【ワールド】ボーダーの恋愛事情【トリガー】 

【ワールド】 ボーダーの恋愛事情 ・ ② 【トリガー】

7: >>1 2015/12/12(土) 23:00:42.63 ID:xPCB7yf90


ザワザワ…


修「えーっと……ぼくたちは1号車らしい」キョロキョロ

遊真「あのバスだな」

千佳「じゃあ乗ろっか」

修「……あ」

遊真「どーしたオサム」

修「いや、大した事じゃない。二人とも先に乗っててくれ」

千佳「うん。分かった」

遊真(≡3≡)?




8: >>1 2015/12/12(土) 23:05:11.53 ID:xPCB7yf90



修「……」スタスタ



修「……おはよう。木虎」ポン

木虎「!?」ビクッ

修「!?」ビクッ

木虎「お、おはよう…………って、なんであなたも驚いてるのよ」

修「いや、だって木虎の反応が……」

木虎「急に肩掴まれたら誰でも驚くでしょ。普通に呼びなさい」

修「すまない。周りが結構騒がしいから聞こえないかもしれないと思って」

木虎「……まぁいいわ、他の人にはしないようにしなさいね。特に女性には」

修「?? ……あぁ」




9: >>1 2015/12/12(土) 23:11:38.97 ID:xPCB7yf90



木虎「――で、なんの用かしら」

修「え?」

木虎「……え?」

修「あ、そうか……」

木虎「何を一人で納得してるのよ」

修「いや……ごめん。用は無かったんだ」

木虎「は?」

修「ただ、木虎を見かけたから声掛けたいなと思って……」

木虎(なっ……! 何よそれどういう意味!?)

修「すまない。やっぱり迷惑だったか?」

木虎「……そ、それくらい別に構わないわ」




10: >>1 2015/12/12(土) 23:14:29.16 ID:xPCB7yf90



木虎「気にしすぎなのよ。……ただ、他の人はどう思うか分からないから気をつけるべきね」

修「あぁ」

木虎「特に他の女性には」

修「そうか……そうだな。じゃあまた後で」

木虎「えぇ」



木虎「……」



木虎「……」



木虎「……」







木虎「……な、なに見てるんですか」


綾辻「別に~~?」ニコニコ




11: >>1 2015/12/12(土) 23:21:24.48 ID:xPCB7yf90



【バス】



太刀川「迅! 着いたらランク戦すっぞ!」

迅「向こうにそんな設備ないよ」

太刀川「なにっ」

緑川「でも換装はできるでしょ」

迅「いや換装もしちゃダメだぞ?」



米屋「ヒャッハー!! 上がりだァー!!」

出水「ちょっと待て! てめー今ウノって言ってなかったろ!」

柚宇「私も上がり~~♪」

古寺「すみません、おれも……」




遊真「……これがバスというものか」

千佳「そういえば遊真くん乗るの初めてだったね」




12: >>1 2015/12/12(土) 23:25:07.94 ID:xPCB7yf90



修「……」ソワソワ

迅「ようどーしたメガネくん」

修「迅さん…」

迅「隣いい?」

修「あっはい」

迅「まだ本部が心配なのか?」

修「……まぁ、少しだけ……」

迅「大丈夫だって言ってるだろ?」

遊真「オサムは相変わらず心配性だな。迅さんが言ってるんだから平気でしょ」

迅「そうそう」キラーン




13: >>1 2015/12/12(土) 23:34:16.48 ID:xPCB7yf90



修「……そう、ですよね」

迅「まぁぶっちゃけると乱星国家が2、3ほど攻めてきそうなんだけどな」

修「え」

遊真「それでも問題ないんでしょ?」

迅「あぁ。忍田さんも冬島さんもレイジさん達もいるしA級が3隊、B級も半分以上残ってるしな」

修「……」

迅「さらにぶっちゃけると天羽が大暴れしそうだから全くの無問題だ」

遊真「あぁ、前に迅さんが言ってた黒トリガーの」

迅「だから楽しめよメガネくん。色々な事があるだろうからな」

修「? ……は、はい」




14: >>1 2015/12/12(土) 23:37:31.84 ID:xPCB7yf90



【バス・②】



嵐山「……しかし賢もツイてないな。風邪引くなんて」

綾辻「そうですね」

時枝「お土産買って帰りましょうか」



熊谷「……玲、体調はどう?」

那須「問題ないわ」



那須「……」チラッ



木虎「?」

木虎「……」ペコッ




16: >>1 2015/12/12(土) 23:43:10.25 ID:xPCB7yf90



【旅館】



東「……よし、じゃあそれぞれ荷物を置いて自由時間だ」



「「「「はーい!!」」」」



諏訪「この面子をすげぇナチュラルに纏めたぞあの人」

堤「遠足みたいになってますね」



緑川「遊真せんぱーい! 探険しよーよ! 探険!」

遊真「おっ。いいね」≡3≡



修「元気だな……」

千佳「そうだね」フフッ




39: >>1 2015/12/14(月) 23:35:47.10 ID:uJBvyGop0



米屋「おーいメガネボーイ」

修「あ……どうも」

出水「メガネくん部屋決めたか?」

修「いえ、ぼくも空閑もまだです」

出水「じゃあおれ達んとこ来りゃいーじゃん。でけー部屋占領したからよ」

修(占領……)

米屋「他の奴らも大勢いっけど気にしねーで皆でワイワイやろうぜ」

修「……分かりました。空閑にも伝えときます」




41: >>1 2015/12/14(月) 23:44:43.88 ID:uJBvyGop0



【部屋】


ガヤガヤ


修(……)キョロキョロ


修(米屋先輩と出水先輩、あとは嵐山隊と三輪隊と風間隊の人たちか)キョロキョロ


修(空閑と緑川はまだ戻ってないし……仕方ない。ぼくだけで入ろう)



時枝「三雲くん、もう温泉入るの?」

修「はい。そのつもりですけど……」

時枝「じゃあオレも行こうかな。嵐山さんはどうしますか?」

嵐山「今のうちなら空いてそうだし、おれも入ろう」




42: >>1 2015/12/14(月) 23:48:21.94 ID:uJBvyGop0



嵐山「本部長いわく露天風呂が絶景らしい」

修「そうなんですか……」



ガララッ…



那須「…あっ」バッタリ

熊谷「あれ、三雲くんだ」

修「あ、どうも……」

那須「こんにちは」ペコッ

嵐山「おう」

時枝「お疲れ様です」ペコッ

那須「ここの部屋だったのね」

修「はい」




43: >>1 2015/12/14(月) 23:52:08.61 ID:uJBvyGop0



修「先輩方の部屋はどちらなんですか?」

那須「えっ」



時枝(女性陣の部屋をあっさりと聞き出そうとしてますね……他意は全くないんでしょうけど)

嵐山(やるなぁ三雲くん)



熊谷「なになに?   いでもするつもり?」

修「な……! そ、そんなつもりは……!」

熊谷「冗談だよ冗談。いやー玲の言う通り三雲くんは反応が面白くてからかい甲斐があるわー」



修(……那須先輩……)チラッ


那須「?」ニコッ


修(うっ……お、怒るに怒れない……)




44: >>1 2015/12/14(月) 23:57:23.82 ID:uJBvyGop0



那須「……それじゃ、また後でお話ししましょう」

修「あ、はい」

熊谷「じゃあ失礼します」

嵐山「あぁ」

時枝「お疲れ様です」



シーン……



修「……」


嵐山「三雲くん」


修「はい?」


嵐山「……すごいな」


修「え……? な、なにがですか?」


時枝(やっぱり素だったんだ……)




66: >>1 2015/12/17(木) 23:15:08.11 ID:XijX70jc0



【温泉】



修(あれ? もう誰か入ってるのか……?)



ガララッ…



二宮「……」サッ


修(に、二宮さん……!)


二宮「……さっさと閉めろ。外気が入るだろう」


修「あっはい。すみません……」ガララッ




修(……今、湯船にアヒルの玩具が浮かんでたような……気のせいか?)



二宮「何を見てる」ギロッ

修「い、いえ! なんでもないです!」




67: >>1 2015/12/17(木) 23:20:09.17 ID:XijX70jc0



時枝「……あれ?」

嵐山「早いですね二宮さん。一番乗りですか」

二宮「……部屋に居ても騒がしいだけだからな」

嵐山「ははは。でもたまにはこういうのも良いんじゃないですか?」

二宮「まぁ温泉自体は嫌いじゃないが」

修「……」




修(……そ、それよりさっきのアヒルはなんだったんだ……?)チラッ

修(見間違えじゃないはずだけど……)チラチラッ



二宮「なにか用か? 三雲」ギロッ

修「」




69: >>1 2015/12/17(木) 23:25:47.92 ID:XijX70jc0



【部屋・②】



荒船「おいカゲ、温泉行かねーか?」

影浦「今忙しい」

荒船「寝てるだけじゃねーか」


影浦「寝るのに忙しいんだよ」ゴローン

光「……」ゴローン



ユズル「……ていうかなんでヒカリもいるの」

北添(ここ男部屋なんだけどなー)




70: >>1 2015/12/17(木) 23:29:37.47 ID:XijX70jc0



【食堂】



来馬「いやーいいお湯だったね」

太一「そーっすね!」

来馬「また後で入ろうか」

村上「はい」


今「……あ、みんな」


太一「今先輩もお昼食べに来たんすか?」

今「ううん、ちょっと飲み物を買いに……」

来馬「もう露天風呂は入った?」

今「はい。いい景色でした」




71: >>1 2015/12/17(木) 23:32:54.09 ID:XijX70jc0



来馬(それにしても……)チラッ


今「……」←浴衣姿


来馬「……今ちゃん浴衣似合うなぁ」

今「えっ?」

太一「そーっすね!」

今「え、えぇっ? そ、そうですか……?」




来馬「うん、もちろんだよ。……ね? 鋼」チラッ

太一「そーっすよね、先輩!」チラッ



村上「?」




72: >>1 2015/12/17(木) 23:41:22.34 ID:XijX70jc0



来馬(ほら! 言ってあげて!)

太一(先輩!)

村上(……)



村上(……)





村上「 ……かわいい 」ボソッ

今「!?」




太一(あっ……(察し))

来馬(また何か変なの予習しちゃったんだね……)




88: >>1 2015/12/19(土) 20:55:21.93 ID:TgZ7wRIn0



【旅館・②】



遊真「なかなか広いな」

緑川「そーだね。……あ、テニスコートあるんだ」

遊真「テニスコート?」

緑川「うん。ほら、太刀川さんたちいるよ」

遊真「ほう…」

緑川「行ってみよっか!」

遊真「よし」




91: >>1 2015/12/19(土) 21:00:31.47 ID:TgZ7wRIn0



【テニスコート】



出水「……太刀川さんってテニスやったことあるんすか?」

太刀川「いや、ないが理屈は分かるぞ」

出水「唯我は?」

唯我「もちろんできます! 別荘に4面ほどありますが――」

出水「あーもういいや。よく分かった」

唯我「」




米屋「おーい、そろそろ始めんぞー」

奈良坂「……」




92: >>1 2015/12/19(土) 21:33:47.55 ID:TgZ7wRIn0



古寺「えっと、じゃあ始めましょう」←得点係



米屋「サーブは任せたぜ奈良坂。外すなよ」

奈良坂「当然だ」スッ…


出水「来ますよ」

太刀川「あぁ―――



スパアァァァァァァァン!!



出水「えっ」

太刀川「えっ」



古寺「15-0です」



出水「」

太刀川「」




93: >>1 2015/12/19(土) 21:37:19.81 ID:TgZ7wRIn0



米屋「っしゃ! ナイス!」

奈良坂「……」



出水「……」

太刀川「……」

出水「たちかわさん」

太刀川「どうした」

出水「はやすぎないすか」

太刀川「はやいな」




95: >>1 2015/12/19(土) 21:40:13.80 ID:TgZ7wRIn0



奈良坂「……」スッ…



出水「2球目来ますよ」

太刀川「おう」



スパアァァァァァァァン!!



古寺「30-0です」



出水「……」

太刀川「……」

出水「むり?」

太刀川「むり」ウン




96: >>1 2015/12/19(土) 21:45:26.36 ID:TgZ7wRIn0



【テニスコート・②】



遊真「ほうほうコレがテニスというやつか」

緑川「遊真先輩も初めてなの?」

遊真「うむ」

緑川「隣のコート借りてやってみよっか」

遊真「そうしよう」

緑川「よねやんせんぱーい! 隣借りるねー!」


米屋「おーう」




太刀川(……おい出水)チラッ

出水(了解)




98: >>1 2015/12/19(土) 21:55:40.96 ID:TgZ7wRIn0



出水(――よっしゃ隙だらけだぜ!!)パシッ

米屋「あ、てめっ!」



奈良坂「……無駄だ」スッ…



スパアァァァァァァァン!!



古寺「40-0です」


米屋「ナイス奈良坂!」

奈良坂「当然だ」




出水(なきたい)




100: >>1 2015/12/19(土) 22:04:05.88 ID:TgZ7wRIn0



米屋「おいおい1ゲームくらい取ってくれよなー」

出水「くそ……! 太刀川さん、もう一丁いいサーブ頼んます」

太刀川「まかせろ」





太刀川「――太刀川ホームラン!!」ドゴォ


出水「えっ」




古寺「ア、アウト……ゲームセットです……」

古寺(ボールが彼方へ飛んでいった……)



太刀川「惜しかったな……」チッ

出水「あんた何やってんすか!?」


米屋「オレらの圧勝かー」

奈良坂「当然だ」




102: >>1 2015/12/19(土) 22:09:54.93 ID:TgZ7wRIn0



出水 「……こうなりゃ次はバスケで勝負だ」

米屋「は?」

出水「おい、空閑と緑川! ちょっと手ぇ貸してくれ!」


遊真「ん?」

緑川「バスケやんの? いーねいーね!」


出水「こっちはおれと太刀川さん、こいつら二人と……あとしぶしぶ唯我を加えて5人だ」



米屋「あっ、汚ねーぞ弾バカ! すばしっこそーなの取りやがって!」

出水「早い者勝ちだ」

米屋「くそ……どうする奈良坂」

奈良坂「……悪いが俺はもう戻る。東さんと迅さんに呼ばれてるからな」

米屋「」




103: >>1 2015/12/19(土) 22:15:22.05 ID:TgZ7wRIn0



出水「どうする? 不戦敗か?」

米屋「くそ……ちょっと待ってろ! 面子集めてくる!」

出水「はっはっは、そう簡単に集まるかよ」



~中略~



ザッ…


風間「……」

北添「へぇ、テニスコートまであるんだ」

歌川「やたら広いですね」

熊谷(バスケか。久し振りだなー)




出水「」




104: >>1 2015/12/19(土) 22:21:09.65 ID:TgZ7wRIn0



風間「……基本はハーフコートオフェンスでいく。奴らは恐らくゾーンだろう。俺がペネトレイトで奴らのディフェンスを引き寄せてパスを出す」

風間「歌川、熊谷」

歌川「はい」

熊谷「はい」

風間「お前らは隙を見つけたらすぐ外角シュートを狙え。外れる事は気にするな」

風間「こぼれ玉は俺と米屋と北添が必ず押さえる」

米屋「うす」

北添「了解!」

風間「こちらのディフェンスに関しては―――」





出水(ガチ勢じゃないですかやだー!!)




105: >>1 2015/12/19(土) 22:27:14.45 ID:TgZ7wRIn0



【十五分後】



チーム槍 35-18 チーム弾



出水「」



米屋「いえーい!」パーン

歌川「よし!」パーン

北添「圧勝だね」

熊谷(ふー……いい汗かいたな)



緑川「くっそー! グラスホッパーさえ使えれば……!」

遊真「日本のスポーツは難しいな」≡3≡




107: >>1 2015/12/19(土) 22:34:28.26 ID:TgZ7wRIn0



太刀川「意義あり!」

唯我「意義あり!」

米屋「どーぞ」

太刀川「そりゃお前らが勝つに決まってるぞ!」

唯我「その通りだ!」

風間「開始三分でファールアウトした奴が何を言ってる」

太刀川「だってそっち観客もマネージャーもいるだろ! 不公平だ!」

唯我「そうだそうだ!」



三上「あはは……」←マネージャー

光「いいぞーゾエ!」←観客

那須「くまちゃんナイスファイトー」←観客

茜「先輩カッコいいです!」←観客




109: >>1 2015/12/19(土) 22:51:15.78 ID:TgZ7wRIn0



風間「だったらお前らも呼べばいいだろう」

太刀川「そうする! ……出水!」

出水「はい」

太刀川「国近を呼べ!」

出水「柚宇さんなら着いてソッコーでゲーセンに籠ってます」

太刀川「……じゃあ空閑!」

遊真「ほい」

太刀川「宇佐美を呼べ!」

遊真「いや、支部に残ってるけど」

太刀川「……」




128: >>1 2015/12/21(月) 22:34:02.30 ID:ORCnDFEh0



【娯楽室】



諏訪「リーチだ!くらいやがれ!」


東「ロン」


諏訪「リーチだ!」


堤「あ、ロンです」


諏訪「リーチ!!」


小佐野「ロ~~ン」




諏訪(なきたい)




130: >>1 2015/12/21(月) 22:40:44.50 ID:ORCnDFEh0



東「……ロン。国士無双だ」

諏訪「」

堤(うわぁ……)

小佐野「すわさんよわーい」


東「さてと、俺はここら辺でお暇するよ」


諏訪「勝ち逃げなんてずりーぞ東さん」

堤「え?もう行っちゃうんですか?」

小佐野「面子足りなくなっちゃうよ~」


東「ちょっとやる事があるんだ。悪いな、また相手してやるから」




131: >>1 2015/12/21(月) 22:44:49.90 ID:ORCnDFEh0


【ゲーセン】


柚宇「~~♪♪」


ズガガガガガガ…


日佐人(つ、強すぎる……!)

半崎(ノーダメで完封とかダルい……)



当真「……人間の指ってあんな速く動くんだな」

出穂「パネぇっすね」




穂刈「ゲームだと上手くいかないな。大違いだ、実戦とは」

荒船「このレトロさがいいんじゃねーか。もう一回やるぞ」




132: >>1 2015/12/21(月) 22:46:35.27 ID:ORCnDFEh0



【温泉・②】



米屋「いや~~いい汗かいたぜ!」

出水「生身は疲れんなぁ」

遊真「ふむ、これが温泉か……」

緑川「遊真先輩、そういえば三雲先輩は?」

遊真「オサムはもう入ったらしい」

緑川「そうなんだ」



ガララッ…




133: >>1 2015/12/21(月) 22:53:38.00 ID:ORCnDFEh0



犬飼「おっ」

辻「……」


米屋「うっす。二宮さんはいないんすか?」

犬飼「あぁ、さっき入ったってさ」

米屋「ほーん」



村上「よう。空閑、緑川」

来馬「久し振りだね」


遊真「どうもどうも」

緑川「どうもどうも」




134: >>1 2015/12/21(月) 23:03:31.55 ID:ORCnDFEh0



犬飼「……そういえば面白い情報があるんだけど、聞きたい?」


米屋「えっ」ガバッ

出水「なんすかなんすか?」ガバッ

緑川「聞きたい!」ガバッ


犬飼「見ての通りこの仕切りの向こうは女湯な訳じゃない?」


米屋「……そうっすね」


犬飼「で、向こうの会話を聞いた感じ、今綾辻ちゃんと那須ちゃんと月見さんがいるっぽいんだよね」


米屋「ボーダーのBIG3が……!?」

出水「って事は……」


犬飼「やるしかないじゃん?」




135: >>1 2015/12/21(月) 23:11:24.25 ID:ORCnDFEh0



遊真(やるって何を?)

村上(あー……空閑は知らないままでいい)


来馬「……や、止めといた方がいいと思うよ?」

米屋「何言ってんすか!」



犬飼「無理強いはしないよ。乗る奴は手を重ねて」スッ

米屋「オレは着いてきます」スッ

出水「乗りかかった船だしな」スッ

緑川「じゃーオレも!」スッ



遊真(おれも重ねた方がいいの?)

村上(いや、やめとけ)



犬飼「辻ちゃんはいいの?」

辻「……べ、別に……」

犬飼「ウブだなー」




152: >>1 2015/12/23(水) 21:11:56.84 ID:NhvHtjE+0



【温泉・③】



綾辻「雪が積もってたらもっといい景色だったのになぁ」

那須「そうかもね」フフッ

月見「……」



熊谷(あの一角、放ってるオーラが違いすぎて近寄れない)

小夜子(同感……)

茜(私も同感です)









米屋『……こちら米屋、目標確認』




153: >>1 2015/12/23(水) 21:17:58.52 ID:NhvHtjE+0



出水『こちら出水、南西部で待機中』

緑川『こちら緑川。北東部で同じく待機中』



犬飼『OK。全員見えてるよ』



米屋『つーかこれ湯気で殆ど見えねーぞ』

出水『メテオラの爆風で散らすか?』

緑川『いずみん先輩それ100%バレちゃうよね』

米屋『あーあ、菊地原の耳借りてーなぁ』

出水『濁り湯だから湯船ん中にいられると全然見えねーしな』




154: >>1 2015/12/23(水) 21:25:27.12 ID:NhvHtjE+0



犬飼『……じゃあ狙うのは湯船から上がったところにしようか。おれも配置につくよ』


米屋『うっす』

出水『はいはーい』

緑川『りょーかい』


犬飼『那須ちゃんの遠距離反撃も考慮してシールドは張っとこうか。鳥籠喰らったら堪んないでしょ?』


米屋『あー、アレかぁ』

出水『そっすね。片手はフリーにしときます』

緑川『りょーかい。なんだか楽しくなってきた!』




156: >>1 2015/12/23(水) 21:31:38.71 ID:NhvHtjE+0



遊真「やるっていうのは覗きのことか……」

村上「空閑は真似しちゃダメだぞ」

遊真「ふむ」

来馬「と、止めないとまずいよね……?」

村上「大丈夫ですよ」

来馬「え?」



ピカッ…



犬飼(ん? 今遠くで何か光ったような――)




ボッ!!



犬飼(!!)




157: >>1 2015/12/23(水) 21:36:40.69 ID:NhvHtjE+0



米屋『!』

出水『えっ』

緑川『犬飼先輩!?』



犬飼(撃たれた!? どこからだ……!?)



出水『こちら出水、向こうの山の展望台みてーなところからの射撃を確認した』

米屋『うっそマジで!? 誰だよ!』

緑川『あんな遠いのに!?』



犬飼「あーあ、つくづくアイビスには良い思い出がないなぁ」ピシッ…


『戦闘体  活動限界』




159: >>1 2015/12/23(水) 21:41:09.23 ID:NhvHtjE+0



【展望台】



摩子『――命中しました。東さん』



東「もう一度マップを送ってくれ。……恐らく他の奴らは身を潜めるだろう。位置を洗い直す」


東「換装が解けた犬飼の反応はマークしておいてくれ。流石に生身に当てるのは良くないからな」



摩子『了解!』




東(……全く。あいつら一体何をやってるんだ……)ハァ…




161: >>1 2015/12/23(水) 21:50:25.85 ID:NhvHtjE+0



【温泉・④】



出水『ちょっ、どうすんだよこれ!』

米屋『オレらだけでやるしかねーよな』

緑川『でもあの威力じゃフルガードでも間に合わなくない?』





綾辻「……でね、その時じゅ……コホン、嵐山さんが――」

那須「そうなんだ」フフッ

月見「……」





米屋『肝心の3人はまだ湯船だしよー』

出水『撤退が良さそうだな』




162: >>1 2015/12/23(水) 21:54:34.81 ID:NhvHtjE+0



犬飼「……いや、ちょい待って」



米屋『!』

出水『無事っすか?』



犬飼「問題ないよ。……ただ、見たところ湯船に入ってる御三家は確かに無理そうだ」

犬飼「標的を変えるべきだね。湯船に浸かってない子たちを狙おうか」



出水『なるほど』

米屋『OKOK、那須隊の3人ってことね』



犬飼「撮りにいこう。浮いた駒だ」



緑川『りょーかい!』




163: >>1 2015/12/23(水) 22:01:26.23 ID:NhvHtjE+0



米屋『こっちも3人、あっちも3人なら担当決めとくか?』

緑川『いいね! おれも1対1の方が好きだし』

出水『おれの角度からだと熊谷が狙いやすいな』

緑川『おれからは志岐先輩? かなぁ』

米屋『じゃあオレは日浦だな』

出水『OK』

緑川『了解!』

米屋『よっしゃーやるぞおめーr



ボッ!



米屋『』ピシッ…



出水『えっ』

緑川『あ……』




166: >>1 2015/12/23(水) 22:09:00.08 ID:NhvHtjE+0



米屋『……な、ん…だ…と……』パキパキ…



『戦闘体  活動限界』



犬飼「!」

緑川『よねやんせんぱ―――い!!』

出水『だ、誰だ!? さっきの奴か!?』



犬飼(今のはイーグレットだった。でも米屋には射線が通ってなかった筈だけど……)


米屋「ちくしょーやっぱダメか。まさか跳弾でヘッドショットしてくっとはなー」


犬飼「え?」


米屋「いや、多分打ったのあいつかなーって」




167: >>1 2015/12/23(水) 22:22:05.45 ID:NhvHtjE+0



【展望台・②】



摩子『――命中よ。奈良坂くん』



奈良坂「……」





奈良坂(……悪く思うなよ、陽介)




192: >>1 2015/12/25(金) 23:03:24.37 ID:rPVYYQl50



【旅館・③】



迅「……」フー


嵐山「よう。どうした? 溜め息なんてついて」

迅「ん? ……ちょっとな」

嵐山「……まさか何か視えてるのか?」

迅「あぁ。そりゃ何十人と顔合わせてるし」

嵐山「やばそうな感じか?」

迅「あ、いや、そういう感じは全くないんだけど」

嵐山「?」




193: >>1 2015/12/25(金) 23:11:46.52 ID:rPVYYQl50



迅「……温泉旅行って環境下だと結構そういう関係が発展しやすいだろ?」

嵐山「そういう関係?」

迅「あぁ。いわゆるカップルがな」

嵐山「そ、そうなのか……」

迅「で、こんだけいりゃ片やラブラブだったり片や険悪になったり色々ある訳だ」

嵐山「あぁ」

迅「それが全部視えるとしんどいです。しかも悪そうな場合は放っておく訳にもいかないし」

嵐山「あっ……(察し)」




195: >>1 2015/12/25(金) 23:18:16.50 ID:rPVYYQl50



嵐山「…………」


嵐山「……あ、そ、そうだ! そういえば充と約束があったんだ!(棒)」ガタッ

迅「……」

嵐山「……」

迅「……」

嵐山「す、すまない……」

迅「いや、いいよ」

嵐山「ただ……おれに手伝える事があれば言ってくれ」

迅「嵐山は男前だねー」ハハハ

嵐山「おれは本気だ」




197: >>1 2015/12/25(金) 23:29:16.70 ID:rPVYYQl50



迅「……ありがとな。ヤバくなったら頼むぜ」

嵐山「あぁ」

迅「さーて、じゃあそろそろ行きますか」スタスタ



嵐山「――迅!」



迅「ん?」

嵐山「おれがこんな事を言うのは無責任かもしれないが……無理はするなよ。せっかくの慰安旅行なんだ」

迅「……」






迅「……お前こそあまり無理するなよ。腰にくるぞ」ニヤニヤ

嵐山「え?」

迅「じゃあまた後でなー」




223: >>1 2015/12/27(日) 22:19:01.01 ID:qFCUB7Fn0



【木虎の場合】



修「……なぁ、木虎」

木虎「何?」

修「今日は月が綺麗だな」

木虎「……は?」

修(……)

木虎「……」







木虎「私、死んでもいいわ」

修(……!)




226: >>1 2015/12/27(日) 22:25:45.24 ID:qFCUB7Fn0



木虎「……って返せば満足かしら?」

修「えっ」

木虎「生憎だけどそういうまどろっこしいのは好きじゃないの」

修「な……!」

木虎「どういうつもりで言ったのかは分からないけど、あなたにそんな台詞は似合わないわ」

修(うっ……)

木虎「だから―――」






木虎「――もっと単刀直入に言いなさい」ズイッ

修「」




227: >>1 2015/12/27(日) 22:32:33.86 ID:qFCUB7Fn0



木虎「どうしたの?」

修「いや、えっと……その……」

木虎「早く言いなさい」ズイッ

修「ちょっ……木虎、近い……」

木虎「早く言いなさい」ズイッ

修「わ、分かった! 分かったよ! 好きだ!」

木虎「……」

修「木虎の事が……好きだ」

木虎「……」




228: >>1 2015/12/27(日) 22:38:00.53 ID:qFCUB7Fn0



修「こ、これでいいか?」

木虎「………………ギリギリ及第点ってところね。本当にギリギリだけど」

修「はは……」

木虎「……」

修「……木虎」

木虎「何よ」

修「好きだ」

木虎「……!!」ビクッ




229: >>1 2015/12/27(日) 22:44:56.14 ID:qFCUB7Fn0



修「……」ジーッ

木虎「な、なに見てるのよ!」

修「好きだ」

木虎「!!」ガターン

修「好きだ」

木虎「わ、分かったわ。分かったからもう止めなさい。私の負けでいいから」

修「……」ニコニコ

木虎「わ、笑うな!」

修「ごめん。木虎が可愛くて」

木虎「……あなた後で覚えてなさいよ……」




232: >>1 2015/12/27(日) 22:52:12.49 ID:qFCUB7Fn0



【那須さんの場合】



修「玲さん、身体は大丈夫ですか? 寒くないですか?」

那須「うん。平気」

修「……そうですか」

那須「心配性は変わらずね」クスッ

修「はは……」



修「……それにしても……」チラッ





修「今日は月が綺麗ですね」

那須「……」




234: >>1 2015/12/27(日) 22:59:01.38 ID:qFCUB7Fn0



那須「……そうね。すごく綺麗だわ」

修(……)

那須「あなたと一緒だからかしら」

修(……!)ドキッ

那須「修くんはどう思う?」

修「いやあのぼくはその……」アタフタ

那須「……ふふっ」

修「か、からかわないで下さい……」

那須「私は本気よ?」




236: >>1 2015/12/27(日) 23:03:48.54 ID:qFCUB7Fn0



那須「ん……」モゾッ

修「どうかしましたか?」

那須「……やっぱり少し寒いかも」

修「大丈夫ですか? ぼくの上着で良ければ着て下さい」

那須「……」ジーッ

修「……」

那須「……」ジーッ

修「……」

那須「……」ジーッ

修(うっ……)




修「わ、分かりました。どうぞ」

那須「失礼します」ギュッ




238: >>1 2015/12/27(日) 23:07:23.59 ID:qFCUB7Fn0



那須「……暖かいわ」

修「そう、ですね」

那須「……」

修「……」

那須「……」

修「あの、先輩……さっきのなんですが……」

那須「呼び方、戻ってるわよ」

修「……す、すみません、玲さん」

那須「はい」ニコッ




239: >>1 2015/12/27(日) 23:12:12.08 ID:qFCUB7Fn0



修「……ぼくも、好きな人と―――玲さんと見る月が一番綺麗だと思います」

那須「!」

修「え? ど、どうかしましたか……?」

那須「……ううん、違うの。少しびっくりして……」

修(……)

那須「でも…それ以上に嬉しいわ。ありがとう」

修「い、いえ。こちらこそ」





那須「……きっとこれからはもっと綺麗な月が見られるのね」ニコッ

修「ど、努力します……」




242: >>1 2015/12/27(日) 23:21:20.05 ID:qFCUB7Fn0



【千佳ちゃんの場合】



修「……綺麗だな」

千佳「ふぇっ!?」ビクッ

修「月」

千佳「……えっ、月?」

修「あぁ。今夜の満月はすごく綺麗だ」

千佳「あ、うん……そうだね……」

修(……)




243: >>1 2015/12/27(日) 23:26:39.18 ID:qFCUB7Fn0



千佳(び、びっくりしたぁ……急に綺麗だなんて言うから転びそうになっちゃった……)

千佳(……そうだよね、月のことに決まってるよね)


修「……千佳」

千佳「な、なに?」

修「今日は…月が綺麗だな」

千佳(!)ドキッ



千佳(こ、これってもしかして……あの……)



千佳(……)




245: >>1 2015/12/27(日) 23:29:04.87 ID:qFCUB7Fn0



修「こんなに綺麗な満月は久し振りだ」

千佳「そう…かもね」

修「あぁ」

千佳「でも……」

修「?」



千佳「気付けなかっただけで、前からずっと月は綺麗だったよ」


修(な……!)




247: >>1 2015/12/27(日) 23:33:34.30 ID:qFCUB7Fn0



修「ち、千佳」

千佳「……」モジモジ

修「それって……」

千佳「な、なんだか恥ずかしいね……///」

修「はは……そうだな」

千佳「修くん」

修「ん?」



千佳「……手、繋がない?」

修「……あぁ」



272: >>1 2015/12/30(水) 21:26:53.55 ID:glsQf+/w0



【旅館・④】



加賀美「こっちは問題ないです」

今「そうだね」

迅「了解了解。協力どうもね」





迅(……色々と視えてるけど特に大した問題は無さそうだな)スタスタ


迅(取りあえずは一安心だ。おれも温泉行こっかね)スタスタ


迅(……おっ?)ピタッ




熊谷「……」スタスタ




迅(い~いところに熊谷ちゃんがいた)ニッ




273: >>1 2015/12/30(水) 21:32:25.97 ID:glsQf+/w0



熊谷「……ったく……なに…ってるんだ……しは……」ブツブツ

熊谷「…やく……な…いと……」ブツブツ



迅(なんだか焦ってるみたいだけど……まぁそんなことより相変わらず良いおしりしてるなぁ)ウンウン

迅(こりゃ触らないと逆に失礼だよな。よーし……)


迅「よう熊谷ちゃ―――





迅(―――ん!?)ピタッ





迅(……)



迅(……)



迅(は、穿いてない……だと……)




274: >>1 2015/12/30(水) 21:38:56.95 ID:glsQf+/w0



迅(……危ない危ない。視といて良かった……)フゥ…



熊谷「あっ、じ、迅さん……!!」

迅「おっす熊谷ちゃn



熊谷「――あ、あの! 今は勘弁してもらっていいですか!?」

迅「えっ」

熊谷「今は……なんというか……ちょっと色々とアレなんです」

迅「いや、おれはただ……」

熊谷「その……今触られると困るというか……忘れてたというか……」

迅「いや、だからただ挨拶を……」

熊谷「と、とにかく今はやめて下さい……!」



迅「 (´・ε・`) 」




275: >>1 2015/12/30(水) 21:44:18.63 ID:glsQf+/w0



【旅館・⑤】



米屋「……」←正座中

犬飼「……」←正座中


古寺「よ、米屋先輩と犬飼先輩……?」


米屋「……よう……」


古寺「ど、どうしたんですか? 正座って…お二人とも何かしたんですか?」


犬飼「いやいや、おれらはただ男の夢を果たそうとしただけなんだ」

米屋「その通り」


古寺「夢……?」




276: >>1 2015/12/30(水) 21:50:57.56 ID:glsQf+/w0



三輪「……東さんから聞いたぞ、陽介」

米屋「げっ……秀次……」

三輪「少し頭を冷やせ」

米屋「ちょ、ちょっと待て! ホントは出水も緑川も共犯なんだぜ!?」

三輪「は?(威圧)」

米屋「サーセン…」

三輪「行くぞ、古寺」

古寺「あっはい」



犬飼(お宅のとこの隊長さんも相変わらず怖いね)

米屋(いつもあんなんっすよ……)




280: >>1 2015/12/30(水) 22:04:45.93 ID:glsQf+/w0



【旅館・⑥】



修「二人とも露天風呂には入ったのか?」スタスタ

出穂「っす」テクテク

千佳「良い景色だったね」テクテク

修「そうだな。ぼくも後でまた入ろう」



ユズル「……あ」バッタリ



千佳「あっ」

出穂「ありゃ? ユズルじゃん」




281: >>1 2015/12/30(水) 22:12:21.09 ID:glsQf+/w0



修「あ、影浦隊の」

ユズル「絵馬ユズル…… です」

修「ぼくは三雲修だ。改めてよろしく」



出穂「ユズル一人なの?」

ユズル「部屋の人みんな出払っちゃったからオレも……と思って」

出穂「ほーん。そういやもう露天行った?」

ユズル「いや、まだだけど」

千佳「すっごく綺麗だよ。後で行ってみなよ」

ユズル「…………ん、まぁ、考えとくよ」

出穂「いやマジ行かないと損だって」




282: >>1 2015/12/30(水) 22:20:35.01 ID:glsQf+/w0



ユズル「……雨取さんたちはもう入ったんだ」

千佳「うん」

ユズル「……」ジッ

千佳「?」


ユズル(雨取さんの浴衣姿かわいいな……)


出穂「どうしたどうした? うちらの浴衣姿に見惚れた?」


ユズル「そ、そんなんじゃないから」






修(……仲良いんだな。ぼくはその辺で時間潰してよう)フッ




283: >>1 2015/12/30(水) 22:30:03.50 ID:glsQf+/w0



【旅館・⑦】



出水(あー腹減った。そろそろ飯食おう)スタスタ

出水(太刀川さんも唯我も戻ってねーか。三輪たちもいねーし……一人で食うか)スタスタ




柚宇「――やぁやぁ」ニュッ

出水「あれ、どしたの柚宇さん?」

柚宇「ご飯食べた?」

出水「いや、まだだけど」

柚宇「じゃあ一緒に食べようよ~」




284: >>1 2015/12/30(水) 22:40:21.40 ID:glsQf+/w0



出水「え? いいの?」

柚宇「へっ?」

出水「だって他の女子だっているのに……」

柚宇「いいのいいの。気にしない」

出水「……もしかしておれの事ずっと待っててくれてた?」

柚宇「ずっとって程でもないけどね~」

出水「……ごめん」

柚宇「ん~ん、問題ないよ」

出水「……いや、そうじゃなくてさ」

柚宇「え?」




285: >>1 2015/12/30(水) 22:49:53.78 ID:glsQf+/w0



出水「あーもうホントにバカだ。何やってんだおれは」

柚宇「?」

出水「さっきまでのおれを蜂の巣にしてやりたいぜ……」

柚宇「??」

出水「ごめん。マジでごめん柚宇さん」

柚宇「よく分からないけど許すよ~?」

出水「なんであんなしょーもない事を……」ブツブツ

柚宇「???」




302: >>1 2016/01/01(金) 22:34:01.28 ID:mqosDxkM0



【旅館・⑧】



修(……けっこう広いんだな……)スタスタ

修(飲み物でも買うか)



木虎「三雲くん」

修「木虎…」

木虎「……一人なんて珍しいわね」

修「そ、そうか?」

木虎「空閑くんと雨取さんは?」

修「千佳はさっきまで一緒だったけど空閑は知らないな」




303: >>1 2016/01/01(金) 22:35:30.40 ID:mqosDxkM0



木虎「空閑くんならさっき見掛けたわ。緑川くんと一緒だったけど」

修「そういえば探険するって言ってたな」

木虎「探険?」

修「あぁ。ここの敷地を」

木虎「……男の子ってそういうの好きよね」

修「そうだな。来たこともない所は特に探険したくなるんじゃないか?」

木虎「あなたもそうなの?」

修「うーん……確かにぼくも少し気持ちは分かるかもしれないな」

木虎「そう」




304: >>1 2016/01/01(金) 22:39:19.91 ID:mqosDxkM0



修「あぁ、そういえば木虎は温泉入ったのか?」

木虎「入ったわよ。それがどうかした?」

修「いや、特に意味は無いけど……」

木虎「……何よそれ。あなた最近そればっかりね」

修「ち、違うんだ、ちょっと気になっただけだよ」

木虎「は?」

修「ほら、浴衣着てなかったからさ」

木虎「……別に着なきゃいけない訳でもないでしょ」

修「あ、うん。そうだけど……温泉っていったら浴衣ってイメージがあるから」

木虎「……」




305: >>1 2016/01/01(金) 22:45:23.98 ID:mqosDxkM0



木虎「……」



修(……木虎は黙ってしまった)



木虎「……」



修(も、もしかしてぼくが何か変なこと言っちゃったのか……?)



木虎「……ちょっと用を思い出したわ」スタスタ

修「あ、あぁ」



修(……?)




306: >>1 2016/01/01(金) 22:51:00.29 ID:mqosDxkM0



【女子部屋】



木虎「……」スタスタ


綾辻「あっ。藍ちゃんおかえり~」

木虎「どうも」

綾辻「皆でトランプやろうよ」

木虎「すみませんが遠慮しておきます」

綾辻「え~」

木虎「それと先輩、1つお聞きしたいことが」

綾辻「なに?」





木虎「……ゆ、浴衣ってどこにしまってあるんですか?」




308: >>1 2016/01/01(金) 22:56:04.32 ID:mqosDxkM0



【三十分後】



木虎「……」ハァ…ハァ…


木虎「……」ハァ…


木虎「……」




木虎(なんでこんな時に限って見つからないのよ……)イライラ





遊真「よーキトラ」

緑川「木虎ちゃん浴衣似合うね」


木虎「ありがと!!」




309: >>1 2016/01/01(金) 23:01:27.61 ID:mqosDxkM0



【食堂・②】



太刀川「なぁ風間さん」モグモグ

風間「なんだ」モグモグ

太刀川「なんとかして模擬戦できないかな」

諏訪「お前本当にそればっかりだな」モグモグ

太刀川「めっちゃ暇なんだもん」

風間「筋トレでもすればいいだろう」

太刀川「少しくらい換装してもバレないよな?」

風間「話を聞け」



菊地原(なんで太刀川さんがいるの……)

歌川(まぁまぁ)




310: >>1 2016/01/01(金) 23:05:10.80 ID:mqosDxkM0



太刀川「お? なんだ菊地原、戦るか?」

菊地原「……やる訳ないでしょ」ボソッ

太刀川「歌川は?」

歌川「遠慮します」

太刀川「諏訪さんは――」

諏訪「やんねーよ」

太刀川「……あーあ。迅は見つからんし米屋はなんか知らんが正座させられてたし暇すぎるなー」

風間「……」モグモグ




月見「……あら、太刀川くん」

太刀川「おう」




311: >>1 2016/01/01(金) 23:17:15.75 ID:mqosDxkM0



月見「お疲れ様です」ペコッ


風間「あぁ」

諏訪「おー」

菊地原「……」ペコッ

歌川「お疲れ様です」

太刀川「どうした? おかずはあげないぞ」

月見「この後なにか予定ある?」



312: >>1 2016/01/01(金) 23:21:24.38 ID:mqosDxkM0



太刀川「あぁ、風間さんとランク戦するけど」

風間「勝手に決めるな」

月見「そう、暇なのね」

太刀川「暇じゃないぞ」

月見「……それなら少し散歩しない?」




諏訪(あ?)

菊地原(えっ)

歌川「!」




313: >>1 2016/01/01(金) 23:26:45.73 ID:mqosDxkM0



太刀川「それも特訓の一部なのか?」

月見「……そうよ」

太刀川「それならいいぞ」

月見「じゃあ20時頃に玄関ホールに来てくれるかしら」

太刀川「おう」



月見「……それじゃ、失礼します」


風間「あぁ」

諏訪「お、おう」

菊地原「……」ペコッ

歌川「アッハイ……」




314: >>1 2016/01/01(金) 23:30:37.31 ID:mqosDxkM0



太刀川「……あーあ、模擬戦してーなぁ……」グデーン

諏訪「いやちょっと待て太刀川!」

太刀川「どうした諏訪さん? やっぱり模擬戦する?」

諏訪「違げーよ!なんだ今の!」

太刀川「?」

諏訪「今の月見とのやり取りだよ!」

太刀川「特訓の話?」

歌川「なんかやたらあっさりと約束取りつけましたね……」

太刀川「そうか? いつもあんな感じだぞ」




315: >>1 2016/01/01(金) 23:35:34.10 ID:mqosDxkM0



太刀川「祭行ったり海水浴行ったり……特訓の一環だろ?」


歌川「いや、それって……」

菊地原(鈍感すぎでしょ)


諏訪(オイオイオイどーすんだ風間よぉ)

風間(別にどうもしない。俺たちが関わることじゃないだろう)

諏訪(相変わらずリアリストだこと)



太刀川「はっはっは! もうすぐ忍田さん越せるかもしれないな!」キラーン



諏訪(しかし月見がこの弧月バカをなぁ……)




316: >>1 2016/01/01(金) 23:40:22.31 ID:mqosDxkM0



【女子部屋・②】



光「あーあ、さっき寝たから眠くねーなー」

三上「またトランプする?」

熊谷「あたしは良いけど」

光「んー」

小佐野「それよりガールズトークしよーよ。ガールズトーク」

熊谷「!」

三上「えっ」

光「そんな柄じゃなくね?」

小佐野「そんなことないっしょー」




318: >>1 2016/01/01(金) 23:47:45.25 ID:mqosDxkM0



柚宇「おやおや~? お嬢さんたち何を話してるのかね~?」ニュッ

今「お邪魔しまーす」

加賀美「しまーす」


光「あ、18歳組だ」

三上「こんばんは」

小佐野「ちょーど良かった。座って座って」






木虎(な、なんかゾロゾロ集まってきた……!?)




319: >>1 2016/01/01(金) 23:54:29.74 ID:mqosDxkM0



木虎「……って、綾辻先輩? どちらに行かれるんですか?」

綾辻「あ、うん。ちょっとね……」

木虎「?」

綾辻「それじゃ」

木虎「アッハイ」





小佐野「ほらほら、そこのお嬢さんたちも来なよー」

木虎「えっ」

茜「わ、私たちもですか!?」




木虎(……ていうか、綾辻先輩なんだか少しだけ化粧してたような…… 気のせいかしら?)




336: >>1 2016/01/03(日) 20:34:12.45 ID:+zIMNubY0



【女子部屋・③】



小佐野「……という訳で恋バナしよー」

柚宇「わーわー」

今「えっ何そういう流れだったの?」

加賀美「あちゃー……変なタイミングで来ちゃったかな」

光「で、センパイがたはどーなん? なんかそういう浮いた話はあんの?」

今「な、ないわよ」

加賀美「……ないよね」




柚宇「あるよ~~」

今「」

加賀美「」




337: >>1 2016/01/03(日) 20:35:50.62 ID:+zIMNubY0



熊谷「へー」

小佐野「ほほう」

三上「あるんですね」

今「ちょっと何言って……」

光「えーじゃあ柚宇さんは好きな人とかいんの?」

柚宇「好きな人かぁ。うーん……」




柚宇「好きなのかは分からないけど、公平くんと一緒にいるのが一番楽しいかなぁ」




338: >>1 2016/01/03(日) 20:38:11.50 ID:+zIMNubY0



三上「公平って言うと……出水くんですか?」

今「仲良いもんね」

柚宇「でしょ~?」

熊谷(そういえば玲も一目置いてたな。……射手的な意味で)

加賀美「年下好きなの? 意外かも」

柚宇「うーん、どうなんだろう。でも一番身近な男の子って言ったらやっぱり公平くんだし……」ウーン

加賀美(すっごい悩んでる……)

柚宇「好きなのかなぁ?」

今「いや私に聞かれても……」




339: >>1 2016/01/03(日) 20:49:04.80 ID:+zIMNubY0



【女子部屋・④】



小佐野「じゃあお次は今先輩でー」

今「うっ……」

三上「鈴鳴の人たちって皆さん仲良いですよね」

今「ま、まぁそうだね」

光「年上好きだったりする?」

今「いや、特には……」

光「じゃあ年下?」

今「いや、そういう訳でも……」

光「じゃあ同い年の鋼さんか!」

今「」




340: >>1 2016/01/03(日) 20:51:24.19 ID:+zIMNubY0



今「な、なんでそうなるのよ……」

柚宇「でも好きなんでしょ?」

今「……そ、それは」

熊谷「そういえば村上先輩のサイドエフェクトって恋愛でも使えそうですよね」



今「」ピシッ



加賀美(あ、固まった)

熊谷(えっ? あたし何か変なこと言っちゃった!?)




341: >>1 2016/01/03(日) 20:56:29.52 ID:+zIMNubY0



【女子部屋・⑤】



光「じゃあ次は……おサノいく?」

小佐野「ん? いーよ別に」

三上(いいんだ……)

熊谷「諏訪さんと堤さんと日佐人くんかー」

小佐野「みんな好きだよ? ひさとは気が利くしつつみんといると落ち着くし……」

三上「うんうん」

小佐野「すわさんは……」

熊谷(?)

小佐野「えーっと…………麻雀よわいし」

光「なんだそりゃ」




342: >>1 2016/01/03(日) 20:59:42.39 ID:+zIMNubY0



加賀美「ほら、その中でふとそういう感じに発展する事だってある訳じゃない?」

小佐野「う~ん……ひさとは弟みたいな感じだしつつみんはお兄ちゃんみたいな感じだし……」

三上「うんうん」

小佐野「すわさんは…………そうだなぁ……」


小佐野「すわさんは……」


小佐野「……」




全員「……」ニコニコ




小佐野「え、どーしたの? なんで皆して笑ってるの?」




343: >>1 2016/01/03(日) 21:03:34.82 ID:+zIMNubY0



光「いや、だって……なぁ?」ニヤニヤ

熊谷「そうだね」

柚宇「ね~~」ニコニコ

小佐野「?」

今「だって、諏訪さんのこと話してると楽しそうなんだもん」クスクス

小佐野「……え? 私が?」

加賀美「うん」

小佐野「……」

三上「すごく自然に笑ってたよ。気付いてなかった?」

小佐野「……」



小佐野「……いや、いやいや。違……くない、かも、しれないけど……」


全員「……」ニヤニヤ




344: >>1 2016/01/03(日) 21:08:38.28 ID:+zIMNubY0



【女子部屋・⑥】



柚宇「じゃあ次はかがみん行こうか」

加賀美「私は特に何もないけど」

柚宇「つまんないウソつくね~」

加賀美「いや、ウソも何もないから」

柚宇「……ふーん」ジーッ

加賀美「……な、なに?」

柚宇「……」






柚宇「……デスクの一番下の引き出しの裏にしまってある黒いファイル」ボソッ


加賀美「!?!?!?」ガバッ




345: >>1 2016/01/03(日) 21:13:19.59 ID:+zIMNubY0



光「えっ? なになに?」

熊谷「どうかしたんですか?」



加賀美「えっ、ちょ待っ……なんっ……え? え? なんで!? なんで知ってるの!?」

柚宇「企業秘密で~す」

加賀美「ぬわあ゙ぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」



三上「せ、先輩、出ちゃいけない声出てます……」

今「なおさら知りたくなったなぁ」

小佐野「逃がさないっすよ~」




347: >>1 2016/01/03(日) 21:20:57.05 ID:+zIMNubY0



光「それってなんの話?」

今「そうだよ教えてよ!」

柚宇「うん。実はね、かがみんのデスクの引き出しにとあるファイルが隠してあるんだけど~」

熊谷「ファイル、ですか?」

柚宇「そう。それでね、その中には何十枚も画用紙が入ってるんだ」

小佐野「ほほう……」





加賀美「あばばばばばばばばばば」

三上「せ、先輩落ち着いて深呼吸してください!」




348: >>1 2016/01/03(日) 21:26:26.17 ID:+zIMNubY0



柚宇「でね、その中身なんだけど……」

全員「……」ゴクリ…

柚宇「荒船くんの似顔絵のデッサンがた~~くさん入ってるの」

熊谷「お、おぉう……」

光「マジすか……」

柚宇「殆どが横顔とかだから、たぶん遠目から隠れて描いたのかなーって思うんだけど」

小佐野「……すごい(素)」

今「完全に恋する乙女だねそれ」





加賀美「」シーン


三上(燃え尽きてる……)




351: >>1 2016/01/03(日) 21:34:03.99 ID:+zIMNubY0



加賀美「……もういっそのこと殺せ……楽にしてくれ……」ブツブツ



小佐野「ふてくされちゃった」

柚宇「ちょっと言い過ぎたかなぁ……」

光「過ぎたことは仕方ないっしょ。でもまぁ荒船さんカッケーから描いちゃう気持ちも分かるわー」

熊谷「あ、そ、そうだね。イケメンだからね」

今「うんうん」

加賀美「……ほ、本当……?」

熊谷「マジですって」

三上「そうですよ。元気出して下さい」





加賀美「……み、みんな……ありがとう……」ウルウル


全員(あれ? なんか上手く纏まっちゃった)




370: >>1 2016/01/05(火) 22:07:19.01 ID:7lYkttUU0



【女子部屋・⑦】



小佐野「じゃあ次はみかみか行っとく?」

三上「わ、私……?」

熊谷「風間さんはどうなの?」

三上「えっ? な、なんで最初から風間さんなの!?」

小佐野「みかみかって結構アレじゃん、周りに世話焼くタイプだし」

熊谷「逆に甘えさせてくれるような包容力ある年上の人と合いそうだよね」

小佐野「風間さんてどうなの? 甘えさせてくれるの?」

三上「そ、そんなこと聞かれても……」




372: >>1 2016/01/05(火) 22:35:27.06 ID:7lYkttUU0



光「つーかぶっちゃけあの人って性欲あんの?」

加賀美「」

今「」

熊谷「いやいや、ぶっちゃけすぎでしょ!」

光「だって超ストイックそうじゃん」

小佐野「よく自己練してるしね」

柚宇「太刀川さんともよく模擬戦してるよ~」

光「やっぱ興味ないんじゃね?」


今(……鋼くんも同じタイプだから少し不安かも……)




373: >>1 2016/01/05(火) 22:42:50.45 ID:7lYkttUU0



光「で、実際のとこどうなん?」

三上「そ、そんな事ないけど……」

小佐野「ほほう?」

柚宇「その心は~~?」

三上「……うっ……」

今(墓穴掘っちゃったね……)

三上「……えっと……その……」






三上「……手、とか……ちゃんと繋いでくれるし……///」


全員(やだこの子すっごくピュア……)キュン





377: >>1 2016/01/05(火) 22:48:42.61 ID:7lYkttUU0



【女子部屋・⑧】



小佐野「じゃあ次はヒカリだね」

光「あぁ、アタシはパスで」

三上「ダメだよ」

光「いや、だって――」

三上「ダメ」ニッコリ

光「……う、うっす……」



加賀美(こわい)

小佐野(みかみかが吹っ切れてる……)




378: >>1 2016/01/05(火) 22:57:54.39 ID:7lYkttUU0



熊谷「影浦先輩と北添先輩、ユズルくんの中だと誰がタイプ?」

光「んー……ゾエは炬燵が使えない時はくっつくと暖かいから好きだな」

光「ユズルはかわいー反応しやがるからからかい甲斐があって好きだな」

熊谷「なにその判断基準」

小佐野「じゃあ影浦先輩は?」



光「……いや、カゲはねーわ」



加賀美「へぇ、意外」

柚宇「仲良さそうなのに~」




380: >>1 2016/01/05(火) 23:05:05.85 ID:7lYkttUU0



光「だってアイツ全っ然デリカシーないし、神経質なほど敏感な癖に女心にはめちゃくちゃ鈍感だし」

光「最近は挨拶すらしねーし全体的に雑だし舌打ちばっかしてるし常に喧嘩腰だし血の気多いし」

光「いっつもソファー陣取って寝てるし1回寝ると全然起きねーし最近はランク戦ばっかで全然構ってくれねーし……」



~中略~



光「――まぁそんな訳でカゲだけはねーわ」





小佐野「いや~~なんだかこの部屋暑いね」

熊谷「ね。暑いなぁ」

柚宇「あっついねぇ」




401: >>1 2016/01/09(土) 22:12:34.68 ID:nI36tAKZ0



【旅館・⑨】



修(えっと……待ち合わせは玄関ロビーだったっけ)スタスタ




米屋「オレらいつまで正座してればいいんすかね……」

犬飼「もう脚の感覚が無い……こんな事なら換装しとくんだった……」


東「――どうやら面白い台詞が聞こえたな。二人とも明け方まで正座するか?」


犬飼「いや違います言葉の綾です」

米屋「マジ勘弁して下さい」


東「ははっ、冗談だ。もう戻っていいから部屋で大人しくしてるんだぞ」


米屋「あざーっす!」

犬飼「肝に命じます!」




修(まだ正座させられてたのか……)スタスタ




402: >>1 2016/01/09(土) 22:14:46.80 ID:nI36tAKZ0



【ロビー】



修(えっと……)キョロキョロ


那須「……修くん、こっちよ」


修「あ、那須先輩。お疲れ様です。……待たせてしまいましたか?」


那須「ううん、大丈夫。じゃあ行きましょ」


修「はい。……って、どこで話すんですか?」


那須「そうね……」




403: >>1 2016/01/09(土) 22:16:18.34 ID:nI36tAKZ0



那須「どこか空いてる部屋があればいいんだけど……」

修「因みにぼくたちの部屋はさっき枕投げが始まってました」

那須「……じゃあ私たちの部屋に来る?」

修「な……!!」

那須「あなたが来たいなら構わないわよ」

修「……………………遠慮しときます」

那須「そう?」

修「ほ、他の空き部屋探しましょう」

那須「そうね」




404: >>1 2016/01/09(土) 22:17:43.93 ID:nI36tAKZ0



【空き部屋】



修(ちょうど良さそうな空き部屋があって良かった)

那須「じゃあ……取りあえずはお疲れ様、ね」

修「はい。お疲れ様です」

那須「ところで修くんは温泉入ったの?」

修「はい。露天は行きませんでしたけど……」

那須「行った方がいいわ。すごく綺麗な景色よ」

修「そうですね、明日の朝にでも行ってみます」




410: >>1 2016/01/09(土) 22:35:33.59 ID:nI36tAKZ0



【女子部屋・⑨】



柚宇「じゃあ次は~~……」チラッ

熊谷(うっ)

加賀美「熊谷さんは好きな人いないの?」

熊谷「……あ、あたしは……」


熊谷「……」


熊谷「……」




熊谷「……これ、言わなきゃダメですか……?」

柚宇「ダ~メ♪」




411: >>1 2016/01/09(土) 22:41:35.92 ID:nI36tAKZ0



熊谷「……ごめんなさい、勘弁してもらえないですか」

小佐野「いーじゃん減るもんじゃないしー」

光「みんな答えたんだからよー」

熊谷「も、黙秘権を……」

加賀美「え? その反応って事は……いるの?」

熊谷「……黙秘権を」

柚宇「しょうがないなぁ。かくなる上は……」




柚宇「お~い茜ちゃ~ん、ちょっと来て~」

茜「あ、はい!」


熊谷「」




412: >>1 2016/01/09(土) 22:48:10.27 ID:nI36tAKZ0



茜「なんですか?」

柚宇「え~っとね~」


熊谷「あ、茜―――むぐっ!?」

小佐野「お口チャックねー」

光「大人しくしろよー」

三上「ご、ごめんね……」


柚宇「熊谷ちゃんって好きな人いるの?」

茜「好きな人ですか? うーん……」


熊谷(茜! やめて! マジで!)ジタバタ






茜「ごめんなさい、分からないです」


熊谷(よーしよく言った! 今度猫カフェ連れてってあげるわ!)




413: >>1 2016/01/09(土) 22:55:09.06 ID:nI36tAKZ0



茜「……あ、でも迅さんと遊んでる先輩はいつもすごく楽しそうですけど」



柚宇「え」

今「へっ?」

加賀美「ホントに?」


熊谷(茜ぇぇぇぇ!! やっぱ連れてかない!!後でお仕置きしてやる!!)ジタバタ


光「暴れんなよ! 暴れんな!」

小佐野「事実だから動揺してるんだね」

光「あぁなるほど。そーいう事か」




415: >>1 2016/01/09(土) 23:00:20.75 ID:nI36tAKZ0



加賀美「いやー、それにしても迅さんか」

光「意外っちゃ意外だなー」

熊谷「……」

小佐野「……でもさ、迅さんって……」

熊谷「……」

小佐野「その……なんて言えばいいのかな……」

熊谷「……」






熊谷「……分かってるよ」


全員(え……?)




416: >>1 2016/01/09(土) 23:04:17.95 ID:nI36tAKZ0



熊谷「亡くなったお母さんや最上さんの事も……あのサイドエフェクトの事も」

今「……」

熊谷「全部、分かってるつもり」

小佐野「それならさ、多分迅さんは……」

熊谷「それも分かってる」

小佐野「じゃあなんで……」

熊谷「だ、だって……好きなものは仕方ないじゃない」

小佐野(おぅふ)

今(あっさり認めた……)




417: >>1 2016/01/09(土) 23:07:06.61 ID:nI36tAKZ0



三上「……でもさ、そういうのを支えてあげられたら素敵だよね」

今「うん。分かるかも」

熊谷「ただ、あたしがどうこうする気はないよ。まぁあった所であの人にはバレちゃうけどさ」

光「ほーん。待てる女はいい女って言うし良いんじゃねーの?」

加賀美(初耳だけど……)





茜「先輩かっこいいです!」

熊谷「あんた後でデコピン100連発だからね」

茜「えぇぇ!?」ガーン




431: >>1 2016/01/10(日) 22:46:27.31 ID:lVQ6b76W0



【女子部屋・⑩】



熊谷「……で、そんなあんたは奈良坂とどうなの?」ニヤッ

茜「!?」



光「え? なになに!?」

加賀美「奈良坂くんがどうしたの?」

熊谷「いやね、こいつ三輪隊のとこの奈良坂と付き合ってるんですよ」ニヤニヤ

柚宇「へぇ、そうだったんだ~~」


茜(せ、先輩!)

熊谷(さっきの仕返しだよ)フフン




木虎(え? 日浦さんって付き合ってるの!? 全っ然知らなかったわ……!!)




432: >>1 2016/01/10(日) 22:50:37.97 ID:lVQ6b76W0



光「あいつってどうなん? ぶっちゃけ性欲あんの?」

茜「」


加賀美(あれ、なんだかデジャヴ……)

今(大丈夫。それ気のせいじゃないから)


小佐野「ヒカリはそればっかだなー」

光「だって気になるじゃん」


茜「えっと……えっと……」

三上「む、無理して答えなくてもいいよ?」

熊谷「ダメ。答えなさい」ニッコリ

茜「」




433: >>1 2016/01/10(日) 22:57:59.75 ID:lVQ6b76W0



茜「……ま、まだそういうのは……」

熊谷「へぇ、してないんだ」

光「でも奈良坂って仏頂面だから何考えてるか分からないっしょ」

小佐野「それ言い過ぎだよ。無表情って言わないと」

今「いやそれも大して変わらないからね?」

光「蓮さんもだけど三輪んとこの奴らって殆ど笑わないからな」

加賀美「確かに米屋くんくらいだよね」

光「その中でも奈良坂は筆頭だよなー」






茜「そうですか? 結構笑ってくれますけど……」

全員「えっ」




434: >>1 2016/01/10(日) 23:03:27.05 ID:lVQ6b76W0



三上「奈良坂くんって笑うの……?」

茜「はい」

柚宇「う~ん……想像つかないなぁ」

茜「あ、写メありますよ」

光「おっマジで?」

小佐野「見せて見せて」

茜「はい。どうぞ」スッ




つ 【某遊園地でのツーショット】




全員「……」


茜「どうですか?」




435: >>1 2016/01/10(日) 23:06:39.57 ID:lVQ6b76W0



加賀美「……次行こっか」

今「そうだね……」

茜「え?」

小佐野「さぁ気を取り直して次いこー」

茜「え? え?」

光「さんせー」

茜「み、皆さんどうしたんですか……?」

熊谷「あー……茜」

茜「はい?」






熊谷「リア充は出ていきなさい」

茜「ええぇ!?」




436: >>1 2016/01/10(日) 23:10:04.04 ID:lVQ6b76W0



【女子部屋・⑪】



柚宇「じゃあお次は木虎ちゃんだね~~」

熊谷「あれ? どこ行ったのかな?」キョロキョロ

茜「さっきまで居たんですけど……」キョロキョロ

三上「……あ、そこにいるよ」




布団 < ビクッ




小佐野「隠れても無駄だよー」

光「オペレーターの空間把握力なめんな」




438: >>1 2016/01/10(日) 23:15:47.44 ID:lVQ6b76W0



今「順番だからね、仕方ないよね」

加賀美「ほらもうパパッと答えちゃおうよ」



布団 < ……



柚宇「木虎ちゃんはどうなの? 好きな人とかいるの~~?」


バサッ!


木虎「――い、いませんよ!!」クワッ



全員「……」


木虎「……」ハァ…ハァ…ハァ…


全員「……」


木虎「……」ハァ…ハァ…






全員「浴衣、はだけてるよ」


木虎「ぎゃ――――――!!///」




440: >>1 2016/01/10(日) 23:21:26.56 ID:lVQ6b76W0



【女子部屋・⑫】



小佐野「はいじゃあ改めて~~」

柚宇「好きな人いる?」

木虎「……いませんよ」

木虎(前に迅さんと空閑くんからも聞かれたけど……最近流行ってるのかしら)ハァ…



木虎「大体ですね、我々はボーダー隊員として市民の皆さんを守る義務があるんです。そんな暇はないでしょう?」



柚宇「えぇ~~」

三上「で、でも誰かを好きになるって悪い事じゃないよ?」




441: >>1 2016/01/10(日) 23:26:31.98 ID:lVQ6b76W0



木虎「勿論その感情は否定しません。ただ自らの本分を忘れてうつつを抜かすのはどうかと思っているだけです」

茜「別に両立できてればいいんじゃ――」

木虎「……」キッ

茜「ひうっ!?」ビクッ

木虎「尽力して頂いているスポンサーや各メディアの方々の為にも我々は弛緩しきった姿を見せるわけにはいかないんです。そうじゃなくても――」

光「……ちょっとタンマ」

木虎「――はい?」

光「なんか急に饒舌になったな」

木虎「え」

小佐野「あぁ、言われてみれば」




442: >>1 2016/01/10(日) 23:34:36.00 ID:lVQ6b76W0



木虎「い、いえ、私はただ事実を……」

加賀美「確かになんか変だね」

木虎「そんなことは……」

熊谷「あれ? もしかして少し焦ってる?」

木虎「な、なんで焦る必要があるんですか!」

小佐野「いや、なんか必死になって論点をずらそうとしてるように見えたから」

木虎「」

柚宇「怪しいなぁ」ニヤニヤ




443: >>1 2016/01/10(日) 23:38:25.91 ID:lVQ6b76W0



今(身近な男子挙げていって反応を見ていったらどうかな)

加賀美(消去法だね)



小佐野「じゃあ嵐山さんととっきーは?」

木虎「尊敬してますし信頼してます」

柚宇「迅さんは?」

木虎「掴み所がない人だと思います」

熊谷「駿くんとかは?」

木虎「彼はもう少し落ち着きを持つべきかと」




444: >>1 2016/01/10(日) 23:42:00.36 ID:lVQ6b76W0



加賀美「年上も年下もダメかー」

今「同年代だと……あ、玉狛の子たちは?」

木虎「」ピシッ

全員(分かりやすっ)

三上「空閑くんは?」

木虎「……A級隊員と遜色ないレベルだとは思いますが、それだけです」

三上「じゃあ三雲くん?」




木虎「――ちちち違いますよっ!!!!」クワッ




全員(分かりやすっ!!)




446: >>1 2016/01/10(日) 23:47:59.38 ID:lVQ6b76W0



木虎「な、なんで私が彼を好きだってことになるんですか!? 論理的な説明を求めます!!」

柚宇「ムキになるところが怪しい」キラーン

熊谷「同感」

木虎「別にムキになってなんか……」

小佐野「恥ずかしがらなくてもいいのに」

加賀美「そうだよ。それに恋愛なんて論理的に表現できるものじゃないでしょ?」

木虎(うっ……)

光「おぉ~、いいこと言った!」

柚宇「やっぱり隠れて似顔絵描く人は違うなぁ」

加賀美「さらっと傷を抉るのやめて」




448: >>1 2016/01/10(日) 23:54:12.75 ID:lVQ6b76W0



小佐野「じゃー分かった。こうしよう」

木虎「?」

小佐野「好きか嫌いかで言ったらどっち?」

木虎「そ……っ、それは卑怯じゃないですか」

柚宇「そんなことないよ~~?」

熊谷「どうなの?」

木虎「……」



木虎「……まぁ、その……」




木虎「……」




木虎「……き、嫌いでは……ない、かと……」




449: >>1 2016/01/10(日) 23:59:14.23 ID:lVQ6b76W0



光「おおお! きた!」

小佐野「嫌いじゃない=好き。QED」

木虎「な……!」

加賀美「やっぱりA級でもやることはやってるんだ」

今「そうだね」

木虎「ちょ、ちょっと待って下さい! そもそも『好き』の反対が『嫌い』とは限らないでしょう!?」

茜「でも大体それで合ってるような……」

木虎「あなたは黙ってなさい!」

茜「 (´・ε・`) 」




451: >>1 2016/01/11(月) 00:07:54.22 ID:MbLh+wWZ0



木虎「私が言いたいのはただ単に嫌いになる理由がないというだけです!」

加賀美「ほほう」

木虎「それ以上でも以下でもありません! 勘違いしないように!」ビシッ

今「でもそれって結局は好きって事なんじゃないの?」

木虎「な……!」

小佐野「私らにツンデレしたって意味ないよー」

光「それな」

木虎「ち、違っ……」

三上「ちゃんと三雲くんに言わないとね」



木虎(――あぁもう!! どうしてこうなるのよ!!)




470: >>1 2016/01/14(木) 22:42:26.87 ID:5rUCPmaf0



【男子部屋】



犬飼「はいはいちゅうもーく」

北添「?」

村上「どうした?」

犬飼「修学旅行の夜といえば? ……はい荒船くん!」

荒船「は? 修学旅行じゃねーだろ」

犬飼「そう。恋バナだね」

荒船「いや、だから修学旅行じゃねーだろ」

犬飼「これだけ揃ったんだから色んな色濃い色恋沙汰を暴露しちゃおうか」

荒船「おい」

犬飼「はいみんな集合ー」パンパン

荒船「……」




471: >>1 2016/01/14(木) 22:45:23.91 ID:5rUCPmaf0



犬飼「……あれ? 当真は?」

穂刈「寝てる」

犬飼「叩き起こして」

穂刈「おい、起きろ」

当真「なんだなんだ敵襲かぁ?」

犬飼「……あれ? カゲは?」

北添「寝てるよ」

犬飼「叩き起こして」

北添「おーい」

影浦「……んだよ……」チッ




472: >>1 2016/01/14(木) 22:51:55.01 ID:5rUCPmaf0



【男子部屋・②】



犬飼「気になってる人いる奴手ぇあげてー」

全員「……」シーン

犬飼「あれ、いないの?」

影浦「どーでもいい。つーか眠ィ」

犬飼「えぇー! いーじゃん少しくらいさ!」

穂刈「言い出しっぺが先に言うべきだろ。こういうのは」

犬飼「俺? んー……俺は多すぎて分かんないや」

荒船「は?」

犬飼「やっぱ綾辻ちゃんと那須ちゃんと月見さんは固いよなー」

荒船「節操ねーな」




475: >>1 2016/01/14(木) 22:58:53.83 ID:5rUCPmaf0



北添「……まぁ叶わぬ恋だね」

犬飼「いやいや、叶わないかどうかはまだ分からないでしょ」

荒船「そもそもお前の場合は恋じゃねーだろ」

影浦「チャラ男が……」チッ

犬飼「酷いなー」

犬飼「つーかゾエ、『叶わぬ』ってどういう意味?」

北添「あれ? 知らないの?」

犬飼「?」

北添「その3人、多分好きな人いるよ」

犬飼「えっ」




477: >>1 2016/01/14(木) 23:03:50.68 ID:5rUCPmaf0



荒船「そうなのか?」

村上「……知らなかったな」

影浦「どーでもいい」

穂刈「初耳だ。オレも」

北添「まぁ多分だけどねー」

犬飼「ちなみにゾエさんスカウターだと誰が誰を好きな感じ?」

北添「それはほら、個人情報だから……」

犬飼「そこまで言ってお預けかよー」

荒船「こればっかりは犬飼に同意だな」

穂刈「気になるな、確かに」

影浦「どーでもいい」




478: >>1 2016/01/14(木) 23:10:02.59 ID:5rUCPmaf0



北添「……でもなぁ……」

犬飼「OK分かった。言うか言わないか多数決でいこう」

荒船「賛成だ」

穂刈「オレも」

村上「オレも構わないよ」

影浦「どーでもいい」

犬飼「よし。……って、あれ? 当真は?」

村上「寝てる」

犬飼「叩き起こして」




480: >>1 2016/01/14(木) 23:14:35.76 ID:5rUCPmaf0



>>5対1で結局話す事になりました。



北添「えーっと、綾辻さんは……多分だけど嵐山さんと付き合ってるんじゃないかな」

荒船「は?」

穂刈「そうなのか」

北添「で、蓮さんは太刀川さんの事好きだろうし……」

当真「マジで? 蓮さんってダメ男好きなの?」

村上「……それ太刀川さんだけじゃなくて月見さんの事も馬鹿にしてないか」

当真「やっべ、撤回するわ」




481: >>1 2016/01/14(木) 23:19:12.36 ID:5rUCPmaf0



北添「で、那須さんは……これまた多分だけど玉狛の子と何かあるんじゃないかな」

北添(……っていうか三雲くんと)


村上「え?」

影浦「玉狛だぁ?」

穂刈「レイジさんたちか」

犬飼「マジかー! 狙ってたんだけどなー」

荒船「ウソつけ」

犬飼「こりゃ真偽を確かめないとね。行こうか」ガタッ

村上「どこにだ?」

犬飼「玉狛のとこだよ!」

穂刈「来てないぞ、玉狛第一は」

犬飼「じゃあ第二っしょ。空閑くんと三雲くんに突撃だ」




482: >>1 2016/01/14(木) 23:24:19.47 ID:5rUCPmaf0



荒船「つーかお前東さんに正座させられてたろ? 懲りずにまたやらかすのかよ」

犬飼「大丈夫。同じ轍は踏まないよ」

北添(フラグだこれ……)

犬飼「誰か着いてくる奴はいる?」

村上「オレは遠慮しとくよ」

荒船「同じく」

穂刈「オレも」

犬飼「えぇ…… カゲたちは?」

北添「ゾエさんも遠慮するよ」

影浦「どーでもいい」

犬飼「じゃあ当真は?」

荒船「寝てる」

犬飼「叩き起こして!」




485: >>1 2016/01/14(木) 23:31:24.29 ID:5rUCPmaf0



【旅館・⑩】



犬飼(……まったく。みんなノリ悪いなー)スタスタ

犬飼(とはいえ見つかると面倒臭そうだしバレないように気を付けないとね)スタスタ




東「おい、七並べも良いがもう消灯だぞー」

古寺「アッハイ」

太一「あと1回だけ! これで最後っすから!」

半崎「ダルいなぁ……」




犬飼(よーし、今のうちに……)コソコソ




487: >>1 2016/01/14(木) 23:37:25.16 ID:5rUCPmaf0



犬飼(……っていうか空閑くんたちって部屋どこだ? 虱潰しに回ってくしかないか)

犬飼(その途中で女子の部屋に入っちゃっても不可抗力だよねー)コソコソ



「……そこで何をしてる」


犬飼「あぁ、ちょっと確かめたい事があって……」


「他人の部屋に忍び込んでか?」


犬飼「いやこれは深い理由が―――」チラッ





二宮「……」





犬飼「ににににに二宮さん!? こんな所で奇遇ですねお疲れっす!!!!」




489: >>1 2016/01/14(木) 23:41:21.01 ID:5rUCPmaf0



二宮「奇遇だな、犬飼」

犬飼「いやはやホント奇遇ですね」

二宮「夜の散歩か?」

犬飼「ま、まぁそんな感じで。二宮さんこそ何やってるんですか?」

二宮「見回りだ。東さんに頼まれてな」

犬飼「そうですか。じゃあお先に失礼しま


ガシッ


二宮「あ?(威圧)」

犬飼「スンマセッ」ビクッ






※また正座させられました。




490: >>1 2016/01/14(木) 23:47:53.00 ID:5rUCPmaf0



【空き部屋・③】



修「―――っくしっ!」

那須「大丈夫?」

修「はい……あ、それより先輩、喉乾きませんか?」

那須「そうね。少しだけ乾いたかも」

修「ぼく何か買ってきますよ」

那須「あら、いいの?」

修「はい。何にしますか?」

那須「あなたと同じのでいいわ」

修「分かりました。行ってきますね」




510: >>1 2016/01/17(日) 21:38:20.52 ID:jIfgxp2Y0



【旅館・⑪】



修「……」スタスタ…


修(随分静かだ。もうみんな寝てるのか……)


修(……ん?)




< 「私は悪い子です……私は悪い子です……私は悪い子です……」




修(な…なんか聞こえる……!?)ビクッ


修(一体何が起きてるんだ……?)ソーッ




512: >>1 2016/01/17(日) 21:42:24.09 ID:jIfgxp2Y0



犬飼「……『私は悪い子です』……『私は悪い子です』……」カキカキ

二宮「あと200回だ。さっさと書け」




修(い、犬飼先輩が正座したままひたすら書かされてる!? なんだこの光景!?)




犬飼「あの、二宮さん……あと100回にまけてもらうことって――」

二宮「アステロイド」キィン

犬飼「――できないっすよね! ごめんなさい!!」

二宮「消灯後に勝手に抜け出したお前が悪い。自業自得だ」ギロッ

犬飼「うっす……」




修(……なるほど、罰を受けてるのか……)


修(……)


修(あれ? だとしたらぼくと先輩も見つかったらまずいんじゃ……)




513: >>1 2016/01/17(日) 21:48:14.26 ID:jIfgxp2Y0



【旅館・⑫】



修(……よし、飲み物は買った。あとは誰にも見つからないように戻らないと……)


修(……静かに、かつ迅速に……)ソーッ



< コツッ…コツッ…コツッ…



修(だ、誰か来た! 隠れないと……!)サッ



< コツッ…コツッ…コツッ…



修(……堂々と来てるって事はこの足音の主も二宮さんと同じで見回りしてるんだろうか)




514: >>1 2016/01/17(日) 21:55:55.86 ID:jIfgxp2Y0


< コツッ…コツッ…コツッ…



修(那須先輩が不思議がるだろうしなるべくはやく戻りたいな)

修(いっそのことトイレに行ってたことにすれば……あるいは単純に飲み物を買いに行ってた体にするか)



< コツッ…コツッ…コツッ…



修(迅さんとかだったら見逃してくれるかもしれないけど……)

修(それにしても一体誰が―――)チラッ





三輪「……」コツッコツッコツッ





修(……Oh……)




515: >>1 2016/01/17(日) 22:02:14.16 ID:jIfgxp2Y0



三輪「……」キョロキョロ



修(やばい! よりによって三輪先輩だなんて……!!)

修(しかもぼくたちが話してた空き部屋の方に向かってる……)



三輪「……」スタスタ



修(那須先輩にも伝えないと巻き添えを受けるし、なおさらはやく戻らないと……)

修(今ぼくが持ってる物でこの状況を打開するしかない!)



※修の所持品

お茶(ペットボトル)× 2

財布



修(……)



修(……いや無理だこれ)




518: >>1 2016/01/17(日) 22:10:48.38 ID:jIfgxp2Y0



修(どうする……どうする……!)


ポロッ…


修(……あ……! しまっ……!!)



< チャリーン



三輪「……」ピクッ


三輪「……誰だ」



修(やばいやばいやばいやばいやばいやばい……!!)



三輪「そこにいる奴、出てこい」



修(~~~~~~~!!!!)




521: >>1 2016/01/17(日) 22:22:51.05 ID:jIfgxp2Y0



三輪「……トリガー起動」バチッ

三輪「3つ数える。それまでに出てくるんだ」



修(くっ……!)



三輪「3」



修(あ、諦めるしかないのか……)



三輪「2」



修(……空閑、千佳……すまない……後は頼んだ……)



三輪「……1」スッ…







迅「――うーっす」ヒョコッ



三輪「!」

修(じ、迅さん……!?)




524: >>1 2016/01/17(日) 22:32:40.15 ID:jIfgxp2Y0



三輪「……チッ。何の用だ」

迅「いやー秀次が頑張ってるって聞いてさ、ちょっくら応援に」

三輪「必要ない」

迅「おいおいつれないなー」ハハッ




迅(……)チラッ

修(あ、ありがとうございます……!)ペコッ




三輪「……それで、何の用だ」

迅「だから応援に来たんだって」

三輪「下らない嘘はつくな。お前が来た以上何かあるんだろう」




525: >>1 2016/01/17(日) 22:38:47.47 ID:jIfgxp2Y0



迅「……いや、マジで何もないぞ」

三輪「本当だろうな」

迅「これといって何も起こらないよ。おれのサイドエフェクトが昨日からそう言ってる」

三輪「……チッ」スタスタ

迅「おいおいもう行くのか?」

三輪「俺は暇じゃないんだ」スタスタ

迅「真面目なのは結構だけどお前も少しは休めよ」

三輪「……」スタスタ

迅「……」





迅(ふー……危なかったな……)




545: >>1 2016/01/19(火) 22:53:57.55 ID:j3+xez5G0



【空き部屋・④】



修「お待たせしました……」ハァ…ハァ…



那須「おかえりなさい。遅かったわね」

修「…は、はい…」ハァ…ハァ…

那須「どうかしたの?」

修「ちょっと一悶着ありまして……どうぞ」

那須「ありがとう。お金は後で渡すわね」

修「いえ、これくらい大丈夫ですよ」




547: >>1 2016/01/19(火) 22:59:53.70 ID:j3+xez5G0



【空き部屋・⑤】



修「……」ソワソワ


那須「……」


修「……」ソワソワ


那須「……修くん?」


修「は、はい」


那須「その、……どうかしたの?」


修「いえ! なんでもないです!」



修(……もし三輪先輩が見回りを続けてるならこの部屋を通る可能性が高い)

修(このままゆっくりしてたら危ないんじゃ……? 流石にそこまで迅さんに頼る訳にはいかないし)




549: >>1 2016/01/19(火) 23:04:27.54 ID:j3+xez5G0



修(……)ソワソワ

那須「……」

修(……)キョロキョロ

那須「……」

修(……)ソワソワ

那須「……」

修「ちょ、ちょっと失礼します」ソーッ

那須(廊下を覗いてる……)

修(よし、今のところ誰もいない)

那須「何か気になる事でもあるの?」

修「あ、はい。誰も来ませんように――と思って」



那須「……えっ」

修「?」




550: >>1 2016/01/19(火) 23:06:45.74 ID:j3+xez5G0



那須(誰も来ないように……?)


那須(そ、それって……)


那須(……)


那須(……ううん、考え過ぎよね)


那須(……)


那須(……)


那須(でも……あんなにそわそわしてる修くんは初めて見たわ……)


那須(……)


那須(……も、もしかして……でもそんなこと……)ドキドキ




551: >>1 2016/01/19(火) 23:13:46.52 ID:j3+xez5G0



【廊下】



修(……)キョロキョロ ←顔だけ部屋から出してる状態


修(頼む……何事もなく過ぎてくれ―――



< コツッ…コツッ…コツッ…



修(こ、この足音は……!?)ゾクッ





三輪「……」コツッコツッコツッ





修(―――うわぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!)




553: >>1 2016/01/19(火) 23:19:27.07 ID:j3+xez5G0



修(このままじゃまずい!)

那須「ね、ねぇ、修くん……」

修(説明してる暇はない……!)


修「……先輩」キッ

那須「っ……な、なに?」ドキッ

修「電気、消します」

那須「!?」

修「……」パチッ

那須「え? ちょっ、ちょっと待って――」

修「待てません」

那須「」




557: >>1 2016/01/19(火) 23:32:31.45 ID:j3+xez5G0



那須「ま、待って。急に言われても心の準備が……」

修「待てません。失礼します」ズイッ

那須「きゃっ……!」ドサッ

修「……静かにしててください……!」ボソボソ

那須(手首掴まれてて動けない……な、なにこの状況……!?)



那須「お、修くん? 一旦落ち着きましょう? ね?」

修「少しだけ我慢して下さい。すぐに済みます」

那須「で、でも……いくらなんでも急過ぎるわ……」

修「お願いします。ぼくたちの今後の(罰を免れる)為に必要なんです!」

那須「……!!」




559: >>1 2016/01/19(火) 23:38:01.83 ID:j3+xez5G0



那須「……っ……///」ドキドキ


修(どうだ……? 三輪先輩は行ったか……?)


那須「……わ、分かったわ」


修(頼む……やり過ごしてくれっ……!)


那須「……ただ、私……その……」


修(あ、いま障子に影が写った……っていう事は通り過ぎたのか……?)


那須「は、初めて……だから……」








修「危なかったぁ……!!」グデーン


那須「優しく――――え?」





560: >>1 2016/01/19(火) 23:40:53.11 ID:j3+xez5G0



那須「えっと……『危なかった』っていうのは……?」

修「あ、実は三輪先輩が見回りしてまして」

那須「えっ」

修「すぐそこに来てたんですが、なんとかやり過ごしたみたいです」

那須「……」

修(危なかった……)フー

那須「……」




561: >>1 2016/01/19(火) 23:44:53.59 ID:j3+xez5G0



修「……あれ? 先輩?」

那須「……」

修「どうかしましたか?」

那須「……ううん、別に」

修「な、なんでそっぽ向くんですか?」

那須「なんでもないわ」

修「そんな訳……」

那須「大丈夫だから」

修(で、でもそんなに耳が真っ赤なのに……)




562: >>1 2016/01/19(火) 23:52:43.80 ID:j3+xez5G0



修「先輩、こっち向いて下さい」

那須「……大丈夫、だから」

修「そんなに真っ赤になってるのに大丈夫じゃないです。まさか体調悪いのに無理して―――」

那須「大丈夫。本当に大丈夫」

修「じゃ、じゃあこっち向いて下さい」

那須「そ、それは……無理よ。今は……」

修「え? ど、どうしてですか……?」

那須「……」

修「先輩?」

那須「……」



那須「……いじわる」

修「??」




592: >>1 2016/01/23(土) 22:16:04.68 ID:98VzIAOh0



【空き部屋・⑥】



<トリガーオン! トリガーオン!



修「あ、すみません。失礼します」

那須「どうぞ」


那須(……ユニークな着信音ね)



修「もしもし」

『おぉ、オサム』

修「どうした? 空閑」

『オサムってまーじゃん打てるか?』

修「麻雀? いや打てないけど……」




593: >>1 2016/01/23(土) 22:17:35.27 ID:98VzIAOh0



修「急にどうしたんだ?」

『……今すわさんの隊の人たちと「てつまん」というものをやってるんだけど』

修「何やってるんだ…… ていうか空閑は打てるのか?」

『いや、全然』

修「えっ」

『でもなかなか興味深いぞ』

修「そ、そうか。…で、どうしてぼくに?」

『あぁ、ついさっきすわさんが半泣きで出て行っちゃったから人数が足りなくなってさ』

修(なんだそれ……)

『まぁ打てないなら仕方ない、他を当たろう。じゃあおやすみオサム』

修「あ、待て空閑!」

『ん?』




594: >>1 2016/01/23(土) 22:25:46.52 ID:98VzIAOh0



修「今の時間帯は二宮さんや三輪先輩が見回りしてる」

『ほほう』

修「空閑も見たかもしれないが米屋先輩も犬飼先輩も正座させられた。気を付けろ」

『りょーかい、隊長』



修「……」フゥ

那須「……なんだか大変なのね」

修「え? まぁ、少しだけですけど」

那須「もし見つかったらごめんなさい。私が呼び出したせいで……」

修「先輩のせいじゃありませんよ。それにぼくも先輩と話したかったですし」

那須「……そ、そう……」




595: >>1 2016/01/23(土) 22:33:16.31 ID:98VzIAOh0



修「……でも皆わりと自由に過ごしてますね」

那須「そうね。せっかくの慰安旅行なんだもの、少しくらい羽目を外してもバチは当たらないわ」

修「ははは……確かに」

那須「……修くんはこういう時お友達とどんな話するの?」

修「そうですね、前の修学旅行だと枕投げをやってました」

那須「あら、意外」

修「まぁそのあと先生に怒られちゃいましたけど……」

那須「ふふっ」




596: >>1 2016/01/23(土) 22:39:12.11 ID:98VzIAOh0



修「先輩達は何するんですか?」

那須「私達は……そうね、恋愛話かしら」

修「……あっ、い、言われてみればぼくらも同じような話してました……」

那須「男の子も同じなの?」

修「はい。ああいう状況だと皆なぜか口が軽くなるというか、素直になるんですよね」ハハッ

那須「そうなのよね」クスッ



那須「……」



那須「……ねぇ、修くん」

修「はい」








那須「……私たちもそういうお話する?」

修(な……!)




598: >>1 2016/01/23(土) 22:51:32.19 ID:98VzIAOh0



修(『そういう話』ってつまりは恋愛話って事だよな……!?)


那須「あなたは好きな人いるの?」

修「えっちょ待っ……」

那須「雨取ちゃんとか?」

修「ち、千佳はチームメイトですよ! どちらかというと妹みたいな感じですし……」

那須「じゃあ木虎ちゃんは?」

修「木虎は……同い年なのに凄い奴だと思ってますが……」

那須「……そう」




599: >>1 2016/01/23(土) 23:03:54.67 ID:98VzIAOh0



修(バレンタインデーの時もそうだったけどなんで千佳や木虎の名前が上がるんだ……?)


那須「じゃあ……わたs、じゃなくて年上の人はどうかしら」

修「年上ですか。考えた事ないのでよく分かりませんが……ぼくは別にそういう好みは無いですよ」

那須「……そう」

修「那須先輩の好みは――」

那須「……」

修「あ、ごめんなさい。女性に聞くのは失礼でしたね……」

那須「ううん大丈夫よ。 ……私の好みは……そうね……」




600: >>1 2016/01/23(土) 23:12:10.44 ID:98VzIAOh0



那須「月並みだけど、しっかりした目標があって、頑張ってそれに取り組んでる人は素敵だと思うわ」

修「……」

那須「どんな時も自分のやるべき事を曲げないでやり抜ける人は尊敬できるわね」

修「なるほど…」

那須「他には……そうね、一緒にいて居心地が良い人とか」

修「確かに大事なことですね」

那須「からかい甲斐がある人とかかしら?」クスッ

修「あはは……」




602: >>1 2016/01/23(土) 23:20:19.71 ID:98VzIAOh0



那須「あとは―――やっぱり素直な人が好きかな」

修「……そうですか。どれも大事なことですね」

那須「えぇ」

修「……」

那須「……」

修「……」

那須「……修くん」

修「はい?」








那須「……私、あなたのこと好きよ」




608: >>1 2016/01/23(土) 23:26:38.18 ID:98VzIAOh0



修「……!?」

那須「もちろん男の子として、ね」

修「」

那須「……」

修「」

那須「えっと……修くん?」

修「」

那須「……」

修「」



那須「あの……一応告白したつもりなんだけど……///」

修「ご、ごめんなさい……あまりにも突然だったので……///」




611: >>1 2016/01/23(土) 23:31:01.68 ID:98VzIAOh0



那須「――でも返事は要らないわ」

修「え?」

那須「今は遠征部隊に選ばれる為に強くなるのが最優先だもの。……でしょ?」

修「まぁ、そう、ですけど……」

那須「?」

修「……せっかく先輩が伝えてくれたのにそれを無下にはできません」

那須(……本当に素直なんだから)クスッ








那須「じゃあ……そうね。代わりに私のお願いを1つ聞いてくれる?」




612: >>1 2016/01/23(土) 23:39:11.56 ID:98VzIAOh0



【女子部屋・⑬】



修「……」キョロキョロ

那須「誰もいないわよね?」

修「はい。今のうちです」

那須「送ってくれてありがとう」

修「いえ、大した距離じゃないですし……」

那須「あなたも見つからないよう気を付けて」

修「そうですね」

那須「……それじゃお休みなさい。修くん」

修「はい。お休みなさい」




615: >>1 2016/01/23(土) 23:45:06.30 ID:98VzIAOh0



那須「……」ジーッ

修「……」

那須「……」ジーッ

修「……」

那須「……」ジーッ

修「っ……」






修「お休みなさい………… れ、玲さん」

那須「うん。お休みなさい」ニコッ




657: >>1 2016/01/26(火) 23:04:49.52 ID:YSenT1et0



【翌日】



修「……ん……」


出水「おう。やっと起きたか」

米屋「メガネ掛けてる癖に随分と寝坊助じゃねーの」


修「おはようございます……」ムクッ

修(も、もう12時……!? そんなに寝てたのか!?)


米屋「みんな近くの街に買い物行ってんぜ」

出水「メガネくんはどうするよ?」




658: >>1 2016/01/26(火) 23:10:33.08 ID:YSenT1et0



修「……ぼくも何か食べてから行こうかと思います」

出水「ん、OK」

米屋「じゃあまたなー」

修「はい」ペコッ



修「……」



修「……」ボーッ…








遊真「――よっ」ポンッ


修「ほげっ!?」ビクッ




659: >>1 2016/01/26(火) 23:15:47.92 ID:YSenT1et0



遊真「おはよう。オサム」

千佳「おはよう」

出穂「おはようっす」

修「みんな……おはよう」

出穂「メガネ先輩すっごい声出てましたけど大丈夫すか?」

遊真「『ほげっ』って言ってたぞ、『ほげっ』って」

修「あ、いや、なんでもない。ちょっとびっくりしたんだ」

遊真「ほう?」

千佳「それにしても修くんがこんなに遅くまで寝てるなんて珍しいね」

修「あ、あぁ……」


千佳(……)




661: >>1 2016/01/26(火) 23:21:00.94 ID:YSenT1et0



千佳「……ねぇ修くん、皆でお出かけしない?」

修「お出かけ? ……近くの街にか?」

千佳「うん」

修「そうだな。行こう」

遊真「昼ごはんも兼ねてな」

修「ちょうど良かったよ、お腹空いてたんだ」

出穂「じゃあ決まりっすね。アタシらはロビーで待ってますんで!」

修「あぁ、すぐ行くよ」

遊真「じゃあまた後で」

修「あぁ」




662: >>1 2016/01/26(火) 23:26:40.93 ID:YSenT1et0



【旅館・⑬】



修(……)スタスタ


修(……昨日の……あれ……)スタスタ



『私、あなたのこと好きよ』



修(っ……!)ピタッ


修(……)


修(夢じゃないんだよな……)


修(……)


修(……ぼくはあの人のことをどう思ってるんだろう)




663: >>1 2016/01/26(火) 23:38:23.79 ID:YSenT1et0



迅「――よう、メガネくん」ニュッ

修「あ、迅さん……おはようございます」

迅「もう昼だけどな」ハハッ

修「そ、それもそうですね」

迅「……で、メガネくんも買い物行くのか?」

修「はい。空閑と千佳と夏目さんと……」

迅「うんうん。楽しむのは良いことだ」

修「迅さんは行かないんですか?」

迅「あぁ、おれはやることがあるからな。出来るだけ多く外出させないと」

修「え?」

迅「温泉は気が抜けすぎる。外の空気も吸わないとな」

修「……そうですね」




664: >>1 2016/01/26(火) 23:42:49.78 ID:YSenT1et0



修「……あの、迅さん」

迅「ん?」

修「昨日の夜はありがとうございました」

迅「いいっていいって。かわいい後輩たちの為だ」



修(後輩『たち』……か。やっぱり迅さんには視えてたんだろうか)

修(……ぼくは……どうすればいいんだろう)



迅「悩めよ少年。時間は有限だけど人との繋がりは一生モノだ」

修「……」

迅「そういうのは悩んでる時期が一番楽しいからな。ゆっくりでもバチは当たらないさ」

修「……はい。ありがとうございます」




665: >>1 2016/01/26(火) 23:47:46.53 ID:YSenT1et0



【ロビー】



修「おまたせ」

遊真「おう」

出穂「じゃあ行きますか!」

修「因みに何で移動するんだ?」

出穂「近くにバス停があるんでそこかららしいっすよ」

修「なるほど」

遊真「ふむ、どうやらバスというのは日本では人気らしいな」

修「ははっ」



千佳(修くん、なんだかちょっと元気になったみたい。良かった……)




681: >>1 2016/01/30(土) 22:54:38.06 ID:U8FT3Ig80



【男子部屋・③】



日佐人「お邪魔しまーす」

時枝「あ、日佐人」

日佐人「ちょっと暇でさ、隣街いかない?」

時枝「別にいいよ」

日佐人「嵐山さんも行きませんか?」



嵐山「わ、悪いな……せっかくだけど止めておくよ」


日佐人「えっ…なんだか少し顔色悪くないですか? どうしたんですか?」



嵐山「……ちょっと……腰が痛くてな……」



日佐人「腰? どうして――」

時枝(多分寝違えたんでしょ。行こう)グイッ

日佐人「え? え?」ズルズル




684: >>1 2016/01/30(土) 23:01:56.68 ID:U8FT3Ig80



【旅館・⑭】



光「おーいカゲー」

影浦「……んだよ」

光「いつまで炬燵に篭ってんだよー」

影浦「別にいいだろ」

光「なぁなぁ、アタシらも買い物行かね?」

影浦「あ?」

光「ゾエもユズルもどっか行っちまって暇だしさー」

影浦「…面倒くせぇ」




687: >>1 2016/01/30(土) 23:09:21.94 ID:U8FT3Ig80



光「ほんっとカゲはコミュ障だな」

影浦「殺すぞ」

光「できねーくせに」ニヤニヤ

影浦「チッ…… どっちにしろ俺ぁパスだ。他あたれ」

光「……」

影浦「……」

光「……」グイッ

影浦「んだよ」

光「つめろ」グイグイッ

影浦「あ? 対面が空いてんだろーが」




688: >>1 2016/01/30(土) 23:17:23.64 ID:U8FT3Ig80



光「いーからつめろ!」グイッ

影浦「……チッ」

光「あーやっぱ炬燵はいいな」

影浦「狭くなけりゃもっと最高なんだがな」

光「よーし! しょーがねーからアタシが話相手になってやるよ!」

影浦「いや別に要らねーけど」

光「遠慮すんなって!」

影浦「遠慮なんてしてねーよ」

光「ぼっちは淋しいだろ?」

影浦「……おめーはいつも一言多いんだよ」チッ




689: >>1 2016/01/30(土) 23:23:17.34 ID:U8FT3Ig80



【男子部屋・④】



小佐野「すわさんいるー?」ニュッ



風間「……小佐野」

小佐野「あ、風間さん。どーも」ペコッ

風間「諏訪ならそこだ」



諏訪「ZZZ……」



風間「どうやら徹夜明けらしいな」

小佐野「なるほど」

風間「俺は先に出る。諏訪は……そうだな、好きにしろ」

小佐野「りょーかいっす」ニヤリ




691: >>1 2016/01/30(土) 23:29:13.99 ID:U8FT3Ig80



諏訪「ZZZ……」

小佐野(熟睡してるなー)

諏訪「ZZZ……」

小佐野(……鼻と口塞いじゃおーっと)スッ

諏訪「Zっ……」

小佐野(……)

諏訪「―――」

小佐野(……)

諏訪「―――」

小佐野(……)

諏訪「―――」








諏訪「ぶおっしゃあぁぁぁ!?」ガバッ

小佐野「wwww」




692: >>1 2016/01/30(土) 23:34:30.76 ID:U8FT3Ig80



諏訪「ハァハァハァ……な、なんだ!? また俺が4着か!?」

小佐野「wwww」プルプル…

諏訪「……空閑の野郎……絶対リベンジして……」ハァ…ハァ…

小佐野「wwww」プルプル…

諏訪「……あ? なんでおめーがここにいんだ?」

小佐野「wwww」プルプル…

諏訪「つーか何笑ってんだコラ」

小佐野「……な、なんでもないよ」

諏訪「あークソ……なんか知らねーが寝覚め悪ぃな……」ガシガシ

小佐野「なんでだろーね。ふしぎ」




694: >>1 2016/01/30(土) 23:42:18.84 ID:U8FT3Ig80



小佐野「……あっそうだ。ねぇ、すわさん」

諏訪「あん?」

小佐野「隣街いこーよ」

諏訪「は?」

小佐野「つつみんもひさともみんな買い物行ってるみたいだからさ」

諏訪「買い物ねぇ」

小佐野「荷物持t…じゃなくて二人でデートしよーよデート」

諏訪「なんかスゲー聞き捨てならねぇ単語が聞こえかけたが気のせいだよなぁオイ」

小佐野「気のせいだよ」

諏訪「ケッ。しゃーねーな……」




716: >>1 2016/02/02(火) 22:27:54.71 ID:37DlZV1h0



【隣街】



遊真「――着いた」

千佳「じゃあ最初はどこ行こっか」

遊真「オサムはお腹空いてるんじゃないのか?」

修「いや……流石に来てすぐ食べるっていうのもあれだし、少し回ってからにしよう」

遊真「OK」

出穂「アタシ地下街行きたいっす!」

千佳「あ、いいね」

修「よし。じゃあ行こうか」




717: >>1 2016/02/02(火) 22:36:54.46 ID:37DlZV1h0



【隣街・②】



出水「――で、来たは良いけどなんか欲しいもんあんの?」

米屋「いやぶっちゃけねーや」

出水「緑川は?」

緑川「んー、おれも特にないかなぁ」

出水「……なんだそりゃ」

緑川(双葉にはもうお土産買ってあるし)

米屋「じゃあテキトーに駄弁ってよーぜ」

出水「いつもと変わんねーじゃんか」




718: >>1 2016/02/02(火) 22:41:11.96 ID:37DlZV1h0



【隣街・③】



風間「よし、次はあそこに行くぞ」モグモグ

三上「ま、まだ食べるんですか?」

風間「当然だ」

三上「……あ。風間さん、頬っぺたにケチャップ付いてますよ」

風間「ここか?」ゴシゴシ

三上「いえ、こっちです」

風間「……取れたか?」ゴシゴシ

三上「まだです。……ちょっと動かないでくださいね」スッ




719: >>1 2016/02/02(火) 22:49:56.12 ID:37DlZV1h0



風間(……)

三上「はい。取れました」ニコッ

風間「……悪いな、三上」

三上「いえいえ」

風間「…………ところでお前ら」チラッ




歌川「……」

菊地原「……」




風間「何故そんなに離れてる」

歌川「い、いや……その……」

風間「はぐれるぞ」

三上「そうだよ二人とも」




721: >>1 2016/02/02(火) 22:54:35.04 ID:37DlZV1h0



歌川「いや、実はそのですね……オレちょっと行きたい店ありまして」

三上「そうなの?」

風間「なら次はそこに行くか」

三上「そうですね。そうしましょう」

歌川「あ、でもそこ遠いんで一人で行ってきますよ!」

風間「遠慮するな」

歌川(うっ……)






菊地原「ていうかそれ以前に目の前でイチャイチャされるこっちの身になっt


歌川「――なんだ菊地原トイレ行きたいのか!? 仕方ないなお前は!!」ガシッ




723: >>1 2016/02/02(火) 23:03:45.01 ID:37DlZV1h0



【隣街・④】



犬飼「――あっ。ねぇねぇお姉さんたち、ちょっといい?」

女子大生A(……誰?)

女子大生B(知らない)

犬飼「実はおれこの街来たの初めてでさー、お姉さんたちみたいな美人さんが案内してくれたら凄い嬉しいんだけど」

女子大生A「え?」

犬飼「できれば一生思い出に残る街にしたいなー」チラチラ

女子大生B「あはは、変な子ー」





荒船(……あいつマジで懲りねーな)

穂刈(報告しとくか。東さんと二宮さんに)




725: >>1 2016/02/02(火) 23:12:48.15 ID:37DlZV1h0



【旅館・⑮】



太一(ま、迷った……案外広いんだなー)テクテク


太一(……あれ?)



『立入禁止』



太一(こんな部屋あったんだ……ていうか立ち入り禁止なのに電気付けっぱなしじゃん)ガチャッ


太一(うおー! なんか凄そうな装置がある! なんだこれ!)


太一(……いやそもそも誰も使ってないのになんで電源入ってんだろ?)




727: >>1 2016/02/02(火) 23:20:08.30 ID:37DlZV1h0



太一(こんな大掛かりな装置動かしてると電気代凄いだろうし切っとこう)


太一(えーっと電源スイッチは……)キョロキョロ


太一(これかな? ……よし、省エネ省エネ)スッ



バツン!!





太一(あ、そうだ早く戻らないと。半崎たちとトランプしてるんだった)




758: >>1 2016/02/05(金) 23:04:29.24 ID:XI5DXF8jO



【地下街】



遊真「地下にこんな広い空間があるとは……」

修「もっと大きい所もあるぞ」

遊真「すごいな」





出穂「おっ。このワンピース、チカ子に合うんじゃない?」

千佳「わ、わたしより出穂ちゃんの方が似合うよ」

出穂「いーからあんたが着なって!」

千佳「で、でも」

出穂「あの二人もびっくりするっしょ! ほら!」グイッ

千佳「あわわ……」




759: >>1 2016/02/05(金) 23:11:39.65 ID:XI5DXF8jO



【五分後】



遊真「――それにしてもあの二人は何処に行ったんだ?」

修「さっきまで向こうで洋服を見てたけど……まさかはぐれたのか?」

遊真「探すか」





出穂「―――おーいそこのお二人さーん!」





遊真「あ、いたぞオサム」

修「あぁ。良かった……」




760: >>1 2016/02/05(金) 23:19:57.59 ID:XI5DXF8jO



出穂(ほら、出てきなって!)グイッ


< や、やっぱり無理だよ……




遊真「ん?」

修「夏目さん? どうしたんだ?」




出穂(先輩たちも急かしてるし! ほら!)グイグイッ


< でも……


出穂(言っとくけどあんためっちゃ似合ってるからね!)


< は、恥ずかしいよ……




修「??」




761: >>1 2016/02/05(金) 23:31:02.40 ID:XI5DXF8jO



出穂「じゃーん! チカ子でーす!」グイッ



千佳「ぅぅぅ……」※白のワンピース



修「!」

遊真「おお」



千佳「……///」モジモジ



出穂「どっすか先輩方~?」

遊真「ふむ。結構なお手前で」≡3≡

出穂「あざっす! ……メガネ先輩は?」



修「……」



遊真「……オサム?」




762: >>1 2016/02/05(金) 23:38:32.80 ID:XI5DXF8jO



出穂「メガネ先輩?」

遊真「おーい、オサム?」

修「――なっ、なんだ?」

遊真「感想言わないのか?」

修「あ、あぁ。そうだな……」



修「その……なんだ。いい、と、思う」

千佳「あ、ありがとう……」

修「に、似合ってるよ。すごく。うん」

千佳「……///」モジモジ



出穂(写メってユズルにも送ってあげよっと)




784: >>1 2016/02/08(月) 22:45:37.21 ID:WFpCw3Rb0



【隣街・⑤】


ppppp…


東「――はい、東です」


忍田『こちら本部だ。そちらの状況の報告を頼む』


東「え? ……自分は小荒井・奥寺両名と買い物をしていますが」


忍田『なに?』


東「え?」


忍田『……何か起こった訳ではないのか?』


東「? えぇ、自分が把握している限りでは」




785: >>1 2016/02/08(月) 22:47:34.99 ID:WFpCw3Rb0



忍田『いや、だが……』

東「どうかしたんですか?」

忍田『あぁ。そちらの旅館に十数~二十程度のトリオン反応が出ているんだ』

東「え……?」

忍田『何かあったのか?』

東「十数~二十と言うと残ってる隊員の数とほぼ一致しますね。全員換装していると?」

忍田『そうみたいだ』

東「……ゲートは?」

忍田『いや。トリオン兵の反応も見られない』

東(どういう事だ……?)





東「……分かりました。こちらからも連絡を取ってみます」




786: >>1 2016/02/08(月) 22:54:07.33 ID:WFpCw3Rb0



【隣街・⑥】



ppppp…


木虎(?)


ppppp…


荒船「ん?」


ppppp…


諏訪「あぁ?」


ppppp…



風間(緊急収集……しかも東さんからだと……?)




787: >>1 2016/02/08(月) 22:58:43.10 ID:WFpCw3Rb0



【数十分後】



ザワザワ…



東「全員揃ったな」

米屋「東さん、どーしたんすか?」

東「ついさっき本部から連絡があってな。旅館の方から連絡が途絶えた挙げ句トリオン反応が約二十ほど出ているらしい」

緑川「え?」

出水「近界民かぁ?」

東「いや、トリオン兵の反応は無いらしい。となるとやはり残った奴らがトリガーを起動している線が濃厚だ」

荒船「でも近界民と闘う以外で換装しますかね」

犬飼「いやーしないっしょー」




788: >>1 2016/02/08(月) 23:02:52.90 ID:WFpCw3Rb0



修「旅館に残った人たちと連絡は取れたんですか……?」

東「誰とも繋がらないんだ」

修「迅さんは―――」

東「いや……」

修「そ、そうなんですか…」

遊真「ふーむ……」

出穂「あれ? なんかこれヤバイかもって空気っすか?」

千佳「……」

東「今本部でも原因を調査しているところだ。とにかく俺たちも戻ろう」

諏訪「なんかよく分かんねーけど……了解!」

堤「了解!」




789: >>1 2016/02/08(月) 23:07:12.46 ID:WFpCw3Rb0



【旅館・⑯】



修(着いた……けど、特に変わったところはないな)



東「――こちら東、現着しましたが外観に変化は見られません」

忍田『……こちら本部、トリオン反応は変わらずだ』

東「という事は中ですかね」

忍田『だろうな。念の為そちらに控えている隊員の換装は全て許可する』

忍田『旅館内部の探索・原因の解明に努めてくれ。こちらも分かり次第連絡する』

東「了解」




790: >>1 2016/02/08(月) 23:14:15.69 ID:WFpCw3Rb0



東「――聞こえた通りだ、みんな。今から中の状況を確認しに行く」

東「ただ単に本部のレーダーの故障だと良いんだが……一応油断はするなよ」


全員「了解!」




ザッ…



東(……!)ピクッ



ザッ…ザッ…



東(近づいてくる……誰だ……?)








太刀川「……よぉ皆さん。模擬戦しよーぜ」




793: >>1 2016/02/08(月) 23:18:32.04 ID:WFpCw3Rb0



菊地原(なんだ太刀川さんか)

歌川「太刀川さん、他の皆さんはとこですか? 中にいるんですか?」

太刀川「おぉ歌川。模擬戦すっか」

歌川「いや、あの……」

東「太刀川、何か変わった事はあったか?」

太刀川「模擬戦する? 東さん」

木虎「……そもそもどうして換装してるんですか」

太刀川「木虎が相手してくれんのか」




日佐人(……なんかおかしくない?)

時枝(そうだね。会話が成り立ってない)




795: >>1 2016/02/08(月) 23:23:27.15 ID:WFpCw3Rb0



太刀川「……まぁ誰でもいいや」スッ…


ヒュッ


東(危な―――)


――ガギン!!



太刀川「お、防がれたか」

風間「なんの真似だ、太刀川……!」ギロッ

太刀川「風間さんが相手してくれるのか。OKOK」

風間「なんの真似だと聞いている」

太刀川「じゃあ十本勝負だな!」

風間(……)




797: >>1 2016/02/08(月) 23:31:18.00 ID:WFpCw3Rb0



東(なんだこれは……? こちらの話が通じていない……)




太刀川「……旋空弧月」キィン

風間「!」



ズガガガガガ!



諏訪「おいおいおい! 太刀川の野郎ガチで斬りかかってきやがったぜ!?」

米屋「あっぶね!」

出水「太刀川さん何やってんの!?」



東「――全員退け! 一旦離脱しろ!」




800: >>1 2016/02/08(月) 23:39:19.79 ID:WFpCw3Rb0



【旅館・⑰】



全員「……」ゼェハァゼェハァ



諏訪「クッソ……どういうこったよ……」ハァハァ

出水「あぁもうウチの隊長がホントすいません」

風間「いや、あいつは馬鹿だがその辺りの分別はある……何か原因があるはずだ。馬鹿だが」

歌川(2回言った……)



東「こちら東です。太刀川の襲撃を受けました」


忍田『慶が? ……やはり……』


東「……というと?」


忍田『鬼怒田さんに繋ぐ。すまないが詳しく聞いてくれ』


東「? ……はい」




814: >>1 2016/02/09(火) 22:49:17.99 ID:kiqj/S3j0



鬼怒田『あー……東か』

東「鬼怒田さん。こちらの状況は伝わってますね?」

鬼怒田『あぁ』

東「これは一体……」

鬼怒田『実は……』



~中略~




東「つまり纏めると――」



・なんか電波的なものがトリオン器官に作用しており、みんな一時的に錯乱状態みたいな感じになっている


・発生源の機械を止めてなんやかんやして中和させないとヤバイ



東「――って事ですか」




816: >>1 2016/02/09(火) 22:55:44.22 ID:kiqj/S3j0



荒船「なんだそれ……」

穂刈「あるのか? そんな装置が。この旅館に」

鬼怒田『そうだ。誰も立ち入らんように保管しとったんだが……そちらの誰かが弄った可能性はないか?』

東「まだ把握してません。なにしろ急に攻撃を受けましたから」

鬼怒田『そうか。とにかく装置を止めるのが最優先だ』

東「了解です」

鬼怒田『……だが簡単じゃあないぞ。基本的に攻撃性が上昇傾向になるからな』

風間(……)

堤「道理で……」




818: >>1 2016/02/09(火) 23:05:52.94 ID:kiqj/S3j0



鬼怒田『見掛けた「普通の」人間に襲いかかってくる事が殆どだ』

諏訪「なんだそりゃまるっきりゾンビじゃねーか!」

鬼怒田『それと、影響下にある奴らの攻撃を受けると同じように感染する』

諏訪「やっぱりゾンビじゃねーか!!」

鬼怒田『移るまでは……個人差はあれど恐らく2、3時間ってところか』

諏訪「……」

鬼怒田『放置しておくとトリオン器官に重大な障害が残るかもしれん』

諏訪「えっ」

日佐人(なにそれこわい)




820: >>1 2016/02/09(火) 23:10:02.00 ID:kiqj/S3j0



小佐野「はいはいしつもーん」

鬼怒田『ん?』

小佐野「トリガー持ってない私らはどうなるんですかー?」

鬼怒田『…………同じく影響を受けるだろう』

小佐野「ありゃ……」

三上「」



出水「……こりゃまた面倒な展開だなー」

米屋「そうか? オレぁ楽しそうだと思うぜ?」




忍田『――という事だ。こちらから応援部隊を出すには少々時間が掛かる。今のところは現場にいる隊員たちで対応してくれ』


東「了解です。逐一報告します」




821: >>1 2016/02/09(火) 23:14:32.17 ID:kiqj/S3j0



東「さて……まずはこちらの人数を把握しないとな」

諏訪「そーっすね。じゃあ生きてる奴点呼すっぞ!」



出水「太刀川隊・出水、無事っす」

風間「風間隊、三上含め全員異常なし」

時枝「嵐山隊、時枝・木虎のみ確認済です」

米屋「三輪隊は今んとこオレだけっすね。あとついでに緑川も生きてます」

緑川「生きてまーす」



東(太刀川、嵐山、三輪が『あっち側』か……なかなか面倒だな)




822: >>1 2016/02/09(火) 23:23:01.06 ID:kiqj/S3j0



諏訪「じゃあ次はB級だな。……俺らぁ小佐野含めて全員生きてんぜ」

犬飼「二宮隊、犬飼・辻いまーす」

北添「影浦隊はユズルとゾエさんが残ってますよー」

荒船「……荒船隊、荒船・穂刈生きてます」

来馬「鈴鳴第一、来馬・村上両名無事です!」

修「玉狛第二、夏目さん含め全員無事です」



東(B級に関しては二宮・影浦のツートップと那須隊の全員が抜けてる状態か。真っ向からだと厳しい戦いになりそうだな)



東「……よし、何組か作って掛かろう」

諏訪「戦力バラしちまっていいんすか?」

東「あぁ。鬼怒田さんの話だと『会った人間に襲いかかってくる』って事だ」

東「単純に大人数だと却って見つかりやすくなるだけだろう。それにできるだけ戦闘は避けたいからな」




823: >>1 2016/02/09(火) 23:27:26.73 ID:kiqj/S3j0



1組目

風間・菊地原・歌川


2組目

修・遊真・千佳・時枝・木虎


3組目

諏訪・堤・日佐人・荒船


4組目

来馬・村上・犬飼・辻


5組目

出水・米屋・緑川




風間「……特に凝った事はやる必要はない。いつも通りやるぞ」

歌川「了解!」

菊地原「了解」




826: >>1 2016/02/09(火) 23:33:32.66 ID:kiqj/S3j0



修「時枝先輩、木虎、よろしくお願いします」

時枝「うん。お互い気を付けよう」

木虎「足引っ張らないでよね」




荒船「よろしく」

日佐人「いやー荒船さんが入ってくれて心強いです」

堤「そうだな」

諏訪「つーかもうウチ来ちまえよ」

荒船「いや、それは無理っす諏訪さん」




犬飼「お願いしまーす」

辻「……」ペコッ

来馬「あ、よろしくね」

村上「よろしく」




米屋「敵を躱して宝を見つけるゲームだな」

緑川「誰が最初に見つけるか勝負しない?」

出水「取りあえず敵見つけたら一発ぶち込むからパパッと片付けてくれ」




827: >>1 2016/02/09(火) 23:39:29.63 ID:kiqj/S3j0



出穂「……あれ? ウチらはいいんすか?」

東「今回は建物内がメインだからな。射線がほとんど死んでいる以上は狙撃手に出番はあまりないさ」

出穂「でもチカ子は……」

東「あの子のトリオンは別格だからな。……俺たちが動くとしたら相手が外に出てきた時だ」

穂刈「了解」

北添「了解!」



出穂「あーあ、ウチらやること無いってさー」

ユズル「……」




832: >>1 2016/02/09(火) 23:53:31.13 ID:kiqj/S3j0



ユズル「雨取さん」

千佳「?」

ユズル「……気を付けて」

千佳「うん。ユズルくんも出穂ちゃんも気を付けてね」

出穂「もち!」




遊真「取りあえずその装置を探しだして止めればいいんだな」≡3≡

修「まぁそういう事だな」




東「……よし。各班行動開始だ」

全員「了解!」




852: >>1 2016/02/11(木) 21:20:24.05 ID:Rb/eaHe90



【旅館・⑱】



修「……よし。ぼくと空閑は前方だ」

遊真「OK」

修「時枝先輩と木虎は後方をお願いします」

時枝「うん」

木虎「……」



千佳「――!」ピクッ


遊真「どうした? チカ」


千佳「……誰か……近づいてくる……!」






コツッ……コツッ……コツッ……




853: >>1 2016/02/11(木) 21:31:29.36 ID:Rb/eaHe90



修「……!」

遊真「早速来たか」

修「あぁ、そうみたいだ……」

木虎「……まったく。どうしてあなたはこういうのをすぐ引き当てるのかしら」

修「う……」

時枝「お喋りはその辺にした方がいい。来るよ」



ザッ……



三輪「標的を確認……処理を開始する」スチャッ



修「」




857: >>1 2016/02/11(木) 21:40:55.55 ID:Rb/eaHe90



遊真「みわ先輩だ」

木虎「……厄介ね……」



三輪「……」



修(鬼怒田さんの話だと混乱・錯乱しているような状態になるらしい。でも見た感じ三輪先輩は普通だけど……)



三輪「…………」ブツブツ…



修(ん? 何か呟いて―――)




三輪「……ネイバーコロスネイバーコロスネイバーコロスネイバーコロスネイバーコロスコロスコロスコスケロコロス……」ブツブツ…




木虎(怖っ)ビクッ

修(――やっぱり普通じゃなかった! ある意味普通だけど普通じゃなかった!!)




859: >>1 2016/02/11(木) 21:48:47.45 ID:Rb/eaHe90



三輪「――くたばれ!!」クワッ



千佳(ひっ)ビクッ

修「千佳―――」




遊真「――ほいっと」ヒュッ


ガギン!


三輪「……!」

遊真「あんたに本気で攻撃されるのはこれで2回目だね」



修「空閑……!」



遊真「ここはおれが引き受ける。オサムたちは先に行っててくれ」




861: >>1 2016/02/11(木) 21:57:15.41 ID:Rb/eaHe90



千佳「遊真くん!」

修「で、でも――」

時枝「行くよ、二人とも」

修「え?」

木虎「私たちには時間がないんだから」

修「……!」




遊真「大丈夫だよ。すぐに追い付くから」ニッ

三輪「……コロス……!!」ギロッ




修「す、すまない空閑……任せた!」




863: >>1 2016/02/11(木) 22:04:44.44 ID:Rb/eaHe90



【テニスコート・③】



米屋「こーいう場合は意外と外に設置してあったりすんだよなー」ガサゴソ

緑川「ほんとかなぁ?」ガサゴソ

出水「あーダメだ。こっちには見当たらねー」



< ガサガサッ!



米屋「どわっ!?」ビクッ

緑川「いっ!?」ビクッ

出水「な、なんだ!?」




864: >>1 2016/02/11(木) 22:10:12.39 ID:Rb/eaHe90



鳩 < クルッポー



緑川「な、なーんだ、鳩じゃん」

米屋「おどかしやがって」



< ガサガサッ!



緑川「また!?」ビクッ

米屋「今度は何が出てくんだ?」チラッ



二宮「……」ガサッ



出水「」

米屋「」

緑川「」




868: >>1 2016/02/11(木) 22:15:22.23 ID:Rb/eaHe90



二宮「……おい」

出水「はっ、はい!」

二宮「鳩原はどこだ」

出水「え?」

二宮「鳩原はどこにいる」

出水「いやおれは知らないっす……」ビクビク




緑川「ねーよねやん先輩、鳩原って?」ボソッ

米屋「二宮さんとこの狙撃手だよ。『元』だけどな」ボソッ




870: >>1 2016/02/11(木) 22:22:31.42 ID:Rb/eaHe90



緑川「ねぇねぇ二宮さん、鳩ならいるよ。ほら!」


鳩 < クルッポー


二宮「……」



出水(あ、これ多分ヤバイやつだ)



二宮「……」



二宮「……」







二宮「アステロイド」キィン


出水(――ですよね!!)




871: >>1 2016/02/11(木) 22:27:38.34 ID:Rb/eaHe90


ドシューン


緑川「うおっと!」

米屋「あぶねー!」


二宮「鳩原はどこだ……」ユラリ…





出水「東さん! こちら出水っす!」

東『どうした?』

出水「今テニスコートんとこで二宮さんに絡まれました! 援護してくれたら嬉しいです!!」

東『あぁ、悪いが俺も――というか狙撃手組も手一杯なんだ』

出水「えっ」

東『ついさっき向こうから当真やら奈良坂やらが出てきて撃ち合いが始まってな』

出水「マジすか……」




873: >>1 2016/02/11(木) 22:33:32.80 ID:Rb/eaHe90



二宮「……追尾弾(ハウンド)」


米屋「やっべ」キィン

緑川「シールド!」キィン


ドドドドド!!


米屋「相変わらず半端ねーな!」

緑川「この前の人型並だね!」

二宮「……鳩原はどこだ」

米屋「いやだからオレらは知らないっすよ!」

出水「――どいてろ槍バカ!」キィン

米屋「へ?」



出水「炸裂弾(メテオラ)!」ドシューン




874: >>1 2016/02/11(木) 22:38:21.34 ID:Rb/eaHe90



モクモクモク…



米屋「よーし……やったか!」

緑川「よねやん先輩、それやってないフラグだよ……」



二宮「……鳩原はどこだ」スタスタ


出水(げっ、無傷かよ)


二宮「追尾弾(ハウンド)」キィン



ドドドドドドド



緑川「うわわわわ!」

米屋「どーすんだ弾バカ! これじゃジリ貧だぞ!」

出水「分かってるっての!」




875: >>1 2016/02/11(木) 22:46:15.86 ID:Rb/eaHe90



出水「おれが追い込む! 合わせろお前ら!」

緑川「え? あ、えーっと……オッケー!」

米屋「よく分かんねーけどその辺はフィーリングだな!」


出水「変化弾(バイパー)!」キィン


ドガガガガガガガ!


二宮「鳩原はどこだ」

出水(いいぞそのまま避けまくれ!)


ドガガガガガガガ!


出水(よーし、あとは煙幕代わりに――)


出水「炸裂弾(メテオラ)!」ズドドド

二宮「!」




出水『――今だ!』





876: >>1 2016/02/11(木) 22:57:44.81 ID:Rb/eaHe90



緑川『よーし!』ヒュッ

米屋『――とった!』ヒュッ



ガギン!



緑川「えっ」

米屋「――ウッソォ!?」



二宮「鳩原はどこだ……」ユラリ…



出水(……ちっ。防がれたか)

緑川「ねぇねぇいずみん先輩、あの人のシールドめっちゃ硬いんだけど」

米屋「普っ通に単品シールドで弧月弾かれたぜ……」




877: >>1 2016/02/11(木) 23:02:39.94 ID:Rb/eaHe90



二宮「……炸裂弾(メテオラ)」キィン



出水『あー、やっぱりこりゃフルガードの方が良さそうだな』

緑川『だね。それに固まってたら一気に持ってかれそうだし』

米屋『取りあえず削れる所から削ってくか。少しでもトリオン減らさねーと』



二宮「……+炸裂弾(メテオラ)」



出水(えっ)



二宮「+炸裂弾+炸裂弾+炸裂弾……」



ゴゴゴゴゴゴゴ…





米屋(なんかスゲーの来た――――!!!!)ガーン





879: >>1 2016/02/11(木) 23:07:42.34 ID:Rb/eaHe90



【旅館・⑲】



ズズン…



犬飼「うわっ凄い揺れた」グラグラ

辻「外ですかね」

来馬「狙撃手組が撃ち合ってるらしいし、それかもね」

犬飼「どっちかって言うと俺もそっちが本業なんだけどなぁ」



村上「……静かに。誰かいる」



来馬「え?」

犬飼「マジ?」

辻「……」スチャッ




880: >>1 2016/02/11(木) 23:14:43.98 ID:Rb/eaHe90



影浦「……」



犬飼「うわちゃあーよりによってカゲかー」

辻「感染組ですかね」

来馬「た、多分……」

村上「おいカゲ―――」

影浦「てめーら」

村上「――え?」




影浦「なにガンつけてやがんだコラァ!!」クワッ




犬飼「あらら、いつも以上に血の気多いや」

辻「取りあえず対応しましょう。影浦先輩の事だから全員で掛かるくらいで丁度いいかと」

来馬「そうだね」

村上「来馬先輩、指揮お願いします」

来馬「わ、分かった!」




899: >>1 2016/02/13(土) 22:07:05.39 ID:48AU6rIS0



【旅館・⑳】



太刀川「――模擬戦すっぞ!」ヒュッ



ズバン!!


諏訪「ちっ……! おいおめーら生きてっか!?」

荒船「無事っす」

日佐人「な、なんとか……!」


諏訪(ソッコーで太刀川に遭遇すっとはな……堤もやられちまったしツイてねーぜ!)



太刀川「フンフフ~ン」



諏訪(つーかなに余裕こいて鼻唄歌ってやがんだあのアゴヒゲ野郎)イラッ




901: >>1 2016/02/13(土) 22:22:01.81 ID:48AU6rIS0



荒船『……イーグレットに持ち変えて援護します。諏訪さんと笹森で削ってください』

諏訪『まぁ戦り方変えるしかねーか。俺も中距離から脚を狙うとするわ』

日佐人『了解!』



荒船『……今だ!』ドンッ

諏訪『行け日佐人!』ドンッ



太刀川「おっと」ヒョイッ


ドッ!


日佐人「えっ……」



『戦闘体  活動限界』




902: >>1 2016/02/13(土) 22:27:14.67 ID:48AU6rIS0



太刀川「ふい~~、今のは少し危なかったな」ポンポン



諏訪『うぉおぉぉぉぉ!? 軽く避けた挙げ句スゲー体勢で首ハネやがった!?』

荒船『なんだ今の動き……(ドン引き)』



太刀川「また一人減ったけど仕方ないか。……模擬戦すっぞ!」

諏訪『……』

荒船『……』







諏訪『……逃げっか?』

荒船『アリっすね、それ』




903: >>1 2016/02/13(土) 22:38:28.67 ID:48AU6rIS0



【旅館・21】



修(その装置っていうのは一体どこにあるんだ……?)キョロキョロ

木虎「……嵐山さんたちは無事でしょうか」

時枝「だと良いけどね」



千佳「……!」ピクッ



修「どうした千佳?」

千佳「ま、また誰か近づいてくる……!」

時枝「雨取さん。下がって」スチャッ

木虎(……)スチャッ



修(今は空閑がいないけど木虎と時枝先輩がいる……ぼくたちで何とかするんだ!)




904: >>1 2016/02/13(土) 22:49:47.10 ID:48AU6rIS0



那須「……あら……」



修「あ……!」

木虎「那須先輩……」

時枝『油断しちゃダメだよ木虎』

木虎『は、はいっ』



那須「こんにちは、修くん」



木虎(……)ピクッ



修「あ、どうも。れ、玲…さん」



木虎(……)ピクピクッ




906: >>1 2016/02/13(土) 22:57:05.23 ID:48AU6rIS0



那須「どう? 今からまた二人でお話しない?」

修「あ、いえ……」

那須「ね? そうしましょう」

修「待って下さい」

那須「?」

修「あの……その……」

那須「……」



修(ど、どうする……? 普通に聞いたところで正直に答えてくれるとは限らないぞ……)




908: >>1 2016/02/13(土) 23:03:05.61 ID:48AU6rIS0



修(……どうする……?)

那須「……」




那須「……ねぇ、こっちに来て少し肩を貸してくれないかしら」

修「え?」

那須「立ちくらみがするの」

修「……」

那須「はやくお話しましょう?」

修「す、すみません……今は少し立て込んでまして……」



修(あ、明らかに様子がおかしい……やっぱりこの人も……)




909: >>1 2016/02/13(土) 23:07:06.07 ID:48AU6rIS0



那須「ほら、はやく―――」

修(うっ……!)




木虎「―――待ちなさい」




那須「……」

修(木虎……!)



木虎『三雲くん』

修『な、なんだ?』

木虎『……いろいろと聞き捨てならない所があるけどこの際それは置いておくわ』

修『?』

木虎『那須先輩はクロよ。ここは私が引き受けるからあなたたちは先に行きなさい』

修『っ……』




910: >>1 2016/02/13(土) 23:14:31.35 ID:48AU6rIS0



那須「邪魔するつもり?」

木虎「えぇ。申し訳ありませんが彼は急いでいるので」

那須「……」

木虎「あなたが満足するまで私が話し相手になります」

那須「……」





那須「――くまちゃん」

木虎(!?)




熊谷「……」ヒュッ



修「き、木虎! 上っ……!!」




――ガギン!




911: >>1 2016/02/13(土) 23:24:25.30 ID:48AU6rIS0



熊谷「……!」


時枝「油断しちゃダメだって言ったでしょ、木虎」

木虎「時枝先輩……!」



時枝『三雲くん、ここはオレたちに任せて雨取さんと先に行って』

修『……っ』

時枝『頼んだよ』

修『……はい……ありがとうございます……!』

木虎『貸し1よ、三雲くん。……もっとも既に幾つか貸しがある気もするけど』

修『すまない。恩に着る!』





修「――行くぞ! 千佳!」


千佳「うん!」




938: >>1 2016/02/15(月) 22:56:58.33 ID:NnIboh690



【旅館・22】



遊真(ふぅ……なかなかしんどいな)



三輪「……ネイバー……コロス……」



遊真(この通路じゃグラスホッパーもあんまり使えない。かといって真正面からの斬り合いじゃスコーピオンが持たない)


遊真(それに全部避けないといけないんだよな。掠り傷でも負うと感染しちゃうらしいし……)


遊真(ふむ……)





遊真『……ねぇ、あずまさん』


東『どうした? 空閑』


遊真『城戸さんと連絡繋がらない?』


東『…………少し待っててくれ』




939: >>1 2016/02/15(月) 23:05:41.88 ID:NnIboh690



【ボーダー本部】



城戸「――こちら本部だ。どうした?」

遊真『ちょっと非常事態なもんで……使っていい?』

城戸「……何をだ」

遊真『分かってるでしょ』

城戸「……」

忍田「城戸司令、確かに事態の鎮静化を最優先するのであれば黒トリガーの力が必要かと」

城戸「……」





城戸「……いいだろう。許可する」





忍田「――という事だ。遊真くん、すまないが何とか凌いでくれ」

遊真『りょーかい』




940: >>1 2016/02/15(月) 23:11:25.89 ID:NnIboh690



【旅館・23】



遊真「……トリガーオフ」


三輪「ネイバー なぜ コロス 換装 ネイバー を解く コロス ……!」


遊真「あんたとはこっちの方がやりやすいしね」バチッ


三輪「チッ……黒トリガーか……黒トリガーコロス……!」


遊真「……『鎖』印(チェイン)」



ジャラッ



三輪「!」




941: >>1 2016/02/15(月) 23:14:17.51 ID:NnIboh690



三輪(……鎖……!?)


遊真「『錨』印(アンカー)」スッ


三輪「待っ――」



ズズン……



遊真「よーし拘束完了。一丁あがり」ポンポン


三輪「」




942: >>1 2016/02/15(月) 23:19:37.72 ID:NnIboh690



遊真(さて……パパッと探そう)

三輪「くっ……!」ジタバタ

遊真(でも隅々まで回るには時間が足りないだろうから……)

三輪「おい近界民! 外せ!!」ジタバタ

遊真「いやいや、無理だよ」

三輪「……!」

遊真「だってどっちにしろ殺すじゃん」≡3≡

三輪「コロス……!!」ジタバタ




遊真「『響』印(エコー)」ブゥン…




943: >>1 2016/02/15(月) 23:26:03.14 ID:NnIboh690



遊真(……ふむ。この感じだと地下が怪しいな)

三輪「おい近界民! 早く外せ!!」

遊真(早速行こう)

三輪「聞いてるのか!」

遊真(道中で生き残りと会えればいいけど……)

三輪「おい!!」

遊真「うるさいなぁ……『鎖』印(チェイン)」


ジャラララッ


三輪「」



遊真(静かになったしさぁ行こう)≡3≡




引用元: 【ワールド】ボーダーの恋愛事情 ?【トリガー】