1: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/10/18(日) 10:02:28.18 ID:tw35X+6S0
北海道の親戚からプロデューサーの元に雑きのこが送られてきた。
都会の店では見た事もない珍しいきのこが、ビニール袋に入っている。

日曜日の朝早くに来たプロデューサーは、
やるべきことが何もなかったので、きのこ鍋を作ろうと思い立った。
手つき鍋に味噌ときのこを入れ、カセットコンロの上に置いた。

事務所の自室で一人、きのこ鍋を作って楽しむ。
贅沢な朝の使い方だと、プロデューサーは思った。

きのこが煮える頃、ドアをノックする音が聞こえた。

卯月「おはようございます!」

卯月が部屋に入って来た。

P「おはようございます。早いですね島村さん」

卯月「なんだか早くに目が覚めてしまって」

P「私たち以外、まだ誰も来ていません」

卯月「あ! それ美味しそうですね」

卯月がきのこ鍋に目を付けた。

P「親戚が北海道から送ってきた雑きのこです。
  山にきのこ狩りに行って採ったそうです」

卯月「私も頂いて良いですか?」

P「是非」

卯月「朝ごはん、まだ食べてないので助かります!」


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2: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/10/18(日) 10:02:59.17 ID:tw35X+6S0
プロデューサーは卯月と一緒にきのこ鍋を食べた。

卯月「美味しいですね!」

P「うん、山のきのこは格別です」

卯月「これ、なんていうきのこですか?」

P「さあ……分かりません。見た事もない種類ですね」

卯月「こんなに美味しいきのこ、初めて食べました」

きのこを食べて楽しんでいる所に、星輝子がやって来た。

輝子「何だか美味しそうな……きのこの匂いがするぞ」

P「あ、星さん」

輝子「へえ、きのこ鍋ですか。いいですねえ」

P「たくさん作ったので、よかったらどうぞ」

卯月「そうだ。輝子ちゃん、きのこの種類分かりますか?」

P「普通は見かけない種類なのです」

輝子「珍しいきのこ……どれどれ」

輝子は鍋の中のきのこを見て愕然とした。

輝子「こ、これは! 毒舌キノコ!」

3: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/10/18(日) 10:03:25.96 ID:tw35X+6S0
P「毒舌キノコ?」

卯月「え! 毒キノコなんですか!?」

輝子「一種の毒キノコなんだけど……これは」

輝子は毒舌キノコについて説明した。
何でも、食べると攻撃性と嗜虐性が増して毒舌になるそうで、
どんなに温厚な人でも性格が豹変してしまうという。

輝子「学名・Irankotoiu ariyosii です。
   絶滅したはずの種類なのですが……一体どこで?」

輝子は語った。
戦国時代、このキノコが引き起こした舌禍事件で一国が滅びた事……。
江戸時代、このキノコによりある藩が内乱の危機に陥った事……。
そういった危険性から、江戸幕府によって徹底的に駆除された事……。
危険なキノコであることを力説した。

P「北海道の親戚が山で採ってきた物です」

輝子「そうか……きっと、北海道まで幕府の力が及ばなかったんだ」

卯月「た、食べても害はないんですよね?」

P「毒舌になるだけなら、黙っていれば良いわけですよね?」

輝子「そうはいかないかな……これを食べると饒舌になる……
   毒舌を人に言いたくて仕方なくなるらしい……」

卯月「そんな! 何とかしてくださいよ! このキノコオタク!」

P「そうですよ! キノコと絶叫しか取り柄がないのですから!」

輝子「あ、さっそく始まったか……」

4: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/10/18(日) 10:03:54.63 ID:tw35X+6S0
毒舌キノコを食べた二人は、互いに毒舌で罵り合った。

卯月「プロデューサーさんのせいでこんなことに!
   不審者っぽい人が不審なキノコ持ってくるからですよ!」

P「食い意地張っている島村さんが悪いです!
  いつもヘラヘラしているくせに、都合が悪いと被害者ぶるなんて!」

卯月「仏頂面より笑顔のほうがマシです!」

こんな様子を輝子は呆れて眺めた。

しばらくして、渋谷凛とアナスタシアが部屋にやって来た。

凛「おはよう」

アナスタシア「おはようございます」

P「あ、ソ連の女と渋谷さん。おはようございます。
渋谷さんは、相変わらず  交際やってそうな見た目ですね」

凛「はい? あんた……今なんて言ったの?」

アナスタシア「ソ連?」

P「高校生のくせにピアスなんか開けているのはxxxですから」

卯月「そこまで言ったら可哀想ですよ~。
凛ちゃんはいかにも高校デビューっぽい人じゃないですか」

P「そうですね。本当は根暗でしょうね。
  中学までは根暗でボッチだった事が見て取れます」

5: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/10/18(日) 10:04:26.36 ID:tw35X+6S0
卯月「そういう女の子が、
高校に入った途端にピアス開けたりするんです(笑)」

P「あるあるですね(笑)」

凛「ちょっと、何なの?」

輝子は凛とアナスタシアに毒舌キノコの説明をした。

凛「ふーん、毒舌になったんだ」

アナスタシア「シトー? グリブィ……キノコのせいですか」

卯月「アーニャちゃん。今なんて言いました?」

アナスタシア「グリブィ」

P「何? 何? 何言っているのか分かりませんね」

卯月「何ていう意味でしょうね?」

P「ママー! ご飯の前に手を洗ったよ! ですかね?」

アナスタシア「キノコよ! キノコ!」

卯月「日本に来たら日本語喋ってくださ~い(笑)」

P「これだからロ○ケは困ったものです」

アナスタシア「二人ともヒドイです……」

凛「これ、何とかならないの?」

24: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/10/20(火) 12:39:55.32 ID:0neHhzqh0
廊下に出た凛、卯月、アナスタシア、プロデューサーは、
川島瑞樹と出会った。

瑞樹「おはよう」

P「おはようございます。化粧濃いですね」

卯月「25歳がお肌の曲がり角って言いますからね」

瑞樹「いきなりね」

凛「これには事情があるんです……」

凛は瑞樹に毒舌キノコの説明をした。

瑞樹「キノコ? キノコのせいなの?」

卯月「オバサン。分かりましたか?」

瑞樹「え、ええ……わかるわ」

瑞樹は不機嫌そうに立ち去って行った。

凛「これは出歩かせない方が良さそうだね」

25: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/10/20(火) 12:40:31.03 ID:0neHhzqh0
凛は卯月とプロデューサーを
シンデレラプロジェクトの部屋まで連れてきた。
輝子は、寮の自室に戻って、
毒舌キノコについて調べることにした。
治療法が分かったら凛にメールすると言った。

凛「とりあえず、皆にもこの状態を見てもらわないとね」

卯月「えー、晒し者にする気ですか~?」

凛「だって、いきなりその状態で出会ったら驚くじゃない」

そうこう話している内に、本田未央がやって来た。

未央「おっはよー!」

P「朝からウルサイですね」

卯月「未央ちゃんはテンションおかしいんですよ」

P「燃費がいい本田、サッカーが巧い本田、やかましい本田ですね」

卯月「未央ちゃんは燃費が悪そうですよ」

未央「え~? いきなりひどいなー!」

凛はやって来た未央に毒舌キノコの説明をした。

未央「毒舌になったの? 問題ないって!
   未央ちゃんは心が広いからさ!」

P「空気が読めないの間違いでは?」

卯月「図太い神経だから大丈夫なんですよ」

未央「私は空気読めるほうだぞ~」

26: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/10/20(火) 12:41:21.17 ID:0neHhzqh0
P「どこかですか?」

未央「友達にもよく言われるもん」

卯月「それ、本当に『友達』なんですか?」

未央「え? どういうこと?」

卯月「未央ちゃんが友達だと思っているだけじゃないですか?」

P「相手はそう思ってないかもしれませんね」

未央「やだな~! ちゃんと友達だって言ってくれるもん」

卯月「社交辞令ですよ」

P「面と向かって友達じゃないって言い難いですから」

未央「そ、そんな!」

卯月「未央ちゃんみたいな人に友達いるとは思えません」

P「空気読めないしウルサイですから」

未央「え……」

卯月「ひょっとして、私の事も友達だと思っていたんですか?」

P「あー、そういう勘違いはいけませんね」

未央「しまむー?」

卯月「周りの人に好かれていると思っていれば、幸せですよね」

P「本当は孤独なのに」

27: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/10/20(火) 12:43:24.94 ID:0neHhzqh0
未央「ちょ、ちょっと……やめてよ」

卯月「あ、ひょっとして傷付いちゃいました?」

P「目に涙が浮かんでいますよ」

未央「あ、あのさ、私ちょっとコンビニ行ってくるね」

卯月「あ、そうやって逃げる気ですか?」

P「逃走は得意技ですよね」

卯月「そうそう。未央ちゃんは気まずいとすぐ逃げますよね」

未央「わ、私、逃げてなんかないし」

卯月「ニュージェネの最初のライブでも逃げましたよね(笑)」

P「逃走癖があるんですよ、きっと」

未央「あ、あのときは悪かったと思うよ」

卯月「あれ、ちょっと泣いていませんか?」

未央「泣いてないよ!」

卯月「未央ちゃんってすぐ泣きますからね(笑)」

P「ニュージェネの中では一番泣き虫ですよ」

未央「もう行くね!」

卯月「一人で演劇の練習でもやっていて下さい」

P「公園でやっている人もいますよ」

28: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/10/20(火) 12:44:25.19 ID:0neHhzqh0
未央「もう知らない!」

凛「未央。落ち着いて」

未央「だって……」

凛「キノコでおかしくなっているだけだから」

未央「そりゃそうだけど……」

凛「まともに相手する事ないし、逃げたらダメだよ」

未央「う、うん」

未央はソファに座り込んで目頭を押さえた。
悔しそうな目で卯月とプロデューサーを睨みつけた。

凛は溜息をついた。
それから、他のメンバーへ毒舌キノコについてメールを打った。

プロデューサーと卯月は、
毒舌を言い合ってゲタゲタ笑っている。
そんな中、双葉杏と諸星きらりがやって来た。

きらり「おっはよー☆ Pちゃん変なキノコ食べたにぃ?」

杏「なんか面倒くさい事になっているそうだね」

P「出た! 戸愚呂兄弟ですか!」

きらり「なんのことだにぃ?」

杏「私は武器になんかならないぞ!」

29: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/10/20(火) 12:44:53.33 ID:0neHhzqh0
P「デンデン デンデン デンデン デンデン ×2 デーーーン!」

卯月「それなんですか(笑)」

P「幽白の音楽知らないんですか?」

卯月「その世代じゃありません~」

きらり「さっきから分からないにぃ?」

杏「普通、今の10代には通じないだろうに……」

卯月「それはそうと、その語尾なんとかならないですか?」

きらり「にぃ?」

卯月「もう! ぞわぞわします!」

P「大女総身に知恵が何とやら……ですね」

杏「はぁ……たしかに面倒くさいや」

きらり「Pちゃんがちょっと乱暴になったゆ☆」

P「それはそうと双葉さん」

杏「何?」

P「印税生活が目標だそうですが
  あなたは歌唱印税の安さを御存じないんですか?」

卯月「アイドルにはほとんどお金が入らないんですよ~」

杏「し、知ってるけどさ」

30: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/10/20(火) 12:45:50.65 ID:0neHhzqh0
P「それなら、もうちょっとやる気出して貰わないと」

卯月「だらけていたらダメですよ」
 
杏「わかったわかった。その内、作詞作曲もやってみるよ」

凛「この二人には毒舌があまり通じないみたい」

杏「まともに相手にしたら面倒だしね」

きらり「きらりは怒ったりしないゆ☆」

きらりと杏には、毒舌があまり効かなかった。
かといって、卯月もプロデューサーも凹まない。

しばらくして、三村かな子と緒方智絵里がやって来た。

かな子「おはようございます」

P「おはようございます。ほほえみデ○」

卯月「ゴーマーパイルですか(笑)」

P「知っているのですか?」

卯月「お父さんと映画でみました」

かな子「いきなり凄いですね。
クッキー焼いて来たから食べて下さい。
甘い物でも食べれば落ち着きますよ」

卯月「また食べ物ですか?
食べる事ばかり考えているから痩せないんですよ」


31: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/10/20(火) 12:46:53.56 ID:0neHhzqh0
P「すぐに菓子を勧めて来てフグオみたいな人です」

卯月「フグオですか~(笑)」

かな子「お、美味しいですよ」

P「ピザでも食ってろって思います」

卯月「かな子ちゃんって絶対ピザ大好きですよね(笑)」

かな子「ピザでもお菓子でも、食べるのは楽しいですよ♪」

卯月「そうやって食べる事ばかり考えてるんですよね♪」

P「やっぱりブタですか。ブタはブタ小屋へ行きなさい」

卯月「ブーブーブー!」

かな子「わ、私……ぶ、ブタさんですか」

智絵里「か、かな子ちゃん、ぽっちゃりだけどダンス得意だよ」

卯月「あー! 動けるデ○ですね!」

P「まるでサモハンですね」

杏「サモハンも今の10代は分からないって……」

きらり「Pちゃんはオジサンだにぃ☆」

32: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/10/20(火) 12:47:48.98 ID:0neHhzqh0
智絵里「あの……キノコでそんな乱暴に……」

P「え、何ですか」

卯月「はっきり喋らないと分かりませんよ!」

智絵里「あの……その……」

P「はっきり言ってください」

卯月「何が言いたいんですか!」

智絵里「えーと……やっぱり……いいです……」

P「はっきり喋ってください! ほら! ほら!」

智絵里「ひい……」

凛「ちょっと! やめなよ!」

P「なんですか? 横槍ですか?」

卯月「私たちは智絵里ちゃんに聞いているんです!」

アナスタシア「可哀想です」

P「言いたいことがあるなら言うべきでしょう」

智絵里「え、その……」

卯月「しゃきっとしてください!」

P「ジジイのxxxxの方がまだ気合が入っていますよ!」

卯月「ほら! 頑張って智絵里ちゃん(笑)」

33: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/10/20(火) 12:48:33.83 ID:0neHhzqh0
智絵里「うう……うえ……うえ……」

かな子「泣いちゃったじゃないですか!」

凛「卯月! プロデューサー!」

卯月「なんですか! 私たちが悪者みたいじゃないですか!」

P「泣くほどの事じゃないですよ」

卯月「凛ちゃんが怒鳴るからいけないんですよ~」

P「私たちは悪くありません」

凛「私のせいにしないで!」

卯月「凛ちゃんすぐ怒るから怖いです」

P「クールなようで怒りっぽい」

卯月「ですよね~」

P「渋谷さんが泣かせたんですよ」

凛「ごまかさないでよ! あんた達のせいでしょ!」

卯月「ほーら、またすぐ怒鳴る(笑)」

P「いけませんねえ」

卯月「育ちの悪さがにじみ出ていますよ」

P「ピアスなんかしてるDQN高校生ですから、仕方ないでしょう」

未央「しまむー……プロデューサー……」

34: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/10/20(火) 12:49:20.02 ID:0neHhzqh0
P「ほら! 緒方さん! 頑張りましょう!」

智絵里「ぐす……ぐす……」

P「泣いていても分からないですよ! ほら! はっきり!」

卯月「あはは! 強引! 強引! 止まらない!
   プロデューサーさん! 止まれないから~!」

P「緒方さんが言いたいこと言うまで止めませんよ!」

智絵里「ぐす……もうやめて……」

凛「いい加減にして! もうたくさん!」

卯月「だーかーらー……凛ちゃんが怒る事じゃないですよ!」

P「そうですよ」

凛「不愉快だよ! そういうの!」

卯月「あはは! 正義の味方ですか(笑)」

凛「やめて……卯月のそんな意地悪な笑顔見たくないよ……」

卯月「だって、おかしいじゃないですか(笑)」

P「言いたい事を自由に言えるって気分が良いですよ」

凛「こうなったら強硬手段に出るしかないね。きらり!」

きらり「にゅ?」

60: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/10/30(金) 02:43:01.18 ID:tf4mu50d0
凛「殴って吐かせれば治るでしょ」

凛は、冷然とした目でプロデューサーと卯月を見た。

きらり「殴っていいのかにい?」

凛「この際、止むを得ないでしょ」

P「ちょ、ちょっと! 諸星さんに殴られたらまずいですよ!」

卯月「アイドルにリョナは似合いませんよ!」

きらり「大丈夫☆ 手加減するゆ」

凛「プロデューサーは頑丈そうだよ」

きらり「Pちゃんを吐かせるには……」

凛「どのくらいのパワーがいるの?」

きらり「まぁ……30%ってとこかにい☆」

P「やめてください! 両断されてしまう!」

卯月「内臓ぶちまけちゃいますよ! ハート見せたらグロイよね?」

きらり「にゅ~~! そこまでしないから、安心だゆ!」

P「本当に! 本当に! やめてください!」

卯月「今までの事は謝りますから!」

プロデューサーと卯月の目から涙がこぼれ出した。

61: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/10/30(金) 02:44:45.35 ID:tf4mu50d0
P「本当にすみませんでした!」

卯月「私たち言い過ぎました! ごめんなさい!」

凛「反省してるの?」

P「……はい」

卯月「毒舌を言わないように頑張ります」

凛「それなら待ってみようかな……」

P「さすが渋谷さん。辛抱強い対応に感謝します」

卯月「凛ちゃんさすがです!」

卯月とプロデューサーが謝罪してから、しばらく時間が経った……

凛「あれ? さっきから毒舌言わなくなってない?」

未央「そういえば、大人しくなってるよね」

かな子「大笑いもしませんし」

卯月「あ、そういえば、何か気持ちが落ち着いたような……」

P「私もです」

智絵里「な……な、治ったの?」

凛「試してみる?」

62: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/10/30(金) 02:45:21.38 ID:tf4mu50d0
凛は深呼吸してから卯月とプロデューサーの方を向いた。

凛「でくのぼう!」

P「私の事ですか?」

プロデューサーは、首の後ろをかきながら困り顔を見せた。
怒る様子は見られない。

凛「もじゃもじゃ頭!」

卯月「私、くせ毛がひどいんですよ~」

卯月はニコニコ笑っている。

凛「大丈夫みたい」

アナスタシア「元通り! よかったです!」

未央「いつもの二人になってる!」

凛「あ、輝子からメールが来た」

凛は輝子のメールを見た。

そこには、毒舌キノコの解毒法が書かれていた。

毒舌をばら撒く態度を心の底から反省した時、
毒舌キノコの効果は切れるそうだ。

二人とも反省したことによって毒舌キノコを克服したのだ!

凛「毒舌を悪いと思えば毒舌は吐かなくなるんだね」

63: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/10/30(金) 02:46:05.65 ID:tf4mu50d0
卯月「あ、あの……みなさん。本当にごめんなさい」

P「ご迷惑をお掛けしました」

凛「キノコのせいなんだから二人は悪くないよ」

未央「治って良かったじゃん! これでめでたしだね!」

アナスタシア「よかった……本当に」

きらい「よかったにい☆」

杏「ま、終わりよければ全て良しじゃない。結果オーライだよ」

智絵里「もう……怖くないです」

かな子「治ったお祝いにお菓子を食べましょう♪」

346プロに、再び平和が訪れた。
皆は三村かな子が持って来たクッキーを食べながら談笑し、
険悪だったムードはすっかり払拭された。

後日、残った毒舌キノコは星輝子に渡された。
輝子は、毒舌キノコを国立担子菌類研究所に持ち込んで、
菌類研究者を大いに喜ばせた。

菌類研究者は、プロデューサーの親戚から
毒舌キノコの採取地を聞きだした。
そうして、再発見されたキノコの調査が開始された。

そして、輝子は新聞に載った。
「絶滅したとされるキノコ アイドル歌手が再発見」

          おしまい☆

引用元: プロデューサー「毒舌キノコを食べてしまいました」  卯月「私も!」