1: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/06(水) 21:16:15.09 ID:D2ySKaWm0
ガチャッ

佐天「あー……でも会社だるいなー……」靴トントン

佐天「3年持たないかも……」トコトコ

10: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/06(水) 21:24:06.75 ID:D2ySKaWm0
佐天(でも贅沢な事言ってられないよね……)トコトコ

佐天(わざわざ転職してブラックにでも当たったらそれこそ地獄だろうし)

佐天「はぁ」トボトボ

御坂「佐天!」タッタッタッタ

佐天「あ、御坂さん」

御坂「おはよう~」タッタッタッタ

佐天「おはようございます」ペコッ

御坂「そんな覇気のない歩き方してて……しっかり身を入れて仕事しなきゃダメよ」バンバン

佐天「は、はい」アセアセ

御坂「じゃあね」タッタッタッタ

佐天「あ、行っちゃった……」

佐天(御坂さんはうちの親会社である超大企業の社員。でも毎日本当に忙しそう……)

佐天(上に行くのも考えものね)

佐天(呼び捨てにされるのやっとなれてきたわ)

13: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/06(水) 21:30:02.29 ID:D2ySKaWm0
――オフィス――


佐天「……」カタカタカタカタ

佐天「……」カタカタカタカタ

佐天「ふぅ」

佐天(こんな誰でも出来る仕事……退屈だわ)

上司「佐天ちゃん、これのコピーとっておいて」

佐天「あ、はーい」スクッ

佐天「……」トコトコ

佐天(でもまぁ出来ないような事させられるより遥かにマシよね)ピッ カシャーン

佐天「……よし」トットッ

佐天「コピー、ここに置いておきますねー」スッ

上司「ありがとー」

佐天(周りも優しいし)

18: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/06(水) 21:41:59.80 ID:D2ySKaWm0
――夕方――


佐天「……ふぅ。終わりか」

佐天「疲れたー……」

佐天(でも18時に上がれるって、世間的には恵まれてるんだよね)

同僚「佐天、飲み行かない?」

佐天「あ、ごめん。今日ちょっと用事あって……」

同僚「そっかー」

佐天(今日は仕事終わりに初春と飲む予定なのよね)

佐天(でも……)

佐天(何時になる事やら……)

19: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/06(水) 21:46:02.81 ID:D2ySKaWm0
佐天「……」ピッ

佐天「……やっぱりこの時間じゃ連絡取れないか」

佐天(いつも通りなら、何時間も待つ事になりそうね)

佐天(近いから一回家帰って待ってた方が良いわね)トコトコ

佐天「……ふぅ」

佐天(やっぱり私の今の職場で、転職したいなんて贅沢だよね)

佐天(もっときつい毎日を送ってる人がいるって言うのに……)

25: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/06(水) 21:53:09.20 ID:D2ySKaWm0
――アパート――


佐天「ふぅー……」ドサッ

佐天「……」リモコン ピッ


マツコ「本当ああいう人許せない~」

芹那「私は結構好きですよ~?」

マツコ「あんたは黙ってなさい」

芹那「酷いですよぉ~」


佐天「……」

佐天「……芸能人でもなろうかしら」

佐天「……なんていうのは冗談で」

佐天「なんか良い仕事無いかな~……」

29: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/06(水) 22:00:40.80 ID:D2ySKaWm0
――10時頃――

prrrrrrr

佐天「!」

佐天(寝そうになってた……)ムクッ

佐天(初春だ)ピッ

初春「佐天さん、お待たせしました」ハァハァ

佐天「初春、えらい早いね」

初春「はい。休み前でこんな早く上がれるのは、奇跡です」

佐天「どうする? いつものお店行く?」

初春「佐天さんのお部屋が良いです」

佐天「うち? 別に良いけど」

初春「はい。近いですし、ゆっくりできますし」

佐天「じゃあ、お酒買ってまってるね」

初春「はい」

34: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/06(水) 22:03:43.48 ID:D2ySKaWm0
ピンポーン


佐天「お」

佐天「はーい」トコトコ

ガチャッ

佐天「!」

初春「お待たせしました」

佐天「う、うん」

初春「……? どうしました?」

佐天「あ、いや……入って入って」

初春「お邪魔しまーす」

佐天(見るたびにやつれてるじゃない……)

41: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/06(水) 22:08:30.92 ID:D2ySKaWm0
佐天「明日お休みなんだ」

初春「はい。先月一日も無かったので、今月は貰えました」

佐天「……そ、そう」

佐天「でも大丈夫? 早く家に帰って休んだ方が……」

初春「あ……め、迷惑でしたか?」アセアセ

佐天「いやいや、私は全然良いんだけどね。疲れてたらあれかなって。もちろんここで寝ちゃっても構わないんだけど」

初春「疲れてはいますけど、お酒飲まなきゃやってられないんですよ」ポリポリ

佐天「そ、そっか」

46: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/06(水) 22:12:37.30 ID:D2ySKaWm0
佐天「では」ジョッキ スッ

初春「はい」ジョッキ スッ

佐天「……」

初春「……」

佐天「……なにに乾杯?」

初春「……なんでしょうか」

佐天「じゃあ……」

初春「じゃあ……?」

佐天「初春の花飾り卒業に乾杯!」

初春「もうずっと前に卒業してますよ~」

カツーンッ

佐天「んっ…んっ…」ゴクゴク

初春「んっ…んっ……」ゴクゴク

佐天・初春「ぷはーっ!」

56: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/06(水) 22:21:33.37 ID:D2ySKaWm0
佐天「そこでミスしちゃって~」

初春「あわわわわ」ゴクゴク

佐天「……でも特になんという事もなく終わって~」ゴクゴク

初春「良かったですね」ゴクゴク

佐天「やってる事がしょうもなければ、ミスしても大した事にもならないっていうね」ヘヘヘ

初春「そんな事ないですよ~。その上司の方の助けがあったからですよ~」トクトクトク

佐天「もちろん感謝してるけどね~」

初春「そういう人は、見えない所でも色々助けてくれてるんですよー」ゴクゴク

佐天「……」

佐天「初春」

初春「はい?」

佐天「……さすがにペース早くない?」

初春「大丈夫ですよ~ビールですから~」

64: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/06(水) 22:30:03.43 ID:D2ySKaWm0
佐天「それでね~となりの部署の同僚が~ (いつものそうだけど……)」

初春「この間言ってた方ですね?」ゴクゴク

佐天「そうそう、よく覚えてるね。その人がヘルプで来てくれてね (……やっぱり自分の職場の話はしようとしない)」

初春「良かったですね~」ゴクゴク

佐天「横のつながりって大事だなーって (また一方的に私の話をしてる展開になってるよ……)」

初春「……」フラフラ

佐天「初春?」

初春「佐天さん、私、眠くなってきてしまいました」ポリポリ

佐天「良いよ、寝ても (全く……見るからに疲れ切ってるんだか……)」

初春「佐天さんの方行っても良いですか?」テレッ

佐天「うん、良いよ」

66: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/06(水) 22:34:47.98 ID:D2ySKaWm0
初春「うーん……」ポフッ

初春「やっぱり佐天さんの膝枕が一番です~」

佐天「初春、顔あっつ!」

初春「すみません、お酒で火照っちゃって火照っちゃって」

佐天「良いから少し休みな」ナデナデ

初春「はい。ひと眠りしたら起きて、帰りますんで」

佐天「泊まってっても良いよ」ナデナデ

初春「……」スースー

佐天(もう寝ちゃった)

80: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/06(水) 22:39:03.22 ID:D2ySKaWm0
初春「……」スースー

佐天「……」

初春「……」スースー

佐天(こうされてる間ってなにも出来ないんだよね)アハハ

初春「……」スースー

佐天(……初春)

佐天「……」

佐天(スキルがあるばっかりに……)

89: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/06(水) 22:46:55.67 ID:D2ySKaWm0
佐天(私の3倍くらい貰ってる代わりに……)

佐天(毎日早朝から深夜まで、休みは月に一日か二日あるかどうか……か)

佐天(あの会社、初春に辞められたら戦力的にかなり痛手だろうから、我儘は通るだろうに)

初春「……」スースー

佐天(断れない性格だからなぁ……)

佐天(本人も好きだやってる部分もあるだろうし……)

初春「……」スースー

佐天「……」ナデナデ

初春「……」スースー

100: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/06(水) 22:57:46.43 ID:D2ySKaWm0
初春「……」パチッ

佐天「あ、起きた」

初春「……」ムクッ

佐天「……」

初春「……」スタスタ

佐天「初春」

初春「!」ハッ

佐天「仕事じゃないよ。まだ夜だし明日は休み。そしてここは私の部屋」

初春「あ、そうでした」ポリポリ

107: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/06(水) 23:05:47.27 ID:D2ySKaWm0
佐天「もう良いの? 30分くらいしか寝てなかったけど」

初春「だいぶすっきりしました」フラフラ

佐天「そっか」

初春「では飲み直しましょう~」フラフラ

佐天「別に良いけど……まだフラフラしてるよ?」

初春「え? してませんよ~」フラフラ

佐天「擬音付けながらなに言ってるの。……って言っても、この部屋座椅子とか無いから寄り掛かれるものが……」

初春「じゃあ佐天さんに寄り添いながら飲みまーす」ススス

佐天「……全く」ギュッ

113: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/06(水) 23:14:39.25 ID:D2ySKaWm0
初春「んっ…んっ……」ゴクゴク

初春「ぷはーっ」

初春「私、ビールなら何リットルでも飲める気がしますよ~」

佐天「今日もだいぶいってるね~……」ゴクゴク

初春「ビールはアルコール度数が低いですから!」ゴクゴク

佐天「日本酒とかウイスキーと比べてって話でしょ。そんなに飲んだら結局アルコールの摂取量は……」

初春「だって今日は介抱してくれる人がこんなに近くにいるんですもん~」ゴクゴク

佐天「もう……」ナデナデ

初春「ここには私のパジャマもありますしね」ゴクゴク

122: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/06(水) 23:23:34.63 ID:D2ySKaWm0
初春「ふぅ……ふぅ……」フラフラフラフラ

佐天(だいぶ酔ってきたようね。このままじゃマジ寝しちゃうから……)

佐天「初春、着替えな」ポンポン

初春「……着替えな?」

佐天「うん (スーツのままマジ寝しちゃうと、次の日酷い事になってるのよね)」

初春「佐天さんいやらしいですよ~」クネクネ

佐天「……なに言ってんの。ほら、着替えたらベッドで寝て良いから」

初春「佐天さんのエッチ~」クネクネ

佐天「……」ペチッ

初春「あぅっ」

128: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/06(水) 23:32:30.50 ID:D2ySKaWm0
――高層ビル前――


御坂「さて、帰りましょ」

御坂「……」トコトコ

御坂「……」クルッ

御坂「……」

御坂(夜景は残業で出来てるっていうけど……)

御坂(自分が作る側に回ったって考えると感慨深いわねー)

御坂(思い出すな~。あの告白された日)

御坂(あの時も、夜景が綺麗な所で)クネクネ

御坂(……とかなに街中で一人で惚気てるんだろ私)

御坂(そうだ、連絡しておかなきゃね)ピッ

御坂「当麻? 今から帰るわよ~」

133: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/06(水) 23:39:02.21 ID:D2ySKaWm0
御坂「ふぅ」トコトコ

御坂「ただいまー」

ガチャッ

上条「不幸だー!」

御坂「?」

上条「不幸だー……」ヘタッ

御坂「どうしたのよ?」トコトコ

上条「煮過ぎてじゃがいもが溶けてる……」

御坂「カレー? じゃがいもは溶けてるくらい煮てある方が好きよ?」

上条「せっかくゲコ太の形に切ったのに……」トホホ

御坂「主夫だからってそんな所に力入れなくて良いわよ……」

150: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/06(水) 23:50:57.86 ID:D2ySKaWm0
初春「着替えましたよ~」

佐天「うん。じゃあベッドで寝て良いよ」

初春「佐天さんも一緒に寝ましょうよ~」

佐天「もちろん私も寝るよ。布団はちゃんと余分にあるから……」

初春「そうじゃなくて、一緒にベッドで寝ましょうよ~」

佐天「えぇ?」

初春「昔はよく一緒のベッドで寝てたじゃないですか~」

佐天「そりゃあ高校くらいまでだったらあれだけど……もうお互い大人だし……」

初春「良いじゃないですか~」

佐天「……初春、相当酔ってるね」

初春「そんな事ないですよ~」

佐天「早く寝なさい」

初春「佐天さんが一緒に寝てくれるまで寝ません」プイッ

佐天「もう……」

161: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/07(木) 00:00:01.72 ID:73vCrjkC0
御坂「美味しいわねこのカレー。高いルーでも買ったの?」モグモグ

上条「香辛料から自分で作ってみました」ドヤッ

御坂「そ、そう (日に日に料理に凝ってくわね……)」モグモグ

上条「カイエンペッパーとフェンネルがちょっと足りなかったかな?」モグモグ

御坂(なにを言ってるのかわからない……)モグモグ

上条「明日は休みだよな?」

御坂「えぇ。祝日だからね」

上条「じゃあ今夜は……」ムフフ

御坂「……」ペチッ

上条「あいたっ」

御坂「……雰囲気もあったもんじゃないわね (……もっと遠まわしに誘いなさいよ)」

165: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/07(木) 00:07:27.78 ID:73vCrjkC0
佐天(……全く)ボフッ

佐天「……これで良いの?」ジトーッ

初春「はい!」ニマーッ

佐天「女同士って言ってもセミシングルはさすがに狭いねー……」

初春「もっとくっつけば良いんですよ~」

佐天「はいはい」ススッ

初春「わーい」ムギュッ

佐天「初春お酒臭い~」

初春「佐天さんもですよ~」

佐天「……」

初春「……」

佐天「でも温かいね」

初春「はい!」

167: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/07(木) 00:13:59.16 ID:73vCrjkC0
シャーッ

御坂「……」ワシャワシャ

御坂「ふぅ」キュッ

御坂(あれをする日は時々、お風呂から上がると脱衣所に……)

ガラッ

御坂(あれが用意されて……)スタスタ

御坂「……あった」ジトーッ

御坂(また中学の時の制服か……)

御坂(さすがにもうきついっての)

176: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/07(木) 00:20:55.40 ID:73vCrjkC0
初春「佐天さん、もっとくっついて下さい~」

佐天「えぇ?」

初春「私、落ちてしまいますよ~」

佐天「そんな事ないでしょ……」

初春「あとこっち向いて下さいよ~」

佐天「なんでよ……」

初春「お話がしたいんですよ~」

佐天「話なら向かい合わなくても出来るでしょ?」

初春「出来ないんですよ~」

佐天「なんでよ?」

初春「佐天さんの……」

佐天「私の?」

初春「佐天さんの……胸に抱いて貰いでもしないと」

佐天「……?」

初春「泣き事なんで」

182: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/07(木) 00:27:22.19 ID:73vCrjkC0
御坂「んっ……」ススーッ

御坂「ふぅ」

御坂「きっついけど……なんとか入ったわ」

ガチャッ

上条「よう」

御坂「!」ドキッ

上条「あれ? 今日は俺も高校の頃の制服着てみたんだけど、ダメか?」

御坂「いや……あんたはあの頃と変わらないなーって思って」

上条「うっ……結構グサッと来たぞ…… (高坊の頃と変わらないって……トホホ)」

御坂「そんなに悪い意味じゃないわよ」スタスタ

上条「? じゃあどういう意味だよ?」スタスタ

御坂「べ、別に、なんでもないわよ……!」アセアセ

上条「そういうお前も変わらないよ」

御坂「うるさいわよ」プイッ

184: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/07(木) 00:34:34.43 ID:73vCrjkC0
佐天「……」

初春「……」

佐天「じゃあ……」クルッ

ギュッ

初春「んっ……」

佐天「これで……」ナデナデ

初春「……」グスッ グスッ

佐天「……泣き事言える?」ナデナデ

初春「……」グスッ グスッ

佐天「……」ナデナデ

初春「佐天さん、私……」グスッ グスッ

佐天「うん?」ナデナデ


初春「花飾り付けてお仕事したいんです」


佐天「」

197: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/07(木) 00:44:48.29 ID:73vCrjkC0
上条「じゃあ行くとするか」

御坂「なんか……恥ずかしいわね (大人が揃いも揃って学生時代のコスプレって……)」テレテレッ

上条「だから深夜やるんじゃねぇか」

御坂「まぁ……そうだけど」


ガチャッ


上条「久し振りの深夜お散歩デートだな。今日はどういうルートで行く?」

御坂「あ、あそこ行きましょ」

上条「あそこ?」

御坂「あの……こ、告白してくれた所よ」テレテレッ

上条「あぁ、あの夜景が綺麗な所か」

208: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/07(木) 00:56:39.81 ID:73vCrjkC0
初春「社会人になるからって事で、花飾りを捨ててしまったあの日から……」

佐天「……」

初春「なんか調子が出なくなっちゃって……」

佐天「……」

初春「だんだん生活全てが満たされなくなってしまって……大好きなお仕事で誤魔化してる感じで……」

佐天(だ、大好き……?)

初春「自分でもやつれてってるのがわかって……」

佐天(え? それが原因なの?)

初春「花飾りしながらお仕事出来れば良いんですけど……さすがにそんな事言えなくて……」

佐天「……い、家にいる時につけてれば良いんじゃないの?」

初春「生活の大半はお仕事ですから、家にいる時だけつけてるのは逆に気持ち悪いんですよ。見せる相手もいませんし」

佐天「……」

初春「だから逃げ場がお仕事に熱中する事しかなくて……」

佐天(逃げ場……だと?)

213: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/07(木) 01:06:51.96 ID:73vCrjkC0
初春「お仕事中に花飾りがつけられれば……全部解決するんです」グスッ

佐天「……」

初春「でも社会人が……花飾りなんて……」グスッ

佐天「……」

初春「このままじゃ私……」グスッ グスッ

佐天「……」

初春「私……」グスッ グスッ

佐天「……人と接するお仕事じゃないんだから、とりあえず上司に聞いてみたら?」

初春「……!」

佐天「いやわかんないけど、初春ならそれくらいの我儘通るでしょ」

初春「そ、そうですかね……」

215: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/07(木) 01:13:28.33 ID:73vCrjkC0
上条「♪」トコトコ

御坂(な、なにこれ……)トコトコ

上条「なんか懐かしいな~」

御坂(両方制服だと……超恥ずかしい……)

上条「もっとこっち寄れよ」

御坂「う、うん (こんな所知り合いに見られたら……)」

キッ

上条・御坂「!?」

警察「こら、こんな時間に学生がなにしてるんだね?」

御坂「あっ…… (警察……)」

上条「俺達、二人共大人ですよー。結婚もしてます」免許書スッ

警察「そ、そうか…… (こ、コスプレってやつか……)」

上条「はい」ニッ

御坂(穴があったら入りたいってこの事ね……)カァッ

217: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/07(木) 01:22:57.61 ID:73vCrjkC0
初春「言って……承諾して貰えますかね……」

佐天「とりあえず言ってみなきゃわからないよ。ほとんど一人でやるデスクワークなら、大丈夫だと思うけど……」

初春「そ、そうですね……」

佐天「ふぅー……」

初春「……?」

佐天「なんか拍子抜けしちゃったよ」

初春「拍子抜け?」

佐天「いや、良い意味でね」

初春「??」

佐天「なんか目覚めちゃったし」スクッ

初春「佐天さん……? (起き上がっちゃって……)」

佐天「お散歩行こ?」

初春「お散歩……ですか?」

227: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/07(木) 01:33:36.90 ID:73vCrjkC0
初春「お散歩行くのはわかりますが……」

佐天「うん?」

初春「なぜ、この格好なのでしょうか」

佐天「着替えた上でなに言ってるのー?」

初春「ってか、なんで私の昔の制服が佐天さんのお家にあるんですか~!」

佐天「さぁ? (引っ越しの時に荷物ごっちゃになったのかな?)」

初春「花飾りも適当過ぎますよ~」

佐天「家にあったもの寄せ集めて作っただけだからねー。それにしては上出来でしょ?」

初春「まぁ……良いですけど」

佐天「それより問題はこっちよ~ (さすがに中学の時の制服じゃきつい……)」グイグイ

初春(佐天さん、中学の頃から胸大きかったのに……)

233: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/07(木) 01:41:06.64 ID:73vCrjkC0
初春「本当にこの格好で行くんですか~?」アセアセ

佐天「えへへへへ。良いじゃない、昔を思い出して (私やっとアルコールが回ってきたみたい……)」

初春「恥ずかしいですよ~」

佐天「大丈夫。こんな時間に街中歩いてるのは、趣味の悪いモノ好きくらいだから、見られても恥ずかしがるは必要ないよ。むしろ意気投合出来るかも」

初春「私達もその一員になるわけですね…… (そう言えば佐天さんは、人より酔うのがちょっと遅いんでしたね……)」

佐天「そうそう」


ガチャッ


佐天「よーし出発~!!」

初春(佐天さん……完全に酔ってますね)

242: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/07(木) 01:50:43.78 ID:73vCrjkC0
佐天「よくこうやって一緒に帰ったよね~。100年くらい前かな?」トコトコ

初春「じゅ、10年くらいですね (佐天さん、どんどん酔いが回ってきてる……)」トコトコ

佐天「手つなご?」

初春「え、えぇ?」

佐天「ね、ほら」手スッ

初春「は、はい」ドキドキ

佐天「わーい♪」手ギュッ

初春(こっちはもうほぼ素面なので……き、緊張して……)ドキドキ

246: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/07(木) 01:56:31.83 ID:73vCrjkC0
上条「ほら、もっとこっちに寄れって」トコトコ

御坂「わ、わかったわよ (この時間はこっちの方も人なんか全然歩いてないのね。助かったわ……)」ススッ

上条「……」手スッ

御坂「……」ギュッ

上条「♪」トコトコ

御坂「……」テレテレ

上条「お、誰か向こうから歩いてくるな」トコトコ

御坂「え、えぇ!?」アセアセ

上条「大丈夫、大丈夫。こんな時間にこんな道歩いてるのは、趣味の悪いモノ好きくらいだから、見られても恥ずかしがるは必要ねぇよ」

御坂「そ、それでも、恥ずかしいわよ……」

上条「むしろ意気投合出来るかもな」

248: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/07(木) 02:02:25.63 ID:73vCrjkC0
佐天「あれれ? 向こうに誰かいるねー」

初春「あ、本当ですね」

佐天「しかも、学生のカップルかな?」

初春「そうっぽいですね (こんな時間に学生が……?)」

佐天「ふへへへへ。冷やかしてやろう~」ダッ

初春「さ、佐天さん、ダメですよ!」ダッ


上条「!? なんかこっちに向かって走ってきたぞ?」

御坂「!? し、しかもセーラー服姿の学生……!?」


初春「佐天さん、待って下さい!」タッタッタッタ

佐天「ラブラブだね~!」タッタッタッタ

佐天「そこのカップ…」


佐天「」

御坂「」

初春「」

255: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/07(木) 02:07:03.14 ID:73vCrjkC0
御坂「あっ……」

佐天「いやっ……」

初春「そのっ……」


空気キ――――――――ン


御坂(な……なに……)

初春(こ……この……)

佐天(状況……)


上条(この二人……美琴の学生時代の友達じゃねぇか。なんで制服なんか着てんだ……?)

上条(……って俺が言えた事じゃねぇけど)

257: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/07(木) 02:12:30.01 ID:73vCrjkC0
――警察署――


黒子「監視カメラ班、なにか街中で変わった事はありませんか?」

監視カメラ班「○○区○○町の街路に、なにやら学生の集団が……」

黒子「ほう……良い度胸ですわね。私の管轄内でこんな時間に学生がほっつき歩いてるだなんて……」

黒子「私が直々に言って注意してきましょう」テレポッ

監視カメラ班(でもやたら制服がぱっつんぱっつだな……)

260: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/07(木) 02:15:56.96 ID:73vCrjkC0
御坂「その……あの……」

佐天「えぇっと……あの……」


シュバッ


上条・御坂・佐天・初春「!?」


黒子「警察ですの!」


上条・御坂・佐天・初春「」


黒子「全く……こんな時間に学生がなに街中をほっつき歩いて」チラッ


黒子「」




引用元: 佐天涙子(23)「よし! 頑張れ自分!」