ベガ「……お疲れ様でした」

ザンギエフ「あだだだだ……少々、無茶をしすぎてしまったかな……? 首が痛むよ……」

ベガ「……いい試合でしたよ」

ザンギエフ「あぁ、チャンピオンとしては当然の事だ。今日は派手な試合が続いたからな……メインイベントはそれ以上の試合に、せなばならんのは当然の事だ……リュウもよく応えてくれたよ……」

ベガ「リュウだけじゃなく、ケンやナッシュ達も、上手くやってくれましたね……きっかけは、ディージェイとヤムチャでしょうね……」

ザンギエフ「……全く、ダルシムとブランカは何をやっているんだ」

ベガ「あんな事を続けられたら……ザンギエフさんの身体も、持ちませんからね……」

ザンギエフ「……その事は別にいい。チャンピオンとして、その日最高の試合を見せるのは、最高の喜びだ。今日の試合で、まだまだ自分はやれるんだなと感じたよ」

ベガ「……無茶しすぎですよ」

ザンギエフ「……おいおい、考えても見ろよ?」

2: 名無しさん 2015/02/02(月) 00:51:16 ID:
ザンギエフ「お前だけではない……ファンも、このザンギエフはとっくの昔に全盛期を過ぎた身体だと知っている……」

ベガ「……えぇ」

ザンギエフ「だがしかし、それでもだ……それでも、ザンギエフならまだ出来る……若い連中に負けないような、最高の試合を見せてくれると、期待してくれているんだ」

ベガ「……はい」

ザンギエフ「ファンの声援に応える事が、レスラーとしての最大の喜び、そして義務だ。こんな私に声援を送ってくれる……これ以上に嬉しい事はないよ」

ベガ「……」

ザンギエフ「それさえあれば、こんな首の痛みなど……何処かに吹き飛んでしまうよ」ニヤリ

ベガ「……無理はなさらずに」

ザンギエフ「リュウに上がって貰いたいのは事実だが……ファンの声援にも、応えならねばならん……この辺りは、難しい所だな……」

ベガ「……まだ、支持はザンギエフさんの方が多いですからね」

ザンギエフ「……あぁ、裏切るわけにはいかんよ」

ベガ「まぁ、明日はオフです……業務は私がこなしますので、ザンギエフさんはゆっくり身体を休めて下さい」

4: 名無しさん 2015/02/02(月) 00:53:58 ID:
居酒屋ーー


サガット「さぁ、反省会だが……誰からいく……?」

ヤムチャ「あっ、じゃあ俺から行かせてもらってもいいですか……!?」

ダン「……なんだなんだ、えらく気合が入ってるじゃねぇか? どうした、ヤムチャ」

ヤムチャ「と、いうか……先に謝らせておいて下さい……」

ダン「……謝る?」

ヤムチャ「いや~、俺の試合のせいでね……今日、派手な試合ばかりやる事になっちゃったじゃないですか……? なんか、すいませんねぇ……」

ダン「まぁ、色々あったけど……ありゃ、ディージェイにも責任はあるだろう。あまり気にすんなや」

サガット「そうだな。反省するのはいい事だが……反省しすぎはよくないぞ、ヤムチャ君……?」

ヤムチャ「いや、でも……今日、来るはずだったキャミィさんが来てないのって……そのせいだと、思うんですよね……?」

ダン「おめぇ、キャミィの話は皆が触れないように、触れないように……って、ここまで上手く持って来ただろが! 何で、おめぇがここで切り開いちゃうんだよ、馬鹿野郎っ!」

ヤムチャ「……あれ?」

バイソン「ガハハハハ! バルログちゃんと、同じミスだな! ヤムチャ君!」

バルログ「……バイソン、蒸し返さないで下さい。 私はそういうキャラではありません」

5: 名無しさん 2015/02/02(月) 00:54:50 ID:
さくら「まぁ、今、ヤムチャさんの試合と、キャミィさんの事を平行して話す必要はないっすよ。キャミィさんの話は、女子部の反省のテーマっすね。というか、女子部の話はそれがメインになりそうっす」

サガット「……そうだな。女子部の試合自体は良かったと思うよ」

さくら「だから、今はヤムチャさんの試合の反省会をしましょう。終わった事を、蒸し返しても……いい事はないっすよ、ヤムチャさん?」

ヤムチャ「あっ、そう……じゃあ、俺の試合の反省会をしようか……」

サガット「……まぁ、その様子からするに、自分でも荒れた試合にしてしまっという、自覚はあるようだな」

ヤムチャ「そうっすね……やっぱり、第二試合であれだけ盛り上がっちゃいましたし……やっぱり、サガットさん達の目にも荒れた試合に映ってました?」

サガット「う~ん……まぁ、いい部分もあったし……勿論、悪い部分もあった……ある意味、評価するのは難しい試合だよ……」

ヤムチャ「……難しい?」

サガット「あの盛り上がりは……第五試合だったら満点だったが、それをした場所が第二試合だったからな……その辺が評価するに、難しい点だ……」

ヤムチャ「……なる程」

サガット「と言っても、大半の行動はディージェイ君がきっかけになってた様に見えたが……自分では、どう思う? 試合中に、こうした方が良かったんじゃないか……アレはいけなかったんじゃないか……? なんて、思った点はあるかな……?」

ヤムチャ「あ~、え~っと……それはですね……」

6: 名無しさん 2015/02/02(月) 01:02:05 ID:
ヤムチャ「結構、試合の序盤ぐらいは、アイツ邪魔だな~……なんて思う事が結構あったんですよ。俺が、何か行動起こして動きを止めなきゃいけないと思ってた部分があったんですけどね?」

サガット「……ふむ」

ヤムチャ「でも、ダルシムさんだったり……ダンさんが、スッと入って、アイツの動きを止めてくれたんですよ。やっぱり、見習うべきはあの辺の行動の早さですかねぇ……?」

ダン「……いや、そうでもねぇぞ、ヤムチャ?」

ヤムチャ「……ん?」

ダン「確か、試合中にもチラッと言ったが、おめぇとディージェイが組み合ってる時……俺が割り込んで入って、おめぇらが互いの陣営に下がるように指示しただろう……?」

ヤムチャ「あっ、はい……」

ダン「ありゃ、おめぇらが組み合ってモゾモゾ動いてる最中だから出来た行動だ。俺が真っ先に行動したら……ディージェイの蹴り売ってる所に割り込んで入って……尚且つ、おめぇやブランカにも指示しなきゃいけねぇだろ?」

ヤムチャ「そうですね……」

ダン「ありゃ、おめぇがディージェイの動き止めようとしている行動に……俺は乗っかったワケだ」

ヤムチャ「……ふむ」

ダン「基本的に、ディージェイの動きを止めたいってのは……俺もおめぇも、ダルシムも、ジミーも……皆が共有している思いだ。何でもかんでも、自分が行動すればいいってもんじゃねぇ」

ヤムチャ「……はぁ」

ダルシム「誰が行動するのが、一番ベストか……一番自然な流れになるのか……自分の行動の優先順位を考えねぇとな?」

8: 名無しさん 2015/02/02(月) 01:06:22 ID:
ダン「あの時、レフェリーの俺は、自分よりおめぇやダルシムの行動の優先順位が高いと判断したからこそ……おめぇの行動を待ったワケだ」

ヤムチャ「ほうほう」

ダン「そして、おめぇがその通り、動いてくれた……だけど、それでもディージェイの奴のには伝わらなかった……こりゃ、誰かがヤムチャをサポートしなきゃいけねぇ……」

ヤムチャ「……そこで、ダンさんの出番と」

ダン「あぁ、そういうワケだな。ジミーやダルシムが加勢すると、二対一になっちまうからな。ディージェイの動きを止めたいってのは、同じ思いなんだが、試合形式なんだから」

ヤムチャ「……ふむ」

ダン「それよりかは、中立の立場であるレフェリーの方が最適だろう。ヤムチャチーム・ディージェイチーム・どちらにも属さないレフェリーの俺……それぞれ、出来る行動も違うだろうしな。やっぱり、その場その場で動くに最適な人間ってのが、何処かにいるもんなんだよ」

ヤムチャ「……なる程」

ダン「おめぇがあの時、ディージェイの動きを止めようとしないで……俺が『ヤムチャの野郎、何してんだよ。ここはおめぇが動く場面なのに、何で動かねぇんだよ』なんて思って、我慢の限界がきたら……」

ヤムチャ「……ふむ」

ダン「俺は、きっと蹴り打ち続けてるディージェイの間に割って入って……まぁ、無理矢理にでも状況を収めただろうな。行動するタイミングってのは、ここだよ」

ヤムチャ「……なる程」

ダン「まぁ、今日のおめぇは良かったと思うぞ? 『ヤムチャの野郎、何で動かねぇんだよ』なんて思う事も『ヤムチャの野郎、何で勝手に動いているんだよ』なんて思う事は、俺はなかったね」

ヤムチャ「……ほ~う」

ダン「状況、状況に合わせて……動く時には動く……我慢する時には我慢する……そういった動きが出来てる様に思えたぜ?」

9: 名無しさん 2015/02/02(月) 01:11:14 ID:
ヤムチャ「じゃあ、例えば俺が、あの時ダンさんの力を借りずに……一人で場を丸く収める方法って、ありましたかね……?」

ダン「……ん?」

ヤムチャ「サガットさん達なら……アイツの事を、ダンさんの力を借りずに、一人でなんとか出来たんじゃないですかね? 実際、ああいった場合の最適な対処法、知りたいです」

サガット「……ディージェイ君相手に最適な方法などないぞ? ディージェイ君は特別だよ。あんな事が常日頃、起こってたまるものか」

ヤムチャ「えぇ……? 対処法、ないんですか……? 俺、またアイツとやる事、ありそうなのに……困ったなぁ……」

サガット「だから、評価に難しい試合だと言ったんだ……ヤムチャ君の行動が、ベストだったかもしれないし……他に、もっといい行動があったかもしれないしな……」

ヤムチャ「……ふむ」

サガット「まぁ、酒のつまみにはなる話題だな……バルログ、バイソン、さくらちゃん……皆なら、あの場面……どういう対処法で切り抜けた? あそこまでイレギュラーな場面……それぞれ、各自で行動も違ってくるだろう」

ヤムチャ「あっ、ソレ、聞いてみたいっす! 他にどんな選択肢があったのか、ちょっと気になります!」

10: 名無しさん 2015/02/02(月) 01:13:38 ID:
バルログ「私の場合は、なんとか場外に押し込んで……場外戦に持っていきますかね……? 場外ダイブ技で、魅せれる可能性もありますしね」

サガット「……第二試合で派手な場外ダイブ技か? それに、確かあの時、ダルシムさんはダメージを受けてなかったか? リング上に残ったジミーさんにやられてしまうぞ?」

バルログ「あっ、そっか……第二試合でしたね……ダルシムさんがやられるのは、まぁ上手くリングインすればなんとかなると思いましたが……派手な乱戦になっちゃいますよねぇ……?」

バイソン「俺はよぉ、ガツンと急所攻撃にいくぜ! 正々堂々と、後ろからディージェイの急所を攻撃して、動きを止めるね!」

ヤムチャ「正々堂々と、急所攻撃って……もう、めちゃくちゃだな、この人……」

バイソン「ガハハハハ! バイソン様にとっちゃ、これが正義だ! 急所とは、殴る為にあるものだ!」

さくら「も~う、バイソンさん……一応、自分、女性っすよ……?」

サガット「そうだぞ、バイソン……? さくらちゃんも、いるんだぞ? ちなみに、さくらちゃんならどうする……?」

さくら「う~ん……自分だったら、もうディージェイさんに、好きに暴れてもらうっすけど……相手がディージェイさんだし、第二試合っすからねぇ……サガットさんなら、どうします?」

サガット「俺なら、ドカンと一発、投げるさ。ハイアングルのボディスラムで溜めて……時間を稼ぐね」

ヤムチャ「おぉ、皆、違う答えなんだなぁ……」

12: 名無しさん 2015/02/02(月) 01:16:51 ID:
サガット「まぁ、というワケで……皆、バラバラな答えだし……これがレスラーとしての個性だな」

ヤムチャ「……ほ~う」

サガット「俺達シャドルーのように、自らガンガン責めるタイプもいれば……さくらちゃんやダルシムさんのように、相手にガンガン責めてもらうタイプもいる……」

さくら「普段の自分は、結構ガンガンいってますけどね。まぁ、ディージェイさんに相手に、ガンガンいく自信はないっすね」

サガット「それぞれファイトスタイルも違うんだ。『これが答えだ』というものはない。だから、この答えは、俺達ならこうするかも……と、いうだけで、参考程度にしておいてくれ」

ヤムチャ「あ~、でも確か……あの時、バックドロップした方が良かったかも……なんて考えが頭をよぎりましたねぇ……やっぱり、サガットさんみたいに、ぶん投げた方が良かったんですかねぇ?」

サガット「……それは、わからんぞ? 案外、バックドロップをしたらもっと大事になったかもしれない。逆上したディージェイ君が、すぐに起き上がり、もっと激しい攻撃をヤムチャ君に仕掛けてくるとかな?」

ヤムチャ「ちょっと、ちょっと……サガットさん、おっかない事言わないで下さいよ……俺、アイツとまた試合するかもしれないのに……」

サガット「ハハハ、悪かったな。まぁ、だから……俺達とヤムチャ君に違いがあるとすれば……それは経験の差じゃないか?」

ヤムチャ「……ほう、経験の差?」

サガット「投げる……場外に押し込む……急所を攻撃する……やられる……そして、動きを止めてダンさんの助けを待つ……ここにいるメンバーの答えは、それぞれ違った物だが……」

ヤムチャ「……ふむ」

サガット「他にも選択肢はあるかもしれないな……例えば、ディージェイ君を無視して、ジミーさんに攻撃を仕掛けるとか……自分がやられているダルシムさんの盾になって、攻撃を受けてあげる、とかな……?」

ヤムチャ「なんだかんだで、結構、選択肢はあったんですね。 でも、そうなってくると、どれが正解だったのか……どれがベストだったのか、全くわかんねぇな……」

サガット「こうやって反省会では、色んなパターンをじっくり皆で考えて、どれがいいか考える為の時間があるが、試合中はそうではない」

ヤムチャ「あ~、そうっすね……瞬時に考えないといけませんね……」

サガット「経験の差が出るのなら、そこだろう……ヤムチャ君が三つ選択肢を、思いつくとしたら……俺達は四つや五つ、選択肢を思いつけるんだと思う」

13: 名無しさん 2015/02/02(月) 01:17:53 ID:
ヤムチャ「三つの選択肢と、四つや五つの選択肢……この差は、小さく見えて……以外と大きいんだろうな……ちくしょう……」

サガット「まぁ、順調に成長してると思うよ、ヤムチャ君は。今日のディージェイ君への対応……自分の選択肢の中から、一番ベストな物を選んで、しっかりとした対応をしていたと、俺は思う」

ヤムチャ「おっ、そうっすか……?」

サガット「決して間違った行動ではなかった。だが……」

ヤムチャ「……ん?」

サガット「今のように、もっといい選択肢があったのではないか……もっとベストな行動があったのではないか……なんて、追求心のようなものは忘れないでいてくれ」

ヤムチャ「なる程、確かに間違ってはないと思うけど……ベストだったのか……と、言われると自信はないですね……」

サガット「まぁ、そこを皆で話し合っていくのが、反省会だ。基本的に答えはないよ……酒のつまみには、ぴったりだろう?」

ヤムチャ「なる程ねぇ……あ~、そういやね……あの時、ディージェイの野郎をとっ捕まえて、動きを封じたのは、アレで良かったのかなって思うようになってきましたけど……」

サガット「……ふむ」

ヤムチャ「ラストの攻防……打撃の打ち合いになっちまった時は……その自分の選択肢の少なさを感じましたよ……」

サガット「……ほ~う、どういう事だ? 聞いてみたいな」

14: 名無しさん 2015/02/02(月) 01:18:54 ID:
ヤムチャ「いやねぇ……あの時、凄くヤムチャコールが起こってたじゃないですか? まぁ、後から聞いたら、ディージェイの野郎が作ったらしいんですけどね?」

サガット「あぁ、確かに……ヤムチャコールが沸き起こってたな」

ヤムチャ「それで、俺……やっぱり、コールに応えなきゃいけないと、思って……それで、打撃攻撃のラッシュ仕掛けたんですけどね……?」

サガット「……間違ってないぞ? あのコールに応えるには、今のヤムチャ君なら、打撃攻撃で責めるしかないだろう」

ヤムチャ「そうなんですよ、でもね……? 後から、聞いたら、その打撃攻撃を……ディージェイの野郎は、俺が本気で仕掛けてると勘違いしちゃったんですって……?」

バイソン「……なぁ~に、考えてやがる、あの野郎。バカか」

バルログ「……それで、ラストにあんな事、したんですね」

ヤムチャ「あの声援に応えるには、俺には打撃で責めるしかなかったんすよ……! でも、そうなっちまった結果を踏まえると……やっぱり、ドカンと投げ技でもかました方が良かったのかと、思いますねぇ……」

サガット「……まぁ、そうだな。ラッシュ時の攻め方が、打撃攻撃だけってのは、いけないな。もう少しバリエーションを増やしていかないといけないな」

ヤムチャ「あそこの部分は……違う責め方をしたら、もう少し違った展開になったかもしれませんねぇ……」

バイソン「……でもよぉ? ラストのフィニッシュホールドは、そのおかげで出来たんだろ? あそこで、投げ仕掛けたら、あれは生まれなかったんじゃねぇか?」

バルログ「あっ、そうそう! ヤムチャ君、覚えたスパインバスター、試合本番で改良しましたよねぇ?」

ヤムチャ「あ~、あれは、打撃合戦がずっと続いてましたから……ラストは格好良く決めなきゃいけないと思って……とりあえず、高く持ち上げて……それで、ぶん回してみました……」

15: 名無しさん 2015/02/02(月) 01:19:33 ID:
まってましたー

16: 名無しさん 2015/02/02(月) 01:22:01 ID:
ダン「お~い、ヤムチャ……その事で、実況の人からおめぇに伝言がある……」

ヤムチャ「えっ……? なんか、俺やっちまってました……アレ……?」

ダン「いや、逆だ……今までのおめぇのボディスラムは、ボディスラムになってねぇから名前を呼んでもらえねぇ事があったろ……?」

ヤムチャ「ま、まぁ……最近は出来るようになってきましたよ……? 最近はね……?」

ダン「で、今回……あの技は『スパインバスター』と呼ぶには勿体ねぇ……スパインバスターの域を越えているって、おめぇが投げた後、実況席で盛り上がっちまったらしい」

ヤムチャ「えっ……! マジっすか……!?」

ダン「まぁ、早い話がオリジナルの技名をつけろって催促されてるワケだな」

サガット「……ほ~う、どうやらスパインバスターを教えたのは正解だったみたいだな」

ヤムチャ「オリジナルの技名か~、どうしようかな~? 『スーパーヤムチャスープレックス』とかいいんじゃねぇかな? コレ、格好いいんじゃねぇかな?」ウキウキ

バイソン「……『スーパーヤムチャスープレックス』って、ダサくね?」

バルログ「……えぇ、とってもダサいです」

さくら「会場から失笑が聞こえそうっすよ」

ヤムチャ「あれ……何、その反応!? 『スーパーヤムチャスープレックス』格好良くないですか!?」

プーアル「……ヤムチャ様のセンスのなさには、呆れるばかりです。『プーアル・ボム』とか、どうですかねぇ?」

ヤムチャ「何で、プーアルの名前が出てくるんだよ!? あの技、プーアル関係ねぇじゃねぇかよ!?」

18: 名無しさん 2015/02/02(月) 01:23:18 ID:
サガット「……少し、センスが斜め上すぎるな。もっと他のはないのか、折角の技なんだから」

ヤムチャ「そんな事、言われましてもねぇ……『ファイナルかめはめ排球光殺法』……とか……?」

プーアル「……うわ、色んな人に怒られますよ、ソレ」

ヤムチャ「困ったねぇ……だって、話が急だもん……いきなり言われても、そんなの出てこねぇよ……」

ダン「……こりゃ、ダメだね。アイツらの案採用させてもらうか。オイ、ヤムチャ!」

ヤムチャ「……ん?」

ダン「新技の名前は……『トルネードスパイン』か『ウルフバスター』どっちかにしろ」

ヤムチャ「あっ、それいいっすね『プーアル・ボム』より格好いいじゃないですか!?」

プーアル「『スーパーヤムチャスープレックス』に言われたくありませんけどね」

ダン「トルネードスパインは、実況の人が考えてくれてて……ウルフバスターは、ホークが考えてくれたよ。おめぇのセンスには期待出来そうにねぇから……もう、どっちかの案、採用させてもらえ!」

ヤムチャ「う~ん、どっちもいいなぁ……どうしようかねぇ……皆さんは、どう思います……?」

20: 名無しさん 2015/02/02(月) 01:25:31 ID:

バイソン「俺は、ウルフバスターかな?」

バルログ「私はトルネードスパインですね。振り回して落とすのが、竜巻みたいでいいじゃないですか」

サガット「……俺も、トルネードスパインかな? 技のイメージ的には、こっちの方が似合うだろう」

ダン「俺は、どっちでもいいよ。 まぁ、ホークは可愛い奴だし、ホークの出した案の、ウルフバスター採用してやるか!」


ヤムチャ「あらら、半々に別れちゃったねぇ……じゃあ、さくらちゃんは……?」

さくら「う~ん、ちょっと思ったんですけどね……? ヤムチャさんって必殺技に『狼牙風風拳』あるじゃないですか?」

ヤムチャ「うん、狼牙風風拳あるね。それが、どうしたの?」

さくら「だから、新技の名前は……『ウルフバスター』にして……これから、新技が出来たら『狼』……もしくは『ウルフ』って技の名前に入れて、統一していくってのは、どうっすかねぇ?」

ヤムチャ「あっ、それ、いいかも!」

ダン「あ~、そりゃいいな! それだったら、次に新技出来た時、名前決めるのが楽そうでいいじゃねぇか!」

バルログ「もう、センスのない候補名を聞かなくて済みますからね」

バイソン「毎回毎回、あんな斜め上の発想でこられちゃ、こっちも対処できねぇよ!」

サガット「ヤムチャ君のネーミングセンス力は……ディージェイ君並みの、予想外の行動でこられるからな……」


ヤムチャ「ちょっと、皆さん、酷くないですかねぇ!?」

プーアル「……スーパーヤムチャスープレックスが、何を言ってるんですよ」

37: 名無しさん 2015/02/02(月) 01:39:33 ID:
ダン「じゃあ、新技の名前は『ウルフバスター』にするか! 俺が実況の人と話つけておいてやるぜ」

ヤムチャ「そうですね。お願いします」

ダン「あ~、そうだそうだ……ところでよぉ、ヤムチャよぉ……?」

ヤムチャ「どうかしたんですか?」

ダン「おめぇ、ウルフバスター仕掛ける直前に……ディージェイの野郎に、いいパンチ貰ってただろ? アレ、大丈夫だったのか?」

バイソン「あ~、アレ、シュート気味のパンチだったよな!? 全く、プロレスであんなパンチ打ち込むだなんて、アイツ信じられねぇ奴だよ!」

バルログ「……バイソンも、ヤムチャ君の初戦で仕掛けましたけどね。人の事、言えませんよ」

バイソン「ガハハ! これまたバルログ君、御冗談を!」

ダン「多分、ディージェイの野郎も、こっ酷くジミーに叱られてると思うよ……とにかく、ヤムチャ……怪我とかはしてねぇか……?」

ヤムチャ「あぁ、アレはまぁ、大丈夫っすよ……俺、頑丈さには自信あるんで……この通り、ピンピンしてますよ」

サガット「そういえば、ヤムチャ君は確かセルゲームにも参加していたんだったな。あんな得体の知れない化け物と戦えるような力を持っているだったら……ひょっとしたら、俺達とは何処か身体の作りが違うのかもしれんな……」


プーアル「実際は戦いもせずに、見物に行っただけですよ……」

ヤムチャ「あそこまで強いとは思ってなかったんだよ! 俺だって、もうちょっとやれると思ってたさ! もうちょっとよぉ!」

38: 名無しさん 2015/02/02(月) 01:40:19 ID:
サガット「まぁしかし、ヤムチャ君……例え、ヤムチャ君がどれだけ頑丈さに自信があるとしても、だ……」

ヤムチャ「あっ、サガットさん……急に真面目な顔して、どうしたんですか……?」

サガット「……これからは、あぁいった全力で殴り合うような攻防はやめてくれ」

バイソン「……でも、仕掛けたのはディージェイだぜ、サガット?」

サガット「まぁ、そうだがな……ヤムチャ君はあぁいった攻撃を耐えれるだけの頑丈さに自信があるのかもしれんが……とてもじゃないが、俺はあんな攻撃……受け切れる自信はない……」

ヤムチャ「そうっすよね……あれは、やりすぎでしたね……」

サガット「日常的にあんな事を繰り返してたら……顔面に本気のストレートを喰らうのが当たり前になって……盛り上げる為には、それ以上の過激な事が要求されてしまう……」

ヤムチャ(そうだよな、腐っても俺はZ戦士だけど……サガットさん達は生身の人間なんだ……プロレスをZ戦士レベルの戦いに引き上げちまったら……とてもじゃねぇが、サガットさん達はついてこれねぇ……)

サガット「プロレスのルールの範囲の中で……技術で魅せていこう。技術でな」

ヤムチャ(でも、どうなんだろうな……? この人達、ちょっと本格的な気の修行したら、武空術とか使えそうな気もするなぁ……今度、コツとか教えてみようかな……? 案外、いけるんじゃねぇの……?)

40: 名無しさん 2015/02/02(月) 01:42:58 ID:
サガット「……どうした、ヤムチャ君?」

ヤムチャ「あ~、いえいえ、聞いてます聞いてます! わかりました……あんな過激な攻防は、もう二度とやりません。 プロレスのルールの中で、俺はやっていきますよ」

サガット「そうしてくれると、ありがたいな。まぁ、ヤムチャ君の試合で気になったのは、こんなモノかな……? 悪い所もあったが……いい所もあった……その経験を、是非次の試合で生かしてくれ……」

ヤムチャ「上手くいけば、次はディージェイとのシングル……下手したら、ダルシムさんか、ブランカさんとのシングルに逆戻り……」

サガット「……まぁ、現場監督がどう判断するかだな」

ヤムチャ「とにかく、相手がディージェイであれ……ブランカさんであれ……次の試合の課題は、もうとっくに出来てますよ……」

サガット「……ほう、聞かせてもらいたいな?」

ヤムチャ「次の試合は……俺が中心となって、正しい流れで試合を動かしていく事ですよ」

サガット「うむ、そうだな……今日の試合と、ジミーさんとの試合は……相手に動かしてもらっていた部分も多かった試合だからな……何か、プランはあるのか、ヤムチャ君?」

ヤムチャ「相手にいい所を作って貰うんじゃなくて……相手にいい所を作ってあげるぐらいの懐の深さっすよ。信頼っす、例え、ディージェイみたいな野郎でも……相手の事を信頼してやる事っす」

サガット「なる程な、では、次の試合……その結果を出すのを期待してるぞ?」

ヤムチャ「うっす! すぐにそっちに戻ってやりますよ!」


ダン「おい、ヤムチャ? 一応、言っておいてやるけどよぉ……? ディージェイの野郎は、一応おめぇより半年先輩なんだぞ? 信頼するんだったら……先ずは、言葉使いからじゃねぇのか?」

43: 名無しさん 2015/02/02(月) 22:00:32 ID:z0Rq2Ts.
ーーー


ベガ「……ヤムチャの事ですが」

ザンギエフ「あぁ、随分と力をつけて来た様だな。その力を正しい方向に持っていければいいのだが、まぁ相手はディージェイ、か……」

ベガ「……人気も出てきたんじゃないでしょうか?」

ザンギエフ「怪我の功名、というヤツだな……ディージェイが好き放題暴れてくれたおかげで……ヤムチャの格の違いを見せつける事が出来たよ」

ベガ「そうですね。ヤムチャにあれ以上の試合をさせる事は……現状では難しいんじゃないですか?」

ザンギエフ「う~ん……第五試合に戻してみるか……?」

ベガ「……その位置で、シングルでやらせるんですか?」

ザンギエフ「いや、流石にシングルはまだ早いだろう……空手軍団と合流だ。シングルは、空手軍団の一員として、結果を残し……ファンに受け入れられてからだろう」

ベガ「自分の力を見せつつ……上のリュウやケンの格上げもこなし……空手軍団の価値を上げる、と……彼を何年選手だと思ってるんですか?」

ザンギエフ「ちんたらちんたら、第二試合に埋めておくのは、勿体無さすぎる。ダメな時は、また第二試合に戻って……派手な試合をやって貰えばいいさ」

ベガ「……今日みたいな第二試合を続けていると、そのうち選手達の不満が募り、貴方の立場が危うくなりますよ?」

ザンギエフ「じゃあ、タッグベルトに挑戦させるのも、いいんじゃないか? ヤムチャとダルシムのコンビ……意外と良かったじゃないか」

ベガ「ナッシュとガイルに対抗出来るコンビが、現状ユンとヤンしかいませんからね……こちらもまた、手詰まり気味です……」

ザンギエフ「ソドムだ。ソドムとロレント……奴らに何とかしてもらおう……」

44: 名無しさん 2015/02/02(月) 22:07:10 ID:z0Rq2Ts.
ーーー


サガット「さて、じゃあ、そろそろ女子部……というか、キャミィの話をしようか……?」

さくら「そうっすね。お願いします」

サガット「現状のキャミィは、どういった感じなんだ? 何か、言ってたか?」

さくら「う~ん、チャンピオン辞めたい……なんて言ってましたね……自分がベルト巻くのが、正しい選択なんすかねぇ……」

バイソン「……勿体ねぇなぁ。 俺なんてよぉ、ベルト巻きたくても負けないんだぜ? チャンピオン出来るんだったら、やればいいじゃねぇか!」

バルログ「バイソン……キャミィさんは、ベルトを巻くだけじゃなくて……春麗さんの穴埋めの立場もあるんですよ? 貴方に、ザンギエフさんの代わりが出来ますか?」

バイソン「あぁ、そっか……ベルトを巻くだけじゃともかく……ザンギエフさんの代わりになるんだったら、ちょっと難しいかもな……バイソンちゃんらしい事が出せねぇぜ……」

バルログ「……キャミィさんは、そういった状況なのです。そういった軽はずみな発言が、キャミィさんを追い詰めていくんですよ?」

ヤムチャ「……ベルトを持つって事も大変なんですねぇ」

さくら「まぁ、一番責任を負うポジションになりますからね……男子部と女子部で規模は違うっすけど……」

サガット「そうか……? もし、俺にそういう話が来たら、俺は迷わずベルトを巻くぞ? まぁ、話が来るとしたら、俺よりリュウの方が先だろうがな」

46: 名無しさん 2015/02/02(月) 22:11:43 ID:z0Rq2Ts.
バイソン「おいおい、サガットちゃん大きく出たな? おめぇにザンギエフさんの代わりが出来るのか?」

サガット「そりゃ、最初はザンギエフさん並みの支持は得られないだろう……だが、きっと続けていく事で……支持は得られるさ……」

バルログ「そりゃ、長く続けていれば、ね……? でも、現状の女子部は春麗さんが抜けた状況なんですよ……?」

サガット「皆、少し短期的なスパンで物事を考えすぎだ。一試合、二試合で、皆が認めるチャンピオンになろうとするから、そうなる」

ヤムチャ「ほうほう……長期的なスパンで物事を考えろと……?」

サガット「そうだ。五試合、六試合かければ……チャンピオンになる為の、何かを掴む事ぐらい出来るんじゃないか? そして、十試合、二十試合……それを続けていれば、チャンピオンらしさも出てくるんじゃないか?」

さくら「まぁ、そうっすよね……」

サガット「キャミィが二十試合、チャンピオンを続けるとして……ようやく、チャンピオンらしさが出てきた所で……春麗が復帰するわけだ。春麗の離脱は一ヶ月程度だからな」

プーアル「という事は……強くなったキャミィさんと、復帰した元チャンピオンの春麗さんの試合が、始まるワケですね?」

サガット「春麗は第三試合から抜け出したがっていて、女子部も同じ様な思いだったかも、知れないが……この試合なら、どうだ? 俺は第五試合だとしても見てみたいぞ?」

さくら「あ~、それいいかもしれないっす……上手く出来れば、春麗さんも喜んでくれそうっす」

48: 名無しさん 2015/02/02(月) 22:17:41 ID:z0Rq2Ts.
サガット「これを直接、キャミィに言ってやりたいが……何故、この場にキャミィがいないっ!」

バルログ「大声張り上げないで下さい……お店に迷惑がかかりますよ、サガット……」

サガット「少し、酔ってきたかも知れないな……今日の酒は、つまみが美味いおかげで、えらく進むよ」

ダン「だったら、明日はオフなんだから、おめぇらもキャミィと付き合ってやれ。皆で何処かに遊びに連れてってやれよ。今のキャミィには、気分転換も必要だろ」

サガット「うむ、どちらにしても付き合うつもりでしたからね……それも悪くありません……」

ダン「猫カフェって、知ってるか? なんか、猫に囲まれた喫茶店みたいなのが、あるんだってよ? キャミィの奴、猫好きだから、そこに連れて行ったら喜ぶんじゃねぇか?」

さくら「猫カフェって……この辺、そういうお店、あるんすかねぇ……?」

ダン「それは、知らねぇ。俺ぁ、雑誌でチラッと見ただけだから。そこまでは、把握してねぇ」

さくら「も~う……ダンさんは、役に立たないんっすから……」

バイソン「だったらよぉ、皆でケーキバイキング行かねぇか!? 俺、場所知ってるし……割引チケットも持ってるんだよ!」

バルログ「……出ました、バイソンの乙女趣味」

49: 名無しさん 2015/02/02(月) 22:22:15 ID:z0Rq2Ts.
バイソン「乙女趣味で何が悪ィんだ!? 期限が迫ってんだよ、期限がよぉ! さくらちゃんもケーキ好きだろ? だから、皆でケーキバイキングに行こうぜ?」

さくら「いや、まぁ……自分もキャミィさんも……甘い物は嫌いじゃないっすが……」

バイソン「だったら、決定だな! サガットとバルログも連れてってやるよ、皆で仲良く、ケーキバイキングに行こう!」

サガット「……俺は、あまり甘い物は得意ではないのだが」

バルログ「ケーキバイキング……私のイメージには合いそうですが……サガットは、どうなんですかねぇ……?」

バイソン「文句ばかり言ってんじゃねぇよ! ケーキを食べつつ、プロレスの話をする……こ~んな、最高の一日はねぇだろが!?」

ダン「ケーキを食べつつ、プロレスの話をする……おめぇ、今、自分がめちゃくちゃな事言ってるの、わかってんのか? バイソン?」

さくら「あ、あの~、話が進んでるのは、いいっすけど……ちょっと、ちょっと、いいっすか……?」

バイソン「おう! どうした、さくらちゃん!?」

さくら「こ、このメンバーで……ケーキバイキングに行くんすか……?」

バイソン「……ん?」

50: 名無しさん 2015/02/02(月) 22:27:41 ID:z0Rq2Ts.
さくら「サガットさんと、バルログさんと、バイソンさん……こんな、ゴツい人達を連れて……ケーキバイキングに行くんすか……?」

ダン「ハハハ! 見てる分には、面白ぇが、関わりたくはないな!」

サガット「……別に場所はどうだっていいだろう。俺は、とにかく今のキャミィと話してみたい」

バイソン「そうだよ、キャミィに必要なのは、リフレッシュする事と話し合う事じゃねぇか! 美味しいケーキを食べれて、リフレッシュ! それが大切だぜ」

バルログ「……はぁ、無頓着な二人に振り回されるのは、本当に疲れます」

さくら「……というか、キャミィさんには、今、シャドルー加入の話も出てるんすよ? この三人が勢ぞろいって……ちょっと、マズくないですかねぇ?」

サガット「……どうなんだろうな、バイソン?」

バイソン「さぁ……? 俺は、わかんねぇよ、それよりケーキが食いたい」

バルログ「……全く、本当にこの二人は」

さくら「あっ、そうだ! ヤムチャさんも、一緒に行きませんか……? ヤムチャさんだったら、まぁ見た目もそんなにゴツくないですし……何とか、なりそうっす!」

ヤムチャ「……ん、俺?」

51: 名無しさん 2015/02/02(月) 22:32:38 ID:z0Rq2Ts.
さくら「ねっ、ヤムチャさんも一緒に来て下さいよ!? お願いっす! これは、心からのお願いっす!」

ヤムチャ「でも、俺が行ったって……俺は、サガットさん達みたいに、具体的なアドバイスしてあげれそうにないよ?」

さくら「ヤムチャさんは、その場にいるだけでいいんです! その場にいるだけで……本当にお願いします……ヤムチャさんも来て下さいっす……!」

ヤムチャ「なんで、そこまで必死になって頼むんだよ、さくらちゃん……も~う、困ったなぁ……」

プーアル「……どうせ、ヤムチャ様は暇なんでしょ。ここまで、さくらさんが頼んでるんだから、行けばいいじゃないですか?」

ヤムチャ「まぁ、そりゃ暇だけどね? でもケーキだろ?」

さくら「お願いしますよ、ヤムチャさ~ん……」

ヤムチャ(な~んで、さくらちゃんは、ここまで必死に頼むんだよ……ん……? あれ……?)

ダン「付き合ってやっても、いいじゃねぇかヤムチャよぉ? おめぇがゴツい男達とキャミィ達のクッションになってやれ。プロレスでは、そういった場面もあるんだぞ~」

ヤムチャ(これって……もしかして……)

ダン「……お~い、お~い? ヤムチャ、話聞いてんのか? 人の話を聞いたら、返事ぐらいしましょう! 返事ぐらいをよぉ!」

53: 名無しさん 2015/02/02(月) 22:41:11 ID:z0Rq2Ts.
プーアル「……ヤムチャ様? ヤムチャ様は、普段皆様にお世話になってるんだから、こういう時は付き合うべきですよ」

ヤムチャ「よし、わかった……俺も参加しよう!」

さくら「助かりましたよ……本当、ありがとございます……」

バルログ「まぁ、ヤムチャ君がいたらね……多少はマシになるでしょう……多少は……」

さくら「ダンさんも……一緒に来ませんかね?」

ダン「あ~、ダメダメ! 俺ぁ、明日はジミーと釣りだ! 朝からジミーと釣り行く約束してるんだよ」

さくら「……ダンさんも、なんだかんだで、毎日エンジョイしてるんすね」

ダン「いいじゃねぇかよ。俺じゃなくて、ゴツい男達がボディガードについてるんだからよぉ? 思う存分、荷物持ちにさせちまえばいいんだよ」

さくら「……まぁ、確かに、ボディガードには最適っすね。絶対ナンパとかされなさそうです」

55: 名無しさん 2015/02/02(月) 22:56:35 ID:VB0hglFw
サガット「じゃあ、キャミィの件は明日、皆で話し合うとして……」

バイソン「ケーキバイキングでな! ケーキバイキングで楽しく話し合おう!」

さくら「……ヤムチャさん、本当、明日はよろしくお願いします」

ヤムチャ「お、おう……! 俺に任せておけよ、さくらちゃん!」

プーアル「……どうしたんですか、ヤムチャ様。そんなに張り切っちゃって」

ヤムチャ「な、なんでもねぇよ、プーアル君! ま、まぁ後で話すよ、後で、ね……?」

プーアル「……はぁ」

サガット「よし、じゃあ、女子部の件はこんなもんかな……? じゃあ、次は俺とバイソンの試合の件についてでいいかな……?」

バイソン「おう、そうだな! いい試合だっただろ! バルログちゃん、思う存分褒めてくれてもいいんだぜ!?」

バルログ「いや、意外と問題点はありましたよ……? 私が思ったのは、先ずですねぇ……」

ヤムチャ(これは、絶対にそうだ……間違いない……絶対にそうだ……)

プーアル「ヤムチャ様、話聞いてます……? ちゃんと聞いてないと、一人前には、なれませんよ……?」

56: 名無しさん 2015/02/02(月) 23:04:17 ID:VB0hglFw
そしてーー


プーアル「いやぁ、今日も有意義な一日でしたね! 今まで、修行をサボってダラダラしていた生活が、まるで嘘のようです」

ヤムチャ「……」

プーアル「明日は、さくらさん達のボディガードですよ? ヤムチャ様、いつもみたいにヘマしないで下さいね?」

ヤムチャ「……あぁ」

プーアル「まぁ、僕に出来る範囲の事だったら……なんだって、フォローはしますんで、ヤムチャ様は全力で行動して下さい!」

ヤムチャ「……なぁ、プーアル?」

プーアル「……ん、ヤムチャ様、どうしましたか?」

ヤムチャ「明日の一件なんだけどさぁ……? プーアル、お前は悪いけど留守番しててくれないか……?」

プーアル「なんで、僕が留守番なんですよ!? 僕も連れていってくれてもいいじゃないですか!?」

ヤムチャ「いや、明日は俺にとって、大切な日なんだ……だから、プーアル……俺一人の力で、やらせてくれないか……?」

プーアル「大切な日って……どういう事ですか、ヤムチャ様……?」

ヤムチャ「以前、プーアルには話したと思うが……うん、もう一度、ここで言おう」

プーアル「……はぁ」

ヤムチャ「……俺は、結婚というものに憧れている」

プーアル「……はぁ?」

57: 名無しさん 2015/02/02(月) 23:20:52 ID:VB0hglFw
ヤムチャ「少し、昔話しようか……プーアル……」

プーアル「……ヤムチャ様、どうしたんですか?」

ヤムチャ「以前、俺には結婚を考えていた女性がいたんだ……彼女と過ごした時間、戦いに明け暮れていた俺に安らぎを与え続けてくれた彼女……彼女は本当にいい女性だった……」

プーアル「……」

ヤムチャ「きっと、俺は彼女と暖かい家庭を築くものだと思っていた……だがしかし、些細な喧嘩でその関係は崩れてしまったんだ……今となっては、何が原因か思い出せない……それくらいのくだらない喧嘩で、全ては崩れてしまった……」

プーアル「……はぁ」

ヤムチャ「そして彼女は他の男性と結婚して、子供も作り、暖かい家庭を持つ事になった……俺は、孤高の狼として、戦いに明け暮れる日常に戻った……お互いが別々の道を歩み始めたんだな、と実感したよ……」

プーアル「何が、孤高の狼ですよ!? まともに戦った事なんて、一回もないじゃないですか」

ヤムチャ「だがしかし、どうだ!? 俺と彼女は別々の道を歩み始めたのに、彼女はずっと変わらない態度で俺に接してくれるんだ! あの時と変わらない、笑顔を俺に見せて! あの時と変わらない、優しい言葉を俺にかけてくれて!」

プーアル「……」

ヤムチャ「だったら、俺でも良かったんじゃねぇの!? なんで、よりにもよってベジータなんだよ! 絶対、俺の方が家庭を大事にするタイプだって! 以前と変わらない態度なら、相手は俺でも良かったんじゃねぇの? 俺の何が、いけねぇんだよ、ちくしょう!」

プーアル「まぁまぁ……ブルマさんには、ブルマさんなりの考えがあるんですよ、きっと……」

ヤムチャ「名前を出すのは、やめてくれっ! 涙が出てきちまう!」

59: 名無しさん 2015/02/02(月) 23:31:30 ID:VB0hglFw
ヤムチャ「そこからよぉ……? 俺は、また女心ってのが、わかんなくなって、やっぱり自分には、結婚は無理なんだな……って、諦めちまったんだけどよ……」

プーアル(相当、トラウマになってるみたいですね。ヤムチャ様)

ヤムチャ「俺もよぉ、もう、35だぜ……? 何年間かは、死んでたから……その辺計算に入れねぇとしたら、32か33だよ……それでも、三十路は越えてんだよ」

プーアル「まぁ、確かに現世にいたのは33年間ぐらいかもしれませんが……それは、サバ読みになるんじゃないですかねぇ、ヤムチャ様……?」

ヤムチャ「ここでさぁ……? 結婚出来なかったら、もう二度と俺、チャンスはないと思うんだよねぇ……」

プーアル「……そんな事ないですって、ヤムチャ様」

ヤムチャ「そりゃ、ここ何年間は、グータラグータラしてたけどさ? ここ最近は、俺プロレスやって、頑張ってんじゃん。色々、問題はあるけどさ……あそこで、なんとかやっていけそうじゃん……?」

プーアル「まぁ、まぁ……最近のヤムチャ様は、確かに頑張っています! 本当の本当に毎日毎日、努力してます! 僕もそこは、しっかりと見てます!」

ヤムチャ「そうなって来るとさぁ……やっぱり、俺だって結婚には憧れるよ……だって、クリリンはまぁ、別として……あの悟空とベジータが結婚してやがるんだぜ? 一番、結婚なんて無理だと思ってただろ、プーアルもよぉ?」

プーアル「ま、まぁ……確かに……」

61: 名無しさん 2015/02/02(月) 23:42:56 ID:go8FqmsM
ヤムチャ「悟空なんて、見てみろよ? 結婚するだけじゃなくて……悟飯の事を、し~っかりと、育ててるじゃねぇか!?」

プーアル「本当、チチさんって、凄いですよね」

ヤムチャ「ピッコロに連れ去れてよぉ……? 絶対、グレるかバトルマニアみたいになっちまうと、心配してたよ。それが、どうだ! 礼儀も正しいし……おまけに強い! 本当、ビックリする程、真面目に育ってるじゃねぇか!」

プーアル「……ねぇ、本当。悟飯さんは、礼儀正しいですよね」

ヤムチャ「セルゲームの時、悟飯が戦ってんの見たか!? ピッコロの野郎は『早い……目で追うのがやっとだ……』なんて言ってたけど、馬鹿言ってんじゃねぇ! 俺なんて、何やってるか全く見えなかったっての!」

プーアル「……まぁまぁ、ヤムチャ様」

ヤムチャ「そりゃ、悟空はサイヤ人だから、戦闘力じゃ勝てねぇもんがあると思うよ? 俺は、地球人なんだからよ? でもよぉ、あぁやって、しっかり子供を育ててるのを見るとさぁ……」

プーアル「……まぁまぁ、まぁまぁ」

ヤムチャ「男として、負けてる気がするじゃん……俺、凄ぇ悔しいよ……」

プーアル「大丈夫ですって! ヤムチャ様だって、結婚ぐらい簡単にできますよ!」

ヤムチャ「ずっと一緒にドラゴンボールを集める為に……一緒にやってたのにさぁ……俺と、悟空……何処で違いがついちまったんだろうな……」

プーアル「も~う……! ヤムチャ様、落ち込まない!」

62: 名無しさん 2015/02/02(月) 23:54:35 ID:VB0hglFw
ヤムチャ「本当、プーアル……これは、俺にとって最後のチャンスかもしれねぇんだ……! だからさ……? 明日は、プーアル留守番しててくれねぇかな……? 頼むっ、この通りだっ……!」

プーアル「……ヤムチャ様は、さくらさんを狙っているんですか?」

ヤムチャ「あぁ! あの、さくらちゃんの、俺を見る瞳をプーアルも見たろ!? これは、イケる……これは、脈ありだ……! そう、俺の野生の勘が反応しているんだ」

プーアル(なぁ~んか、勘違いしてるでしょうねぇ……ヤムチャ様らしいです……)

ヤムチャ「なっ、頼むよ、プーアル! 俺だって幸せになりたいんだよ! 家に帰ればさぁ、子供の笑い声と、可愛い奥さんが俺の帰りを待っていてくれてさ……そこには、あったかぁ~い、ご飯があったりするんだよ!」

プーアル「……最近は飲み会で、食事を済ませてますが、今まではずっとインスタントでしたもんね」

ヤムチャ「勿論、俺が結婚して家庭を持ったとしても……プーアル、お前はずとずっと俺と一緒だ! 俺の幸せには、プーアル、お前の存在も欠けてはならない」

プーアル「ヤムチャ様が、そう言ってくれて僕も嬉しいですよ。まぁ、ヤムチャ様の幸せは……僕の幸せでもありますから……」

ヤムチャ「そして、プーアル! お前の幸せは……俺の幸せにでもあるっ!」

プーアル「……わかりましたよ。じゃあ、明日は僕、お留守番しておきます」

ヤムチャ「本当か、プーアル!? あ、ありがとうっ……!」

63: 名無しさん 2015/02/03(火) 00:03:01 ID:1z9XB1QA
ヤムチャ「よっしゃあ! デート、デート♪ 明日はデート♪」ウキウキ

プーアル「……グループデートですよ? 失敗しないで下さいね、ヤムチャ様」

ヤムチャ「何、言ってんだよ、俺が失敗するわけねぇじゃねぇか、プーアル! とりあえず、何着て行こうかなぁ……? やっぱり、お洒落して格好良い所見せないとなぁ」

プーアル(はぁ、心配だ……)

ヤムチャ「こっちの服がいいかな……? んっ、それともこっちかな……?」ウキウキ

プーアル「あっ、ヤムチャ様……?」

ヤムチャ「おっ、どうした、プーアル?」

プーアル「もし、結婚して……お子さんが生まれた時の話ですけど……名前とかって、もう決めてあったりするんですか……?」

ヤムチャ「あったりめぇだろ! そんなもの、とっくの昔に決めてるぜ!」

プーアル「……へ~、聞いてみたいです」

ヤムチャ「女の子だったら……『ジャスミン』だ!」

プーアル「……へ~」

ヤムチャ「そして、男の子だった場合は……『ドクダミ』だ!」


プーアル「……女のお子さんだと、いいですね。男の子だったら、ソレ絶対グレますよ」

80: 名無しさん 2015/02/03(火) 21:59:44 ID:1z9XB1QA
翌日ーーー


さくら「も~う、キャミィさん、何渋ってんっすか。今日は皆でパーっと楽しく遊んじゃいましょうよ! パーっと、パーっと!」

キャミィ「シャドルーさんも、いるんですよね……?」

さくら「それは言ったじゃないっすか? 昨日の飲み会で、バイソンさんがケーキバイキングの割引チケットを持っていて……男だけで行くのは恥ずかしいから、どうしても付き合ってくれって言われて、断りきれなかったんすよ……」

キャミィ「……」

さくら「あんまり、しつこいから……だったら、一日荷物持ちさせる事を条件に……オッケーしたっすよ。流石に、あのメンバーに自分一人じゃ……小っ恥ずかしいっすよ。だから、キャミィさんも付き合って下さいよ……」

キャミィ「シャドルーさんと……さくらさんと……私、ですか……」

さくら「いやいや、ヤムチャさんも来ますよ? いつもの飲み会のメンバーっす。今日は本当に、飲み会のメンバーだけで、遊びに行こうって話になっただけっすよ」

キャミィ「ヤムチャさん……ですか……新しく入った方ですよね……」

さくら「キャミィさんは、ヤムチャさんと顔合わせはまだっすよね? まぁ、長い付き合いになるんだし……それも兼ねて、って事っす」

キャミィ「……そうですか」


バイソン「おっ? さくらちゃんとキャミィが来たみてぇだな! お~い、こっちだよ~、こっちこっち~!」

バルログ「……バイソン、大声を出さないで下さい。恥かしいです」

81: 名無しさん 2015/02/03(火) 22:10:15 ID:1z9XB1QA
バイソン「ガハハ! さくらちゃん、キャミィちゃん、今日はよろしくな! 俺はケーキは大好きなんだが、流石に野郎だけでケーキバイキングに行く勇気はなくてよぉ、まぁ、悪いけど付き合ってくれ!」

さくら「……その代わり、荷物持ちしてもらうっすよ、バイソンさん」

バイソン「オーケー、オーケー! 荷物持ちなら、任せておけい! このバイソン様が、いくらでも持ってやるから、今日は何百着でも好きなだけ服を買うがいいさ!」

バルログ「コーディネートは、私の美しいセンスに任せて下さい……男性ならではの目線で……お二人のファッションセンスに磨きをかけてさしあげましょう……」

さくら「いやいや、いいっす。大丈夫っす。自分の好きな服を、買いたいっす。遠慮しておきます……」

バルログ「あら、酷い! 私は、センスあるのに!」

サガット「まぁ、俺達は長い付き合いだが……こういったプライベートで触れ合う機会は、そう多くはない……男子部と女子部の交流会……そういったものは、もっとあってもいいと思う……」

さくら「そうっすね!」

サガット「今日は二人だが、次回は春麗やローズなんかも誘ってもいいんじゃないか? まぁ、とにかく……今日は、楽しい一日にしよう……なっ、キャミィちゃん?」

キャミィ「……はい、よろしくお願いします」

さくら「あの~? ところでヤムチャさんは、どうしたんですか……? まだ、来てないみたいっすけど……」

バルログ「時間にルーズな人は……それだけで、信頼を失いますよ……? まぁ、もう来るとは思うんですがねぇ……」


ヤムチャ「いやぁ~! ごめんなさい、ごめんなさい! ちょっと、身支度してたら、遅れちゃいました。本当に、ごめんなさい!」

さくら「あっ、ヤムチャさんが、来たみたいっすね! って、ん……?」

82: 名無しさん 2015/02/03(火) 22:15:56 ID:1z9XB1QA
ヤムチャ「ちょっと、洋服選ぶのに時間かかりすぎちゃいましたよ……でも、ギリギリセーフっすね! いやぁ、皆さん……本当に申し訳ないっ!」

さくら「……ヤムチャさん?」

ヤムチャ「おっ! どうしたんだい、さくらちゃん!?」

さくら「……ヤムチャさんって、普段からそういう格好してるんすか?」

ヤムチャ「おう! 今日はスーツでビシッと、決めてみました! なんてね」

バルログ「あ~、いやぁ……私は悪くないと思いますよ……? そのチョイス……結構、好きです……」

ヤムチャ「バルログさん、悪いないって、どういう事ですよ……俺はビシッと決めるつもりで、このスーツを……ん……?」

サガット「……」

バルログ「……」

バイソン「……」

さくら「……」

キャミィ「……」


ヤムチャ「……あり? どうして、皆さん、そんなにカジュアルな御格好で?」

サガット「……ケーキバイキングに、スーツで行くという発想は、ちょっと俺にはなかったかもしれない」

85: 名無しさん 2015/02/03(火) 22:25:25 ID:1z9XB1QA
ヤムチャ「……これ、俺、浮いてね?」

バルログ「まぁ、浮いてると言っちゃ……浮いてますね……」

ヤムチャ「ですよねぇ!? 俺、浮いてますよねぇ!? あれぇ、おっかしいなぁ……俺、何処で、間違えたんだろ……」

バルログ「……だから、服のチョイスの所を間違えたんでしょ?」

ヤムチャ「い、いやっ……そうっすけど、そうっすけど……うわぁ、何だか、恥ずかしくなってきたぞ……」

サガット「……別に素っ裸で歩き回ってる訳ではないんだ。俺は気にしないよ、ヤムチャ君」

ヤムチャ「その言い方だったら、やっぱり気になってるって事ですよねぇ!? やめて下さいよ、サガットさん!」

キャミィ「クスッ」

ヤムチャ「あっ、キャミィさんまで……酷いっ! 殆ど初対面だってのに……! 先ずは自己紹介をしましょうよ、自己紹介から」

さくら「大丈夫っす。自己紹介を越える程のインパクトを頂きましたよ、ヤムチャさん」

ヤムチャ「……うわぁ、さくらちゃんにまで、そう言われると、ヘコんじゃうなぁ」


バイソン「あっ、わかった! バイソンちゃん……ヤムチャ君が、どうしてそんなスーツで来たのか……ピーンと来ちゃったぜ?」

ヤムチャ(何……俺がさくらちゃんを狙っている事に、このスーツのチョイスだけで、もう気づいたのか!? バイソンさん……何て、鋭い人なんだ!?)

87: 名無しさん 2015/02/03(火) 22:34:49 ID:1z9XB1QA
バイソン「……ウケ狙いだろ?」ニヤニヤ

ヤムチャ「……ん?」

バイソン「やっぱり、初めての男子部と女子部の交流会だからな! お互い緊張してる部分もあるからな。ヤムチャ君はそこに……こうやって、身体を張ったギャクを、ブチこんでくれたわけだ!」

ヤムチャ「ウケ狙いって……バイソンさん、俺、結構マジで選んだんすよ……!?」

バイソン「あ~、あ~、わかってるわかってる……みなまで言うなよ、ヤムチャ君の漢気は充分に伝わった……よし、一同、身体を張ったヤムチャ君に対して……敬意のある拍手を送ろうではないか!」パチパチ

バルログ「そうですね。ヤムチャ君に拍手を送りましょう」パチパチ

サガット「こんな事は、俺には出来ないからな……流石、ヤムチャ君だ……素晴らしい」パチパチ

ヤムチャ「やめろぉ、やめろぉ! 拍手をやめるんだ、拍手をよぉ! どうして、こうなっちまったんだ、どうしてよぉ!?」


キャミィ「クスクス」

さくら「……とまぁ、これが男子部の方達っすよ。キャミィさん」

キャミィ「賑やかな方達ですね」

さくら「プライベートでは……馬鹿な事ばかり、やってるっすよ……そんなに堅苦しい人達でもないっす。まぁ、今日は一日、皆で仲良くやりましょう」

88: 名無しさん 2015/02/03(火) 22:50:03 ID:1z9XB1QA
バイソン「よし、じゃあ皆、揃った事だし……そろそろ、出発するか!」

さくら「そうっすね! 先ずは、こっちの買い物に付き合ってもらうっすよ、バイソンさん」

バイソン「オーケー、オーケー。じゃあ、先ずはショッピングだったな……じゃあ、皆で仲良く行くか……ただし……!」

さくら「……ただし?」

バイソン「ヤムチャ君と、サガットは……俺達の後ろを三メートル離れて歩きな……他人に振りしながら、こっそり近づいて来い……」ニヤニヤ

ヤムチャ「そこまで、恥ずかしい事ではないでしょう! この服のチョイスは!」

サガット「……なんで、俺まで離れて歩かないといけないんだ。俺は関係ないだろう」

バイソン「そりゃまぁ、ヤムチャ君はアレだし……サガットは、見た目がさぁ……アレだろ……? なっ、キャミィちゃん?」

キャミィ「えっ……? そういう事、言ってもいいんですか……? 殆ど、初対面みたいなものなのに……」

バルログ「……いいんですよ、キャミィさん。『バイソン、お前だってガラは悪いだろ。お前は5メートル後ろを歩け』なんて、言ってやって下さい」

バイソン「ガハハ! これまたバルログ君、御冗談を!」

さくら「も~う、いつまでやってんっすか……? あんまり騒ぎ立てると、目立つんすから……ほら、とっとと服買いに行くっすよ!」

バイソン「それもそうだな! じゃあ、そろそろ行くか! それじゃあ、出発~!」


サガット「……これは、本当に俺達は三メートル後ろからついていかねばならんのか? どう、思う? ヤムチャ君」

ヤムチャ「あ~、なんかヘコんで来たよ……俺も、服買おうかなぁ……やっちまったなぁ、コレ……」

サガット「……聞いてないな」

90: 名無しさん 2015/02/03(火) 23:03:19 ID:1z9XB1QA
ーーー


ヤムチャ「ねぇねぇ、サガットさん、サガットさん……?」

サガット「どうした、ヤムチャ君……? バイソンが勝手に言ってるだけだから、別に律儀に約束を守る必要などないぞ。三メートル先にいる、皆の輪の中に加わればいいさ」

ヤムチャ「いや、それはもういいっすよ……それより、キャミィさんと話をしなくても、いいんすかね……?」

サガット「あぁ、キャミィか……いや、それは今、機をうかがっている所だ……」

ヤムチャ「……機をうかがう?」

サガット「流石に、このタイミングのオフ日に……男子部と女子部の交流会……そんな都合のいい事は起きないだろう……俺達が、何かを言いに来た……そんな事はキャミィだって、とっくに気づいているさ……」

ヤムチャ「キャミィさんが、気づいてるんだったら、もう言っちゃえばいいじゃないっすか?」

サガット「それで、伝わるのなら言うよ。だが、キャミィは今、気丈な素振りを見せているが……やはり、精神的には辛い物を抱えているだろう……」

ヤムチャ「……う~ん。まぁ、そうっすよね」

サガット「先ずは……キャミィが、こちらの話を聞けるだけの、状況を作ってやらんとな……話をするのは、ショッピングでご機嫌を取って……それからだ……そうでないと、また追い詰めてしまうだけだ……だから、今皆でその状況を作ろうとしている、という訳だ……」

ヤムチャ「え~、何だかそれ……キャミィさんを騙しているみたいですねぇ……」

91: 名無しさん 2015/02/03(火) 23:20:45 ID:1z9XB1QA
サガット「そんな事などない。キャミィだって、その事には、とっくに気づいてるさ」

ヤムチャ「あれ……? もう、キャミィさん気づいてるんですか……?」

サガット「俺達が自分に何かを言うつもりだという事は……そこから考えれば、今やってる事は、その為のご機嫌取り……それくらい、わかっている……今はお互い建前だけの会話を繰り返して……何処で本音の会話を、仕掛けるかを探り合っている状態だな……」

ヤムチャ「なんか、プロレスみたいですね……大技仕掛ける為に……小技の攻防を繰り返す……みたいな事っすよね……?」

サガット「実際、その通りだよ。プロレスと同じだよ。プロレスは空気が読めないと出来ないからな……勿論ただ、上っ面の建前の会話を繰り返すだけでなく……その上っ面の会話でも、お互い今日は楽しかったな……と思わせる、会話をしていかなければな……」

ヤムチャ「……その上で、何処かで昨日の事を言うワケっすね?」

サガット「そうだ。建前だけで会話をしていると言えば、言い方は悪いが……楽しい一日にしようという思いは、皆同じだ……今はお互いが、相手を刺激しないように……手探りで会話してるというワケだな……」

ヤムチャ「ディージェイの野郎にも、今度ソレ教えてやらねぇといけませんかもね」

サガット「……少し、焦れったい部分もあるがな。まぁ、状況が状況だ、仕方がない。もっと男子部と女子部の、交流をして、下地を作っておくべきだったよ。これは、反省だな」

92: 名無しさん 2015/02/03(火) 23:35:33 ID:1z9XB1QA
サガット「まぁ、でもヤムチャ君が、ど頭に大技をかましてくれたおかげで……助かったよ……ありがとうな……」

ヤムチャ「……俺、何にもしてませんよ? 何、言ってるんですか、サガットさん?」

サガット「……何を言ってるんだ? ワザワザ、スーツを着て、受け狙いをしてくれたじゃないか?」

ヤムチャ「ウケ狙いって……いやいやいや……!」

サガット「バイソンが上手く拾ってくれたなぁ。あれでキャミィの緊張も少しは解けたんじゃないかな? ずっと、険しい顔で……何処か、警戒してたように思えたからな……ヤムチャ君も、ナイスリアクションだったよ」

ヤムチャ(あ~、怪我の功名とでも言えばいいのかなぁ……そういうつもりじゃなかったのに……なんか、複雑……)

サガット「……しかし、どうするんだ? 本当に、今日は一日、そのスーツでいくのか?」

ヤムチャ(いや、待てよ……? 偶然だとはいえ……サガットさん達は、受け狙いって思って、俺の事、評価していてくれてるんだ……だったら、もうソレに乗っかって、ウケ狙いって事にしておいたらいいんじゃないの……? そしたら、さくらちゃんの評価もアップだろ!?)

サガット「……ヤムチャ君?」

ヤムチャ「あっ、聞いてますよ、聞いてますよ! どうやら、俺の先制攻撃は成功したみたいですね!? だったら、この流れに乗って……最後まで責め続けてやりますよ!」

サガット「そうだな……強目の攻撃で先制攻撃を仕掛け、そのまま押し切る……それは、ヤムチャ君も戦い方の一つとして、使えるんじゃないかな?」


バイソン「お~い! おめぇら、何チンタラチンタラ、歩いてやがるんだよ! もう、店に着いちまったぞ! 何やってんだ、このタコ!」

キャミィ「クスクス」


ヤムチャ「バイソンさん、自分が指示したくせに……な~に、勝手な事ばかり言ってるんすよ……」

サガット「いいじゃないか。キャミィが笑っているんだから、それで」

93: 名無しさん 2015/02/03(火) 23:52:25 ID:1z9XB1QA
ーーー


サガット「……最近の洋服屋というのは、やけにお洒落なのだなぁ」キョロキョロ

バルログ「……サガット、貴方はただでさえ目立つ体格なんだから、あまりキョロキョロしない方がいいですよ? 不審者に思われます」

サガット「お、おい……バルログ……この服の値段、見てみろよ……? 桁が一つ間違ってないか……? 間違ってるぞ、コレ……」

バルログ「サガットは、もうちょっとお洒落した方がいいんじゃないですかね……? リングコスチュームとか、変えてみたらどうですか? これを機会に……」

サガット「裸一貫で臨むのが、レスラーというものだろう。己の筋肉こそが、最大ファッション……それは、ザンギエフさんも、言ってる事じゃないか」

バルログ「……ダーメだ、この人は」


さくら「あっ、皆さん、皆さん……ちょ~っと、意見も貰ってもいいっすか……?」

キャミィ「お願いします」


バイソン「おっ、何だ何だ、二人とも! やっぱり、男性目線の意見を聞いてみたいのか!?」

さくら「まぁ、そんな感じっすね……せっかくの機会になんだし……どうせなら、皆さんのアドバイスを聞いてみようと、思いましてね……」

バイソン「オーケー、オーケー任せな! このバイソン様の、素晴らしいセンスを見せてやるぜ!」

ヤムチャ(来たぜ来たぜ、洋服屋でのお決まりのイベント……俺も散々昔は、ブルマに、どっちの服が似合いそう? なんて、聞かれたぜ……だが、こういう時の対処法は……完璧に出来てるぜ……)

94: 名無しさん 2015/02/04(水) 00:00:13 ID:jgWS.x9k
さくら「結構、候補はあったんすけどね……今回は、この赤と青の服の二択まで、なんとか持ち込みました!」

キャミィ「私は……緑と黄色です」

さくら「さぁ、クエスチョン! 今、この場にいる絶世の美女二人は……どちらの服を着た方が……より一層、美人になるでしょうか!?」

キャミィ「お願いします」


サガット「それ、値段いくらなんだ……? ちょっと、値段確認させてくれないか、二人とも……」マジマジ

さくら「やめて下さいよ、サガットさん……! ここで、値段確認しちゃったら……決心が揺らいじゃうっすよ……こっちだって、一大決心してるんすから」

サガット「……やっぱり、結構高いのか?」

さくら「値段はいいから……どっちが似合うか、答えりゃいいんすよ! ほらほら、とっとと答えた答えた」

104: 名無しさん 2015/02/04(水) 22:05:09 ID:jgWS.x9k
サガット「どっちが似合うって……さくらちゃんと、キャミィちゃんに一番似合うのはジャージと、レオタードだろう? 道場では、いつもその姿じゃないか?」

バイソン「あ~ぁ、サガットちゃんは、わかってないね……」

さくら「本当、サガットさんに聞いたのは間違いでした……街中をジャージやレオタード姿で歩き回るんすか? それじゃあ、晒しもんっすよ」

サガット「どうせ毎日毎日、興行興行の日々なんだぞ? 道場にその服でやってくるのか……?」

バルログ「毎日毎日、同じ服ばっかり着てるからこそ……たまにある休日は、とびきりお洒落を楽しみたいんじゃないですか。サガットはわかってませんねぇ……」

サガット「はぁ……そういうものなのか……?」

キャミィ「……えぇ、そういうものだと思います」

バルログ「たまにしかない休日で、同じものを着続けて……『その服、この前の休日も着てませんでした?』なんて、言われたらどうしますよ? 立ち直れませんよ。サガット……言いたくないですが、その服、この前の休日も着ていたでしょう……?」

サガット「あ~、そういえば、そうだったかもしれんなぁ……でも、そんな事言うなら、バイソンだってこの前と同じ服じゃないか……?」

バイソン「馬鹿野郎、一緒にすんじゃねぇよ! この前のは、もうちょっと薄い青だろうが! 今日のタンクトップは、ちょっと濃い青だ! よく見ろ、この前のよりちょっと濃いだろうが!」


さくら「……どうやら、サガットさんに聞いたのは、間違いだったみたいですね、キャミィさん?」

キャミィ「そうみたいですね」クスクス

ヤムチャ(よし、先ずは一人……脱落だ……!)

105: 名無しさん 2015/02/04(水) 22:10:22 ID:jgWS.x9k
サガット「……どうやら俺は、この場では、完全に戦力外のようだ。まぁ、もう少しお洒落の事を勉強するよ」

バイソン「第二回の交流会のテーマは『サガットちゃんにお洒落を勉強してもらう会』で決定だな! サガット弄り倒せる機会なんて、なかなかねぇから……こいつは楽しみだぜ!」

さくら「その時は、是非ローズさん達も誘いますよ。ローズさんも、結構お洒落ですからね」

サガット「まぁ、お手柔らかに頼むよ……では、次は我らがお洒落チャンピオン……ヤムチャ君の意見を聞いてみようか……?」

ヤムチャ「おっ、俺の意見っすか……?」

サガット「スーツとビシッと決めてくるような、ヤムチャ君なんだからな……俺と違って、センスはあるだろう」

ヤムチャ(サガットさ~ん……それ、ちょっとキラーパスじゃねぇの……?)

バイソン「ヤムチャ君がお洒落チャンピオンなのか……だったら、俺、お洒落チャンピオンのベルト、あんまり欲しくねぇなぁ……」

バルログ「いや、我々の格好の中では、浮いているだけで……アレ、単体で見たら結構センスはあると思いますよ、私は」


さくら「じゃあ、次はヤムチャさんに聞いてみましょうか。コレはふざけないで、ちゃんと選んで下さいよ~? さぁ、どっちの服が似合うでしょうか!?」

キャミィ「お願いします」

ヤムチャ(ふざけてるって……ちょっと、さくらちゃん、酷ぇなぁ……まぁ、ギャグでやった様に思われてるみたいだし……上手く、立て直すか……この辺りの勉強は、昔の経験で予習済みだぜ……!)

106: 名無しさん 2015/02/04(水) 22:17:55 ID:jgWS.x9k
ヤムチャ「まぁ、ね……? 今日の服装は、ちょっとネタに走っちゃった所があるけど……今回は、さくらちゃんとキャミィさんの服なんだから、ちゃんとするよ」

さくら「期待してますよ~?」

ヤムチャ「やっぱりね、俺が思うのは……さくらちゃんも、キャミィさんも、元が可愛いからさぁ?」

さくら「……えっ?」

ヤムチャ「俺は、どっちの服を選んだとしても……凄く可愛くなると思うよ! 元がいいからね、元が!」

キャミィ「……あ、ありがとうございます」

ヤムチャ「本当に、赤い服も青い服も……緑の服も黄色の服も……どれ着たって可愛くなると思うよ! 元がいいから! 元がいいから、ね!」

サガット「……なる程、俺もそういう風に言えばよかったのか」

ヤムチャ「まぁ、時間はたっぷりあるしさ? ゆっくり考えなよ! 俺達は、気が済むまで付き合うからさ」

さくら「……ヤムチャさん」

108: 名無しさん 2015/02/04(水) 22:24:10 ID:jgWS.x9k
ヤムチャ「とまぁ、これが俺の意見だね! 参考になったかな!?」

さくら「……ヤムチャさんって、結構、女慣れしてるんすか?」

ヤムチャ「……えっ?」

さくら「なんか、今の言い方……凄く、いやらしかったっすよ? ねぇ?」

キャミィ「まぁ、そうでしたけど……一応、褒めてくれてるんですし……」

ヤムチャ「一応……!? ちょっと、待って下さいよ……俺は、本心から二人の事を……可愛いと思ったから……」アセアセ


バルログ「……そういや、ヤムチャ君の過去の女性関係とか、どうなんでしょうねぇ? あまり、そういう話はしてませんよね、私達」

バイソン「……それは第三回の交流会のテーマだな。『皆でヤムチャ君の女性関係を聞いてみよう』だ」


ヤムチャ(可笑しいぞ……何故、こうなった……! 何処で俺は、間違えた……! ブルマはいつも、こう言えば喜んでくれたはずなのに……何故、こうなってしまう……!)

さくら「うわぁ……ヤムチャさんって、や~らしい。スケベ~」ニヤニヤ

109: 名無しさん 2015/02/04(水) 22:29:02 ID:jgWS.x9k
ヤムチャ「ち、違うんだ……聞いてくれっ……! 俺は二人の事を、本当に心から……」

さくら「可愛いのは、もうとっくにわかってます~。ね~ぇ? キャミィさん?」

キャミィ「……そういう事は、自分で言う事なんですかね?」

ヤムチャ「そうだろ……? だからこそ、俺は二人には、どっちの服でも似合いそうって言ったんだよ……ねっ、俺、間違ってないよね……ねっ、ねっ……?」

さくら「な~に、言ってんっすか。結局の所、お茶濁しただけで……肝心の部分は、全く答えてないじゃないっすか、ヤムチャさん」

キャミィ「……ヤムチャさんって、結構優柔不断なタイプなんですか?」

ヤムチャ「いや、優柔不断では……ないんじゃないかなぁ……? 俺はやる時は、ビシッと決めるタイプだと思うよ……? うん、そうだと思う……」

さくら「優柔不断じゃないんだら……ビシッと決めて下さいよ……ほら、赤と青……どっちっ!?」ニヤニヤ

キャミィ「ふふ、緑と黄色……どっちですか?」クスクス

ヤムチャ「いやぁ、だから言ったじゃん……二人は元がいいからさぁ……アレ……? 俺、コレ……言ったよね……?」

111: 名無しさん 2015/02/04(水) 22:34:55 ID:jgWS.x9k
サガット「おい、バルログ……? 今のヤムチャ君の解答……何が間違ってたんだ……?」

バルログ「いやぁ、間違っているワケではないと思いますよ……? あぁいった答えを望んでいる女性だって、いますからね」

バイソン「まぁ、恋人関係とかだったら、お世辞でも喜んでくれるんじゃねぇか? 『も~う……ヤムチャったら、上手い事、言っちゃって……肝心な部分は答えてないじゃない……』な~んて、優しく言って貰えるだろう」

サガット「……お洒落と女心とは、難しいものなんだな。だが、それは切っても切れない関係なんだろうな」

バルログ「いいんじゃないですか……? サガットはそのままで……下手に勉強しても……サガットらしくありませんよ……?」

サガット「……そうなのかね?」

バイソン「なぁなぁ、サガットサガット! ヤムチャ君達が盛り上がってるうちに、俺のコーディネートしてくれよ! 俺だったら、赤いタンクトップと黄色いタンクトップ……どっちが似合うと思う!?」

サガット「……お前のタンクトップなど、どうでもいいわ! それくらい、自分で選びやがれ!」

バルログ「……ほら、そっちの方がサガットらしいですよ」


さくら「ほらほら、ヤムチャさ~ん……早く選んで下さいよ~?」ニヤニヤ

キャミィ「ふふ、お願いします」クスクス

ヤムチャ(何故だぁ、何故だぁ……ブルマはいつも、こう答えると喜んでくれたじゃないか……! 何故、さくらちゃんには通用しないんだ……!? それに、何故、キャミィさんまで連携攻撃を仕掛けてくる……!?)

113: 名無しさん 2015/02/04(水) 22:39:39 ID:jgWS.x9k
ーーー


さくら「結局、バイソンさんの選んでくれた、赤にしましたよ。ありがとうございます」

バイソン「ガハハ! さくらちゃんは、いつも元気で明るいイメージだからな! 情熱の赤だ! バイソン様のセンスは、素晴らしいだろ!?」

キャミィ「バルログさん、ありがとうございます。参考になりました」

バルログ「えぇ、キャミィさんは大人っぽい緑の方がお似合いですよ。まぁ、機会があったら声を掛けて下さい。私も付き合いますよ」


サガット「……どうやら、俺達はプロレス以外の事も勉強していかないと、いけないようだなぁ、ヤムチャ君?」

ヤムチャ(あぁ、結婚への道……俺の結婚への道が、確実に遠のいていっている……プーアル、心が折れそうだよ……)

サガット「……ヤムチャ君?」

ヤムチャ(ケーキバイキング……そこで、巻き返せるか……!? さくらちゃんの好みのケーキはなんだ……? ショートケーキか、モンブランか……? そこはしくじれねぇぞ……!)

サガット「……お~い」

ヤムチャ(頬っぺにクリームをつけたら『ヤムチャさ~ん、頬っぺにクリームついてるっすよ』なんて、やりとりは来るのか……? これも、プロレスと同じだ……自然な流れ……自然な流れで頬っぺにクリームをつけるんだ……!)

サガット「……聞いてるのか?」


バイソン「さぁさぁさぁ! ここが……バイソン様、お勧めのケーキバイキングだ! 今日は皆でたらふく食ってやろうぜ!」

114: 名無しさん 2015/02/04(水) 22:46:07 ID:jgWS.x9k
さくら「へぇ、お洒落な店っすね……」

バルログ「……バイソン、どうしてこんな店、知ってるんですよ? 乙女趣味が過ぎませんか?」

キャミィ「……ちょっと、意外なイメージです」

バイソン「俺はケーキが大好きなんだよ! 前から前から、ずっとずっと行きたかったんだっ……! この熱い想い……皆ならわかってくれるだろ……? なっ……?」

さくら「まぁ、想いは伝わったっすけど……ちょ~っと、暑苦しすぎなっすかねぇ~?」

バルログ「バイソン、ここ何処だと思ってるんですか……? ケーキバイキングですよ?」

キャミィ「まぁまぁ、いいじゃないですか」クスクス

バイソン「俺は、今日、この店のケーキを食い尽くすつもりでここにやってきたんだ……! さぁ、皆の者……いざ、出陣じゃ!」

バルログ「……お店に迷惑が掛からない範疇で、頂きましょうね? バイソン」

115: 名無しさん 2015/02/04(水) 22:52:29 ID:jgWS.x9k
バイソン「そんな事知ったこっちゃねぇ! 食い尽くしてやるっ! おい、ヤムチャ君!?」

ヤムチャ「……ん?」

バイソン「大食い勝負しようぜ、大食い勝負をよぉ!? 二人でどっちが、いっぱい食べれるか……俺と勝負だ!」

ヤムチャ「えっ、いやっ……あのっ……! ちょっと待って下さいよ……俺は大食い勝負より……大切な事が、あるんですって……!」

バイソン「な~に、言ってんだ、ヤムチャ君! シャドルーのナンバー3と空手軍団のナンバー3……お互いナンバー3なんだ……こういう所で、普段から勝負していこう!」

ヤムチャ「ケーキの大食い勝負で勝って……なんになるんですか、バイソンさん……!?」

バイソン「いいじゃねぇか、いいじゃねぇか、ヤムチャ君……さぁ、出陣じゃ~!」グイグイ

ヤムチャ「うおおっ……引っ張らないで下さいよ……バイソンさん……!?」


バルログ「……バイソン、張り切りすぎですよ。全く」

さくら「あっ、そうだそうだ! バルログさん?」

バルログ「ん、どうしましたか……? さくらさん……?」

116: 名無しさん 2015/02/04(水) 22:56:37 ID:jgWS.x9k
さくら「バルログさんって、確かスペイン語、出来るんですよねぇ?」

バルログ「えぇ、私は昔メキシコの方でやってましたからね?」

さくら「実はね……? 今度助っ人で、そっちの方を呼ぶかも……って話がチラッと出てるんすけど……」

バルログ「はいはい。ルチャ系の……エル・フォルテ選手とかですか……? ベガ様が、話題に出してるのチラッと聞きましたよ……?」

さくら「あっ、まだ決定事項じゃないんで……まだ、内密に進めたい話なんですよ……コレ……」

バルログ「おっと、失礼……でも、そんな話……私に言ってもいいんですかね……?」

さくら「まぁ、確定するなら……スペイン語の出来る、バルログさんに通訳とか、間に入ってもらう事になりそうなんですけどね……だから、バルログさんとも、話を進めておきたいっすよ……」

バルログ「あ~、そういう事ですか……じゃあ、まぁ……話を聞かせてもらいますよ……」

さくら「あっ、というワケで……ちょっと、バルログさんの事、借りてもいいっすか……? あっ、サガットさんにキャミィさん! 二人は今の話……聞いてない……聞いてないっすよ~!」


サガット(バイソンに、さくらちゃん……二人して、仕掛けてきたか……だがしかし、少し荒すぎやしないか……? もう少し、やりようはあったと思うが……)

キャミィ(……本題ですね。何言われるんでしょう)

117: 名無しさん 2015/02/04(水) 23:03:47 ID:jgWS.x9k
サガット「……全く、バイソンは張り切りすぎだ。困ったもんだよ」

キャミィ「……さくらさんも、ワザワザこんな所で、そんな話しなくてもいいですのに」

サガット「まぁ、ここで……俺達が、突っ立っていても仕方がない……俺達もケーキバイキングに行くか……?」

キャミィ「……そうですね」

サガット「まぁ、気楽にいこう……キャミィちゃんよ……」

キャミィ「……はい」

サガット「初めての男子部と女子部の交流会なんだ……俺も、今日一日はいい日にしたい……」

キャミィ「……私もです」

サガット「では、俺達も入店するか……こんなゴツい男と一緒で大丈夫か……? 恥ずかしくないか……?」

キャミィ「大丈夫です。今日一日、付き合ってもらって慣れましたよ」

サガット「……その言い方だと、やはり最初は気にしていたのか? そういう風に聞こえるぞ?」

キャミィ「ふふ、そんな事ないですよ。サガットさん、行きましょう」クスクス

118: 名無しさん 2015/02/04(水) 23:12:12 ID:jgWS.x9k
ーーー


キャミィ「結構、色んな種類があるんですね。サガットさん、何か取ってきましょうか……?」

サガット「……別に、俺に気を使う必要はない」

キャミィ「私の方が、後輩ですし……気も使いますよ。当然です」

サガット「いや、俺は甘いモノがそんなに得意ではないんだよ……まぁ、だったらコーヒーだけでも頼もうかな……?」

キャミィ「コーヒーですね。でも、ケーキバイキングでそれだけというのも寂しいですね。チーズケーキとかだったら、そんなに甘くないと思うんですが、どうでしょう?」

サガット「……チーズケーキか。そうだな、挑戦してもいいかな? じゃあ、それも頼むよ」

キャミィ「はい、じゃあチーズケーキとコーヒーですね? では、今、持ってきます」

サガット「……おう。ありがとう」


サガット(ふ~む……少し、他人行儀に戻ってしまったかな……? 困ったぁ、どう切り出すか……)

120: 名無しさん 2015/02/04(水) 23:22:27 ID:jgWS.x9k
ーーー


バイソン「おい、ヤムチャ君……? 何やってんだよ……もっと、食えよ……? ここのケーキ上手ぇぞ?」バクバク

ヤムチャ「なんで、バイソンさんみたいなゴツい方と、ケーキバイキングなんですよ……? おっかしいなぁ……どうして、こうなったんだろ……?」

バイソン「こっちだって、スーツの男と二人なんて、寂しすぎるよ! とにかく、食って忘れよう、なっ?」

ヤムチャ「まぁ、じゃあ、頂きますよ……あっ、コレ、美味ぇな……」

バイソン「だろ、美味ぇだろ!? こういうのは、可愛い女の子と二人で来たら……も~っと、美味く感じると思うぜ!?」

ヤムチャ「……そうっすよねぇ」

バイソン「折角、いいデートスポット教えてやったんだ! ヤムチャ君も、今度彼女と来たらいいんじゃねぇか……?」

ヤムチャ「……残念ながら、俺彼女いないんすよね」

バイソン「なぁ~んだ……ヤムチャ君、彼女いねぇのかよ……俺と一緒じゃねぇか! 人間、顔だけじゃねぇんだな! 俺もちょっと、自信が出てきたよ」

ヤムチャ「……独り身ってのは、寂しいもんですよねぇ」

バイソン「あぁ、わかるっ……! その気持ち……非常によくわかるっ……! 俺だって、寂しい毎日を過ごしてるんだっ……!」

ヤムチャ「……そうっすよねぇ」

122: 名無しさん 2015/02/04(水) 23:36:48 ID:jgWS.x9k
バイソン「だってよぉ……? 毎日毎日、試合が終わって、家に帰ると……そこは、誰もいない……冷た~い、空間があるんだもんな!?」

ヤムチャ「そうっす! 冬場とか、凄く寒いっすよねぇ!?」

バイソン「で、そっからよぉ……? 風呂場に干してある選択物取り込んで……風呂掃除、トイレ掃除もしねぇといけねぇだろ……? 料理に入る前の工程が多すぎるんだよ! 飯も食えねぇよ!」

ヤムチャ「えっ……? バイソンさん、掃除とかするんすか、意外……」

バイソン「そりゃ、風呂・トイレは毎日使う空間なんだから……毎日掃除するのは、当然だろ!? でもよぉ……やぁ~っぱり、リビングは追いつかねぇんだな……休日に持ち越しだよ……」

ヤムチャ「……マメなんですねぇ、バイソンさん」

バイソン「帰って、風呂掃除してる時とか……休日に朝から、掃除してる時なんか……本当、つくづく考えちまうよ……温かい家庭が欲しいな……別に綺麗とか、可愛いじゃなくていいんだよ……優しい奥さんが欲しいな……なんてよぉ……?」

ヤムチャ「そうっすよね……温かい家庭が欲しいっすよねぇ……本当、たまに不安感に押し潰されそうな時ってありますよねぇ!? そういう時って、どうしてます?」

バイソン「そんなもん、どうしようもねぇよ! なんとか、プロレスの事を考えて、乗り切るしかねぇ!」

ヤムチャ「……やっぱり、皆、同じような思いはしてるんすね」


サガット(……アイツらは、ケーキバイキングで何の話をしているんだ)

123: 名無しさん 2015/02/04(水) 23:51:44 ID:jgWS.x9k
バイソン「だってよぉ……? 毎日毎日、試合が終わって、家に帰ると……そこは、誰もいない……冷た~い、空間があるんだもんな!?」

ヤムチャ「そうっす! 冬場とか、凄く寒いっすよねぇ!?」

バイソン「で、そっからよぉ……? 風呂場に干してある選択物取り込んで……風呂掃除、トイレ掃除もしねぇといけねぇだろ……? 料理に入る前の工程が多すぎるんだよ! 飯も食えねぇよ!」

ヤムチャ「えっ……? バイソンさん、掃除とかするんすか、意外……」

バイソン「そりゃ、風呂・トイレは毎日使う空間なんだから……毎日掃除するのは、当然だろ!? でもよぉ……やぁ~っぱり、リビングは追いつかねぇんだな……休日に持ち越しだよ……」

ヤムチャ「……マメなんですねぇ、バイソンさん」

バイソン「帰って、風呂掃除してる時とか……休日に朝から、掃除してる時なんか……本当、つくづく考えちまうよ……温かい家庭が欲しいな……別に綺麗とか、可愛いじゃなくていいんだよ……優しい奥さんが欲しいな……なんてよぉ……?」

ヤムチャ「そうっすよね……温かい家庭が欲しいっすよねぇ……本当、たまに不安感に押し潰されそうな時ってありますよねぇ!? そういう時って、どうしてます?」

バイソン「そんなもん、どうしようもねぇよ! なんとか、プロレスの事を考えて、乗り切るしかねぇ!」

ヤムチャ「……やっぱり、皆、同じような思いはしてるんすね」


サガット(……アイツらは、ケーキバイキングで何の話をしているんだ)

124: 名無しさん 2015/02/04(水) 23:53:35 ID:jgWS.x9k
キャミィ「サガットさん、持って来ましたよ?」

サガット「おう、ありがとう。意外と自分の分も持って来たんだな……ショートケーキに……モンブラン……その、端っこのは何だ……?」

キャミィ「これは、メープルシフォンです」

サガット「メープルシフォン……聞いた事、ないな……そういうのもあるのか……」

キャミィ「シフォンケーキって、結構定番ですよ? サガットさんは、御存知ないんですか?」

サガット「定番なのか……聞いたことなかったな……まぁ、それなら勉強しておくよ」

キャミィ「サガットさんって、服屋さんでも、そういう所ありましたし……そういうのって、ウトいタイプですか?」

サガット「ハハハ、そうかもな……ウトいタイプ……かもしれん……」

キャミィ「やっぱり、趣味は……プロレスだけ……みたいな感じですか……?」

サガット(ん……? キャミィの奴から……仕掛けてきたのか……?)

キャミィ(どうせ、いつかは仕掛けられるんだ……だったら、こっちから仕掛けてみよう……!)

133: 名無しさん 2015/02/05(木) 21:03:11 ID:Uf1HCB1I
サガット「そうかもな……俺の趣味はプロレスだけかもしれん……俺は脳ミソも筋肉だ」

キャミィ「……だったら、聞きたい事があるんですけど」

サガット(……責めてくるな。まぁ、受けよう)

キャミィ「……いいですか?」

サガット「……どうぞ。俺に応えれる事なら、何でも応えようではないか」

キャミィ「今、私に……シャドルー加入の話が、出てるのは……御存知ですよね……?」

サガット「あぁ、聞いているよ……ベガ様からも聞いたし、さくらちゃんからも聞いたよ。聞いたのは……先日の飲み会でだったかな……? それで……?」

キャミィ「……どうやったら、上手いヒールになれますか? それが、聞きたいです」

サガット「なる程……上手いヒールか……」

キャミィ(これが本題ですよね……サガットさん、話題を振りましたよ……さぁ、どう答えます……? 上っ面の会話は……もう、やめましょう……)

サガット「う~ん、なかなか、難しい質問かもれんな……それは……」

134: 名無しさん 2015/02/05(木) 21:10:41 ID:Uf1HCB1I
サガット「……と、言うのもだ。おそらく、俺と君では状況が違うだろう」

キャミィ「そうですね……私はヒールになって、春麗さんの……」

サガット「いや、そういう事ではないのだ……話を聞いてもらいたい……」

キャミィ「そういう事では、ない……?」

サガット「俺は、元々ヒール志望だったからな……豪鬼さんに、憧れてこの世界に入って来た部分もある。君とは状況が違うだろう……」

キャミィ「……」

サガット「喰わないのか……? 手が止まっているぞ? その、え~っと……メープル……何だったけな……?」

キャミィ「メープルシフォンですよ。サガットさんも、手が止まってますよ? チーズケーキ……召し上がったら、いかがですか……?」

サガット「……そうだな。俺も食うとするか。わざわざキャミィちゃんが、選んでくれたんだからな」

135: 名無しさん 2015/02/05(木) 21:19:46 ID:Uf1HCB1I
サガット「話を続けようか……ヒール転向の話が来た時……? 『来たか』と、思ったよ。ようやく、ここで自分の好きな事が出来る……自分の思い描くプロレスが、制限される事なく出来る……そう、思ったよ……」

キャミィ「そう、ですか……」

サガット「キャミィちゃんとは、状況が違うだろう……? 俺は好きでヒールをやっているんだ……大したアドバイスにならなくて、すまないな……」

キャミィ「いえ、大丈夫ですよ。確かに、私とサガットさんでは、状況は違いもんね……」

サガット(……下地は出来てきたかな? 話を聞いてくれる状態に、持っていけたかもしれん)

キャミィ「……」

サガット(ここで欲しい言葉は、『じゃあ、サガットさんが私の立場だったらどうしますか?』だ……さぁ、キャミィ、仕掛けてこい……)

キャミィ「……」

サガット(くっ、来ない、か……間が出来るのも辛いな……仕方がない、俺から仕掛けよう……)

136: 名無しさん 2015/02/05(木) 21:28:38 ID:Uf1HCB1I
サガット「まぁ、俺で例えるなら……もし、今からベビー転向の話が来たら……どうするか……って、事になるのかな……?」

キャミィ「シャドルーナンバー2のサガットさんに……ですか……?」

サガット「もしの、話だよ……そんな事は確かに、ないだろうが……キャミィちゃんと、似た状況になったら……自分なら、どうするか……? それなら、こういう状況が、一番似てるんじゃないか……?」

キャミィ(……仕掛けてきましたね)

サガット(さぁ、キャミィよ……乗ってこい……気づいてはいるんだろう……?)

キャミィ「そうかもしれませんね。では、そういう状況になったら……サガットさんは、どうします……?」

サガット「自分で言っておいて何だが……これは、難しい質問だな……それより、このチーズケーキは美味いな……どうやら、食わず嫌いだったようだ……」

キャミィ(……仕掛けて来ない?)

サガット「ケーキというものも、案外悪くないものだな……少し、取りに行ってくよ……待っていてくれ……」

キャミィ「あっ、それなら、私が取ってきますよ……」

サガット「いやいや、大丈夫だ、大丈夫……自分でやるよ……少し、ケーキにも興味が湧いてきた……他にどんな種類があるのかも見てみたい……それじゃあ、取ってくるよ……」


キャミィ(サガットさんは、何が言いたいんでしょう……? 本当にケーキに興味が出てきた……? いや、そんな訳はない……)

サガット(じっくり行こう、じっくりな……ケーキバイキングは一時間ある……60分一本勝負だ……ゆっくり、回り道をして……最後に伝わればそれでいい……会話を楽しみつつ、な……)

137: 名無しさん 2015/02/05(木) 21:35:03 ID:Uf1HCB1I
ーーー


バイソン「そういや、ヤムチャ君……俺、昨日洗濯物畳んでる時に、フッと閃いちまったんだけどよぉ……?」

ヤムチャ「……洗濯物畳んでる時に?」

バイソン「ホラ、ヤムチャ君さぁ……昨日、ディージェイの右ストレート受けた後……ディージェイに反撃したじゃん?」

ヤムチャ「大丈夫っす。もう、二度とあんな事はしませんよ!」

バイソン「まぁ、アレは流石に使えねぇけど……俺、アレは、応用出来ると思ったんだよね? バイソンちゃん、ピーンと閃いちゃった!」

ヤムチャ「応用って……何ですか……? 自分の頑丈さ自慢する訳じゃないですけど、あんな過激な事応用したら、いつか絶対怪我人が出ますよ!?」

バイソン「あ~、いやいやいや……違う違う……攻撃自体を応用させるんじゃねぇ……その後のヤムチャ君の対応を、応用するんだよ……」

ヤムチャ「その後の俺の対応……って、どういう風に……?」

バイソン「ほら、昨日……オリジナルの技名に、クソダサい名前つけただろ? 『スーパーヤムチャスープレックス』って……ほら、洗濯物畳んでたら……俺も、そういう面白い事考えなけりゃ、やりきれなかったんだな……」

ヤムチャ「なんだろなぁ……家に持って帰られてまで、笑われてるんだぁ……結構、マジだったのになぁ……」

バイソン「だが、そのおかげで、このバイソン様は閃いた! 名付けて『超ヤムチャ』だ!」

ヤムチャ「……超ヤムチャ? なんだ、そりゃ」

138: 名無しさん 2015/02/05(木) 21:41:02 ID:Uf1HCB1I
ーーー


サガット「お待たせ。ほら、チーズケーキ……それに、メープルシフォンも取ってきたよ……」

キャミィ「……サガットさん、甘い物得意じゃなかったんですか?」

サガット「まぁ、チーズケーキは美味かったからな……折角来たんだから、挑戦させてもらうよ。キャミィちゃんが、食べているのを見たら……自分も食べたくなった……」

キャミィ「……これも、美味しいですよ?」

サガット「では、いただくとしよう……さぁ、これはどんな味がするのかな、っと……」

キャミィ「……クスッ」

サガット「笑う事はないだろう……? 確かに、こんなゴツい男がケーキ食べてる姿は、滑稽かもしれんが……」

キャミィ「大丈夫ですよ」クスクス

サガット「バイソンの乙女趣味が移ってきたのかな……? 嫌な物だ……」

キャミィ「でも、お二人はいい関係だと思いますよ。勿論、バルログさんも」

サガット(少し、笑ってくれたかな……それに、いいパスも来た……よし、ここから責めてみるか……)

140: 名無しさん 2015/02/05(木) 21:54:56 ID:Uf1HCB1I
サガット「そんな事はない……バイソンとは、ただの腐れ縁だよ……あいつには、いつも振り回されている……」

キャミィ「バイソンさんとは、プライベートでも、ずっと仲がいいんですか?」

サガット「まぁ、若手時代からの付き合いだからな……ほら、やっぱりずっと第一試合や、第二試合でやってると……ストレスも溜まるだろう……?」

キャミィ(……仕掛けてきた?)

サガット「それで、そういう時には、決まってバイソンが声を掛けて来るんだ……『サガットちゃ~ん、一緒にナンパに行こうぜ? もうこんな所でやってられねぇよ!』なんて、言いながらな……?」

キャミィ「サガットさんも、そういう事するんですね? 結構、硬派なイメージだと思ってたんですが……」

サガット「まぁ、当時は若かったからな……そういう事もあるだろう……だが、街にナンパに行ったのはいいんだが……」

キャミィ(……仕掛けて来ない?)

サガット「ほら、俺もバイソンも……こ~んな、ゴツくて、ガラの悪い二人だろう? 声を掛けた女性は皆、悲鳴をあげて逃げて行ってしまったよ」

キャミィ「あ~、そうなっちゃうかもしれませんね……」クスッ

サガット「そして、バルログがやってきて……バイソンのナンパの相棒はバルログになったってワケさ……バルログは俺と違って、ガラは悪くない……それに、男前だ……」

キャミィ「……三人で一緒には行かなかったんですか?」

サガット「俺は、いつもお留守番だ……『サガットが来ると、女が逃げちまう』なんて、バイソンの奴が騒ぎ立てるからな……自分の事を棚に上げて、いつも好き放題言ってたよ、バイソンは……」

キャミィ「でも、バイソンさんらしいですね」クスクス

141: 名無しさん 2015/02/05(木) 22:22:32 ID:Uf1HCB1I
サガット「まぁ、今ではいい思い出だよ。そういう事を含めてね」

キャミィ「いい関係じゃないですか。羨ましいです」

サガット「いつもいつも、早く上に上がりたいな……なんて愚痴ってた……だけど、楽しかった……上に上がる為に、三人で試行錯誤してたのは、いい思い出だよ……」

キャミィ「それで、念願のヒールになれたんですね」

サガット「まぁ、念願のヒール……と言えば、聞こえはいいが……実際はジョバーだ……リュウの格上げ為に使われる毎日だよ……自分の思い描いていた、豪鬼さんのような、ヒール像はそこにはなかった……俺も、まだ理想のヒールにはなれていない……」

キャミィ「……そうですか」

サガット「それでも、やっぱり毎日楽しいよ。自分の理想のヒール像になる為に、毎日試行錯誤しているんだからな……今でも新しい発見があったりする。不思議なものだな……何年も続けているのに……」

キャミィ「サガットさんも……同じなんですね……」

サガット「あぁ、同じだ……まだまだ理想のヒール像に慣れてはいないからな……さて、理想のヒール像にまだなっていない俺が……ここで、ベビー転向の話が来たら、どうするか……だったな……?」

キャミィ(……仕掛けて、来た?)

サガット「俺は、多分受けるだろうな……自分の理想から、遠ざかる事になるかもしれないが……きっと、そこには新しい発見と、それを見つける喜びあるだろう……これが、俺の答えだ……」

キャミィ「……」

サガット(少し、戸惑ったか……? だが、押そう……)

キャミィ「……」

サガット「……キャミィちゃんは、今、プロレスをやっていて楽しいか?」

キャミィ「……それは」

142: 名無しさん 2015/02/05(木) 22:40:11 ID:Uf1HCB1I
ーーー


バイソン「だからね……? ヤムチャ君が、ディージェイの凄ぇ攻撃受けて……反撃したじゃん? あれが、『超ヤムチャ』なワケなんだよ」

ヤムチャ「あの時、俺は超ヤムチャだったワケなんすか?」

バイソン「あぁ、超ヤムチャってのは、こう……なんて言うかねぇ……? 試合中、相手に攻撃されて、ヤムチャ君の中の怒りのボルテージみたいなのが、ある程度溜まったら、発動するわけだ!」

ヤムチャ「発動したら、どうなるんですよ?」

バイソン「そりゃ、もうその瞬間は無敵ですよ。相手の攻撃も全く効かねぇし……自分の攻撃は、普段の三倍ぐらいの力になるんですよ!」

ヤムチャ「そんな、滅茶苦茶な事、やっていいんですかねぇ?」

バイソン「そこを上手く見せるのが、レスラーってもんなんじゃねぇのか!? それによぉ……俺は反則技使って、リュウやケンに対抗できるけど……ヤムチャ君は、そうでもねぇだろ? そういう事、していかなきゃ」

ヤムチャ「あぁ、確かに……いつもと違う戦い方……サガットさん達と戦うには、そういう事も必要ですしねぇ……」

バイソン「俺は昨日のディージェイ戦……まぁ、荒れた試合になってはいたが、可能性を感じたぜ!?」

ヤムチャ「超ヤムチャ……それ、やってみる価値はありそうですね……」

バイソン「ディージェイなんてよぉ? 怒りのボルテージを溜める練習の実験台には、最適なんじゃねぇか? ほら、なんとかとハサミは使い用って言うだろ? 次の試合で、ちょっと練習してみろよ、超ヤムチャをよぉ?」

ヤムチャ「バイソンさんも、何気に酷いですね……いや、でも……何かいいヒントを貰ったような気がします……ありがとうございました!」

バイソン「まぁ、やり過ぎには気をつけろよ! あそこでやりすぎると……キャミィちゃんなんかに迷惑もかかっちまうしな!」

ヤムチャ「そうっすね、気をつけます。というか……サガットさん達、やけに長話してるけど……大丈夫なのかなぁ……?」

バイソン「……まぁ、サガットも慎重に言葉を選んでるんだろうな。うん」

144: 名無しさん 2015/02/05(木) 23:09:07 ID:Uf1HCB1I
ーーー


キャミィ「……楽しくないです」

サガット「だろうな……急激に、環境が変化してしまったし……周りに、好き放題言われるんだからな……」

キャミィ「……はい」

サガット「人はそんなに強くはないからな……俺も君の立場なら、きっと同じようになると思う……」

キャミィ「……はい」

サガット「春麗を越えろ……シャドルーに加入しろ……チャンピオンらしく振る舞え……きっと、君は沢山を事を言われてるだろうと思うが……俺だって、同じように言われ続けて……混乱して……泣いた夜だってある……」

キャミィ「サガットさんも……?」

サガット「あぁ、俺は泣き虫だ……毎日毎日泣いていたよ……帝王に涙は似合わんかな……?」

キャミィ「……いえ、人間らしくていいと思いますよ」

サガット「ありがとう。まぁ、俺から君に送れるアドバイスは……そんなに大それたものと思うが……それでも、聞いてほしい……」

キャミィ「……はい、聞かせて下さい」

サガット「チャンピオンだから、今までより、細かい部分を見られるかもしれんが……逆に言えば、細かい部分の表現を見て貰えるんだ……」

キャミィ「……はい」

サガット「小さな部分でも、いいよ……自分にしか、わからないような表現でもいいよ……でも、それをする事を、楽しんでいこう。それは、今までの環境では出来なかった事だ」

145: 名無しさん 2015/02/05(木) 23:24:58 ID:Uf1HCB1I
キャミィ「わかりました。サガットさん、ありがとうございます」ニコッ

サガット「笑ってくれてよかったよ……君は笑顔の方が、可愛らしいと思うよ」

キャミィ「え、えっ……!?」

サガット「その笑顔をリングで見せたらいいんだよ……笑顔が素敵なチャンピオン……いいじゃないか……案外、春麗じゃ出せないかもしれんぞ、それは」

キャミィ「も、もうっ……! からかわないで下さいよ、サガットさん……!」プイッ

サガット「おっ……? 何だ、クールキャラでいくのか……? まぁ、そっちでもいいんじゃないか、俺は可愛いと思うよ」

キャミィ「もうっ! 結局、サガットさんだって、ああしろだこうしろだって言ってるじゃないですか!? もう、私、ケーキ取ってきます!」

サガット「ハハハ! 冗談だよ、冗談。悪かったな……お~い、ケーキ取りに行くんだったら、あのメープルシフォンってヤツ、もう一回取ってきてくれないか? あれは、美味かったな……たまには、甘いモノも悪くない……」

キャミィ「……メープルシフォンですね。わかりました、取ってきます」

サガット「ついでに、適当に二三個見繕ってきてくれ。次は、君が俺にケーキの魅力をアドバイスする番だ」


サガット(今日、俺が出来るのはここまでだろう……きっと、また力にならないといけない時が来る……だから、その日の為に……後は全力で今日一日を楽しもう……上っ面の会話ではなく、本音の会話でな……)

149: 名無しさん 2015/02/05(木) 23:40:23 ID:Uf1HCB1I
そしてーー


キャミィ「皆さん、今日はありがとうございました! 楽しかったです!」

バイソン「また、皆で行こうぜ! 今度は他の女子部の奴らも連れて来いよ!」

バルログ「次回は『サガットにお洒落を教える会』ですからね……しっかりと勉強してもらいましょう」

サガット「……おいおいおい、マジでやるのか? その企画」

さくら「なぁ~に、行ってんすか! 当たり前じゃないですか! こ~んな、特殊な体格をしてる人のコーディネートなんて……やりがいありそうっすよ!」

サガット「俺の着れる服なんて、限られているんだぞ? それでも、お洒落なんて出来るのか、この俺が……?」

さくら「まぁ、その辺を考えるのが、こっちの仕事っすね! キャミィさんも、一緒にサガットさんを弄り倒してやりましょう!」

キャミィ「そうさせてもらいます」クスクス

サガット「キャミィちゃんまで酷いなぁ。まぁ、第一回交流会は、大成功という事で……今日はここらでお開きとしますか? 明日もあるんだしな……」

さくら「そうっすね! じゃあ、サガットさん、バルログさん、バイソンさん、ヤムチャさん……今日はありがとうございました!」

キャミィ「ありがとうございました。第二回を楽しみにしています」ペコッ

サガット「おう、じゃあ、明日また道場でな」

150: 名無しさん 2015/02/05(木) 23:49:03 ID:Uf1HCB1I
バルログ「さて、皆さん……これからどうします……? 飲みに行って、交流会の反省会でもします?」

バイソン「……今日は家の掃除してぇんだけどな。休日ぐらい、掃除させてくれよ」

サガット「まぁ、今日の交流会は、反省点もなかったんじゃないかな……? いい一日だったよ……たまには、酒も控えんとな……」

バルログ「じゃあ、まぁ今日は控えて……明日から、気合入れてまた頑張りますか……」

バイソン「……よっしゃ、帰って掃除だ! 頑固な汚れから、今日こそ3カウントを取ってやる」

サガット「……あ~、ところでだ」

バルログ「……どうしました?」

バイソン「なんだなんだぁ?」


ヤムチャ「ダ~メだ……何にも結果を残せなかった……何にも結果を残せなかったよ、ちくしょう……」ブツブツ


サガット「……ヤムチャ君はどうしたんだ?」

バルログ「さぁ……? ずっと、あの調子なんですよねぇ……?」

バイソン「どうやら、俺のアドバイスが、かなり参考になったみたいだな! ヤムチャ君は今、超ヤムチャになる事を考えているんだろう!」

151: 名無しさん 2015/02/06(金) 00:03:18 ID:ITnochXo
ーーー


プーアル「そろそろ、ヤムチャ様も帰ってくるんじゃないですかね……? まぐれ当たりのホームラン……期待したいですけど……あぁ、やっぱり、そうそう上手くはいきませんよね……」

ヤムチャ「……ただいまぁ~」ガチャ

プーアル「あっ、ヤムチャ様! お帰りなさい!」

ヤムチャ「プーアル……今、帰ったよ~」

プーアル(……あっ、こりゃダメな顔だ)

ヤムチャ「……プーアル、君を抱きしめてもいいか? 俺の心は、今とても寒い」

プーアル「構いませんよ、ヤムチャ様」

ヤムチャ「プーアル……ありがとう……! お前だけだ……やっぱり、俺にはお前だけだなんだ……! ちくしょう! どうして俺はこう、いつもいつも大一番で失敗してしまうんだっ……!」ギュッ

プーアル「ヤムチャ様が、チャンピオンになったら……きっと、さくらさんも振り向いてくれますよ。ねっ、だから今はプロレス頑張りましょう。ねっ、ヤムチャ様?」

ヤムチャ「そうだ、その通りだ、プーアルよ! 俺にはプロレスしかねぇんだ! 俺は超ヤムチャだ! 俺は超ヤムチャなんだ、うおおおぉぉっ!」ボロボロ


プーアル(超ヤムチャ……? ヤムチャ様、何言い出してるんですかね……ヤムチャ様はサイヤ人じゃないのに……ついに、ボケちゃいましたかね……?)

158: 名無しさん 2015/02/06(金) 22:03:10 ID:ITnochXo
翌日ーー


ヤムチャ「さぁ、今日も一日、張り切って頑張るか! 俺にはプロレスしかねぇんだ、プロレスしかよぉ!」グイグイ

バルログ「あらら、今日のヤムチャ君……やけに張り切ってますねぇ……どうしたんでしょう?」

バイソン「まぁ、やる気になる事は、いいじゃねぇか! まぁ、昨日のアドバイス……今日の試合で上手く生かしてくれや!」

ヤムチャ「任せておいて下さいよ、バイソンさん……今日の試合……目にもの見せてやりますよぉ、俺は!」

サガット「気合が入るのは、いい事だが……まぁ、あまり空回りしすぎないように、気をつけてくれ」

ヤムチャ「わかってますよ。前みたいな激しい試合にしてしまったら……他の人にも迷惑がかかりますからね……出る所は出て……我慢する所は我慢する……そして、その上で結果を残す……!」

サガット「それだけ、わかっていれば充分だ。では、今日の試合……結果を出してくれよ?」

ヤムチャ「うっす!」


プーアル「皆さ~ん! ザンギエフさんから、今日の試合予定表、貰って来ましたよ~」

サガット「うむ、プーアル君、いつもありがとう。では、早速見てみるか」

ヤムチャ「かかってこいやぁ! どいつもこいつも、纏めてぶっ飛ばしてやる!」

159: 名無しさん 2015/02/06(金) 22:09:31 ID:ITnochXo
本日の予定試合


第一試合(10分決着)
×コーディ ー E本田◯

第二試合(10分決着)
×ダルシム ー ディージェイ◯

第三試合(15分決着)
◯ローズ ー かりん×

第四試合(20分決着)
ソドム ー ガイル◯
×ロレント ナッシュ

第五試合(20分決着)
ヤムチャ バイソン
× ケン ー バルログ◯
リュウ サガット

第六試合(30分決着)
×ベガ ー ザンギエフ◯

161: 名無しさん 2015/02/06(金) 22:18:44 ID:ITnochXo
ヤムチャ「……んっ?」マジマジ

バイソン「おぉ、やったじゃねぇか! ヤムチャ君!」

バルログ「やったじゃないですか! 今日は第五試合ですよ、第五試合!」

ヤムチャ「うおお、やったじゃねぇか、空手軍団に合流だ! しかも、今日の負け役は俺じゃなくて、ケンさんになってるよ!」

サガット「……まぁ、バルログも空手軍団に連敗続きだからな。この辺りで、いい所を見せておかないといかん」

ヤムチャ「やったぜ、これで第二試合は卒業だ! もう、ディージェイの野郎やブランカさんと戦わなくて済むぜ!」

サガット「……そうなれば、まぁ、いいんだがな」


ブランカ「失礼しま~す。ヤムチャ君……あっ、やはりここでしたね……?」

プーアル「あっ、ブランカさん! おはようございます!」

162: 名無しさん 2015/02/06(金) 22:24:55 ID:ITnochXo
ヤムチャ「あっ、ブランカさん、おはようございます! 今まで色々とご指導、ありがとうございました!」ペコッ

ブランカ「……なぁ~に、言ってるんですよ、ヤムチャ君。ヤムチャ君は、まだまだですよ……まだまだです……」

ヤムチャ「いや、でも……俺、第五試合に戻ってるじゃないですか……? ほら、これ……」

ブランカ「……現場監督からの指示を伝えましょう」

サガット「ふむ、ヤムチャ君がこの位置に戻ってきたという事は、彼と戦う俺達にも関係ありそうな事ですからね……是非、お聞かせ下さい」

ブランカ「先日の試合で、ヤムチャ君は……まぁ、ディージェイ君大半の責任はあるとはいえ、荒れた試合を作ってしまいました……その件は、自覚はありますよね? 私が言っている、まだまだという点は、ここです」

ヤムチャ「あっ、はい……わかってます……」

ブランカ「私としては、もう少しヤムチャ君には、この位置でやってもらいたい……ここで、試合の動かし方……流れなどを学んで貰いたい……と、いうのが本音です……」

ヤムチャ「……」

ブランカ「……だが、ヤムチャ君が、先日の試合で結果を出したのも、事実です」

ヤムチャ「……結果?」

163: 名無しさん 2015/02/06(金) 22:37:14 ID:ITnochXo
ブランカ「まぁ、天狗になられると困るので、敢えて伏せておきましたが……ディージェイ君との試合で、多くの声援を貰ったでしょう……?」

ヤムチャ「あっ、はい。貰いました」

ブランカ「ダルシムさんから、聞きましたが……中には『空手軍団に合流しろ』そういった声援も、あったらしいですね?」

ヤムチャ「あ~、そういや……言われましたねぇ……」

ブランカ「では、その声援に……応えましょう……お客さんの声援に応えて、空手軍団に合流しましょう……」

ヤムチャ「それで、合流して……今日は第五試合って事ですか……!?」

ブランカ「えぇ、そうです。ディージェイ君に圧倒的な格の違いを見せつけて……今のヤムチャ君なら、シャドルー相手でも戦えるんじゃないか……? そういった想いは、多くのお客さんが思っています。なんせ、あれだけの声援を貰えた試合なんですからね」

ヤムチャ「うおお、なんだよなんだよ……上手く行く時は、トントン拍子に話が進むもんなんだな……こりゃ、ディージェイにも感謝しなきゃいけねぇんじゃねぇの……?」

ブランカ「ヤムチャ君……あの試合は、本来行ってはいけない試合……それは、忘れてはいけませんよ……? 肝に銘じておいて下さい」ギロリ

ヤムチャ「あっ、うおっ……すいません……! ちょっと、調子に乗りました……すいません……!」

ブランカ「まぁ、とにかく……ヤムチャ君は先日の試合で、結果を残し……そしてチャンスがやってきました」

164: 名無しさん 2015/02/06(金) 22:44:17 ID:ITnochXo
ブランカ「今日の試合で、空手軍団にはヤムチャ君が必要……そういった事を、お客さんに感じさせる事が出来れば、見事第二試合は卒業……第五試合……空手軍団の一員として、やっていけるでしょうね……」

ヤムチャ「おっしゃ! 今日は空手軍団の一員として、暴れまわってやればいいんですね! やってやりますよ!」

ブランカ「ヤムチャ君、だけど忘れないで下さいね……?」

ヤムチャ「……ん?」

ブランカ「今のヤムチャ君の役割は『空手軍団の三番弟子』なのです。ディージェイ君との試合は、その役割がプラスに働いた部分もありますが……」

ヤムチャ「あっ、そっか……」

ブランカ「今日の試合……君は、リュウ君、ケン君、そしてシャドルーの皆さん……その中で、一番弱い存在なのです。ディージェイ君との試合のように、しっちゃかめっちゃか暴れ回ってはいけませんよ……?」

ヤムチャ「……三番弟子が一番弟子より、強いとおかしな話になりますもんね」

ブランカ「そうです。『この三番弟子は空手軍団にとって必要な存在だ』……自分の役割を守りつつ、お客さんにそう思わせる事が、今日のヤムチャ君の課題ですね」

ヤムチャ「……ちょっと難易度上がりましたね。勝つ、負けるの他に、別の要素が出てきましたよ」

ブランカ「その位置は、そういう場所です。まぁ、その事を踏まえたからこそ、今日の負け役はケン君なんでしょうね……第二試合で圧勝したヤムチャ君が、シャドルーにあっさり負けては……最悪の展開も考えられるでしょうから」

ヤムチャ「……結構、俺って丁重に扱われてるんですねぇ」

ブランカ「そうですよ、ヤムチャ君は恵まれたポジションでやってますよ~? だから、ね……今日の試合は、偶然ではなく、計算で……結果を出して下さい」

165: 名無しさん 2015/02/06(金) 22:51:43 ID:ITnochXo
サガット「……ジミーさん、期限は?」

ブランカ「二試合……はありそうですね……こっちは、第二試合でディージェイ君とのシングルがありますからね……まぁ、今日と明日は、こちらにもヤムチャ君の居場所はないでしょう」

サガット「二試合か……まぁ、チャンスを貰えただけ、ありがたい話だな……」

ブランカ「そちらの抗争を盛り上げるのと、ヤムチャ君の成長……同時に出来る場所があるのなら、そこでやってもらうのが、ベストですからね……」

サガット「わかりました、ジミーさん。まぁ、二試合でなんとか結果を残してみせますよ」

ブランカ「ヤムチャ君ばかりに気を使わずに……自分達の事も考えて下さいよ……? ヤムチャ君の場合、こっちでやってまた機会を伺えばいいのですが……貴方達はそうでもありませんからね……?」

ヤムチャ「なんか、俺……居場所がないって言うか……俺の居場所ふわふわしてませんかね……? 空手軍団でもないし……第二試合要員でもないし……」

ブランカ「……だから、その居場所を勝ち取る為の今日の試合なんですよ。ヤムチャ君の居場所を第二試合要員にしてあげましょうか? 私は別に構いませんよ」

ヤムチャ「あっ……いや、大丈夫っす……俺、空手軍団でやっていきたいっす……」

ブランカ「……でしょ? だから、今日の試合で、なんとか結果を残して下さい」

ヤムチャ「うっす! やってやります!」

ブランカ「……では、私はディージェイ君の指導に戻ります。シャドルーさん、お願いします」

サガット「はい、任せて下さい。ジミーさん」

166: 名無しさん 2015/02/06(金) 22:54:06 ID:???
来てたー!!第五試合復活オメ!!

キャミイはあえてクールキャラで通す方がいいなあ。

167: 名無しさん 2015/02/06(金) 22:57:38 ID:ITnochXo
ヤムチャ「やってやります……とは、言ったものの……」

プーアル「ヤムチャ様、ちょっと自信なさげですね……? 折角、第五試合に戻れたんですよ? 頑張りましょうよ」

ヤムチャ「いや、勿論頑張るよ……? でも、これはプロレスじゃん……? 俺一人が頑張って、サガットさん、バルログさん、バイソンさん……纏めてぶっ飛ばすとかは……また違うでしょ……?」

プーアル「……そうですね。そうしたら、またリュウさん達に怒られちゃいそうですもんね」

ヤムチャ「頑張りたいのは山々だけど……どういった形で頑張らないと、いけねぇか……そいつを、今、考えてるワケだな……」

バイソン「さぁ、どうするヤムチャ君? 今日の試合……ヤムチャ君はどういった試合にしたい? 俺はヤムチャ君に合わせて戦ってやってもいいぜ?」

ヤムチャ「う~ん、難しいな……ちょっとキャミィさんの気持ちがわかったよ……結果を残さなきゃいけねぇんだけど……どうやって結果を残せばいいのか、だ……」

サガット「考えすぎるのは良くない。キャミィもそうだった。第五試合に来る事によって……第二試合で出来ない事が出来るようになったんだ……ヤムチャ君は、何がしたい……?」

ヤムチャ「う~ん、やっぱり、激しい戦い……とかですかねぇ……?」

サガット「……そこ突き詰めていったら、お客さんには認めて貰えるんじゃないかな?」

ヤムチャ「そうっすね。ここでは、声援貰っちゃいけないって事は、ないんですもんね……」

168: 名無しさん 2015/02/06(金) 23:02:55 ID:ITnochXo
ーーー


ケン「あっ、ジミーさん、お疲れ様っす」

ブランカ「あら、ケン君……これから打ち合わせですか……?」

ケン「まぁ、今日はヤムチャの奴もこっちにいるみたいだし……顔だけ出しておこうと思いましてね……」

ブランカ「……リュウ君は?」

ケン「篭って、トレーニングやってます……先日のザンギエフとの試合……納得いってないみたいですね……」

ブランカ「気持ちはわからない事もないですが……ヤムチャ君とも、連携取った方がいいんじゃないですかねぇ……?」

ケン「……自分がプロレスで築き上げて来たポジションに、ポッと出の格闘技かじった野郎がやってきて、仲良く一緒にやれと?」

ブランカ「……まだ、彼の事を認めてないと?」

ケン「そりゃそうでしょう……俺だって思う時はありますよ……ジミーさんで思ったりする事ぐらい、あるでしょう……? この前のディージェイとの試合とか……」

ブランカ「まぁ、そうですね……まぁ、現場監督の指示ですから……」

ケン「ザンギエフの野郎も……もうちょっと、リュウに好きにやらせてやってもいいんじゃねぇかと、思いますよ、俺は……」

ブランカ「……それも親心なんじゃないですかね?」

169: 名無しさん 2015/02/06(金) 23:09:35 ID:ITnochXo
ブランカ「……ケン君は、どうなんです?」

ケン「……ん?」

ブランカ「ヤムチャ君の事……」

ケン「う~ん、俺はねぇ……どうなんでしょ……?」

ブランカ「……」

ケン「前の試合で……ブーイングされちまうような事しちまったし……まぁ、ある意味、爆弾抱えてやってるようなもんですよ……」

ブランカ「……そうですね」

ケン「まぁ、でもね……? アイツがいねぇと……シャドルーへの負け役は俺になっちまいますからね!? やっぱり、俺もリュウの下でやってますけど……いい所ぐらい見せたいんですよ」

ブランカ「そうですね」

ケン「今日の試合はアイツが負けるべき試合なんじゃねぇのか!? まぁ、確かに、一昨日バルログからいい勝ち方しちまったけど……ザンギエフの野郎、余韻にも浸らせてくれねぇのかよ!」

ブランカ「まぁ、バルログさんにも、いい所見せてあげませんと」

ケン「まぁ、俺は……ヤムチャの野郎を利用できるうちは、利用してやりますよ……アイツがダメなら、ガイ辺りにでも声かけりゃいいんじゃないですかね……? ガイだって結構、空手軍団向きなんじゃないですかね?」

ブランカ「空手軍団四番弟子ですか……そんな、とっかえひっかえしてたら……そのうち脱退空手軍団なんて、チームが出来ますよ……?」

ケン「……じゃあ、ヤムチャに頑張ってもらいましょう。現場監督だけじゃなく……俺やリュウにも認められるよう……結果を残してもらいましょう」

170: 名無しさん 2015/02/06(金) 23:17:11 ID:mhCPnANs
ーーー


ヤムチャ「結局、サガットさん、バルログさん、バイソンさんと戦う相手は多いですが……俺は、バイソンさんとメインで戦う事になるじゃないっすか……?」

バイソン「まぁ、そうなるね。お互いナンバー3なんだしな!」

ヤムチャ「だからね……俺はね、がっつりバイソンさんとやり合いたいっす。ディージェイの時みたいな……お客さんが熱狂するような戦いを……今度はこの位置で……ディージェイより強いバイソンさんとやってみたいです」

バイソン「俺とヤムチャ君の……お客さんが熱狂するような戦いねぇ……? でも、それって……」


ケン「おぉ~い、わざわざ、このケンさんが来てやったんだぞ~。茶ぐらい出して歓迎しろ~」


ヤムチャ「あっ、ケンさん……おはようございます!」

バイソン「おう、ケンじゃねぇか! おめぇも来たか!」

バルログ「最近、よく打ち合わせに来てくれますね。ありがとうございます」

サガット「……打ち合わせに来るのは、当然の事だ。何を自慢気に」

ケン「うるせぇ! 打ち合わせに来たのに、なんで文句ばかり言われなきゃいけんねぇんだよ! いいじゃねぇか、ヤムチャの面倒見に来てやったんだからよぉ」

173: 名無しさん 2015/02/06(金) 23:24:02 ID:ITnochXo
サガット「……そもそも、リュウはどうしたんだ?」

ケン「篭ってトレーニングしてるよ……まぁ、だから俺も手が空いたワケだな……」

サガット「大方、先日の試合でザンギエフさんに喰われた事を、根に持っているんだろうな……まぁ、今日の試合で、いい所を作ってやるか……」

ケン「おう、そうしてやってくれ……で、今打ち合わせは何処まで進んでるの……?」

バルログ「今、始まったばかりですよ」

ケン「ふ~ん……じゃあ、まぁ、先ずはヤムチャの動きからだな……? ヤムチャ、お前はどうしたいの?」

ヤムチャ「あっ、そこはもう決めました。今日は、バイソンさんと激しい戦いをして……お客さんを熱狂させてみたいな、と思います」

ケン「……激しい戦い? そりゃ、どういう事だ?」

ヤムチャ「俺がこの位置に戻れたのは、まぁ偶然でしたけど、ディージェイと激しい戦いをしたからだそうで……だから、今度はここで、同じような戦いをしたら……成功出来るんじゃないかな、と」

ケン「……おめぇ、ブチ殺すぞ?」

174: 名無しさん 2015/02/06(金) 23:33:28 ID:ITnochXo
ケン「おめぇがバイソンと激しい戦いをする……? 舐めてんじゃねぇよ、10年早ぇよ、ボケが」

バルログ「まぁまぁ、ケン君ケン君……」

ケン「そんなもんはシングルでやれや、シングルでよぉ!?」

バイソン「それも、言おうとしてたよ……それを言おうとした所に……おめぇが丁度いいタイミングで入ってきたんじゃねぇか……」

ケン「おめぇが激しい戦いをしたらどうなる!? お前より上の俺とバルログはもっと、激しい事をしねぇといけねぇじゃねぇか! それより上のリュウとサガットはもっともっとだよ!」

サガット「……輪を乱すぐらいなら、参加するな。ケン」

ケン「ラストは俺とバルログだぞ? リュウとサガットが盛り上げきった所で、格下の俺達で決着だ。試合はそれで締まるのか? 締まんねぇだろが、えぇ!?」

ヤムチャ「あっ、ちょっと、間違えちゃったようですね……」

ケン「ちょっとじゃねぇよ! てめぇ、第二試合で何、学んで来たんだ。自分がいい格好ばかりしようとしてんじゃねぇよ、このタコが!」

ヤムチャ「あっ、うっ……す、すいません……」

ケン「……って、リュウなら言うと思うよ~。リュウがいなくて、助かったな? ヤムチャ?」

ヤムチャ「あれ……? ケンさん、怒ってない……?」

176: 名無しさん 2015/02/06(金) 23:51:58 ID:ITnochXo
ケン「この位置でやっていくには、悪態つくのも必要だ。へへ、お前らのビビってる顔、見ものだったぜ」ニヤニヤ

サガット「……悪い冗談はよせ、ケン」

ケン「ヤムチャ、今のお前に必要なもんはなんだ……? よくよく、考えてみろ……? 結果を残す為に焦る事じゃねぇだろ……? 今までの試合で学んだ事を思い出せ……」

ヤムチャ「俺がやらなきゃいけない事……」

ケン「格闘技には自信はあるかもしれねぇが、おめぇはここではヘボだ……ヘボ中のヘボだ……ヘボいなりに、背伸びせず、何が出来るかを考えろ……」

ヤムチャ「弱いけど……弱いなりに、リュウさんやケンさんの力になる事……?」

ケン「そうだ。てめぇがメインになる事なんて、今は考えるな……おめぇはまだまだだ……俺達のかゆいけど手が届かない所……そういった所を見逃すな」

ヤムチャ「リュウさんや、ケンさんの手足になれ、と」

ケン「今日は、フォールや関節技でカットの機会を多めにした方が、いいんじゃねぇか? それに場外乱闘……そういった物も混ぜていこう……そっちの方が、こいつも動きやすいだろう」

サガット「結構、動きっぱなしの試合になるな……リュウがついてこれるか心配だが……まぁ、打ち合わせに来ない自分が悪いんだ……責任はとってもらおう……」

178: 名無しさん 2015/02/07(土) 00:06:13 ID:4YHLuSys
そしてーー


プーアル「あっ、ロレントさんが……ガイルさんの攻撃でギブアップしましたよ!? 次は、ヤムチャ様達の試合の番です、頑張って下さい!」


ヤムチャ「あ~、打ち合わせである程度決めたといえども……やっぱり緊張するなぁ……」

ケン「……おめぇの為の打ち合わせをしてやったってのに、情けねぇ事、言ってんじゃねぇよ」

ヤムチャ「まぁ、そうっすよね。頑張って、結果を残します!」

ケン「結果を追い求めんなって……お前、俺とリュウがこの位置でやる為に、何年かけたと思ってんだよ……? お前みたいな新米が……いきなり結果を残すだなんて……それ自体が滅茶苦茶なんだよ……」

ヤムチャ「……あっ、すいません」

ケン「……リュウには、打ち合わせの内容、黙ってろよ? 皆でお前を持ち上げる展開にしようなんて決めてたのバレたら、なんで自分にしねぇんだって、怒られちまうからな?」

ヤムチャ「……そうっすね。じゃあ、黙っておきます」

ケン「サガット達が、お前の動きをテストする為に、勝手に仕掛けて来たって事にしておこう……俺達は知らん顔してればいいんだよ……」

ヤムチャ「なんか、サガットさん達に悪いですね……?」

ケン「……おめぇが結果を出したら許してくれるだろうが、まぁ、無理なら無理で、第二試合でまたチャンスを待ちな」

ヤムチャ「う~ん、結果は、出したいけど……そればかり追い求めるのも、ダメな事か……」

ケン「おっと、リュウが来たみたいだな……ヤムチャ君、迂闊に口開いちゃたら、ボッコボコになるぞ~、気をつけろよ~」

ヤムチャ「う、うっす……!」

189: 名無しさん 2015/02/07(土) 14:02:22 ID:???
サタンだけはガチ

191: 名無しさん 2015/02/07(土) 21:58:03 ID:4YHLuSys
リュウ「……遅くなったな」

ケン「リュウ、ひょっとして、今までトレーニングしてたのか……? やめておけよ、身体壊しちまうぜ?」

リュウ「……今日の試合内容は?」

ケン「聞いてねぇよ……あぁ、結構乱戦になっちまうらしいよ、まぁ上手く対応してくれ……」

リュウ「……乱戦、ね」

ケン「ラストは俺とバルログだからよ……? 俺とバルログのやり合いを中心に……乱戦にしたいそうだ……サガットには、チャンス作らせる事は約束したからよぉ……? そこは見逃さないでくれ」

リュウ「あぁ、わかってるよ……こいつはどう動くつもりだ?」

ヤムチャ「あっ、俺はですねぇ……」

ケン「最初にちょこっと活躍させて……後は、いつも通りだ。こいつには、小難しい事は無理そうだからな……場外辺りで遊んでおいてもらうよ……」

リュウ「……それが、いいだろうな」

ヤムチャ(やっぱり、まだ俺、リュウさんには認められてねぇんだな……まぁ、でもそうだよ……俺より、上の人なんてこの団体にはまだ沢山いるだろ……新米の俺がお客さんに認められるには、空手軍団の看板借りなきゃいけなかったんだよな……)


ケン「よっしゃ、そろそろ時間だ。行こうか、入場だ」

プーアル「リュウさん、ケンさん、ヤムチャ様! 頑張って下さい!」

192: 名無しさん 2015/02/07(土) 22:06:45 ID:4YHLuSys
ーーー


ダン「さぁ、試合はいよいよ第五試合……空手軍団対シャドルー軍団……波乱のスペシャルマッチでございますっ!」


ワー、ワーワー


ダン「女性の皆様、お待たせしましたっ! 我らがヒーロー、空手軍団っ……!」


キャー、キャーキャー


ダン「リュウ選手! ケン選手! ヤムチャ選手の入場ですっ!」


キャー、キャーキャー


リュウ「よしっ! 行くぞ、ケンっ! ヤムチャ!」

ケン「今日は俺に任せておきな。今日の俺は乗ってるからよぉ……? サガットだろうが、バルログだろうが……やってやるぜ!」

ヤムチャ「うっしゃ! 俺も頑張って、兄さん達の力になってやりますよ!」


ワー、ワーワー

193: 名無しさん 2015/02/07(土) 22:14:30 ID:4YHLuSys
実況「さぁ、空手軍団の入場であります! 今日は三体三のスペシャルマッチ! 互いのメンバーが勢ぞろいだぁ!」

リュウ「よしっ、行くぜっ! 今日こそは、シャドルーを完全に潰してやる!」

実況「先ずは一番弟子のリュウ! 先日のザンギエフ戦ではいい物を見せてくれました! 本日もシャドルー相手に、その力を発揮できるか!?」

ケン「まぁまぁ、気合入れすぎずに……俺にも、やらせてくれや……空手軍団からはリュウだけじゃねぇって所も、見せていかねぇとなぁ……?」

実況「そして二番弟子のケン! 先日のバルログ戦で見事な勝利を勝ち取り……今、ノリに乗っているか!? 表情から、自信が見て捉えられます!」

ヤムチャ「うっしゃ、俺だっていくぜ!」

実況「最後に三番弟子のヤムチャ! ここ数試合は、戦いの場を移して、己の力を磨く事に集中してきました」

ヤムチャ(最初にリュウさん達と一緒に戦った時は、右も左もわからなかった……だけど、今は違う……うっすらだけど、なんとなく見えてきたんだ……)

実況「さぁ、その試合で何かを掴んだか!? 空手軍団に合流です! 今日は、シャドルー相手に活躍出来るのか!?」

ヤムチャ(俺だって、あの時とはもう違うだろ……だからここで、やれる事をやって……本当の空手軍団三番弟子になってやる……!)

実況「さぁ、空手軍団勢ぞろい! 三人揃って……今、リングイ~ンっ!」


ワー、ワーワー

194: 名無しさん 2015/02/07(土) 22:20:21 ID:4YHLuSys
ダン「続きましては……プロレス界から世界征服の狙う……シャドルー軍団……」

ダン「サガット選手! バルログ選手! バイソン選手の入場ですっ!」


サガット「……」

バルログ「……」

バイソン「……」


ブー、ブーブー

実況「さぁ、先程の声援がまるで嘘のようだ! 会場から一斉にブーイングが飛び交います! ルール無用の極悪集団、シャドルー軍団には当然の報いか!? 今、揃って入場します!」

195: 名無しさん 2015/02/07(土) 22:26:35 ID:4YHLuSys
ブー、ブーブー


バイソン「うるせぇ! おめぇらの目は節穴か!? どう考えても、空手軍団より、シャドルーの方が優れてんだろうが! お前ら目ぇ、腐ってんのか!?」


ブー、ブーブー


バイソン「やかましいわっ! そんなにブーイングがしてぇなら、あいつらの事、ボッコボコにして……も~っと、ブーイングさせてやるよ! 覚悟しておけ!」

バルログ「……本当、ブーイングばかりで、イライラしますよ」

サガット「……気にするな、言いたい奴には好きに言わせておいたらいい」


バルログ、キモイー


バルログ「あぁ!? 今、私の事をキモいと言った愚か者は誰だ!? この美しい私に向かって……いい根性してますねぇ、あぁ!?」

サガット「……おいおい、バルログ落ち着け。別に気にするような事ではないだろう」


実況「さぁさぁ、いつもの様にバイソンがお客さんに噛みつきながら……お~っと、今日はバルログは随分と荒れています……お客さんは大丈夫ですかねぇ? 今、何とかシャドルー軍団がリングイ~ンっ!」

196: 名無しさん 2015/02/07(土) 22:30:19 ID:4YHLuSys
実況「では、解説の元さん、よろしくお願いしますっ!」

元「はい、よろしくお願いします」

実況「今回の試合、元さんはどういった点に注目しますか?」

元「うん、先ず、今日は賑やかな試合だよね。空手軍団も勢ぞろいだし」

実況「そうですね、ヤムチャの合流によって……今日の一戦は三対三のスペシャルマッチです」

元「空手軍団にヤムチャ君が合流したのは、大きい事だし……それに、ケン君も勢いに乗ってるように、思える……先日、バルログ君から、見事な勝利を勝ち取ったしね?」

実況「確かにケンも、乗っているように思えますねぇ。表情が自信に満ち溢れてるような気がします!」

元「でもねぇ……やっぱり、シングル戦だったら、自分一人で動いて何とかなるかもしれないんだけど……? まぁ、これはチーム戦じゃない?」

実況「確かに……! これはチーム戦ですね」

元「自分一人が、いきり立って突っ走ってしまうと……かえってそれが、足を引っ張る事になってしまう事にもなる可能性はあるよね……?」

実況「確かに……! 連携を取れ……そいつはいつも元さんが口を酸っぱくして言っているお言葉だと思います」

元「……やっぱり、結局の所は、互いの司令塔であるリュウ君とサガット君だよ」

197: 名無しさん 2015/02/07(土) 22:38:08 ID:4YHLuSys
元「この二人が、互いの陣営の人間をどう使っていくかが……ポイントになりそうな気がするね」

実況「なるほど! 確かに戦う相手によって、相性みたいな物もありますもんね? その辺りも一つの駆け引きとなりそうです!」


ヤムチャ「先ずは、一番下っぱの俺が切り込んでやりますよ……」

ケン「……まぁ、程々にしときな。あまり無茶はするなよ?」

リュウ「……よし、ヤムチャ、行って来い」


実況「さぁ、空手軍団の先発はヤムチャ! 先ずはヤムチャが行きます! 対するシャドルーは……」


サガット「……よし、バイソン、行ってこい」

バイソン「オーケー、オーケー、任せておきな! このバイソン様が、やってやるぜ!」


実況「さぁ、先発は……バイソンです! 先ずは、ヤムチャ対バイソンだ!」

198: 名無しさん 2015/02/07(土) 22:42:27 ID:4YHLuSys
バルログ「……待って下さい、サガット、バイソン」

サガット「……ん?」

バイソン「……どうした、バルログ?」


実況「おぉ~と、バルログが……これは、サガットに何か声をかけています」


バルログ「私を先発で行かせて下さい……前回の試合で、ケンにやられた恨み……まだ、忘れてませんよ……この美しい私に、舐めた真似をしてくれた、あの方を、一秒でも早く、同じ目に合わせてやりたいのです……」

バイソン「おいおい、そんなに怒ってんのか? まぁ、気持ちはわかるけどよぉ……?」

バルログ「お願いします。私に行かせて下さい」

サガット「まぁ、どちみちバルログにはケンと戦ってもらうつもりだったが……どうするかな……?」


実況「お~っと、これは……バルログは自分を先発にしてくれと、要求しているのか……? シャドルー、なかなか意見が纏まりません……」

元「うん、入場の時にね……バルログ君、いつもと違って荒れてた感じだったから……やっぱり、前の試合でケン君に負けた事……根に持ってるんじゃないの……?」

199: 名無しさん 2015/02/07(土) 22:49:39 ID:4YHLuSys
ブー、ブーブー

ダン「おい、何やってんだよ? 先発ぐらい、ちゃっちゃと決めろや!」


実況「さぁ、なかなか決まらないシャドルーに対して……会場から、少々ブーイングが飛び交います。レフェリーも、シャドルーに警告だ」


サガット「……チッ、仕方がない。じゃあ、バルログ、お前が先発行け!」

バルログ「……ありがとうございます。ケンだけじゃなく、空手軍団纏めて私一人で始末してやりますよ」

バイソン「……まぁ、無茶すんじゃねぇぞ」


実況「おっと、ここでバイソン引き下がります。どうやら、シャドルーの先発は、バルログに決まったようだ!」


ヤムチャ「……俺は、バイソン相手だと予想してたんすけどね。ケンさん、コレどうしましょ?」

ケン「まぁ、ヤムチャにバルログの奴相手は厳しいかもな……どうする、リュウ……?」

リュウ「先ずは、ケンが行ってくれ。相手の策に乗るようで、気に入らないが……仕方ない……」

200: 名無しさん 2015/02/07(土) 22:54:48 ID:4YHLuSys
ケン「まぁ、それがベストだろうな……じゃあ、ヤムチャ……先発は俺が行ってやる……戻りな……」

ヤムチャ「うっす」


実況「おっと、それに合わせて空手軍団もヤムチャからケンにスイッチだ」

元「相手の出方に対して、変えてきたね。決断早かったね」

実況「奇しくも、先日シングルで戦った二人が先発となりました」

元「なんだかんだで、バルログ君も恨みつらみは残してたんじゃないの……? まぁ、ヤムチャ君でバルログ君相手は……ちょっと心配な部分もあるしね……」

ザワ……ザワ……

実況「さぁ、先日の恨みを晴らそうとしているバルログと、それを真っ向から受けて立つケン! これは遺言試合か!? 少々会場が騒めいております!」


バルログ「……今日は貴方の、醜い姿を皆さんに見てもらいましょうね?」

ケン「真っ向から、返り討ちにしてやんよ……? 再び笑い者になるのは、バルログ……てめぇだ……」

ダン「よしっ、準備はいいな、ゴング鳴らせ、ゴングをよぉ! ファイっ!」


カーン

実況「さぁ、今戦いの鐘の音が響き渡ったぁ! 先ずはケン対バルログ! ケン対バルログであります!」

201: 名無しさん 2015/02/07(土) 22:59:13 ID:AqH7WeKA
先発決めるだけでも引き込まれる
やっぱり第五試合は違うな

202: 名無しさん 2015/02/07(土) 23:03:00 ID:4YHLuSys
バルログ「さぁ、行きますよ! ケンっ……!」

ケン「……へへ」クイクイ

バルログ「……ぬっ?」

ケン「何処からでもいいぜ……? ほらほら、かかってこいよ、バルログちゃんよぉ?」クイクイ


実況「おっと、試合開始と同時に、ケンが不敵に挑発だ! ニヒルな笑みを浮かべながら、左手でバルログを手招きしている! これは、何処からでもかかってこいという意思表示か!?」


ケン「さぁさぁ、かかってこいよ……? そして、笑い者になるんだ……バルログちゃ~ん……」

バルログ「……この糞が、舐めやがって」


イイゾー、ケーン!


ケン「どうするよ……? 力比べでもしてみるか……? ホレ、かかってこいよ……?」

バルログ「……たった一度の勝利で調子に乗りやがって、後悔させてやりましょう」


実況「さぁ、そしてケンが両腕を前に差し出して……これは力比べをしようという事か? バルログを誘っているぞ!?」

203: 名無しさん 2015/02/07(土) 23:11:10 ID:4YHLuSys
バルログ「面白いっ! 乗ってやりましょうっ!」ガシッ

ケン「その意気だ! いいぞ、バルログちゃん!」ガシッ


実況「さぁ、バルログも誘いに乗ったぁ! リング中央で相撲の手四つの体勢だぁ! 互いが互いの手と手をがっしりと組み合って、力比べが始まったぁ!」


バルログ「……うおおおぉぉっ!」ググッ

ケン「どうしたぁ! そんなもんかぁ! かかって来いや!」ググッ


実況「さぁ、両者の力比べ! 勝つのはケンか!? それともバルログか!?」


バイソン「……バルログの奴よぉ、何やってんだよ。やっぱり俺が行った方が良かったんじゃねぇの?」

サガット「少し、様子を見てみよう……だが、バイソン……準備だけはしておいてくれ……」

204: 名無しさん 2015/02/07(土) 23:14:40 ID:4YHLuSys
バルログ「うおおおぉぉっ!」ググッ

ケン「ヤワな野郎だぜ……その程度の力じゃ……俺には通用しねぇぜ……ホラ、押し込むぞ……バルログちゃん……?」グイッ

バルログ「……くっ、うおっ!」


実況「おっと、力比べは……ケンの方が優勢か? ケンの力に押され……バルログ上半身がエビ反り状に押し込まれていく!」


リュウ「いいぞ、ケン! 先ずはそのままスタミナを奪ってやれ!」

ヤムチャ「いいっすよ! 押し込んじゃいましょう! そのまま、そのいけすかねぇ野郎をよぉ!」

イイゾー! ケーン!


ケン「……任せておきな! ほらほらぁ、どんどん押し込むぜ! バルログちゃんよぉ?」ググッ

バルログ「くっ……この馬鹿力め……」


実況「コーナーにいる、リュウとヤムチャも乗ってきたぁ! ケンが力比べで、どんどんバルログの身体を押し込んで上半身を反らして行く! バルログは殆どブリッヂの様な体勢だ!」

元「まぁ、力比べでは、ケン君が有利でしょうね」

205: 名無しさん 2015/02/07(土) 23:21:29 ID:4YHLuSys
ケン「お前は一度じゃねぇ……これからずっとずっと、俺に負け続けるんだ……こうやって、な……?」グイッ

バルログ「……ぐっ!」

ケン「ほれ、ここが、終点だ……俺の完全勝利だな……?」

バルログ「!」


イイゾー! ケーン!

実況「さぁ、バルログの頭がマットについて、綺麗なブリッヂの完成だぁ! ケンが完全に押し込んだぁ! 手四つの力比べを制したのは、ケンだぁ!」


ケン「いやぁ、お前のブリッヂは、綺麗で美しいと思うよ? 格好いい所見せれて、よかったじゃねぇか、バルログ?」

バルログ「……この野郎」プルプル

ケン「いやぁ、こんな格好いい所、見せる勇気はとてもじゃねぇが、俺にはねぇ……感謝してくれよ、バルログちゃん……?」ニヤニヤ


バイソン「何やってんだよ……アイツら相手にまともに戦う必要なんて一切ねぇんだよ。おい、サガット……バルログ、大丈夫か……?」

サガット「……困ったヤツだ。まぁ、どちみち状況が状況だ。今は、様子を見るしかない」

206: 名無しさん 2015/02/07(土) 23:25:42 ID:4YHLuSys
バルログ「……お前のような、醜き者に舐められてたまるか、うおおぉぉっ!」ググッ

ケン「……んっ?」

バルログ「うおおおぉぉっ……! ここから……押し戻してやる……!」ググッ

ケン「う、うおっ……! こいつ、こんな無茶な体勢から……!」



実況「おぉ~っと、だがしかし! バルログもやられたまま収まるような男ではない! なんと、ブリッヂの体勢から……そのまま力を入れて……ケンの身体を押し戻す……!」


バルログ「うおおおぉぉっ……! 舐めるなぁ……!」ググッ

ケン「……うおっ、まだコイツ、こんなパワーが残っていたのか」

バルログ「醜き者め……この私をこんな目に合わせて……!」ググッ


実況「さぁ、エビ反りになっていたバルログの上半身が、どんどんと元の状態に戻っていくっ! ケンの身体を押し戻し……上半身を立てていく!」


バルログ「はぁ、はぁ……思い知らせてやるぞ、ケンっ……!」ガシッ

ケン「……火事場の馬鹿力ってヤツかな? なかなか、やるじゃねぇか」


実況「さぁ、そして押し込まれていたバルログの体勢が完全に元に戻ったぁ! 一度は押し込まれたが……そこから粘って、再び五分と五分の体勢に持ち込んだぁ!」

207: 名無しさん 2015/02/07(土) 23:31:29 ID:4YHLuSys
バルログ「……うおおっ! このまま身体ごと!」ググッ

ケン「うおっ……! 縺れてくるんじゃねぇよ、この野郎……!」


実況「さぁ、上半身を起こした勢いのまま……バルログが身体ごとぶつかって、ケンをロープ方向に押しやっていきます! ケンは縺れたまま、後退だ!」


ケン「わかったよ……ロープブレイクさせてやるからよぉ……? ほれ、ロープブレイクだ……とっとと離れな……?」

バルログ「ロープブレイクなど狙ってはいないっ……! ここまで押しやったのは……お前を、ロープ振る為だっ……!」ググッ

ケン「……ん?」

バルログ「うおおおぉぉっ……! 今度はこちらが仕掛けるっ! ケン、ロープへ走れっ!」ブンッ

ケン「ったく……めちゃくちゃしやがって……まぁ、いい……その勝負、受けてやるよ……」


実況「さぁ、そしてロープの反動を利用して……逆方向へのロープへとケンの身体を振ったぁ! バルログ、ここから何を狙う!?」

208: 名無しさん 2015/02/07(土) 23:37:07 ID:4YHLuSys
ケン「上等だ……! 上手くやったつもりだろうが……こっちだって、カウンター攻撃狙ってやる……行くぜっ……!」


実況「さぁ、ロープの反動をつけたケンが戻ってきた! バルログ、ここから何を狙う!?」


バルログ「……ヒャオっ!」シュタッ

ケン「……うおっと、危ねっ!」ピョンッ


実況「おっと、バルログはケンの目の前に腹這いの状態で伏せます! こいつは、ケンも肩透かしを喰らってしまったか!? 反射的にジャンプで飛び越え、バルログの身体を飛び越え、逆側のロープへ!」


バルログ「私は、貴方のような、野蛮な力で責めるのではなく……技術で責めるのです……さぁ、来なさい……私の技術をお見せしましょう……」

ケン「まぁ、そうやって……戦ってくれるのは、有り難いね……じゃあ、まぁ付き合ってやるよ……」


実況「さぁ、ケンの身体がロープを一往復! 再び、ロープの反動をつけてバルログの元に向かっていく!」

209: 名無しさん 2015/02/07(土) 23:41:02 ID:4YHLuSys
ケン「ヘイヘイ、バルログちゃん……突っ込むぜ……?」

バルログ「……来なさい」

ケン「……うおおおぉぉっ!」

バルログ「……ヒョオオォッ!」ピョンッ


実況「さぁ、そして再び戻ってきたケンの身体を、タイミングを合わせてバルログが開脚ジャンプで飛び越える! なんて、高さだ! バルログが身体能力を見せつけたぁ!」

元「リープ・フロッグですね。ようやく、バルログ君らしさが出てきました」

実況「再び、ケンの身体が、逆側のロープへ! ケンはリング上を走り回っているぞ! さぁ、ここから、どうする!?」


ケン「……そろそろ、こっちの番だな? 最後にぶっ倒れて、情けない姿で締めな、バルログちゃんよ?」

バルログ「……来なさいっ! ケン!」

210: 名無しさん 2015/02/07(土) 23:45:28 ID:4YHLuSys
実況「さぁ、ロープの反動をつけたケンの身体がバルログ目掛けて一直線っ! そしてそして!」


ケン「……うるあぁぁっ!」ガスッ

バルログ「……フンっ!」


実況「そのまま、ショルダータックルをバルログに仕掛ける! だが、バルログはビクともしないっ!」


ワー、ワーワー


バルログ「……効きませんねぇ、ケン君。なんですか、その野蛮なタックルは?」

ケン「……おめぇだって、何もしてねぇじゃねぇかよ? ただただ、俺の身体を飛び越えただけだ」

バルログ「いいえ……私の身体能力の高さをアピールすると同時に……貴方のヤワなタックルなど、効かぬという事をアピールしたのですよ……先ずは、貴方のプライドをへし折る所からです……」

ケン「あんな、チンケな攻撃……俺にだって出来るよ……なぁ~にを自慢気に……」

バルログ「……試してみますか?」

ケン「……やってやろうじゃねぇか」


実況「さぁ、バルログは両手を広げて大アピールだ! そんなヤワなタックルなど、効いていない! そうアピールしている!」

211: 名無しさん 2015/02/07(土) 23:49:38 ID:4YHLuSys
ケン「俺にだって、出来るんだよぉ……おらぁ、ロープに行ってこいやぁ……!」ブンッ

バルログ「……まぁ、無茶はしないで下さいよ、ケン君」


実況「さぁ、そして……今度は今度はケンがバルログの身体を、ロープへと振ったぁ! ロープから返ってくるバルログに対して、何を狙う!?」


バルログ「手際よくやって下さいね……貴方はヘマしそうで怖いです……」

ケン「そんなワケねぇだろが……! オラっ、先ずは伏せる!」シュタッ


ケーン! イイゾー!

実況「さぁ、そしてケンもバルログと同じように、リングに腹這いになって伏せた!」


バイソン「よし、そこだ! 踏んづけちまえ!」


バルログ「ヒャオっ!」ピョンッ

ケン「よしっ……次は、返ってきたアイツを……」


実況「バルログがケンの身体を飛び越えて、逆側のロープへと向う! そして勢いをつけて、再びケンの元へ向かってきたぁ!」


バイソン「なぁ~んで、踏みつけねぇんだよ……今、無防備に伏せてたから、踏みつけてやればよかったじゃねぇか……バルログの野郎、何考えてるんだよ!?」

212: 名無しさん 2015/02/07(土) 23:55:11 ID:4YHLuSys
バルログ「まぁ、貴方には、私程の跳躍力はないでしょうね……」

ケン「ゴタゴタ言ってんじゃねぇよ……! 見えてから、モノを言えやぁ!」

バルログ「まぁ、付き合って差し上げましょう……」


サガット「ケンは間違いなく跳ぶ! それがわかってるなら、何か仕掛けろ、バルログ!」


ケン「……うるあぁぁっ!」ピョンッ

バルログ「……おっと」ヒョイッ


実況「さぁ、そしてケンの同じようにバルログの身体を開脚ジャンプで飛び越えるっ! 目には目を! 歯には歯を! そしてリープ・フロッグにはリープ・フロッグだぁ!」

元「ケン君もね、身体能力はあるからね」

実況「バルログは再びロープへと向かう! さぁ、そしてロープのつけたバルログがケン目掛けて一直線に突っ込んできたぁ!」


サガット「……くそっ! 何をやってるんだ、バルログは! 奴らとまともに勝負する必要なんてないんだ! くそっ、やはり先発で出したのは間違いだったか?」

213: 名無しさん 2015/02/08(日) 00:03:34 ID:So0QwKPw
バルログ「ここのタックルで派手にダウンして頂ければ……台無しですよ……うおおぉぉっ!」

ケン「来いやぁ! このナルシスト野郎が!」

バルログ「……うおおぉぉっ、だぁっ!」ガスッ

ケン「……ぐっ!」


実況「さぁ、そしてバルログがケンにショルダータックルを仕掛ける! だが、ケン……これを耐えるっ……!」


ケン「……効かねぇなぁ、バルログちゃんよぉ?」

バルログ「……手加減してあげたんですよ。自惚れないで下さい」


ワー、ワーワー


リュウ「いいぞ、ケン! お前のペースだぞ!」

ヤムチャ「あの野郎、慌ててますよ! 俺には、そう見えます!」


実況「さぁ、空手軍団も乗って来ました! コーナーからリュウとヤムチャの二人がケンに必死に声をかけています!」

元「……それに比べて、シャドルーのコーナー方は元気がないね?」

実況「ん……? そういえば……?」

229: 名無しさん 2015/02/08(日) 22:03:30 ID:So0QwKPw
バイソン「おいおいおい……サガットちゃん、バルログの野郎、大丈夫か……?」

サガット「……まぁ、様子見だ」


実況「コーナで乗っている空手軍団に対して……こちらは、随分と深刻そうな顔で、何やら話し合っています。バルログを見る表情も、何処か不安気に感じます」

元「う~ん、ちょっと元気ないねぇ。乗ってないねぇ……」

実況「これは、どういった事でしょうか、元さん……? おっと、ケンが仕掛けたぁ!」


ケン「身体は温まってきたかい……? ホレ、仕掛けるぜ! オラァっ!」ガスッ

バルログ「……グッ!」

ケン「ほれほれ……連発で仕掛けてやるぜ……その自称美しい顔面に、喰らいなっ……!」ガスガス

バルログ「自称だと……? 舐め……ぐっ……!」


実況「さぁ、エルボーバット、ワンツー! リズムよく、バルログの顔面に肘をお見舞いしていきます!」

230: 名無しさん 2015/02/08(日) 22:10:54 ID:So0QwKPw
バルログ「この糞がっ……! 舐めやがってっ……!」ググッ

ケン「……うおっと!」

バルログ「ふんっ……お返しだ、ケンっ……! その脳天に……ヒャオっ、ヒャオっ!」ゴスゴスッ

ケン「うおおっ……くっ……うおっ……!」


実況「だがしかし、バルログも黙ってはいないっ! すぐ様ケンに掴みかかり、お返しと言わんばかりに、その脳天にエルボースタンプ落としていく! 二発、三発……そして、四発っ!」


リュウ「ケン! しっかりしろ、まだまだお前のペースだ!」

ヤムチャ「そんなナルシスト野郎、ぶっ倒して下さいっ!」


ケン「あぁ、わかってるよ……! こんな攻撃……効いちゃいねぇぜっ……!」

バルログ「くそっ……! くそっ……! 舐めやがってっ……!」ゴスッ

ケン「へへ、いい感じだぜ……さぁ、そろそろ、格の違いってヤツを見せてあげましょうか……?」

231: 名無しさん 2015/02/08(日) 22:20:53 ID:So0QwKPw
ケン「……オラァっ!」ゴスッ

バルログ「……うぐっ!」


実況「おっと、組み合った状態から、強引にケンが膝蹴りっ! 連発のエルボースタンプの合間に上手く打ち込んだ! バルログ、ここで動きが止まる!」


ケン「ほらほら、バルログちゃん……リングの中央に戻りましょうね……」ググッ

バルログ「……う、うおっ」ヨロヨロ


実況「さぁそして、そのままバルログをリングの中央に押し戻していく! そのままバルログの頭を脇に抱えて……おっと、こいつはブレーンバスターを狙っているんでしょうかね?」

元「うん、そうだね」


ケン「そらそら……バルログちゃん、いくぜ……? うおおおぉぉっ!」ググッ

バルログ「うおおっ……こ、こいつ……馬鹿力め……!」


実況「さぁ、ケンが仕掛けた! ブレーンバスター! バルログの身体を持ち上げる!」

232: 名無しさん 2015/02/08(日) 22:27:06 ID:So0QwKPw
ケン「……よっと」ピタッ

バルログ「……ぬっ?」


実況「おぉ~っと、ブレーンバスターを仕掛けたケンは、そのまますぐには落とさないっ! バルログの身体を持ち上げたままの状態で静止しております!」

元「滞空式ブレーンバスターですね。受身も取り辛いし……それに、どのタイミングで落とされるかわからないってのは、結構怖いんですよ……」

ワー、ワーワー

実況「さぁ、ケンの滞空式ブレーンバスター! ケンの身体の上に、逆さまのバルログがそびえ立つその姿はまさに、筋肉のトーテムポール!」


バイソン「……ったく、バルログの野郎、いいようにやられてんじゃねぇよ」

サガット「……困った奴だ」


元「……あっ、そうだ。今の間に、さっき言いかけた事を言うけどね?」

実況「あっ、どうぞどうぞ元さん」

元「今日のバルログ君ねぇ……結構、いきり立っているというか……私怨に走ってるみたいな所、あると思うんだよねぇ……」

実況「ほ~う、まぁ今日はバイソンじゃなくて、バルログが先発でしたからねぇ、そういう所もあるでしょう!」

233: 名無しさん 2015/02/08(日) 22:35:49 ID:So0QwKPw
元「やっぱり、バルログ君って、プライドが高い所があるじゃん……? だから、前のケン君との試合の報復をしたいって気持ちはあると思うんだけどね……?」

実況「確かに、バルログはプライドが高い所があります! それに、ナルシスト!」

元「そういった事も戦いの上では重要な事だと思います。そういった気持ちは何処かで絶対に必要となってきます。バルログ君の戦い方、私は好きです……ただ……」


イイゾー! ケーン!

ケン「へへ、いいザマだなぁ……バルログちゃんよぉ……?」

バルログ「くっ……! 落とすなら、早く落としなさいっ……!」


実況「さぁ、ケンが焦らす焦らす焦らす! 長滞空だ! バルログの身体を持ち上げたまま、まだ溜めている! あっ、元さん、続けてどうぞ?」

元「……シャドルーの二人は、どうなんでしょう? バルログ君の戦い方、どう思ってるんでしょう?」

実況「……ほう!」

元「そもそもシャドルーって、そんな正々堂々と戦うチームじゃないじゃない? 汚い手段を使ってやりたい放題するチームじゃない?」

実況「確かに……! シャドルーとは、反則・乱入・凶器攻撃! 勝利の為なら、なんでもアリのチームです!」

元「バルログ君が正々堂々と、前の借りを返したいって気持ちはわかりますよ……? でも、シャドルーの二人にとっては、どうなんでしょうねぇ? これ、下手したら、不協和音が流れている可能性だってありますよ?」

234: 名無しさん 2015/02/08(日) 22:40:18 ID:So0QwKPw
リュウ「いいぞ、ケン! やってやれ!」

ヤムチャ「もっと、溜めてやりましょう! もっともっと!」

ケン「へへ、任せておきな……!」


実況「しかしそれは、空手軍団にとってはチャンスなんではないでしょうか?」

元「ええ、そうですよ。ケン君も気づいてると思いますよ。バルログ君の神経を敢えて、逆撫でするような事をしかけているんですから。シャドルー全体を切り崩す為に……先ずは冷静でないバルログ君から……と、いう事です」


バイソン「……ったく」

サガット「……チッ」

バルログ「くそっ、くそっ……舐めやがって……私の力を見せてやる……!」


元「そもそもバルログ君は、力比べしたり……打撃の打ち合い……そういった事で力を発揮するタイプではないでしょ?」

実況「確かに、バルログは、バネを使った打点の高い攻撃……ロープワークを使ったトリッキーな技……そういったもので、普段は責めていますね!」

元「これは、チームプレイです。一人で突っ走るより、三人足並みを揃える方が大切です。でないと……下手したら三体一になっちゃいますよ……? チームプレイの恐ろしい所は、ここですよ」

236: 名無しさん 2015/02/08(日) 22:43:49 ID:So0QwKPw
ケン「さぁ、そろそろ落としてやるぜ……?」

バルログ「落とすなら、早く落とせっ……! この醜き者がっ……!」

ケン「じゃあ、お言葉に甘えて……そ~らよっ……!」ドシーンッ

バルログ「……うぐああぁぁっ!」


イイゾー! ケーン!

実況「さぁ、長い長い溜めを作り……ようやく、ケンが落としたぁ! 滞空式ブレーンバスター! バルログの背中がマットに打ち付けられます!」

元「……いいんじゃないですか? ダメージあったと思いますよ?」


バルログ「くっ、くそっ……ケンめ……」

ケン「いやぁ~、派手に落ちたね……いい音がしたよ、いい音が……」ファサッ


キャー! ケーン! カッコイイー!

実況「おっと、ケンは追い討ちには行かず、自慢の金色の髪をかきあげ、余裕綽々の表情を見せています! こいつも、バルログの神経を逆撫でしようとしているんですかねぇ、元さん?」

元「そうだと思います」

237: 名無しさん 2015/02/08(日) 22:48:36 ID:So0QwKPw
ケン「さぁ~て……おいヤムチャ……?」

ヤムチャ「うっす、どうしたんですか、ケンさん?」


実況「おっと、ここでケンは自軍コーナーへと引き下がります」


ケン「ある程度、ダメージは与えてやったからよぉ……? 今のアイツなら、お前でも充分だろ……? ホレ、だから行ってこい、タッチだ……」パシッ

ヤムチャ「……バルログが相手っすか」


実況「そしてヤムチャにタッチだ! 試合権はヤムチャに移りました! ケンは余力を残して引き下がります!」


ヤムチャ「バルログが相手かぁ……ちょっと不安だなぁ……まぁ、やってみます……!」

ケン「不安そうな顔してんじゃねぇよ、バカ! 仕方がねぇ、おまけだ、おまけ! ちょっとついて来い!」


実況「おっと、ケンはコーナーには戻らず……ヤムチャと二人で、ダウンしているバルログの元へと近づきます!」

238: 名無しさん 2015/02/08(日) 22:54:37 ID:So0QwKPw
ケン「ほら、先ずはバルログを引き起こせ……もたもたしてんじゃねぇよ……」ググッ

ヤムチャ「うっす!」

バルログ「……ううっ」フラッ


実況「そして、二人掛かりでバルログの身体を引き起こし……」


ケン「ロープに振るぞ……! タイミングはわかってるな、ヤムチャ!」ブンッ

ヤムチャ「……勿論っす!」

バルログ「……うおおおっ!」ダダッ


実況「そして二人掛かりでバルログの身体をロープへと振ったぁ!」

元「連携攻撃ですね。いいですよ、チームプレイがなっています」


バルログ「この、ケン……ケンっ……! 舐めやがって……!」ダダッ

ケン「俺ばかり、見てると、痛い目に合うぜ……? さぁ、いくぜ、ヤムチャ……いち、にの……さんっ……!」ググッ


実況「ロープに振られたバルログの身体が返ってくる! そして、ケンとヤムチャは、それに狙いを定めたぁ!」

240: 名無しさん 2015/02/08(日) 22:58:39 ID:So0QwKPw
ケン「ダブルっ……!」

ヤムチャ「トラースキックだっ!」


スパーンッ


バルログ「う、うぐああぁっ……!」バターンッ


イイゾー! ケーン! ヤムチャモナー!

実況「そして二人掛かりで仕掛けた! ダブルトラースキックっ! カウンター気味にタイミングを合わせて完璧に打ち込んだ!」

元「結構、空手軍団の流れになってるんじゃないですか? いいと思いますよ」


ケン「ほれ、おまけでダメージ与えてやったんだ……ここまでやりゃ、いくらなんでも、お前でもいけるだろ?」

ヤムチャ「ありがとうございます! これだったら、いけそうです! 俺でも、勝てます!」

241: 名無しさん 2015/02/08(日) 23:04:26 ID:So0QwKPw
ダン「お~い、ケン……? ロスタイムは、もうお終いだぞ~? タッチしたんだったら、大人しくコーナーに控えてな」

ケン「わかってますよ。俺達は、卑怯な事はしません……それじゃあ、ヤムチャ、後は任せるぞ!」

ヤムチャ「任せて下さい! やってやりますよ!」

ケン「……んで、もってバルログちゃん?」

バルログ「くっ、くっ……くそっ……」

ケン「バイバ~イ。今日も、俺の圧勝だったね……?」ヒラヒラ

バルログ「!」


イイゾー! ケーン! コケニシチマエー!

実況「お~っと、ケンはここで、バルログに手を振って、またもや神経を逆撫でしていきます! 不敵な挑発だ!」

元「シャドルー応援する訳じゃないけど……あまり、気にしない方がいいと思うよ。でないと、ヤムチャ君相手だとしても……足元救われるかもしれない……まぁ、ケン君はそこまで計算してたんだと思うけどね」

242: 名無しさん 2015/02/08(日) 23:09:56 ID:So0QwKPw
ヤムチャ(ここからは、俺一人で暫くやらなきゃいけない攻防だけど……相手はダメージを受けているバルログさん……ケンさんが、少しづつ激しい攻防が出来る状況を立ち上げてくれたんだ……)

ケン(……激しい攻防がしたいだぁ? そんなもんは、いくらでも出来るんだよ、バカが。何言ってやがる)

バルログ「ううっ……くそっ、くそっ、ケンめ……」ググッ

ヤムチャ(格上のバルログさん相手でも……この状態なら、大技かけても大丈夫だ……先ずは、ここが見せ所だ……だけど、俺の役割忘れちゃいけねぇぞ……打ち合わせはしたんだ……慌てるな……)

ケン(……ここで結果を残してみな。俺やリュウが認めるような結果をよぉ)


実況「しかし、挑発は逆効果だったか!? バルログがゆっくりとケンの方を睨みながら、起き上がります!」

元「判断力を鈍らせるという意味でなら、効果は出てると思いますよ?」


バルログ「ケンめ……くそっ、くそっ……! 許さんぞ……!」

ヤムチャ「何処見てやがる、この野郎! お前の相手は、俺だ! 行くぞっ!」ダダッ

バルログ「くっ……! 邪魔者めがっ……!」


実況「さぁ、そしてヤムチャが大きく吠え、正面からバルログに仕掛けたっ!」

243: 名無しさん 2015/02/08(日) 23:18:35 ID:So0QwKPw
ケン「ふう、疲れたぜ……まぁ、まだ出番はあるからな……ここでゆっくりさせてもらうか……」

リュウ「……なぁ、ケン?」

ケン「どうした、リュウ……?」

リュウ「……お前、アイツと仲良くやっていく気なのか?」

ケン「……あぁ?」

リュウ「だから、ヤムチャの野郎と……」

ケン「おいおいおい……勘弁してくれよ……今のは、あいつが大した事出来そうにねぇからさぁ……あぁでもしなきゃどうしようもねぇだろ……?」

リュウ「……」

ケン「俺だって、あんな事するのは、お前としたいよ? お前が打ち合わせに来ないからよぉ? そういう部分を決めていけねぇんじゃねぇか?」

リュウ「……ザンギエフの野郎、滅茶苦茶だな」

ケン「……本当、そう思うよ、なぁ? サガット相手に、チャンス来るからよぉ? そん時はリュウ一人でもいいし、俺誘ってくれりゃ、乗るぜ?」

244: 名無しさん 2015/02/08(日) 23:24:53 ID:So0QwKPw
ヤムチャ「オラァっ……!」ガシッ

バルログ「……ぐっ!」


実況「さぁ、ヤムチャが突っ込んだ! 走りこんで、バルログの首筋を掴み……!」


ヤムチャ「オラァっ! そのまま、喰らえっ……!」ガスッ

バルログ「……うぐっ!」


実況「そのままジャンピングしての膝蹴りを打ち込む! バルログの腹部へと叩き込んだぁ!」


ヤムチャ「まだまだだっ……! 連続で打ち込むぜ……! オラオラオラっ……!」ガスガス

バルログ「くっ、ケンだけではなく、こんな雑魚に……! この私……この美しい私がやられるなんてっ……!」


実況「さぁさぁ、二発三発と、連続でバルログに打ち込んでいく! ケンが呼び込んだ流れに、ヤムチャも乗ったかぁ!?」

245: 名無しさん 2015/02/08(日) 23:28:35 ID:k3FzyV9A
バルログ「調子に乗るなっ……! この雑魚がっ! ヒャオッ!」バシッ

ヤムチャ「……うおっと」

バルログ「私の相手ケンなのだ……醜い邪魔者の、お前は引っ込んでろっ!」シュッ


実況「おっと、だがバルログも負けてはいない! 素早く、ヤムチャの手を振り払い、そしてローキックっ! 鋭い蹴りを打ち込みます!」


ヤムチャ「痛ぇ……お前の邪魔するのが、三番弟子の役割なんだよぉ……?」

バルログ「減らず口を……邪魔者が……! 消えなさい……ヒャオッ!」ゴスッ

ヤムチャ「……うぐっ!」


実況「お次はクルリと身体を回転させながらのローリングソバット! 私怨の矛先のケンが下がった事で、ようやくバルログも冷静になってきたか? ヤムチャを攻めます!」

元「ここ大事な場面だと思うよ。やっぱり、寝ている子は無理に起こさずに……出来る事なら、寝たままでいてほしいしね」

246: 名無しさん 2015/02/08(日) 23:35:45 ID:So0QwKPw
ヤムチャ「舐めんじゃねぇっ……! こっちだって、やってやるよ、オラァ!」ガスッ

バルログ「……くっ!」


実況「ヤムチャも負けてはいないっ! ミドルキックだ! バルログの脇腹に強烈な蹴り打ち込む」

元「そうです、今は責めましょう。バルログ君もダメージは残っているんだから」


ヤムチャ「ラッシュかけてやるぜ……! うるあぁっ! だあぁっ!」ガスガス

バルログ「醜き者め……邪魔だ、退けっ……! ヒャオッ!」ゴスッ


イイゾー! ヤムチャー、イケー!

実況「二発三発……と、ヤムチャが打ち込んでいます! だが、バルログだって負けてはいない! 綺麗なフォームのローリングソバットをヤムチャに打ち込む!」

元「……打撃勝負に持ち込めれば、ヤムチャ君にも勝機はあると思いますね」

247: 名無しさん 2015/02/08(日) 23:41:56 ID:So0QwKPw
ヤムチャ「得意の打撃戦に持ち込んでやるぜ……この野郎……!」

バルログ「野蛮な攻防ばかり……やはり、空手軍団というのは、醜い者の集まりなんですね……私はそんな事に興味はありません……」

ヤムチャ「……空手軍団、見下してるんじゃねぇぞ、この野郎っ!」

バルログ「……もう終わらせましょう。こんな事」スッ

ヤムチャ「……ん?」


実況「おっと、ここでバルログがヤムチャにスッと近づき……そのままヤムチャの顔に自分の手を添えたぞ?」


バルログ「……えい」ガリガリ

ヤムチャ「あっ、がっ……! い、痛ぇっ……!」


実況「おっと、そして爪を立てて、ヤムチャの顔面を引っ掻いた! 掻き毟り攻撃だ、掻き毟り攻撃!」

元「……反則ですね。反則です」

248: 名無しさん 2015/02/08(日) 23:47:56 ID:So0QwKPw
バルログ「……バカめ」

ヤムチャ「う、うおお……てめぇ、何しやがる……」


ブー、ブーブー

実況「さぁ、バルログ反則攻撃で……ヤムチャは両手で顔を抑えて苦しんでいます! 場内からはバルログへのブーイングだ!」

元「……折角、いい感じで仕掛けてたのにねぇ? 動きが止まっちゃったよ」


ヤムチャ「がっ、ぐっ……くそっ、この野郎……!」

バルログ「……両手で顔を塞いでいては、前が見えません」

ヤムチャ「……あぁ?」

バルログ「……つまり、相手が何かを仕掛けてきても、見えないという事です。ヤムチャ君?」

ヤムチャ「てめぇ、この野郎……まだ、何か仕掛けてくるつもりか……」

バルログ「……ヒャオオォッ!」ドスッ

ヤムチャ「う、うおおおぉぉっ……!」バターンッ


実況「そして苦しんでいるヤムチャに対して、バルログがドロップキックだ! 綺麗なフォームでヤムチャに打ち込んだぁ!」


バルログ「……私の美しいフォームを見てもらえなくて残念ですよ。まぁ、そのやられてる姿は貴方には、お似合いですがね」

ヤムチャ「……ち、ちくしょう」

249: 名無しさん 2015/02/08(日) 23:53:03 ID:So0QwKPw
ブー、ブーブー

実況「ヤムチャはダウンしてしまいます! バルログに対して場内からは大ブーイングだ! おっと、ここでレフェリーがバルログの元に、警告に行ったか?」


ダン「おい、バルログ! おめぇ、今コイツの顔面を掻き毟っただろ? なぁ、掻き毟っただろ?」

バルログ「知りませんよ、ダンさん……見間違いなんじゃないですか……? ダンさんの勘違いで、試合を中断させてもいいんですか……?」

ダン「……いけしゃあしゃあと言いやがって、この野郎。おい、二度目はねぇからな! これは警告だぞ、わかってんのか!?」

バルログ「……わかってますよ。ほら、今絶好のチャンスなんですよ。邪魔しないで下さい」

ダン「……現行犯じゃねぇと、逮捕出来ねぇからな。ちくしょう、コイツらは詐欺師みてぇな集団だ」


ヤムチャ「ううっ……くそっ、負けてたまるかよっ……!」ムクッ

バルログ「そうです、起き上がりなさい……ヤムチャ君……次に起き上がった時が……君の最後です……」


バイソン「……バルログの奴、ちょっとは調子出てきたんじゃねぇか?」

サガット「……相手が雑魚なだけだろう。まだわからん」

282: 名無しさん 2015/02/09(月) 21:56:45 ID:G6PX8sq.
バルログ「さぁ、行きますよ……!」ダダッ

ヤムチャ「……くそっ!」


実況「さぁ、そしてバルログがロープに走ったぁ! ヤムチャの起き上がりに合わせて……何かを狙っているっ!」

元「うん、ちょっとバルログ君も乗ってきたかな?」


バルログ「私の美しい技をご覧なさい……ヒャオッ……!」ガシッ

ヤムチャ「う、うおっ……!」

バルログ「……ヒョオオオォォッ!」ブンッ

ヤムチャ「う、うおっ……なんだなんだ……!」


実況「さぁ、そして走り込んだ勢いのまま、ヤムチャの頭を抱えて跳び、そのまま旋回っ! ヤムチャの身体を軸として自らの身体を大きくスイングさせるっ!」


バルログ「……ヒャオッ!」ドスッ

ヤムチャ「……うぐっ!」


実況「その勢いのまま、ヤムチャの頭をマットに叩きつけるっ! これはバルログのスイングDDTっ! ヤムチャの頭がマットへと、めり込んだぁ!」

284: 名無しさん 2015/02/09(月) 22:02:22 ID:G6PX8sq.
ヤムチャ「ううっ……くそっ……! やっぱり、俺じゃ勝てねぇのか……」ガクッ

バルログ「……当然だ。お前のような雑魚など相手になるか」


実況「ヤムチャはガクッとうつ伏せにダウンだぁ! バルログのスイングDDT! こいつは大ダメージか!?」

元「……うん、結構ダメージあったと思うよ」

実況「バルログが再び、流れを引き戻したか!? 得意の身軽な身体を使った技で、ヤムチャを攻め立てます!」


ヤムチャ「くそっ……くそっ……負けねぇぞ……! 絶対に負けねぇぞ……!」

バルログ「……うるさいんだよ。身の程をわきまえない醜き者め」ドスッ

ヤムチャ「……うぐっ!」

バルログ「私の狙いはケンだけだ……お前など、相手にならないのだよ……」グリグリ

ヤムチャ「う、うぐぐっ……!」


実況「おっと、そしてバルログはうつ伏せのヤムチャの背中を踏みつけ、そのままグリグリとヤムチャの背中を踏みにじっています!」

ブー、ブーブー

実況「少々、行為が行き過ぎではないか、バルログ!? 場内からはブーイングだぁ!」

285: 名無しさん 2015/02/09(月) 22:09:41 ID:G6PX8sq.
バルログ「……こいつじゃ、相手にならないんですよ。ほら、戻って来なさい」チラッ

ケン「……んあ?」


実況「おっと、ここでバルログは、ケンの方を見ているように思えますが……?」

元「いや、見てますね。ケン君と、よっぽどやり合いたいんでしょうね?」


バルログ「……まだ、私達の勝負はついていないでしょう、ケン? ほら、戦いましょうよ?」

ケン「なぁ~に、言ってんだ……俺の圧勝だったじゃねぇか……顔だけじゃなくて、目も腐ってやがるんだな、お前……?」

バルログ「貴方が私の力に怖気づいて勝手に逃げたんでしょう……? この、彼のように、情けない姿を見せる事になるのが、怖いんでしょう……?」グリグリ


ヤムチャ(舐めやがって……怒りパワー……20%ぐらい、溜まったぞ……!)

286: 名無しさん 2015/02/09(月) 22:14:33 ID:G6PX8sq.
ケーン! イッテヤレー!

ケン「……ん?」

バルログ「ほらほら、ケン君……呼ばれてますよ……早く来なさいよ……そして、コイツのような惨めな姿を晒しましょう……」グリグリ

ヤムチャ(怒りパワー……40%……!)


実況「おっと、ここはケンが行った方がいいんでしょうかねぇ、元さん? やはり、ヤムチャにバルログ相手は辛かったか……!?」

元「さっきも、言いましたけど……これ、バルログ君、私怨に走りすぎです。ちょっとケン君の事、意識しすぎです」

ヤムチャ(怒りパワー……60%……!)


ケン「チッ、面倒臭ぇなぁ……まぁ、そこまで情けない自分の情けない姿を、見てもらいたいんだったら、仕方がねぇかな……?」

バルログ「リュウと同じ空手軍団だからって、自惚れないで下さい……貴方達は、リュウのおこぼれにあやかる、醜い小判鮫でしょう……? カスです……貴方達はカスです……」グリグリ

ヤムチャ(怒りパワー……80%……!)


元「ここは、絶対にヤムチャ君に追い打ちを仕掛けた方がいい場面です。ヤムチャ君にだって、バルログと同じように、プライドがありますからね」

実況「ヤムチャにも……バルログと同じように、プライドと意地……! そして、誇りがあると!?」

元「……あんな事ばかりしてたら、手痛い反撃喰らっちゃいますよ?」

ヤムチャ(きたぞきたぞ……ついに100%だ……! 超ヤムチャ……発動だっ……!)

287: 名無しさん 2015/02/09(月) 22:19:20 ID:G6PX8sq.
ケン「仕方ねぇなぁ……じゃあまた遊んで……」

ヤムチャ「……うおおおぉぉぉっ!」ガバッ

バルログ「……ぬっ!?」

ケン「おっ、なんだ……やっぱり、ヤムチャでいいじゃん……」


実況「おっと、ここでやはりヤムチャもトサカに来たのでしょうが!? バルログに踏みつけられていた足を押しのけ、力強く起き上がりますっ!」

元「ほら、やっぱりこうなった」


ヤムチャ「さっきから舐めた事ばかり言いやがって……! 一発入れたぐらいで、デカイ顔してんじゃねぇぞ!」

バルログ「醜い根性論だ……お前など、この私の相手になる訳ないだろう……? いいから、ケンに代われ……」

ヤムチャ「うるせぇ! 目にもの見せてやるぜ、この野郎……!」


ケン「ヘイヘイ、俺の代わりにヤムチャがやってくれるってよ~! あのいけ好かない、ナルシスト野郎、ぶっ飛ばしてくれるってさ~」

イイゾー! ヤムチャー! イケー!

288: 名無しさん 2015/02/09(月) 22:22:08 ID:dUR5jjso
イッケー!ヤッチマエ!

289: 名無しさん 2015/02/09(月) 22:25:17 ID:G6PX8sq.
ヤムチャ「うおおおぉぉぉっ! フンッ……! オラっ!」グイッ

バルログ「うっ……! 何っ、この野郎っ……!」


実況「さぁ、ヤムチャは正面からバルログを掴み……そして素早く背後を取ったぁ!」


ヤムチャ「このまま、ぶん投げてやる……! 行くぜ、うおおおぉぉっ……!」ググッ

バルログ「う、うおおっ……うおおぉっ……!」


実況「そして、そのままバルログの身体を持ち上げるっ! バックドロップか!?」


ヤムチャ「うるああぁぁっ……! 舐めてんじゃねぇぞ、この野郎っ……!」ドスーンッ

バルログ「……うぐああぁぁっ!」


ワー! ワーワー!


実況「そしてバルログの身体をマットに突き刺すバ~ックドロップだあぁ!」

元「……痛いのもらっちゃいましたね、バルログ君。結構ダメージあると思いますよ」


バイソン(違うんだよ……確かに1.2倍ぐらいにはなってると思うが、違うんだよ……あの時のヤムチャ君は、もっとだ……もっと爆発力みたいなモノを、俺は感じたんだ……)

290: 名無しさん 2015/02/09(月) 22:31:17 ID:G6PX8sq.
バルログ「うっ、くっ……少しばかり油断したか……」

ヤムチャ「まだまだ、仕掛けるぜ……! ほら、起きろっ……!」グイッ

バルログ「……ううっ」ヨロッ


実況「さぁ、ヤムチャがまだまだ仕掛ける! バルログに近づいて……その身体を引き起こしたぁ!」


ヤムチャ「うるぁっ! 行くぜっ!」シュッ

バルログ「……何っ!?」

ヤムチャ「ロック完了っ……! 後は、ここから引き伸ばすだけだぁ!」


実況「さぁ、そして素早く手と足を絡めてコブラツイストの体勢に持っていったぁ!」

元「おっ、関節技で攻めてきたね」


ヤムチャ「後は身体を引き伸ばすだけだ……! いくぜ、うおおぉぉっ……!」ググッ

バルログ「うっ、ううっ……うおおおぉぉっ……!」


イイゾー、ヤムチャー

実況「さぁ、ヤムチャがバルログの身体を引き伸ばすっ! ロックの方は、いかがでしょう、元さん?」

元「いいですよ。結構、がっつり入ってますね」

291: 名無しさん 2015/02/09(月) 22:35:41 ID:G6PX8sq.
ヤムチャ「うるぁっ! どうだ、ナルシスト野郎っ!」ググッ

ダン「おい、バルログどうすんだ? ギブアップするのか!?」

バルログ「するわけないでしょう……! 私はまだ出来ますっ……!」

ヤムチャ「……強がってんじゃねぇぞ、うるぁっ!」ググッ

バルログ「うぐっ……!」


実況「さぁ、ヤムチャがコブラツイストでバルログを締め付ける! じわりじわりとダメージを与えていきます!」


バイソン「……おいおいおい、バルログの奴、大丈夫なのか? いくら、相手が雑魚だといえどもよぉ?」

サガット「……我慢していたが、そろそろ限界だ。俺が行く。バイソンはそこで待っていていくれ」

バイソン「OK!」


実況「さぁさぁ、ヤムチャが締め付けているぞ! コブラツイストでバルログにダメージを与えていく!」

元「……あっ、サガット君が、リングインしてカットに来たねぇ」

292: 名無しさん 2015/02/09(月) 22:43:03 ID:G6PX8sq.
サガット「……」ユラーリ

ダン「お、おい……サガット……」

サガット「……カットに来ただけだ。バルログがピンチなのは、見てわかるだろう? 邪魔だ、退け」

ダン「……おかしな事、するんじゃねぇぞ?」

ヤムチャ「チッ……邪魔者が来やがったか……」

サガット「……おい、そこの雑魚」ググッ

ヤムチャ「……ん?」


実況「さぁ、サガットがカットに入りました。ゆったりとした動きでヤムチャに近づき……」

元「……あっ、何か大振りに構えたよ?」


サガット「……フンッ!」ゴスッ

ヤムチャ「……うぐおっ!」


実況「そのままヤムチャの額目掛けて、拳を振り抜く! 大振りのナックルパートだ!」

元「……あそこまで、乱暴なカットは僕、感心しないなぁ」

実況「がっつりと決まった、ロックは外れ……ヤムチャはダウンしてしまう! サガット、一撃で仕留めたぁ!」

293: 名無しさん 2015/02/09(月) 22:48:07 ID:G6PX8sq.
ブー、ブーブー

ダン「バカ、てめぇ……おかしな事するなって言ったよなぁ!?」


実況「さぁ、場内からは大ブーイング! だが、サガットは気にする素振りすら見せてはいません! レフェリーも慌てて警告にいく!」


ダン「おい、聞いてんのかコラ! あぁ!?」

サガット「……バルログと話があるんだ。少し、お前は黙ってろ」

ダン「黙ってろって……レフェリーに向かって、お前なんて口きいてるんだ、てめぇ……!」

サガット「……こういう鬱陶しい蝿は無視に限るな。おい、バルログ大丈夫か?」

バルログ「う、ううっ……サガット……余計な事を……」フラッ

ダン「おい、誰が蝿だ! レフェリーに向かってなんて事を言ってるんだ!」

サガット「……随分とフラついているようだな? ここはバイソンと交代しよう」

バルログ「いえ、大丈夫です……私はまだ出来ます……」

ダン「じっくり、話し込んでんじゃねぇよ、この野郎! 俺の話を聞けよ、この野郎! 俺、レフェリーなんだぞ!?」


実況「おっと、サガットは警告しているレフェリーを気にする事なく……何やら、バルログに話しかけています」

元「……まぁ、いいんじゃない? あのカットは感心できないけど、状況が状況だからね」

294: 名無しさん 2015/02/09(月) 22:52:26 ID:G6PX8sq.
サガット「バイソンに変われ、バルログ! これは命令だ!」

バルログ「!」ビクッ


ザワ……ザワ……

実況「おっと、ここでサガットがバルログに強い口調で何やら言っております」


サガット「私怨に走るな……一人相撲をするな……俺達の目的は何だ? ケンを潰す事……? そんな、チンケなモノではないだろう……?」

バルログ「……」

サガット「……空手軍団を纏めて倒す事だろう? 違うか?」

バルログ「……」

サガット「ここはバイソンに任せるぞ。お前が引き下がらないのなら、俺は殴ってでもお前の事を引き下がらせるぞ……?」

バイソン「ヘイヘイ、こっちだよ~! そろそろバイソン様にも出番くれよ!」

サガット「一度下がって頭を冷やしてくれ……勿論、その状況になったら、お前にはケンを始末してもらうさ……」

バルログ「……わかりましたよ。下がります」

295: 名無しさん 2015/02/09(月) 22:59:06 ID:G6PX8sq.
実況「おっと、ここでサガット、バルログの両者が揃って、自軍コーナーへ引き下がります。これは交代でしょうか?」

元「うん、まぁバルログ君も結構ダメージもらってるしね。ここは交代した方がいいでしょ」

実況「少しばかり嫌なタイミングで交代されてしまいましたね?」

元「まぁね、うん……まぁ、サガット君がバルログ君説得でもしてたんじゃないかなぁ? 上手いタイミングだと思うよ、僕は」


バイソン「ヘイヘイ、バルログ! 交代だ、交代! 早くタッチしてくれ!」

バルログ「……お願いします」パシッ

バイソン「よ~し、このバイソン様に任せておきな! 必ず敵討ちはしてやるからよぉ? 行ってくるぜ」パシッ


実況「さぁ、ここでタッチが成立して試合権はバイソンに移りました! バルログは引き下がり……そしてバイソンが生き生きとしながらリングインします!」

296: 名無しさん 2015/02/09(月) 23:05:01 ID:G6PX8sq.
バイソン「さぁさぁ、ようやくバイソン様の出番だ……待ちくたびれたぜ……」シュシュッ


実況「さぁ、バイソンもやる気充分と言った所でしょうか? 軽やかなステップ踏んで、シャドーボクシングなんかをしています」


バイソン「よ~し、皆~! よく見ておけ~! 今日も元気にイケメンをボコボコにしていこう! イエーイっ!」

ブー、ブーブー

バイソン「……あり?」


実況「そして、拳を突き上げ大アピール! だがしかし、残念っ! そのアピールに返ってくるのは声援ではなく、ブーイングだぁ!」


バイソン「……おっかしいなぁ? 皆、自分の気持ちに正直になってもいいんだぜ? もう一回いこう、さぁ、今日も元気にイケメンをボコボコにしていこう! イエーイ!」

ブー、ブーブー

バイソン「……なんで、ブーイングなんだよ。まさか、会場全員が美男美女ってわけじゃねぇだろうし」キョロキョロ


実況「二度目のアピールも大失敗っ! そりゃ、当然だ! 何故ならバイソン、お前はそんなに格好良くないからだ! そう、不細工!」

元「……そういう事、言うのやめときなよ。あの人達に絡まれると怖いよ?」

297: 名無しさん 2015/02/09(月) 23:13:02 ID:G6PX8sq.
ヤムチャ「ううっ、くそっ……呑気にあんな事してるって事は、俺完全に舐められてるんだろうな……」ムクッ

バイソン「あれ……あれ……? おかしいな……? 会場見渡す限り……どいつもこいつも美男美女しかいねぇじゃねぇか……?」キョロキョロ


実況「ここでようやく、ヤムチャが立ち上がります。だがしかし、ダメージは残っているのだろうか? 少々、辛そうです!」


バイソン「……って事は、何だ!? こんだけ、人がいる中での一番不細工は俺だって、事か!? なんだよ、それ……このやり場のない、怒りは何処に持っていけばいいんだよ……? んっ……?」キョロキョロ

ヤムチャ「……だけど、油断しているみたいだ。ここが俺の、狙い目だ、きっと」

バイソン「……あっ、目の前にいたや」

ヤムチャ「……ん?」

バイソン「おめぇをボッコボコにしてよぉ、このやり場のねぇ怒りを晴らしてやるよ! うおおおぉぉぉっ! 今日はハナから全力で行くぜっ!」ダダッ


実況「おっと、だがしかしバイソンが猛スピードで突っ込んできたっ!」

元「……意外と冷静に周りを見ていますね。バイソン君」

298: 名無しさん 2015/02/09(月) 23:25:15 ID:G6PX8sq.
バイソン「……死ねや、イケメンっ! ゴラッ!」ガスッ

ヤムチャ「……うぐっ!」

バイソン「……まだまだっ!」ダダッ

ヤムチャ「くそっ……倒れてたまるかっ……!」ググッ


実況「さぁ、バイソンが走り込んできて、ヤムチャの顔面にエルボーバット! おっと、だがヤムチャは上手くか堪えたか! 必死に踏ん張って、何とかダウンは間逃れました!」

元「油断しちゃダメ! バイソン君、走り込んだ勢いのまま、逆側のロープまで行っているよ!? 今度は後ろから狙ってます!」


バイソン「よっしゃ! 後頭部は、ボクシングじゃ反則だけどな……こいつは、プロレスだからな……好き放題出来るぜ……」

ヤムチャ「ううっ……くそっ、負けて……たまるかっ……!」

バイソン「ラビットパンチならぬ……ラビットエルボーだ……! くたばりやがれ……てめぇの面も気に入らねぇんだよ……!」ダダッ


実況「ロープの反動で勢いをつけたバイソンが、再びヤムチャに迫ってくるっ! 今度は背後からだぁ!」

299: 名無しさん 2015/02/09(月) 23:33:32 ID:G6PX8sq.
バイソン「オラオラ! 頑張って堪えな、ヤムチャよぉ!」ガスッ

ヤムチャ「ぐああぁっ……! く、くそぉっ! 負けねぇぞ……!」ググッ


実況「そしてヤムチャの後頭部に再び、ランニングエルボーバットをお見舞いするっ! だが、しかしヤムチャも意地を見せる! 何とか踏ん張り堪える!」


バイソン「へへ、そうでなくちゃ、こっちもやりがいはねぇよ……まだまだ行くぜ……?」ダダッ

ヤムチャ「く、くそっ……!」

バイソン「次で最後だ……止めは勿論……コレだ……!」グルグル


実況「だがしかし、バイソンはまだ、勢いを殺さずロープに向かっている! そして、右腕をグルグルと回してアピールしているぞ!? これはこれはこれは!?」

元「バイソン式アックスボンバー、狙っていますね」

300: 名無しさん 2015/02/09(月) 23:48:20 ID:G6PX8sq.
バイソン「とどめだ……死にやがれっ……!」ダダッ

ヤムチャ「くそっ……!」ブルブル


実況「さぁ、三度バイソンがヤムチャに向かって来る! その姿はまさに、狂った猛牛! クレイジーバッファロー!」


バイソン「いい夢見ろよっ! これで終いだっ!」

ヤムチャ「……うおおおぉぉぉっ!」

バイソン「行くぜっ! バイソン式アックス……」

ヤムチャ「スパインバスターだっ! カウンターで仕掛けているやるっ!」ググッ

バイソン「うおっ……! 何っ……!?」


実況「おっと、だがしかし、これはヤムチャが狙っていたか!? 走り込んできたバイソンの懐に潜り込み……そのまま持ち上げたぁ!」

元「上手く、見てましたね! いい対応です!」


ヤムチャ「その走り込んだ勢いを……自分の身で味わいなっ! うおおおぉぉぉっ!」ドシーンッ

バイソン「う、うがっ……!」


ワー、ワーワー

実況「カウンターで決めたぁ! ヤムチャのスパインバスター! バイソンの身体が背中からマットに激しく打ちつけられます!」

元「今の一発もらったら、危なかったでしょうからね。ヤムチャ君、よく返しました」

301: 名無しさん 2015/02/09(月) 23:49:19 ID:G6PX8sq.
今日はここまで

313: 名無しさん 2015/02/10(火) 21:58:37 ID:8eq5SMks
バイソン「ちくしょう……やりやがったな、こいつ……」

ヤムチャ「はぁ、はぁ……ざまぁみやがれ……」ムクッ


実況「さぁ、何とか返したヤムチャっ! しかし、精一杯の一撃……といった所でしょうか? 随分と自身もダメージを受けている模様です! 立ち上がるその姿に、何処か力がありません!」


ヤムチャ「ここから、押し切ってやるっ……!」

バイソン「あ~、いでで……調子に乗ってんじゃねぇぞ、馬鹿野郎……」ムクッ


実況「お~っと、そうこうしているうちに、バイソンも立ち上がったっ!」

元「あ~、ヤムチャ君……いけなかったねぇ……」


バイソン「……オイコラ糞が。舐めてんじゃねぇぞ、この野郎っ!」ガスッ

ヤムチャ「……ぐっ!」


実況「バイソンは悠々とヤムチャに近づき……そのままフックを浴びせます! ヤムチャの頭部がグラついたかぁ!?」

314: 名無しさん 2015/02/10(火) 22:03:21 ID:8eq5SMks
バイソン「オラっ、もう一丁だ、喰らいなっ!」ガスッ

ヤムチャ「……くそっ!」

ダン「おいっ、バイソン! 拳は反則だぞ、拳はよぉっ!」


実況「そしてフックを連発、もう一発っ! レフェリーの警告が入ります!」


バイソン「……わ~ってるよ、馬鹿野郎。ちっと動きを止めてるだけだ。 ここからは、ちゃんとやるよ! ちゃんとよぉ!?」

ダン「ここからは……じゃくて! 毎回、ちゃんとしろ、毎回よぉ!?」

バイソン「……うるせぇな。まぁいい! いくぜ、オラっ!」ググッ

ヤムチャ「……うおっ!」


実況「そして、強引にヤムチャの身体を掴んだっ! ヤムチャの頭を自分の股下に押し込んで……こいつはパワーボムの体勢だぁ!」


バイソン「さぁさぁ、これでお前もおしまいだっ……! ヤムチャ……!」

ヤムチャ「うっ、くそっ……負けてたまるかっ……!」

315: 名無しさん 2015/02/10(火) 22:08:37 ID:8eq5SMks
実況「ヤムチャも必死に踏ん張り、堪えようとしているが……!」


バイソン「……ほ~らよっ! 生意気なんだよ、てめぇは!」グイッ

ヤムチャ「……うおっ!」


実況「そのまま強引に持ち上げたぁ! ヤムチャの身体を自らの頭上まで、強引に持ち上げる!」


バイソン「……ちっと、乱暴にいくぜ!? 俺様は荒っぽい性格だからな!?」

ヤムチャ「ううっ……くそっ……何とか、しねぇと……!」

バイソン「ほ~れっ! 投げっぱなしだっ……! マットに眠りな……この糞ヤムチャっ……!」ブンッ

ヤムチャ「……う、うおおおっ!」


実況「おっと、そこから強引にヤムチャの身体を放り投げたっ! バイソンの投げっぱなしパワーボムだっ!」

元「……乱暴に投げるねぇ」


ドシーンッ


ヤムチャ「……うぐああぁぁっ!」

316: 名無しさん 2015/02/10(火) 22:13:24 ID:8eq5SMks
サガット「……終わったな。バルログ行こうか」

バルログ「……フン」


実況「ヤムチャの身体がマットに叩きつけられるっ! そしてここでサガットとバルログがリングインっ!」


サガット「バイソンの援護に行くぞっ……! リュウとケンを止めるんだっ!」ダダッ

バルログ「……私はケンに行きます! サガットはリュウを!」ダダッ

サガット「……バルログ」


実況「両者は、敵軍コーナーにへと一直線っ! 分担作戦だぁ!」

元「ちょっとヤムチャ君、ダメージ受けすぎてるからねぇ……ここは何とかして欲しいけど……」


ケン「……リュウ、わかってんな?」

リュウ「心配な部分もあるが……まぁ、従ってやるよ……」

317: 名無しさん 2015/02/10(火) 22:19:06 ID:8eq5SMks
バルログ「ヒャオっ!」ガスッ

ケン「……ぐっ!」

サガット「……オラァっ!」ガスッ

リュウ「……ぐっ!」


実況「さぁ、分担作戦成功っ! エプロンサイドにいるリュウとケンに攻撃を仕掛け、場外へと突き落としたぁ!」


ケン「……あぁ、くそっ。やりやがったな、この野郎」ムクッ

バルログ「……まだまだ、逃がしませんよ、ケンっ! ヒャオっ!」

サガット「……おいっ、バルログ!」


実況「おっと、そのままバルログが、コーナーポストに駆け上がるっ! そして場外にいるケンの姿をその目に捉えたっ!」


バルログ「……ヒョオオオォォッ! ヒャオっ!」シュタッ

ケン「……しつけぇ野郎だっ! くそっ、降って来やがったっ!」


実況「バルログはさらに追撃にいったぁ! コーナーポストからの、後ろ宙返りしてのボディプレスをケンに仕掛ける! 上半身から真っ逆さまに落ちていくその独特のフォーム! バルログのフライングバルセロナアタックだぁ!」

318: 名無しさん 2015/02/10(火) 22:24:42 ID:8eq5SMks
バルログ「……ヒョオオオォォッ!」ドスッ

ケン「……うおぉぉっ!」


実況「バルログのフライングバルセロナアタックがケンに直撃っ! 場外で縺れ合うように、お互いダウンしますっ!」


サガット「バルログめ、勝手な事を……オイ、バイソン! もう決めちまえっ! 俺はリュウをここで見張っておくっ!」

リュウ「ううっ、くそっ、サガットめ……」ムクッ

バイソン「アイアイサーっと……オイ、レフェリー、ちゃんと仕事しろよ! ほれっ」ググッ

ヤムチャ「……ううっ」


実況「さぁ、そしてここでバイソンがヤムチャの身体に覆いかぶさり、フォールの体勢に入りますっ!」

元「……ちょっとマズいねぇ」

319: 名無しさん 2015/02/10(火) 22:29:53 ID:9.OL4vS2
リュウ「……くそっ! ヤムチャがマズいっ!」

サガット「おっと、リュウ……ここは通さんぞ……? そこで大人しく仲間がやられてるのを見てな……」

ケン「あっ、くそっ、痛ぇ……ちくしょう……ヤムチャを助けに行かねぇと……」ムクッ

バルログ「おっと、ケン君……逃がしませんよ……ヒャオっ!」シュッ

ケン「うぐっ……! 邪魔だ、退けぇ、バルログっ!」


実況「リュウは、サガットに睨まれリングイン出来ないっ! そしてケンも、場外でバルログに掴まっているっ!」

元「……こりゃマズいねぇ」

実況「さぁ、そしてレフェリーが今、カウントをとったぁ!」


ダン「よしっ、カウント行くぜっ!」

バイソン「……早くしろ。早くよぉ」

ヤムチャ「……ううっ」

320: 名無しさん 2015/02/10(火) 22:35:43 ID:9.OL4vS2
ダン「ワンっ……!」

カラテグンダン、ガンバレー!

ダン「ツーっ……!」

ヤムチャー! イジミセロー!

ダン「……スリ」


ヤムチャ「……うおおっ!」グイッ

バイソン「……何っ!?」


実況「いやっ、ヤムチャも力を振り絞るっ! カウントは2.8だ! 2.8! ギリギリの所で何とか返したぁ!」

元「よく、粘った。危なかった」


ダン「カウントはツーだ! カウントツー! まだ、終わっちゃいねぇぞ!」

ワー! ワーワー!

ヤムチャ「うっ、ううっ……負けてたまるかっ……!」

バイソン「……チッ、死に損ないがウザってぇなぁ」

321: 名無しさん 2015/02/10(火) 22:39:22 ID:M7T45NlA
サガット「構わん、バイソンっ! どうせ、ソイツは虫の息だ! 楽にトドメを刺してやれ!」

バイソン「……了解っと」

サガット「……俺はリュウの動きを止めておく。任せたぞ、バイソン」

リュウ「……来るか、サガット」


実況「何とか返したヤムチャだが……今のが最後の力だったのか!? おっと、ここでサガットはリュウを追って、場外へと行ったぁ!」


ダン「おい、サガットっ! 何やってんだ、場外行くんじゃねぇよ! 自軍コーナーで大人しく控えてろ!」

サガット「さぁ、ここで戦おうか、リュウよ……今日こそ、お前達を潰してやる……」

リュウ「……来い、サガット!」

322: 名無しさん 2015/02/10(火) 22:43:31 ID:8eq5SMks
サガット「フンっ……!」ガスッ

リュウ「くっ……! くそっ、はぁっ……!」シュッ

サガット「うおっと……! いい蹴りではないか……」

ダン「やりあってんじゃねぇよ、この糞ボケ! 話聞いてんのか、レフェリーの俺の話をよぉ!?」


実況「さぁ、何とか返したヤムチャだが、以前ピンチは続いている! 場外では、リュウとサガット! そしてケンとバルログが、やりあっています! レフェリーの警告は今は耳に入らない状況か!?」


ケン「ヤムチャは何とか返したか……だけど、このままじゃヤベぇだろ……」

バルログ「何処を見ているんですか……? 貴方の相手は私ですよ、ヒャオっ!」ガスッ

ケン「あぁ、クソっ……! しつけぇ野郎だな……このタコがっ……!」


ダン「お前ら、話聞けよ! ノーコンテストにするぞ!? ノーコンテストでもいいのか、この野郎っ!」

323: 名無しさん 2015/02/10(火) 22:47:09 ID:9.OL4vS2
バイソン「お~、お~、上手い具合にサガット達が引きつけてくれてるな……では、その隙にっと……」

ヤムチャ「……ううっ」

バイソン「よっと……ほ~れ、ヤムチャ君~? 覚悟は出来てるかな……?」ニヤニヤ


実況「おっと、ここでバイソンがゆっくりとヤムチャに近づき、仰向けの体勢の上にずっしりと乗っかったぁ! マウントポジションの体勢だぁ!」


バイソン「ヘイヘイヘ~イ……覚悟はいいかい……? オラっ……!」ゴスッ

ヤムチャ「……くあぁっ」

バイソン「ホレホレ……ボクシング仕込みのパンチを……味わいなっ……!」ガスッ

ヤムチャ「……あがっ」


実況「そして、そのままヤムチャの顔面にパンチ攻撃っ! ラフ殺法です! マウントポジションからのパンチ連打を浴びせていきます!」

元「……パンチは反則です」

ブー、ブーブー

実況「これには場内からも大ブーイングっ! だがしかし、バイソンは気にする事なく、ヤムチャにパンチの連打を浴びせていく!」


バイソン「へへへ、こいつはいいサンドバッグだなぁ、オイっ!」ガスガス

ヤムチャ「あぁっ……うあぁっ……」

324: 名無しさん 2015/02/10(火) 22:54:26 ID:8eq5SMks
レフェリー、ナニヤッテンダ! バイソンヲトメロー!

ダン「……んっ?」


バイソン「オラオラオラっ! くたばりやがれ、このカスがっ!」ガスガス

ヤムチャ「ううっ……うあぁっ……」

ダン「おい、何やってんだ、バイソンっ! 拳は反則だろ、拳はよぉ!」


実況「さぁ、ここでレフェリーが気づいたっ! 慌てて、バイソンを止めに入ります!」


バイソン「うるせぇ! これがバイソン様のやり方だ! 邪魔するんじゃねぇよ!」

ダン「拳は反則なんだって……! いいからやめろっ!」

バイソン「こいつが、さっきので大人しくやられてれば、こんな目に合わなくて済むんだよぉ! 大人しく、やられなかった自分を呪いな!」

ダン「だからって、反則を使っていい理由にはならないっ! いいから、やめろっ!」

バイソン「うるせぇっ! お前はもう、黙ってろっ!」ドンッ

ダン「……う、うおぉっ!」ドテーンッ


実況「おっと、だがしかしバイソンも止まらないっ! 静止に来たレフェリーを突き飛ばしました!」

元「うわぁ、あぁもう……危ないよ、レフェリーの人も大丈夫……?」

実況「派手に突き飛ばされ……レフェリーも立ち上がる事が出来ません! 少しばかりバイソンも暴走気味か!?」

325: 名無しさん 2015/02/10(火) 22:59:17 ID:9.OL4vS2
バイソン「さぁさぁ、これは邪魔者はいなくなった……それじゃあ、続けていくぜ……?」

ヤムチャ「……ううっ」

バイソン「オラッ……!」ガスッ

ヤムチャ「……くあっ」

バイソン「もう一丁っ……!」ゴスッ

ヤムチャ「……うあっ」


ブー、ブーブー

実況「さぁ、リングの上は完全に無法地帯と化してしまったぁ! 容赦なく、ヤムチャにパンチを浴びせるバイソン!」

元「……ヤムチャ君も危ないねぇ」

実況「ヤムチャも大ダメージでグロッキー状態か!? なす術なく、バイソンにやられています!」


バイソン「へへへ、いい様だなぁ……? ヤムチャよぉ……?」ガスガス

ヤムチャ「うっ……ううっ……」

326: 名無しさん 2015/02/10(火) 23:10:48 ID:8eq5SMks
サガット「いいぞ、バイソン……もっとやってやれ……」

リュウ「……はぁっ!」シュッ

サガット「うぐっ……! おっと、危ない……こっちにも集中せんとな……なんせ、相手はリュウだ……」

リュウ「はぁっ……! たあっ……!」シュッシュ

サガット「しなやかでいい蹴りだ……だが、肝心のパワーが足りんな……今度はこっちの番だ……!」

リュウ「柔よく剛を制す……! 言葉の意味、知ってるか、サガット……!?」

サガット「……知らんな。興味もない」

リュウ「そうだろうな……だったら、その身を持って教えてやるっ! 次は柔道技だっ……!」シュンッ

サガット「素早いっ……! くっ、リュウ……下かっ……!?」

リュウ「……その通りだっ! さぁ、いくぞ、うおおおぉぉぉっ!」グイッ

サガット「柔道技……う、うおっ……! しまった、巴投げか……!?」

327: 名無しさん 2015/02/10(火) 23:14:09 ID:8eq5SMks
ブー、ブーブー

バイソン「ヘッ、ブーイングなんて知ったこっちゃねぇ! オラオラっ!」ガスガス

ヤムチャ「ううっ……くあぁっ……」


実況「バイソンがヤムチャをタコ殴り! こいつは空手軍団、絶対絶命か!?」

元「……いやっ、リュウ君がいい動きしてるよ?」

実況「……ん?」


リュウ「……うおおおぉぉっ!」

サガット「……うぐっ!」ドスッ


実況「おっと、リュウが場外でサガットに対して、モンキーフリップ! 柔道の巴投げのようにサガットを後方へ投げ飛ばしました!」

元「……あそこで投げられるのは痛いよ~? マットが敷いてるだけだからね」


サガット「うっ、くそっ……少々、油断したか……」

リュウ「よしっ、これで邪魔者はいなくなった……! 今、行くぞっ!」


ワー! ワーワー!

実況「さぁ、ここでリュウが素早くリングインっ! ヤムチャの救出へと走るっ!」

328: 名無しさん 2015/02/10(火) 23:21:15 ID:8eq5SMks
バイソン「オラオラオラっ! くたばりなっ!」ガスガス

ヤムチャ「ううっ……うあぁ……」

リュウ「……バイソンっ!」

バイソン「……んっ?」

リュウ「汚い事ばかりしてるんじゃないぞっ……! だああぁぁぁっ!」バスーンッ

バイソン「おぉっ……うおおっ……!」バターン


ワー! ワーワー!

実況「そしてバイソンの胸元に熱~いキックをお見舞いだぁ! これにはバイソンもダーウンっ! ヤムチャを救出したぁ!」

元「ヤムチャ君も危なかったでしょうからね……よく入ってきてくれましたよ、リュウ君」


リュウ「まだまだ、こんな物じゃないぞ、バイソンっ! 立てっ!」グイッ

バイソン「あががが……くっ、くそっ……舐めやがって、タコが……」


実況「リュウはそのままバイソンを引き起こします! 行けっ! やりたい放題のバイソンに制裁を与えてしまえっ!」

329: 名無しさん 2015/02/10(火) 23:27:44 ID:8eq5SMks
リュウ「いくぞっ! 昇龍拳っ!」ガスッ

バイソン「……う、うがああぁぁっ!」


イイゾー! リュウー!

実況「さぁ、決まったぁ! 昇龍拳っ! 的確にバイソンの顎を捉え……そして打ち抜いたぁ!」


バイソン「ううっ……くそっ……リュウの野郎が出てくるとは……ここは逃げるが勝ちだ……!」ゴロゴロ


実況「バイソンは大きくダウンします! いや、おっと……! そのまま転がるようにしながら場外へとエスケープ! 一旦、逃げます!」

元「……逃げ足早いねぇ」


リュウ「ヤムチャ! しっかりしろ!」

ヤムチャ「うっ、ううっ……リュウさん……ありがとうございます……」

リュウ「後は俺に任せろっ! 次は俺が行くっ!」

ヤムチャ「そうっすね……俺も、もう……限界っす……」


実況「リュウも必死にリングの上でヤムチャに声を掛けているっ!」

元「……うん、これ以上ヤムチャ君を引っ張るのは、危ないと思うよ。僕も」

330: 名無しさん 2015/02/10(火) 23:37:08 ID:8eq5SMks
リュウ「俺は、コーナーにいるから……! ゆっくりでもいい! なんとか、こっちまで来いっ!」

ヤムチャ「うっ、ううっ……そうします……」

リュウ「……おい、レフェリー、あんたも大丈夫か? しっかりしろ」

ダン「くそっ……滅茶苦茶やりやがって……バイソンの野郎……」ムクッ

リュウ「怪我はないか? しっかりしろ、今から交代するから……そこだけは、しっかり見ておいてくれよ、レフェリー!」

ダン「おう……頭打ってまだクラクラするけどよぉ……? そこだけは、しっかり見ておいてやるぜ……? ちゃんと俺が見てねぇと、試合が成立しねぇからな……」

リュウ「よしっ、ヤムチャ……! 最後の力を振り絞るんだ、あと少しだ!」

ヤムチャ「う、うっす……!」ズルズル


実況「さぁ、リュウはレフェリーにも声を掛け……そしてコーナーへと引き下がります! ヤムチャも何とか、ここで交代したいっ!」


リュウ「ケン、バルログは任せるぞ! 今は邪魔されたくない! 何とか抑えておいてくれ!」

ケン「任せておきな……こんな野郎……俺の手にかかれば、ちょちょいのちょいだぜ……」

バルログ「フン……舐めた真似を……」

331: 名無しさん 2015/02/10(火) 23:42:11 ID:8eq5SMks
リュウ「ヤムチャ、もう少しだ! 頑張れっ!」

ヤムチャ「うっす……わかってます……!」ズルズル


ヤムチャー! ガンバレー!


ヤムチャ「くそっ……俺じゃあ、何も出来なかった……」ズルズル

リュウ「……」

ヤムチャ「悔しいけど……後はリュウさんに、任せます……今そっちに行きますよ……」ズルズル


ヤムチャー! モウスコシダー!


ヤムチャ「俺の……仇、打って下さい……リュウさんっ……!」ズルズル

リュウ「……」

332: 名無しさん 2015/02/10(火) 23:45:49 ID:Aec0RjBk
リュウは何を思ってるか気になるな

333: 名無しさん 2015/02/10(火) 23:49:21 ID:8eq5SMks

剛拳『リュウ! 何をやっとる! 早くこっちに来いっ!』

リュウ『はい、師匠……今、行きます……』ズルズル


リュウー! ガンバレー!


リュウ『くっ……師匠、俺じゃあ力不足でした……』ズルズル

剛拳『この戯け者めっ! 何を情けない事を抜かしておるっ! お前はよくやったわ!』

リュウ『くそっ……後は師匠に任せます……今、そちらに向かいます……』ズルズル


リュウー! モウスコシダー!


リュウ『自分の……仇、打って下さい……師匠っ……!』ズルズル

剛拳『当たり前じゃ! 自分の弟子がやられて黙っておる師匠がいるか! 早く来いっ! そして、師の背を見て学べっ!』

リュウ『……はいっ!』ズルズル

剛拳『おい、何をボケっと見ておる! お前も声を出さんかぁ! リュウを応援しろっ!』ゴチン

ケン『……痛ぇ、殴る事ないでしょう、師匠? 今、試合中ですよ?』

334: 名無しさん 2015/02/10(火) 23:54:59 ID:8eq5SMks
リュウ「……」

ヤムチャ「……ううっ、後少しだ!」ズルズル


実況「さぁ、ヤムチャが懸命に自軍コーナーへと近づく! 交代出来るのか!?」

元「……おっ、ケン君もいい動き」


ケン「……邪魔なんだよ! ほら、しばらく寝てなっ!」グイッ

バルログ「……うおおっ!」ドシーンッ

ケン「おらあぁっ! また圧勝だな! こっちはお前ごときに構って暇はねぇんだ……! それじゃあな!」


実況「おっと、ケンも場外でジャンピングネックブリーカードロップを仕掛け、バルログの身体を固いマットへと叩きつけたぁ! バルログは場外で大の字!」

元「これで邪魔者はいなくなりましたね」


ケン「よっと、ヤムチャ! 何してやがる、早くこっちに来いっ!」ピョン

ヤムチャ「うっす……! わかってます、ケンさん……!」

ケン「おい、リュウ! 何やってんだ、おめぇも声出せや!」

リュウ「……あぁ」


実況「そしてエプロンサイドにピョンと飛び乗り、ヤムチャに声を掛けます! さぁ、その距離残り30センチといった所か!?」

335: 名無しさん 2015/02/11(水) 00:01:05 ID:dJ5jnw1U
ヤムチャー! ガンバレー!


ヤムチャ「これが、最後の力だ、うおおおぉぉっ……!」ググッ

ケン「リュウ、お前の出番だ。好き放題暴れてくれ」


実況「さぁ、ヤムチャが最後の力を振り絞ったか!? 手を伸ばしたぁ!」


リュウ「……よし、行こう! やってやる!」パシッ

ヤムチャ「後は、頼みますっ……!」パシッ


実況「そして、リュウもそれに応えたぁ! ここでタッチが成立! 試合権はリュウへと移りましたぁ!」

元「まぁ、ヤムチャ君も頑張ったんじゃない?」


ワー! ワーワー!

リュウ「……行くか」


実況「さぁ、リュウがロープを跨いで、今リングイ~ン!」

348: 名無しさん 2015/02/11(水) 21:56:57 ID:Wrcmi/jc
リ・ュ・ウ! リ・ュ・ウ!

リュウ(背を見て学べ、か……技は確かに、マスターした……だが、何かが違う……何かが違う気がする……)


実況「さぁ、ようやくリュウが出てきたぁ! 会場からは待ってましたと言わんばかりのリュウコールっ!」


バイソン「うるせぇんだよ、糞が! バイソンコールをしろ、バイソンコールをよぉ!」


実況「さぁ、場外にいるバイソンも、リュウの威圧感に圧されているのでしょうか!? 私には、戸惑っているようにも、思えますっ!」


バイソン「糞実況が、好き放題言いやがって……上等じゃねぇか、リュウ相手でもやってやるよ……! オイっ、サガット、バルログっ!」

サガット「……ううっ」

バルログ「……くっ!」

バイソン「何、寝てやがるっ! とっととコーナーに戻ってくれ! 出来る限りやってやるが……リュウ相手じゃ、このバイソン様もいつまでも持たねぇぞ!」

サガット「ううっ……くそっ、リュウに代わられたか……」ムクッ

バルログ「くそっ……後、少しだったのに……」ムクッ

バイソン「よしっ、行くぜっ……! 俺の後ろには、サガットが控えてるんだっ! やれる所まで、やってやるよっ!」


実況「さぁ、バイソンも覚悟を決めたかぁ!? 素早くリングインしますっ!」

349: 名無しさん 2015/02/11(水) 22:05:19 ID:Wrcmi/jc
リ・ュ・ウ! リ・ュ・ウ!

バイソン「ピーピーギャーギャーうるせぇんだよ、この野郎! うおおっ、行くぜ、リュウっ!」ダダッ

リュウ「来い、バイソン!」


実況「さぁ、リングインしたバイソンが猛スピードでリュウに突っ込むっ!」


バイソン「うおおぉぉっ! 行くぜええぇぇっ、リュウっ!」

リュウ「……フンッ!」


実況「何というバイソンの表情だっ! バイソンが鬼の様な形相で、リュウに向かってくるっ!」

元「……いや、でもリュウ君、臆してませんよ」

実況「おっと、リュウもカウンターで狙っているか!? 身体ごと大振りに構えたぁ!」


バイソン「行くぜっ! バイソン式アックス……」

リュウ「……はああぁぁぁっ!」ゴスッ

バイソン「あっ……うぐっ……!」ヨロッ


実況「おっと、タイミングを合わせて、大振りの正拳付きをカウンターでバイソンのボディにヒットさせるっ! バイソンの身体が大きく大きくフラつきます!」

350: 名無しさん 2015/02/11(水) 22:11:45 ID:Wrcmi/jc
イイゾー! リュウー!

バイソン「う、うぐっ……くそっ……」ヨロヨロ

リュウ「まだまだだ、バイソンっ!」


実況「さぁ、そしてリュウはフラついているバイソンに、素早く距離を詰めて……」


リュウ「鳩尾砕きだっ! うおおおっ!」ガスッ

バイソン「……うぐっ!」


実況「攻撃の手を休めないっ! 踏み込みつつのボディブロー!」


リュウ「まだまだっ! はぁっ!」ガスッ

バイソン「……うがっ!」


実況「そして、低い体勢からの肘打ちィ! エルボーバットだぁ!」


リュウ「うおおぉぉっ! はああぁっ!」ゴスッ

バイソン「……うごおぉぉっ!」グラッ


実況「さらに、カチ上げ式のエルボーバットっ! 身体を伸ばす勢いも利用して、打ち込んだぁ! 顎にヒットしたか!? バイソンは大きくぐらつきます!」

元「カウンターから、うまくラッシュに持っていきましたね。このまま、大きいのいっちゃいましょう」

351: 名無しさん 2015/02/11(水) 22:19:58 ID:Wrcmi/jc
イイゾー! リュウー!

リュウ「……フンッ!」ググッ

バイソン「……うおっ!」


実況「さぁ、リュウは横から、大きくグラついたバイソンの腰回りに手を回してクラッチさせるっ!」


リュウ「いくぞっ! うおおおっ!」ググッ

バイソン「うおおっ……うおおおっ……!」


実況「さぁ、持ち上げたぁ! そのまま後方へとバイソンの身体を、落としていくっ!」

元「サイドスープレックスですね。いいですよ」


リュウ「うおおぉぉっ……! だああぁぁぁっ!」ドシーンッ

バイソン「……うぐううぅぅっ!」


実況「流れるような連続攻撃から、そのままスープレックスへと持っていったぁ! バイソン、大きくダーウンっ!」

元「いいですよ。ダメージ大きいと思います」

352: 名無しさん 2015/02/11(水) 22:26:53 ID:Wrcmi/jc
ワー! ワーワー!

リュウ「まだまだだ! いくぞっ!」


実況「おっと、そしてリュウは素早くコーナーまで移動して……コーナポストへと登ります!」

元「いいですよ、一気に決めちゃいましょう!」


イケー! リュウー!

リュウ「ミサイル竜巻旋風脚だ……バイソン、次にお前が立ち上がった時が最後だ……!」

バイソン「……うっ、ううっ」


バルログ「……くっ、リュウの奴まで調子に乗り始めたか!」

サガット「フン……今のうちにせいぜい暴れ回ってスタミナを消費しておくがいいさ、リュウ……お前の相手はこの俺だ……」

353: 名無しさん 2015/02/11(水) 22:37:10 ID:Wrcmi/jc
ケン「おい、ヤムチャ! ここでリュウに決めてもらうぞ。俺はバルログが邪魔しねぇように、見張っておくから……お前はサガットの野郎を見張っておきな……!」

ヤムチャ「うっす……! 頑張りますよ……!」

ワー! ワーワー!

リュウ「さぁ、バイソン……早く、起き上がれ……」

バイソン「ううっ……ううっ……」


実況「さぁ、空手軍団もここで決めに行ったか!? コーナーにいるケン、そしてヤムチャも、場外にいるサガットとバルログの動きを警戒している模様です!」


ヤムチャ「結構、やられてるけど……必ず、お前の動き止めてやるからよぉ……?」

サガット「……安心しろ、お前みたいな死にぞこないに興味はない。バイソンは必ず立ち上がるさ」

ヤムチャ「……あいつ、仲間の事、心配すらしてねぇのか」

サガット「勿論、心配してるよ……だから、交代の準備をしているんじゃないか……」

354: 名無しさん 2015/02/11(水) 22:43:39 ID:Wrcmi/jc
バイソン「……ううっ、くそっ! リュウの野郎め」ムクッ

リュウ「……よしっ!」


実況「さぁ、今バイソンがゆっくり起き上がったぁ! そして、リュウも狙いを定めたか!?」


バイソン「ありゃ……? ありゃ……? リュウの野郎は何処行った……?」キョロキョロ

リュウ「後ろだっ! バイソンっ!」

バイソン「……んっ?」クルッ


イイゾー! リュウー! イケー!

実況「さぁ、そしてリュウが跳んだああぁぁぁっ!」


リュウ「これで終わりだっ! ミサイル竜巻旋風脚っ! うおおおぉぉっ!」ズガアアァァ

バイソン「……う、うおおおぉぉっ!」バターン


実況「コーナーポストからのミサイル竜巻旋風脚がバイソンにクリーンヒットォ! バイソンは大きくダウンします!」

355: 名無しさん 2015/02/11(水) 22:52:34 ID:Wrcmi/jc
ワー! ワーワー!

リュウ「さぁ、これで終わりだ! レフェリー、カウントを取ってくれ!」

ダン「オーケー! 任せておきな!」


実況「さぁ、そしてリュウがフォールに入ったぁ! これで決まりかぁ!?」


バルログ「くっ、バイソンが危ないっ! 助けに行かないと!」

ケン「ヘイヘイ、そこでお前は控えてな! 雑魚が!」

バルログ「……雑魚だと、この野郎」


実況「さぁ、場外にいるバルログもバイソンの救出に走ろうとしているが……そこは、ケンが睨みを効かせている! リングインさせませんっ!」

ダン「よっしゃ、カウント行くぜっ!」

実況「そして、今レフェリーがカウントを取り始めたぁ!」

356: 名無しさん 2015/02/11(水) 22:58:33 ID:Wrcmi/jc
ダン「ワンっ……!」

ワー! ワーワー!

ダン「ツーっ……!」

ワー! ワーワー!


サガット「……よっと」ガシッ

ダン「スリ……んっ……?」

サガット「お前は、少しこっちへ来い……ほれほれ……」グイグイ

ダン「う、うおっ……! 何しやがる……引っ張るんじゃねぇよっ……!」


リュウ「……レフェリー!?」


サガット「ほれほれ……お前も場外で寝ておきな……! お前に仕事をされては、こっちは困るんだよ……!」

ダン「う、うわあああっ! 助けてくれええぇぇっ!」ズルズル


実況「お~っと、何という事だ!? サガットが、場外からレフェリーの足を掴み……そのまま場外へと引きずり出しました! これではカウントが取れませんっ!」

元「もう、これは反則とかいう次元ではありませんね」

357: 名無しさん 2015/02/11(水) 23:03:40 ID:NWCFEBLk
なるほど、その手があったかw
プロレス以外なら一発退場だな

358: 名無しさん 2015/02/11(水) 23:08:25 ID:Wrcmi/jc
バルログ「いいですよ、サガット! ナイスです!」

ケン「ん……? お、おい……! ありゃ、どうなってんだ、ヤムチャ!?」

ヤムチャ「い、いやぁ……俺にもさっぱり……」

ケン「さっぱりじゃねぇよ! サガットの事見張っておけって言ったよなぁ!?」

ヤムチャ「言われましたけど……まさか、あんな事するとは、思ってもなかったんですよ!?」


実況「おっと、コーナーでケンとヤムチャも慌てているんでしょうか? これは、サガットの強引なカット……成功と言ってもいいんですかね?」

元「まぁ、成功じゃない? 反則だけど……」


サガット「……フンッ!」ズルッ

ダン「うおおおぉっ……! んがっ!」ガンッ

サガット「こいつがリングの上にいなければ……いくらバイソンがダメージ受けていようとも、3カウントは取れんさ……」


実況「サガットが乱暴にレフェリーを場外へと放り出します! おっと、今レフェリーで鉄柵で頭を打ったか?」


ダン「痛ぇ……また、頭打った……今日、俺二回目……」

リュウ「おいっ、レフェリー! 大丈夫か!?」

359: 名無しさん 2015/02/11(水) 23:16:24 ID:Wrcmi/jc
ブー、ブーブー

実況「さぁ、勝負に水を差したサガットに対して、場内から大ブーイング! リュウをロープに足をかけ、リング内から場外にいるサガットに対して、何やら言っております!」


リュウ「いい加減にしろっ! サガット!」

サガット「……何を言ってるのか、さっぱりわからんなぁ?」ニヤニヤ

リュウ「レフェリーにまで、手を出す事はないだろう!?」

サガット「これが俺のやり方だ……どうやら、お前とはウマが合わん様だな……」

リュウ「戦うなら、正々堂々と戦え!」

サガット「これが、シャドルーのやり方だ……」

リュウ「……何だと!?」


実況「さぁ、リュウかなり苛立ってるんでしょうか? どうやら、サガットに対してかなりの文句言っている模様です!」

元「もう、サガット君は無視した方がいいよ。ほら、バイソン君が……」


バイソン「へへへ、サガットちゃん……ありがとよ……このチャンス……生かさせてもらうぜ……」ユラーリ

360: 名無しさん 2015/02/11(水) 23:23:36 ID:Wrcmi/jc
サガット「そして、これもシャドルーのやり方だ……今から見せてやる……」

リュウ「……何?」


バイソン「うおおおぉぉぉっ! バイソン、いっきまぁ~す!」ダダッ


実況「バイソンがリュウに突っ込んだぁ! リュウはサガットを気にして、完全に背後を見せている! これは危ないっ!」


ケン「リュウ! 危ないっ!」

ヤムチャ「後ろから来てますっ!」


バイソン「一緒に場外で仲良くやりましょう! うおおおっ! 全体重乗せていくぜええぇぇっ!」ズガアアアッ

リュウ「……うぐあああぁぁっ!」グラッ

バイソン「うおっと、勢いつけ過ぎちまったか……! だが、これも計算済みだっ!」グラッ


実況「そして、後ろから体重を乗せたアックスボンバー! おっと危ない! リュウとバイソンの身体がもつれるようにして、場外へと揃って落下しましたぁ!」


リュウ「……ぐっ!」ドスッ

バイソン「……ぐえっ!」ドスッ

サガット「さぁ、リュウ……今は、レフェリーがいなく、ノールールだ。ここで思う存分やり合おうか……?」

361: 名無しさん 2015/02/11(水) 23:31:29 ID:Wrcmi/jc
サガット「おい、そこの君……? 少し椅子を借りるぞ……?」

男「えっ……? 俺っすか……!?」

サガット「遠慮する事はない……これで君もシャドルーの一員だ……ほら、早くしろ……」

男「あっ、はい……」


実況「落下した場外にはサガットが待っていたぁ! 早速、パイプ椅子を手に取ります!」


サガット「さぁ、いくぞ……? リュウ……」

リュウ「く、くそっ……」

サガット「……フンッ!」バチーンッ

リュウ「……ぐああああぁぁっ!」


実況「早速、ダウンしているリュウにパイプ椅子攻撃を一発っ! その背中に打ち込みます!」

362: 名無しさん 2015/02/11(水) 23:36:42 ID:Wrcmi/jc
ケン「やべぇ、リュウがサガットに捕まってやがる……! ヤムチャ、助けに行くぞ!」

ヤムチャ「うっすっ!」

バルログ「そうはさせませんよ! ヒャオッ!」ガスッ

ケン「あっ、くそっ……こいつ、また絡んできたか……しつけぇ野郎だな……」

ヤムチャ「ケンさんっ!」

ケン「ここは、俺一人に任せておきな……! おめぇは、リュウの事助けに行ってやれ……! ほら、早く!」

バルログ「大した自信ですねぇ……? 貴方一人で私に勝てるとでも思っているんですか……? ヒャオッ!」ガスッ

ケン「自信じゃねぇよ、確信だ! オラ、ヤムチャ! とっとと助けに行けっ!」

ヤムチャ「わかりました……! そいつの事は任せますっ……!」

ケン「おう、こっちの事は俺に……任せておきな……! うるぁっ!」ガスッ

バルログ「……ぐっ!」


ヤムチャ(今日の打ち合わせはリュウさんの場面は、あってなかったようなもんだからな……この攻防は想定外だ……だから出たとこ勝負するしかねぇ……さぁ、どうする……場外での、四人の乱戦……そこで、どういった行動をするか……)

363: 名無しさん 2015/02/11(水) 23:42:03 ID:Wrcmi/jc
サガット「オラっ! もう一発っ!」バチーンッ

リュウ「……うぐっ!」


ブー、ブーブー

実況「さぁ、レフェリーが負傷中なので、場外カウントが取られる事もなければ……反則行為が咎められる事もない、完全な無法地帯だ! それをいい事に、サガットはリュウの背中にパイプ椅子攻撃を、もう一発!」

元「あら、知らない内にケン君とバルログ君も、やりあってるよ……」


ケン「オラオラ、行くぜっ!」ガスガス

バルログ「ヒャオッ……! ヒャオッ……!」


実況「おっと、捕まっているリュウの逆サイドの場外で、いつの間にやらケンとバルログもやりあっている模様です。こいつは、リュウ助けに行けないか!?」

元「……いや、ヤムチャ君は向かっています」

実況「……んっ?」


ヤムチャ「くっ……くそっ……! 今、助けに行きますよ……!」


実況「おっと、ヤムチャ場外から回り込みリュウの元へと向かっています! しかし、その足取りは何処か重そうだ! やはり、バイソンからの攻撃でのダメージが残っているのか!?」

元「おそらく、そうでしょうけど……ここで踏ん張らないと、リュウ君がもっと危なくなります。頑張りましょう」

364: 名無しさん 2015/02/11(水) 23:46:46 ID:Wrcmi/jc
バイソン「へへへ、サガットちゃん、調子いいじゃねぇか?」ムクッ

サガット「おう、バイソン……ようやく起きたか……お前も早く、椅子を持って来い……二人でコイツをタコ殴りにしよう……」

バイソン「了解っと! じゃあ、今すぐ椅子を……」


ヤムチャ「お前ら、何やってんだ、この野郎っ!」


サガット「……ん?」

バイソン「……何だぁ?」


実況「さぁ、ここでヤムチャがリュウの元へと駆けつけたっ! 兄弟子の救出に駆けつけたぁ!」


ヤムチャ「男だったらなぁ……! 正々堂々と戦いやがれこの野郎!」

バイソン「何だコイツ……まだ殴られ足りねぇのか、馬鹿野郎……」

サガット「……フン、バイソン相手してやれ」

リュウ(おいおい……場外で大丈夫なのかよ……? ちゃんと出来るのかよ、こいつ……?)

365: 名無しさん 2015/02/11(水) 23:54:58 ID:Wrcmi/jc
ヤムチャ「うるああぁぁっ! バイソン行くぜっ!」ダダッ

バイソン(……多分、ヤムチャ君の考えてる事は)


実況「さぁ、ヤムチャが突っ込んだ! 狙いはバイソンか!? 猛スピードで突っ込んでいくっ!」


バイソン「オラッ! カウンターだっ! アックスボンバーだっ!」ガスッ

ヤムチャ「……うげっ!」バターン


実況「おっと、だがしかしカウンターでのバイソンのアックスボンバー! ヤムチャ、リュウを助けれませんっ!」

元「……まぁ、やっぱりダメージも多かったんだろうね」


ヤムチャー! シッカリシロヨー!

ヤムチャ(これでいいんだ……俺は、今日のメンバーの中で一番弱い存在……だから、こうやってやられよう……)

バイソン「……ケッ、何だ。相手にもなんねぇよ」

ヤムチャ(あれだけタコ殴りにされたんだから……もう、俺には殆ど体力も残ってねぇだろ……だから、ここではこうやって、あっさりやられた方がいいだろう……)

382: 名無しさん 2015/02/12(木) 22:02:59 ID:DgHQx.hY
ヤムチャ(……だけど、これで終わりじゃねぇぞ)ガシッ

バイソン「さて、じゃあ、二人掛かりでリュウの野郎を……ん……?」

ヤムチャ「まだだ……まだ、俺は終わっちゃいねぇぞ……バイソンっ……!」

バイソン「……惨めったらしく、足掴んでんじゃねぇよ。椅子、取りに行けねぇだろうが」

ヤムチャ「させるか……! バイソンっ……!」ググッ

バイソン「あ~、ウザってぇなぁ! いいから、とっととその手を離しやがれっ! 馬鹿野郎っ!」ブンブン

ヤムチャ「逃がさないっ……逃がさないぞ、バイソンっ……!」

バイソン「だぁ~、ウザってぇ! おい、サガット! ちょっとこいつを何とかしてくれよ! 俺の、足掴んで離さねぇんだよ!」

サガット「……何をやっている、バイソン。仕方がない、助けてやるよ」


実況「おっと、場外でのバイソンの様子が……?」

元「あ~、ヤムチャ君が足掴んでるね」

実況「おっと、だがしかし、サガットがパイプ椅子を持って、ヤムチャの方へと向かう……サガットが場外でパイプ椅子を持って大暴れだ!」

元「まぁ、反則なんだけどね……シャドルーは上手く二対一の状況を作ってると思うよ。反則なんだけどね」

383: 名無しさん 2015/02/12(木) 22:10:53 ID:DgHQx.hY
バイソン「ヘイヘイ、サガット! 早く早く!」

サガット「そう急かすな……よし、行くぞ、フンッ……!」ガスッ

ヤムチャ「……うごっ!」


実況「さぁ、そしてサガットはヤムチャにもパイプ椅子攻撃っ! パイプ椅子の角でダウンしているヤムチャの土手っ腹を突いていきます! サガット、大暴れだ!」


バイソン「おいおい、サガット……こいつのやられ方、なかなか面白ぇな! もう一発いこう! もう一発っ!」

サガット「ハハハ! よ~し……もう一発いこうか……ホラ、死ねヤムチャっ!」ガスッ

ヤムチャ「……うぐっ!」


ヤムチャー! ナニヤッテンダー!

ヤムチャ(悔しい声援だが仕方ない……ここでは俺は、まだまだ新米なんだからよぉ……だけど、ただやられてるワケじゃねぇぞ……!)

リュウー! シッカリシテー!

ヤムチャ(そうだ、これは囮だっ……! さぁ、リュウさん……声援、来てますよ……! 立ち上がって……そして、俺を助けて下さいっ……!)

384: 名無しさん 2015/02/12(木) 22:17:47 ID:DgHQx.hY
リュウ(……こいつ)ムクッ


バイソン「さぁさぁ、サガットっ! とどめの一発は派手に行こうぜ! ド派手によぉ!?」

サガット「そうだな……では、叩きつけてやろう……!」ググッ

ヤムチャ「……くそっ!」

リュウ(おっと、マズいっ……! 俺が動かないと……!)


実況「おっと、そしてサガットが今度は大きくパイプ椅子を振り上げたぁ! 今度は叩きつける気か!?」

元「いやっ、リュウ君が後ろから行った!」


リュウ「何やってるサガットっ! そんな物、使ってんじゃねぇっ!」グイッ

サガット「う、うおっ……リュウか……!?」


実況「そして後ろから、サガットの振り上げたパイプ椅子を、強引にぶん取ります!」

元「そうそう。凶器なんか使っちゃダメなんですよ。あんな物、使っちゃいけません」

385: 名無しさん 2015/02/12(木) 22:25:11 ID:DgHQx.hY
リュウ「こんな物、使わずに……正々堂々と戦えっ!」ガシャーン

サガット「……楽に勝てるなら、それに越した事はないだろう? これも立派な作戦だ」

リュウ「サガット、何を言う!」


実況「さぁ、そしてリュウはパイプ椅子を放り捨てる! そして、振り向き様サガットに……仕掛けたぁ!」


リュウ「……うおおぉぉっ!」ググッ

サガット「……何っ!?」

リュウ「昇龍拳っ!」ズガアアァァ

サガット「……うおおぉぉっ!」バターン


イイゾー! リュウー!

実況「さぁ、場外で仕掛けた、昇龍拳っ! サガットをダウンさせる!」


ヤムチャ「へへ……リュウさんが、復活したら……俺の役目はもう、終わりだ……バイソン、お前もやられてこい……」ガスッ

バイソン「……この野郎。舐めやがって」

リュウ「バイソン、来いっ!」


ダン「ううっ、ちくしょう……やるなら、リングの上でやり合えってんだ……何やってやがる……」ムクッ

386: 名無しさん 2015/02/12(木) 22:29:44 ID:DgHQx.hY
バイソン「行くぜええぇぇっ! リュウっ!」

リュウ「……フンッ!」ガシッ

バイソン「……あり?」

リュウ「お前は……あっちに行ってろっ! うおおぉぉっ!」ブンッ

バイソン「うおおぉぉっ……! お、おいっ……! 鉄柵だって……鉄柵だってよぉ!?」


実況「さぁ、そしてリュウはバイソンの身体を鉄柵の方へと振り投げる! お客さん、注意して下さいっ!」

元「うん、とにかく今は、あぁやって二対一の状況を切り崩していかないとね」


バイソン「……ぐおおおぉぉっ!」ガシャーン

キャー、キャーキャー

リュウ「……よしっ!」


ダン「あぁ、もう滅茶苦茶じゃねぇか……とにかく、俺がなんとかしねぇと……!」


実況「さぁ、バイソンの身体が激しく鉄柵にぶつかる! おっと、ここでレフェリーが起き上がり、急いでリングへと戻った!」

387: 名無しさん 2015/02/12(木) 22:38:36 ID:DgHQx.hY
ダン「あぁ、くそっ……1……2……」


実況「ようやく、ここで場外カウントが取られ始めました!」

元「まぁ、遅かったけどね……とにかく、戦うならリングの中で戦いましょう。リングの中で」


ダン「早く戻って来い……! 3……4……」


サガット「あぁ、くそ……してやられたな……」ムクッ

リュウ「……サガット」


ダン「何やってんだ、オラっ! 5……6……」


サガット「……続きは、リングの中だな。リュウ、かかって来い」

リュウ「……」

ヤムチャ(……ふう、上手くやれたかなぁ? やっぱり、出たとこ勝負は緊張するな)

388: 名無しさん 2015/02/12(木) 22:45:40 ID:DgHQx.hY
バイソン「あぁ、くそ……場外カウントかよ……面倒臭いな……」ムクッ


バルログ「チッ……レフェリーが復活してしまいましたか……」

ケン「……早く、戻った方がいいんじゃねぇの? このままじゃ、ノーコンテストになっちまうぞ?」

バルログ「……フン。言われなくとも」


実況「さぁ、レフェリーの復活によって、ようやく試合も落ち着いてきたか? 場外で暴れていた各々がそれぞれの陣営に、戻ろっていきます。バイソンはフラつきながらもリングインしたぁ!」


ダン「オラっ、何やってんだ、リュウ、お前もだ! 7……8……」

リュウ「……」

389: 名無しさん 2015/02/12(木) 22:49:21 ID:DgHQx.hY
サガット「……バイソン、まだやれるか?」

バイソン「正直、もう限界……サガットちゃん、交代しよう……」

サガット「まぁ、よくやってくれたよ……よし、交代するか……」


実況「さぁ、リュウは中々リングインをしない……! その間にシャドルーは作戦会議でしょうか? コーナーにもたれ掛かっているバイソンとサガットが、何やら話しています」

元「まぁ、代えてくるんじゃない? シャドルーも、サガット君に」


ダン「おい、リュウ、何やってんだ! 早くリングインしろっ! 9……10……」


リュウ「……おい、ヤムチャ。大丈夫か?」

ヤムチャ(……ん?)


実況「おっと、リュウはその場に屈みこんで何やら、ヤムチャに声を掛けております!」

元「……まぁ、ねぇ、ヤムチャ君の事も気がかりなんでしょう」

実況「しかし、場外カウントは、もう10だ! あまり長々とヤムチャに構っている時間もないぞ!?」

390: 名無しさん 2015/02/12(木) 22:54:34 ID:DgHQx.hY
剛拳『ほら、リュウ、 立たんか! 情けない姿を見せるんではないっ! それでも我が弟子か!』

リュウ『師匠……場外カウントが取られてます……早く、戻って下さい……』

剛拳『まだ、半分残っておる! お前を放っておけるか!』

リュウ『自分に構ってたら……場外負けになってしまいます……』

剛拳『19までは、問題無しっ! ほれ、とっとと立たんか……!』

リュウ『……俺は、大丈夫です。早く行って下さい!』

剛拳『まぁ、もう少し、ここにいてやるとするかの……休憩じゃ。休憩、休憩』

リュウ『師匠……!』

391: 名無しさん 2015/02/12(木) 22:59:35 ID:DgHQx.hY
リュウ(……何をやってるんだ、俺は)

ヤムチャ「リュウさん……カウントが取られてますよ……戻らないと……」

リュウ「……あぁ、わかってる」

ヤムチャ「俺なんかに構ってたら……場外負けでいい所、見せれませんよ……?」

リュウ(違うんだ……ここのセリフはそうじゃない……そうじゃない……)

ヤムチャ「……俺の代わりに、格好良くアイツらぶっ飛ばして下さいよ」

リュウ(少なくても、あの時の俺は……こいつより、もっと出来てたし……技術も、技もあった……)

ヤムチャ「リュウさん……!」

リュウ(こいつはレスラーとしては、まだまだ役立たずだ……だけど、そのおかげで何かが見えてきたかもしれない……)

392: 名無しさん 2015/02/12(木) 23:05:32 ID:DgHQx.hY
ダン「15……16……!」


実況「さぁ、場外カウントはもう16! おっと、ケンが慌ててリュウとヤムチャの元へ駆け寄ります!」


ケン「おい、リュウ……とりあえず、こいつは俺に任せて……リングインしちまえよ……?」

リュウ「あぁ、わかっている。20カウントが取られる前には戻るさ」

ケン「おう、それがわかってりゃ、いいんだよ」

リュウ(……ケンには、すぐ言葉が出てくるんだけどな。まぁ、ケンとはずっと長くやってるからな)


ダン「17……18……!」


リュウ(まぁそりゃ……いきなりのポッと出が、自分と同じ位置でやってるんだ……そりゃ、認めるわけにはいかねぇよ……)

ケン「おいコラ、ヤムチャ! 情けねぇ姿見せてんじゃねぇよ」

ヤムチャ「いやぁ……まだまだ頑張りますよ……やれるだけの事はやります……」

リュウ(だが、師匠と俺とでは、やはり何かが違う……技のキレなんかは、全てあの時の師匠を越えた自信はある……それでも、何かが違う……)

393: 名無しさん 2015/02/12(木) 23:10:41 ID:DgHQx.hY
ダン「……19!」


リュウ「よし、じゃあケン、ヤムチャ……行ってくるぜ!」

ケン「おう! 張り切って行ってこい!」

ヤムチャ「……お願いします!」


実況「さぁ、カウント19でようやくリュウがリングイン! ヤムチャの事はケンに託します!」


ワー、ワーワー

リュウ「さぁ、行くぞっ……!」

バイソン「……へっ、ようやく戻ってきたか。まぁ、でも俺は引き下がらせてもらうとするぜ。サガット、後は任せたぜ?」パシッ

サガット「おう、任せておけ」パシッ


実況「そして、このタイミングでバイソンはサガットにタッチ! 試合権はサガットに移ります! サガットが今、リングインっ!」

394: 名無しさん 2015/02/12(木) 23:21:49 ID:DgHQx.hY
リュウー! ヤッチマエー!

サガット「……フンッ、大将戦だ。行くぞ」

リュウ「……来いっ!」


実況「さぁ、リング上にはリュウとサガット! リュウとサガットが対峙しております!」

元「ちょっと、ケン君とヤムチャ君が、コーナーにいない状況なんでね……まぁ、リュウ君も気をつけた方がいいでしょう」


ケン「ほれ、肩貸してやるよ……とりあえず、コーナーまで戻るぞ……?」

ヤムチャ「う、うっす……! お願いします……!」


実況「そうですねぇ、ケンはヤムチャに肩を貸しながら、ゆっくりと自軍コーナーに戻っています」

元「この状況……サガット君が見逃すワケないよ……」

実況「また、卑怯な手を使うって事ですかねぇ、元さん?」

元「まぁ、断言は出来ないけどね。だからね、そうならないように……いきなりのラッシュ仕掛けた方がいいんじゃないかな?」

395: 名無しさん 2015/02/12(木) 23:29:52 ID:DgHQx.hY
サガット「さぁ、いくぞ、リュウっ! フンッ!」ガシッ

リュウ「……くっ!」ガシッ


実況「おっと、いきなりサガットがロックアップっ! 組みついてきた! これは、やはり体格差を生かしたパワーで攻めようとしているのでしょうか?」

元「まぁ、そうでしょう」


サガット「フンッ……行くぞっ……!」

リュウ「くっ……させるか……!」ブルブル


実況「強引に行こうとするサガットっ! そして、それを堪えるリュウっ!」


サガット「ハッハッハ! 馬鹿めっ!」クルッ

リュウ「……何っ!?」


実況「いや、そのままサガットはリュウの背後を取ったぁ!」

元「サガット君はねぇ……パワーだけじゃなくて、テクニックもあるからねぇ……」

396: 名無しさん 2015/02/12(木) 23:36:29 ID:DgHQx.hY
サガット「死ねええぇぇっ! バックドロップだああぁぁっ!」ググッ

リュウ「……させるかっ!」


実況「そして、そのままリュウを抱え上げ、バックドロップっ! お、おっとぉ!?」


リュウ「うおおおぉぉっ!」クルンッ

サガット「何っ……!?」


実況「いやっ、これはリュウが上手く返した! 投げられるタイミングに合わせ、上手くバク宙で後方へ飛んで逃げたぁ! サガットの背後に上手く着地します!」

元「いいですよ! リュウ君、身体能力の高さで返しました!」


リュウー! イイゾー!

ケン「よっしゃ! いいぞ、リュウ!」

ヤムチャ(……アレ? あの動き、ベガさんもしてなかったかな?)

397: 名無しさん 2015/02/12(木) 23:43:42 ID:DgHQx.hY
サガット「くそっ、小癪な真似を……」ムクッ

リュウ「……うおおおぉぉっ!」ダダッ


実況「さぁ、慌ててサガットが起き上がるが……その背後から、リュウがすでに突っ込んで来ている!」


リュウ「……はあっ!」ガシッ

サガット「……うおっ!」


実況「さぁ、そして勢いをつけて、サガットの後頭部を掴むっ! そのまま走り込んだ勢いをつけたまま……」


リュウ「……はああぁぁっ!」ズガーッ

サガット「う、うおおおぉぉっ……!」


ワー! ワーワー!

実況「自分自身も飛び込みながら、サガットの顔面をマットに叩きつける! サガットを巨体をも打ち付けるフェイスクラッシャー!」

398: 名無しさん 2015/02/12(木) 23:50:45 ID:DgHQx.hY
ワー! ワーワー!

リュウ「まだだ、まだ終わらせないっ……!」ググッ

サガット「ううっ……うおっ……」


実況「さぁ、リュウはまだまだ終わらない! ダウンしているサガットを引き起こします!」

元「いいですよ、ラッシュかけちゃいましょう」

実況「流石のサガットも、顔面は鍛える事は出来ないか!? 前屈みの状態で苦しそうです!」


リュウ「……さぁ、もう一発だ! はぁっ!」ガシッ

サガット「……うぐっ!」


実況「さぁ、リュウはサガットの脇の下から両腕を通し、その両腕をサガットの背後でロックっ! 同時に頭も股下に挟み込み、サガットの動きを完全にロックしたぁ!」

元「……狙ってますねぇ」

実況「さぁ、後は上から押し潰すだけだぁ! リュウ! やってしまえっ!」


リュウ「サガット、覚悟はいいか!? はああぁぁっ!」ググッ

サガット「くっ、くそっ……! くそっ……!」

399: 名無しさん 2015/02/12(木) 23:56:03 ID:DgHQx.hY
リュウ「……はああぁぁっ!」ズドーンッ

サガット「……ぐわああぁぁっ!」


イイゾー! リュウー!

実況「さぁ、そのまま自ら飛んで上から体重を乗せて、サガットの顔面を再びマットに打ち付ける! ペディグリーだ! 今度はペディグリーだっ!」

元「流石にこれはサガット君にも効いたでしょう。だって、顔への連打ですもん」

実況「流石のサガットも、苦しんでいる! うつ伏せのまま、必死に顔面を抑えて苦しんでいる!」


リュウ「サガット、これはプロレス技だ! お前の汚い反則技とは違うぞ!」

サガット「ううっ……くそっ……くそっ……」

400: 名無しさん 2015/02/12(木) 23:58:12 ID:DgHQx.hY
リュウ「さぁ、これで終わりにしてやる……!」ググッ

サガット「ううっ……くそっ、リュウめ……」


実況「さぁ、そしてリュウがそのまま、うつ伏せの状態のサガットの背中にまたがったぁ!」


ワー、ワーワー

リュウ「さぁ、いくぞっ……! うおおおぉぉっ!」ググッ

サガット「ううっ……うおおおっ……!」


実況「背中に乗りサガットの身体を固定して、そのまま上半身を海老反り状に敷き起こして行くっ! こいつはキャメルクラッチだぁ! サガットの背骨が大きく軋む!」

元「……いや、よく見て下さい」

実況「……ん?」


リュウ「フェイスロックをかけながら……同時に、この上半身を引き起こすっ……!」ググッ

サガット「うおおっ……う、うおおおっ……」


実況「おっと、これは同時にフェイスロックも仕掛けているぞ!? 背骨だけではなく、先程攻撃した顔面をも、同時に攻撃だぁ!」

401: 名無しさん 2015/02/13(金) 00:07:52 ID:z3JhcLC6
ダン「よし、じゃあギブアップするかどうか、サガットに確認を……」

バルログ「……その必要はありません! ヒャオッ!」シュタッ


実況「おっと、しかし、ここはバルログがすぐ様リングイン! トップロープを飛び込えすぐ様、サガットの救出に向かう!」


リュウ「……うおおおぉぉっ!」ググッ

サガット「ううっ……うおおおっ……!」

バルログ「フンッ……いつまでやっているんです……ヒャオッ!」スパーンッ

リュウ「が、がはっ……!」


実況「そして、リュウの背中に鋭い蹴りをお見舞いする! これには、リュウも手を離してしまう!」

元「……まぁ、いい対応だったね」


バルログ「……フン、サガット頑張って下さいよ」

サガット「フン、悪いな……助かったよ……」


実況「さぁ、そしてバルログは何事もなかったかのように、自軍コーナーへと引き下がっていく!」

407: 名無しさん 2015/02/13(金) 22:01:44 ID:3ujKaDeY
実況「さぁ、これはナイスカットとでも呼べばいいでしょうか、元さん?」

元「そうですね、いいカットです。ケン君とヤムチャ君がフォローに行ければよかったんですが……」


ケン「オラ、ヤムチャ……ここまで来れば、もう大丈夫だろ……後は、ロープにでも寄っ掛かっておきな……」

ヤムチャ「……うっす」


実況「ケンとヤムチャはようやく、このタイミングで自軍コーナーに戻ってきたぁ!」

元「……一手、遅かったですね。勿体ない」


サガット「あ~、いてて……リュウめ……よくもやってくれたな……」ムクッ

リュウ「く、くそっ……」


リュウー! ガンバレー!

実況「さぁ、そうこうしているうちに、サガットが立ち上がる! だがしかし、少しばかり顔を気にしている様子! まだ、ダメージは残っているか!?」

408: 名無しさん 2015/02/13(金) 22:10:04 ID:3ujKaDeY
サガット「じっくりいくか……よっと!」ピョンッ

リュウ「ううっ……」

サガット「……オラオラ、リュウっ! くたばりなっ!」ズドーン

リュウ「……ぐっ!」


実況「サガットはその場で飛び上がり、ギロチンドロップっ! リュウの首筋に自信の太腿落としていくっ!」


サガット「まだまだだ! オラっ、もう一発だっ!」ズドーン

リュウ「……ガッ!」


実況「さぁ、ゆったりとした動きで立ち上がり、もう一発っ! ギロチンドロップ二連発だっ!」

元「うん。サガット君も、じっくりと自分のペースに持っていこうとしているね」

409: 名無しさん 2015/02/13(金) 22:14:51 ID:3ujKaDeY
サガット「さぁ、リュウ……起きろっ!」グイッ

リュウ「ううっ……くっ……」


実況「さぁ、そしてサガットはリュウを引き起こす!」


サガット「さぁ、ロープへ行ってこいっ……! ほらよっ……!」ブンッ

リュウ「……ぐっ!」ダダッ


実況「さぁ、そしてそのままリュウの身体をロープへと振ったぁ! サガットはリング中央で、カウンターを狙うっ!」


リュウ「……くっ!」ダダッ

サガット「さぁ、戻って来い、リュウ……! その時がお前の最後だっ……!」


実況「ロープの反動つけたリュウの身体がサガットの元へと返ってきたぁ! さぁ、サガットここから何を仕掛ける!?」

410: 名無しさん 2015/02/13(金) 22:20:28 ID:3ujKaDeY
サガット「……フンッ!」ガシッ

リュウ「うおっ……!」

サガット「……うおおおぉぉっ!」ググッ

リュウ「くっ……くそっ……!」


実況「さぁ、サガットはリュウの両太腿に手を掛け、そのまま持ち上げたぁ!」

ヤムチャ(おっ、あの持ち上げ方はスパインバスターかな……?)


サガット「ハッハッハ! 死ねええぇぇっ! リュウっ!」ドスッ

リュウ「……うぐっ!」


実況「サガットはそのまま右膝を突き出し、片足立ちの状態になりながら垂直に落として、リュウの股間を自らの突き出した足に打ち付けたぁ!」

元「……あ~、痛い」

実況「マンハッタンドロップっ! 股間攻撃だぁ!」


ヤムチャ(スパインバスターじゃねぇ……おいおい、急所への攻撃かよ……!)

411: 名無しさん 2015/02/13(金) 22:27:44 ID:3ujKaDeY
ブー、ブーブー

ヤムチャ「おい! なんて事してんだよ!」


実況「さぁ、場内からは大ブーイング! コーナーにいるヤムチャもこれには怒っている様子!」


ケン「……なんだ、いいタイミングで声出すじゃねぇか? どうした?」ボソッ

ヤムチャ「あっ、いや……予想外の行動だったというか……いや、魂の叫びみたいな物が……出ちゃったんすよ……?」ボソッ

ケン「……はぁ? 何、言ってんだお前?」


サガット「言い様だな……リュウよ……」

リュウ「くっ、くそっ……」ブルブル


実況「さぁ、リュウも股間を抑えて動けませんっ! こいつは辛そうだ!」

元「……うん、そうだね」


ヤムチャ(あっ……リュウさんでも、股間を攻撃されたら、ああいう事するんだ……リュウさんは打ち合わせをしてないアドリブなのに……やっぱり、やる事はしっかりとしてるんだ……)

412: 名無しさん 2015/02/13(金) 22:33:43 ID:3ujKaDeY
サガット「そこで、股間を抑えてうずくまってな……今、楽にしてやるよ……」

リュウ「くそっ……卑怯な手を……」ブルブル

サガット「ハッハッハ! これがシャドルーのやり方だ! うおおおぉぉっ!」ダダッ


実況「さぁ、そしてサガットは今度は自らがロープへと走ったぁ! 動けないリュウを狙い撃ちだぁ!」


サガット「さぁ、いくぞ、リュウ……! これで終わりにしてやる……!」ダダッ

リュウ「くそっ……くそっ……サガットめ……!」


実況「さぁ、ロープの反動をつけたサガットがリュウに突っ込んでくるっ!」


サガット「うおおおぉぉっ! タイガーアッパーカットだぁ!」ズガアアァァッ

リュウ「……ぐわああぁぁっ!」


実況「出たぁ、タイガーアッパーカットだぁ! 走り込んで勢いをもつけて……リュウの顎にヒットさせたぁ!」

413: 名無しさん 2015/02/13(金) 22:40:28 ID:3ujKaDeY
サガット「……フン、これで終わっただろう」

リュウ「あぁっ……うああっ……」バターン


ブー、ブーブー

実況「さぁ、この攻撃にはリュウも大きくダーウンっ!」


サガット「さぁ、フォールだ……終わりにしてやるか……」ググッ

リュウ「……ううっ」


実況「さぁ、そしてサガットがリュウの身体に覆いかぶさるっ! フォールに入ったぁ!」


サガット「おい、糞レフェリー! 早くカウントを取れ! お前の仕事だろ!」

ダン「……都合のいい時だけ、レフェリー扱いしやがって。ちくしょう」


ケン「……ここは、俺が行くっ! お前はまだ休んでろっ!」

ヤムチャ「うっす、任せます!」

414: 名無しさん 2015/02/13(金) 22:47:24 ID:3ujKaDeY
実況「さぁ、今レフェリーがカウントに入ったぁ!」


ダン「ワンっ……!」

リュウー! タッテー!

ダン「ツーっ……!」

ケーン! イイゾー!

サガット「……ケン?」

ケン「オラァっ!」ガスッ

サガット「……ぐっ!」

ダン「カット成立っ! カウントはツーだ! カウントツー!」


実況「おっと、ここはケンの動きがよかったっ! 素早くリングインして、サガットの背中にストンピグ! 踏みつけて、カットしていきます」

元「うん、いい動きだね」


ケン「てめぇにリュウは、やらせねぇよ……サガットっ……!」

サガット「くそっ……邪魔な奴め……」


バルログ「フフフ、ケン……出てきましたね……ヒャオッ!」ピョンッ

バイソン「おい、バルログっ……! まぁ、いいや……俺も行こう……!」

415: 名無しさん 2015/02/13(金) 22:52:43 ID:3ujKaDeY
実況「さぁ、ケンのカットがなんとか……おっと! ここでバルログがトップロープを飛び越えて、リングに乱入してきたぁ!」

元「……あっ、続いてバイソン君も入って来たよ」


バルログ「……ケン、これは先程の仕返しです! ヒョオォッ!」ガシッ

ケン「……ん?」

バルログ「……ヒャオッ!」ドシーンッ

ケン「ぐえっ!」


実況「バルログはケンに突っ込んでいき、そのままジャンピングネックブリーカードロップを不意打ち気味にケンに喰らわせます! ケンの身体がマットに叩きつけられます!」


バルログ「……フンッ、ざまぁみなさい、ケン」

ケン「……うおおっ、くそっ」ゴロゴロ


実況「不意打ち気味で喰らったケンも堪らず、場内へエスケープ! 転がりながら、一度リング外へと避難します」

416: 名無しさん 2015/02/13(金) 22:59:38 ID:3ujKaDeY
バイソン「ヒャッハー! バイソン、いっきま~す!」ダダッ

ヤムチャ「……来やがったっ!」

バイソン「うるぁ! 死にな、雑魚がっ!」ガスッ

ヤムチャ「……うおっ!」バタッ


実況「さぁ、そしてバイソンもコーナー付近で待機しているヤムチャ目掛けて突っ込んでいき、エルボーバットっ! ヤムチャを場外に突き落とします!」

元「……あ~、ちょっとマズいタイミングで分担作戦されちゃったね」

実況「リング上には、シャドルーが勢揃いっ! 対する空手軍団は、ダメージを受けているリュウ! これはピンチか!?」


バルログ「ケン、まだまだですよ……もう一度、フライングバルセロナアタックを仕掛けて差し上げましょう……」シュタッ

ケン「ううっ……くそっ、あの野郎……」


実況「さぁ、そしてバルログがコーナーポストへと昇ったぞ!?」

417: 名無しさん 2015/02/13(金) 23:05:00 ID:3ujKaDeY
バルログ「さぁ、いきますよ……ケン……」

サガット「……もう一度言うぞ、バルログっ! 私怨に走るな! 一人相撲をするな!」

バルログ「……サガット?」


実況「おっと、ここでサガットがコーナーポストの上へといるバルログに対して、何か指示をしております」


サガット「今はケンの事など、どうでもいいだろう……? お前の攻撃で、アイツはもう上がっては来れないさ……」

バルログ「……」

サガット「リュウは強い……こいつに勝つには、俺達三人でのチームプレイ必要だ……お前の力が必要なんだ……」

バルログ「……」

サガット「バイソン、来い……! 連携攻撃だ……三人がかりで、こいつを仕留めよう……」

バイソン「オーケー。よし、バルログはそのまま、そこにいやがれ……一番美味しい所は譲ってやるからよぉ……?」


実況「おっと、そしてサガットはバイソンにも声をかけたぞ? バイソンを自分の元へと呼び寄せます!」

元「……何か、狙ってるね」

418: 名無しさん 2015/02/13(金) 23:08:24 ID:3ujKaDeY
サガット「さぁ、バイソン……リュウを引き起こすぞ……」ググッ

バイソン「アイアイサーっと……」ググッ

リュウ「……ううっ」


実況「さぁ、そしてサガットとバイソンが二人がかりで、リュウの身体を引き起こしていく!」


サガット「この位置じゃ、バルログも厳しいだろう……」

バイソン「あぁ、もうちょっと、バルログの近くに運ばねぇとな!」

リュウ「……ううっ」ヨロッ


実況「さぁ、そしてコーナーポストの上で待機しているバルログの付近へと、リュウの身体を押しやっていく!」


サガット「さぁ、締めはお前に任せるぞ……バルログ……」

バイソン「バルログちゃん、格好いい所見せてくれよな! 周りはブーイングでも……俺達は褒めてやるからよぉ!」

バルログ「サガット……バイソン……」


実況「そして、サガットとバイソンは二人掛かりでリュウの頭を脇に抱え……ダブルブレーンバスターの体勢だっ!」

419: 名無しさん 2015/02/13(金) 23:14:16 ID:3ujKaDeY
サガット「行くぞ、バイソンっ……! フンッ!」ググッ

バイソン「オーケー、サガット! うおおおぉぉっ!」ググッ

リュウ「う、うおおおっ……!」


実況「さぁ、そして二人掛かりでリュウの身体を持ち上げるっ! リュウの身体が、逆さまのまま垂直に天高くそびえ立つ!」


サガット「さぁ、バルログ……いけぇっ!」

バイソン「バルログ! そこから、蹴っちまいな!」

バルログ「……わかりました」スッ


実況「さぁ、そしてバルログもコーナーポストの上で、バランスよく立ったぁ! リュウに狙いを定めたか!?」


バルログ「サガット……バイソン……私も貴方達の力になりましょう! ヒョオオオォォッ!」

リュウ「……くっ!」


実況「そして、バルログはリュウの身体を目掛けて……跳んだああぁぁっ!」

420: 名無しさん 2015/02/13(金) 23:18:15 ID:3ujKaDeY
バルログ「……ヒャオッ!」ドスッ

リュウ「……ぐっ!」

サガット「うおおおぉぉっ……!」

バイソン「オラアアアァァッ……!」


ドシーンッ


実況「さぁ、ブレーンバスターで持ち上げたリュウの身体に、バルログがミサイルキックを打ち込み! さらに勢いをつけてリュウの身体をマットに叩きつける! シャドルー三人がかりでの連携攻撃だぁ!」

元「……あぁ、これはマズい」

キャー、リュウー、シッカリシテー

実況「マットが大きく大きく軋むっ! 場内からは悲鳴にも似た声が聞こえるぞ!?」


バイソン「へへへ、バルログちゃん、ナイスだぜ! やっぱり、お前格好良いじゃねぇか!」

サガット「これで、終わったな……バルログよ、ありがとうな……」

バルログ「……フッ、こちらこそ」

421: 名無しさん 2015/02/13(金) 23:26:55 ID:3ujKaDeY
サガット「さぁ、これで終わりだっ! レフェリーよ、フォールに入るぞ!」ググッ

ダン「……チッ、わかったよ」


実況「さぁ、そしてサガットがここでリュウの身体に覆いかぶさる! フォールに入ったぁ!」

元「……これは、マズいねぇ。リュウ君返せるかな?」


ヤムチャ(選択肢は三つ……リュウさんが自力で返すか……ケンさんがカットに入るか……それとも、俺がカットに入るか……)

リュウ(ケンとアイツは場外だな……って事は、ここは俺が自力で返す場面か……)

ヤムチャ(多分、優先順位をつけるなら……俺はラストだ……リュウさんは強いし……ケンさんは、ここまで大きなダメージを喰らってない……俺は弱い上に、大ダメージを受けているんだからな……)

ケン(まぁ、ここは俺がカットに入る場面だな……上手いタイミングでリングインするか……)

ヤムチャ(だけど、ここで俺がカットに入るのも、アリなんじゃねぇか……? だって、俺は弱いんだろ……? 上手く出来れば、きっと出来るっ……!)


実況「さぁ、今レフェリーがカウントを取り始めたぁ!」

422: 名無しさん 2015/02/13(金) 23:31:40 ID:3ujKaDeY
ダン「ワンっ……!」

リュウー! ガンバレー!


バイソン「へへへ、バルログちゃん、今日も圧勝だったな!」

バルログ「ええ、そうですね」


ケン「リュウっ! 今、助けてやるぜっ!」

ヤムチャ「うおおおぉぉっ! リュウさん、今行きますよ!」


ダン「ツーっ……!」

ワー! ワーワー!


リュウ(歓声……? って事は、ケンが来たのか……って事は、ケンに任せないと……)

ヤムチャ「うおおおぉぉっ!」

ケン(おいおい、お前も来るのかよ、ヤムチャっ……!)

リュウ(お、おいっ……! あの野郎も来てやがるっ……! もう、試合の終盤なんだよ……余計な事するんじゃねぇよ……!)


実況「さぁ、リュウのピンチに、ケンとヤムチャが駆けつける! さぁ、カットは間に合うか!?」

423: 名無しさん 2015/02/13(金) 23:34:48 ID:3ujKaDeY
ヤムチャ「……うらぁっ!」ガスッ

ケン「……うおおっ!」ガスッ

サガット「……ぐっ!」


ダン「カット成立だっ! カウントはツー! まだ終わっちゃいねぇぞ!」


ワー! ワーワー!

実況「さぁ、ギリギリ所でなんとかカットが間に合いました! ケンとヤムチャ! 二人はほぼ同時にサガットの身体にスレッジハンマーをお見舞いします!」


バルログ「……チッ、ケンの奴、まだ生きてましたか」

バイソン「あの、糞ヤムチャもだ……生意気な野郎だぜ……」


ヤムチャ(まだだ……カットは間に合ったけど……ここで休んじゃいけないっ……! 俺が行動しないと……!)

424: 名無しさん 2015/02/13(金) 23:38:26 ID:3ujKaDeY
ヤムチャ「はぁっ、はぁっ……バイソン……お前も下がりやがれっ……!」

リュウ(おいおい、何やってんだよ、あいつ……)

ケン(……あっ、なる程。そういう事ね)


実況「さぁ、そしてヤムチャは、そのままバイソンにも仕掛ける!」


ヤムチャ「いくぞ……バイソン……!」

バイソン(……あの目)

ヤムチャ「う、うるあぁっ!」シュッ

バイソン「……おっと」ヒョイッ


実況「お~っと、だがしかし、何処と無く力のないキック! これはバイソンにあっさり避けられてしまいます!」

元「ここは、キツいけど頑張りましょう。おっと、ケン君もバルログ君に仕掛けましたよ」


ケン「オラオラ、バルログっ! お前も邪魔なんだよ! 消えなっ!」

バルログ「……来なさい、ケンっ!」

425: 名無しさん 2015/02/13(金) 23:41:50 ID:3ujKaDeY
バイソン「そんな、ズタボロの状態でこのバイソン様とやり合おうなんて、100万年早いんだよっ!」

ヤムチャ「うるせぇ……やってみなくちゃ、わかんねぇだろが!」

バイソン「い~や、わかるね! ホラホラ、ロープの方へ行きましょうね、ヤムチャ君~!」グイグイ

ヤムチャ「う、うおっ……!」ヨロッ


実況「さぁ、リュウを救うために、ケンとヤムチャが頑張るが……おっと、ヤムチャの方はバイソンに押されているか!?」

元「う~ん……やっぱり、ヤムチャ君も結構ダメージ受けてるからね」

実況「バイソンは、組み合ってヤムチャをロープ際まで、押し込みます! おっと、そのまま強引に場外に落とそうとしているぞ!?」


バイソン「ほ~ら、ほ~ら……落ちなよ、ヤムチャ君……」グイグイ

ヤムチャ「う、うおっ……! くそっ……!」


実況「なんとか、落ちないようにとロープを必死に掴んで抵抗するヤムチャだが……おっと、危ない! 身体が大きくグラついた!」

426: 名無しさん 2015/02/13(金) 23:45:41 ID:3ujKaDeY
ケン「オラオラっ!」ガスガス

バルログ「フン、甘いです……」


実況「さぁ、一方、ケンの方は善戦といった所か!?」

元「……あっ、でも」


サガット「なるほど……バイソンの方は大丈夫みたいだな……では、ターゲットはケンだな……」ムクッ


ケン「オラオラ、どうしたどうした! 防戦一方じゃねぇか! さっきまでの勢いは何処行ったんだ、バルログよぉ!」ガスガス

バルログ「周りを見ない……なる程、先程までの私は、こんな状態だったのか……これは、醜い……」

ケン「あぁ!? 何、言ってやがる!」ガスガス

サガット「……フフフ」ユラーリ


実況「お~っと、ケンの背後から……サガットがゆっくりと近づいてきているぞ!?」

元「ケン君、気づいていません! これは、危ないです!」

427: 名無しさん 2015/02/13(金) 23:48:32 ID:3ujKaDeY
サガット「……オラっ! 捕まえたぞ!」ガシッ

ケン「……うぐっ!」


実況「そして背後から、スリーパーホールド! ケンの首に手を回し、頸動脈を締め上げるっ!」


サガット「ホラホラホラァ! どうだ、ケンよっ!」ググッ

ケン「ガッ……グッ……」

バイソン「サガットナイスですよ! これがチームプレイです、ヒャオッ!」ガスッ

ケン「……ガッ!」


実況「背後からサガットに首を絞められ、身動きの取れないケンに対して……正面から、バルログがその腹部にナックルパンチを喰らわせていくっ! これは少しばかりマズい状況か!?」

428: 名無しさん 2015/02/13(金) 23:52:53 ID:3ujKaDeY
ダン「おい、試合権のない奴はリングで暴れてんじゃねぇよ!」

サガット「だから、こうやって場外に出すのを手伝ってやってるんじゃねぇか! 文句あるのかコラァ!」

バイソン「ヒャオッ……! ヒャオッ……!」ガスガス

ケン「ぐっ……うぐっ……」


ケーン! シッカリー!

実況「レフェリーも必死にシャドルーを制止しようとしているが……そんな事はシャドルーにはお構いなしだぁ! 以前空手軍団のピンチは続いてる!」

元「……そうだね、マズいね」


リュウー! タチアガッテー!

リュウ(……こいつら)

429: 名無しさん 2015/02/13(金) 23:55:22 ID:3ujKaDeY
リュウー! ガンバッテー!

リュウ(ケン……ヤムチャ……こいつら、俺の為に……)


リ・ュ・ウ! リ・ュ・ウ!

実況「会場からはリュウコールが聞こえる! そうだ、この状況を打破出来るのはリュウしかいないっ!」

元「リュウ君もね……苦しいけど、頑張りましょう!」


リュウ(二人だけじゃない……サガット……バルログ……バイソン……あいつらもだ……)

リ・ュ・ウ! リ・ュ・ウ!

リュウ(全ての人間が、俺の活躍を望んでいる……ファンも……あのアナウンサーも……元さんも……)


実況「立てぇ~! 立つんだ、リュウ! ここでなんとか出来るのは、リュウだけだぁ!」


リュウ(俺は寝ていただけなのに……こいつら、俺の為にそこまで……)

443: 名無しさん 2015/02/14(土) 21:59:49 ID:KVn1lgfw
リ・ュ・ウ! リ・ュ・ウ!

リュウ(だったら……俺が何とかしないと……)ググッ


バイソン「そ~れ、どっこいしょ~! 場外で寝てな、このタコが!」

ヤムチャ「う、うおっ……!」ドスッ


実況「ここでヤムチャがバイソンに場外へと、突き落とされてしまうっ! やはり、もうスタミナが残っていないかっ!?」

元「いやっ! リュウ君の時間稼ぎとしては充分な働きです!」

リ・ュ・ウ! リ・ュ・ウ!

実況「おっとおっとぉ! ここでリュウが立ち上がったぁ! リュウもかなりのダメージを受けているが……ここはリュウしかいない! 何とかしてくれっ!」


バイソン「へっ、無理して起き上がりやがって……もう一度寝てな、うおおおぉぉっ!」ダダッ

リュウ(このチャンス……! 逃さないっ……!)


実況「だがしかし、すぐさまバイソンが突っ込む! これは、バイソン式アックスボンバーか!?」

444: 名無しさん 2015/02/14(土) 22:07:58 ID:KVn1lgfw
バイソン「うおおおぉぉっ……! バイソン式アックス……」

リュウ「……フンッ!」ガシッ


実況「いや、だがしかしリュウはバイソン式アックスボンバーに来たバイソンの右腕を両腕でブロックっ! 掴んだ!」

元「上手いです」


リュウ「このまま、投げ飛ばしてやる……」クルッ

バイソン「おいっ、離せ……! 離せよ、この馬鹿野郎っ!」

リュウ「うおおおぉぉっ……! はあぁっ!」ググッ


実況「さぁ、そのまま身体を反転させ、バイソンの身体を投げていく! カウンターの一本背負いだぁ!」


イイゾー! リュウー!

リュウ「……はああぁぁっ!」ドシーンッ

バイソン「あっ、ガッ……くそっ……この野郎……!」ゴロゴロ

リュウ「よしっ、次は、ケンを助けないと……」


実況「猛スピードで突っ込んだバイソンの勢いをそのまま利用して叩きつけたぁ! これは効いたか!? バイソンも転がりながら、場外へとエスケープします!」

445: 名無しさん 2015/02/14(土) 22:15:28 ID:KVn1lgfw
サガット「ほ~ら、ほらほら……ケン、苦しかろう……」ググッ

バルログ「その醜い姿……貴方にはお似合いですよ……ヒャオッ!」ガスガス

ケン「ううっ……くあっ……」

リュウ「その手を離せ、サガット! お前の相手は、俺のはずだ!」

サガット「……ん?」

リュウ「無理矢理にでも止めてやるっ! うおおおぉぉっ!」ガシッ

サガット「う、うおっと……」


実況「さぁ、リュウはケンの救出に走るっ! 強引にサガットの身体を背後から掴むっ! そして持ち上げたぁ! バックドロップか!?」


サガット「や、やばい……投げられる……!」パッ

ケン「ガッ……ゲホッ……おう、やっと手を離してくれたぜ……」

リュウ「うおおおぉぉっ! サガット、バックドロップだっ!」ドシーン

サガット「……うぐぅっ!」


リュウー! イイゾー!

実況「そして、滞空時間の長いバーックドロップ! サガットの巨体を物ともせず、投げ飛ばしたぁ!」

446: 名無しさん 2015/02/14(土) 22:21:32 ID:KVn1lgfw
ケン「ゲホッ……ゲホッ……リュウ、助かったぜ……」

バルログ「……安心するのはまだ、早いですよ!」

ケン「……んっ?」

バルログ「ヒョオォォ……ヒャオッ……!」ドスッ

ケン「……うおっ!」バターン


実況「おっと、ここでバルログがケンに打点の高いドロップキック! これを喰らい、ケンはダウンしてしまいます!」


バルログ「さぁ、次はリュウです……」ムクッ

リュウ「……待っていたぞ、バルログっ!」

バルログ「何っ……!? もう目の前に……!」

リュウ「これはケンの分だっ……! はああぁぁっ!」ドスッ

バルログ「……う、うおおおぉぉっ!」バターン


実況「だが、リュウがそのバルログの起き上がりに合わせて、ドロップキック! こちらも打点が高いっ! バルログをダウンさせます!」

447: 名無しさん 2015/02/14(土) 22:26:18 ID:KVn1lgfw
リュウー! イイゾー!

リュウ「はぁっ……はぁっ……」

バルログ「くそっ、ここは一度引きましょう……」ゴロゴロ


実況「バルログは、そのまま転がって場外へとエスケープ! さぁ、あれだけ荒れていたリングが、正常な状態へと戻っていきます!」


ケン「……ううっ」

サガット「……くそっ」

リュウ「よし……バルログとバイソンはいなくなったな……」


実況「なんとか絶対絶命のピンチから逃れたぁ! リュウ一人でシャドルーの三人を蹴散らしました!」

リ・ュ・ウ! リ・ュ・ウ!

実況「さぁ、リュウの粘りに場内からはコールが沸き起こる!」

448: 名無しさん 2015/02/14(土) 22:30:56 ID:KVn1lgfw
サガット「……フン、気に食わんな」ムクッ


実況「おっと、だがここでサガットが起き上がる!」

元「うん、ちょっとねぇ……サガット君には、ダメージ薄かったような気がする……」


サガット「オイ、リュウ……こっちを向け……!」

リュウ「……サガット!」クルッ


実況「さぁ、そしてサガットは背後からリュウの肩に手を掛け……リュウを振り向かせてからの……」


サガット「……うおおおぉぉっ!」ゴスッ

リュウ「……ぐっ!」


実況「リュウの額目掛けて、拳を打ち込んでいくっ! 大振りのナックルパート!」

449: 名無しさん 2015/02/14(土) 22:37:37 ID:KVn1lgfw
ダン「おい、サガット! だから、拳は反則なんだって!」

サガット「知らんっ! それよりお前は、そこの倒れている金髪をなんとかしてやれ!」

ケン「……ううっ」

ダン「あぁ、もうちくしょう……! やる事が多すぎるぞ、何だよもう……!」

サガット「ほ~ら、リュウ……! もう一発だっ!」ゴスッ

リュウ「……グッ!」グラッ


実況「サガットは、続けてもう一発、ナックルパートっ! リュウの頭部がグラつきます!」

元「リュウ君に、この勢いのまま……もう一踏ん張りしてもらいたいけど……」


サガット「お前が流血するまで、打ち込んでやる……! うおおおぉぉっ!」

リュウ「うおおおぉぉっ……! 負けるかああぁぁっ!」


実況「さぁ、サガットが大きく振りかぶって、再び打ち込んだぁ!」

450: 名無しさん 2015/02/14(土) 22:44:16 ID:KVn1lgfw
サガット「……うおおおぉぉっ!」ブンッ

リュウ「……はああぁぁっ!」バシッ


実況「おっと、だがしかしリュウが上手くナックルパートに来たサガットの右腕を左手払い退けたっ!」


サガット「……何っ!?」

リュウ「うおおおぉぉっ……! 真……!」ドスッ

サガット「……ウゴッ!」


実況「そして、カウンターでそのまま強烈なボディブローをサガットの腹部に打ち込むっ! サガットの身体が『く』の字に折れ曲がるっ!」

元「狙ってましたね! 真・昇龍拳ですね!」


リュウ「昇龍拳っ!」ズガアアァァッ

サガット「……うごおおおぉぉっ!」


実況「そしてサガットの顎先に打ち込む、真・昇龍拳だぁ! リュウがここで決めにいったぁ!」

451: 名無しさん 2015/02/14(土) 22:47:45 ID:KVn1lgfw
ワー! ワーワー!

サガット「くっ、あっ……く、くそっ……!」バターン


実況「サガット、大きくダーウンっ! さぁ、後はスリーカウント取るだけだ!」


リュウ(俺も、ここで決めちまっていい場面だと思うよ……)クラッ

実況「おっと、だがしかしリュウの様子が……?」

リュウ(だけど……違うんだ……ちくしょう……)バターン


実況「何という事だ! リュウも最後の力を使いきってしまったか!? ダウンしてしまいます! フォールに入れませんっ!」

元「う~ん……まぁ、シャドルー三人をいっぺんに相手したからねぇ……」


リュウー! ガンバレー!

ケン「うっ、ううっ……」ムクッ

リュウ(くそっ……交代か……)

452: 名無しさん 2015/02/14(土) 22:52:55 ID:KVn1lgfw
リ・ュ・ウ! リ・ュ・ウ!

実況「さぁ、リング上ではサガットが大の字だが……リュウもダウンしている! フォールに行けないっ! おっと、ここでケンが立ち上がる!」


ケン「はぁっ、はぁっ……おい、リュウ! アイツには、もう返す力なんて残っちゃいねぇ! ここが最後の踏ん張り所だ!」

リュウ「ううっ……ケン……」


実況「さぁ、ここでケンがリュウに声を掛ける! 後はサガットをフォールに行くだけだ!」


リュウ「わかったよ……頑張るよ……」ズルズル

ケン「そうだ、その意気だ! リュウっ!」


リュウー! ガンバレー!

実況「さぁ、リュウは這いずりながらもサガットに近づいていく! ここでフォールに入れるかぁ!?」


リュウ「フォールだ……レフェリー……頼むっ……!」パシッ

ダン「よっしゃあ! 任せておけ!」


実況「流石に、身体全体では入れないが……それでも、サガットの身体の上に手を置いたぁ! これが、背一杯だ! さぁ、ここで決めれるか!?」

453: 名無しさん 2015/02/14(土) 23:00:13 ID:KVn1lgfw
ダン「ワンっ……!」

リュウー! キメロー!

ダン「ツーっ……!」

ガンバレー! リュウー!

ダン「……スリ」


サガット「……フン」パシッ

リュウ「……くそっ」

ダン「カウントはツーだ! カウントツー! まだ決まっちゃいねぇぞ!」


実況「おっと、だがしかしサガットも、リュウの手を払いのけて、何とか返していきました! まだ決着はつかずです!」

元「うん、もうちょっとね……ガシッと身体全体で押さえ込んでいかないと……」

実況「サガットには、まだまだ体力は残っているのでしょうか、元さん」

元「いや、流石にもうないでしょう。サガット君もアレが精一杯の行動だったと思います。リュウ君も、サガット君も……お互いに、ちょっと限界ですね」

454: 名無しさん 2015/02/14(土) 23:06:53 ID:KVn1lgfw
バルログ「サガットこっちです! 早く来て下さいっ!」

サガット「……バルログ」

バルログ「後は私に任せて下さい……サガット、貴方が限界なのは、もう目に見えてわかります!」


実況「おっと、ここでバルログが自軍コーナーエプロンサイドにピョンと飛び乗り、慌ててサガットを呼んでいます」

元「……嫌なタイミングでやってきたねぇ」


バルログ「サガット早くっ……! これは、チームプレイでしょう! ならば、貴方より、まだダメージの軽い私が出るべきです! ほら、早く……!」

サガット「フフ、言うようになったなぁ……そうだ、その通りだ、バルログ……待ってろ、今そっちへ行く……」ズルズル


実況「おっと、ここでサガットは最後の力を振り絞り、自軍コーナーにいる、バルログの元へと向かっていきます!」

元「……まぁ、引き時がわかってるね」

455: 名無しさん 2015/02/14(土) 23:17:27 ID:KVn1lgfw
ケン「あぁ、ちくしょう、交代か……だったら……!」


実況「おっと、それを見たケンも……慌てて自軍コーナーへと引き下がって行く!」

元「……それがいいと思います」


ケン「リュウ! こっちも交代だ、後は俺に任せてくれ!」

リュウ「……ケン、わかったよ」ズルズル


実況「さぁ、そしてケンもコーナーからリュウを呼ぶ! リュウも身体を引きずりながらも、そちらへ向かって行くっ!」

元「うん、空手軍団の中では、ケン君がまだ一番体力が残ってると思うよ」


リュウ「ううっ、ケン……後は任せるぞ……」ズルズル

ケン「あぁ、任せておけ! バルログぐらい、俺一人で充分だ!」


実況「さぁさぁ、リュウの身体がコーナーにいるケンの元へと近づいて行く! その距離、残り僅かだぁ!」

元「……サガット君もね」

456: 名無しさん 2015/02/14(土) 23:24:17 ID:KVn1lgfw
リュウ「ケン……頼んだっ……! もう俺は、限界だ……」パシッ

ケン「あぁ、任せておけっ……!」


サガット「バルログ、頼んだぞ……何かあったら、すぐにバイソンを向かわせる……!」パシッ

バルログ「……待ってますよ。では、行ってきます」


実況「さぁ、ほぼ同時にタッチが成立っ! 試合権はケンとバルログに移りました!」


ヤムチャ「ケンさん……頑張って下さい……!」

バイソン「よしよし、バルログちゃんの為に、準備しておくか……」


実況「ヤムチャとバイソンも、今互いの陣営に戻っています。さぁ、ケンとバルログ……この勝負、どうなるか!?」

457: 名無しさん 2015/02/14(土) 23:32:01 ID:KVn1lgfw
ケン「後は、お前だけだ……! 全力で行くぜっ……!」

バルログ「行きますよ……ヒョオォォッ……!」


ワー! ワーワー!

実況「いきなり、ケンもバルログも突っ込んだ! お互いが相手に全力で、向かっていく!」


ケン「オラオラ、行くぜっ……! ウラッ……!」フワッ

バルログ「……くっ!」

ケン「フライングニールキックだ! 喰らいなっ!」ガスッ

バルログ「……ガッ!」バタッ


実況「先に仕掛けたのはケンっ! フワリと跳び上がり、身体を旋回しつつ蹴りをバルログの側頭部へと当てていくっ!」

元「フライングニールキックですね」

実況「ケンのフライングニールキック! バルログはこれを喰らい、ダウンします!」


ケン「よし、ここから……」

バルログ「……フンっ!」シュタッ

458: 名無しさん 2015/02/14(土) 23:38:14 ID:KVn1lgfw
ザワ……ザワ……

実況「おっと、こいつは驚きだ! なんと、攻撃を仕掛けたケンよりも早く、攻撃を受けたバルログが起き上がりましたっ!」


バルログ「……フフフ」

ケン「……何だと?」ムクッ

バルログ「……その背中に喰らえっ! ヒャオッ!」ガスッ

ケン「……ぐっ!」


実況「そして、ケンの背中に打ち込んでいく! ドロップキックだ! ケンは背後から、これを喰らいダウンします!」


バルログ「どうだっ!?」

ケン「……させねぇぞ、この野郎っ!」シュタッ


オー! ケーン!

実況「おっと、だがしかし、今度はドロップキックを仕掛けたバルログよりも早く、攻撃を受けたケンが早く立ち上がる! ケンも負けていません!」

元「……うん、そうだね」

459: 名無しさん 2015/02/14(土) 23:43:36 ID:VUQ0fQ2.
実況「そして、ケンが仕掛けた! あっと、今度はバルログが先に立ち上がったぞ!?」

元「うん、ここ大事な場面でしょう」

実況「今度はバルログが仕掛けた! おっと、今度はケンが先に立ち上がった! これは、どういう事でしょうか、元さん?」

元「うん、まぁ変な言い方になっちゃうかもしれないけど……もう、お互い駒が残ってない訳じゃない……?」

実況「さぁさぁ、ケンとバルログの激しい攻防! 両者一歩も引きません! あっ、元さん続けてどうぞ……?」

元「ほら、コーナーにいる、空手軍団も……シャドルーも……もう皆、辛そうでしょ……?」

実況「え~、コーナーにいる両軍ですか……?」


リュウ「はぁっ、はぁっ……ケン……やってくれ……」

ヤムチャ「はぁっ、はぁっ……ケンさん、頼みます……」


バイソン「……バルログちゃ~ん、頑張ってくれよ」

サガット「はぁっ、はぁっ……ここまで苦戦するとは思ってなかったな……」

460: 名無しさん 2015/02/14(土) 23:47:18 ID:KVn1lgfw
実況「あ~、確かに……両軍、ロープにもたれかかるよにして、かなり辛そうですね。サガットはもう、完全にエプロンサイドに座り混んでいます」

元「皆、色々と大きな攻撃喰らってたからね……もう、動ける人間がケン君とバルログ君しか残ってないんだよ……」

実況「……なるほど」

元「無茶な事はしてると思うよ、二人ともね……だって、攻撃仕掛けてきた相手より早く立ち上がる……みたいな事をしてるんだもん……」

実況「おっと、今度はケンが仕掛けたっ! だがすぐ様、バルログが起き上がる!」

元「もう動ける人間が残っていないからこそ……ここで先に試合の主導権を握って有利に進めていかなきゃいけない事を……二人はよく、わかってるんだと思うよ?」


バルログ「ヒャオッ!」ドスッ

ケン「……くそっ、させるかっ!」シュタッ


ワー! ワーワー!

実況「さぁ、再びバルログが仕掛けたが……今度はケンがすぐ様起き上がったっ!」

元「まぁ、でもね……あんまり無茶しすぎると……後で纏めてきちゃうよ……?」

461: 名無しさん 2015/02/14(土) 23:54:55 ID:KVn1lgfw
ワー! ワーワー!

ケン「根性あるのは認めてやるよ、バルログっ……! だが、もう付き合いきれねぇぜ……!」グイッ

バルログ「……ぐっ!」


実況「おっと、ここでケンが掴みにかかった! バルログの頭部を脇に抱え、ヘッドロックのような体勢に!」

元「そうですね。意地の張り合いも時には大事ですが……こうやって、相手の不得意な分野で責めるのも、大切です。バルログ君は、力比べなんかするタイプではありませんからね」


バルログ「くっ……くっ……離しなさいっ……!」

ケン「うおっと……! 逃げんじゃねぇよ……!」ジタバタ


実況「これは、バルログも嫌がっているか!? すぐ様、ケンの身体ごとロープまで引き下がり、ロープブレイクを狙います!」

元「……いやっ」


バルログ「ロープの反動をつけて……貴方の身体を引き離す……! ヒャオッ!」ググッ

ケン「……う、うおっ!」


実況「おっと、ここはバルログがロープの反動を利用して……逆側のロープへとケンの身体を、振り離したぁ! ケンが、ロープに走るっ! そして、ロープの反動でまた戻って来るっ!」


バルログ「……さぁ、行きますよ! ケンっ!」ググッ


実況「さぁ、そしてバルログ自身もロープの反動をつけ……勢いよく、ケンに向かっていきます!」

元「……狙ってますね」

466: 名無しさん 2015/02/15(日) 06:13:55 ID:???
乙っした
ヤムチャさん今日は空気やったな
きっちり3番目やってるやん

471: 名無しさん 2015/02/15(日) 21:58:53 ID:7pIOOjNg
バルログ「……ヒョオォォッ!」

ケン「……くそっ!」


実況「さぁ、今ケンの身体とバルログの身体が、正面衝突寸前っ! ここから、バルログ何を仕掛けるっ!?」


バルログ「……フフッ」スッ

ケン「……何、仕掛けて来ねぇ!?」


実況「いやっ、バルログはそのままケンの横を通り過ぎ、そのまま逆側のロープへと走ったっ! さらさらに加速して勢いをつけようという事か!?」


バルログ「私の狙いは……このロープだっ……! ヒャオッ!」ピョンッ

ケン「……なんだと!?」クルッ


実況「いやっ、バルログはそのままセカンドへロープと飛び乗ったっ! そして、ロープの反動を利用して……身体を捻らせながら、後方へと大きく跳んだぁ!」


バルログ「……ヒョオォォッ!」

ケン「く、くそっ……!」

472: 名無しさん 2015/02/15(日) 22:04:44 ID:7pIOOjNg
バルログ「……ヒャオッ!」ガシッ

ケン「……ぐっ!」


実況「そして、そのまま両足でケンの頭挟み込みロックっ!」

元「……うおお、ロープから直接、ケン君の頭部に飛びつきましたね」


バルログ「そして……このまま、この反動を利用して……!」ググッ

ケン「う、うおっ……! くそっ……堪えきれねぇ……!」


実況「バルログの上半身が、大きく振り子のように旋回される! 得意のルチャ殺法! ロープの反動を利用して、勢いをつけていくっ!」


バルログ「このまま、死になさいっ……! ヒャオッ!」ブゥンッ

ケン「う、うおおぉぉっ……!」


実況「その勢いのまま、ケンの身体をホイップさせて、投げていったぁ!」

元「……ハリケーン・ラナですね」

実況「バルログのハリケーン・ラナ! ハリケーン・ラナァ! ケンの身体を吹っ飛ばしていったぁ!」

473: 名無しさん 2015/02/15(日) 22:08:43 ID:7pIOOjNg
ザワ……ザワ……

ケン「ぐっ、うおっ……くそっ……!」ドスッ

バルログ「フハハ……いい位置に転がりました……ナイスです……!」


実況「あまりの衝撃に、吹っ飛ばされたケンの身体が二回、三回と大きく転がったぁ! ようやく、勢いが止まったか!? ケンは仰向けにダーウンっ!」


バルログ「……さぁ、とどめです、ケンっ!」シュッ

ケン「ぐっ……ちくしょうっ……!」


実況「さぁ、そしてバルログは、素早くコーナーポストの方へ! こいつは……ムーンサルトプレスを狙っているのかぁ!?」

元「……狙ってますね。バルログ君も、勝負賭けてきました」


バルログ「さぁ、終わりにしましょう……! ケンっ……!」

474: 名無しさん 2015/02/15(日) 22:16:07 ID:7pIOOjNg
ケーン! ガンバレー!

ケン「うおおぉぉっ! まだ負けちゃいねぇぞっ!」ググッ

バルログ「……何っ!?」


実況「いやっ! だが、ケンも負けてはいないっ! すぐ様、起き上がったぁ!」

元「おおっ! ケン君、根性見せました!」


イイゾー! ケーン!

ケン「勝ちを焦ったなぁ、バルログ!? この野郎……うおおおぉぉっ!」ガシッ

バルログ「……くっ!」


実況「そして、ムーンサルトプレスを仕掛けようと、コーナーポスト上で背を向けているバルログに向かって行き、その背中を掴んだぁ!」

元「雪崩式攻撃いきましょう!」

実況「コーナーに昇った事が、仇となってしまったか、バルログっ! さぁ、ケンが踏ん張ったぁ!」


ケン「うおおおぉぉっ……! そこから、落ちな、バルログっ……!」ググッ

バルログ「くっ、くそおおぉっ!」

475: 名無しさん 2015/02/15(日) 22:24:36 ID:7pIOOjNg
ケン「……うらああぁぁっ!」ドシーンッ

バルログ「……うぐううぅぅっ!」


実況「さぁ、コーナーポストからバルログの身体をマットに叩きつけていったぁ! 雪崩式バックドロップっ!」


ケーン! キメロー!

ケン「はぁっ、はぁっ……あぁ、わかってるぜ! これでフィニッシュだっ!」


実況「ケンも勝負を賭けて来たぁ! 拳を突き上げフィニッシュ宣言! フィニッシュ宣言ですっ!」


ケン「……さぁ、バルログ! これで終わりにしてやるっ!」ググッ

バルログ「……ううっ」

ケン「オラっ……! いくぜ、覚悟しろっ!」ガシッ

バルログ「……グッ」


実況「さぁ、そしてバルログの身体を引き起こし、ブレーンバスターへの体勢へと組み合うっ!」

ケ・ン! ケ・ン!

実況「さぁ、ここから何を仕掛ける!? 垂直落下か、それともファルコンアローか!?」

476: 名無しさん 2015/02/15(日) 22:30:20 ID:7pIOOjNg
バイソン「ヒャッハー! バイソン様、ただいま参上っ!」ダダッ

ケン「バイソン……!?」


実況「いや、ここでバイソンが入ってきたぁ! バルログをブレーンバスターの体勢に組んでいるケンの背後から、猛スピードで迫ってきたっ!」


バイソン「後ろががら空きなんだよ、次からはもっと注意しな!まぁ、次はもうねぇけどな……! オラァっ……!」ドスッ

ケン「……うぐっ!」ガクッ


実況「さぁ、そしてケンの背中にダブルスレッジハンマーを叩きつけたぁ! ケンは片膝をついてしまう!」


ケン「……くそっ!」

バルログ「バイソン……助かりましたよ……!」

バイソン「あの二人は、俺に任せな! バルログ、お前は決めちまえ、うおおおぉぉっ!」ダダッ

バルログ「……そのつもりです!」


実況「さぁ、そのままバイソンはコーナーにいるリュウとヤムチャの元へと突っ込んでいったぁ! バイソンにはまだ、スタミナが残っていたか!? これは、空手軍団大ピンチ!」

477: 名無しさん 2015/02/15(日) 22:37:16 ID:7pIOOjNg
バイソン「邪魔だっ! カス共、場外に落ちな!」ガスッ

リュウ「……ぐっ!」

ヤムチャ「……うおっ!」


バルログ「下手に、回復されると厄介ですからね……ここは素早く……ヒャオッ!」シュッ

ケン「……ぐっ!」ドスッ


実況「さぁ、バルログはコーナーにいるリュウとヤムチャに対して、両腕を使い同時にラリアットを仕掛けたぁ! リュウとヤムチャが場外に落下してしまったぁ!」

元「……あ~、反撃いけなかったねぇ」

実況「そしてバルログはケンに高速ボディスラム! ケンをダウンさせ……自身は素早くコーナーポストへと昇ったぁ! もう一発……狙っているか……!?」


ケン「……ううっ、くそっ、何とかしねぇと」

バルログ「回復する暇は一切与えませんっ……! ヒョオォォッ!」シュタッ


実況「そして、間髪入れずにバルログが跳んだぁ! ムーンサルトプレス! ムーンサルトプレスだっ!」

478: 名無しさん 2015/02/15(日) 22:44:34 ID:7pIOOjNg
バルログ「ヒャアアァオッ!」ズドーンッ

ケン「……うぐあああぁぁっ!」

バルログ「さぁ、フォールです! レフェリー、カウントを取りなさい!」


実況「コーナーポストからバルログの身体が、半回転しながら弧を描いてケンの上に落ちてきたぁ! そして、そのままバルログが固めたぁ! レフェリーがやってきます!」

元「あぁ、う~ん……これは……返せるかなぁ……?」


バイソン「リュウとヤムチャは、ここで俺が見張っておいてやる……さぁ、バルログ、決めちまえっ!」

リュウ「……う、ううっ」

ヤムチャ「……く、くそっ」

サガット「……フフ、どうやら俺の出番はないようだな」


実況「リュウとヤムチャは場外でまだ、倒れている! ここはケンが自力で返すしかない! おっとぉ、今、レフェリーによってカウントが取られ始めます!」

479: 名無しさん 2015/02/15(日) 22:50:16 ID:7pIOOjNg
ダン「ワンっ……!」

ケーン! ガンバレー!

ダン「ツーっ……!」

ケーン! タッテー!

ダン「……スリーっ!」

バルログ「……よしっ!」


実況「あ~っと、だがしかし、返せない! 流石のケンもこれは返す事出来ないかぁ~!」

元「あぁ……」

実況「ここでスリーカウントっ! 試合が決着してしまったぁ! バルログのムーンサルトプレスで試合は決着です!」


バルログ「フハハハ、借りは返しましたよ。ケン君……」ムクッ

ケン「……うっ、ううっ」


実況「さぁ、バルログは起き上がって……倒れているケンを見て高笑い。高笑いしております!」

480: 名無しさん 2015/02/15(日) 22:57:26 ID:7pIOOjNg
バイソン「やったな! バルログ!」

サガット「借りは返せた様だな……どうだ、満足したか……?」

バルログ「えぇ、満足です……とても満足です……まぁ、二人のおかげですけどね……」


実況「さぁ今、勝ち名乗りを受けているバルログの元へ、バイソンが……おっと、エプロンサイドで座り込んでいたサガットのやってきました」


ケン「……ううっ」

バルログ「フフ、ケン君……」


実況「おっと、そして……? 倒れているケンの顔を覗き込むようにしながら……バルログが何か言っているんでしょうかねぇ?」


バルログ「リターンマッチ……いつでも受けますよ……? まぁ、また同じような、醜い姿にしてあげますがね……」スーッ

ケン「ううっ……くそっ……!」


実況「おっとぉ! そしてケンの顔を、覗き込むようにしながら……自身の首を、ゆっくりと掻っ切るポーズをして挑発行為っ! いや、これは侮辱行為か!?」

元「……どうして、あぁいう事するんだろうねぇ」

481: 名無しさん 2015/02/15(日) 23:06:11 ID:7pIOOjNg
ブー、ブーブー

実況「案の定、この行為には大ブーイング! バルログに対して、場内からは大ブーイングですっ!」


バルログ「ハハハ、何故、ブーイングなのですか? わかってない方達ですねぇ」

バイソン「おいおい、バルログ……ちょっと、はしゃぎすぎじゃねぇか……?」


実況「だが、バルログは気にする事なく、高笑いっ! どちらかと言えば、神経質だと思っていたが、意外と図太い野郎だ!」


バルログ「ハハハ、まぁ、今日の試合は満足しました! さぁ、サガット、バイソン……退場しましょうか……?」

サガット「……あまり、浮かれすぎるのもよくないぞ、バルログ?」

バルログ「わかってますよ、わかってますって」


実況「さぁ、そして今、シャドルーの三人がゾロゾロと退場していきます! おっと、バルログはかなり浮かれているようですねぇ? 投げキッスなんかもしておりますよ」

482: 名無しさん 2015/02/15(日) 23:09:06 ID:ls2J8o12
投げキッスw
バルログおちゃめw

483: 名無しさん 2015/02/15(日) 23:12:21 ID:7pIOOjNg
バルログ、キモイー

バルログ「ハハハ、いずれ貴方も、私の美しさの虜となるのです! また、来て下さいね……次は、もっと私の美しい姿をお見せして差し上げましょう……」

コノ、ナルシストヤロウー!

バルログ「自分に自身も持つのはいい事ですよ~! 貴方も自分に自身を持ちましょう! そうすれば、私のように美しくなれます!」

ブー、ブーブー

バルログ「ハハハ、ま~た、ブーイングですか! まぁ、私は気分がいいです。許してあげましょう!」

ブー、ブーブー

バイソン「……おいおい、サガット? バルログ、ちょっとはしゃぎすぎじゃねぇか?」

サガット「まぁ、いいじゃないか……ケンへの借りを返せたんだからな……」

ブー、ブーブー

バルログ「ハハハ! ハハハハハ!」

484: 名無しさん 2015/02/15(日) 23:12:58 ID:???
バルログさんも素晴らしくヒールだな!

485: 名無しさん 2015/02/15(日) 23:18:55 ID:7pIOOjNg
リュウ「……ううっ、くそっ」ムクッ

ヤムチャ(う~ん……こりゃ、俺はワンテンポ遅れて立ち上がった方がいいかな……? まだ、寝ておくか……)

リュウ「うっ、くそっ……ケンっ……!」


実況「さぁ、今リュウが起き上がり……リングで倒れているケンの元へと駆け寄ります!」


ケン「……ううっ」

リュウ「おいっ、おいっ……! ケン、しっかりしろっ!」

ヤムチャ(よし……じゃあ、そろそろ俺も起き上がるか……)


実況「リュウに倒れているケンに、必死に声をかけています。おっと、ここでヤムチャも起き上がって、ケンの元へと駆け寄ります」

486: 名無しさん 2015/02/15(日) 23:22:05 ID:u7/zp2oA
派手な試合だったねえ

487: 名無しさん 2015/02/15(日) 23:27:45 ID:7pIOOjNg
リュウ「ケン、大丈夫か!?」

ヤムチャ「ケンさん、しっかりして下さいっ!」

ケン「あぁ、ううっ……あぁ、くそっ……最後の最後で油断しちまったよ、ちくしょう……」


実況「おっとぉ、ここでケンの意識も回復してきたか?」


リュウ「……気にする事はない。次があるさ、次が」

ケン「あぁ、そう言ってもらえるのは、ありがてぇよ……でも、折角ヤムチャが合流したばかりの試合だってのに……俺が、しくじっちまって悪ィな……」

リュウ(……ヤムチャ)

ヤムチャ「いやいや……! 元はと言えば、俺が大して役に立てなかったせいっすよ……! 俺のせいっす、俺のせい」

リュウ(締めるのは、俺か……さぁ、どうする……? 何を言えばいい……何を言うのが正しいんだ……)

488: 名無しさん 2015/02/15(日) 23:33:36 ID:7pIOOjNg
リュウ「……レフェリー、マイクを」

ダン「おう、手短にやれよ」


実況「おっと、ここでリュウがマイクを手にした! さぁ、何を言うのか?」


リュウ「二人とも、あまり気にするな」

ケン「……ん?」

リュウ「終わった事は仕方ない……俺達は始まったばかりだろ?」

ソウダー! ツギハカテヨー!

リュウ「この負けを……次の戦いに生かそう……ただ、それだけだ……!」

ソウダ、ソウダー!

リュウ「こんなもんで空手軍団が終わりだと思うなよ、シャドルーっ! 次こそは必ず、俺達が勝ってやるからなっ!」

ワー! ワーワー!


実況「さぁ、リュウがリング上で声高々にシャドルーへのリベンジ宣言! 力強い言葉です!」


リュウ(これで、よかったのか……? もっと別の言葉もあったんじゃないか……? 今日は、ヤムチャだっているんだし……本当にこれでよかったのか……?)

ケン「あぁ、くそっ……今日はやられちまったけど……そうだな、次は必ずリベンジしよう……じゃあ、そろそろ退場すっか……」


実況「さぁ、そして今、空手軍団が揃って退場していきます!」

490: 名無しさん 2015/02/15(日) 23:42:01 ID:7pIOOjNg
実況「さぁ、本日の試合はシャドルー軍団の勝利に終わってしまいました……」

元「う~ん……惜しかったね……バイソン君が生き残ってた」

実況「そうですねぇ、ラストはバイソンの乱入からの、奇襲のような、決め方でした」

元「実はねぇ、今日の試合……僕は空手軍団の圧勝になるんじゃないかと、予想してたんだよ?」

実況「おっと、元さんの予想が外れましたね? それは、またどういった理由で?」

元「ほら、最初に言ったじゃない? バルログ君が私怨に走ってるとか」

実況「あ~、はいはい! 確かに言っておりました」

元「でも、やっぱりサガット君に声かけられて、バイソン君に交代した時ぐらいからかな? バルログ君は落ち着き取り戻してきたように思えたからね、そこから予想が外れちゃったよ」

実況「なるほど!」

元「基本的にシャドルーって、反則ばかりしてるけど……やっぱり、三人がかりで有利に試合を進めていこうって点だけは、評価できるよ。そこだけは。バルログ君が冷静さを取り戻したのが痛かった」

実況「なるほど、確かに元さんはチームプレイの重要さをいつも口を酸っぱくして、おっしゃってますもんね?」

元「まぁ、そこ以外はシャドルーの事を僕は評価してないけどね……で、一方空手軍団は……」

491: 名無しさん 2015/02/15(日) 23:47:21 ID:7pIOOjNg
元「やっぱり、リュウ君に頼りすぎてる部分があると、思う」

実況「あ~、確かに……今日も、ピンチの状況をなんとかしたのは、リュウでしたしねぇ?」

元「だから、ケン君と……まぁ、大きな部分はヤムチャ君だね……ヤムチャ君には、もうちょっとバイソン君相手に善戦して欲しかった」

実況「確かに……結局、最後の決め手にもなったのはバイソンでしたしねぇ……」

元「でも、やっぱりヤムチャ君も合流したばかりだからね。これからですよ、これから」

実況「そうですね! ヤムチャもまだまだです!」

元「ここの力を高めていくのと同時にね、チームとしての力をこれから強くしていきましょう。リュウ君も言ってたけど、このチームはまだまだ始まったばかりです」

実況「確かに、空手軍団は個々の力では、シャドルーには負けてはいませんからね!」

元「まぁ、これからどうなっていくかが、楽しみなチームですね。僕も期待しています」

実況「なる程、元さんありがとうございました! さぁ、残念ながら、ここらでお時間でございます! という事で、第五試合の中継はこの辺りで終了させていただきま~す!」

492: 名無しさん 2015/02/15(日) 23:54:05 ID:7pIOOjNg
リュウー! カッコウヨカッタヨー!

リュウ(格好いい……そうだ、俺に問題はない……支持はされている……)


ケーン! ツギハカッテネー!

ケン「おう、任せておけ! 次こそは勝ってやるぜ!」

リュウ(……ケンは、勝つ事を求められている。まぁ、今日は負けたんだしな)


ヤムチャ、モットガンバレヨー!

ヤムチャ「次はやります……! 次は絶対にやります……!」

リュウ(こいつは、まぁそうだな……大して活躍してないんだし……)


リュウ(期待には全て応えたと思う……だけど、それでもまだ何かが足りてない……だが、課題がない……俺は何をすればいいんだ……)

504: 名無しさん 2015/02/16(月) 22:01:13 ID:pkEPD.VI
ーーー


プーアル「リュウさん、ケンさん、お疲れ様でした! 凄く盛り上がってた試合でしたよ。僕も見ててワクワクしました!」

ヤムチャ「おう、プーアルただいま~。ありがとう」

ケン「いや~、疲れた疲れた……どうよ、プーアル君? 俺、バルログにやられちまったけど、そこん所どうよ……? 格好悪くなかったか?」

プーアル「そんな事、ありませんよ。凄く、格好良かったです! 僕、最後ケンさんが勝っちゃうんじゃないかって、思っちゃいましたよ」

ケン「いやぁ、そう言って貰えるのは、ありがたいね……あぁ、そうだ……悪いけどさぁ、プーアル君、小銭渡すから……」

プーアル「飲み物ですね。わかりました、買ってきますよ!」

ケン「あ~、じゃあ、俺の分と、リュウの分と、ヤムチャの分と……後、プーアル君のプーアル茶……」

リュウ「……いや、俺はいい」

ケン「……ん?」

リュウ「少し、考えたい事がある……もう一汗、流してくるとするよ……」

ケン「……もう一汗って、おい? お前、試合終わったばかりだってのに、またトレーニングするつもりなのか!?」

リュウ「……心配するな。軽めの内容にはしておくさ」スタスタ

ケン「軽めの内容って……おい、おいっ……! リュウ、待てよ……! そんな事してたら、身体ぶっ壊れちまうぞ、おいっ……!」

505: 名無しさん 2015/02/16(月) 22:09:49 ID:pkEPD.VI
プーアル「……あらぁ~、リュウさん行ってしまいましたねぇ?」

ヤムチャ「……これ、俺、また何かやっちゃいましたかねぇ、ケンさん?」

ケン「あ~、いやぁ……まぁ、お前は大丈夫だと、思うけどなぁ……」

ヤムチャ「おぉ、よかったよかった……」

ケン「まぁ、身の程わきまえてたと言うかよ……? まぁ、今日は大した活躍もしなかったんだし、上手くやってたんじゃねぇか……?」

ヤムチャ「おっ、ありがとうございます……!」

ケン「自分の役割、わかってきた事は褒めてやる。それで、どうよ……? 今日の試合、結果を出せたと、自分では思う……?」

ヤムチャ「いや~、もっと頑張れなんて言われてましたからねぇ……結局、俺やられてばかりでしたし……」

ケン「……まぁ、そうだろうな。まぁ、そういうポジションでやってるから、仕方ねぇが、やっぱりただただやられてるだけじゃな」

506: 名無しさん 2015/02/16(月) 22:16:18 ID:pkEPD.VI
ケン「ヤムチャは弱いけど……それでも、空手軍団にとっては必要……そういう事をしていかなきゃならねぇ……もっと、目に見えてわかる行動でな……?」

ヤムチャ「結構、頑張ってたつもりなんですけどねぇ……」

ケン「いやぁ、そこは認めてやる。認めてやるよ。リュウの囮になったりしてたんだしよぉ……? だけど、リュウの囮役がわざわざ空手軍団に必要か、って言われたら、そうでもねぇだろ?」

ヤムチャ「う~ん……そうですよねぇ……」

ケン「囮役ってのは、いいポジション見つけたと思うよ? だから、その調子で、もっと他の役割を見つけたらいいんだよ。そうしたら、お前も空手軍団に必要な人間になって、認められるんじゃねぇか?」

ヤムチャ「囮役の他に、いいポジションかぁ……自分が一番弱い存在だという事を守りつつ……ですよね……?」

ケン「まぁ、お前は色々と学んでるからな……明日の試合は、今日の試合より役に立つ役立たずになりましょうって所かな?」

ヤムチャ「難しいなぁ……役に立つ役立たずかぁ……」

ケン「まぁ、あまり焦らねぇ事だな……無理なら無理で、また第二試合でチャンスを待てばいいんだしな……」

ヤムチャ「行ったり来たりを繰り返すのもなぁ……明日は結果残したいですねぇ……」

ケン「お前より長くやってる、ガイ達はずっと第一試合なんだぞ? いいじゃねぇか、第二試合でやってて、たま~にこっちで試合出来るってのでもよぉ? お前は、充分恵まれてるよ」

ヤムチャ「あぁ、そう言われれば、そうですよねぇ……」

ケン「とにかく、下手な事だけはするな? お前が下手な事して、こっちに戻って来れないようになるのが、一番迷惑なんだよ」

507: 名無しさん 2015/02/16(月) 22:22:44 ID:pkEPD.VI
ケン「第二試合に戻るって言っても、一ヶ月もすればこっちにまた戻ってこれるようになるだろ? チャンスはまた、来るからよ?」

ヤムチャ「はい、そうですね」

ケン「今日出来なかった事を明日して……明日、出来なかった事を、一ヶ月後にでもすればいいんだよ……あっ、そうだ! いい事考えた!」

ヤムチャ「……いい事?」

ケン「お前、明日の試合は第二試合に戻る事、前提でやってみろよ?」

ヤムチャ「……えっ!?」

ケン「そしたらよぉ、何か出てくるんじゃねぇか? 一ヶ月間、第五試合で出来ないんだぞ~? さぁ、最後の第五試合……何かやり残した事はないか……?」ニヤニヤ

ヤムチャ「いや、それはいっぱいありますよ……というか、殆ど何もしてませんよ、俺……!」

ケン「じゃあ、後悔しないような、一試合にしましょう。でも、出しゃばりすぎると、本当に二度と戻って来れないようになるからな?」

ヤムチャ「え~、どうっすかなぁ……?」

ケン「明日までに、自分のやりたい事を纏めておきな……多分、今日の内容だったら、ザンギエフもこっちにしてくれると思うからよぉ……? その次はわかんねぇけど」

ヤムチャ「俺のやりたい事……何だろうなぁ……」

ケン「じゃあ、まぁ俺はリュウを追いかけてくるよ……ったく、アイツ本当に身体パンクしちまうぞ……」


プーアル「あっ、ケンさん! 今日はありがとうございました!」

508: 名無しさん 2015/02/16(月) 22:28:41 ID:pkEPD.VI
ヤムチャ「……困った。急に追い詰められた気分だ」

プーアル「いいんじゃないですか? ヤムチャ様には、危機感が足りません、危機感が」

ヤムチャ「やり残した事ねぇ……そりゃ、バイソンさんをぶっ倒してみたいよ……でも、俺がバイソンさんにやられてた方が、何かと都合がいいんだよねぇ……」

プーアル「う~ん……じゃあ、どうしましょうか……?」

ヤムチャ「どうっすかねぇ……色々、何かはあるとは思うんだよね……? 第五試合でしか出来ない事が……やっぱり、その辺をなんとかしていかないと……」

プーアル「……サガットさん達に、相談してみます?」

ヤムチャ「まぁ、そうだろうね……程よく活躍しつつ、上手い具合に足を引っ張る……」

プーアル「……それ、凄く難しくないですか?」

ヤムチャ「そうだろ、プーアル!? プロレスって難しいんだよ、好き放題に暴れりゃいいってもんじゃねぇんだよ!」


さくら「ヤ~ムチャさん、お疲れ様っす」

ヤムチャ「おっ、さくらちゃん」

さくら「試合、お疲れ様っす! 第五試合……どうでしたか?」

509: 名無しさん 2015/02/16(月) 22:38:10 ID:pkEPD.VI
ヤムチャ「急激にやる事が増えたような気がするよ。キャミィさんの気持ちも、ちょっとわかったかな……?」

さくら「でも、今日の試合のヤムチャさんは、良かったと思うっすよ!」

ヤムチャ「いや~、ケンさんには厳しく言われた。まだまだだよ……俺は、まだまだだね……」

さくら「謙虚な姿勢でいられる事は、成長に繋がるっすよ。ヤムチャさん、頑張ってそのポジション、勝ち取りましょう!」

ヤムチャ「う~ん……さくらちゃんに、そう言って貰えるのは、ありがたいんだけど……何か、ゴメンね……?」

さくら「……何で、ヤムチャさんが謝るんすか?」

ヤムチャ「いや~、だって……何年もやってる、さくらちゃんとか、他の人達いきなり追い抜いて、俺はこの位置でしょ……?」

さくら「まぁ、それはこっちの団体の都合もあるっすからね……言いっこなしっすよ」

ヤムチャ「まだまだ、俺がここに来てくれて良かった……とは、皆に思われてないとは思う……でも、やっぱりこうやって空手軍団に入ったんだんからね……」

さくら「はい」

ヤムチャ「俺が来てくれて、良かったと思う……そう思って貰えるようにならないとダメだよね」

さくら「その通りっす!」

ヤムチャ「とにかく、何か明日、爪痕を残さないとな……反省会のお誘いだよね……?」

さくら「どうします? メインイベントは見ていくっすか?」

ヤムチャ「まぁ、折角だから見ていくとするか……勉強にもなりそうだしね。ついでにダンさんも誘って行こうよ」

さくら「あはは、ついでにダンさんって……そんな言い方したら、ダンさんに怒られるっすよ?」

ヤムチャ「あっ、やべ……今のはなしっ……! 秘密ね。ここだけの秘密にしておこう」