1: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/10/27(火) 17:24:54.32 ID:MT3evwCOo
― 奉仕部 ―

雪乃「じゃあ比企谷くん、戸締まりよろしくね」

八幡「おう」

ガラガラガラ

八幡「ふん お盛んなことで」

トントン

八幡「? はい、どうぞ」

ガラガラガラ

平塚「比企谷、そこの廊下で雪ノ下とすれ違ったぞ 機嫌が良さそうに見えたが」

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1445934293

3: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/10/27(火) 17:27:12.27 ID:MT3evwCOo
八幡「ええ、マンションで葉山としっぽりと  つもりなんでしょ」

平塚「……」

八幡「由比ヶ浜は●●風見鶏と」

八幡「いや、非●●風見鶏と付き合い初めてからここには来ません」

平塚「ああ、そうだろうな」

八幡「……先生」

平塚「……」

4: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/10/27(火) 17:30:49.36 ID:MT3evwCOo
八幡「俺は二人と付き合ってたわけじゃない、それでも」

八幡「何か特別な関係に発展するかもと……」

八幡「甘い考えでしたね」

八幡「しかし、こんなにも疎遠になるなんて思いもしなかった……」

平塚「比企谷、私の話を聞いてはくれないか」

八幡「……」コクッ

5: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/10/27(火) 17:31:44.91 ID:MT3evwCOo
平塚「小中高大、それぞれを見れば私には友達がいた」

平塚「だがな、学校が変わるたびに友達も変わった」

平塚「そして教師になってからは」

平塚「友人を作る、彼らが結婚する」

平塚「こうして友人を失い、私は行き遅れる……この繰り返しだ」

6: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/10/27(火) 17:33:07.09 ID:MT3evwCOo
八幡「自然なことだから諦めろということですか?」

平塚「……私はこう思ったよ」

平塚「私は愛し合う彼らの関心を引くことができるのか?」

八幡「そんなこと不可能じゃ……」

平塚「友人というのは、最初からほんの少しの関心しか持たれないものだよ」

平塚「結婚報告の手紙を送る相手としか思ってないんだ」

平塚「それが現実だ 比企谷」

7: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/10/27(火) 17:34:01.43 ID:MT3evwCOo
八幡「それでも俺は……」

平塚「だがこれは自分自身で撒いた種なんだ」

平塚「比企谷、よく考えてみろ」

平塚「雪ノ下や由比ヶ浜と、一歩先の関係に進むチャンスがあったんじゃないか?」

八幡「……」

平塚「悔やんでも悔やみきれないだろうが、人生は終わらない」

平塚「元気を出せとは言わない ただ一歩でいいから前に進むんだ、比企谷」

8: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/10/27(火) 17:38:40.20 ID:MT3evwCOo
八幡「先生の言うことは分かります」

八幡「それでもこの  られたという感触……」

八幡「二人とは付き合ってすらないのに、そう感じてしまうんです」

八幡「こんな気持ちを引きずったままじゃ進めませんよ……」

平塚「仕方ない 比企谷、そのふざけた気持ちを私が壊してやろう」

八幡「ゴクリ」

9: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/10/27(火) 17:46:56.13 ID:MT3evwCOo
平塚「どうして、なぜ、君が  られたと感じるのか」

平塚「その理由が分かればその気持ち、感情を打ち壊せる」

八幡「あ、はい」

八幡(指導という名の慰めxxxxを期待したのに……)

平塚「そしてその理由は私のような素晴らしい女性すら結婚できないこととも関係がある」

八幡「……結婚?」

10: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/10/27(火) 17:55:40.75 ID:MT3evwCOo
平塚「一夫一婦制 これが諸悪の根源だ」

八幡「え?」

平塚「もう当たり前のように思われるこの制度だが……」

平塚「これは  りそして  られ好きの為の制度なんだ」

八幡「そんな馬鹿な」

平塚「そして一夫一婦制が女性の為だと言うが」

平塚「全くの嘘だ」

八幡「」

11: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/10/27(火) 18:04:06.71 ID:MT3evwCOo
平塚「この制度は豊かな国の趣味嗜好でしかない」

八幡「いや、貞操観念が……」

平塚「貞操観念? そんなもの地球のどこにもない」

八幡「こ、子殺しから守るためとか……」

平塚「母が子を殺す時代に何を言ってるんだ」

八幡「」

17: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/10/27(火) 18:19:23.92 ID:MT3evwCOo
平塚「比企谷 一夫一婦というものは、定められた一人の相手にしか責任を持たないで良いということなんだ」

八幡「……それが  られと関係が?」

平塚「その定められた相手以外とxxxxをしてもされても」

平塚「誰も責任を問うことは出来ない」

八幡「そ、そんな……」

18: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/10/27(火) 18:26:55.58 ID:MT3evwCOo
平塚「容易に  り、  られ放題だ」

八幡「じ、地獄だ……」

平塚「さらに明治時代、日本に一夫一婦制導入を推した森有礼は  られ好きだ」

平塚「実際にイギリス人に妻を  られた」

八幡「  られ好きだから導入させるなんて……そんなの横暴だ……」

平塚「もちろん表立っては言わないさ、女性のためだと吹聴する」

平塚「しかしだな、日本の女性総数は男性のそれを上回っている」

平塚「一夫一婦制ではどうやっても……私のような……お一人様の女性は増加する」

八幡「女性軽視まで……なんて無茶苦茶な制度なんだ!」

19: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/10/27(火) 18:34:51.73 ID:MT3evwCOo
平塚「それを打ち破る制度はある」

八幡「!!」

平塚「多夫多妻制であれば、結婚した相手全員に対してに等しく責任を持つことが義務なんだ」

平塚「つまり、  るにも  られるにも責任が伴う」

平塚「多夫多妻制というのはな」

平塚「  り  られという概念が存在しない素晴らしい世界なのだよ」

八幡「どうしてそんな素晴らしい世界を放棄するのですか!!」

平塚「誰もが責任を減らしたがった、  り  られがマジョリティになったのだ」

八幡「だからって国民に押し付けるなんて……」

20: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/10/27(火) 18:43:13.07 ID:MT3evwCOo
平塚「一夫一婦制 この制度を当たり前だと生きてきただろう比企谷」

八幡「はい」

平塚「それが君の  られたという感情の源泉なんだ」

平塚「一人の相手に対し、多大な責任を持つという幻想を人々に与えて、結婚を困難にする」

平塚「そのじつ、この制度のおかげで気軽に不倫ができる、売りも買いもだ」

平塚「  りも、  られも自由」

平塚「責任を持つ必要が無いのだからな」

22: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/10/27(火) 18:56:08.90 ID:MT3evwCOo
平塚「だが、私は違う 責任を持つ女性だ」

八幡「……」

平塚「だからだ、比企谷 私と結婚をしよう」

平塚「そうすれば悪しき一夫一婦制に風穴を……」

八幡「それはちょっと……」

平塚「」

八幡「それよりも先生、一夫一婦制を打破する運動をしましょう!」

平塚「えっ」

八幡「日本から  られという悲劇をなくさなければ!!」


こうして比企谷八幡の活動により、一夫一婦制は廃止され

多夫多妻制が導入された

24: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/10/27(火) 19:01:34.90 ID:MT3evwCOo
― 導入後 奉仕部 ―


八幡「おかしい……」

雪乃「何もおかしくないわ」

八幡「導入は出来たが、何かがおかしい」

雪乃「比企谷くん、あなたは私とも由比ヶ浜さんとも関係を持つことが出来たじゃない」

八幡「あと、川崎に海老名さんと三浦、一色に折本にルミルミに葉山もな」

雪乃「それで何が不満なの?」

八幡「確かに  られという概念はなくなったが……」

25: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/10/27(火) 19:02:21.05 ID:MT3evwCOo
ガラガラガラ

結衣「やっはろー! ゆきのんにヒッキー」

雪乃「こんにちは、由比ヶ浜さん」

八幡「おう」

結衣「ヒッキー、今日はとべっちとデートなんだ」

八幡「分かった、楽しんでこいよ」

結衣「うん!」

ガラガラガラ ピシャッ

26: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/10/27(火) 19:04:52.63 ID:MT3evwCOo
八幡「……俺と由比ヶ浜とのデートは再来週の火曜日だ」

雪乃「私とは3週間後ね」

八幡「関係した全員に責任を持ってはいるが、これじゃまるで」

雪乃「一つの責任というパイを切り分けているだけに過ぎないわね」

八幡「そうなんだ……俺は一人に対して以前の九分の一の責任しか負ってない気がする」

八幡「こんな偽物のハーレムがしたかったわけではないんだ……」

27: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/10/27(火) 19:06:03.54 ID:MT3evwCOo
ガラガラガラ

平塚「うわああああああ、どうして私は!! 私は結婚が出来ないのよおおおおおおおおおおおお」

雪乃「先生……」

雪乃「どんな制度であれ、世界であれ 結婚が無理な人は無理なんです」

平塚「」ドテッ

八幡「ひ、酷い……」

29: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/10/27(火) 19:10:34.64 ID:MT3evwCOo
雪乃「比企谷くん、  られが好きな人のことを考えたことがある?」

八幡「いや……」

雪乃「あなたはこの制度で  られ好きを苦しめているのよ」

八幡「  られは悪なんだ……絶対悪なんだ……」

雪乃「目を覚まして頂戴、ハーレムが嫌いの人にはどう説明するの?」

雪乃「誰もが責任を小さく切り分け、塵より軽くなったそれに意味があるの?」

八幡「わからない……」

30: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/10/27(火) 19:11:21.20 ID:MT3evwCOo
雪乃「比企谷くん」

雪乃「不貞な関係を築かないという責任」

八幡「!!」

雪乃「これがあなたの求める答えじゃないかしら?」

八幡「ああ、そうだな」

31: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/10/27(火) 19:15:18.93 ID:MT3evwCOo
八幡「やっと分かったよ」

八幡「制度が悪いのではない、その責任をふと忘れてしまう」

八幡「その人間の弱さが何よりの問題だったんだ!」

雪乃「分かってくれたようね」

八幡「こうしてはいられない! 不貞行為には厳罰を与えなくては!」

雪乃「」

八幡「厳罰を!! 男子高校生を勘違いさせる行動に厳罰を!!」



こうして比企谷八幡の活動により、一夫一婦制が再び導入され

不貞行為に10年以下の懲役又は50万円以下の罰金が科されるようになった

32: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/10/27(火) 19:20:33.79 ID:MT3evwCOo
― 奉仕部 ―

雪乃「比企谷くん 今晩、私の家で食事でもどう?」

八幡「は? お前はまだ葉山と付き合っているだろうが! そんなことは出来ない!」

八幡「不貞行為は厳罰化されたと知っているだろ?」

雪乃「誰も通報なんてしてないわ」

雪乃「それよりも厳罰化のおかげで」

雪乃「誰もが不倫したがってるのよ、スリルを求めて」

八幡「」 

ガラガラガラ

結衣「やっはろー! ヒッキー不倫しようよー」

八幡「……」

八幡「いいだろう……二人同時に相手してやる」

結衣「ヒッキーかっこいい!」

八幡(  り最高だな!!)



その晩、平塚静の通報により奉仕部三人は逮捕された


引用元: 八幡「由比ヶ浜と雪ノ下に彼氏ができた……」