1: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/15(月) 16:29:23.56 ID:NA0zRLjxI
京子「そう!巷で話題の人気ゲーム!一万本の購入枠に見事入りましたー!
しかも4つ!」

結衣「どんだけ運がいいんだお前は」

ちなつ「でもそれって確か、ネット環境がないと遊べないんじゃ?」

京子「心配ご無用!実はこっそり部室に回線をつなげておいた!」

結衣「いつの間に……」

京子「はい!じゃあみんなナーヴギア被って……リンクスタート!」

2: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/15(月) 16:30:44.15 ID:NA0zRLjxI
----第一層 はじまりの街----


京子「よっしゃー!ついに来たぞこの世界に!」

ちなつ「……京子先輩。その格好、完全にミラクるんじゃないですか」

京子「そういうちなつちゃんは、なんで男?」

ちなつ「えっ、だって……異性同士じゃないと、結衣先輩と結婚できないし」

結衣「結婚!?」

ちなつ「ヒヒヒ……《倫理コード解除設定》で、あんなことや
こんなことも……」

京子「(なぜそこまで知っている……)」

4: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/15(月) 16:31:26.95 ID:NA0zRLjxI
あかり「あ、あの……あかりもいるんだけど……」

京子「あっ、すっかり忘れてたよ」

あかり「ひどい!?」

ちなつ「……あかりちゃん、なんでそんな地味な顔にしたの?」

結衣「あかり……ゲームの中でくらい、存在感のあるキャラになっても
いいんだぞ?」

あかり「そ、そんなぁ……」

5: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/15(月) 16:33:15.78 ID:NA0zRLjxI
リンゴーン、リンゴーン


あかり「?」

結衣「あれ……中央広場にどんどん人が」

京子「おっ、もしかして私のミラクるんを一目見に!?」

結衣「んなわけあるか」


【Warning】
【System Announcement】


ちなつ「キャー!結衣せんぱ~い!怖いですぅ」

結衣「こ、こら!」

京子「(あざとい……)」

6: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/15(月) 16:34:08.75 ID:NA0zRLjxI
『プレイヤーの諸君、私の世界へようこそ』


ちなつ「ギャアアアアアアアア!?顔がない!お化けですよ先輩!」

結衣「ち……ちなつちゃん……く、苦しい……」


『私の名前は茅場晶彦。今やこの世界をコントロールできる唯一の人間だ』

10: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/15(月) 16:37:18.29 ID:NA0zRLjxI
~演説終了後~


京子「あぁ……私の渾身のミラクるんがぁ……」

結衣「いや、そこじゃないだろ」

あかり「ふぇぇぇっ!あかり達、帰れなくなっちゃったよぉ!」

ちなつ「……考えようによってはチャンスかも」

あかり「ふえぇっ……?」

ちなつ「これでずーっと結衣先輩と一緒です!」

結衣「お前ら……」








仮想世界、アインクラッドに囚われてしまったあかり達。
彼女たちはこのデスゲームをクリアし、元の世界に戻れるのか?


彼女たちの冒険はつづく……

12: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/15(月) 16:40:38.38 ID:NA0zRLjxI
~ およそ一年後 ~


----第三十五層 迷いの森----


シリカ「ピナ!ピナああっ!」

ピナ「きゅる……」


ガシャーン


シリカ「ピナあああああっ!」

ドランクエイプ「グオオッ!」

シリカ「あ……」

13: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/15(月) 16:41:45.55 ID:NA0zRLjxI
京子「とうっ!」


バシュッ!


ドランクエイプ「グオッ!?」

シリカ「……!?」

結衣「てやあっ!」

ちなつ「たあっ!」

15: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/15(月) 16:43:03.48 ID:NA0zRLjxI
ドランクエイプ「グオオオオオオオ!!」


ガシャーン
ガシャーン
ガシャーン


シリカ「……!」

結衣「……ごめん。君の友達、助けられなかった……」

19: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/15(月) 16:44:08.30 ID:NA0zRLjxI
シリカ「……いいえ……あたしが……バカだったんです……。
ありがとうございます……助けてくれて……」

京子「ふっふ~ん、いいってことよ!」

結衣「調子に乗るな」

シリカ「……でも……ピナが……」

20: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/15(月) 16:44:51.82 ID:NA0zRLjxI
結衣「大丈夫。まだチャンスはあるよ」

シリカ「えっ……」

結衣「使い魔の心が残っていれば、四十七層の《思い出の丘》
にあるアイテムで生き返らせられるって聞いたから」

シリカ「……四十七層……」

22: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/15(月) 16:45:59.20 ID:NA0zRLjxI
京子「今レベルはいくつ?」

シリカ「……44です」

京子「私たちもそんくらいだからさ、皆で行けば何とかなるって!」

シリカ「えっ……」

ちなつ「私たちね、このへんでレベル上げしてたの。
どうせ暇だったし、いいですよね先輩」

結衣「うん」

24: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/15(月) 16:47:05.75 ID:NA0zRLjxI
シリカ「あ、ありがとう……あたし、シリカっていいます」

結衣「私はユイ」

京子「キョーコだよん」

ちなつ「チーナで~す☆」

シリカ「よろしく……へへ、なんだか嬉しいな」

26: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/15(月) 16:48:18.87 ID:NA0zRLjxI
京子「……あれ?」

結衣「ん?どうしたの?」

京子「……なんか、一人忘れてるような……」










ドランクエイプ「グオオオオオオオッ!!」

あかり「いやあああああ!みんなー、どこーーー!?」

29: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/15(月) 16:51:16.63 ID:NA0zRLjxI
----第四十七層 フローリア----


シリカ「うわあ……!」

あかり「わぁい!あかりお花大好き!」

結衣「この層はフロア全体が花畑なんだって。それに……」

ちなつ「きゃー!ここ、有名なデートスポットですよね結衣先輩!」

結衣「……う、うん。そうみたいだね」

30: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/15(月) 16:52:50.02 ID:NA0zRLjxI
シリカ「あ、あの……」

結衣「ん?」

シリカ「みなさんはその……現実世界でもお友達だったんですか?」

京子「そうだよー。同じ学校のねー」

結衣「同じ部活のメンバーだったんだ。ギルド名の《ごらく部》っていうのも、
部活の名前から取ってるんだよ」

33: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/15(月) 16:54:51.88 ID:NA0zRLjxI
シリカ「そうなんですか……いいな……」

京子「え?」

シリカ「あたしは……そういうのなかったから……」

結衣「……」

シリカ「ピナに出会うまではずっと一人で……
近い歳のプレイヤーも、全然いなくて……」

ちなつ「シリカちゃん……」

34: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/15(月) 16:56:05.21 ID:NA0zRLjxI
がしっ


京子「……よし!今日から君はごらく部の新入部員だ!」

シリカ「えっ……」

ちなつ「シリカちゃんはもう私たちの友達!だからもう一人じゃないよ」

結衣「こんなギルドでよかったらさ、好きなだけ居ていいからね」

シリカ「……みんな……ありがとう……」

京子「よしっ!そうと決まれば、さっそく《思い出の丘》にしゅっぱーつ!」

35: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/15(月) 16:58:06.10 ID:NA0zRLjxI
----第四十七層 思い出の丘----


ちなつ「ふぅ……なんとか無事に入手できましたねぇ」

京子「ふぃ~!しんどかった~!」

シリカ「これで……ピナを生き返らせられるんですね……」

結衣「うん。でもここらへんは強いモンスターが多いから、
街に帰ってからにしようね」

シリカ「はい!」

あかり「えへへ……あかり、ピナちゃんに会うの楽しみだよぉ」

37: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/15(月) 16:59:20.27 ID:NA0zRLjxI
「かかれ!」


あかり「えっ……」


がしっ!


京子「~~~!?~~~!!」

ちなつ「ちょ……な、なんですかあなた達!」

ロザリア「あなた達が来るのをずっと待ってたの。その様子だと、
首尾よく《プネウマの花》をゲットできたみたいね」

シリカ「ろ……ロザリアさん……!?」

ロザリア「じゃ、さっそくその花を渡してちょうだい」

38: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/15(月) 17:00:51.82 ID:NA0zRLjxI
結衣「……知り合い?」

シリカ「は、はい……つい最近までパーティーを組んでて……」

ロザリア「そうよォ。戦力を評価すんのと同時に、冒険でたっぷり
お金が貯まって、 おいしくなるのを待ってたの」

シリカ「……!!」

ちなつ「この人たち、その人を除いてほとんどオレンジですよ!」

結衣「犯罪者ギルド……やられたね」

41: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/15(月) 17:02:08.20 ID:NA0zRLjxI
ロザリア「ホラ!さっさと《プネウマの花》と持ち金を全て出しな!」

シリカ「イ、イヤ……この花だけは……」

ロザリア「渡さないっていうのかい?だったら死ね!」


ヒュン!


ちなつ「シリカちゃん!」

京子「やめろーーー!!」

結衣「くっ……」

43: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/15(月) 17:05:02.19 ID:NA0zRLjxI
バシーン!


ロザリア「……!?誰……」


バシーン!バシ!バシーン!


手下1「なっ……お、女!?」

手下2「……!ろ、ロザリアさん!こいつ確か《攻略組》ですよ!」

ロザリア「なっ……」


ギロッ


手下3「ひ、ひぃ!」

手下4「お……お助けををををを!」

ロザリア「あ、あんたら何やってんだ!逃げるんじゃないよ!」

44: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/15(月) 17:07:41.60 ID:NA0zRLjxI
ザッザッザッ ……


ロザリア「ふ、ふん。やりたきゃやってみな。
グリーンのアタシに傷をつけたら、今度はあんたがオレンジに……」


ジャキン!


ロザリア「……っ」

あかね「……言っておきますけどね」

あかね「私の妹を傷つける奴は誰だって容赦しませんよ」


あかり「お……お姉ちゃん!?」

47: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/15(月) 17:13:48.32 ID:NA0zRLjxI
結衣・京子・ちなつ「「「えーーーっ!?」」」

ロザリア「ぐっ……お、覚えてなさい!」


ダッダッダッダッダッダッ……




あかね「……ふぅ」

あかり「お姉ちゃん……?お姉ちゃんだよね?」

あかね「うふふ、そうよ」

あかり「お姉ちゃんもこのゲーム買ってたの?」

あかね「ううん。でもなんだか嫌な予感がしてね……」

あかね「友達が買ったナーヴギアを無理やり被らせてもらったの」

京子「…………」

49: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/15(月) 17:20:05.36 ID:NA0zRLjxI
あかね「実を言うとね……このゲームが始まったときから、
お姉ちゃんはずっとあかりを見守ってたのよ」

あかり「えっ、そうなの!?」

あかね「うふふ……お姉ちゃんったら、ハイディングスキルや追跡スキル、
聞き耳スキルまでマスターしちゃった」

あかり「わぁ!お姉ちゃんすごーい!」

52: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/15(月) 17:24:16.75 ID:NA0zRLjxI
結衣「(……追跡スキル?)」

ちなつ「(き、聞き耳……?)」

あかり「あっ、紹介するね!こちら、《ビーストテイマー》のシリカちゃん」

シリカ「さ、さっきは助けていただいて……ありがとうございました」

あかね「あかりの新しいお友達?」

あかり「うん!」

シリカ「よろしくお願いします」

あかね「ふふ、こちらこそよろしく。とりあえず、積もる話は
街に着いてからにしましょうか」

54: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/15(月) 17:30:12.90 ID:NA0zRLjxI
----第三十五層 風見鶏亭----


シリカ「みなさん……行っちゃうんですか……?」

結衣「うん。色々考えたけど、あかりのお姉さんと一緒になって、
私たちも《攻略組》を目指すことにしたんだ」

シリカ「……そう、ですか……」

ちなつ「シリカちゃん……本当に来ないの?」

シリカ「……はい……これ以上、ピナを危険には晒せませんし……」

あかね「そうね……最前線で戦うとなると、そのピナちゃんって子には
かなりキツイでしょうね」

56: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/15(月) 17:35:18.93 ID:NA0zRLjxI
シリカ「…………あ……あたし……」


がしっ


京子「大丈夫!」

シリカ「え……?」

京子「その判断は間違ってないよ。たとえピナちゃんが仮想世界の存在でも、
シリカちゃんがそれを想う気持ちは本物だから」

シリカ「キョーコさん……」

京子「そう……たとえミラクるんが二次元の存在でも、
それを想う私の心が本物なように!」

ちなつ「……最後の一言がなければカンペキだったのに……」

57: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/15(月) 17:37:01.88 ID:NA0zRLjxI
あかね「うふふ……でも、その通りね」

シリカ「……?」

あかね「レベルなんてただの数字よ。そんなものより
もっと大事なものがあるわ」

結衣「うん。だからシリカちゃん、今度は現実世界で会おう。
そうしたら、また同じように友達になれるよ」

京子「ひっひっひー……あっちに帰ったら絶対にシリカちゃん見つけ出して、
またごらく部に誘うからね!」

シリカ「みんな……」

59: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/15(月) 17:40:01.59 ID:NA0zRLjxI
ちなつ「さ、早くピナちゃんを呼び戻してあげよ!」

シリカ「はい!」




ポタン…

シリカ「ピナ……いっぱい、いっぱいお話ししてあげるからね」

シリカ「今日のすごい冒険の話を……」

シリカ「ピナを助けてくれた、私の友だち……
ユイさん、キョーコさん、チーナさん、アカネさんの話を」

あかり「あかりも忘れないでーーー!!?」









シリカの想いを背負い、《攻略組》を目指すあかり達。
彼女たちの冒険はもう少しだけつづく……

62: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/15(月) 17:53:00.87 ID:NA0zRLjxI
それからあかり達は、寝る間も惜しんでレベルアップに励んだ。

あかねのサポートもあり、彼女たちのレベルはみるみる上昇していく。
やがて《ごらく部》の名前は《攻略組》からも一目置かれはじめた。


そして……








----第七十五層 迷宮区----


京子「ついに来たあああ!この時が!」

結衣「まさか最強ギルドの《血盟騎士団》からお声がかかるとはね」

あかり「えひひ、あかり達初のボス戦だよぉ」

65: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/15(月) 18:00:05.40 ID:NA0zRLjxI
アスナ「……大丈夫だよ。キリト君は、わたしが守る」

アスナ「……だから、キリト君はわたしを守ってね」

キリト「ああ……必ず」




京子「……」チラッ

ちなつ「……何ですか、ジロジロ見て」

京子「……べっつに~」


あかね「……」チラッ

あかり「? どうしたのお姉ちゃん?」

あかね「なっ……なんでもないのよ!」

67: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/15(月) 18:10:15.91 ID:NA0zRLjxI
ヒースクリフ「では行こうか――戦闘、開始!」


攻略組「「「「うおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!」」」」




ドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドド




あかね「……私たちも行くわよ」

ごらく部「「「「……」」」」 コクッ

68: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/15(月) 18:15:02.36 ID:NA0zRLjxI
ガチャン……




結衣「……」

京子「……」

ちなつ「……」

あかね「……」

キリト「……」

アスナ「……」

ヒースクリフ「……」




アスナ「上よ!!」

71: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/15(月) 18:25:08.74 ID:NA0zRLjxI
シャァァァァァァ……


ちなつ「ひっ……!」

ヒースクリフ「固まるな!距離を取れ!!」


フォン!

攻略組「うぐっ……」

攻略組「……ッ」

攻略組「ぐわあああああっ!!」


ガシャーン
ガシャーン
ガシャーン


結衣「……!?」

京子「ウソ……一撃……?」

キリト「……っ」

アスナ「こんなの……無茶苦茶だわ……」

72: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/15(月) 18:29:20.36 ID:NA0zRLjxI
ギロッ


ちなつ「ひィッ!?」


ギギギギギ……


ちなつ「……!!」

結衣「ちなつちゃん!」


フォン!


ちなつ「ぁ……ぁ……」

79: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/15(月) 18:53:46.92 ID:NA0zRLjxI
ガキィィン!!


ちなつ「……?」

京子「ぐっ……!」

ちなつ「きょ、京子先輩!?」

京子「ぐぬぬぬぬ……!!」

結衣「京子!」

あかり「京子ちゃん!」


ギギ……


京子「……だ、ダメだ……もう……もたな……」

81: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/15(月) 18:58:50.94 ID:NA0zRLjxI
バシーン!!


京子「……!?」

キリト「大鎌は俺たちが食い止める!!みんなは側面から攻撃してくれ!」

京子「……ぁ……ありがとう……」

アスナ「早く行って!」

京子「う、うん……」

83: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/15(月) 19:05:10.54 ID:NA0zRLjxI
結衣「京子!ちなつちゃん!」

京子「おわっ!? ゆ、結衣……」

ちなつ「結衣先輩!」

結衣「バカ……無茶するなよ……」

京子「……ご、ごめん……」

あかね「……みんな、無事を喜ぶのは早いわよ」

結衣「……!」

あかね「行きましょう、私たちも」

ごらく部「「「「はい!!」」」」

85: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/15(月) 19:12:49.59 ID:NA0zRLjxI
第七十五層のボス《The Skullreaper》との戦いは一時間にも及んだ。

《攻略組》が十四人死亡した中、ついに《ごらく部》は一人の犠牲者も出さず、
その激闘をくぐり抜けた。









京子「も、もうダメ……死ぬ……」

結衣「……本当に死にそうだな」

あかり「み、みんな……無事……?」

ちなつ「なんとか……」

あかね「ふふ……みんな、本当に強くなったわね」

あかり「お姉ちゃん……」

87: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/15(月) 19:17:16.85 ID:NA0zRLjxI
ちなつ「……京子先輩」

京子「ん……?」

ちなつ「さっきは……その……ありがとうございました。助けてくれて……」

京子「……!」

京子「……へっへー!可愛いちなつちゃんの為なら、この歳納京子、
命だって捧げちゃうよん」

ちなつ「……もう、京子先輩ったら」

88: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/15(月) 19:20:52.10 ID:NA0zRLjxI
キリト「……!」

アスナ「キリト君……?」


ダッ


ヒースクリフ「!」


ガンッ!


【Immortal Object】


アスナ「……!」

京子「へ?」

結衣「え……」

ちなつ「えっ」

アスナ「システム的不死…?…って…どういうことですか…団長…?」

90: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/15(月) 19:27:33.41 ID:NA0zRLjxI
キリト「これが伝説の正体だ。この男のHPはどうあろうとイエローにまで
落ちないようシステムに保護されているのさ」

ヒースクリフ「……」

キリト「……そうだろう、茅場晶彦」




結衣・京子・ちなつ「「「えーーーっ!?」」」




アスナ「団長……本当……なんですか……?」

ヒースクリフ「――確かに私は茅場晶彦だ。付け加えれば、
最上層で君たちを待つはずだったこのゲームの最終ボスでもある」

あかね「!」

ちなつ「ギャアアアアアアアア!?あのときのお化けですよ結衣先輩!」

結衣「ち……ちなつちゃん……く、苦しい……」

92: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/15(月) 19:31:31.60 ID:NA0zRLjxI
ヒースクリフ「……最終的に私の前に立つのは君かアカネ君だと予想していた。
君は《二刀流》スキルの、アカネ君は《がちゆり》スキルの使い手として……」

あかり「お姉ちゃん、《がちゆり》スキルって?」

あかね「なっ……なんでもないのよ!」

ヒースクリフ「こうなってしまっては致し方ない。予定を早めて、
私は最上層の《紅玉宮》にて君たちの訪れを待つことにするよ」

キリト「……」

ヒースクリフ「だが……その前に……」

95: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/15(月) 19:35:25.99 ID:NA0zRLjxI
ビリリッ


結衣「……!?」

京子「へ……?」

ちなつ「なっ……」

アスナ「あ……キリト君……っ」


ドサッ


あかね「麻痺……!?」

キリト「……どうするつもりだ」

ヒースクリフ「キリト君、チャンスをあげよう。今この場で私と
一対一で戦うチャンスを」

キリト「……!」

ヒースクリフ「無論不死属性は解除する」

ヒースクリフ「私に勝てばゲームはクリアされ、全プレイヤーが
この世界からログアウトできる。……どうかな?」

97: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/15(月) 19:39:26.73 ID:NA0zRLjxI
キリト「いいだろう。決着をつけよう」

アスナ「キリト君っ…!」

キリト「ごめんな。ここで逃げるわけには……いかないんだ……」


エギル「キリト! やめろ……っ!」

クライン「キリトーッ!」

99: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/15(月) 19:45:26.35 ID:NA0zRLjxI
キリト「エギル」

エギル「……!」

キリト「今まで、剣士クラスのサポート、サンキューな」

キリト「知ってたぜ、お前が儲けのほとんど全部、
中層ゾーンのプレイヤーの育成につぎ込んでたこと」

エギル「……っ!!」

キリト「クライン」

クライン「……!」

キリト「…………あの時、お前を……置いていって、悪かった。
ずっと、後悔していた」

クライン「て……てめえ! キリト! 謝ってんじゃねえ!
今謝るんじゃねえよ!!」

100: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/15(月) 19:49:01.08 ID:NA0zRLjxI
キリト「……アカネさん」

あかね「……!」

キリト「……俺にも妹がいるんだ。俺の分まで、妹さんのこと……
大事にしてやってください」

あかね「キリト君……」

キリト「一度でいいから会ってみたかったな……アカネさんの自慢の妹に」

あかり「あかりここにいるよーーー!!?」

103: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/15(月) 19:56:46.71 ID:NA0zRLjxI
キリト「……悪いが、一つだけ頼みがある」

ヒースクリフ「何かな?」

キリト「簡単に負けるつもりはないが、もし俺が死んだらーー
しばらくでいい、アスナが自殺できないように計らってほしい」

ヒースクリフ「良かろう。彼女はセルムブルグから
出られないように設定する」

アスナ「キリト君、だめだよーっ!!そんなの、
そんなのないよーーっ!!」




【changed into mortal object】




キリト「殺す……っ!!」

105: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/15(月) 20:04:16.34 ID:NA0zRLjxI
皆が見守るボス部屋の中、二人の戦いは繰り広げられた。

しかしキリトはヒースクリフに圧倒され、ついに致命的な隙を作ってしまう。








ヒースクリフ「さらばだーーキリト君」

京子「キリトさん!」

あかね「キリト君!」

ちなつ「いやああああっ!」

キリト「ごめんーーアスナ……。せめて君だけはーー生きてーー」

107: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/15(月) 20:09:39.81 ID:NA0zRLjxI
バシュゥゥッ! !


アスナ「……っ」

結衣「えっ……」



バタッ


京子「!!」

アスナ「……」

キリト「うそだろ……アスナ……こんな……こんなの……」

アスナ「……ごめんね」

アスナ「……さよなら」

110: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/15(月) 20:14:33.91 ID:NA0zRLjxI
ガシャーン




ヒースクリフ「これは驚いた。麻痺から回復する手段は
なかったはずだがな……。こんなことも起きるものかな」

キリト「……」

ヒースクリフ「……やれやれ」


ドスッ


キリト「……っ」




【You are dead】




ヒースクリフ「私の……勝ちだ」

111: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/15(月) 20:17:47.55 ID:NA0zRLjxI
ドスッ!!




ヒースクリフ「……!?」


ズブブ……


ヒースクリフ「……ば、馬鹿な……」

ヒースクリフ「すでに死は決まっていたはず……」


ズブブ……


ヒースクリフ「……いや……これは……」

ヒースクリフ「後ろから……!?」

112: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/15(月) 20:21:21.85 ID:NA0zRLjxI
あかり「……っ!」

ヒースクリフ「なっ……いつの間に……」


結衣「あ……あかり!?」

京子「あかり!」

ちなつ「あかりちゃん!」

あかね「……!」


ヒースクリフ「ぐおっ……」

ちなつ「で、でもどうして……麻痺にかかってたはずなのに……」

115: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/15(月) 20:27:10.96 ID:NA0zRLjxI
京子「……そうか!」

結衣「えっ」

京子「なんでアスナさんが麻痺から解けたのかはわからないけど……
あかりの場合、アスナさんとはまた違うんだよ!」

ちなつ「ど、どういうことですか……?」

京子「ズバリ!存在感がなさすぎたせいで、ヒースクリフが
麻痺をかけ忘れたんだ!」

結衣「ぇ……」

京子「しかもあかりは、デュエル終了直後……第三者が干渉できて、
かつ相手がもっとも油断した瞬間を狙ったんだよ!」

118: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/15(月) 20:33:13.25 ID:NA0zRLjxI
ヒースクリフ「ぐっ……こ、この……!」

あかり「ひやああああああ!こっち見ないでーー!!」


ズブブッ!!


ヒースクリフ「ぅおっ……!」


エギル「そうだ……行け!お嬢ちゃん!」

クライン「いけええええええ!キリトの仇ーーー!!」

結衣「あかり!!」

京子「あかりーー!!いけーーー!!」

ちなつ「あかりちゃん!!」

あかね「あかりーー!!」


攻略組「「「「うおおおおおおおおおおお!!!あかりいいいいいいい!!!」」」」

121: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/15(月) 20:38:30.79 ID:NA0zRLjxI
ヒースクリフ「う……ぁ……」




ガシャーン








『アインクラッド標準時 十一月 七日 十四時 五十五分』

『ゲームは、クリアされました。』

『ゲームは、クリアされました。』

『ゲームは、クリアされました。』

124: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/15(月) 20:45:01.65 ID:NA0zRLjxI
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~




あかり「う……うう……ん」

あかり「ここは……?」




ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ……




あかり「あっ……」

あかり「アインクラッドが……」

126: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/15(月) 20:52:03.84 ID:NA0zRLjxI
茅場「なかなかに絶景だな」


あかり「!」

キリト「あれは、どうなってるんだ?」

茅場「現在、アーガス本社地下五階に設置されたSAOメインフレームの
全記憶装置でデータの完全消去作業を行っている」

茅場「あと十分ほどでこの世界の何もかもが消滅するだろう」

アスナ「あそこにいた人たちは……どうなったの?」

茅場「心配には及ばない。先ほどーー」

茅場「生き残った全プレイヤー、六一四七人のログアウトが完了した」

128: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/15(月) 20:57:56.10 ID:NA0zRLjxI
キリト「……」

アスナ「……」

茅場「……言い忘れていたな。ゲームクリアおめでとう。
キリト君、アスナ君」


茅場「……そして、アカリ君」


あかり「えっ……」

茅場「あの世界で最大の不確定因子はキリト君だと思っていたが……
……どうやら違ったようだね」

あかり「あ、あの……」

茅場「完敗だ。私はそろそろ行くよ」

131: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/15(月) 21:13:01.52 ID:NA0zRLjxI
キリト「……お別れだな」

アスナ「ううん、お別れじゃないよ」

アスナ「わたしたちはひとつになって消えていく。だから、いつまでも一緒」

キリト「……」

133: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/15(月) 21:18:17.93 ID:NA0zRLjxI
アスナ「ね、最後に名前を教えて。本当の名前」

キリト「桐ヶ谷……桐ヶ谷和人。多分先月で十六歳」

アスナ「年下だったのかー。……わたしはね、
結城……明日菜。十七歳です」

あかり「えひひ……私は、赤座あか」

キリト「ごめん……君を……あの世界に……還すって……
……約束したのに……」

アスナ「いいの……いいんだよ」

あかり「…………あ、あの」

アスナ「わたし、幸せだった。和人君と出会えて、今まで生きてきて
一番幸せだったよ」

アスナ「ありがとう……愛しています……」




あかり「……あの……あかりもいるんですけど……」

135: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/15(月) 21:22:41.52 ID:NA0zRLjxI
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~




あかり「う……うう……ん」

あかり「今度は……なに……?」




ちなつ「ゆ、結衣先輩!」

ちなつ「あかりちゃんが……あかりちゃんが!」

136: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/15(月) 21:27:44.22 ID:NA0zRLjxI
あかり「ぇ……」

結衣「あかり!」

京子「あかり!」

ちなつ「あかりちゃん!」


ギュッ


あかり「み、みんな……?」

結衣「よかった……本当によかった……」

京子「あかりだけ……目を覚まさなかったから……
……もう、帰ってこないのかと……思った……」

あかり「えっ……」

137: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/15(月) 21:31:13.73 ID:NA0zRLjxI
ちなつ「あかりちゃん!」

あかり「ちなつちゃん……」

向日葵「赤座さん!」

櫻子「あかりちゃん!」

あかり「向日葵ちゃん……櫻子ちゃん……」

綾乃「よかった……よかった……」

千歳「赤座さん、ようやったなぁ」

あかり「杉浦先輩……池田先輩……」

139: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/15(月) 21:34:16.81 ID:NA0zRLjxI
あかね「あかり」

あかり「……!」

あかね「やっぱりあなたは、私の自慢の妹だわ」

あかり「お姉ちゃん……」

京子「あかり……」




「「「「「「「「おかえりなさい!」」」」」」」」




あかり「うん……ただいま、みんな!」


ー完ー

引用元: あかり「ソードアート・オンライン?」