ルビィ「片割れのジュエル」 1年生編【再】 前編
ルビィ「片割れのジュエル」 1年生編【再】 後編
ルビィ「片割れのジュエル」 フェスライブ編【再】 前編
ルビィ「片割れのジュエル」 フェスライブ編【再】 後編
2: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/04/15(金) 20:29:20.83 ID:ZLUCbFqf
…………
……
善子「はあーっ今日の練習は一段ときつかったわねー…」
ルビィ「そんなこと言いながら、ずーっと手は抜かなかったよね。善子ちゃん」
善子「当然、なにせいよいよ」
「全スクールアイドルが目指す憧れの舞台ラブライブ!」
「その一次予選がもうすぐやってくるんだからね!!」
善子「ちょ、私の台詞……というより」
ルビィ「えっと、どちら様ですか?」
「国木田花丸ちゃんのファンです! それも一番の!」
善子・ルビィ「は、はあ……」
4: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/04/15(金) 20:30:19.13 ID:ZLUCbFqf
「だけど本当に、長い道のりだったよねえー」
「マルちゃん率いるスクールアイドルAqoursは、今までのこともあってか新年度に立て直したはいいものの」
「ライブでの実践経験が少ないうえに、他とのコネクションも全然だったし」
ルビィ「よ、よく知ってるんだね」
善子「ていうかAqoursのリーダーは花丸じゃなくて千歌なんだけど…」
「でも顧問の鞠莉ちゃん先生のおかげでなんとかSaint SnowのGWツアーに参加させてもらえて」
善子「聞いちゃいないわね」
「そこでマルちゃんは大活躍! ツアーも大成功!」
「更にPVも評価されて、そこからちょっとずつ周りの評価も良くなっていったんだよね!」
「マルちゃん率いるスクールアイドルAqoursは、今までのこともあってか新年度に立て直したはいいものの」
「ライブでの実践経験が少ないうえに、他とのコネクションも全然だったし」
ルビィ「よ、よく知ってるんだね」
善子「ていうかAqoursのリーダーは花丸じゃなくて千歌なんだけど…」
「でも顧問の鞠莉ちゃん先生のおかげでなんとかSaint SnowのGWツアーに参加させてもらえて」
善子「聞いちゃいないわね」
「そこでマルちゃんは大活躍! ツアーも大成功!」
「更にPVも評価されて、そこからちょっとずつ周りの評価も良くなっていったんだよね!」
5: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/04/15(金) 20:31:09.44 ID:ZLUCbFqf
善子「まあ、ね」
「だからあなたも選抜強化合宿のメンバーに選ばれたわけで!」
ルビィ「私?」
「そうだよ! しかもそれってとっても凄いことじゃん!」
「みんなの代表ってことなんだから!」
善子「それは確かにそうかもね」
「まあ私なら絶対マルちゃんを推薦するけどね!」
善子「すごい推してくるわねあなた」
「ファンですから!」
善子「それはもう分かったわよ」
「だからあなたも選抜強化合宿のメンバーに選ばれたわけで!」
ルビィ「私?」
「そうだよ! しかもそれってとっても凄いことじゃん!」
「みんなの代表ってことなんだから!」
善子「それは確かにそうかもね」
「まあ私なら絶対マルちゃんを推薦するけどね!」
善子「すごい推してくるわねあなた」
「ファンですから!」
善子「それはもう分かったわよ」
6: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/04/15(金) 20:32:22.55 ID:ZLUCbFqf
「とはいえ、その合宿も一筋縄ではいかなくて」
「指導者はなんとあのA-RISEの綺羅ツバサさん! 普通ならこれだけでもビックリものなのに」
「あなたのパートナーに選ばれたのは合宿メンバーの中でも一際癖の強い、尖がりガールの理亞ちゃんでしょ?」
ルビィ「尖がりガール……」
善子「理亞をそんな風に呼ぶのって、多分後にも先にもあんたくらいよ……」
「え、そう? 照れるなあ~」
善子「褒めてはないわよ」
「指導者はなんとあのA-RISEの綺羅ツバサさん! 普通ならこれだけでもビックリものなのに」
「あなたのパートナーに選ばれたのは合宿メンバーの中でも一際癖の強い、尖がりガールの理亞ちゃんでしょ?」
ルビィ「尖がりガール……」
善子「理亞をそんな風に呼ぶのって、多分後にも先にもあんたくらいよ……」
「え、そう? 照れるなあ~」
善子「褒めてはないわよ」
7: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/04/15(金) 20:33:19.53 ID:ZLUCbFqf
「…あっ、それでね! 最初はそのせいもあってか二人は全く噛み合ってなかったんだけど」
「善子ちゃんと」
善子「ん?」
「マルちゃんが、そんなあなたに火を付けた」
「あなたと戦いたいって」
ルビィ「……」
「そしてそれをきっかけにあなただけじゃなくてAqoursの皆も、理亞ちゃんも」
「前に進んで進んで進みまくって! 結果あなたと理亞ちゃんの二人は優勝までしちゃって!」
「たくさんの人を熱狂の渦に巻き込んで! 本当に凄いと思った!」
「あらためておめでとう!!」
ルビィ「あ、ありがとう」
「善子ちゃんと」
善子「ん?」
「マルちゃんが、そんなあなたに火を付けた」
「あなたと戦いたいって」
ルビィ「……」
「そしてそれをきっかけにあなただけじゃなくてAqoursの皆も、理亞ちゃんも」
「前に進んで進んで進みまくって! 結果あなたと理亞ちゃんの二人は優勝までしちゃって!」
「たくさんの人を熱狂の渦に巻き込んで! 本当に凄いと思った!」
「あらためておめでとう!!」
ルビィ「あ、ありがとう」
8: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/04/15(金) 20:35:33.46 ID:ZLUCbFqf
「善子ちゃんも惜しかったけどライブはすっごい良かったよね!」
善子「それはどうも」
「勿論、マルちゃんのが一番だったけど!」
善子「言うと思ったわ」
善子(にしても滅茶苦茶喋るわねこの子……)
「だから私ね、これだけは絶対に言えるんだ」
「そうやって色んな困難を乗り越えてきたあなたたちAqoursだから、今回はなーんにも心配いらないって!」
「前と一緒なんかじゃないってね!」
善子・ルビィ「!!」
「だから二人とも頑張ってね! 私目いっぱい応援してるから!」
善子「それはどうも」
「勿論、マルちゃんのが一番だったけど!」
善子「言うと思ったわ」
善子(にしても滅茶苦茶喋るわねこの子……)
「だから私ね、これだけは絶対に言えるんだ」
「そうやって色んな困難を乗り越えてきたあなたたちAqoursだから、今回はなーんにも心配いらないって!」
「前と一緒なんかじゃないってね!」
善子・ルビィ「!!」
「だから二人とも頑張ってね! 私目いっぱい応援してるから!」
9: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/04/15(金) 20:36:52.35 ID:ZLUCbFqf
善子「……ふふっ、勿論よ」
ルビィ「うん、任せて」
「お願いね、私はほら……結局見ていることしか出来ないから」
「マルちゃんの隣りで力になるなんてことも無理だけど、でも!」
「この愛だけはずっと変わりませんから!」
「そして、私はその愛が起こす奇跡を信じているのです!」
善子「え、突然なに……」
「私はいつでも貴女のことを想っているってことだよ」
「だからいつか想いが届くその日まで」
「マルちゃんのこと、よろしくね。ルビィちゃん」
ルビィ「──! ねえ、あなたってもしかして」
「じゃあねー! ばいばーい!!」
ルビィ「うん、任せて」
「お願いね、私はほら……結局見ていることしか出来ないから」
「マルちゃんの隣りで力になるなんてことも無理だけど、でも!」
「この愛だけはずっと変わりませんから!」
「そして、私はその愛が起こす奇跡を信じているのです!」
善子「え、突然なに……」
「私はいつでも貴女のことを想っているってことだよ」
「だからいつか想いが届くその日まで」
「マルちゃんのこと、よろしくね。ルビィちゃん」
ルビィ「──! ねえ、あなたってもしかして」
「じゃあねー! ばいばーい!!」
11: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/04/15(金) 20:38:04.13 ID:ZLUCbFqf
……
…
善子「…………う、うぅん……」モゾ
ルビィ「ふわぁ……」ゴシゴシ
ルビィ(なんだろう……不思議な感じ)
善子「あールビィ、おはよう……」
ルビィ「おはよう善子ちゃん……どうしたの? なんか、何とも言えない顔してるけど」
12: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/04/15(金) 20:38:44.27 ID:ZLUCbFqf
善子「ルビィの方こそ……まあ私は……うん」
善子「その、花丸への好きが強すぎる花丸推しが私とルビィに語りかけてくるっていう謎の夢を……」
ルビィ「それ、私も……」
善子「ルビィも?」
ルビィ「うん……どんな人だったかは覚えてないけど」
ルビィ(でも他人とも思えなくて、なんでだろう?)
善子「へえ、妙な偶然の一致もあるものねえ……」
善子「その、花丸への好きが強すぎる花丸推しが私とルビィに語りかけてくるっていう謎の夢を……」
ルビィ「それ、私も……」
善子「ルビィも?」
ルビィ「うん……どんな人だったかは覚えてないけど」
ルビィ(でも他人とも思えなくて、なんでだろう?)
善子「へえ、妙な偶然の一致もあるものねえ……」
13: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/04/15(金) 20:39:28.14 ID:ZLUCbFqf
ガチャ
花丸「二人とも起きたんだね。おはよう」
ルビィ「おはよう花丸ちゃん」
善子「早いのね、それに心なしか嬉しそうに見えるわよ」
花丸「凄くいい夢見れたから」
花丸(久しぶりにアオちゃんに会う夢見ちゃった)エヘヘヘ
花丸(大きくなったアオちゃん綺麗だったなあ……)
14: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/04/15(金) 20:40:07.55 ID:ZLUCbFqf
善子「そんなに顔がだらしなくなるほどなの」
花丸「うん。あっそうだ、善子ちゃんのお母さんがお風呂沸いてるからーって」
花丸「マルは一足先に入らせてもらったけど」
善子「そう、分かったわ」
ルビィ「あとで入るね」
花丸「うん。あっそうだ、善子ちゃんのお母さんがお風呂沸いてるからーって」
花丸「マルは一足先に入らせてもらったけど」
善子「そう、分かったわ」
ルビィ「あとで入るね」
15: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/04/15(金) 20:40:41.90 ID:ZLUCbFqf
花丸「それにしても今日も暑いね、いつになったら涼しくなるのかなあ」ヌギッ
善子・ルビィ「!!」
花丸「はぁー……」パタパタ
ルビィ「何やってるの花丸ちゃん! 上着脱いだら駄目でしょ!」
花丸「え」ビクッ
善子「胸くらい隠しなさいよ! でかでかと谷間なんか曝け出して! 誰か見てたらどうするの!!?」
善子・ルビィ「!!」
花丸「はぁー……」パタパタ
ルビィ「何やってるの花丸ちゃん! 上着脱いだら駄目でしょ!」
花丸「え」ビクッ
善子「胸くらい隠しなさいよ! でかでかと谷間なんか曝け出して! 誰か見てたらどうするの!!?」
16: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/04/15(金) 20:41:10.29 ID:ZLUCbFqf
花丸「だ、誰かって……ここ善子ちゃんの部屋だよね?」
ルビィ「いいからこれ着て!」
善子「ボタンも上まで閉めて!」
花丸「な、なんで」
善子・ルビィ「なんとなく!!」
花丸「えぇーっ……」
ルビィ「いいからこれ着て!」
善子「ボタンも上まで閉めて!」
花丸「な、なんで」
善子・ルビィ「なんとなく!!」
花丸「えぇーっ……」
17: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/04/15(金) 20:41:52.96 ID:ZLUCbFqf
……
花丸「──うう、酷いずら……」
善子「あんたも女の子ならもう少し貞操観念持ちなさい」
花丸(いつもはあんまり言ってこないのに……)
善子「でもまあ、暑いっていう気持ちは分かるけどね」
善子「夏休みが終わってから早一週間、そろそろ8月も終わるっていうのに」
花丸「ねー」
18: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/04/15(金) 20:42:20.36 ID:ZLUCbFqf
善子「来週から9月……季節は秋かあ、去年は嫌な思い出しかなかったわね」
花丸「あはは……そうだね」
善子「一次予選は9月の頭からだっけ?」
花丸「うん、確かマルたちの出番は2日だったと思うけど」
善子「本当にあっという間ね、どんだけ矢継ぎ早にやるのって話よ」
花丸「今年は色々大事な年だったから仕方ないずら」
花丸「あはは……そうだね」
善子「一次予選は9月の頭からだっけ?」
花丸「うん、確かマルたちの出番は2日だったと思うけど」
善子「本当にあっという間ね、どんだけ矢継ぎ早にやるのって話よ」
花丸「今年は色々大事な年だったから仕方ないずら」
19: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/04/15(金) 20:42:51.66 ID:ZLUCbFqf
善子「まあね。けど、どんなに慌ただしくて大変でも」
花丸「今度こそは……」
ガチャ
ルビィ「絶対! リベンジ!」
善子「ナイスタイミング」
花丸「いつからいたの?」
ルビィ「ついさっきだよ、穂乃果さんのマネしてみたくて」エヘヘ
花丸「今度こそは……」
ガチャ
ルビィ「絶対! リベンジ!」
善子「ナイスタイミング」
花丸「いつからいたの?」
ルビィ「ついさっきだよ、穂乃果さんのマネしてみたくて」エヘヘ
20: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/04/15(金) 20:43:22.24 ID:ZLUCbFqf
善子「……あのねルビィ、やりたかったのは分かるけど」
ルビィ「?」
善子「髪くらいちゃんと拭きなさいよ」ハァ
ルビィ「大丈夫、それも含めて穂乃果さんのマネだから」
花丸「おぉー……完璧だね」パチパチ
善子「悪影響か!!」
ルビィ「?」
善子「髪くらいちゃんと拭きなさいよ」ハァ
ルビィ「大丈夫、それも含めて穂乃果さんのマネだから」
花丸「おぉー……完璧だね」パチパチ
善子「悪影響か!!」
21: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/04/15(金) 20:44:32.30 ID:ZLUCbFqf
その頃……
浦の星女学院、体育館
千歌「ふぅーっ……次いきます!」
バッ トン クルン タン!
「!」
千歌「……っと、よし上手くいった!」
曜「おお、また成功!」
鞠莉「失敗の回数もだいぶ減ってきたわねー、いいじゃない千歌っち!」
梨子「はい。ロンダートとバク転、どちらも単体だけならもう十分なんじゃないかな」
梨子「フォームも最初の頃よりずっと綺麗になってるし」
22: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/04/15(金) 20:45:00.57 ID:ZLUCbFqf
曜「うん、あとはその連携だけだね。それさえ上手くいけば!」
梨子「問題なのはあと一週間で間に合うのかってところだけど……」
曜「……あ、そっか。そのための曲も作らないとだもんね」
梨子「あとダンスのフォーメーションとかも色々あるし」
曜「それに衣装もだよね……」
鞠莉「そう考えると厳しいわね」
千歌「ん、一次予選では使わないよ?」
曜・梨子「え?」
千歌「そっちは前から用意してた曲でいこうよ、その方が絶対上手くいくと思うし」
梨子「問題なのはあと一週間で間に合うのかってところだけど……」
曜「……あ、そっか。そのための曲も作らないとだもんね」
梨子「あとダンスのフォーメーションとかも色々あるし」
曜「それに衣装もだよね……」
鞠莉「そう考えると厳しいわね」
千歌「ん、一次予選では使わないよ?」
曜・梨子「え?」
千歌「そっちは前から用意してた曲でいこうよ、その方が絶対上手くいくと思うし」
23: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/04/15(金) 20:45:29.53 ID:ZLUCbFqf
曜「いいの? それで」
千歌「いいのいいの、大丈夫」
千歌「寧ろ作戦としてはそっちの方がいいし、ね鞠莉ちゃん?」
鞠莉「……ふーん、成程ね。確かにそうかも」ニヤ
梨子「作戦って?」
千歌「前に果南ちゃんとロンダートのことで話したんだけどさー、そのときにね……」
千歌「いいのいいの、大丈夫」
千歌「寧ろ作戦としてはそっちの方がいいし、ね鞠莉ちゃん?」
鞠莉「……ふーん、成程ね。確かにそうかも」ニヤ
梨子「作戦って?」
千歌「前に果南ちゃんとロンダートのことで話したんだけどさー、そのときにね……」
24: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/04/15(金) 20:46:01.34 ID:ZLUCbFqf
千歌「───というわけなのだ」
曜「おお、いいねそれ!」
梨子「そうだね、私も賛成」
千歌「じゃああとはルビィちゃんたちだけだね、鞠莉ちゃん連絡よろしく!」
鞠莉「オッケー、任せなさい!」
千歌「さーて、それじゃあ気合い入れていきますか!」
千歌「目指せ一次予選突破! 最終予選まで勝ち残るぞー!!」
曜・梨子「おーっ!」
曜「おお、いいねそれ!」
梨子「そうだね、私も賛成」
千歌「じゃああとはルビィちゃんたちだけだね、鞠莉ちゃん連絡よろしく!」
鞠莉「オッケー、任せなさい!」
千歌「さーて、それじゃあ気合い入れていきますか!」
千歌「目指せ一次予選突破! 最終予選まで勝ち残るぞー!!」
曜・梨子「おーっ!」
25: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/04/15(金) 20:47:00.41 ID:ZLUCbFqf
── ルビィ「片割れのジュエル」 2年生編 ──
26: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/04/15(金) 20:47:53.53 ID:ZLUCbFqf
その帰り道…
曜「いやーそれにしても」
曜「私たちがフェスでライブをやってる間に、千歌ちゃんたちも色々考えてたんだねー」
梨子「フフッ、そうだね」
梨子「みんなそれぞれこの夏の間に自分の出来ることをやってたって感じがする」
曜「梨子ちゃんもそうだよね、ダイヤさんとのこと」
曜「……良かった。本当に」
梨子「曜ちゃん……」
27: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/04/15(金) 20:48:20.25 ID:ZLUCbFqf
曜「そういえば、前にそのことで梨子ちゃんと二人っきりで話したのもちょうどこの辺りだっけ」
梨子「そう、かも」
曜「懐かしいなあ」
曜「……」
曜「私ね、梨子ちゃんとダイヤさんの話聞いて思ったんだ」
梨子「どんな?」
曜「ルビィちゃんがダイヤさんのことを想っているっていうのは勿論そうだけど」
曜「それは、梨子ちゃんも同じだってこと」
梨子「そう、かも」
曜「懐かしいなあ」
曜「……」
曜「私ね、梨子ちゃんとダイヤさんの話聞いて思ったんだ」
梨子「どんな?」
曜「ルビィちゃんがダイヤさんのことを想っているっていうのは勿論そうだけど」
曜「それは、梨子ちゃんも同じだってこと」
28: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/04/15(金) 20:49:07.19 ID:ZLUCbFqf
曜「ルビィちゃんが黒澤家に育てられてきて、だから大切な存在だっていうのは分かるよ」
曜「でもそれが梨子ちゃんを否定していることに繋がってるわけじゃないんだなって。今更だけどさ」
曜「育った環境が違っても、ルビィちゃんには確かに梨子ちゃんと同じ血が流れている。改めてはっきりと分かったんだ」
梨子「……」
曜「だって二人ともそっくりなんだもん、見た目の話じゃないよ?」
曜「内面の話」
曜「どっちも周りに気を遣って、でもちゃんと前に踏み出す強さがあって」
曜「そうして自分から変わっていくことが出来る。たとえ迷ったとしても行動に移せるんだ」
曜「梨子ちゃんはルビィちゃんのおかげって言うかもしれないけどさ、私は」
曜「ルビィちゃんも梨子ちゃんがいたから変われたんだと思うんだよね」
曜「もちろん善子ちゃんや花丸ちゃん、ダイヤさんのおかげもあるけど。きっとそれだけじゃない気がするなあ」
曜「でもそれが梨子ちゃんを否定していることに繋がってるわけじゃないんだなって。今更だけどさ」
曜「育った環境が違っても、ルビィちゃんには確かに梨子ちゃんと同じ血が流れている。改めてはっきりと分かったんだ」
梨子「……」
曜「だって二人ともそっくりなんだもん、見た目の話じゃないよ?」
曜「内面の話」
曜「どっちも周りに気を遣って、でもちゃんと前に踏み出す強さがあって」
曜「そうして自分から変わっていくことが出来る。たとえ迷ったとしても行動に移せるんだ」
曜「梨子ちゃんはルビィちゃんのおかげって言うかもしれないけどさ、私は」
曜「ルビィちゃんも梨子ちゃんがいたから変われたんだと思うんだよね」
曜「もちろん善子ちゃんや花丸ちゃん、ダイヤさんのおかげもあるけど。きっとそれだけじゃない気がするなあ」
29: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/04/15(金) 20:49:39.54 ID:ZLUCbFqf
曜「だからさ、その……なんだろう」
曜「あんまり比較しなくていいんじゃない? ダイヤさんとさ」
梨子「……バレてたんだ、気にしてるの」
曜「……まあ、何となくそうなんじゃないかなって」
曜「いやでもそんな思い詰めてるわけでもないし、わざわざ言うのはどうだろうとは思ってたんだけど」
曜「放ってもおけなかったといいますか「曜ちゃん」
梨子「ありがとう。曜ちゃんの気持ち、凄く嬉しい」
曜「え……っと、それならよかった」
曜「あんまり比較しなくていいんじゃない? ダイヤさんとさ」
梨子「……バレてたんだ、気にしてるの」
曜「……まあ、何となくそうなんじゃないかなって」
曜「いやでもそんな思い詰めてるわけでもないし、わざわざ言うのはどうだろうとは思ってたんだけど」
曜「放ってもおけなかったといいますか「曜ちゃん」
梨子「ありがとう。曜ちゃんの気持ち、凄く嬉しい」
曜「え……っと、それならよかった」
30: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/04/15(金) 20:50:18.25 ID:ZLUCbFqf
梨子「でも曜ちゃん、ちょっと間違ってるよね」
曜「え?」
梨子「曜ちゃんだって私の背中を押してくれてるんだから」
梨子「去年も、今年の夏も……そして今も。それは私の中でずっと変わらずに続いてることなんだよ」
梨子「私ね、曜ちゃんがいなかったらここまでこられなかった。曜ちゃんがいたから一歩踏み出せたの」
梨子「それだけは何となくじゃなくてハッキリと言える」
梨子「だって今の私にとって、一番信頼できる人だもん」
曜「!」
曜「え?」
梨子「曜ちゃんだって私の背中を押してくれてるんだから」
梨子「去年も、今年の夏も……そして今も。それは私の中でずっと変わらずに続いてることなんだよ」
梨子「私ね、曜ちゃんがいなかったらここまでこられなかった。曜ちゃんがいたから一歩踏み出せたの」
梨子「それだけは何となくじゃなくてハッキリと言える」
梨子「だって今の私にとって、一番信頼できる人だもん」
曜「!」
31: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/04/15(金) 20:50:44.97 ID:ZLUCbFqf
梨子「……って少し堅苦しかったかな。ごめんね」
梨子「ただ、今言ったことは本当だよ」
梨子「ありがとう曜ちゃん。ダイヤさんのことはもう気にしないことにする」
梨子「曜ちゃんが私にそう言ってくれたなら、私もそれを信じて頑張ってみるよ」ニコ
ギュッ
曜「り、梨子ちゃん!?」
梨子「だからこれからも見ていてね、私のこと」
梨子「それじゃあまたね、曜ちゃん」クルッ
スタスタ……
梨子(うーん、流石に抱きつくのはやりすぎだったかな……)
梨子(でも私、どうしてそんなことしたんだろう?)
梨子「ただ、今言ったことは本当だよ」
梨子「ありがとう曜ちゃん。ダイヤさんのことはもう気にしないことにする」
梨子「曜ちゃんが私にそう言ってくれたなら、私もそれを信じて頑張ってみるよ」ニコ
ギュッ
曜「り、梨子ちゃん!?」
梨子「だからこれからも見ていてね、私のこと」
梨子「それじゃあまたね、曜ちゃん」クルッ
スタスタ……
梨子(うーん、流石に抱きつくのはやりすぎだったかな……)
梨子(でも私、どうしてそんなことしたんだろう?)
32: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/04/15(金) 20:51:11.33 ID:ZLUCbFqf
シーーーン
曜「…………」
曜「……どうしよう」
曜「私、今……絶対、顔変だ」
曜「~~っ……毎回ズルいんだよもう~……!」ヘタ
33: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/04/15(金) 20:51:56.91 ID:ZLUCbFqf
─それから一週間後
9月、予選会場
「えーでは結果の方を発表します!」
「一次予選突破は……Aqours--!!」
千歌「……や」
6人「やったーーーー!!」
ワーーーーーー!!
鞠莉「コングラチュレーション! みんなお疲れさま!」
34: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/04/15(金) 20:52:23.17 ID:ZLUCbFqf
「曜ちゃーん! こっち見てー!!」
「梨子ちゃん綺麗ーー! ルビィちゃんかわいいーー!!」
「善子ちゃーん! 花丸ちゃーん!」
千歌「いやーみんな凄い声援だねー!」
千歌「流石フェスライブ上位勢! 知名度が違いますなー!」
鞠莉「そうね、それに比べると千歌っちへのエールは」
千歌「無いね! これっぽっちも! でもそれでいい!」
鞠莉「今はまだ、ね。本当の勝負はここから2ヶ月後に行われる最終予選!」
千歌「うん! それまで皆にはたくさん目立ってもらうよ!」
千歌「私の存在が薄くなるように!」
「「「了解!」」」
「梨子ちゃん綺麗ーー! ルビィちゃんかわいいーー!!」
「善子ちゃーん! 花丸ちゃーん!」
千歌「いやーみんな凄い声援だねー!」
千歌「流石フェスライブ上位勢! 知名度が違いますなー!」
鞠莉「そうね、それに比べると千歌っちへのエールは」
千歌「無いね! これっぽっちも! でもそれでいい!」
鞠莉「今はまだ、ね。本当の勝負はここから2ヶ月後に行われる最終予選!」
千歌「うん! それまで皆にはたくさん目立ってもらうよ!」
千歌「私の存在が薄くなるように!」
「「「了解!」」」
35: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/04/15(金) 20:52:52.75 ID:ZLUCbFqf
鞠莉「よし、じゃあ今日はこのまま皆で一次予選突破のお祝いやるわよー!」
千歌「おお! 流石鞠莉ちゃん気前がいいー!」
鞠莉「パーッといきましょう! パーッと!」
梨子「あはは…相変わらずの」
曜「豪勢っぷりだね……」
鞠莉「……あ、でもその前に真面目な話を一つ」
6人「?」
千歌「おお! 流石鞠莉ちゃん気前がいいー!」
鞠莉「パーッといきましょう! パーッと!」
梨子「あはは…相変わらずの」
曜「豪勢っぷりだね……」
鞠莉「……あ、でもその前に真面目な話を一つ」
6人「?」
36: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/04/15(金) 20:53:19.39 ID:ZLUCbFqf
鞠莉「イベントも終わって予選も通過して、いよいよラブライブに向けて本格的に取り組むことになった今だからこそ言っておくわ」
鞠莉「ルビィ、善子、花丸、まあ答えは分かりきってるけど。もしあなた達が来年もスクールアイドルを続けるつもりなら」
鞠莉「今のうちに始めておいたほうがいいわよ」
鞠莉「作詞作曲の引継ぎ」
ルビィ・善子・花丸「!」
鞠莉「今は千歌っちや梨子がいるから大丈夫だし、その体制で続けるけど」
鞠莉「それも長くもって、来年の3月……ラブライブの決勝まで」
鞠莉「ルビィ、善子、花丸、まあ答えは分かりきってるけど。もしあなた達が来年もスクールアイドルを続けるつもりなら」
鞠莉「今のうちに始めておいたほうがいいわよ」
鞠莉「作詞作曲の引継ぎ」
ルビィ・善子・花丸「!」
鞠莉「今は千歌っちや梨子がいるから大丈夫だし、その体制で続けるけど」
鞠莉「それも長くもって、来年の3月……ラブライブの決勝まで」
37: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/04/15(金) 20:53:58.07 ID:ZLUCbFqf
鞠莉「衣装や振り付けはルビィがいるから問題ないとしても、その二つが出来なくちゃ話にならない」
善子・花丸「……」
鞠莉「二人とも、一度しっかり考えておくことね。ルビィのためにも、自分たちのためにも」
鞠莉「来年のスクールアイドル部はあなた達三人しかいないわけだし」
鞠莉「負担をかけずに作業を分担するなら、どうしたってそうなるんだから」
鞠莉(まあそれは、廃校確定のせいで新入部員が入ってこない弊害みたいなものだけど)
鞠莉(そのことにどうこう言っても状況は変わらない、例え厳しくてもやるしかないのよ)
善子・花丸「……」
鞠莉「二人とも、一度しっかり考えておくことね。ルビィのためにも、自分たちのためにも」
鞠莉「来年のスクールアイドル部はあなた達三人しかいないわけだし」
鞠莉「負担をかけずに作業を分担するなら、どうしたってそうなるんだから」
鞠莉(まあそれは、廃校確定のせいで新入部員が入ってこない弊害みたいなものだけど)
鞠莉(そのことにどうこう言っても状況は変わらない、例え厳しくてもやるしかないのよ)
38: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/04/15(金) 20:54:28.56 ID:ZLUCbFqf
鞠莉「勿論私も顧問として出来る限りのサポートはするわ、必要なものがあれば揃えるし、申請とかの手続きもこっちでやる」
鞠莉「だから───「分かった」
善子「任せて」
花丸「しっかり引き継いでみせるずら」
鞠莉「……ええ、よろしくね」フフッ
鞠莉「千歌っち達もお願いね」
千歌「あ……はい」
梨子「分かりました」
鞠莉「曜も引き続きルビィを頼むわ」
曜「ラジャ!」ビシ
鞠莉「だから───「分かった」
善子「任せて」
花丸「しっかり引き継いでみせるずら」
鞠莉「……ええ、よろしくね」フフッ
鞠莉「千歌っち達もお願いね」
千歌「あ……はい」
梨子「分かりました」
鞠莉「曜も引き続きルビィを頼むわ」
曜「ラジャ!」ビシ
39: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/04/15(金) 20:55:17.62 ID:ZLUCbFqf
鞠莉「さーって! それじゃあ真面目トークも終わったことだし早く行きましょうか!」
グイッ
善子「なっ……」
花丸「ちょ……と鞠莉さん」
鞠莉「ほらほら遠慮しないの!」ズルズル
善子「いや別に遠慮してな……」
花丸「自分で歩けるずらーっ」
ルビィ「善子ちゃん花丸ちゃん!?」タッ
千歌「……」
梨子「どうしたの千歌ちゃん」
グイッ
善子「なっ……」
花丸「ちょ……と鞠莉さん」
鞠莉「ほらほら遠慮しないの!」ズルズル
善子「いや別に遠慮してな……」
花丸「自分で歩けるずらーっ」
ルビィ「善子ちゃん花丸ちゃん!?」タッ
千歌「……」
梨子「どうしたの千歌ちゃん」
40: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/04/15(金) 20:56:01.81 ID:ZLUCbFqf
千歌「ううん……やっぱり色々考えてるんだなーって鞠莉ちゃん」
千歌「私、ライブや練習のことばかりで引継ぎとか、全く頭になかったもん」
曜「私も、さっきはつい返事しちゃったけどルビィちゃんとはそんなの関係なく一緒に作業してたってだけだし……」
梨子「それはそうでしょ」
千歌・曜「え?」
梨子「私たちをライブのことだけに集中させるのがあの人の仕事で、それは別に会場の手配とか他校との合同練習に限った話じゃない」
梨子「いつもあんな調子で振り回してるからあまり悟られることはないけど」
梨子「私たちが思う存分スクールアイドル活動をやれてるのは鞠莉さんのおかげなんだよ」
梨子「本当に、凄い人なんだから」クス
千歌・曜「……」
千歌「私、ライブや練習のことばかりで引継ぎとか、全く頭になかったもん」
曜「私も、さっきはつい返事しちゃったけどルビィちゃんとはそんなの関係なく一緒に作業してたってだけだし……」
梨子「それはそうでしょ」
千歌・曜「え?」
梨子「私たちをライブのことだけに集中させるのがあの人の仕事で、それは別に会場の手配とか他校との合同練習に限った話じゃない」
梨子「いつもあんな調子で振り回してるからあまり悟られることはないけど」
梨子「私たちが思う存分スクールアイドル活動をやれてるのは鞠莉さんのおかげなんだよ」
梨子「本当に、凄い人なんだから」クス
千歌・曜「……」
41: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/04/15(金) 20:57:39.80 ID:ZLUCbFqf
「こらー! そこ三人早くついてきなさいー!」
梨子「はーい! じゃあ私たちもそろそろ行こっか」
スタスタ
千歌「……なんだろう、なんか」
曜「うん」
千歌「鞠莉ちゃんちょっと羨ましいかも」
曜「それね」
梨子「はーい! じゃあ私たちもそろそろ行こっか」
スタスタ
千歌「……なんだろう、なんか」
曜「うん」
千歌「鞠莉ちゃんちょっと羨ましいかも」
曜「それね」
42: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/04/15(金) 20:59:04.65 ID:ZLUCbFqf
47: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/04/16(土) 18:32:05.18 ID:GH2JxGYO
さらに一ヶ月後…
10月中旬
千歌の部屋
千歌「だからさーインスピレーションっていうの?」
千歌「こうビビッときたものを、ババッと書いて、その後サササッと曲に合わせる感じ!」
花丸「千歌ちゃん、もうちょっと具体的にお願いするずら……」
千歌「うーん、って言われてもなあ~……」
千歌「私の場合感覚でやってるからなんとも」
花丸「こういうのもなんだけど、それでよく今まで詞を書けてたよね千歌ちゃん」
48: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/04/16(土) 18:32:44.08 ID:GH2JxGYO
千歌「え? それはさ、私が上手く言葉に出来なくてムズムズしているところを花丸ちゃんがサポートしてくれたからでしょ?」
千歌「こう…ストンと納得のいくような単語や名前とかをさっさっさって当てはめていく感じで」
花丸(今日はいつにも増して擬音が多いなあ…)
千歌「流石は読書好き! 知識人ってやつだね!」
花丸「あ、ありがとう」テレ
千歌「それに私、花丸ちゃんはもうちょっと頑張れば何とかなると思うんだよね」
千歌「確かにイメージを思いついてるのは私だけど、それを一番いい形で言葉にして詞に載せてきたのは花丸ちゃんなんだから」
千歌「ほらアレだよ! あの……原作と作画の担当が分かれてる漫画みたいな!!」
花丸「分かるようで分かりづらい微妙な例えだね……」
千歌「こう…ストンと納得のいくような単語や名前とかをさっさっさって当てはめていく感じで」
花丸(今日はいつにも増して擬音が多いなあ…)
千歌「流石は読書好き! 知識人ってやつだね!」
花丸「あ、ありがとう」テレ
千歌「それに私、花丸ちゃんはもうちょっと頑張れば何とかなると思うんだよね」
千歌「確かにイメージを思いついてるのは私だけど、それを一番いい形で言葉にして詞に載せてきたのは花丸ちゃんなんだから」
千歌「ほらアレだよ! あの……原作と作画の担当が分かれてる漫画みたいな!!」
花丸「分かるようで分かりづらい微妙な例えだね……」
49: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/04/16(土) 18:33:27.95 ID:GH2JxGYO
千歌「だから発想というか、イメージさえ思い浮かぶようになればそんなに難しいことじゃないと思うんだ」
花丸「イメージ……」
千歌「でもそれが上手くいかないから苦労してるんだよねー、どうしたものか」ウーン
千歌「花丸ちゃんはさ、何が足りないと思う?」
花丸「えっとその前に……今の話をまとめると、つまり千歌ちゃんが言いたいのは」
花丸「マルには文章力があるけど発想力はないから、それさえ補えば作詞も大丈夫だってことだよね」
花丸「イメージ……」
千歌「でもそれが上手くいかないから苦労してるんだよねー、どうしたものか」ウーン
千歌「花丸ちゃんはさ、何が足りないと思う?」
花丸「えっとその前に……今の話をまとめると、つまり千歌ちゃんが言いたいのは」
花丸「マルには文章力があるけど発想力はないから、それさえ補えば作詞も大丈夫だってことだよね」
50: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/04/16(土) 18:34:04.63 ID:GH2JxGYO
千歌「そうそうそんな感じ」
花丸「それならやっぱり、情報とか知識とかじゃないかな」
千歌「え、でも花丸ちゃんは」
花丸「アイドルについてのって意味、確かにマルもスクールアイドルについて色々勉強はしてきたけど」
花丸「それは最低限の部分だけだったんだなって、ルビィちゃんや理亞ちゃんを見て思っていたの」
花丸「マルの好きな本の作家さん達もよく言うことがあるんだ、発想力で大事なのは」
花丸「知識と、理解と、好奇心と、感性と……それらを活かすための柔軟性。組み合わせに使う応用力だって」
花丸「それならやっぱり、情報とか知識とかじゃないかな」
千歌「え、でも花丸ちゃんは」
花丸「アイドルについてのって意味、確かにマルもスクールアイドルについて色々勉強はしてきたけど」
花丸「それは最低限の部分だけだったんだなって、ルビィちゃんや理亞ちゃんを見て思っていたの」
花丸「マルの好きな本の作家さん達もよく言うことがあるんだ、発想力で大事なのは」
花丸「知識と、理解と、好奇心と、感性と……それらを活かすための柔軟性。組み合わせに使う応用力だって」
51: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/04/16(土) 18:34:38.45 ID:GH2JxGYO
千歌「ほえ~……じゃあ」
千歌「もっとスクールアイドルについて詳しくなればいいわけだ!」
花丸「うん。あとは話作りとかかな」
千歌「え、話作り? なんで?」
花丸「たとえばラブソングでも、一人の女の子が振られたりとか結ばれたりとか、そういうストーリーがあってそれで感動を与える歌もあるから」
花丸「それも必要なのかなって」
千歌「もっとスクールアイドルについて詳しくなればいいわけだ!」
花丸「うん。あとは話作りとかかな」
千歌「え、話作り? なんで?」
花丸「たとえばラブソングでも、一人の女の子が振られたりとか結ばれたりとか、そういうストーリーがあってそれで感動を与える歌もあるから」
花丸「それも必要なのかなって」
52: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/04/16(土) 18:35:04.22 ID:GH2JxGYO
千歌「なるほどーそれなら……」
千歌「……おっ閃いた!」ポン
花丸「千歌ちゃん?」
千歌「映画だよ映画をたくさん見るの! あとライブのDVD!」
千歌「映画は1~2時間で起承転結がしっかりまとまってるからそういう話作りに役立つってどこかで見たことある!!」
花丸「どこかって……?」
千歌「分かんない! でも多分大丈夫!」
花丸(なんでこんなに自信満々なのかな)
千歌「……おっ閃いた!」ポン
花丸「千歌ちゃん?」
千歌「映画だよ映画をたくさん見るの! あとライブのDVD!」
千歌「映画は1~2時間で起承転結がしっかりまとまってるからそういう話作りに役立つってどこかで見たことある!!」
花丸「どこかって……?」
千歌「分かんない! でも多分大丈夫!」
花丸(なんでこんなに自信満々なのかな)
53: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/04/16(土) 18:35:41.04 ID:GH2JxGYO
花丸「だけど……そうだね、確かに知識を蓄えるならやっぱりその辺りが一番……」
千歌「で! その次なんだけど!」
花丸「次?」
千歌「うん、映画やライブを見た後にね」
千歌「自分で書いてみるんだよ! お話を!」
花丸「……え? どういうこと?」
千歌「で! その次なんだけど!」
花丸「次?」
千歌「うん、映画やライブを見た後にね」
千歌「自分で書いてみるんだよ! お話を!」
花丸「……え? どういうこと?」
54: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/04/16(土) 18:36:07.41 ID:GH2JxGYO
千歌「つまり創作活動だよ! その映画やライブを見て感じたものを花丸ちゃんが物語にして書くってこと!」
千歌「漫画でも本でも! もちろん曲の歌詞でも!」
花丸「!」
千歌「これなら知識を蓄えつつ発想力も鍛えられる! 一石二鳥の練習方法なのだ!」
花丸「確かに……凄いよ千歌ちゃん!」
千歌「でしょでしょ!? そうと決まれば早速映画館へレッツゴー!」
花丸「おー!」
花丸(別にお店で借りてもいい気がするんだけど……まあいっか)
千歌「漫画でも本でも! もちろん曲の歌詞でも!」
花丸「!」
千歌「これなら知識を蓄えつつ発想力も鍛えられる! 一石二鳥の練習方法なのだ!」
花丸「確かに……凄いよ千歌ちゃん!」
千歌「でしょでしょ!? そうと決まれば早速映画館へレッツゴー!」
花丸「おー!」
花丸(別にお店で借りてもいい気がするんだけど……まあいっか)
55: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/04/16(土) 18:36:44.39 ID:GH2JxGYO
オー!!
善子「向こう側、急にうるさくなったわね」
梨子「そんなに珍しいことでもないけどね」
善子「でしょうね」
梨子「あはは……でもあれだけ元気があるってことは、順調にいってるって感じかな」
梨子「私たちも負けてられないね、善子ちゃん」
56: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/04/16(土) 18:37:16.15 ID:GH2JxGYO
善子「って言っても、作曲能力なんて一朝一夕で身に付けられるものじゃないでしょ」
善子「簡単なものならともかく公の場に出すものならね、この一ヶ月で身をもって思い知ったわ」
善子「まあそれでも私がやるしかないんだけどね、花丸は元々作詞側の手伝いだしそっちの方が本人的にも向いてると思うから」
善子「それに何より機械に疎い花丸にこの役割は無理だしね※DTMとか※DAWとか使い方絶対分からないでしょあの子」
梨子「そ、そうかも……」
DTM ※デスクトップ・ミュージックの略称、コンピューター、パソコンを使って音楽制作をすること全般を指す
DAW ※デジタル・オーディオ・ワークステーションの略称、パソコンで音楽制作するためのソフトウェアのこと
善子「簡単なものならともかく公の場に出すものならね、この一ヶ月で身をもって思い知ったわ」
善子「まあそれでも私がやるしかないんだけどね、花丸は元々作詞側の手伝いだしそっちの方が本人的にも向いてると思うから」
善子「それに何より機械に疎い花丸にこの役割は無理だしね※DTMとか※DAWとか使い方絶対分からないでしょあの子」
梨子「そ、そうかも……」
DTM ※デスクトップ・ミュージックの略称、コンピューター、パソコンを使って音楽制作をすること全般を指す
DAW ※デジタル・オーディオ・ワークステーションの略称、パソコンで音楽制作するためのソフトウェアのこと
57: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/04/16(土) 18:37:44.09 ID:GH2JxGYO
梨子「でも、なんかいいよね」
善子「何が?」
梨子「適材適所っていうのかな、お互いがお互いに相手が出来ないことを自分の得意なことで補いあって、それを繋ぎ合わせて一つの形にしていく」
梨子「誰が欠けても成り立たない……善子ちゃんたち三人を見てると、凄くそう感じるの」
善子「……別に、そんなの梨子達だってそうでしょ」
梨子「フフッ、かもしれないね」
善子「まあでも、ありがたく受け取っておくわ」
梨子「素直じゃないんだから」
善子「何が?」
梨子「適材適所っていうのかな、お互いがお互いに相手が出来ないことを自分の得意なことで補いあって、それを繋ぎ合わせて一つの形にしていく」
梨子「誰が欠けても成り立たない……善子ちゃんたち三人を見てると、凄くそう感じるの」
善子「……別に、そんなの梨子達だってそうでしょ」
梨子「フフッ、かもしれないね」
善子「まあでも、ありがたく受け取っておくわ」
梨子「素直じゃないんだから」
58: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/04/16(土) 18:38:20.40 ID:GH2JxGYO
善子「いいから続きやりましょ、次は何するの」
梨子「取りあえずこの一ヶ月で基礎知識やコード進行は理解出来るようになったから、次は数だね」スッスッ
善子「数って?」
梨子「そのままの意味だよ、数をこなして音楽をより身近なものに感じてもらうの」
善子「身近ねえ……もう充分身近だと思うけど」
善子「ほら、今までだって梨子の作曲の過程とか見てるわけだし」
梨子「私から見たらまだ足りないの、それに」
梨子「取りあえずこの一ヶ月で基礎知識やコード進行は理解出来るようになったから、次は数だね」スッスッ
善子「数って?」
梨子「そのままの意味だよ、数をこなして音楽をより身近なものに感じてもらうの」
善子「身近ねえ……もう充分身近だと思うけど」
善子「ほら、今までだって梨子の作曲の過程とか見てるわけだし」
梨子「私から見たらまだ足りないの、それに」
59: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/04/16(土) 18:38:55.17 ID:GH2JxGYO
梨子「あのね善子ちゃん」
梨子「作曲が出来る人と出来ない人の違いって、才能以前にまず経験の差なんだ」
梨子「大抵の人はやらないから分からない、分からないから出来ない。ただ単にそれだけの話」
梨子「要はやってるかやってないかの違いで、それは傍から様子を見ているだけじゃ埋まらない」
梨子「プロが絵を描く様子を見ただけで、自分の絵が上達するわけじゃないでしょ?」
善子「確かにそうかもしれないわね」
梨子「まずは実際にやってみることが大事なの、だけど」
梨子「一般的に曲作りは文章とかと違って、別に出来なくても日常生活に支障をきたさない。それが余計に差を広げる」ピロン
梨子「だから好きでやらない限りはそうなってしまうのも仕方ないの……っと、終わったみたいね」
梨子「作曲が出来る人と出来ない人の違いって、才能以前にまず経験の差なんだ」
梨子「大抵の人はやらないから分からない、分からないから出来ない。ただ単にそれだけの話」
梨子「要はやってるかやってないかの違いで、それは傍から様子を見ているだけじゃ埋まらない」
梨子「プロが絵を描く様子を見ただけで、自分の絵が上達するわけじゃないでしょ?」
善子「確かにそうかもしれないわね」
梨子「まずは実際にやってみることが大事なの、だけど」
梨子「一般的に曲作りは文章とかと違って、別に出来なくても日常生活に支障をきたさない。それが余計に差を広げる」ピロン
梨子「だから好きでやらない限りはそうなってしまうのも仕方ないの……っと、終わったみたいね」
60: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/04/16(土) 18:39:59.87 ID:GH2JxGYO
善子「で、何やってるのさっきから」
梨子「今、鞠莉さんに頼んで善子ちゃんのスマホに色んなジャンルの楽曲をリスト分けして送ってもらったわ。多分合わせて300くらい」
善子「さっ……本当に来てるし!?」バッ
梨子「1日で一気に全部聴く必要はないけど、その代わり毎日それを聴くことサボりは絶対に駄目」
梨子「そして聴き終わった曲から順に、スマホの作曲アプリで実際にそれらをコピーして感覚を掴む。これを繰り返す」
梨子「大事なのはそれぞれの曲のパターンを理解すること、知識だけじゃなく感覚でね。そしてインプットとアウトプット」
梨子「聴いて、真似して、覚えて、分析して、作って、弾く。この一連の流れに少しでも早く慣れるためにも」
梨子「私や善子ちゃんの家にいるときだけじゃなくて、外出中でもその課題はやってもらうから」
梨子「今、鞠莉さんに頼んで善子ちゃんのスマホに色んなジャンルの楽曲をリスト分けして送ってもらったわ。多分合わせて300くらい」
善子「さっ……本当に来てるし!?」バッ
梨子「1日で一気に全部聴く必要はないけど、その代わり毎日それを聴くことサボりは絶対に駄目」
梨子「そして聴き終わった曲から順に、スマホの作曲アプリで実際にそれらをコピーして感覚を掴む。これを繰り返す」
梨子「大事なのはそれぞれの曲のパターンを理解すること、知識だけじゃなく感覚でね。そしてインプットとアウトプット」
梨子「聴いて、真似して、覚えて、分析して、作って、弾く。この一連の流れに少しでも早く慣れるためにも」
梨子「私や善子ちゃんの家にいるときだけじゃなくて、外出中でもその課題はやってもらうから」
61: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/04/16(土) 18:40:41.91 ID:GH2JxGYO
梨子「それと、引き続きピアノの方の練習もやるからね」
梨子「パソコンで作曲出来るからって言っても、やっぱり生の音は聴いておいた方がいいと思うし」
梨子「歌いながら演奏するっていうのも大切だから、曲作りだって楽器を弾けるのと弾けないのとじゃ結構違うよ?」
梨子「まあ色々言っちゃったけど、今日のところは私の部屋にいるからピアノの練習優先ね」
梨子「さっき言ったのは帰ってからでいいよ、ちなみに明日からやるは禁止。今日から始めて」
善子「スパルタ!!」
梨子「パソコンで作曲出来るからって言っても、やっぱり生の音は聴いておいた方がいいと思うし」
梨子「歌いながら演奏するっていうのも大切だから、曲作りだって楽器を弾けるのと弾けないのとじゃ結構違うよ?」
梨子「まあ色々言っちゃったけど、今日のところは私の部屋にいるからピアノの練習優先ね」
梨子「さっき言ったのは帰ってからでいいよ、ちなみに明日からやるは禁止。今日から始めて」
善子「スパルタ!!」
62: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/04/16(土) 18:41:16.63 ID:GH2JxGYO
梨子「これくらいで何言ってるの、一朝一夕で出来るものじゃないって言ったのは善子ちゃんでしょ?」
善子「そうだけど!」
梨子「じゃあ決まりだね、はいここ座って」
善子(ああもう、梨子って自分の好きな分野になると途端にこれなのよね……普段よりピリッとしてるっていうか、手加減も一切無しだし)
善子(けど、初心者が上達するためにはこれくらいが丁度いいのかもしれないし……)
梨子「善子ちゃん、返事は?」ニコ
善子「……分かったわよ! やるわよ! ピアノ教えてください梨子先輩!」
梨子「よろしくね、じゃあ今回はこの曲を弾いてみようか」
善子「そうだけど!」
梨子「じゃあ決まりだね、はいここ座って」
善子(ああもう、梨子って自分の好きな分野になると途端にこれなのよね……普段よりピリッとしてるっていうか、手加減も一切無しだし)
善子(けど、初心者が上達するためにはこれくらいが丁度いいのかもしれないし……)
梨子「善子ちゃん、返事は?」ニコ
善子「……分かったわよ! やるわよ! ピアノ教えてください梨子先輩!」
梨子「よろしくね、じゃあ今回はこの曲を弾いてみようか」
63: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/04/16(土) 18:41:49.30 ID:GH2JxGYO
その頃
ホテルオハラ
ルビィ「……終わった!」
曜「ルビィちゃんお疲れさま! 頑張ったねー!」
ルビィ「うん、曜ちゃんも色々ありがとう」
曜「あはは、力になれたようで何よりだよ」
ルビィ「鞠莉さんもありがとう、場所や素材用意してくれて」
鞠莉「ノープロブレム、これくらいどうってことないわよ♪」
64: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/04/16(土) 18:42:27.02 ID:GH2JxGYO
曜「しっかし私たちが合宿やフェスライブをやってる間に、まさかルビィちゃんたちがこんな衣装を考えていたなんてねー」
ルビィ「ツバサさんの課題でね、曲やダンスの振り付けは間に合ったんだけど」
ルビィ「流石に全員分の衣装は厳しかったから」
鞠莉「でもそれ以外は全部こなしたってわけでしょ? あの期間中に」
鞠莉「そう考えるとやっぱりあの強化合宿に呼ばれた子達って相当レベル高かったのねー」
曜「だよね、二人だけで作ったわけだし」
曜「作詞と作曲かあ……向こうのほうは大丈夫かな」
鞠莉「花丸はあまり心配ないと思うけど、問題は善子ね。あっちは完全に初心者だし」
ルビィ「ツバサさんの課題でね、曲やダンスの振り付けは間に合ったんだけど」
ルビィ「流石に全員分の衣装は厳しかったから」
鞠莉「でもそれ以外は全部こなしたってわけでしょ? あの期間中に」
鞠莉「そう考えるとやっぱりあの強化合宿に呼ばれた子達って相当レベル高かったのねー」
曜「だよね、二人だけで作ったわけだし」
曜「作詞と作曲かあ……向こうのほうは大丈夫かな」
鞠莉「花丸はあまり心配ないと思うけど、問題は善子ね。あっちは完全に初心者だし」
65: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/04/16(土) 18:43:06.33 ID:GH2JxGYO
ルビィ「私も何とかしたいけど、作曲は理亞ちゃんに任せてたから力になれないし……」
鞠莉「うーんそうよね、課題だからといってなんでも共同作業ってわけじゃないわよね」
ルビィ(……ん? 課題?)
ルビィ(……あっそうか、それなら)スマホ
曜「でもそこまで気にすることかな」
曜「善子ちゃんには梨子ちゃんがついてるんだし、あまり問題ない気がするんだけど」
鞠莉「梨子が頼りにならないって話じゃなくて、色んな人に見てもらったり教えてもらったほうがあの子の助けになるかなと思っただけ」
鞠莉「所詮高望みってやつね、まあ私も多少はかじってるけど忙しいし……あまり面倒見れないのよ」
鞠莉「うーんそうよね、課題だからといってなんでも共同作業ってわけじゃないわよね」
ルビィ(……ん? 課題?)
ルビィ(……あっそうか、それなら)スマホ
曜「でもそこまで気にすることかな」
曜「善子ちゃんには梨子ちゃんがついてるんだし、あまり問題ない気がするんだけど」
鞠莉「梨子が頼りにならないって話じゃなくて、色んな人に見てもらったり教えてもらったほうがあの子の助けになるかなと思っただけ」
鞠莉「所詮高望みってやつね、まあ私も多少はかじってるけど忙しいし……あまり面倒見れないのよ」
66: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/04/16(土) 18:44:01.62 ID:GH2JxGYO
曜「そっかあ……確かに鞠莉ちゃんの考えも分かるけど、私は難しいと思うなそれ」
曜「だって千歌ちゃんが始めたときも、梨子ちゃんが転校してくるまでは作曲が出来なくて困ってたわけだし」
鞠莉「そういえば、それでライブが出来なくてダイヤに(仮)を付けられてたのよね。懐かしいわ」
曜「そうそう。だからこの辺りってそういった音楽に詳しい人、全然いないんだ」
鞠莉「困ったものね……」
ルビィ「じゃあ、呼ぶ?」
曜「ルビィちゃん? 呼ぶって……」
鞠莉「一体誰を?」
曜「だって千歌ちゃんが始めたときも、梨子ちゃんが転校してくるまでは作曲が出来なくて困ってたわけだし」
鞠莉「そういえば、それでライブが出来なくてダイヤに(仮)を付けられてたのよね。懐かしいわ」
曜「そうそう。だからこの辺りってそういった音楽に詳しい人、全然いないんだ」
鞠莉「困ったものね……」
ルビィ「じゃあ、呼ぶ?」
曜「ルビィちゃん? 呼ぶって……」
鞠莉「一体誰を?」
67: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/04/16(土) 18:44:31.10 ID:GH2JxGYO
ルビィ「えっとね、多分来るのは冬休みになると思うんだけど」
ルビィ「私の頼れるお友達。今理亞ちゃんの方にも連絡とったけど多分大丈夫だと思う」
鞠莉「理亞に?」
ルビィ「うん、それでね鞠莉さん」
ルビィ「その冬休みのことで鞠莉さんと話したいことがあるの」
鞠莉「私に?」
ルビィ「あのね───」
ルビィ「私の頼れるお友達。今理亞ちゃんの方にも連絡とったけど多分大丈夫だと思う」
鞠莉「理亞に?」
ルビィ「うん、それでね鞠莉さん」
ルビィ「その冬休みのことで鞠莉さんと話したいことがあるの」
鞠莉「私に?」
ルビィ「あのね───」
68: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/04/16(土) 18:44:58.91 ID:GH2JxGYO
─そして11月、ラブライブ最終予選当日
会場
ワイワイ ガヤガヤ
千歌「うわー賑わってるねー!」
曜「流石最終予選だけあってかなり注目されてるって感じ」
梨子「いよいよだね千歌ちゃん」
千歌「うん、練習はばっちり、準備も万端!」
千歌「あとは本番で成功させるだけ!」
69: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/04/16(土) 18:45:24.97 ID:GH2JxGYO
鞠莉「みんなそろそろ時間よ、控室の方に移動して」
千歌「はーい、鞠莉ちゃんも応援よろしくね!」
鞠莉「ええ、頑張ってねみんな」
鞠莉「決勝に進出した後、またここで合流しましょう。その後お祝いよ!」
千歌「うん! よーしやるよみんな!」スッ
千歌「Aqoursーーーーーー!!!」
「「「サーーンシャイーーーーン!!!」」」
千歌「はーい、鞠莉ちゃんも応援よろしくね!」
鞠莉「ええ、頑張ってねみんな」
鞠莉「決勝に進出した後、またここで合流しましょう。その後お祝いよ!」
千歌「うん! よーしやるよみんな!」スッ
千歌「Aqoursーーーーーー!!!」
「「「サーーンシャイーーーーン!!!」」」
70: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/04/16(土) 18:45:55.56 ID:GH2JxGYO
……
観客席
鞠莉「よいしょっと、さてさてどうなるかしらね」
「あの、理事長ですよね?」
鞠莉「あら? あなた達も来てたのね」
むつ「もちろんですよ! それに来てるのは私たちだけじゃありませんよ!」
いつき「クラスのみんなで千歌たちの応援に行こうって話してて!」
鞠莉「へえ、それは頼もしいわね」
鞠莉「きっと千歌っちたちも喜ぶわよ」
71: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/04/16(土) 18:46:39.96 ID:GH2JxGYO
よしみ「でも、大丈夫かな千歌……」
むつ「こらこら、今そんなこと言ったって仕方ないでしょ」
よしみ「だってさあ……」
いつき「こんな時だからこそ、せめて私たちだけでも千歌の応援をしてあげないと」
鞠莉「ん? もしかして、千歌っちへの声援だけスルーされてること言ってる?」
いつき「いや、その……はい」
むつ「こらこら、今そんなこと言ったって仕方ないでしょ」
よしみ「だってさあ……」
いつき「こんな時だからこそ、せめて私たちだけでも千歌の応援をしてあげないと」
鞠莉「ん? もしかして、千歌っちへの声援だけスルーされてること言ってる?」
いつき「いや、その……はい」
72: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/04/16(土) 18:47:14.08 ID:GH2JxGYO
むつ「前からAqoursのファンだった人たちはそんなことないんですけど」
むつ「今はそっちが少数派ってくらい増えちゃいましたからねーAqoursに注目する人たちが」
鞠莉「そうよね、あなた達は千歌っちの頑張りをずっと近くで見てきたものね」
鞠莉「だからこそ今の千歌っちの扱いに納得いかないのは分かるわ、けど」
鞠莉「こうなってしまうのが特別あり得なかったわけじゃない」
むつ「今はそっちが少数派ってくらい増えちゃいましたからねーAqoursに注目する人たちが」
鞠莉「そうよね、あなた達は千歌っちの頑張りをずっと近くで見てきたものね」
鞠莉「だからこそ今の千歌っちの扱いに納得いかないのは分かるわ、けど」
鞠莉「こうなってしまうのが特別あり得なかったわけじゃない」
73: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/04/16(土) 18:47:43.30 ID:GH2JxGYO
鞠莉「私たちが普段目にしているテレビの取材とかで取り上げられるスーパースターだって」
鞠莉「向こう側からすればほんの一握りで、それ以外を私たちが知る機会はまずないでしょ? その業界に興味を持ってる人でもない限りね」
鞠莉「だけど、そういった選ばれてない人たちだって当然惜しみない努力をしているはずなのよ」
鞠莉「それなのに、そんな事実すら世間の皆様には知って貰えない」
鞠莉「何故ならほとんどの人が彼らに関心を持たないし、興味もないから」
鞠莉「でもそのことで周囲を責められないし責めたこともないでしょ? だって、スクールアイドル以外の私たちもその世間一般に含まれているんだから」
鞠莉「今はたまたまこっち側の、事情を知るほうに回ったってだけ」
鞠莉「向こう側からすればほんの一握りで、それ以外を私たちが知る機会はまずないでしょ? その業界に興味を持ってる人でもない限りね」
鞠莉「だけど、そういった選ばれてない人たちだって当然惜しみない努力をしているはずなのよ」
鞠莉「それなのに、そんな事実すら世間の皆様には知って貰えない」
鞠莉「何故ならほとんどの人が彼らに関心を持たないし、興味もないから」
鞠莉「でもそのことで周囲を責められないし責めたこともないでしょ? だって、スクールアイドル以外の私たちもその世間一般に含まれているんだから」
鞠莉「今はたまたまこっち側の、事情を知るほうに回ったってだけ」
74: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/04/16(土) 18:48:44.55 ID:GH2JxGYO
よいつむ「……」
鞠莉「どこにでもあることなのこういう話は、そして」
鞠莉「今のAqoursは、もうそういったところにまで足を踏み込んでしまったの」
鞠莉「それはリーダーであり、現在進行形でその事実と向かい合ってる千歌っちが一番よく分かってる」
鞠莉「それこそ、今よりずっと前からね……」
鞠莉「どこにでもあることなのこういう話は、そして」
鞠莉「今のAqoursは、もうそういったところにまで足を踏み込んでしまったの」
鞠莉「それはリーダーであり、現在進行形でその事実と向かい合ってる千歌っちが一番よく分かってる」
鞠莉「それこそ、今よりずっと前からね……」
75: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/04/16(土) 18:49:37.18 ID:GH2JxGYO
───
──
千歌『もう一回! もう一回お願いします!』
果南『だから駄目だって、もう終わりの時間でしょ』
千歌『えー! まだ全然やってないのにー!』
果南『今日は始める時間が遅かったからね、昨日もだけど』
千歌『それ私のせいじゃないもん!』
果南『いや分かってるけど』
鞠莉『千歌っちー果南ー、そろそろ閉めるわよー!』
果南『ほら鞠莉も来たし、また明日やろう千歌。ね?』
千歌『また明日って、明日で特訓最後じゃん! あーあ、家の手伝いさえなければなあ……』
76: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/04/16(土) 18:50:04.73 ID:GH2JxGYO
鞠莉『二人ともお疲れさまでーす! で、どうなの調子は?』
果南『あと一歩ってところかな、まだ成功はしてないけどそろそろいける気がする』
鞠莉『へえ、楽しみね。一体どんなものが見られるのかしら』
鞠莉『フェスライブもみんな優秀な成績を残したし、そこに千歌っちの新しいパフォーマンスが入れば百人力ね!』
千歌『いやーそれほどでもー……あるかな?』
果南『こらっ成功する前から気を緩めない』
果南『あと一歩ってところかな、まだ成功はしてないけどそろそろいける気がする』
鞠莉『へえ、楽しみね。一体どんなものが見られるのかしら』
鞠莉『フェスライブもみんな優秀な成績を残したし、そこに千歌っちの新しいパフォーマンスが入れば百人力ね!』
千歌『いやーそれほどでもー……あるかな?』
果南『こらっ成功する前から気を緩めない』
77: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/04/16(土) 18:50:50.27 ID:GH2JxGYO
千歌『でもさあ、ホント凄かったよねーフェスライブの最終日は!!』
鞠莉『宣言通り優勝してしまったんだものね、大したものよねルビィも』
千歌『曜ちゃんと善子ちゃんはサラッと準優勝だしね、それに梨子ちゃんと花丸ちゃんのペアも7位』
千歌『これってもしかしなくても凄いことだよね!!』
果南『実際凄いことだから客足も途絶えないわけだけど』
千歌『そーだった……』
鞠莉『……どんまい、千歌っち』
鞠莉『宣言通り優勝してしまったんだものね、大したものよねルビィも』
千歌『曜ちゃんと善子ちゃんはサラッと準優勝だしね、それに梨子ちゃんと花丸ちゃんのペアも7位』
千歌『これってもしかしなくても凄いことだよね!!』
果南『実際凄いことだから客足も途絶えないわけだけど』
千歌『そーだった……』
鞠莉『……どんまい、千歌っち』
78: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/04/16(土) 18:51:26.24 ID:GH2JxGYO
果南『……あ、そうだ千歌。ちょうどそのことで話しておきたいことがあるんだけど』
千歌『ん、なになに?』
果南『これからのライブについて、あとラブライブの一次予選とか最終予選とか』
千歌『それがどうかしたの?』
果南『あんな形でフェスの結果を残したから、確信をもって言えるけど』
鞠莉『今よりずっとAqoursのファンが増えるでしょうね、こういった大きなイベントでの影響は計り知れないもの』
鞠莉『つまり、前以上にAqoursは注目されるんだから気を引き締めなさいってこと。そうでしょ果南?』
果南『うん、それもある。でも私が言いたいのはそっちじゃなくて、千歌個人でのことだよ』
千歌・鞠莉『私(千歌っち)の?』
千歌『ん、なになに?』
果南『これからのライブについて、あとラブライブの一次予選とか最終予選とか』
千歌『それがどうかしたの?』
果南『あんな形でフェスの結果を残したから、確信をもって言えるけど』
鞠莉『今よりずっとAqoursのファンが増えるでしょうね、こういった大きなイベントでの影響は計り知れないもの』
鞠莉『つまり、前以上にAqoursは注目されるんだから気を引き締めなさいってこと。そうでしょ果南?』
果南『うん、それもある。でも私が言いたいのはそっちじゃなくて、千歌個人でのことだよ』
千歌・鞠莉『私(千歌っち)の?』
79: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/04/16(土) 18:52:12.85 ID:GH2JxGYO
果南『鞠莉が言ってくれたように、みんなが活躍してくれたおかげで今Aqoursの知名度はうなぎ登り』
果南『一気に有名スクールアイドルの仲間入りを果たしたわけだけど』
果南『それと同時に、こういう状況にもなってると思うんだよね』
果南『Aqoursって周りのメンバーは確かに凄いけど、その中でもリーダーだけなんかパッとしないなあって』
果南『もっと単純に言うなら、今のAqoursに期待している人たちは千歌以外の誰かに注目してるってこと。なんだろう、千歌には特に興味ないっていうか』
千歌『うっ!!』
果南『一気に有名スクールアイドルの仲間入りを果たしたわけだけど』
果南『それと同時に、こういう状況にもなってると思うんだよね』
果南『Aqoursって周りのメンバーは確かに凄いけど、その中でもリーダーだけなんかパッとしないなあって』
果南『もっと単純に言うなら、今のAqoursに期待している人たちは千歌以外の誰かに注目してるってこと。なんだろう、千歌には特に興味ないっていうか』
千歌『うっ!!』
80: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/04/16(土) 18:52:46.85 ID:GH2JxGYO
果南『で、今から言うのはその流れを利用した……ってどうしたの?』
鞠莉『はぁ~っ……果南、今の発言は無いわ……』
果南『えっ』
千歌『ひ、人が気にしていることを! 気にしないようにしていたことを!!』
千歌『なんでサラッと! しかも大したことない感じで言っちゃうかなあ!!?』
鞠莉『はぁ~っ……果南、今の発言は無いわ……』
果南『えっ』
千歌『ひ、人が気にしていることを! 気にしないようにしていたことを!!』
千歌『なんでサラッと! しかも大したことない感じで言っちゃうかなあ!!?』
81: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/04/16(土) 18:53:13.91 ID:GH2JxGYO
果南『い、いや……別にそんなつもりで言ったわけじゃ』
鞠莉『デリカシー無さすぎよね』
千歌『本当だよ! 果南ちゃんだからまだ良かったけど、もし今のを梨子ちゃんが言ったら泣くからね私!!』
果南『確かに、梨子ちゃんが千歌にそんなこと言ったら場が凍り付くなんてレベルじゃないね』
千歌・鞠莉『だからそういうことなの!!』
果南『はい。すみませんでした』
千歌『気をつけてよねホントに!!』
鞠莉『デリカシー無さすぎよね』
千歌『本当だよ! 果南ちゃんだからまだ良かったけど、もし今のを梨子ちゃんが言ったら泣くからね私!!』
果南『確かに、梨子ちゃんが千歌にそんなこと言ったら場が凍り付くなんてレベルじゃないね』
千歌・鞠莉『だからそういうことなの!!』
果南『はい。すみませんでした』
千歌『気をつけてよねホントに!!』
82: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/04/16(土) 18:53:55.95 ID:GH2JxGYO
果南『まあでもちょっと待ってよ二人とも。一回落ち着いて』
鞠莉『何、一体なにを待つのよ』
果南『だから、この話にはまだ続きがあるんだってば。そんな睨まないでよ』
果南『大体さ、目立ってないから千歌だけ最後までパッとしませんでした。で私が話を終わらせるわけないじゃん』
千歌『!! だよね! 流石果南ちゃん! 私信じてたよ!』
果南『うわ、すっごい手のひら返し』
鞠莉『千歌っちも千歌っちで無遠慮よね。何なの、あなた達の親しい=相手にずけずけと言うことなの?』
千歌・果南『鞠莉(ちゃん)がそれ言うの?』
鞠莉『はい。すみませんでした』
果南『たまには距離感大事にしなよ』
鞠莉『何、一体なにを待つのよ』
果南『だから、この話にはまだ続きがあるんだってば。そんな睨まないでよ』
果南『大体さ、目立ってないから千歌だけ最後までパッとしませんでした。で私が話を終わらせるわけないじゃん』
千歌『!! だよね! 流石果南ちゃん! 私信じてたよ!』
果南『うわ、すっごい手のひら返し』
鞠莉『千歌っちも千歌っちで無遠慮よね。何なの、あなた達の親しい=相手にずけずけと言うことなの?』
千歌・果南『鞠莉(ちゃん)がそれ言うの?』
鞠莉『はい。すみませんでした』
果南『たまには距離感大事にしなよ』
83: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/04/16(土) 18:54:34.67 ID:GH2JxGYO
千歌『っていうかもー! さっきから全然話進まないじゃん! 言いたいことあるなら早くしてよ!』
果南『こら誰のせいだと……あーもういいや、さっさと終わらせちゃおう』
千歌『そうそう、一旦置いといて次に切り替えないとね』
鞠莉『ええ、このままだと埒が明かないもの』
千歌・果南・鞠莉(……全く、仕方ないなあ≪わね≫ )
千歌・果南・鞠莉(この中だと私が折れてあげないと話が進まないんだから)
千歌(あーあ、せめてここに梨子ちゃんがいてくれたらなあ……)
果南(聖良がいたらなあ……)
鞠莉(ダイヤがいてくれれば……)
果南『いい? じゃあ続けるよ? つまりね、私が言いたいのは───』
果南『こら誰のせいだと……あーもういいや、さっさと終わらせちゃおう』
千歌『そうそう、一旦置いといて次に切り替えないとね』
鞠莉『ええ、このままだと埒が明かないもの』
千歌・果南・鞠莉(……全く、仕方ないなあ≪わね≫ )
千歌・果南・鞠莉(この中だと私が折れてあげないと話が進まないんだから)
千歌(あーあ、せめてここに梨子ちゃんがいてくれたらなあ……)
果南(聖良がいたらなあ……)
鞠莉(ダイヤがいてくれれば……)
果南『いい? じゃあ続けるよ? つまりね、私が言いたいのは───』
84: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/04/16(土) 18:55:16.98 ID:GH2JxGYO
鞠莉「……」フッ
鞠莉「でも大丈夫、心配いらないわ」
鞠莉「この程度で躓くようなら、あの子はとっくにリーダー辞めてるし」
鞠莉「去年の泥沼から這い上がって仲間たちを引っ張ってきた猛者をみんな舐めすぎなのよ」
鞠莉「そしてそんなあの子を、私たちは信じてる」
よいつむ「???」
鞠莉「でも大丈夫、心配いらないわ」
鞠莉「この程度で躓くようなら、あの子はとっくにリーダー辞めてるし」
鞠莉「去年の泥沼から這い上がって仲間たちを引っ張ってきた猛者をみんな舐めすぎなのよ」
鞠莉「そしてそんなあの子を、私たちは信じてる」
よいつむ「???」
85: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/04/16(土) 18:55:46.95 ID:GH2JxGYO
キャーーーーー!!
鞠莉「お、出番が来たみたいね! まあ早い話が」
鞠莉「今日のライブの主役が誰なのか……全員しっかり目に焼き付けとけ!!」
よいつむ「!!」ビクゥ
鞠莉「ってことよ♪」
むつ(り、理事長って)
いつき(思ってたよりも)
よしみ(なんか怖い……?)
鞠莉「みんなー! ファイトー!」
86: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/04/16(土) 18:56:15.62 ID:GH2JxGYO
「さあ! 続いてのグループは皆さんお待ちかね!」
「スクールアイドルAqoursだーーーー!!」
ワーーーーーー!!
「ライブの曲名は……MIRACLE WAVE!」
千歌「ふぅーっ……よろしくお願いします!!」
「スクールアイドルAqoursだーーーー!!」
ワーーーーーー!!
「ライブの曲名は……MIRACLE WAVE!」
千歌「ふぅーっ……よろしくお願いします!!」
87: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/04/16(土) 18:57:04.49 ID:GH2JxGYO
ーーーーーーーー
♪
曜・梨子「限界までやっちゃえ 最後まで」
ルビィ・善子・花丸「どうなる? DOKI DOKI WAVE」
曜・梨子「じれったい自分 越えるときだよ」
ルビィ・善子・花丸「そうだ!WAVE!! 越えちゃうんだ」
曜・梨子「ほかのこと考えられない」
ルビィ・善子・花丸「どうなる? DOKI DOKI WAVE」
曜・梨子「ひとつになった夢よ走れ」
ルビィ・善子・花丸「そうだ!WAVE!! 止まれないんだ」
♪
曜・梨子「限界までやっちゃえ 最後まで」
ルビィ・善子・花丸「どうなる? DOKI DOKI WAVE」
曜・梨子「じれったい自分 越えるときだよ」
ルビィ・善子・花丸「そうだ!WAVE!! 越えちゃうんだ」
曜・梨子「ほかのこと考えられない」
ルビィ・善子・花丸「どうなる? DOKI DOKI WAVE」
曜・梨子「ひとつになった夢よ走れ」
ルビィ・善子・花丸「そうだ!WAVE!! 止まれないんだ」
88: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/04/16(土) 18:57:30.94 ID:GH2JxGYO
千歌「悔しくて じっとしてられない」
千歌「そんな気持ちだった」
千歌「みんなきっと」
千歌「わかるんだね」
千歌(いくよみんな……果南ちゃん!)
バッ!!
むつ「!? なっ……」
「なんだあれ!!?」
89: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/04/16(土) 18:57:58.54 ID:GH2JxGYO
果南『───いい? つまりね、私が言いたいのは』
果南『目立っていない今だからこそ、目立て! ってこと』
千歌『え? どういうこと?』
果南『要はフェスライブでルビィちゃんと理亞ちゃんがランキングのトップまで追い上げたときと同じさ』
千歌・鞠莉『!!』
果南『あの時も急に現れた二人の意外性と大番狂わせによって、イベントはとんでもない盛り上がりを見せた』
果南『話題ほぼゼロからの大躍進っていうのは、その過程を見ている人全員に強烈な印象を与えるんだ!』
果南『しかも存在が薄ければ薄いほど! インパクトが大きければ大きいほど!』
果南『そこから与えられた衝撃はより一層強くなる!』
鞠莉『! 誰も予想していないから……!?』
果南『そう! それこそが、有名でも人気でもない者に与えられた最大の逆転要素!』
果南『目立っていない今だからこそ、目立て! ってこと』
千歌『え? どういうこと?』
果南『要はフェスライブでルビィちゃんと理亞ちゃんがランキングのトップまで追い上げたときと同じさ』
千歌・鞠莉『!!』
果南『あの時も急に現れた二人の意外性と大番狂わせによって、イベントはとんでもない盛り上がりを見せた』
果南『話題ほぼゼロからの大躍進っていうのは、その過程を見ている人全員に強烈な印象を与えるんだ!』
果南『しかも存在が薄ければ薄いほど! インパクトが大きければ大きいほど!』
果南『そこから与えられた衝撃はより一層強くなる!』
鞠莉『! 誰も予想していないから……!?』
果南『そう! それこそが、有名でも人気でもない者に与えられた最大の逆転要素!』
90: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/04/16(土) 18:58:51.53 ID:GH2JxGYO
果南『そしてその強力な一撃をかますための武器は、千歌』
果南『もうとっくに持ってるでしょ?』
千歌『……あ』
果南『必ず殺せる技と書いて』
千歌『必殺技!』
鞠莉(身を潜めているのも今のうちだけ……か。成程ねえ)
果南『一人だけ大したことない人気グループのリーダー。そのイメージ全部ぶち壊して』
果南『ラブライブへの切符も、ライブでの大歓声も、自分だけのものにしてみせなよ、千歌』
千歌『果南ちゃん……』
果南『私と一緒にやった“特別なこと”でね』
千歌『……押忍!!』
果南『もうとっくに持ってるでしょ?』
千歌『……あ』
果南『必ず殺せる技と書いて』
千歌『必殺技!』
鞠莉(身を潜めているのも今のうちだけ……か。成程ねえ)
果南『一人だけ大したことない人気グループのリーダー。そのイメージ全部ぶち壊して』
果南『ラブライブへの切符も、ライブでの大歓声も、自分だけのものにしてみせなよ、千歌』
千歌『果南ちゃん……』
果南『私と一緒にやった“特別なこと”でね』
千歌『……押忍!!』
91: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/04/16(土) 18:59:46.03 ID:GH2JxGYO
千歌「」キュキュッ
フェスライブも! ルビィちゃんの優勝までのプロセスも!
自分以外のAqours全員が期待され、注目されていることも!
千歌「」タタンッ トンッ!
そしてその陰で、誰にも気付かれず
ただひたすらに失敗と成功を繰り返していた練習の日々も全て!
千歌「」グルン!
今、この瞬間のためにあった前振りだと、前座なんだと
そう思い知らせてやるくらいの気持ちで───
千歌(──決めろ!!)
タンッ!!
「「「!!!」」」
ワッ!!
鞠莉「Excellent!!」
92: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/04/16(土) 19:00:21.23 ID:GH2JxGYO
「できるかな? (HI!) できる! (HI!) 」
「叫ぶこころが」
千歌「欲しがる輝き」
「目の前で君に見せるんだ」
「できるかな? (HI!) できる! (HI!) 」
「それしかないんだと」
千歌「決めて」
「熱い熱いジャンプで」
「叫ぶこころが」
千歌「欲しがる輝き」
「目の前で君に見せるんだ」
「できるかな? (HI!) できる! (HI!) 」
「それしかないんだと」
千歌「決めて」
「熱い熱いジャンプで」
93: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/04/16(土) 19:00:47.22 ID:GH2JxGYO
「あたらしい光 つかめるんだろうか?」
千歌「信じようよ」
「YEAH!」
千歌「 "MIRACLE WAVE" が」
「 "MIRACLE" 呼ぶよ」
千歌「信じようよ」
「YEAH!」
千歌「 "MIRACLE WAVE" が」
「 "MIRACLE" 呼ぶよ」
94: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/04/16(土) 19:01:13.27 ID:GH2JxGYO
千歌「ありがとうございました!!」
5人「ありがとうございました!!」
ワーーーーーーッ!!
「なんだあの子!!? すげー!」
「ライブの途中でバク転決めたぁ!!?」
「千歌ちゃんだよね!? ほら! Aqoursのリーダー!」
「ド派手だねーー!! かっこいい!!」
95: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/04/16(土) 19:01:39.88 ID:GH2JxGYO
曜「あははっ、私たちすっかり蚊帳の外だね」
曜「みんな千歌ちゃんにしか目がいってないみたい」
曜「ここまで上手く嵌るとはねー! ねえ千歌ちゃん!」
千歌「……」
曜「?」
梨子「千歌ちゃん?」
曜「みんな千歌ちゃんにしか目がいってないみたい」
曜「ここまで上手く嵌るとはねー! ねえ千歌ちゃん!」
千歌「……」
曜「?」
梨子「千歌ちゃん?」
96: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/04/16(土) 19:02:11.61 ID:GH2JxGYO
千歌、次のライブで今まで溜め込んできたもの、全部ぶつけてきなよ
それでぶつけたその先に、ずーっと自分のことだけを見てくれている人がいたら
「千歌ちゃーん!!」
「おーーい! 最高だったよーー!!」
その声に精一杯応えてあげて
千歌「」フリフリ
「わー! 手振ってくれたー!!」
「千歌ちゃーん! ありがとー!!」
千歌「~~~ッ……!!!」
きっと最高に、スッキリするよ
千歌「よ……っっし!!!」グッ
曜・梨子「」クスッ
97: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/04/16(土) 19:03:04.78 ID:GH2JxGYO
─
ダイヤ「千歌さん達、素晴らしいライブでしたわね」
聖良「はい、当然です」
果南「私たちの自慢の教え子だからね」
ダイヤ「フフッ、そうですわね」
聖良「……努力が実を結ぶ瞬間が、全員同じとは限らない」
ダイヤ「?」
聖良「自分だけが取り残される中、他はみんな自身の花を咲かせ……誰かにとっての拠り所となる」
果南「開花が遅れたせいで、その芽は誰にも気付かれない日々を送り続ける……本当は自分もみんなと一緒にそうなりたかったはずなのに」
98: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/04/16(土) 19:03:31.76 ID:GH2JxGYO
ダイヤ「……」
聖良「けど」
果南「同じじゃないから」
『発表します!! ラブライブ決勝進出は───!』
『スクールアイドルAqoursーーーーー!!』
果南・聖良「今! この輝きに繋がってるんだ!!」
聖良「けど」
果南「同じじゃないから」
『発表します!! ラブライブ決勝進出は───!』
『スクールアイドルAqoursーーーーー!!』
果南・聖良「今! この輝きに繋がってるんだ!!」
101: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/04/17(日) 01:52:40.05 ID:bXKfdktb
それから……
鞠莉「えーではラブライブ決勝進出と千歌っちセンターライブ大成功を祝いまして!」
「「「乾杯ーーー!!」」」カンッ
曜「千歌ちゃんおめでとう!」
千歌「ありがとう!! みんなのおかげだよー!」
花丸「だね。まさに一致団結、また一つ大きな困難を打ち破った気がするずら!」
善子「ええ、ようやくここまで来れたって感じ」
102: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/04/17(日) 01:53:16.90 ID:bXKfdktb
鞠莉「分かる、分かるわ~……新年度の不安定で表向きだけそれなりのおんぼろチームからここに至るまで本当に色々あったものねえ……」ホロリ
梨子「そ、それは流石に言いすぎなんじゃ……」
鞠莉「ラブライブを目指していたのは確かだけど、こうして実際にやってのけると感慨深いものがあるわ」
鞠莉「初期からあったチームワークへの不安も、もう欠片も残っていないしね」
梨子「……フフッ、そうですね」
鞠莉「ただ……」チラッ
ルビィ「……」コクリ
梨子「?」
鞠莉(それは今のAqoursがって話なのよね)
梨子「そ、それは流石に言いすぎなんじゃ……」
鞠莉「ラブライブを目指していたのは確かだけど、こうして実際にやってのけると感慨深いものがあるわ」
鞠莉「初期からあったチームワークへの不安も、もう欠片も残っていないしね」
梨子「……フフッ、そうですね」
鞠莉「ただ……」チラッ
ルビィ「……」コクリ
梨子「?」
鞠莉(それは今のAqoursがって話なのよね)
103: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/04/17(日) 01:53:56.59 ID:bXKfdktb
鞠莉「さてと、みんなちょっといい? 今後の活動で聞いてほしいことがあるの」
千歌「さっすが鞠莉ちゃん! もう次のこと考えてあるんだねー! なになに?」
鞠莉「来月、つまり12月の冬のイベントよ!」
曜「お! ということは言っちゃうのアレ!?」
梨子「曜ちゃん何か知ってるの?」
曜「ルビィちゃんと作業しているときにちょっとね!」エヘヘ
善子「ああ、あなた達が衣装作りでホテルにいたときね」
曜「それそれ」
千歌「さっすが鞠莉ちゃん! もう次のこと考えてあるんだねー! なになに?」
鞠莉「来月、つまり12月の冬のイベントよ!」
曜「お! ということは言っちゃうのアレ!?」
梨子「曜ちゃん何か知ってるの?」
曜「ルビィちゃんと作業しているときにちょっとね!」エヘヘ
善子「ああ、あなた達が衣装作りでホテルにいたときね」
曜「それそれ」
104: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/04/17(日) 01:54:27.12 ID:bXKfdktb
鞠莉「イエース! でもここにいるメンバーだと足りないから、会話に少し人数追加するわよー!」ピッ
果南『もしもし? え、なに皆で打ち上げやってるの? いいなあ』
花丸「あ、果南さんずら!」
果南『花丸ちゃん久しぶり、元気?』
花丸「うん。果南さんも元気そうだね」
千歌「果南ちゃん果南ちゃん! 見た!? 私たちのライブ!」
果南『見た見た、最高だったよ。ね聖良』
聖良『はい、とても良かったですよ千歌さん』
千歌「やったー!!」
果南『もしもし? え、なに皆で打ち上げやってるの? いいなあ』
花丸「あ、果南さんずら!」
果南『花丸ちゃん久しぶり、元気?』
花丸「うん。果南さんも元気そうだね」
千歌「果南ちゃん果南ちゃん! 見た!? 私たちのライブ!」
果南『見た見た、最高だったよ。ね聖良』
聖良『はい、とても良かったですよ千歌さん』
千歌「やったー!!」
105: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/04/17(日) 01:54:57.50 ID:bXKfdktb
ダイヤ『それで鞠莉さん、今日は一体何の用があって連絡してきたのですか?』
ルビィ「イベントでの相談だよお姉ちゃん、私たちだけじゃ駄目なんだ」
ダイヤ『ルビィ? それは一体どういう……』
鞠莉「ときに皆! 12月といえば! 何を思い浮かべるかしら?」
千歌「はいはい! クリスマスです!」
善子「他にあるとしたら大晦日とか年末の……「そう!クリスマス!!」
鞠莉「それ以外あり得ないわ!」
善子「……こういうときは相変わらず強引よね」
ダイヤ『全くですわね、人の話くらい最後まで聞いてほしいものです』
梨子「まあまあ…」
ルビィ「イベントでの相談だよお姉ちゃん、私たちだけじゃ駄目なんだ」
ダイヤ『ルビィ? それは一体どういう……』
鞠莉「ときに皆! 12月といえば! 何を思い浮かべるかしら?」
千歌「はいはい! クリスマスです!」
善子「他にあるとしたら大晦日とか年末の……「そう!クリスマス!!」
鞠莉「それ以外あり得ないわ!」
善子「……こういうときは相変わらず強引よね」
ダイヤ『全くですわね、人の話くらい最後まで聞いてほしいものです』
梨子「まあまあ…」
106: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/04/17(日) 01:55:30.82 ID:bXKfdktb
ルビィ「それでね、前から理亞ちゃんと相談してたんだけど」
聖良『理亞と?』
果南『聖良は何も聞いてないの?』
聖良『特にそれらしい話は……』
ルビィ「今から話すのはそのクリスマスのイベントについて」
鞠莉「では概要 AqoursとSaint Snow それにプラス他のスクールアイドルたちとで」
鞠莉「12月24~25日の2日間、函館で合同ライブを行うことにしたの」
果南『へえー楽しそうだね! 私たちも休みに入ったらそっちに……』
鞠莉「ええ、参加してもらうわよ」
果南『…………ん?』
聖良『理亞と?』
果南『聖良は何も聞いてないの?』
聖良『特にそれらしい話は……』
ルビィ「今から話すのはそのクリスマスのイベントについて」
鞠莉「では概要 AqoursとSaint Snow それにプラス他のスクールアイドルたちとで」
鞠莉「12月24~25日の2日間、函館で合同ライブを行うことにしたの」
果南『へえー楽しそうだね! 私たちも休みに入ったらそっちに……』
鞠莉「ええ、参加してもらうわよ」
果南『…………ん?』
107: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/04/17(日) 01:55:58.52 ID:bXKfdktb
鞠莉「ルビィが言ったでしょ、相談だって」
聖良『あの、それはつまり』
鞠莉「そのイベントの2日目、そこのラスト1枠はあなた達にもライブに出てもらうわ」
鞠莉「Saint Aqours Snowのメンバー、その一員としてね」
千歌・善子「うそ!?」
梨子・花丸「ええ!?」
ダイヤ・果南・聖良『はあ!?』
鞠莉「ふっふっふ、さあやってもらうわよ!! 私たち全員で一夜限りの」
鞠莉「復活&コラボレーションライブをね!!」
聖良『あの、それはつまり』
鞠莉「そのイベントの2日目、そこのラスト1枠はあなた達にもライブに出てもらうわ」
鞠莉「Saint Aqours Snowのメンバー、その一員としてね」
千歌・善子「うそ!?」
梨子・花丸「ええ!?」
ダイヤ・果南・聖良『はあ!?』
鞠莉「ふっふっふ、さあやってもらうわよ!! 私たち全員で一夜限りの」
鞠莉「復活&コラボレーションライブをね!!」
108: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/04/17(日) 01:56:29.47 ID:bXKfdktb
─12月22日、函館
鞠莉「着いたわね。冬のー……北海道ーーっ!!」
「「「おおーーーーっ!!」」」
ザッ
千歌「雪だーーーー!!」
花丸「銀世界ずらー!」
曜「うっっわー……積もってるねー!」
善子「雪かき大変そう」
ルビィ「あははっ確かに、でもすごく綺麗だよ」
善子「まあね、辺り一面真っ白ってあまり見ないもの」
109: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/04/17(日) 01:57:00.41 ID:bXKfdktb
理亞「いらっしゃいルビィ」
聖良「皆さんもようこそ、歓迎します」
ルビィ「あ! 理亞ちゃん!」
梨子「聖良さん、もうこっちに来ていたんですね」
聖良「私の大学は冬休みに入るのが早かったみたいで」
聖良「果南さんとダイヤさんはこちらに来るまでまだ時間がかかりますけど当日には間に合うみたいです」
鞠莉「そう。今回は一緒には行かなかったのね」
聖良「たまには二人だけにした方がいいと思って」
鞠莉「気配り上手だこと」
聖良「皆さんもようこそ、歓迎します」
ルビィ「あ! 理亞ちゃん!」
梨子「聖良さん、もうこっちに来ていたんですね」
聖良「私の大学は冬休みに入るのが早かったみたいで」
聖良「果南さんとダイヤさんはこちらに来るまでまだ時間がかかりますけど当日には間に合うみたいです」
鞠莉「そう。今回は一緒には行かなかったのね」
聖良「たまには二人だけにした方がいいと思って」
鞠莉「気配り上手だこと」
110: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/04/17(日) 01:57:31.32 ID:bXKfdktb
ルビィ「今来てるのは私たちだけ?」
理亞「ううん、そろそろ……」
「おーーい! りーーーあーーーー!!」ダダダダ
蘭花「久しぶりアルーー!」ガバッ
理亞「」サッ
蘭花「え……へぶっ!」ズボッ
さゆり「おー、見事な雪山ダイブ」
ルビィ「蘭花ちゃんに……さゆりちゃん!!」
さゆり「ルビィちゃん久しぶりー! 4ヶ月ぶりだねー!」
さゆり「見たよ最終予選のライブ! 凄かったよー!」
ルビィ「ありがとう! さゆりちゃんも決勝進出おめでとう!」
理亞「ううん、そろそろ……」
「おーーい! りーーーあーーーー!!」ダダダダ
蘭花「久しぶりアルーー!」ガバッ
理亞「」サッ
蘭花「え……へぶっ!」ズボッ
さゆり「おー、見事な雪山ダイブ」
ルビィ「蘭花ちゃんに……さゆりちゃん!!」
さゆり「ルビィちゃん久しぶりー! 4ヶ月ぶりだねー!」
さゆり「見たよ最終予選のライブ! 凄かったよー!」
ルビィ「ありがとう! さゆりちゃんも決勝進出おめでとう!」
111: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/04/17(日) 01:58:00.49 ID:bXKfdktb
善子「あなた達もこっちに来てたのね」
さゆり「お、ルビィちゃんの彼女の、それとデュオ部門準優勝の……えーっと善子ちゃん!」
善子「認識の優先度合いおかしくない? 何でそっちが先に出るの?」
さゆり「いやだって皆で撮ったあの写真、私いろんなアプリのホームに設定してるし」
蘭花「私もやってるネ! ほら!」
善子「いちいち見せなくていいわよ!」
さゆり「そう? 結構好評なんだけどなーこの写真」
千歌「あー分かる! 私も写真みせてるときよく言われるもん!」
さゆり「ですよねー!」
善子「ちょっと! なに色んなところで広めてるのよ!? 今すぐやめなさい!!」
さゆり「お、ルビィちゃんの彼女の、それとデュオ部門準優勝の……えーっと善子ちゃん!」
善子「認識の優先度合いおかしくない? 何でそっちが先に出るの?」
さゆり「いやだって皆で撮ったあの写真、私いろんなアプリのホームに設定してるし」
蘭花「私もやってるネ! ほら!」
善子「いちいち見せなくていいわよ!」
さゆり「そう? 結構好評なんだけどなーこの写真」
千歌「あー分かる! 私も写真みせてるときよく言われるもん!」
さゆり「ですよねー!」
善子「ちょっと! なに色んなところで広めてるのよ!? 今すぐやめなさい!!」
112: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/04/17(日) 01:58:41.53 ID:bXKfdktb
ワーワー
鞠莉「えーっと、今のところ集まっているのは紫苑女学院とY.G国際学園のグループ、それと私たちね」
鞠莉「他は休み待ちと……」サラサラ
梨子「それにしてもよく集まりましたよね」
鞠莉「向こうとしてもいい機会だと思ってたみたいよ、こんな大舞台に出るチャンスを逃す手はないってね」
聖良「夏合宿課題のライブですよね、ツバサさんの。理亞から聞きました」
鞠莉「ええ、この企画自体もルビィと理亞が発案して前々から合宿メンバーと打ち合わせしてたみたいだし」
梨子「ルビィちゃんたちが……」
鞠莉「立派になったわよねー本当に頼もしくなっちゃって」
聖良「はい、もう心配するのが逆に失礼だというほどに」
113: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/04/17(日) 01:59:18.84 ID:bXKfdktb
千歌「おーい鞠莉ちゃん! みんながそろそろ移動しようってー!」
鞠莉「オッケー! じゃあ話は一旦ここまでにして、行きましょうか」
鞠莉「今回は大人数ってこともあって宿泊施設もビッグよー!」
梨子「それはいつものような……」
鞠莉「細かいこと気にしないの! さあレッツゴー!」
聖良(これを細かいと言えるあたり相当よね、鞠莉さん)
鞠莉「オッケー! じゃあ話は一旦ここまでにして、行きましょうか」
鞠莉「今回は大人数ってこともあって宿泊施設もビッグよー!」
梨子「それはいつものような……」
鞠莉「細かいこと気にしないの! さあレッツゴー!」
聖良(これを細かいと言えるあたり相当よね、鞠莉さん)
114: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/04/17(日) 01:59:55.55 ID:bXKfdktb
その夜……
梨子「じゃあ私、これから鞠莉さんたちと打ち合わせやってくるから後よろしくね」
さゆり「ラジャーです!」
蘭花「了解アル!」
梨子「善子ちゃん、また明日ね」
善子「……ぇぇ」ボソ
梨子「返事」
善子「かしこまりました!!」
梨子「はい、おやすみ」
千歌「梨子ちゃんおやすみー」
ガチャ バタン
115: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/04/17(日) 02:00:28.63 ID:bXKfdktb
善子「はぁー……きっつい」グタ
さゆり「梨子さんって優しそうにみえて結構厳しいんだね」
千歌「結構そういうとこあるよ梨子ちゃんは、いつもは優しいんだけど勉強とか音楽のことになるとちょっと強めっていうか」
花丸「勉強に関しては千歌ちゃんのせいな気が……」
千歌「そ、そんなことないよ!」
さゆり「で、やるの? 作曲の続き。やるなら付き合うけど」
善子「やるわよ、居なくなったからってサボるわけにもいかないし」
さゆり「こっちは案外真面目なんだよね」
千歌「ねー」
さゆり「梨子さんって優しそうにみえて結構厳しいんだね」
千歌「結構そういうとこあるよ梨子ちゃんは、いつもは優しいんだけど勉強とか音楽のことになるとちょっと強めっていうか」
花丸「勉強に関しては千歌ちゃんのせいな気が……」
千歌「そ、そんなことないよ!」
さゆり「で、やるの? 作曲の続き。やるなら付き合うけど」
善子「やるわよ、居なくなったからってサボるわけにもいかないし」
さゆり「こっちは案外真面目なんだよね」
千歌「ねー」
116: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/04/17(日) 02:01:07.98 ID:bXKfdktb
善子「ほっといて。それに……折角ルビィが頼んでくれたんだし」
さゆり「ああ成程そういう」
千歌「お熱いですなあ!」
花丸「ヒューヒューずら」
蘭花「善子は愛妻家アルね!」
善子「言うんじゃなかったわ」
さゆり「ああ成程そういう」
千歌「お熱いですなあ!」
花丸「ヒューヒューずら」
蘭花「善子は愛妻家アルね!」
善子「言うんじゃなかったわ」
117: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/04/17(日) 02:01:43.59 ID:bXKfdktb
コンコン
千歌「ん? はーいどうぞー」
曜「お邪魔しまーす! どう? 捗ってる?」
千歌「今は休憩中かな、ルビィちゃんは?」
曜「鞠莉ちゃんたちと打ち合わせだって」
千歌「あーそっか」
曜「何か手伝うことある?」
善子「別にゆっくりしていていいわよ、今日の分はあらかた終わってるし」
さゆり「そうだね、あともう少しだし」
曜「花丸ちゃんは?」
花丸「マルも大丈夫」
千歌「ん? はーいどうぞー」
曜「お邪魔しまーす! どう? 捗ってる?」
千歌「今は休憩中かな、ルビィちゃんは?」
曜「鞠莉ちゃんたちと打ち合わせだって」
千歌「あーそっか」
曜「何か手伝うことある?」
善子「別にゆっくりしていていいわよ、今日の分はあらかた終わってるし」
さゆり「そうだね、あともう少しだし」
曜「花丸ちゃんは?」
花丸「マルも大丈夫」
118: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/04/17(日) 02:02:24.58 ID:bXKfdktb
曜「そっか、じゃあ皆でボードゲームでもしない? 色々持ってきたんだー!」
千歌「おぉーいいね! やろうやろう!」
千歌「恋バナでもしながら!」
曜「……ん?」
千歌「え、駄目?」
曜「な、何でそうなったのかなーと」
千歌「んーとね、曜ちゃんが来るまでそんな流れが出来てたからやりたいなーって」
千歌「あと鞠莉ちゃんがこういう話は絶対盛り上がるから! ってアドバイスしてくれたし」
曜(また鞠莉ちゃんが千歌ちゃんに余計なこと吹き込んでる……)
蘭花「恋バナって何アル?」
さゆり「恋のお話しのこと。好きな人は誰なのー? とかデートするならどこどこだよねーみたいな」
蘭花「おー」
千歌「おぉーいいね! やろうやろう!」
千歌「恋バナでもしながら!」
曜「……ん?」
千歌「え、駄目?」
曜「な、何でそうなったのかなーと」
千歌「んーとね、曜ちゃんが来るまでそんな流れが出来てたからやりたいなーって」
千歌「あと鞠莉ちゃんがこういう話は絶対盛り上がるから! ってアドバイスしてくれたし」
曜(また鞠莉ちゃんが千歌ちゃんに余計なこと吹き込んでる……)
蘭花「恋バナって何アル?」
さゆり「恋のお話しのこと。好きな人は誰なのー? とかデートするならどこどこだよねーみたいな」
蘭花「おー」
119: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/04/17(日) 02:02:57.01 ID:bXKfdktb
善子「あなた達ほんと好きよねそれ」
千歌「だってここにいるとその手の話題尽きないし」
善子「まあそれは……認めざるを得ないけど」
さゆり「あールビィちゃんと善子ちゃんがいるもんね」
千歌「違う違う、それだけじゃなくて曜ちゃんもさー」
曜「ちょっと千歌ちゃん!?」
さゆり「え!? それってもしかして! 曜さん好きな人いるんですか!?」バッ
善子「さゆり、秒で手伝い放棄しないでくれる?」
千歌「うん、曜ちゃんは梨子ちゃんが大好きでねー」
曜「そっちも秒でバラしていくのやめて!!」
千歌「だってここにいるとその手の話題尽きないし」
善子「まあそれは……認めざるを得ないけど」
さゆり「あールビィちゃんと善子ちゃんがいるもんね」
千歌「違う違う、それだけじゃなくて曜ちゃんもさー」
曜「ちょっと千歌ちゃん!?」
さゆり「え!? それってもしかして! 曜さん好きな人いるんですか!?」バッ
善子「さゆり、秒で手伝い放棄しないでくれる?」
千歌「うん、曜ちゃんは梨子ちゃんが大好きでねー」
曜「そっちも秒でバラしていくのやめて!!」
120: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/04/17(日) 02:03:35.21 ID:bXKfdktb
さゆり「えーっ! 梨子さんなんですか!」
蘭花「曜は梨子のどこが好きになったアル?」
善子(すごい食いつくわね)
千歌「鞠莉ちゃんに聞いたんだけどさ、最初はすっごい嫉妬してたらしくて」
千歌「でも常日頃から意識しすぎて逆に好きになっちゃいました的な?」
千歌「あと噂では前にプロポーズしたって話も……」
曜「わーーーっ! わーーーっ!!!」
花丸(しかもそれを千歌ちゃんが全部暴露していくという)
千歌「まあ流石にそれはないと思うけどね」
蘭花「曜は梨子のどこが好きになったアル?」
善子(すごい食いつくわね)
千歌「鞠莉ちゃんに聞いたんだけどさ、最初はすっごい嫉妬してたらしくて」
千歌「でも常日頃から意識しすぎて逆に好きになっちゃいました的な?」
千歌「あと噂では前にプロポーズしたって話も……」
曜「わーーーっ! わーーーっ!!!」
花丸(しかもそれを千歌ちゃんが全部暴露していくという)
千歌「まあ流石にそれはないと思うけどね」
121: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/04/17(日) 02:04:12.70 ID:bXKfdktb
善子「何でそう思うのよ」
千歌「だって本当にそこまでいったら絶対付き合ってるもん」
曜「いやいや! そんなことないから!」
千歌「あるよね?」
善子「どっちかといえばあるわね」
花丸「うん、梨子ちゃんって曜ちゃんのこと相当信頼してるから。多分一番」
曜「!」
だって今の私にとって、一番信頼できる人だもん
千歌「いや一番は私だよ!」
善子「そこは譲ってあげなさいよ」
千歌「だって本当にそこまでいったら絶対付き合ってるもん」
曜「いやいや! そんなことないから!」
千歌「あるよね?」
善子「どっちかといえばあるわね」
花丸「うん、梨子ちゃんって曜ちゃんのこと相当信頼してるから。多分一番」
曜「!」
だって今の私にとって、一番信頼できる人だもん
千歌「いや一番は私だよ!」
善子「そこは譲ってあげなさいよ」
122: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/04/17(日) 02:04:40.41 ID:bXKfdktb
蘭花「なんだ、それならもう告白しちゃえばいいネ」
さゆり「クリスマスの夜に!? ロマンチックだねー!」
千歌「あ、いいねそれ決定ー!」
曜「ちょ、ちょっと待ってってば! 私置いてけぼりなんだけど!」
千歌「曜ちゃんだってこっち来た時そんな感じの妄想してたんでしょ?」
千歌「函館の夜景を梨子ちゃんと一緒に眺めながらあわよくば……でへへへへみたいな」
曜「妄想とか言うのやめて! しかもそこまで下心入ってないよ! あと最後の笑いいる!?」
善子「でも提案自体には賛成ね、私も」
曜「善子ちゃんまで!」
さゆり「クリスマスの夜に!? ロマンチックだねー!」
千歌「あ、いいねそれ決定ー!」
曜「ちょ、ちょっと待ってってば! 私置いてけぼりなんだけど!」
千歌「曜ちゃんだってこっち来た時そんな感じの妄想してたんでしょ?」
千歌「函館の夜景を梨子ちゃんと一緒に眺めながらあわよくば……でへへへへみたいな」
曜「妄想とか言うのやめて! しかもそこまで下心入ってないよ! あと最後の笑いいる!?」
善子「でも提案自体には賛成ね、私も」
曜「善子ちゃんまで!」
123: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/04/17(日) 02:05:16.65 ID:bXKfdktb
善子「いい加減はっきりさせておきなさいよ、実際チャンスなんだし」
善子「前までは色々ごたついてたからさ、梨子側としてもそんなこと今言われてもって感じだったと思うけど吹っ切れた今なら大丈夫でしょ」
曜「かもしれないけど」
善子「それにいつまで引っ張るつもりなんだって、きっと読者も思ってるわよ」
曜「読者!?」
花丸「うん。マルが作者ならこのクリスマスイベントでそろそろ仕掛けさせるけどね」
曜「ねえ二人とも何言ってるの!?」
千歌「今花丸ちゃんは創作活動やってるからねー」
善子「前までは色々ごたついてたからさ、梨子側としてもそんなこと今言われてもって感じだったと思うけど吹っ切れた今なら大丈夫でしょ」
曜「かもしれないけど」
善子「それにいつまで引っ張るつもりなんだって、きっと読者も思ってるわよ」
曜「読者!?」
花丸「うん。マルが作者ならこのクリスマスイベントでそろそろ仕掛けさせるけどね」
曜「ねえ二人とも何言ってるの!?」
千歌「今花丸ちゃんは創作活動やってるからねー」
124: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/04/17(日) 02:05:49.77 ID:bXKfdktb
千歌「とにかく、ここであーだこーだ言っても仕方ないんだから明日にでも誘ってきなよ」
曜「でもほら、ライブとかあるし……そんなときに言われるのは迷惑なんじゃ」
千歌「じゃあ、やめる?」
曜「! ここでその言葉はずるいよ」
曜「やめない」
千歌「よし! 決まり!」ニコ
曜「でもほら、ライブとかあるし……そんなときに言われるのは迷惑なんじゃ」
千歌「じゃあ、やめる?」
曜「! ここでその言葉はずるいよ」
曜「やめない」
千歌「よし! 決まり!」ニコ
125: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/04/17(日) 02:06:22.46 ID:bXKfdktb
千歌「大丈夫だいじょーぶ! 曜ちゃんならやれるよ!」
千歌「もし玉砕しても骨は私が拾ってあげるからね!」
曜「縁起でもないよ! 千歌ちゃんなんてこと言うの!?」
千歌「え? でもほら当たって砕けろの精神みたいな」
曜「今それ適応してないから!」
さゆり「仲いいねーあの二人」
善子「一番長い付き合いだからね」
花丸「喧騒に安定と平和を感じるずら」ズズッ
千歌「もし玉砕しても骨は私が拾ってあげるからね!」
曜「縁起でもないよ! 千歌ちゃんなんてこと言うの!?」
千歌「え? でもほら当たって砕けろの精神みたいな」
曜「今それ適応してないから!」
さゆり「仲いいねーあの二人」
善子「一番長い付き合いだからね」
花丸「喧騒に安定と平和を感じるずら」ズズッ
126: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/04/17(日) 02:07:02.27 ID:bXKfdktb
─翌日、12月23日
夕方
曜(……とは言ったものの)
梨子「……」サラサラ カキカキ
曜(どう切り出せばいいんだろう……)
曜(会話の中でさり気なく振ってみるとか?)ウーン
曜(ライブの件もあるんだしクリスマスの話題自体はそんなにおかしいことじゃないよね)
曜(でも、だったら尚更その日に二人きりで出掛けようなんて何言ってるのこの人って思われたりしないかな)
梨子「曜ちゃん」
127: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/04/17(日) 02:07:40.84 ID:bXKfdktb
曜(いや梨子ちゃんがそんなこと考えるとは思わないけど、でも重要さを考えるとどうしても)
曜(……ダメだダメだ! 昨日そういうのやめようってなったのに、どうしても頭がそっちの方に行っちゃう)ブンブン
曜(なんで私、こんなにマイナスなこと考えちゃうの)
曜(一体何がそんなに怖いって……)
梨子「曜ちゃんってば」
曜「はい!?」
梨子「どうしたの? 難しい顔して、何か悩み事?」
曜「え、っと……うんまあちょっとね」
曜(あなたのことですとは言えない……)
曜(……ダメだダメだ! 昨日そういうのやめようってなったのに、どうしても頭がそっちの方に行っちゃう)ブンブン
曜(なんで私、こんなにマイナスなこと考えちゃうの)
曜(一体何がそんなに怖いって……)
梨子「曜ちゃんってば」
曜「はい!?」
梨子「どうしたの? 難しい顔して、何か悩み事?」
曜「え、っと……うんまあちょっとね」
曜(あなたのことですとは言えない……)
128: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/04/17(日) 02:08:20.28 ID:bXKfdktb
梨子「そっか、別に無理には聞かないけど辛くなったらちゃんと相談してね」
梨子「曜ちゃん何かと溜め込んじゃうんだから」
曜「……そうかな?」
梨子「ほら、そうやってすぐ誤魔化そうとする」
曜「うっ」
梨子「曜ちゃん、曜ちゃんはもっと甘えてもいいと思うよ」
梨子「それとも、私じゃ頼りないかな」
梨子「曜ちゃん何かと溜め込んじゃうんだから」
曜「……そうかな?」
梨子「ほら、そうやってすぐ誤魔化そうとする」
曜「うっ」
梨子「曜ちゃん、曜ちゃんはもっと甘えてもいいと思うよ」
梨子「それとも、私じゃ頼りないかな」
129: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/04/17(日) 02:08:47.13 ID:bXKfdktb
曜「いやそんなことないよ全然! 本当に!」
曜「ただもうちょっと自分の中で整理したいってだけで!」
梨子「……ふーん」ズイ
曜「あ……っと」タジ
梨子「……」ジーッ
曜(近い近い近い!!)
曜「ただもうちょっと自分の中で整理したいってだけで!」
梨子「……ふーん」ズイ
曜「あ……っと」タジ
梨子「……」ジーッ
曜(近い近い近い!!)
130: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/04/17(日) 02:09:28.99 ID:bXKfdktb
梨子「……はぁ」クルッ
曜「? 梨子ちゃん?」
梨子「いいよ、多分何を言っても考えは変えないんでしょ」
梨子「曜ちゃん意外と頑固者だし」
曜(ストレート!)グサ
梨子「私のために果南さんと喧嘩したときもそうだったもんね」
曜「!」
梨子「そのときは気付かなかったけど、最近になって私もようやく分かってきたんだよ曜ちゃんのこと」
曜「? 梨子ちゃん?」
梨子「いいよ、多分何を言っても考えは変えないんでしょ」
梨子「曜ちゃん意外と頑固者だし」
曜(ストレート!)グサ
梨子「私のために果南さんと喧嘩したときもそうだったもんね」
曜「!」
梨子「そのときは気付かなかったけど、最近になって私もようやく分かってきたんだよ曜ちゃんのこと」
131: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/04/17(日) 02:10:00.15 ID:bXKfdktb
梨子「果南さんとの喧嘩の原因を知ったときは申し訳ないなって思ったなあ、私のせいでごめんなさいって」
梨子「そこまでしてくれたことが、嬉しくもあったんだけど」
曜「あ、あはは……いやーその節は」
梨子「ただ」
梨子「今はそういうの、嫌だなとしか思えない」
曜「え、梨子ちゃん……?」
梨子「……そうだね、いい機会だから今のうちに言っておこうかな」
梨子「そこまでしてくれたことが、嬉しくもあったんだけど」
曜「あ、あはは……いやーその節は」
梨子「ただ」
梨子「今はそういうの、嫌だなとしか思えない」
曜「え、梨子ちゃん……?」
梨子「……そうだね、いい機会だから今のうちに言っておこうかな」
132: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/04/17(日) 02:10:34.50 ID:bXKfdktb
梨子「あのね曜ちゃん」
梨子「私ね、曜ちゃんの凄いところは自分だけで何でもやっちゃおうとするところだと思うんだ」
梨子「誰かを助けるときだって自分に出来ることを精一杯やろうとするでしょ? 私のときとか善子ちゃんとのデュオのときとかね」
梨子「まあそれに一番助けられてるのは多分千歌ちゃんなんだろうけど」フフッ
曜「……」
梨子「でもね、それは曜ちゃん自身が困ってるときもそうなんだなって」
梨子「前に私に嫉妬してたって話してくれたことを思い出して、そう思ったの」
曜「!」
梨子「私ね、曜ちゃんの凄いところは自分だけで何でもやっちゃおうとするところだと思うんだ」
梨子「誰かを助けるときだって自分に出来ることを精一杯やろうとするでしょ? 私のときとか善子ちゃんとのデュオのときとかね」
梨子「まあそれに一番助けられてるのは多分千歌ちゃんなんだろうけど」フフッ
曜「……」
梨子「でもね、それは曜ちゃん自身が困ってるときもそうなんだなって」
梨子「前に私に嫉妬してたって話してくれたことを思い出して、そう思ったの」
曜「!」
133: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/04/17(日) 02:11:20.67 ID:bXKfdktb
梨子「取りあえず自分の力だけで何とかしてみよう、誰かに頼るのはそれから」
梨子「まだ早い、まだ早い、これは私の問題なんだ、私がどうにかしなくちゃって」
梨子「曜ちゃんは器用で、頑張ったら何でもこなせるようになっちゃうから、余計そうなるんだよね」
梨子「今までだって頑張ればどうにかなったんだから、今回も一人でやれるはずだって」
梨子「自分で自分にプレッシャーをかけているの」
曜「……」
梨子「まだ早い、まだ早い、これは私の問題なんだ、私がどうにかしなくちゃって」
梨子「曜ちゃんは器用で、頑張ったら何でもこなせるようになっちゃうから、余計そうなるんだよね」
梨子「今までだって頑張ればどうにかなったんだから、今回も一人でやれるはずだって」
梨子「自分で自分にプレッシャーをかけているの」
曜「……」
134: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/04/17(日) 02:11:58.01 ID:bXKfdktb
梨子「それはプライドとかじゃなくて、誰かを傷つけたくない曜ちゃんの優しさで」
梨子「優しすぎるから、自分が傷ついても隠そうとする、悩んでも言わない」
梨子「嫉妬のことを私に打ち明けたときだって、結局は私のためで」
梨子「自分が抱えてた苦悩すら、誰かを助けるために利用するの」
梨子「凄いなって思う、本当にかっこいいなって思う。だってそんなのヒーローじゃない」
梨子「完璧で、誰からも憧れる存在。実際曜ちゃんって学校でもそんな風に見られているしね」
梨子「でも、はっきり言って私は……」
梨子「そういう曜ちゃん、あまり好きになれない」
曜「──!?」
梨子「優しすぎるから、自分が傷ついても隠そうとする、悩んでも言わない」
梨子「嫉妬のことを私に打ち明けたときだって、結局は私のためで」
梨子「自分が抱えてた苦悩すら、誰かを助けるために利用するの」
梨子「凄いなって思う、本当にかっこいいなって思う。だってそんなのヒーローじゃない」
梨子「完璧で、誰からも憧れる存在。実際曜ちゃんって学校でもそんな風に見られているしね」
梨子「でも、はっきり言って私は……」
梨子「そういう曜ちゃん、あまり好きになれない」
曜「──!?」
135: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/04/17(日) 02:12:26.76 ID:bXKfdktb
梨子「私たちの、私の前でくらいは、取り繕ってほしくないから」
梨子「確かに最初に会ったときはそんなの微塵も分からなかったし、だから気にも留めなかったよ?」
梨子「でも曜ちゃんのことを知るたびに、仲良くなっていくたびに」
梨子「それが段々分かってきて、どんどん嫌になってきた」
梨子「どんな些細なことでもいいから、私にもちゃんと話してよってね」
梨子「確かに最初に会ったときはそんなの微塵も分からなかったし、だから気にも留めなかったよ?」
梨子「でも曜ちゃんのことを知るたびに、仲良くなっていくたびに」
梨子「それが段々分かってきて、どんどん嫌になってきた」
梨子「どんな些細なことでもいいから、私にもちゃんと話してよってね」
136: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/04/17(日) 02:13:00.78 ID:bXKfdktb
梨子「だからかな、さっきの聞いて少しムキになっちゃった」
曜「えっ」
梨子「曜ちゃんは私のことをずっと見ているし、見ていてねって言ったけど」
梨子「それは私にとっても同じなんだから」
梨子「私だって、曜ちゃんが辛そうにしているところ見たくないの」
曜「!!」
曜(ああ、なんだろう)
曜「えっ」
梨子「曜ちゃんは私のことをずっと見ているし、見ていてねって言ったけど」
梨子「それは私にとっても同じなんだから」
梨子「私だって、曜ちゃんが辛そうにしているところ見たくないの」
曜「!!」
曜(ああ、なんだろう)
137: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/04/17(日) 02:13:27.80 ID:bXKfdktb
曜「……うん、ごめん」
梨子「あっ……あのね、えーっと……責めているわけじゃなくて!」
梨子「あと謝るのは私のほうだと思うよ!? 少し強く言いすぎた気がするし……」
曜「うん、きつかった」
曜(なんか、分かった気がする)
梨子「や、やっぱり……ごめんなさ」
曜「でも、いいよ」
ダキッ
曜「いいよ、謝らなくて」
梨子「曜……ちゃん?」
梨子「あっ……あのね、えーっと……責めているわけじゃなくて!」
梨子「あと謝るのは私のほうだと思うよ!? 少し強く言いすぎた気がするし……」
曜「うん、きつかった」
曜(なんか、分かった気がする)
梨子「や、やっぱり……ごめんなさ」
曜「でも、いいよ」
ダキッ
曜「いいよ、謝らなくて」
梨子「曜……ちゃん?」
138: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/04/17(日) 02:14:03.58 ID:bXKfdktb
私は、この好意が返ってこなくなるかもしれないことが怖かったんだ
今向けられているこの優しさが、二人だけでこうしているときの時間が
空気が、温もりが、思い出が
私が動いたせいで、全部壊れてしまうことに
自分で自分の好きな人を遠ざけてしまうかもしれないことに
怯えていたんだ
だから、絶対に失敗しないようにって
少しでも成功に不安のある要素を無くそうとして
完璧に───やろうとしたんだ。
でも
139: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/04/17(日) 02:14:40.55 ID:bXKfdktb
私は……そういう曜ちゃん、あまり好きになれない
私の前でくらいは、取り繕ってほしくないから
曜「ねえ、梨子ちゃん」
貴女がそう言ってくれるなら
私も信じてみることにするよ
曜「明日のライブが終わったら、一緒に行きたいところがあるんだ」
140: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/04/17(日) 02:15:14.70 ID:bXKfdktb
きっと、そのときの私は不格好だ
緊張で汗がすごくて、言葉だって噛んでばかりでろくに伝えられないかもしれない
完璧だとか、学校のヒーローだとか、絶対似合わない
梨子「一緒に?」
それでも、そんなどうしようもない私が
梨子ちゃんと一緒にいるときの、本当の私だからさ
曜「うん」
最後まで見ていてほしいんだ、貴女だけに
曜「二人きりで」
141: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/04/17(日) 02:16:12.11 ID:bXKfdktb
──
千歌「……」モグモグゴクゴク
鞠莉「……なんかデジャヴねこの光景」
千歌「ん、今なにか言った?」ゴクン
鞠莉「いいえなにも。それにしても今日はよく食べるわねー千歌っち」
千歌「明日はライブだからねー! 今のうちに気力体力をつけておかないと!」
鞠莉「そうね2日目も大事だけど、初日だって重要だもの」
千歌「そういうことなのだ!」
142: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/04/17(日) 02:16:48.17 ID:bXKfdktb
鞠莉「……そうだ、明日といえばあの二人どうなったのかしら」
千歌「曜ちゃんと梨子ちゃんのこと?」
鞠莉「ええ、千歌っち昨日の夜曜にけしかけたんでしょ?」
千歌「言い方、まあそうなんだけどさー」
鞠莉「大丈夫なの?」
千歌「うん、玉砕しても骨は拾ってあげるから大丈夫だとは言ったよ」
鞠莉「ちょっと」
千歌「曜ちゃんと梨子ちゃんのこと?」
鞠莉「ええ、千歌っち昨日の夜曜にけしかけたんでしょ?」
千歌「言い方、まあそうなんだけどさー」
鞠莉「大丈夫なの?」
千歌「うん、玉砕しても骨は拾ってあげるから大丈夫だとは言ったよ」
鞠莉「ちょっと」
143: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/04/17(日) 02:18:15.39 ID:bXKfdktb
千歌「んー、でも私そんなに心配してないんだよね」
鞠莉「え、どうして?」
千歌「まあなんていうか……梨子ちゃんってさ」
千歌「高校に入ってからはルビィちゃんの次くらいに振り回されてると思うんだよね」
千歌「まず二年生になったらいきなり転校でしょ?」
千歌「で、転校してきたら即行で私に捕まってしかもその勢いで入部させられて、成り行きでそのまま作曲を任せられるし」
鞠莉「自覚あったのね」
千歌「慣れてきたと思ったら家庭の事情暴露とか、そこからさらに部外者の乱入でドロドロだしで碌なものじゃないなあって」
鞠莉「え、どうして?」
千歌「まあなんていうか……梨子ちゃんってさ」
千歌「高校に入ってからはルビィちゃんの次くらいに振り回されてると思うんだよね」
千歌「まず二年生になったらいきなり転校でしょ?」
千歌「で、転校してきたら即行で私に捕まってしかもその勢いで入部させられて、成り行きでそのまま作曲を任せられるし」
鞠莉「自覚あったのね」
千歌「慣れてきたと思ったら家庭の事情暴露とか、そこからさらに部外者の乱入でドロドロだしで碌なものじゃないなあって」
144: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/04/17(日) 02:19:07.62 ID:bXKfdktb
鞠莉「確かに、進級したあとも生徒会長として私に引っ掻き回される日々を送っていたし」
千歌「自覚あったんだ」
鞠莉「そう考えると途端に忙しなく思えてくるわね」
千歌「こうして並べてみると気苦労の半分は私たちのせいな気がしますけども!」
鞠莉「あら本当!」
千歌・鞠莉「あはははははは!!」
千歌・鞠莉「…………」サーッ
千歌「自覚あったんだ」
鞠莉「そう考えると途端に忙しなく思えてくるわね」
千歌「こうして並べてみると気苦労の半分は私たちのせいな気がしますけども!」
鞠莉「あら本当!」
千歌・鞠莉「あはははははは!!」
千歌・鞠莉「…………」サーッ
145: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/04/17(日) 02:20:00.74 ID:bXKfdktb
千歌「……つ、つまりね鞠莉ちゃん」
千歌「そんな毎日だったから気が付かなかったってだけでさ」
千歌「本当は梨子ちゃんも、曜ちゃんと気持ちは一緒なんじゃないかなって思うんだよね」
千歌「多分意識してるかしてないか、それだけの違いな気がする」
千歌「それでもし、梨子ちゃんが意識し始めたら、あとは曜ちゃん次第」
千歌「だからきっと大丈夫だよ、だって───」
千歌「そんな毎日だったから気が付かなかったってだけでさ」
千歌「本当は梨子ちゃんも、曜ちゃんと気持ちは一緒なんじゃないかなって思うんだよね」
千歌「多分意識してるかしてないか、それだけの違いな気がする」
千歌「それでもし、梨子ちゃんが意識し始めたら、あとは曜ちゃん次第」
千歌「だからきっと大丈夫だよ、だって───」
146: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/04/17(日) 02:21:10.96 ID:bXKfdktb
ガチャ
梨子「……」
鞠莉「梨子、帰ってきたのね」
千歌「おかえりー」
梨子「うん」
千歌・鞠莉「……」メアワセ
鞠莉「何かあったの? 元気ないっていうか、顔赤いけど」
梨子「別に……なにも、ないですけど」
鞠莉「ふーん」
147: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/04/17(日) 02:21:56.43 ID:bXKfdktb
梨子「あの、鞠莉さん……私、今日はもう寝ますね」
鞠莉「オッケー」
梨子「……」スタスタ
千歌「曜ちゃん」
梨子「~~っ!!」
タタタ バタン!!
千歌「ね、言ったでしょ?」
鞠莉「……それにしたってあんなに変わる?」
千歌「変わるよ、だって……」
千歌「梨子ちゃんって私が今まで出会ってきた人の中で一番、女の子だからね」
鞠莉「オッケー」
梨子「……」スタスタ
千歌「曜ちゃん」
梨子「~~っ!!」
タタタ バタン!!
千歌「ね、言ったでしょ?」
鞠莉「……それにしたってあんなに変わる?」
千歌「変わるよ、だって……」
千歌「梨子ちゃんって私が今まで出会ってきた人の中で一番、女の子だからね」
148: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/04/17(日) 02:32:28.28 ID:bXKfdktb
ここまでです
150: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/04/17(日) 19:16:57.42 ID:bXKfdktb
翌日、12月24日
クリスマスライブ1日目
空港前
果南「うっわ凄い雪、足埋まってるじゃんほら」ザッザッ
ダイヤ「東京とはまるで別世界のように感じますわね」
果南「私たち北海道に行くのは初めてだしね、新体験って感じ」
聖良「二人ともおはようございます。ようこそ函館へ」
ダイヤ「おはようございます。すみませんわざわざ」
聖良「いえ、迷ってしまうといけませんから」
果南「今の聖良、ツアーガイドの人みたい」
聖良「ええ、時間があるなら色々案内しますよ」
聖良「その前に施設に行って荷物を置くのが先ですけど」
ダイヤ「はい、お願いしますわ」
151: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/04/17(日) 19:17:44.26 ID:bXKfdktb
スタスタ……
ダイヤ「ここは……広場ですか」
果南「……あ! 見てダイヤ! 雪像! 雪像がある!」
果南「なんか凄いやつ! 凄いやつがある!」
ダイヤ「語彙力どうしました」
果南「いやー私生で見るの初めてだよ! こんなにおっきいんだね雪像って!」
ダイヤ「しかし、雪像って2月あたりに雪まつりで展示されるものだと思っていたのですが」
聖良「ああ、これは多分趣味で作ったものだと思いますよ。今年は12月の段階で結構積もっていましたし」
果南「ねえほら見てあっちにも!」
ダイヤ「果南さん! そちらは施設とは逆の方向ですわ!!」
152: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/04/17(日) 19:18:12.24 ID:bXKfdktb
果南「おー、雪だるまもおっきいねー!!」
聖良「……」
ダイヤ「すみません、その……果南さんは、たまにああいう好奇心が芽生えることがありまして」
聖良「可愛いですね」
ダイヤ「え?」
聖良「いえっあの……雪像が! このフクロウとか! あとこっちのウサギとか!」
聖良「これは子供が作ったんですかね!? いいですよね!好きって気持ちが伝わってきて!」
ダイヤ「聖良さんも急にどうしましたか」
聖良「……」
ダイヤ「すみません、その……果南さんは、たまにああいう好奇心が芽生えることがありまして」
聖良「可愛いですね」
ダイヤ「え?」
聖良「いえっあの……雪像が! このフクロウとか! あとこっちのウサギとか!」
聖良「これは子供が作ったんですかね!? いいですよね!好きって気持ちが伝わってきて!」
ダイヤ「聖良さんも急にどうしましたか」
153: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/04/17(日) 19:18:57.47 ID:bXKfdktb
果南「そうだ! ねえ写真撮ろうよ記念に!」
果南「私雪だるまの隣に立つからさ! ダイヤはちょっと荷物持ってて!」
ダイヤ「いえその前にまず皆さんと合流を……」
聖良「もう少し寄ってもらっていいですか」スッ
果南「こう?」
聖良「あと何かポーズお願いします」
ダイヤ「聖良さん!?」
果南「私雪だるまの隣に立つからさ! ダイヤはちょっと荷物持ってて!」
ダイヤ「いえその前にまず皆さんと合流を……」
聖良「もう少し寄ってもらっていいですか」スッ
果南「こう?」
聖良「あと何かポーズお願いします」
ダイヤ「聖良さん!?」
154: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/04/17(日) 19:19:36.36 ID:bXKfdktb
果南「おー! いい感じに撮れたね」
聖良「果南さん、次は私と一緒に撮りませんか」
果南「いいよー」
ダイヤ「あの、二人ともそんなことをしている場合では」
聖良「ダイヤさんお願いします」
ダイヤ「あ、はい」
カシャッ
果南「前々から思ってたけど聖良って写真写りいいよね」
聖良「フフッ、ありがとうございます」
聖良(あとで待ち受けにしよう)
果南「ほらダイヤも! 次は全員で撮ろう!」
聖良「果南さん、次は私と一緒に撮りませんか」
果南「いいよー」
ダイヤ「あの、二人ともそんなことをしている場合では」
聖良「ダイヤさんお願いします」
ダイヤ「あ、はい」
カシャッ
果南「前々から思ってたけど聖良って写真写りいいよね」
聖良「フフッ、ありがとうございます」
聖良(あとで待ち受けにしよう)
果南「ほらダイヤも! 次は全員で撮ろう!」
155: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/04/17(日) 19:20:55.63 ID:bXKfdktb
ダイヤ「いえ私は」
聖良「すみません、カメラお願いしてもいいですか」
「大丈夫ですよ!」
聖良「ありがとうございます、さあダイヤさん」
果南「ほら早く早く!」
ダイヤ(深夜テンションならぬ雪国テンション……けどこういうのも)
ダイヤ「……仕方ありませんわね」クスッ
聖良「すみません、カメラお願いしてもいいですか」
「大丈夫ですよ!」
聖良「ありがとうございます、さあダイヤさん」
果南「ほら早く早く!」
ダイヤ(深夜テンションならぬ雪国テンション……けどこういうのも)
ダイヤ「……仕方ありませんわね」クスッ
156: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/04/17(日) 19:21:34.84 ID:bXKfdktb
─
理亞「姉様、少し遅い気がする」
ルビィ「うん、そろそろ来てもいいと思うんだけど」
ピロン
ルビィ・理亞「?」
曜「えっ何この写真、すごい満喫してるように見えるんですけど」
千歌「か、果南ちゃんがグループラインにわざわざ写真上げて私たちに見せびらかしに来てるー!」
理亞「姉様も……ふーーん」
ルビィ「お姉ちゃんまで……私たちここで待ってるの知ってるよね?」
鞠莉「へえ、私だけハブられですかそうですか。随分仲が宜しいことで」
157: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/04/17(日) 19:22:07.15 ID:bXKfdktb
ダイヤ・果南・聖良「───!!」ゾワッ
果南「な、なんか急に寒くなったような」
聖良「た、多分気のせいだと思いますけど」
ピロン
理亞:早く来て
ルビィ:何してるの
鞠莉:ジェラシー
「「「…………」」」
ダイヤ「到着したらまず謝りましょうか」
果南・聖良「はい」
果南「な、なんか急に寒くなったような」
聖良「た、多分気のせいだと思いますけど」
ピロン
理亞:早く来て
ルビィ:何してるの
鞠莉:ジェラシー
「「「…………」」」
ダイヤ「到着したらまず謝りましょうか」
果南・聖良「はい」
158: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/04/17(日) 19:22:45.06 ID:bXKfdktb
それから……
─会場
果南「ごめんって本当に、悪気はなかったんだって」
鞠莉「知ってるけど」
ダイヤ「別に鞠莉さんを無視しようとしていたわけではなくて……」
鞠莉「分かってますけど?」
聖良「あ、あの鞠莉さんそこまでにしておいた方が、もうすぐライブも始まりますし」
鞠莉「……」ムス
─会場
果南「ごめんって本当に、悪気はなかったんだって」
鞠莉「知ってるけど」
ダイヤ「別に鞠莉さんを無視しようとしていたわけではなくて……」
鞠莉「分かってますけど?」
聖良「あ、あの鞠莉さんそこまでにしておいた方が、もうすぐライブも始まりますし」
鞠莉「……」ムス
159: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/04/17(日) 19:23:14.49 ID:bXKfdktb
果南「そ、そうだ! 終わったら屋台に行こうよ4人でさ!ね!」
聖良「ああアレですね! あの……大門横丁!」
果南「そうそうそれ! そこで何か食べにいこう!」
ダイヤ「え、ええそうですわね! 食費は私たちが持ちますので!」
鞠莉「本当!? 私奢られる側に回っていいの!?」パッ
果南・ダイヤ「どうぞどうぞ!」
聖良「ああアレですね! あの……大門横丁!」
果南「そうそうそれ! そこで何か食べにいこう!」
ダイヤ「え、ええそうですわね! 食費は私たちが持ちますので!」
鞠莉「本当!? 私奢られる側に回っていいの!?」パッ
果南・ダイヤ「どうぞどうぞ!」
160: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/04/17(日) 19:23:55.46 ID:bXKfdktb
鞠莉「しょうがないわねー!! そういうことなら大目に見てあげマース!!」
聖良(……ちょろくないですかこの人)ヒソヒソ
果南(一度やってみたかったんでしょ友達と屋台巡りとか、基本忙しくてそんな暇ないし)
ダイヤ(千歌さん達との食事も、立場や金銭面的に鞠莉さんがいつも支払う側ですからね)
鞠莉「そこ! また私抜きできゃいきゃいしてる!! 言ったそばからこれ!? ねえ煽ってるの!!?」
ダイヤ・果南・聖良「すみません!!」
聖良(……ちょろくないですかこの人)ヒソヒソ
果南(一度やってみたかったんでしょ友達と屋台巡りとか、基本忙しくてそんな暇ないし)
ダイヤ(千歌さん達との食事も、立場や金銭面的に鞠莉さんがいつも支払う側ですからね)
鞠莉「そこ! また私抜きできゃいきゃいしてる!! 言ったそばからこれ!? ねえ煽ってるの!!?」
ダイヤ・果南・聖良「すみません!!」
161: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/04/17(日) 19:24:39.85 ID:bXKfdktb
ワーーー!
鞠莉「はあ、まあいいわもう時間っぽいし」
果南「ほっ……」
鞠莉「果南だけおごりの負担額2倍ね」
果南「ちょ」
ダイヤ(わざとらしく安堵なんてするから……)
162: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/04/17(日) 19:25:08.93 ID:bXKfdktb
聖良「あ、あー最初のグループはAqoursの皆さんでしたかー」
聖良「そういえば彼女たちがトップバッターを務めているのはあまり見かけないですよねー」
ダイヤ(棒読み…)
鞠莉「言われてみればそうね、でも今のAqoursの人気は相当なものだから、初めからドカンと盛り上げたいならこれ以上ないグループだと思うのよね」
鞠莉「開幕一発目って大事だし、ルビィたちもきっとそれを狙ったんじゃないかしら」
鞠莉「締めは理亞たちSaint Snowがいるから安心でしょうしね」
聖良「! そうですね」
聖良「そういえば彼女たちがトップバッターを務めているのはあまり見かけないですよねー」
ダイヤ(棒読み…)
鞠莉「言われてみればそうね、でも今のAqoursの人気は相当なものだから、初めからドカンと盛り上げたいならこれ以上ないグループだと思うのよね」
鞠莉「開幕一発目って大事だし、ルビィたちもきっとそれを狙ったんじゃないかしら」
鞠莉「締めは理亞たちSaint Snowがいるから安心でしょうしね」
聖良「! そうですね」
163: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/04/17(日) 19:25:51.34 ID:bXKfdktb
キャーキャー!!
果南「それにしても本当すごい人気だよねー、ある程度は分かってたことだけど」
果南「実際会場で目の当たりにすると熱気が違うっていうか」
果南「なんか……本当に去年のあのスクールアイドルと同じなの? って思っちゃうよ」
鞠莉「まるで他人事みたいに言うわね」
ダイヤ「果南さんの気持ちは分かりますけどね、私もまるで別物のように感じますし」
果南「だよね」
鞠莉「……ふーん、そう」
164: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/04/17(日) 19:26:21.51 ID:bXKfdktb
果南「え、なに」
鞠莉「別に、あなた達がそんな風に考えてるんだったら他の人達は余計そう思ってるんでしょうねって話」
果南・ダイヤ「?」
聖良「……」
鞠莉「しかしここまでどんぴしゃりだと、流石に私もルビィが怖くなってくるわ」
聖良「でもそれは、鞠莉さんも勘付いていたことじゃないんですか?」
鞠莉「それはそうなんだけど」
ダイヤ「あの、二人とも一体何のことを言っているのですか?」
果南「私たちにはさっぱり分からないんだけど」
鞠莉「別に、あなた達がそんな風に考えてるんだったら他の人達は余計そう思ってるんでしょうねって話」
果南・ダイヤ「?」
聖良「……」
鞠莉「しかしここまでどんぴしゃりだと、流石に私もルビィが怖くなってくるわ」
聖良「でもそれは、鞠莉さんも勘付いていたことじゃないんですか?」
鞠莉「それはそうなんだけど」
ダイヤ「あの、二人とも一体何のことを言っているのですか?」
果南「私たちにはさっぱり分からないんだけど」
165: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/04/17(日) 19:26:59.11 ID:bXKfdktb
鞠莉「二人のほうこそ少し卒業ボケしすぎなんじゃないの? 新しいカレッジライフに無我夢中ってやつかしら?」
ダイヤ・果南「」ムッ
鞠莉「果南、ダイヤ、あなた達ここに来た意味ちゃんと分かってる? 思い出作りのためとかじゃないのよ」
ダイヤ「ですからそれは」
果南「ルビィちゃんや理亞ちゃんがダイヤや聖良ともう一度大舞台でライブしたいからとかじゃないの?」
鞠莉「だったら果南いらないでしょ」
果南「すごいハッキリ言うね!!?」
ダイヤ・果南「」ムッ
鞠莉「果南、ダイヤ、あなた達ここに来た意味ちゃんと分かってる? 思い出作りのためとかじゃないのよ」
ダイヤ「ですからそれは」
果南「ルビィちゃんや理亞ちゃんがダイヤや聖良ともう一度大舞台でライブしたいからとかじゃないの?」
鞠莉「だったら果南いらないでしょ」
果南「すごいハッキリ言うね!!?」
166: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/04/17(日) 19:27:35.54 ID:bXKfdktb
鞠莉「確かに果南の言う通り、ルビィたちも最初はそのつもりだったのかもしれないけど」
鞠莉「少なくとも今は違う、じゃあ一体何が理由なのかって聞かれればそれは」
鞠莉「Aqoursは6人じゃなくて9人で1つのスクールアイドルなんだってことを皆に知ってもらいたいからよ」
ダイヤ・果南「!!」
鞠莉「そうじゃなかったら、わざわざここまで呼んだりしないわ」
鞠莉「少なくとも今は違う、じゃあ一体何が理由なのかって聞かれればそれは」
鞠莉「Aqoursは6人じゃなくて9人で1つのスクールアイドルなんだってことを皆に知ってもらいたいからよ」
ダイヤ・果南「!!」
鞠莉「そうじゃなかったら、わざわざここまで呼んだりしないわ」
167: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/04/17(日) 19:28:09.60 ID:bXKfdktb
果南「ど……」
鞠莉「どういうことも何もないわよ、さっき自分たちで言ってたでしょ別物だって」
鞠莉「要は今そういう風に思ったり、思われてることが問題なの」
鞠莉「ミーハー層はともかく、深くハマっているファンはもうとっくに気付いてるはず」
鞠莉「今のAqoursは去年の3年生が抜けてからずっと調子を上げていて、言うなればそこからが彼女たちの転換期になっているんだっていうことに」
鞠莉「それと私たちが前に3人で活動していて、その後休止していた事実もね」
ダイヤ・果南「……」
鞠莉「だから……ここは敢えて口汚く罵らせてもらうけど」
鞠莉「それはつまり旧3年生が厄介で、邪魔者で、ただ足を引っ張ってただけの存在だったって主張してるようなものでしょ」
鞠莉「どういうことも何もないわよ、さっき自分たちで言ってたでしょ別物だって」
鞠莉「要は今そういう風に思ったり、思われてることが問題なの」
鞠莉「ミーハー層はともかく、深くハマっているファンはもうとっくに気付いてるはず」
鞠莉「今のAqoursは去年の3年生が抜けてからずっと調子を上げていて、言うなればそこからが彼女たちの転換期になっているんだっていうことに」
鞠莉「それと私たちが前に3人で活動していて、その後休止していた事実もね」
ダイヤ・果南「……」
鞠莉「だから……ここは敢えて口汚く罵らせてもらうけど」
鞠莉「それはつまり旧3年生が厄介で、邪魔者で、ただ足を引っ張ってただけの存在だったって主張してるようなものでしょ」
168: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/04/17(日) 19:29:02.72 ID:bXKfdktb
鞠莉「そしてそのイメージは、これからどんどん広まっていくかもしれない」
鞠莉「Aqoursの経歴に興味を持ったファンが、そういう解釈をしないとも限らない」
鞠莉「だって私たちは何もやってないし、出来てもいなかったんだから当たり前よね」
鞠莉「他所から見ていい先輩だなと思われる要素が、あまりにも少なすぎる」
ダイヤ「でもそれは「仕方ないとか言わないでよ」
ダイヤ「!」
鞠莉「ルビィは、千歌っちたちは、そのイメージを覆したくてここに来てるんだから」
鞠莉「Aqoursの経歴に興味を持ったファンが、そういう解釈をしないとも限らない」
鞠莉「だって私たちは何もやってないし、出来てもいなかったんだから当たり前よね」
鞠莉「他所から見ていい先輩だなと思われる要素が、あまりにも少なすぎる」
ダイヤ「でもそれは「仕方ないとか言わないでよ」
ダイヤ「!」
鞠莉「ルビィは、千歌っちたちは、そのイメージを覆したくてここに来てるんだから」
169: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/04/17(日) 19:29:45.15 ID:bXKfdktb
鞠莉「それを分かっていても私たちのことを悪く言われたくないから頑張ってるのよ」
鞠莉「だからこの企画を立ち上げたときに私たち全員でライブをやろうってあの子は決めた、理亞がそれを承諾したのも」
鞠莉「私たちと一緒なら絶対最高のライブに出来るはずだって信じてくれてるからよ」
鞠莉「そんなの他人事なわけがない」
果南「……」
鞠莉「そしてもし、後輩や妹にここまで尽くしてもらっても尚」
鞠莉「それでも仕方ないと言って甘んじてその評価を受け入れるあなた達なら、私は絶交する」
鞠莉「物分かりの良さと諦めの悪さは別物でしょ」
鞠莉「自分たちだけで完結して済ませようとしないで」
ダイヤ「……」
鞠莉「だからこの企画を立ち上げたときに私たち全員でライブをやろうってあの子は決めた、理亞がそれを承諾したのも」
鞠莉「私たちと一緒なら絶対最高のライブに出来るはずだって信じてくれてるからよ」
鞠莉「そんなの他人事なわけがない」
果南「……」
鞠莉「そしてもし、後輩や妹にここまで尽くしてもらっても尚」
鞠莉「それでも仕方ないと言って甘んじてその評価を受け入れるあなた達なら、私は絶交する」
鞠莉「物分かりの良さと諦めの悪さは別物でしょ」
鞠莉「自分たちだけで完結して済ませようとしないで」
ダイヤ「……」
170: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/04/17(日) 19:30:17.39 ID:bXKfdktb
聖良「鞠莉さんそろそろ」
鞠莉「そうね」
鞠莉「…………」フゥーッ
鞠莉「ごめんなさい説教するつもりはなかったの、つい感情的になりすぎたわ」
鞠莉「あの子たちを見てるとどうしてもね、言わずにはいられなくて」
鞠莉「そうね」
鞠莉「…………」フゥーッ
鞠莉「ごめんなさい説教するつもりはなかったの、つい感情的になりすぎたわ」
鞠莉「あの子たちを見てるとどうしてもね、言わずにはいられなくて」
171: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/04/17(日) 19:30:48.77 ID:bXKfdktb
果南「……いや、寧ろ言われなくちゃ駄目だったと思う。ごめん」
ダイヤ「ええ、おかげで気を引き締められましたわ。ありがとうございます」
鞠莉「……そう」クスッ
鞠莉「私たちは何もやってない、でもそれは過去の話!」
鞠莉「やるわよ! 明日!」
果南「うん!」
ダイヤ「はい!」
ダイヤ「ええ、おかげで気を引き締められましたわ。ありがとうございます」
鞠莉「……そう」クスッ
鞠莉「私たちは何もやってない、でもそれは過去の話!」
鞠莉「やるわよ! 明日!」
果南「うん!」
ダイヤ「はい!」
172: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/04/17(日) 19:31:29.55 ID:bXKfdktb
「「「ありがとうございました!!」」」
パチパチパチパチ!!!
果南「あっ! ていうか話しているうちにもうAqoursのライブ終わちゃったじゃん! もったいない!」
ダイヤ「せめて皆さんに労いにでも行きますか?」
果南「そうしよっか……はあ、見たかったなー」
ダイヤ「帰ったらアーカイブですわね」
スタスタ……
果南「……なんかさ」
ダイヤ「はい」
果南「鞠莉って私たちが思ってる以上に千歌たちのこと好きだよね」
ダイヤ「ええ、でも鞠莉さんは恐らくそうは思っていないでしょうけど」
果南「あははっ、そうかもね」
173: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/04/17(日) 19:32:52.78 ID:bXKfdktb
聖良「……」
鞠莉「どうしたの聖良」
聖良「いえ、やっぱりそちらのほうが付き合いは長いんだなって」
鞠莉「もしかしてジェラった?」
聖良「ジェラってますね」
鞠莉「なら私の勝ちね!」
聖良「勝敗あったんですか」
鞠莉「張り合いがあるもの」
鞠莉「どうしたの聖良」
聖良「いえ、やっぱりそちらのほうが付き合いは長いんだなって」
鞠莉「もしかしてジェラった?」
聖良「ジェラってますね」
鞠莉「なら私の勝ちね!」
聖良「勝敗あったんですか」
鞠莉「張り合いがあるもの」
174: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/04/17(日) 19:33:27.80 ID:bXKfdktb
聖良「私は、鞠莉さんとは張り合うよりも仲良くなりたいですね」
鞠莉「……っ……不意打ち」
聖良「鞠莉さん?」
鞠莉「聖良、あなた今回は奢り免除でいいわよ。二人で思いっきり贅沢しましょ」
聖良「それは、いいんでしょうか?」
鞠莉「たまにはいいのよ、その代わりといってはなんだけど聖良には聞きたいこと山ほどあるから♪」スッ
聖良「なっ……! それいつの間に……!」
「鞠莉ー聖良ー、早く来なよーっ」
鞠莉「じゃあまた後でね、待ち受け乙女さん」ポン
タッタッタ……
聖良「……もう、あなたの一人勝ちでいいです……」
鞠莉「……っ……不意打ち」
聖良「鞠莉さん?」
鞠莉「聖良、あなた今回は奢り免除でいいわよ。二人で思いっきり贅沢しましょ」
聖良「それは、いいんでしょうか?」
鞠莉「たまにはいいのよ、その代わりといってはなんだけど聖良には聞きたいこと山ほどあるから♪」スッ
聖良「なっ……! それいつの間に……!」
「鞠莉ー聖良ー、早く来なよーっ」
鞠莉「じゃあまた後でね、待ち受け乙女さん」ポン
タッタッタ……
聖良「……もう、あなたの一人勝ちでいいです……」
175: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/04/17(日) 19:34:00.48 ID:bXKfdktb
─
その夜
善子「お待たせ」
ルビィ「うん、遅かったね」
善子「あのねえ……はいココア。寒いとか言いそうだから」
ルビィ「ありがとう。作曲のほうはもういいの?」
善子「今日は早めに切り上げた、みんなも色々やりたいことあるだろうし」
ルビィ「そっか」
その夜
善子「お待たせ」
ルビィ「うん、遅かったね」
善子「あのねえ……はいココア。寒いとか言いそうだから」
ルビィ「ありがとう。作曲のほうはもういいの?」
善子「今日は早めに切り上げた、みんなも色々やりたいことあるだろうし」
ルビィ「そっか」
176: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/04/17(日) 19:34:34.71 ID:bXKfdktb
ホォーッ
ルビィ「息、白いねぇ」エヘヘ
善子「それはまあ、そうでしょ」
ルビィ「知ってる? 今の時期の函館って冬フェスティバルっていうのやってるんだって。理亞ちゃんから聞いた」
善子「ああ、だから色んなところでイベントやってるのね」
ルビィ「今年は私たちのクリスマスライブもそのうちの一つに入ってるんだよ」
ルビィ「なんか特別って感じがするよね」
ルビィ「息、白いねぇ」エヘヘ
善子「それはまあ、そうでしょ」
ルビィ「知ってる? 今の時期の函館って冬フェスティバルっていうのやってるんだって。理亞ちゃんから聞いた」
善子「ああ、だから色んなところでイベントやってるのね」
ルビィ「今年は私たちのクリスマスライブもそのうちの一つに入ってるんだよ」
ルビィ「なんか特別って感じがするよね」
177: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/04/17(日) 19:35:17.03 ID:bXKfdktb
善子「特別……ねえ」ホォ
善子「まあそうなんだろうけど」
ルビィ「なに?」
善子「いや、別に。私にとってはこっちの時間のほうが特別だってだけ」
善子「こうして二人だけになるの、久々な気がするし」
ルビィ「だねぇ。最近は花丸ちゃんと三人ずっと一緒だったし引き継ぎのこともあったから」
善子「だからといってルビィがそう思ってるかは知らないけど」フイ
ルビィ「あーまたそういうこと言う」
ルビィ「私だってちゃんと思ってるのに」
善子「本当に?」
善子「まあそうなんだろうけど」
ルビィ「なに?」
善子「いや、別に。私にとってはこっちの時間のほうが特別だってだけ」
善子「こうして二人だけになるの、久々な気がするし」
ルビィ「だねぇ。最近は花丸ちゃんと三人ずっと一緒だったし引き継ぎのこともあったから」
善子「だからといってルビィがそう思ってるかは知らないけど」フイ
ルビィ「あーまたそういうこと言う」
ルビィ「私だってちゃんと思ってるのに」
善子「本当に?」
178: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/04/17(日) 19:35:44.12 ID:bXKfdktb
ルビィ「本当だよ」
善子「その割には前より引っ付いてこなくなったじゃない」
善子「最近は理亞の話ばっかりだし」
ルビィ「え、善子ちゃんもしかしてヤキモチ?」
善子「いや違うけど、全然そんなことないけど」
善子「気にする意味ないし? ただ普通になんか増えたなくらいにしか思ってないけど」
善子「でもそのなに、私がいる前でその子の名前出すのどうなのとかは……まああるってだけで」
善子「その割には前より引っ付いてこなくなったじゃない」
善子「最近は理亞の話ばっかりだし」
ルビィ「え、善子ちゃんもしかしてヤキモチ?」
善子「いや違うけど、全然そんなことないけど」
善子「気にする意味ないし? ただ普通になんか増えたなくらいにしか思ってないけど」
善子「でもそのなに、私がいる前でその子の名前出すのどうなのとかは……まああるってだけで」
179: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/04/17(日) 19:36:30.93 ID:bXKfdktb
ルビィ「ふーん、ねえ善子ちゃん」
善子「なによ」
ルビィ「面倒くさい女の子になったねぇ」アハハ
善子「あんたにだけは言われたくないわよ!」
ルビィ「じゃあ面倒くさい者どうしだ、お揃い」
善子「性格だけ揃ってもね」
ルビィ「じゃあ見た目も揃えようよ、赤レンガ倉庫って外から見てもこんなに綺麗なのに中でお買い物も出来るんだって」
ルビィ「善子ちゃんも寒くなってきたでしょ、入って温まろう?」
善子「なによ」
ルビィ「面倒くさい女の子になったねぇ」アハハ
善子「あんたにだけは言われたくないわよ!」
ルビィ「じゃあ面倒くさい者どうしだ、お揃い」
善子「性格だけ揃ってもね」
ルビィ「じゃあ見た目も揃えようよ、赤レンガ倉庫って外から見てもこんなに綺麗なのに中でお買い物も出来るんだって」
ルビィ「善子ちゃんも寒くなってきたでしょ、入って温まろう?」
180: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/04/17(日) 19:37:03.81 ID:bXKfdktb
善子「……どうせだったら他と被らないものがいいわね、あとお土産にも寄りたい」
ルビィ「善子ちゃんわがままだね」
善子「うっさい、早く行くわよほら手出して、温めてあげるから」
ルビィ「はーい」
善子「ニヤニヤしない」
ルビィ「はーい」
ルビィ「善子ちゃんわがままだね」
善子「うっさい、早く行くわよほら手出して、温めてあげるから」
ルビィ「はーい」
善子「ニヤニヤしない」
ルビィ「はーい」
181: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/04/17(日) 19:37:57.21 ID:bXKfdktb
花丸「わあ、本当に色々あるんだねえ……」
理亞「……ねえ花丸」
花丸「なに理亞ちゃん?」
理亞「あっちにいるのって多分ルビィたちだと思うんだけど、行かなくていいの」
花丸「ああうん、無視していいよ」
理亞「無視!?」
花丸「邪魔しちゃ悪いからね」
理亞「あなたがそう言うなら、いいけど」
理亞「……ねえ花丸」
花丸「なに理亞ちゃん?」
理亞「あっちにいるのって多分ルビィたちだと思うんだけど、行かなくていいの」
花丸「ああうん、無視していいよ」
理亞「無視!?」
花丸「邪魔しちゃ悪いからね」
理亞「あなたがそう言うなら、いいけど」
182: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/04/17(日) 19:38:35.51 ID:bXKfdktb
花丸「こういうとき独り身は辛いよねえ」
理亞「私は違う! あなたの買い物に付き合ってるだけ!」
花丸「そうだね、ありがとう理亞ちゃん」
理亞「……ずいぶん熱心に見てるけど、それ誰かにでも贈るの」
花丸「うん、ちょっとね。好きな人がいるんだ」
理亞「……あっそ」
花丸「どうかしたの?」
理亞「クリスマスのこういう雰囲気、あまり慣れないから」
理亞「その、恋人とか、好きな人がどうとか」
花丸「そっか、やっぱり独り身は辛いよねえ」
理亞「だから違うって言ってる!」
理亞「私は違う! あなたの買い物に付き合ってるだけ!」
花丸「そうだね、ありがとう理亞ちゃん」
理亞「……ずいぶん熱心に見てるけど、それ誰かにでも贈るの」
花丸「うん、ちょっとね。好きな人がいるんだ」
理亞「……あっそ」
花丸「どうかしたの?」
理亞「クリスマスのこういう雰囲気、あまり慣れないから」
理亞「その、恋人とか、好きな人がどうとか」
花丸「そっか、やっぱり独り身は辛いよねえ」
理亞「だから違うって言ってる!」
183: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/04/17(日) 19:39:04.60 ID:bXKfdktb
花丸「あはは、ごめんなさいずら」
理亞「次それ言ったら本気で怒るから」
花丸「肝に銘じておくずら」
花丸「でも、いたらいたで結構困ることもあるんだよね」
理亞「はあ?」
花丸「何を渡したらいいんだろうとか、どんなものなら喜んでくれるのかなとか」カサッ
花丸「考えすぎてこんがらがっちゃうこともあるから」
理亞「次それ言ったら本気で怒るから」
花丸「肝に銘じておくずら」
花丸「でも、いたらいたで結構困ることもあるんだよね」
理亞「はあ?」
花丸「何を渡したらいいんだろうとか、どんなものなら喜んでくれるのかなとか」カサッ
花丸「考えすぎてこんがらがっちゃうこともあるから」
184: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/04/17(日) 19:39:51.65 ID:bXKfdktb
花丸「特に、誰かを好きになって間もないころは」
理亞「そういうものなの?」
花丸「いやマルは違うけど」
理亞「何なのあなた」
花丸「他はそうかもってだけずら」
花丸(曜ちゃんと梨子ちゃん、今頃どうしてるかなあ)
理亞「そういうものなの?」
花丸「いやマルは違うけど」
理亞「何なのあなた」
花丸「他はそうかもってだけずら」
花丸(曜ちゃんと梨子ちゃん、今頃どうしてるかなあ)
185: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/04/17(日) 19:40:27.98 ID:bXKfdktb
─
五稜郭タワー展望2階
曜「うわーギリギリ間に合った!」
曜「梨子ちゃんほら早く、こっちこっち」テマネキ
梨子「ちょ、ちょっと待って。もう少し……」
曜「ほら、あそこ」
梨子「! ……すごい……きれい」
曜「五稜星の夢っていって毎年冬の時期になるとこうしてライトアップされるんだって」
曜「まあ人から聞いた受け売りの知識なんだけどさ」アハハ
五稜郭タワー展望2階
曜「うわーギリギリ間に合った!」
曜「梨子ちゃんほら早く、こっちこっち」テマネキ
梨子「ちょ、ちょっと待って。もう少し……」
曜「ほら、あそこ」
梨子「! ……すごい……きれい」
曜「五稜星の夢っていって毎年冬の時期になるとこうしてライトアップされるんだって」
曜「まあ人から聞いた受け売りの知識なんだけどさ」アハハ
186: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/04/17(日) 19:41:20.72 ID:bXKfdktb
梨子「これを……私と一緒に?」
曜「うん。綺麗な場所なら他にも函館山とかたくさんあるけどさ」
曜「私はこの景色を、どうしても梨子ちゃんと一緒に見たかったんだ」ピトッ
梨子「っ」
曜「星の輝きっていうのが、なんか……いいなあって」
梨子「そう、だね」
曜「それに五稜郭ってさ……」
「間もなく閉館のお時間となります、館内にいるお客様は……」
曜「あれ、もうそんな時間? もっと早く来れば良かったなあ」
曜「もう少しいたかったんだけどしょうがないか、行こう梨子ちゃん」スッ
曜「次は間近で見ようよ」
梨子「……うん」ギュッ
曜「うん。綺麗な場所なら他にも函館山とかたくさんあるけどさ」
曜「私はこの景色を、どうしても梨子ちゃんと一緒に見たかったんだ」ピトッ
梨子「っ」
曜「星の輝きっていうのが、なんか……いいなあって」
梨子「そう、だね」
曜「それに五稜郭ってさ……」
「間もなく閉館のお時間となります、館内にいるお客様は……」
曜「あれ、もうそんな時間? もっと早く来れば良かったなあ」
曜「もう少しいたかったんだけどしょうがないか、行こう梨子ちゃん」スッ
曜「次は間近で見ようよ」
梨子「……うん」ギュッ
187: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/04/17(日) 19:42:08.13 ID:bXKfdktb
五稜郭公園
曜「へえ~下に降りるとこんな感じなんだ、正面から見ても綺麗だね」
梨子「うん」
梨子「……」ホォ
曜「私、夜の公園でこんなに明るい道を歩くのって初めてかもしれないなあ」ザッザッ
梨子「……」
曜「でもちゃんと夜って感じがしてさ、自然となんかこう、入り込めるみたいな」
曜「そんな雰囲気があるよね、私は好きだなーこの場所」
梨子「……」
曜「え、えーっと……梨子ちゃん?」
188: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/04/17(日) 19:42:38.03 ID:bXKfdktb
梨子「……なに?」
曜「いや、あの……返事がないからどうしたのかなと」
曜「もしかして、嫌……だったとか?」
梨子「ううんそうじゃないよ、そうじゃないけど」
曜「けど?」
梨子「……曜ちゃんは何でそんな平気でいられるの」
曜「え?」
曜「いや、あの……返事がないからどうしたのかなと」
曜「もしかして、嫌……だったとか?」
梨子「ううんそうじゃないよ、そうじゃないけど」
曜「けど?」
梨子「……曜ちゃんは何でそんな平気でいられるの」
曜「え?」
189: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/04/17(日) 19:43:19.35 ID:bXKfdktb
梨子「クリスマスの夜に、二人っきりで誘われたら……流石に私でも、分かるよ」
梨子「それが、どういう意味かってことくらいは」
曜「!」
梨子「昨日曜ちゃんに言われた時からね、私ずっとそのことで緊張してるんだよ?」
梨子「だから、今日だって……どう話したらいいのかなとかどんな顔すればいいんだろうとかたくさん考えたけど」
梨子「それも、だんだん分からなくなってくるし」
梨子「心臓の音だって、さっき手を繋いでから今でも、曜ちゃんに聞かれるんじゃないのかなってくらいうるさいのに」
梨子「なんで曜ちゃんは、そんなに普通にしていられるの」
曜「……」
梨子「それとも、私が勝手に思い上がっているだけ……なのかな」
梨子「それが、どういう意味かってことくらいは」
曜「!」
梨子「昨日曜ちゃんに言われた時からね、私ずっとそのことで緊張してるんだよ?」
梨子「だから、今日だって……どう話したらいいのかなとかどんな顔すればいいんだろうとかたくさん考えたけど」
梨子「それも、だんだん分からなくなってくるし」
梨子「心臓の音だって、さっき手を繋いでから今でも、曜ちゃんに聞かれるんじゃないのかなってくらいうるさいのに」
梨子「なんで曜ちゃんは、そんなに普通にしていられるの」
曜「……」
梨子「それとも、私が勝手に思い上がっているだけ……なのかな」
190: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/04/17(日) 19:44:09.81 ID:bXKfdktb
曜「……違うよ、そうじゃない」
曜「思い上がりなんかじゃないよ私だって……えっと、そのつもりで……」
梨子「じゃあ、どうして?」
曜「その、なんて言えばいいんだろう……私はただ」
曜「いつもと同じような感じでこの時間を過ごしたいなって、思っただけなんだ」
曜「特別なんだけどそうじゃないっていうか……でも普通とも違うって、あーもう何言ってるんだ私!」
曜(駄目だ、梨子ちゃんに言われた途端急に恥ずかしくなってきた……!)
曜「だから、つまり……それは……あの、あれなんだよ」
梨子「……」
曜「ああ……なんでこういうときに限ってすらすら出てこないかなあ……っ」
曜「思い上がりなんかじゃないよ私だって……えっと、そのつもりで……」
梨子「じゃあ、どうして?」
曜「その、なんて言えばいいんだろう……私はただ」
曜「いつもと同じような感じでこの時間を過ごしたいなって、思っただけなんだ」
曜「特別なんだけどそうじゃないっていうか……でも普通とも違うって、あーもう何言ってるんだ私!」
曜(駄目だ、梨子ちゃんに言われた途端急に恥ずかしくなってきた……!)
曜「だから、つまり……それは……あの、あれなんだよ」
梨子「……」
曜「ああ……なんでこういうときに限ってすらすら出てこないかなあ……っ」
191: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/04/17(日) 19:44:51.77 ID:bXKfdktb
梨子「……ふふっ」
曜「り、梨子ちゃん?」
梨子「ごめんね、でもいきなりあたふたし始めたから面白くって……」クスクス
曜「なっ……い、一応こっちは真剣なんですけど!?」
梨子「ふふっそうだよねごめんなさい、でも……ちょっと安心したかも」
梨子「緊張してるのは私だけじゃなかったんだなって」
曜「……いや寧ろ、私のほうが緊張してるんだけどね」
梨子「さっきまでは全然そんな感じしなかったけど?」
曜「ま、まあ……はい」
梨子「焦らなくてもいいよ、ゆっくり考えて」
梨子「ちゃんと待つから」
曜「うん」
曜「り、梨子ちゃん?」
梨子「ごめんね、でもいきなりあたふたし始めたから面白くって……」クスクス
曜「なっ……い、一応こっちは真剣なんですけど!?」
梨子「ふふっそうだよねごめんなさい、でも……ちょっと安心したかも」
梨子「緊張してるのは私だけじゃなかったんだなって」
曜「……いや寧ろ、私のほうが緊張してるんだけどね」
梨子「さっきまでは全然そんな感じしなかったけど?」
曜「ま、まあ……はい」
梨子「焦らなくてもいいよ、ゆっくり考えて」
梨子「ちゃんと待つから」
曜「うん」
192: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/04/17(日) 19:45:30.14 ID:bXKfdktb
曜「…………」ハァーッ
曜「私ね」
曜「たった一つの特別な思い出みたいな、そんな感じになってほしくなかったんだ」
曜「今梨子ちゃんと一緒にいるこの時間を、これっきりで終わらせたくなくて」
曜「これからも、こんな風に梨子ちゃんと過ごす一日をずっと続けていきたいなって、そう思ったの」
曜「卒業しても、大人になっても」
曜「私たちが変わらないまま繰り返している"いつも"みたいな感じで」
曜「梨子ちゃんの傍に、私はいたいから」
梨子「!」
曜「そして、そうやって積み重ねていった時間全部ひっくるめて、私の特別なものにしたい、大切な思い出にしたいって」
曜「そう、思ったんだ」
曜「私ね」
曜「たった一つの特別な思い出みたいな、そんな感じになってほしくなかったんだ」
曜「今梨子ちゃんと一緒にいるこの時間を、これっきりで終わらせたくなくて」
曜「これからも、こんな風に梨子ちゃんと過ごす一日をずっと続けていきたいなって、そう思ったの」
曜「卒業しても、大人になっても」
曜「私たちが変わらないまま繰り返している"いつも"みたいな感じで」
曜「梨子ちゃんの傍に、私はいたいから」
梨子「!」
曜「そして、そうやって積み重ねていった時間全部ひっくるめて、私の特別なものにしたい、大切な思い出にしたいって」
曜「そう、思ったんだ」
193: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/04/17(日) 19:46:02.11 ID:bXKfdktb
梨子「そっか」
曜「それは、たとえばアルバムと額縁に飾る写真の違いみたいな…………いや、もうそういうのいいか」
曜「大事なのはそこじゃないもんね」
曜「長くなってごめん、今からはっきり言うよ」
曜「だから、聞いてくれる?」
梨子「はい」
曜「それは、たとえばアルバムと額縁に飾る写真の違いみたいな…………いや、もうそういうのいいか」
曜「大事なのはそこじゃないもんね」
曜「長くなってごめん、今からはっきり言うよ」
曜「だから、聞いてくれる?」
梨子「はい」
194: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/04/17(日) 19:46:39.52 ID:bXKfdktb
曜「…………」スゥーハァー
曜「梨子ちゃん、私は……あなたのことが好きです」
曜「私と、ずっと一緒にいてください!」
曜「ずっと! 私の傍に私の隣に! いてください!」
梨子「…………」
曜「……はぁ……はぁ……」
195: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/04/17(日) 19:47:17.47 ID:bXKfdktb
梨子「…………絶対」
曜「……え?」
梨子「絶対、幸せにしてくれる?」
曜「─!」
それでね、もし梨子ちゃんがこの先も上手くいかなくて、幸せになれなかったら
そのときは私が梨子ちゃんを幸せにする。約束するよ
梨子「あのときの約束、忘れてないよね」
曜「忘れたことなんてないよ」
曜「今でもずっと、覚えてる」
梨子「フフッ、そっか」
梨子「ありがとう曜ちゃん、すごく嬉しい」
曜「……え?」
梨子「絶対、幸せにしてくれる?」
曜「─!」
それでね、もし梨子ちゃんがこの先も上手くいかなくて、幸せになれなかったら
そのときは私が梨子ちゃんを幸せにする。約束するよ
梨子「あのときの約束、忘れてないよね」
曜「忘れたことなんてないよ」
曜「今でもずっと、覚えてる」
梨子「フフッ、そっか」
梨子「ありがとう曜ちゃん、すごく嬉しい」
196: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/04/17(日) 19:47:45.62 ID:bXKfdktb
ギュッ
曜「梨子、ちゃん?」
梨子「……」ハァ
梨子「私、曜ちゃんに会えて本当に良かったなあ」
梨子「だって今、こんなに幸せなんだから」
曜「!! それって」
梨子「……うん」
梨子「喜んで」ニコ
197: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/04/17(日) 19:48:18.54 ID:bXKfdktb
曜「は……はは」ペタリ
梨子「ちょっと曜ちゃん!? 大丈夫!?」
曜「ご、ごめん、なんか返事聞けたら気が抜けちゃって……」
梨子「もう……立てる? 寒くない?」スッ
曜「うん、平気……くしゅんっ!」
梨子「ほら強がらないの」
曜「強がってないってば、たまたま鼻が……くしゅんっ!」
梨子「待っててマフラーあるから」ゴソゴソ
梨子「ちょっと曜ちゃん!? 大丈夫!?」
曜「ご、ごめん、なんか返事聞けたら気が抜けちゃって……」
梨子「もう……立てる? 寒くない?」スッ
曜「うん、平気……くしゅんっ!」
梨子「ほら強がらないの」
曜「強がってないってば、たまたま鼻が……くしゅんっ!」
梨子「待っててマフラーあるから」ゴソゴソ
198: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/04/17(日) 19:48:54.57 ID:bXKfdktb
曜「マフラー?」
梨子「先に買っておいたの、曜ちゃん意外と寒がりだから」
曜「あ、ありがとう、でもこれ少し長くないかな?」
梨子「そんなことないよ、だって」フワッ
梨子「二人で巻けば、丁度いいでしょ……?」
曜「え、ええっ!?」
梨子「どう、暖かい?」
梨子「先に買っておいたの、曜ちゃん意外と寒がりだから」
曜「あ、ありがとう、でもこれ少し長くないかな?」
梨子「そんなことないよ、だって」フワッ
梨子「二人で巻けば、丁度いいでしょ……?」
曜「え、ええっ!?」
梨子「どう、暖かい?」
199: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/04/17(日) 19:49:31.84 ID:bXKfdktb
曜「あ、暖かいけどえっと、ていうか元々二人巻き用なの? え、だってさっき梨子ちゃんこれ先に買っておいたって……え?」
曜「それってつまり、あの「曜ちゃん」
梨子「曜ちゃんが寒がりだから買った、今はそれでいいの」フイッ
曜「! は、はい……」
梨子(ど、どうしよう……今ので絶対バレちゃったよね……?)
曜(ま、まずい…嬉しいけど、恥ずかしすぎて顔見れない……というか梨子ちゃんってこんなに積極的だったっけ?)
曜・梨子「…………」
曜「それってつまり、あの「曜ちゃん」
梨子「曜ちゃんが寒がりだから買った、今はそれでいいの」フイッ
曜「! は、はい……」
梨子(ど、どうしよう……今ので絶対バレちゃったよね……?)
曜(ま、まずい…嬉しいけど、恥ずかしすぎて顔見れない……というか梨子ちゃんってこんなに積極的だったっけ?)
曜・梨子「…………」
200: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/04/17(日) 19:50:07.81 ID:bXKfdktb
曜・梨子「あ、あの」
梨子「……いいよ、先に言って」
曜「いや梨子ちゃんから」
梨子「そういえば、あのとき曜ちゃん何を言おうとしてたんだろうって」
曜「あのときって?」
梨子「五稜郭の話をしてたとき」
曜「ああ、あれはね……」
曜「五稜郭って桜が咲いてるときも綺麗なんだ、だからなんていうか」
曜「春もまた一緒に見に行けたらなって」
梨子「そっか……そうだね」
梨子「……いいよ、先に言って」
曜「いや梨子ちゃんから」
梨子「そういえば、あのとき曜ちゃん何を言おうとしてたんだろうって」
曜「あのときって?」
梨子「五稜郭の話をしてたとき」
曜「ああ、あれはね……」
曜「五稜郭って桜が咲いてるときも綺麗なんだ、だからなんていうか」
曜「春もまた一緒に見に行けたらなって」
梨子「そっか……そうだね」
201: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/04/17(日) 19:50:58.60 ID:bXKfdktb
曜「あとは、その……」チラッ
梨子「?」
曜「こっちの方が梨子ちゃんをより身近に感じられるかなと思いまして……ほら桜内だし」
梨子「……」
曜「さ、桜内さん?」
梨子「…………ばか」
曜「ちがっ、違うんだって! いや何がって話だけど!」
梨子「……」
梨子「?」
曜「こっちの方が梨子ちゃんをより身近に感じられるかなと思いまして……ほら桜内だし」
梨子「……」
曜「さ、桜内さん?」
梨子「…………ばか」
曜「ちがっ、違うんだって! いや何がって話だけど!」
梨子「……」
202: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/04/17(日) 19:51:31.97 ID:bXKfdktb
曜「あぅ……そ、そうだ梨子ちゃん! 梨子ちゃんはさっき何て言おうとしてたの!?」
梨子「私!?」
曜「梨子ちゃんも言わなきゃフェアじゃないでしょ!」
梨子「わ、私はっこんなに曜ちゃんを身近に感じたのは初めてかもって」
曜「え?」
梨子「その、物理的な意味で」
曜「梨子ちゃんそれ……私とあまり変わらないと思うんだけど」
梨子「だ、だからお揃いみたいなこと言わないでよって……恥ずかしいから」
曜「あ、ああ、ばかってそういう……」
梨子「……うん」
曜・梨子「…………」
梨子「私!?」
曜「梨子ちゃんも言わなきゃフェアじゃないでしょ!」
梨子「わ、私はっこんなに曜ちゃんを身近に感じたのは初めてかもって」
曜「え?」
梨子「その、物理的な意味で」
曜「梨子ちゃんそれ……私とあまり変わらないと思うんだけど」
梨子「だ、だからお揃いみたいなこと言わないでよって……恥ずかしいから」
曜「あ、ああ、ばかってそういう……」
梨子「……うん」
曜・梨子「…………」
203: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/04/17(日) 19:52:14.65 ID:bXKfdktb
「ねえ見てあの二人! 一緒にマフラー使ってるのにさっきからどっちも顔合わせようとしないの!」
「初々しいねぇ~!」
曜・梨子「!?」ビクッ
曜(ん……あれ!? い、いつの間にか)
梨子(周りに人だかりが……)
「学生さん?」
「っぽい、いやーすげえ青春してるっつーか」
「アオハル?」
「それな」
曜・梨子(カップル的な人たちが来てる!!?)
「初々しいねぇ~!」
曜・梨子「!?」ビクッ
曜(ん……あれ!? い、いつの間にか)
梨子(周りに人だかりが……)
「学生さん?」
「っぽい、いやーすげえ青春してるっつーか」
「アオハル?」
「それな」
曜・梨子(カップル的な人たちが来てる!!?)
204: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/04/17(日) 19:52:59.30 ID:bXKfdktb
曜(いや、それより……顔合わせてないって)チラッ
梨子(今そんなこと言われても……)チラッ
曜・梨子「っ!!」バッ
「あっまた逸らした! 何あの子たちー!」
「ウブすぎでしょ! 可愛いかよー!!」
「つーかアレAqoursの曜ちゃんと梨子ちゃんじゃないの?」
「それマジ!?」
エーナニナニー? キャッキャ
曜・梨子(…………ああ、もうやだ)
曜・梨子(熱すぎて死にそう……)
梨子(今そんなこと言われても……)チラッ
曜・梨子「っ!!」バッ
「あっまた逸らした! 何あの子たちー!」
「ウブすぎでしょ! 可愛いかよー!!」
「つーかアレAqoursの曜ちゃんと梨子ちゃんじゃないの?」
「それマジ!?」
エーナニナニー? キャッキャ
曜・梨子(…………ああ、もうやだ)
曜・梨子(熱すぎて死にそう……)
205: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/04/17(日) 19:53:50.50 ID:bXKfdktb
208: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/04/18(月) 20:02:07.27 ID:ix+N6lTc
─
大門横丁
鞠莉「おや、おやおや?」
果南「どうしたのさスマホ見るなりにやついて」
鞠莉「今SNSで拡散されてる写真にこーんなものが」
果南「ん? これって梨子ちゃんと……」
ダイヤ「曜さんですわね」
鞠莉「向こうはそれで今大盛り上がりみたいよ、いいわねえー」
聖良(マフラーで密着……アリね)チラッ
果南「なに?」
聖良「いえなんでも」
209: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/04/18(月) 20:03:26.15 ID:ix+N6lTc
千歌「ひいわぇはいひゃん! ほぇっへほえはらははひほふいてぅたいでいゃんくっへこほでほ!」ハフハフ
ダイヤ「すみません何語ですか」
聖良「千歌さん、ちゃんと飲み込んでから喋ってください」
ゴクン
千歌「いいわけないじゃん! それってこれから私を抜いて二人でいちゃつくってことでしょ!」
千歌「はい一言一句ちゃんと寸分狂わず言いましたー!!」
聖良「無駄に律儀ですね……」
ダイヤ「しかし、あの二人に限って千歌さんを完璧に無視するとは思えませんけど、まあ頻度は上がるかもしれませんわね」
千歌「でしょ!? あーあまた私だけ除け者だよ! もういいよおめでとう!」パクパク
果南「千歌ー、とりあえず自分から首突っ込んで後から文句垂れ流すのいい加減やめよっか」
千歌「それはそれ! これはこれだよ!」
果南「うわ面倒くさっ」
ダイヤ「すみません何語ですか」
聖良「千歌さん、ちゃんと飲み込んでから喋ってください」
ゴクン
千歌「いいわけないじゃん! それってこれから私を抜いて二人でいちゃつくってことでしょ!」
千歌「はい一言一句ちゃんと寸分狂わず言いましたー!!」
聖良「無駄に律儀ですね……」
ダイヤ「しかし、あの二人に限って千歌さんを完璧に無視するとは思えませんけど、まあ頻度は上がるかもしれませんわね」
千歌「でしょ!? あーあまた私だけ除け者だよ! もういいよおめでとう!」パクパク
果南「千歌ー、とりあえず自分から首突っ込んで後から文句垂れ流すのいい加減やめよっか」
千歌「それはそれ! これはこれだよ!」
果南「うわ面倒くさっ」
210: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/04/18(月) 20:03:53.82 ID:ix+N6lTc
千歌「まったくさー! ホントにさー!」パクパク
果南「やけ食いは太るよ」
鞠莉「果南、デリカシー」
千歌「太らないもん!」
千歌「大体さーそんなこと言ってるけど、みんなも自分の立場に置き換えてみなよ! そしたら分かるはずだよ私の気持ちが!」
果南「やけ食いは太るよ」
鞠莉「果南、デリカシー」
千歌「太らないもん!」
千歌「大体さーそんなこと言ってるけど、みんなも自分の立場に置き換えてみなよ! そしたら分かるはずだよ私の気持ちが!」
211: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/04/18(月) 20:04:21.54 ID:ix+N6lTc
ダイヤ「え? ええまあ、はい」※花丸とサファイアのやり取りをずっと見てきてる
果南「そこまで」※ダイヤと花丸のやり取りをずっと見てきてる
聖良「特別気にすることでもないかと、そのうち慣れますよ」※果南とダイヤのやり取りをずっと見てきてる
千歌「えっ反応薄い……」
鞠莉「…………まあその、あの三人は耐性ついてるだけだから」※それらの事情を全て知ってる人
鞠莉「私は千歌っちの気持ち分かるわよ」
千歌「鞠莉ちゃん……私のこと分かってくれてるの鞠莉ちゃんだけだよー……」ギュッ
鞠莉「よしよし」
果南「そこまで」※ダイヤと花丸のやり取りをずっと見てきてる
聖良「特別気にすることでもないかと、そのうち慣れますよ」※果南とダイヤのやり取りをずっと見てきてる
千歌「えっ反応薄い……」
鞠莉「…………まあその、あの三人は耐性ついてるだけだから」※それらの事情を全て知ってる人
鞠莉「私は千歌っちの気持ち分かるわよ」
千歌「鞠莉ちゃん……私のこと分かってくれてるの鞠莉ちゃんだけだよー……」ギュッ
鞠莉「よしよし」
212: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/04/18(月) 20:04:56.24 ID:ix+N6lTc
果南「ねえ千歌、前に私にも似たようなこと言ってなかったっけ」
千歌「それはそれ、これはこれ」
果南「うんよし分かった、もうほっとこう」ガタッ
千歌「どこ行くの?」
果南「曜たちのとこ、祝ってくる」
千歌「じゃあ私も行くよ!」
千歌「それはそれ、これはこれ」
果南「うんよし分かった、もうほっとこう」ガタッ
千歌「どこ行くの?」
果南「曜たちのとこ、祝ってくる」
千歌「じゃあ私も行くよ!」
213: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/04/18(月) 20:05:26.29 ID:ix+N6lTc
果南「どうせお祝いしたあとまた愚痴るんでしょ」
千歌「多分ね! でもやっと二人とも上手くいったんだよ! おめでとうって言ってあげたいじゃん!」
千歌「それに果南ちゃんたちが最後まで聞いてくれるから全然心配ないし!」
千歌「だよね!?」ニコッ
ダイヤ・聖良「……千歌さん」
鞠莉「末っ子って恐ろしいわね」
果南「本当にね、こういうところは昔から変わってないよ」
千歌「はいはいそうと決まればレッツゴー!」
千歌「多分ね! でもやっと二人とも上手くいったんだよ! おめでとうって言ってあげたいじゃん!」
千歌「それに果南ちゃんたちが最後まで聞いてくれるから全然心配ないし!」
千歌「だよね!?」ニコッ
ダイヤ・聖良「……千歌さん」
鞠莉「末っ子って恐ろしいわね」
果南「本当にね、こういうところは昔から変わってないよ」
千歌「はいはいそうと決まればレッツゴー!」
214: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/04/18(月) 20:05:56.18 ID:ix+N6lTc
─宿泊施設
ピロン
理亞「なに、また来たの?」
花丸「うん、曜ちゃんたちのところに皆で集まってるみたい」スッ
花丸「あはは、なんか凄い盛り上がっているね」
理亞「……ねえ、Aqoursって大人しくしている日とかないの」
花丸「あまりないかもね」
黒髪「理亞ちゃん、帰ってきてたんだ」
茶髪「おかえりー」
理亞「ただいま。そっちはどう? 明日の準備」
ピロン
理亞「なに、また来たの?」
花丸「うん、曜ちゃんたちのところに皆で集まってるみたい」スッ
花丸「あはは、なんか凄い盛り上がっているね」
理亞「……ねえ、Aqoursって大人しくしている日とかないの」
花丸「あまりないかもね」
黒髪「理亞ちゃん、帰ってきてたんだ」
茶髪「おかえりー」
理亞「ただいま。そっちはどう? 明日の準備」
215: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/04/18(月) 20:06:26.17 ID:ix+N6lTc
黒髪「バッチリ、リハーサルも完璧です」フフン
理亞「ごめん、あなた達だけ除け者にしたみたいで」
黒髪「気にしないで、それにこんな時くらいは好きにやってもいいと思うよ?」
茶髪「私たちも理亞ちゃんばかりに頼ってもいられないしね」
黒髪「久々に聖良さんとやるライブでしょ? 楽しんできてよ!」
茶髪「それまでに前座として会場は盛り上げておくんで!」
理亞「……ありがとう」
理亞「ごめん、あなた達だけ除け者にしたみたいで」
黒髪「気にしないで、それにこんな時くらいは好きにやってもいいと思うよ?」
茶髪「私たちも理亞ちゃんばかりに頼ってもいられないしね」
黒髪「久々に聖良さんとやるライブでしょ? 楽しんできてよ!」
茶髪「それまでに前座として会場は盛り上げておくんで!」
理亞「……ありがとう」
216: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/04/18(月) 20:07:01.35 ID:ix+N6lTc
黒髪「じゃあ私たちそろそろ寝るから」
茶髪「おやすみー」
理亞「うん、おやすみ」
花丸「良い人たちだね」
理亞「ええ、そうね」
理亞「……」
理亞「少し前までは、姉様と私の二人でSaint Snowだと思っていた」
理亞「でも、今はもうあの子たちが抜けたSaint Snowなんて考えられない」
理亞「それくらい、私の中では大切な仲間だから」
茶髪「おやすみー」
理亞「うん、おやすみ」
花丸「良い人たちだね」
理亞「ええ、そうね」
理亞「……」
理亞「少し前までは、姉様と私の二人でSaint Snowだと思っていた」
理亞「でも、今はもうあの子たちが抜けたSaint Snowなんて考えられない」
理亞「それくらい、私の中では大切な仲間だから」
217: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/04/18(月) 20:07:29.58 ID:ix+N6lTc
理亞「だからこそ、明日は二人のためにも悔いの残らない最高のライブにしたい」
理亞「姉様たちと一緒に、私が今まで培ってきたもので」
花丸「そっか」
理亞「でもライブの出来自体は特に心配していないけどね」
花丸「え、どうして?」
理亞「私とルビィがいるから、だから失敗なんてあり得ない」
理亞「それだけ」
花丸「!」
理亞「姉様たちと一緒に、私が今まで培ってきたもので」
花丸「そっか」
理亞「でもライブの出来自体は特に心配していないけどね」
花丸「え、どうして?」
理亞「私とルビィがいるから、だから失敗なんてあり得ない」
理亞「それだけ」
花丸「!」
218: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/04/18(月) 20:08:06.08 ID:ix+N6lTc
スタスタ
ルビィ「ただいまー、あれ? 理亞ちゃんも一緒だったんだ」
理亞「ええ、ちょっと」
花丸「おかえりルビィちゃん、それと……善子ちゃんはその荷物どうしたの?」
ルビィ「お土産買いすぎちゃったみたい」
善子「これ半分はあんたが買った奴でしょうが!」
花丸「でも持ってあげてるんだね」
善子「仕方なくよ仕方なく」
花丸「ふーん、久しぶりのルビィちゃんのおねだりに根負けしたとかじゃないんだね」
善子「いちいち言わなくていいから」
219: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/04/18(月) 20:08:38.20 ID:ix+N6lTc
理亞「本当に大人しくならないのね、あなた達って」
ルビィ「え?」
理亞「こっちの話、じゃあ私は部屋に戻るから」
ルビィ「あ、うんおやすみ」
善子「もう寝るの? 早いわね」
花丸「なんでも善子ちゃん基準で考えないほうがいいずら」
善子「どういう意味よ!」
ルビィ「え?」
理亞「こっちの話、じゃあ私は部屋に戻るから」
ルビィ「あ、うんおやすみ」
善子「もう寝るの? 早いわね」
花丸「なんでも善子ちゃん基準で考えないほうがいいずら」
善子「どういう意味よ!」
220: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/04/18(月) 20:09:18.28 ID:ix+N6lTc
花丸「おやすみ理亞ちゃん、今日はいろいろありがとうね」
理亞「別に、私は大丈夫だから」
花丸「そっか、また明日ね」
花丸「マルたちもライブ精一杯頑張るから」
理亞「そう、期待してる」
理亞「別に、私は大丈夫だから」
花丸「そっか、また明日ね」
花丸「マルたちもライブ精一杯頑張るから」
理亞「そう、期待してる」
221: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/04/18(月) 20:10:08.06 ID:ix+N6lTc
理亞「あなたにも」
善子「それはどうも」
理亞「ルビィは……」
ルビィ「うん」
理亞「明日のライブ、足引っ張らないでよ」
ルビィ「そっちこそ」
理亞「……」フッ
理亞「おやすみ」
善子「それはどうも」
理亞「ルビィは……」
ルビィ「うん」
理亞「明日のライブ、足引っ張らないでよ」
ルビィ「そっちこそ」
理亞「……」フッ
理亞「おやすみ」
222: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/04/18(月) 20:10:35.56 ID:ix+N6lTc
善子・花丸「……」
ルビィ「あれ? 二人ともどうしたの?」
花丸「ん? 信頼の形は人それぞれだなーって」ニコニコ
善子「ええ、正直嫉妬してる」
ルビィ「善子ちゃんは素直だねぇ」
善子「私にだって余裕がないときくらいあるのよ」
ルビィ「あれ? 二人ともどうしたの?」
花丸「ん? 信頼の形は人それぞれだなーって」ニコニコ
善子「ええ、正直嫉妬してる」
ルビィ「善子ちゃんは素直だねぇ」
善子「私にだって余裕がないときくらいあるのよ」
223: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/04/18(月) 20:11:02.10 ID:ix+N6lTc
ルビィ「じゃあ今日も一緒に寝よっか?」
善子「……ん」
花丸(でも、善子ちゃんの気持ちも分かるなあ)
私とルビィがいるから
花丸(あの言葉……マルも少しだけ、羨ましいと思っちゃったから)
善子「ちょっと花丸、なにまたニヤニヤしてるのよ」
花丸「ううん、ルビィちゃんは人気者だなあって」クス
善子「……ん」
花丸(でも、善子ちゃんの気持ちも分かるなあ)
私とルビィがいるから
花丸(あの言葉……マルも少しだけ、羨ましいと思っちゃったから)
善子「ちょっと花丸、なにまたニヤニヤしてるのよ」
花丸「ううん、ルビィちゃんは人気者だなあって」クス
224: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/04/18(月) 20:11:55.58 ID:ix+N6lTc
─翌日、12月25日
クリスマスライブ2日目
会場
さゆり・瑞希「~~♪!」
ワーーーーーー!!
千歌「いやーすごいね! 会場のみんな、どんどん上がってってるよ!」
曜「うん! 熱気がこっちにもこう、ビリビリッと伝わってくる感じ!」
ルビィ「やっぱりすごいね、さゆりちゃんたち」
理亞「ええ、合宿のときより更に磨きがかかってる」
225: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/04/18(月) 20:12:24.60 ID:ix+N6lTc
ガチャ
あきる「ルビィ、理亞、そろそろ前の組始まりそうだから準備お願い」
ルビィ「分かった、ありがとうあきるちゃん」
果南「うわーいよいよかあ、緊張してきた……」
聖良「らしくないですね、果南さんが緊張だなんて」
鞠莉「雨でも降るのかしら」
ダイヤ「そこは大雪でしょう」
果南「みんな私のことなんだと思ってるの?」
果南「というか緊張くらいはするでしょ普通、だって本当に久しぶりのライブだし、しかも大トリだし」
果南「それに振り付け自体は練習してるけど、全員で合わせるのは今日が初めてでしょ?」
226: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/04/18(月) 20:12:51.20 ID:ix+N6lTc
鞠莉「確かに、それについては私もちょっと思うところはあるけど」
ダイヤ「そうですわね、私も」
千歌「ちょっとちょっと! もう出番来ちゃうんだから弱音やめてよ!」
鞠莉「ごめーん千歌っち、許して♪」テヘペロ
梨子(でも果南さんたちのライブ前の弱音とか珍しいから、ちょっと聞けてよかったって思っちゃうよね)ヒソヒソ
善子(それは何となく分かるわ)
果南「私もごめん、ついね」
ダイヤ「そうですわね、私も」
千歌「ちょっとちょっと! もう出番来ちゃうんだから弱音やめてよ!」
鞠莉「ごめーん千歌っち、許して♪」テヘペロ
梨子(でも果南さんたちのライブ前の弱音とか珍しいから、ちょっと聞けてよかったって思っちゃうよね)ヒソヒソ
善子(それは何となく分かるわ)
果南「私もごめん、ついね」
227: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/04/18(月) 20:13:22.10 ID:ix+N6lTc
ルビィ「大丈夫だよ、心配しなくても」
ダイヤ「……ルビィ?」
理亞「そうね、振り付けや担当のパートさえ出来ていれば何も問題ない」
聖良「理亞も」
ルビィ「みんなは自分のことだけに集中して」
理亞「周りは気にしなくていい」
ルビィ・理亞「私たちが引っ張ってあげるから」
ダイヤ「……ルビィ?」
理亞「そうね、振り付けや担当のパートさえ出来ていれば何も問題ない」
聖良「理亞も」
ルビィ「みんなは自分のことだけに集中して」
理亞「周りは気にしなくていい」
ルビィ・理亞「私たちが引っ張ってあげるから」
228: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/04/18(月) 20:13:55.43 ID:ix+N6lTc
「………………」
ルビィ「だからみんな、私たちを信じて」
理亞「絶対に目を離さないで、そうすれば後は私たちがその景色まで」
ルビィ・理亞「連れていく!!」
ダイヤ・聖良「~~っ……!!」ゾワッ
千歌・梨子・曜・果南「か……かっこいいーーーーーーーーーっっっ!!!!」
鞠莉「えっ、なにその頼もしさ……」トゥンク
花丸(理亞ちゃんはともかく、ルビィちゃんが真剣な顔でこういうこと言うと普段とのギャップで……っ)
善子(破壊力が異常に高くて心臓に悪いわ……)ドクンドクン
黒髪・茶髪「~~♪」
理亞「前の組、始まったみたい」
ルビィ「そうだね、じゃあ行こうか」
ルビィ「だからみんな、私たちを信じて」
理亞「絶対に目を離さないで、そうすれば後は私たちがその景色まで」
ルビィ・理亞「連れていく!!」
ダイヤ・聖良「~~っ……!!」ゾワッ
千歌・梨子・曜・果南「か……かっこいいーーーーーーーーーっっっ!!!!」
鞠莉「えっ、なにその頼もしさ……」トゥンク
花丸(理亞ちゃんはともかく、ルビィちゃんが真剣な顔でこういうこと言うと普段とのギャップで……っ)
善子(破壊力が異常に高くて心臓に悪いわ……)ドクンドクン
黒髪・茶髪「~~♪」
理亞「前の組、始まったみたい」
ルビィ「そうだね、じゃあ行こうか」
229: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/04/18(月) 20:14:30.44 ID:ix+N6lTc
─その頃、同時間帯
東京ドーム控室
ツバサ「…………」
英玲奈「ツバサ、そろそろ時間だ」
ツバサ「……え、もう?」
英玲奈「さっきから声を掛けてはいたんだがな」
あんじゅ「生徒さんたちのライブに夢中で気が付かなかったみたいね」
ツバサ「ああ、ごめんなさい。すぐ用意するから」
230: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/04/18(月) 20:14:59.58 ID:ix+N6lTc
英玲奈「それで、どうだった?」
ツバサ「みんな素晴らしかったわよ、画面越しから見ていてもとても楽しそうで」
ツバサ「全員が一丸となって最高のステージを作り上げていた、こっちも気分が高揚するくらいのものをね」
あんじゅ「嬉しそうね、ツバサ」
ツバサ「もちろん、嬉しいに決まっているわ……ただ、一つだけ心残りがあるとすれば」
ツバサ「あと二人、私の教え子の集大成をこの目で見届けられなかったこと、かしらね」
ツバサ「まさか私たちのライブの開始時間と被ることになるなんて」ハァ
ツバサ「みんな素晴らしかったわよ、画面越しから見ていてもとても楽しそうで」
ツバサ「全員が一丸となって最高のステージを作り上げていた、こっちも気分が高揚するくらいのものをね」
あんじゅ「嬉しそうね、ツバサ」
ツバサ「もちろん、嬉しいに決まっているわ……ただ、一つだけ心残りがあるとすれば」
ツバサ「あと二人、私の教え子の集大成をこの目で見届けられなかったこと、かしらね」
ツバサ「まさか私たちのライブの開始時間と被ることになるなんて」ハァ
231: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/04/18(月) 20:15:30.34 ID:ix+N6lTc
英玲奈「それは残念だな、だが仕方ない」
英玲奈「私たちは私たちで役目を果たさなければ」
英玲奈「この会場にはA-RISEのことを待ってくれているファンが大勢いるのだから」
ツバサ「分かってるわ、ルビィちゃんと理亞ちゃんには申し訳ないけど」
ツバサ「自分たちのライブよりそっちを優先する方が失礼だものね、誰にとっても」
あんじゅ「あら? そういえばルビィちゃんと理亞ちゃんって確か……」
あんじゅ「ツバサが、勝手に、UTXで、A-RISEのライブをやったときに」
あんじゅ「"私たち"の"代役"を任された子たちよね?」
ツバサ「」ギクッ
英玲奈「私たちは私たちで役目を果たさなければ」
英玲奈「この会場にはA-RISEのことを待ってくれているファンが大勢いるのだから」
ツバサ「分かってるわ、ルビィちゃんと理亞ちゃんには申し訳ないけど」
ツバサ「自分たちのライブよりそっちを優先する方が失礼だものね、誰にとっても」
あんじゅ「あら? そういえばルビィちゃんと理亞ちゃんって確か……」
あんじゅ「ツバサが、勝手に、UTXで、A-RISEのライブをやったときに」
あんじゅ「"私たち"の"代役"を任された子たちよね?」
ツバサ「」ギクッ
232: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/04/18(月) 20:15:57.93 ID:ix+N6lTc
英玲奈「ああ、例の」
あんじゅ「よほど思い入れがあるのね~」ニコニコ
ツバサ「ちがっ……それにあの時のことはもう謝ったでしょ!?」
英玲奈「まあそういうことにしておこうか」
ツバサ「英玲奈まで!」
あんじゅ「くすくす」
ツバサ「……成程、どうやらステージで納得させるしかなさそうね」
あんじゅ「ええ、そうね」
英玲奈「元よりそれ以外に方法はあるまい」
あんじゅ「よほど思い入れがあるのね~」ニコニコ
ツバサ「ちがっ……それにあの時のことはもう謝ったでしょ!?」
英玲奈「まあそういうことにしておこうか」
ツバサ「英玲奈まで!」
あんじゅ「くすくす」
ツバサ「……成程、どうやらステージで納得させるしかなさそうね」
あんじゅ「ええ、そうね」
英玲奈「元よりそれ以外に方法はあるまい」
233: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/04/18(月) 20:16:24.94 ID:ix+N6lTc
「A-RISEの皆さん、お願いします!」
ツバサ「二人ともありがとう、もう切り替えたから大丈夫」
ツバサ「でもやることは変わらない、いつも通り全力で臨むだけ」
ツバサ「さあ行くわよ、ここにいる全員に分からせてあげるわ」
ツバサ「一体誰が"本物"なのかをね」ザッ
英玲奈・あんじゅ「」フッ
「皆さんお待たせいたしました! 次はいよいよ───!」
ツバサ「ルビィちゃん、理亞ちゃん、負けないからね」
ツバサ「一番盛り上げるのは私たちよ!!」
ツバサ「二人ともありがとう、もう切り替えたから大丈夫」
ツバサ「でもやることは変わらない、いつも通り全力で臨むだけ」
ツバサ「さあ行くわよ、ここにいる全員に分からせてあげるわ」
ツバサ「一体誰が"本物"なのかをね」ザッ
英玲奈・あんじゅ「」フッ
「皆さんお待たせいたしました! 次はいよいよ───!」
ツバサ「ルビィちゃん、理亞ちゃん、負けないからね」
ツバサ「一番盛り上げるのは私たちよ!!」
234: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/04/18(月) 20:16:58.97 ID:ix+N6lTc
─和菓子屋穂むら
ガラガラッ
「すみませーん! 雪穂ちゃんいますかー?」
高坂母「いらっしゃい、いつもありがとうございます」
「いえいえこちらこそ! それで雪穂ちゃんは?」
高坂母「雪穂なら今日は非番よ、お休み」
「えー!? いつもは店番やってるのにー!」
高坂母「ええ、本当はそのはずなんだけどごめんなさいね」
高坂母「なにせ、今日はあの子の」
高坂母「推しのライブがあるみたいなので」
235: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/04/18(月) 20:17:26.99 ID:ix+N6lTc
「推しって……そういえばもう少しでA-RISEのライブじゃん!」
「さてはツバサさん目当てだなー!」
「てかこうしちゃいられない! 私も早く帰らなくちゃ! すみませんお邪魔しました!」
高坂母「はいはい、またどうぞ」ニコニコ
ガラガラッ ピシャン
高坂母「A-RISEのライブか……さて、それはどうかしらね」フフッ
「さてはツバサさん目当てだなー!」
「てかこうしちゃいられない! 私も早く帰らなくちゃ! すみませんお邪魔しました!」
高坂母「はいはい、またどうぞ」ニコニコ
ガラガラッ ピシャン
高坂母「A-RISEのライブか……さて、それはどうかしらね」フフッ
236: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/04/18(月) 20:17:58.85 ID:ix+N6lTc
雪穂の部屋
穂乃果「いやー盛り上がってるねー! 函館のクリスマスライブ!」
雪穂「一日目より観に来てる人多いみたいだよ」
穂乃果「へえ~! 昨日のも凄く良かったもんね!」
雪穂「そうだね。ていうかお姉ちゃん、自分ので見なよ」
穂乃果「いいじゃん、共有してる感じがあって」アハハ
雪穂「まったく……」
穂乃果「そうだ! せっかくだからこっちにもコメントしておこーっと!」
穂乃果「ふっふっふ、これが高坂穂乃果の打ったコメントだとも知らずに盛り上がってしまえばいい……!」タンッ
雪穂「なに子供みたいなことしてるの」
237: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/04/18(月) 20:18:30.45 ID:ix+N6lTc
穂乃果「でも雪穂ー。いいの? A-RISEのライブ見なくて」
穂乃果「あんなに楽しみにしてたのに」
雪穂「それは、私だって出来ることなら見たいけど……」
雪穂「でも」
雪穂(なんでだろうなあ、こっちに気持ちが傾いちゃうのは)
雪穂「放っておけないんだよね、いや……単純にこっちの方が気になるだけかな」
穂乃果「あんなに楽しみにしてたのに」
雪穂「それは、私だって出来ることなら見たいけど……」
雪穂「でも」
雪穂(なんでだろうなあ、こっちに気持ちが傾いちゃうのは)
雪穂「放っておけないんだよね、いや……単純にこっちの方が気になるだけかな」
238: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/04/18(月) 20:19:04.22 ID:ix+N6lTc
雪穂(それにツバサさんならきっと……)
雪穂「だから私は、ルビィちゃんたちのほうを見るよ」
雪穂「ツバサさんが出来ない分、私がみんなの晴れ舞台をしっかり見届けてあげなくちゃね!」
穂乃果「……そっか」ニコ
穂乃果「じゃあ私はツバサさんのライブ見ようーっと!」
穂乃果「雪穂ー、部屋に戻るの面倒くさいからこっちで……」
雪穂「早く出てって! 気が散るから! A-RISEの誘惑禁止っ!!」
穂乃果「ワンツースリーの三連コンボ!!!」
穂乃果「もういいよ雪穂のケチ! μ'sの裏切り者! ドライシスター!」ガチャ
バタンッ!
雪穂「このっ…好き勝手言ってもうー! あとで覚えてなよお姉ちゃん……!」
雪穂「だから私は、ルビィちゃんたちのほうを見るよ」
雪穂「ツバサさんが出来ない分、私がみんなの晴れ舞台をしっかり見届けてあげなくちゃね!」
穂乃果「……そっか」ニコ
穂乃果「じゃあ私はツバサさんのライブ見ようーっと!」
穂乃果「雪穂ー、部屋に戻るの面倒くさいからこっちで……」
雪穂「早く出てって! 気が散るから! A-RISEの誘惑禁止っ!!」
穂乃果「ワンツースリーの三連コンボ!!!」
穂乃果「もういいよ雪穂のケチ! μ'sの裏切り者! ドライシスター!」ガチャ
バタンッ!
雪穂「このっ…好き勝手言ってもうー! あとで覚えてなよお姉ちゃん……!」
239: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/04/18(月) 20:19:33.35 ID:ix+N6lTc
雪穂「…………」ハァ
雪穂「さてと、ここからが本命」スッ
雪穂「なんて言ったら他の子に怒られちゃうかな、流石に」
「さあ! 次が最後のグループです!」
「ラストを飾るのはなんとあの二組の合体グループ!」
「Saint Aqours Snowだーーーー!!」
ワアアアアアアーーー!!
ルビィ・理亞「」
雪穂「見てるからね、ちゃんと」
雪穂「さてと、ここからが本命」スッ
雪穂「なんて言ったら他の子に怒られちゃうかな、流石に」
「さあ! 次が最後のグループです!」
「ラストを飾るのはなんとあの二組の合体グループ!」
「Saint Aqours Snowだーーーー!!」
ワアアアアアアーーー!!
ルビィ・理亞「」
雪穂「見てるからね、ちゃんと」
240: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/04/18(月) 20:20:01.88 ID:ix+N6lTc
ワアアアァァァ……
ルビィ「すごい歓声だね」
理亞「それだけ期待されてるってことでしょ」
ルビィ「うん」
ルビィ「ねえ理亞ちゃん」
理亞「なに」
ルビィ「私、さっきみんなを引っ張るって言ったけど、やらなくちゃって気持ちはあんまりないの」
241: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/04/18(月) 20:20:37.24 ID:ix+N6lTc
ルビィ「寧ろやってどうなるのか、どんなものが出来上がるのか楽しみで」
ルビィ「なんだろう、今までにない不思議な感じがするんだ。だからちょっとだけ思ったの」
ルビィ「私たちと一緒にライブをやったときのツバサさんも、こんな気持ちだったのかなぁって」
理亞「そうかもね」
理亞「まだあの人には全然届かないけど、それでも今この瞬間だけなら同じ景色が見れそうな気がする」
ルビィ「なんだろう、今までにない不思議な感じがするんだ。だからちょっとだけ思ったの」
ルビィ「私たちと一緒にライブをやったときのツバサさんも、こんな気持ちだったのかなぁって」
理亞「そうかもね」
理亞「まだあの人には全然届かないけど、それでも今この瞬間だけなら同じ景色が見れそうな気がする」
242: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/04/18(月) 20:21:08.95 ID:ix+N6lTc
ルビィ「ううん、それは違うよ理亞ちゃん」
理亞「え?」
ルビィ「今度は私たちが見せるんだよ、みんなにその景色を」
理亞「ルビィ……そうね」
理亞「やろう」
ザッ
ツバサ「さあ、みんな一瞬たりとも見逃さないでよ」
ルビィ・理亞「これが私たちの結晶だ!」
ツバサ・ルビィ・理亞「メリークリスマス!!」
理亞「え?」
ルビィ「今度は私たちが見せるんだよ、みんなにその景色を」
理亞「ルビィ……そうね」
理亞「やろう」
ザッ
ツバサ「さあ、みんな一瞬たりとも見逃さないでよ」
ルビィ・理亞「これが私たちの結晶だ!」
ツバサ・ルビィ・理亞「メリークリスマス!!」
243: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/04/18(月) 20:21:37.38 ID:ix+N6lTc
ーーーーーーーー
理亞「始まるときは終わりのことなど」
理亞「考えてないからずっと」
ルビィ「続く気がして 前だけ見つめて」
ルビィ「走り続けてきたから」
理亞「ドコへ」
ルビィ「ドコへ」
ルビィ・理亞「次はドコへ行こう?」
理亞「始まるときは終わりのことなど」
理亞「考えてないからずっと」
ルビィ「続く気がして 前だけ見つめて」
ルビィ「走り続けてきたから」
理亞「ドコへ」
ルビィ「ドコへ」
ルビィ・理亞「次はドコへ行こう?」
244: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/04/18(月) 20:22:04.57 ID:ix+N6lTc
♪
理亞「Come on! Awaken the power yeah!」
理亞「Are you ready? Let's go!!」
聖良「コトバっていくつも知ってるはずでも」
聖良「こんな時でてこないんだね」
ダイヤ「想いのつよさで胸がいっぱいで」
ダイヤ「声になるまえに泣きそうだよ」
245: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/04/18(月) 20:22:31.20 ID:ix+N6lTc
Aqours「がんばるって決めたら」
理亞・聖良「絶対負けないんだ」
Aqours「いっしょにがんばってきた」
理亞・聖良「絶対負けないんだ」
善子・花丸「できないなんて やんなきゃわからないね」
千歌「自分のなか」
聖良「目覚めるのは」
千歌・聖良「新しいチカラ」
理亞「my power new power yeah!」
理亞・聖良「絶対負けないんだ」
Aqours「いっしょにがんばってきた」
理亞・聖良「絶対負けないんだ」
善子・花丸「できないなんて やんなきゃわからないね」
千歌「自分のなか」
聖良「目覚めるのは」
千歌・聖良「新しいチカラ」
理亞「my power new power yeah!」
246: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/04/18(月) 20:23:07.42 ID:ix+N6lTc
「セカイはきっと 知らないパワーで輝いてる」
「だからいつまでもユメの途中」
「セカイはきっと 知らないパワーで輝いてる」
「なにを選ぶか自分次第さ」
千歌・梨子・曜「Wake up my new power」
「眠るチカラが動きはじめる」
千歌・梨子・曜「Start up now」
「じっとしてないで行こうよ」
「ドコへ ドコへ ドコへ行こうか?」
247: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/04/18(月) 20:23:42.63 ID:ix+N6lTc
───♪
シン……
ルビィ・理亞「…………」フッ
ルビィ・理亞「ありがとうございました!!」バッ
ウオオオォォォォーーーー!!! キャーーーーーー!!
千歌「…………すご」
果南「うわ、今更になって手が……というか私練習のときこんなに踊れてたっけ」
曜「それ私も思ってたやつ」
鞠莉「多分、ここにいる全員そう思ってるでしょうね……そして」
鞠莉「出来た理由が何なのかも、分かってるはず」
梨子「ですね」
シン……
ルビィ・理亞「…………」フッ
ルビィ・理亞「ありがとうございました!!」バッ
ウオオオォォォォーーーー!!! キャーーーーーー!!
千歌「…………すご」
果南「うわ、今更になって手が……というか私練習のときこんなに踊れてたっけ」
曜「それ私も思ってたやつ」
鞠莉「多分、ここにいる全員そう思ってるでしょうね……そして」
鞠莉「出来た理由が何なのかも、分かってるはず」
梨子「ですね」
248: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/04/18(月) 20:24:14.14 ID:ix+N6lTc
さゆり「はっ……あはははは! やっぱりすごいなー!」
姫乃「はい! 流石です!」
蘭花「理亞キレッキレだったネ!」
アハハハハハ! ワイノワイノ
あきる「……」
あきる(きっとAqoursのメンバーや聖良さんは驚いてるんだろうけど、私たちは驚かない)
あきる(だって私たちはあの人たちよりほんの少しだけ先に、二人のあの姿を見ているから)フフッ
姫乃「はい! 流石です!」
蘭花「理亞キレッキレだったネ!」
アハハハハハ! ワイノワイノ
あきる「……」
あきる(きっとAqoursのメンバーや聖良さんは驚いてるんだろうけど、私たちは驚かない)
あきる(だって私たちはあの人たちよりほんの少しだけ先に、二人のあの姿を見ているから)フフッ
249: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/04/18(月) 20:24:40.96 ID:ix+N6lTc
雪穂「でも、ただ一つだけ前と確実に違うことがある」
雪穂「それは"借り物"としてじゃなくて"本物"としてこの舞台に立ってるっていうこと」
雪穂「二人だけじゃない、他の皆もあの合宿で学んだことをしっかりと形にしている」
雪穂「前にツバサさんが言った未来の可能性、それがこのライブには詰まっていた」
雪穂「私は皆を見てそう思ったな、本当に最高のステージだったよ。そしてルビィちゃん、理亞ちゃん」
雪穂「また一つ、実を結んでみせたね」
ルビィ・理亞「」
雪穂「本当に……どこまで行くんだか」
雪穂「それは"借り物"としてじゃなくて"本物"としてこの舞台に立ってるっていうこと」
雪穂「二人だけじゃない、他の皆もあの合宿で学んだことをしっかりと形にしている」
雪穂「前にツバサさんが言った未来の可能性、それがこのライブには詰まっていた」
雪穂「私は皆を見てそう思ったな、本当に最高のステージだったよ。そしてルビィちゃん、理亞ちゃん」
雪穂「また一つ、実を結んでみせたね」
ルビィ・理亞「」
雪穂「本当に……どこまで行くんだか」
250: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/04/18(月) 20:25:07.84 ID:ix+N6lTc
ルビィチャーン! リアチャーーン!!
ダイヤ・聖良「…………」
ダイヤ「……私は」
ダイヤ「今日ほどあの子を誇りに思ったことはありません」
聖良「はい」
ダイヤ「あの夏のときよりも更に、そしてこれから先もきっと、あの子たちが何かを起こすたびに」
ダイヤ「そうなっていくんでしょうね」
聖良「ええ、いつの間にか理亞たちはもう私たちの遥か先まで行ってしまいました……けど」
聖良「少し楽しみでもあります、次は一体……なにを見せてくれるんでしょうか」チラッ
ダイヤ・聖良「…………」
ダイヤ「……私は」
ダイヤ「今日ほどあの子を誇りに思ったことはありません」
聖良「はい」
ダイヤ「あの夏のときよりも更に、そしてこれから先もきっと、あの子たちが何かを起こすたびに」
ダイヤ「そうなっていくんでしょうね」
聖良「ええ、いつの間にか理亞たちはもう私たちの遥か先まで行ってしまいました……けど」
聖良「少し楽しみでもあります、次は一体……なにを見せてくれるんでしょうか」チラッ
251: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/04/18(月) 20:25:45.32 ID:ix+N6lTc
一方……
A-RISE「ありがとうございました!!」
キャーーーーーー!! エレナサーーン! アンジュサーーン!
ツバササーーーーーーーン!!!
ワーーーワーーー!!
ツバサ「ふぅ……二人ともお疲れ様」
あんじゅ「ツバサもね」
252: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/04/18(月) 20:26:11.45 ID:ix+N6lTc
英玲奈「で、どうだった本物とのライブは」
ツバサ「いつも通りよ、何も文句なんてない。最高だったわ」
あんじゅ「へえ意外、もっと何か言うと思ってたのに」
ツバサ「あなた達には何も言うことなんてないわよ、だって」
ツバサ「私は元からあの子たちを二人の代役としてやらせたつもりはないからね」
ツバサ「ただ道を示したかっただけ、だから比べてどうこうって話じゃないのよ」
英玲奈「ああ、分かっている。だから悔しいんだろう?」
あんじゅ「私たちの代わりじゃなくて本来の彼女たちが生み出すステージを見れなかったことがね」
ツバサ「いつも通りよ、何も文句なんてない。最高だったわ」
あんじゅ「へえ意外、もっと何か言うと思ってたのに」
ツバサ「あなた達には何も言うことなんてないわよ、だって」
ツバサ「私は元からあの子たちを二人の代役としてやらせたつもりはないからね」
ツバサ「ただ道を示したかっただけ、だから比べてどうこうって話じゃないのよ」
英玲奈「ああ、分かっている。だから悔しいんだろう?」
あんじゅ「私たちの代わりじゃなくて本来の彼女たちが生み出すステージを見れなかったことがね」
253: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/04/18(月) 20:26:38.18 ID:ix+N6lTc
ツバサ「! フフッ……全く反論の余地もないわ」
ツバサ(そこまで気持ちがいってたなんて)
ツバサ「私もまだまだね」
ツバサ(明日雪穂ちゃんにでも聞いてみようかしら、今日のこと……そして)
ツバサ(あの子たちのこれからのことを、そうやって繋がっていくんだ)クス
英玲奈「今日はよく笑うな、ツバサ」
ツバサ「それはそうでしょ?」
あんじゅ「?」
ツバサ「だって、願いが叶う瞬間ほど幸せなことってないもの!」ニコッ
ツバサ(そこまで気持ちがいってたなんて)
ツバサ「私もまだまだね」
ツバサ(明日雪穂ちゃんにでも聞いてみようかしら、今日のこと……そして)
ツバサ(あの子たちのこれからのことを、そうやって繋がっていくんだ)クス
英玲奈「今日はよく笑うな、ツバサ」
ツバサ「それはそうでしょ?」
あんじゅ「?」
ツバサ「だって、願いが叶う瞬間ほど幸せなことってないもの!」ニコッ
258: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/04/19(火) 19:15:05.60 ID:tVM8mrxL
─数時間後、深夜
曜「あーっ! つっかれたー!!」ボフン
梨子「もう駄目……」クタ
千歌「曜ちゃんと梨子ちゃんすっごい質問攻めされてたもんねー」
千歌「一人でも二人組でも」
梨子「思い出させないで恥ずかしい……」
曜「馴れ初めのこととか何回聞かれたことか……」
259: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/04/19(火) 19:15:52.13 ID:tVM8mrxL
千歌「まあまあ、それだけ大成功したってことだよ!」
千歌「果南ちゃんたちだって、終わった後すごい人数が押し寄せてたもんねー!」
梨子「それは確かに嬉しかったわね」
曜「うんうん、これも理亞ちゃんとルビィちゃんが引っ張ってくれたおかげだね!」
曜「私とかすっごい気持ちよく踊れたし!」
梨子「私も、いつもよりもだいぶリラックスして歌えたなあ」
梨子「調子がどんどんよくなっていく感じ」
曜「分かる分かる!」
千歌「……」ウーン
千歌「果南ちゃんたちだって、終わった後すごい人数が押し寄せてたもんねー!」
梨子「それは確かに嬉しかったわね」
曜「うんうん、これも理亞ちゃんとルビィちゃんが引っ張ってくれたおかげだね!」
曜「私とかすっごい気持ちよく踊れたし!」
梨子「私も、いつもよりもだいぶリラックスして歌えたなあ」
梨子「調子がどんどんよくなっていく感じ」
曜「分かる分かる!」
千歌「……」ウーン
260: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/04/19(火) 19:16:18.33 ID:tVM8mrxL
千歌(だよね、それはみんなそうだったし、私も同じ感想だし……だけど)
千歌(理亞ちゃんのおかげ、かあ……)
千歌「……」
梨子「千歌ちゃん?」
千歌「……ほぇ?」
曜「どーしたの急に黙っちゃって」
千歌「あ、ううん何でもないよ。ちょーっとだけ考え事してたんだ」
曜・梨子「?」
千歌「…………」フーム
千歌(理亞ちゃんのおかげ、かあ……)
千歌「……」
梨子「千歌ちゃん?」
千歌「……ほぇ?」
曜「どーしたの急に黙っちゃって」
千歌「あ、ううん何でもないよ。ちょーっとだけ考え事してたんだ」
曜・梨子「?」
千歌「…………」フーム
261: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/04/19(火) 19:16:51.49 ID:tVM8mrxL
そして、それから数日後……
静岡──年末、明朝
千歌「みんなー! そろそろ来るよー! ほらあそこ!」
スーッ
蘭花「! お、おおおぉぉぉーーーーーーっ!!」キラキラ
姫乃「すごい……綺麗……」
さゆり「いやーまさか富士山の初日の出を拝められるなんて! 最高の年明けだよ!!」
あきる「ええ、本当に絶景ね。これだけでもここに来てよかったって思うわ」
ルビィ「えへへ、喜んでくれたみたいでよかった」
さゆり「ルビィちゃんが呼んでくれたからだよー! ありがとうー!」
ルビィ「ううん、こっちこそ善子ちゃんたちのお手伝いとかしてもらってるから」
ルビィ「いつもありがとうね二人とも」
262: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/04/19(火) 19:17:21.47 ID:tVM8mrxL
あきる「どういたしまして。でも、今日は作業やらないのよね?」
ルビィ「うんお休みだよ、今日はお姉ちゃんの誕生日だから皆でお祝いしたいの」
さゆり「じゃあ目出度いこと続きだ!」
ルビィ「そうだね、大変だけど」
善子「ルビィーそろそろ行くわよー」
ルビィ「はーい、じゃあまたね二人とも」
あきる「ええ」
さゆり「頑張ってねー!」フリフリ
ルビィ「うんお休みだよ、今日はお姉ちゃんの誕生日だから皆でお祝いしたいの」
さゆり「じゃあ目出度いこと続きだ!」
ルビィ「そうだね、大変だけど」
善子「ルビィーそろそろ行くわよー」
ルビィ「はーい、じゃあまたね二人とも」
あきる「ええ」
さゆり「頑張ってねー!」フリフリ
263: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/04/19(火) 19:18:28.84 ID:tVM8mrxL
ルビィ「お待たせ、みんなは?」タッ
善子「先に行ったわよ、曜と梨子は買い出し。花丸は飾りつけの続き」
善子「鞠莉とダイヤは挨拶回りとか色々、で千歌と果南は……」
善子「アレの練習ね、少しだけやらせてほしいって千歌が」
ルビィ「そっか、あきるちゃんたちはもう少し見てから部屋に戻るって」
善子「分かったわ、なら私たちも花丸の手伝いに行きましょうか」
ルビィ「うん」
善子「先に行ったわよ、曜と梨子は買い出し。花丸は飾りつけの続き」
善子「鞠莉とダイヤは挨拶回りとか色々、で千歌と果南は……」
善子「アレの練習ね、少しだけやらせてほしいって千歌が」
ルビィ「そっか、あきるちゃんたちはもう少し見てから部屋に戻るって」
善子「分かったわ、なら私たちも花丸の手伝いに行きましょうか」
ルビィ「うん」
264: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/04/19(火) 19:18:58.66 ID:tVM8mrxL
スタスタ
善子「それにしても、よくやるわよねこんな日まで特訓なんて」
ルビィ「千歌ちゃん?」
善子「ええ」
ルビィ「……それだけ難しいことだからね」
善子「まあねえ」
善子「……バク宙、か……ほんっと、とんだチャレンジ精神だわ」
ルビィ「ね。だけど」
ルビィ「千歌ちゃんはずーっとそうだったから」クス
265: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/04/19(火) 19:19:32.99 ID:tVM8mrxL
──
─
理亞『もう行くの?』
千歌『うん、やりたいことが出来たから』
理亞『そう、お疲れさま……あと、ありがとう昨日のライブ』
千歌『いやいや! お礼を言うのはこっちの方だよ!』
千歌『今でもドキドキするくらい凄いライブだったもん! ねっ曜ちゃん!』
曜『反響もとんでもなかったからねー!』
鞠莉『ええ、本当にいい体験をしたと思ってるわ』
鞠莉『理亞もすっごくカッコ良かったわよー!』
理亞『ちょ……くっ付いてこないで!』
果南『鞠莉』
鞠莉『あらsorry』
266: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/04/19(火) 19:20:00.15 ID:tVM8mrxL
ダイヤ『鞠莉さん貴女という人は……ではすみません聖良さん、そろそろ』
聖良『はい。また来てくださいね、歓迎しますから』
ルビィ『みんなもまたね』
あきる『ええ、また後で』
さゆり『楽しみだねー次は静岡かー!』
善子『そのときは私たちがもてなさないとね』
千歌『だね!』
千歌『よーしそれじゃあ帰るぞー! みんなーバイバーイ!』
花丸『さよならずらー!』
聖良『はい。また来てくださいね、歓迎しますから』
ルビィ『みんなもまたね』
あきる『ええ、また後で』
さゆり『楽しみだねー次は静岡かー!』
善子『そのときは私たちがもてなさないとね』
千歌『だね!』
千歌『よーしそれじゃあ帰るぞー! みんなーバイバーイ!』
花丸『さよならずらー!』
267: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/04/19(火) 19:20:30.72 ID:tVM8mrxL
果南『──って感じでいい雰囲気のまま終わったと思ったのに』
千歌『…………』
果南『帰ってきた途端にこれとはね』
梨子『はい、さっきからずっと考え込んでますよね』
鞠莉『どうしたのよ千歌っち、らしくもない顔しちゃって』
曜『昨日もだったけど、もしかして悩み事?』
ダイヤ『ですが、これまでの間に何か特別な問題があったとも思えませんわね』
花丸『そうだよね、ライブも大成功したし、ダイヤさん達の人気もまた出てきたしで……寧ろ良いことだらけだと思うんだけど』
千歌『…………』
果南『帰ってきた途端にこれとはね』
梨子『はい、さっきからずっと考え込んでますよね』
鞠莉『どうしたのよ千歌っち、らしくもない顔しちゃって』
曜『昨日もだったけど、もしかして悩み事?』
ダイヤ『ですが、これまでの間に何か特別な問題があったとも思えませんわね』
花丸『そうだよね、ライブも大成功したし、ダイヤさん達の人気もまた出てきたしで……寧ろ良いことだらけだと思うんだけど』
268: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/04/19(火) 19:21:00.46 ID:tVM8mrxL
千歌『うん、私もそう思うよ』
千歌『久しぶりに9人全員で、しかも聖良さん達とも一緒にやることが出来てすっごく嬉しかったし楽しかった』
千歌『函館でのクリスマスイベントに参加出来て、本当に良かったって思ってる』
善子『じゃあ何でよ、いつもなら一番に大はしゃぎするのに』
千歌『分かっちゃったからだよ、今のままじゃ駄目なんだって』
『……?』
ルビィ『千歌ちゃん、もしかして……理亞ちゃんのこと?』
千歌『うん、流石ルビィちゃん。気付くの早いなあー』
梨子『千歌ちゃん……?』
千歌『…………ねえみんな、話したいことがあるんだけど』
千歌『久しぶりに9人全員で、しかも聖良さん達とも一緒にやることが出来てすっごく嬉しかったし楽しかった』
千歌『函館でのクリスマスイベントに参加出来て、本当に良かったって思ってる』
善子『じゃあ何でよ、いつもなら一番に大はしゃぎするのに』
千歌『分かっちゃったからだよ、今のままじゃ駄目なんだって』
『……?』
ルビィ『千歌ちゃん、もしかして……理亞ちゃんのこと?』
千歌『うん、流石ルビィちゃん。気付くの早いなあー』
梨子『千歌ちゃん……?』
千歌『…………ねえみんな、話したいことがあるんだけど』
269: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/04/19(火) 19:21:43.73 ID:tVM8mrxL
千歌『私、次のラブライブ決勝で新しいパフォーマンスを決めたいの』
花丸『新しいパフォーマンス?』
千歌『うん、曲は最終予選に使ったMIRACLE WAVEで』
梨子『既存曲でいくの?』
曜『新曲じゃなくて?』
千歌『そのほうがはっきりと違いも分かるはずだから』
千歌『前より確実に進化したってことがね……だから果南ちゃん、お願い』
千歌『私にバク宙を教えてください』
果南『──!』
花丸『新しいパフォーマンス?』
千歌『うん、曲は最終予選に使ったMIRACLE WAVEで』
梨子『既存曲でいくの?』
曜『新曲じゃなくて?』
千歌『そのほうがはっきりと違いも分かるはずだから』
千歌『前より確実に進化したってことがね……だから果南ちゃん、お願い』
千歌『私にバク宙を教えてください』
果南『──!』
270: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/04/19(火) 19:22:12.58 ID:tVM8mrxL
鞠莉「……ほんと、突然言い出したときはビックリしたわよねー」
鞠莉「ま、理由を聞いたら納得したけど」
ダイヤ「確か、既存曲で挑むのもルールの規定上ではありでしたわよね」
鞠莉「ええ、新曲でっていうのはあくまで予選の話だし」
鞠莉「そもそも新曲を使用しなければいけない理由っていうのが、プロのコピーをしている人達をはじくため、つまりは公平さを期すためだしね」
鞠莉「だから使用するのが同グループ内の曲なら問題はないはずよ」
鞠莉「同じ曲だからこそ違いが明確に表れるっていうのも理にかなってると思う」
ダイヤ「ロンダートの連携にバク宙を追加……千歌さんは大丈夫でしょうか」
鞠莉「そこは信じてあげないと駄目でしょう」
ダイヤ「それは分かりますが」
鞠莉「ま、理由を聞いたら納得したけど」
ダイヤ「確か、既存曲で挑むのもルールの規定上ではありでしたわよね」
鞠莉「ええ、新曲でっていうのはあくまで予選の話だし」
鞠莉「そもそも新曲を使用しなければいけない理由っていうのが、プロのコピーをしている人達をはじくため、つまりは公平さを期すためだしね」
鞠莉「だから使用するのが同グループ内の曲なら問題はないはずよ」
鞠莉「同じ曲だからこそ違いが明確に表れるっていうのも理にかなってると思う」
ダイヤ「ロンダートの連携にバク宙を追加……千歌さんは大丈夫でしょうか」
鞠莉「そこは信じてあげないと駄目でしょう」
ダイヤ「それは分かりますが」
271: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/04/19(火) 19:22:40.42 ID:tVM8mrxL
鞠莉「……千歌っちの判断は間違っていないわ」
鞠莉「あの子が言ってたリーダーの質の違い、それが何を指しているのかも分かる」
鞠莉「別にあの子が卑屈になってるわけじゃないし、今のAqoursのリーダーは千歌っち以外あり得ない。それはみんな思ってる」
鞠莉「ただ……問題なのは、あの場でルビィと理亞が私たち全員に実力以上のものを引き出させてしまったってことなのよね」
ダイヤ「クリスマスライブのことですわね」
鞠莉「あの子が言ってたリーダーの質の違い、それが何を指しているのかも分かる」
鞠莉「別にあの子が卑屈になってるわけじゃないし、今のAqoursのリーダーは千歌っち以外あり得ない。それはみんな思ってる」
鞠莉「ただ……問題なのは、あの場でルビィと理亞が私たち全員に実力以上のものを引き出させてしまったってことなのよね」
ダイヤ「クリスマスライブのことですわね」
272: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/04/19(火) 19:23:16.55 ID:tVM8mrxL
鞠莉「そう。特に理亞はSaint Snowのリーダーで、馴染みがあるとはいえ急遽作られたグループでもそれを実現してみせたものだから」
鞠莉「本来のグループでも同じ、いやそれ以上の力を引き出すことが可能かもしれない」
鞠莉「たとえ千歌っちがどんなにメンバーに信頼されていても、それに見合うくらいのリーダーシップをこの2年間で身に付けていたとしても」
鞠莉「100%じゃ120%には勝てない……そういう話なのよね」
ダイヤ「……」
鞠莉「だからといって、じゃあルビィにセンター任せて全員引き上げてもらえばいいともならない」
鞠莉「それじゃ意味がない、これは千歌っちが始めたことで、そして次が文字通りあの子の最後の大会になる」
鞠莉「彼女自身がつけなければいけない"けじめ"なのよ、これはね」
鞠莉「本来のグループでも同じ、いやそれ以上の力を引き出すことが可能かもしれない」
鞠莉「たとえ千歌っちがどんなにメンバーに信頼されていても、それに見合うくらいのリーダーシップをこの2年間で身に付けていたとしても」
鞠莉「100%じゃ120%には勝てない……そういう話なのよね」
ダイヤ「……」
鞠莉「だからといって、じゃあルビィにセンター任せて全員引き上げてもらえばいいともならない」
鞠莉「それじゃ意味がない、これは千歌っちが始めたことで、そして次が文字通りあの子の最後の大会になる」
鞠莉「彼女自身がつけなければいけない"けじめ"なのよ、これはね」
273: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/04/19(火) 19:24:10.50 ID:tVM8mrxL
ダイヤ「……そうですわね」
鞠莉「はいはい、それじゃ真面目な話はここで終わるとして」
ダイヤ「鞠莉さんから話し始めたことですわよね?」
鞠莉「細かいこと気にしないの、私たちも早くみんなのところに戻るわよ」
鞠莉「今日はダイヤの誕生日なんだから、いつまでもシリアスに構えてられないしね」
鞠莉「それにちゃんとしたお祝いなんて、2年ぶりでしょ?」
鞠莉「去年すっごい寂しい思いしたものねぇ~ダイヤ」
ダイヤ「だ、誰も寂しいだなんて言ってませんわっ!」
鞠莉「そんなにムキにならなくてもいいのに」
鞠莉「はいはい、それじゃ真面目な話はここで終わるとして」
ダイヤ「鞠莉さんから話し始めたことですわよね?」
鞠莉「細かいこと気にしないの、私たちも早くみんなのところに戻るわよ」
鞠莉「今日はダイヤの誕生日なんだから、いつまでもシリアスに構えてられないしね」
鞠莉「それにちゃんとしたお祝いなんて、2年ぶりでしょ?」
鞠莉「去年すっごい寂しい思いしたものねぇ~ダイヤ」
ダイヤ「だ、誰も寂しいだなんて言ってませんわっ!」
鞠莉「そんなにムキにならなくてもいいのに」
274: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/04/19(火) 19:24:44.70 ID:tVM8mrxL
ダイヤ「…………」
ダイヤ「確かに」
鞠莉「およ?」
ダイヤ「去年に続いて今年も人が集まらず静かなお祝いになっていたら、また傷ついていたかもしれません」
ダイヤ「そしてそれも仕方のないことなのだと、自分に言い聞かせて」
鞠莉「……」
ダイヤ「ですから、今はとても幸せですわね」
ダイヤ「こんなに私のことを祝福してくれる方たちがいるのだから」
ダイヤ「確かに」
鞠莉「およ?」
ダイヤ「去年に続いて今年も人が集まらず静かなお祝いになっていたら、また傷ついていたかもしれません」
ダイヤ「そしてそれも仕方のないことなのだと、自分に言い聞かせて」
鞠莉「……」
ダイヤ「ですから、今はとても幸せですわね」
ダイヤ「こんなに私のことを祝福してくれる方たちがいるのだから」
275: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/04/19(火) 19:25:16.19 ID:tVM8mrxL
鞠莉「! そうそう、そうでなくっちゃ!」
鞠莉「ずーっと辛気臭い顔をしてたらシワが増えちゃうしね! ダイヤだけ先におば様になっちゃうわ♪」
ダイヤ「鞠莉さん!!」
鞠莉「ワーオ、退散ーっ!」ダッ
ダイヤ「あの人は本当にもう……っ!」
ダイヤ「……ありがとう鞠莉さん」
鞠莉「ずーっと辛気臭い顔をしてたらシワが増えちゃうしね! ダイヤだけ先におば様になっちゃうわ♪」
ダイヤ「鞠莉さん!!」
鞠莉「ワーオ、退散ーっ!」ダッ
ダイヤ「あの人は本当にもう……っ!」
ダイヤ「……ありがとう鞠莉さん」
276: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/04/19(火) 19:26:01.13 ID:tVM8mrxL
─
千歌「えーそれでは!全員集まったことですし! ルビィちゃんどうぞ!」
ルビィ「うん、みんないくよ! せーのっ!」
パン! パン! パパンッ!!
ルビィ「お姉ちゃん!」
「「「誕生日おめでとうーーっ!!!」」」
ダイヤ「みなさん、ありがとうございます」
鞠莉「ダイヤなんか涙目になってない?」
ダイヤ「なってませんわっ!」
千歌「えーそれでは!全員集まったことですし! ルビィちゃんどうぞ!」
ルビィ「うん、みんないくよ! せーのっ!」
パン! パン! パパンッ!!
ルビィ「お姉ちゃん!」
「「「誕生日おめでとうーーっ!!!」」」
ダイヤ「みなさん、ありがとうございます」
鞠莉「ダイヤなんか涙目になってない?」
ダイヤ「なってませんわっ!」
277: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/04/19(火) 19:26:31.14 ID:tVM8mrxL
ワイワイガヤガヤ
鞠莉「では開幕いってみましょー! トップバッターは善子から!」
善子「はあ!? 聞いてないんだけど!」
鞠莉「即興で頼むわ♪ なんか祝いの曲的なのをピアノでドカーンと!」
善子「しかもアバウトすぎる!!」
梨子「まあまあ善子ちゃん、私も手伝ってあげるから」
果南「おぉ、手伝いとはいえ梨子ちゃんがダイヤにピアノでお祝いを……感慨深いなあ」
花丸「うん、色々あったもんね」
278: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/04/19(火) 19:27:27.79 ID:tVM8mrxL
ポロン♪ ポロロン♪
千歌「わー善子ちゃんピアノ上手くなってるー!」パチパチ!
曜「最初は全く出来ていなかったのにね、凄い上達ぶり」
ルビィ「梨子ちゃんの指導の賜物だね」エヘヘ
千歌「ね! 曜ちゃんも鼻が高いんじゃないのー!?」
曜「ん、んんっ!! いきなりそういうこと言わないでよ……!」
千歌「あははごめんごめん」
279: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/04/19(火) 19:27:58.05 ID:tVM8mrxL
鞠莉「さあ! 次はお決まりのビンゴ大会やるわよー!!」
鞠莉「景品も超奮発していいものにしたから皆頑張ってねー!」
「「おぉーーーー!!」」
果南「あははっ贅沢だなぁー! 流石は鞠莉、スケールが大きいね」
花丸「豪快ずら」
ダイヤ「まあ資産家特有の道楽ですわね」
果南「たしかに」
鞠莉「ダイヤぁ! 主役のくせにノリ悪いわよ!」
鞠莉「こんなときまで頭でっかちちゃんデスカー!?」トントン
ダイヤ「なんですって!!?」ガタッ
鞠莉「景品も超奮発していいものにしたから皆頑張ってねー!」
「「おぉーーーー!!」」
果南「あははっ贅沢だなぁー! 流石は鞠莉、スケールが大きいね」
花丸「豪快ずら」
ダイヤ「まあ資産家特有の道楽ですわね」
果南「たしかに」
鞠莉「ダイヤぁ! 主役のくせにノリ悪いわよ!」
鞠莉「こんなときまで頭でっかちちゃんデスカー!?」トントン
ダイヤ「なんですって!!?」ガタッ
280: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/04/19(火) 19:28:24.18 ID:tVM8mrxL
ドッ ワハハハ
千歌「あ、いじられパターン入った」
ルビィ「でもお姉ちゃん楽しそう、私もあっちに行ってこようかな」
千歌「ルビィちゃんいってらっしゃーい」テヲフリ
千歌「いやあ賑やかだねー……お、これ美味しい」モグモグ
曜「だねー……ん、こっちもいける」パク
281: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/04/19(火) 19:29:00.34 ID:tVM8mrxL
曜「しっかし、それにしてもさ」
千歌「?」
曜「こういうお祝いごとって、なんかやるの久々だよね」
千歌「そうだっけ? 何かあるたびにやってた気がするけど」
曜「9人でって意味」
曜「ほら全員で集まってたことは何回かあったけど、今みたいなパーティとかはあまりやってなかったし」
千歌「そういえばそうかも」
曜「でしょ? だからさ……」
千歌「?」
曜「こういうお祝いごとって、なんかやるの久々だよね」
千歌「そうだっけ? 何かあるたびにやってた気がするけど」
曜「9人でって意味」
曜「ほら全員で集まってたことは何回かあったけど、今みたいなパーティとかはあまりやってなかったし」
千歌「そういえばそうかも」
曜「でしょ? だからさ……」
282: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/04/19(火) 19:29:30.04 ID:tVM8mrxL
鞠莉「はーい次は……28番!」
蘭花「……」ハフハフ
姫乃「ちょ、蘭花さん! 開けてください!リーチになってますよ!?」
花丸「……」ウマウマ
善子「花丸ぅ! あんたに関してはもうビンゴになってるじゃないの!」
ルビィ「みたいですけど」
鞠莉「あらそうなの? でも本人の挙手がないと景品はゲット出来ないわよー」
ルビィ「だって善子ちゃん」
善子「ああもどかしい!」
花丸「うーん、幸せずらぁ……」
蘭花「……」ハフハフ
姫乃「ちょ、蘭花さん! 開けてください!リーチになってますよ!?」
花丸「……」ウマウマ
善子「花丸ぅ! あんたに関してはもうビンゴになってるじゃないの!」
ルビィ「みたいですけど」
鞠莉「あらそうなの? でも本人の挙手がないと景品はゲット出来ないわよー」
ルビィ「だって善子ちゃん」
善子「ああもどかしい!」
花丸「うーん、幸せずらぁ……」
283: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/04/19(火) 19:30:06.58 ID:tVM8mrxL
曜「ようやくここまで来られたんだなあって、ちょっとね」
千歌「なに、曜ちゃんまでダイヤさんモード入ってるの?」
曜「あはは……どうだろう。そこはちょっと分かんないけど」
曜「……でもさ」
曜「千歌ちゃんと二人で決めたときから、私はずーっと見てきてるから」
曜「なんかね、本当に嬉しいなあって思うんだよ」
曜「あの時千歌ちゃんと一緒にスクールアイドルを始めて、Aqoursに入って本当に良かったなあって」
千歌「曜ちゃん……」
曜「だから、頑張ろうね千歌ちゃん」ニコッ
千歌「なに、曜ちゃんまでダイヤさんモード入ってるの?」
曜「あはは……どうだろう。そこはちょっと分かんないけど」
曜「……でもさ」
曜「千歌ちゃんと二人で決めたときから、私はずーっと見てきてるから」
曜「なんかね、本当に嬉しいなあって思うんだよ」
曜「あの時千歌ちゃんと一緒にスクールアイドルを始めて、Aqoursに入って本当に良かったなあって」
千歌「曜ちゃん……」
曜「だから、頑張ろうね千歌ちゃん」ニコッ
284: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/04/19(火) 19:30:46.15 ID:tVM8mrxL
鞠莉「次は……12番!」
曜「おっビンゴだ! じゃあちょっと行ってくる!」
曜「はいはーい! 鞠莉ちゃん景品くださーい!」
千歌「…………」
千歌(そうだよね、曜ちゃんは)
千歌(私がμ'sに憧れてスクールアイドルになるって決めたときからずっと一緒だったもんね)
千歌(それから果南ちゃんを誘って、梨子ちゃんが転校してきて、ルビィちゃんに会って……そして)
千歌(……ああ、そっか)
千歌(私、もうそんなところまで来てたんだ)
千歌(……いや、私たち……だね)
曜「おっビンゴだ! じゃあちょっと行ってくる!」
曜「はいはーい! 鞠莉ちゃん景品くださーい!」
千歌「…………」
千歌(そうだよね、曜ちゃんは)
千歌(私がμ'sに憧れてスクールアイドルになるって決めたときからずっと一緒だったもんね)
千歌(それから果南ちゃんを誘って、梨子ちゃんが転校してきて、ルビィちゃんに会って……そして)
千歌(……ああ、そっか)
千歌(私、もうそんなところまで来てたんだ)
千歌(……いや、私たち……だね)
285: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/04/19(火) 19:31:12.67 ID:tVM8mrxL
千歌(諦めなかったからここまで来れた)
千歌(たとえ次が最後になったとしても、それは変わらない)
千歌(頑張って乗り越えるだけなんだ、いつだって)
千歌(だから)
ガタッ
ダイヤ「!?」ビクッ
千歌「よぉぉーーーしやるぞーーーーー!!」
千歌「絶対勝ぁーーーつ!!」
オォーーー!!
花丸「ど、どうしたんだろう千歌ちゃん」
善子「というかビンゴ大会ってあんなに気合い入れてやるものだったかしら……」
千歌(たとえ次が最後になったとしても、それは変わらない)
千歌(頑張って乗り越えるだけなんだ、いつだって)
千歌(だから)
ガタッ
ダイヤ「!?」ビクッ
千歌「よぉぉーーーしやるぞーーーーー!!」
千歌「絶対勝ぁーーーつ!!」
オォーーー!!
花丸「ど、どうしたんだろう千歌ちゃん」
善子「というかビンゴ大会ってあんなに気合い入れてやるものだったかしら……」
286: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/04/19(火) 19:32:00.87 ID:tVM8mrxL
鞠莉「千歌っちいいわねーテンションあげあげで!」
千歌「いやぁーどうもどうも!」
ルビィ「……すごいね千歌ちゃんって、いつも真っ直ぐなんだもん」
善子・花丸「?」
曜・梨子・果南「」クスッ
ルビィ(そしてそんな千歌ちゃんを見て、周りの人たちもいつの間にか元気になって)
千歌「あはははは!」
ルビィ(まるで──)
千歌「いやぁーどうもどうも!」
ルビィ「……すごいね千歌ちゃんって、いつも真っ直ぐなんだもん」
善子・花丸「?」
曜・梨子・果南「」クスッ
ルビィ(そしてそんな千歌ちゃんを見て、周りの人たちもいつの間にか元気になって)
千歌「あはははは!」
ルビィ(まるで──)
287: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/04/19(火) 19:32:43.74 ID:tVM8mrxL
一ヶ月後……
2月14日
東京
果南「……」モグモグ
ガチャ
聖良「あれ、今日はバイト休みなんですか?」
果南「んーまあね、ダイヤはシフト入ってるみたいだけど」モグモグ
聖良「またですか?」
果南「ダイヤに関してはちょっと詰めすぎな気がするけどね、でも今のうちに稼いでおきたい気持ちも分かるからなあ」モグモグ
果南「次の夏休みとかさ、絶対帰省するだろうし」モグモグ
聖良「そうですね」
聖良「……ところでさっきから何を食べているんですか」
288: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/04/19(火) 19:33:24.70 ID:tVM8mrxL
果南「チョコレート、大学の子に貰ったやつ」
果南「こっちはバイト先で」ガサガサ
聖良「……はあ、そうですか」
果南「え、なに」
聖良「いえ、そんなにあるなら私のはいらないかなと」
果南「嘘、あるの!? いるいる! 私聖良からのチョコが一番欲しかったんだよね!」
聖良「っ……ど、どうしてですか?」
果南「だって絶対美味しいじゃん」
聖良「…………少しでも期待した私が馬鹿でした」
果南「えっ私今変なこと言ったかな?」
聖良「いいえ、特には」
果南「? よく分からないなあ聖良は」
果南「こっちはバイト先で」ガサガサ
聖良「……はあ、そうですか」
果南「え、なに」
聖良「いえ、そんなにあるなら私のはいらないかなと」
果南「嘘、あるの!? いるいる! 私聖良からのチョコが一番欲しかったんだよね!」
聖良「っ……ど、どうしてですか?」
果南「だって絶対美味しいじゃん」
聖良「…………少しでも期待した私が馬鹿でした」
果南「えっ私今変なこと言ったかな?」
聖良「いいえ、特には」
果南「? よく分からないなあ聖良は」
289: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/04/19(火) 19:34:10.25 ID:tVM8mrxL
果南「うーん、まあいいや」
聖良「いいんですね」
果南「でもそうだなあ、貰ってばかりもなんだしちょっと買い物付き合ってよ」
聖良「別に構いませんけど、何を買うんですか?」
果南「私も聖良にチョコあげようと思って」
果南「少し前の私の誕生日のときも聖良にはお世話になってるしね」
聖良「行きます! 行きましょう!」ズイ
果南「あ、うん……行こうか」
果南(そこまで食いつくって、聖良って意外と甘党なのかな)
聖良(とか果南さんは考えていそうだけど)
聖良「いいんですね」
果南「でもそうだなあ、貰ってばかりもなんだしちょっと買い物付き合ってよ」
聖良「別に構いませんけど、何を買うんですか?」
果南「私も聖良にチョコあげようと思って」
果南「少し前の私の誕生日のときも聖良にはお世話になってるしね」
聖良「行きます! 行きましょう!」ズイ
果南「あ、うん……行こうか」
果南(そこまで食いつくって、聖良って意外と甘党なのかな)
聖良(とか果南さんは考えていそうだけど)
290: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/04/19(火) 19:35:05.87 ID:tVM8mrxL
ワチャワチャ
ゾロゾロ
果南「へぇ~、やっぱり結構人いるなあ」
果南「なんだかんだでバレンタイン文化って廃れてないよね」
聖良「女の子が男の子に贈る日といった風潮は無くなってきましたけどね」
果南「今では普通に女の子同士でもチョコ贈りあったりするもんね」ハハ
聖良「果南さんが貰った中にも本命があるかもしれませんよ」
果南「あはは、まさか」
聖良「…………」ハァー
291: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/04/19(火) 19:35:46.76 ID:tVM8mrxL
果南「あーでも曜は貰ってそうかもね」
聖良「モテそうですもんね、曜さんは」
果南「違う違うそうじゃなくて、梨子ちゃんにって意味」
果南「梨子ちゃんそういうの敏感そうだしね」
聖良「ああなるほど」
果南「千歌と鞠莉はまたそれ見てからかったりするんだろうな~」
聖良「やりそうですねあの二人なら」フフッ
聖良「モテそうですもんね、曜さんは」
果南「違う違うそうじゃなくて、梨子ちゃんにって意味」
果南「梨子ちゃんそういうの敏感そうだしね」
聖良「ああなるほど」
果南「千歌と鞠莉はまたそれ見てからかったりするんだろうな~」
聖良「やりそうですねあの二人なら」フフッ
292: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/04/19(火) 19:36:12.85 ID:tVM8mrxL
イラッシャイマセー
聖良「そういえば」
果南「うん?」
聖良「千歌さんとの特訓はどうだったんですか? 聞きそびれていましたけど」
果南「バク宙のこと?」
聖良「はい」
果南「一応やれるだけのことはしたけど、上手くいくかどうかはちょっと分からないかも」ドレドレ
聖良「やはりそこまでいくと習得は厳しいですか」
果南「いや、バク宙自体は問題ないんだけどさ」
聖良「そういえば」
果南「うん?」
聖良「千歌さんとの特訓はどうだったんですか? 聞きそびれていましたけど」
果南「バク宙のこと?」
聖良「はい」
果南「一応やれるだけのことはしたけど、上手くいくかどうかはちょっと分からないかも」ドレドレ
聖良「やはりそこまでいくと習得は厳しいですか」
果南「いや、バク宙自体は問題ないんだけどさ」
293: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/04/19(火) 19:36:46.53 ID:tVM8mrxL
聖良「そうなんですか?」
果南「ざっくり言うと軌道の違いだけだからね、後ろへ一回転することへの恐怖心っていうのはバク転の時点で克服済みだし」
果南「既にバク転を習得してその流れを掴めているのなら、決して難しい技じゃないんだ」
果南「あくまで順を追っての話だけど」
聖良「なら問題があるというのはもしかして」
果南「流石察しがいいね、そう繋ぎの部分」
果南「単品だともちろん膝を曲げて飛ぶ力をつけなきゃいけないんだけど、連携するとなるとそれじゃ逆に勢いを殺しちゃうことになるんだよ」
聖良「ロンバクのときも言ってましたもんね、勢いそのままつま先で蹴るって」
果南「そうそう、それ」
果南「ざっくり言うと軌道の違いだけだからね、後ろへ一回転することへの恐怖心っていうのはバク転の時点で克服済みだし」
果南「既にバク転を習得してその流れを掴めているのなら、決して難しい技じゃないんだ」
果南「あくまで順を追っての話だけど」
聖良「なら問題があるというのはもしかして」
果南「流石察しがいいね、そう繋ぎの部分」
果南「単品だともちろん膝を曲げて飛ぶ力をつけなきゃいけないんだけど、連携するとなるとそれじゃ逆に勢いを殺しちゃうことになるんだよ」
聖良「ロンバクのときも言ってましたもんね、勢いそのままつま先で蹴るって」
果南「そうそう、それ」
294: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/04/19(火) 19:37:25.94 ID:tVM8mrxL
果南「でも勢いに引っ張られすぎても駄目なんだよね」
果南「急ぎすぎて首を返すのが早くなると宙返りもその分低くなるし」
果南「バク転浮いたらそもそもバク宙への入りも上手くいかないしとか、他にも気を付けなくちゃいけない点が色々あってさ」
果南「だから完成形を持ってくるのは結構骨が折れると思うよ」
果南「ましてや、ラブライブ決勝まで残り二週間程度だし」
聖良「……」
果南「心配?」
聖良「妹のライバルとはいえ一時練習を共にした身ですから」
聖良「それに彼女のことは私も好きですし」
果南「……そっかそっか」
果南「まあ好きになるのはいいことだよね」
果南「急ぎすぎて首を返すのが早くなると宙返りもその分低くなるし」
果南「バク転浮いたらそもそもバク宙への入りも上手くいかないしとか、他にも気を付けなくちゃいけない点が色々あってさ」
果南「だから完成形を持ってくるのは結構骨が折れると思うよ」
果南「ましてや、ラブライブ決勝まで残り二週間程度だし」
聖良「……」
果南「心配?」
聖良「妹のライバルとはいえ一時練習を共にした身ですから」
聖良「それに彼女のことは私も好きですし」
果南「……そっかそっか」
果南「まあ好きになるのはいいことだよね」
295: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/04/19(火) 19:38:06.74 ID:tVM8mrxL
聖良「?」
果南「いや何でもないよ、気にしないで」
果南(私も今のは自分でもよく分からないし)
果南「とにかく、結局のところは千歌次第なんだってこと」
果南「で、私たちはそれを信じるしかない」
果南「けどさ、見守ることって案外大事だったりするんだよね……あ、これなんてどうかな?」
聖良「こっちのイルカのがいいです」
果南「イルカかあ、いいセンスだね」
果南「いや何でもないよ、気にしないで」
果南(私も今のは自分でもよく分からないし)
果南「とにかく、結局のところは千歌次第なんだってこと」
果南「で、私たちはそれを信じるしかない」
果南「けどさ、見守ることって案外大事だったりするんだよね……あ、これなんてどうかな?」
聖良「こっちのイルカのがいいです」
果南「イルカかあ、いいセンスだね」
296: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/04/19(火) 19:38:32.77 ID:tVM8mrxL
果南「じゃあこれで……」
ザワザワ
果南「……ん?」
「ねえねえ、あの人聖良さんじゃない?」
「あっちはもしかして果南ちゃん!?」
キャーキャー
果南「なんか最近多いねこういうの」
聖良「思っていた以上に知名度が上がってしまいましたから」
聖良「買い物のときくらいはあまり目立ちたくないんですけどね」
果南「だよねー、はいこれプレゼント」
ザワザワ
果南「……ん?」
「ねえねえ、あの人聖良さんじゃない?」
「あっちはもしかして果南ちゃん!?」
キャーキャー
果南「なんか最近多いねこういうの」
聖良「思っていた以上に知名度が上がってしまいましたから」
聖良「買い物のときくらいはあまり目立ちたくないんですけどね」
果南「だよねー、はいこれプレゼント」
297: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/04/19(火) 19:39:02.42 ID:tVM8mrxL
聖良「今渡すんですか」
果南「手っ取り早くていいかなって」
「あれ、今渡したのってチョコだよね?」
「聖良さんと果南ちゃんって一緒にいること多いし、もしかして付き合ってるのかな?」
聖良「」ピク
「いやいや普通に友チョコでしょ」
「えー、でもさー、凄い雰囲気がぽくない? こう熟年感あるっていうか」
「あー確かに」
聖良「……果南さん」
果南「んー?」
聖良「私は目立つのもアリだと思います」
果南「急に意見180度変わったね」ナンデ?
果南「手っ取り早くていいかなって」
「あれ、今渡したのってチョコだよね?」
「聖良さんと果南ちゃんって一緒にいること多いし、もしかして付き合ってるのかな?」
聖良「」ピク
「いやいや普通に友チョコでしょ」
「えー、でもさー、凄い雰囲気がぽくない? こう熟年感あるっていうか」
「あー確かに」
聖良「……果南さん」
果南「んー?」
聖良「私は目立つのもアリだと思います」
果南「急に意見180度変わったね」ナンデ?
298: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/04/19(火) 19:39:30.56 ID:tVM8mrxL
その頃
内浦、十千万
少女「千歌ちゃん! ラブライブ頑張ってねー!」
千歌「ありがとう! 頑張るよー!」
「では私たちはこのあたりで」
志満「はい、本日はお越しいただきありがとうございます」ペコ
少女「バイバーイ!」フリフリ
千歌「またねー!」
内浦、十千万
少女「千歌ちゃん! ラブライブ頑張ってねー!」
千歌「ありがとう! 頑張るよー!」
「では私たちはこのあたりで」
志満「はい、本日はお越しいただきありがとうございます」ペコ
少女「バイバーイ!」フリフリ
千歌「またねー!」
299: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/04/19(火) 19:40:03.48 ID:tVM8mrxL
美渡「なに千歌、あんたまだ手伝いやってたの?」
千歌「美渡姉」
美渡「大会近いのに余裕だねー、ん?」ワシャワシャ
千歌「ムッ、そんなことないもん! これから練習するんだから!」バッ
美渡「あっそう、はしゃぎすぎて怪我とかしなきゃいいけどなー」
千歌「しないし!!」
美渡「ふーん?」
千歌「美渡姉のアホ! もういいよ!いってきます!」
志満「いってらっしゃい、あまり遅くなったら駄目よ」
千歌「分かってるー!」タッ
千歌「美渡姉」
美渡「大会近いのに余裕だねー、ん?」ワシャワシャ
千歌「ムッ、そんなことないもん! これから練習するんだから!」バッ
美渡「あっそう、はしゃぎすぎて怪我とかしなきゃいいけどなー」
千歌「しないし!!」
美渡「ふーん?」
千歌「美渡姉のアホ! もういいよ!いってきます!」
志満「いってらっしゃい、あまり遅くなったら駄目よ」
千歌「分かってるー!」タッ
300: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/04/19(火) 19:40:39.90 ID:tVM8mrxL
美渡「志満姉、あれ絶対分かってないと思うよ」
志満「フフッ、そうかしら」
美渡「ったくもー、大会近いから手伝いちょっとだけでいいっていつも言ってんのに……」
美渡「今まで仕方なくやってきたくせに急にやる気出してきて、何考えてんだか」
志満「誰かが離れた土地からわざわざ自分に会いに来てくれてる、それが嬉しいのよ。きっと」
志満「そしてそんなファンの子を無下にしたくないんでしょうね、千歌ちゃんは」
志満「あの子にとっては初めての経験だもの」
美渡「そりゃ気持ちは理解できるけども」
志満「フフッ、そうかしら」
美渡「ったくもー、大会近いから手伝いちょっとだけでいいっていつも言ってんのに……」
美渡「今まで仕方なくやってきたくせに急にやる気出してきて、何考えてんだか」
志満「誰かが離れた土地からわざわざ自分に会いに来てくれてる、それが嬉しいのよ。きっと」
志満「そしてそんなファンの子を無下にしたくないんでしょうね、千歌ちゃんは」
志満「あの子にとっては初めての経験だもの」
美渡「そりゃ気持ちは理解できるけども」
301: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/04/19(火) 19:41:07.24 ID:tVM8mrxL
美渡「……はぁー」
美渡「何にしても、浮かれ過ぎなきゃいいけどね」
志満「別に調子に乗ってるわけじゃないでしょ? 寧ろどっちにも気合いを入れているように見えるけど」
美渡「そういう意味で言ったんじゃないよ」
美渡「上ばっか見てると、地に足がついてるのかどうかすら、分かんなくなるからさ」
志満「?」
美渡「特に……誰かを"追い越す"んじゃなくて、自分自身を"乗り越え"ようとしているやつはね」
美渡「何にしても、浮かれ過ぎなきゃいいけどね」
志満「別に調子に乗ってるわけじゃないでしょ? 寧ろどっちにも気合いを入れているように見えるけど」
美渡「そういう意味で言ったんじゃないよ」
美渡「上ばっか見てると、地に足がついてるのかどうかすら、分かんなくなるからさ」
志満「?」
美渡「特に……誰かを"追い越す"んじゃなくて、自分自身を"乗り越え"ようとしているやつはね」
302: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/04/19(火) 19:41:40.16 ID:tVM8mrxL
─体育館
千歌「お待たせー!」
曜「千歌ちゃん遅いよ!」
千歌「ごめんごめん」
梨子「また家の手伝い?」
千歌「まあね、今日はちょっと無視できなくて」
曜(あーこれは例のファンの女の子だな)
曜「うん分かった、じゃあ時間もないしすぐ始めようか」
千歌「よーしバッチ来ーい!」
千歌「お待たせー!」
曜「千歌ちゃん遅いよ!」
千歌「ごめんごめん」
梨子「また家の手伝い?」
千歌「まあね、今日はちょっと無視できなくて」
曜(あーこれは例のファンの女の子だな)
曜「うん分かった、じゃあ時間もないしすぐ始めようか」
千歌「よーしバッチ来ーい!」
303: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/04/19(火) 19:42:22.27 ID:tVM8mrxL
キュッキュ
タン トトンッ ダンッ!
梨子「…………」
鞠莉「どうー? やってるー?」
梨子「鞠莉さん、はい今日は調子がいいみたいで成功率もいつもより高いですね」
鞠莉「どれどれ、ひーふーみーの……8割!? やるじゃない千歌っち!!」
梨子「本人としてはまだまだ納得がいかないみたいですけど」
鞠莉「そうよね、なにせ師匠があの果南だし」
鞠莉「でも安心したわ、自主練の時間が削られてるみたいだからちょっとだけ心配だったんだけど」
鞠莉「この様子なら問題なさそうね」
304: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/04/19(火) 19:42:57.87 ID:tVM8mrxL
梨子「クスッ、そうですね」
梨子「私と曜ちゃんもさっきそれで、千歌ちゃんに負けないように頑張らないとねって話してたところです」
鞠莉「……へぇ~? 二人で、ねえ?」
梨子「べ、別に普通だと思いますけど」
鞠莉「ふ~ん、じゃあそういうことにしておいてあげるわ」
梨子「本当なのに……」
鞠莉「曜の口元に付いてるあれ、何かしらね」
梨子「私と曜ちゃんもさっきそれで、千歌ちゃんに負けないように頑張らないとねって話してたところです」
鞠莉「……へぇ~? 二人で、ねえ?」
梨子「べ、別に普通だと思いますけど」
鞠莉「ふ~ん、じゃあそういうことにしておいてあげるわ」
梨子「本当なのに……」
鞠莉「曜の口元に付いてるあれ、何かしらね」
305: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/04/19(火) 19:43:34.62 ID:tVM8mrxL
梨子「!!」
千歌「練習終わりー! 梨子ちゃん私にもチョコちょうだーい!」
曜「ん、私にも? 千歌ちゃんなんで私が梨子ちゃんにチョコ貰ったこと知ってるの?」
梨子「もうっ! 曜ちゃん!!」
曜「えっ、えっ、なに?」
鞠莉「甘かったのはチョコだけじゃなかったみたいね、曜」
梨子「上手いこといったつもりですか!」
千歌「練習終わりー! 梨子ちゃん私にもチョコちょうだーい!」
曜「ん、私にも? 千歌ちゃんなんで私が梨子ちゃんにチョコ貰ったこと知ってるの?」
梨子「もうっ! 曜ちゃん!!」
曜「えっ、えっ、なに?」
鞠莉「甘かったのはチョコだけじゃなかったみたいね、曜」
梨子「上手いこといったつもりですか!」
306: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/04/19(火) 19:44:06.07 ID:tVM8mrxL
ワーワー
善子「……様子が気になって立ち寄ってみれば」
ルビィ「あははっ、楽しそうだねぇ」
花丸「和気藹々ずらー」
善子「はぁ……帰りましょ、心配して損した」クルッ
ルビィ「いいの?」
善子「だっていつも通りだし、それなら私は今の自分に出来ることをやっておきたいの」
善子「あとで後悔したくないし、だから帰る」
307: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/04/19(火) 19:44:32.71 ID:tVM8mrxL
花丸「じゃあ今日はみんなで作業だね」
善子「ええ」
ルビィ「ねえ、他にも何か手伝うことある?」
善子「夜食作って」
ルビィ「かしこまりました」ニコッ
花丸「いいなあ善子ちゃん」
善子「いいでしょ」
善子「ええ」
ルビィ「ねえ、他にも何か手伝うことある?」
善子「夜食作って」
ルビィ「かしこまりました」ニコッ
花丸「いいなあ善子ちゃん」
善子「いいでしょ」
308: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/04/19(火) 19:45:13.78 ID:tVM8mrxL
スタスタ
「「「…………」」」
善子(……けど、実際のところ)
花丸(何かやってないと落ち着かないだけで……だって)
ルビィ(……あと2週間)
勝っても負けても
大会が終われば、あの人たちはもういなくなってしまうんだから。
これで本当に、最後なんだから。
312: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/04/20(水) 18:45:34.63 ID:SGhdsX4V
そして時は過ぎ……3月1日
ラブライブ決勝、当日
313: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/04/20(水) 18:46:37.74 ID:SGhdsX4V
アキバドーム入口
千歌「くぅーっ! 来た、来たよ……!」
千歌「ついにやって来たよー! 東京! アキバドーーームっ!!」※
千歌「夢にまで見た憧れの舞台が! 今そこに!」
善子「なんで実況の煽りみたいになってるのよ」
曜「まあまあ善子ちゃん」
※このssでは東京ドームとアキバドームは別々にある……ということにしておいてください
314: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/04/20(水) 18:47:17.63 ID:SGhdsX4V
ゾロゾロ…
花丸「もう他のグループの人たちも来てるんだね」
梨子「うん、だけど……これでも50以上あるグループのうちの一部なのよね」
梨子「そしてその全員がこの会場で1曲ずつライブを披露していく、分かってはいたけど」
鞠莉「こうして見つめ返してみると相当なボリュームよね」
鞠莉「まあ私たちは他より注目されてる分、有利ではあるけれど」
花丸「確かに、さっきからずっと周りの人たちに見られてる気がするずら」
梨子「それより鞠莉さん、ルビィちゃんと一緒だったんじゃ」
鞠莉「ルビィならあっちで理亞と一緒に捕まってるわ」
梨子「何でほったらかしにしたんですか!」
315: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/04/20(水) 18:47:45.95 ID:SGhdsX4V
鞠莉「積もる話もあると思ったから……あ、でもほら戻ってきたみたいよ」
ルビィ「……」グッタリ
梨子「すごい疲れてる風に見えるんですけど」
鞠莉「……私飲み物買ってくるわねー」タッ
梨子「ちょっと! 逃げないでください!」
花丸「ルビィちゃん大丈夫?」
ルビィ「うん、なんとか……」
ルビィ「……」グッタリ
梨子「すごい疲れてる風に見えるんですけど」
鞠莉「……私飲み物買ってくるわねー」タッ
梨子「ちょっと! 逃げないでください!」
花丸「ルビィちゃん大丈夫?」
ルビィ「うん、なんとか……」
316: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/04/20(水) 18:48:15.83 ID:SGhdsX4V
善子「全く緊張感ないわね、本当に」
ルビィ「あはは……少しお話ししようと思ってただけなんだけどね」
善子「フェスライブ優勝者って自覚持ちなさいよ」
ルビィ「それさっき理亞ちゃんにも言われちゃった」
善子「でしょうね」
曜「他には何か言ってた?」
ルビィ「負けないって、それだけ」
花丸「理亞ちゃんらしいね」
千歌「うん、望むところだよ!」
ルビィ「あはは……少しお話ししようと思ってただけなんだけどね」
善子「フェスライブ優勝者って自覚持ちなさいよ」
ルビィ「それさっき理亞ちゃんにも言われちゃった」
善子「でしょうね」
曜「他には何か言ってた?」
ルビィ「負けないって、それだけ」
花丸「理亞ちゃんらしいね」
千歌「うん、望むところだよ!」
317: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/04/20(水) 18:48:47.90 ID:SGhdsX4V
鞠莉「ほらみんな、もうそろそろ時間だから移動しないと」パンパン
善子「平静装ってるけど汗凄いわよ」
鞠莉「それは一応スルーしてもらえると助かるわね」
梨子「はいこれ飲み物、みんな好きなの持っていって」
ルビィ「ありがとう梨子ちゃん」
梨子「それと千歌ちゃんにはこれ」
千歌「ん? おーっみかんだー! どうしたのこれ!?」
梨子「ファンからの差し入れ、ここに戻ってくる途中に会ったの」
善子「平静装ってるけど汗凄いわよ」
鞠莉「それは一応スルーしてもらえると助かるわね」
梨子「はいこれ飲み物、みんな好きなの持っていって」
ルビィ「ありがとう梨子ちゃん」
梨子「それと千歌ちゃんにはこれ」
千歌「ん? おーっみかんだー! どうしたのこれ!?」
梨子「ファンからの差し入れ、ここに戻ってくる途中に会ったの」
318: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/04/20(水) 18:49:16.76 ID:SGhdsX4V
善子「ファンって、あの小っちゃい女の子?」
梨子「そう、その子。今日もご両親に連れてきてもらったみたいで」
千歌「わー、やっぱり来てくれてたんだあの子!!」
千歌「これは頑張らなくちゃだね!」
梨子「ええ、期待してるわよ千歌ちゃん」
鞠莉「千歌っちは同年代っていうよりかは子供たちに人気があるのよねー」
曜「うん、旅館も家族連れで来る人が多いしね。それもあると思う」
善子「でもいいんじゃないの? そういうスクールアイドルがいても」
曜「だね」
千歌「よーっし! いくぞーー!!」
千歌「Aqoursーーーーー!!
「「「「サーーンシャイーーーーーーン!!!」」」」
梨子「そう、その子。今日もご両親に連れてきてもらったみたいで」
千歌「わー、やっぱり来てくれてたんだあの子!!」
千歌「これは頑張らなくちゃだね!」
梨子「ええ、期待してるわよ千歌ちゃん」
鞠莉「千歌っちは同年代っていうよりかは子供たちに人気があるのよねー」
曜「うん、旅館も家族連れで来る人が多いしね。それもあると思う」
善子「でもいいんじゃないの? そういうスクールアイドルがいても」
曜「だね」
千歌「よーっし! いくぞーー!!」
千歌「Aqoursーーーーー!!
「「「「サーーンシャイーーーーーーン!!!」」」」
319: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/04/20(水) 18:49:45.45 ID:SGhdsX4V
─
ワイワイガヤガヤ
ペチャクチャ
穂乃果「お! みんな集まってきたねー、賑やかになってきた」
ツバサ「フフッ、これからもっと盛り上がるわよ」
穂乃果「うん! ねえツバサさん、今年はどのグループが優勝すると思う?」
ツバサ「そうね……実力や知名度込みで言ったら優勝候補はやっぱりSaint Snow、次点でAqoursってところかしらね」
ツバサ「まああの二組がずば抜けてるってだけで、他も着々と地盤を固めていたんだけど」
ツバサ「だから去年より差は広がらないと思うわよ」
ワイワイガヤガヤ
ペチャクチャ
穂乃果「お! みんな集まってきたねー、賑やかになってきた」
ツバサ「フフッ、これからもっと盛り上がるわよ」
穂乃果「うん! ねえツバサさん、今年はどのグループが優勝すると思う?」
ツバサ「そうね……実力や知名度込みで言ったら優勝候補はやっぱりSaint Snow、次点でAqoursってところかしらね」
ツバサ「まああの二組がずば抜けてるってだけで、他も着々と地盤を固めていたんだけど」
ツバサ「だから去年より差は広がらないと思うわよ」
320: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/04/20(水) 18:50:14.20 ID:SGhdsX4V
穂乃果「そっか、確かにあの夏での優勝は大きいもんね」
穂乃果「そうだ! 地道な活動といえばさ!」
ツバサ「うん」
穂乃果「私はあの子たちが好きかな、あそこにいる……色んな公園でたくさんミニライブやってたグループ!」
ツバサ「ええ、私も好きよ。けど審査の一人に選ばれた以上、公正に判断しないとね穂乃果さん」
穂乃果「そうなんだけど、いつになっても慣れないんだよね……」
ツバサ「なら雪穂ちゃんに頼んでみたら?」
穂乃果「ツバサさんわざと言ってるよね!? それ絶対怒られるやつだよ!」
穂乃果「何言ってるのお姉ちゃん! もうちょっとしっかりしてよ! って!」
ツバサ「フフッ、流石に姉妹だけあって似てるわね」
穂乃果「うぅ、想像したらなんか頑張らないとって思ってきたよ……」
穂乃果「そうだ! 地道な活動といえばさ!」
ツバサ「うん」
穂乃果「私はあの子たちが好きかな、あそこにいる……色んな公園でたくさんミニライブやってたグループ!」
ツバサ「ええ、私も好きよ。けど審査の一人に選ばれた以上、公正に判断しないとね穂乃果さん」
穂乃果「そうなんだけど、いつになっても慣れないんだよね……」
ツバサ「なら雪穂ちゃんに頼んでみたら?」
穂乃果「ツバサさんわざと言ってるよね!? それ絶対怒られるやつだよ!」
穂乃果「何言ってるのお姉ちゃん! もうちょっとしっかりしてよ! って!」
ツバサ「フフッ、流石に姉妹だけあって似てるわね」
穂乃果「うぅ、想像したらなんか頑張らないとって思ってきたよ……」
321: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/04/20(水) 18:50:48.64 ID:SGhdsX4V
観客席
果南「うわーすっご、中に入ってみるとまた一段と広く感じるね」
聖良「果南さん達はここに来るのは初めてなんですか?」
ダイヤ「ええ、去年はネット中継で見ていましたから」
果南「けどやっぱり見るなら本場だよね」
果南「浦女のみんなも応援に来てるみたいだし」
ダイヤ「ご家族の方々もそうですわね」
果南「ダイヤのとこもだよね、梨子ちゃんのお母さんと一緒にいるとこ見たよ。ちょっと意外だったけど」
ダイヤ「我が子を想う気持ちは同じなのだから、それに比べればそんなものは些細なことだとお母様方は」
果南「成程」
322: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/04/20(水) 18:51:16.23 ID:SGhdsX4V
ダイヤ「私もそうです、今はただ見てみたい……あの子の歌う姿を」
聖良「想う相手は違えど、それは皆さん一緒でしょうね」
ダイヤ「ええ」
果南「じゃあその分ちゃんと応援しないとね、私も気合い入れなおそうっと」
「大変長らくお待たせいたしました。間もなく……」
果南「あ! そろそろ始まるみたいだよ!」
「まず初めに開会のご挨拶とスクールアイドルのご紹介を……」
果南(頑張れ千歌、みんな)
聖良「想う相手は違えど、それは皆さん一緒でしょうね」
ダイヤ「ええ」
果南「じゃあその分ちゃんと応援しないとね、私も気合い入れなおそうっと」
「大変長らくお待たせいたしました。間もなく……」
果南「あ! そろそろ始まるみたいだよ!」
「まず初めに開会のご挨拶とスクールアイドルのご紹介を……」
果南(頑張れ千歌、みんな)
323: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/04/20(水) 18:51:46.48 ID:SGhdsX4V
ーー♪
曜「……始まったみたいだね」
梨子「うん……」
善子「私たちは前半の最後……似てるわね、あの時と」
千歌「東京でのライブ大会か、あったねーそういえば!」
善子「ま、似てるのなんて順番くらいしかないけど」
花丸「今のマルたちはあの時とは違うもんね」
曜「……始まったみたいだね」
梨子「うん……」
善子「私たちは前半の最後……似てるわね、あの時と」
千歌「東京でのライブ大会か、あったねーそういえば!」
善子「ま、似てるのなんて順番くらいしかないけど」
花丸「今のマルたちはあの時とは違うもんね」
324: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/04/20(水) 18:52:26.67 ID:SGhdsX4V
千歌「その通り! 恐れることなんて何もない!」
善子「千歌はちょっと落ち着いたほうがいいと思うけど」
千歌「無理! だって今すごく調子いいんだもん!」ピョンピョン
千歌「みかんも食べてフルパワーだし!」
善子(ああ、これが子供人気ある本当の理由か……)
曜「善子ちゃん、思ってること顔に出すぎだよ」
善子「千歌はちょっと落ち着いたほうがいいと思うけど」
千歌「無理! だって今すごく調子いいんだもん!」ピョンピョン
千歌「みかんも食べてフルパワーだし!」
善子(ああ、これが子供人気ある本当の理由か……)
曜「善子ちゃん、思ってること顔に出すぎだよ」
325: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/04/20(水) 18:53:00.32 ID:SGhdsX4V
ルビィ「…………」
梨子「ルビィちゃん」
ルビィ「! 梨子ちゃん」フリムキ
梨子「さっきからずーっと他の子たちのライブ見てるんだ」
ルビィ「うん、何か活かせるものあるかなぁって」
梨子「……そっか」ニコ
ルビィ「どうかしたの?」
梨子「ううん、なんでもないの」
ルビィ「? ……あ、次理亞ちゃんたちの番だ」
ルビィ「……」ジッ
梨子「ルビィちゃん」
ルビィ「! 梨子ちゃん」フリムキ
梨子「さっきからずーっと他の子たちのライブ見てるんだ」
ルビィ「うん、何か活かせるものあるかなぁって」
梨子「……そっか」ニコ
ルビィ「どうかしたの?」
梨子「ううん、なんでもないの」
ルビィ「? ……あ、次理亞ちゃんたちの番だ」
ルビィ「……」ジッ
326: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/04/20(水) 18:53:27.93 ID:SGhdsX4V
千歌「ルビィちゃん、集中してるねー」
曜「私たちとは別の意味で余裕を持ってるって感じだね」
梨子「そうね」
梨子(大会に懸ける想いはみんな同じ……でも)
梨子(この子は、きっと私たちとは違うものが見えているんだろうな)
梨子(それこそもっと先の……だから)
梨子「善子ちゃん、花丸ちゃん」
曜「私たちとは別の意味で余裕を持ってるって感じだね」
梨子「そうね」
梨子(大会に懸ける想いはみんな同じ……でも)
梨子(この子は、きっと私たちとは違うものが見えているんだろうな)
梨子(それこそもっと先の……だから)
梨子「善子ちゃん、花丸ちゃん」
327: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/04/20(水) 18:53:56.25 ID:SGhdsX4V
善子・花丸「なに?」
梨子「改まって言うのも変かもしれないけど」
梨子「ルビィちゃんのこと、これからもよろしくね」
善子「……ええ」
花丸「……ん」
梨子(だからこそ)
善子(私たちが傍で支えなくちゃってことでしょ、分かってるわよ)
花丸(やっぱり梨子ちゃんも、ルビィちゃんのお姉さんずら)
梨子「改まって言うのも変かもしれないけど」
梨子「ルビィちゃんのこと、これからもよろしくね」
善子「……ええ」
花丸「……ん」
梨子(だからこそ)
善子(私たちが傍で支えなくちゃってことでしょ、分かってるわよ)
花丸(やっぱり梨子ちゃんも、ルビィちゃんのお姉さんずら)
328: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/04/20(水) 18:54:26.08 ID:SGhdsX4V
曜「みんないい雰囲気だね」
千歌「うん」
千歌「曜ちゃん」
曜「なに?」
千歌「ありがとう、最後まで一緒にいてくれて」
曜「…………どうしたの、らしくないよ」
千歌「今言いたかったから、えっとね、それだけ!」
曜「……どういたしまして。それと」
曜「私の方こそ、ありがとうね」
千歌・曜「……」
千歌・曜「えへへっ」
千歌「うん」
千歌「曜ちゃん」
曜「なに?」
千歌「ありがとう、最後まで一緒にいてくれて」
曜「…………どうしたの、らしくないよ」
千歌「今言いたかったから、えっとね、それだけ!」
曜「……どういたしまして。それと」
曜「私の方こそ、ありがとうね」
千歌・曜「……」
千歌・曜「えへへっ」
329: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/04/20(水) 18:54:52.57 ID:SGhdsX4V
「ありがとうございました!!」
ワアアアァァァ
パチパチパチパチ……
ルビィ「……終わった」
千歌「みたいだね、じゃあ行こうか」
千歌「…………」スゥーハァー
パンッ!
千歌「……よし!」
千歌「みんな、準備はいい!?」
「「「はい!!!」」」
千歌「最高のライブにしよう!!」
ワアアアァァァ
パチパチパチパチ……
ルビィ「……終わった」
千歌「みたいだね、じゃあ行こうか」
千歌「…………」スゥーハァー
パンッ!
千歌「……よし!」
千歌「みんな、準備はいい!?」
「「「はい!!!」」」
千歌「最高のライブにしよう!!」
330: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/04/20(水) 18:55:21.18 ID:SGhdsX4V
「さあ、次が前半戦最後のグループです!」
「それでは登場していただきましょう! ……Aqoursの皆さんです!!」
キャーーーーーー!!
美渡「おっ、きたきた」
志満「千歌ちゃーん、頑張ってー!」
むつ「千歌ーー! みんなー!」
鞠莉「ファイトー!」
千歌(大丈夫、いける……! やってみせる!)
ザッ
6人「よろしくお願いします!」
「それでは登場していただきましょう! ……Aqoursの皆さんです!!」
キャーーーーーー!!
美渡「おっ、きたきた」
志満「千歌ちゃーん、頑張ってー!」
むつ「千歌ーー! みんなー!」
鞠莉「ファイトー!」
千歌(大丈夫、いける……! やってみせる!)
ザッ
6人「よろしくお願いします!」
331: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/04/20(水) 18:55:58.32 ID:SGhdsX4V
ーーーーーーーー
♪
曜・梨子「限界までやっちゃえ 最後まで」
ルビィ・善子・花丸「どうなる? DOKI DOKI WAVE」
曜・梨子「じれったい自分 越えるときだよ」
ルビィ・善子・花丸「そうだ!WAVE!! 越えちゃうんだ」
曜・梨子「ほかのこと考えられない」
ルビィ・善子・花丸「どうなる? DOKI DOKI WAVE」
曜・梨子「ひとつになった夢よ走れ」
ルビィ・善子・花丸「そうだ!WAVE!! 止まれないんだ」
♪
曜・梨子「限界までやっちゃえ 最後まで」
ルビィ・善子・花丸「どうなる? DOKI DOKI WAVE」
曜・梨子「じれったい自分 越えるときだよ」
ルビィ・善子・花丸「そうだ!WAVE!! 越えちゃうんだ」
曜・梨子「ほかのこと考えられない」
ルビィ・善子・花丸「どうなる? DOKI DOKI WAVE」
曜・梨子「ひとつになった夢よ走れ」
ルビィ・善子・花丸「そうだ!WAVE!! 止まれないんだ」
332: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/04/20(水) 18:56:32.71 ID:SGhdsX4V
千歌「悔しくて じっとしてられない」
千歌「そんな気持ちだった」
千歌「みんなきっと」
千歌「わかるんだね」
千歌(さあここからが勝負……)
千歌(スペース十分、準備は万全)
バッ
千歌(決める!!)
「おっ、出るか!? 最終予選の」
「ロンバク!!」
333: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/04/20(水) 18:56:59.18 ID:SGhdsX4V
千歌「」キュキュッ!
千歌(ロンダート、からの)タタンッ! トンッ!!
千歌(バク転!)グルンッ!
穂乃果「おぉ……!」
千歌(……からのっ!)ダン!
「!!?」
穂乃果「えっ! 終わりじゃないの!?」
ツバサ(フフッ、あの子も穂乃果さんに負けず劣らずの挑戦者ね)
ギュンッ
千歌(バク宙!!)
千歌(ロンダート、からの)タタンッ! トンッ!!
千歌(バク転!)グルンッ!
穂乃果「おぉ……!」
千歌(……からのっ!)ダン!
「!!?」
穂乃果「えっ! 終わりじゃないの!?」
ツバサ(フフッ、あの子も穂乃果さんに負けず劣らずの挑戦者ね)
ギュンッ
千歌(バク宙!!)
334: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/04/20(水) 18:57:26.96 ID:SGhdsX4V
フワッ
「…………飛んだ」
千歌(?? ……ん?)
千歌(……あれ、なんだろう)
ユラ……
千歌(周りが、スローモーションに見える)
千歌(今までずっと一瞬のことだったのに、今日は、なんか違う)
千歌(さっきもそうだった、蹴る音が違った、強かった。高く跳べた)
グルンッ
千歌(勢いも全然死んでないのが分かる、寧ろ増してる感じ?)
千歌(やっぱり、今日は最高に調子がいい)
5人(! いける……!)
千歌(このまま一気に決めっ──ダン!!
……グラッ
335: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/04/20(水) 18:57:57.53 ID:SGhdsX4V
果南「!?」
鞠莉「…………え?」
千歌(…………アレ? 嘘、なんで)
千歌(足が、定まらっ)トトッ
千歌(いやちょっと待って焦らない大丈夫まだ大丈夫落ち着け多少もたついてもすぐに体勢整えればまだっ)タン
カクン
千歌(! まだ挽回できるミスで、済む……のにっ……)
千歌(そっちは……地面は……)
千歌「駄目……」
バタンッ
鞠莉「…………え?」
千歌(…………アレ? 嘘、なんで)
千歌(足が、定まらっ)トトッ
千歌(いやちょっと待って焦らない大丈夫まだ大丈夫落ち着け多少もたついてもすぐに体勢整えればまだっ)タン
カクン
千歌(! まだ挽回できるミスで、済む……のにっ……)
千歌(そっちは……地面は……)
千歌「駄目……」
バタンッ
336: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/04/20(水) 18:58:24.11 ID:SGhdsX4V
むつ「! 千歌!!?」
美渡「ちょっと、嘘でしょ……」
志満「千歌ちゃん……!」
「え、もしかして失敗……?」
「倒れちゃったけど、大丈夫なの……?」
ザワザワ… ザワザワッ……
美渡「ちょっと、嘘でしょ……」
志満「千歌ちゃん……!」
「え、もしかして失敗……?」
「倒れちゃったけど、大丈夫なの……?」
ザワザワ… ザワザワッ……
337: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/04/20(水) 18:58:50.71 ID:SGhdsX4V
ーー♪
「! と、とにかく一度曲の方を……」
穂乃果「止めないで」
「!!」
穂乃果「このまま最後までやらせてあげてください」
ツバサ「私からもお願いします」
「わ、分かりました」
穂乃果・ツバサ「ありがとうございます」
「! と、とにかく一度曲の方を……」
穂乃果「止めないで」
「!!」
穂乃果「このまま最後までやらせてあげてください」
ツバサ「私からもお願いします」
「わ、分かりました」
穂乃果・ツバサ「ありがとうございます」
338: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/04/20(水) 18:59:28.88 ID:SGhdsX4V
曜「千歌ちゃん!」タッ
梨子「大丈夫!? 怪我は……」
千歌「来ないで!」
曜・梨子「!!」
千歌「みんなもそこから動かないで! フォーメーション崩しちゃ駄目!!」
千歌「ライブはまだ終わってないんだよ!」
ルビィ・善子・花丸「……!!」ピタッ
千歌「大丈夫、怪我とかじゃないから……ちょっと崩しただけ、転んだだけだよ……私はまだ動ける」スクッ
千歌「続けよう」
梨子「大丈夫!? 怪我は……」
千歌「来ないで!」
曜・梨子「!!」
千歌「みんなもそこから動かないで! フォーメーション崩しちゃ駄目!!」
千歌「ライブはまだ終わってないんだよ!」
ルビィ・善子・花丸「……!!」ピタッ
千歌「大丈夫、怪我とかじゃないから……ちょっと崩しただけ、転んだだけだよ……私はまだ動ける」スクッ
千歌「続けよう」
339: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/04/20(水) 18:59:55.38 ID:SGhdsX4V
「それしかないんだと 決めて」
「熱い熱いジャンプで」
穂乃果「…………始まった以上は最後までやり切る」
穂乃果「頭では分かっていても、それでもあそこで投げ出さずにすぐ続けられるのは強いよね」
ツバサ「ええ」
穂乃果「……だけど」
ツバサ「致命的なミスを背負って優勝出来るほど、ラブライブは甘くない」
「熱い熱いジャンプで」
穂乃果「…………始まった以上は最後までやり切る」
穂乃果「頭では分かっていても、それでもあそこで投げ出さずにすぐ続けられるのは強いよね」
ツバサ「ええ」
穂乃果「……だけど」
ツバサ「致命的なミスを背負って優勝出来るほど、ラブライブは甘くない」
340: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/04/20(水) 19:00:25.57 ID:SGhdsX4V
穂乃果「千歌ちゃんだったよね。今すぐにっていうのは絶対無理だろうけど」
穂乃果「自分がやったこと、後悔してほしくないなあ……」
穂乃果「あのときの私と違って一人で突っ走ったわけじゃないと思うから」
ツバサ「穂乃果さん……」
「あたらしい光 つかめるんだろうか?」
「信じようよ」
……
…
穂乃果「自分がやったこと、後悔してほしくないなあ……」
穂乃果「あのときの私と違って一人で突っ走ったわけじゃないと思うから」
ツバサ「穂乃果さん……」
「あたらしい光 つかめるんだろうか?」
「信じようよ」
……
…
341: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/04/20(水) 19:00:54.51 ID:SGhdsX4V
千歌「──ありがとうございました!」
5人「ありがとうございました!」
シーーーン……
志満「……」パチパチパチ
美渡「よくやったぞー千歌ー!」
むつ「千歌のお姉さんたち……」
よいつむ「…………」コク
よしみ「千歌ーお疲れさまー!」
いつき「ナイスファイトー!」
むつ「いいライブだったよー!」
5人「ありがとうございました!」
シーーーン……
志満「……」パチパチパチ
美渡「よくやったぞー千歌ー!」
むつ「千歌のお姉さんたち……」
よいつむ「…………」コク
よしみ「千歌ーお疲れさまー!」
いつき「ナイスファイトー!」
むつ「いいライブだったよー!」
342: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/04/20(水) 19:01:23.30 ID:SGhdsX4V
パチ……パチパチ
パチパチパチパチ!!
千歌「……っ……!」ギリ
梨子「千歌ちゃん……」
スッ
曜「……行こう千歌ちゃん」ポン
千歌「……」
曜「梨子ちゃんは千歌ちゃんに付いていってあげて、怪我はないって言ってたけど一応念のために確認お願い」
曜「それと足を冷やすのも忘れずにね」
梨子「う、うん」
343: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/04/20(水) 19:01:49.50 ID:SGhdsX4V
曜「みんなも移動早く、これから休憩だけどステージの清掃入るから邪魔にならないように速やかにね」
ルビィ・善子・花丸「……」スタスタ
曜「これでよし、あとは最後にもう一回礼しておかないと」
曜「……」ペコリ
パチパチパチパチ
鞠莉「……曜」
曜「っ……」クル タッタッタ
ルビィ・善子・花丸「……」スタスタ
曜「これでよし、あとは最後にもう一回礼しておかないと」
曜「……」ペコリ
パチパチパチパチ
鞠莉「……曜」
曜「っ……」クル タッタッタ
344: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/04/20(水) 19:03:52.95 ID:SGhdsX4V
「えー、ではただいまのライブを持ちましてラブライブは一旦終了、これから10分間の休憩時間を取らせていただきます」
「なお、終了後すぐに進行のほうを再開致しますので、席を離れるご来場の皆様におかれましては他のお客様のご迷惑にならないよう早めの着席を……」
ダイヤ「」パチパチ……パチ
ダイヤ「…………」
ダイヤ「……」
ダイヤ「どうしてですか」
果南「……」
聖良「ダイヤさん……」
ダイヤ「調子は悪くなかったのでしょう?」
果南「……うん」
果南「多分、今まで以上によかったと思う」
345: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/04/20(水) 19:04:39.80 ID:SGhdsX4V
ダイヤ「ならどうして」
果南「調子が良すぎたんだ、さっきのロンダートからのバク転バク宙」
果南「その一連の動作全てに、必要以上に力が入ってるように見えた」
果南「張り切ってて少し興奮気味でもあったし、そうなるのも不自然じゃない」
果南「ただ力を入れて勢いをつけすぎた結果、いつもより足に負荷がかかって」
果南「その反動と咄嗟に起きた強い衝撃でバランスが崩れて、それと一緒に集中力も途切れてそのまま……」
ダイヤ「……なんですかそれは」
果南「調子が良すぎたんだ、さっきのロンダートからのバク転バク宙」
果南「その一連の動作全てに、必要以上に力が入ってるように見えた」
果南「張り切ってて少し興奮気味でもあったし、そうなるのも不自然じゃない」
果南「ただ力を入れて勢いをつけすぎた結果、いつもより足に負荷がかかって」
果南「その反動と咄嗟に起きた強い衝撃でバランスが崩れて、それと一緒に集中力も途切れてそのまま……」
ダイヤ「……なんですかそれは」
346: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/04/20(水) 19:05:26.91 ID:SGhdsX4V
果南「……すぐに立て直そうとはしたんだと思う、けど」
果南「対応も処理も、しきれなかったんだ。だから倒れた」
果南「想定していないケースで、千歌も……きっと焦ってたから、上手くは……いかなかった」
ダイヤ「そんなものっ…想定しているわけがないでしょう!?」ガタッ
聖良「ダイヤさん! 落ち着いてください!」
ダイヤ「だって!! それで納得しろっていうんですか貴女は!?」
果南「そんなわけないでしょ!! でもするしかないんだよ!!」ガタッ
果南「それとも何!? 納得出来ないから抗議でもしに行くわけ!?もう一回お願いしますって!」
ダイヤ「誰もそうは言ってないでしょ!」
果南「対応も処理も、しきれなかったんだ。だから倒れた」
果南「想定していないケースで、千歌も……きっと焦ってたから、上手くは……いかなかった」
ダイヤ「そんなものっ…想定しているわけがないでしょう!?」ガタッ
聖良「ダイヤさん! 落ち着いてください!」
ダイヤ「だって!! それで納得しろっていうんですか貴女は!?」
果南「そんなわけないでしょ!! でもするしかないんだよ!!」ガタッ
果南「それとも何!? 納得出来ないから抗議でもしに行くわけ!?もう一回お願いしますって!」
ダイヤ「誰もそうは言ってないでしょ!」
347: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/04/20(水) 19:06:33.38 ID:SGhdsX4V
聖良「二人ともやめてください!」ガシッ
果南「聖良……!」
ダイヤ「聖良さん……」
聖良「これ以上は、周りの人の迷惑になります」
聖良「気持ちは分かる……と軽々しく言うつもりはありません。ですがこのまま続けて騒ぎを大きくすれば退場もあり得ます」
聖良「私は二人にそうなって欲しくありません、だから…どうか一度抑えてもらえませんか」
果南「……っ、分かったよ」
ダイヤ「……すみません、取り乱してしまって」
果南「聖良……!」
ダイヤ「聖良さん……」
聖良「これ以上は、周りの人の迷惑になります」
聖良「気持ちは分かる……と軽々しく言うつもりはありません。ですがこのまま続けて騒ぎを大きくすれば退場もあり得ます」
聖良「私は二人にそうなって欲しくありません、だから…どうか一度抑えてもらえませんか」
果南「……っ、分かったよ」
ダイヤ「……すみません、取り乱してしまって」
348: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/04/20(水) 19:07:08.00 ID:SGhdsX4V
ダイヤ「皆様も、お騒がせして申し訳ありませんでした」
ストン
聖良「……」ホッ
ダイヤ「……だけど、ごめんなさい」
ダイヤ「それでも言わずにはいられません。だって」
ダイヤ「調子がいいから、張り切ってたから……失敗しただなんて……」
ダイヤ「そんなのって……ないでしょう……」フルフル
ダイヤ「それほど無慈悲な、残酷なことが、あって……本当にいいんですかっ」
果南「……」ギュゥッ
聖良「…………」
ストン
聖良「……」ホッ
ダイヤ「……だけど、ごめんなさい」
ダイヤ「それでも言わずにはいられません。だって」
ダイヤ「調子がいいから、張り切ってたから……失敗しただなんて……」
ダイヤ「そんなのって……ないでしょう……」フルフル
ダイヤ「それほど無慈悲な、残酷なことが、あって……本当にいいんですかっ」
果南「……」ギュゥッ
聖良「…………」
349: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/04/20(水) 19:08:05.55 ID:SGhdsX4V
─
「「……………………」」
千歌「…………ごめん」
千歌「みんな、ごめん…………ごめんなさい」
千歌「私のせいだ」
梨子「そんなことっ……!」
曜「梨子ちゃん待った」
梨子「曜ちゃん……」
350: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/04/20(水) 19:08:40.17 ID:SGhdsX4V
曜「さっきのは、私たちも決まると思ってたよ」
千歌「でも、失敗した」
曜「…………」
千歌「もうやり直せないんだよ」
千歌「もう一回なんてない、そんな甘い世界じゃない」
千歌「なのに……!」
千歌「なんで誰も怒らないんだよ! 私のせいで負けたんでしょ!!?」
千歌「でも、失敗した」
曜「…………」
千歌「もうやり直せないんだよ」
千歌「もう一回なんてない、そんな甘い世界じゃない」
千歌「なのに……!」
千歌「なんで誰も怒らないんだよ! 私のせいで負けたんでしょ!!?」
351: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/04/20(水) 19:09:29.75 ID:SGhdsX4V
曜「一人で勝手にやったことなら私たちだって怒るよ」
曜「でもこれはみんなで決めたことだから、責任は私たち全員にある」
千歌「だからって!!」
曜「それに、あのとき千歌ちゃんが続けるように言ってくれなかったら、その時点で私たちは最後まで歌えずに終わっていたかもしれない」
曜「そうなれば、それこそ一生後悔するところだった」
千歌「そんなの、失敗したことへの言い訳じゃん……っ」
千歌「ただ誤魔化してるだけでしょ」
曜「そうだね」
千歌「! ふざけないでよ!!」
グイッ
曜「……」
曜「でもこれはみんなで決めたことだから、責任は私たち全員にある」
千歌「だからって!!」
曜「それに、あのとき千歌ちゃんが続けるように言ってくれなかったら、その時点で私たちは最後まで歌えずに終わっていたかもしれない」
曜「そうなれば、それこそ一生後悔するところだった」
千歌「そんなの、失敗したことへの言い訳じゃん……っ」
千歌「ただ誤魔化してるだけでしょ」
曜「そうだね」
千歌「! ふざけないでよ!!」
グイッ
曜「……」
352: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/04/20(水) 19:10:02.21 ID:SGhdsX4V
千歌「私はっ! 成功して最後までやりたかったんだ!!」
千歌「みんなで最高のライブを見せて! 一番になって!!」
千歌「優勝したかったんだよ!!」
曜「分かってるよ」
曜「みんな分かってる」
千歌「……っ……なんなのっ、なんでそんなに落ち着いてられるの!?」
千歌「曜ちゃん可笑しいんじゃないの!!? みんなもそうだよ!」
千歌「こんな結果になったのに! 悔しくないの!?」
「「「…………」」」
千歌「みんなで最高のライブを見せて! 一番になって!!」
千歌「優勝したかったんだよ!!」
曜「分かってるよ」
曜「みんな分かってる」
千歌「……っ……なんなのっ、なんでそんなに落ち着いてられるの!?」
千歌「曜ちゃん可笑しいんじゃないの!!? みんなもそうだよ!」
千歌「こんな結果になったのに! 悔しくないの!?」
「「「…………」」」
353: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/04/20(水) 19:10:40.62 ID:SGhdsX4V
千歌「なんで黙ってるの、何か言ってみなよ!!」
千歌「私にこれだけ好き勝手言われてるんだよ! 何か一つくらい言い返してみなよ!!」
千歌「それすら出来ないの!? 全員バカなんじゃないの!!?」
「「「……………………」」」
千歌「ああそれとも何!? バク宙なんかにチャレンジして失敗したリーダーよりは馬鹿じゃないから!そんな奴に何言われても平気ですってそういうこと!?」
曜「─!!」
千歌「だったら正解だろうね! そんなバカは後にも先にも私一人……」
千歌「私にこれだけ好き勝手言われてるんだよ! 何か一つくらい言い返してみなよ!!」
千歌「それすら出来ないの!? 全員バカなんじゃないの!!?」
「「「……………………」」」
千歌「ああそれとも何!? バク宙なんかにチャレンジして失敗したリーダーよりは馬鹿じゃないから!そんな奴に何言われても平気ですってそういうこと!?」
曜「─!!」
千歌「だったら正解だろうね! そんなバカは後にも先にも私一人……」
354: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/04/20(水) 19:11:23.78 ID:SGhdsX4V
曜「千歌ちゃん」
千歌「なんだよ! まだ喋ってる途──」
パアンッ!
梨子「! ……ぇ……?」
千歌「……ぃ……った……」
曜「いい加減にして」
千歌「よう……ちゃ……」
千歌「なんだよ! まだ喋ってる途──」
パアンッ!
梨子「! ……ぇ……?」
千歌「……ぃ……った……」
曜「いい加減にして」
千歌「よう……ちゃ……」
355: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/04/20(水) 19:12:18.73 ID:SGhdsX4V
曜「悔しくないのかって? ……悔しいよ、悔しいに決まってる」
曜「でもね千歌ちゃん、さっきも言ったでしょ。みんな分かってるんだよ」
曜「一番悔しい思いをしてるのは千歌ちゃんだって」
千歌「~~~ッ……!!」
曜「そしてここには、勝つために挑戦したことを笑ったり、怒ったりする人なんていない」
曜「だから、お願いだからさ」
曜「失敗したことを悔やんでも、新しい挑戦をしたことだけは否定しないでよ……」
曜「私がバク宙なんてしなければよかったなんて、思わないでよ……!」
千歌「!!」
曜「でもね千歌ちゃん、さっきも言ったでしょ。みんな分かってるんだよ」
曜「一番悔しい思いをしてるのは千歌ちゃんだって」
千歌「~~~ッ……!!」
曜「そしてここには、勝つために挑戦したことを笑ったり、怒ったりする人なんていない」
曜「だから、お願いだからさ」
曜「失敗したことを悔やんでも、新しい挑戦をしたことだけは否定しないでよ……」
曜「私がバク宙なんてしなければよかったなんて、思わないでよ……!」
千歌「!!」
356: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/04/20(水) 19:12:52.23 ID:SGhdsX4V
曜「私は、私たちは……っ……そんな千歌ちゃんを信じてここまで来たんだ、そんな千歌ちゃんが私たちは大好きなんだよ!」
曜「だからっ……これ以上、自分のこと嫌いにならないでよ……!」ギュッ
曜「自分からわざと、嫌われようとしないでよ……!」
千歌「……うぅ……ああ……ああああぁぁぁ……っ!!」
千歌「ああああああああぁぁぁぁ!!!」ボロボロ
曜「だからっ……これ以上、自分のこと嫌いにならないでよ……!」ギュッ
曜「自分からわざと、嫌われようとしないでよ……!」
千歌「……うぅ……ああ……ああああぁぁぁ……っ!!」
千歌「ああああああああぁぁぁぁ!!!」ボロボロ
357: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/04/20(水) 19:13:31.67 ID:SGhdsX4V
梨子「……千歌ちゃ……っ」ポロポロ
花丸「ぇぐ……ひっぐ……」
善子「……く……うぅっ……」
曜「だいじょうぶ、だよ……まだ、じかんはっある……」ポロポロ
曜「あるから、それまでは……」
ルビィ「…………ぅん」
ルビィ「……おわったら、みとどけよう……」ゴシゴシ
ルビィ「……最後まで」
花丸「ぇぐ……ひっぐ……」
善子「……く……うぅっ……」
曜「だいじょうぶ、だよ……まだ、じかんはっある……」ポロポロ
曜「あるから、それまでは……」
ルビィ「…………ぅん」
ルビィ「……おわったら、みとどけよう……」ゴシゴシ
ルビィ「……最後まで」
358: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/04/20(水) 19:14:01.31 ID:SGhdsX4V
それから約二時間後、全スクールアイドルのライブが終わり
審査と投票の結果、優勝は理亞ちゃんたちSaint Snowに決定
ラブライブ連続優勝という近年稀に見るその輝かしい快挙を見事成し遂げ
会場は大きな歓声で埋め尽くされた
発表の後、観客が一体となって響かせ続け、私たちも紡いだ
アンコールの5文字が耳から離れないまま、それでも
ただただ真っ直ぐに、立つことの出来なかった舞台を見つめて
359: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/04/20(水) 19:14:41.68 ID:SGhdsX4V
少し息を整えては
何度も、何度も、復唱して
刻み込んで
やがて全てが終わり、熱狂が静寂に変わるころ……ようやく
ようやく、気付き、理解し、納得することが出来た
ああ、私たちは───負けたんだと。
360: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/04/20(水) 19:15:16.01 ID:SGhdsX4V
スタスタ……
千歌「……」
ザッ
千歌「!」
果南「おつかれ」
千歌「っ」ダッ
ギュゥッ
千歌「果南ちゃんっ果南ちゃんっ」
果南「ん……よく頑張った」ポンポン
361: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/04/20(水) 19:16:05.78 ID:SGhdsX4V
花丸「ごめんなさい……ごめんなさい……」
梨子「私たち……」
ダイヤ「何を謝ることがあるんです」サスサス
曜・善子「……」
鞠莉「曜、善子」
鞠莉「おいで」
ダキッ
曜・善子「」フルフル
鞠莉「うん、大丈夫……もう大丈夫」ナデナデ
梨子「私たち……」
ダイヤ「何を謝ることがあるんです」サスサス
曜・善子「……」
鞠莉「曜、善子」
鞠莉「おいで」
ダキッ
曜・善子「」フルフル
鞠莉「うん、大丈夫……もう大丈夫」ナデナデ
362: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/04/20(水) 19:16:31.63 ID:SGhdsX4V
ダイヤ「……ルビィは?」
梨子「私たちの、先に行きました」
花丸「あの子のところへ」
ダイヤ「……そうですか」
梨子「私たちの、先に行きました」
花丸「あの子のところへ」
ダイヤ「……そうですか」
363: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/04/20(水) 19:17:17.20 ID:SGhdsX4V
─
聖良「理亞」
理亞「姉様」
聖良「優勝おめでとう」
理亞「ありがとう」
聖良「二人も、おめでとうございます」
黒髪・茶髪「ありがとうございます」
理亞「……」
364: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/04/20(水) 19:17:51.01 ID:SGhdsX4V
聖良「不服、ではなさそうね」
理亞「正直……私にも分からない」
理亞「Aqoursは確かに優勝候補で私たちのライバルだった、けど他のスクールアイドルだって強者だ」
理亞「そしてその全員が本気で勝ちにきて、持てる力の全てを出し切った」
理亞「だからこそ」
理亞「たった一つのグループが失敗したくらいで優勝に異議を唱えるのは、それ以外の全員に失礼だと思う」
聖良「そうね」
理亞「正直……私にも分からない」
理亞「Aqoursは確かに優勝候補で私たちのライバルだった、けど他のスクールアイドルだって強者だ」
理亞「そしてその全員が本気で勝ちにきて、持てる力の全てを出し切った」
理亞「だからこそ」
理亞「たった一つのグループが失敗したくらいで優勝に異議を唱えるのは、それ以外の全員に失礼だと思う」
聖良「そうね」
365: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/04/20(水) 19:18:28.65 ID:SGhdsX4V
理亞「……ただ、それでも」
理亞「Aqoursを含めた全員にちゃんと勝ちたかったって気持ちは、ある」
黒髪・茶髪「……」
理亞「私は、我が儘なのかな」
聖良「いいえ。私はそうは思わないわ」
理亞「……」
聖良「ほら、優勝者がいつまでもそんな顔をしていたら駄目よ」
聖良「お祝いしましょう、今日は腕によりをかけますから」
聖良「あなた達も是非食べていってください」
黒髪「いいんですか?」
茶髪「じゃあ、お言葉に甘えて」
理亞「Aqoursを含めた全員にちゃんと勝ちたかったって気持ちは、ある」
黒髪・茶髪「……」
理亞「私は、我が儘なのかな」
聖良「いいえ。私はそうは思わないわ」
理亞「……」
聖良「ほら、優勝者がいつまでもそんな顔をしていたら駄目よ」
聖良「お祝いしましょう、今日は腕によりをかけますから」
聖良「あなた達も是非食べていってください」
黒髪「いいんですか?」
茶髪「じゃあ、お言葉に甘えて」
366: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/04/20(水) 19:19:11.96 ID:SGhdsX4V
理亞「そうね……行こう」
「理亞ちゃん!!」
理亞「!」
ルビィ「はぁっ……待って」
理亞「……ルビィ」
聖良「ルビィさん……」
「理亞ちゃん!!」
理亞「!」
ルビィ「はぁっ……待って」
理亞「……ルビィ」
聖良「ルビィさん……」
367: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/04/20(水) 19:19:52.54 ID:SGhdsX4V
理亞「なに」
ルビィ「……っ」
ルビィ「優勝、おめでとう」
理亞「ありがとう」
ルビィ「それと……それとね」
ルビィ「今回は、負けたけど」
ルビィ「あと一歩、届かなかったけどっ」ジワ
理亞「……」
ルビィ「……」グシグシッ
ルビィ「」フゥーッ
ルビィ「──次は勝つ」
ルビィ「……っ」
ルビィ「優勝、おめでとう」
理亞「ありがとう」
ルビィ「それと……それとね」
ルビィ「今回は、負けたけど」
ルビィ「あと一歩、届かなかったけどっ」ジワ
理亞「……」
ルビィ「……」グシグシッ
ルビィ「」フゥーッ
ルビィ「──次は勝つ」
368: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/04/20(水) 19:20:30.36 ID:SGhdsX4V
「「「…………」」」
理亞「待ってる」
クルッ
理亞「行こうみんな」
スタスタ……
ルビィ「……」
クルッ タッタッタ……
理亞「待ってる」
クルッ
理亞「行こうみんな」
スタスタ……
ルビィ「……」
クルッ タッタッタ……
369: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/04/20(水) 19:21:07.89 ID:SGhdsX4V
理亞「……今日と明日は休みでいい」
理亞「でもその次は、すぐに練習を再開する」
黒髪「……うん」
茶髪「そうだね」
理亞「負けて弱くなる人なんていない」
聖良「……」
理亞「あの子は絶対に強くなる」
理亞「勝利に浮かれてる余裕なんか、ない」
理亞「でもその次は、すぐに練習を再開する」
黒髪「……うん」
茶髪「そうだね」
理亞「負けて弱くなる人なんていない」
聖良「……」
理亞「あの子は絶対に強くなる」
理亞「勝利に浮かれてる余裕なんか、ない」
370: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/04/20(水) 19:21:36.01 ID:SGhdsX4V
ルビィ「ただいま」
花丸「おかえりなさい」
善子「やっと来たわね、みんな待ってたんだから」
ルビィ「うん」
鞠莉「さてと、それじゃあ私たちも行きましょうか」
鞠莉「みんなでご飯食べましょ」
花丸「おかえりなさい」
善子「やっと来たわね、みんな待ってたんだから」
ルビィ「うん」
鞠莉「さてと、それじゃあ私たちも行きましょうか」
鞠莉「みんなでご飯食べましょ」
371: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/04/20(水) 19:22:13.78 ID:SGhdsX4V
梨子「ああ、いいですねそれ」
曜「賛成」
花丸「おなかすいた」
善子「いつもよりもね」
ダイヤ「席の予約は取ってあるのですか?」
鞠莉「ぜーんぜん」
果南「適当だなあ」
千歌「どこでもいいよ」
ルビィ「うん、みんなと一緒に食べられるなら」
鞠莉「はいはい、かしこまりましたっと」
カランカランッ
鞠莉「すみませーん、私たち9人なんですけど……」
バタンッ
……
…
曜「賛成」
花丸「おなかすいた」
善子「いつもよりもね」
ダイヤ「席の予約は取ってあるのですか?」
鞠莉「ぜーんぜん」
果南「適当だなあ」
千歌「どこでもいいよ」
ルビィ「うん、みんなと一緒に食べられるなら」
鞠莉「はいはい、かしこまりましたっと」
カランカランッ
鞠莉「すみませーん、私たち9人なんですけど……」
バタンッ
……
…
372: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/04/20(水) 19:23:13.61 ID:SGhdsX4V
2021年、3月1日
ラブライブ決勝
Aqours 最下位により、敗退
376: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/04/21(木) 18:12:25.63 ID:P8fCFZUO
それから2日後……
3月3日
十千万
トントン
美渡「おーい千歌ー起きてんでしょー?」
「……」
美渡「ご飯出来てるから、冷めないうちに食べにきなよ」
「……うん」
美渡「はぁー……ったく」スタスタ
377: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/04/21(木) 18:13:01.20 ID:P8fCFZUO
志満「どうだった?」
美渡「変化なし」
志満「そう……」
志満「大変だったものね、昨日」
美渡「ま、実際しゃーなしなところあるけど」
美渡「決勝であんなライブになったらそりゃ賛否両論にもなるってね」
美渡「寧ろよく賛同よりになってるなとすら思う」
志満「美渡ちゃん」
美渡「分かってるって、千歌はよくやったし周りの人たちもそう言ってくれてるってことは」
美渡「でも、それで本人が納得するかどうかはまた別の話だよ」
美渡「変化なし」
志満「そう……」
志満「大変だったものね、昨日」
美渡「ま、実際しゃーなしなところあるけど」
美渡「決勝であんなライブになったらそりゃ賛否両論にもなるってね」
美渡「寧ろよく賛同よりになってるなとすら思う」
志満「美渡ちゃん」
美渡「分かってるって、千歌はよくやったし周りの人たちもそう言ってくれてるってことは」
美渡「でも、それで本人が納得するかどうかはまた別の話だよ」
378: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/04/21(木) 18:13:35.96 ID:P8fCFZUO
志満「そうね、リーダーとしての責任を感じてるから、千歌ちゃん……」
美渡「こんな現状になってしまってる以上、それも仕方のないことかもね」
志満「どうにか元気づけてあげられないかしら……」
志満「少なくとも明後日の卒業式までには……なんとか」
美渡「……流石に後味悪いからね、私も一応それなりに考えてはいるけど」
志満「本当? どんな」
「すみませーん」
美渡「はいはいっと、ごめんちょっと行ってくるわ」
美渡「こんな現状になってしまってる以上、それも仕方のないことかもね」
志満「どうにか元気づけてあげられないかしら……」
志満「少なくとも明後日の卒業式までには……なんとか」
美渡「……流石に後味悪いからね、私も一応それなりに考えてはいるけど」
志満「本当? どんな」
「すみませーん」
美渡「はいはいっと、ごめんちょっと行ってくるわ」
379: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/04/21(木) 18:14:04.20 ID:P8fCFZUO
美渡「何でしょうか」
「高海さんのご住所でお間違いないでしょうか」
美渡「はい」
「こちら、お届け物です」
美渡「どうも」サラサラ
「ありがとうございます、では」
志満「どちら様?」
美渡「見ての通り配達だよ。これで今日何回目になるのやら」
志満「……中身は?」
「高海さんのご住所でお間違いないでしょうか」
美渡「はい」
「こちら、お届け物です」
美渡「どうも」サラサラ
「ありがとうございます、では」
志満「どちら様?」
美渡「見ての通り配達だよ。これで今日何回目になるのやら」
志満「……中身は?」
380: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/04/21(木) 18:15:02.09 ID:P8fCFZUO
美渡「それこそ見なくても分かるよ、昨日と同じさ」ヒラヒラ
志満「千歌ちゃんには教えなくていいの?」
美渡「まだそのときじゃない」
志満「…ねえ美渡ちゃん、もしかして美渡ちゃんが考えてることって……」
美渡「うん。今志満姉が思い浮かんだやつで合ってるよ、多分」
美渡「提案自体は梨子ちゃんのものだけどね……っと」ドサッ
美渡「……ふぅ、しっかしだいぶ集まってきたね」
志満「一度整理しておきましょうか」
美渡「そうだね……それにしても、まさかうちの妹がここまでの影響力を持っていようとは」
美渡「数年前の私に言ったら、絶対信じて貰えないだろうな」フッ
志満「……ええ、きっと私も」
志満「千歌ちゃんには教えなくていいの?」
美渡「まだそのときじゃない」
志満「…ねえ美渡ちゃん、もしかして美渡ちゃんが考えてることって……」
美渡「うん。今志満姉が思い浮かんだやつで合ってるよ、多分」
美渡「提案自体は梨子ちゃんのものだけどね……っと」ドサッ
美渡「……ふぅ、しっかしだいぶ集まってきたね」
志満「一度整理しておきましょうか」
美渡「そうだね……それにしても、まさかうちの妹がここまでの影響力を持っていようとは」
美渡「数年前の私に言ったら、絶対信じて貰えないだろうな」フッ
志満「……ええ、きっと私も」
381: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/04/21(木) 18:15:43.31 ID:P8fCFZUO
その頃……
浦の星女学院
鞠莉「──という訳なの。お願い、みんな協力してもらえないかしら」
梨子「私からもお願いします」
「…………」
むつ「何言ってるんですか理事長、梨子ちゃんも」
むつ「協力しない理由がありませんよ」
いつき「だよね」
よしみ「千歌とAqoursは今や私たち……ううん浦の星みんなの誇りだからね」
鞠莉「……ありがとう」
鞠莉「よーし、それじゃあ早速準備に取り掛かるわよー!」
「おーーっ!!」
382: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/04/21(木) 18:16:42.63 ID:P8fCFZUO
曜「……あっ連絡きた、みんな協力してくれるって」
善子「了解、こっちも告知用のページそろそろ出来そう」カチッ
花丸「ビラの方はもう刷ってあるずら」トントン
曜「おぉ仕事が早いねー! じゃあ早速これ持って回ってくるよ!」タッ
曜「3人ともまた後でね!」
花丸「いってらっしゃーい」フリフリ
ルビィ「でも、本当にいいの花丸ちゃん?」
花丸「いいって何が?」
善子「明日あんたの誕生日でしょ」カタカタ
善子「了解、こっちも告知用のページそろそろ出来そう」カチッ
花丸「ビラの方はもう刷ってあるずら」トントン
曜「おぉ仕事が早いねー! じゃあ早速これ持って回ってくるよ!」タッ
曜「3人ともまた後でね!」
花丸「いってらっしゃーい」フリフリ
ルビィ「でも、本当にいいの花丸ちゃん?」
花丸「いいって何が?」
善子「明日あんたの誕生日でしょ」カタカタ
383: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/04/21(木) 18:17:16.46 ID:P8fCFZUO
花丸「え、だってお祝い自体はしてくれるんだよね?」
善子「そうだけど、前座みたいな扱いでいいのかって聞いてるのよ」
花丸「マルは別に構わないよ、今はそれより大事なことがあるから」
花丸「多分ルビィちゃんや善子ちゃんもマルと同じ立場だったらそう言うんじゃないかな」
善子「…………はぁーっ…」
ルビィ「あはは、それを言われるともう何も言い返せないね」
花丸「うん。だからそんなに気を遣わなくても大丈夫ずら」
善子「分かったわよ……で、ルビィの方はどうだった?」
ルビィ「理亞ちゃんのことならさっき問題ないって連絡がきたよ」
善子「そう。なら後は……私たちのリーダー次第ってわけね」
善子「そうだけど、前座みたいな扱いでいいのかって聞いてるのよ」
花丸「マルは別に構わないよ、今はそれより大事なことがあるから」
花丸「多分ルビィちゃんや善子ちゃんもマルと同じ立場だったらそう言うんじゃないかな」
善子「…………はぁーっ…」
ルビィ「あはは、それを言われるともう何も言い返せないね」
花丸「うん。だからそんなに気を遣わなくても大丈夫ずら」
善子「分かったわよ……で、ルビィの方はどうだった?」
ルビィ「理亞ちゃんのことならさっき問題ないって連絡がきたよ」
善子「そう。なら後は……私たちのリーダー次第ってわけね」
384: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/04/21(木) 18:18:10.18 ID:P8fCFZUO
ルビィ「心配ないよ、だって千歌ちゃんだもん」
ルビィ「きっとまた立ち上がってくれる」
善子「ていうか、そうしてもらわないと困るのよ」
善子「いつも元気が有り余ってるような人なのに急に黙って引きこもるとか、逆にこっちが調子狂うわ」
ルビィ「……ふふっ」
花丸「善子ちゃん素直じゃないずら」
善子「うっさい」
ルビィ「きっとまた立ち上がってくれる」
善子「ていうか、そうしてもらわないと困るのよ」
善子「いつも元気が有り余ってるような人なのに急に黙って引きこもるとか、逆にこっちが調子狂うわ」
ルビィ「……ふふっ」
花丸「善子ちゃん素直じゃないずら」
善子「うっさい」
385: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/04/21(木) 18:18:43.84 ID:P8fCFZUO
─
千歌「…………」
ガラッ
美渡「まーだ起きてんの」
志満「もう寝たら? 明日は花丸ちゃんのお誕生日なんでしょ?」
千歌「美渡姉、志満姉……うん」
千歌「もうすぐ寝る」
千歌「……」ジッ
志満「こら、寝るって言ってる子は画面と睨めっこしないの」
美渡「そうそう、気にしてどうにかなるものでもないし、もう終わったことじゃんか」
千歌「……だって」
386: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/04/21(木) 18:19:16.71 ID:P8fCFZUO
美渡「……いい気なもんだ、どうせ結果が全てだとか思ってんでしょ」
千歌「!」
美渡「この手のやつはみんなそう、ついでに言えば勝ち負けがはっきりした世界で敗者が言う決まり文句みたいなところもあるわな」
千歌「……」
志満「ちょっと美渡ちゃん」
美渡「別にそれ自体は間違ってはないよ、勝負しに来てるんだから当然だ……けど」
美渡「自分たちのやってきた結果が一つだけだと思い込んでるのは、流石にバカとしか言えないねバカ千歌」
千歌「……どういうこと」
千歌「!」
美渡「この手のやつはみんなそう、ついでに言えば勝ち負けがはっきりした世界で敗者が言う決まり文句みたいなところもあるわな」
千歌「……」
志満「ちょっと美渡ちゃん」
美渡「別にそれ自体は間違ってはないよ、勝負しに来てるんだから当然だ……けど」
美渡「自分たちのやってきた結果が一つだけだと思い込んでるのは、流石にバカとしか言えないねバカ千歌」
千歌「……どういうこと」
387: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/04/21(木) 18:19:44.65 ID:P8fCFZUO
美渡「ライブで失敗して、大会で負けて、そのことで自分を含めたグループの全員が非難される」
美渡「その事実だけがあんたの全部なのかって聞いてるの」
千歌「……」
志満「……美渡ちゃんそろそろ」
美渡「まあいいさ、足りない頭使わせたところで余計寝られなくなるだけだしね」
美渡「今日はこれくらいにしておくよ、おやすみ」
ピシャ
美渡「その事実だけがあんたの全部なのかって聞いてるの」
千歌「……」
志満「……美渡ちゃんそろそろ」
美渡「まあいいさ、足りない頭使わせたところで余計寝られなくなるだけだしね」
美渡「今日はこれくらいにしておくよ、おやすみ」
ピシャ
388: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/04/21(木) 18:20:14.76 ID:P8fCFZUO
志満「私も行くわね、おやすみ千歌ちゃん」
千歌「……うん」
志満「あ、最後に一つだけいい?」
千歌「なに?」
志満「さっきの美渡ちゃんの結果が全てって言葉」
志満「よーく覚えておいてね、それだけ」
千歌「……?」
志満「じゃあおやすみ、千歌ちゃん」ガラッ
千歌「……うん」
志満「あ、最後に一つだけいい?」
千歌「なに?」
志満「さっきの美渡ちゃんの結果が全てって言葉」
志満「よーく覚えておいてね、それだけ」
千歌「……?」
志満「じゃあおやすみ、千歌ちゃん」ガラッ
389: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/04/21(木) 18:20:48.13 ID:P8fCFZUO
ピシャン
千歌「……」ゴロン
失敗しなければ勝てたかもしれないのに
そもそもバク宙しなければよかったのでは?
センターだからって何でもやっていいってわけじゃないしなあ
それはメンバーも個人技頼みなところあるからっしょ
誰か止める人いなかったのかね
千歌「…………何が可笑しいのさ美渡姉」
千歌「全部本当のことじゃん、バカ美渡」
390: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/04/21(木) 18:21:43.35 ID:P8fCFZUO
翌日、3月4日
千歌「花丸ちゃんお誕生日おめでとうーーっ!!!」
千歌「はいこれ家のお饅頭ね!」
花丸「ありがとう千歌ちゃん」パクッ
花丸「んん~っ美味しいずらぁ~……」
千歌「ごめんねー最近慌ただしかったからあまり良いもの用意出来なくて」
花丸「マルは大丈夫だよ」
千歌「いやー花丸ちゃんはいい子だねー!」
391: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/04/21(木) 18:24:41.84 ID:P8fCFZUO
千歌「ねえ、ところでさ」
花丸「うん」
千歌「他のみんなの姿が見えないんだけど、花丸ちゃんどこに行ったか知らない?」キョロキョロ
花丸「梨子ちゃんたちならライブの準備に行ってるよ」
千歌「えっライブやるの!? それなら私にも教えてくれたっていいのに!」
千歌「花丸ちゃんの誕生日祝いにやるんでしょ? 水臭いなあもう、知ってたら私だって一緒に」
花丸「ううん、それは違うよ千歌ちゃん」
千歌「へ? 違うって、じゃあ何のライブ?」
善子「卒業ライブよ、あなた達の」
千歌「!」
花丸「うん」
千歌「他のみんなの姿が見えないんだけど、花丸ちゃんどこに行ったか知らない?」キョロキョロ
花丸「梨子ちゃんたちならライブの準備に行ってるよ」
千歌「えっライブやるの!? それなら私にも教えてくれたっていいのに!」
千歌「花丸ちゃんの誕生日祝いにやるんでしょ? 水臭いなあもう、知ってたら私だって一緒に」
花丸「ううん、それは違うよ千歌ちゃん」
千歌「へ? 違うって、じゃあ何のライブ?」
善子「卒業ライブよ、あなた達の」
千歌「!」
392: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/04/21(木) 18:25:10.84 ID:P8fCFZUO
花丸「善子ちゃん戻ってきたんだ」
善子「たった今ね、はいこれプレゼント。皆の分も預かってきた」
花丸「ありがとう、後で見るね」
千歌「え、ちょっと待って……善子ちゃん今なんて」
善子「だから卒業ライブ。明日卒業式でしょ、それ終わった後に私たち6人でライブやるのよ」
千歌「そ、そんなの私聞いてないよ?」
善子「そりゃそうよ、だって言ってないもの」
千歌「なっ……!」
善子「個人に向けたものならともかく、大衆に向けてのライブをやるなんて聞けば反対するかもしれなかったわけだし」
善子「だからギリギリになるそのときまで言わないようにって全員で決めていたの」
善子「たった今ね、はいこれプレゼント。皆の分も預かってきた」
花丸「ありがとう、後で見るね」
千歌「え、ちょっと待って……善子ちゃん今なんて」
善子「だから卒業ライブ。明日卒業式でしょ、それ終わった後に私たち6人でライブやるのよ」
千歌「そ、そんなの私聞いてないよ?」
善子「そりゃそうよ、だって言ってないもの」
千歌「なっ……!」
善子「個人に向けたものならともかく、大衆に向けてのライブをやるなんて聞けば反対するかもしれなかったわけだし」
善子「だからギリギリになるそのときまで言わないようにって全員で決めていたの」
393: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/04/21(木) 18:26:29.84 ID:P8fCFZUO
千歌「じゃあ」
善子「お察しの通りよ。もう既に色んなところで触れ回ってるから、今更やめるなんて言っても無理だからね」
善子「はいこれがその告知用ページ、こっちはビラ」
千歌「いつの間に……」
善子「流石にネットの拡散はバレると思ったんだけど、その様子だとこの3日間本当にラブライブ関連のものしか見てなかったのね」
千歌「それは……」
善子「お察しの通りよ。もう既に色んなところで触れ回ってるから、今更やめるなんて言っても無理だからね」
善子「はいこれがその告知用ページ、こっちはビラ」
千歌「いつの間に……」
善子「流石にネットの拡散はバレると思ったんだけど、その様子だとこの3日間本当にラブライブ関連のものしか見てなかったのね」
千歌「それは……」
394: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/04/21(木) 18:26:56.44 ID:P8fCFZUO
善子「いいわよ別に、そのことでどうこう言うつもりはないわ」
善子「あなたが事態を重く受け止めているからそうなってるっていうのもあるし、仕方ないわ」
善子「千歌はAqoursのリーダーだもの、今までその自覚をもってやってきたわけだし当然よね」
善子「ただ、それは私たちだって同じ」
善子「ずっと苦しんでるあなたをこのまま黙って見過ごすことなんて出来ないのよ」
千歌「善子ちゃん……」
善子「さっさと払拭しなさいよ千歌」
善子「あなたが事態を重く受け止めているからそうなってるっていうのもあるし、仕方ないわ」
善子「千歌はAqoursのリーダーだもの、今までその自覚をもってやってきたわけだし当然よね」
善子「ただ、それは私たちだって同じ」
善子「ずっと苦しんでるあなたをこのまま黙って見過ごすことなんて出来ないのよ」
千歌「善子ちゃん……」
善子「さっさと払拭しなさいよ千歌」
395: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/04/21(木) 18:27:22.05 ID:P8fCFZUO
千歌「……ライブの内容は?」
善子「決勝と同じ、あなたがセンターでサビ前にロンバク宙を決める」
千歌「……っ……!!」ゾク
花丸「千歌ちゃん、マルたちは出来ないなんて思ってないからね」
善子「だからそこは問題じゃない、大事なのはやるかやらないか……でしょ?」
千歌「善子ちゃん、花丸ちゃん……」
善子「明日、待ってるから。行きましょ花丸」
花丸「うん、千歌ちゃんごちそうさまでした」
千歌「…………」カサッ
─ Aqours 3年生卒業ライブ ─
千歌「…………私は」
善子「決勝と同じ、あなたがセンターでサビ前にロンバク宙を決める」
千歌「……っ……!!」ゾク
花丸「千歌ちゃん、マルたちは出来ないなんて思ってないからね」
善子「だからそこは問題じゃない、大事なのはやるかやらないか……でしょ?」
千歌「善子ちゃん、花丸ちゃん……」
善子「明日、待ってるから。行きましょ花丸」
花丸「うん、千歌ちゃんごちそうさまでした」
千歌「…………」カサッ
─ Aqours 3年生卒業ライブ ─
千歌「…………私は」
396: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/04/21(木) 18:27:53.28 ID:P8fCFZUO
─
梨子「善子ちゃんたち、千歌ちゃんに教えたみたいです」
鞠莉「そう、いよいよね」
鞠莉「それにしても梨子、まさか貴女の生徒会長としての最後の仕事が千歌っちのライブの協力になるなんてね」
曜「うんうん、初めに無理矢理引っ張ってこられて入部させられたことを考えると、なんかこう……くるものがあるよね。エモーショナルってやつ?」
梨子「曜ちゃん、準備は終わったの?」
曜「まあね、だからこっち来ちゃった。みんなは先帰っちゃったけど」
397: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/04/21(木) 18:28:26.21 ID:P8fCFZUO
鞠莉「曜は梨子と一緒にいたいから帰りたくないのよねー分かるわ~」
曜「鞠莉ちゃんっ!」
梨子「フフッ……ありがとう曜ちゃん」
曜「うっ……」
梨子「私も同じだよ、帰りたくないからここに残ってたの」
鞠莉「フー! 言うじゃない梨子!」
梨子「はい、私も鞠莉さんと離れたくなかったので」
鞠莉「……え?」
曜「鞠莉ちゃんっ!」
梨子「フフッ……ありがとう曜ちゃん」
曜「うっ……」
梨子「私も同じだよ、帰りたくないからここに残ってたの」
鞠莉「フー! 言うじゃない梨子!」
梨子「はい、私も鞠莉さんと離れたくなかったので」
鞠莉「……え?」
398: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/04/21(木) 18:29:17.51 ID:P8fCFZUO
梨子「気付かなかったんですか?」
梨子「私ね、もっと鞠莉さんと一緒にいたかったんですよ」
クルッ
梨子「なんで、私が最後まで、生徒会長を続けたと思ってるんですか」
曜「……」
梨子「わたしっ……もっとここに、いたかったの…っ…」
鞠莉「……ズルいわよね梨子って」
鞠莉「いま、そんなこと言わないでよ」ポロポロ
梨子「私ね、もっと鞠莉さんと一緒にいたかったんですよ」
クルッ
梨子「なんで、私が最後まで、生徒会長を続けたと思ってるんですか」
曜「……」
梨子「わたしっ……もっとここに、いたかったの…っ…」
鞠莉「……ズルいわよね梨子って」
鞠莉「いま、そんなこと言わないでよ」ポロポロ
399: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/04/21(木) 18:29:57.13 ID:P8fCFZUO
……
千歌「ただいま」
志満「おかえりなさい」
美渡「また辛気臭い顔してんの、今度は何があったわけ」
千歌「分かってるくせに」
美渡「ってことは聞いたんだね」
千歌「……正直、怖いよ。やりたくない」
千歌「今度も上手くいかなかったらって思うと……手が震えるの」
美渡「……」
千歌「今までこんなこと、なかったのに」
千歌「ただいま」
志満「おかえりなさい」
美渡「また辛気臭い顔してんの、今度は何があったわけ」
千歌「分かってるくせに」
美渡「ってことは聞いたんだね」
千歌「……正直、怖いよ。やりたくない」
千歌「今度も上手くいかなかったらって思うと……手が震えるの」
美渡「……」
千歌「今までこんなこと、なかったのに」
400: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/04/21(木) 18:30:23.70 ID:P8fCFZUO
美渡「……頃合いってやつかな」
志満「そうね」
千歌「え?」
美渡「よいしょ……っと」ドサッ
千歌「なにその荷物」
志満「まだあるわよ……ふぅ」ダン
美渡「ほれ、一枚読んでみ」スッ
千歌「……手紙?」
美渡「そう、そこに入ってるやつ全部批判の手紙」
千歌「っ!!」
美渡「と思うじゃん? ところがどっこい、違うんだよなこれが」
志満「そうね」
千歌「え?」
美渡「よいしょ……っと」ドサッ
千歌「なにその荷物」
志満「まだあるわよ……ふぅ」ダン
美渡「ほれ、一枚読んでみ」スッ
千歌「……手紙?」
美渡「そう、そこに入ってるやつ全部批判の手紙」
千歌「っ!!」
美渡「と思うじゃん? ところがどっこい、違うんだよなこれが」
401: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/04/21(木) 18:31:15.67 ID:P8fCFZUO
千歌「…………」カサッ
千歌ちゃんへ
ライブ見ました、ばくちゅうは上手くいかなかったけどとてもかっこよかったです
つぎのライブはいつやりますか? 次もぜったい見に行きます。
千歌「……これ、あの子の」
志満「ええ、ファンレター」
志満「それも家に来たものはぜーんぶAqoursじゃなくて千歌ちゃん個人へのものなのよ」
千歌「こんなに……っ!?」
美渡「ま、賛否両論あったのは事実だけど」
美渡「少なくとも、ここに来たことがあって、あんたのことをよく知るお客さんはそうは思わなかったってことだね」
千歌ちゃんへ
ライブ見ました、ばくちゅうは上手くいかなかったけどとてもかっこよかったです
つぎのライブはいつやりますか? 次もぜったい見に行きます。
千歌「……これ、あの子の」
志満「ええ、ファンレター」
志満「それも家に来たものはぜーんぶAqoursじゃなくて千歌ちゃん個人へのものなのよ」
千歌「こんなに……っ!?」
美渡「ま、賛否両論あったのは事実だけど」
美渡「少なくとも、ここに来たことがあって、あんたのことをよく知るお客さんはそうは思わなかったってことだね」
402: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/04/21(木) 18:31:43.95 ID:P8fCFZUO
千歌「……!」バッ
千歌ちゃんの笑顔にいつも励まされています
またライブやってー!
旅館で働いてる千歌ちゃんすごく可愛かった!
千歌「……」カサッ
応援しています。頑張って!
いつでも元気いっぱいで明るい千歌ちゃんが大好きです
たくさんの勇気と感動をありがとう
千歌「……」
千歌ちゃんの笑顔にいつも励まされています
またライブやってー!
旅館で働いてる千歌ちゃんすごく可愛かった!
千歌「……」カサッ
応援しています。頑張って!
いつでも元気いっぱいで明るい千歌ちゃんが大好きです
たくさんの勇気と感動をありがとう
千歌「……」
403: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/04/21(木) 18:32:16.78 ID:P8fCFZUO
美渡「千歌」
美渡「結果が全てだって言うなら、今そこにあるものだってその一部じゃないの」
美渡「それとも負けたから、こんな言葉は全部嘘だって本音じゃないって、そう思ってる?」
千歌「…………思ってない」
クシャ
千歌「思うわけ……ないよっ……!!」ポロポロ
美渡「ならもうやることなんて決まってるじゃん」
志満「千歌ちゃん、ファンの期待に応えるのもスクールアイドルとして大事なことなのよね?」
千歌「うん……私、やるよ」ゴシゴシ
千歌「今度こそやってみせるよ、最高のライブを!」
美渡「結果が全てだって言うなら、今そこにあるものだってその一部じゃないの」
美渡「それとも負けたから、こんな言葉は全部嘘だって本音じゃないって、そう思ってる?」
千歌「…………思ってない」
クシャ
千歌「思うわけ……ないよっ……!!」ポロポロ
美渡「ならもうやることなんて決まってるじゃん」
志満「千歌ちゃん、ファンの期待に応えるのもスクールアイドルとして大事なことなのよね?」
千歌「うん……私、やるよ」ゴシゴシ
千歌「今度こそやってみせるよ、最高のライブを!」
404: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/04/21(木) 18:32:52.59 ID:P8fCFZUO
そして翌日……3月5日
東京
果南「そろそろだね……ていうか同接5万って凄いなあ、まだ始まってないのにこの数字とは」
ダイヤ「そもそもの知名度に加えてSaint Snowの宣伝もありましたからね」
ダイヤ「ラブライブ連続優勝グループのお墨付きとあらば興味を持つ人も多いでしょう」
果南「でもルビィちゃんが頼んだとはいえ、よく引き受けてくれたよね理亞ちゃんも」
聖良「……」
聖良「トップにいる者の発言は常に責任を伴う、しかしそれ故の説得力がある」
405: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/04/21(木) 18:33:41.53 ID:P8fCFZUO
果南「それって」
聖良「ええ、以前私がAqoursの皆さんに言った言葉です。きっと理亞も覚えているでしょうね」
聖良「そして、あの子はそれを分かったうえでルビィさんの申し出を受けた」
聖良「つまり、それだけ期待しているってことですよ」
聖良「色んな人が、このライブにね」
果南「……そうだね」クス
ダイヤ「フフッ、もうすっかり人気者ですわね」
聖良「ええ、以前私がAqoursの皆さんに言った言葉です。きっと理亞も覚えているでしょうね」
聖良「そして、あの子はそれを分かったうえでルビィさんの申し出を受けた」
聖良「つまり、それだけ期待しているってことですよ」
聖良「色んな人が、このライブにね」
果南「……そうだね」クス
ダイヤ「フフッ、もうすっかり人気者ですわね」
406: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/04/21(木) 18:34:18.05 ID:P8fCFZUO
雪穂「うわー緊張してきた、プレッシャー凄いだろうなあ……」
穂乃果「楽しみだねー雪穂」
雪穂「私はそんなに軽く見れないよ」
穂乃果「大丈夫だよ、きっと」
雪穂「どうしてそう思うのさ」
穂乃果「うーん、何となく!」
穂乃果「楽しみだねー雪穂」
雪穂「私はそんなに軽く見れないよ」
穂乃果「大丈夫だよ、きっと」
雪穂「どうしてそう思うのさ」
穂乃果「うーん、何となく!」
407: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/04/21(木) 18:34:43.70 ID:P8fCFZUO
雪穂(不安だ……でも)
雪穂(ルビィちゃんも理亞ちゃんも千歌ちゃんを信じているんだよね)
雪穂(たとえ少しの不安があったとしても、それでも)
穂乃果「千歌ちゃーんルビィちゃーん頑張れー!」
雪穂「よし、私もネガティブやめよう。応援しないと!」
穂乃果「えっ珍しい!」
雪穂「怒るよ!!」
雪穂(ルビィちゃんも理亞ちゃんも千歌ちゃんを信じているんだよね)
雪穂(たとえ少しの不安があったとしても、それでも)
穂乃果「千歌ちゃーんルビィちゃーん頑張れー!」
雪穂「よし、私もネガティブやめよう。応援しないと!」
穂乃果「えっ珍しい!」
雪穂「怒るよ!!」
408: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/04/21(木) 18:35:12.99 ID:P8fCFZUO
─会場
ガヤガヤ ザワザワ
よしみ「マイクよし、カメラよし、照明よし!」
いつき「オールオッケーでーす!」
むつ「了解、千歌ー! こっちはいつでも大丈夫だよー!」
千歌「分かったー! ありがとうみんなー!」
ガヤガヤ ザワザワ
よしみ「マイクよし、カメラよし、照明よし!」
いつき「オールオッケーでーす!」
むつ「了解、千歌ー! こっちはいつでも大丈夫だよー!」
千歌「分かったー! ありがとうみんなー!」
409: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/04/21(木) 18:35:46.31 ID:P8fCFZUO
千歌「よし、じゃあ行こうか」
千歌「ルビィちゃん、善子ちゃん、花丸ちゃん、梨子ちゃん、曜ちゃん、みんなも今まで本当にありがとう」
千歌「これが本当に6人での最後のライブ! 乗り越えよう! 全員で!」
「「「うん!!」」」
千歌「いくぞーー!! Aqoursーーーーっ!!!」
「「「「サーーンシャイーーーーーーン!!!」」」」
千歌「ルビィちゃん、善子ちゃん、花丸ちゃん、梨子ちゃん、曜ちゃん、みんなも今まで本当にありがとう」
千歌「これが本当に6人での最後のライブ! 乗り越えよう! 全員で!」
「「「うん!!」」」
千歌「いくぞーー!! Aqoursーーーーっ!!!」
「「「「サーーンシャイーーーーーーン!!!」」」」
410: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/04/21(木) 18:36:16.18 ID:P8fCFZUO
……
…
少女「……」
「また見てるの? Aqoursのライブ」
少女「うん」
ー♪
千歌「」
少女「……ねえ、お母さん」
411: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/04/21(木) 18:36:47.97 ID:P8fCFZUO
「なに?」
少女「私、大きくなったらスクールアイドルになる」
少女「私……Aqoursみたいな」
少女「千歌ちゃんみたいなスクールアイドルになりたい」
「フフッ……そう」
少女「私、大きくなったらスクールアイドルになる」
少女「私……Aqoursみたいな」
少女「千歌ちゃんみたいなスクールアイドルになりたい」
「フフッ……そう」
412: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/04/21(木) 18:37:32.95 ID:P8fCFZUO
「え、なにAqoursライブやってたの!?」
「お前知らなかったのかよ! 凄かったんだぞ! トレンド独占してるしほら!」
1.千歌ちゃん
3.Aqours
4.卒業
6.バク宙
8.ロンダート
「くあーっ! マジかーーっ!!! ていうか1位千歌ちゃんなの!?」
「いや、あれは他推しでもなるわ。実際──」
「俺もそうしたしな」
「お前知らなかったのかよ! 凄かったんだぞ! トレンド独占してるしほら!」
1.千歌ちゃん
3.Aqours
4.卒業
6.バク宙
8.ロンダート
「くあーっ! マジかーーっ!!! ていうか1位千歌ちゃんなの!?」
「いや、あれは他推しでもなるわ。実際──」
「俺もそうしたしな」
413: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/04/21(木) 18:38:16.65 ID:P8fCFZUO
穂乃果「いやあー最高だったねーAqoursのライブ!」
雪穂「うん……」
穂乃果「なんていうか、輝いてたって感じ!」
雪穂「もうちょっと具体的な感想ないの?」
穂乃果「むっ、そういう雪穂はどうなのさ!」
雪穂「私? 私は……そうだね」
雪穂「もっと応援したいって思った」
雪穂「うん……」
穂乃果「なんていうか、輝いてたって感じ!」
雪穂「もうちょっと具体的な感想ないの?」
穂乃果「むっ、そういう雪穂はどうなのさ!」
雪穂「私? 私は……そうだね」
雪穂「もっと応援したいって思った」
414: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/04/21(木) 18:39:07.44 ID:P8fCFZUO
雪穂(危なっかしくて、心配で……でも)
穂乃果「何それ! 私とそんなに変わらないじゃん!」
雪穂(ああ、そっか……今わかった)
雪穂(似てるんだ、あの子)
雪穂「うん、そうかもね」
穂乃果「何それ! 私とそんなに変わらないじゃん!」
雪穂(ああ、そっか……今わかった)
雪穂(似てるんだ、あの子)
雪穂「うん、そうかもね」
415: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/04/21(木) 18:39:33.29 ID:P8fCFZUO
千歌「───ありがとうございました!!」
「ありがとうございました!!」
ワアアアアアアアアアア!!!!
チカチャーーーン!!!
曜「やったね、千歌ちゃん」
千歌「うん、みんなのおかげだよ……本当にありがとう」
千歌「本当に……」
梨子「千歌ちゃん……」
「ありがとうございました!!」
ワアアアアアアアアアア!!!!
チカチャーーーン!!!
曜「やったね、千歌ちゃん」
千歌「うん、みんなのおかげだよ……本当にありがとう」
千歌「本当に……」
梨子「千歌ちゃん……」
416: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/04/21(木) 18:40:06.50 ID:P8fCFZUO
千歌「ルビィちゃん、次のリーダーはルビィちゃんに任せるよ」
千歌「Aqoursのこと、頼んだよ」
ルビィ「うん」
千歌「善子ちゃんと花丸ちゃんも」
善子「……分かってるから」
花丸「…………」
千歌「あははっやだなーもう! そんなにしんみりしないでよ!」
千歌「Aqoursのこと、頼んだよ」
ルビィ「うん」
千歌「善子ちゃんと花丸ちゃんも」
善子「……分かってるから」
花丸「…………」
千歌「あははっやだなーもう! そんなにしんみりしないでよ!」
417: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/04/21(木) 18:41:03.72 ID:P8fCFZUO
善子「だって……」
花丸「行かないで……」
千歌「……大丈夫、私たちは信じてるから」ギュゥッ
千歌「ルビィちゃんたちなら、絶対に最高のスクールアイドルになれるって……信じてるから」
千歌「だから……ね?」
善子・花丸「……っ……」ポロポロ
梨子「千歌ちゃん、曜ちゃん、そろそろ」
曜「うん、今行く」
花丸「行かないで……」
千歌「……大丈夫、私たちは信じてるから」ギュゥッ
千歌「ルビィちゃんたちなら、絶対に最高のスクールアイドルになれるって……信じてるから」
千歌「だから……ね?」
善子・花丸「……っ……」ポロポロ
梨子「千歌ちゃん、曜ちゃん、そろそろ」
曜「うん、今行く」
418: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/04/21(木) 18:41:46.14 ID:P8fCFZUO
千歌「それじゃあ───「待って!!」
ルビィ「…………」
善子「ルビィ……」
花丸「ルビィちゃん……」
ルビィ「最後に一つだけ、言いたいことがあるの」
千歌「……なに?」
ルビィ「…………」
善子「ルビィ……」
花丸「ルビィちゃん……」
ルビィ「最後に一つだけ、言いたいことがあるの」
千歌「……なに?」
419: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/04/21(木) 18:42:14.70 ID:P8fCFZUO
ルビィ「前からずっと思ってた……千歌ちゃんは」
ルビィ「いつも真っ直ぐで、元気で、明るくて」
ルビィ「失敗してもまた前に進んで……それでっ」
ルビィ「そんな千歌ちゃんを見て、みんな元気になって!」
ルビィ「私たちも頑張ろうって思えて! だから!!」
千歌「…………」
ルビィ「いつも真っ直ぐで、元気で、明るくて」
ルビィ「失敗してもまた前に進んで……それでっ」
ルビィ「そんな千歌ちゃんを見て、みんな元気になって!」
ルビィ「私たちも頑張ろうって思えて! だから!!」
千歌「…………」
420: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/04/21(木) 18:42:42.11 ID:P8fCFZUO
ルビィ「だから、思ったの」
ルビィ「千歌ちゃん」
ルビィ「今の千歌ちゃんは───」
ルビィ「まるで穂乃果さんみたいだね」
千歌「───!!」
ルビィ「千歌ちゃん」
ルビィ「今の千歌ちゃんは───」
ルビィ「まるで穂乃果さんみたいだね」
千歌「───!!」
421: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/04/21(木) 18:43:34.12 ID:P8fCFZUO
『よし! 決めた!』
『曜ちゃん! 私スクールアイドルになる!』
『私μ'sみたいなスクールアイドルになりたい!』
『やろう! 一緒に!』
『私も!?』
『うん! 帰ったら果南ちゃんも誘うの! なんか前やってたみたいなこと言ってたし!』
『果南ちゃんもかあ、本当にやる気みたいだね千歌ちゃん』
『えへへっ! よーしやるぞーー!!』
『私も輝くんだ! μ'sのように!!』
422: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/04/21(木) 18:44:06.90 ID:P8fCFZUO
その日、私たちは改めて
頑張るだけでは越えられない壁があることを知った。
……ポタッ
曜「」ポロポロ
梨子「曜ちゃん……?」
曜「本当は、勝たなくちゃって思ってた……心のどこかで」
曜「これで最後だから、負けたら終わるから……だけど……だけどっ」
曜「今はよかったって思える……っ……私じゃない……ルビィちゃんがそれを言ってくれるだけで」
曜「無駄なんかじゃなかったって、そう思える……っ……!」
梨子「……」ギュッ
曜「くぅっ……ぅ……ああああぁぁぁ……!!」
423: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/04/21(木) 18:44:36.46 ID:P8fCFZUO
そして、幸せの青い鳥は自分たちのすぐ近くにいたんだということに
気付かされて
千歌(……ずっと、何かやりたいって思ってた)
千歌(やりたいことが出来てからは、ずっと、遠くのものを追いかけてた)
千歌(それが、私の求めていた輝きなんだってそう思って……)
千歌(だけど)
千歌(そうか、そうだったんだ)
424: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/04/21(木) 18:45:14.71 ID:P8fCFZUO
私はもう、ずっと前から
手に入れていたんだね
千歌「…………っ……はは……なに、それ」
最高の褒め言葉だよ。
425: 家 ◆YmvLytuhUo (もんじゃ) 2022/04/21(木) 18:45:45.16 ID:P8fCFZUO
ルビィ「片割れのジュエル」
2年生編 終わり
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