1: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/01(月) 03:56:46.15 ID:yyklmjlo0
初春「システムスキャンの結果はどうでした?」

佐天「能力ついてたよー」

初春「ホントですか!おめでとうございます!どんな能力ですか?」

佐天「嘘がホントになる能力だって」

初春「本当にすごい能力じゃないですか!」

佐天「まあ、嘘だけどね」

初春「えっ……」

佐天「今日は4月1日だよ」ニヤリ

5: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/01(月) 04:01:41.41 ID:yyklmjlo0
初春「もう、からかわないで下さいよ……」

佐天「ごめん、ごめん。けどびっくりしたでしょ?」

初春「はぁ……今までのエイプリルフールで一番驚きましたよ」

佐天「よし、じゃあ次はどんな嘘つこうかな?」

初春「まだ満足してないんですか?」

佐天「あったりまえじゃん!今日はエイプリルフールなんだから嘘ついていかないと!!」

初春「別に嘘つかなきゃいけない日ってわけじゃありませんよ……」

佐天「気にしない気にしない」

8: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/01(月) 04:09:09.64 ID:yyklmjlo0
初春「この後御坂さん達と合流するんですよね。御坂さん達に嘘をつくんですか?」

佐天「まあ、そうなるかなー。うーん、出来ればリアリティのある嘘がつきたいなぁ」

初春「さっきと同じ嘘にすればいいじゃないですか」

佐天「それじゃあ、芸がないじゃん。折角なんだからバラエティに富んでいこう」

初春「なんかいい案でもあるんですか?」

佐天「初春は今日 バックをはいている!」

初春「どこにリアリティあるんですか!!」

佐天「ははは、冗談だって」

初春「もう、変なこと言わないでくださいよ」

佐天「ちなみにほんとは何なのかな?」バサー

初春「へ……キャー!!」

佐天「おぉ、今日は水玉か」

11: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/01(月) 04:15:10.99 ID:yyklmjlo0
初春「いつもいつもこんな往来で何を考えてるんですか!?」

佐天「気にしない気にしない。代わりに私の見る?」

初春「見ません!!」

白井「やけに騒がしいと思ったらあなたたちでしたの?」

佐天「あっ、白井さんこんにちは」

白井「どうも、それにしても初春。道端で騒ぐなんてそれでも風紀委員ですの?もっと規律正しい生かt」

御坂「あれ?三人とももう集まってたの。ごめんね遅れて」

白井「お姉様ぁあああああ!!!」ガバァ!

御坂「いきなり飛びかかってくんな!!」ビリビリ

初春「白井さん全然他人のこと言えないじゃないですか……」

14: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/01(月) 04:21:24.78 ID:yyklmjlo0
御坂「さて、ひとまず喫茶店でも入ろうか?」

佐天「……(ひらめいた!!)あぁ、確かあっちの方にケーキの半額セールをやっているお店がありますよ」

御坂「そうなんだ。じゃあそこに行きましょう。ほら黒子!いつまで寝てるの起きなさい!!」

初春「……佐天さん、今の話本当ですか?」コソコソ

佐天「嘘に決まってるじゃん」コソコソ

初春「やっぱり……」ハア

佐天「まあ、かわいい嘘でしょ?リアリティもあるし」コソコソ

15: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/01(月) 04:29:19.03 ID:yyklmjlo0
御坂「あっ此処みたいね!佐天さんよく知ってたわね」

佐天初春「えっ……」

『本日ケーキ半額セール中!!』

初春「佐天さん、嘘だったんじゃないんですか?あぁ、そういう嘘をついたって嘘ですか。なんでわたしばっかり騙すんですか?」

佐天「いや、初春ほんとに嘘のつもりだったんだけど……」

初春「偶然本当にやってたって事ですか。偶然ってあるものですねぇ」

白井「どうしたんですの二人とも早く入りますよ」

初春「はい!まあ、ひとまず入りましょう佐天さん」

佐天「そうだね!」

17: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/01(月) 04:37:33.75 ID:yyklmjlo0
御坂「えっ嘘のつもりだったの?」

佐天「折角エイプリルフールだったんで。けど失敗しちゃいましたね」ハハハ

白井「嘘から出た真という事ですの」

佐天「それなら初春についた嘘が本当になればいいのになー」

御坂「初春さんはどんな嘘をつかれたの?」

初春「ひどいんですよ!『能力が手に入った』って嘘をついて!わたし本当に驚いたし喜んだのに」

佐天「ほんとごめんって。仕方ないなぁお詫びにここのケーキおごってあげるよ」

初春「ほんとですか!嘘じゃありませんよね!?」

佐天「嘘じゃない嘘じゃない。神様に誓います」

白井「そんな事言って大丈夫ですの?」

佐天「大丈夫ですよ。半額セールなら料金は一個分みたいなもんですし」

20: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/01(月) 04:44:24.34 ID:yyklmjlo0
店員「お会計はこちらになります」

佐天「あっどうも……あれ?すいませんケーキって半額になるんじゃないですか?」

店員「?……何のことでしょうか?」

御坂「えっ、ケーキ半額セールをやってるんじゃないんですか?」

店員「申し訳ありませんが、どこか別のお店と勘違いなされておりませんか?当店では特にそのようなサービスは行っていませんが」

四人「えっ……」



佐天「うぅ……2人分のケーキ代は結構つらい……」

初春「だから払うって言ったじゃないですか」

佐天「いや、神様にも誓ったしそれは払うの。なんか負けた気持ちになるし」

初春「もう、変なところで意地張って」

22: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/01(月) 04:56:23.49 ID:yyklmjlo0
白井「それにしてもどういうことだったんですの?」

御坂「確かに不思議よね。店の前の半額セールの看板がなくなってたし、

   私たちより先に入ったお客さんに聞いてもそんなの見てないって言ってたしね」

佐天「わたしたち四人が全員で見間違えたってことですかね?」

初春「確かにケーキ半額セールの看板は見ましたよ」

白井「けど周りの店含めてそんな看板はありませんでしたの。ということはわたくしたちが入る直前に看板を出して、出る前に片づけたという線しか……」

佐天「どこのだれか知らないけど許せない悪戯ですね!探し出して捕まえましょう!!そしてケーキ代を出させてやる!!!」

初春「ははは……」

御坂「まあ、ケーキ代はともかく悪戯としては性質が悪いし確かに一度懲らしめた方がいいかもね」

白井「確かにお姉さまの言う通りですわ。初春!監視カメラの映像だせますの?」

初春「はい、ちょっと待ってください。すぐに調べてみます。こういう時のための携帯端末ですし」

佐天「初春!ちゃっちゃと見つけちゃってよ!!」

25: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/01(月) 05:05:23.61 ID:yyklmjlo0
初春「映像出ました!これが私たちが合流する前の店の映像です」

御坂「この時点では看板は出てないわね」

佐天「ということはこの後看板を置きに来るやつが犯人ですね!」

初春「映像進めてみますね」

佐天「えっ、突然看板があらわれた!?」

御坂「つまり能力者の仕業?」

白井「わたしと同じ空間移動系の能力ですの。それも自分は移動せず物だけを移動する能力者となると大能力者クラスの……」

29: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/01(月) 05:12:05.77 ID:yyklmjlo0
佐天「そんな人がわざわざ悪戯を……?」

初春「時間的には大体私たちが移動するぐらいの時間ですね、時間を進めてみます」

御坂「わたしたちが来たわね。やっぱりこの時は看板は出てたのね」

佐天「ということは……やっぱり!看板が消えた!」

白井「手元にない看板を移動するなんて……かなりの能力者ですの」

御坂「でもこれじゃあ、犯人を特定できないわね……」

初春「……」

佐天「ん、初春?どうかしたの?」

初春「これ……もしかしてなんですけど……佐天さんじゃないですか?」

31: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/01(月) 05:17:46.63 ID:yyklmjlo0
佐天「えっ、何言ってんの初春?わたしってどういうこと?」

御坂「佐天さんが看板を出したり消したり出来るってこと?」

初春「わたしが気になるのは時間なんですよね」

白井「時間?」

初春「はい、看板があらわれたのは私たちが移動する直前。それで看板が消えたのはわたしたちが大体店で話している時です」

佐天「それがどうかしたの?」

初春「これって一致してるんですよね」

白井「何と一致しているんですの?」

初春「御坂さんが佐天さんの嘘に騙されていた時間とです」

34: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/01(月) 05:22:26.37 ID:yyklmjlo0
御坂「わたしが佐天さんの嘘に騙されたときに看板が表れて、嘘を教えられたときに看板が消えた……」

佐天「……初春、何言ってんのさ?それじゃあまるで」

白井「嘘が本当になる能力ですの」

初春「はい。一度そういう嘘をつかれたからこそすぐ思いついたんですけど……」

御坂「……ちょっと調べてみましょうか」

佐天「何をですか?」

御坂「初春さん、今度は店内の映像出せる?」

白井「お姉さま……いくら風紀委員といえど道のカメラじゃなくて店内映像となると規則的には」

御坂「細かいことは気にしないの!今はこの謎解明する方が先でしょ!」

白井「はぁ、仕方ありませんの」

初春「じゃあ今度は店内映像出しますね」

38: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/01(月) 05:27:38.54 ID:yyklmjlo0
初春「出ました!何を調べるんですか?」

御坂「看板が出てから消えるまでに会計を済ませた客がいるわよね?その人の支払いをアップできる?」

初春「かなり荒くなると思いますがたぶん出来ます。やってみますね」

佐天「これで何がわかるんですか?」

御坂「本当に『嘘が本当になる能力』なんてものがあるんだったら看板が出るだけじゃなくて、
   
   わたしが騙されている間は実際に半額セールをやっていたはずなのよ」

白井「なるほど、もし看板が出ている期間の支払いが半額になっているとしたら……」

佐天「……本当に私が能力者になっているってことに……」

44: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/01(月) 05:34:12.71 ID:yyklmjlo0
初春「拡大できました!……料金は……半額で払ってます!!」

御坂「…半信半疑だったんだけど、こりゃ本物みたいね……おめでとう佐天さん」

白井「驚きましたの……」

初春「けど、これはきっと本物ですよ!やったじゃないですか佐天さん!!」

佐天「……わたしが能力者?……全然実感ないんですけど」

御坂「それなら試してみればいいんじゃない?」

佐天「試す?」

御坂「誰かを騙してくればいいのよ」

48: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/01(月) 05:40:00.37 ID:yyklmjlo0
初春「今のところ能力としてわかっているのは
   
   1.嘘が本当の事実になる
   
   2.嘘を相手が信じていなければならない

   3.嘘が相手にばれるとその事実は消滅する

   ってところですかね」

御坂「相手を信じさせるってところが重要そうね。あまりに突拍子もないことは真実にできない」

白井「そう考えると結構制限の大きい能力ですの」

佐天「騙すって言っても誰に嘘をつけば……?」

白井「嘘をつくとわかっているわたくしたちを騙すのは難しいですの」

初春「となると別の誰かってことになりますね」

佐天「そして、相手が信じるくらいの簡単なウソ……」

55: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/01(月) 05:44:54.28 ID:yyklmjlo0
御坂「だれかなんかいい案あるかしら?」

白井「突然嘘をつけと言われると案外難しいものですの」

佐天「……たぶん騙せそうな嘘と相手は思いつきました」

初春「えっ本当ですか?」

御坂「さっそく試してみましょう!」

佐天「けど、ここにいない相手なんですけど電話とかでも大丈夫なんですかね?」

初春「どうなんでしょうか?」

白井「その辺の条件はまだわかっていませんの」

御坂「試すだけ試してみましょう」

59: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/01(月) 05:50:55.79 ID:yyklmjlo0
佐天「じゃあマコチンにメールしてみます」

初春「内容はどうするんです?」

佐天「『今1000円札を拾ったんだけど交番に届けた方が良いと思う?』って感じで」

御坂「なるほど……金額的にあからさまに多くないからリアリティはあるわね」

白井「でも今日は4月1日、そうでなくても嘘に敏感になりやすい日ですの」

佐天「大丈夫です。マコチンはいい子なんでたぶん信じてくれます」

初春「そうですね、彼女なら信じてくれそうな気がします」

66: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/01(月) 06:01:20.36 ID:yyklmjlo0
佐天「それじゃあ……送信!!……何も起きませんね?」

御坂「あくまで相手が騙されたときに発動するはずだから相手がメールを見るまでは何も起こらないはずよ」

白井「まあそもそもメールで大丈夫か、相手が信じてくれるかというのが確定したわけd」

シュン!

佐天「うわ!……1000円札が…出た」

初春「すごい!突然現れましたね!」

御坂「監視カメラで見た看板と同じね」

白井「これは確定で間違いなさそうですの」

68: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/01(月) 06:03:52.22 ID:yyklmjlo0
佐天「そういえば、さっき能力が発動しているとき店の人は問題なく半額で受け取っていたんですね?

   じゃあどうして今回の場合、御坂さんたちは『私が1000円を拾った』と思わないんでしょう?」

御坂「たぶん嘘を知っているかいないかじゃないかしら?嘘を知っていると能力発動前後にも記憶を維持できる

   もし私たちがこの能力を知らない時に同じことしていればきっと私たちは『佐天さんが1000円を拾った』と思うんじゃないかしら?まあ仮定の話だけれど」

佐天「なるほど……あっ返信がきました!」

マコチン『1000円札かぁ。風紀委員か警備員に届けるのかな?たぶん風紀委員の方じゃないかな?』

初春「信じてくれてるみたいですね」

御坂「それじゃあネタ晴らししてみましょうか」

佐天「えっネタ晴らししちゃうんですか?勿体ない!?」

白井「ほんとに消えるか調べるのも重要ですの」

佐天「うぅ~、わかりました……」

70: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/01(月) 06:08:22.33 ID:yyklmjlo0
佐天『ごめん、実は嘘!今日はエイプリルフールだからね』

……シュン!

初春「きちんと消えましたね」

佐天「さよなら、1000円札……」ウルウル



白井「しかしまたほんとにすごい能力に目覚めたものですの」

御坂「確かに使いようによっては超能力者にも劣らない能力ね」

初春「すごいですよ!佐天さん!!」

佐天(……ようやく実感がわいてきたな。ずっと憧れていた。

   幻想御手事件の時に失敗して能力より大事なものに気付いた。

   それでもやっぱりどこかで夢見てた…能力を手に入れることを……)

佐天「わたしっ能力者になったんだ!!」

第一部完

引用元: 佐天「嘘が本当になる能力かー」