1: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/26(火) 21:57:22.80 ID:f2WNIPca0
優花里「練習お疲れ様でした。西住殿」

みほ「優花里さんもお疲れさま」

優花里「この後どうしますか?」

みほ「う~ん…次の試合の作戦とか、練習メニューとか考えようかなって」

優花里「それじゃあご一緒させてください! 相手校の所有車輌や装備は全て把握してますから」

みほ「ほんと? なら、おねがいしようかな」

優花里「はい! 五十鈴殿も一緒にどうですか?」

華「わ、私は、その、少し用事が……」

2: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/26(火) 22:02:04.59 ID:f2WNIPca0
みほ「そう……なら、今度みんなでも考えよう」

華「はい」

沙織「麻子ー! 帰りに買い物付き合って」

麻子「買い物?」

沙織「いつもの雑誌、今日発売なんだ」

麻子「ああ、結婚情報誌か。飽きないな」

沙織「流行に遅れたくないからね!」

麻子「結婚の流行を知っても、意味はないと思うがな」

3: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/26(火) 22:06:56.08 ID:f2WNIPca0
沙織「あるかもしれないじゃん!」

麻子「まぁ私もおばあから買い出しを頼まれてるから、そのついでなら」

沙織「やった! さすが麻子」ギュ

麻子「つ、ついでと言ってるだろ」

沙織「それじゃ、みんなお疲れさま!」

優花里「お疲れ様でしたー」

みほ「お疲れー」

麻子「お疲れ」

華「お、お疲れ様でした」

華「……図書館で勉強でもしていきましょうか」

5: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/26(火) 22:11:07.30 ID:f2WNIPca0
 ・
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華「そろそろ、帰った方がいいですわね」

華「はぁ……」

杏「どしたの、ため息なんてついて」

華「えっ? 会長、どうしてここに?」

杏「どうしてって生徒会の帰りだよ」

華「練習の後にですか?」

杏「戦車道してるからって、生徒会の仕事が減るわけじゃないしねー」

6: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/26(火) 22:16:20.40 ID:f2WNIPca0
杏「何とかなると思ったけど、いやぁ溜まる溜まる」

杏「で、五十鈴ちゃんは何してたの?」

華「私は図書館で宿題を」

杏「さっすがー頑張ってるね」

華「いえ……そんなことは……」

杏「落ち込んだときはほら、これあげるから」ヒョイ

華「干し芋、ですか……?」

杏「うまいよ?」モキュモキュ

華「ありがとうございます」

7: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/26(火) 22:21:14.47 ID:f2WNIPca0
杏「でさ、何かあったわけ?」

華「それは……その……」

華「……」

杏「あーいいよいいよ。無理に言わなくても」

杏「そうだ、五十鈴ちゃんこれから時間ある?」

華「時間……大丈夫ですけど」

杏「よし! ならちょっと付き合ってよ」グイ

華「あ、あの会長」

杏「いいからいいから」

10: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/26(火) 22:27:16.30 ID:f2WNIPca0
杏「着いたぞー」

華「温泉ですか?」

杏「そう、温泉」

華「でもどうして……」

杏「だって1人で入るの寂しいじゃん」

華「先輩達は?」

杏「早めに帰したよ。さすがに毎日毎日遅くまで残らせるのも悪いしねぇ」

華「そう、ですか」

杏「さあ入ろう!」

12: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/26(火) 22:31:54.69 ID:f2WNIPca0
華「ですがここ、生徒会専用じゃ……」

杏「私会長だぞ? 会長がいいって言うんだから万事大丈夫だって」

華「……それじゃあ、お言葉に甘えて」

杏「そう来なきゃな!」

 チャポン…

杏「あ~生き返る~」

華「……」

杏「どうしたー? 元気ないぞ?」

華「そんなことないです」

13: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/26(火) 22:36:50.57 ID:f2WNIPca0
杏「何で悩んでんのかは知らないけど」

杏「あんまり深く考えないことだよ。考えても分からないものは分からないし」

杏「なるようになるでしょ」

華「……はい」

杏「ひとつ言えるのは」

杏「笑ってなきゃ福は来ないよっと」バシャ

華「きゃっ!」

華「か、会長……やりましたね」バシャ

杏「うわっ……意外とやるな、でもまだまだ甘いね。それ」バシャ

華「負けません!」バシャ

15: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/26(火) 22:41:38.42 ID:f2WNIPca0
杏「いや~遊んだ遊んだ」

華「会長、本気出しすぎです」

杏「私は何事にも全力投球だからな」

杏「そうそう、ついでだから私の部屋で夕飯食べていきなよ」

華「お邪魔では……」

杏「人の好意は素直に貰っとくもんだよ、五十鈴ちゃん」

華「……ありがとうございます」ニコ

杏「よろしい」

杏「じゃ、行こっか」

17: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/26(火) 22:46:08.48 ID:f2WNIPca0
杏「さて、ぱぱっと作っちゃうからちょっと待っててね」

華「私も何か…」

杏「いいよいいよ。簡単にできるのばっかりだし」

杏「いやーそれがさ、小山と河嶋を帰した後に実家からクール便が来て」

華「ご実家から……」

杏「そう、水戸のね。あ、そういえば五十鈴ちゃんも水戸だったよね?」

華「はい」

杏「小学校どこだったー?」

杏「あっと、話ずれちゃった。でさ」

21: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/26(火) 22:51:11.92 ID:f2WNIPca0
杏「貰ったけど食べきれない分をこっちに回したみたいで」

杏「ちょっと危うかったんだよねー」

杏「寮の冷蔵庫はいっぱいで入らないし」

華「そんなに入ってるんですか?」

杏「最近は3人で夕飯が多いしねー」

杏「2人を呼び戻すのもなんだかなーてとこに五十鈴ちゃん見つけてさ」

杏「助かったよー」

華「……ふふっ会長とこんなにお話しするの、初めてかもしれませんね」

杏「私が一方的に喋ってるだけのような気もするけどな」

23: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/26(火) 22:56:16.61 ID:f2WNIPca0
華「それでも、なんだか楽しいです」

杏「嬉しいこと言ってくれるねぇ」

華「ほんとのことですわ」

杏「えへへっ……よっし」

杏「コレで完成っと、五十鈴ちゃん、ご飯よそって貰える?」

華「はい」

杏「さあ召し上がれ!」

華「こ、これを全部会長が?」

杏「そりゃそうだよ。目の前で作ってたじゃん」

24: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/26(火) 23:01:14.98 ID:f2WNIPca0
華「いただきます」パク

華「美味しい!」

杏「だろ! 料理には自信あるからな」

杏「あんこうは丁度七つ道具あったから供酢にして」

杏「カツオはたたきに、しらすはほうれん草和えにしてみた」

華「会長はすごいですね、勉強も出来て、戦車道にお料理まで」

杏「いや~褒めてもなにもでないぞ……あ、確かカ○ウヤの酒まんじゅうあったかな」

華「本当に、私も見習いたいです」

杏「五十鈴ちゃんだって戦車道と一緒に華道も続けてるんでしょ?」

華「私の場合は、華道をすることが当たり前になってしまいましたから」

26: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/26(火) 23:06:44.13 ID:f2WNIPca0
華「それに、お料理は苦手ですし」

杏「そんなの練習すればどうにでもなるって」

杏「それに、完璧よりもどっか抜けてる方が可愛気があるかもよ?」

華「そうでしょうか……」

杏「そういうもんだって」

華「……」

杏「はぁ……さっき無理に言うなとは言ったけどさ」

杏「言っちゃったほうが楽になることもあるよ?」

28: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/26(火) 23:11:06.78 ID:f2WNIPca0
華「会長……」

杏「無論他言はしない。約束する」

華「……その、最近みなさんと距離を感じて」

杏「みんなってアンコウチームの?」

華「はい」

杏「そういう風には見えなかったけどな」

華「一緒に帰ったり、遊びにいったりはしてるんです」

華「ですが、みほさんと優花里さん、沙織さんと麻子さんがすごく仲良くて」

華「私が割って入るのが申し訳ないといいますか……」

29: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/26(火) 23:16:30.06 ID:f2WNIPca0
杏「ああ~確かにあいつら、付き合ってんのかってくらいくっついてるね、最近」

華「……」

杏「えっまじで!? いつから……?」

華「いえ、私も本当かは分かりませんけど、雰囲気か……」

華「それで余計に私は邪魔なのかなって」

華「みなさん、私を誘ってはくださるんですけど、つい断ってしまうんです」

杏「べ、別に邪魔ってことはないと思うよ」

杏「それなら、最初から誘ったりしないでしょ」

華「それは分かってるんです……」

31: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/26(火) 23:21:51.51 ID:f2WNIPca0
杏「まぁアレだろ。あいつらの仲を邪魔したくないけど、独りだと寂しい」

華「はい……」

杏「ならもっと関わればいいじゃん。そんくらいの度胸あるでしょ、生徒会に乗り込んでくるくらいだから」

華「でも、それで……」

杏「友だちと一緒に居るのが嫌なやつなんていないって」

杏「でもそうだよなぁ、カップルの間にお一人様ってなかなかの疎外感だよなぁ」

華「……」

杏「……じゃあ、こうしよう。もし、本当に寂しくなったらいつでも来い」

華「えっ」

34: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/26(火) 23:29:32.59 ID:f2WNIPca0
杏「基本的にここか、生徒会室にいるから。話し相手くらいにはなってやる」

杏「ただし、仕事は手伝ってもらうからな」

華「会長……ありがとうございます」ウルウル

杏「あーでもこれは、保険だからな。まずはいつも通りあいつらと遊んどけ」

杏「あいつらだって邪魔になんて思ってないからさ、絶対。むしろ心配してんじゃないかな」

華「ありがとうござます!」ギュウ

杏「なっ……///」

華「すみません少しだけ……」

杏「少しだけだぞ?」ギュ

華「はい、おかげで気が楽になりました」

35: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/26(火) 23:35:39.03 ID:f2WNIPca0
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華「失礼致します」

杏「いらっしゃい」

華「大変ですね、お休みにもお仕事なんて」

杏「まぁね」

桃「五十鈴か、どうした?」

柚子「今日も会長に?」

桃「えっ? も?」

37: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/26(火) 23:40:13.75 ID:f2WNIPca0
華「はい、これを作ってみました」

杏「おーどれどれ」パク

杏「うん、だいぶ上手くなったじゃん」

華「ほんとですか!?」

桃「か、会長! どういうことですか!?」

杏「んー? 五十鈴ちゃんに料理教えてるだけだよ」

柚子「最近仲良しですよねぇ」

杏「ここにも、ちょくちょく来てるだろ」

40: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/26(火) 23:45:25.96 ID:f2WNIPca0
柚子「そういえば、いつも桃ちゃんが席を外してるときですね」

桃「桃ちゃん言うな!! 五十鈴! せ、説明しろー!」

華「と言われましても、料理を教わっているとしか……」

華「会長にはいつも大変お世話になっています///」

桃「なっ……ど、どういう意味だーーー!」

杏「落ち着け河嶋。それで、書類整理がたまってるんだけどさ」

桃「あうぅ~……」

華「はい、そのつもりで」

41: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/26(火) 23:51:36.90 ID:f2WNIPca0
杏「なら、これとこれお願い」

華「任せてください」

杏「今日はいつまで大丈夫?」

華「午後からアンコウチームの皆さんと約束があるので、それまでは」

杏「そうか……じゃあ新しいメニューは明日練習しような」

華「はい、お願いします」ニコ

桃「だ、ダメだダメだダメだぁあああ!」

杏「こいつは気にしなくて良いから」

柚子「桃ちゃん、急に大声出したらだめだよ」

桃「桃ちゃん言うなぁー!」

華「ふふっ」ニコ

 かくして桃ちゃんに強力なライバルが誕生した

 おわり

引用元: 華「はぁ……」杏「どしたの、ため息なんてついて」