垣根探偵事務所 前編

354: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/07/24(日) 23:34:52.27 ID:9NWq1eJho

prrrr!prrr……

垣根「あ、切れた」

麦野「あーあ、絹旗かわいそ」

一方通行「うるせェ!毎日下らねェ用事で呼び出されてる俺の身にもなってみろ!!」

垣根「だからって電話無視はひでぇだろ」

一方通行「昨日なンか夜突然呼び出されて行ってみたら
      『そこの醤油とってください』とか言われたンだぞ?無視したくもなるわ」

麦野「    が小さいわね。お兄ちゃん(笑)に甘えたい年頃なんだから甘く見てやりなさいよ」

一方通行「甘えたいってか単にパシリにされてるだけな気がすンですけどォ」

垣根「わざわざ呼び出しといて醤油は流石の俺もひでぇと思うわ」

一方通行「だよなァ、ひでェよなァ?しかも取ってやったら取ってやったで
      『ご苦労様です、帰っていいですよ』なンて言いやがったンだぞアイツ」

垣根「ホントに醤油取らせるためだけに呼んだのかよ、それはもはやイヤガラセの域だな……
   オマエやっぱり暗闇の五月計画の件で恨まれてんじゃねぇか?」

麦野「絹旗も色々ストレス溜め込んでるみたいだからねぇ」

355: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/07/24(日) 23:35:34.36 ID:9NWq1eJho


prrrr!prrrr!

麦野「ん、携帯が……あ、絹旗からだ」

一方通行「げっ」

垣根「ほら、オマエが出ないから麦野に飛び火したぞ」

麦野「もしもし、どうしたの絹旗」

麦野「うん、え?第一位?えっと……」チラッ

一方通行(いないって言え!いないって言え!)ボソボソ

麦野「目の前にいるわよ」ニタリ

一方通行「こンのクソババアァァァ!!!!」

麦野「ほうら第一位、愛しの妹ちゃんが電話かわって欲しいってさ、よかったわねぇ」ニタニタ

垣根「よかったなお兄ちゃん(笑)」

一方通行「ちっくしょォテメェら覚えてろよ……」

356: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/07/24(日) 23:36:07.01 ID:9NWq1eJho

一方通行「もしもし、なンか用かァ?……電話した?俺の携帯に?
      ……悪ィ、マナーモードにしてジャケットにつっこんでたから気付かなかったわ」

麦野「いるわよねぇ、めんどくさいから出なかっただけなのに後でグダグダ言い訳かます奴」

垣根「あーいるいる、『寝てた』とか『シャワー浴びてた』とかな」

一方通行「うっせェよオマエら!! っと違う違う、オマエに言ったわけじゃねェぞ絹旗」

一方通行「うン、あァ、電話は無視したわけじゃねェ、マジで気付かなかったンだよ」

垣根「なんて白々しさだ」

麦野「こんな人間にだけはなりたくないわね」

一方通行「なンでそこまで言われなきゃならねェンだ!?」

垣根「いいから電話に集中しろよオマエ」

一方通行「クソ……あァ悪ィ悪ィ、ンで、今日は何の……あ?今から来い?待て、まず用件言えコラ」

一方通行「また醤油取れとか下らねェ用事なンじゃ……
      待て待て待て!!オマエと一緒にいたくねェとかそォ言うのじゃなくてだなァ!!」

一方通行「違ェって!オマエと過ごす時間が下らねェなンて言ってねェだろ!?どンだけマイナス思考だオマエ!!」

一方通行「わかったわかった!!すぐ行くから待ってろ!!」

357: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/07/24(日) 23:36:40.62 ID:9NWq1eJho

垣根「……」

麦野「……」

一方通行「……第四位、携帯返すわ」ポイ

麦野「あ、うん」キャッチ

垣根「……一方通行、オマエ」

一方通行「言うな。年下のガキに色々振り回されンのは、人間なら誰でも通る道なンだよ……」

垣根「そうか」

一方通行「じゃァ行ってくるわ……」ガチャ、カツカツカツ……

麦野「絹旗のやつ、浜面をパシらせ辛くなった分を第一位にぶつけてるのかしらね」

垣根「意外と押しに弱いよなアイツ……それとも負い目があるからか?」

麦野「  コンなだけじゃない?」

垣根「あー、見た目小学生だからな絹旗。
   あの野郎、幼女助けるためにロシアまで飛んだりしたらしいし、やっぱ  コンか」

358: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/07/24(日) 23:37:44.36 ID:9NWq1eJho
 

垣根「ああ言うのに限って潜在的にはド だったりすっからな。
   ガキに扱き使われて実は喜んでたりするかもな」

麦野「今度絹旗に鞭でも貸してあげようかしら」

垣根「……なんで鞭なんて持ってんだよ」

麦野「シミ一つ無い真っ白な肌に鞭打ちの痕は良く映えそうよねぇ」ウットリ

垣根「ちょっとついて行けません」


ドア<コンコン


垣根「お?」


ドア<ガチャ


御坂「いるー?」テクテク

麦野「あら第三位、久しぶりね」

御坂「やっほ、久しぶりー」

359: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/07/24(日) 23:38:25.33 ID:9NWq1eJho

垣根「あ、俺ちょっと席外そうか?」

麦野「は?何で……」

垣根「え、だってオマエらこれからしっぽりxx xxxに励むんだろ?」

御坂「xxぷ……はぁぁ!?」

麦野「まだ言ってんのかよテメェ!!!」

垣根「どうせ浜面は能力追跡のものなんだしよ、いっそ女に走るのもアリだと思うぜ?」

麦野「うるせえ諭すような口調やめろ変 i野郎が!!」

垣根「三時間くらい外で時間潰してくればいいか?何、俺の事なら気にすんな、xxっ子は大好物です」

麦野「キメェんだよ死ね!!おい第三位手伝え!この脳内メルヘンバラバラにするわよ!!」

御坂「て、手伝うって……だ、ダメよ、女の子同士でそんな、あうあうあう……」カー

麦野「……」

垣根「いい感じにトリップしてやがるな」

360: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/07/24(日) 23:38:58.37 ID:9NWq1eJho

麦野「こ、この  ガキが!!何満更でもなさそうな面してやがんのよ!?」

御坂「ハッ!し、してないわよそんな顔!!わ、私にはちゃんと好きな男の人がいるんだから!!」

垣根「あーフラれたか、残念だったな麦野」ポン

麦野「……」ガシ

垣根「お、どうした抱きついてきて?ははぁ、ようやく俺の魅力に気付いt」

麦野「うおらあああぁぁぁ!!!」ブゥン!!

垣根「ぐあああああああああ!!!!」ゴシャァ!

御坂「の、ノーザンライトボム……」ゴクリ


※ノーザンライトボム……プロレス技の一つ。垂直落下式ブレーンバスターの変則型。めっちゃ痛い。

361: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/07/24(日) 23:39:27.06 ID:9NWq1eJho


垣根「痛ってぇ、首折れたかと思ったわ……ったく冗談通じねぇな」サスサス

麦野「笑えねぇんだよテメェの冗談は」フン

垣根「マジで痛ぇ……オマエ能力使わない方が強いんじゃねぇ?」

麦野「もう一発喰らっとくか?」

御坂「と、ところで私さ、用事があって来たんだけど……」

垣根「あぁ何、依頼か?一応言っとくが恋愛相談とかだったら叩き出すからな」

御坂「偽の香水掴ませる様な人に何度もそんな依頼するわけないでしょ」

麦野「つーか何でテメェはそんなに恋愛相談に拒否感持ってんだよ」

垣根「だって俺独り身だし。他人の恋愛相談とかやってらんねぇよ、まず俺が恋人欲しいっつの」

麦野「ただの嫉妬かよ」

御坂「あれ、アンタら二人付き合ってんじゃないの?てっきりそういう関係だと……」

麦野「……」

362: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/07/24(日) 23:40:09.54 ID:9NWq1eJho

垣根「あ、そう見える?そう見える?おい麦野、やっぱr」ニヤニヤ

麦野「……」ガシ

垣根「待て麦野離せ俺は何もゴブルァ!!」コキャ!

御坂(アイアンクローからの首折り!?)

垣根「」バターン

麦野「おい第三位、冗談でも二度とそういう事は言うんじゃねぇぞ」コキコキ

御坂「は、はい」

麦野「もう一回言ったらテメェもこうだからな?」コキコキ

御坂「はい」

垣根「あーちくしょう……俺の首繋がってる?変な方向に曲がったりしてない?」サスサス

麦野「チッ、もう起きやがったか」

御坂(何で起き上がれるんだろう……)

363: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/07/24(日) 23:40:40.82 ID:9NWq1eJho

垣根「クソ、第三位が勝手に勘違いしてただけで俺は何も悪くねぇだろうが……」

麦野「蒸し返すなクソメルヘン」

垣根「へぇへ……で、どんな依頼しに来たんだ?」

御坂「あ、わ、忘れる所だった!アンタらの漫才見に来たわけじゃないのに!」

麦野「あぁ?」

御坂「人を捜して欲しいのよ!探偵ってそういうの得意分野なんでしょ?」

垣根「人捜しね、とりあえず事情説明してもらえるか?」

御坂「うん、実はちょっと前に私の後輩が大怪我して病院に運ばれたんだけどさ、」

麦野「アンタの後輩って事は、常盤台の生徒?」

御坂「そう、私の一つ下。で、その子なんだけど、どうも誰かに襲われたらしいのよ」

垣根「おいおい穏やかじゃねぇなぁ」

麦野「襲われたっていうのは 的な意味で……」

御坂「じゃないわよ!!暴力振るわれただけ!!で、アンタ達にはその犯人を見つけ出して欲しいの!」

364: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/07/24(日) 23:41:15.15 ID:9NWq1eJho

垣根「ふーん、しかし常盤台の生徒って事はそこそこの能力者だろ?
   そう簡単に病院送りにされるもんかね」

麦野「能力高かろうが所詮は世間知らずのお嬢様でしょ?
   第三位みたいに中坊のクセして喧嘩慣れしてる方が異常よ」

御坂「それなんだけど、やられたのはレベル4の空間移動能力者で、風紀委員に所属してるのよ。
   だから喧嘩慣れしてないって事はないと思うわ」

垣根「レベル4の空間移動能力者が大怪我して病院送り?妙な話だな、逃げる間もなかったのか?」

麦野「不意でも打たれたんじゃない?風紀委員って事は色々逆恨み買ってそうだし」

御坂「私も最初はそう思ったんだけど、どうも違うみたいなのよね。
   あの子が言うには相手とは全くの初対面だったらしいし、不意打ちされたわけでもないらしいわ」

垣根「真正面からレベル4の空間移動能力者を逃げる間も与えずボコるって、
   それ下手したら犯人はレベル5クラスじゃねぇか?」

麦野「相 にもよるけど、かなりの高位能力者である事は間違いなさそうね」

御坂「えぇ、あの子もそう言ってた。犯人は二人組みの男女で、どっちも相当なレベルの能力者だったって」

垣根「高位能力者の二人組みか……そいつは面白そうだ」

365: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/07/24(日) 23:41:43.69 ID:9NWq1eJho

麦野「動機は何かしら?初対面だってのを信じるんなら恨みの線は薄そうだし、
   高位能力者が犯人なら多分金銭目的でもないでしょ」

御坂「えっと、何でもあの子はその時小さな女の子と話をしてたらしくて、
   で、犯人達はその女の子を渡せって言って来たらしいわ」

垣根「それじゃ犯人の狙いはそのガキで、オマエの後輩はガキを庇おうとしてやられたって事か?」

麦野「ガキを誘拐しようとしてたら風紀委員が邪魔してきたからボコったってところか」

御坂「うん、でも……」

麦野「でも?」

御坂「学園都市中を調べても、その日誘拐事件が起きたなんていう事実はどこにも存在しないのよ。
   風紀委員にも警備員にもそれらしい情報はなし、
   今日まであちこちハッキングして調べたけどそれらしい事件は起きてないの」

垣根「そいつは何とも不可解だな……名探偵の血が騒ぐぜ……」

麦野「その血は静めとけ、余計な事しかしねぇから」

垣根「ところで後輩の写真か何かあるか?一応どんな子が被害にあったのか確認しときてぇ」

御坂「写メならあるわよ。ほら、この子」スッ

麦野「どれ……」ペラ

366: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/07/24(日) 23:42:14.84 ID:9NWq1eJho



            /⌒V゙\, -――-ヘ-、
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                       く  //
                 }      Y く)
                〈      ノ ̄
                 ー--‐'⌒


367: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/07/24(日) 23:42:42.40 ID:9NWq1eJho

垣根「……」

麦野「……」

御坂「可愛いでしょ?白井黒子って言うんだけどさ」

垣根「……」

麦野「……」

御坂「病院に運ばれた時は酷い有様だったわよ、
   トレードマークのツインテールは片方吹き飛ばされちゃってたし……」

垣根「……なぁ」

麦野「多分ね……」

御坂「……?」

垣根「このツインテ、いつ襲われたんだ?」

御坂「えっと、丁度一週間かな」

麦野「……時期的にも一致するわね」

垣根「あぁ……」

368: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/07/24(日) 23:43:16.30 ID:9NWq1eJho

御坂「ひょっとして何か心当たりがあるの!?」

垣根「いやねぇよ、全くねぇ」

麦野「無いわね、検討もつかないわ」

御坂「そう……黒子の事もだけど、誘拐されたかもしれない女の子も心配なのよね、無事だといいんだけど……」

垣根「あーうん、多分無事だよ」

麦野「えぇ、多分無事ね」

御坂「そうあって欲しいわね」

垣根「(ちょっと探り入れてみるか)あー……犯人について何か手がかりになるような事言ってなかったか?」

御坂「んー、見た感じ男の方は高校生くらい、女の方は20代半ば~後半くらいだったらしいわ」

麦野「20代後半……?」ビキィ

御坂「え、それがどうかした?」

369: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/07/24(日) 23:43:58.86 ID:9NWq1eJho

垣根「堪えろ麦野、中坊の目なんて当てになんねぇから」

麦野「そ、そうよね、私はまだ十代だし……」

御坂「む、当てにならないって事はないと思うわよ、風紀委員って色々な人と関わるし、
   あの子の見る目は確かだと思うわ」

垣根「馬鹿……ッ」

麦野「あ゛あぁ!?じゃあテメェは私が三十路目前に見えるってのかぁ!!?」ビキビキィ

御坂「な、何でアンタが怒ってんのよ!?」

垣根「そっとしといてやってくれ………それで他に何か言ってなかったか?」

御坂「え?そうねぇ……うーん……」

麦野「クソ、あのガキ次会ったらぶっ殺してやるわ」ブツブツ

御坂「あ、見た目は美男美女だったって言ってたわね」

垣根「まぁな」フッ

麦野「フン、少しは見る目があるみたいね」

御坂「何で誇らしげなのよアンタら……えーっと後は……」


370: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/07/24(日) 23:44:24.77 ID:9NWq1eJho


御坂「……んー、一々私が思い出しながら話すのも面倒だし、もう本人呼んでくるわ」

垣根「えっ」

麦野「それはちょっと」

御坂「大丈夫大丈夫、空間移動能力者だからそんなに時間はかからないわよ。
   ちょろーっと行って連れて来るから待ってて」ガチャ、タッタッタ

垣根「いや時間の問題とかじゃなくてそいつとはあんまり会いたく……あぁ聞いてねぇ、行っちまった……」


麦野「……どうすんの?」

垣根「犯人の二人組みってまず間違いなく俺達の事だよな……」

麦野「でも女の方は二十代半ば~後半つってたし違うかもしれないわよ?」

垣根「現実を受け入れろ」

麦野「………」

371: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/07/24(日) 23:44:55.53 ID:9NWq1eJho

垣根「くっそ、あのツインテ、自分のやろうとしてた事は棚上げして一方的に俺らを悪者にしてやがんな
   このまま犯人扱いされて糾弾されるのなんざ御免だぜ、めんどくせぇ」

麦野「つーかあのガキ第三位と知り合いだったのかよ、盲点だったわ」

垣根「第三位のクローンを攫おうとしてたんだからその可能 も考えとくべきだったな。
   まぁ今更言っても遅ぇ、さてどうしたもんか……」

麦野「惚けて誤魔化す……のは無理よね、はっきり顔見られてるわけだし。
   あのツインテが何しようとしてたか説明すれば私達に非は無いってわかるんじゃない?」

垣根「信用してもらえるかどうか微妙なところだな、証拠とかはねぇし。
   それに犯人認定されたらこっちの話聞いてもらえるかどうかも怪しいぞ」

麦野「ならクローンの失踪事件も含めて第一位から説明してもらうのはどう?」

垣根「それなら俺らが説明するよりはいくらかマシか……よし、ちょっと一方通行に連絡取ってみるわ」カチカチカチ

麦野「ついでにあの小さいクローンも連れて来てもらいましょ」

垣根「最終信号か、でもアイツ都合よく記憶が飛んでたからなぁ……ずっと寝てたし」prrrr!prrガチャッ

372: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/07/24(日) 23:45:24.24 ID:9NWq1eJho

垣根「おっと、もしもし一方通行か?おう、俺だ」

垣根「ちょっとオマエに頼みがあるんだが、時間大丈夫か?」

垣根「……は?いやいやちょっと聞こえなかったんだけどもう一回言ってもらえねぇ?」

垣根「あ、無理?忙しい?いやそういう冗談はいいから」

垣根「あぁ、そうだ、ちょっと第三位に説明して貰いたい事があって……」

垣根「え、イヤだ?第三位と顔合わせたくない?いつまでも逃げてんじゃねぇよチキン野郎が」

垣根「いいから今からこっちに……ちょ、待てコラ!おい!お……クソ!切りやがった!!」

麦野「……交渉失敗みたいね」

垣根「あぁ、絹旗と映画見てるから無理だとよあの  コン野郎め。
   こうなったら居留守でも使ってやり過ごすか……」

麦野「相手は空間移動能力者とレベル5の電撃使いよ?鍵かけてもサクッと侵入されそうじゃない?」

垣根「それじゃいっそ本当に出かけちまうか?」

麦野「何か帰ってくるまで居座られてそうな気がしないでもないわね」

垣根「なら……」

373: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/07/24(日) 23:45:55.21 ID:9NWq1eJho


ドア<ガチャ


御坂「戻ったわよー」テクテク

垣根「早ぇよ!!まだ対策練ってる最中だボケが!!」

麦野「チッ、空気読めや」

御坂「ちょ、待たせちゃ悪いと思って急いだのに何よその態度!?」

垣根「あーどうするよ?」

麦野「正直に全部話すしかないんじゃない?聞いて貰えるかわからないけど」

御坂「……? よくわかんないけどとりあえず黒子にも入って貰っていい?」

垣根「あぁ、好きにしろ。ただし大声出したりしないように約束してくれ」

御坂「え?うん、わかったわ。黒子、入っていいって、でも大声は出さないようにね」

白井「お姉様、わたくしは良く訓練された淑女ですのよ?
   人様の前で大声を出すなど、そのようなはしたない真似するはずが……」テクテク

垣根「……」

麦野「……」

374: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/07/24(日) 23:46:43.49 ID:9NWq1eJho

白井「ほげえええええええ!!!!?」

御坂「黒子!?」

垣根「『ほげえ』て、叫ぶにしてももっと他にあるだろ」

麦野「いきなり淑女にあるまじき声出してるわね」

白井「あ、ああああ!あなた方はあああ!!!」

御坂「ちょっとどうしたのよ黒子!?二人の事知ってるの!?」

白井「どうしたもこうしたもありませんの!お姉様こそこのお二方とお知り合いなんですの!?」

御坂「え?うん、まぁちょっとした知り合いだけど……」

白井「く、小さいお姉様ばかりかモノホンのお姉様まで毒牙にかけようと言うんですの!?」

御坂「いや何言ってんの?小さいお姉様?毒牙?」

麦野「小さいお姉様って?」

垣根「最終信号の事じゃねぇか?」

白井「さぁ!わたくしの小さいお姉様をどこに隠したのか白状なさってくださいまし!!」

御坂「ねぇ黒子、私の声聞こえてる?」

垣根「『わたくしの』って、オマエのじゃねぇだろ」

麦野「あの子ならちゃんと家に帰ったわよ」

白井「何と言う事を……」

375: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/07/24(日) 23:47:05.29 ID:9NWq1eJho

御坂「ねぇさっきから何話してんの?私にもわかるように説明してくれない?
   アンタ達知り合いだったわけ?」

白井「ハ、失礼いたしました。わたくしとした事がついヒートアップしてしまいまして……
    いいですのお姉様、一週間前わたくしを病院送りにしたのは何を隠そうこの……」

垣根「はーいストップストップー!!ちょっとこっち来いやツインテ!!」グイ

白井「ちょ、何ですの!?離してくださいまし!!」ズルズル

御坂「な、何してんの!?」

垣根「ちょっとした内緒話だ、なぁにすぐ終わるから気にすんな」

白井「ヘルプ!ヘルプですの!!」

垣根「そう怯えんな、別に取って食おうってわけじゃねぇんだ」

麦野「何企んでんのよ?」ボソボソ

垣根「心配すんな、策がある」ボソボソ

376: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/07/24(日) 23:47:45.19 ID:9NWq1eJho


白井「わ、わたくしは脅しには屈しませんのよ!?わたくしをどうしようとあなた方の罪は……」

垣根「それなんだけどよ、いいもんやるから水に流さねぇか?面倒事は嫌いなんだよ」ボソボソ

白井「な、も、物で釣る気ですの!?賄賂ですの!?ふざけないでくださいまし!!
   わたくしはこの学園都市の治安を守る風紀委員として、断じてそのようなもの受け取りませんの!」キッ

垣根「(どの口がほざきやがる……)ふーん、例えば『小さいお姉様の住所』とかでもいらねぇのか?」ボソボソ

白井「詳しく」

垣根「もしオマエが一週間前の出来事を忘れるってんなら、
   オマエの言う『小さいお姉様』の住所と行動パターンを教えてやってもいいぜ?」ボソボソ

白井「い、一体どういう風の吹き回しですの!?あの時散々わたくしの邪魔をしたあなたが……」

垣根「何、あん時は依頼を受けてあのガキを護衛してただけだからな。
   依頼が終わった今となっちゃもうオマエが何しようが知った事じゃねぇってこった」ボソボソ

白井「く……し、しかしわたくしは風紀委員としてあのような暴力を忘れるわけには……」

垣根「(そもそもの原因オマエだろ)よしわかった。学園都市に第三位のクローンがいる事は知ってんな?
   そいつらの住んでる場所も教えてやろうじゃねぇか」ボソボソ

白井「乗った」


377: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/07/24(日) 23:48:23.53 ID:9NWq1eJho


御坂「……何話してるんだろ?」

麦野(どうせろくな事じゃねぇんだろうな……)


垣根「よーし、交渉成立だな」ガシ

白井「実に有意義な話し合いでしたの」グッ

御坂「何か笑顔で握手交わしてるし……」

麦野「何やったんだ垣根のやつ……」


白井「大変お待たせいたしましたお姉様」

御坂「あ、うん、それで結局アンタはこの二人とどういう関係なわけ?」

白井「実はこのお二人は以前風紀委員の活動に協力して下さったことがありまして、
   久しぶりにお会いしたもので、ついついテンションが上がってしまいましたの」シレッ

御坂「へ、へぇそうなんだ?何かさっきまでは明らかに敵対してる感じだった気がするんだけど……」

白井「そんな事はございませんの、お二方とも素晴らしい人物ですのよ?」ニコッ

垣根(しれっと嘘ついてやがる)

麦野(よくわからないけど何とか垣根が丸め込んだみたいね)

378: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/07/24(日) 23:49:00.46 ID:9NWq1eJho

御坂「ま、まぁいいや。それよりも犯人捜しを……」

白井「それなのですがお姉様、もう犯人は捜さなくて結構ですの」

御坂「へ?だ、だって女の子が攫われたかもしれないんでしょ!?」

白井「女の子なら先日無事が確認されましたの、最初から攫われたという事実はなかったようですの」シレッ

御坂「えぇぇそうなの!?それならもっと早く教えなさいよ!
   あ、で、でもアンタは一方的に暴力振るわれたのよね?それはいいわけ!?」

白井「お姉様、復讐は何も生みませんのよ?」キリッ

御坂「う……」

白井「憎しみの螺旋は断ち切らなければなりませんの」キリリッ

垣根(何言ってんだコイツ……)

麦野(頭おかしいんじゃねぇのこのツインテ)

379: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/07/24(日) 23:49:29.51 ID:9NWq1eJho

白井「そういうわけですのでお姉様、もう皆さんのお手を煩わせる必要もありませんの」

御坂「ま、まぁアンタがそれでいいって言うんなら……あーでも何か納得いかないわね……」

白井「お姉様、実は騒動に乗じて暴れたかっただけでは?」

御坂「ち、違うわよ!私はアンタの為を思って……」

白井「えぇ、えぇ、わかっておりますのよお姉様。でも、もういいんですの。
   犯人さん達にもきっと已むに已まれぬ理由があったに違いありませんの。
   それを責め続けても虚しいだけですのよ」キリッ

御坂「むぅ……わかったわよ」ハァ

垣根(ぃよし!)

麦野(何とか誤魔化せたみたいね)フゥ

白井「さぁお姉様、それではお暇しましょう?用もないのにここにいては迷惑ですのよ?」

御坂「ん、そ、そうね。それじゃ二人とも、またね」

垣根「おう、じゃあな」

麦野「暇だったらまた相手してあげるわ」


白井(住所の件、後でお願いしますのよ?)チラッ

垣根(任せとけ)グッ

御坂「?」

麦野「……」

380: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/07/24(日) 23:50:10.34 ID:9NWq1eJho

―――後日


白井「さて、先日あの方に聞いたところによるとこの辺に……ハッ、あれは!!」


打ち止め「~♪」テクテク


白井「間違いありませんの!あの時の小さいお姉様ですの!!」

白井「なんという僥倖!生き恥を晒した甲斐があったというもの!!」カッ


打ち止め「……!?」ゾクッ


白井「うっひょう!小さいお姉様、今行きますのおおお!!!」ダッ

ガシッ

白井「『ガシッ』?はて何の音ですの?まるで何かを掴んだような……
   あ、あら?何故か身体が動きませんの……」ジタバタ

一方通行「……おい」グググ

白井「はい」

一方通行「覚悟は出来てンな?」ニタァ

白井「いえあのすいません状況がよくわかりませんの」

一方通行「オーケー心配すンな、一発で理解させてやっからよォ!!!」ゴゴゴゴ

白井「ちょ、待ッ……!!?」



白井「ですのおおおおおおお!!!!」メキョメキョメキョ

414: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/07/28(木) 20:28:44.18 ID:O0/TUk4qo

垣根「……」

麦野「……」

一方通行「……」

白井「……」

御坂「……事情は妹達と一方通行に聞いたわ。失踪事件や打ち止めの誘拐未遂……
   ごめんね、黒子が色々迷惑かけたみたいで……」

麦野「このツインテ、どうもアンタやアンタのクローンどもに歪んだ感情抱いてるみたいね」

白井「歪んだ感情とは失礼な!一本真っ直ぐの純粋な愛ですの!」

御坂「黒子、ちょっと黙ってて」バチィッ

白井「はいですの」

垣根「こんな犯罪者一歩手前のやつ野放しにしてるなんて危険過ぎるだろ。
   コイツ本当に風紀委員なのか?」

一方通行「打ち止めの住所売り渡したクソ虫が何ほざいてやがる」

垣根「うっせぇな、あの場を誤魔化す為には仕方がなかったんだ。
   無事だったんだしいいだろ?オマエの  コンっぷりを信用してたんだよ」

一方通行「殺されてェのかオマエ」

415: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/07/28(木) 20:29:20.01 ID:O0/TUk4qo

白井「く、小さいお姉様に護衛がいるなんて聞いておりませんでしたのよ!」

麦野「あーダメだ懲りてねぇわコイツ。第三位、ちゃんと手綱握っときなさいよ」

御坂「それなんだけどさ、この子の 格矯正とかって依頼できない?」

白井「お姉様!?」

垣根「それは探偵の仕事とはちょっと違うんじゃねぇか?」

一方通行「引き受けとけやクソメルヘン、
      オマエが打ち止めと妹達の住所リークしたせいで護衛すンのがだりィンだよ。
      絹旗のお守りもあるし、いい加減過労死しちまいそォだ」

麦野「つーか矯正なんて出来るわけ? 犯罪は常習 が高いって言うしさ。
   男なら   カットでもすりゃ何とかなるかも知れないけど」

垣根「   カットとか言うのやめろよ、下半身に響くだろ……」

御坂「   カットって何?」

麦野「●●が貯蔵されないようにする避妊手術の事よ」

御坂「せい……ッ」

白井「 犯罪ではありませんの!愛ゆえの行為ですの!!愛があるんですの!!」

麦野「本当にxxx魔みたいな言い訳してるわね」

一方通行「同じ顔した奴に節操なく片っ端から襲い掛かってるくせにどの口が愛だのほざいてンだ」

垣根「  コンが愛について語るなんざ世も末だなオイ」

一方通行「よォし動くな垣根、今すぐ愉快なオブジェにしてやっから」カチッ

垣根「ぐああああああああ!!!」メキメキミシ

416: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/07/28(木) 20:29:50.77 ID:O0/TUk4qo


麦野「実際問題、 格矯正ってどうしたいわけ?
   このツインテがアンタ達に全く干渉しなくなりゃいいの?」

白井「お、お姉様は黒子の事が嫌いなんですの!?」

一方通行「話聞いた限りじゃ好かれる要素は限りなくゼロに近ェだろ」

御坂「嫌いじゃないし、そこまで徹底的に矯正させたいわけでもないけど、もう少し自制心を持って欲しいのよね。
   とりあえず私の 着とか洗面用具を勝手に使うのはやめさせたいわ」

白井「気付いておりましたの!?」ガーン

麦野「うっわ、本物なのねコイツ。もしかして汚物入れとかも漁ってんじゃないの?」

白井「あ、でも気付いていながら今まで咎められなかったという事は
   お姉様も実はちょっとその気があったのでは!?」

一方通行「どンだけ幸せな頭してンだ?」

御坂「それと、突然抱きついてきたり寝てるときに私の布団に侵入してくるのもやめて欲しいんだけど」

白井「その二つをやめさせようだなんて、黒子に死ねとおっしゃいますの!?」

麦野「もう死ねよオマエ」

一方通行「あァ、死ンだ方がいいな」

417: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/07/28(木) 20:30:18.79 ID:O0/TUk4qo

白井「ひどいですの……お姉様とのスキンシップは風紀委員の激務で疲れている中での一服の清涼剤ですのに……」

御坂「で、どうにか黒子を真人間に更生させられない?」

垣根「無理無理、こりゃ死んでも治らねぇよ。いつぞやのショタコンと同じ気配がするわ」

一方通行「チッ、もォ復活しやがったか」

麦野「あー、あのショタコン女も死んだ方がいいレベルだったわね……
   でも被害受けるのが第三位とクローンに限定されてる分こっちの方がまだマシじゃない?」

垣根「五十歩百歩だろ、あっちはまだ実際の被害は出て無かったわけだしな。
   まぁ取り返しのつかねぇ変 だって事に変わりはねぇけどよ。
   ところで一方通行、あのショタコン女は元気か?まだ塀の高い病院に入ってんの?」

一方通行「あァ、この前見舞いに行ったら将来的には小学校の教員免許取りたいとか言ってやがった」

麦野「絶対病院から出すなよ」

垣根「つーかオマエも見舞いに行くなよ……また●●要求されんぞ?」

一方通行「見舞いっつーか監視だな、病院から脱走してねェかどォかの」

垣根「あー……」

418: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/07/28(木) 20:30:45.31 ID:O0/TUk4qo

御坂「ちょっと、話が逸れてるわよ!真面目に黒子を更生させる方法考えてよ!」

白井「お姉様、黒子は別に今のままでも……」

御坂「私がイヤなの!私だけじゃなく妹達にまで手ぇ出すなんて、流石にもう限界よ!!」

白井「ふむ、さてはお姉様、妬いていますのね?」ニヤッ

御坂「……あ?」

白井「わたくしがお姉様のクローンに手を出そうとするのが気に入らないという事は、
   お姉様はつまり『私だけを見て!』と、そうおっしゃりたいのですのね!?」クワッ

御坂「……」

白井「んもうお姉様ったら、それならそうとはっきりおっしゃってくださればよろしいですのに!
   わかりました、それなら黒子は今日からお姉様だけを見つめ続けて……」クネクネ

御坂「寝言は寝てから言えやゴラアァァァ!!!」バリバリバリ!

白井「ほんぎゃああああ!!!」バチバチバチ

麦野「垣根、アンタ『xxっ子は大好物』とか言ってたけど、実際目にしてみてどうよ?」

垣根「いや、これは何か違うだろ……こんなんxxやないて……これはアカンやろ……」

一方通行「なンでエセ関西弁になってンだオマエ」

419: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/07/28(木) 20:31:23.15 ID:O0/TUk4qo

白井「そうですの!わたくしはxxxxxではなくお姉様を愛しているだけですの!」カッ

一方通行「回復すンの早ェなァオイ」

麦野「あんだけ電撃浴びて何でピンピンしてんだ?」

白井「フフン、わたくしにとってお姉様の電撃はご褒美以外の何者でもありませんの」

垣根「誇らしげにとんでもなくイカレた発言してやがるなこのガキ。
   おい麦野、このままじゃ第三位取られちまうぞ?オマエももっと第三位への愛をアピールしろよ」

麦野「まだ引きずんのかよそのネタ!?」

一方通行「あァ?オマエもそっち系なのかよ」ウワァ

麦野「信じんなよ白モヤシ!!」

御坂「あ、アンタの気持ちは嬉しいけどやっぱり女の子同士だしさ……
   それにまだお互いの事良く知らないし……」カァー

麦野「だから何でテメェは満更でも無さそうな反応してんだ!?『カァー』じゃねぇよ!!」

白井「く、まさかのライバル出現ですの!?
   こうなったらわたくしのメリハリバディでお姉様の視線を釘付けにするしか……」スルリ

麦野「おい何脱いでんだ変 ツインテ!?貧相な身体晒そうとしてんじゃねぇぞコラ!!」

垣根「やっぱり時代は電磁崩しですよね」

麦野「死ねオラアァァァ!!!」ゴウッ!!

垣根「かはァッ!!!」ゴシャァ!!

一方通行(ノーモーションの延髄斬り……すげェ……)ゴクリ

420: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/07/28(木) 20:31:51.73 ID:O0/TUk4qo


垣根「クッソ痛ぇ……衝撃で目玉飛び出すかと思ったわ……」サスサス

麦野「いい加減話進めるわよ。オラ、変 ツインテの更生方法考えろクソメルヘン」

垣根「俺に丸投げかよ……さっきも言ったけどぶっちゃけ無理だろ、
   そもそも本人に治す気がねぇってのが致命的だ」

御坂「そんな事言わないで何か考えてよ、探偵でしょ?」

白井「探偵は何の関係も無い気がしますの」

一方通行「突然マトモな事言ってンじゃねェよこのパンダが」

白井「パンダってわたくしの事ですの!?」

麦野「あぁ、白くて黒いから……」

垣根「でもなぁ…… 癖って矯正出来るもんじゃなくねぇ?一方通行の  コンも治らねぇし」

一方通行「オマエ実はドMだろ?痛めつけられたくてわざと言ってンだろ?」カチッ

垣根「場を和ませるための小粋なジョークじゃねぇか、そうマジになんなって」

麦野「センスの欠片も感じねぇわ」

御坂「だから話を逸らさないでよもう……私真剣に悩んでるんだからさ……」ハァ

421: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/07/28(木) 20:32:19.59 ID:O0/TUk4qo

一方通行「おいパンダ、超電磁砲はともかく、これ以上妹達に手ェ出そうとすンのは許さねェ。
      いい加減にしとかねェとマジに潰すぞ?」ギロリ

白井「そ、その程度の脅しでわたくしの愛の灯火が消せると思ったら大間違いですの!
   障害が大きければ大きいほど燃え上がるのが女ですのよ!」

一方通行「本当にぶっ殺す以外解決策がねェ気がしてきたわ」

御坂「ちょっと私はともかくってどういう事よ!?」

一方通行「オマエはパンダに襲われても自力で何とか出来るだろォが。
      妹達はいいとこレベル3だぞ?レベル4の空間移動能力者に襲われたら一溜まりもねェンだよ」

麦野「なまじレベルが高い上に空間移動って対処の難しい能力だから厄介よね」

白井「『自分だけの現実』を鍛えておりますので」フッ

御坂「アンタは『自分だけの現実』を何だと思ってんのよ」

垣根「まぁ『自分だけの現実』ってのはそのまま妄想力につながるところあるからな。
   高位な能力者ほど頭おかしい変 だってのもあながち間違いじゃ……あっ」

422: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/07/28(木) 20:32:49.15 ID:O0/TUk4qo

一方通行「おい」←レベル5の第一位

垣根「……」←レベル5の第二位

御坂「……」←レベル5の第三位

麦野「……」←レベル5の第四位

白井「……?」←所詮レベル4程度の空間移動能力者


垣根「……悪い、今の発言は無かった事にしてくれ」

御坂「そうね、『自分だけの現実』=妄想力なんてのはただの俗説よ、馬鹿げてるわ」

麦野「ったく迂闊な事言ってんじゃないわよバ垣根が」

一方通行「危ねェところだったぜ……」

白井「ふむ、ではお姉様はわたくし以上の……」ゴクリ

御坂「そこ食い付かないでよ!?」

垣根「自分が変 だって自覚はあんだな、このツインテ」

白井「むっつりと言うやつですのねお姉様!!」カッ

御坂「それ以上言ったら超電磁砲ぶち込むわよ?」スチャ

白井「すいません調子に乗りました」

一方通行(俺に超電磁砲ぶっ放したときと同じ目ェしてやがる……)

423: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/07/28(木) 20:33:34.74 ID:O0/TUk4qo

垣根「まぁ他に仕事もねぇし、ここは一つ前向きに
   この変 のミサカコンプレックスを治療する方法を考えてみるか」

一方通行「とりあえず、脅そうが殴ろうが全く堪えねェってのは確定してンな。
      筋金入りどころか鉄骨入りの変 だ」

御坂「昔はもうちょっとマトモだった気がするんだけどね……
   いや、良く考えたら初対面から抱きつこうとして来たんだった、あんまり変わってないわ」ハァ

白井「わたくしの愛は不変ですの」

一方通行「誇らしげにしてンじゃねェよ」

垣根「引いてダメなら押してみろって事で、
   いっそこれでもかってくらい第三位とクローンどもをコイツの好きにさせてみたらどうだ?
   どんだけ好きなもんだろうと供給過多になればイヤになんだろ」

白井「その案で行きましょう」キリッ

麦野「ダメに決まってんでしょ、xxx魔の前に全裸の美女差し出すようなもんじゃないの」

一方通行「大惨事の予感しかしねェな、つーかどォ考えても犠牲が出るだろ」

御坂「私もイヤね、何されるかわかったもんじゃないわ」

垣根「それじゃこの案は没か。まぁ確かに危険度が高すぎる上に効果もほとんど期待出来そうにねぇもんな」

白井「えー……」

424: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/07/28(木) 20:34:06.17 ID:O0/TUk4qo

麦野「いっそ両手足ふっ飛ばしちまえば大人しくなるんじゃないの?
   空間移動があるから安心とは言い辛いけどそれでもだいぶマシになるでしょ」

白井「ちょ……」

御坂「それは最終手段にしましょ」

白井「半ば容認!?」

一方通行「心配すンな、そン時はちゃンと痛覚遮断しといてやっから」

垣根「優しいな」

白井「優しさの方向が間違っておりますの!!」

御坂「大丈夫よ黒子、絶対そんな事にならないようにしっかり更生させてあげるから」ポン

白井「もしやる時は是非お姉様の手でお願い致しますの」

御坂「……」

425: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/07/28(木) 20:34:53.38 ID:O0/TUk4qo

一方通行「あァー……あれだ、正攻法で考えるとして、
      このパンダが超電磁砲以上に興味を惹かれる相手がいりゃいいわけだろ」

垣根「ほう?」

麦野「つまり?」

一方通行「コイツに恋人でも出来りゃ解決すンじゃねェか?
      恋人じゃなくても超電磁砲以外の誰かに惚れたりすりゃァ……」

垣根「  コンが何かぬかしとるわ」

一方通行「だから何なンだオマエのその口調」

麦野「それが出来れば苦労はねぇっての。第三位一筋で他は眼中に無いってんだから苦労してんだろ」

御坂「でもそういう健全な解決策はいいわよね、誰も不幸にならないし。
   よし、黒子を誰かとくっつける方向で考えてみましょう」

麦野「他人に厄介事を押し付けてるだけじゃない?」

垣根「この変 に惚れられた相手は漏れなく不幸になるだろ」

426: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/07/28(木) 20:35:23.33 ID:O0/TUk4qo

白井「フッ、この黒子がお姉様或いはお姉様のクローン以外に心が揺らぐ事などありえませんの」

御坂「まぁまぁそう言わずにさ黒子、気になる男の子とかいないわけ?
   いえ、この際女の子でもいいわ、私と妹達以外なら」

一方通行「保身に走ってる感が見え見えでちょっとヒくンですけど」

白井「見損なわないでくださいまし、わたくしはお姉様に操を立てておりますの!
   他の女 や、まして男 相手など虫唾が走りますの!」キッ

垣根「クローンどもにも手ぇ出してんじゃねぇか、何が操を立ててるだ」

麦野「つーか男相手は虫唾が走るって、やっぱxxの気があんでしょコイツ」

一方通行「なら第四位とパンダがくっつきゃ解決なンじゃねェか?」

麦野「何でよ!?意味がわかんないわ!!」

一方通行「あァ?だってオマエもxxなンだろ?」

麦野「違ぇつってんだろうが!!ドノーマルだよ私は!!」

御坂「えっ……」

麦野「何でちょっとショック受けてんのよアンタは!?」

427: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/07/28(木) 20:35:58.25 ID:O0/TUk4qo

御坂「い、いやショック受けたわけじゃなくて、ちょっと驚いちゃってね?
   あれ、違ったんだなーって……」

麦野「違うに決まってんだろ!!何で私がxxだなんて思ってたんだ!?」

御坂「だ、だってこの前私の  もうとしてたし!」

麦野「ああああ今更それを蒸し返してんじゃねえええ!!!」

一方通行「ガチじゃねェか」

麦野「違うっての!!あれは第三位の方から  でくれって言ってきたのよ!!」

一方通行「  うとしたのは事実なンだな」

白井「お姉様の慎ましやかな    しだこうとしたなど……万死に値しますの!!」クワッ

麦野「うっさいわこの変 ツインテ!!」

御坂「だぁれの胸が慎ましいってぇ!?」

垣根「クソ、あの時俺が邪魔さえしなけりゃ今頃濃厚なxxスレに……」

麦野「もう黙れよ!!!」ビシッ

垣根「ぎゃああああ!!」ブスッ

一方通行「躊躇無く目ェ突きやがった……」

428: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/07/28(木) 20:36:40.88 ID:O0/TUk4qo


白井「とにかく!わたくしはお姉様以外はアウトオブ眼中ですの!
   眉目麗しければ誰でもいいなどという節操無しではなく、お姉様でなければいけないんですの!!」

御坂「う、ここまで直球に言われると何か悪い気はしないわね……てか恥ずかしい……」

一方通行「騙されンな超電磁砲、散々言ってるがクローンにも手ェ出してるからなこのパンダ」

麦野「ようするに第三位と同じ顔なら何でもいいんでしょうね」

白井「お姉様と同じ系統の顔に弱いというのは否定しませんの」

御坂「そこは嘘でも否定しなさいよ……」

垣根「なるほど第三位と同じ顔か、それなら俺に考えがある」

一方通行「まァたろくでもねェ事考え付きやがったかこの馬鹿は」

麦野「テメェが喋ると話進まなくなるから黙ってろ」

垣根「フン、そんな事言ってられるのも今のうちだぜ?まぁ見てな」バサァ

一方通行「あァ?能力使って何かする気か?」

御坂「似合わないわよねぇ、その翼」

429: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/07/28(木) 20:37:07.20 ID:O0/TUk4qo

白井「ホストみたいな風貌の殿方に天使のような翼が生えてるなんて、
   この世の物とは思えないおぞましい光景ですの」

垣根「微塵切りにすんぞコラ。 おい第三位、ちょっとこっち向け」

御坂「な、何よ?」

垣根「よしそのまま動くな、よぉく面見せろ」ファサファサ

御坂「う……そ、そんなじっと見ないでよ」

一方通行「なンで垣根の馬鹿相手に照れてンだよ」

白井「今までお姉様と対等の立場で会話出来る方などほとんどおりませんでしたから……
   目を見ながら会話する、とか真っ直ぐ見つめられる、というシチュエーションに不慣れなんだと思いますの。
   断じて照れているわけではないので調子に乗らないでくださいまし。
   どうしていいかわからなくてキョドっているだけですの」

御坂「キョドってないわよ!人を社会不適合者みたく言うな!!」

垣根「動くなつってんだろ。そう、そのままそのまま……よし完成だ」フゥ

麦野「あぁ?」

一方通行「これは……」

430: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/07/28(木) 20:37:54.56 ID:O0/TUk4qo

御坂「私の、お面……?」

垣根「ライフマスクみてぇなモンだ、よく出来てんだろ?」

麦野「確かに……ハリウッドの特殊メイク並みの出来ね」

垣根「これを一方通行に取り付けます」ス

一方通行「テメ、何しやがる!?」

白井「ふぉおおお!!お姉様が増殖しましたの!!!!」

一方通行「目の前でマスク装着したのに何で反応してンだよこのパンダ!?」

御坂「あ、凄い、ちゃんと表情も変わるのね。本当に目の前に私と同じ顔した人がいるみたい」

麦野「第一位の身体に第三位の顔がくっついてるって、何かアンバランスで気持ち悪いわね」

垣根「そうか?一方通行の野郎、元から男か女かわかんねぇような骨格してやがるし意外と違和感なくね?
   胸は流石にどうしようもねぇけど、本家からしてあってないようなもんだしな」

御坂「おい」

白井「華奢で色白なお姉様も素敵ですの……」ハァハァ

一方通行「近寄ってくるンじゃねェ!!つーかなンだこれ外れねェぞ!!呪われてンのか!?」グイグイ

垣根「未元物質で作った特製マスクだからな、そう簡単には外れねぇよ」

431: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/07/28(木) 20:38:29.39 ID:O0/TUk4qo

一方通行「ふざけンな!!大体こンなモンでどォしろってンだ!?」

麦野「なるほど、その状態の第一位がこの変 を すなりして満足させれば
   第三位やクローンの被害は少なくなるかもしれないわね。
   よかったじゃない、ついでにxxも捨てられるわよ」

垣根「まぁ すっていうか される方向になると思うけどな」

御坂「一方通行……そんなにも身を犠牲にしてまで私達を守ってくれるだなんて……」

一方通行「馬鹿かオマエらァァァァ!!!」

白井「し、白いお姉様……」ハァハァ

一方通行「こっち見ンな!!俺は男だしこの面は作りモンだぞ!?」

白井「さぁ白いお姉様!わたくしをその超電磁砲でぶち抜いてくださいまし!」

一方通行「会話にならねェ……何なンだよコレは……」

垣根「今更言うのもなんだが、心底気持ち悪いなコイツ」

麦野「本当にね」

御坂「アンタら当事者じゃないからまだマシでしょ……」

432: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/07/28(木) 20:39:09.95 ID:O0/TUk4qo


麦野「よく今までこんなのと一緒にいられたわねアンタ」

御坂「傍から見てると酷いわねこれ……」

白井「照れなくてもいいんですのよ?何ならわたくしが優しくリードして差し上げても……」

一方通行「……オーケー、望み通り土手っ腹に風穴ぶち開けてやンよクソッタレが」カチッ


白井「ぐえぇーッ!!!」バチュン


麦野「あー、綺麗なボディブローが入ったわね」

垣根「結局こうなるのな」

御坂「女の子のお腹殴るなんて最低ね」

一方通行「超電磁砲ぶちかまそうとしてやがった奴が何ほざいてやがンだ……」


433: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/07/28(木) 20:40:01.41 ID:O0/TUk4qo



白井「」  

麦野「で、結局どうすんのコレ」

垣根「このまま黄色い救急車に搬送してもらうか?もうめんどくせぇし」

御坂「だ、ダメよ!こんなでも私の大事な後輩なんだから!!」

一方通行「こンだけイカレてる奴をまだ庇うのかよ、底抜けのお人好しだなオマエは。
      ……っと、よォやく外れた」カポ

垣根「あ、おいマスク外すなよ、面白かったのに」

一方通行「オマエそンなに冷蔵庫が恋しいのか?」

御坂「て言うかそのお面で一時的に誤魔化せても結局根本的な解決にはならないわよね」

麦野「むしろ拍車がかかる可能 すらあったわね」

一方通行「ちゃンとミサコンを治す方向で考えろよクソメルヘン」

434: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/07/28(木) 20:40:33.47 ID:O0/TUk4qo

垣根「チッしょうがねぇ、そろそろ真面目に考えてみるか」

御坂「真面目にって……今まで遊んでたわけ!?」

垣根「え?うん」

一方通行「クズだなテメェ」

麦野「知ってたけどね」

垣根「そう褒めるなよ」フフ

一方通行「うぜェ……で、真面目に考えた結果なンか思いついたか?」

垣根「もう治さなくていいんじゃねぇの?」

麦野「おい」

垣根「人が人を愛するというのは素晴らしい事だと思わねぇか?」

一方通行「ハァ?」

垣根「形はどうあれ、このツインテの第三位への愛は本物だ。
   果たして俺達にその純粋な思いを阻む権利があるだろうか?いや、無い!」

麦野「何言ってんだ……脳の中までメルヘンになったわけ?」

435: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/07/28(木) 20:41:12.21 ID:O0/TUk4qo

垣根「確かに、一方的な愛に応えてやる義務なんかはねぇ。
   だがな、だからって自由に誰かを愛する権利まで奪うってのはあまりにも非人道的じゃねぇか!?」

一方通行「この野郎めンどくせェから適当な言葉で丸め込ンで煙に巻く気だな!?」

垣根「なぁ第三位、コイツは本気でオマエの事を想ってんだ。それを受け入れてやれとは言わねぇが、
   せめて想い続けることくらい許してやってはくれねぇか?
   想いを捨てろ、なんて可哀想な事は言わないでやってくれよ……」

麦野「想うだけじゃなくて思いっきり行動に移すから問題なんだろ」

御坂「わ、私が間違ってたわ……黒子がどれだけ私の事を大切に想ってるか知っておきながら、
   私はそれを身勝手に踏み躙ろうと……ごめんね、ごめんね黒子……」ウゥ

白井「」

麦野「何であっさり丸め込まれてんのよ……」

一方通行「……いや、もう何も言わねェけどよ……勝手にやってろ」ハァ

垣根「ふぅ、とにかくこれで丸く収まったな」

一方通行「何一つ解決しちゃいねェけどな」

麦野「第三位がトチ狂っただけね」

436: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/07/28(木) 20:41:51.52 ID:O0/TUk4qo

御坂「でもね、私はやっぱり他に好きな人がいるから、だからアンタの気持ちには応えられないの。
   アンタにも新しい恋を見つけて欲しいけど、もしそれが無理なら……ん、あれ?」

白井「」

垣根「どうした?」

一方通行「正気に戻ったのかァ?」

御坂「みゃ、みゃ……」

麦野「みゃ?……猫の真似でもしてんの?」

御坂「みゃ、脈が無いのよ!!黒子の脈が!!呼吸も止まってる!!」

垣根「なっ!?」

麦野「ちょ……」

一方通行「……いけねェ、やり過ぎたか」


白井「」チーン


437: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/07/28(木) 20:42:44.09 ID:O0/TUk4qo


 その後、ベクトル操作と電気ショックにより何とか息を吹き返した白井だったが、
ダメージは思いの他深刻だったようで、しばらくの間入院生活を余儀なくされる事となる。
お陰でその間御坂と妹達の周囲は平和そのものとなり、
過去に白井に襲われた妹達も大手を振って外を歩けるまでに回復した。

 後日、退院した白井が鬱憤を晴らすかのように暴走し、
学園都市に住む全ての妹達が恐怖のどん底に突き落とされるのだが、それはまた別のお話である。


476: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/08/04(木) 22:29:40.09 ID:gDwjCkaqo

ドア<ガチャ


一方通行「邪魔するぜェ」カツカツ

麦野「あら第一位、また来たのね」

御坂「暇なのアンタ?」

一方通行「テメェこそ最近ずっと入り浸ってンじゃねェか、学校行けよ学校」

御坂「ちゃんと行ってるわよ!て言うかこの手のSSで学校関係に言及するのはやめてよ!!」

一方通行「なンのこっちゃ」

麦野「ところで第一位、その手に持ってる箱は何かしら?」

一方通行「あァこれか?なンか有名店のケーキだとよ。
      うちのババアが『世話になってるんだから偶には土産でも持ってけ』ってうるさくてなァ」

麦野「へぇ、気が利くじゃない。いい親御さんね」

一方通行「いや親じゃねェけどな」

御坂「偶には良い事するわね」

一方通行「偶には、は余計だ。オラ、好きなの選べ」トン

477: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/08/04(木) 22:30:10.69 ID:gDwjCkaqo

御坂「わぁ美味しそう」

麦野「折角ケーキがあるんだし、お茶淹れてティータイムにしましょ」

一方通行「俺はコーヒーな」

麦野「自分で淹れろ」

一方通行「テメ、ケーキ持ってきたの俺だぞ……」

麦野「知らないわね、このテーブルに置かれた時点でうちの物よ」

一方通行「野郎……チッ、まァいい、おい垣根、コーヒー淹れろ」

麦野「ちょっと……」

御坂「一方通行……」

一方通行「ン?おい垣根?……あ」

麦野「……」

御坂「……」

一方通行「……悪ィ、そォだったな」

478: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/08/04(木) 22:30:39.03 ID:gDwjCkaqo

一方通行「垣根はもォ、いねェンだった……」

麦野「……」

御坂「……」


垣根「……」


一方通行「おォ垣根、いいとこに出てきたな。コーヒー淹れてくれ」

麦野「私は紅茶な」

御坂「あ、私も紅茶でお願ーい」

垣根「いやいやいやちょっと待て!何だよさっきの空気!?
   何でちょっとトイレに行ってる間に俺が死んだみたいな事にされてたんだ!?」

一方通行「ちなみにケーキは三切れしかねェから必然的にオマエの分はねェ」

垣根「スルーすんなよ!!つーか何だその必然!?俺家主なんだけど!」

一方通行「だってよォ、オマエがケーキ食ってる姿とかキメェだろォが……」

垣根「相変わらず大したムカつきっぷりだなこの野郎!大体テメェの方が似合わねぇだろ!!」

479: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/08/04(木) 22:31:25.26 ID:gDwjCkaqo

麦野「テメェら二人とも似合わねぇから私と第三位で処理しといてやるよ」

一方通行「太ンぞ?」

麦野「ぐ……」

垣根「安心しろ麦野、俺はむっちりした女の子も好きだから」

一方通行「女の『子』……?」

麦野「物凄い勢いで食欲が失せて行ったわ……っておい第一位、さり気無く喧嘩売ってんだろテメェ」

御坂「それじゃ私が貰っちゃおっかなー、私食べても太らない体質だしー」

麦野「あーだから胸も痩せてんのねアンタ」

御坂「喧嘩売ってんの!?」

麦野「売ってんのはどっちだ!?何が太らない体質よ!!死ね!!」

御坂「事実なんだから仕方ないじゃない!!」

麦野「じゃあ胸が無いのも事実として受け入れろ!!」

480: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/08/04(木) 22:31:51.73 ID:gDwjCkaqo

一方通行「太るだの太らねェだのくだらねェ事でキレてンじゃねェよ」

垣根「馬鹿、女より細いオマエがそんな事言うと……」

麦野「表出ろや骨格標本がああ!!!」

一方通行「こ、骨格……上等だクソババアが!格の違い思い知らせてやンよ!!」カチッ

麦野「スイッチ入れてんじゃないわよ、私が勝てないからやめろ」

一方通行「どンだけ理不尽だよオマエ」

麦野「ほら、第三位も何か言ってやりなさい」

御坂「え?あ、えっと、ひ、卑怯者!」

一方通行「えェー……」

垣根「男なら拳一つで勝負しろよモヤシ」

一方通行「死ね」ゴゴゴゴ

垣根「ちょ、何で俺だけ!?ぎゃあああぁぁ!!!」メリメリメリ

麦野「丁度いい落し所が見つかったわね」

御坂「それじゃ一人減ったしケーキ食べよっか」

一方通行「何気に黒いなオマエ」

麦野「女の子はドライなのよ、覚えときなxx」

一方通行「オマエもそろそろ死ぬか?」

481: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/08/04(木) 22:32:25.88 ID:gDwjCkaqo


御坂「あれ、ところでケーキどこに置いたっけ?」

一方通行「あァ?さっきそこのテーブルに……あ?」

麦野「おかしいわね、どこに……ん?」


インデックス「え?」ムシャムシャ


麦野「誰!?」ビクッ

一方通行「うおォ!なンかいンぞ!?」

御坂「あ、アンタいつの間に!?てか勝手にケーキ食べてるし!」

インデックス「あ、お邪魔してるんだよ」ムシャムシャ

垣根「な、何だこのガキ?」

御坂(あ、もう復活してる)

麦野「あぁ私知ってるわ、アレでしょ、イカ……」

イン(略「断じて違うんだよ!!」

482: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/08/04(木) 22:33:08.84 ID:gDwjCkaqo

一方通行「(イカ……?)ンだオマエ、よく見たらいつぞやの……なンつったっけ?」

イン「その反応は余りにも酷いんだよ!?」

御坂「アンタ何やってんのよこんな所で……って、ケーキ返しなさいよ!」

イン「もう全部食べちゃった」ゲフゥ

御坂「はや!?」

麦野「ジュッてやっちゃってもいい?」イラッ

垣根「やめろ、掃除が大変だろうが。それより一方通行、第三位、オマエらこのガキと知り合いか?」

一方通行「まァ、ちょっとしたな」

御坂「一応ね……」

垣根「よし、じゃあ責任持って摘み出せ」

イン「ちょ、ちょっと待って欲しいかも!ここって探偵事務所なんだよね!?
      私はお願いしたいことがあって来たんだよ!」

垣根「……えー」

イン「そんな露骨にめんどくさそうな顔しないで欲しいかも!」

垣根「だってオマエ見るからにマトモじゃねぇし」

483: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/08/04(木) 22:33:42.06 ID:gDwjCkaqo

麦野「何なのその白い修道服、コスプレ?あざといわね、死ねばいいのに」

イン「お、お客さんに向かってその言い草は余りにも酷いんだよ!」

御坂「不法侵入の上勝手にケーキ食べちゃうような人はお客さんじゃなくて泥棒って言うのよ」

イン「短髪は心が狭いんだよ。私はお客さんなんだからお茶とお菓子くらい頂く権利があるんだよ」

御坂「何よその滅茶苦茶な理屈は……」

麦野「やっぱりジュージューやっちゃっていい?酷くムカつくわ」

垣根「食い物の恨みは怖ぇなぁ」

イン「う、うぅ……ね、ねぇ白い人は私の味方だよね!?
   私の話を聞いてくれるように皆を説得して欲しいんだよ!」

一方通行「……」ウーン

イン「あれ、何を唸ってるのかな?私の声聞こえてる?」

一方通行「ダメだ、やっぱり名前が思い出せねェ」

イン「酷いかも!?」

垣根「会話に絡んでこねぇと思ったらずっと考えてたのかよ」

484: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/08/04(木) 22:34:07.83 ID:gDwjCkaqo

一方通行「喉まで出掛かってンだけどなァ……イン……インなんとか……」

垣根「インの付く名前……インセクター羽蛾?」

イン「誰!?」

一方通行「そンなTCGで遊んでそうな名前じゃなかったはずだ」

垣根「インテル?」

一方通行「入ってンのか?」

イン「知らないんだよ!!」

垣根「インド人を右に?」

一方通行「あの誤植は酷かったなァ」

イン「いい加減にして欲しいかも!よく聞いて、私の名前は……」

垣根「インキュベーター?」

一方通行「それだ」

イン「わけがわからないんだよ!!」ガタン!

麦野「どっちかっつーとインキュベーターは第一位の方でしょ?」

垣根「あー、白くて目が赤いからな……
   でもこんなんが魔法少女のマスコット枠で出てきたらドン引きだろ」

一方通行「本家もマスコットって呼ンでいいかどォか微妙なレベルだったろォが」

麦野「微妙って言うかもう全ての元凶だったわよね」

イン「いい?私の名前はインデックス……ってホント話聞けよオマエら」

485: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/08/04(木) 22:34:49.17 ID:gDwjCkaqo


イン「酷いんだよ、酷いんだよ……」グスン

御坂「あーもう泣かないでよ。ほら、何しに来たのか聞いてあげるから」

イン「た、短髪……」

垣根「勝手に決めてんじゃねぇぞコラ」

麦野「つーか何で突然優しくなってんだ?」

御坂「うるさいわね、いいじゃない聞いてあげるくらい。どうせ暇なんでしょ?」

垣根「まぁそりゃそうだが……チッ、仕方ねぇな、暇つぶしがてら聞いてやるか」

麦野「先に言っとくけど私は手伝わねぇぞ?」

御坂「ほら、聞いてくれるってさ。話してみなさい」ニコッ

イン「何だか笑顔が怖いんだよ……」

御坂「アンタの事だから、多分アイツ関連の相談事なんでしょ?アイツが何かやったの?」ニタ

一方通行「……依頼にかこつけて三下の情報を得ようって算段か、汚ェな」

御坂「うるさいわね、黙ってなさいよアンタは!」キッ

垣根「アイツ?三下?」

麦野「誰よ?」

486: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/08/04(木) 22:35:14.32 ID:gDwjCkaqo

イン「えっと、最近とうまの帰りが遅くて、」

御坂「何ですって!?」

一方通行「本当に三下関連の依頼かよ」

麦野「だから三下とかトウマって誰よ」

垣根「オマエら何か面識あるみてぇだけど、こっちにもわかるように説明しろよ。
   一応言っとくが探偵は俺だぞ?」

イン「あ、ごめんなさい。とうまって言うのはこの写真の人で、私と一緒に暮らしてるんだよ」ス

垣根「同棲中の彼氏の帰りが遅ぇとかそういう事か?どれどれ……」ペラ

麦野「どっかで見た事あるわね、この写真の男」

垣根「こいつ第三位が『調べてくれ』って依頼してきた野郎じゃねぇか?」

麦野「あー懐かしいわ、そういえばこんな感じの顔してたわね……ん、てことは」

御坂「……な、何よ?」

垣根「オマエ  る気だったのか」

御坂「違うわ!!」

487: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/08/04(木) 22:35:44.71 ID:gDwjCkaqo

麦野「恋人がいる男の事を必死に調べようとしてたのね、何て健気なのかしら……」

一方通行「それは健気じゃなくて往生際の悪い負け犬ストーカーだろォが」

御坂「負け犬でもないしストーカーでもないわよ!!
   アイツとこの子はただの同居人で、付き合ってるとかそういうのじゃないんだから!」

垣根「え、いや男女で同棲してんのに付き合ってないとか無理ありすぎだろ。
   とっくにやる事やってるに決まってんじゃねーか」

麦野「一概にそうとも言えないでしょ、私とアンタは同じ場所に住んでるけど恋人じゃないし、
   身体の関係もないし、これから先もそういう関係になることはあり得ないし、
   アンタに抱かれるくらいなら舌噛んで死ぬつもりだし」

垣根「どんだけ嫌われてんの俺?」

一方通行「何で一緒に住ンでンだオマエら?」

麦野「垣根が出て行かないから仕方なくよ」

垣根「俺ん家なんですけど!?」

イン「ま、まぁ事実として私ととうまはまだ付き合ったりしてるわけじゃないんだよ」

御坂「『まだ』なんていずれそういう関係になるような言い方はやめてくれない?訂正しなさいよ」

イン「細かいんだよ短髪……」

488: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/08/04(木) 22:36:14.64 ID:gDwjCkaqo

垣根「とりあえずオマエら二人がこの冴えねぇウニ頭を取り合ってんのはわかった」

御坂「べ、別に取り合ってなんか……私はアイツの事なんてッ」フン

垣根「いやもう今更そういう露骨なキャラ作りはいいから……」

一方通行「あざといな」

御坂「うっさい!」

垣根「んで、インデックスつったっけ?依頼内容話してもらえるか?」

イン「い、イン、インデ………うぅぅッ!」ブワッ

垣根「何ぞ!?」

一方通行「……どォしたンだオマエ?」

御坂「な、何で突然泣き始めたわけ?」

イン「ご、ごめんなさい、名前をちゃんと呼んでもらえたのが嬉しくて……」グスン

垣根「どんだけ不憫な子だよ」

一方通行「そォいや『Itと呼ばれた子』なンて本があったなァ」

麦野「あー私この子好きだわ、すっごいいじめてオーラ感じる、いじめたい」ウフフ

一方通行「悪魔かオマエは」

489: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/08/04(木) 22:36:45.69 ID:gDwjCkaqo

イン「そ、それで依頼なんだけど、さっきも言ったように最近とうまの帰りが遅いんだよ」

垣根「ふむふむ、そいつが遅くまで何やってるか調べて欲しい、ってとこか?」

イン「ちょっと違うかも」

垣根「違うのか?」

麦野「それじゃ何よ?」

イン「私に尾行の仕方を教えて欲しいんだよ!」

垣根「はい?」

イン「とうまが毎日何をしてるのか、自分の目で確かめたいの!」

垣根「何でわざわざ……目で確かめたいってんなら写真でもビデオでも撮ってやるぞ?」

イン「でもそれじゃとうまが何かしようとした時に即座に止めに入れないし」

御坂「何かって何よ?」

麦野「そりゃナニでしょ」

一方通行「ナニだな」

御坂「だ、だから何なのよそれ!?」


490: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/08/04(木) 22:37:27.25 ID:gDwjCkaqo

イン「バレないように、常に近くでとうまが浮気してないかどうか見張ってたいんだよ」

垣根「浮気て……さっき『付き合ってない』って言ってなかったか?」

麦野「付き合ってもない男を常に見張ってたいってストーカー宣言もいいとこじゃない。
   まぁ気持ちはわからないでもないけどね」

垣根「わかっちゃうのかよ」

御坂「わ、私も尾行のやり方を学べばいつでもアイツの事を……」

一方通行「こっちにもなンか食い付いてる奴がいるぞ」

イン「理由は説明したんだよ。さぁ私に尾行術を仕込んで欲しいかも!それが私からの依頼!」

垣根「んー、まぁその依頼を受けるかどうかは置いといて、
   何で帰りが遅くなってるのか、ちゃんと聞いてみたか?真っ当な理由があるのかも知れねぇぞ?」

御坂「そうよ、アイツ成績悪いらしいし、補習でも受けてるんじゃないの?」

イン「もちろん理由は聞いてるんだよ、でも補習って言ったり人助けって言ったり毎日理由が違うんだよ。
   休日にまで毎日出かけて行っちゃうし……
   それにね、昨日とうまの机からこんなものが出てきたの!」バサ

垣根「何だこの雑誌?  本じゃなさそうだが」

麦野「レディース向けアクセサリの雑誌みたいね。男がこんなもん持ってるって事は……」

一方通行「女にアクセサリを渡す予定があるって事かァ?」

491: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/08/04(木) 22:37:58.18 ID:gDwjCkaqo

垣根「案外もう渡してたりしてな」

御坂「え、それはないでしょ。だって私まだアイツからそんなの貰ってないし」

一方通行「なンでオマエが貰う前提なンだ?」

イン「とにかく、とうまがどこかで変な女に誑かされてるかも知れないと思うともう心配で心配で……」

垣根「なるほど事情はわかった。だがなインデペンデンス、
   尾行術なんてのは一朝一夕でマスターできるもんじゃねぇぞ?」

イン「インデックス!わざとやってるのかな!?」

麦野「暗部だと結構基本スキルだけどね。でも一般人が完璧な尾行術身に着けるのは骨が折れるんじゃない?」

一方通行「まァ素人の尾行なンてバレバレもいいとこだからなァ」

イン「記憶力には自信があるんだよ!やる気だって誰にも負けないかも!だから……」

垣根「生憎、俺は他人に何かを教えるなんて柄じゃねぇし、弟子は取らない主義なんだ」

イン「う……」

垣根「……だがな、俺の仕事ぶりを見て技を盗むってんなら勝手にしろ」ドヤ

一方通行「オマエそれ言いたかっただけだろ」

イン「し、師匠!」

492: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/08/04(木) 22:38:33.47 ID:gDwjCkaqo

垣根「いいか、俺からは何も教えねぇ。尾行術学びたけりゃ死ぬ気で俺の動きを見てろ」ドヤ

麦野「いい加減ドヤ顔やめろ」

イン「精一杯頑張るんだよ!」

垣根「頑張るだけじゃダメだ、やるからには結果を出せ!」

イン「絶対にやってみせるんだよ師匠!」

垣根「師匠……いい響きだ」ホウ

御坂「……ッ」グ

一方通行「なンでオマエまで決意に満ちた表情してンだ?」

垣根「よし、それじゃ早速外に行くか、尾行の基本を見せてやろう」

麦野「『何も教えない』とか言いつつ教える気満々じゃねぇか」

垣根「細かい事気にするなよむぎのん」

麦野「誰がむぎのんだ!?ぶち殺されてぇのかテメェ!!」

一方通行「むぎのン」

御坂「むぎのん」

イン「むぎのん?」

麦野「な、何よアンタら!?」

493: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/08/04(木) 22:39:01.44 ID:gDwjCkaqo

垣根「それじゃ俺はちょっと外に出てくるから、留守は頼むぞむぎのん」ガチャ

イン「楽しみなんだよ」トテトテ

麦野「むぎのんはやめろ!!」

一方通行「行ったか、騒がしいのがいなくなって清々するぜ。
      おいむぎのン、コーヒー淹れてくれ」

麦野「だからむぎのんって呼ぶんじゃねぇよ!自分で淹れろこのウルトラマンが!!」

一方通行「ウルトラマン!?」

麦野「特撮ヒーローと囚人服足して二で割ったような服着やがって、どんなセンスよ?馬鹿じゃねぇのか」

一方通行「……ハッ、所詮テメェみてェな バ バ ア には若者のセンスは理解出来ねェンだよ」

麦野「ババアを強調しやがったな……?このウルトラ白モヤシ野郎、テメェブチコロシ確定だよ!!」

一方通行「面白ェ、やってみろよド三下が!10秒で挽肉にしてやンよォ!!」カチッ

麦野「行きなさい第三位!このセンスの欠片もないモヤシ男に一泡吹かせるのよ!」ビシッ

一方通行「おいィ!?そこで他人任せかよ!!」

麦野「くく、負い目があるってのは悲しいわねぇ、えぇ第一位様よぉ?
   アンタが第三位に手を出せないのなんてとっくに調べがついてんのよ。
   さぁ第三位、今こそ積年の恨みを晴らしてやりなさい!」

494: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/08/04(木) 22:39:38.18 ID:gDwjCkaqo


シーン


麦野「……? あれ、第三位?」キョロキョロ

一方通行「……そォいやさっきから姿が見えねェな」

麦野「もしかして帰っちゃったのかしら?いや、それとも垣根について行った?
   ……どっちにしろ参ったわね、これは誤算だわ」アチャー

一方通行「……さァて、何か言い残すことはあるかァ?」ジリ

麦野「あー………」

一方通行「あァ?」

麦野「……意外と悪くないと思うわよ、その服」ウン

一方通行「……」

麦野「……」テヘ

一方通行「今更遅ェンだよォォォォ!!!」

麦野「チッ、ダメか!仕方がないわね、戦略的一時撤退よ!」パリーン!

一方通行「野郎、窓から!?クソが、逃がさねェぞ!!」ダッ


495: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/08/04(木) 22:40:05.22 ID:gDwjCkaqo

―街中



垣根「さてインなんとか、尾行をする上で一番重要なことはなんだと思う?」

イン「なんとかじゃないんだよ!何で皆してたった六文字が覚えられないのかな!?」

垣根「悪い悪い、インデックス(仮)だったな」

イン「(仮)って何!?」

垣根「インデックス(笑)の方がよかったか?」

イン「ふざけてるのかな!?」

垣根「まぁふざけてるかふざけてないかで言ったらふざけてるけどな」

イン「……」グスン

垣根「……オーケー、俺が悪かった、だから涙ぐむのはやめてくれ。
   なんだか俺が泣かせたみたいで心が痛いから」

イン「事実あなたが泣かせたのかも!」キッ

496: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/08/04(木) 22:40:42.96 ID:gDwjCkaqo


垣根「よし、気を取り直していくか。尾行で最も重要な事はなんでしょう?」

イン「え、えーっと、相手を見失わない事?」

垣根「残念、ハズレだ。見失わない事も勿論重要なんだが、それよりも重視すべきは相手に尾行がバレない事だ」

イン「そうなの?」

垣根「おう。見失っちまって尾行の機会を失うのは確かに痛手だが出直せばいいだけの話だ。
   他方、尾行に感づかれた場合は向こうが警戒感を持っちまうから尾行そのものの意味がなくなる。
   そればかりか、待ち伏せや罠にはめられてこっちが被害を被る可能 も低くねぇ」

イン「な、なるほど」

垣根「だからな、最初は『見失ってもいいや』くらいの気持ちで気楽にやりゃいいんだ。
   相手が急に走り出したり方向転換したからって無理に追いかける必要もない、
   相手が立ち止まった場合や振り返った場合も慌てることなく普通に歩き続けてスルーすりゃいい。
   自然な行動をしてターゲットに警戒されないこと、尾行を悟られないこと、
   これが基本にして一番大事なことだ、いいな?」

イン「よくわかったんだよ!」

497: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/08/04(木) 22:41:09.89 ID:gDwjCkaqo

垣根「あぁそれと、物陰から物陰に移動しながら追跡とか創作ではよくあるけど、
   あんなもん馬鹿のやる事だからな?実際にやると怪しすぎて一発レッドだ」

イン「それは言われなくても何となくわかるかも」

垣根「自意識過剰な一部の女はともかく、一般的な男は
   『誰かにつけられてるかも』なんて疑念持ってることなんてまずねぇから
   こっちが基本を守ってヘマさえやらなきゃそうそうバレる事はねぇ。
   が、素人や知能の足りねぇストーカーはその辺わきまえずに無理な追跡をするから
   あっさりバレて警察のご厄介になっちまうってわけだ」

イン「何だかストーカー講座みたいなんだよ……これ見てストーカー増えちゃったら責任とれないかも」

垣根「ま、言うは易く行うは難しってやつだ。
   実際、ターゲットの突発的な行動に自然体で対応するのは相応の慣れと度胸が必要だぜ?
   念頭に置いとくだけでもそれなりに違っては来るけどな」


※ホントこれ参考にストーカーとかやめろよお前ら、親御さん泣くぞ?

498: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/08/04(木) 22:41:46.03 ID:gDwjCkaqo

垣根「で、尾行の前提として目立たない格好ってのが絶対条件なわけだが……」ジー

イン「そんなに見つめられると照れちゃうんだよ」

垣根「オマエの格好目立ちすぎだろ、尾行学ぶ気あんのか?今すぐ目立たない服買って来い」

イン「えぇ!?」

垣根「言うまでもねぇだろうが、目立たない服つってもただ地味な服を選べばいいってもんじゃねぇからな?
   その場に調和する服装を吟味して、場合によっちゃ買い物袋なんか持ったりするのも効果的だ。
   学園都市には奇抜な格好の奴も多いが……第七学区で周りに溶け込むんならやっぱり学生服が一番か」

イン「ふ、服を買うお金なんて無いんだよ!それに……」

垣根「それに?」

イン「この服脱いだら私の個 が激減しちゃうんだよ……」

垣根「……あぁ、確かにシスター服じゃなくなったら誰かわからなくなりそうだな」

イン「そこまではっきり言われると傷つくかも……」

垣根「まぁオマエ存在感薄いし、そのままでもオッケーって事にしとくか」

イン「わ、私は存在感抜群だもん!空気ヒロインじゃないもん!」

垣根「まずヒロインじゃねぇだろ」

イン「えっ……」

499: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/08/04(木) 22:42:31.61 ID:gDwjCkaqo


垣根「後は習うより慣れろだな、適当な奴をしばらくつけ回して練習してみろ」

イン「了解なんだよ!どこかに鈍感そうなカモはいないかな……」キョロキョロ


???「あれ、インデックス?」


イン「え?……と、とうま!?ど、どうしてこんな所に!?」

上条「こっちのセリフだ、いったいどうしたんだよこんな所で?
   飯は家に用意してあったはずだけど……もしかして足りなかったか?」

イン「い、いや、そういうわけじゃなくて、あの……」

上条「ところでそっちの人は知り合いか?何か話してたみたいだけど」

垣根「ん、俺か?」


イン(尾行の練習してるなんてバレたらマズイんだよ!どうにか誤魔化して!)ボソボソ

垣根(俺がかよ……つーか何でいきなりターゲットのウニ頭が出てきてんだよ、空気読めやクソ)ボソボソ


垣根「あー、俺はアレだ、ちょっとこの子に道訊いてただけだ、知り合いってわけじゃねぇよ」

500: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/08/04(木) 22:43:19.28 ID:gDwjCkaqo

上条「そうだったのか。インデックス、ちゃんと道は教えられたか?」

イン「ば、馬鹿にしないで欲しいかも!私には完全記憶能力があるんだから、
   道を教えるのなんて朝飯前なんだよ!」

上条「そっかそっか、偉いぞインデックス」

イン「フフン、当然なんだよ!」

垣根(あぁ、こりゃ確かに恋人同士ってより親御さんと子供とかそっち系だな……)

上条「それじゃ俺はちょっと用事があるから、お前は暗くなる前に帰るんだぞ?」

イン「え……とうま、今日も遅くなるの?」

上条「ん、悪いな、帰りに何か食べ物買ってきてやるから、それで……」

イン「そんなのじゃ誤魔化されないかも!いい加減、毎日何をやってるのか白状するんだよ!」

上条「インデックスが食べ物で釣られなかっただと!?クソ、魔術師の仕業か!!」

イン「茶化さないで!」キーッ

上条「悪い悪い……別に大したことはしてねぇよ、わざわざお前に言うほどの事じゃないってだけだ」

イン「とうま……」ジー

上条「な、何だよ、俺にだってプライバシーの一つくらいあってもいいだろ」

501: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/08/04(木) 22:44:02.63 ID:gDwjCkaqo

イン「とうま、私はとうまの事が心配なんだよ……」グスッ

上条「え?」

イン「またとうまが私の知らないところでボロボロになってるんじゃないかと思うと、夜も眠れなくて……」

上条「インデックス……」

垣根(いや、そんな心配はしてなかったよな?女が出来たんじゃないかって疑ってただけだったよな?
   つーか俺いつまでいるんだ?帰ってもいいかな?)

イン「完全記憶能力のせいで、どうしても傷ついたとうまの姿を忘れられないんだよ!
   側にいてほしい、なんてわがままは言わないけど、せめて何をしてるかくらい教えて欲しいかも……
   でないと私、不安と心配で押しつぶされちゃいそうなんだよ……」ヒックヒック

上条「……ごめんなインデックス、お前がそんなに俺の事を心配してくれてたなんて、思ってもみなかったよ」

イン「とうま……毎日遅くなってる理由、教えてくれる?」

上条「……なぁインデックス、もうすぐクリスマスだよな?」

イン「え?」

502: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/08/04(木) 22:44:44.59 ID:gDwjCkaqo

上条「ところが残念なことにうちは貧乏です。このままではサンタさんや七面鳥はおろか、
   ブロイラーすら拝むことが出来ません。て言うかその後新年迎えられるか怪しいです」

イン「知ってるんだよ……最近毎日モヤシだし……」

垣根(どんな食生活だよ……)

上条「そこで上条さんは思いついたわけですよ、
   短期のバイトでガッツリ稼いで、楽しく年末年始を迎えよう、と」

イン「あ、じゃあ……」

上条「そ、毎日バイトしてたから遅くなってたんだよ。
   本当は当日サプライズパーティー的に驚かせてやろうと思ってたんだけど、
   黙ってたせいで心配させちまったみたいだな。すまん」

イン「う、ううん!こっちこそごめんなさい、とうまがそんなに頑張ってたのに私……
   あれ、それじゃあのアクセサリの雑誌は……」

上条「げげ、あの雑誌見ちゃったのか!?」

イン「う、うん、ごめん……でもあれ、ひょっとして……?」

上条「あーそうですよ、食べ物だけじゃ風情が無いし、
   せっかくだしクリスマスプレゼントも、と思ってお前に似合いそうなの探してたんです!
   あークソ、恥ずかしいなこれ……」


垣根(おいおい、なんて茶番だよ……いや、なんとなくこんなオチじゃねぇかとは思ってたが……)

503: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/08/04(木) 22:45:30.03 ID:gDwjCkaqo

イン「な、何か本当にごめんね?とうまの計画全部ぶち壊しちゃったみたいで……
   で、でもすっごく嬉しいんだよ!惚れ直したんだよとうま!」

上条「ほ、惚れ直したって、違うだろ?見直した、とかそういう……」

イン「違わないんだよとうま」

上条「え……」


垣根(チッ、ちっとばかしムカつくが、流石にここで邪魔するほど俺も無粋じゃねぇよ。
   二人で好きなだけイチャついてやがれ、俺はこのままクールに去るぜ)フッ


イン「とうま、私……」

上条「い、インデックス!あんまりからかわないでくれよ!
   経験の少ない上条さんは本気になっちゃいますよ!?」

イン「からかってなんか無いんだよ!私はずっととうまの事……」

上条「インデックス……」


御坂「そこまでよ!!」バァーン!!


上条「な、み、御坂!?」

イン「た、短髪!どうしてここに!?」

504: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/08/04(木) 22:46:02.33 ID:gDwjCkaqo

御坂「さっきから黙って見てれば、何なのよこのオチは!!こんなので納得できると思うわけ!?」

上条「お、オチ?何だオチって?」

イン「オチとか言われても知らないんだよ!て言うかずっと見てたの!?」

御坂「えぇ、あそこの電柱の陰から」

イン「全く気付かなかったんだよ……」

御坂「とにかく!抜け駆けは許さないんだから!!」

上条「お、おい、何か知らねーけど落ち着けよ御坂」

御坂「うっさい!元はといえばアンタの思わせぶりな行動が悪いのよ!!」ピキピキ

上条「上条さん何かしました!?」

御坂「このまま派手に爆発オチでも喰らっときなさいよこの馬鹿!!!」ピシィ!

上条「ちょ、待て待て待て!!落ち着けって!?」

御坂「問答無用!!今日こそアンタに一泡吹かせてやるわ!!」バチバチバチ!!

イン「とうまぁー!!」

御坂「喰ぅらぁえぇぇ!!!」バチバチバチィ!

505: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/08/04(木) 22:46:30.66 ID:gDwjCkaqo


垣根「おっと、そんなもんにしとくんだな第三位」ババーン!


御坂「な!?」

上条「あ、アンタさっきの!?」

イン「師匠!!」

上条(師匠?)

垣根「フ、何とか間に合ったみてぇだな」

御坂「な、何よ邪魔する気!?アンタには関係ないでしょ!!」

垣根「なに、気にすんな、ただのアフターサービスだ。親切、丁寧、お客様満足度100%がモットーなんでな」

御坂「絶対嘘だ!!」

垣根「それにな、精一杯の勇気を振り絞ろうとしてた少女の告白に水を差すなんざ、無粋にも程があるぜ?
   オマエみたいのを野放しにしてるとレベル5の品位が疑われちまうんだよ」

御坂「どの口が言ってんのよおおおお!!!邪魔するんならアンタから吹っ飛ばすわよ!?」ムキー

垣根「ハッ、やってみろ!格の違いってやつを思い知らせてやる!!」ファサッ


506: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/08/04(木) 22:47:06.05 ID:gDwjCkaqo


上条「な、何だこの翼!?」

イン「綺麗……まるで天使みたいなんだよ」

上条「……天使?」ピク


上条(白い翼=天使=魔術師関係)ハッ

上条(そんな奴がインデックスと接触していた……つまりコイツは、インデックスを狙ってるのか!!)ピキーン!

イン「とうま、何か壮絶な勘違いをしてない?」

上条「安心しろインデックス、絶対に俺が守ってやるからな!」

イン「あ、うん」


507: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/08/04(木) 22:47:53.86 ID:gDwjCkaqo


上条「おい」

垣根「あ?何だテメェまだいやがったのか、第三位の相手は俺がしとくから
   テメェはさっさとインデックス連れて逃g」

上条「喰らええええ!!!」ブン!

バキィ!!

垣根「ぐぉふぁ!!痛ってぇ!!?い、いきなり何しやがるこのウニ頭!?イカレてんのか!!」

上条「テメェが何者かは知らねぇし何企んでんのかも知らねぇが、インデックスは渡さねぇ!!
   来いよ魔術師!!お前の幻想は粉々に打ち砕いてやる!!」キッ

垣根「ま、まじゅつ、なに?つーか別にいらねぇよそんなガキ……っておい何しやがる!?話せ!!」

上条「今だ御坂!!俺がコイツの能力を封じてる隙に撃てえええ!!!」

御坂「え、でも、え?」エー

上条「頼む御坂、お前しか頼れる奴がいないんだ!!」

508: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/08/04(木) 22:48:21.53 ID:gDwjCkaqo

御坂「た、頼れるのは私だけ……」キュン

垣根「おい待てふざけんな撃つ気かよ!?何なんだよこれ何で能力使えねぇんだよ!?」

上条「『禁書目録』の傍には『幻想殺し』がいる、そんな事も知らなかったのかよ?」

垣根「知らねぇよ!!てか意味わかんねぇよ!!離しやがれクソがあああ!!」

上条「く、なんて力だ……御坂、はやく!もう抑えられない!!」

御坂「……絶対に動かないでね、アンタには当てたくないから」スチャ

垣根「おいいいいコイン構えてんじゃねぇぞコラアアアア!!!」

上条「頼むぜ御坂……ぶっ放せええええ!!!」

御坂「いっけええええええ!!!!」バシュゥゥゥゥン!!

垣根「ぐあああああああああ!!!!」


509: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/08/04(木) 22:49:12.09 ID:gDwjCkaqo



上条「サンキュー御坂、お前のお陰でインデックスを守れたよ」

御坂「お、お礼なんて言わなくていいわよ、ただ思いっきり能力使ってスッキリしたかっただけだし!」


垣根「」プスプス


上条「それでも、ありがとう。お前がいなかったらダメだったかも知れねぇ」

御坂「わ、私がいなきゃダメだなんて、そんな……」カァー

イン「短髪、何か都合よく曲解してない?」


垣根「」ピクッ


御坂「あら、アンタまだいたの?」

イン「酷いかも!!ずっといたんだよ!!」

御坂「ごっめぇーん、影が薄くて気付かなかったわぁ」

イン「薄くないもん!薄くないもん!!」ジタバタ


510: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/08/04(木) 22:50:01.82 ID:gDwjCkaqo


垣根「」ピクン……ガリッ


上条「あ、やべ……バイト完全に遅刻だ……」

イン「そういえばそんな事言ってたっけ……短髪のせいなんだよ!」

御坂「わ、私の!?え、えっと、ごめんなさい?」

上条「いや、はは、いいんですよ、土下座の一つでもすれば許してもらえますから……」


垣根「……そうかぁ、優しいんだなぁ、オマエのバイト先は」ムクッ


上条「!?」

御坂「まさかもう!?」

垣根「でもな、俺は土下座くらいじゃ許してやらねぇぞ?
   テメェらは全員バラバラに刻まねぇと気が済まねぇ!!」バサッ

イン「と、飛んだ!?」

上条「ま、まだこんな力が……クソ、上空には手が出せない……」

御坂「二人とも逃げて!私が時間を稼ぐから!!」

上条「で、でもそれじゃお前が!!」

御坂「どうせ空には手が出せないんでしょ!?足手纏いだって言ってんのよ!!」

イン「短髪……」

511: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/08/04(木) 22:50:33.98 ID:gDwjCkaqo

垣根「おっと、逃げられると思ってんのかカスどもが?
   安心しろよ、三人まとめて仲良く……」


麦野「見つけたああああ!!!」ダダダッ

垣根「あぁ?麦野……」

一方通行「待ァちやがれェェェェェ!!!!」ゴォォォォ!!

垣根「と、一方通行?何でキレてんだアイツ?」

イン「な、何か二人とも凄いスピードで走って来てるんだよ」

御坂「何やってんのよあの二人……」

上条「あ、一方通行?アイツ何を……」


麦野「いいとこにいたわね垣根ぇ!!私の盾になりなさい!!」ビシッ

垣根「ハ?」

一方通行「あァ!?邪魔すンのか垣根くゥゥゥン!!!」

垣根「いや待て、んなこと一言も……」

一方通行「スクラップの時間だぜェェェェェ!!!!」ゴゴゴゴゴ

垣根「ぎゃああああああああ!!!!」メキョメキョメキョ

512: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/08/04(木) 22:51:02.03 ID:gDwjCkaqo


麦野「よし、今のうちにこっち来なさい第三位!」ガシ

御坂「へ?ちょ……」

麦野「キレてる第一位を説得するからアンタも手伝いなさい!!」

御坂「わ、私を巻き込まないでよ!!て言うか何でキレてんのよアイツ!?」

麦野「ファッションセンス馬鹿にしたら半ギレで追いかけてきたから、
   逃げながら逆にファッションセンスべた褒めしてみたんだけど、そしたらあの様よ」

御坂「な、なんて褒めたわけ?」

麦野「ウルトラマンみたいでかっこいいとか、誰も真似したくない独創的なセンスが素敵とか」

御坂「馬鹿にしてるだけじゃない!?」


一方通行「おらァァァァァ!!!」バキバキバキ

垣根「ごはぁぁぁぁぁ!!!」ゴシャァ!


麦野「チィィ、垣根がやられたわ!逃げながら説得するわよ第三位!」ダッ

御坂「だ、だから何で私まで……離してよおおお!!!」ズルズルズル

一方通行「待てオラァァァァァ!!!」バビュン

513: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/08/04(木) 22:51:31.16 ID:gDwjCkaqo


垣根「」チーン

上条「……何か嵐のように去って行ったな」

イン「……短髪まで連れてね」

垣根「」

上条「ところでこの人大丈夫なのか?」

イン「さぁ……辛うじて原型は留めてるし、多分何とかなるんだよ」

上条「そっか……それじゃバイト行くわ俺」

イン「うん、出来るだけ早く帰ってきてね。私は家で待ってるんだよ」


垣根「」



590: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/08/11(木) 05:36:56.66 ID:dAZ0cGI2o

絹旗「あぁ一方通行、ちょっとそれ取ってください」

一方通行「これかァ?」

絹旗「超違います、それではなくその隣の……そうそう、その雑誌です」

一方通行「ほらよ」ヒョイ

絹旗「ありがとうございます。それでは次はコーヒーでも淹れてください、砂糖とミルク超たっぷりで」

一方通行「もォそれコーヒーの意味ねェだろ、最初からカフェオレでも飲ンでろよ……」

絹旗「あ、それとさっき冷蔵庫にチョコが入ってたんでそれも出して来てください」

一方通行「おいィィ!!ちったァ自分で動きやがれェ!!」


麦野「と言いつつ絹旗のために馬車馬のごとく働く  コンの第一位です」

垣根「つーか俺ん家の冷蔵庫勝手に漁ろうとしてんじゃねぇぞオマエら。
   一方通行にはもう今更つっこまねぇけど、何でそっちのチビまでここにいるんだよ」

絹旗「最近一方通行が呼んでもなかなか来てくれないのでこっちから超出向いてみました。
   それと超チビ呼ばわりしないでください、超ぶっ飛ばしますよ、一方通行が」

591: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/08/11(木) 05:37:29.86 ID:dAZ0cGI2o

一方通行「俺がかよ……出向いて来ンなよめンどくせェ……」

麦野「ちょいと第一位、それは酷いんじゃない?」

絹旗「そうですよ!『超何でも頼れ』なんて言ったくせに!」

一方通行「超とは言ってねェし、毎度毎度『醤油取れ』だの『テレビのリモコン捜せ』だの
      クソくだらねェ理由で呼び出されてりゃ行きたくもなくなるわ。
      ちょっと甘やかしたら増長しやがって 、一番最初の健気な妹キャラどこ行ったンだよ……」

垣根「そういや結局『お兄ちゃん』って呼ばれてないのな」

絹旗「あー、超忘れてました。まぁ今更いいでしょう、猫被るのも超疲れましたし」

一方通行「……さてはオマエ、端から俺をパシリにしたかっただけだな?」

絹旗「浜面が超パシらせ辛くなってしまいましたから、一方通行はその超代替品です」

一方通行「本音言いやがったなテメェ、そこまで言われて大人しくパシリしてやるほど俺は優しかねェぞ?
      金輪際、オマエの下らねェ頼み事は一切引き受けねェからな」

絹旗「うぁー、『暗闇の五月計画』の後遺症で突然身体が一切動かなくなりました、
   超責任とってください一方通行」ダラーン

一方通行「ふざけてンのかテメェ!?」

592: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/08/11(木) 05:38:00.11 ID:dAZ0cGI2o

絹旗「超ふざけてなどいませんが?暗闇の五月計画に少しでも責任を感じているのなら
   あなたは超責任を取るために被験者である私に超尽くすべきなんです!
   それともこんなに超キュートで超可哀想な被験者を超見放すつもりなんですか?
   学園都市の第一位は自分の撒いた種すら刈り取れない超情けない男なんですか?」

一方通行「く、クソがァ……」ギリギリ

垣根「無駄に責任感があるってのは悲しいな」

麦野「一度掴んだ弱味は決して離さず骨の髄までしゃぶりつくす、それが『アイテム』よ」

垣根「小物集団もいいとこじゃねぇか……
   あぁ一方通行、コーヒー淹れるんなら俺の分も頼むわ」

麦野「私のもね」

一方通行「ザケンな!!おい垣根、オマエが全員分淹れろ!!客に働かせるつもりか!?」

垣根「オマエまだ自分が客だと思ってやがったのか……」

絹旗「私はぁ、一方通行の淹れたコーヒーがぁ超飲みたいんですけどぉ」

一方通行「なンだその喋り方すげェムカつくンですけど」

垣根「おらご指名だぞ一方通行、さっさと淹れて来い」

麦野「チョコ出してくるのも忘れないでね」

一方通行「ちくしょォ、俺杖ついてンのに……」ブツブツ

593: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/08/11(木) 05:38:27.01 ID:dAZ0cGI2o

絹旗「あぁぁ……遥か格上を顎で超こき使うこの快感……
   浜面を超パシらせるのとはまた違った趣がありますね」ホゥ

垣根「オマエらみたいのに囲まれて生活してた浜面に同情の念を禁じえねぇよ。
   そりゃ俺でも大人しそうな能力追跡選ぶわ」

麦野「あぁ?美女にこき使われるなんて男冥利に尽きるだろうが」

垣根「自分で『美女』とか臆面もなく言っちゃうような女にこき使われて喜ぶのなんざ
   よっぽどよく訓練されたドMちゃんくらいだろ。オマエの辞書には自重とか自戒って言葉がねぇのか?」

麦野「チッチッ、甘いわね。私クラスが謙遜するとそれは反って嫌味ってもんよ」

垣根「本当にどこまでも自己評価高ぇな。中世ヨーロッパだったら魔女狩りに遭ってるぞオマエ」

麦野「そんなもん返り討ちよ返り討ち」

絹旗「麦野は超生身でもリアル三国無双がやれそうですよね」


594: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/08/11(木) 05:38:57.87 ID:dAZ0cGI2o



一方通行「オラ馬鹿ども、コーヒー淹れて来たぞ」

絹旗「ご苦労様です、超褒めて遣わせます」

一方通行「えらっそうにしやがってこのクソガキが……」

垣根「何だかんだでちゃんと俺らの分も用意してくれてるのな」

麦野「そりゃぁ可愛い妹にお願いされたら  コンの第一位としてはフイには出来ないでしょ」

垣根「流石真正は格が違うな……っと待て一方通行、無言でスイッチに手をやるな、謝るから」

一方通行「チッ」

絹旗「そんなことより超早くコーヒーとチョコを寄越してくださいよ」

一方通行「……オマエ絶対ろくな大人にならねェわ、断言しといてやる」

垣根「オマエが断言してもなぁ……オマエこそろくでもない人間の代表格じゃねぇか」

一方通行「オマエにだけは言われたくねェよ」

麦野「ところで何で冷蔵庫にチョコなんて入ってたわけ?私買った覚えないわよ?」

595: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/08/11(木) 05:39:28.40 ID:dAZ0cGI2o

垣根「あぁ、俺結構甘いもん好きだから、手軽に糖分取れるもの常備してんだよ」

麦野「何その設定、気持ち悪いわね」

絹旗「スイーツ男子(笑)とか言うやつですか?超キモいですね」

一方通行「死ねよ」

垣根「甘い物好きって言っただけで何でそこまでボコボコに言われなきゃならねぇの?
   帝督泣いちゃいそうだよ」

麦野「次はもっと高級なの用意しときなさい、ゴディバとかロイズとか」

垣根「いやそういうのはバレンタインとかに貰うものであって男が自分で買うもんじゃねぇだろ」

絹旗「バレンタインに高級チョコ貰おうなんて超生意気ですね垣根のくせに」

垣根「何でこのチビはナチュラルに俺に喧嘩腰なの?」

麦野「暗闇の五月計画で第一位の精神 を植えつけられてるんだから当然でしょ」

一方通行「俺のせいなのかよ」

絹旗「超その通りです、あなたの捻じ曲がった精神のせいで恋人はおろか友人すら中々できません。
   超責任とりやがってください」

596: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/08/11(木) 05:39:58.30 ID:dAZ0cGI2o

一方通行「はァ?どォ取れってンだよ、俺に恋人ごっこに付き合えとでも言うつもりかこのチビ助」

絹旗「え、何それ超キモい」

垣根「出た出た、これだから超真正の  コン様は……」

麦野「責任とって恋人になるとか、発想が超xx臭すぎて乾いた笑いしか出てこねぇわ」

一方通行「超超うるせェンだよクソボケどもがァ!!ぶっ殺すぞ垣根ェ!!」カチッ

垣根「だから何で俺だけ!?」

麦野「  コンだから絹旗には手を出せるわけないし、
   その真正  コンすら手を出すのを躊躇させるほどの美貌が私にはあるからよ」

絹旗「一方通行はそんな顔して超女好きなんですか?超フェミニストなんですか?」

一方通行「おォォ……そろそろ殺意で色ンなモンが暴発しちまいそォだ……」ビキビキ

垣根「『らめェイく!暴発しちゃうのォ!!』ってか?言葉責めで感じるとかどんだけだよ。
     コンの上ドMとか救いようの欠片もねぇぞオマエ」

絹旗「うわぁ、超気持ち悪い……キモいじゃなくて気持ち悪い……」

麦野「引くわぁ……」

一方通行「オマエら三秒以内に土下座しとかねェとマジに殺すぞ?」

垣根「さーせんっした!」ガバ

麦野「ごめんなさーい」

絹旗「超反省してまーす」

597: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/08/11(木) 05:40:33.25 ID:dAZ0cGI2o

一方通行「垣根以外は土下座のどの字もねェじゃねェか……
      つーかなァ、何度も言うが俺は  コンじゃねェンだよ」

麦野「好きになった相手が偶々ロリだっただけで……」

一方通行「妙な言葉付け足すの止めてもらえますゥ!?」

垣根「つってもなぁ、最終信号に対しては過保護だし、チビ旗に対しても何か優しいし、
   俺に対しては妙に厳しいし、これじゃ  コン呼ばわりされるのも仕方ねぇだろ」

絹旗「チビ旗言うなや」

麦野「テメェに優しい人間なんざ世界中どこ探したっていやしねぇよ」

垣根「ひどくね?」

一方通行「チッ、打ち止めは絶対に危険な目に合わせねェって誓いを立ててンだ、
      そこに浮ついた気持ちなンざ一切ねェよ。絹旗には……まァ負い目があるからなァ」

絹旗「負い目がなかったら私など超眼中にないということですか、そうですか」

麦野「そんな誓いを立ててる時点で十分に  コンだと思うけどねぇ」

垣根「まぁオマエが何と言おうが、事情知らない人間100人に聞いたら
   100人ともオマエの事  コンっつーと思うわ」

598: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/08/11(木) 05:41:03.98 ID:dAZ0cGI2o

麦野「痩せぎすの悪人面が幼女の隣歩いてたら毎秒通報されてもおかしくないわ」

絹旗「そういえばこの前一方通行と一緒に歩いてたら超職質されてました」

一方通行「あァァァァうるせェ!!もォいい、よォくわかった!!
      なら手っ取り早く俺が  コンじゃねェって事を証明してやる!!」

垣根「ほう?」

麦野「どうやって?並大抵の事じゃ疑惑は払拭されないと思うけど」

一方通行「要は俺がロリに興味がねェってアピールすりゃァいいンだろォ?
      簡単だ、同年代以上の彼女でも作りゃいいだけの事じゃねェか」

絹旗「……なんか、超偽装結婚する同 愛者みたいな発想ですね」

垣根「まぁ確かにマトモな彼女がいれば  コン扱いはされねぇと思うが……
   そんな理由で恋人にされる女は哀れにも程があんだろ」

麦野「偽装だって指摘されるのがオチな気もするけどね。
   で、『簡単』なんて言ってるけどアテはあるわけ?」

一方通行「ン……いや……」

垣根「あるわけねぇだろこんなコミュ障のモヤシ野郎に。
   コイツにマトモな恋人が出来るんなら俺は今頃ハーレム築いてるわ」

絹旗「それも超どうかと……浜面が超イケメンだというのと同じくらいあり得ないと思いますが」

麦野「ま、テメェらは大人しく一人でマスかいてろってこった」

599: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/08/11(木) 05:41:30.04 ID:dAZ0cGI2o

一方通行「おい第四位」

麦野「あ?何よ?」

一方通行「俺と付き合わねェか?」

麦野「はぁ!?」

垣根「オマエ、いくらアテが無いからって……」

絹旗「とりあえず超目に付いたから告白してみました、みたいなノリですね……」

一方通行「もう一回言うぞ第四位、俺と付き合え」

麦野「命令形になりやがった……つーかこの流れでOKするわけねぇだろ馬鹿」

垣根「そりゃなぁ」

絹旗「断って超当たり前ですよねぇ」

一方通行「まぁ待てよ、何もタダでとは言ってねェ」

絹旗「超物で釣る気だぁー!!」

垣根「流石第一位、ろくなもんじゃねぇ……」

600: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/08/11(木) 05:41:57.64 ID:dAZ0cGI2o

麦野「ふーん、タダじゃないって何をしてくれるわけ?
   言っとくけど、私はテメェが思ってるほど安い女じゃねぇぞ?」

一方通行「そォだな……浜面一年分で手を打たねェか?」

垣根「ついに浜面物扱い!?てか一年分って何だよ!?
   そもそもオマエにどんな権限があって浜面の一年を売り渡すんだ!?」

麦野「浜面が、一年分……一日一体消耗しても365日……」ゴクリ

絹旗「麦野が超食い付いた!?いやいや一日一体消耗したら一日で無くなるでしょう!?
   浜面はしょせん超一人しかいませんから!!」

麦野「ハッ、そ、そうだったわね……危うく騙されるところだったわ……」

垣根「一日一体消耗って何に使う気だったんだよ……」

麦野「残念だったわね第一位!浜面一匹ごときで揺らぐほど私は安くないわ!」

一方通行「チッ」

垣根「いや、ガッタガタに揺らいでたろオマエ」

絹旗「超陥落寸前でしたよね」

601: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/08/11(木) 05:42:34.15 ID:dAZ0cGI2o

麦野「でもこうやって直球で口説かれるのも悪くないわね。第一位もやっぱり男の子ってわけ?
   私の身体にそんなに興味があったのかにゃーん?」ニヤニヤ

一方通行「あァ?うぬぼれてンじゃねェぞババアが、オマエの身体なンざ一切合財興味ねェよ。
      単にオマエがロリの対極みてェな存在だから  コン否定すンのに都合が良かったってだけだ」

麦野「ロリの対極だぁ!?テメェどういう意味だコラァ!!?」

垣根「つーか麦野の身体に興味ねぇとか、オマエやっぱ  コンか、そうじゃなきゃ不能かゲイだろ。
   コイツほどそそる身体してる女もそうそういねぇぞ?胸とか、脚とか」

麦野「気持ち悪!?オマエマジでキモいわ!!こっち見んなボケ!!」

垣根「えっ、フォローしたつもりだったのに」

一方通行「オマエはどこのセクハラおやじだよ……」

絹旗「超ドン引きです……」

垣根「興味ねぇって言われるよりは抱きてぇって言われた方が嬉しいもんじゃねぇの?」

麦野「もう口開くなよクソxx」

垣根「どどどど、xxちゃうわ!」

602: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/08/11(木) 05:43:02.54 ID:dAZ0cGI2o

一方通行「しかし第四位はダメか、どォすっかなァ」ウーン

絹旗「本当に超誰でもいいわけですか……」

一方通行「まァ  コンじゃねェって証明してェだけだしな、別に彼女作って何かしてェってわけでもねェし」

麦野「腐ってるわテメェ、愛とかそういうのは関係ないわけ?」

一方通行「オマエの口から『愛』なンて単語が出ると酷く汚れた意味に聞こえるなァ」

麦野「ブチコロスぞ」

垣根「今思い出したんだが、うってつけな奴が一人いるじゃねぇか」

一方通行「あァ?」

麦野「うってつけって、第一位の恋人役に?ロリキャラ以外でそんなのいたっけ?」

垣根「ほらあの、アイツ、ショタコン……結標つったっけ?」

一方通行「!?」

麦野「そういやいたわねそんなの、まだ塀の高い病院に入ってんの?」

垣根「そうなんじゃね?ありゃ一生退院出来ねぇだろ。
   けどとりあえずロリじゃねぇし、一方通行に歪みまくった好意持ってるし、
   考え得る中では恋人役に最適なんじゃねぇか?」

一方通行「……」

603: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/08/11(木) 05:43:29.85 ID:dAZ0cGI2o

絹旗「ムスジメ?超誰の事です?」

麦野「世の中知らない方がいい事もあるのよ絹旗……」

垣根「あぁ、ありゃ関わりたくない人種、知りたくない世界だったぜ……」

絹旗「むむ、そう言われるとむしろ超気になってしまいますね……
   一方通行、ムスジメとは一体超何者で……一方通行?」

一方通行「む、結、標……むす……」カタカタカタ

麦野「……どうしたの第一位?」

一方通行「結標……むs、結じm……m……カフッ」カヒューカヒュー

垣根「うおぉ!?過呼吸起こしてるぞコイツ!?」

麦野「ちょ、何でよ!?」

絹旗「超何事ですか!?」

垣根「と、とにかくその辺の適当な袋とってくれ!このままじゃやべぇ!!」

絹旗「え、えっと、これで超大丈夫ですか?」サッ

垣根「サンキュー、ほら一方通行、すぐ楽にしてやるからな」ファサ

麦野(セリフだけ聞くとトドメ刺してるみたいね……)

一方通行「ヒュー……ヒュー……」

604: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/08/11(木) 05:44:00.20 ID:dAZ0cGI2o


絹旗「超落ち着きましたか?」

一方通行「……あァ、すまねェ、みっともねェ姿晒しちまったな」

垣根「別にいいけどよ……何だったんだよ突然?」

麦野「あのショタコン女と何かあったわけ?」

一方通行「……この前、アイツの見舞いもとい監視に行って来たンだが」

垣根「だからもう行くなよオマエ」

麦野「何でそう自分を追い込むような真似するわけ?やっぱドMじゃないのアンタ?」

一方通行「その時にだな……ク……」ハァ、ハァ、ハァ

垣根「おいぃぃ!!また過呼吸起こしかけてんじゃねぇかあああ!!」

麦野「もういいから無理すんなよ……」

一方通行「クソ、この俺がァ……」ゼェゼェ

絹旗(全く話について行けませんが、本当に超知らない方がいい事みたいですね……)

605: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/08/11(木) 05:44:26.95 ID:dAZ0cGI2o

一方通行「……一手」

垣根「あ?」

絹旗「超一手?」

一方通行「あと一手遅かったら、俺は今頃……」ガタガタ

垣根「わかった!もうわかったから!そんな無理して喋ろうとすんな!!
   つーかもう聞きたくねぇよ!!」

麦野「第一位がここまで追い詰められるなんてね……侮れないわ、あのショタコン」


ドア<ガチャ


御坂「やっほ、遊びに来たわよー……って何よこのお通夜みたいな雰囲気……
   一方通行、アンタただでさえ酷い顔色が更にとんでもない事になってるわよ?」

一方通行「……」ゲッソリ

垣根「つっこまないでやってくれ、ちょっと色々追い詰められてんだコイツも」

御坂「そうなの?まぁどうでもいいけどさ……あれ、はじめて見る顔がいるわね。もしかしてお客さん?」

絹旗「あ、私の事ですよね?いえ、超客ではありませんが……あなたは、もしや第三位ですか?」

606: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/08/11(木) 05:45:03.91 ID:dAZ0cGI2o

御坂「え?うん、そうだけど……何で私の事知ってるの?どこかで会った事あったっけ?」

麦野「アンタ知名度高いしね。それにその子は私の身内だから、アンタの事くらい知ってるわよ」

御坂「ふーん……はじめまして、御坂美琴よ」ニコッ

絹旗「どうも、絹旗最愛です。……これで第一位から第四位まで、学園都市の上から四人が揃い踏みですか。
   どんだけの戦力を超保有してるんですかこの探偵事務所……」

垣根「クク、アレイスターのクソ野郎に反旗を翻す準備は着々と進んでるぜ……」

麦野「んな事考えてたわけ?多分誰も手ぇ貸さないと思うけど。
   おら第一位、そろそろ正気に戻んなさい、話進まねぇだろうが」

一方通行「おォ……」

御坂「……?何があったの?こんな弱々しいコイツ見たの初めてなんだけど」

垣根「聞かないでやってくれ、また過呼吸起こされると面倒だから」

御坂「過呼吸って……」

一方通行「とにかく、結標が無理だってのはわかって貰えたかァ?」

麦野「イヤって程ね」

607: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/08/11(木) 05:45:32.77 ID:dAZ0cGI2o

垣根「しかしそうなると他に候補は……」

絹旗「もう超諦めて  コンの烙印を押されながら生きてはどうです?」

一方通行「ふざけろ、身に覚えのねェ中傷がどンだけ辛ェと思ってンだ」

御坂「何かアンタがそういう発言するとすっごくシュールよね。
   で、何の話してるの?」

垣根「あぁ、もう第三位でいいんじゃねぇか?」

一方通行「はァ?いや無理だろ、俺とコイツの間にどンだけ溝があると思ってンだ」

御坂「私がどうかしたわけ?何の話よ?」

垣根「まぁそう言うなよ、試すだけならタダだろ?
   それともやっぱり一生  コン呼ばわりされながら生きて行くか?」

一方通行「つーか冷静に考えたら俺の事  コン呼ばわりするのなンざオマエらくれェだし
      オマエらぶっ殺せば解決する気がしてきたわ」

麦野「一時的にはそれでいいかも知れないけど、根本的な解決にはならないわよ?」

垣根「だな。俺ら殺したところでオマエが  コンじゃねぇって証明にはならねぇだろ」

一方通行「チッ、仕方ねェな、試してみるか……」

608: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/08/11(木) 05:46:18.25 ID:dAZ0cGI2o

御坂「だから何の話してんのアンタら?」

一方通行「なァ超電磁砲」

御坂「何よ?」

一方通行「俺と付き合ってくれねェか?」キリッ

御坂「……はい!?」

絹旗「うわぁ無駄に斜め45度の超キメ顔してますね……」

麦野「なんだかんだで結構ノリ気ね」

御坂「つ、付き合うって何よ?どういう意味?」

一方通行「そのまンま、男女の関係にならねェかって事だ」

御坂「えええぇぇぇ!?」

一方通行「一生、オマエの傍で罪を償わせてくれ」キリッ

御坂「え、い、いや、本気なの!?」

一方通行「こンな事冗談で言うわけねェだろ?オマエの傍にいてェンだよ……」

御坂「は、はぁ……」

609: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/08/11(木) 05:46:45.26 ID:dAZ0cGI2o

絹旗「おー、超ガチで口説きに行ってますね」

垣根「第三位も満更でもなさそうだな、まぁ男 経験なさそうだし仕方ねぇか」

一方通行「なァ、三下は諦めて俺にしねェか?」

御坂「えぇ……い、いやでも……」

麦野「あー、盛り上がってるところ悪いんだけどさ」

一方通行「あ?」

垣根「どうかしたか?」

麦野「一般的に見たら中二はロリの範疇だと思うのよね。
   だから第三位落としても  コン疑惑は払拭されないんじゃない?」

垣根「……確かに」

絹旗「なるほど、確かに中学生は超ロリの範疇ですよね」

一方通行「……チッ、使えねェな超電磁砲」

御坂「な、何なのよ!?一体何がしたいのよアンタ!?」

麦野「あー、簡単に説明するとね……」

610: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/08/11(木) 05:47:19.31 ID:dAZ0cGI2o



御坂「はぁ、つまり一方通行の  コン疑惑を解消するために恋人を作ろう、と」

一方通行「まァそォいうこった」

御坂「馬鹿じゃないの?てか馬鹿じゃないの?」

絹旗「超馬鹿ですよね、第一位のくせして」

一方通行「オマエらに何がわかンだコラ、謂れねェ  コン扱いで俺がどンだけ心砕いてると思ってやがる」

垣根「謂われないって事は無いだろ、普段の行動が  コンくせぇから指摘されてるわけで」

一方通行「殺されてェのかオマエ?……しかしこれで手詰まりかァ、他に候補思いつかねェ」

垣根「オマエの保護者はどうなんだ?あの警備員の女とか」

一方通行「流石に年齢一回り違う相手はちょっとなァ……」

垣根「麦野も似たようなもんだろうに」

麦野「バラバラにすんぞコラ」

611: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/08/11(木) 05:48:00.09 ID:dAZ0cGI2o

御坂「一応聞いとくけどさ、アンタまさか打ち止めに手ぇ出したりしてないわよね?」

一方通行「出してるわけねェだろ馬鹿」

麦野「ロリは神聖不可侵なものであって直接触れていいものではない、
   遠くから温かく見守り愛でるものだ、って言いたいわけね?」

一方通行「違ェよ!!つーか遠くから見守るだけで  コン扱いなのかよ!?」

絹旗「うわぁ、私の事もそんな目で見てたんですか?超ドン引きです」

垣根「まぁオマエが幼女見守ってたら通報モンだよな」

御坂「打ち止めは私が引き取ったほうがいいのかしら……でもどうやって……」

一方通行「オマエらそろそろマジにやめてくれねェ?黒い翼出るぞ?」

麦野「冗談はさて置き、候補ならまだいるでしょ?この部屋に」

一方通行「はァ?この部屋にっつーと後は絹旗しか残ってねェぞ?ロリの権化じゃねェか」

絹旗「誰がロリの超権化ですか!?私はこれでも超中学生で……」

御坂「嘘、中学生って事は私と同じくらい!?
   ……いいとこ小学校高学年あたりだと思ってたわ」

垣根「暗闇の五月計画と同時に二五〇年法でも施されたんじゃねぇかオマエ?」

絹旗「超失礼ですねアンタら!?」

612: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/08/11(木) 05:48:31.96 ID:dAZ0cGI2o

麦野「いや絹旗じゃなくてさ、もう一人いるじゃない?」

一方通行「は?」

垣根「……」

絹旗「え?」

御坂「?」

麦野「コイツよ、コイツ」ポン

垣根「……やっぱ俺かよ!?」


一方通行「……もォめンどくせェから簡単なつっこみしかしねェけどよ、男じゃねェかそれ」

麦野「何か問題が?」

一方通行「問題しかねェ気がすンのは俺の気のせいか?」

絹旗「でも確かに男同士で付き合ってれば  コン疑惑なんて超一瞬で消し飛びますよね」

垣根「替わりにゲイの烙印押されるだろうが!!つーか俺にはデメリットしかねぇだろ!!」

麦野「そう?ゲイとかオカマって意外と女の子受けいいわよ?モテるわよ?」

垣根「見世物的な意味でだろうが!!」

613: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/08/11(木) 05:49:05.68 ID:dAZ0cGI2o

御坂「お、男同士でそんな……」カァー

麦野「ほら、第三位も期待してるわよ?」

垣根「守備範囲広いなオマエ!?『カァー』じゃねぇよ!!」

一方通行「男に走るくらいならまだ  コン呼ばわりの方がマシだろ……」

麦野「果たしてそうかしら?ゲイは世界的に随分認められて来てるけど、
     コンはほとんどの先進国で犯罪者扱いよ?」

一方通行「そりゃそォかも知れねェが……」

垣根「何でオマエはそんなに同 愛押してくんの?誰も得しねぇよそんなカップリング」

麦野「テメェら散々私の事xx呼ばわりしただろうが、お返しだボケ。
   それに、ホ が嫌いな女子なんていないのよ?ほら、見てみなさい」


絹旗「私的には垣根が誘い受けの一方通行が超ヘタレ攻めだと思うんですよね」

御坂「んー、でも一方通行は結構土壇場の逆境に強いし攻撃してる時はノリノリだから、
   攻めでそんなにヘタレるかしら?」

絹旗「確かに一方通行は一見超ドSっぽいですけど、潜在的には超ドMっぽくないですか?」

御坂「それを言うとあっちの方も……」


614: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/08/11(木) 05:49:33.18 ID:dAZ0cGI2o

一方通行「……」

垣根「……」

麦野「ね?」

垣根「腐ってやがる……早すぎたんだ……」

一方通行「いや遅すぎて腐ったンだろこのババアは」

麦野「粉微塵にされてぇのかクソ虫どもが。
   とにかく第一位、テメェに残された道は  コンかゲイかの二つに一つだけよ」

一方通行「最低最悪の二択だなオイ、もォ  コンでいいわ、好きに言ってろボケが」

垣根「やーい  コン」

一方通行「ぶっ殺すぞ」

麦野「ふーん、本当にそれでいいわけ?」

一方通行「あァ?」

麦野「アンタが  コンだって周知されてくると、打ち止めちゃんも生活し辛くなるんじゃないかにゃーん?」

一方通行「ら、打ち止めが……?」

615: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/08/11(木) 05:50:00.50 ID:dAZ0cGI2o

麦野「  コンと同棲してる、なんて噂が立ったらあの子が周りからどんな目で見られると思う?
   アンタそれでいいわけ?守るんじゃなかったの?」

一方通行「お、おォォ……」

垣根「おい待て、変な方向に誘導しようとすんな、やめろ嫌な予感しかしねぇ」

麦野「あの子の為にも、アンタは今ここでゲイという汚名を被ってでも  コン疑惑を晴らしておくべきなのよ」

一方通行「……それが、打ち止めの為なのか」

垣根「おいばかやめろ!!あっさり誘導されてんじゃねぇぞモヤシが!!」

一方通行「垣根ェ……」チラッ

垣根「こっち見んなああああああ!!!!」

一方通行「正直テメェが相手なンざ反吐が出るが……打ち止めの為だ、協力してもらえねェか?」ジリ

垣根「オマエ最終信号が絡んだからって一瞬で見境吹っ飛ばしてんじゃねぇよ!!
   そんなだから  コン呼ばわりされてるって事に何で気付かねぇ!?正気に戻れよ!!」

616: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/08/11(木) 05:50:44.20 ID:dAZ0cGI2o

一方通行「……」ジリジリ

垣根「無言で距離詰めてくるんじゃねええええ!!!
   それ以上一歩でも近づいてみろ!殺し合いだ!!今日ばかりは俺もマジで応戦すっからな!?」

一方通行「大丈夫だ、問題ねェ」ジリ

垣根「あ゛あああああ!!!ふざけんなあああああ!!!!」バサァ! パリーン

麦野「あ、逃げやがった」

一方通行「野郎、逃がすかァ!!」バビュン!


御坂「ほら、やっぱり一方通行は強気攻めじゃない?」

絹旗「むむ、しかしまだベッドの上では超ヘタレるという可能 が……」



その後、垣根は何とか一方通行の電池が切れるまで逃げ切ることに成功し、
彼の貞操は無事守られたという。

662: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/08/16(火) 19:58:14.69 ID:6hHAWh7Wo

垣根「犯人はこの中にいる!」

麦野「はぁ?」

御坂「え?」


垣根「白状しやがれ!オマエらの内どっちかが犯人だってのはわかってんだ!」ダン

麦野「意味がわからねぇわ」

御坂「犯人って何よ?」

垣根「あくまでしらばくれるつもりか?いいぜ、ならまず事件の概略から説明してやる」

麦野「事件?」

御坂「何かあったの?」

垣根「ついさっきの話だ……俺は冷蔵庫を開けた」

麦野「あぁ、開けてたわね。何も取らずに戻って来たけど」

御坂「で、戻ってくるなり『犯人はこの中に~』って突然言い出したのよね」

垣根「そう、事件は冷蔵庫の中で起きてたんだ。残忍で狡猾で、人の尊厳を踏みにじるような恐ろしい事件がな……」

663: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/08/16(火) 19:58:48.26 ID:6hHAWh7Wo

麦野「もうどんな事件か予想ついたから喋らなくていいわよ」

垣根「どんでん返しがあるかも知れねぇだろうが、最後まで聞けよ」

麦野「はぁ……」

御坂「冷蔵庫の中で何が起きてたの?」

垣根「簡単に言うと俺のプリンがなくなってた」

麦野「どんでん返しの欠片もなかったじゃねぇか!予想通りだよ馬鹿が!!」

御坂「え、それだけ……?」

垣根「難しく言うと昨日俺が最高級の材料を集めて丹精込めて作った特製カスタードプディングが消失していた」

御坂「いや難しく言われても……」

麦野「つーかあれオマエの手作りかよ……変なもん入れてたんじゃねぇだろうな……」

垣根「事件の概要は理解できたな?さぁ白状してもらおうか!」

御坂「白状って言われても……私来たばっかりだし何も知らないわよ?てか何でそんなに必死なの?」

664: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/08/16(火) 19:59:17.38 ID:6hHAWh7Wo

垣根「今日の俺はプリンな気分なんだよ」

麦野「どんな気分だよ……冷蔵庫にあったプリンなら私が今朝方……」

垣根「いや待て、やはりここは探偵らしく推理して犯人を当ててやろう」

御坂「今自白しかけてたのに……」

麦野「プリンごときで面倒な男ねホント」

御坂「食べといてその言い方は流石に酷いんじゃ……」

垣根「まず俺の勘だが……犯人は第三位、オマエだな?」

御坂「わ、私!?」

麦野「推理って言っときながらいきなり勘頼り!?しかも大ハズレかよ!!」

垣根「いいか、これは簡単な消去法だ。麦野が犯人じゃねぇって根拠があるんだよ。
   なら必然的に第三位が犯人になるだろうが」

麦野「根拠あんの!?食べたの私なのに!?」

御坂「ちょ、ちょっと私じゃないわよ!!何で私がアンタの作ったプリンなんか食べなきゃいけないわけ!?」

665: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/08/16(火) 19:59:53.13 ID:6hHAWh7Wo

垣根「往生際の悪ぃガキだな。なら俺の推理で一歩一歩追い詰めてやろうじゃねぇか」ギロッ

御坂「えぇぇー……」

垣根「まず今朝、俺が目を覚まして冷蔵庫を確認した時点ではプリンは確かに生存していた」

麦野「生存とか言うな気持ち悪い」

垣根「つまり今朝俺が確認してから、
   さっき俺がプリンの消失に気付くまでの数時間の間に犯行が行われたって事になる」

御坂「うん、それで?」

垣根「さて第三位、オマエにその間のアリバイはあるか?
   ちなみに麦野は朝起きてからすぐにシャワーを32分56秒間浴び、
   その後12分19秒ほどストレッチをした後、ずっとソファでゴロゴロしてたぞ」

麦野「気持ち悪!!何でシャワーとストレッチの時間そんなに正確に把握してんだよ!?
   つーかそこまで把握しててなんでプリン食ったことには気付かねぇんだ!?
   ストレッチした後に食ってただろうが!!」

御坂「あ、アリバイ……え、えっと、今日は寮を出た後にコンビニで立ち読みして、
   ちょっとゲーセンでストレス解消して……」

垣根「女子中学生の休日の行動とは思えねぇな……」

麦野「アンタ友達とかいないわけ……?」

666: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/08/16(火) 20:00:32.33 ID:6hHAWh7Wo

御坂「い、いるわよ失礼ね!! えっと、それでゲーセンの後はゲコ太グッズを見に……」

垣根「いやもういいわ、何かごめんな?こんな事聞いて」

麦野「私達が言えた事じゃないけどさ、アンタ随分悲しい青春送ってるわね。
   もっと今という時間を大事にした方がいいわよ?」

垣根「麦野が言うと深いな。若い間なんて一瞬で過ぎてくからなぁ」

麦野「ぶっ殺すぞクソメルヘン」

御坂「何なのよ二人して!?私の人生はつまらなくなんてないわよ!!」

垣根「そこまでは言ってねぇ」

麦野「話題変えましょうか。私が犯人じゃない根拠があるって言ってたけど、あれどういう事?」

御坂「人生楽しいもん、バラ色だもん……」ウジウジ

垣根「あー根拠な、だってオマエ今ダイエット中だろ?」

麦野「はあぁ!?何言ってやがんだテメェ!!」

667: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/08/16(火) 20:01:06.08 ID:6hHAWh7Wo

垣根「あ?だって三日前風呂場で『増えた……』って呟いてたじゃねぇか」

麦野「何で聞こえてんだ!?絶対外まで聞こえないくらいの声量だったろ!!」

垣根「俺の未元物質に常識は通用しねぇ」フッ

麦野「オマエそれ言えば何でも通ると思ってんなよ!?
   まさかカメラとかマイクとか仕掛けてんじゃねぇだろうな!?」

垣根「……まぁそんなわけで、体重が微増した麦野がプリンを盗み食いなんてするわけねぇんだよ」

麦野「おいこっち見ろ、マジで仕掛けてんのかテメェ!?それと体重増えてねぇから!!」

御坂「ダイエットが必要そうな体型には見えないけどなぁ」

麦野「だから増えてないしダイエットもしてないって言ってんでしょ!?」

垣根「ちなみにあのプリン、材料が最高級ならカロリーも最高級だ。
   万一麦野が食ってたらやばいことになるかも知れねぇ」

麦野「……ちょっと吐いてくる」

御坂「そこまでしなくても……て言うかもう消化されてるでしょ……」

668: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/08/16(火) 20:01:36.95 ID:6hHAWh7Wo

垣根「さぁそんなわけで第三位!白状しろ!」

御坂「だから私じゃないってば!!さっきからそっちで白状してるのに何で聞いてないのよ!?」

麦野「そもそも何でテメェはプリンなんて作ってたんだ?気持ち悪ぃ」

垣根「男が菓子作りしてたら気持ち悪い、みたいな風潮やめろよ。
   一流のパティシエ見てみろ、男ばっかじゃねぇか」

麦野「男が菓子作りしてたらってか、テメェが菓子作ってるのが気持ち悪ぃつってんのよ」

垣根「酷くねぇ?」

麦野「まぁ味は悪くなかったけどねー、これからも私の為に作るってんなら許してやってもいいわよ?」

垣根「んだとコラ!俺のプリン食ったのはテメェか!?」

御坂「あ、ようやく気付いた」ホ

垣根「俺のプリンを食っただけに止まらず、第三位に無実の罪を着せ、
   挙句の果てには可哀想な休日の過ごし方まで暴露するなんてな……
   何て周到で残忍かつ狡猾な手口だ!!テメェの血は何色だ麦野ッ!!!」

麦野「赤よ」

御坂「可哀想な休日って言うなあああ!!しかも聞いたのアンタでしょうがあああ!!」

669: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/08/16(火) 20:02:11.22 ID:6hHAWh7Wo

垣根「まぁ第三位はどうでもいいか。
   それよりオマエ俺のプリン勝手に食ったんだから詫びに胸の一つでも  せろよ
   それか今からダッシュで菓子屋行って一番高いプリン買って来い」

御坂「どうでもいい!?」

麦野「イヤに決まってんだろ馬鹿舌噛み千切って死ね羽毟り取るぞクソメルヘン」

垣根「勝手にプリン食ったオマエが悪いのは確定的に明らかなのに何で逆ギレしまくってんだコラ。
   とにかくすぐにプリンが食いてぇんだよ俺は……もう自分で買いに行くか」

御坂「ねぇちょっと、まず私に濡れ衣着せようとした事謝りなさいよ」

垣根「あぁ?間違いくらい誰にでもあるだろうが、笑って許せよ」

御坂「ふざけてんのアンタ!?間違いを犯したらきちんと謝るのが筋でしょうが!!」

垣根「チッ、胸と一緒で心も狭ぇな」

御坂「胸は関係ないでしょうが!!心も狭くないわよ!!」

麦野「アンタの胸が小さいのは事実だけどねー」ニヤニヤ

御坂「うるさい!今から大きくなるからいいのよ!」キー

670: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/08/16(火) 20:02:40.86 ID:6hHAWh7Wo

垣根「麦野みたく無駄に胸大きくするだけじゃなくて、ちゃんと心も広くしろよ?」

麦野「おい誰の胸が無駄だって?」

垣根「俺が  ない胸なんざ等しく無価値だこの野郎」

麦野「今、世界中の女の胸から価値が消失したわね」

垣根「俺に  ませてくれる女一人もいねぇのかよ」

御坂「お、男ならいるかもよ?」

垣根「その何かを期待するような眼差しはやめろ、オマエマジで腐ってんのな」


ドア<ガチャ


一方通行「よォ」カツカツ

麦野「あら、ちょうど相手が来たわよ?」

御坂「ゴクリ」

垣根「俺の傍に近寄るなぁぁぁぁぁ!!!!」ガタンガタン


671: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/08/16(火) 20:03:22.11 ID:6hHAWh7Wo

一方通行「そンないきなり全力で引くなよ、傷つくだろォが」

垣根「オマエこの前何やったか覚えてねぇのか!?俺のハートがブレイク寸前だよ!!」

一方通行「あァー……この前はそのォ……すまねェ、
      かなり追い詰められてて、つい第四位の口車に乗っちまったンだよ。
      つーか元を辿れば  コン呼ばわりしまくったテメェも悪ィだろォが」

垣根「そうやって改心したフリして、俺が油断したところで掘るつもりだな!?その手には乗らねぇぞ!!」

一方通行「アホかオマエ」


麦野「前回血走った目で垣根の尻追っかけまわしてたアンタにはアホ呼ばわりされたくないでしょうけどね」

一方通行「誰のせいでそンな事になったと思ってやがンだ!?」

御坂「結局未遂で終わったんだっけ、つまんないの」

麦野「第一位が電池切れしたんだっけ?全く、これだから●●は」

一方通行「おい第四位、汚ェ花火になりたくなけりゃ黙ってろ」カチッ

麦野「はいはいごめーんねー、で、アンタは何持ってんのよ?またケーキでも貢ぎに来てくれたわけ?」

一方通行「あァこれか?……まァ垣根へのちょっとしたお詫びっつーか、まァそンな感じだ。
      正直、この前のありゃァ本気で申し訳ねェと思ってる」

672: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/08/16(火) 20:03:54.48 ID:6hHAWh7Wo

御坂「変な所で律儀ねアンタ」

垣根「騙されねぇぞ!!近づいたら抱き寄せられたりするんだろ!?」

一方通行「おいその気持ち悪ィ妄想すぐにやめろ、誰がテメェなンぞに触れてやるか」

麦野「ありね」

御坂「……」ドキドキ

一方通行「超電磁砲の反応がガチっぽくてちょっとマジで怖ェンですけどォ!?
      どンだけ興味深々なンだよコイツ!!」

麦野「 に多感な年頃なのよ、テメェらだって同じ年頃の時は猿みてぇに抜いてただろうが」

垣根「馬鹿にすんなよ、現役だ」

麦野「その情報は知りたくなかったわ」

御坂「と、ところでお詫びって何持って来たの?食べ物?」

一方通行「ン、あァ……」


673: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/08/16(火) 20:04:23.21 ID:6hHAWh7Wo

一方通行「プリンだ」

垣根「!?」

麦野「これまたタイムリーな」

御坂「凄い、通じ合ってるのね……」キラキラ

一方通行「はァ?何が?」

垣根「一方通行……」

一方通行「あァ?」

垣根「許そう、全てを」

一方通行「……は?」

麦野「どんだけプリン食べたかったのよ」

御坂「まぁずっとプリンプリン五月蝿かったしね……」

674: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/08/16(火) 20:04:51.09 ID:6hHAWh7Wo

垣根「許すなんてもんじゃねぇな、抱きしめたいくらいだ」ジリ

一方通行「おい待て、プリンならくれてやるからそこで止まれ」カチッ

垣根「この感謝の気持ち、100万の言葉にしても伝えきれねぇよ」バッ

一方通行「止まれつってンだろォがァァァァァァ!!!!」ベクトルパンチ

垣根「がああああああ!!!!」バチュン


麦野「結局こうなるわけ」

御坂「お約束ってやつね」ウン

麦野「とりあえず私達は垣根が潰れてる隙にプリンを頂きましょうか」

御坂「わーい」


698: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/08/19(金) 21:22:41.62 ID:gYAB9kYto

「うーむ、どうしたものでしょうか……とミサカは顎に手を当てながら思案に暮れます」


 学園都市の一角、一人の少女が説明くさい口調の独り言を呟きながら、トボトボと歩を進めている。
名門・常盤台中学の制服に身を包み、大きな軍用のゴーグルを額に装着している彼女は、
『妹達』と呼ばれる御坂美琴のクローン集団の一個体である。
 打ち沈んだ表情で顎に手を当てたその姿は、いかにも『悩み事がありますよ』と
周囲にアピールしているようではあるが、生憎、今現在彼女の周囲には人っ子一人見当たらず、
その為、そんな彼女に救いの手を差し伸べてくれる者は存在しない。


「しかしこのままではマズいですね、ミサカのような愛くるしい少女が
こんな人気のない場所に一人でいるとなると、これはこの後薄い本的な展開に陥ってしまう可能 が……」

「あー!クールビューティーなんだよ!」

「おや?とミサカは首を傾げつつ声のした方へと向き直ります」


 さて、先程『人っ子一人見当たらない』と書いたばかりだが、どうやら正確ではなかったようだ。
存在感の薄さから地の文にすら見落とされ忘れられていた存在、インデックスさんが
いつの間にやらその個体のすぐ傍まで近寄って来ていた。

見えなかったんだから仕方がないだろう?地の文だって偶にはミスするさ。

699: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/08/19(金) 21:23:21.36 ID:gYAB9kYto

「久しぶりー、こんな所で何をしているのかな?」

「さてこのミサカはあなたに会うのは初めてなのですが、そこんところ説明しても理解出来ないでしょうし、
時間ももったいないですしミサカは空気の読めるいい子なので、ここは話を合わせておく事にします。
お久しぶりですインさん、お元気でしたか?」

「……何か色々とつっこみたいところがあるけど聞くと長そうだからやめとくんだよ」

「ありがとうございます、インさんも空気の読める子ですね、とミサカは笑顔で頷きます」

「ふふん、まぁね!」

「て言うか空気になれる子ですよね、とミサカは含み笑いをしながら頷きます」

「酷いかも!?私は空気ヒロインなんかじゃないんだよ!!」


 突然の罵倒に地団駄を踏んで抗議するインデックスだったが、当の少女は全く意に介さず、
むしろその反応を楽しんでいるかのように、クスクスと笑い声を漏らしていた。


700: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/08/19(金) 21:23:49.45 ID:gYAB9kYto

「うぅ……私の知ってるクールビューティーじゃないかも……」

「まぁ細かい事はお気になさらずに。それよりインさんはこんな所で何を?
とミサカは可愛らしく小首を傾げながら尋ねます」

「あ、私はスフィンクスを探してるんだよ」

「ほう?」

「とうまがご飯の用意忘れて出かけちゃったからお腹空いちゃって、
仕方ないから気晴らしにスフィンクスを舐めてたら逃げ出しちゃったんだよ」

「そら逃げるわ、つーか空腹の気晴らしに飼い猫舐めるって発想がおかしいだろ、
とミサカはドン引きしながらつっこみを入れます」

「スフィンクスはね、偶に身体ごとご飯に突っ込む事があるから、
すごくいい匂いがするし、舐めるととっても美味しいんだよ」

「さいですか、とミサカはこれっぽっちも興味が無いので聞き流します」


 自分から尋ねておきながら『興味が無い』と一蹴し、
既に視線をインデックスから外しつつあるその個体に対して、
インデックスはむぅと頬を膨らませ、すねた表情を作る。
その様は抱きしめたくなるほどに愛くるしいが、残念ながら目の前の少女に対しては何の効果も成さないようで、
彼女は膨らんだインデックスの頬を両指で摘むと、むにー、とそれを左右に引っ張った。

701: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/08/19(金) 21:24:15.86 ID:gYAB9kYto

「おぉ……もっちもっちしておる……
とミサカはお餅のように柔らかいインさんの頬っぺたに感嘆の声を漏らします」

「いひゃい!いひゃいんらよ!はなひてほひいかも!」(痛い!痛いんだよ!離して欲しいかも!)

「これは失礼、なんだか摘みやすそうだったのでつい、
とミサカは手を離しつつ謝罪します。めんごめんご」

「謝られてる気が全くしないんだよ……」


 インデックスは引っ張られた頬を擦りつつ、投げやりな謝罪をする少女を涙目で睨み付ける。
なんとも嗜虐心をそそる姿である。


「そ、それよりクールビューティーこそこんな所で何をしているのかな!?」


 このままでは更にいぢめられてしまう、咄嗟にそう判断したインデックスは
再び彼女に向かって手を伸ばそうとしていた少女から距離を取りつつ、大声で話題の転換をする。


「なんだか困ってたみたいだけど、私でよかったら相談に乗るんだよ」


 罵倒され頬を抓られても、困っている人間には手を差し伸べる。
インデックスさんはほんま聖女の鑑やでぇ……

702: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/08/19(金) 21:24:48.96 ID:gYAB9kYto

「おぉ忘れていました、あなたの言うとおり、実はこのミサカは今少々悩んでおりまして、
とミサカは今更ながら自分が窮地に立たされていたことを思い出します」

「忘れる程度の事なのに窮地なの?いったい何を悩んでいるのかな?」

「実はですね、ミサカとしたことがうっかり道に迷ってしまいまして、
とミサカはここぞとばかりに己のドジッ子っぷりをアピールします。てへ」


 少女は媚びた声を出しつつ、ペロリと舌を出し己の頭をコツンと小突く。
あざとさに満ちた行動だが、一連の動作は完全な無表情で行われているため、何とも不気味極まりない。
そんな彼女にインデックスは若干引きつつも、おずおずと口を開く。


「な、なるほど迷子になってるんだね?だったら私に任せて欲しいんだよ」

「おや、案内をして頂けるのですか?しかしインさんも猫探しに忙しいのでは?
とミサカはインさんの事を気遣ってみます」

「大丈夫、猫探しも迷子も両方解決してくれそうな場所を私は知ってるんだよ!
実は私もスフィンクスを探すのを手伝ってもらおうと思って丁度そこに向かう途中だったの!」

703: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/08/19(金) 21:25:16.83 ID:gYAB9kYto

「ほほう、そのような場所があるのですか、流石は学園都市ですね、
とミサカは腕を組みつつ感心します」

「うん、それじゃそこまで案内するからついてきて」


 にこりと微笑むと、インデックスはパタパタと駆け出し、
しばらく進んだところで振り返り手招きをしている。一挙一動が愛らしい。
こんなに可愛いのにどうして空気扱いされるのかな?わけがわからないんだよ。


「流石はシスター、迷える子羊を導くのはお手の物というわけですか、とミサカは……」

「迷える子羊ってそういう意味じゃ……」


 べたべたなボケをかましつつ、二人はインデックスを先頭に歩いていく。
向かう先は当然、いつものあそこである。


704: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/08/19(金) 21:25:52.65 ID:gYAB9kYto



「どうすっかなぁ、これ……」


 とある探偵事務所内、自称名探偵の垣根帝督もまた頭を抱え悩んでいた。
彼の仕事デスクの上には平常時にはあり得ないものが乗っており、それこそが垣根の悩みの種になっている。
具体的に言うと、今現在彼のデスクの上には迷い猫と思しき首輪をつけた三毛猫がおり、
彼の昼食のおかずであった焼き鮭を必死に貪り食っているのだ。


「鮭が好きだなんてわかってるわね、お代わりいる?」

「にゃー」


 一心不乱に鮭を喰らう猫が気に入ったのか、探偵助手の麦野が上機嫌な様子で猫に語りかける。
すると、猫はまるでその言葉の意味を理解しているかのように返事をし、それを受けた麦野は
「待っててね」と言い残すと台所の方へ向かっていった。追加の鮭を取りに行ったのだろう。
猫のお代わりを用意するくらいなら、まず先におかずを奪われた垣根に新しい鮭を渡すべきだと思うのだが、
どうにも麦野の中の優先度は可愛い三毛猫>>垣根という等式になっているようだ。
まぁ仕方あるまい、こればっかりは垣根が可愛くないのが悪い。

705: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/08/19(金) 21:26:20.94 ID:gYAB9kYto

 垣根個人は別段鮭が好きなわけでもそれほど空腹なわけでもなかったのでそれは構わないのだが、
この後猫をどうするべきか考えると非常にめんどくさい。
流石に迷い猫を邪魔だからと摘み出すのは気が引ける。かと言ってずっと置いておくというのは論外だろう。
飼い主を探すか、或いは警備員か風紀委員にでも引き渡すのがベストな選択肢なのだろうが、
先にも書いたようにめんどくさい。彼は探偵であってボランティアではないのだ。


「おい一方通行、オマエこの猫警備員にでも引き渡して来い」


 故に、垣根は部屋の隅で先程から垣根の淹れたコーヒーを啜っている白い男にその役目を押し付けることにする。
客でもないのにほぼ毎日事務所を訪れてはコーヒーをせびり、
挙句勝手に来客用のソファで惰眠を貪っているのだから、その位の面倒事はやってくれても罰は当たるまい。
一方通行は億劫そうに首だけで垣根の方を向くと、チッと舌打ちをしながら口を開く。


「死ねよ」


 そしてそこから発せられた言葉は、余りにも短く、かつ冷酷な拒絶の言葉。
八割方断られるだろうとは思っていたが、まさか『死ね』とまで言われるとは思っていなかった垣根は
少々涙目になりながらも、一方通行に猫を任せることを諦め、
次は一方通行の対極の位置に座している少女のほうに視線を移した。

706: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/08/19(金) 21:26:48.56 ID:gYAB9kYto

「なぁ第三位、この猫を……」

「あーごめん、無理」


 垣根の言葉が終わるよりも先に、紅茶(これも垣根が淹れた)を啜っていた御坂が拒否の意を表明する。
まさかこちらに即答で断られるとは思っていなかったらしく、垣根は口を半開きにしたまましばし硬直し
「そりゃないだろ」とでも言いたげな目で御坂を見つめた。


「い、いや面倒だからー、とかじゃなくてね?私、猫とかの小動物には好かれないから……」

「あ?あぁ、そういや電撃使いはそうなんだったか……」


 非難めいた垣根の視線に耐えかねた御坂が慌てて言い訳を口にする。
御坂だけに限らず、電撃系の能力者は大抵その能力の特 上、常に微弱な電磁波を身体から発しており、
その為そういったものに敏感な小動物にはどうしても嫌われてしまう、というか拒絶されてしまう傾向にあるのだ。


「猫は好きだし、連れて行って上げたいのは山々なんだけど、こればっかりはどうしようもね……」


 はぁ、と溜息を吐きつつ、御坂は本当に申し訳なさそうに、そして少々悲しそうに猫を眺める。
好きなのに触れる事はおろか近寄ることすら難しいというこの状況、
猫好きなのに猫アレルギーという方は身に覚えがあるのではないだろうか。

707: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/08/19(金) 21:27:18.16 ID:gYAB9kYto

「それじゃ仕方ねぇよな、じゃあ一方通行、やっぱオマエが……」

「いや、俺別に猫好きじゃないンでェ」


 再び一方通行に振ろうとするが、やはりにべもなく断られてしまう。
これ以上一方通行に頼み込んでも無駄だと判断した垣根がデスクに視線を落とすと、
キッチリ鮭の皮まで食べた猫が満足げな表情で転寝をしていた。
可愛らしい姿ではあるのだが……可愛さ余って憎さ百倍、ふとそんな言葉が頭をよぎる垣根であった。

 さて、「猫が好きではない」と言い放った一方通行だが、
かつて猫同士の会話を勝手に想像していたという過去がある事を我々は忘れてはならない。
意外と脳味噌春だよね、この人。


「お待たせ、鮭焼けたわよ」


 打つ手に窮した垣根がしばしぼんやりと猫を眺めていると、
麦野が鼻歌でも歌いだしそうなほど上機嫌な様子で焼き鮭を片手に台所から戻ってきた。
これ程機嫌の良い麦野の姿を垣根はこれまで見たことがない。
恐らく、鮭が好きで堪らない、スーパーに行くと鮮魚コーナーから30分は動かない彼女は、
鮭好きの同士が見つかった事が嬉しくて仕方がないのだろう。例え相手が猫であっても。

708: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/08/19(金) 21:27:57.13 ID:gYAB9kYto


「あれ、寝てるの?もうお腹一杯なのかにゃーん?」


 すーすーと寝息を立てる猫の前に鮭の乗った皿を置きつつ、麦野は甘ったるい口調で猫に語りかける。
その少女ちっくな行動に、思わず「自分の歳を考えろ」とつっこみそうになる垣根だったが、
口に出してしまえばぶん殴られるのが目に見えているため、歯を食いしばり必死に堪える。
まぁこのくらいのイタい言動は許してやろうぜ、むぎのんもまだ十代(自称)なんだからさ。


「麦野、この猫を警備員なり風紀委員なりに引き渡して来てくれねぇか?」

「えー、めんどくさいわね」


 一方通行も御坂も使えなかったので麦野に頼んでみる垣根だったが、やはり彼女もあまり気乗りしないようだ。
麦野は自分の運んできた焼き鮭を頬張りながらやんわりと垣根の頼みを拒絶する。
ん、あれ?その鮭は猫の為に持って来たんじゃなかったか?


「おい、何でオマエが鮭食ってんだ?」

「え?あ、うっかり……」

「無意識に食ってんのかよ、そんなだから太rぐはああぁ!!!」


 垣根が喋り終わるよりも先に、麦野の右拳が彼の頬に突き刺さった。
折角さっきつっこむのを我慢したというのに、結局彼は殴られる運命にあったということだろう。

 女 に対して「太る」は絶対禁句である。男に対する「ハゲ」と同じくらい言ってはいけない言葉だ。
ダメ、絶対。

709: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/08/19(金) 21:28:23.59 ID:gYAB9kYto


「いってぇ……オマエもうちょっと加減ってもんをだな……」

「知るか馬鹿」


 ふん、と顔を反らす麦野を尻目に、垣根は殴られた頬を擦りつつ、
「仕方がない、俺が連れて行くしかないか」と覚悟を決め、猫をつまみあげる。と、その時、


「こんにちは、お邪魔するんだよ」

「失礼します、とミサカは挨拶をしながらインさんの後に続きます」


 ノックもなしに事務所のドアが開き、二人の少女が物怖じする様子もなく堂々と室内へと入ってくる。
説明するまでもなく、先程の個体とインデックスさんの二人組みである。


「ん?この前のインなんちゃらと……そっちは第三位のクローンか?」


 二人の来訪者の姿を確認した垣根は浮かしかけていた腰を再び下ろし、
うろ覚えの名前を口にする。いい加減、ちゃんと覚えて上げて欲しいんだよ。

710: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/08/19(金) 21:28:58.19 ID:gYAB9kYto

一方通行「あァ?なンでオマエがこンなとこに……いや、オマエは……」

御坂「どうしたのアンタら二人して?」

「おや、一方通行にお姉様ではありませんか、なんという僥倖、
とミサカは挨拶しに行く手間が省けた事に喜びを露にします」

垣根「すげぇ無表情だけど喜んでんのかそれ?」

麦野「へぇ、これが妹達って奴?実物見るのは初めてだけど、本当にそっくりね」

「可愛いでしょう?とミサカははにかみながらその場でくるりとモデルのようにターンしてみます」

麦野「うん、第三位に負けず劣らずのムカつきっぷりね」

御坂「わ、私はあんな変てこな行動取らないわよ!?」


イン「あのね、私達、探偵さんにお願いしたい事があって来たんだよ。ってあれ、あなたが抱えてるその子……」

垣根「あ?こいつか?」

<にゃ~ん

711: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/08/19(金) 21:29:37.90 ID:gYAB9kYto

イン「やっぱり!スフィンクスなんだよ!こんな所にいたんだ!」

垣根「なんだ、これオマエの猫か。丁度よかった、ほら持って帰ってくれ」グイ

<にゃー

イン「ありがと!依頼を先読みしてスフィンクスを見つけててくれるなんて、やっぱりあなたは凄いんだよ!」

垣根「まぁな」フッ

「さて、それでは次はこちらの番ですね、とミサカはずずいっとインさんの前に躍り出ます」

イン「ちょっと、私が見切れちゃうからやめて欲しいんだよ!」

「はいはいインさんの出番はこれで終わりですよ、閉店ガラガラー、
とミサカはインさんを部屋の外へ締め出します」グイ、ガチャ


<ヒドインダヨー!
<ニャー


712: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/08/19(金) 21:30:10.74 ID:gYAB9kYto

一方通行「……」ジー

「おや一方通行、さっきからどうしたんです?ミサカの方をそんなにじっと見て……xxx!
とミサカは一方通行の嘗め回すような視線から身を庇います」

麦野「やっぱ  コンなのね第一位」

垣根「  コンっつーか、ミサコン?」

御坂「私の事も変な目で見てるんじゃないでしょうね……」

一方通行「皆殺しにすンぞオマエら……それよりオマエ、学園都市に住んでる妹達じゃねェな?」

御坂「え、この子の事?違うの?」

垣根「そういや学園都市だけじゃなく世界中に散らばってんだったか?でも何でそんな事わかんだよオマエ」

麦野「何か違いでもあるわけ?」

一方通行「おォ、学園都市に住んでる妹達の特徴は大体覚えてっからなァ。
      例えば10032号は三下に買ってもらったネックレスをうざってェくれェアピールしてくるし
      13557号は会話の端々にガンダムのネタ織り交ぜてくるし、
      19090号は他の妹達に比べてちっとばかし痩せてやがンだ」

713: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/08/19(金) 21:30:38.37 ID:gYAB9kYto

「ほう、よくお分かりで、流石は毎日毎日ミサカ達の事を視 しているだけの事はありますね。
とミサカは拍手しながら一方通行の識別能力を褒めちぎります」パチパチ

一方通行「いや視 はしてねェよ」

御坂「守るって口実でそんな風に見てたのね!最ッ低!!」キッ

麦野「あーやっぱりね、『興味ないですよー』って顔してる奴に限ってむっつりなのよね」

垣根「男ならもっと堂々と、オープンに行こうぜ?」

一方通行「……」カチッ

垣根「OK、俺らが悪かったから落ち着いてスイッチを切ってくれ」

麦野「はいはいごめんごめん」

一方通行「チッ」


<アケテホシインダヨー!(ドンドン!)
<ニャー

714: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/08/19(金) 21:31:19.10 ID:gYAB9kYto

御坂「それでさ、アンタ本当に学園都市に住んでる妹達じゃないの?」

「はい違いますよ、このミサカは外の研究所で調整を受けていたミサカです、
とミサカはさっくりとお姉様の言を肯定します」

垣根「ミサカミサカうっせぇなオイ」

一方通行「でェ、オマエの検体番号は?何しに学園都市に来やがったンだ?」

「やだ、いきなり携帯番号を尋ねるだなんて、ミサカの事をどうする気!?
とミサカは積極的な一方通行にどっきどきです。この●●野郎が、もっと段階踏めよ」

一方通行「『検体』番号な?俺が冷静な内に話進めた方がお互いの為だと思うぜ?」

「やれやれ相も変わらず冗談が通じませんねこのモヤシは、そんなだからxxなのですよ、
とミサカは溜息混じりに妖怪xxモヤシを罵倒します」

一方通行「……」カチッ

「スイッチ入れて脅そうとしても無駄無駄、ミサカ達に手が出せないことはわかっています。
とミサカは一方通行の頭の中などお見通しだと言わんばかりに不敵に笑います」ククク

一方通行「あああァァァうっぜェ!!何なのオマエ!?
      いいからさっさと検体番号言いやがれェェェェ!!!」

麦野「いい 格してるわねこの子、嫌いじゃないわ」

垣根「そんなもんにしといてくれ、俺が八つ当たりされそうで怖ぇから」

715: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/08/19(金) 21:31:50.96 ID:gYAB9kYto

「まぁそろそろ話を進めましょうか、既にお気付きの方もいらっしゃるかもしれませんが、
このミサカの検体番号は……」


11111号「11111号です、とミサカはぺこりと頭を下げながら簡潔に自己紹介をします」


御坂「あ、凄いゾロ目なんだ」

垣根「覚え安くていいな」

麦野「覚えても何一つ得は無さそうだけどね」

一方通行「……で、その11111号さンが学園都市に何の御用ですかァ?」

11111号「そんな露骨に嫌そうな顔しないでくださいよ、来ちゃダメなんですか?
      とミサカは膨れっ面になりながら抗議します」プクー

一方通行「うぜェ……なンかムカつくなァオマエの面」

11111号「言われてますよお姉様」

御坂「何で私!?」

716: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/08/19(金) 21:32:16.50 ID:gYAB9kYto

11111号「同じ顔ですし、遠まわしにお姉様の顔に文句つけたいのでは?
      とミサカは邪推してみます」

御坂「く……一方通行!アンタ私の顔が気に入らないっていうの!?」

一方通行「ノせられてンじゃねェよ馬鹿。もォいいからさっさと学園都市に来た理由をだなァ……」

11111号「本当にせっかちですねぇ、少々焦らすのは淑女の嗜みだと言うのに、
      とミサカは女 の心理をこれっぽっちも理解していない一方通行を鼻で笑います」ハン

一方通行「……垣根、ちょっと殴らせてもらってもいいかァ?」

垣根「何でだよ!?」

麦野「ストレス解消用のサンドバッグ扱いって事でしょ」


<ヒドインダヨ、ヒドインダヨー!
<ニャー


717: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/08/19(金) 21:33:01.93 ID:gYAB9kYto

一方通行「……」カチッカチッカチッカチッ

御坂(何かスイッチ入れたり切ったり繰り返してる……)

麦野(相当イラついてるみたいね第一位……)

垣根(もう俺がとばっちりで潰される未来しか見えねぇ……)ウヘェ

11111号「一方通行がそろそろ限界みたいなので真面目に話しますが、
      実はこのミサカは今日から学園都市でお世話になる事になっているのですよ、
      とミサカは自分が外の研究所から出戻りして来たという事実をぶっちゃけてみます」

一方通行「今日から学園都市でェ?聞いてねェぞ、ンな事」

11111号「何故一々あなたに知らせなければならないのですか?
      そんなにミサカ達の一挙一動が気になりますか?ヤンデレですか?
      とミサカは束縛の激しい一方通行に辟易します」ウハァ

一方通行「……」カチカチカチカチカチ……

垣根「ちょ、そんな連打したらチョーカー壊れるぞ!?」

麦野「高橋名人バリの連打速度ね」

御坂「ほ、ほらアンタもいい加減にしときなさいよ!そろそろプッツンいっちゃうわよコイツ!」

718: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/08/19(金) 21:33:38.14 ID:gYAB9kYto

11111号「おっと失礼いたしました、ついつい一方通行を罵倒してしまうのはミサカの悪いクセですね、
      とミサカは舌をちろちろと出しながら謝罪します」テヘペロ

麦野「あ、今のすっごいイラっときた」

一方通行「垣根ェェェェェェ!!!!」カチッ!

垣根「だから何で俺!?頼むから落ち着いてくれ!!」ヒィ

11111号「一方通行、どうか怒りをお収めください、後で上位個体のおさわり券を差し上げますから、
      とミサカは  コン垂涎のブツをちらつかせながら交渉します」

一方通行「いらねェよボケがァァァァァ!!!」

11111号「なんと!?……ってよく考えたら毎日一緒に風呂入ってるんでしたね。
      券なんぞなくても触り放題ならそりゃいりませんか、とミサカは納得します」

一方通行「な、デタラメ言ってンじゃねェぞ!?」

719: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/08/19(金) 21:34:06.81 ID:gYAB9kYto

垣根「一緒にって……」

麦野「うわぁ……」

御坂「一方通行、アンタ……」

一方通行「入ってねェよ!!神に誓って入ってねェ!!」

11111号「超能力者が神に誓っても説得力ありませんよね、とミサカは半笑いでつっこみを入れます」プフー

一方通行「あ゛あ゛あ゛ァァァァァ!!!!」ガチガチガチガチガチ……

垣根「だから連打やめろって!!チョーカーから煙出てるぞオマエ!?」

麦野「第一位もよく耐えてるわねぇ、矛先が私だったらとっくにふっ飛ばしてるわ」


<シクシクシクシク……
<ニャー


720: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/08/19(金) 21:34:40.38 ID:gYAB9kYto

一方通行「……でェ、何が原因で出戻って来やがったンだオマエは」ビキビキビキ

11111号「大丈夫ですか一方通行、何か顔面に血管浮き出て狂経脈みたいになってますよ?
      とミサカは今にも血管がブツンといってしまいそうな一方通行を心配します」

一方通行「心配ならちゃンと話進めてくれねェ?頼むから、マジで」

垣根「俺からも頼むわ、このままじゃいつ俺が殺されるかわかったもんじゃねぇ」

御坂「そろそろ真面目に、ね?これ以上妹達の印象悪くなると私も悲しいから」

11111号「何気にお姉様酷い事言ってね?と思いつつも自覚はあるので深くはつっこまない事にします。
      でまぁ、このミサカが出戻ってきた理由なのですが……」

一方通行「おォ」

11111号「ぶっちゃけわっかんねーんですよ、とミサカは腕組みをしながら首を傾げます」ンー

一方通行「はァ?」

御坂「わかんないってどういう事よ?」

11111号「いえ、何か突然『お願いですから学園都市に帰ってください、面倒見切れません』
      って研究員一同が涙ながらに土下座しはじめまして……」

麦野「……まぁその 格じゃ面倒見切れなくなるのもわかるわね」

一方通行「むしろよく今まで持ったなァ……」

721: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/08/19(金) 21:35:07.30 ID:gYAB9kYto

11111号「……はて?」ンー?

垣根「コイツ自分の 格が腐りまくってるって自覚ねぇのか?」

御坂「さっき妹達の印象が悪くなる自覚はあるみたいな事言ってた気がするんだけど……」

11111号「まぁまぁ細かい事はお気になさらずに。
      そんなわけでお土産をたくさん頂いて晴れて学園都市に戻って来たミサカなのですが、
      なんとも困った事に病院に着く前に道に迷ってしまいまして、
      あわや薄い本的な展開になろうかというピンチをインさんに救っていただいたのです。
      とミサカは颯爽と去っていったインさんに感謝の念を送ります」

垣根「いやまだそこにいるけどな?」

一方通行「つーかオマエが追い出したよな?」

<アケテヨー……

御坂「薄い本って何?」

麦野「簡単に言うと18歳未満購入禁止の同人誌の事よ」

御坂「ふぇ!?」

722: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/08/19(金) 21:35:39.18 ID:gYAB9kYto

11111号「カマトトぶってるお姉様は置いといて、どなたかミサカを病院まで案内していただけませんか?
      とミサカは可愛らしく首を捻りながら懇願してみます」

一方通行「微塵も可愛らしくねェな、微塵切りにして鍋にでもぶちこンでやりてェくれェだ」

11111号「それは遠回しに『食べちゃいたいくらい可愛い』と言っているのでしょうか?
      とミサカは生暖かい視線で素直になれない一方通行を眺めます」

一方通行「あァー、今この瞬間オマエの脳天に隕石振ってこねェかなァ」

垣根「全くの無表情なのにこんだけ悪意が透けて見えるってのもすげえよ」

御坂「わ、私のどこがカマトトぶってるって言うのよ!?」

麦野「BL好きだったり同人誌の意味はしっかり理解してるくせに無知ぶって顔赤らめてる所じゃない?」

御坂「ぐにゅ……」

11111号「『ぐにゅ』は無いわぁ……
      とミサカはわけわからん擬音でかわいいアピールしはじめたお姉様にドン引きします」

御坂「アンタねぇ……」


<……イコ、スフィンクス
<ニャー

723: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/08/19(金) 21:36:35.33 ID:gYAB9kYto

11111号「ふむ、しかし誰も自主的に案内はしてくれなそうですね、
      まったく、こんな美少女が困っているというのに、とミサカは憤慨します」プンプン

一方通行「そりゃ誰もオマエみてェな 悪の道案内したくねェよ」

麦野「今の所第一位以外は大した被害受けてないけどね」

御坂「あの、私もかなりからまれてると思うんだけど……」

11111号「むむむ……仕方ありませんね、ここは探偵事務所ですし、
      正式な仕事として探偵さんに道案内を依頼する事にしましょう、
      とミサカは薄情な皆さんを横目で睨みます」

御坂「どう考えても原因はアンタの言動でしょうに……」

垣根「……まぁ依頼されりゃ道案内くらいしてやるが、ただし報酬はキッチリもらうぞ?」

11111号「ふむ、おいくらで?とミサカはがま口財布を片手に尋ねます」

垣根「前払いで一億円な、払えるか?」ククク

11111号「いいですよ、払いましょう、とミサカはあっさり頷きます」

垣根「えっ、払えんの!?諦めさせる為に法外な額ふっかけたのに!?」

724: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/08/19(金) 21:37:01.48 ID:gYAB9kYto

11111号「フフン、ナメて貰っては困ります。
      このミサカには一方通行という無限にお金の沸いて出るサイフが……」

一方通行「絶ッッッ対払わねェからな?オマエの為に出す金なンざびた一文ありゃしねェよボケが」

11111号「なんですと!?このミサカを見捨てるおつもりですか!?
      とミサカはアテが外れたことに目を見開きながら驚愕します」

一方通行「あンだけ俺の事罵倒した癖して、なンで俺が素直に金出すと思ってやがったンだ?
      まァ土下座の一つでもしてくれるってンなら垣根と交渉してやってもいいけどよォ」ケケケケ

11111号「く、この鬼畜め……わかりました、仕方がありませんね、とミサカは溜息を吐きながら意気消沈します」ハァ

一方通行「おォ、わかりゃいいンだよ。上下関係はハッキリさせとかねェとなァ。
      それじゃさっさと土下座を……」

11111号「身体で払いましょう、とミサカは上着に手をかけながらていとくんの方へ向き直ります」

一方通行「おいィ!?」

725: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/08/19(金) 21:37:28.27 ID:gYAB9kYto

御坂「ちょ、ちょっと何やってんのよアンタ!?」

11111号「止めないでくださいお姉様、もはやミサカに残された道は
      このダイナマイトバディでていとくんを悩殺するしか……」

御坂「止めるに決まってんでしょうがああ!!!私と同じ顔でそんな事しないでよおおお!!!」

垣根「オマエは自分の身体に一億の価値があると思ってんのか……つーかていとくんって何だコラ」

麦野「ダイナマイトどころか、いいとこ不発弾よね」

11111号「言われてますよお姉様」

御坂「だ、だから何で私なのよ!?」

11111号「体型も全く同じですし。ちなみにこのミサカのスリーサイズは上から……」

御坂「ぎゃあああああ!!!やめなさい!!やめてえええ!!!」

11111号「やめて欲しくばこのミサカを病院まで案内してください、
      とミサカはお姉様に交渉を持ちかけます」

御坂「えぇー……」

726: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/08/19(金) 21:38:11.14 ID:gYAB9kYto

11111号「上から7……」

御坂「わ、わかったわよ!!案内してあげるから!!」

11111号「はい、ではよろしくお願いしますね、とミサカはニッコリ微笑みます」ニコッ

麦野「笑顔怖!」

一方通行「なンて邪悪な笑顔だ……」

垣根「麦野の笑顔でももうちょいマシだぞ……」

麦野「おい」


御坂「うぅ……それじゃ私この子連れて病院まで行ってくるから……」

垣根「あ、あぁ」

麦野「行ってらっしゃい」

一方通行「なンつーか、頑張れよ?」

11111号「本当は一方通行にエスコートしてもらいたかったんですが、
      ちょっと今は一方通行を脅す為の手駒が少ないので仕方がありませんね、
      とミサカは己の準備不足を悔やみます」チィ

一方通行「オマエは俺になンの恨みがあンだよ……」

11111号「フフ、まぁ気にしないでください。さぁお姉様行きましょう、
      とミサカはお姉様の背中をぐいぐい押します」グイグイ

御坂「ちょ、ちょっとそんなに押さなくてもちゃんと案内してあげるから!
   あーもう、じゃあまたね!」ガチャ

11111号「それでは皆さん御機嫌よう、とミサカはにこやかに手を振りながらドアを閉じます」バタン

727: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/08/19(金) 21:39:14.65 ID:gYAB9kYto


一方通行「……行ったかァ」

垣根「まるで暴風雨だったな」

麦野「妹達って皆あんなんなわけ?」

一方通行「俺も全部のを知ってるわけじゃねェが、多分ありゃ特別だろ。
      学園都市に住んでる他の妹達はもォちょいマシだ」

垣根「それでももうちょいなのかよ……」


11111号「あーそうそう、忘れてましたが、」ガチャ

一方通行「!?」

垣根「何だ、まだいやがったのか」

11111号「先にも言った通り、お土産がありますのでまた今度渡しに来ますね、どうぞお楽しみに、
      とミサカはウインクしつつ再登場フラグをしっかり立てて退散します」バタン

一方通行「ぐはァァァ!!」

垣根「一方通行!?」

一方通行「あ、アイツまだ出張る気かよ……助けてくれ、胃に穴が開いちまいそォだ……」ハァハァ

麦野「てかもう開いてんじゃない?」

762: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/08/23(火) 20:06:35.99 ID:a/bdNfIGo

11111号「やぁやぁ奇遇ですね、とミサカは道行く一方通行に挨拶をしてみます」

一方通行「……」カツカツ

11111号「立てた再登場フラグを回収しに来ました、ワンモアミサカです、
      とミサカは歩き去ろうとする一方通行に並んで歩きながら笑顔で語りかけます」

一方通行「……」カツカツ

11111号「おぉっと一方通行、意外にもこのミサカの事を完全スルー。
      無理は身体に毒ですよ?ミサカと話したいんでしょう?お土産欲しいんでしょう?
      とミサカは外からのお土産の入った鞄をチラつかせながら誘惑してみます」

一方通行「……」カツカツ

11111号「おいおいマジで無視かよ、パパから女の子の扱い方を学ばなかったのか、坊や?
      とミサカはアメリカンテイストな挑発をしつつ一方通行の脇腹をつっつきます」ツンツン

一方通行「……ク」カツカツ

11111号「反応しましたね?今ちょっとくすぐったそうにしましたね?
      とミサカはあっさりポーカーフェイスの崩れた一方通行を嘲笑します」プゲラ

763: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/08/23(火) 20:07:10.28 ID:a/bdNfIGo

一方通行「……」カツカツカツカツ

11111号「あー一方通行、杖ついてるくせにそんなスピードで走ると……」

一方通行「おぐっ!?」ビターン

11111号「言わんこっちゃない、とミサカは無様にすっ転んだ一方通行を溜息混じりに見下ろします」ジ-

一方通行「だァァァァァもォ!!!何なンだよオマエはよォォォォォォ!!!」

11111号「検体番号11111号のミサカですが」

一方通行「知ってンよボケがァ!!!」

11111号「じゃあ聞くなよ、とミサカは呆れ顔で肩をすくめます」ヤレヤレ

一方通行「そォいう事じゃねェ、そォいう事じゃねェンだよ……」

11111号「まぁ落ち着いてください、一先ず立ちましょう?
      とミサカは地べたに座り込んだままの一方通行に手を差し伸べます」ス

一方通行「罠なのが見え透いてンだよボケ、何企ンでンだ」チッ

11111号「いえ何も……て言うかこのミサカは最初からあなたにお土産渡そうとしてただけなのですが、
      とミサカは話も聞かずにミサカを悪者にしようとする一方通行に憤慨します」プンスカ

764: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/08/23(火) 20:08:00.75 ID:a/bdNfIGo

一方通行「信用出来っか!言っとくけどオマエ第一位印象最悪だからな?」ギロ

11111号「第一印象で言ったら間違いなくあなたの方が最悪ですけどね?特にミサカ達からは。
      とミサカは黒い発言で返してみます」

一方通行「すンませンでした」

11111号「まぁまぁそう萎縮しないでください、
      少なくともこのミサカはあなたに対してこれっぽっちも恨みなど抱いておりません。
      あなたをからかうのは純然たる趣味です、とミサカはぶっちゃけてみます」

一方通行「オマエちょっと一発殴ってもいいか?」

11111号「構いませんよ?一発と言わず何発でもどうぞ、むしろウェルカムです。
      とミサカは期待に満ちた熱っぽい目で一方通行を見つめてみます。
      さぁ早く!さぁさぁさぁさぁ!!ハリーハリーハリーハリー!!」ハァハァハァ

一方通行「あァそォ、そォいう方面もカバーしてンのか、オマエ鉄壁だなちくしょォ」

11111号「誰の胸が絶壁ですか!お姉様に謝罪してきなさい!
      とミサカは己の豊満なバストを突き出しながら一方通行を叱責します」ズイ

一方通行「うるっせェンだよこの嘆きの壁がァァァァ!!!
      ねェモンを無理にアピールしようとしてンじゃねェェェェ!!」

11111号「な、嘆きの壁!?」

765: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/08/23(火) 20:08:27.51 ID:a/bdNfIGo

一方通行「もォいい!もォ十分だ!今までのやり取りでオマエがどンな存在かは痛ェほど良くわかった!!
      結論、オマエなンざ垣根と同じ扱いで十分だボケがァァァァ!!!」

11111号「あぁ!?ていとくんと同じ!?人間として最底辺の扱いって事じゃねえか!!
      ミサカだって妹達の一員なんだぞ!!他の妹達と同じように大事に扱えよ!!
      とミサカは何か吹っ切れちゃった一方通行に待遇の改善を要求します!」

一方通行「うっせェこの三下が!!大事にされてェンならそれ相応の態度を取ってみやがれってンだ!!」

11111号「ついには三下呼ばわり!?ははぁ、あなたは従順な女 が好きですもんね!
      何でも思い通りになる女 が大好きですもんね!?流石はxx!!
      このミサカにも首輪をつけて擦り寄って欲しいというわけですか!
      とミサカはxx白モヤシのxx丸出しな願望にドン引きします」ウワァ

一方通行「xxxxうっせェンだよクソボケがァァァァ!!!
      そもそも偉そうォにしてっけどオマエら妹達にどンだけ経験があるってンだ!?」

11111号「やだ、こんな街中でそんな事を大声で聞くだなんて……
      とミサカは顔を赤らめながら今のあなたの発言を即座にMNWに放流します。
      おーい皆、一方通行がミサカ達の 的な経験談に興味津々らしいぜー」

一方通行「ほあああァァァァァ!!!?」

766: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/08/23(火) 20:08:58.21 ID:a/bdNfIGo

11111号「おぉっと、上位個体と番外個体が食い付きました。家に帰ってからが楽しみですね?
      とミサカはにっこり微笑みながら迂闊な一方通行を指差し嘲笑います」プギャー

一方通行「ちくしょォ、ちくしょォ……」

11111号「で、そろそろ当初の目的を果たしましょうか、とミサカは鞄を漁ります」ゴソゴソ

一方通行「あァ……?」

11111号「はいこれ、どうぞ、とミサカは鞄から取り出したお土産を一方通行に手渡します」ス

一方通行「……なァンですかァ?この錠剤……」

11111号「胃薬です」

一方通行「……なンで?」

11111号「最近ストレスで胃がやられてるんでしょう?もっと自分の身体を労わってあげてください。
      とミサカは慈愛に満ちた眼差しで一方通行を心配します」

767: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/08/23(火) 20:09:31.06 ID:a/bdNfIGo

一方通行「胃痛の原因の半分は間違いなくオマエだよ!!」

11111号「チッ、まだ半分程度ですか……もっとあなたを釘付けにしなければなりませんね、
      とミサカは己の至らなさを反省し更なる精進を誓います」

一方通行「あァもォ今ので七割くらいになったわ」

11111号「まぁ冗談はさておき、その胃薬は是非持っていてください。きっと役に立ちますから、
      とミサカは胃薬がRPGのキーアイテム的な重要さを秘めていることを仄めかします」

一方通行「今まさに役に立ちそォなンですけどォ……
      つーか俺の胃痛の原因の大部分がオマエだってのは冗談でも何でもねェ」

11111号「あ、それともう一つ、とミサカは再び鞄を漁ります」ゴソゴソ

一方通行「あ?まだあンのか?つーかこの胃薬はマジで土産なのかよ」

11111号「どうぞ、LOです、とミサカは  コン向け成人雑誌を差し出します」

一方通行「死ね」

768: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/08/23(火) 20:09:59.87 ID:a/bdNfIGo



「はァ、ったく……」


 能力を使用し全力で11111号を振り切った一方通行は、
軽く頭を抱えながらも、そのまま垣根探偵事務所へ向かう。
本来、今日は事務所に行く予定はなく、彼はコンビニへコーヒーを買いに行こうとしていただけだったのだが、
11111号がMNWに余計なものを流したせいで真っ直ぐ家に帰るわけにはいかなくなってしまったのだ。
何か上手い言い訳の一つでも考えておかねば、打ち止めや番外個体に何を言われるかわかったものではない。


※ちなみにLOは受け取りませんでした


「あァークソ、何なンだアイツ……」


 探偵事務所の階段を上りつつ、一方通行は先日からの出来事を思い出し、一人ごちる。
アイツ、とは無論11111号の事である。目を閉じると彼女の悪意に満ちた無表情が浮かぶようだ。
たった二度しか遭遇していないというのに、随分と強烈な印象を植え付けられたものである。

 妹達に個 が芽生え、それぞれが異なる思考や趣向を持ち、独立した個人へと成長していく。
一方通行はそれをとても喜ばしい事だと思っている。思っているのだが……

769: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/08/23(火) 20:10:26.28 ID:a/bdNfIGo


「それでもアレはねェだろ、個 的ってレベルじゃねェ」


 呟きつつ、ハァと大きく溜息を吐く。
平常時から白い彼だが今日はまた一段と白く見えるような気がする。


「打ち止めに頼ンだら何とかならねェかな……つーかアイツ番外個体よりよっぽど 質悪くねェ?」


 もう一回学習装置使ってマトモな人格に摩り替えたり出来ないだろうか、
一方通行は割と真剣にそんな事を考えつつ、探偵事務所の扉に手をかける。

 何だかんだで、一方通行は垣根探偵事務所という場所が結構気に入っていた。
彼にとってこの場所は、打ち止めや番外個体の構って攻撃や口うるさい保護者から解放され、
好き勝手にだらだらする事が出来る快適空間なのである。
別に打ち止め達の相手をするのがそれほどイヤだというわけではないのだが、
一方通行とて多感な時期の少年なのだ、家族的な存在から距離を置きたくなる事もある。
そんな時の逃避先がこの垣根探偵事務所だというわけだ。

 今日も垣根にコーヒーを淹れさせ、それをすすりつつのんびりと打ち止め達への言い訳を考えよう。
これからの予定を頭に思い浮かべながら、一方通行は事務所の扉を押し開いた。

770: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/08/23(火) 20:11:03.98 ID:a/bdNfIGo


「いやぁそれにしても美琴ちゃんの控えめな胸は羨ましいわぁ、私なんてこんなだからさぁ、
大きすぎると逆に見栄えも悪くなりそうだし、肩は凝るし男の視線は鬱陶しいしでいいことないのよねぇ」

「私も麦野さんのガッシリした下半身がすっごく羨ましいわ。
私、どれだけ鍛えても中々足が太くならないのよね。あーあ、こんな細い足でスカート履くの恥ずかしいなー」

「ふふ、大丈夫よ、アンタの足は細くても短いからバランス取れてるわ」

「ありがと、でもアンタの胸もその下半身のインパクトに比べれば控えめだから気にしなくていいと思うわよ?」

「うふふふ」

「あははは」

「お、おい二人ともそんなもんにしとけって、な?」

「何言ってんの?まだまだ褒めたりないわよ」

「ね、褒めたい部分が多すぎて何処から褒めればいいかわからないわ」

「うふふふふ」

「あはははは」

771: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/08/23(火) 20:12:06.30 ID:a/bdNfIGo


「……なンぞこれ」


 先に書いた通り、一方通行は癒しを求めてこの事務所を訪れたはずである。
が、いざ扉を開いてみれば、そこは憩いの空間どころかとんでもない修羅場であった。
御坂と麦野は両者ともに額に青筋を浮かべながらも笑顔を絶やすことなく
互いの身体的特徴を褒めあっており(褒めてんのか?)
家主であるはずの垣根はオロオロと憔悴した顔で二人のやり取りを見守っている。


(……どォ考えてもここにいたらろくな事にならねェ、さっさと帰っちまうか)

「ん、よ、よう一方通行、来てたのか」

(チィ、気付かれちまったか……)


 即座に踵を返そうとした一方通行であったが、なんとも運悪く垣根に見つかってしまう。
垣根なんぞ無視してさっさとここを離れるのがベストだと頭では理解しているのだが、
如何せん、垣根の打ち捨てられた子犬のような目を見ているとそんな気分にもなれず、
一方通行は大きく溜息を吐きつつ事務所内へ歩を進め、垣根の隣から女の戦いを眺める事にした。

772: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/08/23(火) 20:12:37.12 ID:a/bdNfIGo

一方通行「……」

垣根「よく来てくれた、そろそろ逃げ出そうかと思ってた所だぜ……」


御坂「それにしても麦野さんはお化粧上手いわよね、羨ましいなー。
   私ってお化粧する必要がないからいつまでたっても化粧の技術が向上しないのよね」ニコニコ

麦野「化粧品代って結構馬鹿にならないし、化粧なんて覚えない方がいいわよ?
   やっぱり肌にも良くないから、しなくて済むんならそれが一番よ?
   それに元が良くないと化粧しても大して意味無いし、
   アンタみたいに化粧する必要がない程度の顔してる子が羨ましいわぁ」クスクス

御坂「あはははは」

麦野「うふふふふ」


一方通行「……何なンだコレ?」

垣根「何なんだろうな、コレ」

773: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/08/23(火) 20:13:27.18 ID:a/bdNfIGo


御坂「あぁそれにしても麦野さんが羨ましいわ、
   想い人に既に恋人がいるお陰で新しい恋を探せる麦野さんが羨ましいわー。
   私の想い人はずっとフリーだから、私はいつまで経ってもアイツの事見てなきゃいけないのよねー」ニタニタ

麦野「一途な恋を貫ける美琴ちゃんが羨ましいわね、既に女と同棲してて、
   クリスマスにアクセサリのプレゼントまで考えてる男の事をフリーだと言い切れる
   美琴ちゃんの脳味噌お花畑っぷりが本当に羨ましくて仕方ないわ」ニヤニヤ

御坂「あはははははははは」

麦野「うふふふふふふふふ」


垣根「見てるだけで胃が痛くなってきたぜ……」

一方通行「……胃薬あンぞ、飲むか?」

垣根「気が利くな、貰うわ……」

一方通行「ン、俺も飲むから水汲んできてくれ。
      ……胃薬が重要なキーアイテムになるってこォいう事か……」

774: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/08/23(火) 20:14:12.57 ID:a/bdNfIGo


御坂「ねぇ麦野さん、ちょっと二人で外歩かない?私、一度アンタとじっっくり話し込んで見たかったの」ニコ

麦野「奇遇ね、私も丁度二人で散歩に行きたいと思ってた所なのよ」クス

御坂「へえ、私達って気が合うわね」ニコニコ

麦野「えぇ、私はアンタの事が大好きよ?剥製にしてずっと家に飾って置きたいほどね」クスクス

御坂「私も麦野さんの事大好き、だからいつも空の上から見守ってて欲しいな」ニタァ

麦野「ふふふ、行きましょうか」ガタ

御坂「えぇ、行きましょう」ガタン

麦野「うふふふふふふふふふふふ」テクテク

御坂「あははははははははははは」テクテク


ドア<バタン


一方通行「……」

垣根「……」

775: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/08/23(火) 20:14:53.25 ID:a/bdNfIGo


<オラァァァァ!!チョウシコイテンジャネェゾクソガキガァァァァ!!!
<フザケテンジャナイワヨ、コノオバサン!!クロコゲニシテヤルワァァァ!!


垣根「……胃薬、もう一つ貰えるか?」

一方通行「おォ……つーか何?何があったンだよアイツら」


<パリイ!パリイ!パリイ!ッテカァ!!ワラワセンナクソガキィィィ!!
<ウルッサイノヨ!ビームウツシカノウノナイカクシタガァァァ!!


垣根「……あの、アイツ、この前のクローンが第三位に土産持って来たんだけどよ」

一方通行「おォ」


<オ、オマエラ、コンナマチナカデナニヤッテンダ!?
<ア、アブナインダヨ、トウマ!

<アァ?ナンダテメェ!?
<サガッテナサイ!ケガスルワヨ!!

776: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/08/23(火) 20:15:20.42 ID:a/bdNfIGo

垣根「その土産ってのが豊胸マシーンでな……麦野がそれをからかった事から発展して、
   気付いたらあんな感じになってやがった」

一方通行「結局あのクソッタレが全ての元凶かァ……」ハァ


<ト、トニカクヤメロッテ、フタリトモ!マワリニメイワクダロ!?

<カァンケイネェェェンダヨォォォォ!!
<サガッテロツッテンデショウガァァァァァ!!

<ギャァァァァフコウダァァァァァァ!!!
<ト、トウマァァァァ!!!


垣根「……何か一般人巻き込まれてねぇ?」

一方通行「……俺には何も聞こえねェな」


<オワリダヨォォォォォォ!!!!
<アンタガネェェェェェェ!!!!

ドゴォォォォォォォォォォ!!!

777: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/08/23(火) 20:15:47.01 ID:a/bdNfIGo


垣根「……」

一方通行「……」


ドア<ガチャ


垣根「……戻って来たか?」

一方通行「さて、超電磁砲か第四位か、どっちだろォな」クルッ

11111号「いえ、ミサカですが?とミサカは……」

垣根「帰れええええええ!!!!」

一方通行「胃薬、胃薬……」ゴフゥ



818: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/08/27(土) 12:52:05.84 ID:j6LHu6+oo

ジングルベールジングルベール♪


垣根「いやぁクリスマスイブですねえ麦野さん」

麦野「そうねえ垣根くん」

垣根「当探偵事務所も開業から早1ヵ月半経過ですよ麦野さん」

麦野「早いものねえ垣根くん」

垣根「そんな事より見てください窓の外、こんなに寒いのにカップルであふれ返ってますよ」

麦野「全員死ねばいいのにね」

垣根「そもそもオマエら十字教徒でもないくせに何浮かれてんだボケって感じですよね」

麦野「クリスマス祝って除夜の鐘聞いて正月行事やってって、本当に意味わからないわよねー」

垣根「そういう意味不明な連中って許せませんよね。その点俺は熱心な仏教徒ですから、
   西洋の天使っぽい羽生えますけど仏教徒ですから、クリスマスとかマジでアウトオブ眼中ですから」

麦野「はいはい私も同じでーす。クリスマスを祝ってやる義理なんてこれっぽっちもありませーん」

819: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/08/27(土) 12:52:34.14 ID:j6LHu6+oo

垣根「で、何とも悲しい事にこんな日に限って一方通行も第三位もやって来ません」

麦野「毎日毎日用も無いのに入り浸ってたくせにどうしのかしらね」

垣根「きっと今頃どこかでクリスマスだって浮かれてるんでしょうね、あの馬鹿どもは」

麦野「嘆かわしい事よね、超能力者ともあろう者がそんな俗世のお祭り騒ぎに踊らされるなんて」


垣根「……」

麦野「……」


垣根「つーか何!?マジで何なの!?アイツらなら今日も何食わぬ顔で現れてくれると思ってたのによぉ!!
   昨日まで普通に来てたじゃん!?『明日クリスマスイブだな』って話振っても
   『そういやそうだっけ』くらいの反応しかしてなかったじゃん!?」

麦野「全く裏切られた気分よ!!これ見よがしに今日だけ尋ねて来ないなんてどんな嫌味!?
   私らの事馬鹿にしてんのかクソが!!!」

垣根「言っとくけどなぁ麦野!!俺をオマエみてえな負け犬と一緒にしてんじゃねえぞ!?
   俺はアイツら二人が尋ねてきてもいいようにと思ってここで待機してたんだ、相手がいないわけじゃねえ!
   それとほら、俺仏教徒だから!クリスマス祝う義理なんてねえから!!」

麦野「ハッ、私だって予定なんかいくらでもあったわよ!!
   でもね、馬鹿どもが寂しがらないようにそれ全部蹴ってここで待機してたんだよ!!
   それに私の家も熱心な浄土真宗だったから!クリスマスなんて知ったこっちゃねえんだよ!!」

820: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/08/27(土) 12:53:01.10 ID:j6LHu6+oo

垣根「フン!知ったこっちゃねえ何て言ってる割には随分念入りに部屋の飾りつけしてやがったじゃねえか!!
   もみの木のクリスマスツリーまで買ってきやがって!!何がしてえんだテメェは!!」

麦野「テメェこそ冷蔵庫に入ってるあの馬鹿デカいケーキは何だよ!?
   あんなもん手作りしやがって、気持ち悪いったらありゃしないわ!!
   それに知ってんのよ?テメェがサンタのコスプレ衣装に付け髭まで用意してるって事!!」

垣根「け、ケーキは俺が食いたくなったから作ったんだよ!!
   サンタ服はあれだ、安かったから部屋着にでもしようと思ってただけだ!!
   俺は別に皆でクリスマスパーティーやりたかったとかそんな事思っちゃいねえよ!!」

麦野「私だってそんな事思ってないわ!!クリスマスツリーは、その……
   か、観葉植物代わりよ!!この事務所殺風景過ぎだし!!この時期はもみの木が安いのよ!!」

垣根「……」

麦野「……」

垣根・麦野「「……ハァ」」ガックリ

垣根「もみの木重かったろ?お疲れさん……」

麦野「アンタこそ、マジパンでサンタのミニチュアまで作って……器用なのね」

821: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/08/27(土) 12:53:26.63 ID:j6LHu6+oo

垣根「なぁ、マジな話、オマエ他に予定とか無かったのか?
   アイテム連中で何かしたりしねえの?」

麦野「……滝壺と浜面は 夜、絹旗は何か『サンタを歓迎する準備で忙しい』とか
   『今年こそサンタを捕まえてやる』とか言ってて話にならなかったわ」

垣根「そうか……」

麦野「アンタの方こそ、一緒に過ごす相手いなかったわけ?
   例えばほら、スクールやってた時にアンタと一緒にいたあのドレス着た女とか」

垣根「……ぶっちゃけ俺、アイツの連絡先どころか本名すら知らねえ。
   そもそもアイツは俺が生き返ったこと知らねえと思う」

麦野「そっか……」

垣根「……それより何で来ねえんだろうなぁ、あの二人」

麦野「さぁ、考えたくもないけど……何かしら予定があったって事でしょ……」ハァ

垣根「違うな……間違っているぞ!」

麦野「あぁ?」

822: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/08/27(土) 12:53:52.48 ID:j6LHu6+oo

垣根「アイツらはきっと、何か事件に巻き込まれて身動きが取れなくなっているに違いねえ」

麦野「……」

垣根「ここは探偵としてアイツらの身に何が起きているのか、アイツらが何をしてるのか、
   真相を暴く必要があるんじゃないでしょうか!!」

麦野「……ごめん、流石にクリスマスに知り合いを出歯亀しようと思うほど堕ちてねぇわ」

垣根「違う!断じて覗き行為ではない!!真実を追究しようという、探偵の知的探究心だ!!」

麦野「つーかさぁ、 第一位も第三位もクリスマスに二人で過ごすような相手いねえだろ。
   多分アンタが期待してるような事はやってないと思うわよ?
   精々知り合いとパーティー開いてるくらいじゃない?」

垣根「いやもうそんなん関係ないって、ただあの二人がクリスマス楽しんでんのが許せねえ」

麦野「……本音ぶっちゃけたわね」

垣根「そんなわけで俺は行く。楽しいクリスマスなんざこの俺がぶっ壊す。
   俺からアイツらへのクリスマスプレゼントだこんちくしょう」

麦野「最悪なクリスマスプレゼントもあったもんね……私は行かねぇぞ?」

垣根「おう、アイツらのクリスマス叩き潰してここまで引っ張ってくるから待ってろ!」バサッ

麦野「はいはい行ってらっしゃい」

823: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/08/27(土) 12:54:31.91 ID:j6LHu6+oo


麦野「………テレビでも見てよう」カチ

テレビ<いやぁ、何処もかしこもクリスマスムード一色ですね。
     早速道行くカップルに突撃インタビューを……―プツン

麦野「死ねばいいのに」チッ

麦野「……浜面にイタ電でもかけてみよ」

麦野「……もし出たら前の事謝ってあげてもいいかな」ポチポチ

麦野「今頃滝壺とお楽しみ中だったりしてねー、なんて……」prrrr!prrrr!ガチャ

『も、もしもし、どうしたんだ麦野?』

麦野「(あ、出てくれた……)は、浜づr」

『ま、待て滝壺!!今電話中だって!!ちょ、待て、待、そんな……あぁぁぁぁ!!』

麦野「………」ピ

麦野「………」

麦野「……グスン」エグエグ


824: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/08/27(土) 12:55:00.89 ID:j6LHu6+oo

―浜面さん家


浜面「滝壺ぉ、電話中だから待ってくれって言ったじゃねえかよぅ……」

滝壺「はまづら、勝負の世界は非情なんだよ?」ピコピコ

浜面「だからってタイム解除する事ないよね!?俺のマリオ最下位になってるじゃん!!
   あ、悪い麦野、ちょっと滝壺とマリオカートしてて……ってあら、切れてる?」ツーツーツー

滝壺「むぎの、何か言ってた?」

浜面「いや、用件聞く前に切れちまった。麦野から連絡来るなんて相当久々だったんだが……かけ直してみるか」

滝壺「大事な用事ならまた向こうからかかってくるんじゃないかな?
   それよりはまづら、早くコントローラー持たないと周回遅れになっちゃうよ?」

浜面「うおぉ!?ち、ちくしょう、見せてやるぜ俺の底力ぁぁぁぁ!!!」

滝壺「応援してるよ、はまづら」ピコピコ


滝壺(……計画通り)ニヤリ


825: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/08/27(土) 12:55:41.52 ID:j6LHu6+oo

―黄泉川家


黄泉川「メリークリスマスじゃん、皆ー!」パーン!

一方通行「いきなりクラッカー鳴らしてンじゃねェよ、うざってェ……」

打ち止め「わーいクリスマスだクリスマスだー!ってミサカはミサカは大はしゃぎ!!
      ねぇねぇサンタさんは?サンタさんはまだ来ないのかな?」

番外個体「あれ、知らないの?サンタさんはいい子のところにしか来ないんだよ?」

打ち止め「み、ミサカいい子だもん!ってミサカはミサカは胸を張りつつも
      やっぱりちょっと不安で周囲を見回してみたり……」

黄泉川「大丈夫大丈夫、打ち止めはいい子じゃん?きっとサンタさんも来てくれるじゃんよ。
     な、一方通行?」

一方通行「知るかボケ、俺に振るンじゃねェ」

芳川「私にも来てくれないかしら、サンタクロース」

番外個体「そうだね、仕事でもプレゼントしに来てくれればいいのにねー」ケケケケ

芳川「サンタなんてクソ喰らえね」

826: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/08/27(土) 12:56:11.83 ID:j6LHu6+oo

黄泉川「さ、それより晩御飯の準備が出来たから皆食べるじゃん?
     食後にケーキも用意してあるじゃんよ」

打ち止め「ケーキケーキー!ってミサカはミサカは喜びのあまり小躍りしてみたり!」

黄泉川「まぁまぁそう焦らず、まずはご馳走を食べてからじゃん」

番外個体「しっかしさぁ、ニートな芳川や社会不適合者な第一位は仕方ないにしても、
      黄泉川はその歳でクリスマス一緒に過ごす相手がいないってどうなの?寂しくないわけ?」

黄泉川「……うちはアメリカ式だから、クリスマスは家族で過ごすって決めてるじゃん」

番外個体「何それすっごい初耳なんですけどー?
      て言うか最近はアメリカでも恋人と過ごす日になりつつあるらしいよ?」

黄泉川「ぐぬぬ……」

一方通行「番外個体、そンなもンにしといてやれ、黄泉川ちょっと涙目になってンだろ……」

番外個体「ありゃ?ごめんね、痛いとこついちゃって☆」

黄泉川「な、なってないし痛くも痒くもないじゃん!?
     私はお前達とクリスマス一緒に過ごせる事に心から満足してるじゃん!」

芳川「あら嬉しい事言ってくれるじゃない。これからもよろしくね?」

黄泉川「いやお前はさっさと働け」

827: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/08/27(土) 12:56:53.71 ID:j6LHu6+oo

番外個体「ところでさぁ第一位、折角のクリスマスだって言うのに
      第一位はミサカ達にプレゼントの一つも出来ない甲斐 なしなの?」

芳川「甲斐 なしなのかしら?」

一方通行「はァ?なァンで俺がオマエらにプレゼントなンざ買い与えなきゃならねェンだ?
      つーかこそっと便乗してンじゃねェぞ芳川、甲斐 なしはオマエだろォが」

打ち止め「そうだよ!クリスマスプレゼントっていうのはサンタさんに貰うものなんだから!
      ってミサカはミサカは無理言ってこの人を困らせようとしてる番外個体を嗜めてみたり!」

番外個体「だってミサカいい子じゃないしー?サンタからはプレゼント貰えないだろうから、
      代わりに第一位が可哀想なミサカにプレゼントくれてもいいじゃん?」

一方通行「可哀想なのはオマエじゃなくてオマエの頭だボケ」

打ち止め「いい子にしてなかったんならプレゼント貰えなくても自業自得だよ!
      ミサカはこの日の為に買い物や家事のお手伝い頑張ったもんねー!
      ってミサカはミサカは自分の行動に抜かりがない事に胸を張ってみたり!」

芳川「果たしてプレゼント目当てに家の手伝いをする打算的な子が『いい子』と言えるのかしら?」

打ち止め「え!?」

828: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/08/27(土) 12:57:30.42 ID:j6LHu6+oo

芳川「普段からありのままの自分を曝け出している私こそ真のいい子よ。
   と言う訳で愛穂、私にプレゼントを……」

黄泉川「お前マジでしばらく黙っとくじゃんよ」

打ち止め「あわわわわ……み、ミサカはいい子だよね?ね?」

黄泉川「だ、大丈夫じゃん、打ち止めはいい子だから安心するじゃん、な?」

打ち止め「う、うん……ってミサカはミサカは……」

番外個体「いやぁどうかなー、サンタクロースは最終信号の卑しい考えなんかお見通しかも知れないよ?
      もしミサカがサンタだったらプレゼント目当てにいい子を演じるような
      意地汚い子にはプレゼント上げようとは思わないなー、うひゃひゃひゃひゃ!!」

打ち止め「あわわわわわわ……」ガタガタ

黄泉川「あーもう!これ以上打ち止めをからかうのはやめるじゃん!!」

番外個体「だってー、ミサカだけプレゼント貰えないなんて不公平じゃん?」ブーブー

829: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/08/27(土) 12:58:01.05 ID:j6LHu6+oo

黄泉川「はぁ……一方通行」チラ

一方通行「チッ、仕方ねェ……ほらよ」ポイ

番外個体「わっと、何さこの袋?」ガサ

一方通行「いいから開けてみろ」

番外個体「んー?」ガサガサ

打ち止め「何々?何貰ったの?ってミサカはミサカは後ろから覗き込もうと必死に背伸びしてみたり」

番外個体「これ、ストール……?ね、ねぇ第一位、これは……」

一方通行「言わなくてわかンだろォが、
      サンタさンの来てくれない可哀想な番外個体ちゃンへのクリスマスプレゼントですよォ。
      さっきからぐだぐだうざってェからオマエには先に渡しといてやる」

番外個体「用意してくれてたんだ……ふ、ふん!折角だから貰っといてあげるよ!
      センスの無い第一位にしては中々悪くないもの選んだんじゃないかな!」

一方通行「礼の一つくらいマトモに言えねェのか?いや、言われても気持ち悪ィけど」

830: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/08/27(土) 12:58:36.32 ID:j6LHu6+oo

打ち止め「ああああ!!!ずーるーいー!!ミサカも!ミサカもあなたからのプレゼントが欲しいー!!
      ってミサカはミサカは両手を振り回して駄々をこねてみたり!!」

番外個体「ふっふーん、いい子の最終信号はサンタからプレゼント貰うんでしょー?
      あんまり無理言って第一位を困らせちゃダメだよ?ぎゃは☆」

打ち止め「うああああああん!!」ビエエエ

一方通行「あァもォ、泣くンじゃねェよ……」ハァ

打ち止め「だって、だって、み、ミサカはサンタさんからのプレゼントよりも
      あなたからのプレゼントの方が……ってミサカは、ミサカは……」グスン

一方通行「……おい黄泉川、打ち止めにも今渡しちまって構わねェか?うるせェし」

黄泉川「ん、まぁ仕方ないじゃんね?」

一方通行「はァ……ほらよ打ち止め、受け取れ」ポン

打ち止め「え、これ、ゲコ太のぬいぐるみ……?も、貰っちゃっていいの!?
      ってミサカはミサカは目を輝かせながらゲコ太を抱きしめてみる!」ギュ

一方通行「おォ、そン代わりオマエ今駄々こねて周りを困らせやがったからなァ、
      サンタからのプレゼントは貰えねェかも知れねェぞ?」

打ち止め「構わないよ!ミサカはあなたからのプレゼントが一番だもん!!
      ってミサカはミサカはあなたの胸に飛び込んでみたり!」ガバッ

一方通行「くっついてくンなうざってェ」

831: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/08/27(土) 12:59:11.04 ID:j6LHu6+oo

番外個体「あーあ、相変わらず最終信号にはお優しいねぇ第一位は」

一方通行「オマエももォちょっと可愛げがありゃァ優しくしてやンよ」チッ

番外個体「ストールありがとう!ってミサカはミサカは第一位に抱きついてみたり!
      ってか!?なんじゃそりゃ!!うひゃひゃひゃひゃ!!」ガシ

一方通行「おい番外個体放せ、それは抱きついてンじゃなくてただのチョークスリーパーだ」

芳川「ねえ一方通行、私には……」

一方通行「地獄巡りの片道切符なンてどォだクソニート」カチッ

芳川「ナチュラルにスイッチを入れたわね……ちょっと私に辛く当たりすぎじゃない?」

黄泉川「一方通行、私の分は無いじゃん?」

一方通行「オマエもかよ!?ババアが二人して一回りも二回りも年下の男にたかってンじゃねェ!!」

黄泉川「そこまでは離れてないじゃん!?」

芳川「訂正しなさい一方通行!流石にそれは許せないわ!」

一方通行「あァァァうぜェ!!大体なンで俺がやる側なンだよ!?
      年齢的には貰う側でもおかしくねェはずだろォが!!」

832: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/08/27(土) 13:00:08.15 ID:j6LHu6+oo

―窓の外


垣根「……」

垣根「……何これ、あのモヤシ野郎ハーレムじゃん」

垣根「幼女、同年代、年上、綺麗どころ選り取り見取りじゃねえか」

垣根「あぁムカつく、ぶっ殺してえ。
   こっちがどんな気分でケーキまで焼いて待ってたと思ってやがんだ」

垣根「何が悲しくて麦野と二人で……ん?」

垣根「クリスマスに麦野と二人きりって結構願ってもない状況だったんじゃね?あれ?」

垣根「……まぁいい、『年齢的には貰う側』確かにそう言ったな一方通行」

垣根「いいぜ……オマエの願い、叶えてやる……なぁ、結標淡希?」ククク

結標「ふふ……『プレゼントは私』ってやつね?」ニヤリ

833: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/08/27(土) 13:00:40.48 ID:j6LHu6+oo

垣根「いやぁ、わざわざテメェを病院から強奪して来た甲斐があったぜ、
   こんな胸糞悪い光景見せられたんじゃ、ちょっとやそっとの妨害じゃ気が済まねえからな」ククク

結標「私は一方通行に私の身体をプレゼントする、一方通行は私に  をプレゼントする、
   win-winの関係ね!上手く事が運べばアルビノショタを量産する計画が大きく前進するわ!!」

垣根(あ、やっぱり気持ち悪いなコイツ)

結標「それじゃ行ってくるわね、ここまで連れて来てくれてありがとう」

垣根「いいって事よ、前の仕事のアフターサービスみてえなもんだ」

結標「とう!」ヒュン!

垣根「ケケケケケ、地獄を見るがいいぜ一方通行……ッ!!」

834: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/08/27(土) 13:01:12.66 ID:j6LHu6+oo


結標「久しぶりね一方通行」ヒュン

一方通行「む、結標ェ!?」ガタン

黄泉川「ん、どちら様じゃん?」

打ち止め「あー!あなたはー!!」

番外個体「いつぞやの捏造写真に写ってた赤毛だね、何しに来たんだろ?」

一方通行「お、オマエなンで……当分病院から出れねェはずだろォが!!」

結標「今夜はイブよ?奇跡が起きても不思議じゃないわ」フ

一方通行「ンなマイナス方向の奇跡いらねェよ!!!」

結標「さぁ一方通行……プレゼントは、わ・た・し……」ジリジリ

一方通行「近寄って来ンなァァァァァァ!!!!」

結標「とりあえずそのチョーカー飛ばしちゃおうか、邪魔だし」

一方通行「しま……ッ」ヒュ


835: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/08/27(土) 13:01:40.96 ID:j6LHu6+oo





―大変お見苦しい事になる為途中経過はカットさせて頂きます―





836: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/08/27(土) 13:02:16.42 ID:j6LHu6+oo


<ウガアアアアihbfwqahq……(バシュゥゥゥ

<ウワアアアアアア!!
<オ、オチツクジャン、アクセラレータ!
<ク、クロイハネガァァァァ!!

<ワタシガホシイノハ、クロイノジャナクテシロイノヨ!!


垣根「うわぁ……」ドンビキ

垣根「違う、違うんだ……俺はちょっと一方通行が楽しんでるのに水を差したかっただけで、
   こんな阿鼻叫喚の地獄絵図を見たかったわけじゃねえんだ……」ウワァ

垣根「すまなんだ、すまなんだ一方通行……」ウゥ

垣根「……まぁ巻き込まれない内に逃げるか」バサバサ



垣根「さて、一方通行の事は忘れるとしよう、ありゃ不幸な事故だ」

垣根「そういや第三位の方はどうなってるだろうな、
   先んじて変 ツインテを病院から脱走させといたが……とりあえず常盤台の寮に向かってみるか」バサバサ


837: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/08/27(土) 13:03:00.19 ID:j6LHu6+oo

―常盤台寮前


御坂「」グダ

白井「」シーン


垣根「……し、死んでる」ウワァ

御坂「い、生きてるわよ……」ピクピク

垣根「お、おぉ、どうした、何があったんだ?」

御坂「あいたたた……寮でパーティーやってたんだけどさ、突然この子が飛び込んで来て……」

白井「」グッタリ

御坂「寮内では能力の使用は禁止されてるってのに、能力使って私に抱きつこうとするわ
   嘗め回そうとするわ脱がそうとするわの大暴れで、仕方なく私も能力使って迎撃したんだけど、」

垣根「ふんふん、それで?」

838: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/08/27(土) 13:03:31.27 ID:j6LHu6+oo

御坂「運悪くそこを寮監に見つかってね……喧嘩両成敗とかで二人まとめて締め上げられて外にポイ、よ……」ハァ

垣根「超能力者とレベル4の空間移動能力者まとめて締め上げるのかよ、その寮監は人間か?」

御坂「正直人間じゃないと思うわ……てか何でこの子ここにいるのよ、入院してたんじゃないの?」


白井「」


垣根「さぁ、何でだろうな?不思議な事もあるもんだな」シレッ

御坂「あーあ、折角のパーティーだったのに……」

垣根「戻らねえの?」

御坂「うーん今更戻ってもねぇ……黒子が復活したらまた面倒な事になりそうだし」

839: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/08/27(土) 13:04:01.34 ID:j6LHu6+oo

垣根「それじゃうちに来ねえか?ささやかなパーティーをやるつもりだったんだが、
   俺と麦野だけじゃちと寂しくてな」

御坂「え、いいの?それじゃお邪魔しちゃおっかな、ずっと外にいると風邪引いちゃいそうだし」

垣根「おう、そんじゃ行こうぜ」ククク

御坂「うん……そう言えばアンタは何でこんなところに?」

垣根「気にすんな、それよりあのツインテ放置しといていいのか?」

御坂「死にはしないでしょ、構わないわよ」テクテク

垣根「いや、この季節は死に兼ねねえんじゃ……別にいいけど」


白井「」チーン



840: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/08/27(土) 13:04:28.09 ID:j6LHu6+oo

―事務所


垣根「戻ったぜー」ガチャ

御坂「お邪魔しまーす」


麦野「あら、第三位連れて来たんだ」

一方通行「よォ、邪魔してンぞ」

垣根「あ、一方通行!?」ビクッ

一方通行「あ?何ビクついてンだオマエ?」

垣根「い、いや別に……(俺があの変 けしかけたってのはバレてないよな……?)
   何でここにいんだオマエ、家族でパーティーとかじゃねえのか?」

一方通行「ン、まァそのはずだったンだが……」ハァ

麦野「いつぞやのショタコン女が突然乱入してきて全部台無しになっちまったんだと、
   何されたか詳しくは話してくんないけど」

一方通行「とりあえずあの馬鹿は張り倒してきたが当分は家に戻れねェ、悪ィが居座らせてもらうぞ」

垣根「お、おォ……」

841: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/08/27(土) 13:04:59.72 ID:j6LHu6+oo

麦野(……おい垣根、テメェの仕業だろ?)ボソボソ

垣根(一方通行には内緒にしててね、マジで再起不能にされそうだから)ボソボソ

御坂「何こそこそしてんの?」

垣根「な、何でもねえよ!それより折角四人だしパーッとやろうぜ!
   ほら麦野、シャンパン取ってきてくれシャンパン!」

麦野「もう用意してるわ、ほら」ドン

御坂「ちょ、ちょっと、皆未成年じゃ……」

一方通行「第四位は違ェだろ」

麦野「堅い事は言いっこ無しよ、ほら皆グラス持って。それと第一位、テメェ後で覚えてろ」


垣根「皆グラスは持ったな?そんじゃ……」


「「メリークリスマス!」」カツン



897: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/08/29(月) 22:32:38.72 ID:+0ELmCk3o

「ここが。垣根探偵事務所」


 クリスマスも平穏無事に終わり、世間は年越しの準備に入ろうかという頃、
一人の少女が物陰から垣根探偵事務所の看板を掲げるビルヂングを見上げていた。
 一般的に見て美少女と言って差し支えない顔立ちをしており、
更に黒髪ロングの前髪パッツンというその手のものが好きな人には堪らない髪型の彼女だが、
その存在感はどこか希薄で、気を抜くと隣にいる事すら忘れてしまいそうな儚さを湛えていた。


「ここに。あの人がいる」


 何を考えているのか読み取り辛いポーカーフェイスと感情の起伏を感じさせない平坦な口調で少女は呟く。
 もう随分前の事だ。学校が終わり帰途についていた彼女はその途中、
偶然にも垣根探偵事務所の主である垣根帝督を見かけたのだ。
その時の衝撃は今でも覚えている。全身に電撃が流れたかのようなショックを彼女はその見に受けた。
それは「垣根がイケメンだから一目惚れしちゃった」とかそういう浮ついたものでは断じて無く、
彼女は垣根の放つ圧倒的なオーラに当てられたのだった。

 そう、例え原作での出番が少なかろうと、何故か二次創作では大人気で引く手数多の彼のオーラに。

898: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/08/29(月) 22:33:33.43 ID:+0ELmCk3o


「彼に学べば。きっと私も」


 そんな願いを胸に、彼女はその日以来ずっと垣根探偵事務所を見張っていたのだ。
もう随分長いこと昼夜問わず見張っているのだが誰も彼女に気付く様子はない。
探偵や刑事顔負けの恐るべき張り込み能力である。暗部でも食っていけそうだ。

 そんなわけで自分もせめて二次創作で活躍出来るオーラを持つ為に観察を始めた彼女だったが、
事はそう上手くは運ばなかった。何せ垣根本人が中々事務所から出てこないのだから。
この探偵事務所、垣根のやる気があまり無いのも相まって良く閑古鳥が鳴いているのだ。
そして仕事以外では彼は基本的に外出せず、買い物なども鮭で釣った助手に行かせているようだ。
客以外は良く訪ねてくる為、最近はスマブラ大会などが開かれているらしい。


「このままじゃ。埒が明かない」


 そう、このままでは埒が明かない。観察したい対象は滅多に外に出てこない上に、
外に出てきた時も白い翼を広げあっという間に飛んで行ってしまう為、ろくに観察出来ていないのだ。
何一つ学べないまま、時だけは無常に過ぎている。このままではいけない。

「こうなったら最後の手段。私自身が依頼人となって。あの人を間近で観察する」


 決意に満ちた表情で少女は呟く。そう、もはやそれ以外にあの男をじっくり観察する術は無いだろう。
実際、依頼したい事などいくらでもある。本当にいくらでもある。悲しくなってくるくらいある。
目立ちたいとか、出番増やしたいとか、ヒロインっぽくなりたいとか、
そろそろ吸血鬼という存在が登場してもいいんじゃないのとか、そりゃもう色々ある。


899: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/08/29(月) 22:33:58.34 ID:+0ELmCk3o


「よし。行こう」


 少女はパンパンと自分の頬を軽く張って気合を入れると、
満を持して探偵事務所へと足を踏み入れようとした。が、その彼女の前で――


「なるほど探偵事務所か!ここなら俺の探してるものを見つけてくれるかも知れねえな!」


 時代錯誤も甚だしい白ランに身を包んだ男が一人、大股で事務所の階段を駆け上って行った。
賢明な彼女はすぐに気付く。「あんなのと一緒に探偵事務所に行ったら自分は間違いなく空気になる」と。
今の男も凄まじいオーラを纏っている事は一目でわかった。しかし、あの男と同じ空間にいると
何かを学ぶ前にその存在感に自分という存在が消し飛ばされてしまうかもしれない。
彼女は今の己の立場を良く理解しているのである。悲しい事に。


「今日は日が悪い。改める」


 ボソリと呟くと、少女は再び物陰に隠れ外から探偵事務所の観察をする事にした。
彼女はもう何年も待っているのだ。今更数日遅れた所で何の事も無い。


900: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/08/29(月) 22:34:43.83 ID:+0ELmCk3o



「頼もう!!」


 まるで道場破りでも挑むかのような威勢の良い掛け声と共に、垣根探偵事務所のドアは大きく打ち開かれる。
音に驚いた垣根が一体何事かとコーヒーを飲む手を休めながら事務所の入り口に目をやると、
真っ白い学ランを着た、昭和時代の番長のような男が腕組をして立っていた。


「……何だオマエ?」

「あんたが探偵か!?聞いて欲しい事があるんだ!!」

「あぁ、依頼人か……」


 垣根の案内を待つまでもなく大声を張り上げながらドカドカと部屋に侵入してきた依頼人は、
そのままどっかりとソファに腰を下ろした。そんな彼を見て垣根は思う。
とんでもなくめんどくさそうなのが来やがったな、と。

 なんとも間の悪い事に、今現在事務所には麦野も一方通行も御坂もおらず、
つまりは垣根がたった一人でこのめんどくさそうな依頼人の相手をしなければならないのだ。
「今日はいいことなさそうだ」ソファに腰掛けている依頼人を見つめつつ、
垣根はぼんやりとそんな失礼な事を考えていた。


「えーっと、とりあえず名前を聞かせて貰えるか?」

「おう、削板だ!削板軍覇!!」

901: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/08/29(月) 22:35:26.10 ID:+0ELmCk3o

「ソギイタ、グンハ……あぁ」


 依頼人の名乗った名と自分の記憶を照合した垣根は軽く驚きの声を漏らす。
垣根はその名に覚えがあった。珍しい名だ、同姓同名の別人という事もあるまい。
目の前の依頼人は学園都市の頂点に君臨する七人のレベル5の第七位、 削板軍覇に間違いないと見ていいだろう。
これで七人のレベル5のうち実に五人がこの探偵事務所と関わりを持った事になる。

 レベル5の第七位、その能力は不明。それは世界最大の『原石』と言われ、絶大な力を誇るが、
あまりにも繊細かつ複雑である為、学園都市の研究者達にすら解析不能な代物らしい。
そもそも超能力に分類していいものなのかすら不明なのだが、
間違いなくレベル5クラスの出力と応用力を秘めているため、
とりあえず第七位というポジションを与えたれているという極めてイレギュラーな存在である。


(何度か資料で名前を見かけた事はあるが、現物を見るのは初めてだな。
これがこの街のイカレ科学者どもが揃って匙を投げたって言うイレギュラーか……)


 垣根は値踏みするような視線で削板を眺める。


(……馬鹿そうだな)


 ソファに座ったままキョロキョロと事務所内を見回している削板に、垣根は早速『馬鹿』の烙印を押した。
そして「こんなんがレベル5でいいのかよ」と肩を落とす。自分の事は棚上げして。

902: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/08/29(月) 22:35:51.94 ID:+0ELmCk3o


削板「探偵事務所なんて来るのは初めてだが、中はこんな風になってるんだな!」キョロキョロ

垣根「あーそれで、何か依頼があって来たんだろ?さっさと用件を言ってくれ、俺も暇じゃねえんだ」

削板「その前に確認しときてえんだが、この探偵事務所はどんな事が出来るんだ!?」

垣根「……そうだな、本気出したら世界の半分くらい征服出来るんじゃねえか?」

削板「マジか!?すげえ!!!」

垣根(まぁレベル5が四人もいるしな)

削板「そんなすげえ所なら俺の頼みも聞いて貰えそうだな……」

垣根「フン、この俺に解決出来ねえ事なんてねえよ、言ってみやがれ」

削板「あぁ……実は俺は今、ある男に勝つ為に修行をしているんだが」

垣根(勝つ為に修行?レベル5が勝てない相手なんざそうそういるもんじゃねえはずだが……)

903: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/08/29(月) 22:36:26.41 ID:+0ELmCk3o

削板「一人でやる修行に最近限界を覚えてきてな……
   組手とか乱取りとか、もっと実戦に近い修行をやりてえんだよ」

垣根「確かに、何事も一人でやるよりは何人かで切磋琢磨した方が効率いいわな。
   って事はオマエの依頼は……」

削板「おう!俺と一緒に修行してくれるヤツを探してくれ!!強ければ強いほどいい!!
   いや、例え腕っ節は弱くても逃げ出さない根 があるんならそれで構わねえ!!」

垣根「……それ探偵に依頼するような事か?人材派遣会社とかの仕事だろ」

削板「さっき『解決出来ない事なんて無い』と豪語してたのは嘘だったのか!?
   嘘をつくなんてとんでもねえ根 なしだなこの野郎!!」

垣根「そりゃ言ったけど仕事のジャンルが違うだろうが!!根 関係ねえよ!!
   オマエがやってんのは寿司屋に入ってラーメン頼むのと同じようなもんだぞ!?」

削板「一流の板前ならラーメンだって作れるはずだ!もっと根 出せよ!!」

垣根「根 でどうにかなるレベルじゃねえよアホ!!
   寿司屋のメニューにラーメンあったらシュールすぎんだろうが!!」

904: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/08/29(月) 22:37:07.19 ID:+0ELmCk3o

削板「ラーメン一つ作れねえで何が寿司屋だ!!
   最近の寿司屋はプリンやゼリーだって置いてあるんだからラーメンくらいいけるだろ!!」

垣根「もはや意味がわからねえよ!!つーかそれ回転寿司の事言ってんのか!?
   いくら回転寿司でもラーメン回ってる店は存在しねえだろ!!」

削板「そう思うか?だが実際にあるんだぞ、
   注文するとラーメン出てくる寿司屋もインスタントラーメンが回ってる回転寿司屋も」

垣根「……マジか?」


※マジであります



削板「さぁ、これで俺の方が正しいと言うことが証明されたな!!俺の頼みを聞いて貰うぞ、探偵!!」

垣根「え、何、そんな流れだっけ?オマエちょっと自分を押し通しすぎじゃねえ?」

905: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/08/29(月) 22:37:42.72 ID:+0ELmCk3o

削板「お前が仕事を引き受けてくれるまで、俺はここを一歩も動かねえぞ!!」フンス

垣根「そうかそうか、じゃあそのまま一生そこにいろ、そんで餓死でもしとけ」

削板「そういえば朝飯を食ってなかった!何か無いか!?」

垣根「オマエに食わせるようなモンはねえよ」チッ

削板「お、何だ色々あるじゃねえか」ガチャ

垣根「な、早え……いつの間に冷蔵庫の前まで……
   っていきなり他人の家の冷蔵庫漁ってんじゃねえよ!!常識ねえのか!?」

削板「そんな道理、俺の無理でこじ開ける!!」

垣根「もはや会話する気ないだろオマエ!?」

削板「ひょれよりひゃやくひゃれかひょうかいひてくれ(それより早く誰か紹介してくれ)」モグモグ

垣根「勝手に食ってるし……何なのオマエ……?」ハァ

削板「削板軍覇だ!!」カッ

垣根「知ってんよ!!」

906: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/08/29(月) 22:38:23.02 ID:+0ELmCk3o

削板「ならいいだろうが!!」

垣根(……うぜえ、マジうぜえ、さっさと依頼終わらせて帰ってもらおう。
   一方通行か麦野か第三位の内の誰かを適当に宛がえばいいか……)

垣根「わかったわかった、それじゃ適当に心当たりに頼んでみるからしばらく大人しくしててくれ」ケイタイポチポチ

削板「おう、頼んだぜ!!」


prrrr!prrrr!prrrr!ガチャッ

垣根「あーもしもし一方通行か?ちょっと頼みがあんだg」プツン

垣根「……」ツーツーツー

削板「切られたみてえだな」ハッハッハ

垣根「あの馬鹿切るのはええよ!!クソ、じゃあ麦野に……」prrrr!prrrr!ガチャ

907: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/08/29(月) 22:38:50.73 ID:+0ELmCk3o

垣根「もしもし麦野、今大丈夫か?つーかオマエ何してんの?早く事務所に戻って来いよ」

垣根「はぁ、買い物の途中で第三位と会った?なるほどそりゃ好都合だ」

削板(第三位だと?)

垣根「ん、ちょっとオマエら二人のどっちかに頼みたいことが……
   いやいや即答で断るなよ、せめて内容聞けよ」

垣根「いいから聞けって、すぐ終わるから……何オマエらそんなにxx xxxで忙しいの?
   偶には俺の言うこと聞いてくれてm」プツン

垣根「……」ツーツーツー

削板「切られたな」ハッハッハ

垣根「……万策尽きたか」クッ

削板「もう尽きたのか!?」ガーン

908: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/08/29(月) 22:39:23.99 ID:+0ELmCk3o

垣根「つーわけで悪ぃがオマエの依頼は叶えてやれそうにねえ。ほら、帰った帰った」シッシ

削板「一度は引き受けておきながらそんなにあっさり諦めるのかこの根 なしめ!!」

垣根「いやもうホント、打つ手なし、お手上げだお手上げ」バンザーイ

削板「二回電話しただけでもう打つ手なし……さてはお前、友達いねえな?」

垣根「あ?」ピク

削板「そうか、それじゃ仕方ねえか……友達いないヤツに人を紹介してくれってのは流石に無茶振りだもんな」

垣根「あ゛ぁ?」ピキ

削板「邪魔したな、修行相手は自分で探す事にするぜ!お前も頑張って友達たくさん作れよ!100人くらい!!」

垣根「待ちやがれコラ!!そこまで言われてタダで帰すと思ってんのか!?」ダン

削板「うん、何だ?何かくれるのか?」

909: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/08/29(月) 22:39:59.64 ID:+0ELmCk3o

垣根「あぁ……テメェの依頼は叶えてやるよ、この俺直々に修行に付き合ってやるって形でなぁ!!」

削板「え……いえ、結構です」

垣根「ええええ!?そこで断るのかよオマエ!?」

削板「だってお前、言っちゃ悪いがあんまり根 なさそうだしよ」

垣根「んだとコラ!!」

削板「正直、モツ鍋の方がいい仕事してくれそうだ」

垣根「俺鍋物以下!?」

削板「ん、だが見た目で判断するなんてのは根 なしのやる事だな……
   よし!それじゃ死なない程度に修行に付き合ってくれ!!」


910: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/08/29(月) 22:40:26.65 ID:+0ELmCk3o



「死なねえように気をつけるのはテメェの方だ、第七位」


 削板からの度重なる挑発(本人はそのつもりはないのだが)にいよいよキレた垣根は
屋内であるにも関わらず己の能力を行使し、その白い翼で削板を完全に包囲する。
窓ガラスはひび割れ家具は砕け、建物全体が軋んだ音を立てるが、そんなものは最早些細な事である。
今この瞬間、垣根は目の前のふてぶてしい態度の依頼人を叩きのめす事しか考えていなかった。


「おおすげえ!これお前の能力か!?かっこいいじゃねえか!!
今ここで組手をはじめるつもりなんだな!?よし、やるか!!!」


 垣根の未元物質を見た削板は感嘆の声を上げると、この場で組手をやるものだと判断し、
ガンと己の寮の拳を突き合わせる。
あくまでも組手のつもりの削板、結構本気で殺すつもりで更に能力による包囲までしている垣根、
現状どちらが有利な状態であるかは火を見るよりも明らかである。
そして、己の優位な立場を知った垣根は多少余裕を取り戻したのか、薄く笑みを浮かべながら口を開いた。

911: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/08/29(月) 22:41:05.11 ID:+0ELmCk3o


「テメェは俺が誰だか知らねえみてえだからな、まず自己紹介しといてやる。
俺はこの学園都市の第二位、垣根帝とk」

「すごいパーンチ!!!」

「ごふぉああああああああ!!!!!」


 問答無用、電光石火、快刀乱麻。垣根の自己紹介が終わるよりも先に、
どこか間抜けな掛け声とともに放たれた削板の一撃が容赦なく垣根の顔面にぶち込まれた。
念動砲弾(アタッククラッシュ)、通称すごいパンチ。
不可視の力で対象を殴り飛ばす削板軍覇の必殺技である。

 己が優位を信じ、油断しきってドヤ顔で自己紹介をしようとしていた垣根は
身構える間もなくモロにすごいパンチを喰らってしまう。
派手にきりもみ回転しながら吹っ飛んだ垣根は窓をぶち割ると、
そのまま受身も取れずに地面に激突し、グシャリと嫌な音を立てた。



「第二位だか何だか知らねえが組手の最中にごちゃごちゃ喋ってんじゃねえ!!」


 削板は割れた窓から地面に倒れ伏す垣根に向かって大声で怒鳴りつける。
組手とはあくまでも稽古であり真剣勝負ではない。が、だからと言って手を抜いていいものではないのだ。
心を落ち着け、実戦さながらに集中し、今までの修練の成果を互いに確認しあう、それが組手なのである。
その神聖なる組手の最中にドヤ顔でベラベラ喋り始めるなど以ての外、ぶん殴られても文句は言えまい。

912: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/08/29(月) 22:41:31.49 ID:+0ELmCk3o



「どうしよう。突然人が振ってきた」


 外から垣根探偵事務所の様子を窺っていた黒髪の少女は大いに狼狽していた。
突然監視していた事務所の窓がぶち割れ、そこから一人の人間が
きりもみ回転しながら落ちてきたのだからそれも当然だろう。
ましてその落ちてきた人物というのが己の監視対象である垣根帝督だったのだから、
これはもう狼狽するなという方が無理な話である。


(正直焦った。て言うか振ってきた窓ガラスの破片刺さる所だった。
でもこれはチャンス。何があったかはわからないけど今ここでこの人を介抱すれば
このSSでのメインヒロインの座は私のもの)

※もうすぐ終わります。

913: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/08/29(月) 22:41:59.78 ID:+0ELmCk3o


 悲しい下心を胸に、未だに名前すら明かされていない少女は
地面に倒れたままピクリとも動かない垣根に近付いて行く。
ふと上を見上げると白い学ランを着た男が割れた窓ごしに何事か叫んでいるのが見えたが
そちらは一先ず無視する事にする。傷つき倒れた主人公を介抱するというヒロイン的な行動こそ、
今の彼女の最優先事項なのだ。


「大丈夫?」

「……く、ククク、ふ、はははははは、ひゃはははははは!!!」


 少女が大丈夫かと声をかけた直後、垣根の身体はビクンと跳ね、
その口から気でも違ったかのような狂気染みた笑い声が溢れる。
どうやら大丈夫ではなかったらしい。

「……大丈夫?」

「面白え、面白えよ第七位、ここまで俺をコケにしてくれたのはテメェが初めてだ!!」


 もう一度尋ねてみるが、垣根は少女の事など目に入っていないかのように独白を続ける。
恐らく、実際に見えていないのだろう。

914: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/08/29(月) 22:42:29.11 ID:+0ELmCk3o

「もう逃がさねえ、もう許さねえ、確実にここで潰してやる……!!」

「……」


 垣根は血みどろの顔に歪な笑顔を張り付けながら事務所の中にいる白ランの男を睨み付ける。
なんだろう、この温度差は。


「この痛み……ククク、一方通行のクソ野郎とやりあった時を思い出すぜ……
これだ、やはりこれこそが俺の生きる世界だ!!ありがとよ第七位、お陰で最高の気分だ!!」

「……」


 なんだかトリップして自分の世界にドップリと入っている垣根に対し、
少女はもはやかける言葉が見つからなかった。


「さぁこっからが本番だ……簡単にくたばるんじゃねえぞ!?
俺の怒りが収まるまで付き合っt」

「すごいパーンチ!!!」

「ぐあああああああああ!!!!」

「……」


 血走った目で独白を続けていた垣根に割り込むようにして、
いつの間にかすぐ側まで迫っていた白ランの男が掛け声とともに思い切り垣根を殴り飛ばす。
悲痛な叫び声を上げつつ、垣根は物凄い速度で明後日の方向へ飛んで行った。
これは新手の漫才か何かなのだろうか、と少女は首をかしげながらその光景を黙って見守っていた。

915: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/08/29(月) 22:43:05.76 ID:+0ELmCk3o



「すごいパーンチ!!」

「いい加減にしろオラァ!!!」

「ぐぅ!?」


 完全にペースを持って行かれ延々と殴られていた垣根がついに反撃に出る。
かつて一方通行の黒い翼を見たあの時のように、未元物質を、己の役割を理解したあの時のように、
垣根は数十メートルにも及ぶ巨大な翼を展開し、追撃を加えんとしていた削板を弾き飛ばした。


「すげえな、すげえ根 だ……こんな隠し玉を持ってやがったのか……」


 その圧倒的な力に、神々しさすら覚えるその姿に、削板は目を奪われ立ち尽くす。


「覚悟はいいな、第七位」

「あぁ、俺も本気で行くぜ……来いよ第二位!!」

916: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/08/29(月) 22:44:21.69 ID:+0ELmCk3o


 垣根と削板、二人を中心に周囲の空間が歪んでいく。
攻めるは覚醒せし垣根帝督、相対するは世界最大の原石たる削板軍覇。
学園都市最強の一方通行を以ってしても、今の彼らを止めるのは容易ではあるまい。


「オオオオオォォォォォォ!!!!」

「超!すごいパーンチ!!!」


 咆哮と共に垣根の巨大な翼は一点に収束し、圧倒的な力の奔流となって削板を襲う。
対する削板も己の全霊を込め、一撃必殺の奥義を放つ。
二つの強大すぎる力はぶつかり合い、爆ぜ、そして―――



「気分はどうだ?第七位」

「俺の負け、かぁ……」


 数秒の後、地に伏していたのは削板の方であった。

917: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/08/29(月) 22:44:59.89 ID:+0ELmCk3o


「当たり前だ、テメェごときがこの俺に勝てると思ってやがったのか」


 フンと鼻で笑いながら、しかしどこか清々しそうに垣根は削板を見下ろす。
それを受けた削板は寝そべったまま、ヘヘヘと屈託ない笑みを浮かべた。
互いに全力をぶつけ合った二人の間には、まるで川原で殴り合いをした後の不良達のような、
奇妙な友情が芽生えていた。
おかしいよね、途中まで垣根が問答無用で殴られてただけなのに。


「これで気は済んだだろ?じゃあな」

「待て!」

「あぁ?」


 その場を立ち去ろうとする垣根を削板は慌てて呼び止める。
思いっきりでぶつかりあってスッキリはした。だが削板の本来の目的は一緒に修行する相手を探す事だ。
この一回だけで終わらせるわけにはいかない。それも負けっ放しで。

918: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/08/29(月) 22:45:53.85 ID:+0ELmCk3o


「また付き合ってもらうぞ第二位!!次は負けねえからな!!」

「ハッ、暇な時なら相手してやるよ。何度やっても同じだろうがな」


 垣根は小馬鹿にしたような笑みを浮かべながら捨て台詞を吐くと、今度こそ足早にその場を立ち去って行った。
一人残された削板は寝そべったまま拳を天に突き上げ、まだまだ強くなってみせると誓いを立てる。
余談だが、街中で大暴れし、第七学区をかなり破壊してしまった彼らは
後日膨大な額の請求を学園都市からされる事となるのだが、それはまた別のお話である。



919: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/08/29(月) 22:46:48.68 ID:+0ELmCk3o

―それから


垣根「確かに暇な時なら相手してやるとは言った。言ったけどな……」

削板「頼もう!!!」バターン!!

垣根「毎日来てんじゃねえよボケが!!テメェの暑苦しいツラ見るのなんざ一ヶ月に一回くらいで十分だっての!!」

削板「暇そうだなぁ第二位!!よっしゃ、表に出ろ!!」クイ

垣根「暇じゃねえよ馬鹿!!仕事してんだろ!!」

削板「毎日そう言って逃げてるじゃねえか!!いい加減にしろ!!」

垣根「いい加減にするのはテメェだ!!おい一方通行、オマエ代わりにこの根 馬鹿の相手してやれ!!」

一方通行「死ね」

垣根「『死ね』て!?オマエ今回唯一のセリフがそれでいいのか!?」

削板「ああああもう我慢出来ねえ!!喰らえ第二位!!すごいパーンチ!!!!」ドーン!

垣根「ぎゃあああああああああ!!!」ゴシャァ!


942: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/09/11(日) 20:03:29.92 ID:xMsHIEHHo

一方通行「……」ズズ

麦野「……」ペラ

垣根「……」ウツラウツラ

一方通行「……」ズズズ

麦野「……」ペラ

垣根「……」コックリコックリ

一方通行「……フゥ」コト

麦野「……」ペラ

垣根「……」ハッ

一方通行「おい垣根、コーヒーのおかわりよこせ」

垣根「よし、オマエの負けな」

一方通行「……ハ?何が?」

943: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/09/11(日) 20:03:56.07 ID:xMsHIEHHo

垣根「皆無言だったのにオマエが沈黙を破った。だからオマエの負け。
   第一位だってんならそんくらい即座に理解しろよ」

一方通行「いや意味がわからねェ、いつからそンな勝負始まってたンだよ」

垣根「対峙した瞬間から勝負は始まる、そういうもんだろうが」

麦野「何言ってんだこいつ?ついに頭がどうにかなっちゃったわけ?」

一方通行「垣根の頭がどォにかなってンのは最初からだろ」

垣根「言ってろ言ってろ。とにかくオマエの負けだから、コーヒーは自分で淹れやがれ」

一方通行「ふざけンな、納得いかねェぞ!どンな些細な事だろうとテメェに負けるなンてあっちゃいけねェンだよ!」

垣根「いや今負けたから、これは覆ることの無い事実だから」

一方通行「まず勝負なンざやってねェ」

垣根「チッ、負けず嫌いめ。じゃあ改めて勝負するか?
   今から俺ら三人の内で最初に喋った奴が負けってルールでな」

一方通行「ハッ、面白ェ、格の違いを教えてやンよ三下野郎が」

944: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/09/11(日) 20:04:51.59 ID:xMsHIEHHo

麦野「おいコラ私を巻き込むな。つーかそんな勝負するなんてどんだけ暇だよテメェら」

垣根「シャラップ!だらだら雑誌読んでるテメェも暇人だろうが」

一方通行「ハッ、勝つ自信がねェンなら今すぐここから出て行っても構わねェぞ?」

麦野「ムカつくわね……いいわ、乗ってやるよその勝負。
   まぁ私は別にテメェらと話したい事があるわけでもないし、絶対に負けやしないと思うけど」

垣根「よーしそれじゃルールの確認だ。単純明快、最初に喋った奴の負け。誰かが喋るまで終わりはなし。
   一番最初に喋った奴は他の二人から罰ゲームを与えられる。こんなもんでどうだ?」

一方通行「とンだドMちゃンだなテメェは、そンなに罰ゲームが受けてェのかよ」

麦野「ルールなんてどうでもいいわ、負けないし」

垣根「ククク、それじゃ始めるぞ?いくぜ、スタートだ!!」パン

945: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/09/11(日) 20:05:28.10 ID:xMsHIEHHo

一方通行「……」

麦野「……」ペラ

垣根「……」

一方通行(……これ)

垣根(……ノリノリで始めたのはいいが、地味な勝負だよな)

麦野(何でこんな勝負乗っちゃったんだ私は……)

一方通行(ともあれ、この状況)

垣根(単純に誰かが喋るのを待つ、なんてやってたら何日経っても終わらねえ可能 がある)

麦野(基本的なルールは『喋ってはいけない』という一点だけ、反則行為などは設定されていない。つまり……)

一方通行(喋らなけりゃ何をやってもいいってわけだ。サクッと誰かをハメて声を上げさせればそれで終わり)

垣根(だが焦るな、露骨に動けば逆に集中攻撃を受ける可能 がある……)

麦野(ここは慎重に、馬鹿二人の動きを観察するべき……負ける気はこれっぽっちもないけど、
   万が一負けたらどんな罰ゲーム受けさせられるかわかったもんじゃないしね)

一方通行(しばらくは見に回るか……だが他の二人も似たような事考えてるはずだ)

垣根(結局は我慢比べって事になるな。最初に下手な事した奴が負ける可能 は高い)

946: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/09/11(日) 20:06:38.98 ID:xMsHIEHHo


ドア<コンコン


垣根「!?」

一方通行「!」

麦野「!」

一方通行(ドアがノックされた……って事は)

垣根(客……だと……クソ、こんな時に限って!!)ダン

麦野(あーらら、意外と早く終わりになったわね。ま、どうでもいいけどー)


ドア<コンコン


垣根「……」

一方通行「……」

麦野「……」

947: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/09/11(日) 20:07:06.73 ID:xMsHIEHHo


ドア<コンコンコン


垣根「……」

一方通行(こ、こいつ……)

麦野(無視する気だ……!)


ドア<コンコンコンコン


垣根「……」

一方通行(何だこいつ馬鹿なのか?いや、馬鹿だけどよ)

麦野(こんな下らない勝負の為に客ガン無視って……馬鹿じゃねえの?あ、馬鹿だっけ)

垣根(くくくく、焦ってやがるな二人とも……この垣根帝督、勝負に勝つ為なら明日をも捨てる覚悟よ!)


948: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/09/11(日) 20:07:39.21 ID:xMsHIEHHo


ドア<シーン……


垣根(ふん、帰ったか。一先ず難は逃れたな)

一方通行(あーあ、滅多に客なンてこねェのに追い返しちまったよ)

麦野(別にいいけどね、エセ探偵業務の手伝いさせられんのもイヤだし)


ドア<ガチャ


垣根(なんだと!?)

一方通行(おォ、返事ねェのに入ってきやがった)

麦野(そういえば基本鍵開けっ放しだし入ろうと思えば誰でも入れるのよね)


???「ここ。探偵事務所?」テクテク

垣根(チィィ、まさか入ってくるとは……こいつは予想外だ)

一方通行(うわァ、垣根の野郎目の前で話しかけられてンのにガン無視してやがる)

949: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/09/11(日) 20:08:08.40 ID:xMsHIEHHo

???「ねぇ。私の声聞こえてる?」

垣根(女の依頼人か……紳士な俺としちゃぁ話くらいは聞いてやりてえところだが……
   ここで声を出すわけにはいかねえ!罰ゲームなんて絶対受けたくねえし!)

麦野(あー本気で無視し通す気だなこりゃ。
   でもまぁ垣根に依頼してもろくな事にならねぇし、この女はむしろ運が良かったかもね)

一方通行(しかし、なンつーか存在感の薄ィ女だな、目ェ閉じたらそこにいるのかどォかわからねェレベルだぞ)

???「もしかして。私の事見えてない?」

垣根(そうそう見えてないんだよ、だから今日のところは帰ってくれ)

麦野(あからさまに無視してないで筆談くらいしてやりゃいいのに)

一方通行(完全スルー決め込ンでる俺らも俺らだけどなァ)

???「そう。見えてないし聞こえてない。フフフ。やっぱり私は空気。
     モブ扱いどころか存在を完全スルーされるほどの空気……」フラフラ

950: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/09/11(日) 20:08:42.53 ID:xMsHIEHHo

垣根(ん?何だこいつフラフラと……)

一方通行(窓の方に……)

麦野(窓の側で屈んで……)

???「どっせええええい!!!!」ガシャーン!!

垣根(わざわざ窓ぶち割りながら飛び降りたああああ!!!)

一方通行(意味がわかンねェェェェ!!!!)

麦野(何やってんだこの女あああああ!!?)


???(フフ。これだけ派手な行動をとれば。きっと私の存在に気付いて貰える)ヒュー……


グシャ



951: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/09/11(日) 20:09:13.46 ID:xMsHIEHHo

垣根「……」

一方通行「……」

麦野「……」


<ヒ、ヒトガオチテキタゾオオオ!!
<ウワアア!トビオリダアアア!!

<ウ、ウソダロ……ヒメガミィィィィ!!
<ア、アイサアアア!!


一方通行(なンか聞き覚えのある声がすンな……)

垣根(救急車……いや別にいいか、それより窓直さねえとな)

麦野(私は何も見なかった)ペラ

垣根(しっかし窓から女が飛び降りても声一つ上げねえなんざ、こいつら血も涙もねえな)

一方通行(チッ、こいつらも流石は元暗部だなァ。この程度じゃ微動だにしねェか)

麦野(目の前で人が死ぬのなんて日常茶飯事ってわけね。この勝負本当に終わるのかしら?)

一方通行(いや死ンでねェだろ多分)

麦野(人の思考につっこみいれてんじゃねぇぞホワイトアスパラ)

952: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/09/11(日) 20:09:42.02 ID:xMsHIEHHo



御坂「やっほ、遊びに来たわよー」ガチャ

一方通行(ン……)

麦野(あー、面倒なのが来たわね)

垣根(第三位か、厄介だな……釣られて喋らねえように気を付けねえと……)

御坂「ん?どうしたの皆して黙りこくって……それよりさ!さっきこのビルの前で飛び降りがあったらしいわよ!!」

垣根(知ってます)

一方通行(このビルの前でってか、このビルから飛び降りてったからなァ)

麦野(結局あの女は何がしたかったのやら……名前すらわからないわね、そう言えば)

御坂「もしかしてあんたら何か関係してるんじゃないでしょうねー?」

一方通行「……」

垣根「……」

麦野「……」

953: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/09/11(日) 20:10:12.55 ID:xMsHIEHHo

御坂「もし何か関与してたら風紀委員に通報しちゃうからね?覚悟しなさいよー」

一方通行「……」

垣根「……」

麦野「……」

御坂「ちょ、ちょっと何とか言いなさいよ!!」キョロキョロ

垣根(うっせえなこの構ってちゃんが……)

一方通行(……悪ィな超電磁砲、オマエには負い目こそあれど恨みなンざこれっぽっちもねェが
      この勝負は負けられねェンだよ)

麦野(あーあ可哀想に、誰か相手してやれっての)

御坂「……」

一方通行「……」

垣根「……」

麦野「……」

954: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/09/11(日) 20:10:53.23 ID:xMsHIEHHo
御坂(な、何これ、何で喋らないのよこいつら……私の事無視してんの!?)オロオロ

一方通行「……」

垣根「……」

麦野「……」

御坂「あ、あー、喉渇いたんだけどさ、何か飲み物貰ってもいい?」

垣根「……」コク

御坂(頷いてる……無視されてるわけじゃないのかな?)ンー

一方通行(あァすっかり忘れてた、俺コーヒーのおかわりしようと思ってたンだよ……)

麦野(私も喉渇いてきたわね、何か飲み物取ってこようかしら)

御坂「れ、冷蔵庫の中にあったジュース貰うわよ?いいわよね?」

垣根「……」コクコク

一方通行「……」

麦野「……」

955: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/09/11(日) 20:11:39.82 ID:xMsHIEHHo

御坂「……も、貰うわね」

垣根「……」コク

一方通行「……」

麦野「……」

御坂(だから何で喋らないのよこいつらあああああ!!!)

御坂(何よ、何なのよ?私が何かしたわけ!?)

御坂(無視じゃないけど……何なのこれ!?イジメ!?)

御坂(あ……も、もしかして私、嫌われてる!?)ビクッ

御坂(で、でもでも!嫌われるようなことした覚えなんて……)オロオロ

956: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/09/11(日) 20:12:11.20 ID:xMsHIEHHo

御坂「……」

御坂「あ、あのさ、最近寒いわよね?私この前風邪引きかけちゃってさー、皆は大丈夫?」

一方通行「……」コク

垣根「……」コク

麦野「……」コク

御坂(う、頷いてる、大丈夫、無視じゃない!無視されてるわけじゃない!!)

御坂(ってそうじゃなくて!!何で喋らないのよ!!?いつものこいつらなら……)

『ン?あァ、そォいや俺も常時反射はなくなっちまったから気をつけねェとなァ』

『余計な心配だ。俺の身体は風邪ごときに屈するほどやわじゃねえんだよ』

『馬鹿は風邪引かないってのは本当だったわけだ。垣根が馬鹿だって事の証明がまた一つ増えたわね』

御坂(みたいな会話になるはずなのに!!何で黙って頷くだけなのよ!!?)

957: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/09/11(日) 20:12:47.56 ID:xMsHIEHHo

一方通行「……」

垣根「……」

麦野「……」

御坂(はっ、まさか……)

御坂「何者から攻撃を受けてるのね!?喋れなくする能力!?私を無視したくなる能力!?」

一方通行(何言ってンだこいつ)

垣根(何言ってんだこいつ)

麦野(何言ってんだこいつ)

御坂「何て事……何者かが私の交友関係を破壊しようとしてるだなんて……」ブツブツ

一方通行(……おい垣根)パクパク

垣根(あ?何よ?)パクパク

一方通行(もォやめねェ?)パクパク

麦野(何か居た堪れなくなってきたわ……)パクパク


※読唇術で会話中です。暗部では必須スキルです。

958: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/09/11(日) 20:13:17.73 ID:xMsHIEHHo

御坂(な、何なのこいつら、急に三人で口パクパクして……)


垣根(オマエら第三位には甘ぇなぁ)パクパク

一方通行(負い目があるしなァ……)パクパク

麦野(何かすっごい焦燥してるし、見てて辛くなってきたわ)パクパク

垣根(俺らと会話出来ないのがそんなに堪えてんのかね?)パクパク


御坂(……も、もしかして会話してる?え、ひょっとして私の耳が聞こえなくなったとか?)ビク


一方通行(つかよォ、こォやって読唇術で会話すンなら普通に喋るのと同じだろ)パクパク

麦野(そもそも私達は何でこんな下らねぇ事やってんだ?)パクパク

垣根(全部素直に負けを認めなかった一方通行が悪い)パクパク

一方通行(負けだの勝負だの言い出したオマエが元凶だよボケ)パクパク

959: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/09/11(日) 20:14:19.07 ID:xMsHIEHHo

御坂(ふ、普通に会話してるみたいね三人とも……まさか本当に私の耳が悪いの!?)ビクビク

御坂「あ、あーあーあーあー!」

一方通行(うォ、なンだいきなり!?)

垣根(何でいきなり発声練習始めたんだ?)

麦野(もう精神的に限界なんじゃない?)


御坂「あーあー……うん大丈夫、聞こえる。私の耳は正常だ……」ホッ

御坂(でも、それじゃどうしてこいつらの声は聞こえないんだろう……)

御坂(何だか私だけ取り残されてるような気分……寂しいな……)グス


一方通行(おい涙ぐンでンぞ)パクパク

麦野(なんだかんだで中二って事ね)パクパク

垣根(あー、流石にこれ以上は続けられねえな)パクパク

一方通行(なら勝負は無効って事でもォ終わりでいいな?)パクパク

垣根(おう、後腐れねえように『せーの』で一斉に声出そうぜ)パクパク

麦野(わかった、そうしましょ)パクパク

960: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/09/11(日) 20:14:45.11 ID:xMsHIEHHo

御坂「ねぇ三人とも?私の声は聞こえてるのよね?さっき頷いてくれたもんね?
   お願いだからさ、私にわかるように喋って貰えない?ね?」


一方通行(なンかすっげェ必死なンですけどこの子)パクパク

垣根(何こいつ、そんなに俺らに依存してたの?)パクパク

麦野(いっつもクソ生意気なくせにねぇ……まぁ友達少なそうだし仕方ないか)パクパク


御坂「も、もしかして聞こえてない?声も届かなくなった?何か反応してよ!」グスグス


麦野(ちょ、ちょっと、本気で泣きそうなんだけどこの子!)パクパク

一方通行(お、おい、もォさっさと終わらせンぞ!合図出せ垣根!)パクパク

垣根(わかってる。それじゃいくぞ?せーの!!)パクパク

961: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/09/11(日) 20:15:21.84 ID:xMsHIEHHo

一方通行「……」

垣根「……」

麦野「……」

一方通行(うォォォいオマエらァァァァ!!なンで誰も喋らねェンだよォォォ!!!)パクパク

垣根(そういうオマエだって喋ってねえだろうが!!)パクパク

麦野(チッ、やっぱハメようとしてやがったなテメェら!!)パクパク


御坂「三人とも何だか楽しそうね?いいな、私も混ざりたいな。
   ねぇ、ダメ?聞こえてるんでしょ?聞こえてるのよね?ねぇったら!!」


一方通行(うォォ、やべェ、やべェって!!なンか精神的に相当キてンぞこいつ!!)パクパク

麦野(ほ、ほら垣根、もう一回合図出しなさい!今度こそちゃんと終わりにしましょう!)パクパク

垣根(お、おう、それじゃ今度こそ終わりだからな?せーの!!)パクパク

962: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/09/11(日) 20:15:49.45 ID:xMsHIEHHo

麦野「……」

垣根「……」

一方通行「ァ……!!!」

御坂「!!!!」


垣根(っしゃあああ!!オマエの負けだ一方通行ァァァ!!!)パクパク

麦野(ふぅ、危ないところだったわ……)パクパク

一方通行(待て待て待て待てェ!!ふざけンなテメェらァ!!!今のはセーフだろセーフ!!)パクパク

垣根(いーや喋った!『ァ』って言ったぞ『ァ』って!!)

一方通行(ふ、ふざけやがってェ!!勝負は無効にするって決めただろォがァ!!)


963: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/09/11(日) 20:16:19.43 ID:xMsHIEHHo

御坂「一方通行、あんた今喋ったわよね!?声が出たわよね!!?」ガシ

一方通行「!?」ビクゥ

垣根(うわ、すげぇ反応してる)

麦野(どんだけ必死なのよこの子……)

御坂「私の声が聞こえるわよね!?私の事がわかるわよね!?」

一方通行「……」コクコク

御坂「頷いてないで喋れやあああああ!!!」

垣根(諦めて喋れ一方通行、どの道オマエの負けだ)パクパク

麦野(さーて、どんな罰ゲームにしてやろうかしらねー)パクパク

一方通行(テメェらァァァァ……)パクパク

964: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/09/11(日) 20:17:00.72 ID:xMsHIEHHo

御坂「鯉の真似はもういいから喋りなさいよ!!喋れるんでしょ!!?」

一方通行「あァァァもォ!喋れます喋れますゥ!!何の用でしょうかァ!!?」

御坂「うわ!い、いきなり大声出さないでよ!!」

垣根「ふぅ、ようやくはっきり喋りやがったか」

麦野「これでこっちも安心して声出せるわね」

一方通行「マジで覚えてろ……」ギリ

御坂「え、あ、み、皆喋れるの?私の声聞こえる?私の事わかる?」ビクビク

垣根「あぁ、わかるわかる」

麦野「ちゃーんと聞こえてるわよ」

御坂「あ……よ、よかった……」ホッ

麦野「ごめんねー、別にあんたの事イジメようとか思ってたわけじゃないんだけどさー」

一方通行「ぜェンぶ垣根の馬鹿が悪ィ」

垣根「そうやって何でもかんでも俺のせいにしてりゃいいさ」ケッ

麦野「事実だろ」

御坂「……ねぇ、一体何があったの?私の声はずっと聞こえてたの?」

垣根「あー、実はな……」

965: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/09/11(日) 20:17:34.79 ID:xMsHIEHHo



御坂「………はぁ、つまり最初に喋った人が負けってルールのゲームをしてただけって事?」

一方通行「まァ、そォいうこった」

麦野「タイミング悪くあんたが来てね、中々やめるにやめれなかったのよ」

御坂「……馬鹿じゃないのあんたら?本当に馬鹿じゃないの?」

垣根「馬鹿じゃねえし、第二位だし、オマエより上だし」

御坂「うっさいわ馬鹿!馬ぁぁぁぁ鹿!!!」

垣根「うぜえ……」

麦野「垣根が馬鹿なのは全面的に同意するしアホ臭いゲームだったけど、
   私としてはいい物見れたから満足してるわ」ククク

御坂「な、何よいい物って……」

麦野「わかるでしょぉ?美琴ちゃんが私たちに構って貰えなくてわたわたしてる姿の事よ」ニヤニヤ

御坂「わ、わたわた何てしてないわよ!!」

966: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/09/11(日) 20:18:06.40 ID:xMsHIEHHo

一方通行「いやァ、半泣きですっげェキョドってたぞオマエ」

御坂「う、わ、忘れなさい!!忘れろ!!」

垣根「そう恥ずかしがるなよ、普段生意気な分かわいかったぜ?」ククク

御坂「死ね!」

垣根「何で俺にだけは辛辣なの?」

御坂「あーもう恥ずかしい……違うのよ、今日はちょっと精神的に不安定で……」

麦野「生理?」

御坂「違う!!!と、とにかく忘れて!!」

垣根「はいはい忘れる忘れる。んで、一方通行への罰ゲームはどうすっかね」

麦野「あーそうね、どうしましょうか」

一方通行「おい待てふざけンな、勝負は無効にするって約束だろォが」

垣根「何それ知らねえよ?」

麦野「読唇し損ねたんじゃない?」

一方通行「テメェらァァァァァ!!!!」

967: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/09/11(日) 20:18:36.05 ID:xMsHIEHHo

御坂「……ね、その罰ゲームなんだけどさ」

垣根「うん?」

御坂「私に決めさせてくれない?」ニコッ

麦野「ん、私は構わないわよ?まだ何させるか考えてなかったし」

垣根「まぁ第三位にも迷惑かけちまったしな」

御坂「うん、ありがと。さぁて、どんな罰ゲームにしようかなー」

一方通行「おい待て、まず俺は罰ゲームやる気なンてねェからな?」

垣根「はぁ?ルール破る気かよテメェ」

麦野「ったく器がちっちゃいわね」

一方通行「いやだから勝負は無効……」

御坂「よし決めたわ!!」パン

垣根「お、決まったか」

968: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/09/11(日) 20:19:34.92 ID:xMsHIEHHo

麦野「それでどんな罰ゲームにするのかしら?」

一方通行「俺の話を……」

御坂「一方通行ってさぁ、肌白いわよねぇ」

垣根「ん?確かに病的に白いな」

御坂「それにすっごく華奢な身体つきしてるわよねぇ」

麦野「そうね、簡単にへし折れそうな身体してるわね」

御坂「そんでもってー、よく見ると中 的で綺麗な顔してるわよねぇ」

一方通行「おいこらイヤな予感しかしねェぞ」


御坂「一方通行に女物の服着せたら、すっごく似合うと思わない?」ニコニコ


垣根「ほう」

麦野「なるほど」

一方通行「待て……待て……」

969: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/09/11(日) 20:20:01.85 ID:xMsHIEHHo

御坂「女装しなさい一方通行!それが罰ゲームよ!!」

一方通行「だァれがやるかァ!!!ふざけンなよボケナスが!!!」

垣根「そう硬いこと言うなよ一方通行、罰ゲームなんだから仕方ねえだろ?」クククク

一方通行「ナメやがって……いいぜ、テメェらまとめて挽肉に……」

麦野「おぉっと、スイッチは入れさせないわ」ガシ

一方通行「な、テメェ!?」

麦野「今よ!!このもやしの服を剥ぎ取りなさい!!」

一方通行「おま、ふざけンな!!!」ジタバタ

御坂「くっくっく、年貢の納め時ね一方通行……」ジリジリ

垣根「安心しろ一方通行、未元物質でオマエにぴったりの服を作ってやるからよ」クククク

一方通行「ちょ、やめろ!近寄ってくンな!!おいそこで止まれ!!おいいいィィィィ!!!!」

御坂「すご、本当に肌白いわね……」

麦野「髪もサッラサラ、羨ましいわぁ……」

垣根「こうやって目細めるとデフォルトでも女に見えない事もないな……」


一方通行「ああああァァァァァやめろォォォォォォォォォォォ!!!!!!」



970: >>1 2011/09/11(日) 20:20:59.64 ID:xMsHIEHHo
投下終了
スレの容量的にもネタ的にも限界なのは確定的に明らか


       ._
        \ヽ, ,、
         `''|/ノ
          .|
      _   |
      \`ヽ、|
       \, V
          `L,,_
          |ヽ、) ,、
         /    ヽYノ
        /   r''ヽ、.|
       |    `ー-ヽ|ヮ
       |       `|
       |.        |
       ヽ、      |
         ヽ     ノ
        , -‐ '´ ̄ ̄`ヽ、
    r===========r‐、: : \
    |.―‐――‐―丨‐l┤、 :ヽ
    L二二二二二」.ニ|‐{ミi : : |
    {/ /ゝ、ノイ ノl/ ―  トl!: : :|  
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      | ``ー――‐''|  ヽ、.    ┼ヽ  -|r‐、. レ |
      ゝ ノ     ヽ  ノ |    d⌒) ./| _ノ  __ノ
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引用元: 垣根探偵事務所