1: へたれぼっち ◆iZBKegNFqA (しまむら) 2022/03/23(水) 22:21:37.96 ID:BvlHdHs1
ゾンビものです。
全員いなくなります。
特に謎が解明とかはしないです。

3: へたれぼっち ◆iZBKegNFqA (しまむら) 2022/03/23(水) 22:24:20.44 ID:BvlHdHs1
愛「指の調子はどう?まだ痛い?」

璃奈「・・・・・・・・・。」

愛「・・・・はい、これ持ってた乾パン。」

璃奈「・・・・・・・・。」

愛「・・・・・。りなりーの分、横に置いておくね。」

愛「あーあ、最後に食べるのが乾パンか~」

愛「もんじゃ焼き食べたかったなぁ。」

愛「もんじゃもお好み焼きも1年以上食べてないっけ。」

愛「世界がこんなことになったのが高校2年生のとき…」

愛「そう、スクールアイドルフェスティバルが終わってすぐだったから」

愛「だいたい1年ちょっとくらいたってるのか~。いろいろあったな~」

璃奈「・・・・・・・・。」

5: へたれぼっち ◆iZBKegNFqA (しまむら) 2022/03/23(水) 22:27:27.47 ID:BvlHdHs1
愛「最初は…、正直何が起きているかよくわからなかったよね」

愛「放課後だったかな。急に”超法規的緊急事態宣言”とか言って」

愛「先生たちが校舎から出ないようにって」

愛「残っている在校生を体育館に集めたんだよね」

愛「最初はみんなで非日常感をちょっと楽しんでいたけど」

愛「SNSで流れてきた動画みて、本当にやばいんだって実感したよね」

8: へたれぼっち ◆iZBKegNFqA (SIM) 2022/03/23(水) 22:42:09.90 ID:qGEom8So
愛「街中で倒れこんでる人が起き上がって急に襲い掛かってくる動画や」

愛「集団で一人の人間を取り囲んで噛み殺している動画とか」

愛「映画の世界みたいで、作り物だとか、政府の陰謀だとか、色々なコメントがついてたな~」

愛「・・・・・あの時点で、すぐに気が付くべきだった。」

愛「もう遅かったのかもしれないけど…」

愛「…結局、あの日が、10人全員が揃っていた、スクールアイドル同好会の最後だったんだよね」

愛「……。もう少しで、またみんなに、会えるのかなぁ」

璃奈「・・・・・・・・。」

9: へたれぼっち ◆iZBKegNFqA (SIM) 2022/03/23(水) 22:43:24.17 ID:qGEom8So
愛「最初は…、そうだ、かすかすのファンの…えーっと誰だっけ」

愛「名前は忘れちゃったけど、そう、コペ子って呼ばれていた子」

愛「あの子が街中で襲われて学校に逃げてきたんだよね」

愛「・・・・・・・・コペ子ちゃん、怪我していたから、かすかすが肩を貸して保健室まで連れて行くって…。」

愛「・・・・・あーあ、ほんとにかすかすさー、お人よしだから・・・・」

愛「だから…あんなことに…。」

10: へたれぼっち ◆iZBKegNFqA (SIM) 2022/03/23(水) 22:46:39.38 ID:qGEom8So
------回想------

愛「んー、体育館でじっとしてるのも退屈~」

侑「そうだねー。はやく帰ってピアノの練習したいな」

歩夢「ふふ、そしたら私は自分の部屋からゆうちゃんのピアノを聞こうかな」

侑「えー、まだ練習中だから恥ずかしいよ~」

11: へたれぼっち ◆iZBKegNFqA (SIM) 2022/03/23(水) 22:50:09.67 ID:qGEom8So
かすみ「むー、かすみんだって先輩のピアノ聞きたいですー!」

しずく「かすみさんは帰ったらまずは明日の小テストの勉強しなきゃ」

璃奈「うん。また赤点だったら補修で練習に出られなくなっちゃう」

かすみ「べ、べつに小テストくらいなんとかなるもん!」

彼方「本当かな~?今なら彼方ちゃんが勉強見てあげてもいいんだよ~」

かすみ「え、ほんとですか?」

彼方「スヤピzzz」

かすみ「ちょっと彼方先輩!!!」

せつ菜「かすみさん、静かに!」

璃奈「りなちゃんボード【理不尽】」

13: へたれぼっち ◆iZBKegNFqA (えびふりゃー) 2022/03/23(水) 22:56:03.49 ID:xdLI+xf0
果林「それにしてもいつまで待ってればいいのかしら」

エマ「うーん…、もうかれこれ1時間はたってるよね」

しずく「帰りの電車、大丈夫かな…。」

侑「あれ、なんか今調べたら電車も止まってるらしいよ」

侑「というか電車だけじゃなくて色々な公共交通機関が止まったり」

侑「一部世帯で停電とかも起きてるんだって」

せつ菜「別に地震とかがあったわけじゃないですよね?」

璃奈「ネットで調べてみると、一部の市民が暴徒化して暴れているらしい」

果林「ぼうとか?」

14: へたれぼっち ◆iZBKegNFqA (えびふりゃー) 2022/03/23(水) 23:00:50.64 ID:xdLI+xf0
彼方「遥ちゃん…大丈夫かな…」

愛「おばあちゃんも…。」

侑「大丈夫だよ、せいぜい数十人だろうし警察がなんとかしてくれるよ」

せつ菜「そうですよね。そのための超法規的緊急事態宣言ですもんね」

エマ「政府の許可なく無断で出歩いたら刑罰だっけ…なんだか怖いな…。」

歩夢「うん…怖いけど、とりあえず校内にいれば安全なんだよね…。」

かすみ「むー、仕方ありませんがここは待つしかありませんね…。

15: へたれぼっち ◆iZBKegNFqA (えびふりゃー) 2022/03/23(水) 23:02:16.28 ID:xdLI+xf0
扉バターーーン

生徒「?!」

先生「なんだ?!」

ザワザワ

侑「扉のところ、誰かいる!」

??「ハァ・・・ハァ・・・」

かすみ「?あれ、コペ子じゃん、おーい!」スタスタ

コペ子「・・・・、か、かすみん・・・かすみん…だよね?」

かすみ「ちょっとコペ子ー、こんなにかわいいかすみんの顔忘れたのー?」

17: へたれぼっち ◆iZBKegNFqA (えびふりゃー) 2022/03/23(水) 23:04:36.66 ID:xdLI+xf0
コペ子「…よかった・・・・・、いつものかすみんだ」スワリコミ

かすみ「ちょ、どうしたのコペ子?ってコペ子!腕から血が!」

先生「…これは傷が深そうね…。近江さん、保健委員だったわよね?ちょっと保健室まで連れて行ってあげて」

彼方「彼方ちゃんに任せて~」

先生「・・・・。エマさん、あなたも一緒にお願いします」

エマ「わかりました」

かすみ「かすみんも一緒に行きます。はい。ほら、コペ子いくよ」カタヲカス

18: へたれぼっち ◆iZBKegNFqA (えびふりゃー) 2022/03/23(水) 23:08:58.40 ID:xdLI+xf0
数十分後

~~体育館~~

歩夢「大丈夫かなぁコペ子ちゃん…。」

せつ菜「遠くから見た感じ、結構な出血量でしたよね。」

侑「……。やっぱり、コペ子ちゃんが心配だよ。」

侑「ちょっと保健室行って様子見てくるね。」

歩夢「そしたら私も行くよ」

しずく「あ、じゃあ私も」

せつ菜「あんまり大人数で行くと迷惑じゃないでしょうか」

愛「うーん、かといって体育館にいてもすることないし」

璃奈「行くだけ行って、邪魔になりそうだったら戻ろう」

20: へたれぼっち ◆iZBKegNFqA (えびふりゃー) 2022/03/23(水) 23:10:06.99 ID:xdLI+xf0
~~保健室~~

侑「失礼しまーす」

かすみ「あ、せんぱーい、かすみんに会いに来てくれたんですかー?」

歩夢「ううん、コペ子ちゃんが心配で…。」

かすみ「ぐぬぬ、、、そんな否定しなくても!」

果林「それで、調子はどうなの?」

かすみ「あー、それが…その、コペ子ちょっと様子が変で…。」

侑「変?ケガがひどいの?」

かすみ「いやそれがですね…。」

21: へたれぼっち ◆iZBKegNFqA (えびふりゃー) 2022/03/23(水) 23:12:26.06 ID:xdLI+xf0
目線の先のベットには、毛布の山ができていた

侑「え、このベットの上に積まれた毛布は…?」

かすみ「実はコペ子が寒い寒いっていうから、保健室の布団や毛布をかき集めたんですけど…。」

コペ子「ウゥ…サムイ…サムイヨ…。」

彼方「もうお布団ないよ~」

エマ「何か暖かい飲み物でも用意する?」

コペ子「……。ア"」

23: へたれぼっち ◆iZBKegNFqA (えびふりゃー) 2022/03/23(水) 23:14:05.39 ID:xdLI+xf0
コペ子「ア"ア"・・・・・。」

かすみ「?コペ子どうしたの?」

コペ子「ウ"ウウウ"ウ"」

エマ「?、お腹痛いの?」

コペ子「ウガァ"""”ッッ」トビカカリ

かすみ「痛い痛い!コペ子やめて!!!!」

愛「な?!」

侑「コペ子ちゃん?!」

24: へたれぼっち ◆iZBKegNFqA (えびふりゃー) 2022/03/23(水) 23:15:51.77 ID:xdLI+xf0
コペ子「ウアアア""!!」ガブーッ

かすみ「痛ッッ!!!」

しずく「コペ子さん、かすみさんから離れてください」グイッ

璃奈「ッ、ダメ、、、力つよくて…」

果林「…二人とも離れて!」

エマ「……ごめんねコペ子ちゃんっ!!」

ドゴッ

コペ子「ア"ア"ッ」ガシャン

愛(果林とエマの二人がかりでのハイキック!なんとか引き離せたけど…)

25: へたれぼっち ◆iZBKegNFqA (えびふりゃー) 2022/03/23(水) 23:16:52.58 ID:xdLI+xf0
彼方「よーし、今のうちに…、せつ菜ちゃん、私と一緒にコペ子ちゃん取り押さえるの手伝って、」

彼方「歩夢ちゃんはそこの防災備品からロープ出して」

せつ菜「え?は、はい!」トリオサエー

歩夢「はい!」

彼方「しずくちゃんは先生呼んできて」

しずく「わ、わかりました!」

彼方「コペ子ちゃん、ごめんね、ちょーっとだけおとなしくしててね~」テキパキ

かすみ「いたたッ…、もう、急にどうしたのコペ子ぉ~」ナミダメ

コペ子「ウ"ウ"ウ"ア"ァァ"!!」ジタバタ

歩夢「ひっ」ビクッ

せつ菜「とりあえず拘束はできましたが…」

26: へたれぼっち ◆iZBKegNFqA (えびふりゃー) 2022/03/23(水) 23:17:55.68 ID:xdLI+xf0
愛(錯乱している?いや、それだけじゃない)

愛(目が酷く充血している…それによく見ると爪や犬歯が伸びている…)

愛(いや、伸びたんじゃない、皮膚や歯茎が極端に乾燥して収縮しているから)

愛(相対的に爪や歯が伸びたように見えているだけだ)

璃奈「愛さん、もう少し離れたほうが良い…理由はわからないけど、今のコペ子ちゃん、正常じゃない」

エマ「先生が来たら、かすみちゃんの怪我、早く手当してあげないと…。」

愛(右肩に噛み痕が二つ、結構深い…これは痕が…)

果林「・・・・、これくらいの怪我なら、すぐ治るわ。そんなに目立つような痕にも、ならない」

かすみ「かすみんよりも、コペ子が…あんなに動くと傷口が」

コペ子「ンンウウ"""アアア」ジタバタ

28: へたれぼっち ◆iZBKegNFqA (えびふりゃー) 2022/03/23(水) 23:18:50.61 ID:xdLI+xf0
------現在------

愛「いや~あの時は本当びっくりしたなぁ」

愛「しずくが先生連れてきてくれて、とりあえずコペ子ちゃんは先生に引き渡したんだよね」

愛「それで、保健室はコペ子ちゃんもいるし、体育館も人がいっぱいだったから」

愛「愛さんたちは救急箱貰って用務室でかすみんの応急手当するって流れになったんだっけ」

璃奈「・・・・・・・・。」

30: へたれぼっち ◆iZBKegNFqA (えびふりゃー) 2022/03/23(水) 23:40:21.53 ID:zrI8AAQ3
------回想------

~~用務室~~

しずく「はーいかすみさん、消毒しますね」

かすみ「イタタタタタ!ちょっとしず子!もう少し優しくやって!」

璃奈「かすみちゃん、どうどう」

エマ「痛いの痛いの~スイスまで飛んでけ~!」

かすみ「エマ先輩的にそれでいいんですか?!」

彼方「ほら~、頑張ったかすみちゃんには、彼方ちゃんに膝枕する権利をあげよう~」

かすみ「いらないですよ!むしろ怪我人のかすみんに膝枕してください!」

ワイワイ アハハハ

31: へたれぼっち ◆iZBKegNFqA (えびふりゃー) 2022/03/23(水) 23:45:30.16 ID:zrI8AAQ3
~~用務室外~~

愛(・・・・・)

果林「・・・・・、愛、どう思う?」

愛「…え?どうって、何が?」

果林「さっきの…コペ子ちゃんだっけ?、あの子の豹変ぷりよ」

愛「・・・・・。」

果林「いくら錯乱状態だからって、ああいう風になると思う?」

32: へたれぼっち ◆iZBKegNFqA (えびふりゃー) 2022/03/23(水) 23:49:46.00 ID:zrI8AAQ3
愛「…わからない。錯乱状態になった人なんて初めて見たから…。」

愛「……でも、いくら錯乱状態でも目元が充血したり、あの短時間で急激に体が乾燥したり」

愛「何か別の要因がありそうな…」

果林「そうよね…、まるで、外で起きている、暴動?と同じような」

愛「そういわれてみれば、SNSに上がっていた動画で暴れている人たちも」

愛「同じように目元が充血していたような…。」

愛「…いや、…荒い動画が多かったからなんとも言い切れないかな」

33: へたれぼっち ◆iZBKegNFqA (えびふりゃー) 2022/03/23(水) 23:51:01.48 ID:zrI8AAQ3
~~用務室~~

しずく「ガーゼもこんなものかな。応急処置だからあとでお医者さんにも診てもらおうね」

かすみ「ありがとうしず子~。・・・・やっぱり痕になっちゃうかな・・・」

侑「ガーゼを貼ってるかすみんも~可愛いYO!」

かすみ「えへへ~そうですか~?かすみん何でも似合っちゃいますからね~///」

歩夢「…ガーゼの余りある?」

璃奈「ない」

34: へたれぼっち ◆iZBKegNFqA (えびふりゃー) 2022/03/23(水) 23:52:38.13 ID:zrI8AAQ3
かすみ「それにしてもなんだかこの部屋の冷房、ききすぎじゃないですか?」

侑「?そう?適温じゃない?」

かすみ「うーん、さっきから悪寒が…」

エマ「きっとガーゼ貼るために肩を出してたから、体が冷えちゃったのかも」

せつ菜「ちょっと温度上げますね。」ピッ

かすみ「うぅ…なんか本当、風邪ひいたかもしれないです…凄く・・・・寒い」

35: へたれぼっち ◆iZBKegNFqA (えびふりゃー) 2022/03/23(水) 23:55:59.40 ID:zrI8AAQ3
~~用務室外~~

果林「私はてっきり暴動って言うくらいだから」

果林「何か特定の思想を持った団体が暴れているのかと思っていたけど」

愛「うん、愛さんも最初はそう思ってた。けれどもSNSに上がっているような動画とか見てみると」

愛「何か特定の思想を掲げているわけじゃなくて」

愛「それこそさっきのコペ子ちゃんみたいに急に暴れだして問題になっているみたい」

果林「それに、”超法規的緊急事態宣言”による私たち一般人の外出不許可…」

用務室内「ナ、ナンデスカコレッ?!」

果林「? どうかしたのかしら?」

愛「部屋の中からだね、」

愛「どうしたの?」ガラガラ

37: へたれぼっち ◆iZBKegNFqA (えびふりゃー) 2022/03/23(水) 23:57:55.52 ID:zrI8AAQ3
~~用務室内~~

愛「どうしたの?」ガラガラ

璃奈「あ、愛さん。あれ…。」

愛(りなりーが指で示した先は、用務室のテレビ…)

TV「非常にショッキングな映像となっておりますが」

TV「国民の皆様に周知するべく、今回このような形でノーカット無編集で放送しております。」

TV「繰り返しますが、こちらの映像は全て本物です」

愛(アナウンサーが同じような文面を繰り返しながら、VTRが始まる)

38: へたれぼっち ◆iZBKegNFqA (えびふりゃー) 2022/03/23(水) 23:59:59.34 ID:zrI8AAQ3
愛(内容は、リポーターが街中で見かけた錯乱者へインタビューを試みた際に)

愛(錯乱者にリポーターが噛みつかれてしまうといった映像)

愛(その後、ケガしたリポーターが再び映し出される)

愛(しばらくカメラマンと会話していたかと思うと)

愛(突然、リポーターがカメラマンを襲う。そこで映像が途切れる)

愛(この一連のVTRを何度も繰り返す)

39: へたれぼっち ◆iZBKegNFqA (えびふりゃー) 2022/03/24(木) 00:01:47.44 ID:C4zpe+e0
TV「このリポーターとカメラマンとは連絡がついておりません。」

TV「カメラだけ現場のスタッフが回収しました。」

TV「まるでパニック映画の世界ですが、これらは全て事実です。」

TV「この精神錯乱者は都内を中心に爆発的に広がっています。」

TV「我々はこの精神錯乱者、いわゆる”ゾンビ”が、感染するのではないかと考えております」

TV「政府に見解を求めましたが回答がありません。しかしこの事実を国民の皆様に伝えるのが」

TV「我々ジャーナリストの使命であると考えており…」

40: へたれぼっち ◆iZBKegNFqA (えびふりゃー) 2022/03/24(木) 00:03:19.09 ID:C4zpe+e0
かすみ「・・・・あ、あはは、よくできた作り物ですね~」

しずく「そ、そうだよね!そんな…ゾンビなんて、あるわけ…」

TV「なお、感染者が精神錯乱、つまりゾンビになる直前の特徴として」

TV「異常に体温が低下する、皮膚がひどく乾燥するといった情報がよせられています」

侑「なっ…」

かすみ「ち、ちがいます!かすみんは、ちょっと体調が悪いだけで、、、!」

かすみ「え、ちょっと、みんな、なんでかすみんから離れるんですか・・・・」

かすみ「ま、まって、…しず子?りな子・・・?」

璃奈「かすみちゃん…」チカヅキー

41: へたれぼっち ◆iZBKegNFqA (えびふりゃー) 2022/03/24(木) 00:04:55.99 ID:C4zpe+e0
愛「りなりー!!!」

璃奈「え?」ビクッ

かすみ「ッッ」ビクッ

愛「かすみん、りなりーから・・・・・離れて…。」キッ

せつ菜「あ、愛さん、そんな言い方…」

愛「ごめん。でも、みんなもさっきのコペ子ちゃん、見ていたでしょ」

愛「こんな状況だから…」

42: へたれぼっち ◆iZBKegNFqA (えびふりゃー) 2022/03/24(木) 00:06:43.74 ID:C4zpe+e0
かすみ「な…なんで・・・・かすみんが…。」

かすみ「い、嫌だっ!いやっ!こんなの、うそっぱちです!!!!」

かすみ「ゾンビなんてそんな映画みたいなはなし、あるわけないじゃないですか!!!!」

かすみ「ほ、ほら、そろそろドッキリのプラカードの出番じゃないですか?」

かすみ「いくらドッキリだからって噛みつくのはだめですよー!」

かすみ「かすみんのかわいいお肌が傷ついちゃったじゃないですか!」

かすみ「企画者は誰ですか?今だったら許してあげますから…。」

かすみ「だから…はやく、ドッキリだって…」

一同「・・・・・。」

43: へたれぼっち ◆iZBKegNFqA (えびふりゃー) 2022/03/24(木) 00:09:07.30 ID:C4zpe+e0
かすみ「ほ、ほら~歩夢せんぱーい、さすがにもう十分ですよ、ね、もう終わりに」

歩夢「か、かすみちゃん…」アトズサリ

かすみ「ッッ・・・・・なんで」

かすみ「なんで↑ですか!こんなのおかしいです!」

かすみ「そんなっ、ゾンビとかっっ、感染とか!!!!」ツメヨリ

歩夢「いやっ、やめて!」ドンッ

かすみ「いたっ」シリモチー

かすみ「・・・・、イヤダイヤダイヤダ」

かすみ「寒い、寒い、いやだよ…、かすみん、まだアア」

かすみ「ア"ア"、マダア」

44: へたれぼっち ◆iZBKegNFqA (えびふりゃー) 2022/03/24(木) 00:10:38.17 ID:C4zpe+e0
しずく「かすみさん?!、嘘?!」

果林「?!、歩夢!離れなさい!!!!」

歩夢「え、え?!」

かすみ「ウ"ウ"・・・・、ガス"ミ"ン"ハアア""""」

愛(?!目が赤い!それに皮膚が…ッ)

かすみ「アア""アツイィィ!ア"ツ"イ"ヨ"オ"オオオオ」

璃奈「歩夢さん!」

愛「まってりなりー!」ガシッ

歩夢「イヤッ!イヤアアアア」

かすみ「アアアアアアアアアアアア"""」

ゴシュッッ

57: へたれぼっち ◆iZBKegNFqA (えびふりゃー) 2022/03/24(木) 20:35:43.25 ID:C4zpe+e0
愛(なんだ?何が起きた?)

かすみ「・・・・・・・・・・・ウア"」ピクピク

歩夢「ハァッ・・・ハァッ…」

侑「ウッ・・・・ウウゥ・・・・」

愛(かすみんの、首が・・・・)

かすみ「ア"ア"・・・・」ピクピク

侑「ウッ…オ"エ""ッッ」ビシャッ

歩夢「ゆ、ゆうちゃん…」

愛(ゆうゆの手には、用務室に置いてあったスコップが…)

愛(そうか、ゆうゆが、歩夢を助けようとしてかすみんを…)

58: へたれぼっち ◆iZBKegNFqA (えびふりゃー) 2022/03/24(木) 20:36:51.60 ID:C4zpe+e0
エマ「そんなっ……」

しずく「嘘…嘘…こんな…」

果林「・・・・・ッッ!歩夢!無事ね?!全員用務室から出るわよ!!!」

侑「ゴメンナサイッッ…カスミチャン…ゴメンナサイ・・・」

せつ菜「…ゆうさん」

侑「・・・ウプッ・・・ウオェッ」ビシャ

侑「…ハァッ・・・・・ハァッ」

愛(まずいな、みんなショックで動ける状態じゃない…)

愛「果林、ゆうゆはアタシが見るから、先導頼める?」

果林「えぇ…。わかったわ」

59: へたれぼっち ◆iZBKegNFqA (えびふりゃー) 2022/03/24(木) 20:38:19.65 ID:C4zpe+e0
果林「ほら、みんな立って、まず用務室から出て先生を呼ぶわよ」

歩夢「ご、ごめんなさい、腰がぬけちゃって…」

果林「肩貸すわ。他のみんなは立てる?」

彼方「う、うん…、かなたちゃん、先生、呼んでくるね…」

せつ菜「わ、私も行きます!」

愛「助かるよ。しずく、りなりーは大丈夫?」

しずく「・・・・、大丈夫なわけ、ないです…。」

愛「うん…そうだよね…。でもまたかすみんが動き出すかもしれないから」

しずく「やめてください!!」

しずく「そんな、まるでかすみさんが…動かないほうが…生きていない方が良いみたいな…。」

愛「・・・・ごめん」

エマ「…果林ちゃん、歩夢ちゃんと璃奈ちゃん連れて先に出てて、しずくちゃんは私が…。」

果林「えぇ、お願い」

かすみ「・・・・ア"ア"」ピクッピクッ

60: へたれぼっち ◆iZBKegNFqA (えびふりゃー) 2022/03/24(木) 20:39:22.95 ID:C4zpe+e0
愛「ゆうゆ、行くよ。」

侑「・・・・・・・・・・・」

愛「・・・・。ゆうゆ…。」

侑「放っておいて…。」ダッダッダッ

愛「あ、ゆうゆ!」

エマ「…。今は、そっとしておいた方が良いかも…。」

しずく「・・・・・かすみさん…うぅ・・・」ナミダ

61: へたれぼっち ◆iZBKegNFqA (えびふりゃー) 2022/03/24(木) 20:41:45.84 ID:Li3PBo2Z
------現在------

愛「あの時はすごい泣いたなぁ。」

愛「アタシだけじゃない、みんな泣いていた」

愛「手にかけたゆうゆが一番泣いていたなぁ」

愛「あの1件から、みんなとの関係が少しずつ、確実に歪んでいった気がするよ。」

璃奈「・・・・・・・・。」

愛「そのあとは…そうだ、コペ子ちゃんを取り押さえていた先生方から感染が広がって…」

愛「校内を逃げている最中に…果林が…」

63: へたれぼっち ◆iZBKegNFqA (えびふりゃー) 2022/03/24(木) 20:50:49.64 ID:Li3PBo2Z
------回想------

侑「果林さん!!!!」

果林「ッ…、二人とも、大丈夫?」

愛「アタシたちのことはいい!果林!!腕が!!!」

愛(ゾンビに掴まれた果林の右腕から血が滴っている…ッ)

愛(爪だ。ゾンビの爪が食い込んで、出血している)

果林「残念ながら、私はここまでみたいね…」

侑「私の、私のせいだ…、追いかけてくるゾンビに気が付いていなかったから…」

果林「いいえ、誰のせいでもないわ、強いて言うなら、運が悪かったのよ」

64: へたれぼっち ◆iZBKegNFqA (えびふりゃー) 2022/03/24(木) 20:51:47.62 ID:Li3PBo2Z
せつ菜「っ!まだ、わかりません!傷は深くないから、もしかしたら・・!」

エマ「そんな…なんで…、なんで…。」

彼方「うそ…じゃないんだよね…」

しずく「…ッ…もう無理です…私たちも、みんな…」

果林「そんなことないわ、あきらめちゃだめよ」

果林「…まず、情報を集めなさい。私がゾンビに変化するまでの時間、ゾンビになったあとの行動パターン」

果林「そういう情報をもとに、ゾンビに対する対策をみんなで考えるの」

果林「そうすれば、私の犠牲も…役に立つわ」

愛「犠牲とかやめてよ…」

65: へたれぼっち ◆iZBKegNFqA (えびふりゃー) 2022/03/24(木) 20:52:42.88 ID:Li3PBo2Z
果林「・・・・・ごめんなさい、…でも、もう時間がないわ」

果林「かすみちゃんが…あんなことになってしまったときから、いつかは自分の番が来ると覚悟はしていたわ」

果林「…まさか、最初になるとは思っていなかったけど」

一同「・・・・。」

果林「自分のミスは、自分で始末をつけるわ。」スタスタ

歩夢「か、果林さん?どこいくんですか…?」

果林「屋上よ。」

66: へたれぼっち ◆iZBKegNFqA (えびふりゃー) 2022/03/24(木) 20:53:38.54 ID:Li3PBo2Z
彼方「ま、まって、まだわからないよ、かすみちゃんの時とは違うかも…。」

しずく「そうですよ!傷も深くないですし、も、もしかしたら大丈夫かも」

果林「そんな不確定な理由で、あなたたちを危険な目に合わせたくないの」

果林「私は、私のせいでみんなをゾンビにしてしまうことが、何より…怖いわ。」

果林「それに、私がゾンビになってしまったときに他の人に、負担をかけたくないから」

愛(ゆうゆのことだ)

愛(果林が、このままゾンビになってしまったら、きっと誰かが果林を止めなくちゃいけない…)

愛(そんな役目を、またゆうゆに押し付けないためにも、果林は自ら…)

果林「そういうことだから、私が私であるうちに、終わらせるわ」スタスタ

67: へたれぼっち ◆iZBKegNFqA (えびふりゃー) 2022/03/24(木) 20:54:24.14 ID:Li3PBo2Z
------現在------

愛「そんで、みんなで屋上に行ったんだっけ」

愛「カリンはさ、みんなの前でかっこつけすぎなんだよね」

愛「アタシら当時はただの女子高生だったわけで」

愛「そんないきなり、死ぬ覚悟なんて、できるわけないって…」

璃奈「・・・・・・・・。」

愛「屋上の扉越しに、カリンと会話してたけど、だんだんカリンの様子がおかしくなって」

愛「わかってはいたけど、やっぱり身近な人のああいう変化は、キツイよね」

璃奈「・・・・・・・・。」

68: へたれぼっち ◆iZBKegNFqA (えびふりゃー) 2022/03/24(木) 20:55:33.59 ID:Li3PBo2Z
------回想------

~~屋上~~

愛(屋上は生徒が勝手に出入りしないように、扉にカギが付いている)

愛(果林は扉を出て、屋上を歩く。アタシたちは、扉越しに果林を見る)

愛(果林は屋上を歩きながら、こちらに振り返る)

果林「はい、それじゃあ、扉を閉めてそっちから鍵をかけて」

璃奈「まって、果林さん、あの…」

果林「もういいの、これ以上は…私の、決心が揺らいじゃうから」

果林「だから、もう、…はやく閉めてちょうだい」

エマ「……なんで、なんで最後まで意地張るの…」テイオンヴォイス

果林「意地なんて張っていないわ、合理的な判断をしているだけよ」

エマ「ッ!!それが!」

69: へたれぼっち ◆iZBKegNFqA (えびふりゃー) 2022/03/24(木) 20:58:04.21 ID:Li3PBo2Z
愛「・・・・。」ガチャ カギシメ

エマ「愛ちゃん?!なんで」

果林「・・・・・ありがと、愛。」

果林「…体に異変がきたら、飛び降りるわ」

果林「もし、飛び降りが間に合わなかったら、屋上の扉は絶対に開けないで」

果林「あんな醜い姿で徘徊しているところ、あなたたちに見られたくないから…」

愛「果林が、望むなら…。」

エマ「果林ちゃん…。」

果林「エマ、そんな顔しないで」

エマ「なんで…、私にまで、かっこつけなくっても」ポロポロ

果林「・・・・・ごめんなさいね、あなたの故郷に、一緒に行く約束、守れなかった」

エマ「ウッ・・・」ポロポロ

70: へたれぼっち ◆iZBKegNFqA (えびふりゃー) 2022/03/24(木) 20:59:07.35 ID:Li3PBo2Z
せつ菜「なんで…果林さんが…」ポロポロ

歩夢「ウウゥ…」ポロポロ

果林「・・・・もう、みんなしてかわいい顔が台無しよ」

侑「…ごめんなさい…ごめん、なさい…」ウツムキ

果林「・・・・・・・・。」

果林(……ダメよ、耐えなさい、朝香果林…、ここで、泣いたって何も変わらない)

果林(最後まで、みんなの先輩として、規範ある…行動を)

71: へたれぼっち ◆iZBKegNFqA (えびふりゃー) 2022/03/24(木) 21:00:18.54 ID:Li3PBo2Z
屋上の手すりから身を乗り出す。

悪寒がする。
死ぬことへの怖さか、
それとも…

屋上から地面を見下ろす。
今から自分はここを飛び降りること、
さもなくばゾンビとなって意識を失うことが、
生々しい現実として突き付けられた。

急に鼓動が早くなる。
死ぬことが、もう、みんなと会えないことが、
自分という存在が、この世から無くなることが、
ただひたすら怖くなった。

72: へたれぼっち ◆iZBKegNFqA (えびふりゃー) 2022/03/24(木) 21:01:21.52 ID:Li3PBo2Z
果林(………)

果林(死んだらどうなるのか、幼いころから時々考えることがあった)

果林(きっと、眠りについた時と同じ)

果林(二度と、目が覚めることがないだけ…)

果林(こうやって、考えること、意識を持つことなく)

果林(無になるだけ…)

果林(・・・・・嫌だ)

果林(怖い・・・・怖い・・・・・)

果林(自分という存在がなくなることが……ただただ…怖い)

果林「ウゥ・・・」ポロポロ

果林(…ダメよ、こんな情けないところ、あの子たちに見せられない…)

73: へたれぼっち ◆iZBKegNFqA (えびふりゃー) 2022/03/24(木) 21:02:21.46 ID:Li3PBo2Z
エマ「果林ちゃん・・・・」

しずく「や、やっぱり止めましょう!おかしいですよこんなの」

せつ菜「そうです!ゾンビになってしまっても、もしかしたらもとに戻る方法が見つかるかもしれません!」

愛(ゾンビの治療法が確立していない今、ゾンビになってしまった人を長期間避難所で匿うことはできない)

愛(最悪の場合、避難所でゾンビの感染が広がってしまうからだ…)

愛(この屋上やどこかの部屋でカギを閉めれば…いや、でもそれは…)

侑「…戻ることなんて…ありえない」

彼方「ゆ、ゆうちゃん?」

74: へたれぼっち ◆iZBKegNFqA (えびふりゃー) 2022/03/24(木) 21:04:08.37 ID:Li3PBo2Z
侑「一度、ゾンビになったら最後なんだっ!」

侑「ここで、果林さんをそのままにすることは…、できないっッ」

愛(単純に、ゾンビを一人隔離した状態を維持することはリスクがある)

愛(1日や2日ならともかく、いつ助けがくるかもわからない状態でゾンビを隔離する余裕はない)

愛(そもそも、鍵をかけておいたら大丈夫かなんて、保証できないし)

愛(ずっと果林を見張っていることもできない。)

愛(なにより、ゾンビが治せる可能性なんて、認められるわけないんだ)

愛(かすみんを処理した、ゆうゆにとって…)

75: へたれぼっち ◆iZBKegNFqA (えびふりゃー) 2022/03/24(木) 21:06:45.78 ID:Li3PBo2Z
侑「もとはといえば、私の責任だよ。私が、責任もって果林さんを」

愛「まって、果林はそれを望んでいないから今あそこにいるんだよ」

彼方「い、いや、そもそも果林ちゃんを助ける方法を考えることが」

侑「助けるとかもう、そういう状況じゃないの!」

歩夢「ゆ、ゆうちゃん落ち着いて」

侑「私は落ち着いてる!それよりもみんなはこのゾンビ化を甘く見すぎ!!」

侑「少しでも傷つけられたらダメなんだよ?!」

侑「そんな危険なゾンビを、どこかに匿っておくなんて許されるわけがない!!」

璃奈「……今、私達はゾンビに対する情報が少ない、」

璃奈「多少リスクを負ってでも、その、果林さん…ゾンビから情報をとるべきかもしれない」

せつ菜「そんなっ?!、果林さんで実験するってことですか?!!!」

しずく「違うよせつ菜さん、璃奈さんが言っているのは果林さんを残す理由であって…」

ワイワイ ギャーギャー

76: へたれぼっち ◆iZBKegNFqA (えびふりゃー) 2022/03/24(木) 21:07:23.21 ID:Li3PBo2Z
愛(だめだ、みんな冷静じゃない)

愛(当たり前だ…、こんな非日常で、情報も少ないなかで最適な判断なんてできるはずが…)

エマ「……。愛ちゃん、ごめんね」

愛「え?…っ」

ドンッ

77: へたれぼっち ◆iZBKegNFqA (えびふりゃー) 2022/03/24(木) 21:08:09.92 ID:Li3PBo2Z
果林(あぁ…、このままじゃ、あの子たちがバラバラに…)

果林(覚悟を…決めるのよ。私が示さないといけない)

果林(ゾンビに感染してしまった人の、最期を…)

果林(……高い…、飛んだら、一瞬だろう)

果林(それともやっぱり、痛いの…かしら…)

果林「でも…」

78: へたれぼっち ◆iZBKegNFqA (えびふりゃー) 2022/03/24(木) 21:09:10.62 ID:Li3PBo2Z
寒くなってきた

手足の末端の感覚が、少しずつ弱まっていく

皮膚が乾燥していくのがわかる

脳裏に浮かぶのは、コペ子ちゃんやかすみちゃんの変わり果てた姿

私も、もうじき…

果林「ウッ・・・・」

果林(寒い…のに、頭がッ熱いっっ)

果林「ア"ア""…」

80: へたれぼっち ◆iZBKegNFqA (えびふりゃー) 2022/03/24(木) 21:10:13.38 ID:Li3PBo2Z
嫌だ

死にたくないっっ、まだ、私何も…っ!

飛び降りないと

スクールアイドルだって始まったばかりなの

今、飛び降りないと

モデルの仕事だってまだまだこれからだったし

飛ぶの!!飛んで!!!みんなに迷惑をかけないように!!!!

エマと彼方との卒業旅行だって楽しみにしていた

私が私であるうちに!

エマや彼方と初めてお酒を飲むのも、車の免許をとってドライブだって

恋だって…

まだ、何もできていない…

嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ……

81: へたれぼっち ◆iZBKegNFqA (えびふりゃー) 2022/03/24(木) 21:13:14.68 ID:Li3PBo2Z
寒-い熱い---寒-い--熱-い-死に---たく-な-い嫌-だ--嫌だ

自分--が、自-分-じゃな-く-なる----…

島-の□-んな
---□-父■-ん…
■-母-さ■--…

果林「ア"・・シニタク"ナイ・・・」

果林「イヤ・・・」ポロポロ

ガチャッ

タッタッタッ

エマ「大丈夫、果林ちゃん。一緒にいるよ」ギュ

82: へたれぼっち ◆iZBKegNFqA (えびふりゃー) 2022/03/24(木) 21:15:29.56 ID:Li3PBo2Z
果林「エマ?…ナンッ…で?」

エマ「大丈夫だから」ギュッッ

果林「ア""ア"・・・・」

侑「エマさん!!!!なにやってっっ!戻って」

愛「ゆうゆ!ダメだ、もう…」

愛(果林を抱擁するエマの背中に、果林の爪が食い込んでいるのが見える)

愛(まさか、自分からあの状態の果林に駆け寄るなんて…)

果林「ウ"ウ"ウウウ」グググッ

エマ「大丈夫、大丈夫だよ、果林ちゃん」ギューッ

歩夢「そんな、エマさんまで…」

果林「ウガアアア""」ジタバタ

エマ「大丈夫だから、ね、果林ちゃん」ギューッ

84: へたれぼっち ◆iZBKegNFqA (えびふりゃー) 2022/03/24(木) 21:16:56.94 ID:Li3PBo2Z
ドタドタ

侑「なんで…、なんでこうなるの!!!」

エマ「侑ちゃん、、、」

果林「ア"ア"ア"」ジタバタ

エマ「痛ッ、あんまり時間がないみたい。」

エマ「侑ちゃん、みんな、ごめんね…これは私のわがまま」

85: へたれぼっち ◆iZBKegNFqA (えびふりゃー) 2022/03/24(木) 21:18:15.73 ID:Li3PBo2Z
エマ「・・・・・私ね、日本でみんなと出会えて、スクールアイドル一緒にやれてよかった」

エマ「もし、世界が平和になって、私の家族や兄弟に会う機会があったら」

エマ「ごめんね、って伝えて欲しいな」

せつ菜「エマさん、待ってください、私達まだ何もエマさんにっ!」

エマ「それじゃあ、私と果林ちゃんは、先に行ってるね」スッ

愛「エマ?!!」

侑「まって!!!」

そう言うと、
エマは、
果林を抱きかかえたまま、
屋上から、

86: へたれぼっち ◆iZBKegNFqA (えびふりゃー) 2022/03/24(木) 21:18:48.18 ID:Li3PBo2Z
      飛んだ      

94: へたれぼっち ◆iZBKegNFqA (えびふりゃー) 2022/03/24(木) 22:16:54.80 ID:Li3PBo2Z
侑「・・・・・・・・・・・なんで、」

侑「なんでちゃんと鍵を持っておかなかったの!!!」

愛「・・・・・・・・ごめん。」

侑「ッッ!!」コブシフリカブリー

愛「……」メツムリ

侑「・・・・ッ、」

せつ菜「やめてくださいッッ!!!」ポロポロ

せつ菜「もう、やめて…」ポロポロ

愛「ごめん…エマを、止められなくて…」ポロポロ

彼方「ははは…、そうか、これは夢だね、」

彼方「果林ちゃんやエマちゃんに限って、こんなことありえないよ~」フラフラ

しずく「っ!彼方さん!!」ガシッ

彼方「離して~~彼方ちゃんもここから飛んで夢から覚めるんだよ~」

しずく「彼方さん、落ち着いてください!!!」

璃奈「……。」ボーゼン

歩夢「ゆうちゃん…。」

95: へたれぼっち ◆iZBKegNFqA (えびふりゃー) 2022/03/24(木) 22:17:38.79 ID:Li3PBo2Z
------現在------

愛「いやーああいうときのエマっちの行動力は凄いよ」

愛「まぁ、スクールアイドルが好きで単身で日本に来るくらいだから」

愛「決心したときの覚悟の決め方が違うよね」

愛「それに比べて、アタシはブレブレだったなぁ」

96: へたれぼっち ◆iZBKegNFqA (えびふりゃー) 2022/03/24(木) 22:18:45.32 ID:Li3PBo2Z
愛「…またDiverDivaで、歌いたかったなぁ」

愛「それに、エマっちのご家族に会うって約束も、結局果たせなかった」

璃奈「・・・・・・・・。」

愛「・・・・・。」

愛「…先生方がいなくなって、避難所の運営は主に学生が中心に自治をしはじめたんだよね」

愛「学生以外にも避難所には色々な人かいたけど、逃げてきた年配な方や、子供が多くて」

愛「当時生徒会長だったせっつーを中心として」

愛「スクールフェスティバルによって求心力を得ていた同好会のメンバーが」

愛「みんなを取りまとめるような立場になったんだっけ」

璃奈「・・・・・・・・。」

97: へたれぼっち ◆iZBKegNFqA (えびふりゃー) 2022/03/24(木) 22:19:30.76 ID:Li3PBo2Z
愛「幸い、ゾンビの行動パターンはシンプルだったから、みんなで協力して校内のゾンビを誘導しながら」

愛「最後のトドメは、ゆうゆがやってくれた」

愛「ゆうゆには、つらい役目ばっかおしつけちゃったな…。」

璃奈「・・・・・・・・。」

98: へたれぼっち ◆iZBKegNFqA (えびふりゃー) 2022/03/24(木) 22:23:08.72 ID:Li3PBo2Z
愛「それと、もともと大きな学校だったから、避難場所として災害に備えて非常食の備蓄はたくさんあったし」

愛「ソーラーパネルや浄水施設といった最新のインフラ設備も充実していたから」

愛「校内に立てこもりながらの生活も、なんとかやりくりできたんだよね」

愛「あの辺の技術関係は、りなりーがいたから、なんとか形にできたんだよ」

愛「大変だったけど、忙しかったから悲しむ余裕もなかったかな」

愛「…だけど、忙しかったからこそ、誰が何やってるかを正確に把握できていなかった」

愛「もっと早く気が付いていれば、あんなことにはならなかったのかな」

璃奈「・・・・・・・・。」

99: へたれぼっち ◆iZBKegNFqA (えびふりゃー) 2022/03/24(木) 22:24:05.83 ID:Li3PBo2Z
今日はここまで
また明日投稿します

ミストいいよね

103: へたれぼっち ◆iZBKegNFqA (SIM) 2022/03/25(金) 22:34:15.86 ID:RRivgRGD
------回想------

~~会議室~~

ロの字型に机を配置し、せっつーを上座に同好会のメンバーや学園のメンバーが着席している

愛「見回り班から報告。今朝も日課の見回りをしたけど、特に異常無し。」

愛「裏門のバリケートを補強したいので、午後に手が空いている人ご協力お願いします。」

せつ菜「報告ありがとうございます。次は技術班、お願いします。

璃奈「はい。技術班から報告します。」

璃奈「かねてより要望のあった救難信号発生器を作成した。」

璃奈「今日から全世界に向けて、救難信号を定期的に発信する予定」

104: へたれぼっち ◆iZBKegNFqA (SIM) 2022/03/25(金) 22:35:10.78 ID:RRivgRGD
璃奈「それと、先日、侑さん協力のもとゾンビを捕まえて四肢を切断した状態でいくつか実験をした。」

璃奈「詳細はこの報告書にまとめてあるから、興味がある人は読んで欲しい。」

璃奈「今回わかった重要なポイントとして、ゾンビは私たち人間を目視で追っているわけではないということ」

璃奈「どうやら、熱源、つまり人間の体温を探知して接近しているようで…」

愛(エマと果林が飛んでからもう3か月)

愛(せっつーを中心とした自治組織で、アタシは校内の見回りを担当することになった)

愛(しずくがアタシと一緒で、りなりーが技術班、カナちゃんが調理班、歩夢が医療班)

愛(ゆうゆは、一応所属はアタシと同じ見回り班だけど、基本的には独自のやり方でパトロールしている)

105: へたれぼっち ◆iZBKegNFqA (SIM) 2022/03/25(金) 22:37:45.02 ID:RRivgRGD
愛(他にも設備担当や工作担当とか、避難している人には何かしら役割を与えているけど)

愛(基本的にはアタシたちがとりまとめながら、必要に応じて指示をするような形になっている)

愛(そして、情報共有を目的として各班の班長が昼と夜に簡単に状況報告をする場を設けるようにしている)

愛(TVやラジオも最近は音沙汰がなく、世界がどうなっているかもわからない今、)

愛(アタシたちは少しでもゾンビに対策する方法を模索できるよう、りなりーを中心にゾンビの生態を調査し始めている)

106: へたれぼっち ◆iZBKegNFqA (SIM) 2022/03/25(金) 22:40:17.59 ID:RRivgRGD
璃奈「…といった結果から、火などの熱源を用いたゾンビの誘導も可能であるという結論に至った。」

せつ菜「ご報告ありがとうございます。捕獲したゾンビはもう不要ですか?」

璃奈「……うん。」

せつ菜「・・・・・では、また侑さんに処理していただきましょう」

愛「・・・・っ」

歩夢「あ、あのね、その件だけど、やっぱりそういう大変な仕事を全部ゆうちゃんに任せるのは良くないかなって思うの」

せつ菜「……私もそう、思いますが、当の本人が立候補していて…」チラッ

侑「気にしないで、私は皆のサポートがしたいから」

107: へたれぼっち ◆iZBKegNFqA (SIM) 2022/03/25(金) 22:41:49.76 ID:RRivgRGD
愛(この前のエマと果林の飛び降り以来、ゆうゆは覚悟を決めたみたいで)

愛(例外なく、ゾンビの後始末は絶対に自分がやる、と宣言している)

愛(もたもたして事態が悪化するくらいなら、早い段階で手を打ちたいんだと思うけど…)

侑「…早速この後私が処理するよ。技術棟だよね?」

璃奈「・・・・・うん、ただ、その、今回のゾンビは…」

璃奈「捕獲するときに気が付いていたと思うけど」

璃奈「うちの制服を着ている子だった、私は知らない子だけど、多分学生のうちの1人だと思う」

侑「そうだったっけ?…まぁゾンビなんて誰でも良いけど、急ぎならこの後処理するよ」

璃奈「今は技術棟の地下室に閉じ込めてある」

璃奈「やっぱり敷地内にゾンビがいるのは他の避難者も怖いみたい、だから早めに処理したほうがいい、かも」

侑「決まりだね。報告会が終わったら璃奈ちゃん、案内してよ」

108: へたれぼっち ◆iZBKegNFqA (SIM) 2022/03/25(金) 22:43:08.95 ID:RRivgRGD
愛(・・・・・未だにゾンビにトドメをさした経験があるのはゆうゆだけだ)

愛(何度か見回り班が見つけた侵入してきたゾンビをみんなで追い詰めたことはあるけど)

愛(生前の面影のある人らしき生き物に、トドメを刺すのには抵抗感があって)

愛(そんなとき、毎回トドメをさしてくれるのは、ゆうゆだった)

愛(随分手慣れていたから、きっと、愛さん達の見ていないところでも人知れず校舎周りのゾンビを減らしてくれているんだと思う…)

109: へたれぼっち ◆iZBKegNFqA (SIM) 2022/03/25(金) 22:44:33.93 ID:RRivgRGD
璃奈「もう一つだけ技術班から要望がある」

せつ菜「なんですか?」

璃奈「可能であれば、生きた人間がゾンビに変化する過程を調査したい」

ザワザワ

せつ菜「…それは、ゾンビに噛まれた人間で、人体実験をするということですか?」

璃奈「…。平たく言えばそうなる。」

璃奈「誤解が無いように付け加えると…。」

璃奈「ゾンビに至るまでの細胞の変化などがわかれば」

璃奈「もしかしたら、ワクチンのようなものも作れるかもしれない」

ザワザワ

彼方「zzz」

璃奈「璃奈ちゃんボード、【マッドサイエンティスト】」

110: へたれぼっち ◆iZBKegNFqA (SIM) 2022/03/25(金) 22:47:23.27 ID:RRivgRGD
せつ菜「…。ゾンビに襲われて、助からない人が出てきた場合に」

せつ菜「本人の意思を尊重して決めましょう。」

璃奈「わかった。もちろん、強制はしない」

せつ菜「他になければ、最後に調理班の彼方さん、お願いします」

彼方「zzz」

せつ菜「…。代わりに私から。今朝調理班から報告頂いていたのですが」

せつ菜「今いる避難民、ニジガク生徒33人と、外部から受け入れた避難民20人合わせて53人について」

せつ菜「今の食料の配布ペースだと、あと半年程度で食糧が底を尽きてしまうとのことです。」

せつ菜「そこで、明日から食料の配布量を一律で20%減とします。」

ザワザワ

111: へたれぼっち ◆iZBKegNFqA (SIM) 2022/03/25(金) 22:48:36.71 ID:RRivgRGD
せつ菜「この減量と、今後、もやし等の自家製栽培が進めば、あと1年は食料が維持できる想定です。」

せつ菜「ご理解のほど、よろしくお願いいたします。」

ザワザワ

愛(やっぱり、ゾンビ以外にも食料の問題が…)

せつ菜「・・・・。他になければ、本日の定例会を終わりにします。」

112: へたれぼっち ◆iZBKegNFqA (SIM) 2022/03/25(金) 22:49:49.89 ID:RRivgRGD
せつ菜「愛さん、ちょっといいですか?」

愛「ん?どしたのせっつー?」

せつ菜「その、ここじゃなんですし、ちょっと生徒会室でもいいですか?」

愛「おっけー!」

113: へたれぼっち ◆iZBKegNFqA (SIM) 2022/03/25(金) 22:51:11.58 ID:RRivgRGD
------現在------

愛「せっつー曰く、カナちゃんの様子が変だって話だったんだよね」

愛「たしかにあの頃のカナちゃん全然眠れていないみたいで、クマもすごかったし」

愛「なにより同級生を急に二人も失っていたから・・・心配だったんだよね」

璃奈「・・・・」

愛「避難者は皆部室棟の各部室を部屋として使ってたけど」

愛「カナちゃんは調理班の仕事以外は、部室棟の部屋にこもりがちだったんだよね」

愛「だから、アタシにカナちゃんの普段の様子を見て欲しいって頼みだった。」

愛「そんなある日、上機嫌で部屋に戻ろうとするカナちゃんに会って、思わず声かけたんだ…」

114: へたれぼっち ◆iZBKegNFqA (SIM) 2022/03/25(金) 22:52:10.78 ID:RRivgRGD
------回想------

愛「おーい、カナちゃん」

彼方「お、愛ちゃん~なんだかおしゃべりするの久しぶりな気がするよ~」

愛「そだね~、今からお昼?」

彼方「うん。もう愛ちゃんは食べた?」

愛「さっきすましちゃった」

愛(お昼は乾パン3つ、自家製もやし一掴み、オートミールが一杯)

愛(カナちゃんのオボンにあるのは、みんなと同じものだけど…)

愛「なんだか、盛り付けがきれいだね」

彼方「え?そうかな~?」

115: へたれぼっち ◆iZBKegNFqA (SIM) 2022/03/25(金) 22:53:21.62 ID:RRivgRGD
愛「うん、愛さん、自分用だったらもっと適当に乗せちゃうなって思って」

愛「カナちゃんの女子力が高いってことか!」

彼方「そんなことないよ~」

彼方「綺麗に見えるのはね~、一緒に食べるからかも~」

愛「あ、なるほど!誰かとシェアするからか」

愛「誰と食べるの?調理班の人?」

彼方「えへへ~それはね~」












彼方「遥ちゃん」

116: へたれぼっち ◆iZBKegNFqA (SIM) 2022/03/25(金) 22:54:30.09 ID:RRivgRGD
愛(…あり得ない)

愛(アタシ達は超法規的緊急事態宣言がでてから)

愛(ずっと学校に寝泊まりしている)

愛(おそらく、アタシ達以外の人たちも避難所生活が続いているはずだ)

愛(最初の数週間は学校周辺で生活している人が駆けこんでくることもあったが)

愛(ここ数カ月、誰かが出入りした話は聞いていない)

愛(ましてや超法規的緊急事態宣言がでたとき、遥ちゃんは東雲学院にいたはず)

愛(つまり、この混乱の中、遥ちゃんが無事にここに来ることは、…あり得ない)

117: へたれぼっち ◆iZBKegNFqA (SIM) 2022/03/25(金) 22:56:09.87 ID:RRivgRGD
愛「っ・・・・。え、遥ちゃんって、」

彼方「実はね~この前、外歩いてたから声かけたんだ~」

彼方「向こうもすぐ気が付いてくれてね、お姉ちゃん~って近づいてきてくれて!」

彼方「今は彼方ちゃんと一緒に暮らしているんだ」

愛(どういうこと?幻覚?それとも東雲からこっちまで逃げてきた?)

愛(いや、屋上から見渡す限りこの周辺もゾンビがいっぱいだった、ここまで無傷でこれるとは思えない)

118: へたれぼっち ◆iZBKegNFqA (SIM) 2022/03/25(金) 22:57:11.24 ID:RRivgRGD
愛「そ、それは…。報告しないとまずいんじゃない?」

彼方「いや~報告すると、侑ちゃんに怒られそうだったからさ~」

愛「え、なんでゆうゆに?」

彼方「いや、違うよ。ただね、遥ちゃん、ちょっと体調が悪いみたいで」

彼方「だから、今は療養中なのさ~」

彼方「元気になったら、ちゃんと説明しようとは思っていたんだよ?」

愛(体調?いや、そもそも本当に遥ちゃんがいるのか?)

愛「・・・。そうなんだ。とりあえず、遥ちゃんが無事でよかったよ」

彼方「でしょ~。最近暗いニュースばかりだったけど、彼方ちゃん的には一安心だったかな~」

愛「そう、だね。」

119: へたれぼっち ◆iZBKegNFqA (SIM) 2022/03/25(金) 22:58:03.93 ID:RRivgRGD
愛「…ねぇ、愛さんも久々に遥ちゃんに会いたいな~…なんて」

彼方「…いいよ~」

愛「え?」

愛「……いいの?」

彼方「うん。でも、みんなには、内緒だよ?」ニッコリ

愛「……。わかった。」

愛(カナちゃんの部屋は、たしか流しそうめん同好会の部室だったっけか)

120: へたれぼっち ◆iZBKegNFqA (SIM) 2022/03/25(金) 22:59:09.78 ID:RRivgRGD
~~流しそうめん同好会部室前~~

カナちゃんが扉に手をかける

彼方「あのね。」

愛「?」

彼方「さっきも言ったけど、遥ちゃん、ちょっと体調が悪いみたいで」

彼方「少しびっくりするかもしれないけど…」

愛「…。うん。」

彼方「誰にも…特に、侑ちゃんには、言わないでね」

愛「え、あ、うん。」

愛(さっきも言っていたが、なんでゆうゆに…)

彼方「ただいま~」ガチャ

121: へたれぼっち ◆iZBKegNFqA (SIM) 2022/03/25(金) 23:00:08.06 ID:RRivgRGD
~~流しそうめん同好会 部室内~~

遥「ウ"""ウ"ア"""」

彼方「遥ちゃん~おとなしくしてた~?」

遥「ウウ"""ウウ"ウアア"ア」

愛「・・・・・・・・・」

愛(最悪だ…)

彼方「ほら、今日は愛ちゃんがきてくれたよ~」

愛(手足が鎖につながれている。口元を塞いでいるのは…タオルか)

愛(たしかに、体はボロボロだが、これは遥ちゃんだ)

122: へたれぼっち ◆iZBKegNFqA (SIM) 2022/03/25(金) 23:00:56.53 ID:RRivgRGD
遥「ヴ"ア"ッ」ジタバタ

彼方「ほらほら、落ち着いて~。」

愛(だからゆうゆにはバレたくなかったんだ)

彼方「はい、今日のごはんだよ~」

彼方「いっぱい食べて、ゆっくり休んで、またいつもの遥ちゃんに戻ろうね~」

そういうと、カナちゃんは遥ちゃんの口元を抑えるタオルをほどいた

愛「あぶな」

遥「ウガァッッ」ガチン

彼方「おっと~、もう遥ちゃんってばいやしんぼだな~」

持ってきた乾パンをつまみ、遥ちゃんの口に放り込んだ

123: へたれぼっち ◆iZBKegNFqA (SIM) 2022/03/25(金) 23:01:46.13 ID:RRivgRGD
遥「ア""アアア”」ボロボロ

彼方「もう遥ちゃん~こぼれちゃってるよ~」

彼方「はい、もう一回~」

愛(あ、危なすぎる…、確かに手足は縛られているから動けないとはいえ)

愛(噛まれたらアウトなのに、こんな)

愛「か、カナちゃん、一回離れたほうが」

彼方「え~なんで?」

愛「いや、だって」

彼方「あはは、大丈夫大丈夫。この距離なら私は大丈夫だし。」

彼方「今は遥ちゃんにご飯をしっかり食べてもらって、元気になってもらわないとね」

124: へたれぼっち ◆iZBKegNFqA (SIM) 2022/03/25(金) 23:39:49.34 ID:Sdt5NL1t
数分後

愛「それじゃあ、…また来るね」

彼方「は~い。ほら遥ちゃん、愛ちゃんは見回りのお仕事あるから戻るって」

遥「ウ"ウ"ウウウウアァァ」

愛「あ、あはは、それじゃ~」

125: へたれぼっち ◆iZBKegNFqA (SIM) 2022/03/25(金) 23:40:44.83 ID:Sdt5NL1t
愛(今のカナちゃんは、ギリギリのラインでまだ正常な判断ができている)

愛(その大きな理由が、カナちゃんは遥ちゃんの危険性を認識していることだ)

愛(遥ちゃんを鎖で縛ったり、自分が安全な距離を把握していることがその証拠)

愛(それでもって、ゾンビを処理するゆうゆにバレたくないってのも、)

愛(なんだかんだで遥ちゃんが他の人からゾンビとして見られることもわかっている)

愛(ただ、それでもこの事実をアタシに隠さなかったのは)

愛(理解してもらいたかったのかもしれない)

126: へたれぼっち ◆iZBKegNFqA (SIM) 2022/03/25(金) 23:41:49.61 ID:Sdt5NL1t
愛(…はっきり言って、部室棟で隠し続けられるわけがない)

愛(あんなに唸り声が聞こえれば他の人から苦情や相談がくる)

愛(いや、もうせっつーには相談がきているんだ。)

愛(きっとせっつーはある程度あたりを付けたうえで、アタシに確認を…)

愛(カナちゃんは、バレはじめていることも分かったうえで、アタシからの同情と便宜を期待しているのか…)

愛(いや、それとももう、本当に遥ちゃんがただの風邪なんだと思い込みすぎて、)

愛(風邪とゾンビの線引きがあいまいになっているのか…)

愛(これは、どう報告するべきか…)

127: へたれぼっち ◆iZBKegNFqA (SIM) 2022/03/25(金) 23:42:47.67 ID:Sdt5NL1t
~~生徒会室前~~

愛(とはいえ、さすがにゾンビを匿っている事実は隠せない…か)

愛(せっつーと相談して、遥ちゃんゾンビを、りなりーの研究対象として全員の管理下にするとか)

愛(なにかしら妥協点を探らないといけないかな…)

愛「せっつー、いる?」ガラガラ

128: へたれぼっち ◆iZBKegNFqA (SIM) 2022/03/25(金) 23:45:44.48 ID:Sdt5NL1t
------現在------

愛「報告したときのせっつー、文字通り頭抱えてたな~」

愛「さすがにそのままにもできないってことで、」

愛「りなりー交えて遥ちゃんの処遇の方針を決める打ち合わせをしようとして声をかけたんだよ」

璃奈「………。」

愛「……。それで、りなりーも覚えてると思うけど、せっつーと3人で話していたら」

愛「急に部室棟の方から叫び声が聞こえてきてさ」

愛「3人で急いで部室棟に向かったんだよね」

129: へたれぼっち ◆iZBKegNFqA (SIM) 2022/03/25(金) 23:47:22.89 ID:Sdt5NL1t
------回想------

~~流しそうめん同好会部室前~~

彼方「や”め”て!!!遥ち”ゃんを殺さ”な”いで!!!!」

侑「離れて。このままじゃ彼方さんも危ないよ」

彼方「危なく”な”い!違うの!!遥ち”ゃんは体調が悪いだけ!!!」

彼方「すぐによくな”るから!!そっとして”お”いて!!!」

遥「ウ"ウ"ウ"ァァ」ジタバタ

130: へたれぼっち ◆iZBKegNFqA (SIM) 2022/03/25(金) 23:48:48.89 ID:Sdt5NL1t
ドタドタドタ

愛「ゆうゆ?!かなちゃん?どういう状況?!」トウチャク

愛(部室内で鎖につながれた遥ちゃんに向かってスコップを振り上げるゆうゆを取り押さえるカナちゃん…)

侑「……。見ての通り、校内にいるゾンビを処理しようとしているところを、邪魔されている状況だよ。」

彼方「遥ちゃんはゾンビじゃないの!!なんでわかってくれないの!!!!」

遥「アア"ア"ッッ!!!」ガンッガンッ

せつ菜「彼方さん…。」

131: へたれぼっち ◆iZBKegNFqA (SIM) 2022/03/25(金) 23:49:46.59 ID:Sdt5NL1t
愛「…っ!とにかくお互い落ち着いて、ゆうゆもそのスコップは一回置いてまずはみんなで話し合おう」

侑「ダメだよ、いつソイツがみんなに危害を加えるかわからない以上、私は武器を手放すことはできない」

彼方「だから!遥ちゃんは襲ってきたりしないから!!」

璃奈「…。ごめん愛さん、私も侑さんに賛成、いくら鎖につながれているとはいえ、ゾンビと同じ部屋で丸腰になるのは怖い」

愛「ッ…。わかった、ゆうゆはスコップもった状態でいいから、まずはお互い冷静になろう」

侑「私はいたって冷静だよ。正直この状況で一番おかしいのは彼方さんだと思うけど」

彼方「違う!私はただ遥ちゃんを看病しているだけ…!」

侑「看病?鎖で拘束することが看病なの?」

彼方「ち、ちがっ」

132: へたれぼっち ◆iZBKegNFqA (SIM) 2022/03/25(金) 23:50:50.34 ID:Sdt5NL1t
侑「結局彼方さんも頭ではわかっているんですよね」

侑「だから鎖で拘束して、看病と言いつつ一定の距離を保って自分の安全を確保している」

彼方「……違うの、違うから…もうやめて…。」

侑「…。とにかく、例外はないから。ソイツを早く処理しないと、他の人だって安心して眠れない」

彼方「お願い…殺さないでえぇ…」

せつ菜「…でしたら、外に出す、という折衷案はどうでしょうか」

せつ菜「侑さんのおっしゃる通り、この状態のゾ…遥さんを居住空間に置いておくのは」

せつ菜「二次被害の恐れから、この避難所を取りまとめる立場としても許可できません。」

133: へたれぼっち ◆iZBKegNFqA (SIM) 2022/03/25(金) 23:51:47.04 ID:Sdt5NL1t
せつ菜「ただ、最近の璃奈さんの研究報告から、ゾンビは比較的単純な動きで我々人間に近づいてくるのがわかってきているので」

せつ菜「みんなで協力しながら学園の外に誘導する…といった方針はいかがでしょうか」

彼方「・・・・うぅ…なんで、なんでみんな私からとりあげるの・・・」

彼方「お父さんも、お母さんも、かすみちゃんも果林ちゃんもエマちゃんも…遥ちゃんも…なんでぇ…」

侑「・・・・・。」

遥「ア"ア"!!!」ガンッガンッ




モブA「おいおい、あそこにいるの、ゾンビじゃないか?!!」

モブB「なんで室内にゾンビがいるんだよ!!!」

モブC「え、なにあれ…噓でしょ」

ガヤガヤ

134: へたれぼっち ◆iZBKegNFqA (SIM) 2022/03/25(金) 23:52:46.85 ID:Sdt5NL1t
愛(しまった、騒ぎが大きくなりだした…)

遥「オオ"ア"!!!ウガァッ」ガンッガンッ

せつ菜「み、みなさん落ち着いてください、大丈夫です、これからこのゾンビは安全に移動させます」

モブB「安全にってどうやって?!」

モブA「そもそもどうやってここに来たんだ?!技術棟で捕獲していたゾンビが逃げ出したのか?」

モブC「だから私は嫌だったのよ!ちゃんと管理できないのに敷地内にゾンビはいれないでほしいわ!」

遥「オオ"ア"!!!ウガァッ」ガンッガンッメキッガンッ

璃奈「ち、違う、技術棟のゾンビは危険が無いように技術班全員でちゃんと管理して…」

遥「ウウウア"!!!ガッ」ガンッガンッメキメキッッ

モブB「ヒィッ!」

135: へたれぼっち ◆iZBKegNFqA (SIM) 2022/03/25(金) 23:53:41.56 ID:Sdt5NL1t
モブA「そこのあんた、そのスコップで早くそいつ片付けてくれ!!」

侑「・・・・。」

遥「ウ"ウ"ウガァッ!!ガッ!」ガンッガンッメキッ

侑「…?!彼方さん、離れて!」

彼方「ダメ!遥ちゃんは殺させない!!!」

侑「そうじゃなくて!」

遥「ウ"ウ"ウガァッ!!ガッ!」ガンッガンッメキッ

愛(?!人が増えたからゾンビが色々な方向に動こうとして…捕縛しているチェーンが緩んできている…っ!)

遥「ア"ア"ア""ッッ」パリンッ

彼方「え?」

侑「彼方さんっ!!!」








ガブッッ

136: へたれぼっち ◆iZBKegNFqA (SIM) 2022/03/25(金) 23:54:26.93 ID:Sdt5NL1t
モブC「キャーーーッ!!!」

モブA「鎖が外れた!逃げろっっ!!!」

せつ菜「彼方さん!!」

愛「待って!近づいちゃダメ!!」ツカミ

愛(正面から倒れこみながら首元を強くかまれている…もう助からない…)

遥「ウゥ""ウ"」ガブガブ

彼方「あはは、遥ちゃん、久々のハグだね~…」

侑「なんで…こうならないように、みんなを守りたかったのに…」

彼方「みんなごめんね…。イタッ…かなたちゃん、ダメみたい。」

遥「ア"ウ"""」ガブガブ

彼方「遥ちゃん…痛いよ…」ギュッ

137: へたれぼっち ◆iZBKegNFqA (SIM) 2022/03/25(金) 23:55:26.62 ID:Sdt5NL1t
愛(ゆうゆは心神喪失…ここは、アタシかせっつーで処理するしか…)

彼方「イタタ・・・、愛ちゃん、最後のお願い、いいかな?」

愛「お願い…?」

彼方「このまま、遥ちゃんと一緒に、外に出るのを見送ってほしいの」

愛「それって…。」

138: へたれぼっち ◆iZBKegNFqA (SIM) 2022/03/25(金) 23:56:17.73 ID:Sdt5NL1t
------現在------

愛「遥ちゃんを抱きかかえるようにして、カナちゃんが一人で外に運んで行ったんだよね」

愛「出血がすごかったから、門を出るときにはもうカナちゃんも意識が朦朧としていたけど」

愛「最後まで遥ちゃんのこと、離さないで外に出たから」

愛「それ以上の被害もなかったし」

愛「愛さんたちが直接カナちゃんや遥ちゃんを処理することなくこの件終わったんだよね。」

愛「カナちゃんも、最後は遥ちゃんと一緒にいたいからと」

愛「門を出てそのままどこかに行っちゃったんだよね。」

139: へたれぼっち ◆iZBKegNFqA (SIM) 2022/03/25(金) 23:57:23.35 ID:Sdt5NL1t
愛「振り返ってみたら愛さんとりなりーは結構冷静だったよね、あの時」

璃奈「………。」

愛「ゆうゆは泣き崩れていたっけ」

愛「カナちゃん含めてアタシたちのことを守ろうと頑張っていたんだなってのはすごい実感できたし」

愛「せっつーは悲しむ間もなく他の避難民への事情説明や謝罪に追われていたなのが、」

愛「責任者のつらいところだよね」

愛「あとでしずくや歩夢に状況報告したら二人とも凄い泣いてたな…。」

愛「考えてみれば、この件で完全にふっきれちゃったのかな、しずくは…。」

愛「限界だったんだ。大切な人をどんどん失っていく」

愛「自分の未来もわからない、そんな状況でまともでいられるわけがない…」

147: へたれぼっち ◆iZBKegNFqA (SIM) 2022/03/26(土) 13:39:01.00 ID:uUn3/8b9
------回想------

~~講堂前~~

愛「~~ふぁっzzz」アクビ

愛(ここ最近は平和だ)

愛(カナちゃんの一件からもう半年が過ぎようとしている)

愛(一応毎日パトロールは欠かさないでやっているけど)

愛(昨日の今日で何かが変わることもないし、散歩みたいになっちゃってるなぁ)

「・・・・・アハハ・・・・」

愛(あれ?講堂の中から声がする?)

148: へたれぼっち ◆iZBKegNFqA (SIM) 2022/03/26(土) 13:40:23.15 ID:uUn3/8b9
愛(たしか講堂は建物が離れているから使い勝手が悪くて)

愛(前にゾンビが潜伏していないか安全確認をしてからは使っていなかったはず)

愛(講堂の出入り口は閉まっているけど…)

愛(扉に埃がかぶってないし定期的に開け閉めされている?鍵は…)

扉に手をかける

ガチャ

愛(開く…少なくとも出入りはできる状態なんだ)

149: へたれぼっち ◆iZBKegNFqA (SIM) 2022/03/26(土) 13:41:18.16 ID:uUn3/8b9
愛(…やっぱり中から声がする)

愛「失礼しまーす…」コッソリ

愛(明かりはついていないし、座席はだいぶ埃っぽい…。)

愛(あれ?ステージの幕が降りている。)

愛(ほんのり明かりが漏れているから中に誰かいるのかな?)

愛(校内での発電量に余裕がないから、使わない講堂には電気がきていないはずだけど)

愛(あの光の感じは、ロウソクか何かの小さな火を光源としている?)

150: へたれぼっち ◆iZBKegNFqA (SIM) 2022/03/26(土) 13:42:21.64 ID:uUn3/8b9
ステージに向かう

「・・・ダヨー」

「モウ・・ワネ・・・」

「・・・ンダッテデキマスヨ!」

愛(話し声?複数人いるのかな?)

ステージに登る

愛(この、幕の裏に…誰かが)

愛(??! うっ、なんだ、この臭い?!)

愛「ゲホッゲホッ」

「?!…誰かいるんですか?」

151: へたれぼっち ◆iZBKegNFqA (SIM) 2022/03/26(土) 13:44:46.68 ID:uUn3/8b9
愛「ゲホッ…、愛さんだよ…その声は、しずく?」

しずくが幕の中から出てくる

しずく「愛さんでしたか…びっくりしました」

しずく「日課のパトロールですか?いつもご苦労様です。」

愛「びっくりしたのは愛さんもだよ~。使ってない講堂から声がしたからさ」

愛「誰か中にいるの?講堂でおしゃべり?」

152: へたれぼっち ◆iZBKegNFqA (SIM) 2022/03/26(土) 13:45:38.88 ID:uUn3/8b9
愛(というか、この臭い、しずくや中の人は平気なのかな。)

愛(なんだろう、生ものが腐ったような…)

しずく「そうですね、おしゃべりしてました。中にみんないますよ。」

幕の中に入るように促された

しずく「エマさんに、果林さんに、かすみさんです」

153: へたれぼっち ◆iZBKegNFqA (SIM) 2022/03/26(土) 13:46:20.39 ID:uUn3/8b9
愛「……え?」

154: へたれぼっち ◆iZBKegNFqA (SIM) 2022/03/26(土) 13:47:22.65 ID:uUn3/8b9
ステージの上には椅子にくくりつけられた、ゾンビ1体と遺体が2名分

1人は頭と左腕、右足が変な方向に曲がっているが、これは飛び降りたエマだ

1人は頭が曲がってしまっているが、それ以外に大きな欠損はなく、一目で果林だとわかった

1人は頭蓋骨が粉砕しており顔が判別できないが、当時の服装からかすみんだとわかる

全員、よく見ると指先が切断されており、口元はテープでおおわれている

155: へたれぼっち ◆iZBKegNFqA (SIM) 2022/03/26(土) 13:48:10.55 ID:uUn3/8b9
愛「…な、…んで、3人が」

愛「ウッ・・・オエエ"ェ」ビシャ

愛(異様な臭いの正体は、3人の腐敗臭だったのか)

しずく「なんでって、おしゃべりしたいから集まっただけですよ」

愛「ハァッ…ハァッ・・・」

愛「なに、言ってるの?」

156: へたれぼっち ◆iZBKegNFqA (SIM) 2022/03/26(土) 13:49:24.31 ID:uUn3/8b9
愛(間違いない、3人の遺体とゾンビだ。)

愛(かすみんの時はみんな心神喪失してて、遺体の処理は先生方に任せたからどうなったかは知らないけど)

愛(おそらく、学校の敷地の外に出したのだと思っていた)

愛(エマと果林の時は飛び降りたことで、ゾンビ化する前に二人とも死んだから)

愛(校庭に埋めたたはずだった…)

157: へたれぼっち ◆iZBKegNFqA (SIM) 2022/03/26(土) 13:58:29.43 ID:uUn3/8b9
愛「…まさか、掘り起こしたの?」

しずく「そうです。久々にお二人とお話ししたかったので」

しずく「かすみさんはすぐ見つかったんですよ!学校の外をうろうろしていたので」

しずく「少しずつ校内におびき寄せて、なんとかここで一緒にお話しできるようになりました!」

しずく「本当は彼方さんともお話ししたいのですが、なかなか見つからなくて…」

158: へたれぼっち ◆iZBKegNFqA (SIM) 2022/03/26(土) 13:59:17.26 ID:uUn3/8b9
愛「話すって…なにを」

しずく「あっ!そうですよね!愛さんも久々にみんなと話したいですよね!」

しずく「ちょっとまってくださいね…。」

しずく「ン"ン"…。」

しずく「愛先輩!久々に会ったかすみんに言うことはないんですか~?」

しずく「愛ちゃん、久しぶりだね。ちょっと痩せたかな?」

しずく「まったく、私と一緒に踊るんだから体力つけなきゃダメよ」

愛「なっ…」

159: へたれぼっち ◆iZBKegNFqA (SIM) 2022/03/26(土) 14:00:05.29 ID:uUn3/8b9
しずく「ふふ…どうですか?こうしていると、また昔みたいに」

愛「ウプッ…オエ"エ"ッ」ビシャッ

しずく「ちょ!愛先輩大丈夫ですか?!」

しずく「無理しないで、一回楽な体勢になろうか、愛ちゃん」

しずく「しずく、背中をさすってあげて、エマはタオルを用意して」

愛「もうやめてっっ!!!!!」

しずく「・・・・・。」

愛「もう…やめて…。」

160: へたれぼっち ◆iZBKegNFqA (SIM) 2022/03/26(土) 14:01:05.11 ID:uUn3/8b9
思い出してしまった

まだ平和だったあの頃

みんなで仲良くおしゃべりをしていたあの頃を

でも、3人はもう…

161: へたれぼっち ◆iZBKegNFqA (SIM) 2022/03/26(土) 14:02:48.62 ID:uUn3/8b9
愛「ハァッ・・・。ハァッ・・・。」

愛「”声真似”、上手だね。しずく」

しずく「……。そうですね。」

しずく「たしかにただの”真似”ですけど、」

床にちらばる嘔吐物を見て

しずく「その様子だと、なつかしい思いは、できたんじゃないですか?」

162: へたれぼっち ◆iZBKegNFqA (SIM) 2022/03/26(土) 14:03:35.21 ID:uUn3/8b9
愛「……。それで、しずくは1人でおしゃべりをしていたってこと?」

しずく「そうです。みんなでおしゃべりをしていただけです。」

しずく「もちろん安全に配慮して、感染源となる爪や歯には対策をしていますよ」

愛「そういう問題じゃないよ…。…しずくだって知っているでしょ」

愛「この前のカナちゃんの一件もあって、校内にゾンビを入れることが問題視されているんだよ」

愛「これ以上、元同好会のメンバーが何か不祥事を起こすと」

愛「とりまとめているせっつーの立場も危うくなるんだよ」

163: へたれぼっち ◆iZBKegNFqA (SIM) 2022/03/26(土) 14:04:26.76 ID:uUn3/8b9
愛「今はまだなんとか残り少ない食料をシェアしながら協力して生活できているけど」

愛「秩序が保てなくなったら、この避難所だって長くはもたない…。」

しずく「…。えぇ…もちろんわかっています。」

しずく「ですから、この人気のない講堂を選んだんです。」

しずく「ここなら、誰にも邪魔されないでおしゃべりができる。」

しずく「愛さんも、邪魔しない、ですよね?」

164: へたれぼっち ◆iZBKegNFqA (SIM) 2022/03/26(土) 14:05:58.44 ID:uUn3/8b9
愛(脅迫…。これを公言することが、より大きなトラブルを引き起こす)

愛「黙認しろ…ってこと?」

しずく「はい。彼方さんの時と違って、みなさんの生活している建屋からはだいぶ離れていますし」

しずく「見てわかる通り、指は切断したので感染源となる爪はありません」

しずく「あ、それとちゃんと歯も抜いてあるんですよ。」

しずく「かすみさんは呻き声がうるさいので、今は口を塞いでますけど。」

愛「なんで、そんなことができるの…」

しずく「……………。そうでもしないと、ゆっくりおしゃべり、できないじゃないですか」

そう言って、少し悲しそうに微笑んだ

165: へたれぼっち ◆iZBKegNFqA (SIM) 2022/03/26(土) 14:06:47.50 ID:uUn3/8b9
愛「……。ごめん、どうやっても理解できそうにない。」

しずく「そうですか。愛さんとも一緒におしゃべりしたかったのですが、残念です。」

愛(ウッ、ここにいると腐敗臭でまた吐きそうになる…)

愛「ごめん、もう戻る。」

しずく「はい。もしみんなに会いたくなったらまた来てくださいね。」

そういって手を振るしずくに目もくれず、アタシは講堂の外へ駆け出した

166: へたれぼっち ◆iZBKegNFqA (SIM) 2022/03/26(土) 14:09:03.14 ID:uUn3/8b9
しずく「・・・・・・・・・。」

しずく「ン"ン"ッ」

しずく「残念だったねしずこ~。愛先輩ともおしゃべりしたかったな~」

しずく「しょうがないよかすみさん、びっくりしちゃったんだと思う。」

しずく「でもいいの?愛は真面目だから、このこと、せつ菜に報告しちゃうんじゃない?」

しずく「大丈夫だよ果林ちゃん。愛ちゃんは優しいから、しずくちゃんの気持ちもわかってくれるよ」

しずく「そうだといいのだけれど…。」

しずく「もう、果林先輩ったら心配しすぎです!」

しずく「こんなにかわいいかすみんとまたお話できる機会があるんだから、愛先輩だって喜んでるにきまってます!」

167: へたれぼっち ◆iZBKegNFqA (SIM) 2022/03/26(土) 14:09:47.84 ID:uUn3/8b9
しずく「・・・・・・・・・。」

しずく「違う。かすみさんはこういう時、愛先輩のことをもっと心配する。」

しずく「ン"ン"ッ」

しずく「愛先輩、結構ショック受けてたけど大丈夫かなぁ。」

しずく「そうね。ここ最近、あんまりごはんも食べられてないみたいだし、体調を崩さないといいけれど…。」

しずく「でしたら、かわいいかわいいかすみん特製のコッペパンを差し入れして元気になってもらいましょう!」

しずく「Buono! そしたらみんなでお食事会にしようよ!」

168: へたれぼっち ◆iZBKegNFqA (SIM) 2022/03/26(土) 14:10:31.70 ID:uUn3/8b9
しずく「……。」

しずく「かすみさんっていつも、コッペパン、どうやって作ってたんだろう…。」

しずく「…それに、エマさんってこういうタイミングでBuonoって言ってたっけ」

しずく「果林さんは愛さんとユニット組んで長いからもう少し気に掛けるようなこと言うのかな」

しずく「……ダメ、忘れちゃダメ。思い出さないと」

しずく「みんなのこと、もっと深く思い出して、より自然でリアルな3人にならないと」

しずく「そうすれば、寂しくなんて…ないから」

172: へたれぼっち ◆iZBKegNFqA (SIM) 2022/03/26(土) 15:57:04.16 ID:9capHdt+
~~生徒会室~~

生徒会長机にいるせつ菜に、事の顛末を報告する

せつ菜「………。」アタマカカエー

愛(そりゃそうだよね…)

せつ菜「一応確認ですが、」

せつ菜「愛さんが見たのは、かすみさんのゾンビと、果林さんとエマさんの遺体だけですか?」

愛「うん。講堂のステージにはその3人分だけだった。」

愛「真偽は不明だけど、カナちゃんや遥ちゃんのゾンビは見つけられていないみたい」

173: へたれぼっち ◆iZBKegNFqA (SIM) 2022/03/26(土) 15:58:01.53 ID:9capHdt+
せつ菜「そうですか…。」

せつ菜「…やはり私たちの知らない状況で敷地内にゾンビがいる状態は看過できませんね。」

せつ菜「私たち全員で、安全に管理できるように」

せつ菜「その3名のゾンビと遺体は技術棟で管理して、そのしずくさんのおしゃべり?も」

せつ菜「技術棟でやってもらうのはいかがでしょうか。」

愛「安全で管理するという意味ではそうかもだけど…。」

愛「多分、他の避難者から強く反対されると思うな。」

174: へたれぼっち ◆iZBKegNFqA (SIM) 2022/03/26(土) 15:59:08.53 ID:9capHdt+
愛「あんまりせっつーの前で言いたくはないけど」

愛「アタシたちの統治に疑問を持っている人たちも多いから」

愛「元同好会のメンバーを優遇するような内容は反感を買うだけだと思う」

愛「避難者の多くも、治ることを期待して身近に置いておきたい身内のゾンビもいるだろうし」

せつ菜「そう…ですよね。」

愛「やっぱり、カナちゃんの時と同じく、外に出してもらうしかないかなと思うな」

175: へたれぼっち ◆iZBKegNFqA (SIM) 2022/03/26(土) 16:00:09.64 ID:9capHdt+
愛(問題はしずくが素直に言うことを聞いてくれるかだけど…)

せつ菜「……」アタマカカエー

愛(これ以上、せっつーに負担もかけられないし)

愛「前みたいに、みんなでおしかけて大事にすると大変だから」

愛「とりあえずこの件は愛さん一人でしずくを説得してみるよ」

せつ菜「…そうしていただけると…助かります。」

176: へたれぼっち ◆iZBKegNFqA (SIM) 2022/03/26(土) 16:03:58.24 ID:9capHdt+
~~数日後~~

愛(とりあえず、しばらくの間しずくの様子を観察していたけど)

愛(定例の報告会や食事、担当の労働をこなしたあとは)

愛(講堂に行って、ずっと一人でおしゃべりをしているようだった)

愛(人目につかないように説得するなら、やっぱり講堂か…)

愛(正直、行きたくはないけど…)

愛(あまり時間もかけられない、他の避難者に気が付かれる前に早めに対処しないと…)

177: へたれぼっち ◆iZBKegNFqA (SIM) 2022/03/26(土) 16:11:42.44 ID:9capHdt+
愛(出たとこ勝負…、と思ったけど)

愛(・・・・・一応、保険はかけておこうかな…)

愛(りなりーはここのところ技術棟にこもりっぱなしだし、頼むとしたら…)

178: へたれぼっち ◆iZBKegNFqA (SIM) 2022/03/26(土) 16:19:57.17 ID:9capHdt+
~~講堂~~

しずく「愛先輩!来てくれたんですね!」

愛「……。」

愛(相変わらずキツイ腐敗臭。それに、嫌にリアルな声…)

愛(講堂まで電気が来ていないからロウソクで明かりを灯しているせいで)

愛(窓も開けられず、換気ができないんだ…)

愛「その明るい感じ、かすみんの真似かな、しずく」

しずく「もう!真似じゃなくてかすみん本人です!」

しずく「まぁまぁ、かすみちゃん。でも、愛ちゃん元気そうでよかった」

しずく「えぇ。この前はだいぶ焦燥していたから、みんな心配していたのよ」

愛「愛さんは元気が取り柄みたいなところあるからね~」

179: へたれぼっち ◆iZBKegNFqA (SIM) 2022/03/26(土) 16:23:46.45 ID:9capHdt+
愛「そんで、今日はしずく本人に話に来たんだけど」

しずく「私に?なんですか?」

愛「…。」

愛「残念だけど、その3人のゾンビと遺体は、元に戻してほしい」

しずく「・・・・・・・・」

しずく「せつ菜さんに、報告したんですね…。」

愛「…。」

180: へたれぼっち ◆iZBKegNFqA (SIM) 2022/03/26(土) 16:24:36.39 ID:9capHdt+
しずく「なんで…」

しずくの形相が変わる

しずく「なんで↑ですか!?」

しずく「愛ちゃんは私たちとお話したくないの?」(低音)

しずく「見損なったわよ、愛」

しずく「いつもの愛先輩だったら、かすみんたちのこと考えてそんなことしなかったですよ!」

愛「……っ、果林たちは、そんなこと言わないよ。しずく」

しずく「……。違う。そうか。私が知らなかったんだ」

しずく「愛さんのこと、ちゃんと理解できていないのは私だった」

しずく「そうだよね、こういう状況で、みんながどういう反応するかなんて、今まで経験がないからわからなくて当然だよ…。」

181: へたれぼっち ◆iZBKegNFqA (SIM) 2022/03/26(土) 16:25:49.75 ID:9capHdt+
しずく「私が知っているのは、数か月、平和な世界の部室で過ごしたみんなのことだけ」

しずく「かすみさんが作るコッペパンだって再現できないし」

しずく「エマさんの故郷のこともほとんど知らない」

しずく「果林さんの実家のことや、モデルの仕事のことも全然知らない」

しずく「・・・・・でも、もう知ることもできない」

182: へたれぼっち ◆iZBKegNFqA (SIM) 2022/03/26(土) 16:26:32.78 ID:9capHdt+
愛「…。しょうがないよ。」

愛「3人のこと、それにカナちゃんや遥ちゃんのことは残念だけど、」

愛「生きているアタシたちが、お互いのことをもっと知っていく」

愛「だから、アタシとか、りなりーとか、ゆうゆ、歩夢、せっつーとかさ」

愛「今いる人たちでおしゃべりしようよ」

愛「それじゃ、ダメなのかな…」

しずく「・・・・・・・・・・・。」

183: へたれぼっち ◆iZBKegNFqA (SIM) 2022/03/26(土) 16:27:51.74 ID:9capHdt+
しずく「…そう、ですね。」

愛「しずく…。」

愛(何とか、わかってくれたかな…)

愛「それにしても、しずくってば意外と寂しがり屋なんだね」

愛「そんなに寂しかったなら、愛さんがいくらでも話してあげるのに~」ニシシ

しずく「……。それでは、お言葉に甘えて」

しずく「私の知らない愛さんを、教えてください」

愛「へ?」

抱擁

184: へたれぼっち ◆iZBKegNFqA (SIM) 2022/03/26(土) 16:28:38.42 ID:9capHdt+
愛「ちょ、しずく?!急にどうしたの?!」

しずく「ふふ、愛さんは意外と押しに弱いんですね」

愛「い、いや~、いきなりくっつかれるとさすがにびっくりするよ」

愛「…まぁ、そっちがその気なら~!」

ギューーッ!!

しずく「きゃっ!」

愛「ほら、お返しだ!」

しずく「く、くるしいです…」

185: へたれぼっち ◆iZBKegNFqA (SIM) 2022/03/26(土) 16:29:35.90 ID:9capHdt+
愛「ちょ、しずく?!急にどうしたの?!」

しずく「ふふ、愛さんは意外と押しに弱いんですね」

愛「い、いや~、いきなりくっつかれるとさすがにびっくりするよ」

愛「…まぁ、そっちがその気なら~!」

ギューーッ!!

しずく「きゃっ!」

愛「ほら、お返しだ!」

しずく「く、くるしいです…」

186: へたれぼっち ◆iZBKegNFqA (SIM) 2022/03/26(土) 16:33:32.75 ID:9capHdt+
愛(一見細いけど、抱きしめたときの安定感はりなりーと違ってしっかりしている)

愛(演劇を通して、体幹がしっかりしているからなのかな。)

愛「ほらほら~、愛さんのこともっと知りたいんでしょ~?この後どうなっちゃうのかな?」ニシシ

しずくがアタシの手を掴む

しずく「愛さん・・・・・。」
 
 
 
 

ガチャ
 
 

187: へたれぼっち ◆iZBKegNFqA (SIM) 2022/03/26(土) 16:38:26.14 ID:9capHdt+
愛「?」

アタシの両手につけられたのは
 
 
手錠

 
 

189: へたれぼっち ◆iZBKegNFqA (SIM) 2022/03/26(土) 16:41:48.55 ID:9capHdt+
愛「え、これって」

しずく「ふふ、演劇用の小道具ですが、意外と頑丈なんですよ」

ドンッ

押し倒される

両手が拘束されて受け身が取れないアタシはひっくり返って天井を見上げる

愛「いたっ」

ガチャッ

愛「え、なに、どういう」

しずく「……私の知らない愛さんをもっと見せてください」

愛(足にも手錠?!これじゃ動けない…っ)

190: へたれぼっち ◆iZBKegNFqA (SIM) 2022/03/26(土) 16:45:49.29 ID:9capHdt+
愛「ちょ、いくら冗談とはいえ手錠はやりすぎだよ」ジタバタ

しずく「…手錠をかけられたら、愛さんはまず冗談だと思うんですね」

愛「しずく…?」

しずく「…この前の愛さん、凄い動揺されていたじゃないですか」

しずく「普段優しくてかっこいい愛さんが、あんなにも動揺する姿」

しずく「もっと…もっと見たいなって」

愛「なに言って…。」

しずく「愛さんの素敵なところはいっぱい知っています」

しずく「だから、もっと愛さんの弱いところ、見せてください」

そう言いながらアタシをかついで椅子に座らせて、しずくは舞台袖へと向かう

191: へたれぼっち ◆iZBKegNFqA (SIM) 2022/03/26(土) 16:49:30.94 ID:9capHdt+
愛「し、しずく?!どうするつも…」

しずく「さぁ、出番ですよ璃奈さん」

舞台袖から現れたのは、アタシと同じように手錠をつけられて椅子に縛られたリナリーだった

愛「りなりー?!なんっ、で?!」

よく見ると、アタシと違って口元にはガムテープが張られ

両手が椅子のひじかけに、両足が椅子の足に手錠でそれぞれくくりつけられている

192: へたれぼっち ◆iZBKegNFqA (SIM) 2022/03/26(土) 16:50:11.68 ID:9capHdt+
璃奈「んんんん!!」ジタバタ

しずく「ふふ、暴れないでください。今ガムテープ外しますから」ペリペリ

璃奈「んっ、」

愛「りなりー?!大丈夫?!しずく、これはいったい」

璃奈「ハァハァ・・・・・、しずくちゃん、…話が違う」

璃奈「私が静かにしていれば、愛さんは見逃してくれるっていう、そういう約束だった」

しずく「はい。私もそのつもりだったんですけど…」

193: へたれぼっち ◆iZBKegNFqA (SIM) 2022/03/26(土) 16:52:32.30 ID:9capHdt+
しずく「かわいいかわいいかすみんとしては~、もっと愛先輩のこと、知りたいな~なんて」

しずく「愛ってば、いじっぱりだから普段は自分の弱みとか私たちに見せてくれないじゃない?」

しずく「だからね、璃奈ちゃんがいれば、愛ちゃんのかわいいところ、もっと見れるんじゃないかなって思ったんだ」

璃奈「よく…わからないけど、…愛さんにひどいことしないで」

しずく「うん。愛さんには、しないよ」

愛「どういう…」

194: へたれぼっち ◆iZBKegNFqA (SIM) 2022/03/26(土) 16:56:48.42 ID:9capHdt+
しずく「演劇部には、役者以外にも大道具、小道具専門のチームがいるんです」

しずく「私は役者志望ですが、新入生はすぐに役を貰えないので」

しずく「大道具や小道具の作成を手伝ったりもするんです」

そう言いながら、しずくは舞台袖から工具箱を持ってくる

しずくが工具箱から取り出したのは、くぎを打ち付けるための、ただのトンカチ

しずく「釘を打つ時に、ずれて自分の指をうっちゃうと、凄い痛いんですよね」

そう言いながら、しずくはりなりーの手を、椅子のひじ掛けに載せ、手を広げる

りなりーの指を1つ1つ、撫でていく

195: へたれぼっち ◆iZBKegNFqA (SIM) 2022/03/26(土) 16:57:37.21 ID:9capHdt+
愛「…まって、冗談だよねしずく?」

璃奈「ねぇ、しずくちゃん…」

愛「しずく、お願いだから、やめて…」

しずく「私…知らないんです」

しずく「痛みに対して、璃奈さんはどんな表情をするのか」

しずく「思いっきり泣き叫ぶのか…」

しずく「それとも痛みに耐えて苦悶に満ちた顔をするのか」

196: へたれぼっち ◆iZBKegNFqA (SIM) 2022/03/26(土) 17:01:57.85 ID:9capHdt+
しずく「…それに、愛さんも、大切な人が傷つけられたらどんな反応をするんでしょうか」

しずく「愛は優しいから、きっと怒ると思うわよ」

しずく「…果林さんの言うとおりかもしれませんね。」

手に持ったトンカチを振り上げる

しずく「そういう、私の知らないみなさんの表情、しぐさをもっと知りたいんです」

しずく「そうすれば、私はみなさんのことを、完璧に演じることができるようになる」

しずく「これからもずっと一緒になれる」

197: へたれぼっち ◆iZBKegNFqA (SIM) 2022/03/26(土) 17:02:54.51 ID:9capHdt+
愛「しずく、お願い…。アタシには何してもいいから…りなりーのことは許してあげて…」

璃奈「愛さん…。」

しずく「にしし!今、何しても良いって言いましたね!どうなってもかすみん知りませんよ~!」

璃奈「・・・・。しずくちゃん、ごめんなさい、きっと私が、なにかしずくちゃんを怒らせるようなことしちゃったんだよね」

璃奈「気がついてあげられなくて、ごめんなさい。」

璃奈「もし、しずくちゃんの気持ちが少しでも晴れるなら」

璃奈「それを……私に振り下ろしてもいい」

璃奈「でも、終わったら、何がよくなかったのか教えて欲しい」

璃奈「しずくちゃんのためにも、改善するから…」

しずく「・・・・・。」

198: へたれぼっち ◆iZBKegNFqA (SIM) 2022/03/26(土) 17:03:59.08 ID:9capHdt+
しずく「私は、ただ、お二人のことをもっと知りたいだけ」

愛「しずく!!」

璃奈「しずくちゃん…」

しずく「大丈夫だよ、少し痛いけど…。指をつぶしたくらいじゃ、死にはしないから」

しずく「痛いときの表情、しぐさを教えて」

しずく「全部教えてくれたら、何があっても、私は璃奈さんと一緒だから」

そう言って トンカチをかかげて

愛「やめて!!!や”め”ろ”!!!!!!」

りなりーの人差し指に、振り下ろした
 
 
ドンッ
 
 

199: へたれぼっち ◆iZBKegNFqA (SIM) 2022/03/26(土) 17:06:38.81 ID:9capHdt+
璃奈「あ”っっっ~~~~」ジタバタ

璃奈「ッッッ・・・・・」

しずく「・・・・・。こんな状況でも、表情は変わらないんですね。」

璃奈「ハァッ…ハァッ…」ナミダメ

愛「・・・・んで…」

愛「な”んでりなりーにそんなことするの?!」

愛「アタシたち友達じゃん?!」

しずく「はい。友達です。だからもっと皆さんのこと、知りたいんです」

200: へたれぼっち ◆iZBKegNFqA (SIM) 2022/03/26(土) 17:23:47.50 ID:9capHdt+
しずく「……私、知らなかったんです」

しずく「愛さんは、そういう風に怒るんですね」

しずく「目は開き気味、拳は強く握りしめて」

しずく「表情からは戸惑いよりも、怒りが伝わってきます」

愛「怒っているのがわかるなら、もう止めてよ…」

愛「……。りなりーは…、この避難所の希望なんだよ?!」

璃奈「……。」

201: へたれぼっち ◆iZBKegNFqA (SIM) 2022/03/26(土) 17:24:32.57 ID:9capHdt+
愛「ゾンビの生態調査や、避難所内の技術的なトラブルに対して」

愛「りなりーがいたから、今までやってこれたし」

愛「りなりーが、いつかゾンビのことを解き明かしてくれたら、」

愛「もしかしたら世界がまた平和になるかもしれない」

愛「だから…、りなりーじゃなくて、…アタシにして」

202: へたれぼっち ◆iZBKegNFqA (SIM) 2022/03/26(土) 17:25:27.54 ID:9capHdt+
愛「…しずくだって、愛さんが痛みに対してどんな反応するか気になるんじゃない」

しずく「・・・・・。こんな状態の私に、交渉してくるだなんて、意外と冷静ですね、愛さん。」

しずく「そして、交渉の際にはちゃんとメリット、デメリットを提示して論理的に諭してくるのも」

しずく「愛さんらしいです」

璃奈「ハァッ…ハァッ…だめ、愛さんには、酷いことしないで」

愛「りなりー?!」

203: へたれぼっち ◆iZBKegNFqA (SIM) 2022/03/26(土) 17:26:10.43 ID:9capHdt+
璃奈「・・・・いいの、私は希望なんかじゃない…。」

璃奈「ハァッハァッ…これは…きっと罰」

璃奈「ッツ…私がしてきたことに対する……」

しずく「……そうですね、今はもう少し、璃奈さんのこと、教えてください」

しずく「璃奈さんの色々な表情が見たいです。」

しずく「絶望する表情、怒りの表情」

しずく「それとも、本当に何をされても変わらないのでしょうか」

しずく「それを知らないと、私は璃奈さんにはなれないので」

ふたたびトンカチを振り上げる

愛「しずく!!!!やめて!!!」

204: へたれぼっち ◆iZBKegNFqA (SIM) 2022/03/26(土) 17:26:54.67 ID:9capHdt+
璃奈「ハァッ・・・・ハァッ…」

愛「お願いだから…」

愛「お願い…」

しずく「…。」

璃奈「ハァッ・・・・ハァッ……いいよ」

璃奈「しずくちゃんが、満足するまで」

しずく「・・・・・・・・・・・。」

しずく「・・・・・・・・・・・。」

しずく「・・・・・・・・・・・。」

しずく「・・・・・・・・・・・。はぁ…。」

しずく「・・・・・・・・・・・。ほんと、なにやってるんだろう」

205: へたれぼっち ◆iZBKegNFqA (SIM) 2022/03/26(土) 17:27:37.37 ID:9capHdt+
 
 
バンッッッッ
 

講堂の扉が勢いよく開く

侑「愛ちゃん?!」

愛「ゆうゆ?!こっち!!舞台の上!!」

しずく「?!」

スコップ片手に舞台に飛び乗る

侑「ッ…なに、これ」

206: へたれぼっち ◆iZBKegNFqA (SIM) 2022/03/26(土) 17:28:25.12 ID:9capHdt+
しずく「先輩…」

椅子に括り付けられたりなりーを掴み寄せ、ゆうゆを見ながら、アタシの方に目線を移す

しずく「…せつ菜さんだけじゃなく…侑さんにも話したんですね」

恨むような目つきで、しずくはアタシを見つめる

愛「……保険のつもりだったけど、ゆうゆに話しておいてよかったと心から思うよ」

侑「愛ちゃんが、講堂からなかなか戻ってこなかったらかけつけて、と言われてきてみたけど」

207: へたれぼっち ◆iZBKegNFqA (SIM) 2022/03/26(土) 17:29:20.27 ID:9capHdt+
侑「これ、しずくちゃんがやったの?」

拘束されたアタシ達や、同好会メンバーの遺体を一瞥し、顔をしかめる

しずく「…ふふ、軽蔑しますか?」

侑「……別に、…軽蔑されるような人は他にいるから」メヲソラス

そう言いながら、かすみんのゾンビを一瞬観てから、目をそらす

208: へたれぼっち ◆iZBKegNFqA (SIM) 2022/03/26(土) 17:29:53.60 ID:9capHdt+
侑「とにかく、ゾンビに噛まれた人はいないんだよね?」

侑「まずは、愛ちゃんと璃奈ちゃんを開放してあげて」

しずく「…嫌です」

侑「しずくちゃん?」

璃奈「侑さん、しずくちゃん、ちょっと混乱してるみたい…」

しずく「ちょうどよかった。私、先輩のことも、もっと知りたいんです」

侑「よくわからないけど、抵抗するなら、力づくだよ」

スコップを構える

209: へたれぼっち ◆iZBKegNFqA (SIM) 2022/03/26(土) 17:46:18.21 ID:0a/fZGPy
しずく「…私のこと、とめられますか、先輩?」

侑「?!、う、動かないで!」

しずく「皆のために、汚れ仕事を引き受けてくれる先輩のこと、尊敬しています」

しずく「きっと、こんな世界にならなければ、先輩のそんな一面、見ることができなかったと思います」

しずく「だから、もっと私の知らない先輩を見せてください」

210: へたれぼっち ◆iZBKegNFqA (SIM) 2022/03/26(土) 17:46:47.35 ID:0a/fZGPy
侑「どういう…」

しずく「ン"ン"ッ」

しずく「もう先輩~!なんでかすみんのこと、殺したんですかぁ?」

侑「?!」

しずく「かすみん、凄い痛かったんですからね?」

しずく「あ~あ、かすみんのかわいいお顔が台無しです~」

侑「あ……あぁ…」クズレオチー

しずく「どうしてくれるんですか~」プンプン

侑「ウッ…オエ"エ"」ビシャビシャ

211: へたれぼっち ◆iZBKegNFqA (SIM) 2022/03/26(土) 17:47:41.73 ID:0a/fZGPy
愛「しずくっっ!!!!!」

しずく「っ…。」

しずく「そんな顔もできるんですね、愛さん」

愛「いい加減にして!」ジタバタ

しずく「椅子にくくりつけられた状態で暴れると危ないですよ」

愛「っっ!このっ」ジタバタ

しずく「……。愛さんは、本当にかっこいいです」

しずく「こんな状況でも、いままで通り璃奈さんや、侑先輩のために、そこまで」

愛「あ」ガタンッ

椅子ごと倒れこむ

拘束して受け身が取れないアタシは、顔面を床に強打する

212: へたれぼっち ◆iZBKegNFqA (SIM) 2022/03/26(土) 17:48:33.50 ID:0a/fZGPy
愛「いった」ゴンッ

璃奈「愛さん!」

倒れた拍子に、近くで灯してあったロウソクが、舞台のカーテンめがけて倒れる

愛「なっ?!」

愛「しずく?!早くそれ消して!!!」

しずく「・・・・・・・・。」

カーテンの裾に煙が出始める

侑「ウッ・・・・ウッ」ナミダメ

璃奈「しずくちゃん…」

愛「しずく!!!」

213: へたれぼっち ◆iZBKegNFqA (SIM) 2022/03/26(土) 17:52:25.43 ID:0a/fZGPy
カーテンの裾が、着火

少しずつカーテン全体に広がっていく

しずく「……。もう、終わりにしましょう」

愛「え?」

そう言って、アタシの近くまで来て、手足の手錠の鍵を順番に解除した

しずく「…これは璃奈さんの鍵です」

アタシにカギを差し出す

愛「急にどういう風の吹きまわし・・・?」

しずく「もうあまり時間はありませんよ」

愛(もう火が天井まで…っ!)

214: へたれぼっち ◆iZBKegNFqA (SIM) 2022/03/26(土) 17:53:05.16 ID:0a/fZGPy
璃奈「愛さん、侑さんを連れて、逃げて」

愛「大丈夫!まだ間に合うから!」

急いでりなりーの手錠を1つずつ外す

煙が講堂内に広がっていく

侑「ウッ・・・・かすみちゃん…ゴメンナサイ…。」

愛「っっ!しっかりしてゆうゆ!逃げるよ!!」

りなりーの手錠の鍵がすべて外れる

愛「ほら、ゆうゆ立って!」

侑「アァ・・・・。」虚ろな目

愛「りなりー、ついてきて!」

璃奈「うん」

215: へたれぼっち ◆iZBKegNFqA (SIM) 2022/03/26(土) 17:53:41.72 ID:0a/fZGPy
ゆうゆに肩を貸しながら、舞台を降りる

愛(急げ!とにかくまずは講堂の外に…!)

愛(客席は灯りが無いから、どっちに進めば…)

愛(非常灯もついてないから、方向が…)

愛(・・・・もう煙がこんなに?!前が見えないっ!)

216: へたれぼっち ◆iZBKegNFqA (SIM) 2022/03/26(土) 17:54:20.24 ID:0a/fZGPy
バタンッ

??「こっちです!!!」

愛(この声はっ!)

声の方に駆けだす

愛「せっつー!!」

せつ菜「愛さん?!こっちです!!!」

声を頼りに、青空の下に飛び出す

愛「ハァハァ、たす、かった…。」

せつ菜「愛さん!っと、璃奈さんに侑さん?!」

侑「ゲホゲホッ」

璃奈「危なかった…。」

217: へたれぼっち ◆iZBKegNFqA (SIM) 2022/03/26(土) 17:54:56.63 ID:0a/fZGPy
愛「せっつー、助かったよありがとう!」

せつ菜「いえ、講堂から煙が見えたので来てみたら…これはもう消火は無理ですね」

愛「あれ、そうだ、しずくは?」

せつ菜「しずくさん?見てませんが…まさか」

愛「そんなっ!中にまだ残って?!」

中に駆け戻る

せつ菜「愛さん?!!」

愛「しずく!どこっ?!!」

愛(煙で何も見えない…っ)

愛(まさか、まだ舞台に?)

熱風と煙がふりかかる

愛(そんな…しずく…!)

218: へたれぼっち ◆iZBKegNFqA (SIM) 2022/03/26(土) 17:55:38.98 ID:0a/fZGPy
~~舞台上~~

しずく「どうせ、舞台の上で死ぬなら、シャンデリアがよかったな、なんて…」

しずく「・・・・・・・・。」

しずく「しずこ~、本当によかったの?」

しずく「…うん、これで良かったんだよ。」

しずく「今ならまだ間に合うわ。愛たちもあなたが出てくるのを待っているわよ」

しずく「・・・・・。」

しずく「はぁ…。やっぱり、ダメだなぁ」

219: へたれぼっち ◆iZBKegNFqA (SIM) 2022/03/26(土) 17:56:27.24 ID:0a/fZGPy
しずく「ごめんなさい、みんな」

しずく「まともでいることも、壊れることも、どっちもできなかった」

しずく「またみんなで楽しくおしゃべりする…。」

しずく「それだけのことを…諦めることができなかった」

しずく「どうしても叶わないのなら、せめてあの世で…。」

遺体に寄りそう

しずく「彼方さん、エマさん、果林さん、かすみさん…。」
 
 
 
 
 
しずく「みんなに、会いたいよ…」ナミダ
 
 

220: へたれぼっち ◆iZBKegNFqA (SIM) 2022/03/26(土) 17:57:56.08 ID:0a/fZGPy
------現在------


愛「結局、しずくは最後まで出てこなかった」

愛「講堂は全焼」

愛「焼け跡からかすみんや果林とエマの遺体のそばにしずくの焼死体が発見された」

愛「ゾンビや遺体を講堂に匿っていたことは他の避難者には伏せて」

愛「講堂の全焼は設備の老朽化による漏電の火災ということにしたから」

愛「最終的には大きな問題にはならなかったんだけど」

愛「あの一件でりなりーは指を負傷しちゃったから研究、大変だったよね」

愛「お医者さんに観てもらうこともできないから」

愛「固定具で指を抑えるくらいしか対処できなくて、痛かったよね…。」

愛「今も、まだ痛いかな…。」

璃奈「・・・・・・・・。」

愛「・・・・・・・・。」

221: へたれぼっち ◆iZBKegNFqA (SIM) 2022/03/26(土) 18:29:06.98 ID:0a/fZGPy
愛「そんで、そのあとは…。」

愛「また数か月過ぎて」

愛「・・・・・・・・・。」

愛「アタシたちのこと、だね」

愛「色々あったけど、アタシは後悔していないよ」

愛「りなりーと、今ここで一緒にいられて良かったと思っている」

222: へたれぼっち ◆iZBKegNFqA (SIM) 2022/03/26(土) 18:29:45.27 ID:0a/fZGPy
------回想------


~~技術棟 研究室内~~

愛「りなりーいるー?」

侑「正門の監視カメラなんだけど、ちょっと調子悪いみたいで…」

侑「…あれ?璃奈ちゃん?」

「・・・」

地べたに座り込んでいるりなりーを発見

愛「りなりー…?なにかあった?」

223: へたれぼっち ◆iZBKegNFqA (SIM) 2022/03/26(土) 18:30:21.01 ID:0a/fZGPy
璃奈「愛…さん・・・・、侑さん…」

侑「?!」

愛「??!?りなりー!その怪我ッッ!」

手にひっかき傷に噛み痕、出血をしている

そして、腕には…はんぺんが横たわっている

愛(はんぺん…死んでいる…)

璃奈「私が…私がやったの…」

璃奈「こうするしか…なかった」

224: へたれぼっち ◆iZBKegNFqA (SIM) 2022/03/26(土) 18:30:58.27 ID:0a/fZGPy
~数分前~

はんぺん「フシャアアアアアッッ!!!!」ガブッッ

璃奈「はんぺん、痛いっ!!」

はんぺん「ナアアアアアオオオ」

璃奈「っっっ!」

手を振り払う

はんぺん「シァアアアアアア!!!」

璃奈「どうしたの…はんぺん…。」オソルオソル

225: へたれぼっち ◆iZBKegNFqA (SIM) 2022/03/26(土) 18:31:30.03 ID:0a/fZGPy
璃奈(ひどく興奮している…牙がむき出しで、目が充血…)

璃奈(そんな…まさか…)

はんぺん「ナアアアアアアオォォォ!」

璃奈(猫のゾンビ…すばしっこくて色々な人に危害を加える)

璃奈(私が、この場でなんとかしないと…)

227: へたれぼっち ◆iZBKegNFqA (SIM) 2022/03/26(土) 18:32:17.29 ID:0a/fZGPy
~~数分後~~

愛「そ、それじゃあ…りなりーは…もう…」

璃奈「はんぺんのあの様子、間違いなくゾンビ化していた…。」

璃奈「・・・・。今まで、人以外の動物からの感染は見たことなかったけど」

璃奈「はんぺんに噛まれた私も…きっとすぐに…。」

愛「そんな…、そんなことって…!」

侑「・・・・・。」

璃奈「私は…ここまで。璃奈ちゃんボード【GAME OVER】」

228: へたれぼっち ◆iZBKegNFqA (SIM) 2022/03/26(土) 18:32:50.18 ID:0a/fZGPy
愛「・・・・なにか、何かないの?ゾンビ化を止める薬とか…。」

璃奈「残念だけど、無い。」

璃奈「色々なゾンビで、酷い実験とかもしたけど」

璃奈「結局私は何もできなかった。みんなの役に立てなかった…。」

愛「そんなことないっ!りなりーがいたから、アタシ達はここで生活することができた…っ」

璃奈「…。ありがとう。……。」

ゆうゆがスコップを構える

愛「っっ?!ゆうゆ?!」

侑「大丈夫。痛くしない。一瞬だよ。」

璃奈「・・・・・。うん」

229: へたれぼっち ◆iZBKegNFqA (SIM) 2022/03/26(土) 18:33:28.81 ID:0a/fZGPy
愛「まって!!!まだわからない!」

愛「人以外のゾンビに噛まれたら必ずしもゾンビになるなんてわからないよ!」

侑「そうかもしれないし、そうじゃないかもしれない。」

侑「そんな不確定な情報で、ここにいるみんなを危険にさらせない」

愛「…そしたら、どこかで監禁して様子を見ればいい!何も今ここでゆうゆが処理する必要なんて」

侑「なにかあってからじゃ遅いんだよ?!」

侑「果林さんが私たちに見せようとしてくれた覚悟はなんだったの?!」

侑「エマさんや彼方ちゃんがいなくなったのはなんで?!」

侑「私たちがゾンビに対して、迅速に処理できなかったから!」

侑「今この瞬間、璃奈ちゃんが暴れだす可能性だって!」

侑「監禁する間に暴れる可能性だってある!」

侑「これ以上、確実に犠牲者を増やさない間違いのない方法は」

侑「今私が、この場で、璃奈ちゃんを…処理することっっ!!」

スコップをふりかぶる

230: へたれぼっち ◆iZBKegNFqA (SIM) 2022/03/26(土) 18:34:14.56 ID:0a/fZGPy
愛「っっ!!!ゆうゆ!!!」

ゆうゆの前に飛び出す

侑「どいてっ!!」

愛「どかないよ、ゆうゆ」

侑「なんっ…なんでわかってくれないの!!」

璃奈「・・・・。いいの、愛さん。」

璃奈「・・・・かすみちゃん、果林さん、エマさん、彼方さん、しずくちゃん…」

璃奈「いつか自分の番が来ると思っていた」

璃奈「覚悟は…できている」

231: へたれぼっち ◆iZBKegNFqA (SIM) 2022/03/26(土) 18:35:16.57 ID:0a/fZGPy
愛「……だったらっ!」

愛「そんな、悲しい顔、しないでよ…。」

璃奈「……。」

璃奈「悲しい顔なんて、していない。…私にそんな顔は、できない。」ウツムキ

侑「ッッッ!!」フリオロシ

愛「りなりー!避けて!」

とっさにりなりーを突き飛ばす

ゆうゆのスコップは空を切る

侑「私が、私がみんなを守るからっ!!」

再び、ゆうゆがスコップを構える

愛「りなりー!来て!!!」

りなりーを引き寄せ、走る

232: へたれぼっち ◆iZBKegNFqA (SIM) 2022/03/26(土) 18:36:27.15 ID:0a/fZGPy
愛「ハァッハァッ・・・・。」

璃奈「ゲホゲホッ」

愛「さすがに、ハァハァ・・・・スクールアイドルやってたころみたいには走れないね…」

璃奈「ハァッハァッ…。」

愛「とりあえず、ゆうゆからは逃げ切ったはず…。」

璃奈「・・・・ハァハァッ…。愛さん、離れて」

璃奈「私と一緒にいると、危ないから」

愛「・・・ッ、とにかく、今はゾンビ化を止める手段を考えないと」

愛「いや、そもそも猫のゾンビに噛まれただけだから、まだゾンビになるとも決まったわけじゃ…」ブツブツ

233: へたれぼっち ◆iZBKegNFqA (SIM) 2022/03/26(土) 18:37:05.33 ID:0a/fZGPy
璃奈「・・・・・。愛さんありがとう。」

璃奈「でも、もうここにはいられない」

璃奈「侑さんの言うとおり、いつゾンビになるかわからない私が」

璃奈「避難所にはいられない…。」

璃奈「果林さんが示してくれた勇気に、私も続かないといけない」

愛「でも、それじゃありなりーは…。」

璃奈「・・・・・・・・。私は、ここを出る。」

璃奈「行きたいところがある…」

234: へたれぼっち ◆iZBKegNFqA (SIM) 2022/03/26(土) 18:37:39.08 ID:0a/fZGPy
愛「ここを出るって、外はゾンビだらけなんだよ?」

愛「人間のゾンビに噛まれたら…確実に…」

璃奈「たしかに、無事にここには帰ってはこられないと思う」

璃奈「……。でも、ここにいても何も変わらない」

璃奈「このまま、ゾンビになってしまうのを待つくらいなら」

璃奈「最後に…お父さんと、お母さんを探しに行きたい」

愛「お義父さんとお義母さんって…、今どこにいるかわかるの?」

璃奈「当てはある…。」

235: へたれぼっち ◆iZBKegNFqA (SIM) 2022/03/26(土) 18:38:23.40 ID:0a/fZGPy
璃奈「このゾンビ騒動が始まった直後に、二人とも家に避難しているって」

璃奈「連絡が来ていた。」

璃奈「数日したら連絡がとれなくなったけど…。」

璃奈「もしいるとしたら、多分家の近く…。」

愛「・・・・・。」

璃奈「……。私もあまり時間がないかもしれないから。」

璃奈「もう、行く。」

璃奈「……。いままでありがとう愛さん。」

愛「・・・・・・・・・。」

愛「いままで、じゃなくて」

愛「これからも!ね」

そう言って、りなりーの手をひきながらこの避難所を飛び出した

236: へたれぼっち ◆iZBKegNFqA (SIM) 2022/03/26(土) 18:39:07.08 ID:0a/fZGPy
------現在------

愛「そんで避難所を飛び出したんだよね」

愛「ゾンビはあちこちにいたけど、幸い動きはそんなに早くないし」

愛「りなりーが調べていた通り、ゾンビは体温を感知して襲ってくるから」

愛「火とか使ってゾンビを誘導しながらなんとかりなりーの家までは行けたんだよね」

愛「そういえば、途中で何度も戻るように言われたっけ?」

愛「もう、ここまでくれば一蓮托生だね」ニシシ

璃奈「・・・・・・・・・・・。」

愛「……。それで、家に着いたはいいけれど…」

愛「……。」

238: へたれぼっち ◆iZBKegNFqA (SIM) 2022/03/26(土) 20:24:13.80 ID:YRM9++Yj
------回想------


玄関前

璃奈「ただいま…。」ガチャ

愛「・・・・。」

愛(鍵もかかっていない…)

愛(完全電子のオートロックだから、停電で電力がこなくなったら安全のために開錠するのか)

璃奈「お父さん、お母さん、いる?」

愛(中は真っ暗…これは…)

璃奈「・・・・。」

239: へたれぼっち ◆iZBKegNFqA (SIM) 2022/03/26(土) 20:24:52.28 ID:YRM9++Yj
りなりーが中に入ろうとした瞬間

アラン「注意」

アラン「ここより先、ゾンビがいます」

璃奈「っ?!アラン…?」

アラン「生体情報照合・・・・・ピーーーーピョロロロロロ …天王寺璃奈」

アラン「メッセージを預かっています。再生しますか?」

愛「メッセージ…?」

璃奈「・・・・・アラン、再生して」

アラン「承知しました。」

「ザザザザザ」

アランの眼球から光が発せられ、壁に当たり、プロジェクターの様に動画を再生する

240: へたれぼっち ◆iZBKegNFqA (SIM) 2022/03/26(土) 20:26:05.27 ID:YRM9++Yj
璃奈父「璃奈、おかえり」

愛(映し出されたのは…りなりーのお父さんだ…)

璃奈父「もし、このメッセージを聞いてくれるているのであれば」

璃奈父「どうか、お父さんとお母さんの寝室は開けないで欲しい…」

「ウア""ア"ア"ア"」

愛(・・・・縛られているのは、りなりーのお母さんか…)

璃奈父「・・・・。残念だけど、お父さんはお母さんを助けることができなかった」

璃奈父「さらに、お母さんを止めるのに、お父さんも怪我をしてしまった…。」

璃奈父「せめて、私達夫婦が他の人に迷惑をかけないように、」

璃奈父「これから寝室を内側から施錠する…」

241: へたれぼっち ◆iZBKegNFqA (SIM) 2022/03/26(土) 20:26:46.89 ID:YRM9++Yj
璃奈父「・・・・・・・・・。璃奈、これまで何も父親らしいことをしてあげられなくて…すまなかった」

璃奈父「こんな世の中になってから、今更ながらに後悔している」

璃奈父「平和だったころに、もっとしてあげられることはあっただろう…。」

璃奈父「・・・・・・・・・スマナイ」ナミダゴエ

愛(・・・・。)

璃奈「・・・・・。」

アラン「録画時間…のこり30秒です」

璃奈父「…自分勝手な懺悔はこのくらいにしないとな…」

璃奈父「璃奈、こんな世界で幸せになってくれとは言えないが」

璃奈父「せめて、後悔のない生き方をして欲しい」

璃奈父「…私も、母さんも・・・・・璃奈のことを愛し…」

「ザザザザザ」

アラン「バッテリー駆動限界なため、活動を停止します」

「ピーーーー」

愛「……。」

璃奈「……、お父さん…お母さん…。」クズレオチ

242: へたれぼっち ◆iZBKegNFqA (SIM) 2022/03/26(土) 20:27:34.75 ID:YRM9++Yj
それから数分間、お互い何も言葉は発しなかった

おもむろに、りなりーが立ち上がり部屋の中へと入る

愛「?!、りなりー?!」

璃奈「お父さん、お母さんに会う」

寝室と思わしき部屋の扉に手をかける

愛「まって、さっきの映像だと、その中は…」

璃奈「うん。わかってる。」

璃奈「でも、どんな姿であれ、この扉の向こうにお父さんとお母さんがいる」

璃奈「だから、たとえゾンビのお父さん、お母さんにだったら、私は」

愛「そんなこと、お義父さんは望んでいないよりなりー」

243: へたれぼっち ◆iZBKegNFqA (SIM) 2022/03/26(土) 20:28:21.12 ID:YRM9++Yj
璃奈「お父さんは、後悔しないようにと言ってくれた」

璃奈「私にとって、後悔のない死に方は、お父さんとお母さんに最後に会うこと」

りなりーの腕をつかむ

愛「お義父さんが言っていたのは、後悔のない生き方、だよ」

璃奈「……。離して。愛さんには関係…ない。」

愛「ッ…。たしかに、アタシはりなりーの家族ではないけれど…。」

愛「だけど、りなりーのことは放っておけない」

璃奈「…なんでそこまでして私のことを」

愛「・・・・・そんなの、そんなのっ、りなりーのことが…」

愛「あい…大好きだからに決まってるじゃん!!!」

璃奈「……。」

愛「・・・・・・・・・。」

244: へたれぼっち ◆iZBKegNFqA (SIM) 2022/03/26(土) 20:29:03.89 ID:YRM9++Yj
璃奈「……。」

愛「……え、ちょっとりなりー、何か反応は…。」

璃奈「え、あ、うん…びっくりして…。」

璃奈「それは、その、いつもの「愛だけに」のやつではないの?」

愛「え、あいや、そうじゃなくて…」

璃奈「あ、うん。そう…だよね」

愛「・・・・・・・・。」

璃奈「・・・・…。///」

愛「あ、りなりー照れてる」

璃奈「て、照れてない…。璃奈ちゃんボード…。」

愛「ボードはここにはないよ、りなりー」

顔を隠そうとするりなりーの両手を掴む

愛(りなりーの手、冷たい…)

愛「ほら、顔真っ赤」ニカッ

246: へたれぼっち ◆iZBKegNFqA (SIM) 2022/03/26(土) 20:30:54.88 ID:YRM9++Yj
璃奈「////・・・・。愛さん…ずるい…////」

愛「・・・・。こんな世界だからさ、」

愛「せめて、最後までりなりーと、一緒にいたいって、そう思ってるんだ」

愛「…これが愛さんの後悔のない生き方。」

璃奈「……。私も」

璃奈「私も愛さんともっと一緒にいたい・・・・。」

璃奈「でも、わかるの」

璃奈「はんぺんに噛まれてから、私の体温はどんどん下がっている…。」

璃奈「人のゾンビに噛まれたのと違って、時間はかかっているけれど」

璃奈「間違いなく、自分の体のゾンビ化が進んでいるのがわかる…。」

璃奈「もう、愛さんと一緒にはいられない…。」

璃奈「私のせいで、愛さんを…」

247: へたれぼっち ◆iZBKegNFqA (SIM) 2022/03/26(土) 20:31:41.51 ID:YRM9++Yj
愛「大丈夫」

愛「アタシのことは気にしないで。」

愛「言ったじゃん、最後まで一緒にいたいって」

愛「りなりーのいない世界に、未練なんてないから」

璃奈「愛さん……。」

愛「ほら、ずっとここにいてもしょうがない!」

愛「残り僅かな時間、後悔が無いようにさ」

愛「二人で行けるところまで、行こうよ!」

そう言って、りなりーの手をひきながら、外へ駆け出す

どこに向かうかはわからない

少しでも長く

二人で一緒にいられるように
 
 

248: へたれぼっち ◆iZBKegNFqA (SIM) 2022/03/26(土) 20:38:47.69 ID:YRM9++Yj
------現在------

愛「と、ここ1年ちょっとの回想はおしまい」

璃奈「……。」

愛「ほーんと、信じられないくらい色々なことがあったよね」

愛「いまだにみんなが死んじゃったのだって信じられないよ…」

愛「……。」

璃奈「……ア」

愛「りなりーはさ、もし世界がまた平和になったら何したい?」

璃奈「……ウ"……」

249: へたれぼっち ◆iZBKegNFqA (SIM) 2022/03/26(土) 20:39:33.05 ID:YRM9++Yj
愛「愛さんは、みんなとまたスクールアイドルしたいな」

愛「あと、お母さんにお父さん、おばあちゃんとおねーちゃんともんじゃ食べたいな」

愛「かすみんのことをめちゃくちゃ甘やかしたい」

愛「果林とはもっともっと競い合ってお互いを高め合いたい」

愛「エマっちの故郷に遊びにも行きたい」

愛「カナちゃんと一緒にお昼寝もしたいし」

愛「しずくの演劇をまた観てみたい」

愛「歩夢とゆうゆとせっつーで、2年生お泊り会だってしたい…」

愛「・・・・そんでもって、りなりーとも、もっと、もっといろいろな思い出を…」ナミダ

璃奈「ウ"アア……」

愛「・・・・あー、よかった、まだ涙出るんだ、アタシ。」

250: へたれぼっち ◆iZBKegNFqA (SIM) 2022/03/26(土) 20:40:24.05 ID:YRM9++Yj
愛「りなりー」

愛「アタシ、りなりーのことがね、友達としてじゃなくて…」

璃奈「ウ"ア"""アアアア」ガブッ

愛「イッ…、いいよ、りなりー…、りなりーだったら、大丈夫」

愛(右腕噛まれた…。私も、もうダメなんだな…)

璃奈「ウウ"ウ"ウウウ"」

愛(すごい…痛い・・けど、)

愛(かすみんも、果林も、エマも、彼方も、しずくも、せっつーも)

愛(みんな、もっと痛かったんだ)

愛(そして、もっと、もっと心を痛めていたのがゆうゆだ)

愛(大丈夫、アタシは大丈夫だから)

愛「りなりー、最後まで愛さんといっしょにいてくれて」
 
 
 
 
愛「ありがとう」
 
 

263: へたれぼっち ◆iZBKegNFqA (SIM) 2022/03/27(日) 19:10:56.15 ID:gK7hHQ6P
~学校屋上~

侑「……。」

侑(愛ちゃん、璃奈ちゃん・・・・。)

侑(二人ともいなくなってしまった)

侑(なんで・・・・私は…みんなのことを守りたかっただけなのに…)

264: へたれぼっち ◆iZBKegNFqA (SIM) 2022/03/27(日) 19:11:38.59 ID:gK7hHQ6P
避難所から煙が立ち込めている

先日、璃奈ちゃんがいなくなった報せが避難所全体に広がった

璃奈ちゃんが、もしかしたらゾンビのことを解明してくれるかもしれない

そんな淡い希望にすがっていた避難民たちが

もうゾンビ対策に希望が持てないと諦め、自暴自棄になってしまった

そして、一部の人だけで少しでも長く生きられるようにと

食料をめぐって争いが発生している

265: へたれぼっち ◆iZBKegNFqA (SIM) 2022/03/27(日) 19:12:24.32 ID:gK7hHQ6P
侑(…。歩夢とせつ菜ちゃんの分の食料は、ある程度確保できた)

侑(あとは、目立たないように生活しながら、必要に応じて、他の避難民から…)

ガチャ

スタスタ

侑(この足音は、歩夢か…)

歩夢「ゆうちゃん…。」

侑「……。また感染者?」

歩夢「うん…。」

侑「はぁ…。わかった、処理してくる。どこにいるの?」

268: へたれぼっち ◆iZBKegNFqA (SIM) 2022/03/27(日) 19:21:21.32 ID:gK7hHQ6P
歩夢「・・・・・・・・・。」

侑「・・・・・・・・。歩夢?」クルッ

侑「…っ、なんっ、で…。」

歩夢「・・・・、ごめんね侑ちゃん…」

侑(破けた右腕の袖から血が滴っている)

侑(右腕の関節部分を、噛まれている)

歩夢「避難所で食糧を確保できなかった人たちが…」

歩夢「自暴自棄になって正門の施錠を開けたみたいで…」

侑「な…に考えて…」

歩夢「今、校内にどんどんゾンビが入ってきてるみたい・・・・。」

歩夢「さっき避難所の子供におそいかかってるところを助けようとして」

歩夢「逆にやられちゃった…。」

269: へたれぼっち ◆iZBKegNFqA (SIM) 2022/03/27(日) 19:28:55.75 ID:gK7hHQ6P
侑「なんでよ…、歩夢も、私の前から、いなく、いなくなっちゃうじゃん!!!」

歩夢「…ごめんね…。」

歩夢「さっき、避難所のみんなを守るために、」

歩夢「私、はじめてゾンビを、その、処理したの…。」

歩夢「近くにあった調理用のフライパンで、おおきくふりかぶって」

歩夢「ゾンビの頭を砕いた」

歩夢「嫌な…、嫌な感触が手元に残るんだね」

侑「そんなこと、どうでもいい!」

侑「なんとかして、ゾンビ化の進行を遅らせないと」

歩夢「…無理だよゆうちゃん」

歩夢「今まで感染した人は、もれなく全員ゾンビになっていたし」

歩夢「右腕だったから、多分あと10分もしたら、私もゾンビになっちゃうのかな」

270: へたれぼっち ◆iZBKegNFqA (SIM) 2022/03/27(日) 19:33:38.24 ID:gK7hHQ6P
侑(私の手元には護身用のスコップが1つ)

侑(出入口は歩夢がきた屋上の扉だけ)

侑(この広さならスコップで安全に…)

侑(いや、高さもあるからスコップ以外の方法も十分に…)

侑(いやだな…歩夢がこんな状況なのに)

侑(歩夢を処理する手段を冷静に検討している自分が嫌になる)

歩夢「あのね、ここにきたのは、お別れを言いに来たのと」

歩夢「最後の…。侑ちゃんに、最後のお願いをしたくて来たの」

侑「・・・・やめて、最後かどうかなんて、まだわからないじゃん」

272: へたれぼっち ◆iZBKegNFqA (SIM) 2022/03/27(日) 19:38:21.16 ID:gK7hHQ6P
歩夢「ふふ…こんなこと前にもあったね」

歩夢「幼稚園の頃、家の都合で引っ越しするかもって」

歩夢「もしかしたら遊べるのが最後かもって言ったら」

歩夢「ゆうちゃん、泣きそうな顔で、【最後かどうかはまだわからない】って」

歩夢「今と同じこと言ってた」

侑「……。とにかく、右腕だして、切断したらもしかしたらゾンビ化を止められるかも」

歩夢「ううん、無理だよ。同じこと、璃奈ちゃんが他の感染者でも検討したけど、ダメだったよね…。」

侑「歩夢の場合はわからないじゃん!なんでそんな簡単に諦めるの?!」

歩夢「自分の体だから、わかるの。」

歩夢「今も、体温が下がってきているのが自分でわかる」

歩夢「だからね、私の意識が残っているうちに」

歩夢「最後のお願いを、聞いて欲しいの…。」

侑「・・・・ッ…。」

273: へたれぼっち ◆iZBKegNFqA (SIM) 2022/03/27(日) 19:42:52.29 ID:gK7hHQ6P
歩夢「ごめんね。いつもつらい役目を押し付けちゃって」

歩夢「ひどいお願いだけど、私のわがまま、ゆうちゃんに叶えて欲しい。」

歩夢「最後は、スコップじゃなくて、ゆうちゃんの手で、私の意識が残ってるうちに」

歩夢「私のこと、処理してほしいの」

274: へたれぼっち ◆iZBKegNFqA (SIM) 2022/03/27(日) 19:43:43.02 ID:gK7hHQ6P
侑「・・・・・。それが」

侑「それが、歩夢のためなら、やるよ」

歩夢「ふふ、そういってくれると思ってた。」

歩夢「苦しくしていいよ。少しでも長く、ゆうちゃんの手を、」

歩夢「ゆうちゃんの指先を、体温を感じさせて」

歩夢「そして、私のこと」

歩夢「忘れないでいてほしい」

侑「・・・・・忘れるわけない。」

侑「忘れるわけ・・・・ないじゃん」

歩夢「そういって、昔のことはよく忘れてるじゃん」フフ

侑「忘れないよ。歩夢とのこれまでのこと、これからすること全部」

歩夢「…ゆうちゃん、ありがとう…。」

276: へたれぼっち ◆iZBKegNFqA (SIM) 2022/03/27(日) 19:50:34.87 ID:gK7hHQ6P
侑「これで、おわかれだね」スッ

歩夢「……」

侑「私、歩夢と幼馴染で幸せだった」ググ

歩夢「……ン"・・・・」

侑「こんな残酷な世界でも」ググググ

歩夢「・・・・・ア"…」プルフル

侑「歩夢ッッ・・・・。」

歩夢「…………ンン"ア"」プルプル

侑「またね…。」ググググ


ボキッ

278: へたれぼっち ◆iZBKegNFqA (SIM) 2022/03/27(日) 19:51:36.18 ID:gK7hHQ6P
侑(もう、涙を流すことも、吐くこともないんだな)

侑(もう疲れた。)

侑(最後にときめきを感じたのっていつだろう)

侑(スクールアイドルフェスティバルを終えて)

侑(転科して、ピアノを学んで)

侑(この手で、覚えたピアノで、同好会みんなの曲を作りたい)

侑(そんな風に、ときめいていたのに)

侑(今じゃこの手はピアノを弾くことなんてなくって、歩夢の首を絞めている)

279: へたれぼっち ◆iZBKegNFqA (SIM) 2022/03/27(日) 19:52:20.21 ID:gK7hHQ6P
侑(屋上…高いな…)

侑(ここから飛んだら、みんなに会えるのかな)

侑(どうだろう、私、酷いことしすぎたら、きっと行くなら地獄なんだろうな)

侑(天国にいるみんなには、会えないかな)

280: へたれぼっち ◆iZBKegNFqA (SIM) 2022/03/27(日) 19:59:13.21 ID:gK7hHQ6P
 
 
 
 
…メテクダサイッ

侑(…今の声、せつ菜ちゃん?)ハッ

侑(生徒会室からの方だ…行ってみよう)

侑(……歩夢…。今まで、ありがとう)

歩夢の遺体を横目に、生徒会室へ向かう

281: へたれぼっち ◆iZBKegNFqA (SIM) 2022/03/27(日) 19:59:35.67 ID:gK7hHQ6P
侑「せつ菜ちゃん!!!」

せつ菜「ッッ!ゆ、侑さん!」

はだけた服で、走りこんでくるせつ菜ちゃんを階段で受け止める

モブA「どこ行った!探せ!」

侑「?!せつ菜ちゃん、こっち!」

せつ菜ちゃんの手を引きながら、教室の中へ隠れる

282: へたれぼっち ◆iZBKegNFqA (SIM) 2022/03/27(日) 20:00:16.26 ID:gK7hHQ6P
ドタドタ

モブB「そっちは?」

モブA「いやわからん、もしかしたらもう1階まで降りてるのかもしれない」

モブB「んだよ、上玉だったのに」

モブA「これからってところでお前が目を離すから!」

モブB「チッ…いいから探すぞ!」

侑(せつ菜ちゃん…震えてる)

せつ菜「・・・・・・・・。」ナミダメ

衣類のはだけ具合から、何があったかは想像できる

秩序のない世界で、せつ菜ちゃんみたいなかわいい女の子に襲い掛かる悪意

侑(もう、この避難所はダメだな・・・・)

侑「……。せつ菜ちゃん、提案があるんだけど…」

283: へたれぼっち ◆iZBKegNFqA (SIM) 2022/03/27(日) 20:00:56.86 ID:gK7hHQ6P
~~ヴィーナスフォート~~

せつ菜(侑さんの提案…それは避難所から逃げ出すこと)

せつ菜(暴動によって秩序が保たれなくなった避難所に)

せつ菜(いつまでもいられないということで、歩夢さんにお別れを言う間もなく)

せつ菜(二人で飛び出したものの…)

侑「うわぁ学校、燃えてるよ…。」

せつ菜「・・・・最後はあっけないものですね・・・・。」

284: へたれぼっち ◆iZBKegNFqA (SIM) 2022/03/27(日) 20:01:38.83 ID:gK7hHQ6P
侑「なんか、残念だよね。」

せつ菜「いえ、私がいたらないばかりに、このような結果に…。」

侑「せつ菜ちゃんのせいじゃないよ!」

侑「結局…遅かれ早かれこうなっていたとは思う」

侑「むしろ、せつ菜ちゃんが頑張ってくれたから1年以上も生活できたんだと思うよ」

285: へたれぼっち ◆iZBKegNFqA (SIM) 2022/03/27(日) 20:02:25.82 ID:gK7hHQ6P
せつ菜「・・・・・・・・。ありがとう、ございます。」

侑「それに、学校が燃えているおかげで、ほとんどのゾンビが熱源の炎に群がって」

侑「意外と私たちは安全に出歩けてるわけだしラッキーと思わないと!」

せつ菜「確かに・・・そうかもしれませんね。」

286: へたれぼっち ◆iZBKegNFqA (SIM) 2022/03/27(日) 20:03:32.10 ID:gK7hHQ6P
侑「それにしても、この辺を歩くのは凄い久しぶりだね」

せつ菜「そう、ですね。こんなに近いのに、学校の外を歩くのが1年ぶりですからね」

侑「懐かしいな…。あ、あそこのクレープ屋、みんなでよく食べたよね」

せつ菜「そうですね。あっちのタピオカ屋も何回か行きましたね」

侑「タピオカ…凄い懐かしい響き…。」

せつ菜「あ!観てください!アニメイトです!!」

侑「わ~、当時の物がそのままだね。ちょっと見ていく?」

せつ菜「そうしたい気持ちもありますが…。」

ゾンビ「ア"・・・ア」フラフラ

侑「やっぱりいるよね…」

せつ菜「まぁ…アニメイトには昔からこういうお客さんは多かった気がしますが」

287: へたれぼっち ◆iZBKegNFqA (SIM) 2022/03/27(日) 20:04:17.43 ID:gK7hHQ6P
侑「あんまり1か所でじっとはしてられないね」

せつ菜「…後ろ見てください」

侑「ゾンビ…少しずつ集まってきてるね…。」

侑「はぁ、せっかくのせつ菜ちゃんとのデートなんだから空気読んで欲しいなぁ」

せつ菜「で、デートなんですか?これ」

侑「なんてね。ほら、次行こ」テヲツナグ

せつ菜「え、侑さん?」

289: へたれぼっち ◆iZBKegNFqA (SIM) 2022/03/27(日) 20:05:37.36 ID:gK7hHQ6P
せつ菜「い、いいんでしょうかお店のものを勝手に…」

侑「いいよいいよ、誰も見てないし、最期なんだから」

せつ菜(最期…ですか)

せつ菜「では、お言葉に甘えて…」

帽子をかぶる

せつ菜「に、似合いますか?」

侑「帽子をかぶるせつ菜ちゃんも、かわいいYOー!」

せつ菜「あ、ありがとうございます//」

侑「このベレー帽も、今のおさげに合うんじゃないかな?」

侑「お!こっちの帽子はアイドルモードのせつ菜ちゃんに似合うかも!」

せつ菜「侑さんはこっちなんていかがですか?」

ワイワイ

290: へたれぼっち ◆iZBKegNFqA (SIM) 2022/03/27(日) 20:06:27.65 ID:gK7hHQ6P
侑「せっかくだから、服も着替えてみようよ!」

せつ菜「いいですね!私たち、1年も制服とジャージしか着ていなかったですもんね」

侑「私はこれにしようかな~」

【ぱ】Tシャツ

せつ菜(侑さんの大好きを否定する気はありませんが…それは…)

せつ菜「私はこれにします!」

蛍光色パーカー

侑(変わらないなぁ)

292: へたれぼっち ◆iZBKegNFqA (SIM) 2022/03/27(日) 20:14:38.06 ID:gK7hHQ6P
ワイワイ

侑「あ、この服…」

ショーケースに飾られた
ピンク色のかわいらしいワンピース
胸元にはピンクのリボン
あの時、歩夢に似合うなって思ったけど…

せつ菜「どうかしましたか?」

侑「いや…。なんでもない。」

侑「よし、そろそろ移動しないと、囲まれ始めてる」

ゾンビ「ア"・・・」フラフラ

せつ菜「服と帽子、お代はここに」万札

侑「まじめだなぁ」

せつ菜「お釣りはいらないです」

せつ菜「ふふ、一度でいいから、言ってみたかったんです」

侑「セレブだなぁ」

293: へたれぼっち ◆iZBKegNFqA (SIM) 2022/03/27(日) 20:15:22.28 ID:gK7hHQ6P
せつ菜「ここは…フードコートですね。」

侑「あそこのお店、カウンターの中にゾンビが閉じ込められてるよ」

ゾンビ「オ"オ"・・・オ"・・・」フラフラ

せつ菜「1年間、ずっとあのカウンターの中をうろうろしていたのでしょうか…。」

侑「障害物を乗り越えたり、かがんだりする知能はないって璃奈ちゃん言ってたもんね」

侑「あのゾンビ店員に注文したら、ラーメンとか作ってくれないかな」

せつ菜「その店員、変な汁とか垂れてますけど…」

ゾンビ「ドウ"・・・・ドイ"」

294: へたれぼっち ◆iZBKegNFqA (SIM) 2022/03/27(日) 20:16:23.29 ID:gK7hHQ6P
侑「店内はこんなものかな。」

せつ菜「久々に、平和だったころを思い出せて、凄い楽しかったです。」

侑「楽しかった…か。」

侑「本当は、ここにかすみちゃん、果林さん、エマさん、彼方さん…」

せつ菜「しずくさん、愛さんや璃奈さん、歩夢さんがいたんですよね」

侑「…。でも、すぐにみんなに会えるよ。」チラッ

ゾンビ「ア"ア"…。」フラフラ

せつ菜「そう…ですね。」

295: へたれぼっち ◆iZBKegNFqA (SIM) 2022/03/27(日) 20:17:29.54 ID:gK7hHQ6P
侑「まぁ、私がみんなのいる天国に行けるのかは、わからないけど」

せつ菜「もし侑さんが地獄に行くことがあったら、私もお供しますよ」

侑「本当に?せつ菜ちゃんと一緒なら、地獄も悪くないかな」フフ

せつ菜「……最期に、行きたいところがあるのですが、ご一緒していただけますか?」

侑「?いいけど、どこに行くの?」

せつ菜「…それは」

おもむろに、髪をほどきながら、眼鏡をはずす

せつ菜「ついてきたら、わかりますよ!」テヲツカム

侑「え、せつ菜ちゃん?!」

駆けだす

296: へたれぼっち ◆iZBKegNFqA (SIM) 2022/03/27(日) 20:29:11.11 ID:gK7hHQ6P
せつ菜「到着です!」タッタッタッ

侑「ハァッ・・・・ハァッ…。」

侑(ここは、ダイバーシティの…階段…)ハァハァ

侑(私と歩夢が、初めてせつ菜ちゃんを知った場所)

せつ菜「これだけ走れば、ゾンビが集まるまで時間を稼げそうです」

侑「そうだね…。というかせつ菜ちゃん、ずっとデスクワークだったのに、全然衰えていないんだね」ハァハァ

せつ菜「ふふ、実は夜な夜な練習は欠かしていなかったんですよ!」

せつ菜「いつか、またスクールアイドルを、私の大好きを届けられる日が来ることを信じて」

侑「・・・・。」

297: へたれぼっち ◆iZBKegNFqA (SIM) 2022/03/27(日) 20:30:27.14 ID:gK7hHQ6P
せつ菜「まぁ、もう学生かは微妙ですし…」

せつ菜「結局、再び世界が平和になることはなさそうです。」

せつ菜「それでも、最期に、侑さんには聴いてほしかったんです。」

せつ菜「私の大好きを!」

侑「せつ菜ちゃん…。」

せつ菜「これは、私達の、終わりの歌です!」

298: へたれぼっち ◆iZBKegNFqA (SIM) 2022/03/27(日) 20:31:28.78 ID:gK7hHQ6P
~~♪~~

侑(せつ菜ちゃんが歌い始める)

侑(歌に合わせて、動き、踊る)

侑(なんだろう、この気持ち)

侑(せつ菜ちゃんの一挙一動から目が離せない)

侑(胸の奥が高鳴る、じっとしてられない)

侑(今すぐ、この気持ちを誰かに伝えたい…っ!)

侑(・・・・あぁ、そうか)

侑(これが、忘れていたトキメキ…)

299: へたれぼっち ◆iZBKegNFqA (SIM) 2022/03/27(日) 20:32:06.71 ID:gK7hHQ6P
ゾンビ「ァ"・・・・」ゾロゾロ

侑(気が付いたら、あたり一面、ゾンビだらけ)

侑(せつ菜ちゃんは、歌うのをやめない…)

侑(終わりの歌…か…)

侑「………。マナーの悪いお客様は…」

侑「ご退場願います」スコップ振り上げ

300: へたれぼっち ◆iZBKegNFqA (SIM) 2022/03/27(日) 20:33:31.70 ID:gK7hHQ6P
~~上空 ヘリコプター コクピット内~~

「まさか、ママの学園が燃えちゃってるだなんて」

「Shit!救難信号が来てるから、せっかく貴重な燃料を使って来たっていうのに、とんだ無駄足だったよ」

「久々のお出かけで、気分転換にはなったから無問題ラ」

「ボクは別に気分転換がしたかったわけじゃ…。帰ったら栞子にドヤされるよ…だる…」

「…何かしらあれ?」

「…ゾンビが凄い数集まっている。遠くてよく見えないけど、人がいるみたい」

「ちょっとミア、運転お願い」

そう言って双眼鏡を片手に身を乗り出す

301: へたれぼっち ◆iZBKegNFqA (SIM) 2022/03/27(日) 20:34:17.57 ID:gK7hHQ6P
ミア「Shit!ランジュ!機長がハンドルを手放すなんて何考えてるんだ!」

ランジュ「…個性的なTシャツと個性的なパーカーを着た女の子が、ゾンビに襲われてるわ」

ミア「ふーん。今から助けにいって、間に合うの?」

ランジュ「…、残念だけど、もうすでに傷だらけ」

ミア「そう…。」

ランジュ「…?一人は、歌って踊っているわ」

ミア「What the fピーk?! ゾンビども相手にアイドル活動?」

302: へたれぼっち ◆iZBKegNFqA (SIM) 2022/03/27(日) 20:34:57.56 ID:gK7hHQ6P
ランジュ「……なんだったかしら、去年、世界が平和だったころに見たことがあるような…」

ミア「見たことがある?彼女たちを?」

ランジュ「どうだっかしら…あの歌や踊りに込められた思い・・・・・。」

ミア「思い?」

ランジュ「・・・・忘れちゃったわ」

ランジュ「もし平和な世界だったら、私も心動かされたかもしれないけど…」

ランジュ「…あまり燃料も無駄にできないわ、戻るわよミア」

ミア「わかったから早くハンドルを握って」

二人の少女が手を取り合いながら、
ゾンビの大群に押しつぶされているのを確認し
再びハンドルを握った

ランジュ「さ、帰るわよ!」



303: へたれぼっち ◆iZBKegNFqA (SIM) 2022/03/27(日) 20:35:56.03 ID:gK7hHQ6P
平和な世界の、彼女たちの物語は
2022年4月2日より放送予定!
https://www.lovelive-anime.jp/nijigasaki/onair.php

みんな!絶対に観てくれよな!!!

引用元: 愛「りなりーはさ、もしも世界がまた平和になったら何したい?」