1: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/24(日) 13:55:06.88 ID:CAT+nFnLO
小鳩「……」ギュ

星奈「なっ!?小鳩ちゃんが夜空に!?」

マリア「うんこ吸血鬼……じゃ、じゃあワタシも夜空なのだっ!!」

小鷹「じゃあって……」

理科「理科も夜空先輩ですね~。コスプレさせまくります」ウヘヘ

夜空「おいやめろ」

幸村「わたくしもいけめんの夜空のあねごです」

星奈「なっ……何よこれ……!」

星奈(もしかして小鷹がいなかったら夜空って……)

夜空「で、肉は誰なのだ?」

星奈「だっダメぇーーー!!!!!!」ブンブン

星奈「みんな夜空から離れなさぁい!!」

夜空「なんのつもりだ肉……?」
 

53: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/24(日) 18:02:52.83 ID:qb16krwc0
星奈「あ……あたしだって!」

星奈「つっ、付き合うなら……夜空が……」ゴニョゴニョ

理科「え? なんですか?」ニヤニヤ

星奈「だっ、だから、あたしも……!」

理科「何言ってるか聞こえませんよねぇ、夜空先輩」

夜空「あぁ。言いたいことがあるならはっきり言え、肉」

星奈「うぅ……///」

星奈「い……いいから全員離れなさいよ!」

星奈「夜空とはあたしが付き合うんだからぁ!」

59: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/24(日) 18:16:39.00 ID:qb16krwc0
「「「「「…………」」」」」



星奈「え? あ、あれ……?」



小鷹「い、言い切ったなー……」

幸村「さすがです」

小鳩「……?」ギュ

マリア「星奈は夜空と付き合いたいのか?」

理科「そうみたいですねー。だそうですよ、夜空せーんぱい?」

夜空「……」

夜空「な……///」カーッ

夜空「だっ、誰が貴様なんかと!!」

星奈「はぁ!? あんたが付き合うなら誰が良いかって聞いたんじゃない!」

夜空「そこまで大声で叫べとは言ってない!」

62: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/24(日) 18:27:37.27 ID:qb16krwc0
星奈「あぁそう、じゃあ大声で叫んでやるわよ!」

星奈「あたしは付き合うなら夜空とがいいわ!!」

夜空「や、やめろ恥ずかしい!」

星奈「あーら照れてるのかしら夜空さんったら?」

夜空「うるさい黙れ! その口塞いで二度と開かないようにしてやる!」



理科「おやおやぁ~? 何やら理科たちはお邪魔なようですねぇ」

小鳩「あんちゃん……」

小鷹「お、おう。取り敢えず、夜空から離れた方がいいんじゃないか」

小鳩「ん」

マリア「あ! うんこ吸血鬼、お兄ちゃんのとこには私がいくのだ!」ガシッ

小鳩「くんなあほぉ!」

マリア「なにー!」

理科「はいはい、取り敢えず私たちは退散しましょうねー」

小鷹「お、おう……?」

69: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/24(日) 18:45:35.21 ID:qb16krwc0
星奈「出来るもんならやってみなさいよ!」

夜空「あぁやってやる。やってやるからその顔を出せ!」

星奈「嫌に決まってんでしょ、べー!」

夜空「ぐっ、ぬ……貴様……! さっきから随分と調子に乗った真似を……!」

星奈「ふふん。……で? あんたの方はどうなの?」

夜空「何がだ」

星奈「隣人部で付き合うなら誰を選ぶのよ」

夜空「ふん、貴様を選ぶことは地球がひっくり返っても無いから安心しろ」

星奈「何よ……それはそれでムカつくわね……!」

夜空「はっ、まず貴様を選ぶ奇特な輩などこの隣人部にはいないんじゃないか?」

星奈「そんな訳ないでしょ! 小鳩ちゃんならきっとあたしを選んで……」

星奈「……あ、あれ?」

シーン

夜空「……」

星奈「いつの間にかみんないないんだけど……」

70: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/24(日) 18:53:26.05 ID:qb16krwc0
夜空「……」

星奈「……」

夜空「……はぁ」

星奈「何よ、人の顔見て溜息つくなんて失礼ね」

夜空「小鷹たちが何処へ行ったかわからんし……帰るか」

星奈「ちょ、ちょっと待ちなさいよ!」

75: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/24(日) 19:05:41.18 ID:qb16krwc0
夜空「別に帰らなくたって……」

夜空「私と付き合いたいなどと抜かす変態レズ肉と一緒にこんな密室にいたら、何をされるかわかったものじゃないからな」

星奈「なっ! 別にあたしは変態でもレズでも無いわよ!」

夜空「あぁそうか。じゃあな」クルッ

星奈「ま……待ちなさいって言ってるでしょ!!」ガシッ

夜空「……何の真似だ。離せ」

星奈「あたしに女の子を好きになるような趣味は無いわよ!」

夜空「ふん、大声であんな事を叫んでおいてよく言う」

星奈「それはっ……!!」

星奈「……っ」

夜空「何だ」

星奈「あっ……あんただからよ……!!」

星奈「夜空、だから……付き合っても良いかなって……思って……」

110: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/24(日) 21:00:02.04 ID:qb16krwc0
下がっていく頭と共に弱くなっていく語尾。
奴の前髪が表情を隠していたが、金糸の隙間から見える肌は朱に染まっていて。
一瞬でも可愛いなどと思ってしまった自分を心底おかしいと思う。
でも。


星奈「それで……えっと、何言ってんだろ、あたし……」

夜空「わかった。もういい、黙れ」


思ったより低い声になった。
そのせいもあってか、突き離されたと思ったのだろう。不安に目を潤ませた奴が顔を上げる。
その瞬間を狙って、私は唇を目の前のそれに押し付けた。

122: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/24(日) 21:24:56.07 ID:qb16krwc0
星奈「……っ!?」


柔らかい。もう少し触れてみたくて舌で軽く唇をなぞると、びくりと身体が跳ねた。
少しだけ名残惜しく思いながら唇を離せば、驚愕に見開いた瞳と目が合う。


星奈「ちょ、え……? あんた、何して……」


ちょっとした気の迷い。雰囲気に流されてしまっただけ。
言い訳を考えて気持ちに蓋をしていく。


夜空「……さぁな」


踵を返す。
これ以上は危険だ。私にとっても、あいつにとっても。
距離を測り違えてはいけない。


星奈「待ちなさいっつってんの!」

夜空「……何だ。さっきのことなら忘れろ」

星奈「うっさいわねバカ夜空! やられっぱなしは性に合わないのよ!」

129: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/24(日) 21:44:57.54 ID:qb16krwc0
夜空「な……」


油断した。向かい合う形で壁に押し付けられた。
ご丁寧に両腕で囲われ、逃げ道は塞がれている。


星奈「逃がさないわよ」

夜空「……離せ」

星奈「あたしに、き……キスした分、ちゃんとやり返させてもらうんだから」

夜空「貴様にそんなこと出来るとは思えんがな」


ふっと鼻で笑ってやる。
煽っているとわかっていながら、私は何処か期待しているんだ。


星奈「ナメないでくれるかしら」

141: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/24(日) 22:30:52.32 ID:qb16krwc0
碧い瞳に囚われて、私は逃げられないのだと知る。
檻じゃない。こいつから。


星奈「……目、閉じてくんない?」

夜空「はっ、誰が」

星奈「やりづらいのよ!」

夜空「知ったことか」


上手くこいつを煽って、そして。
生々しい欲望が奥底から湧き上がってくる音を聞く。


夜空「ほらな。貴様に出来る訳が」

星奈「あぁもう!」


瞬間、目の前が真っ黒に染まった。
手で視界を塞がれたと気付いたのは、唇に柔らかい何かが触れた時。
感触を楽しむ間も無く、すぐにそれは離れてしまう。

142: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/24(日) 22:32:14.45 ID:qb16krwc0
 
 
星奈「……どうよ」


次に視界が開けた時には、真っ赤になってしたり顔のアホ面。
眩しさに、少しだけ目が眩んだ。


星奈「うわ、あんた顔赤」

夜空「それは貴様だ駄肉」

星奈「へぇ、人のこと散々言っといて。あんたのが変態レズバカ夜空なんじゃないの?」

夜空「馬鹿言うな」


そして、用意していた同じ言葉。


夜空「貴様だからだ」

147: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/24(日) 22:56:08.47 ID:qb16krwc0
言葉に、奴はさらに顔を赤らめて。


星奈「……う、あ」

夜空「どうした。貴様がさっき言った言葉だが」


瞳を覗き込むと逃げるように逸らされる。
金髪の間から覗く耳まで赤く染め上げられていた。


星奈「……うるさいわね。何で真顔で言えるのよ」


感情を隠すのは上手いと自負している。
逆にこいつは分かり易すぎると思う。


星奈「……もしかしてさ」

夜空「何だ」

星奈「夜空って、あたしのこと……」


言わせない。
無理矢理にこちらを向かせて、言いかけた唇を塞いだ。

151: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/24(日) 23:23:15.03 ID:qb16krwc0
星奈「んっ……ぅ」


舌を割り込ませると、簡単に口内に侵入することが出来た。
奥で縮こまっていた奴の舌を絡めとる。


星奈「んく……んっ、んんっ!」


逃げる舌を追いかけて、中を嬲り尽くす。
いつの間にか私を囲う檻は壊れて、私の手を握っていた。


夜空「っは……何を勘違いしたか知らないが」


手を塞がれているので溢れた唾液もそのままに、乱れた息を整えながら言う。

152: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/24(日) 23:26:52.71 ID:qb16krwc0
夜空「貴様のことなど、大がつくほど嫌いだな」

星奈「……あっそ」


どちらともなく指を絡めあって。


星奈「あたしだって、夜空のことなんか大っ嫌い」

夜空「そうか」

星奈「……ま、あんたがどうしてもって言うなら? 付き合ってあげてもいいけど?」

夜空「地球がひっくり返ってもそれは無いと言っただろう」

星奈「……素直じゃないわね」


今の言葉は聞こえなかったことにしておいてやる。

165: ID:qb16krwc0 2013/03/25(月) 00:16:04.10 ID:F5UkORqc0
星奈「ね。お願いがあるんだけど」

夜空「断る」

星奈「いいから聞きなさいよ」

夜空「わかった、聞くだけ聞いてやる」

星奈「……あんたホント良い性格してるわよね」


言葉とは裏腹に、私たちの距離は近い。
こんなふうに肌を触れ合わせるのは存外悪くない。
もっと触れたいと思ってしまうのは、不穏当なことだろうか。


夜空「で、何だ」

星奈「名前で呼んでほしいんだけど」

夜空「……」

星奈「何よその露骨に癒そうな顔は」

215: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/25(月) 09:53:13.59 ID:F5UkORqc0
 

夜空「貴様は肉でじゅうぶんだろう」

星奈「それも嫌いじゃないけど。呼んでほしいなって思って」

夜空「……」

星奈「ほらほら早く」


まるで散歩に連れてってもらえることがわかった犬だ。目を輝かせながら尻尾をぶんぶんと振っている。
手懐けてみるのも面白いかもしれない。


夜空「……星奈」

 

216: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/25(月) 09:55:05.62 ID:F5UkORqc0
 
星奈「…………」

夜空「……呼んでやったぞ」

星奈「……」

夜空「……」

星奈「……あれ。なんか思ったより」

夜空「あ?」

星奈「あたしは顔真っ赤にして羞恥に震えながらか細い声で『せ……せな……』って言う夜空を期待してたんだけど」

夜空「こ、の……変態肉がっ……エロゲのやり過ぎで脳が腐ってるんじゃないか貴様」

星奈「はぁ!? そんな訳ないでしょ! 何よ、バカにしてんじゃ……」
 

217: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/25(月) 09:56:49.25 ID:F5UkORqc0
今のは少し頭にきた。
だからほんの少し真面目に。ほんの少しの本心を混ぜて。


夜空「星奈」


名前を呼ぶ。
するりと奴から抜けた右手を顎に添え指先で唇をなぞりながら。
その碧い瞳が私だけを映しているように。


星奈「よ……よぞ、ら……?」


一瞬で変わった雰囲気は、さすがにこの馬鹿でも読めたらしい。
濡れた視線からは困惑と不安、それから少々の期待が窺える。

絡めた左手はそのままに。
太腿を奴の脚の間に滑らせて。
視線を射抜いて逃がさないよう。

耳元に寄せて名前を囁けば、応えるように身体が跳ねた。

218: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/25(月) 10:04:59.95 ID:F5UkORqc0
星奈「……っ、ん、んぅっ……」


反応が面白いのでそのまま耳朶に口付ける。
形の良い小さなそれを舐め上げて、それから首筋へ降りていく。
簡単に折れてしまいそうなほど細く白い首の一カ所に、紅い枷を付けた。


星奈「……ちょっ、ここ、丸見えなんですけど!?」

夜空「知るか」

星奈「知るかじゃないわよバカ夜空! ……あ、あたしもあんたに」

夜空「断る」

星奈「なっ、やるだけやって逃げるつもり!?」

夜空「……うるさいやつだ」


そんなもの付けられなくても、とうに私は逃げられない。
だがそれと私が素直になるかはまた別の話だ。

220: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/25(月) 10:08:27.01 ID:F5UkORqc0
 
星奈「……ねぇ」

夜空「何だ」

星奈「別に……夜空なら、あたしはいいけど」


測り違えてはいけない、空けておかなければならなかった距離はいつの間にか埋まってしまっていて。


夜空「……ふ」

星奈「何よ、あたしは結構マジメにねぇ……」


肯定も否定もしないけれど、きっとこいつはわかっているから。だから普段通り、今までと変わらずに。


夜空「頼むから、大声で叫ぶような真似はするなよ」

星奈「どうしようかしら。もしかしたら口が滑っちゃうかも」


こいつは本当に私を煽るのが上手い。
だがこんなじゃれ合いも悪くは無いなと。
細い星奈の腰を抱き寄せて、余計なことを口走りかねないその唇を塞ぐのだった。


おわり

引用元: 夜空「隣人部の女子と付き合うなら誰がいい?」星奈「断然小鳩ちゃ」