─その帰り道…
千歌「いやー今日は凄かったねー」
千歌「私たちの作ったPVが一気に伸びて、Aqoursの知名度も上がって!」
千歌「それに打ち上げパーティまでやるんだから良いことづくめだよ!」
梨子「そうね、嬉しいけど未だに少し信じられないというか」
曜「分かる、いきなりだったからね。今でもまだドキドキしてるもん」
千歌「私も!」
梨子「なんだ、みんな同じなのね」フフッ
336: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/03/24(木) 16:58:34.06 ID:kWzSMBMe
曜「しっかしこの前のお祝いからまだそんなに経ってないのに、またパーティーを開くのは驚いたよ」
曜「前のときも結構豪華だったと思うんだけど」
千歌「うんうん流石は鞠莉ちゃんだよね、羽振りがいいというか、豪勢というか」
曜「鞠莉ちゃんが大胆っていうのもあると思うけど、やっぱりお金持ちのやることは違うなーって感じ」
梨子「まあ私たちとは金銭感覚が違うのは確かかもしれないわね」
曜「前のときも結構豪華だったと思うんだけど」
千歌「うんうん流石は鞠莉ちゃんだよね、羽振りがいいというか、豪勢というか」
曜「鞠莉ちゃんが大胆っていうのもあると思うけど、やっぱりお金持ちのやることは違うなーって感じ」
梨子「まあ私たちとは金銭感覚が違うのは確かかもしれないわね」
337: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/03/24(木) 16:59:06.97 ID:kWzSMBMe
千歌「んー、でもさ梨子ちゃんの家も結構なお金持ちだよね」
曜「え、そうなの?」
梨子「いやそれほどでも……あるかな?」
千歌「あるよ! だって東京にいたころは自分の部屋とは別にピアノを弾くための部屋があったんでしょ?」
梨子「うん、あったけど」
曜「へえー凄いねそれは、専用部屋ってことでしょ?」
曜「え、そうなの?」
梨子「いやそれほどでも……あるかな?」
千歌「あるよ! だって東京にいたころは自分の部屋とは別にピアノを弾くための部屋があったんでしょ?」
梨子「うん、あったけど」
曜「へえー凄いねそれは、専用部屋ってことでしょ?」
338: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/03/24(木) 16:59:46.17 ID:kWzSMBMe
梨子「まあ元は空き部屋で、取りあえずそこに置かせてもらってたってだけだから」
梨子「私のために特別に用意してもらったってわけじゃないの」
曜「ふーん、そうなんだ」
梨子「いつからだったかなあ、確か小学生になるちょっと前にお母さんが」
梨子「もうあそこは使わないからって」
曜「前は使ってたってこと?」
梨子「かも。でも片付けやら何やらは全部お母さんがやったから元々どんな部屋だったのかは私も分からないわ」
梨子「それがどうかしたの?」
梨子「私のために特別に用意してもらったってわけじゃないの」
曜「ふーん、そうなんだ」
梨子「いつからだったかなあ、確か小学生になるちょっと前にお母さんが」
梨子「もうあそこは使わないからって」
曜「前は使ってたってこと?」
梨子「かも。でも片付けやら何やらは全部お母さんがやったから元々どんな部屋だったのかは私も分からないわ」
梨子「それがどうかしたの?」
339: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/03/24(木) 17:00:18.72 ID:kWzSMBMe
曜「ううん別に。ただなんとなく気になっただけ……かな」
梨子「そっか」ニコッ
曜(だって新しいことくらい聞いておかないと納得いかないじゃん。千歌ちゃんに聞かされるまで私は何も知らなかったわけだし)ムスッ
曜(どうして千歌ちゃんばっかりにそういうこと話すかなあ…………ってあれ?)
曜(……いやいやおかしい、待ってこれおかしいよ、え? なんで千歌ちゃんに対抗意識を燃やしてるの私は)
曜(ん、いつの間にか相手すり替わってませんかこれ?だって私は元々梨子ちゃんにこう思うところがあったわけでなのに今は……あれ?ちょっと待て、待って待ってまっていやでもだからといって別にそれがどうってことでも)
梨子「曜ちゃん?」
曜「いやいやホントに何でもないから! なんでも!!」
梨子「そう? なんかボーっとしてたけど」
曜「気のせいだよ、うん」
曜(取りあえず深く考えないでおこう、多分そこまで考えるほどの意味はない……とそう思うことにしよう。うん)
梨子「そっか」ニコッ
曜(だって新しいことくらい聞いておかないと納得いかないじゃん。千歌ちゃんに聞かされるまで私は何も知らなかったわけだし)ムスッ
曜(どうして千歌ちゃんばっかりにそういうこと話すかなあ…………ってあれ?)
曜(……いやいやおかしい、待ってこれおかしいよ、え? なんで千歌ちゃんに対抗意識を燃やしてるの私は)
曜(ん、いつの間にか相手すり替わってませんかこれ?だって私は元々梨子ちゃんにこう思うところがあったわけでなのに今は……あれ?ちょっと待て、待って待ってまっていやでもだからといって別にそれがどうってことでも)
梨子「曜ちゃん?」
曜「いやいやホントに何でもないから! なんでも!!」
梨子「そう? なんかボーっとしてたけど」
曜「気のせいだよ、うん」
曜(取りあえず深く考えないでおこう、多分そこまで考えるほどの意味はない……とそう思うことにしよう。うん)
340: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/03/24(木) 17:00:51.88 ID:kWzSMBMe
千歌「でもいいなあ梨子ちゃん、私なんてちょっとうるさくしただけで美渡姉から怒られるんだもん」
梨子「千歌ちゃんはしょっちゅうだものね」
千歌「ホント何かあったらすぐガミガミ言うんだから」
千歌「あーあ、こういうのが妹のつらいところだよねえ」
梨子「その話、美渡さんが聞いたらまた怒るわよ」
千歌「うげー」
梨子(でも、妹……かあ)
梨子「千歌ちゃんはしょっちゅうだものね」
千歌「ホント何かあったらすぐガミガミ言うんだから」
千歌「あーあ、こういうのが妹のつらいところだよねえ」
梨子「その話、美渡さんが聞いたらまた怒るわよ」
千歌「うげー」
梨子(でも、妹……かあ)
341: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/03/24(木) 17:01:27.37 ID:kWzSMBMe
曜「うーん…とは言ってもさ、千歌ちゃんの家は旅館だからまた事情が違うんじゃないかな?」
曜「大変だと思うよ、旅館が家だとそういうところって」
千歌「うっ…それはそーかもだけどさあ」
梨子「……」
曜「…梨子ちゃん? どうしたの急に黙っちゃって」
梨子「え…? あ、ううんなんでもないの少し考え事」
曜「大変だと思うよ、旅館が家だとそういうところって」
千歌「うっ…それはそーかもだけどさあ」
梨子「……」
曜「…梨子ちゃん? どうしたの急に黙っちゃって」
梨子「え…? あ、ううんなんでもないの少し考え事」
342: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/03/24(木) 17:01:58.04 ID:kWzSMBMe
曜「?」
梨子「ほら、私にはお姉さんも妹もいないから」
梨子「もしいたら、どうだったんだろうって」
曜「ああ、見てると欲しくなるのわかる。 羨ましくなるよね」
梨子「そうそう、丁度そんな感じ」
梨子「ほら、私にはお姉さんも妹もいないから」
梨子「もしいたら、どうだったんだろうって」
曜「ああ、見てると欲しくなるのわかる。 羨ましくなるよね」
梨子「そうそう、丁度そんな感じ」
343: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/03/24(木) 17:02:36.11 ID:kWzSMBMe
千歌「そんなもんかなー……あっ、でもねもしそうなったら梨子ちゃんは断然お姉ちゃんだと思うな!」
梨子「私が?」
曜「雰囲気とかがもうそれっぽいもんね」
梨子「そういう問題かしら……? でもそう言われれば確かに…」ウーン
千歌「あれ、心当たりでもあるの?」
梨子「なんかね、ルビィちゃんと話してるときは妹ってこんな感じなのかなぁとか思うことがときどきあるの」
曜「最初の頃から結構仲良かったもんね、それにルビィちゃんなんてザ・妹!! って感じだし」
梨子「私が?」
曜「雰囲気とかがもうそれっぽいもんね」
梨子「そういう問題かしら……? でもそう言われれば確かに…」ウーン
千歌「あれ、心当たりでもあるの?」
梨子「なんかね、ルビィちゃんと話してるときは妹ってこんな感じなのかなぁとか思うことがときどきあるの」
曜「最初の頃から結構仲良かったもんね、それにルビィちゃんなんてザ・妹!! って感じだし」
344: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/03/24(木) 17:03:06.26 ID:kWzSMBMe
千歌「でも残念! 今はルビィちゃんは私たちのものだもんね!!」
梨子「どこで張り合ってるの…というかそんなこと言ったら善子ちゃんが黙っていないわよ」
千歌「む、それは困るかも」
曜「あはは、何にしても梨子ちゃんにはお姉さんが似合うってことだね!」
曜「今の言い方もお姉さんっぽかったし」
梨子「そう? 曜ちゃんが言うならそうかもしれないね」
曜「! ……ははっ、そうでしょそうでしょ」
千歌「えー何それ! 曜ちゃんズルくない!?」
曜「ズルいって何が!?」
梨子(お姉さん、ね……うん。悪くないかも)
梨子「どこで張り合ってるの…というかそんなこと言ったら善子ちゃんが黙っていないわよ」
千歌「む、それは困るかも」
曜「あはは、何にしても梨子ちゃんにはお姉さんが似合うってことだね!」
曜「今の言い方もお姉さんっぽかったし」
梨子「そう? 曜ちゃんが言うならそうかもしれないね」
曜「! ……ははっ、そうでしょそうでしょ」
千歌「えー何それ! 曜ちゃんズルくない!?」
曜「ズルいって何が!?」
梨子(お姉さん、ね……うん。悪くないかも)
345: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/03/24(木) 17:03:41.36 ID:kWzSMBMe
……
─梨子の家
梨子「ただいま」
梨子母「おかえりなさい、今日は遅かったのね」
梨子「うん、ちょっと色々あって」
梨子母「部活のこと?」
梨子「そうなの、それでお母さんに見てほしいものがあって」
346: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/03/24(木) 17:04:23.49 ID:kWzSMBMe
梨子母「どれ?」
梨子「私たちね、グループとか学校の紹介のためにPVを作って、それをネットに上げてたんだけど…」
梨子「今日ランキングにその私たちのPVが入っていたのよ! ほらこれ」
梨子母「あら凄いじゃない! 千歌ちゃんと、こっちは曜ちゃんね、可愛いー!」
梨子母「他に映っている子達も綺麗な女の子ばかりね、うん梨子もよく綺麗に映ってるわよ」
梨子「あ、ありがとう」
梨子「私たちね、グループとか学校の紹介のためにPVを作って、それをネットに上げてたんだけど…」
梨子「今日ランキングにその私たちのPVが入っていたのよ! ほらこれ」
梨子母「あら凄いじゃない! 千歌ちゃんと、こっちは曜ちゃんね、可愛いー!」
梨子母「他に映っている子達も綺麗な女の子ばかりね、うん梨子もよく綺麗に映ってるわよ」
梨子「あ、ありがとう」
347: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/03/24(木) 17:04:59.26 ID:kWzSMBMe
梨子母「うんいいわね、楽しんでるって感じがこっちにも凄く伝わってきて、それに……」
梨子母「それ…に…………」
ルビィ「」チラッ
梨子母「──っ!?」
梨子「どうしたのお母さん?」
梨子母「ねえ梨子、この子って……誰……?」
梨子母「それ…に…………」
ルビィ「」チラッ
梨子母「──っ!?」
梨子「どうしたのお母さん?」
梨子母「ねえ梨子、この子って……誰……?」
348: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/03/24(木) 17:05:48.86 ID:kWzSMBMe
梨子「え、ルビィちゃんのこと?」
梨子母「ルビィ……? え……いや、でも……まさか…」
梨子「お母さん?」
梨子母「…ううん、何でもないわ。いい曲ね」
梨子「……? ありがとう」
梨子母「ルビィ……? え……いや、でも……まさか…」
梨子「お母さん?」
梨子母「…ううん、何でもないわ。いい曲ね」
梨子「……? ありがとう」
349: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/03/24(木) 17:06:40.34 ID:kWzSMBMe
そして季節は変わり……
──夏
千歌「夏だー! 合宿だー!!」
曜「海だー!!」
ダイヤ「海未は私ですが」
ルビィ「サマーウィー♪」
梨子「ハイハイハイ!」
鞠莉「シャイニーーーー!!」
善子「ちょっと待った! なんか後半にいくにつれて可笑しくなってるわよ!!?」
350: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/03/24(木) 17:07:16.36 ID:kWzSMBMe
果南「ちなみに今の流れを前回の! ラブライブサンシャイン!! って感じで説明すると」
花丸「マルたちAqoursは以前のPVとユニットライブなどのおかげで知名度も上がり」
花丸「なんと来月東京で行われる、今話題のスクールアイドル達が集まるライブ大会に参加者として招待されることになったずら!」
果南「そこで私たちは自分たちのライブをよりよくするために、夏休みの時間を使って合宿をすることに!!」
花丸「果たしてマルたちは無事に合宿を終えて成長することが出来るのか!? 波乱万丈の予感がするずら!」ハイ!
果南「海だけに!!」タッチ!
善子「何ここ! とうとう突っ込む人間が私しかいなくなったの!? みんな暑さでテンション変になってるでしょ! 少しは落ち着きなさいよ!」
花丸「マルたちAqoursは以前のPVとユニットライブなどのおかげで知名度も上がり」
花丸「なんと来月東京で行われる、今話題のスクールアイドル達が集まるライブ大会に参加者として招待されることになったずら!」
果南「そこで私たちは自分たちのライブをよりよくするために、夏休みの時間を使って合宿をすることに!!」
花丸「果たしてマルたちは無事に合宿を終えて成長することが出来るのか!? 波乱万丈の予感がするずら!」ハイ!
果南「海だけに!!」タッチ!
善子「何ここ! とうとう突っ込む人間が私しかいなくなったの!? みんな暑さでテンション変になってるでしょ! 少しは落ち着きなさいよ!」
351: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/03/24(木) 17:07:56.84 ID:kWzSMBMe
……それからしばらくして
ダイヤ「えーでは、気を取り直しまして合宿の説明を」
善子「ようやくまともになったわね……」
ルビィ「大変だったねぇ善子ちゃん」ハイ
善子「そう思うなら協力くらいしなさいよ…」アリガト
ダイヤ「今回の合宿は十日間にわたって行われます、その間の寝泊まりはあちらに施設がありますので、それを使用してください」
千歌「おー! おっきいねえ!」
352: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/03/24(木) 17:08:30.15 ID:kWzSMBMe
ダイヤ「今回は鞠莉さんではなく私たち黒澤家が提供させていただきました」
ダイヤ「基本的に自由に使って構いませんが、中にある貴重品だけは絶対に壊さないようにとのことです」
果南「え、何それこわい」
ダイヤ「常識でしょう、いったい何を恐れているんですか」
果南「だって黒澤家だし」
鞠莉「黒澤家だものね」
ダイヤ「とてつもない偏見を見た気がしますわ」
ダイヤ「基本的に自由に使って構いませんが、中にある貴重品だけは絶対に壊さないようにとのことです」
果南「え、何それこわい」
ダイヤ「常識でしょう、いったい何を恐れているんですか」
果南「だって黒澤家だし」
鞠莉「黒澤家だものね」
ダイヤ「とてつもない偏見を見た気がしますわ」
353: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/03/24(木) 17:08:59.95 ID:kWzSMBMe
ダイヤ「とにかく、今回の目的は基礎体力の向上と共同生活によるグループの団結力上昇」
ダイヤ「この二つが特に重要なのでゆめゆめ忘れないように」
鞠莉・曜「ユメを語る言葉より~ユメを語る歌に……」
ダイヤ「今真面目に話しているのでふざけないでもらえますか」
鞠莉・曜「すみません」
千歌「つまり! みんなで協力して今よりもっと絆を深めようってことだよね、ダイヤさん!」
ダイヤ「ええ、そういうことですわね」
果南・善子「おぉ、こっちのほうが分かりやすい」
ダイヤ「……」ジロッ
果南・善子「すみません」
ダイヤ「この二つが特に重要なのでゆめゆめ忘れないように」
鞠莉・曜「ユメを語る言葉より~ユメを語る歌に……」
ダイヤ「今真面目に話しているのでふざけないでもらえますか」
鞠莉・曜「すみません」
千歌「つまり! みんなで協力して今よりもっと絆を深めようってことだよね、ダイヤさん!」
ダイヤ「ええ、そういうことですわね」
果南・善子「おぉ、こっちのほうが分かりやすい」
ダイヤ「……」ジロッ
果南・善子「すみません」
354: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/03/24(木) 17:09:38.40 ID:kWzSMBMe
ダイヤ「はぁ……合宿の開始は明日からです、くれぐれも気を緩め過ぎないように。以上ですわ」
梨子「大変ね、ダイヤさんも……」
花丸「そうだね、けど、それでもやらずにはいられないんだよ」
ルビィ「そこがお姉ちゃんのいいところだもんね」
梨子「ふふっ、そういうの聞くと、ちょっと羨ましくなるわね」
ルビィ「え?」
梨子「ううん、なんでも」ニコッ
梨子「大変ね、ダイヤさんも……」
花丸「そうだね、けど、それでもやらずにはいられないんだよ」
ルビィ「そこがお姉ちゃんのいいところだもんね」
梨子「ふふっ、そういうの聞くと、ちょっと羨ましくなるわね」
ルビィ「え?」
梨子「ううん、なんでも」ニコッ
355: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/03/24(木) 17:10:23.83 ID:kWzSMBMe
─合宿一日目
果南「ワンツースリーフォー! そこ! 3のところでまたバランスズレてるよ!」
善子「ごめんなさい!」
ルビィ「もう一回お願いします!!」
果南「よし! じゃあ初めから通しでやるよ!」
356: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/03/24(木) 17:11:00.86 ID:kWzSMBMe
花丸・ダイヤ「はあっ……はあっ………」
曜「頑張れ二人とも! あと一周!」
梨子「あと、一周……ね…」
千歌「梨子ちゃん! 負けないでー!」
曜「あと二周! 梨子ちゃんなら出来るよ!!」
梨子「……っ…!」
鞠莉「花丸ーダイヤー梨子ー! ファイトー!!」
曜「頑張れ二人とも! あと一周!」
梨子「あと、一周……ね…」
千歌「梨子ちゃん! 負けないでー!」
曜「あと二周! 梨子ちゃんなら出来るよ!!」
梨子「……っ…!」
鞠莉「花丸ーダイヤー梨子ー! ファイトー!!」
357: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/03/24(木) 17:11:37.11 ID:kWzSMBMe
「「「疲れたー!!」」」
果南「みんなお疲れさま!」
ダイヤ「次も…はあっ……このメニューでいくのでしっかり休んでおくように」
千歌「なんでもいいけどお腹空いたよー!」
ルビィ「ルビィも……もうへとへと…」
善子「このあとに料理も自前なんて……」
花丸「生活って大変ずら……」
果南「みんなお疲れさま!」
ダイヤ「次も…はあっ……このメニューでいくのでしっかり休んでおくように」
千歌「なんでもいいけどお腹空いたよー!」
ルビィ「ルビィも……もうへとへと…」
善子「このあとに料理も自前なんて……」
花丸「生活って大変ずら……」
358: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/03/24(木) 17:12:08.79 ID:kWzSMBMe
─合宿六日目
鞠莉「はいはいみんな注目ー! 次のライブのお知らせよ!」
果南「ライブ?」
鞠莉「そ、合宿の最終日にその成果を披露するって体で」
鞠莉「街の人たちを呼んでここでライブをやるの!」
曜「嘘!? もう三日しかないじゃん!」
鞠莉「でも着実に力は付いてきてると思うわよ?」
359: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/03/24(木) 17:12:44.28 ID:kWzSMBMe
ダイヤ「それにこの件については前々から話を進めていたことです」
千歌「ラブライブの本選に進むためにも必要なことだからね!」
曜「あれ、千歌ちゃんなんか…」
梨子「ちゃんとリーダーらしくなってる…」
千歌「失礼な! 私だってちゃんと頑張ってるんだよ!」
ダイヤ「ええ、千歌さんはしっかりと成長していっていますわよ」
千歌「えへへ、そうでしょー! ……じゃなかった!」
千歌「とにかく! ライブで使うのは次の予選用に作った曲だから」
千歌「残りの日は練習+楽曲のチェックでもっと忙しくなるのでそこのところよろしく!」
「「おー!」」
千歌「ラブライブの本選に進むためにも必要なことだからね!」
曜「あれ、千歌ちゃんなんか…」
梨子「ちゃんとリーダーらしくなってる…」
千歌「失礼な! 私だってちゃんと頑張ってるんだよ!」
ダイヤ「ええ、千歌さんはしっかりと成長していっていますわよ」
千歌「えへへ、そうでしょー! ……じゃなかった!」
千歌「とにかく! ライブで使うのは次の予選用に作った曲だから」
千歌「残りの日は練習+楽曲のチェックでもっと忙しくなるのでそこのところよろしく!」
「「おー!」」
360: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/03/24(木) 17:13:31.99 ID:kWzSMBMe
果南「ライブかあ、楽しみだねルビィちゃん」
ルビィ「そうですね、頑張らなくっちゃ」
鞠莉「あ、ちなみにこのライブには保護者も呼んでいるから」
梨子「えぇーっ!!? 冗談よね!?」
善子「うわビックリした、急に驚かさないでよ」
千歌「冗談じゃないよ、うん」
梨子「あの、ということは…もしかして……」
鞠莉「もちろん、梨子のお母さんにも声を掛けてるわよ」
ダイヤ「とても楽しみにしておられましたわ」
ルビィ「そうですね、頑張らなくっちゃ」
鞠莉「あ、ちなみにこのライブには保護者も呼んでいるから」
梨子「えぇーっ!!? 冗談よね!?」
善子「うわビックリした、急に驚かさないでよ」
千歌「冗談じゃないよ、うん」
梨子「あの、ということは…もしかして……」
鞠莉「もちろん、梨子のお母さんにも声を掛けてるわよ」
ダイヤ「とても楽しみにしておられましたわ」
361: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/03/24(木) 17:14:04.08 ID:kWzSMBMe
梨子「あぁ…やっぱりそうなるよね…」
善子「貴女まだ耐性ついてなかったの」
曜「いや多分梨子ちゃんのことだから、映像と生で見られるのは違うとかそういうのじゃない?」
梨子「…曜ちゃん」
千歌「正解っぽいね」
曜「待って! 悪気はないんだって! それに梨子ちゃんライブだとすごい可愛いから全然大丈夫だって!」ガシッ
梨子「……え?」
曜「えっ? なに、何か変なこと言った私?」
善子「貴女まだ耐性ついてなかったの」
曜「いや多分梨子ちゃんのことだから、映像と生で見られるのは違うとかそういうのじゃない?」
梨子「…曜ちゃん」
千歌「正解っぽいね」
曜「待って! 悪気はないんだって! それに梨子ちゃんライブだとすごい可愛いから全然大丈夫だって!」ガシッ
梨子「……え?」
曜「えっ? なに、何か変なこと言った私?」
362: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/03/24(木) 17:14:35.94 ID:kWzSMBMe
果南「出たよ無自覚たらし台詞が」
鞠莉「人のこと言えないでしょ」
千歌「曜ちゃんそういうところあるからねー」
花丸「ん? 今の曜さんおかしなこと言ってた?」
ダイヤ「まあ、花丸さんはそう反応するでしょうね…」
鞠莉「花丸、あれはつまるところloveなのよ」
花丸「あー成程ずら」
曜「ラブ? …………!! ちっがうって! 私はそのほら! 応援として!」
鞠莉「人のこと言えないでしょ」
千歌「曜ちゃんそういうところあるからねー」
花丸「ん? 今の曜さんおかしなこと言ってた?」
ダイヤ「まあ、花丸さんはそう反応するでしょうね…」
鞠莉「花丸、あれはつまるところloveなのよ」
花丸「あー成程ずら」
曜「ラブ? …………!! ちっがうって! 私はそのほら! 応援として!」
363: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/03/24(木) 17:15:16.62 ID:kWzSMBMe
梨子「大丈夫よ曜ちゃん、ちゃんと分かってるから」
曜「えっ」
梨子「みんなもこれ以上曜ちゃんをからかわないの」
「はーい」
梨子「はい、これでよし」
曜(あれ、なんだろう…)
ルビィ「梨子さんって曜さんに甘いよね」
千歌「すごい分かる、えこひいきだよーえこひいきー」
梨子「そこ聞こえてるわよ」
曜「えっ」
梨子「みんなもこれ以上曜ちゃんをからかわないの」
「はーい」
梨子「はい、これでよし」
曜(あれ、なんだろう…)
ルビィ「梨子さんって曜さんに甘いよね」
千歌「すごい分かる、えこひいきだよーえこひいきー」
梨子「そこ聞こえてるわよ」
364: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/03/24(木) 17:15:47.89 ID:kWzSMBMe
曜(なんか…そんなすんなり理解されるのも、ちょっと複雑なような…)
梨子「全く、いきましょ曜ちゃん」
曜「う、うん行こっか」
善子「…………」
善子「曜」
曜「ん、なーに善子ちゃん?」
善子「まあ、その……頑張んなさいよ、大変でしょうけど」ポン
曜「だから…っ…そういうのじゃないんだってば!」
スタスタスタ……
善子「さて、どうだかねえ……今の貴女、前の私にそっくりよ」
梨子「全く、いきましょ曜ちゃん」
曜「う、うん行こっか」
善子「…………」
善子「曜」
曜「ん、なーに善子ちゃん?」
善子「まあ、その……頑張んなさいよ、大変でしょうけど」ポン
曜「だから…っ…そういうのじゃないんだってば!」
スタスタスタ……
善子「さて、どうだかねえ……今の貴女、前の私にそっくりよ」
365: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/03/24(木) 17:16:22.52 ID:kWzSMBMe
─そして、合宿最終日
千歌「ありがとうございました!!」
「ありがとうございました!!」
ワー! スゴーイ!! イイゾー!
パチパチパチパチ
千歌「ははっ! やったねみんな! 大成功だよ!」
366: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/03/24(木) 17:16:54.83 ID:kWzSMBMe
ダイヤ「ええ、全員が素晴らしいパフォーマンスを見せていたと私も思います」
鞠莉「これなら来月の大会やラブライブ予選も問題ないわね!」
ダイヤ「まだ気は抜けませんが、確かに今の私たちなら決して不可能ではありませんわね」
千歌「よぉーし! このまま一気に進むぞー!」
ダイヤ「千歌さん、勢いも大事ですけど」
千歌「分かってる分かってる! まずは休息だよね!」
千歌「みんな今回の合宿お疲れさま! このまま帰るのもよし、遊ぶのもよし」
千歌「頑張った分だけ思いっきり羽目を外しちゃってください! 以上解散!」
ダイヤ「少しメリハリが効きすぎてる気もしますが…構いませんわよね」クス
鞠莉「これなら来月の大会やラブライブ予選も問題ないわね!」
ダイヤ「まだ気は抜けませんが、確かに今の私たちなら決して不可能ではありませんわね」
千歌「よぉーし! このまま一気に進むぞー!」
ダイヤ「千歌さん、勢いも大事ですけど」
千歌「分かってる分かってる! まずは休息だよね!」
千歌「みんな今回の合宿お疲れさま! このまま帰るのもよし、遊ぶのもよし」
千歌「頑張った分だけ思いっきり羽目を外しちゃってください! 以上解散!」
ダイヤ「少しメリハリが効きすぎてる気もしますが…構いませんわよね」クス
367: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/03/24(木) 17:17:25.33 ID:kWzSMBMe
果南「さてと、全部終わったことだし私は久々に家でゆっくり過ごそうかな」
花丸「マルも寄るところがあるから先に行くね」
花丸・果南「お疲れさま~」スタスタ
曜「はいお疲れー、よしそれじゃあ私も…」
梨子「待って曜ちゃん」
花丸「マルも寄るところがあるから先に行くね」
花丸・果南「お疲れさま~」スタスタ
曜「はいお疲れー、よしそれじゃあ私も…」
梨子「待って曜ちゃん」
368: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/03/24(木) 17:18:05.07 ID:kWzSMBMe
曜「ほぇ?」
梨子「ちょっと私に付き合ってもらえないかな、せっかくの機会だから」
曜「……私でいいの?」
梨子「曜ちゃんじゃなきゃ駄目なの」
曜「…そういうことなら、お供しますけども」
梨子「決まりね、行きましょうか。二人ともまたね」ヒラヒラ
曜(私じゃなくちゃってどういう意味だろ)スタスタ
梨子「ちょっと私に付き合ってもらえないかな、せっかくの機会だから」
曜「……私でいいの?」
梨子「曜ちゃんじゃなきゃ駄目なの」
曜「…そういうことなら、お供しますけども」
梨子「決まりね、行きましょうか。二人ともまたね」ヒラヒラ
曜(私じゃなくちゃってどういう意味だろ)スタスタ
369: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/03/24(木) 17:18:33.57 ID:kWzSMBMe
善子・ルビィ「さよならー」フリフリ
善子「……さて、どうしましょうか」
ルビィ「どうしようねぇ」
善子「なんかいざ解放されると、何やっていいのか分からない感じあるわよね」
ルビィ「だねぇ」
「……」
ルビィ「うーーん、本当にどうしよっか」
善子「とりあえずさ、一緒に歩かない?」
善子「何するかなんて歩きながらでも考えられるでしょ」
善子「……さて、どうしましょうか」
ルビィ「どうしようねぇ」
善子「なんかいざ解放されると、何やっていいのか分からない感じあるわよね」
ルビィ「だねぇ」
「……」
ルビィ「うーーん、本当にどうしよっか」
善子「とりあえずさ、一緒に歩かない?」
善子「何するかなんて歩きながらでも考えられるでしょ」
370: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/03/24(木) 17:19:07.12 ID:kWzSMBMe
ルビィ「そうだね」
善子「それに、その」
ルビィ「?」
善子「一人は…嫌だし」ギュッ
ルビィ「……えへへっそうだね!」
ルビィ「ルビィも善子ちゃんと一緒がいいな」ニコッ
善子「っ……ほら、それなら私たちもさっさと行くわよ」
ルビィ「照れてる善子ちゃんかわいい~」
善子「誰も照れていないっての」
善子「それに、その」
ルビィ「?」
善子「一人は…嫌だし」ギュッ
ルビィ「……えへへっそうだね!」
ルビィ「ルビィも善子ちゃんと一緒がいいな」ニコッ
善子「っ……ほら、それなら私たちもさっさと行くわよ」
ルビィ「照れてる善子ちゃんかわいい~」
善子「誰も照れていないっての」
371: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/03/24(木) 17:19:42.98 ID:kWzSMBMe
梨子母「……」
千歌「あれ、どうかしました?」
梨子母「ううん、何でもないわよ」
梨子母「それより今日は本当にお疲れさま、私ああいうの見るの初めてだったから凄くドキドキしたわ」
梨子母「千歌ちゃん、とっても可愛かったわよ」
千歌「あ、あはは…いやーそれほどでも」
千歌「あれ、どうかしました?」
梨子母「ううん、何でもないわよ」
梨子母「それより今日は本当にお疲れさま、私ああいうの見るの初めてだったから凄くドキドキしたわ」
梨子母「千歌ちゃん、とっても可愛かったわよ」
千歌「あ、あはは…いやーそれほどでも」
372: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/03/24(木) 17:20:13.04 ID:kWzSMBMe
梨子母「お世辞じゃないわよ、みんな一生懸命で……それに」
梨子母「分かったこともあるから」
梨子母「……ねえ千歌ちゃん」
千歌「はい?」
梨子母「…………いいえ、なんでもないわごめんなさい」
梨子母「梨子のこと、これからもよろしくね」
梨子母「分かったこともあるから」
梨子母「……ねえ千歌ちゃん」
千歌「はい?」
梨子母「…………いいえ、なんでもないわごめんなさい」
梨子母「梨子のこと、これからもよろしくね」
373: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/03/24(木) 17:21:25.20 ID:kWzSMBMe
千歌「それはもちろん!」
梨子母「フフッありがとう……じゃあ私、そろそろ行くわね」
千歌「はいっ! 今日は来てくれてありがとうございました!!」ペコリ
梨子母「…………ごめんね、それでも……どうしても」
梨子母「気のせいなら、それが一番いいのにね……」
梨子母「フフッありがとう……じゃあ私、そろそろ行くわね」
千歌「はいっ! 今日は来てくれてありがとうございました!!」ペコリ
梨子母「…………ごめんね、それでも……どうしても」
梨子母「気のせいなら、それが一番いいのにね……」
374: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/03/24(木) 17:21:59.88 ID:kWzSMBMe
本日はここまでです
378: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/03/25(金) 18:52:51.48 ID:Lk6+o4sh
─
ルビィ「善子ちゃんとデート♪ 善子ちゃんとデート!」
善子「あんまり大きな声で言わないでよ、恥ずかしいでしょ」
ルビィ「楽しいねぇ善子ちゃん」
善子「聞きなさいよ、まあ否定はしないけど」
ルビィ「次はどこに行こっか?」
善子「そうねえ、そろそろいい時間だしこのまま私の家まで……ってあれ?」
ルビィ「どうしたの善子ちゃん」
379: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/03/25(金) 18:53:24.32 ID:Lk6+o4sh
善子「ほら、あの先にいる人」
ルビィ「えっと確か梨子さんのお母さんだよね、こんばんはー」
梨子母「こんばんは」
善子「本日は私たちのライブにお越しいただきありがとうございます」ペコリ
梨子母「いいのよそんなに畏まらなくても」
ルビィ「善子ちゃんは真面目ですから」
善子「あのねえ……でも偶然ですね、こんなところで会うなんて」
ルビィ「梨子さんを探してたんですか? それならちょっと前に曜さんと…」
梨子母「いいえ、違うわよ」
梨子母「あなたを待ってたの」
ルビィ「……ルビィを? どうしてですか?」
ルビィ「えっと確か梨子さんのお母さんだよね、こんばんはー」
梨子母「こんばんは」
善子「本日は私たちのライブにお越しいただきありがとうございます」ペコリ
梨子母「いいのよそんなに畏まらなくても」
ルビィ「善子ちゃんは真面目ですから」
善子「あのねえ……でも偶然ですね、こんなところで会うなんて」
ルビィ「梨子さんを探してたんですか? それならちょっと前に曜さんと…」
梨子母「いいえ、違うわよ」
梨子母「あなたを待ってたの」
ルビィ「……ルビィを? どうしてですか?」
380: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/03/25(金) 18:53:52.20 ID:Lk6+o4sh
善子「ほらアレじゃないの、貴女梨子さんと仲がいいから」
善子「きっとその話を聞いて挨拶しに来てくれたのよ」
ルビィ「あっ成程、わざわざ待ってもらってありがとうございます」
ルビィ「梨子さんは綺麗で優しくて、ルビィにとってもお姉さんみたいな存在で」
梨子母「…っ……違うのよ」
ルビィ「違う?」
梨子母「そうだけど、そうじゃないのよ…」
善子「あの、話がよく分からないんですけど」
善子「ならどんな理由でルビィを待っていたんですか?」
善子「きっとその話を聞いて挨拶しに来てくれたのよ」
ルビィ「あっ成程、わざわざ待ってもらってありがとうございます」
ルビィ「梨子さんは綺麗で優しくて、ルビィにとってもお姉さんみたいな存在で」
梨子母「…っ……違うのよ」
ルビィ「違う?」
梨子母「そうだけど、そうじゃないのよ…」
善子「あの、話がよく分からないんですけど」
善子「ならどんな理由でルビィを待っていたんですか?」
381: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/03/25(金) 18:54:47.82 ID:Lk6+o4sh
梨子母「それは……娘だから」
善子「はい?」
梨子母「あなたが私の実の娘だからよ、ルビィちゃん」
梨子母「いいえ、あかね」
ルビィ「…………え?」
梨子母「貴女の本当の名前はね、黒澤ルビィじゃないの」
梨子母「桜内茜なのよ」
善子「はい?」
梨子母「あなたが私の実の娘だからよ、ルビィちゃん」
梨子母「いいえ、あかね」
ルビィ「…………え?」
梨子母「貴女の本当の名前はね、黒澤ルビィじゃないの」
梨子母「桜内茜なのよ」
382: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/03/25(金) 18:55:29.38 ID:Lk6+o4sh
梨子「ごめんね曜ちゃん、買い物に付き合ってもらっちゃって」
曜「気にしないでよ、全然大丈夫だから」
梨子「私いざ新しい服を買うってなると結構迷っちゃって」
梨子「でも曜ちゃんが一緒なら見る目もあるし、すぐ選べるかなって」
曜「あはは、お褒めに与り光栄であります」
曜(私じゃなきゃ駄目ってそういう意味ね……)ハァ
梨子「……やっぱり嫌だった?」
曜「ち、違う違う! 嫌じゃないよ本当に! 寧ろ嬉しかったというか!」
曜「気にしないでよ、全然大丈夫だから」
梨子「私いざ新しい服を買うってなると結構迷っちゃって」
梨子「でも曜ちゃんが一緒なら見る目もあるし、すぐ選べるかなって」
曜「あはは、お褒めに与り光栄であります」
曜(私じゃなきゃ駄目ってそういう意味ね……)ハァ
梨子「……やっぱり嫌だった?」
曜「ち、違う違う! 嫌じゃないよ本当に! 寧ろ嬉しかったというか!」
383: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/03/25(金) 18:56:08.65 ID:Lk6+o4sh
梨子「そう? ならよかった」ニコッ
曜「……かわいい」ポツリ
梨子「え? なに?」
曜「何でもないなんでも! それよりちょっと暗くなってきたねーなんて」
梨子「フフッ、変な曜ちゃん。でも確かにもう日も見えなくなってきてるね」
梨子「やっぱりお店に長居しすぎたかな?」
曜「……かわいい」ポツリ
梨子「え? なに?」
曜「何でもないなんでも! それよりちょっと暗くなってきたねーなんて」
梨子「フフッ、変な曜ちゃん。でも確かにもう日も見えなくなってきてるね」
梨子「やっぱりお店に長居しすぎたかな?」
384: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/03/25(金) 18:56:45.58 ID:Lk6+o4sh
曜「かもねー、送ってあげようか?」
梨子「一人で大丈夫って言いたいところだけど、折角だしお言葉に甘えちゃおうかな」
梨子「もっと曜ちゃんと話していたいし」
曜「…っ…いやーそう言われると嬉しいねー」
曜(絶対私なんかよりこっちのほうが無自覚たらしだ)
梨子「一人で大丈夫って言いたいところだけど、折角だしお言葉に甘えちゃおうかな」
梨子「もっと曜ちゃんと話していたいし」
曜「…っ…いやーそう言われると嬉しいねー」
曜(絶対私なんかよりこっちのほうが無自覚たらしだ)
385: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/03/25(金) 18:57:27.22 ID:Lk6+o4sh
曜「よし、それじゃあもう少しこのまま……ん? ねえねえ梨子ちゃん」
梨子「なに?」
曜「あそこにいるのって梨子ちゃんのお母さんじゃない?」
梨子「本当だ、もう帰ってたと思ったのにどうしたんだろう」
曜「一緒にいるのは……善子ちゃんと、ルビィちゃんだね」
曜「なんか話してるみたいだけど」
梨子「なに?」
曜「あそこにいるのって梨子ちゃんのお母さんじゃない?」
梨子「本当だ、もう帰ってたと思ったのにどうしたんだろう」
曜「一緒にいるのは……善子ちゃんと、ルビィちゃんだね」
曜「なんか話してるみたいだけど」
386: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/03/25(金) 18:58:00.26 ID:Lk6+o4sh
梨子「…………ねえ曜ちゃん、何か様子がおかしく見えない? 私の気のせいかな」
曜「……いや、私にもそう見える。あんまり楽しくはなさそうだね」
梨子「もしかしたら揉め事になるんじゃ……」
曜「まさか、いくらなんでもそこまでになることはないでしょ」
梨子「とにかく一回落ち着かせないと」タッ
曜「あっ、ちょっと梨子ちゃん!」
曜「……いや、私にもそう見える。あんまり楽しくはなさそうだね」
梨子「もしかしたら揉め事になるんじゃ……」
曜「まさか、いくらなんでもそこまでになることはないでしょ」
梨子「とにかく一回落ち着かせないと」タッ
曜「あっ、ちょっと梨子ちゃん!」
387: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/03/25(金) 18:58:47.07 ID:Lk6+o4sh
善子「……ルビィが桜内茜っていきなり何言ってるんですか、大丈夫ですか」
ルビィ「…………」ギュゥ
梨子母「……」
善子「……」
善子「あのですね、貴女が何を思っているのかは知りませんけど」
善子「あまりそういった冗談は言わないでもらえますか、彼女が気分を悪くするので」
梨子母「冗談なんかじゃないわ、本気よ」
善子「冗談じゃなくても嫌がってるんです、やめてください」
ルビィ「…………」ギュゥ
梨子母「……」
善子「……」
善子「あのですね、貴女が何を思っているのかは知りませんけど」
善子「あまりそういった冗談は言わないでもらえますか、彼女が気分を悪くするので」
梨子母「冗談なんかじゃないわ、本気よ」
善子「冗談じゃなくても嫌がってるんです、やめてください」
388: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/03/25(金) 18:59:39.15 ID:Lk6+o4sh
梨子母「昔、私たちは四人家族で暮らしていたの」
善子「ちょっと…」
梨子母「母親の私と夫と、長女の梨子と次女の茜…この四人でね」
善子「やめてって言ってるでしょ、それに…だったら何だって言うんですか」
梨子母「梨子と茜は一歳違いでね、誕生日も近かったの」
梨子母「梨子が9月の19日生まれ、そして茜は21日生まれ。なんなら母子手帳でも見せましょうか」
善子・ルビィ「!」
梨子母「ルビィちゃん、貴女の誕生日はいつだったかしら?」
善子「ちょっと…」
梨子母「母親の私と夫と、長女の梨子と次女の茜…この四人でね」
善子「やめてって言ってるでしょ、それに…だったら何だって言うんですか」
梨子母「梨子と茜は一歳違いでね、誕生日も近かったの」
梨子母「梨子が9月の19日生まれ、そして茜は21日生まれ。なんなら母子手帳でも見せましょうか」
善子・ルビィ「!」
梨子母「ルビィちゃん、貴女の誕生日はいつだったかしら?」
389: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/03/25(金) 19:00:12.53 ID:Lk6+o4sh
ルビィ「9月……21日です」
梨子母「そうよね、プロフィールにもそう書いてあったものね」
善子「…それだけで同一人物? 偶然の可能性だってあるでしょう」
善子「その年の9月21日生まれの女の子なんて、それこそいくらだっている」
梨子母「確かに善子ちゃんの意見も一理あるわね」
梨子母「私の中ではこの時点でほとんど決まっていたんだけど、それでも信じられないって言うなら」
梨子母「もう一つ、決定的な証拠を出しましょう」
梨子母「そうよね、プロフィールにもそう書いてあったものね」
善子「…それだけで同一人物? 偶然の可能性だってあるでしょう」
善子「その年の9月21日生まれの女の子なんて、それこそいくらだっている」
梨子母「確かに善子ちゃんの意見も一理あるわね」
梨子母「私の中ではこの時点でほとんど決まっていたんだけど、それでも信じられないって言うなら」
梨子母「もう一つ、決定的な証拠を出しましょう」
390: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/03/25(金) 19:00:52.05 ID:Lk6+o4sh
善子「……」
梨子母「ルビィちゃんの存在を知った後、梨子に話を聞いたのよ」
梨子母「あの子がルビィちゃんについて知っていることをいろいろとね」
梨子母「そうしたら貴女、幼い頃は東京に住んでいたっていうじゃない」
ルビィ「……それは」
梨子母「その後、事情があって内浦に引っ越してきたって梨子はそう聞かされたらしいんだけど、これって本当のことでいいのよね?」
ルビィ「…はい」
梨子母「そう、ならもう一つ質問いいかしら」
梨子母「ルビィちゃんの存在を知った後、梨子に話を聞いたのよ」
梨子母「あの子がルビィちゃんについて知っていることをいろいろとね」
梨子母「そうしたら貴女、幼い頃は東京に住んでいたっていうじゃない」
ルビィ「……それは」
梨子母「その後、事情があって内浦に引っ越してきたって梨子はそう聞かされたらしいんだけど、これって本当のことでいいのよね?」
ルビィ「…はい」
梨子母「そう、ならもう一つ質問いいかしら」
391: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/03/25(金) 19:01:45.46 ID:Lk6+o4sh
ルビィ「…何ですか」
梨子母「貴女が幼い頃に送っていた東京での生活に母親はいなかった」
ルビィ「っ!?」
梨子母「東京では父親と二人だけで暮らしていた。違う?」
善子「どうしてそこまで知って……!」
梨子母「直接聞いたわけじゃないわ、ただ貴女が桜内茜ならそういう家庭に絶対なってるだろうと思ったのよ」
善子「そ、そんなの証拠じゃないでしょ! ただの憶測だ!」
梨子母「でもあなた達のおかげで今はっきりとした証拠になったわよね」
梨子母「貴女が幼い頃に送っていた東京での生活に母親はいなかった」
ルビィ「っ!?」
梨子母「東京では父親と二人だけで暮らしていた。違う?」
善子「どうしてそこまで知って……!」
梨子母「直接聞いたわけじゃないわ、ただ貴女が桜内茜ならそういう家庭に絶対なってるだろうと思ったのよ」
善子「そ、そんなの証拠じゃないでしょ! ただの憶測だ!」
梨子母「でもあなた達のおかげで今はっきりとした証拠になったわよね」
392: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/03/25(金) 19:02:25.86 ID:Lk6+o4sh
梨子母「あの子たちがまだ小さい頃私たちは別れて」
梨子母「梨子は私、茜はあの人が引き取る形になった」
梨子母「この事情があったとすれば、さっきの私がそう思っていてもおかしくはないでしょう?」
善子「だからって!」
梨子母「生まれた年と日付と出身地と、育った環境まで一致してるのに」
梨子母「顔だってそっくりなのに、それでも違う人間だって言い切れるの?」
梨子母「梨子は私、茜はあの人が引き取る形になった」
梨子母「この事情があったとすれば、さっきの私がそう思っていてもおかしくはないでしょう?」
善子「だからって!」
梨子母「生まれた年と日付と出身地と、育った環境まで一致してるのに」
梨子母「顔だってそっくりなのに、それでも違う人間だって言い切れるの?」
393: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/03/25(金) 19:03:05.22 ID:Lk6+o4sh
善子「顔がそっくりでも別人の可能性だってないわけじゃない! 貴女の思い違いかもしれないでしょ!」
梨子母「っ!!」
善子「現にそういったケースはあるのよ!! 大体ね証拠が何だの言うけど今更そんなこと聞かされてもはいそうですかなんてこの子が言えるわけ……」
梨子母「親が自分の娘の顔を見間違えるわけがないでしょうっ!!!」
善子「!」
梨子母「もう死んだんじゃないかと思っていたのよ!!」ポロポロ
ルビィ「……っ…!」
梨子母「っ!!」
善子「現にそういったケースはあるのよ!! 大体ね証拠が何だの言うけど今更そんなこと聞かされてもはいそうですかなんてこの子が言えるわけ……」
梨子母「親が自分の娘の顔を見間違えるわけがないでしょうっ!!!」
善子「!」
梨子母「もう死んだんじゃないかと思っていたのよ!!」ポロポロ
ルビィ「……っ…!」
394: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/03/25(金) 19:03:48.01 ID:Lk6+o4sh
梨子母「別れた後、お金は入ってきてたけど連絡は日に日に途絶えていって!!」
梨子母「最後にあったのは彼が行方不明になったっていう報告だけだった!!」
梨子母「彼の親戚に聞いて回っても誰もあの子のことは知らなくて!! あんな小さい子一人だけで生きていけるわけがないのに!!」
梨子母「私が必死にしがみついて二人とも育てればよかったって何回自分を恨んだか!」
梨子母「どれほどもう一度会いたいと思っていたか!その気持ちが貴女に分かるっていうの!!?」
善子「……違うっ…私は、ただ……」
梨子母「最後にあったのは彼が行方不明になったっていう報告だけだった!!」
梨子母「彼の親戚に聞いて回っても誰もあの子のことは知らなくて!! あんな小さい子一人だけで生きていけるわけがないのに!!」
梨子母「私が必死にしがみついて二人とも育てればよかったって何回自分を恨んだか!」
梨子母「どれほどもう一度会いたいと思っていたか!その気持ちが貴女に分かるっていうの!!?」
善子「……違うっ…私は、ただ……」
395: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/03/25(金) 19:04:27.08 ID:Lk6+o4sh
梨子母「そんなに別人だって言うなら確かめてみればいいわ!写真だって持ってきてる!!」
善子「っ!!」
梨子母「貴女とルビィちゃんは特別親しい間柄だっていうわね、それなら分かるんじゃないの!!」
梨子母「ここに写っている子が貴女の傍にいるその子と本当に違うのかどうか!!分かるはずよ!」
善子「……っ…ルビィごめん」
善子「これ見たら……もう、何も言えない」
ルビィ「善子ちゃん………!……ぃたっ……!!」
善子「っ!!」
梨子母「貴女とルビィちゃんは特別親しい間柄だっていうわね、それなら分かるんじゃないの!!」
梨子母「ここに写っている子が貴女の傍にいるその子と本当に違うのかどうか!!分かるはずよ!」
善子「……っ…ルビィごめん」
善子「これ見たら……もう、何も言えない」
ルビィ「善子ちゃん………!……ぃたっ……!!」
396: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/03/25(金) 19:05:04.76 ID:Lk6+o4sh
──お母さんやお父さんは?
お父、さん…?
お父さんは、どこかにいっちゃったよ。 お母さんも、いないの
……そう。 それじゃああなた、名前は?
名前…? 私の、名前は──あかね。
あかねっていうの。
ルビィ「──!!」
お父、さん…?
お父さんは、どこかにいっちゃったよ。 お母さんも、いないの
……そう。 それじゃああなた、名前は?
名前…? 私の、名前は──あかね。
あかねっていうの。
ルビィ「──!!」
397: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/03/25(金) 19:05:43.05 ID:Lk6+o4sh
ルビィ「今のって……それじゃあ…」
ルビィ「ルビィは本当に……」
梨子母「はあっ……はぁっ……! これで分かったでしょ」
梨子母「彼女は桜内茜、その子の本当のお姉ちゃんは梨子なのよ」
「何よそれ……」
ルビィ「ルビィは本当に……」
梨子母「はあっ……はぁっ……! これで分かったでしょ」
梨子母「彼女は桜内茜、その子の本当のお姉ちゃんは梨子なのよ」
「何よそれ……」
398: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/03/25(金) 19:06:21.42 ID:Lk6+o4sh
ルビィ・善子「えっ…」
梨子「お母さんさっきから何言ってるの……ねえ」
梨子「ルビィちゃんが私の妹って……嘘だよね?」
梨子母「梨子……あなたいつから」
梨子「ちゃんと答えてよ!!」
梨子「子供は私一人だけのはずでしょ!!お母さんもそう言ってたじゃない!!」
梨子「だからずっとそう思ってたのに…っ!!なのに!!」
梨子「なんなのその写真!なんで私とルビィちゃんが一緒に写ってるの!!?そんなもの私は知らないわよ!!」
梨子「ちゃんと全部説明してよっ!!」
梨子「お母さんさっきから何言ってるの……ねえ」
梨子「ルビィちゃんが私の妹って……嘘だよね?」
梨子母「梨子……あなたいつから」
梨子「ちゃんと答えてよ!!」
梨子「子供は私一人だけのはずでしょ!!お母さんもそう言ってたじゃない!!」
梨子「だからずっとそう思ってたのに…っ!!なのに!!」
梨子「なんなのその写真!なんで私とルビィちゃんが一緒に写ってるの!!?そんなもの私は知らないわよ!!」
梨子「ちゃんと全部説明してよっ!!」
399: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/03/25(金) 19:07:05.03 ID:Lk6+o4sh
梨子母「それはっ……」
梨子「……うっ…! いった……頭が……!!」ガクッ
曜「梨子ちゃん!!?」
梨子「……なんでよ……」
梨子「……ぅそだって……言ってよ……」
梨子「……ルビィちゃん」
ルビィ「梨子さん…」
梨子「……うっ…! いった……頭が……!!」ガクッ
曜「梨子ちゃん!!?」
梨子「……なんでよ……」
梨子「……ぅそだって……言ってよ……」
梨子「……ルビィちゃん」
ルビィ「梨子さん…」
400: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/03/25(金) 19:07:54.24 ID:Lk6+o4sh
梨子「……っ…もういいわ」スクッ
曜「り、梨子ちゃん…?」
梨子「帰ってお母さん、ここから出てって早く」
梨子「それで家に帰ったら私に隠してきたこと全部言って」
梨子母「……分かったわ、ごめんなさい。あなた達も」
梨子「みんなごめんね、もう…行くから」
善子「…ちょっと、待ってよ……これだけやっておいて…」
梨子母「本当に……ごめんなさい…」
もう死んだんじゃないかと思っていたのよ!!
善子「……っ…」
曜「り、梨子ちゃん…?」
梨子「帰ってお母さん、ここから出てって早く」
梨子「それで家に帰ったら私に隠してきたこと全部言って」
梨子母「……分かったわ、ごめんなさい。あなた達も」
梨子「みんなごめんね、もう…行くから」
善子「…ちょっと、待ってよ……これだけやっておいて…」
梨子母「本当に……ごめんなさい…」
もう死んだんじゃないかと思っていたのよ!!
善子「……っ…」
401: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/03/25(金) 19:08:33.62 ID:Lk6+o4sh
梨子「曜ちゃんも今日は本当にごめんね……あと、ありがと…」
曜「梨子ちゃん……」
梨子「さよなら」
スタスタ
ルビィ「……ルビィも帰らなくちゃ」
善子「なら私がっ」
ルビィ「……!!」ダッ
善子「ルビィ! 待って!!」
善子「……何よそれ…なんなのよ」
曜「梨子ちゃん……」
梨子「さよなら」
スタスタ
ルビィ「……ルビィも帰らなくちゃ」
善子「なら私がっ」
ルビィ「……!!」ダッ
善子「ルビィ! 待って!!」
善子「……何よそれ…なんなのよ」
402: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/03/25(金) 19:09:04.30 ID:Lk6+o4sh
善子「だってさっきまで……全然そんなことなかったじゃない…」
曜「善子ちゃん……」
善子「なんで、こんな…嘘よ」
曜「嘘じゃ、ないの?」
善子「……」
曜「……ねえ……さっきの話、本当なの…?」
善子「そんなの……こっちが聞きたいわよ…」
曜「そう…だよね……」
曜「…ごめん」
曜「善子ちゃん……」
善子「なんで、こんな…嘘よ」
曜「嘘じゃ、ないの?」
善子「……」
曜「……ねえ……さっきの話、本当なの…?」
善子「そんなの……こっちが聞きたいわよ…」
曜「そう…だよね……」
曜「…ごめん」
403: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/03/25(金) 19:09:42.19 ID:Lk6+o4sh
─
コンコン
ダイヤ「はいどうぞ」
ガチャ
ルビィ「……」
ダイヤ「ルビィ? 今日は善子さんの家へ泊るはずだったのでは……」
ルビィ「……」ガバッ
ダイヤ「ちょっと……どうしたの」
ルビィ「……ぅ……ひっく……」
ダイヤ「……分かりました、貴女の気が済むまで待つから」ポンポン
ダイヤ「ゆっくり話しましょう」
404: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/03/25(金) 19:10:15.65 ID:Lk6+o4sh
花丸「どうしたんだろうルビィちゃん…」
ブーッ ブーッ
花丸「はいもしもし、善子ちゃん? 今どこって…お参り終わって、ダイヤさんのところにお邪魔してるけど」
花丸「今ルビィちゃんが帰ってきたところで……え?」
花丸「……」
花丸「……わかった。じゃあ今からそっちに行くね」
ブーッ ブーッ
花丸「はいもしもし、善子ちゃん? 今どこって…お参り終わって、ダイヤさんのところにお邪魔してるけど」
花丸「今ルビィちゃんが帰ってきたところで……え?」
花丸「……」
花丸「……わかった。じゃあ今からそっちに行くね」
405: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/03/25(金) 19:10:55.99 ID:Lk6+o4sh
花丸「こんばんは」
善子「いらっしゃい、よく来たわね」
花丸「顔、洗ったら? 目真っ赤だよ」
善子「このままでいい」
花丸「…お菓子買ってきたんだけど、あとで食べる?」
善子「……いただくわ、あとで」
花丸「そっか」
善子「いらっしゃい、よく来たわね」
花丸「顔、洗ったら? 目真っ赤だよ」
善子「このままでいい」
花丸「…お菓子買ってきたんだけど、あとで食べる?」
善子「……いただくわ、あとで」
花丸「そっか」
406: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/03/25(金) 19:11:40.17 ID:Lk6+o4sh
善子「……はぁーーっ……んっっとに…」ドサッ
花丸「いつでもいいよ、話すのは」
善子「ごめん」
花丸「気にすることないずら」
善子「………あのさ」
花丸「うん」
善子「……ルビィ…さ……妹、だったんだって」
善子「……梨子さんの」
花丸「!」
花丸「いつでもいいよ、話すのは」
善子「ごめん」
花丸「気にすることないずら」
善子「………あのさ」
花丸「うん」
善子「……ルビィ…さ……妹、だったんだって」
善子「……梨子さんの」
花丸「!」
407: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/03/25(金) 19:12:32.92 ID:Lk6+o4sh
…………
花丸「そう…そんなことが、だからルビィちゃん……」
善子「…あんたはさ、どう思う?」
花丸「…どうって何のこと? 梨子さんのお母さんのこと? それとも梨子さんのこと?」
花丸「それでもなくて、ルビィちゃんのこと?」
善子「…色々」
花丸「……そうだね、取りあえず最初に言っておくと」
花丸「マルは梨子さんのお母さんのこと、あまり悪くは言えないかもしれない」
408: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/03/25(金) 19:13:08.93 ID:Lk6+o4sh
花丸「もしマルがその立場だったら同じことをすると思うから」
花丸「ただ、マルの場合は止めてくれる人がいるかもしれない。それこそダイヤさんや善子ちゃんがね」
花丸「でもその事情を知ってる人間が自分一人だけなら、周りに止めてくれる人はいないわけで」
花丸「分かってくれる人がいないままその生活を送るのには、限界がある……耐えられなくなる」
花丸「平静じゃいられなくなる……それは、マルも経験したことがあるから。分かるんだ」
善子「……」
花丸「善子ちゃんさ……マルに連絡しようと思ったとき、だいぶ迷ったでしょ」
花丸「マルの事情を知ってるから、もしかしたら自分たちの味方にはなってくれないんじゃないか、とかね」
花丸「ただ、マルの場合は止めてくれる人がいるかもしれない。それこそダイヤさんや善子ちゃんがね」
花丸「でもその事情を知ってる人間が自分一人だけなら、周りに止めてくれる人はいないわけで」
花丸「分かってくれる人がいないままその生活を送るのには、限界がある……耐えられなくなる」
花丸「平静じゃいられなくなる……それは、マルも経験したことがあるから。分かるんだ」
善子「……」
花丸「善子ちゃんさ……マルに連絡しようと思ったとき、だいぶ迷ったでしょ」
花丸「マルの事情を知ってるから、もしかしたら自分たちの味方にはなってくれないんじゃないか、とかね」
409: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/03/25(金) 19:14:08.39 ID:Lk6+o4sh
善子「私じゃなくて、ルビィの」
花丸「ほら、そういうところだよ。だから迷っても呼んでくれたんだよね?」
善子「だって……友達でしょ」
花丸「…そうだね、だからね善子ちゃん。さっきはああ言ったけど」
花丸「マルはルビィちゃんの味方だよ、"最終的に"ルビィちゃんがどうなったとしてもね」
花丸「黒澤家にいると言えばそっちに付くし、向こうに戻りたいと言えば向こうを手助けする」
花丸「それ以外なら、応援するほかに出来ることなんてないだろうけど」
善子「それ以外って…?」
花丸「さあ、そこまでは。でも一つだけ言えるのは」
花丸「結局それを決めるのはルビィちゃん次第だってこと」
花丸「ほら、そういうところだよ。だから迷っても呼んでくれたんだよね?」
善子「だって……友達でしょ」
花丸「…そうだね、だからね善子ちゃん。さっきはああ言ったけど」
花丸「マルはルビィちゃんの味方だよ、"最終的に"ルビィちゃんがどうなったとしてもね」
花丸「黒澤家にいると言えばそっちに付くし、向こうに戻りたいと言えば向こうを手助けする」
花丸「それ以外なら、応援するほかに出来ることなんてないだろうけど」
善子「それ以外って…?」
花丸「さあ、そこまでは。でも一つだけ言えるのは」
花丸「結局それを決めるのはルビィちゃん次第だってこと」
410: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/03/25(金) 19:14:40.07 ID:Lk6+o4sh
善子「ルビィ、次第…」
花丸「きっとかなりの時間がかかると思うけどね、それこそ長い時間が…」
花丸「だけど……ちゃんと一人で決められるようにならないと、あの子は一生幸せになれない…そう思うんだ」
花丸「生まれてからずっと、誰かに振り回されてきた人生だから」
善子「……」
花丸「いや、それはマルのエゴか」ズズッ
善子「…普通でしょ、幸せになってほしいって思うのは」
善子「幸せにしたいって、思うのは」
花丸「きっとかなりの時間がかかると思うけどね、それこそ長い時間が…」
花丸「だけど……ちゃんと一人で決められるようにならないと、あの子は一生幸せになれない…そう思うんだ」
花丸「生まれてからずっと、誰かに振り回されてきた人生だから」
善子「……」
花丸「いや、それはマルのエゴか」ズズッ
善子「…普通でしょ、幸せになってほしいって思うのは」
善子「幸せにしたいって、思うのは」
411: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/03/25(金) 19:15:14.34 ID:Lk6+o4sh
花丸「まあ、ね」
善子「……私、もう少し待ってみる。ルビィが帰ったってことはさ、近いうちに全部知れ渡るってことでしょ」
善子「それは梨子さんのところも同じで……だから、きっとそのことで話し合いになる……と思う」
善子「結果としてどう転ぶかは分からないけど……でも、うん」
善子「今はやめといた方がいいかなって、花丸の話を聞いて思った」
善子「ルビィにも、落ち着かせる時間がないと……ダメだもんね」
善子「……私、もう少し待ってみる。ルビィが帰ったってことはさ、近いうちに全部知れ渡るってことでしょ」
善子「それは梨子さんのところも同じで……だから、きっとそのことで話し合いになる……と思う」
善子「結果としてどう転ぶかは分からないけど……でも、うん」
善子「今はやめといた方がいいかなって、花丸の話を聞いて思った」
善子「ルビィにも、落ち着かせる時間がないと……ダメだもんね」
412: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/03/25(金) 19:15:54.41 ID:Lk6+o4sh
善子「私だって、もう嫌なんだから」
花丸「……喋ったら喉渇いたでしょ、飲みなよそれ」
善子「……なにこれ」ゴクッ
花丸「普通のお茶だよ、でも」
花丸「泣くほど苦いでしょ」
善子「! あんた…ふざけんじゃないわよ」
善子「……そんなもの……友達に渡すな……っ…!」ポロポロ
花丸「いいや冗談だよ。ほんの気休め程度の……ね」ズズッ
花丸「……喋ったら喉渇いたでしょ、飲みなよそれ」
善子「……なにこれ」ゴクッ
花丸「普通のお茶だよ、でも」
花丸「泣くほど苦いでしょ」
善子「! あんた…ふざけんじゃないわよ」
善子「……そんなもの……友達に渡すな……っ…!」ポロポロ
花丸「いいや冗談だよ。ほんの気休め程度の……ね」ズズッ
413: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/03/25(金) 19:16:38.39 ID:Lk6+o4sh
─千歌の部屋
千歌「──あ、もしもし曜ちゃん? うん。梨子ちゃんなら今寝たところだよ」
『……もしかしてそっちにいるの?』
千歌「そだよー、今日はこっちで泊まりたいって言うからさ」
『そっか』
千歌「いやーそれにしても急に曜ちゃんから梨子ちゃんをお願いなんて連絡がきたと思ったら」
千歌「向こうのお隣さんは帰ってくるなりこっちに聞こえてくるくらい揉めてたし……あまりにも珍しいから志満姉たちもビックリしてたよ」
『聞いたの?』
千歌「……大体は梨子ちゃんから直接」
414: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/03/25(金) 19:17:22.73 ID:Lk6+o4sh
千歌「流石にちょっと信じられないけど」
『……ごめん』
千歌「なんで曜ちゃんが謝るの?」
『だって私、何も出来なかったから』
千歌「それは仕方ないじゃん」
千歌「私だって話しか聞いてないんだよ、何も出来てないのと一緒だよ」
『……』
千歌「…嫌だよね、なんか」
『…うん』
『……ごめん』
千歌「なんで曜ちゃんが謝るの?」
『だって私、何も出来なかったから』
千歌「それは仕方ないじゃん」
千歌「私だって話しか聞いてないんだよ、何も出来てないのと一緒だよ」
『……』
千歌「…嫌だよね、なんか」
『…うん』
415: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/03/25(金) 19:17:59.44 ID:Lk6+o4sh
『……ねえ千歌ちゃん』
千歌「ん?」
『前にさ、みんなでおっきなお葬式に行ったの覚えてる?』
千歌「覚えてるっていうか、あれは忘れてっていうほうが無理だよ」
千歌「果南ちゃんと曜ちゃんが取っ組み合いになってまで喧嘩したのって、あの日くらいだもん」
『あはは…だよね』
『あのときさ、私たちは何も知らなくて。そりゃお葬式には何回か言ったことはあるけどさ』
『でも、いつもと違って会場が大きくて、人もたくさんいて…だから』
『食事も豪華だし、美味しいお菓子がたくさん貰えてラッキーだって、それくらいにしか思ってなかったんだよね』
千歌「ん?」
『前にさ、みんなでおっきなお葬式に行ったの覚えてる?』
千歌「覚えてるっていうか、あれは忘れてっていうほうが無理だよ」
千歌「果南ちゃんと曜ちゃんが取っ組み合いになってまで喧嘩したのって、あの日くらいだもん」
『あはは…だよね』
『あのときさ、私たちは何も知らなくて。そりゃお葬式には何回か言ったことはあるけどさ』
『でも、いつもと違って会場が大きくて、人もたくさんいて…だから』
『食事も豪華だし、美味しいお菓子がたくさん貰えてラッキーだって、それくらいにしか思ってなかったんだよね』
416: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/03/25(金) 19:18:32.21 ID:Lk6+o4sh
千歌「そうそう、それで私がはしゃいでいたら怒った果南ちゃんに突き飛ばされて」
『それを見た私が怒って、果南ちゃんにつかみかかって。その後はもう滅茶苦茶だったね』
千歌「私も泣きっぱなしでさ、三人だけボロボロのまま席に座ってて」
『帰りにむしゃくしゃしてこんなところ来なきゃよかった! って言ったら遂に殴られてまた喧嘩』
『あれからしばらく果南ちゃんとは口きかなかったし、ずっと私にとって最悪の日だと思っていたけど』
『今になって思うとさ、最悪なのは私たちの方だったんだよね』
千歌「……ダイヤさんの妹ちゃんのだったんだよね、あの時のって」
千歌「果南ちゃんが怒るのも無理ないよね」
『それを見た私が怒って、果南ちゃんにつかみかかって。その後はもう滅茶苦茶だったね』
千歌「私も泣きっぱなしでさ、三人だけボロボロのまま席に座ってて」
『帰りにむしゃくしゃしてこんなところ来なきゃよかった! って言ったら遂に殴られてまた喧嘩』
『あれからしばらく果南ちゃんとは口きかなかったし、ずっと私にとって最悪の日だと思っていたけど』
『今になって思うとさ、最悪なのは私たちの方だったんだよね』
千歌「……ダイヤさんの妹ちゃんのだったんだよね、あの時のって」
千歌「果南ちゃんが怒るのも無理ないよね」
417: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/03/25(金) 19:19:04.51 ID:Lk6+o4sh
『当時は果南ちゃんと花丸ちゃんくらいしかダイヤさんと関わってなかったからね』
千歌「鞠莉ちゃんも知り合ったのは高校に入ってからだって言うし」
『うん。そう考えるとさ、世界って意外と狭いなーって』
千歌「かもしれないけど、うーーん…どうだろう」
『あはは、どうだろうね』
千歌「…で? どうしてそんな昔の話しようと思ったの?」
『……ちょっと羨ましくて』
千歌「何が?」
千歌「鞠莉ちゃんも知り合ったのは高校に入ってからだって言うし」
『うん。そう考えるとさ、世界って意外と狭いなーって』
千歌「かもしれないけど、うーーん…どうだろう」
『あはは、どうだろうね』
千歌「…で? どうしてそんな昔の話しようと思ったの?」
『……ちょっと羨ましくて』
千歌「何が?」
418: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/03/25(金) 19:19:52.39 ID:Lk6+o4sh
『果南ちゃんがさ、あんなに誰かのために怒ってるのを見たの初めてだったから』
『相手が好きな人でもそこまで出来るのって、羨ましいなって』
千歌「? 曜ちゃんも私のために怒ってくれてたじゃん、それとは違うの?」
『そうだけど、私のは友達として好きっていう意味だから』
千歌「果南ちゃんもそうでしょ?」
『いや……違うんじゃないかな、多分』
『何となくだけど分かるというか、同じ立場になったからかもだけど…』
千歌「どういう意味?」
『だからその…なんていうか……恋愛的に、っていうやつ?』
『相手が好きな人でもそこまで出来るのって、羨ましいなって』
千歌「? 曜ちゃんも私のために怒ってくれてたじゃん、それとは違うの?」
『そうだけど、私のは友達として好きっていう意味だから』
千歌「果南ちゃんもそうでしょ?」
『いや……違うんじゃないかな、多分』
『何となくだけど分かるというか、同じ立場になったからかもだけど…』
千歌「どういう意味?」
『だからその…なんていうか……恋愛的に、っていうやつ?』
419: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/03/25(金) 19:20:34.50 ID:Lk6+o4sh
千歌「あぁ~はいはい。成程なるほど」
千歌「……」
千歌「ええええええーーーーー!!!!」
「千歌ぁ!! 今何時だと思ってんの! 静かにしろっ!!」
千歌「やばっ……え、それってどういうこと曜ちゃん」ヒソヒソ
『どうも何も、そのままの意味で…果南ちゃんはダイヤさんのことが好きなんだよ、きっと』
千歌「し、知らなかった…結構前からなのに」
千歌「え…こ、根拠は? あれでもさっき曜ちゃん同じ立場がどうとかって…まさか!」
『え』
千歌「曜ちゃんも好きな人いるの!!?」ガバッ
『千歌ちゃん声大きいって!!』
千歌「……」
千歌「ええええええーーーーー!!!!」
「千歌ぁ!! 今何時だと思ってんの! 静かにしろっ!!」
千歌「やばっ……え、それってどういうこと曜ちゃん」ヒソヒソ
『どうも何も、そのままの意味で…果南ちゃんはダイヤさんのことが好きなんだよ、きっと』
千歌「し、知らなかった…結構前からなのに」
千歌「え…こ、根拠は? あれでもさっき曜ちゃん同じ立場がどうとかって…まさか!」
『え』
千歌「曜ちゃんも好きな人いるの!!?」ガバッ
『千歌ちゃん声大きいって!!』
420: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/03/25(金) 19:21:11.58 ID:Lk6+o4sh
千歌「おっとっと危ない危ない……ふぅ~…いやぁでもそうなのかー」
千歌「いるのかぁ~私だけかいないの~」
千歌「だよねー部活だけが青春じゃないもんねー、いいなあ~…」
千歌「なんかずっと隣にいると思ってた人がいきなり遠い所へ行ってしまったような気持ちだよ今、しかも両隣だよ」
『なんかごめん…』
千歌「いいよ別に、っていうか否定しなかったね。ということはやっぱりいるんだね」
千歌「そっかそっか、あの曜ちゃんが遂に…相手は誰だろう?」
千歌「いるのかぁ~私だけかいないの~」
千歌「だよねー部活だけが青春じゃないもんねー、いいなあ~…」
千歌「なんかずっと隣にいると思ってた人がいきなり遠い所へ行ってしまったような気持ちだよ今、しかも両隣だよ」
『なんかごめん…』
千歌「いいよ別に、っていうか否定しなかったね。ということはやっぱりいるんだね」
千歌「そっかそっか、あの曜ちゃんが遂に…相手は誰だろう?」
421: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/03/25(金) 19:21:48.45 ID:Lk6+o4sh
『いや、あくまでかもしれないって話で…まだそうだと決まったわけじゃ…』
千歌「わかった梨子ちゃんだ! そうでしょ!?」
『千歌ちゃん!!!?』
梨子「千歌ちゃん……呼んだ……?」ウトウト
千歌「あ、梨子ちゃん起きたの?」
『ちょっとおおおおおおお!!?』
千歌「わかった梨子ちゃんだ! そうでしょ!?」
『千歌ちゃん!!!?』
梨子「千歌ちゃん……呼んだ……?」ウトウト
千歌「あ、梨子ちゃん起きたの?」
『ちょっとおおおおおおお!!?』
422: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/03/25(金) 19:22:23.62 ID:Lk6+o4sh
梨子「…ぅん……」
千歌「あのねー今曜ちゃんとね、梨子ちゃんのことが好きだって話を」
『千歌ちゃんお願いだから黙って! 今だけは!!』
梨子「…曜ちゃんと電話してるの?」
千歌「うん」
梨子「代わって…」
千歌「はいはい代わりまーす」
『ちょっと千歌ちゃん?』
梨子「もしもし曜ちゃん? 梨子です」
『桜内さん!?』
千歌「あのねー今曜ちゃんとね、梨子ちゃんのことが好きだって話を」
『千歌ちゃんお願いだから黙って! 今だけは!!』
梨子「…曜ちゃんと電話してるの?」
千歌「うん」
梨子「代わって…」
千歌「はいはい代わりまーす」
『ちょっと千歌ちゃん?』
梨子「もしもし曜ちゃん? 梨子です」
『桜内さん!?』
423: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/03/25(金) 19:23:03.06 ID:Lk6+o4sh
梨子「あのね、私も曜ちゃんのこと大好きだよ」
『……はい?』
千歌「おぉ、これはもしかすると…!」
梨子「あとね、千歌ちゃんのことも大好き」
『……あれ?』
千歌「…おや?」
梨子「私ね、本当に二人に会えてよかったって思ってるの」
梨子「だからね…こんなところに来なきゃよかったなんて、言いたくないんだ」
『……!』
千歌「……」
『……はい?』
千歌「おぉ、これはもしかすると…!」
梨子「あとね、千歌ちゃんのことも大好き」
『……あれ?』
千歌「…おや?」
梨子「私ね、本当に二人に会えてよかったって思ってるの」
梨子「だからね…こんなところに来なきゃよかったなんて、言いたくないんだ」
『……!』
千歌「……」
424: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/03/25(金) 19:23:39.62 ID:Lk6+o4sh
梨子「それだけ……えへへ…」
千歌「…梨子ちゃん、もう寝たら?」
梨子「ん~…そうする……おやすみ曜ちゃん」
『うん、おやすみ』
千歌「……聞かなかったことにしておく? 今の」
『言ってなかった、ってことにしよう』
千歌「……だね」
千歌「…梨子ちゃん、もう寝たら?」
梨子「ん~…そうする……おやすみ曜ちゃん」
『うん、おやすみ』
千歌「……聞かなかったことにしておく? 今の」
『言ってなかった、ってことにしよう』
千歌「……だね」
425: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/03/25(金) 19:24:38.89 ID:Lk6+o4sh
─それから一週間後…
8月
善子の部屋
善子「……」カチカチ
善子「…………飽きた、他のやろ」フゥー
コンコン
善子「はーい」
「お夜食持ってきたよー」
善子「今開けるわ」
426: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/03/25(金) 19:25:14.54 ID:Lk6+o4sh
善子「あむっ……うん」モグモグ
ルビィ「どう?」
善子「美味しい、料理上手くなったわね」
ルビィ「小母さんに教えてもらいましたから」フフン
善子「あまりおだてないでよ、料理教室開きたいとか言い出すから」
ルビィ「美味しいんだけどなぁ」
善子「家だけで十分よ」パク
ルビィ「どう?」
善子「美味しい、料理上手くなったわね」
ルビィ「小母さんに教えてもらいましたから」フフン
善子「あまりおだてないでよ、料理教室開きたいとか言い出すから」
ルビィ「美味しいんだけどなぁ」
善子「家だけで十分よ」パク
427: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/03/25(金) 19:25:48.58 ID:Lk6+o4sh
善子「しっかしこれだけ出来るようになったんだから、成人したらおつまみとかも作ってもらおうかしら」
ルビィ「一緒に暮らしていたらね」ヨイショ
善子「隣人みたいなパターンもあるでしょ、これ作りすぎたので良かったら~みたいな」
ルビィ「そういうシチュエーションが好きなの?」
善子「私は幼馴染みより大正義だと思ってる」
ルビィ「善子ちゃんは偶然の出会いから始まる関係好きそうだもんね」
善子「まあ憧れが、ないわけでもないんだけどね」
ルビィ「なにそれ、変なの」クスッ
ルビィ「一緒に暮らしていたらね」ヨイショ
善子「隣人みたいなパターンもあるでしょ、これ作りすぎたので良かったら~みたいな」
ルビィ「そういうシチュエーションが好きなの?」
善子「私は幼馴染みより大正義だと思ってる」
ルビィ「善子ちゃんは偶然の出会いから始まる関係好きそうだもんね」
善子「まあ憧れが、ないわけでもないんだけどね」
ルビィ「なにそれ、変なの」クスッ
428: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/03/25(金) 19:26:24.80 ID:Lk6+o4sh
ルビィ「でもそっか、善子ちゃんはそんなにルビィの手料理が食べたいんだ」
善子「似合ってるもの、ルビィにはその姿が」
ルビィ「今寝間着だけどね」
善子「揚げ足取らなくてよろしい」
ルビィ「ねえ見てみて、萌え袖~」
善子「深夜テンションか」
善子「似合ってるもの、ルビィにはその姿が」
ルビィ「今寝間着だけどね」
善子「揚げ足取らなくてよろしい」
ルビィ「ねえ見てみて、萌え袖~」
善子「深夜テンションか」
429: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/03/25(金) 19:27:02.02 ID:Lk6+o4sh
ルビィ「あんまり眠れないからね」
善子「…明日報告するんでしょ、みんなに」
ルビィ「うん。それが気になって」
善子「分かってくれるわよ、きっと」
ルビィ「…………そうかな」ボソッ
善子「え?」
ルビィ「ううん、だよね。納得して…くれるよね」
善子「…明日報告するんでしょ、みんなに」
ルビィ「うん。それが気になって」
善子「分かってくれるわよ、きっと」
ルビィ「…………そうかな」ボソッ
善子「え?」
ルビィ「ううん、だよね。納得して…くれるよね」
430: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/03/25(金) 19:27:34.22 ID:Lk6+o4sh
善子「そう、前向きに考えましょうよ」
善子「ほらおいで、一緒に寝てあげる」ポンポン
ルビィ「引っ付くなって言わない?」
善子「言わない」
ルビィ「じゃあそっち行く」モゾモゾ
善子「なんかこの狭さにも慣れたわね」
ルビィ「うん」
善子「ほらおいで、一緒に寝てあげる」ポンポン
ルビィ「引っ付くなって言わない?」
善子「言わない」
ルビィ「じゃあそっち行く」モゾモゾ
善子「なんかこの狭さにも慣れたわね」
ルビィ「うん」
431: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/03/25(金) 19:28:19.08 ID:Lk6+o4sh
ルビィ「ねえ善子ちゃんこっち向いて」
善子「なに」
チュッ
ルビィ「一緒に寝てくれるお礼」
善子「珍しいことでもないのに礼なんてする必要ないわよ」
ルビィ「親しき中にもってやつです。それにこっちだって珍しくないでしょ?」
善子「…まあ」
ルビィ「もっと欲しいなら脱いじゃうけど」スル
善子「やめなさい明日は早いんだから」
ルビィ「寝かせないつもりなんだ、エッチだね善子ちゃんは」
善子「どう考えてもあんたの方でしょ」
善子「なに」
チュッ
ルビィ「一緒に寝てくれるお礼」
善子「珍しいことでもないのに礼なんてする必要ないわよ」
ルビィ「親しき中にもってやつです。それにこっちだって珍しくないでしょ?」
善子「…まあ」
ルビィ「もっと欲しいなら脱いじゃうけど」スル
善子「やめなさい明日は早いんだから」
ルビィ「寝かせないつもりなんだ、エッチだね善子ちゃんは」
善子「どう考えてもあんたの方でしょ」
432: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/03/25(金) 19:28:57.75 ID:Lk6+o4sh
ルビィ「でも、本当にありがとうね」ギュゥ
善子「はいはいどういたしまして」
ルビィ「おやすみ」
善子「ん」
ルビィ「……あ、そうだ」
善子「さっさと寝なさいよ」
ルビィ「朝ごはん何か食べたいものある?」
善子「……冷やっこ、からし付きで」
ルビィ「お任せください旦那様」
善子「誰が旦那よ」
ルビィ「えっとね、じゃあこっちで。おやすみなさいお嬢様」
善子「お嬢様はあんたでしょ」
善子「はいはいどういたしまして」
ルビィ「おやすみ」
善子「ん」
ルビィ「……あ、そうだ」
善子「さっさと寝なさいよ」
ルビィ「朝ごはん何か食べたいものある?」
善子「……冷やっこ、からし付きで」
ルビィ「お任せください旦那様」
善子「誰が旦那よ」
ルビィ「えっとね、じゃあこっちで。おやすみなさいお嬢様」
善子「お嬢様はあんたでしょ」
433: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/03/25(金) 19:29:43.75 ID:Lk6+o4sh
─翌日
放課後、部室
ダイヤ「……というわけで両家で話し合った結果」
ダイヤ「ルビィは今まで通り黒澤家で暮らすことに決まりました」
鞠莉「え?」
ダイヤ「どうかしましたか?」
鞠莉「いやなんか思ってたよりも、その、あっさりじゃない?」
果南「それは私も思った」
ダイヤ「意外と上手く話が進んだみたいですからね」
ダイヤ「それも相手側の裁量あってのものですけど」
434: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/03/25(金) 19:30:14.46 ID:Lk6+o4sh
千歌「えっと、ということは梨子ちゃんのお母さんも」
梨子「うん、納得してくれたみたい。その……ちゃんとした生活も送れてるし」
梨子「悪い教育を受けてきたってわけでもないみたいだから、ね」
梨子「高校も楽しくやってるって分かったわけで…」
梨子「だからその、黒澤さんは親として信頼できるって言ってたし……そうね」
梨子「私もそれを聞いて、うん。安心したけど」
曜「…………」
梨子「うん、納得してくれたみたい。その……ちゃんとした生活も送れてるし」
梨子「悪い教育を受けてきたってわけでもないみたいだから、ね」
梨子「高校も楽しくやってるって分かったわけで…」
梨子「だからその、黒澤さんは親として信頼できるって言ってたし……そうね」
梨子「私もそれを聞いて、うん。安心したけど」
曜「…………」
435: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/03/25(金) 19:30:51.90 ID:Lk6+o4sh
鞠莉「じゃあ」
花丸「一先ずは納まるところに納まったって形ずら」
ダイヤ「そういうことになりますわね」
「「「…………」」」
鞠莉「な、なーんだ! 良かったじゃない!」
鞠莉「一時はどうなることかとハラハラしたけど、ね果南!」
果南「え、あ、ああそうだね。うん良かった」
果南「やっぱりさ、話せば分かってくれるんだよ。ほらダイヤ私が言った通りでしょ?」
ダイヤ「言っていましたっけ」
果南「あれ言ってなかったっけ? まあとにかく一件落着ってことで、めでたしめでたし」
花丸「一先ずは納まるところに納まったって形ずら」
ダイヤ「そういうことになりますわね」
「「「…………」」」
鞠莉「な、なーんだ! 良かったじゃない!」
鞠莉「一時はどうなることかとハラハラしたけど、ね果南!」
果南「え、あ、ああそうだね。うん良かった」
果南「やっぱりさ、話せば分かってくれるんだよ。ほらダイヤ私が言った通りでしょ?」
ダイヤ「言っていましたっけ」
果南「あれ言ってなかったっけ? まあとにかく一件落着ってことで、めでたしめでたし」
436: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/03/25(金) 19:31:32.46 ID:Lk6+o4sh
鞠莉「そうそう! あとは大会に向けて特訓あるのみ! ってね」
善子「それに今月末にはラブライブの一次予選もあるしね」
鞠莉「忙しくなるわよー!」
梨子「あはは、そうだね頑張らないと」
曜「…」
ルビィ「曜さん?」
曜「ん、何でもないよ」
ダイヤ「えー、では明日からはいつもよりも練習量を多めにしていくという方向でいいですわね」
ダイヤ「まずは朝の集合を早めに──」
「いいのかな、それで」
千歌「本当にそれでいいのかな」
善子「それに今月末にはラブライブの一次予選もあるしね」
鞠莉「忙しくなるわよー!」
梨子「あはは、そうだね頑張らないと」
曜「…」
ルビィ「曜さん?」
曜「ん、何でもないよ」
ダイヤ「えー、では明日からはいつもよりも練習量を多めにしていくという方向でいいですわね」
ダイヤ「まずは朝の集合を早めに──」
「いいのかな、それで」
千歌「本当にそれでいいのかな」
437: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/03/25(金) 19:32:10.18 ID:Lk6+o4sh
ダイヤ「え?」
千歌「え?」
鞠莉・果南「…………」
千歌「…あぁーいやいや、特訓の話ね特訓の」
千歌「うーんでもそうだなあ、やってみないと分からないし」
千歌「まずは一回試してみて大丈夫そうだったら続けてみよっか、ダイヤさんもそれでいい?」
ダイヤ「え、ええ…はい。問題ないかと」
千歌「え?」
鞠莉・果南「…………」
千歌「…あぁーいやいや、特訓の話ね特訓の」
千歌「うーんでもそうだなあ、やってみないと分からないし」
千歌「まずは一回試してみて大丈夫そうだったら続けてみよっか、ダイヤさんもそれでいい?」
ダイヤ「え、ええ…はい。問題ないかと」
438: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/03/25(金) 19:32:52.47 ID:Lk6+o4sh
千歌「みんなもいいかな?」
善子「異議なし、ルビィは大丈夫なの。それで」
ルビィ「え、うん。ルビィは別にいいけど」
善子「そう。ならいいわ」
花丸(……)
花丸「右に同じで」
鞠莉「曜と梨子は?」
梨子「私も、いいかな」
曜「…じゃあ取りあえず私も」
果南「……ま、反対する理由もないわけだし?」
善子「異議なし、ルビィは大丈夫なの。それで」
ルビィ「え、うん。ルビィは別にいいけど」
善子「そう。ならいいわ」
花丸(……)
花丸「右に同じで」
鞠莉「曜と梨子は?」
梨子「私も、いいかな」
曜「…じゃあ取りあえず私も」
果南「……ま、反対する理由もないわけだし?」
439: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/03/25(金) 19:33:30.59 ID:Lk6+o4sh
千歌「決まりだね、では今日の活動は以上ということで! みんなお疲れさま!」
千歌「明日からまた厳しくなると思うけど……頑張ろー!!」
鞠莉「おーっ! ……あら?」
「「「…………」」」
千歌「え、っと……解散!」
ゾロゾロ…… バタン
千歌「……」
鞠莉「元気出して千歌っち、たまにはこういう日もあるわよ」ポン
千歌「たまに、になるのかな」
千歌「明日からまた厳しくなると思うけど……頑張ろー!!」
鞠莉「おーっ! ……あら?」
「「「…………」」」
千歌「え、っと……解散!」
ゾロゾロ…… バタン
千歌「……」
鞠莉「元気出して千歌っち、たまにはこういう日もあるわよ」ポン
千歌「たまに、になるのかな」
440: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/03/25(金) 19:34:08.72 ID:Lk6+o4sh
鞠莉「……またまたそんなこと言っちゃって!」
鞠莉「今日は色々あったからみんな思うところがあるってだけよ! 明日からはいつもみたいに、ね!」
千歌「言わないほうが良かったのかな、さっきの」
鞠莉「それは、その…気にすることないわよ!」
鞠莉「千歌っちがそんなに気を張る必要ないの」
鞠莉「張るのは千歌っちの胸が大きくなる時だけでいいのよー、なんちゃってテヘペロ♪」
千歌「…ごめん、私ももう帰るね」
鞠莉「あっ、ちょっと千歌っち! ………はぁ」
鞠莉「雲行き、怪しくなってきたわね…」
鞠莉「今日は色々あったからみんな思うところがあるってだけよ! 明日からはいつもみたいに、ね!」
千歌「言わないほうが良かったのかな、さっきの」
鞠莉「それは、その…気にすることないわよ!」
鞠莉「千歌っちがそんなに気を張る必要ないの」
鞠莉「張るのは千歌っちの胸が大きくなる時だけでいいのよー、なんちゃってテヘペロ♪」
千歌「…ごめん、私ももう帰るね」
鞠莉「あっ、ちょっと千歌っち! ………はぁ」
鞠莉「雲行き、怪しくなってきたわね…」
441: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/03/25(金) 19:34:49.10 ID:Lk6+o4sh
445: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/03/26(土) 20:00:21.76 ID:GX9v6DpB
梨子「……」
「待って梨子ちゃん!」
梨子「曜ちゃん?」
曜「やっと追いついた、足速くなったね梨子ちゃん」
梨子「私になにか用?」
曜「まあね」
曜「……」フゥーッ
曜「梨子ちゃんさ、さっき嘘ついたでしょ」
「待って梨子ちゃん!」
梨子「曜ちゃん?」
曜「やっと追いついた、足速くなったね梨子ちゃん」
梨子「私になにか用?」
曜「まあね」
曜「……」フゥーッ
曜「梨子ちゃんさ、さっき嘘ついたでしょ」
446: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/03/26(土) 20:00:50.95 ID:GX9v6DpB
梨子「えっ…」
曜「だから嘘だよ、言ったよね?」
梨子「い、言ってないよ」
曜「ふーん、確かに本音を言ってないって意味ではそうかもしれないね」
梨子「だから、嘘なんてついてないって…」
曜「梨子ちゃん、自分が喋ってた時ずっと目線が泳いでいたの気付いてないでしょ」
梨子「!」
曜「ずっと何かから目を逸らそうとしてさ、そのうえ歯切れが悪い話し方だったのも」
曜「本心じゃないけど空気を悪くしないために取り繕った建前だから。違う?」
曜「だから嘘だよ、言ったよね?」
梨子「い、言ってないよ」
曜「ふーん、確かに本音を言ってないって意味ではそうかもしれないね」
梨子「だから、嘘なんてついてないって…」
曜「梨子ちゃん、自分が喋ってた時ずっと目線が泳いでいたの気付いてないでしょ」
梨子「!」
曜「ずっと何かから目を逸らそうとしてさ、そのうえ歯切れが悪い話し方だったのも」
曜「本心じゃないけど空気を悪くしないために取り繕った建前だから。違う?」
447: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/03/26(土) 20:01:30.13 ID:GX9v6DpB
梨子「ちがっ…大体どうして曜ちゃんがそんなこと分かるの」
曜「梨子ちゃんのこと、ずっと見てきたから」
梨子「何それ、見るだけなら他の人でも」
曜「それに」
曜「私も同じような経験、したことあるから」
曜「梨子ちゃんのせいでね」
梨子「……え?」
曜「だから、分かるんだ」
曜「梨子ちゃんのこと、ずっと見てきたから」
梨子「何それ、見るだけなら他の人でも」
曜「それに」
曜「私も同じような経験、したことあるから」
曜「梨子ちゃんのせいでね」
梨子「……え?」
曜「だから、分かるんだ」
448: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/03/26(土) 20:02:14.96 ID:GX9v6DpB
梨子「私のせいって…どういうこと?」
曜「梨子ちゃんが入部してからかな、千歌ちゃんとどんどん距離が縮まっていくのを見て」
曜「私ずっともやもやしてたんだよね、有り体に言えば嫉妬だよ」
梨子「嫉妬……」
曜「そ。それまでは私が千歌ちゃんの一番近くにいたはずなのに」
曜「急に現れた、しかも出会ったばかりの転校生がさ、いつの間にかそのポジションにいるわけ」
曜「私を差し置いて、奪っておきながらニコニコ笑ってるのも、本当に腹が立ってしょうがなかった」
梨子「……そんなこと、思ってたの…?」
曜「……思ってたよ、ずっと」
曜「梨子ちゃんが入部してからかな、千歌ちゃんとどんどん距離が縮まっていくのを見て」
曜「私ずっともやもやしてたんだよね、有り体に言えば嫉妬だよ」
梨子「嫉妬……」
曜「そ。それまでは私が千歌ちゃんの一番近くにいたはずなのに」
曜「急に現れた、しかも出会ったばかりの転校生がさ、いつの間にかそのポジションにいるわけ」
曜「私を差し置いて、奪っておきながらニコニコ笑ってるのも、本当に腹が立ってしょうがなかった」
梨子「……そんなこと、思ってたの…?」
曜「……思ってたよ、ずっと」
449: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/03/26(土) 20:02:55.68 ID:GX9v6DpB
曜「今だからはっきり言うけど、私ね、そのとき梨子ちゃんのこと大嫌いだったんだよね」
梨子「……っ……」ジワッ
梨子「そ、っか……曜ちゃん、私のこと…嫌いだったんだ……」
曜「……」
梨子「ごめんね、気付いてあげられなくて……ずっと辛かったんだよね…」ポロポロ
梨子「なのに私、友達だと思い込んでて……馬鹿だね…」
曜「ううん、馬鹿なのは私のほうだよ」
ダキッ
梨子「よ、曜ちゃん…?」
梨子「……っ……」ジワッ
梨子「そ、っか……曜ちゃん、私のこと…嫌いだったんだ……」
曜「……」
梨子「ごめんね、気付いてあげられなくて……ずっと辛かったんだよね…」ポロポロ
梨子「なのに私、友達だと思い込んでて……馬鹿だね…」
曜「ううん、馬鹿なのは私のほうだよ」
ダキッ
梨子「よ、曜ちゃん…?」
450: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/03/26(土) 20:03:28.57 ID:GX9v6DpB
曜「ごめん梨子ちゃん、さっきの嘘」
曜「嫌ってなんかないよ、寧ろ好き。大好き……まあ嫉妬してたのは、本当だけどさ」
梨子「…じゃあ、どうして…?」グスッ
曜「こうでもしないと分かってもらえないんじゃないかって思ったから……でも言いすぎて泣かせたら元も子もないよね」
曜「ごめん」
梨子「曜ちゃんが謝ることないよ、私が……」
曜「ありがとう。でもね梨子ちゃん、私が言いたいのはそういうところなんだよ」
曜「嫌ってなんかないよ、寧ろ好き。大好き……まあ嫉妬してたのは、本当だけどさ」
梨子「…じゃあ、どうして…?」グスッ
曜「こうでもしないと分かってもらえないんじゃないかって思ったから……でも言いすぎて泣かせたら元も子もないよね」
曜「ごめん」
梨子「曜ちゃんが謝ることないよ、私が……」
曜「ありがとう。でもね梨子ちゃん、私が言いたいのはそういうところなんだよ」
451: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/03/26(土) 20:04:12.35 ID:GX9v6DpB
梨子「えっ…」
曜「人に気を遣う、それはいいことかもしれないけどさ」
曜「でも梨子ちゃん、そのために色々我慢しすぎじゃないの」
梨子「……」
曜「自分が余計なことさえ言わなければ、それで全部丸く収まる。だから言わない」
曜「そう考えてるよね」
曜「人に気を遣う、それはいいことかもしれないけどさ」
曜「でも梨子ちゃん、そのために色々我慢しすぎじゃないの」
梨子「……」
曜「自分が余計なことさえ言わなければ、それで全部丸く収まる。だから言わない」
曜「そう考えてるよね」
452: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/03/26(土) 20:04:42.01 ID:GX9v6DpB
梨子「どうして」
曜「最初に言ったでしょ、同じような経験したって、嫉妬してたって」
曜「今の梨子ちゃんは少し前の私と一緒なんだよ、本当は嫌なのに我慢して、周りに合わせて、だから」
梨子「そうじゃなくて」
曜「?」
梨子「どうしてそこまで、してくれるの」
曜「……」
曜「最初に言ったでしょ、同じような経験したって、嫉妬してたって」
曜「今の梨子ちゃんは少し前の私と一緒なんだよ、本当は嫌なのに我慢して、周りに合わせて、だから」
梨子「そうじゃなくて」
曜「?」
梨子「どうしてそこまで、してくれるの」
曜「……」
453: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/03/26(土) 20:05:27.30 ID:GX9v6DpB
曜「梨子ちゃんが辛そうにしているところ、見たくないから」
曜「それだけじゃ駄目かな」ニコッ
梨子「……ううん」
曜「教えてよ、梨子ちゃんが本当はどうしたいのか、どう思ってるのか」
曜「私はそれが聞きたいの」
曜「それだけじゃ駄目かな」ニコッ
梨子「……ううん」
曜「教えてよ、梨子ちゃんが本当はどうしたいのか、どう思ってるのか」
曜「私はそれが聞きたいの」
454: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/03/26(土) 20:05:53.13 ID:GX9v6DpB
梨子「……私ね、小さい頃からピアノが好きだったの」
曜「うん」
梨子「みんな嬉しそうに聴いてくれたから、私も弾くのが大好きになったの」
梨子「そして聴いてくれる人の中には…ルビィちゃんもいて」
梨子「すごく喜んでくれたんだ、一緒にピアノを弾いたり歌ったりしたこともあった」
梨子「そうやっていつも傍にいたはずなのに……あの話を聞くまで私の頭の中からそれがすっぽりと抜け落ちてて」
曜「うん」
梨子「みんな嬉しそうに聴いてくれたから、私も弾くのが大好きになったの」
梨子「そして聴いてくれる人の中には…ルビィちゃんもいて」
梨子「すごく喜んでくれたんだ、一緒にピアノを弾いたり歌ったりしたこともあった」
梨子「そうやっていつも傍にいたはずなのに……あの話を聞くまで私の頭の中からそれがすっぽりと抜け落ちてて」
455: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/03/26(土) 20:06:39.61 ID:GX9v6DpB
梨子「記憶になくって……ずっと忘れていたのに」
梨子「そんな自分が今更、あの子の本当のお姉さんだなんて……」
梨子「だから返してほしいだなんて、虫のいい話だと思って……だから」
梨子「お母さんがルビィちゃんの件を私に伝えてきたときも、それでいいよって答えちゃったの」
曜「…………」
梨子「そんな自分が今更、あの子の本当のお姉さんだなんて……」
梨子「だから返してほしいだなんて、虫のいい話だと思って……だから」
梨子「お母さんがルビィちゃんの件を私に伝えてきたときも、それでいいよって答えちゃったの」
曜「…………」
456: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/03/26(土) 20:07:06.96 ID:GX9v6DpB
梨子「でも、でもね曜ちゃん……本当は」
梨子「私……それでいいなんて全然思ってない…!」
梨子「今更他人のふりして接するなんて、そんなの無理だよ…!」
梨子「血が繋がってるのは、私たちの方なのに、なんで」
梨子「私だって……一緒にいたい、あの頃の生活に戻りたいのに」
梨子「また離れるのは嫌だよっ…!」
曜「良かった、それが聞けて」
梨子「私……それでいいなんて全然思ってない…!」
梨子「今更他人のふりして接するなんて、そんなの無理だよ…!」
梨子「血が繋がってるのは、私たちの方なのに、なんで」
梨子「私だって……一緒にいたい、あの頃の生活に戻りたいのに」
梨子「また離れるのは嫌だよっ…!」
曜「良かった、それが聞けて」
457: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/03/26(土) 20:07:52.47 ID:GX9v6DpB
梨子「曜ちゃん…」
曜「私はさ、正直部外者だし、梨子ちゃんが抱えている悩みも私のとは比べられないくらい難しい問題だけどさ」
曜「でもね、これだけは言える」
曜「…誰にだって、幸せになる権利はあるってこと」
曜「梨子ちゃんにだって、それはちゃんとあるんだよ」
梨子「……うん」
曜「私はさ、正直部外者だし、梨子ちゃんが抱えている悩みも私のとは比べられないくらい難しい問題だけどさ」
曜「でもね、これだけは言える」
曜「…誰にだって、幸せになる権利はあるってこと」
曜「梨子ちゃんにだって、それはちゃんとあるんだよ」
梨子「……うん」
458: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/03/26(土) 20:08:41.42 ID:GX9v6DpB
曜「だったらちゃんと言わなきゃ、自分の気持ちを」
曜「隠さないで伝えなきゃ…って、まあ私が言えることでもないかな…うん」
梨子「…クスッ、そうだね」
曜「あっ、やっと笑った」
梨子「曜ちゃんのおかげだよ」
曜「えへへっ、そっか」
曜「……ねえ、聞いて梨子ちゃん」
曜「隠さないで伝えなきゃ…って、まあ私が言えることでもないかな…うん」
梨子「…クスッ、そうだね」
曜「あっ、やっと笑った」
梨子「曜ちゃんのおかげだよ」
曜「えへへっ、そっか」
曜「……ねえ、聞いて梨子ちゃん」
459: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/03/26(土) 20:09:08.35 ID:GX9v6DpB
梨子「はい」
曜「もしさ、梨子ちゃんが何か言ったことで誰かを敵に回しても」
曜「私だけはずっと梨子ちゃんの味方だからね」
梨子「うん」
曜「それでね、もし梨子ちゃんがこの先も上手くいかなくて、幸せになれなかったら」
曜「そのときは私が梨子ちゃんを幸せにする。約束するよ」
梨子「ありがとう、すごく嬉しい」
曜「…言っておくけど冗談じゃないからね?」
梨子「分かってるよ、でも」
曜「もしさ、梨子ちゃんが何か言ったことで誰かを敵に回しても」
曜「私だけはずっと梨子ちゃんの味方だからね」
梨子「うん」
曜「それでね、もし梨子ちゃんがこの先も上手くいかなくて、幸せになれなかったら」
曜「そのときは私が梨子ちゃんを幸せにする。約束するよ」
梨子「ありがとう、すごく嬉しい」
曜「…言っておくけど冗談じゃないからね?」
梨子「分かってるよ、でも」
460: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/03/26(土) 20:09:43.70 ID:GX9v6DpB
曜「でも?」
梨子「ううん、さっきの台詞プロポーズみたいだったから、そこはどうかなあって」クスクス
曜「えっ……? ……あ…!」
梨子「やっぱり気付いてなかったんだ?」
曜「い、いや…いやいやいやいや!! アレはそういうのじゃなくてですね!」
梨子「ん? じゃあさっきの言葉は嘘?」
曜「あーいや、言ったことが嘘ってわけじゃなくて! 違うってことじゃなくてね! だからその……」
梨子「なに?」
曜「うう…もう勘弁してよぉ……!」
梨子「ううん、さっきの台詞プロポーズみたいだったから、そこはどうかなあって」クスクス
曜「えっ……? ……あ…!」
梨子「やっぱり気付いてなかったんだ?」
曜「い、いや…いやいやいやいや!! アレはそういうのじゃなくてですね!」
梨子「ん? じゃあさっきの言葉は嘘?」
曜「あーいや、言ったことが嘘ってわけじゃなくて! 違うってことじゃなくてね! だからその……」
梨子「なに?」
曜「うう…もう勘弁してよぉ……!」
461: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/03/26(土) 20:10:18.54 ID:GX9v6DpB
梨子「フフッごめんね曜ちゃん、面白かったからつい」
曜「いつからそんなに意地悪になったのさ」
梨子「うーん、今から…かな?」
曜「今って…」
梨子「冗談よ……でも本当にありがとう、おかげで元気もらえた」
曜「それならまあ、いいけど」
梨子「でも咄嗟にあんな台詞が出てくるんだもんねえ、ビックリしちゃった」
曜「まだ言うの!?」
曜「いつからそんなに意地悪になったのさ」
梨子「うーん、今から…かな?」
曜「今って…」
梨子「冗談よ……でも本当にありがとう、おかげで元気もらえた」
曜「それならまあ、いいけど」
梨子「でも咄嗟にあんな台詞が出てくるんだもんねえ、ビックリしちゃった」
曜「まだ言うの!?」
462: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/03/26(土) 20:10:58.28 ID:GX9v6DpB
梨子「違う違う、そうじゃなくて」
曜「?」
梨子「やっぱり曜ちゃんはかっこいいねってことよ」ニコ
曜「っ!」
梨子「それじゃあまた明日ね」
曜「うん、また…明日」
曜「……」
曜「……だからさあ」
曜「勘弁してよ、そういうのは…」
曜「?」
梨子「やっぱり曜ちゃんはかっこいいねってことよ」ニコ
曜「っ!」
梨子「それじゃあまた明日ね」
曜「うん、また…明日」
曜「……」
曜「……だからさあ」
曜「勘弁してよ、そういうのは…」
463: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/03/26(土) 20:11:54.96 ID:GX9v6DpB
……その夜
ルビィ「バイバイ善子ちゃん、送ってくれてありがと」
善子「さっさと寝なさいよー……って保護者か私は」
ルビィ「しかもブーメランだから説得力に欠けるよね」ヒョコッ
善子「さっさと家に入りなさいよ!」
ルビィ「きゃー」バタン
善子「全く、寂しいならそう言えばいいじゃない」
善子「ずっと気にしないふりしてさ」
善子「……本当にこれでいいのか、ね」
善子「そりゃまあ、思わなくはないけど」
464: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/03/26(土) 20:12:34.51 ID:GX9v6DpB
善子「……やめやめ、辛気臭くなる」
善子「切り替えましょ。せっかく向こうにお邪魔するんだし」
スタスタ
善子「それにしても、花丸の家に泊まりに行くなんて初めてね」
善子「いつもは私の家に二人が来るからこういうの新鮮かも、確かこの辺りだっけ」
~~♪ ~~~♪
善子「…? なんだろ、何か聞こえてくる」
ラララー…♪ … ララ…♪
善子「──歌?」
善子「切り替えましょ。せっかく向こうにお邪魔するんだし」
スタスタ
善子「それにしても、花丸の家に泊まりに行くなんて初めてね」
善子「いつもは私の家に二人が来るからこういうの新鮮かも、確かこの辺りだっけ」
~~♪ ~~~♪
善子「…? なんだろ、何か聞こえてくる」
ラララー…♪ … ララ…♪
善子「──歌?」
465: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/03/26(土) 20:13:24.61 ID:GX9v6DpB
花丸「ららら~♪ ららら~♪」
善子「ふーん、鎮魂歌ってわけでもなさそうね」
花丸「あっ善子ちゃん来てたんだ、ごめんね出迎えられなくて」
善子「それはいいけど、こんな夜更けまで歌の練習?」
花丸「ああ、これは違うの。今日は特別な日だから」
善子「特別って何かあるの?」
花丸「うん。満月」
善子「それと歌がどう繋がるのよ?」
善子「ふーん、鎮魂歌ってわけでもなさそうね」
花丸「あっ善子ちゃん来てたんだ、ごめんね出迎えられなくて」
善子「それはいいけど、こんな夜更けまで歌の練習?」
花丸「ああ、これは違うの。今日は特別な日だから」
善子「特別って何かあるの?」
花丸「うん。満月」
善子「それと歌がどう繋がるのよ?」
466: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/03/26(土) 20:13:50.45 ID:GX9v6DpB
花丸「善子ちゃん、善子ちゃんは満月の日に相手に告白する言葉って何だと思う?」
善子「はあ? そうね、有名どころでいえばやっぱり月が綺麗ですねとかその辺りでしょ」
花丸「だよね。でも」
花丸「そんな月並みの言葉じゃマルはあげられないかな」
善子「元からあげる気ないでしょ、いや貰うつもりもないけど」
花丸「あはは、それもそうずら」
善子「はあ? そうね、有名どころでいえばやっぱり月が綺麗ですねとかその辺りでしょ」
花丸「だよね。でも」
花丸「そんな月並みの言葉じゃマルはあげられないかな」
善子「元からあげる気ないでしょ、いや貰うつもりもないけど」
花丸「あはは、それもそうずら」
467: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/03/26(土) 20:14:27.40 ID:GX9v6DpB
花丸「あいのみかみ~よ みまえにたつ~~♪」
花丸「このいもとせ~~を めぐみしゅくし~♪」
善子「聞いたことあるような歌ね」
花丸「讃美歌429番、愛の御神よ」
花丸「知ってる? 満月の日は半月の日より十倍以上も明るいんだって」
花丸「マルはね、その日にこう言われたの。歌ってくれって」
善子「成程、彼女のことか」
花丸「夜に外に出るといけないのは暗くなるから、でもこんなにも明るいなら一緒にいてもいいよね」
花丸「なんて、それでも危ないのは変わらないのに」
花丸「このいもとせ~~を めぐみしゅくし~♪」
善子「聞いたことあるような歌ね」
花丸「讃美歌429番、愛の御神よ」
花丸「知ってる? 満月の日は半月の日より十倍以上も明るいんだって」
花丸「マルはね、その日にこう言われたの。歌ってくれって」
善子「成程、彼女のことか」
花丸「夜に外に出るといけないのは暗くなるから、でもこんなにも明るいなら一緒にいてもいいよね」
花丸「なんて、それでも危ないのは変わらないのに」
468: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/03/26(土) 20:15:09.66 ID:GX9v6DpB
花丸「でも少しの間だけなら許してもらえて、そのときにお願いされたのがさっきの言葉」
善子「そっか、確かに歌なら短い時間でも」
花丸「そこまで考えてなかったとは思うけどね」
花丸「でも特別なことに違いはなくて、そのときだけはね、あの子はマルの隣にいなかったの」
花丸「目の前で聴くのが好きだったから、そう、ちょうどそこがその特等席」
善子「それが、彼女の告白だったってわけ?」
花丸「それ"も"あの子の告白だったんだよ」
花丸「だからマルは歌うんだ、安らぎのために、お月様に向かって」
善子「そっか、確かに歌なら短い時間でも」
花丸「そこまで考えてなかったとは思うけどね」
花丸「でも特別なことに違いはなくて、そのときだけはね、あの子はマルの隣にいなかったの」
花丸「目の前で聴くのが好きだったから、そう、ちょうどそこがその特等席」
善子「それが、彼女の告白だったってわけ?」
花丸「それ"も"あの子の告白だったんだよ」
花丸「だからマルは歌うんだ、安らぎのために、お月様に向かって」
469: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/03/26(土) 20:15:57.05 ID:GX9v6DpB
花丸「話が長くなっちゃったね、そろそろ中に入ろうか」
善子「待った、あと一曲だけ聞かせてよ」
善子「せっかくの機会なんだから、一つくらい最後まで聞きたいわ」
花丸「…何がいい?」クスッ
善子「貴女が歌いたいものでいいわよ」
花丸「いいよ、じゃあね……」
花丸「月がとっても青いから 遠回りして帰ろう~♪ あの鈴懸(すずかけ)の並木路は~……」
──
─
善子「待った、あと一曲だけ聞かせてよ」
善子「せっかくの機会なんだから、一つくらい最後まで聞きたいわ」
花丸「…何がいい?」クスッ
善子「貴女が歌いたいものでいいわよ」
花丸「いいよ、じゃあね……」
花丸「月がとっても青いから 遠回りして帰ろう~♪ あの鈴懸(すずかけ)の並木路は~……」
──
─
470: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/03/26(土) 20:16:38.83 ID:GX9v6DpB
…同時間帯、海岸
ダイヤ「ちぎれ雲は風に軽く 空を流れるー……」
果南「懐かしいー小学校のとき歌ったよねそれ、夢をのせて…だっけ?」
ダイヤ「果南さん」
果南「いいの? こんな時間までほっつき歩いて」
ダイヤ「貴女が言えることですか」
果南「まあね」
ダイヤ「いいんです、今夜は満月ですから」
果南「やっぱりそれが理由かー、よいしょっと」
471: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/03/26(土) 20:17:11.50 ID:GX9v6DpB
果南「いやー月が綺麗だね」
ダイヤ「そうですわね」
果南「ほら、こっち座りなよ」
ダイヤ「構いませんが」ヨイショ
果南「海が好きだからかな、満月よりもさ、それに照らされる海面を見るのが好きなんだよね私」
ダイヤ「変わっていませんわね、昔もそんなことを言っていたでしょう」
果南「ああそうだっけ、あんまり覚えてない」
ダイヤ「そうですわね」
果南「ほら、こっち座りなよ」
ダイヤ「構いませんが」ヨイショ
果南「海が好きだからかな、満月よりもさ、それに照らされる海面を見るのが好きなんだよね私」
ダイヤ「変わっていませんわね、昔もそんなことを言っていたでしょう」
果南「ああそうだっけ、あんまり覚えてない」
472: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/03/26(土) 20:17:48.34 ID:GX9v6DpB
ダイヤ「貴女という人は…」
果南「でもダイヤが何かあったら、その度にここに立ち寄るっていうのはよく覚えてるよ」
ダイヤ「!」
果南「だから多分いるんじゃないかなーって」
ダイヤ「…そっちは忘れていませんのね」
果南「それがきっかけで出会ったわけだしね、私達」
果南「でも満月の日に会うのは久々だね」
ダイヤ「かもしれませんわね」
果南「でもダイヤが何かあったら、その度にここに立ち寄るっていうのはよく覚えてるよ」
ダイヤ「!」
果南「だから多分いるんじゃないかなーって」
ダイヤ「…そっちは忘れていませんのね」
果南「それがきっかけで出会ったわけだしね、私達」
果南「でも満月の日に会うのは久々だね」
ダイヤ「かもしれませんわね」
473: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/03/26(土) 20:18:15.16 ID:GX9v6DpB
ダイヤ「……」
果南「先に言っておくけど、私は特に何も聞くつもりはないよ」
果南「ただ一個だけ伝えておきたくて」
ダイヤ「何でしょうか」
果南「私さ、ダイヤと一緒にいるこの時間が好きなんだよね」
ダイヤ「どうしたんですか急に」
果南「まあ聞いてって、勿論みんなとワイワイするのも好きなんだけど」
果南「安心できるっていうのかな、なんかさ私にとって一番居心地のいい場所っていうか」
果南「離れたくないって思っちゃうんだよね」
果南「先に言っておくけど、私は特に何も聞くつもりはないよ」
果南「ただ一個だけ伝えておきたくて」
ダイヤ「何でしょうか」
果南「私さ、ダイヤと一緒にいるこの時間が好きなんだよね」
ダイヤ「どうしたんですか急に」
果南「まあ聞いてって、勿論みんなとワイワイするのも好きなんだけど」
果南「安心できるっていうのかな、なんかさ私にとって一番居心地のいい場所っていうか」
果南「離れたくないって思っちゃうんだよね」
474: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/03/26(土) 20:18:50.45 ID:GX9v6DpB
ダイヤ「よくそんな言葉がポンポンと出ますわね」
果南「軽い気持ちで使ってるわけじゃないんだけどなあ、まあいいや」
果南「とにかく、私は今のこの時間がすきで」
果南「ダイヤのことが一番大切なんだって話」
果南「えーとね、つまり私はいつでもダイヤの味方ってこと。何があってもね」
ダイヤ「何があっても…ですか」
果南「……」
ダイヤ「そのことについては深く追求しませんけど、伝えておきたいことというのは」
果南「うん、それだけだよ」
果南「軽い気持ちで使ってるわけじゃないんだけどなあ、まあいいや」
果南「とにかく、私は今のこの時間がすきで」
果南「ダイヤのことが一番大切なんだって話」
果南「えーとね、つまり私はいつでもダイヤの味方ってこと。何があってもね」
ダイヤ「何があっても…ですか」
果南「……」
ダイヤ「そのことについては深く追求しませんけど、伝えておきたいことというのは」
果南「うん、それだけだよ」
475: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/03/26(土) 20:19:23.35 ID:GX9v6DpB
ダイヤ「そうですか、それは頼もしいですわね」
果南「これでも結構本気で言ってるんだけどね」
ダイヤ「分かってますわ……ありがとう、果南さん」
果南「そうそう、そういうのだよ居心地の良さって」
ダイヤ「未だにその感覚は分かりませんけどね」
果南「これでも結構本気で言ってるんだけどね」
ダイヤ「分かってますわ……ありがとう、果南さん」
果南「そうそう、そういうのだよ居心地の良さって」
ダイヤ「未だにその感覚は分かりませんけどね」
476: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/03/26(土) 20:19:57.41 ID:GX9v6DpB
果南「別にいいよ分からなくても、あっそうだ」
果南「夢で思い出したんだけど、私の歌も聞いてってよ」
ダイヤ「いいですわよ、もう少しここにいたいですから」
果南「嬉しいこと言ってくれるね、それじゃ」
果南「夢よ どうか 覚めないで~♪」
ダイヤ「ゲームの曲じゃありませんか」
果南「よく分かったね」
果南「夢で思い出したんだけど、私の歌も聞いてってよ」
ダイヤ「いいですわよ、もう少しここにいたいですから」
果南「嬉しいこと言ってくれるね、それじゃ」
果南「夢よ どうか 覚めないで~♪」
ダイヤ「ゲームの曲じゃありませんか」
果南「よく分かったね」
477: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/03/26(土) 20:20:46.22 ID:GX9v6DpB
ダイヤ「最近善子さんがよく口ずさんでいましたから」
果南「やっぱりそこからね、かくいう私も善子ちゃん経由だけど」
ダイヤ「それでどっぷりハマってしまったと? 呆れた」
果南「あははっ、やっぱり駄目かな?」
ダイヤ「……いえ」
ダイヤ「続きをお願いできますか? 今日は、そんな気分なんです」
果南「……夢よ どうか 覚めないで~♪」
果南「きみは 願う けれど~♪」
果南・ダイヤ「夢は いつか 覚めるもの~……」
ザザーッ ザザーッ……
果南「やっぱりそこからね、かくいう私も善子ちゃん経由だけど」
ダイヤ「それでどっぷりハマってしまったと? 呆れた」
果南「あははっ、やっぱり駄目かな?」
ダイヤ「……いえ」
ダイヤ「続きをお願いできますか? 今日は、そんな気分なんです」
果南「……夢よ どうか 覚めないで~♪」
果南「きみは 願う けれど~♪」
果南・ダイヤ「夢は いつか 覚めるもの~……」
ザザーッ ザザーッ……
478: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/03/26(土) 20:21:28.20 ID:GX9v6DpB
─それから2日後
千歌「終わったー!」
梨子「はいお疲れさま」
千歌「もう二度とやりたくないよ…というかどうして果南ちゃんたちの勉強会に私たちが混ざる必要あるのさー」
梨子「千歌ちゃんが宿題をやらずに溜め込んでたからでしょ」
千歌「後でやるつもりだったのに」
梨子「後でって…明日には提出するんだけど」
曜「まあまあ、今日で終わらせられたんだしいいじゃん」
479: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/03/26(土) 20:22:01.41 ID:GX9v6DpB
果南「何、千歌はもう終わったの?」
千歌「終わったよー」
果南「私はもうちょっとかかりそうかな」カリカリ
千歌「うわー果南ちゃんダメダメだねー」
果南「いやいや三年生の難易度の高さをあまり舐めないほうがいいよ」
鞠莉「ほらそこ手を止めない」
果南「へーい」カリカリ
千歌「終わったよー」
果南「私はもうちょっとかかりそうかな」カリカリ
千歌「うわー果南ちゃんダメダメだねー」
果南「いやいや三年生の難易度の高さをあまり舐めないほうがいいよ」
鞠莉「ほらそこ手を止めない」
果南「へーい」カリカリ
480: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/03/26(土) 20:22:30.09 ID:GX9v6DpB
梨子「鞠莉さんって結構ああいう役向いてるんですね」
ダイヤ「ああ見えて※マルチリンガルですからね彼女は、それに向こうで講師も経験してますし」
ダイヤ「伊達に理事長はやっていませんわよ」
鞠莉「ああ見えては一言多いんじゃないかしら?」
ダイヤ「それは失礼しました」
果南「え、何マルチリンガルって」
千歌「バイリンガルじゃないの?」
曜「うん、違うよ」
曜(ていうかサラッと流したけど鞠莉ちゃんのスペックかなり高くない?)
※数ヶ国語を話せる人のこと、多言語とも呼ばれる
ダイヤ「ああ見えて※マルチリンガルですからね彼女は、それに向こうで講師も経験してますし」
ダイヤ「伊達に理事長はやっていませんわよ」
鞠莉「ああ見えては一言多いんじゃないかしら?」
ダイヤ「それは失礼しました」
果南「え、何マルチリンガルって」
千歌「バイリンガルじゃないの?」
曜「うん、違うよ」
曜(ていうかサラッと流したけど鞠莉ちゃんのスペックかなり高くない?)
※数ヶ国語を話せる人のこと、多言語とも呼ばれる
481: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/03/26(土) 20:23:00.59 ID:GX9v6DpB
梨子「うん、これなら大丈夫そうかも」
ダイヤ「何がでしょうか?」
梨子「ダイヤさん、少しお話しがあるんですけど付き合ってくれませんか?」
ダイヤ「私、ですか?」
鞠莉「行ってくれば、果南は私が見ておくから」
ダイヤ「それなら構いませんけど」
梨子「こっちです、一緒に来てください」
ダイヤ「何がでしょうか?」
梨子「ダイヤさん、少しお話しがあるんですけど付き合ってくれませんか?」
ダイヤ「私、ですか?」
鞠莉「行ってくれば、果南は私が見ておくから」
ダイヤ「それなら構いませんけど」
梨子「こっちです、一緒に来てください」
482: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/03/26(土) 20:23:41.65 ID:GX9v6DpB
果南「ふーん、梨子ちゃんとダイヤがお話しねえ…」
曜「邪魔しちゃ駄目だよ」
果南「まだ何も言ってないけど」
果南「それとも私が邪魔したくなるような話を今から二人がするっていうの?」
曜「さあ、どうでしょう」
果南「…曜、もしかして梨子ちゃんに余計なこと吹き込んだとかないよね」
曜「余計かどうかは結果が出ないことには分からないよ」
曜「邪魔しちゃ駄目だよ」
果南「まだ何も言ってないけど」
果南「それとも私が邪魔したくなるような話を今から二人がするっていうの?」
曜「さあ、どうでしょう」
果南「…曜、もしかして梨子ちゃんに余計なこと吹き込んだとかないよね」
曜「余計かどうかは結果が出ないことには分からないよ」
483: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/03/26(土) 20:24:13.59 ID:GX9v6DpB
果南「…私、ちょっと様子見てくる」
鞠莉「駄目よ、まだ終わってないじゃない」
果南「鞠莉!」
鞠莉「そんなに熱くならないの」
鞠莉「まだって言ったでしょ、絶対なんて言うつもりはないわ」
千歌「果南ちゃん、終わったらみんなで一緒に行こうよ。曜ちゃんもそれならいいよね?」
曜「…いいよ、でも様子を見るだけだからね」
鞠莉「OK 覗くのは得意よ、安心して」
鞠莉「駄目よ、まだ終わってないじゃない」
果南「鞠莉!」
鞠莉「そんなに熱くならないの」
鞠莉「まだって言ったでしょ、絶対なんて言うつもりはないわ」
千歌「果南ちゃん、終わったらみんなで一緒に行こうよ。曜ちゃんもそれならいいよね?」
曜「…いいよ、でも様子を見るだけだからね」
鞠莉「OK 覗くのは得意よ、安心して」
484: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/03/26(土) 20:24:45.18 ID:GX9v6DpB
千歌「あはは鞠莉ちゃんはいっつもだもんねー!」
鞠莉「そういう千歌っちも中々いい線いってるわよ」
千歌「ホント!?」
鞠莉「ええ♪」
果南「……」
鞠莉「ほら果南、早く行きたかったら手を動かしなさい」
果南「……ふん」
千歌「いやー先生みたいな鞠莉ちゃんもなかなか新鮮ですなー」
曜「……」
千歌(参ったなぁ……どうしたものかこれは)
鞠莉「そういう千歌っちも中々いい線いってるわよ」
千歌「ホント!?」
鞠莉「ええ♪」
果南「……」
鞠莉「ほら果南、早く行きたかったら手を動かしなさい」
果南「……ふん」
千歌「いやー先生みたいな鞠莉ちゃんもなかなか新鮮ですなー」
曜「……」
千歌(参ったなぁ……どうしたものかこれは)
485: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/03/26(土) 20:25:15.81 ID:GX9v6DpB
─
ダイヤ「で、話とは一体何でしょうか?」
梨子「単刀直入に言います、ルビィちゃんのことです」
ダイヤ「…やはりそうでしたか」
梨子「はい、そのことでお願いがあってきました」
梨子「……」スゥー
梨子「ルビィちゃんを、あの子を私たちに引き取らせてもらえませんか」
ダイヤ「!」
486: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/03/26(土) 20:25:53.06 ID:GX9v6DpB
ダイヤ「…それは梨子さんのお母様も賛同しているのでしょうか」
梨子「いいえ、私個人の考えです」
ダイヤ「成程、そうですか」
ダイヤ「……」
ダイヤ「なら認めるわけにはいきませんわね」
梨子「……」
ダイヤ「そもそもこの話は既に終わっていることです、もし異論があったのならそのときに言わなければ」
ダイヤ「今更それを貴女が申し上げたところで状況は変わりません、ただ蒸し返すだけです」
梨子「いいえ、私個人の考えです」
ダイヤ「成程、そうですか」
ダイヤ「……」
ダイヤ「なら認めるわけにはいきませんわね」
梨子「……」
ダイヤ「そもそもこの話は既に終わっていることです、もし異論があったのならそのときに言わなければ」
ダイヤ「今更それを貴女が申し上げたところで状況は変わりません、ただ蒸し返すだけです」
487: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/03/26(土) 20:26:28.21 ID:GX9v6DpB
梨子「だから黙っていろと?」
ダイヤ「私はあくまで物事を客観的に見たうえで意見を述べているまでです」
ダイヤ「ただ私個人としては梨子さんの気持ちも理解できますし、思うところはあります」
ダイヤ「同じ姉ですからね」
梨子「っ!」
ダイヤ「ですが、それとこれとは話が別──「なんですかそれ」
ダイヤ「え…?」
ダイヤ「私はあくまで物事を客観的に見たうえで意見を述べているまでです」
ダイヤ「ただ私個人としては梨子さんの気持ちも理解できますし、思うところはあります」
ダイヤ「同じ姉ですからね」
梨子「っ!」
ダイヤ「ですが、それとこれとは話が別──「なんですかそれ」
ダイヤ「え…?」
488: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/03/26(土) 20:27:03.35 ID:GX9v6DpB
鞠莉「何とか間に合ったみたいね」コソ
千歌「いや間に合ったのはいいけど、これ」
鞠莉「ええ、かなり不穏な感じね」
曜(…やっぱりそうなるよね、でも)
曜(これでいいんだ、少なくとも梨子ちゃんの気持ちを押し殺してまで)
曜(いい方向に終わらせてめでたしなんて、私は納得いかない)
果南「……ダイヤ」
千歌「いや間に合ったのはいいけど、これ」
鞠莉「ええ、かなり不穏な感じね」
曜(…やっぱりそうなるよね、でも)
曜(これでいいんだ、少なくとも梨子ちゃんの気持ちを押し殺してまで)
曜(いい方向に終わらせてめでたしなんて、私は納得いかない)
果南「……ダイヤ」
489: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/03/26(土) 20:27:38.88 ID:GX9v6DpB
梨子「同じ姉として共感できるって、本気で言ってるんですか」
ダイヤ「梨子さん…?」
梨子「だったら返してくださいよ、私に」
ダイヤ「待って梨子さん落ち着いてください、何か気に障るようなことがあったなら…」
梨子「ダイヤさんは分かるんでしょう? 妹がいなくなった気持ちが」
ダイヤ「!」
梨子「ルビィちゃんは…私の妹じゃないですか」
ダイヤ「梨子さん…?」
梨子「だったら返してくださいよ、私に」
ダイヤ「待って梨子さん落ち着いてください、何か気に障るようなことがあったなら…」
梨子「ダイヤさんは分かるんでしょう? 妹がいなくなった気持ちが」
ダイヤ「!」
梨子「ルビィちゃんは…私の妹じゃないですか」
490: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/03/26(土) 20:28:13.16 ID:GX9v6DpB
ダイヤ「……私の、妹は」
梨子「サファイアちゃんですよね?」
ダイヤ「それだけじゃ──」
梨子「それだけでしょ!!」
梨子「もし違うって言うなら!私の気持ちが分かるなんて軽々しく言わないでよ!」
梨子「代わりを手に入れた貴女に本当の家族を取られた私の気持ちなんて理解出来るわけがないのに!」
梨子「そんな簡単に済ませないでよ!!」
ダイヤ「!!」
梨子「サファイアちゃんですよね?」
ダイヤ「それだけじゃ──」
梨子「それだけでしょ!!」
梨子「もし違うって言うなら!私の気持ちが分かるなんて軽々しく言わないでよ!」
梨子「代わりを手に入れた貴女に本当の家族を取られた私の気持ちなんて理解出来るわけがないのに!」
梨子「そんな簡単に済ませないでよ!!」
ダイヤ「!!」
491: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/03/26(土) 20:28:43.08 ID:GX9v6DpB
梨子「………あ……」
梨子「……ちが…今のは……」
ダイヤ「……すみません」
梨子「…帰ります、ルビィちゃんによろしく伝えておいてください……さようなら」
ダイヤ「……っ……はい」
梨子「……ごめんなさい」ボソッ
梨子「……ちが…今のは……」
ダイヤ「……すみません」
梨子「…帰ります、ルビィちゃんによろしく伝えておいてください……さようなら」
ダイヤ「……っ……はい」
梨子「……ごめんなさい」ボソッ
492: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/03/26(土) 20:29:17.70 ID:GX9v6DpB
シーン
「……」
果南「終わったみたいだね」
果南「いやーあんなに怒る梨子ちゃん初めて見たよ、ねえ三人とも」
千歌「……」
鞠莉「…果南」
果南「あれはちょっと静かにさせる必要があるかな」スクッ
ガシッ
曜「…待った」
果南「なに止めてんの、離しなよ」
曜「いやだ」
493: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/03/26(土) 20:29:47.25 ID:GX9v6DpB
果南「あのさあ、それ梨子ちゃんが発言した意味分かったうえで言ってるの?」
果南「流石に少しイラッときたんだけどあの言い放題ぶりには」
曜「意味? 別におかしいこと言ってないよね、本当のことじゃん」
果南「言っていいことと悪いことの区別すらつかないのそちら様はさ」
曜「そっちが都合の悪い事実から目を背けてるから言ってるんでしょ」
果南「…は? 何知った風な口きいてるの」
果南「いるよね、何も知らないくせに偉そうに口出ししてくる人って」
曜「安全圏だからと高を括って上から物言う誰かさんよりマシじゃない?」
果南「流石に少しイラッときたんだけどあの言い放題ぶりには」
曜「意味? 別におかしいこと言ってないよね、本当のことじゃん」
果南「言っていいことと悪いことの区別すらつかないのそちら様はさ」
曜「そっちが都合の悪い事実から目を背けてるから言ってるんでしょ」
果南「…は? 何知った風な口きいてるの」
果南「いるよね、何も知らないくせに偉そうに口出ししてくる人って」
曜「安全圏だからと高を括って上から物言う誰かさんよりマシじゃない?」
494: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/03/26(土) 20:30:26.34 ID:GX9v6DpB
鞠莉「ち、ちょっと二人とも」
果南「安全? …いい加減にしなよ本当に、さっきから分かったようなことばかりさあ!」
果南「あの子が、ダイヤがこれまでどれだけ苦労してきたか見てもいないくせにっ!!」
曜「そっちだって梨子ちゃんがどんなに辛い思いをしているかなんて考えたこともないでしょ!!」
曜「口を開けばダイヤさんダイヤさんってふざけないでよ!」
曜「そういう黒澤家中心に話を進める空気があったから梨子ちゃんは誰にも打ち明けられなかったのに!!」
果南「安全? …いい加減にしなよ本当に、さっきから分かったようなことばかりさあ!」
果南「あの子が、ダイヤがこれまでどれだけ苦労してきたか見てもいないくせにっ!!」
曜「そっちだって梨子ちゃんがどんなに辛い思いをしているかなんて考えたこともないでしょ!!」
曜「口を開けばダイヤさんダイヤさんってふざけないでよ!」
曜「そういう黒澤家中心に話を進める空気があったから梨子ちゃんは誰にも打ち明けられなかったのに!!」
495: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/03/26(土) 20:30:57.32 ID:GX9v6DpB
果南「黒澤家中心? それの何が悪いのさ! 今までずっとルビィちゃんを育ててきたのは事実でしょ!」
果南「寧ろどうして今まで放ったらかしにしてた人たちが今更家族目線で物申してきてるのか私は不思議でならないけどね!!」
曜「そっちが奪い取ったからだろ! 勝手な私情で本当の家族から!!」
果南「何を悪者みたいに…っ…捨てた側のくせに被害者面するな!」
曜「!!」
鞠莉「果南! 言いすぎよ!」
鞠莉「曜、貴女もよ! 少しは落ち着きなさい!」
鞠莉「今ここであなた達が対立してどうするの!」
果南「寧ろどうして今まで放ったらかしにしてた人たちが今更家族目線で物申してきてるのか私は不思議でならないけどね!!」
曜「そっちが奪い取ったからだろ! 勝手な私情で本当の家族から!!」
果南「何を悪者みたいに…っ…捨てた側のくせに被害者面するな!」
曜「!!」
鞠莉「果南! 言いすぎよ!」
鞠莉「曜、貴女もよ! 少しは落ち着きなさい!」
鞠莉「今ここであなた達が対立してどうするの!」
496: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/03/26(土) 20:31:30.67 ID:GX9v6DpB
曜「……いや、いいよ鞠莉ちゃん、大丈夫だから」
鞠莉「大丈夫って何がよ! そうじゃないから今…」
曜「もういい、さっきのでもう何を言っても話が通じないんだって分かった」
果南「よく言うね、自分のこと棚に上げて」
曜「そうだね……だから、話し合うのはやめる」
鞠莉「! じゃあ……」
曜「やり方を変えよう」
鞠莉「大丈夫って何がよ! そうじゃないから今…」
曜「もういい、さっきのでもう何を言っても話が通じないんだって分かった」
果南「よく言うね、自分のこと棚に上げて」
曜「そうだね……だから、話し合うのはやめる」
鞠莉「! じゃあ……」
曜「やり方を変えよう」
497: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/03/26(土) 20:32:12.86 ID:GX9v6DpB
鞠莉「…え……」
曜「話し合いじゃない方向にしようよ」
鞠莉「よ、曜……? 一回置いときましょうよそれは、また別の機会でいいじゃない…」
鞠莉「まずはお互い冷静になってから…ね、果南?」
果南「へえ、詳しく聞かせてよ…あと鞠莉はちょっと黙ってて」
鞠莉「果南…っ……!」
千歌「……」
曜「話し合いじゃない方向にしようよ」
鞠莉「よ、曜……? 一回置いときましょうよそれは、また別の機会でいいじゃない…」
鞠莉「まずはお互い冷静になってから…ね、果南?」
果南「へえ、詳しく聞かせてよ…あと鞠莉はちょっと黙ってて」
鞠莉「果南…っ……!」
千歌「……」
498: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/03/26(土) 20:32:41.28 ID:GX9v6DpB
曜「結局どんなに言い合っても平行線になるから話し合いは無駄でしかない、だったら」
曜「この揉め事は別の形で白黒はっきりつけるべきだと思う、果南ちゃんもその方がいいでしょ?」
果南「まあね。で、どうやって決着をつけるつもりなの」
鞠莉「ねえ、お願いだから私の話を聞いて…」
曜「再来週、東京でやるライブ大会」
曜「そこで私と果南ちゃん、どっちのパフォーマンスが上か勝負しよう」
鞠莉「っ!!」
千歌「……!」ピクッ
曜「この揉め事は別の形で白黒はっきりつけるべきだと思う、果南ちゃんもその方がいいでしょ?」
果南「まあね。で、どうやって決着をつけるつもりなの」
鞠莉「ねえ、お願いだから私の話を聞いて…」
曜「再来週、東京でやるライブ大会」
曜「そこで私と果南ちゃん、どっちのパフォーマンスが上か勝負しよう」
鞠莉「っ!!」
千歌「……!」ピクッ
499: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/03/26(土) 20:33:12.93 ID:GX9v6DpB
曜「負けたほうは相手側の要求を呑むこと、それでいいよね?」
果南「いいよ、面白そうじゃん」
果南「そこで何も言い返せないくらい叩きのめせばいいんでしょ」
曜「それはこっちの台詞だから」
果南「あっそ、まあ楽しみにしておくよそれなりには」
果南「被害妄想が過ぎる人間の言葉なんか、大した凄味にもなりはしないけどね」
曜「最後までその威勢が続くといいね、それこそ片想いの期間までさ」
果南「! この……言わせておけばっ!」
曜「うるさいな、本気でムカついてるのは私のほうなんだよ…!」
鞠莉「二人とも待っ……「いい加減にしろっ!!!」
果南「いいよ、面白そうじゃん」
果南「そこで何も言い返せないくらい叩きのめせばいいんでしょ」
曜「それはこっちの台詞だから」
果南「あっそ、まあ楽しみにしておくよそれなりには」
果南「被害妄想が過ぎる人間の言葉なんか、大した凄味にもなりはしないけどね」
曜「最後までその威勢が続くといいね、それこそ片想いの期間までさ」
果南「! この……言わせておけばっ!」
曜「うるさいな、本気でムカついてるのは私のほうなんだよ…!」
鞠莉「二人とも待っ……「いい加減にしろっ!!!」
500: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/03/26(土) 20:33:45.43 ID:GX9v6DpB
曜・果南「!」
千歌「ハアッ…ハァーッ……さっきから大人しく聞いていれば……何が話し合いだ互いの悪口しか言ってないくせに」
千歌「しかも止めようとしてくれてる鞠莉ちゃんのことを尽く無視したり黙ってろだの……何様のつもり…?」
千歌「そのうえライブの大会で勝負……!? しかもそれを面白そうって…」
千歌「…何それ、ねえ」ギリッ
千歌「バッカじゃないの! 何考えてるの! ラブライブをゲームか何かだと思ってるわけ!?」
千歌「そんなつまらないことのために開かれてなんかないんだよ! ねえ何で私たちがそこに呼ばれたのか二人とも本当に分かってる!?」
千歌「次に来る新しい世代の、その代表の一つとして! スクールアイドルAqoursの良さを知ってもらうために!」
千歌「何より会場に来る人達みんなに楽しんでもらうためにそこに行くんだよ!!?」
千歌「ハアッ…ハァーッ……さっきから大人しく聞いていれば……何が話し合いだ互いの悪口しか言ってないくせに」
千歌「しかも止めようとしてくれてる鞠莉ちゃんのことを尽く無視したり黙ってろだの……何様のつもり…?」
千歌「そのうえライブの大会で勝負……!? しかもそれを面白そうって…」
千歌「…何それ、ねえ」ギリッ
千歌「バッカじゃないの! 何考えてるの! ラブライブをゲームか何かだと思ってるわけ!?」
千歌「そんなつまらないことのために開かれてなんかないんだよ! ねえ何で私たちがそこに呼ばれたのか二人とも本当に分かってる!?」
千歌「次に来る新しい世代の、その代表の一つとして! スクールアイドルAqoursの良さを知ってもらうために!」
千歌「何より会場に来る人達みんなに楽しんでもらうためにそこに行くんだよ!!?」
501: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/03/26(土) 20:34:21.22 ID:GX9v6DpB
千歌「大勢の人たちに見てもらって、認めて貰えて、折角みんなでここまで来たのに!!」
千歌「なのにそれを自分たちの勝手な思いつきで滅茶苦茶にするつもりなの!?」
千歌「そんなライブをやったところで誰かが満足すると思う!?」
千歌「ステージも曲もダンスもこのグループも! 二人だけのものじゃないんだよ!!」
千歌「勝負だの要求だのって当事者でもないくせに!!」
千歌「なのにそれを自分たちの勝手な思いつきで滅茶苦茶にするつもりなの!?」
千歌「そんなライブをやったところで誰かが満足すると思う!?」
千歌「ステージも曲もダンスもこのグループも! 二人だけのものじゃないんだよ!!」
千歌「勝負だの要求だのって当事者でもないくせに!!」
502: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/03/26(土) 20:34:53.09 ID:GX9v6DpB
曜「それは…」
果南「……」
千歌「……っ……なんでそうなの」
千歌「…がっかりだよ、一番最初に私に付き合ってくれた二人がそんなこと言うなんて」
千歌「もし今の話を梨子ちゃんやダイヤさんが聞いたらどう思うだろうね」
曜・果南「っ!!」
果南「……」
千歌「……っ……なんでそうなの」
千歌「…がっかりだよ、一番最初に私に付き合ってくれた二人がそんなこと言うなんて」
千歌「もし今の話を梨子ちゃんやダイヤさんが聞いたらどう思うだろうね」
曜・果南「っ!!」
503: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/03/26(土) 20:35:33.39 ID:GX9v6DpB
千歌「心配しなくていいよ、今の話は聞かなかったことにしておくから……だけど」
千歌「二人が本番当日でもまだそんなふざけたことを考えてるんだったら、私は絶対に許さない!」
千歌「曜ちゃんも果南ちゃんも本当に許さないからっ!!」ジワッ
千歌「白黒はっきりつける前に少しは頭冷やせ!このバカっ!!」ダッ
鞠莉「千歌っち!」
鞠莉「……」クルッ
曜・果南「…………」
鞠莉「…っ……」タッタッタ
千歌「二人が本番当日でもまだそんなふざけたことを考えてるんだったら、私は絶対に許さない!」
千歌「曜ちゃんも果南ちゃんも本当に許さないからっ!!」ジワッ
千歌「白黒はっきりつける前に少しは頭冷やせ!このバカっ!!」ダッ
鞠莉「千歌っち!」
鞠莉「……」クルッ
曜・果南「…………」
鞠莉「…っ……」タッタッタ
504: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/03/26(土) 20:36:12.27 ID:GX9v6DpB
千歌「ああもう本当にあったまきた、なんなの!」スタスタスタ
千歌「信じられない! いくら勢いがあったからって…!」
鞠莉「待って千歌っち!」
千歌「…鞠莉ちゃん、付いてきてたんだ」
鞠莉「あのね千歌っち…その、私が言うのもだけど、さっきのはちょっと言葉として強すぎというか」
鞠莉「二人とも千歌っちにあんな事言われたら、気落ちするんじゃ…」
千歌「そんなことないよ、寧ろあれくらい言わないと」
鞠莉「でも…」
千歌「でもじゃなくて本当にそうなの。大体鞠莉ちゃんは少し優しすぎるよ、自分が傷ついてるのにさ」
鞠莉「……」
千歌「信じられない! いくら勢いがあったからって…!」
鞠莉「待って千歌っち!」
千歌「…鞠莉ちゃん、付いてきてたんだ」
鞠莉「あのね千歌っち…その、私が言うのもだけど、さっきのはちょっと言葉として強すぎというか」
鞠莉「二人とも千歌っちにあんな事言われたら、気落ちするんじゃ…」
千歌「そんなことないよ、寧ろあれくらい言わないと」
鞠莉「でも…」
千歌「でもじゃなくて本当にそうなの。大体鞠莉ちゃんは少し優しすぎるよ、自分が傷ついてるのにさ」
鞠莉「……」
505: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/03/26(土) 20:36:39.40 ID:GX9v6DpB
鞠莉「それは、私だけじゃないわ…二人だって同じよ」
千歌「みんなのために気を遣うのと、誰か一人のために周りを巻き込むのは全然違うよ」
千歌「今の曜ちゃんと果南ちゃんは周りが見えてなさすぎ、それに」
千歌「私がああ言ったところで、きっと二人は止まらないと思う」
鞠莉「どうして…?」
千歌「昔ね、一回だけ曜ちゃんと果南ちゃんが大喧嘩したことがあってさ」
鞠莉「曜と果南が?」
千歌「サファイアちゃんの葬儀でって言ったら何となく分かるでしょ?」
鞠莉「!」
千歌「みんなのために気を遣うのと、誰か一人のために周りを巻き込むのは全然違うよ」
千歌「今の曜ちゃんと果南ちゃんは周りが見えてなさすぎ、それに」
千歌「私がああ言ったところで、きっと二人は止まらないと思う」
鞠莉「どうして…?」
千歌「昔ね、一回だけ曜ちゃんと果南ちゃんが大喧嘩したことがあってさ」
鞠莉「曜と果南が?」
千歌「サファイアちゃんの葬儀でって言ったら何となく分かるでしょ?」
鞠莉「!」
506: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/03/26(土) 20:37:17.79 ID:GX9v6DpB
千歌「原因は私がいつもより大きな葬式だからってはしゃいでたせい」
千歌「それで怒った果南ちゃんが私を突き飛ばして、そのことに怒った曜ちゃんが果南ちゃんにつかみかかって大騒ぎ」
千歌「もう昔の話だからお互いそのことについては何のわだかまりもないし、子供だからで済ませられたけどさ」
千歌「今は違うでしょ」
鞠莉「…」
千歌「それで怒った果南ちゃんが私を突き飛ばして、そのことに怒った曜ちゃんが果南ちゃんにつかみかかって大騒ぎ」
千歌「もう昔の話だからお互いそのことについては何のわだかまりもないし、子供だからで済ませられたけどさ」
千歌「今は違うでしょ」
鞠莉「…」
507: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/03/26(土) 20:37:50.46 ID:GX9v6DpB
千歌「最近まで知らなかったけど果南ちゃんがダイヤさんを想う気持ちは変わらないどころか昔よりもっと強くなってると思うし」
千歌「曜ちゃんにも大切な人が出来た」
千歌「いいことだと思うよ、そうなること自体は。けど」
千歌「……」
千歌「あの二人はさ、いつも落ち着いてたり余裕があったりするけど…一度頭に血が上ったら止められなくなるんだよ」
千歌「ああ見えて融通が利かないから、鞠莉ちゃんも知ってるはずだよ」
鞠莉「…ええ、よく知ってる。そのくせ折れない」
千歌「私が一回怒鳴ったくらいで片付くなら、別にそれでいいんだよ」
千歌「だけどあんなので考えを変えるほど、二人にとってはどうでもいい話じゃない」
千歌「曜ちゃんにも大切な人が出来た」
千歌「いいことだと思うよ、そうなること自体は。けど」
千歌「……」
千歌「あの二人はさ、いつも落ち着いてたり余裕があったりするけど…一度頭に血が上ったら止められなくなるんだよ」
千歌「ああ見えて融通が利かないから、鞠莉ちゃんも知ってるはずだよ」
鞠莉「…ええ、よく知ってる。そのくせ折れない」
千歌「私が一回怒鳴ったくらいで片付くなら、別にそれでいいんだよ」
千歌「だけどあんなので考えを変えるほど、二人にとってはどうでもいい話じゃない」
508: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/03/26(土) 20:38:21.54 ID:GX9v6DpB
千歌「他人事じゃないから、自分のことのように相手を想っているから絶対に曲げることはない」
千歌「今は上手く納まったとしても、近いうちに必ずどこかでまた衝突する」
千歌「分かるよ、ずっと一緒にいたんだからそれくらい」
千歌「だから尚更、腹が立つんだ……!」
千歌「あのとき私が余計なことさえ言わなかったら…!」
鞠莉「それは違うわよ千歌っち」ギュッ
鞠莉「きっと千歌っちが言わなくても、遅かれ早かれこうなってたと私は思うわ」
千歌「今は上手く納まったとしても、近いうちに必ずどこかでまた衝突する」
千歌「分かるよ、ずっと一緒にいたんだからそれくらい」
千歌「だから尚更、腹が立つんだ……!」
千歌「あのとき私が余計なことさえ言わなかったら…!」
鞠莉「それは違うわよ千歌っち」ギュッ
鞠莉「きっと千歌っちが言わなくても、遅かれ早かれこうなってたと私は思うわ」
509: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/03/26(土) 20:38:53.57 ID:GX9v6DpB
鞠莉「だからそんなに自分を責めちゃ駄目よ」
千歌「分かってるよそんなの! ……わかるけど…!」
鞠莉「……」
千歌「…鞠莉ちゃん、私…悔しいよ…っ」
千歌「ここまで分かってるのに、何も出来ないのが……っ…悔しくてしょうがないよ!!」
鞠莉「……よくやってるわよ、貴女は」サスサス
千歌「分かってるよそんなの! ……わかるけど…!」
鞠莉「……」
千歌「…鞠莉ちゃん、私…悔しいよ…っ」
千歌「ここまで分かってるのに、何も出来ないのが……っ…悔しくてしょうがないよ!!」
鞠莉「……よくやってるわよ、貴女は」サスサス
510: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/03/26(土) 20:39:22.41 ID:GX9v6DpB
─
ルビィ「……はっ…はっ……」
ピピピピッ
善子「はいやめ、お疲れさま」カチッ
ルビィ「ふぅ、疲れたぁ……」
善子「よくやるわね本当に」
ルビィ「一人でやるのも大事だから」
511: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/03/26(土) 20:39:57.96 ID:GX9v6DpB
善子「ライブねえ…思えばあと二週間か、早いようなそうでもないような」
ルビィ「みんなと過ごせばあっという間だよ、きっと」
善子「そうかしらね」
ルビィ「だって楽しい時間はすぐだっていうし」
ルビィ「みんなもライブは楽しみにしてるはずだもん、初めて大きな会場でやるんだし」
善子「まあね」
ルビィ「善子ちゃんは落ち着いてるよね」
善子「実感が湧いてないだけよ、楽しみにはしてるわ」
ルビィ「みんなと過ごせばあっという間だよ、きっと」
善子「そうかしらね」
ルビィ「だって楽しい時間はすぐだっていうし」
ルビィ「みんなもライブは楽しみにしてるはずだもん、初めて大きな会場でやるんだし」
善子「まあね」
ルビィ「善子ちゃんは落ち着いてるよね」
善子「実感が湧いてないだけよ、楽しみにはしてるわ」
512: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/03/26(土) 20:40:33.33 ID:GX9v6DpB
ルビィ「そっか、ならよかった」
善子「絶対成功させましょうね」
ルビィ「うん! じゃあそろそろ帰ろっか」
善子「ええ」
プツン
ルビィ「…あれ?」
善子「どうしたの」
善子「絶対成功させましょうね」
ルビィ「うん! じゃあそろそろ帰ろっか」
善子「ええ」
プツン
ルビィ「…あれ?」
善子「どうしたの」
513: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/03/26(土) 20:41:03.00 ID:GX9v6DpB
ルビィ「靴ひもが切れた」ホラ
善子「激しい運動しすぎたんじゃないの」
ルビィ「そうかも、それか善子ちゃんの不幸がうつったか」
善子「失礼ね、そんなわけないでしょ」
ルビィ「えへへっごめんなさい」
ルビィ「あっそうだ! なら次はお買い物に行こう!」
ルビィ「一緒に選んでくれるでしょ?」
善子「あーはいはい、お供しますとも」
ルビィ「約束だよ?」
善子「ええ、約束ね」
善子「激しい運動しすぎたんじゃないの」
ルビィ「そうかも、それか善子ちゃんの不幸がうつったか」
善子「失礼ね、そんなわけないでしょ」
ルビィ「えへへっごめんなさい」
ルビィ「あっそうだ! なら次はお買い物に行こう!」
ルビィ「一緒に選んでくれるでしょ?」
善子「あーはいはい、お供しますとも」
ルビィ「約束だよ?」
善子「ええ、約束ね」
514: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/03/26(土) 20:41:32.78 ID:GX9v6DpB
517: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/03/27(日) 13:03:26.07 ID:d19RMB1x
……それから
一日
千歌「曜ちゃん梨子ちゃんおはよー!」
曜「おはよう千歌ちゃん!」
梨子「おはよう」
千歌「あっ果南ちゃんとダイヤさんおはよう!」
曜・梨子「!」
果南「おはよ」
ダイヤ「千歌さんは相変わらず元気ですわね」フフッ
518: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/03/27(日) 13:03:54.66 ID:d19RMB1x
ダイヤ「……梨子さんも、おはようございます」
梨子「……ええ、どうも」
果南「行こうかダイヤ」
ダイヤ「もうですか?」
果南「別に急ぐ理由もないんだけどさ」
曜「話すこともないでしょ」
曜・果南「……」
梨子「……ええ、どうも」
果南「行こうかダイヤ」
ダイヤ「もうですか?」
果南「別に急ぐ理由もないんだけどさ」
曜「話すこともないでしょ」
曜・果南「……」
519: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/03/27(日) 13:04:38.79 ID:d19RMB1x
梨子(千歌ちゃん、あの二人どうしたの。喧嘩でもしたの?)ヒソヒソ
千歌「あー! そういえば私教室でやることがあるんだった! 早く行かなくちゃ!」
千歌「じゃあ二人ともまた後でねー!」
ダイヤ「あ、はい」
梨子「ちょっと千歌ちゃん!?」
曜「…ま、そういうことだから」
果南「早く行けば」
曜「言われなくてもそうするけど」
千歌「あー! そういえば私教室でやることがあるんだった! 早く行かなくちゃ!」
千歌「じゃあ二人ともまた後でねー!」
ダイヤ「あ、はい」
梨子「ちょっと千歌ちゃん!?」
曜「…ま、そういうことだから」
果南「早く行けば」
曜「言われなくてもそうするけど」
520: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/03/27(日) 13:05:12.93 ID:d19RMB1x
ダイヤ「果南さん……曜さんと何かあったのですか?」
ダイヤ「随分と空気が重く感じましたが」
果南「いいや、大したことじゃないよ」
果南「それよりダイヤのほうこそ梨子ちゃんに対して気まずそうだったけど?」
ダイヤ「それは……」
果南「余計な詮索は無しでいこうよ、お互いにさ」
果南「さてと、私たちもぼちぼち行きますか」
ダイヤ「……果南さん」
ダイヤ「随分と空気が重く感じましたが」
果南「いいや、大したことじゃないよ」
果南「それよりダイヤのほうこそ梨子ちゃんに対して気まずそうだったけど?」
ダイヤ「それは……」
果南「余計な詮索は無しでいこうよ、お互いにさ」
果南「さてと、私たちもぼちぼち行きますか」
ダイヤ「……果南さん」
521: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/03/27(日) 13:05:50.40 ID:d19RMB1x
三日
千歌「はいはい! まずは準備運動からー!」
千歌「今日はいつもと違うペアでやってみよー!」
曜「梨子ちゃん、一緒にやろうよ」
善子「ちょっといきなり趣旨が違うじゃない」
曜「放っておくと危なそうだからさ」
善子「何が危ないっていうのよ」
果南「ほっとけば、過保護先輩のことなんて」
果南「私はルビィちゃんとでも組むかな」
522: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/03/27(日) 13:06:19.56 ID:d19RMB1x
梨子「!」
曜「待った、ルビィちゃんとは私が組むから」
果南「どうしたのさコロコロ意見変えて」
曜「別にいいでしょ、いつもと違うんだから」
ルビィ「あ、あの」
千歌「いやー! ルビィちゃん人気だねー!」
千歌「じゃあそこは三人一組でやろっか!」
ルビィ「え、はい」
果南「よかったね、入れて貰えて」
曜「九人いるんだから自然とそうなるでしょ」
曜「待った、ルビィちゃんとは私が組むから」
果南「どうしたのさコロコロ意見変えて」
曜「別にいいでしょ、いつもと違うんだから」
ルビィ「あ、あの」
千歌「いやー! ルビィちゃん人気だねー!」
千歌「じゃあそこは三人一組でやろっか!」
ルビィ「え、はい」
果南「よかったね、入れて貰えて」
曜「九人いるんだから自然とそうなるでしょ」
523: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/03/27(日) 13:06:59.92 ID:d19RMB1x
千歌「私は善子ちゃんと!」
善子「よろしく」
梨子・ダイヤ「……」
ダイヤ「なら、私は花丸さんと」
花丸「ダイヤさんと一緒なんて久しぶりだね」
鞠莉「最後は私と梨子ね、よろしくー!」
梨子「よろしくお願いします」
鞠莉「そんなに固くならなくてもいいわよ♪」
善子「よろしく」
梨子・ダイヤ「……」
ダイヤ「なら、私は花丸さんと」
花丸「ダイヤさんと一緒なんて久しぶりだね」
鞠莉「最後は私と梨子ね、よろしくー!」
梨子「よろしくお願いします」
鞠莉「そんなに固くならなくてもいいわよ♪」
524: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/03/27(日) 13:07:32.42 ID:d19RMB1x
千歌「はいそれじゃ始め!」
ダイヤ「……あの、花丸さん」
花丸「なに? ダイヤさん」
ダイヤ「その、ルビィのことなんですけど…」
ダイヤ「あの子は……」
花丸「…」
ダイヤ「……いえ、何でもありません」
花丸「そっか」
ダイヤ「……あの、花丸さん」
花丸「なに? ダイヤさん」
ダイヤ「その、ルビィのことなんですけど…」
ダイヤ「あの子は……」
花丸「…」
ダイヤ「……いえ、何でもありません」
花丸「そっか」
525: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/03/27(日) 13:08:00.60 ID:d19RMB1x
曜・果南「……」
ルビィ「…えーっと」
ルビィ「曜さん、次のライブの衣装だけど」
曜「ああアレ? あのまま続けていいんじゃないかな」
ルビィ「そ、そっか。うん分かった」
ルビィ「果南さんはその、部活以外にやってる練習とか」
果南「あーランニングは毎日欠かさずやってるよ」
ルビィ「あ、そうですか」
「…………」
ルビィ(……あれ、こんなに…静かだったっけ…?)
千歌「……」
ルビィ「…えーっと」
ルビィ「曜さん、次のライブの衣装だけど」
曜「ああアレ? あのまま続けていいんじゃないかな」
ルビィ「そ、そっか。うん分かった」
ルビィ「果南さんはその、部活以外にやってる練習とか」
果南「あーランニングは毎日欠かさずやってるよ」
ルビィ「あ、そうですか」
「…………」
ルビィ(……あれ、こんなに…静かだったっけ…?)
千歌「……」
526: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/03/27(日) 13:08:34.13 ID:d19RMB1x
五日
千歌「えー今後の活動についてだけど」
千歌「秋に差し掛かるっていうこともあって、月をイメージした衣装とかどうかな?」
鞠莉「それなら夜にライブとか見映えがいいわよね」
千歌「そうそう! 他になにか意見とかある人ー!」
曜・梨子「……」
果南・ダイヤ「……」
ルビィ「紅葉だから赤をメインにするとかどうでしょう?」
花丸「あとは京都を意識して和風とか」
527: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/03/27(日) 13:09:15.13 ID:d19RMB1x
千歌「あーいいねえ、曲もそろそろカッコいい感じのが欲しいもんね」
善子「和ロックみたいな?」
千歌「そこは考え中だけどね、梨子ちゃんはどう思う?」
梨子「……え? ああ、いいんじゃないかしら」
千歌「…他の三人は?」
曜「いいと思うよ」
果南「いいんじゃない、それで」
善子「ちょっとあなた達、真面目に聞きなさいよ」
善子「和ロックみたいな?」
千歌「そこは考え中だけどね、梨子ちゃんはどう思う?」
梨子「……え? ああ、いいんじゃないかしら」
千歌「…他の三人は?」
曜「いいと思うよ」
果南「いいんじゃない、それで」
善子「ちょっとあなた達、真面目に聞きなさいよ」
528: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/03/27(日) 13:09:51.26 ID:d19RMB1x
千歌「善子ちゃん、いいから」
善子「だけど」
ダイヤ「…まあ確かに、今までになかった和を取り入れるというのはありですわね」
鞠莉「決まりね、千歌っち」
千歌「そだね、じゃあ次のライブは和風を意識したものでみんなよろしく」
「「「はーい」」」
千歌(……あぁ……)
千歌(早く帰りたいなあ…)
善子「だけど」
ダイヤ「…まあ確かに、今までになかった和を取り入れるというのはありですわね」
鞠莉「決まりね、千歌っち」
千歌「そだね、じゃあ次のライブは和風を意識したものでみんなよろしく」
「「「はーい」」」
千歌(……あぁ……)
千歌(早く帰りたいなあ…)
529: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/03/27(日) 13:10:22.10 ID:d19RMB1x
そして、七日後……
千歌「はい今日の練習はここまで、みんなお疲れさま」
曜「お疲れー、行こう梨子ちゃん」
梨子「…そうだね」
果南「さ、帰ろ帰ろ。ダイヤはどうする?」
ダイヤ「私は生徒会の仕事が残ってますから」
果南「ふーん。じゃあお先」
千歌「……私も家の手伝いがあるから早く帰らないと」
鞠莉「そういえば私もまだ書類を片付けてなかったわね」
530: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/03/27(日) 13:10:54.65 ID:d19RMB1x
ゾロゾロ
善子「え、ちょ……っと。え?」
善子「…ねえ千歌、最近思うんだけどさ」
千歌「なに」クルッ
善子「その…なんかみんな、帰るの早くない? 素っ気ないっていうか」
千歌「別に毎回遅くまでいる必要ないんじゃないかな、練習をサボってるわけじゃないんだしさ」
善子「それはそうかもしれないけど、ねえ?」
花丸「うん……」
ルビィ「なんからしくないというか、それにラインの会話も最近淡泊すぎる気がするし…」
531: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/03/27(日) 13:11:26.40 ID:d19RMB1x
千歌「らしさって何?」
ルビィ「え…それは、えっと……前はもっと明るかった、気がするから」
ルビィ「Aqoursもそうだけど、千歌さんもこのところあまり元気そうじゃないから……心配で」
千歌「……」ハァー
千歌「ならさ、自分たちで盛り上げてみればいいんじゃない?」
千歌「私ばかりに任せないでさ、色々やってみればいいじゃん」
善子「千歌、貴女本当にどうしたのよ。そんな突き放すような言い方今までしなかったじゃない」
千歌「疲れたんだよ、もう」
ルビィ「え…それは、えっと……前はもっと明るかった、気がするから」
ルビィ「Aqoursもそうだけど、千歌さんもこのところあまり元気そうじゃないから……心配で」
千歌「……」ハァー
千歌「ならさ、自分たちで盛り上げてみればいいんじゃない?」
千歌「私ばかりに任せないでさ、色々やってみればいいじゃん」
善子「千歌、貴女本当にどうしたのよ。そんな突き放すような言い方今までしなかったじゃない」
千歌「疲れたんだよ、もう」
532: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/03/27(日) 13:12:02.51 ID:d19RMB1x
善子「疲れたって、確かにみんなのまとめ役は大変だと思うし」
善子「ライブも来週控えてるからそのプレッシャーもあるだろうし、気持ちは分かるけど」
千歌「けど何? 善子ちゃんに私の何が分かるっていうの」
善子「なっ……少なくとも最近メンバーの間でギクシャクしてるから」
善子「それで千歌が気をかなり遣ってるのは見てて分かるわよ」
千歌「だからそれ分かってるなら自分たちでどうにかする気はないのって話でしょ」
善子「そうだけどそんな言い方するなんて貴女らしくないって言ってるのよ」
善子「ライブも来週控えてるからそのプレッシャーもあるだろうし、気持ちは分かるけど」
千歌「けど何? 善子ちゃんに私の何が分かるっていうの」
善子「なっ……少なくとも最近メンバーの間でギクシャクしてるから」
善子「それで千歌が気をかなり遣ってるのは見てて分かるわよ」
千歌「だからそれ分かってるなら自分たちでどうにかする気はないのって話でしょ」
善子「そうだけどそんな言い方するなんて貴女らしくないって言ってるのよ」
533: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/03/27(日) 13:12:43.89 ID:d19RMB1x
千歌「え、何で私が文句言われなくちゃいけないの」
善子「いや文句じゃなくて…っ…」
ルビィ「ルビィたちは千歌さんのことが心配なんだよ、だから……えっと」
花丸「悩みがあるなら相談に乗るくらいは出来るはずだし」
千歌「悩みってさぁ……誰のせいでこんなことになってると思ってるの」
花丸「誰のせいって……」
千歌「…知ってるくせに、そうやって気付いてないふりするんだ」
千歌「いいよね花丸ちゃんは、そうやって傍観者気取っていざという時だけ口を挟めば」
千歌「それでいい扱いされるんだからさ」
花丸「!」
善子「いや文句じゃなくて…っ…」
ルビィ「ルビィたちは千歌さんのことが心配なんだよ、だから……えっと」
花丸「悩みがあるなら相談に乗るくらいは出来るはずだし」
千歌「悩みってさぁ……誰のせいでこんなことになってると思ってるの」
花丸「誰のせいって……」
千歌「…知ってるくせに、そうやって気付いてないふりするんだ」
千歌「いいよね花丸ちゃんは、そうやって傍観者気取っていざという時だけ口を挟めば」
千歌「それでいい扱いされるんだからさ」
花丸「!」
534: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/03/27(日) 13:13:28.45 ID:d19RMB1x
ルビィ「千歌さん、言いすぎだよ」
千歌「ルビィちゃんもさ、少しラクしすぎじゃない?」
千歌「いっつも正しい側に立とうとして、いつも周りに守ってくれる人がいて、それってどうなの?」
善子「ちょっと、いい加減にしなさいよ」
千歌「ほらね、来たでしょ」
善子「あのねえっ」
千歌「あーもういいよそういうの、本当にさ。うんざりするほど見たから」
千歌「ルビィちゃんもさ、少しラクしすぎじゃない?」
千歌「いっつも正しい側に立とうとして、いつも周りに守ってくれる人がいて、それってどうなの?」
善子「ちょっと、いい加減にしなさいよ」
千歌「ほらね、来たでしょ」
善子「あのねえっ」
千歌「あーもういいよそういうの、本当にさ。うんざりするほど見たから」
535: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/03/27(日) 13:14:01.46 ID:d19RMB1x
善子「千歌!」
千歌「そんなに文句があるなら来なよ、全部教えてあげるから」
善子「…いいわよ、行ってやろうじゃないの」
ルビィ「善子ちゃん…」
善子「ごめん、私ちょっと外すから」
善子「今日は二人だけで帰って」
ルビィ・花丸「……分かった」
千歌「……ばっかみたい、これだから嫌になるよ」
千歌「愛だの恋だのを一番に考える人は」
善子「……早く行きましょう」
千歌「そんなに文句があるなら来なよ、全部教えてあげるから」
善子「…いいわよ、行ってやろうじゃないの」
ルビィ「善子ちゃん…」
善子「ごめん、私ちょっと外すから」
善子「今日は二人だけで帰って」
ルビィ・花丸「……分かった」
千歌「……ばっかみたい、これだから嫌になるよ」
千歌「愛だの恋だのを一番に考える人は」
善子「……早く行きましょう」
536: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/03/27(日) 13:14:34.67 ID:d19RMB1x
─
善子「で、誰のせいでこんなことになってるわけ?」
千歌「いきなりきたね」
善子「そうじゃないと話し進まないでしょ」
千歌「なら言わせてもらうけど」
千歌「……」
千歌「善子ちゃんさ、本当にこのままルビィちゃんと関わっていくつもりなの?」
537: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/03/27(日) 13:15:06.48 ID:d19RMB1x
善子「……また嫌な言い回しね」
千歌「でも分かるでしょ、私が何を言いたいのか」
善子「……」
千歌「おかしいよあそこ、いるだけで息苦しくて…胸が張り裂けそうになる」
千歌「曜ちゃんも梨子ちゃんも、果南ちゃんもダイヤさんも、みんな」
千歌「ルビィちゃんがそこにいるだけで、空気が変わって…」
善子「やめてよ! ルビィは何もしてない! あの子が悪いわけじゃないでしょ!!」
千歌「何もしてなかったら何もやらなくていいわけ!?だったら私だってもう何もやらないよ!?」
千歌「いいのそれで!?ねえ!!」
千歌「でも分かるでしょ、私が何を言いたいのか」
善子「……」
千歌「おかしいよあそこ、いるだけで息苦しくて…胸が張り裂けそうになる」
千歌「曜ちゃんも梨子ちゃんも、果南ちゃんもダイヤさんも、みんな」
千歌「ルビィちゃんがそこにいるだけで、空気が変わって…」
善子「やめてよ! ルビィは何もしてない! あの子が悪いわけじゃないでしょ!!」
千歌「何もしてなかったら何もやらなくていいわけ!?だったら私だってもう何もやらないよ!?」
千歌「いいのそれで!?ねえ!!」
538: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/03/27(日) 13:15:43.82 ID:d19RMB1x
千歌「直接手を下してなかったら大丈夫なの!?だから私たちは関係ありませんって!」
千歌「何それ!可笑しいでしょそんなの!私が言いたい台詞なんだよそれはっ!!」
千歌「ルビィちゃんが悪くないってそんなこと私だって分かってるよ!!」
千歌「だけどもう嫌なんだよ!これ以上見てられない!」
千歌「誰も笑ってなくて!いつも辛そうで!お互いに傷つけあって!…それでっ!!」
千歌「そんなもの毎日、見せられ、たら…さぁ……」
千歌「………どうしたらいいのか、わたし、わからないもん」
善子「……」
千歌「いやだよ、もう」
千歌「何それ!可笑しいでしょそんなの!私が言いたい台詞なんだよそれはっ!!」
千歌「ルビィちゃんが悪くないってそんなこと私だって分かってるよ!!」
千歌「だけどもう嫌なんだよ!これ以上見てられない!」
千歌「誰も笑ってなくて!いつも辛そうで!お互いに傷つけあって!…それでっ!!」
千歌「そんなもの毎日、見せられ、たら…さぁ……」
千歌「………どうしたらいいのか、わたし、わからないもん」
善子「……」
千歌「いやだよ、もう」
539: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/03/27(日) 13:16:15.58 ID:d19RMB1x
……
善子「ただいま」ガチャ
ルビィ「おかえりなさい」
善子「来てたの」
ルビィ「いたほうがいいと思って」
善子「……そうね」
540: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/03/27(日) 13:16:58.76 ID:d19RMB1x
ルビィ「どうだったの、千歌さんとの話」
善子「何もなかったわよ」
ルビィ「……本当に? 嘘じゃなくて?」
善子「本当に何もないから」
ルビィ「……ルビィのせいなんでしょ、千歌さんが可笑しくなったのって」
ルビィ「ううん、千歌さんだけじゃない。曜さんも果南さんも梨子さんもお姉ちゃんもみんな…」
ガシッ
善子「ルビィ」
善子「あれは全員緊張してるだけよ」
善子「何もなかったわよ」
ルビィ「……本当に? 嘘じゃなくて?」
善子「本当に何もないから」
ルビィ「……ルビィのせいなんでしょ、千歌さんが可笑しくなったのって」
ルビィ「ううん、千歌さんだけじゃない。曜さんも果南さんも梨子さんもお姉ちゃんもみんな…」
ガシッ
善子「ルビィ」
善子「あれは全員緊張してるだけよ」
541: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/03/27(日) 13:17:29.29 ID:d19RMB1x
ルビィ「嘘」
善子「ルビィ、もう一回だけ言うわよ」
善子「何も なかった いいわね?」
ルビィ「……そうだね、みんな、疲れてるんだよね」
ルビィ「ごめんね、気が付かなくて」
善子「……」
善子「ルビィ、もう一回だけ言うわよ」
善子「何も なかった いいわね?」
ルビィ「……そうだね、みんな、疲れてるんだよね」
ルビィ「ごめんね、気が付かなくて」
善子「……」
542: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/03/27(日) 13:18:03.29 ID:d19RMB1x
『……ごめんなさい、貴女がそこまで追い詰められてることに気が付けなくて』
『……』
『私も、花丸と相談して何か出来ることがないか探すから』
『少しでも千歌の負担を減らせるように努力するから』
『やっぱりルビィちゃんには、言わないんだね』
『……』
『言えるわけないじゃない……だって……』
『……』
『私も、花丸と相談して何か出来ることがないか探すから』
『少しでも千歌の負担を減らせるように努力するから』
『やっぱりルビィちゃんには、言わないんだね』
『……』
『言えるわけないじゃない……だって……』
543: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/03/27(日) 13:18:31.55 ID:d19RMB1x
善子(貴女のせいで人間関係滅茶苦茶になって空気が最悪だ)
善子(ルビィがトラブルの元で全ての元凶になってるだなんて)
善子(言えるわけがない…この子はずっとそれで悩まされてきたのに)
善子(やっと見つけた居場所で、自分の大好きな人たちが)
善子(そのことで問題になっているなんて…たとえ勘付いていたとしても)
善子(それだけは口に出したら駄目なんだ……何より私が言ってしまったら)
善子(本当に、全部終わってしまう)
善子(ルビィがトラブルの元で全ての元凶になってるだなんて)
善子(言えるわけがない…この子はずっとそれで悩まされてきたのに)
善子(やっと見つけた居場所で、自分の大好きな人たちが)
善子(そのことで問題になっているなんて…たとえ勘付いていたとしても)
善子(それだけは口に出したら駄目なんだ……何より私が言ってしまったら)
善子(本当に、全部終わってしまう)
544: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/03/27(日) 13:19:16.12 ID:d19RMB1x
ピロンッ
善子(ライン……)スッ
千歌[結局言わなかったんでしょ]
[ええ]
千歌[これで分かった?]
千歌[どんなに不満があっても、どんなに理屈を並べても]
千歌[そうするしかないんだってこと]
善子「…………」
[おやすみ]
545: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/03/27(日) 13:19:56.46 ID:d19RMB1x
─翌週、東京
千歌「着いたぞー! 東京ーーーっ!!」
花丸「未来ずらーーっ!」
ダイヤ「千歌さんはともかくとして、花丸さんもここのところ元気ですわね」
花丸「え、そ、そうかな?」
善子「花丸は東京に行ったことなかったっていうし、普通じゃない?」
花丸「そう、そうなんだよ! いやぁドキドキするずら」
ダイヤ「はあ、そうでしたか」
546: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/03/27(日) 13:20:28.10 ID:d19RMB1x
鞠莉「梨子はどう? 久々の東京は」
梨子「離れてから半年も経ってないけど、そうだね」
梨子「懐かしい感じがする」
鞠莉「それだけ内浦に馴染んだってことね!」
梨子「かもしれませんね」フフッ
果南「……」
ダイヤ「果南さん、どうかしました?」
果南「いや、まあ、それは事実だからなーって」
ダイヤ「…何の話ですか」
千歌・曜「……」
梨子「離れてから半年も経ってないけど、そうだね」
梨子「懐かしい感じがする」
鞠莉「それだけ内浦に馴染んだってことね!」
梨子「かもしれませんね」フフッ
果南「……」
ダイヤ「果南さん、どうかしました?」
果南「いや、まあ、それは事実だからなーって」
ダイヤ「…何の話ですか」
千歌・曜「……」
547: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/03/27(日) 13:21:05.49 ID:d19RMB1x
鞠莉「はいはいじゃあお話しはこれくらいにして!」
鞠莉「大会の説明を千歌っちよろしく!」
千歌「あ、うん」
千歌「大会の開始は午後1時からで、関係者の入場がその一時間前だから」
千歌「もうそろそろ会場に入らなくちゃだね」
千歌「ちなみに私たちAqoursはライブの披露が10組中5組目だから、前半のトリってことになるのかな一応」
善子「へえ、大抜擢じゃない!」
千歌「うーん、でもなんでここまでになったのかいまいち分からないんだよねー」
ダイヤ「千歌さん、それは─」
「それは恐らくあなた達が大きな期待をされているからだと思いますよ」
鞠莉「大会の説明を千歌っちよろしく!」
千歌「あ、うん」
千歌「大会の開始は午後1時からで、関係者の入場がその一時間前だから」
千歌「もうそろそろ会場に入らなくちゃだね」
千歌「ちなみに私たちAqoursはライブの披露が10組中5組目だから、前半のトリってことになるのかな一応」
善子「へえ、大抜擢じゃない!」
千歌「うーん、でもなんでここまでになったのかいまいち分からないんだよねー」
ダイヤ「千歌さん、それは─」
「それは恐らくあなた達が大きな期待をされているからだと思いますよ」
548: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/03/27(日) 13:21:42.95 ID:d19RMB1x
千歌「え?」
聖良「初めましてAqoursのみなさん、Saint Snowの鹿角聖良といいます、こちらは妹の理亞」
理亞「……」
千歌「初めまして! 今日はよろしくお願いします!」
聖良「ええこちらこそ、とは言っても初めてではない方もいるんですけどね」
千歌「?」
ダイヤ「ええ、確か以前東京でお会いしたことがありました」
果南「ああ、そういえば……あの時のか!」
聖良「初めましてAqoursのみなさん、Saint Snowの鹿角聖良といいます、こちらは妹の理亞」
理亞「……」
千歌「初めまして! 今日はよろしくお願いします!」
聖良「ええこちらこそ、とは言っても初めてではない方もいるんですけどね」
千歌「?」
ダイヤ「ええ、確か以前東京でお会いしたことがありました」
果南「ああ、そういえば……あの時のか!」
549: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/03/27(日) 13:22:15.88 ID:d19RMB1x
善子「どういうこと?」
鞠莉「私たちがまだ一年生のときに三人でスクールアイドルをやっていた頃、今みたいに東京の会場に呼ばれたことがあって」
鞠莉「そこで偶然出会ったのが、彼女だったのよ」
聖良「ええ、そんなところです」
鞠莉「でもよく覚えていたわね、私たちのこと」
聖良「貴女たちには前から目を付けていましたから」
聖良「それこそ一年の頃から、未熟ながらも他のスクールアイドルにはない強みが貴女たちにはあった」
鞠莉「私たちがまだ一年生のときに三人でスクールアイドルをやっていた頃、今みたいに東京の会場に呼ばれたことがあって」
鞠莉「そこで偶然出会ったのが、彼女だったのよ」
聖良「ええ、そんなところです」
鞠莉「でもよく覚えていたわね、私たちのこと」
聖良「貴女たちには前から目を付けていましたから」
聖良「それこそ一年の頃から、未熟ながらも他のスクールアイドルにはない強みが貴女たちにはあった」
550: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/03/27(日) 13:22:49.10 ID:d19RMB1x
聖良「最後までパフォーマンスを崩さない運動能力とそれを維持するための基礎体力」
果南「……」
聖良「大勢を魅了する、抜きん出た歌唱力」
鞠莉「……」
聖良「そして何が何でも高みに昇りつめようと意気込むその信念」
ダイヤ「……」
聖良「それを見たときに思ったんです、いつかこの人たちが私たちの最大の強敵になるのだと」
聖良「結果あなた達はこうしてまた私たちの前に現れた、数々の成功を収めて」
聖良「私の予想よりも遥かにいい形で、PVを見たときにそれを確信しました」
果南「……」
聖良「大勢を魅了する、抜きん出た歌唱力」
鞠莉「……」
聖良「そして何が何でも高みに昇りつめようと意気込むその信念」
ダイヤ「……」
聖良「それを見たときに思ったんです、いつかこの人たちが私たちの最大の強敵になるのだと」
聖良「結果あなた達はこうしてまた私たちの前に現れた、数々の成功を収めて」
聖良「私の予想よりも遥かにいい形で、PVを見たときにそれを確信しました」
551: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/03/27(日) 13:23:19.50 ID:d19RMB1x
鞠莉「随分評価してくれてるのね、私たちのこと」
聖良「私だけではありませんよ、だからこその期待なんです」
ルビィ「でもあの、嬉しいです…スクールアイドルの中でも一目置かれるSaint Snowの聖良さんにそう言ってもらえるなんて」
善子「知ってたの?」
ルビィ「その界隈じゃ知らない人はいないくらいの有名人だよ」
理亞「へえ、少しは話の分かる人もいたの」
善子「はあ!?」
花丸「どうどう、善子ちゃん抑えるずら」
聖良「理亞も、すみません妹はあまり会話が得意ではないので」
聖良「私だけではありませんよ、だからこその期待なんです」
ルビィ「でもあの、嬉しいです…スクールアイドルの中でも一目置かれるSaint Snowの聖良さんにそう言ってもらえるなんて」
善子「知ってたの?」
ルビィ「その界隈じゃ知らない人はいないくらいの有名人だよ」
理亞「へえ、少しは話の分かる人もいたの」
善子「はあ!?」
花丸「どうどう、善子ちゃん抑えるずら」
聖良「理亞も、すみません妹はあまり会話が得意ではないので」
552: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/03/27(日) 13:23:51.29 ID:d19RMB1x
ルビィ「いえ、あの、全然大丈夫です!」
聖良「なら良かった、今日はお互い頑張りましょう」
聖良「ではまた会場で、理亞」
理亞「……」
理亞「そっちがどれくらい期待されてるのか知らないけど、一番会場を盛り上げるのは私と姉様だから」
聖良「理亞! すみませんこの子なりの激励ですから、ほら」
理亞「……」ジッ
ルビィ「……?」
理亞「……ふん」
聖良「なら良かった、今日はお互い頑張りましょう」
聖良「ではまた会場で、理亞」
理亞「……」
理亞「そっちがどれくらい期待されてるのか知らないけど、一番会場を盛り上げるのは私と姉様だから」
聖良「理亞! すみませんこの子なりの激励ですから、ほら」
理亞「……」ジッ
ルビィ「……?」
理亞「……ふん」
553: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/03/27(日) 13:24:29.22 ID:d19RMB1x
千歌「……行っちゃった。なんか、凄かったなあ」
曜「礼儀正しい人だったね、それでいて風格もあるっていうか」
善子「けど妹のほうは愛想悪すぎじゃないの? ずーっと澄ました顔してさ」
花丸「同類?」
善子「喧嘩売ってんのあんたは!」
ルビィ「まあまあ、きっとそんなに悪気はないと思うよ」
ルビィ「自分たちに自信があって、お姉さんを本当に尊敬しているから出た言葉だと思うし」
善子「…ま、ルビィがそう言うなら別にいいんだけどさ」
曜「礼儀正しい人だったね、それでいて風格もあるっていうか」
善子「けど妹のほうは愛想悪すぎじゃないの? ずーっと澄ました顔してさ」
花丸「同類?」
善子「喧嘩売ってんのあんたは!」
ルビィ「まあまあ、きっとそんなに悪気はないと思うよ」
ルビィ「自分たちに自信があって、お姉さんを本当に尊敬しているから出た言葉だと思うし」
善子「…ま、ルビィがそう言うなら別にいいんだけどさ」
554: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/03/27(日) 13:25:01.71 ID:d19RMB1x
千歌「よーしあそこまで言われたんだ、期待に応えられるように頑張ろう!」
千歌「頼むよみんな! 私たちもSaint Snowの二人に負けないくらい会場を盛り上げよーっ!」
「おーっ!」
千歌「……本当に頼むよ皆」ボソッ
梨子「…? 千歌ちゃん今なにか言った?」
千歌「さあそうと決まれば早く行こう!」
千歌「はっはー! 会場の一番乗りは私なのだー!!」ダッ
曜「お、競争? なら私も負けないよ!」ダッ
鞠莉「ほら! 私たちも行くわよ果南!」グイ
果南「えっ何で」ズルズル
千歌「頼むよみんな! 私たちもSaint Snowの二人に負けないくらい会場を盛り上げよーっ!」
「おーっ!」
千歌「……本当に頼むよ皆」ボソッ
梨子「…? 千歌ちゃん今なにか言った?」
千歌「さあそうと決まれば早く行こう!」
千歌「はっはー! 会場の一番乗りは私なのだー!!」ダッ
曜「お、競争? なら私も負けないよ!」ダッ
鞠莉「ほら! 私たちも行くわよ果南!」グイ
果南「えっ何で」ズルズル
555: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/03/27(日) 13:25:33.78 ID:d19RMB1x
花丸「じゃあマルも!」
善子「まあ準備運動がてらにはいいでしょ」
ルビィ「そうだね! よーいスタート!」
ダイヤ「え、あの」
梨子「ちょっとみんな?」
ダダダダッ
ダイヤ・梨子「……小学生みたい(ですか)」クスッ
ダイヤ・梨子「え……?」
ダイヤ「……私たちも行きましょうか」
梨子「……そうですね」
善子「まあ準備運動がてらにはいいでしょ」
ルビィ「そうだね! よーいスタート!」
ダイヤ「え、あの」
梨子「ちょっとみんな?」
ダダダダッ
ダイヤ・梨子「……小学生みたい(ですか)」クスッ
ダイヤ・梨子「え……?」
ダイヤ「……私たちも行きましょうか」
梨子「……そうですね」
556: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/03/27(日) 13:26:12.93 ID:d19RMB1x
……
会場、控室
ワーーーーーー!!! キャーーーーー!!
曜「すっごい歓声…こんなに盛り上がるなんて」
梨子「あそこに私たちも今から行くんだよね」
善子「ええ、気を引き締めていかないとね」
557: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/03/27(日) 13:26:45.83 ID:d19RMB1x
「ありがとうございましたー!!」
パチパチパチパチ!!!
鞠莉「前のグループが終わったみたい」
花丸「いよいよだね、頑張ろうねルビィちゃん」
ルビィ「うん!」
千歌「……よし、行こうみんな」
「それでは次が前半戦ラストの一組! スクールアイドルAqoursでーす!」
ワアアアアアアアアアア!!
千歌「みなさん初めまして! リーダーの高海千歌です! よろしくお願いします!!」
千歌「それでは早速聞いてください! 君のこころは輝いてるかい?」
パチパチパチパチ!!!
鞠莉「前のグループが終わったみたい」
花丸「いよいよだね、頑張ろうねルビィちゃん」
ルビィ「うん!」
千歌「……よし、行こうみんな」
「それでは次が前半戦ラストの一組! スクールアイドルAqoursでーす!」
ワアアアアアアアアアア!!
千歌「みなさん初めまして! リーダーの高海千歌です! よろしくお願いします!!」
千歌「それでは早速聞いてください! 君のこころは輝いてるかい?」
558: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/03/27(日) 13:27:21.69 ID:d19RMB1x
────
~~♪ ……♪
千歌「ありがとうございました!」ペコ
「ありがとうございました!」
パチパチパチパチ…
「Aqoursのみなさん、ありがとうございましたー!」
「それではここで少しの休憩です、次の開始は30分後に……」
ルビィ「……」
善子「…ルビィ? どうかしたの貴女」
ルビィ「ううん、なんでもない」
559: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/03/27(日) 13:27:56.44 ID:d19RMB1x
果南「いやー結構上手くいったんじゃないかな」
曜「そうだね、反応も悪くはなかったと思うし」
ダイヤ「ミスもありませんでしたし」
梨子「今までの練習の成果が出たってことだよね」
千歌「そう、かもね」
ダイヤ「何だか歯切れが悪いですわね、千歌さんらしくない」
千歌「え、いやいやそんなことないよ! 凄くよかったよ! うん!」
曜「そうだね、反応も悪くはなかったと思うし」
ダイヤ「ミスもありませんでしたし」
梨子「今までの練習の成果が出たってことだよね」
千歌「そう、かもね」
ダイヤ「何だか歯切れが悪いですわね、千歌さんらしくない」
千歌「え、いやいやそんなことないよ! 凄くよかったよ! うん!」
560: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/03/27(日) 13:28:32.71 ID:d19RMB1x
聖良「お疲れさまでした」
千歌「あっ聖良さん!」
聖良「その様子だと満足のいくライブが出来たようですね」
ルビィ「……」
千歌「……まあ、はいそれは」
聖良「……成程そうですか」
聖良「あなた達はともかく"他"は本当にそう思ってるんですね、よく分かりました」
千歌「え?」
理亞「程度が低いって言ってるの、そんなことすら気付かないなんて」
理亞「姉様、この人たち馬鹿?」
千歌「あっ聖良さん!」
聖良「その様子だと満足のいくライブが出来たようですね」
ルビィ「……」
千歌「……まあ、はいそれは」
聖良「……成程そうですか」
聖良「あなた達はともかく"他"は本当にそう思ってるんですね、よく分かりました」
千歌「え?」
理亞「程度が低いって言ってるの、そんなことすら気付かないなんて」
理亞「姉様、この人たち馬鹿?」
561: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/03/27(日) 13:29:05.06 ID:d19RMB1x
善子「それがいの一番に言う台詞? 出す態度? もう少し考えてからもの言いなさいよ」
ルビィ「善子ちゃん、待って」
善子「何で止めるのよ、あの子明らかに私たちのこと舐めてるわよ」
理亞「当然でしょ、尊敬するところがない」
善子「このっ…あんたねえ!」
鞠莉「善子、いいから落ち着きなさい」
善子「けど!」
聖良「理亞もやめなさい、それはこの大会が終わった後からでいいでしょう」
ルビィ「善子ちゃん、待って」
善子「何で止めるのよ、あの子明らかに私たちのこと舐めてるわよ」
理亞「当然でしょ、尊敬するところがない」
善子「このっ…あんたねえ!」
鞠莉「善子、いいから落ち着きなさい」
善子「けど!」
聖良「理亞もやめなさい、それはこの大会が終わった後からでいいでしょう」
562: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/03/27(日) 13:29:44.48 ID:d19RMB1x
果南「…まるで大会が終わった後なら言っていいみたいな口ぶりだね」
曜「もしその言葉が本当なら、私たちも今のは聞き捨てならないんですけど」
梨子「曜ちゃん」
ダイヤ「果南さんも」
聖良「そう受け取ってもらっても構いませんよ、今は揉め事を起こしたくないというだけですから」
ダイヤ「…一つ聞いても宜しいでしょうか? 何故急にそこまでの敵意を私たちに」
聖良「それは是非本人が気付いてほしいものですね、ですがまあ」
聖良「どのみち最後にはそれが結果として現れると思いますよ」
曜「もしその言葉が本当なら、私たちも今のは聞き捨てならないんですけど」
梨子「曜ちゃん」
ダイヤ「果南さんも」
聖良「そう受け取ってもらっても構いませんよ、今は揉め事を起こしたくないというだけですから」
ダイヤ「…一つ聞いても宜しいでしょうか? 何故急にそこまでの敵意を私たちに」
聖良「それは是非本人が気付いてほしいものですね、ですがまあ」
聖良「どのみち最後にはそれが結果として現れると思いますよ」
563: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/03/27(日) 13:30:15.02 ID:d19RMB1x
千歌「観客の投票、ですか」
聖良「ええ、でもその前に」
聖良「私たちのライブを見ていただければ、分かりますよ」
聖良「スクールアイドルとしての差がね、行きましょう理亞」
理亞「はい姉様」
スタスタ
果南「……何あれ、感じ悪」
善子「全くね、お姉さんの方も最初は良い人かと思ってたのに」
曜「私たちの何が駄目だったっていうのさ」
聖良「ええ、でもその前に」
聖良「私たちのライブを見ていただければ、分かりますよ」
聖良「スクールアイドルとしての差がね、行きましょう理亞」
理亞「はい姉様」
スタスタ
果南「……何あれ、感じ悪」
善子「全くね、お姉さんの方も最初は良い人かと思ってたのに」
曜「私たちの何が駄目だったっていうのさ」
564: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/03/27(日) 13:30:43.05 ID:d19RMB1x
花丸「まあまあ三人とも、折角ライブを見てくれって言われたんだし」
花丸「それを見てから判断してもいいんじゃないかな?」
果南「…まあ、あそこまで言うなら相当自信はあるんだろうしね」
鞠莉「そうそうどうせ最後までいるんだから、見物しないと勿体ないわよ」
善子「その物見遊山的な考えは見習いたいわね」
鞠莉「あらどうも、とにかくここであーだこーだ言っても始まらないんだから、ね?」
曜「…分かったよ」
千歌(……Saint Snowのライブ)
ルビィ(スクールアイドルの差……)
花丸「それを見てから判断してもいいんじゃないかな?」
果南「…まあ、あそこまで言うなら相当自信はあるんだろうしね」
鞠莉「そうそうどうせ最後までいるんだから、見物しないと勿体ないわよ」
善子「その物見遊山的な考えは見習いたいわね」
鞠莉「あらどうも、とにかくここであーだこーだ言っても始まらないんだから、ね?」
曜「…分かったよ」
千歌(……Saint Snowのライブ)
ルビィ(スクールアイドルの差……)
565: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/03/27(日) 13:31:23.11 ID:d19RMB1x
─30分後…
「皆さん大変長らくお待たせいたしました!! これより後半戦を開始します!」
「開幕早々ステージに上がるのはSaint Snowーーーーー!!」
ウオオオオオ!! キタアアアアアアア!!!
キャーーーーー!! セイラサーーーーーーーン!!!
リアチャーーーーーーン!!!
善子「すごい人気……流石はその界隈の有名人ね」
鞠莉「でも妹ちゃんのほうはまだ一年生でしょ? なのにもうこんなにファンがいるのね」
ルビィ「今年ソロでやってきた聖良さんがグループを組むって聞いて、注目してたファンの人も多かったから多分それもあると思うな」
曜「なるほど」
566: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/03/27(日) 13:31:54.02 ID:d19RMB1x
ダイヤ「あとはその実力」
梨子「彼女たちがどれだけのパフォーマンスを見せるのかってところね」
果南「あれだけ大口叩いたんだ、どれだけ凄いライブか見物……」
「最高だと言われたいよ 真剣だよ」
「We gotta go!」
果南「!!」
花丸「……カッコいいずら」
梨子「彼女たちがどれだけのパフォーマンスを見せるのかってところね」
果南「あれだけ大口叩いたんだ、どれだけ凄いライブか見物……」
「最高だと言われたいよ 真剣だよ」
「We gotta go!」
果南「!!」
花丸「……カッコいいずら」
567: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/03/27(日) 13:32:33.13 ID:d19RMB1x
「夢は夢でも簡単に届かない」
「特別なもの目指そうじゃないか」
「そのためだから泣いたりしない」
「敵は誰? 敵は弱い自分の影さ わかるでしょう?」
鞠莉「何一つズレがないわね、動きだすタイミングが完璧……それでいて無駄がない」
鞠莉「格の違いってこういうことなんでしょうね」
善子「なに冷静に負けを認めてるのよ!」
「特別なもの目指そうじゃないか」
「そのためだから泣いたりしない」
「敵は誰? 敵は弱い自分の影さ わかるでしょう?」
鞠莉「何一つズレがないわね、動きだすタイミングが完璧……それでいて無駄がない」
鞠莉「格の違いってこういうことなんでしょうね」
善子「なに冷静に負けを認めてるのよ!」
568: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/03/27(日) 13:33:07.17 ID:d19RMB1x
鞠莉「仕方ないでしょ私たちの出番はもう終わっちゃったんだから」
鞠莉「これを見て気合い入れても意味がないもの」
果南「悔しいけど実力は本物なのは分かったしね、そこは受け入れるべきだよ」
善子「それはそうかもだけどそんなあっさり認めていいわけ!?」
曜「そうだよ! それに姉妹なんだからあれくらい出来てもおかしく……っ」
梨子「……」
ダイヤ「……」
曜「……いや、なんでもない」
果南(…馬鹿曜。だから言わなかったんだ私は)
鞠莉「これを見て気合い入れても意味がないもの」
果南「悔しいけど実力は本物なのは分かったしね、そこは受け入れるべきだよ」
善子「それはそうかもだけどそんなあっさり認めていいわけ!?」
曜「そうだよ! それに姉妹なんだからあれくらい出来てもおかしく……っ」
梨子「……」
ダイヤ「……」
曜「……いや、なんでもない」
果南(…馬鹿曜。だから言わなかったんだ私は)
569: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/03/27(日) 13:33:35.48 ID:d19RMB1x
「最高だと言われたいよ!」
Dance now! Dance now!
ルビィ「……普通に実力だよあれは、姉妹とかそんなの関係ない」
善子「ルビィ?」
ルビィ「確かに相性とかはあるかもしれないけど、それだけでレベルの高い人に合わせるなんて出来ないよ」
ルビィ「あの子は、理亞ちゃんはあそこまで行くのに途轍もない努力をして……それが結果に結びついてるだけ」
ルビィ「善子ちゃんも分かるでしょ?」
Dance now! Dance now!
ルビィ「……普通に実力だよあれは、姉妹とかそんなの関係ない」
善子「ルビィ?」
ルビィ「確かに相性とかはあるかもしれないけど、それだけでレベルの高い人に合わせるなんて出来ないよ」
ルビィ「あの子は、理亞ちゃんはあそこまで行くのに途轍もない努力をして……それが結果に結びついてるだけ」
ルビィ「善子ちゃんも分かるでしょ?」
570: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/03/27(日) 13:34:07.80 ID:d19RMB1x
善子「……分かるけど、でも…」
善子(それじゃあまるで私たちが努力していない、成果が出ていないみたいじゃないか)
「遠くの光へもっとBaby!」
「一緒に跳びたいもっとBaby!」
「ふるえる指先知ってても 見ないで」
千歌「……」
「大切なのは SELF CONTROL!!」
善子(それじゃあまるで私たちが努力していない、成果が出ていないみたいじゃないか)
「遠くの光へもっとBaby!」
「一緒に跳びたいもっとBaby!」
「ふるえる指先知ってても 見ないで」
千歌「……」
「大切なのは SELF CONTROL!!」
571: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/03/27(日) 13:34:40.98 ID:d19RMB1x
……
…
曜「終わったね、大会」
梨子「うん、気付いたらあっという間だったね」
花丸「あとは結果を待つだけだけど、千歌ちゃん遅いなあ」
ダイヤ「手続きとか挨拶とか色々あるのでしょう、ほら噂をすれば」
千歌「みんなお待たせ! 投票結果の紙貰ってきたよ!」タッ
果南「お疲れ、確かそれって参加グループしか貰えないんだっけ」
572: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/03/27(日) 13:35:13.50 ID:d19RMB1x
千歌「そうそう、会場では一位のグループしか発表されないんだけど」
千歌「こっちではどのグループにどれだけの票数が入ったか見れるわけなのだ!」
ダイヤ「重要なのはここですわねSaint Snowのお二人が一位なのはともかくとして」
ダイヤ「今の私たちがどのあたりの位置にいて、何人に支持されているのか」
千歌「それじゃあ発表するね、まず観客からの投票数は全部で1374票」
千歌「1位Saint Snow 461票」
曜「すごっ……全体の3分の1も取ってるの!?」
千歌「こっちではどのグループにどれだけの票数が入ったか見れるわけなのだ!」
ダイヤ「重要なのはここですわねSaint Snowのお二人が一位なのはともかくとして」
ダイヤ「今の私たちがどのあたりの位置にいて、何人に支持されているのか」
千歌「それじゃあ発表するね、まず観客からの投票数は全部で1374票」
千歌「1位Saint Snow 461票」
曜「すごっ……全体の3分の1も取ってるの!?」
573: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/03/27(日) 13:35:48.81 ID:d19RMB1x
千歌「2位からは結構僅差だね……189票、151票、123票……」
千歌「……9位、64票」
善子「えっ、私たち最下位…?」
梨子「千歌ちゃん、票数は?」
千歌「……」
ダイヤ「…千歌さん?」
千歌「……10位Aqours 0票」
果南「……!?」
曜「ゼロ……票? 嘘でしょ、あんなに票があって……」
曜「私たちのグループには1票も入ってないの? 嘘だよね、ねえ?」
千歌「……9位、64票」
善子「えっ、私たち最下位…?」
梨子「千歌ちゃん、票数は?」
千歌「……」
ダイヤ「…千歌さん?」
千歌「……10位Aqours 0票」
果南「……!?」
曜「ゼロ……票? 嘘でしょ、あんなに票があって……」
曜「私たちのグループには1票も入ってないの? 嘘だよね、ねえ?」
574: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/03/27(日) 13:36:17.55 ID:d19RMB1x
聖良「観客の皆さんはしっかりとライブを見て評価しているということですよ」
聖良「だからこその0票、つまりあなた達を見て良かったと感じた人はあの場に一人もいなかったわけです」
千歌「…聖良さん」
果南「終わって早々挑発しにくるなんて、よほど余裕があるんだね」
聖良「松浦さん、あなたは何か勘違いをしていますね」
果南「私が? 何を?」
聖良「文句を言いたいのは私だけじゃないんですよ。寧ろ私たちがその代表として言いに来たといってもいい」
聖良「だからこその0票、つまりあなた達を見て良かったと感じた人はあの場に一人もいなかったわけです」
千歌「…聖良さん」
果南「終わって早々挑発しにくるなんて、よほど余裕があるんだね」
聖良「松浦さん、あなたは何か勘違いをしていますね」
果南「私が? 何を?」
聖良「文句を言いたいのは私だけじゃないんですよ。寧ろ私たちがその代表として言いに来たといってもいい」
575: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/03/27(日) 13:36:52.59 ID:d19RMB1x
梨子「代表って?」
理亞「みんな気を遣って言っていないだけ、あなたたちが惨めになるから遠慮してる」
聖良「ですが私たちが述べたら少しは溜飲も下がるでしょう」
聖良「トップにいる者の発言は常に責任を伴う、しかしそれ故の説得力がありますので」
ダイヤ「…理由は分かりました、それで文句というのは」
聖良「簡潔にはっきり言いましょうか、スクールアイドルAqoursのライブが最低だった」
「!!」
聖良「0票になる理由なんてこれしかないでしょう」
理亞「みんな気を遣って言っていないだけ、あなたたちが惨めになるから遠慮してる」
聖良「ですが私たちが述べたら少しは溜飲も下がるでしょう」
聖良「トップにいる者の発言は常に責任を伴う、しかしそれ故の説得力がありますので」
ダイヤ「…理由は分かりました、それで文句というのは」
聖良「簡潔にはっきり言いましょうか、スクールアイドルAqoursのライブが最低だった」
「!!」
聖良「0票になる理由なんてこれしかないでしょう」
576: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/03/27(日) 13:37:27.63 ID:d19RMB1x
鞠莉「ちょっ…いくらなんでもそれは──」
聖良「その要素として」
聖良「全員の息が合ってない、タイミングはバラバラ、全体的に安定しない声量、ぎこちないちぐはぐな動き」
聖良「そして何より、観客のことを見ていない人間がいる」
「!?」
聖良「スクールアイドルにおいて、これは一番やってはいけないことですよ」
善子「見てないなんてそんなこと!」
聖良「無いと言い切れるんですか、本当に?」
聖良「貴女はそうでも他はどうなんでしょうね、観客の皆様が間違っているとでも?」
善子「う……」
聖良「その要素として」
聖良「全員の息が合ってない、タイミングはバラバラ、全体的に安定しない声量、ぎこちないちぐはぐな動き」
聖良「そして何より、観客のことを見ていない人間がいる」
「!?」
聖良「スクールアイドルにおいて、これは一番やってはいけないことですよ」
善子「見てないなんてそんなこと!」
聖良「無いと言い切れるんですか、本当に?」
聖良「貴女はそうでも他はどうなんでしょうね、観客の皆様が間違っているとでも?」
善子「う……」
577: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/03/27(日) 13:38:06.30 ID:d19RMB1x
理亞「…個人の能力が高いのは認める、でもそれだけ」
聖良「たとえ個々の能力が優れていても噛み合わなければ意味がないんですよ」
聖良「その結果がこれです、恐らく私を含めて誰もが思ったことでしょう」
聖良「期待外れだったと」
ルビィ「……」
聖良「黒澤さん、確か三人で活動していた頃は貴女がリーダーを務めていましたよね?」
ダイヤ「はい」
聖良「たとえ個々の能力が優れていても噛み合わなければ意味がないんですよ」
聖良「その結果がこれです、恐らく私を含めて誰もが思ったことでしょう」
聖良「期待外れだったと」
ルビィ「……」
聖良「黒澤さん、確か三人で活動していた頃は貴女がリーダーを務めていましたよね?」
ダイヤ「はい」
578: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/03/27(日) 13:38:45.25 ID:d19RMB1x
聖良「私は貴女のことを教養のある人だと思っていましたけど、意外と人を見る目がないんですね」
聖良「黒澤さん、貴女がリーダーを続けていた方が良かったんじゃないですか?」
千歌「っ!!」
果南「……ちょっと待ちなよ、さっきから黙って聞いてれば」
曜「流石に失礼すぎませんか? 何か知った風な口利いてますけど、あなたに千歌ちゃんの何が分かるって言うんですか」
千歌「曜ちゃん、果南ちゃん、いいから」
曜・果南「いいやよくない!」
聖良「……ええ、何も知りませんよ? 少なくとも貴女たちと同程度には」
聖良「黒澤さん、貴女がリーダーを続けていた方が良かったんじゃないですか?」
千歌「っ!!」
果南「……ちょっと待ちなよ、さっきから黙って聞いてれば」
曜「流石に失礼すぎませんか? 何か知った風な口利いてますけど、あなたに千歌ちゃんの何が分かるって言うんですか」
千歌「曜ちゃん、果南ちゃん、いいから」
曜・果南「いいやよくない!」
聖良「……ええ、何も知りませんよ? 少なくとも貴女たちと同程度には」
579: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/03/27(日) 13:39:19.87 ID:d19RMB1x
果南「は? 私たちが何も知らないって!? 冗談も大概にしなよ!」
曜「私たちは千歌ちゃんがスクールアイドルをやるって決めたときからずっと一緒にいたんだ!」
曜「千歌ちゃんがどれだけ頑張ってここまで来たのか…それは私たちが一番よく知ってる! 勝手なこと言わないでよ!!」
聖良「一番長い付き合いでその体たらくですか、それでよく啖呵が切れたものですね」
聖良「誰よりも足を引っ張っていたのは他でもない、貴女たち二人なのに」
曜「なっ……!」
果南「どういう意味さ!」
曜「私たちは千歌ちゃんがスクールアイドルをやるって決めたときからずっと一緒にいたんだ!」
曜「千歌ちゃんがどれだけ頑張ってここまで来たのか…それは私たちが一番よく知ってる! 勝手なこと言わないでよ!!」
聖良「一番長い付き合いでその体たらくですか、それでよく啖呵が切れたものですね」
聖良「誰よりも足を引っ張っていたのは他でもない、貴女たち二人なのに」
曜「なっ……!」
果南「どういう意味さ!」
580: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/03/27(日) 13:40:03.11 ID:d19RMB1x
聖良「そこまで言わないと分かりませんか? 本当に愚かですね」
聖良「そもそも曲の始まりからしてズレているんですよこのグループは、それは何故かと言ったら」
聖良「貴女たちが最初から周りに合わせず個人主義の身勝手なパフォーマンスを行っていたからです」
聖良「私が私がと自分の欲を剥き出しに、我先にと相手を出し抜くことしか考えていないようなその傲慢さを」
聖良「隠すどころか曝け出して、そんな自分に酔っている。最悪ですよ」
聖良「さっきのもそうです、彼女を押しのけて自分たちの意見を通そうとした。恐ろしく身勝手な振舞です」
聖良「本人にその自覚がないのが尚のこと質が悪い」
聖良「この際なのではっきり言わせてもらいますが先程の…いえ今のあなた達は害悪以外の何者でもありません」
曜・果南「!!」
聖良「ただ熱くなりたいだけなら銭湯にでもいってきたらどうですか? そちらの方が気分が良くなると思いますよ」
聖良「そもそも曲の始まりからしてズレているんですよこのグループは、それは何故かと言ったら」
聖良「貴女たちが最初から周りに合わせず個人主義の身勝手なパフォーマンスを行っていたからです」
聖良「私が私がと自分の欲を剥き出しに、我先にと相手を出し抜くことしか考えていないようなその傲慢さを」
聖良「隠すどころか曝け出して、そんな自分に酔っている。最悪ですよ」
聖良「さっきのもそうです、彼女を押しのけて自分たちの意見を通そうとした。恐ろしく身勝手な振舞です」
聖良「本人にその自覚がないのが尚のこと質が悪い」
聖良「この際なのではっきり言わせてもらいますが先程の…いえ今のあなた達は害悪以外の何者でもありません」
曜・果南「!!」
聖良「ただ熱くなりたいだけなら銭湯にでもいってきたらどうですか? そちらの方が気分が良くなると思いますよ」
581: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/03/27(日) 13:40:44.49 ID:d19RMB1x
聖良「まあ冗談はさておき、これで分かったでしょう」
聖良「ステージ上にいたAqoursがどれほどみっともない存在だったか」
聖良「がっかりですよ、本当に。一体どうしてそうなってしまったんですか」
聖良「以前までは出来ていたじゃないですか」
千歌「……」
聖良「メンバー内で問題でもありましたか、いや仮にそうだとしても」
聖良「ライブに私情を持ち込まないでくださいよ」
梨子・ダイヤ「……」
聖良「張り合いなんて以ての外です、あなた達の自己満足のために」
聖良「私たちはここに呼び出されたわけじゃない」
曜・果南「……」
聖良「ステージ上にいたAqoursがどれほどみっともない存在だったか」
聖良「がっかりですよ、本当に。一体どうしてそうなってしまったんですか」
聖良「以前までは出来ていたじゃないですか」
千歌「……」
聖良「メンバー内で問題でもありましたか、いや仮にそうだとしても」
聖良「ライブに私情を持ち込まないでくださいよ」
梨子・ダイヤ「……」
聖良「張り合いなんて以ての外です、あなた達の自己満足のために」
聖良「私たちはここに呼び出されたわけじゃない」
曜・果南「……」
582: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/03/27(日) 13:41:20.24 ID:d19RMB1x
聖良「そして問題があると分かっていながら、諍いになることを恐れ、それらを指摘しない人」
鞠莉「……」
聖良「見てみぬふりをしてやり過ごそうとする人」
善子・花丸「……」
聖良「酷いですね、あまりにも杜撰で…歪なメンバー構成だ」
鞠莉「……」
聖良「見てみぬふりをしてやり過ごそうとする人」
善子・花丸「……」
聖良「酷いですね、あまりにも杜撰で…歪なメンバー構成だ」
583: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/03/27(日) 13:42:07.53 ID:d19RMB1x
聖良「ただ、実際のところは分かりませんよ、直接この目で見たわけではありませんから。ですが」
聖良「問題が浮彫りのまま事が起きたということは、おそらく間違ってもいないのでしょう?」
聖良「だから先程の言葉を訂正するつもりはありません、そしてそのうえで言わせてもらいます」
聖良「……ふざけるのもいい加減にしてください」
聖良「何なんですかあなた達は、このグループは」
聖良「一体なんのために、スクールアイドルをやっているんですか」
ルビィ「!」
聖良「……あなた達は、最低です」
聖良「問題が浮彫りのまま事が起きたということは、おそらく間違ってもいないのでしょう?」
聖良「だから先程の言葉を訂正するつもりはありません、そしてそのうえで言わせてもらいます」
聖良「……ふざけるのもいい加減にしてください」
聖良「何なんですかあなた達は、このグループは」
聖良「一体なんのために、スクールアイドルをやっているんですか」
ルビィ「!」
聖良「……あなた達は、最低です」
584: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/03/27(日) 13:42:51.34 ID:d19RMB1x
理亞「馬鹿にしないで」
理亞「ラブライブは遊びじゃない!」
「…………」
理亞「……ふん」
ルビィ「……そんなことない」
理亞「…は?」
ルビィ「馬鹿になんてしてないよっ!!」
ルビィ「ルビィたちは……っ……遊びでなんかやってない!!真剣にやってきたんだ!!」
善子「ルビィ……」
理亞「ラブライブは遊びじゃない!」
「…………」
理亞「……ふん」
ルビィ「……そんなことない」
理亞「…は?」
ルビィ「馬鹿になんてしてないよっ!!」
ルビィ「ルビィたちは……っ……遊びでなんかやってない!!真剣にやってきたんだ!!」
善子「ルビィ……」
585: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/03/27(日) 13:43:27.12 ID:d19RMB1x
理亞「それが馬鹿にしてるっていうの」
理亞「真剣にやってる人たちが、あんなライブするわけない」
理亞「私と姉様をあなたたちなんかと一緒にしないで!」
ルビィ「!」
聖良「行きましょう理亞。これ以上ここにいても時間の無駄だわ」
理亞「……」
ルビィ「……」
理亞「ええ、帰ろう姉様」
理亞「真剣にやってる人たちが、あんなライブするわけない」
理亞「私と姉様をあなたたちなんかと一緒にしないで!」
ルビィ「!」
聖良「行きましょう理亞。これ以上ここにいても時間の無駄だわ」
理亞「……」
ルビィ「……」
理亞「ええ、帰ろう姉様」
588: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/03/28(月) 01:13:45.03 ID:/XXSGHkH
─内浦
千歌「……」
「あっ帰ってきた!」
千歌「!」
「お疲れ様ー! 大会どうだった?」
「上手くいった?」
千歌「…あははっ! それはもうバッチリだよ!」
589: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/03/28(月) 01:14:38.56 ID:/XXSGHkH
「へーすごーい! 流石だね!」
「ずっと練習してきたんだもん、当然でしょ!」
千歌「っ……」
「それもそっかー! ははははっ」
「でも本当に凄いよ! その大会ってあの人達も来てたんでしょ」
「今年話題の二人組の……」
「Saint Snowね」
「そうそうそれ! そんな人たちとも一緒にライブ出来ちゃうんだから私たちの誇りだね千歌は!」
「どこ目線で話してるのよあんたは」
アハハハハ!!
「ずっと練習してきたんだもん、当然でしょ!」
千歌「っ……」
「それもそっかー! ははははっ」
「でも本当に凄いよ! その大会ってあの人達も来てたんでしょ」
「今年話題の二人組の……」
「Saint Snowね」
「そうそうそれ! そんな人たちとも一緒にライブ出来ちゃうんだから私たちの誇りだね千歌は!」
「どこ目線で話してるのよあんたは」
アハハハハ!!
590: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/03/28(月) 01:15:16.90 ID:/XXSGHkH
千歌「……あーみんなごめん、私達ちょっと疲れてるからさ。ここらへんで」
「あっ、そうだよねごめん。長々と引きとめちゃって」
千歌「いいのいいの」
「じゃあまた明日ねー!」
千歌「はいはーい! またねー!!」
「…………」
千歌「……なんか言えばよかったじゃん、真剣にやってきたんならさ」
千歌「後ろめたいことなんて一つもないじゃん」
ルビィ「え……」
千歌「なんで黙ってたの、ねえ」
「あっ、そうだよねごめん。長々と引きとめちゃって」
千歌「いいのいいの」
「じゃあまた明日ねー!」
千歌「はいはーい! またねー!!」
「…………」
千歌「……なんか言えばよかったじゃん、真剣にやってきたんならさ」
千歌「後ろめたいことなんて一つもないじゃん」
ルビィ「え……」
千歌「なんで黙ってたの、ねえ」
591: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/03/28(月) 01:15:49.95 ID:/XXSGHkH
千歌「それって結局私たちのライブが誰かに褒められるようなものじゃなかったって認めたようなものでしょ」
梨子「ちょっと待ってよ千歌ちゃん、何もルビィちゃんにそんなこと言わなくても」
ダイヤ「これは私達全員の責任ですし…」
千歌「…なら言えるんだね、責任があるってことは」
千歌「自分たちの何が悪かったか言えるってことだよね?」
梨子「いや……」
ダイヤ「……それは」
千歌「はぁーっこれだよもう…」
梨子「ちょっと待ってよ千歌ちゃん、何もルビィちゃんにそんなこと言わなくても」
ダイヤ「これは私達全員の責任ですし…」
千歌「…なら言えるんだね、責任があるってことは」
千歌「自分たちの何が悪かったか言えるってことだよね?」
梨子「いや……」
ダイヤ「……それは」
千歌「はぁーっこれだよもう…」
592: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/03/28(月) 01:16:39.60 ID:/XXSGHkH
千歌「じゃあ私から言おうか? 私は結局本番当日までメンバー全員をまとめきれなくてライブを失敗させてしまった」
千歌「これはリーダーである私の責任だよね、だからこそさあ」
千歌「今ここではっきりさせる必要があるんだよ、一体何が原因でこうなったのかってことをさ」
千歌「確かめないといけないわけ、問題解決のために。分かるよね?」
梨子・ダイヤ「……」
千歌「答えてよ早く、ほら!」
果南「千歌、ちょっと落ち着きなって、今はまださ…」
曜「そうだよ、今それについて言わなくても」
千歌「今はってなんだよ!」
曜・果南「!」
千歌「これはリーダーである私の責任だよね、だからこそさあ」
千歌「今ここではっきりさせる必要があるんだよ、一体何が原因でこうなったのかってことをさ」
千歌「確かめないといけないわけ、問題解決のために。分かるよね?」
梨子・ダイヤ「……」
千歌「答えてよ早く、ほら!」
果南「千歌、ちょっと落ち着きなって、今はまださ…」
曜「そうだよ、今それについて言わなくても」
千歌「今はってなんだよ!」
曜・果南「!」
593: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/03/28(月) 01:17:15.50 ID:/XXSGHkH
千歌「それが言えるんだったらどうしてライブのときもそうしてくれなかったの!?」
千歌「言ったよね私! 頼むよって! 頭冷やしなよって!!」
千歌「なのに実際はどうなの!? 二人は聖良さんに何言われた!?」
千歌「二人が一番足を引っ張ってたって! そう言われたよね!?」
千歌「私があれだけ言ったのに……っ…結局ここまで引っ張っておいて今更どの口が言うの!」
千歌「何も出来てなかったくせに私たちは落ち着いてるみたいな顔するなっ!!」
千歌「言ったよね私! 頼むよって! 頭冷やしなよって!!」
千歌「なのに実際はどうなの!? 二人は聖良さんに何言われた!?」
千歌「二人が一番足を引っ張ってたって! そう言われたよね!?」
千歌「私があれだけ言ったのに……っ…結局ここまで引っ張っておいて今更どの口が言うの!」
千歌「何も出来てなかったくせに私たちは落ち着いてるみたいな顔するなっ!!」
594: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/03/28(月) 01:17:48.01 ID:/XXSGHkH
ダイヤ「…どういうことですか、果南さん……引っ張っていたって」
ダイヤ「一体何があったんですか」
梨子「曜ちゃんも、私に何か隠してることでもあったの、そのことで」
鞠莉「梨子、ダイヤ……それは」
千歌「もう言おうよ鞠莉ちゃん、いい加減さ」
千歌「どうせ本人たちは口を開こうとしないよ」
鞠莉「けど…」
千歌「そこが鞠莉ちゃんの悪いところだよね、空気が重くなると思いきった発言をしない、出来ない」
鞠莉「!」
千歌「前はそれでも良かったかもしれないけどさ、もう無理でしょここまで来ると」
ダイヤ「一体何があったんですか」
梨子「曜ちゃんも、私に何か隠してることでもあったの、そのことで」
鞠莉「梨子、ダイヤ……それは」
千歌「もう言おうよ鞠莉ちゃん、いい加減さ」
千歌「どうせ本人たちは口を開こうとしないよ」
鞠莉「けど…」
千歌「そこが鞠莉ちゃんの悪いところだよね、空気が重くなると思いきった発言をしない、出来ない」
鞠莉「!」
千歌「前はそれでも良かったかもしれないけどさ、もう無理でしょここまで来ると」
595: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/03/28(月) 01:18:23.88 ID:/XXSGHkH
千歌「で、花丸ちゃんと善子ちゃんはいつまでそうして黙ってるわけ?」
千歌「あれかな、私たちの大好きなルビィちゃんが傷つかなければそれでいいってやつかな」
善子「ちがっ……!」
花丸「マルたちはその! この流れをどうにかしたくて……」
千歌「だから、無理なんだってそれは」
千歌「時間が経つとどうしようもなくなることってあるんだからさ、ね。ルビィちゃん?」
ルビィ「千歌さん……やっぱり、そうなの…?」
ルビィ「全部、ルビィが悪いの……?」
千歌「……」
千歌「あれかな、私たちの大好きなルビィちゃんが傷つかなければそれでいいってやつかな」
善子「ちがっ……!」
花丸「マルたちはその! この流れをどうにかしたくて……」
千歌「だから、無理なんだってそれは」
千歌「時間が経つとどうしようもなくなることってあるんだからさ、ね。ルビィちゃん?」
ルビィ「千歌さん……やっぱり、そうなの…?」
ルビィ「全部、ルビィが悪いの……?」
千歌「……」
596: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/03/28(月) 01:18:59.72 ID:/XXSGHkH
千歌「……まず曜ちゃんと果南ちゃんが対立したきっかけはさ、梨子ちゃんとダイヤさんにあるの」
梨子「え……」
ダイヤ「それってまさか…」
千歌「梨子ちゃんとダイヤさんが揉めてた一部始終を見てたからさ、それを見た二人がそのことで別の言い争いをしてたってわけ」
梨子・ダイヤ「──!」
曜・果南「……」
千歌「だからこんなに拗れてるの、このグループは。色んなところでぐちゃぐちゃになってるから」
千歌「でも、そもそもの原因は一つしかないの。皆それのせいで……傷ついてるんだよ」
千歌「……その原因が」
善子「千歌、待って!」
千歌「ルビィちゃんなんだよ」
ルビィ「!!」
梨子「え……」
ダイヤ「それってまさか…」
千歌「梨子ちゃんとダイヤさんが揉めてた一部始終を見てたからさ、それを見た二人がそのことで別の言い争いをしてたってわけ」
梨子・ダイヤ「──!」
曜・果南「……」
千歌「だからこんなに拗れてるの、このグループは。色んなところでぐちゃぐちゃになってるから」
千歌「でも、そもそもの原因は一つしかないの。皆それのせいで……傷ついてるんだよ」
千歌「……その原因が」
善子「千歌、待って!」
千歌「ルビィちゃんなんだよ」
ルビィ「!!」
597: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/03/28(月) 01:19:34.25 ID:/XXSGHkH
ルビィ「……」
ルビィ「…………」
ルビィ「……………………」
ルビィ「そ、っか」
ルビィ「そう、だったんだ」
千歌「……」
ルビィ「だよね、梨子さんとお姉ちゃんが揉める理由なんてそれ以外ないし」
ダイヤ「ルビィ……」
梨子「ルビィちゃん…」
ルビィ「…………」
ルビィ「……………………」
ルビィ「そ、っか」
ルビィ「そう、だったんだ」
千歌「……」
ルビィ「だよね、梨子さんとお姉ちゃんが揉める理由なんてそれ以外ないし」
ダイヤ「ルビィ……」
梨子「ルビィちゃん…」
598: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/03/28(月) 01:20:12.92 ID:/XXSGHkH
ルビィ「善子ちゃんや花丸ちゃんがルビィに隠すことなんて、それくらいしか、ないもんね」
ルビィ「うん。だよね、そうだよね」
ルビィ「それなら、ルビィのせい以外、あり得ないし……っ」
ルビィ「だから、ライブも」
ルビィ「……」
ルビィ「っ……!!」ダッ
花丸「ルビィちゃん!」
善子「ルビィ!!」ダッ
ルビィ「うん。だよね、そうだよね」
ルビィ「それなら、ルビィのせい以外、あり得ないし……っ」
ルビィ「だから、ライブも」
ルビィ「……」
ルビィ「っ……!!」ダッ
花丸「ルビィちゃん!」
善子「ルビィ!!」ダッ
599: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/03/28(月) 01:20:46.48 ID:/XXSGHkH
ルビィ「はぁっ……はぁっ……!」タッタッタ
善子「ルビィ! 待ってよ!」パシッ
ルビィ「……離してよ」
善子「嫌よ! 離さない!」
善子「今貴女を一人になんて出来るわけないでしょ!!」
ルビィ「うるさい! 一人のほうが良かったんだ!! ずっと!!」
善子「そんなことない! だって私は──!」
ルビィ「じゃあ少しは嬉しそうにしてよっ!! 笑ってよ!」
善子「ルビィ! 待ってよ!」パシッ
ルビィ「……離してよ」
善子「嫌よ! 離さない!」
善子「今貴女を一人になんて出来るわけないでしょ!!」
ルビィ「うるさい! 一人のほうが良かったんだ!! ずっと!!」
善子「そんなことない! だって私は──!」
ルビィ「じゃあ少しは嬉しそうにしてよっ!! 笑ってよ!」
600: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/03/28(月) 01:21:23.78 ID:/XXSGHkH
ルビィ「一人じゃ駄目なんて嘘つかないでよ!!」
善子「嘘じゃない!!」
ルビィ「じゃあ何でみんなそんな顔するの! そんな目で見るの!」
ルビィ「みんなの傍にいていいなら! なんでっ!!」
ルビィ「誰も私に大丈夫って言ってくれないの!!」
善子「──!?」
善子「嘘じゃない!!」
ルビィ「じゃあ何でみんなそんな顔するの! そんな目で見るの!」
ルビィ「みんなの傍にいていいなら! なんでっ!!」
ルビィ「誰も私に大丈夫って言ってくれないの!!」
善子「──!?」
601: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/03/28(月) 01:22:02.30 ID:/XXSGHkH
ルビィ「私はここにいていいんだって! ここにいてほしいんだって!!」
ルビィ「なんで誰も言ってくれないの!!」
善子「ルビィ、貴女…!」
ルビィ「私は! 私はただっ!!」
ルビィ「ここにいたかっただけなのに!! スクールアイドルを……」
ルビィ「みんなと一緒にやりたかっただけなのに!!」
善子「!!……ぁ……」
ルビィ「なんで誰も言ってくれないの!!」
善子「ルビィ、貴女…!」
ルビィ「私は! 私はただっ!!」
ルビィ「ここにいたかっただけなのに!! スクールアイドルを……」
ルビィ「みんなと一緒にやりたかっただけなのに!!」
善子「!!……ぁ……」
602: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/03/28(月) 01:22:36.66 ID:/XXSGHkH
ルビィ「………なんで……」
ルビィ「なんで、出来ないのかなぁ…」
ルビィ「人を笑顔にさせるのが、アイドルなのに」
ルビィ「私がいると、誰も……笑わないんだよ」
ルビィ「こんなんじゃ何にもなれないよ、私」
善子「そんなこと、ないから」
ルビィ「善子ちゃんだってそうだよ」
ルビィ「なんで、出来ないのかなぁ…」
ルビィ「人を笑顔にさせるのが、アイドルなのに」
ルビィ「私がいると、誰も……笑わないんだよ」
ルビィ「こんなんじゃ何にもなれないよ、私」
善子「そんなこと、ないから」
ルビィ「善子ちゃんだってそうだよ」
603: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/03/28(月) 01:23:09.68 ID:/XXSGHkH
善子「違う! 私は、違うわよっ…」
ルビィ「でももう、見てないよ」
ルビィ「善子ちゃんの笑った顔」
善子「……っ…」
ルビィ「楽しかったけどね、それでも……本当だよ?」クスッ
ルビィ「けど、これからは……分かんないや」
善子「……ルビィ?」
ルビィ「でももう、見てないよ」
ルビィ「善子ちゃんの笑った顔」
善子「……っ…」
ルビィ「楽しかったけどね、それでも……本当だよ?」クスッ
ルビィ「けど、これからは……分かんないや」
善子「……ルビィ?」
604: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/03/28(月) 01:23:45.49 ID:/XXSGHkH
ルビィ「……」
ルビィ「…………ねえ、善子ちゃん」
ルビィ「私、生まれてこないほうが良かったのかな」
善子「っ!!」
ルビィ「──ううんごめん、聞かなかったことにして、今のは」
ルビィ「じゃあね、もう帰るから」
善子「待ってルビィ!それなら私も…っ…」ギュッ
ルビィ「ほっといてよ!!」
ルビィ「…………ねえ、善子ちゃん」
ルビィ「私、生まれてこないほうが良かったのかな」
善子「っ!!」
ルビィ「──ううんごめん、聞かなかったことにして、今のは」
ルビィ「じゃあね、もう帰るから」
善子「待ってルビィ!それなら私も…っ…」ギュッ
ルビィ「ほっといてよ!!」
605: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/03/28(月) 01:24:23.16 ID:/XXSGHkH
ルビィ「……おねがいだから、もう…こないでよ」ポロポロ
ルビィ「わたしをひとりにさせてよ」
善子「…………」
パッ
ルビィ「………ごめん…もう、いくね」
ルビィ「さようなら」スタスタ
ルビィ「わたしをひとりにさせてよ」
善子「…………」
パッ
ルビィ「………ごめん…もう、いくね」
ルビィ「さようなら」スタスタ
606: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/03/28(月) 01:25:00.74 ID:/XXSGHkH
善子「…………」
善子「……何よ、それ……」
善子「…………っ……ぅぐ……」
善子「……あああぁあぁ……!!」
善子「何でなのよおおおおおお!!」
ダッ
善子「……何よ、それ……」
善子「…………っ……ぅぐ……」
善子「……あああぁあぁ……!!」
善子「何でなのよおおおおおお!!」
ダッ
607: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/03/28(月) 01:25:35.53 ID:/XXSGHkH
善子「なんでそうなのよいつも!!」
善子「いつもあの子が!何で!!」
善子「分かってたのに!!私は!」
善子「知ってたのに!全部!!」
善子「全部!! 全部!! 全部ッ!!」
バンッ
善子「ハーッ…ハーッ…!!」
花丸「あ、善子ちゃ……」
善子「全部……私達のせいじゃないかっ!!」
善子「いつもあの子が!何で!!」
善子「分かってたのに!!私は!」
善子「知ってたのに!全部!!」
善子「全部!! 全部!! 全部ッ!!」
バンッ
善子「ハーッ…ハーッ…!!」
花丸「あ、善子ちゃ……」
善子「全部……私達のせいじゃないかっ!!」
608: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/03/28(月) 01:26:15.36 ID:/XXSGHkH
ダイヤ「善子さん、急に何を…」
善子「ルビィが!あの子がさっき何て言ったのか!分かる!?」
善子「生まれてこなければ良かったって!!そう言ったのよ!!」
「!!!」
善子「ふざけるんじゃないわよ!!いい加減にしなさいよ!!」
善子「それが!あんたらが姉の立場を得てまで!誰かを庇い立てしてまで!!」
善子「言わせたかった言葉なのか!!」
善子「最初にユニットに誘ったのは誰よ!小さい頃から一緒にいたのは誰よ!血が繋がってるのは誰よ!」
善子「あの子を幸せにしたいって言ったのは…誰なのよ!!」
善子「ルビィが!あの子がさっき何て言ったのか!分かる!?」
善子「生まれてこなければ良かったって!!そう言ったのよ!!」
「!!!」
善子「ふざけるんじゃないわよ!!いい加減にしなさいよ!!」
善子「それが!あんたらが姉の立場を得てまで!誰かを庇い立てしてまで!!」
善子「言わせたかった言葉なのか!!」
善子「最初にユニットに誘ったのは誰よ!小さい頃から一緒にいたのは誰よ!血が繋がってるのは誰よ!」
善子「あの子を幸せにしたいって言ったのは…誰なのよ!!」
609: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/03/28(月) 01:26:51.64 ID:/XXSGHkH
善子「それだけ近くにいた奴らが!気付きもしないで追い込んで!追い詰めて……っ!!」
善子「そんな言葉……っ……言わせるの、やめなさいよぉ…っ…」ポロポロ
善子「……うぅっ……うぁぁあああ……!!」
「…………」
千歌「……そう、だね。もう今日のことで言い合うのはやめるよ……だって」
千歌「私達全員に、それを言う資格はないから」
善子「そんな言葉……っ……言わせるの、やめなさいよぉ…っ…」ポロポロ
善子「……うぅっ……うぁぁあああ……!!」
「…………」
千歌「……そう、だね。もう今日のことで言い合うのはやめるよ……だって」
千歌「私達全員に、それを言う資格はないから」
610: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/03/28(月) 01:27:28.10 ID:/XXSGHkH
──
ルビィ「……」
── 黒澤家之墓 ──
ルビィ「…………ねえ」
ルビィ「もし、ね。もしもだよ?」
ルビィ「私と…あなたが、入れ替わっていたら」
ルビィ「こんなことには、ならなかったのかな?」
ポツ……ポツ……
611: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/03/28(月) 01:28:00.24 ID:/XXSGHkH
ルビィ「そこにいるのが、私で……ここにいるのがっ…あなたで…」
ルビィ「それなら……」
ルビィ「みんな幸せに、なれたのかなぁっ……!」
ザーッ ザーッ
ルビィ「……わたし……っ…なりたかった…!」
ルビィ「あなたみたいに……なりたかった!!」
ルビィ「……ひぐっ……うぁぁ…ああああああああああ!!!!」
ルビィ「それなら……」
ルビィ「みんな幸せに、なれたのかなぁっ……!」
ザーッ ザーッ
ルビィ「……わたし……っ…なりたかった…!」
ルビィ「あなたみたいに……なりたかった!!」
ルビィ「……ひぐっ……うぁぁ…ああああああああああ!!!!」
612: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/03/28(月) 01:28:36.98 ID:/XXSGHkH
それから…
善子「花丸ー。ルビィのノルマ終わったから来たわよー」
花丸「お疲れ様、今日は早かったね」
善子「別の用事があるんだって、で? 用って何よ」
花丸「ゲーム一緒にやりたいなあって」
善子「はあ? もうすぐラブライブの予選だっていうのに?」
花丸「うん」
善子「何考えてんのよ」
613: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/03/28(月) 01:29:09.31 ID:/XXSGHkH
花丸「マルも上手くなったら、見てるだけじゃなくて一緒に出来るかなって」
花丸「今は無理でも、いつか三人で楽しく、遊べるのかなって」
善子「……分からないじゃない、そんなの」
花丸「分からないからやるんだよ、だって」
花丸「今のルビィちゃん、昔の頃に戻ってるもん」
花丸「淡々とやるべきことだけやって、心に厚い壁を張って、一人で塞ぎこんでる」
花丸「でも、それを破るきっかけを作ってくれたのは善子ちゃんだから、今度もきっと…」
花丸「今は無理でも、いつか三人で楽しく、遊べるのかなって」
善子「……分からないじゃない、そんなの」
花丸「分からないからやるんだよ、だって」
花丸「今のルビィちゃん、昔の頃に戻ってるもん」
花丸「淡々とやるべきことだけやって、心に厚い壁を張って、一人で塞ぎこんでる」
花丸「でも、それを破るきっかけを作ってくれたのは善子ちゃんだから、今度もきっと…」
614: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/03/28(月) 01:30:00.48 ID:/XXSGHkH
善子「……」
花丸「多分みんな何が正解かなんて、分からないと思うけど」
花丸「昔と何も変わらないまま終わっていくのは、嫌だな」
善子「…そうね」
善子「じゃあ私の家に来なさいよ、最近滅多に人が来なくて窮屈していたところだったし。丁度いいわ」
花丸「……」
花丸「じゃあ、お言葉に甘えさせてもらうずら」
花丸「多分みんな何が正解かなんて、分からないと思うけど」
花丸「昔と何も変わらないまま終わっていくのは、嫌だな」
善子「…そうね」
善子「じゃあ私の家に来なさいよ、最近滅多に人が来なくて窮屈していたところだったし。丁度いいわ」
花丸「……」
花丸「じゃあ、お言葉に甘えさせてもらうずら」
615: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/03/28(月) 01:30:57.47 ID:/XXSGHkH
──
曜「お邪魔しまーす」ガチャ
梨子「あれ、今日はただいまって言わないんだ?」
曜「……一応私の他にもお客さんがいるもんで」
梨子「お客さんって?」
果南「え、何。曜って梨子ちゃんの家に来た時ただいまとか言ってるの」
ダイヤ「いや、まあ…アリでしょう、そういうのも」
梨子「果南さんに、ダイヤさん…珍しいですね」
ダイヤ「ええ、今日はお二人にお願いしたいことがありまして」
616: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/03/28(月) 01:31:47.14 ID:/XXSGHkH
梨子「お願いって、何ですか?」
ダイヤ「鞠莉さんのことです」
曜「鞠莉ちゃんの?」
果南「鞠莉がスクールアイドル部に入った理由は知ってるでしょ」
曜「元から廃校が決まってるからせめて自分の在学中までに大きな功績を学校に残したい、だったっけ」
果南「そう、そんな感じ」
ダイヤ「ですから今流行りのラブライブで優勝すれば大きな注目を浴びると思って私たちに関わってきたのでしょうね」
ダイヤ「今思えば打算的な考えです……けれど」
果南「それだけで今もまだここに居座るわけがないんだよ……本気だったんだ」
ダイヤ「鞠莉さんのことです」
曜「鞠莉ちゃんの?」
果南「鞠莉がスクールアイドル部に入った理由は知ってるでしょ」
曜「元から廃校が決まってるからせめて自分の在学中までに大きな功績を学校に残したい、だったっけ」
果南「そう、そんな感じ」
ダイヤ「ですから今流行りのラブライブで優勝すれば大きな注目を浴びると思って私たちに関わってきたのでしょうね」
ダイヤ「今思えば打算的な考えです……けれど」
果南「それだけで今もまだここに居座るわけがないんだよ……本気だったんだ」
617: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/03/28(月) 01:32:18.05 ID:/XXSGHkH
果南「だけどそれを私たちが引っ掻き回した……本来あの子はこの件と無関係なのに」
梨子「……」
ダイヤ「お願いします、今度のラブライブ予選……私たちに協力してください」
果南「頼むよ……この通りだから」ペコ
曜「果南ちゃん…」
梨子「……頭を上げてください、私、そこまでされるほどのものじゃないですから」
梨子「問題を起こしたのは、私も同じだし」
梨子「……」
ダイヤ「お願いします、今度のラブライブ予選……私たちに協力してください」
果南「頼むよ……この通りだから」ペコ
曜「果南ちゃん…」
梨子「……頭を上げてください、私、そこまでされるほどのものじゃないですから」
梨子「問題を起こしたのは、私も同じだし」
618: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/03/28(月) 01:32:55.49 ID:/XXSGHkH
曜「それに、私たちもそのことでお願いしようと思ってはいたんだよね」
曜「千歌ちゃんのこと考えたらさ…これ以上ってわけにもいかないし」
ダイヤ「だったら「ただ」
梨子「それで本当に上手くいくのかなって考えて、言えなかったんです」
曜「今まで普通に出来ていたことがさ、ここまでしないと出来ないものになってる時点で」
曜「チームとしては、未完成だって言ってるようなものだし」
果南「いや、だからってこのまま何もしないのも違うでしょ」
曜「それは、そうだけどさ……分からないんだよ」
果南「……そんなの、私だってそうだよ」
曜「千歌ちゃんのこと考えたらさ…これ以上ってわけにもいかないし」
ダイヤ「だったら「ただ」
梨子「それで本当に上手くいくのかなって考えて、言えなかったんです」
曜「今まで普通に出来ていたことがさ、ここまでしないと出来ないものになってる時点で」
曜「チームとしては、未完成だって言ってるようなものだし」
果南「いや、だからってこのまま何もしないのも違うでしょ」
曜「それは、そうだけどさ……分からないんだよ」
果南「……そんなの、私だってそうだよ」
619: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/03/28(月) 01:33:22.64 ID:/XXSGHkH
「……」
梨子「……ごめんなさい、ダイヤさん」
ダイヤ「え…?」
梨子「私がもっと、貴女の立場に立って考えることが出来ればよかったのに」
梨子「最後まで上手くいかなくて……それに」
梨子「今でも、貴女になんて言っていいのか、どう接していいのか」
梨子「私には、分からないの」
曜・果南・ダイヤ「!!」
梨子「…? どうしたの皆」
梨子「……ごめんなさい、ダイヤさん」
ダイヤ「え…?」
梨子「私がもっと、貴女の立場に立って考えることが出来ればよかったのに」
梨子「最後まで上手くいかなくて……それに」
梨子「今でも、貴女になんて言っていいのか、どう接していいのか」
梨子「私には、分からないの」
曜・果南・ダイヤ「!!」
梨子「…? どうしたの皆」
620: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/03/28(月) 01:33:53.56 ID:/XXSGHkH
果南「…いや、何でもないよ。とにかくさ、私たちが言いたかったのはそれだけだから」
果南「またね、今度は余計なこと考えないし、足も引っ張らないように努力するからさ」
果南「その、なんだろう……上手くいくといいよね、ライブ」
梨子「……はい」
果南「いや、しなくちゃいけないんだけどさ、そうじゃなくてもっとこう私が言いたいのは…」
ダイヤ「果南さん、いいから帰りますわよ」
果南「でも」
ダイヤ「みなまで言わなくとも、お二人には伝わっているはずです」
果南「……全部?」
ダイヤ「半分程度かと」
果南「またね、今度は余計なこと考えないし、足も引っ張らないように努力するからさ」
果南「その、なんだろう……上手くいくといいよね、ライブ」
梨子「……はい」
果南「いや、しなくちゃいけないんだけどさ、そうじゃなくてもっとこう私が言いたいのは…」
ダイヤ「果南さん、いいから帰りますわよ」
果南「でも」
ダイヤ「みなまで言わなくとも、お二人には伝わっているはずです」
果南「……全部?」
ダイヤ「半分程度かと」
621: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/03/28(月) 01:34:28.16 ID:/XXSGHkH
果南「それ駄目じゃん」
ダイヤ「ではお邪魔しました。ほら行きますわよ」
果南「ちょっとダイヤってば! いいの本当に!?」
バタン
梨子「行っちゃったね、曜ちゃんはどうする?」
曜「ここにいたい」
梨子「…最近冷えてきたよね、ココア作ってくるから待ってて」
曜「……ん」
ダイヤ「ではお邪魔しました。ほら行きますわよ」
果南「ちょっとダイヤってば! いいの本当に!?」
バタン
梨子「行っちゃったね、曜ちゃんはどうする?」
曜「ここにいたい」
梨子「…最近冷えてきたよね、ココア作ってくるから待ってて」
曜「……ん」
622: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/03/28(月) 01:35:04.15 ID:/XXSGHkH
梨子「どう?」
曜「おいしい」
梨子「ならよかった」
曜「……さっきさ」
梨子「うん」
曜「梨子ちゃん、ダイヤさんにどう接したらいいのか分からないって言ったでしょ?」
梨子「言ったけど、それが?」
曜「あれ聞いたとき、ちょっとビックリしたんだよね。だってその前に私さ……」
曜「おいしい」
梨子「ならよかった」
曜「……さっきさ」
梨子「うん」
曜「梨子ちゃん、ダイヤさんにどう接したらいいのか分からないって言ったでしょ?」
梨子「言ったけど、それが?」
曜「あれ聞いたとき、ちょっとビックリしたんだよね。だってその前に私さ……」
623: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/03/28(月) 01:35:41.09 ID:/XXSGHkH
果南「いやーそれにしても、まさか梨子ちゃんがダイヤと同じこと言うなんてね」
ダイヤ「ええ、私も驚きました」
果南「ま、二人は考え方似てるところあるから、おかしくないとは思うけどさ」
ダイヤ「私からすれば果南さんと曜さんも同じようなものですわよ」
果南「かもね。けど、だからかな」
果南「どうしてこんなに噛み合わないんだろうって、みんな考えてることは一緒のはずなのに」
ダイヤ「ええ、私もそう思います……だからこそ」
ダイヤ「歯痒いのです。今と、それが続くかもしれないこれからが」
果南「ダイヤ……」
ダイヤ「せめて少しずつでも何かを変えていけたら、元に戻せられるのでしょうか」
果南「さあ…どうだろうね」
ダイヤ「ええ、私も驚きました」
果南「ま、二人は考え方似てるところあるから、おかしくないとは思うけどさ」
ダイヤ「私からすれば果南さんと曜さんも同じようなものですわよ」
果南「かもね。けど、だからかな」
果南「どうしてこんなに噛み合わないんだろうって、みんな考えてることは一緒のはずなのに」
ダイヤ「ええ、私もそう思います……だからこそ」
ダイヤ「歯痒いのです。今と、それが続くかもしれないこれからが」
果南「ダイヤ……」
ダイヤ「せめて少しずつでも何かを変えていけたら、元に戻せられるのでしょうか」
果南「さあ…どうだろうね」
624: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/03/28(月) 01:36:16.24 ID:/XXSGHkH
──
千歌「……」モグモグゴクゴク
鞠莉「いきなり電話がかかってきて、何事かと思えば」
千歌「ぷはーっ! 生き返ったー! ごちそうさま!!」
鞠莉「食欲旺盛ねえ、千歌っちは」
千歌「糖分摂取は大事だからね! 頭を使うためにも!」
鞠莉「ふーん、それで私に集りにきたってわけね」
千歌「いやーまあ……はい」
鞠莉「で、そんなになるまで何考えてたの?」
千歌「んーとねAqoursのこと、リーダー辞めるかどうかとか」
千歌「そんな感じかなー」
625: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/03/28(月) 01:36:50.55 ID:/XXSGHkH
鞠莉「……辞めるの?」
千歌「迷ってるんだ、どっちにすればいいのか」
千歌「責任を取って辞めるべきか、責任を取らなくちゃいけないから続けるべきなのか」
鞠莉「好きな方でいいんじゃないかしら」
千歌「そんなので済ませていいのかな」
鞠莉「だって千歌っちはAqoursが好きだから適当な答えを出したくないんでしょう?」
鞠莉「ならそれにきちんと向き合うためにも、自分の気持ちに正直になるのがいいと私は思うけど」
千歌「……」
鞠莉「私は続けるわよ、ここで成し遂げるまではね」
千歌「迷ってるんだ、どっちにすればいいのか」
千歌「責任を取って辞めるべきか、責任を取らなくちゃいけないから続けるべきなのか」
鞠莉「好きな方でいいんじゃないかしら」
千歌「そんなので済ませていいのかな」
鞠莉「だって千歌っちはAqoursが好きだから適当な答えを出したくないんでしょう?」
鞠莉「ならそれにきちんと向き合うためにも、自分の気持ちに正直になるのがいいと私は思うけど」
千歌「……」
鞠莉「私は続けるわよ、ここで成し遂げるまではね」
626: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/03/28(月) 01:37:27.62 ID:/XXSGHkH
千歌「鞠莉ちゃんは、凄いね」
鞠莉「引くに引けなくなっただけだから褒められるほどのものじゃないわよ」
鞠莉「それに千歌っちの言葉を借りて言うなら、これが私の責任の取り方なのよ」
鞠莉「好きだからやめたくないっていうのが本心だけどね」
千歌「そっか……うん、分かった」
千歌「じゃあ取りあえず、次の予選が終わるまでは保留にしておく」
鞠莉「そうね、それがいいと思うわ」
鞠莉「引くに引けなくなっただけだから褒められるほどのものじゃないわよ」
鞠莉「それに千歌っちの言葉を借りて言うなら、これが私の責任の取り方なのよ」
鞠莉「好きだからやめたくないっていうのが本心だけどね」
千歌「そっか……うん、分かった」
千歌「じゃあ取りあえず、次の予選が終わるまでは保留にしておく」
鞠莉「そうね、それがいいと思うわ」
627: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/03/28(月) 01:38:00.73 ID:/XXSGHkH
千歌「……鞠莉ちゃんはさ」
鞠莉「ええ」
千歌「いけると思う?」
鞠莉「やってみないと分からないわ……今はそう言うしかないでしょう?」
鞠莉「良くも悪くも、ね」
千歌「だね、ここで無理を言うのは…よくないもんね」
千歌「どんなに望み薄でもさ……私、やっぱり諦めたくないから」
鞠莉「…私もよ」
鞠莉「ええ」
千歌「いけると思う?」
鞠莉「やってみないと分からないわ……今はそう言うしかないでしょう?」
鞠莉「良くも悪くも、ね」
千歌「だね、ここで無理を言うのは…よくないもんね」
千歌「どんなに望み薄でもさ……私、やっぱり諦めたくないから」
鞠莉「…私もよ」
628: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/03/28(月) 01:38:32.63 ID:/XXSGHkH
──
ピピピピッ
ルビィ「…あ、もうこんな時間」
ルビィ「えっと走った距離は…うん、伸びてる」
ルビィ「明日は、ダンスの練習にしよう」
ルビィ「予選まであと一週間だから、頑張らなくちゃ…」タッ
ルビィ(もっと、もっと、もっと……)
629: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/03/28(月) 01:39:10.09 ID:/XXSGHkH
ルビィ「……」
ピタッ
ルビィ「やって、どうするんだろう」
ルビィ「違う、やらなくちゃいけないんだ。だから私は」
ルビィ(……でも)
ルビィ(“やりたい”には、なってないんだよね)
ルビィ「……私、本当は何がしたいのかな」
ルビィ「……やめよう、今は、ライブに集中しなくちゃ」タッ
(次は、次こそは)
……
…
ピタッ
ルビィ「やって、どうするんだろう」
ルビィ「違う、やらなくちゃいけないんだ。だから私は」
ルビィ(……でも)
ルビィ(“やりたい”には、なってないんだよね)
ルビィ「……私、本当は何がしたいのかな」
ルビィ「……やめよう、今は、ライブに集中しなくちゃ」タッ
(次は、次こそは)
……
…
630: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/03/28(月) 01:40:04.53 ID:/XXSGHkH
しかし、その決意も空しく
スクールアイドルAqoursはラブライブ一次予選にて敗退、理由は言うまでもない
そして私たちはこれ以降、九人で活動することはなくなった。
上級生の今後の進路に向けて活動を自粛というのが表向きの理由だが
ただ単に、気まずかっただけなのかもしれない。
因みに今年度のラブライブの優勝者はSaint Snow
他を寄せ付けない圧倒的な実力差で、見事その栄光を手にした。
631: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/03/28(月) 01:40:44.41 ID:/XXSGHkH
一方で私たちは全てが終わった後で、この有り余った時間をどう使うべきか
そのことだけにただ心血を注いでいたような、そんな気がする。
ラブライブがどうでもよくなったわけじゃない、スクールアイドルに興味がなくなったわけでもない
少し、距離が空いただけ。
けれどそのせいか、心もあまり、揺さぶられなくなってしまって
632: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/03/28(月) 01:41:33.51 ID:/XXSGHkH
確かにそこにはあるのに
再び燃え上がることもなく、かといって消し去ってしまうには惜しいほどの情熱の欠片は
ただただ心の片隅につっかえたまま、ふすふすと燻り続けていた。
何も変わらず、何も変えられず、時間だけが過ぎていって
日は進み、年を跨ぎ、季節が移り、いつか来るはずの終わりはもうすぐそこまで迫っている
そのことすら、どこか他人事のようで。
他人……結局そうなんだろうか、血が繋がっていなかったらそれは自分にとって
ただの他人なんだろうか
分からない、今ではどの考えが正しいのか
私には、なにもわからない。
633: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/03/28(月) 01:42:17.39 ID:/XXSGHkH
…………
今は四月。 上級生はたったの一言も私たちに残すことなく去っていき
そして──浦の星女学院での二度目の春が桜と共にやってくる
桜は見る者によってその美しさが変わるというが
ただひらひらと、喧騒も何もなくなった過去の居場所を、まるで主張するかのように漂い続けるその花びらは
私にとってはただただ空虚で、まるで鏡を見ているような錯覚にすら陥った。
──何者でもない自分がそこにいるかのような、親近感さえ湧くほどに
それがたとえ気の迷いであろうとなかろうと
偶像であると慮るような欠片は、今もまだ目の前にあるのだから。
黄昏の桜を通り過ぎ、踏み入れた先はいつもと少し違った景色
校舎の中は前よりも広々とした、伸びやかな空間で
それでいて、少し窮屈に感じた。
634: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/03/28(月) 01:42:59.69 ID:/XXSGHkH
…………
春は出会いと別れの季節、新たな出会いがあるからこそ日々の出来事は色づいていく。
それが青春というものなんだろう
私の場合はそうだった、けれども
ここはまだ、灰色のままだ。 白と黒ですらない
何もかもが中途半端で、不意にどこかで混ざりあってしまったような
そんな、鉛みたいな居場所にいつの間にかなってしまっていた。
おもい。故に離れられない
今は四月。 後輩は、先輩にはなれなかった。
635: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/03/28(月) 01:43:39.79 ID:/XXSGHkH
終わりです、ありがとうございました。
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