1: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/03/28(月) 23:19:18.22 ID:EQpp4kpu0
ココア「そう!このセットを使えば、チノちゃんが魔法少女になるんだよ!」

チノ(可愛い衣装と大きなティースプーン…)

チノ「これ、ただのコスプレじゃないですか!」

ココア「違うよ!神様に作れって言われた気がしたから作ったんだよ!」

チノ「気がしただけですか… それに、これがコスプレでないことの説明になってません」

ココア「えぇー? そんなこと言わずに着てみて!」

チノ「嫌です。それより、もう開店の時間ですから行きますよ」

ココア「そんなぁ…」


誤字を探しながら書き溜めをぶつ切りで投下
怠け者なんで日を跨ぐ予定

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2: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/03/28(月) 23:20:40.10 ID:EQpp4kpu0
〜店内〜

ココア「リゼちゃん、今日は休み?」

チノ「はい、今日はソフトボール部の助っ人をするらしいです」

ココア「そっかぁ。あの服、リゼちゃんに着せても似合うと思ったんだけどなぁ」

チノ「そんなこと考えてる暇があったら仕事してください」

ココア「チノちゃんが厳しい! でも、あの服はチノちゃん用に作ったからサイズが合わないかも」

チノ「仕事してください」

ココア「はーい… あれ?そう言えば最近、買い出しに行ってないよね?」

チノ「そうですね… では、私が店番をしておくので、買い出しはココアさんにお願いしていいですか?」

ココア「もちろんだよ!お姉ちゃんに任せて!」

チノ「私は妹じゃないです」

3: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/03/28(月) 23:21:36.63 ID:EQpp4kpu0
チノ「メモを渡しておきますね。今在庫が少ない物のリストです」

ココア「わかった!じゃあ行ってきまーす」

チノ「余計なもの買ってきたらダメですよ」

ココア「わかってるよ!」

バゴォーン!

チノ「え?」

ココア「なんで、ドアが、粉々に、それに化け物」

怪人「グヘヘ… 俺好みの小娘がいるじゃねぇか… 貰ってくぜぇ!」ダッ

ココア「きゃああああああああ!チノちゃん!」

チノ「ココアさん!」

4: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/03/28(月) 23:22:43.80 ID:EQpp4kpu0
チノ「ココアさんが、あんな恐ろしい怪人に攫われてしまうなんて…」

チノ「追うにも、呆気にとられている内に逃げられて何処にいるか判りません」

チノ「居場所が判ったとしても、非力な私ではどうにもできません。一体どうすれば…」

ティッピー「チノ!まずはリゼに助けてを求めてはどうじゃ?」

チノ「それですおじいちゃん!リゼさんのお知り合いなら、きっとあの怪人も!」トゥルルルル

チノ「…ダメです、携帯にかけても出てくれません。まだ助っ人をしているのでしょうか…」

チノ「そうだ!警察に頼めばいいんです!」

ティッピー「警察にこんな荒唐無稽な話を信じて貰えるとは思えん」

ティッピー「舐めてかかって返り討ちに遭うのがオチじゃろう」

5: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/03/28(月) 23:23:46.22 ID:EQpp4kpu0
チノ「そんな… それじゃあどうしようも…」



ココア『そう!このセットを使えば、チノちゃんが魔法少女になるんだよ!』



チノ「もし、私が本当に魔法少女になれたら…」



チノ『これ、ただのコスプレじゃないですか!』

ココア『違うよ!神様に作れって言われた気がしたから作ったんだよ!』



チノ「…」

6: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/03/28(月) 23:24:38.28 ID:EQpp4kpu0
ティッピー「チノ、どうした?」

チノ「私、着替えてきます!」ダッ

ティッピー「チノ!?」

チノ(わかってる、あの服を着ても本当に魔法少女になれる訳なんてないって)

チノ(でも、今の私にできることなんて殆ど無い)

チノ(今の私にできるのは、あの服で本当に魔法少女になれることを祈るくらいだから!)

7: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/03/28(月) 23:25:32.87 ID:EQpp4kpu0
〜更衣室〜

チノ「あった!あれ?この紙は… 説明書?」


魔法少女チノちゃんセット 取扱説明書☆

使い方は簡単!この服を着るだけで、チノちゃんは魔法少女になれます!

でも、そのままだと力が半分になってしまいます

魔法少女チノは、頭にティッピーを乗せないと全力を出せないのです!


チノ(やっぱり、この服では魔法少女になれる気がしない… 続きを読んでみよう)

8: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/03/28(月) 23:26:45.08 ID:EQpp4kpu0
だけど、ティッピーを頭に乗せたまま戦うのは難しいよね?

そこで!ティッピーにはこっそり細工をしちゃいました!チノちゃんごめんね?


チノ(ティッピーに一体何をしたんですかココアさん!?)


まず、魔法少女の服に着替えます

あ!髪型は絵に描いてあるようなツインテールね!

次に、ティッピーを近くまで連れて来て、胸のリボンについてる青い宝石をポンと叩きます

するとあら不思議!ティッピーが、アンゴラウサギの帽子に変わっちゃいます!

魔法が自動でかかるから、絶対に落ちない帽子だよ!

帽子をかぶって、大きなティースプーンを手に取れば

魔法少女チノ、華麗に爆誕だよ!

9: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/03/28(月) 23:28:25.11 ID:EQpp4kpu0
チノ(胡散臭い… でも、今はこの説明書を信じるしかない)

チノ(…なんとか着替え終わった。何となく力が湧くような)

チノ「おじいちゃん、ちょっとこっちに来てください」

ティッピー「チノ、一体何をして… なんじゃその格好は」

チノ「きっ、気にしている場合じゃありません!…後は青い宝石のボタンを」ポン

ティッピー「な、なんじゃ!?」ピカー

チノ「おじいちゃん!?」

10: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/03/28(月) 23:30:10.60 ID:EQpp4kpu0
ティッピー「…なんか動きづらいんじゃが」

チノ「…まさにアンゴラウサギの帽子ですね。じゃあ、この服は本当に…!」

ティッピー「帽子?どういうことじゃ?」

チノ「後はこの帽子になったティッピーをかぶれば… すごい、力が湧き上がってきます!」

ティッピー「なんかワシ、帽子みたいになってないかのぅ?」

チノ(やっと気付いたんですか…)

チノ「はっ!ココアさんの居場所が感じられます!噴水のある公園ですね!」

チノ「今助けに行きます!ココアさん!!」ダダッ

ティッピー「チノ!?何処へ行く… はっ、速すぎて酔いそうじゃ…」

11: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/03/28(月) 23:31:43.59 ID:EQpp4kpu0
〜噴水のある公園〜

怪人「グヘヘヘ… さて、この小娘をどうしてやろうか?」

ココア「嫌、誰か助けて… チノちゃん助けて!」

怪人「助けなんて来ねぇよ!時間をかけて、この公園の周りに強力な結界を張ってきたからな!」

ココア「そんなことないもん!チノちゃんは絶対に助けに来てくれるもん!」

怪人「お前を攫った時、あの店にいた青い髪の小娘のことかぁ?」

怪人「あんな弱っちいのが助けに来た所でどうしようもねぇよ!」

ココア「チノちゃんは、私を信じてくれる!あの服を着て助けに来てくれる!」

怪人「あの服だか何だか知らねぇが、もう遅いんだよぉ。まずはその服を…」

12: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/03/28(月) 23:33:15.90 ID:EQpp4kpu0
ガシャーン

チノ「待ちなさい!」

チノ「木組みの街の平和を乱す悪い人は、私達が許しません!」

怪人「ッ!何者だ!」

チノ「魔法少女チノ!華麗に参上です!」

ココア「チノちゃん…!」

チノ(ココアさんがベンチに縛り付けられてる… 許さない!)

チノ「ココアさん、お待たせしました。今助けます!」

ココア「…ううん、私も今攫われたところだよ!」

チノ「冗談言ってる場合じゃないです!」

21: ◆.3K0J0LEf2 2016/03/29(火) 00:27:08.35 ID:zGUjhIWJ0
 
怪人「ふん!結界が破られたことには驚いたが、テメェのような弱っちそうなのじゃ勝てねぇよ!」

チノ(自信満々にこちらへ近づいてくる…)

ティッピー(負けるわけがない、とでも思っているんじゃろうな)

チノ(おじいちゃんの声が頭の中に!? …これも魔法少女の力?)

チノ(とりあえず、おじいちゃんの言うとおりみたいですね… チャンスです)

チノ「戦ってみなければわかりません!」

13: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/03/28(月) 23:35:55.81 ID:EQpp4kpu0
チノ「ラビット…ジャーンプ!!」ピョピョン

怪人「ッ!速い!」

チノ「キィーック!!」ドゴォ

怪人「グッ…!」ゴロゴロ

怪人「今のは効いたぜ…!だが!」

怪人「副流煙バリア!」

14: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/03/28(月) 23:36:54.04 ID:EQpp4kpu0
チノ(煙…?)

ティッピー「いかん、チノ!」

チノ「!? ラビットジャンプ!」

怪人「猛毒の副流煙だ!これでお前は俺に近づけねぇぜ!」モワァーン

チノ(それの何処が副流煙なんだろう…?)

チノ(そんなことより、煙を纏ってる… しかも猛毒ですか)

チノ「それは厄介ですね… だったら!」

15: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/03/28(月) 23:38:58.38 ID:EQpp4kpu0
チノ「カプチーノショット!」ドンッ

チノ(何故か頭に浮かんだ遠距離の攻撃手段です。この服、一体どうなって…)

怪人「狙いが甘いぜ!」ヒョイッ

チノ「何度も狙うまでです!」ドンドンドンドンッ

チノ(ティッピーぐらいの大きさだけど、中々当たらない …だけど)

怪人「ヘッ!そんなんじゃ何度撃っても当たらねぇよ!」ヒョイヒョイー

チノ「そうかもしれません…っね!ラビットジャンプ!」ドンドンドン…ピョピョン

怪人「後ろに飛んだ… まさか!」

16: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/03/28(月) 23:41:45.28 ID:EQpp4kpu0
チノ「そのまさかですよ! 大丈夫ですか、ココアさん!」

ココア「チノちゃん…!ありがとう…すごく怖かったけど、もう大丈夫!」

チノ「良かった…」ホッ

怪人「なるほどな、さっきのキックと弾幕は、その小娘から俺を遠ざけ」

怪人「お前が小娘に近づくための誘導だったって訳か!」

チノ「そういうことです!…まずはココアさんの保護が優先です」

チノ「心優しいウサギさん!私に力を貸してください!」

ピカァー

羽が生えたあんこ&ワイルドギース チィーッス

チノ「うさぎさん!ココアさんを安全なところまで送ってください!」

うさぎ2匹 コクコク

17: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/03/28(月) 23:45:03.12 ID:EQpp4kpu0
怪人「チィ!逃がすか!」ダッ

チノ「私が相手です!カプチーノショット!」ドンドンドンドン

怪人「グッ…!今度はちゃんと狙ってきやがる!」

ココア「チノちゃん!」

チノ「大丈夫です。怪人はきっちりやっつけます!」

うさぎ2匹 マモナクハッシャイタシマス

ピカァー

ココア「ーーーーーーーーー!」

チノ「え?」

23: ◆.3K0J0LEf2 2016/03/29(火) 22:10:31.33 ID:zGUjhIWJo
チノ(無事に送り届けてくれたみたいですね)ホッ

チノ(しかし、ココアさんはなんて言ってたんだろう?)

ティッピー(チノ、他のことを考えていてはいかん!)

怪人「考え事してる場合じゃねえぜ!」

チノ「ッ!カプチーノショット!」ドン

怪人「またそれか?もう見飽きたぜ!」ヒョイ

怪人「ポイ捨てシュート!」ブンッ

チノ「きゃあ!」

ティッピー「チノ!大丈夫か!」

24: ◆.3K0J0LEf2 2016/03/29(火) 22:12:08.73 ID:zGUjhIWJo
チノ(巨大なゴミの塊が飛んで来るなんて…!ポイ捨てなんて規模じゃない…)

怪人「おいおい、最初の勢いはどうした?」

チノ「こうなったら…!」

チノ「カフェラテ・カフェモカ…」クルクル

怪人「させるわけねぇだろ!ポイ捨てシュート!」ブンッ

チノ「きゃあああ!」

ティッピー「チノ!」

怪人「悠長に必殺技の準備をしようとでもしたんだろうが、待つわけねぇだろ?」ニヤニヤ

25: ◆.3K0J0LEf2 2016/03/29(火) 22:13:32.43 ID:zGUjhIWJo
チノ(カフェラテ・カフェモカ・カプチーノ あの怪人の言うとおり必殺技のこと)

チノ(でも、撃つには大きな隙を晒す必要がある)

チノ(迂闊に撃とうとすれば、さっきのような返り討ちに…)

ティッピー(どうにか怪人の隙を作るしかないのぅ)

チノ(そうですね… ならば)

チノ「くぅ…!カプチーノショット!」ドンドンドン

怪人「無駄だぜ!ポイ捨てシュート!」ヒョイ ブンブン

チノ(避けられない弾幕はあの技をぶつけて相殺ですか…)

ティッピー(これでは、カプチーノショットで隙を作るのは無理じゃな)

26: ◆.3K0J0LEf2 2016/03/29(火) 22:14:46.77 ID:zGUjhIWJo
チノ(なら、最初みたいにキックでもすれば良いのでしょうが…)

怪人「俺の隙を作りたいんだろう?さっきみたいにキックしてくればどうだ?」

怪人「この副流煙バリアの毒に耐えることができればの話だがな!」

ティッピー(あのバリアが問題じゃな)

チノ(ですね… 魔法少女になったのは良いですが)

チノ(攻撃手段がパンチとキックとコーヒーの弾、それと隙の大きい必殺技だけ)

チノ(少なすぎます… これでは、チェックメイトされているようなものです…)

27: ◆.3K0J0LEf2 2016/03/29(火) 22:16:01.22 ID:zGUjhIWJo
怪人「仕方ねぇな… 蹴りやすいように、俺から近づいてやるよぉ!」

怪人「排気ガスジェットォ!」ズドーン

チノ「きゃあああ!!」

怪人「タックルも副流煙バリアも直撃だぜ!」

ティッピー「いかん!チノ、大丈夫か!」

チノ「タックルは、魔法少女の、力の、お陰で、まだマシですが、毒を、食らって、しまいましたね…」

28: ◆.3K0J0LEf2 2016/03/29(火) 22:18:27.24 ID:zGUjhIWJo
チノ(まずい… 体が、ほとんど、動かない…)

怪人「副流煙バリアの毒は強力だぜぇ?動けるわけにないよなぁ!」

ティッピー(チノ!奴が来るぞ!)

チノ(わかっていますが… ひとまず、あのティースプーンを、手に取らないと)

怪人「お前、まだ戦うつもりかぁ?勝ち目はないってのによぉ」

怪人「そうだなぁ、その健闘ぶりを讃えて取引してやってもいいぜ?」

チノ「…取引?」

怪人「ああ、そうさ!」

29: ◆.3K0J0LEf2 2016/03/29(火) 22:21:54.67 ID:zGUjhIWJo
怪人「お前、あの小娘が何処に行ったか判ってるんだろぉ?」

チノ「…知りませんね」

怪人「惚けたって無駄だぜ?結界を張るのに時間を取られていたとはいえ」

怪人「お前がここに到着したのは早過ぎるぜ?」

怪人「お前は、一体どうやってここを知ったんだろうなぁ?」

チノ「…ただの、勘ですよ」

怪人「勘ねぇ… おそらく、その勘で小娘の居場所を当てたんだろうなぁ」

チノ「…!」

30: ◆.3K0J0LEf2 2016/03/29(火) 22:24:31.21 ID:zGUjhIWJo
怪人「だったらその勘で、あの小娘の今の居場所も判ってるだろぉ?」

怪人「小娘が兎共と消えた後、安心したような顔をしてたもんなぁ?」

チノ(バレてた!?)

怪人「そこで取引だ。あの小娘の居場所を吐け!そうすれば…」

怪人「今日のところは、お前を見逃してやるよぉ!」

チノ「なっ…!」

怪人「お前が取引に乗らなくても、俺はこの街を虱潰しに探すだけだがなぁ!」

怪人「少しだけ待ってやるよぉ!良い返事を期待してるぜぇ!」

31: ◆.3K0J0LEf2 2016/03/29(火) 22:25:57.73 ID:zGUjhIWJo
ティッピー(チノ… お前は十分に頑張った)

ティッピー(ワシは、お前がどんな返答をしても責めはせん)

ティッピー(不本意じゃが、こんな状況ではどうにもできまい)

チノ(おじいちゃん… ごめんなさい)

ティッピー(チノ…)

怪人「そろそろ答えを聞こうか!」

32: ◆.3K0J0LEf2 2016/03/29(火) 22:30:09.96 ID:zGUjhIWJo
チノ「私は…」

チノ「諦めるつもりはありません!カプチーノショット!!」ドン

怪人「何ぃ!?」ヒョイ

ティッピー「チノ!?」

チノ「ごめんなさい、おじいちゃん」

チノ「私は、まだ、頑張れます!」

33: ◆.3K0J0LEf2 2016/03/29(火) 22:31:50.08 ID:zGUjhIWJo
怪人「這いつくばりながらも撃ってくるとはなぁ」

怪人「だが、一発しか撃ててねぇ上に狙いも定まっちゃいねぇ!」

怪人「そんなザマで戦えると思ってんのかぁ?今だって起き上がるのがやっとじゃねぇかよぉ!」

チノ「戦わなくちゃ、いけないんです… 諦めちゃダメなんです!」

怪人「なんでそこまで粘るんだぁ?俺には理解できねぇぜ?」

34: ◆.3K0J0LEf2 2016/03/29(火) 22:35:06.99 ID:zGUjhIWJo
チノ「そんなの、決まってます…」

チノ「あなたを、野放しに、すれば、この街から、平和が、無くなって、しまいます」

チノ「学校も、ラビットハウスも、甘兎庵も、フルールドラパンも、無茶苦茶になって、しまいます」

チノ「そうなれば、ココアさんの素敵な笑顔も、リゼさんのカッコいい笑顔も、」

チノ「千夜さんのお淑やかな笑顔も、シャロさんの気品のある笑顔も、」

チノ「マヤさんの元気な笑顔も、メグさんのおっとりした笑顔も、」

チノ「みんな、見れなくなって、しまいます」

ティッピー「チノ…」

35: ◆.3K0J0LEf2 2016/03/29(火) 22:37:06.00 ID:zGUjhIWJo
チノ「私は、いつも、いつも、ずっと、大切な人の笑顔が、見たいから」

チノ「みんなの、力に、なりたいから」

チノ「みんなが… 大好きだから!」

チノ「絶対に、諦めない!」



怪人「そうか!なら、そのままくたばっちまいな!」

怪人「排気ガス…ジェットォ!」ズドーン

チノ「くぅ…!」

37: ◆.3K0J0LEf2 2016/03/31(木) 00:18:07.46 ID:fE2CTnB0o
ガキィン!

???「チノちゃんのホットでアチチな情熱、伝わったよ!」

怪人「何だこりゃ…?」

チノ「大きな…たんぽぽ?」

チノ(昔作った、写真立ての、たんぽぽ、みたい…)

たんぽぽ? (「・ω・)「ガオー

38: ◆.3K0J0LEf2 2016/03/31(木) 00:19:08.81 ID:fE2CTnB0o
ココア「お待たせ、チノちゃん!」

チノ「…ココアさん!?どうして、戻って、きたんですか?」

ココア「助けに行くって、そう言ったから!」

チノ(あの、聞き取れなかった、言葉は、そう言って、いたんだ…)

ココア「それよりも、今の内にそこから離れて!」

怪人「何だこいつ!?俺の手に噛み付いてやがる!」

たんぽぽ? (「・ω・)「ガブガブ

39: ◆.3K0J0LEf2 2016/03/31(木) 00:20:54.53 ID:fE2CTnB0o
チノ「そうしたいのは、山々なのですが、動けなくて…」

ココア「もしかして、あの煙を吸っちゃったの!?だったら!」

チノ(小さなペットボトルが、たくさん入った、袋?)

ココア「前に淹れたお茶の中に… あった!」

ココア「ルイボスティー!」ガチャ!

チノ「一体何を… あれ?体が楽に…!」

チノ(とりあえずココアさんの元へ!)ダッ

40: ◆.3K0J0LEf2 2016/03/31(木) 00:23:22.63 ID:fE2CTnB0o
ココア「チノちゃん大丈夫!?」

チノ「はい、ココアさんのお陰で… これは一体?」

ココア「飲み物の力だよ!ハーブティーのダンディライオンに、ルイボスティー!」

チノ「ココアさん、その説明では全くわかりません」

ココア「ふっふっふっ… これはね、魔法少女チノの 飲み物の力を己の力に変える能力 だよ!」

チノ「飲み物の力を…?」

ココア「うん!ダンディライオンは、たんぽぽのようなライオンさんが、その場で留まって守ってくれる力で」

ダンディライオン (「・ω・)「ガオー

ココア「ルイボスティーが、体調を整える力!ルイボスティーは、さっきので最後なんだけどね」

41: ◆.3K0J0LEf2 2016/03/31(木) 00:24:32.07 ID:fE2CTnB0o
チノ「その能力は、どうすれば使えるんですか?」

ココア「その服にギリギリ入れられた、カフェラテとカフェモカの身体強化、カプチーノの遠距離攻撃の力はいつでも使えるよ」

ココア「他の飲み物の力は、この転送機に、飲み物が入ったボトルをセットして、チノちゃんに転送するんだよ!」

チノ「道理で攻撃手段が少ないわけです…」

チノ(最初からそれを渡してください… と言いたいところだけど、それを持って戦うのは難しいかも)

怪人「やっと振りほどけたぜ!」

ダンディライオン (´・ω:;.:… ガオー…

42: ◆.3K0J0LEf2 2016/03/31(木) 00:27:56.69 ID:fE2CTnB0o
チノ「ッ!ダンディライオンが消えてしまいました…」

チノ「怪人が捕まっている隙に、必殺技を撃つべきでしたね…」

ティッピー「いや、奴が捕まっておったのは片手だけじゃ。反撃されるかもしれなかったぞ」

ティッピー「それに、状況の整理も大事じゃろう」

チノ「そうですね… しかし、あの怪人に通じる攻撃があるかどうか… この状況を打破できるでしょうか?」

ココア「お姉ちゃんに任せて!ブルーマウンテン!」ガチャ!

チノ「ブルーマウンテンって結構高いんですよ!?」

ココア「ごめんねチノちゃん!今だけは気にせずぶっ放して!」

43: ◆.3K0J0LEf2 2016/03/31(木) 00:31:01.56 ID:fE2CTnB0o
チノ「本当にしょうがないココアさんです… ブルーマウンテンビーム!」バシューン

チノ(自然と技名が浮かんだ、ティッピーよりも二回り大きいぐらいの太さのビーム…)

チノ(もしあれが全部本物のブルーマウンテンだとしたら、値段は一体いくらに…)

怪人「何だと!?グワァ!」

チノ「やりました!効いてるみたいです!」

ココア「やったねチノちゃん!」

ティッピー「油断してはいかんぞ!奴は体制を崩してはおらん!」

チノ「そうですね、油断は禁物です」

チノ(…今、バリアが少しの間だけ消えていたような?)

47: ◆.3K0J0LEf2 2016/03/31(木) 22:31:21.94 ID:fE2CTnB0o
チノ「ココアさん、今、怪人のバリアが消えていたような気がするのですが…」

ココア「ホント?うーん… あ、もしかして!」

チノ「ココアさん、何かわかったんですか!?」

ココア「ねぇチノちゃん、副流煙ってタバコの煙のことだよね?」

チノ「あの煙がタバコのものとは思えませんが… 意味としてはそうでしょう」

ココア「ひょっとしてあの煙の毒、水溶性なんじゃないかな?」

チノ「水溶性、ですか?」

48: ◆.3K0J0LEf2 2016/03/31(木) 22:32:48.03 ID:fE2CTnB0o
ココア「うん。前に聞いたんだけど、タバコの煙の毒は水溶性だから水に溶けるんだって」

怪人「悠長に話している場合かぁ?ポイ捨てシュート!」ブンブンブン

ココア「ダンディライオン!」ガチャ!

ダンディライオン (「・ω・)「ガオー

ガキンガキンガキン

チノ「ダンディライオン、便利ですね… こちらからも敵が狙えなくなってしまいますが」

チノ「それはともかく、あの副流煙バリアも水溶性で、水に溶けると言うことですね?」

49: ◆.3K0J0LEf2 2016/03/31(木) 22:34:01.44 ID:fE2CTnB0o
ココア「そういうこと!さっきも、ブルーマウンテンの中に溶けちゃったんだよ!」

チノ(そんな都合の良いことがあるかはわからないけど、実際にバリアは消えた…)

チノ「…ココアさん、怪人を軽く吹き飛ばせるような魔法が撃てる飲み物はありますか?」

チノ(どうせなら煙を飛ばせそうなものが良いけど、すぐに纏い直すんだろうな…)

ココア「あるよ!キリマンジャロ!強い酸味とコクで、悪い子をぶっ飛ばすよ!」

チノ「飲み物による魔法の基準がよくわかりません…」

ココア「とにかく、キリマンジャロを使えばいいんだね?」

チノ「いえ、準備だけしておいてください。後ブルーマウンテンも」

ココア「わかったよ!」

50: ◆.3K0J0LEf2 2016/03/31(木) 22:35:09.40 ID:fE2CTnB0o
怪人「調子に乗りやがってぇ!回り込めばいいだけだ!」

チノ「こちらから攻めてあげますよ!ココアさん、ブルーマウンテンを!」

ココア「うん!ブルーマウンテン!」ガチャ!

チノ「ブルーマウンテンビーム!」バシューン

怪人「はっ!二度も同じ攻撃を食らってたまるか!」ザッ

チノ「そこです!カプチーノショット!」ドンドンドンドンドンドン

怪人「その攻撃は飽きるほど見たんだよぉ!」ヒョイヒョイヒョイヒョイブンブン

51: ◆.3K0J0LEf2 2016/03/31(木) 22:36:04.89 ID:fE2CTnB0o
ココア(二度も同じ攻撃は食らわない…か、でもチノちゃんの狙いはきっと…)

ココア「ここだね!キリマンジャロ!」ガチャ!

チノ「キリマンジャロブラスト!ココアさんナイスです!」ブォン

チノ(キリマンジャロの香りが、コーヒー色の突風に乗って飛んでいく)

チノ(これなら怪人を吹き飛ばせる… けど、すぐに体制を立て直されては困る)

チノ(だからこそ、ここで撃った!)

怪人「グアァァ!!」

52: ◆.3K0J0LEf2 2016/03/31(木) 22:36:57.38 ID:fE2CTnB0o
チノ「ラビットジャンプ!」ピョピョン

怪人「何!バリアを恐れずに近づいてくるだと!」

チノ「キィーック!!」ドゴォ

怪人「グゥ!」ガンッ

チノ「パァーンチ!!」ドゴォ

怪人「グハァ!」ガンッ

チノ「後ろのそれにぶつかって、痛みも増しているでしょうね!」

53: ◆.3K0J0LEf2 2016/03/31(木) 22:38:27.13 ID:fE2CTnB0o
怪人「グゥゥ… これは、噴水!」

チノ「同じ攻撃は二度食らわなくとも、同じ戦法には二度嵌るみたいですね!もう一度パンチ!」ドゴォ

怪人「グハァ!まさか…また誘導されたのか!」ガンッ

チノ「そうです、あなたをココアさんから遠ざけた時のように、噴水に誘導させてもらいました」

チノ「噴水にぶつければ追撃は容易、なにより大量の水が吹き出てますからね!」

怪人「クソッ、副流煙バリアが、水溶性だと、バレるとはな…」

チノ(副流煙バリアなんて名前にしなければよかったんじゃ…)

54: ◆.3K0J0LEf2 2016/03/31(木) 22:39:34.88 ID:fE2CTnB0o
ココア「チノちゃん、必殺技だよ!」

チノ「もちろんです!」

チノ「あなたの荒んだ心、この一杯で癒します!!」クルクル



チノ「カフェラテ・カフェモカ・カプチーノ!!!」ズドォォォン



怪人「グワアアアアァァァァァ!!!バカなああぁぁああ!!」

55: ◆.3K0J0LEf2 2016/03/31(木) 22:40:46.33 ID:fE2CTnB0o
チノ「…ようやく終わりましたか」

チノ(荒んだ心を癒やすとか言っておいて、跡形もなく消し去ってしまった…)

ココア「チノちゃん!決め台詞!」

チノ「…確かに、頭の中には決め台詞らしき言葉が浮かんでいますが」

チノ「流石に恥ずかしいです!」

ココア「えぇー?そんなこと言わずにお願い!」

チノ(言わないと言葉が頭に浮かんだまま離れそうにない… 仕方ない)

チノ「わっ、悪い子は焙煎しちゃうよ!!」カァァ

56: ◆.3K0J0LEf2 2016/03/31(木) 22:41:37.33 ID:fE2CTnB0o
ココア「チノちゃん…!すごく可愛いよ!」ダキッ

チノ「コ、ココアさん、やめてください…」カァ

ココア「チノちゃん…」グスッ

チノ「ココアさん…?」

ココア「ホントは… すごく怖くって… 助かったと思ったら涙が…」グスッ

チノ「ココアさん… 安心してください、もう大丈夫ですよ」

チノ「怪人は、この、魔法少女チノが華麗に撃退しましたから」

チノ「おもいっきり泣いても大丈夫です」

ココア「…うえぇぇんっ 怖かったよぉ!」ダバー

57: ◆.3K0J0LEf2 2016/03/31(木) 22:42:31.92 ID:fE2CTnB0o
ココア「チノちゃん、助けてくれてありがとう…! 助けに来てくれるって信じてたよ!」

チノ「私こそ、ココアさんにお礼を言わなくてはいけません」

チノ「あの時、助けに来てくれてありがとうございました」

ココア「お姉ちゃんとして当然の事をしたまでだよ!」

チノ「ですから、私はココアさんの妹じゃないです」

ココア「そんなぁー」

チノ「…どうして私だったんですか?」

ココア「うん?なんのこと?」

チノ「魔法少女になる人のことです。戦いなら、私よりもリゼさんのほうが向いていると思うのですが」

58: ◆.3K0J0LEf2 2016/03/31(木) 22:43:12.87 ID:fE2CTnB0o
ココア「あー、それはねー」



神様『もしも他の誰かに任せるのであれば、あなたが一番信頼できる人を頼りなさい』

ココア『Zzz』チノチャンモフモフ…

神様『…寝ていますね』



ココア「ってことがあった気がしたんだよー」

チノ「…!」

ココア「でも、チノちゃんを危険な目に遭わせちゃったね…」

59: ◆.3K0J0LEf2 2016/03/31(木) 22:44:35.63 ID:fE2CTnB0o
ココア「私が魔法少女になって、チノちゃんには転送機を任せていれば、」

ココア「チノちゃんが危険な目に遭うことなんて無かったのに… ごめんね…」

チノ(ココアさん…)

チノ「…ドジでおっちょこちょいなココアさんが魔法少女になったら、きっと大怪我しちゃいますよ」クスッ

ココア「うぇぇ!?」

チノ「ココアさんのことです、魔法少女にならなかったのは」

チノ「転送機を使う人のほうが狙われやすくて、危険そうだから自分が受け持とうとか」

チノ「そんな甘い考えを持っていたからに違いないです」

ココア「うっ」

60: ◆.3K0J0LEf2 2016/03/31(木) 22:45:32.84 ID:fE2CTnB0o
チノ「それに今回、ココアさんは攫われたんですよ?どうやって魔法少女になるんですか?」

ココア「そっ、それは、え~っと…」アタフタ

チノ「そんな調子では、ココアさんに魔法少女は任せられません」

チノ「だから、魔法少女になるのは私でいいんです」

ココア「チノちゃん…!」

チノ「…何より、私が一番信頼できるなんて、嬉しいじゃないですか」ボソッ

ココア「え、今なんて?」

チノ「なっ、なんでもありません!」カァ

61: ◆.3K0J0LEf2 2016/03/31(木) 22:46:40.14 ID:fE2CTnB0o
ココア「えー?絶対なにか言ってたよー?」

チノ「何も言ってません!それよりも、早くお店に戻りますよ!」スタスタ

ココア「あ、待ってよチノちゃん! …ってあれ?なにか忘れてる気がする…」

チノ「どうかしましたか、ココアさん?」

ココア「あー!ラビットハウスのドア、壊れたままだ!泥棒に入られちゃうよぉ!」

チノ「そういえばそうでした!…でも、大丈夫です」

62: ◆.3K0J0LEf2 2016/03/31(木) 22:47:40.47 ID:fE2CTnB0o
ココア「えっ、どうして?」




チノ「どんなことがあっても… 私が、魔法少女チノが守りますから」ニコッ



終わり






ココア「そうだね!…でも、ドアがないと寒いよ?ああ!修理代も高く付きそう!」

チノ「…台無しです」ムゥ

68: ◆.3K0J0LEf2 2016/04/01(金) 22:24:58.99 ID:J3cuO7I7o
~店内~

チノ「…魔法少女の服に新機能ですか?」

ココア「うん!新機能、知りたいよね!?」

チノ「知りたいも何も、あの服を着て戦うのは私なんですよ…」

ココア「知りたい?」

チノ「ですから…」

ココア「知りたいよね?」

ティッピー「ココア、チノの命に関わることじゃ!さっさと教えんか!」

ココア「腹話術で叱られた!? ごめんねチノちゃん…」

リゼ「二人とも、さっきから何の話をしてるんだ?」

69: ◆.3K0J0LEf2 2016/04/01(金) 22:26:22.65 ID:J3cuO7I7o
ココア「魔法少女の服の話だよ!」

リゼ「魔法少女の服… コスプレの話か?」

ココア「違うよー!着ると本当に魔法少女になれる服の話だよ!チノちゃん専用だけどね」

チノ「怪物騒動なんてなければ、着る必要もなかったのですが」

リゼ「チノまで何を言ってるんだ!? 」

チノ「残念ながら、先週起きた事を話しているだけなんですよ…」

リゼ「とうとう、チノの性格が完全にココアの性格に染まってしまったのか…!?」

ココア「それはそれでいいかも!」

リゼ「良くない!」

チノ「染まってません」

70: ◆.3K0J0LEf2 2016/04/01(金) 22:27:40.45 ID:J3cuO7I7o
チノ「私だって今でも、あれは夢なんじゃないかって思いますよ」

チノ「あの残骸さえ目に入らなければ、の話ですが…」

ドア シュウリチュウナウ

リゼ「…あれ、一体何があったんだ?」

ココア「怖い怪物が、バゴォーン!って粉々にして行ったんだよ!」

チノ「怪物に修理代を請求できなかったのは、正直悔しいです」

リゼ「頭が痛くなってくる… ついにチノが壊れてしまった…!!」

71: ◆.3K0J0LEf2 2016/04/01(金) 22:28:53.58 ID:J3cuO7I7o
ココア「私は良いの!?」

リゼ「ココアは元々だろう? …とりあえず二人とも、仕事に戻るぞ」

ココア「はーい」

チノ「わかりました …ココアさん、後でちゃんと教えて下さいね?」

ココア「うん!わかった!そうだチノちゃん、この前こんな名前のお茶を見つけて…」

チノ「ココアさん仕事してください」

リゼ(チノに一体何が…?)

72: ◆.3K0J0LEf2 2016/04/01(金) 22:30:30.78 ID:J3cuO7I7o
ー次の日ー

~ジェラート屋がある公園~

リゼ「…って事があったんだよ」

シャロ「そうなんですかー… あ、リゼ先輩お待たせしました!ご注文のジェラートです」

リゼ「ああ、ありがとう。しかし、チノまであんなことを言い出すなんて…」

シャロ「…ひょっとしてリゼ先輩、先週の怪物騒動を知らないんですか?」

リゼ「いや、噂には聞いているんだが… あれはただのデマだろう?」

シャロ「実は、私も見たんです。しかもその怪人のせいでバイト先の店が一カ所潰れて…」

リゼ「チノだけでなくシャロまで… まさか、ココアとチノが話していたことは本当なのか?」

73: ◆.3K0J0LEf2 2016/04/01(金) 22:32:24.76 ID:J3cuO7I7o
シャロ「幸い、うちの学校は被害が無かったので、助っ人でずっと学校にいたリゼ先輩が知らなかったのも無理ないですよ」

リゼ「なんということだ… 怪人が出るような世の中だと、こいつじゃ威力が足りないか…!?」ジャキ

シャロ「リリリリリゼ先輩!?そっ、それ、モデルガンですよね!?実弾は撃てませんよね!!?」

リゼ「…シャロがそれを知る必要はない」

シャロ「リゼ先輩!?」

リゼ「冗談だよ、驚かせて悪かった」ハハ

シャロ「よかったぁ…」ホッ

74: ◆.3K0J0LEf2 2016/04/01(金) 22:33:54.75 ID:J3cuO7I7o
リゼ(そういえばあの日助っ人をしていた時間に、チノからの着信履歴が連続して何件かあったな…)

リゼ(後で聞いたら、もう解決したから大丈夫だと言っていたが… まさか怪人に襲撃されていたとは)

リゼ(今度親父に頼んで、ラビットハウスに対怪人用兵器を…)

きゃああああああ!!

うわぁ!何なんだよぉ!?

逃げろぉぉぉ!

リゼ「何事だ!?」

シャロ「リ、リゼ先輩… あ、あれ…!」ガクブル

リゼ「…何だあれは!? 巨大な…うさぎ!!?」

75: ◆.3K0J0LEf2 2016/04/01(金) 22:35:08.20 ID:J3cuO7I7o
巨大兎?「グルルゥ…」

シャロ「あっ、あのうさぎ… こっちに来ますぅ!」

リゼ「…シャロ、今すぐ逃げろ」

シャロ「リゼ先輩…?」

リゼ「あの化け兎は、私が食い止める」

シャロ「そんな!いくらリゼ先輩でも無茶ですよ!」

リゼ「わかってる!だからあくまで食い止めるだけだ。…シャロ、ラビットハウスに助けを求めに行くんだ」

76: ◆.3K0J0LEf2 2016/04/01(金) 22:35:54.15 ID:J3cuO7I7o
シャロ「ラビットハウス…?」

リゼ「そうだ。ココアが言っていたことが本当なら、あの化け兎を倒せるのはチノだけだ!」

シャロ「えぇ!?でもあれって千夜の言ってた出任せじゃ…」

リゼ「千夜が何を言っていたかは知らないが、もう時間がない!急げシャロ!」

シャロ「…わかりました、リゼ先輩。どうかご無事で!」ダッ

化け兎「グルオォォオ!!」

リゼ「化け兎!お前の相手はこっちだ!」

77: ◆.3K0J0LEf2 2016/04/01(金) 22:37:34.64 ID:J3cuO7I7o
~店内~

ココア「…でね、きっとこの紅茶はすごい力を持っているんだよ!」

チノ「…飲み物持っているの力は、事前にわかるんですよね?」

ココア「うん!転送機にセットすると、実際に使わなくても効果がわかるよ!」

チノ「じゃあ、さっさと確かめればいいんじゃないですか?」

ココア「私、この紅茶飲んだこと無くて…」エヘヘ

チノ「飲んでみたいということですか… 」

78: ◆.3K0J0LEf2 2016/04/01(金) 22:38:29.46 ID:J3cuO7I7o
チノ「だったら一度確かめて、その後転送機から取り出して飲めばいいんじゃないですか?」

ココア「そっかぁ!チノちゃん頭いい!」

チノ「ココアさんの頭が回ってないだけです」

ココア「そうと決まれば、まずはボトルに入れてっと 」

チノ(もうすぐ休憩時間が終わるのに、リゼさんが帰ってこない。どうしたんだろう…)

チノ「ッ!」

ココア「どうしたのチノちゃん?」

チノ「誰かのピンチの声が聞こえます…!」

ココア「!」

79: ◆.3K0J0LEf2 2016/04/01(金) 22:39:28.40 ID:J3cuO7I7o
チノ「助けに行かなきゃ!まずは着替えないと…」

ココア「チノちゃん!昨日話した新機能だよ!」

チノ「そうでした!…ティッピーはすでに近くにいますし、ブルーのリボンを結んで」

チノ「青い宝石をポンと叩いて…」ポン

シュイーン ピカッ!

チノ「アンゴラウサギの帽子をかぶったら…」

チノ「…魔法少女チノ、華麗に爆誕です!」

ココア「チノちゃん可愛い!!」

チノ(何故か頭に勝手に浮かび、言うまで離れてくれない決め台詞… まさか)

80: ◆.3K0J0LEf2 2016/04/01(金) 22:40:50.73 ID:J3cuO7I7o
チノ「これ毎回言わせる気ですか!?」カァ

ココア「もちろん!」

チノ「ココアさん、早急にこの仕様を改善してください。してくれなければ絶交です」

ココア「うぇえ!? …わかったよ」ショボン

チノ「しかし、ワンタッチで変身が完了するのは便利ですね…」

チノ(本当に新機能がこれだけだったら良いのに、ココアさんのことだ。さっきみたいな余計な機能が入ってるんじゃ…?)

ココア(実は裏機能も追加したことは黙っておこうっと)

ティッピー「ワシ、また帽子になっとるのか…」

81: ◆.3K0J0LEf2 2016/04/01(金) 22:41:49.36 ID:J3cuO7I7o
チノ「さて、前にココアさんの居場所を見つけたように、今回は助けを求めている人の居場所を… え?」

ティッピー「どうしたチノ、何か問題でも起きたか?」

チノ「…まずいです、助けを求めている人たちの居場所は分かるのですが…」

ココア「じゃあ、その人達のもとに向かえばいいんじゃないの?」

チノ「あちこちに散らばっています。恐らく、現れた怪物か何かから逃げたのでしょう」

ココア「あっ」

チノ「せめて円状に逃げてくれてれば良かったですが、そう上手くはいかないみたいで」

チノ「これでは、何処で問題が起こっているのかわかりません…」

82: ◆.3K0J0LEf2 2016/04/01(金) 22:42:46.22 ID:J3cuO7I7o
ココア「魔法少女チノちゃんの以外な弱点!?」

チノ「とりあえず、逃げている人たちの元へ片っ端から行くしかありませんね」

シャロ「チノちゃん助けて!!」ダン

チノ・ココア「シャロさん(ちゃん)!?」

シャロ「リゼ先輩が、あの化け兎を倒せるのはチノちゃんだけだ、って!」

ココア「今回は化け兎なの!?」

シャロ「今、リゼ先輩が一人であいつを食い止めていて…」

ココア「リゼちゃん一人で!?」

83: ◆.3K0J0LEf2 2016/04/01(金) 22:45:01.54 ID:J3cuO7I7o
チノ「リゼさんの居場所は… シャロさんがバイトしてるジェラート屋がある公園ですね」

チノ「助けを求める声を上げている様子もない… 走っているようなので無事なのでしょうが、いくらなんでも無茶です…!」

シャロ「なんでわかったの!?と言うか、チノちゃんの格好はまるで…」

ココア「チノちゃん急ごう!リゼちゃんがピンチだよ!」

チノ「ええ!私はすぐに向かいますので、ココアさんは自転車で追いかけて来てください!」

ココア「えっ、チノちゃん、私を運んでくれないの?」

チノ「それでは失礼します! 」ドタバタ

84: ◆.3K0J0LEf2 2016/04/01(金) 22:46:17.96 ID:J3cuO7I7o
ココア「ちょっとチノちゃん!?いくら自転車でも、今のチノちゃんには追いつけないよぉ!」

シャロ「行っちゃったわね… と言うか、ココアはチノちゃんを追ってどうするつもりよ?」

ココア「ごめんねシャロちゃん!話をしている暇はないんだ!じゃあね!」

シャロ「ちょっと、ココア!?」

ココア「華麗なドリフトを決めるよ!」ビューン

シャロ「…行っちゃった」

88: ◆.3K0J0LEf2 2016/04/02(土) 23:30:24.36 ID:vNQlmZjHo
 

~公園~

化け兎 ビョンビョン

リゼ「うわぁ!」ズサーッ

リゼ「なんとか避けきれたが… その図体にしては速すぎるだろ!こうなったら、親父に頼んで銃撃戦を…」

化け兎 ビョンビョンビョンビョン

リゼ(またか!直線的にしか走ってこないとはいえ、流石にキツいぞ!)ダダダダダッ ズサーッ

リゼ「そこだっ!パトリオットサーブ!」バシン

化け兎「グルルゥ」ボヨン

リゼ「うおっと!」ヒョイ

89: ◆.3K0J0LEf2 2016/04/02(土) 23:31:56.84 ID:vNQlmZjHo
リゼ「全く効いていない… せめてこいつが、モデルガンじゃなくて本物の銃だったら…」ジャキ

リゼ(モデルガンではどうにもならないと思っていたに見つけた、 逃げた人が置いて行ったと思われるラケットとシャトル…)

リゼ(これで少しは戦えるかもしれないと思ったが… 流石に考えが甘かった)

リゼ(まさか跳ね返されるとは… あいつの体はどうなってるんだ?)

化け兎「グルォオ!」ビョンビョンビョンビョン

リゼ(ヤバい!考え事をしている間に距離を詰められた!)ダッ

化け兎「グルアァ!」ビョーン

リゼ(轢かれる…!)

チノ「ラビットジャンプ!」ピョピョン ガシッ

90: ◆.3K0J0LEf2 2016/04/02(土) 23:32:54.27 ID:vNQlmZjHo
チノ「ふぅ、間一髪です」ズサーッ

チノ「木組みの街の平和を乱す悪い兎は、私達が許しません!」クルッ

チノ「魔法少女チノ!華麗に参上です!」ノリノリ

リゼ「ありがとうチノ、助かった… ってチノ、お前、その格好は!?」

チノ「きっ、気にしてる場合じゃないです!」

リゼ(普段のチノからは想像もつかない動きに服装… チノは本当に魔法少女になったのか!?)

91: ◆.3K0J0LEf2 2016/04/02(土) 23:34:00.54 ID:vNQlmZjHo
チノ「とりあえず、リゼさんを保護しなくてはいけませんね」

チノ「心優しいうさぎさん!私に力を…」

リゼ「チノ!来るぞ!」

化け兎「グルオォォオ!!」ビョンビョン

チノ「えぇ!? ラビットジャンプ!」ピョピョン

チノ(見た目はフレミッシュジャイアントを更に大きく… ひょっとして体育館くらいあるんじゃ…)

チノ(それなのに、なんであんなに素早く動けるの!?)ズサーッ

92: ◆.3K0J0LEf2 2016/04/02(土) 23:35:35.72 ID:vNQlmZjHo
リゼ「チノ、あいつに常識が通用するとは思わないほうが良い」

リゼ「ただの人間である私じゃ、動き始めるのを察知して逃げるのでやっとだ…」

チノ(リゼさん、人外の領域に片足突っ込んでる…?)

リゼ「幸い、あいつの動きは直線的なんだ。今のチノなら簡単に避けられるだろう」

チノ「それを聞いて少し安心しました。 …心優しいうさぎさん!私に…」

化け兎「グルアァァア!!」ビョンビョンビョン

チノ「またですか!ラビットジャンプ!!」ピョピョン

チノ(これだと、うさぎさんを呼ぶことすら難しそう… だったら)ズサーッ

93: ◆.3K0J0LEf2 2016/04/02(土) 23:36:43.85 ID:vNQlmZjHo
チノ「まずは動きを止めます!カプチーノショット!」ドンドンドン

化け兎「グルゥ…」ボヨーン

チノ「うわぁ! そんな、全部跳ね返されるなんて…」ヒョイヒョイヒョイ

チノ「…弾幕が通じないなら、直接叩き込みます!ラビットジャンプ!」ピョピョン

チノ「キィーック!!」

化け兎「グルルル…」ブヨン

チノ「うわああぁ!?」ピョーン

リゼ「…キャッチ!大丈夫か、チノ!?」

チノ「大丈夫です。リゼさん、ありがとうございます」

94: ◆.3K0J0LEf2 2016/04/02(土) 23:38:47.36 ID:vNQlmZjHo
リゼ「あいつの弾力は並じゃないぞ… パトリオットサーブですら跳ね返される。せめて銃さえあれば…」

チノ「パトリオットサーブまで!?この調子じゃパンチも効かなさそうですし、あの素早さじゃ必殺技を撃つ余裕も無いです…」

チノ(リゼさんが普段持ってるのはモデルガンだったんだ、良かった…)

リゼ「それじゃあ、どうしようも無いのか?」

チノ「いえ、ここは工夫して乗り切ります」

リゼ「工夫?」

化け兎「グルァアア!!」ビョンビョンビョンビョン

95: ◆.3K0J0LEf2 2016/04/02(土) 23:40:43.18 ID:vNQlmZjHo
チノ「ラビットジャンプ!」ピョピョン

チノ(回避して… リゼさんを降ろしてから)ズサーッ

チノ「今度は斜め上にラビットジャンプ!」ピョピョン

チノ(よし、化け兎よりも少しだけ上に跳べた!)

チノ(昔読んだ本に書いてあった。ノミは体長の150倍も跳べるけど、人間サイズになると大して跳ぶことはできないんだって)

チノ(あの化け兎だって同じはず!)

ティッピー(チノ!さっきのリゼの言葉を…)

96: ◆.3K0J0LEf2 2016/04/02(土) 23:41:55.96 ID:vNQlmZjHo
チノ「カフェラテ・カフェモカ…」クルクル

化け兎「グルァ!!」ビョーン ドゴォ

チノ「きゃああああ!!」

チノ(なんでそんなに跳べるの!?)

リゼ「チノ!…くそっ!間に合わない!」ダッ

チノ(死にはしないだろうけど、痛いだろうな…)ヒュー

リゼ「チノー!」

ギャシャァァァ

97: ◆.3K0J0LEf2 2016/04/02(土) 23:42:41.34 ID:vNQlmZjHo
ココア「やっと追いついた… ってチノちゃんが大ピンチ!?」ゼェゼェ

ココア「とりあえずダンディライオン!」ガチャ!

ダンディライオン (L・ω・)L ガオー キャッチ!

チノ「これは、ダンディライオンの力で出てくるライオンさん…?と言うことは」

ココア「お待たせチノちゃん!」

チノ「ココアさん!…私も今ついたところです」

リゼ「恋人同士の会話か」ビシッ

98: ◆.3K0J0LEf2 2016/04/02(土) 23:43:45.90 ID:vNQlmZjHo
チノ「突然ですがココアさん、銃の弾丸のような魔法が使える飲み物はありますか?」

ココア「チノちゃんの口から物騒な単語が!? と言うかどうして銃なの!?」

リゼ「現状がすでに物騒だろ… さっき、あいつに通る攻撃は銃くらいだろうって話をしてたんだ」

ココア「え、リゼちゃん銃もってるよね?それに、チノちゃんには必殺技があるよ?」

リゼ「これはモデルガンだ!あと、必殺技とやらが使えないのは…」

化け兎「グルオォォオオオ!」ビョンビョンビョンビョン

ココア「めちゃくちゃ速い!?」

チノ「逃げますよ!ラビットジャンプ!!」ピョピョン

99: ◆.3K0J0LEf2 2016/04/02(土) 23:45:41.66 ID:vNQlmZjHo
ココア「これじゃ必殺技の準備している間に狙われちゃうね…」

チノ「そういうことです。はっきり言って、私一人では打つ手なしです」

リゼ「こうなったら、さっさと親父に助けを… ってあれ?携帯を忘れた!?番号も覚えていない…」

チノ「そもそも電話で助けを求めるなんて、あの化け兎が許してくれるとは思えませんよ?」

ココア「じゃあ、ダンディライオンに噛み付いてもらってる間に必殺技を撃とう!」

チノ「…あの巨体に耐え切れるとは思えません」

ダンディライオン (´・ω・`)ガオー

104: ◆.3K0J0LEf2 2016/04/03(日) 23:10:02.68 ID:jWh7209+o
>>101や>>102の(邪な考えを吹き飛ばす)ため且つ気分転換に書いた番外編

ー洗濯ー

チノ「そういえば、魔法少女の服って洗濯はどうするんですか?」

ココア「普通に洗濯しても良いけど… どうして急に?」

チノ「前に怪人と戦った後、洗濯してませんよね?流石に汚いのでは…」

ココア「ああ、それなら大丈夫だよ!」

チノ「…何故です?」

ココア「実際に見たほうが早いと思うなぁ。ちょっと待ってて!」ドタバタ

チノ「えっ、ちょっとココアさん、何するつもりですか!?」

105: ◆.3K0J0LEf2 2016/04/03(日) 23:10:31.83 ID:jWh7209+o
ココア「お待たせー!」

チノ「…ココアさん、どうして醤油なんて持ってきたんですか?」

ココア「ふっふっふっ… 見ていてねチノちゃん!えい!」バシャ!

チノ「えぇ!?ココアさん、なんで服に醤油をかけたんですか!?」

ココア「チノちゃん、驚くのはまだ早いよ!」

チノ「これ以上何に驚けと!?」

ココア「見てチノちゃん!どこも汚れてないでしょ?」

106: ◆.3K0J0LEf2 2016/04/03(日) 23:12:15.51 ID:jWh7209+o
チノ「え? …本当です、どこも汚れていません…!一体どうして…」

ココア「この服はね、どんな汚れでも弾く優れ物なんだ!」

ココア「例え王水だろうがフッ酸だろうが弾く、最強の服だよ!!」ドヤ

チノ「弾く…」

ココア「どうチノちゃん!?洗濯要らずって凄いよね!?」

チノ「…」

ココア「チノちゃん、驚いて言葉も出ないのかな?」

107: ◆.3K0J0LEf2 2016/04/03(日) 23:12:47.08 ID:jWh7209+o
チノ「…ココアさん」

ココア「なになに!?」

チノ「…服が弾いた醤油で、床が汚れました」ゴゴゴ

ココア「あっ…」

チノ「コ コ ア さ ん ! !」

ココア「ごっ、ごめんねチノちゃーん!!」ダッ

ティッピー(今日も平和じゃな…)


という訳で服は溶けません

次のレスの誤字訂正の下から本編再開

108: ◆.3K0J0LEf2 2016/04/03(日) 23:14:17.85 ID:jWh7209+o
 

チノ「結局、銃のような魔法が出せる飲み物はあるんですか?」

ココア「うーん、無いかな… でも大丈夫だよ!この紅茶、テデザリゼがなんとかしてくれるよ!」ガチャ!

チノ「なんとかって… それで、その紅茶はどんな力を?」

ココア「…次に使う攻撃の威力を上げるんだって!」

チノ「それなら、あの化け兎にも攻撃が通る様になるかもしれませんね!」

ココア「じゃあ、ブルーマウンテンをセットするね!」ガチャ!

チノ「ココアさん、ブルーマウンテンは高いと前も言ったじゃないですか!」ゴゴゴ

109: ◆.3K0J0LEf2 2016/04/03(日) 23:15:18.80 ID:jWh7209+o
ココア「えーっと… そうだっけ?」

化け兎「グルァアアア!!」ビョンビョンビョン

ティッピー「チノ、奴が来るぞ!」

チノ「もぅ… ラビットジャンプ!」ピョピョン

チノ(化け兎の動き、何かが引っかかる… 何だろう?)

チノ「…帰ったら、ココアさんには説教です!」ズサーッ

ココア「うぇえ!?」

110: ◆.3K0J0LEf2 2016/04/03(日) 23:16:18.64 ID:jWh7209+o
チノ「今です!ネオブルーマウンテン!!」ズガァン

チノ(ブルーマウンテンのビーム。でも、直径がココアさんの背の高さくらいある…)

化け兎「キュウウ!?」

ココア「やったぁ!この調子なら倒せちゃうよ!」

チノ「ええ!ココアさん、もう一度テデザリゼを送ってください!」

ココア「…」

111: ◆.3K0J0LEf2 2016/04/03(日) 23:17:05.80 ID:jWh7209+o
リゼ「おい、どうしたココア?」

ココア「もう無いの…」

チノ「え?」

ココア「あの紅茶、あまり用意してなくてもう無いの… てへっ」

リゼ「てへっ じゃなーい!これからどうするんだよ!」

チノ「ココアさんのことだから、何かトラブルが起きると思ってはいましたが…」

リゼ「こうなったら仕方ない… チノ、このモデルガンをお前に託す!魔法少女なら、こんな物でも何かの力に変えられるかもしれない!」

チノ「ありがとう…ございます?(どうやって使えと!?)」

112: ◆.3K0J0LEf2 2016/04/03(日) 23:18:07.03 ID:jWh7209+o
化け兎「グルォオオ!!」ビョンビョンビョンビョン

チノ「ッ!ラビット… あれ?こっちに来ない?」

ココア「チノちゃん!あそこにシャロちゃんが!!」

シャロ「いやああああああ!!来ないでえええええええ!!」バタバタ

リゼ「どうしてシャロがここに!?」

チノ「間に合ってください! ラビットジャンプ!!」ピョピョン

シャロ「死にたくないいいいいいいい!!」

113: ◆.3K0J0LEf2 2016/04/03(日) 23:19:22.36 ID:jWh7209+o
チノ「なんとか間に合いました!」ガシッ

シャロ「チノちゃん!」

チノ「シャロさん、どうしてここに戻ってきたんですか!?」ズサーッ

シャロ「だって、ココアまで飛び出していったから心配で…」

シャロ「 千夜が、前の怪物騒動の時にココアが攫われて、チノちゃんが魔法少女になって助けていたのを見たって言ってたから…」

チノ「ココアさん、何の説明もなしに飛び出したんですか…」

シャロ「うん…」

チノ「…とりあえず、ココアさんたちの元へ行きましょう。ラビットジャンプ!」ピョピョン

114: ◆.3K0J0LEf2 2016/04/03(日) 23:20:46.86 ID:jWh7209+o
チノ「シャロさんは無事でしたよ!」ズサーッ

リゼ「本当か!」

ココア「シャロちゃんが無事で良かった… ねぇシャロちゃん、テデザリゼって名前の紅茶持ってない?」

シャロ「…え?テデザリゼなら名前が気に入ってるから、いつもボトルに入れて持ち歩いてるけど…」

ココア「本当!?私に譲って!お願いシャロちゃん!」

シャロ「別に良いけど… 何に使うのよ?」スッ

ココア「…あの化け兎を倒すためだよ!」

115: ◆.3K0J0LEf2 2016/04/03(日) 23:23:53.83 ID:jWh7209+o
ココア「テデザリゼの力は、次の攻撃の威力を上げる力だから化け兎に攻撃が効くようになるの」

シャロ「そんな簡単な話なの?私、テデザリゼはもう持ってないけど足りるのかしら…」

チノ「確かに、次の一発で化け兎を倒せと言われても難しいです…」

リゼ「チノ、ピンチの時こそ落ち着くんだ。降伏するのはまだ早いぞ」

チノ「ピンチの時こそ落ち着く…ですか」

リゼ「そうだ。私なら、こういう時は日々の訓練を思い出して気持ちを落ち着けるんだ」

リゼ「チノは魔法少女になって、すでに苦労もしただろう?」

116: ◆.3K0J0LEf2 2016/04/03(日) 23:24:47.10 ID:jWh7209+o
チノ「そうですね、猛毒を食らったりしました…」

リゼ「その時と比べれば、今の状況なんて大したことないと思わないか?」

チノ「そう言われると… あの時は動くことすら出来なかったですし」

リゼ「だろう?チノ、自分を信じるんだ。今のお前は魔法少女なんだぞ?なんだって出来るさ!」

リゼ「思いっ切り戦ってこい!そして勝て!」

チノ「…はい!リゼさん!」

118: ◆.3K0J0LEf2 2016/04/04(月) 23:33:37.48 ID:Y6lRLHDEo
ココア「チノちゃんファイトだよ!最後のテデザリゼ、セット!」ガチャ!

ピカァー

チノ「あれ?私の体が… 光ってる?」

リゼ「チノに渡した私のモデルガンも… と言うか私も!?」

シャキーン!

シャロ「チノちゃんの服の色が、紫色ベースになった…?」

リゼ「チノの髪型、さっきより私の髪型に近づいてないか?」

ティッピー「ティースプーンが消えたと思ったら、銃が出てくるとは…」アワワワ

119: ◆.3K0J0LEf2 2016/04/04(月) 23:34:36.78 ID:Y6lRLHDEo
ココア「これは、私がこっそり追加した新機能、ハートパズル!?」

リゼ「はぁ?何だそれは?」

ココア「仲間を象徴するアイテム、ドリンク、そして熱い友情!」

ココア「この三つが揃った時、魔法少女チノは、仲間の力をその身に宿すんだよ!」

シャロ「よくわからないけど、今のチノちゃんは、リゼ先輩の力が使えるってこと?」

ココア「そういうことだよ!今のチノちゃんなら、銃の扱いもお手の物!」

ティッピー「ココアの中の魔法少女はどうなっとるんじゃ…」

120: ◆.3K0J0LEf2 2016/04/04(月) 23:35:52.23 ID:Y6lRLHDEo
チノ(また決め台詞が頭に… こうなったらヤケだ!)

チノ「たくさんの人に出逢い、少しずつ集めていく思い出ピース!今こそ繋がれ、ハートパズル!」

チノ「クールでキュートな教官!リゼハート!」

リゼ「キ、キュート!?」カァ

チノ「何ができるのかな… これだ!ウィークアナライズ!」ピロピロ

チノ(敵の弱点を解析… まるでリゼさんが使いそうな能力)

チノ「…解析完了です! まずは足を撃ちぬいて、動きを止めます!」

リゼ「良い判断だ…!」

ティッピー「孫の口から再び物騒な言葉が…!」

121: ◆.3K0J0LEf2 2016/04/04(月) 23:38:16.93 ID:Y6lRLHDEo
化け兎「グルオオオォォォオオ!!」ビョンビョンビョンビョン

チノ「ッ!ラビットジャンプ!」ピョピョン

チノ「ところでココアさん、こんな事聞いてませんよ?」ズサーッ

ココア「チノちゃんには秘密にしておいた裏機能!」ドヤ

チノ「…説教は予定してたよりも長くなりそうですね」ゴゴゴゴ

ココア「そっ、そんなぁー!」

122: ◆.3K0J0LEf2 2016/04/04(月) 23:39:05.37 ID:Y6lRLHDEo
化け兎「グルルゥ… キュウ」

シャロ「…もしかしてあいつ、お腹が空いてる?」

チノ「え?そうなんですか?」

シャロ「ワイルドギースが、お腹を空かせている時にあんな感じになるの」

ココア「あれだけ動いたんだもん、お腹も空くよね」

チノ「…」

ココア「チノちゃん、どうしたの?」

チノ「…よし、この戦略で行きます」

ココア「戦略!?」

123: ◆.3K0J0LEf2 2016/04/04(月) 23:39:51.76 ID:Y6lRLHDEo
チノ「この攻撃なら通るはずです!パトリオット…」

化け兎「グルアア!!」ビョンビョンビョン

チノ「やはり来ましたね!ラビットジャンプ!」ピョピョン

チノ「回避したらもう一度!パトリオット…」ズサーッ

化け兎「グルオオ!!」ビョンビョンビョン グシャ

チノ「ラビットジャンプ!」ピョピョン

シャロ「あー!またバイト先が潰されたー!」

チノ「…パトリオット」ズサーッ

化け兎「グルオオ!!」ビョンビョンビョン

124: ◆.3K0J0LEf2 2016/04/04(月) 23:41:02.70 ID:Y6lRLHDEo
チノ「ラビットジャンプ!」ピョピョン

シャロ「あいつ、急に凶暴性が増した!?」

リゼ「いや、違うな」

シャロ「え?そうなんですか、リゼ先輩?」

リゼ「ああ。恐らくこれは、チノの戦略の結果だ」

チノ「さて、そろそろ限界じゃないですか、化け兎さん?」

化け兎「グルルゥ… キュウ」ヘナヘナ

チノ「今のあなたは甘いものの誘惑に勝てるでしょうか?」

化け兎「キュウ…」ドスドス

ココア「あ!化け兎が潰されたジェラート屋の方へ!」

125: ◆.3K0J0LEf2 2016/04/04(月) 23:41:49.19 ID:Y6lRLHDEo
シャロ「一体チノちゃんはどんな戦略を?」

リゼ「単純な話だ。あの化け兎は、こちらがあいつにとって不利な行動を取る時か、簡単に仕留められそうな人を見た時しか攻撃してこなかった」

リゼ「前者の例だと、獲物を逃しそうな時やダメージを負いそうな時、もしくはそれらの話題を出した時だ」

ココア「やっぱり、化け兎も負けたくないんだね」

リゼ「そうかもな。後者の例だと、私やシャロが狙われた時だ」

シャロ「思い出すだけで震えが…」ガクブル

リゼ「攻撃を決まった時にしかしてこないのは、疲労を抑えるためだろう」

化け兎「キュウゥ…」パクパク

リゼ「動き回っていれば、あんな風に限界が来るからな」

126: ◆.3K0J0LEf2 2016/04/04(月) 23:42:21.97 ID:Y6lRLHDEo
リゼ「そこでチノは、短時間に何度も、あいつにダメージを追わせようと試みた」

リゼ「そうすればあいつから暴れて、勝手に疲れてくれるからな」

ココア「つまり、チノちゃんは軍師に転職!?」

チノ「しません。それよりも、今なら撃てますね。パトリオットピストル!!」バンバンバンバン!

チノ(銃口からカプチーノが、弾丸となって飛んで行く… カプチーノってなんだっけと突っ込みたくなる)

化け兎「キュウ!?」ガクッ

チノ「足を全部撃ち抜きました。もう動けないはずです!」

127: ◆.3K0J0LEf2 2016/04/04(月) 23:43:11.09 ID:Y6lRLHDEo
ココア「チノちゃん、行っけー!!」

チノ「了解です、ココアさん!」

チノ「あなたの荒んだ心、この一杯で癒します!!」クルクル

チノ「カフェラテ・カフェモカ・カプチーノ!ハートチェンジ!」




チノ「パトリオット・スマッシュ!!!」ドガァァァーン




化け兎「キュワワアアアアアアア!!」




チノ「悪い子は焙煎しちゃうよ☆」

128: ◆.3K0J0LEf2 2016/04/04(月) 23:43:58.70 ID:Y6lRLHDEo
チノ(恥ずかしい決め台詞、そろそろ慣れてきたかも…)パァーン

チノ(姿が元に戻った… ハートパズルには時間制限があるんだ)

ココア「お疲れ様、チノちゃん!」

シャロ「ありがとうチノちゃん!」

リゼ「チノ、お前の勇姿、この目に焼き付けたぞ…!」

チノ「その台詞だと、私倒れてそうですね… 」

ココア「とりあえず、これにて一件落着だね!」

129: ◆.3K0J0LEf2 2016/04/04(月) 23:45:25.07 ID:Y6lRLHDEo
リゼ「…チノ、その、すまなかった」

チノ「リゼさん、急にどうしたんですか?」

リゼ「その、チノが壊れたとか言ってしまって…」

チノ「私は特に気にしてませんよ。あんな話、信じろという方が無茶ですよ」

リゼ「しかし…」

チノ「今日、私はリゼさんの力をお借りしたんです。これで今日からはリゼさんも私たちの仲間、これで良いんですよ」

リゼ「チノ…!ありがとう、お前は最高の仲間だ!」

130: ◆.3K0J0LEf2 2016/04/04(月) 23:46:58.11 ID:Y6lRLHDEo
ココア「リゼちゃん!私もリゼちゃんに酷いこと言われたよ!ココアは元々だって!」モー

リゼ「ああ、すまなかったなココア。今回は違ったな」ハハ

ココア「反省してるように見えないよ!?」

チノ「ココアさんの日頃の行いのせいです」

シャロ「全くね」

ココア「そんなぁー!」

リゼ「はは、冗談だよ。本当に悪かったな、ココア」

ココア「ううん、本当は私も気にしてないよー」

131: ◆.3K0J0LEf2 2016/04/04(月) 23:48:01.29 ID:Y6lRLHDEo
チノ「はっ!そういえば、お店を放り出して来てしまいました!早く戻らないと!」

ココア「ホントだ!きっとお客さんも待ってるよ!」

リゼ「チノの親父さんが店番をしてくれているかもしれないが、急いだほうが良いな」

シャロ「私は、目の前でバイト先が潰れたから今日は暇ね…」

リゼ「じゃあ、今から一緒にラビットハウスに来るか?」

シャロ「ぜひ!!」

132: ◆.3K0J0LEf2 2016/04/04(月) 23:49:34.27 ID:Y6lRLHDEo
チノ「では、私は先に戻りますので…」

ココア「チノちゃん、おいてっちゃやだー!」

チノ「しかし、これ以上お店を開けるわけには…」

ココア「だって、さっき置いて行かれた時、寂しかったんだもん…」

チノ「すみません…!そんなつもりでは…」

ココア「わかってるよ。だってリゼちゃんがピンチだったもんね」

チノ「…ココアさんを傷つけたくなかったんです」

133: ◆.3K0J0LEf2 2016/04/04(月) 23:50:46.90 ID:Y6lRLHDEo
ココア「え?」

チノ「ココアさんを傷つけたくなかったから、置いて行って、その間に化け兎を倒してしまおうと思ってたんです!結局、間に合いませんでしたが…」

ココア「…」

チノ(やっぱり自分勝手だったかな… ココアさん、怒ってるんじゃ…)

ココア「…チノちゃん大好きー!こんな姉思いの妹が持てて、お姉ちゃんは幸せ者だよぉ!」ダキッ

チノ「コ、ココアさん、離れてください、動きづらいじゃないですか!」カァァ

ココア「チノちゃーん!」モフモフ

チノ「ですから、離れてくださいってば!」カァ

ココア「…けど、きっと私は傷つかないと思うなぁ」

134: ◆.3K0J0LEf2 2016/04/04(月) 23:51:33.31 ID:Y6lRLHDEo
チノ「…どうしてですか?」




ココア「だって、どんなことがあっても… チノちゃんが、魔法少女チノが守ってくれるんだもん!」ニコッ

チノ「…もちろんです」ニコッ



終わり






ココア「それに、もしかしたらリゼちゃんが軍隊を連れて来てくれるかも!」

リゼ「ココア、無茶を言うなよ」

チノ「ココアさん、空気読んでください」ムゥ

139: ◆.3K0J0LEf2 2016/04/05(火) 22:44:48.07 ID:ZOCIXcb+o
~店内~

チノ「え?また怪人が出たんですか?」

ココア「うん、最近噂になってるんだ」

リゼ「なんでも、夜な夜な街を徘徊しているらしい。その怪人に見つかると…」

ココア「…恨むような口調で話しかけられるらしいよ」

チノ「…それ、話しかけられたらどうなるんですか?」

ココア「二度と目が覚めなくなるの。生きてはいるけど、意識が戻らなくなるんだって」

チノ「そっ、そんなの、ただの怪談じゃないですか!」

チノ「目が覚めないのなら、噂が流れていることがすでにおかしいです!」ガタガタ

140: ◆.3K0J0LEf2 2016/04/05(火) 22:45:41.79 ID:ZOCIXcb+o
リゼ「ああ、私もそう思う。ただ、この街で不穏な事が起きているのは間違いない」

チノ「どういうことですか?」

リゼ「…本当に出ているんだ、原因不明で意識が戻らなくなった人が。それも、毎晩増え続けている」

チノ「そんな… でっ、でも、誰も悲鳴を上げてないですよね?私が気づかなかったんだから…」

ココア「チノちゃん、怪人が出る話はただの噂だよ?何かの病気が流行ってるだけかもしれないし」

チノ「わっ、わかっていますよ!」

ココア「でね、チノちゃんに提案なんだけど、今晩から一緒に見回りしない?」

141: ◆.3K0J0LEf2 2016/04/05(火) 22:46:41.67 ID:ZOCIXcb+o
チノ「え…」

ココア「あ、やっぱり怖い?」

チノ「べっ、別に怖いわけじゃありません!」ガタガタ

ココア・リゼ(どう見ても怖がってるよね(な))

ココア「大丈夫!お姉ちゃんがついてるから!」

チノ「ですから、怖いわけでは…」

リゼ「いざとなったら、親父に頼んでラビットハウスに仕込んだ、この兵器達を使えば良いさ!」バァーン

ティッピー「リゼェェーーー!ワシの店になんてことを!!」

142: ◆.3K0J0LEf2 2016/04/05(火) 22:48:09.65 ID:ZOCIXcb+o
リゼ「と言うかチノは魔法少女になれるんだから、怖がることなんて無いだろう?」

チノ「それとこれとは話が… いっ、いえ、確かにそうですね!」

チノ(確かに今の私は魔法少女になれるけど、別に万能という訳じゃ…)

ココア「それに、魔法少女チノちゃんの新アイテムも用意したよ!」

チノ「新アイテム…ですか?」

ココア「うん!じゃーん!名付けてピースボトル!」

チノ「ペットボトルの中に…」

リゼ「銃が入ってる…!?」

143: ◆.3K0J0LEf2 2016/04/05(火) 22:49:15.67 ID:ZOCIXcb+o
ココア「このままだと使えなくて、ボトルに対応した飲み物を入れないと使えないんだー」

チノ「もしかして、このボトルに対応した飲み物はテデザリゼですか?」

ココア「その通り!テデザリゼを淹れたこのボトルを転送機にセットすると…」

ココア「魔法少女チノちゃんの能力、ハートパズルの リゼハートが使えるんだよ!」

リゼ「前みたいに、チノが私の…力…?を使えるってことか」

ココア「そういうこと!」

リゼ「…」


チノ『パトリオット・スマッシュ!!!』ドガァァァーン


リゼ(あれは私の力と呼んで良いのだろうか…?)

144: ◆.3K0J0LEf2 2016/04/05(火) 22:50:35.07 ID:ZOCIXcb+o
ココア「これなら安心だよね!」

チノ「…安心できるかはともかく、見回りはしますよ」

ココア「ホント!?じゃあ決まりだね!」

ココア「夜は寒そうだし、千夜ちゃんにもらったお汁粉を温めて持って行こうかなぁ」

リゼ「よし!そうと決まれば、私も射撃訓練用の銃を持ってくるか!」

チノ「リゼさんは見回りに来てはダメです。一応普通の女の子ですから」

ココア「そうだよ、リゼちゃんは一応普通の女の子だから危ないよ」

リゼ「そっ、そうか、私は普通の女の子だもんな!…うん、一応?」

145: ◆.3K0J0LEf2 2016/04/05(火) 22:53:32.01 ID:ZOCIXcb+o
~夜の市場~

ココア「やっぱり夜は真っ暗だねー。今日は曇ってて月も出てないし…」

チノ「しかし、街灯すらついていないのは想定外でした… 一応、少しだけ民家の明かりがありますが…」

ココア「懐中電灯を持ってきて正解だったね。クリスマスだったらイルミネーションがあるのに…」

チノ「一応、撤去し忘れているイルミネーションが残ってるらしいですよ」

ココア「そうなの?じゃあこっそり点けてみようかな?」

チノ「やめてください」

146: ◆.3K0J0LEf2 2016/04/05(火) 22:54:27.26 ID:ZOCIXcb+o
ココア「それにしても、怪人いないねー」

チノ「やっぱり、ただの噂だったんですよ」

ココア「じゃあ、なんで意識が戻らなくなった人がいるんだろ?」

チノ「さぁ?」

???「…あなたは私を信じてくれる?」

チノ・ココア「「!!」」

怪人?「ねぇ、答えて?」

チノ(ほっ、本当に出たー!!)ブルッ

147: ◆.3K0J0LEf2 2016/04/05(火) 22:55:18.20 ID:ZOCIXcb+o
ココア「チノちゃん!」

チノ「わかってます!」

チノ(ブルーのリボンについてる宝石を叩いて)ポン

シュイーン ピカッ!

チノ(アンゴラウサギの帽子をかぶったら…)

ティッピー(もう帽子になるのも慣れたわい)

チノ「木組みの街の平和を乱す悪い人は、私達が許しません!」

チノ「魔法少女チノ、華麗に爆誕です!」ドヤ

ココア(チノちゃん意外とノリノリ?)

148: ◆.3K0J0LEf2 2016/04/05(火) 22:56:02.23 ID:ZOCIXcb+o
怪人?「信じてくれないの?」

チノ「そもそも、何の話をしてるんですか!?」

怪人?「質問しているのは私よ?」

チノ「会話が成り立ちません…」

チノ・ココア(この声、どこかで聞いたような…?)

ココア「チノちゃん!リゼちゃんのピースボトルを使うよ!」ガチャ!

怪人?「そう、信じてくれないのね…」

149: ◆.3K0J0LEf2 2016/04/05(火) 22:57:23.18 ID:ZOCIXcb+o
ピカァー

チノ「たくさんの人に出逢い、少しずつ集めていく思い出ピース!今こそ繋がれ、ハートパズル!」

チノ「クールでキュートな教官!リゼハート!」

シャキーン!

ココア「チノちゃんカッコいいよっ!!」

チノ「ココアさん静かにしてください。…まずは弱点を見抜きます!ウィークアナライズ!」ピロピロ

チノ(弱点は、頭と心臓がある場所辺りか…)

150: ◆.3K0J0LEf2 2016/04/05(火) 22:58:16.33 ID:ZOCIXcb+o
チノ「頭を撃ち抜いてあげます!パトリオットピストル!!」バン

ココア「チノちゃんが戦場の悪魔に!」

怪人?「信じてくれない人なんていらないわ…!」ヒョイ

チノ「そんな、あれを避けるなんて…!」

怪人?「闇黒の三宝珠…!」シュバァ

ココア「ダンディライオン!」ガチャ!

ダンディライオン (「・ω・)「ガオー

151: ◆.3K0J0LEf2 2016/04/05(火) 22:59:09.62 ID:ZOCIXcb+o
チノ(禍々しい光… 例えるならブラックライトかな)

チノ「ライオンさん、いつもありがとうございます」

ダンディライオン (「・ω・)「ガオー!

ココア「これが、毎晩起こっていた事件の真相…?」

チノ「どうしてこんな酷いことをするんですか… 千夜さん!」

ココア「…!」

千夜「あら、バレちゃったわね」ウフフ

152: ◆.3K0J0LEf2 2016/04/05(火) 23:00:09.71 ID:ZOCIXcb+o
チノ「バレるも何も、ネーミングセンスが独特過ぎてですね…」

チノ(多分、お店のメニューの名前なんだろうな…)

ココア「チノちゃん… きっとこれは何かの間違いだよ…」

ココア「きっと怪人が、千夜ちゃんに化けてるんだよ… そういう話、昔読んだことあるから…!」

千夜「あらココアちゃん、親友である私がわからないの…?」ヨヨヨ

ココア「そっ、そんなことないよ!でも、千夜ちゃんは人を傷つけるようなことは絶対にしない…」


千夜『トスって何!?』バシュ

千夜『奇遇です!私もロシアンルーレット牡丹餅持ってきたの!』パァァ

千夜『どっこいしょー!』ガンッ


ココア「…とは言えないけど」

153: ◆.3K0J0LEf2 2016/04/05(火) 23:01:11.58 ID:ZOCIXcb+o
ココア「それでも、千夜ちゃんは悪いことは絶対にしないよ!」

千夜「ココアちゃんは、私を信じてくれるのね。嬉しいわ」ニコッ

ココア「当たり前だよ!だって、私の親友だもん!」

千夜「…でも」

ココア「…でも?」

千夜「どうせ、嘘なんでしょう…?ココアちゃんが私を信じてるなんて嘘よ!!」

ココア「千夜…ちゃん?」

154: ◆.3K0J0LEf2 2016/04/05(火) 23:02:02.61 ID:ZOCIXcb+o
千夜「どうせココアちゃんは、私を信じてくれないわ!そんなココアちゃんなんていらない!」

千夜「闇黒の三宝珠!!」シュバァ

チノ「ラビットジャンプ!」ピョピョン

千夜「あら、避けられちゃったわ。残念」

ココア「やっぱり技のネーミングが千夜ちゃんのだ… 千夜ちゃん!もうやめてよ!」

ティッピー(チノもココアも、千夜が本物かどうかはネーミングで判断するんじゃな)

チノ「ココアさん、千夜さんの様子は明らかにおかしいです!話が通じるとは思えません!」ズサーッ

ココア「でも!」

155: ◆.3K0J0LEf2 2016/04/05(火) 23:02:46.24 ID:ZOCIXcb+o
千夜「チノちゃん、随分と酷いことを言うのね… そんなこと言う子にはお仕置きよ」ニコッ

千夜「黒玉炸裂!」ドカン

チノ「きゃあああ!!」

チノ(着弾すると炸裂する弾… そして相変わらずのネーミング…)

ココア「チノちゃん!」

ティッピー「チノ、大丈夫か!?」

チノ「…魔法少女ですから平気です!」

千夜「あれを食らっても平気なんて、チノちゃん凄いわ」ニコニコ

156: ◆.3K0J0LEf2 2016/04/05(火) 23:04:17.07 ID:ZOCIXcb+o
チノ(今の攻撃をパトリオットピストルで迎撃していたら、千夜さんの心臓に当たっていたかもしれない…)

ティッピー(戦えば戦う程、互いに危険じゃな。もう、どうにかして千夜を拘束するしかないじゃろ)

チノ(なるほど… そうしてから話を聞けばいいですね)

チノ「ココアさん、千夜さんを拘束できるような魔法が使える飲み物はありますか?」

ココア「一つしか残ってないけどあるよ。…チノちゃん、まさか千夜ちゃんにあんなことやこんなことを!?」

チノ「しません!とにかく準備しておいてください。私は、確実に拘束できるよう隙を作ります」

千夜「私に遠慮なんていらないわ。どうせチノちゃんの攻撃なんて当たらないから」ウフフ

159: ◆.3K0J0LEf2 2016/04/06(水) 23:10:11.78 ID:V6B8wSjto
チノ「言ってくれますね… では遠慮無く!パトリオットピストル!」バン

チノ(足を撃ち抜いて動きを止める!)

千夜「あら、怖いわ」ヒョイ

チノ「また避けられた!?」

千夜「ね、当たらないでしょう?何故かしら?」ニコニコ

チノ(そうだった、千夜さんは自分の危険を回避するのが得意…)

ココア「チノちゃん!そんなことしたら千夜ちゃんが怪我しちゃうよぉ!」

160: ◆.3K0J0LEf2 2016/04/06(水) 23:11:10.61 ID:V6B8wSjto
チノ「すみませんココアさん、千夜さんの挑発に乗ってしまいました…」

千夜「あらあらチノちゃん、悪い人は許さないんじゃなかったの?」

チノ「…ココアさんだけじゃありません。私だって千夜さんを信じているんです」

チノ「もし、あなたが本物の千夜さんだったとしても、何か事情があるのでしょう」

ココア「そうだよ!千夜ちゃんは優しいもん!私は千夜ちゃんを信じてるよ!」

千夜「…親友だから?」

ココア「うん、親友だからだよ!」

161: ◆.3K0J0LEf2 2016/04/06(水) 23:12:30.07 ID:V6B8wSjto
千夜「でも、親友なのに… 私のことは信頼できないんでしょう?」

ココア「…え?」

千夜「だって、ココアちゃんが一番信頼できるのはチノちゃんだって言っていたものね…」

ココア「そっ、それは…」

チノ(…!)



チノ『…何より、私が一番信頼できるなんて、嬉しいじゃないですか』ボソッ



シャロ『千夜が、前の怪物騒動の時にココアが攫われて、チノちゃんが魔法少女になって助けていたのを見たって言ってたから…』



チノ(千夜さんは、あの時の私とココアさんとの会話を聞いていたんだ…!)

162: ◆.3K0J0LEf2 2016/04/06(水) 23:14:16.79 ID:V6B8wSjto
千夜「私のことを親友だなんて言っておきながら、本当は私のことなんて信頼するに足りないと思ってたんでしょう!?」

ココア「そんなことないよ!」

千夜「じゃあどうして!?どうして私を頼ってくれなかったの!」

ココア「千夜ちゃん、そんなに魔法少女になりたかったの!?」

チノ「ココアさん、空気読んでください!」

ココア「だって、どうしてなんて聞かれても、上手く答えられないんだもん…」

163: ◆.3K0J0LEf2 2016/04/06(水) 23:15:36.16 ID:V6B8wSjto
千夜「わかってるわココアちゃん。私はココアちゃんにとって、親友でも何でも無かったのよ!」

ココア「そんな!私は千夜ちゃんのこと、本当に親友だと思って…!」

千夜「どうせ嘘よ…!嘘に決まっているわ!ココアちゃんの嘘つき!!」

ココア「嘘だなんて… 私は、そんなつもりじゃ…」

ティッピー(千夜の言うことは暴論じゃが、答えられんココアもココアじゃな)

チノ(まるでお昼のドラマみたいです… この調子だと、千夜さんには感情論で語っても通じなさそうですね)

164: ◆.3K0J0LEf2 2016/04/06(水) 23:16:40.42 ID:V6B8wSjto
千夜「チノちゃんは余裕そうね… 信頼を得た者の余裕かしら?」

チノ「いえ、冷静に振舞っているだけです。私まで取り乱すと、ココアさんの不安を煽ってしまいますので」

千夜「それを余裕って言うのよ!黒玉炸裂!!」

チノ「ラビットジャンプ!」ピョピョン

千夜「今度は避けられたわね… 」

チノ(千夜さんにパトリオットピストルは当たらない… なら!)

チノ「ココアさん、キリマンジャロを!」

165: ◆.3K0J0LEf2 2016/04/06(水) 23:18:18.09 ID:V6B8wSjto
ココア「…わかった、キリマンジャロだね」ガチャ

チノ「キリマンジャロブラスト!」ブォン

チノ(風なら避けられないはず!)

千夜「黒曜を抱く桜華!」ドォン

チノ(大きな桜の木で身を守るつもりなんだ… だったら!)

チノ「風に乗ってキック!!」バキィ

千夜「なんですって!?」

チノ「ごめんなさい、千夜さん!」ガシッ

166: ◆.3K0J0LEf2 2016/04/06(水) 23:19:31.18 ID:V6B8wSjto
チノ(どうやら、近距離での不意打ちには弱いみたい)

千夜「なっ…!チノちゃん離して!」

チノ「離しませんよ!ココアさん、今です!」

ココア「うん… 千夜ちゃんに貰ったお汁粉だよ」ガチャ

チノ「甘美なる紅き呪縛!!」バシュン

チノ(大量のお汁粉が千夜さんに絡みつく… と言うかどうしてこんな名前に…)

千夜「くぅ!?」

167: ◆.3K0J0LEf2 2016/04/06(水) 23:20:48.90 ID:V6B8wSjto
チノ「なんとか千夜さんを捕まえられましたね…」

千夜「ほどけない…!こんなはずじゃ!」

チノ「千夜さん、落ち着いてください!」

ココア「千夜ちゃん…」

チノ(これでは、いつまでも二人はすれ違ったまま… 仕方ない)

チノ「…ココアさん、突然ですが質問です。今まで出会った人の中で、一番頼りがいがあるのは誰だと思いますか?」

168: ◆.3K0J0LEf2 2016/04/06(水) 23:21:42.96 ID:V6B8wSjto
ココア「チノちゃん…?いきなりどうしたの?」

チノ「早く答えてください」

ココア「うーん、やっぱりお姉ちゃんかな。スコーン作り以外なら何でもできるし」

チノ「では、誰か一人、リーダーを任せるとしたら誰に任せますか?」

ココア「リゼちゃんかな。みんなをビシっと纏めてくれそう!」

チノ「次の質問です。大事な仕事に出られなくなりました。代役を頼むなら誰に頼みますか?」

ココア「うーん… シャロちゃんだね。いろんなバイトをしてるから、どんなお仕事も頼めるよー」

チノ「ではココアさん、困ったときに相談するとしたら誰に相談しますか?」

169: ◆.3K0J0LEf2 2016/04/06(水) 23:22:40.63 ID:V6B8wSjto
ココア「千夜ちゃんだよ。だって私の親友なんだもん!」

チノ「ということらしいですよ、千夜さん」

千夜「…!」

チノ「信頼を得た所で、その人の親友になれるわけではありません。信頼と友情は別物です」

チノ「だから、ココアさんが千夜さんを親友だと思っている気持ちは、嘘なんかじゃありません!」

千夜「…ココアちゃん、今の話は本当?」

ココア「本当に決まってるよ!それに、私たちは波長が合うんだもん!」

170: ◆.3K0J0LEf2 2016/04/06(水) 23:23:35.72 ID:V6B8wSjto
ココア「闇黒の三宝珠が黒胡麻団子で、黒玉炸裂が白玉炸裂に黒蜜をかけたバージョン、黒曜を抱く桜華が桜餅だよね!」

チノ「波長が合うってそこなんですか!?」

千夜「当たりよ、ココアちゃん」ウフフ

チノ「正解なんですか!?」

千夜「ココアちゃん、チノちゃん、ごめんなさい… 私ったら酷いことを… うぅ!?」

ココア「千夜ちゃん!?」

171: ◆.3K0J0LEf2 2016/04/06(水) 23:24:40.30 ID:V6B8wSjto
チノ「これは一体… アナライズ!」ピロピロ

ココア「チノちゃん、解析の結果は!?」

チノ「これは…!千夜さんに、何かが取り憑いています!」

千夜「くぅ!?」

ココア「それなら…!チノちゃん、千夜ちゃんの頭に手を当てて!」

チノ「わかりました! …こうですか?」ピトッ

ココア「うん!…千夜ちゃん、今助けるよ!ルイボスティー!」ガチャ!

172: ◆.3K0J0LEf2 2016/04/06(水) 23:25:27.69 ID:V6B8wSjto
チノ「ルイボスティーって、他の人にも使うことができるんですね…」パァーン

チノ(ハートパズルは時間切れか…)

千夜「うぅ…」ボワン

チノ「…!千夜さんから、黒い煙が…?」

ココア「千夜ちゃん、大丈夫!?」

千夜「うーん… あれ、ココアちゃん? そうだわ、私はココアちゃんやチノちゃんに…!」

チノ「千夜さん、今はさっきのことを気にしてる場合じゃないみたいです」

煙?「ククク…」シュゥゥ

173: ◆.3K0J0LEf2 2016/04/06(水) 23:26:22.43 ID:V6B8wSjto
ココア「…!」

チノ「どうやら、あの黒い煙が犯人みたいですね!」

犯人「まさか、取り付いた人間から追い出されちゃうなんてね」

千夜「あの煙… 人型になったの?」

犯人「しかも、せっかくの心の深い闇が消えている… もう取り憑けないじゃないか」

ココア「どうして千夜ちゃんに取り憑いたの!?千夜ちゃんにこんな酷いことさせるなんて!」

犯人「教えて欲しいかい?じゃあ教えてあげよう」

174: ◆.3K0J0LEf2 2016/04/06(水) 23:27:25.47 ID:V6B8wSjto
犯人「理由は簡単。僕は光に弱いのさ、特に太陽の光にはね。だから、毎晩誰かに取り憑いて昼を凌ぐ必要があるってわけだ」

チノ「毎晩ということは、毎日違う人に取り憑いていたと…」

犯人「そうだね、大半の人間が一日で使い物にならなくなるからね」

チノ「酷い話です。操るだけ操って、使い物にならなくなったらポイですか」

犯人「待て待て、僕は操ったりなんかしてないさ。太陽が出ている間は何もしなかったし」

犯人「夜は少しだけ思考を誘導させてもらっただけさ!まあ、乗り換える時に気力は貰って行ったけど」

チノ「同じことです!しかも気力を盗んでいくなんて!」

175: ◆.3K0J0LEf2 2016/04/06(水) 23:28:43.14 ID:V6B8wSjto
千夜「つまり、あと少しで私も同じ目に遭っていたのね」

ココア「千夜ちゃんは、ギリギリ間に合ったんだ…」ホッ

犯人「まったく、いい迷惑だよ。僕はどんな人でも取り憑ける訳じゃない」

犯人「心の闇が深い人にしか取り憑けないんだ。毎晩探すのは大変なんだよ?」

チノ「迷惑なのはこっちです!今まで、どれだけの人が意識を失ったと思ってるんですか!」

犯人「そんなこと、一々気にするわけ無いだろう?」

176: ◆.3K0J0LEf2 2016/04/06(水) 23:29:20.79 ID:V6B8wSjto
犯人「とにかく、今度は君たちに取り憑かせて貰うとするよ」

犯人「こんな時のために、人の心の闇を深くする技はあるんでね!」

犯人「ダークネスボール!」ブゥン

チノ(千夜さんの技の名前を聞いた後だと地味に感じる…)

ココア「チノちゃん、ダンディライオンの後ろへ!」

チノ「ラビットジャンプ!」ピョピョン

チノ(あの技も犯人も、真っ黒なせいでよく見えないな…)ズサーッ

177: ◆.3K0J0LEf2 2016/04/06(水) 23:30:21.74 ID:V6B8wSjto
ダンディライオン( 「゚Д゚)「 ゴルァ!

ココア「ダンディライオンが怖くなった!?」

千夜「きっと、あの技にやられちゃったのね…」

チノ「とりあえず、あいつを倒してきます!ラビットジャンプ!」ピョピョン

チノ(真上に飛んでから…)

チノ「カプチーノ…」

ココア「チノちゃん危ない!」

チノ「え?」ガン

180: ◆.3K0J0LEf2 2016/04/07(木) 23:30:03.28 ID:kqK4T9TNo
チノ「あっ…」ヒュー

ココア「チノちゃん! …おっとっと!?なんとかキャッチできた…」ガシッ

千夜「チノちゃん大丈夫!?」

チノ「うぅ…!!」

ココア「チノちゃん!?」

犯人「あっはっは!いい闇だ!次に取り憑くのは君に決まりだ!」

チノ(…私、魔法少女になってから失敗してばかりで、その度にココアさんに助けられて)

チノ(この街を守るって、みんなの笑顔が見たいって決めたのにどうして…!)

ティッピー「チノ、しっかりするんじゃ!」

181: ◆.3K0J0LEf2 2016/04/07(木) 23:31:10.57 ID:kqK4T9TNo
ココア「チノちゃん!しっかりして!!」

チノ(ああ、またココアさんを悲しませてしまった…)

犯人「そうだ、悪いけど君に取り憑いた後は、残りの子は抹殺させてもらうからね」

チノ(抹殺…?みんな酷いことされるの…?)


ココア『…けど、きっと私は傷つかないと思うなぁ』

ココア『だって、どんなことがあっても… チノちゃんが、魔法少女チノが守ってくれるんだもん!』ニコッ


チノ(守らなきゃ… みんなを守らなきゃ… ココアさんを守らなきゃ──)




チノ(──みんなを傷つける奴は、一人残らず消し去ってやる)

182: ◆.3K0J0LEf2 2016/04/07(木) 23:32:48.81 ID:kqK4T9TNo
チノ「消し去ってやる…」

ココア「チノちゃん?」

チノ「千夜お姉ちゃんを操ったお前を、ココアお姉ちゃんを傷つけようとするお前を…」

チノ「跡形も残らず!消し去ってやるっ!!」ボワワン

ココア(チノちゃんの服が黒くなった… それに髪の色まで…?)

千夜「…これからは黒マメ隊かしら?」

犯人「思っていたよりも大物だね… 取り憑き甲斐がありそうだ」

チノ「取り憑かせてあげると思ってるの?」

犯人「何?」

183: ◆.3K0J0LEf2 2016/04/07(木) 23:34:29.33 ID:kqK4T9TNo
チノ「ブランデーショット!!」ズドン

犯人「残念だけど、狙えてないみたいだよ?」

ズドォォォォン

犯人「一体今のは!?」

チノ「あーあ、後ろの山がヘコんじゃったよ。お前に当たってくれれば良かったのに」

チノ「けど、当たるまで撃つだけ!ブランデーショット!」ズドン

犯人「うおっと、これは危険だね… 避けるので精一杯だ」スッ

ズドォォォォン

184: ◆.3K0J0LEf2 2016/04/07(木) 23:35:35.38 ID:kqK4T9TNo
ココア「今のも、山がヘコんだ音なのかな…?」

千夜「もし、これが甘兎を壊した音だとしたら、私、どうすれば…!」オヨヨ

ココア「今のチノちゃんの攻撃、甘兎庵がある方向と逆だったよね!?」

千夜「あら、そうだったかしらー」

チノ「また外しちゃった… もう一度!ブランデーショット!!」ズドン

犯人「ぐわぁ!掠っただけでこのダメージとは、流石にこれは命の危機だね…」チリッ

ズドォォォォン

185: ◆.3K0J0LEf2 2016/04/07(木) 23:36:30.23 ID:kqK4T9TNo
犯人「このままでは不味い… そうだ!」スッ

千夜「民家に張り付いた…?何をするつもりかしら」

チノ「明かりのおかげで狙いやすくなっただけだよ!ブランデー…」

犯人「待つんだ。君は、この家の人まで巻き込むのかい?」

ココア「…!」

チノ「…お姉ちゃんたちを守るための、犠牲になってもらうよ」

ココア「チノちゃん!?」

犯人「何だと…?」

186: ◆.3K0J0LEf2 2016/04/07(木) 23:37:38.35 ID:kqK4T9TNo
チノ「自分でいい闇だとか言ってたくせに、私が戸惑うと思ったの?じゃあね、ブランデー…」

ココア「チノちゃんストップ!!」ダキッ

チノ「…ココアお姉ちゃん?」

ココア「チノちゃん、そんなことしちゃダメ!」グイッ

ココア「チノちゃんがそんなことをしたと知ったら、みんな悲しむよ!」メッ!

チノ(…そうだ、私はみんなの笑顔が見たいと思って戦っていたのに──)

チノ「ごめんね、お姉ちゃん…」

ココア「チノちゃん…!」

187: ◆.3K0J0LEf2 2016/04/07(木) 23:38:23.38 ID:kqK4T9TNo
ココア「…でも一番ダメなのはやっぱり、チノちゃんをここまで追い込んじゃった私です!」ガンガン

チノ(──えぇ!?どうしてココアさんが悪いことになってるの!?)

チノ「…ココアさん、ありがとうございます。おかげで目が覚めました!」パァーン

ココア「チノちゃんが、元に戻った…!」パァァ

犯人「何!闇が消えただと!?」

チノ「一旦、ダンディライオンの後ろへ戻ります。ラビットジャンプ!」ピョピョン

チノ(またココアさんに叱られちゃった。でも、やっぱりあったかい感じだったな…)ズサーッ

188: ◆.3K0J0LEf2 2016/04/07(木) 23:39:49.24 ID:kqK4T9TNo
千夜「チノちゃん、おかえりなさい」ニコッ

チノ「ただいまです」

ココア「これでチノちゃん完全復活だね!けどどうしよう、真っ暗で戦いづらいんじゃないかな?」

チノ「確かに… 犯人の技も見えません」

ピカッ ピカッ ピカッ

なんかデカイ音がしたぞ

こんな夜遅くに何…?

ドォンって鳴ってたけど何が起こったんだ?

ココア「…さっきの音で起きた人の家から明かりが!」

189: ◆.3K0J0LEf2 2016/04/07(木) 23:40:30.24 ID:kqK4T9TNo
犯人「何!?ぐぅ… 光が増えたね。さっさとケリをつけるよ!ダークネスボール!」ブゥン

チノ「家の光で犯人が弱っています!」

ココア「でも、まだ見えにくいよ…」

千夜「…ココアちゃん、ここにはあれがあるでしょう?」

ココア「…そうだ、あれがあるんだね!」

チノ「ココアさん、本当にわかってるんですか?」

ココア「わっ、わかってるよ?」

チノ「どうして疑問形なんですか…」

190: ◆.3K0J0LEf2 2016/04/07(木) 23:42:22.09 ID:kqK4T9TNo
千夜「あ… でも、スイッチをオンにするのに、犯人の攻撃をくぐり抜ける必要があるんじゃないかしら?」

チノ「千夜さん、その心配は無用です。心優しいうさぎさん!私に力を貸してください!」

ピカァー

羽が生えたあんこ&ワイルドギース チィーッス

千夜「あら、あんこに羽がついてるわ」ウフフ

チノ「うさぎさん!二人をイルミネーションのスイッチまで送ってください!」

うさぎ2匹 コクコク

191: ◆.3K0J0LEf2 2016/04/07(木) 23:42:58.35 ID:kqK4T9TNo
ココア「あれって、イルミネーションのことだったんだ!」

チノ(やっぱり分かってなかった…)

チノ「ではうさぎさん、お願いします」

うさぎ2匹 マモナクハッシャイタシマス

ピカァー

シュイーン

ココア「…これが、イルミネーションのスイッチなの?」

千夜「そうよ… スイッチオン!」カチッ

192: ◆.3K0J0LEf2 2016/04/07(木) 23:43:54.37 ID:kqK4T9TNo
キラキラ

ココア「うわぁ…!きれい…!!」

千夜「そうね。でも、今は見とれている場合じゃないわ」

ココア「そうだね、チノちゃんのもとに戻らなきゃ!うさぎさん、お願い!」

うさぎ2匹 マモナクハッシャイタシマス

ピカァー

シュイーン

チノ(上手くいったみたい …でも)

犯人「光は苦手だが、このくらいなら耐えられるさ!」

犯人「それに、周りが明るければ避けられるなんて、そんな甘い話があるわけ無いだろう?」

ブゥン ブゥン ブゥン ブゥン ブゥン ブゥン ブゥン ブゥン ブゥン ブゥン ブゥン ブゥン ブゥン ブゥン ブゥン ブゥン ブゥン ブゥン ブゥン ブゥン ブゥン

チノ(弾、多過ぎないかな?)

195: ◆.3K0J0LEf2 2016/04/09(土) 00:34:36.16 ID:TIfgtHjLo
ココア「ただいまチノちゃん!」

千夜「イルミネーションで犯人の技が見えるようになったわね」

チノ「はい、おかげさまで。ですが…」

ココア「たくさん飛んで来ると避けられないよ…」

チノ「こんなに弾が飛んで来るとは思ってもいませんでした…」

千夜「ふふふ、こんな事もあろうかと、そこにあったコンセントにポットを繋げてお湯を沸かしておいたのよ!」

ココア「おおー?」

チノ(それ盗電じゃ… あ、自由に使っていいって書いてある)

196: ◆.3K0J0LEf2 2016/04/09(土) 00:35:41.20 ID:TIfgtHjLo
千夜「チノちゃんは、飲み物の力を使うんでしょう?」

チノ「ですが、ただのお湯ですよね?そこまで大きな力が出せるとは思えません」

千夜「まだよ!ここからが私の本領発揮なんだから!」

ココア「千夜ちゃんが燃えてる!!」

千夜「帛紗にお茶碗に棗に茶杓に柄杓、そして茶筅!他の道具は今はいらないわね」バァーン

チノ「それ茶道の道具ですよね?一体どこから取り出したんですか!?」



※茶筅=竹でできた、泡立て器を小さくしたみたいなやつ 他は今はどうでもいいんで省略

197: ◆.3K0J0LEf2 2016/04/09(土) 00:36:56.59 ID:TIfgtHjLo
千夜「一服差し上げます」ペコ

チノ「えぇ!?今から抹茶を点てるつもりなんですか!?」

ココア「ダンディライオンがいるから大丈夫だよー」

ダンディライオン( 「゚Д゚)「 ゴルァ!

チノ「そういう問題じゃないですよね!?」

千夜「そうだわ、急いでいるから細かいところは省略しなきゃ…!」

チノ「一から全部やるつもりだったんですか!?」

198: ◆.3K0J0LEf2 2016/04/09(土) 00:38:20.61 ID:TIfgtHjLo
千夜「出来たわ!渾身の出来よ!」

チノ「すごく綺麗ですね… とてもきめ細やかな泡です」

ココア「じゃあ、その抹茶をボトルに入れちゃうね!」ザァー

チノ「千夜さん渾身の出来の泡が崩れちゃいますよ?」

ココア「今は気にしてる余裕ないよ!」

チノ「確かにそうですが…」

199: ◆.3K0J0LEf2 2016/04/09(土) 00:38:58.64 ID:TIfgtHjLo
ココア「それじゃあ、宇治抹茶をセット!」ガチャ!

ピカァー

チノ「これはもしかして…」

ココア「ハートパズルだね!」

千夜「あら、私とチノちゃんが光ってるわ。それに茶筅も」

シャキーン!

チノ「甘くて美味しい幸せの風景、もっと描こう!伝えて繋がる、ハートパズル!」

チノ「お淑やかな和風美人!千夜ハート!」

200: ◆.3K0J0LEf2 2016/04/09(土) 00:40:54.97 ID:TIfgtHjLo
ココア「今度は服が甘兎庵の制服みたいになったね!それにその髪型、色は変わってないけど千夜ちゃんみたい!」

ティッピー「ティースプーンが消えて、今度は茶筅とやらが出てきたんじゃが…」

千夜「チノちゃん…!ついにコーヒー派から抹茶派になったのね…!!」

ココア「ヴェアアアアアアアア!!チノちゃんとられたぁぁああ!?」バターン

ティッピー「そう簡単に孫を渡してたまるか!!」

チノ「勝手に抹茶派にしないでください。私はコーヒー派です」

千夜「あら、残念ね…」

201: ◆.3K0J0LEf2 2016/04/09(土) 00:41:44.39 ID:TIfgtHjLo
チノ「さて、そろそろ決着をつけてきます」

千夜「いってらっしゃい」ニコッ

ココア「チノちゃん、ファイトだよー!」

チノ「はい!…ラビットジャンプ!」ピョピョン

犯人「あはは!この弾幕の前では、どんな力をつけようが回避など不可能!」

チノ「それは困りましたね… でも、そう言う割には当たってないですよ?」ヒョイ

犯人「ばっ、馬鹿な!」

202: ◆.3K0J0LEf2 2016/04/09(土) 00:42:57.13 ID:TIfgtHjLo
ココア「千夜ちゃんの危機回避能力に、攻撃を当てられるわけがないよ!」

千夜「あら、そうなの?知らなかったわ」キョトン

ココア「え、自覚なかったの!?」

チノ「そこです!煌めく三宝珠!!」シュバァ

チノ(ピンク、茶色、緑の三色団子から、三色のレーザーが飛んで行く… 茶色の団子はコーヒー味かな?)

犯人「ぐぅ!?光で攻撃を…!」

チノ「もう一度!煌めく三宝珠!」シュバァ

犯人「ぐわぁ!!」

203: ◆.3K0J0LEf2 2016/04/09(土) 00:43:56.77 ID:TIfgtHjLo
犯人「クソッ!こうなったら、全エネルギーを注ぎ込んで避けられない弾幕を作る!」

犯人「ダークネスウォール!」ドドドド

千夜「大変、あれじゃ避けられないわ!」

ココア「大丈夫!チノちゃんにはあれくらい余裕だよ!」

チノ「犯人さん、一々呟いていたら墓穴を掘りますよ!ラビットジャンプ!!」ピョピョン

犯人「何!?ダークネスウォールを飛び越えただと!」

チノ(全エネルギーを使っている以上、もう追撃は来ない!)

204: ◆.3K0J0LEf2 2016/04/09(土) 00:44:39.06 ID:TIfgtHjLo
ココア「チノちゃん、フィニッシュだよ!」

チノ「ええ、ココアさん!」

チノ「あなたの荒んだ心、この一杯で癒します!!」クルクル

チノ「カフェラテ・カフェモカ・カプチーノ!ハートチェンジ!」




チノ「 千 ・ 夜 ・ 月 ! ! 」シュバァァァァァ




犯人「ぎゃああぁぁあああ!!」ピカッ




チノ「悪い子は焙煎しちゃうよ☆」

205: ◆.3K0J0LEf2 2016/04/09(土) 00:47:46.88 ID:TIfgtHjLo
チノ(今回はハートパズルの時間が切れてないけど、自分で解除できたりするのかな… できた)パァーン

ココア「カッコよかったよ、チノちゃん!」

千夜「今回も大活躍ね、チノちゃん」

チノ「しかし、最後に犯人から光が放たれたことが気になるのですが…」

ブゥーン ブゥーン

チノ「電話がかかってきました …リゼさんからだ。もしもし?」ピッ

リゼ『チノ、お手柄だ!』

206: ◆.3K0J0LEf2 2016/04/09(土) 00:48:20.02 ID:TIfgtHjLo
チノ「え?何のことですか?」

リゼ『チノが例の怪人を倒したんだろう?倒れていた人が意識を取り戻し始めたんだ!』

チノ「それは本当ですか!?良かった…」

リゼ『これにて一件落着だな …おっと、親父に呼ばれたから失礼するよ。おやすみ、チノ』

チノ「おやすみなさい、リゼさん」ピッ

チノ「朗報です。倒れていた人が意識を取り戻し始めたそうです!」

ココア「やったぁ!じゃあさっきの光はきっと、犯人が持ってた倒れていた人の気力みたいなものなんだよ!」

207: ◆.3K0J0LEf2 2016/04/09(土) 00:51:31.43 ID:TIfgtHjLo
チノ「どんな想像ですか… まあ、無事に解決したので問題無いですね」

ココア「…そういえば、なんで夜に怪人に話しかけられたら目が覚めなくなるなんて噂が流れたんだろう?」

千夜「そうね、意識が戻らなくなった人が自分で噂を流したわけでもないでしょうし…」

チノ「多分、その人たちの知り合いの方が流したんじゃないですか?」

ココア「…どういうこと?」キョトン

チノ「犯人に取り憑かれた人は、取り憑かれた次の日の朝や昼は普通に会話していたはずです」

千夜「太陽が出ている間は何もしてないって犯人が言っていたものね」

208: ◆.3K0J0LEf2 2016/04/09(土) 00:52:09.21 ID:TIfgtHjLo
チノ「その時に取り憑かれた人が、昨日の夜に変な人に話しかけられた、などと知り合いの方に話したんだと思います」

ココア「そう言えば、私たちも千夜ちゃんに話しかけられたよね」

チノ「その後、取り憑かれた人が意識を失うわけですが、その際に知り合いの方は」

チノ「変な人に話しかけられたあいつの目が覚めなくなった、なんて周りに話したんじゃないでしょうか」

千夜「それがいくつも起きて噂になったってこと?」

チノ「恐らく… と言ってもただの想像ですよ。本当かどうかはわかりません」

209: ◆.3K0J0LEf2 2016/04/09(土) 00:53:28.34 ID:TIfgtHjLo
ココア「チノちゃん、軍師の次は探偵になるの?」

チノ「私はバリスタになるんです。軍師にも探偵にもなりません」

ココア「とにかく、これで事件も解決だよ!もう時間も遅いし帰ろっか」

千夜「…あの、ココアちゃん、チノちゃん、本当にごめんなさい!」

ココア「悪いのは犯人だよ?」

チノ「私もココアさんと同じ意見です」

千夜「ううん、きっと私があんな酷いことを考えていたから、犯人に取り憑かれちゃたのよ…」

210: ◆.3K0J0LEf2 2016/04/09(土) 00:55:24.13 ID:TIfgtHjLo
ココア「そんなことないよ!だって千夜ちゃんは犯人を追い出したんだよ?」

千夜「でも、酷いことを考えていたのは本当よ。実際に二人を傷つけようとしたわ…」

チノ「…きっと千夜さんは、私にもやもやしていたんですよね?」

千夜「そうよ、私はチノちゃんに嫉妬していたの…」

チノ「青山さんが言っていました。もやもやするのは、とても大切な人達に囲まれているからだと」

チノ「千夜さんは、ココアさんをとても大切だと思っているから私にもやもやしたのでしょう」

千夜「そうね、私はココアちゃんがとても大切だと思ってるわ。もちろん、チノちゃんやシャロちゃんにリゼちゃんも」

211: ◆.3K0J0LEf2 2016/04/09(土) 00:56:55.70 ID:TIfgtHjLo
チノ「でしたら、千夜さんに私たちを傷つけようなんて気持ちがある訳ないです」

チノ「なので、今回悪かったのは、千夜さんに付け込んで取り憑いた犯人です」

ココア「そうだよ、千夜ちゃんが私たちを傷つけようなんて思うわけないもん!」

千夜「あらココアちゃん、そうは言えないんじゃなかったの?」

ココア「あれは結果的に千夜ちゃんの周りで被害者が出てるだけで、ワザとやった訳じゃないってわかってるよ!」

チノ「ココアさん、ストレートに言い過ぎです」

チノ(主な被害者はココアさんとシャロさんだけど)

212: ◆.3K0J0LEf2 2016/04/09(土) 00:57:42.40 ID:TIfgtHjLo
千夜「チノちゃん、ココアちゃん、ありがとう…!」

チノ「礼なんていりませんよ」

ココア「うんうん」

千夜「…あれ、チノちゃんが二人…?」フラッ

ココア「千夜ちゃん!?」

千夜 「すぅ…」

チノ「寝ちゃったみたいです。よっぽど疲れていたんですね」

ココア「家まで送っていかなきゃね。よいしょっと…」

213: ◆.3K0J0LEf2 2016/04/09(土) 00:59:24.41 ID:TIfgtHjLo
チノ「…ココアさん、今日はお見苦しいところをお見せしました」

ココア「あのチノちゃんも可愛かったよ?ちょっと怖かったけど」

チノ「でも、もしあの時ココアさんが止めてくれなかったらと思うと…」

ココア「お姉ちゃんなんだから、妹が間違ったことをしていたら止めないと!」

チノ「私はココアさんの妹ではありません」

ココア「…もっとお姉ちゃんに頼っていいんだよ?」

214: ◆.3K0J0LEf2 2016/04/09(土) 00:59:55.98 ID:TIfgtHjLo
チノ「ですから、私はココアさんの妹では…」

ココア「もう!チノちゃんは、一人で抱え込み過ぎだよ!」プンプン

チノ「そうでしょうか?」

ココア「そうだよ!きっとチノちゃんは私が言った、魔法少女チノが守ってくれるって言葉に囚われてるんだよ!」

チノ「…!」

ココア「ごめんねチノちゃん。これからは、チノちゃんに任せきりみたいこと言わない」

チノ「いえ、元々あれは私が言い出したことですし…」

215: ◆.3K0J0LEf2 2016/04/09(土) 01:00:45.87 ID:TIfgtHjLo
ココア「そんなこと言わないでチノちゃん。私は、転送機でチノちゃんをサポートするんだよ?」

ココア「つまり、私とチノちゃんはコンビ!アニメで言うダブル主人公なんだよ!」

チノ「コンビ、ですか?」

ココア「そう、コンビだよ!一心同体だよ!」

チノ「…そうかもしれません」

ココア「一心同体なんだから、喜びも悲しみも分け合うの!もちろん悩みだって。だから困ったときは…」

216: ◆.3K0J0LEf2 2016/04/09(土) 01:01:24.13 ID:TIfgtHjLo
ココア「お姉ちゃんにまかせなさい!」




チノ「…ありがとう、ココアお姉ちゃん」ニコッ



終わり






ココア「あ、ごめんチノちゃん。千夜ちゃんが落ちるのを止めたら聞き逃しちゃった」テヘッ

チノ「…もうココアさんなんて知りません!」プイッ

ココア「うぇえ!?チノちゃん許してー!」

221: ◆.3K0J0LEf2 2016/04/24(日) 22:48:12.08 ID:5/zFfIh2o
~店内~

チノ「リゼさんから私に依頼、ですか?」

リゼ「ああ、魔法少女になれるチノにしか頼めないことなんだ」

ココア「リゼちゃんなら、チノちゃんに頼らなくても兵器があるよね?」

リゼ「そんな物をポンポン使ってられるか!」

チノ「それで、依頼とはどんな内容なんですか?」

リゼ「…怪盗ラパンを止めて欲しいんだ」

チノ・ココア「「…え?」」

222: ◆.3K0J0LEf2 2016/04/24(日) 22:49:04.75 ID:5/zFfIh2o
チノ「…怪盗ラパンってアニメですよ?放送局でも潰すんですか!?」

リゼ「違う!」

ココア「じゃあ、原作を出版してる生諭社に乗り込むとか!?」

リゼ「それも違う!…と言っても、その反応が普通だよな」

チノ「…まさか、本物のラパンが現れたとでも?」

リゼ「…そのまさかだ。新たな予告状も届いた」

ココア「…とうとう街を騒がせてしまうとはね。ラパンの正体は私だぁ!」

リゼ「ココアのラパンごっこが噂になったわけじゃない… 正真正銘、本物の怪盗ラパンだ」

223: ◆.3K0J0LEf2 2016/04/24(日) 22:49:57.04 ID:5/zFfIh2o
ココア「えぇ!?でも、現実にラパンが出てくるなんて…」

チノ「フルール・ド・ラパンと怪盗ラパンがコラボした時に、シャロさんがコスプレしていましたが…」

リゼ「今回は誰かのコスプレとかじゃない。実際に、何度か活躍してるしな」

ココア「活躍?犯行じゃなくて?…実はリゼちゃん、ラパンの大ファンなの?」

リゼ「そういう訳じゃなくてだな… 怪盗ラパンがすることは、盗まれたものを持ち主に返すだけなんだよ」

チノ「なるほど、それで活躍ですか」

ココア「カッコいい…! あれ?それじゃあ止める必要無いよね?」

224: ◆.3K0J0LEf2 2016/04/24(日) 22:50:54.41 ID:5/zFfIh2o
リゼ「…実は、臨時で警部になってるんだ。それも、怪盗ラパン対策特別チームの」

ココア「え、誰が?」

リゼ「…私が」

チノ・ココア「「…えええぇぇぇええ!!?」」

リゼ「自分でも驚きだよ… 誰なんだ、こんなふざけた話を通した奴は…」



リゼ父「ハァックション! …誰かが俺の噂を?」

225: ◆.3K0J0LEf2 2016/04/24(日) 22:51:43.15 ID:5/zFfIh2o
ココア「つまりリゼちゃんは、ラパンを捕まえなきゃいけないの!?」

リゼ「立場上はそうなるな …あくまで、立場上は だが」

チノ「…リゼさんには、ラパンを捕まえる気はないんですか?」

リゼ「ああ、私はラパンを止めたいだけだ」

ココア「でも、ラパンはいいことをしてるんだよね?リゼちゃんは悪に味方するの!?」

リゼ「結果的にはそうなってしまうが… 私はただ、ラパンに捕まって欲しくないだけなんだ」

ココア「じゃあ、警部なんてしなければ…」

226: ◆.3K0J0LEf2 2016/04/24(日) 22:52:59.42 ID:5/zFfIh2o
リゼ「…もし仮に私が請け負わなくても、必ず誰かが捜査に当たる」

チノ「そんな!ラパンは何も悪い事してないじゃないですか!」

リゼ「そうだ、ラパンは盗品しか狙わない。でも、盗品を取り返す時に不法侵入をしなければならない。」

リゼ「だから、ラパンから予告状が出れば警察は必ず動く。まあ、盗品を取り返すのも窃盗に当たるそうだが…」

ココア「そっか…」

リゼ「ラパンは何も悪いことをしてない。ただ盗品を取り返してるだけ。だからこそ活躍を止めたいんだ」

リゼ「そうすればラパンは、正体さえバレなければ警察に追われることの無い生活ができるからな」

227: ◆.3K0J0LEf2 2016/04/24(日) 22:53:37.06 ID:5/zFfIh2o
チノ「そういうことでしたか… ココアさん、どうします?」

ココア「協力するに決まってるよ!って言いたいところなんだけど…」

リゼ「何か都合が悪いのか?」

ココア「実は最近、怪物が出たって噂が…」

チノ「ココアさん、確かその噂は昼に出るって話でしたよね?リゼさん、ラパンの次の活躍はいつですか?」

リゼ「シンプルなものだが予告状が届いている。それによると、明日の夜の十時に来るそうだ」

チノ「では、問題無いですね?」

ココア「うん!だったら私たちも協力するよ!」

228: ◆.3K0J0LEf2 2016/04/24(日) 22:54:09.44 ID:5/zFfIh2o
リゼ「ありがとう…チノ、ココア!」

チノ「私たちは仲間ですから」

ココア「頑張っちゃうよ!」

リゼ「詳細は明日メールで送る。厳しい戦いになると思うが、全力を尽くすぞ!」

ココア「おー!」

チノ「おー」

229: ◆.3K0J0LEf2 2016/04/24(日) 22:54:52.02 ID:5/zFfIh2o
~次の日の夜:予告現場~

チノ(狙われた家は五階建てか…)

リゼ「二人とも、よく来てくれたな」

チノ「協力すると約束しましたから」

チノ(リゼさんが警部のような格好を… 本当に警部になってるんだ)

ココア「ところでリゼちゃん、止めるって言ってもどうすれば良いの?」

リゼ「できればラパンを追い返して欲しい。最悪、捕まえた後に逃がす」

チノ「不法侵入は防がなくて良いんですか?」

230: ◆.3K0J0LEf2 2016/04/24(日) 22:56:20.01 ID:5/zFfIh2o
リゼ「ラパンは屋根の上を通ることが多いんだ。その時点ですでに不法侵入だからな…」

チノ「なるほど…」

ココア「うっかりすれば私たちも捕まっちゃう!?」

リゼ「チノとココアには、すでに許可が出ているから問題ないぞ」

ココア「そっか、良かった」ホッ

チノ「ところでリゼさん、今回ラパンに狙われているのはどんな物なんですか?」

リゼ「…スワローティアラと言うお宝だそうだ」

チノ「それって…!」

231: ◆.3K0J0LEf2 2016/04/24(日) 22:57:03.60 ID:5/zFfIh2o
ココア「チノちゃん知ってるの?」

チノ「…いえ、なんでもありません」

ココア「?」

リゼ「ん、そろそろ予告された時刻になるな」

ココア「いよいよだね…!」

チノ「上手くいくと良いですね」

ココア「じゃあ、チノちゃん!」

チノ「はい、ココアさん」

232: ◆.3K0J0LEf2 2016/04/24(日) 22:57:32.47 ID:5/zFfIh2o
チノ(ブルーのリボンを結んで、ついてる宝石を叩いて)ポン

シュイーン ピカッ!

チノ(アンゴラウサギの帽子をかぶったら…)

チノ「魔法少女チノ、華麗に爆誕です!」ドヤ

ティッピー(毎回思うが、帽子になっても平気な体とはワシは一体どうなっとるんじゃ…)

ココア「チノちゃん、もう決め台詞が頭に浮かぶ機能はついてないよ?」

チノ「え!?そっ、それは、その… 気にしないでください!」カァ

233: ◆.3K0J0LEf2 2016/04/24(日) 22:58:40.00 ID:5/zFfIh2o
??? スィー

リゼ「…!来たな、怪盗ラパン!!」

ラパン?「…」スィー

チノ「ハンググライダーに乗ってきた!?」

ココア「チノちゃん、迎え撃つよ!」

チノ「はい!ラビットジャンプ!!」ピョピョン

チノ(家の屋根に飛び乗って、そこで迎え撃つ!)スタッ

234: ◆.3K0J0LEf2 2016/04/24(日) 23:00:23.22 ID:5/zFfIh2o
ココア「行くよチノちゃん!キリマンジャロ少なめバージョン!」ガチャ!

チノ「リミッターオン!キリマンジャロブラスト!」ヒュン

チノ(今日のために、ココアさんに頼んで作って貰った低威力版…)

チノ(それでもかなりの強風のはず。これならラパンも近づけない!)

ラパン?「…」ヒュー

ココア「嘘、墜落しちゃった!?」

リゼ「ラパンに限ってそんなはずはない… あれは人形だ!!」

チノ「そんな!?なら、本物はどこに…?」

235: ◆.3K0J0LEf2 2016/04/24(日) 23:01:18.98 ID:5/zFfIh2o
ラパン「昼は苛烈に特売を!夜は華麗にお宝を!狙った獲物は逃さない…」

ラパン「怪盗ラパン、参上!」

チノ(後ろ!?)

ラパン「こんばんは、かわいい魔法少女さん」

チノ「…本当に怪盗ラパンなんですね。いつの間にか後ろを取られてしまいました、流石です」

ラパン「魔法少女さんのお褒めに預かり光栄ね」

チノ(金色の髪に、マントと変わった形の眼鏡… まるでテレビから出てきたみたい)

236: ◆.3K0J0LEf2 2016/04/24(日) 23:02:04.62 ID:5/zFfIh2o
リゼ「怪盗ラパン!お前の活躍も今日までだ!!」

ラパン「あら、リゼ警部。その台詞はもう聞き飽きたわ」

チノ(…ラパンの声、どこかで聞いたことあるような?)

リゼ「ふん!今日という今日は絶対に止めてみせる!」

ラパン「ふふ!それは楽しみね!」

リゼ「貴様ぁ!」

チノ(リゼさんが鬼の形相に!? …まさか、アニメの警部の顔芸再現!?)

ラパン「あぁ、今日もリゼ先輩の敵意に満ちた視線を感じる…!」ボソッ

237: ◆.3K0J0LEf2 2016/04/24(日) 23:02:46.83 ID:5/zFfIh2o
チノ(…今、ラパンの口から変な言葉が聞こえたような?リゼ先輩がどうこう…)

ラパン「でもまあ、今回のリゼ警部はかわいい助っ人を連れて来たみたいね?」

リゼ「はっ!かわいいからって油断してると怪我するぞ!」

ラパン「うふふ!ご忠告、ありがとうございます!」

リゼ「くそっ!相変わらず余裕そうだな!」

ココア「リゼちゃん、今日は口悪すぎない!?」

ラパン「…さて、魔法少女さんは、他に一体どんな魔法を見せてくれるのかしら?」

チノ「…今からお見せしますよ!」

240: ◆.3K0J0LEf2 2016/04/25(月) 23:08:33.73 ID:UvGJU2Ljo
チノ「木組みの街で暗躍する怪盗は、私達が止めてみせます!」

チノ「魔法少女チノ!華麗に参上です!」

ラパン「ふふ!すごくカッコよくてかわいいわ!」

チノ「余裕でいられるのも今の内です!カプチーノショット!」ドン

ラパン「ちょっと!私これでも普通の女の子よ?そんなのが当たったら怪我しちゃうわ!」ヒョイ

チノ「躱しておいてよく言いますね!それに…」バキィ

ラパン「なっ!」

チノ「狙いはそのハンググライダーだったんですから、あなたが怪我をするはず無いですよ?」

241: ◆.3K0J0LEf2 2016/04/25(月) 23:10:31.83 ID:UvGJU2Ljo
ラパン「…あれ、結構な値段するのよ?」

チノ「私の知ったことではありません」

ラパン「もう、見事にやられちゃった!」

チノ「…その割には余裕そうですが。ところで、あなたはこの状況をどうするんですか?」

チノ「空を跳ぶ手段が失われた今、逃走経路は地上か屋根の上かの二択」

チノ「しかし、地上も周りの家の屋根の上も警察が配置されています。逃げ場はどこにもありません」

チノ「…降参しても良いんですよ?」

ラパン「…ふふ!降参なんてありえないわ。『狙った獲物は逃さない』が私の信条なの!」

242: ◆.3K0J0LEf2 2016/04/25(月) 23:11:19.10 ID:UvGJU2Ljo
チノ「でしたら、降参するまで付き合ってあげますよ!」

ココア「コーンシルクをセットだよ!」ガチャ!

チノ「コーンマシンガン!」ポンポンポンポン

チノ(当たっても痛いで済む程度の威力。でも、カプチーノショット以上に連射できて、拡散する!)

チノ「ここから先は通しません!」

ラパン「これ、地味に痛いわね! …なら、マントで身を防ぐまでよ!」バサァ

243: ◆.3K0J0LEf2 2016/04/25(月) 23:12:19.62 ID:UvGJU2Ljo
チノ「身を防いだ所で、動けなければどうにもなりません!」

ココア「コーンシルクはまだまだあるよ!」ガチャ!

ラパン「…ねぇ、魔法少女さん」

チノ「なんですか?」

ラパン「スワローティアラって、あなたの友だちの家の家宝でしょう?返してあげたいとは思わない?」

チノ「…どうしてそれを!」

ラパン「さぁ、どうしてかしらね?」

244: ◆.3K0J0LEf2 2016/04/25(月) 23:13:12.88 ID:UvGJU2Ljo
チノ(スワローティアラはメグさんの家の家宝。でも、どうして私とメグさんが友達だって知ってるんだろう?)

ラパン「さて、そろそろこのとうもろこし地獄から解放させてもらうわよ!」

チノ「そんなこと出来るわけが…」

ラパン「ラパンジャンプ!」ピョンピョン

リゼ「何!?コーンマシンガンを飛び越えたぁ!?」

チノ「靴にバネが…!」

ラパン「あなたが動揺してる隙に脱出よ!」スタッ

245: ◆.3K0J0LEf2 2016/04/25(月) 23:14:23.17 ID:UvGJU2Ljo
ココア「こうなったら奥の手だよ!お汁粉!」ガチャ!

チノ「甘美なる紅き呪縛!!」バシュン

チノ(これで捕まえてから、うさぎさんに頼んで無理矢理追い返す!)

ラパン「これは避けられない…!」バシャァ

リゼ「よし、ラパンが捕まった!」

ラパン「…うふふ!」

チノ「…何がおかしいんですか?」

246: ◆.3K0J0LEf2 2016/04/25(月) 23:15:06.91 ID:UvGJU2Ljo
ラパン「えいっ!」ヒュッ

パァン!

チノ「ラパンが割れた…!?これって、風船と小型スピーカーじゃないですか!…こっちには空気ボンベまで!」

チノ(トランプが飛んできた… ラパンのマークも入ってるし、きっとこれで風船を割ったんだ)

リゼ「何だと!?じゃあ、本物のラパンはどこだ!」

ラパン「ここよ、リゼ警部!」

リゼ「なっ、五階のベランダに!あそこにはスワローティアラが!」

ココア「いつの間に!?」

247: ◆.3K0J0LEf2 2016/04/25(月) 23:15:52.62 ID:UvGJU2Ljo
ラパン「とうもろこしを身代わりに受けさせている間に、反対側の窓から入っただけよ」

リゼ「馬鹿な!部屋の中の警備も万全だったはず…」

ラパン「あんな警備、唐辛子スプレーで楽勝よ!」

チノ「やられました… でも、この状況では逃げられませんよ!」

ラパン「それはどうかしら?」シュー

チノ「なっ、煙!?煙幕ですか!?」

リゼ「今、五階はどうなっている!」

248: ◆.3K0J0LEf2 2016/04/25(月) 23:16:51.00 ID:UvGJU2Ljo
ラパン「私に盗めない物は無いのよ!スワローティアラは確かに頂いたわ!」バサァ

チノ「マントがハンググライダーに!? …カプチーノショット!」ドン

ラパン「リゼ警部、またお会いできることを楽しみにしてるわ!魔法少女さんもね!」ヒョイ

チノ「躱された…!」

リゼ「ラパン、待て!」

ココア「…ラパン、行っちゃった」

リゼ「…」

249: ◆.3K0J0LEf2 2016/04/25(月) 23:18:14.85 ID:UvGJU2Ljo
~次の日:店内~

チノ「はぁ…」

リゼ「チノ、昨日のことをまだ気にしてるのか?」

チノ「私が油断していなければ、ラパンを逃がすことはなかったんですよ…」

リゼ「ふっ、甘いぞチノ。怪盗ラパンはそう簡単には止められない!」

ココア「リゼちゃんはラパンを止めたいんだよね!?」

リゼ「ああ。でも、ラパンは私のライバルでもある。油断しなければ捕らえられる、なんて奴じゃないことを一番わかっているつもりだ」

250: ◆.3K0J0LEf2 2016/04/25(月) 23:19:09.41 ID:UvGJU2Ljo
リゼ「だからチノ、そんなに気を病むんじゃない。ラパンのことだ、必ず次がある」

リゼ「その時にリベンジすればいい!たった一回の敗北で落ち込んでいる暇など無い!!」

ココア「そういえばリゼちゃんは、もう何度も敗北してるんだっけ?」

リゼ「そっ、それを言うんじゃない!」

チノ「…そうですね。ありがとうございます、リゼさん。次こそはラパンを止めてみせます!」

リゼ「その意気だ!」

ココア「私も、次までにはラパン対策の飲み物を探してくるよ!」

251: ◆.3K0J0LEf2 2016/04/25(月) 23:20:11.46 ID:UvGJU2Ljo
リゼ「ところで二人とも、昼に出る怪物の噂はどうなったんだ?」

ココア「情報はだいぶ集まってきたけど、まだ怪物は見つかってないの」

チノ「怪物が出たという話は聞くのですが、姿形も分からず終いで…」

リゼ「そうなのか?」

ココア「うん。なんでもその怪物は凄く光ってて眩しいらしくて、ほとんど見えないんだって」

チノ「それに怪物がしたことは、周囲の気温を真夏のように暑くして熱中症患者を出したことらしく…」

リゼ「それじゃ姿はわからないな… ってチノ、お前は助けを求める声がわかるんだろう?声がしたら駆けつければ良いじゃないか」

252: ◆.3K0J0LEf2 2016/04/25(月) 23:20:56.04 ID:UvGJU2Ljo
チノ「それがどうやら、大半の人が驚きはするものの、困惑するだけに留まっているらしいんです…」

リゼ「なるほど、確かに助けを求めたりするほどじゃないか…」

チノ「ええ、ですからもっと情報を集めるしかないです。お店が休みの日は見回りもするつもりです」

ココア「ひょっとして、すぐそこにいたりして」

チノ「そんなまさか… あれ?」

リゼ「…急に暑くなったような?」

ココア「気温35度!?」

253: ◆.3K0J0LEf2 2016/04/25(月) 23:21:39.45 ID:UvGJU2Ljo
リゼ「本当にすぐそこにいたとはな!今こそラビットハウスに仕込んだ兵器を… あれ、開かない?」

ココア「その扉、熱で歪んでるよ!」

リゼ「何!?それじゃ私は何もできないのか!」

チノ「とりあえず外へ出ます!」ダッ

ココア「私も行くよ!リゼちゃんは店番をお願い!」ダッ

リゼ「わかった!…水を用意しておくか」

255: ◆.3K0J0LEf2 2016/04/26(火) 23:42:44.88 ID:a78ZVmIbo
チノ「一体どうなって…」ガチャ

怪物? ギラギラ

チノ(凄く光ってるけど怪物なのかな?怪物だけじゃなくて、太陽も照っていて眩しい… 今は夕方のはずなんだけど)

ココア「わっ、凄く眩しい!こんな時のためのサングラスだよね!」カチャ

チノ「自分だけサングラスですか!?」

ココア「チノちゃんは変身すれば平気だから大丈夫だよ!」

チノ「はぁ、わかりました…」

256: ◆.3K0J0LEf2 2016/04/26(火) 23:43:25.25 ID:a78ZVmIbo
チノ「木組みの街の平和を乱す悪い人は、私達が許しません!」

シュイーン ピカッ!

チノ「魔法少女チノ、華麗に爆誕です!」

チノ(本当に眩しくなくなった…)

ティッピー(ワシは眩しいままなんじゃが)

チノ「先手必勝です!カプチーノショット!」ドン

怪物「むっ」ダッ

チノ「避けられましたか…」

257: ◆.3K0J0LEf2 2016/04/26(火) 23:45:29.42 ID:a78ZVmIbo
チノ(今回の怪物は人型みたい)

怪物「流石に、君には目眩ましなんて効かないか」シューン

チノ(わざわざ光を消してくれるんだ…)

チノ「まるで、私のことを知っているような口振りですね?」

怪物「当然知っているとも。なにせ、他の三体の化け物を倒したのは君じゃないか」

チノ「なるほど、すでに知られていたわけですか」

チノ(やっぱり、悪の組織みたいなのがあるのかな?)

258: ◆.3K0J0LEf2 2016/04/26(火) 23:47:04.96 ID:a78ZVmIbo
怪物「君と戦うために、私はわざわざ目立つ行動をしていたんだ。君をここで潰す!」

チノ「そんなに戦いたかったのなら、もっと派手にアピールすれば良かったのでは?」

怪物「それで、君と戦う前にガス欠しましたでは困るからな」

チノ「それもそうですね…」

怪物「では行くぞ!ハァ!」シュイーン

チノ(怪物の手に光が集まってる…?)

怪物「サンライトレイ!」ズバァ

チノ「ラビットジャンプ!」ピョピョン

チノ(太めのビーム… 魔法少女にならないと避けられなさそう…)

259: ◆.3K0J0LEf2 2016/04/26(火) 23:48:26.71 ID:a78ZVmIbo
怪人「ほう、これを避けるとは…」

チノ(光は消えたけど暑いまま… さっさと終わらせなきゃ!)

チノ「ココアさん、リゼさんのピースボトルを!」ズサーッ

ココア「わかった!ピースボトル、セット!」ガチャ!

ピカァー

チノ「たくさんの人に出逢い、少しずつ集めていく思い出ピース!今こそ繋がれ、ハートパズル!」

チノ「クールでキュートな教官!リゼハート!」

シャキーン!

260: ◆.3K0J0LEf2 2016/04/26(火) 23:49:24.14 ID:a78ZVmIbo
チノ「ウィークアナライズ!」ピロピロ

チノ(弱点を狙って…と思ったけど、特に目立った弱点はない… だったら、数多く撃ちこむしかないかな)

チノ「パトリオットピストル!」バン

怪物「ぐぅ… やるな!ならば、サンライトブレード!」スッ

チノ(光でできた剣… 接近戦は危険だろうな)

チノ「もう一度パトリオットピストル!」バン

怪物「ふんっ!」キィン

261: ◆.3K0J0LEf2 2016/04/26(火) 23:51:35.35 ID:a78ZVmIbo
チノ「弾かれた!?」

ココア「だったら弾かれにくい魔法だよ!インスタントコーヒー!」ガチャ!

チノ「インスタントですか!?味も良いとは言えないし、強力な魔法が使えるとは思えませんよ?」

ココア「ふっふっふっ… 多分、この魔法はコストパフォーマンスに優れてるんだよ!使ってみて!」

チノ「わかりました… インスタントボム!」ポイッ

怪物「こんな物、斬りつけて… 何!?」

ボカン!

チノ「名前から想像してはいましたが爆弾ですか。他の魔法の威力にも劣りませんね…」

262: ◆.3K0J0LEf2 2016/04/26(火) 23:53:15.51 ID:a78ZVmIbo
ココア「この魔法のイメージは地雷のような安い爆弾だと思うんだ。安いからたくさん使われたっていう怖い話を聞くよね」

チノ「確かに怖いですが、今はこれに頼る時です。もう一度使います!」

ココア「わかったよ!インスタントコーヒー!」ガチャ!

チノ「インスタントボム!」ポイッ

チノ(見た目はただの丸いボールなのに、どうして爆発するんだろう…)

怪物「甘いわぁ!」シュイーン

チノ(今更光を集めて何を…)

263: ◆.3K0J0LEf2 2016/04/26(火) 23:54:43.42 ID:a78ZVmIbo
怪物「ライトレイ!弾くことができないなら、躱せば良いだけだ!」ドン

ココア「技の反動で躱した!?」

チノ「さっきの技より少ない光で済む技を使ったみたいですね…」

怪物「今度はこちらから行くぞっ!サンライトブレード…ハァ!」ダッ

チノ(速い!)

怪物「でやああぁぁああ!!」ブン

ココア「ダンディライオン!」ガチャ!

ガキィン

ダンディライオン (「・ω・)「ガオー

264: ◆.3K0J0LEf2 2016/04/26(火) 23:56:54.07 ID:a78ZVmIbo
怪物「ふむ、そう簡単には倒せんか」

チノ「当たり前です。たとえ私が隙を晒しても、ココアさんのサポートだってあるんですから」

ココア「それに、チノちゃんは、凄く強いんだから…!はぁ…はぁ…」

チノ「ココアさん!?」

ティッピー「まずいぞチノ、熱中症かもしれん!」

チノ「それは大変です!ココアさん、ボトルの中の飲み物でも飲んでください!」

ココア「これは、チノちゃんのために、使わなきゃ…」

265: ◆.3K0J0LEf2 2016/04/26(火) 23:57:49.72 ID:a78ZVmIbo
チノ「そんなこと言ってる場合ですか!?」

リゼ「二人とも、これを受け取れ!」バァン ポイッ

チノ「これ、お水ですか!リゼさん、ありがとうございます!」ゴク

ココア「ありがとうリゼちゃん…」ゴク

リゼ「私もこれくらいはしないとな!」

チノ(リゼさんのおかげで助かった。でも、この暑さだと水だけで持つのかな…)

怪物「ふんっ!」スパッ

ダンディライオン (´・ω:;.:… ガオー…

266: ◆.3K0J0LEf2 2016/04/27(水) 00:00:14.81 ID:bFfZmZXwo
チノ「ダンディライオンがやられましたか…」

怪物「もう休憩は終わりだ。続きと行こう!ハァ!」シュイーン

チノ(あの技、太陽の光を集めているのかな?あれだけ照ってるんだから集め放題だよね)

怪人「サンライトレイ!」ズバァ

チノ「ラビットジャンプ!」ピョピョン

チノ(今の気温はどれくらいだろう?凄く暑い…)ズサーッ

ココア「暑いしさっさと倒しちゃうよ…!テデザリゼとブルーマウンテンを…」フラッ

267: ◆.3K0J0LEf2 2016/04/27(水) 00:00:46.89 ID:bFfZmZXwo
チノ「ココアさん!?」

ココア「大丈夫… まだ頑張れるから…」

チノ「やっぱり水を飲んだだけではダメだったんですか…」

怪物「ハァ!サンライトレイ!」ズバァ

チノ「ッ!ラビットジャンプ!」ピョピョン

チノ(今のココアさんに無茶はさせられない。こうなったら私一人で…)ズサーッ

チノ「あれ…?景色が歪んで…」フラッ パァーン

チノ(ハートパズルが切れた… ひょっとして、私ももう限界…?)

268: ◆.3K0J0LEf2 2016/04/27(水) 00:01:47.74 ID:bFfZmZXwo
~スーパー前~

ガヤガヤ

今日のタイムセールは終了でーす

シャロ「なんとか千五百円以内に収まったわ…」

千夜「お疲れ様、シャロちゃん」

シャロ「本当に疲れたわよ… でも、ここのスーパーはタイムセールが夕方だから助かるわね。夜だったらもっと疲れるわ」

千夜「昼は苛烈に特売を、ね。木組みの街を騒がせる大泥棒さん?」ウフフ

シャロ「はぁ… 最近噂の怪盗ラパンの正体は、特売に命を懸ける苦学生だなんて…」

269: ◆.3K0J0LEf2 2016/04/27(水) 00:03:11.01 ID:bFfZmZXwo
千夜「やっぱり、依頼人から謝礼くらい貰ってもいいんじゃないかしら?」

シャロ「馬鹿なこと言わないでよ。それじゃ泥棒と変わらないじゃない」

シャロ「大切な物を盗まれた人から金を取ろうだなんてありえないわ」

千夜「シャロちゃんは優しいわね。でも、バイトと怪盗の掛け持ちは大変じゃないかしら?」

シャロ「正直、甘兎庵からの援助がなかったら続けられないわ」

シャロ「予告状まで書いてもらってるし、千夜には感謝してもしきれないわね…」

千夜「シャロちゃんが活躍してくれたら、うちのラパングッズが売れるから良いのよ。甘兎グループ創設も夢じゃないわ!」

シャロ「相変わらず、あんたの野望は大きいわね…」

270: ◆.3K0J0LEf2 2016/04/27(水) 00:05:37.20 ID:bFfZmZXwo
千夜「夢はでっかくって言うもの!…でも、私が心配してるのはお金や道具の話じゃないのよ」

シャロ「じゃあ、何が心配なの?」

千夜「勉強にバイトに怪盗… こんなに忙しいと、シャロちゃんが体を壊さないか心配で…」

シャロ「…大丈夫よ!怪盗なんて、バイトを一つ増やしたみたいなものよ!」

シャロ(それに、バイト先のうち二ヶ所が修理中だから今は少しだけ余裕なのよね…)

千夜「でも…」

シャロ「もう、千夜は心配症なんだから!もしも体調が悪くなったりしたら、その時くらい怪盗も休業するわよ」

千夜「それなら良いのだけれど…」

271: ◆.3K0J0LEf2 2016/04/27(水) 00:06:14.37 ID:bFfZmZXwo
シャロ「とにかく、依頼人からお金を取ったりはしないわよ!」

シャロ「怪盗ラパンの目的は、お金なんかじゃない!この街の人を幸せにすることなんだから!」

千夜「でも最近は、リゼ警部に会うことの方が目的になってないかしら?」

シャロ「そっ、それは!」カァ

千夜「シャロちゃんったらお茶目さんね」

シャロ「うぅ…千夜ぁー!!」

千夜「まぁ怖い!」ウフフ

272: ◆.3K0J0LEf2 2016/04/27(水) 00:07:19.35 ID:bFfZmZXwo
シャロ「…そうこう話してる内に家についたわね」

千夜「あら、本当ね」

シャロ「私はこれから、チノちゃんのお父さんに情報を貰ってくるわ」

シャロ(チノちゃんのお父さんは普段、ラビットハウスのバータイムのマスターをしてる)

シャロ(けど、実は裏の世界の情報を提供する情報屋… この街、ちょっと物騒すぎないかしら?)

千夜「あら、ラビットハウスさんのバータイムはまだ先のはずよ?リゼちゃんとお喋りでもするのかしら?」

シャロ「うっ、うるさいわよ!とにかく行ってくるわ!」

千夜「いってらっしゃい」ウフフ

274: ◆.3K0J0LEf2 2016/04/28(木) 00:03:49.98 ID:XVKf82jKo
~ラビットハウス前~

シャロ(…なんでこんなに暑いのかしら?)

チノ「はぁ…はぁ…」

ココア「もう、ダメ…」

シャロ「何事!?」

怪物「流石にこの暑さでは、水を飲んだ程度では持たなかったようだな」

シャロ(そうだ、時計についてる温度計が…)

シャロ(って40度!?暑いってもんじゃないわよ!道理で二人とも辛そうにしてる訳ね…)

275: ◆.3K0J0LEf2 2016/04/28(木) 00:04:50.26 ID:XVKf82jKo
怪物「さて、そろそろ止めを刺すとするか… サンライトブレード!」スッ

シャロ(大ピンチじゃない!こうなったら…)ゴク

怪物「いい勝負だったぞ。さらばだ!」

シャロ「バレェボールゥ大好きぃー!!」バシュ

シャロ(カフェインでドーピングよー!偶々そこにボールがあって良かった!)

怪物「む」スパッ

シャロ「ボールが真っ二つに!?」

276: ◆.3K0J0LEf2 2016/04/28(木) 00:05:51.67 ID:XVKf82jKo
怪物「ふむ、まずは君から仕留めるとするか… ハァ!」ダッ

シャロ「スライディーング!!」ズサーッ

怪物「あれを躱すとは… 次は確実に仕留める!」

シャロ「ココアぁ、ちゃんとしなさいよ~!これ、私が勝手に使うわよ?」ガチャ!

チノ「…!キリマンジャロブラスト…!」ブォン

怪物「ぬぉ!」

シャロ「この飲み物はあの時の風が出るのね?鞄に入れてたフルールのうさ耳が飛ばされちゃった!」キャハ

277: ◆.3K0J0LEf2 2016/04/28(木) 00:07:52.04 ID:XVKf82jKo
チノ(こっちに飛んできた… と言うかフルールって制服は貸出だったような。洗濯でもするのかな?)

怪物「ハァ!」シュイーン

シャロ「嫌な予感がするからー、二人共逃げるわよー!」ズルズル

ココア「シャロちゃん、もうちょっと優しく、引っ張って…」

怪物「サンライトレイ!」ズバァ

シャロ「間一髪ね!」ヒャッホー

チノ「シャロさん危険です!どうしてこんなことを…!」

シャロ「危険も何も、チノちゃんがやられちゃったら誰がこの街の平和を守るのよー!」

278: ◆.3K0J0LEf2 2016/04/28(木) 00:09:13.82 ID:XVKf82jKo
チノ「…!」

シャロ「それに、私は前にチノちゃんに助けてもらったんだから、今度は私がチノちゃんを助けるの!」

チノ「シャロさん…」

怪物「サンライトブレード!ハァ!」ダッ

シャロ「唐辛子スプレー!!」プシュー

怪物「何!?」

シャロ「さっさと追い払うわよー!さっきの飲み物で吹っ飛べー!」ガチャ!

279: ◆.3K0J0LEf2 2016/04/28(木) 00:10:05.28 ID:XVKf82jKo
ピカァー

チノ「これは…!」

シャロ「すごーい!チノちゃん光ってる!私も光ってる!うさ耳も光ってる!」

チノ「楽しくなってきて、いつのまにかみんなと笑ってた!しあわせな気分、ハートパズル!」

チノ「エレガントでハイテンション!シャロハート!」

シャキーン!

シャロ「チノちゃんの服、フルールの制服みたい!」

280: ◆.3K0J0LEf2 2016/04/28(木) 00:11:00.14 ID:XVKf82jKo
チノ「夕飯までに、なんとか蹴りをつけるよー!」

シャロ「おー!!」

ココア「カフェイン酔いのシャロちゃんが、二人?そっか、チノちゃんには、元々コーヒーの力が…」

ティッピー(ワシにまで酔った思考が流れてくるんじゃが…)

怪物「やっと目の痛みが収まったな…」

チノ「もうボコボコにしてやるんだからー!」

チノ(ハイテンションだから、暑さも気にならない!)

シャロ「あれー?リゼ先輩の名前が書いてあるー!こっちは青山さんだー!」ガチャガチャ!

281: ◆.3K0J0LEf2 2016/04/28(木) 00:11:52.81 ID:XVKf82jKo
チノ「シャロお姉ちゃんありがとー!ネオブルーマウンテン!!」ズガァン

怪物「ぐわぁ!」

チノ「カフェインキィーック!!」ドガン

怪物「ぬおぉ!!」

チノ「やったぁ!怪物をぶっ飛ばしたよー!」

シャロ「やったわね、チノちゃーん!」

シャロ(絶好調じゃない!カフェイン酔いって意外と使えるのかも──)

282: ◆.3K0J0LEf2 2016/04/28(木) 00:12:39.13 ID:XVKf82jKo
チノ「この調子でやっつけちゃ…う…」パタッ

ティッピー(チノ!?)

シャロ「チノちゃん!?…ってあれ?私、カフェイン酔い切れた!?」

怪物「もう青い髪の少女も限界か…」

シャロ「ひょっとして絶体絶命!?」

シャロ(冷静になれ私! …だめ、暑さのせいで考えがまとまらない。気分も悪くなってきた…)

シャロ(タイムセールの後だからもう夕方よね。なんでこんなに日が照ってるのよ… ん?)

怪物「さて、まずは君を仕留める。何をされるか分からないからね」

283: ◆.3K0J0LEf2 2016/04/28(木) 00:13:25.02 ID:XVKf82jKo
シャロ「嘘でしょ!?」

怪物「行くぞ!サンライト…」シュイーン

シャロ「ここは逃げる!」ダッ

怪物「逃げただと?…まあ良い、残っている者を仕留めるだけだ」


シャロ「リゼ先輩!!」バァン

リゼ「シャロ!一体どうしたんだ!?」

シャロ「…手を洗いたいので洗面台を貸してください」

リゼ「あ、ああ…」

284: ◆.3K0J0LEf2 2016/04/28(木) 00:16:06.45 ID:XVKf82jKo
チノ(…シャロお姉ちゃんは、ラビットハウスに逃げたんだ。良かった…)

怪物「さて、今度こそ決着だ。この勝負はなかなか楽しめたぞ」

ココア「せめて、裏機能が…」ボソッ

チノ「…まだ、勝負は終わってない!」

怪物「ほう?まだ諦めないというのか。だが、君に勝機があるとは思えないがね」

チノ「諦めない限り勝負は終わらない!たとえ、幽霊になったとしても諦めないよ!」ガバッ

怪物「理解できんな。この絶望的な状況で、何故諦めずにいられる?」


怪人『なんでそこまで粘るんだぁ?俺には理解できねぇぜ?』


チノ「…懐かしい質問。けどそんなの、答えは決まってるよ」

285: ◆.3K0J0LEf2 2016/04/28(木) 00:16:49.16 ID:XVKf82jKo
チノ「一人で遊ぶのも好き。だけど一人ぼっちはヤダ…」

チノ「私は、みんなと一緒にいたい。大切なみんなの、とびきりの笑顔が見たい!」

チノ「そしてなにより、みんなが大好きだから!私がみんなを守る!」

チノ「だから、絶対に諦めない! 必殺Coffee!カフェインショット!!」ドォン

怪物「ぐぉお!?まだそんな力が残っていたとは…」

チノ「カプチーノショットよりも、強力な魔法だよ…!このまま押し切れば…」フラフラ

怪物「だが、たとえ君がいくら諦めなくとも、必ず限界は訪れる。もう終わりだ!」

???「あら、まだ終わるには早すぎないかしら?」シュバッ

286: ◆.3K0J0LEf2 2016/04/28(木) 00:18:00.87 ID:XVKf82jKo
サクッ

怪物「ッ!何者だ!」

チノ(あれは、トランプ…?それにあのマークは… まさか!?)

???「うふふ!…昼は苛烈に特売を!夜は華麗にお宝を!」

???「そして今は、この街の奪われた平和を!狙った獲物は逃さない…」

ラパン「怪盗ラパン、参上!私に盗めない物は無いのよ!」

チノ(ラビットハウスの屋上にラパンが… どうしてここに?)

怪物「怪盗ラパンだと!?」

287: ◆.3K0J0LEf2 2016/04/28(木) 00:19:01.82 ID:XVKf82jKo
リゼ「ラパン!一体どういうつもりだ!!」バァン

ラパン「こんにちは、リゼ警部。たった今宣言した通り、平和を取り返し、もとい盗み返しに来たつもりよ」

リゼ「意味がわからない!何をするつもりだ!!」

ラパン「こうするのよ!とぉー!!」バサァ

怪物「ハンググライダーで飛んだ!?」

リゼ「後ろには、紐で繋がれた大量の風船!?」

ラパン「向かいの建物に到着よ!後はこの紐を結びつければ…」スタッ

怪物「まさか!」

288: ◆.3K0J0LEf2 2016/04/28(木) 00:19:59.97 ID:XVKf82jKo
ラパン「これで、風船で作った日除けの完成よ!鬱陶しいほど照っている日差しも隠れるわね!」ウフフ

リゼ「なるほど、これなら暑さも和らぐはずだ!ラパン、でかしたぞ!」

ラパン「それに、どうやら怪物さんは光を集める技を使うみたいだしね?」

怪物「やられたな… だが、そうすぐには気温が戻るまい。お前たちが劣勢なのには変わりがないだろう」

ラパン「…それはどうかしら?リゼ警部の秘策が残っているのに?」

怪物「何だと!?」

リゼ「ラパン、貴様が何故それを知っている!」

289: ◆.3K0J0LEf2 2016/04/28(木) 00:20:36.81 ID:XVKf82jKo
ラパン「リゼ警部、それを説明している暇は無いわよ?」

リゼ「ふん、そんなことはわかってる!チノ、こいつを使え!」ブン

チノ「これは、うちのアイスコーヒー… そっか、このコーヒーなら涼しくできるかも!」

チノ「ココアお姉ちゃん、転送機借りるよ!」ガチャ!

ココア「うん、わかったよ…」

チノ「待っててお姉ちゃん、すぐに涼しくするからね!アイスフィールド!」カチーン

怪物「周囲一体を凍らせただと!?」

290: ◆.3K0J0LEf2 2016/04/28(木) 00:21:16.37 ID:XVKf82jKo
怪物「ここは一旦… サンライトブレード!くっ、光が足りないか!」

ラパン「よっ、と… 魔法少女さん、さっきの言葉には感動したわ!」スタッ

チノ「ありがとう…?」

ラパン「私も、みんなの笑顔が見たいわ。誰かの宝物を取り返したりするのもそのためね」

ラパン「だから… 一緒に、あいつから平和を盗み返すわよ!かわいい魔法少女さん!」

チノ「…わかったよ、怪盗ラパン!」

ココア「私、復活!これで私とチノちゃんの最強コンビに、怪盗ラパンが加わった最強トリオだよ!勝利確実だね!!」

ラパン「最強かどうかは知らないけど、最初から負ける気は無いわ!」

291: ◆.3K0J0LEf2 2016/04/28(木) 00:22:08.63 ID:XVKf82jKo
チノ「私もだよ!ここから大逆転なんだから!」

ピカァー

チノ「…あれ、この感じはハートパズル?でも、私はもうハートパズルを使ってるよ?」

ココア「飲み物もセットしてないよ?ハートパズル以外にも裏機能はあるけど… あ!ラパンと落ちてるトランプが光ってる!?」

ラパン「ひょっとして、魔法少女さんがパワーアップするのかしら?」


チノ「昼は苛烈に特売を!夜は華麗にお宝を!狙った獲物は逃さない!」

チノ「たとえ平和が奪われても、私たちが華麗に盗み返す!一緒なら素敵、ハートジャンプ!」

チノ「優雅で華麗な怪盗… ラパンハート!」

シャキーン!

292: ◆.3K0J0LEf2 2016/04/28(木) 00:25:37.98 ID:XVKf82jKo
疲れたので続きは明日
the phantom thief Lapinでも一応通じるのかもしれない
けど、いくら英語でもラピンに聞こえると思うのです
一応英語でも兎の毛皮という意味はあるらしいが、英語が苦手な俺にはよく分からん

「Next Lapin’s HINT!『194』」
「怪盗ラパンは、どうして盗品を狙うのでしょうか?警察に任せても良いのでは…」
「あっ!私、わかっちゃったかも!!」
「えぇ!?」


293: ◆.3K0J0LEf2 2016/04/29(金) 00:01:09.60 ID:87p/SRAfo
ココア「怪盗ラパンのコスプレ!? 髪色が違ったり、メガネを掛けてなかったりするけど」

ココア(ハートジャンプって、私にも発動条件がわからないんだよね)

ラパン「髪型もそっくりだし、その帽子がなければラパンを名乗れそうね」

チノ「…!!」

ココア「チノちゃん、どうしたの!?」

チノ「…さっきまでの私の言動は忘れてください!」カァ

ココア「あ、カフェイン酔いが治ったんだ」

ラパン「羞恥心で死にたくなる気持ち、わかるわ…」

294: ◆.3K0J0LEf2 2016/04/29(金) 00:02:31.43 ID:87p/SRAfo
怪物「仕方ない、ここは少ない光で攻撃する!ハァ!」シュイーン

ラパン「不味いわね、避けるわよ!」

怪物「もう遅い!ライトレイ…」

チノ「ラパンイリュージョン!私に盗めない物はありません!!」パン! シュイーン

ココア「怪物が集めた光を盗んだ!?」

チノ「相手が使おうとした物なら、魔法だろうがなんだろうが盗めます!ライトレイ!」シュバァ

怪物「何だと!?ぐぅ!」

ラパン「…怪盗ラパンも真っ青な魔法ね。ラパンは私だけど」

295: ◆.3K0J0LEf2 2016/04/29(金) 00:08:33.09 ID:87p/SRAfo
怪物「私の武器は、光だけではない!ふん!」ダン

チノ(こっちに突っ込んでくる!)

チノ「ラビットジャンプ!」ピョピョン

ラパン「ラパンジャンプ!」ピョンピョン

怪物「躱されたか!だが、このまま風船を割らせてもらう!」ピョーン

チノ(ジャンプで風船まで跳んで行くつもりみたいだけど…)

ココア「させないよ!キリマンジャロ、セット!」ガチャ!

チノ「キリマンジャロブラスト・ダウンバースト!」ブォン

チノ(ただ、地面に向かって風を吹かせただけだけど)

296: ◆.3K0J0LEf2 2016/04/29(金) 00:09:31.56 ID:87p/SRAfo
怪物「しまった!…ここはライトレイで割る!」ヒュー シュイーン

チノ「無駄です!ラパンイリュージョン!」パン! シュイーン

怪物「その魔法は何度でも使えるというのか!?」

チノ「当然です!ライトレイ!」シュバァ

怪物「うぬぅ…!ここまで追い詰められるとは!」

チノ「みんなを守るためなら、何度だって追い詰めてあげます!」

怪物「しかし、私もされるがままではない!ハァ!」ダッ

チノ「ラビットハウスの方へ!?」

297: ◆.3K0J0LEf2 2016/04/29(金) 00:10:17.79 ID:87p/SRAfo
ラパン「ラビットハウスにはリゼ先輩が…!させない、ラパンネット!頑丈なワイヤーで出来たネットよ!」バサァ

怪物「何!?ぐぬぅ、こんなもの…!」グググ

ラパン「魔法少女さん、あいつが脱出する前に仕込みを使うわよ!」

チノ「了解です!ココアさん、インスタントをいくつか送ってください!」ドガン

ココア「インスタントコーヒー、三連続だよ!」ガチャガチャガチャ!

チノ「インスタントボム、まとめて投げます!」ポイポイポイッ

怪物「ぬぉ!?」バゴォーン

チノ(今ならラパンが仕込んだ仕掛けの位置がわかる。怪物が飛ばされた先は…)

298: ◆.3K0J0LEf2 2016/04/29(金) 00:13:25.06 ID:87p/SRAfo
怪物「ぐぅ…」ドサッ

ラパン「うふふ!ぴったりマンホールの真上ね!…イッツ・ショータイム!!」

ドバァーン!

ココア「マンホールの下から、大量の赤い霧が!?」

怪物「ぐわぁああ!この霧はあの時の!」

チノ「唐辛子スプレーですか!」

ラパン「ふふ!怪盗たるもの、街のあらゆる場所に仕込みを用意しておくものなのよ!」

チノ(ここと甘兎庵とリゼさんの家、それとこの街にある学校付近とあちこちに仕掛けてあるみたい)

ココア(怪盗が防犯用の唐辛子スプレーとは、此れは如何にってツッコミ待ちかな?)

299: ◆.3K0J0LEf2 2016/04/29(金) 00:14:24.81 ID:87p/SRAfo
ラパン「魔法少女さん、フィナーレは任せるわよ!」

ココア「チノちゃん、華麗に決めちゃえ!!」

チノ「わかりました!怪盗ラパン、ココアさん!」

チノ「あなたの荒んだ心、この一杯で癒します!!」クルクル

チノ「カフェラテ・カフェモカ・カプチーノ!ハートチェンジ!」




チノ「コーヒーは正義!カフェインファイター!!」ドゴォォォォン




怪物「私が、負けるだとぉ!?ぐおおおぉぉぉおお!!」




チノ「悪い子は焙煎しちゃうよ☆」

300: ◆.3K0J0LEf2 2016/04/29(金) 00:14:59.95 ID:87p/SRAfo
チノ「…これで一件落着ですね」

ラパン「うふふ!この街の平和、確かに盗み返したわ!」

ココア「助けてくれてありがとう、怪盗ラパン!」

チノ「ありがとうございました」

ラパン「ふふ!感謝されるのは嬉しいわね! …さて、次の獲物でも探しに行こうかしら」

リゼ「待て、怪盗ラパン!」ダッ

ラパン「待てと言われて待つ人はいないわ!ラパンジャンプ!」ピョ…

301: ◆.3K0J0LEf2 2016/04/29(金) 00:15:33.82 ID:87p/SRAfo
チノ「ラパンイリュージョン!」パンッ

ラパン「嘘ぉ!?」バターン

チノ「待ってください。あなたに聞きたいことがあるんです」パァーン

チノ(ハートジャンプは時間切れみたい。ラパンハートはすごく便利だった)

ラパン「そういう訳にはいかないわ。こうなったら地上を走って退散よ!」ダッ

リゼ「頼む、待ってくれ!!」

ラパン「…リゼ警部が私にお願いするなんて、明日は空からうさぎでも降ってくるのかしら?」ピタッ

302: ◆.3K0J0LEf2 2016/04/29(金) 00:17:24.20 ID:87p/SRAfo
リゼ「はは、そうかもな」

ラパン「うふふ!それで、リゼ警部が私に一体何の用?警察は怖いから、早く御暇したいんだけど」

リゼ「…怪盗をやめる気は無いか?」

ラパン「リゼ警部、それは本気で言ってるの?」

リゼ「ああ、本気だ!」

ラパン「ふふ!ありえないわ。何故やめなくちゃいけないのよ」

リゼ「…私はもう、大切な後輩を追うような真似はしたくない!」
 

304: ◆.3K0J0LEf2 2016/04/29(金) 00:19:57.37 ID:87p/SRAfo
 

ラパン「…!」

リゼ「私はシャロと、警部と怪盗で敵同士なんて関係じゃなくて、先輩と後輩で友達同士な関係でいたいんだ!」

チノ「…やはり、怪盗ラパンの正体はシャロさんでしたか。道理でリゼさんは、ラパンを止めることに拘っていた訳です」

ラパン「ふふ!何のことかしら?私はシャロじゃないわ!」

チノ「とぼけても無駄です。さっき、あなたは『ラビットハウスにはリゼ先輩が』と言っていましたよね?」

ココア「そう言えば、ラパンはシャロちゃんがラビットハウスに駆け込んだ後に現れたよね」

リゼ「あの時、シャロは手を洗いたいと言って洗面台の方へ向かった。でも、シャロはまだ戻ってない」

チノ「それにあなたは、私とメグさんが友達だと知っていました。あなたが私の知り合いでなければ知らないことのはずです」




ココア「証拠は出揃ってるよ!シャロちゃん、観念しろー!!」ドヤッ

シャロ「…うふふ!とうとうバレちゃった!」

リゼ「まだその喋り方をするのか。もうラパンになりきる必要もないだろう」

シャロ「ごめんなさいリゼ警部。私はラパンをやめるつもりはないわ!ラパンジャンプ!!」ピョンピョン

チノ「予備のバネがあったんですか!」

シャロ「この街には、魔法少女さんだけでは助けられない人もいるの。だから、まだ怪盗をやめる訳にはいかないわ!」スタッ

チノ「私だけでは助けられない人ですか…?」

シャロ「ええ!大切な物を奪われた人を助けられるのは怪盗だけなのよ!」

305: ◆.3K0J0LEf2 2016/04/29(金) 00:21:31.01 ID:87p/SRAfo
リゼ「それなら、警察でも出来るだろ!」

シャロ「ふふ!この国の法じゃ、転売されたらお金を払わなきゃ取り戻せないことを忘れたの?」

リゼ「それは…!」

チノ「法律で決まってるんですか?」

ココア「民法第194条に書かれてるんだ。盗品を、そうと知らずにお店から買ってしまった人の権利を守るための法なんだよ」

シャロ「けど、今のこの街には、盗品と知っていながらも購入する悪質な輩もいるのよ!」

シャロ「盗んだ人が誰かわからなければ、訴えることすらできずに泣き寝入りね」

チノ「そんな…」

306: ◆.3K0J0LEf2 2016/04/29(金) 00:22:46.34 ID:87p/SRAfo
シャロ「うふふ!つまり、私のような怪盗は必要ってことなのよ!」

チノ「怪盗は必要…」

シャロ「それに、私には他にも色々目的があるの。ずっと狙ってる獲物とかね!」

ココア「ずっと狙ってる獲物!?なんかカッコいい!」

シャロ「そういう訳だから、怪盗はやめられないの! …そろそろ私は失礼するわね」

シャロ「リゼ警部、魔法少女さん、パン屋さん、またお会いできることを楽しみにしてるわ!」

ココア「私はパン屋さんになるんじゃなくて、街の国際バリスタ弁護士としてパンを焼きながら小説家の道を生きるのー!」

シャロ「長いわよ!」

307: ◆.3K0J0LEf2 2016/04/29(金) 00:24:41.05 ID:87p/SRAfo
シャロ「早く退散したいから、風船の片付けは魔法少女さんに任せるわね。あの怪物が消えた今、日差しも戻ってると思うわ」

シャロ「…リゼ警部!いつか必ず、あなたのこころを頂きに上がります!」バサァ

リゼ「なっ…!」

シャロ「それでは、ごきげんよう!」スィー

チノ「シャロさん、行っちゃいましたね」

ココア「…まさか怪盗ラパンの正体が、シャロちゃんだったなんて!」

リゼ「…」

チノ「リゼさん、どうしました?」

308: ◆.3K0J0LEf2 2016/04/29(金) 00:25:09.28 ID:87p/SRAfo
リゼ「…あなたのこころを頂きに上がるって、どういう意味だ?」

ココア「さぁ、どういう意味なんだろう?」

チノ(いくら女の子同士とはいえ、あの台詞で気付かないのは鈍すぎじゃ… それとも私の深読みなのかな?)

~甘兎庵~

シャロ「勢いでリゼ先輩に恥ずかしいこと言っちゃったぁ!」バタバタ

千夜「あらまぁ」ウフフ

シャロ「結局、チノちゃんのお父さんに情報を貰うことも出来なかったわ…」

309: ◆.3K0J0LEf2 2016/04/29(金) 00:26:12.57 ID:87p/SRAfo
~ラビットハウス~

チノ「私だけでは助けられない人…」

ココア「やっぱり気になるんだね」

チノ「はい。魔法少女の力があっても、助けられない人はいるんだと思うと…」

リゼ「いくら魔法少女でも出来ないことはあるだろう。考え過ぎじゃないか?」

チノ「わかっています。でも、それではシャロさんを止められません」

リゼ「…」

310: ◆.3K0J0LEf2 2016/04/29(金) 00:26:41.40 ID:87p/SRAfo
チノ「確かに、シャロさんが怪盗をやめたら、警察に追われることもなくなるかも知れません」

チノ「でも、その分誰かが悲しむことになってしまいます。私に、その誰かを助けることはできないんです」

リゼ「チノ…」

ココア「だったらこの街を、人の物を奪わなくてもいい街にしようよ!」

チノ「え?」

リゼ「おいおい、それができたら悩む必要もないじゃないか」

ココア「できるよ!」

311: ◆.3K0J0LEf2 2016/04/29(金) 00:27:30.24 ID:87p/SRAfo
チノ「できるって、一体どうやって…」

ココア「人の物を奪わなくてもいいくらい、みんなを幸せにすればいいんだよ!」

チノ「幸せに、ですか?」

ココア「うん!私だったら、街の国際バリスタ弁護士としてパンを焼きながら小説を書いて、いろんな人を幸せにするの!」

ココア「チノちゃんは、魔法少女として人を助けたり、おいしいコーヒーを淹れたりすれば、たくさんの人を幸せにできるよね!」

ココア「リゼちゃんは、スポーツ万能で絵も描けて演劇もできてと多芸だから、その活躍ぶりで人を幸せにできそう!」

チノ「なるほど…」

312: ◆.3K0J0LEf2 2016/04/29(金) 00:28:19.24 ID:87p/SRAfo
リゼ「はは、ココアらしい発想だな」

ココア「えへへー」

チノ「…でも、私にもちゃんとできるでしょうか?」

リゼ「チノは不安なのか?」

チノ「やっぱり上手く行くか不安で… みんな幸せになってくれるでしょうか?」

ココア「大丈夫だよ!チノちゃん一人じゃなくて、みんなで頑張るんだもん!それに…」

313: ◆.3K0J0LEf2 2016/04/29(金) 00:29:07.05 ID:87p/SRAfo
ココア「チノちゃんは、私が幸せにしてあげるよ!それも、チノちゃんの不安を消しちゃうくらいに!」




チノ「…ココアさんにはもう、幸せにしてもらってますよ」



終わり






ココア「そうだ!チノちゃん、私をお姉ちゃんって呼んで!そうすれば私も幸せになれるよ!!」

リゼ「…ココアは相変わらずブレないな」

チノ「やっぱり、ココアさんはココアさんということですね…」

引用元: 【ごちうさ】チノ「私が魔法少女に…?」