1: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/11(木) 16:54:57.59 ID:Z0mHMEIuO
ピンポーン

ガチャ

主人「はい」

女「あの、私○○から来た派遣カウンセラーの女と言います!」

主人「ようこそいらっしゃいました、どうぞ中へ」

女「はい!」



主人「で、今回あなたにお願いしたいのは、事前に伝えた通り、私の娘を学校に通わせてほしいのです
私は世界を飛び回る仕事をしているのですが、なかなか家に帰らないことを良いことにどうも学校を休んでいるらしいのです
私に妻、つまり娘にとっての母親がいれば良いのですが妻は数年前に他界してしまい…
私はもうすぐ日本を出ます
この家はお貸ししますから、是非!…いや、出来れば私が帰ってくる1週間後までには娘が元気に学校に通えるようになってほしいのです!」

3: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/11(木) 17:01:05.15 ID:Z0mHMEIuO
女「な、なるほど…お話は分かりました
しかし聞きたいことが一つ…」

主人「何でしょう?」

女「なぜ私なんかを希望されたのですか?
私はこの会社に勤めてまだ1年も経ってないし、私が対応するお客様は御主人の娘さんが初めての新米です…
本当にお役に立てるのか不安で…」

主人「なるほど…
実はですね、あなたを雇う前から何人もカウンセラー等を雇ってるんです」

女「え?」

主人「しかし、どのカウンセラーも私の娘を学校に行かせることはできなかった…
恐らく娘は我が強く、プロの定石というものが通用しないのです
そこで、新米のカウンセラーを探していたんですが…
私の娘と家庭状況が似ているあなたを見つけたんです」

4: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/11(木) 17:03:42.10 ID:Z0mHMEIuO
女「…」

主人「あなたは、小学校の時―――」

女「おっと、そろそろフライトのお時間では?」

主人「おや、本当だ
では、女さん、娘を任せましたよ」

ガチャ

バタン

女「さて、早速娘さんにご挨拶しに行かなきゃ
娘さんは二階にある部屋にいるんだよね」

5: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/11(木) 17:05:29.74 ID:Z0mHMEIuO
トントン

女「…」

トントン

女「…」

女「あれ?いないのかな?
そんなはずないよね…」

女「おーい、娘ちゃん?」

女「…」

女「まずは接触しなきゃ話にならないのに!どうしよう…」

7: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/11(木) 17:08:59.35 ID:Z0mHMEIuO
ピヨピヨ

女「うーん、気持ち良い!
二階建ての家に、それを囲む大きな庭…とても二人暮らしとは思えないよ
さて…娘ちゃんのいる部屋は…」



女「お、あったあった
それに窓が空いてる
あそこからなら入れそうかも!
鉤爪ロープ用意しておいて良かったー!
まず引っかけて…
よいしょ、よいしょ」

9: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/11(木) 17:12:21.52 ID:Z0mHMEIuO
女「こんにちは、娘ちゃん」

娘「!?
な、何やってるのあなた!?」

女「だって娘ちゃんがドアを開けてくれないから…」

娘「だってじゃないわよ!
窓から入ってくるなんて…」

女「そうだ、自己紹介しないと
私、家庭教師の女って言います!泊まり込みで仕事するから、よろしくね!」

娘「(家庭教師…
多分嘘ね、どうせまたお父様がカウンセラーだか何だかを雇ったんだわ!)」

10: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/11(木) 17:16:15.41 ID:Z0mHMEIuO
女「それより娘ちゃん、もうお昼なのにまだベッドの中にいるの?」

娘「うるさいわね…眠いんだからいいじゃない」

女「でも、家庭教師の仕事しないと
ほら起きて!」

娘「断るわ!」

女「全く…えい!」ガバッ

娘「ちょっ!掛け布団返してよ!」

女「起きるまで返さないよ」

娘「…」ブルブル

女「寒いでしょ?窓も開いてるから風入ってるし」

娘「卑怯ね…分かったわよ」

女「分かればよろしい!
そういえば、娘ちゃんは何で学校に行かないのかな?もうお昼なのに、具合悪い?」

娘「(白々しい…具合悪いと思ってるなら無理矢理起こしたりしないわ)」

13: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/11(木) 17:18:49.71 ID:Z0mHMEIuO
娘「別に…いいじゃない
家庭教師のあなたには関係ないことよ」

女「一人の人間として心配しちゃうんだもん」

娘「そう
さ、とっとと授業始めるわよ」

女「(結構固いな娘ちゃん…これは難しいかも)」

女「あ、そ、そうだったね!
じゃあその教科書の13Pを開いて…」


14: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/11(木) 17:22:50.63 ID:Z0mHMEIuO
女「もう暗くなっちゃったし…そろそろご飯にしよっか」

娘「そう、じゃあ出前取って…」

女「ダメダメ!手作りじゃないと」

娘「はぁ?何でよ」

女「だって手作りの方が栄養バランスとれるし、ほら、こう見えて私結構料理出来るんだよ?」

娘「でも…」

女「娘ちゃんにとって、出前だろうと手作りだろうと美味しければ問題ないでしょ?」

娘「それは…そうだけど…」

女「決定!」

16: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/11(木) 17:26:06.61 ID:Z0mHMEIuO
女「はい、どうぞ!」

娘「…」パク モグモグ

女「どう?」

娘「お、美味しい…」

女「そう、良かった」

娘「(こうして馴れ馴れしく関わってくるけど、どうせただの仕事
どんなに頑張っても私が学校に行かないって分かったら、どうせまた今までみたいにいなくなるわ…)」

18: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/11(木) 17:31:34.50 ID:Z0mHMEIuO
女「ふう、今日の勉強は終わりにしよっか」

娘「そうね」

女「どう?疲れた?」

娘「ええ、疲れたわ」

女「ムフフ…(この部屋を見渡すと、小説がいっぱいあるけど…小説の中でも特にドン・キホーテやトム・ソーヤーの冒険など、冒険物が多い
今は閉じ籠ってるけどきっと娘ちゃんは外の世界が好きに違いない!)」

女「そっか!じゃあ明日外に―――」

娘「出ないわよ」

女「分かった!じゃあ…え?」

娘「さっきからキョロキョロしてたけど、私の好みとかを探ってたんでしょ?」

女「う…」ギクリ

娘「冒険物の小説が好きなのは確かだけど、私自身が外に出たいわけじゃないわよ
小説で済ませればいいだけ」

19: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/11(木) 17:33:22.08 ID:Z0mHMEIuO
女「(さ、察しがいい…)」

娘「じゃ、おやすみ」

女「お、おやすみ…
私は1階の寝室で寝てるから何かあったら声かけてね!」

娘「かけないわよ」

女「うぅ…」

21: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/11(木) 17:45:00.77 ID:Z0mHMEIuO
女「(初めての仕事、思った以上に難しいかも…
でも頑張らなくちゃ!
それにしても、本当に小説だけでいいと思ってるのかな…きっと本当は外に出たいけど意固地を張ってるだけ…
外に出させるにはどうしたらいいんだろ…うーん…)
Zzz...」

翌朝

女「(結局思い付かなかった…
ま、とりあえず朝ごはん作って娘ちゃん起こしに行かないと)」

22: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/11(木) 17:48:02.08 ID:Z0mHMEIuO
女「おはよう!」

娘「ん…今何時だと思ってるのよ…」

女「8時だけど?」

娘「まだ早いじゃない…」

女「全然早くないでしょ!」ガバッ

娘「あ、また掛け布団を…」

女「もう朝ごはん出来てるよ!」

娘「はあ…しょうがないわね…」

23: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/11(木) 17:52:52.99 ID:Z0mHMEIuO
午前

女「朝ごはん食べたら目覚めたでしょ?」

娘「あまり…」

女「そう?それじゃあ始めよっか!」



女「」パクパクモグモグ

娘「」パクパクモグモグ

女「(うー…会話がない…)」

午後

女「で、あるからして…」

娘「ふーん…」

夕方

女「さて、夕飯食べよっか」

娘「うん」

女「って…(私ご飯作るか家庭教師の仕事しかしてないじゃん!まずい、時間は1週間しかないのに…とりあえず会話して何か引き出さないと…)」

25: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/11(木) 17:57:11.97 ID:Z0mHMEIuO
女「どう?ママの味、する?」

娘「!」ピクッ

女「ん?」

娘「お母様の話はしないで…」

女「え…」

「お母さん!お母さん!」

「お母さんは…もう死んだんだ…」

「嘘でしょ!お母さん!エイプリルフールじゃないけど嘘なんだよね!」

「…」

「お母…さん…」

女「あ…
ごめん…」

娘「…別に良いわよ…」

26: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/11(木) 18:00:49.82 ID:Z0mHMEIuO
「私の娘と家庭状況が似ているあなたを見つけたんです」

女「…
(私の心の奥底にしまったあの記憶…
あの時の私と娘ちゃんは同じなんだ…
言ってあげないと、娘ちゃんの事分かってあげられるって…)」

娘「ごちそうさま」

女「あ…
今日はもう、休みにしよっか…」

娘「え…?分かったわ」

女「(明日…)」

28: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/11(木) 18:06:19.45 ID:Z0mHMEIuO
朝食後

女「今日は大事な話があるの?」

娘「大事な話?何よそれ」

女「私の昔話…」

娘「(な、何急に真面目になってるのよ…)」

女「私ね、小学生の時、母を失ったの」

娘「え…?」

女「そのショックで私は学校に行けなくなって…
私の場合は貧乏だったから尚更親に迷惑がかかって、よく怒られた」

29: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/11(木) 18:10:19.06 ID:Z0mHMEIuO
女「で、その時の私に娘ちゃん似てるなって、それだけ
さ、勉強始めよっか!」

娘「…嘘」

女「ん?」

娘「所詮そんなの作り話だわ!
私はあなたが私を学校に連れて行こうとしてるって知ってるのよ!
そうやって感情移入出来る話で私を釣ろうとしてるんだわ!」

女「否定、しないんだ」

娘「な、何がよ」

女「あの頃の私と似てるって所」

娘「そ、それは…」

女「それに、私が学校へ行かせようとしてるって知ってたのに、どうして知らないフリをしてたの?」

30: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/11(木) 18:13:42.26 ID:Z0mHMEIuO
娘「…」

女「きっと娘ちゃんは待ってるんだよ
そうやって知らないフリをして、自分を学校に連れて行ってくれる人を」

娘「うるさい!!」

女「私の話は本当、だから娘ちゃんの気持ちも痛い程分かる
私が学校に行かなくなったって話、続きがあるの」

娘「…?」

女「私は学校に行かないまま、18になった時、お父さんが死んだ」

32: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/11(木) 18:19:37.88 ID:Z0mHMEIuO
女「一応中卒だけど、本当は私は小卒ですらなかったの」

娘「え…でも…」

女「うん、今は何とか娘ちゃんに教えられるくらいにはなった
私はそれまで、体だけじゃなくて心も閉じ籠ってた
でも、お父さんが死んで、迷惑ばかりかけたことを思い出して、辛くて、辛くて…」
娘「…」

女「何とか高卒認定っていうのを取って、大学の心理学部を出て、今派遣カウンセラーやってるの
それだけ
それじゃあ、授業やろっか!」

33: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/11(木) 18:21:25.24 ID:Z0mHMEIuO
娘「明日…」

女「?」

娘「明日…外を冒険してみたい…」

女「…うん、いいよ」

34: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/11(木) 18:24:48.00 ID:Z0mHMEIuO
翌日

女「今日はどこ行く?」

娘「うーん…」

女「それじゃあ適当に!」

娘「ええ」



娘「こんな所にこんなお店が…
寄ってみましょう!」

女「うん!」



娘「このバニラアイス?、美味しいですわね」

女「でしょ?」



娘「何だ、お城かと思ったらただの焼肉屋だなんて…」

女「この時代だからしょうがないよ!」

35: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/11(木) 18:25:58.07 ID:Z0mHMEIuO
女「今日は楽しかったね!」

娘「…うん…」

女「明日はどうする?」

娘「学校…行ってみる…」

女「そっか、じゃあそろそろ寝ないとね
おやすみ」

娘「おやすみ」

36: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/11(木) 18:29:26.46 ID:Z0mHMEIuO
翌日

ヒソヒソ

「あの子来たんだ…」

「あの若い女の人誰だろ…」

「再婚したとか?」

「えー?」

ヒソヒソ

娘「…」

女「気にしなくていいよ!(とは言ったものの…やっぱりこうなったか…)」

ガラガラ

女「失礼します」

担任「!!…娘さんが学校に…!」

37: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/11(木) 18:33:03.76 ID:Z0mHMEIuO
担任「あなたは?」

女「私、派遣カウンセラーの女と言います
今日はご挨拶に…」

担任「何度家に行っても全く応じなかった娘さんが…
一体どうやって?」

女「そ、そんなことより…
どうする?」

娘「…明日から学校行かないわ…」

45: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/11(木) 19:32:43.24 ID:Z0mHMEIuO
担任「そ、そんな!ここまで来たのに!」

女「そっか、じゃあ帰ろっか」

娘「え?う、うん…」

女「では」

担任「…」

帰り道

娘「い、いいの…?」

女「うん…あんなにヒソヒソ言われたんじゃしょうがないかなって」

娘「…(私、何やってるんだろ…
せっかく閉じ籠ってちゃいけないって話をしてくれたのに…)」

46: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/11(木) 19:37:13.82 ID:Z0mHMEIuO
女「さてと、勉強しよっか!」

娘「うん…」



女「それじゃ、おやすみ」

娘「おやすみ」

娘「(このままじゃいけないというのはわかってる…
でも怖い…きっとみんな引きこもってた私を軽蔑する…
今日もヒソヒソ話されたし…もう、どうすればいいの…!)うぅっ…グスッ…」

48: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/11(木) 19:39:45.34 ID:Z0mHMEIuO
ガラガラ

娘「…起きてる?」

女「娘ちゃん、来てくれたね」

娘「私…私…グスッ…」

女「うん、私のベッドの中、入っていいよ」

娘「うん…」

ガサゴソ

ギュウ

娘「!?」

女「私もお母さんにこんな事された事ないから、逆に子どもが出来たらいつかこんな事してみたいなって思ってたの…
どうかな…?」

娘「何だか…暖かい…」

50: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/11(木) 19:47:45.38 ID:Z0mHMEIuO
女「落ち着いた?」

娘「うん…
私…学校が怖い…
みんなに嫌われるのが怖い…」

女「…ごめん…」

娘「え…?」

女「私はどうしようもない…」

娘「え…」

女「急に新しい環境に入ったら、誰だって怖い
でも、今はその新しい環境にいなきゃ始まらない
じゃあどうするか…
それはその環境に慣れるしかない
でも、私には娘ちゃんが環境に慣れるようになる方法が分からない…
だって、これは娘ちゃん自身の問題だから」

娘「…」

女「でも、その恐怖を和らげてあげることは出来る」

ギュウウウ

女「こんな風にね」

51: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/11(木) 19:51:16.58 ID:Z0mHMEIuO
女「だから、私はこうして恐怖を和らげて、娘ちゃんに勇気を持ってもらうしかこの問題は解決出来ないと思う
もちろん、いじめとかは別問題だけどね」

娘「…」

女「キツいけど、察しのいい娘ちゃんなら分かってくれると思うな…」

娘「…」

女「寝ちゃった?
じゃあ、私も寝よっと
おやすみ…」

娘「…(私が…勇気を出すしかない…)」

53: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/11(木) 19:55:47.61 ID:Z0mHMEIuO
翌朝

娘「…おはよう」

女「あ、おはよう
今日は早いね
朝ごはんはもうすぐ出来るから待っててね」

娘「あの…さ…」

女「ん?」

娘「今日も一緒に…冒険…行きたい…」

女「え?勉強は?」

娘「本業は家庭教師じゃないでしょ!」

女「そうでした
じゃあ朝ごはん食べたら行こっか」

娘「うん」

54: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/11(木) 19:59:37.50 ID:Z0mHMEIuO
女「山のてっぺんは気持ち良いね」

娘「うん」



娘「これは何かしら?」

女「ああ、携帯電話だよ
離れてても電話出来る奴」

娘「へえ~そんなものが…」



娘「あのお城みたいなの、焼肉屋じゃないみたいね」

女「え?そ、そだね…」

娘「私入ってみたい!」

女「え、えええええ…
あれホテルだよ?」

娘「どんなホテルなんだろう…」

56: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/11(木) 20:03:09.82 ID:Z0mHMEIuO
女「じゃあ、泊まってみる?」

娘「いいの?」

女「うん(自腹だけどね…)」



娘「中は普通のホテルなんだ…
あれ?この箱は何かしら」

女「それはテレビ
見てみる?」

娘「うん!」

娘「凄い、箱の中が動いてる…」

女「あれ、そういえば娘ちゃん、ちょっと話し方変わった?」

娘「そうかしら?」

女「もしかしたら私のが移っちゃった?」

娘「そうかも」

58: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/11(木) 20:06:11.72 ID:Z0mHMEIuO
娘「このボタンを押すと動く絵が変わるのね」

娘「な、何これ…
お風呂で洗いっこしてる…」

女「!
見ちゃダメ!(ここがそういう場所なの忘れた!)」

娘「え?どうして?」

女「と、とにかくなの!」

娘「私も、お風呂で洗いっこしたいですわ!」

女「」

61: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/11(木) 20:09:12.05 ID:Z0mHMEIuO
女「入っていい?」

娘「どうぞ!」

女「…」ドキドキ

娘「おっきい…」

女「ちょ、あまりじろじろ見ないで!恥ずかしいから!」

娘「私もその内それくらいおっきくなるのかしら」

女「さあ…個人差があるから…」

娘「…」

女「そうだ、牛乳飲んでればおっきくなるらしいよ!」

娘「そうなの?毎日飲もうかしら…」

62: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/11(木) 20:12:44.81 ID:Z0mHMEIuO
女「ひゃっ!くすぐったいって!」

娘「あら、ごめんなさい」

女「もう…
ひゃっ!ちょっと!」



女「今度は私の番
こちょこちょー」

娘「ひゃん!んっ…あぁん…!」

女「どう?」

娘「あんっ…ちょっ…んあっ!」

女「私の気持ち、分かった?」

娘「わ、分かったから…にゃあん!…や、やめんにゃあ!」

女「(か、可愛い…)」

63: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/11(木) 20:16:27.57 ID:Z0mHMEIuO
女「ちょっと狭いね」

娘「うん…」

女「ん?どうしたの?」

娘「その…ありがとう」

女「ど、どしたの急に」

娘「お父様が帰ってきたら、お仕事終わりなんでしょ?」

女「う」ギクリ

娘「その前に思い出が作りたかったの…
今日のこと、一生忘れないわ」

女「娘ちゃん…」

娘「私…明日…
…」ブクブクブク

女「ちょっ、娘ちゃん!」

66: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/11(木) 20:20:56.98 ID:Z0mHMEIuO
女「逆上せちゃったね」

娘「うん…」

女「さて、そろそろ寝よっか!」

ガサゴソ

女「また一緒のベッドだね」

娘「うん!」

女「そういえば…さっき何か言いかけてたけど…」

娘「うん…私、明日学校で授業受けたい…なんて…」

67: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/11(木) 20:22:25.20 ID:Z0mHMEIuO
女「娘ちゃん…!」

娘「私、本当は別れたくない…
このまま学校行かなかったらまだ一緒にいられるかもしれないんじゃないかっていう思いも確かにある…でもそれじゃ結局何も変わらない
だから、私学校行きたい!」

女「…凄いね、娘ちゃんは…
頑張って!
応援してるし、支えてあげるよ!」

娘「…ありがとう…」

女「それじゃそろそろ寝なきゃね
明日早めに家に帰って教材とか取りに行かなきゃいけないし」

娘「うん、おやすみ」

女「おやすみ」

68: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/11(木) 20:26:07.09 ID:Z0mHMEIuO
翌朝

娘「行ってきます!」

女「あ、その前に…」

チュッ

娘「!?」

女「行ってらっしゃいのキス!」

娘「な、何してるのよ!
恥ずかしいじゃない!
じゃあ、行ってきます!」

女「うん、行ってらっしゃい!」

ガチャ

バタン

女「(御主人が帰ってくるのは2日後…
つまり明後日にはお別れか…)」

シーン…

女「(何か、静かで寂しいな…
娘ちゃんが学校行って嬉しいはずなのに…
やっぱり私も娘ちゃんとずっと…)」

69: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/11(木) 20:28:24.38 ID:Z0mHMEIuO
ガチャ

娘「ただいま」

バタン

女「お帰り、どうだった?」

娘「最初は怖かったけど、隣の子と仲良くなれたの!」

女「それは良かったじゃない!」

娘「うん!」

70: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/11(木) 20:35:21.45 ID:Z0mHMEIuO
翌日

ガチャ

娘「ただいま」

バタン

女「お帰り!」

娘「今日は友達と一緒のクラブ活動をすることにしたの!」

女「そうなんだ!」ニコニコ

娘「…」

女「?」

71: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/11(木) 20:38:01.62 ID:Z0mHMEIuO
娘「あの…さ…」

女「ん?」

娘「明日…帰るんだよね…」

女「…」

娘「私、おっきくなったらカウンセラーになりたいの!
おっきくなったら、必ず会いに行くからね!待ってなさいよ!」

女「その頃には、私もベテランのカウンセラーになってやるんだから!」

娘「楽しみにしてるわ」

女「私も!
さて、ご飯食べましょっか!」

娘「うん!いただきます!」

73: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/11(木) 20:41:07.29 ID:Z0mHMEIuO
翌日

主人「ありがとうございました!」

女「いえ、そんな…」

主人「今まで誰も出来なかったんですから感謝してもしきれません!」

女「私はただ…娘ちゃんの勇気が出てくるのを待っただけです」

主人「お金の方は講座に振り込んでおきますので…」

女「では、そろそろ…」

主人「ありがとうございました!」

娘「約束、忘れないでね!」

女「もちろん!」

ガチャ

バタン

主人「約束?」

娘「内緒!」

74: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/11(木) 20:46:48.95 ID:Z0mHMEIuO
数十年後

ベテランカウンセラー「新人カウンセラーいっぱいねー」

後輩「うちも昔に比べて成長しましたからね」

新人カウンセラー「あの!」

ベテランカウンセラー「あなた…!」

新人カウンセラー「約束、果たしてくれましたね…!」

ベテランカウンセラー「あなたこそ!」

終わり

文才なくてすみません
読んでくれた、支援してくれた、保守してくれた方ありがとうございました

引用元: 女「ここが今日からお世話になるお家かー…」