ヤムチャ「……うぐっ!」ヨロッ

バイソン「……うがっ!」ヨロッ


実況「おっと、コイツは相打ちか!? ヤムチャとバイソン、両者共にフラつきますっ!」

元「だけど、ここで先に引いちゃいけないよ」


ヤムチャー! イケー!

バイソン「ケッ、生意気に声援なんか貰いやがって……そういう所が、気に食わねぇんだよぉっ!」

ヤムチャ「……いくぜっ!」

バイソン「舐めてんじゃねぇよ……! ぶっ殺してやるっ! うるあぁっ!」ガスッ

ヤムチャ「うぐっ……くそっ、負けるかっ……! だあぁっ!」ガスッ


実況「さぁさぁ、リュグ内が少々荒れて来たか!? ヤムチャとバイソン、両者一歩も引きませんっ! バイソンがヤムチャにエルボーを打ち込むっ! しかし、ヤムチャもまた、すぐ打ち返すっ!」

447: 名無しさん 2015/05/09(土) 22:53:44 ID:tb4ibhrw
サガット「リュウの始末をするか……バイソンの助太刀に行くか……少々、悩ましい場面だなここは……」


バイソン「うるぁっ! 死ね、ボケっ……!」ガスッ

ヤムチャ「……う、うおっ!」ヨロッ


実況「おっと、ここでヤムチャの身体が大きくフラついたぁ! バイソンの力強いエルボーが炸裂したぁ!」

元「……あら、マズい」


バイソン「手間かけさせんじゃねぇよ、ボケっ……よ~し、これで終いにしてやる……」ググッ

ヤムチャ「……うおおおぉぉっ! くそっ、負けるかあぁっ!」

バイソン「……んっ?」


実況「さぁ、バイソンは此処ぞと言わんばかりに大きく拳を振り被り……あっ、いやっ! ヤムチャが動いたっ! 動いたぞっ! ヤムチャも負けてはいないっ!」

448: 名無しさん 2015/05/09(土) 23:00:16 ID:tb4ibhrw
ヤムチャ「……うるああぁぁっ!」バッチーンッ

バイソン「あぁっ……! う、うおっ……!」クラッ


実況「張った張ったっ! ここでヤムチャが張ったぁっ! バイソンの顔面へと、強烈な張り手をお見舞いだぁ!」

元「カウンター気味に入ったんじゃないですか!? いいですよ!」


バイソン「うおぉ……おおっ……星だ……星が見える……」クラクラ

ヤムチャ「お前は邪魔だっ……! 退いてろっ……! ハイヤァっ!」ズガァッ

バイソン「……う、うぐああぁぁっ!」


実況「そして、フラついたバイソンへと……強烈な掌底っ! 膝を突き出しながらのフォームでバイソンの顔面へと打ち込んでいくっ! ヤムチャがバイソンを吹き飛ばすっ!」


バイソン「く、くそっ……油断した……」バターンッ

ヤムチャ「よ、よしっ……! やったぞ……!」

サガット「少し、様子見して正解だったな……バイソンがやられたか……だがしかし……」ユラーリ


実況「さぁ、ヤムチャがバイソンを倒したか!? おっとおっと、だがしかし! サガットが近づいているっ! ヤムチャの後ろから、気配を消してゆっくりと近づいていっているっ!」

450: 名無しさん 2015/05/09(土) 23:05:50 ID:tb4ibhrw
ヤムチャー! ウシロー!

ヤムチャ「……よしっ! 次は、サガットだ」クルッ

サガット「……ご苦労だったな、フンっ!」ガスッ

ヤムチャ「えっ……? うぐっ……!」


実況「背後から忍び寄っていたサガットは、ヤムチャの振り向き様に合わせて、ハイキックを打ち込んだぁ! おぉ~っと、コイツは側頭部辺りに決まったか!?」

元「……あららら」


ヤムチャ「うっ……ああっ……」ガクッ

サガット「いい位置に決まったな……」


実況「ヤムチャは、そのまま両膝をついて……」


ヤムチャ「あぁっ……ダ、ダメだ……」バタッ

サガット「そのまま、寝ておきな……」


実況「そのままガクっと、前のめりに倒れ込みますっ! ここまでか!? ここまでなのかっ!?」

451: 名無しさん 2015/05/09(土) 23:14:38 ID:tb4ibhrw
サガット「おい、レフェリー……そこのゴミを始末しておけ……」

ダン「あぁ、もう……何でも試合権持ってねぇ奴がリングでダウンしちまうかねぇ……ヤムチャも、バイソンも……」


リュウー! ヤムチャー! シッカリシロー!

実況「さぁ、乱戦模様だったリング内ですが……今や、そこに立っているのは、サガット一人っ! サガットのみが、立っていますっ!」

元「……ヤムチャ君も頑張ったんだけどねぇ」


サガット「ヤムチャが来たせいで、バイソンがやられたが……まぁ、問題はない……さぁ、リュウよ……」

リュウ「……ううっ」

サガット「とどめにしてやるっ……! 起きろっ……!」ググッ


実況「サガットはリュウに近づいて……そのまま、引き起こしますっ! さぁ、ここからどうするっ!?」

元「う~ん……リュウ君、頑張ってほしいねぇ……」

452: 名無しさん 2015/05/09(土) 23:28:23 ID:tb4ibhrw
サガット「さぁ、リュウっ……これでとどめだっ……!」ググッ

リュウ「……ううっ!」


実況「さぁ、そしてサガットは再びリュウの頭部を自身の股下に押し込み……再び、パワーボムだっ! パワーボムの体勢だっ!」


サガット「さぁ、いくぞリュウっ……! うおおおぉぉっ……!」ググッ

リュウ「……う、うおおっ!」


実況「サガットはリュウをそのまま頭上まで……おっと、おっと! いやっ! 背面まで持ち上げたぁっ!」

元「おっと、スプラッシュマウンテンか……両手をクラッチして、背面まで持ち上げていったねぇ……」


ザワ……ザワ……

サガット「コイツでおしまいだ……リュウ……」

リュウ「うっ……くっ、くそっ……!」


実況「リュウがサガットの背中に貼り付け状態っ! その姿はまさに、十字架に貼り付けられての公開処刑っ! 悪のクロスっ! 悪のクロスが完成だぁ!」

元「あぁ、なんとか……なんとかしないと……」

459: 名無しさん 2015/05/10(日) 22:04:39 ID:gj7pooJM
リュウー! ニゲロー!

リュウ「ううっ……くそっ、逃げないと……何とか逃げないと……」モガモガ

サガット「おっと、ダメだよ……逃がさんよ……お前はここで終わりだからな……」


実況「リュウは何とか逃れようとサガットの背面でもがくっ! だがしかし……」

元「……う~ん、ガッチリ掴まってるねぇ」

実況「サガットに完全に掴まっているリュウっ! これは、もう公開処刑の時間を待つだけか!?」


ヤムチャ「負けねぇっ……! 絶対に、負けねぇぞっ……!」ブルブル

サガット「……んっ?」

ヤムチャ「こんな場面で終わりじゃねぇ……サガット……お前を止めてみせるっ……!」


実況「おっと! ここでヤムチャが起き上がるっ! 力を振り絞って……何とか立ち上がってきたぁ!」

元「ナイスガッツだよ! いいよ、リュウ君を助けましょうっ!」

461: 名無しさん 2015/05/10(日) 22:17:37 ID:gj7pooJM
ヤムチャー! イケー!

ヤムチャ「お前の好きにはやらせねぇぞっ……! いくぜ、サガットっ……!」

サガット「チィっ……側頭部に喰らったはずだろう……何故、立ち上がれるんだ……」

ヤムチャ「今の俺は……超ヤムチャだからだっ……! うおおおぉぉっ!」ダダッ


実況「粘り強いヤムチャのファイトっ! さぁ、ヤムチャはリュウの救出の為へと、サガットへ突っ込んだぁっ!」


ヤムチャ「いくぜっ……うおおおぉぉっ……!」ドスッ

サガット「……ぐっ!」


実況「そして、サガットの腹部へと肩口から突っ込んでいくっ! アメフトタックルかっ!?」

元「……おっ、リュウ君が!」


リュウ「……よしっ、ヤムチャっ! よくやったぜっ!」ストンッ

サガット「しまったっ……! コイツのせいで……リュウに逃げられてしまったではないかっ……!」


実況「ヤムチャのタックルの衝撃によって、何とかリュウが逃れる事が出来たぁっ! リュウはそのまま、サガットの背面へと着地っ! 公開処刑からは逃れたぁ!」

462: 名無しさん 2015/05/10(日) 22:27:56 ID:gj7pooJM
ヤムチャ「よしっ……救出成功っ……! 後はお前をぶん投げるだけだっ……!」

サガット「あぁ、くそっ……! ちょこまかちょこまかと鼠共がっ……!」

ヤムチャ「ここまま持ち上げてやるっ……うおおおぉぉっ……!」ググッ


実況「正面からサガット突っ込んだ、ヤムチャはそのままサガットを持ち上げてようと、その両足を持ち、抱え上げようとするっ!」

元「スパインバスターか……それともウルフバスター出してくるか……!?」


ヤムチャ「うおおぉぉっ……! 上がれ上がれ上がれっ……!」ググッ

サガット「……なんだなんだ、超ヤムチャとはこんな物か? 俺を持ち上げる事すら出来んのか」

ヤムチャ「ダ、ダメだっ……! やっぱり、コイツは持ち上げられねぇ……!」

サガット「非力だと、苦労するんだな……今、楽にしてやる……フンっ!」ガスッ

ヤムチャ「……うぐっ!」


実況「お~っと、だがしかしサガットの巨体はそう簡単には持ち上がらないっ……! 踏ん張っているヤムチャに対して、サガットは上からスレッジハンマーを落としていきますっ!」

463: 名無しさん 2015/05/10(日) 22:36:44 ID:gj7pooJM
リュウ「ヤムチャっ……! もう少しだけ粘っておけっ……! 今度は俺が救出しってやる……!」

サガット「……ん?」

ヤムチャ「リュウさん……頼みますっ……!」

リュウ「いくぜっ……! うおおおぉぉっ……!」ダダッ


実況「おっと、ここでリュウも動くっ! サガットの背面に着地したリュウは……そのまま、ロープへと向かっていったぁ!」


イケー! リュウー!

リュウ「サガットっ……! 覚悟しろっ……! うおおおぉぉっ……!」ダダッ

サガット「前方のヤムチャに……後方のリュウ……あぁ、敵が多いっ……!」


実況「さぁ、リュウはロープの反動を利用して……そのままサガットの背後へと勢いをつけて向かっていったぁ!」

464: 名無しさん 2015/05/10(日) 22:45:30 ID:gj7pooJM
サガット「仕方ない、ここは背後のリュウから……」

リュウ「……はああぁぁっ!」クルッ

サガット「……ん?」


実況「サガット背後から向かっていったリュウは……おっと、ここでサガットの脇をクルっと前方に一回転っ! そして、正面へと回り込みますっ!」


サガット「くっ……正面かっ……!?」

リュウ「騙し討ちなんて、俺には向いてねぇからな……今度は正面からいくぜっ……! ヤムチャ、今助けるっ……!」

ヤムチャ「……お願いしますっ! リュウさんっ!」

リュウ「トラースキックだっ……! 喰らえ、はああぁぁぁっ!」スパーンッ

サガット「……うぐおぉっ!」ヨロッ


ワー! ワーワー!

実況「そして起き上がりと同時に、サガットへと打ち込んでいくトラースキックっ! コイツは顎辺りにヒットしたか!? サガットもこれにはフラつきますっ!」

465: 名無しさん 2015/05/10(日) 23:00:37 ID:gj7pooJM
サガット「くっ……う、うおおっ……」ヨロヨロ

リュウ「ヤムチャ、いくら相手がデカ物だろうが……ただただ、力任せなだけじゃダメだ……それじゃあ、投げられないっ……!」

ヤムチャ「……くっ、精進しますっ!」

リュウ「バネを使うんだ……ただ手で持ち上げるだけじゃないっ……! 身体全体で持ち上げるんだ……! こういう時こそ、心を落ち着けろ……手本を見せてやるっ……!」グイッ


実況「さぁ、トラースキックを喰らい、フラついたサガットっ! おっと、そしてリュウはまだいくっ! そんなサガットを正面から掴みにかかるっ!」


リュウ「いくぜっ、サガット……投げてやるっ……!」

サガット「……ひ弱なお前に、この俺が投げれるかな?」

リュウ「舐めるなっ……! お前なんか、右腕一本で十分だっ! うおおおぉぉっ……!」ググッ

サガット「何っ……!? う、うおおっ……!」


オー! リュウー! イイゾー!

実況「そして、リュウはそのままサガットの身体をボディスラムで……いやっ、違うっ! 右腕一本で持ち上げているぞっ!? コイツはワンハンド・ボディスラムだっ!」

元「パワーと言うより、上手く身体全体の力を利用してるね。それでもサガット君の巨体を右腕一本で持ち上げるのは、凄い事だよ」

実況「リュウには、パワーもあるっ! テクニックもあるっ! そいつを利用して、サガットの巨体を右腕一本で持ち上げたぁ!」

466: 名無しさん 2015/05/10(日) 23:10:40 ID:gj7pooJM
リュウ「……うおおおぉぉっ! 叩きつけてやるっ!」ドシーンッ

サガット「……うぐううぅぅっ!」


実況「そして、サガットの身体をマットへと叩きつけるっ! リュウのワンハンド・ボディスラムがサガットへと炸裂だぁ!」

元「これは、投げたリュウ君の株も上がったね。凄いよ」


ワー! ワーワー!

リュウ「ヤムチャ、わかったか……? デカ物だからって、臆する事はねぇ……こんな奴、俺だって片腕一本で投げれちまうような野郎なんだ……」

ヤムチャ「……は、はいっ!」

リュウ「次は、お前の番だっ……! やれんのか、ヤムチャっ!?」

ヤムチャ「やってやりますよっ……! 俺だって……やってやりますっ……!」

リュウ「よしっ……! その意気だっ……! じゃあ、合体技……二人でこいつにブチかましてやるぞっ! 起きろ、サガットっ!」ググッ

サガット「……う、ううっ」


実況「さぁ、リュウは何やら一言二言ヤムチャに声を掛けた後……サガットの身体を引き起こしにかかりますっ! コイツは、何か狙っているのかっ!?」

468: 名無しさん 2015/05/10(日) 23:19:08 ID:gj7pooJM
リュウ「いくぜっ……! サガットっ……! うおおおっ……!」ブンッ

サガット「……くっ!」


実況「さぁ、リュウはサガットの身体を掴み、そのままロープへと振ったぁ!」


リュウ「ヤムチャっ! わかっているなっ!?」

ヤムチャ「わかってますっ……! いきますよ……うおおぉぉっ……!」ダダッ


実況「お~っと、そしてここでヤムチャもロープへと走ったぁっ! ここはヤムチャが、サガットに対してロープカウンター攻撃か!?」

元「……いや、リュウ君もだ」


リュウ「よし、俺はこっちだ……ヤムチャ、決めろよっ……!」ダダッ


オー、オーオー

実況「おぉ~っと、リュウもワンテンポ遅れて、側面のロープへと走るっ! コイツは合体技か!? 何か、合体攻撃を狙っているのか!?」

元「狙ってますねぇ、きっと」

469: 名無しさん 2015/05/10(日) 23:26:58 ID:gj7pooJM
サガット「……なんだなんだ、何を狙っているんだ!?」ダダッ

ヤムチャ「うおおぉぉっ……! いくぜぇぇっ……! サガットっ……!」ダダッ


実況「さぁ、サガットの身体がロープの反動によって返ってきたぁ! そして、同じくロープの反動をつけたヤムチャが、正面から向かっていくっ!」


ヤムチャ「今度こそ、持ち上げてやるっ……! いくぞ、サガットっ……! うおおおぉぉっ!」ドスッ

サガット「……うぐっ!」


実況「そして、サガットの腹部へと肩口から突っ込み、両太腿を捉えるっ! コイツはスパインバスターかっ!? しかし、相手は巨体のサガット! ヤムチャ、いけるのかっ!?」

元「リュウ君だって、右腕一本で持ち上げるだなんて、根性見せたんだ……ヤムチャ君……根性見せましょうっ!」


ヤムチャ「心を落ち着けて……身体全体で……うおおおぉぉっ……!」グググッ

サガット「……う、うおおおぉぉっ!」


実況「いったぁっ! ヤムチャがいったぁっ! サガットの巨体を持ち上げたぁっ!」

元「よ~し!」

実況「リング中央でサガットの身体を、スパインバスターの体勢で、高々と真上へと持ち上げたぁっ!」

470: 名無しさん 2015/05/10(日) 23:34:23 ID:gj7pooJM
リュウ「よしっ、いいぞヤムチャっ……! そのまま後ろに、落とせっ!」ダダッ

ヤムチャ「了解ですっ……! うるあぁぁっ……!」ググッ

サガット「……う、うおおぉぉっ!」


実況「さぁ、サガットを高々と持ち上げたヤムチャは、そのまま後方へとサガット身体を落としていくっ!」

元「フラップ・ジャックだね」

実況「おっと、そしてそこにリュウも突っ込んできたっ! 側面からロープの反動を利用して……クロスするかのように、ヤムチャとサガットの元へと突っ込んできたっ!」


リュウ「俺も手伝ってやるっ……! ヤムチャ、いくぞっ!」ピョンッ

ヤムチャ「……はいっ!」

リュウ「……はああぁぁっ!」ガシッ

サガット「……うおっ!」


ワー! ワーワー!

実況「リュウそのままジャンプして、サガットの頭部を掴むっ! ダイヤモンド・カッターだっ! ヤムチャが持ち上げたサガットに更に勢いをつけていくっ!」

471: 名無しさん 2015/05/10(日) 23:38:56 ID:gj7pooJM
リュウ「叩きつけるぞっ! ヤムチャっ! うおおおぉぉっ……!」

ヤムチャ「はいっ、リュウさんっ……! うおおおぉぉっ……!」


ズドーンッ

サガット「……うぐううぅぅっ!」


ワー! ワーワー!

実況「そして二人掛かりで、そのままサガットの身体をマットへと叩きつけていったぁ!」

元「合体攻撃決まったねぇ。ダッドリー・デス・ドロップ……3Dだ」

実況「ここで空手軍団が合体技を見せたっ! Dudley Death Drop……空手軍団の3Dがサガットに炸裂だぁ! カラテ・カッターと呼んでもいいかぁ!?」


リュウ「よしっ……いいぞっ……よく、決めた、ヤムチャっ……!」

ヤムチャ「はいっ……! やってやりましたよっ!」

サガット「ガッ、ガッ……くそっ……ちくしょうっ……」


実況「サガット顔面からマットへと叩きつけられ……大きく大きくダーウンっ! うつ伏せの状態のまま動けませんっ!」

472: 名無しさん 2015/05/10(日) 23:41:56 ID:gj7pooJM
イイゾー! リュウー! ヤムチャー!

リュウ「よし、ここからはもう一人で大丈夫だ……」

ヤムチャ「よし、じゃあ俺はコーナーに戻ります……」

リュウ「いや、ヤムチャ……」

ヤムチャ「……ん?」

バイソン「うぐぐっ……ち、ちくしょう……」

リュウ「……バイソンが起き上がりそうだ。お前はバイソンを止めてくれ」

ヤムチャ「……了解っす!」


実況「さぁ、これで形勢逆転かっ!? おっと、リュウは何やらヤムチャにまたも指示しておりますっ!」

元「バイソン君の事じゃない? ほら、起き上がりそうだよ?」


ヤムチャ「おいおい……起き上がるには早ぇぞバイソン……邪魔せず、場外で仲良くやろうぜ……?」

バイソン「この野郎……糞が……!」


実況「おっとおっと、どうやらそのようでした。ヤムチャはバイソンに向かっていくっ!」

元「この流れを壊されるワケにはいかないからね。バイソン君みたいな、何をしでかすかわからないタイプだったら尚更ね」

480: 名無しさん 2015/05/11(月) 22:02:03 ID:jaLiRtJY
ヤムチャ「うるあっ! 起き上がるんじゃねぇっ!」ドスッ

バイソン「……うぐっ」ガクッ


実況「さぁ、ヤムチャはバイソンに近づいて……ストンピングっ! 踏みつけていくっ! バイソンの身体が再びマットへ倒れ込むっ!」


ヤムチャ「ほらほら……場外に落ちろっ……! 邪魔はさせねぇぞ……!」グイグイ

バイソン「うおおっ……押すな……押すなって、馬鹿野郎っ……! 絶対に押すんじゃねぇってのっ!」


実況「そしてヤムチャはロープを掴み……バイソンの身体を、足でリング外へと押し出していきますっ!」


バイソン「うおおぉっ……! 落ちるっ……! ちくしょう、訴えてやるっ……!」ボトッ

ヤムチャ「よし、いいぜ……だが、まだまだ逃がさねぇ……場外戦だ……」


実況「そして、バイソンの身体が今、場外へと落ちたぁ! これで邪魔者はいなくなったぁ!」

元「ヤムチャ君も、バイソン君追って、場外へ行きましたね」

481: 名無しさん 2015/05/11(月) 22:09:46 ID:jaLiRtJY
リュウ「よし、ヤムチャ……いいぞ……これで邪魔者はいなくなった……後はコイツだけだ……」

サガット「……うぐぐ」


実況「さぁ、荒れていたリング上が綺麗に掃除されたぁ! リング上には、ダウンしているサガットとリュウっ! これは、チャンスの場面だっ!」

元「えぇ、チャンスですね」


リュウ「よし、ここは一発狙うか……!」ダダッ


オー、オーオー

実況「おっとっ! そして、ここでリュウはコーナーへと走るっ! ダウンしているサガットを尻目にコーナーへと走ったぁ!」


リュウ「……ミサイル竜巻旋風脚だ。覚悟しろサガットっ!」

サガット「ううっ……あぁっ……」


実況「リュウは、一度エプロンサイドに出て、そこからコーナーポストに昇っていくっ! コイツはダイビング攻撃か!? それとも、ミサイル竜巻旋風脚か!?」

482: 名無しさん 2015/05/11(月) 22:18:04 ID:jaLiRtJY
ヤムチャ「おい、コラっ! バイソン、起きろっ……! 早くだ……早くしろっ……!」グイッ

バイソン「……なんだよ、急かすんじゃねぇよ、馬鹿野郎」


実況「一方、場外ではヤムチャがバイソンを引き起こすっ! ここは上手く抑えておきたい場前だっ!」

元「そうだね。リュウ君の邪魔されちゃ、困るしね」


ヤムチャ「よしっ……バイソン、いくぜっ……!」グイッ

バイソン「……んあっ?」


実況「バイソンを引き起こしたヤムチャは、その身体を掴み……」


ヤムチャ「うおおおぉぉっ……! 鉄柵に……いってこいっ……!」ブンッ

バイソン「う、うおっ……くそっ……! この野郎っ……!」


実況「そのまま、バイソンの身体を鉄柵目掛けて振り投げていったぁ!」

元「こうすれば、バイソン君は邪魔出来ないね。いいよいいよ」

483: 名無しさん 2015/05/11(月) 22:25:46 ID:jaLiRtJY
バイソン「……うげええぇぇっ!」ガッシャーンッ


実況「バイソンの身体が激しく鉄柵へとぶつかったぁ! 凄まじい金属音が鳴り響くっ!」


リュウ「よし、後はサガットが起き上がるのを待って……」

サガット「ううっ……あぁっ……くっ……」


実況「さぁ、そしてリュウはコーナーポスト上に昇りきったっ! そこから、サガットに狙いを定めて、様子を見ているっ!」

元「これは、ミサイル竜巻旋風脚だね」


ヤムチャ「よ~しっ! 今から、リュウさんがド派手に決めるぜっ! ほらほら、もっと、声出してっ! ハイハイっ!」パチパチ


実況「おぉ~っと、場外のヤムチャも乗ってきたか!? 場外で大きく手を叩き、流れを引き寄せようと積極的に煽っていきますっ!」

元「細かい事だけど、こういう事も大事だよ。人は感情で変わる部分もあるからね。ムード作りっていうのも、大切」

484: 名無しさん 2015/05/11(月) 22:31:40 ID:jaLiRtJY
ヤムチャ「それ、リ・ュ・ウ! リ・ュ・ウ!」パチパチ


リ・ュ・ウ ! リ・ュ・ウ !

実況「そして、ここでリュウコールが巻き起こるっ! さぁ、場内が一気に空手軍団ムードになってきたかぁ!?」

元「リュウ君も、この期待に応えないとね」


リ・ュ・ウ ! リ・ュ・ウ !

リュウ「あぁ、任せておけっ……! 決めてやるぜっ……!」グッ

サガット「あぁ、くそっ……ウザったい声援だ……」ムクッ


実況「リュウもコーナーポスト上で握り拳を作り、その声援に応えるっ! さぁ、そして今サガットがゆっくりと……立ち上がるっ!」


リュウ「いくぞ、サガットっ……! はあああぁぁっ!」シュタッ

サガット「……んっ?」


実況「そして、今リュウが跳んだああぁぁっ! コーナーポスト上から、サガットに向かって飛び込んでいくっ!」

486: 名無しさん 2015/05/11(月) 22:39:09 ID:jaLiRtJY
リュウ「ミサイル竜巻旋風脚だっ……! 喰らえ、サガットっ……! はああぁぁっ!」ズガアアァァッ

サガット「う、うぐああぁぁっ……!」バターンッ


ワー! ワーワー!

実況「そして、正面からサガットへと打ち込んでいくっ! コーナーポスト最上段からの竜巻旋風脚っ! ミサイル竜巻旋風だあぁっ!」

元「よ~し! いいですよ!」

実況「サガットの巨体が吹っ飛んだぁ! これを喰らい、サガットは大きく大きく大きくダーウンっ!」


ヤムチャ「よっしゃっ……! リュウさんナイスっす!」

バイソン「ううっ、ちくしょう……オイ、そこの兄ちゃん、椅子貸して貰うぜ……? オイ、早くしてくれっ……!」


実況「流れは完全に空手軍団の物か!? ここは、リュウっ! 責め立てたい場面だっ!」

元「あっ! バイソン君が、場外で椅子持ったよっ!」

487: 名無しさん 2015/05/11(月) 22:47:25 ID:jaLiRtJY
バイソン「よ~し、これで、百人力だ……兄ちゃん、ありがとなっ……!」


実況「おっとおっとっ! バイソンがパイプ椅子を手にしていますっ! コイツはまた一波乱ありそうか!?」

元「……う~ん」


ヤムチャ「また、凶器か……だが、好きにはさせないっ……! うおおおぉぉっ……!」ダダッ

バイソン「……んあっ?」


実況「おっと、しかしここはヤムチャが突っ込んでいくっ! パイプ椅子を手にしたバイソンに臆する事なく……猛スピードで突っ込んでいくっ!」

元「ここは、止めましょう! そうでないと、またおかしな事になります」


ヤムチャ「凶器なんて、使わせるかよっ……! うるあぁぁっ!」ドスッ

バイソン「……うげっ! ちくしょう!」ボトッ


実況「そのままヤムチャは、ランニングしてのニーリフトをバイソンの腹部へと打ち込んでいくっ! そして、それによりバイソンは手にしたパイプ椅子を……落としたぁ!」

元「よく止めたっ! よくやった!」

488: 名無しさん 2015/05/11(月) 22:55:53 ID:jaLiRtJY
ヤムチャ「よしっ……! とりあえず、凶器は落としたな……だけど、お前は何するかわかんねぇ奴なんだ……だから、相手は俺だっ! 俺がここで止めるっ!」ガシッ

バイソン「……ちくしょうっ! 絡んでくるなよ、面倒臭い奴だなぁ」


実況「ヤムチャはそのままバイソンに掴みかかっていくっ! リング内でも激しい戦いだが、場外でも同じように激しい戦いが繰り出されているっ!」


リュウ「ヤムチャ、頑張れよ……こっちも頑張るからよ……」

サガット「ううっ……うあぁっ……」

リュウ「さぁ、サガット……こんな物で終わりじゃないだろう……起きろっ……!」ググッ

サガット「……ううっ」


実況「リング上では、リュウがサガットの身体を引き起こしていくっ……! ここはフォールを狙わずに、サガットにダメージを与える事を優先させていくっ!」

元「そうだね、まだサガット君は、体力残ってるんじゃないかな?」

489: 名無しさん 2015/05/11(月) 23:08:17 ID:jaLiRtJY
リュウ「……はああぁぁっ!」シュッ

サガット「……うぐっ!」


実況「リュウは引き起こしたサガットに対して……そのままミドルキーックっ! サガットの脇腹へと打ち込んでいくっ!」


リュウ「もう一丁っ……! はああぁぁっ……!」シュッ

サガット「……ぐがっ!」


実況「そして、連続でもう一発っ! もう一度、同じ場所へと打ち込でいくっ!」


リュウ「どんどん、打ち込むぜっ……! はぁっ……! たぁっ……!」ガスガス

サガット「ガッ……グッ……うごっ……!」


実況「リュウはテンポを上げて連続で打ち込んでいくっ! 蹴り蹴り蹴りィ!」

元「得意の打撃のラッシュできましたね」

実況「リュウが打ち込む打ち込む打ち込むっ! ここは得意の蹴りのラッシュで来たっ! リュウが蹴りで、サガットを滅多打ちにするっ!」

490: 名無しさん 2015/05/11(月) 23:22:14 ID:jaLiRtJY
ワー! ワーワー!

リュウ「……これで止めだっ! いくぞっ!」ググッ

サガット「く、くそっ……!」


実況「さぁ、そしてここでリュウがググッと構えたっ! フラついているサガットに狙いを定めるっ!」


リュウ「……はああぁぁっ!」

サガット「……甘いっ!」ガシッ

リュウ「……何っ!?」


実況「そして、サガットに大振りのミドルキック……あっとっ! いや、ここはサガットが受け止めたっ! 蹴りに来たリュウの右足を左腕で捉え、脇下に抱え込みますっ!」


ザワ……ザワ……

サガット「散々、蹴ってくれたな……悪い足だ……フンっ!」ガスッ

リュウ「……うぐっ!」


実況「サガットに足を取られて、リュウは片脚立ちっ! そして、間髪入れず捉えた足にサガットが右腕でエルボースタンプっ! 肘を落としていきますっ!」

491: 名無しさん 2015/05/11(月) 23:32:45 ID:jaLiRtJY
サガット「お前の敗因を教えてやろう……それは、俺に怯えている事だ……」

リュウ「……何だと?」

サガット「先程、俺を片腕一本で投げたのは見事だったが……やはり、お前は怯えている……心の何処かで、この帝王を持ち上げるのは難しい事だ……そう考えている……」

リュウ「……デカ物が、調子に乗るなよ」

サガット「得意の打撃攻撃のラッシュで攻めてきたのでは、ない……打撃攻撃のラッシュでしか、俺を攻める術がなかった……そうだろ、リュウ……?」

リュウ「……くそっ」

サガット「来るとわかっている蹴りなら……受け止められん事もないさ……? どれだけ、ピンチの状況でもなぁ……?」ニヤニヤ

リュウ「……言ってる事は、案外当たってるかも知れねぇな、サガットよ」

サガット「フハハ……! やはり、この体格は武器だ……お前と俺……この体格差だけは、どう足掻いても埋められん……いくぞ、フンっ……!」ブンッ

リュウ「……うおっ!」


実況「そして、サガットはその捉えたリュウの足を、乱暴に横へと振り払っていきますっ! ここはサガットが返したっ!」

492: 名無しさん 2015/05/11(月) 23:39:43 ID:jaLiRtJY
リュウ「……だがっ!」クルッ

サガット「……んっ?」


実況「サガットに足を振り払われ、リュウの身体が大きく回転するっ!」

元「……いや、アレ自分から回ってますよ」


リュウ「うおおおぉぉっ……! はああぁぁっ……!」ズガアァァッ

サガット「……何だと!? うぐああぁぁっ!」


実況「おっと、サガットに足を払われたリュウは、自ら回転して勢いをつけていくっ! そしてサガットの目の前でクルっと一回転っ! そのまま旋回しつつのニールキックを打ち出していったぁ!」

元「ドラゴン・ウィップですね。リュウ君、よく見てましたよ」

実況「一回転しつつの蹴りをサガットの顎へと打ち込んでいくっ! サガットも上手く返したが、リュウはそのサガットの更に上をいったぁ!」


リュウー! イイゾー!

リュウ「言ってる事は当たってるかも知れねぇが……来るとわかっている蹴りなのに、避けるのは難しいだろ……? サガットよぉ……!」

サガット「ううっ……くっ、くそおおぉぉっ……!」バターンッ


実況「リュウのドラゴン・ウィップをその顎に喰らったサガットは……そのまま大きくダーウンっ!」

493: 名無しさん 2015/05/11(月) 23:43:39 ID:jaLiRtJY
リュウ「よし、いい感じだ……ヤムチャの方はっと……」チラッ


ヤムチャ「うおおおぉぉっ……! バイソン、持ち上げてやるぜっ……!」ググッ

バイソン「おおっ……! 危ないっ……ここでは危ないって、オイっ……!」

ヤムチャ「ボディスラムだっ! バイソン、喰らえっ……!」ドシーンッ

バイソン「うがああぁぁっ……! 場外では、痛いんだって……ちくしょう……!」


実況「さぁ、リング上ではサガットが大の字っ! 空手軍団のペースか!? おっと、そしてここでヤムチャも場外でバイソンにボディスラムっ! リング外でも空手軍団のペースだっ!」

元「あそこで投げられるのは痛いよ~」


リュウ「よし……いい感じで進んでるみたいだな……いいぞっ! ヤムチャっ!」

ヤムチャ「うっす! 俺はコイツをここで止めておきますっ!」

リュウ「じゃあ、ヤムチャが止めてくれてるうちに……仕留めちまうか……言われたままじゃ悔しいからな……サガット……だったら、お前を投げてやるよっ……!」


実況「リュウは場外にいるヤムチャに声を掛けるっ! そしてヤムチャもそれに応えるっ! この辺りは、互いの呼吸が整ってると考えてもいいんですかねぇ、元さん?」

元「そうだね、いい感じだね」

実況「さぁ、そしてリュウは再びサガットへと近づいていくっ! さぁ、いいリズムで試合は進んでいるっ! ここから、どうするっ!?」

513: 名無しさん 2015/05/12(火) 22:00:41 ID:uSmtG9kU
リュウ「さぁ、起きろっ! サガットっ!」ググッ

サガット「くっ……ううっ……」


実況「リュウはサガットの身体を引き起こしていくっ! さぁさぁ、ここからどうするっ!?」


リュウ「さぁさぁ、サガットいくぜっ……! 覚悟しろっ!」ググッ

サガット「ううっ……あぁっ……」


実況「そして、サガットの頭部を股下へと押し込み、前のめりの姿勢へと捉えるっ! サガットの両脇の下から自身の両腕を通してロックっ! サガットの背中の上で、捉えたっ!」


リュウ「デカ物だろうが……持ち上げてやるっ……! うおおおぉぉっ!」ググッ

サガット「……う、うおおぉっ!」


実況「そして、そのままサガットの身体を持ち上げていったぁっ! サガットの身体が、リュウの目前で真っ逆さまっ!」

514: 名無しさん 2015/05/12(火) 22:10:13 ID:uSmtG9kU
リュウ「いくぜ、サガットっ……! うおおおぉぉっ……!」ズドーンッ

サガット「……うがああぁぁっ!」


実況「そして、そのままサガットの身体ごと前方に倒れこんでいくっ!」

元「ペディグリーですね。高角度で繰り出してきましたね」

実況「リュウの高角度ペディグリーっ! 高角度ペディグリーっ! サガット顔面からマットへと叩きつけたぁ!」


ワー! ワーワー!

リュウ「……どうだっ!?」

サガット「ぐわああぁぁっ……! くそっ、くそっ……!」


実況「サガットはうつ伏せへと大きくダーウンっ! コイツは効いたか!? 顔面を抑えて苦しんでいます!」

元「顔は鍛える事は出来ないからね。いいですよ」

516: 名無しさん 2015/05/12(火) 22:23:55 ID:uSmtG9kU
リュウ「さぁ、終わりにしてやるっ……いくぞ、サガットっ……!」


実況「さぁ、リュウはうつ伏せに倒れこんでいるサガットの身体を跨いで……そのまま腰上辺りに陣取ったっ!」


リュウ「はぁっ……たぁっ……!」シュルッ

サガット「おぉっ……うおぉっ……」


実況「サガットの右腕を両足で挟み込むようにロックしながら……自身の両腕をサガットの頭部に回してガッシリと組むっ!」


リュウ「……これでお終いだっ! だああぁぁっ!」ググッ

サガット「……ぐわああぁぁっ!」


実況「そしてそのまま、サガットの顔面を渾身の力で締め上げていくっ! ここで、リュウが決めにきたかぁ!?」

元「ただ、顔を締め上げるだけじゃなくて、腕もロックして動きを封じてきましたね。クリップラー・クロスフェイスです」

実況「叩きつけたサガットの顔面に更に追い討ちを仕掛けていくっ! リュウのクリップラー・フェイスロックっ! クリップラー・フェイスロックだぁっ!」

517: 名無しさん 2015/05/12(火) 22:34:37 ID:uSmtG9kU
リュウー! イケー!

リュウ「……うおおおぉぉっ!」ググッ

サガット「ぐわああぁぁっ……くそっ……くそっ……!」

ダン「おい、サガットどうするっ!? ギブアップか!? ギブアップすんのか!?」


実況「さぁリュウが今、渾身の力でサガットの顔面を締め上げているっ! ここで決まってしまうのか!? 今、レフェリーがサガットに確認を取っていますっ!」


サガット「ノーだっ、ノーっ……! ギブアップなどせんっ……!」

リュウ「粘るな……だがっ……!」


実況「サガットは、フリーな左腕で人差し指を立てて、左右に振るっ! ここはなんとか堪えていくっ! だが、リュウは……!?」


リュウ「無駄な足掻きだっ……! うおおおぉぉっ……!」ググッ

サガット「ぐわああぁぁっ……! くそっ、バイソン助けてくれえぇっ……!」


実況「より一層力を込めてサガットの顔面を締め上げていくっ! 元さん、ロックの具合はいかがでしょうかっ!? 」

元「いい感じに決まってますよ、コレ!」

518: 名無しさん 2015/05/12(火) 22:45:23 ID:uSmtG9kU
バイソン「あぁ、くそっ……サガットがピンチじゃねぇか……助けにいかねぇと……!」ムクッ

ヤムチャ「何処へ行くっ……! お前の相手は、俺だぞっ……! うおおおぉぉっ……!」ドスッ

バイソン「……うげっ!」


実況「サガットのピンチにバイソンも、立ち上がったぁ! だが、そこにはヤムチャがいるっ! すぐ様、立ち上がったバイソンの腹部に肩口から突っ込んでいったぁ!」

元「うん、ここはヤムチャ君がバイソン君を止めておきましょう!」

実況「そのままバイソンの身体を、エプロンへと押し付けるタックルっ! ヤムチャがバイソンを止めているっ!」


バイソン「くそっ……くそっ……! 邪魔すんなよ、退けっ……! この糞がっ……!」ドガドガ

ヤムチャ「ガッ……グッ……上からボカスカ殴りやがって……痛ぇな……」


実況「バイソンは必死に抵抗するっ! 腹部に突っ込んできたヤムチャの背中に上にから必死に、パンチ振り下ろしているっ!」


ヤムチャ「だけど、ここでお前を行かせるワケにはいかねぇんだよっ……! 大人くしてろっ……! オラっ……!」ドスッ

バイソン「……ぐわぁっ!」


実況「だが、必死なのはヤムチャも同じだっ! 腹部に突っ込んだまま、至近距離でのタックルをもう一発っ! バイソンの動きを止めるっ!」

519: 名無しさん 2015/05/12(火) 22:50:23 ID:uSmtG9kU
リュウ「いいぞ、ヤムチャっ……! そのまま、バイソンを抑えておいてくれっ……!」

サガット「あぁ、何をやっているんだ、バイソンっ……早く、助けに来てくれっ……!」


リ・ュ・ウ ! リ・ュ・ウ !

実況「さぁ、バイソンは場外でヤムチャに捕まっているっ! どうやら、このままいけそうか!?」

元「いけそうですねぇ、後はサガット君の口から『ギブアップ』という言葉引き出すだけです」

実況「さぁさぁ、リュウがサガットの顔面を締め上げる締め上げるっ! どうだ、このまま決まってしまうのか!?」


リ・ュ・ウ ! リ・ュ・ウ !

リュウ「意地張らずに……とっととギブアップしちまいなっ……!」ググッ

ダン「オイ、サガット……! どうすんだ、ギブアップすんのかっ!?」

サガット「く、くそっ……ギブアップはせんっ……! 五月蝿いぞっ……!」

520: 名無しさん 2015/05/12(火) 23:00:02 ID:uSmtG9kU
サガット「くそっ……バイソンは当てにならんか……それなら……!」ズルッ

リュウ「……うおっ!」


ザワ……ザワ……

実況「おぉ~っと、ここでリュウに顔面を締め上られているサガットが動いたっ!」


サガット「なんとか、自力で逃げるしかないな……落ち着け……この俺の巨体なら容易い事だっ……! 粘るんだ、サガット……!」ズルズル

リュウ「く、くそっ……粘りやがる野郎だっ……!」


実況「サガットはリュウに捉えられながらも……必死に這いずって、ロープブレイクを狙うっ! リュウの身体ごと、ロープへと逃れようと企むっ!」

元「ここで決めたい場面だけど……サガット君はパワーもあるからねぇ……」


リュウー! キメロー!

リュウ「くそっ……! だったら、逃げられる前に決めてやるよ……! うおおおぉぉっ!」ググッ

サガット「があああぁぁっ! くそっ……だが、ここでは負けんっ……意地でもロープブレイクさせてもらうぞっ……!」ズルズル

521: 名無しさん 2015/05/12(火) 23:06:11 ID:uSmtG9kU
リュウー! リュウー!

リュウ「絶対にここで決めてやるっ……! うおおぉぉっ……!」ググッ

サガット「逃げてみせるっ……必ず、逃げてみせるぞ……フンッ……!」ズルズル


実況「必死に締め上げるリュウと、なんとかロープブレイクを狙うサガットっ! さぁ、どうだっ! リュウが決めてしまうか……それともサガットが逃げ切るか……」


リュウ「うおおおぉぉっ……! 早くギブアップしちまえっ……! サガットっ……!」

サガット「はぁっ……はぁっ……よ、よし……なんとか辿りついたか……」ガシッ


実況「あぁ~っと! しかし、ここでサガットがロープへと辿りついたっ! サードロープ手を伸ばし、ガッチリと掴みますっ! ここは、サガットが粘り勝ったっ!」

元「やっぱり、サガット君もそう簡単な相手ではないね」


サガット「オイ、レフェリーっ……! ロープブレイクだっ! この馬鹿を止めさせろっ! それがお前の仕事だっ!」

ダン「苦しいのはわかるけど、口の利き方考えろって……オイ、リュウ……ロープブレイクだ……離せ離せ……」

リュウ「……くそっ、仕留めきれなかったか」サッ

522: 名無しさん 2015/05/12(火) 23:17:06 ID:uSmtG9kU
ヤムチャ「あぁ、くそっ……決まらなかったか……後少しだったってのに……」

バイソン「……隙あり」ニヤリ

ヤムチャ「……ん?」

バイソン「ダブルスレッジハンマーだっ……! 気ィ抜いてんじゃねぇぞっ! 無防備なその背中に喰らいなっ……!」ドスッ

ヤムチャ「う、うげっ……! し、しまったっ……!」バタッ

バイソン「ったく、貧乏神みたいにまとわりつきやがって……バイソンちゃんは金持ってねぇぞ!? 絡むなら、今度からは別の相手にしな!」

ヤムチャ「し、しまった……このままじゃ、逃げられちまう……リュウさん、気をつけて……」

523: 名無しさん 2015/05/12(火) 23:25:35 ID:uSmtG9kU
サガット「あぁ、くそっ……ダメージ受けすぎたようだな……顔が、痛い……」


実況「さぁ、なんとかロープブレイクで逃れる事が出来たサガットだが……その表情は苦しそうだっ! なかなか立ち上がる事が出来ませんっ!」

元「そうだね。連続して顔に攻撃喰らってるみたいだしね」


リュウ「逃げられたが……まだ、こっちの優勢に変わりはないようだな……」ムクッ


実況「おっと、そんなサガットを尻目に、リュウは素早く起き上がるっ! どうやら、顔に与えたダメージが生きているようですねぇ、元さん」

元「そうだね。情けはかけちゃ駄目だよ……ここは、とことん攻める場面です」


リュウ「さぁ、サガット……! 起きろっ……! いくぞっ!」ググッ

サガット「くそっ……勢いづいてきたな……これはマズい……」


実況「そしてリュウはサガットの身体を引き起こしていくっ! 今度は背後を取りつつ、引き起こしたぁ!」

524: 名無しさん 2015/05/12(火) 23:32:57 ID:uSmtG9kU
リュウ「終わりにしてやるっ……! いくぞっ!」ガシッ

サガット「……うぐっ!」


実況「リュウは背後から、サガットの両脇の下から両腕を通し、背中の付近でその腕を組むっ! 羽交い締めの体勢に捉えたっ! コイツはドラゴン・スープレックスを狙っているのか!?」

元「……おっ、サガット君の巨体を投げるのか!?」


リュウ「さぁ、いくぞ……サガットっ……! コイツで止めだっ……!」

サガット「……技の選択ミスだな。お前に、俺は持ち上げられん」

リュウ「舐めるなっ……! いくぜっ……! うおおおぉぉっ……!」ググッ

サガット「なんだと……俺を持ち上げた……!? コイツのパワー……侮れんっ……!」


ワー! ワーワー!

実況「巨体だろうが、何のそのっ! リュウはそのまま、背後からサガットの身体を持ち上げていったぁ!」

元「おぉ、やるねぇ」

525: 名無しさん 2015/05/12(火) 23:38:41 ID:uSmtG9kU
リュウ「ドラゴン・スープレックスだっ……! これでお終いだ、サガットっ!」ズドーンッ

サガット「……ぐわあああぁぁぁぁっ!」


ワー! ワーワー!

実況「そして、そのままブリッジの体勢でサガットの身体を後方にそり投げていったぁ!」

元「おぉっ! 決まりましたね!」

実況「サガットの身体がマットに叩きつけられるっ! リュウのドラゴン・スープレックス炸裂っ! ドラゴン・スープレックスが炸裂したぁ!」


リュウ「よし、レフェリー、カウント頼むっ!」

ダン「オーケー、任せておきなっ!」


実況「そのまま、サガットの身体を固めていくっ! フォールの体勢っ! どうだっ!? さぁ、レフェリーがやってきてカウントを数えますっ!」


バイソン「コイツは椅子探してる暇なんてねぇな……くそっ、イケメンが調子に乗ってんじゃねぇぞ……うおおおぉぉっ……!」

ヤムチャ「あぁ、くそっ……俺のせいで……俺のせいでバイソンが生きてる……!」

526: 名無しさん 2015/05/12(火) 23:47:27 ID:uSmtG9kU
ダン「ワンっ……!」

ワー! ワーワー!

ダン「ツーっ……!」

ワー! ワーワー!

ダン「……スリ」

バイソン「させるかよっ……! 馬鹿野郎めっ……!」ガスッ

リュウ「……うぐっ!」

ダン「カット成立だっ! カット成立っ! まだ、決まっちゃいねぇぞ!」


実況「おぉ~っと、しかしここはバイソンがリングに雪崩れ込み……そしてカットっ! ブリッジしているリュウの腹部へとスレッジハンマーを落とし、カットしていきますっ!」

元「……あらら、いつの間にかヤムチャ君から逃れてたみたいだね」

実況「カウントは2.8と言った所か!? ここはバイソンがいい動きを見せますっ! 後、一歩だったのに……その一歩が遠いっ!」


バイソン「調子乗ってんじゃねぇぞ、ゴラァっ! もう、ルールなんて関係ねぇ! イケメンは皆殺しだ……皆殺しにしてやるっ……!」

リュウ「……くっ、後少しだってのに」

528: 名無しさん 2015/05/12(火) 23:50:51 ID:uSmtG9kU
バイソン「ホラホラ、早く起きろ、カスが……モタモタしてんじゃねぇよ……!」


実況「さぁ、再びバイソンがリングへと乱入っ! コイツはまた荒れた流れになってしまうのか……!?」

元「……なりそうだねぇ」


バイソン「その顔面に打ち込んで、早く起きろっ……起きるんだ、リュウっ……!」ググッ


実況「バイソンは拳をググッと突き上げて、リュウの様子を見ているっ! コイツは何かよからぬ事を狙っているのか!?」

元「……狙ってそうですねぇ」


バイソン「俺のこの手が真っ赤に燃えるぅぅっ……! イケメン倒せと……轟き叫ぶぅぅっ……!」

リュウ「くっ、ううっ……」ムクッ

バイソン「ブチかましてやるぜっ……! ばぁぁぁく熱アックスボンバーだっ……! うおおおぉぉっ!」ダダッ


実況「バイソンはリュウの起き上がりに合わせるかのように……ロープへと走ったぁ!」

535: 名無しさん 2015/05/13(水) 22:04:25 ID:wKdZqAbc
バイソン「いくぜっ……! ぶち殺すっ! その綺麗なお顔を、グチャグチャにしてやるぜっ……!」ダダッ


実況「ロープの反動をつけたバイソンがリュウに向かうっ! 起き上がりのリュウに目掛けて一直線っ!」


リュウ「……くそっ! ヤムチャ、しくじったのか!?」

サガット「フハハ、いいぞバイソン……やっちまえ……」ムクッ


実況「さぁ、そして今、バイソンがリュウ目掛けてバイソン式アックスボンバーを振り抜いたぁ!」


バイソン「死にさらせっ! この野郎っ……! バイソン式アックスボンバーだああぁぁっ……!」ブンッ

リュウ「……甘いっ!」クルッ

バイソン「……あり?」

サガット「……おい」


実況「おっとっ! しかしここはリュウがよく見ていたっ! バイソンの脇に逸れるようにクルッと前方に一回転っ! バイソンのアックスボンバーを避わしていくっ!」

536: 名無しさん 2015/05/13(水) 22:08:55 ID:COcSN2ok
バイソン「避けられちまった……って、オイっ! サガット、なんでお前がそんな所にいるんだよっ!」

サガット「……それは、こっちのセリフだっ! バイソン、やめろっ! ストップだっ! ストップっ!」


実況「リュウの後ろには、こちらも起き上がろうと片膝立ちの状態のサガットがいたぁ! そしてそして、攻撃をスカされたバイソンはそのままサガットへと突っ込んで……」


バイソン「サガットちゃん……ご~めんなさぁ~いっ……!」ズガアアァァッ

サガット「……ぐわあああぁぁっ!」バターンッ


実況「そのままサガットに命中っ! 誤爆したぁっ! バイソンのバイソン式アックスボンバーは、誤爆へとなってしまったぁ!」


バイソン「あぁっ、やっちまったよ……サガットちゃんは、醜男だってのに……! 俺は、イケメン以外には恨みはねぇんだよ……!」

サガット「うぐぐ……お前……色んな意味で、後で殺す……」ガクッ

537: 名無しさん 2015/05/13(水) 22:14:45 ID:COcSN2ok
イイゾー! リュウー!

リュウ「……しくじったな、バイソンっ!」

バイソン「あぁ、くそっ……生意気に避けやがってっ……!」クルッ


実況「さぁ、バイソンは慌ててリュウの方へと振り返るっ! だが、時既に遅しっ!」


リュウ「もう一度、場外に落ちてろっ……! はあぁっ!」ドスッ

バイソン「う、うぐっ……! ちくしょう、負けるかっ……!」ヨロッ


実況「リュウは、そんなバイソンに狙いを定めていたっ! 振り向き様のバイソンに対して……ドロップキックっ! 胸元へと打ち込んでいったぁ!」

元「おっと、だけどバイソン君、踏ん張って堪えましたね」


リュウ「耐えたか……だがしかしっ……!」ムクッ

バイソン「俺達が希望になるんだ……世の中の醜男醜女の希望になってやるんだ……こんな所でアッサリやられてたまるかよぉ!」

リュウ「だったら、直接投げてやるっ! いくぞっ……!」ググッ


実況「しかし、リュウはすぐ様立ち上がるっ! そしてフラついているバイソンに間合いを詰め、組みにかかるっ!」

539: 名無しさん 2015/05/13(水) 22:22:02 ID:COcSN2ok
リュウ「はぁっ……! だあっ……!」グイッ

バイソン「ぐっ……! くっ……!」


実況「リュウは、強引にバイソンの頭部を股下へと押し込み、前のめりの姿勢へと捉えるっ! バイソンの両脇の下から自身の両腕を通してロックっ! バイソンの背中の上で、捉えたっ!」

元「おっと、ペディグリーですかね?」


リュウー! イケー!

リュウ「サガットと違って、お前は軽いぞっ……! いくぞ、うおおおぉぉっ……!」ググッ

バイソン「くっ……! くそおおぉぉっ……!」


実況「いや、違うっ! リュウはバイソンの身体をそのまま、大きく後方へとそり投げていくっ!」

元「おっと、ダブルアームスープレックスか」


リュウ「場外で寝てろ、バイソンっ……! はああぁぁっ……!」ポイッ

バイソン「……うぐああぁぁっ!」ズドーンッ


実況「おっと、さらにロックを外し投げっぱなしできたっ! ここはリュウが決めてきたぁ! 投げっぱなしのダブルアームスープレックスでバイソンの身体をマットへと叩きつけたぁ!」

540: 名無しさん 2015/05/13(水) 22:33:02 ID:COcSN2ok
バイソン「ううっ……ちくしょう……! これがイケメン補正だってのか……!」ゴロゴロ


実況「これを喰らったバイソンは、そのまま転がりながら……場外へとエスケープっ! リング外へと出ます」

元「うん、上手くケチらせたね」

実況「荒れ模様になるかと思われたリング上が……綺麗に掃除されたぁ! さぁ、リュウっ! 仕留めるなら今がチャンスだっ!」


リュウ「……さぁ、これでフィニッシュにしちまうぞっ!」ググッ


ワー! ワーワー!

実況「おっと、そしてここでリュウが拳を高く突き上げて……」

元「うん、リュウ君も勝負所よくわかってるみたいだね」

実況「コイツはフィニッシュ宣言だっ! ここでリュウも勝負を賭けてきましたっ!」

542: 名無しさん 2015/05/13(水) 22:41:16 ID:COcSN2ok
リュウ「さぁ、サガット……終わりにしてやるっ……! いくぞっ……!」ググッ

サガット「……うぐぐっ」


ワー! ワーワー!

実況「さぁ、サガットを引き起こしたリュウは、その場で大きく身体を捻って構えたっ!」

元「……おっ、あの構えは!」


リュウ「真空竜巻旋風脚っ……! はああぁぁっ……!」ズガァッ

サガット「……うがぁっ!」


イイゾー! リュウー! キメロー!

実況「おぉ~っと、これは真空竜巻旋風脚だぁっ! リュウがその場で連続回転っ! 蹴りの連打連打だぁ!」

元「よ~し、いけっ! ここ決めちゃいましょう!」


リュウ「うおおおっ……! これで、お終いだっ……! サガットっ……!」ズガガガッ

サガット「ガッ……グッ……うおっ……!」


リ・ュ・ウ ! リ・ュ・ウ !

実況「回っております回っております! いつもより多めに回っておりますっ! リュウの身体が高速回転っ! そしてサガットに蹴りの嵐、嵐、嵐ィ!」

元「さぁ、これでフィニッシュだっ!」

544: 名無しさん 2015/05/13(水) 22:50:01 ID:COcSN2ok
リュウ「うおおおぉぉっ……これで、フィニッシュだぁっ……!」ズガーッ

サガット「……うぐあああぁぁっ!」バターンッ


実況「そして、フィニッシュっ! サガットの身体を吹っ飛ばすっ!」

ワー! ワーワー!

実況「ベガは大きく大きく大きく……ダーウンッ!」


リュウ「さぁ、これで決まりだっ……! レフェリー、カウントを頼むっ!」

ダン「オーケー、任せておきなっ!」


実況「そしてリュウはサガットの身体に覆いかぶさり、フォールの体勢っ! フォールの体勢だっ! ここで決めにきたぁ!」

元「よ~し、どうだ!?」

実況「さぁ、レフェリーが今、カウントを取りますっ! 勝利はもう、目前だぁ!」

545: 名無しさん 2015/05/13(水) 23:03:06 ID:COcSN2ok
ダン「ワンっ……!」

ワー! ワーワー!

ダン「ツーっ……!」

ワー! ワーワー!

ダン「……スリ」

サガット「うおおおぉぉっ……! 負けるかああぁぁっ……!」グイッ

リュウ「……何っ!?」

ダン「カウントはツーだっ! カウントツーっ! まだ、決まっちゃいねぇぞ!」


実況「おぉ~っとっ! なんとなんとぉ! ここはサガットが返してきたっ! なんと返しましたっ!」

元「……おぉ、返したのか。凄い気力だねぇ」

実況「カウントは2.9っ! 2.99ですっ! ここはサガットが意地を見せてきたぁ!」


サガット「ううっ……危なかった……」

リュウ「くっ、なんて奴だ……」


ザワ……ザワ……

実況「サガットの底知れぬパワーに場内がざわめきますっ! だがしかし、サガットは返していったぁっ! もう一度言いましょうっ! カウントは2.99っ! 勝負はまだ決まっていませんっ!」

546: 名無しさん 2015/05/13(水) 23:11:17 ID:COcSN2ok
リュウ「粘る奴だ……だが、もうスタミナは残ってないはずだっ……!」

サガット「ううっ……くっ……」

リュウ「ホラ、サガット起きろっ……!」ググッ


実況「なんとか返したサガットだが……依然リュウの優位に変わりはないっ! リュウはもう一度サガットの身体を引き起こそうとしますっ!」


リュウ「……何をやっているっ! サガット、早く起きるんだっ!」

サガット「ううっ……ダメージ受けすぎて……足に力が入らん……」


実況「さぁ、サガットはもう完全にフラフラですっ! 立ち上がる事すら、ままなりませんっ!」

元「うん、足にもきてるね。もう、殆ど気力だけで戦ってるようなもんでしょ」

実況「完全にサガットを追い詰めたリュウっ! シャドルーを追い詰めた空手軍団っ! さぁ、ならば後は残っているその気力を打ち砕くだけだぁ!」

548: 名無しさん 2015/05/13(水) 23:21:09 ID:QP9TJxSQ
リュウ「ようやく起きたか……遅いぞ……さぁ、これで終わりだっ……フンっ……!」ブンッ

サガット「う、うおっ……!」


実況「さぁ、ここでサガットがようやく立ち上がったか!? そしてリュウはその身体をロープへと振っていったぁ!」


リュウ「さぁ、これでラストだっ! 決めちまうぜっ!」ググッ


ワー! ワーワー!

実況「おっと、そしてここでリュウはグッっと右手で力強い握り拳を作るっ!」

元「おっと、昇龍拳かな? 狙ってるね」


リュウ「さぁ、今度こそフィニッシュだっ……! いくぜ、うおおおぉぉっ……!」ダダッ


実況「さぁ、リュウもロープへと走ったぁっ! 狙いは恐らく昇龍拳っ! リュウがここで仕留めにかかるっ!」

549: 名無しさん 2015/05/13(水) 23:30:24 ID:COcSN2ok
リュウ「さぁ、いくぜっ……! サガットっ……!」

サガット「くっ、この帝王が……この帝王が……」


実況「さぁ、サガット身体がロープの反動で返ってきたぁ! そして、リュウもロープの反動つけ、サガットへと向かっていくっ!」


リュウ「本家見せてやるぜっ……! いくぞっ……! うおおおっ……!」ググッ

サガット「くそっ……! どうせ、このままじゃやられるだけだっ……! こうなりゃ、自爆覚悟だっ……! 偽物が本家を越えてやるよっ……!」ググッ


実況「互いの身体が今、正面衝突寸前っ! そして、リュウが拳を構えたぁ!」

元「いやっ! サガット君も構えたっ!」


リュウ「うおおおぉぉっ……! 昇龍拳っ!」ズガアアァァッ

サガット「うおおおぉぉっ……! タイガーアッパーカットだあぁぁっ!」ズガアアァァッ


実況「おぉ~っとっ!? ここはサガットも繰り出してきたぞっ!? タイガーアッパーカットを繰り出してきたっ! 昇龍拳とタイガーアッパーカットが、ぶつかり合うっ!」

元「……サガット君、捨て身できたねぇ」

実況「サガットが捨て身でぶつかってきたぁ! 両者の技がぶつかり合うっ! どうだっ!?」

550: 名無しさん 2015/05/13(水) 23:37:49 ID:COcSN2ok
リュウ「……ぐわあああぁぁ!」バターンッ

サガット「あぁ、ダメだ……もう動けん……だが、なんとか返したぞ……」バターンッ


実況「ここは相打ち……相打ちだぁっ! 両者がリング中央付近で大きくダウンしますっ!」

元「互いにカウンター気味で喰らったからねぇ……こりゃ、ダメージ大きいよ……」

実況「サガットが捨て身できましたっ! 自爆覚悟の渾身のタイガーアッパーカットっ! 」


リュウー! タテー!

リュウ「ううっ……くそっ……後少しだったってのに……」

サガット「寝てろ……寝てろ、リュウっ……頼むから、そのまま寝てろっ……!」


実況「後一歩まで、追い込んでいたリュウですが……これを喰らい……立てませんっ……!」

元「何気に、リュウ君も結構、ダメージ喰らってたからね……試合が自分のペースで進んでる時はいいんだよ……だけど、こういう状況になっちゃうと、溜まっていた疲労が、ドッときちゃう……」

551: 名無しさん 2015/05/13(水) 23:40:41 ID:COcSN2ok
リュウー! タテー!

リュウ「ううっ……くっ……ちくしょうっ……!」

サガット「よしよし……寝てろ寝てろ、リュウ……!」

ダン「……おい、どうすんだ!? カウント取るか!? 10カウントノックダウンのカウントを取るかっ!?」


実況「さぁ、リュウとサガット……両者立ち上がれませんっ! 互いの肉体はもはや限界寸前かっ!?」


ヤムチャ「リュウさん、変わって下さいっ! 俺がいきますっ!」ピョンッ

リュウ「……ヤムチャっ!」


オー! ヤムチャー!

実況「おっと、しかしここでヤムチャが戻ってきたぁ! 自軍コーナーのエプロンサイドにピョンと飛び乗り、そこから手を伸ばしリュウを呼んでいますっ!」

元「いいタイミングで戻ってきたねぇ。うん、ここは交代した方がいいんじゃないかな?」

552: 名無しさん 2015/05/13(水) 23:45:40 ID:COcSN2ok
リュウ「よ、よし……わかった……! 後はお前に任せるぞ……! 信じてるぞ、ヤムチャっ……!」ズルズル

ヤムチャ「はいっ……! やってやりますよっ……! こっちですっ! リュウさんっ!」


実況「さぁ、這いずりながら自軍コーナーに戻っていくリュウっ! ここはヤムチャに交代だっ!」


バイソン「おい、サガットっ! こっちだよ、こっちっ! 戻ってこいっ!」ピョンッ

サガット「……遅いぞ、バイソンっ! いつまで待たせるっ!」


実況「おぉ~っと、しかしここでバイソンも戻ってきたぁ! 自軍コーナーのエプロンサイドへとピョンと飛び乗り、そこから手を伸ばすっ!」


バイソン「まぁ、いいじゃねぇか……戻ってきたんだからよぉ……? とにかく戻って来い、サガットっ……! 後は俺がやってやるよ……!」

サガット「あぁ、俺ももう限界だ……後はお前に任せる……今、そっちにいくぞ……」ズルズル


実況「そして、サガットも自軍コーナーへと引き下がっていくっ! ここはシャドルーも交代していくっ! 両軍、一度引き下がりますっ!」

553: 名無しさん 2015/05/13(水) 23:50:00 ID:COcSN2ok
リュウ「ヤムチャっ……! 派手に行ってこいっ!」パシッ

ヤムチャ「……はいっ! 行ってきますよっ!」パシッ


実況「さぁ、リュウはコーナーに辿り着いたぁっ! そして、ヤムチャにタッチっ! 交代していきますっ! 試合権はヤムチャっ! ヤムチャへと移りましたっ!」


サガット「バイソンっ……後は頼んだぞっ……!」パシッ

バイソン「オーケーっ! 任せておきなっ! このバイソン様によぉっ!」パシッ


実況「殆ど同時にサガットもバイソンへとタッチっ! 交代していきますっ! こちらも試合が移ったっ! 試合権はバイソンですっ!」


バイソン「覚悟しろよ、オイ……クソヤムチャ……イケメンは皆殺しだ……」

ヤムチャ「さぁ、二巡目……ここからが、正念場だ……ド派手にかましてやるぜっ……!」


実況「ヤムチャとバイソン……両者がほぼ同時にリングイーンっ!」

579: 名無しさん 2015/05/15(金) 22:05:14 ID:Czz0xrOQ
ヤムチャ「いくぜっ……! うおおおぉぉっ……!」ダダッ

バイソン「ぶちのめしてやるぜっ……! いっくぜえぇっ……!」ダダッ


実況「さぁ、そして同時に突っ込んでいくっ! ほぼ同時に突っ込んだ両者が、相手目掛けて同時に突っ込んでいくっ!」


バイソン「オラッ! 死になっ!」ブンッ

ヤムチャ「……甘いっ!」サッ


実況「先に仕掛けたのはバイソンっ! ここはラリアットを繰り出していくっ! あっと、しかしここはヤムチャがよく見ていたか!? 頭を屈めて、バイソンのラリアットを避けるっ! 攻撃をスカしていくっ!」

元「おぉ、よく見てますね」


バイソン「お、おっと……避けられちまったか……」

ヤムチャ「よしっ、先ずは避けたぜっ……そしてここからだっ……!」ピタッ


実況「攻撃を避けたヤムチャは、急ブレーキをかけ、そこでストップっ! バイソンの脇を通り、背後付近でピタリとストップっ!」

580: 名無しさん 2015/05/15(金) 22:17:15 ID:Czz0xrOQ
ヤムチャ「さぁ、打ち込むぜっ……!」ググッ


実況「バイソンの背後でヤムチャは振り返りつつ、腰をググッと落として構えるっ! おっと、この構えは……!?」

元「トラースキック……狙ってますね……」


ヤムチャ「さぁ、振り向け……振り向けバイソンっ……! その顎に、ぶちかましてやるぜっ……!」

バイソン「くそっ、一撃目は避けられちまったが……だがっ……!」クルッ

ヤムチャ「……ん?」


実況「ラリアットを避けられたバイソンは、素早くヤムチャの方を振り返りつつ……おっとおっとぉ!」


バイソン「二撃目が待ってるぜっ! オラァ、くたばれぇぇっ!」ブンッ

ヤムチャ「う、うおっ……! まだ、打ってくるのかよっ……! しまったっ……!」


実況「バイソンはそのまま、振り返ると同時にラリアットを打ち出してきたっ! その場でクルリと回転しつつのラリアットっ! ローリング・ラリアットだぁっ!」

581: 名無しさん 2015/05/15(金) 22:26:39 ID:Czz0xrOQ
バイソン「……死ねええぇぇっ! 糞野郎がっ!」ズガアァッ

ヤムチャ「……ぐええぇぇっ!」バターンッ


実況「一撃目は上手く避けたヤムチャだが……こいつはもらってしまったぁ! バイソンのローリング・ラリアットを喰らい……ヤムチャはダーウンっ!」


バイソン「一撃避けたぐらいで調子に乗ってるんじゃねぇ……こっちはハナから、てめぇにぶち当てれるまで、二発三発と繰り出してやるつもりだったんだよぉ……」

ヤムチャ「ちくしょう……だがっ……!」ググッ


実況「先ず、先手を取ったのはバイソンと言った所か!? あっと、いやっ! ヤムチャはダウンした状態から、両足を高く挙げて……」


ヤムチャ「……フンッ!」シュタッ

バイソン「……おぉ」


オー! オーオー!

実況「そのまま素早く、ハンドスプリングで体勢を立て直していくっ! ここは、ヤムチャも負けてはいないっ!」

元「この場面で、先手取るのはかなり重要ですからね。ヤムチャ君も勝負所わかってますね」

582: 名無しさん 2015/05/15(金) 22:36:09 ID:Czz0xrOQ
バイソン「なんだよ、なんだよ……生意気な野郎だな……大人しく寝ておけよ……」

ヤムチャ「……うおおおぉぉっ! いくぜっ!」ググッ


イイゾー! ヤムチャー!

実況「素早く体勢を立て直したヤムチャっ! おぉ~っと、そしてヤムチャはここで……」


ヤムチャ「……だああぁぁっ! 突き上げてやるっ!」ゴチーンッ

バイソン「……うげええぇぇっ!」


実況「そのまま、身体を伸ばすと同時に、頭部をバイソンへとぶつけていくっ! 下から突き上げるヘッドバットっ! ヘッドバットを打ち込んでいくっ!」


ヤムチャ「い、いてぇ……無茶しすぎた……この石頭野郎め……」

バイソン「お、おぉっ……それはこっちのセリフだよ……おめぇも大概石頭だな、この野郎……」フラフラ


オセー! ヤムチャー!

実況「激しい頭部と頭部のぶつかり合いに、両者共に少しフラつくっ! ここは両者共にダメージを受けてしまったか!?」

元「……いや、ヤムチャ君は下から身体の反動も利用して打ってるからね。ちょっと有利なんじゃないかな?」

583: 名無しさん 2015/05/15(金) 22:41:28 ID:Czz0xrOQ
リュウ「ヤムチャ! 押せっ!」


ヤムチャ「わかってますっ……! ここは押す場面ですよね……うおおぉぉっ……!」フワッ

バイソン「あいててて……んっ……?」


実況「おぉ~っと! ここはヤムチャが動いていくっ! ヤムチャはそのままバイソンの目の前でフワリと飛び上がり……」


ヤムチャ「側頭部に喰らいなっ……! だああぁぁっ……!」シュッ

バイソン「う、うおっ……! 危ねぇ……! ガードだ、ガードっ!」ガシッ


実況「そして、そのままハイキックっ! 跳躍しつつのハイキックを、バイソンの側頭部辺りに見舞っていったっ! おっと、おっと……? しかし、バイソンはこれを両腕でブロックしたか!?」

元「うん、ブロックしたね。バイソン君も、よく見てる」

584: 名無しさん 2015/05/15(金) 22:46:10 ID:Czz0xrOQ
ヤムチャ「……ガードしたか。だが両腕でガードしたのは、マズかったかもなぁ?」シュタッ

バイソン「……あぁ?」

ヤムチャ「反対側が、がら空きになってるぜ……? そこだぁっ……! でやっ……!」ガスッ

バイソン「……うぐっ!」ヨロッ


実況「おっと、しかしヤムチャは着地と同時に……バイソンにエルボーバットっ! 今度は逆側の頭部に繰り出していくっ! そして、コイツはヒーットっ!」

元「両腕使ってガードしちゃったからね。当然、逆側は開きます」


バイソン「く、くそっ……調子に乗りやがって……」ヨロヨロ

ヤムチャ「よし、ここだ……ここで一気に押すっ……!」


イケー! ヤムチャー!

実況「バイソンの身体がフラつくっ! 足が止まるっ! さぁ、ヤムチャ、ここは攻めたい場面だっ!」

585: 名無しさん 2015/05/15(金) 22:56:41 ID:Czz0xrOQ
ヤムチャ「うおおおぉぉっ……!」クルッ

バイソン「く、くそっ……!」

ヤムチャ「……はあぁっ!」ドスッ

バイソン「……うぐうぅっ!」


実況「ヤムチャはそのままバイソンの目の前でクルリと一回転しての、スピンキックっ! 腹部に蹴りを打ち込んでいくっ!」

元「いいですね」

実況「強烈な衝撃が腹部に走ったかっ! バイソンはたまらず、腹部を抑えるっ!


ヤムチャ「今度は顔がガラ空きだぜ……? 二発続けていくぜっ……! ハイッ、ハイッ!」ガスガス

バイソン「ガッ……グッ……!」


実況「そして、お次はバイソンの顔面にエルボーバットを打ち込んでいくっ! ワン・ツーとリズムよく繰り出していったぁ!」

元「的確に、相手のガードが開いた箇所を狙ってますね。いいですよ」

586: 名無しさん 2015/05/15(金) 23:00:08 ID:Czz0xrOQ
ヤムチャ「これで終わりだっ……! 寝てろっ……! ハイヤァっ!」ズガァッ

バイソン「う、うぐああぁぁっ……!」


実況「さぁ、そしてヤムチャは……ここで掌底っ! 膝を突き出しながらのフォームでの掌底を、バイソンの顔面へと打ち出していったぁ!」

元「おぉ、綺麗に決まりましたね!」


ヤムチャ「……どうだっ!?」

バイソン「……ち、ちくしょう」バターンッ


ワー! ワーワー!

実況「顔面に強烈な掌底をもらったバイソンは、ここで大きく大きく大きくダーウンっ!」

元「上手く得意の打撃攻撃で攻めてますね。いいですよ、ヤムチャ君」

587: 名無しさん 2015/05/15(金) 23:09:25 ID:Czz0xrOQ
ヤムチャ「さぁ、バイソン……仕留めてやるぜっ……フンッ……」スルッ

バイソン「……くっ」


実況「バイソンをダウンさせたヤムチャは、そのままバイソンに近づいていき……その足を捉えたっ! ここはサブミッション……関節技か!?」

元「そうだね、狙ってるんだろうね。序盤から、そういう意識はあったみたいだし」


イケー! ヤムチャー!

ヤムチャ「てめぇの足をぶっ壊すっ……! いくぜっ……!」

バイソン「くそっ、足ばかり狙いやがってっ……! させるかよっ……!」シュルッ

ヤムチャ「……んっ?」


実況「おっとっ! しかしここはバイソンが、足を取りにきたヤムチャの手を蹴り払い……そして、下から両足をヤムチャの胴回りに回していきますっ!」

元「……あら?」

588: 名無しさん 2015/05/15(金) 23:16:48 ID:Czz0xrOQ
バイソン「まぁ、ちょいと不恰好な体勢だが……これはこれで構わねぇ……さぁ、ヤムチャ君よ……打ち合おうぜ……?」

ヤムチャ「お、おいっ……なんだよ、これ……離せよっ……!」

バイソン「離せと言われて離すバカはいねぇなぁ! オラオラオラっ! その顔面に打ち込んでやるぜっ!」ガスガス


実況「そして、バイソンはそのまま下からヤムチャの顔面にパンチを打ち込んでいくっ! マウントポジションのような体勢に持ち込みながらも……下からヤムチャにパンチを繰り出していくっ!」

元「下から、ヤムチャ君の両腕を封じるように、両足でロックしてますねぇ……これじゃあ、ヤムチャ君身動きがとれませんっ!」


バイソン「ヘイヘイ、どうしたどうした? おめぇの方が有利なポジションだってのに打ってこないのか……? 打ってこないなら、こっちからいくぜ、オラオラオラっ!」ガスガス

ヤムチャ「グッ……ガッ……離せ……離しやがれ……」


実況「さぁ、バイソンが下からヤムチャの顔面にパンチの連打連打っ! ヤムチャの両腕は、バイソンの両足に挟み込まれロックされているっ! これでは、ヤムチャは反撃が出来ないっ!」

589: 名無しさん 2015/05/15(金) 23:21:12 ID:Czz0xrOQ
リュウ「くそっ、バイソンめ……ヤムチャ、今助けてやるぞっ……!」


実況「これには、慌ててリュウもリング内へと入って来ますっ!」

元「そうだね、ここはリュウ君が助けましょう」


サガット「全く、ゆっくり休む暇がないな……リュウ、やらせはせんぞ……」


実況「あぁ~っと! しかし、ここでサガットもリングインしますっ! ヤムチャを救出しようとするリュウを妨害しようというのか!?」

元「あぁ、サガット君も来ちゃったか……」


リュウ「ヤムチャ、待ってろっ……! 今、行くぞっ……! うおおおぉぉっ……!」ダダッ

サガット「救出などさせんっ……! うおおおぉぉっ……!」ダダッ


実況「さぁ、リュウとサガットがほぼ同時に向かっていくっ! どうだっ!? リュウ、ヤムチャを救出する事が出来るかっ!?」

590: 名無しさん 2015/05/15(金) 23:26:11 ID:Czz0xrOQ
サガット「うおおおぉぉっ……! お前も、死ねっ! リュウっ……!」ガスッ

リュウ「……うぐっ!」


実況「あぁ~っとっ! ここはサガットが、一手早かったかっ!? リュウに突っ込み、その土手っ腹へと膝っ! ニーリフトを打ち込んでいったぁ!」

元「……あ~、くそっ!」


リュウ「くっ、くそっ……サガットめ……」フラッ

サガット「ふう、なんとか間に合ったか……よし、リュウの事は俺に任せておけっ……! バイソン、お前はそのままそいつをボロ雑巾にしてしまえっ!」

バイソン「オーケー、オーケー、わかってるってのっ! オラオラっ! くたばれ、ヤムチャっ! オラオラオラっ!」ガスガス

ヤムチャ「うっ……ガッ……グッ……」

サガット「さぁ、リュウっ……! 二人で大人しく、場外へいくぞっ……! うおおおぉぉっ……!」

リュウ「くっ……!」


実況「サガットは、そのままリュウの首筋を掴んで……そのままロープ際へと持っていったぁ!」

591: 名無しさん 2015/05/15(金) 23:29:41 ID:Czz0xrOQ
サガット「さぁ、リュウっ……場外へ落ちろっ……! フンッ……!」

リュウ「う、うおっ……! くっ……!」ボトッ


実況「さぁ、そしてサガットはリュウの身体を強引にトップロープとセカンドロープの間にねじ込んでいき……場外へと落としていったぁ! リュウの身体は場外へ!」


リュウ「……うっ、ううっ」

サガット「この有利な状況を、止められるワケにはいかんからな……さぁ、俺も疲れた身体に鞭打つか……後少しだ……」


実況「そしてサガットも、リュウを追いかけ、場外へと行ったぁ! これは、空手軍団のピンチか!?」

元「そうだねぇ、ちょっとヤムチャ君が厳しいねぇ……」


バイソン「オラオラオラっ! 死にな、このタコがっ! イケメンのその面をボコボコにしてやるよ! ノルマは達成したが……まだまだいくぜっ……!」ガスガス

ヤムチャ「うっ……ガッ……グッ……ちくしょう……」


実況「リング上ではヤムチャがタコ殴りっ! バイソンのパンチの連打でタコ殴りでありますっ!」

592: 名無しさん 2015/05/15(金) 23:33:32 ID:Czz0xrOQ
ヤムチャー! シッカリシロー!

バイソン「へへへ……無駄だよ、無駄無駄……だって、コイツの腕はロックされて使えねぇんだもん……へへ、やっぱりバイソンちゃんって天才~」ガスガス

ヤムチャ「ううっ……くそっ……腕が使えなくても……脚が使えなくても……」


実況「さぁ、もうバイソンを止める者はいないっ! リュウは場外で捕まっているっ! ここはヤムチャ自身が返すしかないっ! しかし、ヤムチャの両腕はバイソンの両足によってロックされているっ! コイツは、もうやられるのを待つだけなのか!?」

元「う~ん……どうしたものか……」


ヤムチャ「まだ、頭が使えるんだよ、この野郎っ……! さっきから、好き放題やりやがって……! いい加減にしやがれっ……! うおおおぉぉっ!」ググッ

バイソン「……ん?」

ヤムチャ「……だああぁぁっ!」ゴチーンッ

バイソン「うおっ……! おおっ……! うぐああぁぁっ!」


実況「いやっ! ここは、ヤムチャも意地を見せていきますっ! 身動きを封じられながらも……強引に倒れこむようにして、ヘッドバーットっ! 頭部をバイソンの顔面を打ち付けていきますっ! 強引にいったぁ!」

593: 名無しさん 2015/05/15(金) 23:37:12 ID:Czz0xrOQ
バイソン「ま、また頭突きかよ……うぐううっ……」バターンッ

ヤムチャ「はぁっ……はぁっ……よ、よし……やっとロックが外れたぞ……」


実況「強烈な一撃を喰らい、バイソンはガックリと倒れ込みますっ! ヤムチャの両腕と胴回りを同時に回し込んでいたロックも、ようやくここで外れたぁ!」

元「よし。なんとか意地でヤムチャ君も返しましたね」


ヤムチャ「くそっ……なんとか返したけど……少しやられすぎちまったみたいだ……ううっ……」ブルブル


実況「なんとか返したヤムチャだが……やはり、少々打たれすぎたか!? 片膝をつき、リングにうつ伏いたまま……動けませんっ!」

元「乱暴にガンガンやられてたからね……ダメージも結構、大きいと思うよ……」


ヤムチャー! ガンバレー!

ヤムチャ「くそっ……! 立つんだ……バイソンが立ち上がる前に……立つんだっ……!」ブルブル

バイソン「へへ、結構ダメージ受けてるみたいだな……まぁ、あれだけボコボコに殴ってやったんだ……そりゃそうか……一撃返すので精一杯って所だな……」

607: 名無しさん 2015/05/16(土) 22:05:18 ID:2/gMOGnQ
バイソン「へへへ、さて……それじゃあっと……」ムクッ


実況「おっと、そうこうしているうちに、バイソンが立ち上がるっ!」

元「あっと……ヤムチャ君、一歩出なかったか……」


ヤムチャ「ううっ……くそっ、もう起きやがったかっ……!」

バイソン「まぁ、一撃返したのは褒めてやるよ……だけど、お前じゃそれまだ……ここから先は、もう何も出来ねぇ……おしまいだ……フンッ……!」ガシッ

ヤムチャ「……くっ!」


実況「バイソンはゆっくりとヤムチャに近づいていき……片膝立ちのヤムチャに覆い被さるように、上から腰回りを掴んだぁ!」


バイソン「さぁ、そろそろおしまいだっ……! うおおぉぉっ……!」ググッ

ヤムチャ「……う、うおおぉっ!」


実況「そして、バイソンはそのままヤムチャの身体を自身の頭上まで持ち上げていったぁ! コイツはパワーボムだっ! パワーボムだっ!」

608: 名無しさん 2015/05/16(土) 22:11:20 ID:2/gMOGnQ
バイソン「乱暴にいくぜっ……! そ~れっ!」ポイッ

ヤムチャ「うおおぉっ……! うぐううぅぅぅっ!」ズドーンッ


実況「おっと、投げっぱなしできたぁ! 投げっぱなしのパワーボムだっ! 自身の頭上までヤムチャの身体を持ち上げたバイソンは、そのままヤムチャの身体をマットへと放り投げたぁ! ヤムチャの身体がマットへ大きく叩きつけられたぁ!」


ヤムチャー! ガンバレー!

ヤムチャ「くっ……ううっ……」

バイソン「へへ、やっぱりお前はリングで寝てる方がお似合いだな……よ~し、それじゃあいくぜっ……」ダダッ


実況「ヤムチャの身体がリング中央で大の字っ! 大きくダーウンっ! おっと、そしてバイソンはそんなヤムチャを尻目にコーナーへと走ったぁ!」

元「う~ん、リュウ君……は、助けにいけないか……サガット君に捕まってるねぇ……」


サガット「オラオラっ! 死ねっ……! 死ねっ、リュウっ……!」ガスガス

リュウ「くっ……うっ……!」

609: 名無しさん 2015/05/16(土) 22:16:31 ID:2/gMOGnQ
バイソン「モタモタしてると、ヤムチャコールが起きかねんからなぁ……さぁ~て、ここは急いで昇るか……」


実況「さぁ、そしてバイソンは一度ロープを潜りエプロンサイドに出て……そこからコーナーポストへと昇っていきますっ!」

元「バイソン君も勝負かけてきてるねぇ。動きが素早いです」


バイソン「よ~しっ! 昇りきったぜっ……! それじゃあ、ここからあの阿呆に狙いを定めてっと……」

ヤムチャ「くっ……ううっ……」


ヤムチャー! タテー!

実況「コーナーポストに昇ったバイソンは、ヤムチャに狙いを定めるっ! リング中央で、大きくダウンしているヤムチャへと狙いを定めたぁっ!」


バイソン「よっしゃっ! いくぜ、うおおおぉぉっ……!」シュタッ


実況「そして、そこから跳んだああぁぁっ! ダウンしているヤムチャ目掛け……バイソンが跳んだああぁぁっ!」

611: 名無しさん 2015/05/16(土) 22:24:56 ID:2/gMOGnQ
バイソン「俺の石頭を喰らいなっ……! ダイビング・ヘッドバットだああぁぁっ!」ズドーンッ

ヤムチャ「……ぐわあああぁぁ!」


実況「そのまま自慢の石頭をヤムチャに突き刺していくっ! バイソンのダイビング・ヘッドバットっ! ダイビング・ヘッドバットがヤムチャに炸裂だぁっ!」

元「……あ~、痛い」


ヤムチャ「ううっ……ううっ……」

バイソン「よ~しよし……いい感じだ……それじゃあ、そろそろっと……」ムクッ


実況「おっと、バイソンは素早く立ち上がりますっ! 終盤にきて、この動き……これは、やはり勝負を賭けてきてると考えてよろしいんでしょうかねぇ?」

元「そうですね。勝負賭けてきてますね」


バイソン「さぁ、これでフィニッシュにしてやるっ! 止めは勿論……この拳でだっ!」ググッ


実況「おっと、ここでバイソンが拳を突き上げ、声高々に叫んだぁっ! フィニッシュ宣言っ! フィニッシュ宣言でありますっ!」

元「バイソン式アックスボンバー狙ってるね」

612: 名無しさん 2015/05/16(土) 22:31:54 ID:2/gMOGnQ
バイソン「さぁ、終いだ……ヤムチャ……起きろっ……!」ググッ

ヤムチャ「うっ……ううっ……」


ヤムチャー! シッカリシロー!

実況「さぁ、バイソンはヤムチャの身体を引き起こしていくっ! ヤムチャが追い詰められたか!?」

元「リュウ君は……どうだ……!? あぁ……」


リュウー! タスケニイッテー!

リュウ「そのつもりだが……くそっ……コイツが邪魔なんだよ……」

サガット「そ~れ、鉄柱攻撃だ……顔面を打ち付けてやる……フンッ……」ガスッ

リュウ「……うぐああぁっ!」バタッ


実況「リュウは場外でサガットに捕まっているっ! おっと、ここで鉄柱攻撃っ! サガットがリュウを鉄柱へと叩きつけますっ!」

元「マズいねぇ……うんうん、マズい……」

614: 名無しさん 2015/05/16(土) 22:40:37 ID:2/gMOGnQ
バイソン「さぁ、いくぜっ……! ロープに……いってこいやぁっ!」ブンッ

ヤムチャ「う、うおおっ……!」


実況「さぁ、そしてここでバイソンがヤムチャの身体をロープへと振っていったぁ!」


バイソン「これでラストだっ……とびきり、キツイのお見舞いしてやるからよぉ……! うおおおぉぉっ……!」ダダッ


実況「そして、バイソンもロープへと走るっ! 狙いはバイソン式アックスボンバーっ!」

元「あ~、なんとかならないかなぁ……」


ヤムチャー! ヤムチャー!

ヤムチャ「く、くそっ……ここで、終わって……たまるかよぉっ……!」ダダッ

バイソン「いんや、終わりだ……お前はもう終わりですよっ……! うおおおぉぉっ……!」ダダッ


実況「ヤムチャの身体がロープの反動で返ってきたぁっ! そしてバイソンもロープの反動を利用して……ヤムチャへと襲いかかるっ!」

615: 名無しさん 2015/05/16(土) 22:48:19 ID:2/gMOGnQ
ヤムチャー! ヤムチャー!

バイソン「これで終わりだっ! うおおおぉぉっ! アックス……」ググッ


実況「さぁ、バイソンが決めに行ったぁ! ここで右腕をググッと振りかぶり……」


ヤムチャ「させねぇぞ、この野郎っ……! うるあぁぁっ……!」ドスッ

バイソン「あっ……? う、うぐっ……!」


オー! オーオー!

実況「いやっ! おっとおっと! ここはヤムチャか返したか!? ヤムチャはそのまま、バイソンの腹部へと肩口から突っ込んでいくっ!」

元「おぉっ! よしっ!」


ヤムチャ「まだ、負けねぇ……! まだ負けねぇんだよ、この野郎っ……! うおおおぉぉっ!」ピョンッ

バイソン「チィっ……う、うおおっ……!」


実況「そしてヤムチャは、バイソンの両太腿を抱えて身体を持ち上げ……勢いを殺し、その場でジャーンプっ!」

616: 名無しさん 2015/05/16(土) 22:52:28 ID:2/gMOGnQ
ヤムチャ「スパイン・ボムだっ……! うるあぁぁっ!」ズドーンッ

バイソン「……うぐああぁっ!」


イイゾー! ナイスー! ヤムチャー!

実況「さぁ、そしてそのまま空中で自身の両脚を開脚させて……バイソンの身体をマットへと叩きつけるっ! ここはヤムチャが返したぁ! スパイン・ボムで返したぁ!」

元「いやぁ、喰らったら危なかったですからね。これはナイスです」


ヤムチャ「フォールしてますよっ……! カウントお願いしますっ……!」

ダン「わかってるよ……! 急かすんじゃねぇ……! よし、カウント数えるぞ!」


ワー! ワーワー!

実況「そして、ヤムチャはそのままバイソンの身体を固め、フォールの体勢っ! フォールの体勢だっ! 今、レフェリーが近づいてきて……そして、カウントを取り始めますっ!」


サガット「チィっ……! バイソンの奴め……くそっ、仕方ない……助けに行ってやるか……」

617: 名無しさん 2015/05/16(土) 22:59:03 ID:2/gMOGnQ
ダン「ワンっ……!」

ワー! ワーワー!

ダン「……ツー」

バイソン「……フンッ!」グイッ

ヤムチャ「……何っ!?」

ダン「カウントは、ワンだっ! カウントワンっ! まだ、決まっちゃいねぇぞ!」


実況「お~っとっ! これは早いっ! バイソンはカウントワンで返していきますっ!」

元「早いねぇ……まぁ、ここは勝負所だからね……」


サガット「……なんだ、余裕じゃないか。俺が出るまでもなかったな」

618: 名無しさん 2015/05/16(土) 23:02:26 ID:2/gMOGnQ
ヤムチャ「うおおおぉぉっ……!」ムクッ


実況「おっとおっと、しかしここでヤムチャも力強い雄叫びを挙げながら、立ち上がるっ! 自信に気合を注入しているかのような雄叫びだっ! ヤムチャもここで力を振り絞る!」

元「そうですっ! ここは、相手よりも先に立ち上がりましょう!」


ヤムチャ「一度でダメなら、もう一度……起きろ、バイソン……狙ってやるよぉっ……!」ググッ


オー! オーオー!

実況「おっとぉ! そして、ここでヤムチャが深く腰を突き落として構えたっ! この構えは!?」

元「ウルフバスターですね! ヤムチャ君も勝負賭けてきましたっ!」

実況「ここでヤムチャも勝負を賭けてきたぁ! 狙いはウルフバスターだっ! ヤムチャはバイソンに狙いを定めたぁ!」

619: 名無しさん 2015/05/16(土) 23:11:20 ID:2/gMOGnQ
バイソン「あいてて……ちくしょうっ……! だが、一撃返されただけだ……まだまだ……」ムクッ

ヤムチャ「うおおおぉぉっ……! いくぜえええぇぇっ……!」

バイソン「んっ……? う、うおっ……や、やべぇっ……!」


ワー! ワーワー!

実況「さぁ、そしてヤムチャが突っ込んだっ! 零距離から、バイソンの起き上がりに合わせて……勢いよく突っ込んでいったぁ!」


ヤムチャ「だあぁっ……!うおおおぉぉっ……!」グイッ

バイソン「うぐっ……! うおおぉぉっ……」


実況「バイソンの両太腿抱え、そしてハイアングル気味に持ち上げるっ! 高い高い高いっ! そして更に更に更にィっ!」


ヤムチャ「うおおおぉぉっ……! 派手にいってやるっ! ド派手にいってやるっ……!」ブンッ

バイソン「うおおおぉぉっ……! おおぉっ……!」


イケー! ヤムチャー!

実況「そのまま自身の身体ごと! バイソンの身体をスイングさせて旋回させていくっ! 竜巻のような回転を見せていくっ!」

620: 名無しさん 2015/05/16(土) 23:18:07 ID:2/gMOGnQ
ヤムチャ「……だああぁぁっ!」ズドーンッ!

バイソン「……うぐああぁぁっ!」


ワー! ワーワー!

実況「そして、そのままバイソンの身体をマットへと叩きつけたぁ! その衝撃でマットが大きく大きく揺れたぁ!」

元「よ~しっ! いいですよ~!」

実況「ここでヤムチャ見せてきたぁ! ヤムチャのウルフバスターが炸裂っ! ウルフバスターがバイソンに炸裂したぁ!」


ヤムチャ「今度こそ決まっただろうっ……! カウント、お願いしますっ……!」

ダン「オーケーっ! 任せておきなっ!」


実況「ヤムチャはそのままバイソンの身体に覆いかぶさり、フォールの体勢っ! そして、今レフェリーが近づいてきてカウントを取りますっ! さぁ、今度はどうだっ!?」

621: 名無しさん 2015/05/16(土) 23:23:21 ID:2/gMOGnQ
ダン「ワンっ……!」

ワー! ワーワー!

ダン「ツーっ……!」

ワー! ワーワー!

ダン「……スリ」

サガット「うおおおぉぉっ……! させんぞっ……!」ドスッ

ヤムチャ「……うぐっ!」

ダン「カット成立だっ! カット成立! まだ、決まっちゃいねぇぞ!」


実況「あ~っと! しかし、ここはサガットが生きていたっ! 素早くリングに雪崩れ込んできて、ヤムチャの背中へスレッジハンマーっ! ここは、カットしていきます!」

元「……あ~、惜しかったねぇ」

実況「寸前の所で、カット成立だっ! カウントは2.8と言った所か!?」


ヤムチャ「く、くそっ……!」

サガット「ふう、危なかった……ギリギリだったよ……」

622: 名無しさん 2015/05/16(土) 23:28:43 ID:2/gMOGnQ
リュウ「……うおおおぉぉっ!」

サガット「……ん?」


ワー! ワーワー!

実況「おぉ~っと、しかしここでリュウも来たっ! リュウもリング内へと雪崩れ込んで来たぞっ!」


リュウ「サガットっ……! 邪魔してんじゃねぇぞ、だあぁっ!」ガスッ

サガット「……うぐっ!」ヨロッ


実況「そして、今度はリュウがサガットの背中へとスレッジハンマーを打ち込んでいきますっ! サガットの動きを止めますっ!」


リュウ「ヤムチャ……! コイツは俺が止めておいてやる……だから、お前は……」

ヤムチャ「……リュウさん」

リュウ「ブチかませっ!」

ヤムチャ「……はいっ!」

623: 名無しさん 2015/05/16(土) 23:37:54 ID:2/gMOGnQ
リュウ「さぁ、サガットっ……仲良く場外へ行くぞっ……! うおおっ……!」

サガット「くっ……あぁっ……! くそぉっ……!」


実況「さぁ、リュウはサガットの首筋を掴んで……そのまま、ロープ際へと運んでいくっ!」


リュウ「落ちろっ……! サガットっ……!」

サガット「……う、うおっ」ボトッ


実況「そして、そのままトップロープとセカンドロープの間にサガット身体をねじ込むようにして……そのまま場外へと落としていったぁ!」


サガット「……ううっ、くそっ!」ムクッ

リュウ「起き上がるんじゃないっ……! お前は場外に寝ておけっ! うおおおぉぉっ!」ググッ


実況「さらに、ロープ際のリュウは、トップロープを掴み腰をググッと屈めて下方向へ引っ張っていくっ! そしてそのロープの反動を利用して……」


リュウ「プランチャ・スイシーダだっ! 眠ってろっ!」シュタッ

サガット「あぁ、くそっ……! 振ってきやがったっ……! こうなったら、一か八かっ……!」


実況「そのままプランチャ・スイシーダっ! トップロープを飛び越え、場外へとダーイブっ! サガットの追撃へといったぁ!」

624: 名無しさん 2015/05/16(土) 23:49:12 ID:2/gMOGnQ
実況「さぁ、これでリング上から、邪魔者はいなくなったぁ!」

元「よ~しっ!」

実況「後は、バイソンを仕留めるだけだっ……! さぁ、行けっ! ヤムチャっ!」


イケー! ヤムチャー!

バイソン「……くっ、くそっ」

ヤムチャ「……よしっ!」シュタッ


ワー! ワーワー!

実況「おっと、そしてここでヤムチャが構えるっ! あの独特のフォームっ! 独特の構え方っ! コイツはコイツはコイツは!」

元「狼牙風風拳きましたね! ヤムチャ君も決めにきましたっ!」


ヤムチャー! ヤムチャー!

ヤムチャ「さぁ、起きろ……見せてやるぜ……狼牙風風拳の威力をよぉ……!」

バイソン「……ううっ、うっ」ムクッ


実況「そして、今バイソンがゆっくりと立ち上がるっ! さぁ、ヤムチャっ! 後はぶち込むだけだっ! 行けっ! 仕留めてしまえっ!」

627: 名無しさん 2015/05/16(土) 23:56:21 ID:2/gMOGnQ
ヤムチャ「いくぜ、バイソンっ……! うおおおぉぉっ!」

バイソン「なんだと!? マジかよ、ちくしょうっ……!」


イケー! ヤムチャー! ロウガフウフウケンダー!

実況「そしてヤムチャがいったぁ! 起き上がりのバイソンに合わせて……狼牙風風拳だぁ! ここで繰り出してきたぁ!」

元「よし、いけっ!」」


ヤムチャ「ハイッ!」

バイソン「……ぐっ!」

ヤムチャ「ハイッ!」

バイソン「……ガッ!」

ヤムチャ「ハイッ! ハイッ! ハイッ!」

バイソン「あっ……がっ……ぐっ……うおおぉ……」


ヤ・ム・チャ! ヤ・ム・チャ!

実況「ヤムチャの狼牙風風拳っ! 得意の打撃の連続攻撃、雨嵐っ! バイソンは、完全に生きるサンドバッグと化してしていますっ!」

元「いいよいいよ! いけるいける!」


ヤムチャ「……これで、フィニッシュっ!」

バイソン「……ぐわあああぁぁっ!」バターンッ


実況「さぁ、そして両手で最後の一撃を叩き込むっ! これでフィニッシュだっ! ヤムチャがバイソンを狼牙風風拳で仕留めたぁ! ヤムチャの怒涛の大技ラッシュっ! さぁ、これは決まっただろうっ!」

633: 名無しさん 2015/05/17(日) 00:08:24 ID:hPijbKlQ
ヤ・ム・チャ ! ヤ・ム・チャ !

実況「さぁ、場内からはヤムチャコールっ! 大ヤムチャコールっ! 」

元「これは、決まったでしょうっ!」

実況「さぁ、ヤムチャはそのまま、バイソンへと近づいて……」


ヤムチャ「よし、フォールだっ! お願いしますっ!」

ダン「オーケー、任せておきなっ!」


実況「そして、そのままフォールの体勢っ! バイソンの身体に覆いかぶさり、フォールに入ったぁっ! 」

元「よ~し!」

実況「さぁ、後は勝利のスリーカウントを聞くだけだっ! 今、レフェリーがカウント取りますっ!」

636: 名無しさん 2015/05/17(日) 00:15:33 ID:hPijbKlQ
ダン「ワンっ……!」

ワー! ワーワー!

ダン「ツーっ……!」

ワー! ワーワー!

ダン「……スリ」

サガット「……うおおおぉぉっ! させんぞぉっ!」ガスッ

ヤムチャ「何っ……!? うぐっ……!」

ダン「カット成立だっ! カット成立! まだ、決まっちゃいねぇぞ!」


実況「おぉ~っとっ! なんだなんだっ!? ここサガットが再びリングに雪崩れ込んできたぁ! そしてヤムチャの背中にスレッジハンマー!」

元「……あら!?」

実況「完全に決まったと思ったのに……サガットが突然雪崩れ込んできましたっ! 先程、リュウに場外に落とされたハズなのに……! どういった事だ、これは!?」

638: 名無しさん 2015/05/17(日) 00:19:44 ID:hPijbKlQ
リュウ「くそっ……まさか、そのまま受け止めて、投げてくるなんて……あの野郎、なんてパワーだ……」


実況「え~、状況を確認しましょう……あ~、リュウは場外でやられていますねぇ……? 一体、何があったんでしょう……?」

元「……ゆっくり確認してる暇はないよ? ホラ、サガット君が」


サガット「フンッ……まぁ、よく頑張ったな……だが、もう十分だろう……そろそろお休みの時間だ……」ググッ

ヤムチャ「う、うぐぐっ……ゴホッ……離せ……離しやがれ……」


実況「おぉ~っと! サガットはヤムチャを引き起こし、そのままスタンディングの状態で首を絞めていますっ! 片腕でヤムチャの首を掴み、締め付けているっ!」


サガット「大丈夫だ……すぐに離してやる……いくぞっ、うおおおぉぉっ……!」グイッ

ヤムチャ「う、うおおおぉぉっ……!」


実況「そして、首を掴んだまま……ヤムチャの身体を持ち上げていったぁ!」

642: 名無しさん 2015/05/17(日) 00:24:46 ID:hPijbKlQ
21
サガット「叩きつけてやるっ! 死ねえええぇぇっ……!」ズドーンッ

ヤムチャ「……ぐわあああぁぁ!」


実況「そして、そのままヤムチャの身体をマットへと叩きつけるっ! サガットの喉輪落としっ! チョークスラムだっ!」


ダン「お、おい……サガット、お前は試合権持ってねぇんだから、大人しく……」

サガット「黙ってろっ! お前は邪魔だっ! 今すぐ消えろっ!」ドンッ

ダン「……いって、この野郎。押すんじゃねぇよ、ボケっ!」


ブー、ブーブー

実況「おっと、そして何やら警告にきたレフェリーを……サガットは邪魔だと言わんばかりに突き飛ばします! そんなサガットの行為には場外からも大ブーイングだ」

元「そもそもねぇ、カットならともかく、試合権のない人があんな豪快な投げを仕掛けるのはダメ。レフェリーが警告するのも当然です」


サガット「チッ……どいつもこいつも五月蝿い奴らだ……オイっ、バイソンっ! いつまで寝てるんだ、起きろっ……! 俺にもボコボコにされたいのか!?」

バイソン「ううっ……ううっ……わかってるよ……起きるよ……」ムクッ


実況「おっと、そしてサガットは強い口調でバイソンに言っております! バイソンに喝入れているのか!? バイソンも、それに応えるようになんとか立ち上がるっ! しかし、もうフラフラだ! 足に力が入っておりませんっ!」

647: 名無しさん 2015/05/17(日) 00:30:09 ID:hPijbKlQ
サガット「……いけるか、バイソン?」

バイソン「やってやるよ……あれだけ、やられたんだ……ドギツイの返してやらねぇと、気がすまねぇ……」

サガット「よし、その意気だ……俺も手伝ってやる……ホラ、ヤムチャ起きろ……」ググッ

ヤムチャ「うっ、ううっ……」


実況「サガットはヤムチャの背後を取りつつ身体を引き起こしていくっ! そして……」


サガット「フンッ……!」ガシッ

ヤムチャ「うおっ……動けねぇっ……!」


実況「その身体を後ろから羽交い締めっ! 身動きを封じていくっ! これは少々マズい状況か!?」


サガット「俺が、抑えておいてやる……さぁ、バイソン……その恨みを晴らせ……」

バイソン「……オイ、クソヤムチャ? 俺はお前と違って、一撃で仕留めてやるからよぉ? 覚悟しろよ?」

ヤムチャ「や、やべぇ……これは、やべぇ……」

648: 名無しさん 2015/05/17(日) 00:34:34 ID:hPijbKlQ
バイソン「とどめだっ! 殺してやるよっ……! うおおおぉぉっ……!」ダダッ


実況「ヤムチャはサガット背後から羽交い締めにされているっ! そして、そんなヤムチャに狙いを定めて……バイソンはロープへと走ったぁ!」


ヤムチャ「くそっ……! 離せっ……離せっ……!」モガモガ

サガット「フフ、離さん……離さんよ……」

バイソン「ブチかましてやるぜっ……! ドギツイのかましてやるぜっ……! 明日から、俺に怯えて過ごす日々を味わいなっ……! 俺を見ただけでフルえあがっちまうように、してやるよっ……!」ダダッ


ヤムチャー! ニゲロー!

実況「さぁ、そしてバイソンがロープの反動をつけて返ってきたぁ! サガットに羽交い締めにされている、ヤムチャに向かってくるっ!」

元「……逃げろっ!」


バイソン「くたばれええぇぇっ! アックスボンバーだっ!」ズガアアァァッ

ヤムチャ「……ぐわあああぁぁぁ!」


実況「ダメだっ! 逃げられないっ! バイソンの拳がヤムチャの顔面に炸裂してしまったぁ! バイソン式アックスボンバーがヤムチャに炸裂っ! ここでシャドルーの悪の合体攻撃が炸裂っ!」

649: 名無しさん 2015/05/17(日) 00:38:21 ID:hPijbKlQ
ヤムチャ「……う、うあああぁぁっ」バターンッ


実況「もらってはいけない一撃を顔面にもらってしまったヤムチャっ! これには、大きく大きくダーウンっ!」


バイソン「よし、決まったな……フォールだ……カウントを取れや、コラっ……!」

ダン「……今の反則なんだけどなぁ」

サガット「お前の見間違えだろっ! それより、フォールをしているんだ! どうした、仕事をしろっ!」

ダン「あぁ、くそっ……わかったよ……カウント取ればいいんだろ……カウント取れば……」


実況「さぁ、バイソンが反則攻撃でヤムチャをダウンさせ、その身体に覆いかぶさる! フォールの体勢っ! レフェリーも渋々……と言った感じでしょうかね? 今、カウントを取りにきましたぁ!」

元「おっと、リュウ君が来たよ! リュウ君が!」


リュウー! リュウー!

リュウ「ヤムチャ、今助けるぞっ……! うおおおぉぉっ!」

サガット「おっと、させん……させんよ……邪魔はさせんっ……!」ガシッ

リュウ「退けぇっ! サガットっ! 邪魔だっ!」


実況「あ~っと、しかしここはサガットが、リュウを掴みにかかり動きを封じるっ! 妨害していくっ! そして、今レフェリーによってカウントが数えられ始められました!」

652: 名無しさん 2015/05/17(日) 00:42:51 ID:hPijbKlQ
ダン「ワンっ……!」

ヤムチャー! カエセー!

ダン「ツーっ……!」

ヤムチャー! ヤムチャー!

ダン「……スリーっ!」

バイソン「ハッハッハっ! 決まったぜっ! これでスリーカウントだっ!」

ヤムチャ「あぁ、ううっ……」

ダン「スリーカウントだっ! スリーカウントっ! ゴング鳴らせ、ゴングをよぉ!」


カンカンカーン


実況「あぁ~っと! ここで決まってしまったぁ! スリーカウントですっ……スリーカウントっ! ヤムチャっ……返しきれなかったかっ……!」

元「あぁ、おしかったねぇ……」

実況「シャドルーをギリギリの所まで追い詰る事は出来たのですが……残念っ! 本日の試合は、バイソンのピンフォールによっての決着となってしまいましたっ! 勝者はシャドルーですっ!」

667: 名無しさん 2015/05/17(日) 21:59:34 ID:hPijbKlQ
サガット「よ~し、決まったな……ホラ、リュウ……離してやるよ……ヤムチャの解放にでも行ってやれ……」

リュウ「く、くそっ……! ヤムチャっ……! 大丈夫かっ……!」

ヤムチャ「うっ、ううっ……」


実況「さぁ、リュウも今ヤムチャの元へと駆け寄りますっ! なんとか救出に行こうとしていたリュウだが……一手間に合わなかったっ! 一手間に合わなかったっ!


サガット「フハハ、負け犬同士、慰め合って……ハハハ、いい眺めだなぁ……!」

バイソン「ガハハっ! 見事にブチかましてやったぜっ! へ~イ、サガットチャーンっ!」パシッ

サガット「おう、よくやったなバイソン。ナイスだった」パシッ


実況「一方、試合を決めたバイソンとサガットは、そんなリュウとヤムチャを尻目に、その隣で大きくハイターッチっ! 勝利の余韻に浸っておりますっ!」


リュウ「ち、ちくしょう……く、くそっ……!」ギロリ

バイソン「あぁ、コラ? 何、ガン飛ばしてんだよ、オイっ! だったら、まだやるかオイ? おめぇもかかって来いよ! ボコボコにしてやるぜ!」


実況「おぉ~っと、バイソンはリング上でリュウに対して、何やら言っておりますっ! こいつは、まだ一波乱あるのか!? 一波乱巻き起こってしまうのか!?」

668: 名無しさん 2015/05/17(日) 22:08:36 ID:hPijbKlQ
サガット「オイオイ、もういいだろ……その辺にしておけ、バイソン……」スッ

バイソン「おぉ、なんだよ、サガットちゃん……? こいつがガン飛ばして来たんだからよぉ……?」


実況「おっと、しかし! ここはサガットが制しますっ! 試合が終わってもまだイキりたっているバイソンをその手で制しますっ!」


サガット「これ以上、死んだ犬を蹴飛ばしても仕方ないだろう……苛めるのも、このくらいにしておいてやらんとなぁ……?」ニヤニヤ

バイソン「サガットちゃんは、甘ぇよ! こいつらは、も~っとボコボコにしてやらなきゃいけねぇんだよ! バカだから!」

サガット「まぁまぁまぁ、バイソン……お前が今、やろうとしているリュウは……」

バイソン「……ん?」

サガット「……俺の獲物のハズだろ? リュウは俺にもやらせてくれ。そしてやるのは、今日ではない」

バイソン「ケッ、俺は雑魚狩り専門ってかよ……」

サガット「リュウ……次の試合は……お前から、その首を取ってやる……まぁ、覚悟しておくんだな……」

リュウ「……くっ、サガット」

669: 名無しさん 2015/05/17(日) 22:12:37 ID:hPijbKlQ
サガット「さぁ、バイソン……そろそろ退場するか……行くぞ……」

バイソン「ケッ、つまんねぇな……今、ここでボコボコにしてやればいいじゃねぇかよ……サガットちゃんは甘いんだよ……」


実況「さぁ、そしてサガットはバイソンを連れて……今、リングを降りますっ! 退場していきますっ!」


バイソン「俺は、リュウとやっちゃいけねぇってのか……? 俺は、あの雑魚のヤムチャ専門だってのか……?」

サガット「状況にもよるがな……基本的には、俺はリュウ……バルログはケン……そして、お前はヤムチャだ……勿論、ベガ様はザンギエフだ……」

バイソン「ケッ、バイソンちゃんは汚れ仕事ってか……くそっ、オイコラっ! マイク寄こせ! マイクをよぉ!」ガシッ


実況「さぁ、今サガットとバイソンは我々の放送席の目の前を通り……おっとっ! ここでバイソンが、我々の放送席からマイクを奪いましたっ……! 何をするんだっ! やめろっ、返せっ……!」


バイソン「オ~イっ! この糞野郎共っ! おめぇらだよ、おめぇらっ! そこのバカ二人だっ!」

リュウ「……あぁ?」


ザワ……ザワ……

実況「そして、バイソンは我々放送席から奪い取ったマイクで……リング上のリュウとヤムチャに吠えますっ! また、挑発か!? またまた挑発か!?」

671: 名無しさん 2015/05/17(日) 22:18:16 ID:hPijbKlQ
バイソン「おめぇらなんか、相手にならねぇんだよっ……! このバイソン様の手にかかれば……てめぇらなんか、ボコボコのケチョンケチョンだっ! それがこの結果だっ! 見たか、コラっ!」

ヤムチャ「うっ……ううっ……」

バイソン「特にヤムチャ、おめぇだ……おめぇだよ……! そこのノビてる糞ったれっ……! おめぇだよっ……!」


実況「おっと、バイソンの矛先はヤムチャへ……! ヤムチャに対してだっ……!」


バイソン「三番弟子……? 期待の隠し球……? 舐めてんじゃねぇっ! お前なんか、バイソン様の手にかかればこの様だっ! どうだ、思い知ったか!?」

ヤムチャ「く、くそっ……」

バイソン「おめぇごときが空手軍団に加わった所で……何も変わらねぇっ! 何も変わらねぇんだっ! 真に強いのは、このシャドルー……それがこの結果だっ! 思い知ったか、ゴラァ!」

リュウ「くそっ、調子に乗りやがって……」

バイソン「……そもそも、お前は顔がいいから、気に喰わねぇんだよぉ!」


実況「おぉ~っと! ここでバイソンはヤムチャの顔が気に喰わない……なんだかんだと言っておりますが、私バイソンが真に言いたい事はこれだと思いますっ!」

元「うん、バイソン君は顔にコンプレックスを持ってるからね……それに、ヤムチャ君は結構、色男だしね……」

672: 名無しさん 2015/05/17(日) 22:31:21 ID:hPijbKlQ
バイソン「おめぇが、役立たずの糞ったれって事が、理解されるまで……毎日毎日、ボッコボッコにしてやるよっ! 今日はこんなもんで勘弁してやるが……明日もボコボコだっ! 明後日もボコボコだっ! 試合がなくても背後に気をつけなっ!」」

ヤムチャ「ううっ……くそっ……!」

バイソン「せいぜい、この俺様に怯えて過ごす日々を暮らすんだなっ! わかったかボケっ!」


実況「バイソンの矛先は完全にヤムチャだっ! 自分とは格が違うっ……! そう言った事を言っておりますっ! まぁ、少々私怨が入っているようにも思えますが」


バイソン「カスの寄せ集めの空手軍団に、一人カスが加わっても、何にもなんねぇよっ! おめぇらなんか、ゴミの寄せ集めなんだよっ! 空手軍団はゴミだっ! クズだっ! 雑魚の集まりなんだよっ!」

ブー、ブーブー

バイソン「うるせぇっ、ボケっ! 今日の試合を見てみろっ! どっちが勝った……? どっちが強い……!?」


実況「ここで場内から大ブーイングっ! しかし、イキたったバイソンは止まりませんっ!」


バイソン「……シャドルーに決まってんだろが? 見てわかるだろうが、えぇ、オイ」

673: 名無しさん 2015/05/17(日) 22:42:35 ID:hPijbKlQ
バイソン「まぁ、せいぜいカスの兄弟子の力になれるように……頑張るんだな……ヤムチャ君……?」ニヤニヤ

ヤムチャ「ちくしょう……好き放題言いやがって……」

バイソン「とまぁ、こんなもんかな……? よ~し、それじゃあ……ホレ、マイクだ……今度からは、ちゃ~んと空手軍団はカスだって実況するんだぞ……? わかってんのか、えぇっ?」


実況「おっと、ここでようやくバイソンが我々、放送席の元へとマイクを戻しましたっ!」


サガット「……言いたい放題言い過ぎだぞ、バイソン。お前は、空手軍団の力を侮りすぎだ」

バイソン「敗者をいたぶれるのも、勝者の特権ですよ……いつも、サガットちゃんが決めちまうから、なかなか機会がねぇんだよ……出来る時ぐらい、やらせてくれよ……」

サガット「……まぁ、足元をすくわれんようにな」


ブー、ブーブー

実況「さぁ、言いたい事を好き放題言って……そして、今シャドルー二人が揃って退場していきますっ! 場内からは大ブーイングっ! 大ブーイングの中、退場していきます!」

元「……せっかく勝った試合なのに、どうして自分でこんな風にしちゃうのかねぇ?」

677: 名無しさん 2015/05/17(日) 22:50:40 ID:hPijbKlQ
実況「しかし、これもある意味、勝者の特権とでも言えばいいのか……? だがしかし、ここまで好き放題言われると、空手軍団としては悔しいっ! 特にヤムチャっ! 名指しでバイソンに薄汚く罵られたヤムチャっ! こいつは悔しいっ!」

元「でもねぇ、僕は思うんだけど……」


ヤムチャ「うっ……ううっ……ちくしょう……」ムクッ

リュウ「おっ、ヤムチャ……大丈夫か……?」

ヤムチャ「ううっ……なんとか……まだ、フラフラしますけど……」


実況「おぉ~っと! ここでリング上のヤムチャが、上体を起こし……起きましたっ! なんとか無事だったようだ!」

元「おっ、起きたね」

実況「え~、それで元さん……? 先程、おっしゃられた『思う事』とは?」

元「あ~、いやいや……それは後でいいよ……多分、リュウ君達も、何か言うんじゃない……? 言われたままで、黙ってるような人達じゃないでしょう」

678: 名無しさん 2015/05/17(日) 23:03:58 ID:hPijbKlQ
ヤムチャ「ううっ……リュウさん……なんか、俺のせいで色々好き放題言われて……すいませんでした……」ペコッ

リュウ「……」


キニスンナー! ヤムチャー!

実況「おぉ~っと、ここでヤムチャはリュウに対して深々と頭を下げますっ! この辺り、やはりバイソンにやられてしまった事……そして、罵られた事を気にしているのか!?」

元「基本的にバイソンの話なんて、話半分に聞いてりゃいいんだよ……気にする事ぁ、ない」


リュウ「……なぁ、レフェリー。マイクを貸してくれないか?」

ダン「まぁ、こいつも言われっぱなしじゃ立場がねぇだろうからな……上手く、かばってやれよ……ホレ……」


実況「おぉ~っと、ここでリュウがレフェリーからマイクを受け取ったぁ! マイクを受け取ったぁ!」


リュウ「……なぁ、ヤムチャ?」

ヤムチャ「はい……」

リュウ「……男が、簡単に頭を下げんじゃねぇ! 大丈夫だ、大丈夫っ!」


実況「お~っと! そしてここでリュウが、ヤムチャに頭をあげるように言っております!」

元「そうそう、気にしちゃダメ。気にしちゃダメ。ヤムチャ君はちょっと、真面目すぎるんだよ」

679: 名無しさん 2015/05/17(日) 23:17:24 ID:hPijbKlQ
リュウ「まぁ、試合は終わっちまったが……それでも、それでもだ……」

ヤムチャ「……はい」

リュウ「お前は、よくやったっ! 役立たず……? そんな事はないっ! お前は、よくやったよっ!」


ソウダー! ヤムチャー! ヨカッタゾー! アト、スコシダッタゾー!

リュウ「三番弟子のお前が空手軍団に合流してから……まだ、数日だが……お前は、それでもどんどん強くなってきている……!」

ヤムチャ「はいっ……! ありがとうございますっ……!」

リュウ「そして、お前が加わった事で……俺にも足りない部分が見えてきた……俺も、お前も……まだまだなんだっ……!」


オー! オーオー!

実況「おぉ~っとっ! バイソンには薄汚く罵られたが……リュウは、ヤムチャのその力を認めているっ! 認めていると言ってもいいのか、これは!?」

元「まぁ、そうだよね。チームなんだから」

680: 名無しさん 2015/05/17(日) 23:26:58 ID:hPijbKlQ
リュウ「バイソンは何も変わらないと言ったが……そうじゃない……そうじゃないよ……」

ソウダー! ソウダー!

リュウ「空手軍団は、もう変わってきているっ! それは揺るぎない事実だっ! お前が合流して……シャドルーに対抗する力が出来たっ! 間違いないっ!」

ワー! ワーワー!

リュウ「今日は、お前らの好きにやられたが……次はこうはいかねぇっ! サガットっ! バイソンっ! やられたままで終わる空手軍団だと、思うなよ……?」

ワー! ワーワー!

リュウ「オイっ! 聞こえてんのか!? 俺達が変えてやるよっ! シャドルーを壊滅させて……俺達が変えてやるっ!」

ワー! ワーワー!

リュウ「ヤムチャっ! お前も言ってやれっ……! バイソンに何か言ってやれっ……!」

ヤムチャ(えっ、俺も……やべぇ、解説での練習の成果……見せなきゃ……)


実況「おっと、そしてここでリュウはヤムチャにマイクを手渡しましたっ! さぁ、ヤムチャっ! 言ってやれ!」

元「言われっぱなしじゃ、よくないからね。ここはガツンと言ってやりましょう」

681: 名無しさん 2015/05/17(日) 23:37:59 ID:hPijbKlQ
ヤムチャ(え~っと、え~っと……どうしよう、どうしよう……やべぇな、マイクアピールは打ち合わせしてないぞ……)

リュウ「ヤムチャっ! 言ってやれっ!」

ヤムチャ「バ、バイソンっ……! 次は、こうはいかねぇぞ……! クソッタレーっ!」


ヤムチャー! ナンジャソリャー!

ヤムチャ(だから、俺はこういう事、言い慣れてねぇんだって……ベジータの真似とかしてみたけど……)

リュウ(……あちゃ~)

ダン(……あちゃ~)


クスクス……クスクス……

ヤムチャ(ダメだぁ……笑いが起きちまった……こりゃ、大失敗なんじゃねぇか、オイ……)


実況「そして、ヤムチャもマイクで叫んだぁっ! だが、そこは根が優しく真面目な人間なヤムチャっ! 非常に柔らかいリベンジ宣言でありますっ!」

元「まぁ、バイソン君みたいな、薄汚い言葉で挑発するよりかは好きだけどね」

682: 名無しさん 2015/05/17(日) 23:46:06 ID:hPijbKlQ
リュウ「……バカ野郎っ! ちょっと、マイク寄こせっ!」

ヤムチャ「す、すんません……フォローして下さい……お願いします、お願いします……」アセアセ


実況「おっと、そしてここでリュウが再びマイクを手にしますっ!」


リュウ「……バカ野郎っ! それじゃあ、完全に負け犬の遠吠えじゃねぇか! もっと、しっかりしろよ!」コツンッ

ヤムチャ「いでぇ……あっ、すんません……本当にすんません……」ペコペコ


クスクス……クスクス……

実況「おぉ~っと、リュウはヤムチャの脳天にゲンコツを一撃っ! そして、ぺこりぺこりと頭を垂れる垂れるヤムチャっ! なんだ、この光景は!? この微笑ましい光景は!?」

元「まぁ、でもさぁ……? ヤムチャ君には場を和ませるムードメーカーみたいな所があるよね? それでも、マイクアピールなんかは、もうちょっと出来るようになってもいいと思うけど」

686: 名無しさん 2015/05/17(日) 23:54:33 ID:hPijbKlQ
リュウ「まぁ、いい……上手くは、言えなかったが……お前が、真に言いたい事は……皆、理解してると思うからよ……? なっ、そうだろ? 皆!」


ヤムチャー! リベンジ、キタイシテルゾー!

リュウ「お前は、次は試合……必ずリベンジするんだっ……! わかったな!? ヤムチャっ!」

ヤムチャ「うっすっ! わかりましたっ!」


ワー! ワーワー!

実況「さぁ、そしてここでリベンジ宣言っ! 空手軍団の力を強いリベンジ宣言っ! 空手軍団とシャドルーの抗争は、まだまだ続きそうだっ!」


リュウ「よし、なんとか終わったかな……? じゃあ、ダンさん……」

ダン「……おう、よくやったリュウ。上手く締まったから、退場しろ」


実況「さぁ、そしてリュウはレフェリーにマイクを返し……そして、退場していきますっ!」


リュウ「……本当、最後の最後で勘弁してくれよ? まぁ、いきなり振った俺も悪かったけどさぁ?」ボソッ

ヤムチャ「いやぁ、本当にすいません……助かりましたよ……すいません、すいません……」ペコペコ

701: 名無しさん 2015/05/18(月) 22:01:34 ID:TvlU.oWQ
実況「さぁ、そして今温かい拍手を受けながら、リュウとヤムチャが退場していますっ! 次のリベンジには……是非とも期待したいっ!」


リュウー! ツギハカテヨー!

リュウ「あぁ、任せておけっ!」


ヤムチャー! ヨクヤッター! ヨカッタゾー!

ヤムチャ「うっすっ! ありがとうございますっ!」


バイソンニ、リベンジシロヨー!

ヤムチャ「わかってますっ……! わかってますっ……! 必ず、リベンジします……!」


チョットハ、マイクノ、ベンキョウシロヨー!

ヤムチャ(あ~、ちくしょう……最後の最後で……でも、言ってる事はごもっともですよ、ハイ……)

702: 名無しさん 2015/05/18(月) 22:07:24 ID:TvlU.oWQ
実況「さぁさぁ、本日の試合は残念ながらシャドルーの勝利という結果に終わってしまいました、が……」

元「まぁ、リベンジ宣言も二人の口から出た事だしね、まだまだですよ……まだまだこれからです……」

実況「そうですっ! 空手軍団とシャドルーの抗争はまだまだ続くっ! そして、次こそは必ず空手軍団こそが勝利を収めるっ! さぁ、次の試合も是非とも期待しましょうっ!」

元「そうですね、はい」

実況「では、本日の試合の見所をいつものように、元さんと振り返っていきたいのですが……」

元「ん……? どうしたの……?」

実況「あの~、元さんは先程、何やら言いかけて……マイクアピールが始まってしまったではないですか……?」

元「あ~、はいはい……それね、それね……」

実況「あれは、一体何をおっしゃろうとしていたんですかねぇ……?
私、非常に気になります!」

元「う~ん……そうだねぇ、どう言えばいいのかなぁ……え~っとねぇ……」

703: 名無しさん 2015/05/18(月) 22:16:22 ID:TvlU.oWQ
元「まずねぇ、今日の試合のヤムチャ君……僕は、よかったと思う……凄く、よかったと思う……」

実況「そうですねぇ! 試合には負けてはしまいましたが……バイソンを後一歩の所まで追い詰めました!」

元「それもあったし……合体攻撃なんかも、あったよね? ほら、リュウ君と二人でサガット君に仕掛けたじゃん?」

実況「はいはい、ありましたありましたっ! 二人掛かりで3Dですね!?」

元「いい連携だったよ。試合開始前なんかは……リュウ君とヤムチャ君……この二人の足並みが揃うか、心配していた部分もあったけど……非常によかったです」

実況「ほう、二人の足並みが揃っていたと……!?」

元「それは、連携攻撃だけじゃなくて、もっと細かな部分でもね……?」

実況「はいはいっ!」

元「僕の印象では……ヤムチャ君に空手軍団らしさが出てきた……そう、感じたかな……?」

実況「確かに……リュウもその辺りは、リング上で認めているというような発言をしていましたねぇ……?」

704: 名無しさん 2015/05/18(月) 22:21:02 ID:TvlU.oWQ
元「空手軍団らしさが出てきたヤムチャ君が……本当にバイソン君を、後一歩の所まで追い詰めたじゃん……?」

実況「はいはいっ!」

元「だからこそねぇ……バイソン君は、あぁいう事言ったんじゃないかと、僕は思うよ……?」

実況「だからこそ……と、言いますと……?」

元「それだけ、ヤムチャ君の事を脅威に感じてきている……あのマイクアピールはその裏返し……僕は、そう思うね……」

実況「……ほ~う!」

元「やっぱり、荒い部分はまだまだあるとは、思うけど……逆を言えば、それだけ伸びしろがあるって事ですよ。この調子でヤムチャ君が、どんどん伸びていったら……」

実況「バイソン……いや、シャドルーにとって無視出来ない存在になる、と……!?」

元「とまぁ、僕はそう思ったワケですよ……バイソン君のマイクアピールを聞いてね?」

実況「なるほど!」

元「そしたら、まぁリュウ君のマイクアピールが始まっちゃってね……言い出すタイミング逃しちゃった……」

706: 名無しさん 2015/05/18(月) 22:28:42 ID:TvlU.oWQ
元「やっぱり、ヤムチャ君とバイソン君を比べたら、バイソン君の方が……まだまだ上……そんな気がするけど……」

実況「はいはいっ!」

元「その差は……バイソン君が言ってる程、離れてはいない……と、僕は思うよ……?」

実況「となってくると、次にヤムチャとバイソンがぶつかる時……この辺り、注目していきたいですね!?」

元「そうですね。ヤムチャ君が一人でバイソン君を相手出来るようになれば、リュウ君もサガット君に、集中できるからね? そうなってくると、一気にパワーバランスが変わっちゃうかもしれない」

実況「ヤムチャの加入によって、勢力図が変わってきた……より、一層激しい抗争になってきたぁ……だが、この先どうなるかはまだまだわからないっ……! その目で確かめるしかないっ……! さぁ、この先のまだまだ見逃せない展開になっていきそうだぁ!」

元「まぁ、期待しましょう」

実況「さぁ、残念ながら、ここらでお時間となってしまいました! CMの後はメインイベントっ! メインイベントですっ!」

707: 名無しさん 2015/05/18(月) 22:39:25 ID:TvlU.oWQ
ーーー


プーアル「リュウさん、ヤムチャ様っ! お疲れ様でしたっ! フェイロンさん達の試合より盛り上がってましたよ! 凄い声援でした!」

ヤムチャ「お~う、プーアル……今日も頑張ったよ……褒めてくれ……俺をもっと褒めてくれ……」

プーアル「なぁ~に、言ってるんですか、ヤムチャ様……? あのですねぇ……?」

リュウ「……まぁ、40点って所だな」

ヤムチャ「……ん?」

リュウ「今日の試合のお前の評価……40点だ……40点……」

ヤムチャ「えっ、嘘……俺、頑張ったのに……? 40点っすか……? そんなに低いんですか……?」

リュウ「ラストのマイクで、マイナス50点ぐらいされちまってるよ……あの、マイクさえなけりゃあなぁ……90点ぐらい貰えたのに……やっちまったなぁ、ヤムチャ……?」

プーアル「そうですよ、ヤムチャ様……なんですか、アレ……? ベジータさんの真似ですか……!?」

ヤムチャ「いやいや……あれはさぁ……急に言われて、俺もどうすればいいかわかんなくなっちまってさぁ……? あれで、マイナス50点か……あ~、くそぉ……」

708: 名無しさん 2015/05/18(月) 22:44:49 ID:TvlU.oWQ
リュウ「今度からは、マイクアピールも打ち合わせしておけ……そっちの方が安全だよ……そっちの方が……」

ヤムチャ「は、はい……そうさせて頂きます……」

プーアル「リュウさん、ヤムチャ様のマイクアピールはダメでしたが……試合自体はどうでしたかねぇ……?」

リュウ「まぁ、問題はなかったと……言いたいが……」

プーアル「……言いたいが?」

リュウ「あ~、いやいや……問題ない、問題ない……大丈夫だった……試合内容自体はよかった……今日、ダメだったのはマイクだけ……」

ヤムチャ(ん……? 何だろ……? 何か、言いかけたような感じだけど……)

リュウ「まぁ、マイクに関しては、突然振った俺も悪かったよ……だけど、それだとしても、もうちょっと頑張ってくれよ、ヤムチャ……?」

ヤムチャ「あぁ、本当すいませんっ……! フォロー、ありがとうございますっ……!」

リュウ「……まぁ、あぁでもしないとね? 試合の締めなんだし」

709: 名無しさん 2015/05/18(月) 22:50:51 ID:TvlU.oWQ
リュウ「まぁ、なんだかんだでよぉ? 試合後にバイソンに因縁つけられてたみたいだし……お前、暫くはバイソンとやり合う事になるだろ……」

ヤムチャ「あっ、はい……わかりました……」

リュウ「……だから、バイソンとの試合、もっと盛り上げる方法を考えておけ」

ヤムチャ「盛り上げる方法か……どうすれば、いいのかなぁ……?」

リュウ「今日、負けたんだから……次は、リベンジする……そういう事だよ……」

ヤムチャ「う~ん、難しい……けど、頑張って考えておきます……!」

リュウ「それと……しつこいようだけど、マイク……マイクアピールな……?」

ヤムチャ「……本当、そこだけはしっかりします。出来るようになります」

リュウ「今日の試合に関しては、そんなもんだな……まぁ、打ち合わせしてたんだから、当然って言えば当然なんだけどよ……? じゃあ、俺は……シャワーでも行ってきますかね……?」


プーアル「リュウさん、お疲れ様でしたっ!」

ヤムチャ「リュウさん、お疲れ様でしたっ! あの、次は……マイク含めて、もっとやってやりますっ……!」


リュウ(『もっと、やってやる』か……オイオイ、今日俺、アイツに喰われかけてなかったか……? もっとやるのかよ……オイ……でも、そうだよ……アイツはもっと出来てもいいよ……まだまだ、未熟だよ……)

710: 名無しさん 2015/05/18(月) 22:55:02 ID:TvlU.oWQ
ヤムチャ「まぁ、自分でもやっちまったのは、瞬時にわかったけどさぁ……? マイナス50点かぁ……あれだけで、マイナス50点かぁ……」

プーアル「いや、でもそうですよ……? だって、試合中はヤムチャ様、ずっとずっと格好よかったのに……最後のアレだけで……」

ヤムチャ「……ベジータの真似は失敗だったかもねぇ」

プーアル「ヤムチャ様って、そこまで出来ない人でしたっけ? ホラ、昔は天下一武道会に出る前に、結構大口叩いてたじゃないですか?」

ヤムチャ「大口叩いて、そして負ける……! 惨めな姿を晒す……! そんな事を、何度も続けてみろっ……! もう黙ってる方が無難だって、俺は学習しちまったんだよっ!」

プーアル「……負け続きで学習した事が、まさかこんな所で足枷になってしまうなんて」

ヤムチャ「……人は歳を重ねるにつれて、丸くなっちまうんだよ、プーアル」

プーアル「この負け犬根性……なんとか、なりませんかねぇ……本当に……」

ヤムチャ「うるせぇっ! サイヤ人や、ナメック星人と共にずっと、過ごしてみろっ! こうなっちまうよ! 普通はこうなっちまうよっ!」

プーアル「ヤムチャ様は、本当は出来る人なんですよ!? プロレスだって出来てるじゃないですか!? 本当のヤムチャ様は、とんでもなく強い男なんですよ!? そろそろ自信を持ちましょうよ!」

ヤムチャ「……本当、プーアル、最近ブルマそっくりになってきたなぁ、オイ」

プーアル「話を、はぐらかさないで下さいっ! それに、封印されたパンドラの箱……また自分で開いてますよ、ソレっ!」

ヤムチャ「お、おう……そうだった、そうだった……悪ィ悪ィ……」

712: 名無しさん 2015/05/18(月) 23:01:21 ID:TvlU.oWQ
プーアル「……それで、どうだったんですか? リュウさんとの、信頼関係を築くってのは」

ヤムチャ「あ~、それね……う~ん、どうなんだろ……?」

プーアル「やっぱり、まだダメですか……?」

ヤムチャ「いや、そうじゃないんだよ……今日はケンさんが、いなかったからね……? 俺とリュウさんの二人だから、試合中ちょっと話す機会みたいなのが自然と出来たんだよ……」

プーアル「いい事じゃないですか」

ヤムチャ「『よくやった!』なんてのも、言って貰えたしね……? 本心なのか、試合中だけの言葉なのかは、わかんなかったけど……まぁ、とにかく喋る機会も増えて、ちょっと距離は縮まったかなぁって思う部分も、あったんだけど……」

プーアル「はい」

ヤムチャ「試合が終わったら……まぁ、なんて言うか……いつものリュウさんに、戻っちゃったって感じかなぁ……?」

プーアル「……やっぱり、最後のマイクアピールが原因なんじゃないですかねぇ?」

ヤムチャ「そうかもねぇ……あれだけでマイナス50点だしねぇ……あれで、プラマイ零かねぇ……」

プーアル「試合内容自体は、認めてくれてましたし……それに、前のリュウさんだったら、もっと怒鳴った気もしますけどね……? 僕は、ちょっとは前進したような気もします……」

ヤムチャ「う~ん……わかんないもんだね……俺もちょっとは進んだ気もするけど……まぁ、何とも言えねぇや……だって、喋ってくれないんだもん……」

プーアル「……まぁ、そこも継続して頑張っていきましょう、ヤムチャ様」

ヤムチャ「……うん」

715: 名無しさん 2015/05/18(月) 23:13:34 ID:TvlU.oWQ
さくら「ヤ~ムチャさん?」

キャミィ「お疲れ様です」


ヤムチャ「おっ、さくらちゃんに、キャミィさん……お疲れ様~」


さくら「流石、第五試合組っすね、20分フルで動きっぱなし! ヤムチャさん、まだまだ現役じゃないっすか! 流石っすよ!」

キャミィ「本当、ヤムチャさんって、いつも涼しい顔してますよね? もう一試合ぐらい出来るんじゃないですか?」

ヤムチャ「いやぁ~、無理無理……ただ、動くだけならともかく……頭も使わなきゃいけないもん……俺、頭使うの苦手だもん……もう一試合なんて無理だよ……」

さくら「今日の試合はよかったっすよっ! 最高でした! 最高の負けでした!」

ヤムチャ「……最高の負けって、喜んでいいのかなぁ?」

さくら「そりゃ、喜ぶべき事っすよっ! ジョバーにとっては、最高の褒め言葉っす!」

ヤムチャ「じゃあ、ありがたく、その言葉受け取っておくよ……ありがとね……?」

さくら「いえいえ、それはこっちのセリフっすよ! ヤムチャさん、本当にありがとうございますっ!」

716: 名無しさん 2015/05/18(月) 23:19:17 ID:TvlU.oWQ
ヤムチャ「とりあえず、ケンさんの試合も見たいし……」

さくら「そうっすね、今日はヤムチャさんの兄弟子がメインイベントなんだし……」

ヤムチャ「それに、シャワーも浴びたい……」

キャミィ「……あっ、やっぱり」

ヤムチャ「飲み会行くのは、まだ時間が掛かりそうだけど……悪いけどいいかな……?」

さくら「勉強熱心なのは、いい事っすっ! それに最近のダンさん、試合終わり待っててくれてるの結構、喜んでるんすよ? そういう事なら、メインイベント……見ていきましょうよ!」

ヤムチャ「いやぁ、いつもいつも付き合ってもらって悪いね……よし、プーアル……お前は、とりあえず何処からタオルを持って来いっ! 急ぐんだ、プーアルっ!」

プーアル「そういうのは僕の仕事ですからね……それじゃあ、行ってきま~す!」

ヤムチャ「よしっ! それじゃあ、今日も勉強だっ……! ケンさん……相手がザンギエフさんだろうが、やって下さいっ……! ここで言う分には、自由だ……さぁ、あのデカ物モンスターを倒しちまえっ! 参考にさせて頂きますよ!」


さくら「あ~ぁ、現場監督にそんな口きいちゃって」

キャミィ「まぁまぁ、ここで言う分には自由じゃないですか」クスクス

753: 名無しさん 2015/05/20(水) 22:02:45 ID:1ODg.zn6
居酒屋ーー


サガット「さぁ、楽しい楽しい反省会だ……明日はオフだからな……たらふく飲もう……そして、ついでに語ろう……」

バルログ「『ついで』って……ダメですよ、サガット……話半分で進めちゃうのは」

サガット「わかってるさ……今日は俺達の試合と……キャミィちゃんの二試合か……さぁ、どっちからいこう……?」

ダン「あ~、サガット……お前達の試合からにしよう……今日のお前達の試合にゃ、言いたい事がある……言いたい事があるんだ……」

さくら「ダンさんが、言いたい事って……珍しいっすね……ダンさんって、いつもは聞き上戸なのに……」

キャミィ「……そうですねぇ」

ダン「まぁ、さくらにキャミィ……それにシャドルー全員が、感じてる事だと思う……なぁ、ヤムチャ……?」

ヤムチャ「あぁ、はい……俺っすか……?」

ダン「皆が感じてる事だ……ここにいる皆が、感じている事なんだ……それを、今……俺が、代表して言ってやるよ……」

バイソン「……まぁ、言っておかねぇとね。よ~しっ! ダンさん、言ってやれっ!」

ダン「酷ぇ、マイクだったなぁ! オイっ!」

ヤムチャ「だぁ~! やっぱり、言われたか! そうっすよねぇ、はい……わかってますよ、そこは……」

754: 名無しさん 2015/05/20(水) 22:09:33 ID:1ODg.zn6
ダン「なんだよ、アレっ! 最後の最後に見事にずっこけやがって……! 狙ってんのか!? 狙ってんのか、アレは……オイっ……!」

ヤムチャ「……で、でもねぇ? 瞬時にやっちゃった事は、今回はわかりましたよ!? そこは、わかりました!」

ダン「今回はわかりました……じゃ、ねぇよっ! 結果として、やっちまってるじゃねぇかよっ! おめぇは、本当にマイクアピール出来ねぇんだな!? 解説での勉強の成果は何処行った!?」

ヤムチャ「アハハ、今日はリュウさんにも……前は、ケンさんにも言われましたよ……」

ダン「言われてんだったら、なんとかしろよ! えぇ、コラ……舐めてんのか……? あぁ!?」

ヤムチャ「い、いやぁ……今日のダンさん、きっついですねぇ……」

ダン「アレだったら、レフェリーの俺の方が、まだ出来るぞ!? なんだったら、勝負すっか!? 勝負してやっても、いいんだぞ!? えぇ!?」

ヤムチャ「勝負って……何するんですよ……?」

ダン「マイクと言えば、カラオケ……カラオケに決まってんじゃねぇかよ……カラオケ勝負だっ!」

ヤムチャ「カラオケ勝負……? 何ですか、それ……?」

ダン「……ダ~メだ、サガット。こいつ、全く乗って来てくれないよ? こりゃ、重症なんじゃねぇか、オイ?」

サガット「……マイクアピールに関しては、結構重症かもしれませんね。早急に何とかする必要がありそうです」

755: 名無しさん 2015/05/20(水) 22:14:15 ID:1ODg.zn6
ヤムチャ「ダンさん、急にどうしたんですか……? ちょっと、情緒不安定なんじゃないですかねぇ……?」

ダン「おめぇは冷静に、分析してんじゃねぇよ……こっちが100の力で仕掛けたんだったらな……おめぇも100の力で返してこい……そんな冷静にスカしてんじゃねぇよ……」

ヤムチャ「……えっ?」

バルログ「ヤムチャ君、ダンさんが情緒不安定なのは、マイクアピールのお手本を見せてくれていたんですよ」

ヤムチャ「……お手本?」

バルログ「マイクアピールは、相手に好き勝手に物を言うだけじゃいけません……物を言う事によって、新しい戦いを生み出していかないと……」

ダン「俺はカラオケ勝負の戦いをお前に仕掛けてやったじゃねぇかよ……? 折角、俺が仕掛けてやったんだ……だったら、おめぇも乗って来いっ!」

ヤムチャ「あ~、そういう事だったんですねぇ……いや、だって急にカラオケ勝負なんて言われたから……どんな勝負なのかなって思っちゃいまして……」

キャミィ「……そこは、私も思った部分はありました」

さくら「まぁ、それもそうっすけどね……ただ、それを踏まえた上でも……ヤムチャさんは、ちょっと察しの悪い部分もあったりしますかね……?」

756: 名無しさん 2015/05/20(水) 22:20:25 ID:1ODg.zn6
ヤムチャ「俺、察し悪いかなぁ……? だって、答えようがねぇじゃん……? なぁ、プーアル……いくら何でも、今のは無茶だよなぁ……?」

プーアル「……あのですねぇ! ダンさんっ!」

ダン「……ん?」

ヤムチャ「おっ、どうしたどうした……プーアル……」

プーアル「ちょっと、ウチのヤムチャ様の事をバカにしすぎじゃありませんかねぇ!? いくら、ダンさん相手だろうが……そこまで言われちゃ、僕だって黙ってられませんっ!」

ダン「……おっ?」

ヤムチャ「おいおい……プーアル、プーアル……どうした、どうした……!?」

プーアル「カラオケ勝負……? いいじゃないですか、受けてたちましょうっ! 何本勝負だって、構いませんよっ! ルールを説明して下さいっ!」


ダン「おぉ、いいじゃねぇか……コレだよ……コレコレ……!」

サガット「おぉ、プーアル君は凄いなぁ……」

759: 名無しさん 2015/05/20(水) 22:25:27 ID:1ODg.zn6
キャミィ「……プーアルさん、凄~い」パチパチ

バルログ「流石、ヤムチャ君のブレーンですね……100の力で仕掛けられた事を……120の力で返しました……」

バイソン「もうさぁ……? プーアル君、セコンドにつければいいんじゃねぇか……? プーアル君もポイズンさんみたいにセコンドになっちまえよ……」

プーアル「う~ん、ヤムチャ様にも頑張ってもらうので……セコンドは、もう少し様子見させてもらってもいいですかねぇ……?」


ヤムチャ「な、なんだよ……この空気……なんで、プーアルが出来る人になってるんだよ……ねぇねぇ……?」

サガット「ヤムチャ君、プーアル君の凄い所は、勝負を受けるだけではなく……よくわからない『カラオケ勝負』なんて物のルールを、言い出したダンさん自身に説明させようとした所だぞ……? そこだ……」

プーアル「……やめて下さいよ、サガットさん。そういう事、言うのは」

さくら「本当、プーアルさんは、ポテンシャル高いっすねぇ……」

ヤムチャ(オイオイオイ……さくらちゃんまで、オイ……こりゃ、少々マズいんじゃねぇか、オイ……!)

760: 名無しさん 2015/05/20(水) 22:30:44 ID:1ODg.zn6
6
ヤムチャ「わかりました、わかりました……! まぁ、今ので自分に何かが足りてないって事は、わかりました……! 勉強しましょう……! 今日も勉強しましょうっ!」

サガット「まぁ、そうだな……そもそも、ヤムチャ君は先ず、今日のマイクアピールで……バイソンが君に勝負を仕掛けていた事は理解してたか……?」

ヤムチャ「……えっ?」

バイソン「思ってた以上に、ヤムチャ君の動きがよかったからな……俺は、次のヤムチャ君との試合が……もっと、面白く出来る為に言ったつもりだったんだが……ヤムチャ君は、あのマイクアピール……あの時、どういう考えだったんだ……?」

ヤムチャ「え~……俺は、いや……リュウさんが急に、何か言ってやれって言ってマイクを渡してきたから……そのまま勢いで……」

バルログ「……まぁ、そんな感じでしたよね。バイソンがヤムチャ君に喧嘩を売ってきたんですよ。バイソンのマイクアピールは」

ヤムチャ「あぁ、はい……」

バルログ「ヤムチャ君は、喧嘩を買うでもなく……相手にしない……どちらでもなく、喧嘩を売られた事に気づいてないんですから……そりゃ『なんじゃそら』とも言われますよねぇ」

ヤムチャ「え~……あの時、バイソンさん何て言ってたっけ……? 勝負だとか、言ってたかな……?」

バイソン「……俺も何言ったかは一言一句までは覚えてねぇけど、まぁ喧嘩は売ったつもりだったよ?」

761: 名無しさん 2015/05/20(水) 22:36:15 ID:1ODg.zn6
サガット「先ずは相手の言葉をしっかり、聞いて……本心では、何を言わんとしてるのかを、考える事……それが大切だな……」

ヤムチャ「そうですね。今日は試合が終わったら……ちょっと、気を抜いてた部分もあったかもしれません……」

サガット「結果論としては……やっぱり、あそこは大口叩いてでも、バイソンの挑発を受ける……なんて方がよかったかもしれないな……」

ヤムチャ「……大口ねぇ」

サガット「あまり、叩きすぎるのもよくないがな……その辺のバランスはまた難しい……」

ヤムチャ「俺、大口叩くのは苦手なんですよ……そういうので失敗した経験……結構ありますからねぇ……」

サガット「俺も、意気込んで天下一武道会に出場して、悲惨な結果になった時は、周りに散々言われたよ……一年間、ずっとバカにされ続けた」

ヤムチャ「……そうなりますよねぇ。俺もそんな感じっす」

サガット「だが、これはプロレスだ……大口叩いても一週間以内には、リベンジのチャンスが来る」

ヤムチャ「そこが、天下一武道会との違いですよねぇ……苦手だけど……あ~、やっていかなきゃいけねぇな……」

プーアル(ヤムチャ様は、本当は出来る人なのに……やっぱり、周りが凄すぎるせいで結構、負け犬精神が身についちゃってますね……何か、一つ大成功をしたら、ヤムチャ様も自信がついて……負け犬精神が払拭出来るはずです……)

ヤムチャ「……う~ん、何て言えばいいのかねぇ」

プーアル(ただ、プロレスでもヤムチャ様は、基本的に負け役……それに、リュウさんとケンさんの下……なんですよね……多少の成功はあるかもしれませんが……大成功は、期待出来るんでしょうか……)

763: 名無しさん 2015/05/20(水) 22:41:21 ID:1ODg.zn6
バイソン「とにかくよぉ、去勢を張れ張れっ! 何でもいいから、自分を凄そうな奴に見せればいいんだよっ!」

ヤムチャ「今日の俺は20%の力しか出してないぞっ……! 本当はもっと強いんだぞっ! バイソンっ! とか、こんな感じですかね……?」

バイソン「……あれ? なんか、嘘くせぇな」

ヤムチャ「う~ん……言ってて、俺も思いました……」

さくら「でも、ヤムチャさんの魅力って本当の実力を隠して戦うってより、やっぱりいつでも全力投球……みたいな所な気もするんですよねぇ……」

キャミィ「それは、私も思います」

ヤムチャ「あっ、そうなの……?」

さくら「ほら、今日だって自分の持てる技全て使って……出し惜しみせず……完全にやりきって負けたって感じだったじゃないですか?」


バイソン「出し惜しみはよくねぇからな! ラストエリクサー残したまま、ゲームをクリアしちまうのはよくねぇ!」

サガット「……バイソン、なんだそりゃ?」

バルログ「……TVゲームで例えてるんですよ、サガット」

764: 名無しさん 2015/05/20(水) 22:47:25 ID:1ODg.zn6
さくら「そんな人が、今日の試合は20%の力しか出してない……なんて言っちゃ、そりゃ嘘臭くもなっちまいますよ……」

プーアル「方向性としては……まだまだどんどん強くなっていくぞっ……! みたいな感じですね……?」

さくら「そうそう。リュウさんも、そういう感じに持っていってたじゃないっすか?」

ヤムチャ「今日は負けちまったが……次は、こうはいかない……! 待ってろよ、バイソンっ……! みたいな感じかな……?」

バイソン「さっきよりかは、まだよくなったね……ただ、もうちょっと頑張った方がいいかもね……例えば、具体的にこの技を仕掛ける……みたいな事を言ってみるとか……」

ヤムチャ「次は、こうはいかないっ……! 俺の狼牙風風拳でぶっ飛ばしてやるぜっ……! とか……?」

バイソン「……あれ? ちょっと、なんか負け犬の遠吠えっぽくなった?」

ヤムチャ「……俺も、言ってて恥ずかしかったっすよ」

767: 名無しさん 2015/05/20(水) 22:57:49 ID:1ODg.zn6
ヤムチャ「ちょっと、こんがらがってきたなぁ……難しい……」

さくら「ヤムチャさん、ファイトっす!」

キャミィ「そうですよ、頑張りましょう。私も苦手ですから、他人事とは思えません……」

サガット「……ダンさん、何かいいアドバイスありませんかね?」

ダン「とにかく、今から凄い事をするってのを、ちゃんと言う事……次の試合はもっと凄い事をする……ってのをちゃんと言う事……お前だって、次の試合はもっと出来るようになりたい……って、思ってる部分はあるだろ……?」

ヤムチャ「あぁ、そりゃ勿論……はい……」

ダン「咄嗟に出てこねぇなら、家でノートにでも書いて纏めておきな。そうしたら、考えも纏まるんじゃねぇか? 俺は、そういう事ちゃんとやってるぞ……?」

ヤムチャ「ダンさん、そういう事やってるんですか?」

ダン「俺ぁ、レフェリーだけじゃなく、リングアナもやってるからな……? ほら、今からリュウが入場します……とか、サガットが入場します……とか言うだろ……?」

ヤムチャ「あ~、はいはい……言ってますねぇ……」

ダン「そこを『正義の味方のリュウ』とか……『強くてデカい男のサガット』とか……そういう風に言っていかなきゃ、いけねぇんだよ……だから、考えた内容はノートにメモしてるよ……」

ヤムチャ「……ダンさんも、真面目ですね」

ダン「ただ、他人に見せられねぇ、とんでもねぇノートになってるけどな!? 『闇の魔人』とか『静かなる暗殺者』とか……そういう言葉でビッシリ埋まってるよ……あのノートは俺が死んだら、真っ先に焼却処分してくれ!」

769: 名無しさん 2015/05/20(水) 23:05:42 ID:1ODg.zn6
ヤムチャ「皆、考えてやってるんだなぁ……俺も、もうちょっと頭使わねぇとなぁ……」

サガット「ダンさんはリングアナでもあるから、マイクの機会も多いからな……ただ、やる事に損はない……」

ヤムチャ「帰りに、ノートでも買って帰りますよ……また、纏めておきます……」

バイソン「あまり、考えすぎるのも、よくないぞ……? 下手したらダンさんみたいな、クレイジーなカラオケマニアになっちまうからな……?」

ヤムチャ「……クレイジーなカラオケマニア?」

さくら「ダンさん、カラオケ行った時……曲が始まる前のイントロ部分に、いっつも、リングアナと同じノリで、変な前口上入れるんすよ……」

ダン「おいおい、変ってなんだよ……! そもそも、俺はお前らがまともに聞かねぇから……」

キャミィ「聞いてみたい……ような気もしますが……これは地雷ですかね……?」

サガット「あぁ、キャミィちゃん……地雷だ……やめておこう……」

ダン「地雷って、なんだよ、オイっ! 俺は一生懸命やってるんだぞ!?」

バルログ「リングの上では、構いませんが……プライベートとなるとねぇ……あれ、聞くジミーさんも大変ですよねぇ……」

771: 名無しさん 2015/05/20(水) 23:11:29 ID:1ODg.zn6
ヤムチャ「凄い言われっぷりだなぁ……いや、ここまで来ると、逆に聞いてみたいや……」

バイソン「……やめておけって」

さくら「……また、今度にしましょう、また今度に」

キャミィ「私も、聞いた事がないので、気にはなります……どんな感じなんですか?」

ダン「……まぁ、普段通りだよ。リングと同じテンションでやってるよ」

バルログ「……プライベートでも、あのテンションで」

サガット「上手いんだけどな……まぁ、なんというか、な……?」

ヤムチャ「……どんな感じなんですか? ちょっとだけ、聞いてみたいです。ちょっとだけ」

ダン「おっ、ヤムチャが生意気に俺にカラオケ勝負を挑んで来たってワケか……よ~し、じゃあ見せてやろうじゃねぇか……まぁまぁ、この店じゃそこまで大声を出せねぇが……見せてやるよ、参考にしな……」

サガット「ま~た、ヤムチャ君は地雷を踏みに行く……」

ヤムチャ「まぁまぁまぁ……何か勉強になる部分があるかもしれないじゃないですか……」

773: 名無しさん 2015/05/20(水) 23:17:01 ID:1ODg.zn6
ダン「さぁさぁ、皆様、お手を握って下さいっ! 硬い硬い握り拳を作って下さいっ! そしてっ……! その握り拳を私のリズムに合わせて……ゆっくりと左右に振って下さいっ! お願いしますっ! お~願いしますっ!」

サガット「……出た出た」

ダン「そ~れでは、一曲歌わさせて頂きますっ! 聞いて下さいっ! 『ズンドコ節』!」

ヤムチャ「……あれ? 結構、いい感じじゃない?」

ダン「あっ、ソレ。ズンズンズンズンズンドコ~、ズンズンズンズンズンズンズンドコ~」

さくら「……また、わけのわかんない曲のチョイスを」

ダン「お客さんっ! 拳が揺れてませんよ~! ズンズンズンズンズンドコ~、ズンズンズンズンズンドコ~」

キャミィ「……こ、こんな感じなんですか?」

ダン「学校帰りの森影でぇ~、ぼくに駆け寄りチューをしたぁ~」

バイソン「パパヤ」

ダン「セーラ服のおませな子~、甘いキッスが忘らりょか~、ソレっ!」

バルログ「……そうなんです、キャミィさん。こんなテンションでずっと続けるんですよ。聞いてるこっちが疲れますよ」

774: 名無しさん 2015/05/20(水) 23:24:07 ID:1ODg.zn6
ダン「……とまぁ、こんな感じだ。参考になったか? ヤムチャ?」

さくら「……なるわけないでしょ。そもそもなんの歌なんすか、ソレ」

ダン「だから、『ズンドコ節』だって! 五人組のコメディアンが歌ってる曲だよ」

キャミィ「……何事も、やりすぎは良くないって、勉強になりました」

ヤムチャ「えっ……? そう、俺は別に普通だと思ったよ……?」

バイソン「……マジかよ!? ヤムチャ君、なんかズレてないか!?」

ヤムチャ「いや、俺の友人も歌う前に、そんな感じで『凄い歌歌うから聞けぇ!』みたいな事言ってから歌うんですよ……実際それで、聞き入っちゃう雰囲気は出来ますしね……結構、参考になりましたよ」

プーアル「……ヤムチャ様、アレは真似する事じゃないと、思いますが」

ヤムチャ「これなら、俺も出来るかもしれません……ちょっと、やってみてもいいですかね……?」

ダン「よ~し、上手く出来たら、今度カラオケに連れていってやるよ……ヤムチャっ、やってみろっ!」

777: 名無しさん 2015/05/20(水) 23:30:00 ID:1ODg.zn6
ヤムチャ「さぁ、てめぇら……覚悟しやがれっ……! このヤムチャ様が、たっぷりと料理してやるぜ~!」

バルログ「……料理?」

ヤムチャ「まずは『キャベツ』だっ! みじん切り……こっぱみじんにしてやるぜ……!」

バイソン「……え~っと、これどう反応したらいいのかな? バイソンちゃんにもわかんねぇ」

ヤムチャ「ザックリ~、ザックリ~、ザックザク~」

キャミィ「……あっ、歌った」

ヤムチャ「次はきさまだ『ニンジン』ヤロウ! 人間みてえなその名前……全くふざけた野郎だぜ……! 貴様の苦味にゃヘドが出るっ!」

ダン「……また、語りだしたぞ、オイっ!?」

ヤムチャ「ふはははははははっ! ふはははははははっ!」


サガット「あぁ、壊れていく……ヤムチャ君が確実に壊れていっている……よっぽど、マイクアピール事で悩んでいたんだな……なんとかしやらないと……」

787: 名無しさん 2015/05/21(木) 22:00:33 ID:uYXKSQwc
バルログ「……カラオケ勝負は、ダンさんの圧倒的勝利ですね」

バイソン「……ヤムチャ君のTKO負けだ。自爆TKO負け」

ヤムチャ「あ、あれっ……!? なんでだ……なんで、こんな反応になるんだ……?」

さくら「……そもそも、なんの歌なんすか、ソレ」

ヤムチャ「これは、前に言っていた、ツ~ルツルツルツル、ネ~バネバネバネバ……の歌だよ……!」

さくら「……ま~た、嘘をついちゃって」

プーアル「信じられないかも知れませんが、コレは本当の曲なんですよ、さくらさん……これ、破天荒にお好み焼きを作る歌なんです……」

さくら「……えっ? マ、マジっすか?」

プーアル「ヤムチャ様は狂ったわけではないんですよ……ちゃんと歌詞通りに歌っただけです。因みに、ツ~ルツルツルツル、ネ~バネバネバネバは、山芋入れる部分の歌詞です……」

キャミィ「……お好み焼きに、山芋って入れます?」

サガット「どうなんだろな……入れる人は、入れるんじゃないか……? しかし、なんだ……参考にした歌があったのか。良かった、良かった……本当に狂ってしまったかと思ったよ……」

788: 名無しさん 2015/05/21(木) 22:07:06 ID:uYXKSQwc
ヤムチャ「……散々な結果だな。やらなきゃよかった」

ダン「お前はよ……? なぁ~んか、身の丈にあってねぇ事、言うよな……? その曲でも、マイクアピールでも……」

さくら「そうそう。『一生懸命頑張りますっ!』みたいな感じでいいんすよ。それを、いきなり……『俺は凄いんだ! 凄いんだぞぉ!』みたいな、急に悪の王子みたいなキャラになっちゃって……」

ヤムチャ「う~ん……参考にする人、間違えたかな……?」

ダン「んっ……? って、事は……お前、今日のマイクアピールもその『誰か』の真似してたって事か……?」

ヤムチャ「あっ、はい……いるんですよ、なんかこんな感じで大口叩く友人が……」

ダン「悪い事言わんから、そいつの真似はやめておけ……おめぇには合ってねぇよ……自分らしい、マイクアピールしろ……自分らしい、な……?」

ヤムチャ「う~ん……自分らしい、か……俺、どんな感じだったかなぁ……?」

プーアル「荒野の狼ですよ! ヤムチャ様! あの頃の輝きを取り戻しましょうっ!」

ダン「おっ……? 『荒野の狼』って格好いいな……コイツは、使えるんじゃないか……?」

789: 名無しさん 2015/05/21(木) 22:18:29 ID:uYXKSQwc
ーーー


ザンギエフ「あ~、いやぁ……今日はケンがやってくれたな……いい試合だった……実にいい試合だった……」

ベガ「シングルならではの、立ち回りをしていましたね……これなら、ケンもベルト戦線に絡めても良さそうなんじゃないですかね? 会場の空気もよかったですよ……?」

ザンギエフ「あ~、う~ん……そうだな……ところで、今日お前、リュウに何か言われたか……?」

ベガ「リュウに……? いえ、特に何も言われていませんが……」

ザンギエフ「あ~、そうか……それなら、よかったよかった……まぁ、不満は溜まってるのかも、知れないがな……口に出してこないうちは、まだ大丈夫だろう……よかったよ……」

ベガ「……ヤムチャの事ですね?」

ザンギエフ「ちょっと、今日、リュウの試合を食ってなかったか……? やってくれるのは、ありがたいんだけどな……そうなってくると、文句を言われないか、こっちは心配になってくる……」

ベガ「……マイクの件なども、ありましたしね?」

ザンギエフ「ありゃ、酷かったなぁ……!? ちょくちょく解説もやらせていかんといかんわ! しかし、解説だけの為にヤムチャを使うのは、勿体無い……」

ベガ「彼は、試合させたいですよねぇ……バイソンも、望んでいるみたいだし……」

791: 名無しさん 2015/05/21(木) 22:23:01 ID:uYXKSQwc
ザンギエフ「即・リベンジマッチ……とか、どうだろ……? 面白いんじゃないかな……?」

ベガ「……次の試合で?」

ザンギエフ「あぁ、そうだ。次の試合でだ……で、その次の試合は、ヤムチャが負けだ……」

ベガ「そこまで、いくとヤムチャ君を可愛がりすぎです。あくまで、主役はリュウです」

ザンギエフ「それは俺もわかっている……ずっと、ヤムチャを主役にするわけではない……数試合だよ、数試合……」

ベガ「リュウの不満が、爆発しないように、気をつけて下さいね……」

ザンギエフ「リュウがメインで、ケンやヤムチャが第五試合……そうなると、俺も休める……リュウを持ち上げるべきか、ヤムチャを持ち上げるべきか……それとも、ケンなのか……」

ベガ「……明日のメインは、どうなされるんですか?」

ザンギエフ「リュウは、この前したばかりだからな……とりあえず、少しお前が預かっておいてくれないか……?」

ベガ「私が預かり、様子見ですね……? ザンギエフさんは、その間に身体を休めておいて下さい……最近は無茶しすぎなんですから……」

ザンギエフ「わかってる、わかってるよ……自分の身体の事は、自分が一番よくわかっている……数日間は、ゆっくりと休養させてもらうとするよ……」

792: 名無しさん 2015/05/21(木) 22:28:31 ID:uYXKSQwc
ーーー


サガット「まあ、マイクアピールの件は……とりあえず、しばらくは何を言うか……そこも、試合内容と同じように打ち合わせするか……」

ヤムチャ「そうっすね。それ、リュウさんにも言われましたよ……」

キャミィ「リュウさんって言えば……今日の試合……」

サガット「……ん、どうした? キャミィちゃん?」

キャミィ「ちょっと、ヤムチャさん……リュウさんの事、喰ってる部分がありませんでしたか……?」

ヤムチャ「えっ……? それってどういう事……?」

キャミィ「だから、ヤムチャさんの方が……リュウさんより、活躍してたような、感じだったんですけど……」

ヤムチャ「いやいや、そんな事、あるワケないじゃんっ!? だって、俺は、空手軍団の三番手なんだから! ねぇ、サガットさん?」

サガット「……う~ん」

ヤムチャ「あれ……? なんで、そんな顔……?」

793: 名無しさん 2015/05/21(木) 22:34:52 ID:uYXKSQwc
サガット「ヤムチャ君、リュウが君の上で……君がリュウの下……それは、揺るぐ事のない、現状の関係だ……そこは、君の言う通りだ……」

ヤムチャ「そうですよ、そうですよ」

サガット「ただ、今日のヤムチャ君はよかったからなぁ……100%以上の、120%の力を出していたと言っても、過言ではない……」

ヤムチャ「あっ、ありがとうございます! サガットさん!」

サガット「ただ、そういう時に……試合を喰ってしまうという事が、起きてしまうんだよ……100%の力のナンバーワンと……120%の力のナンバースリー……20%の力の底上げだよ……下手したら、ナンバーワンより、強そうな印象を受けてしまう」

ヤムチャ「あ、あれ……? じゃあ、俺それって……やっちゃった……?」

サガット「難しいな……ただ、俺はそこを責める気は一切ない……70%の力しか出せてない人間に、100%の力を出せと言う事は、普通だが……自分の実力以上の、120%の力を出している人間に……その実力以上を出した20%の部分を抑えろ……なんて言うのは、おかしな話だからなぁ?」

バイソン「バイソンちゃんの洞察では、ヤムチャ君は120%の力を出していたが……リュウはまだ、80%ぐらいの力だと思うぜ……? 今日は真・昇龍拳出してなかったしよぉ……? そこは、どうなんだろなぁ……?」

サガット「バイソン……この場にいない者の、批判はやめよう……派閥になってしまう……ヤムチャ君が、120%の力を出したという程で、話を進めよう……」

バイソン「あ~、そうだったそうだった……悪ィ悪ィ……」

794: 名無しさん 2015/05/21(木) 22:41:40 ID:uYXKSQwc
ヤムチャ「俺は、いくらなんでも、そんな事はないと思うんですよ……だって、そんな事になったら、リュウさんの性格なら、間違いなく俺に文句を言って来ますよ!」

サガット「……う~ん」

ヤムチャ「今日は、マイクアピールの事では、叱られまれたしたけど……それだけだったよなぁ? なぁ、プーアル?」

プーアル「そうですね。リュウさんの、今日のヤムチャ様の評価は、マイクアピールでマイナス50点の……40点だったそうです」

さくら「……40点って、リュウさん辛口っすねぇ」

ダン「……さくら、あの時リングにいた人間なら、マイクアピールにマイナス50点つけちまう気持ちもわかるぞ?」

サガット「……マイクアピールがなければ、90点か。 10点のマイナスの内容は、なんだったんだ?」

ヤムチャ「あれ……? そういや、100点に届いてねぇな……? プーアル、俺他に何か言われたっけ……?」

プーアル「いえ、今日言われたのは、それだけですよ」

795: 名無しさん 2015/05/21(木) 22:52:05 ID:uYXKSQwc
バイソン「意外とマイナス10点の内容は『俺を喰っちまうような活躍をするんじゃねぇ!』とかだったりしてな?」

バルログ「バイソン、しつこいですよ……やめろって言われてるじゃないですか……」

バイソン「おうおう、悪ィ悪ィ……」

ヤムチャ「今日は皆さんに、試合内容の事を褒められてますが……やっぱり、リュウさんからしたら、100点なワケじゃないんですね……しかし、言ってもらえないのは辛いな……マイナス10点……なんだったんだろ……?」

ダン「あれじゃねぇのか? 関節技……関節技だよ……」

ヤムチャ「関節技……? って、俺今日、やってないっすよ……?」

ダン「だから、それだよ……ザブミッションの一つや二つでも、使っていけ……みたいな事……」

ヤムチャ「あ~、なる程っ! そういう事か! 確かに、俺……関節技はコブラツイストしか持ってないから、終盤にバイソンさんの足をとりあえず取って、反撃喰らう……なんて事しましたしねぇ……そこ臭いな……」

サガット「あって、損はない技だからなぁ……確かに、ヤムチャ君に関節技のもう一つぐらい、あってもいいかもな……終盤で使えそうな関節技……」

796: 名無しさん 2015/05/21(木) 23:02:49 ID:uYXKSQwc
ヤムチャ「どんどん、新しい技覚えなきゃいけない……ってのは、成長してるなぁ、って自覚が出てきましたけど……」

サガット「いい事じゃないか」

ヤムチャ「ミサイルキックも、保留のままだし……マイクアピールだって、まだだろ……? やる事がどんどん増えていくなぁ……」

サガット「……明日一日、道場でも篭るか? 幸い、明日はオフだ。ヤムチャ君のポテンシャルなら、一日かければ複数の技を覚えられるようになるかもしれん」

ヤムチャ「そうっすねぇ……じゃあ申し訳ないけど、サガットさん、明日は……」

さくら「あ~、ちょっと待ったちょっと待った……! サガットさん、ヤムチャさん……その事で、お話が……!」

サガット「ん……? どうした、さくらちゃん……?」

さくら「いやぁ、あのね……? 実はですね……今日、キャミィさんの試合が終わった後にですね……?」

サガット「おう、どうした?」

797: 名無しさん 2015/05/21(木) 23:15:53 ID:uYXKSQwc
さくら「こう、キャミィさん最近変わった……? みたいな事を、ちょっとかりんに言われましてね……?」

サガット「お~う、そうか。確かに、試合内容はよくなってきてるからな。今日の試合もよかった。同じ女子部に認められるチャンピオン……いいじゃないか……」

キャミィ「いや、そうじゃなくて、性格的に……みたいな感じです……前は、嫌々チャンピオンをしていた部分もありましたから……そういう所だと、思うんですよ……」

サガット「……ほうほう」

キャミィ「それで、最近はここの飲み会に参加してる……なんて、口を滑らしたワケではないんですけど……言っちゃって……」

サガット「……なにか、マズい事でもあるのか? 包み隠さず言えばいい。この飲み会はフリーダムだ。なんなら、かりんも参加してもいいんだぞ」

さくら「そうは言っても、男と女……やっぱり、変な風に弄られたりもするんすよ……」

サガット「別は俺達は下心があるワケではないぞ……? そんなの持ってるのは、バイソンぐらいだ……」

バイソン「YESっ! バイソンちゃん、只今婚活中でありますっ! どうですか、さくらちゃん、キャミィちゃん! バイソンちゃんと素敵な恋人関係になりませんか?」

さくら「……話進めたいんで、流しますよ? バイソンさん」

キャミィ「……バイソンさん、ごめんなさい」

バイソン「ガハハ、構わねぇよっ! 話を進めなっ! 冗談だっての! だけど涙が出てくるのはどうしてなんだろうな!」

ダン「……バイソン、飲め飲め」

798: 名無しさん 2015/05/21(木) 23:21:24 ID:uYXKSQwc
さくら「それで、そういう事ではなく……男子部の女子部の交流を深めるだけだ……なんて、説明して……」

プーアル(バイソンさんは、冗談でしょうが……ヤムチャ様は結構マジですけどね……)

キャミィ「ホラ、この前言っていた『サガットさんにお洒落を教える会』の事を、言っちゃったんですよ……」

サガット「……嫌な予感がする」

さくら「そしたら……ローズさんが、食いついたんっすよ……そんな面白そうな企画……是非とも、自分も参加したい……なんて言って……」

サガット「あの人は、確かにお洒落だけど……俺はそこまでではないぞ……! そこまででは……!」

バルログ「……いえ、サガットはかなりキテます。私、サガットの服のパターン、2パターンしか知りませんもん」

さくら「……明日オフですし、開きませんかね? その『サガットさんにお洒落を教える会』」

801: 名無しさん 2015/05/21(木) 23:26:08 ID:uYXKSQwc
バイソン「女お洒落番長が出陣か……あの人は、ヤムチャ君と違って本物だからな……サガットちゃんのクレイジーなセンスも、なんとかマシになるだろ……」

バルログ「サガットは、センスが狂ってるワケではないですよ? ただただ、無頓着なだけです……」

サガット「あの企画は冗談で言っただけだっ! 俺は、明日ヤムチャ君との特訓があるんだっ! 中止中止っ!」

さくら「……そんな嫌がる事、ないじゃないっすか? それに、開いたらサガットさんのセンスも良くなりますって」

キャミィ「それに、男子部と女子部の関係もきっと良くなります……私にかけられている、謎の疑惑も払拭する事が出来ます……」

サガット「チャンピオンたるもの、周囲からの批判などあって当然だっ! そこは、我慢しよう、キャミィちゃんっ!」

キャミィ「前と言ってる事、違うじゃないですか、サガットさん? なんで、そんなに嫌がるんですか?」クスクス

サガット「……確実に酷い目にあう事が目に見えてわかるからだ。ウチの弄られ担当はバイソンだ。俺ではない」

802: 名無しさん 2015/05/21(木) 23:33:51 ID:uYXKSQwc
サガット「ヤムチャ君、君は俺と一日掛かりで……」

ヤムチャ「あっ、そういう事だったら、俺は大丈夫っすよ。自分でなんとかしてみますよ。サガットさんに頼りっきりってのも、よくないっすからね」

サガット「……いや、しかし」

ヤムチャ「さくらちゃんと、キャミィさんが、同じ女子部の人に変な疑惑を掛けられているのら……それを払拭しないと……やっぱり、俺は人間関係は大事だよ、思うんですよ」

サガット「……まぁ、そうだが」

ヤムチャ「俺も、リュウさんとケンさんの事で、よ~く理解しました……やっぱり、女子部も一つになれる機会があるなら、その機会逃す事はないですよ……俺はいいから……そっちの方も優先したらいいんじゃないですかね……?」

プーアル(よくもまぁ、この人は抜け抜けと……)

ヤムチャ(なんか、突然チャンスが降ってきたっ! こっちだ、こっちっ……! こっちをやろうっ! 修行より、愛だろっ! 俺は、愛に生きる男だっ!)

803: 名無しさん 2015/05/21(木) 23:40:06 ID:uYXKSQwc
ダン「いいんじゃねぇか、サガット……? ヤムチャの事は……まぁ、なんとかなるだろ……? こいつは、マイクはダメだけど、他の部分は飲み込み早いからなぁ……」

ヤムチャ「今、俺に緊急なのはマイクアピールですからねぇ。技よりそっち……そんな気がします」

バルログ「そういや、ローズさんってマイク得意でしたよねぇ……」

バイソン「ヤムチャ君とは、面識あったっけ……?」

ヤムチャ「あっ、ローズさんって人とは……ありませんね。チラッと見た事ぐらいはありますけどね……」

ダン「だったら、そっちでもいいんじゃねぇか? ローズとヤムチャを合わせてみるのも、面白いと思うぜ?」

さくら「……話題にあがってませんけど、それにはかりんも参加しますよ?」

キャミィ「女子部、勢揃いってところです……プライベートで皆が集まる機会って以外と少ないですからね……いい機会と言えば、いい機会なんですよ……」

805: 名無しさん 2015/05/21(木) 23:46:10 ID:uYXKSQwc
サガット「皆、乗り気だなぁ……そこまで、俺を弄りたいか……」

ヤムチャ「人間関係は大事っすよっ! サガットさんっ!」

プーアル(本当、ヤムチャ様はこういう事には、生き生きと……この情熱を修行に向ければいいんですよ……修行に……)

サガット「わかったよ……俺、一人が弄られれば皆が一つになる……団結するんだな……? だったら、俺がピエロになってやろう……好きなだけ、俺を弄るがいいさ……」

さくら「じゃあ、明日は……『サガットさんにお洒落を教える会』……」

サガット「開催でいいよ、開催で……」

キャミィ「サガットさんは、お洒落したら絶対もっと格好良くなりますって。だから、そんな嫌がらなくてもいいじゃないですか?」

サガット「そもそも、サイズがないんだよ。XXLでも入らないようなこの体格だぞ? それで、お洒落をしようだなんてのが、そもそも無茶な話なんだ……」

ダン「ローズに、鍛えてもらえ……お前のファンは、絶対私服のお前見たら幻滅するぞ? お前の私服は、それくらいやべぇ」

さくら「ダンさんも、参加しますか?」

ダン「あ~、俺はダメダメ。俺ぁ、明日はジミーとユンとヤンと、映画見にいくからな! 誘われてんだ」

さくら「へぇ、映画っすか……何、見に行くんすか……?」

ダン「アニメ映画だよ……ユンの奴が見たい見たいって駄々こねるからな……え~っと、タイトルなんだったけな……? なんとかの復活……ってヤツ……俺とジミーは保護者みたいなモンだよ」

バルログ「ユン君、漫画とかアニメとか好きですもんね」

ダン「おっちゃんには、なかなか難しい世界だが……まぁ、たまにはあいつらとも、遊んでやらねぇとな。こっちはこっちでやっておくから……おめぇらはおめぇらでサガット弄り楽しんでこいや」

サガット「……一応、明日は精一杯のお洒落して行くか」

828: 名無しさん 2015/05/22(金) 22:00:23 ID:AWcACkk6
そしてーー


ヤムチャ「よ~し、明日はデート……って言っても、グループデートだけどな……! まぁ、気合入れて頑張りましょうかっ!」

プーアル「……はぁ」

ヤムチャ「あれ、プーアル……? 溜息なんかついちゃって、どうしたの……?」

プーアル「溜息だって出ますよ、そりゃ……ヤムチャ様、サガットさんとの特訓の話を蹴って……デートですか?」

ヤムチャ「あ~、いや……それはさぁ……? でも、たまにはこういう事もいいんじゃないかな……?」

プーアル「『たまには』じゃないでしょう……ヤムチャ様って、毎回こうでしょ? 修行をサボって……遊び惚けて……」

ヤムチャ「一日ぐらいいいじゃねぇか、一日ぐらいさぁ……? 心のリフレッシュは、時には必要だって」

プーアル「その一日一日が積み重なって、取り返しのつかない事になっていくんですよ!? 今までのヤムチャ様は、そうだったでしょ!?」

ヤムチャ「……プーアル、俺は思うんだけどさ?」

プーアル「……何ですか、ヤムチャ様?」

829: 名無しさん 2015/05/22(金) 22:06:36 ID:AWcACkk6
ヤムチャ「今まで俺達がしていた戦いってのは……まぁ、プーアルの言うように、修行して……特訓して……こう、どうやって戦闘力を高めていくか……って、戦いだったじゃん……?」

プーアル「……えぇ」

ヤムチャ「だけどプロレスってのは、そうじゃねぇじゃん? パンチ一発でもさぁ……? どうやったら、より強そうに見えるか……ダメージが大きそうに見えるか……そういう、発想力みたいな所での勝負してるじゃん……?」

プーアル「まぁ、そうですねぇ……?」

ヤムチャ「だから、これも特訓なんだよ……明日一日は……遊びに見えるけど、感性を磨く特訓なんだなっ!? 俺の感性を磨いていく特訓っ! 色んな人に触れ合えば……俺の感性も磨いていけるんじゃないかな?」

プーアル「感性を磨く特訓……ですか……」

ヤムチャ「俺、最近気づいたよ……俺はねぇ、センスがあまり良くなかった! さくらちゃんにも、ちょっと言われた所もあるし……今日のベジータの歌のヤツでも、失敗しちまった……」

プーアル「……僕達の中には、そういうセンスある人、いませんよねぇ? ベジータさんしかり……悟空さんしかり……ヤムチャさんしかり……」

ヤムチャ「そういう所が、今日のマイクアピールみたいな所に繋がっていくワケだな、コレっ! 明日は遊びじゃないよ……センスを磨く特訓ですよ……これも一つの修行です!」

プーアル「……ま~た、もっともらしい事を言っちゃって」

830: 名無しさん 2015/05/22(金) 22:17:27 ID:AWcACkk6
ヤムチャ「一日だけだよ、一日だけ……! 明日、一日ゆっくり羽伸ばしてさ……? 明後日からは、しっかりするから……今回は見逃してくれよ。なっ、プーアル?」

プーアル「……サボり癖も、程々にしておいて下さいね? ヤムチャ様」

ヤムチャ「サボってるワケではないでしょう……サボってるワケでは……そもそも、明日はオフなんだから……」

プーアル「そういう、ちょっとした一日を……どう使うかで、結構差が開いたりするんですよ……?」

ヤムチャ「そりゃ、強くなっていくには、休日返上して……修行するのも、いいのかもしれねぇけどさ……プーアル、だけどさ……?」

プーアル「……何ですか?」

ヤムチャ「……俺には、夢があるんだよ。夢が」

プーアル「……」

ヤムチャ「俺も結構、年食っちまったし……案外、こっちの方も切羽詰まってるんじゃねぇか……?」

831: 名無しさん 2015/05/22(金) 22:24:43 ID:AWcACkk6
ヤムチャ「プーアルの言う通り、ちょっとした一日をどう使うかで、差が開いちまうと思うよ。いざ、いい関係になった時には、アラフォー間際……なんて事じゃ悔やみきれねぇ……」

プーアル「……そうですね」

ヤムチャ「明後日からは、絶対頑張る……コレ、本当。嘘じゃない……明日は、やんないけど……明後日からは、本当の本当に、頑張りますっ!」

プーアル「……まぁ、皆さんも最近のヤムチャ様の事は評価してくれてますからね」

ヤムチャ「だから、明日一日は羽伸ばさせて下さい……こっちの方を頑張らせて下さいっ! 」

プーアル「……ごめんなさいね。ヤムチャ様の気持ちも考えず、ガミガミ言っちゃって」

ヤムチャ「……いや、プーアルが心配してくれるのは、本当ありがたいよ」

プーアル「ヤムチャ様は、人生色んな所で切羽詰まってますからね……プロレスだけじゃなく、そういう部分でも頑張っていかなきゃいけません……」

ヤムチャ「俺、そこまで切羽詰まってるか……!? 最近は、結構上手くいってねぇかな?」

プーアル「結構、危ないですよ~? だって、つい最近までは30半ばの無職だったんですよ、ヤムチャ様は」

ヤムチャ「ベジータだって、一緒だぞ!? アイツだって、無職だ! 家事手伝いだっ!」

プーアル「……残念ながら、あの人は玉の輿なんですね。ゼニーは持ってますよ、ゼニーは」

ヤムチャ「カプセルコーポレーションの社長の旦那がさぁ……? 家事手伝いなんてのは、世間的にはどうなんだろうねぇ……?」

プーアル「ただねぇ……? 残念ながら、自宅警備員としては、世界最高クラスの力を持ってるんですよ。案外ゼニー支払う価値は、あるかも知れません」

ヤムチャ「ちくしょうっ! 大企業の社長に……世界最高クラスの自宅警備員……なんだ、そりゃっ! カプセルコーポレーションは、大安泰じゃねぇかよっ!」

プーアル「……ねぇ、大安泰ですよねぇ。人生崩れようがありません」

ヤムチャ「ちくしょうっ! 言ってて虚しくなってくるぜ、オイっ! この話はやめだ、やめだっ! 明日、必ず成功してやるっ! 俺だって、必ず幸せになってみせるっ!」

プーアル「頑張りましょう、ヤムチャ様。ヤムチャ様にはヤムチャ様の人生があるんですから、ベジータさんと比べても仕方ないですよ」

832: 名無しさん 2015/05/22(金) 22:33:42 ID:AWcACkk6
翌日ーー


バルログ「あれ……? サガット、その服……珍しいですね……? そんな服、持ってたんですか……」

サガット「今日はローズさんが、来るからな……名一杯のお洒落をしてきたつもりだったんだが……おい、バイソン……お前、なんだソレは……?」

バイソン「……ん、 何が?」

ヤムチャ「バイソンさん、私服のセンスありますねぇ……青に、白に……今日は爽やかに見えます」

バイソン「ポイントとしてはねぇ……この靴の赤なんだよ、靴の赤! こういう所が、お洒落のポイントだなっ!」

サガット「……お前、そんな靴持っていたのか。へぇ~」

バルログ「バイソンはねぇ、やれば出来る子なんですよ……? 普段、貴方に合わせて、ラフなラフな格好をしてくれてるんですよ……」

バイソン「ちょっと、サガットちゃんが予想を下回ったかな……? これじゃあ、バイソンちゃんが浮いてないか心配だわ……」

サガット「そうだな、バイソン……お前のその格好……浮いてるかもしれん……なんだなんだ、気取りやがって……」

バルログ「……浮いてるのは、貴方ですよ、サガット」

ヤムチャ「ちょっと、早く来すぎましたね。女性陣はまだかなっと……」

バイソン「じきに来るだろ……それまで、もうちょっとサガットちゃん弄って遊ぼうぜ……?」


さくら「あっ、皆さん勢揃いみたいっすね~! お待たせしました、おはようございま~す!」

バルログ「あっ、いやぁ、来たみたいですね。女性陣」

834: 名無しさん 2015/05/22(金) 22:37:53 ID:AWcACkk6
さくら「今日は、よろしくお願いしますっ! 男子部と女子部の交流会……第二回も、成功させましょう!」

キャミィ「おはようございます。よろしくお願いします」

サガット「さくらちゃんと、キャミィちゃんは……第一回『ケーキバイキングを食い尽くす会』の参加者で……」

かりん「あら、ケーキバイキングなんて素敵な所に行かれたのですの……? どうして、誘ってくれなかったのかしら……?」

ローズ「本日は『サガット君にお洒落を教える会』ですね? こんな面白そうな企画……見逃すわけには、いきませんね」

サガット「この二人が新メンバーの、かりんちゃんと、ローズさんだ。ヤムチャ君は初対面だろう……?」

ヤムチャ「あ~、そうですね。初対面です。自分は、空手軍団の三番弟子……って言っても、入団したばかりなんですけどね……ヤムチャです。よろしくお願いします」

かりん「新入りの方が、入団したのは存じ上げてましたが、こうやってお話するのは初めてですね。私はかりんですわ。よろしく」

ローズ「私は、ローズよ。よろしく。私はねぇ……一方的だけど、ヤムチャ君とは面識があるのよ」

ヤムチャ「……ん?」

835: 名無しさん 2015/05/22(金) 22:50:12 ID:AWcACkk6
ローズ「え~っと、いつだったかなぁ……? ヤムチャ君が、ダルシムさんとシングルで試合した日……あったでしょ?」

ヤムチャ「はいはい、ありましたありました」

ローズ「その日、私が……ヤムチャ君達の試合の解説だったの。リング上から、チラッとこっちの方、見てくれたような気もするけど……やっぱり、覚えてないかな?」

ヤムチャ「あ~、そういやいましたねぇ! 思い出しました、思い出しましたっ! ローズさん、いましたよ!」

ローズ「試合後挨拶に行こうかと、思ったんだけどね。ダルシムさんに指導受けてると思ったから、あの日は遠慮しちゃったのよ」

ヤムチャ「あの日はねぇ、結構穏やかな指導だったような気がしますねぇ……そういう事だったら、挨拶に来てくれても、よかったんですよ? って、これは俺が言うセリフじゃねぇか……」

ローズ「そうよ~、私は結構ベテランなんだから~。本当はヤムチャ君の方から、挨拶しなきゃいけないんだからね?」

ヤムチャ「アハハ、ごめんなさいごめなさい。そうっすよね。改めて……新入りのヤムチャです。よろしくお願いします」

ローズ「また、第二試合に落ちたら、ヤムチャ君の試合……いい感じに解説して、サポートしてあげるからね? その時は私に頼ってね?」

ヤムチャ「あ~、はいっ! 是非とも、お願いします!」

ローズ「でも、ヤムチャ君の立場だったら、第二試合に落ちちゃうような事はしちゃダメなんだからね? 私の力を使うのは……最後の最後の切り札……そういう事にしててね?」

836: 名無しさん 2015/05/22(金) 23:01:05 ID:AWcACkk6
サガット「ローズさんは、解説が得意だからな……ミステリアスキャラだ……」

ローズ「……わっ、カタギじゃないお方がきた」

サガット「……ん?」

ローズ「サガット君……ど、どうしたの……その格好……? まるで鉄砲玉みたいじゃない……?」

サガット「鉄砲玉……? いやぁ……自分なりには、お洒落してきたつもりだったんですが……いけませんでしたかねぇ……?」

ローズ「サガット君って、なんかズレてる……そういう感じだから、女性ファンは皆、バルログ君の方にいっちゃうのよ……」

サガット「……私は、元々の顔立ちが違う部分が、大きいとの分析ですが」

ローズ「違う、違う……サガット君って、漢道一直線って所がある……そういう所もいいんだけどね……でも、ちょっとぐらい取り入れていった方がいいんじゃないかな? リュウ君とか、ケン君とか頑張ってるよ?」

サガット「……では、今日の会で勉強したいと思います。どうぞ、ご指導お願いします」

ローズ「そうだよ、サガット君も頑張らなきゃ~。もうちょっと、お洒落をしなきゃ。サガット君は、別に良くてもバルログ君と、バイソン君が恥をかくんだから」

837: 名無しさん 2015/05/22(金) 23:12:15 ID:AWcACkk6
バイソン「まぁ、俺達は別に恥ずかしいワケではないですよ、ローズさん」

ローズ「バイソンちゃん、今日はお洒落だねぇ? キャミィちゃんの事、狙ってんの? それとも、さくら? かりん?」

バイソン「そういうワケじゃないっすよ……まぁ、ローズさんに恥かかせないように……バイソンちゃんも、気合を入れてきたってワケですな!」

ローズ「フフ……あら、ありがと」

バイソン「コンセプトはねぇ……『歳相応のファッション』コレっすよ、コレコレ……下手に若作りせずにね、ありのままの自分でいくって事っすね。ありの~、ままの~、姿~、見~せるのよ~」

ローズ「『歳相応のファッション』か……ふ~ん……えいっ!」ムギュッ

バイソン「……いでっ!」

ローズ「それって、どういう事かなぁ、バイソン君……? あれあれ、いけないいけない……右手が言う事を効かないわ……」ニコニコ

バイソン「いだだだだ……! つねらないでっ……! おばさん、頬っぺをつねるのは、やめてって……!」

ローズ「んっ……? 今、何か言った……? 聞こえないなぁ……」ムギュー

838: 名無しさん 2015/05/22(金) 23:23:11 ID:AWcACkk6
バイソン「だって、ローズさんの歳でそんな太腿むき出しの、服装だったら……! 腹冷えますって……! ダメですって、絶対っ……!」

ローズ「若い子に合わせてみたのよっ……! それに、私はまだ若いっ……!」ムギュー

バイソン「歳、考えなきゃいけないですって、ローズさんっ! いい歳なんだから……! 腹、壊して欠場だなんて、笑えませんよ……!」

ローズ「バイソン……おばさんの怒りって、怖いわよ……? これ以上、酷い目にあいたくなければ、今すぐその口を閉じなさい……!」ムギュー

バイソン「誰かが言ってやらなきゃいけねぇ事を……この俺が……! あ~、いたたたたっ……! ごめんなさい、ごめんなさいっ……!」


バルログ「も~う、バイソンはレディーに失礼な事を……ありえませんねぇ……」

サガット「なんだ……? ローズさんの私服……あれも、何か問題あったりするのか……?」

キャミィ「まぁ、そこまで気にする事ではないとは思いますが……」

かりん「……いや、若作りしすぎですわ」

842: 名無しさん 2015/05/22(金) 23:33:24 ID:AWcACkk6
さくら「まぁ~た、バイソンさんは喧嘩を売りにいく……」

ヤムチャ「おいおい、大丈夫かなぁ……? これ、今日の会、壊れたりしないかなぁ……? 俺、ちょっと止めてこようか……?」

さくら「いやいや、大丈夫っすよ……犬が、じゃれ合ってるようなもんっすから……」

ヤムチャ「……犬か」


バイソン「肌のツヤ……そして、ハリっ……! メイクで誤魔化しきれない、事だって、この世には……!」

ローズ「……まだ、言うか」ムギュー

バイソン「あだだだだっ……! いたいいたいっ……! 俺は真実を……俺は真実をっ……!」


さくら「なんだかんだでねぇ……あの二人は、似た者同士な所があるんすよ……ヤムチャさん、ローズさんの印象はどうでしたか?」

ヤムチャ「話しやすい人って、思ったけどね……あの姿を見てたら……う~ん……」

さくら「ローズさんは、女子部のバイソンさん的存在な所があるんすよ……?」

859: 名無しさん 2015/05/23(土) 21:59:45 ID:rJwa38cU
さくら「ムードーメーカーって言うか……あんな感じで、女子部を上手く和ませながら、練習とかしてるっすよ。やっぱり、ガッチガチの状態じゃ身につくもんも身に付かないっすからね」

ヤムチャ「亀の甲より、年の功……って、ヤツだね……?」

さくら「あっ……そんな事言ったら、ヤムチャさんもバイソンさんみたいになっちゃいますよ……?」


バイソン「ギブっ……! ギブアップっす……! わかった、わかった……! バイソンちゃんが悪かったっ!」

ローズ「全く……次、おばさんって言ったら、お尻百叩きの刑だからね……?」

バルログ「よかったじゃないですか。ご褒美ですね、バイソン」

ローズ「あら……? バイソンちゃんって、そういう趣味があったんだ?」

バイソン「バ、バカ野郎っ……! なんて事、言い出すんだ。バイソンちゃんに、そんな趣味なんて……いや、アリかもなぁ……?」

サガット「……お前らは、こんな時間からなんて話をしてるんだ。全員、揃ったし、そろそろ行こうか?」

キャミィ「そうですね。サガットさんをお洒落にしませんとね」

かりん「さくら~! 出発しますわよ~!」


さくら「あ~、はいはい! わかってますよ、かりん。それじゃあ、ヤムチャさん? 行きましょうか?」

ヤムチャ「おっ、そうだね。行こうか。口は災いの元、っと……うっかり余計な事を言わないようにしないとな……俺の夢が遠のいちまう……」

862: 名無しさん 2015/05/23(土) 22:05:46 ID:rJwa38cU
ーーー


サガット「しかし、お洒落とは言ってでもですねぇ、ローズさん……? そもそも、このガタイですよ……サイズがないんですよ……その辺りは大丈夫なんでしょうか?」

ローズ「大丈夫よ、サガット君。私のお勧めのお店へ連れって行ってあげるから。そこだったら、大きい服だってセンスのいい服だってあるし……ベガさんだって、通ってるんだよ? そういう話はしないの?」

サガット「あ~、ベガ様とは普段そういう話はしませんねぇ……」

ローズ「ベガさんも、お洒落に無頓着な所があるからね、似た者同士か……ちにみに、ザンギエフさんも今日行く所に通ってるよ?」

サガット「ザンギエフさんもですか……? ザンギエフさんの体格でいけるんだったら……自分にも、いけそうですねぇ……結構、何処で服を買っているか気になっていた部分もあったんですよ」

ローズ「ほら? だから、自分の体格に合う服なんてない……なんて、諦めちゃダメだよ? もっと、早くに相談してくれれば良かったのに?」

サガット「そうでしたね。もっと早くに相談するべきでした」


ヤムチャ「あ~、そういやそういや、さくらちゃん……?」

さくら「んっ、どうしたんすか、ヤムチャさん?」

863: 名無しさん 2015/05/23(土) 22:10:45 ID:rJwa38cU
ヤムチャ「ローズさんって、結構ベテランの人なの……?」

さくら「まぁ、女子部の中ではベテランっすね。ベテランって言っても、ローズさんと春麗さんの二人しかいないんすけどね?」

ヤムチャ「それで……人気の方はどうなの……?」

さくら「あっ、そういう事聞いちゃいます……?」

ヤムチャ「あれ……? ダメな質問だったかな……?」

さくら「まぁ、本人の前で言ったら多分、怒られますが……」


サガット「ちなみに、そのお店……お値段の方はリーズナブルなお価格で……?」

ローズ「……男が細かい事、ウジウジ気にしないの」

バイソン「そうだよ! サガットちゃん、みみっちいなぁ! オイっ!」

キャミィ「サガットさん、らしくありませんよ」クスクス


さくら「……まっ、向こうは向こうで盛り上がってるみたいだし、大丈夫っすかね?」

ヤムチャ「ん……? どうしたの……?」

864: 名無しさん 2015/05/23(土) 22:21:06 ID:rJwa38cU
さくら「……昔はねぇ、人気があったんですよ、ローズさんは」

ヤムチャ「昔は……じゃあ、今はあまり、人気がないの……?」

さくら「だから、そういう事じゃないですって……!」

ヤムチャ「アハハ、ごめんごめん」

さくら「女子部が出来立ての時っすね……まだ、春麗さんがエースじゃない時……エースの不在の時……その時に、ローズさんは春麗さんとエース争奪戦の、男に負けないようなバッチバチの試合をしてたんすよ」

ヤムチャ「……へぇ~」

さくら「その時は、滅茶苦茶人気があったんですよ? 美人だし、強いし、マイクも出来る……まさに非の打ち所のない人だったっすよ」

ヤムチャ「俺は……並で、強くないし、マイクも出来ない……アハハ、そりゃ凄いねぇ?」

さくら「ヤムチャさんは、顔はいいと思いますよ? だから、イケメンなのに、弱くて、マイク下手……って、ところっすね」

ヤムチャ「おっ、俺、顔いいんだ……? アハハ、ありがと」

865: 名無しさん 2015/05/23(土) 22:25:38 ID:rJwa38cU
さくら「春麗さんも、同じぐらい人気があったんすけどね? 当時の女子部は、春麗さんとローズさんが、どっちがエースになるか……? って感じでやってたんすよ」

ヤムチャ「それで、春麗さんがエースになったんだ?」

さくら「春麗さんがギリギリの所で、認められたんですね……そしたら、春麗さん対ローズはなくなっちゃったっす。次からは、春麗さん対若手で……構図を作っていこう……って、感じになったんすよ?」

ヤムチャ「……ベテランのローズさんは、その時どのポジションに?」

さくら「自分から、若手の格を上げるポジション……ジミーさんや、ダルシムさんやのポジションっすね。そこに回ったっす」

ヤムチャ「女子部の中でも、そういう第五試合みたいなのと、第二試合みたいなのが、あるんだね」

さくら「人数が少ないから、毎回試合は一試合っすけどね。それでも、そういうのはあります」

ヤムチャ「……ふ~ん」

さくら「だから、今のローズさんは……人気とか、関係ないんすよ。ジミーさんとか、ダルシムさんとかは、そういう感じでやってないでしょ?」

ヤムチャ「……確かに、あの人達はそういう感じではやってないねぇ」

866: 名無しさん 2015/05/23(土) 22:37:46 ID:rJwa38cU
さくら「ローズさんは、女子部の影の功労者っすよ? こんな事、本人の目の前言ったら否定されるけどね?」

ヤムチャ「春麗さんをチャンピオンにして……さくらちゃんとか、キャミィさんを、強くする……って感じか……」

さくら「多彩な役割やってますよ……試合では、サガットさんや、バルログさんみたいな役割もやりつつ……ジミーさんや、ダルシムさんの役割もやる……」

ヤムチャ「……あ~、そりゃ凄ぇわ」

さくら「試合では、そういう事をやりつつ……試合のない日には、若手を育てる……」

ヤムチャ「……試合のない日って?」

さくら「ホラ、ヤムチャさんにとっての、サガットさんみたいなもんですよ。技とか習ってるでしょ?」

ヤムチャ「あ~、はいはい」

さくら「キャミィさんもは自分の色をかなり出して、試合をしてますけど……土台の部分は全部ローズさんのおかげっす。後、かりんも……」

ヤムチャ「キャミィさんや、かりんさんの師匠ってワケか……さくらちゃんも、習ったんだ?」

さくら「自分はねぇ、違うんすよ。自分の師匠は、ダンさんっす」

ヤムチャ「えっ……? ダンさん……? あの人、レフェリーじゃん……!?」

868: 名無しさん 2015/05/23(土) 22:45:56 ID:rJwa38cU
さくら「元々は、レスラー志望だったんですよ? ダンさんって。レフェリーの方が向いてるって思って、そっちに行っちゃったらしいっすけど」

ヤムチャ「えぇ~、意外意外……あの人、そうだったんだ……」

さくら「そうだそうだ。リュウさんと、ケンさんって『昇龍拳』って技使うじゃないっすか?」

ヤムチャ「あ~、必殺技で持ってるねぇ?」

さくら「あの技は、リュウさんとケンさんの師匠の……剛拳さんって人の技で……リュウさんと、ケンさんは、剛拳さんからその技を譲り受けたんですね?」

ヤムチャ「あ~、そういう話……この前、サガットさん達としてたよ。してたしてた……」

さくら「実は、昇龍拳……ダンさんも、譲り受けてるんっすよ……?」

ヤムチャ「……えっ、そうなの!?」

さくら「なぁ~んか、リュウさんと、ケンさんのとは違うんっすけどね……でも、剛拳さん公認の昇龍拳……いや、昇龍拳もどきって感じっすかねぇ……?」

ヤムチャ「あの人も、昇龍拳使えたのか……でも、レフェリーだぞ……!?」

さくら「一応、ダンさんも……剛拳さんの弟子です。認知はされてませんけどね?」

870: 名無しさん 2015/05/23(土) 22:52:52 ID:rJwa38cU
ヤムチャ「俺、三番弟子じゃねぇじゃん……? ダンさんも、その剛拳さんって人の弟子だったら、四番弟子になっちゃうじゃん……?」

さくら「まぁ、そうっすけど……認知はされてないので、とりあえずヤムチャさんが三番弟子でいきましょう!」

ヤムチャ「というか、俺はそもそも、その剛拳さんって人と面識がねぇんだぞ……? いいのか……? 面識ねぇのに、弟子って名乗っていいのか……?」

さくら「ファンには、受け入れられてる部分もあるし……まぁ、大丈夫なんじゃないっすかねぇ……?」

ヤムチャ「ダンさんも……俺の兄弟子って、事になるのか……うわぁ、なんだそりゃ……」

さくら「それで、自分は……そのダンさんに、習って……自分の師匠はダンさんって、ワケなんですが……」

ヤムチャ「……ダンさんって、そういう事もやるんだね。レフェリーだけだと思ってた」

さくら「自分の『咲桜拳』って技は……ダンさんの『昇龍拳もどき』を譲り受けて……ちょっと、改良した技なんですね」

ヤムチャ「あっ、そういや、あの技……ちょこっと、似てると思ってたんだよ!」

さくら「つまり、アレは……『昇龍拳もどきもどき』って、技になります……」

ヤムチャ「技名が長いっ……! そして、昇龍拳の使い手が多いっ……!」

871: 名無しさん 2015/05/23(土) 22:59:36 ID:rJwa38cU
さくら「だから、ある意味自分も……剛拳さんの弟子って事になるかもしれません」

ヤムチャ「非公認の弟子……認知されてない弟子……それの弟子……なんだよ、弟子大量発生じゃねぇか!? これ、相関図どうなってんだ!?」

さくら「相関図で書くと……どうなるんでしょうねぇ……? 自分とヤムチャさんの関係は……叔父……?」

ヤムチャ「俺は、非公認だ……そのファミリーに入ってるようで……入っていない……! だから、さくらちゃんとは他人かもしれないっ!」

さくら「ファンには認められてるから大丈夫っすよ。叔父さん、これからも仲良くお願いします」クスクス

ヤムチャ「頼りねぇ叔父だけどなぁ……しっかりした姪が、とんでもねぇ所に現れやがった……」


かりん「ちょっと~、さくら~。何二人っきりで話してるのよ? 貴方達もあちらの輪に加わるべきですわ」ヒョコッ

さくら「いや~、別に二人っきりで話してたワケじゃないっすよ……? あっちは、あっちで盛り上がってたし……こっちはこっちで……」

かりん「……二人で何の話をしてたのかしら? まぁ、いやらしい」

さくら「別に、やらしい話をしてたワケじゃないっすって! 相関図の話っ! 相関図の話っすよ!」

873: 名無しさん 2015/05/23(土) 23:08:24 ID:rJwa38cU
かりん「私、さくらが何を言ってるのか、さっぱりわかりませんわ……どうしたの? 変な物でも食べたのかしら?」

ヤムチャ「うん。俺も相関図の話って言っただけじゃ、何の事かさっぱりわかんないと思う」

さくら「だぁ~! なんで、二人して自分を責めるんすか!」

かりん「……貴方の説明不足が原因じゃなくて?」

さくら「だからね……え~っと、ヤムチャさんとダンさんが、剛拳さんの弟子でね……? 自分はダンさんの弟子だから……それを相関図で表すと……」

かりん「……あぁ、もう何言ってるか、わからない。私、そういう話ダメなの。眠くなっちゃいますわ」

さくら「ヤムチャさんと自分の関係は、叔父と姪……って、オイっ! 聞けよっ! かりん、聞けよっ!」

かりん「……貴方、なかなかいい体格してらっしゃいますね? ここに来る前は、何かスポーツとかしてらっしゃったの?」

ヤムチャ「スポーツってワケじゃないっすけど……まぁ、武道の方を少々……」

かりん「まぁ、武道の心得があるだなんて……素敵なお方ですわね。私も、合気道……柔道の心得がありますの。同じ武道家ですわね?」

ヤムチャ「へぇ~」

さくら「こら、か~り~んっ……! 無視してるんじゃ、ねぇっすよ……!」

875: 名無しさん 2015/05/23(土) 23:14:26 ID:rJwa38cU
かりん「だって、さくらの話が退屈ですもの……さくらの話って、いつもそう……いつも退屈……」

さくら「かりんが我儘なだけでしょうがっ!」

ヤムチャ「お、おいおい……二人共……喧嘩はよくないよ、喧嘩はよくない……ダメダメ……」

かりん「あら、喧嘩じゃありませんわ。安心して下さいませ」

さくら「……まぁ、かりんとはいつもこんな感じっすよ」

ヤムチャ「あら、喧嘩じゃないのかね……?」

さくら「……かりんは、休日になったら、性格が悪くなる」

かりん「そうじゃありませんわよ……貴方は、女子部の中で立場が上なんですから……貴方と対等に話せる存在なんて、いないでしょ? 皆~、貴方の顔色を伺ってますわ」

さくら「……そ~んな事、ないっすよ」

かりん「だから……私が、休日ぐらいは貴方と対等に話してあげようとしてあげてるんですわよ……感謝して頂きたいぐらいですわ」

さくら「……それで、そんなに弄り方をしてくるんすか」

かりん「えぇ、普段こんな弄り方したら……出番減らされちゃいますわ」

876: 名無しさん 2015/05/23(土) 23:19:21 ID:rJwa38cU
ヤムチャ「なんか、二人の関係がよくわかんないや……仲良いの……? 悪いの……?」

かりん「ヤムチャさんっ……! この人、酷いのっ……!」シクシク

ヤムチャ「おっ、おぉっ……! かりんさん……急にどうした……!?」

かりん「私は、さくらが女子部で立場が上だから、孤立してないかって心配して……せめて、休日ぐらいは同期として、対等に話せる相手になって差し上げましょうと、頑張っているのに……それをさくらは……」シクシク

ヤムチャ「……あっ、同期なのね。はいはい」

かりん「それを、さくらったら……私の気持ちを考えず……あんな言い方して……酷いっ……! 私、傷ついちゃうっ……!」シクシク

ヤムチャ「わかった、わかった……かりんさんも、かりんさんなりに、頑張ってたんだね……わかった、わかった……かりんさんの気持ちはよくわかった……だから、泣かないで……」

さくら「……ヤムチャさん、それ嘘泣きっす。心配する必要ないっす」

ヤムチャ「……えっ?」

かりん「……あら、ヤムチャさん? 女の涙には、味方するべきですわよ? ほら、一緒にさくらを攻めましょう」ケロッ

877: 名無しさん 2015/05/23(土) 23:25:05 ID:rJwa38cU
さくら「……二人して自分を弄ってきたら、自分も泣きますからね。そしたら、ヤムチャさんは、こっちの仲間です」

かりん「そうしたら、また私だって泣きますわ。そうしたら、またまたヤムチャさんが、こちらの仲間になります」

さくら「だったら、こっちは大泣きするっすよっ! そしたらヤムチャさんは、またまたまた……」

ヤムチャ「あ~、やめようやめよう……女の涙は武器だって事は、わかった……だから、その武器使うのはやめよう……何故なら俺が困るだけだ……」

さくら「ほ~ら、ヤムチャさん困ってるじゃないですかっ!」

ヤムチャ「なんとなく……かりんさんが、どんな人かわかった……わかったわかった……」

かりん「あら、ヤムチャさん? 絶対、何か勘違いされてますわ? 私がこんな態度を取るのは、さくらだけですわよ?」

さくら「……ど~だか?」

かりん「ほら、さくら……? 貴方も私に冷たいじゃない? ヤムチャさんへの態度と、私の態度……違いますわよ……?」

さくら「……その辺も、同期たる所以ですよ。こっちも今日はオフモードっすから」

891: 名無しさん 2015/05/24(日) 22:07:00 ID:frCasGlo
ヤムチャ「まぁ、そういうのが二人の関係なんだね。俺とプーアルみたいなもんだな……」

かりん「……プーアル?」

ヤムチャ「あぁ、え~っとね……プーアルってのは、俺のマネージャーになるのかな……? 優秀な俺の相棒ですっ!」

さくら「そういや今日プーアルさんは、どうしたんですか?」

ヤムチャ「あ~、あ~、プーアルもね……今日はお留守番。え~っと……なんだったけな……映画見に行くとか、行ってたかな……?」

さくら「あら、プーアルさんも映画っすか……? やっぱり、復活のなんちゃらってヤツ……?」

ヤムチャ「そうそう、復活のなんちゃらってヤツ、それそれ……昨日の話聴いてたら、プーアルも見たくなったんだって……それで、今日は一人で見に行くからってね……?」

かりん「それって、確かアニメ映画……でしたわよね……?」

ヤムチャ「そうそう、アニメ映画。アニメ映画」

かりん「アニメ映画だなんて……ちょっと子供すぎやしませんか……? そのプーアルさんって方は、子供なんですの?」

ヤムチャ「プーアルは子供じゃないけどね……まぁ確かに、アニメ映画なんてのは、子供っぽいかもしれないね? やっぱり、かりんさんは恋愛映画とか?」

893: 名無しさん 2015/05/24(日) 22:11:31 ID:iPRPBSIs
かりん「恋愛映画なんて、もっとつまらないですわっ! あんな物、時間の無駄です!」

ヤムチャ「あれ……? 女の人って、恋愛映画とか好きじゃないの……?」

かりん「あんな庶民が、くっつくかくっつかないかのやりとりを永遠と見せられて……あんな物は、この私の趣味に合いませんわっ!」

さくら「……キャミィさんなんかは好きっすよ? そういうの」

ヤムチャ「……かりんさんは、どんなのが好きなのかな?」

かりん「私の好みはねぇ……ヤクザ映画とか……ギャング映画ですわね……」

ヤムチャ「ヤ、ヤクザ……? ギャング……?」

さくら「……かりんは、そういう子なんすよ」

かりん「特に『ゴッドファーザー』……あれは、いいですわね……あの浮世離れした世界感……権力、財力の全てを手にしたコルレオーネ家……ああいうのが私の理想像ですわ」

ヤムチャ「……ちょっと、わかんねぇな。その映画」

さくら「大金持ちで、権力持ってて、裏の世界のマフィアのボス……みたいな主人公の話っすよ。かりんは、そういうのに憧れてる所があるっす……傲岸不遜とでも、言えばいいんすかねぇ……?」

かりん「嗚呼……私もドンのように、裏から支配をしてみたいですわ……さくらやキャミィの事を……」

さくら「……実力つけましょう、実力を。実力が出たら、裏から支配できますよ」

894: 名無しさん 2015/05/24(日) 22:29:34 ID:frCasGlo
かりん「……さくらは、酷いですわね」

さくら「そもそもなんで、ギャングが理想像なんすか? ヒールやりたいんっすか?」

かりん「……別に、ヒールがやりたいワケではありませんわ。私は権力が欲しいだけなの。さくら、私をそういうキャラにしてくれません?」

さくら「……却下」

かりん「私、そういうキャラだったら……すぐにでも持ち味活かせるようになると思いますわよ……?」

さくら「女子部の裏の権力者……なぁ~んて、想像もつきません……」

かりん「……さくらは冷たいわねぇ。このワカランチン!」

さくら「だ~れが、ワカランチンだ……こんにゃろめ~……」


ヤムチャ「はいはいはい……ストップストップ……喧嘩はやめましょう、喧嘩は……ほら、二人とももっと仲良く……」

さくら「別に、喧嘩してるワケじゃないっすけどね。大丈夫っすよ、ヤムチャさん」

かりん「さくら相手じゃないと、こんな事言ったり出来ませんわ。バカに思われますわ」

895: 名無しさん 2015/05/24(日) 22:40:23 ID:frCasGlo
ヤムチャ「二人はいつもそういう感じなのかもしれないけどさ……? やっぱり俺はそういう、さくらちゃんをあまり見慣れてないからさ……? 喧嘩かと思って、心配しちゃうよ……俺、喧嘩とかね……凄く苦手なのよ……」

かりん「……随分とカマトトぶってるみたいですわね、さくら?」

さくら「……おい、コラ、どういう事だ」

ヤムチャ「は~いはい……ストップ、ストップ……話題を変えよう……話題を……」

かりん「そうですわね、なんだか、さくらがカリカリしてるみたいですし、話題を変えましょう」

さくら「……もう、いいっすよ、それで」

ヤムチャ「二人はさぁ……? 同期って、言ってたけど……サガットさんとバイソンさんも、同期なんだっけ……? 何か、そういう話を前に聞いた事がある気がする……」

さくら「あ~……え~っと、じゃあ今日のメンバーを……順々に説明しましょうか……?」

896: 名無しさん 2015/05/24(日) 22:43:34 ID:frCasGlo
さくら「この中で、一番の古株は……ローズさんっすね。春麗さんと、同期っす」

ヤムチャ「……歳も同い年?」

さくら「……女性の年齢の話はタブーです」

かりん「ローズさんの方が……3つか、4つ上じゃありませんでしたっけ……?」

さくら「答えるな、かりんっ! 女子部は全員、永遠の18歳だっ!」

かりん「……失礼しましたわ」

さくら「それで、その後に……サガットさんと、バイソンさんっす……ここも入団は同じっすが……歳はサガットさんの方が上です……」

ヤムチャ「サガットさんとバイソンさんは……元ムエタイと、元ボクサーだったっけ……? そっちから、移行してきたから……まぁ、年齢も違うけど……同じタイミングで入団ってワケか……」

かりん「……二人とも、永遠の18歳ですわ」

さくら「……そこは、いいだろ? 何故、そこに気を使う!?」

かりん「……失礼しましたわ」

ヤムチャ「アハハ、アレが18歳は……キツい……見えない……無理な話だ……」

897: 名無しさん 2015/05/24(日) 22:47:05 ID:frCasGlo
かりん「サガットさんとバイソンの入団の年は、黄金期でしたの。半年遅れで、リュウさんとケンさんも、入団してきたのですわ」

さくら「サガットさん達の方が、半年先輩っすけど……この辺も、同期みたいなもんっすね……? リュウさんと、ケンさんは同い歳っす」

ヤムチャ「ほ~う、まぁ半年ぐらいだったらねぇ……先輩も後輩も、あんまり関係ないのかな? うん、サガットさんも、よく言い合いしてた……なんて、前に言ってたよ」

さくら「それで……次にバルログさんが、入団してきましたね。バルログさんは、ちょっとややこしい……」

ヤムチャ「……ややこしいってのは?」

かりん「バルログさんは、ルチャリブレの方で、もう活躍していて……輸入品という形で、ウチの団体に入団してきたのですわ」

ヤムチャ「あ~、そういや、バルログさんの戦い方って、他の人とちょっと違うもんねぇ? 違う所で、鍛えてから……こっちに来たんだ……?」

さくら「バルログさんの方が、数年後輩になりますが……キャリア的には、サガットさん達と殆ど同じっすね。キャリアで見るか……うちの団体の所属で見るか……まぁ、その辺りはちょっとややこしいですね……」

ヤムチャ「そうだね。入団的には、後輩でも……レスラーとしては、先輩……って事にも、なり得るからね」

さくら「その辺、どうやって溶け込んでいったのかは……わかりませんけど……まぁ、サガットさんとバイソンさんの人柄もあったんじゃないっすかね?」

898: 名無しさん 2015/05/24(日) 22:50:00 ID:frCasGlo
さくら「その次に……自分とかりんっす……ここも二人同時です」

かりん「……さくらの方が、3つ上ですわ」

さくら「おい、コラ! いい加減にしろよ、同い歳だろが!」

ヤムチャ「アハハ、同い歳なんだね」

かりん「同い歳での同期……立場は同じはずだったのですけど……数年後、さくらが女子部のブッカーを任せれて、立場が変わってしまいましたわ」

ヤムチャ「……」

かりん「結構、皆さん同期で上手くやってらっしゃいませけど……私の場合、こうまで立場が違うと、昔のようにさくらと接していいものか、悩んだりしてたりしますの……」

ヤムチャ「……」

さくら「……嘘つけ、コラっ! さっきから、弄りまくじゃないっすか!」

かりん「……あっ、バレちゃった?」クスッ

さくら「とまぁ、自分とかりんはこんな感じっす。友達モードでいける時間は……全力で、友達モードで接するようにしてるんすよ」

ヤムチャ「……なるほどね」

899: 名無しさん 2015/05/24(日) 22:55:46 ID:frCasGlo
さくら「それで……遅れて、キャミィさんっす……」

ヤムチャ「キャミィさんに、同期の人とかはいなかったの……?」

さくら「う~ん……何人かいたんですけどねぇ……?」

ヤムチャ「……いたけど?」

かりん「キャミィは入団当初から、ズバ抜けたセンスを持ってましたの。飲み込みも早かったし……すぐに自分の色を出していきましたわ。他の方に比べて、頭一つも二つも、抜けていましたわ」

ヤムチャ「……へぇ、キャミィさん、いいじゃん」

さくら「……まぁ、でもその結果ね?」

ヤムチャ「ん……? どうしたの……?」

かりん「キャミィの同期は……皆、キャミィの真似をし始めたんですの……」

ヤムチャ「……えっ?」

かりん「劣化キャミィが、二人ぐらい、誕生しちゃいましたわよねぇ……?」

さくら「……やめた人達の事を、悪く言うのはやめましょう」

かりん「……なんで、あぁなっちゃったか。『かりんさんみたいに、なりたい!』なんて、思わせることの出来なかった、私の責任もあるのでしょうか」

さくら「それは、自分もっすよ……皆の責任……皆の責任っす……」

900: 名無しさん 2015/05/24(日) 23:01:24 ID:frCasGlo
ヤムチャ「……辞めちゃったんだ?」

かりん「キャミィのコピーじゃ、必要ありませんからね……だったら、キャミィさんでいいですわ……ウケませんわよ……」

さくら「これから、どう育てていこうか……って二人が、あぁなって、やめて行ったのは、正直大ダメージでした……」

ヤムチャ「……あらら。それは、大変だったねぇ」

かりん「大変なのは……現在進行中ですわ……」

ヤムチャ「あ~、そうかそうか……なんか、ごめん……」

さくら「まぁ、辞めちゃったものは仕方ないんすけどね……それでも、キャミィさんに、同期というか……そういう、気さくに話せる人……みたいなのが、揃って辞めちゃったのは、痛かったかもしれませんねぇ……」

かりん「……あの子は、ちょっと内気な所がありますからね」

さくら「まぁ、でも最近はいい感じじゃないっすか? よく、笑うようになりました」


ローズ「……サガット君って、普段はどういう所で服買ってるの?」

サガット「基本的には、ホームセンターですね。あそこはサイズの大きい服も売っています」

バイソン「お、おいっ……! お前、そんな所で買ってるのか!?」

サガット「意外と売ってるんだよ。意外と……買い物とか行ったついでにな……何着か、パッパッと買って帰るよ」

キャミィ「あっ、コレ……作業着なんですね?」クスクス

916: 名無しさん 2015/05/25(月) 22:02:31 ID:Jkv/lOAA
ヤムチャ「それで……最後に、俺ってワケか……」

さくら「そうそう。そういう、色々な事があった後……ヤムチャさんが、入団してきたってワケっす」

ヤムチャ「なんだかんだで結構、皆同期っているもんなんだねぇ……同期がいないのは……輸入品のバルログさんと、辞めちゃったキャミィさんと……俺ぐらいなモノなのか……」

かりん「ヤムチャさんの同期は、ディージェイさんになるんじゃなくて……?」

ヤムチャ「……ん?」

かりん「ほら、ディージェイさんって確か入団は今年……半年ぐらい前だったんじゃなくて?」

さくら「そうっすね。ディージェイさんは……半年前っすね……」

ヤムチャ「……あっ、そういえば」

かりん「私とさくらのような、同時入団ではありませんが、同じ年の入団ですわ。サガットさんとリュウさんも、私とさくらのような関係ですし……ヤムチャさんの場合は、ディージェイさんですわよ」

917: 名無しさん 2015/05/25(月) 22:11:44 ID:Jkv/lOAA
ヤムチャ(そういえば、ディージェイって確か半年前って言ってたな……よりにもよって、俺の同期はアイツかよ……って、そうじゃねぇ……)

かりん「ヤムチャさんは、ディージェイさんとの試合がありましたわよね……? あの試合……確か、第二試合でしたけど……あの日、女子部の試合を喰うような試合でしたわ」

さくら「……ディージェイさんにも、困ったもんっすけどね」

かりん「毎回試合が荒れてしまう方ですけど……あの試合は、そういう一緒に成り上がっていこう……! なんて……同期らしい試合だったと思いますわよ?」

ヤムチャ(そういや、俺……リュウさんともだけど……ディージェイとも、仲良くならなきゃいけねぇんだったよ……! やべぇ、やべぇ……うっかり忘れてたぜオイ……)

さくら「……かりんは、そういう分析でしたか」

かりん「いいように、言えば……ですわ……」

ヤムチャ(なんだったらさぁ……? 今日、ディージェイも誘ってやった方が良かったんじゃねぇのかな……? ほら、こんなに皆で楽しくワイワイガヤガヤやってんだからさぁ……アイツのこの輪に入れてやるべきだろ……)

918: 名無しさん 2015/05/25(月) 22:24:35 ID:Jkv/lOAA
ヤムチャ(サガットさんは……根回して、飲み会に誘う……とか、言ってたけど……)


サガット「俺の体格に合わせるなら、作業着だろうが細い事など、気にしてられん……」

バイソン「貴方が気にしなくてもねぇ……? 周りが気にするんですよ、サガット……?」

ローズ「そうよそうよ……こ~んなに魅力的な女性陣の前で……作業着なんか着ちゃって……無頓着も程々にしなさい」

サガット「申し訳ありません、ローズさん……あっ、後、キャミィちゃんもな……?」

キャミィ「大丈夫ですよ。私は、気にしてませんよ」クスクス


ヤムチャ(その話は、進んでるのかなぁ……? どうなんだろ……?)


ローズ「さぁ、ついたわよ。ここが……私のお勧めのお店よ……さぁ、無頓着なサガット君を……皆で、お洒落に改造しちゃおうか!?」

サガット「では、皆さんご指導よろしくお願いします。入りましょう……って、お~い! さくらちゃんに、キャミィちゃんに、ヤムチャ君……? どうして、そんなに後ろを離れて歩いている? やっぱり、俺と歩くのは恥ずかしいのか!?」

さくら「そういう事じゃないっすよ~! はいはい、皆さん行きましょう! 行きましょう!」

920: 名無しさん 2015/05/25(月) 22:39:29 ID:Jkv/lOAA
サガット「……お洒落ってのは、難しいもんだな。俺にはさっぱりだよ」

ヤムチャ(う~ん……どうなんだろね……? でも、俺がサガットさんにその事を催促するのも……)

サガット「全く……ヤムチャ君まで、俺から離れて歩いて……」

ヤムチャ(なぁ~んか、違うような気もするんだよねぇ……まぁ、ここは……)

サガット「……やっぱり、恥ずかしかったのか?」

ヤムチャ「そういう事じゃないっすよ。ほら、そっちはそっちで盛り上がってたみたいだし……それなら、俺は初対面のかりんさんと交流深めておこうと思いましてね?」

サガット「……そういう事なら、よかったよ」

ヤムチャ「俺も、無頓着というか……センス、ズレてる所もあるかもしれませんしね……? ほら、前回は交流会では皆さんに散々弄られましたし……」

サガット「あぁ、あったなぁ……あったあった……気合が入ってたなぁ、あの日のヤムチャ君は……」

ヤムチャ「俺もどうせだったら、なんか買いましょうかね……? サガットさん、とりあえずお店入りましょうよ?」

サガット「しかし、ローズさんには、はぐらかされたが……この店、あまりリーズナブルな価格じゃないらしいぞ……?」

ヤムチャ「うっ……リーズナブルじゃねぇのは……ちょっと、キツいかもしれませんね……」

サガット「俺には、未知の空間だよ……さぁ、どんな世界が待っているのか……足を踏み入れてみるとするか……」


ヤムチャ(黙っておくか。サガットさんが、中心となって……今日は、ローズさんとかりんさんも集まったんだし……そこに、俺がわざわざ余計な事を言う必要はねぇよ……)

921: 名無しさん 2015/05/25(月) 22:51:31 ID:Jkv/lOAA
ーーー


サガット「う、うわぁ……なんだ、ここは……目がチカチカするぞ……?」

バルログ「……お店に入っての第一声が、それですか?」

サガット「そんな事、言ってもなぁ……なんだ、このド派手な服は……? リングコスチュームか……? ここは、リングコスチューム専門店なのか……?」

バルログ「……貴方が普段から地味すぎるんですよ。だって貴方の服装、白か黒しかみた事ありませんもん。白・黒・白・白・黒・白……の、ローテーションですよね?」

サガット「言っておくが、毎日同じものを着てるわけじゃないぞ……? 五着セットとか、そういうのを買うから、自然とそうなるだけだ……」

バルログ「このお店は、そんなセット売り……なんて事はしてませんからね……? 悪しからず……」

サガット「……一着、いくらぐらいするのかな……?」ヒョイッ

バルログ「……」

サガット「う、うおっ……! マジか……!?」

バルログ「……大声出さないで下さい。恥ずかしいです」

924: 名無しさん 2015/05/25(月) 23:01:43 ID:Jkv/lOAA
サガット「これ、俺にはちょっとわからん世界だぞ……? ダメだよ、コレは……」

バイソン「……大の男が何、服一着の値段で圧倒されてるんですよ?」

サガット「だって、この値段だぞ……!? この値段……もう、何処から手をつけていいか、わからないよ……」

バルログ「そんな、貴方の為に……我々がいるんですよ。では、ローズさん……サガットのコーディネートを始めましょうか……?」

ローズ「そうだね。それじゃあ、皆で始めようか?」

サガット「お手柔らかにお願いします……とは、言っても……これ、何処から手をつけていいものか……」

ローズ「……とりあえず、帽子とかじゃない? サガット君の一番の問題点って、そこだと思うなぁ?」

サガット「帽子……ですか……? 私は、服を買いに来たはずなのですが……帽子ですか……?」

925: 名無しさん 2015/05/25(月) 23:10:47 ID:Jkv/lOAA
ローズ「だって、サガット君そんなツルツルの頭なのに……なぁ~んにも、気遣ってないじゃない……そういう所から、ガラの悪さが出てきて……どんどんどんどんヤクザ化が進んできてるんだよ?」

サガット「ヤクザではありませんよ……シャドルーです、シャドルー……」

バルログ「……シャドルーって、ヤクザ以上の悪の組織ですけどね」

ローズ「紫外線とか、怖いんだよ? モロに受けちゃうじゃない!? 頭皮から、どんどんどんどん老化が進んでいっちゃうよ……?」

バイソン「……おばさんは、やっぱり紫外線対策とかしてるの?」

ローズ「そりゃ、勿論してるに決まってるじゃない。この歳になると、シミとかシワとか……って、コラっ! バイソンっ!」ムギュッ

バイソン「あ~だだだだだっ……! 痛い痛い痛いっ……! つねらないで……!」

ローズ「……誰が、おばさんだって~?」

バイソン「ごめんなさい、ごめんなさいっ……! 俺が、悪かったっ……! 俺が、悪かったからっ……!」

バルログ「も~う、何やってるんです……お店で騒がない……」

926: 名無しさん 2015/05/25(月) 23:20:07 ID:Jkv/lOAA
ヤムチャ(うわっ、確かに、リーズナブルな価格じゃねぇな……だけど……)


かりん「いいお店ですわね。これなんて、お洒落ですわ……」

キャミィ「……私は、こっちが好みです」

さくら「あ~、どうしようかねぇ……!? いくか……いっちまうかっ……!?」

かりん「……さくらがいくなら、私もいきますわよ?」

キャミィ「二人が買うなら……私も……」

さくら「自分だってねぇ……二人が買うなら、いきますよ……? でも、先陣切るの……自分っすかね……?」


ヤムチャ(まぁ、こうなるわなぁ……男を見せてあげたい場面だが……ゴメンよ、さくらちゃん……俺、この間CDコンポ買ったばかりなんだよ……)

バルログ「女性陣は女性陣で盛り上がってますねぇ……だけど、今日の本題はサガットですよ~? ほら、こっちです。こっちこっち!」

927: 名無しさん 2015/05/25(月) 23:28:49 ID:Jkv/lOAA
サガット「うわぁ、帽子だけでも……凄い事になってるなぁ……? 目がチカチカするよ……」

ローズ「とりあえず、この中から、自分がいいなと思ったのを一つ選びなさいよ……? それで、そこからコーディネートを始めましょう……」

サガット「……何か、一つ選ばないといけないんですか?」

バイソン「なんで、そんなに嫌がってんだよ……? 帽子ぐらい買っておけよ、帽子ぐらい。確かに、ローズさんの言う通り、お前はそういう所からヤクザ化進んでるんだ……リングの上では構わねぇが……プライベートでは、ちょっとは気を使え……」

サガット「え~っと、じゃあ……これに、するか……」

バルログ「……どうせだったら、白か黒以外いきましょうよ。サガットはいつも、黒か白ばかりです」

サガット「おい、待てよ……? 選んだ後に、どうしてそんな事を言う……? もう、黒いの手に取っちまったぞ?」

ローズ「お会計はまだだから、大丈夫よ」

928: 名無しさん 2015/05/25(月) 23:38:39 ID:Jkv/lOAA
バイソン「サガットちゃんは、無難な所ばかり攻めるんだよ……冒険しようっ! 赤とか青とか……冒険してみよう!」

サガット「俺は、これがいいよ……赤とか青とかって……コレだろ……? こんな派手な帽子買って、俺にどうしろって言うんだよ……? それこそ、浮いちまうぞ!?」

ローズ「大丈夫よ。帽子に合わせて、上も下もコーディネートしていけばいいんだから」

バルログ「どうせ、今日のサガットは、全身コーディネートするつもりですしね」

サガット「この赤いのと、青いのに合わせてコーディネートしていくのか……? オイ、俺どうなるんだ……? 想像がつかないぞ?」

バイソン「いいから、いいから……赤か、青か……選べっ!ホレ、どっちだ!?」

サガット「俺は、この黒いのがいいって言ってるんだ……! なんで、お前に決められないといけないんだ。棚に戻せ、バイソン」

951: 名無しさん 2015/05/26(火) 22:01:12 ID:rUmloo0.
ローズ「私は、サガット君には赤がいいと思うな」

バルログ「私は、こっちの青い方ですね」

サガット「ローズさんに、バルログ……こんな派手な帽子買ってどうしろって言うんだよ? 黒でいいよ……黒でいいから……」

バイソン「……もう、いっそ両方買っちまうってのはどうだ?」

サガット「……はぁ!?」

バイソン「だって、赤とか青とかは、組みわせが難しいだろ? 服に合わせて、赤とか青とか、変えていったらいいじゃん?」

サガット「帽子など、一つあれば十分だろ……? 何故、二つも買う必要がある……!?」

バルログ「組み合わせですよ、組み合わせ……服装によって、変えていくんですよ……」

ローズ「どうせだったら、サガット君お気に入りの、その黒いヤツも買えばいいんじゃない?」

953: 名無しさん 2015/05/26(火) 22:08:45 ID:rUmloo0.
サガット「……はぁ!?」

バルログ「そうですね、黒はなんでも合いますからね……どうせだったら、いっておきましょうか。サガットは、気に入ってるみたいなんだし」

サガット「赤と青と……そして、この黒まで俺は買わないといけないのか……!?」

バイソン「……二つも三つも変わんねぇだろ。買え買え」

サガット「一つでいいという話だっただろうが……! いや、そもそも帽子など、必要ないっ……!」

ローズ「必要あるわよ。サガット君みたいな体格の、スキンヘッドが歩いてたら、それだけで周りの人震え上がらせちゃうんだから……隠しておきなさい……」

バイソン「……そういう所がな、お前が女にモテねぇ理由なワケだ」

サガット「……お前だけには、言われたくないわ、バイソンっ!」

バルログ「じゃあ、私が言いましょう……帽子を被りましょう……サガット……」

954: 名無しさん 2015/05/26(火) 22:18:56 ID:rUmloo0.
さくら「あ~、この間買ったばかりだけど……いくか……? いっちまうか……?」

かりん「いく時は、一緒ですわよ……さくら……あなたがいくなら、私もいきますわ……」

キャミィ「……じゃあ、私も」

さくら「……決断は自分任せなんっすね? なんか、それズルくないっすか?」

ヤムチャ「盛り上がってるねぇ……あっ、ねぇねぇ? なんか、サガットさんが向こうで凄い事になってるよ……?」

さくら「あっ、そういや今日、サガットさんの会でしたね……? すっかり忘れてましたよ……」


バイソン「じゃあ、サガットちゃん、帽子三点お買い上げ~!」

バルログ「まぁ、三つもあれば……組み合わせ次第で、色々とバリエーションも増えると思いますし、これでいいでしょう……」

ローズ「……次は、上着いこうか?」

サガット「なぁ、冗談だろ……? 本当に、三つも買うのか……? 冗談だろ……? これ、そこそこするぞ……?」

955: 名無しさん 2015/05/26(火) 22:25:18 ID:rUmloo0.
キャミィ「え~、三つも手に持ってる……サガットさん、清水の舞台から飛び降りましたねぇ……」

かりん「サガットさん、やりますわね……お金持ちなのかしら……?」

キャミィ「うちの団体にそこまでお金ありましたっけ……? さくらさん……?」

さくら「他人の給料の話はよくないんじゃないっすかね……? 自分に聞かないで下さいよ……」

かりん「……だって、あなた知ってるじゃない? どうなの、やっぱりシャドルークラスになると、高いの?」

キャミィ「……シャドルー入隊に興味が湧いてきました」

さくら「だから、自分に聞くのはやめて下さいって……! 対して変わんないっすよ! かりんや、キャミィさんと一緒一緒っ!」

かりん「……じゃあ普段から、溜め込んでるのかしら? 意外と節約家なのですわね。もっと豪快な方だと思ってましたのに」

キャミィ「と言うか……普段から、使わないんじゃないですか……? だって今日、普段服はホームセンターの五着セットの買ってるって言ってましたよ……?」

かりん「……あぁ、それは溜め込んでますわねぇ」

さくら「溜め込んでるって言うか……そういうのに興味がないんじゃないっすかね……? だから、今日はとことん使うつもりなんっすよ、きっと」

956: 名無しさん 2015/05/26(火) 22:36:06 ID:rUmloo0.
バイソン「サガット、どうする……? 上着はどれが、お気に入りだ?」

サガット「……俺が口を開くと、また酷い目に合うだろう? だから、俺は貝になる。適当に二三着、見積もってくれ」

ローズ「……あれ? こっちが決めていいの?」

サガット「お願いします……正直、もう圧倒されて、どうしていいものかわかりません……後は、もう任せますよ……」

ローズ「え~っと、じゃあ……コレとコレとコレと……それと、コレとコレとコレと……はい、バイソンちゃんは、荷物持ちっ!」ヒョイヒョイ

バイソン「はいなはいな! ローズさん、どんどん選んじゃって下さいなっ!」

サガット「ちょっと待て、ちょっと待て……! 二三着と言ったはずだろうっ……!? それ、何着買うんだっ……! ストップ、ストップっ……!」

バルログ「帽子が、三つなのに服が三つですか……? 赤い帽子用に何着か……
青い帽子用に何着か……貴方のお気に入りの黒い帽子用に何着か……そうなれば、自然に増えますよ……?」

サガット「……じゃあ、黒はいらんっ! 黒はいらないからっ! せめて、黒だけでも戻そうっ!」

957: 名無しさん 2015/05/26(火) 22:42:08 ID:rUmloo0.
さくら「う~ん……悩むなぁ……」

かりん「さくら……決断なさい……」

キャミィ「結局、私達サガットさん放っておいて、自分達の事に夢中になってますよね……」

さくら「それはだって……そうなりますよ……ねぇ……?」

ヤムチャ「うわっ……! お、おいっ……! サガットさんが、大変な事になってるよ……!?」

さくら「……んっ?」


ローズ「え~っと、コレとコレとコレと……コレとコレとコレと……」ヒョイヒョイ

サガット「ローズさん、ストップですっ! ストップストップっ!」

ローズ「……気に入らなかったら、後で棚に戻していけばいいのよ。とりあえず、サガット君は私が選んだ物、試着してみたら?」

バルログ「そうですね……サイズの問題もありますし……サガット、試着してみましょうよ、ほらほら……」

サガット「おいっ、バルログっ! お前までっ……!」

バイソン「大丈夫だってっ! サガットちゃんは、俺達に任せておけばいいからよぉ? 新しいサガットちゃんに生まれ変わりましょう! シャドルーバケーションパックだっ!」

958: 名無しさん 2015/05/26(火) 22:50:15 ID:rUmloo0.
さくら「うわっ、なんか物凄い事になってるっ!?」

キャミィ「……サガットさん、今日はとことんまでやる気なんですねぇ」

かりん「これ、私達も……向こうの方に、行った方がいいのですかねぇ……?」


ローズ「ちょっと~、さくらちゃん、キャミィちゃん、かりんちゃん~? 何してるの~? こっち、手伝ってよ~?」


かりん「あっ、ほら……呼ばれてますわ……」

キャミィ「そうですよね……今日は元々、サガットさんの会なんですから……私達も行きましょうよ」

ヤムチャ(うわぁ、酷ぇ事になってるなぁ……サガットさん、アレ全部買うのか……? ヤムチャ君にお洒落を教える会が、開かれそうになったら、全力で断るか……)

さくら「うわぁ、楽しそうな事になってますねぇ……こりゃ、是が非でも参加しないと……」

ヤムチャ(くわばらくわばら……っと……)

さくら「ほら、ヤムチャさん……? 何、ボーっとしてるんすか? 行きましょうよ! サガットさんのコーディネートに!」ギュッ

ヤムチャ「お、おぉ……引っ張らないでよ、さくらちゃん……お店ではしゃいじゃ危ないよ……」

959: 名無しさん 2015/05/26(火) 22:54:56 ID:rUmloo0.
バイソン「皆、自分の事に夢中になりすぎだよ。今日は、サガットにお洒落を教える会なんだからよぉ……? とりあえず、サガットに似合いそうな服を見繕ってくれよ! ジャンジャンいこうっ! 金に糸目はつけねぇらしいからよぉ!?」

かりん「それじゃあ……コレなんて、どうかしら……?」

さくら「……自分は、こっちっすねぇ?」

サガット「マジか……マジか……オイ、マジか……?」

バルログ「……腹くくりましょう、サガット」

キャミィ「サガットさん、これなんてお似合いだと思いますけど……どうでしょう……?」

サガット「バイソンや、さくらちゃんだけでなく、キャミィちゃんまで……ちょっと、皆テンション上がりすぎなんじゃないか……?」

バルログ「……そういう会ですもん」

サガット「ええい、わかった、俺も男だっ! 腹をくくろうではないかっ! だが、流石に全部は買わんぞ! 自分の身の丈にあった額だけ、買うっ!」

960: 名無しさん 2015/05/26(火) 23:02:16 ID:rUmloo0.
そしてーー


ローズ「それじゃあ、またお邪魔させていただきますね~? ありがとうございました~」

サガット「かなり、絞ったものの……それでも、結局大量に買う羽目になったなぁ……」

バルログ「……サガット、嘆かない」

ローズ「そうよ、サガット君。私のおかげで、二割引で買えたのよ? 本当だったら、それもっとするんだからね……?」

サガット「その点に関しては、感謝してますよ、ローズさん……しかし、これ……この格好で、今から自分は過ごさないといけないんですかね……?」

ローズ「そりゃ、折角買ったんだから、当然じゃない。いい感じよ」

サガット「帽子を被って……スーツでもないのに、ネクタイをして……そりゃ、こりゃ何だ……? マフラーか……? 仮装大会みたいになってないか?」

バイソン「だから、それがシャドルーバケーションパックなんだって……よっ! このお洒落さんっ!」

キャミィ「素敵になりましたよ、サガットさん」

サガット「慣れんなぁ……まさか、こんな格好になるとは思ってなかったし……それに、こんなにかかるとは思わなかった……最近の服って高いんだなぁ……?」

バルログ「皆がちょっとずつ、ちょっとずつ買ってるのを、貴方は纏めて買ったからそうなるんですよ。本当は、こんなに纏めて買うものではないんですよ。貴方がず~っと、五着セットとか買ってたから、こうなるんです」

961: 名無しさん 2015/05/26(火) 23:15:16 ID:rUmloo0.
ローズ「いい時間ね。それじゃあ、今日の会はお開き? それとも、皆でご飯でも食べに行く? おばさん、出してあげるわよ?」

バイソン「ゴチになりますっ! おばさんっ!」

かりん「……え~?」

さくら「……え~?」

バイソン「あっ……? なんだなんだ、どうした……?」

バルログ「……私が代弁しましょう。こういうのって、男性が出すべきじゃないんですかねぇ?」

バイソン「……いいじゃねぇかよぉ? おばさんが出してくれるって言ってるんだからよぉ?」

ローズ「……だ~れが、おばさんだコラ」ムギュッ

バイソン「あ~だだだだっ……! 痛い痛い痛いっ……! だって、今自分で言ったじゃん……! 自分で言ってたよねぇ……!?」

かりん「……全く、この二人は」

キャミィ「仲が良くていいじゃないですか」クスクス

963: 名無しさん 2015/05/26(火) 23:23:23 ID:rUmloo0.
サガット「いいよいいよ……俺が出すよ、俺が出すさ……今日は、皆俺の為に集まってくれたんだ……だから、俺が支払うよ……」

ローズ「あ~ら、サガット君、太っ腹っ!」

バイソン「……嘘つきやがれ。サガットがそうやって、言い出すのを待ってたんだろが」

ローズ「……あら、バレちゃったかな?」クスクス

ヤムチャ(う~ん……今日の会は、完全にサガットさんが主役だな……まぁ、あれだけ金も使ったんだし、当然か……)

さくら「……あまり、無駄使いは良くないっすよ、サガットさん?」

サガット「なんだかんだで、二割は浮いたんだ……二割は……だったら、その分をここで使おう。安いもんだ」

ヤムチャ(だけど、それじゃあ、計画は進まねぇんだよなぁ……進展しねぇんだよなぁ……なぁ~んか、巻き返せる一手……ねぇかなぁ……皆が一つに纏まる交流会としては、いいんだろうけどねぇ……)

サガット「ついでに……最近の悩みでも、あるのなら相談にも乗ろう……女子部は春麗が抜けている状態だからな……皆、それぞれ考えてる事でもあるんじゃないか……なっ……?」

かりん「シャドルーさんのアドバイス聞けるのは、ありがたいですわね」

ローズ「そうね。いい機会ね……キャリアの方が、私の方が長いけど……この際だから、サガット君に話を聞いてもらおうかな? 苦労人っぽそうだし」

サガット「……いや、自分はそこまでの苦労人ではありませんよ」

ヤムチャ(……しかし、こういう会なら、やっぱりディージェイも連れて来てやってもいいんじゃねぇか? アイツ、今日何やってんだろうな?)

引用元: ヤムチャ「プーアル! プロレス団体で人間関係も良くしていくぞ!」