4: 名無しで叶える物語(もんじゃ) 2022/03/25(金) 16:54:19.91 ID:IvlNYamU
侑「そうなんだ。皆も知ってる通り、今度私達3グループがプロ野球チームとコラボさせて貰うことになったよね?」

侑「その一環として私達も野球の試合を行って野球をプレーして貰えませんか?って提案が来たんだ」

千歌「ふむふむ!」ワクワク

侑「場所は埼玉県のベルーナドーム!埼玉西武ライオンズの本拠地だね!」

Aqours全員「」

6: 名無しで叶える物語(もんじゃ) 2022/03/25(金) 16:58:37.98 ID:IvlNYamU
侑「日にちは直前で申し訳ないのだけど3週間後ーーーってあれ?」

千歌「あそこかぁ~~」

梨子「うぅ……」

ダイヤ「あそこなのね……」

侑「あれ…っ、どうしたの!?Aqoursの皆はベルーナドームで何度もライブをしてるんだよね?!」

侑「最近やったライブでは『Aqoursのセカンドホーム』とまで言ってたようなーーー」

善子「あの風穴の開きし天蓋空間はね!夏暑くて冬寒いのよ!」

かすみ「季節と言うのはそういうものですよ!?」

7: 名無しで叶える物語(もんじゃ) 2022/03/25(金) 17:01:47.96 ID:IvlNYamU
果南「アハハっ。虹ヶ咲の皆も一度ライブをしたみたいだけど、あの時は5月だったから結構快適だったんじゃない?」

しずく「そうですね。寧ろ射し込む夕焼けがステージや客席を照らしてくれたことが印象に残ってます!」

愛「そうそう!メッチャ楽しかった思い出ばっかりだよ~!」

果林「気温もそこまで気にならなかったと思うのだけどーーー」

8: 名無しで叶える物語(もんじゃ) 2022/03/25(金) 17:03:19.13 ID:IvlNYamU
ルビィ「いいなぁ~。ルビィ達は暑かったり寒かったり虫さんが顔の近くに飛んできてビックリしたり見に来てくれた皆に雨が降りかかっちゃったりして……」

果南「この間ライブさせて貰った時なんて凄い冷え込みでね。大変だったよ」アハハ

ミア「極端な気温の影響に風穴、夕陽、虫、雨……その球場は本当にドームなのかい?スタジアムの間違いなんじゃ……」

9: 名無しで叶える物語(もんじゃ) 2022/03/25(金) 17:05:13.06 ID:IvlNYamU
侑「あははは……最近は大分暖かくて過ごしやすくなってきたし、試合をするのはお昼前から夕方までの予定だからきっと大丈夫だよ!」

侑「それにね!試合の後にはライブを披露して貰うって計画なんだ!」

エマ「本当?!またあの広~い会場でライブが出来るの!?」

侑「うん!大勢の人に私達のことをアピールする絶好の機会だと思うんだ!」

侑「ーーーだから皆、どうかな?」

10: 名無しで叶える物語(もんじゃ) 2022/03/25(金) 17:06:40.82 ID:IvlNYamU
千歌「……!」バッ

Aqours8人「っ!」コクリ!

歩夢「野球は未経験だけど、私達も…!」

虹ヶ咲11人「っ!」コクリ!

かのん「えーーーっと……」

Liella!4人「……」

11: 名無しで叶える物語(もんじゃ) 2022/03/25(金) 17:07:45.70 ID:IvlNYamU
かのん「あ、あの~~…皆さんやる気になってる所にアレなんですけど~…」オズオズ

侑「はい!Liella!のかのんちゃん!」ビシッ

かのん「私達、5人グループなんですよね……」

千砂都「野球は9人スポーツだよね?」

全員「……………」


彼方「そこはまぁ、助っ人集め頑張って~ってことで」ノレcイ´=ω=)b ビシッ

かのん「えーーー!?」ガビーン

12: 名無しで叶える物語(もんじゃ) 2022/03/25(金) 17:11:51.35 ID:IvlNYamU
千歌「しゃー!そうと決まれば練習だー!うおおおおお!!」

曜「うわぁ!千歌ちゃんがThank you, FRIENDS!!のドラマパートみたいなテンションに!」

かのん「え、あの……」

ミア「OK。練習指示から試合での指揮、Baseballのことならボクに任せてよ」

ランジュ「いいわね!頼りにしてるわ、ミア♪」

かのん「ちょ、ちょっと……!」

侑「皆、ありがとう!」

かのん「待っ……」

侑「それじゃあLiella!の皆も3週間後に!分からないことがあったら何でも聞いてね!一緒にこの野球大会、成功させよう!」⎛(cV„Ō ᴗ ŌV⎞و✧

かのん「まずあと4人どう集めればいいのか教えてえ゛ぇぇぇぇ!!!!!」ヒーン

13: 名無しで叶える物語(もんじゃ) 2022/03/25(金) 17:14:32.53 ID:IvlNYamU
こうしてAqours、虹ヶ咲、Liella!は野球の練習を開始(Liella!は助っ人集めから)!
ルールを把握し野球の動きも身に付けるうちにあっと言う間に試合が行われる日になりました!


ベルーナドーム

ワーワー

アキバレポーター「スクールアイドルファンのみんなー!こーんにーちはー!はっちゃけてるかーい!?」

アキバレポーター「本日はここベルーナドームにてスクールアイドルAqours、虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会、Liella!の3グループが!」

アキバレポーター「野球の試合を行ったのちに!ライブも披露する特大イベントが開催されちゃうよー!楽しみだね楽しみだねー!!」

アキバレポーター「と言うことで本日司会進行と実況解説ぜーんぶ務めますアキバレポーターでーす!よろしくね~~!!」

14: 名無しで叶える物語(もんじゃ) 2022/03/25(金) 17:15:55.89 ID:IvlNYamU
アキバレポーター「早速ですがグラウンドには3グループが既に勢揃い!これから1試合目の組み合わせを決めちゃうよー!」

ワーワー

曜「わはー!見に来てくれた人いっぱーい!」

栞子「こんなに沢山の人が…嬉しいですね」

恋「はい。これはお恥ずかしいプレーやライブはお見せ出来ませんね!」

15: 名無しで叶える物語(もんじゃ) 2022/03/25(金) 17:16:54.49 ID:IvlNYamU
アキバレポーター「さぁさぁそれでは各グループの代表者さん、くじ引きの前へお願いします!」

千歌・歩夢・かのん「……!」ザッ

千歌「えへへ~!楽しみだね!早く試合したーい!」

歩夢「私はちょっと緊張しちゃってるよ~」ドキドキ

かのん「……」ガタガタガタ

16: 名無しで叶える物語(もんじゃ) 2022/03/25(金) 17:19:51.59 ID:IvlNYamU
アキバレポーター「本日は総当たり戦の3試合が開催されます!」

アキバレポーター「赤色と青色と無地のくじ3本から赤と青を引いた2チームが第1試合。赤と無地の2チームが第2試合。青と無地の2チームが第3試合のカードとなりまーす!」


せつ菜「つまり、青を引ければ1試合目と3試合目での対戦となり」

すみれ「逆にそれ以外は連戦になるって訳ね」

花丸「連続で試合するのは大変ずら…」

アキバレポーター「そこはお若い皆の体力に頑張ってもらいましょ~~!それではくじ引きお願いしまーす!」

17: 名無しで叶える物語(もんじゃ) 2022/03/25(金) 17:22:08.11 ID:IvlNYamU
千歌・歩夢・かのん「せーの!」スッ

歩夢・かのん「…あっ!」

アキバレポーター「出ましたー!虹ヶ咲が赤!Liella!が青!Aqoursが無地を引いたー!」

アキバレポーター「と言うことで対戦カードは」


虹ヶ咲ーLiella!

Aqoursー虹ヶ咲

AqoursーLiella!


アキバレポーター「以上に決定しましたー!」

18: 名無しで叶える物語(もんじゃ) 2022/03/25(金) 17:25:25.14 ID:IvlNYamU
千歌「あーーん!初戦逃しちゃったぁぁ!」

鞠莉「ドンマイ千歌っち~♪」

クゥクゥ「逆にクク達は休憩を挟めマス!ラッキーですナイスですかのん~!」

かのん「そうかなぁ…私はまずどんな雰囲気になるのか見たかったよぉ……」ブルブル

アキバレポーター「さてさてさて!それでは早速第1試合の準備に入ります!スクールアイドルの皆さんの退場を拍手でお送りくださーい!」

パチパチパチパチ……!!

19: 名無しで叶える物語(もんじゃ) 2022/03/25(金) 17:29:22.88 ID:IvlNYamU
~~~

侑「ーーーさて!それじゃ1試合目のスタメンだけど…!」

ミア「初戦と2試合目の連戦になったね。前日ミーティングで決めたメンバーから変更は無しだよ。しずく、璃奈。外野の両翼は任せたよ。特に、しずく……」

しずく「は、はいっ!!!精一杯頑張りますね!」

璃奈「私もがんばる。璃奈ちゃんボード『むんっ』」

20: 名無しで叶える物語(もんじゃ) 2022/03/25(金) 17:31:33.84 ID:IvlNYamU
===

かのん「はぁぁぁ~~~……………」ドキドキバクンバクン

すみれ「何をそこまで緊張するって言うのよ……」

かのん「だってライブの披露ともまた違うじゃぁぁん!こんな大きな会場で沢山の人の前に立つなんて初めてだしぃぃ!」

クゥクゥ「確かにそう言われるとドキドキしてきちゃいました…」

恋「もう、緊張が移ってしまっては困りますよ」

千砂都「そうそう。折角の機会なんだから楽しもうよ!練習だってしっかりしてきたし、それにーーー」

???「……」ニコッ

千砂都「心強い助っ人も居るしね♪」

22: 名無しで叶える物語(もんじゃ) 2022/03/25(金) 17:37:08.32 ID:IvlNYamU
>>21
思わせぶりで申し訳ないでやんす。普通にスパスタ世界の人物でやんす

23: 名無しで叶える物語(もんじゃ) 2022/03/25(金) 17:39:29.51 ID:IvlNYamU
~~~

ワーワー

アキバレポーター「さぁ間もなく第1試合目の開始です!両チームベンチに入り準備万端と言ったところでしょうか!」

アキバレポーター「それではここで今回の野球大会のルールを説明します!」

アキバレポーター「基本的な野球のルールとは変更なし!7イニング制のDH無しで行います!」

アキバレポーター「投手の球数制限はありませんが怪我にだけは気を付けて下さいね!」

アキバレポーター「それとマウンドと塁間の距離はプロ野球選手の使用する距離よりも短め!女の子用の規格で行うよ~!」

アキバレポーター「まぁ細かいことはあまり気にせずに怪我無く楽しみまっしょー!!」

25: 名無しで叶える物語(もんじゃ) 2022/03/25(金) 17:43:31.40 ID:IvlNYamU
アキバレポーター「それではお待ちかねのスターティングメンバーの発表です!」

アキバレポーター「まずは先行虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会からご紹介します!」

アキバレポーター「1番、センター エマ・ヴェルデ!背番号8!」ワーワー

エマ「頑張るよ~!」

アキバレポーター「2番、セカンド 中須かすみ!背番号2!」ワーワー

かすみ「やっほやっほ~♪」

アキバレポーター「3番、キャッチャー 優木せつ菜!背番号7!」ドワァァァ!

せつ菜「ふぅ…燃えてきました!」

アキバレポーター「4番、ショート 宮下愛!背番号5!」ワーワー!

愛「よっしゃー!愛さんに任せなさ~い!」

27: 名無しで叶える物語(もんじゃ) 2022/03/25(金) 17:45:48.98 ID:IvlNYamU
書き貯めが尽きてプロ野球開幕戦も始まりつつあるのでここから投下ペース少し落ちますご了承

28: 名無しで叶える物語(もんじゃ) 2022/03/25(金) 17:52:30.35 ID:IvlNYamU
アキバレポーター「5番、ファースト 朝香果林!背番号4!」キャーキャー!

果林「みんな~応援よろしくね~♡」ノシ

アキバレポーター「6番、ライト 桜坂しずく!背番号3!」ウオオオォォ!?

しずく「私はイチロー……私はイチロー……!!!」ブツブツ

アキバレポーター「7番、サード 近江彼方!背番号6!」ウォォォ!?オネエチャーン!

彼方「zzz……ハッ!?今遥ちゃんの声が聞こえた!?」オネエチャーン!ウオォォ!ハルカチャーン!!

アキバレポーター「8番、ピッチャー 上原歩夢!背番号1」ワーワーワー!!

歩夢「わぁ…!凄い歓声……!頑張らなくちゃ!」

アキバレポーター「9番、レフト 天王寺璃奈!背番号9!」ワーワー!

璃奈「すー…はー…。璃奈ちゃんボード『メラメラ~!』」

30: 名無しで叶える物語(もんじゃ) 2022/03/25(金) 18:00:03.80 ID:IvlNYamU
アキバレポーター「ベンチ入りメンバーは三船栞子、背番号10!ミア・テイラー、背番号11!鐘嵐珠、背番号12!」ワーワー!

アキバレポーター「そして虹ヶ咲応援隊長、高咲侑!背番号0!」ワーワー!

アキバレポーター「以上が虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会の全メンバーです!」

32: 名無しで叶える物語(もんじゃ) 2022/03/25(金) 18:10:39.46 ID:IvlNYamU
栞子「結果的に私達3人がベンチスタートになりましたね」

ランジュ「んー!ランジュも早く試合に出たいわ!」

ミア「残念だけどランジュ、君の出番はAqoursとの対戦からだよ。出番があるとしたらPinch Hitter.代打だよ」

ランジュ「むぅ~」

ミア「助っ人集めで練習時間が削れてしまった上に大半が1年生メンバーであろうLiella!」

ミア「折角ピッチャーを出来るメンバーが豊富になった虹ヶ咲だ。ここはある程度温存しつつ勝利を目指すのがベターさ」

34: 名無しで叶える物語(もんじゃ) 2022/03/25(金) 18:19:48.01 ID:IvlNYamU
千砂都「ーーーな~んてこと思われてるんだろうなぁ」

かのん「そりゃまぁ事実だし…」

恋「あちらはベンチ入りメンバーが3人も居る以上長期戦にでもなればこちらが不利になってしまいます」

クゥクゥ「つまり先手必勝と言う訳デスね!」

すみれ「そうね。まずは守備をしっかりこなして先制点を目指しましょう」

アキバレポーター「さぁ続いては!私立結ヶ丘女子高等学校Liella!のスターティングメンバーです!守備位置につくのに合わせてご紹介していきまーす!」

かのん「よ、よぉし!行くよぉぉ…!」プルプル

千砂都「かのんちゃんリラックスリラックス笑」

36: 名無しで叶える物語(もんじゃ) 2022/03/25(金) 18:32:30.48 ID:IvlNYamU
アキバレポーター「ライトにつくのは澁谷ありあ!背番号9!打順は8番です!」ワーワー

ありあ「はぁ…何でこんなことに…」タッタッタッ

アキバレポーター「センターは平安名すみれ!背番号4!打順は4番です!」ワーワー

すみれ「ギャラクシー♪🤘」タタタッ

アキバレポーター「レフトは唐可可!背番号2!打順は7番です!」ワーワー!

クゥクゥ「わぁ~!広いデス!芝生がフカフカです!」ザクザク タッタッ

アキバレポーター「ショートは嵐千砂都!背番号3!打順は1番です!」ワーワーワー!

千砂都「うぃーっす!ちぃだよ~♪」ノシ

アキバレポーター「サードはサヤ!背番号8!打順は9番です!」ダレ!?ビジンダ!

サヤ「さぁ、お嬢様達のために頑張りましょう」ペコリ

37: 名無しで叶える物語(もんじゃ) 2022/03/25(金) 18:41:17.48 ID:IvlNYamU
アキバレポーター「セカンドは聖澤悠奈!背番号6!打順は2番です!」ドワァァァァァ!!!!

悠奈「パァッ!🤗 さぁ~!張り切っていくよー!」

アキバレポーター「ファーストは柊摩央!背番号7!打順は3番です!」キャーキャーキャー!!!

摩央「フフ、満員ね。恥ずかしい所は見せられないわ」

アキバレポーター「キャッチャーは葉月恋!背番号5!打順は5番です!」ワーワー!

恋「さぁ!かのんさん!思い切って行きましょう!」

アキバレポーター「そしてピッチャー、澁谷かのん!背番号1!打順は6番です!」ワーワーワー!

かのん「ハァ、ハァ……うぇっぷ…吐きそ……」ドキドキドキドキ

アキバレポーター「そしてベンチ入りメンバーは平安名すみれちゃんの妹さん!背番号10!」イモウト!?カワイイネェ!

すみれ妹「お姉ちゃん達がんばれ~」フラッグフリフリ


アキバレポーター「以上が私立結ヶ丘女子高等学校Liella!&Sunny Passionなど合同チームの全メンバーです!」

38: 名無しで叶える物語(もんじゃ) 2022/03/25(金) 18:47:55.57 ID:IvlNYamU
虹ヶ咲
1中エマ
2二かすみ
3捕せつ菜
4遊愛
5一果林
6右しずく
7三彼方
8投歩夢
9左璃奈

Liella!
1遊千砂都
2二悠奈
3一摩央
4中すみれ
5捕恋
6投かのん
7左可可
8右ありあ
9三サヤ

40: 名無しで叶える物語(もんじゃ) 2022/03/25(金) 18:57:23.82 ID:IvlNYamU
球審「投球練習!5球!」

かのん「……えいっ」スポッ

恋「きゃっ!」バスッ

恋「かのんさん!リラックスですよっ」肩クルンクルン

かのん「う、うん…!」クルクル…

かのん「たぁっ」シュッ

恋「っ!」ワンバン ドスッ

すみれ「(あーれは酷いわね~…)」

かのん「あれ、あれぇぇ~~……?」

球審「ボールバック!ラスト1球!」

かのん「~~~っ!」スポッ

恋「(高い…!)」パシッ ピシュッ!

千砂都「……」パシィッ

千砂都「……」タッタッタッ

かのん「あっ、ちぃちゃぁぁん……」フルフル

千砂都「んふふ♪」ニコニコ

41: 名無しで叶える物語(もんじゃ) 2022/03/25(金) 18:57:58.26 ID:IvlNYamU
>>39
ガラスのハートとノミの心臓両方持ってます(ニッコリ)

44: 名無しで叶える物語(もんじゃ) 2022/03/25(金) 19:12:49.98 ID:IvlNYamU
千砂都「うりゃ♪」コチョコチョ

かのん「ひゃあ!?///」ビクッ

かのん「アッハハwwちぃちゃ…っ!やめっ、あはははははははwww」ヒィー

恋「千砂都さん!?」

千砂都「……ふぅ~」スッ

かのん「ハァ、ハァ……あひ…///」

かのん「もぉ~!ちぃちゃぁん!いきなり…!!しかもこんな所でぇ!!!///」

千砂都「あははっ♪これでもう恥ずかしいことなんて無いよね♪」

かのん「もぉ……///」

かのん「ーーーありがとね。何だか胸がスッとした」

千砂都「なら良かった。かのんちゃんなら絶対大丈夫だから!」

かのん「……うんっ!!」


青文字『かのんのやる気が絶好調になった!』ピロン
なおノミの心臓とガラスのハートは絶好調でも無効化されない模様

46: 名無しで叶える物語(もんじゃ) 2022/03/25(金) 19:16:59.60 ID:IvlNYamU
恋「千砂都さん…すみません。本来捕手であるわたくしがかのんさんを落ち着かせなければいけない所を……」

千砂都「いいんだよ。私はかのんちゃんを信じてるだけだから」

千砂都「かのんちゃんを引っ張るのは恋ちゃんの役目だよ!よろしくね!」၄(cʸ„o ᴗ oリ၃ bグッ

恋「……はいっ!」


恋「(千砂都さんも捕手を守ることは出来ました。まん丸の扱いはお手の物ですからね)」

恋「(本当なら千砂都さんがかのんさんのパートナーを務めるべきなんです)」

恋「(それでも千砂都さんはかのんさんの後ろを守るとわたくしに捕手を譲られました)」

恋「(かのんさんを、そしてわたくしのことも信じて下さっている千砂都さんの想いに応えなくては!!)」


恋「1回表!しまっていきましょう!!!」

「「「おおおおーーーー!!!!」」」

48: 名無しで叶える物語(もんじゃ) 2022/03/25(金) 19:27:34.06 ID:IvlNYamU
アキバレポーター(ウグイス嬢)「1番 センター エマ」

アキバレポーター(実況)「さぁ待ちに待ったプレイボール!虹ヶ咲の切り込み隊長エマちゃんにどんな球を投げるのか!?かのんちゃん恋ちゃんバッテリーに注目です!」

球審「プレイボール!」

かのん「……」スゥ、ハァ…

可可「かのーん!後ろは任せてくださーい!!」

すみれ「クゥクゥはともかく外野は任せなさーい!ビビるんじゃないわよー!」

かのん「……!」コクリ!

かのん「(ーーー行ける。皆が後ろに居てくれるから!)」グッ

アキバレポーター「さぁかのんちゃん振りかぶってーーー」

かのん「ふっ!!」ピシュッ!

スゥーーーー…シュルルルル!!!

エマ「!!!」

スパァァン!

球審「ストライィィーク!」

恋「かのんさん!ナイスボールです!」ピシュ

かのん「うん!」パシッ

49: 広島ルーキー末包しゅごい(もんじゃ) 2022/03/25(金) 19:37:49.40 ID:IvlNYamU
栞子「エマさんが初球振れませんでしたね」

ミア「……」

栞子「ミア?」

ミア「あぁ、いや……」

ミア「もし今の球がたまたまじゃないなら厄介だなって」

虹ヶ咲メンバー「!」

かのん「えいっ!!」ピシュッ

エマ「ふんっ!」チッ

ファール!

エマ「(わぁぁ…ビックリだよぉ~)」

エマ「(ボールの速さはランジュちゃんの方が速いけど、凄く速く見える……)」

エマ「(それに当たったと思ったら全然ボールの下に当たっちゃった)」

エマ「(速いボールには愛ちゃん栞子ちゃんランジュちゃんで慣れてるのに、こんなに迫力のあるまっすぐのボール投げられるかのんちゃん、凄いよ!)」ワクワク!

50: 名無しで叶える物語(もんじゃ) 2022/03/25(金) 19:43:30.82 ID:IvlNYamU
アキバレポーター「かのんちゃん2球続けて素晴らしいストレートです!」

アキバレポーター「指にしっかり掛かって抜群のノビを見せてます!言うなれば怪童の如きストレート!」

アキバレポーター「球質もかなり重そうですねぇ!」

恋「(かのんさんは本来立ち上がり不安定で調子も極端です。それが千砂都さんのおかげで解消されて正直良すぎるくらいの球が来てます…!)」

恋「(2球で追い込めましたし確実に打ち取りましょう)」サイン パパッ

かのん「(ボール球になっていいカーブ。よし…!)」コクリ

かのん「…えいっ!!!」スポッ


かのれん「あっ」


エマ「(変化球!曲がってくる…!でも真ん中に……!!)」

エマ「たぁっ!!」カキーーーン!

51: 名無しで叶える物語(もんじゃ) 2022/03/25(金) 19:53:35.15 ID:IvlNYamU
アキバレポーター「打ったーー!左中間真っ二つーーー!!いや!センターすみれちゃんがフェンス到達前に捕った!すぐに中継に戻すーーーもエマちゃんは2塁へ!ツーベース!!」

ミア「Yes!!!」

果林「ナイスバッティングよエマ!」

彼方「伊達にいつも『それじゃ間を取って私が』と切り込んでないねぇ。いよっニジガクの切り込み隊長~」

エマ「えへへ♪」

かのん「あばばばば……」

アキバレポーター「1番バッターから素晴らしい攻防!打ったエマちゃんもお見事!地味ながら堅実な守備で3塁に行かせなかったすみれちゃんもお見事!」

千砂都「かのんちゃんかのんちゃん!」ピシュ

かのん「ちぃちゃん……!」パシッ

千砂都「今のカーブ、よく曲がってたよ!大丈夫大丈夫!」

かのん「……うんっ!」

恋「ファーストとサード前進して下さい!バンド警戒!サードタッチプレーです!千砂都さんは3塁、悠奈さんは1塁に入れるようにしください!すみれさーん!もっと前ですー!2塁のカバーにも入れるように準備してくださーい!」

かすみ「むむむ……超前進守備じゃないですか……」

52: オリックス福田のファインプレー!(もんじゃ) 2022/03/25(金) 20:06:06.56 ID:IvlNYamU
アキバレポーター「2番 セカンド 中須」

かすみ「(完全に長打無いと思われてますよぉ~)」クルッ

ミア「(何言ってるんだ。事実無いだろ)」サイン パパッ

かすみ「(バントはせずに進塁打。簡単に言ってくれますね)」

かすみ「でもかすみんなら~そんな地味なお仕事もかわいーーく出来ちゃうんです~♡」

侑「かすみちゃーん!がんばれー!」

かすみ「はーい♡」

ピシュ カコン ファール あーん飛ばないです~
ピシュ カコーン ファール あーん手が痺れちゃいました~
ピシュ ボール
ピシュ ふん゛っ……! コキン

アキバレポーター「かすみちゃん打った!ボテボテのセカンドゴロ!悠奈ちゃん摩央ちゃんに送りアウト!エマちゃんは3塁へ!」

かすみ「ふぅー……」

ミア「OK、かすみ。理想的だ」

かすみ「ミア子~!かのんちゃんの投げるボールヤバいよー!すっごく速く見えるし当てるので精一杯!しかもメッチャ手痺れてるんだけど……」

ミア「……ナイスバッティングかすみ」

侑「かすみちゃんナイス進塁打!」

かすみ「せんぱ~~い♡かすみん手が痺れちゃいました~♡先輩の手で温めて欲しいです~♡」

しずく「はいアイシング」ピトッ

かすみ「ぎゃー!つめたー!」


ミア「……先制点が欲しいな」

54: 名無しで叶える物語(もんじゃ) 2022/03/25(金) 20:21:25.67 ID:IvlNYamU
アキバレポーター「3番 キャッチャー 優木」

愛「せっつー!ストレート威力あるよ!」

せつ菜「はい!しっかりミートします!」

愛「アタシ達で先制点取るよ!」

せつ菜「はい!行きます!!」


恋「内外野共に前へ!1点防ぎましょう!」オー!

恋「(試合前に言った通り先手必勝。先制点を渡す訳にはいきません!初回から1点を守りにいきましょう……!)」

かのん「うん…!」

かのん「(低めに、低めに!)」ピシュッ

スパァン!ストライーク!

せつ菜「(成程、確かにかなりノビてきますね)」

かのん「えぃっ!」シュッ

せつ菜「!?(カーブ……!!)」ブンッ

パシッ ストライクツー!!

悠奈「パァ!ナイスボール!キレてるよ~!」

せつ菜「(歩夢さんの遅いカーブとも愛さんで見慣れたカーブとも違います。初速が速くて、手元でグンと落ちる……!)」

56: 名無しで叶える物語(もんじゃ) 2022/03/25(金) 20:30:01.10 ID:IvlNYamU
恋「(また2球で追い込めました。本来のかのんさんの投球です)」サイン パパッ

かのん「(お、早速…!)」

恋「(勿論です。出し惜しみ無しで行きましょう!)」

かのん「よぉし……!」ギュッ

かのん「……ふぅっ!!!」ビシュッ!

せつ菜「(インコースーーー!!?)」

ググッ…!シュルルルルルルル!!!!

せつ菜「なぁっ!!?」ブンッッ!

パシィィ!!

球審「ストライィク!バッターアウト!」

アキバレポーター「せつ菜ちゃん三振~~~!い、今のスライダーのように大きく変化した球は!?」


かのん「ふぅ…!決まったぁ!」

かのん「これが私の決め球『超真ハンバーグ改』だよ!」

57: なこなこ「十亀なにしてんねん」(もんじゃ) 2022/03/25(金) 20:43:48.99 ID:IvlNYamU
可可「かのーん!ナイスピッチデス!」

千砂都「いいよーかのんちゃーん!2アウト~!!」

悠奈「2アウトー!」

ありあ「(へぇ~~。お姉ちゃん普通にやるじゃん…)」


すみれ「(全く、運動神経普通です~みたいな顔してピッチャーの才能あり過ぎなのよ…)」フフン

58: 名無しで叶える物語(もんじゃ) 2022/03/25(金) 20:51:50.87 ID:IvlNYamU
ミア「厄介だね……あの子はチキンなベイビーちゃんなんかじゃない」

ミア「ストレートはノビるし重い。まだ立ち上がりだから甘く入ったり大きく外れた球も1球ずつあったけどコントロールもまとまっている」

ミア「それに加えて球速も変化もあるパワーカーブに何だいあの大きな横変化のスライダーは?!Breaking Ballまで一級品じゃないか!」

ミア「メンタルに難はありそうだけど才能に溢れるピッチャーだよ……!」

侑「かのんちゃん……」トキメキ

歩夢「!?」

ミア「とにかくこのまま先制点を逃すのは痛い!打つんだ愛!!」

59: 名無しで叶える物語(もんじゃ) 2022/03/25(金) 20:56:50.83 ID:IvlNYamU
かのん「えいっ!」ズリュ…!

恋「(ーーー!少し高い!)」

愛「とりゃあ!!!」カキィィィン!!!

アキバレポーター「打ったー!!痛烈な打球がピッチャー横を抜けてセンター前へーーー」

千砂都「はぁっ!!!」パシィッ!!

愛「っ!!」ダダダッ

千砂都「とりゃー!!」ビシュッ!

摩央「…ナイスボール」パシッ

アウトォォ!スリーアウト、チェンジ!!

ワーワー!!!


アキバレポーター「しょ、ショートの千砂都ちゃんに超ファインプレーが出たー!!」

61: 中日代打鵜飼きたー(もんじゃ) 2022/03/25(金) 21:04:54.01 ID:IvlNYamU
かのん「ちぃちゃぁぁん!!😭」

千砂都「へへーん♪後ろは任せてって言ったでしょ♪」

かのちぃ「「うぃーっす!」」ピトッ


可可「千砂都~~!流石デス!」
悠奈「千砂都ちゃん痺れる~!パァ!」
すみれ「さぁ攻撃よ!先制点を取るのはこっちなんだから!」
恋「はい!」

===

ミア「……先制点を逃したか」

ミア「仕方ない!切り替えよう!」パンッ

侑「そうだね!またチャンスは来るよ!今度はしっかり守ろう!」

かすみ「はぁ~い!」

タタタッ…

侑「歩夢!」

歩夢「っ!侑ちゃん…」クルッ

侑「歩夢のピッチング、見せてあげなよ!」

歩夢「……うんっ!」ニコッ

62: 名無しで叶える物語(もんじゃ) 2022/03/25(金) 21:09:46.82 ID:IvlNYamU
歩夢「わぁ…ちょっと遠く感じるな…」

球審「投球練習、5球!」

せつ菜「さぁ歩夢さん!ボールの感触を確かめながら行きましょう!」

歩夢「うん!」

千砂都「(さてさて、ほんわかな雰囲気の歩夢さんはどんな球を投げるのかな?)」

歩夢「せーの…それっ!」ピョン

ほわーーーーん パシ

千砂都「ほほーぅ…」


可可「……おそっ!!」

かのん「クゥクゥちゃん!!!」

63: ヤクルト内山ないばっち(もんじゃ) 2022/03/25(金) 21:18:25.99 ID:IvlNYamU
千砂都「(確かに遅い山なりボールだけど)」

摩央「これは逆に打ちづらいでしょうね」

クゥクゥ「そうなのデスか摩央さん?!」

摩央「遅いボールは当てることは出来てもタイミングを合わせたり強い打球で返すのは難しいから」

クゥクゥ「ナルホド……」


サヤ「ですが金属バットで打つのです。しっかりセンター返しすればヒットは生まれると思いますよ。それでは一塁コーチ行ってきますね」ススス…

恋「サヤさん…!お願いしますね!」

すみれ妹「私は3塁に行ってくるね」

すみれ「ランナーコーチも大切な役割よ。しっかりね。打球ぶつからないように気をつけるのよ?」

すみれ妹「はぁ~い」

ありあ「(優しい……ウチのお姉ちゃん絶対言ってくれないでしょ)」

かのん「へくちっ」

64: 名無しで叶える物語(もんじゃ) 2022/03/25(金) 21:24:26.67 ID:IvlNYamU
アキバレポーター「さぁ今度は1回の裏!Liella!のリードオフウーマン千砂都ちゃんが打席に入ります!」

千砂都「よろしくお願いしまーす!」

せつ菜「よろしくお願いしますね」

せつ菜「さて……」サイン パパッ

歩夢「ふぅ…」コクリ


アキバレポーター「マウンド上の歩夢ちゃん、投げた!」

ふわん

千砂都「低め……だけどちょい甘!」カキン!

歩夢「!」

せつ菜「!! エマさーん!!」

66: 名無しで叶える物語(もんじゃ) 2022/03/25(金) 21:31:22.16 ID:IvlNYamU
エマ「~~~~~!」タタタタッ

千砂都「!!」

ポンッ パシィ

アキバレポーター「落ちたー!初球打ちセンター前ヒーット!」


愛「なぁー!エマっち惜しいー!」

エマ「愛ちゃん歩夢ちゃんゴメンね~届かなかったよ~」

歩夢「大丈夫ですエマさん!」

せつ菜「また次行ったらお願いします!」


千砂都「ふぅー!」タタタ

サヤ「ナイスバッティングです千砂都様」

千砂都「ありがとうサヤさん!」

千砂都「でも、今のエマさんのダッシューーー」

千砂都「センター返しだけだと危ないかもね…」

67: 名無しで叶える物語(もんじゃ) 2022/03/25(金) 21:36:30.56 ID:IvlNYamU
ランジュ「惜しい~!あとちょっとでノーバウンドだったわ!」

侑「うん!流石はエマさん!芝生の上の駆けっこなら凄いスピードだよ!」

せつ菜「(ーーーその通り、エマさんの守備範囲は驚異的です)」

せつ菜「(そして歩夢さんの緩急ある投球と制球力)」

せつ菜「(こちらも立ち上がりを凌げれば一気に流れを掴めます!)」

せつ菜「(ーーーだからこそ!)」

68: 名無しで叶える物語(もんじゃ) 2022/03/25(金) 21:51:26.46 ID:IvlNYamU
すみれ「(あれだけ遅い球なら盗塁しない手はないわね)」サイン パパッ

千砂都「(ういっす!)」コクリ

歩夢「……」チラッ

せつ菜「歩夢さん大丈夫です!練習通りに行きましょう!」

愛「歩夢~!ランナーはせっつーに任せてバッター集中だよー!」

歩夢「うん!よぉし…」フゥ…

歩夢「……」

千砂都「……」リーリー

歩夢「…………」

千砂都「…………」リーリーリー

歩夢「………」

千砂都「(間が長ーー

歩夢「えいっ!」スッ ピョン!

千砂都「っ!」ダッ!

74: 名無しで叶える物語(もんじゃ) 2022/03/26(土) 01:39:39.60 ID:MuzuPYMC
悠奈「(っ!千砂都ちゃんスタート良くない!)」

悠奈「(ウエストされてカットも出来ないぃぃ~!)」

パシッ ボール!

せつ菜「たぁぁぁっっ!!!!!」ビュンッ!!

愛「しっ!!!」パシァァン! タッチ

千砂都「くっ…!!」

アウトォォ!!
ワァァァ!!

アキバレポーター「せつ菜ちゃんが盗塁を阻止したー!1アウトォ!」

75: 名無しで叶える物語(もんじゃ) 2022/03/26(土) 01:54:49.62 ID:MuzuPYMC
かのん「そんな!ちぃちゃんが刺されちゃうなんて……!」

クゥクゥ「せつ菜さん、強肩デス!」

恋「いえ、今のは肩の強さで刺したものではありません」

クゥクゥ「アェ?」

恋「歩夢さんは盗塁を阻止するために非常に早い投球動作を行いました」

すみれ「クイックね」

恋「そのくいっくに加えてせつ菜さんの捕球から送球の早さ。あれが決め手でした。わたくしにはあんな一瞬で投げるなんてとても……」

すみれ「確かにあれでは少しスタートが遅れた千砂都が刺されるのも必然って訳ね」

千砂都「なぁ~~~~!!皆ゴメン~~~~!!!」

クゥクゥ「千砂都~~……」

千砂都「悔しいよぉ!次は絶対に盗塁決めてやるぅ!」プンプン

76: 名無しで叶える物語(もんじゃ) 2022/03/26(土) 02:04:43.97 ID:MuzuPYMC
せつ菜「(いえ、簡単に盗塁はさせませんよ)」

せつ菜「(歩夢さんのウィークポイントであるスピードの遅さは私がカバーします!)」

せつ菜「さぁ1アウトです!集中して守っていきましょう!」オー!


悠奈「パァ~…折角のランナーがアウトになっちゃったよ~」

悠奈「まぁ、だったら私が代わりに塁に出るしかないよね!」パァ!

80: 名無しで叶える物語(もんじゃ) 2022/03/26(土) 11:14:40.30 ID:MuzuPYMC
せつ菜「(さて、歩夢さんの生命線。変化球や緩急がSunny Passionの悠奈さんにどこまで通用しますでしょうか)」サイン パパッ

歩夢「うん…!」コクリ

歩夢「えいっ」ピョン

ふわぁぁん……

悠奈「(1ボールからの2球目!思いっ切りーーー!)」

ふわわぁん…………

悠奈「んっ!?」

悠奈「(さっきより来ない!もっと遅い!!)」

ブォンッ! パスッ ストラーーック!

愛「歩夢いいぞ~!」
彼方「その調子その調子~」
果林「リラックスよー!」
かすみ「GoGoですぅ~!」

せつ菜「(どうしてもまだ制球は甘いですが、)歩夢さんいいですよ!どんどん行きましょう!」シュッ

歩夢「うんっ!」パシッ


悠奈「ふむふむ。さらに抜く球も有り、ね!」スブリッ

81: 名無しで叶える物語(もんじゃ) 2022/03/26(土) 11:31:25.96 ID:MuzuPYMC
せつ菜「(続いてーーー)」

歩夢「えいっ!」ピシュ

悠奈「ーーパァッ!?」

ふわっ……ククッ…クククッ……!!
パシイッ!ストライークツー!

悠奈「パァ~~!カーブだ!」

せつ菜「フフッ。歩夢さんの大きな武器の1つ、スローカーブです!」ニコッ

侑「いいぞ!いいぞ!あ、ゆ、む~!」
ランジュ「追い込んだわ!」
栞子「歩夢さんいいですよ!」

アキバレポーター「歩夢ちゃん追い込みました!ストレート、チェンジアップ、スローカーブ!歩夢ちゃんも豊富な球種を次々と披露していきます!」


せつ菜「(もう1球カーブです!出来るだけ外に…!)」

歩夢「え~いっ!」

ククッ……クククッ……!!

悠奈「ん~~~~…………っ、パァッ!」

カキンッ……!!

アキバレポーター「泳がされた!」

アキバレポーター「打球はライトへ打ち上がったー!!」


虹ヶ咲全員「あ゛っ……」

しずく「ハッ!!!」ビクッ

82: 名無しで叶える物語(もんじゃ) 2022/03/26(土) 11:36:35.06 ID:MuzuPYMC
かすみ「しず子!」

しずく「えっと、えっと…!」タタッ

愛「しずくー!前!前!」

しずく「はい!オーライ!オーライ!!」

エマ「しずくちゃーん!!」

しずく「はい!ここです!」カマエッ

脳天ぽこーーーーん

しずく「きゃうっ!!」

ミア「UNOOOOOOOOOOOOOO!!!!」


アキバレポーター「しずくちゃんあーーっと!!平凡なライトフライでしたが脳天キャッチだ~!!」

83: 名無しで叶える物語(もんじゃ) 2022/03/26(土) 12:01:27.94 ID:MuzuPYMC
悠奈「ありゃ、ラッキー♪」

アキバレポーター「1アウトから再びランナー1塁!続いて3番摩央ちゃんが打席に入ります!」


エマ「しずくちゃん!大丈夫?!」

しずく「はい、大丈夫です…」サスサス

しずく「うぅ…落下地点には入れたのに…」

かすみ「もぉ~~~!しず子ー!しっかりー!」プンスコ


侑「あはは……しずくちゃんの所に飛んじゃったら仕方ないね」

ミア「仕方ないでは済ませたくないけどね。Baseballは1プレーで大きく流れが変わるスポーツなんだ」

ランジュ「それでも身体にぶつかるようになっただけ進歩したと思うわ!ずーーーーーーーー………………っとバンザイの連続だったもの!」

ミア「um……」眉間に拳

84: 名無しで叶える物語(もんじゃ) 2022/03/26(土) 12:25:26.82 ID:MuzuPYMC
果林「歩夢!切り替えて行きましょう」

歩夢「はいっ♪」


侑「それに歩夢なら大丈夫。打たれても誰かがエラーしちゃっても気にせずコツコツ投げるもん!」

栞子「はい。歩夢さんのある意味マイペースな所は投手の適性に溢れています」

栞子「それに歩夢さんの本領は肩が温まってきてからですから」

ミア「あぁ…。さぁまた仕掛けてくるよ!慎重に攻めるんだ!」


せつ菜「(勿論です。ですが盗塁を警戒してカウントを悪くするのも避けたいーーー)」サイン パパッ

歩夢「(スローカーブ…)」コクリ

歩夢「えいっ!」

ふわっ…クククッ……!!

悠奈「(摩央!)」

摩央「ーーー待っていたわ」

せつ菜「!?」

パシィィィン!!
ワァァァァ!!


アキバレポーター「外を上手くミートしたー!ライト寄りの右中間へー!」

しずく「また来た!」タタッ

かすみ「ぎゃー!しず子触るなー!!」

ポーン トッ トッ…

しずく「だ、大丈夫だもん!バウンドする球ならーーー」バッ

スカッ

アキバレポーター「あーっと!ライトしずくちゃん追い付いたがグラブ空振りー!!」

かすみ「しず子~~~~~~!!!!」ギャー

85: 名無しで叶える物語(もんじゃ) 2022/03/26(土) 12:40:10.00 ID:MuzuPYMC
エマ「ふっ、かすみちゃん!」パシッ ヒューン

アキバレポーター「エマちゃんがカバー!しかし悠奈ちゃんはあっと言う間に3塁へ行き1アウト1、3塁!Liella!チームも先制のチャンス到来だー!」


クゥクゥ「神……(感涙)」
千砂都「流石摩央さん!初球打ち決まったー!」
かのん「チャンスだよすみれちゃん!打てー!」

すみれ「えぇ……見てなさい!決めてやるわ!」


アキバレポーター「さぁLiella!の4番、すみれちゃんが打席に入ります!どのようなバッティングを見せるのか~?!」

すみれ「ふんっ!ふんっ!」ブンッブンッ!

せつ菜「(……随分と)」
彼方「(力んでるねぇ)」


かのん「すみれちゃーん!リラックスだよー!」
恋「しっかりミートしていきましょう!練習通りにです!」

すみれ「えぇ…!分かってるったら分かってるわよ……!!!」ギュッ…!


クゥクゥ「……千砂都。すみれから打てる気配を感じません」

千砂都「あはは。普通の練習では普通に打てるんだけどね」

千砂都「どうしてかランナーを絡めた練習になった途端力んじゃうんだよね」


赤字『すみれはチャンスに弱かった』ブビー

86: 名無しで叶える物語(もんじゃ) 2022/03/26(土) 12:54:02.83 ID:MuzuPYMC
せつ菜「(この様子なら打ち取れます…!)」

せつ菜「愛さん!かすみさん!」ハーイ!

アキバレポーター「さぁ虹ヶ咲はゲッツーシフト!併殺狙いだ~!」

すみれ「むむむ……」ギュッ


せつ菜「(さぁ引っ掛けて貰いますよ)」

歩夢「やぁっ!」ピョン

すみれ「(ストレート高め!!)」

ブンッ!!!ストライーク!


クゥクゥ「どこ振ってるデスかー!」
千砂都「すみれちゃん高い!ボール球だよー!」
すみれ妹「お姉ちゃーん!」

すみれ「むむむむむむ…!!」


歩夢「えいっ!」シュッ

クククッ………!!

すみれ「っ!」ブンッ!

パシッ ストライークツー!

アキバレポーター「高めに外したストレートとスローカーブ2球で追い込んだ!」

すみれ「ぐぬぬぬ……!」


せつ菜「(さぁ、これを当てて貰いますよ!)」

歩夢「うんっ。えいっ!」ピョン

すみれ「(来た!ストレートーーー!)」

ふわわぁぁん…………

すみれ「じゃないぃぃ!!」カコンッ


アキバレポーター「チェンジアップに体勢崩されたー!ショート真正面ゲッツーコースぅぅ!」

すみれ「いやぁぁぁ!!ギャラクシィィ!!!」ダダダダッ!!

87: 名無しで叶える物語(もんじゃ) 2022/03/26(土) 13:02:31.65 ID:MuzuPYMC
愛「オーライ!かすかす!」パシッ シュッ!

かすみ「かすみんでーーー」パシッ

摩央「ーーー!!!」タタタタタッ

かすみ「ひょえっ!?」

摩央「♡」ウインクパチッ♡

かすみ「ひょわぁっ///」ピシュ

ひゅーん ぽてっ…

果林「んっ……!(かすみちゃん送球が弱いわ!)」ノビッ…!

かのん「すみれちゃん!走れーーー!!!」

すみれ「なああああああぁぁぁ!!!!」ダダダダダダ!!

バンッ!
パシッ!

…………セーーフ!!

千砂都「きたー!!」
かのん「やったー!!!」


アキバレポーター「セーフ!1塁はセーフ!!ゲッツー崩れの間にLiella!チーム1点先制~~~!!!」

89: 名無しで叶える物語(もんじゃ) 2022/03/26(土) 13:17:17.43 ID:MuzuPYMC
ミア「なっ…!?何だよ今の弱々しい送球は!?」

ランジュ「色気よ」

ミア「what!?」

ランジュ「あの摩央って子、かすみの視線に上手く入ってウインクしてたわ♡」

ランジュ「かすみってばドキッとしちゃったんじゃないかしら♡」

ミア「……………!!!!!」プルプル…!

===

クゥクゥ「摩央サマ~~~!ナイトセクシ~~~~!」😭

摩央「フフ、上手く動揺させられたみたい」

悠奈「流石摩央!ナイスっ」パンッ

摩央「えぇ」パンッ

かのん「やったやった!先制点!」

千砂都「これは大きいよ!助っ人サニパ様々だよ~!」

悠奈「えへへ♪いえーい!」

===

ミア「全く!!ウチの1年は何をやっているんだ!」

栞子「その言われ方は心外です」

ミア「侑。方針を変えるべきかもしれない。ボクはこの勝負、2戦とも必勝を誓っているんだ」

ミア「もしこのまましずくやかすみの守備から傷口が広がったらーーー」

侑「大丈夫!」

ミア「何を根拠にーーー」


カキィィイン!!!!

90: 名無しで叶える物語(もんじゃ) 2022/03/26(土) 13:36:01.91 ID:MuzuPYMC
恋「捉えました!!」タッ

せつ菜「璃奈さぁぁん!!(甘く入ってしまいました!!)」
愛「りなりー!!」

ミア「!!璃奈!!」

ミア「……!?」

璃奈「オーライ…オーライ……!」

パシィンッ!
アウトォォ!!スリーアウト、チェンジ!


恋「えっ!?」

アキバレポーター「何と璃奈ちゃんかなりレフト線寄りの後方に守備位置取り!そこへ恋ちゃんの痛烈な打球がドンピシャで飛び込んできました!」
アキバレポーター「細腕の璃奈ちゃん強めの打球でしたがしっかりキャッチ!これはファインプレーだ~~!」

恋「そんな……完璧に捉えられたのですが……」

サヤ「今のはレフトの方が上手でしたね。まるであそこへ飛ぶのが分かってるかのような位置取りでした」

恋「うぅ……」

===

ミア「璃奈!どうしてあんな極端なシフトを!?」

璃奈「えっと、歩夢さん、練習で愛さんやランジュさんにあそこへ打たれることが多かったから……」

璃奈「歩夢さんがヒット打たれる時の打球方向をデータにまとめておいて、愛さんやランジュさんに似た人がバッターの時は守備位置を変えてみようと思ってたの」

璃奈「勝手にしちゃってた。ミアちゃんゴメンね?」

ミア「No problem!!!璃奈!今のはチームを救うスーパープレイだよ!ウチの1年生は最高だ!!」テノヒラクルー


侑「ねっ♪虹ヶ咲は色んな個性の子が集まったスクールアイドルグループだもん!」

侑「誰かがミスしちゃっても他の誰かがカバー出来る!私はそう信じてるから!」

しずく「侑先輩……」ウルウル

彼方「まぁそれはそれとしてこの先しずくちゃんが狙われやしないか彼方ちゃんは不安なんだぜ~」

しずく「うっ…」

彼方「フフフ。彼方ちゃんのように幸運の置き物を目指すのだしずくちゃんよ……」

果林「置き物では困るわよ……?」

果林「さ、私から攻撃よ。まずは同点に追いつかなくちゃ!」

エマ「果林ちゃん!Forza!」

果林「えぇ!」

95: 名無しで叶える物語(もんじゃ) 2022/03/26(土) 23:31:12.53 ID:MuzuPYMC
恋「ハッ、急いでプロテクターをつけなければいけません…!」ガチャガチャ

サヤ「お嬢様お手伝いいたしますね」カチャ

恋「ありがとうございますサヤさん…!」

千砂都「!」キラーン

千砂都「それじゃ私2球だけ受けてきちゃうね!」タタターッ

恋「千砂都さん…!はいっお願いしますね!」

恋「(千砂都さん、捕手をわたくしに譲って下さったとは言え、かのんさんの球を受けられるのはやっぱり嬉しそうです)」クスクス

千砂都「よーしかのんちゃん!ちぃに思い切り投げ込んできなさーい!」

かのん「ちぃちゃん!うんっ行くよ~!」

===

ミア「果林!それと彼方、あと一応しずくも!」

果林・彼方・しずく「?」

ミア「単刀直入に言うよ。あのピッチャーからウチの5番以降の打線では得点は望めないと思う」

果林「……ふぅん」
彼方「ほほぅ」
しずく「……」

ミア「そもそも6番にアダム・ダンが居て7番に置き物が居ること自体がおかしいんだ」

しずく「なっ、私はアダム・ダンさんなんて方ではありません!今の私はイチローさんです!」

ミア「フライを脳天で受けるイチローがどこに居るって言うんだ!」

しずく「うぅ……」

96: 名無しで叶える物語(もんじゃ) 2022/03/26(土) 23:33:34.37 ID:MuzuPYMC
ミア「それはともかく……あのピッチャーのストレートの質とBreaking Ball。1イニングス目を見ただけでも彼女はピッチャーの才能に溢れていることがよく分かった」

ミア「歩夢と璃奈も含めて愛以降の5人が手玉に取られることも有り得るかもしれない」

果林「それで?」

ミア「けれどピッチャー特有の脆い繊細さも伺える。そこにつけこみたい」

ミア「だから果林と彼方には球数を多く投げさせて欲しい。3球三振なんかで帰ってくるなよ?」

ミア「配球を読んでヒットを打てればBest。フォアボールを誘えたらBetterだ」

ミア「2人ならそれが出来るとボクは思ってる。信頼してるよ」

果林・彼方「…ふふっ」

果林「オッケー。お姉さんが華麗に魅せてあげるわ」スタスタ
彼方「彼方ちゃんが幸運の置き物と言われる所以を見せてしんぜよう~」

しずく「……」

しずく「あれっ。ミアさん?私は…?」

ミア「……あぁ、しずく。キミは……」

ミア「万が一当たったらホームラン間違いないようなスイングを見せてくれ。会場の皆を沸かせるんだ」テクテク

しずく「……あれっ!?私だけ期待されてないような!?ミアさん!?ミアさーん!」

97: 名無しで叶える物語(もんじゃ) 2022/03/26(土) 23:51:20.88 ID:MuzuPYMC
アキバレポーター「さぁ2回の表!セクシー系スクールアイドル果林ちゃんが打席に入ります!その抜群のスタイルはバッテイングでも力強さを見せるのかー!?」

かのん「(身長もその他色んな所も大きい……///)」

恋「(身体の大きさはそのまま野球において有利に働きます。長打には気をつけましょう)」サイン パパッ

かのん「うん!…えいっ!」ビシュッ

スゥーーーシュルルル!スパァン!
ストライーク!

果林「(成程ね。確かに凄く速く見える)」

果林「(愛もランジュも速い球を投げるけどそれとは違う。投げたあと手元にどんどん伸びてくる。どちらかと言えば栞子ちゃんのような球質ね)」

かのん「たぁっ!」シュッ

ふわっ…クンッ!パシィッ
ストライクツー!

果林「(そしてこのカーブ。一瞬高め?って思ったら突然落ちて低めに決まる。ストレートに張っていたらまず打てないわ)」


恋「(ストレートもカーブも見逃しました。狙いが読めませんね…)」

恋「(1球外して……)」

かのん「よいしょ!」

パシッ ボー!

果林「(これで3球は投げさせたわ。さぁ、ここからね)」ブンッ!ブンッ!

恋「(力強いスイング…やはりまずは直球狙いでしょうか。ならーーー)」

かのん「(オッケー!超真ハンバーグ、改!)」ビシュッ!!

シュルルルルルル!!!

アキバレポーター「出たー!大きなスライド変化!かのんちゃんの高速スライダーが外角いっぱいに決まーーー!」

果林「っ!!!」ザッ…!

果林「(外の球は踏み込んで、払うように……!)」

カキィィイン!!

98: 名無しで叶える物語(もんじゃ) 2022/03/27(日) 00:07:45.64 ID:e+Jq9TkQ
かのれん「あっ!?」

アキバレポーター「果林ちゃん打ったー!打球はライトへー!!」

ありあ「わ、わっ……!」

ザッ!パシッ…!

アキバレポーター「ありあちゃんの前に落ちて綺麗なライト前ヒーーーット!」

愛「さっすがカリン!ないばっちー!」
エマ「果林ちゃーん!」
せつ菜「素晴らしいです果林さん!」

果林「フフッ」グッ!


かのん「う、打たれちゃった……」

恋「かのんさんすみません!今のはわたくしの配球が読まれていました!落ち着いて後続を断ちましょう!」

かのん「うん……」

かのん「(今、凄くいいところに投げられたのにな……)」シュン…


ミア「フフ…いいぞ。完璧に決まったと思ったボールをヒットにされるのが一番堪えるよな」

ミア「さて……」


アキバレポーター「ノーアウトランナー1塁でバッターはしずくちゃん!」

しずく「ふんっ!」ブォンッッ!!

しずく「たぁーーーーー!!!」ブォンッッ!!

アキバレポーター「す、凄まじいスイングです!!これは怖い!!」

かのん「あわわわ……」


かすみ「ま、当たらないんだけどね」

侑「かすみちゃん……っ!大丈夫だよ!きっと打てるよ!」
歩夢「そ、そうだよそうだよ!」

かすみ「練習でしず子がバットにボールを当てられていましたか……?(小声)」

ゆうぽむ「…………」

99: 名無しで叶える物語(もんじゃ) 2022/03/27(日) 01:07:47.79 ID:e+Jq9TkQ
恋「(これだけの大振り。変化球でかわしていきたいですね)」

かのん「(うん…)」シュッ

ククッ!

しずく「たぁーーーー!!!!」

ぶぉんっっ!!!!
no title

(イメージ)

ストライーク!

しずく「きゃうん!」ドテッ

虹ヶ咲ベンチ「…………」

Liella!陣「……」


恋「(これは、もう1球同じ球で……)」

かのん「(う、うん…)」シュピッ

しずく「えいえいさーーーー!!!」ブォンッ!

ストライークツー!

しずく「はぅぅ!」ズテッ

かのれん「……」

かのれん「(カモでは!?)」


ミア「……」サイン パパッ

果林「……」コクリ

100: 名無しで叶える物語(もんじゃ) 2022/03/27(日) 01:15:55.74 ID:e+Jq9TkQ
かのん「(最後も同じ球!しっかり低めに投げてーーー)」

恋「(三振です!)」

果林「ふっ!」ダッッ!!

摩央「ーー!!スチール!!」

恋「!?」

しずく「たりゃああああああああ!!!」

ぶぉん!ストライーク!バッターアウッ!

恋「くっ……!」シュッ

果林「お先に♡」タン…

パシッ…

千砂都「くぅ~!スライディング無しで決められちゃった!」

果林「ふふ♡奪っちゃったわね♡」ズイッ

千砂都「うひゃっ///(顔近っ///)」

果林「お返しよ♡」


アキバレポーター「これはお見事盗塁成功!しずくちゃんは三振に倒れるも果林ちゃんは2塁へ到達!1アウト2塁となりましたー! 」

105: 名無しで叶える物語(もんじゃ) 2022/03/27(日) 16:21:41.61 ID:e+Jq9TkQ
アキバレポーター「いやはや見事バッテリーの間を読み切った素晴らしい盗塁でした!かのんちゃん恋ちゃんバッテリーは完全にバッターに集中しきっていましたね~!」


恋「かのんさん!1アウトを取れました!ここからは下位打線です!リラックスしていきましょう!」

かのん「そうだね…!」

千砂都「後ろには私達が居るよ~!どーんと任せてよ!」
サヤ「三遊間は鉄壁です。ご安心を」
悠奈「それなら私と摩央の一二遊間も破らせないよー!」
摩央「それを言うなら一二塁間よ、悠奈」
悠奈「パァ!えへ~言い間違え~」アハハ

かのん「フフッ」クスクス

彼方「ふーむ。そう簡単には崩させないか。良いチームだねぇ」

歩夢「彼方さーん!私バッティングは自信無いからお願いしまーす!」

彼方「ふふふ。無茶を言うでない。彼方ちゃんだってノーパワーさ」ノレcイ´=ω=)b ビシッ

璃奈「良い顔して言うことじゃない……」

107: 名無しで叶える物語(もんじゃ) 2022/03/27(日) 17:16:51.65 ID:e+Jq9TkQ
遥「お姉ちゃ~ん!頑張って~!」

彼方「ハッ!?遥ちゃん!?」シャキーン

彼方「うおおおおおおお!彼方ちゃん勝負師発動ォォ!」

金色文字『彼方は勝手に勝負師と威圧感を獲得した!』テレッテーテレッテッテー!


彼方「ふぅーーー……」コォォォ!!

かのん「いいっ!?」ビクッ

千砂都「何か出てる!」
サヤ「オーラを帯びていますね。警戒です」ザッ

かのん「……っ!」ピシュッ…

パシィ ボール!

ドッ…! ボールツー!


恋「かのんさん!振ってきませんよ!ストライク取りましょう!」ピシュ

かのん「う、うん……!」

かのん「(でも、素振りすら1回もしてないのが逆に怖いぃぃ!)」

かのん「(あんなふんわりした雰囲気なのに、打ちそうな感じが凄くするよぉぉ!)」


かのん「(とにかく!1ストライク取らなきゃーーー

彼方「サッ!」バント カマエッ

かのん「!?」ピシュ

パシィ ボール!ボールスリー!


アキバレポーター「うーんここはかのんちゃんボール先行で3ボールノーストライク!腕も振れてない!踏ん張りどころだね!」

108: 名無しで叶える物語(もんじゃ) 2022/03/27(日) 17:31:51.87 ID:e+Jq9TkQ
恋「かのんさん!大丈夫ですよ!かのんさんの球なら簡単には打たれません!」
千砂都「かのんちゃんなら大丈夫だよ~!」
ありあ「お姉ちゃんしっかりー!」
クゥクゥ「ククはかのんを信じてますー!」

かのん「う、うん……」フゥ、フゥ…

すみれ「(違うわ。今のかのんに掛ける言葉はそんなんじゃない)」


すみれ「かーーのーーーんーーー!!フォアボール出す位なら打たれなさーーい!」

すみれ「何のために私達が後ろに居るのよ!!さっさと打たれなさい!!」


かのん「すみれちゃん……」

かのん「アハハ…打たれるのはやだよ……」

かのん「でも、ビクビクしてフォアボール出すのも駄目だよね……」フゥ…!


かのん「(ゴメン皆!行くよ!)」ピシュ!

彼方「ほいさ!」バントッ

パァン! ストラーイク!

彼方「むっ?」

恋「かのんさんこの球です!いいですよ!」

かのん「うん!」

バシィ! ストライークツー!


すみれ「(全く、世話のかかるエース様なんだから…)」フフッ

109: 名無しで叶える物語(もんじゃ) 2022/03/27(日) 17:48:00.26 ID:e+Jq9TkQ
彼方「むむーフルカウント。なかなか踏ん張りますなぁ」

彼方「(こうなると彼方ちゃんはここまでだ)」

彼方「(でも、せめてカーブにヤマを張ってーーー!)」

かのん「やぁぁ!!」ビシュッ!

スゥーーーーーぎゅんっ!!

彼方「んんっ!!」ブンッ

スパァァン! ストライィィク!バッターアウト!!

彼方「ストレートは駄目だ~。いやぁ速いねぇ」


アキバレポーター「3ボールから見事持ち直したー!彼方ちゃん三振!2アウトです!」
アキバレポーター「しかしまだチャンスは続きます!8番ピッチャー歩夢ちゃん!!」ワーワー!


彼方「歩夢ちゃん歩夢ちゃん」

歩夢「彼方さん?」

彼方「初球甘く来たら行っちゃえ」ヒソヒソ

歩夢「えっ?!」


ミア「彼方!歩夢には既にボクがーーー!」

彼方「初球打ち、でしょ~?」

ミア「!」

ミア「……へぇ、よく分かってるじゃないか」

彼方「いやはや、あの子を打つには隙を突くしかないよ~」

110: 名無しで叶える物語(もんじゃ) 2022/03/27(日) 17:59:45.67 ID:e+Jq9TkQ
かのん「よし!あと1アウトでチェンジ!」

千砂都「いいよー!かのんちゃーん!」
すみれ「油断するんじゃないわよー!」
クゥクゥ「相手バッターはピッチャーデス!楽チンデス~!」
すみれ「だから油断すんじゃないって言ってんでしょうー!」

恋「(その通りです。相手はここで同点打を放ちたい筈)」


歩夢「(初球。甘く来たら初球…)」


恋「(逆にこちらは8、9番で1アウトを取れればいいのです。1球外して打ち気を逸しましょう)」サイン パパッ

かのん「(ストレートを外のボール球に……)」コク、リ…


かのん「(早く歩夢さんも打ち取って攻撃に入りたい……!次は私が先頭バッターだし!)」スッ

恋「(かのんさん、投げ急がないで下さいね……!)」


歩夢「(ミアちゃんも彼方さんも言ってた、甘く来る初球……!)」


かのん「(早く、このピンチを抑えたい!!)」シュッ

スゥーー……

恋「!?」

恋「(外し球が外から真ん中に!!!)」


歩夢「初球!!」

歩夢「えいっ!!」

カキィン!

111: 名無しで叶える物語(もんじゃ) 2022/03/27(日) 18:12:05.87 ID:e+Jq9TkQ
かのん「あっ!?」


アキバレポーター「歩夢ちゃん打ったー!!センター前に!これは落ちるぞー!」
愛「カリン!回れ回れー!」グルグルグル!
果林「えぇ!!」タタタッ!
侑「やった!歩夢!!」


恋「す、すみれさん!!」

クゥクゥ「しゅみれ~~~!!!」


すみれ「まっっったく……」パシッ

すみれ「油断すんなって言ったでしょうがあああああ!!!!」ビシュッ!!!!

愛「!!?」


ぎゅうううううんんん!!!!!

アキバレポーター「なぁぁぁ!?センターすみれちゃんから凄い返球が返ってきたぁぁぁ!!!」


恋「!! 悠奈さん!ノーカット!!」

悠奈「パァ!!」サッ

璃奈「果林さん!滑って!こっちに滑って!」

果林「っ!?」

パシィ!バンッ!
ズザァァァッ!


…………!アウト!アウトォォォ!!!

ドワァアアアアアア!!!

スリーアウト!チェンジ!!


アキバレポーター「ホームタッチアウトぉぉ!!!センターすみれちゃんが刺したぁー!!!」

112: 名無しで叶える物語(もんじゃ) 2022/03/27(日) 18:38:16.63 ID:e+Jq9TkQ
ミア「shit!!!!!!!!!」バンッ!!

侑「そんなぁ~歩夢クリーンヒットだったのに……」

ミア「今、結ヶ丘の守備陣で最悪の想定をしていたのがセンターの彼女だった。打球が飛ぶ前にかなり前進していたみたいだ……」

ミア「そこに飛んでしまった……クソッ、さっきの愛の打球ももぎ取られたしどうにもunluckyだ!!」

===

かのん「すみ゛れ゛ち゛ゃぁぁ゛ぁん!!!」ガバッ
すみれ「ぎゃぁ!抱きつくんじゃないわよ!」フギギ…!

千砂都「ナイスレーザービーム!流石に追い付けなかったから助かったよ!」၄(cʸ„o ᴗ oリ၃ b
すみれ「今のをショートの千砂都が捕れる訳…いや、本気そうだし別にいいわ……」

恋「すみれさん申し訳ありません。助かりました……」
すみれ「謝らないの。恋は外してたじゃない。今のは投げ急いだこのエース様が悪いわね」ツンツン
かのん「くぅ……ゴメンナサイ」

すみれ妹「お姉ちゃん。今のはナイスプレーだよ。バウンドさせる所もマウンドかわしてて完璧だったね。褒めてあげる」パチパチ
すみれ「フフッ。ありがと♡」

クゥクゥ「……」

すみれ「ん?」

クゥクゥ「く、ククだってアレ位出来ますからね!かのんを助けられますから!!」プクー!

すみれ「はいはい笑。だったら是非この回打って援護して欲しいものね」

クゥクゥ「なぁぁ~~!!かのん!クク達のパワーをこの天狗ソクムシに見せてやりましょう!!」

すみれ「誰が天狗ソクムシよぉ!?」

アハハーーー


悠奈「Liella!、良いチームだね!」ニコッ

摩央「ーーーえぇ。きっとこれから強大なグループになるわ」フフッ

113: 名無しで叶える物語(もんじゃ) 2022/03/27(日) 18:48:09.32 ID:e+Jq9TkQ
果林「ごめんなさい。タッチかわせなかったわ」タッタッタ
侑「そんなことないです果林さん!打撃に走塁完璧でした!」

歩夢「私ももう少しセンターからズレた所に飛ばせてたら……」
侑「歩夢は凄く良い打球だったよ!ナイスバッティング!」

彼方「ごめんねぇ。せめてランナーを進められていればよかったのだけど」
しずく「私は全てにおいて……申し訳ありません」
かすみ「う~かすみんもゲッツー取れなかったからしず子に強く言えないですぅ…」

せつ菜「皆さんは悪くありませんよ!私がチャンスで打てていれば。それに摩央さんの読みを読みきれなかった……!」
愛「そんなこと言ったら愛さん4番なのに打ち取られちゃったよ!次は絶対打つから!ゴメンね!」

虹ヶ咲ベンチ「……」

侑「み、みんな……」


ランジュ「謝った所で点は入らないわよ」

虹ヶ咲全員「!!!」

114: 名無しで叶える物語(もんじゃ) 2022/03/27(日) 19:50:23.52 ID:e+Jq9TkQ
ランジュ「初回に2回。いい感じに攻められてるのに1点が取れてないわね」

ランジュ「まだ5イニングあるけど、あの子・かのんの硬さが完全に解けて手に負えない状態になったら私達のピンチだわ」

ランジュ「でもランジュは皆なら逆転出来るって信じてる。虹ヶ咲の個性を集結させた強さ、見せて欲しいわ!」

侑「ランジュちゃん……!」

ランジュ「それでも点が取れなければ、ランジュが代打で出ちゃうんだからね!」

かすみ「なぁっ!?ランジュ先輩の出番はAqours戦ですぅ!かすみん達の華麗な逆転劇を見ていてくださぁいぃ!!」

ミア「ボクもそのつもりだけど、このまま打ちあぐねるようなら……構わないよね、侑?」

侑「う、うん…。でも大丈夫!私は皆の力を信じてるよ!」

歩夢「侑ちゃん……!」


球審「虹ヶ咲の皆さん!守備に!」

せつ菜「あっ!すみません!」

侑「さぁ皆!まずは守備だよ!締まっていこう!」パンパン

虹ヶ咲「オーーーー!」

115: 名無しで叶える物語(もんじゃ) 2022/03/27(日) 20:13:23.87 ID:e+Jq9TkQ
せつ菜「すぅーーーー……」

せつ菜「2回!裏ー!!締まっていきましょー!!!」

「オオオーーーー!!!!」


アキバレポーター「うおおぉぉ!チーム虹ヶ咲、気合いを感じられます!チームLiella!は追加点なるでしょうか!?」
アキバレポーター「2回裏は6番ピッチャーかのんちゃんから!!」


かのん「ふっ、ふっ…!」フルン、フルン!

悠奈「かのんちゃんはバッティングはちょっと見劣りする上にピッチング集中。クゥクゥちゃんはパァ!ありあちゃんも人数合わせ」

悠奈「下位打線ちょっとしょっぱいね~」

すみれ「確かに明らかなウチのウィークポイントね」

千砂都「1人でも出てサヤさんに回ったら面白いんだけどね」クスクス

サヤ「フフ。期待し過ぎないで下さい。お若い皆様とは違いあまり無理出来ない身体ですので」

恋「サヤさんったらご謙遜を。ですがサヤさんに頼ることなく私達の力で勝利したいですね!」

摩央「主役は私達スクールアイドルだもの。かのんさん、クゥクゥさん頑張って」

116: 名無しで叶える物語(もんじゃ) 2022/03/27(日) 20:28:13.14 ID:e+Jq9TkQ
球審「ボールバック!ラスト1球!」

歩夢「はっ!」ピョン

せつ菜「はぁっ!」パシシュッ!

愛「ほっ!」パシッ

せつ菜「歩夢さんっ」ガシャガシャ

歩夢「せつ菜ちゃん」

せつ菜「立ち上がりに比べて腕も振れて低めに決まるようになってますね!」

歩夢「うん!温まってきた感じがするよ」

せつ菜「それでは早速"解禁"していきましょうか!下位打線で試し投げもしていきたいです!」

歩夢「うん!思い切り投げるね!」

せつ菜「はい!腕を振って自信を持って来てください!」

歩夢「分かったよ!」


栞子「ふふふ、来ますね。歩夢さんの魔球が……」

侑「うぅ~!歩夢がんばれ~!」

117: 名無しで叶える物語(もんじゃ) 2022/03/27(日) 21:36:49.90 ID:e+Jq9TkQ
アキバレポーター「さ~~~かのんちゃんが打席に入ります!」

かのん「よーし……!」

かのん「(速いボールだと打つのは難しいかもだけど、歩夢さんみたいなボールなら私だって!)」

かのん「(カーブは捨ててストレート狙い!)」

せつ菜「(ーーーと言う狙いでしょうから、早速行きますよ!)」サイン パパッ

歩夢「うん!」スッ


歩夢「えいやっ!」ポムッ

ヒューン…!


かのん「(来たっ!ストレート!)」

かのん「やぁっ!!」

ボコッ!ぽてーん!

かのん「い゛ぃ゛ぃっ!?」


歩夢「わっ」パシッ

歩夢「よいしょっ、果林さん!」シュッ

果林「ナイスよ歩夢!」パシッ

アウトォ!


アキバレポーター「あーっとかのんちゃん積極果敢な初球打ちもピッチャーゴロ!1アウトです!」

118: 名無しで叶える物語(もんじゃ) 2022/03/27(日) 21:57:37.60 ID:e+Jq9TkQ
かのん「……えぇ~?」

千砂都「むむむ。タイミングはバッチリだったのに」

すみれ「ただの打ち損じじゃないのよぉ!勿体ない」

サヤ「……」

===

せつ菜「歩夢さん!ナイスです!1アウトです!」

歩夢「(せつ菜ちゃんゴメンね!落ちなかったかも…!)」人

せつ菜「大丈夫です!どんどん投げ込んできて下さい!」


アキバレポーター「続いて打席に入るのは7番クゥクゥちゃん!」


クゥクゥ「打ちマスよー!!」ヘロン、ヘロン…!


せつ菜「(この下位打線でどんどん投げて感覚を掴みましょう!)」サイン パパッ

歩夢「うん!」スッ

歩夢「やぁっ!」ポムッ

ひゅーーん…!


クゥクゥ「ド真ん中ー!绝好的球!!」ヘローン!

すぅっ……!

ぼこんっ!ぽーん!


クゥクゥ「……アェッ!?」

せつ菜「オーライ!果林さん!」パシッ ピシュッ

果林「はいっ!2アウト!」パンッ


アキバレポーター「おーっとまたも初球打ち、またも高く弾んでキャッチャーゴロ!この回は2球で2アウトです!」

119: 名無しで叶える物語(もんじゃ) 2022/03/27(日) 22:23:50.67 ID:e+Jq9TkQ
恋「うぅん……ボールの上を叩いてしまいましたね」

すみれ「かのんもクゥクゥも簡単にアウトになって~!ヒットに出来るボールだったんじゃないの~?!」

サヤ「……いえ、恐らくですが2球とも手元で落ちていますね」

千砂都「落ちてる?重力ボールってこと?」

悠奈「うーん、落ちると言うよりは沈んでるように見え…たかな?」

千砂都「今の2球だけではハッキリ分からないなぁ」

かのん「よーし!ありあー!打つなー!打っちゃ駄目ー!」

ありあ「ちょ…!そんな大声で打つなって言わなくても……」

せつ菜「……」サイン パパッ


歩夢「んしょ!」ピシュ

パスッ ストラーイク

サヤ「一番遅い球、チェンジアップ。あれではありませんね」

歩夢「やっ!」シュッ

クク~~ッ! パシッ ストライークツー!

サヤ「スローカーブ…違いますね」

すみれ「…………」


すみれ「いや!かのんがデカい声で指示したせいで球種変えられてるじゃないのよォ!!サイン出しなさいよサイン!!」ムキィ

かのん「あぁ~~~!ゴメン~~~~!!!」

120: 名無しで叶える物語(もんじゃ) 2022/03/27(日) 22:37:42.34 ID:e+Jq9TkQ
せつ菜「(チェンジアップの抜け方とカーブの変化はバッチリです。が、"あの球"はまだ本来の変化を見られていません)」

せつ菜「(この回隠し通してしまうよりも歩夢さんに感覚を掴んで貰ってから次の回しっかり使っていきたい……!)」サイン パパッ

歩夢「んっ!」スッ


歩夢「(しっかり親指と小指だけで挟んで……)」

歩夢「(手の平で滑らすように、腕を振って!)」ポムッ

ひゅーん……!!


サヤ「ーー来ました!」

ありあ「打たないで……見る……!」

すぅっっ……!!

せつ菜「(よしっ)」

ありあ「わっ」

パシッ!ストラーック!バッターアウト!チェンジ!!


アキバレポーター「低め一杯に決まって見逃し三振ー!歩夢ちゃん2回は完璧!5球で料理だー!」

侑「やったー!歩夢ナイスピッチング!」


せつ菜「歩夢さん!最後良かったですよ!」ガシャガシャ

歩夢「うん!ちゃんと沈んだね!」

せつ菜「はい!」


せつ菜「歩夢さんの魔球『ぽーむ』」

せつ菜「ここからどんどん使っていきますよ!」

121: 名無しで叶える物語(もんじゃ) 2022/03/27(日) 22:54:21.56 ID:e+Jq9TkQ
栞子「その『ぽーむ』と言う呼び方、せつ菜さんと侑さんしかしていませんよね。本来の呼称である『パーム』でよいのではありませんか?」

侑「えー?どうして?歩夢らしくて可愛くてよくないかな?」

せつ菜「そうです!歩夢さんの可愛らしさを表現しつつの必殺技!名前は大切です!」

歩夢「私はどっちでもいいんだけどな……」アハハ…


ミア「何にせよナイスピッチだ歩夢。だが2巡目に入る次の回がポイントだ。少しずつ飛ばして行けよ」

歩夢「うん!私らしく1球1球コツコツ行くよ!」

ミア「よし!璃奈!じっくり見ていくんだ!」

璃奈「うん。わかった」

===

摩央「最後の球。コーチャーボックスから手元を見ていたけど親指と小指だけで挟んでいるように見えたわ」

すみれ妹「私も見えた」

千砂都「ならやっぱり変化球だったんだね!」

サヤ「その独特の握りは…パームボールと呼ばれる変化球ですね。手の平と言う意味を持ちその文字通り手の平の上を滑らせるようにして投じるボールです」

かのん「へぇ~~」
クゥクゥ「ほぇ~~~~」

サヤ「投げる人それぞれによって沈み方や変化も異なるそうです。歩夢様の場合ストレートと速度も軌道も見分けがつかなそうなのが厄介ですね」

恋「成程……」

サヤ「次の攻撃、攻略の糸口を見つけられるよう善処します。ですがその前にしっかり守りましょう」

すみれ「そうね!かのん!そろそろピシッと3人で締めなさいよ!この回また1番に回るんだから!」

かのん「う、うん!よーし、皆行こう!」

「「「おー!」」」

131: 名無しで叶える物語(もんじゃ) 2022/03/28(月) 22:01:33.60 ID:DFZlv+rY
恋「かのんさん、この回2巡目に入るとは言え先頭は小柄な9番天王寺さんからです。先頭をしっかり切って、すみれさんの言う通り3者凡退を目指しましょう!」

かのん「うん…!ランナー溜めてクリーンナップとか想像もしたくないよ……!」

恋「大丈夫です。自信を持って投げ込んできてください!」

===

璃奈「ーーーよし」シャキーン

かすみ「りな子?!それは!?」

しずく「璃奈ちゃんボード……?」

璃奈「野球用サングラス型璃奈ちゃんボード。キラーン」

愛「おぉ~!いいねぇ!似合ってるよ!」

ミア「ボールの見え方は大丈夫そうかい?相手ピッチャーのボールはかなりキレるよ」

璃奈「大丈夫。ちゃんと見てデータ収集してくる」テクテク

ミア「……データ収集?」


球審「ラスト1球!」

かのん「ふぅっ!」ビシュッ

スゥーー…ぎゅるるるるる!スパァン!

璃奈「(今のが高速スライダー。超真ハンバーグ改……)」チキチキ…

璃奈「(球速、回転数、回転軸ーーーちゃんと計測出来てる。璃奈ちゃんボード『よすよす』)」

球審「……ん?」


球審「貴女、そのサングラスちょっと見せて貰えますか?」

璃奈「え」ギクッ

132: 他所でやれ規制出たので端末変更(もんじゃ) 2022/03/28(月) 22:16:54.38 ID:DFZlv+rY
璃奈「これはただのサングラス…です」

球審「それを確認するだけです」

璃奈「……はい」スチャ…

球審「……」

璃奈「……」ドキドキ

球審「天王寺さん」

璃奈「はい」

球審「このグラス面に写し出されてるトラッキングシステムのような数値は何でしょうか?」

璃奈「…………えーーっと」汗ダラダラ

恋「?」

アキバレポーター「おーっと?何かあったのでしょうか?何やら璃奈ちゃんと球審がやり取りしていますがーーー」

アキバレポーター「ふむ。今情報が入りました!何と!璃奈ちゃんの装着していたサングラスにトラッキングシステムの機能が搭載されていたとのことです!」ザワッ…!?

アキバレポーター「球速や回転数、回転軸。野球においては投球の情報を計測出来て研究に活用されるシステムですが、これは……」

ミア「り、璃奈……!何てことを!」

かすみ「と言うかいつそんなの用意したんですかぁ!」

璃奈「昨晩、作った……」

歩夢「手作り!?」

璃奈「私はバッティングでは役に立てそうにないから……せめて情報収集で役に立ちたかった」

璃奈「璃奈ちゃんボード『しょぼん…』」

愛「りなりー……」

134: 名無しで叶える物語(もんじゃ) 2022/03/28(月) 22:35:24.26 ID:DFZlv+rY
アキバレポーター「むむむ…しかしボールの軌道も記録出来てしまう以上有利に働いてしまいます!使用を許可するのは……」

球審「折角の交流試合で厳しいことは言いません。ですがこれを使うのは許可出来ません」

璃奈「はい……」

球審「折角なのでこれは私が使わせて貰います」スチャ

璃奈「!?」

球審「よく見えますね。それではプレイ!」

アキバレポーター「球審が拝借したー!」ワーワー!


果林「お咎め無し……で良かったのかしら?」
彼方「そうだねぇ……」

ミア「……ハッ!璃奈!マシーンに頼ることはない!キミ自身の目でよく見ていくんだ!」

璃奈「ミアちゃん……」

侑「そうだよ璃奈ちゃん!自信を持って!」
かすみ「りな子に出来ることをすればいいんですよー!」
エマ「頑張れ璃奈ちゃーん!」

璃奈「侑さん。みんな……」

璃奈「よし……」ギュッ


アキバレポーター「さぁ一悶着ありましたが3回表プレイ!色んな意味で存在感を発揮する璃奈ちゃん、かのんちゃんの投球にどう対応するかー?!」

135: 名無しで叶える物語(もんじゃ) 2022/03/28(月) 22:52:01.20 ID:DFZlv+rY
恋「(とらっきんぐしすてむと言うのが何かは存じませんが私達の方針は変わりません。この回は3者凡退に拘ります!)」サイン パパッ

かのん「うん!」コクリ

かのん「うん!?」ギョッ

璃奈「んしょ…!」伸脚

アキバレポーター「おぉ!?璃奈ちゃん伸脚のようにしゃがんだ!只でさえ小さい璃奈ちゃんがより小さくなったー!」

かのん「う~……ストライクゾーンが小さいぃぃ…!」

恋「かのんさんここです!迷わずに!」バシバシ!

かのん「うんっ……!」ピシュッ

パシッ ボール!

かのん「う゛えぇぇぇん!凄く投げづらいよぉぉ!」


愛「あはは!いいぞりなりー!」

彼方「なるほど、その手があったか。次の打席は彼方ちゃんもすやぴしちゃおう」

しずく「流石に打席に横になるのは注意されてしまうと思いますよ……」

ミア「と言うか打撃姿勢を取らないのは問答無用でストライクを取られるから止めるんだ彼方……」

栞子「(…あの伸脚姿勢は大丈夫なのでしょうか?)」

136: 名無しで叶える物語(もんじゃ) 2022/03/28(月) 23:03:59.27 ID:DFZlv+rY
球審「天王寺さん。その体勢でスイング出来ますか?出来ないなら打撃姿勢を取ってないとみなしてストライクを取りますよ?」

璃奈「振れます」フルン……

球審・恋「……」

璃奈「振れます……!」フルン…!

球審「いいでしょう」

かのん「そんなぁ~!」ヒーン

千砂都「かのんちゃん大丈夫大丈夫!フォアボール狙いなんだからキャッチボールみたいに置きに行っちゃえ!」
悠奈「そうだそうだ!怖くないぞー!」

かのん「う、うん……!よい、しょ!」ピッ

ひゅ~~~ん……

璃奈「んしょ!」スクッ!

恋「!!」


璃奈「こういうボールを投げてくれるのを、誘ってた……!」

コキン!

137: 名無しで叶える物語(もんじゃ) 2022/03/28(月) 23:15:51.98 ID:DFZlv+rY
サヤ「っ!」バッ

ぽーんっ コロコロ……!

愛「抜けたー!?」

ファール!!ファール!!

愛「ぬぁー!!おっしぃぃぃ!」


アキバレポーター「これぞ正に幻惑打法!置きに来させたボールをフルスイング!サードサヤさんの横を抜けたかと思われましたが惜しくもファール!しかしこれは攻めづらいぞー!」

璃奈「まだまだ」シャガミ

かのん「ううぅ……!(もっとしっかり投げないと打ち返されちゃう!)」ピシュッ

パシッ ボール!2ボール1ストライク!
パシィ ボー!3ボール1ストライク!

千砂都「かのんちゃん打たせよう!私が絶対アウトにするから!」

かのん「うぅ、うん……!!」


アキバレポーター「チーム虹ヶ咲、初回からかのんちゃんにプレッシャーをかけ続けています!なかなかリズムに乗せさせない!これも虹ヶ咲の色濃い個性の賜物かー!」


璃奈「よし…(やるなら、このカウント……)」

138: 名無しで叶える物語(もんじゃ) 2022/03/28(月) 23:31:40.09 ID:DFZlv+rY
恋「かのんさん、置きに来て下さい!内野の皆さんを信じて!」

かのん「ふぅ~~…うん!みんな、お願いね!」

「「「おー!」」」「パァ!」

璃奈「(皆私がさっきみたいにフルスイングすると思ってる)」

璃奈「(イケる……)」スルリ…

サヤ「……!」

サヤ「(右手の握りが緩い……)」

かのん「よい、しょっ!」ピシュッ

ひゅーーーん……


璃奈「…………っ!」バッ

かのれん「!?」
愛「セーフティ!!!」

璃奈「(サードの方に、転がす!)」

ミア「ーーー!!璃奈駄目だ!サードが来てる!!」

璃奈「!?」


サヤ「っ!」ダダダッ!

璃奈「わっ……!」グイッ…!

コツン!コロッ……!

139: 名無しで叶える物語(もんじゃ) 2022/03/28(月) 23:45:38.13 ID:DFZlv+rY
かのん「あっ……!オーライ!オーライ!」タタッ パシッ シュッ

摩央「ナイスフィールディング」パシィ

アウトォ!


アキバレポーター「うおおぉぉ!意表の付き合いはLiella!が制したー!」
アキバレポーター「璃奈ちゃんが完全にノーマークのセーフティバントを仕掛けたかと思いきやサードのサヤさんが猛チャージ!!璃奈ちゃん思わずバットを引くも引ききれず転がった打球はファースト方向へ!かのんちゃんが処理して1アウトォォ!」

璃奈「完璧だと思ったのに。璃奈ちゃんボード『しょぼぼぼーん…』」

サヤ「ふぅ……思わず身体が動いてしまいました」

かのん「サヤさん助かりました!ナイスチャージです!」

サヤ「いえ、寧ろかのん様はマウンドを駆け降りて大丈夫でしたでしょうか?」

かのん「全然平気です!」フゥ、フゥ…!

===

璃奈「ミアちゃんゴメンね。出塁出来なかった……」トボトボ

ミア「気にしなくていい、璃奈。寧ろキミが出来る最大限のプレッシャーを与えられたよ」ニコッ

愛「そうだよりなりー!ファールもセーフティも惜しかった!次の打席も頑張ろう!」

璃奈「うん。ありがとう……」


ミア「さぁここだ!エマ!もう一度キミからチャンスを作るんだ!」

エマ「任せて!よーし、行くよ~~!」


アキバレポーター「序盤からかのんちゃんを攻め続けるも1点が遠いチーム虹ヶ咲!ここで1番エマちゃんに打順が戻ります!」

140: 名無しで叶える物語(もんじゃ) 2022/03/29(火) 00:13:23.18 ID:pRWtSAQj
ミア「(璃奈の頑張りを無駄にはしたくない!)」サイン パパッ

エマ「(初球、ストレート狙い!)」コクリ

ミア「(ここまでのほとんどが初球ストレート。ダッシュで打球を処理した直後、球威が落ちるかもしれない。それを狙うんだ!)」


恋「(……1番のエマさん。思い切りの良い振りをされて先程はいきなり2塁打を浴びてしまいました)」

恋「(それも真ん中に入ったとは言え初見のカーブを。要注意です)」

恋「(身長も高くて長打力もある先頭打者。手足も長くスラッとしなやかです。そんなエマさんを攻めるとすればーーー)」

恋「(インコース。かのんさん、投げ込めますか?)」

かのん「(大丈夫!さっきの璃奈ちゃんに比べたら全然投げやすいよ!)」スッ


かのん「やぁっ!!」ビュッ!

スゥーー…しゅるる…!

エマ「(初球!ストレート!)」ブンッ…!

キィィン……!


アキバレポーター「打ったーー!!……が!!」

千砂都「ほいっ!」パシィ!!

エマ「(でも、インコースは苦手だよぉぉ……!)」


アキバレポーター「ショートライナー!!ちょーーっと窮屈なバッティングでしたでしょうか!金属バットの根本でした!」


ミア「ぐぅ……っっ!!」ギリ…!

侑「惜しい……!」


エマ「うぅ……」トボトボ…タユン、タユン…

恋「……」


恋「(あれだけ大きいと内角は打ちづらいのでしょうか……///)」
恋「(意図せず泣き所を突けたのかもしれませんがとになく)2アウトです!かのんさんこの調子で行きましょう!」

かのん「うん!!」ハァ、フゥ…!

141: 名無しで叶える物語(もんじゃ) 2022/03/29(火) 00:27:58.94 ID:pRWtSAQj
アキバレポーター「さぁかのんちゃん息を弾ませつついよいよリズムに乗ってきたか!このまま初めての3者凡退となるかー!」

かすみ「させませんよー!」

アキバレポーター「そこに立ちはだかるのは2番かすみちゃんだー!」


ミア「……どうしたものか」

侑「どうしたものかって?」

ミア「この回、理想は璃奈とエマのどちらかが出塁。かすみで小技を仕掛けつつせつ菜と愛に回して一気に逆転まで持っていきたかった」

ミア「璃奈の立ち回りは見事だった。その直後エマにストレートを狙わせたのも間違っていなかったハズだ。なのにどうも噛み合わない……」

ミア「結局この回もツーアウトでランナー無しだ。これではあの投手の弱味も攻めきれないだろう」

ミア「それでもツーアウトから愛まで回るようにかすみとせつ菜に打たせるか、それともこの回は捨てて次の回先頭のせつ菜から攻めるか……shit!難解だ!」


かすみ「ん~?ミア子ノーサイン?」

侑「ミアちゃん!かすみちゃんサインを待ってるよ!」

ミア「えぇい、くそっ!何でもいい塁に出るんだかすみ!」

かすみ「えぇ~?いきなり抽象的じゃ~ん!」

ミア「くそ!どうして噛み合わないんだ!ボクのBaseball理論は日本の野球には相性が良くないのか!?」

栞子「ミア……」

142: 名無しで叶える物語(もんじゃ) 2022/03/29(火) 00:37:08.77 ID:pRWtSAQj
侑「かすみちゃん!ツーアウトだけど頑張って!せつ菜ちゃんに回せばきっとチャンスは生まれるよ!」

かすみ「先輩……♡」

侑「チャンスで愛ちゃんに回して逆転のチャンスを作ろう!!」

せつ菜「侑さん…」
愛「ゆうゆ…!」

愛「よーし行けーかすみーん!愛さんまで回せー!」

果林「エラーでも何でもいいわ!出塁よかすみちゃん!」
しずく「かすみさんらしく嫌らしいバッティングだよ!」
彼方「デッドボールでもいいよ~~」
ランジュ「何言ってるの!狙うはホームランよ!!」


かすみ「えぇい!皆して勝手なこと言い過ぎです!かすみんは先輩のために打つのみです!」

かすみ「さぁ来なさい!澁谷かのん!いや、しぶ子!!!!!」


かのん「しぶ子!?私!?」

クゥクゥ「なー!?かのんのこと変な呼び方しないでクダサイー!!」

すみれ「(人のことグソクムシとか言うアンタがゆーなアンタが……)」

143: 名無しで叶える物語(もんじゃ) 2022/03/29(火) 00:48:45.77 ID:pRWtSAQj
アキバレポーター「さぁツーアウトですが応援部長の侑ちゃんの掛け声で虹ヶ咲ベンチは元気一杯です!」

ミア「……」

ミア「(侑の一言でメンバーが活気づいた……)」


かのん「えいっ!!」ビシュッ!

かすみ「くぅっっ!!」ガキィン

ファール!

かのん「ふぅっ!」ビシュッ!!

しゅるるるるるる!

かすみ「きゃあっ!」ブンッ!!

ストライークツー!


侑「かすみちゃん頑張れー!かすみんのステージもっと見てたいYOーー!!!」

かすみ「~~~~っ♡♡」

かすみ「はいっ!まだまだかすみんの2曲目は終わりませんよぉ!」

カキィン!ファール!
ギィン!ファール!
パシィ!ボール!
チッ……!ファール!
バスッ!ボール!

アキバレポーター「んん~~~!かすみちゃん粘ります!次が8球目!」


かのん「(ハンバーグもいい~……)ふぅっ!!!」ビシュッ!!

スゥーー……

かすみ「ストrーーー

しゅるるるるるる!!!!!

かすみ「んなぁっっ!!」ブンッ!

パシィ!!ストライーク!バッターアウト!!チェンジ!


アキバレポーター「しかしかのんちゃんの高速スライダーに空振り三振ー!かのんちゃんはこの試合初めての3者凡退だー!」

144: 名無しで叶える物語(もんじゃ) 2022/03/29(火) 01:15:23.59 ID:pRWtSAQj
かのん「ハァ、ハァ……!よしっ、3者凡退!」グッ!

千砂都「ナイスピッチングかのんちゃん!」
悠奈「パァ~~~!ナイピナイピ!」
クゥクゥ「乗ってきましたね!!」
すみれ「それくらい出来て当然でしょう?でもナイスよかのん!」

かのん「皆ありがとう!」ハァ、フゥ…!

かのん「よーし今度はこっちの攻撃!追加点取るぞー!」オー!


恋「(かのんさん、今の回で大分息があがっています。投球は力強かったですが……)」

恋「(お水を用意して差し上げなくては……!)」タタタ

サヤ「かのん様お疲れ様です。まずは水分補給を」

かのん「あっありがとうございますサヤさん!」

かのん「ーーーんっ、ぷはっ……。ふぅ~~…」

サヤ「この後の補給食も用意してありますが、一先ずこちらのバナナを召し上がっていて下さい」

かのん「ふわぁ、ありがとうございます~!」

クゥクゥ「oh…正に至れり尽くせりデス……」

千砂都「よく知ってるねクゥクゥちゃん」


恋「サヤさん…!ありがとうございます!」

サヤ「いえ、メイドとして当然の働きですお嬢様」

サヤ「さて、かのん様の息が整うよう出来る限り球数を要しつつ、歩夢様のパームボールの見極めをして参ります来ね」スタスタ…

すみれ妹・ありあ「……かっこいい///」


アキバレポーター「さぁ~!3回裏!チームLiella!のラストバッター!謎の美女サヤさんの登場だ~~~!」

153: 名無しで叶える物語(もんじゃ) 2022/03/30(水) 23:37:47.81 ID:FTmr16uw
サヤ「よろしくお願いいたします」ペコリ

せつ菜「よ、よろしくおねがいします!///」ドキッ

せつ菜「(何て凛とした佇まいと落ち着いた表情!ピンと伸びた背筋!間違いありません……この人は!)」

サヤ「…?」


サヤ「(さて、私はあくまでも人数合わせ。華を持つのはお嬢様達です)」

サヤ「(そのためにもこの打席、歩夢様かのパームボールを引き出したい)」

サヤ「(ですので申し訳ありませんがーーー)」


歩夢「えいっ」ピシュ

ふわっ……ククッ…クククッ~~!

サヤ「……はっっ!!」


カキィィイン!!!

あゆせつ「っ!!!」

璃奈「あっ…………」

アキバレポーター「スローカーブ打ったーーーー!!!!!璃奈ちゃんが全く追えない程に飛距離文句なし!!!レフトポール巻くか!?それともーーー!?」


ファーーール!ファーール!!

アキバレポーター「ファールです!!惜しくもファール!!」


サヤ「ふぅ……カーブなら十分運べますね」

サヤ「(さぁ、これで投げざるを得ませんね?見せてくださいパームボール)」

154: 名無しで叶える物語(もんじゃ) 2022/03/30(水) 23:53:18.82 ID:FTmr16uw
かのん「す、凄い……サヤさん……」

クゥクゥ「やはりメイドさんは万能であり最強……」

恋「ふふっサヤさんは凄いんですから!」エヘン

すみれ「もう、恋が得意気にすることじゃないでしょ」クスッ

千砂都「でもでも凄いよ。何かスポーツ経験者なのかなサヤさん?」

恋「どうなのでしょう。あまりそのようなお話は聞いたこと無いのですが、たまに冗談のように『前世では小学生の頃バスケットボールに全力を注いでいたんです♪』と仰ることがありましたね」

すみれ「へぇ、小学生でバスケ。最高じゃない」

すみれ妹「小学生でバスケは最高だからね」

恋「そうなのですか?」

すみれ「そうなのよったらそうなのよ」


歩夢「(き、9番にこんな長打のある人が……どうしようせつ菜ちゃん……)」ジッ

せつ菜「……!」キラキラ

歩夢「(せつ菜ちゃん!?)」


サヤ「(これでカーブは投げづらく、ストレートとパームの組み合わせで攻めざるを得ない筈。投げて貰いますよ?パームボール)」

せつ菜「(はい!メイドさん!受けて立ちます!!)」

サヤ「!?」


サヤ「(今のは……)」

せつ菜「(メイドさん!サヤさんはメイドさんなんですよね!?その美しい佇まいと何事も余裕でこなす万能戦士の風格!!正にメイドさんそのものです!くぅ~~!萌えます!!ロマンです!!)」

サヤ「(……まさかモノローグに介入されてしまうとは思いませんでした)」

せつ菜「(申し訳ありません!本物のメイドさんとこうして接することが出来るなんて初めての機会ですので!!まるで小説に登場するかのようなメイドさん……!好きです!好きなんです!)」キラキラ

サヤ「(ふふっ、貴女の好きと言う想いの力は相当なものとお見受けしました)」

せつ菜「(恐縮です!!)」

サヤ「(折角なので直接要望いたしましょうか。是非歩夢様のパームボールを見せて頂きたいです)」

せつ菜「(いいですよ!ですが、歩夢さんのぽーむをそう簡単に打てるとは思わないで下さいね!あの球は歩夢さんの努力の結晶なんですから!)」

サヤ「(ほぅ…)」


せつ菜「(そうです。あれは、試合の開催が決まったすぐのことでしたーーー)」

サヤ「(……あら?回想に入られるのですか?スポーツ物における回想はあまり歓迎されるものではありませんが……)」

せつ菜「(簡潔明瞭にしますので!)」

157: 名無しで叶える物語(もんじゃ) 2022/03/31(木) 00:28:09.00 ID:bUSQ318n
ーーー

ーー



虹ヶ咲学園 グラウンド

ミア「よしOKだ!ピッチングを見る限りピッチャーが出来そうなのは愛、ランジュ、栞子、あとせつ菜も行けそうだな」

愛「任せておいてよ!」

ランジュ「愛とのダブルエースで2試合とも完封よ!」

ミア「完封完投はともかくとして、ピッチャーが多いことに越したことはない。それだけで人数の多い虹ヶ咲の強みを活かせるからね」

ミア「それじゃ今の4人は別メニューでピッチャーの練習をーーー」

栞子「ミア、いいでしょうか」

ミア「ん?何だい栞子?」

栞子「もう1人、投手の適性がある人が居ます。歩夢さんです」

ミア「what!?」

歩夢「え、わ、私!?」


かすみ「え~しお子~どういうことですか~?歩夢先輩は何とかホームベースに届いた山なりボールでしたよぉ?」

璃奈「かすみちゃんはワンバウンドで凄いボール球だった」

かすみ「りな子だってそうじゃーん」

璃奈「そんなことない。璃奈ちゃんボード『アンチ乙。私はベースの上は通せていたから』」

かすりな「むむ~」

しずく「まぁまぁ、2人ともボール球なことには変わりないんだし……」

かすみ「ミア子の遥か頭上に放り投げて金網ガシャーンしたしず子は黙ってて!」

しずく「はぅぅっ……!」ガビーン


ミア「……あの子犬ちゃん達は置いておいて、栞子。歩夢にピッチャーの適性があると言える理由を教えて貰えるかな?」

160: 名無しで叶える物語(もんじゃ) 2022/03/31(木) 00:43:48.85 ID:bUSQ318n
栞子「はい。まず先程歩夢さんが投じた数球のボール」

栞子「歩夢さんは今初めて野球のボールをマウンドから投じられましたね?」

歩夢「うん…」

栞子「それが全球きちんとストライクゾーンに収まったこと。それだけで歩夢さんの制球力に可能性を感じました」

侑「うんうん!いきなりストライクに投げられるなんて歩夢凄いよ」

歩夢「えへへ…///」

栞子「歩夢さんは何か野球やソフトボールに慣れ親しむ機会があったのでしょうか?」

歩夢「うーん。体育の授業でソフトボールをやるってことも無かったし……あっ」

栞子「?」

歩夢「もしかしたら野球のゲームをやったことがあるから何となく雰囲気を掴めてたのかも!」

栞子「野球ゲームですか…!確かにイメージを掴むことには役立っているのかもしれません!」

璃奈「ゲーム……歩夢さん、因みにどんなタイトルのゲームなのか分かる?」


歩夢「えーーーっと…うーーんと……あっ思い出した」

歩夢「確か『メジ○ーWii パーフェ○トクローザー』ってタイトルだったよ♪」

璃奈「」

璃奈「……あ、あのバグだらけのク○ゲー……」

161: 名無しで叶える物語(もんじゃ) 2022/03/31(木) 00:56:52.04 ID:bUSQ318n
栞子「……?○ソゲーと言うのがどのような意味かは分かりかねますが、歩夢さんの投手適性はそれだけではありません」

栞子「何事にもコツコツ取り組み、自分のペースで目標を達成していくことの出来る性格」

栞子「何十、何百球にも渡りボールを投げ、1球1球制球出来なければ試合は成り立ちません。歩夢さんはそう言った先発投手としての適性を性格上も持ち合わせているのです」

ミア「ふむ……成程。確かに一理ある」

ミア「だけど試合の日まであと3週間しか無いこの状況で歩夢がピッチャーとして大成出来るだろうか?」

栞子「私は可能性を感じます。3週間しか無いのではなく3週間もあるのですから」

ミア「um……Baseballはある意味フィジカルと才能のスポーツ。才能のあるヤツは短期間である程度のレベルまでなら一気に上達するのがBaseballの面白さだ」

ミア「よし!歩夢、キミもピッチャー組として練習をしてみよう」

歩夢「え、えっと……いいのかな……?」

ミア「勿論だ。メジャーではショートが華のポジションと言う風潮もあるけど、やっぱりボールに一番長く触れているピッチャーこそゲームの主役でありセンターさ」

ミア「どうだい?1人1人がソロでパフォーマンスを行い全員がセンターである虹ヶ咲でアイドルをする歩夢なら、やってみたくなるだろう?」

歩夢「……」

侑「歩夢、やってみなよ!私歩夢が格好良く投手やるところ見てみたいよ!」

歩夢「侑ちゃん……うん……!」


歩夢「私、やってみるよ!」

162: 名無しで叶える物語(もんじゃ) 2022/03/31(木) 01:09:10.55 ID:bUSQ318n
~~~

侑「それじゃ今日の練習はここまで!皆お疲れ様~!」

彼方「皆、今日までありがとね。彼方ちゃんはここまでだ。後はよろしく……」パタム

エマ「彼方ちゃ~ん!し、しっかりしてぇぇ!」

果林「野球ってアイドルとはまた違ったキツさがあるわね……太ももと上腕がパンパンだわ……」

せつ菜「はい……!ですがこれは身体が引き締まること間違いなしです!」

かすみ「どうでしょうかね……かすみん達こんなに練習しちゃってムキムキマッチョになってしまわないか不安です……」

ランジュ「ランジュは構わないわ!筋肉がつけばより力強いパフォーマンスが出来るもの!」

かすみ「かすみんの可愛さに必要以上の筋肉はいりませーーんーー!」

侑「あはは!皆お喋りもいいけど早く着替えようね!汗びっしょりだし風邪ひかないように気をつけよう!」ハーイ

===

侑「ーーーよし、後片付けと軽いボール磨き完了。私に出来るのはこれくらいだからなぁ」

侑「そろそろ皆も帰り支度済んだ頃かな?歩夢はーーー」

ピシュ ポーン パシッ

侑「……ん?」


歩夢「はぁ、はぁ……もう1球……!」

ピシュ ポーン パシッ

歩夢「ふぅ、はぁ…」

侑「あ、歩夢!」


歩夢「…あ、侑ちゃん」

侑「まだ練習あがってなかったの!?」

163: 名無しで叶える物語(もんじゃ) 2022/03/31(木) 01:22:58.56 ID:bUSQ318n
歩夢「えへへ……」

侑「(壁に当てての投げ込み……壁にボールの跡があんなに沢山ついてる……)」


歩夢「あのね!今日だけで結構思った所に投げられるようになったんだよ!」

歩夢「それと愛ちゃんに教えて貰ったカーブ、スピードは遅いけどちゃんと曲げられたんだ!」

侑「そうなんだ……!凄いよ歩夢!」

歩夢「えへへ♡」

侑「私に捕らせてよ!歩夢の投げる球捕ってみたい!」

歩夢「えぇ!駄目だよもう暗いもん!」

侑「え~!自分はその暗い中練習してるのに!」

歩夢「私は愛ちゃんやランジュちゃん達に追いつかなきゃいけないからいけないもん。だからいいの♪」

侑「むむむ…」

歩夢「ふふっ♡」


侑「……歩夢。投手の練習楽しそう」

歩夢「えっ。あ、うん。実は、結構……///」

侑「ふふっ、そっか」

侑「怪我だけはしないように。無理しすぎちゃ駄目だよ?」

歩夢「はぁい」

侑「でも頑張れ!私、歩夢が凄い投手になれるんじゃないかって思えてきたよ!」

歩夢「うん!私頑張るよ!」

164: 名無しで叶える物語(もんじゃ) 2022/03/31(木) 01:35:35.63 ID:bUSQ318n
ーーー

ーー



せつ菜「(こうして今日までコツコツ練習を重ねてきた歩夢さん)」

せつ菜「(その中で磨き上げられたスローカーブとチェンジアップ。そしてーーー!)」

せつ菜「(歩夢さんが編み出した、ストレートと見分けがつかないこのパームボールこそが!)」

せつ菜「(歩夢さんの必殺魔球『ぽーむ』なんです!!)」


歩夢「やぁ!」ポムッ

ひゅーーーーん……

サヤ「(ボールの出所、腕の振り、回転、回転数……!)」

サヤ「(確かにストレートと見分けがつきません!!!)」

ブンッッ!チッッ!! ファール!!


アキバレポーター「サヤさん粘る粘る粘るー!!ストレートとパームを投げ分け操る歩夢ちゃんに対して何とか懸命にファールで食らいついています!次がなんと10球目!!」


歩夢「ふぅ……!」

せつ菜「歩夢さん惜しいです!ですが良いですよ!押せています!さらに低く際どい所に攻めていきましょう!」

歩夢「うん!」

侑「歩夢ー!頑張れー!」
愛「ここまで来たら三振だー!勿論打たせてもいいよー!後ろには愛さんが居るよー!」
果林「歩夢、そろそろ決めちゃいなさい!」


アキバレポーター「さぁ10球目!カウント2ボール2ストライク!!」

歩夢「えいっっ!」ポムッ

ひゅーーーーーん…!

サヤ「(低い……!ですがストレートなら低め一杯に決まるコース!見送れません!)」

すぅっ……!

サヤ「ーーーくっ!(沈……!!!)」

165: 名無しで叶える物語(もんじゃ) 2022/03/31(木) 01:54:37.80 ID:bUSQ318n
キィィン…!ぼこんっ!!

アキバレポーター「サヤさん叩きつける格好になった!打球は大きく跳ねて歩夢ちゃんの頭を越えるー!」

愛「いいいっよっしゃあああああ!見せ場ああああああ!!!」ダダダダッ!!!

サヤ「ーーーっ!」タタタッ!

恋「サヤさん!走って!!」
すみれ「面白い打球になったわ!!」
千砂都「内野安打に出来るーはしれぇぇ!!」
悠奈「パァーーーッ!!」


トッ…パシッ!!!

愛「っ…つりゃぁああ!!」ビシュッ!!!

果林「ふっ!!」

スパァァン!!
ダンッ!!

…!アウト!アウトォォォ!!!!

サヤ「く……!」
かのん「うわ、ぁ…………!」


アキバレポーター「アウト!アウトォォ!!ショート愛ちゃんのスーパープレイが飛び出したー!リプレイを見ましょー!!」

アキバレポーター「低めのボール球に手を出さざるを得なかったサヤさん!寧ろギリギリまでストレートとして対応しつつ沈んだ瞬間スイングの軌道を変えて何とか喰らいついていますね!お見事!!」

アキバレポーター「そして大きく跳ね上がった打球に一直線に向かう愛ちゃん!ショートバウンドの難しい打球を捕球!そして瞬時に一塁へ送球!!これまたお見事過ぎます!プロ野球でよく見る渋くも格好良い超ビッグプレーですよこれはぁぁ~~~!!!」


サヤ「はぁ、ふぅ……申し訳ありません。出塁することが出来ませんでした」

恋「サヤさんそんな……凄かったです」

すみれ「緊迫感あったわね……」

かのん「うん……うん……!!」


かのん「凄いな、歩夢さん……あんなボール投げられて」ドキドキ…ドクンドクン…

かのん「私も、負けられない……!」ワクワク…!

167: 名無しで叶える物語(もんじゃ) 2022/03/31(木) 02:17:01.43 ID:bUSQ318n
===

ミア「OK歩夢!ナイスピッチングだ!」

侑「やったやった!!」

ランジュ「初球は危なかったけど強打者のラストバッターを抑えたわ!」

栞子「1番打者に戻ります。歩夢さんっ気を抜かずに!」


歩夢「うん!」ニコッ


アキバレポーター「マウンド上で笑みを浮かべる歩夢ちゃん!エースの風格すら漂っています!」
アキバレポーター「立ち上がりに先制点こそ許してはいますがそれもゲッツー崩れ!3番摩央ちゃん以降はヒットを許していません!ここからどこまで行けるのかー!?」

ミア「そうだ……先制点を取られこそしているが歩夢は理想的な自分のペースに持ち込めているんだ。まだまだここからだ……!」

ミア「さぁトップバッターだ!さっきの借りを返してやれ!」


せつ菜「(そうです!ここからはヒットすら許しませんよ!)」

千砂都「(ふふふ~そうは行かないよ!借りを返すのはこっちの台詞だ!)」

せつ菜「(!?)」

せつ菜「(あなたも脳内に!)」

千砂都「(ん!?何だろ!?今せつ菜ちゃんとお話出来ちゃってる!?)」


せつ菜「(成程……あなたも相当な大好きの使い手のようですね…!)」

千砂都「(何のことかは分からないけど、そうだね。私は大好きなかのんちゃんのために打って走って守る!それだけだよ!)」

せつ菜「(いいでしょう!受けて立ちます!!!)」


===

ミア「……ん?ところでこの機械のような箱は何だい?」

侑「あれ、何だろう?さっき璃奈ちゃんが取り出していたようだけど」

ランジュ「何だか"テレテレパシーボックス"って言っていたわよ。特殊な磁気を発して何も言わなくても考えてることが分かる機械なんですって」

ランジュ「『これを使えばサインを使わなくてもより正確に作戦を伝達出来たりバッテリー間のリードが出来る。上手く使えば相手チームの作戦もお見通しなんてことも出来るかも。璃奈ちゃんボード『やるわけないやろ、ボケ!』なんてね』って言ってたわ!」

ミア「り、璃奈……何てものを!本当にそんな機能のあるマシーンを置いていたらまた注意を受けてしまいかねないじゃないか!スイッチは!?OFFにしておくんだ!」

侑「あはは……」

168: 名無しで叶える物語(もんじゃ) 2022/03/31(木) 02:30:44.49 ID:bUSQ318n
ランジュ「大丈夫よ!まだ試作品段階で交信し合う相手の指定も出来ないみたいなんですって!効果のサンプルを取りたいそうだし璃奈が戻ってくるまで触れないでおきましょ!」

ミア「ummm…………」頭を抱える

栞子「もしかしたらこの野球大会を一番有意義に使おうとしているのは璃奈さんなのかもしれませんね……」

侑「あっははは……」

===

千砂都「(絶対出塁するよ!かのんちゃんがあれだけ頑張ってるんだから!)」

せつ菜「(それは歩夢さんだって同じです!肩の温まってきた歩夢さんの球はそう簡単には打たれません!)」

千砂都「(それでも負けない!かのんちゃんだって、今日のためにすっごく努力してきたんだから!!!)」


千砂都「(すごく、すごく……頑張ってきたんだから……!)」

せつ菜「(ハッ……!今度はLiella!の回想ですか!)」

サヤ「(ことあるごとに回想ばかりして間延びさせるスポーツ作品は読者に不快感を与えますから手短にしないといけませんよ?)」

千砂都「(はーい!)」

ーーー

ーー


179: 名無しで叶える物語(もんじゃ) 2022/04/01(金) 20:30:01.74 ID:Swsm9u0d
野球大会が決まった日の結ヶ丘への帰り道

かのん「はぁぁ~~……どうしよう……」トボトボ

すみれ「どうするも何も最低4人。助っ人見つけて練習を始めるしかないでしょ?」

恋「そうですね。大変だとは思いますが大きなドーム会場でライブを披露出来る機会が舞い込んできたのです。頑張りましょうかのんさん!」

かのん「う~~~……」

クゥクゥ「かのんしっかりしてください!試合までの時間は限られているんですよ!」

クゥクゥ「こういう時は役割分担デス!5人でやるべきことをどんどん進めていきましょう!」

すみれ「良いこと言うじゃない。クゥクゥの言う通りよ。腹括ってやってやるのよ!」

千砂都「かのんちゃん頑張ろ!」

かのん「うん……うん!がんばろう…!」ノ√cั>’-<)、


クゥクゥ「それではまずレンレン!練習場所の確保をお願いします!運動部の皆さんからグラウンド使用の許可を!」

恋「はい!上手く調整して貰えたり使用させて貰えるよう便宜を図ります!」

クゥクゥ「千砂都は練習道具の用意をお願いします!」

千砂都「オッケー!究極のボールを用意してくるよ!」

すみれ「究極のボールとは」

クゥクゥ「そしてかのん!かのんは人気者です!助っ人集めはかのんにお願いします!」

かのん「う、うん…当たってみる……けど、一緒に1日野球の試合に付き合ってくれる人なんて見つかるかなぁ……」

クゥクゥ「そこはかのんとすみれが頑張るのみです!」

すみれ「しれっと私も助っ人探しチームな訳ね。それでクゥクゥは何をするのよ?」

クゥクゥ「ククは当然試合で着るユニフォームを今から全力で作りマス!!!」

すみれ「なるほど……まぁ衣装に関しては信頼してるわ」

クゥクゥ「ふふん!Aqoursや虹ヶ咲には負けませんヨー!!」

===

内浦

ルビィ・曜「うおおおおおお!!」

虹ヶ咲学園

侑「本当にありがとう!よろしくね!」

服飾同好会「任せて!野球のユニフォーム作りなんて初めて!面白そう♪」

180: 名無しで叶える物語(もんじゃ) 2022/04/01(金) 20:50:10.82 ID:Swsm9u0d
~~~

「えぇっ!?野球!?」
「プロ野球選手がプレーするような球場で野球大会……それは流石に……」
「運動は力になれそうにないよぉ…ゴメンね……」
「私野球は嫌いなの!野球やってる人の4割はクソ野郎よ!畜生なんだよ!!」


かのん「う゛ーーーん……」

すみれ「ま、難しいわよね」

かのん「どうしよ゛うすみれちゃん!?」エーン!

すみれ「泣くんじゃないわよ!とにかく粘り強く勧誘するしかないわ」

かのん「うん……。どこか、どこかに身体動かすの得意で野球の試合に付き合ってくれるような人……」


悠奈「あ、かのんちゃん!ちょっと久しぶり~!」ノシ

摩央「こんにちは」


かのん「あ」

悠奈「イベント出演でこっちに来てたんだぁ!でも会えるとは思ってなかったから嬉しいーーー」

かのん「確保ォォォォ!!!!!!」ガバァッ!

すみれ「合点!!」シュババ!

悠奈「パァーーーー?!!!?」

~~~

悠奈「なるほどなるほど」

かのん「突然のお願いになってしまうんですがこの通りお願いします~~!!」

すみれ「お願い出来ないかしら……?」

悠奈「……」ニコッ

摩央「えぇ」コクリ

摩央「試合後にはライブ披露が出来るとのことだけど、それは私達もOKなのかしら?」

かのん「え、えっ…それって?!」

悠奈「勿論協力するよ!面白そう!」

かのん「う゛えええぇぇん!悠奈さん摩央さんありがとうございますぅぅ!!」

すみれ「助かります……!それに東京代表のサニパが助っ人だからってライブ披露出来ないなんて絶対言わせないわ!」

摩央「フフ。ありがとう」

181: 名無しで叶える物語(もんじゃ) 2022/04/01(金) 21:08:27.48 ID:Swsm9u0d
かのん「ハッ!そう言えばさっき侑さんから連絡が来たんだけど、優勝チームには披露する曲数が増える特典があるんだって!」

すみれ「あら、そんなの願ったり叶ったりじゃない!」

悠奈「パァ~~ッ!それなら目指すは優勝だね!!摩央!早速野球の練習だ!」

摩央「えぇ。きちんと力になれるよう仕上げましょう」

かのん「うぅ……心強いです……!」

悠奈「えへへ!任せておいてよ!」

~~~

悠奈「それじゃまた3週間後に~!ポジジョンはどこでもオッケーだよー!」ノシ

摩央「必ず勝ちましょう」

かのん「はーい!よろしくお願いしまーす!」

すみれ「これで最低あと2人ね」

かのん「うん……!」


恋「あっ!かのんさんすみれさん!」タッタッタッ

かのん「恋ちゃん!どうしたの?」

恋「聞いて下さい!サヤさんが助太刀して下さるそうです!」

すみれ「恋の家のメイドさんが!?」

恋「はい!頭数合わせ程度ならと仰って下さって!」

かのん「やったやった!これであと1人!!」


かのすみ「…………あと1人か」

~~~

かのん「お願いありあ~~~!!!日給6千円出すからぁぁ!!」ドゲザ

ありあ「お姉ちゃんにしては最大級の条件なんだろうけど絶妙に安い」

かのん「そこをどうにかぁぁぁ!!」ヴェェェェン!!

ありあ「…………はぁ」


すみれ「あ、あのさ。プロ野球の試合見に行く気は無いかしら?」

すみれ妹「えぇっ?!唐突に何!?」

すみれ「んんっ……えっと……」

すみれ妹「……ホントのことを言って」

すみれ「はぁ~い……」

182: 名無しで叶える物語(もんじゃ) 2022/04/01(金) 21:34:47.70 ID:Swsm9u0d
翌日 結ヶ丘高校グラウンド

千砂都「よし!アップにキャッチボールも終わったことだし本格的な練習を始めよっか!」オー!

すみれ「やっぱりまずはポジションを決めてノックかしら?」

千砂都「そうだね!それぞれの動きとかも1から勉強だから早めにポジションを決めるのが先決かも!」

かのん「ポジションかぁ。それこそ誰がピッチャーやるかも問題だよね……」


千砂都「ピッチャーはかのんちゃんだよ?」


かのん「…えぇぇえ゛ぇぇっ!!?」

すみれ「ちょ、かのんがピッチャーってどうなのよ?豆腐メンタルに務まるもの?」

かのん「なぁっ!?すみれちゃん酷い!誰が豆腐ハンバーグさぁ!!」

すみれ「言ってない言ってない」


恋「千砂都さん。かのんさんが投手と言うのは何か理由があるのですか?」

千砂都「うん。今皆とキャッチボールして、かのんちゃんしか居ないって思った」

恋「成程、千砂都さんが皆さんと代わる代わるボールを受けていたのは試験のようなものだったのですね!」

クゥクゥ「オォ……千砂都に審判されたと思うと説得力がありますね……!」

すみれ「でもそれだけじゃ納得出来ないわ!私の方が遠くまで投げられてたし速い球投げられるわよ!」


千砂都「ん~~~。それじゃ2人ともクゥクゥちゃん相手に投げてみてよ!クゥクゥちゃんバット持ってバッティング準備!」

クゥクゥ「アェ!?わ、わかりましたっ」

183: 名無しで叶える物語(もんじゃ) 2022/04/01(金) 21:45:47.56 ID:Swsm9u0d
すみれ「ちょ、クゥクゥじゃ相手にならないんじゃない……?」

千砂都「クゥクゥちゃんは運動苦手だけどパワーが全く無いわけじゃないから当たれば外野まで十分飛ばせると思うんだ」

千砂都「"当たれば"ね」ニコッ

すみれ「ふ~~~ん。いいわ。まず私が投げる!」


クゥクゥ「えいっ!えいっ!」フルンッフルンッ

クゥクゥ「千砂都~~~ククは準備完了デスよ~~」

千砂都「よしっ!私もマスクだけ被って、と。早速やってみよう!」


すみれ「行くわよクゥクゥ!」ガバァッ

クゥクゥ「来るがいいデス!ヘアカラーだけメジャーリーガー!!」

すみれ「こん、の…………!!!」ビュッ!!

ヒュルルルルルル……!!!

クゥクゥ「やぁーーー!!!」

ぶるん!パシッ!

クゥクゥ「あぅ!」

すみれ「へへーん!どう?空振りよ!」

千砂都「うん。高めに外れたボール球だもん当たり前だよ」

すみれ「なっ…!」

千砂都「ノーボール1ストライク!クゥクゥちゃん、この辺りがストライクゾーンだからこの辺に来た球だけを打つんだよ」

クゥクゥ「ナルホド。わかりました!」


すみれ「クゥクゥに私のボールが打てるとは思えない…わ!!」ビュッ!!

ヒュルルルルル……!!!

クゥクゥ「(……ストライクゾーン!!)」


カコン!!

184: 名無しで叶える物語(もんじゃ) 2022/04/01(金) 21:57:50.96 ID:Swsm9u0d
すみれ「ギャラッ!!?」

ひゅーーん…ぽーーん!

クゥクゥ「わ、わ……!打てました!」

恋「クゥクゥさん凄いです!外野まで飛びました!」

かのん「すごい!レフト前ヒットだ!」


すみれ「う、嘘……」ガーン

千砂都「よし、それじゃ次はかのんちゃん!」

かのん「あっ、そっか……。うぅ~自信無いよぉ」

千砂都「大丈夫大丈夫!さっきのキャッチボールより少し強めに投げる感覚で投げてみてよ!」

かのん「う、うん!」


かのん「それじゃ行くよクゥクゥちゃん、ちぃちゃん!」

クゥクゥ「ばっちこーいデス!」

すみれ「ばっちこいはクゥクゥの言う台詞じゃないわよ」


かのん「よい、せっ!!」ピシュ

スゥーーー……

クゥクゥ「(すみれよりは遅ーーー)」

シュルルルル……!

クゥクゥ「ほぇっ!?」

パシィ!ぶるん!

千砂都「すとらいーく!」

185: 名無しで叶える物語(もんじゃ) 2022/04/01(金) 22:11:51.45 ID:Swsm9u0d
すみれ「コラクゥクゥ!かのん相手の時だけ下手になるんじゃないわよ!捕ってから振ってるじゃないの!」

クゥクゥ「うるさいデス!別に手抜きなんてしてません!」

千砂都「よーし2球目!」

かのん「(今と同じようにストライクゾーンに……!)」ピシュ

スゥーーー……シュルルルル!!

クゥクゥ「…っ!」フルン!

パシイッ

クゥクゥ「アェ?アェ~?」

恋「またも振り遅れて空振りです!」

すみれ「……」


かのん「(縫い目にちゃんと指をかけると投げやすくてコントロールもつく……よし、もう一回!)」スッ

かのん「えいっ!」ピシュッ!

スゥーーーー……

クゥクゥ「(まだかのんの手元を離れただけーーー)」

シュルルルル!!!

クゥクゥ「(と思ったらもう目の前に来てるんデス!!)」フルンッ!

パシッ!

千砂都「ストラーイク!バッターアウト!」

恋「空振り三振…!」

186: 名無しで叶える物語(もんじゃ) 2022/04/01(金) 23:07:30.75 ID:Swsm9u0d
クゥクゥ「あぅ……」

クゥクゥ「全然タイミングが合わせられませんでした」

千砂都「うんうん!やっぱり見込み通りだよ♪」

すみれ「……」ザッ

クゥクゥ「ん、しゅみれ…」

すみれ「クゥクゥ交代。私がバッターやるわ」

かのん「すみれちゃんもやるの!?」

すみれ「当たり前よ。納得出来ないもの。さぁ来なさい!」

恋「真剣勝負の様相です……かのんさんもすみれさんも頑張って下さい!」


すみれ「どうせ勝負するならやる気が出るように賭けましょう。負けた方はジュース奢りね!」

かのん「えぇっ?!」

千砂都「おぉいいねぇ。私も乗った!すみれちゃんがかのんちゃんの球を打てたら私が奢ってあげよう!」

かのん「えぇぇっ!?」

千砂都「さぁかのんちゃん!ちぃのお財布を守って貰おう!」

かのん「ううぅ……!それじゃ行くよ……!」ガバッ ビュッ!


スゥーーー……

すみれ「(何よ!この位のスピードならーーー)」

シュルルル!!

すみれ「んっ!?」

ブンッ!!パシッ!

千砂都「すとらーっく♪」

187: 寝落ち(もんじゃ) 2022/04/02(土) 03:42:24.70 ID:71qgyegR
クゥクゥ「今のデス!今みたいにかのんの球は気付いたら手元に来ていて打ちづらいんです!」

恋「実際の球速よりも速く見えると言うことでしょうか?」

千砂都「そういうこと!指がボールの山にしっかり掛かってて回転の強いノビる球が来てるんだ!」

かのん「(よく分かんないけどそうなんだ……)」

すみれ「……」


千砂都「よしどんどん行こう!」バシバシ

かのん「えいっ」

すみれ「ーーーたぁっ!!」

チッ……!!ガシャンッ

かのん「わっ……!」ビクッ


千砂都「おおっ、すみれちゃんもやるねぇ!2球目でアジャストさせるなんて」

すみれ「駄目よ。全然ボールの下に当たっちゃったわ」

すみれ「(でもまだ認めないったら認めない!ちゃんと当たれば飛ぶハズよ!)」ギュッ

千砂都「ノーボール2ストライク!」


かのん「ふぅ……」ドキドキ

かのん「……えいっっ!!」ビシュッ!

スゥーーーー…………シュルルルル!!!

すみれ「ーーーっ!!!」

ブンッ!!!スパァン!!!


恋「あっ……!」
クゥクゥ「ほわぁ……!」
千砂都「っ……!ナイスボールかのんちゃん!!」

かのん「……や、やったぁ!三振だぁ!」

188: 名無しで叶える物語(もんじゃ) 2022/04/02(土) 04:20:34.88 ID:71qgyegR
千砂都「かのんちゃん最後思い切り投げたでしょ!凄いノビだったよ!」

かのん「えっ!?あ、あはは~……」

千砂都「あははっ!それで、どう?すみれちゃん?」

千砂都「ピッチャーに必要なボールがどんなものか、分かったんじゃないかな?」


すみれ「……くぅ~~~~~!ジュース買ってくる!!」タッ

かのん「あっ…!い、いいよすみれちゃん!」

すみれ「私が言い出したんだからいいの!」タタタッ


クゥクゥ「…………むぅ。ククも一緒に飲み物買います!」タタッ

すみれ「なぁっ…!クゥクゥには奢らないわよ!?」

クゥクゥ「なぁ~!?ククはそんないやしんぼではありません!自分の分は自分で買います!!」

ギャーギャー


千砂都「あはは。ちょっと煽り過ぎて意地悪になっちゃったかな。反省反省」

恋「そうですね…ですが勝負事に勝敗は付き物ですから。それにしてもかのんさんの投げる球、お見事でした。特に最後の球は横から見ていてもとても迫力を感じましたよ!」

かのん「自分ではよく分からないけど……何だろ……」トクントクン

かのん「クゥクゥちゃんとすみれちゃんに投げて、ちょっと…楽しかったかも」ドキドキ

千砂都「……ふふっ」ニコッ


千砂都「ピッチャーの投げる球はただ速ければいいってものじゃないんだ。ボールに思い切りスピンをかけて投げ込める繊細な指遣いや腕の使い方」

千砂都「これは丸が大好きな私でも出来ないこと。一種の才能だよ」

千砂都「だから自信を持ってかのんちゃん!かのんちゃんにはピッチャーの才能がある!練習すればもっと磨きがかかるよ!きっと!」

恋「素敵な歌声だけでなく投手の才能まで持っているなんて……!ふふっ、人の才能と言うのはどこにどんなものが眠っているか分からないものですね♪」

かのん「うん……///」


かのん「わ、分かったよ。私ピッチャーやってみる……!!!」グッ!

189: 名無しで叶える物語(もんじゃ) 2022/04/02(土) 04:48:04.02 ID:71qgyegR
===

すみれ「……」

チャリン チャリン ポチッ
ガコン ヒョイ

すみれ「……」

ポチッ ガコン ヒョイ

クゥクゥ「かのんに負けて悔しいですか?」

すみれ「……そうね」

すみれ「三振したのも悔しいけど、それ以上に」

すみれ「私は野球でも一番目立つ場所に立つ格が無いんだなって。それが一番悔しいわ」

クゥクゥ「……」


すみれ「ま、勝負してよかったわ。納得出来た。私はかのんの後ろを守ってLiella!を勝利に導くわ」

クゥクゥ「そういうことです」

すみれ「ん?」

クゥクゥ「クク昨日野球についてちょっと勉強しました」

クゥクゥ「確かに凄いピッチャーが1人居るだけでチームに大きな力の差が生まれるスポーツだと思います」

クゥクゥ「ですがいくらピッチャーが相手を0点に抑えてもこちらが点を取れなければ永遠に勝てません」

クゥクゥ「ククは昨日、ムエンゴと言う恐ろしい言葉を知りました……」

クゥクゥ「チームを勝たせる打つ人、守る人も必要なのです。1人1人が大切デス」

すみれ「……そうね」

クゥクゥ「ですから悔しがってる時間なんて無いのです!練習して勝利を目指しましょう!」

すみれ「えぇ!」ヒョイ

クゥクゥ「ほわ?!これは?」

すみれ「クゥクゥにも奢ってあげるわ。励ましてくれたお礼♪」

クゥクゥ「なー!?ですから自分の分は自分で買うって言いましたー!!」

194: 名無しで叶える物語(もんじゃ) 2022/04/03(日) 00:59:46.21 ID:4dZtVPwS
~~~

クゥクゥ「ただいまデース」テクテク

すみれ「ただいま」

千砂都「あっ…」


千砂都「すみれちゃん。さっきはゴメンね」ペコ

すみれ「ん?」

千砂都「その、ちょっと煽りが過ぎたと言うか……」

すみれ「ふふっ、別に気にしてないわ」

クゥクゥ「嘘です凄く悔しがってマシtーーー」

すみれ「コラ。奢った飲み物返しなさい」

クゥクゥ「驳回(断る)!返しませーん!」

すみれ「全く……。情報漏洩マウスはかのんだけで十分よ」

かのん「情報漏洩マウス!?」ゴーン


すみれ「それで?ピッチャーはかのんとして私達はどこを守るのよ?」

千砂都「そうだねぇーーー」


~~~

千砂都「ーーーって感じはどうかな?」

すみれ「私をセンターに置くと言うのは皮肉かしら?」ニコー…

千砂都「違う違う!ゴメンってばぁ!」

すみれ「冗談よ。寧ろ任せなさい」フフッ

恋「あ、あのっ!すみれさんは強肩を活かすと言うことで外野。それは分かります!」

恋「それよりもわたくしが捕手と言うのは……!?千砂都さんどういう理由なのでしょうか?」

196: 名無しで叶える物語(もんじゃ) 2022/04/03(日) 10:40:54.50 ID:4dZtVPwS
千砂都「……」

恋「……?」

千砂都「本音を言えばやっぱりかのんちゃんとバッテリー組みたいよ。絶対楽しいもん」

千砂都「でもサニパの2人も協力してくれることになって、目標が優勝に変わった」

千砂都「勝ちに拘るなら、恋ちゃんにかのんちゃんのボールを受けて貰って私はその後ろを守る」

千砂都「それが一番良いと思ったんだ」


千砂都「私はやっぱり、かのんちゃんの背中を見て、かのんちゃんのために動くのが一番頑張れるから……!」

かのん「ちぃちゃん……」


千砂都「それにね、恋ちゃん。ちょっと…」チョイチョイ

恋「?」トコトコ

千砂都「かのんちゃん、結構ネガティブな所あるでしょ?」ヒソヒソ

恋「そうですね」

千砂都「これは漫画の受け売りなんだけど、プラス思考とマイナス思考の両極があるから投手と捕手をバッテリーって呼ぶんだって」ヒソヒソ

恋「つまり…」

千砂都「うん。マイナス思考になりがちなかのんちゃんを恋ちゃんのプラス思考で引っ張ってあげて欲しいの」ヒソヒソ

恋「わたくし、プラス思考でしょうか?」

千砂都「うーん。プラス思考と言うより、天然さん?」

恋「天然?天然と言うのは……?ポジティブな考えのことを天然と呼んだりするのですか?」

千砂都「うんうん。そういう所だよ」クスクス

恋「???」

197: 名無しで叶える物語(もんじゃ) 2022/04/03(日) 10:58:42.71 ID:4dZtVPwS
千砂都「それに私も恋ちゃんも踊りが得意だけど、私は内野、恋ちゃんはキャッチャーの動きに活かせると思うんだ」

恋「そうなのですか?」

千砂都「うんっ。内野手は一歩目の動き出しやここ一番の踏ん張りが大切だし、キャッチャーは点を防ぐ最後の砦。強い体幹と柔軟な動き両方が必要なんだ!」

クゥクゥ「ふむむ。千砂都が何を言ってるのか何となくしか分かりませんが何となく説得力を感じられます……!」

かのん「う、うん……!」


千砂都「勿論私もキャッチャーの練習するよ!Liella!のダンス&スポーツリーダーとして何でもサポートはするから!」

千砂都「だから恋ちゃん。かのんちゃんをよろしくね……!!!!!」၄(cʸ„o ᴗ oリ၃=3フンス!

恋「はい……!分かりました!精一杯務めたいと思います!」ʃt(c◜・ ᴗ ・)=3フンス!


千砂都「よーしそれじゃ早速それぞれポジションについて守備練習から始めてみよーーー!」オーーー!

198: 名無しで叶える物語(もんじゃ) 2022/04/03(日) 11:14:28.46 ID:4dZtVPwS
~~~

夕方

すみれ妹「それでは皆さんさようなら」ノシ

すみれ「はーー疲れた……また明日もこんな調子で練習するって訳ね?」

千砂都「時間は限られてるからね!頑張ろう!」

クゥクゥ「ううぅぅ……!頑張りましょう!」(((6cƠᴗƠ∂)) プルプルプル……

すみれ「いや、一番心配なのはクゥクゥアンタよ……」


恋「かのんさんも初日から守備に投球練習にお疲れ様でした」

かのん「うん……肩張りまくりでヤバい……けど、楽しかった……」

千砂都「ふふっ。何だかかのんちゃん投げるのハマっちゃってる感じ?」

かのん「うーんどうかな……思った所へ指にしっかり掛かったボール投げられたりすると楽しいけど、私全然安定してないし」

恋「そうですね…ちょっと1球ごとのムラが大きいとは感じました」

千砂都「そこをこれからの期間でどれだけ安定させられるかって訳だね!嵐ピッチングコーチが存分に鍛えてあげよう!」

かのん「うひぃ~お手柔らかに~!」

アハハハ……

199: 名無しで叶える物語(もんじゃ) 2022/04/03(日) 11:48:04.62 ID:4dZtVPwS
~~~
夜 澁谷家

ありあ「お姉ちゃんご飯出来たって~」トントン ガチャ

ありあ「あれ、居ない。もしかして外かな……?」


かのん「ふっ……!」バサッ!

かのん「えいっ!!」バサッ!


ありあ「(うわぁ。タオル使って投げる練習してるよ。やば…)」

ありあ「(私なんてちょっと練習付き合っただけですっごく疲れたのに、まだ練習するの?アイドルの練習でもないのに)」

ありあ「……はぁ、まったく」

ありあ「(お姉ちゃんってホント、極端と言うか)」

ありあ「(ビビりなクセに一度決めるとどこまでも頑張っちゃうと言うか……)」


ありあ「お姉ちゃん!ご飯!てか家でまでそんな練習したら怪我するよ?!」

かのん「ふぅっ!」バサッ!

ありあ「話を聞け~~!」ペシッ

かのん「わあっ!え、ありあ!?」

ありあ「うわ、聞こえてなかったの?没頭しすぎ……」

かのん「あははは……私が一番練習頑張らなきゃいけないからさ。まだ全然安定して投げられないし」

かのん「それにもし私が打たれてそれでーーー」


かのん「ーーー負けるなんて絶対、嫌だから……」

ありあ「お姉ちゃん…」


ありあ「それでも無理し過ぎはよくないよ。早くご飯食べよ?」

かのん「あはは、はーい」

かのん「ありあ、心配してくれてありがと」

ありあ「べ、別に…/// 私はお小遣い貰いたいだk

かのん「はーおなかすいたーお母さん今日のご飯なにー?」ハンバーグヨー ヨッシャー! ウルサイ!

ありあ「あ、ちょ……!///」


ありあ「(ーーーはぁ、取り敢えず千砂都ちゃんに連絡しとこ)」スマホッ

200: 名無しで叶える物語(もんじゃ) 2022/04/03(日) 12:27:51.03 ID:4dZtVPwS
~~~

ありあ『ーーーってことがあったよ。お姉ちゃん張り切り過ぎ気負い過ぎって感じ』

千砂都「……かのんちゃん」

千砂都『ありあちゃん情報感謝!無理し過ぎないように声もかけてくれてありがとね!まるっ』


千砂都「…… よし!かのんちゃんのストレートを活かせる変化球を研究しよう!」

千砂都「(かのんちゃんはやっぱい凄いや……私も力にならなくちゃ!)」


~~~~~

数日後

かのん「えいっ!」ピシュ

すみれ「そーーれっ!」カキーーン!

かのん「ギャー!」

クゥクゥ「ほわ、わぁ~~!」

千砂都「おおっレフトオーバー!すみれちゃんはまっすぐに滅法強いねぇ!」

すみれ「ふふーん♪まぁこれくらいは当然よね」

恋「(それではこちらは如何でしょう)」


かのん「(よぉし…)えい!」シュッ!

ふわっ…ククッ!!

すみれ「ギャラッ!?」ブルン!

千砂都「うんうん!かのんちゃんの速いカーブいい感じだね!」

かのん「うん…!切るように投げる感触いいかも!」

すみれ「くぅ~!かのん!もう1球来なさい!」

かのん「よぉし!やぁっ!」シュッ

すみれ「ギャラクシー!!」カキーン!

かのん「あー!?」

すみれ「こんなもんよ!」

恋「当然来る球が分かっていればそうなりますね」

201: 名無しで叶える物語(もんじゃ) 2022/04/03(日) 13:49:53.49 ID:4dZtVPwS
千砂都「(むぅ……流石にカーブだけじゃ限界があるのかな)」

千砂都「(どっちのボールも凄くいい感じになってきてるけど、個性豊かな虹ヶ咲や運動が得意な子が何人も居るAqoursに対抗するにはーーー)」


かのん「もう1球種?」

千砂都「そう!それも決め球に出来るような凄い変化球を身につけられればかのんちゃんはもっと凄いピッチャーになれるよ!」

かのん「おぉ……!でも、私あんまり挟んだり抜いたりする投げ方は下手だよ?」

千砂都「そうだね。だからかのんちゃんの得意な切る投げ方で変化させられるいい感じのボールを探してみようよ!」

かのん「うん!わかった!やってみよう!」

恋「徹底的にお付き合いしますよ!」

かのん「よろしくね恋ちゃん!」


~~~

ビュッ パシッ スポッ パスッ
シュッ バスッ ビシュッ ドッバシッ…………

かのん「ハァ、ハァ……!」

恋「(なかなか良い感触の球が見つかりませんね……)」

千砂都「うーん……かのんちゃんちょっと力抜いて遊び投げしてみよっか」

かのん「ふぅ~。おっけ」

かのん「どんな握りがいいかなぁ…」ヒュッパスッ ヒュッパスッ

千砂都「あははっ、かのんちゃんそのグローブにボール出し入れするのハンバーグ作ってるみたい」

かのん「確かにそれっぽいね」クスクス


かのん「よーしそれじゃハンバーグ捏ねて形作る時みたいな握りでーーー」

かのん「それっ笑」ヒュンッ

千砂都「いけー!ハンバーグボール!笑」


シュルルルルル……くんっ!!!!

恋「ひゃあっ!?」バスッ

かのちぃ「わーーーーー!?!?」


かのちぃ「何かすっごい曲がったーー!?」ガビーン

202: 名無しで叶える物語(もんじゃ) 2022/04/03(日) 14:11:29.87 ID:4dZtVPwS
千砂都「い、いい今どんな握りしてたの!?」アタフタ

かのん「えーっと!?ハンバーグの空気抜く時みたいな握りだったから…!?!」ギャーギャー

~~~

かのん「えいっ!」ピシュッ!

シュルルルル……! パシンッ!

恋「はい!しっかり曲がりました!」

千砂都「いいね……スピードのあるスライド変化……」

かのん「切る感覚だからコントロールもつけやすいよ!」

千砂都「やったやった!かのんちゃんの決め球は高速スライダーだよ!」ピョンピョン

かのん「うん……」


かのん「(でも、もっと変化を大きくしないと当てられちゃう……!)」

かのん「(もっと強く切って、指を引っ掛けてーーー!)」

206: 森友学園……ライオンズシーズン終了……(もんじゃ) 2022/04/03(日) 17:11:08.60 ID:4dZtVPwS
~~~

その夜

千砂都「ほぁーーー野球した後のお風呂と言うのもサッパリしていいねぇ♪」ホコホコ

千砂都「ーーーあれ?ありあちゃんからメッセージだ」

ありあ『もしかしてまだ練習してるの?!お姉ちゃんまだ帰ってきてないからちょっと心配』

千砂都「……え?」


~~~

タッタッタッタッ……!!!

千砂都「かのんちゃん……!」


かのん『…………あっ!嘘!?グローブ忘れてきた!!』

恋『あら……少し戻らないといけませんね』

千砂都『もう暗いし一緒に行くよ!』

かのん『いいよいいよ!ちゃんと気をつけて帰るから今日はここで!』

恋『そうですか……お気を付けて』

千砂都『ばいばーい!』


千砂都「まさか。まさか……!」


~~~

かのん「ハァッ……ハァッ……!!!!」

かのん「(もう少し、もう少しで思い描いてるものになる……!!)」

かのん「ううぅぅぅ……肩も肘もいった……張りすぎ……」


千砂都「ーーーっ!!!!」

千砂都「かのんちゃん!!!!」

207: 名無しで叶える物語(もんじゃ) 2022/04/03(日) 17:44:16.71 ID:4dZtVPwS
かのん「あっ、ちぃちゃん……」

千砂都「……。あの後ずっと、1人で投げてたの……?」

かのん「う……ゴメン……」

千砂都「謝って欲しい訳じゃないよ」

かのん「……」


かのん「まだ変化の大きさも、ストレートと見分けづらいようにする投げ方も、曲がり始めのタイミングも全然駄目だもん」

かのん「自信を持てる球にしたい……」

かのん「スクールアイドルになって色んなことがあって、少しずつ自分は変われたって思ったけど!」

かのん「それでも私のせいで皆がガッカリしたり、皆で勝とうと決めたのに負けるのは嫌だ。絶対に嫌だよ!!!」

千砂都「……」


千砂都「…ふふ。ホント、私もかのんちゃんも負けず嫌いだよね」スタスタ

かのん「ちぃちゃん?」

千砂都「今日はもうこの1球だけ。私にかのんちゃんの想いを投げ込んできてよ!」バシバシ!

かのん「っ!」

千砂都「さぁ来て!かのんちゃん!」


かのん「よし……行くよちぃちゃん!!!」ガバッ!

ザッ……すぅ…………

かのん「(ハンバーグもいい~…………)」

かのん「ふぅっ!!!!」ビシュッ!!


スゥー…

千砂都「んっ…!(抜けた?!軌道が完全にストレーーー)」

ググッ…シュルルルルルルル!!!!

千砂都「ッッッ!!!?」

バスンッッ!!!

208: 名無しで叶える物語(もんじゃ) 2022/04/03(日) 17:59:17.85 ID:4dZtVPwS
かのん「……!」ハァ、ハァ……!

千砂都「(……捕れてる。ギリギリグローブに入ってた)」

千砂都「かのんちゃん……今の……」

かのん「えへへ……ちぃちゃんのおかげだぁ……」

かのん「私の決め球、投げられた……」ヘタリ…

千砂都「っ!かのんちゃん!!」


~~~

千砂都「もう……」膝枕

かのん「あはは…ゴメンね。もう動けないや」

千砂都「まったくもぉ。かのんちゃんやっぱり投げることにハマってるよ絶対」

かのん「え~?そうかなぁ?」

千砂都「そうだよぉ!」

千砂都「でもーーー」


千砂都「やるって決めたら何球でも一生懸命にボールを投げて」

千砂都「失敗の怖さも、負ける悔しさも知っていて」

千砂都「それでこんなに凄いボールを投げられてーーー」


千砂都「かのんちゃんは本当に凄いよ。胸を張ってLiella!のエースピッチャーだって言えるよ」ナデナデ

かのん「えへへ。ちぃちゃんが褒めてくれた///」

千砂都「もぉ!ニヤニヤして!こんな無理してちぃは怒ってるんだよ!?」

かのん「あはは!ごめーん」ニヤニヤ

千砂都「むむむ……!」


ありあ「お姉ちゃーん!千砂都ちゃーん!持ってきたよー!!」

かのん「あ、ありあ。何?持ってきたってーーー」

千砂都「ありあちゃん来た~!この無茶しすぎなお姉ちゃんの肩と肘を思い切り冷やしてあげなさい!」

ありあ「はーい!!!」氷のうガシャーン

かのん「はっ!?あい゛い゛ぃぃぃやぁああ゛あ゛あああああ!!!!ちめ゛たああ゛あ゛あああああ!!!!!!」

209: 名無しで叶える物語(もんじゃ) 2022/04/03(日) 18:11:15.90 ID:4dZtVPwS
ーーー

ーー



千砂都「(かのんちゃんがあんなに頑張って練習して!完成させた決め球もあるんだもん!)」

千砂都「絶対負けない!!!」

ガキンッ!! ファール!

歩夢「…ふぅ!またファール…!」


アキバレポーター「さぁ1番千砂都ちゃんもサヤさん同様に粘る粘るー!次が8球目ー!」

歩夢「やぁっ!」

千砂都「っ…!!!スロカ!!」ブンッッッ!

チッ…!ぽてっ……! ファール!

アキバレポーター「ここもファール!しかし全く前に飛ばせません!ノーボール2ストライクが続いています!」


せつ菜「歩夢さん全部最高の所に来ています!次こそ決めましょう!」

歩夢「うん!行くよ~!」


アキバレポーター「マウンド上の歩夢ちゃん!汗こそかいていますが整った息遣いで次々と低めの際どい所へ投げ込んできます!難攻不落の様相すら感じさせますー!!」


せつ菜「(随分と長い回想でしたね!すっかり押せ押せですよ!!)」

千砂都「(へへっ、ついうっかり大好きなかのんちゃんについて耽っちゃってたよ!)」

せつ菜「(Liella!の負けたくない気持ち!強く伝わりました!!)」

せつ菜「(ですがそれでも!!歩夢さんのぽーむは捉えさせません!!)」


歩夢「やぁっ!」ポムッ

212: 名無しで叶える物語(もんじゃ) 2022/04/03(日) 21:08:07.78 ID:4dZtVPwS
ひゅーーーーーん……

千砂都「(低めギリギリ!!ストレートなら入る!でもパームなら……!)」

千砂都「(外れる!!振ら……ない!!!!!)」

すぅ……っ パシッ
……ボーーール!!


千砂都「……っ!ぷはっ……!!」

アキバレポーター「うおおお!よく振らなかった!!よく見た千砂都ちゃん!!1ボール2ストライク!」


せつ菜「(よく見た、ですか……違いますね?千砂都さん)」ニヤリ

千砂都「……」

せつ菜「(今のは見逃し三振覚悟で一か八か見送っただけ)」

せつ菜「(肩の温まった歩夢さんのボール球と緩急を織り交ぜた投球術ーーー)」サイン パパッ


歩夢「やぁっ!」ピョン!

千砂都「(今度は高め!!沈んだらギリギリ入る……!?)」ザッ!

すぅーーーー……

千砂都「(これはパーム!打たなくちーーー!!)」

するるる……!

千砂都「(沈まない……っっ!!!)」

コキン!

せつ菜「(この術中にハマってしまえばまともに打つことは出来ません!!)」


ふわぁぁん…!

せつ菜「歩夢さん…いや!愛さん!!」

213: 名無しで叶える物語(もんじゃ) 2022/04/03(日) 21:27:44.53 ID:4dZtVPwS
歩夢「んっ!!」ピョン!!

歩夢「くぅっ…!愛ちゃんお願い!」

千砂都「(落ちる!!内野安打にする!!)」タタタッ!!


愛「オッケーーー!!!もっかい見せ場ー!!!」ダダダッ!

かすみ「ちょぉーー!!?かすみんの方じゃないですかー!」

愛「ごめんカッス!!それじゃ間に合わない!!!」パシッ!

かすみ「誰がカッスですかぁぁぁぁ!!!」ムキィ

愛「りゃ!!!」ビシュッ!!

千砂都「……っ!!!たあああああ!!!」バッ!!

バシィ!!ズザァァァァァァ!!!!
……!アウト!アウトォォ!!!


アキバレポーター「な!何と千砂都ちゃん決死のヘッドスライディング!!」

アキバレポーター「も、一瞬及ばずーーー!!!!

アキバレポーター「歩夢ちゃんの頭上を僅かに越えて若干セカンド寄りにポトリと落ちた打球を再び愛ちゃんがアウトにするスーパープレー!!」

アキバレポーター「これぞ部室棟のヒーロー!!!守備でも歩夢ちゃんを助けます!!」


千砂都「くぅ…………!!!!」

果林「だ、大丈夫!?怪我は無いかしら?」

千砂都「ぐすっ……大丈夫です!!」

果林「……いいわね。私、負けん気の強い子は好きよ」グイッ

千砂都「あ…ありがとうございます…!」スクッ

パチパチパチパチパチパチ……!


アキバレポーター「素晴らしい守備の愛ちゃんだけでなく、千砂都ちゃんの必死の走塁!そしてそれを称える果林ちゃんにも拍手が送られます!!さぁ3回裏も2アウト!!」

214: 名無しで叶える物語(もんじゃ) 2022/04/03(日) 21:39:41.71 ID:4dZtVPwS
千砂都「…………」タッタッタッ

かのん「ちぃちゃん……!大丈夫?怪我してない?」

千砂都「うん、大丈夫。それよりもゴメン。絶対塁に出たかったのに」

かのん「そんなことないよ。ちぃちゃんの気持ち伝わった」ギュッ

千砂都「っ!」

千砂都「~~~~……っ!」ウルウル…

かのん「歩夢さん……本当に凄いね」ナデナデ

かのん「私、絶対負けないよ……!」

千砂都「うん……!かのんちゃん……!!」ギュゥッ!


クゥクゥ「悠奈さーん!まだまだここからデス!打ってくださーい!」

悠奈「モチロン!!」

摩央「悠奈。頼んだわよ」

悠奈「パァッ!!!」


アキバレポーター「2アウトになり2番悠奈ちゃん!第1打席目はライトフライのエラーで出塁しています!ここでも出塁なるかー!?」


せつ菜「(さぁここでもう一度集中です。球数が増えてきてますがボール球も活用しますよ)」サイン パパッ

歩夢「(うん!)」コクリ


歩夢「やぁ!」ポムッ

ひゅーーーーん……すうっ……

悠奈「ふんっ!!」ブンッ!!

パシッ ストライーク!


アキバレポーター「初球から振っていきますがパームボールに空振り!よく沈んでますねぇ!!」

悠奈「パァ~~…!まだまだ!」

215: 名無しで叶える物語(もんじゃ) 2022/04/03(日) 22:39:44.53 ID:4dZtVPwS
悠奈「(私は歩夢ちゃんのパァ!ムボールを見てなかったから今のはストレートとして振ったけどーーー)」

歩夢「えいっ!」ポムッ

悠奈「(もう1球来るなら!ボール気味でも!!!)」ザッ…!!!

すぅっ……!

悠奈「ここ!!!!!」

カッ…ギィィィィーーーーン!!!!

歩夢「わっ!!」


せつ菜「っ!!センター!!!エマさーーん!!!」

アキバレポーター「打ったぁぁ!!!左中間!!!ついに歩夢ちゃんのパームボールを捉えtーーー」


エマ「やぁぁぁ~~!!!」タタタタタッ

エマ「届く……っ!!」バッ!

パシィィッッ!!!!

悠奈「パ…っ!!なぁっ……!」


アキバレポーター「捕った!捕った捕った捕ったー!!!センターエマちゃん追い付いたー!!」

アキバレポーター「完全に捉えたかと思われた打球でしたがもう一伸び足りず!そこへ一直線に追い付いたエマちゃん腕を伸ばしてよく掴み取りました!!」

アキバレポーター「終わってみれば3回裏は虹ヶ咲の固い守り好プレー3連発でチェンジ!この良い流れを攻撃に持っていけるのかー!?」

216: 名無しで叶える物語(もんじゃ) 2022/04/03(日) 23:23:56.35 ID:4dZtVPwS
歩夢「はぁ~……最後はビックリしたぁ」

せつ菜「歩夢さん!ナイスボールでしたよ!」

歩夢「そんなことないよ~。エマさんに感謝だよ~」

せつ菜「いえいえ!!歩夢さんのぽーむは例え芯で捉えられてもこの"飛ばなさ"があるんです!」


せつ菜「歩夢さんのぽーむは『重さ』も武器ですから!!!」

歩夢「」


歩夢「も、もぉ!!!重いとか言わないで!!///」

せつ菜「ですが……!ぽーむのあまりの完成度の高さに感動で震えが止まりません……!!」

彼方「ストレートと見分けがほぼ全くつかなくて沈む変化して当たっても重くて飛ばない……厄介なボールだよ全く」フフフ…

璃奈「回転数が決して多くないのもポイントだと思う。回転数が多いボールが強振したバットに当たればその運動エネルギーが一緒になってよく飛ぶ。その逆も然り」

璃奈「それが歩夢さんのパームが重くて飛びにくい理由」


歩夢「だから重いって言わないでよ~~!!!」ポムー!


果林「(ふふ、どっちの重いにかかってるのかしらね……)」クスクス

217: 名無しで叶える物語(もんじゃ) 2022/04/03(日) 23:43:50.99 ID:4dZtVPwS
===

悠奈「んんん……っ!!歩夢ちゃんのパァ!ム……ほんの少しだけ押し戻された……」

摩央「……」

悠奈「摩央~~!悔しいよぉ~~!」

摩央「次、私が必ず打つわ。悠奈の打てなかったボールを……」ゴゴゴ…


悠奈「かのんちゃんゴメンね!2打席ノーヒットなんて助っ人として情けないよぉ!」

かのん「えへへ。大丈夫です!」

かのん「さぁ!この回クリーンナップだよ!気合い入れて守ろう!!」タッ!


千砂都「かのんちゃん?!」

すみれ「(どうしたのよ。この回は随分と元気にマウンドへ向かうじゃない)」


かのん「(歩夢さん、凄い……!沢山の球種をしっかり操ってて、マウンドの上で堂々としてて、好打者の皆を打ち取って……)」ワクワク

かのん「(負けたくない……!私、歩夢さんに投げ勝ちたい!!!)」


かのん「(そのためにもこの回、思いっきり投げるよ!!)」


アキバレポーター「さぁ~投手戦の様相を見せてきた虹ヶ咲 対 Liella!の試合はいよいよ4回表に入ります!」

アキバレポーター「そして虹ヶ咲の打順は3番せつ菜ちゃんから!ピンチを迎えながらも0点に抑えているかのんちゃんをそろそろ崩せるかー!?」


せつ菜「当然です!この回で一気に攻め立てますよ!かのんさんお覚悟を!!」

かのん「ーーーふふっ♪」

せつ菜「!?(笑って……?!)」

224: 4回表 虹ヶ咲0-1Liella!(もんじゃ) 2022/04/05(火) 07:55:54.30 ID:gCIdrzjm
ミア「せつ菜、頼むぞ……!」

~数分前~

璃奈「あ、交信ログが取れてる。璃奈ちゃんボード『よすよす』」

ミア「璃奈!キミはまた何てマシーンを……!速くスイッチを切ってくれ!」

璃奈「わかった。もう実験はしない」

ミア「ホッ…ってそうじゃない!皆、円陣だ」

サッ…!

ミア「イニングは4回表。ボク達が攻撃出来るイニングはこのままだと残り4回。3番から始まるこの回、とても重要だ」

ミア「とは言え歩夢がとてもExcellentなピッチングをしてくれている。勝負所は終盤に必ず訪れる。まずはとにかく3、4、5番からチャンスを作り同点に追い付こう」

せつ菜・愛・果林「……!!」コクリ

ミア「場合によってはピンチヒッターもあるよ。ランジュ、準備は出来てるかい?」

しずく「!」

ランジュ「えぇ勿論よ。いつでも行けるわ」

しずく「……」シュン…

侑「……」

ミア「せつ菜、とにかく塁に出て欲しい。そのためにもーーー」

ミア「…………」

せつ菜「ミアさん?」

ミア「ーーー侑。キミならせつ菜にどう指示を出す?」

侑「え、私!?私に野球の戦略を聞かれても……!」

ミア「いいんだ。キミの思ったままを聞かせてくれないか」

侑「私、だったら……とにかくせつ菜ちゃんらしく思い切り打ちに行って欲しい!」

侑「そう言うよ!」

ミア「……そうか」

ミア「せつ菜。甘い球だったら初球から打ちに行けよ。その代わり打ち損じてアウトになったら承知しないよ」

せつ菜「なかなか難しいことを言ってくれますね!ですが燃えます!行ってきます!」

愛「先頭頼むよせっつー!この回こそ点取るよ!」

果林「チャンスで回して頂戴ね。お姉さんがせつ菜を還してあげるわ!」

せつ菜「はい!!!」

225: 4回表 虹ヶ咲0-1Liella!(もんじゃ) 2022/04/05(火) 08:09:40.65 ID:gCIdrzjm
ミア「……」

ミア「(ここはフォアボールでも何でもいいから出塁して欲しい。相手投手も前の回こそ3人で片付けたが歩夢のような安定感が出てきたかと言われるとまだ判断出来ない)」

ミア「(そう言う意味でもここは見ていけと指示すべきだったが……)」

ミア「(つい侑の意見を聞いてしまった。ここまで結果が出せていないボクの戦略よりも、素人の侑の意見を……)」

ミア「(それでも、もしかしたらーーー)」

ミア「(それを確認するイニングにもしたい……!)」

侑「せつ菜ちゃん!せつ菜ちゃんらしく思いっきり!!」

せつ菜「(はい……!!!)」コクリ

せつ菜「(侑さんの応援は力をくれます!しっかりミートして出塁してみせます!!)」


恋「(この回は1つの山場。出来れば1球目の入り方を変えていきたい所ですが)」サイン パパッ

恋「(かのんさんは初球ストレートを投げさせることでその後が安定する、と言うルーティンが確立されています)」

恋「(それを悟られないようにしつつ、上手にかのんさんを引っ張ってみせます!)」

かのん「ふふっ……♪」ガバッ

かのん「ーーーやぁっ!!!!!」ビシュッッッ!!!

すっ…

恋「(!?真ん中ーーー!!)」

せつ菜「(甘い!!!)」ザッ!

……シュルルルルル!!!う゛んっ!!

せつ菜「っ!?」
恋「!!?」

ブンッ!! バスッ……!!!

恋「くっ!」ポトリ…


ミア「な……!?」


アキバレポーター「初球ストレートストライーク!!!甘い球でしたがせつ菜ちゃん空振り!と、言いますか今の球ーーー」

愛「……さっきの回よりも、速い!」


かのん「♪」ニコッ

232: 4回表 虹ヶ咲0-1Liella!(もんじゃ) 2022/04/06(水) 19:08:15.97 ID:lABo1N/o
ミア「何だ今のストレート……」

ミア「明らかに球速が上がった!そしてさらにノビている!」

ミア「(ギアを上げたと言うことか!?いや、それにしてはーーー)」

千砂都「かのんちゃん……?」
恋「かのんさん……この球……」

恋「(と、とにかく1球目直球で空振りが取れました!その残像が残ってる内に、次はカーブをーーー)」

かのん「!」ブンブン!イヤイヤ

恋「(ーーー!サインに首を…!)」

かのん「(ストレート続けさせてよ恋ちゃん♪」

かのん「(もう1球投げたい!私、ストレートの速さなら歩夢さんに負けないよ!)」ウズウズ

恋「…………」


千砂都『かのんちゃん、結構ネガティブな所あるでしょ?』
『これは漫画の受け売りなんだけど、プラス思考とマイナス思考の両極があるから投手と捕手をバッテリーって呼ぶんだって』
『マイナス思考になりがちなかのんちゃんを恋ちゃんのプラス思考で引っ張ってあげて欲しいの』


恋「(今のかのんさんの様子。表情からも明らかにネガティブな面が影を潜めています)」

恋「(これまではわたくしがプラス思考。ですが今はかのんさんが。であればーーー)」


恋「(申し訳ありませんかのんさん。それではまっすぐを外の高めなんて如何でしょうか?)」

かのん「(うん!オッケー!バッチリ投げるよ!)」コクリ!


恋「(ーーーかのんさんの投げたい球種を投げさせつつ、細心の注意を払いつつ痛打されないコースへ要求します!)」


せつ菜「(初球、私がストレートに振り遅れて、その直後かのんさんがサインに首を振りました)」

せつ菜「(恐らく……もう1球ストレート!)」スルリ…

せつ菜「(ここは必ずヒットを打って出塁です!短く持って鋭く振り抜きます!!)」ギュッ!

233: 4回表 虹ヶ咲0-1Liella!(もんじゃ) 2022/04/06(水) 19:45:12.76 ID:lABo1N/o
かのん「……たぁっ♪」ビシュッッ!

せつ菜「(外!高め!!)」ザッ

しゅるるるるるる!!ヴん゛っっ!!

せつ菜「ーーーぐっ!!!」

ヂッ!!ギィィン! ガシャン!
ファール!!

アキバレポーター「バッテリーストレートを続けます!そしてせつ菜ちゃんまたも若干振り遅れたか!?捉えきれずファールで追い込まれました!高速もいこまれ!」


恋「(かのんさん、凄い球が来ています。しかし、これは……)」

悠奈「パァ~~…………」


ミア「Out of control(制御不能)……」


サヤ「(かのん様。少し暴走気味に感じられます)」

サヤ「(試合前から続いていた極度の緊張)」

サヤ「(その中で歩夢様の投球に同じ投手として感化され、一種の興奮状態にーーー)」

サヤ「(さらにご自身の投げることが楽しいと言う想いが合わさることで、これまで解放されていなかった力で投球がなされています)」

サヤ「(しかし、これは……)」

234: 4回表 虹ヶ咲0-1Liella!(もんじゃ) 2022/04/06(水) 19:47:11.97 ID:lABo1N/o
サヤ「かのん様。素晴らしくボールが走っています。大胆に、ですが繊細に攻めましょう」

かのん「はいっ♪」ニコッ

悠奈「良い意味で肩の力抜いてゴーゴー!!」

かのん「うん!」


千砂都「(良かった。周りの声はちゃんと聞こえてるみたい)」

千砂都「(何だが突然かのんちゃんを遠く感じちゃったから……)」

千砂都「……」頭ブンブン

千砂都「(とにかく!私はかのんちゃんの後ろを守る!それだけだよ!)」ザッ!


恋「(サヤさん、悠奈さん。声掛けのタイミングがありがたいです。これならーーー)」サイン パパッ

かのん「(カーブで1球外す。オッケー)」コクリ


かのん「(恋ちゃんがこのカーブをどんなコースに、どんな軌道で投げて欲しいかまで分かる気がするよ)」スッ…

かのん「それっ!」ピシュッ

せつ菜「(っ…カーブ!!)」ザッ

せつ菜「(低め!外れる!?止まれぇぇっ!!)」ググッ!!

…ビタッ!! ドッ、バスッ!
ボーッ!

恋「っ…!(カーブの落差も先程よりも大きく……?!)」


アキバレポーター「せつ菜ちゃんギリギリスイングを止めて見送り1ボール2ストライク!さぁ~~カウントが整ったー!」

236: 4回表 虹ヶ咲0-1Liella!(もんじゃ) 2022/04/06(水) 21:18:13.94 ID:lABo1N/o
せつ菜「(追い込まれました……次来るのは当然)」

恋「(高速スライダー、ですね?かのんさん)」

かのん「(モチロン!!)」コクリ!

せつ菜「(来る…!!)」スッ…ギュゥッ!

恋「(バットを長く持ち直しました……外に、ボール2個分外して下さい)」

かのん「……」

かのん「ふふっ…」ガバッ


かのん「(恋ちゃんそれじゃ外過ぎるよ)」

かのん「(せつ菜ちゃんを打ち取るなら、もっと内側からーーーでも、もっと大きく!!!)」ビッッ!!

スゥ…

恋「(っ!真ん中寄り過ぎます!)」
せつ菜「(行ける!果林さんのように踏み込んでーーー!!!)」

ギュルルルルルル!!!ヴヴん゛っっ!

恋「!!」

ブンッッ!!!バスっ……

せつ菜「な……ぁっ!!?」

恋「っ!」ヒョイッ タッチ!

アウトォォ!


アキバレポーター「高速スライダー!超真ハンバーグ改決まったァァァ!!!スイングアウト三振!!」

アキバレポーター「しかしこれまた大きな変化でした!」


恋「(スライダーまでも変化がより大きく……)」

恋「(甘く入ってしまったと思ったのですが、きちんと大きく曲がってわたくしの要求通りの場所に…!!)」

千砂都「か、かのんちゃん……」ゾクゾク …

237: 4回表 虹ヶ咲0-1Liella!(もんじゃ) 2022/04/06(水) 21:41:56.18 ID:lABo1N/o
せつ菜「くっ……」タッタッ

愛「せっつー」

せつ菜「っ…愛さん!すみません!!」

愛「謝らなくていいよ!まだアタシ達絶対もう1打席回ってくるんだから!切り替えよう!」

せつ菜「!」

愛「それより最後の球打てなかったのは?何があったの?」

せつ菜「かのんさん、第1打席とはまるで別人です。ストレートの速さも、変化球の変化の大きさも……」

せつ菜「高速スライダーも芯で捉えたと思ったのにバットの先を通過していきました……」

愛「……分かった。あんがと!せっつー!」ポンッ

せつ菜「愛さん…っ!お願いします!!」タッ


侑「せつ菜ちゃん……」

せつ菜「……!!」ウル…

せつ菜「ミアさんすみません!出塁出来ませんでした…!」

ミア「……いや、今のは仕方ないさ」

ミア「この回の彼女、カノンは少しおかしい位に飛ばしてる」


ミア「でも安心するんだ。あんなペースで投げ続けられる訳無い」

ミア「これでこのゲーム、終盤にチャンスが必ず来るハズだ」

ミア「せつ菜、歩夢。頼むよ」

あゆせつ「うん!(はい!)」

238: 4回表 虹ヶ咲0-1Liella!(もんじゃ) 2022/04/06(水) 22:12:05.60 ID:lABo1N/o
せつ菜「(愛さんの言う通りです。切り替えです!)」

せつ菜「(野球の攻撃は1人1人の戦いです。凡退すればそれまで…まるでソロのステージのようです)」

せつ菜「(ですが!打線も守備も全員で行うものです!それが野球でありチームなんです!)」

せつ菜「(私に今出来ることは切り替えて守備に集中すること!可能な限りこの点差のまま再び攻撃に戻ることを考えなくちゃいけません!)」


アキバレポーター「さぁーてここで注目の対決になりましたー!この回一気にギアを上げたかのんちゃんと4番愛ちゃんの激突です!!」


愛「……」

愛「(今まで色んな部活の助っ人をしてきた。試合にだって沢山参加した)」

愛「(そんな時、たまにあるんだよね)」


愛「(ヤバい、って思う相手にぶつかることが)」

愛「この回のかのんちゃんは、正にそれだよ。ヤバい香りがクンクンする……」

愛「(でも、ここでアタシまで凡退する訳には絶対行かない!!)」ギュッ!


愛「さぁ来い!」

240: 4回表 虹ヶ咲0-1Liella!(もんじゃ) 2022/04/07(木) 00:18:20.11 ID:KU8Wd6Sy
恋「(宮下さんの第1打席目。甘く入った初球の直球を打たれたことで結果的にまだ変化球もこの回の直球も見られていません)」

恋「(かのんさん。この場面だけ変化球で初球入らせて下さい)」サイン パパッ

かのん「……」ムー

恋「(変化球でカウントを作らせて、最後に直球で決めますので!伝わって下さい~~!)」

かのん「(はぁい)」コクリ


かのん「やぁっ!」ピシュッ

ふわっ…くくっ!スゥッ!

愛「んっ…!」

パシィ ストライーク!

愛「(カーブ……入り方変えてきた)」

愛「(決め球は速くてキレるスライダー。なら次は、ストレートーーー!)」


かのん「ふぅっ!!」ビシュッ!

ギュルルルルルル!!
ヴヴん゛っ!!!

愛「なっ!?」

ブンッッ!!!ストライクツー!!

愛「裏、かいてくれんじゃん……!」


アキバレポーター「ここも高速もいこ!今度は一変2球続けて変化球で追い込みました!!」

241: 4回表 虹ヶ咲0-1Liella!(もんじゃ) 2022/04/07(木) 00:30:15.83 ID:KU8Wd6Sy
恋「(ここからです。1球内寄りの高めに直球を外して意識をつけ、カーブを真ん中低めに外す。そして最後は外の低めに直球!)」

恋「(さぁかのんさん!直球ですよ!)」

かのん「おっけ……!」ガバッ スッ…

かのん「(愛さんでも、打たれない位の!私のストレートを!!)」ビシュッ!!


すぅ…

恋「(なっ…内寄りですが高さがストライクゾーン!!)」

愛「(3球勝負!!!!)」ザッ!!

シュルルルルルル!!!う゛う゛ん゛っっ!!

愛「(ーーー!!!伸びる!!!)」

キィィィン!!!

かのん「!!」

アキバレポーター「打ったぁぁ!!打球はレフトへー!!」


クゥクゥ「ほわぁ!?」

すみれ「クゥクゥ!!前に出てワンバン!!」

クゥクゥ「アェ!?前!?」

すみれ「ちょっ!!脚止めないの!!動いて前出なさい!!」

クゥクゥ「はわわわわ!!!」

ぎゅるるる! ザッ ビスッ ぼこっっ!!!

クゥクゥ「疼痛(あ痛ぁぁ!)!!!!!!」

242: 4回表 虹ヶ咲0-1Liella!(もんじゃ) 2022/04/07(木) 00:41:53.98 ID:KU8Wd6Sy
すみれ「ちょぉぉ!!前!前に落としたわ!拾って千砂都に投げるのよ!」

クゥクゥ「~~~~~!!!(泣)」ヒュッ

千砂都「おっけー!クゥクゥちゃんナイス守備だよ!」

クゥクゥ「どこがデスかぁ~~…!」


アキバレポーター「ここは愛ちゃんが4番の意地を見せてレフト前ヒーット!そしてドライブの掛かった球足の速い打球でしたがクゥクゥちゃんも身体を張っての捕球お見事です!さぁ1アウト1塁となりましたー!」


愛「……くっ……そぉぉぉ……!!!」

エマ「愛ちゃん……!?な、ナイスバッティングだよ!?」

愛「そんなことない……ないんだよ……!」


愛「(4番としてここは長打が欲しかった!!)」

愛「(なのにかのんちゃんのストレートのノビ……バットに当てて振り切るだけで精一杯だった!!)」

愛「(ヤバいよ……かのんちゃんの球も、ここからどう点を取るかもヤバいよ!)」


侑「やったぁ!!」

歩夢「流石愛ちゃん!」

ミア「愛が出てくれた!」

ミア「しかしあの様子だとシングルが精一杯だったのか?それ程までなのか……!?」


ミア「とにかくランジュ!ピッチヒッターの準備は出来ているかい!?」

ランジュ「えぇ!」

ミア「果林が続くか、もしくは愛を2塁に進めたら行くよ!!」

ランジュ「任せて!待ちくたびれたわ!!」

249: 4回表 虹ヶ咲0-1Liella!(もんじゃ) 2022/04/07(木) 19:33:42.63 ID:KU8Wd6Sy
恋「(追い込む所までは良かったのですが外そうとした直球が……やはり初球直球のリズムを崩してはいけなかったのでしょうか……)」

恋「かのんさん!」

かのん「大丈夫大丈夫!1アウトー!クゥクゥちゃんもナイスストップだったよー!」

クゥクゥ「かのーん♡謝謝~~♡」

恋「(良かった。打たれてしまいましたが動揺はしてないようです)」

===

ミア「(さてーーー!)」

愛「(どうするよミアチ……!)」

ミア「(愛がシングル止まりになる程だ。簡単に連打出来るとは思えない)」

ミア「(それでもここでスコアリングポジションに持って行けなければランジュを投入する意味が無い!)」

ミア「(愛は走れそうなら走ってくれ)」サイン パパッ

愛「(行ければ行け。難しいヤツ来たじゃん!でも、ここはそう言う場面!)」ザッ!

ミア「(果林は1球見るんだ。愛が行けそうかどうかも見たい)」

果林「(了解)」コクリ

===

恋「(第1打席目にヒットを打たれている巧打者の朝香さん。様々な攻め方を想定出来る場面です)」

恋「(ですが朝香さんさえ凌げればーーー!?)」


ランジュ「ふふん♪」ギュッ

ミア「…あっ!?コラ、ランジュ!まだバットを持つな!!」

ランジュ「どうして?ピンチヒッターで出るかもしれないのでしょう?」

ミア「それを悟られないためにだよ!」

ランジュ「あら!なるほど!」


恋「(そうです……!虹ヶ咲には代打を投入出来る戦力があります!)」

恋「(であればこの場面。連打は勿論、盗塁や進塁打で宮下さんを2塁へ進ませてしまうのも避けたい……!)」

恋「(慎重に、慎重に……!策を考えるのです葉月恋!)」

かのん「……」

かのん「大丈夫大丈夫♪」

252: 4回表 虹ヶ咲0-1Liella!(もんじゃ) 2022/04/08(金) 08:52:39.73 ID:Pz9LVXpl
愛「(さて。上がった球速に加えて、さっきカリンが盗塁した時の恋ちゃんの送球。意表を突かれてたけど決して悪くなかった)」

愛「(クイックの早さにもよるけど、良いスタート切らないと簡単には盗めないね!)」


恋「(まずここは1球直球を外します。かのんさんクイックでお願いしますね)」

かのん「(おっけー♪)」コクリ


愛「(サインあっさり決まった)」リーリー

かのん「…」セット

愛「(……さっきから全然こっちに意識が無い。コレ、逆に初球が一番行けるんじゃーーー

かのん「ふっ!」ザッ ピシュ!

愛「!! やばっ!」バッ

ズザァ!! セーフ!


摩央「ナイス牽制。惜しかったわね」

かのん「はいっ!」


かのん「(ふふ。じっとしててね♪)」

愛「むむむ。これはちょっとやりづらいな…」


かのん「……」

かのん「はっ!」スザッ ビシュッ!

パァン! ボール!!

恋「!!」ガバッ


愛「……」帰塁タタッ

千砂都「かのんちゃんいいよ!クイックちゃんと出来てる!」

かのん「えへへ♪練習したもん!任せて!」


ミア「く……早いな……」

愛「(これは、盗塁試みるのはちょい危ない橋を渡ることになるよ…!)」🙅‍♀

ミア「(コラ!小さくてもバツのポーズを見せるな!)」

253: 4回表 虹ヶ咲0-1Liella!(もんじゃ) 2022/04/08(金) 10:26:09.55 ID:Pz9LVXpl
ミア「くそ…1点差の4回。ギリギリのスチールはするべきではない、か…」

果林「(いいじゃない。これで分かりやすくなったわ。打つだけ、でしょ?)」チラッ

ミア「!」

ミア「全く、自信のある表情してさ……!」

侑「大丈夫。果林さんならきっと打ってくれるよ!」

彼方「そーだそーだ!打て打て果林ちゃーん!」


かのん「やぁっ!」ピシュ!

果林「はぁっ!!」

カキィン!!

恋「(…!外低め一杯のカーブを!)」

ファール!

ミア「っておいおい!あんまり難しいボールには手を出すなよ!?」

彼方「あ~、果林ちゃんってどんな球でも上手く打てるけどどんな球にも手を出しちゃう所あるからね~」

璃奈「実戦形式の打撃練習でも併殺打が多かったデータがある……」

果林「フーーー……」ギュッ


エマ「(大丈夫。果林ちゃんは打つよ!)」

エマ「(練習始めてすぐは、愛ちゃんやランジュちゃんの投げるボールが最初は皆打てなくて)」

エマ「(果林ちゃん負けず嫌いだから、その日からずっと陰でバットを振って練習してたの!)」

エマ「(手に豆が出来るのと練習してるのがバレちゃうのが嫌で手袋と絆創膏グルグルにして、だったけど……)」

エマ「(それでも、今日まで一番バットを振ってたのは果林ちゃんなんだから!)」


エマ「果林ちゃーん!絶対打てるよー!!」

254: 4回表 虹ヶ咲0-1Liella!(もんじゃ) 2022/04/08(金) 11:35:51.57 ID:Pz9LVXpl
かのん「やぁ!!」ビシュッ!

果林「ふっ!!」

カキィィン!!ファール!
ガキッ!!ファール!!
カキーーン!!ファール!!
チッ……!ファール!!


恋「(くっ…どの球種にもタイミングを合わせてしっかり振り切ってきます!)」

かのん「ふぅ……ふぅ……」

果林「フフ……さっきまでの笑顔がようやく消えてくれたわね……!」フゥ……

恋「(かのんさん…!)」


かのん「……やぁ!」牽制ビシュ!

愛「うぉっと!?」ザァッ!

かのん「(大丈夫。絶対打たれないし走られないよ!!)」

千砂都「かのんちゃん……!」

サヤ「(かのん様。身体の動きも集中力も研ぎ澄まされています……。ですが、このままではーーー)」


かのん「ふぅっ!!!」ビシュッ!!

ギュルルルルルル!!!う゛う゛んっ!!

果林「(ーーーさっき私が打った高速スライダー!!!)」ザッ!!

恋「(直球を待っていたタイミングの取り方!!引っ掛けて下さい!!)」

果林「(っ……!思い切り引っ張ってあげる!!!)」

カキィィンッッ!!!


サヤ「……くっ!!」ダッ!

果林「よしっ!!」タッ

アキバレポーター「果林ちゃん決め球の高速スライダーを三遊間に打ち返した!!ショート千砂都の横抜けーーー」


千砂都「~~~~~~っっ!!たぁっ!!!!」パシィ!!

果林「ーーー!!!」

アキバレポーター「なぃぃぃ!!!掴んだ!!!」

255: 4回表 虹ヶ咲0-1Liella!(もんじゃ) 2022/04/08(金) 12:08:48.81 ID:Pz9LVXpl
千砂都「セカン!!!!」グッ…ピシュッ…!

愛「くっそぉ……!」ダダダッ!ズザァッ!

悠奈「パァッッ!!」パシッ!

アウトォ!!

悠奈「ファーストっ…は無理かぁ~!」


かのん「ちぃちゃん!」グッ

千砂都「かのんちゃん!!」グッ!!


アキバレポーター「ショート千砂都ちゃんも魅せるー!抜けるかと思われた打球を見事なキャッチと送球で2塁フォースアウト!!思わず呼び捨てしちゃいましたゴメンね千砂都ちゃん!!」


ミア「ぐ……くっ……!」

侑「お、惜しい……!!!」


果林「……………!!!」ギュゥゥ……!

エマ「果林ちゃん……惜しかったよ!あと少しでまたヒットだった!」

果林「……えぇ。次こそもう一本打ってあげるわ……!!」ギュッ…!


しずく「…………」スクッ

256: 4回表 虹ヶ咲0-1Liella!(もんじゃ) 2022/04/08(金) 12:46:41.79 ID:Pz9LVXpl
ミア「(ランナーを進めることも出来ず入れ替わる形で果林が塁に残った……だって!?)」

ランジュ「あまり理想的な形にはならなかったわね。紙一重だったとは思うけど」

ミア「ランジュ…!」

ランジュ「それで?ランジュがピンチヒッターで行くのは変わらない?」

ミア「っ……shit……!キミを出すのは確実に点が取れるのを見込める絶好の機会でなければならない!」

ン……

ミア「いくらキミでもツーアウト1塁の状況であのピッチャーから必ず点を取れると言い切れるのかい!?」

ランジュ「えぇ!すべてをランジュに委ねちゃいなさい!」

ブンッ……

ランジュ「要するにホームランを打てばいいのでしょう?そうすれば一気に逆転だわ!」

ミア「だから…っ!!愛ですらシングルヒットを打つのが精一杯のピッチャーなんだよ!?」

ブンッッッ……!ブンッッッ……!!!!

ランジュ「任せなさい!ランジュならきっと打てるわ!」

ミア「何を根拠…に……」


しずく「えいっ……!えいっ……!!!」ブンッ……!!ブンッ……!!!

侑「しずくちゃん……」

ミア「しずく……」

257: 4回表 虹ヶ咲0-1Liella!(もんじゃ) 2022/04/08(金) 13:12:14.47 ID:Pz9LVXpl
しずく「(私には代打を出さないで欲しいなんて言えない。球技は本当に苦手だから……)」ブンッ!!

しずく「(でも!このまま交代されてしまうのは嫌……!私だって、私だって貢献したいもん!!)」ブンッ……!!


ミア「……どうすればいいんだ」

ミア「ーーー侑。キミならどうする…?」

侑「えぇっ!?また私!?」

ミア「…ボクは、勝ちたいよ」


ミア「愛するBaseballのゲームを皆でプレー出来る機会なんだ。絶対に勝ちたい」

ミア「まだあの子、カノンを崩すチャンスは必ず訪れるだろう。それでも、この回まで無得点となると流石に苦しくなる……」

ミア「この先は下位打線だ。1巡目不安定だった彼女ならともかく、今のカノンからしずく達が打てるイメージがボクには沸かない」

ミア「かと言ってランジュを投入してランジュで得点出来なかったら?ボク達は最強の切り札をこの先のターニングポイントで使えなくなってしまう」

ミア「しかしこのままバットにボールを一度も当てられていないしずくに奇跡を期待しろと言うのも夢物語のような話だ」


ミア「侑。キミならどうする……?」

侑「私は……しずくちゃんを信じるよ!!あのスイングを見てよ!もし当たったらしずくちゃんだってホームラン打てるかもしれないよ!」

ミア「……勝ちたいなら、どうする?」

侑「う、えっと……それは……」


球審「しずくさん?バッターボックスへ!」

しずく「あ、はい!えっと……」チラッ…


ミア・侑「…………」

258: 4回表 虹ヶ咲0-1Liella!(もんじゃ) 2022/04/08(金) 13:31:04.48 ID:Pz9LVXpl
璃奈「勝ちたいなら、ランジュさんを代打で出す」

ミア・侑「!」

愛「りなりー…?」


璃奈「ランジュさんは練習でもホームランを連発するほどの凄いバッティングをしてた。しずくちゃんとランジュさんどちらかにホームランを期待するのなら、当然ランジュさんに賭けるべき」

栞子「その場合、しずくさんの面目が立たないまま交代になってしまいますが…」

璃奈「大丈夫。しずくちゃんはそれくらいで凹むような弱い子じゃない」

璃奈「だからミアちゃん。自信を持って。ランジュさんはしずくちゃんの代わりに絶対に点を取ってきて!」


侑「璃奈ちゃん…」

ランジュ「任せて!!ランジュの力見せてあげるんだから!」

ミア「璃奈……。ありがとう…」


ミア「球審!代打だ!」


しずく「!!」

かすみ「あっ!?しず子代打!?」


アキバレポーター(実況)「んっ!?ここでベンチから登場するのは、嵐鐘珠ちゃん!ランジュちゃんだ!!」

アキバレポーター(ウグイス嬢)「虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会、選手の交代をお知らせします。バッター、桜坂に代わりましてーーー」

アキバレポーター「嵐鐘珠」ドワァァァ!!

264: 4回表 虹ヶ咲0-1Liella!(もんじゃ) 2022/04/08(金) 20:54:09.58 ID:s/Lo+s2p
かのん「わぁ、ランジュさん……背が大きくてユニフォームの上からも筋肉が分かる……」ドキドキ

恋「かのんさん!」ガッシャガッシャ

かのん「恋ちゃん。どうしたの?」

恋「その、大丈夫でしょうか?」

かのん「えっ?何が?」

サヤ「無理をなさっておりませんか?」

かのん「ええっ?!って、皆……」

千砂都・悠奈・摩央「……」


かのん「え、えっ?私無理なんてしてないよ!大丈夫だよ!」

かのん「腕も触れてるし肩も軽いし!皆だってこの回の私、凄くいい球投げられてるって思うでしょ!?」

悠奈「パァ~……それはまぁそうなんだけど~」


かのん「も、もぉ~!大丈夫!大丈夫だから!ランジュさんにだって私、絶対に打たれないよ!任せて!!」

摩央「(負けたくない。自分は決して負けないと言う投手としての本能、我儘。そしてエースの自覚の芽生え……)」


恋「かのんさん……」

恋「分かりました。嵐鐘珠さんは明らかに虹ヶ咲さんの切り札です。慎重に…いえ、かのんさんの最高の球を投げ込んで下さいね!」

かのん「うん!!」


千砂都「かのんちゃん…」

かのん「ちぃちゃん…。もう!ちぃちゃんまで何でそんな顔するの!?私が投げてたら不安!?」

千砂都「違うよ!違うけど……」


千砂都「私達が後ろを守ってるから!それだけは忘れないでね!」タッ…

かのん「モチロン!たった今助けられたばかりだもん!」


かのん「ふぅ~~……」

かのん「(駄目だ私。良いボール投げられてたつもりだったけど、皆を不安にさせちゃってたみたい)」ドキドキ…

かのん「(もっと、もっと良い球を投げなくちゃ……!!!!)」バクンバクン…!

265: 4回表 虹ヶ咲0-1Liella!(もんじゃ) 2022/04/08(金) 21:09:14.78 ID:s/Lo+s2p
ランジュ「さぁ、嵐鐘珠のショータイムよ!」

ミア「SHOW TIME……何を言ってるんだか」

ミア「……」

ミア「(もし、この選択で得点出来なかったら、その時はーーー)」

ミア「いや、そんなこと考えるな。ランジュを信じるんだ。打ってくれランジュ!」


恋「(まずは当然直球です。が、外角低めに外してください)」

かのん「(うん……!)」


恋『その、大丈夫でしょうか?』
千砂都『かのんちゃん…』

すみれ『かーーのーーーんーーー!!フォアボール出す位なら打たれなさーーい!』
すみれ『何のために私達が後ろに居るのよ!!さっさと打たれなさい!!』


かのん「(打たれないよ。負けないよ。逃げもしないよ……!!!)」ズクンズクン…!


かのん「やぁぁ!!!」ビシュッ!

恋「(ーーー際どい良いコース!)」

ヴ……ン……!!!

恋「!?」

267: 4回表 虹ヶ咲0-1Liella!(もんじゃ) 2022/04/08(金) 21:30:55.06 ID:s/Lo+s2p
ギャキィィィィン!!!!!

かのん「!!!?」

アキバレポーター「アウトローを引っ張ったー!!?そして一体どこまで伸びるー!?」

ファーーール!!!

アキバレポーター「ファール!ファールですが飛距離十分!!女の子用規格に設けられたフェンスを軽々と越え、あわやベルーナドーム常設フェンスを越えようかと言う打球でしたー!」


ランジュ「ん~折角ストレートだったのにボール球だったかしら?」

ランジュ「それに」

ランジュ「思ったより"来なかった"わね。もっと凄い球が来ると思っていたわ」

かのん「!!!」ドクン…!!


恋「(凄まじいスイングの速度です……)」

恋「(ですがかのんさん落ち着いて下さい挑発です。明らかに直球をもう1球欲しがっている故の言葉です…!)」サイン パパッ

かのん「……ハァ、ハァ」コクリ


かのん「っっやぁぁ!!!」ピシュ!

ふわっ…くくっ…!!すっ…!!!

ランジュ「……」

パシィ!ストライーク!!

269: 4回表 虹ヶ咲0-1Liella!(もんじゃ) 2022/04/08(金) 22:31:35.75 ID:s/Lo+s2p
アキバレポーター「あれだけの大飛球を打たれても尚ストライク先行で追い込んだァァ!かのんちゃん恋ちゃんバッテリー攻めます!そうです!強打者相手こそ攻めるだけなのです!!!」

恋「(追い込めばかのんさんにはこの球があります!)」

かのん「ハァ、ハァ……」コクリ


かのん「ふぅっ!!!!」ビッッ!!

シュルルルルルル!!!う゛ん゛っ!!

ランジュ「……」

スパァン!!!

恋「(見逃し……!?)」

……ボール!!


アキバレポーター「のわぁぁ!!!?外角一杯に決まったかと思われた高速スライダーをランジュちゃん平然と見逃したー!!!見極めているのかー??!」

球審「(ーーー天王寺さんから拝借したゴーグル。ストライクゾーンが明確に映し出されています。これのおかげでより正確な判定が出来ています)」

球審「(それにしても今のは僅かにボール1個分外れただけ。よく見逃せましたね)」


恋「……」サイン パパッ

かのん「はぁ……はぁ……!!」コク、リ……


かのん「ふぅっ!!!」ビシュッ!!

シュルルルルルル!!!

恋「(今度はストライクゾーンの中に!打つ気が無いなら三振して貰います!)」

ランジュ「これじゃないわ」

カチッ…!ファール!!

恋「(……っ!!簡単にカット……されてしまいました……)」

270: 4回表 虹ヶ咲0-1Liella!(もんじゃ) 2022/04/08(金) 23:07:52.65 ID:s/Lo+s2p
璃奈「……ランジュさん、ストレートしか狙ってない」

愛「だね……よくストレートだけ狙って変化球に合わせられると思うよ」

ミア「ランジュはオオタニのようなノーステップ打法だからね……だとしてもそれなら尚更初球のストレートを仕留めて欲しかったよ!」

ミア「(頼むランジュ…!ホームランなんて出来すぎな望みは言わない!外野の間を抜けば果林の脚なら帰ってこられるハズだ!打ってくれ!)」


恋「(まだです!もう1球!今度は先程のせつ菜さんに投げたより大きな変化の高速スライダーを!)」サイン パパッ

かのん「……」フルフル

恋「(っ……!ならばカーブをストライクゾーンから落としましょう!とにかくまだカウントが有利なうちにボール球で勝負をーーー!)」

かのん「……」ブンブン!

恋「(かのんさん……!?)」


かのん「(駄目だよ恋ちゃん。変化球じゃかわせない)」ザッ ガバァッ……

恋「(ま、まさか…!)」


愛「振りかぶった!?カリン!走れーーー!」
ミア「いや走るな!1塁が空く!!それにーーー!!!」

ランジュ「(勝負球が来るわ!!!)」

恋「(直球勝負ーーー!?)」


かのん「(打たれたくない打たれたくない負けない絶対負けない嫌だ嫌だもう負けるのも皆をガッカリさせるのも嫌だ…………)」

かのん「私は!皆の喜ぶ顔が!!見たい!!!」スッ…!!!

かのん「やあああああああああ!!!!!」ビシュッッッッ!!!

271: 4回表 虹ヶ咲0-1Liella!(もんじゃ) 2022/04/08(金) 23:17:27.27 ID:s/Lo+s2p
ーーーーーーしゅるるう゛ん゛っ゛!!!

ランジュ「ーーー!!!!!」ヴン…!!

カキーーーーーーーーーーン!!!!!


恋「!!!!!」

すみれ「っっ!!!」ダダッ!!!

千砂都「すみれちゃあああああん!!!!バーーーーック!!!!」


アキバレポーター「打ったああああ!!!!大飛球がセンター後方に舞い上がって行くーーー!!!」

すみれ「あっ!!?」ガシャッ!

アキバレポーター「後ろに守っていたすみれちゃんが早くもフェンス一杯に到達!!!打球は!?フェンスを!すみれちゃんを越えるか!?」


すみれ「っ……!!!!!」グッ…!!!

アキバレポーター「どうだ!?若干詰まっているのか!?いや、伸びているのかーーー!?」

すみれ「たあああっ!!!!!」バッ!!!!

アキバレポーター「すみれちゃんジャンプーーー!!!!」


ガシャッ!!!!

すみれ「ぐぅっ……!!!」

すみれ「きゃあっ!!」ズザァッ!!


アキバレポーター「すみれちゃん倒れ込んだがどうだ!?打球はどこに消えた!?」


ランジュ「………………」

272: 4回表 虹ヶ咲0-1Liella!(もんじゃ) 2022/04/08(金) 23:28:35.78 ID:s/Lo+s2p
すみれ「はぁっ……はぁっ…………!!!」フルフル

ギュッ…………!!!!!

すみれ「っっ!!!!」バッ!!!!


っっ!!!!!アウト!!アウトォォォ!!!
ああああああああ!!!?
きゃああああああ!!!!!ワーワーワー!!!!!


アキバレポーター「何と!!すみれちゃん捕っているー!!!?ホームランキャッチだああああああああ!!!!!」

アキバレポーター「打球は完全にフェンスの向こう側まで到達しようかと言う飛距離でした!が!!女の子用規格フェンスギリギリの所で待ち構えたすみれちゃんジャンプ一番!!!」

アキバレポーター「グラブの正に先端で掴み取っています!!その直後倒れ込んでもボールを離さない意地もお見事!!」

アキバレポーター「いえ!お見事なのはすみれちゃんだけではありません!かのんちゃんの魂の1球がランジュちゃんのバットを僅かに押し返したでしょうかー!?」

アキバレポーター「ともあれこれで3アウトチェンジで4回表終了です!!またしても!またしても虹ヶ咲は無得点!!!」


ランジュ「…………やられたわ。まだ"上"があったのね」


ミア「…………」ガクリ…

璃奈「わっ!ミアちゃん!?」

ミア「……駄目だった、か……」

273: 4回表 虹ヶ咲0-1Liella!(もんじゃ) 2022/04/08(金) 23:37:27.70 ID:s/Lo+s2p
クゥクゥ「しゅみれ~~~~~!!!!!!!」

すみれ「はぁっはぁっ……!!」

すみれ「ど、どどどんなものよ!!!この平安名すみれにかかればホームランをもぎ捕るくらい訳ないのよー!!オーッホッホッホ!!」

クゥクゥ「まぐれー!!」

すみれ「うっさい!!結果が全てよ!!」


かのん「お、抑えた……?」フラッ…

千砂都「かのんちゃん!?」

すみれ「どんなものよかのん!!私のスーパーギャラクシーファインプレー刮目したでしょうね!?」


かのん「やっ、た………」ガクン…!! ヘタリ…

すみれ「えっ!?」

恋「かのんさん!?」

サヤ「かのん様!!」


アキバレポーター「あっと!?かのんちゃんどうした!?ベンチ前でへたり込んでしまった!!」

274: 4回裏 虹ヶ咲0-1Liella!(もんじゃ) 2022/04/08(金) 23:49:25.73 ID:s/Lo+s2p
ミア「…………」

ランジュ「……ミア、謝るわ。点を入れられなかった。ごめんなさい」

ミア「……いや」

ミア「あれを捕られたらもうどうしようもないさ」

璃奈「ミアちゃん…」

ミア「しずく、侑。すまなかった。キミ達を信じていたらもしかしたら違った結果が訪れたかもしれない」

侑「そんなーーー!」

しずく「そんなこと言わないで下さい!」

しずく「私は、代打を出されたこと自体は納得しています!私がへっぽこなのは紛れもない事実ですから!」

しずく「でも、結果論でそのようなことを言われたら……悔しいです!!どうしてランジュさんを投入したんですか!得点をあげるためじゃないですか!それなら胸を張って下さい!私は声援を送り続けますから!!」

かすみ「しず子…………」

ミア「……すまない」

「……………」


愛「はい!切り替えよう!」パンッ!

せつ菜「そうです!!!切り替えて守備につきましょう!」

「!!!!!」

侑「う、うん!!その通りだよ!皆!まずは守備につこう!しっかり守って、次の攻撃こそ点を取ろう!」

侑「ね!ミアちゃん!まだまだこれからだよね!?」

ミア「…………」

栞子「ミア?」

ミア「あ、あぁ……そうだね。ランジュはサードに入って彼方がライトだ」

侑「み、ミアちゃん……」

275: 4回裏 虹ヶ咲0-1Liella!(もんじゃ) 2022/04/08(金) 23:59:07.94 ID:s/Lo+s2p
ランジュ「分かったわ。歩夢、ランジュがしっかり守るからピッチングは任せるわ」

歩夢「うん……!」

彼方「彼方ちゃんはより幸運の置き物に近付くぜよ~~……」タタタ…


侑「みんな……みんな!頑張って!!」


アキバレポーター「かのんちゃんは現在ベンチで休んでいるようです!そして心配なのはチーム虹ヶ咲もでしょうか!?」

アキバレポーター「流石に今の場面無得点は堪えたか!!守備につくナインにあまり覇気が感じられません……!」

アキバレポーター(ウグイス嬢)「虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会、シードの変更をお知らせします。代打いたしました嵐鐘珠がサードに入ります。サードの近江がライト。6番 サード 嵐鐘珠。7番 ライト 近江。以上に変更となります」


ミア「…………」

侑「ミアちゃん!元気出して!まだ攻撃は3回も残ってるんだから!」

しずく「そうです!応援しましょう!!」

ミア「……あぁ。ただ、ちょっと考えたいことがある。少し時間をくれないか……」

侑「ミアちゃん……」

栞子「ミア……」

276: 4回裏 虹ヶ咲0-1Liella!(もんじゃ) 2022/04/09(土) 00:25:45.52 ID:dn5GBvpm
アキバレポーター「4回の裏 Liella!&Sunny Passionなど合同チームの攻撃は、3番 ファースト 柊」ワーワーワー!!!


かのん「うぅ…………」ハァ、ハァ、ハァ…

千砂都「かのんちゃん!しっかりして…!」

かのん「負けて、ない……まだ負けてない……」

千砂都「かのんちゃん……!!!」

ありあ「お姉ちゃん、どうしてこんな…さっきまで元気だったじゃん!」

サヤ「張り詰めていた緊張の糸が切れてしまった、と言う言葉はあまりにも軽々しいですね」


サヤ「かのん様は今の回、必死に自分を奮い立たせ自分の限界以上の力を引き出して投球を重ねていました」

サヤ「初回から続いていた極度の緊張も、好投手 歩夢様の投球や強力な虹ヶ咲のメンバーに立ち向かわなければならない畏れも、チームのエースとしてマウンドに立つ重圧も、全て跳ね返して強く在らねばと気丈に……」

サヤ「まるで、自分を偽るかのようにーーー」

千砂都「それは違うよサヤさん!!!」

サヤ「!!」


千砂都「かのんちゃんは、かのんちゃんは…これが本当のかのんちゃんだよ!」

千砂都「どんなことにも前向きで、自分の気持ちをハッキリと言えて、大好きなことに全力でーーー」

千砂都「それで、凄く…怖がりで、負けず嫌いなんだ……私と同じで……」


千砂都「上手く行かない、出来ないことの怖さも、自分の力が足りなくて叶えたい願いを成し遂げられない悔しさも知ってて」

千砂都「その上で強くなりたいって思ってる。それが澁谷かのんって子なんだ……!」

サヤ「……千砂都様。申し訳ございません。かのん様のことを知ったようなことを述べてしまいましたね」

千砂都「……」グスッ…

277: 4回裏 虹ヶ咲0-1Liella!(もんじゃ) 2022/04/09(土) 00:46:34.32 ID:dn5GBvpm
かのん「ちぃちゃん……褒めすぎ、だよ…」ヨロ…

千砂都「かのんちゃん!」

かのん「あはは…ゴメンね。何か急に力が抜けちゃって」

クゥクゥ「大丈夫ですかかのん!?」

かのん「うん……!ちょっと張り切っちゃっただけ……休めばまだまだ行けるよ……!」

悠奈「!!」

恋「まだ行くって……!継投は考えていないのですか!?」

千砂都「私投げるよ!それに、サニパの2人だってピッチャーの準備はしてくれてるハズ……!」

かのん「それじゃ駄目。駄目だよ……!」


かのん「だって、私……このチームのエースピッチャーだもん!!!」

かのん「それに、ピッチャーだけはアッサリサニパの2人に譲ったら駄目……」

かのん「Liella!のマウンドは、Liella!の私が守らなきゃいけないんだ……!!」

悠奈「パァ~~~~……!!」

281: 4回裏 虹ヶ咲0-1Liella!(もんじゃ) 2022/04/09(土) 17:50:13.38 ID:dn5GBvpm
かのん「この大会、私達とサニパの皆の目標は優勝。だけど、私達にとってサニパは越えなきゃいけない壁なんだよ」

かのん「そんなサニパに何もかも頼りきりになっちゃったら、私達いつまで経ってもサニパに追いつけないよ」

「!!!!」

かのん「だからピッチャーだけは、ピッチャーだけは譲りたくない……!!!」キッ!

悠奈「……っ!!!」ニコッ!!


悠奈「いいね、その目。いいよかのんちゃん」

悠奈「そういう事ならこの試合、同点まではLiella!に預けるよ!」

恋「同点……」

すみれ「って!1点でも取られて追いつかれたらかのんは交代ってこと!?」

悠奈「アハハッ!まぁそういうことだけど、でも私達はこれから攻撃するんだよ!」

悠奈「先頭の摩央から!」

悠奈「きっとチャンスメイクしてくれるよ!」


摩央「……」ギュッ…!


せつ菜「(苦しい展開です……)」

せつ菜「(それに加えてこの回はLiella!の皆さんも3番から)」

せつ菜「(ーーーとにかく守るのみです…!この最小点差のまま終盤に行くことを第一に考えましょう!)」

せつ菜「(摩央さんには1打席目いきなりスローカーブを打たれました。ヤマを張っていたのでしょうか……)」

せつ菜「(敢えてそのスローカーブをボール球に外して入ってみましょう)」


歩夢「はぁっ!」ピュッ!

摩央「…………」

パシィ ボール!

せつ菜「(全く反応無し……それはそれで不気味ですね)」


摩央「(この球はもう打ったわ。悠奈の仇はとった……)」

摩央「(来なさい。あの球……)」ギュゥゥゥ…!

282: 4回裏 虹ヶ咲0-1Liella!(もんじゃ) 2022/04/09(土) 18:11:45.89 ID:dn5GBvpm
せつ菜「(歩夢さんのコントロールは完全に冴え渡っています。ボール先行くらい訳ありません)」

せつ菜「(次はまっすぐを高めに外しましょう。カーブに続き目線を上げさせます)」

歩夢「よいしょ!」ピシュ!

ふわぁぁん……

摩央「あの球ーーー!?」ザッ!!!

ブヴんっ!!!!! ストライーク!

せつ菜「っ……!?(何てスイングしてくるんですか!?)」


千砂都「パームボール狙いだったのかな!?ボールの凄い下を強振したよ!」

悠奈「パァ!ム狙い……?」

サヤ「もし今のがパームであればジャストミートでしたね」

サヤ「ただ、ベンチや打席からもう何球も見ていますがストレートとパームボールの見分けはバッターボックスからでは正直つきません……」

サヤ「スピードも軌道も回転数も同じ。握りを見ようにもテイクバックの際は上手く身体で隠し腕の振りも速い……とにかくクセが見つかりません」

恋「では…前の回の悠奈さんのように決め打ちをするしかないのでしょうか……」

悠奈「決め打ち……」

クゥクゥ「でもそんなスイングをしたら相手のキャッチャーに裏をーーー」


せつ菜「(ーーーパーム狙いなら)」

歩夢「えいっ!」ピシュ

せつ菜「(低め一杯のまっすぐ!見逃して貰います!)」

283: 4回裏 虹ヶ咲0-1Liella!(もんじゃ) 2022/04/09(土) 18:25:46.30 ID:dn5GBvpm
摩央「あの球!!」

ブンッッッ!!!!

せつ菜「(えっ!?)」パシィ

ストライクツー!!

アキバレポーター「おっと!?摩央ちゃん力んでいるのかボールの大分下を振っているぞ!それともボール球であろうとパームボールにヤマを張って打ちに行ってるのかー!?」


悠奈「摩央……まさか……?」

せつ菜「(ぽーむにヤマを張ってるだけなら今のはボール球になるから見逃すハズ。なのに強振してきた。もしかして……)」

せつ菜「(歩夢さん、ぽーむです。インコースに外れるくらいのコースに、そして、ホーム手前でワンバウンドさせてください!)」

歩夢「(う、うん……!?)」

歩夢「(ボールゾーンにも投げる練習は沢山したけど、難しい要求!しっかり投げなきゃ!)」

歩夢「えいっ!」ポムッ

ひゅーーーーん……

摩央「あの球!!」ザッ!!

ドッ…カキィイィン!!

ランジュ「きゃあ!」ガバッ!

ぎゅんっ…!ガシャーン!ファール!!


アキバレポーター「おほー!ワンバウンドするパームボールにまで手を出します摩央ちゃん!ちょっと強引過ぎないかー!?」

せつ菜「(間違いありません……!摩央さんはこの打席、ぽーむしか狙っていません!!)」


せつ菜「(前の打席、悠奈さんを打ち取った球種であるぽーむを打つことしか考えていないんです!!!!!)」ガビーン

285: 4回裏 虹ヶ咲0-1Liella!(もんじゃ) 2022/04/09(土) 19:10:06.21 ID:dn5GBvpm
せつ菜「(相棒である悠奈さんの打ち取った球種を自らが必ず打って攻略すると言う強い意志!!正直燃えます……!)」ドキドキ

果林「(なるほど……。歩夢に負けず劣らずの重さって訳ね)」

せつ菜「(……ハッ!!燃えてる場合ではありません!これを逆手に取らない手はーーー)」


悠奈「摩央~~~~~~!」

せつ菜「!」

摩央「…悠奈」

悠奈「(無理にパァ!ムに拘らないで!!摩央のバッティングをして!)」

悠奈「(フリースイングフリースイング!)」サイン パパッ

摩央「(フリースイングのサイン……。ふふ、悠奈にはお見通しって訳ね)」(割と皆にお見通し)


摩央「(分かったわ。パームボールだけに執着するのは止め。さて、何を狙おうかしら……)」

せつ菜「(今、サインが出ました。つまりぽーむだけを狙うのを止めろと指示が出たと言うこと)」


摩央「(それでも狙うべきはパームかしら)」

せつ菜「(ですが逆に裏をかいてぽーむを……いえ、摩央さんのクレバーな雰囲気。ぽーむを続けたら今度こそ痛打されそうです。それだけは避けなければいけません!)」

摩央「(決めたわ。カウントも整っているしストライクゾーンにまっすぐは来ない。パームが来るものと構えるわ。ボール球でも軽打して外野に落としてあげる)」グッ…!

せつ菜「(裏の裏をかいて低め一杯にチェンジアップです!タイミングを崩して打ち取ることも、手が出ず見逃し三振を奪うことも狙えます!!)」

歩夢「(わかった!)」コクリ!

286: 4回裏 虹ヶ咲0-1Liella!(もんじゃ) 2022/04/09(土) 19:19:59.37 ID:dn5GBvpm
歩夢「…たぁ!」シュッ…!

ふわぁぁん…………

摩央「(パーム…!?いや、まっすぐーーー

ふわぁぁぁぁん…………

摩央「(でもない!!!抜いた球!!)」

摩央「くっ……ぐぅぅ!!!!!!!」スッ…ググググ……!!!

せつ菜「っ!?」

摩央「っ…………やぁぁぁ!!」グリン!!

カキィン……!!!


果林「っ!!やぁっ!!!」バッ!!!

スウッ……!!!!!

果林「くぅぅ!!」

ぽてん!!トッ、トットットッ……!!


アキバレポーター「摩央ちゃん上手い!!!!!ライト線側に落としたー!!長打コースだあああ!!」


トットットッ……!!!

彼方「うひー!代わった所に飛ぶんだからランジュちゃんの所に飛んでよー!」飛びました

アキバレポーター「さぁフェンス際で回転の掛かったボールがバウンドする!!彼方ちゃん上手く処理出来るか!?」

摩央「(処理がもたついたら3塁までーーー!!)」タッタッタッ!!

アキバレポーター「摩央ちゃんは2塁へ向かうー!!」

287: 4回裏 虹ヶ咲0-1Liella!(もんじゃ) 2022/04/09(土) 19:28:11.63 ID:dn5GBvpm
カシャン!ぽてっ、ガシャン!!

彼方「おおぉぉぉっ!?」

ぽてっ…

彼方「ーーーそこだぁ!」パシッ

アキバレポーター「彼方ちゃん捕った!が、ワンバウンド多いか!?」

かすみ「彼方せんぱーい!!」

彼方「かすみちゃーん!!」ピュンッ…っ!

摩央「ーーー3塁、行く!!」ダダダッ!


アキバレポーター「摩央ちゃん緩めずに3塁へ向かったー!」


ひゅぅぅーーーん……ぽてっ…

かすみ「あ゛ーーーーん゛!!!彼方先輩肩弱いですー!!」パシッ

かすみ「サードぉぉ!!」ピシュ……っ!


ひゅぅぅぅーーーん……ぽてっ…

ランジュ「きゃあ!かすみも肩がとても弱いわ!!!!」

摩央「ふっ……!」ズザァッ!!

セーーフ!! ドワァァァ!!


アキバレポーター「セーーフ!!摩央ちゃん3塁到達ー!ここでスリーベースが出たァァァ!!」

291: 4回裏 虹ヶ咲0-1Liella!(もんじゃ) 2022/04/09(土) 21:31:26.74 ID:dn5GBvpm
千砂都「やったぁ!!ノーアウト3塁!!」
クゥクゥ「摩央サマ……抱いて……」
悠奈「駄目だよ!!!」
恋「絶好の好機が来ました!!!すみれさん!!」

すみれ「…………っ!」スクッ!

アキバレポーター「摩央ちゃん……素晴らしい打撃を見せました!」

アキバレポーター「タイミングを外すチェンジアップに上体が突っ込みかけましたが軸足を必死に堪えーーーそこから腰を残しつつ最後は左肘を抜いて右手で押し込んでの流し打ち!!」

アキバレポーター「これぞ正にーーー」


ランジュ「あなた、ヘンタイなのね」

摩央「!?」


アキバレポーター「変態打ち……もとい、曲芸的なバッティングでした!!」

アキバレポーター「さぁノーアウト3塁で4番すみれちゃんと言うとんでもない山場が突如訪れたァー!!」


せつ菜「歩夢さん……!すみません!」

歩夢「せつ菜ちゃんが謝ることじゃないよ!今のはバッターの摩央さんが打つのが上手だっただけ」

愛「とは言え、この状況をどうする?1点は覚悟だよ」

せつ菜「いえ……!0点で凌ぐことを考えましょう!!」

果林「当然よね。それで、どうするの?」

せつ菜「まず4番のすみれさんとは勝負です。1打席目と同じように力んで貰えれば確実に打ち取れるハズです!」

せつ菜「そして5番の恋さん。彼女は最悪フォアボールになってもいい攻めをします」

せつ菜「その後に続く、先程からベンチで休んでいる6番のかのんさん。スイングの弱い7番クゥクゥさんで打ち取れれば0点で凌げて次の攻撃も8番からです!」

愛「当然スクイズは警戒だよね」

せつ菜「勿論です。内野は超前進です。歩夢さんはとにかく低めに集めて空振りないしタイミングを崩した内野ゴロを打たせることに集中して下さい!」

歩夢「任せて!」

かすみ「エラーだけはしちゃ駄目ですよ!」

ランジュ「あら、かすみが一番心配だわ」

かすみ「かすみん守備は頑張って出来るようになりましたもん!!」

歩夢「うん!かすみちゃんの守備信頼してるよ!」

かすみ「ううううぅぅ……!」ドキドキ…!

292: 4回裏 虹ヶ咲0-1Liella!(もんじゃ) 2022/04/09(土) 21:49:49.84 ID:dn5GBvpm
せつ菜「さぁ!守りましょう!!」オーーー!

侑「皆……頑張れ……!」

しずく「皆さーん!集中です!!」

栞子「防ぎましょう!」

ミア「…………」


すみれ「……………」ギュッ……

千砂都「すみれちゃん!!力まずにね!!」

恋「すみれさん!リラックスです!!」

クゥクゥ「ここで凡退したら承知しないデスよ!!」

すみれ「…………」チラッ

かのん「……んしょ!」

かのん「すみれちゃん……がんばれ……」


すみれ「……ボロボロじゃない。エース様」

かのん『私達にとってサニパは越えなきゃいけない壁なんだよ。そんなサニパに何もかも頼りきりになっちゃったら、私達いつまで経ってもサニパに追いつけないよ』

かのん『だからピッチャーだけは、ピッチャーだけは譲りたくない……!!!』

すみれ「(打ってやるわ。絶対に点を入れて少しでも楽にしてあげる……!!!)」ザッ


すみれ「っ……!」

愛・かすみ・果林「っ!」ザザッ…!!

サヤ「超前進守備……ランジュ様も投球と同時に前進しますでしょう。スクイズを警戒しつつホーム突入も許さない構えですね」

千砂都「も~!すみれちゃんを甘く見て~!いつも通りに打てれば確実に点を入れられるよ!頑張れすみれちゃん!」

クゥクゥ「打つしか無いですよー!!!」

すみれ「当然ったら当然よ……!打つだけよ!!」

293: 4回裏 虹ヶ咲0-1Liella!(もんじゃ) 2022/04/10(日) 16:10:49.20 ID:3lH4uqfe
せつ菜「(初球から厳しく行きます)」

歩夢「(うんっ)」


歩夢「ふっ…!」シュッ

ふわっ……!

すみれ「えっ!?(ぶつかる…っ!?)」

くくっ…くくくっっ…!!

すみれ「うっそ…!?」

パシィ! ストライーク!!!

せつ菜「ナイスボールです歩夢さん!最高の1球目です!」


アキバレポーター「なんと初球はすみれちゃんの膝元!インローにスローカーブをコントロールしてみせました歩夢ちゃん!」

アキバレポーター「すみれちゃんは足を動かされた……!」


せつ菜「(もう1球内です)」

歩夢「やぁっ!」ポムッ

ひゅーーん……

すみれ「(まっすぐーーー!!!)」

すぅっ……

すみれ「!!」

ぶんっ!!! ストライクツー!!


千砂都「あぁっ……!」

クゥクゥ「また2球で追い込まれましたー!」

悠奈「まだまだ!縮こまらないで!!」


すみれ「(まっすぐ……まっすぐだけ……!)」フゥ、フゥ……!

294: 4回裏 虹ヶ咲0-1Liella!(もんじゃ) 2022/04/10(日) 16:19:15.44 ID:3lH4uqfe
せつ菜「……」

せつ菜「(ここも完全に気負いすぎています。後はもうストライクゾーンは必要ありません)」

せつ菜「(まず外にまっすぐを外します)」

歩夢「えいっ!」

ふわぁぁん…!

すみれ「(まっすぐ!!)」ザッ…!!
すみれ「(でもボール球…!)」ググッ!

パシッ! ボール!


すみれ「ふぅ~~……!」ギュッ…

せつ菜「(完全にまっすぐだけに絞っていますね。ですがもうゾーンの中には投げませんよ)」

せつ菜「(次は顔の高さにまっすぐです。高めに目線を上げて軌道も植え付けて、最後は外にぽーむを落として三振です!!)」サイン パパッ


歩夢「(……うんっ!)」コクリ


歩夢「(すみれちゃんは明らかに私のストレートを狙ってる……高めに外す球だけど絶対に低く行っちゃダメ!)」

歩夢「(外すのだから、顔よりも少し高めに外す位の気持ちで!)」ピシュ!

ふわぁぁん!

せつ菜「(いい高さです!これでしっかり目線を上げて貰っーーー)」


すみれ「……っ!!!まっすぐ!!!!!」ガバァッ!!!!

せつ菜「!?」


キャアアアアン!!!!!

295: 4回裏 虹ヶ咲0-1Liella!(もんじゃ) 2022/04/10(日) 16:26:20.88 ID:3lH4uqfe
せつ菜「なっ……えぇっ!!!?」

アキバレポーター「すみれちゃん顔より高いボールを大根切りィィィーーーーー!!!!」


愛「エマっち!!!タッチアップ!!」

エマ「オーライ…!行くよ……!!」

アキバレポーター「エマちゃん僅かに左中間寄りに移動!そして定位置より3歩後ろに下がったか!?これは犠牲フライかぁ~~!?」


摩央「フゥ……」スッ…

すみれ妹「捕ったらGo、捕ったらGo……!!」


タタッ…………パシィ!

すみれ妹「ごーーーー!!!」

摩央「ふっ!!!」ダダダッ!!

愛「エマっちー!!ここー!!!」

エマ「っ…!!愛ちゃん!!」ビシュ!

しゅーーーーん……!

愛「っ…!!間に合えええええ!!!」ビシュッッッッ!!!

ぎゅううううううううう゛う゛ん!!!


アキバレポーター「タイムロス無しで愛ちゃんからバックホーーーム!!!」

恋「摩央さん!!」

摩央「はぁっ!」ズザァッ!!

バシィッッ!!!バッ!!!

せつ菜「っぁ!!!!!」ガバッ!!

296: 4回裏 虹ヶ咲0-1Liella!(もんじゃ) 2022/04/10(日) 16:32:55.60 ID:3lH4uqfe
せつ菜「……!!!」

摩央「お先に……」

っセーーフ!!セーーーーーフ!!!!

恋「っ!!!」ピョーン!!


アキバレポーター「セーフだああ!!タッチアップでチームLiella!が次の1点!!中盤で2点目を取ったあああ!!!」


すみれ「ハァ、ハァ……」←フライでも全力疾走

千砂都「やったー!!2点目だー!!」

悠奈「あははっ!完全にボール球!!でもナイス!ナイスだよすみれちゃん!!」

かのん「やった、やった…すみれちゃん……」

クゥクゥ「ククは信じとったデスー!!」テノヒラクルー


すみれ「点、入った……」

すみれ「やっ…………たぁ……!!!」グッ!!


アキバレポーター「すみれちゃん渾身のガッツポーズでベンチに戻ります!!」

297: 4回裏 虹ヶ咲0-2Liella!(もんじゃ) 2022/04/10(日) 16:41:54.07 ID:3lH4uqfe
せつ菜「………ぐぅっっ!!!」

せつ菜「(まさか、そんな……!ボール球ですよ!?頭よりも高く外れていたボールだったのに!!)」

侑「2点目、取られた……」

栞子「まさか、あんな打ち方を……」

しずく「…………」

しずく「あんな、打ち方……ありなんですか……?」ゾクッ……


エマ「うぅ……間に合わなかった……」

かすみ「歩夢先輩、2失点目…」

ランジュ「……」


歩夢「ふぅ~…………」

歩夢「1アウトーーーー!!ランナー無くなったよーー!!」

「!!!!!」

歩夢「まずはこの後をしっかり守ろうー!」

歩夢「ミアちゃんも言ってたよね!終盤に絶対チャンスが来るって!」

歩夢「だからこの後を0点に抑えよう~~!!」


愛「歩夢……」
せつ菜「歩夢さん……」

侑「っ……!そうだよ歩夢ー!みんなー!ここから守ろうー!」

しずく「もう一度集中です!!」


かすみ「はいっ!守りましょう!」

果林「その通りね!さぁバッター来なさい!」


栞子「……正にエース、ですね。歩夢さん……!」

298: 4回裏 虹ヶ咲0-2Liella!(もんじゃ) 2022/04/10(日) 16:59:05.13 ID:3lH4uqfe
せつ菜「……!」パンッパンッ!

せつ菜「(歩夢さんの言う通りです。切り替え、切り替え!!)」


恋「(まだまだここからです!)」

恋「(わたくしが出て、脚を絡めてあわよくばもう1点取れれば……!)」


歩夢「たぁっ!」

ふぁっ…くくっ!!

恋「(カーブ!届きます!!)」

カキィン…!!

歩夢「っ!」バッ!


アキバレポーター「得点直後恋ちゃん初球強襲ー!歩夢ちゃんの横を抜けてセンターに抜けるかーーー!?」

かすみ「~~~~やぁっ!!」パシッ!

アキバレポーター「いや!かすみちゃん追いついた!」

愛「かすみんパス!!」

かすみ「!」

かすみ「愛先輩!!」ヒュッ!

愛「らぁっ!!」パシッ ビシュッ!

果林「ナイス!!!」バシィ!

恋「な……っ!?」

アウト!アウトォォ!!ドワァァ!!

アキバレポーター「アライバきたー!!!」

アキバレポーター「センター前に抜けようかと言う恋ちゃんの打球を虹ヶ咲の三遊間が防いだー!」

299: 4回裏 虹ヶ咲0-2Liella!(もんじゃ) 2022/04/10(日) 17:05:22.16 ID:3lH4uqfe
愛「ナイスかすかす!」

かすみ「かすみんです!!!」

愛「ジョーダンジョーダン!」ガシガシ

かすみ「きゃー!頭ガシガシしないでくださいー!」

ランジュ「ナイスプレーよ!2アウト!」

歩夢「愛ちゃんかすみちゃんありがとう!2アウトー!」


かのん「……」フラ…

千砂都「かのんちゃん!」

かのん「…任せてちぃちゃん。まだまだ私からチャンス作るよ……」

すみれ「違ーう!」

かのん「?」

サヤ「この打席かのん様はスイングしてはいけません。打席に立ってるだけでアウトになってきて下さい」

かのん「えっ…?!」

クゥクゥ「えっではありませんよかのん!かのんはまだ投げるのでしょう!?ここは体力温存デス!」

悠奈「皆の言う通りだよ。まだ、マウンドで投げるんでしょ?」ニコッ

かのん「……」

かのん「うん。分かった。行ってくる」

300: 4回裏 虹ヶ咲0-2Liella!(もんじゃ) 2022/04/10(日) 17:12:54.08 ID:3lH4uqfe
かのん「……」スッ

せつ菜「!」

アキバレポーター「おおっと、ここはかのんちゃん打席の隅に立ちバットも肩に乗せるだけで構えます」

アキバレポーター「前の回素晴らしい投球を見せただけに次の回へ向けてここは体力温存でしょうか?!」

せつ菜「ふぅ……」

せつ菜「(まずここは3球でアウトを貰いましょう)」

歩夢「うん…!」

ピシュ ストライーク
ピシュッ ストライクツー
ピシュ ストライーク!バッターアウト!


かのん「はぁ、ふぅ……。よし……」

千砂都「かのんちゃん!バットとヘルメット頂戴!片付けるから!」

かのん「あっ。ありがとうちぃちゃん」

クゥクゥ「まさかのすみれのバッティングで1点を追加出来ました!守りましょう!ククも頑張って守ります!!」

すみれ「まさかは余計だけど、クゥクゥの言う通りよ。私達が守るわ。あなたはこの点差とマウンドを守りなさい」

悠奈・摩央「……」ニコ…

かのん「みんな……ありがとう……!」


かのん「よぉし…!皆、5回行くよ!!」ダッ

千砂都「あっ!かのんちゃん待って!」


「今からグラウンド整備を行いますよ!澁谷さんベンチへ戻ってください!」

かのん「ぶへーーーー」ズコー


千砂都「かのんちゃあああぁぁぁん!!!!」၄(cʸ„o □ oリ၃

306: 名無しで叶える物語(もんじゃ) 2022/04/11(月) 22:59:39.94 ID:jYhGIvME
アキバレポーター「只今の時間はグラウンド整備が行われております。7イニング制なので4回終了時な訳ですね~」

アキバレポーター「また先程の実況でワタクシ二遊間を三遊間と言い間違えてしまいました!訂正してお詫び申し上げます!いやはや、これでは某野球漫画の一二遊間誤植に言及出来ませんね!以後気をつけます!」

アキバレポーター「さてさて、スクリーンには両チームのライブ映像も流れておりますが、両ベンチはこの時間どのように過ごしておりますでしょうか?!」

===

侑「皆!あのピンチをよく1点で凌いだよ!」パチパチ

栞子「歩夢さんよく粘られました」パチパチ

歩夢「うん……0点に抑えられたらよかったんだけど……」

せつ菜「歩夢さんは一切の投げミスありませんでした。私の責任です!」

愛「いやいや、摩央ちゃんの粘り腰もすみれちゃんの大根切りも打った方を褒めるしかないよ。ゆうゆの言う通り1点で抑えられたことをポジろう!」

璃奈「愛さんの言う通り。璃奈ちゃんボード『(*^◯^*)』」

果林「そうね。さぁ、ここからの終盤必ず来るチャンスをモノにするわよ」

果林「そうでしょう、ミア?」

ミア「………………」

エマ「ミアちゃん…?」

ミア「……え?あぁ、よくあの場面を1点で抑えられたと思う。流石だ歩夢」

歩夢「う、うん……」


かすみ「ちょっとぉ!ミア子!何凹んでんの!まさかもう勝つの諦めたって言うの!?」

ミア「……まさか。少し考え事をしているだけさ。出来れば静かにして欲しいかな、子犬ちゃん」

かすみ「ぬぬぬぬぬぬぬ……!!!なんなんですかその態度はー!」

璃奈「……」

彼方「まーまー。それよりもかすみちゃん。今いい感じのインターバルっぽいしアレ出しちゃわない?」

かすみ「ハッ!確かに今最高のタイミングですね!では彼方先輩、お出ししましょう!」

彼方「ラジャー♪」