1: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/01(金) 00:24:45.35 ID:24iRVnT10
キシリア「兄上、私に見合いの話ですと!?」ギレン「うむ」

ドズル「それは親父が決めたのか?」

ギレン「いや、私の一存だ。父上にはまだ知らせておらぬ」

キシリア「兄上、私はまだ嫁ぐ気などありませんよ」
     (よもや兄上の方から仕掛けてくるとは。先の取締役会、私のニュータイプ研究室長就任が余程御気に召さなかったと見える)

ドズル「どちらにせよ、そういった大事な話は朝食の後にしようぜ。
    3人でそろって飯を食うなんて、随分なかったしな」

ギレン「ならばこそだ。昨夜はガルマの結納の為、忙しい中我らがそろったのだ。この機会を逃せば次は何時になるかわからぬ」

ドズル「兄貴が其処まで言うなら。おい、皿を下げてくれ。キシリアもそれで良いな」

キシリア「はい」

2: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/01(金) 00:26:04.23 ID:24iRVnT10
ギレン「知ってのとおり父上は御高齢であり、何時お迎えが来るともしれぬ。
    そこでキシリアには、親孝行をしてもらおうと思ってな」

キシリア「順番で行けば、長男である兄上がまず妻を迎え入れるべきでは?」
     (さてどの様な理屈を持ち出して、私を追い出しにかかるのか)

ギレン「長男なればこそだ。父上の名代として、ザビ家を背負わねばならぬ。
    お前が嫁ぐまで、自分の家庭を持つ気はない」

ドズル「兄貴はお堅いからな。俺の時もそうだった」

ギレン「ガルマは学生故に結納で済ませたが、お前の場合はそうのんきな事を言ってはおれぬ。
    然るべき所に嫁いでもらうぞ」

3: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/01(金) 00:27:25.13 ID:24iRVnT10
キシリア「親孝行なれば、私は父上のおそばで働きたいと望んでおります」

ギレン「何を言う。早く孫の顔を見せて父上を安心させてやれ。それが親孝行と言うものだ」

ドズル「そう急くなよ兄貴。キシリアにだって、良い人がいるかもしれないじゃねえか。なあ?」

ギレン「どうせどこの馬の骨ともしれぬ凡庸な男であろう。大切な妹だ、おいそれとは渡せぬ」

キシリア「兄上がそこまで言われるならば、よほどの御方なのでしょうな。吝かではありませぬ」
     (ここで焦って突き放すは下策)

ギレン「では、決まりだな。話を進めておく」

4: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/01(金) 00:29:24.59 ID:24iRVnT10
ドズル「おい待ってくれよ兄貴。俺の義弟になるかもしれない相手なんだ、誰なのか教えてくれよ」

キシリア(そら、食いついた)

ギレン「クラックス・ドゥガチ殿だ」

5: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/01(金) 00:31:19.48 ID:24iRVnT10
ドズル「クラックス・ドゥガチっていやぁ、あの木星開拓公社の?」

ギレン「然り。家柄・実績ともにキシリアを嫁がせるにふさわしい相手だ」

キシリア「私の記憶が確かでしたら、彼はかなりの御高齢では? お父上の学生時代の御友人と伺っておりますが」

ギレン「問題ない。先の奥方もキシリアとそう変わらぬ年で、ドゥガチ殿の元へ嫁がれた」

キシリア(さて、どう動くべきか。傍から見れば政略結婚の道具、実態は体の良い厄介払い。
     断るだけならば簡単だが、兄上は次の矢を放つだろう)

7: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/01(金) 00:33:01.88 ID:24iRVnT10
ドズル「幾らなんでもそりゃあないぜ、俺は反対だ。可愛い妹を後家になんて出来ねえよ」

ギレン「このまま我らがジオン植民公団で働いていても、婚期を逃して行かず後家になるだけだ」

キシリア(ならば受け入れるか? いや、老いたとはいえ私の傀儡となるような御老公ではあるまい。
     先立たれたとしても、私が暗殺したとの噂を流されるだろう)

ギレン「キシリアよ嫁いでくれるな、これは会社の為でもある」

ドズル「キシリア行くことは無いぜ、もっといい相手が幾らでもいるって」

8: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/01(金) 00:35:32.51 ID:24iRVnT10
キシリア「お断りいたします」

ドズル「だよな」

ギレン「そうか、ならば―――」

キシリア「ですが! 兄上のお気持ち、痛く身に染みました。見合いはしましょう」

ギレン「ほう?」

9: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/01(金) 00:37:19.78 ID:24iRVnT10
キシリア「私の相手はガルマに捜して頂きます。幸運の御裾分けを頂くのも悪くは無いでしょう」

ドズル「そりゃあいい。なんだったら婿を取るのもいいかもな」

ギレン「そうだな。ガルマであればきっと良い相手を見つけてくれるだろう」
    (毒にも薬にもならぬ男であろうな。ならば如何様にでもできる)

キシリア「では、これで。御父上にもよろしくお伝えください、ギレンの兄上」

10: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/01(金) 00:39:28.86 ID:24iRVnT10
アムロ「で、なんで僕が君達に協力する話が飛び出したんだい?」

ガルマ「カイ君の勧めでな。私は姉上の御相手に親友であるシャアを推挙したいと考えている。
    そしてアムロ君、君はシャアの親友だろう。ならば私にとっても親友だ、仲良くしようではないか」

アムロ(ダメだ。こいつは悪意のない分、たちが悪い)
   「カイ、どうして連れてきたんだ? そもそも僕らは学区が違うのにどこで知り合ったんだ」

カイ「遊び場でばったり会ってな、意気投合したってわけよ」

ガルマ「左様。あの頃の私は純朴な少年であったが、悪友たるシャアにあちこち連れだされてね。
    まったく、随分といけない遊びを教え込まされたものだ」

カイ「俺はシャアの身元を洗うよう頼まれたのさ、これでもジャーナリスト志望なんでね」

11: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/01(金) 00:41:56.22 ID:24iRVnT10
ガルマ「シャアに恋人がいるならば、この話は立ち消えだからね。その過程で、アムロ君の事を教えて頂いたよ」

カイ「俺の調査では、シャアには恋人は無し。話を進めるべきだと思ってね」

アムロ「カイ、耳を貸せ」
   『何を考えてるんだ、シャアには幼馴染のハマーンさんがいるだろう。馬にけられるのは御免だ』

カイ『あの二人じゃ、何時まで経ってもくっ付くわけないだろ。だったら別な相手を見繕った方が良い。
   それにアムロ、これはお前にとっても悪くない話だ』

アムロ『人の気持ちを踏みにじる事がか? 馬鹿にするな!』

12: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/01(金) 00:44:08.25 ID:24iRVnT10
カイ『俺が知らないとでも思ってるのか? セイラさんに告白して振られただろ』

アムロ『あれはっ、返事を待ってくれと頼まれたんだ。今は自分の幸せだけを考えられないって』

カイ『セイラさんの頭痛の種は、あのシャアだ。もしもシャアが身を固めれば、荷が下りるわな。
   二人の関係も、前向きに考えて貰えるんじゃないか?』

アムロ『確かに…。すまない、僕は今まで君の事を快く思っていなかったことを謝るよ』

カイ「お前のそういうとこ、憎めないのよね。ガルマ、話を煮詰めようぜ」

ガルマ「仲良きことは美しきかな。何分仲人の経験は無くてね。
    ハヤト君とフラウさんの間をアムロ君が取り持ったと聞いている、ぜひともコツをご教授願いたい」

15: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/01(金) 00:47:26.54 ID:24iRVnT10
アムロ「コツと言ってもな…僕たち三人は幼馴染だったし、ただ良縁が有ったとしか」

ガルマ「縁か、それならば大丈夫だ。実はな私とシャアは子供の頃にも友人だったのだよ。
    カイ君に教えてもらうまですっかり忘れていたがね。キャスバルは姉上とも仲が良かった。
    幼き頃に離れた二人が時を経て出会う。実に運命的な話ではないか!」

アムロ『ところでカイ。ガルマはハマーンさんの事は知らないのか?』

カイ『シャアの親友を公言する男だぞ、彼女とも友人に決まってるだろ。もっともハマーンさんの気持ちには気付いていないみたいだけどね』

アムロ『随分と、幸せな男何だな…ガルマは』

16: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/01(金) 00:50:59.78 ID:24iRVnT10
カイ『だからさ、頼まれると邪険に出来ないのよね』

アムロ「それならば、どうにかできるかもしれないな」

ガルマ「おお、それは心強い。して私は何をすれば良いのかな」

アムロ「この話を進めるには、もっと協力者が必要だ。こちらから連絡するまで動かないと約束して欲しい」

カイ「そうそう、後ででかい仕事が待ってるんだ。出番が来るまで踏ん反りかえってりゃいいのよ」

ガルマ「この恩、忘れぬと誓おう」

17: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/01(金) 00:54:53.78 ID:24iRVnT10
カイ「で、方針は?」

アムロ「シャアと二人に見合いをさせる」

カイ「良い判断だ。ハマーンには泣いてもらう事になるが、傷は浅い方が良いだろうさ」

アムロ「僕は二人と言った。シャアの見合い相手は、キシリアとハマーンだ」

カイ「掛けもちか? どちらか片方にシャアを引っ張り出すだけでも難儀なのに、そりゃ無茶ってもんだろ」

アムロ「ああ、確かに無茶だ。だが無理に無理を重ねて無理を押し通せば…何とかできるかもしれない。
    ガルマの底抜けの楽天さと社交性があれば、きっと上手く行くはずだ」

18: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/01(金) 00:58:42.82 ID:24iRVnT10
カミーユ「アムロさんがクワトロ先輩の見合いをセッティング? どういう風の吹き回しですか?
     留学生のララァさんを巡った争いから、お二人は犬猿の仲だったと聞いていますが」

アムロ「確かにわだかまりはある。だがそれは過去の話だ。人はきっと分かり合える、そうだろう。
    この会を通じて、シャアには身を固めて貰いたいと思っている」キュピーン

カミーユ「やましい気持ちは無いようですね。解りました、他ならぬアムロさんの頼みです。僕は何をすれば?」

アムロ「当日、会場のそばでシャアにプレッシャーをかけ続けてほしい。シャアとハマーンの間を取り持ちたいんだ。
    あいつは恥ずかしがり屋だからな、逃げ出さないように頼む」

カミーユ「あの二人でしたら御似合いですね」

19: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/01(金) 01:02:00.45 ID:24iRVnT10
シロッコ「君が私に頼みごととはね。しかも見合いをぶち壊せと。突拍子の無い話だ、ゆえに興味がわいた」

アムロ「キシリア女史とシャアとの見合いが内々に決定している。もしも話がまとまれば、キシリア女史は寿退職となるだろう。
    今を時めくスーパーキャリアウーマンの退職、女性の社会進出が一歩後退するとは思わないか?」

シロッコ「私には利がある、しかし君はどうなのかな? この話を壊していったい何を企む」

アムロ「簡単だ。シャアのやつに嫌がらせがしたい」キュピーン

シロッコ「私怨か、拭いきれぬものだな。私に何をしろと」

アムロ「前日の夜から当日会場にたどり着くまで、シャアにプレッシャーをかけ続けてほしい。
    僕が裏工作に動いている事を悟られたくない」

シロッコ「些末な事だ。任せたまえ

20: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/01(金) 01:06:16.30 ID:24iRVnT10
セイラ「ええっ、兄さんとハマーンさんのお見合い! しかも仲人はガルマさんとキシリアさんですって」

カイ「ああ、だからセイラさんにもぜひ出席してもらいたい」

セイラ「そりゃ願っても無い話だけど、やっぱり…私ザビ家の方とはまだ…」

カイ「確かに過去には不幸な諍いがあったかもしれない。だけどさ、ガルマのやつ結納を済ませただろ。
   新しい門出を祝う前に、過去の友誼を復縁させたいって言い出してさ」

セイラ「分かりました、こだわり続けた私が子供でしたね。そのお話し、お受けいたします」

23: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/01(金) 01:12:08.14 ID:24iRVnT10
カイ「大分話がまとまったぜ。今回は正式な見合いではなく、食事会の建前にしてくれ。
   いきなり二人っきりにさせても、話が続かないだろうしな」

ガルマ「ホストの役ならば社交界で何度も経験している。任せてくれたまえ」

カイ「建前は食事会だが、見合いなんでな。とびっきり御高い店を選んでくれ、キシリア女史に相応しいようなね」

ガルマ「食事も話題の潤滑油だ。承知した」

カイ「この後参加予定者から問い合わせが来るだろうけど、見合いってことは伏せておいてくれよ。あくまでも食事会だから」

ガルマ「余程大切な事なのだな。我々が行うのは食事会、復唱しようか?」

カイ「いや、いい。招待状はこっちが用意するから、場所が決まったらまた連絡してくれ」

25: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/01(金) 01:20:08.34 ID:24iRVnT10
ハマーン「なあ、シャア。アムロから話を聞いたのだが今度の休みに…その食事会があるとか?」

シャア (アルテイシアとの仲直り会か)
    「ああ、私がアムロに頼んで取り持ってもらった。無論参加してくれるのだろう? ガルマも来ると聞いている」

ハマーン (わっ 私との見合いをだと)
     「何と本当の話だったとは。こんな日が来るとは思ってもみなかったが…確認するぞ。本当に貴様が望んだ話なのだな?」

シャア「私は、今回の話(アルテイシアとの仲直り会)を心から望んでいる」

ハマーン「そ、そうか、貴様が其処まで言うならば私としても(見合いの話は)吝かではないぞ」

27: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/01(金) 01:24:24.51 ID:24iRVnT10
シャア「いやなのか? ならば辞退してくれても構わんが」
    (最悪ガルマをダシにして話題を繋げば、場を盛り上げる事も出来るだろう)

ハマーン「いや、いくぞ。こちらとしても願っても無い話だ」

シャア「そこまで喜んでくれるとは(そういえば、アルテイシアはハマーンと仲が良かった)。ハマーンは(友達思いで)優しいな」

ハマーン「~~~///。これから美容院の予約を入れてくる。
     シャア、お前も恥ずかしくない格好をして来るのだぞ」

29: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/01(金) 01:33:24.52 ID:24iRVnT10
申し訳ありませんが、御引取下さるよう願います。

シャア(クワトロ服)「しかしだな、今日はここで食事の予約が入っているはずなのだ」

お引き取りを願います。

シャア(くっうかつだった、ガルマの奴はボンボンだ。
    奴の選ぶホテルで食事ともなれば正装を求められるのは当然。そんな事も思い浮かばないとは浮かれ過ぎたか)

セイラ「キャスバル兄さん!? ノースリーブにノータイだなんて、そんな情けない恰好で…恥ずかしくないんですか!」

シャア「おお、アルテイシアか。これは今年の流行で―――」

セイラ「お黙りなさい! それでもダイクン家の男ですか。父上が見たらどれだけ悲しまれるか」

31: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/01(金) 01:41:26.11 ID:24iRVnT10
お嬢様! とするとこちらはよもや

セイラ「あら、ひょっとして」

ラル「ラルでございます。今はこちらの支配人をさせて頂いております。
   そういった事でしたら、御通しせぬわけにはいきませぬな」

セイラ「ラル、アルテイシアが命じます。追い出しなさい。今直ぐに。
    皆様にはわたくしがお詫びしてまいります」

シャア「まてまて、直ぐにでも着替えてくる。その辺の店で上着とタイを買ってくれば」

32: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/01(金) 01:48:23.96 ID:24iRVnT10
セイラ「兄さん。そんないい加減な気持ちで、今日の会に参加するおつもりだったのですか?
    私だけではないんですよ。皆様がどれだけ楽しみにしていたとお思いですか!?」

シャア(い、いかん。もはや取り返しのつかない状況に、ど、どうすれば…お、落ち着くんだおち)

アムロ(もういいぞシロッコ、プレッシャーを外せ。遅刻した上にあの醜態、心証は大きく下がるだろう)キュピーン

シロッコ(まさしく道化だな。この先彼がどう踊るのか、見届けられぬのが残念だよ)キュピーン

ラル「こんなこともあろうかと、ジオン様からお預かりしてた衣装がございます。こちらへどうぞ」

33: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/01(金) 01:54:41.48 ID:24iRVnT10
シャア(総帥服)「皆様、おまたせして申し訳ない。せっかくの集まりに水を差すような真似をしてしまいました」

キシリア「なに、その分こちらは皆化粧直しの時間が取れたゆえな」

ガルマ「では主役も登場いたしましたし、僭越ながら御挨拶を」

ハマーン(ええ、あれがシャア!? 凄くバッチリ決めててカッコイイ。 本気で私を妻にする気なんだ。
     このドレス大丈夫かな、似合ってるって言ってくれるかな。キシリア様が選んでくれたから心配ないよね)

ガルマ「~~~の会は私一人の力で成し遂げたものではなく、幾人もの人々の手を借り~~~」

36: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/01(金) 02:02:55.16 ID:24iRVnT10
シャア(アルテイシアはっと、隣の席か。機嫌を直してくれていれば良いが)

座席  セ シャ 
         ガルマ
    ハ キシ

セイラ(今回のお話し、兄さんがボロを出す前に何とかして纏めないと)

ガルマ「~~~よって、今日の良き日に皆様のさらなる良縁を取り持てる事を願います。 乾杯!」

一同「乾杯!」

38: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/01(金) 02:13:34.04 ID:24iRVnT10
セイラ「ハマーンさんお久しぶりね。今はどんな暮らしを?」

ハマーン「はい。冬休みですので、ドズルさんのお宅でベビーシッターをさせて頂いています」チラッ チラッ

セイラ「まあ、子供が好きなのね。素晴らしい事だと思いますよ」チラッ チラッ

ガルマ「姉上、こちらが私の親友であるシャアです。覚えておいでですか?」

キシリア「ああ、つい先日もあったばかりだ」

シャア「その節は、お世話になりました」

40: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/01(金) 02:19:57.21 ID:24iRVnT10
ガルマ「なんと手が早い、これならば私が取り持つまでもなかったかな? ははっ」

キシリア「個人面接をしたのだがね、とても見所のある青年だったよ」

シャア「おかげさまで、ジオン植民公団ニュータイプ研究室への内定を頂く事が叶いました」チラッ チラッ
   (ガルマよ、ナイスアシストだ。就職人気ランキング上位を独占するジオン植民公団、その花形部署への就職内定。
   こうして名乗ればさりげなく、かつ嫌みがない。アルテイシアっ見ているか 兄は今真人間への道を歩んでいるぞっ)

セイラ「まあ、兄さんおめでとうございます。キシリアさん 本社勤めならば、入社早々地方への転勤は有りませんよね?」

41: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/01(金) 02:25:32.41 ID:24iRVnT10
キシリア「安心なさい、御兄君の論文はとても興味深い物だった。待遇は保障しよう」

セイラ「でしたら、当面は引っ越す予定はありませんね。兄さん」

シャア「うむ。今日この会へ参加したのも、その事を報告したかったからなのだ」チラッ チラッ
    (アルテイシアよ、お前が卒業するまでで良い。昔の様に兄妹仲良く暮らそうではないか)

ハマーン(これが初めての給与で買った指輪だ、受け取って欲しい。 こういう事なの!!!
     就職が決まったからプロポーズって、すごい。まるで夢みたい)

42: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/01(金) 02:31:25.03 ID:24iRVnT10
ガルマ「ハマーンさんは、卒業後は進学ですかな?」

ハマーン「私は専門学校へ行って、保育士の資格を取りたいと考えています」

キシリア「あのキャスバル坊やが今や立派な社会人だ、嬉しくなるねぇ」

シャア「なんと気が付いて御いでか! (私をダイクン家の人間と知ってこの厚遇、どういう事だ)」

ガルマ「姉上、水臭いではないですか。私はつい先日まで存じなかったのですよ」

キシリア「お前達は鈍い所があるからね、二人とも手のかかる弟みたいなものだよ。
     ハマーンも苦労しただろう(ハマーンは昔からキャスバルにべったりだったしねぇ)」

43: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/01(金) 02:36:36.89 ID:24iRVnT10
ハマーン「はい、あっそのいいえ。大変な事も多かったですけど、私にとってはとても良い思い出です」

セイラ「昔の話(ザビ家が会社を乗っ取った事)は湿っぽくなってしまいますね。
    今もこうして皆がそろって笑いあえる事、わたくしは嬉しく思います」チラッ チラッ
    (兄さん、あちらから歩み寄ってくれているのです。お受けしましょう)

ガルマ「まったくです。さあ我らの再会を祝して、今一度乾杯いたしましょう。乾杯!」

一同「乾杯!」

44: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/01(金) 02:40:17.42 ID:24iRVnT10
ガルマ「それにしても私は中々(シャアがキャスバルだと)気が付かなかったが、シャアは何時気付いたのだ?」

シャア「気付く気付かないの話ではない。昔からずっとそう(ザビ家が仇)だったが、おいそれとは口には出来なかっただけだ」

セイラ「じゃあ兄さんはずっとその事(ハマーンさんの好意)を知りながら、(ハマーンさんと)仲良くされていたのですか?」

シャア「うむ。(ガルマは)気心の知れた相手だったしな、今更関係を改める(仇と憎む)事は出来なかった」

ハマーン「私はてっきりその、シャアにはその気(お嫁さんにしてくれるつもり)が無いのかと思っていました」

45: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/01(金) 02:45:45.13 ID:24iRVnT10
シャア「無論(復讐は)何度も考えた。その為にアルテイシアにも苦労を掛けた。だが、なかなか実行する機会が無くてな」

セイラ「(ハマーンさんに何度も泣き付かれて)苦労はしましたが、兄さんが御自分の気持ち(ハマーンさんが好きだ)と真剣に向き合うまでの対価だったと考えましょう」

ガルマ「それでは私だけが蚊帳の外だったのではありませんか、姉上もお人が悪い」

キシリア「なればこそ、この様な会が開けたのではないか。今日は皆が大切な事(シャアのハマーンへのプロポーズ)を知ったのだ。
     小さな拘り(二人がまだ学生である事)には目をつむり、薔薇色の未来に酔うとしよう」

シャア「ガルマよ、今日の会(アルテイシアとの仲直り会)を取り持ってくれた事感謝する。
    お前のおかげで(アルテイシアと)二人の、明るい未来を思い描く事が可能となった。重ねて礼を言わせてもらおう」

46: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/01(金) 02:50:41.63 ID:24iRVnT10
セイラ「私からも感謝を。おかげで胸のつかえ(兄さん発のトラブル処理役)が取れました」

ガルマ「アルテイシアにも(姉上を)気に入って頂けたようで何よりです。
    その姉上、シャアから頂いた言葉だけでは…前向きに話(姉上とシャアの婚儀)を進めてもよいのでしょうか?」

ハマーン「はい、私も今日の会に参加して良かったです。キシリアさん今後も(結婚までの相談役を)よろしくお願いします」

キシリア「うむ、言質は取ったな。ここにいる皆が証人だ。今後一切は私が取り仕切らせて頂こう。
     名残惜しいが、これにて解散といたそう。またすぐに集まる事になろうがな」


アムロ (長時間ご苦労だったカミーユ、プレッシャーを外せ)キュピーン

カミーユ(すいませんが、足がふらつくので迎えに来てもらえませんか? さすがに疲れました)キュピーン

47: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/01(金) 02:55:09.21 ID:24iRVnT10
アムロ「これで上手く話がまとまったよ、ありがとうカミーユ」

カミーユ「話が違いますよ、セイラさんも居ただなんて。シャア一人にプレッシャ―を絞るのは大変だったんですから」

キシリア「ご苦労だったね。ネズミ達」

アムロ「なっ何時の間に、逃げるぞカミーユ」

カミーユ「待って下さい、まだ足が」

キシリア「ホホホ、そのままで結構。お前たちは良く働いてくれたよ」

アムロ「どこまで御存じだったのですか?」

48: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/01(金) 03:08:59.95 ID:24iRVnT10
キシリア「これでもニュータイプ研究室長だよ、怪しい動きが有れば…ねぇ」

アムロ「僕はただ、友人の幸せを思って」

カミーユ「僕はアムロさんにやれと言われただけなんです」

キシリア「取って食おうってわけじゃないさ、ただ労いをね。
     これから先、何か困った事が有ったら私に言いなさい。力になるよ」

カミーユ「行っちゃいましたね、いい人…だったんでしょうか?」

キシリア(ギレンの兄上を追い落とすには、手駒は多い方がよいからねぇ)

49: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/01(金) 03:11:56.28 ID:24iRVnT10
シャア「アムロ、助けてくれ。
    最近のハマーンがまるで借りてきた猫のようにおとなしい。薄気味悪くてかなわん」

アムロ(棒読み)「シャア結婚おめでとう。もうのろけかい、うらやましいなー」

シャア「またか。どこのだれが言いふらしているのか知らんが、悪質なデマだ」

カミーユ(棒読み)「ハマーンさんに尋ねても何も答えてくれませんけど、態度を見れば誰でもわかりますよ」

シャア「せっかくアルテイシアと仲直りできたのに、学校付属の女子寮へ引っ越されてしまうし。
    なにが邪魔者は消えますね、だ。邪険にしたことなど一度も無い」

50: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/01(金) 03:14:37.53 ID:24iRVnT10
カイ「女子寮なら悪い虫は寄り付けないでしょ。兄貴としては安心できるんじゃねぇの? なあ、アムロ」

アムロ「なんで僕に振るんだよ、まったく」

カミーユ「何だか凄く叫びたい気分です。皆でカラオケにでも行きませんか?」

シャア「うむ、私も叫ばずにはおれん」

カイ「決まりだな、今日はおごるよ。懐が暖かいんでね」

アムロ「それってまさか」

カイ「くわばらくわばら」

51: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/01(金) 03:19:40.57 ID:24iRVnT10
ギレン「キシリアよ、次の見合い相手だが」

ドズル「人間だれもが兄貴みたいに割り切れる訳じゃねえって。少しは配慮してやれよ」

キシリア「私は今、初恋に破れてしまったショックで食事も喉を通らぬのですよ。ああキャスバル、よよよ(嘘泣き)」

ドズル「な、もうこの話はやめよう。ところで兄貴、試作中のビグザムモナカ何だけどもさ。あれ、いけると思わないか?」

ギレン「他にも手はある、幾らでもな。今回はこちらが折れるとしよう」

ドズル「そうそう、足からポキッて折ればさ食べやすくなるよな」



ハマーン「春になったら、お嫁さんかぁ」



おしまい

引用元: キシリア「兄上、私に見合いの話ですと!?」ギレン「うむ」