObOx1zo4O
熊耳「俺のターン!」

熊耳「俺は魔法カード、《レア・ヴァリュー》を発動!」

熊耳「このカードは、自分の魔法・罠ゾーンに宝玉獣がふたつ以上存在する時、ひとつを相手に選ばせ墓地に送り、カードを二枚ドローする!」

熊耳「さあ選べ、乙坂有宇」

乙坂「僕は、サファイア・ペガサスを選ぶ」

熊耳「カードを二枚ドロー!」

熊耳「魔法カード、《レア・ヴァリュー》発動!」

高城「またしてもレア・ヴァリュー!?」

乙坂「面倒くせえ…なら、そこの不遇な亀を墓地に送れ」

熊耳「俺は再びカードを二枚引き、《宝玉獣 ルビー・カーバンクル》を召喚!」

攻撃力300

熊耳「そして魔法カード、《おろかな埋葬》!」

熊耳「これにより、デッキの《宝玉獣 トパーズ・タイガー》を墓地に送らせてもらおう」


隼翼(これで熊耳の場の墓地に7体の宝玉獣…本気になったな)


熊耳「このモンスターは通常召喚できないが、自分のフィールド及び墓地に宝玉獣が七種類存在する場合のみ特殊召喚できる」

熊耳「現れろ、《究極宝玉神 レインボー・ドラゴン》!」

攻撃力4000

柚咲「攻撃力4000!?」

「ここで熊耳選手、超大型モンスターレインボー・ドラゴンを召喚! この攻撃が決まれば乙坂選手は終わりだーっ!」

熊耳「バトル! レインボー・ドラゴンで、サイバー・ツイン・ドラゴンを攻撃!」

熊耳「オーバー・ザ・レインボー!」

友利「乙坂!」

乙坂「罠発動! 《和睦の使者》!」

乙坂「このターン、相手モンスターから受ける全てのバトルダメージは0になり、自分フィールドのモンスターはバトルでは破壊されない!」

熊耳「な!?」

「凌ぎ切ったーっ!」

熊耳「しぶとい奴だ…俺はターンエンド」

乙坂「僕のターン!」

乙坂「僕は魔法カード、《ブラック・ホール》を発動!」

乙坂「フィールドにある全てのモンスターを破壊する!」

黒咲「このタイミングでブラック・ホールか…」

高城「これが決まればあの厄介なレインボー・ドラゴンを…」

熊耳「レインボー・ドラゴンの効果発動!」

熊耳「自分フィールドの宝玉獣を全て墓地へ送る事で、このカードの攻撃力を送ったカードの数×1000ポイントアップする!」

熊耳「俺はルビーを墓地に送り、レインボー・ドラゴンの攻撃力を1000ポイントアップ!」

究極宝玉神 レインボー・ドラゴン(攻撃力5000)

友利「…? そんなことをしても、ブラック・ホールの効果は変わらない。レインボー・ドラゴンもアーク・ナイトも、サイバー・ツイン・ドラゴンも一緒に墓地に…」

熊耳「行かないさ、レインボー・ドラゴンだけはな。宝玉の守護者のペンデュラム効果!」

熊耳「このカードがペンデュラムゾーンに存在する限り、1ターンに1度、自分フィールドの究極宝玉神及び宝玉獣はカード効果では破壊されない!」

乙坂「なんだと? ならもう片方は…」

熊耳「そう…宝玉の先導者がペンデュラムゾーンにある限り、自分フィールドの究極宝玉神及び宝玉獣は相手効果の対象にならない。 ブラック・ホールの効果は終わっちゃいない、消えろ!」

柚咲「サイバー・ツインが…!」

119: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/10/05(月) 22:26:16.59 ID:ObOx1zo4O
「これはかなり頑丈な耐性だ! 乙坂選手、アーク・ナイトは破壊できたもののエースモンスター、サイバー・ツイン・ドラゴンを失ってしまったぞ!」

高城「乙坂さん…」

柚咲「嘘、ですよね…? 友利さんの時と同じく、逆転してくれますよね?」

黒咲(見せてもらうぞ、乙坂有宇。貴様の鉄の意志と鋼の強さを)


隼翼「さあ有宇、この状況をひっくり返すのはちょっと難しいぞ? どうするのかな?」


乙坂「ふ…」

熊耳「この期に及んでまだ笑うか…それとも、打つ手がなくて諦めたか?」

乙坂「確かに、これ以上続けたら本気で打つ手がなくなりそうだ。だから見せてやることにした、あんたらの望むものをな」

熊耳「何?」

乙坂「僕は魔法カード、《パワー・ボンド》を発動!」

友利「パワー・ボンド!」

乙坂「手札・フィールド上から融合素材モンスターを墓地に送り、機械族の融合モンスター1体を特殊召喚する!」

乙坂「さらに速攻魔法、《サイバネティック・フュージョン・サポート》!」

乙坂「ライフポイントを半分払い、 機械族の融合モンスターを召喚する際に1度だけ、 その素材モンスターを手札・フィールド・墓地から除外し、 これらを融合素材とする!」

乙坂LP50

乙坂「僕は墓地にある《サイバー・ドラゴン》二体を融合!」

熊耳「二体のサイバー・ドラゴン…? まさか…!」

乙坂「融合召喚!」

乙坂「殲滅せよ、《キメラテック・ランページ・ドラゴン》!」

攻撃力2100


隼翼「っ!?」

隼翼(何故、このタイミングでキメラテック・ランページ・ドラゴンだと!?)

 

121: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/10/05(月) 23:01:40.73 ID:sufKgHwn0
乙坂「パワー・ボンドの効果により、特殊召喚したモンスターの攻撃力は元々の攻撃力分アップする!」

キメラテック・ランページ・ドラゴン(攻撃力4200)

乙坂「さらに、キメラテック・ランページ・ドラゴンが融合召喚に成功した時、素材としたモンスターの数まで魔法・罠カードを破壊する!」

乙坂「僕はお前のフィールドに魔法カード扱いである二枚のペンデュラムカードを破壊する!」

熊耳「くっ…だがペンデュラムモンスターは破壊された時、墓地ではなくエクストラデッキに行く!」

乙坂「だがこれでレインボー・ドラゴンは耐性を失った」

乙坂「キメラテック・ランページ・ドラゴンの効果発動!」

乙坂「1ターンに1度、デッキから機械族・光属性モンスターを2体まで墓地へ送ることで、このターン、通常攻撃に加えて送ったモンスターの数だけ攻撃できる」

乙坂「僕はデッキの《サイバー・ドラゴン・ツヴァイ》《サイバー・ドラゴン・コア》の二体を墓地に送り、ランページ・ドラゴンの攻撃回数を三回にする!」

熊耳「…だが、いかに攻撃力4200でも今のレインボー・ドラゴンの攻撃力は5000。倒すことはできねぇ!」

乙坂「本当にそう思うか?」

熊耳「!?」

乙坂「僕は魔法カード、《オーバーロード・フュージョン》を発動!」

乙坂「自分フィールド・または墓地にある融合素材モンスターを除外し、機械族の融合モンスター1体を特殊召喚する!」

乙坂「僕は墓地の《サイバー・ドラゴン・ツヴァイ》と《サイバー・ドラゴン・コア》をゲームから除外!」

乙坂「融合召喚!」

乙坂「現れろ、《キメラテック・ランページ・ドラゴン》!」

攻撃力2100

友利「二体目のキメラテック・ランページ・ドラゴン!?」

乙坂「僕はレベル5のキメラテック・ランページ・ドラゴン二体でオーバーレイ!」

高城「な!?」

乙坂「二体のモンスターでオーバーレイ・ネットワークを構築!」

乙坂「エクシーズ召喚!」

乙坂「現れろ、ランク5! 《サイバー・ドラゴン・ノヴァ》!」

攻撃力2100

黒咲「馬鹿なっ、ヤツは…!」

柚咲「有宇さんが、エクシーズ召喚…!?」

乙坂「さらに、このサイバー・ドラゴン・ノヴァをエクシーズ素材としてオーバーレイ!」

友利「っ!?」

乙坂「偽りを捨て、機光龍の襲雷は終焉を迎える。革命と共に現れろ!(口調適当)」

乙坂「エクシーズ召喚!」

乙坂「ランク6! 《サイバー・ドラゴン・インフィニティ》!」

攻撃力2100

122: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/10/06(火) 02:25:23.54 ID:St07lqze0
「なんと、召喚したエクシーズモンスターを素材にさらなるエクシーズ召喚! 友利選手や黒咲選手と同じ戦術だーっ」

乙坂「このモンスターは1ターンに1度、自分フィールドのサイバー・ドラゴン・ノヴァの上に重ねてエクシーズ召喚できる」

乙坂「そして攻撃力は、オーバーレイ・ユニットの数×200ポイントアップする」

サイバー・ドラゴン・インフィニティ(攻撃力2700)

熊耳「馬鹿な、何故…!」

乙坂「サイバー・ドラゴン・インフィニティの効果発動!」

乙坂「1ターンに1度、フィールドに存在する攻撃表示モンスター1体をオーバーレイ・ユニットにできる!」

熊耳「何!?」

黒咲「相手モンスターをエクシーズ素材にっ」

乙坂「やれ、サイバー・ドラゴン・インフィニティ! レインボー・ドラゴンを奪い取れ!」

熊耳「くっ…!」

「サイバー・ドラゴン・インフィニティがレインボー・ドラゴンを吸収したーっ!」

友利(…! そうか、この為に二枚のペンデュラムカードを…!)

乙坂「これで終わりだ。僕はサイバー・ドラゴン・インフィニティで、ダイレクトアタック!」

乙坂「エターナル・フェニックス・エヴォリューション!」

熊耳「ぐあああぁぁぁっ!!」

熊耳LP0

「決まったーっ!」

「乙坂選手、何度も崖っぷちに追い込まれながらも奇跡の大逆転勝利を収めました!まさに本日の最後を飾るのに相応しい大激闘を見させてもらいましたーっ!」

ワーッ… ワーッ…


隼翼(崖っぷちなんかじゃない。今のターン、最初からより攻撃力の高いサイバー・ツイン・ドラゴンを融合召喚していれば有宇はその時点で勝つことができた。おそらく、それよりも前のターンでも…)

隼翼「にも関わらず、わざわざ俺達にエクシーズ召喚を見せて来たか…」

隼翼「ここまで挑発されちゃ黙ってる訳には行かないね、いいだろう。次こそは俺が相手だ、有宇」


柚咲「有宇さんが勝ちましたよ!」

高城「…そう、ですね…今は流石と言っておきますか」

黒咲「おい」

友利「私達も知りませんでしたよ、もちろんね。今日の大会も終わったことですし、一度調べてみます。彼のエクシーズ召喚エネルギーを」

123: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/10/06(火) 14:16:21.50 ID:8wC18CqeO

その日の晩

隼翼「いい負けっぷりだった、熊耳。惜しかったな」

熊耳「嫌味な野郎だ…それに、惜しくもないさ」

熊耳「全く、プライドもくそもない。一体どこであれほどまでのタクティクスをつけたのかねえ」

隼翼「心配ない、それはじっくりと本人に聞くさ。じっくりとな」

熊耳「紫雲院素良は?」

隼翼「今は俺達の管理下にある病院に移動させた。頭と手足に多少の怪我を負っているようだが、命に別状はない」

熊耳「そうか…なら」

隼翼「ああ。意識が戻り次第俺自ら問いに行く。彼には聞きたい事が山ほどある。有宇の事もな」

プルルルル… プルルルル…

隼翼「どうした?」

「紫雲院素良が病院を脱走しました!」

隼翼「はぁっ!?」


黒咲「ここか?」

友利「ええ。紫雲院素良が入院している病院です。アカデミアの中で大会に出ていた程ですし、あなたの妹の情報を持っているかもしれません」

乙坂「高城と黒羽は一緒じゃないのか?」

友利「高城は別件です。黒羽さんが一緒じゃ目立ちますし、今の時間に私達が振り回してはお互いの迷惑になるだけなので先に帰らせました」

乙坂「なるほど…そりゃあ言えてる。高城の別件ってのは僕の事か?」

友利「…さあ? ご想像にお任せします」

「居たか!?」

「いえ、こちらには!」

「どこ行った!?」

「向こうを探します!」

乙坂「あん?」

黒咲「なんだ?」

「もう外に出てしまったのかもしれん!」

「すぐに連絡を! 紫雲院素良が逃げ出したと!」

友利「は?」


熊耳「どうする?」

隼翼「今は大会期間中だ。騒ぎを大きくはできんだろ」

隼翼「まずは市内の監視カメラを使い、紫雲院素良の所在を確かめる。モニタールームへ行くぞ」


黒咲「ヤツめ、融合次元に逃げたか!」

友利「決めつけるのは早いかもしれません。とりあえず手分けをして探しましょう」

乙坂「やれやれ…僕は中央公園に行く」

黒咲「ちっ…俺は海だ」

友利「私は向こうに行きます」

125: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/10/07(水) 03:59:09.24 ID:eP5sx7eF0
中央公園

乙坂「いないか…まあ、そう簡単に見つかるわきゃないな」

乙坂(病院からの脱走…アカデミアの指示がないのなら、あいつの狙いはおそらく黒咲…わざわざ探す必要もなかったか。むしろヤツの方から出て来る可能性の方が高そうだ)

乙坂「戻るか…」

「君は確か…」

乙坂「あ?」


数分後

黒咲「居たか?」

友利「残念ながら手掛かりなしです。一応高城もすぐに駆けつけるとの事ですが、これだけ探してもいないんじゃあなたの想像通りかもしれませんね」

黒咲「アカデミアに逃げたか。やはりあの時にカード化しておくべきだったな」

熊耳「ところがそうでもない」

黒咲「…?」

友利「あなたは…乙坂さんに負けた人?」

熊耳「いきなりご挨拶だな。そんなトムに負けた人みたいな呼び方はやめてくれ」

黒咲「負け犬が何の用だ? 乙坂有宇はここにはいない」

熊耳「その乙坂有宇が紫雲院素良を見つけ出したと言ったら?」

黒咲「なんだと?」

友利「本当ですか?」

熊耳「ついて来い、案内してやる」

126: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/10/07(水) 04:04:15.87 ID:eP5sx7eF0
モニター室

隼翼「やあ、久しぶりだね。奈緒ちゃん」

友利「隼翼さん…? じゃあやっぱりこの人は…」

黒咲「知り合いか?」

友利「私の唯一信頼できる人です」

隼翼「君が黒咲隼か…一回戦見せてもらったよ、よくぞアカデミアのデュエリストを負かしてくれた。これで俺達もあいつらに一矢報いる事が出来たというものだ」

黒咲「ふん…そんなことより、紫雲院素良は何処にいる?」

隼翼「映してくれ」

熊耳「はいよ」ピッ

『早くあいつを呼べ! 黒咲隼を!』

黒咲「っ!」

友利「これは、中央公園?」

熊耳「ああ、監視カメラ映像だ」


乙坂「なんだ、そんな様でもう一度黒咲と戦うつもりか?」

素良「そうだ! 今度こそ絶対に負けない! エクシーズの人間はみんな僕達に狩られる運命なんだ! 君も黒咲も、瑠璃って子も!」


黒咲「瑠璃…」


素良「あいつを隠すつもりなら君も容赦しない! 瑠璃がどこに居るのか僕は知らない。でも、助ける方法がなくはないかもよ?」

乙坂「?」


黒咲「なんだ、その方法は?」


素良「僕らを滅ぼすこと」


黒咲「っ…」

友利「滅ぼす…」


素良「ま、君達にそんな事は到底不可能だろうけどね」


黒咲「ちっ…」

隼翼「何をする?」

黒咲「ヤツの望み通りにしてやるだけだ」

隼翼「駄目だ」

黒咲「行かせろ!」

友利「このイベントがアカデミアに対抗するためのデュエリスト選抜試験の場である事をお忘れですか?」

黒咲「何?」

友利「あなたが行けば騒ぎが大きくなるだけです。それに、もう代わりは居るじゃないっすか」


乙坂「仕方ねえ」デュエルディスクセット

素良「おっ、やっとその気になった? そうこなくっちゃ」

素良「まずは君をやっつけてから黒咲を仕留める! この世界のエクシーズ使いは全員僕が片付けてみせる!」

乙坂「そーかい。だが残念ながら僕はエクシーズの残党じゃないんだがな」

素良「しらばっくれてろ。いくよ〜?」

「「デュエル」」

127: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/10/08(木) 00:59:33.82 ID:pePSHb9c0
乙坂LP4000

素良LP4000

素良「先行はもらった。僕は《エッジインプ・トマホーク》を召喚!」

攻撃力1800

素良「エッジインプ・トマホークの効果発動!」

素良「手札のエッジインプモンスター1体を墓地へ送り、相手に800ポイントのダメージを与える!」

素良「僕は手札の《エッジインプ・DTモドキ》を墓地に送る!」

乙坂LP3200

素良「ま、ほんの挨拶代わりさ。僕はカードを一枚伏せ、ターンエンド」

素良・伏せカード:一枚


熊耳「いきなり800のダメージか」

友利「心配は無用です。あの程度のダメージを気にするようなタマじゃないっすよ、あいつは」

黒咲「その点だけは評価してやるが、俺はどうにもヤツの過信が気に入らん」

隼翼「自分の実力を鼻にかけるようなデュエリストはいずれ泣きを見る…か。その時が近いのかもな」


乙坂(なぁんて盛り上がってんだろうな、あいつら)

乙坂(こいつの実力は黒咲とのデュエルで十分に分かった。これ以上探る必要もねぇだろ)

素良「どうしたの? まさか、たった800ポイントで怯んじゃった?」

乙坂「僕のターン!」

乙坂「僕は手札から、魔法カード、《パワー・ボンド》を発動!」

乙坂「手札またはフィールド上から融合素材モンスターを墓地に送り、機械族の融合モンスター1体を特殊召喚する!」

素良「融合モンスター!?」

乙坂「僕は手札にある《サイバー・ドラゴン》と《サイバー・ドラゴン・ツヴァイ》を融合!」

乙坂「融合召喚!」

乙坂「殲滅せよ、《キメラテック・ランページ・ドラゴン》!」

攻撃力2100

乙坂「そして、パワー・ボンドの効果発動!」

乙坂「この効果によって特殊召喚したモンスターの攻撃力は元々の攻撃力分アップする!」

キメラテック・ランページ・ドラゴン(攻撃力4200)

素良「4200!?」


熊耳「……過信がなんだって?」

友利「…言い出したのは黒咲さんです。私は常に乙坂さんが全力で戦っているとわかっていましたよ。ええ、わかっていましたとも」

黒咲「このSSで最初に言ったのは貴様だろうが!」

128: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/10/08(木) 01:04:50.77 ID:pePSHb9c0
乙坂「キメラテック・ランページ・ドラゴンの効果発動!」

乙坂「このカードが融合召喚に成功した時、素材としたモンスターの数まで魔法・罠カードを破壊する!」

素良「な?!」

乙坂「そして1ターンに1度、デッキから機械族・光属性モンスターを2体まで墓地へ送ることで、通常攻撃に加えて送ったモンスターの数だけ攻撃できる」

乙坂「僕はデッキの《サイバー・ドラゴン・ツヴァイ》《サイバー・ドラゴン・コア》の二体を墓地に送り、ランページ・ドラゴンの攻撃回数を三回にする!」

素良「なんだ、この感じ…」

素良(全然違う…スタンダードとも、アカデミアとも、大体こいつは黒咲と一緒にいたエクシーズ使いじゃないのか!? どうして融合を――っ!)

素良「まさか、君は…ユウ!?」ビー!

乙坂「!?」

素良「あぁ…やめろ、僕はまだ帰りたくない!」

乙坂「あん?」

素良「待ってくれ! エクシーズを、黒咲を倒すんだ! それだけじゃない! やっと見つけたんだ! ユウを――」消える

乙坂「ユウ…?」


黒咲「逃げたか」

熊耳「逃げたというより、強制送還されたのだろう。アカデミアによってデュエルディスクにそうプログラムされていたんだ」

友利「…黒咲さん、乙坂さんと合流しましょう」

隼翼「奈緒ちゃん、余計な詮索はするな」

友利「っ…」

隼翼「ここで彼を問い詰めても、はぐらかされるだけだ。最悪敵になるようになれば、こっちの戦力は大幅に低下する事になる」

隼翼「君がさっき自分で黒咲に言った事を思い出せ。そして考えろ。頭のいい君ならわかるはずだ」

友利「…わかっています。行きますよ」

黒咲「…ああ」

130: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/10/08(木) 02:58:56.48 ID:pePSHb9c0
高城「お疲れ様です友利さん、紫雲院素良は?」

友利「どうやらアカデミアに強制送還されたようです。残念ながら大した情報は得られませんでした」

高城「そうですか…」

友利「で、乙坂さんの方は?」

高城「…落ち着いて聞いてください。彼のエクシーズ召喚エネルギーは、私達とほぼ同等のものです」

友利「同等?」

高城「はい。全ての召喚方が基礎となるこのスタンダードにおいて、私と友利さん、そして黒咲さんが発するエネルギーはスタンダードのデュエリストとは比べ物になりません。ですが、乙坂さんの融合召喚エネルギーはアカデミアを上回っていた。そしてエクシーズ召喚は…」

友利「私たちハートランドの人間と同じだと?」

高城「はい…」

友利「とことん謎だらけっすね。まるで意味がわからん」

高城「乙坂さんに直接聞いてみますか?」

友利「今は余計な詮索はしないで下さい。無理に聞き出す事でもないでしょう」

高城「しかし…」

友利「それが一番正しい選択です。下手に地雷を踏んで敵に回しちゃこれ以上厄介な相手はいないでしょうし」

高城「…わかりました。友利さんがそう言うなら」


融合次元

素良「お願いします! 僕をもう一度スタンダードに戻して下さい!」

素良「スタンダードにはエクシーズ次元から逃げてきたデュエリストが居るんです! 今度こそ一人残らず倒してみせます!」

素良「それだけじゃない! あのユウも! ユウもスタンダードに居たのを確かに確認しました! だからっ」

(ユウ…だと?)

131: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/10/08(木) 03:05:58.87 ID:pePSHb9c0
翌日

「皆様、いよいよ今大会一回戦最後の試合となります!」

「このデュエルの勝者が二回戦に進む最後の勇者となるのです!」

「果たしてそれは高城選手か! はたまた隼翼選手なのか!?」

「手に汗握る熱戦になる事間違いありません!」

柚咲「頑張って下さ〜い!」

黒咲「隼翼…ヤツだったか」

乙坂「知っているのか?」

黒咲「少しな。むしろお前が知らなかった事に驚きだが」

乙坂「どういう意味だ」

友利「…始まりますよ。今は黙ってこのデュエルを見届けましょう」

友利(ま、結果はわかりきってるんすけど)

高城「よりによって最後の試合とは…あまりみっともないデュエルはできませんね」

隼翼「お手柔らかに。肩に力を入れず、気楽にやろう」

高城「そうは行けませんね。私達は勝つためにここに立っているんですから」

隼翼「勝つために…か。いい言葉だ、前言撤回だ。全力でやろう、お互いね」

「「デュエル」」

高城LP4000

隼翼LP4000

高城「先行は私が。私は《BK ヘッドギア》を召喚!」

攻撃力1000

高城「ヘッドギアのモンスター効果発動!」

高城「このカードが召喚に成功した時、デッキからBKと名のついたモンスター1体を墓地へ送る事ができます!」

高城「私は《BK カウンターブロー》を墓地へ」

高城「さらに、《BK スパー》を特殊召喚!」

攻撃力1200

高城「このカードは、自分フィールドにBKと名のついたモンスターが存在する場合、手札から特殊召喚できます」

乙坂「早速来るか?」

高城「私はレベル4のBK スパーとヘッドギアでオーバーレイ!」

高城「魂に秘めた炎を、拳に!」

高城「エクシーズ召喚!」

高城「ランク4! 《BK 拘束蛮兵リードブロー》!」

攻撃力2200


132: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/10/08(木) 13:48:06.52 ID:lQtLVWWLO
隼翼「俺のターン!」

隼翼「俺はスケール1の《クリフォート・アーカイブ》とスケール9の《クリフォート・ツール》でペンデュラムスケールをセッティング!」

黒咲「やはりか…」

乙坂「あいつも…」

隼翼「これでレベル2から8までのモンスターが同時に召喚可能」

隼翼「ペンデュラム召喚!」

隼翼「現れろ、《クリフォート・エイリアス》! 《クリフォート・アーカイブ》!」

隼翼「この二体の攻撃力は、召喚時、元々の攻撃力が1800になる」

クリフォート・エイリアス(攻撃力1800)

クリフォート・アーカイブ(攻撃力1800)

「これは、昨日熊耳選手が見せた新しい召喚方ペンデュラム召喚だーっ!」

高城「これが…!」

隼翼「クリフォート・アーカイブのペンデュラム効果発動!」

隼翼「自分フィールドのクリフォートモンスターの攻撃力は300ポイントアップする」

クリフォート・エイリアス(攻撃力2100)

クリフォート・アーカイブ(攻撃力2100)

隼翼「続いて、クリフォート・ツールのペンデュラム効果発動!」

隼翼「ライフポイントを800を払い、デッキからクリフォートカード1枚を手札に加える」

隼翼LP3200

隼翼「俺は、《クリフォート・ディスク》を選択」

高城「レベル8のモンスター…」

隼翼「これで準備は整った…俺はクリフォート・アーカイブとエイリアスをリリースして、アドバンス召喚!」

隼翼「現れろ、《クリフォート・ディスク》!」

攻撃力2800

友利「攻撃力2800…これが…!」

隼翼「通常召喚したクリフォート・ディスクは、このモンスターのレベルまたはランクが低いモンスターが発動した効果を受けない」

隼翼「クリフォート・アーカイブの効果発動!」

隼翼「このカードがリリースされた場合、フィールドのモンスター1体を持ち主の手札に戻す」

高城「な!?」

133: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/10/08(木) 14:09:58.51 ID:lQtLVWWLO

「リードブローがエクストラデッキに戻されたーっ!」

乙坂「リードブローは自分フィールドにいるBK1体をあらゆる破壊から守る効果…破壊じゃないバウンスではその効果は発揮できない。やられたな」

柚咲「これじゃあ高城さんのフィールドが!」

高城「さらに、クリフォートモンスターをリリースしてこのカードのアドバンス召喚に成功した時、デッキからクリフォートモンスター二体を特殊召喚する!」

高城「なんですって!?」

高城「俺はデッキから、二体の《クリフォート・アセンブラ》を特殊召喚!」

クリフォート・アセンブラ(攻撃力2400)

クリフォート・アセンブラ(攻撃力2400)

隼翼「この効果で特殊召喚したモンスターはエンドフェイズに破壊される。そしてクリフォート・アーカイブの効果により、クリフォートモンスターの攻撃力は300アップする」

クリフォート・ディスク(攻撃力3100)

クリフォート・アセンブラ(攻撃力2700)

クリフォート・アセンブラ(攻撃力2700)

高城「くっ…!」

友利「こうなりましたか…」

隼翼「バトル! クリフォート・アセンブラで、ダイレクトアタック!」

高城「ぬおおぉぉぉ!」

高城LP1300

隼翼「トドメだ! クリフォート・ディスクで、ダイレクトアタック!」

高城「うわああぁぁぁっ!」

高城LP0

「…き、決まりましたーっ!」

「熱戦かと思われた第一回戦ラスト試合、その結末はまさかの展開! 隼翼選手が圧倒的な力の差を見せつけました!」

柚咲「高城さんが…ワンキルで…」

友利(ペンデュラム召喚も熊耳とは比べ物にならないくらいに使いこなしていた。これが隼翼さんの本当の実力…)

黒咲「スタンダードにも骨のあるデュエリストが居たか」

「以上をもちまして第一回戦は全て終了しました! 引き続き二回戦の組み合わせを行います! 選手の皆さんは登録カードをデュエルディスクにセットして下さい!」


プルルルル… プルルルル…

隼翼「どうした?」

熊耳『緊急事態だ。モニタールームに来い』

隼翼「わかった。すぐに行く」

135: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/10/09(金) 02:58:59.16 ID:ZwKA71Go0
友利「また第一試合ですか…相手は昨年準優勝者の勝鬨勇雄…」

黒咲「俺は海外特別参加のナイト・オブ・デュエルズ、シャルルか」

柚咲「有宇さんは?」

乙坂「今日のラスト試合、相手は隼翼」

友利「!?」

柚咲「それじゃあっ」

黒咲「ふん…次はいくらお前でも一筋縄でやれる相手じゃない。足元をすくわれないように精々頑張るんだな」

乙坂「二度もペンデュラム続きかよ…これ仕組まれてんじゃねぇか?」

友利(これが正解だから面白いんすよね。でもまさか、こんなにも早くこの二人が…となれば、この二回戦こそがランサーズ選抜のラストチャンスということか? これで駄目なら今のまま…)


モニタールーム

隼翼「緊急事態とはなんだ?」

熊耳「まずはこれを見てくれ。今から約一時間前、裏側の監視カメラが捕まえた映像だ」ピッ

『ぐあああぁぁぁっ!』

『この程度か、やはりお前はエクシーズの残党ではないな。答えろ、ユウは何処にいる?』

『ユウ? 誰だよそれ?』

『知らないか…なら用はない』

『待て! 何…うわああぁぁぁっ!』

隼翼「っ!」

熊耳「カードに封印されたか…融合召喚といい、彼女は…」

隼翼「セレナ…?」

熊耳「…? 知っているのか?」

隼翼「少し席を外す、この女の事は誰にも言うな。黒咲や有宇、例え奈緒ちゃんにもな」

熊耳「どういう事だ」

隼翼「後で話す。お前の言う通り、緊急事態になってしまったようだしな」

136: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/10/09(金) 14:12:19.09 ID:69XOKX9KO


友利LP1200

勝鬨LP2400

友利・手札:0
モンスター:セイクリッド・プレアデス(攻撃力2500)
魔法・罠:なし
伏せカード:なし

勝鬨・手札:0
モンスター:覇勝星イダテン(攻撃力3000)
魔法・罠:なし
伏せカード:一枚

「舞網チャンピオンシップ第二回戦、その第一試合もいよいよ決着かーっ!?」

友利「セイクリッド・プレアデスの効果発動!」

友利「オーバーレイ・ユニットをひとつ使うことで、相手フィールドにあるカード一枚を手札に戻す!」

「勝鬨選手の覇勝星イダテンがエクストラデッキに戻されたーっ!」

勝鬨「くっ…」

友利「これで終わりですね」

勝鬨「させん! 永続罠、《グラヴィティ・バインド-超重力の網》を発動!」

勝鬨「このカードがある限り、お互いにレベル4以上のモンスターでバトルできない!」

乙坂「は?」
黒咲「は?」
高城「は?」
柚咲「は?」

友利「…無駄ですよ。エクシーズモンスターはレベルを持ちません。よってグラヴィティ・バインドの効果は無意味」

勝鬨「何!? レベルを持たないならレベル0ではないのか!?」

友利「セイクリッド・プレアデスで、ダイレクトアタック!」

勝鬨「ぐあああぁぁぁっ!」

勝鬨LP0

「し、勝者は友利奈緒選手です…」

「えぇ…」

「ランクも知らないの?」

「あいつ昨年大会の準優勝者だろ?」

「レベル0はないわー」

137: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/10/09(金) 14:22:07.06 ID:69XOKX9KO
セレナ「お前、ユウか?」

「俺を呼び出したのはあんた? 確かに俺は桜樹ユウだけど」

バレット「セレナ様、この者が?」

セレナ「違う…お前じゃない」

「え?」

セレナ「お前は、ユウじゃない…本物のユウはどこに居る!?」

「は? 本物? 何言ってんの?」

セレナ「しらばっくれるな!」

隼翼「待て!」

セレナ「っ!?」

隼翼「悪かった、彼女は人違いをしているだけのようだ。君はもう行け」

「え? でも…」

隼翼「君はこのスタンダードを守るランサーズ候補の一人。これからを期待しているよ」

「あ、ありがとうございます…隼翼さん」

セレナ「待て!」

隼翼「早く行くんだ!」

「は、はい!」

セレナ「邪魔立てするなら、お前から始末する!」

バレット「あなたに降りかかる火の粉を払うのは私の仕事。それは私が」デュエルディスクセット

セレナ「控えろバレット!」

バレット「プロフェッサーからのご命令とあるなら、いくらあなたでも」

セレナ「くっ…」

隼翼「プロフェッサーか…なるほど」デュエルディスクセット

隼翼「聞こえるか? 封鎖しろ。俺の許可があるまで誰も通すな」

熊耳『わかった』

「「デュエル」」

141: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/10/10(土) 01:37:18.86 ID:NeKJIfVC0
隼翼「バトルだ! クリフォート・ディスクで、ダイレクトアタック!」

バレット「うわああぁぁぁっ!」

バレットLP0

バレット「ぐはっ」倒れ込む

セレナ「やはり監視役ではこの様か…なら次は私だ!」

隼翼「待つんだセレナ、俺は君と争う気はない」

セレナ「セレナ? 何故お前が私の名を…」

隼翼「覚えてないか? 一年前、俺はアカデミアで君と会っている。ほんの数分の間だがな」

セレナ「ああ、覚えてはいる。あの時は弟を連れ戻すと言っていたな?」

隼翼「そうだ。一年前、別々に暮らしていた俺の弟――有宇は忽然と姿を消した。君が探しているユウとは乙坂有宇に間違いないだろう」

セレナ「ユウが、お前の弟…?」

隼翼「聞かせてくれ。何故有宇はアカデミアにいた? として捕らえられたのならどうして有宇が選ばれたのかも、詳しくな」

セレナ「さぁな、そこまでは知らん。私は物心ついた時から窮屈な館の中で息がつまるような生活を強いられてきた。アカデミアがエクシーズ次元を攻撃した時もだ」

セレナ「そんないつもの生活をしていた時、ユウは私の前に現れた。プロフェッサーは見込みのあるデュエリストと判断したらしいが、私にはとてもそうは思えなかったな。最初は」

隼翼「有宇は、君と同じ館で過ごしたのか?」

セレナ「そうだ。といっても、扱いには天地の差があった。ユウの手足は拘束され、一日一回のデュエルに負けたユウは毎日のように殴られていた。生きたければ勝て、負けは全ての終わりだ…それがヤツらがユウに向けた口癖だった」

セレナ「それでも私達は一年間を共に過ごした…そして約束した。いつしかプロフェッサーを二人で負かしてやろうと…だが! あいつは私を置いて行った! 一人だけで外の世界に逃げたんだ!」

隼翼「その為にスタンダードに?」

セレナ「目的ならもう一つある。この世界にいるエクシーズ次元の残党を倒す事だ。アカデミアからの潜入者を倒す程のヤツをやれば、プロフェッサーを認めさせる事ができる。お前は何も知らないのか?」

隼翼「さあ? 聞いた事もない」

セレナ「ならば自分で探す」

隼翼「もし君がスタンダードで騒ぎを起こそうというなら、俺は君を敵とみなす」

バレット「そうはさせない…」ビー

セレナ「っ!」

142: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/10/10(土) 01:40:56.33 ID:yPF8ThOfO
隼翼「聞かせてくれ。何故有宇はアカデミアにいた? 捕らえられたのならどうして有宇が選ばれたのかも、詳しくな」 に修正


黒咲「バトルだ! RR-ライズ・ファルコン! 全てを引き裂け!」

黒咲「ブレイブクロー レボリューション!」

シャルル「うわあああぁぁぁっ!」

シャルルLP0

「決まったーっ! シャルル選手、黒咲選手の前に一方的な展開で敗れ去りました!」

友利(実況通りの一方的なデュエル…こいつもランサーズには相応しくない)


隼翼「消えた…?」

セレナ「強制送還されたか。やがて、アカデミアの追っ手が私を連れ戻しにやって来るだろう。おそらく、オベリスクフォースを連れて」

隼翼「…有宇に会いたいなら、会わせてやってもいい」

セレナ「何? 本当か?」

隼翼「今は大会期間中でね、今日のラスト試合で俺と有宇がやる事になっている。その後にでも会ったらいい」

セレナ「大会? お前も兄なら今のユウがどれほどになったかはわかるだろう? 第一、どうしてお前達が」

隼翼「信頼を得るためさ、お互いにね。会いたいなら、俺と有宇のデュエルを見届けてからにしてもらいたい」

セレナ「いいだろう。それからでも遅くはない」

隼翼「感謝する」

『さあ、続きましては本日のラスト試合、乙坂有宇選手VS隼翼選手! いざステージへ!』

隼翼「さぁて、弟の成長を見に行くとするか」



143: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/10/10(土) 03:34:29.91 ID:NeKJIfVC0

「この組み合わせ!第一試合を圧倒的な力を見せつけた二人が激突! これはどちらが勝つかわからない!」

「乙坂有宇選手か!? はたまた隼翼選手か!? それは我々の目で確かめようではありませんか!」

ワーッ… ワーッ…

柚咲「大丈夫! 有宇さんは必ず勝ちますよ〜」

高城「もちろん私もそう願ってますが、あの隼翼という人も、ちょっとやそっとの相手ではありません。友利さんや黒咲さんはどう思われますか?」

友利「わかるわけないじゃないっすか。あの二人の実力は私の遥か先にあるんですから」

黒咲「乙坂有宇の事は気に入らん、負けるなら負けてしまえというのが本音だな」

高城「そんな…」

黒咲「だが、ヤツは負けんだろう」

高城「え?」

黒咲「何故なら、ヤツに初の黒星をつけるのは俺だ。スタンダードの人間などに横取りされてはたまらん」

美砂「とんだツンデレだなおめぇ、素直に信じてるって言ったらどうだ?」

黒咲「な!?」

友利「ちょっ、いきなり出てくんな!」


隼翼「こうして面と話すのは久…いや、初めてだったな。乙坂有宇君」

乙坂「こんな晴れ舞台にまで引っ張り出しておいて何を企んでいる?」

隼翼「別に? 俺はただ君達がランサーズに相応しいかどうかを見極めたいだけさ」

乙坂「その為に、友利を使って僕を監視してきたのか…信用はできるとは思えんな」

隼翼「やっぱり気づいてた? まあ、今はそれで結構。このデュエルが終わる頃にはその気持ちも変わってるだろうさ」

乙坂「へぇ、そいつは楽しみだ」

「「デュエル」」


セレナ(ユウ…)

144: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/10/10(土) 13:50:28.01 ID:vG7/UY20O
乙坂LP4000

隼翼LP4000

隼翼「先行はもらう。俺はスケール1の《クリフォート・アセンブラ》とスケール9の《クリフォート・ツール》でペンデュラムスケールをセッティング!」

友利「な…!?」

高城「まさか、先行ターンから…!?」

隼翼「これでレベル2から8までのモンスターが同時に召喚可能」

隼翼「ペンデュラム召喚!」

隼翼「現れろ、《クリフォート・エイリアス》! 《クリフォート・アセンブラ》!」

クリフォート・アセンブラ(攻撃力2400)

クリフォート・エイリアス(攻撃力2800)

柚咲「ペンデュラム召喚…!」

黒咲「おい貴様、いつの間に戻った」

隼翼「クリフォート・エイリアスが特殊召喚またはリリースなしで召喚した時、レベルは4になり元々の攻撃力は1800になる」

クリフォート・エイリアス(攻撃力1800)

隼翼「さらに、クリフォート・ツールのペンデュラム効果発動!」

隼翼「ライフ800を払い、デッキからクリフォートカード1枚を手札に加える」

隼翼LP3200

隼翼「俺はクリフォート・エイリアスとアセンブラをリリースし、手札に加えた《クリフォート・ディスク》をアドバンス召喚!」

攻撃力2800

高城「この流れ…私の時と同じ…!」

隼翼「通常召喚したクリフォート・ディスクは、このモンスターのレベルまたはランクが低いモンスターが発動した効果を受けない。そして、クリフォートモンスターをリリースしてこのカードのアドバンス召喚に成功した時、デッキからクリフォートモンスター二体を特殊召喚する!」

隼翼「現れろ、《クリフォート・アセンブラ》! 《クリフォート・エイリアス》!」

クリフォート・エイリアス(攻撃力1800)

クリフォート・アセンブラ(攻撃力2400)

隼翼「俺はカードを一枚伏せて、ターンエンド」

隼翼・伏せカード:一枚

隼翼「同時に、クリフォート・ディスクで特殊召喚したモンスターはエンドフェイズに破壊されるが、破壊されたペンデュラムモンスターは墓地には送らず、俺のエクストラデッキに置かれる」

隼翼「クリフォート・アセンブラのペンデュラム効果発動!」

隼翼「エンドフェイズ、アドバンス召喚のためにリリースしたクリフォートモンスターの数だけデッキからドローできる」

隼翼「よって俺は二枚のカードをドロー!」

145: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/10/10(土) 13:53:19.63 ID:vG7/UY20O
友利「先行ターンからガンガン回しますね」

乙坂「僕のターン!」

乙坂「僕は《サイバー・ドラゴン》を特殊召喚!」

攻撃力2100

乙坂「このカードは、相手の場だけにモンスターがいる時、特殊召喚できる」

乙坂「続いて、《融合呪印生物-光》を通常召喚!」

攻撃力1000

乙坂「これにより、必要となる融合素材モンスターとこのカードをリリースすることで、リリースしたモンスターを素材とする光属性の融合モンスター1体を特殊召喚する!」

乙坂「現れろ、《サイバー・ツイン・ドラゴン》!」

攻撃力2800

「乙坂選手、隼翼選手に対抗するかのように融合モンスターを召喚だーっ!」

隼翼(両方乙坂なんだがな、まあ仕方ないか)

友利「これで攻撃力はクリフォート・ディスクと互角」

隼翼「だがペンデュラムモンスターは破壊された後、エクストラデッキに置かれる。何が狙いだ?」

乙坂「僕は手札から装備魔法、《団結の力》をサイバー・ツインに装備!」

乙坂「僕の場に存在するモンスター1体につき装備したモンスターの攻撃力は800ポイントアップする!」

サイバー・ツイン・ドラゴン(攻撃力3600)

柚咲「攻撃力3600、これならっ」

黒咲「サイバー・ツインの二回攻撃効果と合わせて一気にヤツのライフを0にできる」

乙坂「バトルだ! 僕はサイバー・ツイン・ドラゴンで、クリフォート・ディスクを攻撃!」

乙坂「エヴォリューション・ツイン・バースト!」

隼翼「ぐぅっ!」

隼翼LP2400

友利「通ったっ…」

乙坂「二回目のバトル。ダイレクトアタック!」

乙坂「エヴォリューション・ツイン・バースト!」

隼翼「罠カード、《ドレインシールド》発動!」

隼翼「相手モンスター1体の攻撃を無効にし、そのモンスターの攻撃力分だけライフポイントを回復する!」

隼翼LP6000

「隼翼選手のライフポイントが大幅に回復!」

高城「くっ…ライフポイントが…」

乙坂「ま、それくらいはやってもらわなきゃつまらんが」

乙坂「僕はカードを一枚伏せて、ターンエンド」

乙坂・伏せカード:一枚

146: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/10/10(土) 14:11:04.82 ID:vG7/UY20O
隼翼「俺のターン! クリフォート・ツールのペンデュラム効果発動!」

隼翼「ライフポイントを800払い、デッキからクリフォートカード1枚を手札に加える」

隼翼LP5200

隼翼「俺は《クリフォート・ゲノム》を選択」

隼翼「もう一度いく…ペンデュラム召喚!」

隼翼「エクストラデッキから、二体の《クリフォート・アセンブラ》! 《クリフォート・エイリアス》! 《クリフォート・ディスク》!」

クリフォート・ディスク(攻撃力1800)

クリフォート・エイリアス(攻撃力1800)

クリフォート・アセンブラ(攻撃力2400)

クリフォート・アセンブラ(攻撃力2400)

隼翼「そして手札から、《クリフォート・ゲノム》!」

攻撃力1800

柚咲「モンスターが五体…!」

友利「やるのか…?」

隼翼「俺はクリフォート・エイリアス、ディスク、ゲノムをリリース!」

隼翼「現れろ、レベル10! 《アポクリフォート・キラー》!」

攻撃力3000

「なんと三体のリリース! これが隼翼選手の真のエースなのでしょうかーっ!?」

隼翼「アポクリフォート・キラーは特殊召喚できず、いかなる魔法・罠の効果を受けない。そして、このカードのレベルよりも元々のレベルまたはランクが低いモンスターが発動した効果も受けつけることはない」

隼翼「さらにこのカードがモンスターゾーンに存在する限り、 特殊召喚されたモンスターの攻撃力・守備力は500ダウンする!」

クリフォート・アセンブラ(攻撃力1900)

クリフォート・アセンブラ(攻撃力1900)

サイバー・ツイン・ドラゴン(攻撃力3100)

高城「それでも、アポクリフォート・キラーの攻撃力はサイバー・ツインには届きません」

黒咲「いや…」

隼翼「クリフォート・ゲノムの効果発動!」

隼翼「このモンスターがリリースされた場合、 フィールドの魔法・罠カード一枚を破壊する。俺は、団結の力を選択!」

サイバー・ツイン・ドラゴン(攻撃力2300)

友利「これはっ」

隼翼「さらに、アポクリフォート・キラーの効果発動!」

隼翼「1ターンに1度、相手は自身の手札・フィールドのモンスター1体を墓地へ送らなければならない。さあ、選ぶといい」

乙坂「…僕は手札の《サイバー・ドラゴン》を墓地に送る」

「怒涛の展開! この攻撃が決まれば乙坂選手のライフは尽きてしまう!」

隼翼「バトルだ! 俺はアポクリフォート・キラーで、サイバー・ツインを攻撃!」

乙坂「罠発動! 《聖なるバリア -ミラーフォース-》!」

乙坂「相手モンスターの攻撃宣言時、相手フィールドの攻撃表示モンスターを全て破壊する!」

隼翼「無駄だ。アポクリフォート・キラーに罠は通用しない!」

乙坂「わかってるさ。だが、残り二匹はどうかな?」

「二体のクリフォート・アセンブラが破壊されたーっ!」

隼翼「ちっ…だがサイバー・ツインへの攻撃は止まらない!」

乙坂「ぐうっ」

乙坂LP3300

隼翼「このエンドフェイズ、クリフォート・アセンブラのペンデュラム効果! このターンに俺がリリースしたモンスターは三体。よって三枚のカードをドロー!」

147: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/10/10(土) 22:58:20.57 ID:vG7/UY20O
柚咲「今のところ、形勢は互角と言って大丈夫なんでしょうか?」

友利「確かにそう見えてはいます。でも、隼翼さんの場には無敵の耐性を持つアポクリフォート・キラー。しかも、ペンデュラムモンスターは破壊された時、墓地ではなくエクストラデッキに戻る。あれをなんとかしなければ乙坂さんに勝ちはないっすね」

乙坂「さあ、どうかな?」

友利「え…?」

黒咲(何故聞こえる? ここは観客席…10メートル以上は離れてるはずだが…)

隼翼「この状況を覆す手が君にあるのか?」

乙坂「ペンデュラム召喚ね…新たな召喚方とは聞いていたが、それじゃちっとも面白くねぇ。まさか、あれが全力とは言わないだろ?」

隼翼「…何?」

乙坂「おい、なんだその反応は…それとも本当にあれで限界だったのか? だったら期待していた僕の責任だったようだな。失敬した」

隼翼「っ…」

乙坂「僕のターン!」

乙坂「僕は魔法カード、《サイバー・リペア・プラント》を発動!」

乙坂「僕の墓地にサイバー・ドラゴンが存在する場時、デッキから機械族・光属性モンスター1体を手札に加える」

乙坂「僕は手札に加えた、《サイバー・ドラゴン・コア》を召喚!」

攻撃力400

乙坂「このカードの召喚に成功した時、デッキからサイバーまたはサイバネティックと名のついた魔法・罠カードを手札に加える。僕は再び、《サイバー・リペア・プラント》を選択」

乙坂「準備は整った…僕はエクストラデッキにある《キメラテック・フォートレス・ドラゴン》の効果発動!」

隼翼「な!?」

友利「エクストラデッキからモンスター効果!?」

乙坂「このカードは、フィールドの《サイバー・ドラゴン》及び機械族モンスターを融合素材として特殊召喚できる!」

柚咲「サイバー・ドラゴン及び他の機械族モンスター…?」

黒咲「なるほど、そういう対処か」

乙坂「僕はフィールドのサイバー・ドラゴン・コアとあんたの場にあるアポクリフォート・キラーで融合!」

高城「相手モンスターを融合素材に!?」

乙坂「現れろ、《キメラテック・フォートレス・ドラゴン》!」

攻撃力0

「これはすごい、相手モンスターを素材とした融合モンスターだーっ!」

乙坂「キメラテック・フォートレス・ドラゴンの攻撃力は、融合素材としたモンスター×1000となる。素材としたモンスターは合計二体。よってその攻撃力は2000」

キメラテック・フォートレス・ドラゴン(攻撃力2000)

隼翼「機械族モンスターの吸収効果…いかなる耐性を持つモンスターとて、融合素材としてならその効果も意味をなさない。いや、どうしようもないという訳か。やられたね」

乙坂「バトルだ! 僕はキメラテック・フォートレス・ドラゴンで、ダイレクトアタック!」

乙坂「エヴォリューション・リザルト・アーティレリー!」

隼翼「ぐあああああぁぁぁっ!」

隼翼LP3200

乙坂「僕はターンエンド」

「これはすごい、二回戦とは思えぬ攻防だーっ!」

友利(そりゃあそうだ。というより、これが決勝でもいいくらいっすからね)

乙坂「まだ茶番を続ける気か? いい加減正体を言ったらどうなんだ?」

隼翼「聞いてくれるなら答えるけど、今の君にどんな問いが出来るんだ?」

乙坂「なら一番の疑問をぶつけてやる。あんたは僕のなんなんだ?」

149: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/10/11(日) 03:06:50.42 ID:XeTXk8Wq0

隼翼「兄だ」

友利「は?」

高城「兄?」

柚咲「有宇さんの…お兄さん!?」


熊耳「あーあ…あっさりとバラしちまって」

セレナ(知らないのか? ユウはあいつが自分の兄だと知らない…?)


乙坂「兄だと?」

隼翼「信じられない気持ちはわかる。お前も歩未も俺と共に過ごした記憶はないんだ。しかし、今の話は本当だ」

隼翼「丁度ここにはエクシーズ次元の人間も揃っている事だし、もう一つネタを明かしてやろうか?」

隼翼「ジャンジャジャ~~ン! 今明かされる衝撃の真実ゥ!」

友利(ベクターか!)

隼翼「俺と有宇、そして歩未はハートランドの人間でーす」

黒咲「なんだと!?」

高城「ハートランド…エクシーズ次元の!?」

友利(隼翼さんはエクシーズ次元の人間…弟だというなら、乙坂有宇も私達と同じ…?)

隼翼「どうだ? 少しは興味を持ってくれたか?」

乙坂「超びっくりだよー」

隼翼「棒読みだな、本当に驚いてるのか?」

乙坂「そうだな…どうして僕と歩未にあんたと過ごした記憶がないのかはひとまず置いておこう…で、あんたは僕の何を知りたい?」

隼翼「歩未の事だ」

乙坂「歩未?」

隼翼「お前達の前から離れて行った俺がこんな事を言うのもふざけた話かもしれない。だが言わせてくれ。どういうつもりなんだ? 歩未の気持ちがわからないお前じゃないはずだ」

乙坂「なるほど…いいぜ、教えてやるよ。ただし、このデュエルで僕に勝てればな」

隼翼「なんだと?」

乙坂「友利から聞いてるはずだ、まずはあんたの力が僕より上だと証明してみせろ。それでお前が勝ったなら、いくらでも喋ってやる」

隼翼「なるほど…俺好みの答えだ」

150: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/10/11(日) 14:57:32.10 ID:hzVaZjz/O
乙坂LP3300

隼翼LP3200

乙坂・手札:2
モンスター:キメラテック・フォートレス・ドラゴン(攻撃力2000)
魔法・罠:なし
伏せカード:なし

隼翼・手札:5
モンスター:なし
魔法・罠:クリフォート・アセンブラ(ペンデュラムスケール)
魔法・罠:クリフォート・ツール(ペンデュラムスケール)
伏せカード:なし

隼翼「俺のターン! クリフォート・ツールのペンデュラム効果により、デッキからクリフォートカードを手札に加える」

隼翼LP2400

隼翼「ペンデュラム召喚!」

隼翼「再びエクストラデッキから、二体の《クリフォート・アセンブラ》! 《クリフォート・エイリアス》! 《クリフォート・ゲノム》!」

クリフォート・ゲノム(攻撃力1800)

クリフォート・エイリアス(攻撃力1800)

クリフォート・アセンブラ(攻撃力2400)

クリフォート・アセンブラ(攻撃力2400)

隼翼「さらに手札から、 《クリフォート・アーカイブ》!

攻撃力1800

柚咲「またフィールドにモンスターが…!」

高城「今度は何を?」

隼翼「俺はクリフォート・ゲノム、アーカイブをリリース!」

隼翼「そして、《クリフォート・シェル》をアドバンス召喚!」

攻撃力2800

隼翼「このカードも、自身のレベルまたはランクが低いモンスターが発動した効果を受けない」

隼翼「さらに、クリフォートモンスターをリリースしてアドバンス召喚に成功した時、一度のバトルで二回攻撃でき、守備表示モンスターを攻撃した時、その守備力を攻撃力が超えた分だけ貫通ダメージを与える」

隼翼(ここでクリフォート・アーカイブの効果を使えば、フォートレスを戻すことは出来るが、そうなればまた吸収される可能性が高くなる。ペンデュラムモンスターはフォートレスの素材にはされないが、一応は用心しておくか)

隼翼「俺はカードを二枚伏せる」

隼翼・伏せカード:二枚

隼翼「そして、手札から装備魔法、《魔導師の力》をクリフォート・シェルに装備!」

隼翼「装備モンスターの攻撃力・守備力は、 自分フィールドの魔法・罠カードの数×500アップする!」

柚咲「隼翼さんの場には三枚のカード…1500ポイントアップ!?」

友利「いや、それだけじゃないっす」

乙坂「セッティングされたペンデュラムモンスターは魔法カード扱い」

隼翼「そういうことだ。よってその攻撃力は2500ポイントアップ!」

クリフォート・シェル(攻撃力4800)

黒咲「攻撃力4800…」

「なんと無情な! ここで隼翼選手、攻撃力4800に加え二回攻撃、貫通効果という超強力なモンスターを誕生させました!」

隼翼「バトル! クリフォート・シェルで、キメラテック・フォートレス・ドラゴンを攻撃!」

乙坂「ぐうっ!」

乙坂LP500

柚咲「有宇さん!」

高城「まずい、次が決まれば…!」

隼翼(さぁて、どうかな?)

隼翼「二回目のバトル! クリフォート・シェルで、有宇をダイレクトアタック!」

151: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/10/11(日) 23:00:10.12 ID:hzVaZjz/O
乙坂「ふ…僕は手札にある《速攻のかかし》の効果発動!」

乙坂「相手モンスターのダイレクトアタック宣言時、このカード手札から捨てることで、その攻撃を無効にしてバトルフェイズを終了する!」

隼翼「やはり踏みとどまったか…俺はこれでターンエンド」

「やられたらやり返す! 素晴らしい! これこそチャンピオンを決めるのに相応しい戦いではありませんか! まだ二回戦ですが…」

ワーッ… ワーッ…

隼翼「変わった、本当に強くなったな…有宇」

乙坂「あん?」

隼翼「だがお前は、その強さを手に入れる為に何を犠牲にして来た?」

乙坂「………」

隼翼「…歩未は、ずっと一人だったんだ」

隼翼「自分が何の為に生きて来たかも分からなくなって、ただただ兄の帰りを待つ、信頼できる家族を奪われた悲しみ…お前もそうだったんじゃないのか?」

隼翼「出会う人の全てが敵に見える環境の中に無理やり入れられ、理不尽な役目を放り出すことも出来ずに突き進んだ。それがどれだけの孤独だったか想像もできない。その重荷を背負わせたのは俺だという事は勿論わかっている。だがどうしてっ」

隼翼「どうして帰って来た時、歩未を突き放したっ!」

友利「っ…」

隼翼「あいつはお前がいなくて寂しかったんだ。不安で泣きたくて一生懸命だったんじゃないのか!?」

乙坂「黙れ」

隼翼「っ!」

乙坂「デュエルはまだ終わってはいない。言っただろ? 僕に勝てれば全てを話してやるって」

隼翼「有宇!」

乙坂「僕のターン!」

乙坂「墓地のサイバー・ドラゴン・コアの効果発動!」

乙坂「相手フィールドにモンスターが存在し、僕のフィールドにモンスターが存在しない時、墓地のこのカードを除外し、デッキからサイバー・ドラゴンと名のついたモンスター1体を特殊召喚する!」

乙坂「再びデッキの《サイバー・ドラゴン・コア》を特殊召喚!」

攻撃力400

乙坂「さらに僕は、《サイバー・リペア・プラント》を発動!」

乙坂「自分の墓地にサイバー・ドラゴンが存在する場時、デッキから機械族・光属性モンスター1体を手札に加える」

乙坂「僕は《サイバー・ドラゴン・ドライ》を選択し、そのまま召喚!」

攻撃力1800

乙坂「このカードが召喚に成功した時、 自分フィールドにいる全てのサイバー・ドラゴンのレベルを5にできる」

サイバー・ドラゴン・コア(LV5)

サイバー・ドラゴン・ドライ(LV5)

乙坂「が、この効果を発動するターン、僕は機械族以外のモンスターを特殊召喚できない」

黒咲「サイバー・ドラゴンのレベルを5に…」

乙坂「僕はレベル5となったサイバー・ドラゴン・コアとドライでオーバーレイ!」

乙坂「エクシーズ召喚!」

乙坂「現れろ、ランク5! 《サイバー・ドラゴン・ノヴァ》!」

攻撃力2100

乙坂「サイバー・ドラゴン・ノヴァの効果発動!」

乙坂「このモンスターは1ターンに1度、オーバーレイ・ユニットをひとつ使い、墓地の《サイバー・ドラゴン》1体を特殊召喚する!」

隼翼「カウンター罠、《天罰》発動!」

隼翼「手札を一枚捨てることで、相手モンスターの効果を無効にし、それを破壊する!」

「サイバー・ドラゴン・ノヴァが破壊されたーっ!」

152: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/10/11(日) 23:07:43.92 ID:hzVaZjz/O
乙坂「だがこの瞬間、サイバー・ドラゴン・ノヴァの効果発動!」

乙坂「このカードが相手の効果によって墓地へ送られた場合、 機械族の融合モンスター1体をエクストラデッキから特殊召喚できる!」

乙坂「出でよ、《サイバー・エンド・ドラゴン》!」

攻撃力4000

隼翼「罠カード発動! 《奈落の落とし穴》!」

隼翼「攻撃力1500以上のモンスターを召喚・特殊召喚した時、そのモンスターを破壊しゲームから除外する!」

「これまたひっくり返された! これで再び乙坂選手の場にモンスターはなくなった!」

隼翼「負けんぞ、有宇…! 今のお前には必ず!」

友利「なんだよこれ…」

友利(これじゃあまるで、二人が敵同士みたいじゃないっすか。家族なんでしょう? あなた達は…)

乙坂「知らなかったとはいえ、奈落の落とし穴のタイミングを間違えたな」

隼翼「何?」

乙坂「僕は魔法カード、《オーバーロード・フュージョン》を発動!」

乙坂「自分フィールド・または墓地にある融合素材モンスターを除外し、機械族・闇属性の融合モンスター1体を特殊召喚する!」

乙坂「僕は墓地の《サイバー・ドラゴン》二体と《融合呪印生物-光》《サイバー・ツイン・ドラゴン》《速攻のかかし》《サイバー・ドラゴン・ドライ》《サイバー・ドラゴン・ノヴァ》をゲームから除外!」

隼翼「!?」

高城「墓地にある7体のモンスターを除外!?」

乙坂「融合召喚!」

乙坂「現れろ、《キメラテック・オーバー・ドラゴン》!!」

攻撃力?

「これは以前に乙坂選手が見せた融合モンスターとは違う!」

隼翼「攻撃力が決まってないっ?」

乙坂「キメラテック・オーバー・ドラゴンは、サイバー・ドラゴンを含む複数の機械族モンスターを融合する事で特殊召喚できる」

乙坂「そして攻撃力は、融合素材とした機械族モンスターの数×800ポイントの数値になる。僕が融合素材とした機械族モンスターは7体。よって攻撃力は5600!」

キメラテック・オーバー・ドラゴン(攻撃力5600)

隼翼「攻撃力5600!?」

和麻「さらにキメラテックは、融合素材としたモンスターの数だけ相手モンスターに攻撃できる」

友利「やめろ…」

乙坂「バトルだ! いけ、キメラテック・オーバー・ドラゴン!」

乙坂「エヴォリューション・レザルト・バースト! サンレンダァ!」

友利「よせ!」

隼翼「ぐああああぁぁぁ…!!」

隼翼LP0

「決まりましたーっ! 大激戦の結果、勝利を収めたのは乙坂有宇選手ーっ!」

高城「………」

柚咲「有宇さん…」

乙坂「やれやれ」

隼翼「待て…有宇…!」

乙坂「言ってたな? どうして歩未を突き放したんだって。なら、お前はどうなんだ?」

隼翼「っ…」

乙坂「お前は僕がヤツらに拉致された事を知っていた。だったら何故お前が歩未の側にいなかった? 妹の、家族を苦しんでいるのをただ黙って見ていた?」

隼翼「有宇…」

乙坂「ま、僕もお前も人の事は言えない。お互い様さ。じゃあな」

155: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/10/12(月) 03:21:08.28 ID:p9q1Ainh0
熊耳「いい負けっぷりだった、隼翼」

隼翼「帰って来るなり嫌味か? 性格悪いね」

熊耳「とんだブーメランだな。第一試合の時に自分が言った発言を思い出してみろ。それにお前にはまだ聞きたい事がある」

隼翼「そうだった。じゃあこれから負け犬同士で打倒有宇を話題にした作戦会議でも始めますか」

熊耳「さぞ盛り上がるだろうが、それはまたの機会でもできる」

隼翼「残念だよ。何を聞きたい?」

熊耳「決まっている、あの少女だ。それから、時期に来るオベリスクフォースと呼ばれるアカデミアのデュエリストの事も」

隼翼「そうだな…だがまずは彼らもここに呼ぶ。至急連絡を」


乙坂「で、黒羽を帰した後は僕を囲む訳ね」

高城「言わずともなんの用かはわかっているはずです」

乙坂「さあ? 僕にはあいつの弟だという事とハートランドの人間だったという事くらいしか心当たりはないな」

友利「十分な理由です。何故今まで隠してたんすか?」

乙坂「隠してたとは人聞きの悪い…僕自身も驚いてるんだ。あいつも言ってただろ? 僕にはあの隼翼と過ごした記憶はない。無論、ハートランドで生活した記憶もな」

乙坂「むしろこっちが聞きたいね。何故お前は僕とあいつが兄弟だという事を隠していた?」

友利「私だって知らなかったんです。面影なんて皆無ですしね。ただ、召喚エネルギーからあなたがハートランドの人間だという事を想像はしてました。実際そうだと言われればびっくりですが」

乙坂「ならいいんじゃないか? 同じエクシーズ同士、これからも仲良くやれるってもんだ」

黒咲「貴様、本当に知らなかったのか?」

乙坂「まだ疑ってんのか?」

高城「初耳にしては理解が早すぎですよ」

黒咲「それだけではない。ハートランドの人間だというなら、何故貴様にあれほどまでの融合召喚エネルギーを出すことが出来るのかも説明がつかん」

乙坂(あー、面倒くせえな)

セレナ「やっと見つけたぞ」

156: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/10/12(月) 04:02:47.24 ID:p9q1Ainh0
乙坂「?」

友利「…誰だ?」

黒咲「瑠璃!? 瑠璃なのか!?」

高城「え? 瑠璃?」

セレナ「っ!」ガバッ

黒咲「は?」
友利「な!?」

セレナ「ユウ…会いたかった…」

乙坂「っ…お前、セレナ…か?」

黒咲「瑠璃…? 瑠璃が乙坂有宇に抱きついて………る……?」

友利「乙坂有宇に……女が抱きついて……る……?」

セレナ「ユウ、お前…お前は一体今まで何をしてたんだ!? ずっと、ずっと待ってたんだぞ!」

乙坂「なんでここに…」

セレナ「お前を探しに来たに決まってるだろ! 私がどんな思いでお前がいない一年を過ごしたと思ってるんだ!?」

乙坂「…悪かった」

セレナ「散々待たせといて悪かったで済むか! 行動で示せ、馬鹿…」

乙坂「…わかったよ」

セレナ「ん…!」

黒咲「な!?」
友利「な!?」

乙坂(無言のディープキス)

高城「あらぁ…」

友利「…黒咲さん」

黒咲「ああ…」

高城「え? お二人とも?」

黒咲「残念だな、乙坂有宇…。貴様とはこんな形ではなく真っ当なデュエルで負かしたかった…」

友利「あなた私にキスしましたよね? その時点で私じゃないとダメなんですよ? これはあれですか? 私以外とは喋っちゃいけないって教えてあげるべきですね。約束、守ってくれますよね? そいつが悪いんですよね? あなたに近寄るから。大丈夫です、消してきてあげますよ?」

友利「ね? 有宇君♪」

高城(黒咲さんの身体が赤いオーラに包まれてるーっ!? 友利さんは壊れかけてるし! しかも何この危ない思考!? いつの間に名前呼び!?)

黒咲「絶対に許さん、乙坂有宇!! 瑠璃を返せ!! 俺の、俺の瑠璃ィィィ!!」

友利「有宇君有宇君有宇君有宇君有宇君有宇君」

高城「ちょっ、二人共落ち着いてください!」

乙坂「満足したか?」

セレナ「ああ…変わらんな、お前は…今も一年前も」ギュッ

乙坂「僕は僕さ。今更変わる気はねぇ」

セレナ「ふ…それでこそユウだ」

高城「あなた達も少しは後ろ見てくださいよ!」

157: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/10/12(月) 14:15:15.07 ID:ToMCoedLO

高城「では、あなたは…」

セレナ「私はセレナ、アカデミアのデュエリスト」

黒咲「アカデミアだと!? 瑠璃がアカデミアだと言うのか!? うぐっ」

乙坂「瑠璃じゃねぇ、セレナだ」腹パン

黒咲「くっ…そうだったな」

高城「でも何故、アカデミアのあなたが乙坂さんを? スパイなんですか?」

友利「彼女はスパイじゃありません。アカデミアから追われている身です」

乙坂「なんだ友利、お前は知ってたのか?」

友利「奈緒…でしょ?」ニコッ

乙坂「は?」

奈緒「私の名前は奈緒ですよ? いいからそう呼びやがれ有宇君♪」

有宇「…奈緒、お前は知ってたのか?」

奈緒「隼翼さんに聞いてました。と言っても、知ってたのは名前だけですけどね。まさか、私の有宇君を誘惑しに来た泥棒猫だとは思いませんでしたよ」

有宇「いつから僕が友利の――」

奈緒「奈・緒!」

有宇「…いつから僕が奈緒の物になったかは置いておくとして、セレナはどうしたい?」

セレナ「我らアカデミアには崇高な目的があった。世界を一つにするという目的が…だがお前達は言ったな、アカデミアはエクシーズ次元の人々にまるでハンティングゲームをするかのように襲いかかっていたと」

高城「その通りです」

黒咲「ハートランドのあの悲鳴、アカデミアのあの笑い声は今も、俺達の胸に刻まれている」

セレナ「そうか…」

158: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/10/12(月) 18:05:36.12 ID:ieprxtqr0
ユーリ「ちょっと、乙坂君話があるんだ……」


そういえばLDS三人組のポジがいないな…
・まだ隼翼仲間3人が出ていない(出てこないかもしれないが)
・隼翼と熊耳はP召喚を使う
・男女比率が2:1
・OCGテーマでPテーマが連続3回


あっ…(察し)

159: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/10/13(火) 03:20:17.88 ID:cg2KJleT0
セレナ「ユウがアカデミアを敵に回すというのなら、私もお前達に力を貸そう」

高城「本当ですかっ?」

黒咲「簡単に言うが、それはお前の故郷、アカデミアを裏切るという事になるぞ」

セレナ「承知だ。世界を一つにする…その為にエクシーズ次元と勇敢に戦い、勝利した。私は今までそう思っていた。だが真実はそうではなかった。そうなんだろう、ユウ?」

有宇「ああ、そうだ」

セレナ「ユウは私の唯一信頼できる仲間…彼の言う事なら信じられる」

奈緒「唯一信頼できる仲間っすか…」

高城「これからどうするつもりですか? これだけの戦力が揃って尚、大会を続けるつもりですか?」

奈緒「そりゃあ、隼翼さんの指示がなければ続けますよ。元よりその為に彼が開いた大会ですからね」

黒咲「ふん…その主催者が二回戦、それもよりによって捨てた弟に負かされるか。恥ずかしくって顔向け出来ないだけじゃないのか?」

セレナ「大会がどうのなど言っている場合ではない。おそらくは明日にもユウと私を追ってアカデミアのデュエリストがやって来る。そうなれば、エクシーズ次元の二の舞いになってしまうぞ」

有宇「だな。とりあえずは兄貴とやらのとこに行くとするか。案内しろ」

奈緒「へーへー分かりましたよ」

160: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/10/13(火) 03:46:55.52 ID:cg2KJleT0
アカデミア

「あれがセレナ?」

プロフェッサー「そう…数日前、バレットと二人でスタンダードに潜入している。おそらくはユウを連れ戻しに行ったんだろう」

「ユウ…? ああ、あのユウか…懐かしいですね。それで、僕の役目はセレナとユウを連れ戻して来ることでいいんですか?」

プロフェッサー「いいや、今はその必要はない」

「?」

プロフェッサー「君にはスタンダードに居る二人のデュエリストを連れて来てもらいたい」

「二人?」

プロフェッサー「一人は友利一希、もう一人はユウの妹――乙坂歩未だ」


隼翼「いよいよ君達に動いてもらう日がやって来た。今までの実戦経験を無駄にしないように頑張ってほしい」

前泊「本当にアカデミアのデュエリストが?」

隼翼「今回は確実だ。ヤツらは必ずセレナを確保しにやって来る。だがこれはチャンスなんだ。彼女はアカデミアとの交渉時に必要となる存在、なんとしても守り抜いてもらいたい」

七野「ようやく出番かと思ったら、隼翼も熊耳も弟にやられちまってるとはな…情けない」

目時「弟さんに直接頼むわけには?」

隼翼「今は駄目だ、有宇は俺達を信用していない。それに今は…」

熊耳「弟にメンタルズタボロにされて顔を合わせたくないのさ。察してやれ」

隼翼「プー!」

熊耳「悪い悪い。んなことより、客人だ。入っていいぞ」

161: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/10/13(火) 04:01:42.91 ID:cg2KJleT0

奈緒「どうも、隼翼さん」

隼翼「奈緒ちゃんに黒咲? それに、有宇…」

高城「あのー、私も居るんですが…」

黒咲「貴様らに話がある」

隼翼「話…?」

七野「へー、あんたが隼翼の弟か? あんまり似てないな」

有宇「なんだこいつらは?」

熊耳「話なら丁度いい、お前達も聞いておけ。明日の大会についてな」


一希「………」グッタリ

「やれやれ…プロフェッサーもどうしてこんな廃人が欲しいのかね…二人目はせめて日本語が話せるといいけど」

「おっ、噂をすれば…」

歩未「…あの、お手紙をくれたお兄ちゃんの知り合いですか?」

「そうだよ、君、乙坂歩未ちゃんだよね?」

歩未「そうですが、あなたは?」

「僕は、ユーリ」

歩未「え? ユー…うっ!?」

ユーリ「ごめんねぇ、あんまりプロフェッサーを待たせたくないんだ。失敗続きで頭に来ちゃってると思うしねぇ」

歩未「ぁ…」グッタリ

ユーリ「本当、酷いこと考えるよ、彼も」

162: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/10/13(火) 14:20:01.59 ID:fZIaitysO
奈緒「バトルロイヤル?」

隼翼「他次元からの侵入者があるとなれば、街はパニックになりかねない。そこで大会を勝ち上がった16名を街に放ち、バトルロイヤルに紛れて敵を待ち伏せる」

隼翼「実際に迎え撃つのは目時、前泊、七野の三人。必要とあれば俺とプーも参戦する」

高城「なるほど…でもそれならいっそ、乙坂さん達も一緒の方が心強いのでは?」

隼翼「二人はあくまでも大会に出場してる身だ、騒ぎを大きくはできない。もちろん奈緒ちゃんもな」

高城「いざとなれば私も」

隼翼「頼む。有宇、セレナは?」

有宇「安心しろ、あいつが僕達を襲う事はねぇよ。味方だ」

隼翼「そうか…君達三人はスタジアムに集まった中から来るべき時に備えたランサーズに相応しいメンバーを見つけ出すことだ」

黒咲「敵とは戦うなという訳か…約束はできんな」

有宇「ああ、そいつらじゃいつまでやれるかわからねえ。そうなったら僕達が出るしかあるまい」

七野「んだとっ?」

前泊「随分な言われようですね…」

黒咲「生き残れるように精々頑張るんだな、帰るぞ」

奈緒(本当、血の気の多いヤツら…)

163: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/10/13(火) 14:21:47.87 ID:fZIaitysO
有宇「どうする? 前祝いに何か食ってくか?」

奈緒「なんの前祝いっすか…」

黒咲「くだらん、やる事はやったんだ。俺は帰る」

高城「私も遠慮します。大会では負けてますが、アカデミアからの侵略となれば早めに帰ってデッキ調整をしたいので」

有宇「そうか、友――奈緒は?」

奈緒「今日は兄の見舞いに行こうかと思っているので」

有宇「なんか怒ってね?」

奈緒「いえいえ、全然そんな事ないですよ、有宇君♪」

有宇「ちょっと間違えただけだろうが…ならセレナ、行くか」

奈緒「は?」

セレナ「外で食べるとは何だ? わざわざ遠いところまで食事をしに行くのか?」

有宇「そこまでは歩かねぇさ。館の生活にもうんざりしてたんだろ? ついでに街を案内してやるよ」

セレナ「ユウが連れてってくれるのか? なら安心だ。よろしく頼むぞ」

奈緒「ストップストップ! やっぱり私もついて行きます」

有宇「あ?」

奈緒「男女がこんな時間に歩くなんて危険です。それにあなた達は狙われてる身でしょう? 私は生徒会長、あなた達を守る責任があるのです」

有宇「随分と見くびられたもんだな、僕達がアカデミアに負けると?」

奈緒「言ったでしょう? ハートランドは数の暴力で滅びたんです。もしかしたら何百人の兵を送り込んでくるかもしれません」

有宇「見舞いはいいのか?」

奈緒「ええ、兄には悪いですがあなた達を二人きりにはしておけないでしょう」ギュッ

セレナ「む」

有宇「まあ、構わんが」

セレナ「…下がれ」

164: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/10/13(火) 21:37:40.84 ID:fZIaitysO

奈緒「はい?」

セレナ「ユウは私の男だ。お前などに触れられるとエクシーズの匂いが伝染する」

奈緒「それでいいんですよ。こいつは元よりハートランドの人間ですしね。それと、有宇君はあなたの物じゃありませんよ?」

セレナ「兄とのデュエルでもエクシーズ召喚など一回しかしかなかっただろう、トドメは融合だ。ユウには融合が一番似合う」

奈緒「あなたは見てないかもしれませんが、その前の試合は見事なエクシーズ召喚でフィニッシュを決めてます。それはもう今まで何でエクシーズ召喚をしなかったのかと疑いたくなるくらいでしたよ」

有宇(そりゃあインフィニティだからな)

セレナ「融合だ! それと離れろ!」ギュッ

奈緒「エクシーズ! それとさりげなくくっ付くな!」

セレナ「がるる…」
奈緒「がるる…」

セレナ「ならばデュエルだ! 本場の融合召喚を見せてやる!」

奈緒「いいですよ? ハートランドの生き残りとして、アカデミアの人間に負ける訳にはいきません」

有宇「お前ら仲良くしろよ…」

165: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/10/14(水) 01:22:30.74 ID:u9H5sZov0
深夜12時

セレナ「ここがユウの…家か? はぁ、はぁ、はぁ…」

有宇「そうだ。つかめっちゃ息切れしてんな」

セレナ「なかなか骨のある奴だった…エクシーズも捨てたもんじゃない…かもな…」

有宇(結局あの後、一回勝って負けてを繰り返し、二人の体力が限界に来た時には15勝15敗で決着が着いたのだった)

セレナ「しかし…本当に…いいのか? ユウの家で暮らしても…」

有宇「ああ、むしろそうしてくれ。妹にも話し相手ができる」

セレナ「そうだ、妹が居るんだったか」

有宇「時間も時間だ、もう寝てるだろ。静かにな…ん?」

セレナ「どうした?」

有宇(鍵が掛かってる? まさか、出かけてるのか?)ガチャ

有宇「歩未、居るのか? 電気つけるぞ」

シーン…

セレナ「誰もいな――っ!?」

有宇(いつもの歩未なら作ってくれているはずの夕飯もなしか…。友達の家に泊まりに…? いや、それにしたって歩未なら一言連絡して来てもおかしくはない…)

有宇「まさか、まさかなぁ」

セレナ「ユウ、これを」

有宇「手紙?」

『君の大事な物は預かっておく、心配する事はない。明日、アカデミアの兵達と一緒に現れるだろう。駄目だよ、昔から言うじゃない? 大事な物は側に置いておくべきだって。ではお互い健闘を』

有宇「マジかよ…」

セレナ「…どうする? 隼翼達に知らせるか?」

有宇「いや、黙っておけ。奈緒達にも絶対に話すな。動きにくくなるだけだ」

セレナ「いいのか?」

有宇「ああ、これは僕一人でカタをつける」

166: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/10/14(水) 03:37:25.66 ID:u9H5sZov0
プロフェッサー「もう一度、スタンダードに行きたいと?」

素良「はい、スタンダードにはエクシーズの残党が居ます! それにユウも!」

プロフェッサー「その願いは叶えよう、ただし第一目標はセレナだ、わかっているね?」

素良「わかっています。必ず」

プロフェッサー「うむ…それと、君はユウとは戦うな、可能ならばエクシーズのデュエリストとも、まず二人と戦うのは彼らだ」

素良「彼ら?」

歩未「…………」

一希「…………」

素良「この人達は…?」

プロフェッサー「ちょっとした暗示をかけた。君の命令なら何でも従う。いいか? 女の子の方はユウにぶつけるんだ。男の方は君に任せよう」

素良「こんな子を…ユウに…?」

プロフェッサー「命令だ。オベリスクフォースの準備が整い次第向かってくれ。頼んだよ」

素良「はい…」


翌日

『君の兄は預かった、返して欲しければセレナとユウを引き渡すんだ。安心していいよ、でなければ命はないなんて言うつもりはない。明日、アカデミアの戦士と共に必ず現れるだろう。その時を楽しみにしていてくれ』

奈緒「これが、犯人からですか…」

隼翼「すまない、俺のミスだ」

奈緒「いえ、昨日きちんとお見舞いに行っていれば防げたかもしれません。私の責任です」

隼翼「ここに書いてある内容が本当なら、彼は今日アカデミアのデュエリストと共に…ならば十中八九」

奈緒「洗脳されてると考えるのが利口そうですね。隼翼さん、この事は有宇君には言わないで下さい。もちろん、黒咲さんや高城達にも」

隼翼「奈緒ちゃん…」

奈緒「このカタは、私一人でつけます」

167: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/10/14(水) 03:53:33.43 ID:u9H5sZov0

「皆様、大変お待たせしました! これより、勝ち上がった16名によるバトルロイヤルを行います!」

ワーッ… ワーッ…

「街中には特殊フィールド! 氷山、火山、ジャングル、古代遺跡の四つが用意されており、どこでデュエルして頂いても構いません!」

「制限時間は24時間! 果たして生き残れるのは誰なのか!?」

柚咲「いよいよ始まるんですねー」

高城「ワクワクばかりもしていられません。いつアカデミアの侵略があるか…」

美砂「そうだったな。こんな大事な時に油売ってていいのか?」

高城「相変わらずいきなりですね…人手が必要なら隼翼さんから直接連絡が入るはずです」

美砂「ここのところ出番がなかったからな。楽しみにしてるぜ」

奈緒「………」キョロキョロ

有宇「何をキョロキョロしている。らしくないな」

奈緒「これから次元戦争が始まるかもしれないんです。警戒するのは当たり前ですよ」

有宇「実際に戦うのは僕達じゃない。役目は他にあるんだろう?」

奈緒「それはそうですが」

有宇「むしろ今の様子じゃ、誰かを探してるように見えたがな」

奈緒「…気のせいっすよ」

有宇(こいつ、まさか知ってるのか?)
奈緒(こいつ、まさか知ってるのか?)

黒咲「そろそろだな」

「さあ、ゲートオープン! 参加者の皆様はデュエルディスクをセットして下さい!」

「それでは舞網チャンピオンシップ、バトルロイヤル! デュエルスタート!」

168: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/10/14(水) 14:25:48.98 ID:uBwz5AEpO


数時間後

「只今のところ、乙坂選手や黒咲選手、それに続くように友利選手がトップを走っております!」


火山エリア

奈緒「ヴォルカザウルスの効果発動!」

奈緒「オーバーレイ・ユニットを使うことで相手モンスター1体を破壊し、その元々の攻撃力分のダメージを与える!」

奈緒「マグマックス!」

「うわあああぁぁぁっ!」

LP0

奈緒(こいつもランサーズには相応しくない…これじゃあ最初に戦った沢渡シンゴの方がよっぽど強敵だったっすよ)

セレナ「見事だ」

奈緒「…? いつの間に」

セレナ「と言いたいが、こんなチンケな大会では、逆に我々の実力が下がる一方だ。本当にここに居るヤツらは信用出来るのか?」

奈緒「それを見極める為の大会です。というかあなたは大会参加者ではないんですからむやみに出てこないで下さい。監視カメラに映ったら面倒っす」

セレナ「今までのお前達のデュエルは大体見させてもらったが、この様ではアカデミアとの戦争の舞台にしかならんな」

「セレナ様」

奈緒「っ…」

オベリスクフォース「どうか抵抗なさらず」

オベリスクフォース「あなたにお戻り頂きたいだけです」

169: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/10/14(水) 14:28:30.72 ID:uBwz5AEpO
モニタールーム

熊耳「火山エリアに乱入者!」

隼翼「ついに来たか…聞こえるか? いよいよ出番だ、ランサーズの最優先候補として、持てる力の全てを出し切ってもらいたい」

前泊『はい』
七野『OK』

隼翼「目時…」

目時『何?』

隼翼「…君の役目はわかってるね?」

目時『もちろん』

熊耳「プー」

熊耳「ああ、俺だ。大至急友利奈緒とセレナを救出してくれ」


セレナ「三人か…面白い。こちらとしては丁度いいハンデだ」

オベリスクフォース「仕方ありません」

七野「待てやこら!」煙玉

オベリスクフォース「ぐっ…!?」

オベリスクフォース「なんだ!?」

オベリスクフォース「セレナ様は…いない!?」

七野「やっと暴れられる」

前泊「ここから先へは行かせません」

170: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/10/14(水) 16:26:14.61 ID:uBwz5AEpO

セレナ「HA☆NA☆SE! この覆面忍者! 何故私の戦いの邪魔をする!」

日影「ここまで来れば大丈夫だろう」

月影「承知した」離す

セレナ「貴様ら何者だ!?「

奈緒「月影さんでしたか? 見覚えがあります。となれば、あなた達も隼翼さんの関係者?」

月影「いかにも。二人を救出するようにと命を受けて来た」

日影「月影、二人を頼む。まだ周りに敵が居るかもしれん」

月影「うむ」

セレナ「他のエリアはどうなっている?」

月影「我らの知る限り、今のところ敵はあの三人のみだ。だが隼翼殿の情報が正しければ、少なくとも後数人は送り込まれるかもしれないと」

奈緒「三人だけっすか…」

セレナ「オベリスクフォースと戦うのはあの三人か?」

月影「いや、二人だけだ。目時と呼ばれる少女は乙坂有宇を探しに出掛けた」

奈緒「なん…だと?」

セレナ「何をしに…?」

月影「拙者の聞いた話では、問いただしたい事があるとか」

奈緒「………」

セレナ「………」

171: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/10/14(水) 16:27:28.34 ID:uBwz5AEpO
――セレナ&奈緒の妄想――

目時『あなたはこういうの好き?』

有宇『この僕に色仕掛けか? ならお望み通り、身体で聞いてもらおうか』ガバッ

目時『強引なのね』

有宇『ワイルドと言ってくれ』

目時『ワイルドなのね』

有宇『わざわざ言い直さなくてもいいが…全開で行かせてもらうぞ』

目時『お手並み拝見ね』

――妄想終了――

奈緒「アカン…」

セレナ「…友利」

奈緒「そうですね…不本意ですが、この場はあなたの意見に賛成です」

月影「すまないが、二人にはこの場で待機していてもらう。他の仲間も兄者が無事に…ぐっ!?」

奈緒(無言の腹パン)
セレナ(無言の腹パン)

月影「な、何故…!? がくっ」

173: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/10/14(水) 20:53:58.44 ID:uBwz5AEpO
とりあえずそれなりに続いたのでキャラの設定

乙坂有宇
元エクシーズ次元出身。数年前にアカデミアに拉致され拷問のような訓練を経験した為、性格は原作と違い冷静で泰然自若。ただし変 で強い女なら誰でも嫁にしようとする。

友利奈緒
エクシーズ次元出身。原作の嫁にして、このSSの最初の嫁。乙坂や黒咲を除けば生徒会最強。最初は謎だらけの有宇を怪しんでいたが、その強さと自分と同じ境遇の有宇を想うようになる。最初に落ちた事もあってかライバル達に若干ヤンデレ気味な嫉妬をする。もしかしたら行きすぎちゃうかも?

高城丈士朗
エクシーズ次元出身。デュエル自体は別に弱くはないのだが、周りが強すぎる為に不遇なキャラ。

黒羽柚咲
嫁候補。デュエルに関しては素人だったが、有宇に教わった事である程度は戦えるようになった。

黒羽美砂
第二の嫁。能力がないので、このSSではもう一人のボク的な存在。一時的に有宇に弟子入りした。

セレナ
融合次元出身。行方不明になった有宇と一年間を過ごした。ある意味有能の初代嫁。

乙坂歩未
乙坂の妹。一時的に行方不明になった兄がそれを境に変わってしまった事を戸惑っている。兄妹仲は悪くはないが、兄の帰りが遅いこともあって必要以上に話すことはない。

黒咲隼
エクシーズ次元出身。妹の瑠璃を救う為生徒会と手を組む。有宇とはウマが合わず自分の手で倒す事を望んでいる。ツンデレなのでライバルポジションになるかも。

乙坂隼翼
エクシーズ次元出身。有宇の兄にして奈緒の唯一信頼できる人。ただし有宇と歩未には共に過ごした記憶はない。アカデミアに対抗する為にランサーズを結成しようとするこのSSの社長ポジション。ペンデュラム召喚をマスターしたが、二回戦で有宇に敗れる。

熊耳
スタンダード出身。隼翼が選び出したランサーズ候補。隼翼からはプーと呼ばれてる。一回戦で有宇に敗れる。

希望があればシンクロ次元やるけど長くなりそうな上に個人的にあんまり好きじゃないんだよなぁ(汗) バトルロイヤル終わったら多分オリジナル展開になると思うけどシンクロ次元編の方がいい?
行かないならキャラくらいは出したいけど誰がいいかな?

179: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/10/15(木) 02:44:33.97 ID:RG8MyycJ0
ジャングルエリア

有宇「バトルだ! キメラテック・ランページ・ドラゴンで、ダイレクトアタック!」

有宇「アルティメット・エヴォリューション・バースト!」

「うわあああぁぁぁっ!」

LP0

有宇「はぁ…手ごたえなしか」

目時「…相変わらず強い強い」パチパチ

有宇「人のデュエルを影でこそこそと監視とはな」

目時「気づいてたんだ。でも監視じゃない、見学よ」

有宇「ランサーズの最優先候補さんが何の用だ? 他の二人はどうした?」

目時「彼らなら今、オベリスクフォースと呼ばれるアカデミアのデュエリストと戦ってる。等々おいでなすったみたい」

有宇「ふ〜ん。で、仕事をサボってまで僕に何を聞きたい?」

目時「サボってるは酷いなぁ。隼翼とのデュエルの時も思ったけど、本当に変わったね」

有宇「記憶をなくす前は知り合いだったのか?」

目時「そういう事、私も隼翼と同じハートランドの人間だから。幼馴染と言ってもいいかも」

有宇「幼馴染ね…で、本題は?」

目時「もう一度、歩未ちゃんとやり直して欲しいの。家族として」

有宇「あん?」

目時「隼翼はわかってた…望んであなた達の記憶を奪った。自分がいない間、あなたの成長が歩未ちゃんを守ってくれると信じて」

有宇「なんだそりゃ、随分と勝手だな。届かない願いを押し付け家族の思い出を消した後は研究室に引きこもり、妹の孤独な一年は見て見ぬ振り。挙句には成長した弟に敗北するか。恥ずかしくって腹を切るレベルじゃねぇか」

目時「隼翼はそんな人じゃないっ!」

有宇「は?」

目時「彼だって苦しんだ。あなた達の記憶を消したのもアカデミアから守る為…ハートランドが壊滅した時も、あなたが行方不明になった時だって、危険を承知でアカデミアに乗り込んで行った。何も知らないくせに――」

有宇「ああ、知らないさ。所詮今は他人だからな。だがな、守れたのか?」

目時「え?」

180: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/10/15(木) 02:48:16.11 ID:RG8MyycJ0
有宇「記憶を消したのは僕達をアカデミアから守る為なんだろ? だが僕はアカデミアに拉致され、地獄のような訓練を毎日のように受け、死んだ方がマシだと何度思ったかわかりゃあしない。それに僕がいない一年、歩未の前に姿を現さなかった理由にはならんな」

目時「有宇…」

有宇「ま、気持ちはわかるけどな。要は怖かったんだろ? 失った時間をどう埋めたらいいのかわからなかったんだ。駄目な兄貴だよ、お互い」

「なら、挽回のチャンスをあげるよ」

目時「っ…?」

有宇「…お前は」

素良「また会えて嬉しいよ、ユウ。この前は悪かったね、決着前に勝手に帰宅しちゃって」


熊耳「ジャングルエリアに紫雲院素良を確認した」

隼翼「戻ってきたか…一人か?」

熊耳「いや、二人居る。あれは…」


目時「歩未…ちゃん…?」

歩未「…………」

有宇「…おい、歩未に何をした?」

素良「ちょっとした暗示さ。今この子は僕の操り人形。命令には何でも従うよ」

目時「!?」

素良「さあ歩未、これから大好きなお兄さんが遊んでくれるってさ。デュエルするといいよ、お互いの存在を賭けてね」

有宇「存在を賭ける?」

素良「そうだよ、アカデミアとデュエルをやるんだ、それで負けた奴がカードにされるなんて今更だろ? それにこの子がつけてるディスクは特別でね、負ければ自動的にカード化される仕組みになっている。もちろん、自分自身も例外じゃない」

目時「な!?」

素良「だからと言って受けないはなしだよ、歩未とのデュエルを拒否すればこの場でこの子をカード化する」

有宇「貴様…」

素良「ずっと妹を遠ざけて来たんだろ? それを返上するチャンスじゃないか」

有宇「そうか…そうだな…」

目時「有宇っ?」

有宇「受けてやる。やろうか、歩未」

歩未(無言のデュエルディスクセット)

目時「あなた何を考えてるのっ?」

有宇「話聞いてなかったのか? 受けなければどっちにしても歩未は助からない」

目時「それはそうだけど…」

素良「ふふっ…その平静がいつまで持つか楽しみだよ」

「「デュエル」」

181: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/10/15(木) 03:29:16.44 ID:RG8MyycJ0

有宇LP4000

歩未LP4000

有宇「先行は僕がもらう。僕は《サイバー・ドラゴン・コア》を召喚!」

攻撃力400

有宇「このカードの召喚に成功した時、デッキからサイバーまたはサイバネティックと名のついた魔法・罠カードを手札に加える」

有宇「僕は、《サイバー・リペア・プラント》を選択」

有宇「さらにカードを一伏せて、ターンエンド」

有宇・伏せカード:一枚

目時「歩未ちゃん、一体どんなデッキを」

歩未「ドロー」

歩未「フィールド魔法、《Sin World》を発動」

歩未「ドローフェイズにドローをしないことで、デッキからSinカード一枚をランダムに手札に加えることができる」

目時「シン?」

歩未「エクストラデッキにある《スターダスト・ドラゴン》をゲームから除外」

歩未「《Sin スターダスト・ドラゴン》を特殊召喚!」

攻撃力2500

有宇「これは…?」

歩未「Sinと名のついたモンスターはフィールド上に1体しか存在できず、デッキにある対となるモンスターを除外することでのみ特殊召喚できる。代わりに、このカードが存在する限り、他のモンスターで攻撃宣言できない」

歩未「バトル。Sin スターダスト・ドラゴンで、サイバー・ドラゴン・コアを攻撃!」

有宇「くうっ…!」

有宇LP1900

目時「有宇…!」

歩未「カードを一枚伏せて、ターンエンド」

歩未・伏せカード:一枚

歩未には忍者が似合うと思ったんだけど、月影と被るから変えてみた。忍者期待してた人ごめん。

184: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/10/15(木) 14:17:00.29 ID:1PVkxAgCO
素良「あれれ〜? まともに受けちゃったよ」

有宇「僕のターン!」

有宇「僕はサイバー・ドラゴン・コアの効果発動!」

有宇「相手フィールドにモンスターが存在し、自分のフィールドにモンスターが存在しない時、墓地のコアを除外し、デッキからサイバー・ドラゴンと名のついたモンスター1体を特殊召喚する!」

有宇「僕は同じく、デッキの《サイバー・ドラゴン・コア》を特殊召喚!」

攻撃力400

有宇「さらに僕は、《サイバー・ドラゴン・ドライ》を召喚!」

攻撃力1800

有宇「このカードが召喚に成功した時、 自分フィールドにいる全てのサイバー・ドラゴンのレベルを5にできる」

サイバー・ドラゴン・コア(LV5)

サイバー・ドラゴン・ドライ(LV5)

目時「レベル5が二体…」

有宇「僕はレベル5となったサイバー・ドラゴン・コアとドライでオーバーレイ!」

有宇「エクシーズ召喚!」

有宇「現れろ、ランク5! 《サイバー・ドラゴン・ノヴァ》!」

攻撃力2100

有宇「さらに僕は、サイバー・ドラゴン・ノヴァをオーバーレイ・ユニットとしてオーバーレイ!」

有宇「偽りを捨て、機光龍の襲雷は終焉を迎える。革命と共に現れろ!」

有宇「エクシーズ召喚!」

有宇「ランク6! 《サイバー・ドラゴン・インフィニティ》!」

攻撃力2100

有宇「そして、オーバーレイ・ユニットにつき攻撃力を200ポイントポイントアップする」

サイバー・ドラゴン・インフィニティ(攻撃力2700)

有宇「サイバー・ドラゴン・インフィニティの効果発動!」

有宇「1ターンに1度、フィールドに存在する攻撃表示モンスター1体をオーバーレイ・ユニットにできる!」

有宇「サイバー・ドラゴン・インフィニティ! Sin スターダストを奪い取れ!」

サイバー・ドラゴン・インフィニティ(攻撃力2900)

目時「これで歩未ちゃんを守るもんスターはいない」

有宇「バトルだ! サイバー・ドラゴン・インフィニティで、歩未をダイレクトアタック!」

有宇「エターナル・フェニックス・エヴォリューション!」

目時「歩未ちゃん!」

歩未LP1100

歩未(無言の倒れこみ)

186: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/10/16(金) 13:47:08.62 ID:wj5oTxrvO
歩未(無言の立ち上がり)

有宇「まさにデュエルマシーンだな、僕はこれでターンエンド」

歩未「ドロー」

歩未「手札から魔法カード、《地砕き》を発動」

歩未「これにより、相手フィールドの守備力が一番高いモンスター1体を破壊する」

有宇「無駄だ。サイバー・ドラゴン・インフィニティの効果発動!

有宇「1ターンに1度、カードの効果が発動した時、オーバーレイ・ユニットをひとつ使い、その発動を無効にして破壊する!」

サイバー・ドラゴン・インフィニティ(攻撃力2700)

素良「ちっ…エクシーズのくせに。だけど…」

歩未「エクストラデッキにある《サイバー・エンド・ドラゴン》をゲームから除外する」

有宇「何?」

歩未「《Sin サイバー・エンド・ドラゴン》を特殊召喚!」

攻撃力4000

目時「Sin サイバー・エンド・ドラゴン!?」

有宇「あのハゲが…」

歩未「Sin サイバー・エンド・ドラゴンで、サイバー・ドラゴン・インフィニティを攻撃!」

有宇「ぐっ…!」

有宇LP600

素良「驚いた? これはプロフェッサーが歩未だけに与えたデッキさ」

有宇「別に驚いてない、前の歩未のデッキにこんなカードはなかった。あのハゲにしちゃ地味な感じだがな」

素良「ふふっ…すぐに凄さがわかるよ。それじゃあ僕はもう一人の方に行こうかな」

目時「待ちなさい! 歩未ちゃんは…!」

有宇「行かせてやれ、歩未に暗示をかけたのはプロフェッサーだろ。そいつを問い詰めるだけ時間の無駄だ」

素良「わかってんじゃん。じゃあね、また会える日を楽しみにしてるよ。またね」

目時「有宇…!」

有宇「心配するな、すぐに終わらせる」

目時「え?」


隼翼「歩未…有宇…」

187: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/10/16(金) 13:51:47.71 ID:wj5oTxrvO
有宇「僕のターン!」

有宇「僕は再びサイバー・ドラゴン・コアの効果発動!」

有宇「墓地のこのカードを除外し、デッキから三枚目の《サイバー・ドラゴン・コア》を特殊召喚!」

攻撃力400

目時「ここでコア…歩未ちゃんの場にはSin サイバー・エンド…ということは、隼翼とのデュエルで見せたあのモンスターを」

有宇(ここでエクストラデッキにある《キメラテック・フォートレス・ドラゴン》を使えば、Sin サイバー・エンドを融合素材にできる。歩未のライフは残り1100…終わりだな)

歩未「っ…」

有宇「?」

歩未「永続罠、《DNA改造手術》を発動」

歩未「このカードが存在する限り、 フィールドに表側表示で存在する全てのモンスターは宣言した種族になる」

歩未「ドラゴン族を宣言」

目時「種族を変更するカード…? これじゃあ」

有宇「なるほど…攻撃表示で出したのは失敗だったか。僕はターンエンド」

歩未「ドロー」

歩未「Sin サイバー・エンド・ドラゴンで、サイバー・ドラゴン・コアを攻撃!」

目時「攻撃力が違いすぎる。受けたら有宇は…!」

有宇「僕は、《オネスト》の効果発動!」

有宇「僕の場に存在する光属性モンスターがバトルを行うダメージステップ時、このカードを手札から墓地へ送る事で、エンドフェイズまでコアの攻撃力をSin サイバー・エンドの攻撃力分だけアップする!」

サイバー・ドラゴン・コア(攻撃力4400)

目時「攻撃力4400…!」

有宇「返り討ちにしろ、エヴォリューション・バースト!」

歩未LP700

188: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/10/16(金) 13:55:09.78 ID:wj5oTxrvO
歩未「このカードは通常召喚できない。自分の場のSinモンスターが破壊された時、ライフを半分払う事で特殊召喚できる」

有宇「何?」

歩未LP350

歩未「《Sin トゥルース・ドラゴン》を特殊召喚!」

攻撃力5000

目時「レベル12のモンスターを…!」

歩未「バトル再開。Sin トゥルース・ドラゴンで、サイバー・ドラゴン・コアを攻撃!」

有宇「罠発動! 《重力解除》!」

有宇「このカードは、フィールド上の全てのモンスターの表示形式を変更する!」

サイバー・ドラゴン・コア(守備力1500)

Sin トゥルース・ドラゴン(守備力5000)

目時「凌いだっ」

歩未「…ターンエンド」

有宇「残念だよ、本当に…」

目時「え?」

有宇「僕のターン!」

有宇「僕は手札から、《オーバーロード・フュージョン》を発動!」

有宇「自分フィールド・または墓地にある融合素材モンスターを除外し、機械族の融合モンスター1体を特殊召喚する!」

有宇「僕は墓地のサイバー・ドラゴンモンスター二体をゲームから除外!」

有宇「融合召喚!」

有宇「現れろ、《キメラテック・ランページ・ドラゴン》!」

攻撃力2100

目時「キメラテック・ランページ・ドラゴン!」


隼翼「有宇、お前…まさか…!」


有宇「キメラテック・ランページ・ドラゴンが融合召喚に成功した時、素材としたモンスターの数まで魔法・罠カードを破壊できる!」

有宇「僕はお前のフィールド魔法、Sin Worldと永続罠、DNA改造手術を破壊する!」

目時「フィールド魔法を…!」

有宇「そう…Sinモンスターはその効果により、フィールド魔法がなければ自動的に破壊される!」

歩未「Sin トゥルース・ドラゴンが…!」

目時「…!?」

有宇「…やっとリアクションしてくれたな、いい加減下手な芝居はやめろよ、歩未」

189: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/10/16(金) 14:03:40.35 ID:wj5oTxrvO
有宇「今だけは本気で向き合ってやる。だからお互いに無駄な小細工はやめようぜ」

歩未「流石です、お兄ちゃん…」

目時「歩未…ちゃん? いつから…」

歩未「…最初からです」


隼翼「歩未…どうして? 暗示にかけられてたんじゃ」

熊耳「どうやら、振りをしていただけのようだな」


目時「な、なんで…?」

歩未「お兄ちゃんとデュエルがしたかった…それだけなのです」

有宇「お前、自分が今どういう状況にあるのかわかってるのか?」

歩未「負けた方がカード化されるんだよね? もちろん」

有宇「…それがお前の選んだ道か? 歩未」

歩未「そうです…あゆ自身で考えて、選んだのです。プロフェッサーさんは、きっかけに過ぎなかっただけです」

有宇「そうか…」

歩未「あゆを叱らないんですか?」

有宇「お前なぁ…そんな気分にはなれん。ただ、もう一度会う時にはゆっくりとお説教な」

歩未「こんな時に呆れられた!? ちょっとショックなのです…」

有宇「代わりに今はお前の愚痴を聞いてやるよ。しばらくは会えそうにないしな、何か言う事はあるか? 伝言でもいいぞ」

歩未「じゃあ、二人のお兄ちゃんに一言だけいいですか?」

目時「っ!?」


隼翼「二人…?」

熊耳(あの子…まさか…)


歩未「嘘つき」


隼翼「っ!」ドクン!

有宇「………」

有宇「有宇お兄ちゃん、もう一人のお兄ちゃんにもそう伝えて下さい」

有宇「…ああ、他はいいのか?」


隼翼「やめろ…」


歩未「デュエリストに二言はないでこざるー!」


有宇「…バトルだ! キメラテック・ランページ・ドラゴン!」


隼翼「やめてくれ、有宇!」


有宇「歩未をダイレクトアタック!」

有宇「アルティメット・エヴォリューション・バースト! 」


隼翼「やめろぉぉぉーっ!」

歩未「ううっ…あああああぁぁぁっ!」

歩未LP0

190: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/10/16(金) 14:15:23.12 ID:wj5oTxrvO
歩未「ぐっ…」倒れ込む


隼翼「歩未ィィィ!!」


歩未「お兄ちゃん…ぁ…」ビー!

目時「っ!」


熊耳「カード化されたか…」


目時「あれで良かったの…?」

有宇「歩未自身が選んだ道だ。最後の我が儘くらいは許してやる」

目時「一つ聞いていい?」

有宇「なんだ?」

目時「もしも歩未ちゃんが本当の意味で暗示をかけられていたとしたら、あなたはわざと負けた?」

有宇「んなわけあるかよ、それはもはや歩未じゃない。むしろ遠慮なく潰しただろうな」

目時「本当、いい性格してるわね、あなた…」


隼翼「っ!!」壁ドン

隼翼「何故だ! 有宇! お前は、どうして…!?」


有宇『あ、カメラこっち?』

隼翼「!?」

有宇『聞こえるか? どうせ見てたんだろうが、伝言だから伝えとく』

有宇『嘘つき。はい伝言終了』

隼翼「っ…」

有宇『そろそろあっちのデュエルも終わってる頃だろう? 僕は昼寝でもして待ってる。必要になったら呼びに来い。じゃあな』


192: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/10/17(土) 03:33:37.19 ID:UgQWhLYY0
氷山エリア

奈緒「いないっすね」

セレナ「どこに行ったんだ、ユウは。違うオベリスクフォースに気づかれる前に探したいところだが」

オベリスクフォース「セレナ様!」

奈緒「って言ってる側から来やがった」

オベリスクフォース「お戻りください、セレナ様」

オベリスクフォース「プロフェッサーがお待ちです」

セレナ「間の悪い奴らが…いいだろう。力ずくでやるがいい」

奈緒「三人か…仕方ない。手を貸しますよ」

月影「拙者も参戦する」

セレナ「…! お前、いつの間に…!」

月影「一度引き受けた任務は命をかけて遂行する。それが我ら風魔一族の掟」

オベリスクフォース「こうなっては容赦はできません」

「「「「「「デュエル」」」」」」


熊耳「氷山エリアに別のオベリスクフォースが出現。友利奈緒に月影、それにセレナがデュエルを始めている」

隼翼「………」

熊耳「乗り越えろ。思いは有宇も同じだ、ここで立ち止まったらまたハートランドのような悲劇を招く事になるんだぞ?」

隼翼「…わかってるよ、火山エリアはどうなってる? 映してくれ」

193: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/10/17(土) 03:36:15.24 ID:UgQWhLYY0
火山エリア

オベリスクフォース「《古代の機械究極猟犬(アンティーク・ギア・アルティメット・ハウンドドッグ)》の効果発動!」

オベリスクフォース「このカードが融合召喚に成功した場合、相手のライフを半分にする!」

前泊「うわああぁぁぁっ!」
七野「ぐあああぁぁぁっ!」

前泊LP600

七野LP700

オベリスクフォース「さらにこのカードは一度のバトルフェイズ中に三回まで攻撃できる! 終わりだ!」

オベリスクフォース「アルティメット・ハウンドドッグで、ダイレクトアタック!」

前泊「うわああぁぁぁっ!」

前泊LP0

七野「前泊!!」

前泊「ごめん、七野、隼…」

オベリスクフォース「くっくっくっ…」ビー!

七野「…! やめろぉぉぉーっ!」

前泊、カード化される。

七野「てめぇら…!」

オベリスクフォース「俺達三人を相手にたった二人で挑んで来たのは褒めてやるが、この様じゃな」

オベリスクフォース「さっさとやっちまえよ」

オベリスクフォース「おう! フィナーレだ! アルティメット・ハウンドドッグで、ダイレクトアタック!」

七野「くっ…!」

「私は手札から、《バトル・フェーダー》を特殊召喚!」

守備力0

七野「!?」

「このカードは、相手モンスターのダイレクトアタック宣言時に手札から特殊召喚し、このターンのバトルフェイズを強制終了させます!」

オベリスクフォース「なんだと!?」


熊耳「火山エリアに乱入者が現れた」

隼翼「乱入者? 敵の増援かっ?」

熊耳「いや、あれは…」


七野「あんた、一体…」

「私ですか?」

「私は白柳弓…シンクロ次元のデュエリストです」

195: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/10/17(土) 14:21:48.50 ID:qfsRvjytO
 
白柳「三対二なんて卑劣な真似は許せません。申し訳ありませんが、ここは私も参戦させてもらいます。私のターン!」

七野LP700
手札:1
モンスター:なし
魔法・罠:なし
伏せカード:なし

オベリスクフォースLP1300
手札:2
モンスター:古代の機械猟犬(攻撃力1000)
魔法・罠:なし
伏せカード:なし

オベリスクフォースLP1500
手札:1
モンスター:古代の機械双頭猟犬(攻撃力1400)
魔法・罠:なし
伏せカード:なし

オベリスクフォースLP2000
手札:0
モンスター:古代の機械究極猟犬(攻撃力2800)
魔法・罠:なし
伏せカード:なし

白柳「私は手札から、《ジャンク・ジャイアント》を特殊召喚!」

攻撃力2000

白柳「相手フィールドにレベル5以上のモンスターが存在する時、 このカードは手札から特殊召喚できます」

白柳「さらにチューナーモンスター、《トップ・ランナー》を召喚!」

攻撃力1100

七野「チューナーモンスター…」

白柳「私はレベル1のバトル・フェーダーに、レベル4のトップ・ランナーをチューニング!」

白柳「シンクロ召喚!」

白柳「レベル5! 《カタパルト・ウォリアー》!」

守備力1500

オベリスクフォース「だが、アンティーク・ギア・ダブルバイト・ハウンドドッグの効果発動!」

オベリスクフォース「相手がモンスターを召喚・特殊召喚した時、そのモンスターにギア・アシッドカウンターを乗せ、ギア・アシッドカウンターの乗ったモンスターがバトルするダメージステップ開始時、そのモンスターを破壊する!」

白柳「そんな効果は意味がありません。カタパルト・ウォリアーの効果発動!」

白柳「自分フィールドに存在するジャンクモンスター1体をリリースすることで、リリースしたモンスターの元々の攻撃力分のダメージを相手ライフに与える!」

オベリスクフォース「何!?」
オベリスクフォース「何!?」
オベリスクフォース「何!?」

七野「ジャンク・ジャイアントの攻撃力は2000!」

白柳「よって、あなた方全員には2000ポイントのダメージを受けてもらいます! 射出!」

オベリスクフォース「ぐああぁぁぁっ!」
オベリスクフォース「ぐああぁぁぁっ!」
オベリスクフォース「ぐああぁぁぁっ!」

オベリスクフォース三組LP0

七野「か、勝った…?」


熊耳「前泊と七野があれだけ苦戦した相手を、たった1ターンで…」

隼翼「シンクロ次元のデュエリスト…」

197: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/10/18(日) 03:10:42.52 ID:lDJO3UbR0
熊耳「シンクロ次元のデュエリストが、何故ここに…」

隼翼「彼女は七野のピンチを救い、融合次元のアカデミアを殲滅した。シンクロは…敵ではないか」

熊耳「どこに行く?」

隼翼「こうなっては止むを得ない。観客席に居る二人に援護を頼もう。それに、彼女に会う」

熊耳「信用できるのか?」

隼翼「それも含めてだ」

沢渡「よう、あんたらが主犯か?」

熊耳「…? お前は沢渡シンゴ…何故ここに?」

沢渡「んなことパパの力でどうにでもなる! それよりふざけんな! バトルロイヤルの中継カメラを全部切りやがって!」

隼翼「見たいのか?」

沢渡「当たり前だ。この大会の優勝したデュエリストを俺が倒す。そうすれば必然的に俺様がチャンピオンって訳だ」

隼翼「なるほど…なら君だけに見せてやってもいい」

熊耳「お前、まさか…」

隼翼「沢渡シンゴ、敗者復活戦をやってみる気はないか?」

沢渡「敗者復活戦?」


古代遺跡エリア

素良「やあ、待ち遠しかったよ、黒咲隼。君とまた会える日をね」

黒咲「やって来たのは貴様一人か?」

素良「いいや、もう一人いるよ。そしてこいつが今日の君の相手さ」

一希「………」

黒咲(なんだこいつは? まるで人形のようだが…)

素良「そんな顔しなくてもいいんじゃない? 元々廃人のような人間だったんだ。デュエルが出来るようになっただけでもありがたいと思ってよね?」

黒咲「くだらん」デュエルディスクセット

素良「おっ、やる気? いいねぇ、そうこなくっちゃ」

一希(無言のデュエルディスクセット)

「「デュエル」」

198: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/10/18(日) 03:16:09.04 ID:lDJO3UbR0
黒咲LP4000

一希LP4000

黒咲「先行はもらった。俺は《RR-バニシング・レイニアス》を召喚!」

攻撃力1300

黒咲「このカードが召喚・特殊召喚に成功したターンのメインフェイズに1度、手札からレベル4以下のRR1体を特殊召喚する」

黒咲「《RR-インペイル・レイニアス》を特殊召喚!」

攻撃力1700

黒咲「俺はレベル4のバニシングとインペイル・レイニアスでオーバーレイ!」

黒咲「冥府の猛禽よ、闇の眼力で真実をあばき、鋭き鉤爪で栄光をもぎ取れ!」

黒咲「エクシーズ召喚!」

黒咲「飛来せよ、ランク4!《RR-フォース・ストリクス》!」

守備力2000

黒咲「このカードは1ターンに1度、オーバーレイ・ユニットを一つ使うことで、デッキから闇属性・鳥獣族・レベル4のモンスターを手札に加える」

黒咲「俺は、バニシング・レイニアスを選択」

黒咲「さらにカードを二枚伏せ、ターンエンド」

黒咲・伏せカード:二枚

一希「俺のターン…ドロー」

一希「俺は、《ヴェルズ・マンドラゴ》を特殊召喚」

攻撃力1450

一希「このカードは、相手モンスターの数が自分フィールド上のモンスターの数より多い時、手札から特殊召喚できる」

一希「さらに、《ヴェルズ・サラマンドラ》を召喚」

攻撃力1850

一希「俺はレベル4のヴェルズ・サラマンドラとヴェルズ・マンドラゴでオーバーレイ」

黒咲「何!?」

一希「エクシーズ召喚!」

一希「ランク4! 《ヴェルズ・オピオン》!」

攻撃力2550

黒咲「エクシーズだと? 何故アカデミアのデュエリストがっ」

素良「?」

素良(知らないのか? 黒咲は、彼を知らない…?)

199: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/10/18(日) 18:42:48.40 ID:gEoSRzgpO
セレナ「融合召喚!」

セレナ「現れ出でよ、《月光舞猫姫(ムーンライト・キャット・ダンサー )》!」

攻撃力2400

セレナ「速攻で終わらせてやる!」

オベリスクフォース「無駄ですよ、罠発動! 《融合失敗》!」

オベリスクフォース「融合モンスターが特殊召喚された時、フィールドに存在する全ての融合モンスターをデッキに戻す!」

セレナ「何!?」

奈緒「キャット・ダンサーがエクストラデッキに…」

月影「あの三人が今まで融合召喚を使って来なかったのは自分のモンスターが巻き込むのを恐れた為という訳か」

セレナ「くっ…ターンエンド」

奈緒LP2800
手札:4
モンスター:なし
魔法・罠:なし
伏せカード:一枚

セレナLP4000
手札:2
モンスター:なし
魔法・罠:なし
伏せカード:なし

月影LP2000
手札:2
モンスター:黄昏の忍者-シンゲツ(攻撃力1500)
魔法・罠:結界忍法-影寄せの術
伏せカード:一枚

オベリスクフォースLP4000
手札:3
モンスター:古代の機械猟犬(攻撃力1000)
魔法・罠:なし
伏せカード:一枚

オベリスクフォースLP4000
手札:4
モンスター:古代の機械猟犬(攻撃力1000)
魔法・罠:なし
伏せカード:なし

オベリスクフォースLP4000
手札:5
モンスタ:古代の機械猟犬(攻撃力1000)
魔法・罠:なし
伏せカード:なし

オベリスクフォース「俺のターン!」

オベリスクフォース「俺は魔法カード、《融合》を発動! 」

オベリスクフォース「場と手札にある三体の古代の機械猟犬を融合!」

オベリスクフォース「融合召喚!」

オベリスクフォース「現れろ、《機械参頭猟犬(アンティーク・ギア・トリプルバイト・ハウンドドッグ)》!」

攻撃力1800

月影「結界忍法-影寄せの術の効果発動!」

月影「ライフ半分をコストに、このターンのバトルを強制終了させる!」

月影LP1000

月影「くっ…」

オベリスクフォース「俺はカードを二枚伏せ、ターンエンド」

奈緒(月影はもう限界だ、セレナもライフこそ無傷だか、融合モンスターを失った事で大幅なアドバンテージを…ここは私がやるしかないっすね)

200: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/10/18(日) 18:46:10.00 ID:gEoSRzgpO
奈緒「私のターン!」

奈緒「私は《セイクリッド・ポルクス》を召喚!」

攻撃力1700

奈緒「このカードが召喚に成功したターン、通常召喚に加えて1度だけセイクリッドモンスター1体を召喚できます」

奈緒「さらに《セイクリッド・カウスト》を通常召喚!」

攻撃力1800

奈緒「セイクリッド・カウストの効果により、セイクリッド・カウスト、ポルクスのレベルをひとつずつ上げる」

セイクリッド・ポルクス(LV5)

セイクリッド・カウスト(LV5)

セレナ「嫌という程見た光景だな」

奈緒「いや、あんただけには言われたくないっす」

オベリスクフォース「くっくっくっ…なら、今度は別の光景を見せてやろうか?」

奈緒「何?」

オベリスクフォース「罠発動! 《グリザイユの牢獄》!」

オベリスクフォース「自分フィールドにアドバンス召喚・儀式召喚・融合召喚したモンスターしたいずれかが存在する場合、次の相手ターン終了時まで、 お互いにシンクロ・エクシーズ召喚は行えず、 シンクロ・エクシーズモンスターは効果が無効化され、攻撃もできない!」

奈緒「な!?」

セレナ「エクシーズ召喚封じかっ」

月影「同時に、他次元に対抗するカードにもなる…よく考えられているな」

奈緒「仕方ない、ならば戦闘で倒すまでです。私はセイクリッド・カウストで、トリプルバイト・ハウンドドッグを攻撃!」

オベリスクフォース「罠発動! 《聖なるバリア -ミラーフォース-》!」

オベリスクフォース「相手モンスターの攻撃宣言時に発動し、相手フィールドの攻撃表示モンスターを全て破壊する!」

奈緒「何!?」

オベリスクフォース「お前の二枚のモンスターはもちろん、忍者も道連れだ!」

奈緒「くっ…!」

セレナ「くそっ、オベリスクフォースがここまでやるとは」


熊耳「まずい、三人の場にモンスターがいなくなった…」

プルルルル… プルルルル…

熊耳「俺だ。まだか隼翼? とてもじゃないが、あの三人では厳しい。一刻も早く援護を」

隼翼『観客席に居た二人にはすでに連絡した。残る敵の数は?』

熊耳「おそらく、紫雲院素良と残るオベリスクフォースは三人、それに友利一希、ヤツは今黒咲と戦っている」

隼翼『黒咲と? それじゃあまた…』

熊耳「ああ…止めるのか?」

隼翼『当たり前だ。奈緒ちゃんにこんな重荷は背負わせない。黒咲の連絡先は…知らないか』

熊耳「必要なら俺が行こう」

隼翼『いいや、俺が行く。プーは引き続き監視を頼む』

熊耳「わかったよ、無理はするなよ」

隼翼『ああ、切るぞ』ピッ

202: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/10/18(日) 21:55:50.36 ID:gEoSRzgpO
古代遺跡エリア

黒咲LP4000
手札:2
モンスター:RR-フォース・ストリクス(守備力2000)
魔法・罠:なし
伏せカード:二枚

一希LP4000
手札:4
モンスター:ヴェルズ・オピオン(攻撃力2550)
魔法・罠:なし
伏せカード:なし

一希「ヴェルズ・オピオンの効果発動」

一希「オーバーレイ・ユニットを一つ使い、デッキから侵略のと名のついた魔法・罠カード1枚を手札に加える」

一希「俺は、《侵略の汎発感染》を選択」

一希「さらにヴェルズ・オピオンにオーバーレイ・ユニットが存在する時、レベル5以上のモンスターを特殊召喚できない」

黒咲「レベル5以上の特殊召喚を封じる…?」

一希「ヴェルズ・オピオンで、フォース・ストリクスを攻撃!」

黒咲「罠発動! 《攻撃の無敵化》!」

黒咲「このバトルの間、フォース・ストリクスは破壊されない!」

一希「俺はカードを二枚伏せて、ターンエンド」

一希・伏せカード:二枚

黒咲(ヤツの正体を見極める)

黒咲「俺のターン!」

黒咲「フォース・ストリクスのオーバーレイ・ユニットを使い、デッキから闇属性・鳥獣族・レベル4のモンスターを手札に加える」

黒咲「さらに俺は、《RUM-レイド・フォース》を発動!」

素良「っ…」

黒咲「フォース・ストリクスを素材に、ランクの一つ高いRRにランクアップさせる!」

黒咲「獰猛なるハヤブサよ。激戦を切り抜けしその翼翻し、寄せ来る敵を打ち破れ!」

黒咲「ランクアップ・エクシーズ・チェンジ!」

黒咲「現れろ、ランク5!《RR-ブレイズ・ファルコン》!」

攻撃力1000

素良「ランクアップ…」

黒咲「俺は再び、バニシング・レイニアスを召喚!」

攻撃力1300

黒咲「その効果により、手札の《RR-トリビュート・レイニアス》を特殊召喚!」

攻撃力1800

黒咲「このカードが召喚・特殊召喚に成功したターンの自分メインフェイズ、デッキからRRカード1枚を墓地へ送る!」

黒咲「仕込みは終わった。ブレイズ・ファルコンはオーバーレイ・ユニットがある時、ダイレクトアタックできる!」

一希LP3000

黒咲「そして、ブレイズ・ファルコンが相手にバトルダメージを与えた時、 相手フィールドのモンスター1体を破壊する!」

素良(まずい、バニシング・レイニアスとトリビュート・レイニアスの攻撃力の合計は3100。次の二体の攻撃を受けたら)

黒咲「いけ、バニシング・レイニアス! トリビュート・レイニアス! ダイレクトアタック!」

203: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/10/18(日) 22:40:04.08 ID:gEoSRzgpO
ジャングルエリア

目時「わかった。じゃあこれから七野と合流して、うん…それじゃあ」ピッ

目時(七野はどうにか勝てたみたいだけど、前泊が…っ)

目時(終わった事を悔やんでもしょうがない、それはハートランドでの戦いで十分にわかってる。カードになった前泊もきっとそれを望んじゃいない)

目時「でも、残された者にとってこれ以上辛い事はないのよ…」

「なら、お前もすぐに同じ目に合わせてやるよ」

目時「っ!? あなた達…!」

オベリスクフォース「こんなチンケな次元で助っ人探しか? どうせならシンクロ次元に行けば良かったのに、まあエクシーズの負け犬には相応しい逃げ場だけどな」

目時「よくも前泊を…!」

オベリスクフォース「何のことか知らねえが、ユウはどこにいる?」

オベリスクフォース「それを言えば見逃してやってもいいぜ?」

目時「さあ? 力ずくで聞いたらどう?」

オベリスクフォース「たった一人で俺達にデュエルを挑むつもりかい?」

目時「前泊の無念は私が晴らす!」

オベリスクフォース「このお姉さんやる気だぜ」

オベリスクフォース「なら身の程をわからせてやる」

日影「一人では無理だ」

目時「っ…あなた、日影? なんで…」

日影「仲間の危機に助太刀するのに理由などない。敵討ちとあらば尚更」

オベリスクフォース「一人に増えようが、所詮俺達の敵じゃない」

目時「それはやってみないとね」

「「「「「デュエル」」」」」

204: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/10/18(日) 22:45:37.23 ID:gEoSRzgpO
火山エリア

オベリスクフォース「現れろ、レベル9! 《古代の機械究極猟犬(アンティーク・ギア・アルティメット・ハウンドドッグ)》!」

攻撃力2800

オベリスクフォース「アルティメット・ハウンドドッグの効果発動!」

オベリスクフォース「このカードが融合召喚に成功した時、全ての相手ライフを半分にする!」

月影「ぐうっ!」
奈緒「ああぁぁぁっ!」
セレナ「ぐあああぁぁぁっ!」

月影LP500

奈緒LP1400

セレナLP2000

奈緒「くっ…やばいっすね、本格的に」

オベリスクフォース「やばいだと? お前らはもう詰んでるんだよ」

オベリスクフォース「アンティーク・ギア・アルティメット・ハウンドドッグのさらなる効果! それは一度のバトルフェイズに三回まで攻撃できる!」

セレナ「なんだと!?」

オベリスクフォース「まずは一番目障りな忍者を血祭りだ! アルティメット・ハウンドドッグで、ダイレクトアタック!」

奈緒「月影!」

「俺は手札から、《虹クリボー》の効果発動!」

「相手モンスターの攻撃宣言時に発動でき、このカードを装備カード扱いとして相手に装備する!」

「そして、このカードを装備しているモンスターは今後攻撃できない!」

オベリスクフォース「な!?」

セレナ「っ…誰だ!?」

美砂「とんだ様だな友利、それでも私に勝った女かよ」

奈緒「美砂さん? もう一人は…?」

沢渡「忘れられてるとは随分だなお嬢さん、だが安心しな。俺が来たからには百人力だぜ! 話は全て聞いた!」

(乱入ペナルティー 2000ポイント!)

沢渡「へ?」

沢渡「ぎゃあああああぁぁぁっ! 聞いてねえよぉぉぉーっ!」

沢渡LP2000


熊耳「言い忘れた。というより、このシステムは邪魔だな。切っておこう」

206: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/10/19(月) 03:54:59.37 ID:WxpTIyYu0
沢渡「さあ、気を取り直していくぜ、俺のターン!」

沢渡「俺は手札から、速攻魔法、《帝王の烈旋》を発動!」

沢渡「このターン、アドバンス召喚のために自分のモンスターをリリースする場合に1度だけ、 自分フィールドのモンスター1体の代わりに相手フィールドのモンスター1体をリリースできる」

オベリスクフォース「相手モンスターをリリースに!?」

沢渡「俺はアンティーク・ギア・アルティメット・ハウンドドッグをリリース!」

沢渡「出でよ、《邪帝ガイウス》!」

攻撃力2400

沢渡「さらに、ガイウスの効果発動!」

沢渡「このカードがアドバンス召喚に成功した時、フィールド上のカード一枚をゲームから除外する!」

沢渡「俺は、アンティーク・ギア・ハウンドドッグを除外!」

オベリスクフォース「くっ…」

沢渡「バトルだ! 俺はガイウスで、もう一体のアンティーク・ギア・ハウンドドッグを攻撃!」

オベリスクフォース「ぐああぁぁぁっ!」

オベリスクフォースLP2600

沢渡「ターンエンド」

美砂「これであいつらの場は丸裸。一番おいしいところはもらうぜ。私のターン!」

沢渡「っておい、乱入ペナルティーは!?」

207: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/10/19(月) 03:59:43.00 ID:WxpTIyYu0
美砂「私は手札から、《BF-蒼炎のシュラ》を召喚!」

攻撃力1800

美砂「さらに、《BF-残夜のクリス》を特殊召喚!」

攻撃力1900

美砂「こいつは自分の場にBFが存在する時、特殊召喚できる。そしてこいつも同じようにな」

美砂「手札から《BF-黒槍のブラスト》二体を特殊召喚!」

攻撃力1700

攻撃力1700

セレナ「一気にモンスターが四体…」

奈緒「相変わらずのインチキ展開力っすね」

美砂「まだ終わらねえぜ。魔法カード、《死者蘇生》を発動!」

美砂「これにより、友利の墓地にある《迅雷の騎士 ガイアドラグーン》を復活させる!」

攻撃力2600

沢渡「よっしゃ行けるぜっ」

美砂「バトルだ! 私はガイアドラグーンで、ライフが減っているオベリスクフォースをダイレクトアタック!」

オベリスクフォース「ぐあああぁぁぁっ!」

オベリスクフォースLP0

美砂「さらに黒槍のブラスト二体で、ダイレクトとアタック! そして手札の《BF-月影のカルート》の効果発動!」

美砂「BFがバトルを行う時、このカードを手札から墓地へ送り、そのモンスターの攻撃力を1400アップさせる!」

BF-黒槍のブラスト(攻撃力3100)

オベリスクフォース「うわああぁぁぁっ!」

オベリスクフォースLP0

美砂「まだまだやるぜ! 残夜のクリスと蒼炎のシュラで、ダイレクトアタック!」

オベリスクフォース「ぐああああぁぁぁっ!」

オベリスクフォースLP300

セレナ「駄目だ、まだ倒しきれないっ」

オベリスクフォース「随分と…好き勝手やってくれたじゃねぇか! だがまだ俺のライフは残っている! 次のターン、お前を最初にカード化してやる!」

美砂「悪いな、好き勝手はまだ続くんだ。私はレベル4の黒槍のブラスト二体でオーバーレイ!」

奈緒「な!?」

美砂「エクシーズ召喚!」

美砂「現れろ、ランク4! 《ガガガガンマン》!」

守備力2400

美砂「これで終わりだ! このモンスターが守備表示の時、1ターンに1度、オーバーレイ・ユニットを一つ使い、相手に800ポイントのダメージを与える!」

オベリスクフォース「ぐああぁぁぁっ!」

オベリスクフォースLP0

月影「ワンターンスリーキルゥ…」

沢渡「やったぜ、ざまあみやがれ! オーイエス!」

209: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/10/19(月) 18:43:22.40 ID:323pjSy0O
古代遺跡エリア

黒咲LP4000
手札:1
モンスター:RR-ブレイズ・ファルコン(攻撃力1000)
モンスター:RR-バニシング・レイニアス(攻撃力1300)
モンスター:RR-トリビュート・レイニアス(攻撃力1800)
魔法・罠:なし
伏せカード:一枚

一希LP3000
手札:2
モンスター:なし
魔法・罠:なし
伏せカード:二枚

「いけ、バニシング・レイニアス! トリビュート・レイニアス! ダイレクトアタック!」

一希「罠カード、《コンフュージョン・チャフ》発動!」

一希「このカードは、相手プレイヤーの二回目のダイレクトアタック宣言時、そのモンスターと最初に攻撃したモンスターとで強制的にバトルさせる」

黒咲「なんだと!?」

一希「トリビュート・レイニアスの攻撃対象を、ブレイズ・ファルコンに変更」

黒咲「ぐぅっ」

黒咲LP3200

素良「そう、それでいいんだ」

黒咲「だがもう一体の攻撃が残っている。いけ!」

一希LP1700

黒咲「俺はバニシング・レイニアスとトリビュート・レイニアスでオーバーレイ!」

黒咲「今一度飛来せよ! 《RR-フォース・ストリクス》!」

守備力2000

黒咲「フォース・ストリクスの効果により、デッキから三枚目のバニシング・レイニアスを手札に加える」

黒咲「俺はカードを一枚伏せて、ターンエンド」

黒咲・伏せカード:二枚

一希「俺のターン…ドロー」

一希「俺は《ヴェルズ・カストル》を召喚」

攻撃力1750

一希「このカードが召喚に成功した時、通常召喚に加えてヴェルズモンスター1体を召喚できる」

一希「俺は手札から、《ヴェルズ・ヘリオロープ》を召喚」

攻撃力1950

一希「レベル4のヴェルズ・カストルとヘリオロープをオーバーレイ!」

一希「エクシーズ召喚!」

一希「現れろ、ランク4! 《ヴェルズ・バハムート》!」

攻撃力2350

黒咲「やはりエクシーズ…」

210: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/10/19(月) 18:46:26.71 ID:323pjSy0O
黒咲「俺はヴェルズ・バハムートを対象に、罠カードオープン! 《強制脱出装置》!」

黒咲「フィールドのモンスター1体を持ち主の手札に戻す!」

一希「リバースカードオープン。速攻魔法、《侵略の汎発感染》」

一希「このターン、ヴェルズモンスターは魔法・罠の効果を受けない」

黒咲「くっ…」

一希「ヴェルズ・バハムートの効果発動」

一希「1ターンに1度、手札のヴェルズと名のつくモンスター1体とオーバーレイ・ユニットを使うことで、相手モンスター1体のコントロールを得る」

黒咲「なんだと!?」

一希「俺は手札の《ヴェルズ・サラマンドラ》を墓地に送り、フォース・ストリクスのコントロールを奪い取る」

黒咲「くっ…」

一希「バトル。ヴェルズ・バハムートで、ダイレクトアタック!」

黒咲「ぐあああぁぁぁっ!」

黒咲LP850

素良「いいよぉ一希、今度こそ僕達が勝つ、絶対にね!」

隼翼「黒咲!」

黒咲「っ!」

素良「…? 誰だ?」

黒咲「貴様は…乙坂有宇の…」

隼翼「今すぐデュエルを中止してくれ。彼は味方だ!」

211: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/10/19(月) 19:11:46.56 ID:323pjSy0O
………。

歩未『痛い…痛いよ…』

歩未『なんで、お兄ちゃんは死んでないの…?』

歩未『なんで、私はカード化されたのですか…?』

歩未『あゆを守ってくれるって約束したのに…』

歩未『嘘つき』

歩未『嘘つき嘘つき嘘つき嘘つき嘘つき嘘つき嘘つき嘘つき嘘つき嘘つき嘘つき嘘つき嘘つき嘘つき嘘つき』


ジャングルエリア

有宇「っ!」飛び起きる

有宇「はぁ…はぁ…はぁ…夢かよ」

有宇(随分と寝ちまってみたいだな。携帯に連絡は…なしか。紫雲院素良はどうなった? 友…じゃなかったな。奈緒や黒咲達は…)


目時「日影!」

高城「くっ…!」


有宇「あ?」

有宇(あれは、目時と高城? 一緒に居るのは…)


オベリスクフォース「これが最後の攻撃だ! アンティーク・ギア・アルティメット・ハウンドドッグで、ダイレクトアタック!」

日影「ぐおおぉぉぉ…!!」

日影LP0

高城「日影さん!」

日影「無念…!」

オベリスクフォース「くっくっくっ…」ビー!

目時「…! やめて! やめなさい!」

日影、カード化される。

高城「くっ…!」

オベリスクフォース「せっかく乱入して来たのに残念だったな小僧」

オベリスクフォース「お前らもすぐにこいつと同じ運命だ」

有宇「融合、アンティーク・ギア、まさかお前らがオベリスクフォースだったとはな」

高城「!?」

目時「有宇!」

オベリスクフォース「お前は、ユウ!」

オベリスクフォース「手間が省けたぜ、まさかお前の方から出向いてくれるとはな」

オベリスクフォース「大人しくついて来れば良し、でなきゃどうなるかわかるよなぁ? 前のように」

有宇「変わらんな…アカデミアに居た時もそうやってお前らで僕を構ってくれたよなぁ」

高城「乙坂さん…?」

有宇(無言のゲス顏)

212: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/10/20(火) 00:19:46.97 ID:FtKgJ5M60
古代遺跡エリア

隼翼「彼の名前は友利一希、奈緒ちゃんの兄だ」

黒咲「一希? 友利奈緒の…兄…?」

素良「ばれちゃったか…でもね、今更気がついても遅いんだよ」

隼翼「デュエルは中止だ黒咲、このままではどちらかが」

素良「駄目だね。今の彼は僕の操り人形…君がターンを進めなきゃ今すぐカードにしちゃうけど」

黒咲「貴様…」

素良「さあ、どうする? 黒咲隼」

黒咲「くっ…俺のターン!」

黒咲「罠発動! 《エクシーズ・リボーン》!」

黒咲「このカードは、墓地にあるエクシーズモンスター1体を特殊召喚する!」

黒咲「蘇れ、ブレイズ・ファルコン!」

攻撃力1000

黒咲「さらにこの効果が発動した時、エクシーズ・リボーンは復活させたモンスターのオーバーレイ・ユニットとして扱える!」

黒咲「そして、ブレイズ・ファルコンの効果発動!」

黒咲「オーバーレイ・ユニットを一つ使い、相手フィールドの特殊召喚されたモンスターを全て破壊し、 破壊したモンスター×500ポイントのダメージを与える!」

黒咲「貴様の場に特殊召喚したモンスターはヴェルズ・バハムートとフォース・ストリクスの二体。よって1000ポイントのダメージだ!」

一希LP700

隼翼「これで彼のライフは700…モンスターも伏せカードもない。ブレイズ・ファルコンのダイレクトアタックが決まれば、黒咲の勝ちが決まる…」

素良「さあ、どうした? 攻撃しないのかい?」

黒咲「くっ…」

素良「情が移ったか? そうだよねぇ、肉親を奪われる痛みは君が一番よく知ってる。それをせっかくできた新しい仲間に味合わず事なんて出来るわけないよねぇ」

黒咲「貴様…!」

素良「早くしなよ、彼も待ちくたびれてるよ?」

黒咲「…俺はこれでターンエンド」

215: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/10/20(火) 01:04:42.47 ID:FtKgJ5M60
隼翼「黒咲…」

素良「ふふっ…そうだよ、君はそうするしかないのさ」

一希「俺のターン」

一希「俺は、《ヴェルズ・ケルキオン》を召喚」

攻撃力1600

一希「ヴェルズ・ケルキオンの効果発動」

一希「墓地のヴェルズモンスター1体をゲームから除外し、墓地にあるヴェルズモンスター1体を手札に加えることができる」

一希「墓地の《ヴェルズ・カストル》をゲームから除外し、《ヴェルズ・サラマンドラ》を手札に回収」

一希「さらに、この効果を適用したターンのメインフェイズ時に1度、ヴェルズモンスター1体を召喚できる」

一希「俺は《ヴェルズ・サラマンドラ》を召喚」

攻撃力1850

一希「ヴェルズ・カストルとサラマンドラでオーバーレイ・ネットワークを構築」

一希「エクシーズ召喚!」

一希「ランク4! 《ヴェルズ・オピオン》!」

攻撃力2550

一希「俺はオーバーレイ・ユニットを一つ使い、デッキから《侵略の汎発感染》を手札に加える」

一希「バトル。ヴェルズ・オピオンで、ブレイズ・ファルコンを攻撃!」

黒咲「トリビュート・レイニアスの効果で墓地に送った《RR-レディネス》の効果発動!」

黒咲「俺の墓地にRRモンスターが存在する時、墓地のこのカードを除外し、このターンに受ける全てのダメージを無効にする!」

素良「ちっ…仕留め損なったか」

一希「俺はカードを一枚伏せ、ターンエンド」

一希・伏せカード:一枚

素良「いくら頑張って無駄な努力だよ、そろそろ楽になっちゃいなよ。君には出来ないんだろう? 仲間を見捨てる事なんて」

黒咲「っ…」

素良「僕とのデュエルで言ったよね? ”仲間は必ず奪い返す”って。なら奪い返してみせてよ。決して見捨てないんでしょう?」

素良「やってみなよ、黒咲隼!」

黒咲「くっ…!」

奈緒「勝ってください、黒咲さん」

黒咲「っ!?」

216: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/10/20(火) 01:37:34.45 ID:FtKgJ5M60

隼翼「奈緒ちゃん、みんなも…」

セレナ「黒咲と戦ってるのは、エクシーズ使いか…?」

沢渡「エクシーズ使い? だったら味方じゃねぇか。それがなんで…」

月影「洗脳…?」

素良「察しがいいね、そうだよ、彼は今や僕の操り人形って訳。勝てる場面もあったのに、仲間思いの黒咲がこの様さ」

美砂「んだと!?」

セレナ「貴様、それでも誇り高きアカデミアか!?」

素良「もしかしてセレナ? そうだよ、これは誇り高きアカデミアのプライドを傷つけた負け犬のエクシーズ使いへの復讐劇さ。必ず果たす! 絶対にね!」

奈緒「無理っすね、それは」

素良「何?」

黒咲「………」

奈緒「らしくない、何を迷ってるんですか? 私があなたの立場なら必ずやりますよ、きっと有宇君も」

隼翼「有宇…」

奈緒「このままアカデミアに利用されるのを兄も望んじゃいません。すみませんが、あなたの手で楽にしてあげてくれませんか?」

黒咲「…乙坂有宇なら必ずやるか」

奈緒「そうっす、もっともあいつの場合は自分に刃向かう者なら誰でも同じでしょうけど」

黒咲「ふん…その発言、俺が奴に劣ると言われてるようなものだな」

美砂「いや、お前どんだけ乙坂と張り合ってんだよ」

黒咲「俺のターン!」

217: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/10/20(火) 02:00:51.58 ID:FtKgJ5M60

黒咲「俺は《RUM-ソウル・シェイブ・フォース》を発動!」

黒咲「ライフポイントを半分払い、墓地のRRエクシーズモンスター1体を特殊召喚し、そのモンスターよりランクが2つ高いエクシーズモンスター1体を召喚する!」

黒咲「俺は墓地のフォース・ストリクスを特殊召喚し、オーバーレイ!」

黒咲「誇り高きハヤブサよ。英雄の血潮に染まる翼翻し 革命の道を突き進め!」

黒咲「ランクアップ・エクシーズ・チェンジ!」

黒咲「現れろ、ランク6!《RR-レヴォリューション・ファルコン》!」

攻撃力2000

素良「レヴォリューション・ファルコン…!」

黒咲「レヴォリューション・ファルコンの効果!」

黒咲「このモンスターが特殊召喚されたモンスターとバトルする時、そのモンスターの攻撃力・守備力を0にする!」

黒咲「バトルだ! レヴォリューション・ファルコンで、ヴェルズ・オピオンを攻撃!」

黒咲「革命の一撃を受け、時が来るまで安らかに眠れ! レヴォリューショナル・エアレイド!」

一希LP0

セレナ「黒咲の勝ちだ!」

素良「くそっ、またしても!」ビー!

黒咲「待て!」

素良「黒咲隼、決着は預けておくよ」消える

黒咲「ちっ…」

美砂「黒咲が勝ったって事は…」

隼翼「ああ…」

一希「……な……お……」

奈緒「っ!?」

沢渡「おい、今…」

奈緒「兄……ちゃん……?」

一希「俺は、デュエルをしてたのか……? この様子じゃ、負けたみたいだな……」

奈緒「兄ちゃん!」

一希「ごめんな、兄なのに……お前にばっかり負担を掛けて…これからも――」ビー

奈緒「あ…」

一希、カード化される。

奈緒「兄ちゃん…兄ちゃん…!!」カードを握り締める

隼翼「奈緒ちゃん…」

黒咲「………」

奈緒(必ず助け出す、だから待ってて下さい)

奈緒「合流しましょう、有宇君や高城と」

218: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/10/20(火) 04:13:28.31 ID:FtKgJ5M60
ジャングルエリア

オベリスクフォース「うわああああぁぁぁっ!」
オベリスクフォース「うわああああぁぁぁっ!」
オベリスクフォース「うわああああぁぁぁっ!」

オベリスクフォース三人組LP0

高城「たった一人で三人を…」

目時「有宇…」

オベリスクフォース「き、貴様…」

有宇「答えてもらおうか。カード化された者を元に戻すにはどうすればいい?」

オベリスクフォース「し、知らねえよ…」

有宇「ふーん」近づく

高城「乙坂さん?」

オベリスクフォース「ぐああぁぁぁっ!」ボキボキ!

高城「!?」

有宇(無言の肩踏みつけ)

目時「有宇!? 何をっ」

有宇「くっくっくっ…」

高城「乙坂さんっ」

有宇「覚えてるか? あの時と逆だ。お前らが僕にやったあの仕打ちの」


一年前

オベリスクフォース『こんな奴に何を期待してるのかねぇ、プロフェッサーも』

オベリスクフォース『ほら、立てよ』ドカッ

有宇『ぐっ!』

セレナ『ユウ!』

有宇『なんで僕が…僕がこんな…!』

オベリスクフォース『うるせぇな、負けたんだろ? 口答えすんじゃねぇよ!』顔面パンチ

有宇『うぅっ』

セレナ『貴様ら、ユウに何をする!』

オベリスクフォース『セレナ様、これは試練なんですよ。こいつを一流の戦士に育て上げる為の。そうだろう? あ?』

有宇『…やだ……』

オベリスクフォース『あ?』

有宇『家に帰して…お願いだから…』

オベリスクフォース『あー、イライラすんな。もう一発かましてやろうか!?』

有宇『もう、嫌だ…! なんで、誰も…誰も…』

有宇(誰も、僕を助けてくれないんだ…?)




219: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/10/20(火) 14:09:59.73 ID:mOwnLZ9CO
宇「ったく、思い出すだけで胸糞悪い。だからさ、今度は僕が同じことしてやるよ。お前らの身体、粉々にしてやる」

オベリスクフォース「ひっ、やめ…!」

ボキィ!

オベリスクフォース「うぎゃあああああぁぁぁっ!」

目時「あ…」

有宇「ちっ…気を失ったか」

奈緒「有宇君…?」

有宇「…?」

高城「友利さん…みんな…」

有宇「よっ、無事で何よりだ。と言っても、歩未を倒した後はほとんど昼寝してたからな。詳しく教えてくれ」

隼翼「あ、ああ…今話す」


数分後

有宇「なるほど…奈緒の兄が…」

美砂「許せねえぜ、アカデミア…戦えもしない身内をぶつけてくるなんてよ。それに、友利の兄だけじゃねぇ」

目時「歩未ちゃんも…」

有宇「確かにそうだ、だが歩未は自分の意志で僕と戦った」

奈緒「え?」

黒咲「どういう意味だ?」

有宇「言葉通りさ。あいつはプロフェッサーに洗脳されたと見せかけ、僕と命をかけたデュエルを望んで来た。おそらく、最初からデュエルの勝敗も見えてたんだろうぜ」

沢渡「ちょっと待てよ、それじゃあお前はそれがわかってて妹をやったのか!?」

有宇「ああ、歩未はそれを望んでいた」

七野「わかってて妹をやった? ふざけるな! 兄なら、兄貴ならどんな状況でも妹を守ってやるもんだろうが!」

隼翼「やめろ七野…やめてくれ…」

七野「っ…隼翼…」

セレナ「オベリスクフォースは私を追って来た。歩未がユウと戦う状況を生み出したのは私のせいだ…もちろん、友利の兄も」

奈緒「一理ありますね。でもきっと、遅かれ早かれこうなる運命だったんすよ」

月影「………」

隼翼「今の俺達に出来るのは、敗れた者達の無念を継ぎ、アカデミアに打ち勝つこと。それを可能とする為に結成されたのがこのランサーズなんだ」

美砂「生き残ったのはこれだけなのか?」

隼翼「いいや、もう一人いる」

高城「もう一人?」

隼翼「出て来てくれ」

白柳「皆さん、初めまして」

奈緒「…彼女は?」

白柳「私は白柳弓、シティの…シンクロ次元のデュエリストです」