1: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/14(木) 19:02:05.73 ID:nuHjrixN0
スリザリン寮

ドラコ「お前たち、集まってるな」

クラップ・ゴイル「「ウッホウッホ」」

ドラコ「あぁ、そうだな。朝食にはこの作戦会議が終わってから行こう、うん」

パンジー「ドラコは友人想いね、さすがだわ!」

ザビニ「一体何なんだ……こんなに朝早くから」

ドラコ「あぁ、今日もあのポッティーのイカレポンチをどうやって懲らしめてやろうか、考えていたのだがね」

ドラコ「これを見ろ。アンブリッジ高等尋問官(笑)から借りた、ジャパニーズコミックというやつだ」

パンジー「女の子の心理も分かろうとするなんてドラコ素敵!」

ドラコ「押し付けられただけさ。だが、興味深いことが描いてあった。日本では今日、2月14日に……」

ザビニ「……女性から男性にチョコを渡して、想いを伝える?カードではないのかい」

ドラコ「そう、そこだ。ポッターの間抜けに一服盛れるチャンスだろう?名付けて、『ポッターにチョコを渡してこマらせルフォイ大作戦』だ!」

パンジー「冴えてる!」

クラップ・ゴイル「「ウホーーー!」」

ザビニ「……言いたいだけじゃないか、フォイって」

6: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/14(木) 19:09:23.11 ID:nuHjrixN0
ドラコ「何を言っている。僕はいつだってフォイフォイ言ってる。それは僕がマルフォイ家である証、そして誇りさ」

ザビニ「知らないね。それで、一服というのは?毒でも盛るのかい」

ドラコ「あぁ、あまり騒がれても調べられたらマズイ。ここは、こいつを使う」

ザビニ「……愛の妙薬『アモルテンシア』」

パンジー「誰に使うの!?ねぇ誰に使うために煎じたのドラコ!」

ドラコ「違う!落ち着けパンジー!」

ザビニ「ドラコ、君は……ポッターをそういう目で?え?」

ドラコ「ちっがう!!聞け!そんな目で見るな!困るフォイ!おフォん。こいつで、ポッターを近しい奴に惚れさせるとする」

ザビニ「……なるほど。そうなると気まずくなって……随分と遠回りだな」

ドラコ「そのくだらない読み物も、男と女のくだらないいざこざから最後は涙涙の展開になってい、おフォん。続けようか」

ザビニ「読んだんだな最後まで、それも結構はまって」

ドラコ「黙るフォイ」

8: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/14(木) 19:15:18.89 ID:nuHjrixN0
ドラコ「さて、ポッターを誰に惚れさせるか、だがね」

パンジー「私はあなたにメロメロよ!ドラコ!」

ドラコ「光栄だねパンジー。僕に膝枕をする権利をやろう」

ザビニ「パンジー以外だれも望まないね。それで、候補は?」

ドラコ「マクゴナガル、マダム・ポンフリーあたりをまず考えた」

ザビニ「あぁ、大惨事になること請け合いだな」

ドラコ「だが、この薬の精製に必要な『相手の一部』というのがどちらも手に入りずらい」

パンジー「私あなたにならなんだって捧げるわ、ドラコ!」

ザビニ「パンジー、ちょっと黙っていてくれるかい」

ドラコ「黙るフォイと言ってもいいぞ、ザビニ」

ザビニ「心から遠慮しておく」

11: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/14(木) 19:21:57.55 ID:nuHjrixN0
ドラコ「それで、やはりここはあのポッターにべったりな、頭でっかちのグレンジャーでどうだろう、とね」

ザビニ「あぁ、なるほど。効果的だろうな。ウィーズリーも巻き込める」

ドラコ「? ウィーゼルのコソコソイタチが、なんだい?」

ザビニ「……気づいてないならそれでいいさ」

ドラコ「よし、進めマすルフォイ。そういうわけで、前もってパンジーにグレンジャーの髪の毛を調達してもらった」

ザビニ「この会議必要あったのかい」

パンジー「あっ、あれなら『ジャパニーズ藁ドールの呪いの儀式』に少し使ってしまったわ」

ザビニ「調達できてないぞ。そして君たちやけに日本文化好きだな」

パンジー「アンブリッジ高等尋問官(笑)の貸してくれたジャパニーズガールズコミックに書いてたんだもの、藁ドール」

ザビニ「ジャパニーズガールこえー」

12: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/14(木) 19:26:00.92 ID:nuHjrixN0
パンジー「これよ、グレンジャーの髪の毛」

ザビニ「あぁ、クルクルしてるな。グレンジャーのあの髪らしい」

ゴイル「……んもうっぽい」ボソッ

ドラコ「うん?なんだ? そうだな、もうこんな時間だから手短に済ますぞ、もう少しまっているんだ」

ザビニ「……僕は何も聞かなかったことにしよう。それで?」

ドラコ「あぁ、こいつを入れた薬を菓子に振り掛けて、手紙と一緒にあのポッターに渡す。犬好きのポッターにね、はっは」

クラップ「……ねむい」

ドラコ「うん?あぁ、そうだな。お前たちが二年生の時に眠くなるほど美味しかったと言っていたカップケーキにしたぞ」

ザビニ「……」

パンジー「ドラコ素敵!」

15: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/14(木) 19:35:28.45 ID:nuHjrixN0
ザビニ「どこからこんなカップケーキを持ってきたんだい」

ドラコ「パンジーがやってくれた」

パンジー「ドラコのために愛情込めたのに!なんでポッターなんかに、ウェーっ」

ザビニ「益々この会議の必要性が……」

ドラコ「いや、ここまでは順調だったのさ。だが、ここで思わぬ事態が発生した」

ザビニ「なんだい」

ドラコ「僕は目立ちたがりポッターのライバルとして何度もぶつかり合っているから、僕が書いた手紙はバレてしまう可能性が高い」

ザビニ「その敵意一方的な気もするけどね僕は」

16: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/14(木) 19:36:11.82 ID:nuHjrixN0
ドラコ「パンジーは、ポッターのとんちきに騙すためでも愛の手紙なんて書きたくないらしい」

パンジー「ウェー、だわ!」

ドラコ「クラップとゴイルは……まぁ、いい」

クラップ・ゴイル「「ウホ」」

ドラコ「そういうわけで、ザビニ」

ザビニ「いやだ」

ドラコ「ポッターの腐れ眼鏡とほとんど認識の無い、君の出番というわけだ」

ザビニ「なおさら嫌だ!!」

18: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/14(木) 19:41:02.73 ID:nuHjrixN0
ドラコ「僕の言うことが聞けないというのかい」

パンジー「ギルティ!ギルティだわ!」

クラップ・ゴイル「「ウホウホッ!!」」

ザビニ「ちょっと待ってくれ。どうして僕がほんと、面識と言っていいものもないポッターに手紙なんて……!」

ドラコ「うってつけじゃないか。君の母上は、あれだろう?七人もの男を虜にしてどうこう、とかいう。父上も褒めていた。あの父上が」

ザビニ「それは僕の母は素晴らしいけどね、だからと言って……」

ドラコ「まぁ、僕の母上の方が美人だけど。さぁ、さっさと書いてフォしィ。拒否権はないぞ、マルフォイ家との親交が途絶えていいなら別だけどね」

ザビニ「うぅ……このフォイフォイめ」

ドラコ「なんだい?フォめ言葉かイ?」

ザビニ「黙るフォイ……くそぉ」

21: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/14(木) 19:48:06.87 ID:nuHjrixN0
数十分後

クラップ「ゴァーーーー!」

ゴイル「ウッホウッホ!」

ドラコ「おいザビニ、早くしろ。クラップとゴイルが腹を空かせて暴れだすぞ」

ザビニ「無茶を言わないでくれ。まさか誇り高いスリザリン寮に入って、男に愛の手紙を書くことになるなんて思っていなかったんだ」

パンジー「ブレーズ、頑張って。上手くやってくれたらドラコの膝枕、五秒ほど代わってあげてもいいわ」

ザビニ「願い下げさ、あぁ。こんなのは、スリザリンの女王とか言うグリーングラスに頼めばいいじゃないか」

ドラコ「ぐ、グリーングラス!? ハッハ、ハッ。彼女みたいな高貴な家柄を、ポッティーなんかに近づけるわけにいかないだろう!」

ザビニ「……」

ドラコ「妹の方なんてもっと論外だがね。フォら、さっさとかイただどうだい」

ザビニ「……その前に君の方こそパンジーの般若顔をどうにかするべきだね。いや、猛犬顔か。元がパグ犬だし」

23: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/14(木) 19:50:30.07 ID:nuHjrixN0
ザビニ「……出来た」

ドラコ「よし、流石だなザビニ。流石純血。流石父上のお墨付き。流石父上」

ザビニ「僕への賞賛どこに行った」

パンジー「頑張ったわブレーズ、ドラコのために。流石ドラコ」

ザビニ「君には何も期待してなかった」

クラッブ・ゴイル「「ウホ」」

ザビニ「あぁ、分かってたさ。どうも」

 

26: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/14(木) 19:57:36.78 ID:nuHjrixN0
ドラコ「それで、手紙のフォうはどうだイ。上手くポッターの稲妻ナルシストを舞い上がらせるだけのものになったどうね」

ザビニ「あっ、おい。見なくてもいいじゃないか。おい……」

ドラコ「……」

パンジー「……」

ザビニ「……な、何か言えよ」

ゴイル「……お前これどんな顔して書いたん」

ザビニ「うるさいぞウホウホ言ってろ君なんて」

クラッブ「お熱いのが好きか?」

ザビニ「うるさい!黙るフォイ!」

29: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/14(木) 20:04:39.59 ID:nuHjrixN0
ドラコ「まぁ……こっ恥ずかしくなるのは確かだ。よしとしよう」

ザビニ「やめてくれ、僕は今スリザリンに入ったことから後悔を始めている」

パンジー「そんなことになったらドラコと会えなかったのよ!?」

ザビニ「それこそ僕が今望むことだな、あぁ」

ドラコ「下準備は整った。さぁ、次はいよいよ、こいつを渡す段階だ」

ザビニ「渡す、か。どうするんだい、そんな怪しさ満載のものを」

ドラコ「ハッハ、なぁに。ここでもこのジャパニーズガールズコミックを使う」

ザビニ「便利だなそれ」

ドラコ「所謂、古典的な手段……その名も!『靴箱の中にこっそり忍ばせる』だ!!」

ザビニ「……二つの意味でねーよ」

ドラコ「!?」

31: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/14(木) 20:12:52.05 ID:nuHjrixN0
地下牢教室

パンジー「盲点だったわ……ホグワーツに靴箱がないなんて」

ザビニ「一番最初に想定される争点だと思うがな」

ドラコ「なんとか第二弾、『机の引き出しにこっそり忍ばせる』が決行できたから、助かった」

ザビニ「だけど、本当にポッターはあそこに座るのかい? 決まった席なんてないだろう?」

ドラコ「いいや、ポッターの全英もビックリな高慢君は、スネイプ教授の授業では決まってあの一番後ろの隅で取り巻き連中といる」

ザビニ「よく見ているな、関心と呆れが同時にくるくらい」

ドラコ「敵を出し抜くにはまず情フォうだとイうだろう。おっ、きたぞ」


ハーマイオニー「それにしてもロンは、大丈夫かしら」

ハリー「平気さ、ちょっと知恵熱で寝込んでるだけだから。君からもらえなかったらどうしよう、とか……」

ドラコ「おーやおや、日和見コソコソポッター!今日は日よけになるウドの大木は一緒じゃないのかい?」

ハリー「なんだ、君か。靴底に張り付いた汚らしいチューインガムか何かかと思った」

ドラコ「黙るフォイ!」

32: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/14(木) 20:20:43.85 ID:nuHjrixN0
ハリー「なんなんだろう、マルフォイの奴。今日はやけに絡んできたね」

ハーマイオニー「割といつものことだと思うわ。ムシするのが一番よ、さっ、ハリー」

ハリー「そうだね。いつものスネイプの奴とは一番離れたこの席に……あれ?」

ハーマイオニー「どうしたの……あら?」

ハリー「……これ、なんだろ。この包み……僕宛?」

ハーマイオニー「あら、ふふっ。ハリー、今日は何の日かしら。そうね、早めのイースターエッグでも贈られてきたの?」

ハリー「言うようになったね君も。あー、もし僕の、思いすごしじゃなかったら。これって」

ハーマイオニー「バレンタインの贈り物でしょうね、えぇ」

34: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/14(木) 20:30:49.68 ID:nuHjrixN0
ハリー「なんだろう……カードだけじゃないみたいだ」

ハーマイオニー「手が込んでいるわね、カップケーキも焼いたようよ?」

ハリー「へぇ……だ、誰からだろう」

ハーマイオニー「カードを見ても無駄でしょうね。無記名が作法だもの……この教室だから、ジニーではないでしょうし」

ハリー「? どっちにしたって、ジニーにはマイケルがいるじゃないか。恋人の」

ハーマイオニー「さぁ、どうかしらね。どこの馬の骨かしら、ロンがいたら徹底的に……」

ハリー「馬の骨って、君ね……あっ、授業が始まるみたいだ。こんな物をスネイプに見られたら僻みで五〇〇点は引かれてしまうよ。鞄にしまっておこう」

ハーマイオニー「えぇ、大事にしまっておくといいわ」

ハリー「どうして少し怒ってるのさ、ねぇ」

ドラコ「……チッ、ここでは食べなかったか」

ザビニ「それは、僕らスリザリン生でも授業中に飲食はさすがに控えるだろう」

スネイプ「何やら生徒諸君には浮かれた甘い雰囲気が漂っていますな。グリフィンドールから十点減点」

シェーマス「あんまりだ!」ディーン「僻みってもんだ!」ネビル「大丈夫です先生!僕らも何ももらってません!」

スネイプ「ロングボトム、罰則」

ネビル「うわああああああん!!!」

37: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/14(木) 20:38:56.52 ID:nuHjrixN0
昼休み 大広間

フレッド「おうおう我らが英雄くん!大収穫で鞄がずっしり重いわけかい?」

ジョージ「さっすが僕らの英雄くん!ポッケの中も乙女の想いで一杯かい?」

ハリー「そんなんじゃないよ。一枚っきりさ」

ロン「言ってくれるよな、マーリンの髭。僕なんてまだ一枚もないってのに」

ハーマイオニー「あなた午前の授業いなかったじゃないの。あら?プティングの皿の下に何かあるわよ、ロン」

ロン「フォんとうかイ?……!わぁ!!ば、バレンタインカードだ!!」

ハリー「へぇ。良かったじゃないか、え?どこの巻き毛な監督生さんからの贈り物だろうね」

ハーマイオニー「あらハリー、いつのまにやら英雄気取りじゃあきたらず名探偵気取りも始めたというわけ?」

ハリー「悪かったからそれやめてくれよ。傷つくから」

ロン「稲妻がどうしたって? あー、え、えっと。僕、ちょっとトイレに行ってくる!もちのロンでね!」

ハリー「あぁ、ゆっくりどうぞ……はしゃいでいたね、ロン」

ハーマイオニー「えぇ、だらしないくらい」

ハリー「だらしないのは君の両頬も、みたいだけどね。うん」

41: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/14(木) 20:46:22.46 ID:nuHjrixN0
ハリー「さて、うーん……このカップケーキを、どうしようかな」

ハーマイオニー「どう、っていうのは?」

ハリー「あぁ、別にこれでマートルの顔当てゲームをしようってわけじゃないんだけどね。食べていいものなのかな」

ハーマイオニー「当然じゃない。それはハリーのために焼かれたものなのでしょう?」

ハリー「あー、ムーディなら、こんなものを不用意に食べたら何て言うかなぁ、って」

ハーマイオニー「そんな、まるで狙われているみたいな……あぁ、そうだったわね」

ハリー「うん、だって僕って選ばれた者だもん♪……痛いっ!あー、今のは、冗談のつもりだったんだ……ほんとだよ?」

ハーマイオニー「御託はいいの。いけすかないとはいえ、ハリーのために誰かが苦労して焼いたものなのだもの。食べないなんて許されないわ。さっ、貸して」

ハリー「? 君が食べるのかい?」

ハーマイオニー「そんなわけないじゃない。はい、アーン」

ハリー「そんなことされなくったって、あー、分かった、分かったよ。アーン」


ドラコ「おいなんだあれ」

ザビニ「知るか、俄然ポッター破滅させたくなってきた」

43: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/14(木) 20:54:04.85 ID:nuHjrixN0
ハリー「んぐっ……もぐもぐ」

ハーマイオニー「あら、中から液体が。ブランデーか、それともチョコかしらね」

ドラコ「いった!」

ザビニ「あぁ、確かに食べたな」

パンジー「あぁん、ドラコへの私の力作がぁ」

ハーマイオニー「ハリー、どう?味の方は」

ハリー「もぐもぐもぐ……」

ハーマイオニー「なんだかよく見たらこれ生焼けね。全く、こんな人にハリーは渡せないじゃない。ロンと一緒に……」

ハリー「もぐもぐ……ハーマイオニー?」

ハーマイオニー「? なぁに、ハリー」

44: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/14(木) 20:54:58.61 ID:nuHjrixN0
ドラコ「さぁ!これで!」

ザビニ「ポッターとグレンジャー、それにウィーズリーを巻き込んだ!」

ドラコ「えっ、なんでそこでウィーズリーの貧乏人が?」

パンジー「ドロドロの愛憎劇の幕開けよ!!!」

クラッブ・ゴイル「「ウホッ!!!」」



ハリー「僕、君のこと好きだよ」

ハーマイオニー「まぁ、ありがとう。ふふっ。それでね、ロンが戻ってきてからのことだけど」

ハリー「あぁ、今日は午後一がハグリッドだっけ? 傷は少しは治ったのかなぁ」

ドラコ「……フォォォイ!?」

46: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/14(木) 21:01:22.31 ID:nuHjrixN0
ハリー「うわっ、びっくりした。スリザリンテーブルでフォイがフォイフォイ言ってる。いつものことかぁ」

ハーマイオニー「そうよね。あぁ、そうそう。中断されたけれど、ロンったら先週出された課題をね……?」

ハリー「あぁ、ハグリッドだから待ってくれるだろ、って言ってたっけ」


ドラコ「ふ、普段と変わらフォイじゃないか!?どういうことフォイ!?」

ザビニ「お、落ち着けよ。フォイが多い、フォイが。あー、あれは確かに愛の妙薬だったんだよな?」

ドラコ「当然だ!スネイプ教授に相談したら十七年物の効果はお墨付きだと言っていたのに!どういうことだ!?」

47: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/14(木) 21:07:28.76 ID:nuHjrixN0
ハリー「なんだか本当に騒がしいね、マルフォイのやつ。ハーマイオニー、何かしてくるかもしれないから僕の後ろに隠れてなよ」

ハーマイオニー「あらありがとう。優しいのね、ハリーは」

ハリー「ロンだって似たようなことをしてると思うけどね、君に」

ハーマイオニー「あら、羽ペンはどこにいったかしら」

ハリー「素直じゃないなぁ、どっちも」

ドラコ「くっそ、くそぉ!この作戦のためにどれだけ準備してきたと思ってるんだ!」

ザビニ「まぁ、なんだ。全く成功してもお笑い種だったとは思うけど、気を落とすなよ……」

ドラコ「ザビニがあんなにバカみたいにノリノリな手紙を書いたっていうのに水の泡だ!!!」

ザビニ「君が書かせたんだろう!?!?!?」

ドラコ「くっそ!おい、ポッター!ポッティーのいかれポンチ!それをよこせ!!!」

ハリー「あっ、なんだよフォイフォイうるさいな。その減らず口を閉じとけよ」

ドラコ「黙るフォイ!なんだこんなもの!僕が食べてやる!!」

バクッ

50: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/14(木) 21:15:09.30 ID:nuHjrixN0
ハリー「あっ」

ハーマイオニー「処分していただけるのはありがたいですけどね、マルフォイ。それはハリーから誰かに贈られたもので……」

ドラコ「……」

ハーマイオニー「? あなた、どうしたの。急に黙って」

ハリー「? なんだか、青白い顔が急に赤く……」

ドラコ「……フォォイ」

ハリー「……ハーマイオニー、しっかり後ろに」

ハーマイオニー「え、えぇ。なんだか、鳥肌が……」

ドラコ「ぐ、ぐぐぐグレンジャーーー!!!」

ハーマイオニー「な、なぁに?それよりあなた、さっさと医務室に……」

ドラコ「僕と交際させてやってもいいぞ!この穢れた血め!」

ハーマイオニー「」

ハリー「」

ザビニ「何言ってんだあいつ……」

53: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/14(木) 21:19:39.63 ID:nuHjrixN0
ドラコ「さっさと返事をよこせ!僕の高貴な血で君の穢れた血を浄化してやろうじゃないかと言ってるんだ!」

ハリー「今度と言う今度は聞いてもらうぞマルフォイ。君こそその腐りきった汚い口を閉じてお母上に拭いてもらったらどうだい」

ハーマイオニー「ごめんなさい、私、ドラコ・マルフォイっていう生き物は生理的にちょっと」

ドラコ「ふぉ、フォォオオオイ!?そんなの認められるか!困るフォイ!こうなったら、『インペ……」

ロン「ナメクジくらええええええええええ!!!」

ドラコ「フォォオオオオオオオオオオオイイ!?!?!?」

パンジー「ドラコぉおおおおおおお!!!」

ザビニ「……なんだこれ」

ハリー「……こっちの台詞だよ」

54: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/14(木) 21:24:54.33 ID:nuHjrixN0
スネイプ「何の騒ぎだ!また貴様かポッター!目をくりぬいて我輩によこしてから死ね!!!」

ハリー「今までで一番酷い!? あー、マルフォイがハーマイオニーを侮辱したんです、先生。穢れた、なんとかって」

スネイプ「…………ほう? ミスター・マルフォイ?」

ドラコ「うぉぇえええええ!す、ぐすっ、ずねいぷ先生、このナメクジ、ど、どめて」

スネイプ「それを止める術は我輩をもってしてもありませんな。吐ききるしかなかろう。頑張りたまえ」

ドラコ「ぞ、ぞんなぁうぼぇえええええええええ!」

パンジー「ドラコぉおおおおお!!」

スネイプ「ミスター・マルフォイを医務室に。ポッター、余り騒ぎをおこさんことですな。フンッ」

ロン「……ワーオ、マジかよ。僕、グリフィンドールの点が全部無くなる覚悟だったのに」

ハリー「何があったんだろうね。それよりさ。ねぇ、ハーマイオニー?」

ハーマイオニー「あー、ロン。ありがとう……守ってくれて」

57: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/14(木) 21:31:57.37 ID:nuHjrixN0
ロン「い、いいよ別にお礼なんて。マーリンの髭。カードのお返しとでも思ってよ」

ハーマイオニー「そ、そう……って、カードって!」

ロン「あー、そうそう。あれだけどさぁ、ハーマイオニー」

ハリー「……」

ロン「君も暇だよなぁ。大方ジニーあたりに相談されて付き合ってるうち、自分も書かなきゃならなくなったから、適当に僕宛ってことにしたんだろ?」

ハーマイオニー「……」

ロン「それならそうと直に渡してくれればいいのにさぁ。期待もたせるような真似……あ、あれ?ハーマイオニー?ハーマイオニーさん?あー、ど、どうしたんだい?なんだか、顔が、あー、ハーマイ、鬼ーに」

ハーマイオニー「ハリー」

ハリー「はい」

ハーマイオニー「ハグリッドに、ロンは欠席すると伝えてきてくださるかしら」

ハリー「仰せの通りに……それじゃ、ロン。元気で」

ロン「あっ、ま、待ってくれよハリー!僕たち友達だろ!?ハ――」

ハーマイオニー「ナメクジくらいなさいよ、ロナルド・ビリウス・ウィーズリー!!!!」

63: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/14(木) 21:39:30.88 ID:nuHjrixN0
玄関ホール

ハリー「……全くロンには困ったものだよ。まぁ、名前がないのに彼女からだって気づけただけでも合格かなぁ」

ルーナ「おもしロンがどうしたの?」

ハリー「やぁ、ルーナ。君はいつでも突然だね」

ルーナ「なんだかよく言われる。あんたを探してたんだ。はい、これ」

ハリー「?これは?」

ルーナ「子羊の臓物チョコだって。あたりはベゾアール石入り」

ハリー「……独創的だね」

ルーナ「バレンタインで呪われそうな人にあげる懸賞用にってパパが仕入れたんだけど、全然応募がこなかったんだ」

ハリー「そ、そりゃそうだろうね」

67: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/14(木) 21:43:20.66 ID:nuHjrixN0
ルーナ「バレンタインで呪われそうな人用にってパパが仕入れたんだけど、全然売れなかったんだもン」

ハリー「あー、僕に?」

ルーナ「うん。一つどうかなって。あんた、一番に誰かに呪われそうだもン」

ハリー「友達としてその評価ってどうなのかな。いただくよ……あいた! あぁ、なんだかひしゃげた小さな物体が……」

ルーナ「……ん、解けたみたいだね」

ハリー「? なにが?」

ルーナ「さぁ。どうせ放っておいてもあんたとあの子ってどうにもならないだろうけど」

ハリー「だから、何がさ???」

ルーナ「さぁ。今日は火星が明るいもン」

ハリー「どこの半身半馬に吹き込まれたかは聞かないけど、それが誤魔化してることだって知ってるよ、僕は」

70: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/14(木) 21:49:28.53 ID:nuHjrixN0
ハリー「まったく、今日はヘンテコなことだらけだよ」

ルーナ「あんたの周りって、大体いつもそんな感じだと思うけど。ジニーが言ってた」

ハリー「あぁ、巻き込まれ体質だものでさ。君もいつか巻き込まれたって知らないよ」

ルーナ「カブ、しっかり付け直しとく」

ハリー「……っはは、そう。まぁいいや、途中まで一緒に行くかい?温室だろう?」

ルーナ「うん。あぁ、そうだね。ヘンテコついででさ、これあげる。ジニーが、私もそういうのをしたら?って」

ハリー「あー、この、ぎょろぎょろ動く目玉がついたカード、は?」

ルーナ「いつも見てます、って意味?だって。ハッピー・バレンタイン、ハリー」

ハリー「……あぁ、ははっ。ヘンテコな締めに、丁度いいね。ハッピー・バレンタイン、ルーナ」

72: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/14(木) 21:54:13.24 ID:nuHjrixN0
医務室

ポンフリー「……世はハッピー・バレンタインで溢れてるというのに、何をしてるのかしらあなたたちは」

ザビニ「……返す言葉もないです、ほんと」

パンジー「大丈夫、ドラコ?あぁ、こんなに大きいのが、あぁ、また」

クラッブ・ゴイル「「ゲラゲラゲラゲラ!」」

ドラコ「うぉええええええ! こ、ごら、クラッブ、ゴイル。今のは笑うところじゃないぞ。ちゃんと。うっぷ。メモして、お、け、うぉええええええ!」

パンジー「ドラコーーー!!」

ロン「ぅぅ、そ、それっぽっちのナメクジかいマルフォイ。僕なんて、ぼ、うぇええええええ!」

ハーマイオニー「何を競ってるのよ、もう……あなたってほんと……マーリンの、猿股!!!」





リーマス「……」

シリウス「……無記名、無記名だから、私がハリーに出したって……なんら支障はない、はずだ」

リーマス「ジェームズとリリーのお墓の方角を向いてもう一度それを言ってみてごらん。このバカ犬。リードもピンクに代えてあげよう」

今度こそ、完

引用元: ドラコ「『ポッターにチョコを渡してこマらせルフォイ大作戦』だ!」