1: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/10/08(木) 01:00:23.61 ID:8Sn2cfkro

1975年某日
マザーベース:司令部プラットホーム


ヒューイ「実際にご覧になって、僕たちは核兵器を持っていない事が判ったでしょう?正しい理念を持った集団であるという事も……」

???「ああ、よくわかった。貴様のような嘘吐きと偽善者が住む地獄以下の場所だということがな」

ヒューイ「?!何を……」

ゴゴゴゴ・・・・ドッカーン! バクハツダー

???「時間だ。博士、お前には私と一緒に来てもらう」


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2: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/10/08(木) 01:02:11.60 ID:8Sn2cfkro

アフガニスタン:中央ベースキャンプ


スカルフェイス「博士、出来ないとはどういう意味だ?」

ヒューイ「そのままの意味だ。僕の居場所を奪って、誘拐しておきながら協力しろだなんて虫が良すぎる!」

スカルフェイス「そうだ、貴様の居場所はもうない……ここだけだ」

ヒューイ「ここが僕の居場所だって!?バカなことを言うな!」

スカルフェイス「奴らは力を持ち過ぎたが為に身を滅ぼした……奴らは核を持つべきではなかった。……お前は核によって人生を歪められた。一度ならず、二度までも。BIGBOSSが憎いだろう?」

ヒューイ「違う!」

スカルフェイス「自分たちは抑止力?新たな国家?バカげてる。思い上がりも甚だしい。外から見れば、結局はただの武装集団。テロリスト。危険因子だ」

ヒューイ「僕たちは……」

スカルフェイス「だがお前は違う。お前は彼らの暴力に縛られていた。その無秩序で規律の無い暴力から、自力で逃げ出したんだ」

ヒューイ「僕は……」

3: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/10/08(木) 01:03:22.57 ID:8Sn2cfkro

スカルフェイス「私は直立歩行のできる新しい二足歩行兵器を作る……そのための研究室がある。お前は求められている」

ヒューイ「僕が……求められて……」

スカルフェイス「それと……もしかしたらAIが必要になるかもしれん」

ヒューイ「AI……まさか!?」

スカルフェイス「ストレンジラブと呼ばれていた女科学者の居場所は突き止めてある……だが、お前がメタルギアを作れないというのなら……私にとって価値がなくなるな」

ヒューイ「やめろ!どうするつもりだ!」

スカルフェイス「言わなければわからないのか?」

ヒューイ「くっ……」

スカルフェイス「お前が、AIの開発には彼女が必要だと言えばいい。あとは全てうまくいく」

ヒューイ「ほ……に……」

スカルフェイス「ん?」

ヒューイ「本当に……彼女の居場所が分かるのか……?彼女の命は……」

スカルフェイス「新型兵器と引き換えだ。博士……何も心配はいらない」

4: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/10/08(木) 01:03:58.77 ID:8Sn2cfkro

ヒューイ「クソッ……スネーク……」

5: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/10/08(木) 01:04:49.63 ID:8Sn2cfkro

1980年代
アフガニスタン:OKBゼロ


スカルフェイス「博士。子供にサヘラントロプスを操縦させることは可能か?」

ヒューイ「えっ?……まだアレは動かせない……」

スカルフェイス「出来ないのか?」

ヒューイ「わからない。そんな実験やったこともないし……」

スカルフェイス「ならば実験を行え……今すぐに」

ヒューイ「待ってくれ、何度も言うがアレはまだ試験歩行にも危険が伴う状態で……」

スカルフェイス「やるんだ」

ヒューイ「でも……」

スカルフェイス「やれ。お前達の子供……HALとかいったか……あいつを使えばいい」

ヒューイ「ふ…ふざけるな!そんな事してみろ……アレを爆破するぞ!」

スカルフェイス「ほぉう?それは怖い怖い」

ヒューイ「わ…分かってくれたか?」

6: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/10/08(木) 01:05:40.75 ID:8Sn2cfkro

スカルフェイス「ふむ……時に博士、どうもアレにAIを搭載する必要がないということが分かってきてな」

ヒューイ「な…何の話だ」

スカルフェイス「反抗的な科学者や必要が無くなった科学者達を始末しようと思っているのだ」

ヒューイ「やめろ……」

スカルフェイス「後は従順な科学者たちで仕上げればいい……完成は目前だ」

ヒューイ「やめてくれ……」

スカルフェイス「もう一度聴こう……最後のチャンスだ。実験に協力してくれるな?」

ヒューイ「する……するから……頼む……」

スカルフェイス「フフフフフ……それでいい……それで……な」

7: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/10/08(木) 01:06:10.18 ID:8Sn2cfkro

アフガニスタン:中央ベースキャンプ


ストレンジラブ「ちょっと!あの子を実験に使ったってどういう事!?」

ヒューイ「だから仕方がなかったって言っているだろう!?」

ストレンジラブ「仕方がなかったらあの子を殺すっていうの!?信じられない!」ウィーン

ヒューイ「殺してなんかいない!実験は失敗したけど、HALは無事だったじゃないか!」ガサガサ

ストレンジラブ「そんなの……結果論じゃない!HALは!貴方の物じゃないのよ!」カツカツカツ

ヒューイ「僕はHALの父親だ!」カツカツカツ

ストレンジラブ「だからって!……?!モゴモゴッ」

8: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/10/08(木) 01:07:11.19 ID:8Sn2cfkro

スカルフェイス「少し黙っていてもらおう……この棺(AIポッド)の中でな」ガチャガチャ

ヒューイ「お…おい、何をした。や…約束が違うぞ……」

スカルフェイス「んん?何の話だったかな?」

ヒューイ「彼女を助けるって……彼女のいのちは……」

スカルフェイス「何を言っている」

ヒューイ「どうして彼女を殺した!」

スカルフェイス「殺してなどいない。眠っているだけだ」

ヒューイ「早くここから出さないと……」

スカルフェイス「彼女の邪魔をするのか?」

ヒューイ「……邪魔?」

9: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/10/08(木) 01:08:11.50 ID:8Sn2cfkro

スカルフェイス「彼女は自分からポッドの中に入っていった。一人で考えるために……よくある事だろう?」

ヒューイ「何だって?」

スカルフェイス「そういう事にしておくんだ。……お前も罪から逃れたいだろう?」

ヒューイ「僕の罪……だって?」

スカルフェイス「口論になったあげくに激昂して妻をポッドに閉じ込めて殺してしまうとは……」

ヒューイ「バカなことを言うな!今、お前が……お前が中に入れたんじゃないか!」

スカルフェイス「認めたくない気持ちは分かる。だが彼女の心がお前に向いていないことにお前自身、薄々感づいていたんじゃないのか?」

ヒューイ「何を言っている!?」

スカルフェイス「"ストレンジラブ"その名の通りだ。彼女にとって、ハル・エメリッヒはザ・ボスと自分の子供……お前の子供ではなかったのだ」

ヒューイ「そんなはず……」

10: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/10/08(木) 01:09:18.13 ID:8Sn2cfkro

スカルフェイス「言いきれるのか?思い出せ……彼女の言動……お前に辛く当たっていなかったか?例えば彼女がマザーベースを去った時は?」

ヒューイ「あの日も……今日みたいに口論になって……喧嘩別れを……」

スカルフェイス「で、こっちに来てからは?」

ヒューイ「最初は……良かった……でも、HALが産まれてから……少しずつ……」

スカルフェイス「それで、お前は彼女に嫌気がさした訳だ」

ヒューイ「…………」

スカルフェイス「お前は自分で選んだ。彼女を殺し、彼女から自由になったんだ。お前は彼女の呪縛から逃れ、自我を手に入れた。今お前は自由だ」

ヒューイ「僕は……僕が……彼女を……ころした?」

スカルフェイス「そうだ。お前が彼女を殺した」

ヒューイ「僕が殺した……何てことだ……僕は……僕は……」

スカルフェイス「だが、彼女は自分からポッドの中に入っていった。そうだな?」

ヒューイ「そ……そうだ。彼女は……自殺したんだ。……自殺した。……自殺なんだよ。僕は……僕は殺してない……僕じゃない……」

11: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/10/08(木) 01:10:16.44 ID:8Sn2cfkro

1984年
アフガニスタン:中央ベースキャンプ

スカルフェイス「博士。BIGBOSSがお前に復讐するために動き始めた。カズヒラ・ミラーも一緒だ」

ヒューイ「僕に……復讐だって?」

スカルフェイス「ああ、お前を殺そうとしている。だが安心しろ。ここの警備は厳重だ。奴には突破できまい。ここで私に協力していれば命は助かる」



ヒューイ「どうして僕が!?仲間なんだぞ!?どうしてなんだ!?」

ヒューイ「奴は僕がスネークに接触しないように嘘をついている……?」

ヒューイ「そうだ、そうに違いない。そうと分かれば早速スネークに助けてもらおう。こんな所、一刻も早く立ち去るんだ」ピピピガーッ

13: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/10/08(木) 01:11:38.26 ID:8Sn2cfkro

後日
ダイアモンドドッグズ:マザーベース某所

オセロット「ちっ…なかなかしぶとい……自白剤も効かんとは……いったん打ち切るか……」


ヒューイ「どうして……どうして誰も信じてくれないんだ。仲間なのに。僕はスネークの為に……」

ヒューイ「?この写真は……前のマザーベースでサッカーの試合をやった時の……」

ヒューイ「……僕たちは互いの祖国を棄て、この惑星と一体になる……」

ヒューイ「……あの頃は……あの頃は……あの時の仲間は……ここは……」

DDスタッフ「ドクターエメリッヒ。頼まれていた検査機が届きました。検品をお願いします」

ヒューイ「ああ、ありがとう。……そういえば、向こうにいた時に聞いた事がある。放射線を当てる事で寄生虫の活動が収まることがある……改造して取り付けてみるか?……これで皆が助かれば僕を仲間だと認めてくれるかもしれない……」

14: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/10/08(木) 01:13:31.65 ID:8Sn2cfkro

マザーベース追放後:セシェール沖

ヒューイ「あいつらは、僕の事を信じてくれない。人殺し集団だ。あんな奴ら、信じた僕がバカだった」

ヒューイ「僕がどれだけあいつらに尽くしたと思ってる!?僕の意見も聞かないで勝手な事ばっかり……」

ヒューイ「スカルフェイスが死んで、復讐する相手がいなくなったからだろう?だから僕を生贄にしたんだ。僕を……僕を……返してくれ……僕の9年を……僕の脚を……返してくれ……HAL……」

ヒューイ「ATGC社……あそこに勤めている友人によるとHALはアメリカにいるらしい……何とかして、アメリカへ……アメリカへ行かなくては……」

15: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/10/08(木) 01:14:35.64 ID:8Sn2cfkro

1994年:某所

ジュリー「いいわ……HAL……」

ハル「あぁぁ……」

ヒューイ(ジュリー……?HAL……?嘘だろう?有り得ない……僕がお前のためにどれだけ尽くしたと思ってる?自分を犠牲にして……こんな裏切りあるか!?)

エマ「おとうさん?はやくプールにはいろう?」

ヒューイ(……なら、僕がお前たちから奪ってもいいんだな?お前たちからこいつを奪ってやる……お前たちが悪いんだ。僕は家族なのに……僕だって同じなのに……)

ヒューイ「ああ、エマ。行こうか……」

16: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/10/08(木) 01:15:51.20 ID:8Sn2cfkro

ヒューイ(僕が死んだら……地獄へ逝くのだろうか……)

17: おまけ:ストレンジラブとスカルフェイスの会話 2015/10/08(木) 01:17:12.76 ID:8Sn2cfkro

1975年
マザーベース;某所

ジリジリジリガチャッ

ストレンジラブ「誰?」

スカルフェイス「始めましてかな?ストレンジラブ博士」

ストレンジラブ「質問に答えて。誰なの?」

スカルフェイス「スネークイーター作戦に関わった者……と言えばお気に召してくれるかな?」

ストレンジラブ「!……それで?」

スカルフェイス「そこを出て、私の元に来い。勿論、ただでとは言わん。ザ・ボスの最後の、真実の意志と引き換えだ」

ストレンジラブ「彼女の!?……本当なの?」

スカルフェイス「コールドマンが知りえない情報をそっちに送った。それで判断すればいい」

ストレンジラブ「……考えさせて」

スカルフェイス「お前は必ず来る、そう信じている。……ああ、それともう一つ」

ストレンジラブ「?」

スカルフェイス「決心がついてそこを離れる時、エメリッヒとかいう科学者と口論してから離れて欲しい」

ストレンジラブ「何のために?」

スカルフェイス「お前が知る必要のある事では無い。お前が知るべきは彼女の意志……だろう?」

ストレンジラブ「……わかったわ」


18: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/10/08(木) 01:18:11.16 ID:8Sn2cfkro
……を多用しすぎた気がしないでもないが、終わり。アイラブ・ヒューイ。フォーエヴァー・ヒューイ

引用元: ヒューイに関する盗聴テープ