1: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/02(木) 01:10:04.74 ID:F4/OLZq60
エレン「……急にどうしたんだ?」

アルミン「最近ミカサがおかしいんだよ!
エレンは気付かないの?」

エレン「は?
いや、別にそんなことは感じないけどな」

アルミン「ここ数日を思い出してみてよ。
食事の時、ミカサはエレンの前じゃなく僕の前に座ってるんだよ?」

エレン「……そうだっけか?」

アルミン「そうだよ!
それに最近はエレンに対してどこか避けているように感じるし」

エレン「そうか?
昔からあんな感じだろ」

アルミン「いいや!エレンは気付かないかも知れないけど明らかに避けてるよ!
あぁ、また何か考えてるのかな……」

4: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/02(木) 01:18:38.48 ID:F4/OLZq60
エレン「アルミンは昔から考えすぎなんだよ。
明日も訓練なんだ、早く寝るぞ」

アルミン「うぅ……。胃が……」キリキリ


翌朝、朝食時

エレン「ふぁ……(結局昨日はアルミンがブツブツ言っていて寝るのが遅れたな……)」

ミカサ「おはよう」

エレン「おう」

アルミン「おはよう、ミカサ」

エレン「(……ん?昨日言われて始めて気づいたけど、確かにアルミンの前に座ったな……)」

アルミン「(今日も僕の前に座ったよ……。これで一週間くらいかな?
やっぱり何か変なことを……)」

ジャン「(へへっ。今日もミカサはエレンの前には座らなかった。これで9日目だな。これはエレンが嫌われているという可能性が濃くなってきたな!)」

7: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/02(木) 01:26:18.98 ID:F4/OLZq60
昼、対人格闘術

アニ「ふん」

エレン「ぐわっ!?」

アニ「まだまだだね」

エレン「いてて……」

ミカサ「……」エレンノホウヲジー

アルミン「(ん?ミカサがエレンの方を?)」

ミカサ「……」フイ

アルミン「(目を背けた!?
いつもならエレンが起き上がるまで絶対にエレンを見ているのに……。
やっぱりこれは何かあるのかな……)うぅ……」キリキリ

ライナー「お、おい、大丈夫か?」

アルミン「……ねぇ、ライナー。
最近のミカサは何か変だと思わない?」

ライナー「ミカサが……?」

8: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/02(木) 01:27:01.68 ID:F4/OLZq60
>>5
そうだっけ?
今原作手元にないからわかんないや

じゃあ、隣から前に移動ということで

11: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/02(木) 01:33:20.05 ID:F4/OLZq60
アルミン「うん。
食事の時も机こそ同じでも僕の前に座っているし、さっきもアニにエレンが投げられたときにエレンが起き上がる前に目を背けたんだ」

ライナー「……何が起きているんだ!?」

アルミン「わからないんだ。それがわからないから怖いんだよ。
うぅ……、胃が……」キリキリ

ライナー「……俺も胃が痛くなってきた気がする……」

アルミン「……もう一週間にもなるし、気が気でならない。
今夜の食事のときにまたミカサがエレンの隣に座らなかったら、会議を開こう」

ライナー「会議?」

アルミン「うん。
このまま放っておけば、何が起こるかわからないから事前に皆に知らせておいて被害を最小限に抑えるんだ」

ライナー「な、なるほど。それは妙案だな。
じゃあ、夕食のときに最後の確認をしよう」

アルミン「うん」

13: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/02(木) 01:38:00.02 ID:F4/OLZq60
夕食時

アルミン「(これは)」

ライナー「(確実に)」

ミカサ「……」

エレン「(本当に隣に座らないな……。
まぁ、だからといってなんだって話なんだが)」

ジャン「(これは確実に!俺にチャンスが!)」


夕食後、エレン達の部屋

ライナー「みんな、急な呼びかけに関わらず集まってくれたな」

ジャン「なんなんだよ?明日も訓練があるんだぞ」

ライナー「すまない。
だが、これは急を要するんだ」

ジャン「?
勿体ぶってないで早く言えよ」

19: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/02(木) 01:49:15.46 ID:F4/OLZq60
ライナー「あぁ。
アルミン」

アルミン「うん。
実は、ミカサがおかしいんだ」

皆「?」


かくかくしかじかうまうまとらとら


コニー「ミカサが」

ベルトルト「エレンを避けている……!?」

アルミン「そうなんだ。
今日、確信がもてたから皆に相談しようと思って集まってもらったんだ」

ベルトルト「ミカサが何か考えているのか……?」

アルミン「その考え方が妥当だね……」

皆「……」ブルッ

ライナー「だから、なんとかするために皆に対策を考えてもらいたくてな」

ジャン「お、おい!ちょっと待てよ!
その話は本当なのか!?(なんとかされちゃ俺が困る!)」

24: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/02(木) 02:02:21.30 ID:F4/OLZq60
ジャン「本当なのかよ、エレン!?」

エレン「ん?
あぁ。昨日アルミンに言われて意識してみたが、確かに飯のときは俺の隣にも前にも座らなかったな」

ジャン「(くそ!アルミンめ!余計なことを言いやがって……!)」

オ、オイコレハイヨイヨ
ア、アァ
ザワザワ

アルミン「皆落ち着いて。
最悪の事態を避けるために皆を集めたんだから」

ライナー「そうだ。
何かいい考えがあるやつはいないか?」

ベルトルト「……やっぱり、ミカサが何をしようとしているのかを確かめるのが先なんじゃないか?」

アルミン「やっぱりそれが最優先だよね。
と、いうことは誰かが女子にミカサが何を考えているのかを聞かなきゃいけないんだけど……」ジー

皆「……」ジー

ライナー「おい、なんで俺を無言で見ているんだ」

25: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/02(木) 02:06:28.90 ID:F4/OLZq60
アルミン「いや、だって」

エレン「なぁ」


数十分後、女子寮前

アニ「いきなり呼び出して、何の用だ」

ライナー「あ、あぁ。すまないな、明日も訓練があるのに」

アニ「謝罪はいいから早く要件をすませな」

ライナー「あぁ。
実はな……」


かくかくしかじかしかくいむーぶ


アニ「……知るわけないだろう」

ライナー「だよなぁ……」

アニ「要件はそれだけかい?
じゃあ」

ライナー「あぁ、待ってくれ。
悪いんだが、サシャを呼んできてくれないか?
あいつ、ミカサとは仲がよかっただろう?」

27: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/02(木) 02:10:08.45 ID:F4/OLZq60
アニ「……ったく、なんで私が……」


数分後


サシャ「サシャ・ブラウス!
パァンを貰えると聞き、すっ飛んできました!」

ライナー「い、いやパンは……」

サシャ「え……?ですが、アニがパンが貰えるから行って来いと……」

ライナー「いや、言ってないg」

サシャ「……」

ライナー「わ、わかった!明日の朝食のパンをやるからそんな世界が終わったかのような顔をするな!」

サシャ「!」パァ!

ライナー「(くそ、アニのやつ……!)」

サシャ「それで、何の用なんですか?」

29: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/02(木) 02:13:47.38 ID:F4/OLZq60
ライナー「あぁ、実はな……」


かくかくしかじかまるまるがくがく


サシャ「ミカサが?」

ライナー「あぁ。
何か心当たりはないか?」

サシャ「いえ、特に何も聞いてはいませんね」

ライナー「本当か?」

サシャ「はい。
どころか、ミカサがエレンを避けていると聞いたのも始めてです」

ライナー「そうか……(結局俺は明日のパンを一つ失っただけか……)」

サシャ「と、ところで明日の朝のパァンは!」

ライナー「あぁ、わかっているよ。
じゃあ、また明日な」

サシャ「はいぃ!おやすみなさい!」

31: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/02(木) 02:19:41.59 ID:F4/OLZq60
男子寮、エレン達の部屋

アルミン「それで、どうだった?」

ライナー「いや、アニとサシャに聞いてみたが何もわからないそうだ」

アルミン「収穫はなしか……」

ジャン「考えすぎなんじゃねーの?(よぉし!このままいけばこの話はなぁなぁになる!)」

アルミン「いや、一週間もあの調子なんだ。
下手をすると何かの病気なのかもしれない」

ライナー「病気?」

アルミン「うん。
エレンが好きすぎて辛くなっちゃうみたいな」

エレン「なんだそれ」ハハッ

皆「(一概に否定できん……)」


ちょっとすみません、風呂いってきます
10分ほどで戻ります

37: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/02(木) 02:37:24.93 ID:F4/OLZq60
アルミン「けど、何も情報が得られなかったのは辛いね」

ライナー「あぁ。
何か事が起こってからではミカサに力では勝てないからな」

アルミン「うん。
せめて、何をしようとしているのかさえわかれば……」

コニー「……ミカサに直接聞く」ボソッ

皆「……へ?」

アルミン「コニー、今何を?」

コニー「いや、だからミカサに直接聞けばわかるんじゃないかな」

ライナー「お、お前なぁ。
少しは考えろよ?
誰があのミカサに何か企んでいるのか?なんて聞きにいくんだよ?」

ベルトルト「そうだよ。
最悪、どんな目に合うか……」

アルミン「……いや……。
それだ!それだよコニー!」

ライナー「は?
何を言ってるんだ、アルミン?
そもそも聞きに行くとしても誰が……!
俺は絶対に行かないぞ!」

44: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/02(木) 02:45:00.72 ID:F4/OLZq60
アルミン「いや!違うよ!
エレンに聞いてもらうんだ!」

皆「……はっ!(その手があったか!)」

ジャン「(ちくしょう!余計なことを……!)」

エレン「え?
なんで俺なんだよ」

アルミン「エレンが適任だからだよ!
エレンなら例えミカサに何か企んでいるのか聞きにいっても何か危害を加えられることはない!」

ライナー「そうか……!
そうなんだ!
アルミン、お前はなんて頭がいいんだ!」

エレン「いや、面倒だし……」

アルミン「頼むよエレン!僕たち男子の危機なんだ!」

ライナー「あぁ!俺からも頼む」

皆「頼む!」キタイノマナザシー

ジャン「(断れ断れ断れ断れ断れ断れ断れ断れ断れ断れ断れ断れ断れ断れ断れ断れ断れ)」

47: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/02(木) 02:53:45.42 ID:F4/OLZq60
エレン「……わかったよ。
だが、明日でいいよな?
今日はもう遅いし」

アルミン「できれば今すぐがいいんだけど……」

ライナー「いや、贅沢は言わないでおこう。
それにそろそろ寝ないと明日の訓練に支障をきたすかもしれない」

アルミン「……そうだね。
それより、光明が見えたことを喜ぶべきだね」

ライナー「あぁ、その通りだ。
と、いうことで皆。今日は集まってくれて礼を言う。
なんとか理由を突き止められそうだし、今日のところはゆっくり寝てくれ」

ジャン「(ちっ……)」

アァ、ヨカッタナ
ナントカナリソウダシナ
オレ、イキテルココチガシナカッタゼ
ゾロゾロ

アルミン「……よし、みんな帰ったね」

51: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/02(木) 02:59:34.41 ID:F4/OLZq60
ライナー「今日は安眠できそうだな」

アルミン「うん。
なんだか胸のつっかえが取れたみたいだよ」

エレン「……面倒くせぇなぁ」


翌日、昼休み


ミカサ「……突然、なに?」

エレン「あぁ、いや、大したことじゃないんだがな」

アルミン「(よし!ついにミカサが何を企んでいるのかが明らかに!)」

ライナー「(エレンと二人きりだというのに目を合わせていない……。
これはいよいよ何が起こるのか怖くなってきたな……)」

エレン「ミカサ、お前何か企んでいるのか?」

ミカサ「企む……?
一体何を……?」

アルミン「(あ、あれ?
もっと動揺するかと思っていたのに、キョトンと首を傾げただけ……?)」


3回連続で書き込みできないみたいなので、たまに書き込んでくれると助かります

57: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/02(木) 03:05:26.67 ID:F4/OLZq60
エレン「(えっと……、ミカサがとぼけようとしたときは、俺を避ける理由を聞くんだったよな……)」

アルミン「(そうだ!
何かを企んでいるにせよ、いないにせよエレンを避けている理由からこんなに疑うことになったんだ!
だから、その理由さえ聞ければ僕らの悩みはなくなる……!)」

エレン「じゃあ、なんで最近俺のことを避けているんだ?」

ミカサ「っ!?」

アルミン「(あのミカサが目を見開いて大きく反応した!?
やっぱり何か企んで……)」

ミカサ「別に……、避けてなどいない……」

アルミン「(そして明らかにエレンから目を逸らしている!
これはもう確定的……)」

エレン「いや、そんなことないだろ?
飯の時も(いつもよりは)離れて座ってるしよ」

ミカサ「そこまで気付いて……」

エレン「なぁ、何でなんだ?」

ミカサ「……エレンに話すことではない」

62: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/02(木) 03:10:25.48 ID:F4/OLZq60
エレン「あ、ちょ、ミカサ!」

アルミン「(ものすごい速さで逃げていった……)」

ライナー「なぁ、アルミン」

アルミン「うん。
これは絶対に何かある」


その日の夕食時


エレン「……」

ミカサ「……」

アルミン「(相変わらず(いつもより)離れた席に座っている……。
昼に理由を聞かれたのに、どこか別の、それこそサシャのいる机でもいいのに、エレンがいる机にいる……)」

ライナー「(アルミン)」

アルミン「(なんだい、ライナー?)」

ライナー「(今夜もみんなを集めよう)」

アルミン「(そうだね、それがいい)」

テレパシーの力ってすげー!

69: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/02(木) 03:15:41.59 ID:F4/OLZq60
その後、エレン達の部屋

アルミン「っと、言うわけで理由はわからなかったんだ」

皆「……」ドヨーン

コニー「エレンでもダメだったのか……」

ジャン「(へへ!ざまーねぇぜ!)」

アルミン「そこで再度皆の意見を聞きたい」

ザワザワ
アーデモナイコーデモナイ

ベルトルト「エレンがダメだったなら、女子に聞いてもらうというのはどうだろう」

皆「それだ!」


ライナー「で、俺になるんだよな」


数十分後、女子寮前

サシャ「今日もパァンを貰えると聞いて!」

ライナー「あぁ。明日の朝食のパンをやる。
だが、その代わりにやってもらいたいことがある」

74: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/02(木) 03:20:34.67 ID:F4/OLZq60
サシャ「パンのためなら何でもします!」

ライナー「あぁ、なら……」


ライナーミカサガナゼエレンヲサケルノカヲキイテコイトセツメイチュウ


サシャ「わっかりました!
このサシャ・ブラウスにお任せください!」

ライナー「あぁ、よろs」

サシャ「パァァァァァン!!」ドヒューン

ライナー「……ものすごい速さで行ってしまった……」


その後ライナー、サシャを待つも帰っては来ず、男子寮に帰ったのは既に皆解散し、寝ていた頃だった。


翌朝、朝食時


サシャ「パ、パンを……!」ボソボソ

ライナー「うぉ!いつのまにそこに」ボソボソ

サシャ「いえ、そんなことどうでもいいのです。早くパンを」ボソボソ

77: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/02(木) 03:25:06.34 ID:F4/OLZq60
ライナー「お前な!昨日俺が何時まで待っていたと!」ボソボソ

サシャ「へ、へへ……!そんなことよりパンを……!今日は朝からハムが出ると言うご馳走の日なのですから……!へへ……」ボソボソ

ライナー「そんなことってお前……。
まぁ、いい。ミカサから理由を聞いてきたんだろうな?」ボソボソ

サシャ「も、もちろんです。
ですから早くパンを……!」ボソボソ

ライナー「いや、理由を聞くのが先だ(なんか今のサシャはミカサに匹敵する恐怖を持っている気がする……)」ボソボソ

サシャ「は、はい。
昨日の夜……」ボソボソ


ほわんほわんほわーん(昨晩の回想へ)


ミカサ「私がエレンを避ける理由?」

サシャ「はい!
ぜひ教えてください!何せパンが……。
いえ、気になるので!」

83: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/02(木) 03:31:44.07 ID:F4/OLZq60
ミカサ「別に避けてなどいない」

サシャ「えぇー?またまたー。
ご飯の時間だって(いつもより)離れた席に座っているじゃないですかー?」

ミカサ「深い理由はない」

サシャ「いいえ!何かあるはずです!
ジャンとかならまだしも、ミカサがエレンの隣に座らないなんておかしいです!」

ミカサ「……なら、明日から隣に座る」

サシャ「……本当に何もないんですか?」

ミカサ「ない」

サシャ「そうですかー。
なら、安心しました!
では、明日に備えて寝ましょう!
明日は明日からハムが出ますから!」

ミカサ「うん。おやすみ」

サシャ「はい!おやすみなさい!」


ほわんほわんほわーん(回想終わり)


サシャ「と、言うことでした!」ボソボソ

93: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/02(木) 03:36:33.56 ID:F4/OLZq60
ライナー「確かに隣に座っているな……」

サシャ「で、でしょう?
ですから早く……!早くパンを……!」

ライナー「ちょっ!大声出すな!」ボソボソ

サシャ「す、すみません……。我慢できなくなってきたものですから……」ボソボソ

ライナー「(確かに隣に座っている。座っているが、明らかに目を逸らしている。
あれで何もないというのは無理な話だな……)」

サシャ「さ、さぁ、パンを……!
ハムに挟んで食べるパンを……!!」ボソボソ

ライナー「なぁ、サシャ。
俺は理由を聞いてこいと言った。
そして、お前は理由を聞いてこれなかった。
つまり失敗したわけだ」ボソボソ

サシャ「な、何を言っているんですか!
理由はないとミカサが……!」ボソボソ

ライナー「いや、理由なしであの態度はないだろう?」ボソボソ

サシャ「……た、確かに目を逸らしていますが、隣に座っています!」ボソボソ

99: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/02(木) 03:40:50.28 ID:F4/OLZq60
ライナー「いや、確かに隣に座っているがあれは明らかに何かある態度だろう?」ボソボソ

サシャ「うっ……!」ボソボソ

ライナー「よって報酬のパンはなしだ」ボソボソ

サシャ「そんな……!あんまりです!
せめて!せめて半分だけでも……!」ボソボソ

ライナー「ダメだ」パンパクリ

サシャ「あぁ!」ガーン

クリスタ「(なんだろう?サシャがライナーの前で灰みたいに真っ白に)」

ユミル「どうした?クリスタ」

クリスタ「ううん、何でもない(ま、いっか)」


申し訳程度の天使成分

103: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/02(木) 03:49:06.01 ID:F4/OLZq60
アルミン「(ライナーのあの態度は……、どうやら失敗みたいだね……。
けど、どうして今日はエレンの隣に……?)」

エレン「(……ミカサが隣に座ったのがすごい久しぶりな気がするな)」

ジャン「(ちくしょうちくしょうちくしょうちくしょうちくしょうちくしょうちくしょうちくしょうちくしょう)」


その日の昼休み


アルミン「なるほど。
サシャでもダメだったと」

ライナー「あぁ。
次はどうする?」

アルミン「……1番仲のよかったサシャでもダメだったんだ。
他の女子じゃ聞いても無駄だろうし……」

ライナー「……手詰まりだな……」

アルミン「……こうなったら……」

ライナー「!
何か良い手があるのか!?」

アルミン「……自分の身を省みないならね……」

ライナー「……まさかアルミンお前……!」

107: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/02(木) 03:55:38.31 ID:F4/OLZq60
アルミン「……正直、やりたくはなかったけど……。
これ以上長引かせると僕の胃がもたない」

ライナー「まさかアルミン!
自分でミカサに聞きに行って、口八丁手八丁で聞き出すのか……!」

アルミン「僕自身への負担を考えるとやりたくはなかったけど……。
仕方がない……!」

ライナー「アルミン……!」

アルミン「決行は今夜の夕食後だ」


その後、夕食時


ライナー「(朝と同じでエレンの隣か……。
だが、明らかに態度は違うし、訓練中もここ一週間と同じだった。
戻ったということはないようだが……)」

アルミン「(予定通り決行するよ!)」

ライナー「(アルミン……!
頑張れよ……!)」

アルミン「(僕らの安眠のためにも、ね……!)」


こいつ……!脳内に直接!

111: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/02(木) 04:02:07.53 ID:F4/OLZq60
アルミン「すー……はー……(よし!)
ねぇ、ミカサ」

ミカサ「なに?」

アルミン「このあと時間取れる?」

ミカサ「?
大丈夫」

アルミン「じゃあ、食べ終わったらちょっと付き合ってよ」

ミカサ「わかった」

ジャン「(ちくしょう!アルミンのやつミカサに何するつもりだ!?)」

ライナー「(武運を祈るぜ、アルミン……!)」


その後、女子寮前


ミカサ「どうしたの、アルミン?」

アルミン「いや、まぁ、大したことじゃないんだけど」

ライナー「(頑張れアルミン!応援しているぞ!)」

ジャン「(くそ!一体何をするつもりなんだ!)」

113: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/02(木) 04:06:37.09 ID:F4/OLZq60
アルミン「最近、エレンを避けているよね?」

ミカサ「……避けてなどいない」

ライナー「(明らかに態度が変わったな。
でも、怒っているとかそういうのとはまた違う……)」

ジャン「(はぁぁぁん!可愛いよミカサ!ミカサ可愛いよ!)」

アルミン「いや、ミカサがエレンを避けているのは誰の目から見ても明らかだよ!
その証拠に何人かから聞かれなかった?」

ミカサ「……」

アルミン「(よし!エレンやサシャが聞いたことがここで生きてきたな!)
一週間くらい前から、おかしいよミカサ。
エレンがいるところが私のいるところとか言ってたのにさ!」

ミカサ「……」

アルミン「あの言葉は嘘だったのかい?
それともたった1人の家族、エレンのことを嫌いに?」

ミカサ「!!
違う!私がエレンを嫌いになることなんてあり得ない!」

アルミン「(よし!これは手応えがあった!)」

ジャン「」チーン

117: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/02(木) 04:15:42.03 ID:F4/OLZq60
アルミン「これは……、エレンからは口止めされていたんだけど……、ミカサが話してくれないなら言うしかないね」

ミカサ「!
なに?」

ライナー「(さすが口八丁手八丁のアルミン!
そんなこと言われてないだろうに)」

ジャン「」モウダメダ!オシマイダ!

アルミン「実は、エレンから最近ミカサが俺のことを避けている気がするって相談を受けたんだ。
昨日くらいにエレンから聞かれたんじゃないの?」

ミカサ「……」コクリ

アルミン「それでもミカサが教えてくれないと、昨日の夜相談を受けたんだよ。
それで、エレンに内緒で僕が聞きにきたんだ」

ミカサ「……」

アルミン「エレン本人に言いづらいことでも、幼馴染の僕になら言えることもあるでしょ?
だから、話してよミカサ」

119: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/02(木) 04:21:21.29 ID:F4/OLZq60
ミカサ「……しかし……」

アルミン「(これはもう一押しか!?)
誰かに話ちゃえば楽になるよ?
ミカサがエレンから離れるなんて相当のことなんでしょ?」

ミカサ「うん。
禁断症状が出たのか、最近手が震え始めた」

ライナー「(なにそれ怖い)」

ジャン「」ハッ!ソウカ!コレハユメダ!ユメナンダー!ハハハハ!

アルミン「ほら、ミカサも辛いでしょ?
それに、エレンだって心配しているんだ。
僕なら何か対処方法を考えることができるかもしれないよ?」

ミカサ「エレンが心配……!?」

アルミン「(これはいける……!)
そうだよ。もしかして何かの病気なんじゃないかって心配してる」

ライナー「(それはお前の……)」

アルミン「僕に相談して悪い方向に転がったことがあったかい?」

ミカサ「……わかった。
アルミンには話そう」

アルミン・ライナー「(うぉぉぉぉ!?)」

125: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/02(木) 04:32:23.42 ID:F4/OLZq60
ミカサ「そう、あれは13日前の出来事」


ほわほわほわーん(過去回想)


教官「……」カツ、カツ、カツ、カツ……

ミカサ「(……よし、見回りは終わった)」サッ!サッ!

ミカサ「(このままエレンの部屋まで……)」カサカサカサカサッ!


男子寮、エレン達の部屋前


ミカサ「……(よし、中の人は誰も起きていない)」スッ……

ドアガチャ……キィー……

ミカサ「(エレンのベッドはこっちの二段目……)」スッ……

エレン「Zzz……」

ミカサ「(ふふ……、エレン……)」エレンノフトンノナカニスッ

ミカサ「(あぁ、エレン。私はこうしているだけで幸せ……)」

128: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/02(木) 04:38:29.91 ID:F4/OLZq60
エレン「うーん……」

ミカサ「(あぁ!エレン!
エレンの匂いだ、エレンの布団だ、エレンの部屋だ……)」ニコニコ

エレン「……ミカサ」

ミカサ「っ!?」ドキッ!!

エレン「うーん……」

ミカサ「(寝言……?
それともあまりにもエレンを思いすぎて聞こえた幻聴……?)」ドキドキ

エレン「……ミカサ……」

ミカサ「!!
(幻聴ではない……!
それもエレンがこんなに色っぽい声で私の名前を寝ている中で呼んでいる……)」ドキドキ

エレン「うーん……ミカサァ……」

ミカサ「(あぁ、エレン!エレン!エレン!エレン!
ダメ、このドキドキを止められない!
このままだと眠れそうにない……。
……今日は帰ろう……)」ドキドキ

130: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/02(木) 04:44:22.89 ID:F4/OLZq60
ミカサ「(あぁ、エレン……)」ニダンベッドカラオリター

ミカサ「(っわ!)」ナニカニツマヅイテドテーン!

ライナー「んぅ?
なんだ?誰か転けたのか?」ジョウハンシンムクリ

ミカサ「(まずい!
ここで姿を見られるわけには……!)」ライナーノウシロニスバヤクマワリコム

ライナー「んん?なんだ?」ガッ!

ミカサ「(すぐに!
落とす!)」ウシロカラクビキュ!

ライナー「」シロメー

ミカサ「(他に起きている人は……)」

シーン……

ミカサ「(よし……。
あぁ、エレン……)」ドキドキ

ドアガチャバタン

ライナー「」シローメ

134: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/02(木) 04:50:01.64 ID:F4/OLZq60
女子寮、ミカサ達の部屋

ミカサ「……なんとか無事に辿り着けた」

ミンナバクスイ

ミカサ「……今日は寝よう……」ミカサフトンニイン


翌朝、朝食時


エレン「おーす」

アルミン「おはよう、ミカサ」

ミカサ「っ!!(おかしい……。エレンの顔が見れない……。
ここは挨拶を返さなければ、怪しまれる……)おはよう」

その日の対人格闘術訓練時


ミカサ「……」エレンジー

エレン「ちくしょう!また勝てねぇ!」

ミカサ「(遠くからなら、なんとか見れるけど……。
胸が高鳴って長時間は無理……)」ドキドキ

ジャン「(あぁ!ミカサ可愛いよ!ミカサ!)」

137: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/02(木) 04:59:11.03 ID:F4/OLZq60
その日の夕食時

ミカサ「……(とても隣には座れない)」エレンノムカイノテンタイショウノセキニスワリ

ジャン「(はっ!?
ミカサがエレンの隣に座らない!?
こ、これはチャンスなのか!?
い、いや待て。まだ偶然という可能性もある。
じっくりとチャンスを待つんだ、ジャン・キルシュタイン!)」


ほわほわほわーん(回想終わり)


ミカサ「……と、いうことがあった」

アルミン「……え?
じゃあ、ミカサはエレンと接するのが恥ずかしくなってエレンを避けていたの?」

ミカサ「端的に言えばそうなる」ポッ

ライナー「(……帰ろう……)」

ジャン「(……。
……旅に出よう……)」

140: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/02(木) 05:04:03.07 ID:F4/OLZq60
ミカサ「どう?
私のこのドキドキは治るの?」

アルミン「あ、えっと、いや、その……。
(落ち着け、アルミン・アルレルト。
ここでミカサをいつも通りに戻す方向に話を持って行けばいいんだ)」

ミカサ「……やはり、無理?
もう私はエレンに触れることは出来ないの……?」

アルミン「な、何言ってるんだ!
出来るに決まってるじゃないか!」

ミカサ「……本当?」

アルミン「うん!
えっと、ミカサは寝言でエレンがミカサの名前を言ったことにドキドキしてるんだよね?」

ミカサ「そう。
普段とは違う、あんな声で呼ばれれば誰でもイチコロ」

アルミン「(ミカサ限定だと思うけど……)
けど、今まででも寝言で名前くらい呼ばれたことがあるんじゃないの?」

ミカサ「もちろんある。
けど、あんなに艶かしい声色で呼ばれたのは初めて」

アルミン「じゃあ、その声に慣れればいいんじゃないかな?」

143: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/02(木) 05:10:03.93 ID:F4/OLZq60
ミカサ「!!
その発想はなかった」

アルミン「でしょ?
だから、今日からエレンの寝言を聞けば良いんだよ。
初めてだからドキドキするだけで」

ミカサ「なるほど。
でも、この感情を失うのは少し惜しい」

アルミン「エレンと触れ合えないこととどっちがましなの?」

ミカサ「今日からまたエレンの部屋に忍び込む」

アルミン「そうそう、その意気だよ。
(はは、結局取り越し苦労だったわけか)」

ワタシ、ガンバル
ハハ、ガンバッテネ
ジャア、コンヤシノビコムカラ
アア、ウン、ボクハネテルヨ


翌日、朝食時

ミカサ「ほら、エレン。パンくずが付いている」

エレン「やめろよ、お前は俺の母さんかよ」

ミカサ「大丈夫、私たちは家族だから」

144: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/02(木) 05:14:33.92 ID:F4/OLZq60
アルミン「(それにしても一日で慣れてしまうとは……)」

ライナー「(……アルミン、よくあそこから解決できたな……)」

皆「(実害がなくて、ほんっとうによかった……)」

サシャ「ハムを挟んで食べるパン……。ハムを挟んで食べるパン……」

アレ?ジャンハドウシター?
ナンデモ、タビニデルトカナントカ
ヘー、タイヘンダナー

アルミン「(今度からはもっと柔軟な思考を持っていこう)」

ヤメロヨ、ミカサー
イイカラ、ホラ

アルミン「(でもま……。
この構図が1番似合ってるんだけどね)」


終わり

引用元: アルミン「最近ミカサがおかしい」