1: 名無しで叶える物語(茸) 2022/02/25(金) 18:50:15.58 ID:pcDxDkBr
千砂都「? どうしたの?」
かのん「な、なんでもないよ!」
かのん「あ、ごめん、ちょっと用事思い出したから先に行くね!」
千砂都「あ、ちょっとかのんちゃん!?」
千砂都「明らかになにか変だ……」
千砂都「うーん、でも前もこんなことがあったような……」ウーン…
かのん「な、なんでもないよ!」
かのん「あ、ごめん、ちょっと用事思い出したから先に行くね!」
千砂都「あ、ちょっとかのんちゃん!?」
千砂都「明らかになにか変だ……」
千砂都「うーん、でも前もこんなことがあったような……」ウーン…
3: 名無しで叶える物語(茸) 2022/02/25(金) 18:56:19.88 ID:pcDxDkBr
可可「あ、千砂都! おt──」
すみれ「!」バッ
可可「むぐっ!」
千砂都「可可ちゃん、すみれちゃんおはよう」
千砂都「今可可ちゃんなにか言おうとしてなかった?」
千砂都「すみれちゃんが抑えちゃったけど」
すみれ「おはようって言おうとしたのよね!?」
可可「むぐむぐ!」
千砂都「……すみれちゃん、なんで可可ちゃんの口抑えてるの?」
すみれ「す、スキンシップよ!」
千砂都「そ、そっか……」アハハ…
すみれ「!」バッ
可可「むぐっ!」
千砂都「可可ちゃん、すみれちゃんおはよう」
千砂都「今可可ちゃんなにか言おうとしてなかった?」
千砂都「すみれちゃんが抑えちゃったけど」
すみれ「おはようって言おうとしたのよね!?」
可可「むぐむぐ!」
千砂都「……すみれちゃん、なんで可可ちゃんの口抑えてるの?」
すみれ「す、スキンシップよ!」
千砂都「そ、そっか……」アハハ…
4: 名無しで叶える物語(茸) 2022/02/25(金) 18:59:52.32 ID:pcDxDkBr
可可「苦しいデス!」
可可「急に何するんデスか、グソクムシ!」
すみれ「あんたね──」
すみれ「──でしょ」コソコソ
可可「あっ、そうデシタ!」
千砂都「? どうしたの?」
可可「い、いえ、千砂都には関係ありマセン」
千砂都「ふーん……?」
可可「急に何するんデスか、グソクムシ!」
すみれ「あんたね──」
すみれ「──でしょ」コソコソ
可可「あっ、そうデシタ!」
千砂都「? どうしたの?」
可可「い、いえ、千砂都には関係ありマセン」
千砂都「ふーん……?」
5: 名無しで叶える物語(茸) 2022/02/25(金) 19:03:37.02 ID:pcDxDkBr
すみれ「そ、そうだ。可可あんた今日早く行かなきゃって言ってなかった?」
可可「へ? そんなこと言ってない──」
すみれ「……」ジッ
可可「あー! そうデシタ!」
すみれ「それじゃ、私たち先に行くから」
千砂都「……なんで、すみれちゃんも一緒に行くの?」
可可「す、すみれにも手伝ってもらうことがあるので!」
可可「へ? そんなこと言ってない──」
すみれ「……」ジッ
可可「あー! そうデシタ!」
すみれ「それじゃ、私たち先に行くから」
千砂都「……なんで、すみれちゃんも一緒に行くの?」
可可「す、すみれにも手伝ってもらうことがあるので!」
7: 名無しで叶える物語(茸) 2022/02/25(金) 19:07:34.61 ID:pcDxDkBr
千砂都「じゃあ私も手伝おうか?」
可可「ち、千砂都のお手を煩わせるほどのことではありマセン!」
すみれ「ほら、急ぐんでしょ?」
可可「言われなくてもわかってマス!」
可可「あ、千砂都は気にせずゆっくり来てクダサイ!」
千砂都「う、うん……」
千砂都(かのんちゃんだけじゃなくてすみれちゃんと可可ちゃんも様子がおかしい……)
可可「ち、千砂都のお手を煩わせるほどのことではありマセン!」
すみれ「ほら、急ぐんでしょ?」
可可「言われなくてもわかってマス!」
可可「あ、千砂都は気にせずゆっくり来てクダサイ!」
千砂都「う、うん……」
千砂都(かのんちゃんだけじゃなくてすみれちゃんと可可ちゃんも様子がおかしい……)
8: 名無しで叶える物語(茸) 2022/02/25(金) 19:11:38.94 ID:pcDxDkBr
千砂都(うーん、前にかのんちゃんがあぁいう風に変になったのっていつだっけ……)
恋「あっ」
千砂都「恋ちゃん、おは――」
恋「!」ダッ
千砂都「逃げた!?」
千砂都「私、恋ちゃんに嫌われるようなことしたかなあ……」
千砂都「っていうか、恋ちゃんだけじゃなく、みんな避けてる感じだしなあ……」
千砂都「……」
千砂都(やっぱりみんな暗い子は嫌いなのかな)
千砂都(明るくなれるように心がけてるんだけど、やっぱり私って根の部分が暗いのかも……)ウルッ
千砂都(だめ、泣いたらもっと暗い子だって思われて嫌われちゃう……)プルプル
恋「あっ」
千砂都「恋ちゃん、おは――」
恋「!」ダッ
千砂都「逃げた!?」
千砂都「私、恋ちゃんに嫌われるようなことしたかなあ……」
千砂都「っていうか、恋ちゃんだけじゃなく、みんな避けてる感じだしなあ……」
千砂都「……」
千砂都(やっぱりみんな暗い子は嫌いなのかな)
千砂都(明るくなれるように心がけてるんだけど、やっぱり私って根の部分が暗いのかも……)ウルッ
千砂都(だめ、泣いたらもっと暗い子だって思われて嫌われちゃう……)プルプル
9: 名無しで叶える物語(茸) 2022/02/25(金) 19:15:05.27 ID:pcDxDkBr
千砂都(そういえば、前かのんちゃんが同じように私を避けてた時も同じようなこと思ったなあ)
千砂都(……あれ、あの時ってどうやって仲直りしたんだっけ)
千砂都(っていうか仲直りとかじゃなくてあの時って私の誕生日で、サプライズをするのに気付かれないようにってできるだけ距離をとってたって──)
千砂都(私、今日誕生日じゃん!)
千砂都(そう思ってみると可可ちゃんが最初に「おt」って言ったのも「お誕生日おめでとう」って言おうとしてすみれちゃんが止めたっていうので説明できるし……)
千砂都(もしかしてみんなが急いでるのってサプライズの準備だったり?)
千砂都(サプライズに気付いちゃったよ、どうしよう……)
千砂都(サプライズがあるとしたら放課後の練習の前かな)
千砂都(知らなかったフリするように頑張ろう)グッ
千砂都(……あれ、あの時ってどうやって仲直りしたんだっけ)
千砂都(っていうか仲直りとかじゃなくてあの時って私の誕生日で、サプライズをするのに気付かれないようにってできるだけ距離をとってたって──)
千砂都(私、今日誕生日じゃん!)
千砂都(そう思ってみると可可ちゃんが最初に「おt」って言ったのも「お誕生日おめでとう」って言おうとしてすみれちゃんが止めたっていうので説明できるし……)
千砂都(もしかしてみんなが急いでるのってサプライズの準備だったり?)
千砂都(サプライズに気付いちゃったよ、どうしよう……)
千砂都(サプライズがあるとしたら放課後の練習の前かな)
千砂都(知らなかったフリするように頑張ろう)グッ
10: 名無しで叶える物語(茸) 2022/02/25(金) 19:19:06.55 ID:pcDxDkBr
──
放課後
すみれ「千砂都、練習行くでしょ?」
千砂都「うん」
すみれ「じゃあ一緒に行きましょう」
千砂都「かのんちゃんたちは?」
すみれ「先に行ったみたい」
千砂都「そっか、なんだか今日朝からすみれちゃんとしか話してない気がするなあ……」
千砂都「2人とも、移動教室も先に行っちゃうし」
すみれ「ま、まあそういう日もあるでしょ」
千砂都「すみれちゃんと2人でゆっくり話せるのも楽しいけどね」
すみれ「確かに2人で話すことって少なかったかもね」
千砂都「私が新入りの時はすみれちゃんの名前も忘れちゃってたくらいだもんね」
すみれ「あの頃は千砂都があんな冗談言うと思ってなかったから驚いたったら、驚いたわ」クスクス
千砂都「いや、あれ本気だったけど」
すみれ「え?」
放課後
すみれ「千砂都、練習行くでしょ?」
千砂都「うん」
すみれ「じゃあ一緒に行きましょう」
千砂都「かのんちゃんたちは?」
すみれ「先に行ったみたい」
千砂都「そっか、なんだか今日朝からすみれちゃんとしか話してない気がするなあ……」
千砂都「2人とも、移動教室も先に行っちゃうし」
すみれ「ま、まあそういう日もあるでしょ」
千砂都「すみれちゃんと2人でゆっくり話せるのも楽しいけどね」
すみれ「確かに2人で話すことって少なかったかもね」
千砂都「私が新入りの時はすみれちゃんの名前も忘れちゃってたくらいだもんね」
すみれ「あの頃は千砂都があんな冗談言うと思ってなかったから驚いたったら、驚いたわ」クスクス
千砂都「いや、あれ本気だったけど」
すみれ「え?」
12: 名無しで叶える物語(茸) 2022/02/25(金) 19:23:19.51 ID:pcDxDkBr
すみれ「本当は覚えてたけど悪ノリしたとかじゃなくて?」
千砂都「あはは……」
すみれ「だ、だって、千砂都が正式に加入するまでも一緒に練習してたりしたじゃない!」
千砂都「面目ない限りです」
すみれ「千砂都にとって私はそれだけの存在だったってことね……」ガックシ
千砂都「まあ、覚えてたんだけどね」
すみれ「どっちったら、どっちよ!」
千砂都「すみれちゃんって反応面白いからつい」
千砂都「あ、嫌だったら言ってね。いじりもあんまり行き過ぎるといじめになっちゃうから」
すみれ「実は日々のいじりに心底傷付いてるわ……」
千砂都「大丈夫そうだね」
すみれ「なんでそうなるのよ!」
千砂都「あはは……」
すみれ「だ、だって、千砂都が正式に加入するまでも一緒に練習してたりしたじゃない!」
千砂都「面目ない限りです」
すみれ「千砂都にとって私はそれだけの存在だったってことね……」ガックシ
千砂都「まあ、覚えてたんだけどね」
すみれ「どっちったら、どっちよ!」
千砂都「すみれちゃんって反応面白いからつい」
千砂都「あ、嫌だったら言ってね。いじりもあんまり行き過ぎるといじめになっちゃうから」
すみれ「実は日々のいじりに心底傷付いてるわ……」
千砂都「大丈夫そうだね」
すみれ「なんでそうなるのよ!」
13: 名無しで叶える物語(茸) 2022/02/25(金) 19:26:43.56 ID:pcDxDkBr
すみれ「あ、そうだ」
千砂都「?」
すみれ「千砂都って今日誕生日でしょ?」
千砂都「え!?」
すみれ「あれ、違った?」
千砂都「う、ううん。そうだけど」
すみれ「じゃあなんでそんなに驚くのよ」
千砂都「あ、いや、えーっと、私の誕生日を覚えててくれてるなんて思ってなくて」
すみれ「一緒に活動してる仲間の誕生日くらい覚えてるわよ」
千砂都(え、今から部室に行ったらみんないてサプライズって流れじゃないの!?)
千砂都(言っちゃっていいの、これ!?)
千砂都「?」
すみれ「千砂都って今日誕生日でしょ?」
千砂都「え!?」
すみれ「あれ、違った?」
千砂都「う、ううん。そうだけど」
すみれ「じゃあなんでそんなに驚くのよ」
千砂都「あ、いや、えーっと、私の誕生日を覚えててくれてるなんて思ってなくて」
すみれ「一緒に活動してる仲間の誕生日くらい覚えてるわよ」
千砂都(え、今から部室に行ったらみんないてサプライズって流れじゃないの!?)
千砂都(言っちゃっていいの、これ!?)
14: 名無しで叶える物語(茸) 2022/02/25(金) 19:32:02.84 ID:pcDxDkBr
すみれ「折角だしジュースくらいおごってあげるわ」
千砂都「ありがとう」
すみれ「ここの自動販売機って変なの売ってるわよね」
すみれ「アオハルレモネードとか飲んだことある?」
千砂都「うーん、私はいつもコーラ飲んじゃうからなあ」
すみれ「炭酸抜き?」
千砂都「なんで炭酸抜くの?」
すみれ「エネルギー効率がいいから」
千砂都「へえ、すみれちゃんって物知りだね」
すみれ「なんか、そう純粋な反応されると反応に困るわね……」
千砂都「おじやとバナナに梅干しも添えたくなりそうだから私はやらなくていいや」
すみれ「知ってるんじゃない!」
千砂都「ありがとう」
すみれ「ここの自動販売機って変なの売ってるわよね」
すみれ「アオハルレモネードとか飲んだことある?」
千砂都「うーん、私はいつもコーラ飲んじゃうからなあ」
すみれ「炭酸抜き?」
千砂都「なんで炭酸抜くの?」
すみれ「エネルギー効率がいいから」
千砂都「へえ、すみれちゃんって物知りだね」
すみれ「なんか、そう純粋な反応されると反応に困るわね……」
千砂都「おじやとバナナに梅干しも添えたくなりそうだから私はやらなくていいや」
すみれ「知ってるんじゃない!」
15: 名無しで叶える物語(茸) 2022/02/25(金) 19:35:50.97 ID:pcDxDkBr
すみれ「じゃあバナナ繋がりでばななっこね」
千砂都「ふふ、ありがとう、すみれちゃん」
すみれ「そろそろいいかしら……」ボソッ
千砂都「? なにが?」
すみれ「なんでもないったら、なんでもないわ」アセアセ
すみれ「千砂都とゆっくり話すのもいいけど、そろそろ部室に行きましょうか」
千砂都「!」
千砂都(これってもしかしてすみれちゃんがサプライズの準備の時間を稼いでたってこと!?)
千砂都(すみれちゃんが誕生日の話を出したのもこっちがサプライズに気付いていることを見越してサプライズの線を消そうとした……?)
千砂都(危うく引っかかるところだったよ、危ない危ない)
千砂都「ふふ、ありがとう、すみれちゃん」
すみれ「そろそろいいかしら……」ボソッ
千砂都「? なにが?」
すみれ「なんでもないったら、なんでもないわ」アセアセ
すみれ「千砂都とゆっくり話すのもいいけど、そろそろ部室に行きましょうか」
千砂都「!」
千砂都(これってもしかしてすみれちゃんがサプライズの準備の時間を稼いでたってこと!?)
千砂都(すみれちゃんが誕生日の話を出したのもこっちがサプライズに気付いていることを見越してサプライズの線を消そうとした……?)
千砂都(危うく引っかかるところだったよ、危ない危ない)
16: 名無しで叶える物語(茸) 2022/02/25(金) 19:42:18.06 ID:pcDxDkBr
すみれ「もうみんな来てるわよね、可可とか遅いって怒ってそうだけど」クスクス
千砂都(何気ないけど間違いなく、私に先に入らせようとしてる……)
すみれ「入らないの?」
千砂都「入るけど……」
千砂都(驚く準備しておかないと)
千砂都「よし」ガチャッ
かのん「あ、ちぃちゃんとすみれちゃんやっときた」
可可「遅いデスよ、グソクムシ。来年こそはラブライブ!優勝するのデスからそんな気持ちではダメデス!」
恋「あ、千砂都さん、ばななっこですね。パッケージがかわいらしくてわたくしもよく買ってしまうんですよ」ニコニコ
千砂都「……へ?」
恋「どうかしました?」
千砂都「う、ううん。なんでもない」
千砂都(サプライズここじゃないの!?)
千砂都(あ、もしかして練習後かな)
千砂都(何気ないけど間違いなく、私に先に入らせようとしてる……)
すみれ「入らないの?」
千砂都「入るけど……」
千砂都(驚く準備しておかないと)
千砂都「よし」ガチャッ
かのん「あ、ちぃちゃんとすみれちゃんやっときた」
可可「遅いデスよ、グソクムシ。来年こそはラブライブ!優勝するのデスからそんな気持ちではダメデス!」
恋「あ、千砂都さん、ばななっこですね。パッケージがかわいらしくてわたくしもよく買ってしまうんですよ」ニコニコ
千砂都「……へ?」
恋「どうかしました?」
千砂都「う、ううん。なんでもない」
千砂都(サプライズここじゃないの!?)
千砂都(あ、もしかして練習後かな)
17: 名無しで叶える物語(茸) 2022/02/25(金) 19:46:50.47 ID:pcDxDkBr
かのん「ちぃちゃんがコーラ以外買うなんて珍しいね」
すみれ「私が買ってあげたのよ。今日千砂都誕生日だから」
かのん「あー! そうだ、今日ちぃちゃんの誕生日だ!」
可可「そ、そうだったのデスか!?」
恋「そ、そういうのは早く言ってくださいよかのんさん!」
かのん「あ、ああ、明日だと思ってた!」
すみれ「しっかりしなさいよ幼馴染」
かのん「ごめんね、ちぃちゃん」ウルウル
かのん「あとでちゃんとお祝いするからね」ウルウル
千砂都「ううん、大丈夫……」
千砂都(そっか、忘れてたんだ。最近忙しかったからしょうがないけど、ちょっと寂しいな……)シュン
すみれ「私が買ってあげたのよ。今日千砂都誕生日だから」
かのん「あー! そうだ、今日ちぃちゃんの誕生日だ!」
可可「そ、そうだったのデスか!?」
恋「そ、そういうのは早く言ってくださいよかのんさん!」
かのん「あ、ああ、明日だと思ってた!」
すみれ「しっかりしなさいよ幼馴染」
かのん「ごめんね、ちぃちゃん」ウルウル
かのん「あとでちゃんとお祝いするからね」ウルウル
千砂都「ううん、大丈夫……」
千砂都(そっか、忘れてたんだ。最近忙しかったからしょうがないけど、ちょっと寂しいな……)シュン
19: 名無しで叶える物語(茸) 2022/02/25(金) 19:50:42.05 ID:pcDxDkBr
──
練習後
千砂都(なんて、騙されないよ、みんな)
千砂都(忘れてたとするとみんなが今日避けてた意味がわからない)
千砂都(それに、朝可可ちゃんが「おt──」って言ってたのもわからなくなる)
千砂都(私を油断させて驚かせようっていう作戦でしょ!?)
千砂都(練習が終わった今、仕掛けてくるんでしょ!?)
かのん「それじゃあまた明日ー」
可可「千砂都、お誕生日プレゼントは明日持ってきマス!」
可可「腕によりをかけて作るので期待しておいてクダサイ!」
すみれ「明日は学校は休みでも練習はあるんだからあんまり遅くまで起きてちゃだめよ?」
可可「徹夜も辞さない覚悟デス」
すみれ「人の話を聞きなさいったら、聞きなさいよ!」
恋「それでは、また明日」
千砂都「……あれ?」
練習後
千砂都(なんて、騙されないよ、みんな)
千砂都(忘れてたとするとみんなが今日避けてた意味がわからない)
千砂都(それに、朝可可ちゃんが「おt──」って言ってたのもわからなくなる)
千砂都(私を油断させて驚かせようっていう作戦でしょ!?)
千砂都(練習が終わった今、仕掛けてくるんでしょ!?)
かのん「それじゃあまた明日ー」
可可「千砂都、お誕生日プレゼントは明日持ってきマス!」
可可「腕によりをかけて作るので期待しておいてクダサイ!」
すみれ「明日は学校は休みでも練習はあるんだからあんまり遅くまで起きてちゃだめよ?」
可可「徹夜も辞さない覚悟デス」
すみれ「人の話を聞きなさいったら、聞きなさいよ!」
恋「それでは、また明日」
千砂都「……あれ?」
20: 名無しで叶える物語(茸) 2022/02/25(金) 19:55:01.96 ID:pcDxDkBr
千砂都(みんな本当に帰っちゃった……)
千砂都(みんな本当に誕生日を忘れてたり、知らなかっただけ……?)
千砂都(避けてた気がするのも気のせいで、朝の可可ちゃんも別のこと言おうとしてたんだ……)
千砂都「これめっちゃ恥ずかしいやつだ……」
千砂都「私もかえろ……」トボトボ
千砂都「はあ……」
恋「ため息をつくと幸せが逃げてしまいますよ」
千砂都「あれ、恋ちゃん、帰ったんじゃないの?」
恋「いえ、部室に忘れ物を取りに」
恋「折角なので途中まで一緒に帰りませんか?」
千砂都「うん……」
恋「ありがとうございます、すぐ取ってきますね」
千砂都(みんな本当に誕生日を忘れてたり、知らなかっただけ……?)
千砂都(避けてた気がするのも気のせいで、朝の可可ちゃんも別のこと言おうとしてたんだ……)
千砂都「これめっちゃ恥ずかしいやつだ……」
千砂都「私もかえろ……」トボトボ
千砂都「はあ……」
恋「ため息をつくと幸せが逃げてしまいますよ」
千砂都「あれ、恋ちゃん、帰ったんじゃないの?」
恋「いえ、部室に忘れ物を取りに」
恋「折角なので途中まで一緒に帰りませんか?」
千砂都「うん……」
恋「ありがとうございます、すぐ取ってきますね」
21: 名無しで叶える物語(茸) 2022/02/25(金) 19:58:40.83 ID:pcDxDkBr
恋「それで、何を浮かない顔をしていたんですか?」
千砂都「ううん、なんでもない」
千砂都「っていうか恋ちゃん、朝私を見て逃げなかった?」
恋「そ、そんなことありませんよ」アセアセ
千砂都「「あっ」って言ってたけど」
恋「よ、用事を思い出して学校に急いだんです」
千砂都「そっか……」
千砂都「そうだよね……」
千砂都「……」
恋「……」
恋「実はこの前、ラーメンを食べに行ったんですよ」
千砂都「急に何の話!?」
千砂都「ううん、なんでもない」
千砂都「っていうか恋ちゃん、朝私を見て逃げなかった?」
恋「そ、そんなことありませんよ」アセアセ
千砂都「「あっ」って言ってたけど」
恋「よ、用事を思い出して学校に急いだんです」
千砂都「そっか……」
千砂都「そうだよね……」
千砂都「……」
恋「……」
恋「実はこの前、ラーメンを食べに行ったんですよ」
千砂都「急に何の話!?」
22: 名無しで叶える物語(茸) 2022/02/25(金) 20:02:44.50 ID:pcDxDkBr
恋「食券方式だったので、食券を買って店員さんに渡したら「お好みは?」と聞かれて「イチゴが好きです」と答えたところ困ったような顔をされて」
恋「よく見たら麺の硬さと味の濃さ、油の量が選べるという内容の張り紙がありまして……」
恋「どうやらそれを聞かれているのだと気付いたときは顔から火が出そうでした」
千砂都「ふふ、なにそれ」クスクス
恋「やはり千砂都さんには笑顔のほうが似合っていますよ」ニコッ
千砂都「私を笑わせようとしてそんな話したの?」クスクス
恋「千砂都さんが浮かない顔をしていたので」
恋「よく見たら麺の硬さと味の濃さ、油の量が選べるという内容の張り紙がありまして……」
恋「どうやらそれを聞かれているのだと気付いたときは顔から火が出そうでした」
千砂都「ふふ、なにそれ」クスクス
恋「やはり千砂都さんには笑顔のほうが似合っていますよ」ニコッ
千砂都「私を笑わせようとしてそんな話したの?」クスクス
恋「千砂都さんが浮かない顔をしていたので」
23: 名無しで叶える物語(茸) 2022/02/25(金) 20:05:38.62 ID:pcDxDkBr
千砂都「ありがとう、恋ちゃん。おかげで悩んでたのがバカバカしくなっちゃった」
恋「恥ずかしい話をした甲斐がありました」フフ
恋「あ、そうだ。この後時間ありますか?」
千砂都「うん、あるけど」
恋「少し寄り道していきませんか?」
千砂都「恋ちゃんが寄り道に誘うなんて珍しいね」
恋「わたくしだって寄り道くらいするんですよ?」
恋「恥ずかしい話をした甲斐がありました」フフ
恋「あ、そうだ。この後時間ありますか?」
千砂都「うん、あるけど」
恋「少し寄り道していきませんか?」
千砂都「恋ちゃんが寄り道に誘うなんて珍しいね」
恋「わたくしだって寄り道くらいするんですよ?」
24: 名無しで叶える物語(茸) 2022/02/25(金) 20:07:41.73 ID:pcDxDkBr
千砂都「それで、どこいくの?」
恋「こっちです」
千砂都「え、寄り道ってもしかして学校の敷地!?」
恋「学校探検です」
千砂都「それもそれで面白そうだけど!」
千砂都「あ、このあたりって初めて5人でライブしたところだよね」
千砂都「って、あれ、あっちの方明るい──」
パァン
千砂都「な、なに!?」
恋「こっちです」
千砂都「え、寄り道ってもしかして学校の敷地!?」
恋「学校探検です」
千砂都「それもそれで面白そうだけど!」
千砂都「あ、このあたりって初めて5人でライブしたところだよね」
千砂都「って、あれ、あっちの方明るい──」
パァン
千砂都「な、なに!?」
26: 名無しで叶える物語(茸) 2022/02/25(金) 20:11:53.99 ID:pcDxDkBr
すみれ「ちょっと、かのん、早いわよ」
可可「じゃあ可可ももう鳴らしマス!」パァン
すみれ「ちょ、バラバラじゃない!」パァン
かのん「だ、だって、ちぃちゃんを早くお祝いしたくて……」
可可「かのん、ずっとウズウズしてマシタよね」
すみれ「あんたもずっとそわそわしてたけどね」
千砂都「へ?」
千砂都「何かと思ったら、クラッカー鳴らしたの……?」
可可「じゃあ可可ももう鳴らしマス!」パァン
すみれ「ちょ、バラバラじゃない!」パァン
かのん「だ、だって、ちぃちゃんを早くお祝いしたくて……」
可可「かのん、ずっとウズウズしてマシタよね」
すみれ「あんたもずっとそわそわしてたけどね」
千砂都「へ?」
千砂都「何かと思ったら、クラッカー鳴らしたの……?」
27: 名無しで叶える物語(茸) 2022/02/25(金) 20:14:41.84 ID:pcDxDkBr
千砂都「っていうか、ど、どういうこと? みんな帰ったんじゃ──」
かのん「ぢぃぢゃん゛ごべん゛ね゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛」ダキッ
千砂都「な、なに!? どうしたの!?」アセアセ
かのん「ちぃちゃんにバースデーサプライズをしたくて誕生日忘れたフリしちゃってたから……」グスッ
かのん「本当は朝会った時にお祝いしたかったのに……」
千砂都「え、忘れてなかったの!?」
かのん「忘れるわけないよ……」ポロポロ
すみれ「さすがに騙されたでしょ?」
かのん「ぢぃぢゃん゛ごべん゛ね゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛」ダキッ
千砂都「な、なに!? どうしたの!?」アセアセ
かのん「ちぃちゃんにバースデーサプライズをしたくて誕生日忘れたフリしちゃってたから……」グスッ
かのん「本当は朝会った時にお祝いしたかったのに……」
千砂都「え、忘れてなかったの!?」
かのん「忘れるわけないよ……」ポロポロ
すみれ「さすがに騙されたでしょ?」
28: 名無しで叶える物語(茸) 2022/02/25(金) 20:17:46.49 ID:pcDxDkBr
可可「可可はここまでする必要はないと言ったのデスが、すみれがやるなら徹底的に、と」
恋「朝にサプライズを匂わせて、サプライズをしそうなタイミングでサプライズをしないという脚本だったんです」
千砂都「さすがにみんな帰った時は本当に忘れてたのかと思ったよ……」
かのん「ごめんね、ちぃちゃん……」ギュッ
すみれ「かのんも可可も隠し事とか下手そうだから朝の仕込みをしてからは千砂都から距離を取ってもらってたの」
可可「可可とかのんはグソクムシと違って正直者なので」
すみれ「私が嘘つきみたいじゃない!」
可可「事実を言ったまでデス」
恋「朝にサプライズを匂わせて、サプライズをしそうなタイミングでサプライズをしないという脚本だったんです」
千砂都「さすがにみんな帰った時は本当に忘れてたのかと思ったよ……」
かのん「ごめんね、ちぃちゃん……」ギュッ
すみれ「かのんも可可も隠し事とか下手そうだから朝の仕込みをしてからは千砂都から距離を取ってもらってたの」
可可「可可とかのんはグソクムシと違って正直者なので」
すみれ「私が嘘つきみたいじゃない!」
可可「事実を言ったまでデス」
29: 名無しで叶える物語(茸) 2022/02/25(金) 20:21:28.68 ID:pcDxDkBr
すみれ「かのん、そろそろ千砂都から離れなさい」
かのん「うん……」
恋「では、改めて」
クレカス「お誕生日おめでとう!」
千砂都「……ありがとう」ウルウル
すみれ「何泣いてるのよ」
千砂都「だって、嬉しくて……」
千砂都「みんな忘れてると思ってたから……」ウルウル
かのん「ちぃちゃん……」ウルウル
かのん「うん……」
恋「では、改めて」
クレカス「お誕生日おめでとう!」
千砂都「……ありがとう」ウルウル
すみれ「何泣いてるのよ」
千砂都「だって、嬉しくて……」
千砂都「みんな忘れてると思ってたから……」ウルウル
かのん「ちぃちゃん……」ウルウル
30: 名無しで叶える物語(茸) 2022/02/25(金) 20:24:41.43 ID:pcDxDkBr
すみれ「もう、千砂都にプレゼントあるんでしょ、しっかりしなさいよセンター」
かのん「……うん」
千砂都「プレゼント?」
かのん「うん。みんなで用意したの。まずは、これ」
千砂都「わ、なにこれ、まんまるでかわいい!」
恋「スノードームです。丸くてかわいらしいのでインテリアにいいかと思って」
千砂都「中にハムスターもいてかわいい、ありがとう!」
かのん「……うん」
千砂都「プレゼント?」
かのん「うん。みんなで用意したの。まずは、これ」
千砂都「わ、なにこれ、まんまるでかわいい!」
恋「スノードームです。丸くてかわいらしいのでインテリアにいいかと思って」
千砂都「中にハムスターもいてかわいい、ありがとう!」
31: 名無しで叶える物語(茸) 2022/02/25(金) 20:27:45.40 ID:pcDxDkBr
可可「まだありマスよ!」
千砂都「えっ?」
可可「じゃーん!」
千砂都「これ、ステージ?」
かのん「ちぃちゃんに歌を作ったの」
かのん「今からちぃちゃんのためだけにライブするから」
千砂都「そ、そのためにステージ作ったの!?」
可可「レンレンの許可は得マシタ」フフン
恋「理事長も快諾してくれましたよ」
すみれ「昨日から準備してたんだけど、今日千砂都に見つからないように誘導するの大変だったんだから」
千砂都「あー、だから今日ずっとすみれちゃんが色々誘ってきたんだ……」
千砂都「えっ?」
可可「じゃーん!」
千砂都「これ、ステージ?」
かのん「ちぃちゃんに歌を作ったの」
かのん「今からちぃちゃんのためだけにライブするから」
千砂都「そ、そのためにステージ作ったの!?」
可可「レンレンの許可は得マシタ」フフン
恋「理事長も快諾してくれましたよ」
すみれ「昨日から準備してたんだけど、今日千砂都に見つからないように誘導するの大変だったんだから」
千砂都「あー、だから今日ずっとすみれちゃんが色々誘ってきたんだ……」
32: 名無しで叶える物語(茸) 2022/02/25(金) 20:29:36.13 ID:pcDxDkBr
千砂都「……こんなにしてもらっちゃってなんだか申し訳ないなあ」エヘヘ…
恋「申し訳なくなんてありませんよ!」
可可「そうデス! 千砂都は大切な仲間なんデスから!」
かのん「そうだよ、かっこよくてかわいくてこんなお嫁さんがいたらいいなってみんな思ってるんだから!」
すみれ「お嫁さんとかは多分かのんだけだけどね」
かのん「ちぃちゃんは特等席ね、最前の真ん中!」
千砂都「うん!」
かのん「それじゃあ、ちぃちゃんのお誕生日を祝して、Song for me! Song for you!」
クレカス「Song for 嵐千砂都!」
千砂都「ぷっ……」
千砂都「なにそれ、語呂悪いし」クスクス
すみれ「だ、だからやめようって言ったじゃない!」
かのん「ちぃちゃんが笑ってくれたからいいの!」
おわり
恋「申し訳なくなんてありませんよ!」
可可「そうデス! 千砂都は大切な仲間なんデスから!」
かのん「そうだよ、かっこよくてかわいくてこんなお嫁さんがいたらいいなってみんな思ってるんだから!」
すみれ「お嫁さんとかは多分かのんだけだけどね」
かのん「ちぃちゃんは特等席ね、最前の真ん中!」
千砂都「うん!」
かのん「それじゃあ、ちぃちゃんのお誕生日を祝して、Song for me! Song for you!」
クレカス「Song for 嵐千砂都!」
千砂都「ぷっ……」
千砂都「なにそれ、語呂悪いし」クスクス
すみれ「だ、だからやめようって言ったじゃない!」
かのん「ちぃちゃんが笑ってくれたからいいの!」
おわり
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