1: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/13(水) 20:13:32.93 ID:Z7fqvOla0
P「めんどクセーなあ…」

ちひろ「なんですか突然?ウットオシイですよ」

P「歯に衣着せろよ…いや、岡山にな、行かなきゃならんかもで」

ちひろ「やっと左遷ですか?」

P「言ったハジからか!ウチに地方出張所なんて無いわ!」

2: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/13(水) 20:18:55.98 ID:Z7fqvOla0
ちひろ「何ですか?バカンスですか?いーですねぇ」

P「なワケあるか、いちいちイヤミっぽいな」

ちひろ「私もみんな(アイドルたち)みたいに可愛がってくれたら対応考えてあげますよ?」

P「語弊がある、あくまでビジネスライクだろーがよ」

ちひろ「クリスマスやお正月にアイドルとイチャコラするのがビジネスライクゥ~?」

4: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/13(水) 20:29:34.97 ID:Z7fqvOla0
P「 (ぐぬぬ…) ……いやあ、藤原いんだろ?」

ちひろ「 (あ、逃げたな?) はい、肇ちゃんですか」

P「彼女の祖父に一度、業務報告にいかにゃならん…」

ちひろ「ああ、で出張と?」

P「先方がヘソ曲げたらアイドル活動はむずかしいだろうしなあ…」
P「それにオレに敬意もってそうなの、彼女ぐらいだから居なくなっては正直、オレの心が折れる」

ちひろ「え?」
P「え?」

6: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/13(水) 20:35:09.86 ID:Z7fqvOla0
ちひろ「 カ ノ ジ ョ だ け  ですか?」

P「お、おう…そうだろ?他の連中はオレをおもちゃにしやがる、特にオマエがひどい」

ちひろ「私は別にいいでしょう、でもアイドルたちはアナタに懐いてるでしょ?」

P「あれが?召使のレベルっていうか下僕のテイストだぜ」
P「そんな妄想できるほどピヨピヨした頭しとらんわ」

ちひろ「まあ、なんでもいいですけれど…、続けてください」

7: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/13(水) 20:40:34.18 ID:Z7fqvOla0
P「説得すんのメンドーだなあって…」

ちひろ「じゃ、断ったらいいでしょ?貴重な人材失いますケド」

P「そうなんだよ、お淑やか系でさ、教養も上々、教育番組とか取れる稀有な人材だもんなぁ」

ちひろ「ウチ、他にも出来そうな娘がいそうですけど…」

P「お堅い番組は雰囲気も重要だからなァ」

10: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/13(水) 20:45:43.48 ID:Z7fqvOla0
ちひろ「まあ、どんなに利口でも、落ち着きなかったり金髪や語尾がニャとかだったりしたら………ですもんね」

P「そうそう、語尾がニャとかじゃあ……、でなくて、そんなヘンな語尾のアイドルはいないだろ?」

ちひろ「さあ?世界は広いから、どこかにはいそうですけど?」

P「ハナシがそれたが、そういったワケで手放したくない人材なんだよ」

ちひろ「雰囲気ねえ…、そういえばカノジョ品がありますよね」

P「品があるところは家庭環境や教育の賜物だろな」

12: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/13(水) 20:51:10.57 ID:Z7fqvOla0
ちひろ「お嬢様ってワケではなかったハズですよね?」

P「いや、なんでも祖父が高名な陶芸作家らしい」

ちひろ「はー、すごいですね」
ちひろ「あー、だから社長、ヨソのプロと教養番組で対決させるって息巻いてたんですね」

P「なんかウチと因縁でもある事務所があんの?」

ちひろ「さあ…?なんでもウチ以外の事務所は全部気に入らないらしいですよ」

P「狂犬かよアノ人…」

13: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/13(水) 20:56:16.43 ID:Z7fqvOla0
ちひろ「まあ、先方ご高名なら、なおさら早めにお願いしますね」

P「そうなんだよ報告なしってワケにはなぁ…、てコトで出張かわらない?」

ちひろ「や、です(キッパリ」

P「カワイイ女性の報告のほうがウケがいいと思うんだよなぁ?」

ちひろ「何、ミエミエのお世辞いってるんですか」
ちひろ「そ れ に ! か・わ・い・い アイドルの管理はアナタの仕事です」

ちひろ「サクッっと行って、先方の不満を解消してきてください、アトお土産も確実にお願いします」
ちひろ「…それにしても一族代表の祖父に面談だなんて、婚約の報告みたいですね」

(ガタッ!)

15: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/13(水) 21:02:23.38 ID:Z7fqvOla0
P「(ん?)あんま悪趣味なコト言うなよ藤原がカワイソウだろ」

ちひろ「何のコトです?」

P「一回りぐらい年の離れたのを連れていくのは悪趣味と思わんか?」

ちひろ「年はともかく、アナタ自身が悪趣味ってのは同意しますケド」

P「(○すぞ、このメスアマ!)」

16: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/13(水) 21:09:28.64 ID:Z7fqvOla0
留美「肇の話かしら?」

P「あ、ドモお嬢」
P「川島さんもお疲れ」

留美「ソノ呼び方やめてくれない…で、肇のハナシ?」

P「そう、仲良かったっけ?」

留美「ええ、同じ地方出身者だしね」

P「そういや、同じ地域だっけな」

20: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/13(水) 21:15:43.85 ID:Z7fqvOla0
留美「おとなりの県ね」

瑞樹「私はチョットはなれて関西だけどね」

P「和久井はさらに遠いとこからはるばる来てるなあ」

留美「キャリアを求めるとどうしても地方ではね…、まさかアイドルするコトになるとは思わなかったけれど」

P「不満ッスか?」

留美「いいえ、充実してるわ」

22: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/13(水) 21:22:03.81 ID:Z7fqvOla0
P「そら結構」
P「実はな、そのカノジョの件で岡山までいかにゃならん…ってことで、代行を交渉中だったんだよ」

肇「そんなにおじ…祖父と会うのが苦痛ですか?」

P「いやあ、なんつってもそんな名士とサシじゃあなぁ、胃薬たら………」

肇「申し訳ありません…私の説明だけでは、あと担当の者にも合わせろと」

ちひろ「あら、肇ちゃん?」

25: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/13(水) 21:28:59.67 ID:Z7fqvOla0
P「え~と…何時からいらっしゃいました?」

肇「留美さん達と一緒に…、私存在感ないですか?」

P「ソンナコトナイヨ」

肇「あの…どうしてもというなら私が全て…」

P「いや、いや!会話の流れでイヤがったフリしただけで、本当は、楽しみですよ、楽しみ!」

ちひろ「(コイツ日和やがった)」
留美「(どれだけ年下には弱いのよ…)」
瑞樹「(わからないわ)」

28: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/13(水) 21:34:17.94 ID:Z7fqvOla0
肇「…よかったです、本音を言うと一人でうまく説得できるかは不安だったので」

P「いやあ、オマエさんの仕事は堅いやつが多いから大丈夫だろ?」

肇「いえ、やはり責任ある大人の方からの説明のほうが納得してくれるでしょう」

P「そいつは過大評価かもしれんがな」

肇「十全に信頼してます」

31: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/13(水) 21:39:24.58 ID:Z7fqvOla0
P「(見たか“ちひろ”よ、これが信頼関係というのものだ!)」

P「ま、とにかくウチは優等生が多いから、こういうトキは助かるよ」

ちひろ「そういえば川島さんも和久井さんも、元秘書、元アナウンサーとか知識職の人ですもんね」

P「一部、何してたかわっかンねー人もいっけどなー」

33: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/13(水) 21:45:05.41 ID:Z7fqvOla0
P「そいや岡山はじめてなんだけど、本当に大都会なん?」

留美「なんでネットスラングそのまま信じるのよ」

肇「たしか、四国から来た方が自分の地域より都会だと言ったことが誇張されたようですね」

P「真面目に答えないでいいよ、もちろん冗談だから」

肇「あ…ごめんなさい」

P「いや、ホメてんだ、その純粋さをいつまでも持ってて欲しいもんだな、スレちまうと可愛げがなくなるし」

留美・瑞樹「だれのことかしら?」

P「ダレデモナイデス(ソラシメ」

35: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/13(水) 21:50:13.31 ID:Z7fqvOla0
 
肇「大都会ではないですけど、温暖な気候ですごしやすい所ですよ、魚介類は豊富ですし」

P「そういや釣りが趣味だっけか?地元にもスポットあんの?」

肇「ええ、岡山の備前には日生という地域があってカキとかが名産品ですね」
肇「あと、備前は刀剣の里として有名です」

P「備前で刀剣って、あの備前長船?」

肇「そうですね、備前刀剣博物館というものもありますよ」

37: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/13(水) 21:59:03.93 ID:Z7fqvOla0
P「そりゃいい、後学のため行ってみたいモンだな」

肇「ふふっ、ご案内します」

P「岡山までなら移動は新幹線でも3時間以上か、帰りはクタクタだなコリャ」

肇「でしたら私の実家に宿泊したらどうでしょう、幸い部屋はいくらでも…」

(ガタタッ)

39: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/13(水) 22:04:09.95 ID:Z7fqvOla0
留美「…肇アナタ大胆ね」

P「それはさすがにまずかろう」

肇「そういう意味ではなく…ただ少し落ち着いて相談したくて」

P「どういうこっちゃ?」

肇「今後の方向性について…」

P「行き詰るにゃ、少し早くねえか?」

41: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/13(水) 22:13:40.76 ID:Z7fqvOla0
肇「アイドルであるなら強烈な個性というモノが必要でしょうか?」

P「必要ないだろ」

肇「ですが…」

P「自分に自信なしか?それに個性というなら十分だろ、陶芸系アイドルなんて聞いたことない」

肇「憧れた世界というのが輝いた場なので、自分がイメージするアイドルに近づいているのかは正直不安です」

42: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/13(水) 22:19:46.95 ID:Z7fqvOla0
P「どんなイメージ?」

肇「もっと、明るく可愛く派手な」

P「やめとけ、似合わん」

肇「似合いませんか…」

P「”吾の短なる所を用て、人の長ぜる所に遇ること無かれ”というだろ」

45: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/13(水) 22:29:38.64 ID:Z7fqvOla0
P「それに今でも十分魅力的だ」

肇「そう…思いますか?」

P「不安というならオレが選んだってことが担保にはならんかな?」

肇「…信じてもいいですか?」

P「まあ無謬とはまで言わんけど、少なくとも仕事を途中で放り出したことはない」

肇「ならプロデューサーさんに…」

???「ちょっと…いいかな?」

46: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/13(水) 22:35:50.28 ID:Z7fqvOla0
P「おう、しぶりん…いたの?」

凛「いたよ…ずっとね…さっきから、聞くに堪えなくてね」

P「why?」
P「そんなヒドいコトはな『あるよ』」

凛「さっきから、アイドルの実家に行くハナシを楽しそうにしてるけど」

P「楽しそうだったかぁ?」

48: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/13(水) 22:41:28.03 ID:Z7fqvOla0
凛「プロデューサーなら節度を持つべきじゃない?」
凛「特定のアイドルを……」

肇「凛さん、今は私がお話しているんですよ」

凛「………」

肇「うらやましいんですか?」

凛「心構えの問題を話してるんだよ?一部のアイドルだけエコヒイキはよくないよね?」

P「おいおい、そんなに言い合わんと…」

凛・肇「プロデューサー(さん)は黙ってて(ください)!」

53: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/13(水) 22:50:03.50 ID:Z7fqvOla0
P「…なーんか雰囲気悪くなってきましたよ」(ヒソヒソ
留美「アナタのせいでしょう、どうにかしなさい」(ヒソヒソ
P「『年の功』でなんとかしてくださいよォーーーーー!」(ヒソヒソ
瑞樹「次に年齢のことを言ったら、口を縫い合わせるわよ」(ヒソヒソ


奏「お仕事終わって戻ってきたら、面白いコトになってるわね」

P「オモシロかないわ、って速水か」
P「すまんな今日は同行できなくて」

奏「Pさん忙しいものね、気にしないでいいわよ」

56: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/13(水) 22:57:30.85 ID:Z7fqvOla0
P「ついでみたいで悪いケド、この状況どうにかなんない?」

奏「そうねえ……、じゃあソコに立って」

P「はいよ」

ぎゅ(むぎゅ)

P「うおッ!?」

59: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/13(水) 23:03:05.88 ID:Z7fqvOla0
凛「ちょっと!なにしてるの奏!?」

奏「お取り込み中みたいなので、Pさんを借りていこうかなと」

肇「取り込み中でもないですし、そもそも私が先約です!」

P「(信じらんねえ!火災現場でケロシンぶちまけやがった!)」

凛「いいから早く離れなよ!」
肇「そうです!」

62: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/13(水) 23:14:38.90 ID:Z7fqvOla0
P「ちょっと落ち着…」

瑞樹「まって」

P「川島さ~~~~ん(助かった)」

瑞樹「だれが先約かはプロデューサーが決めてくれるわ!」

P「E(エ)~~~~~~~!?」
P「(裏切り?やがッたかァ、このATM【AnTi-aging-Monster】がァッ~~!)」

63: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/13(水) 23:22:56.58 ID:Z7fqvOla0
凛・肇・奏「だれをえらぶの(ですか)?」

P「いや、いや、いや」

凛「はやく」

P「(どんな状況だよ)…わかったよ、じゃあ良く聞け…」
P「オレはアイドルに優先順位は付けん、みな平等に価値がある」

留美「選べないの?チキンねぇ」

P「うるせぇ、オレをチキンと呼ぶな」

66: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/13(水) 23:30:50.15 ID:Z7fqvOla0
瑞樹「はい、そこまで!」
瑞樹「このとおり、このヒトは誰かを選べなかったワケだけど…」

P「“選べない”じゃなく、“選ばない”だ!」

留美「ちょっと黙ってて」

P「」

67: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/13(水) 23:36:07.95 ID:Z7fqvOla0
瑞樹「でも、逆を言うと誰かを特別視はしてないわよね、凛?」

凛「………」

瑞樹「肇?アナタの目的はトップアイドルになること?この人を独占すること?」

肇「………」

瑞樹「あと奏、面白半分に煽るのはよしなさい」

奏「ふふっ、ごめんなさい」

68: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/13(水) 23:42:30.83 ID:Z7fqvOla0
瑞樹「この事務所のアイドルも、あなたたちだけじゃ無いんだから、雰囲気悪くなる無意味な対立はナシよ」

P「だって私達みんな…」

ちひろ「黙ってろヨ…」

凛「……そうだよね…ゴメン肇、チョット熱くなってた」

肇「……いえ、私こそ煽るようなことを」

奏「ふふっ、仲良しが一番ね」

瑞樹「そうそう、無駄な対立なんてイミないわよ」

P「 ( 日 本 よ 、 こ れ が 年 の 功 だ ! ) 」

70: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/13(水) 23:50:36.93 ID:Z7fqvOla0
ちひろ「お~さすが川島さんですね、丸くおさまりました」

P「まったく、オレよりプロデューサー向きじゃないか?」
P「ケツの青い小娘どもにはマネできない話術」


凛「ケツの」
奏「青い」
肇「小娘ですか…」


P「いや~ダテに年くってねぇっすなぁ~」

凛・奏・肇・留美・ちひろ「「「「「 ッ!? 」」」」」

74: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/13(水) 23:56:48.24 ID:Z7fqvOla0
瑞樹「ワタシ、二度目は口を縫い合わすって言ったわよねえ…」

    !?

P「ヒッ…“kwsm”サン!?」

留美「せっかくイイ話で終わったのに、なんで地雷踏むのよ…」

凛「ああなったら、もう止められないね…」

肇「どう…しましょうか?」

奏「Pさんの健闘を祈って今日はお開きにしましょう」

76: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/14(木) 00:04:18.14 ID:Q8V0h08W0
奏「あと…親睦を兼ねて、これから食事なんてどうかしら?」

凛「いいね」

P「関係修復、めでたいなぁ、ついでにおれの助け船は?」

留美「あ?ないわそんなもの」

P「えっ?ひどくない…」

肇「 小 娘 ! の私たちではちょっと…」

P「」



ちひろ「眠れ、安らかに」

引用元: モバP「地方出身アイドルは」