1: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/27(日) 01:47:50.46 ID:CMlaQFmT0
実況『横浜DeNAベイスターズ!今日も大敗!五位広島の背中がまたも遠のきます!』

客「金かえせー!」

客「こんな試合に金払えるか!」

浜スタ職員「へ、返金チケットをお持ちのお客様!ど、どうか一列に並んで…」


中畑監督「ファンの皆さま!こんな試合をしてすみません!」

客「ふざけんな中畑ー!やめろやめろやめろー!」ポイッ

 ポクッ

中畑「痛ッ…」

中村ノリ「監督!大丈夫ですか!?」

中畑「大丈夫大丈夫!それになノリ、オレなんかよりファンの皆さんの心の方がよっぽど痛いんだよ」

中村ノリ「監督…」

中畑「ガハハ!ノリ!そんな顔するな!絶好調だ!絶好調!」

中村ノリ「……」

10: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/27(日) 01:52:14.37 ID:CMlaQFmT0
  ~帰り道~

 ブロロロロロ…

ノリ「………」

ノリ(今日ワイが八回の逆転のチャンスで打てとったら…)

ノリ(いや、先制された時の三塁線を抜ける当たり…あれをとれとったら…)

ノリ「……ハッ!?」

 キキィーーーーッ

 ガシャン!

ノリ「痛たた…き、急に何かが…」

??「やぁ、君が中村紀洋君かな?」

ノリ「ん…?」

16: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/27(日) 01:55:38.98 ID:CMlaQFmT0
??「なんだか色々考え事をしていたみたいだね」

ノリ「な、なんやお前!」

??「もしこうなったら…ああなったら… とりとめもない後悔や願望ばかりが頭の中にうずめいているようだね」

ノリ「……!」

??「その願い、僕が叶えてあげよう」

ノリ「え……?」

QB「僕と契約して魔法少女になってよ!」

ノリ「なんやて…!?」

20: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/27(日) 02:08:57.23 ID:CMlaQFmT0
さやか「♪~」

まどか「さやかちゃんウキウキだねー」

さやか「へっへー昨日もノリが打ったんだー♪」

まどか「ノリ?」

ほむら「横浜ベイスターズの選手よ」

まどか「ああ野球…さやかちゃん野球好きだったんだ?」

さやか「うん!横浜応援してるんだー♪」

ほむら「哀れね。負けると決まってるチームを応援するなんて」

さやか「んなっ…!」

21: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/27(日) 02:10:28.17 ID:CMlaQFmT0
マミ「あらあらケンカはやめたら?お二人さん」

まどか「マミさん!」

マミ「暁美さん、ケンカなんてしてるほど元気があるなら魔女でも倒した方が生産的じゃない?」

ほむら「問題ないわ。グリーフシードには困ってないもの」

マミ「あらそう?でもうかうかしてたら新入りさんに取られちゃうわよ?」

ほむら「?」

マミ「昨日、後姿だけだけど、確かに見たのよ。見たことのない魔法少女の後ろ姿を…ね」

ほむら「…新しい、魔法少女…」

22: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/27(日) 02:22:14.88 ID:CMlaQFmT0
 ~横浜スタジアム~

 カキィーン!

実況『打ったぁー!中村、今日二本目のタイムリー!三打数三安打四打点の大暴れ!』

ノリ「ふっふ…」

吉村「ノリさんマジヤベェ!」

ラミレス「ボクタチモ負ケテイラレナイヨ」

中畑「いいぞノリ!熱いぜ!」

  ~試合後~

吉村「ノリさん!今日ホントヤバかったです!どうですか?一緒に焼き肉行きませんか?」

ノリ「いや、ワイはちょっと行く所があるんや」

石川「えっ、まさかオンナの所ですか?」

ノリ「アホ!そんなんちゃう!お前らも遊びすぎるんも大概にしとかなあかんで!」

吉村「はーい」

ノリ「……さて、行く…か」

25: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/27(日) 02:33:47.73 ID:CMlaQFmT0
ノリ「……ふぅ…バットで魔女を殴り殺すのにも慣れてきたな…」

ほむら「待ちなさい、新入り魔法少女」

ノリ「!?」

ノリ(な、なんでや!なんで結界の中に女の子がおるんや!)

ノリ(と、とりあえずワイの顔は隠さへんと…)コソコソ

ほむら「……あなたもあのインキュベーターに騙されて契約してしまったのね」

ノリ(騙されて…!?)

ほむら「これ以上被害者は増えてほしくなかったけど、ま、あなたの選択なら仕方がないわね」

ノリ(被害者…!?なにをいうとるんやこの子…!?)

ほむら「……もう契約してしまったあなたにこんなことを言っても仕方がないけれど、無駄なあがきはしないほうが楽かもしれないわ。
     …もし事実を知ったら、私の言葉を思い出しなさい。先輩魔法少女としての老婆心よ」

ほむら「そして、もうこの地域には近づかないでちょうだい」

ノリ(なんや…どういうことや…!!?)

ノリ「ちょっ、ちょっと待ってくれや!」バッ

 ……………

ノリ「おらへん……」

27: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/27(日) 02:39:37.44 ID:CMlaQFmT0
  ~マツダスタジアム~

  カキィーン!

 実況『打った!打ちました、またも中村紀洋!横浜先制!!』

ノリ「……」

ノリ(なんや…昨日のあの子の言うたことが気になるで…)

 実況『横浜は中村の活躍で三連勝中!広島はなんとしてもここで横浜を食い止めたいですね!」

 達川『いやー悔しいですけどね、今日は横浜がかなり優位ですよ。先発の山本もかなり好調そうですしね、このまま完封してしまうかもしれませんよ』

31: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/27(日) 02:48:08.57 ID:CMlaQFmT0
  しかし…

実況『いったー!鯉のプリンス堂林のタイムリーツーベース!』

実況『これでこの回6失点!山本、滅多打ち!中村の三打点を完全にフイにしました!』

 ~試合後~

山本省「すみませんノリさん…俺のせいで…」

ノリ「ええねん、野球はチームスポーツや。こんなこともある。むしろ気にし過ぎたらアカンで」

山本省「…ノリさん……!」

32: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/27(日) 02:48:47.74 ID:CMlaQFmT0
 客「おーい横浜!お前らはずっと最下位におったらええんじゃ!」

 客「中村ー!無駄なあがきはせんほうがええんちゃうけぇのぅ!」

山本省「ノ、ノリさん」

ノリ「わかっとる。気にしてへんって」

ノリ(無駄なあがき……か)

吉村「あ、ノリさん!今から俺ら残念会ってことでお好み焼き食いに行くんですけどどうっすか!?」

ノリ「お好み焼きねぇ…」

ノリ(ま、今日はええか。魔女を倒すんも疲れたで)

                 
                                      ズズズズズズ…

34: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/27(日) 02:57:20.30 ID:CMlaQFmT0
 ~翌日~

ノリ「いたた…昨日は飲み過ぎたで…若い奴らとおんなじように付き合ったらアカンな…」

ノリ「はぁ…さてとりあえず新聞を…」バサッ

ノリ「お、ウチに関する記事や、なになに…」

ノリ「『若き大砲筒香に迫る!』か!筒香がんばっとるからなぁ!」

ノリ(筒香もええけどワイにもっと注目すべきちゃうか?魔法少女になってから打率八割なんやぞ!)

ノリ「…ん?」

ノリ「ワイ…なんか独り言言うたか?」

ノリ「まさか…な。さて、今日は一日移動か。魔女を探す時間はあらへんな。ま、ええやろ)

                                 
                                          ズズズズズズズズズ……

37: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/27(日) 03:06:00.19 ID:CMlaQFmT0
 ~移動中の新幹線内~

石川「ノリさんのグラブさばきって柔らかいっすよね~」

ノリ「まぁワイは守備練習好きやからな。ああいうのは繰り返しや。理想の動きを体に染み込ませるんや」

石川「難しいっすね~俺なんか昨日もエラーしちゃって…」

ノリ「ホンマやで。私生活でもエラーしとるお前が5700万で、なんでワイが1500万やねん」

石川「え……?」

梶谷「で、でもノリさん、今年のオフはグーンと上がるんじゃないですか?も、もう一気に!」

ノリ「ああホンマやで!球団もノリブランドの価値を分からなカンでほんま!」

ノリ「ところで藤田どうや?このサングラスにおとるやろ?ガハハ!!」

藤田「あはは…」

40: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/27(日) 03:13:43.08 ID:CMlaQFmT0
さやか「はぁ~…」

まどか「? さやかちゃんどうしたの元気ないね」

さやか「うん…横浜がまた負けた…」

まどか「そうなの?この前は凄く調子良かったのに」

さやか「うう…一瞬の春だったよ…」

ほむら「ふん、まぁ夢を見れただけで良かったじゃないの」

さやか「なっ、またアンタ…!」

ほむら「横浜なんて不安定なチームを応援する気がしれないわね。野球は投手力と守備と戦略よ。ジョイナス!」

さやか「あ、あんたもしかして…」

ほむら「落合先生が辞めてどうなるかと思ったけどバッチリ上位キープ。
     この安定力に惚れぼれするわ。ジョイナス!」

41: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/27(日) 03:21:04.35 ID:CMlaQFmT0
マミ「とにかく今の横浜はベンチの雰囲気が悪いわね」

まどか「マミさん!…マミさんも野球詳しいんですか?」

ほむら「…この前は野球なんかって口ぶりだったくせに…」

マミ「ま、多少はね?それより美樹さん、横浜のことだけど」

さやか「はい…マミさんの言う通りですよ。中畑さんになってから雰囲気の良さだけが取り柄だったのに今や…」

マミ「まぁ原因は分かりきってるけどね」

さやか「うう…あの人ですよねぇ」

 ~横スタ ロッカールーム~

 プカー スパー プカー

ノリ「はーあ、昨日はワイが打ったのに赤川なんぞに完封かいな。なんでやろな~ワイ打ったのにな~」

ノリ「あ! そらそうやな!ワイ以外みんな打たんかったからな!」

43: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/27(日) 03:30:07.23 ID:CMlaQFmT0
石川「……」

ラミレス「……」

ノリ「なぁ大輔!やってられんやろ好投しても打線がああやと!」

三浦「いや、チームなんだからこういうこともあるよ。踏ん張れなかった俺も悪い」

ノリ「かっわいそうやなぁ~エースにこぉんなこと言わせるなんてな~野手も頑張らんとな~」

吉村「……」ブルブル

渡辺直「抑えろ吉村」

吉村「なんでですか!俺たちだって精一杯やってるのになんで…!!」

渡辺直「……楽天の時は、どんなにやさぐれたって仲間の選手や野球そのものを愚弄することは絶対なかったのに…」

ノリ「ガハハ!あっオイ!ワイのカバン触るなや!大事なモンがはいっとるんやからな!…ったく、よしキズはついてへんな」キュッキュッ

梶谷「…またあの真っ黒な宝石磨いてるよ・・なんなんだアレ…」

47: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/27(日) 03:37:10.73 ID:CMlaQFmT0


   ―――その日、横浜は二試合続けての完封負けを喫した。


 ~それぞれの帰路~

吉村「くそっ…夜風が冷たいな…凍えそうだ…」

吉村「俺が打てれば…あんなヤツにデカい顔は…」

吉村「ん……?なんだ…?」


ラミレス「今日モ ノリ ハ 威張リマクッテイタ…」

ラミレス「ン…?」

ラミレス「アナタハ…?」


中畑「絶好調絶好調…今日も明日も絶好調…」

中畑「はは…絶好調でチーム状態がこれだったら笑えないよなぁ…」

中畑「ん…?」

54: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/27(日) 03:49:38.13 ID:CMlaQFmT0
 ~翌日 横浜スタジアム~

 実況『さぁ大変なことになってまいりました!』

 実況『横浜vs広島!広島の先発は前田健太!ここ横浜スタジアムではノーヒッターを達成するほど得意とする球場ですが…」

C   0 0 0 

De  3 3 4

 実況『三回途中で10失点の滅多打ち!』

 実況『絶好調中村だけでなく、吉村やラミレスまで凄まじい打棒を発揮!』

 実況『さらに中畑監督が見せた新オーダーも素晴らしいつながりを生んでいます!』

 レポーター『実況席実況席!広島の先発前田投手の談話が入ってきました!』

 レポーター『「調子は悪くなかった。ショックは大きいがなんとか気を持ち直したい…そんな時はこれ!エンブリー!」とのことです!』

 実況『さぁセ界のエース前田を打ち崩した横浜!ここから一気に上昇してくるでしょうか!?』


QB「なにもかも順調だ。さて次は…と」

59: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/27(日) 04:07:03.97 ID:CMlaQFmT0

    それからというもの、球界にハマの嵐が駆け巡った。
    ノリが、吉村が、ラミが打ちまくり、中畑采配はズバズバと当たった。
    途中、公認キャラ「べいすたん」が胃破裂で死ぬというアクシデントがあったものの、
    セはベイの手中に落ちつつあった。

さやか「はっはっはー!あーっはっは!!」

まどか「さやかちゃん絶好調だね…」

さやか「絶好調!美樹さやかです!」

まどか「あは、はは…」

さやか「いやー大したことないですなぁ、おたくの自慢のルーキー田島君とやらも」

ほむら「ふん、勝手に言ってなさい」

ほむら(横浜が絶好調過ぎて、ここまで美樹さやかが絶望していない…初めてねこんなパターンは)

ほむら「美樹さやか。あなたはもっと心配するべきなんじゃないかしら?」

さやか「? 何をだよ転校生」

ほむら「お薬よ。横浜の選手から大量に検出されるんじゃないかってね」

さやか「なにぃー!もういっぺん言ってみろー!」

ほむら(でも何か裏があるのは事実だわ。でも一体何が…!?)

63: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/27(日) 04:18:45.59 ID:CMlaQFmT0
さやか「あっはっは!あー気持ちいい!」

マミ「あら美樹さん、楽しそうね」

さやか「あ!マミさん!そうなんですよー実は横浜が!」

マミ「ああ…そうなの…良かったわね」

さやか「あれ?テンションが…。マミさんはその、応援してる球団とかあるんですか?」

マミ「うーん…特定のチームというのはないんだけど、シーズン前に『ここを応援しよう!』というのはあるわ」

さやか「へぇ…今年は?」

64: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/27(日) 04:19:09.77 ID:CMlaQFmT0
マミ「優勝候補だと思ったのよ…」

さやか「?」

マミ「だっておかわり君がいて、ナカジが残って、不安のリリーバー陣も監督が『今年はイケる』って言ったのよ!?それがなんでああなるの!?」

さやか「ああ…」

マミ「で、あんまり口惜しいからメジャーに目を向けることにしたのよ」

マミ「いっちばん強そうな所と思って…」

さやか「どこにしたんですか?」

マミ「プホルスとCJウィルソンを補強したエンゼルス…」

さやか「ああ…」

67: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/27(日) 04:23:32.08 ID:CMlaQFmT0
ほむら「それにしても、私と美樹さやかが言いあいしてるとこにあなたが現われるってパターンはいい加減飽きたわ」

マミ「もう。酷いこと言わないで」

ほむら「…! そう言えば、あの時あなたが言ってた新入りって、あれからどうなったのかしら」

マミ「さあ? 話は聞かないわ。あなたがこの地域に入らないように言ったんでしょ?」

ほむら「それはそうだけど…」

ほむら「あの新入り…服装は一般的な魔法少女だったけど…どこか…おかしかったわ…」

69: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/27(日) 04:33:40.69 ID:CMlaQFmT0
  ~広島~

前田健「くそう…今日も横浜に打たれた…」

QB「お悩みのようだね」

前田健「!? なんやお前!?」

QB「力が欲しいんだろう?」

前田健「力だけでは取れない汚れがある…そんな時はエンブリー!」

 ~兵庫~

金本「なんでや…なんでベイの連中レフトばっかり打つんじゃ…。ワシにもっと力と膜があれば…」

 ~愛知~

浅尾「岩瀬さん…横浜に打たれて落ち込んでるんじゃ…でも…今の僕では助けることもできない…」

 ~東京~

沢村「筋肉だ!筋肉が足りないんだ!今の倍の筋量になれば横浜も打ちとれるのに!」


  日本中で、異変が起きつつあった。

73: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/27(日) 04:46:47.10 ID:CMlaQFmT0
  ~東京ドーム~

ノリ「ふぅ~やっぱピースはうまいでぇ~。ほなお前ら、そろそろ巨人のジャリどもシメにいこか」

吉村「うぃ~ス」ニヤニヤ

ラミレス「!? ナンダアレハ!!」


沢村「こんにちわ…横浜の皆さん」ムキムキムキムキ

ノリ「さ、沢村…か!?」

沢村「いえ…今日からは、魔法少女沢村…です」ムキムキムキムキ

ノリ・吉村・ラミ「!!!」

76: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/27(日) 04:59:36.84 ID:CMlaQFmT0

 日本各地で魔法少女と化した野球選手がその力を発揮しはじめようとした瞬間…

 新たな異変が日本を襲った。

  


   ゴゴゴゴゴゴ…

ほむら「!? 馬鹿な…これは!? 早すぎるわ…」

マミ「暁美さん!これは!?」

ほむら「ワルプルギスの夜…」

マミ「えっ!?」

ほむら「ワルプルギスの夜だわ…!!」

マミ「まさか…あの…?」

77: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/27(日) 05:00:16.52 ID:CMlaQFmT0
ほむら「嘘よ嘘よ嘘よ!こんなに早く来るわけないじゃない!」

マミ「暁美さん…!?」

ほむら「何か…外的な要因が…」

マミ「暁美さん落ち着いて!とりあえずテレビを見て、今何か異変がないか調べましょう!」

  ピッ

『えー野球中継の途中ですが、ただ今地震速報が入りましたので…』

ほむら「!!?」

ほむら(今…中村選手の首元に…何か光るものが…)

78: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/27(日) 05:02:17.36 ID:CMlaQFmT0
ほむら「巴マミ」

マミ「え…?」

ほむら「あなたは今すぐ、この一体の住民の避難を援助して」

マミ「今から?」

ほむら「経験上、今すぐにはワルプルギスの夜は来ないわ。それまでに…早く!」

マミ「経験上って…」

ほむら「いいから!早く!」

ほむら(私は…今すぐ東京ドームへ!)

80: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/27(日) 05:06:29.56 ID:CMlaQFmT0
 ~東京ドーム~

ノリ「ああん?ガキが一人来とるやと!?」

職員「はい…中村選手に是非会いたいと…」

ノリ「アホ。今試合中や。なにしょーもないこと言うとんねん。殺すぞ」

ほむら「殺すのは私の話を聞いてからにしてちょうだい」

職員「!? あれ君は…どうして入り込めたんだ!?」

ノリ「…ったく今時のガキは… !!」

ノリ(コイツは…あの時のガキ!?)

ほむら「あなた…私に見覚えがあるような態度ね」

ほむら「あなただったのね…新しい魔法少女は」

ノリ「な…!」

ほむら「言い逃れは出来ないわ。あなたの首にかけてあるそのソウルジェムが立派な証拠よ」

ほむら「その真っ黒な…ね」

81: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/27(日) 05:11:08.16 ID:CMlaQFmT0
ノリ「なんや!ふざけんな!ワイは今から打席に入るんや!あの沢村を打たなあかんのや!」ブンッ

ほむら「哀れね。女子に手をあげるほど心が濁ってしまったというの」

ほむら「いいこと。今、見滝原には恐ろしいほど大きな力が迫っているわ。」

ほむら「あなたの持つ強大なパワーに惹かれて、猛スピードでね」

ほむら「結論から言うわ。中村紀洋、あなたはワルプルギスの夜をおびき寄せた罪滅ぼしに、私と共に闘いなさい」

ほむら「そうしなければ…多くの人間が、死ぬ」

ノリ「……」

ほむら「混乱するのも分かるわ。でも今は…」

ノリ「アホが…」

ほむら「!?」

83: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/27(日) 05:20:32.82 ID:CMlaQFmT0
ノリ「なぁにがワルプルギスの夜や!今な、ワイの生活が関わっとるんや!」

ノリ「一打席打つか打たんかでウン万円ちゃうんやで!ノリブランドの威信にかかわるんや!」

ほむら「な…なんていう黒さなの…!?」

QB「邪魔しようったってそうはいかないよ暁美ほむら」

ほむら「!? インキュベーター!」

QB「彼はね、『魔法アスリート量産計画』の第一号なんだ。彼の実力と黒さがどんどんアスリートを魔法少女にしやすくしてくれる」

QB「本当に彼は素晴らしいよ。こんなに闇に染まれる素材はめったにいないよ。特に『ドジャース』と耳元で囁くとグングン黒くなる」

ノリ「そういうことや」ガシッ

ほむら(!! しまった…油断した!)

ノリ「グヘヘ…ワイの打席は邪魔させへん…ゼニがかかっとるんや…ゼニが…ブランドが…」

QB「そういうことさ。彼にはまだまだ、魔女ギリギリの所で心の闇をふりまいてもらわないと」

85: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/27(日) 05:25:58.29 ID:CMlaQFmT0
ほむら(なんていう力…!中村ノリ…魔法少女としても凄い実力の持ち主なんだわ…!)

ほむら「誰か…誰か!」

ほむら「今、見滝原ではたくさんの人(とまどか)が怯えているのよ!それを放っておいて恥ずかしくないの!」

吉村「……」

ほむら「中村選手、そして他の選手も、インキュベーターの話を聞く限り魔法少女になったんでしょう!あなた達の力が必要なの!」

沢村「……」ムキムキ

ほむら「私たちを手伝って!そして…沢山の人(特にまどか)を助けて!!」

ノリ「……」

86: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/27(日) 05:31:45.42 ID:CMlaQFmT0
 ~見滝原~

マミ「…やれるだけのことはやったわ」

さやか「……。後は…あいつを倒すだけってことですね」

杏子「まぁそう簡単にいく相手ではないだろうけどな…」

マミ「佐倉さん…あなたいたのね」

杏子「さあ…おいでなすった」

  ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ…

マミ「……勝てるかしら?」

さやか「……」

杏子「……」

マミ「なんとか言ってよ…」


??「勝てるで!!」

88: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/27(日) 05:40:32.72 ID:CMlaQFmT0
マミ「!? 今の声は…」

ほむら「ノリ…魔法少女紀洋の声よ!巴マミ!!」

杏子「魔法少女……」

さやか「紀洋!?」


ノリ「ワイだけやないで!!いくでお前ら!バケモンを倒すんや!!」

沢村「筋肉に不可能はない」

浅尾「岩瀬さん!岩瀬さんの住むこの日本を…僕が守ります!」

金本「バケモノはわたくしめが倒すので、新井三冠王様は日本の危機なのにのんきに過ごしてて下さい」

小笠原「最近は二軍暮らしで、ずいぶんヒゲが伸びちゃったよ」

マエケン「避難所で暮らすにはお手軽に洗える洗剤が必要不可欠!そんな時はエンブリー!」

内川「僕自身命を救う喜びはあった」

嶋「見せましょう!野球の底力を!見せましょう!魔法少女の底力を!!」

95: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/27(日) 05:56:37.43 ID:CMlaQFmT0
 駆けつけたのはそれだけではなかった…

鳥谷は「災害の力は強大。油断せずに戦いたい」とコメントし、
脇谷は「テレビでは被害は甚大との予想?テレビが壊れてるんじゃないですか?」と挑発。

村中は「えあ…その…お、おう…」と勇敢に自らを鼓舞し、
大松は「こんなにいらないだろ」と冷静さを見せつけ、
多村と荻野は来る途中で足をくじいた。

監督界からは栗山が「日本がピンチだっていうなら救いたいじゃん。俺の気持ち分かってくれないかなぁ」と駆けつけ、
さらに岡田監督も「そらああいうこと(オリックスから誰も来ない)になったらこう(監督が行く)するしかないわな」と分析。

戦力は整った。

100: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/27(日) 06:12:06.60 ID:CMlaQFmT0
マミ「すごい…!」

さやか「勝てる…勝てるんだ…!!」

戦いの火ぶたが切って落とされた。

だが、その戦力は圧倒的。

鳥谷がワルプルギスの夜の攻撃を完全に見切って一塁に歩けば、
内川はバット(スポンジ装着)で魔女を殴りつける。
金本が魔女の攻撃を見失ってずっこけているうちに、脇谷は審判の見ていない隙に攻撃をポロリ。

沢村は動きを獲得した筋肉で、村中はさかなくんフェイスでボールを投げつける。

そして、ノリのフルスイング(ジャストミート)と小笠原のフルスイング(空振り)の夢の競演。

全ては順調。
ワルプルギスは虫の息。
残すはとどめのみ。

ここで、ノムケン登場。
「最後のトドメにはね」といたずらっぽく笑って



      「岡本篤志」


104: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/27(日) 06:21:52.05 ID:CMlaQFmT0
こうして、日本は、いや世界は滅びた。

岡本が、ゴンザレスが、藤田太陽が、松永が、ピンチを招きに招いた。

彼らの力は人智を超え、ワルプルギスの持つ力以上のものを呼び醒ましてしまったのだ。

燃えゆく世界の片隅で、二人の初老の男性がこうつぶやいた。

「タツ、もう駄目だろうな」

「ああ江川、もう駄目じゃろうのう」

110: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/27(日) 06:37:13.53 ID:CMlaQFmT0
 
  その瞬間、はるか天空より一筋の閃光が雲を切り裂き敵の脳天に突き刺さった。


ワルプルギス「ギャアアアアアアアアアアアア」

マミ「えっ…?」
ほむら「何が起こったの…?」
さやか「なにかが…ワルプルギスに向かって…」


さやかが恐る恐る、動かぬワルプルギスの体に近づき、大きな傷跡をまさぐると…そこには硬球が一つ。

              「51」

そう。世界は救われたのだ。彼の手によって。
見滝原は、日本は、いや世界は歓喜に沸いた。
ついに魔法少女たちと一人の超人は、世界の敵を打ち破ったのだ。

金本が、ノリが、小笠原が、俺達が、喜びの美酒に酔った。
少女たちも、はにかみながら、お互いをたたえ合った。
その中の一人、さやかの腕の中には、ワルプルギスを屠ったかのボールが大切そうに抱かれていた。
そして、少女たちは、野球選手たちは、それぞれの日常へと帰っていく――。


 ~数日後~

  ピンポンピンポンピンポンピンポンピンポーン

??「美樹さーん、持ってることは分かってるんですよー早くくださーい。あのボールは僕が持っているべきものなんですから」    おわり

引用元: 中村紀洋「……最下位…か」