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【ファイナルデッドルーム 最奥】


扉を開けると歪な空間に出た。
まるで洞窟をそのまま部屋として使っているような、凸凹な天井と壁。
そこには所狭しと刃物や武器など凶器の類が並んでいる。


モノクマ「コングラッチュレーション! おめでとう、勇者は最強の武器を手に入れた!」

美琴「モノクマ……これでクリアでいいんだよね?」

モノクマ「ええ、ええ! ロシアンルーレットまでしっかりと攻略してくれましたもんね、もう文句のつけようがありませんよ!」

モノクマ「さてさて……そういうわけで緋田さんには『極上の凶器』は獲得する権利を手に入れました! どうかこの部屋から極上の凶器を見つけ出してくださいね!」

美琴「手渡ししてくれるわけじゃないんだね」

モノクマ「で、緋田さんはいいけれど……やい、モノミ! どうしてお前までここにいるんだよ!」

モノミ「ほえ? 緋田さんがクリアしたから、そのついでに……」

モノクマ「ファイナルデッドルームに『ついで』なんかな〜〜〜〜い!!! キッチリしっかりオマエもロシアンルーレットをクリアするんだよ!」

モノミ「そ、そんな! いたたたた! 耳を引っ張らないでくだちゃい! 千切れちゃいまちゅ!」


モノミちゃんはモノクマに引きずられて逆戻りさせられちゃった。

でも、これで集中して調査できる。
真実を明らかにするために……しっかりとみてまわろう。
彼女の命を奪ったであろう『極上の凶器』、それを確かめないとね。


374: ◆vqFdMa6h2. 2022/05/09(月) 21:41:05.70 ID:oSQQXx2O0
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【凶器】

空間に所狭しと並べられた木箱、その中身はどれも人の命を奪うに足る凶器ばかり。
サバイバルナイフにウォーハンマー、果てはモーニングスターまで。適当に振り回しているだけでも命を奪うには十分すぎると思う。
それだけでなく、木の棚の中には毒薬の類まで揃っている様子。
ドラッグストアにも結構な数が揃えられていたとは思うけど、それとはまた違ったラインナップ。
催涙ガスなどのバリエーションも揃えていかにもこれで殺してくださいと言わんばかり。

「でも、これだけのものが揃ってて爆発物の類はないんだ」

てっきり手榴弾や閃光弾などもあるものかと思ったけどどうやらそれはおいていないらしい。
他の武器が乱雑に木箱に押し込まれているのをみるに、不用意に扱うとリスクあるものを一緒に仕舞い込むのは難しいと考えたのかな。


375: ◆vqFdMa6h2. 2022/05/09(月) 21:41:57.40 ID:oSQQXx2O0
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【ロッカー】

極上の凶器はこのロッカーの中にあるのだろうか?
そう思って片っぱしから開けてみるけど中にあるのはよくわからない書類や白衣ばかり。
特に使えそうなものも見当たらないのでそのまま置いておく。
ロッカーの中にはいくつか開けられないものもあるみたい。
というのも、ロッカーが並ぶすぐ隣に鍵をかけるボードが掛かっており、その中のいくつかが抜け落ちている。
誰かが使用中、ということなのかそれともただの演出なのか。
その意図はわからないけど、案の定抜け落ちている番号のロッカーだけは開かなかった。

(……あれ?)

開かないロッカーの番号と鍵の番号とを照らし合わせている中、一つの疑問を抱く。
鍵の数が明らかに一つだけ多い。
ロッカーを開ける鍵にしては少し大きめなそれは、特に番号も割り振られずに吊り下げられている。
思わずそれを手に取った。
一体何の鍵なのだろうと表裏を確認してみると……

『極上の凶Key』

「……ふふっ」

おかしな駄洒落が書いてあった。

【アイテム:極上の凶Keyを手に入れた!】


376: ◆vqFdMa6h2. 2022/05/09(月) 21:42:58.25 ID:oSQQXx2O0
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【島のパンフレット】

隅に追いやられるようにして積まれている書類の山。
カラフルな彩色はされているけれど、埃をかぶっていてそれなりに年季は入っていそう。
一枚手に取って広げてみる。
全体を彩る青色、真ん中に丸く緑の島が鎮座。
その所々にはアトラクションのイラストに、その説明文。
なるほど、どうやらこれは遊園地であるこの第4の島における見取り図のようなものみたい。
一応、一枚貰っておこうかな。


コトダマゲット!【島のパンフレット】
〔遊園地である第4の島の案内地図。画像は後日用意〕


377: ◆vqFdMa6h2. 2022/05/09(月) 21:43:54.53 ID:oSQQXx2O0
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【何かありそうな台】

私の腰ほどの高さの大理石の台には、ふかふかなクッション。
何かを載せておくための留め金のようなものも備わっていて、そこに本来置かれるべきものがどれだけ丁重に扱われるべきものなのかを窺い知れる。

しかし、肝心のその『置かれるべきもの』の姿はどこにも見当たらない。
もしかして、私より先にここを訪れた【今回の犯人】が既に持ち去ってしまったのだろうか。

だとすると、ここにあったものは一体……?


378: ◆vqFdMa6h2. 2022/05/09(月) 21:45:21.16 ID:oSQQXx2O0
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一通り最奥部の空間を見尽くした。
でも、手元に残ったのはただの鍵が一つ。とてもこれでは人を殺せそうには思えない。
それに、既にこの部屋から何かが持ち出された痕跡があった。
あれこそが、極上の凶器なのだとしたら私たちはもう真実に辿り着くことはできなくなる。


「……どうしよう」


その持ち出されたものを類推するのは不可能だ。
この部屋には凶器なら山ほど溢れているのに、それを差し置いて手にするべき極上の狂気なんて他に何も思いつかない。
せっかく命まで張ったのに、これじゃあ骨折り損。
そう思ってため息を一つつくと、それに応えるようにしてモノクマが姿を表した。


モノクマ「お探しのものは見つかりましたか?」

美琴「……ううん、もう私の前にクリアした誰かに持ち出されちゃったみたい」

モノクマ「あれ? そうですか? 緋田さんは【初回クリア特典】目当てだったんですね」

美琴「初回クリア特典?」

モノクマ「うん、このファイナルデッドルームを最初にクリアした人にだけ用意されるスペシャルな特典だよ。ほら、あそこの台の上に本来なら置いてあったんだ」

379: ◆vqFdMa6h2. 2022/05/09(月) 21:46:18.60 ID:oSQQXx2O0

美琴「……ああ、それが極上の凶器なんだね」

モノクマ「え? 違うよ?」

美琴「……え?」

モノクマ「あのねえ、看板にも書いてあったでしょ? 『クリアすれば極上の凶器が手に入る』って。それが一番乗りの人間だけだったらボクが嘘つきになっちゃうじゃない」

美琴「……たしかに、あなたが一番嫌いそうなことだよね」

モノクマ「そう! だからこのファイナルデッドルームは初回クリア特典以外は適宜補充される仕組みになってます! ちゃんと緋田さんの分の極上の凶器もあったはずだよ!」

美琴「適宜、補充……持ち出された分はすぐに補充されて、誰でも凶器の調達には差がないんだね」

美琴「極上の凶器もその例に漏れない……まさか、極上の凶器ってこの鍵……?」

モノクマ「うぷぷぷ……ちゃんと書いてあったでしょ? 極上の凶Keyってさ!」

美琴「ただの冗談じゃなかったんだね」

モノクマ「ま、そういうわけだから……存分に役立ててやってくださいよ! お出口はそこらですので、後はお任せします!」


モノクマが姿を消してからも、じっとその鍵を見つめていた。
指の関節より少し大きいだけの鍵、でもこれが開ける扉の奥には人の命を簡単に奪い去ってしまう何かが秘められている。
そんな扉、まさにパンドラの箱とも言うべきものだ。
開けた瞬間、中から得体の知れない何かが溢れ出し、あっという間に全てを飲み込んでしまう。そんな神話が頭によぎってしまう。
手のひらの鍵が、妙にずっしりと重たく、少し熱を帯びているように感じられてきた。


380: ◆vqFdMa6h2. 2022/05/09(月) 21:48:14.12 ID:oSQQXx2O0







目的も確証もない聞き込みは大した成果を上げることもなく、時間ばかりがただ過ぎていった。
メカ女の目撃証言、アリバイの擦り合わせ……そのいずれも深夜の事件ともなればあまり役にも立たない。
特に、今の動機のこともあって無駄な行動を避けていた人間も多く、大体が自分のコテージで眠っていたと口を揃えて証言した。


「……まずいな」


真実への光明も見えて来ず、何も積み上がるものもない。
気がつけばその爪先が早いテンポで地面を蹴っていた。
指は腕の布地を何度も叩いて、リズムを裏打ちするように舌が鳴る。
成果をあげられない自分自身への苛立ちが募った故の反応だった。


「どうにか、どうにか手がかりを掴まねーといけないのに……!」


東に見た太陽が今に西に向かう。
さっき見た雲がもう遠くにいる。
時間の経過を空が告げてくるのもまた煩わしかった。
観覧車の支柱の隙間隙間から見えてくる空から目を背けようとした。

381: ◆vqFdMa6h2. 2022/05/09(月) 21:49:03.57 ID:oSQQXx2O0



……その瞬間だった。


「……え?」



観覧車は、私の目の前で明らかに静止した。

はじめは観覧車の回転速度の緩慢さに自分の目が狂ったのかと思った。
でも、そうじゃない。
流れ続ける時間の中で滑車はピッタリと止まったまま。

その証拠に、

382: ◆vqFdMa6h2. 2022/05/09(月) 21:50:13.20 ID:oSQQXx2O0

『どうして鳩時計って鳩が使われてるのか知ってる?』

『元々はドイツのカッコウ時計が200年ぐらい前に入ってきたのが走りなんだけどさ、この国では【閑古鳥が鳴く】って表現があるでしょ?』

『それで、喫茶店とかで使うのに縁起が悪くて不都合だから、代わりの鳥として鳩に白羽の矢が立ったんだよね! ま、鳩には立派な体内時計があるから適材適所だったのかもしれないよね』

『だってカッコウなんて托卵を行う鳥、お店の時間を司らせたりなんかして、何か企んでも厄介だしね!』

『さあさ、ボクの体内時計も言ってます、そろそろお時間のようですよ! モノクマロックにみんなでお集まりください!』


捜査時間の終了を告げるアナウンスが鳴っている間でさえも、観覧車は動いていなかったのだから。


「……何がどうなってんだ……?」


目の前で起きた事態は呑み込めないまま。

ただ、整理の時間は私には与えられていない。
頭の中がこんがらがった状態のまま、足を運ぶほか選択肢はなかった。


383: ◆vqFdMa6h2. 2022/05/09(月) 21:51:37.87 ID:oSQQXx2O0
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【モノクマロック】

既にモノクマロック前には他の連中の姿も見える。
そのいずれも口をまごつかせて狼狽えている……目立った成果は誰も手にしていないんだろう。
漏れなく私もその一人、焦燥が奥歯を強く噛み潰す。

そんな中、美琴だけは……妙に静かに佇んでいた。
焦るでもなく苛立つでもなく不安がるでもなく、無感情にその時を待っている。
そんなふうに見てとれた。


ルカ「……美琴、お前ずっと何してたんだよ」


これまでの事件では、すぐ隣にずっと美琴の姿があった。
美琴と一緒に考えたり、情報を整理したり……美琴がいなくては気づけなかった証拠だってある。
今回、それがなかったことで私は地に足がついていないような、そんな甲斐のなさを感じていた。
この島に来るまでは一人だったというのに、やはり千雪のこともあって牙は抜け落ちてしまっているらしい。
我ながらおかわいいことだ。


384: ◆vqFdMa6h2. 2022/05/09(月) 21:52:51.25 ID:oSQQXx2O0

美琴「私は、私で捜査していたから」


その口調は冷淡。
必要以上の言葉を私と交わすつもりはないらしい。


ルカ「……その、浅倉透の肩を持つ私のことが気に食わないのはわかるけどよ。学級裁判は結論を誤ればお前も、私も共倒れなんだ。それは分かってんだろ」

美琴「……」

ルカ「何か得たものがあるのなら、それを教えてはくれねーか。歪みあったって、憎しみあったって……私たちは結局一緒に戦うしかないんだ。分かってんだろ、美琴」

美琴「人を聞き分けの悪い子供みたいにいうのはやめて」

ルカ「……!」

美琴「……協力は勿論する。私しか持っていない情報もあるから、共有するよ。きっとこれがないと真実を知ることはできないから」

ルカ「なんだよ、その美琴しか知らない情報ってのは」



美琴「ルカは、ファイナルデッドルームって知ってる?」





385: ◆vqFdMa6h2. 2022/05/09(月) 21:55:14.33 ID:oSQQXx2O0

ルカ「あ? なんだその、中学生が考えましたって感じの名前の部屋は」

美琴「その名前の通り、この部屋に入る人間は命をかけた挑戦を強いられる。しかし、それに成功することができればコロシアイにおいて圧倒的に優位に立つ『極上の凶器』を手にできる」

美琴「コロシアイが起きるまで食事不可能の動機が出ると当時に出現していたみたいだから……きっと知らない人の方が多いだろうね」

ルカ「極上の凶器、だと……?」


そんなもの、到底後出しで出されていい情報ではない。
人を殺めるのに極上なんて名を冠する凶器、並のものとは考えにくい。
それでいて命をかけた挑戦だとか、突然に出現したアトラクションだとか、荒唐無稽でモノクマらしい文字列が並ぶ。
裁判直前になって、またしても頭の中を掻き乱す情報の登場だ。


ルカ「ていうか、美琴……まさかそのファイナルデッドルームに挑戦したのか?」

美琴「うん、クリアしたよ」

ルカ「ば、バカヤロウ……! オマエ、なんてことを……一歩間違えれば、死んでたかも知れねえんだぞ!」

美琴「でも、間違えなかった」

ルカ「んなもん屁理屈だ!」

386: ◆vqFdMa6h2. 2022/05/09(月) 21:57:49.96 ID:oSQQXx2O0

美琴「……ルカは私にとってかけがえのないパートナー、それは今でも変わらない」

ルカ「美琴……」



美琴「でも、自分の命の使い方までとやかく言われる筋合いはないよ」



ルカ「……!!」


有無を言わせない強い拒絶。
本当に、美琴との間に溝が入ってしまったことを強く感じさせられる。
もう美琴に何を言っても無駄だろう、それにここで事を荒立てることに対して意味があるとも思えない。
一旦はその命をかけた挑戦には目を瞑り、次の話をした。


ルカ「で、その『極上の凶器』ってのはなんだったんだよ」

美琴「……私は最初、爆弾とかナイフとか、そういう直接的に人の命を奪うようなものだと思ったんだけど」

美琴「でも、そうじゃなかった。もっと悪意に満ちた……残忍すぎる凶器が、『極上の凶器』だったんだよ」

ルカ「……はぁ? だから、なんなんだよ。その『極上の凶器』って」

美琴「それは_______」


387: ◆vqFdMa6h2. 2022/05/09(月) 21:58:54.01 ID:oSQQXx2O0

ゴゴゴゴゴ…

突然に始まる地響きは私と美琴の会話を遮り、その視線を我が物とした。
私たちの目の前でモノクマの顔をした巨岩はその瞳を赤く灯し、エスカレーターを吐き出した。


美琴「……話の続きは学級裁判でしようか」

ルカ「分かった、待ってるよ」

美琴「……ルカ、今回の裁判は情報に乏しいと思うけど……あなたが見たこと、その事実のありのままを信じればきっと勝ち抜けると思うから」

ルカ「……? お、おう……」

美琴「……それじゃあ、行こうか」


美琴の言い残したことの真意はわからない。
ただ、あいつは無意味なことを言うような人間じゃない。
私がこの事件の捜査で見てきた中にきっと、『極上の凶器』のヒントはあったんだ。
まずはそれを考えてみろってか……?

相変わらず、不器用な野郎だな。あいつは。


コトダマゲット!【極上の凶器】
〔動機提供時から第四の島に現れたファイナルデッドルームのクリア特典。美琴曰く『悪意に満ちた残忍すぎる凶器』らしい。そのヒントは今までの捜査の中にあったらしいが……?〕

388: ◆vqFdMa6h2. 2022/05/09(月) 22:00:38.93 ID:oSQQXx2O0
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私たち全員がエスカレーターに乗り込んで、モノクマロックの中に入ると、いつものように下降を始めた。
こんなことに『いつものように』という表現を使うようになってしまったことが、何とも言えない切なさがあるのだが……

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【モノクマロック 内部】

ゴウンゴウンと音を立てて下降していくエレベーター。
その内部は旧式のエレベーターを模してあるため、格子の隙間からは機械仕かけの構造がよく見て取れる。
精密に作り込まれた機構が寸分の狂いなく動くことで、この箱は動いている。

それはきっと、あいつも同じことだった。

私たちじゃ想像もつかないほど緻密な作りをされていた機体は、悪意に満ちた何者かによって狂わされ、そして破壊されてしまった。
芸術品が詰め込まれたようなその機体を見る影もないほどに破壊し尽くした犯人……きっと人として何か大事なものが欠落しているんだろうと思った。


破壊の最中、吐き出すオイルや断面から見えるケーブルを見て何も考えなかったのだろうか?
そこを満たす思い出や記憶が、まったくもって脳によぎることはなかったのだろうか?
果たしてそいつは、私たちと同じ仲間だったということが出来るのだろうか?


答えのない問いばかりが浮かび上がっては消えを繰り返し、時間が過ぎていった。


チーン!!


そして、時間の経過がようやっと、終着をもたらした。

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389: ◆vqFdMa6h2. 2022/05/09(月) 22:02:52.55 ID:oSQQXx2O0

【学級裁判場】

モノクマ「あ、来たんだ……本当に来たんだ……まあいいや、適当にその辺の台使ってよ……」

ルカ「なんだよそのテンション……」

智代子「……周りがトレーニング器具だらけなのは、夏葉ちゃん意識なのかな」

透「なんか、部屋の湿度が高そう」

雛菜「くんくん〜……匂いは普通〜!」

冬優子「汗臭い空間で議論なんか嫌でしょ……」


私たちは足早に証言台へとついた。
それは一刻も早く真相を手にしたいと言う焦燥から。
自分一人では掴めなかった真相も、他の人間と議論を尽くせばなんとかなる。
これまでの経験と信頼とがまさに表出した形だ。


390: ◆vqFdMa6h2. 2022/05/09(月) 22:03:49.90 ID:oSQQXx2O0

だが……本当にそうなのだろうか、議論をしさえすれば真実は掴めるのだろうか。

死の間際、小宮果穂が言っていた言葉が脳裏をよぎる。
私たちは変わり続ける、強くなり、大きくなり、成長する。
それが時間が経つと言うこと、歳を重ねると言うこと。

しかし、変わるのは私たちだけではない。
私たちを繋ぎ止める関係性、そしてその周りの環境もそうだ。
現にあの時あった美琴との間の結束は希薄なものとなり、今は他の連中も不審の目を互いに向け続けている。
これまでもそういった不穏分子がなかったわけではない。
それを乗り越えてきたから今がある、だけど絶対はない。
今回も、うまくいくとは限らない。



……自分らしくない、不安の芽が顔を出すのを自分でも感じていた。



391: ◆vqFdMa6h2. 2022/05/09(月) 22:04:44.77 ID:oSQQXx2O0

超大学生級の令嬢あらため超大学生級のアンドロイド、有栖川夏葉。
あいつはこの島に来た時から他の連中を引っ張り続けていた中心核。

年上の自負からくる責任感は勿論のこと、
残酷な現実に誰よりもまっすぐに向き合い、仲間の苦痛からも逃げようとせず分かち合うための努力をしていた。
そのために、小宮果穂のおしおきに乱入して一度その肉体を失したこともあった。
それでも希望を絶やすまいと機械の体になってからも気丈に振る舞って、前に立ち続けた。
決して弱音を自分から吐こうとはしなかった。

そんなあいつは……鉄屑になった。
鋼鉄の体もボコボコに凹まされ、体はバラバラに壊されて、オイルをその場に吐き出した。
彼女の尊厳と意地とを踏み躙るような凶行が、起きてしまった。


許せない、なんて言葉を振りかざすには私はまだ積み重ねた時間に乏しい。
それでも、今回の犯人にはちゃんと言葉を聞きたいと思った。
絶望病なんて理由もつけられない今回の事件……そこには明確な殺意、理由が存在しているはず。
真実とともに、その感情理由を聞かねばいけないと強く感じている。
その権利を得るためには……

392: ◆vqFdMa6h2. 2022/05/09(月) 22:05:32.66 ID:oSQQXx2O0





______まず、生き残らないと。






396: ◆vqFdMa6h2. 2022/05/11(水) 22:00:50.30 ID:udKLsCNl0

画像はとりあえずは一章と同じ方法で上げようと思います。
まあ簡単な図説なので最悪飛ばしてしまってもいいので、見れなかった場合はその時はその時と言うことでいきます。

今週末はよくよく考えたらバンフェスだったので更新滞るかもしれません、あらかじめお伝えしておきます……

■□■□■□■□■□■□■□■□■□■
【裁判前準備パート】
☆裁判を有利に進めるアイテムを獲得することができます
 何か購入したいものがある場合は次回までにその旨を書き込んでください。
 指定が多ければ多数決、特に購入指定が無ければ何も購入せず裁判を開始します。

‣ルカの現在の状況
【現在のモノクマメダル枚数…25枚】
【現在の希望のカケラ…35個】

〇スキル
・【花風Smiley】
〔毎日の自由行動回数が2回から3回になる〕

・【アンシーン・ダブルキャスト】
〔学級裁判中誤答するたびにコトダマの数が減少する〕

・【花風Smiley】
〔毎日の自由行動回数が2回から3回になる〕

・【cheer+】
〔発言力ゲージを+5する〕

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【自動販売機】
≪消耗品≫
【ヒーリングタルト】…5枚
〔誰の口にも合いやすいマイルドな口当たりの優しい甘さ。裁判中に使用すると発言力を2回復できる〕

【ヒーリングフルーツタルト】…10枚
〔フルーツをトッピングして満足感アップ。裁判中に使用すると発言力を4回復できる〕

【高級ヒーリングタルト】…15枚
〔国産フルーツを贅沢にトッピングした高級タルト。裁判中に使用すると発言力が最大まで回復する〕

【プロデュース手帳】…15枚
〔これは彼と彼女たちが過ごしてきた美しき日々の証。誰よりも理解者たる彼は、いつだってそばで戦ってくれる。裁判中に使用するとノンストップ議論・反論ショーダウンを無条件クリアする〕


≪希望のカケラ交換≫

【Scoop up Scrap】必要な希望のカケラの数…30個
〔他のアイドルとの交流時に、所持品の中で何が渡すと喜ばれるプレゼントなのか分かる〕

【霧・音・燦・燦】必要な希望のカケラの数…10個
〔発言力ゲージが+2される〕

【幸福のリズム】必要な希望のカケラの数…30個
〔他のアイドルとの交流時の親愛度上昇が+0.5される〕

【I・OWE・U】必要な希望のカケラの数…20個
〔発言力ゲージが+3される〕

【われにかへれ】必要な希望のカケラの数…20個
〔集中力ゲージが+3される〕

【ピトス・エルピス】必要な希望のカケラの数…20個
〔反論ショーダウン・パニックトークアクションの時コンマの基本値が+15される〕

【おみくじ結びますか】必要な希望のカケラの数…10個
〔集中力ゲージが+2される〕

■□■□■□■□■□■□■□■□■□■

401: ◆vqFdMa6h2. 2022/05/16(月) 21:17:27.55 ID:8xqU+Smf0
お久しぶりです、結局バンフェスのあれこれで土日は更新できませんでした。
裁判前準備としては【ピトス・エルピス】の購入で確定します。
【希望のカケラの現在の個数】…35個→15個に変動。

そして、マップを用意したのと一部コトダマの表現を改めさせていただく都合で修正分を投稿します。
画像は最悪見れなかったら見れなかったですっ飛ばして進行するので大丈夫です。

>>376
-------------------------------------------------
【島のパンフレット】

隅に追いやられるようにして積まれている書類の山。
カラフルな彩色はされているけれど、埃をかぶっていてそれなりに年季は入っていそう。
一枚手に取って広げてみる。
全体を彩る青色、真ん中に丸く緑の島が鎮座。
その所々にはアトラクションのイラストに、その説明文。

〔ジェットコースターはみんなで楽しもう! 全員が揃って初めて運行するよ!〕
〔バイキングは脅威の3600度回転! ごめんね、身長160cm以上のお友達だけに限らせてもらってるんだ!〕
〔遊園地は大迫力の絶景が楽しめるよ! 一周するのにかなり時間がかかるから、乗る前にトイレに行っておこうね!〕

なるほど、どうやらこれは遊園地であるこの第4の島における見取り図のようなものみたい。
一応、一枚貰っておこうかな。

コトダマゲット!【島のパンフレット】
〔遊園地である第4の島の案内地図。読み進めると各種アトラクションの注意事項も出てくる。
ジェットコースターは全員が揃わないと出発せず、運行中は安全バーを装着する事。
バイキングは身長160cmの制限を守ること。
観覧車は長いので事前にトイレに行っておくこと〕

画像:https://imgur.com/a/LdQZuPO

402: ◆vqFdMa6h2. 2022/05/16(月) 21:20:02.21 ID:8xqU+Smf0
コトダマ
‣【モノクマファイル4】
〔被害者は有栖川夏葉。被害者は先日の学級裁判によるおしおきの巻き添えに遭い、身体機能の多くを失ってしまったため、機械の体に意識を移植する手術を受けていた。死亡推定時刻は昨日深夜3時ごろ、死体は第4の島の外周、砂地の上で発見された。人間にあるはずの臓器の類いを被害者は有してはいないが、全身に強い衝撃を受けたことにより回路系統を損傷して機能停止を起こしたことをもって死亡したと判定した。損壊は激しく、四肢と胴体部、頭部などはバラバラになっており、凹みも激しい〕

‣【ハンマー】
〔死体の付近に落ちていた巨大なハンマー。人を殴りつける金属部分にはオイルが全く付着しておらずあまりにも綺麗すぎる。出所不明〕

‣【夏葉の眼球】
〔夏葉は光学顕微鏡並みの視力を持っていたほか、暗視モードも備えていた。暗闇を感知すると赤外線カメラに切り替わり、レンズも変化する。智代子曰く、死体となった夏葉の眼球も暗視モードになっていた模様〕

‣【死体に被さっていた砂】
〔夏葉の死体は砂を被っていた。ただ転倒しただけではこれほどの量の砂が巻き上がるとは考えづらく、何か別に勢いよく衝突したのではないかと思われる〕

‣【ワイヤーフック】
〔夏葉の胴体部に取り付けられていたワイヤーフック。だいぶ緩くなっており、少し強い衝撃を受けただけで簡単に開いてしまうようだ〕



403: ◆vqFdMa6h2. 2022/05/16(月) 21:20:32.32 ID:8xqU+Smf0

‣【おやすみスイッチ】
〔夏葉の背中に取り付けられた強制スリープボタン。背面の見えづらいところに取り付けられたボタンで、夏葉の不意でも突かない限りは押すことは難しい。死体となった胴体部では、ボタンが押されていることが確認できた〕

‣【泥】
〔夏葉の死体が握り込んでいた泥。あたりの地面は乾ききっているが、一体どこから出てきた泥なのだろうか〕

‣【死体の焦げ跡】
〔バラバラになっている夏葉の死体には焦げ跡がついている部分があった。脚部以外のパーツに焦げ跡は集中しているようだ〕

‣【島のパンフレット】
〔遊園地である第4の島の案内地図。読み進めると各種アトラクションの注意事項も出てくる。
ジェットコースターは全員が揃わないと出発せず、運行中は安全バーを装着する事。
バイキングは身長160cmの制限を守ること。
観覧車は長いので事前にトイレに行っておくこと〕

画像:https://imgur.com/a/LdQZuPO

‣【極上の凶器】
〔動機提供時から第4の島に現れたファイナルデッドルームのクリア特典。美琴曰く『悪意に満ちた残忍すぎる凶器』らしい。そのヒントは今までの捜査の中にあったらしいが……?〕


405: 少し早いですがスタートします ◆vqFdMa6h2. 2022/05/17(火) 20:31:06.33 ID:EamTORDe0





【学級裁判 開廷!】







406: ◆vqFdMa6h2. 2022/05/17(火) 20:32:09.50 ID:EamTORDe0

モノクマ「まずは学級裁判のルールの確認から始めます」

モノクマ「学級裁判ではオマエラの中に潜む殺人犯のクロを探して議論していただきます」

モノクマ「議論の結果導き出した犯人がクロだった場合はクロだけがおしおき、シロだった場合はクロの生徒以外の全員がおしおきされ、クロのみが歌姫計画の成功者としてこの島を脱出できまーす!」

モノミ「4回目、あちしがこうやって縛られるのももう4回目なんでちゅね……」

モノミ「あちしの体を縛る縄の感触にももうすっかりなれまちた……おばあちゃんの軒先に吊るされてた干し柿も、毎年こんな気持ちだったのかな」

モノミ「はぁ……なんだかおセンチな気分でちゅ……」

智代子「……ひどい、ひどすぎるよ」

智代子「どうして犯人は夏葉ちゃんを殺しちゃったの?! 夏葉ちゃんは果穂のおしおきで一度死んじゃってるのに、何でもう一回殺すような真似ができるの?!」

ルカ「ちょ、ちょっと待て! 落ち着け! 気持ちはわかるけどよ、ここはあくまで犯人を当てる場だ」

ルカ「冷静にならねーと、痛い目を見るのはこっちなんだ。議論をしないことにはなにも始まんねーぞ」

恋鐘「でも、ほんなこつ何故に犯人はわざわざ夏葉を選んだとやろ? うちらん中では一番殺しにくか相手のはずばい」

冬優子「人間だったときの身体能力も高いし、更にはアンドロイドになって訳の分からない機能持ち」

冬優子「ま、ふゆならまず選ばない相手だわ」

あさひ「それに遊園地のある第4の島にいた理由も気になるっすよ。食料を探すにしても、変なところだと思うっす」

ルカ「そうだな……この事件、謎がなかなかに多い筈だ。まずは一つ一つ可能性を絞っていくところから始めていくか」

(今回の事件は被害者が異例だ)

(人間ではなく、わざわざ機械を相手取って殺害した。犯人の意図を読み解いていくのはなかなか骨が折れるぞ……)

(気合い入れろ! あいつの犠牲……絶対に無駄にしちゃならねえ……!)

407: ◆vqFdMa6h2. 2022/05/17(火) 20:34:05.19 ID:EamTORDe0
------------------------------------------------
【ノンストップ議論開始!】

発言力:♡×10
集中力:☆×5

コトダマ
‣【モノクマファイル4】
‣【死体に被さっていた砂】
‣【死体の焦げ跡】
‣【ハンマー】
‣【極上の凶器】
‣【泥】


智代子「今回の犯人は許せないよ!」

智代子「一度ならず二度までも死を経験させるなんて……」

透「わざわざ人じゃない相手を選ぶって」

透「犯人は相当腕に覚えがあったのかな」

恋鐘「きょ〜りょくな武器を持っとったことは間違いなか!」

恋鐘「死体の近く落ちとったでっかい【ハンマー】!」

恋鐘「あれで夏葉をゴチーンとやったばい!」

あさひ「夏葉さんの機械の体はボコボコのバラバラだったっす」

あさひ「相当な力を【身体に受けた】のは間違いないっすね」

雛菜「あは〜、何かの力を【借りなきゃ】そんなのはできそうにないですよね〜?」

透「超人現るってね」


【正しいコトダマで矛盾する発言を論破しろ!】


1.発言する(コトダマと撃ち込む先の発言を併せて指定安価)
2.集中力を使う(コトダマの数が減る)

↓1

408: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2022/05/17(火) 20:53:40.00 ID:NwZAJDej0
【ハンマー】→【ハンマー】

409: ◆vqFdMa6h2. 2022/05/17(火) 20:58:32.36 ID:EamTORDe0

ルカ「それは違うぞ!」論破!

【BREAK!】

ルカ「あいつの身体は文字通りのバラバラになってた……中学生のいう通り、凄まじい衝撃を受けたことは間違いないだろう」

ルカ「でも、あのハンマーが凶器とは思えない。それはハンマー自身を見れば明らかだ」

恋鐘「ふぇ? もしかしてあのハンマーは金属製じゃなかったと?」

冬優子「いやいや金属も金属、大金属よ。けどよく見てごらんなさい、このハンマーに本来付着するべきものが付いていないでしょ?」

恋鐘「ん〜〜〜?」

透「あ、そっか。オイルだ」

ルカ「ああ、あのメカ女が血液のようにそこら一体にぶちまけていたオイル。それがこのハンマーにはまるで付着しちゃいない」

ルカ「これが直接の凶器だとしたら、妙な話じゃないか?」

智代子「それじゃ、犯人が付着したオイルを拭き取ったとかは?」

あさひ「そんなことをするんだったらそもそもハンマー自体を回収すると思うっす」

ルカ「あのハンマーは犯人が死因を誤認させるために置いた偽装工作ってところだろうな。それこそ今長崎女が言った通り、殴りつけられて死んだと思わせるように」

美琴「……なんだかつい最近聞いたような話だね」

ルカ「……」

智代子「果穂も……結華ちゃんの死因を、誤認させようとしたんだったよね……」

410: ◆vqFdMa6h2. 2022/05/17(火) 20:59:20.66 ID:EamTORDe0

冬優子「……そうね、あの子はドローンで結華を正面から落下させることであたかも正面から殴りつけられたように見せかけた」

冬優子「今回の犯人はハンマーを置くことで同様に殴りつけられたものと偽装しようとした……偶然の一致と言えるかもしれないわね」

恋鐘「じゃあ、犯人はどがんして夏葉の身体がバラバラになるほどの強い衝撃を与えたばい?」

雛菜「それこそ前回と一緒で転落死なんじゃないですか~?」

雛菜「お姉さんの身体はすごくカチカチになってましたけど、高いところから落下した衝撃なら壊れてもおかしくないし、雛菜たちに可能な方法ってだいぶ限られますよね~」

あさひ「そうっすね、夏葉さんは元からわたしたちより身長も高めだし、アンドロイドになってからは重量も上がってる……普通の方法じゃ、そうそう殺せないっす」

透「どうかな、夏葉さんは……落下で死んだと思う?」

ルカ「……私もそれには賛成だ。あいつの全身に及ぶまで強い衝撃、それを与えるなら一番自然な方法だろう」

ルカ「他の方法は、考えにくいかもな」

モノクマ「ふわぁ~あ、なんか続けて同じ死因って萎えるよなぁ……食傷気味っていうか、芸がないって言うかさぁ」

モノミ「こら~! なんてこと言うんでちゅか! 人の生き死ににバラエティなんて本来必要ないんでちゅ! 全人類須らく、数多くの親戚に囲まれて安らかに息を引き取るのがあるべき姿なんでちゅ。死因にまで文句を言うなんて、見下げたものでちゅね!」

冬優子「ルカ、そこまで言うからにはあなたにも根拠があるんでしょ?」

ルカ「……あ? お、おう……まあ、あるにはあるけど……」

冬優子「それなら提示してちょうだい、有栖川夏葉の死因が転落死だと断定するその根拠」

(あいつの死因が転落死だと断定する根拠か……)

(それはつまり、あいつの死体に残されていた落下した時に生じたであろう現象を指し示す)

(冬優子に見せてやるか、私の考えの根拠を……)


【正しいコトダマを選べ!】

>>402 >>403

↓1

411: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2022/05/17(火) 21:04:38.72 ID:NwZAJDej0
【死体に被さっていた砂】

412: ◆vqFdMa6h2. 2022/05/17(火) 21:12:40.21 ID:EamTORDe0

ルカ「これだ!」

【解!】

ルカ「有栖川夏葉の機械の身体はバラバラになっていたほか、もう一つ大きな特徴があったんだ。その特徴が死因を特定するうえで、重要な根拠になる」

智代子「死体がバラバラになっていた以外の特徴……?」

あさひ「もしかして、死体が砂を被ってたことっすか?」

恋鐘「ん? それが何か重要たい? 夏葉の死体は室内じゃなくて、屋外にあったってだけじゃなかと?」

あさひ「ただ外にあるだけじゃ、あんな風に砂は上に乗っかったりしないっすよ。よっぽどの勢いの元に地面にぶつかりでもしない限り、砂は巻き上がらないっす」

美琴「……確かに、死体の全面にかかるようにあの砂はついていた。ただ転倒しただけじゃ、あそこまではいかないかもね」

ルカ「ああ、三峰結華の時は死体がコンクリートの上にあったから砂が巻き上がるようなこともなかったけどよ。今回の事件は島の外周で起きたんだ、死体も砂地の上にあった」

ルカ「死体の上に乗っかった砂は十分な証拠になるはずだぜ」

冬優子「なるほどね……あんたの主張はよくわかったわ」

413: ◆vqFdMa6h2. 2022/05/17(火) 21:13:35.92 ID:EamTORDe0

冬優子「でも、有栖川夏葉の死因が転落死だとしたら……明確な矛盾が生じるのよね」

冬優子「しかも……奇しくもこの矛盾も前回の事件と同じよ」

ルカ「前回の事件と同じ矛盾だと……?」

冬優子「有栖川夏葉が転落するだけの高所が付近に全くないという矛盾よ。前回の事件では果穂ちゃんはドローンを複数台使うことでそれを看破したけれど、今回はそうはいかない」

あさひ「夏葉さんの身体は100kgどころの重さじゃないし、ドローンが何台あっても難しそうっすね」

雛菜「もし仮に持ち上がったとしても、前回の台数よりはるかに多くなるだろうし操作は簡単じゃなさそうですよね~」

(……クソッ、確かにそうだ! あいつの死体……どこから落下するっていうんだ?)

(あの砂がある限り、高所から落下したのは間違いないように思うが……この矛盾はそうそう解決できそうにねーぞ……)

冬優子「それこそハンマーと同様に、転落したように見せかけた犯人の偽装工作の可能性もあるんじゃない?」

智代子「でも、それでわざわざ砂をかけるなんて選択をするようにも思えないけどな~……」

あさひ「……あの周りには、何もない。突き落とすこともできそうにない……」

美琴「……」

恋鐘「行き詰った時には議論をせんね! みんなで話し合ってみたら何か答えが見つかるかもしれんよ!」

恋鐘「夏葉が転落した場所、その可能性について議論するば~~~~い!」

(よく思い出せ……死体の合ったあの現場、その状況を……!)


414: ◆vqFdMa6h2. 2022/05/17(火) 21:15:18.92 ID:EamTORDe0
-------------------------------------------------

【ノンストップ議論開始!】

発言力:♡×10
集中力:☆×5

コトダマ
‣【死体に被さっていた砂】
‣【モノクマファイル4】
‣【島のパンフレット】
‣【極上の凶器】
‣【ワイヤーフック】
‣【死体の焦げ跡】
‣【ハンマー】


冬優子「有栖川夏葉の死体は砂を被っていた」

冬優子「落下時に【砂が巻き上がった】とする推理は分かるわ」

冬優子「でも……いったいどこから落下したって言う訳?」

智代子「ドローンじゃ夏葉ちゃんの身体は【持ち上がらない】よ……!」

智代子「果穂と同じ方法は今回は使えなそうだね……」

雛菜「第4の島って外周をぐるりと一周するジェットコースターがありましたよね~?」

雛菜「死体のあった場所の上にもそのレールは走ってましたし、【そこから落とした】んじゃないですか~?」

透「ジェットコースターの勢いもあれば、落下の時の衝撃もでかいんじゃん?」

あさひ「他にあの辺りに高いものは【何もなかった】っす」

恋鐘「可能性の議論も何も……」

恋鐘「そもそもの候補がまるでなかよ~!?」


【正しいコトダマで矛盾する発言を論破しろ!】


1.発言する(コトダマと撃ち込む先の発言を併せて指定安価)
2.集中力を使う(コトダマの数が減る)

↓1

415: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2022/05/17(火) 21:18:22.26 ID:NwZAJDej0
【島のパンフレット】→【そこから落とした】

416: ◆vqFdMa6h2. 2022/05/17(火) 21:21:48.03 ID:EamTORDe0

ルカ「それは違うぞ!」論破!

【BREAK!】

ルカ「確かに死体の発見現場の頭上にもジェットコースターのレールは敷かれてた……でも、そこから死体を突き落とすことは不可能だったはずだ」

雛菜「え~? なんでですか~?」

雛菜「あ! もしかして、犯人は絶叫系NGとか~~~!」

ルカ「あの島のジェットコースターは地獄のようなコースに地獄のような速度で運行してるけど、流石にそれが理由じゃねえ」

ルカ「ジェットコースターそのものの……そもそものルールがあるんだよ。一番それをよく知ってんのは中学生、お前だろ」

あさひ「はいっす、あのジェットコースターって一人や二人じゃ乗れないんすよ」

あさひ「わたしが一人で乗ろうとしたら、モノクマに全員が揃わないと発車しないって言われて。それでみんなに集まってもらって、やっと一回のれたっす」

美琴「……前回のコロシアイが発覚したのも、そのジェットコースターに乗ったからだよね」

透「……私のオリジナルが死んだ、コロシアイね」

美琴「……まだ言ってる」

(……)


417: ◆vqFdMa6h2. 2022/05/17(火) 21:23:05.51 ID:EamTORDe0

ルカ「とにかく、犯人が犯行に利用しようにもジェットコースターが動かねーんじゃ仕方ねえ。それに、あのコースターには安全バーもついてるからな、突き落とすには死ぬほど不向きなはずだ」

雛菜「ん~、違ったのか~」

智代子「でも、あの辺りってそのレールしかないんだよね? ジェットコースターがダメなら、いよいよ候補がないんじゃない?」

ルカ「……それは、そうだけどよ」

冬優子「今回ばかりは、この矛盾……解消できない?」

ルカ「あ? いや、まあ……今のところはな?」

(……なんだ? 冬優子のやつ、妙に結論を急いでいるような……)

あさひ「でも、やっぱり死体が砂を被ってるのは変っすよ。絶対、何か理由があるはずっす」

智代子「落下しようにも落下する場所がない……」

智代子「あっ! 夏葉ちゃん自体に飛んでもらうってのはどうかな?!」

ルカ「はぁ?」

智代子「ほら、夏葉ちゃんに飛行機能があってそれで飛び上がったところを撃墜した、とか!」

あさひ「そんな機能あったっすか?!」

ルカ「んなもん聞いたこともねーし、大体今はどこから落下したかの話であってどうやって落下したかの議論はしてな____」

智代子「……ルカちゃん?」

(……いや、待てよ。この甘党女の言ってることは流石に的外れもいいところだとは思うが、どこから落ちたではなく【どうやって】落ちたか、を考えるのは決して悪くはない)

(高所から落下した時、砂は一気に巻き上がるが……そこまで綺麗に真上に砂が覆いかぶさるか?)

(幾分か被ったとしても、満遍なく付着するとは思い難い)

(あいつの落下はもしかして……垂直だったんじゃなくって……?)


418: ◆vqFdMa6h2. 2022/05/17(火) 21:23:54.74 ID:EamTORDe0
-------------------------------------------------
【ノンストップ議論開始!】

発言力:♡×10
集中力:☆×5

コトダマ
‣【おやすみスイッチ】
‣【泥】
‣【ハンマー】
‣【極上の凶器】
‣【夏葉の眼球】
‣【モノクマファイル4】
‣【ワイヤーフック】


あさひ「死体が砂を被ってたことからしても……」

あさひ「夏葉さんは、転落死したと考えるのが自然っすよ!」

智代子「すごい勢いで落下して、砂を巻き上げたんだよね?」

智代子「でも、ジェットコースターもダメとなるといよいよ落下する場所がないよ!」

恋鐘「やっぱりあの【ハンマーで殴った】んじゃなかね?」

恋鐘「砂なんて、強風が吹けば何とでもなるばい!」

雛菜「どこか【遠くの方から落下した】とかならあり得るんですかね~?」

雛菜「それで風にあおられてあそこまで運ばれたとか~」

冬優子「あんな鉄の塊、【風にあおられる】とか竜巻でもない限りあり得ないでしょ……」


【正しいコトダマで正しい発言に同意しろ!】


1.発言する(コトダマと撃ち込む先の発言を併せて指定安価)
2.集中力を使う(コトダマの数が減る)

↓1

419: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2022/05/17(火) 21:26:05.64 ID:4wukcmaM0
遠くの方から落下→極上の凶器

421: ◆vqFdMa6h2. 2022/05/17(火) 21:31:20.70 ID:EamTORDe0

【発言力:♡×10→♡×9】

雛菜「ん~? それ、何の話ですか~?」

雛菜「いきなりよくわからないこと言われても反応に困るって言うか~……もっと分かりやすい言葉でお願いします~」

(……まだ極上の凶器については分からないことも多い)

(議論を進める札として使うのは、もう少し情報がまとまってからの方がいいか……)

【スキル:アンシーン・ダブルキャストの効果によりコトダマが減少します】

-------------------------------------------------
【ノンストップ議論開始!】

発言力:♡×9
集中力:☆×5

コトダマ
‣【おやすみスイッチ】
‣【泥】
‣【ハンマー】
‣【極上の凶器】
‣【夏葉の眼球】
‣【ワイヤーフック】


あさひ「死体が砂を被ってたことからしても……」

あさひ「夏葉さんは、転落死したと考えるのが自然っすよ!」

智代子「すごい勢いで落下して、砂を巻き上げたんだよね?」

智代子「でも、ジェットコースターもダメとなるといよいよ落下する場所がないよ!」

恋鐘「やっぱりあの【ハンマーで殴った】んじゃなかね?」

恋鐘「砂なんて、強風が吹けば何とでもなるばい!」

雛菜「どこか【遠くの方から落下した】とかならあり得るんですかね~?」

雛菜「それで風にあおられてあそこまで運ばれたとか~」

冬優子「あんな鉄の塊、【風にあおられる】とか竜巻でもない限りあり得ないでしょ……」


【正しいコトダマで正しい発言に同意しろ!】


1.発言する(コトダマと撃ち込む先の発言を併せて指定安価)
2.集中力を使う(コトダマの数が減る)

↓1

422: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2022/05/17(火) 21:32:59.05 ID:NwZAJDej0
【ワイヤーフック】→【遠くの方から落下した】

423: ◆vqFdMa6h2. 2022/05/17(火) 21:35:42.07 ID:EamTORDe0

ルカ「てめェの言う通りだ」

【BREAK!】

ルカ「ああ、そうだ……! あの場所に、落下できる場所がないなら……別の場所から落下させちまえばいい……!」

智代子「ちょ、ちょっと……突然何を言い出してるの?! さっきも確認したけど、夏葉ちゃんのオイルはあたり一帯に撒き散らされてたんだよ?!」

智代子「夏葉ちゃんが命を落としたのはあの場所だったことの証明だって話になってたはずですよね!?」

ルカ「ああ、それ自体を否定する気はない。あいつが落下した先はあの場所で間違いない。でもよ、あいつが転落した場所自体は必ずしも近くである必要はねーんだ」

美琴「……どういうこと? まさか強風に煽られたとでも言いだすの?」

ルカ「いや、そうじゃねー。……運ばれたんだ」

恋鐘「で、デリバリーばい……?」

ルカ「あいつのバラバラになってた身体……その胴体部なんだが、裏側にワイヤーフックが取り付けられてたんだ。ベルトみたいなものが巻かれててよ、多分そこにワイヤーが通されてたんだと思う」

ルカ「そのワイヤーを別の離れた高所から、あの落下地点まで通すと……メカ女の身体はそのワイヤーに従って、しっかりと転落してくれるわけだ」

あさひ「夏葉さんは垂直に落下したんじゃなくて、斜めに落下したって言うことっすね」

ルカ「ああ、ロープウェーの要領で勢いよく死体を運んで地面に衝突させる。これならオイルの問題も解決できるだろ?」

恋鐘「ちょ、ちょっと待たんね! 画期的な方法のように言うとるけど、根本的な問題は解決しとらんたい!」

恋鐘「落下したら命を落とすような高所、それが見つかっとらん時点で推理は破綻しとるはずばい!」

美琴「それはあくまであの死体発見現場付近の話。視野を第4の島全体にまで広げれば候補は見つかるよ」

ルカ「ああ、美琴の言う通り。手元の電子生徒手帳で島の見取り図を見てみろよ」

(死体発見現場からはある程度離れたところ、かつ一直線にロープウェーで運べる場所が、あいつを落下させたスタート地点だ)

-------------------------------------------------
【スポットセレクト開始!】

【夏葉は第4の島のどこから落下した?】


画像:https://imgur.com/a/LdQZuPO


【正しい場所を指摘しろ!】

↓1

424: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2022/05/17(火) 21:38:57.74 ID:NwZAJDej0
観覧車

425: ◆vqFdMa6h2. 2022/05/17(火) 21:40:02.57 ID:EamTORDe0

ルカ「ここだ!」

【解!】

ルカ「観覧車……誰かを落下させるうえではこれ以上なくうってつけのアトラクションじゃねーのか?」

智代子「観覧車はそんな物騒な乗り物じゃないはずなのに……うぅ」

冬優子「でも、確かに条件は揃ってるわね。死体発見現場からは直線で繋がる、落下すれば即死だろう高低差、それにアトラクション自体の速度はかなり控えめ。工作をするにはうってつけね」

恋鐘「他んアトラクションやと山が障害になっとったりするけん、ロープウェーばやるんやったら観覧車を使う他なさそうたい」

ルカ「犯人は観覧車を利用してその高さの頂点になるところから、あいつを滑り落としたんだよ」



【透「それは違うよ」】反論!



透「観覧車を使ったロープウェー。それっておかしくない?」

ルカ「あ? 何がだよ、あの島で他に利用できそうなものもねーし、条件は整ってんだろ」

透「高さ、位置関係……確かにやりやすそうに見えるけどさ。観覧車は犯行には向かないよ」

ルカ「犯行には向かないだと……?」

透「よーし、それじゃやろっか」

透「正面対決……手は抜かないから」

426: ◆vqFdMa6h2. 2022/05/17(火) 21:41:05.69 ID:EamTORDe0
-------------------------------------------------
【反論ショーダウン開始!】

発言力:♡×9
集中力:☆×5

コトノハ
‣【島のパンフレット】
‣【夏葉の眼球】
‣【おやすみスイッチ】
‣【極上の凶器】
‣【死体の焦げ跡】
‣【モノクマファイル4】
‣【ワイヤーフック】


透「ロープウェーを利用して遠くから運んで落とす」

透「それ、出来そうではあるけどさ」

透「高さと位置関係」

透「観覧車は確かに条件は揃ってるけど」

透「そこから人を滑り落とすのは難しいよ」

透「観覧車だからこそ、ね」

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
【発展!】

ルカ「観覧車と発見現場なら高低差もバッチリだ」

ルカ「勢いよく滑り落とせば十分殺害は可能だった筈だぜ」

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

透「それだけ見ればできる感じに思えるけど」

透「大事なのは観覧車であること」

透「観覧車は【ずっと回ってる】じゃん」

透「グルグル動いてる観覧車からロープウェーしようとしてもさ」

透「どこかで引っかかったり、角度が動いたりしてやりづらそうに思うんだよね」

透「無理じゃない? やっぱ」


【矛盾する発言を正しいコトノハでコンマ70以上で論破しろ!】


1.発言する(コトノハと斬りつける先の発言を併せて指定安価)
2.集中力を使う(コトノハの数が減る)

↓1

427: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2022/05/17(火) 21:42:57.88 ID:NwZAJDej0
【極上の凶器】→【ずっと回ってる】

428: ピトスオーバーキル ◆vqFdMa6h2. 2022/05/17(火) 21:46:50.59 ID:EamTORDe0

ルカ「それは違うぞ!」

【BREAK!】

ルカ「確かに観覧車は通常ロープウェーのスタート地点には向いてない。お前の言う通り、常に回転をしているからだ」

雛菜「運んでる最中に動いちゃったら失敗しちゃいそうですよね〜」

ルカ「それなら、止めちまえばいい」

透「えっ、止める?」

ルカ「あの観覧車……私たちはもずっと動いてる姿しか見てこなかったけどよ、事件当時も動いていたとは限らない。その可能性を示すことだってできるぜ」

ルカ「なあ、美琴……そうだろ」

美琴「……極上の凶器、だよね」

智代子「極上の……凶器……?」

ルカ「私も知らなかったんだけどよ、あの動機が提示された時に同時に第4の島で解放されていた施設……ファイナルデッドルーム、ってのがあったらしい」

あさひ「命をかけたゲームに挑戦して、クリアすれば極上の凶器が貰えるっていう触れ込みだったっす。わたしも調査したかったっすけど……冬優子ちゃんに止められちゃったので中は見てないんすよね」

(私だって、それをちゃんと理解していれば美琴のことを止めたのに……)

(美琴のやつは暴走して突っ走り、勝手にクリアまでしちまった)

(……今は、悔やんでも仕方ねえ。命懸けで美琴が取ってきた証拠から考えられる事実だけに集中しろ)

429: ◆vqFdMa6h2. 2022/05/17(火) 21:47:47.61 ID:EamTORDe0

ルカ「美琴、その極上の凶器の正体……お前は知ってるんだろ。教えてくれよ、美琴……!」



美琴「……これのことだよ」



美琴が指先でつまみ上げるようにしたのは……ごくごく一般的なアルミの鍵。
片手に収まるほどの鍵には何も仕込まれている様子もない。

……つまりは。


ルカ「その鍵で開けられる場所が、重要な意味を持つってことかよ……!」

美琴「そういうこと、ルカが実際目にした通りだよ」

ルカ「捜査時間の終わり際。私の見ている中で観覧車が完全に停止した。あれって美琴がやったんじゃないのか?」

美琴「……」

智代子「それってつまり……その鍵はスタッフルームの鍵ってこと?」

あさひ「第4の島のアトラクションを完全の制御できたら、確かにこれ以上ない凶器になりそうっすね」

恋鐘「でも、そがん場所があったとね? 島は一通りうちも見たけど、アトラクションを制御するような場所なんて……」

ルカ「ひとつだけ、あっただろ? 中に何があるのかも分からない、完全に扉を閉ざされた空間が」

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【スポットセレクト開始!】


画像:https://imgur.com/a/LdQZuPO


【美琴が極上の凶器を使用した場所を指摘しろ!】

↓1

430: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2022/05/17(火) 21:51:29.15 ID:NwZAJDej0
ネズミー城

431: ◆vqFdMa6h2. 2022/05/17(火) 21:55:01.82 ID:EamTORDe0

【発言力:♡×9→♡×8】

恋鐘「ルカ? あん城はそもそも鍵穴すらなかったばい! 中身は分からんけど、鍵を使ったところでどうしようもなか!」

(違ったか……確かにあの城は中身は見えちゃいないが、極上の凶器の対象外だ)

(鍵を使えば中に入れそうな場所……どこかになかったか?)

-------------------------------------------------
【スポットセレクト開始!】


画像:https://imgur.com/a/LdQZuPO


【美琴が極上の凶器を使用した場所を指摘しろ!】

↓1

432: ◆vqFdMa6h2. 2022/05/17(火) 21:55:37.24 ID:EamTORDe0

【発言力:♡×9→♡×8】

恋鐘「ルカ? あん城はそもそも鍵穴すらなかったばい! 中身は分からんけど、鍵を使ったところでどうしようもなか!」

(違ったか……確かにあの城は中身は見えちゃいないが、極上の凶器の対象外だ)

(鍵を使えば中に入れそうな場所……どこかになかったか?)

-------------------------------------------------
【スポットセレクト開始!】


画像:https://imgur.com/a/LdQZuPO


【美琴が極上の凶器を使用した場所を指摘しろ!】

↓1

433: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2022/05/17(火) 21:56:37.05 ID:NwZAJDej0
モノミハウス

434: ◆vqFdMa6h2. 2022/05/17(火) 21:58:57.08 ID:EamTORDe0

ルカ「ここだ!」

【解!】

ルカ「モノミの家……あの部屋、島が解禁した当初は随分と必死にモノミの奴が守っていた筈だが、あの中に何があるのかすらもあいつは一言も言わなかった」

ルカ「それに大体、鍵のかかった部屋なんてあの島じゃそこぐらいのもんだ。ネズミー城はそもそも鍵を挿すための穴がないんだしな」

ルカ「お前はモノミの家の鍵を開けて……そこでアトラクションの操作をしたんだろ!」

美琴「……うん、その通り。大正解だよ、ルカ」

美琴「この鍵はモノミちゃんの家の鍵……扉を開けてみれば家とは名ばかりの施設だったけどね」

モノミ「うぅ……あちしのプライベートが素っ裸のズル剥けにされちゃったでちゅ……」

智代子「みょ、妙に嫌な表現だなぁ……」

ルカ「アトラクションの制御ってのはどこまで操れるものなんだ? あの時は静止させてたけど、もっといろいろ弄れるんじゃねーのか?」

美琴「運転と停止の切り替えはもちろん、アトラクションの操作もできたかな。たとえばジェットコースターを逆走させることも、フリーフォールを空中で停止させることもできる」

冬優子「ふぅん……それなら観覧車を停止させることも簡単そうね」

恋鐘「夏葉ば載せたゴンドラを観覧車の頂点で静止させて、そこからロープウェーを伝わせて急速に滑り落としたってことやね!」

ルカ「ああ、この方法ならあいつの転落死にだって説明がつくだろ?」

435: ◆vqFdMa6h2. 2022/05/17(火) 21:59:34.35 ID:EamTORDe0



あさひ「……」


あさひ「美琴さん、ちょっといいっすか?」

美琴「……何?」

あさひ「アトラクションの操作って、モノミの家からしか出来ないっすかね?」

美琴「リモコンなんかはなかったし……マニュアル操作を行う際はあの家の中にいる必要があると思うけど……それがどうかした?」

あさひ「……そっすか、ありがとうっす」




あさひ「ルカさん、観覧車を利用したロープウェー……多分不可能っすね」




436: ◆vqFdMa6h2. 2022/05/17(火) 22:02:30.30 ID:EamTORDe0

ルカ「あ……? な、なんだよ急に……」

あさひ「だって、その方法は一人じゃ行えない方法っすから」

ルカ「……え?」

あさひ「ゴンドラを止める人と、夏葉さんの身体をロープウェーの軌道上に載せる人。これって別じゃないと出来ないっすよね?」

透「あー、そっか。ゴンドラを止めるには地上にいなきゃだけど、地上にいたんじゃ、ロープウェーに載せることはできない」

透「分身でもしなきゃ、不可能なわけだ」

ルカ「い、いや待て! 確かにそれはそうかもしれねーが、別に一人でも行えなくはねーだろ! ゴンドラに犯人が乗り込まずとも、頂点に着いた位置で扉が勝手に開く仕掛けでも作れば、そこからロープウェーに載せて……」

あさひ「思い出してほしいっす、ジェットコースターの全員参加みたいに、他のアトラクションにもいくつか【制約】のつけられているものがあったはずっすよ」

ルカ「制約、だと……?」

智代子「あの観覧車に何かそんな制約なんて……」

智代子「……あっ!」

恋鐘「智代子、なんか心当たりがあるとね?!」

437: ◆vqFdMa6h2. 2022/05/17(火) 22:03:25.60 ID:EamTORDe0

智代子「制約っていうか……安全のための規則、に近いと思うんだけど……あの観覧車って、【一定の高度以上になるとゴンドラの扉がロックされる〕んじゃなかった!?」

ルカ「なっ……なんだと……!?」

モノクマ「というか当たり前の仕組みだよね、お客さんが落下して事故物件にでもなったらこっちだって商売あがったりなんだからさ。偶然にも扉が開いて落下する……なんて事態はこちらも予防済みなんですな!」

あさひ「観覧車を使えばロープウェーになるかもしれないっすけど、それを利用するのが不可能なんじゃ意味ないっす。ルカさんの推理は破綻してるっすよ」


ルカ「ぐ……ぐぐ……」


ルカ「ぐああああああ!」


(ダメだ……こいつの言う通りだ、観覧車をロープウェーにするための工作と、実際に滑り落とさせるのとは別の人間が行う必要がある)

(共犯関係がこの島では成立しないことを鑑みても、この方法は不可能だ……!)

438: ◆vqFdMa6h2. 2022/05/17(火) 22:05:28.65 ID:EamTORDe0

あさひ「それに、ずっと疑問だったんすけどロープウェーにするにしても、着地点がないっすよね?」

雛菜「着地点~?」

あさひ「ロープウェーって高低差の他に、その二つの地点に導線を結ぶだけの頑丈な柱みたいなものが必要になるはずっす。観覧車はその要件を満たすっすけど、死体発見現場付近には導線を結べそうなものもないっすよ」

冬優子「確かにそれはそうね……そんなものがあるのなら、そこから突き落としたほうが早いわけだし」

恋鐘「ロープウェーみたいにして運んでくるってのはナイスアイデアと思っとったのに……」

ルカ「……確かに中学生の言う通りだ、私の推理はツッコミどころ……論理に欠陥が多い破綻した推理だったよ」

智代子「ル、ルカちゃん元気出して! 大丈夫、誰も怒ってないよ!」

ルカ「んなもん気にしちゃいねーよ、行けたと思った分余計にイラついてるだけだ」

美琴「……でも、極上の凶器を犯人が利用したのは間違いないと思うよ」

美琴「私がファイナルデッドルームをクリアした時、『初クリア特典』のものはなくなっていた。それって、私より先に誰かがクリアしていた証拠だよね」

ルカ「お、おい待てよ……極上の凶器って、その鍵の事だけじゃねーのか……!?」

美琴「え? うん……あの部屋には一通りの凶器が揃ってたかな。ナイフや銃もあったと思うし……」

美琴「でも、モノクマの言う極上の凶器はこの鍵の事で間違いないと思う。クリアした人間は全員極上の凶器が手に入るって言う触れ込みだったから。私が入手できなかったその『初クリア特典』はきっと人の命を奪えるようなものではないはずだよ」

あさひ「それこそ、ジェットコースターに乗った時にもらったファイルみたいな『情報』なのかもしれないっすね」

(犯人は遊園地のアトラクションを自由に利用できた……)

(あの鍵を活用しない手はないもんな……何かしらの方法でアトラクションを犯行には組み込んであるはずだ)

439: ◆vqFdMa6h2. 2022/05/17(火) 22:07:16.09 ID:EamTORDe0

智代子「うーん、極上の凶器の情報はあったけど……推理は振出しに戻ったね」

透「結局、どこから落下してきたのかもわからないまま。運んだ方法も謎」

透「難しいね、学級裁判」

雛菜「死体があった周辺、なんにもなさすぎるもんな~。もっと分かりやすいところで殺害してくれたらよかったのに~」

冬優子「ホント、ただの島の外周ってんだから手掛かりも何もあったもんじゃないわよね」

ルカ「島の……外周……」

ルカ「……そういえば、どうしてあいつはあんなところで死んでたんだ?」

美琴「……どういう意味?」

ルカ「何度も議論で確認した通り、あいつの死体があった場所は周りに何もない場所だ。突き落とすような場所も、ロープウェーを結べるような建造物も、何一つない」


ルカ「そんなところで、わざわざ殺害するのって……変じゃないか? 犯人があんな場所を殺害現場に選ぶのって……おかしくないか?」


440: ◆vqFdMa6h2. 2022/05/17(火) 22:08:16.21 ID:EamTORDe0

智代子「た、たしかに……? もし、私が誰かを襲うんだとしたら……もっと何か利用できるものがある場所を選ぶかも……?」

透「犯人はファイナルデッドルームをクリアしてる。だとしたら、アトラクションを利用しやすい場所で殺害するはず、だよね」

ルカ「そうだ……そもそも犯人がアトラクションを活用できた可能性から、観覧車に行きついたわけだしな」

ルカ「……どうしてメカ女は、あんな何にもないところで殺されてる……?」

雛菜「ん~……でも、死体の状況からして死因は転落死の可能性が高いんでしょ~?」

ルカ「そのはずだ。あんな頑丈な体をしていたメカ女、私たちのマンパワーじゃとても破壊なんてできやしねえ」

あさひ「考えてみると、それも変な話っす。わたしたち生身の人間ならまだしも、相手は機械の夏葉さんっす。確実に殺害したいなら、もっと固い地面にぶつけようとするはずっすよね」

智代子「それこそ、果穂がやったみたいにコンクリートの地面とか……砂はあんまり選ばないかも?!」

ルカ「……どうなってる? 妙なことになってきたぞ……あいつの死因と、犯人の思惑……それが微妙に噛み合ってないような……」

透「それなら、考えてみようよ」

透「ズレてるように見える二つ……もしかすると、見方が違うだけで本当は掠ってる……のかもしれないしさ」

(見方が違う……?)

(もしかして、私たちは……何か大きな思い違いをしてるんじゃないか……?)

441: ◆vqFdMa6h2. 2022/05/17(火) 22:09:10.08 ID:EamTORDe0
-------------------------------------------------

【ロジカルダイブ開始!】


Q1.夏葉はどこから落下した?
A.観覧車 B.ジェットコースター C.ドローンで空中から D.落下などしていない

Q2.夏葉はどうやって落下した?
A.垂直 B.ロープウェー C.別の方法 D.落下などしていない

Q3.なぜ夏葉は落下させられた?
A.命を奪うため B.死体に損壊を与えるため C.死体の発見現場をずらすため D.落下などしていない

Q4.夏葉の死因は?
A.ハンマーによる撲殺 B.高所からの転落死 C.何か別の死因


【正しい道筋を選んで推理を組み立てろ!】

↓1

442: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2022/05/17(火) 22:19:27.96 ID:NwZAJDej0
BCCC

443: ◆vqFdMa6h2. 2022/05/17(火) 22:21:53.28 ID:EamTORDe0

【発言力:♡×8→♡×7】

(いや、ジェットコースターは全員が揃っていないと動かすことができない……)

(ワイヤーを仕掛けようにもレール上にも、コースター上にも結び付けるのは難しいだろうな)

(そう考えるとやっぱり、仕掛けられた場所ってのは……)

-------------------------------------------------

【ロジカルダイブ開始!】


Q1.夏葉はどこから落下した?
A.観覧車 B.ジェットコースター C.ドローンで空中から D.落下などしていない

Q2.夏葉はどうやって落下した?
A.垂直 B.ロープウェー C.別の方法 D.落下などしていない

Q3.なぜ夏葉は落下させられた?
A.命を奪うため B.死体に損壊を与えるため C.死体の発見現場をずらすため D.落下などしていない

Q4.夏葉の死因は?
A.ハンマーによる撲殺 B.高所からの転落死 C.何か別の死因


【正しい道筋を選んで推理を組み立てろ!】

↓1

444: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2022/05/17(火) 22:23:42.54 ID:KpU8yjF80
ACCC

445: ◆vqFdMa6h2. 2022/05/17(火) 22:25:21.55 ID:EamTORDe0

ルカ「推理はつながった!」

【COMPLETE!】

ルカ「……観覧車を利用したロープウェー。それが不可能なのは間違いない。人数の問題はどうやったって解決しないからな」

ルカ「だがよ……位置関係からしても観覧車以上にメカ女の落下に最適な場所もねえんだ。ともなると、ワイヤーと観覧車を使った別の方法がなされたと考えるべきだ」

ルカ「そして、そうまでしてメカ女を運ぼうとした意味……それって偽装工作のためなんじゃねーか?」

冬優子「どういうこと? あいつの死因は転落死って確定したんじゃなかったの?」

ルカ「……そもそも、その認識が危うかったんだ。モノクマファイルを見てみろ、あいつの死因は『全身に強い衝撃を受けたことにより回路系統を損傷して機能停止を起こしたことをもって死亡したと判定した』としか書いてない。確かに転落死ならその要件を満たしうるけど、直接の死因として確定させられるわけじゃねえ」

ルカ「元々の死因に上塗りする形で大きく損壊を与えられた可能性だってあるはずだ……!」

雛菜「ん~? まだ言ってる意味が雛菜はよく分からないんですけど~」

雛菜「オイルは現場にぶちまけられていましたし、そこで死んだって話なんじゃなかったんですか~?」

ルカ「いや、正確にはそうじゃない。あのオイルは他に引きずったような跡がなかったから、現場があそこだと私たちは断定しただけ」

ルカ「死後、あそこに落下させられてオイルをぶちまけただけの可能性は十分ある」

446: ◆vqFdMa6h2. 2022/05/17(火) 22:26:43.56 ID:EamTORDe0

恋鐘「それはおかしかよ、ルカ! うちらならまだしも、夏葉はアンドロイドになっとったばい! 死因なんて、強い衝撃ば受けて壊れるほかにあるはずがなかよ!」

透「死ぬっていうか、壊れる……って感じだよね」

あさひ「多分、夏葉さんの内部の回路が壊れる……基盤が壊されることをもって、死ぬ判定にしてると思うっす。正常に作動できなくなった時点で死んだことになる」

あさひ「それなら、別の方法で先に機能を停止させておけば問題はなさそうっすね」

ルカ「その【先に機能を停止させた現場】、つまり殺害現場……そこから私たちの目をそらしたかったんじゃないか?」

冬優子「随分と回りくどいんじゃない? そんなことをする意味がどこにあるのよ」

美琴「現場に決定的な証拠があるから、だろうね。しかもそれは犯人が隠滅できるようなものじゃない、犯人にとっては最悪の証拠のはずだよ」

ルカ「元々の死因を特定されると、それが犯人に直結するようなものだった……だから咄嗟にあいつの体を運んで、死体発見現場をずらしたんだろ」

雛菜「じゃあ、ロープウェーではない何か別の方法で、死体を殺害現場から運び出して~」

雛菜「その移動の結果、落下することになったからあんな風にオイルが死体発見現場に散らばっていたってことなんですね~」

冬優子「待ちなさい、今の話は全部ルカの仮説でしかないでしょ? 別の死因なんか推定して、随分な回り道をすることにならない?」

恋鐘「うちもそう思うばい、モノクマファイルと転落死は矛盾なく繋がるし、わざわざ別の可能性を考える必要は本当にあると?」

あさひ「夏葉さんがもし、ただの転落死で命を落としてるんだったら死体には疑問が残るっす」

あさひ「転落しただけでは死体に残らないものが、あの死体にはあったはずっすよ」

(転落しただけでは死体に残らないもの……もしかして、あれのことか?)

-------------------------------------------------
【正しいコトダマを指摘しろ!】

>>402 >>403

↓1

447: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2022/05/17(火) 22:28:51.92 ID:KpU8yjF80
焦げ跡

448: ◆vqFdMa6h2. 2022/05/17(火) 22:30:53.87 ID:EamTORDe0

ルカ「これだ!」

【解!】

ルカ「死体の一部についてた焦げ跡……あれか?」

あさひ「はいっす。夏葉さんの身体はバラバラになってたっすけど、その一部がまるで焼かれたみたいに真っ黒こげになってる部分があったっす」

智代子「ほんとだ! 他はアンドロイド風の白っぽい素体なのに、ここの部分だけ黒くなっちゃってる……!」

ルカ「死体がバラバラで若干気づきづらいもんだったし、当初はワイヤーを使用したロープウェーで推理を進めてた。だからこの焦げもワイヤーとの摩擦でついたものかと思っちまってたが……」

ルカ「もしかすると、メカ女の本当の死因を指し示す証拠になりうるかもしれねえ……!」

透「うーん……でもさ、アンドロイドになってたんだし、燃えただけで死ぬのかな」

ルカ「あ?」

透「あの体、多分めっちゃハイテクだよ。それこそモノケモノをぶっ飛ばすぐらいの力もあったし、ほかにも機能がいっぱいあった。並大抵のことじゃ壊れない……だから転落死っぽいなってなったし」

あさひ「モノクマ! 夏葉さんの耐熱性を知りたいっす!」

モノクマ「えぇ~、なんだよ面倒くさいなぁ……そのぐらいのこと、自分で調べてよ」

モノミ「何言ってるんでちゅか! こんなの、自分でどうやって調べるって言うんでちゅか!」

449: ◆vqFdMa6h2. 2022/05/17(火) 22:34:33.85 ID:EamTORDe0


モノクマ「う~ん……確かにオマエラの言う通り、有栖川さんの身体は並大抵のことでは壊れはしません。もともと小宮さんのおしおきに乱入して大けがを負った身体だったんですからね、それを補えるような改造を施しました」

モノクマ「耐熱性はそれこそ災害救助マシンぐらいにはあるはずですね、ただ焼かれただけじゃ壊れるようなことはないんじゃないかな」

透「……ってね」

恋鐘「ふふーん、体が高熱になっただけじゃ夏葉の身体はびくともせんとよ! 残念やったね、ルカ!」

ルカ「なんでお前が得意げなんだよ……それに、別に私はアイツの死因を焼死だと断定したつもりなんかねーぞ」

ルカ「大体、焼死じゃモノクマファイルに矛盾が生じちまうからな。あいつがバカでかい衝撃を受けたことは間違いない……あの焦げ跡とその衝撃とを合わせて考えてみると、あいつの死因もだんだんと見えてくんだろ」

冬優子「有栖川夏葉の本当の死因……」

(……それなら私が教えてやるか、メカ女の本当の死因ってのを……!)

-------------------------------------------------

【発掘イマジネーション開始】!

有栖川夏葉の本当の死因は■■■である!

【指定の範囲内のコンマを出して結論を掘り当てろ!】


1文字目 21~40
2文字目 41~60
3文字目 61~80


↓1~8

450: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2022/05/17(火) 22:35:40.11 ID:KpU8yjF80

451: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2022/05/17(火) 22:36:08.22 ID:NwZAJDej0

452: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2022/05/17(火) 22:36:33.14 ID:KpU8yjF80

453: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2022/05/17(火) 22:37:13.35 ID:NwZAJDej0

454: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2022/05/17(火) 22:37:36.15 ID:KpU8yjF80

455: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2022/05/17(火) 22:37:50.90 ID:NwZAJDej0

456: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2022/05/17(火) 22:38:25.71 ID:NwZAJDej0

457: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2022/05/17(火) 22:38:52.47 ID:KpU8yjF80

458: ◆vqFdMa6h2. 2022/05/17(火) 22:45:37.88 ID:EamTORDe0

【コンマ11 22 14 35 15 90 71 47】

カンカンカンカン……

【発掘完了!!】

【ぞろ目ボーナス発動!】

【モノクマメダル3枚を手に入れました!】

_______________________

有栖川夏葉の本当の死因は爆死である!
_______________________

ルカ「降りて来たぜ、天啓ってやつがよ!」

【COMPLETE!】

ルカ「爆死だ……あいつは、文字通りに爆発の衝撃で命を落としたんだ」

冬優子「……なんだか、馴染みある響きね」

智代子「ば、爆死ってあの……どっかーーーーーんっていう爆死!?」

ルカ「ああ、今お前が想像したとおりの爆死だ。一見バカげてるようだが、ちゃんと要件は満たすだろ? 激しい炎に大きな衝撃、あいつの死体の状況にぴったりと符合する」

459: ◆vqFdMa6h2. 2022/05/17(火) 22:46:35.65 ID:EamTORDe0

美琴「確かにそうだけど……それって変だよね」

美琴「何度も確認するようだけど、彼女は生身の人間ではなかった。彼女を爆殺しようとするなら、かなり大きな爆発になったはず……」

恋鐘「モノクマが花火大会に混入させた紛らわしか爆弾ぐらいの火力は必要になるたい!」

智代子「あの花火って、今でも使えるのかな?」

冬優子「前回の動機のときにあさひが悪用しないようにスーパーにあった花火は一通りふゆで回収したけど……あの巨大な花火はなかったわ」

あさひ「わたし、ヘビ花火とかまだまだやりたかったのに冬子ちゃんずるいんっすよ!」

冬優子「とにかく、スーパーにはそんな花火はないと断言できるわ。ふゆが回収して以降は花火も補充されてないようだから」

美琴「それに、花火の有無以前の話だよ」

美琴「彼女を殺害したタイミングで生じる爆音も衝撃も……私たちは知らないよね?」

智代子「むむむ……確かにそんなのはここ最近では一度も味わってはいないかも」

冬優子「有栖川夏葉を殺害するくらいの大規模な爆発。島を跨いでいたからと言って聞こえなかったでは通らなそうね……」

冬優子「どう、ルカ。これに答えを提示できる?」

(……どうだろう、あいつの死因は一番爆発がストレートにしっくりくる気がする)

(でも、私たちのいずれもその爆発を知らない……そんなことがあり得るのか?)


462: ◆vqFdMa6h2. 2022/05/18(水) 21:06:55.71 ID:fabXzL/b0

美琴「彼女を殺害したタイミングで生じる爆音も衝撃も……私たちは知らないよね?」

智代子「むむむ……確かにそんなのはここ最近では一度も味わってはいないかも」

冬優子「有栖川夏葉を殺害するくらいの大規模な爆発。島を跨いでいたからと言って聞こえなかったでは通らなそうね……」

冬優子「どう、ルカ。これに答えを提示できる?」

(……どうだろう、あいつの死因は一番爆発がストレートにしっくりくる気がする)

(でも、私たちのいずれもその爆発を知らない……そんなことがあり得るのか?)

-------------------------------------------------

・爆発がいつ起きたのかを提示する
・爆発の音を消す方法を提示する
・爆発がどこで起きたのかを提示する

【正しい選択肢を選べ!】

↓1

463: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2022/05/18(水) 21:16:12.77 ID:wh7OhgFY0
・爆発がどこで起きたのかを提示する

遺体の発見現場と事件の発生現場が同じとは限らないかと

464: ◆vqFdMa6h2. 2022/05/18(水) 21:18:42.09 ID:fabXzL/b0

ルカ「これだ!」

【解!】

ルカ「確かに私たちは誰一人として、そんな爆発を見ても聞いてもいやしねえ。でも、だからといって爆発がなかったとは認められねえな」

冬優子「それはつまり、あんたには答えがあるってことよね?」

ルカ「ああ、私たちに気取らせずにメカ女を爆殺する方法がただ一つだけ存在するんだ」

透「気づかせないで、爆殺……」

雛菜「ん~? そんな静か~な爆発で人を殺せるんですか~?」

ルカ「いや、何も爆発を小規模に抑えるってわけじゃねえ。爆発自体はさっきも言った通りハチャメチャにデカかったはずだ。そうでもないとあの鋼鉄の身体は破壊できない」

ルカ「犯人にとって重要だったのは、殺害する場所だ」

智代子「殺害場所……はっ! そ、そういえば……さっきまでの議論で、夏葉ちゃんは本当の殺害現場から動かされたって話だったよね!?」

智代子「そこに、犯人につながる重要な手がかりがあるからっていう……それ!?」

ルカ「まだ私にはその犯人へとつながる手掛かりは見えちゃいねえが……有栖川夏葉が爆殺だったのだとすれば、現場はあそこを置いて他にないはずだ」

冬優子「どこなのよ、ルカ……その爆発があった場所ってのは」

-------------------------------------------------
【スポットセレクト開始!】


画像:https://imgur.com/a/LdQZuPO


【夏葉が死亡した爆発はどこで起きたか指摘しろ!】

↓1

465: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2022/05/18(水) 21:37:56.74 ID:yk5iMFYC0
ファイナルデッドルーム

466: ◆vqFdMa6h2. 2022/05/18(水) 21:40:46.85 ID:fabXzL/b0

【発言力:♡×7→♡×6】

美琴「……ルカ、その場所は私が事件発生後に足を踏み入れているよ」

美琴「爆発なんて起きた形跡、見かけなかったな」

(違ったか……それに、ファイナルデッドルームは別に防音なんて話もなかった)

(もっと明確に、外と隔絶された空間がどこかにあるはずだ……!)

-------------------------------------------------
【スポットセレクト開始!】


画像:https://imgur.com/a/LdQZuPO


【夏葉が死亡した爆発はどこで起きたか指摘しろ!】

↓1

467: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2022/05/18(水) 21:46:23.84 ID:0whl+Is30
観覧車

468: ◆vqFdMa6h2. 2022/05/18(水) 21:49:31.70 ID:fabXzL/b0

ルカ「ここだ!」

【解!】

ルカ「……やっぱり、この場所は事件に大きく関係していやがんだ」

ルカ「観覧車、有栖川夏葉を爆殺するのならここ以上の現場はねえぞ……!」

雛菜「え~~~~~!?」

雛菜「でも、観覧車って死体を移動させるために使ったんでしょ~? そこで殺害までやっちゃうの~?」

美琴「……考えてみると、自然なことかもしれない」

美琴「夏葉さんの身体は私たち一人で運ぶにはあまりにも重たい。死体の移動経路でもある観覧車と殺害現場が近しいところになるのは自然なことだよね」

ルカ「しかも、あの観覧車には一つ大きな特徴がある。そうだよな、甘党女」

智代子「わ、私!? あ、あのー……何か致しましたでしょうか……」

ルカ「お前が何かしたんじゃなくて……最初に島が開いたとき、お前も私と同じタイミングで観覧車に行っただろ? あの時、モノクマが言ってたある特徴があるはずだ。思い出してみろ」

智代子「特徴……特徴……あ~~~~~~!」


智代子「もしかして、ナパーム弾でも壊れないっていう!?」


469: ◆vqFdMa6h2. 2022/05/18(水) 21:50:14.07 ID:fabXzL/b0

ルカ「ビンゴ。あの観覧車のゴンドラは、ほとんどシェルターみたいな仕様になってやがって爆弾でも壊れないし、その衝撃を漏らさない。内側で大規模な爆発があっても、そのゴンドラ内で完結するはずだ」

モノクマ「さっすがイナセだねぇ、爆発しても大丈夫!」

ルカ「だから私たちが音や衝撃を知らなくても何も支障はない。メカ女を爆殺したことを否定する材料にはなりえないはずだ!」


【冬優子「Are you ready?」】反論!


冬優子「……なるほどね、ゴンドラの中で爆殺すれば音も衝撃も問題なし」

冬優子「あんたの言い分はよくわかったわ、見かけに似合わず観覧車が大好きってこともね」

ルカ「はぁ……!? ち、ちげぇ……!!」

冬優子「でもね、あんたは重要な見落としをしてる。転落死説が有力だったときは考えなくていい要素だったから忘れちゃってるんだろうけど……」

冬優子「この問題がある限り、今のあんたの推理もただの仮説どまりだから」


470: ◆vqFdMa6h2. 2022/05/18(水) 21:51:50.53 ID:fabXzL/b0
-------------------------------------------------

【反論ショーダウン開始!】

発言力:♡×6
集中力:☆×5

コトノハ
‣【夏葉の眼球】
‣【島のパンフレット】
‣【泥】
‣【モノクマファイル4】
‣【おやすみスイッチ】
‣【ワイヤーフック】
‣【極上の凶器】


冬優子「有栖川夏葉の死体の損壊状況」

冬優子「死体についた焦げ跡」

冬優子「併せてみると確かに一見すると爆殺風よね」

冬優子「音と衝撃も観覧車のゴンドラなら問題なし」

冬優子「だけどルカ、あんたは重大な見落としをしてるのよ」

冬優子「この一点で、あんたの推理は瓦解するの」

◆◇◆◇◆◇◆◇

【発展!】

ルカ「推理の見落とし……? んなもん、どこにあんだよ」

ルカ「私の推理に矛盾があるなら言ってみやがれ!」

ルカ「あと言っとくけど、別に観覧車が好きだとか、そんなのは全く違うからな……」

◆◇◆◇◆◇◆◇


冬優子「観覧車のゴンドラはさっきも確認した通り完全な密室」

冬優子「しかも一定の高度以上では扉にロックまでかかる」

冬優子「犯人もその密室からは出られないのよ」

冬優子「そんなところで爆殺なんてしてごらんなさい」

冬優子「有栖川夏葉と【共倒れ】じゃないのよ」

冬優子「生憎ながら他の連中は全員無事」

冬優子「爆殺なんかしようがないわ」


【矛盾する発言を正しいコトノハでコンマ70以上で論破しろ!】


1.発言する(コトノハと斬りつける先の発言を併せて指定安価)
2.集中力を使う(コトノハの数が減る)

↓1

471: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2022/05/18(水) 21:54:25.56 ID:0whl+Is30
【おやすみスイッチ】→【共倒れ】

473: ◆vqFdMa6h2. 2022/05/18(水) 21:58:48.86 ID:fabXzL/b0

【コンマ56】

【ピトス・エルピスの効果によりコンマの値が+15されます】

【最終コンマ71】


ルカ「その矛盾、斬らせてもらうぞ!」

【BREAK!】

ルカ「確かにあのゴンドラは完璧な密室だ。だからこそ、あいつを殺害した爆発を私たちは感知せずに済んでるわけだしな」

ルカ「でも、だからといって犯人もそれで必ずしも共倒れになるわけじゃない……」

冬優子「はぁ……? 何よそれ」

ルカ「何も犯人が同じゴンドラに乗っている必要はないんだよ。あいつだけ載せることができれば、あとは爆弾を勝手に爆発させればいい」

あさひ「時限爆弾とかっすね。一定の時間が経った後で、勝手に爆発する仕掛けがあれば犯人がその場にいる必要はないっす」

雛菜「あは〜! 確かに〜!」

智代子「リモコン爆弾なんかもありかもしれないよね! 外から遠隔で爆発させれば犯人は無事だよ!」

冬優子「ちょっと待ちなさい、そんなの……有栖川夏葉がまず抵抗するでしょ? 一切抵抗も何もなく、そのままあいつは爆殺されたっての?」

ルカ「あいつは自分でとる睡眠の他に、押された瞬間強制でスリープモードに入るスイッチがついていた。犯人はそれを押して、無抵抗な状態になったメカ女を爆弾と一緒にゴンドラにぶち込んだんだ」

ルカ「何も犯人が爆発の現場に居合わせる必要はない。メカ女は無抵抗なままにその爆破の衝撃を浴びてくれるんだからな」

474: ◆vqFdMa6h2. 2022/05/18(水) 21:59:52.06 ID:fabXzL/b0

透「じゃあ、今回の死因は爆死で確定?」

雛菜「え〜? でも、爆殺された具体的な証拠はないんだよ〜?」

あさひ「転落死は転落死で成立してないっす。可能性が高いのは現状爆死だと思うっすよ」

冬優子「にしてもねぇ……なんか引っかかんのよね。そんな回りくどいやり方、普通選ぶ?」

智代子「観覧車の条件が整っているからこそだよ! 爆殺をしても、あの観覧車なら問題ないんです!」

恋鐘「モノクマファイルに死因は書いとらんけど……やっぱり転落死のことを言っとるよう

美琴「……ルカの話は全部あくまで仮説だよね」

ルカ「それはそうだけどよ……!」



【モノクマ「そして議論はぶつかり合う!」】意見対立!



モノクマ「盛り上がってきたぁ! 有栖川さんが命を落としたのは転落死なのか、はたまた爆死なのか……!?」

モノクマ「この議論はそのどちらに軍配があがるんだ〜〜〜!?」

(メカ女の死因はきっと爆死……だからこそ、犯人は殺害現場から死体をわざわざ移したんだ)

(きっと、この死因に犯人へとつながる決定的な手がかりがあるはずだ……!)


475: ◆vqFdMa6h2. 2022/05/18(水) 22:01:26.78 ID:fabXzL/b0
-------------------------------------------------
【意見対立】

【議論スクラム開始!】

「有栖川夏葉は転落死だ!」vs【有栖川夏葉は爆死だ!】

発言力:♡×6
集中力:☆×5


恋鐘「モノクマファイルの死因もどうみても転落死のことを書いとるたい! ルカたちは勘ぐりすぎやけん!」

雛菜「オイルは死体発見現場にぶちまけられてましたし、それってイコール死因なんじゃないですか~?」

恋鐘「観覧車から滑り落とすようにすれば、周りになんもなくとも夏葉を殺すことは可能やったと!」

雛菜「ロボットを壊しちゃうぐらいにおっきな爆発があったら誰か気づくはずでしょ~? 雛菜たちは誰もそんなの聞いてないよ~?」

冬優子「爆殺なんて言ったって……そんな爆発、どうやって起こすっていうのよ。花火大会の花火は全部使いきったはずよ」

美琴「ルカの推理は全部仮説でしかない……どうして爆死だなんて断言ができるの?」

-------------------------------------------------
【意見スロット】

【ロープウェー】
【手段】
【モノクマファイル】
【可能性】
【ゴンドラ】
【オイル】

-------------------------------------------------

【意見スロットを正しい順番に並び替え、敵スクラムを向かい討て!】

1.スクラムを指示する(解答)
2.集中力を使う(一部スロットが自動で正答位置に並び代わる)

↓1

476: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2022/05/18(水) 22:04:08.72 ID:0whl+Is30
【モノクマファイル】
【オイル】
【ロープウェー】
【ゴンドラ】
【手段】
【可能性】

477: ◆vqFdMa6h2. 2022/05/18(水) 22:07:45.34 ID:fabXzL/b0

【ルカ「退いてろ!」】

恋鐘「モノクマファイルの死因もどうみても転落死のことを書いとるたい! ルカたちは勘ぐりすぎやけん!」
【ルカ「甘党女!」
智代子「モノクマファイルに書かれている死因は爆死でも十分成立するはずだよね!」】

雛菜「オイルは死体発見現場にぶちまけられてましたし、それってイコール死因なんじゃないですか~?」
【ルカ「中学生!」
あさひ「オイルがぶちまけられてても、それは殺害現場とは限らないっす。あくまで破壊されただけっすよ」】

恋鐘「観覧車から滑り落とすようにすれば、周りになんもなくとも夏葉を殺すことは可能やったと!」
【ルカ「ここは私が!」
ルカ「さっき中学生の言った通りだ……ロープウェーの方法はとっくに破綻してんだよ」】

雛菜「ロボットを壊しちゃうぐらいにおっきな爆発があったら誰か気づくはずでしょ~? 雛菜たちは誰もそんなの聞いてないよ~?」
【ルカ「甘党女!」
智代子「あのゴンドラはシェルターと一緒だよ! 爆発があったところで、その音も衝撃も漏らさないんだ!」】

冬優子「爆殺なんて言ったって……そんな爆発、どうやって起こすっていうのよ。花火大会の花火は全部使いきったはずよ」
【ルカ「浅倉透!」
透「ファイナルデッドルーム。あそこなら可能性はあるよね」】

美琴「ルカの推理は全部仮説でしかない……どうして爆死だなんて断言ができるの?」
【ルカ「ここは私が!」
ルカ「なにも決めつけてるわけじゃねえ……可能性はこっちの方が高いってだけだ!」

-------------------------------------------------
【CROUCH BIND】

【SET!】

【コンマの合計値360以上で相手のスクラムを打ち破れ!】

↓直下より六回連続でコンマ判定

478: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2022/05/18(水) 22:08:54.34 ID:yk5iMFYC0

479: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2022/05/18(水) 22:09:30.49 ID:VcmPALsiO

480: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2022/05/18(水) 22:10:35.23 ID:VcmPALsiO

481: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2022/05/18(水) 22:10:41.45 ID:0whl+Is30

482: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2022/05/18(水) 22:11:21.40 ID:VcmPALsiO

483: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2022/05/18(水) 22:13:07.68 ID:wh7OhgFY0
爆破で死亡したのか死後に爆破されたのか、それが問題だ

484: ◆vqFdMa6h2. 2022/05/18(水) 22:17:54.56 ID:fabXzL/b0

【コンマ 34 49 23 45 40 68】

【ピトス・エルピスの効果によりコンマの値が+15ずつされます】

【最終コンマ 49 64 38 60 55 83】

【合計値 349】

【発言力:♡×6→♡×5】

(ぐっ……結構やるじゃねーか)

(でも、ここは絶対に譲れない……なんとしても乗り越えてやるぞ……!)

-------------------------------------------------
【CROUCH BIND】

【SET!】

【コンマの合計値360以上で相手のスクラムを打ち破れ!】

↓直下より六回連続でコンマ判定

485: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2022/05/18(水) 22:18:18.20 ID:VcmPALsiO

491: ピトス・タリナイ ◆vqFdMa6h2. 2022/05/18(水) 22:26:58.00 ID:fabXzL/b0
【コンマ 20 49 06 54 07 62】

【ピトス・エルピスの効果によりコンマの値が+15ずつされます】

【最終コンマ 35 64 21 69 22 77】

【合計値 288】

【発言力:♡×5→♡×4】

(ぐっ……結構やるじゃねーか)

(でも、ここは絶対に譲れない……なんとしても乗り越えてやるぞ……!)

-------------------------------------------------
【CROUCH BIND】

【SET!】

【コンマの合計値360以上で相手のスクラムを打ち破れ!】

↓直下より六回連続でコンマ判定

492: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2022/05/18(水) 22:27:30.92 ID:VcmPALsiO
たのむ

493: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2022/05/18(水) 22:28:42.38 ID:0whl+Is30
むん

494: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2022/05/18(水) 22:29:27.48 ID:VcmPALsiO
そい

495: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2022/05/18(水) 22:30:07.73 ID:0whl+Is30
がおー

496: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2022/05/18(水) 22:31:54.90 ID:VcmPALsiO
ほわ

497: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2022/05/18(水) 22:32:21.12 ID:0whl+Is30
むん

498: NICE ◆vqFdMa6h2. 2022/05/18(水) 22:36:00.58 ID:fabXzL/b0
【コンマ 92 38 48 73 90 12】

【ピトス・エルピスの効果によりコンマの値が+15ずつされます】

【最終コンマ 107 53 63 88 105 27】

【合計値 443】

【全論破】

「「「「「これが私たちの答えだ!」」」」」

【BREAK!】

ルカ「確かに降ってわいたような可能性で、その裏付けも何もない。……だがよ、あの死体は確実にどこか別の場所から移されたもので、その死体には不自然な焦げ跡もある」

ルカ「爆殺という殺害方法……一考の余地はあるんじゃねーか?」

冬優子「……あんたたちの言いたいことは分かったわ。確かに観覧車のゴンドラを利用すれば、爆殺を行うこと自体は可能だろうし」

雛菜「でも、それってすっごく大きな問題をすっ飛ばした議論ですよね~」

智代子「すっごく大きな問題……?」

雛菜「うん、爆殺のための肝心の凶器がまだ分からないでしょ~? 何度もみんなが言ってるけど、あの機械の体を破壊するほどのおっきな爆発はそうそうの事じゃ起こせないよね~」

雛菜「その爆発を、犯人はどうやって起こしたんですか~?」

透「確かに私たちはこれまでの島の生活じゃそんなのは見つけてないけどさ。可能性なら、残ってるよね」

ルカ「ああ、お前が言ってるのはファイナルデッドルームのことだろ?」

ルカ「あの部屋は極上の凶器の他にもたくさんの凶器が転がっていた、そうだったよな美琴」

美琴「……うん」

ルカ「なら、その中にあった爆弾を拝借してちょちょっと細工さえしちまえば____」


美琴「爆弾なんてなかったよ」


ルカ「……は?」

499: ◆vqFdMa6h2. 2022/05/18(水) 22:37:02.29 ID:fabXzL/b0

美琴「確かにファイナルデッドルームにはいろんな種類の凶器が揃えてあった。ナイフや銃、モーニングスターなんかもね」

美琴「……でも、爆発物の類いは一つも入ってなかったよ。それは間違いないって断言できる」

智代子「い、いやいや! 美琴さんは確か、最初の攻略者じゃあないんだよね?! それなら、先にクリアした真犯人が根こそぎ持ち去ってる可能性も……」

美琴「それもないかな」

冬優子「確かさっきも言ってたわよね、ファイナルデッドルームは初回クリア特典以外は即座に補充されるって。攻略すれば極上の凶器が手に入るっていう触れ込みを守るために、モノミの家の鍵も補充される」

あさひ「なら、美琴さんが発見できなかったんならファイナルデッドルームにはもともと爆発物なんてなかったことになるっすね」

ルカ「そ、そんなことが……」

美琴「ルカ、どうやら振出しに戻らないといけないみたいだね」

(美琴が嘘をついてる可能性だって……ないわけじゃない)

(でも、こんな局面でわざわざそんな嘘をつく意味は美琴にもないはずだ……)

(じゃあ、だとしたら……)

500: ◆vqFdMa6h2. 2022/05/18(水) 22:38:28.95 ID:fabXzL/b0

雛菜「これ、まずくないですか~?」

雛菜「転落死も爆死もどっちもないんだったら、今までの議論全部ムダだったことになっちゃいますけど……」

あさひ「……」

智代子「そ、そんな……ここまで議論を続けてきて、死因も特定できてないなんて、進展はまるっきりゼロですか!?」

恋鐘「し、仕方なか! もっと、別の所から議論せんね! 時間もないし、急いで……」

(……でも、私にはあの観覧車が無関係にはどうも思えない)

(あの死体に残されていた手掛かりだって……私の勘違いだって言うのか……?)

冬優子「まあ、この島に爆弾がない以上はこの議論も打ち止めだろうし……しょうがないわね」

美琴「夏葉さんを殺せるほどの膨大なエネルギー出力……高さ、爆弾……ほかには何があるかな」


(……?)



(あいつを殺せるほどの、【膨大なエネルギー出力】……?)




501: ◆vqFdMa6h2. 2022/05/18(水) 22:39:47.03 ID:fabXzL/b0

ルカ「待て!」

冬優子「何よルカ……突然大きな声なんか出して」

ルカ「……そうだ、そうだよな。あいつの体はバラバラになってた、そりゃそれだけバカでかい衝撃、それをもたらすエネルギーが必要になったはずだよな」

恋鐘「ル、ルカ? 何をぶつくさ言うとるばい?」

ルカ「……私に一つだけ、心当たりがある」

美琴「……」

ルカ「確かにこの島には、爆弾は存在しなかったかもしれない。でも……メカ女の体をバラバラにするぐらいの【強い衝撃を与えうる何か】を持っていた人間なら、この中にいる」

智代子「え、ええ……えええええ!? そ、それってつまり……犯人、だよね?」

雛菜「議論の進展がゼロだと思ってたら、一気に犯人まで行っちゃうんですか~?」

ルカ「私たちの中でただ一人、メカ女の体をバラバラにできる【何か】を持っていたやつ……そいつは」

-------------------------------------------------
【怪しい人物を指摘しろ!】

↓1

502: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2022/05/18(水) 22:41:08.67 ID:0whl+Is30
夏葉

503: ◆vqFdMa6h2. 2022/05/18(水) 22:44:13.14 ID:fabXzL/b0

ルカ「お前だ!」

【解!】

ルカ「ほかならぬメカ女本人……こいつなら可能だったはずだ」

智代子「な、夏葉ちゃん……? ちょ、ちょっと待ってよルカちゃん! 夏葉ちゃんは被害者なんだよ、犯人とは別なんだよ!?」

透「あー……そういうこと、自殺なら可能性はあるんだ」

恋鐘「じ、自殺ばい!?」

透「被害者と犯人は同一人物だったってケース。それならあり得そうじゃない?」

ルカ「いや、そうじゃねえ。私は何もメカ女の体をバラバラにできる何かを持っていた人間としてメカ女を指摘しただけで、それ以外の意図は何もねーよ」

ルカ「あいつが自殺した、だとかそんなのは全く考えちゃいねえ」

透「あれ」

ルカ「私が言いたいのは、あいつの右手についてたロケットパンチの事だ」


≪夏葉「邪悪を打ち破る、正義の鉄拳を喰らいなさい!」

夏葉「はあああああああああ!!!!」

智代子「いっけええええええええ!!!!」

ドッカーーーーーーン!!!!!

夏葉「どうかしら、これが私の手に入れた新しい力……【ロケットパンチ】よ」

あさひ「すごいっす〜〜〜!!!」≫


504: ◆vqFdMa6h2. 2022/05/18(水) 22:46:02.95 ID:fabXzL/b0

ルカ「実際、あいつの右手のロケットパンチは一撃でモノケモノを葬り去るほどの絶大な火力を持っていた。それはここに居合わせた全員が目撃したことだろ?」

あさひ「確かに、あのロケットパンチはすごい衝撃だったっす。パンチを食らっていないわたしたちでもその爆風で吹き飛んじゃいそうなほどだったっす」

雛菜「そういえばあのロケットパンチって軌道の制御も自由にできたはずですよね~」

雛菜「じゃあパンチを打った後に自分の体に当たるようにしたってことなんだ~」

透「え、結局自殺じゃん」

ルカ「待て待て、結論を急ぐな。さっきも言ったが、あいつの体をバラバラにできるほどの衝撃を持ったロケットパンチをあいつは撃てたってだけの話であって、自殺だなんていうつもりはない」

ルカ「それに自殺なんだったら、そもそもあいつの死体が殺害現場から動かされてるのが妙な話だろ?」

智代子「死体が砂を被っていたことからも、高いとこから落ちたのはほぼ確定的だし、自殺の線は考えにくいかも?」

ルカ「だから、犯人はあいつのロケットパンチを何かしらの形で利用したんだと思う。あの衝撃をそのままあいつ自身に跳ね返すような真似をしたんじゃねーのかな」

恋鐘「犯人のカウンターパンチが炸裂したばい!?」

冬優子「あんなアンドロイドと正面からボクシングでカウンターなんか決めれたら人間じゃないわよ……」

透「衝撃を跳ね返すって言われても……鏡とかじゃないよね。ゲームじゃあるまいし」

あさひ「殺害現場が観覧車のゴンドラなら、その中でロケットパンチを打っただけでも衝撃は跳ね返ってくるんじゃないっすか? あれ、相当に固いシェルターっすよ」

美琴「少し弱いかな。それに、シェルターは衝撃を反射するんじゃなくて吸収するものだし……ゴンドラの中で撃ったとしても彼女の体は壊れないと思う」


505: ◆vqFdMa6h2. 2022/05/18(水) 22:47:39.57 ID:fabXzL/b0

(……あいつの体にロケットパンチの衝撃を返した方法か)


(あのロケットパンチは大量の燃料と電力を消費し、ジェット噴射しながら拳が飛んでいく仕様だ。撃った時のノックバックもかなり大きいが、あいつの受けた衝撃はそんなものじゃなかったはず)


(それこそ、その衝撃を爆発的に増して還元する……そんな何かが仕掛けられたのは間違いないだろう)


あさひ「だとしたら、怪しいのはあの焦げ跡っすね」

透「あー、そういえば……死体は一部が焼け焦げてたんだっけ」

雛菜「だからこそ、爆殺って話になったんですもんね~」


(あと少し……あと少しだ)


(あともう少しであいつの死因が、思いつきそうだ……!)

-------------------------------------------------

【発掘イマジネーション開始!】


有栖川夏葉はロケットパンチで■■■した!


【指定の範囲内のコンマを出して結論を掘り当てろ!】


一文字目 1~30の奇数
二文字目 31~60の奇数
三文字目 61~90の奇数

↓1~8

506: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2022/05/18(水) 22:49:02.89 ID:ZDYFfflP0
奇数指定とか難易度高いw

507: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2022/05/18(水) 22:49:05.12 ID:0whl+Is30
えい

508: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2022/05/18(水) 22:50:13.19 ID:ZDYFfflP0
ふふー

509: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2022/05/18(水) 22:51:16.72 ID:0whl+Is30
もう2つ出てる

510: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2022/05/18(水) 22:51:44.57 ID:ZDYFfflP0
ぴえっ

511: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2022/05/18(水) 22:52:22.75 ID:0whl+Is30
1人で3連続で3つ出してる……

512: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2022/05/18(水) 22:54:28.93 ID:0whl+Is30
のこりー

513: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2022/05/18(水) 22:54:56.81 ID:ZDYFfflP0
もっと苦戦するかと思ってたけど
我ながら草生えるなこの引き・・・

514: ◆vqFdMa6h2. 2022/05/18(水) 22:56:13.12 ID:fabXzL/b0

【コンマ 89 12 19 72 57】

カンカンカンカン……

【発掘完了!!】

【規定回数より少ない回数で掘り当てたのでボーナスが発生します!】

【モノクマメダル3枚を獲得しました!】

_______________________

有栖川夏葉はロケットパンチで自爆した!
_______________________

ルカ「そうか、わかったぞ!」

【COMPLETE!】

ルカ「ロケットパンチはあいつ自身の手で制御可能。となると、犯人がどうこうしたところであいつが自分自身に拳を突き立てるようなことは、まずなかっただろうと思う」

美琴「自殺を試みたりしていない限りは、そんなことは起こらないだろうね」

ルカ「でも、あのロケットパンチの他にメカ女の体をバラバラにできるような高出力の凶器は存在していない……となると、もっと別の方法で犯人は利用したはずだ」

ルカ「あのパンチそのものではなく、パンチを撃ちだすための仕組みを利用したんじゃないか?」

恋鐘「パンチば撃ちだす仕組み……? どがん意味か説明して!」

ルカ「あのパンチはかなりの量の燃料と電力を消費して、ジェット噴射して飛んでいく仕掛け。ま、平たく言えば、ガキがロケットを描くときとかと同じで、火を出しながら飛んでいく絵面だ」

ルカ「ロケットパンチを撃ちだした瞬間、その空間に引火性のガスなんかが充満していたらどうだ? 即座に化学反応が発生して大爆発が巻き起こる。要は自爆ってわけだ」

智代子「なるほど……! それなら確かに観覧車のゴンドラはうってつけだね……!」

智代子「衝撃を外部に逃がさないし、密閉性も抜群。ガスと一緒に夏葉ちゃんをゴンドラに入れておけばそれで準備もOKなんだ!」

雛菜「なるほど~、それなら確かに爆弾が無くても爆死の条件を満たしますね~」

美琴「じゃあ、その引火性のガスっていうのは?」

ルカ「なんか、ドラッグストアとかにないのか? そういう感じのやつ」

智代子「急に雑になったね……」

ルカ「しょうがねーだろ、そもそも捜査も何もしてねーんだからよ。あのドラッグストアは常用薬からやべー薬まで一通り何でも揃ってたし、なんか一個ぐらい条件を満たすのが……」

515: ◆vqFdMa6h2. 2022/05/18(水) 22:56:55.06 ID:fabXzL/b0





あさひ「……ルカさん、その推理も行き止まりっす」






516: ◆vqFdMa6h2. 2022/05/18(水) 22:57:37.54 ID:fabXzL/b0

ルカ「……あ? んだよ、またなんかあんのか?」

あさひ「その方法は、夏葉さんだけは殺害できないっすよ」

美琴「……どういうこと?」

あさひ「夏葉さんの機体には、【空気清浄機能】が搭載されてるっす。もしゴンドラの中をそんな有害なガスで充満させたら、その機能が作動してガスは分解されちゃうっす」

ルカ「な、なんだと……そんなの、初耳だぞ……!?」

智代子「たしかに……あさひちゃんの言う通りだよ、それ、夏葉ちゃんも言ってた! 私も聞いたよ!」

透「え、それじゃ……また?」

雛菜「振出しに戻る~~~~~!!」

(う、嘘だろ……ここまで詰めておいて、またダメだってのか……!?)

(あいつのロケットパンチを利用した自爆殺人……クソ、これ以上なく通っていると思うのに)

(被害者自身の機能ではばまれるなんて……!!)



517: ◆vqFdMa6h2. 2022/05/18(水) 22:58:53.49 ID:fabXzL/b0
-------------------------------------------------
【ノンストップ議論開始!】

発言力:♡×4
集中力:☆×5

コトダマ
‣【泥】
‣【夏葉の眼球】
‣【モノクマファイル4】
‣【死体に被さっていた砂】
‣【極上の凶器】
‣【ワイヤーフック】
‣【ハンマー】


冬優子「有栖川夏葉の死体をバラバラになるまで破壊できる」

冬優子「そんな爆発的な威力を持つのは、あいつ自身のロケットパンチだけ」

冬優子「ゴンドラに可燃性のガスを充満させておけば」

冬優子「着火した瞬間に大爆発が生じる」

冬優子「それがルカの推理よね」

あさひ「でも、夏葉さんには空気清浄機能がある」

あさひ「可燃性のガスでも、人体に有害なものは全部分解されちゃうっす」

あさひ「着火したところで、【爆発は起きない】と思うっすよ」

美琴「ファイナルデッドルームには【爆弾はなかった】」

美琴「他に彼女を爆殺する方法はないんじゃないかな」

智代子「夏葉ちゃんの死因、またわからなくなっちゃったね……」

恋鐘「いい加減議論を進めんと、タイムアップになってしまうばい~~~~!」


【正しいコトダマで矛盾する発言を論破しろ!】


1.発言する(コトダマと撃ち込む先の発言を併せて指定安価)
2.集中力を使う(コトダマの数が減る)

↓1

518: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2022/05/18(水) 23:04:30.59 ID:0whl+Is30
2.集中力を使う

519: ここの議論正直ガバ目です ◆vqFdMa6h2. 2022/05/18(水) 23:06:36.20 ID:fabXzL/b0

【集中力を使用しました】

【コトダマの数が減少します】

【集中力:☆×5→☆×4】

-------------------------------------------------
【ノンストップ議論開始!】

発言力:♡×4
集中力:☆×4

コトダマ
‣【泥】
‣【夏葉の眼球】
‣【死体に被さっていた砂】
‣【ワイヤーフック】
‣【ハンマー】


冬優子「有栖川夏葉の死体をバラバラになるまで破壊できる」

冬優子「そんな爆発的な威力を持つのは、あいつ自身のロケットパンチだけ」

冬優子「ゴンドラに可燃性のガスを充満させておけば」

冬優子「着火した瞬間に大爆発が生じる」

冬優子「それがルカの推理よね」

あさひ「でも、夏葉さんには空気清浄機能がある」

あさひ「可燃性のガスでも、人体に有害なものは全部分解されちゃうっす」

あさひ「着火したところで、【爆発は起きない】と思うっすよ」

美琴「ファイナルデッドルームには【爆弾はなかった】」

美琴「他に彼女を爆殺する方法はないんじゃないかな」

智代子「夏葉ちゃんの死因、またわからなくなっちゃったね……」

恋鐘「いい加減議論を進めんと、タイムアップになってしまうばい~~~~!」


【正しいコトダマで矛盾する発言を論破しろ!】


1.発言する(コトダマと撃ち込む先の発言を併せて指定安価)
2.集中力を使う(コトダマの数が減る)

↓1

520: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2022/05/18(水) 23:10:59.28 ID:ZDYFfflP0
爆発は起きない→砂?
粉塵爆発をしたとか?

522: ◆vqFdMa6h2. 2022/05/18(水) 23:14:09.65 ID:fabXzL/b0

【発言力:♡×4→♡×3】

あさひ「……? あの砂は死体発見現場に合ったものと同じはずっす」

あさひ「それに、粉塵爆発を起こすには不向きな材質だと思うっす」

(……違ったか)

(メカ女の死に爆発が関係しているのは間違いない……自爆に導いた可燃性のガス、考えてみるか……!)

【スキル:アンシーン・ダブルキャストの効果でコトダマの数が減少します】

-------------------------------------------------
【ノンストップ議論開始!】

発言力:♡×4
集中力:☆×4

コトダマ
‣【泥】
‣【死体に被さっていた砂】
‣【ワイヤーフック】
‣【ハンマー】


冬優子「有栖川夏葉の死体をバラバラになるまで破壊できる」

冬優子「そんな爆発的な威力を持つのは、あいつ自身のロケットパンチだけ」

冬優子「ゴンドラに可燃性のガスを充満させておけば」

冬優子「着火した瞬間に大爆発が生じる」

冬優子「それがルカの推理よね」

あさひ「でも、夏葉さんには空気清浄機能がある」

あさひ「可燃性のガスでも、人体に有害なものは全部分解されちゃうっす」

あさひ「着火したところで、【爆発は起きない】と思うっすよ」

美琴「ファイナルデッドルームには【爆弾はなかった】」

美琴「他に彼女を爆殺する方法はないんじゃないかな」

智代子「夏葉ちゃんの死因、またわからなくなっちゃったね……」

恋鐘「いい加減議論を進めんと、タイムアップになってしまうばい~~~~!」


【正しいコトダマで矛盾する発言を論破しろ!】


1.発言する(コトダマと撃ち込む先の発言を併せて指定安価)
2.集中力を使う(コトダマの数が減る)

↓1

523: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2022/05/18(水) 23:16:11.70 ID:0whl+Is30
【泥】→【爆発は起きない】

525: ◆vqFdMa6h2. 2022/05/18(水) 23:17:25.53 ID:fabXzL/b0

ルカ「見つけた……!!」

【BREAK!】

ルカ「……メカ女の体はバラバラで、更には焼け焦げた跡もあった」

ルカ「死体発見現場にはオイルがぶちまけられていて、死体を引きずって移動したような可能性はない」

ルカ「……現場にある手掛かりは、これで終わり。そう思っていた。オイルがこぼれている、だからこれは普通の事だと勝手に思い込んでいた。でも、よくよく考えればおかしいよな」

ルカ「油は砂にそう簡単には浸透しない……あんな風に、現場に泥ができるのって考えづらいよな」

美琴「……どういう意味?」

ルカ「……あの死体発見現場にぶちまけられていたのは油だけじゃなかったかもしれないってことだよ。油ほどの多量ではなかったにしろ、砂を泥に替えるぐらいには十分な量の……水がな」

恋鐘「み、水……」

ルカ「……さて、ここで化学のお勉強だ。中学生、お前……水の化学式は分かるか」

あさひ「えっと、H₂Oっすよね?」

ルカ「じゃあ、次はその化学式を構成している元素は分かるか?」



あさひ「……【水素】と、酸素」



526: ◆vqFdMa6h2. 2022/05/18(水) 23:18:37.33 ID:fabXzL/b0

あさひ「あっ」

ルカ「そういうことだ、ここにいる連中も一回ぐらいは経験したことあんだろ? 水上置換の実験、そこで集めた水素で蝋燭を爆発的に燃やすアレ」

透「あー……えっと……塩酸と……金属?」

雛菜「透ちゃん賢い~~~~! 雛菜全然覚えてなかった~!」

ルカ「犯人はあの観覧車のゴンドラの中でその燃焼実験の再現を行ったんだよ。ロケットパンチに着火した瞬間に空気中の水素と酸素で化学反応が発生、その瞬間の大爆発は免れようがなかったろうぜ」

ルカ「その結果、化合物として発生した水が死体に付着。死体を移動した際に周辺の砂に水がしたたり落ちて、それが泥になった。オイルとは全くの別にな」

あさひ「確かに、水素なら問題なく爆発までこぎつけられるかも……それに、気体の問題をクリアすれば、他の条件は全部今の推理で説明がつく……」

智代子「ルカちゃん、これって……もしかして……!」

ルカ「ああ、やっとたどり着いた……これがメカ女の死の正体……あいつは、水素爆発で命を落としたんだよ!」

美琴「……すごいね、ルカ」

527: ◆vqFdMa6h2. 2022/05/18(水) 23:19:32.70 ID:fabXzL/b0





美琴「これで、犯人も分かっちゃったもんね」







528: ◆vqFdMa6h2. 2022/05/18(水) 23:21:16.91 ID:fabXzL/b0

智代子「……え?」

智代子「は、犯人……?」

美琴「違う? 今のルカが言った通りの、水素爆発……明らかに一人、怪しい人物が浮上するよね」

ルカ「……」

智代子「ちょ、ちょっと待って! 今までずっと、議論の前提となる死因の特定の話をしてただけで……せいぜいこれで確定したのって、死因と事件現場ぐらいの物じゃないの?!」

恋鐘「う、うちも全然見えてこんたい……美琴、頭の回転が速すぎてうちらを取り残してしもうとるよ!」

美琴「じゃあ、ルカに説明してもらおうかな」

美琴「夏葉さんが命を落とした原因が水素爆発だとわかった今、一番犯人だと疑わしい人物を指摘してもらったうえで」

ルカ「み、美琴……!?」

(……マジか)

(いや、美琴だからこそ……か。この状況で私と同じ結論に到達できるのは、この場では美琴とせいぜいもう一人ぐらいのもの)

(あの時、あの場に居合わせていた……あいつならば同じ結論に至るかもしれない)

(でも、でも……)

(そんな結論……私は……私は……)

-------------------------------------------------
【クロを指摘しろ!】

↓1

529: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2022/05/18(水) 23:22:56.17 ID:0whl+Is30
冬優子

533: 日に日に早くなる ◆vqFdMa6h2. 2022/05/19(木) 20:21:27.33 ID:kJ67nvvf0

ルカ「……」

【解!】


ルカ「第3の島が解禁されたとき、私は真っ先に病院に向かった。あの島で最も私たちの生き死にに関与する施設。それを狸に荒らされることは避けたかったからだ」

ルカ「そこで、私と美琴は出会った。狸である可能性が最も高い中学生を擁するストレイライトの三人に」

ルカ「奴らは言っていた、監視の目は常に張っている。中学生が何か怪しいことをしていたらすぐに止める。何かを持ち出させるのも防ぐってな」

ルカ「でもな、一人だけ図々しくも設備を持ち出してるやつがいたんだよ」

ルカ「……美容のため、私はそう聞いてたんだけどな」


≪冬優子「待って。ふゆたちもただ探索に来てるだけ、それに二人がかりでこいつには目を光らせてるから安心して」

ルカ「……本当だな?」

冬優子「あさひの手荷物もついさっき検査したけど、何も持ち出した様子はないわ。愛依とふゆが保証する」

ルカ「……お前のその手に抱えてるのは違うのか?」

冬優子「これは……水素の吸引機よ。ふゆが普段使いする用で持ち出すだけ」

(それはいいのかよ……)≫


ルカ「……冬優子、お前なのか?」

冬優子「……」


534: ◆vqFdMa6h2. 2022/05/19(木) 20:22:49.89 ID:kJ67nvvf0





冬優子「……あんたね、何言ってんのよ」





535: ◆vqFdMa6h2. 2022/05/19(木) 20:24:04.52 ID:kJ67nvvf0

ルカ「……あ?」

冬優子「確かにふゆは水素の吸引機を持ち出した。あれを使えばゴンドラの中を水素で満たすこともできたかもしれないけど……」

冬優子「さっきもあんたが言った通り、水素なんていくらでも生成できんのよ。塩酸を金属にかければすぐにできるわけだし、水を電気分解したっていい」

冬優子「それだけでふゆを糾弾しようなんて、あんたいい度胸してんじゃないの」

ルカ「……クク、ククク……」

冬優子「何笑ってんのよ、気持ち悪いわね」

(……正直、安心した。冬優子が認めてしまえば……犯人がわかったとて、私はまた大事なものを失うことになる)

(美琴との仲が悪くなっちまったから……余計に、その喪失はあって欲しくはなかった)

冬優子「水素なら誰でも簡単に精製可能、くだらないこと言う前にちゃんと議論しなさい」

智代子「えっと……それじゃあつまり、ふゆちゃんは別に犯人なわけではない……?」

美琴「……」


536: ◆vqFdMa6h2. 2022/05/19(木) 20:26:19.03 ID:kJ67nvvf0

あさひ「冬優子ちゃん、違うっすよね? わたし……愛依ちゃん、果穂ちゃんに続いて……冬優子ちゃんとお別れなんかしたくないっすよ」

冬優子「だから、くだらないこと言ってんじゃないって」

あさひ「あだっ」

智代子「恐ろしく優しい手刀……私じゃなきゃ見逃しちゃうね!」

恋鐘「そいじゃあ議論に戻らんね! もともと今、なんの話しとったっけ……」

透「死因と殺害現場はわかった……じゃあ次は……死体の移動方法?」

透「確か、ロープウェーは出来ないって話で……残りはそのままだったよね」

ルカ「おう、モノミの家でロープウェーの操作をする人間と死体の運搬をする人間で二人が必要になるからな」

智代子「う〜ん……殺害現場は観覧車だけど、運搬を行ったのは別の場所なのかな」

雛菜「あんな重たいの、人の力じゃ運べないと思いますよ〜? やっぱり、観覧車を何かしらの形で利用して運んだんじゃないですか〜?」


537: ◆vqFdMa6h2. 2022/05/19(木) 20:26:59.45 ID:kJ67nvvf0

透「あ、じゃあ何か物を持ち込んで運んだとか。台車とか、猫車とか、そういうの」

あさひ「それ、普通に運ぶのとあんまり変わんないっすよ? それに、台車に乗せるのも大変っす」

恋鐘「死体に風船を結びつけて浮きあがらせるのはどがんね!」

冬優子「風船って、どこぞ老爺の家じゃあるまいし……」

智代子「それじゃあロケット花火でぶっ飛ばして運んだとかは?」

冬優子「なんか響きがヤンキー漫画みたいだけどそれ、大丈夫?」

あさひ「ロケット花火は冬優子ちゃんに没収されてるからそれはないっす」

冬優子「……絶望病の時、こいつが碌なことしなさそうだからスーパーから花火類は根こそぎ回収しておいたわ」

あさひ「む〜、色々混ぜてどんな光り方するか確かめたかったのに〜」

冬優子「ほらね」

(……苦労人だな)


538: ◆vqFdMa6h2. 2022/05/19(木) 20:28:19.27 ID:kJ67nvvf0

冬優子「で、本題だけど……観覧車、なんて名前でも実際のところ移動なんて一ミリも出来やしない。あそこから死体を運び出すのは不可能だって結論にならなかった?」

(……どうなんだろう、あいつを爆殺した手口は明るみになったし……それが可能なのは観覧車のゴンドラだけ。なら、観覧車から死体発見現場まで何かしらの方法で運び出されたはずだ)

あさひ「夏葉さんの死体にはワイヤーフックが取り付けられてたっす。あれがある以上は何かしらの方法で運ばれたのは間違いないはずっす」

透「……えっとさ、そのワイヤーフックって本当にワイヤーのフックなのかな」

ルカ「あ?」

透「だってさ、フックだけがついてるのって妙じゃない?
死体を運ぶのにワイヤーを使ったんだったら、証拠隠滅のためならフックも両方普通外すよね」

ルカ「……そういえばそうだな。現場には、あいつの死体を運んだであろうワイヤーの本体そのものは残っちゃいなかった」

ルカ「死体を運び出したと言う事実を隠蔽するんだったら、ワイヤーだけでなくフックも両方隠滅するのが普通道理だよな」

あさひ「あのワイヤーって、かなり緩めだったっす。老朽化してたのかもしれないけど、全然強度はなかったっす」

あさひ「もしかすると、ワイヤーは犯人が外したんじゃなくて外れたのかもしれないっすね」

(ワイヤーが……【外れた】……?)

539: ◆vqFdMa6h2. 2022/05/19(木) 20:29:19.65 ID:kJ67nvvf0


恋鐘「そいなら、犯人は別んところに夏葉を移しとる最中にワイヤーが外れて死体が想定外の場所に落下してしまったとね?」

あさひ「……だとしたら、最終地点に死体が到達してないことに気づいた犯人はもっと丁寧に誤魔化すと思うっす。それこそ、ワイヤーフックだって外したのかも」

美琴「それこそ血眼になって落下した死体を探すだろうね、意図しないところに落ちたせいで妙な手掛かりになっても困るし」

ルカ「それが無いってことは、犯人にとっては概ね想定通りだったってことだ。ワイヤーが外れて落下してもいい……つまりは死体発見現場と殺害現場が別になりさえすればよかったんだろう」

冬優子「だから、また議論が逸れてるわよ。今話してたのはどうやって死体を運搬したのか。その方法が解決できない限りは、犯人の意図がどうとか関係ないじゃないの」


(……観覧車を使った死体の運搬)


(ゴンドラに一度乗り込んでしまうと……一定の高さになるとゴンドラは開かなくなってしまう)


(ゴンドラの動きを停止させようにも、その操作はモノミの家じゃないとできない)


(……一体、犯人はどうやって死体を運んだんだ?)



540: ◆vqFdMa6h2. 2022/05/19(木) 20:30:02.45 ID:kJ67nvvf0
-------------------------------------------------
【ロジカルダイブ開始!】

Q1.有栖川夏葉の本当の死因は?
A.転落死 B.撲殺 C.爆死

Q2.有栖川夏葉はどこで命を落とした?
A.死体発見現場 B.観覧車 C.それ以外

Q3.犯人は何を使って死体を運搬した?
A.ロケットパンチ B.観覧車 C.ドローン

Q4.犯人はどうやって死体を運んだ?
A.遠隔操作 B.ロープウェー C.円運動 D.ワイヤーで手繰った


【正しい道筋を選んで推理を組み立てろ!】

↓1

542: ◆vqFdMa6h2. 2022/05/19(木) 20:47:27.07 ID:kJ67nvvf0

ルカ「推理はつながった!」

【COMPLETE‼︎】

ルカ「観覧車を運搬に活用しようにも、自由に操作するにはモノミの家にいることが必須。更にはゴンドラは地上から離れてしまうと扉も開かなくなっちまう」

ルカ「その二つの条件があるせいで、私たちは観覧車を活用することを諦めてしまっていた……でも、そうじゃない」

ルカ「今回の殺害現場がゴンドラの中で、死体発見現場とは別だと確定した今、死体運搬の方法がそこにあったのは明らかだ」

智代子「その論理はわかるけど……でも、肝心のその方法がわからないんだよね」

智代子「観覧車の内側は今ルカちゃんが言った通りの条件でがんじがらめだから……」

ルカ「そう、それだ。観覧車に乗るというのを前提で考える以上は推理は行き詰まる。……それなら、乗らなければいい」

恋鐘「観覧車に、乗らん……?」

ルカ「観覧車の外枠を使ったんだ。観覧車の円周上にワイヤーを添わせるようにして、その先端にメカ女の死体を括り付ける」

ルカ「あとは円運動の要領で観覧車をぶん回せば、そのまま死体は空中に投げ出されるって仕組みだ」

美琴「そんな大胆な方法を……?」


543: ◆vqFdMa6h2. 2022/05/19(木) 20:47:59.57 ID:kJ67nvvf0

あさひ「なるほど、それでワイヤーフックはかなり緩いものを使ったんっすね。空中でワイヤーが外れて運動の勢いそのままに飛んでいくように犯人は狙ったんだ」

ルカ「運搬というには不十分な方法だ。死体がどこに飛んでいくかも予想がつきづらい、とにかく観覧車から遠ざけられればそれでよかったんだもんな」

冬優子「待ちなさい」

冬優子「あんたたち……それ、本気で言ってる? 観覧車は確かに綺麗な円のかたちよ、でも……円の大きさも並みじゃないし、それにただの円じゃなくて観覧車、なのよ」

冬優子「金属でできた観覧車の重量なんて数トンで収まる規模じゃないし、そんな滑車みたいに速度をもって回転すると思うの?」

あさひ「難しいっすか?」

冬優子「当たり前でしょ、大体普段から見てるでしょ。観覧車の回転する速度……一周に数十分かかるのが普通なんだから」

ルカ「なあ、美琴。モノミの家で観覧車の速度を操作することはできるか?」

美琴「……一応可能だったと思う。でも、あくまでそれは通常のアトラクションの運用の範囲内で。外枠に取り付けた死体を投げ飛ばすほどの遠心力が発生するような速度じゃないよ」

美琴「後はせいぜい回転する方向の転換ぐらい。観覧車だけじゃルカの推理は成立しないかな」


544: ◆vqFdMa6h2. 2022/05/19(木) 20:48:44.16 ID:kJ67nvvf0

恋鐘「なんだかどんどん真実から遠ざかっとるような気がするばい……ルカはさっきから突拍子もないことばっか言っとらん?」

あさひ「そうっすか? 今のって、美琴さんの言う通り……観覧車だけじゃ推理は成立しないかもしれないけど、ほかに何か別のものを利用すれば成立する可能性はあるっすよね」

智代子「そうか! ロケットパンチの勢いをここでも利用したんだね!?」

美琴「いや、ロケットパンチは一発一発にかなりの燃料を必要とするから……彼女の命を奪った一発のほかには打てないと思うよ」

(円運動を助ける、何か別の物……)

(要は、あの観覧車が高速で回転すればいいんだよな……?)

(私の推理では、観覧車にはその演習場にワイヤーが巻き付けてあり、その端にメカ女の死体が括りつけてある)

(……だとすれば、もう片方の端って……)

(あと少し、あと少しだ……これでやっと、あの死体が移動したトリックが見えてくる……!)

545: ◆vqFdMa6h2. 2022/05/19(木) 20:49:48.94 ID:kJ67nvvf0
-------------------------------------------------
【発掘イマジネーション開始!】

犯人は夏葉の死体を運搬する円運動で■■■■■を利用した!

【指定の範囲内のコンマを出して結論を掘り当てろ!】


一文字目 01~20
二文字目 21~40
三文字目 41~60
四文字目 61~80
五文字目 81~00


↓1~12

546: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2022/05/19(木) 20:50:39.76 ID:dSdGFz7r0

547: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2022/05/19(木) 20:51:19.07 ID:dSdGFz7r0

548: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2022/05/19(木) 20:52:25.87 ID:dSdGFz7r0

549: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2022/05/19(木) 20:53:17.49 ID:dSdGFz7r0

550: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2022/05/19(木) 20:53:57.45 ID:dSdGFz7r0

551: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2022/05/19(木) 20:54:23.86 ID:dSdGFz7r0

552: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2022/05/19(木) 20:55:21.29 ID:dSdGFz7r0

553: ◆vqFdMa6h2. 2022/05/19(木) 21:04:21.70 ID:kJ67nvvf0

【コンマ 76 07 87 49 45 86 29】

カンカンカンカン……

【発掘完了!!】

【規定回数より少ない回数で掘り当てたのでボーナスが発生します!】

【モノクマメダル5枚を獲得しました!】

_______________________

犯人は夏葉の死体を運搬する円運動で糸車を利用した!
_______________________


ルカ「そうか、分かったぞ!」

【解!】

ルカ「……おいおい、マジかよ」

美琴「……ルカ?」

ルカ「今回の犯人、どこまで大胆な真似をしてくれてんだよ……! そんな、そんな方法があったなんてな……!」

恋鐘「も、もしかして分かったばい!? 円運動を可能にした、別の何かの正体が……!」

ルカ「おう、私の推理は不完全だったんだよ。犯人は円運動を生み出すために、観覧車を大きな大きな糸車に変えたんだ」

智代子「い、糸車……って、あの……?!」

恋鐘「まきまき……ふふ……上手に巻けました……♪」

恋鐘「……の、糸車ばい!?」

ルカ「ああ、糸じゃなくて、ワイヤーだけどな」

ルカ「ワイヤーの片端を何か別のアトラクションにでも結び付けておくんだ。そして長さをうまいこと調整して、観覧車にある程度巻きついた状態にしておいて、もう片方の端は死体に結び付ける」

ルカ「後は観覧車の回転する方向を合わせて、速度も高めに設定。そして端を結び付けられたアトラクションも起動する」

ルカ「観覧車ではない方のアトラクションが動いてワイヤーを一気に巻き取ろうとする力が発生するのに合わせて、死体も一気に持ち上がる寸法だ」

美琴「……なるほど、それなら観覧車の元々出せる限界以上の速度が発生するかもしれない」

雛菜「そんな無茶なことしちゃったら、観覧車壊れちゃいませんか~?」

ルカ「壊れても別に構やしねーんだろ、死体を運び出せればそれでいいんだからな」

透「じゃあ、そのワイヤーをくくりつけたアトラクションってのは?」

ルカ「観覧車と直線状に在りつつ、ワイヤーを巻き取るような激しい運動もするアトラクションだ。その候補はおのずと限られるさ」

-------------------------------------------------
【スポットセレクト開始!】

画像:https://imgur.com/a/LdQZuPO

【観覧車と併せて使い、糸車を作り出したアトラクションを指摘しろ!】

↓1

554: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2022/05/19(木) 21:05:40.48 ID:dSdGFz7r0
バイキング

555: ◆vqFdMa6h2. 2022/05/19(木) 21:08:36.75 ID:kJ67nvvf0

ルカ「これだ!」

【解!】

ルカ「バイキング……船が前後に大きくスイングするアトラクションだな」

智代子「ちょうどバイキングのスイングの方向と、観覧車の回転する方向も一緒だよ!」

冬優子「なるほどね……確かにこれなら、バイキングが奥に行ったときには相当な力の牽引力が発生しそう」

ルカ「ああ、それこそ滑車のように観覧車は回転したんだろうよ……メカ女の死体をぶっ飛ばすためにな!」

あさひ「すごいっす! ついに死因も殺害現場も死体の運搬方法も分かっちゃったっす!」

雛菜「ん~……でも、ここからどうします~?」

雛菜「諸々は明らかになりましたけど~、結局犯人が誰だったのかは絞れてなくないですか~?」

智代子「さっきは一応……ふゆちゃんが怪しいって話になったけど……」

冬優子「あれはただの言いがかり。水素なんて誰でも簡単に入手できるでしょ?」

美琴「少しは絞られるんじゃない? ほら、あの遊園地のアトラクションは特殊だったから。身長制限も異常な数値だったよね」

透「あー、そういや……バイキングって身長制限160cmだったっけ」

ルカ「イかれた制限してんな……」

556: ◆vqFdMa6h2. 2022/05/19(木) 21:09:42.70 ID:kJ67nvvf0

モノクマ「普通のバイキングとは大違い、前後どころかぐるりと一周してしまいますからね! かかるグラヴィティも桁外れ、それなりにがっしりした人間じゃないと近づくこともできませんぞ!」

ルカ「こん中で160もないチビ助どもは……甘党女と中学生か」

智代子「あ、あはは……これもまた個性なので……」

あさひ「そっすね、わたしバイキングにも乗ろうとしたっすけど、柵の段階で止められたっすから」

透「じゃあ、候補は……残りの6人?」

雛菜「ほとんどさっきと変わらないね~」

(……水素爆発、観覧車を利用した円運動。身長が160よりもあればだれでも確かに犯行は可能だ)

(ここから、どうやって絞っていくか……か)

ルカ「……ここで一度、犯人の足取りをたどってみるか。犯人がメカ女を殺して、死体を運搬するその流れを見返してみると、何か分かるかもしれない」

智代子「そうだね、何か見落としがあるかもしれないし! もしかしたら犯人に繋がる手掛かりもあるかもしれないもんね!」

恋鐘「何事も予習と復習が大事やけんね!」

美琴「……それじゃあ、振り返ってみよう。今回の事件について、今に至るまで」


557: ◆vqFdMa6h2. 2022/05/19(木) 21:11:13.36 ID:kJ67nvvf0
-------------------------------------------------
【ノンストップ議論開始!】

発言力:♡×4
集中力:☆×5

コトダマ
‣【モノクマファイル4】
‣【死体の焦げ跡】
‣【おやすみスイッチ】
‣【極上の凶器】
‣【ハンマー】
‣【夏葉の眼球】
‣【島のパンフレット】


あさひ「夏葉さんが殺されたのは観覧車のゴンドラっす」

あさひ「音も衝撃も通さないシェルターみたいなゴンドラの中で、犯人は水素爆発を起こさせたっす」

雛菜「まず【背中についてた強制スリープボタンを押して】意識を失わせたんですよね~」

雛菜「その間にゴンドラに水素を充満させて~」

雛菜「目を覚ました被害者さんが【ロケットパンチを撃った瞬間に】どっか~~~~ん!」

冬優子「ゴンドラの防御性能のおかげで誰にも気づかれずに殺害は完了」

冬優子「殺害現場から目をそらすために犯人は死体の運搬を開始した」

冬優子「【円運動】……だったっけ? 観覧車を糸車みたいにしてワイヤーを巻き取ったのよね」

透「バイキングと被害者とにワイヤーの端同士を巻き付けたんだよね」

透「で、観覧車を滑車みたいに経由させた」

恋鐘「でも、こげんこつ、身長制限にかからんかったら【誰でも出来そう】ばい」

恋鐘「犯人ば全然絞れんとよ」


【正しいコトダマで矛盾する発言を論破しろ!】


1.発言する(コトダマと撃ち込む先の発言を併せて指定安価)
2.集中力を使う(ロンパ候補の発言の数が減る)

↓1

558: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2022/05/19(木) 21:15:41.91 ID:dSdGFz7r0
【島のパンフレット】→【誰でも出来そう】

559: ◆vqFdMa6h2. 2022/05/19(木) 21:21:04.78 ID:kJ67nvvf0

恋鐘「バイキングに慎重制限があるのはもうわかっとーと!」

恋鐘「うちが聞きたかはその先やけん、もっと頭数を絞る方法を教えんね!」

(……クソッ、こいつじゃ説得には不十分らしい)

(メカ女を殺害する一連の工程……バイキング以外に、行動が可能な人間を絞る方法は何かないか?)

(……それこそ、犯人と被害者はどういう状況で相対したのか、とか)

【スキル:アンシーン・ダブルキャストの効果でコトダマの数が減少します】

-------------------------------------------------
【ノンストップ議論開始!】

発言力:♡×3
集中力:☆×5

コトダマ
‣【モノクマファイル4】
‣【死体の焦げ跡】
‣【おやすみスイッチ】
‣【極上の凶器】
‣【ハンマー】
‣【夏葉の眼球】
‣【島のパンフレット】


あさひ「夏葉さんが殺されたのは観覧車のゴンドラっす」

あさひ「音も衝撃も通さないシェルターみたいなゴンドラの中で、犯人は水素爆発を起こさせたっす」

雛菜「まず【背中についてた強制スリープボタンを押して】意識を失わせたんですよね~」

雛菜「その間にゴンドラに水素を充満させて~」

雛菜「目を覚ました被害者さんが【ロケットパンチを撃った瞬間に】どっか~~~~ん!」

冬優子「ゴンドラの防御性能のおかげで誰にも気づかれずに殺害は完了」

冬優子「殺害現場から目をそらすために犯人は死体の運搬を開始した」

冬優子「【円運動】……だったっけ? 観覧車を糸車みたいにしてワイヤーを巻き取ったのよね」

透「バイキングと被害者とにワイヤーの端同士を巻き付けたんだよね」

透「で、観覧車を滑車みたいに経由させた」

恋鐘「でも、こげんこつ、身長制限にかからんかったら【誰でも出来そう】ばい」

恋鐘「犯人ば全然絞れんとよ」


【正しいコトダマで矛盾する発言を論破しろ!】


1.発言する(コトダマと撃ち込む先の発言を併せて指定安価)
2.集中力を使う(ロンパ候補の発言の数が減る)

↓1

560: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2022/05/19(木) 21:23:08.03 ID:dSdGFz7r0
【夏葉の眼球】→【背中についてた強制スリープボタンを押して】

561: ◆vqFdMa6h2. 2022/05/19(木) 21:29:36.21 ID:kJ67nvvf0

ルカ「それは違うぞ!」

【BREAK!】

ルカ「……いや、この方法は出来た人間はそう多くはないはずだ」

智代子「ど、どうして? 条件はだいぶ緩いと思うけど……」

ルカ「そもそもの話だ、思い出してみろ。被害者となったメカ女……あいつの強制スリープボタンを押すって……どうやるんだ?」

透「え、そりゃ……背後に回って押せばいいんじゃないの」

ルカ「じゃあ、どうやってあいつの背後を取る?」

智代子「……そうだ、そんなの……普通出来るわけないよ! だって、夏葉ちゃんはこの中で誰よりも警戒心が強いし、身のこなしだって抜群で、気取られずに行動するなんてできるわけもない!」

智代子「アンドロイドの体になってからはその性能も高いおかげで、背後を取らせることなんて……まず考えられない!」

ルカ「ああ、それにあいつは私たちの大多数より背だって高い。不意打ちを噛まそうったってそううまくはいかねえだろうな」

冬優子「だからこそ、普通はあいつを標的にはしないって……みんなそう言ってたんだものね」


562: ◆vqFdMa6h2. 2022/05/19(木) 21:30:47.00 ID:kJ67nvvf0

ルカ「だがな、あいつにとって唯一と言っていい弱点があるんだ」

恋鐘「弱点……?」

智代子「そ、そんな弱点なんかあるはずないよ! 夏葉ちゃんの目は夜の間でも日中と変わらずに物を見ることのできる【赤外線カメラ】だってついてるんだし……!」

ルカ「そう、それなんだよ。メカ女の唯一の弱点はその赤外線カメラだ」

智代子「え……?!」

ルカ「お前らだって経験があるはずだ。ずっとトンネルの中を走った後、急に明るいところに出ると暫く目が見えなくなる現象」

あさひ「ホワイトホール現象っすね。わたしたちの瞳孔の明るさの補正が追い付かないときに起きる現象っす」

ルカ「赤外線カメラなんてものまで使って暗闇に必死に補正をかけている中で急に明るくなっちまったらどうなると思う?」

美琴「……瞬時に適応することは難しいかもしれないね」

ルカ「ああ、その瞬間だけはあいつの不意を突くことが可能になるはずだ」

雛菜「じゃあ、犯人は懐中電灯を使ったとかですか~?」

ルカ「いや、そんなものを持っていたんだったらメカ女の高性能な赤外線カメラがそもそもその電灯を見抜くんじゃねーか?」


563: ◆vqFdMa6h2. 2022/05/19(木) 21:32:07.59 ID:kJ67nvvf0

ルカ「それこそ、光自体が何の前触れもなく、その本人の手から離れて発生するようなものである可能性が高い」

あさひ「……? なぞなぞっすか?」

透「あ、よく映画とかである閃光弾とか?」

ルカ「イメージとしてはそれに近いな。そうじゃねえと、不意を突いたところで即座にボタンを押すような芸当もできないだろうし」

美琴「でも、そんなもの……ファイナルデッドルームにもなかったよ?」

(何の前触れもなく発光し、犯人が持っておく必要もないもの……)

(そんなもの、この島では限られている。つまり……それを持っている人間こそが、犯人だ……!)

-------------------------------------------------

【ひらめきアナグラム開始!】

発言力:♡×3
集中力:☆×5


け/び/っ/は/ろ/と/な


【正しい順番に並べ替えろ!】


1.解答する
2.集中力を使う(一部文字が正しい位置に移動する)

↓1

564: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2022/05/19(木) 21:32:50.06 ID:dSdGFz7r0
ろけっとはなび

565: ◆vqFdMa6h2. 2022/05/19(木) 21:33:50.52 ID:kJ67nvvf0

ルカ「そうか、分かったぞ!」

【COMPLETE!!】

ルカ「メカ女の視界を一発で奪い去ってしまうような閃光弾のようなもの……ここにいる連中は全員がそれを一度は目にしてるはずだぜ」

智代子「え、え~……? そんなこと言われましても、まるで心当たりがないと言いますか……」

恋鐘「なんのことばい……?」

ルカ「いや、違うな。ノクチルの二人……お前らは見てない」

透「え? なにそれ」

あさひ「……そっか、花火っすね。千雪さんの事件のとき、ノクチルの二人以外のわたしたちはみんなで花火大会をやってたっす。確かに花火なら犯人が持っておく必要はそこまでないし、不意を突きやすいっす」

ルカ「ああ、特にロケット花火なんかはうってつけだろうな。火花に加えて真正面に本体を飛ばせば、メカ女と言えど防御の姿勢を取らざるを得ない」

恋鐘「そいやったら強制スリープボタンも押せそうたい!」

美琴「なるほど……逆に言えば、そうでもしないと彼女の不意を突くことなんて出来そうもないかも」

美琴「痛めつけようにもあの鉄壁の身体……彼女を正面から攻略なんかできるわけもないもんね」

雛菜「じゃあ、犯人さんはそのロケット花火を撃つことができた人なんだね~?」

ルカ「……ああ、そうだ」

ルカ「そして、それができた人間は……ただの一人だ」

智代子「え、それってつまり……真犯人が、分かったってこと……?」

(……やっと、たどり着いた)

(随分と同じところで足踏みをさせられたような気分だが……これで明らかになった)

ルカ「ああ、今回の事件……メカ女をぶっ殺したのは……お前だ!」

-------------------------------------------------
【クロを指摘しろ!】

↓1

566: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2022/05/19(木) 21:35:47.13 ID:dSdGFz7r0
冬優子

567: 黛冬優子は二度刺す ◆vqFdMa6h2. 2022/05/19(木) 21:38:27.36 ID:kJ67nvvf0

ルカ「お前しか、いない……!!」

【解!】



「…………」



……この期に及んで、迷ってるのか。私は。


頭の中に浮かんだ名前を口に出すべきこの局面で、私の口は中々動こうとはしなかった。
口の中に突然沸いた唾液は接着剤のように口腔にべったりとくっついて、唇を持ち上げようにも錘がぶら下がったように重たい。

この躊躇がどこから沸いたのか、その源泉は明らかだった。


568: 黛冬優子は二度刺す ◆vqFdMa6h2. 2022/05/19(木) 21:40:13.18 ID:kJ67nvvf0


____千雪に与えられた。


何年も一緒にいた相手にもずっと出来ていなかったことを、たまたま一度うまく行ったからと言って、他の連中にも同様にすることを求める理不尽な命令を。
何も私は友達なんて薄っぺらい関係性を求めていなかったし、美琴という存在が手元にある以上は満ち足りていて、それ以上を求める気もなかった。

でも、千雪が命を落として……その命令は、優先されるべき義務になった。
千雪の働きに少なからず感謝していたこと、それに言葉すらも送り返すことができていなかったこと。

そういった要因が私にとってこれ以上ないモチベーションになって、その中で最初にできた相手が……【冬優子】だった。
この瞬間から関係性が変わりました、なんて取り決めをしたわけではないが、三峰結華を引き摺り出したあの瞬間から確かに私の認識と感情は変異した。

好き勝手な物言いをして、いいと思った人間はとことん振り回す。
それでいて周りの人間のことはよく見ているし、実際気も回る。

だが、自分が他の人にどう見られるかの意識が強い分、本当の自分を出すのには抵抗意識がある。
私が惹きつけられたのは、その強さと弱さのチグハグさ。
普段無理を推してトゲトゲしいカリスマを演じている自分に、勝手なシンパシーを抱いていた。


569: ◆vqFdMa6h2. 2022/05/19(木) 21:41:04.57 ID:kJ67nvvf0

なのに、どうして、こんなにもすぐにそれを手放さなくてはならないんだろう。
せっかくできた相手を、どうして自分の手で殺さなくてはいけないんだろう。

これまでにも私は3回自分の手で犯人を処刑台に送ってきた。
無論それにストレスを一切感じなかったなんてことはない。どれもむせ返るような罪悪感に、思わず膝を砕いたものだ。

でも、今感じているのはそれとは全く違う。
真っ黒な泥濘に浸かっているような虚脱感。呼吸は妙に浅くなって、視界は僅かに揺れている。
かと思えば、どんどん焦点は下に下に移っていき、気がつけば横一本の木材。

私の立っている証言台の縁しかその視界には入っていない。




「……顔あげなさい、ルカ」




その声は、人を殺めた人間とは思えないほどに柔らかかった。

570: ◆vqFdMa6h2. 2022/05/19(木) 21:42:57.13 ID:kJ67nvvf0

この島に来てからよく慣れ親しんだ、聞いているだけで自然と頬が綻んでしまうような声。
私の理性とは別に、糸で引っ張られるように勝手に体が面を挙げた。

視界に突然入ったその姿は、なおも変わらず凛としていた。
太い芯が一本通ったように、まるで影がブレていない。
どこまでも逞しいその立ち姿に、思わず私は苦笑した。


「で、誰なの? 有栖川夏葉を殺した犯人ってのは」


私とこいつとの間で、振る舞いがあまりにも倒錯していたからだ。


背筋を伸ばして、毅然とした態度を取るべきなのは_______



571: ◆vqFdMa6h2. 2022/05/19(木) 21:44:07.52 ID:kJ67nvvf0




「オマエだよ、黛冬優子」


私だよな。




572: ◆vqFdMa6h2. 2022/05/19(木) 21:45:08.63 ID:kJ67nvvf0

智代子「ふ、ふゆちゃん……? 一つの裁判で2回目の糾弾……?!」

ルカ「1回目は水素ってだけで確かにただの言いがかりだった。でも……今回ばかりは違う」

ルカ「メカ女の不意を打つような芸当ができたのは間違いなく冬優子だけなんだ」

冬優子「へぇ、言ってくれんじゃない。それなら説明してもらおうかしら。どうしてふゆしかできないのか」

ルカ「お前は前回の事件の時、モーテルで中学生と小学生の面倒を見るためにスーパーマーケットにあった花火を根こそぎ回収したんだったよな?」

冬優子「……それは」

ルカ「有栖川夏葉に搭載されていた暗視補正機能付きのカメラ。夜に起きた事件で、その不意を突くなんて普通の人間には不可能。それこそ、お前だけが使用可能だった花火でも使わない限りはな」

美琴「ロケット花火を夏葉さんめがけて射出すれば、視界は一気に明るくなって私たち人間以上にその対応は遅れてしまう」

美琴「……よく考えてるよね」

雛菜「そうやって不意をつくことで強制スリープボタンを押して、一連の犯行を行ったんですよね~?」

冬優子「……今のルカの推理はあくまで仮説でしょ」

ルカ「確たる証拠はねーが……今のところ、それ以外にメカ女を殺害できる方法は考えられない。他の可能性があるってんなら提示してみろ」

冬優子「……」




【あさひ「それは違うっすよ」】反論!




あさひ「ルカさん、何言ってるっすか? 意味わかんないっす」

ルカ「……!! お前……!!」

あさひ「冬優子ちゃんがクロ? そんなわけないっす、いい加減にしてほしいっすよ」

あさひ「前々から狸だとかいろいろ言われてきて、わたしもずっと我慢してたっすけど……」

あさひ「もう、これ以上黙っていられないっす。ルカさん、わたし……本気で行くっすよ」

(こ、こいつ……なんて殺気だよ……)

(……ここまでの相手は……初めてだ……!)

573: ◆vqFdMa6h2. 2022/05/19(木) 21:46:30.49 ID:kJ67nvvf0
-------------------------------------------------

【真・反論ショーダウン開始!】

発言力:♡×3
集中力:☆×5

コトノハ
‣【モノクマファイル4】
‣【おやすみスイッチ】
‣【島のパンフレット】
‣【泥】
‣【夏葉の眼球】
‣【極上の凶器】
‣【死体に被さっていた砂】


あさひ「夏葉さんの不意を突くには」

あさひ「暗視補正の赤外線カメラを利用して」

あさひ「ロケット花火を正面から打ち込む」

あさひ「確かにそれは成立するっすけど」

あさひ「それを冬優子ちゃんがやった証拠はあるっすか?」

あさひ「いい加減にしてほしいっす」

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
【発展!】

ルカ「ロケット花火を使わねーとあんな奴の不意はつけない」

ルカ「それはお前も認めるところだろ……!」

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

あさひ「でも、全部ルカさんの仮説っすよ」

あさひ「大体推理がルカさんの都合のいいように展開してるっす」

あさひ「不意を突くって言ったって、なんで暗闇で真正面から犯人と対峙している前提なんっすか?」

あさひ「観覧車で爆殺が起きたって言うんなら」

あさひ「夏葉さんは【観覧車に二回乗った】かもしれないっすよね?」

あさひ「あの密室ならよけるのも難しいし、【個室の中でスイッチを押された】っす」

あさひ「二回目で犯人がゴンドラを降りて、爆殺したかもしれない」

あさひ「そんな可能性を考慮せずに冬優子ちゃんをクロだなんていわないでほしいっす」


【あさひの敵意がすさまじい……発言力の受けるダメージが通常より大きくなりそうだ……】

【矛盾する発言を正しいコトノハでコンマ80以上で論破しろ!】


1.発言する(コトダマと撃ち込む先の発言を併せて指定安価)
2.集中力を使う(コトダマの数が減る)

↓1

574: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2022/05/19(木) 21:50:15.73 ID:dSdGFz7r0
【おやすみスイッチ】→【個室の中でスイッチを押された】

575: ◆vqFdMa6h2. 2022/05/19(木) 21:56:06.32 ID:kJ67nvvf0

【発言力:♡×3→♡×1】

あさひ「どういう意味っすか?」

あさひ「このスイッチの状態を見れば、観覧車の外で押されたって言えるっすか?」

あさひ「スイッチの防護ガラスの破片? それとも付着している破片?」

あさひ「そんなもの、移動した後で風が吹けばどうとでもなる証拠っすよね?」

(……くッ、違ったみたいだ……)

(スイッチを観覧車の外で押したと証明することが、実質的に冬優子の罪を証明することになる)

(どこかに……冬優子とメカ女が屋外で直面した証拠はないか……?)

【スキル:アンシーン・ダブルキャストの効果によりコトノハの数が減少します】

-------------------------------------------------

【真・反論ショーダウン開始!】

発言力:♡×3
集中力:☆×5

コトノハ
‣【モノクマファイル4】
‣【おやすみスイッチ】
‣【泥】
‣【夏葉の眼球】
‣【極上の凶器】
‣【死体に被さっていた砂】


あさひ「夏葉さんの不意を突くには」

あさひ「暗視補正の赤外線カメラを利用して」

あさひ「ロケット花火を正面から打ち込む」

あさひ「確かにそれは成立するっすけど」

あさひ「それを冬優子ちゃんがやった証拠はあるっすか?」

あさひ「いい加減にしてほしいっす」

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
【発展!】

ルカ「ロケット花火を使わねーとあんな奴の不意はつけない」

ルカ「それはお前も認めるところだろ……!」

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

あさひ「でも、全部ルカさんの仮説っすよ」

あさひ「大体推理がルカさんの都合のいいように展開してるっす」

あさひ「不意を突くって言ったって、なんで暗闇で真正面から犯人と対峙している前提なんっすか?」

あさひ「観覧車で爆殺が起きたって言うんなら」

あさひ「夏葉さんは【観覧車に二回乗った】かもしれないっすよね?」

あさひ「あの密室ならよけるのも難しいし、【個室の中でスイッチを押された】っす」

あさひ「二回目で犯人がゴンドラを降りて、爆殺したかもしれない」

あさひ「そんな可能性を考慮せずに冬優子ちゃんをクロだなんていわないでほしいっす」


【あさひの敵意がすさまじい……発言力の受けるダメージが通常より大きくなりそうだ……】

【矛盾する発言を正しいコトノハでコンマ80以上で論破しろ!】


1.発言する(コトダマと撃ち込む先の発言を併せて指定安価)
2.集中力を使う(コトダマの数が減る)

↓1

576: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2022/05/19(木) 21:58:35.23 ID:dSdGFz7r0
集中力

577: ◆vqFdMa6h2. 2022/05/19(木) 22:00:30.36 ID:kJ67nvvf0

【集中力ゲージを使用しました】

【集中力:☆×5→☆×4】

【コトダマの数が減少します】

-------------------------------------------------

【真・反論ショーダウン開始!】

発言力:♡×3
集中力:☆×4

コトノハ
‣【モノクマファイル4】
‣【おやすみスイッチ】
‣【夏葉の眼球】
‣【死体に被さっていた砂】


あさひ「夏葉さんの不意を突くには」

あさひ「暗視補正の赤外線カメラを利用して」

あさひ「ロケット花火を正面から打ち込む」

あさひ「確かにそれは成立するっすけど」

あさひ「それを冬優子ちゃんがやった証拠はあるっすか?」

あさひ「いい加減にしてほしいっす」

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
【発展!】

ルカ「ロケット花火を使わねーとあんな奴の不意はつけない」

ルカ「それはお前も認めるところだろ……!」

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

あさひ「でも、全部ルカさんの仮説っすよ」

あさひ「大体推理がルカさんの都合のいいように展開してるっす」

あさひ「不意を突くって言ったって、なんで暗闇で真正面から犯人と対峙している前提なんっすか?」

あさひ「観覧車で爆殺が起きたって言うんなら」

あさひ「夏葉さんは【観覧車に二回乗った】かもしれないっすよね?」

あさひ「あの密室ならよけるのも難しいし、【個室の中でスイッチを押された】っす」

あさひ「二回目で犯人がゴンドラを降りて、爆殺したかもしれない」

あさひ「そんな可能性を考慮せずに冬優子ちゃんをクロだなんていわないでほしいっす」


【あさひの敵意がすさまじい……発言力の受けるダメージが通常より大きくなりそうだ……】

【矛盾する発言を正しいコトノハでコンマ80以上で論破しろ!】


1.発言する(コトノハと撃ち込む先の発言を併せて指定安価)
2.集中力を使う(コトノハの数が減る)

↓1

578: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2022/05/19(木) 22:04:47.28 ID:dSdGFz7r0
もっかい集中

579: ◆vqFdMa6h2. 2022/05/19(木) 22:06:13.64 ID:kJ67nvvf0

【集中力ゲージを使用しました】

【集中力:☆×4→☆×3】

【コトダマの数が減少します】

-------------------------------------------------

【真・反論ショーダウン開始!】

発言力:♡×3
集中力:☆×3

コトノハ
‣【夏葉の眼球】
‣【死体に被さっていた砂】


あさひ「夏葉さんの不意を突くには」

あさひ「暗視補正の赤外線カメラを利用して」

あさひ「ロケット花火を正面から打ち込む」

あさひ「確かにそれは成立するっすけど」

あさひ「それを冬優子ちゃんがやった証拠はあるっすか?」

あさひ「いい加減にしてほしいっす」

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
【発展!】

ルカ「ロケット花火を使わねーとあんな奴の不意はつけない」

ルカ「それはお前も認めるところだろ……!」

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

あさひ「でも、全部ルカさんの仮説っすよ」

あさひ「大体推理がルカさんの都合のいいように展開してるっす」

あさひ「不意を突くって言ったって、なんで暗闇で真正面から犯人と対峙している前提なんっすか?」

あさひ「観覧車で爆殺が起きたって言うんなら」

あさひ「夏葉さんは【観覧車に二回乗った】かもしれないっすよね?」

あさひ「あの密室ならよけるのも難しいし、【個室の中でスイッチを押された】っす」

あさひ「二回目で犯人がゴンドラを降りて、爆殺したかもしれない」

あさひ「そんな可能性を考慮せずに冬優子ちゃんをクロだなんていわないでほしいっす」


【あさひの敵意がすさまじい……発言力の受けるダメージが通常より大きくなりそうだ……】

【矛盾する発言を正しいコトノハでコンマ80以上で論破しろ!】


1.発言する(コトノハと撃ち込む先の発言を併せて指定安価)
2.集中力を使う(コトノハの数が減る)

↓1

581: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2022/05/19(木) 22:11:21.16 ID:dSdGFz7r0
【夏葉の眼球】→【個室の中でスイッチを押された】

582: ◆vqFdMa6h2. 2022/05/19(木) 22:14:44.76 ID:kJ67nvvf0

【発言力:♡×1→0】

【発言力がゼロになりました……】

【スキル:つづく、の効果が発動します】

【……たしまりなにロゼが力言発】

【♡×0→♡×1:力言発】

【スキル:アンシーン・ダブルキャストの効果によりコトノハの数が減少します】

-------------------------------------------------

【真・反論ショーダウン開始!】

発言力:♡×1
集中力:☆×3

コトノハ
‣【夏葉の眼球】


あさひ「夏葉さんの不意を突くには」

あさひ「暗視補正の赤外線カメラを利用して」

あさひ「ロケット花火を正面から打ち込む」

あさひ「確かにそれは成立するっすけど」

あさひ「それを冬優子ちゃんがやった証拠はあるっすか?」

あさひ「いい加減にしてほしいっす」

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
【発展!】

ルカ「ロケット花火を使わねーとあんな奴の不意はつけない」

ルカ「それはお前も認めるところだろ……!」

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

あさひ「でも、全部ルカさんの仮説っすよ」

あさひ「大体推理がルカさんの都合のいいように展開してるっす」

あさひ「不意を突くって言ったって、なんで暗闇で真正面から犯人と対峙している前提なんっすか?」

あさひ「観覧車で爆殺が起きたって言うんなら」

あさひ「夏葉さんは【観覧車に二回乗った】かもしれないっすよね?」

あさひ「あの密室ならよけるのも難しいし、【個室の中でスイッチを押された】っす」

あさひ「二回目で犯人がゴンドラを降りて、爆殺したかもしれない」

あさひ「そんな可能性を考慮せずに冬優子ちゃんをクロだなんていわないでほしいっす」


【あさひの敵意がすさまじい……発言力の受けるダメージが通常より大きくなりそうだ……】

【矛盾する発言を正しいコトノハでコンマ80以上で論破しろ!】


1.発言する(コトノハと撃ち込む先の発言を併せて指定安価)

↓1

583: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2022/05/19(木) 22:15:35.91 ID:dSdGFz7r0
【夏葉の眼球】→【個室の中でスイッチを押された】

584: これは熱い ◆vqFdMa6h2. 2022/05/19(木) 22:17:33.12 ID:kJ67nvvf0

ルカ「その矛盾、断ち切る!」

【BREAK!】

ルカ「甘ェ……甘ェな、中学生よォ! 観覧車の中ならだれでもスイッチを押しに行ける。んなことは私だって分かってたんだ」

ルカ「でも、そうじゃねえ……メカ女は暗闇の中で不意打ちをされた、明確な根拠があるんだよ」

あさひ「……えっ」

ルカ「そうだよな、甘党女」

智代子「う、うん……夏葉ちゃんの眼のカメラはね、周囲の明るさを自動で検出して赤外線カメラを起動したりするんだけど……レンズがそのたびに切り替わってるんだ」

智代子「事件当時、死体となった夏葉ちゃんの眼を私も確かめてみたんだけど……あれは、暗所用のレンズだったよ」

透「レンズって確か、厚さとか、構造とかで光の……くっせつ率?が違うんだよね?」

透「暗闇でも見れるようにするには、その機能にあった屈折率が大事なんだって」

あさひ「そんなの、わからなかった……」


585: ◆vqFdMa6h2. 2022/05/19(木) 22:18:15.96 ID:kJ67nvvf0

ルカ「破壊された後にいじくりまわされてカメラのレンズが切り替わった、なんてことは考えにくい。スリープモードに入った段階、つまりボタンを押された段階であいつは暗闇の中にいたんだよ」

ルカ「観覧車のゴンドラなんて、明るい部屋の中じゃあない……! だから、そこで不意を打てたのは冬優子だけなんだ……!」

ルカ「どうだ、冬優子……反論はあるか……」

冬優子「反論、ね」



冬優子「……ええ、当然あるわ。ふゆが私欲のために手を汚すような人間だと思われたいたなんて心外だから」



あさひ「冬優子ちゃん……!」

冬優子「……そんな顔しないで、こっちの胸が痛むから」

(冬優子……?)

冬優子「ルカがふゆにかけた嫌疑は大まかに分けて二つ。一つ目は有栖川夏葉の命を奪った爆発はふゆが以前病院から回収した水素吸引機を利用したものであるということ」

冬優子「そしてもう一つは有栖川夏葉を暗所で不意を突けたのはロケット花火を唯一仕えた人間であるふゆだということ」

冬優子「……耳の穴かっぽじってよく聞きなさい」

冬優子「あんたの推理が大間違いだってこと、証明してやるから」


586: ◆vqFdMa6h2. 2022/05/19(木) 22:19:15.88 ID:kJ67nvvf0
-------------------------------------------------

【ノンストップ議論開始!】

発言力:♡×1
集中力:☆×3.5

コトダマ
‣【モノクマファイル4】
‣【死体の焦げ跡】
‣【おやすみスイッチ】
‣【夏葉の眼球】
‣【泥】
‣【島のパンフレット】
‣【ワイヤーフック】


冬優子「あんたの推理はどれも確実性に欠けんのよ」

冬優子「まず、有栖川夏葉を殺害した水素爆発」

冬優子「これ自体は水素吸引機を使わなくても【可能】よね」

透「わざわざ機械を使わなくても、化学反応を利用すればいいもんね」

あさひ「水素の入手手段は沢山あるっす、手っ取り早いのが吸引機ってだけっす」

雛菜「でも、ゴンドラの中に【充満させる】のって相当な量が必要だよ~?」

雛菜「一から集めなおすのってすごく大変だと思う~」

冬優子「それに有栖川夏葉の空気清浄機能が水素相手に【発動しなかった保証もない】んでしょ」

冬優子「水素なんて普通の大気中には含まれない、ああいうのってガスそのものの有毒性じゃなくて含まれてる割合とかを感知するんじゃなくて?」

モノクマ「うぷぷぷ……どうだろうね?」

モノクマ「空気清浄機能なんてただのジョークだったりして!」

あさひ「わたしは夏葉さん本人から聞いたっす、嘘なんてそんなのあり得ないっす!」

冬優子「あいつの水素爆発は、そもそも疑問が残んのよ!」


【正しいコトダマで矛盾する発言を論破しろ!】

-------------------------------------------------

587: ◆vqFdMa6h2. 2022/05/19(木) 22:20:47.64 ID:kJ67nvvf0

(……クソッ、あいつ以外の人間が水素を充満させた可能性。そもそも空気清浄機能が発動していたかどうかの断定。そのいずれも……今の私の手掛かりじゃ、わからない)

(冬優子の奴め……最後の最後まであがくつもりだな)

(……今の私の手持ちじゃ、あいつを論破することはできない)

(それなら)

(今ある手持ちを違った見方をしてみる。新しく見えてきた側面が……真実を切り開く可能性はあるよな……)

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☆検討プロセッシングについて

相手に何とか反論したい、相手をどうにか言い負かしたい!
それなのに、今の持っている情報では崩せない……そんな時、ございますよね?

そこで今回ご紹介いたしますのが、『検討プロセッシング』でございます!
事態を冷静に見極めて、情報の一つ一つを丁寧に精査。
そうすることでコトダマを多面的に見つめ直し、あなた様に必要な情報を導き出すのがこの、検討プロセッシングなのです。
やり方は簡単。択一式で出てくる斑鳩様の自問自答に対し、適切な道を選び続けるのみ!

そう、ルートを考えるのです。考え……考え……ルート……
……そういえば、最近あちら方のシリーズも続編は出ないのでしょうか?
寂しいものですね……

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588: ◆vqFdMa6h2. 2022/05/19(木) 22:21:34.23 ID:kJ67nvvf0
-------------------------------------------------

【検討プロセッシング開始!】

まず第一に、私が冬優子の言い分を論破するなら……

A.【他の誰も水素を充満させることはできなかった】
B.【空気清浄機能は発動しなかった】

のどちらかを証明しなくちゃならない。
どうだろう……どちらなら証明できるだろうか……?

↓1

589: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2022/05/19(木) 22:26:19.23 ID:dSdGFz7r0
B.【空気清浄機能は発動しなかった】

590: ◆vqFdMa6h2. 2022/05/19(木) 22:27:20.08 ID:kJ67nvvf0

【COLLECT!】

そうだ……空気清浄機能が発動しなかったことを証明できれば、結果としてあのゴンドラに充満していたのが水素だと証明できるはずだ。
そうなると、水素吸引機を持っていた冬優子の容疑はより濃くなる。

だけど、メカ女の空気清浄機能の詳細が明らかじゃない今……それが作動したかどうかって確かめようはあるか?
何か、利用できるものはないか?
……そうだ、空気清浄機能がよくわからないなら、その標的である水素の方で考えてみよう。
水素の性質で、空気清浄機能が作動しないと断言できるものは何かないだろうか。

A.【可燃性】
B.【過剰な量でなければ吸引しても人体に悪影響は乏しい】
C.【空気より軽い】
D.【酸素と結合して水になる】

↓1

591: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2022/05/19(木) 22:27:24.73 ID:lUoTZCfC0
A

593: ◆vqFdMa6h2. 2022/05/19(木) 22:31:57.92 ID:kJ67nvvf0

【発言力:♡×1→♡×0】

【発言力がゼロになりました】

【クリア後報酬が半減しました】

【コンテニューを行うため発言力が最大まで回復します】


(いや……可燃性であることは空気清浄機能とは大して関係がないはずだ……)

(有害性の有無、それは論点じゃない……)


水素の性質で、空気清浄機能が作動しないと断言できるものは何かないだろうか。

A.【可燃性】
B.【過剰な量でなければ吸引しても人体に悪影響は乏しい】
C.【空気より軽い】
D.【酸素と結合して水になる】

↓1

594: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2022/05/19(木) 22:36:09.35 ID:dSdGFz7r0
C.【空気より軽い】
時間差の事故はね、仕方ないと思うの

596: ◆vqFdMa6h2. 2022/05/19(木) 22:38:35.54 ID:kJ67nvvf0

【COLLECT!】

そうだ、水素の性質……確か水素って、空気より軽いんだったよな。
ゴンドラに水素を充満させた時も……多分、空気より軽いから水素はゴンドラの上部に溜まるはずだ。
これ、何かに使えないか……?
何かと組み合わせると、大きな意味を持つはずだ……
あのゴンドラの事件当時の状態を思い出してみよう。

A.【ゴンドラの密閉性】
B.【ゴンドラに載っている夏葉の体勢】
C.【ゴンドラの強制ロック】
D.【観覧車の回転速度】

↓1

597: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2022/05/19(木) 22:40:18.23 ID:lUoTZCfC0
B

598: ◆vqFdMa6h2. 2022/05/19(木) 22:42:29.36 ID:kJ67nvvf0
-------------------------------------------------
B
-------------------------------------------------

【COLLECT!】

そうか……メカ女は強制スリープボタンを押されているし、あの重量……きっと犯人は直立や座らせた状態では載せていないはずだ。
だったら、水素が溜まっている上部に体が接することもなく、床に寝そべる形になっていたに違いない。
それだったら……空気清浄機能も発動のしようがないよな!?
だって、ほかならぬメカ女の身体が水素の混じった気体そのもの触れちゃいねえんだから……!
なら、今の私に必要なのは事件当時水素がゴンドラの上部に溜まっていたことの証明だ。
ゴンドラの上部に水素が溜まっていたなら、爆発が起きたのもゴンドラの全体ではなく、上部だけのはず。
それを裏付けるような証拠はなかったか?

【正しいコトダマを選べ!】

>>402 >>403

↓1

599: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2022/05/19(木) 22:43:18.66 ID:dSdGFz7r0
【死体の焦げ跡】

600: ◆vqFdMa6h2. 2022/05/19(木) 22:45:40.45 ID:kJ67nvvf0
-------------------------------------------------
【死体の焦げ跡】
-------------------------------------------------

間違いない……メカ女の死体はバラバラにはなっていたが、死体についていた焦げ跡はあくまで上半身だけ。
それって直立の時に上半身部分だけで爆発が起きたことの証拠になるよな。
そしてそれは、事件当時にゴンドラに溜まっていた気体が水素だったことの証明に他ならない。
見えたぞ……冬優子の主張を論破する、強力な証拠が!


【FORGING!!】


コトダマ【死体の焦げ跡】→【ゴンドラに充満していた水素】
〔空気より軽い気体である水素はゴンドラの上部に溜まっていたと考えられる。そのため、水素爆発が発生した際でも燃焼が起きたのは夏葉における上半身のみであり、死体の焦げ跡も上半身についているのみである〕


601: ◆vqFdMa6h2. 2022/05/19(木) 22:46:40.12 ID:kJ67nvvf0
-------------------------------------------------

【ノンストップ議論開始!】

発言力:♡×10
集中力:☆×3.5

コトダマ
‣【モノクマファイル4】
▹【ゴンドラに充満していた水素】
‣【おやすみスイッチ】
‣【夏葉の眼球】
‣【泥】
‣【島のパンフレット】
‣【ワイヤーフック】


冬優子「あんたの推理はどれも確実性に欠けんのよ」

冬優子「まず、有栖川夏葉を殺害した水素爆発」

冬優子「これ自体は水素吸引機を使わなくても【可能】よね」

透「わざわざ機械を使わなくても、化学反応を利用すればいいもんね」

あさひ「水素の入手手段は沢山あるっす、手っ取り早いのが吸引機ってだけっす」

雛菜「でも、ゴンドラの中に【充満させる】のって相当な量が必要だよ~?」

雛菜「一から集めなおすのってすごく大変だと思う~」

冬優子「それに有栖川夏葉の空気清浄機能が水素相手に【発動しなかった保証もない】んでしょ」

冬優子「水素なんて普通の大気中には含まれない、ああいうのってガスそのものの有毒性じゃなくて含まれてる割合とかを感知するんじゃなくて?」

モノクマ「うぷぷぷ……どうだろうね?」

モノクマ「空気清浄機能なんてただのジョークだったりして!」

あさひ「わたしは夏葉さん本人から聞いたっす、嘘なんてそんなのあり得ないっす!」

冬優子「あいつの水素爆発は、そもそも疑問が残んのよ!」


【正しいコトダマで矛盾する発言を論破しろ!】


1.発言する(コトダマと撃ち込む先の発言を併せて指定安価)
2.集中力を使う(コトダマの数が減る)

↓1

602: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2022/05/19(木) 22:47:53.05 ID:dSdGFz7r0
【ゴンドラに充満していた水素】→【発動しなかった保証もない】

604: ◆vqFdMa6h2. 2022/05/19(木) 22:50:07.99 ID:kJ67nvvf0

ルカ「それは違うぞ!」

【BREAK!】

ルカ「……いや、水素だからこそ空気清浄機能は働かなかった。これは間違いないはずだ」

冬優子「確かに水素は体に即座に害をなす物じゃない。医療品にだって使われているし、美容の現場にも持ち込まれてる」

冬優子「でも、有栖川夏葉の空気清浄機能について詳細に分かってもいないのに確実に働いていないなんてどうして断言できるのよ。空気中に含まれる物質の割合を感知して、水素が異常値になった時点で分解するように働いていた可能性だって……」

ルカ「違うんだ、メカ女の空気清浄機能がどんなものかなんてそもそも関係なかったんだ。犯人の手口が明らかになった今、あいつの空気清浄機能は何が起きようと働いていなかったと断言できる」

冬優子「なんですって……?!」

ルカ「考えてみろ。あいつはどうやって観覧車に載せられたんだった?」

智代子「えっと……犯人がロケット花火を打って、不意を突いて強制スリープボタンを押したんだったよね?」

ルカ「そう、あいつ自身に意識はなかったんだ。つまり、脱力しきった状態……しかもあの重量と来た。わざわざ犯人があいつを持ち上げて座らせたり立たせたりする理由がどこにある?」

透「まあ、普通はそのまま乗っけるよね。ゴンドラの床とかに」

冬優子「何よ、それがなんだって言うのよ」

ルカ「メカ女はゴンドラの中で、寝転がった状態だった。これがとにかく重要なんだよ」

恋鐘「ど、どういうことばい!?」


605: ◆vqFdMa6h2. 2022/05/19(木) 22:50:59.07 ID:kJ67nvvf0

ルカ「本日何度目かの化学の勉強のお時間だ。水素について……その性質を思い出してみろ」

雛菜「水素の性質~? 水を電気分解したら発生するとか、可燃性だとか、それ以外でってことですか~?」

智代子「な、何かあったっけ……?」

あさひ「……空気より、軽い……」

ルカ「さすがだな、中学生。その通りだ。空気より軽い気体なんだ、ゴンドラの中に充満するっつってもそれはゴンドラの上部だけなんだよ」

冬優子「……!!」

ルカ「メカ女が寝そべっているよりも高い地点に溜まっていく水素。どれだけ高機能な空気清浄機能だろうが、そもそも触れてもいない気体を検知することはできやしないはずだ」

ルカ「そして目を覚まして、なんらかの理由によって脱出を試みたメカ女は機械が検知するよりも先にロケットパンチを射出。こうなっちまえば先に爆発が起きてしまう」

ルカ「それを裏付けるのが、あいつの死体の焦げ跡なんだよ。あいつの身体はバラバラになっちまってから気づきにくかったがよ……焦げ跡がついてるのはあくまで上半身部分だ」

ルカ「それって気体がゴンドラの上部にしか溜まっていなかったことの証明に他ならないだろ。ゴンドラ全体に充満していたってんなら全身に焦げ跡は及んでいたはずだぜ?」

ルカ「死体発見現場の泥と合わせ、空気よりも軽い可燃性の気体だって話となると……それはもう水素しかねえ」

ルカ「その水素をゴンドラに充満させられるほどのもんは……冬優子の持っていた水素吸引機ぐらいのもんだろうが!」

冬優子「……」


606: ◆vqFdMa6h2. 2022/05/19(木) 22:52:02.43 ID:kJ67nvvf0

冬優子「あんたの言い分はよく理解した、確かに今の論証は水素爆発を裏付ける話かもしれない」

冬優子「……でもね、ふゆが犯人だと断定する論理上には載ってない。他の人間に水素を充満させられなかったってわけじゃないんだから」

雛菜「でも、化学反応をわざわざ起こして水素をためるなんて手間も時間もかかりすぎると思うし苦しいと思うけどな~」

冬優子「うっさい! ふゆは手元にあるカードは全部使う……どんなに小さな可能性だろうと、残る限りは追及させてもらうわよ!」

美琴「あなたが追及するのは勝手だけど……あくまで学級裁判は多数決。他のみんなの心証がどちらに傾いているかは気にしたほうがいいと思うけどね」

冬優子「……それは、そう……だけど!」

冬優子「こんなところでふゆは負けてらんない……負けてらんないのよ!」

(……冬優子、お前……)


確かに、私たちは冬優子に対して確定的な証拠を突き付けているわけではない。
あくまで可能性の高い二つの嫌疑をぶつけているというだけ。
でも……これは正式な裁判ではない、あくまで学級裁判。
私刑を下すのには十分な証明は為されているはず。
既に天秤も殆どそちらに傾いているはず。美琴のように諦めるように促す言葉が出るのも納得はいく。


607: ◆vqFdMa6h2. 2022/05/19(木) 22:53:06.70 ID:kJ67nvvf0

だけど、私は知っている。
そんな形勢など冬優子だって百も承知だ。
もうここまで来れば逃げ場はほとんどないことを知っている。
だからといって冬優子がおめおめ首を差し出すわけがない。

冬優子は何も醜態をさらしているわけではない。
自分の命に縋りついて、みっともなく生き残ろうとしているわけではない。

冬優子は、責任を果たそうとしている。
これまでにこの場で命を散らしてきた三人に対して、自分が手にかけた有栖川夏葉に対して、そして何より……自分の仲間たちに対して。
自分の生を諦めるようでは彼女たちに申し訳が立たない。

最後まで戦い抜くという責任。
彼女はそのために刃先の折れた刀を何度だって構えなおす。
何度だって私にその鋩を向ける。

冬優子は私ならその責任のための闘いに応えてくれると知っているから。
共に三峰結華を説得し、共に小宮果穂が殺めた二人に報いてきた戦友なら、その意図まで汲み取ってくれると信じてくれた。
そうじゃないと、私にわざわざ犯人として指名などさせはしない。


……分かってんだよ、黛冬優子。
だって、私もお前と……【同族】だからな。


608: ◆vqFdMa6h2. 2022/05/19(木) 22:54:08.89 ID:kJ67nvvf0

冬優子「水素爆発だって、ロケット花火だって……そんなの、ふゆ以外にだって可能だった。抜け道は存在してんのよ」

冬優子「それをやったのが、ふゆだって断定するんなら確固たる証拠を示しなさい」

智代子「そ、そんな証拠なんてあればとっくに突き付けてるよ……」

あさひ「冬優子ちゃん……」

ルカ「……ハッ」

ルカ「……いいぜ、付き合ってやるよ。お前は私にとって、この島に来て初めてできた対等な……ダチだ」

ルカ「だからよ……その最初で最後の喧嘩は最後まできっかり決着つけねーと、収まんねーよな」

冬優子「上等よ、ルカ……あんたのその憎まれ口、ずっとイラついてたのよ」

ルカ「おう、こっちだっててめェの空かした態度はずっとトサカに来てたんだ」

冬優子「あら、奇遇ね。そんじゃやりましょうか、一世一代の大喧嘩。タイマンで」

ルカ「ハッ……上等だよ、クソッたれ!」



609: ◆vqFdMa6h2. 2022/05/19(木) 22:54:52.42 ID:kJ67nvvf0





「「全力でぶっとばしてやる!」」






610: ◆vqFdMa6h2. 2022/05/19(木) 22:55:51.21 ID:kJ67nvvf0
-------------------------------------------------

【パニックトークアクション開始!】


冬優子「その程度でふゆに勝ったつもり?」【防御力50】
冬優子「上等じゃないの」【防御力55】
冬優子「これで決めます……!」【防御力60】
冬優子「誰が終わりって言いました?」【防御力65】
冬優子「あんたのことは、ふゆがちゃんと終わらせてあげるから」【防御力70】


【盾の防御力をコンマで削り切れ!】

↓1~5

612: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2022/05/19(木) 22:57:01.54 ID:dSdGFz7r0

613: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2022/05/19(木) 22:58:04.79 ID:dSdGFz7r0

614: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2022/05/19(木) 22:58:38.84 ID:lUoTZCfC0

615: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2022/05/19(木) 22:58:39.54 ID:dSdGFz7r0

616: ◆vqFdMa6h2. 2022/05/19(木) 23:01:53.39 ID:kJ67nvvf0
-------------------------------------------------

【コンマ 95 54 79 84 54】

【ピトス・エルピスの効果によりコンマの値が+15します】

【最終コンマ 110 69 94 99 69】

【ALL BREAK!】

ルカ「ぶっとばしてやるよ!」


【冬優子「そもそも、ふゆがロケット花火を撃って不意打ちしたなんて証拠はどこにもないのよ!」】


応/煙/反/硝


【正しい順番に並び替えて、コンマ値70以上でとどめをさせ!】

↓1

617: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2022/05/19(木) 23:02:30.31 ID:lUoTZCfC0
硝煙反応

619: なぜか普通に失敗の所を一度通していますがガバです ◆vqFdMa6h2. 2022/05/19(木) 23:05:23.60 ID:kJ67nvvf0

【コンマ31】

【ピトス・エルピスの効果によりコンマの値が+15されます】

【最終コンマ 46】

【発言力:♡×10→♡×9】

冬優子「これがあんたの全力? ルカ……あんた、案外非力なのね」

(ざけんな……このまま終わってたまるかよ……!)

-------------------------------------------------

ルカ「ぶっとばしてやるよ!」


【冬優子「そもそも、ふゆがロケット花火を撃って不意打ちしたなんて証拠はどこにもないのよ!」】

応/煙/反/硝

【正しい順番に並び替えて、コンマ値70以上でとどめをさせ!】

↓1

620: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2022/05/19(木) 23:06:06.85 ID:dSdGFz7r0
荘園反応

622: ◆vqFdMa6h2. 2022/05/19(木) 23:07:56.73 ID:kJ67nvvf0

【コンマ85】

ルカ「くらいやがれ!」

【BREAK!!】

ルカ「確かに今、私たちの手元にも……これまでにも、冬優子がロケット花火を撃った証拠は何かあったわけじゃない」

ルカ「でもな、その証拠は……ずっと私たちの目の前にあったんだよ」

智代子「私たちの……目の前……?」

ルカ「それを確かめる術がないから、ずっと手をこまねいちゃいたが……冬優子がここまで食い下がるんだったらこっちだって手は選んじゃいられない」

冬優子「どんな手があるっての、言ってみなさい!」

ルカ「モノクマ! 手ェ貸せ!」

モノクマ「えっ、ボクですか!? そ、そんな急に手を貸せと言われましても……ボクにできるのはせいぜい罪人を縊り殺すことぐらいでして……」

ルカ「グチグチ言ってんじゃねえ、私たちに硝煙反応を調べさせろ」

恋鐘「しょーえんはんのー……ってなんね!?」

美琴「……サスペンスドラマのお仕事で何度か出会ったな」

美琴「拳銃なんかを発射したときに衣服に付着する硝煙を検査する薬品。名前は忘れたけど……火薬が炸裂した時には付近に成分が散布されるんだよ」


623: ◆vqFdMa6h2. 2022/05/19(木) 23:08:27.08 ID:kJ67nvvf0

透「火薬ってことは……銃と同じなんだね。花火も、硝煙をぶちまける」

雛菜「じゃあ、ストレイの人の身体には硝煙がべったり~?」

冬優子「……そ、それは!」

ルカ「ま、それが実際どうかは……検証してみてからにしようぜ。なあ、モノクマ!」

モノクマ「う~~~ん……それってどうなの? この学級裁判ってオマエラの捜査と推理で犯人を導き出すのが目的であってさ、そういう化学捜査の領域にボクが介入するのってあんまりフェアじゃない気がするんだよね……」

ルカ「んだと……?」

あさひ「そうっすよ! 化学捜査をここでだけ解禁するのはおかしいっす! これまでの事件と条件が変わっちゃうっす!」

(まずい……ここはなんとしても通さねえと……)

あさひ「モノクマが公正にこのコロシアイを進行するって決めた以上はその言葉は守らないとズルっす!」

モノクマ「う~ん……やっぱりそうだよねぇ……」

(私しかいない……私しか、もう冬優子を楽にしてやれる人間はいねえってのに……!)


624: ◆vqFdMa6h2. 2022/05/19(木) 23:09:28.96 ID:kJ67nvvf0





冬優子「いいわ、やってみなさいよ」





625: ◆vqFdMa6h2. 2022/05/19(木) 23:11:02.84 ID:kJ67nvvf0

ルカ「冬優子!? お、お前……!」

冬優子「ルカ、あんたはこの検証をすれば満足するんでしょ? それならいいわ、引き受けてあげる。モノクマ、本人が承諾してるんだからそれを断る道理はないわよね?」

モノクマ「え? う、う~~~んと……まあ、いいのかなぁ……」

あさひ「冬優子ちゃん、何言ってるんっすか?! なんで、そんなこと言うんすか!?」

冬優子「あさひ、あんたさっきからキャンキャンうっさいのよ。耳が喧しくてたまんないわ」

冬優子「いい。今から真実が明らかになるわけだけど……結果がどうであれ、それをちゃんと受け入れること。あんた、年の割には頭が無駄に回るんだから……真実から目を背けて騒ぐとか、そんなダサい真似をしたら許さないわよ」

あさひ「冬優子ちゃん……」

冬優子「ほら、モノクマ。さっさとやって頂戴。硝煙反応とやら、確かめてみましょうよ」

(……冬優子)

(ハッ……まだまだ私は甘い。これだけやっておいて、決定的な証拠は見つけられず)

(結局……冬優子に助けられちまったんだもんな……情けねえ)


626: ◆vqFdMa6h2. 2022/05/19(木) 23:12:09.72 ID:kJ67nvvf0

モノクマ「わかりました! それではこれより、黛さんの硝煙反応を検査いたします!」


モノクマ「てれれってれー! ジフェニルアミン~~~~~~~!!」


モノクマ「これはアニリンっていうのから合成される化合物なんだけど……まあ詳しい説明は文系なんで省略するよ」


モノクマ「とにかく、さっき緋田さんが言った通りなのです! この薬品を拳銃などを使用した人間の衣服にぶっかけるとあら不思議! その衣服が紫色に変わ
ってしまう優れもの!」


モノクマ「これを黛さんにぶっかけたその結果はいかに……! 真実はクロか、それともシロなのか~~~~~!?」


ジャバァッ!!

627: ◆vqFdMa6h2. 2022/05/19(木) 23:14:06.23 ID:kJ67nvvf0


特殊な液体をかけられた冬優子の衣服。


智代子「こ、これって……」

透「あっちゃ~……」

恋鐘「冬優子、こいは……こん色の変わり方は……」

雛菜「あは~? 服、【紫】一色って感じですね~?」


それは私たちの目の前で……みるみると紫色に染まりあがっていった。
つまり、黛冬優子がロケット花火を使用したという紛れもない事実……

彼女が【クロ】であるという純然たる事実が、そこに浮かび上がったのだった。


ルカ「硝煙反応が出たってことは、冬優子はロケット花火を撃っていたってこと。つまり……有栖川夏葉を不意打ちして強制スリープボタンを押した人間だってことだ」

ルカ「これで認めてくれるよな、冬優子」


628: ◆vqFdMa6h2. 2022/05/19(木) 23:15:21.60 ID:kJ67nvvf0

冬優子「……」


冬優子「…………」


冬優子「…………………………」





冬優子「……ゲームセット、ってとこね」





629: ◆vqFdMa6h2. 2022/05/19(木) 23:16:32.82 ID:kJ67nvvf0

あさひ「……なん、で……」


私と冬優子の最初で最後の大喧嘩はこうして幕を下ろした。
私の手からは何かが塵となって消えていき、冬優子の目の前には首を括るためにあるような綺麗な輪っかが垂れさがる。
この喧嘩の幕引きは、どうあがいても最悪な形でしか終わらない。


冬優子「あんた、もっと早くノックアウトしなさい。なんか不細工な終わり方になっちゃったじゃないのよ」

ルカ「はいはい、検証が足りず悪うござんした」

冬優子「ったく……まあ、ふゆの想定より証拠が隠滅されちゃってたから致し方ないけどね」


だからって、私たちの表情が陰鬱の底に陥るかと言われればそれはノーだ。
今この瞬間、感じているものだって黒々としたものなんて殆どない。
そこにあるのは最後まで向き合い続けることができたという安どと、そして相手が自分を信じ続けてくれたということに対する確かな効力感。
満ち足りたというと語弊があるが、そこに流れる汗は決して脂ぎったものではなかったことは間違いない。


630: ◆vqFdMa6h2. 2022/05/19(木) 23:17:25.93 ID:kJ67nvvf0

智代子「本当に、ふゆちゃんだったんだね。夏葉ちゃんを殺しちゃったの……」

冬優子「……園田智代子。あんたの大事な存在を奪ってしまったこと……それはいくら謝っても足りるものではないと思う」

冬優子「でも、一つ言わせてもらうとすれば……この事件、有栖川夏葉自身の望むところでもあったのよ」

智代子「……えっ」


クロが確定した今、被害者のユニットメンバーであった甘党女は当然ながら……両目に涙を浮かべながらその理由と今の心情とを尋ね求める。
だが、冬優子はその要求をいったんは棄却した。


冬優子「ま、細かいことは後にしましょうか。そういう長話は処刑の前にでもすればいいわ」

智代子「ちょ、ちょっと待って……ふゆちゃん、それってどういう____」

冬優子「まだこの裁判は終わってないわ」

ルカ「……ハッ」

冬優子「ルカ、付き合ってもらうわよ。ふゆがこの事件を起こしたのは……ここから先が目的なのよ」


631: ◆vqFdMa6h2. 2022/05/19(木) 23:18:11.05 ID:kJ67nvvf0

それは、何も想いを踏みにじるわけではなく、ほかに優先すべき事項があったから。
冬優子にとって何よりも優先されるべきなのは……誰かを殺めた動機ではなく、もっとその大前提。

この事件そのものに託した思い、そして策略である。
自分自身が犯人だと確定した今、それをこの場で明らかにすることに冬優子は異常なまでの意欲を見せた。
きっと、それは私と言う存在が今ここにいることに対しての甘えでもあったんだろう。
斑鳩ルカならば付き合ってくれる、なんてカミサマに対してどこまでも不遜な態度だと思う。

でも、それくらい罰当たりな方が崇められる立場の人間としても気楽なもんだ。


ルカ「はぁ……ダチってのはこんな人使いが荒いもんなのか?」

冬優子「そーよ、ほら文句言わずにやることやる」

ルカ「チッ……それじゃあしょうがねえ、やってやるよ」

ルカ「今からこの事件を最初っから全部振り返る。そんで……そこから先は、てめェの好きにやりな」

冬優子「上出来、それでよろしい」

ルカ「じゃあ、始めるぞ。これがこの事件の全部だ……!」


632: ◆vqFdMa6h2. 2022/05/19(木) 23:19:25.21 ID:kJ67nvvf0
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【クライマックス推理開始!】

【act.1】

ルカ「今回の事件、私たちははじめスタート地点を完全に見誤っていた。というのも、死体の発見現場が実際の殺害現場から大きく動かされていたんだが……死体のぶちまけたオイルがその誤認を招いたからなんだ。ただ死体が落下した時にぶちまけただけのオイル、それをあたかも私たちは殺害時にぶちまけられたものと勘違いしちまったんだよな」


ルカ「実際の殺害現場は遊園地の観覧車、そのゴンドラの中だ。犯人はその中でなかなか突拍子もないトラップを仕掛けてメカ女の命を奪ったんだが……それは後に語るとするか。まず、前提としてメカ女をゴンドラに載せるってのが難題だからな」


ルカ「メカ女は私たちよりも肉体のスペックも上、更に人体改造(物理)のせいで通常よりも死角が少なくなっている。ただの物理攻撃なんて受けつかない鋼鉄の身体だし、更には暗所では自動で赤外線カメラによって補正をかけることもできる。ただ、犯人はその赤外線カメラ自体を利用して犯行に及んだんだ」


ルカ「被害者であるメカ女をなんらかの方法で呼び出した犯人は、不意打ちを仕掛けた。その際に使用したのがロケット花火だ。これは第三の事件発生時に、病院とモーテルに二手に分かれて私たちが行動した時に犯人が回収しておいたもの。犯人を置いて他に使用できる人間はいなかったんだが……そこはまあ証明は難しいな」


ルカ「犯人の射出したロケット花火はメカ女の視界を一瞬にして光でいっぱいにした。それまでの暗所で補正をかけていた赤外線カメラはその瞬間に使い物にならないお荷物になる。完全に視覚情報が遮断されてしまったメカ女、その不意をつくことで犯人は強制スリープボタンを押すことを可能にしたんだ」


633: ◆vqFdMa6h2. 2022/05/19(木) 23:20:07.05 ID:kJ67nvvf0
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
【act.2】

ルカ「強制スリープボタンを押して意識を奪ったメカ女を、犯人は観覧車のゴンドラに載せた。そのゴンドラは犯人が病院から持ち出しておいた水素吸引機で、水素を充満させたゴンドラだ。メカ女の重量は百キロを優に超える。ゴンドラに積むので犯人はきっと精いっぱいだったんだろう、その体は寝そべった状態でゴンドラに載せられたんだ」


ルカ「その寝そべった状態ってのがなかなかネックでな。あいつの身体に搭載されている空気清浄機能は、空気より軽いためゴンドラの上部に溜まった水素は検出しなかった。そのままメカ女は何も気づかずスリープモードのままに空中へと運ばれて行った」


ルカ「ゴンドラの速度もきっと調整しておいたんだろうな。一定の高さを超えたところでゴンドラは完全にロック。ナパーム弾すらも通さない鉄壁のシェルターカプセルが完成する。ここまですれば仕込みは完了。後は勝手にメカ女が目を覚ますのを待つだけだ」


ルカ「メカ女にはきっと張り紙でもしておいたんだろう。お仲間の命を脅迫に取るようなメッセージなんかで……すぐにでも助けに行かなくては、脱出しなくてはと思わせるような誘導を行った。目を覚ますなりその誘導に連れられてしまったメカ女はゴンドラから脱出するために……自慢のロケットパンチをぶっ放した」


ルカ「その瞬間、ゴンドラ内の水素が一斉に反応。ゴンドラの中で大爆発が起きちまったんだ。メカ女の身体はものすごい勢いでゴンドラに叩きつけられ、その衝撃で回路が破損。あいつは死亡することとなった。あわせて、ゴンドラの上部の気体で燃焼反応を起こしたため、上半身には焦げ跡もついた。水素爆発の化学反応で、水分もいくらか付着したかな」


ルカ「とにかく、犯人はあの私たちの中で最も殺しづらいであろうメカ女をオートマチックに殺すことに成功したんだ。ほんの少しの化学の知識を用いることでな」


634: ◆vqFdMa6h2. 2022/05/19(木) 23:20:42.97 ID:kJ67nvvf0
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
【act.3】

ルカ「とはいえ、ゴンドラには爆発の痕跡も残っているし、死体と一緒に発見されてしまえば真実にたどり着くのも時間の問題だろう。そう考えた犯人は次の工程に移る。それは死体の移動だ。この殺害現場から離れたところに死体を移すことでより事態を複雑にしようと試みたんだ」


ルカ「そこで犯人が考えたのは、なんと観覧車をまるまる糸車にしてやろうというぶっ飛んだ方法。ワイヤーで観覧車を巻いた後、その端を別のアトラクションであるバイキングと死体そのものにくくりつければ準備完了」


ルカ「後はファイナルデッドルームのクリア特典であるアトラクションの操作権限を用いて観覧車の回転方向と速度を弄り、バイキングを動かすだけ。バイキングと同じ方向に回転する観覧車、そしてバイキングの牽引力が合わさることで一気に死体ごとワイヤーは巻き取られる!」


ルカ「持ち上がった死体は取り付けられたワイヤーフックがワイヤーから外れることでそのまま宙に投げ出され、あとは慣性で飛んでいく。犯人からすればどこに落ちるかなんてのはどうでもよかったんだろうな。とにかく、爆破に用いたゴンドラを見られないこと。それが重要だったはずだ。そしてその目論見は見事大成功」


ルカ「落下した先で死体は衝撃でバラバラになり、中のオイルもぶちまけられたことで完全に現場はその落下先だと思わされちまった。犯人のやつ、そこまで食えない奴だとは思っちゃいなかったよ。……お前にしてはよく考えたよな」




ルカ「これで満足のいく証明はできたか? 黛冬優子」

【COMPLETE!!】



-------------------------------------------------

635: ◆vqFdMa6h2. 2022/05/19(木) 23:21:40.34 ID:kJ67nvvf0

冬優子「やるじゃないルカ、カンペキよ。あんたの言う通り、事件は今あんたが言った通りの方法でやらせてもらったわ」


冬優子は私の証明を一通り聞き終えるとご満悦と言った感じで何度か頷いた。
私もそれを確認すると半歩後ろに下がる。ここから先の中心はこの犯人様にゆだねることにする。
私自身、冬優子のすべてをまだ理解しちゃいない。
その含みを訊かないことには、私も満足できやしないのだ。


美琴「随分余裕みたいだね」

冬優子「余裕……というよりも、まだふゆにはやることが残ってるから」

ルカ「いい加減聞かせてくれよ、なんなんだよ……そのやることってのはよ」

冬優子「そうね、ルカ……あんたの推理、多分正解なんだと思うけど……ちょっとだけふゆとしては否定したいポイントがあるのよね」

恋鐘「な、なんだか容量を得ん言い回したい……冬優子は何が言いたかよ」

雛菜「多分正解ってまるで他人事みたいな言い回しですよね~」

冬優子「そう、他人事なのよ。ルカの推理に出てきた行動の一部はね」

ルカ「な、なんだと……!?」

冬優子「今更有栖川夏葉を手にかけたこと自体は否定しない。それは間違いないわ、事件の犯人はふゆよ」

636: ◆vqFdMa6h2. 2022/05/19(木) 23:22:35.63 ID:kJ67nvvf0






冬優子「でもね、殺害してからその後……死体を運搬したくだりはふゆは一切関与していないわ」






637: ◆vqFdMa6h2. 2022/05/19(木) 23:23:43.82 ID:kJ67nvvf0

ルカ「死体を、運んでねーだと……?」

冬優子「そ、糸車とかバイキングだとか……そこら辺のはふゆは知らない。やっちゃいないのよね」

美琴「……それってつまり、事件現場を荒らす者がまた現れたってことだよね」

冬優子「そうなるわね、どこぞの誰かさんが狸って呼んでたやつが現れたのよ」

(……ってことはだ)


当然私たちの視線は一気に中学生……芹沢あさひの元へと集まる。
二回目の事件……千雪の事件でスケープゴート役にされた冬優子の元に届いた脅迫状。
それはストレイライトのメンバーでなくては知ることのできない秘密の書かれたもの。
アリバイなどの条件も絡み、狸として私が指摘したのは芹沢あさひなのだ。
冬優子の事件現場を荒らした狸、その話題になれば当然疑いの目も向く。


冬優子「ふゆの狙い通りにね」


そんなメンバーの窮地に、冬優子はほくそ笑んだ。


638: ◆vqFdMa6h2. 2022/05/19(木) 23:24:43.38 ID:kJ67nvvf0

冬優子「狸ってのは相当にお間抜けらしいわね。ふゆに誘い込まれたとも知らないで、せっせと現場に工作なんかしちゃって……」

ルカ「ど、どういうことだよ!? お前が……誘い込んだ?!」

冬優子「ええ、ふゆが狸を呼び寄せてやったの。餌をぶら下げることでね」

冬優子「これまでの狸の行動、思い返して御覧なさい。あいつは七草にちかの事件で暗視スコープを黒塗りにして、桑山千雪の事件でふゆを犯人に仕立て上げようとした。前者では事件を起こす下準備、後者では現場を荒らして真実を有耶無耶にしようとした。……その心は?」

ルカ「……私たちを、学級裁判で殺そうとしてるのか?」

冬優子「まあ、そうなるでしょうね。現場を荒らす理由なんて、それぐらいのものだもの。狸の行動には、ふゆたち他のメンバーに対する殺意が垣間見えているわ」

冬優子「……なら、犯人があからさまな事件を起こした時、狸はどう思うかしら」

智代子「なんとしても現場を荒らして……間違った回答に誘導しなくちゃいけない?」

冬優子「そういうこと。狸は学級裁判で誤答させることを目的としているんだから、そんなあからさまな現場黙っちゃいられないのよ」

透「まあ、そっか。犯人ですーってやつがいる事件、狸はやりたくないんでしょ」

冬優子「だからふゆはあえて、現場に水素吸引機をそのままにしてやったわ。ルカでもあさひでも……みれば一発でわかるような証拠を残してやったの。ゴンドラも爆発の衝撃で中が少しひしゃげていたし、あの状態ならすぐに犯人がふゆだって誰でもわかったでしょうね」

あさひ「水素吸引機……あの時の」


冬優子「狸はそれを見て、すぐに死体を移さなきゃと思ったの。焦って焦って……【何故か】ゴンドラの脇に置かれていたワイヤーを手に取った」


美琴「……え?」


639: ◆vqFdMa6h2. 2022/05/19(木) 23:25:25.12 ID:kJ67nvvf0

冬優子「そのまま【何故か】門が開いていて止まっていたバイキングの船頭にワイヤーをくくりつけた」

恋鐘「ま、また【何故か】……?」

冬優子「そして【何故か】逆回転に設定されていた観覧車とバイキングを動かして、死体を移動させたのよ」

ルカ「お前……その【何故か】って」

冬優子「ふふっ……ホント間抜けな狸さんよね、全部全部、ふゆの設計図通りに動いてくれちゃって」

雛菜「それじゃ狸の行動は、ぜんぶぜ~んぶ、狙い通りだったってことですか~?」

智代子「そ、そんなの……全部、ふゆちゃんは考えてたの?!」

冬優子「ふゆの狙いはただ一つ。ルカ、あんたなら分かるでしょ」


冬優子はそう言って、まっすぐに私の瞳を見つめた。
冬優子から感じる一本の強く太い芯。これこそが、冬優子の今の行動原理……この事件を引き起こした一つの大きな動機なんだろう。
一人の人間を殺め、そのうえで狸をおびき寄せるような罠を仕掛け、裁判で自らをクロだと私に証明させて、その結果今この瞬間がある。
この瞬間の、そのために冬優子はすべてを尽くしてきたんだ。



冬優子の、その狙いは_____



640: 最後の最後にクソ面倒なコンマ~~~~~~!!! ◆vqFdMa6h2. 2022/05/19(木) 23:27:35.42 ID:kJ67nvvf0
-------------------------------------------------

【発掘イマジネーション開始!】

■■■■■の■■を証明するため

【指定の範囲内のコンマを出して結論を掘り当てろ!】


一文字目 01~30の奇数
二文字目 01~30の偶数
三文字目 31~60の奇数
四文字目 31~60の偶数
五文字目 61~90の奇数
六文字目 61~90の偶数
七文字目 91~00


↓1~16

641: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2022/05/19(木) 23:28:18.40 ID:lUoTZCfC0

642: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2022/05/19(木) 23:28:48.52 ID:lUoTZCfC0

643: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2022/05/19(木) 23:29:18.56 ID:LIF4/FS1O
わっせ

644: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2022/05/19(木) 23:29:33.05 ID:7XT+Vjty0

645: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2022/05/19(木) 23:29:39.36 ID:lUoTZCfC0

646: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2022/05/19(木) 23:29:46.52 ID:dSdGFz7r0
推定ラスボスが多いこの裁判……

647: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2022/05/19(木) 23:29:47.70 ID:LIF4/FS1O
わっせ

648: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2022/05/19(木) 23:30:16.74 ID:lUoTZCfC0

649: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2022/05/19(木) 23:30:47.75 ID:dSdGFz7r0
ここまでほぼ全部四文字目

650: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2022/05/19(木) 23:30:58.18 ID:LIF4/FS1O
わっせ

651: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2022/05/19(木) 23:31:19.52 ID:lUoTZCfC0

652: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2022/05/19(木) 23:31:46.52 ID:LIF4/FS1O
奇数が出ない

653: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2022/05/19(木) 23:31:50.78 ID:lUoTZCfC0

654: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2022/05/19(木) 23:32:17.08 ID:LIF4/FS1O
52何でこんなに出るんだよ

655: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2022/05/19(木) 23:32:20.99 ID:dSdGFz7r0
あと七文字目だけ?

656: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2022/05/19(木) 23:32:27.00 ID:lUoTZCfC0

658: ◆vqFdMa6h2. 2022/05/19(木) 23:35:58.82 ID:kJ67nvvf0

【コンマ 40 52 56 05 36 52 70 74 75 18 52 52 78 08 99 00】

カンカンカンカン……

【ぞろ目の値が出ました!】

【が、既定のコンマ内で採掘が終わっていないためボーナスは発動しませんでした……】

カンカンカンカン……


芹沢■さひの潔白を証明するため


【指定の範囲内のコンマを出して結論を掘り当てろ!】


三文字目 31~60の奇数


↓1~4

659: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2022/05/19(木) 23:36:24.14 ID:R0PohS9bO
わっせ

660: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2022/05/19(木) 23:36:58.51 ID:dSdGFz7r0
高めのゾロ目2つ出たのにかなしい

661: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2022/05/19(木) 23:37:15.04 ID:sASLsx2oO
すっす

662: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2022/05/19(木) 23:38:20.64 ID:sASLsx2oO
っす

663: お疲れ様でした。 ◆vqFdMa6h2. 2022/05/19(木) 23:39:37.24 ID:kJ67nvvf0

【コンマ14 51】

カンカンカンカン……

【発掘完了!!】
__________________

芹沢あさひの潔白を証明するため
__________________


ルカ「芹沢あさひの潔白を証明するためか……!」

あさひ「えっ……」

ルカ「あのアトラクションのバイキングは身長制限が160cmと異常に高い。ループをする部分があったり、特殊なつくりをしているからだと言ってたが……私の推理では犯行の行動に組み込まれていたこのバイキングが、狸によるものなのだとしたら」

ルカ「その瞬間……私が今まで狸としてみていた芹沢あさひは……狸ではあり得なくなってしまう……!」

智代子「そっか……あさひちゃんは私と同じであのアトラクションの身長制限に引っかかる……! あのアトラクションを使って死体の移動は出来ないよ……!」

美琴「狸が偽装工作に使いやすいように、あえて偽装工作を途中辞めにしておいた。それを利用すれば、あさひちゃんが狸の嫌疑から外れるようになっていたなんてね」

あさひ「冬優子ちゃん、わたしのために……わたしのために、罠を仕掛けてくれたんっすか?」

冬優子「さあね。ふゆは恩着せがましい真似は好きじゃないの」

(……なるほどな、さっきは甘党女を黙らせるために言ったのかと思ったが)

(そう考えるとこの事件が有栖川夏葉も望むところってのは……あながち間違いじゃなかったのかもしれねーな)


664: ◆vqFdMa6h2. 2022/05/19(木) 23:40:45.18 ID:kJ67nvvf0

冬優子「ま、ふゆはこの裁判で死んじゃうわけだけど……生き残るあんたたち、忘れんじゃないわよ。狸は身長160cm以上の人間……あさひと園田智代子以外の中に混ざってる」

冬優子「そのことは、ゆめゆめ忘れないように……わかった? ルカ」

ルカ「ハッ……わーったよ」

智代子「な、なんだかおこぼれで私まで容疑者から外してもらえちゃった……」

美琴「……」


冬優子が命がけで張り巡らせた策略。
それは事件に決着がついた後に大きな展開をしてみせた。
私たちがずっと抱き続けていた疑念を根底から瓦解させ、彼女にとって特別な存在を一気に解放させた。

狸をドツボにはめた、事件のうちに隠したトラップ。
それを本人こそ照れ隠しで認めはしないが、その目的は長く目をかけてきた憎むべきも愛すべき年下を守るために他ならなかった。


665: ◆vqFdMa6h2. 2022/05/19(木) 23:41:53.37 ID:kJ67nvvf0

俗な言い方をすれば、愛情なんて言えてしまうんだろうが……私にはその二文字に収まるものではないと思う。
冬優子が芹沢あさひに向けているものはそんな単純なものじゃない。
本気で煩わしい存在だと思っているし、本気でいない方が楽だと感じているときもある。
その一方で、本気で自分には欠かせない存在だと思っているし、本気でずっと笑っていてほしいと思っている。
そんなちぐはぐな二律背反を積み重ねた感情を、たった二文字で表現しきれるはずがない。


____ましてや、その果てに自分の命を懸けた証明があるのだから。


冬優子「……モノクマ、とりあえず投票タイム。お願い」

あさひ「……冬優子ちゃん!」

冬優子「このガキがごねだす前に、早く」

モノクマ「わかりました! それでは急いでまいりましょう!」

モノクマ「投票ターイム! オマエラはお手元のスイッチでクロだと思う人物に投票してくださーい!」

モノクマ「議論の結果導き出されたクロは正解なのか、不正解なのかー!」

モノクマ「さあ、どっちなんでしょうかね?」


666: ◆vqFdMa6h2. 2022/05/19(木) 23:42:52.95 ID:kJ67nvvf0

-------------------------------------------------


      【VOTE】
〔冬優子〕〔冬優子〕〔冬優子〕

   CONGRATULATIONS!!!!

     パッパラー!!!


-------------------------------------------------

667: ◆vqFdMa6h2. 2022/05/19(木) 23:43:36.31 ID:kJ67nvvf0





【学級裁判 閉廷!】






677: ◆vqFdMa6h2. 2022/05/22(日) 20:38:00.76 ID:6yJfGnKD0
-------------------------------------------------



CHAPTER 04

アタシザンサツアンドロイド

裁判終了



-------------------------------------------------

678: ◆vqFdMa6h2. 2022/05/22(日) 20:39:22.66 ID:6yJfGnKD0

モノクマ「ピンポンピンポン! 大当たり〜! 超大学生級のアンドロイド、現代叡智の結晶とも言うべき美しき有栖川夏葉さんをメッタメタのガッチャガチャにぶっ壊して殺害したのは……」

モノクマ「綺麗なバラにはトゲがある! 超専門学校生級の広報委員・黛冬優子さんなのでした〜!」


犯人として指摘された。
それはものの数十分と経たないうちに蹂躙されて、命を奪われることを意味する。

それを前にして、冬優子はなおも態度を変えなかった。
それは、これまでに私の見てきた冬優子のあり方と相違しなかった。

人並みに悩んで、人並みに苦しむ彼女……
それでも、自分自身の決断には人一倍の責任感を持ち、そしてその評価には正面から向き合う強さがある。
元々備わっていたものなのか、それともアイドルとして活動する中で身につけた素養なのか、
283の人間じゃない私からすれば分からないが、この点において彼女が私より遥かに『大人』であることは間違いない事実だ。


679: ◆vqFdMa6h2. 2022/05/22(日) 20:40:23.18 ID:6yJfGnKD0

智代子「……ふゆちゃん、もう聞かせてもらえるよね?」

冬優子「……ああ、話さないといけないわね」


園田智代子はただの遺された者ではない。
一度黄泉より舞い戻ったと思った有栖川夏葉、その期待と喜びを踏み躙られるような形で奪われてしまった。
冬優子の犯行によって生じた精神的ダメージはそれだけ大きい。
それを裁判の最中、進行のためにと不意にされたことを芳しく思っていないのが見てとれた。


智代子「さっき……学級裁判中、ふゆちゃんは言ってた。この殺人は夏葉ちゃんも望むところだったって」

冬優子「ええ、言ったわ」

智代子「本当に……そうなの? 夏葉ちゃんは自分から、ふゆちゃんに殺されにいったの?」


だが、冬優子は園田智代子の言葉を前にして少しためらうような素振りを見せた。
その言葉は間違ってはいないが、中央を正面から射止めたわけではない……そんな表情だ。


冬優子「いや、そうじゃないわ……死はあいつも望むところだったけど……ふゆもそうだったの」

智代子「えっ……?」


そして実際冬優子が口にしたのは、これまでの想定とはまた異なった事実だった。

680: ◆vqFdMa6h2. 2022/05/22(日) 20:41:08.85 ID:6yJfGnKD0





冬優子「ふゆもあいつも、本気で殺し合った。どっちが死んでも、おかしくなかったのよ」



ルカ「お、おい……どういうことだよ、それ!」






681: ◆vqFdMa6h2. 2022/05/22(日) 20:42:29.34 ID:6yJfGnKD0
◆◇◆◇◆◇◆◇◆


真夜中だと言うのに電飾は灯ったまま。
誰を載せるでもない観覧車はなおも動き続け、真っ黒な波にポツリポツリと丸い明かりを落とし続けている。
夜の本来あるべき静けさを嘲笑うような場内BGMを耳にしながら、その時を待っていた。

組んだ腕にはロケット花火を隠し持っている。
数日前の絶望病の一件で隔離生活を強いられた時、あさひが悪用しないようにふゆが一通り押収したものだ。

……ふゆはこれで、命を奪う。
正確にはロケット花火で視界を奪ってからいくつかの工程はあるけれど、直接的か間接的かくらいのもので、これが凶器の一部であることには相違ない。
そして、これが凶器として作用しうる相手は限られている。


「……あなただったのね、冬優子」


682: ◆vqFdMa6h2. 2022/05/22(日) 20:44:25.32 ID:6yJfGnKD0

標的は姿を表した。
これから生死をかけたやりとりをしようと言うタイミングで、その標的は不気味なほどに物怖じをしていなかった。

いや、彼女らしいと言えば彼女らしい。
自信に満ちた表情を努めてみせようとしている彼女なら、命を落とす直前、そのコンマの一秒まで表情を崩すことはないだろうと思った。


「悪いわね、こんなことに付き合わせちゃって」
「何も謝ることはないわ、あなたも大きな決断を下した末の今なのでしょう?」


有栖川夏葉の推測した通りだ。
実際行動に移すには大きな障害があった。
人を殺めるなんてことはこれまでに経験もないし、きっとその一線を超えてしまえばふゆはこれまでのふゆではいられなくなる。
これまでのどれでもない、新しい自分を作り出さなければ到底耐えられない。
でも、そんなことに耐えられる器などふゆに作り出すことができるのだろうか?
ふゆはそこまで傲慢でも、図々しくもない。

そして、自分が手を下した瞬間に生じるリスク。
目の前に吊り下がる天秤を、正しき方向に傾けることができるのか。
みっともなく生に縋り付くような真似をしてはしまわないか。
絶対に完璧な黛冬優子を、最後の最後で自分の手で台無しにすることがあってはならないのに。

683: ◆vqFdMa6h2. 2022/05/22(日) 20:45:49.11 ID:6yJfGnKD0

そんなしがらみの一切を、ふゆはねじ伏せた。
正確には目を瞑っただけかもしれない。
それでも、いい。
この一歩を踏み出すことには大きな意味があった、誰かが踏み出さなくちゃいけなかった。


「あんたこそ、別に来なくてもよかったのに。一眼見れば分かったでしょ、この手紙の送り主は殺すつもりで送ってるって」
「あなたと同じ気持ちなのよ。私も……あなたと同じで守りたいものがある。その志を同じくするものとなら、命をかけてもいいと思った」


今更この場に置いて有栖川夏葉の見立てを否定する気もなかった。
ふゆが犯行に及んだ理由は、誰の目に見ても明らかだったから。
この島に来る前から、ずっとずっと口では否定して、心の中でも自分に言い訳をし尽くしてきたが……この局面になればそれは意味をなさないと思う。


684: ◆vqFdMa6h2. 2022/05/22(日) 20:47:08.71 ID:6yJfGnKD0



____ふゆは、今。



あさひを守る為にこの場に立っている。
別に自分だけなら飢えて死んだって構いやしない。

でも、あいつはただでさえ他の連中に不審な目を向けられているのに、それに加えてひもじい思いまでさせて、どんどん衰弱していっている。
それを目の前で見せられて黙っているほど、ふゆはいい子ちゃんじゃない。
きっと、愛依ならこの状況でも誰かを手にかけることなんて頭に浮かびもしないと思う。

だとしても、ふゆはふゆだから。

685: ◆vqFdMa6h2. 2022/05/22(日) 20:48:20.72 ID:6yJfGnKD0


「だから……全力で行くわ。全力であなたの命を奪いに行く、全身全霊を持って殺させてもらう」


有栖川夏葉はふゆを見据えて、低く腰を落とした。
名家の生まれなのだ、武の心得だってあるんだろう。
素人目にも感じる気迫が、ふゆの肌をチクチクと刺した。


「上等、あんたこそ……殺されても文句言うんじゃないわよ」


だからといってそれに臆するようなふゆでもない。
こちらには対抗策だって用意してあるんだ、あとは一か八かの博打に挑むだけ。
ギャンブルなら、弱みを見せた方が負ける。
ふゆはこんなところで、負けてらんない。


「それじゃあ、行くわよ。次に合図した時が、始まり」
「ええ、いつでもどうぞ」
「……それじゃ」

686: ◆vqFdMa6h2. 2022/05/22(日) 20:49:15.19 ID:6yJfGnKD0





「死んでもらうわ」






687: ◆vqFdMa6h2. 2022/05/22(日) 20:50:18.98 ID:6yJfGnKD0
◆◇◆◇◆◇◆◇


智代子「夏葉ちゃんとふゆちゃんで……殺し合った……?!」

冬優子「……何も正面から殴り合いをしたわけじゃない。ルカの言った通りふゆがロケット花火で不意打ちをしたんだから激しい接触はなかったわ。でも、有栖川夏葉はふゆにスイッチを押されるその瞬間まで本気でふゆを殺そうとしていたわ」

智代子「そ、そんなの……本気かどうか……」

冬優子「わかるわよ、殺意をふゆは真っ正面から浴びたんだから」


きっと、冬優子の言うことは嘘ではない。
冬優子の口から語られたやりとりも、そこに込められている他の誰かを守りたいと言う想いも、これまでに見てきた二人と相違なかった。
有栖川夏葉と黛冬優子、お互い一度は大切なものをその手から失ってしまった身……
今回の動機で衰弱し、失われていく、最後の大切なものを前にして、黙っていることはできなかったのだろう。


688: ◆vqFdMa6h2. 2022/05/22(日) 20:51:48.01 ID:6yJfGnKD0

冬優子「だからといって責任逃れをするつもりもない。あんたから大切な存在を奪った事実は変わらないんだから、ふゆはその咎めと謗りとを受け入れる義務はある」

冬優子「……存分に、詰ってくれていいわ」

智代子「……」


冬優子はそう言うと、黙って園田智代子を見据えた。
相変わらず、憎たらしい女だ。
そこまで堂々と語られたら、こちらの方が言葉に詰まる。
実際……園田智代子は口を開かなかった。






パンッ


そして、その代わりに乾いた音が響いた。

689: ◆vqFdMa6h2. 2022/05/22(日) 20:53:20.34 ID:6yJfGnKD0

智代子「きっと、夏葉ちゃんが生きてたら『私と冬優子は真っ向勝負で雌雄を決したの。結果が不服であっても、それに茶々は入れないでほしいわ』って言うと思う」

智代子「……だからこれは、果穂の時……ふゆちゃんが夏葉ちゃんの顔を叩いた分だよ」


園田智代子の中にはやるせない思いが渦巻いていた。
冬優子の言うことには信憑性もある。
有栖川夏葉の死はきっと本人にとっては不本意なことでもない。
その敗北を受け入れるだけの覚悟をして、事切れたと思う。

でも、それとは別に感情は湧くのだ。
かけがえのない存在を失った相手を、本人がそうだったからとすぐに許せるほど甘口の人間でもない。
かといって自分の感情の赴くままの行動をとれば、それは仲間の決意と死とを踏みにじる行為になる。
その思慮の果ての平手打ちだった。
あくまで仇討ちではなく、いつかのやり返し。
そういう体をとって、想いをぶつけた。


冬優子「……優しいのね、あんた」


赤く染まった頬をさすりながら、つぶやいた。


智代子「武士の情けだよ、ふゆちゃん」

690: ◆vqFdMa6h2. 2022/05/22(日) 20:54:44.86 ID:6yJfGnKD0

そして、順番は回る。次に冬優子が向き合うべきなのは他でもない自分の仲間。
冬優子自身が、遺して逝く相手だ。


あさひ「冬優子ちゃん、本当にわたしの為に……夏葉さんを殺したっすか?」

冬優子「……」


投票が終わった今、その回答を拒む理由が見つからない。
冬優子は大きなため息をついてから、中学生の方に向き合った。


冬優子「……あのね、目障りだったのよ」

あさひ「……え?」

冬優子「こっちのことなんか一切考えないで、自分の興味関心の赴くまま、それで散々振り回したかと思えば何故だか収まり良く事態がまとまっている。そういうあんたの持ってるところが、すごく目障りだった」

あさひ「……冬優子ちゃん、わたしのことそんな風に」


691: ◆vqFdMa6h2. 2022/05/22(日) 20:56:10.71 ID:6yJfGnKD0

冬優子「でも、この島に来て、どんどん弱っていくあんたの方がよっぽど目障りだった」

冬優子「他の人間に疑いの眼差しを向けられるわ、制約のある生活を強いられて自由を失うわ、果てには食事も取りあげられてどんどん弱っていくわ」

冬優子「……あんたの、そんなところ見たくなかったのよ」

冬優子「……鬱陶しくてしょうがないから。あんたを取り巻くあれこれを一気に解消したの、ただそれだけ。他意はないわ」


あくまで字面上は、自分のためという体を装ってはいた。
でもその文脈が、『ある特定の人物のため』であることは明白で、本人もそれを流石に解したらしい。
初めこそ拒絶の言葉に面食らっていたが、すぐに前のように『ユニットのお姉さん』に向ける顔色に変わっていた。


冬優子「まあ、でもよかったでしょ? これであんたにかかってた嫌疑は晴れた。ルカにかけられてた言いがかりも全部払拭して、自由の身よ」

あさひ「……」


ただ……それでも中学生には不服だったらしい。
頬を少しだけ膨らませて、抗議の意思を込めた凝視。
らしからぬ雰囲気に、冬優子も少しばかりたじろぐ。


692: ◆vqFdMa6h2. 2022/05/22(日) 20:57:40.10 ID:6yJfGnKD0

冬優子「……なによ、黙ってふゆの目なんか見て。あんたらしくもない」

あさひ「冬優子ちゃんは、本気でそう思ってるっすか?」

冬優子「……はぁ?」

あさひ「わたしは、嫌っす。絶対絶対……冬優子ちゃんとお別れなんかしたくない。それなのに、冬優子ちゃんはやっぱり自分のことばっかり」

冬優子「あんた聞いてた? ふゆが犯行に及んだのは、あんたを守るためで……」

あさひ「違う、それはただの目的と理由で……冬優子ちゃんはその過程をわかってないっす」

冬優子「何を言ってんの! ふゆがあんたのためにどんな決断をしたのか……」

あさひ「もう今、8人しかいないんっすよ? それに、冬優子ちゃんが死んじゃったら7人になる。それに愛依ちゃんも、果穂ちゃんもいない……」

あさひ「なんで、なんでそんなことをしたっすか? なんでみんな、わたしを一人にするっすか……?」

冬優子「……あんた」


あさひ「わたしの気持ちを考えないで、そんなことをするなんて……冬優子ちゃんらしくないっすよ」


芹沢あさひの言う通りだ。
冬優子が犯行に及んだ理由、それは独りよがりで押し付けがましい善意とも取ることができた。
たとえ容疑が晴れようとも、空腹が解決しようとも、黛冬優子という存在を失うことが芹沢あさひにどれだけ大きな衝撃を与えるのかを無視した動機。
自己正当化の出汁に使われていることに気づいた芹沢あさひは、その疑問を口にしたのである。


693: ◆vqFdMa6h2. 2022/05/22(日) 20:58:45.93 ID:6yJfGnKD0

冬優子「……それは、その」

あさひ「わたしは他のみんなに疑われても、冬優子ちゃんが生きてる方がいいっす!」

冬優子「そんなこと、言ったって……」

あさひ「ねえ、冬優子ちゃん!!」


それは、冬優子自身に教えられたこと。
小宮果穂との死別を一度経験した彼女は、その死の間際に感情のありのままをぶつけ合うことで、そこに通わせたものを強く実感することができた。
だから、今回も彼女は歳のままの等身大の子供として、冬優子の元に縋りついた。
ごねたところで何が変わるでもないと知っていながら、その我儘を押し通そうとした。
声の限り、自分の感情を吐き出し続けた。

現実は当然、変わらなかった。
この状況においても、モノクマはただ無表情に動くこともなく、時間が経つのを待ち侘びている。
冬優子の死は、逃れられない運命。


……でも、冬優子自身の在り方には揺らぎの色が見えた。

694: ◆vqFdMa6h2. 2022/05/22(日) 20:59:40.13 ID:6yJfGnKD0





冬優子「ふゆを、これ以上……困らせないで……」






695: ◆vqFdMa6h2. 2022/05/22(日) 21:01:19.55 ID:6yJfGnKD0

ずっと、奥底に押し殺していたものが顔を出した。
冬優子にも芹沢あさひだけが遺されるという事実はきっと理解していた。

でも、自分が動かなければ結局彼女は救われない。
自分の命と引き換えでしか掬い上げることはできない。
そう考えた時から必死にその事実には目を瞑っていた。
ただ、ありのままの感情を改めて自分の目で、耳で、受け止めれば話は違う。
嫌だろうとなんだろうと、直視せざるを得ない。
冬優子の心中に埋め込まれた支柱は、少しずつ、その根本から突き崩されつつあった。


冬優子「何よ、どうすればいいわけ……? もう、取り返しは効かないのよ……? ふゆがあいつを殺したって言う事実はどうやったって覆らないの……!」


やがて、冬優子の声にもすすり上げるような息が混ざり込む。
後悔とも違う、自分の犯した行いとそれに生じた責任とに向けた半ば狂乱に近い感情の発露。
壁や証言台が、彼女の声に応えるようにピシピシと軋んだ。

696: ◆vqFdMa6h2. 2022/05/22(日) 21:02:25.61 ID:6yJfGnKD0



冬優子「ふゆはあさひのために、何をしてやればいいの……?」



そして、冬優子はその疑問を口にした。
その疑問は過去なのか、現在なのか。
我道を行く冬優子らしからぬ言葉だった。

ただ、それは彼女自身の純粋な母性の表れ。
共に長い時間を過ごし続けた仲間に対して、何かをしてやりたいというだけのこと。
でも、冬優子自身からすれば、この好意というのは照れ臭さの裏に隠して、ずっと避けてきた道の一つでもあった。
歩き慣れない道は、とかく迷いやすい。
愛情表現を真っ向からはしてこなかった冬優子は、この局面で困り果ててしまっていた。

697: ◆vqFdMa6h2. 2022/05/22(日) 21:03:18.76 ID:6yJfGnKD0





ルカ「……頭の一つでも、撫でてやればいいんじゃねーのか」






698: ◆vqFdMa6h2. 2022/05/22(日) 21:05:03.76 ID:6yJfGnKD0

それならば、この島で共に生きてきた仲間として、そして何より……冬優子の理解者として。
彼女が道に迷ったときには、その道標を示してやりたいと思った。
私も愛情表現なんてものに親しみはないし、美琴とは実際今もうまくいってないわけで講釈を垂れるような権利はない。
客観的な立場から、俗的な一意見を述べただけだ。


ルカ「冬優子……悪いけど、オマエが死ぬことはもう私たちにもどうしようもできない。だけどよ、散り際をどうするかってのはオマエ次第……それって、オマエがいつも気にかけてることだろ?」

ルカ「徹底したセルフプロデュース、それがオマエの持つ強みだと私は思ってる。それなら……最後の最後、その散り際を……綺麗事で飾り立ててやったって、バチは当たらねえさ」

冬優子「ルカ……」

ルカ「バチを与える側の、カミサマからの進言だ」


最後にカミサマを出汁にしたのは、今から死にいくものへの餞には少しでも気休めになる言葉をかけたかったから。
別に信心深いわけでもないし、死後の世界なんてものを論じる気もないが、神という存在を借りてでも安心させられる言葉を使いたかった。
私を前にしたこんな時でも気負わないように、その荷を下ろしてやろうとした。

699: ◆vqFdMa6h2. 2022/05/22(日) 21:06:19.41 ID:6yJfGnKD0

その目論見は、実際成功したらしい。
冬優子はどこか吹っ切れた様子で、腹を抱えて笑い出す。


冬優子「……ぷっ、あはは! 何言ってんのよルカ、あんたクサすぎ!」

ルカ「なっ……オマエが聞いたから答えたんだろうが!」

冬優子「でもまあいいわ、そのクサさに乗じてあげる。あんたはふゆと同族なんだからね」


同族という言葉が孕んでいるものを私はもう理解している。
冬優子の軽口にはそれ以上水を挟まない。

改めて芹沢あさひに向き合う、その姿は不器用という他ない。
ぎこちなく手を伸ばし、これまたぎこちなく抱き抱えるようにして、極めつけにぎこちなく声をかけた。

700: ◆vqFdMa6h2. 2022/05/22(日) 21:07:26.94 ID:6yJfGnKD0


冬優子「……ほら、よしよし」

あさひ「冬優子ちゃん、あんまり撫でるの上手くないっすね」

冬優子「空気読みなさいよあんた……」

あさひ「愛依ちゃんの方が上手だったっす」

冬優子「それは……敵わないわ、悪いけど」


ぎこちなさと満足感とは両立するらしい。
お世辞にもうまいとは言えない甘やかしに、芹沢あさひは自ら首を伸ばすようにして、嬉しそうにしている。
あくまで切なさに裏打ちされた嬉しさではあるが、冬優子の愛情を初めて正面から受け止めることができ、これまでに見せたことのない表情を作っていた。


冬優子「……もっとこういうの、やってあげてればよかったわね」

あさひ「いいっす、そんな頻繁にやられたら……それはそれで冬優子ちゃんじゃないみたいっすから」

冬優子「どういう意味よそれ……ったく」



701: ◆vqFdMa6h2. 2022/05/22(日) 21:08:52.66 ID:6yJfGnKD0



そして、そういうタイミングを狙いすましたかのように……その時はやってくる。



モノクマ「前菜はこの辺りにしておいて……そろそろ主菜に参りましょうか! 学級裁判というコース料理の花形も花形……血湧き肉躍るおしおきタイムの時間ですよ!」


あさひ「……!! ダメっす、まだ……まだっすよ!」

モノクマ「欲張りさんだなぁ、お別れの挨拶も済んだし愛情表現までしたってのにこれ以上を求めますか」

あさひ「満足なんかまだまだしないっすよ……冬優子ちゃんは、だってだって……これが終わったらいなくなっちゃうんっすよ!?」

モノクマ「そりゃそうでしょ、それが学級裁判なんだから」


モノクマはなんとも思っていない様子で淡々と言い放つ。
ただ裁判を進行する、ただおしおきを遂行する。
人が一人、完全に死んでしまうと言うのに、それは大したことではないと断言しているよう。
もう4度目にもなるが、胸の底から黒いものが渦巻いて澱む感覚には慣れそうもない。

702: ◆vqFdMa6h2. 2022/05/22(日) 21:10:24.12 ID:6yJfGnKD0


あさひ「嫌だ……冬優子ちゃん、冬優子ちゃん……!!」

冬優子「……やめて、それ以上騒がれると覚悟が揺らぎそうだから」

あさひ「……!!」


だが、今回は今までの3回とは違った。
これから処刑台に乗せられる張本人の冬優子は、その覚悟を決めていた。
勿論それは体裁としての話で、心中が穏やかではないのは明らか。
目に見えて体は強ばり、口元も妙に硬く結ばれているのがかえって不安を滲ませる。

それでも……彼女は『怖がっていない』、死を前にして堂々と『黛冬優子』でい続けようとしている。
そのことを、我々は尊重せねばならない。


703: ◆vqFdMa6h2. 2022/05/22(日) 21:11:36.13 ID:6yJfGnKD0

冬優子「あさひ、最後に年長者っぽいことできてよかったわ。そのやってやった感のまま、終わらせてちょうだい」

あさひ「……うぅ」

冬優子「それと、ルカ……あさひのこと、頼んだわ。今やもう、頼れるのはあんただけだし」


初めの頃とは随分と扱いが変わったものだ。
かけがえのない存在を預からせていただく立場にさえ就かせてもらえるなんて、光栄すぎるな。


冬優子「……それと、パートナーともうまくやりなさいよ」

ルカ「……おう」


……それはお節介だ。
私はぶっきらぼうな返事をせざるを得なかった。

704: ◆vqFdMa6h2. 2022/05/22(日) 21:12:24.86 ID:6yJfGnKD0



モノクマ「今回も超専門学校生級の広報委員である黛冬優子さんのためだけに、スペシャルなおしおきを用意しました!」



冬優子「ふゆはこの選択を間違っているとは思わない、ただ停滞して全員で共倒れなんて……そんなの意味がないじゃない」

冬優子「……だから、ふゆと有栖川夏葉の想いを汲み取ってちょうだい」



モノクマ「それでは張り切っていきましょう!」



冬優子「ふゆたちは、あんたたちを生かすと決めたんだから。その命、雑に扱うような真似すれば……地獄の底からでも蘇って、ぶん殴るわ」

冬優子「ふゆの死、無駄にしたら承知しないんだからね」



705: ◆vqFdMa6h2. 2022/05/22(日) 21:13:02.96 ID:6yJfGnKD0






モノクマ「おしおきターイム!」


冬優子「ふゆの屍を超えていきなさい!」






706: ◆vqFdMa6h2. 2022/05/22(日) 21:14:03.07 ID:6yJfGnKD0
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GAME OVER 


マユズミさんがクロにきまりました。 

おしおきをかいしします。



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707: ◆vqFdMa6h2. 2022/05/22(日) 21:15:35.02 ID:6yJfGnKD0

世界でいちばんおひめさまな黛さん。
キュートな衣装をバッチリ着こなしてますよね!

普段から自分の魅せ方をよく研究しているんですから当然のこと。
それだけ可愛いお姫様の元には当然おうじさまもやってきます!

おひめさまを迎えにやってくるおうじさまと言えば当然『白馬の王子様』!
ほら、今にやってきましたよ!
筋骨隆々、目も血走って、すさまじい馬力で走り続ける白いチャリオットに乗った王子様が!

……あれ?

どうしたんですか、黛さん?
そんな、おうじさまを前にして逃げ出すなんてナシですよ!?

散々人を惹きつけておいて、自分が轢かれるのはそんなに嫌ですか!?

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        SOS

超専門学校生級の広報委員 黛冬優子処刑執行




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708: ◆vqFdMa6h2. 2022/05/22(日) 21:16:44.45 ID:6yJfGnKD0

おうじさまの熱烈アピール!
恋の書状が結びつけられた矢が黛さんに向かって次々に飛んできます!

チャリオットの猛追から逃げながらもなんとか体を捻って済んでのところで矢を回避!

黛さんの元に本来届くはずだった恋文は岩石を砕き、地を穿ちます。

次のアピールはプレゼント作戦!
男女の駆け引きに、プレゼントのセンスは欠かせませんよね。
ダイヤの飾り付けられた綺麗な円形の……チャクラム!
あれれ、これもおひめさまのお気には召さないみたいです。
黛さんがダンスで培った体幹を生かして華麗に回避!
チャクラムに両断されて隣の巨木は根元からボッキリと折れちゃいました!

最後のアピールは100万ドルの夜景で!
それを飾り付ける最高の花火をプレゼント!
あれ? そういえばどこぞの誰かが花火を利用して人を殺したんでしたっけ?
まあいいや、それいけどっかーん!

黛さんも流石にこれには目を奪われてしまった様子、少しばかり火傷を負いながらもなんとか回避。

そしていよいよ目の前に見えてきたのは結婚式場の教会!
なんだ、嫌よ嫌よも好きのうちというわけですか!
白馬のおうじさまに迎えられて、今こそ一つになる時です!
もう黛さんもボロボロで、外堀から埋められていよいよ腹を括る時ですよ!

709: ◆vqFdMa6h2. 2022/05/22(日) 21:17:36.38 ID:6yJfGnKD0





「ざけんじゃないわよ、バーカ」




……え?

ちょ、ちょっと……!?
そっちは、そっちはルート外ですよ!

おひめさまはモノクマの用意した道から自ら外れ、真っ逆さま。
本来おしおきから逃げ出せないように用意していたはずの保険であった巨大シュレッダーに自分から落ちていきました。

刃が彼女を細切れにする直前、その一瞬に。
黛さんはニッと笑って中指を立てていたとかいないとか……


710: ◆vqFdMa6h2. 2022/05/22(日) 21:19:17.35 ID:6yJfGnKD0
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モノクマ「な、なんだよ……消化不良だな……」

あさひ「……冬優子ちゃん、自分から……?」


黛冬優子のおしおきのクライマックス直前での自死、私たちではなくモノクマが一番困惑し、釈然としない表情をしていた。
モノクマからすれば一番盛り上がるところに水を刺されたような思いなんだろう。


モノクマ「フンっ、いっぱい食わせたつもりなのか何だか知らないけどさ。死んだのは死んだんだから、ボクの計画は何も崩れてないよ」

モノクマ「ぶひゃひゃひゃひゃ! どれだけ可愛く飾り立てても、死ぬ時は結局みんなブッサイクな骸に成り果てるんだよね!」

ルカ「……ハッ、それで勝ったつもりかよ」

モノクマ「……うん?」

711: ◆vqFdMa6h2. 2022/05/22(日) 21:20:11.54 ID:6yJfGnKD0


ルカ「てめェがいくら冬優子の死ではしゃいだところで、あいつも私たちも、その死で塞ぎ込んだりしねえ」


ルカ「あいつの死で、私たちは想いを引き継いだんだ。その想いとともに、私たちは生きていくんだ!」


壮絶な裁判の果て、おしおきによる幕引き。
何度経験しても慣れない絶望の波が押し寄せる感覚。
今にも気を抜けば膝からその場に崩れ落ちてしまいそうな無力感を感じつつも、今回ばかりはそう簡単には折れない芯が自分の中に通る感覚があった。

冬優子が最後の最後まで見せつけた姿、それは他でもない【希望】の姿だった。
他の誰かを犠牲にして生き永らえる。
そのことに負い目を感じ続けてここまできたが、冬優子は『自分の死を有効に使え』と言い残してくれた。

それならば、今ここで悔いてはならない。
悲しんではならない。



今の私たちにすべきことは、明日のために……今何ができるか考えることだ。



712: ◆vqFdMa6h2. 2022/05/22(日) 21:21:43.68 ID:6yJfGnKD0

ルカ「そうだろ、あさひ」

あさひ「ルカさん……はいっす!」


それに、私はこいつを冬優子から託された。
ガキのお守りなんざ、ガラじゃねえが……
ダチと交わした約束を不意にするほど私も人でなしじゃない。


智代子「うん……夏葉ちゃんが身を賭して私たちを生き残らせてくれたんだもの、こんなところでへこたれていられないよ!」

透「うん、がんばろ」

雛菜「やは〜! 雛菜も頑張る〜!」

恋鐘「ここまで生き残ってきたうちらならもう大丈夫たい! もうこれ以上コロシアイなんか誰も起こさんよ!」

美琴「……そうだね」


これまでのどの裁判とも違う、誰一人として表情を曇らせない様子に明らかにモノクマはイラついている様子だった。
私たちに何か言葉を投げつけてやろうとして、的確な嫌味が見つからず地団駄を踏む。


713: ◆vqFdMa6h2. 2022/05/22(日) 21:22:40.90 ID:6yJfGnKD0

モノミ「うぅ……あちし、感涙の極みでちゅよ! 黛さんの死でまた一つミナサンは強くなりまちた!」

モノミ「すごい一体感を感じまちゅ。今までにない何か熱い一体感でちゅ! 風……なんだろう吹いてきてまちゅよ確実に、着実に、ミナサンの方に!」

モノミ「絶望なんかに負けない、希望の風を感じまちゅ!」


手のひらの中で熱く鼓動しているものが希望なんだろうか。
それを胸に当てて私は一つ、深く呼吸をした。
肺に通っていく風が、なんだかとても心地よく、私の視線はぶれずに前を見据えた。


モノクマ「ぐぬぬぬ……ぐぬぬぬ……」

ルカ「悪いなモノクマ、お前の目論み通りにならなくて。……それじゃ、私たちは帰るから」

智代子「うん、夏葉ちゃんが取り戻してくれた分ちゃんとお腹いっぱいにしないとね!」

あさひ「あ! 恋鐘ちゃんの朝ごはんがまた食べられるんだ!」

恋鐘「ど〜んと任せるばい! 今まで食べさせてあげられんかった分、特盛サービスで食べさせちゃるけん!」

美琴「楽しみだね」

あさひ「やったー!」

714: ◆vqFdMa6h2. 2022/05/22(日) 21:24:14.37 ID:6yJfGnKD0




モノクマ「そんなお祭りムードのとこ悪いけどさ、オマエラ……それでいいの?」




715: ◆vqFdMa6h2. 2022/05/22(日) 21:25:36.93 ID:6yJfGnKD0

ルカ「……あ?」

モノクマ「黛さんは命をかけて芹沢さんの無実を証明したけどさ……それって同時に、他の人間がぽんぽこ狸さんだって謎を提示したのと同義でしょ?」

あさひ「……!」


それは確かにモノクマの言う通りだ。
私たちを学級裁判で殺そうと画策していた狸はまだ、私たちの中に紛れている。
身長160cm以上という条件はあさひと甘党女以外の5人に当てはまるほか特定に至る証拠もない。




____だとしても。




716: ◆vqFdMa6h2. 2022/05/22(日) 21:26:24.84 ID:6yJfGnKD0

ルカ「言っただろ、お前の目論み通りにはならねえって」

モノクマ「なぬ?」

ルカ「例えこの中にまだ殺しを企んでる奴がいようとも、他の6人でそれを封殺する。私たちはもう誰も死なさない、事件なんて起こさせない」

美琴「……ルカ」


不振の波紋が広がる前に防波堤をつくった。
お互いを疑い合う状況に落とし込まれるなんて、冬優子からすればこれ以上なく癪だろう。
あいつが私たちを生きながらえさせたことの意味を考えれば、今ここでどう受け答えすればいいのかなんてことは考えるよりも先に言葉が出た。


モノクマ「むむむむ……むむむむむ……」

ルカ「用は済んだか? それじゃ、今度こそ行くぞ」

モノクマ「むむむむむむむむむ……」

美琴「それじゃあ、失礼するね」

あさひ「バイバイ!」

透「アデュオス」

モノクマ「く、くそぉ〜……」


背後にモノクマの弱々しい声が聞こえてくるのが、気分良かった。

717: ◆vqFdMa6h2. 2022/05/22(日) 21:27:25.52 ID:6yJfGnKD0

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裁判場を出て、私たちはそれぞれの個室へ戻っていった。
何人かはこれまで禁止されていた分を取り戻さんとばかりにスーパーマーケットでお菓子なんかを大量に持ち帰っていた。
きっと気分を切り替える意味合いもあったんだろう。
私はというと、なんとなくあさひの元を離れがたくて、個室まで付き添って送り届けていた。

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718: ◆vqFdMa6h2. 2022/05/22(日) 21:29:19.97 ID:6yJfGnKD0
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【あさひのコテージ】

あさひ「別に一人で自分の部屋ぐらい戻れるっすよ?」

ルカ「……まあ、そうだよな。オマエもガキじゃねえんだし」

あさひ「……? ルカさん?」


気がついたら、あさひのことをじっと見つめていた。
小柄な体躯に、済んだ目の色、生まれながらだろう髪色は鮮やかな色合いをしている。
冬優子が最後の最後まで守ろうとした存在、改めてそう考えると、込み上げてくるものがあった。


ルカ「さっさと寝ろよ、オマエも疲れてんだろうし」


悟られないように、あえて突っ放すような口調で話した。


あさひ「はいっす!」


返事だけはいいのよね、と時々愚痴をこぼしていたことを思い出す。


ルカ「……ちゃんと、寝るんだぞ」

あさひ「あはは、それなんだか冬優子ちゃんみたいっす」

ルカ「……るせえ」

719: ◆vqFdMa6h2. 2022/05/22(日) 21:31:00.35 ID:6yJfGnKD0
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【ルカのコテージ】

あさひを送り届けてから自分の部屋へ。
私も人のことを言えない、かなり疲労は蓄積している。
瞼が重たくなるのを感じながら、ドアノブを握る。
その時、部屋の前のポストがふと目に止まった。
手前に引いて開ける扉は、何かにつっかえて半開きになっていた。
そこに見えているのは茶封筒。
縦長のシルエットを掴み上げて、部屋へと持ち込んだ。


「……一体、誰からだ?」


ベッドの上に腰掛けて、目の前で広げた。
中には一枚の便箋と写真が一枚。
先に便箋の方を確認することにした。


720: ◆vqFdMa6h2. 2022/05/22(日) 21:31:51.41 ID:6yJfGnKD0

『この手紙をあんたが読んでいるということはふゆはきっと裁判でおしおきを受けた後だと思う。別にそのことを悔いる必要はないし、負い目に感じなくてもいいから。

……まあ、どうせ杞憂だろうけど』


流石は冬優子と言ったところか、気が行き届いているし、私たちのことをよく理解している。


『事件の内容からして、もう知ってのことだと思うけどふゆはファイナルデッドルームをクリアした。どうやらふゆが最初の攻略者だったみたいでその時にモノクマから情報をもらった』


そういえば裁判中美琴もそんなことを言っていた。
美琴は二番目以降の攻略者で、最初にクリアした人間がもらう特典はもらえなかったんだったか。


『その情報をルカに託します。ルカなら、ここに収められている情報を見極めて、有効に使ってもらえると思ったから。ちなみに拒否権はないので、諦めるように』

「……マジか」


手紙はここまでだった。
相変わらず勝手な女だ。冬優子のやつ、一方的に情報を渡してきやがって。

最後の最後まで冬優子らしいその様子に、少し可笑しく思いつつも、襟をただした。
この封筒の持つ意味を改めて確かめる。
私たちの未来さえも左右し得るほどに重要な代物だ。
まだめくっていない写真に、一体何が収められているのか。
生唾を一つ飲み込んだ。


「……いくか」


721: ◆vqFdMa6h2. 2022/05/22(日) 21:33:07.76 ID:6yJfGnKD0
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【あさひのコテージ】


「……もう、わたしだけになっちゃったんだ」

「愛依ちゃんも冬優子ちゃんも、他のみんなももういない」

「みんなを……学級裁判で殺そうとした狸は生きてるのに」

「……」

「……冬優子ちゃんは怒るかな」

「せっかく生かしてやったのに、なんでそんなことすんのよって」

「でも、わたしは知りたい」

「学級裁判で何度も暴れた狸が誰なのか、どうしてそんなことをしてるのか、知りたい」

「……例え冬優子ちゃんでも、わたしがわたしの命をどう使うのかは指図されたくない」

「この身体が、命がある限り……わたしはわたしのために使いたい」

722: ◆vqFdMa6h2. 2022/05/22(日) 21:33:56.33 ID:6yJfGnKD0





「真実を知るために、使いたい」





723: ◆vqFdMa6h2. 2022/05/22(日) 21:35:05.87 ID:6yJfGnKD0
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「んだよこれ……!?」


そこに写っていたのは私たち。
この島にやってきた連中が全員横並びになって……目を瞑っている。
目を瞑ってコールドスリープ用の機械に横たわっている姿が写っていた。

だが、それで終わらない。
この情報の持つ意味、その一番大きなところは……その上。


「なんで、なんでこいつら……」


風野灯織、田中摩美々、和泉愛依、園田智代子、市川雛菜。
前回のコロシアイの生き残りだと名前が上がっていた連中は……白衣を着て、私たちを見下ろしていた。

724: ◆vqFdMa6h2. 2022/05/22(日) 21:35:58.36 ID:6yJfGnKD0





____その機械でまるで、人体実験でもしているかのように。





725: ◆vqFdMa6h2. 2022/05/22(日) 21:36:57.44 ID:6yJfGnKD0
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CHAPTER 04

アタシザンサツアンドロイド

END

残り生存者数 7人

To be continued…



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726: ◆vqFdMa6h2. 2022/05/22(日) 21:37:55.63 ID:6yJfGnKD0


【CHAPTER04をクリアしました!】


【クリア報酬としてモノクマメダル60枚を獲得しました!】


【アイテム:くたびれたショッパーを手に入れました!】
〔出かける際愛用していた買い物袋。自身の所属するユニットの缶バッジを隠れたところに着けていたこの袋も、今となっては血に汚れた〕