2: ◆ivbWs9E0to 2022/04/27(水) 21:17:43.92 ID:IbVjMRlj0
 
セシル「それで、その時オスカー様が用意してくれた紅茶がとても素敵な香りで」

アシュリー「はいはい」

ハーヴェイ「アシュリー。外で訓練だったのかい、今日は暑かったね」

セシル「せ、生徒会長! どうしてこんなところに!?」

ハーヴェイ「やぁセシル。ちょっとアシュリー君に用事があってね。キミ、折角用意した水筒を忘れていっただろう。水分補給はどうしてたんだ?」

アシュリー「別に水分補給くらい水道で良いじゃない」

ハーヴェイ「それは良くないよ。ミネラルも一緒に取らないと」

アシュリー「ちょっとハーヴェイ、こっちにきて」グイッ

ハーヴェイ「わわっ」

セシル「……??」
 

3: ◆ivbWs9E0to 2022/04/27(水) 21:19:12.46 ID:IbVjMRlj0
 
アシュリー「ちょっと、あなた私のお母さんにでもなったつもり?」

ハーヴェイ「いや、ボクはキミの身体が心配で。ほら、だってキミはただでさえ女性で大変」

アシュリー「そういう気遣いが無用って言ってるの! 変なことして周りから不審に思われたらどうするのよ!」

ハーヴェイ「しかし、医者を志す身として……」

アシュリー「ハーヴェイ」ドン

ハーヴェイ「!!」

セシル「!!」

アシュリー「私は大丈夫だから、余計なことしないで」

ハーヴェイ「は、はい……」

セシル「……」
 

4: ◆ivbWs9E0to 2022/04/27(水) 21:20:04.69 ID:IbVjMRlj0
  
その日の夜

セシル「隣、いいかな?」

アシュリー「どうぞ。セシルはまた読み物? そろそろ試験なのに大丈夫なの?」

セシル「あ、あはは……キミが図書館にいるなんて珍しいね。いつも本を部屋に持ち帰っているのに」

アシュリー「ちょっと、ルームメイトがね……」

セシル「ハーヴェイさんが?」

アシュリー「ちゃんと寝なさい、ちゃんと栄養取りなさいってうるさいんだ」

セシル「あー……」

アシュリー「しかも彼、自分でそう言っておきながら自分は夜遅くまで生徒会長の仕事をしたり勉強したりしてるんだよ。おかしいと思わない?」

セシル「それは、心配してくれてるんだよ」

アシュリー「この前なんて、僕の寝間着が寒そうだからって新しい寝間着を勝手に注文したりするし」

セシル「……」
 

5: ◆ivbWs9E0to 2022/04/27(水) 21:20:50.82 ID:IbVjMRlj0
 
アシュリー「この前なんて、朝起きたら『なんだか体調が悪そうだね。医務室に連絡しておくよ』なんて言ってきて」

セシル「……ノリス」

アシュリー「なんだい?」

セシル「ちょっと聞きたいことがあるんだ。向こうで話そう」

アシュリー「ここではダメなの?」

セシル「他の人に聞かれるとまずい。さぁこちらへ」

アシュリー「??」
 

6: ◆ivbWs9E0to 2022/04/27(水) 21:21:28.14 ID:IbVjMRlj0
 
セシル「よし、ここなら誰もいないな……」

アシュリー「セシル、一体どうしたんだい?」

セシル「今から言うことは僕の想像だ。言えない事情があったら言わなくても良い」

アシュリー「……」

セシル「何らかの事情で、本当は女性なのに男性と偽ってこの士官学校に侵入している。違うかい?」

アシュリー「!!」ドキッ

セシル「その反応……。やはりそうだったのか」

アシュリー「あっ、いや、これは……」

セシル「いや、言わなくて良いよ。僕も他の人に言うつもりは無いしね。キミにも何か事情があるんだろう」
 

7: ◆ivbWs9E0to 2022/04/27(水) 21:22:20.87 ID:IbVjMRlj0
 
アシュリー「セシル、どうしてそのことを……」

セシル「キミの様子を見ていれば分かることさ。クラスメイトって意外と身近な存在なんだ、覚えておくと良い」

アシュリー「セシル、頼みがあるんだ」

セシル「安心して。さっきも言ったように誰にも言わないし、これからもキミは僕の大切な友人だ」

アシュリー「ありがとう。出来ればそうしてくれると嬉しい」

セシル「勉強の邪魔をして済まなかった。さて、席に戻ろう」
 

8: ◆ivbWs9E0to 2022/04/27(水) 21:23:00.96 ID:IbVjMRlj0
 
セシル「いやでも、驚いたよ。まさか僕の想像通りだったとは」

アシュリー「私も驚いた。まさかセシルに気付かれるなんて」

セシル「まさかハーヴェイさんが本当は女性で、ノリスと付き合っているだなんて……」

アシュリー「ん?」

セシル「ノリスったら、ハーヴェイさんの話ばっかりするんだもん。これで気付かない方がおかしいよ」

アシュリー「ちょ、ちょっと待ってセシル」

セシル「ん?」
 

9: ◆ivbWs9E0to 2022/04/27(水) 21:23:43.65 ID:IbVjMRlj0
 
アシュリー「まず、ハーヴェイが女性?」

セシル「キミがさっきそう言ったんだろう?」

アシュリー「あ、あぁ~。そういえば、あぁそういうこと」

セシル「とぼけても無駄だよ。僕はしっかり聞いていたからね」

アシュリー「それで、私とハーヴェイが付き合ってるって?」

セシル「そうだよ。そもそも僕はキミとハーヴェイさんが付き合っているだろうというところから、この推理を広げたんだ」

アシュリー「なんで?」
 

10: ◆ivbWs9E0to 2022/04/27(水) 21:24:40.74 ID:IbVjMRlj0
 
セシル「だってキミ、いっつもハーヴェイさんのことばかり話してるじゃないか」

アシュリー「それはまぁ、ルームメイトだし」

セシル「しかも今日だって、みんなの目を盗んで、あんなに情熱的な……」

アシュリー「情熱……?」

セシル「キミがハーヴェイさんに顔を近づけた時なんて、あんなに顔を真っ赤にしたハーヴェイさん見たことが無いよ」

アシュリー「そういえばハーヴェイ、よく顔を赤くしてるわね」

セシル「それは相手がキミだからだよ! あの時の恋する乙女のような表情と言ったら!」

アシュリー「恋する乙女……」
 

11: ◆ivbWs9E0to 2022/04/27(水) 21:25:09.40 ID:IbVjMRlj0
 
セシル「それでボクはピーンと来たのさ。あぁ、これはもしかして、ってね」

アシュリー「セシルあなた、想像力が豊かなのね」

セシル「ふふっ、今更キミが女性みたいな言葉遣いをしても無駄だよ」

アシュリー「……あっ。あぁ、気を付けるよ」

セシル「思えば、ハーヴェイさんもオスカー様に負けず劣らずの美貌の持ち主で、オスカー様ほどでは無いが隠れファンも多いくらいだ」

アシュリー「そうなの? ハーヴェイって人気者だったんだね……」

セシル「そうだよ。だからハーヴェイさんとキミが同室になると決まった時には何人もの男が嫉妬に狂ったものさ」

アシュリー「それはそれでどうかと思うんだけど……」
 

12: ◆ivbWs9E0to 2022/04/27(水) 21:25:43.44 ID:IbVjMRlj0
 
セシル「ハッ! もしかしてキミたちが付き合い始めたのは、同室になる前からなんじゃないか!? そう考えれば同室になった理由も合点がいく!」

アシュリー「本当に想像力が豊かなのね」

セシル「確かキミは地方からの転入だったな。バーディ家との関わりは無いはず。となると、家系の縛りを超えた禁断の恋愛……」

セシル「まさか、キミがこの士官学校に入学したのもハーヴェイさんとの愛を深めるためだったということなのか!?」

セシル「あぁ、一人男装して士官学校に侵入する恋人の身が心配で、入試という試練を乗り越えて、一つ屋根の下……!」

アシュリー「そろそろ勉強しても良い?」

セシル「そうだ。このことを誰にも言わない代わりに、キミたちのことを色々と教えてくれないか」

アシュリー「勉強したいんだけど」
 

13: ◆ivbWs9E0to 2022/04/27(水) 21:26:15.95 ID:IbVjMRlj0
 
セシル「キ、キスはもうしたのかい……?」

アシュリー「ぶふぉ」

セシル「その反応は、やはり!」

アシュリー「やはりじゃないわよ!」

ハーヴェイ「おーい君たち。図書室では静かに……」

アシュリー「どうして私がハーヴェイとキスなんて」

ハーヴェイ「えっ?」

セシル「あっ」

アシュリー「えっ」
 

14: ◆ivbWs9E0to 2022/04/27(水) 21:26:47.72 ID:IbVjMRlj0
 
ハーヴェイ「キ、キス……? ボクとアシュリーが……?」

アシュリー「待ってハーヴェイ、一旦落ち着いて」

セシル「ぼ、ボクはお邪魔みたいだから退散しようかなぁ」

アシュリー「あなたも待ちなさい。その愉快な思考回路を叩きなおしてあげる」

ハーヴェイ「あ、あははっ。ちょっと顔を洗って来ようかな。し、失礼っ!」ダッ

アシュリー「あっ、待ちなさいハーヴェイ!」

セシル「身だしなみを整えさせてあげるのも優しさってもんだよ、ノリス」

アシュリー「あなたは黙りなさい、もう!」
 
 
 
おわり
 

引用元: 【ミリマス SS】セシル「本当は女性なのに男性と偽っている、違うかい?」