ヤムチャ「プーアル! プロレス団体から俺にオファーが来たぞ!」 前編 
 
ヤムチャ「プーアル! プロレス団体から俺にオファーが来たぞ!」 後編 

ヤムチャ「プーアル!俺はプロレス団体に就職して頑張るぞ!」 前編 

ヤムチャ「プーアル!俺はプロレス団体に就職して頑張るぞ!」 後編

ヤムチャ「プーアル! プロレス団体に就職したのは失敗だったぞ!」 前編 

ヤムチャ「プーアル! プロレス団体に就職したのは失敗だったぞ!」 後編 

ヤムチャ「プーアル! プロレス団体でやっていくのは難しいぞ!」 前編 

ヤムチャ「プーアル! プロレス団体でやっていくのは難しいぞ!」 後編 

ヤムチャ「プーアル! プロレス団体で少し上手くやれてきたぞ!」  前編 

ヤムチャ「プーアル! プロレス団体で少し上手くやれてきたぞ!」 後編

ヤムチャ『プーアル! プロレス団体で少し上手くやれてきたぞ!』 

ヤムチャ「プーアル! プロレス団体で人間関係も良くしていくぞ!」 前編 

ヤムチャ「プーアル! プロレス団体で人間関係も良くしていくぞ!」 後編 

ヤムチャ『プーアル! プロレス団体で人間関係も良くしていくぞ!』 前編 

ヤムチャ『プーアル! プロレス団体で人間関係も良くしていくぞ!』 後編 

ヤムチャ[プーアル! プロレス団体で人間関係も良くしていくぞ!]

1: 名無しさん 2015/07/14(火) 22:02:56 ID:5lNfytug
ベガ「ジミー君、ダルシム君……こんな夜分に呼び出して申し訳ないな……」

ブランカ「お疲れ様です。事態が事態ですからね。気を使わないで下さい」

ダルシム「明日の事……これからの事……決めていかないといけませんからね……ところで、さくらさんは?」

ダン「ちょっと動揺してるみたいだし、さくらにゃ今日は待機して貰ってるよ。今はこの四人だ……」

ダルシム「そうですか」

ベガ「ザンギエフ抜きで、明日をどう乗り切るか……」

ブランカ「えぇ」

ベガ「明日は、これからをどう乗り切っていくかに繋がる最初の一手だ……ここを間違える訳にはいかん」

ダン「継続的に……何か起こしていかねぇといけねぇからな……」

5: 名無しさん 2015/07/14(火) 22:15:56 ID:t0M35VAU
ピッコロ「久しぶりだな、ヤムチャ」

ヤムチャ「お、おう……何だか久しぶりだなぁ、ピッコロ……」

プーアル「お久しぶりです、ピッコロさん!」

ヤムチャ「何だ何だ……どうしたんだよ、ピッコロ……?」

ピッコロ「最近のお前達の様子は……ずっと、見てたよ……」

ヤムチャ「……えっ?」

ピッコロ「今、よくわからん格闘技をやってるんだろ……? なぁ……?」

ヤムチャ「あっ……! お、お前……見てたのかよ……! ダメだよ……ちゃんと金払って見ないとさぁ……?」

ピッコロ「……知るか」

7: 名無しさん 2015/07/14(火) 22:22:05 ID:t0M35VAU
ピッコロ「ほれ、受け取れ……」ポイッ

ヤムチャ「……んっ?」パシッ

ピッコロ「仙豆だ。今、必要なのは……コレだろう……?」

ヤムチャ「……仙豆!」

プーアル「そうですよ、ヤムチャ様! 仙豆があるじゃないですか、仙豆が! コレを使えば、ザンギエフさんの怪我は治って……また出来る様になるじゃないですか!?」

ピッコロ「たまには人助けもしておかんとな……確かに渡したぞ?」

プーアル「ピッコロさんっ! ありがとうございますっ!」

ピッコロ「……じゃあな」ググッ

ヤムチャ「あっ……あっ……! ちょ、ちょっと待ってくれ……! 待ってくれねぇかな、ピッコロ……?」

9: 名無しさん 2015/07/14(火) 22:28:37 ID:t0M35VAU
ピッコロ「……何だぁ?」

ヤムチャ「いや~、あのさぁ……? なんて言うか……なんて言うかね……?」

ピッコロ「言いたい事があるならはっきり言え。俺はお前と違って暇ではない」

ヤムチャ「お前、結構暇してるじゃねぇかよ! お前だって、普段何してるんだよ! あそこの神殿で座禅組んでるだけだろうが!」

ピッコロ「アレは俺の修行だっ! お前と同じにするなっ!」

ヤムチャ「いやいや、結構暇だろ……? なぁなぁ……?」

ピッコロ「……何が言いたいんだ、お前は!? 言いたい事はソレか!?」


プーアル「そうですよ、ヤムチャ様、喧嘩しない……それに、ピッコロさんはデンデさんの側近として働いています……働いてますから……!」

12: 名無しさん 2015/07/14(火) 22:38:16 ID:t0M35VAU
ヤムチャ「あ~、それもそうだな……ピッコロは働いてるわ……うん、働いてるな……」

ピッコロ「……それで、結局何が言いたいんだ、お前は?」イライラ

ヤムチャ「あ~、そうそう……その、ね……? 仙豆をさぁ、持ってきてくれた事はありがたいんだけどさぁ……? ありがたいんだけど、ね……う~ん……」

ピッコロ「……あぁ」

ヤムチャ「あ~、う~ん……どうなんだろねぇ……う~ん……」

プーアル「……ヤムチャ様、何を考え込んでいるんです?」

ヤムチャ「ピッコロ……わざわざ、来てくれたのに悪ィ。コイツは……返すよ……」ポイッ

ピッコロ「……ほう」パシッ

13: 名無しさん 2015/07/14(火) 23:03:11 ID:t0M35VAU
プーアル「ちょ、ちょっと……ヤムチャ様……! なんで、返しちゃうんですか!? 折角、ピッコロさんが持って来てくれたんですよ!?」

ヤムチャ「わかってる……わかってるよ、プーアル……ひょっとしたら俺は今、大きな間違いを犯しているかもしれない……それは、わかってる……!」

プーアル「わかってるんだったら……!」

ヤムチャ「あ~、聞いてくれ……聞いてくれ、プーアル……」

プーアル「……ん?」

ヤムチャ「だってね……そのね……? ザンギエフさんは、こうなる事を理解した上で続けてたワケじゃん……? 身体の異変を感じながらも、誰よりも凄い試合を見せる為に無茶して……こうなったワケじゃん……?」

プーアル「だから、それを……」

ヤムチャ「でも、ベガさんは言ってたじゃん……? 必ず、立ち上がってくるって……いつか戦わないといけない戦いが、今来たんだって……言ってたじゃん……?」

プーアル「……はい」

ヤムチャ「使った方がいいに決まってる……絶対、そうだよ……だけどねぇ、ここで仙豆を使っちまうって事は……反則勝ちみたいなもんなんじゃないのかねぇ……? なんか、いけない事のような気がするんだよ……俺がここで、仙豆使ってしゃしゃり出ていいのかねぇ……?」

プーアル「……」

ヤムチャ「ここは、相手を傷つけない戦いをする場所だ……でも、そのかわり自分自身が傷ついてしまう……」

プーアル「……はい」

ヤムチャ「そこから立ち上がっていくのも……プロレスなんじゃないのかなぁ……?」

14: 名無しさん 2015/07/14(火) 23:20:22 ID:t0M35VAU
ピッコロ「仙豆本来の使い方は、こういうものだぞ? 悟空だって、重力装置で死の寸前までトレーニングを繰り返し……仙豆を使い、そして再びトレーニングをする……悟空はそうやって力を手にした……」

ヤムチャ「……そうなんだけどね」

ピッコロ「同じだ。自分で……自分自身を痛めつけていた……」

ヤムチャ「……なんでもかんでも仙豆に頼っていいものなのかなぁ」

プーアル「でも、ヤムチャ様……? 団体のピンチなんですよ……?」

ヤムチャ「でも今、ベガさんとかダンさんとかが、明日どうするかで走り回ってるしさぁ……? サガットさん達……それにキャミィさんまで……凄くやる気になってるじゃん?」

プーアル「……はい」

ヤムチャ「明日はザンギエフさん抜きになるけれど……それでも、納得出来る物を作ろうとする為にさぁ……? 動いたり、考えたり……してるじゃん……?」

プーアル「……はい」

ヤムチャ「ここで、俺が『仙豆がありました。治りました』なんてしちゃったらさぁ……? あの人達の想いを無下にしちまう事にならねぇか……? あの人達は仙豆の事は知らねぇんだよ……!」

ピッコロ「……お前が教えてやればいい」

ヤムチャ「知らないからこその頑張りみたいんなもんが、あるんだよっ……!」

16: 名無しさん 2015/07/14(火) 23:34:36 ID:t0M35VAU
ヤムチャ「あ~、う~ん……どうするかねぇ……」

プーアル「あ、あの……ピッコロさん……折角、来て頂いたのに申し訳ありませんねぇ……?」

ピッコロ「俺はもうどっちでもいい。仙豆は、不要……なんだな……?」

ヤムチャ「な、なぁ……? 取り置き……って形には出来ねぇかな……? ピッコロ……」

ピッコロ「……あぁ?」

ヤムチャ「と、とりあえず一ケ月っ! 一ケ月、仙豆の力は使わないで……皆の力で何処まで出来るか、やってみる……」

ピッコロ「……好きにしろ」

ヤムチャ「お、おう……! な、なんか折角来てくれたのに……悪ィな、ピッコロ……」

ピッコロ「俺に泣きつく結果にならんように……頑張るんだな……」

ヤムチャ「……あぁ、やってみる」

ピッコロ「フン……それじゃあな……」ググッ


ヤムチャ「あ~、ちょっと待ってちょっと待って……! なぁなぁ、ピッコロ……!」

ピッコロ「何だ、まだ何かあるのかっ……!?」

17: 名無しさん 2015/07/14(火) 23:40:15 ID:t0M35VAU
ヤムチャ「お、お前さぁ……? ずっと、見てたんだろ……? 俺がやってる事、ずっと見てたんだろ……?」

ピッコロ「……あぁ」

ヤムチャ「だったら、知ってるよな……? 今、俺がやってる事……」

ピッコロ「あぁ、知っている」

ヤムチャ「今、俺がやってる事ってさぁ……? まぁ、戦いのようで……戦いじゃないような……ちょっと変わった戦いなんだけどさぁ……?」

ピッコロ「そうだな……」

ヤムチャ「お、お前さぁ……? 俺の事、どう思ってる……?」

ピッコロ「……あぁ?」

ヤムチャ「いやぁ……だから、さ……? その、ね……? ど、どう思ってるのかなぁ……って、思ってね……?」

ピッコロ「……」

ヤムチャ「やっぱり、わからないかな……? お前らには……」

18: 名無しさん 2015/07/14(火) 23:50:10 ID:t0M35VAU
ヤムチャ「ちょっと、気になったりしてるんだよね……こういった特殊な場所でやってるって事は……お前らに、どう思われてるかって……」

ピッコロ「……」

ヤムチャ「いい機会だから、聞いてみるよ……やっぱり、わかんねぇかな……? ちょっと変わった戦い……そういう事をここではやってるんだけど……」

ピッコロ「……あぁ」

ヤムチャ「その……なっ……?」

ピッコロ「……何だ、はっきり言え」

ヤムチャ「前線リタイアした俺のなれの果ての今の姿……お前の目には、どう映ってる? やっぱり、情けねぇ事してるって思ってる……?」

ピッコロ「……フッ、教えてやろう」

ヤムチャ「……おう」


ピッコロ「答えはコレだぁっ! はあああぁぁっ!」ブンッ

79: 名無しさん 2015/07/16(木) 22:02:40 ID:eu30AVAE
ヤムチャ「う、うおっ……! 危ねぇっ……!」サッ

ピッコロ「……おっ?」スカッ


プーアル「ちょ、ちょっと……! ピッコロさんっ……!」

ヤムチャ「な、何するんだよ、ピッコロっ! いくらなんでも、いきなり殴りかかってくる事ぁねぇだろっ!」

ピッコロ「……ほ~う」

ヤムチャ「き、聞いてんのかよオイっ! そりゃ、確かに俺は……俺は……ちょっと変わった事はしてるけど……」

ピッコロ「……どうやら、ミスターポポの言う通りだったようだな」

ヤムチャ「……はぁ?」

80: 名無しさん 2015/07/16(木) 22:07:52 ID:eu30AVAE
ーーー


ピッコロ「……デンデ。少し、席を外す。すぐに戻ってくる」

デンデ「ヤムチャさんの所ですか?」

ピッコロ「あぁ、どうやら……あいつのところの大将が倒れたようだ……なんとかしてやらんとな……」

デンデ「……僕も行きましょうか?」

ピッコロ「神の手を煩わせるような事ではない……仙豆が余っていた……そいつを届ければ済む話だ……」

デンデ「そうですね。仙豆があれば、きっと元気になります!」

ピッコロ「相変わらず、手間のかかる奴だ……今度はワケのわからんお遊戯に手を出し始めた……いつまで怠ければ気が済むのだアイツは……」

デンデ「……ヤムチャさんは、頑張ってると思いますよ?」

ピッコロ「いや、最近はどいつもこいつも平和ボケしすぎだ……悟飯も、修行を怠っているようだし、まともにやっているのはベジータぐらいの物だろう……?」

ポポ「……ソンナ事ナイ」

ピッコロ「……ん?」

81: 名無しさん 2015/07/16(木) 22:14:09 ID:eu30AVAE
ポポ「ヤムチャ、頑張ッテイル。シッカリ、修行シテイル」

ピッコロ「……あいつのやっている事は、修行ではない。遊びだ」

ポポ「……違ウ」

デンデ「ポポさん、どういう事ですか?」

ポポ「ミスターポポノ戦イ方、心ヲ空ッポ二シテ、心ヲ無二シテ、自然ノママ二戦ウ……ダケド、ヤムチャ、ソウジャナイ……」

ピッコロ「……ふむ」

ポポ「ヤムチャ、戦イナガラ、敵ガシテクル事、自分ガスルベキ事……沢山沢山、考エナガラ戦ッテイル……ソレハ、ミスターポポノ戦イ方ト違ウ」

ピッコロ「……」

ポポ「ダケド、ヤムチャニハ、合ッテイル。ヤムチャハ、ソウイウ戦イ方、シタ方ガイイ」

82: 名無しさん 2015/07/16(木) 22:23:21 ID:eu30AVAE
ポポ「最近ノヤムチャ、毎日毎日、運動シテイル。トテモ、健康的」

ピッコロ「……ふむ」

ポポ「モウ、怠ケテイナイ。心ト身体、毎日動カシテイル。努力シテイル」

ピッコロ「……なる程」

ポポ「ヤムチャ、モウ弱クナイ。キット、強クナッタ」

デンデ「ピッコロさんも、うかうかしてると……危ないんじゃないですか!?」

ピッコロ「いや、それだけはないだろう……」

ポポ「ヤムチャ、キット、マダマダ強クナレル。ヤムチャ、トテモ、頑張ッテイル」

ピッコロ「そういう事なら、仙豆を届けるついでにでも……試してみるか……よし、それじゃあ行ってくる……」

デンデ「はい! ピッコロさん、よろしくお願いします!」

84: 名無しさん 2015/07/16(木) 22:30:35 ID:eu30AVAE
ーーー


ピッコロ「……目は良くなったみたいだな? 修行の成果が出てるじゃないか」

ヤムチャ「は、はぁ……?」

ピッコロ「女遊びを辞めた成果が出始めているな」

ヤムチャ「……はぁ!?」

ピッコロ「お前が戦力外だったのは……都会に塗れ……女遊びに感け……ろくすっぽ修行をしなかったせいだろう……?」

ヤムチャ「お、おいっ……! なんだよ、その言い方……!」

ピッコロ「……違うと、言い切れるか?」

ヤムチャ「そ、それは……う、う~ん……」

ピッコロ「バカなお前は、それを才能の違いだと考えてしまった。仮にも悟空と一度は渡り合った男だと言うのにも関わらず、だ……」

ヤムチャ「……」

ピッコロ「……ようやく目覚めたな? お前はそこまで、弱くはない」

85: 名無しさん 2015/07/16(木) 22:39:54 ID:eu30AVAE
プーアル「ありがとうございます、ピッコロさん!」

ピッコロ「俺は、正直理解出来ん……お前がしている事……お前の修行のやり方……それは、よくわからん……」

ヤムチャ「そ、そうか……」

ピッコロ「だが……クリリンと、あのスケベジジイはどうやら理解しているようだ……」

ヤムチャ「クリリンと……スケベジジイって……武天老師様だよなぁ……?」

ピッコロ「……お前の事を応援してるよ。地球人にはお前のやってる事は理解されてるんじゃないか?」

ヤムチャ「そうかそうか……そうなんだ……」

ピッコロ「今のお前だったら、少しは楽しめるかもしれん……仙豆以外にも、何か困った事があったら足を運べ……」

ヤムチャ「お、おう……」

ピッコロ「俺にも組手ぐらいなら出来るだろう、少しぐらいなら協力してやる。悟飯も平和ボケしているからな……退屈だ……」

86: 名無しさん 2015/07/16(木) 22:45:20 ID:eu30AVAE
ピッコロ「平成ボケしている他の連中をゴボウ抜きするなら、今がチャンスだ……まぁ、俺やベジータは違うがな……?」

ヤムチャ「チャンス……なのか……!」

ピッコロ「まぁ、精々頑張るがいいさ……」

ヤムチャ「お、おうっ……! わかったよっ……!」

ピッコロ「それじゃあ、仙豆は取り置き……コイツに頼る事にならないようにな……?」

ヤムチャ「お、おうっ! わかったよ!」

ピッコロ「……じゃあな」ニヤリ

ヤムチャ「ピッコロ……わざわざありがとな……! デンデとポポにもよろしくな!」

ピッコロ「あぁ、じゃあ俺は帰るよ」ドヒューンッ

87: 名無しさん 2015/07/16(木) 22:52:40 ID:eu30AVAE
ーーー


ヤムチャ「実感はねぇ……実感はねぇが……成果が、出てるのか……」

プーアル「ヤムチャ様、やりましたね! ピッコロさんに……褒められましたよっ……!」

ヤムチャ「でも……確かに、何かが変わってきている……勝利への飢え……勝利への喜び……そういった物を求めるようになった……そうだよ、昔の俺は……こうだったよ……」

プーアル「そうです、ヤムチャ様はこうでした! こうでしたよっ……!」

ヤムチャ「……ちょっと、試してみるか。プーアル、離れてろっ!」

プーアル「……はいっ!」

ヤムチャ「いくぜっ……! はああああぁぁぁぁっ!」ゴゴゴゴゴゴ

プーアル「……」

ヤムチャ「へへへ……久しぶりだな、この感じ……いくぜっ……! か……め……は……め……」

プーアル「……」

ヤムチャ「派ああああぁぁぁぁっ!」ドヒューンッ

89: 名無しさん 2015/07/16(木) 22:58:29 ID:eu30AVAE
ーーー


ベガ「明日のカードは……これで、いいかな……?」

ダン「あぁ、そうだな……これでいくか……」

ブランカ「……異論はありません。ダルシムさんは?」

ダルシム「私も異論はない」

ベガ「後は、明日上手くいくように祈るのみ、だ……」

ダン「おっ……! 流れ星だっ! おいおい、お前ら祈れ祈れ!」

ブランカ「……結構、ロマンチストですよね? そういうの信じるタイプですか?」

ダルシム「ジミー君、早くしないと消えてしまうぞ?」

ベガ「いや、まだ消えてはいない……変わった流れ星だな。長いし……それに空へと昇っていっている……」

ダン「願いを叶えてくれるように、長めにサービスしてくれてんだよっ! ホラ、明日成功してぇんだろ! 祈れ祈れ、こんちくしょうっ!」

90: 名無しさん 2015/07/16(木) 23:05:18 ID:eu30AVAE
ーーー


プーアル「ヤムチャ様っ! 山に大穴が開きましたよっ! 凄いじゃないですか!?」

ヤムチャ「悟空や、ベジータだったら……山ごと吹き飛ばしてるだろうけどな……まぁ、今の俺にはこんなもんだ……でも……」

プーアル「……でも?」

ヤムチャ「へへへ……へへへへへ……」

プーアル「……どうしたんですか? ヤムチャ様?」ニコニコ

ヤムチャ「俺……強くなってるかもしれない……前は、こんな感じじゃなかったような気がするもんっ……!」

プーアル「ヤムチャ様は、元々強かったんですよ……! それが、間の悪さとか……すぐ調子に乗っちゃうところがあって……も~う……! 待ちましたよ、この瞬間をっ!」

ヤムチャ「プーアル、安心してくれ……もう、ない……もう、負け犬根性は払拭されたよ……! もう一度……立ち上がってやるっ!」

プーアル「……はいっ!」

ヤムチャ「復活だ……! 荒野の狼……ヤムチャ様の復活だっ……! 明日は……どデカイ事をやってやるよっ……!」

プーアル「期待してますよっ! ヤムチャ様っ!」

92: 名無しさん 2015/07/16(木) 23:10:15 ID:eu30AVAE
翌日ーー


ヤムチャ「さぁて、今日も一日頑張るか……んっ……? アレ、さくらちゃんと……春麗さん……? じゃねぇのかな……? あんな所で何してるんだろ……?」

プーアル「もう一人……誰か、いますね……? あの人は……誰なんでしょう……?」


さくら「春麗さん……もう出歩いて大丈夫なんですか……?」

春麗「こんな状況で、呑気にリハビリなんてしてる訳にはいかないでしょ……? ベガさんから、連絡来たわよ……?」

さくら「あちゃ~、もうそっちに連絡行ってるんっすか……?」


ヤムチャ「あっ、さくらちゃん。それに……春麗さん……おはようございます」

さくら「あっ、ヤムチャさん! それにプーアルさん、おはようっす!」

春麗「おはよう。大変な事になってるみたいだけど……今日は頑張ってね」

ヤムチャ「うっす」

93: 名無しさん 2015/07/16(木) 23:23:06 ID:eu30AVAE
ヤムチャ「え~っと……そちらの方は……?」

ヴァイパー「クリムゾン・ヴァイパー……好きなものは、お金……嫌いなものは残業……よろしく……」

ヤムチャ「あっ、ヴァイパーさん……よろしくお願いします……」


春麗「……本当、嫌味ったらしいわねぇ、アンタは」

ヴァイパー「金にならない仕事でしょ……? 嫌味の一つでも言いたくなるわよ……」

春麗「……そこは友人のピンチなんだから手伝ってくれてもいいんじゃないの?」

ヴァイパー「それとこれとは、話が別……」


ヤムチャ「え~っと、ヴァイパーさんは……女子部の助っ人……って事でいいのかな? さくらちゃん?」

さくら「そうではないっす。う~ん……まぁ、全体の助っ人……って事になりますかね……?」

ヤムチャ「……なんだそりゃ」

96: 名無しさん 2015/07/16(木) 23:34:11 ID:eu30AVAE
ヴァイパー「……とりあえず、一番偉い人に合わせてくれない? この子だけじゃお金を動かせないんでしょ?」

春麗「はいはい、わかりました……ベガさんの所に行きましょう……私も挨拶しておかないとね……」

さくら「あっ、じゃあ自分、案内します!」

ヴァイパー「ヤムチャさん……だっけ……?」

ヤムチャ「あっ、はい……」

ヴァイパー「貴方とはいいビジネスパートナーになりたいです。頑張って下さい」

ヤムチャ「あぁ……はい……」

ヴァイパー「それじゃあ、さくらさん……案内してくれるかな……?」

さくら「了解っす……! あっ、ヤムチャさん……え~っと、その……また後でっ……!」

ヤムチャ「……は~い」


プーアル「揃って行っちゃいましたねぇ……ヴァイパーさん……何なんでしょうねぇ……?」

ヤムチャ「……わかんねぇ。ただ、仕事の出来る女の雰囲気は出てたな」

128: 名無しさん 2015/07/17(金) 22:01:05 ID:MLNBbI0M
ーーー


ヤムチャ「おはようございま~す」

バイソン「おう、ヤムチャ君、おはようさんっ!」

バルログ「おはようございます」

サガット「おはよう。今日も、一日頑張ろう」

ヤムチャ「そうっすね。今日も頑張りましょう。さっきね……春麗さんと会いましたよ?」

バイソン「……春麗、来てるの? アイツ出歩いて大丈夫なのかよ?」

バルログ「まぁ、ジッとしてられない気持ちはわかりますけどね……」

サガット「怪我を治すのに集中してもらいたい部分もあるんだけなぁ……? 何しに来たんだ?」

ヤムチャ「え~っと……ヴァイパーさんって女の人と、一緒に来てました」

129: 名無しさん 2015/07/17(金) 22:12:09 ID:MLNBbI0M
バイソン「……ヴァイパー? 誰だそりゃ?」

ヤムチャ「全体の助っ人になる……とか、言ってましたけど……」

バルログ「……どういう事なんでしょうかねぇ?」

ヤムチャ「皆さんが知らない……って事は、レスラーじゃないって事かなぁ……?」

サガット「ヴァイパー……そういうレスラーは聞いた事がないな……」

ヤムチャ「じゃあ、何なんだろうな……あの人……」

バイソン「……ちなみにそのヴァイパーって奴は美人か!?」

バルログ「……バイソン、それ知るべき情報ですか?」

バイソン「知るべき情報ですよ! 間違いなく、知るべき情報だよ! どうなんだ、美人なのか!?」

ヤムチャ「……見ようによっては、美人にも見えるんじゃないですかね?」

サガット「……ヤムチャ君も何気に酷いな」

130: 名無しさん 2015/07/17(金) 22:17:27 ID:MLNBbI0M
リュウ「……う~っす」

ケン「おっはようさ~んっと……」


ヤムチャ「あっ、リュウさん、ケンさん! おはようございます!」

バイソン「おう、おはようさ~んっと!」

バルログ「おはようございます。今日も頑張りましょう」

サガット「今日は二人共、早いな……おはよう」


リュウ「聞いたよ、聞いたよ……話を聞いたよ……ザンギエフの事……」

サガット「……そうか」

リュウ「ぶっ倒れるまでやってんじゃねぇっての……だから、俺は言ってたんだ……メインを俺に譲れって、前からずっとさ……?」

131: 名無しさん 2015/07/17(金) 22:22:21 ID:MLNBbI0M
サガット「気持ちはわかるが……口にするべき事では、ないんじゃないかな……それは……」

リュウ「目上のたんこぶの、ザンギエフが倒れて……これからメインイベントに出るチャンスが増えた……なのに、文句は止まらねぇ……可笑しな話だね?」

サガット「……あぁ」

リュウ「今までもそうだったけど……結局の所、文句言いながらやってるうちが一番楽しいんだろうな……」

サガット「あぁ、そうかもしれないな……」

リュウ「今日は気合入れていこう。なっ? ザンギエフの尻拭いだ、尻拭い……ピンチの状況だが、ある意味チャンス……俺達がやるしかねぇ」

サガット「……思ってたより、前向きなんだな。安心したよ」

リュウ「こんな状況で、後ろ向きになってられっかよ! それこそ終わっちまうだろうが! 今日は気合入れて負けろよ、サガット!」

サガット「……今日は俺の負けか?」

132: 名無しさん 2015/07/17(金) 22:30:02 ID:MLNBbI0M
ケン「あ~、いや……まだ試合表は出てねぇ……というか、誰か客人が来てたからな……」

バイソン「ヴァイパーちゃんだ、ヴァイパーちゃん。見ようによっては美人のヴァイパーちゃんだ」

ケン「……ヴァイパー?」

ヤムチャ「春麗さんの知り合い……みたいな感じの人ですかねぇ? レスラーじゃないみたいですけど」

ケン「なんだ、そりゃ……? 春麗の知り合いねぇ……」

バルログ「それで、こっちに来たというワケですね」

ケン「そうそう、プーアル君が一緒に届けてくれるってさ」

リュウ「とりあえず、待機だ……さぁ、今日の試合どうするか……」

サガット「とりあえず、身体を動かしながらでも……待つか……」

133: 名無しさん 2015/07/17(金) 22:38:56 ID:MLNBbI0M
ーーー


バイソン「オラっ……! 死ねっ……! この糞ボケっ! 死ねっ……!」ブンブンッ

ヤムチャ「おっと……おっとっと……」ヒョイヒョイ


バルログ「……ちょっと、バイソン。本気で打ちすぎなんじゃないですか? 加減しなさいよ」

バイソン「いやいや……ヤムチャ君、凄ぇんだって……マジで当たらねぇんだよ、マジでマジで……!」

ヤムチャ(見える……見えるぞ……ピッコロの言う通り、目は良くなってるのかなぁ……? これは修行になってるのかもしれない……)

バイソン「くそぉ、天下一武道会ベスト8は伊達じゃねぇな……! だが、こちとら元ボクサー……パンチにゃ、自信あるぜっ! だああぁぁっ!」ブンッ

ヤムチャ「……おっと」ヒョイッ


サガット「……バイソン、本気で当てるなよ? まだ、試合前だぞ?」

ケン「……ヤムチャの奴、ディフェンス能力凄いねぇ。アイツ、ガチでも強いんじゃねぇの?」

リュウ「……そうだな。自信持ってるだけの事あるわ。流石、自称亀仙流」

134: 名無しさん 2015/07/17(金) 22:44:16 ID:MLNBbI0M
ヤムチャ「もっと、本気で打ってきてもいいっすよ! バイソンさんっ!」

バイソン「あっ……! なんだ、てめぇ……! 今のセリフ、カチンと来たぞ! マジでカチンと来たぞっ!」

ヤムチャ「へへへ、バイソンさんのパンチ……いい修行になりますっ……!」ニヤニヤ

バイソン「こんにゃろぉ……舐めやがって……いくぞっ! そいやああぁぁっ!」ブンッ

ヤムチャ「……甘いっ!」ヒョイ


バルログ「も~う……ヤムチャ君も煽らない……バイソンもムキにならない……」

サガット「お前ら、まだ試合前だぞ……? わかってるのか……?」


ヤムチャ「大丈夫っすよ、大丈夫っす! これも修行っす! 修行修行っ!」

バイソン「なんだろうね……フェイント入れても、全く当たらねぇ……こいつは妖怪だ……心を読む妖怪、さとりだ! さとり!」

135: 名無しさん 2015/07/17(金) 22:51:20 ID:MLNBbI0M
プーアル「皆さん、お疲れ様です! 試合表持ってきましたよ!」

さくら「遅れて申し訳ないっす!」


サガット「おっ、プーアル君が来たか……試合表が出来たみたいだな……」

ヤムチャ「ありゃ、今日はさくらちゃんも来たぞ……?」

ケン「なんだなんだ……? さくらさんも来るって事は……何、何……? どうなってるの……?」

リュウ「……ややこしい事になりそうだな」


さくら「とりあえず、試合表を確認してもらいたいっす。それから、こっちからの指示を言います」

ヤムチャ「指示……? なんだろう……?」

サガット「……とりあえず、試合表の確認をしよう。打ち合わせの時間も必要だからな。ややこしい事が起こるなら、尚更だ」

136: 名無しさん 2015/07/17(金) 22:59:37 ID:MLNBbI0M
本日の予定試合


第一試合(10分決着)
◯コーディ ー ガイ×

第二試合(10分決着)
×ローズ ー かりん◯

第三試合(15分決着)
ダルシム ー ディージェイ
◯ヤムチャ E.本田×

第四試合(20分決着)
×さくら ー キャミィ◯

第五試合(20分決着)
×ナッシュー ソドム
ガイル ロレント◯

第六試合(30分決着)
ケン ー バルログ
◯リュウ サガット×

141: 名無しさん 2015/07/17(金) 23:09:15 ID:MLNBbI0M
ケン「なんて言うか……わかってた。わかってた事だけどよぉ……?」

リュウ「……ザンギエフが抜けると、一気に選手層が薄くなるな。やっぱり、アイツがいないのはデカいね」


さくら「そこは、皆さんの頑張りで……お願いします……」


バルログ「今日のメインは……私達ですか……」

サガット「……ベガ様の出番はないのか?」


さくら「こういう状況だからこそ……次世代の皆さんにやってもらいたいっという想いだそうです……」


バイソン「こんな日に、バイソン様の出番なしってワケじゃねぇよな? 俺は、メインのセコンドに着けばいいのか?」

ヤムチャ「俺もさぁ……? 第三試合だよ……第三試合……こんな日に、俺そこでやってて大丈夫なのかなぁ……?」


さくら「え~っと、そこは……順々に説明しますね……?」

147: 名無しさん 2015/07/17(金) 23:17:05 ID:MLNBbI0M
さくら「第一試合は、いつも通りっす。若手の二人っすね」

ケン「まぁ、そこはそうなるわな……」

さくら「変化があったのは、第二試合……今日は女子部がやります」

リュウ「女子部の二軍戦って所か……まぁ、お笑いマッチと大差はねぇな……」

さくら「そこを女子部が、務めるので……第二試合でやってる方々が開きます。だから第三試合に行ってもらいます」

ヤムチャ「だから、第二試合要員の俺が……今日は第三試合って事ね……?」

プーアル「……ヤムチャ様、そうではありません」

ヤムチャ「……ん?」

さくら「第二試合でやってる人達が、第三試合でやると……やっぱり、物足りなさみたいな物が、どうしても出てくるっす。だから、一人だけでも目玉に人間が必要になってくるっすよ」

プーアル「それがヤムチャ様です」

150: 名無しさん 2015/07/17(金) 23:31:23 ID:MLNBbI0M
さくら「第二試合のダルシムさん、ディージェイさん……実力は第四試合レベル、人気は第二試合レベルの本田さん……そして、実力人気共に第五試合レベルのヤムチャさん……」

ヤムチャ「……ふむふむ」

さくら「このメンバーなら……第三試合でも、満足出来るような試合が出来ると信じています」

ヤムチャ「……これ、笑いは取りにいかなきゃいけないの?」

さくら「あってもいい……だけど、なくてもいいっす……」

ヤムチャ「……ふんふん」

さくら「だけど、それより……今日の試合じゃなく、これから先の試合っすね……空手軍団のヤムチャさんは、シャドルーのサガットさん、バルログさん、バイソンさんと戦う機会が増えていく事だと思います」

ヤムチャ「……うん」

さくら「だから、いずれ来る大きな試合の為に……出来れば、今日の試合で何かを作って貰いたいっす」

ヤムチャ「何かを作るって……何を……?」

151: 名無しさん 2015/07/17(金) 23:38:37 ID:MLNBbI0M
さくら「難しい話と思うっす。でも、ヤムチャさんとこの中の誰か組対バルログさん、バイソンさん組……みたいな試合を作れるレベルまで持っていければ、リュウさん、ケンさんの休む日も作れるようになるかもしれないっす」

ケン「……空手軍団の臨時の助っ人ぐらいに、なればいいな。ヤムチャの代わりの負け役も出来る」

リュウ「……俺はもう、出突っ張り覚悟してるぞ? ザンギエフがいないのに、俺が休んでる場合じゃねぇだろ」

ヤムチャ「ダルシムさんとコンビネーション磨くか……それとも、本田さんかディージェイと、何かを生み出していくか……」

さくら「いい試合が出来れば……きっと、何かが生まれます。ディージェイさんはどうかはわかりませんが……ダルシムさんや本田さんはベテランです。その事も理解しています」

ヤムチャ「……まぁ、でも本田さんとは『試合しよう』なんて誘われてた部分もあるしね。そういや、前に本田さんの試合をガッツリ見たよ」

さくら「なんとか、ヤムチャさんの人気で……このメンバーの人気を引き上げるような試合……お願いします……!」

ヤムチャ「……今日はとことん難易度高けぇなぁ。まぁ、ダルシムさんや本田さんに頼ってみるか。流石にこれは俺一人じゃ無理だ」

174: 名無しさん 2015/07/18(土) 22:03:15 ID:EJiMTQm6
ヤムチャ「まぁ、わかった……大まか、わかった……今日は第三試合だけど、やってやりますよ!」

ケン「……力の差、見せつけて来いっ!」

ヤムチャ「うっす! じゃあ、時間もないし……ダルシムさん達の所に打ち合わせに……」

さくら「あ~、ちょっと待った、ちょっと待った! ヤムチャさんっ!」

ヤムチャ「……ん?」

さくら「ヤムチャさん個人の試合だけじゃなく……全体の流れも確認しておいて欲しいっす!」

ヤムチャ「……全体の流れ?」

バイソン「……何だか今日はややこしいな」

サガット「まぁ、状況が状況だからな……仕方がない……」

さくら「バイソンさんと、ベガさんも……今日は試合はないけど、出番はあります……だから、その辺も確認しておいて欲しいっす」

ヤムチャ「あっ、はい……じゃあ、ダルシムさんの所にはそれ聞いてから行く事にしま~す……」

さくら「じゃあ、話しますね? 先ずバイソンさんは……」

176: 名無しさん 2015/07/18(土) 22:13:57 ID:EJiMTQm6
ーーー


ヤムチャ「いやぁ、今日は大変だ……実に大変だな……プーアル……?」

プーアル「……そうですね」

ヤムチャ「でも、ね……皆頑張ってるじゃん……なっ、しっかり頑張ってるよな……?」

プーアル「そうですよ! だから、ヤムチャ様も……」

ヤムチャ「わかってるよ、プーアル……計画立てても、失敗したら水の泡だ……だから、今日は絶対に成功させよう!」

プーアル「はいっ! 僕も応援してますよっ!」

ヤムチャ「よ~し、とりあえずは目の前の事から片付けていこう……ダルシムさん達と打ち合わせだ……打ち合わせ……」

プーアル「……ダルシムさ~ん、失礼しま~す」コンコン

ヤムチャ「おはようございま~す。ヤムチャっす。打ち合わせに来ました~」ガチャ

177: 名無しさん 2015/07/18(土) 22:21:22 ID:EJiMTQm6
ディージェイ「なぁ~んで、ミーがMr.本田とタッグなんだいっ!? こんなの可笑しいよっ! どう考えても可笑しいよ!?」

本田「じゃかぁしぃわ、このド阿呆がっ! ワシだって、お前と組むのは嫌じゃっ! そこはお互い様じゃろう!」

ディージェイ「だったら、タッグ解消だよ! ミーとタッグ解消すれば、いいじゃないか!?」

本田「決まった事にウジウジ言うなっ! 不平不満があろうとも、決まった事はしっかりやるっ! そして結果を出すっ! お前はろくすっぽ結果を出してないのに、文句ばかりじゃっ! 文句ばかり言っておるっ!」


ヤムチャ「……何、やってんの? 本田さんと、ディージェイの奴」

プーアル「……早速、喧嘩してますねぇ」

ダルシム「おう、ヤムチャ君おはよう。待ってたよ。騒がしくてすまんな」

ヤムチャ「……なんだろうね。俺、今日凄く不安になってきた」

プーアル「……僕もです」

179: 名無しさん 2015/07/18(土) 22:26:52 ID:EJiMTQm6
ディージェイ「ヘイヘイ、Mr.ヤムチャ! Mr.ヤムチャっ!」グイグイ

ヤムチャ「なんだよなんだよ……朝からお前はよぉ……?」

ディージェイ「ほら、見てよ! この絵面っ!」

ヤムチャ「……ん?」

ディージェイ「この引き締まった体型っ! 見事なアスリートが二人揃ったじゃないか! 絶対に絶対絶対、こっちのアスリート組の方がいいはずだよ、ねぇMr.ヤムチャ?」

ヤムチャ「なんだなんだ……? 何が……どうなってんだ……? おい、ディージェイ、俺はまだ来たばかりで話がわかってないぞ……?」

ディージェイ「今日の試合は、アスリート組対デブ・ガリコンビだよ! 絶対にそっちの方がいいよ!」


ダルシム「……私はガリではないぞ?」

本田「ワシかて、デブではないわっ! こりゃ、アンコ体型じゃ! この馬鹿たれ、そこを退けっ!」ドンッ

ディージェイ「……Mr.本田っ! 何するんだいっ!?」

ヤムチャ「あ~、も~う……喧嘩はダメだよ……喧嘩は……も~う……」

185: 名無しさん 2015/07/18(土) 22:44:16 ID:EJiMTQm6
本田「ホレ、見てみぃ! この凛々しい面構えっ! 男前が二人揃ったわいっ! こっちの方が絵になるわいっ!」

ヤムチャ「……んあ?」

本田「なんて素晴らしい絵面じゃ! これこそが真の日本男児軍団っ! 日本男児軍団じゃっ!」

ディージェイ「フン、Mr.本田の体型が全てを台無しにしてるけどね」

本田「じゃかぁしぃわ、ド阿呆っ! ヤムチャ君と組みたいのは、皆同じじゃ! ワシかて、我慢しておるんじゃ!」

ダルシム「……ヤムチャ君、大人気じゃないか」

ヤムチャ「いや、あの……今日、俺……ダルシムさんと組むんですよね……?」

ダルシム「……その通り」スッ

ヤムチャ「う、うおっと……」

186: 名無しさん 2015/07/18(土) 22:52:16 ID:EJiMTQm6
ダルシム「今日、組むのは……老体の私と、若いヤムチャ君……」

ヤムチャ「俺と、ダルシムさん……この二人っすね……」

ダルシム「そして……アスリート体型のディージェイ君と、アンコ体型の本田君……」


ディージェイ「……なんで、ミーがこんな人と」

本田「張り倒されたくなかったら、ワシの指示に従うんじゃな! ディージェイっ!」

ディージェイ「リーダーはミーだっ!」


ダルシム「凸凹コンビ同士の勝負……コラ、揉めるんじゃない……」

ヤムチャ「……大丈夫なんですかねぇ、あの二人」

ダルシム「……本当に、申し訳ない。ヤムチャ君」

187: 名無しさん 2015/07/18(土) 22:56:39 ID:EJiMTQm6
ディージェイ「じゃあ、Mr.ヤムチャと戦うのはミーね! それくらいはしてくれてもいいだろう!?」

ヤムチャ「……んっ?」

ディージェイ「ミーとMr.ヤムチャが、ファンキーなバトルを繰り広げて……Mr.ダルシムとMr.本田は端っこの方でチョコチョコしておいてくれよ!」

本田「なぁ~にが、ファンキーなバトルじゃド阿呆っ! 出来もせん事を軽々しく口にするなっ!」

ディージェイ「Mr.ヤムチャはミーをより生かしてくれる為に、この場所に来たんだろう!?」

本田「……ディージェイ、勘違いするな。今日の主役はお前ではない、ヤムチャ君じゃ」

ディージェイ「主役はミーだよっ!」

本田「違うっ! ヤムチャ君じゃ! 誰と戦いたい……どんな試合をしたい……そういった事を決める権限は、全てヤムチャ君にあるっ!」

ディージェイ「ミーは道具じゃないっ! 人間は道具じゃないっ! ミーにだって意志はあるんだよ!」

本田「普段、お前はそういう事を考えてるのか、馬鹿たれが!」


ヤムチャ「喧嘩してたら、話が進みませんってば……ちょっと、ちょっと……も~う、ダルシムさんも黙ってないで、止めて下さいよ……?」

ダルシム「あ~、すまんすまん……ヤムチャ君……はい、二人共ストップストップ……」パンパン

189: 名無しさん 2015/07/18(土) 23:05:47 ID:EJiMTQm6
ダルシム「あ~、何処から決めればいいか……」

ディージェイ「ヘイヘイ、Mr.ヤムチャ! ミーとファンキーなバトルをしようよ! 15分間、ビッシリと!」

ヤムチャ「ディージェイ、本当に悪いけど……ちょっと黙っておいてくれ! 本当に悪いけどさぁ……ちょっと、ちょっと……」

ディージェイ「な、なんだよ! Mr.ヤムチャまでっ! 言っておくけどねぇ……ミーは君の為に……」

ヤムチャ「はいはいはい……戦うから……お前とはキチンと戦うから……なっ……? 皆が皆、好き放題言ったら話が進まないだろ……? なっ、そうだろ……?」

ディージェイ「でもさぁ!?」


本田「……今日、ブランカ君空いてたじゃろ? 今からチェンジは効かんのか、ダルシム君?」

ダルシム「いやぁ……その、なんと言うか……すまない……」

193: 名無しさん 2015/07/18(土) 23:14:04 ID:EJiMTQm6
ヤムチャ「ディージェイ、ディージェイ……え~っとね……お前には一番、美味しい所やるから……なっ、なっ……?」

ディージェイ「美味しい所って何処だよ!?」

ヤムチャ「最後は……本田さんの負けだから、ダメだけど……その前ぐらいまではお前の出番……それでいいだろ、ディージェイ? なっ?」

ダルシム「中盤をディージェイ君に任せると。ディージェイ君、大仕事だぞ?」

ディージェイ「オーケーっ! ミーが飛び切りファンキーな試合を作ってあげるよ!」

ヤムチャ「それで……ディージェイ、俺はお前とも戦いけど……本田さんとも戦いたいんだよ……そこはわかってくれるかな……? お前のファンキーな試合を作りたいって希望は聞いてやるから……俺の希望も一つでいいから聞いてくれよ……なっ?」

ディージェイ「Mr.本田と戦ったって、Mr.ヤムチャの得になる事なんて一つもないよっ!」

本田「……このガキャ、本当に」

ヤムチャ「まぁまぁまぁ、本田さん本田さん……ディージェイ、ディージェイ……お前が俺の希望聞いてくれないんだったらさぁ……? 俺も……お前の希望聞かないよ……? そういうのって、あんまりよくないんじゃないかなぁ……?」

ディージェイ「……ミーと取引しようってのかい? Mr.ヤムチャは汚い男だ」

ヤムチャ「汚い取引ってワケじゃないよ……お互い、得をする取引をしようって言ってるんだよ……なっ、なっ……?」

197: 名無しさん 2015/07/18(土) 23:22:30 ID:EJiMTQm6
ヤムチャ「……頼むよ、ディージェイ」ペコッ

ディージェイ「……頭なんて下げて、どういうつもりなんだい、Mr.ヤムチャ?」

ヤムチャ「友達がここまで、頭下げて頼んでるんだぜ……? そこは、感じる物ぐらいあってもいいんじゃねぇのかなぁ……? ディージェイ……」

本田「これだけ、頭を下げてる人間に応えれない奴など……仲間になる事など、永遠に出来ん……お前は、生涯ワシの奴隷じゃな……」

ディージェイ「……Mr.本田の奴隷なんて、ゴメンだよ!」

ダルシム「だったら、まぁ……ヤムチャ君の気持ちに応えてやればいいんじゃないかな……?」

ディージェイ「わかったよ……! わかったわかったっ……! Mr.ヤムチャの希望……聞いてあげるよ! ミーだって、Mr.本田なんかとはゴメンだからね!」

ヤムチャ「おっ! 聞いてくれるのか、ディージェイっ! 流石じゃねぇか!」

ディージェイ「その代わり……ミーとファンキーな試合をする事が条件だよっ! Mr.本田みたいな奴……チャチャッとやっつけてね!」

ヤムチャ「わかったわかった……チャチャッとやっつけるから……チャチャッとね……」


ダルシム「タッグパートナーの負けを願う。そういう所が君は……」

本田「……もうええ。ここは即席タッグじゃ。ヤムチャ君とディージェイがしっかりやってくれれば、それでええわ」

200: 名無しさん 2015/07/18(土) 23:27:10 ID:EJiMTQm6
ーーー


ヤムチャ「……はぁ、疲れた」

プーアル「ヤムチャ様……ローズさんとかりんさんの試合、見てます……?」

ヤムチャ「一応、見てるよ……もう、ディージェイとは打ち合わせしたくない……もう、二度としたくない……まさか、こんなに疲れるとは思わなかったよ……」

ダルシム「……申し訳ないな」

ヤムチャ「……ダルシムさんも、もうちょっと言って下さいよ。何で俺だけが」

ダルシム「いやぁ、ヤムチャ君が上手く話を進めていたからな……ことを荒立てず……よくやってたと思うよ……案外、管理職向いてるんじゃないか? ヤムチャ君は……」

ヤムチャ「勘弁して下さいよ……毎日、こんな打ち合わせ続けてたら……俺、ストレスでどうかしちまいます……」

ダルシム「ハハハ、それもそうだ!」

ヤムチャ「打ち合わせ通りにやってくれればいいんだけどなぁ……ディージェイの奴……」

ダルシム「ディージェイ君は……君には心を開いてるんじゃないか……?」

ヤムチャ「……えっ?」

ダルシム「きっと、やってくれるよ」

202: 名無しさん 2015/07/18(土) 23:32:57 ID:EJiMTQm6
ヤムチャ「ディージェイの奴とも、戦わなきゃいけねぇが……本田さんもだ……」

プーアル「……結構、本田さん蔑ろにして、打ち合わせは進んでましたからねぇ」

ヤムチャ「そこはねぇ……もう、試合中に見せればいいんじゃねぇかって、思ってるんだよ……」

ダルシム「……ほ~う」

ヤムチャ「経験豊富なベテランの本田さん相手に……経験の浅い俺が勝つ……シャドルーだって、経験豊富なんだから……ここで本田さん相手に、何か残さないと……」

ダルシム「……本田君の事も考えていたのか」

ヤムチャ「本田さんも、ディージェイも……最初から、両方といい試合をするつもりでしたしね……?」

ダルシム「ハハハ、こりゃ今日の私は楽が出来そうだ」

ヤムチャ「あっ、ダメですよ? ダルシムさんにだって、動いてもらいますからね!」

ダルシム「ハハ、貫禄がついてきたな。わかったよ……私も動こう……」


プーアル「ヤムチャ様、ダルシムさん! ローズさんとかりんさんの試合……決着がつきましたよ!」

ダルシム「よし、次は我々の番だな……ヤムチャ君、準備はいいな……?」

ヤムチャ「うっす……! 違った相手と戦うんだから……今日はまた、違った俺を見せに行ってやりますよっ!」

225: 名無しさん 2015/07/19(日) 22:07:38 ID:SedXj/fw
ーーー


ダン「さぁさぁ、ストリートプロレス……会場も熱気に包まれてまいりました……」

ダン「それでは続きまして……第三試合でございますっ……!」

ダン「ダルシム選手! ヤムチャ選手の入場ですっ!」


パチパチ……ヤムチャー!……パチパチ……


ダルシム「……ナマステ」

ヤムチャ「よ~しっ! いくぜっ!」


パチパチ……パチパチ……


実況「さぁ、深々と頭を下げながら一礼っ! ヨガの達人ダルシムっ! そして両腕を大きく挙げながらの登場っ! 空手軍団三番弟子のヤムチャっ! さぁ、第三試合はタッグマッチですっ! 先ずはダルシム・ヤムチャ組の入場だっ!」

227: 名無しさん 2015/07/19(日) 22:13:54 ID:SedXj/fw
ダルシム「ナマステ……ナマステ……今日は楽しんで行ってくれ……」


パチパチ……パチパチ……

実況「さぁさぁ、先陣を切って歩くのはダルシム! 深々と場内に礼をしながら……今、リングに向かっておりますっ!」


ヤムチャ「気合い入れて……行きましょうかっ……!」ググッ


ヤムチャー! ガンバレー!

実況「そして、その後方を歩くヤムチャ! おぉ~っと、腕を伸ばし……肩を伸ばし……ストレッチをしつつの入場ですっ! 落ち着いていますっ! この辺りはやはり、空手軍団っ! 本日の一戦は肩慣らしといった感じでしょうかねぇ?」


ヤムチャー! オマエハ、シャドルート、タタカエヨー!

ヤムチャ「……えっ?」

228: 名無しさん 2015/07/19(日) 22:20:26 ID:SedXj/fw
ソウダソウダー! ヤムチャー! コンナトコロデ、アソンデンジャネー!

ヤムチャ「えっ……えっ……? 何だ何だ……?」キョロキョロ


実況「さぁさぁ、ヤムチャが場内を見渡しますっ! 辺りの空気を確認してる……とでも言えばいいでしょうかねぇ?」


ダルシム「……足を止めるな、ヤムチャ君。入場しよう」ボソッ

ヤムチャ「あっ……はい、すいません……」

ダルシム「……バイソンは昨日、倒した。今日はおっさんの介護だ。と、言いなさい」ボソッ

ヤムチャ「……えっ?」

ダルシム「……いいから、言いなさい。大きな声で」ボソッ

231: 名無しさん 2015/07/19(日) 22:33:02 ID:SedXj/fw
ヤムチャ「バイソンは、昨日倒したよっ! 今日はおっさんの介護だ!」


オー! オーオー!

実況「ヤムチャが、場内のファンにアピールしているっ! 人気が凄まじいっ! この辺り、空手軍団の人気を感じますねぇ!?」


ダルシム「……いやぁ、すまないすまない。今日はヤムチャ君の胸を借りさせてもらうよ」ペコッ

ヤムチャ「あっ……はいっ……!」

ダルシム「さぁ、入場を続けよう……この老体の介護……しっかりと、頼むぞ……?」

ヤムチャ「なんか、悪かったな……おっさん……? 機転きかなくてさ……?」

ダルシム「……私は構わん。だが、この先苦労する事になるぞ?」


実況「さぁさぁ、このコンビ……どういった試合を見せてくるのか……!? 今、両者揃ってリングイ~ンっ!」

232: 名無しさん 2015/07/19(日) 22:40:51 ID:SedXj/fw
ダン「続きましては……」

ダン「E.本田選手! ディージェイ選手の入場ですっ!」


パチパチ……パチパチ……


ディージェイ「イエーイ! 今日もファンキーな試合をしようぜぇ~!」

本田「どーすこーいっ!」ドシーンッ


パチパチ……パチパチ……


実況「さぁ、続いてはE.本田・ディージェイ組の入場だっ! 本田は大きく四股を踏みならすっ! 大地が揺れるっ! 地響きが響き渡るっ!」


ディージェイ「一番目立つのはミーだよっ! イヤッホオオォォッ!」ピョンッ

本田「……んあっ?」


実況「お~っとっ! ディージェイも大きく大きく……開脚ジャーンプっ!」

234: 名無しさん 2015/07/19(日) 22:44:56 ID:SedXj/fw
ディージェイ「……ヘーイっ!」ペタッ


実況「お~っと、ディージェイはそのまま、片足を折りたたみ……もう片方は伸ばしながら……着地ィ! う~ん……これは、本田と同じように関節の柔らかさをアピールしているんですかねぇ?」


本田「……なぁ~にをやっとるんじゃ! 早く入場するぞ、早く立てぃ!」

ディージェイ「わかってるよ、Mr.本田……ヘイヘイヘ~イ……!」グルグル

本田「おぉっ……? なんじゃなんじゃ……!?」


オー、オーオー

実況「おぉ~と、おぉ~とっ! そのままディージェイは……グルグルと回転っ! グルグルと回転していきますっ! ブレイクダンスだっ! ブレイクダンスだっ! 入場と同時にブレイクダンスを見せますっ! ディージェイは乗っているっ!」

236: 名無しさん 2015/07/19(日) 22:50:52 ID:SedXj/fw
ディージェイ「Mr.本田の入場曲は乗りにくいね……だが……」ピタッ


実況「ディージェイの回転がピタリと止まるっ! ピタリと止まるっ!」


オー! イイジャネェカ、ディージェイー!

ディージェイ「……ミーの勝ちだ」ニヤリ

本田「……勝手な事すんなと言うたやろ? そういう事は、試合で見せんかい。馬鹿たれが」


パチパチ……パチパチ……

実況「気合が入っているのか、ディージェイは!? ド派手な登場を見せていくっ!」


ディージェイ「さぁ、Mr.本田……入場だよ……! ファンキーに行こう! ファンキーに!」ルンダルンダ

本田「この馬鹿たれがっ……! 試合が始まってもないというのに……勝手な事ばかり……!」


実況「ディージェイが先陣を切って……軽快に踊りながら、今リングに向かっておりますっ! 本田・ディージェイ組! さぁ、どういった試合を見せてくれるのか!?」

237: 名無しさん 2015/07/19(日) 22:57:36 ID:SedXj/fw
ヤムチャ「……また、時間とってますねぇ。ディージェイの野郎」

ダルシム「……悪い癖だ。あんな事も出来たのか」

ヤムチャ「……早く入場しろよ、ディージェイ。踊ってんじゃねぇよ」

ダルシム「来た来た……大丈夫だ……ようやく来たよ……」


本田「さぁ、いくぞっ! よっこしょらしょっと!」ググッ

ディージェイ「ヘイヘ~イっ! ファンキーにいくよ~!」ピョン


実況「さぁ、ディージェイはトップロープを飛び越え……本田はロープを潜って……今、両者がリングイーンっ!」

240: 名無しさん 2015/07/19(日) 23:10:17 ID:SedXj/fw
実況「さぁ、総勢四名っ! 今、リングに四人の男が出揃いましたっ! いよいよ、第三試合ですっ! では、本日のゲスト解説を御紹介しましょう! 本日のゲストは熱血カンフーファイターのこの男だっ!」

フェイロン「フェイロンだっ! よろしくっ!」

実況「いやぁ~、熱いっ! 実に熱いっ! いやぁ、フェイロンさん、本日はよろしくお願いしますっ!」

フェイロン「はい、よろしくお願いします。面白そうな試合ですね」

実況「フェイロンさんは、どういった部分に注目されていますか?」

フェイロン「もう、全部ですね。全部ですよ。先ず、ダルシム・ヤムチャ組……」

実況「はい!」

フェイロン「やはり、ベテランのダルシム選手の試合運びの上手さ……そしてヤムチャ選手の空手スタイル……これは、自分のカンフースタイルと一致する部分も多いですからね」

実況「そうですね! フェイロンさんも、ヤムチャさんも打撃攻撃を中心としたファイトスタイルです!」

フェイロン「そして次に、E本田・ディージェイ組……」

実況「はいっ!」

243: 名無しさん 2015/07/19(日) 23:21:37 ID:SedXj/fw
フェイロン「ディージェイ選手だけではなく……コーディ選手や、ガイ選手も自分にとってはライバルです。この辺りの選手の動き……それはいつも、見ています」

実況「研究熱心と言えばいいのでしょうか? フェイロンさんにとっては、ディージェイやコーディ、ガイもライバルであると!」

フェイロン「ディージェイ選手は、今日ド派手な入場見せてくれましたからね。何か、大きな事……してくれるんじゃないですかね?」

実況「期待しましょう!」

フェイロン「ただ、気合の空回りには注目してもらいたいですね。熱さを出すのもいいですが……冷静な心……平常心……そういったものも必要です」

実況「熱血漢なフェイロンさんから……そういった言葉が出るのは……少し、意外いった感じですねぇ?」

フェイロン「いやいや、自分は結構考えてやっていますよ? 熱血漢と無鉄砲は違いますよ、やっぱり……」

実況「……なる程」

フェイロン「そして……え~、最後に本田さん……ですね……?」

実況「おぉ~っと、おぉ~っと……お待ち下さい、フェイロンさん……その本田がマイクを手にしましたよ!?」

246: 名無しさん 2015/07/19(日) 23:28:11 ID:SedXj/fw
本田「……マイクをありがとう。レフェリー」

ダン「……おう」


ザワ……ザワ……

実況「さぁさぁ、本田がマイクを手にしました。さぁ、何を言うんだ言うんだ……」


本田「あ……あ……あ……ど……ど……ど……ドスコイっ!」


クスクス……クスクス……

実況「今、本田がマイクの音量を確認しておりますっ! 少し変わった発声練習っ!」


本田「おいっ! そこの男前っ! お前じゃっ……!」

ヤムチャ「……んっ?」


実況「おっと、そして本田が叫んだ叫んだっ! どうやら、物申す相手は……」

フェイロン「まぁ、ヤムチャ選手ですよね」

250: 名無しさん 2015/07/19(日) 23:39:08 ID:SedXj/fw
本田「お前……最近あの糞ったれの、シャドルー共と戦ってらしいなぁ……? あぁ……?」

ヤムチャ「あっ、はい……」

本田「なかなか見上げた根性じゃっ! 天晴れっ!」


ヤムチャー! ヨクヤッテルゾー!

実況「おぉ~っと、本田の激励ですっ! そうです、ヤムチャは空手軍団! 奴らの悪巧みを阻止する為に……日々、戦っておりますっ!」


本田「しかしじゃ! しかし……この世は、弱肉強食の世界……弱き者が……強き者にとって喰われるじゃ!」

ザワ……ザワ……

本田「お前の強さ……本物か……? あぁ……? お前は、あの糞ったれのシャドルーを倒すだけの力を持っているのか? 応えてみぃ!」


オー、オーオー!

実況「本田はヤムチャに問いかけますっ! 『お前にはシャドルーを倒すだけの力があるのか』と、問いかけますっ! さぁ、どう応える、ヤムチャっ!?」

フェイロン「どういう応えをするのか……これは気になりますね……」

251: 名無しさん 2015/07/19(日) 23:51:29 ID:SedXj/fw
ヤムチャー! イッテヤレー!

ヤムチャ(ちょ、ちょっと待てよ……本田さん……いきなり何してんの……? 俺、マイクアピール苦手なんだよ……)


実況「さぁさぁ、ここはヤムチャの応えが気になる場面ですっ!」


本田「あ~っと、あ~っと……待て待て待て……ワシは聞きとうないぞ……聞きとうない……聞きとうない……」


エー? エーエー?

実況「おぉ~っと、しかし本田はマイクを手放す素振り……一切、ありませんっ! マイクを手放さず、一方的に続けます!」


本田「ワシはなぁ……口先だけの人間は大嫌いや……やっぱり、男というもんは……態度で見せなアカン……」

ヤムチャ(……んっ?)

本田「言葉はいらへんっ! 言葉はいらへんっ! 行動で示してみぃ、行動でっ! 今、ここで……ワシと、そして場内の皆さんにっ! お前の強さというもんをっ! 行動で示してみぃやっ!」

オー! オーオー!

本田「今日のワシは絶叫調やでっ! お前のシャドルー打倒の意思を……ワシと場内の皆さんに見してみぃやっ!」

266: 名無しさん 2015/07/20(月) 22:02:53 ID:b0c9D/xw
実況「おっと、本田が絶好調宣言っ! 絶好調宣言っ! 今日の本田は絶好調だという事です!」

フェイロン「乗ってますね。さっき言おうとした……本田選手の注目する所、やっぱりここですね」


本田「さぁ、レフェリー……試合スタートじゃ……マイクをありがとう……」

ダン「……おう、しっかりやれよ!」

ディージェイ「ヘイヘイ待ってよ待ってよ……ミーもマイクアピールさせてくれよ。Mr.本田だけズルいよ!」

ダン「……もういいよ、マイクは!」


フェイロン「本田選手の負けん気の強さ……現場主義と言いますか……試合の中で、相手の力を自分自身の身をもって試していく……そういう部分がありますよね」

実況「そうですね! ベテランの壁……そういったものを感じますっ!」

フェイロン「自分を含め……若い選手のいい壁になってますよ。今日はヤムチャ選手が標的みたいですね」

267: 名無しさん 2015/07/20(月) 22:08:22 ID:b0c9D/xw
本田「……お前の出番は、もうちょい先じゃ。馬鹿たれ」グイッ

ディージェイ「……ワオっ」

本田「ホレ、コーナーに控えとれ。先発はワシじゃ!」ポイッ


実況「さぁ、ここで本田が強引に……タッグパートナーのディージェイをコーナーへと引き下がらせます! 本田はやる気に満ち溢れているっ! どうやら先発は本田だ!」

フェイロン「対する、ダルシム・ヤムチャ組は……まぁ、決まってますよね」


ダルシム(うむ。ディージェイ君にマイクは怖すぎる。本田君……いいぞ……)

ヤムチャ(なんだよなんだよ、オイ……試合前から、貫禄見せつけてくるなぁ……へへへ、本田さん……凄いじゃん……現役だよ……)ニヤニヤ


実況「おっと、おっと……ヤムチャの表情から……少し、笑みが溢れたような気がしますっ!」

フェイロン「……いや、笑ってますよ。アレ」

268: 名無しさん 2015/07/20(月) 22:13:00 ID:b0c9D/xw
ヤムチャ「誘われてるのは俺だ……ここは、おっさん……引っ込んでろ……」ササッ

ダルシム「……よし、わかった。相手はベテランだ。気をつけろよ?」


実況「どうやら、先発はヤムチャっ! ヤムチャのようだっ! ヤムチャは片手でダルシムにコーナーに引き下がってろと指示をします!」

フェイロン「誘いに乗ってきましたね。まぁ、ここで乗らないのは……ないでしょうね」


ヤムチャ「俺の力を見せつけてやるよっ……! 場内と……そしてあんた自身にな!」ビシッ

本田「ガハハ、かかってこんかいっ!」


イケー! イケー! ヤムチャー!

実況「さぁ、ヤムチャが本田を指差しますっ! どうやらこちらの先発はヤムチャっ! ヤムチャですっ!」

269: 名無しさん 2015/07/20(月) 22:19:25 ID:b0c9D/xw
ダン「よ~し、出揃ったな……!? 準備はいいなっ!?」


ワー! ワーワー!

本田「あぁ、いつでも構へんでっ! 準備完了じゃっ!」

ヤムチャ(試合前からこの声援……一人で作りやがった……ちくしょう、俺も乗り遅れねぇようにしねぇとな……!)


実況「本田とヤムチャっ! お互い笑みを浮かべながら、リング中央であいたいするっ!」


ダルシム(本田君は上昇志向が強い……半端な勝利など、彼を傷つけるだけだぞ、ヤムチャ君……)

ディージェイ(なんだよ、なんだよ……ミーだけ除け者にして……Mr.本田はそういう所がダメなんだよ……あ~あ、早くミーの出番来ないかなぁ……)


ダン「よ~しっ! それじゃあ……ゴングを鳴らせっ! ゴングをよぉっ!」


カーン


実況「さぁ、そして今戦いの鐘の音が響き渡ったぁ! 第三試合、ダルシム・ヤムチャ組対E.本田・ディージェイ組! 先ずは、ヤムチャ対本田のスタートですっ!」

271: 名無しさん 2015/07/20(月) 22:26:41 ID:b0c9D/xw
本田「さぁ、何処からでもかかって来いっ!」ガバッ


ワー! ワーワー!

実況「さぁ、ゴングと同時に本田が両腕を大きく広げますっ! 何処からでもかかって来いと言わんばかりに誘うっ!」


ヤムチャ「いってやりますよっ……! いくぜっ……!」ササッ


実況「ヤムチャもいきなり仕掛けるっ! ステップを踏みながら……本田に近づいていき……」

フェイロン「おぉ!」


ヤムチャ「……せいやああぁぁっ!」バッチーンッ

本田「……うおっと」


オー! オー!

実況「そのまま本田の胸元に打ち込んでいくっ! 強烈な逆水平チョップっ! 激しい音が響き渡るっ!」

274: 名無しさん 2015/07/20(月) 22:37:02 ID:b0c9D/xw
ヤムチャ「どうだっ……!?」

本田「う~ん……効かんかなぁ……効かん、効かん……」


実況「おぉ~っと、しかし本田は平然としている……平然としていますっ!」

フェイロン「いいチョップでしたけどね」


イケイケ! ヤムチャー!

ヤムチャ(前のディージェイ戦で本田さんは、耐えまくってたからな……それに試合序盤なのに、この盛り上がり……チョップ一発でも工夫していかなきゃいけねぇ……)ジリジリ

本田「ホレホレ、どうしたどうした!? ワシはまだ受けてやるぞぉ!?」


実況「少々、ヤムチャは距離を取るっ! 本田は余裕の表情だっ!」

276: 名無しさん 2015/07/20(月) 22:46:03 ID:b0c9D/xw
ヤムチャ「もう一丁っ……! せえやああぁぁっ!」バッチーンッ

本田「うおっと……」


オー! オー!

実況「さぁ、そして踏み込みつつ……ヤムチャがもう一撃いったぁ! 逆水平チョーップっ!」

フェイロン「上手く体重を乗せつつ打ち込んでますね」


本田(ガハハ、若い奴が工夫してるのを見るのは……面白いのぉ……)ニヤニヤ

ヤムチャ「……ニヤついてんじゃねぇぞ、この野郎っ!」

本田「……んっ?」

ヤムチャ「……ハイっ! ハイっ!」ビシビシッ


実況「おっと、張っていく張っていくっ! ヤムチャが張っていくっ! 右・左と本田をビンタで張っていくっ!」

277: 名無しさん 2015/07/20(月) 22:52:30 ID:b0c9D/xw
ヤムチャ「……ベテラン選手を」ググッ


実況「さぁ、そしてヤムチャ大きく振りかぶって……重心を移動させてっ……!」


ヤムチャ「ぶっ飛ばすっ……! せいやああぁぁっ!」バッチーンッ

本田「うおっと!」


オー! オー!

実況「三度打ち込んでいったぁ! 体重の乗せつつの……逆水平チョーップっ!」


ヤムチャ「さぁ、どうだっ……! ちったぁ、効いてきたんじゃねぇか!?」

本田「いいチョップじゃが……その程度か……? その程度じゃ、ワシは倒れはせんよ……?」

278: 名無しさん 2015/07/20(月) 22:57:30 ID:b0c9D/xw
ヤムチャー! イケイケー!

ヤムチャ「……チィ」


実況「だが、しかし本田の表情は……変わらずっ! 本田は余裕の表情でヤムチャを見つめていますっ!」

フェイロン「やっぱり、体格差が大きいですかね……? 決して、ヤムチャ選手の攻撃は悪いって訳ではないですからね」

実況「確かに、本田の体格は……ヤムチャより一回り……いや、それ以上大きいっ!」

フェイロン「体格差ってのは……大きいですからね……自分も、本田選手に比べるとね……小柄な部類ですから……」

実況「フェイロンさんも、体格差で苦労する場面なんてのはあるのですかね?」

フェイロン「僕の場合は、よくホークと組んでいますからね。ホークは大柄ですからね。こういった場面は任せる場合が多いんですよ」

実況「なる程っ! しかし、今日のヤムチャのパートナーはダルシムっ! 決して大柄とは言えません!」

279: 名無しさん 2015/07/20(月) 23:03:22 ID:b0c9D/xw
ヤムチャ「まともに打ってても、埒が明かねぇ……ここは……うおおおぉぉっ……!」ダダッ


オー! イケー!

実況「……っとぉ! ここでヤムチャはロープへと走ったっ! 走っていったぁ!」

フェイロン「そうですね。ロープの反動を利用すれば……どうでしょうか? いい判断ですね」


本田(そうじゃそうじゃ……工夫を続け、少しずつ激しい打撃を打って来い……ワシはいつまでも待っておいてやる……)

ディージェイ(も~う! いつまで、チマチマやってるんだいっ! こんなのじゃミーは出番は来ないよ! 退屈だよ! まだ入っちゃダメなのかい!?)


イケー! ヤムチャー!

ヤムチャ「あぁっ……! いってやるっ……! いってやるさっ……!」ググッ


実況「さぁ、ヤムチャがロープの反動を利用するっ! そして本田に向かっていくっ!」

281: 名無しさん 2015/07/20(月) 23:11:16 ID:b0c9D/xw
ヤムチャ「……吹っ飛ばしてやるっ! うおおおぉぉっ!」ドスッ

本田「ぶつかり稽古かぁ!? 上等上等っ! ふんがぁ!」ドスッ


実況「そしてヤムチャが真正面からぶつかっていったぁ! ショルダータックルっ!」


本田「……どぉ~すこいっ!」

ヤムチャ「う、うおっ……っと、ととととっ……!」バターンッ


実況「おぉ~っとっ! しかし、ここでも本田は耐えますっ! それどころか……仕掛けたヤムチャ跳ね飛ばされてしまいましたっ! ヤムチャはダウンしますっ!」

フェイロン「う~ん……いい感じだと思ってたんですけどねぇ……」

282: 名無しさん 2015/07/20(月) 23:16:41 ID:b0c9D/xw
ディージェイ(何をやってるんだいっ! Mr.ヤムチャっ! 君が早くMr.本田を倒さないと……いつまで経ってもミーも出番は来ないだろうっ!)バンバン

ダルシム(……む?)


実況「さぁさぁ、少々本田のリズムになってきたと言った所でしょうか?」

フェイロン「体格差を利用して……最小限の動きで攻めてますねぇ。自分の強い部分を理解していますよ、やっぱり」

実況「その辺りがベテラン選手の強みと言った所か!? さぁさぁ、コーナーでディージェイがコーナーポストを激しく叩いています! リズムを掴んできたか? ディージェも乗ってきましたっ!」


ダルシム「しっかりしろ、ヤムチャ君っ! 落ち着いていけっ! 相手をよく見るんだっ!」パチパチ

ヤムチャ「あぁっ……わかってるよ、おっさん……」ムクッ


ヤムチャー! ガンバレー!

実況「すかさず、コエプロンサイドで大きく手を叩くダルシムっ! リング内のヤムチャに声援を送っていますっ! それに応えるように……すぐ様、ヤムチャが起き上がっていきますっ!」

284: 名無しさん 2015/07/20(月) 23:22:27 ID:b0c9D/xw
ヤムチャ「強敵だな……だが、あんたを倒さねぇと……シャドルーと戦った所で、通用しねぇ……そうだろ?」ググッ

本田「……その通りっ! ようわかっとるやないかっ!」

ヤムチャ「だったら、やってやりましょうっ……! 意地でもあんたを……ダウンさせてやるぜっ! オラっ!」グイッ


実況「さぁ、ヤムチャも意地があるっ! 今度は距離を詰めて……一気に本田に組みにかかっていったぁ!」

フェイロン「切り替えてきましたね。今度は投げにいくのでしょうか?」

実況「確かに、直接投げてしまえば……ダウンは奪えますっ!」


ヤムチャ「ボディスラムでぶん投げてやるっ……いくぜっ……!」ガシッ

本田「ガハハ! 頑張るんじゃな、若造がっ!」


実況「ヤムチャは本田の股下に手を差しのばし……さぁ、ボディスラムかっ!?」

フェイロン「問題は、あの体格……投げれるでしょうか!?」

実況「ここは是が非でも持ち上げなければいけない場面っ! さぁ、ヤムチャっ! 137キロを持ち上げろっ!」

301: 名無しさん 2015/07/21(火) 22:02:14 ID:9vy3j8DU
ヤムチャ「ふんぐっ……!」ググッ


ナゲロー! ヤムチャー!

実況「さぁ、今ヤムチャが137キロの巨体を……!」


本田「ガハハ、ひ弱い小僧じゃな! どうしたどうしたっ!」

ヤムチャ「くそ、ちくしょうっ……! 持ち上がらねぇっ……!」


実況「いやっ……! 持ち上がらないっ! 持ち上がらないっ! ヤムチャは苦戦しているっ!」

フェイロン「本田選手も踏ん張っていますねぇ。そうです、あの体格ですからぇ……持ち上げるのも一苦労なんですよ……」


ヤムチャー! ガンバレー!

本田「シャドルーの糞ったれのサガットとか言う奴も、デカい奴じゃっ! ワシをその糞ったれと思うて、投げてみぃ!」

ヤムチャ「わかってるよ、この野郎っ……ふぬぬぬぬっ……!」ググッ

303: 名無しさん 2015/07/21(火) 22:12:33 ID:9vy3j8DU
実況「さぁ、ヤムチャが強引に……強引に、本田の身体を持ち上げようと、力を込めるっ!」

フェイロン「……しかし、本田選手もいつまでも待っててはくれませんよ」


本田「残~念っ! 時間切れじゃあっ!」

ヤムチャ「……んあっ?」

本田「ホ~レっ! ド~スコイっ!」バッチーンッ

ヤムチャ「……うぎゃあっ!」ガクッ


実況「おぉ~っと、ここで本田が組みにかかっているヤムチャの背中へと熱~い、張り手をお見舞いだっ! ヤムチャはガックリと膝をつきますっ!」

フェイロン「誘って……カウンター……本田選手が上手く攻めています」

実況「ベテランの風格と言った所か!? この辺り、本田は自分自身の戦い方と言うものをよくわかっているっ!」


ヤムチャ「く、くそっ……」

本田「さぁ、そろそろこっちからも攻めさせてもらおうかの……フンっ!」ググッ


実況「本田は片膝をついているヤムチャの目の前で、両腕をクロスさせて構えるっ!」

305: 名無しさん 2015/07/21(火) 22:25:22 ID:9vy3j8DU
本田「……スーパー頭突きじゃあぁいっ!」ダダッ

ヤムチャ「……うおっ!」


実況「そして、至近距離から身体をぶつけていくっ! 本田は頭から突っ込んいったぁ!」


本田「ド~スコイっ!」ズドーンッ

ヤムチャ「ど、どわあああぁぁっ!」バターンッ


実況「ここは本田のスーパー頭突きだぁっ! 頭突きなんて生易しいものではないぞっ! 137キロが、正面からヤムチャにぶつかってきたぁ!」

フェイロン「いやぁ、本当に本田選手は絶好調ですねぇ。ヤムチャ選手、苦戦してますよ」

実況「ダンプカーの激突っ! これは交通事故だっ! ヤムチャは吹っ飛ばされたぁ!」

306: 名無しさん 2015/07/21(火) 22:37:16 ID:9vy3j8DU
ディージェイ「ヘイッ! 何をやってるんだいっ! とっとと片付けろよっ!」バンバン

本田「わかっとるわいっ! ディージェイっ! そう、急かさんでもええっ!」

ディージェイ(ミーは、あんたに言ってるんじゃないよっ!)

本田「ダウンしたら、最後っ! よっしゃ~! いくでぇぇっ!」ググッ


実況「さぁさぁ、コーナーのディージェイも乗ってきましたっ! そして本田はそれに応えるように、大きく右腕を挙げたぁ!」

フェイロン「本田選手が、ゆったりとリズムを作ってきましたねぇ……」


本田(今日はワシがヒールやから、アピールはやめとこかいっ! 何でもかんでも、したらええってもんやないっ! よいしょ~っ!)ドスドス


実況「さぁさぁ、そして本田がロープへと走っていったぁ! ドスドスと足音を立てながら、ロープへと走っていったぁ!」

307: 名無しさん 2015/07/21(火) 22:43:22 ID:9vy3j8DU
ヤムチャー! シッカリシロー!

本田「お前も結局、何も出来ん奴やったようやな! お客さんも怒っとるわド阿呆がっ!」ドスドス


実況「さぁ、本田がロープの反動をつけてやってきたっ! ヤムチャに狙いを定めてやってきたぁ!」


本田「くたばれ小童っ! そぉ~れっ!」ピョンッ

ヤムチャ(……ありがとよ、本田さんっ!)


実況「そして本田はヤムチャを狙いを定め……大きく跳んだぁ!」

フェイロン「百貫落としですね」


本田「そぉ~れっ! 百貫落としィ~! ド~スコイっ!」

ヤムチャ「そいつは、前のあんたの試合で……勉強済みだっ……!」ゴロゴロ


実況「おぉ~と、しかしダウンしているヤムチャは、そのまま転がって……」

フェイロン「おっと、見ていますっ!」

308: 名無しさん 2015/07/21(火) 22:48:58 ID:9vy3j8DU
ヤムチャ「……自爆しろっ!」

本田「し、しまったっ……おっ、おおっ……あ板あああぁぁっ!」ズドーンッ


オー! オーオー!

実況「本田の百貫落としィ! しかしそこには、誰もいないっ! 本田は大きく大きく尻餅ついたぁ! ケツから落ちたぁ!」

フェイロン「自爆を誘いましたねぇ」


本田「あだだだ……ケツが……ケツが……おおおぉぉ……」

ヤムチャ(さぁさぁ、ここからバンバン仕掛けていかねぇとな……ちょっと、何も出来てない時間……長かったんじゃねぇかな……?)ムクッ


実況「そんな本田を尻目に……ヤムチャは素早く起きるっ! 起き上がってくるっ! まだまだ、スタミナ充分と言った所か!?」

フェイロン「この百貫落としを誘った部分も、多少はあったのかもしれませんね……?」

309: 名無しさん 2015/07/21(火) 22:56:17 ID:9vy3j8DU
ヤムチャ「……さぁ、ここからだっ! いくぜっ!」ダダッ

本田「……くっ!」


実況「至近距離距離からヤムチャが突っ込んだっ! 尻餅をついている本田対して突っ込んでいったっ!」


ヤムチャ「今なら踏ん張りは効かねぇだろっ……! ダウンしろっ! そらっ!」ドスッ

本田「う、うおっ……! おおっ……! ぐわあぁっ!」バターンッ


実況「そして、正面から低空のドロップキックっ! 本田の胸元……それとも顔面かっ!? 突き刺していくっ!」

フェイロン「おっと、間髪入れずに仕掛けてきますね」

実況「ヤムチャの低空ドロップキックっ! これを喰らい……本田はダーウンっ!」


ダルシム「よしよし、いいぞいいぞ。その調子だ……体格差はあるかもしらんが……スピードでは、確実に君の方が上だっ! いけっ!」パチパチ

ヤムチャ「時間はかかっちまったが……なんとか、ワンダウン……そして、ここからだっ! いくぜっ!」ググッ


実況「さぁさぁ、ヤムチャが起き上がり、拳を突き上げます! ダルシムもエプロンサイドで大きく手を叩くっ! ここから反撃に転じたいっ!」

310: 名無しさん 2015/07/21(火) 23:07:46 ID:9vy3j8DU
イケー! ヤムチャー! ホンダニ、ミセテヤレー!

ヤムチャ(……試合前の本田さんのマイクの余韻がまだ残ってんのか。派手にいかねぇと、いけねぇな。それに)


ディージェイ「いけいけいけいけ! イェイイェイイェイっ!」バンバン

ダルシム(今日はいつもに比べれば、大人しい方なんだが……煽ってくるなぁ……)


実況「ディージェイも本田に早く立ちあがれと言わんばかりに、コーナーポストを激しく叩くっ!」

フェイロン「互いのセコンド陣営も、積極的に存在をアピールしてきますね」

実況「さぁさぁ、場内がヒートアップしてきましたっ! どちらに転ぶかわからないような流れですっ!」


イケー! ヤムチャー! イケイケー!

ヤムチャ(ディージェイ……ちょっと待っててくれよ……お前とは、後でやるんだから……そこまで煽られると……俺、ちょっと辛いなぁ……)

311: 名無しさん 2015/07/21(火) 23:12:44 ID:9vy3j8DU
本田(正念場や、ヤムチャ君……勝手な事はされとるけど……それに応えるのも、ヤムチャ君の仕事やで……ワシは、いつまでも待っといたる……)

ヤムチャ(とにかく、今はこの声援を継続させる事を考えよう……ダルシムさんが出れば、きっとクールダウンしてくれるはずだ……)


イケー! ヤムチャー! セメロー!


ヤムチャ「あぁっ、いくぜっ! 攻めるぜっ! 見せるぜ、ヤングパワーっ! うおおおぉぉっ!」

本田(……来いっ!)


実況「さぁ、ここでヤムチャが雄叫びを挙げながらっ……!」


ヤムチャ「うるあああぁぁっ!」ドスッ

本田「……ぐううぅぅああぁっ!」


実況「ダウンしている本田にエルボードロップっ! 肘を落としていきますっ!」

フェイロン「おっと、ヤムチャ選手がリズムを作りに来ましたかね?」

実況「気合いの入った一撃ィ! 体重を乗せて本田に突き出していくっ!」

312: 名無しさん 2015/07/21(火) 23:18:32 ID:9vy3j8DU
本田(そうやっ! 大きい声を出せィ! それが基本やっ!)

ヤムチャ(まだ工夫は出来るはずだ……きっと、工夫は出来るはずだ……走るか……? 飛ぶか……? さぁ、どうする……?)ムクッ


実況「エルボードロップを突き刺したヤムチャっ! そして素早く起き上がってきます!」

フェイロン「本田選手相手には、いける時にいっておいた方がいいですよ」


ヤムチャ(よし、ここは走ろうっ! ロープに向かって……ん、待てよ……?)

本田(さぁ、頑張れ頑張れ、ヤムチャ君っ!)

ヤムチャ(待っててくれる本田さん……そして、この距離間……よし、いける……だから、ここは……)キョロキョロ


実況「さぁさぁ、ヤムチャは少々辺りを見回しますっ!」

フェイロン「……何か、狙ってるんですかね?」

313: 名無しさん 2015/07/21(火) 23:23:46 ID:9vy3j8DU
ヤムチャ(やってみよう! いくぜっ!)ダダッ


実況「おっと、ヤムチャはロープへと向かって走っていったっ! 今度はロープを利用しての攻撃か!?」

フェイロン「そうですね。狙ってます」


ヤムチャ「先ずは……ここだっ……!」ピョンッ


オー! オーオー!

実況「おっとおっとっ! いや……ヤムチャはロープに向かっていき……そのまま、セカンドロープへと足を掛けます!」

フェイロン「今度はロープワークを使って来ましたね!」


ヤムチャ「大丈夫か……? 大丈夫だよな……? バルログさんだって、こういう事よくやってるんだから……いち、にの……さんっ……!」ピョンッ


実況「ヤムチャはセカンドロープを踏み台にして……ジャーンプ! そして、そのまま後ろから、本田へと向かって落ちていくっ!」

315: 名無しさん 2015/07/21(火) 23:31:18 ID:9vy3j8DU
ヤムチャ「ちったぁ、派手に見えるだろっ! 三角跳びエルボードロップだっ! 喰らいなっ!」ズドーンッ

本田「……ぐ、ぐわあああぁぁっ!」


オー! イイゾイイゾ、ヤムチャー!

実況「走り込んだ勢いを殺さず……さらに、ロープ反動を利用してのエルボードロップっ! ここはヤムチャが魅せていきますっ!」

フェイロン「そうですね。体格差を埋める為には、ああいった事もしていかないといけませんね。自分も見習う必要がありそうです」


ヤムチャ(やっぱり……普通の打撃をするより……走って打つ、跳んで打つ……ロープの反動を利用した方が強くなるんだ……よしよし、わかったわかった……)

本田「ああっ……グッ、グッ……くそっ……今のは痛かった……痛かったぞ……!」ゴロゴロ


実況「これは、本田にも効いたか!? 本田は胸を押さえて苦しんでいますっ! 体格差がある二人だが、ヤムチャは俊敏さがあるっ! ヤムチャはそういった部分を利用して攻めていくっ!」

フェイロン「ヤムチャ選手が、いい感じにリズムを掴んできましたね」

346: 名無しさん 2015/07/23(木) 22:04:25 ID:mo0U0gM2
ヤムチャ「さぁさぁ、どんどん攻めていくぜっ! 身体も温まってきた事だしなっ!」パチパチ


イケイケ、ヤムチャー!

実況「さぁ、ヤムチャがリズムを掴んできたか? ヤムチャは立ち上がり、大きくその手を叩いていく! 場内を煽っていく!」

フェイロン「ええ、リズムを掴んできましたね」


ヤムチャ「よしよし、オラっ……起きやがれっ……!」ググッ

本田「……くっ!」


実況「さぁ、そしてヤムチャは……本田の身体を引き起こしていくっ!」

フェイロン「……う~ん、ここ起こしてしまいましたか」

実況「おっと、フェイロンさん? これは……いけないのでしょうか?」

フェイロン「いけない事ではないんでしょうが……スタンディングでの方が攻めやすい場面もあったりしますからね……ただ、ねぇ……?」

実況「……ただ?」

フェイロン「また、ダウンさせるのに……一苦労する事になるんじゃないですかねぇ? じっくり攻めても、よかったんじゃないですか?」

実況「なる程!」

348: 名無しさん 2015/07/23(木) 22:11:21 ID:mo0U0gM2
ヤムチャ「……いっくぜぇ! だああぁっ!」バッチーンッ

本田「……くおっ」


実況「そして、ヤムチャが張っていくっ! 本田の胸元に強烈な逆水平チョーップ!」


ヤムチャ「続けて……はいやあぁっ……!」ドスッ

本田「……ぐおっ!」ヨロッ


実況「おっと、ここで続けていったぁ! チョップを本田の胸板に打ち込んで……即座に蹴りを脇腹へと打ち込んでいくっ!」

フェイロン「おっと、いいのが突き刺さりました!」

実況「そして、本田の身体が少し揺らいだか!?」


イイゾ、イイゾー

ヤムチャ「流石にチョップだけじゃキツい事は学習したぜ……だから、今度は蹴りも混ぜていこうか……」

本田「クソったれ……やるやないかい……ええ蹴りや……」

349: 名無しさん 2015/07/23(木) 22:24:01 ID:mo0U0gM2
ヤムチャ「さぁ、いこうかっ! だああぁぁっ!」バッチーンッ

本田「……くっ!」

ヤムチャ「間髪入れずに……はいやぁ……!」ドスッ

本田「……うぐおっ!」ヨロッ


イイゾーイイゾー!

実況「ここは、蹴りを織り交ぜてヤムチャは攻めていくっ! チョップとキックのコンビネーションっ! 今度はチョップとキックのコンビネーションできたぁ!」

フェイロン「まだ、蹴り技は使ってませんでしたからね」

実況「そして本田の身体もフラついていくっ! 見間違いではないっ! これは効いているっ!」


ヤムチャ「さぁさぁ、どんどん当てていこうか……だああぁぁっ! はいやぁ!」

本田「うぐっ、くおっ……! いい攻撃じゃが……まだまだワシをダウンさせるには程遠いでぇ!」ヨロヨロ

351: 名無しさん 2015/07/23(木) 22:31:56 ID:mo0U0gM2
ヤムチャ「スパルタ教師め、この野郎……だったら……ハイっ! ハイっ!」ビシビシッ

本田「……くっ、くっ!」


実況「さぁさぁ、ここでヤムチャが張っていく張っていくっ! 右・左と本田の頬を張っていくっ!」


ヤムチャ「そしてっ……! だああぁぁっ!」バッチーンッ

本田「……くっ!」

ヤムチャ「蹴りっ……! はいやあぁっ!」ドスッ

本田「……く、くおっ! 攻撃のバリエーションが豊富な奴じゃっ!」ヨロッ


イイゾイイゾ、ヤムチャー!

実況「張り手、張り手、チョップ、キーックっ! さぁ、リズムを掴んできたか? ヤムチャっ!」

フェイロン「掴んできたんじゃないですかね?」

実況「ヤムチャが押す押す! 打撃のコンビネーションっ! コンビネーションっ! 得意の打撃攻撃で本田の鉄壁の守りを打ち崩していくっ!」

352: 名無しさん 2015/07/23(木) 22:38:51 ID:mo0U0gM2
ヤムチャ「フラついてるぜ? そろそろ、止めにしてやるよっ! ハイっ! ハイっ!」バシバシッ

本田「くっ……くっ……!」


実況「ヤムチャのラッシュは続くっ! 再び、右・左と本田の頬を張っていったぁ!」


ヤムチャ「もう一往復っ! ハイっ、ハイっ!」バシバシッ

本田「おっ……おおっ……!」


実況「おっと! ヤムチャはまだ続けるっ! ビンタビンタビンタビンタァ! 本田の頬を張っていく張っていくっ!」


ヤムチャ「そして……突き出すっ……! ハイっ、ハイっ!」ドスドスッ

本田「おっ……おおっ……!?」


実況「大きく腕を振りかぶり、ヤムチャがリズムよく張っていくっ! おっと、そしてヤムチャは腕を突き出すように、本田の身体を張っていくっ!」

353: 名無しさん 2015/07/23(木) 22:51:46 ID:mo0U0gM2
ヤムチャ「ハイっ、ハイっ! ハイっ、ハイっ!」ドスドスッ

本田「くっ……くおおっ……」


オー! オーオー!

実況「ヤムチャが突き出す突き出す突き出すっ! 掌底のような突きを連続で突き出していくっ! これはこれはこれはっ!?」

フェイロン「……ベテランの本田選手を手玉にとってますねぇ」


ヤムチャ「どすこいどすこいどすこいどすこぉいっ!」ドスドスッ

本田「う、うおっ……おぐっ……!」


オー! オーオー!

実況「コイツは……ねぇ!? コレは、突っ張り攻撃ではないでしょうか!? フェイロンさん!?」

フェイロン「本田選手に相手にね、突っ張り攻撃を出してきましたよ。攻めてますねぇ」

354: 名無しさん 2015/07/23(木) 22:58:15 ID:mo0U0gM2
イイゾー! ヤムチャー! オセオセー!

ヤムチャ「どすこいどすこい、のこったのこったっ! どすこいどすこぉいっ!」ドスドスッ

本田(打て打て張れ張れっ……! ええぞ、ええぞっ……! ワシと違って、ヤムチャ君が使えば相撲も輝くっ……!)


実況「敢えて……敢えてですっ! ヤムチャは本田の土俵に乗っていきますっ! 突っ張り攻撃っ! ここで連続で突っ張っていくっ!」

フェイロン「いやぁ、この試合……ヤムチャ選手がコントロールしてますねぇ」


ヤムチャ「……どぉ~すこいっ!」ドスッ

本田「……くおっ!」ヨロッ

ヤムチャ「そして、胸元に打ち込むっ……! だああぁぁっ!」バッチーンッ

本田「……あ痛あああぁぁっ!」


実況「ビンタビンタ、突っ張り突っ張り突っ張りィ! ヤムチャがラッシュを仕掛けてきたぁ! そしてここで胸元に振りかぶって、逆水平チョーップっ! 激しい音が響き渡ったぁ!」

355: 名無しさん 2015/07/23(木) 23:06:23 ID:mo0U0gM2
ヤムチャ「そして、脇腹っ! だああぁぁっ!」ドスッ

本田「……ぐおっ!」ヨロッ


実況「更に脇腹へとミドルキーックっ! 突き刺していくっ! 本田はフラついたか!?」

フェイロン「結構連続でいってますからねぇ……流石に効いてるでしょう!」


ヤムチャ「まだ、倒れねぇのか……タフな野郎だ……だがっ……!」ググッ

本田「……んっ?」


実況「そしてヤムチャは、フラついた本田の目の前でググっと身体を沈めるっ!」


ヤムチャ「足を払えばお終いだっ! はいやあああぁぁっ!」クルッ

本田「おっ、おおっ……!」ドテーンッ


実況「そのまま回転しつつ……本田の足を払っていったぁ! ヤムチャの水面蹴りィ! 本田の足をすくったぁ!」

フェイロン「流れるような、コンビネーションですねぇ」

実況「足を払われ、本田はダウンっ! 本田はダーウンっ! ヤムチャが鉄壁の牙城を崩したぁ!」

357: 名無しさん 2015/07/23(木) 23:11:17 ID:mo0U0gM2
ワー! ワーワー!

実況「さぁ、場内の声も大きくなってきましたっ! これは完全にヤムチャのムードだっ!」

フェイロン「ここで、正面から本田選手のダウンを取れたのは大きいですね。どうなるかと思っていましたが、杞憂でしたよ。上手く攻めてます」


イイゾー! ヤムチャー! ホンダニ、カッテルゾー!

ヤムチャ(ダウンを取っただけで……いい感じに盛り上がってる……だが、これは俺の力じゃねぇ……)

本田(いい感じや……ヤムチャ君の工夫の成果が、見てもらえとる……)

ヤムチャ(本田さんが、そういう試合を作ってくれてるんだ……第三試合の戦い方……戦いながら、わかってきたぞ……)


ダルシム(うむ。いい流れで進んでいる……ヤムチャ君も本田君も……それにディージェイ君も大人しい……)

ディージェイ(早くやっつけてよ、Mr.ヤムチャ! ミーはそろそろ、我慢の限界だよ!)イライラ


ヤムチャ(ダウンさせるという貯金は、もう使っちまった……だが、投げるという貯金は……まだ残っているぜっ……! 使い所を間違えない事……それがポイントだっ!)

本田(ワシ相手に狼牙風風拳……ウルフバスターは勿体無さすぎるでぇ……しっかり、考えながら戦いやぁ! ヤムチャ君!)

358: 名無しさん 2015/07/23(木) 23:19:55 ID:mo0U0gM2
ヤムチャ「どうだ、見たかっ! 正面からダウンさせてやったぜっ!」ググッ


イイゾイイゾ、ヤムチャー!

実況「さぁ、ヤムチャがググッと右腕を突き上げますっ! 乗ってきましたっ! 実に乗ってきましたっ!」

フェイロン「そうですね。正面からいけましたからね」


ヤムチャ「だけど、こんなもんじゃ終わらねぇぜ……まだまだいくっ! ヘイヘイヘイっ!」パチパチ


イケイケー! イケイケー!

実況「乗ってきた! 乗ってきた! ヤムチャは大きく手を叩き、積極的に場内煽っていくっ! いい流れで試合を進めていこうと考えているっ!」


ヤムチャ「さぁ、まだまだいこうかっ……! ロープの反動……利用させてもらいますかね……! うおおぉぉっ!」ダダッ


実況「さぁ、ヤムチャは辺りを見回し……ここでロープへと走ったっ!」


本田「……フン」ガシッ

ヤムチャ「……ん?」

360: 名無しさん 2015/07/23(木) 23:30:11 ID:mo0U0gM2
本田「何処へ行く……? 今日のワシは絶好調と言うたやろが……? キッチリ止めを刺していかんかいな……」

ヤムチャ「おっ……! ちょっと、待て……! こんなタイミングで足を掴まれたら……う、うおおっ……!」ドテーンッ


ザワ……ザワ……

実況「おっとおっとおっと! ヤムチャが……こけた……? おぉ~っと、ヤムチャが正面からマットへと倒れましたっ! 足でも滑ったか!?」

フェイロン「あ~っと……本田選手が、足を掴んでいますねぇ」


ヤムチャ「痛ぇ……ちくしょう、なんだよ……顔面から、いっちまったじゃねぇか……」

本田「あたたたた。バシバシ打ち込みよって……痛かったのぉ……コレが精一杯や……」ムクッ


実況「おぉ~っと、ヤムチャは顔面を押さえて苦しんでいるっ! 顔からいったか!? ここは、本田も一筋縄ではいかないっ!」

フェイロン「ちょっとねぇ……ヤムチャ選手のアピールが多かったような気がするんですよ。ここは、即座に行くべきだったかもしれませんね?」

実況「苦しんでいるヤムチャを尻目に……本田はゆっくりと起き上がりますっ! ダメージはまだ残っていると、思いたいのですが……」

フェイロン「残ってるとは、思うんですど……まぁ、タフですね……」

382: 名無しさん 2015/07/24(金) 22:00:17 ID:oJzeQvnY
本田「そろそろワシも攻めていかんと、アカンなぁ! よっしゃ~!」ググッ

ヤムチャ「あたたっ……ち、ちくしょう……!」


実況「う~ん……ここで本田が両腕を突き上げてアピールしていくっ! タフですっ! あれだけ打たれたのに効いていないのかっ!? そして、ヤムチャはダウンしたまま顔を抑えて苦しんでいるっ!」


本田「今度は……ぶち当ててみせるっ……! よっこいしょ~!」ドスドス


実況「本田はそんなヤムチャを尻目に、ドスドスと足音を立てながらロープへと走ったぁ!」


ヤムチャー! キテルゾー!

ヤムチャ「くっ……来るかっ……!?」

本田「しぃ~っかり、狙いを定めて……ほな、いくでええぇぇっ……!」ピョンッ


実況「本田がロープの反動を利用をして勢いをつけてきたぁ! そして、ヤムチャに近づいていき……高く飛んだああぁぁ!」

383: 名無しさん 2015/07/24(金) 22:07:14 ID:oJzeQvnY
ヤムチャー! ニゲロー!

本田「そ~れっ! 百貫落としじゃあぁ!」

ヤムチャ「くっ……逃げねぇと……! くそ、間に合えっ……!」ピョンッ


実況「そして繰り出す、百貫落としィ! 本田がヤムチャの上から降ってくるっ!」

フェイロン「あっ、いやっ!」


オー! オーオー!

本田「うぐうおおっ……! くそっ、ちょこまかちょこまか……」ズドーンッ

ヤムチャ「はぁ……はぁ……くそ、油断したらすぐに打ってきやがる……ダウンし続けているのは危険だっ……!」


実況「おぉ~っとっ、いやっ! ここもヤムチャは避けていくっ! うつ伏せのまま、そのまま前方に飛び込んでなんとか避けていきますっ!」

フェイロン「ギリギリでしたねぇ。でも、よく見ています」

384: 名無しさん 2015/07/24(金) 22:17:49 ID:oJzeQvnY
本田「くそったれっ……! ま~た、避けられてしもうたわっ……!」ギロリ

ヤムチャ「あんたの注意するべき技はそれだ……それは、前に教えてもらったからな……予習は出来ているんだよっ……!」ムクッ


実況「百貫落としはまたもや自爆ゥ! 本田が悔しそうな表情でヤムチャを睨みますっ!」

フェイロン「本田選手のキツい技はアレですからね。ヤムチャ選手、対策は出来てますね。ダウンしているのは危ないです。百貫落としが飛んできますからね」

実況「ヤムチャもその事は重々承知しているのかぁ!? ここは、すかさず立ち上がってきますっ!」


ヤムチャ「もう一度ダウンしてろっ……! いくぜぇ!」ダダッ

本田「……来るかっ!」


実況「さぁ、そしてヤムチャは……自爆した本田に対して、間髪入れずに突っ込んでいったぁ!」

386: 名無しさん 2015/07/24(金) 22:25:28 ID:oJzeQvnY
ヤムチャ「ダウンしろっ! そぉらっ!」ドスッ

本田「……見切ったぁ! 二度目はないでぇ!」ガシッ


実況「そしてそのまま正面から、低空のドロップキックを本田にぶちかますっ!」

フェイロン「あっ、いやっ……!」


ヤムチャ「な、何っ……!?」ドテッ

本田「素早い攻撃で間髪入れずに来ると思てたでぇ……? 自分を知っとるな……」


実況「おぉ~っと! ここで本田はブロックっ! ヤムチャの攻撃をブロックしましたっ!」

フェイロン「本田選手もよく見てますよ、はい」


本田「せやけど……二度目はない……! そろそろワシも攻めていかんとなぁ……?」ムクッ

ヤムチャ「くっ、ダウンしてるのは、マズい……! 立たねぇとっ……!」


実況「さぁ、そして本田がゆっくりと今起き上がるっ! 慌ててヤムチャも立ち上がってくるっ!」

387: 名無しさん 2015/07/24(金) 22:34:27 ID:oJzeQvnY
本田「……一手遅いっ! そらっ、掴まえたでっ!」ガシッ

ヤムチャ「くおっ……!」


実況「おっと、間髪入れずに本田を距離を詰め……そしてヤムチャを掴みにかかったぁ!」


本田「鯖折りじゃいっ……! うおおぉぉっ……だああぁぁ!」ググッ

ヤムチャ「う、うわあああぁぁっ……!」


実況「ヤムチャの胴回りを掴み、更にその身体を抱えあげていくっ! そして胴回りを締め付けていくっ!」

フェイロン「掴まっちゃいましたねぇ」

実況「ここはベアハッグっ! 本田がベアハッグを仕掛けていくっ! ヤムチャの腰回りにダメージを与えにいったぁ!」

388: 名無しさん 2015/07/24(金) 22:41:10 ID:oJzeQvnY
ヤムチャー! シッカリー!

ディージェイ「ようやく、ミーの出番だよっ! 待ちくたびれたよ、全くもうっ……!」ピョンッ


ザワ……ザワ……

実況「さぁ、ヤムチャが本田に掴まったっ! ここは脱出……おっとおっとおっと!?」

フェイロン「あっと、ディージェイ選手が……来ましたねぇ……」


ディージェイ「ようやくファンキーな時間が始まるよっ! いくよ、イヤッホオオォォッ!」ダダッ


実況「トップロープを飛び越えてリングインしたディージェイは……そのまま突っ込んでいったぁ!」

フェイロン「おっと、これは……これは、分断作戦でしょうかね?」

390: 名無しさん 2015/07/24(金) 22:48:56 ID:oJzeQvnY
ダルシム「くっ……! しまった、出遅れたっ……!」

ディージェイ「ファンキーなビートが全然足りないよっ! ミーが作ってあげないとね! よっとっ!」ピタッ


実況「ここは、本田・ディージェイ組! 分断作戦を仕掛けてきたぁ! ディージェイはエプロンサイドのダルシムに向かっていき……おっと……?」

フェイロン「……攻撃はしない? けん制だけですかね?」

実況「ディージェイはダルシムの正面でピタリとストップっ!」


ディージェイ「ファンキーにいくよ~! フン、フン」ルンダルンダ

ダルシム(君は何をしに来たっ! 私に攻撃をしに来たのだろう!?)


実況「ディージェイは……ダルシムの目の前で、見せつけるかのように、軽やかなステップを踏んでいきます!」

フェイロン「ム、ムーンウォークってダンスですね。踊るのが好きなんでしょうね、彼は」

393: 名無しさん 2015/07/24(金) 22:56:19 ID:oJzeQvnY
ディージェイ「……イヤッホウゥ!」クルリ

ダルシム(早くしてくれっ……! ディージェイ君……!)


実況「さぁ、そしてそのままクルリと一回転のターンっ! これは、けん制でしょうね」

フェイロン「……そうでしょうねぇ」


ディージェイ「……ヘーイっ!」バシッ

ダルシム「うっ……ぐおっ……!」


実況「……と、思ったらここで蹴りを繰り出して来たぁ! ターンしつつの回し蹴りっ! ダルシムに当てていきますっ!」

フェイロン「ダンスはフェイクだったんでしょうかねぇ?」

実況「無駄に洗練された無駄の無い無駄な動きっ! ここは分断作戦成功っ! ディージェイはダルシムの虚をつくキーックっ! これにはダルシムもエプロンサイドから、場外へと落下します!」

397: 名無しさん 2015/07/24(金) 23:03:53 ID:oJzeQvnY
ディージェイ「イヤッホウゥ!」ルンダルンダ


実況「ダルシムを蹴散らし、コーナー付近で満足気に再びダンスを始めるディージェイっ!」

フェイロン「え~……まぁ、今はディージェイ選手より、本田選手とヤムチャ選手です……よね……?」


本田(ホンマ……無駄の多い奴やのう……あいつは……)

ヤムチャ(ディージェイ、ディージェイ……後でガッツリ戦ってやるからな……? とりあえず、今は帰れ……大人しく控えてくれよ……頼むっ……!)


実況「分断作戦によって、ダルシムの救出は望めそうにもない場面っ! つまり、ここはヤムチャが自力でなんとかするしかない場面っ! さぁ、ヤムチャ抜け出せるか!?」

フェイロン「本田選手にガッツリ掴まってますからねぇ……しかし、ここをどう切り返してくるかも、ある意味見ものじゃないですかねぇ? 本田選手もそういう所を試しているのではないですか?」

398: 名無しさん 2015/07/24(金) 23:10:12 ID:oJzeQvnY
本田「さぁ、ジワジワといこかいっ……! 逃げれるもんなら、逃げてみぃやっ!」ググッ

ヤムチャ「あ、あががががっ……く、くそっ……離せっ……! 離しやがれっ……!」ガシガシ


実況「本田のベアハッグに捕らえられ、ジワリジワリとその体力を削られていくヤムチャっ! ここはなんとか脱出しようと……本田の背中辺りに攻撃を仕掛けていくっ!」

フェイロン「……これは、有効打とは思いません」


本田「力が篭っとらんでぇ! まぁ、締め付けられとるから、しゃあないっ! ホレ、もっと強くいくでぇっ! うおおぉぉっ!」ググッ

ヤムチャ「あっ……! ガガっ……あがががっ……!」


実況「確かに対して本田にがダメージは与えられていないようだっ! そして、本田はより一層力を込めてヤムチャを締め上げていくっ! おっと、ヤムチャが激しく苦しむっ! 腕の動きが止まってしまったぁ!」

フェイロン「ここで動きを止めてしまうのも……尚更不味いような気もしますがねぇ……?」

399: 名無しさん 2015/07/24(金) 23:15:58 ID:oJzeQvnY
ヤムチャー! ガンバレー!

ダン「オイっ、どうする、ヤムチャっ! ギブか!? ギブアップか!?」

ヤムチャ「ノーだ、ノー、ノーっ! 俺の力はこんなもんじゃねぇよっ……!」フルフル

本田「ええ根性やっ! その根性が何処までのもんか、試したるっ! ふるああぁぁっ!」ググッ

ヤムチャ「あがががっ……! くそ、くそっ……! ちくしょうっ……!」


ヤムチャー! ヤムチャー!

実況「今、レフェリーがヤムチャは確認を取りますが、ヤムチャは力強くその首を振るっ! 俺は負けないっ! そんなヤムチャの想いが伝わってくるようだ!」

フェイロン「さぁ、どうするか……?」

実況「さぁ、場内の声援もヤムチャを後押しをするっ! ダルシムの救出は、少しばかり厳しいっ! ヤムチャ、ここは自力でなんとかしたい場面っ!」


ヤムチャー! ガンバレー!

ディージェイ(なんで、Mr.ヤムチャコールなの……? ねぇねぇ、ミーはこんなにファンキーなダンスを踊ってるんだよ? ミーを褒めてよ、ミーを)ルンダルンダ

434: 名無しさん 2015/07/25(土) 21:59:53 ID:/nhoek.M
ヤムチャー! ヤムチャー!

本田「ほ~れっ、どうしたぁ!? 逃げられへんのか、小僧っ!」ググッ

ヤムチャ「あがががっ……! く、くそっ……!」


実況「少々掴まっている時間も長くなってきたかっ!? ヤムチャはリング中央付近で本田に締め上げられているっ!」

フェイロン「こうなってくると……腰辺りへのダメージも心配になってきますねぇ……」


ディージェイ(そうか、Mr.ヤムチャ達はリングの中央にいるもんね……だから、ミーへの声援がないんだね? ミーったら、うっかりうっかり……そうだよ、主役は……)スッ


実況「さぁ、ここで……おっと、コーナー付近のディージェイが踊りを止めて本田とヤムチャに近づいていくっ! ここは連携攻撃か!?」

フェイロン「……そうでしょうかねぇ?」

435: 名無しさん 2015/07/25(土) 22:10:38 ID:/nhoek.M
ダン(……嫌な予感がする)

本田(大人し出来ん奴やのぉ……何をしとんのや、コイツは……)

ヤムチャ(頼むぞっ……頼むぞ、ディージェイ……!? この後もあるんだからな!? 頼むから、しっかりしてくれよっ!?)

ディージェイ「こっちだ……こっち……ヘイヘイ……」スッ


実況「さぁ、ディージェイはヤムチャをベアハッグで捉えている本田の隣に……いや、おっと! ここは素通りっ! ディージェイは本田の隣を素通りします!」

フェイロン「……連携攻撃じゃないんですかね?」


ディージェイ「イェーイっ! ファンキーなビートを刻んでいくよっ!」ルンダルンダ


ダン(……やっちまった)

本田(あぁ、もう……コイツは……ホンマに……)

ヤムチャ(ディージェイっ……! ディージェイっ……! それ、違うっ! その行動違うっ! ディージェイっ……! バカっ……!)


実況「おっと、ここでディージェイは……どうやら、ダンスの場所をリング中央に移したようだっ! リング中央で激しく踊るディージェイっ! 乗っていますっ! 実に乗っていますっ!」

フェイロン「……え、ええ。そうですね」

436: 名無しさん 2015/07/25(土) 22:19:20 ID:/nhoek.M
ダルシム(くっ、また余計な行動をして……対した行動ではないが……それが逆に不味いっ!)


ヤムチャ(どうするよ……? また、何かズレた事を考えているのかっ……!? 俺は、どうしようもねぇぞ、コレ……!)

本田(……ウザったいのぉ、ホンマ。またしゃしゃり出てきよったわ)


ダルシム(本田君は、ヤムチャ君にベアハッグを仕掛けている……二人の攻防は続いている……ここで、ディージェイ君に構ってる暇は……おそらく、ないだろうな……)


ディージェイ「ヘイヘイっ! ファンキーなリズムを見せるよっ!」ルンダルンダ

ダン(あ~、くそ……どうする……? 俺が止めるか……?)


ダルシム(これが、反則行動ならダン君も制する事は出来るが……ただ、踊っているだけだ! 邪魔だが……反則ではないっ……! ダン君がそこまで出る場面でもない気がするっ……!)


実況「さぁ、リング中央で踊る踊るディージェイっ! 乗っていますっ! フェイロンさん……この行動は、どういった意味があるんでしょうか!?」

フェイロン「……えっ!?」


ダルシム(ここは、私もリングに入り……ディージェイ君を止め、本田君のカットに入る……しかし、そうなると展開が変わってくるなぁ……くそっ、行くか……? それとも……)

443: 名無しさん 2015/07/25(土) 22:26:58 ID:/nhoek.M
ディージェイ「ヘイヘイ、ヘイヘイっ! ファンキー、ファンキーっ!」ルンダルンダ

ヤムチャ(自分が目立つ事ばかり考えてんじゃねぇよっ……! この大馬鹿野郎っ……!)


ヤムチャー! シッカリシロー!

実況「おっと、やはりフェイロンさんもディージェイの読めない……と言った所でしょうか? 失礼しました!」

フェイロン「あ~、いえいえ……え~っと……う~ん……まぁ、考えられるとしたら……」


ディージェイ「アッ、ンッ~。イエーイっ!」ルンダルンダ

ヤムチャ(おっと、いけねぇ……こういう考えはダメなんだった。アレは、アイツなりに盛り上げようと頑張ってくれてるんだな……何かズレてるけど……アイツには、怒りの感情じゃなくて……信頼の感情で接しないといけねぇんだった……)


ヤムチャー! ヤムチャー!

実況「……考えられるとすれば?」

フェイロン「挑発……ですかね……? ヤムチャ選手が、本田選手の攻撃から抜け出せない事を……何処かで確信してるんではないでしょうかねぇ?」

実況「なる程!」

449: 名無しさん 2015/07/25(土) 22:39:23 ID:/nhoek.M
本田「ふんがああぁぁっ!」ググッ

ヤムチャ「あががががっ……!」

ディージェイ「イエーイっ! ファンキーに踊るよ~!」ルンダルンダ


実況「これは勝利を確信しての舞……なる程、そういう事ですね!?」

フェイロン「少なくとも、ディージェイ選手はそう思っているんではないでしょうかね? しかし、自分はそうは思いません」

実況「……それはまた、どうして?」

フェイロン「ヤムチャ選手には……自分と同じ、熱きハート感じるからです」


ヤ・ム・チャ! ヤ・ム・チャ!

ヤムチャ(おいおいおい……ヤムチャコールが起きちまったぞ……おいおいおい……んっ……?)


実況「どうやら、場内もフェイロンさんと同じ気持ちのようですかねぇ!? ここで、ヤムチャコールが起きるっ! ヤムチャがここで終わらない事を皆が皆望んでいるっ!」

フェイロン「本田選手も……ここで、ヤムチャ選手があっさり終わったら、ガッカリしちゃうんじゃないですかねぇ?」

451: 名無しさん 2015/07/25(土) 22:48:02 ID:MEJph9vg
ヤ・ム・チャ! ヤ・ム・チャ!

ディージェイ(だから、なぁ~んでMr.ヤムチャコールなんだよっ! ミーこんなにファンキーなダンスを踊っているんだよ!)ルンダルンダ

ヤムチャ(そうか……コイツ……煽っててくれたんだな……? ダンスで挑発して……ここでヤムチャコール起きるように煽っててくれてるんだな……! お前は、そういうつもりでやってるんだろ、ディージェイっ!?)

ディージェイ(何故だ、どうしてだっ! 皆、ミュージックセンスが足りないんじゃないか!? 誰も、ミーの事を見ていないっ!)


本田(ワシが動くしかないようやな……しゃあない……ここは攻撃を中断して……)

ヤムチャ「ディージェイっ……! ディージェイっ……! オイ、オイっ……!」

本田(……ん?)

ディージェイ(……ん?)

ヤムチャ「ナイスダンスっ! ナイスダンスっ! いいぞ、いいぞっ! ありがとありがとなっ……!」

ディージェイ(ワオっ! Mr.ヤムチャは見ててくれたのかっ!)

ヤムチャ「でも、お前の出番は……もうちょっと先だろっ!? ダンスはもういいから……もう充分だっ! お前のおかげでファンキーになったぜっ!」

本田(……ヤムチャ君、何を言うとんねや?)

455: 名無しさん 2015/07/25(土) 22:58:27 ID:/nhoek.M
ディージェイ「そうだろ? ミーのお陰でファンキーになっただろ? そうだよそうだよ! やぁ~っぱり、ミーの行動は正しいんだよねぇ?」

ヤムチャ「試合中、敵とお喋りしてんじゃねぇよ……! 後で俺と戦うんだろ……!? だったら、その時の為にスタミナ温存しておけよっ! 俺は強ぇぞ!?」

ディージェイ「お~う、確かにMr.ヤムチャは強い……だが、ミーだって負けては……」

ヤムチャ「下がっておいてくれっ……! 疲れてるお前倒しても、面白くねぇんだよっ!」

ディージェイ「お~う、Mr.ヤムチャがそこまでミーとのバトルを楽しみにしてるだなんてねぇ……わかったわかった……わかったよ……ここは下がってあげようじゃないか……」スッ


ヤ・ム・チャ! ヤ・ム・チャ!

実況「さぁ、ヤムチャコールが巻き起こる巻き起こるっ! そしてヤムチャもそのコールに応えるっ! 本田に捉えられながらも……ディージェイに向かって吠えていますねぇ!?」

フェイロン「『勝ち誇ってるんじゃねぇよ!』とか言ってるんですかねぇ? 自分もそう言いますっ!」

実況「しかし、余裕の笑みでそれを受け流しつつ、自軍コーナーへと引き下がっていくディージェイっ! ヤムチャの敵は本田だけではないっ!」

457: 名無しさん 2015/07/25(土) 23:07:30 ID:/nhoek.M
ダン(コイツ……手懐けやがった、ディージェイの野郎を……!)

ヤムチャ「よしっ……これで大丈夫っ……! 本田さん、続きを始めましょうっ……!」ボソッ

本田「……お、おうっ!」


ヤ・ム・チャ! ヤ・ム・チャ!

実況「さぁさぁ、ディージェイの挑発行為は終わったが……ここは、ヤムチャっ! 以前苦しい場面っ!」

フェイロン「そうですねぇ、なんとか逃げ出していかないと……スタミナが削られていくだけですからね。結構ここまで、削られています」


ヤムチャ「うおおおぉぉっ……! 負けねぇぞ、おらああぁぁっ!」

本田(感心しとる場合ではないっ……! ワシも切り替えていこうっ!)

ヤムチャ「離せっ……! オラっ……! 離しやがれ、この野郎っ……! オラっ……!」ガスガス


実況「そして、ヤムチャが叫んだっ! 大声を出し、気合い入れてっ! 本田の背中付近へと打っていく打っていくっ! 我武者羅に脱出を試みるっ!」

フェイロン「体格差を打ち崩していきたいですねぇ」

459: 名無しさん 2015/07/25(土) 23:15:07 ID:/nhoek.M
ヤムチャ「うおおおぉぉっ……! 離せっ……! 離せこの野郎っ……! オラオラっ!」ガスガス

本田「う、うおっと……! コイツ、急に元気になりおったわい……!」


ニゲロー! ヤムチャー!

実況「身体を左右に振りっ! もがきっ! そして打ち込んでいくっ! ヤムチャが強引いくっ! 強引に脱出を試みているっ!」

フェイロン「強引にいってます。さぁ、どうでしょうか?」

実況「鯖は折れないっ! 熊は凶暴っ! この鯖は一筋縄ではいかないっ! 陸地で大暴れっ! この熊は優しくないっ! 人との抱擁を全力で拒んでいくっ!」


イケイケ、ヤムチャー! オセオセ、ヤムチャー!

ヤムチャ「いつまでも、大人しくやられてると思うなよっ……! オラオラオラオラっ……!」ガスガス

本田「見上げた根性やっ……! 締められながらも、よう頑張るやないかっ!」

461: 名無しさん 2015/07/25(土) 23:19:48 ID:/nhoek.M
本田「……だがっ!」ブンッ

ヤムチャ「んっ……? おぉっ……!」


実況「おぉ~っと、しかし……本田はヤムチャの身体を抱き抱えたまま、身体を捻らせてっ……!」

フェイロン「……強いですねぇ」


本田「あまり打たれ続けるのも、よかないわっ! ここは一旦、投げさせてもらおか! そおおおぉぉらっ!」ドシーンッ

ヤムチャ「ガッ……ぐわあああぁぁ……!」


実況「そのまま、ヤムチャをスイングさせて後方へと投げていくっ! ここはスロイダーっ! 暴れるヤムチャを、本田がスロイダーで切り返してきましたっ!」

フェイロン「まぁ、ヤムチャ選手も脱出を試みたんですけどね……本田選手も、その場合に備えて用意していたんでしょうね」

462: 名無しさん 2015/07/25(土) 23:24:41 ID:/nhoek.M
ヤムチャ「くっ、くそっ……脱出試みたらコレだよ……用意してやがったな、ちくしょう……」

本田「ワシの鯖折りを喰らって、ギブアップせんかった事は、とりあえず褒めたる……さぁさぁ、まだまだいこか……」ムクッ


実況「後方に投げ飛ばされて……ヤムチャは、大きくダウンしますっ! そして、そんなヤムチャを尻目に本田が立ち上がってくるっ!」

フェイロン「本田選手は、この辺りのリズムの作り方が上手いんですよ」


ヤムチャ「ダウンしてるのは、マズい……振ってきやがる……立て、立たねぇと……」

本田「百貫落としをしたい場面じゃが……二回避けられとるからなぁ……ここは、堅実にいこか……」ズンッ


実況「さぁ、本田はそのままゆっくりとダウンしているヤムチャに近づいていきます」

463: 名無しさん 2015/07/25(土) 23:30:58 ID:/nhoek.M
本田「……フンっ」ドスッ

ヤムチャ「……アガっ!」


実況「おぉ~っと、そして本田をヤムチャの腹部を踏みつけて……!」


本田「よっこいしょ~っと」ググッ

ヤムチャ「あ、ががががっ……!」


実況「ヤムチャを踏みつけつつ、その身体を跨いでいくっ! 137キロの体重がヤムチャの腹部にのし掛かってきたぁ! コイツは苦しいっ!」


本田「デカいレスラーは体格が武器や……皆、こういう技を使うんや……今日はワシも本気や……容赦はせんでぇ?」

ヤムチャ「あっ……ガッ……ゴ、ゴホっ……!」


ディージェイ(……な~んて、地味な技なんだ。ファンキーじゃないよっ!)


実況「137キロの体重が、ヤムチャの腹部に一点集中っ! これは苦しい苦しいっ! ヤムチャはかなり苦しんでいますっ!」

フェイロン「最小限の動きで、最大限のダメージ……ここは体格を生かしてきましたねぇ。地味ですが、非常に強い技です」

505: 名無しさん 2015/07/27(月) 22:01:37 ID:Xor9rMpw
本田「そぉ~れ、もう一往復じゃ!」ググッ

ヤムチャ「ガッ……ゴホっ……あががっ……!」


実況「さぁ、踏みつけヤムチャの身体を跨いだ本田は……おっと、もう一往復っ! 再び踏みつけていきますっ!」

フェイロン「苦しい場面ですね」


ヤムチャー! シッカリシロー!

ディージェイ「ヘイヘイ、Mr.本田っ! ファンキーにいこうよ、ファンキーにっ! ねぇねぇ!?」バンバン


実況「さぁ、自軍エプロンサイドにいるディージェイも乗って来ているっ! コーナーポストをバンバンと叩き、本田に声援を送っているっ!」

フェイロン「……というか、ディージェイ選手はずっと乗ってますよね」

507: 名無しさん 2015/07/27(月) 22:10:22 ID:Xor9rMpw
本田「ホンマにジッとしてる事の出来ん奴じゃのう……わかっとるわ、こんな攻撃いつまでも続けんわ! ホレ、起きぃ!」ググッ

ヤムチャ「ゴ、ゴホっ……! ぐっ……!」


実況「さぁ、そして本田がヤムチャの身体を引き起こしていくっ! 本田がリズムを作ってきたっ! じっくりじっくりとヤムチャを攻め立てるっ!」


本田「突き出し……いくぞおおぉぉ~!」ググッ

ヤムチャ「……くっ!」


オー、オーオー

実況「本田はヤムチャの目の前でググッと拳を突き上げたっ!」


本田「そ~れっ! どすこぉ~いっ!」バッチーンッ

ヤムチャ「……ぐっ!」


実況「そして打ち込んでいくっ! 得意の張り手攻撃っ! ヤムチャの顔面へと打ち込んでいったぁ!」

508: 名無しさん 2015/07/27(月) 22:19:40 ID:Xor9rMpw
本田「もう一丁っ! そぉ~れ、どすこ~いっ!」バッチーンッ

ヤムチャ「……ぐおっ!」ヨロッ


実況「本田は歩みを進めながら、もう一発っ! 大振りの張り手をヤムチャの顔面へと打ち込んでいったぁ!」


本田「ど~すこいっ! ど~すこいっ! それ、どぉ~すこいっ!」ドスドス

ヤムチャ「ぐっ……くっ……」ヨロヨロ


実況「突っ張った突っ張ったっ! 本田が突っ張ったぁっ! 力強い張り手の連続攻撃っ! 大振りの張り手を連続でヤムチャに放ち……ヤムチャの身体を押し込んでいくっ! どんどんと押し込んでいくっ!」

フェイロン「一撃一撃が重いですね。これは辛いです」


オー、オーオー

ディージェイ(さっきよりかは、マシになってきたね。ミーのアドバイスが効いたかな? でも、Mr.本田はスローリズムだね。バラードやってるんじゃないんだから)

509: 名無しさん 2015/07/27(月) 22:32:56 ID:Xor9rMpw
本田「こ~れで、とどめじゃっ! ホレ、どぉ~すこいっ!」バッチーンッ

ヤムチャ「……ぐあっ!」ドスッ


ヤムチャー! シッカリシロー、ヤムチャー!

実況「さぁさぁ、本田が押しやったっ! 張り手の連続攻撃っ! 得意の突き出しで、ヤムチャをコーナーサイドまで押しやったぁ!」


本田「さぁ、そこならもう逃げ場はないっ……! さぁ、後は……」クルッ

ヤムチャ「くそっ……リズムが掴めねぇっ……!」


実況「そして、本田はヤムチャの目の前でクルリと身体を反転させて……」


本田「勢いつけて、突っ込ませてもらおかいっ……! よいしょ~っ!」ドスドス


実況「対角線コーナーまでへと走りますっ! 巨体を揺らして本田が走る走るっ!」

フェイロン「あそこから、突っ込んでいく気ですね」

511: 名無しさん 2015/07/27(月) 22:44:11 ID:Xor9rMpw
ダルシム「流れを変えよう、ヤムチャ君っ!」ピョンッ

ヤムチャ「……おっさん!?」

ダルシム「ここは私が出る……交代だっ!」パシッ


オー? オーオー?

実況「おぉ~っと、ここでダルシムが復活っ! エプロンに飛び乗りますっ!」

フェイロン「ちょっと、本田選手のリズムになってきてますからね。変化をつけてくるのでしょうか?」

実況「ダルシムはコーナーに倒れかかっているヤムチャの背中にタッチをしたぁ! ここで試合権が移ったぁ! 試合権はダルシムっ!」


ヤムチャ「おっさん、勝手な事してんじゃねぇよ……俺はまだ、戦えるよ……それにおっさんがアイツに勝てるのかよ? アイツ、強いぞ?」

ダルシム「……最初から勝てるとは思っていないっ!」

ヤムチャ「……あぁ!?」

512: 名無しさん 2015/07/27(月) 22:54:18 ID:Xor9rMpw
ダルシム「足止めぐらいなら出来るさ……! 君が体力回復する為の時間を作るっ! そのくらいなら出来る……!」

ヤムチャ「囮になってくれるってのか……おいおい、無茶するんじゃねぇぞ……?」

ダルシム「……戦い慣れはしているさ。君はゆっくりと休んでおきなさい」ノロノロ

ヤムチャ「わかったよ……じゃあ、足止め……期待してるからな、おっさんっ!」


実況「さぁ、ここでダルシムが今、ゆったりとロープを潜りリングインしますっ! これは流れを変えようとしているのか?」

フェイロン「それもありますし、ヤムチャ選手の温存って事もありますね。しかし、ちょっとダルシム選手モタモタしすぎじゃないですかね?」


本田「ヤムチャは下がるのかい……回復されたら厄介じゃ……追い討ち、いくでえぇっ! うおおおぉぉっ!」ダダッ


実況「おぉ~っと、お~っとっ! このタイミングで本田が……対角線コーナーから、勢いよく突っ込んでいったぁ!」

フェイロン「あぁ、やっぱり……!」

513: 名無しさん 2015/07/27(月) 23:06:56 ID:Xor9rMpw
ヤムチャ「お、おいっ……! おっさんっ……! モタモタすんな、来てんぞ……!?」

ダルシム「……んっ?」クルッ

本田「二人纏めて仕留めたるわあぁっ! そ~れっ! スーパー頭突きじゃ~いっ!」ダダッ


実況「本田がいったいったぁ! コーナーにいるダルシム・ヤムチャに向かって勢いよく突っ込んでいったぁ!」


本田「ダルシムに先制攻撃っ! そして、ヤムチャに追い討ちっ! 纏めてやったるわっ! どぉ~すこいっ!」ズドーンッ

ダルシム「……ご、ごわああぁぁっ!」

ヤムチャ「ぐ、ぐえっ……! 俺まで、巻き添えにっ……!」


実況「本田が頭から身体をぶつけていくスーパー頭突きっ! 強烈な一撃をダルシムにお見舞いっ! ダルシムは後方のヤムチャに突き刺さるっ!」

フェイロン「二人纏めて喰らっちゃいましたね」

514: 名無しさん 2015/07/27(月) 23:15:25 ID:Xor9rMpw
ダルシム「……う、ううっ」

ヤムチャ「な、何が戦い慣れしてるだよ、馬鹿野郎っ……! しっかり、先制攻撃喰らってるじゃねぇか!」

ダルシム「……すまない」フラッ

本田「そぉ~れっ! よっこいしょっと……」ガシッ


実況「本田はフラついたダルシムの首筋に手を回していきますっ!」


本田「……リング中央で、寝とけっ! ほぉ~れっ!」コロン

ダルシム「……う、うおおっ」ドテッ


実況「そしてそのままダルシムの身体を押し出すように片腕で転がしていくっ! ダルシムはコロンと一回転して、リング中央付近でダウンっ!」

フェイロン「相変わらず、本田さんがリズム掴んでますねぇ。う~ん、絶好調ですねぇ」

515: 名無しさん 2015/07/27(月) 23:20:31 ID:Xor9rMpw
ヤムチャ「ちくしょう、おっさんの馬鹿野郎……」

本田「ワシは興味があるのは、お前じゃが……試合権が移ったしもうたからのぉ……仕方がない……」

ヤムチャ「……あぁ!?」

本田「……大人しゅう、引っ込んどれっ!」ビシッ


実況「おぉ~っと、本田はコーナーのヤムチャに向かって指を向け、何やら挑発のような事をしていますっ!」

フェイロン「まぁ、本田選手ターゲット……と言えば変な言い方になりますけど、ヤムチャ選手の事を狙ってましたからね」


本田「ガハハ! このまま、今日の試合……このワシのワンマンショーにしたるわっ! ワシはリングで暴れるっ! お前は、コーナーな大人しゅう控えておくっ! お前は存在感と気配を消して、引っ込んどれっ! わかったかっ!?」

ヤムチャ「……アンタのワンマンショーには、させねぇよ」ギリギリ

本田「……ど~だか!?」ニヤニヤ


実況「これには、ヤムチャも苦虫を噛み潰したような表情っ! 少々悔しそうですっ!」

フェイロン「そうですねぇ、う~ん……」

516: 名無しさん 2015/07/27(月) 23:25:02 ID:Xor9rMpw
ダン「おい、本田……相手を間違えるな……お前の相手はそいつじゃねぇだろ……?」


実況「ここで、レフェリーが二人の間に割って入りますっ!」

フェイロン「そうですねぇ、試合権は移ったんですから」


本田「わかっとるわい……相手はダルシム、そうじゃろ……? さぁ、いこか……」クルッ


実況「本田はクルリと背を向け……そして、ダウンしているダルシムの元へと向かっていきますっ!」


ダン「お前もだ、ヤムチャ。試合権渡したんなら……大人しく、引き下がれ……」

ヤムチャ「……」

ダン「……聞いてんのか、オラっ! 反則負け喰らいてぇのかっ!?」

ヤムチャ「くっ、わかりました……下がりますよ……」


実況「そして、ヤムチャも……悔しそうな表情をしながら、自軍コーナーのエプロンサイドへと引き下がります」

フェイロン「まぁ、悔しいでしょうね、うん。序盤は非常にいいリズムで試合を進めていたのですが、徐々に本田選手の力に飲まれていったって印象ですからね。ヤムチャ選手もそこはわかってるんでしょう」

517: 名無しさん 2015/07/27(月) 23:32:23 ID:Xor9rMpw
ヤムチャ(さぁ~て、大変なのはここからだ……このまま大人しく控えてたら、本田さんの言う通り、本当に俺の存在感と気配が消えてしまう……)


本田「さぁて、いこかいっ! ダルシム、起きろっ!」

ダルシム「……ううっ」


ヤムチャ(俺の存在感が消えるという事は、試合前に本田さんが作ってくれたお客さん達の俺に期待する声がリセットされちまうって事だ……これは継続させていかなきゃいけねぇ……)


実況「さぁさぁ、本田はダルシムに近づいて、その身体を引き起こしていきます!」

フェイロン「今の本田選手は流れ掴んでますからねぇ」


ヤムチャ(リングの中には入らずに、待機しながらも俺の存在感をアピールしていかねぇといけねぇんだが……)

ディージェイ(ミーの出番はまだかなまだかな……)

ヤムチャ(そうなってくると……ディージェイがライバルになってくるんだよな……アイツも待機しながらチョロチョロしてやがるからな……あぁ、大変だ……大変だよ、こりゃ……でも、やらなきゃいけねぇな)

541: 名無しさん 2015/07/28(火) 22:02:28 ID:f0WLpgIQ
本田「それ、どぉ~っこいしょ~っとっ!」ググッ

ダルシム「……くっ!」


実況「さぁ、本田はダルシムの股下に手を差し伸ばし、その身体をいとも容易く抱え上げていきますっ!」


本田「ボディスラムじゃっ! どすこぉ~いっ!」ドスーンッ

ダルシム「……ぐぐっ!」


実況「そしてダルシムの身体をマットにへと叩きつけていくっ! ボディスラムっ!」

フェイロン「勢いありますねぇ」


ヤムチャ「あぁ、なんだよおっさん……足止めするって格好つけてただろが……全然じゃねぇかよ……足止め出来ねぇよ……」ウロウロ


実況「本日は完全にベテランの貫禄を見せつけているE.本田っ! ダルシム・ヤムチャ組を蹴散らしていますっ! これにはヤムチャも少々落ち着かない様子っ! 不安そうな表情でエプロンサイドをいったりきたりとしていますっ!」

フェイロン「気持ちはわかりますが……落ち着くのも大切ですよ……今はスタミナ回復に集中した方がいいんじゃないですかね?」

542: 名無しさん 2015/07/28(火) 22:08:16 ID:f0WLpgIQ
本田「さぁさぁさぁ……ここでいこかいっ! 今度は当てたるわっ!」ググッ


実況「そして本田が右腕を突き上げてアピールっ!」


ヤムチャ「おいおいおいっ……! 来るぞ、来るぞっ……! おっさん、おっさんっ……転がれ、転がれっ……! 横に転がれっ!」

ダルシム「横……? ど、どっちだ……? わからん……」


実況「これには、エプロンサイドのヤムチャが大慌て! エプロンサイド中央から、ダルシムに向かって何やら激しく言っているっ!」


本田「……チィっ! あの小僧、ワシの狙いがわかっとるなっ!? なら、即座にいくっ! 今回は、ロープの反動はなしじゃそれっ!」ピョンッ

ヤムチャ「来たぞ、来たぞっ……! 上から来たぞっ! おっさん、早く転がれっ……!」


実況「さぁ、ダウンさせたダルシムの目の前で……本田が高く飛んだああぁっ!」

543: 名無しさん 2015/07/28(火) 22:22:18 ID:f0WLpgIQ
本田「そ~れっ! 百貫落としじゃ~! どぉ~すこいっ!」ズドーンッ

ダルシム「……ぐ、ぐがあああぁぁっ!」


実況「そのまま本田の身体がダルシムの上から降ってきたぁ! ここで決めてきた、百貫落としィ~!」

フェイロン「……う~ん、キツい」


ヤムチャ「馬鹿野郎っ……! だから、俺は転がれって言っただろっ! 聞いてんのか、おっさんっ!」バンッ

ディージェイ(……Mr.ヤムチャは落ち着きがないねぇ。エプロンサイドであっちいったり、こっちいったり)


実況「エプロンサイドのヤムチャも悔しそうにロープを叩きますっ! 少々、ダルシム・ヤムチャ組、慌てふためく場面が増えてきたか!?」

フェイロン「まぁ、後手後手には回ってますよね。計算通りにはいってないと思います」

実況「ここは落ち着いていきたいっ! だが、本田の鉄壁守りと強引な力押しでグイグイと押されていくっ! リズムが掴めないっ!」

フェイロン「そこが、本田選手の強みなんですよ」

545: 名無しさん 2015/07/28(火) 22:34:19 ID:f0WLpgIQ
本田「ダルシム相手には、こんなもんで充分じゃろ……決まったわい……」

ダルシム「あっ、ああっ……横に転がって、これを避けろという事だったのか……」

本田「よし、フォールにいくっ! レフェリー、カウント頼むぞっ!」ササッ


実況「おっと、ここはフォールに行くのかっ!? 本田はダルシムの身体に覆いかぶさりますっ!」


ヤムチャ「あ~、も~うっ……! 助けに行ってやるよっ……!」ササッ

ダルシム「……大丈夫。まだ、助けはいらんよヤムチャ君」シュルッ

本田「……ん?」

ヤムチャ「……ん?」


実況「ヤムチャも慌ててリングインを……いやっ! おっとおっとおっとっ!? ダウンしているダルシムが動いたっ! 覆い被さってくる本田の首に手を回し、グラウンドか!?」

547: 名無しさん 2015/07/28(火) 22:51:20 ID:f0WLpgIQ
ダルシム「足も捉えるっ……! そしてロックっ……!」シュルッ

本田「く、くおっ……!」

ダルシム「そしてこのまま転がっていくっ……! 私が下ではないっ……! 下になるのは君だっ……!」コロンッ


実況「さらに、本田の右足を自身の足でフックして、そのまま転がるように本田の身体を丸め込んでいくっ!」


オー、オーオー

ダルシム「捉えたぞっ……! レフェリー、カウントを続けてくれ!」

ダン「オーケー、任せておきなっ!」

本田「くそっ、丸め込まれたかっ! 今、フォールしとるのはワシやないっ……! ワシが、コイツにフォールされとるっ!」


実況「ダルシムはクイックで本田を丸め込みにいったぁ! スモール・パッケージ・ホールドっ! スモール・パッケージ・ホールドで切り返していったぁ!」

フェイロン「ベテランらしい切り返し方ですね」

実況「そして、そのままレフェリーはカウントを数えるっ! ダルシムの切り返しっ! さぁ、どうだっ!?」

548: 名無しさん 2015/07/28(火) 23:00:48 ID:f0WLpgIQ
ヤムチャ「おぉ、なんかよくわかんねぇが……おっさん、ナイスだっ! いいぞいいぞいいぞっ!」

ディージェイ(ここでMr.本田がやられたらミーの出番がなくなっちゃうからね……助けに行くのは当然の事だよ。さぁ、ミーの出番だっ!)シュタッ


実況「さぁ、どうだっ! ダルシムっ! 決めれるか!?」

フェイロン「いや、ディージェイ選手が派手にリングインしてきました」


ダン「ワンっ……! ツーっ……!」

ディージェイ「ヘイヘ~イっ! 決めはさせないよ、だってミーの出番がまだなんだから~!」ガスッ

ダルシム「……ぐっ!」

ダン「カット成立だっ! カット成立っ! まだ、決まっちゃいねぇぞっ!?」


実況「ここは、素早いディージェイのカットっ! まだまだカウントは決まらずっ!」

549: 名無しさん 2015/07/28(火) 23:11:12 ID:f0WLpgIQ
ディージェイ「ナイスカットだろ、イェーイっ!」ルンダルンダ


ダルシム(……またか)

本田(なんでもかんでもカットすればええってワケじゃないんや……今のは、ワシは自力で返せたぞ……? そうすれば、声援まではいかんでも拍手ぐらいは貰えたんや……現状の自分が、このメンバーの中で何番目に支持されとるかぐらい、考えぇやっ!)

ヤムチャ(あ~、ま~た踊ってんな……俺もアピールしていかなきゃいけねぇんだけど……)


実況「さぁさぁ、おっと……ディージェイはそのまま、おっと再びリングでリズミカルなダンスを始めますっ!」

フェイロン「いやぁ、好きですねぇ」


ダン「はいはい、カット成立したのなら、早く帰りましょうねディージェイ君……」

ディージェイ「な、なんだよ……!? ミーはまだ踊って……」

ダン「はいはい、わかったわかった……後で踊れ、後で……自分の出番が来た時に……」

ヤムチャ(下手に乱入して大事にするより……ここは、ダンさんに任せた方がいいや……ここは我慢だ我慢……)

550: 名無しさん 2015/07/28(火) 23:17:14 ID:f0WLpgIQ
ディージェイ「……もう、ミーは待ちきれないんだよっ!」

ダン「本当、下がれ……怒るぞ、俺……」


実況「おっと、ここでレフェリーはディージェイを、引き下がらせます。ディージェイをコーナーに控えさせようとしている」

フェイロン「結構、目をつけられちゃったんじゃないですかね?」


ダルシム(ダン君、拗らせないでくれよ……さて、私はダン君が戻ってくるまで待つか……)ムクッ


実況「さぁ、ここでダルシムが立ち上がってくるっ!」

フェイロン「ここから、どう攻めていくか……ですね……」


ダルシム「あ~、いやいや百貫落としは……痛かった痛かった、なぁヤムチャ君……?」ヨロヨロ

ヤムチャ「……ん?」


実況「おっと、しかしここでダルシムは本田にはいかず……エプロンサイド中央にいるヤムチャへと近づいていくっ!」

フェイロン「……交代ではないとは思いますが」

551: 名無しさん 2015/07/28(火) 23:23:26 ID:f0WLpgIQ
ダルシム「君が警告してくれてたというのに……みすみす喰らう羽目になって申し訳ないなぁ……?」

ヤムチャ「そうだよ、おっさん……転がれよっ!」

ダルシム「まぁまぁまぁ……結果的には切り返しただろう?」

ヤムチャ「……結果的にはね」

ダルシム「私には、経験という技術がある……それでなんとかしてみせるよ……君は少し、慌てすぎだ……」

ヤムチャ「俺はね……? おっさんが心配なんだよ……」

ダルシム「もう少し、私を信頼してくれ……君も、エプロンサイドのそんなど真ん中にいないで……ちゃんと、待機するべき位置に戻りなさい……」

ヤムチャ「……わかったよ、わかったよ。じゃあ、戻るよ」ササッ


実況「おっと、ダルシムはヤムチャと何やら言葉を交わして……おっと、そしてエプロンサイド中央にいたヤムチャが……コーナー付近へと戻るっ!」

フェイロン「うん。やはりダルシム選手は落ち着いていますね。まぁ、ダルシム選手もどちらかと言うとじっくり試合を作っていくタイプですから」

実況「その辺りは本田選手と同じタイプと」

フェイロン「体格差こそはありますけどね。まぁ、じっくり攻めて試合を作るタイプです。ヤムチャ選手なんかはね……攻めて攻めて試合を作るタイプだと思うので、慌ててた部分が多いと思うんですよ。落ち着いていきませんとね」

552: 名無しさん 2015/07/28(火) 23:27:59 ID:f0WLpgIQ
ヤムチャ「よしよしよし……じゃあ、ある程度はおっさんに任せるよ……いけいけいけ……」パチパチ


イケー、ダルシムー

実況「自軍コーナーエプロンサイドに戻ったヤムチャは……おっと、少々落ち着いてきたか? 両手を大きく叩き、流れを引き戻そうとしていくっ!」

フェイロン「ダルシム選手が声を掛けた事によって落ち着いてきましたね。ヤムチャ選手も」


ディージェイ「ほら、Mr.ヤムチャだって勝手な事をしてるよっ!? あれはいいのかい!? なんで、ミーだけに注意するんだよっ!」

ダン「……ありゃ、コーナーのエプロンサイドでやってるからいいんだよ!」

ディージェイ「……って事は、コーナーのエプロンサイドでやる分には構わないのかい?」

ダン「……んあっ?」

ディージェイ「コーナーのエプロンサイドなら……ミーだって同じ事をしてもいいって事だよねぇ!?」

553: 名無しさん 2015/07/28(火) 23:32:27 ID:f0WLpgIQ
ダン(これの答え方次第では……また、面倒な事になっちまう……だが……)


ダルシム(しまったなぁ、タイミングが合わなかったな……そろそろ本田君を攻めたいのだが……)

本田(大してダメージも受け取らんのに……ワシはいつまで、寝てればいいんじゃ……? 起きるぞ……ワシは、もう起きるぞ……?)


ダン(なんで、ディージェイの野郎はこうなんだろうなぁ……空気を読まずに、ああいった事の真似をされるのは、怖いんだが……それに、変な知識もついちまう……)


ヤムチャ(う~ん……ディージェイ、下がらねぇなぁ……)


ダン(くそっ、早い所引き下がらせてぇってのに……なんで、コイツは人の話を聞かねぇんだよっ! くそっ!)イライラ

ディージェイ「ねぇねぇ、どうなのどうなの!? 答えてよ!?」

ダン「……くそっ、エプロンサイドでやる分には自由だっ! だから、リングから出て、エプロンに戻れっ!」

580: 名無しさん 2015/07/29(水) 22:01:27 ID:MkzlMXoA
ディージェイ「わかったよ! そういう事だったら、エプロンに戻ってあげるよ!」ササッ

ヤムチャ(おっ、ディージェイの奴……大人しく戻ったな……よし、俺もここからだ……)

本田(よっしゃ……そろそろ起き上がらしてもらおうかい……)ムクッ

ダルシム(さぁ、試合再開だ……そろそろ攻めるか……)

ダン(やっべぇなぁ……言い方間違えちまったかもしんねぇ……)


実況「さぁ、ここでディージェイも……自軍コーナーへと引き下がっていくっ!」

フェイロン「本田選手も立ち上がってきましたね」


本田「全く、渋い奴め……ジジイらしい戦い方じゃ……」

ダルシム「それは、褒め言葉として受け取らせてもらおうかな……さぁ、いくぞっ! フンっ!」ガシッ

本田「……来いっ!」ガシッ


実況「さぁ、そしてダルシムは本田の身体を正面から掴みにかかったぁ! ロックアップっ!」

フェイロン「体格差はありますが、正面から攻めてきましたね」

582: 名無しさん 2015/07/29(水) 22:11:30 ID:MkzlMXoA
ダン(万が一もある……ここは……)コソコソ


本田「パワーもないっ! スピードもないっ! そんな奴が、ワシに正面から挑んで来た所で……」

ダルシム「……技術はあるがね」クルッ

本田「……んあっ?」


実況「おっと、ここでダルシムは本田の腕を取り……その腕を捻りつつリストロックへと捉えていったぁ!」

フェイロン「おっと、手首を決めていますね」


ダン「……おい、ヤムチャ」ボソッ

ヤムチャ(んっ、あれ……? ダンさんが、俺の所にこそっと来て……どうしたんだ……?)

ダン「……ディージェイの野郎が、下手したら暴れ出すかもしれねぇ。いざとなったら、お前が殴って止めてくれ」ボソッ

ヤムチャ「……はぁ!?」

583: 名無しさん 2015/07/29(水) 22:17:51 ID:MkzlMXoA
ダルシム「正面からは、君のパワーには勝てんよ……だが、こうやって腕を決めれば……」ギリギリ

本田「くっ、くうぅっ……! パワー勝負せんかいっ!」


ディージェイ「ヘイヘイ、ミーがファンキーな試合にするよ~!」ルンダルンダ


実況「さぁ、ダルシムが本田の腕を絞り上げていくっ! ここはベテランらしい攻めっ!」

フェイロン「真正面からぶつかっても、勝算は薄いですからね」

実況「コーナーのディージェイも慌てているっ! 上体を大きく逸らし、マラカスを振るかのように、激しく腕を振り、本田に返せ返せと言っているっ!」

フェイロン「……あれ、慌ててるんですかね?」

実況「ディージェイは、慌てていますよっ! フェイロンさんっ!」

フェイロン「あっ、そうですね……な、なんだか慌てた感じのダンスですもんね……?」


ヤムチャ「いやいや……いきなり、暴れてますよ? ダンさんっ……?」ボソッ

ダン「……あれくらいなら、まだマシだよ。とにかく、アイツがやり過ぎたら、お前がいけ! わかったな!?」ボソッ

ヤムチャ「え、えぇ……!?」

586: 名無しさん 2015/07/29(水) 22:31:55 ID:MkzlMXoA
ダルシム「パワー勝負もしてみるか……腕を決めつつのハンデ戦だ……これなら……」ググッ

本田「……んあっ?」

ダルシム「私にも、勝算は……あるっ……!」バチッ

本田「……どぐっ!」


実況「さぁ、ダルシムは両手で捉えていたリストロックを、片手に持ち直し……そして、腕を決めながらのチョップっ! 本田の胸元に打ち込んでいくっ!」


ディージェイ「イエーイっ! ミーのダンスを見てよ、イエーイっ!」ルンダルンダ

ダン「俺がここにあまり長居してるのもよくねぇ……とにかく、そういう事だ……頼んだぞ、ヤムチャっ!」ボソッ

ヤムチャ「俺に任せるって……えぇっ……!? お、おいっ……!」ボソッ

587: 名無しさん 2015/07/29(水) 22:43:08 ID:MkzlMXoA
ダルシム「そ~れ、もう一発っ!」バチッ

本田「……くあっ!」


実況「さぁ、ダルシムが打ち込んでいくっ! 本田の胸元にチョップを、もう一発っ!」

フェイロン「腕を決められつつですからね……ここは、本田選手反撃にいけません。本田選手にはね、正面からいかずこういった戦い方の方が有効なのかも知れません」


ダルシム「おいおい、ヤムチャ君……老体が頑張ってるんだぞ……? ちょっとは応援してくれよ……?」

ヤムチャ「あぁ……!?」

ダルシム「何をボーっとしている!? さっきまでは、私の事をあれだけ応援してくれてたじゃないか!? どうした、闘志が消えたか!?」

ヤムチャ(いや、そうだけどさぁ……? くそっ、ダルシムさんもダンさんも……ちょっと俺に言い過ぎじゃねぇのか!?)

589: 名無しさん 2015/07/29(水) 22:49:29 ID:MkzlMXoA
ヤムチャ「おっさん、いい感じに攻めれてるじゃねぇかっ! よしよし、その調子だっ! いけいけっ!」バンバンッ

ディージェイ(Mr.ヤムチャも乗ってきたねぇ。ミーなファンキーなビートが伝わったかな? でも、ミーも負けてられないよ!)ルンダルンダ


オー、オー

実況「さぁさぁ、コーナーのヤムチャも、コーナーポストを大きく叩きダルシムに声援を送っていくっ! 存在感をアピールしているっ!」

フェイロン「リング上では、ダルシム選手特有の静かな戦いなんですが……両軍共にエプロンサイドの二人が元気ですねぇ?」

実況「その辺りは流石に若さの違いと言った所ではないでしょうか!? ヤムチャもディージェイも、エネルギーに満ち溢れていますっ!」

フェイロン「……そうですね」


ダルシム「そうだ、ヤムチャ君……君の声が私の力になる……さぁ、いくぞっ……!」グイッ

ヤムチャ(あぁ、やる事が多い……ディージェイ事、気にかけすぎてたら、こっちの事忘れちまう……とにかくとにかく、ここでアピールしていかねぇと!)


実況「おっと、そして……ダルシムは捉えている本田の腕を、再び両腕で捉え直したっ!」

591: 名無しさん 2015/07/29(水) 22:56:22 ID:MkzlMXoA
ダルシム「……フンっ!」ググッ

本田「く、くおっ……!」


実況「さぁ、ダルシムはそのまま両手で掴んでいる本田の腕を、高々と抱えあげたぁ!」


ダルシム「ショルダーアームブリーカーだっ! フンっ!」ガスッ

本田「……がああぁぁぁっ!」


実況「勢いよく良く振り下ろし、本田の腕を自分の肩口にへとぶつけていくっ! ショルダーアームブリーカーっ!」


ヤムチャ「よっしゃよっしゃっ! アイツの腕、今のでぶっ壊れたんじゃねぇか!? ココっ! ココ、ココっ!」バチバチ

本田「くあぁっ……くそっ……関節部分狙ってきたか……」


オー、オーオー

実況「本田の腕へと、ダメージを与えていくっ! コーナーのヤムチャも腕を挙げて肘をバチバチと叩いていくっ! そうだ、ショルダーアームブリーカーとは、テコの原理で相手の肘へとダメージを与えていく技だっ!」

592: 名無しさん 2015/07/29(水) 23:05:35 ID:MkzlMXoA
本田「くああっ……腕が……くそったれ……」フラッ

ダルシム「……チャンスは逃さんっ! いくぞ」ダダッ

ヤムチャ「いけいけ、おっさんっ! いけいけいけっ!」


実況「本田は腕を抑えて苦しむっ! おっと、そして……ここでダルシムがロープへと走るっ! 本田の脇を逸れ、本田の背後のロープへと向かっていくっ!」


ダルシム「……後ろからいくぞっ! はああぁっ!」ダダッ

本田「くあっ……せせこましい戦いが、好きな奴め……」


実況「さぁ、ロープの反動をつけて……ダルシムがいったぁ! 本田の背後から向かっていくっ!」

594: 名無しさん 2015/07/29(水) 23:12:32 ID:MkzlMXoA
ダルシム「眠りなさい……それっ……!」ズザーッ

本田「お、おおっ……!?」ドテッ


実況「ここは背後から本田の足をすくってきたぁ! スライディングキーックっ! 本田をダウンさせていきますっ!」

フェイロン「独特のモーションのスライディングキックですね」


ヤムチャ「いいぞいいぞっ! 足元がお留守なんだよっ! 本田ァ!」

ディージェイ(Mr.ヤムチャは乗ってるなぁ……ミーも負けないよっ!)


オー、オーオー

実況「さぁ、ヤムチャもセカンドロープに足をかけつつ、前のめりの体勢になり……ダルシムに声援を送るっ!」

フェイロン「案外いいコンビかも知れませんねぇ、ダルシム選手とヤムチャ選手って。ヤムチャ選手、ダルシムの選手が攻撃を当てる度に……心底喜んでるって感じです」

実況「ダルシムがゆったりとした攻めで本田を翻弄し、更に勢いのあるヤムチャがそれを後押しするっ! いいコンビですっ! 失われていたリズムが取り戻されてきたかもしれませんっ!」

595: 名無しさん 2015/07/29(水) 23:18:12 ID:MkzlMXoA
ディージェイ(確か、エプロンサイドで動く分には自由なんだよね……だったら、ミーは……)イソイソ

ヤムチャ(……ん?)

ダン(アイツ……何してやがるっ……!?)

ディージェイ(コーナーポストの上で踊れば……ミーが一番ファンキーになれるよっ!)


実況「おっと、しかしここでディージェイが動いたっ! 我慢の限界か!?」

フェイロン「えっと……うん……」

実況「エプロンサイドのディージェイに動きありっ! ディージェイはコーナーポストに昇っていきますっ!」


ダン(……ヤムチャ、頼むぞ! オイっ!)チラッ

ヤムチャ(馬鹿野郎っ……! あんな位置に昇るなんて……どうしたらいいんだよっ……! 行かなきゃ……とにかく行かなきゃ……!)

598: 名無しさん 2015/07/29(水) 23:28:25 ID:MkzlMXoA
ダン「待て待て待て待て……オイ、ディージェイ……! 何やってんだよ、お前……おいっ……!」

ディージェイ「なんだよ、またミーの邪魔かいっ!?」


実況「おっと、しかしここはすかさずレフェリーが静止しにいきますっ!」

フェイロン「多分、ミサイル攻撃辺りを狙っているんでしょうが……ディージェイ選手は試合権持ってませんもんね」


ヤムチャ(行かなきゃ……! ここは俺が行かなきゃ、ダメだっ……!)ダダッ

ダルシム「急ぐぞ、本田君っ……! 早く起きろっ……!」ググッ

本田「わかっとるわっ……! 全く、あの阿呆は……ジミーは何をしとるんじゃっ!」


実況「おぉ~っと、しかしここはヤムチャが急いでリングインっ! ディージェイに止めにかかるっ! ダルシムはヤムチャに任せるといった所か!? 本田の身体を引き起こし、攻め続けますっ!」

599: 名無しさん 2015/07/29(水) 23:34:24 ID:MkzlMXoA
ヤムチャ「退けっ、レフェリーっ……!」ダダッ

ダン「下手に落とすと大怪我しちまうぞっ! そこは気をつけてくれっ!」

ヤムチャ「わかってますよ……だあぁっ!」ドスッ

ディージェイ「なんだよなんだよ、Mr.ヤムチャまで……一体どうしたんだよっ……!?」


実況「ヤムチャはレフェリーを払いのけ、コーナーポスト上のディージェイの腹部へとナックルパートを打ち込んでいきますっ!」

フェイロン「え~、どうなるんでしょうかねぇ、これ……」


ヤムチャ(コイツを止めなきゃ……ここから降ろさなきゃ……でも、どうする……!? 力づくでいっちまったら、本当にコイツが大怪我しちまう可能性もあるぞ……!?)

ディージェイ「なんで、Mr.ヤムチャまで邪魔をするんだいっ!? ミーはここでファンキーな……」

ヤムチャ(素直に降りてくれって頼み込んで、簡単に従ってくれるような奴ではねぇ……だけど力づくで、いっちまったら大怪我させちまう……くそっ、どうするどうするどうする……!?)

627: 名無しさん 2015/07/30(木) 22:43:53 ID:mL4sZrB2
ダン(ヤムチャ、頼むぞっ……! 無茶だけはしないでくれよなっ……!)

ヤムチャ(あぁ、くそっ……コイツの安全を考えつつ、動きを止める……くそっ、なんだよこの状況……ちくしょうっ……!)ササッ


実況「おっと、ここでヤムチャが……一度エプロンサイドへと移動っ! ロープを潜り、エプロンサイドへと移動しますっ!」


ヤムチャ「オラっ! ディージェイ……こっちだっ……! いいから降りろっ! 俺と場外戦するぞっ!」ガシッ

ディージェイ「……場外戦?」

ヤムチャ「……いいから、降りろっ! ホラ、早くっ!」


実況「エプロンサイドから、ヤムチャディージェイの身体を掴み……引きずり降ろそうとしている!」

フェイロン「……分断作戦ですかね?」


ダルシム「よし、このタイミングだっ! いくぞっ!」ググッ

本田「……くっ!」


実況「おぉ~っと、そしてリング内では……ダルシムが本田の頭部を脇に抱えて、ヘッドロックの体勢だっ!」

628: 名無しさん 2015/07/30(木) 22:55:15 ID:mL4sZrB2
オー、オーオー

ダルシム「さぁ、ヨガの布教を始めさせてもらおうか……げんこつの時間だ……」

本田「くっ、ヨガスマッシュか……だが、やらせはせんぞっ……!」ググッ


実況「どうやら、ここはダルシム・ヤムチャ組が動いて来たぁ! ダルシムがヘッドロックの体勢に捉えたという事は!」

フェイロン「いや、狙ってますけど……本田選手もね……腰を落として踏ん張って耐えてますよ? なんとか、逃れようとしています」

実況「そこは、本田も読んでいるか? 堪えていく堪えていくっ! 逃れようとしていくっ!」

フェイロン「ヤムチャ選手も、ちょっとディージェイ選手に手こずっているみたいですね」


ヤムチャ「いいから……降りろっ……! エプロンサイドに降りろよ、馬鹿野郎っ! 場外戦だっ!」ググッ

ディージェイ「ヘイヘイ、危ないよMr.ヤムチャっ……! あまり力を入れると、落ちちゃうよっ……!」

ヤムチャ「……だったら、降りろっ!」

ディージェイ「おっ……おっと……!」ストンッ

630: 名無しさん 2015/07/30(木) 23:11:02 ID:mL4sZrB2
ヤムチャ(よし、なんとかコーナー上からは引きずり落とした……でも、知ってるんだよ俺……ここから直接ぶん投げるって技もあるんだよ……こいつの安全を考えて使えなかったけどな……)

ディージェイ「なんで皆、自分勝手に行動するんだい? ねぇ?」

ヤムチャ(だから、ここは……何か代わりの技を打っておかなきゃいけねぇ……あ~、ちくしょう……)

ディージェイ「ねぇねぇ、聞いてる? Mr.ヤムチャ? ねぇねぇ?」

ヤムチャ「うるせぇっ! お前が人の話を聞けっ! とにかく、今度は場外に落ちろっ!」ブンッ

ディージェイ「おっ、おおっ……ワオっ……!」ボテッ


実況「ここで、ヤムチャの分断が成功したか!? ヤムチャはディージェイを引きずり落とし……乱暴に場外へと落としていきますっ!」

フェイロン「……ちょっと危険だったかもしれませんね」


ディージェイ「危ない投げ方をするなぁ……Mr.ヤムチャは……何するんだよ、イテテテテ……」

ヤムチャ「よしっ……! 後は……こっちだっ……!」ササッ


実況「そしてそのままヤムチャはエプロンサイドを走りつつ、移動していくっ! 赤コーナー近くにいたヤムチャは、素早くニュートラルコーナーの方まで移動したぁ!」

631: 名無しさん 2015/07/30(木) 23:21:28 ID:mL4sZrB2
ヤムチャ(後は……アイツが起き上がるのを待って……)

ディージェイ「全く、いくらミーとファンキーとバトルがしたいからって……んっ……あれっ……? Mr.ヤムチャ……? なんで、そんな所にいるの……?」ムクッ

ヤムチャ「いくぜっ……! うおおおぉぉっ……!」ダダッ


実況「おぉ~とっ! そしてヤムチャが突っ込んだっ! ディージェイの起き上がりに合わせて……エプロンサイドを駆け抜けていったぁ!」


ヤムチャ「悪ィが、もう一回寝ておいてくれっ! おらああぁぁっ!」スパーンッ

ディージェイ「……ぶげっ!」バターンッ


オー、オーオー

実況「そして、エプロンサイドを駆け抜けつつのランニングキーックっ! ディージェイの胸元に打ち込んでいったぁ!」

フェイロン「おぉ、エプロンサイドから仕掛けてきましたね」

実況「これには、ディージェイも場外でダーウンっ! 少々手こずりましたが、ここでようやく分断作戦が成功したか!?」

632: 名無しさん 2015/07/30(木) 23:34:35 ID:mL4sZrB2
ダルシム「ヤムチャ君、よくやってくれたっ……! よし、ここからは私の番だlっ……! くううおおっ!」ギリギリ

本田「くっ、うぐぐぐっ……!」


実況「さぁ、そしてリング上のダルシムの本田の頭部を締め上げていく締め上げていくっ! 落とされていた本田の腰が再び持ち上がったぁ!」


ダルシム「待たせてすまないっ……! だが、これでようやくいけるぞっ……! 私の唯一の必殺技がなっ……!」ググッ

ヤムチャ「お~いっ! おっさんが、何かやるみたいだぞっ!? 皆、わかってるよな!?」


ゲンコツノジカンダー!

実況「ダルシムが本田の頭部を捉えたつつ、右腕を挙げるっ! さぁ、ここで出るか!?」


げ・ん・こ・つ ! げ・ん・こ・つ !

ヤムチャ「声が小さいよっ! ホラ、皆もっと叫んでっ! ハイっ! げ・ん・こ・つ ! ソレ、げ・ん・こ・つ !」

634: 名無しさん 2015/07/30(木) 23:48:10 ID:mL4sZrB2
げ・ん・こ・つ ! げ・ん・こ・つ !

実況「ここで、ダルシム・ヤムチャ組が一気に流れを掴みにかかるっ! 場内からの圧倒的げんこつコールっ! 来たぞ来たぞげんこつの時間だっ!」

フェイロン「一気にきましたね」


ダルシム「うおおぉぉっ……! ヨガっ……!」ガスッ

ヤムチャ「皆も叫べぇっ! ヨガっ!」

ヨガッ!

本田「……ぐわああっ!」

ダルシム「そ~れっ! ヨガっ!」ガスッ

ヤムチャ「声がまだまだ小さいよっ! ホラ、ヨガっ!」

ヨガッ

本田「……ぐええぇぇっ!」

635: 名無しさん 2015/07/31(金) 00:03:24 ID:bnUSlGkI
ヤムチャ「皆の声がおっさんの力になるんだっ! ほらほら、叫べ叫べっ! ヨガっ!」

ヨガッ!

ダルシム「皆、テンポが早いよ……これじゃあ、私ががついていけないよ……それっ!」ガスッ

本田(ディージェイを一人で抑えるのも見事やが……試合権がない時も、しっかりアピールしとるやないか……その存在感……シャドルー相手にも見せつけたりや!)


実況「ダルシムがヨガスマッシュを打ち込む度に、場内からヨガコールが巻き起こるっ!」

フェイロン「ヤムチャ選手も、積極的に煽っていますねぇ。場内の一体感が凄いです」


ダルシム「テンポを上げるぞ、連続で打ち込むっ……! うおおぉぉっ! ヨガっ、ヨガっ、ヨガっ……!」ガスガス

ヤムチャ「遅れるなよっ! 皆、ついてこいっ! さぁさぁ、叫べっ! ヨガっ、ヨガっ、ヨガっ!」

ヨガッ !ヨガッ !ヨガッ !

636: 名無しさん 2015/07/31(金) 00:13:42 ID:bnUSlGkI
ディージェイ(Mr.ヤムチャ……ミーと場外戦をするんじゃないの……? ミーはわざわざ、寝たまま待ってあげてるんだよ……? 何してるの……?)

ヤムチャ「 いけいけ、それそれ、ヨガっ、ヨガっ、ヨガっ!」

ヨガッ !ヨガッ !ヨガッ !

ディージェイ(ミーとのファンキーなバトルがしたいんじゃないの……? ねぇ……? ミーの事、放ったらかしにしてて……)

ヤムチャ「ハハハ! いいぞ、おっさんっ! 完全こっちの流れだっ! ヨガっ、ヨガっ、ヨガっ!」

ヨガッ !ヨガッ !ヨガッ !


実況「さぁ、ダルシムが打ち込む打ち込む打ち込むっ! 場内の声援が巻き起こるっ! ヤムチャも乗りに乗ってダルシムを煽っているヨガスマッシュっ!」


ディージェイ(……何で、そんなに楽しそうな顔をしながら、ミーの事を放ったらかしにしてるの?)

ヤムチャ「ハハハ! おっさん、いけいけっ! ヨガっ、ヨガっ、ヨガっ!」

ヨガッ !ヨガッ !ヨガッ !

ディージェイ(ミーにはそんな顔見せてくれなかったよ……? Mr.ヤムチャはやっぱり、ミュージックファイターじゃないの……?)

673: 名無しさん 2015/08/01(土) 21:59:45 ID:noYZwnys
ヤムチャ「よし、フィニッシュだっ! いけ、おっさんっ! ヨガっ!」

ダルシム「これで、フィニッシュっ……! ヨガっ……!」ガスッ

ヨガッ !

本田「……ぐおおぉぉっ!」バタッ


実況「さぁ、ダルシムが大きく大きく拳を振り上げ……とどめのげんこつを振りかざしていったぁ! こいつを喰らって、本田はダーウンっ!」


ワー! ワーワー!

ダルシム「さぁ、こいつでお終いだっ……!」シュルッ

本田「……くっ!」


実況「そしてダルシムはダウンした本田の腕を取り……ここでグラウンドの脇固めへと持っていったぁ!」


ダルシム「こいつで……決めてやるっ……!」ググッ

本田「くっ、ぐっ……舐めたらアカンでぇ……!」

674: 名無しさん 2015/08/01(土) 22:05:50 ID:noYZwnys
ヤムチャ(よ~しよし、関節技にいったな……少し、手が空いたから、ちょっとディージェイの相手をしてやるとするか……アイツの出番もそろそろだろ……)シュタッ


実況「ここは流れを掴んだダルシムが一気に仕留めにきたかぁ!? おっと、エプロンサイドのヤムチャも、場外へと降りていきますっ!」

フェイロン「場外のディージェイ選手を抑えにいきましたね」


ヤムチャ「待たせて悪かったな……ほれほれ、ディージェイ……起きやがれ……」ググッ

ディージェイ「……なんで?」

ヤムチャ「……あぁ?」

ディージェイ「なんでミーの事を放ったらかしにしてたの? ねぇ、Mr.ヤムチャ……?」

676: 名無しさん 2015/08/01(土) 22:14:02 ID:noYZwnys
ヤムチャ「なぁ~に言ってんだ、おい……こうやって、戻ってきてやったじゃねぇか……いいから、早く起きろよ……」ググッ

ディージェイ「なんで、ミーの事を放ったらかしにして、Mr.ヤムチャははしゃいでるんだよっ!」ムクッ

ヤムチャ「馬鹿っ……! 余計な事、口走るんじゃねぇよっ! ここ、何処だと思ってるんだ、聞こえるだろがっ!」

ディージェイ「ホラ、また怖い顔をしてるよ、Mr.ヤムチャはっ! どうしたんだい? ねぇ、ミーにいい笑顔を見せてくれよっ!」

ヤムチャ「お前が勝手な事ばかりするから、顔も怖くなるんだよ、馬鹿野郎っ!」

ディージェイ「……ミーが勝手だって?」

ヤムチャ「とにかく……今はお喋りしてるような、状況じゃねぇだろっ!オラッ……!」 ガスッ

ディージェイ「……ぐっ!」

ヤムチャ「お前と本格的にやるには、リングの上でだ……リングの上……ほらほら、打ってこい……打ってこい……何言ってるかわかんねぇけど……今はとにかく打ってこいっ……!」クイクイ

677: 名無しさん 2015/08/01(土) 22:20:40 ID:noYZwnys
ダルシム「そ~らっ……!」ググッ

ダン「どうする、本田っ!? ギブアップか? ギブアップすんのか!?」

本田「舐めたらアカンっ……! この程度……ロープまで逃げたるわっ……! おおぉっ……!」ズルズル

ダルシム「……くっ!」


実況「ダルシムの脇固めに捉えられた本田っ! おっと、だがしかしここで力強い動きを見せるっ! 腕を捉えつつも……ロープへ向かって這いずって逃れようとしていくっ!」

フェイロン「やっぱり、パワーはありますよね」

679: 名無しさん 2015/08/01(土) 22:30:15 ID:noYZwnys
ディージェイ「……フンっ!」ガスッ

ヤムチャ「ぐっ……よしよし、それでいい、それでいいぞ……ディージェイ……今度はこっちだっ……! オラッ……!」ガスッ

ディージェイ「……ぐっ!」

ヤムチャ「お前の番だ……次はお前の番……早く打ってこい……早く早く……」クイクイ

ディージェイ「こんなエルボーの打ち合いが……ファンキーなのかい? Mr.ヤムチャ? Mr.ヤムチャはこんな事をしてて楽しいのかい……?」

ヤムチャ「状況にあった行動ってもんがあるだろうが……何やってんだ、コラ……早くこい……エルボーでこい……ほらほら、早く早く……!」クイクイ

ディージェイ「一度、ゆっくり話をしないかなぁ? Mr.ヤムチャっ!」

ヤムチャ「そんな暇はねぇんだよっ! いいから、早くこいやっ!」

ディージェイ「……あぁっ!」イライラ

ヤムチャ「全部とは言わないよ。一つでいいよ、何か一つで! お前、俺より先輩なんだろ……? だったら、尊敬出来る部分……何か一つでいいから、見せてくれよっ!」

682: 名無しさん 2015/08/01(土) 22:36:37 ID:noYZwnys
本田「うおおぉぉっ……! フンっ……!」ガシッ

ダン「ロープブレイクだっ! ロープブレイクっ! ダルシム、その手を離せっ!」


オー、オーオー

実況「さぁ、ここで本田の腕がロープへと届きますっ! ロープブレイクです。ロープブレイクっ! ここは、本田が逃れていきますっ!」


ヤムチャ「そろそろ、お前の出番なんじゃねぇか……? ホレ、今度は強く打って来いっ……! 早くしろっ!」グイグイ

ディージェイ「Mr.ヤムチャのそういう所……Mr.ブランカにそっくりだねっ……! だあぁっ!」ガスッ

ヤムチャ「……ぐえっ!」ガクッ

ディージェイ「ガッカリだよ、Mr.ヤムチャには……ファンキーなバトルが出来ると信じていたのに……Mr.ヤムチャがそんな態度じゃ、出来るもんだって出来やしないよ……」

ヤムチャ「……すぐに合流するから、早く戻れ。ファンキーなバトルはここじゃなくて、リングの上でしてやるから」

685: 名無しさん 2015/08/01(土) 22:44:28 ID:noYZwnys
ダルシム「くっ……こうもあっさり逃げられるとはな……」ムクッ

本田「よいしょ~! 負けへんでぇ~!」ムクッ


実況「さぁ、脇固めを仕掛けていたダルシムはその腕を離し、立ち上がる! おっと、負けじと本田もすぐ様、立ち上がっていくっ!」

フェイロン「おっ、早いですね」


本田「ちょっと、間を貰うでっ! よいしょっ!」ガシッ

ダルシム「何っ……!?」


実況「本田はすぐ様、ダルシムの背後を掴みにかかったぁ!」


本田「バックドロップじゃ~! それ、どっこいしょ~!」ドスーンッ

ダルシム「……くあああぁぁっ!」


実況「そのまま仕掛けていったぁ! 本田のバックドロップっ!」

688: 名無しさん 2015/08/01(土) 22:54:39 ID:4HIPoFuo
ダルシム「ううっ……くっ……」

本田「あだだだ……少々、右腕が痛むわ……こうやって、ピンポイントばかり狙てくんのが、こやつの特長やからしゃあないけどな……」ムクッ


実況「ダルシムにとって、いい流れがきたと思ったのですが……そこは、本田っ! 流れをものにさせません!」

フェイロン「いや、でも本田選手……右腕を気にしてませんかね? やっぱり、脇固めのダメージはまだ残ってますよ?」


本田「おい、ディージェイ……何をやっとんねや! 早よせんかいっ!」

ディージェイ「……わかってるよっ!」ピョンッ


実況「おっと、そして……本田が場外に向かって声を掛けるっ! するとエプロンサイドにディージェイが戻ってきたっ!」

フェイロン「ここで、呼び寄せてきましたね」


本田「おい、ディージェイ……お前、入場の時……アレやったけど……結構、身体柔らかいやろ? なぁ?」

ディージェイ「……はぁ?」

691: 名無しさん 2015/08/01(土) 23:03:34 ID:noYZwnys
本田「トップロープに足掛けい。早よせぃ、ディージェイ」

ディージェイ「Mr.本田もミーに命令するのかい? いいかい、ミーは道具じゃないんだよ! Mr.本田も! Mr.ヤムチャも! Mr.ブランカも! 皆、命令命令命令っ!」

本田「じゃかぁしぃわ、ド阿呆っ! 張っ倒されたくなかったら、とっとと足を掛けんかいっ!」

ディージェイ「あぁ……わかったよ、もうっ……! ハイっ……!」ガシッ


実況「そして本田が強い口調でディージェイに何か言っております! おっと、ディージェイが、今ググッと右足を挙げ、トップロープにその足を掛けましたっ!」

フェイロン「こっちのチームの主導権は完全に本田選手ですね」


本田「よっしゃ、そのまま待っとれ……ディージェイ……」クルッ

ディージェイ「ヘイっ……! ヘイヘイっ……! やるだけ、やらせておいて、無視かいっ!? Mr.本田も無視かい!? もう一度、言うよ! ミーは道具じゃないんだよ!」


実況「そして、本田はクルッとディージェイに背を向け……ダウンしているダルシムへと向かっていきますっ!」

695: 名無しさん 2015/08/01(土) 23:13:25 ID:noYZwnys
本田「あ~、もう……無視や無視……ホレ、ダルシム起きぃや……」ググッ

ダルシム「……くっ」

本田「よいしょっ! 右腕ばかり狙うつもりだったんじゃろうが……ここはワシは引き下がらせてもらおかな?」ガシッ


実況「さぁ、本田はダルシムを身体引き起こしていき……そしてダルシムの首筋に腕を回していきますっ!」


ディージェイ「Mr.本田っ! ミーはいつまでこの格好で……」

本田「じゃかぁしぃっ! 今、準備しとんねやろがっ! 悟れっ! ホレ、いくぞ、ディージェイっ!」ググッ

ディージェイ「……ん?」

本田「そぉ~れっ! よいしょ~っ!」ゴスッ

ダルシム「……うぐぁっ!」

ディージェイ「……ワオ」


実況「そして、本田はダルシムの身体を勢いよく押し込み……その頭部をトップロープに掛けているディージェイの足へとぶつけていったぁ!」

フェイロン「連携攻撃ですね」

699: 名無しさん 2015/08/01(土) 23:25:20 ID:noYZwnys
ダルシム「あぁっ……くっ……うおっ……!」ガクッ


実況「顔面がぶつけられたっ! ダルシムは顔を抑え、フラフラとふらついて……おぉ~っと、コーナーへと倒れかかったぁ!」


本田「もう、足おろしてええで……ホレ、交代やディージェイ……お前の出番や……」

ディージェイ「やっとだっ! やっとだよっ! ようやくファンキーな試合が始まるよっ!」

本田(あぁ、交代しとうないなぁ……せやけどなぁ……あぁ、くそっ……)

ディージェイ「ホラ、早くっ! 早くっ! ミーの出番なんだろ!? 早くしてよ!」

本田「……余計な事したら、すぐに変わってもらうぞ」パシッ

ディージェイ「ようやようやくようやくミーの出番だっ! やっとだっ! やっと自由に出来るっ! やっとだよっ!」パシッ


実況「そして本田はここでディージェイへとタッチっ! 交代していきますっ!」

フェイロン「本田選手も、下がっていきますね。まぁ、腕のダメージを回復しにいったって事でしょうかね?」

718: 名無しさん 2015/08/02(日) 22:03:18 ID:fZVjtR.Q
ディージェイ「さぁ、ファンキーな時間はここから始まるんだっ! いくよっ!」

ダルシム(程々にな……)


実況「ここは本田も体力を温存していきますっ! さぁ、試合権の移ったディージェイが今、ロープを潜りリングインっ!」


ディージェイ「ンッン~、リズムに乗って……はぁっ!」ガスッ

ダルシム「……くっ」

ディージェイ「ターンしつつの……ワンモアっ……!」ガスッ

ダルシム「……うぐっ!」


実況「ディージェイはコーナーにもたれかかっているダルシムに……早速仕掛けていったぁ! 腹部に連続して打ち込んでいく得意のダブルローリングソバットっ!」

フェイロン「ディージェイ選手の得意技です」

719: 名無しさん 2015/08/02(日) 22:12:51 ID:fZVjtR.Q
ディージェイ「ファンキーにいこうっ! 取り返していこうっ! イェイっ! はぁっ、はぁっ!」ガスガス

ダルシム「くっ……ぐっ……!」


ワー、ワーワー

実況「ダルシムはコーナーを背にして逃げ場がないっ! すかさずディージェイがまたも打ち込んでいったぁ! 自身の身体をクルクルと回転させるっ! 人間回転ゴマと化するっ!」


ワー、ワーワー

ディージェイ(ようやくだ……ようやく、オーディエンスが乗って来たよ……さぁ、ここからどんどん盛り上げていかないとね! もっともっと、ミーがやってあげるよ!)

本田(今の間に……ヤムチャ君の処理でもしとこかな……)シュタッ


実況「ここで、まだスタミナ万全のディージェイを出してきました本田・ディージェイ組っ! さぁ、ディージェイは体力・気力に満ち溢れているっ! 攻める攻めるっ! ダルシムを攻め立てていくっ!」

フェイロン「いいタイミングで交代してきましたね。おっと、本田選手が場外へと降りましたよ?」

723: 名無しさん 2015/08/02(日) 22:21:32 ID:fZVjtR.Q
本田「こっちは、ワシらの陣営や……待機しとくんなら……自軍の陣営の方に戻っときや……?」ググッ

ヤムチャ「……ねぇねぇ、本田さん、本田さん?」ボソッ

本田「……なんや? どうした?」ボソッ

ヤムチャ「ディージェイの奴……何か、おかしくありませんでした……? 何か、感じませんでした……?」

本田「……アイツはいつもおかしいわ」

ヤムチャ「いやいや、そういう事じゃなくて……」

本田「なんやなんや、どないしたんや……? あんまり、ワシと話してる時間はないで……?」

ヤムチャ「あぁ、そうっすよね……すいません……」

本田「まぁ、ヤムチャ君がそう言うって事は……一応ワシも警戒はしといたる……ほな、いくでぇ?」

ヤムチャ「……お願いします」

725: 名無しさん 2015/08/02(日) 22:27:33 ID:fZVjtR.Q
本田「そぉ~れっ……! 自軍のコーナーに……おとなしゅう帰りやぁ! よいしょお~!」ブンッ

ヤムチャ「う、うおっ……!」


実況「おっと、場外に降りた本田は……ヤムチャの身体を鉄柵目掛けて振っていったぁ!」

フェイロン「結構、近い位置にいましたからね。遠ざけたんでしょう」


ヤムチャ「う、うおおっ……! ぐ、ぐわああっ……!」ガッシャーンッ

本田「処理完了っと……よ~し、後は戻って……しばらく様子見や……」


実況「ヤムチャの身体が鉄柵へとぶつかっていくっ! そして、ヤムチャを自軍コーナーから遠ざけた本田は、エプロンサイドへと戻っていきます」


本田(ディージェイの奴がおかしい……そりゃ、当然や……アイツはおかしい事ばかり……正しい事なんて、一つもありゃせん……)

ヤムチャ(多分、本田さんには伝わってねぇな……ディージェイの奴……なんて言うか……今日メンバーの中で、一人だけ好きな事が出来てねぇんだと思う……本当はやりたくない事ばかりしてるんじゃねぇかな……)

727: 名無しさん 2015/08/02(日) 22:35:09 ID:fZVjtR.Q
ディージェイ「どんどん乗っていこうっ! さぁ、いくよ! レッツゴーっ!」ダダッ


実況「さぁ、リング上のディージェイは……おっと、ダルシムにクルリと背を向け、そして対角線コーナーの方まで走っていったぁ!」

フェイロン「あそこから、勢いをつけて攻撃をするんですね」


ディージェイ「ヘイヘイ、皆~いくよ~! 乗っていこう~! ミュージックカモーンっ!」ググッ


実況「ディージェイはその場で、両腕を大きく突き上げますっ! さぁ、ダルシムに突っ込んでいく準備は整ったぁ!」

フェイロン「ディージェイ選手の身体能力は高いですからね」


ディージェイ「イェーイっ! ナーナーナナー、ナーナナーナー! イェイっ! ナーナーナナー、ナーナナーナー! カモンっ!」ブンブン


実況「お~っと、お~っとおっと……? ディージェイは突き上げた両腕を左右に振りながら……足踏みを始めましたっ! 乗っていますっ! 非常にディージェイは乗っていますっ!」

フェイロン「ディージェイ選手って結構、過剰なアピールが多いですよね……早く突っ込めばいいのに……なんて、思ったりもします」

730: 名無しさん 2015/08/02(日) 22:45:56 ID:fZVjtR.Q
ワー! ワーワー!

ディージェイ「いいよいいよっ! もっともっと乗っていこうっ! イエーイっ! ナーナーナナー、ナーナナーナー!」ブンブン


実況「挑発挑発っ! ディージェイの挑発っ! まぁ、こう言った……ねっ……? ディージェイの持ち味なんでしょうかね?」

フェイロン「まぁまぁ、そうなんでしょうね……相手を煽って煽って……平常心を失わせる……みたいな感じなんでしょう……多分……」


ディージェイ「それじゃあ、そろそろいこうっ! イエーイっ!」ダダッ


実況「お~っとっ! こ~こ~で、ようやくディージェイがダルシムへと突っ込んでいったぁ!」

フェイロン「……はい」


ディージェイ「イイイィィヤッホォォォゥっ!」ドスッ

ダルシム「……ぐわああぁぁっ!」


実況「コーナーのダルシムに突っ込んでいったディージェイはそのまま高く飛び上がり、覆いかぶさるようにその身体をぶつけていくっ! 串刺しのフライング・ボディプレスっ!」

フェイロン「身体能力は高いですよね、本当に」

738: 名無しさん 2015/08/02(日) 22:54:12 ID:fZVjtR.Q
ディージェイ「まだまだいくよっ! イェイ、イェイ、イェイっ!」ガスガスッ

ダルシム「ガッ……グッ……グッ……」


ワー! ワーワー!

実況「お~っと、おっとおっと! ディージェイの攻撃は止まらない止まらないっ! ダルシムに覆いかぶさったまま、そのままその頭部にエルボーの連打連打連打っ!」

フェイロン「ダルシム選手もベテランの味を見せていきたいですよね」


ディージェイ「これで……」ストンッ

ダルシム「……くっ」

ディージェイ「……フィニッシュっ!」ドスッ

ダルシム「……おぐううぅぅっ!」


実況「ディージェイは覆いかぶさっていたダルシムの身体から、スルリと降りて……そして強烈な膝ァ! ダルシムの腹部へと打ち込んでいったぁ!」

741: 名無しさん 2015/08/02(日) 22:58:55 ID:fZVjtR.Q
ダルシム「あぁっ……ううっ……くそっ……」ヨロヨロ

ディージェイ「Mr.ダルシムは、他の人達と違って……我儘言わないから、ミーは大好きだよっ!」

ダルシム「う、うおっ……」バタッ


実況「ダルシムはそのままヨロヨロとフラつきながら……おぉ~っと、そしてここで前のめりにダーウンっ!」

フェイロン「う~ん、リズム掴んでいきたい所ですねぇ。場内の声は、完全にダルシム選手なんですけどねぇ……ものに出来ていません……」


ディージェイ「さぁ、皆っ! もっと盛り上がっていこうっ! ヘーイっ! ナーナーナナー、ナーナーナナー!」ブンブンッ


ダルシム、タテー! イイヨウニ、ヤラレテンジャネー!

実況「しかし、ディージェイはダルシム……そして場内っ! その神経を逆なでするかのように、再び煽っていくっ! 足踏みしながら、大きく大きく手を振る手を振るっ!」

フェイロン「ディージェイ選手には、こういう逆境をパワーにする力でもあるんですかねぇ?」

744: 名無しさん 2015/08/02(日) 23:07:28 ID:fZVjtR.Q
ダルシム、ガンバレヨ、オーイ!

ディージェイ「イェーイっ! Mr.本田も乗っていかなきゃっ! ファンキーな試合はこうやって作るんだよっ! ハイタッチ、ハイタッチっ! カモンっ!」

本田「……阿呆か」プイッ


実況「おっとおっと、そしてそして……? ディージェイは、本田にハイタッチを要求しますが……本田はこれを拒みますっ! どうした、これは!? チーム内に亀裂か!?」

フェイロン「いや、違いますよ。あそこでハイタッチしたら、試合権がまた本田選手に試合権が移ってしまいますからね。だから本田選手は拒んだのでしょう」

実況「あぁ、なるほど……」

フェイロン「ディージェイ選手は……だって、変わって踊って……まだ、それだけじゃないですか……」


ダルシム、シッカリシテクレヨ、オーイ!

本田「ワシにタッチしてまた出番譲るんか……? ホラ、早く行ってこい……ド阿呆……」

ディージェイ「あっ、そっか……ハイタッチもタッチだもんね……ミーの出番がなくなっちゃうよ……そうかそうか……んっ……?」

745: 名無しさん 2015/08/02(日) 23:11:58 ID:fZVjtR.Q
ダール・シム ! ダール・シム !

実況「さぁ、ここで場内からのダルシムコールが巻き起こるっ!」

フェイロン「まぁ、これだけ煽られてたらねぇ……?」


ディージェイ「な、なんで……Mr.ダルシムコールが巻き起こるんだよっ……! 盛り上げてたのは、ミーだろ!? ミーのはずだろ!?」

本田「……お前がアピールする度に、場内からダルシム君への応援が起こっとったわ」

ディージェイ「Mr.ダルシム……何をしたっ……!? 何をして、ミーへの声援を横取りしたっ……!」ギロリ

本田「だから、それはお前が……」

ディージェイ「なんでなんでだ……なんで、皆してミーを貶める事をするんだっ……! Mr.本田も、Mr.ヤムチャも、そしてMr.ダルシムもっ……!」ズガズガ

本田「全部自己責任やっ! って、オイっ! オイっ……! 聞いとんのか!? 勝手な事はすんなよっ……!」

754: 名無しさん 2015/08/02(日) 23:23:16 ID:fZVjtR.Q
ヤムチャ(あ~あ……ったく、あんな表情しちゃってさぁ……?)


ダール・シム ! ダール・シム !

実況「さぁ、場内からはダルシムコールっ! しかし、そんな事はお構いなしと言わんばかりにディージェイはダルシムに近づいていくっ!」


ヤムチャ(怖い顔してんのはどっちだよ……楽しくやれよ、楽しくさぁ……?)

ディージェイ(くそっ、くそっ……なんでだ……なんで、誰もミーを認めてくれないっ……!)

ヤムチャ(自分がしたアピールが……ダルシムさんの声援になったからって……不貞腐れてるんだろ、お前……?)

ディージェイ(くそっ……くそっ……!)

ヤムチャ(頑張ってるのはわかるけど……方向性を間違っちゃいけねぇよ……さぁて、そろそろ俺も自軍コーナーへ戻りますかね……?)ムクッ

778: 名無しさん 2015/08/03(月) 22:05:00 ID:R2WwrXAQ
ディージェイ「くそっ……ミーは、ファンキーな試合がしたいんだよっ……! ホラ、Mr.ダルシムっ! 早く起きるんだっ……!」ググッ

ダルシム「……ううっ」


ダール・シム ! ダール・シム !

実況「さぁ場内からは溢れんばかりのダルシムコール……だがっ……! そんなお構いなしだと言わんばかりにディージェイが攻め立てていくっ! その身体を引き起こしたぁ!」


ディージェイ「ミーの方が、絶対絶対凄いんだよっ! ファンキーに……ファンキーにっ……!」クルッ

ダルシム「……ううっ」


実況「さぁ、そしてディージェイはダルシム正面でクルッと回転して……」


ディージェイ「……たあああぁぁっ!」ガスッ

ダルシム「……くっ!」

ディージェイ「……ダブルローリングソバットだよっ! はあっ!」ガスッ

ダルシム「……くあっ!」


実況「得意のソバットを打ち込んでいったぁ! そして回転しつつもう一発っ! ここは、得意のダブルローリングソバットだっ!」

779: 名無しさん 2015/08/03(月) 22:11:37 ID:R2WwrXAQ
ダルシム「ううっ……ああっ……」ヨロッ

ディージェイ「ワンモアっ! いくよっ!」ルンダルンダ


ダール・シム ! ダール・シム !

実況「ディージェイのリズムは止まらないかっ! フラついたダルシムの正面で両腕を大きく振って、踊るのも忘れないっ! そして、再びディージェイの身体が回転するっ!」


ディージェイ「……たああぁっ!」ガスッ

ダルシム「……ぐっ!」

ディージェイ「さぁ、ファンキーに……いくよっ……! ワンモアっ……!」

ダルシム「……ここだぁっ!」ガシッ

ディージェイ「……んっ?」


実況「そして仕掛けるっ! ダブルローリングソバットっ! 連続での回転……あっ、いやおっとおっとおっと……!?」

フェイロン「おっ、ダルシム選手がここはよく見てます」

実況「ダルシムは見ているっ! ディージェイの足を……両腕でガシッと捉えたぁ!」

780: 名無しさん 2015/08/03(月) 22:23:25 ID:R2WwrXAQ
ダルシム「このまま……うおおおぉぉっ……! フンっ……!」グイッ

ディージェイ「おっ、おおっ……ワオっ……!?」ドテッ


オー、オーオー

実況「ダルシムは取った足をそのまま捻り、強引にディージェイの身体をうつ伏せにテイクダウンさせていくっ!」


ダルシム「ダブルローリングソバットで来る事はわかってたからな……これ以上は好きにはやらせんよ……」ガシッ

ディージェイ「ヘイヘイ、何してるんだいっ! Mr.ダルシムっ……! ミーの邪魔を……」

ダルシム「邪魔……? 何を言っている……こういう話だったろう……うおおおぉぉっ!」ググッ

ディージェイ「あだだだだっ……痛い痛い痛い痛いっ……! 痛いってば、Mr.ダルシムっ……! もう、この……バカっ……!」


実況「ダルシムは、そのまま深く腰を落とし……ディージェイの足を固めていったぁ! ここは裏アキレス腱固めっ! ダルシムが裏アキレス腱固めで切り返してきたっ!」

フェイロン「蹴りで来る事を読んでいましたね。いい切り返しです」

783: 名無しさん 2015/08/03(月) 22:31:31 ID:R2WwrXAQ
ダール・シム ! ダール・シム !

ディージェイ「痛い痛い痛い痛いよっ……! 何すんだ、バカっ……!」ジタバタ

ダン「おい、ディージェイっ! どうすんだ、ギブアップかっ!?」

ディージェイ「Mr.ダンっ……! この人、可笑しいよっ! ねぇ、やめさせてよっ……!」ジタバタ

ダン「ノーだな!? よしっ、ならロープまで逃げろっ!」


実況「さぁ、ディージェイがもがくっ! 苦しむっ! 暴れているっ!」

フェイロン「結構、ガッツリ決まってるんですかね? 早くロープまで逃げた方がいいですね」


ディージェイ「離せっ……! 離せっ……! このバカっ……! このカレー野郎っ……!」ジタバタ

ダルシム「……落ち着いてロープまで逃げなさい。そこまで痛く締め付けてない」

785: 名無しさん 2015/08/03(月) 22:39:48 ID:R2WwrXAQ
本田「おいっ! ディージェイ、何しとんねやっ! はよ、ロープまで逃げてこんかいっ!」


ダール・シム ! ダール・シム !

ディージェイ「バカっ……! バカっ……! アホっ……! アホっ……!」ジタバタ

ダルシム「あぁっ……! もうっ……!」


実況「さぁ、リング中央でこいつは完全に決まっているのか!? ダルシムの裏アキレス腱固めっ! ディージェイはかなり苦しんでいます!」


本田「好き放題動く癖に、なんでこんな時は一切動かんねや……このバカタレは……」ササッ


実況「おぉ~っと、しかしここで……見かねた本田が、たまらずリングインしてきますっ!」

786: 名無しさん 2015/08/03(月) 22:48:32 ID:R2WwrXAQ
本田「……いつまでやっとんねや、このド阿呆っ! 離さんかいっ!」ドスッ

ダルシム「……ぐわっ!」バタッ


実況「本田はダルシムに近づいていって……蹴りを打ち込むっ! ここはカットしていきますっ!」

フェイロン「決まり具合はよかったんですけどね。でも、タッグマッチですから。こういう事になります」


ディージェイ「いちちち……あたたた……も~う、何だよ……」

本田「お前も、とっととロープまで逃げんかいっ! ド阿呆っ!」

ディージェイ「また、命令かいっ!? ミーに命令しないでよっ! ちょっとぐらい、好きにやらせてくれたっていいじゃないか!?」

本田「……お前、何生意気言うとんねん? あぁ?」ギロッ

ダン「ハイハイ、そこまでそこまで……本田君、下がりましょう……貴方に試合権はありません……ありませんから……」

本田「……チィっ」


実況「さぁ、カットでディージェイを救出した本田は……ここで引き下がっていきますっ!」

フェイロン「ダルシム選手も……惜しかったですね」

788: 名無しさん 2015/08/03(月) 22:53:45 ID:R2WwrXAQ
ワー! ワーワー!

実況「おぉ~っと、しかしここで場内からの突然の歓声っ! なんだなんだなんだっ!? どうしたどうしたっ!?」

フェイロン「……おっ?」


ヤムチャ「おっさん、遅れてゴメンよっ! 今、戻ったぜっ!」ピョンッ

ダルシム「いいタイミングだ……そろそろスタミナ切れだったんだよ……君の方はどうだ……?」ムクッ


実況「歓声の正体は……ヤムチャっ! ヤムチャだっ! ここでヤムチャがエプロンサイドへと戻ってきましたっ!」

フェイロン「来ましたね」

実況「そして、そこから手を伸ばすっ! 俺に交代しろと、ダルシムに要求しているっ!」


ヤムチャ「おっさんのおかげで、充分回復出来たよっ! さぁ、今度は俺の番だっ! おっさんは休んでおいてくれっ!」

ダルシム「それはよかった……では、君に任せるぞっ……!」

789: 名無しさん 2015/08/03(月) 23:00:00 ID:R2WwrXAQ
実況「さぁさぁ、ヤムチャが戻ってきたっ! ヤムチャが戻ってきたっ! ダルシムは自軍コーナーヤムチャへと近づいていくっ!」

フェイロン「ヤムチャ選手のあの様子を見る限り……ダメージは残ってないのでしょうかね?」


ワー! ワーワー!

ダルシム「多少は、ダメージを与えたつもりだが……う~ん、どうかな……? まぁ、後は君がなんとかしてくれ……!」パシッ

ヤムチャ「任しておけっての……! ディージェイに本田……纏めてぶっ飛ばすっ! ここから二人抜きだっ!」パシッ


実況「そしてここでタッチが成立っ! さぁ、ここで試合権がヤムチャに移ったっ! 再びヤムチャに移ってきたぁ!」


ヤムチャー! ヤムチャー!

ヤムチャ「さぁ、行こうかっ……! 先ずはディージェイ……お前からだっ!」

790: 名無しさん 2015/08/03(月) 23:11:00 ID:R2WwrXAQ
実況「さぁ、ここで意気揚々とヤムチャがリングインしてきますっ!」


ディージェイ(……なんだよ、我儘なMr.ヤムチャが出てきたよ! それなら、まだMr.ダルシムの方がマシだよ)

ヤムチャ(……そう露骨に嫌な顔するんじゃねぇよ、ディージェイ)

ディージェイ(ミーとのファンキーなバトルを楽しみにしてた……なんて言ってたのに……Mr.ダルシム達ばかりと楽しくしちゃってさぁ……?)

ヤムチャ(ここからだよ……ここからここから……お前の言ってるファンキーなバトルってのは、全くわかんねぇが……一緒にさ……ファンキーなバトル作っていこうぜ……?)


ヤムチャー! ヤムチャー!

ディージェイ(どうしてミーへの声援が来ないんだっ……! なんで、よりにもよってMr.ヤムチャなんだよっ……!)キョロキョロ

ヤムチャ(……ブーイングなんて、気にしてんじゃねぇよ、バカ野郎。自慢じゃねぇが、俺の時はもっと酷かったぞ? 俺は、もっと酷いブーイングを貰って第二試合に落ちちまったぞ?)

ディージェイ(……くそっ!)

ヤムチャ(でも、そんな俺をまた第五試合に戻してくれたのは……紛れもなく、お前なんだ……お前なんだよ、ディージェイ……お前のおかげなんだよ……)

791: 名無しさん 2015/08/03(月) 23:18:04 ID:R2WwrXAQ
ヤムチャ「今度は……! 俺の番なんだよっ……! うおおおぉぉっ! いくぜっ!」ダダッ


実況「さぁ、そしてヤムチャが突っ込んだぁ! 勢いよくディージェイに向かって突っ込んでいったぁ!」


ヤムチャ「言う事、聞かねぇならず者に使う技は……」

ディージェイ(くっ……!)

ヤムチャ「……断空脚だっ! だぁんっ!」ドスッ

ディージェイ「……うぐっ!」


実況「そして仕掛けるっ! ヤムチャの突き刺すような飛び膝蹴りィ! ディージェイの腹部に打ち込み、その動きを止めるっ!」


ヤムチャ「ちょっとだけ……ちょっとだけ、やられてもらうぜ……! すぐにお前の番にしてやるからよっ……! だぁっ!」ドスッ

ディージェイ「……くああぁぁっ!」


実況「さらにさらにヤムチャは体勢を低くし……右の肘をディージェイの腹部に打ち込んでいったぁ!」

792: 名無しさん 2015/08/03(月) 23:23:32 ID:R2WwrXAQ
ヤムチャ「悪ィな、ディージェイ……今は……今だけはっ……!」ググッ


実況「その体制のまま、おっとっ! ヤムチャは今度は大きく左腕を振り被るっ!」


ヤムチャ「我慢しててくれっ……! はいやあぁっ!」バッチーンッ

ディージェイ「……くあああぁっ!」クラッ


実況「そしてそのまま、ディージェイの頬を張っていったぁ! 強烈なビンタっ!」


ヤムチャ「フラついたな……よしっ……!」ググッ

ディージェイ「自分勝手だよっ……Mr.ヤムチャっ……!」

ヤムチャ「後でお前にもやらせてやるよっ……! うおおぉぉっ、ボディスラムだっ!」ドシーンッ

ディージェイ「……うぐっ!」


ワー! ワーワー!

実況「フラついたディージェイの身体掴みにかかり……そしてボディスラムっ! その身体投げていくっ! ここでヤムチャがダウンを奪ったっ!」

フェイロン「打撃のラッシュから投げに繋げていきましたねぇ。いいコンビネーションですよ」

821: 名無しさん 2015/08/04(火) 22:06:28 ID:SJ65sU8I
ヤムチャ「さぁ、ここからはずっと俺が攻めるぜっ! 纏めてぶっ飛ばすっ! こいつも……!」ググッ

ディージェイ「……うぐぐっ」


イケイケ、ヤムチャー!

実況「ヤムチャは握り拳を作り、自身に気合を注入にしていくっ!」

フェイロン「どうやら、スタミナはもう万全みたいですね」

実況「スタミナ充分っ! これが若さかっ!? 迸るヤング・パワー!」


ヤムチャ「そして……アイツもだっ……! うおおおぉぉっ!」ダダッ

本田「……ぬっ?」


実況「おぉ~っと、そしてヤムチャはエプロンサイドの本田へと向かっていったぁ!」


ヤムチャ「とりあえず、落ちてろっ……! ちょろちょろされると、うざってぇからなっ……!」ガスッ

本田「……ど、どふっ!」


実況「ヤムチャはエプロンサイドの本田に突っ込んでいき、そしてエルボーバーットっ! 本田を場外へと蹴散らしていったぁ!」

822: 名無しさん 2015/08/04(火) 22:15:06 ID:SJ65sU8I
ヤムチャ「うかうかしてると……ここまま試合は終わっちまうぞっ……!? あんたも気合いを入れなっ!」ビシッ

本田「……あぁっ、くそったれっ! そうはいかんっ!」


ワー ! ワーワー!

実況「さぁ、ヤムチャは場外の本田に向かって指を指して、何やら言っているっ!」

フェイロン「一人で、いい状況を作っていきましたね。いいですよ」


ワー ! ワーワー!

ヤムチャ「なぁなぁ、皆っ……! ちょっと頼みがあるんだよっ! なぁなぁなぁ……!?」

イケイケ、ヤムチャー!

ヤムチャ「あぁ、わかってるわかってる……! いくよ、ここからいくよ……だけど……」

823: 名無しさん 2015/08/04(火) 22:23:56 ID:SJ65sU8I
ヤムチャ「……ちょっと、静かにしておいてくれねぇかな? ホラ、シィーっ」


ザワ……ザワ……

実況「おぉ~っと、ここでヤムチャは……人差し指を自身の口の前に出し……これは、静かにしてくれというジェスチャーをしていますね?」

フェイロン「そうですね、アレはそういうサインです」


オイ、ヤムチャ、ナニヤッテンダヨー! セメロー、セメロー!

ヤムチャ「ダメだって、声出しちゃ……バレちゃうから……いくからいくから……」ササッ


実況「お~っと、そしてヤムチャは腰を低くして……ゆっくりとディージェイに忍び寄るようにして、足元付近に近づいていきますっ!」

フェイロン「……気配を殺していますね」

825: 名無しさん 2015/08/04(火) 22:32:50 ID:SJ65sU8I
ヤムチャ「こいつの……」チョンチョン

ディージェイ(あれ……? オーディエンスの声援がなくなったぞ……?)

ヤムチャ「ここ、ここ……後頭部を……」ポンポン


実況「ヤムチャはダウンしているディージェイを指差して……おっと、自身の後頭部をポンポンと叩きますっ!」


ヤムチャ「俺の右足で……」ポンポン

ディージェイ(なぁ~に、やってるんだいMr.ヤムチャ……せっかくミーがやられてあげたっていうのに……もっと熱狂させなきゃ、ミーはただのやられ損じゃないかっ!)

ヤムチャ「こう……スパーンとね……?」スッ


実況「さらに、右足を叩き……そして、右足を突き出すような素振りを見せたっ! これはこれは!?」

フェイロン「起き上がりを待って……後頭部に蹴りを打ち込むという事じゃ、ありませんか?」

実況「おぉ~っと、ここは予告だっ! ヤムチャが予告してきたっ! 次の攻めを予告してきたぞっ!」

826: 名無しさん 2015/08/04(火) 22:42:02 ID:SJ65sU8I
オー、オーオー

ヤムチャ「ダメダメダメ……声出しちゃ、バレちゃうよ……! シィーっ、シーっ!」

ダルシム「……皆、静かに」


実況「さぁ、ヤムチャが気配を殺してディージェイの起き上がりを待っているっ!」

フェイロン「ディージェイ選手は気づいていませんからね」

実況「起き上がった時が最後っ! 起き上がれば、後頭部に仕掛けられるっ! しかし、ディージェイはそんな事を知る由もないっ!」


ザワ……ザワ……

ヤムチャ「……さぁ、狙うぜ」ググッ

ディージェイ「何やってんだよ、Mr.ヤムチャは……全くもう……」ムクッ


実況「場内の緊張感が高まってくるっ! いやっ、これは期待か!? さぁ、ヤムチャが腰を低くして構えたぁ! そして、ディージェイがもう既に狙われてる事も気づかずに今ゆっくりと立ち上がってくるっ!」

827: 名無しさん 2015/08/04(火) 22:48:11 ID:SJ65sU8I
ヤムチャ「そこだぁ! ディージェイっ……!」サッ

ディージェイ「……ん?」


オー、オーオー

実況「さぁ、そしてヤムチャが仕掛けたっ! サイドステップで踏み込みつつのっ……!」


ヤムチャ「後頭部に、喰らいなっ……! せいやああぁぁっ!」スパーンッ

ディージェイ「……ど、どふっ!」ドテッ


ワー! ワーワー!

実況「トラースキーックっ! ディージェイの後頭部へと打ち込んでいったぁ!」

フェイロン「予告通りにきましたね」

実況「こいつを喰らって、ディージェイは再びダーウンっ! 今度は前のめりに……うつ伏せにダーウンっ!」

828: 名無しさん 2015/08/04(火) 22:59:24 ID:SJ65sU8I
ヤムチャー! イイゾー、ヤムチャー!

ヤムチャ「もう、声出していいよっ! って、アラ……? 皆、もう声出してるのね?」


実況「静まっていた場内が、一斉に湧き上がりますっ! 静寂から……大歓声っ!」

フェイロン「いや~、うん……凄いです……」


ディージェイ(なんだなんだ、シラけたり湧いたり……なんだこりゃ……!?)

ヤムチャ「イエーイっ! イエイ、イエイっと!」ググッ


実況「さぁさぁ、ヤムチャは両腕をググッと突き上げ、さらにそれを振るっ!」

フェイロン「ヤムチャ選手、一度控えてから……凄く、周りの状況見えるようになってきましたね


ヤムチャ「フォールだっ! これで終わりにしようっ! よいしょっと……! ハイ、レフェリーお願いしますっ!」ガバッ

ダン「オーケーっ! 任せておきなっ!」


実況「コーナーで控えて上手くクールダウン出来たか!? おっと、ヤムチャは仰うつ伏せのディージェイの身体を転がし仰向けにして、覆いかぶさるっ! ここでフォールに入ったぁ!」

830: 名無しさん 2015/08/04(火) 23:05:55 ID:SJ65sU8I
ダン「ワンっ……!」

ワー! ワーワー!

ダン「ツーっ……!」

ワー! ワーワー!

ダン「……スリ」

ディージェイ「……まだ、ミーは何もしてないよっ!」ガバッ

ヤムチャ「おっとっ……! だが、それでいいっ……!」

ダン「カウントはツーだっ! カウントツーっ! まだ決まっちゃいねぇぞっ!」


実況「しかし、ここはカウントツーっ! ディージェイも返していきますっ!」

フェイロン「いいの入ったんですけどね。おっと、ここで本田選手もエプロンに戻ってきましたよ」


本田「ここで決められへんかったのは……大きいぞ……? 決めるなら、ワシがおらん間やったな……」

832: 名無しさん 2015/08/04(火) 23:17:16 ID:SJ65sU8I
ヤムチャ「本田の野郎が戻って来たが……関係無しだよ、いざとなったらおっさんが止めてくれるんだっ……! さぁ、続けていこうっ!」ムクッ


実況「おっと、ここはヤムチャも冷静に切り返していくっ! すぐ様、ディージェイの身体から離れ、起き上がっていくっ! これ、決まらなかった事への落胆……みたいなものはないのでしょうか、フェイロンさん?」

フェイロン「流石に大技とかで返された場合なんかは、ありますけどね。まぁ、今のは決まればいいな……なんて感じでフォールに入ったんじゃないですかね? ヤムチャ選手も」

実況「なるほど! これはヤムチャも想定内と」


セメロ、セメロ、ヤムチャー!

ヤムチャ「あぁ、わかってるよ。よ~し、いこうか……ディージェイ、ほら起きろっ……!」ググッ

ディージェイ「……ううっ」


実況「場内のヤムチャムードは止まらずっ! ヤムチャは続け様にディージェイの身体を引き起こしていくっ! ヤムチャの攻めは止まらないっ!」

フェイロン「ただ、状況として違うのは本田選手がエプロンに戻って来た所でしょうね。自分は、ここは先程と大きく違うポイントだと思いますよ」

834: 名無しさん 2015/08/04(火) 23:28:01 ID:SJ65sU8I
ヤムチャ「まだまだいくぜっ……! そらっ……!」ガシッ

ディージェイ「……くっ!」


イケイケ、ヤムチャー!

実況「さぁ、ここでヤムチャは組み合ってきたっ! ロックアップっ! フェイロンさん、本田が戻って来た事は、やはり厄介なんでしょうか?」

フェイロン「先程みたいな状況になっても、今度はカットされちゃいますからね。厄介だと思います」


ヤムチャ「ディージェイ……ディージェイ……話がある……」ボソッ

ディージェイ「……んっ?」

ヤムチャ「ちょっと、好き放題やって悪かったな……だけど、今度はお前の番だ……お前が好きにやっていいんだ……」

ディージェイ「……本当かい!?」

ヤムチャ「俺がやった分だけ……お前は俺にやり返す権利がある……ただし、最初の一手だけは従ってくれねぇかな……?」

ディージェイ「……また命令かい!?」

ヤムチャ「一手だけだよ、後は自由だっ……!」


実況「……先程は、本田は場外で倒れてましたからねぇ? ヤムチャも邪魔される事なく、フォールに入れました」

フェイロン「見た感じ、本田選手もまだまだスタミナは残っているという印象ですからね。今度は勝負所で本田選手どう押さえ込んでいくかという事も、必要になってきます」

866: 名無しさん 2015/08/05(水) 22:01:01 ID:3U3lG6LY
ヤムチャ「……カウンターで膝蹴り仕掛けてこいっ! こういう風になっ!」ドスッ

ディージェイ「……ぐっ!」


実況「組み合った状況のまま……おっと、ヤムチャは腹部に膝蹴りを打ち込んでいったぁ!」


ヤムチャ「どうしたどうした、ディージェイ!? お前はこんなもんじゃねぇだろっ! なぁ、そうだろ!?」ドスドス

ディージェイ「うぐっ……ミーはこんなもんじゃないよ!」


実況「さぁ、ヤムチャは二発、三発と続けて打ち込んでいくっ!」

フェイロン「完全にヤムチャ選手のペースですね」

実況「ヤムチャのペースだっ! ヤムチャのペースっ! これには本田のエプロンサイドで苦い表情をしていますっ!」


ヤムチャ「……だったら、見せてみやがれっ! いくぞっ、ソレっ!」ブンッ

ディージェイ「おおっ……ワオっ……!」


実況「さぁ、そのままヤムチャはディージェイの身体を……ロープへと振っていったぁ!」

867: 名無しさん 2015/08/05(水) 22:08:47 ID:3U3lG6LY
ヤムチャ「いくぜ、今度はぶん投げてやるっ! うおおおぉぉっ!」ダダッ


イケー! イケイケー!

実況「さぁ、そしてヤムチャ自身もロープへと走っていくっ!」

フェイロン「今度はロープの反動利用してきましたね」


ヤムチャ「ぶん投げてやるっ……! スパインバスター……いくぜっ……!」ダダッ

ディージェイ「ここでミーがカウンター攻撃を仕掛ければいいんだね……? Mr.ヤムチャ……」ダダッ


実況「ヤムチャがロープの反動を利用して向かっていくっ! そして、ディージェイもその反動で戻ってきたぁ! 二人の身体が今、正面衝突寸前っ!」


ヤムチャ「来いっ……! ディージェイっ……!」

ディージェイ「……全く、ミーに地味な事をさせないでくれよ。まぁ、ここだけは特別に従ってあげるよ」

868: 名無しさん 2015/08/05(水) 22:16:52 ID:3U3lG6LY
ディージェイ「……それっ!」ドスッ

ヤムチャ「……うおっ! おぐうううぅぅっ!」

ディージェイ「……ん?」


実況「さぁ、今ヤムチャが……あっ、いや……おっとおっとおっとっ! ここはディージェイが返してきたっ!」

フェイロン「おっと、ディージェイ選手……自力で返してきましたね?」

実況「ディージェイはカウンターでの膝蹴りをヤムチャの腹部へと打ち込んでいったぁ!」


ヤムチャ「ガッ……! うっ、うおおっ……!」クルンッ

ディージェイ「ワオっ……! なんだなんだなんだ……!?」


実況「強烈なカウンターを腹部へと打ち込まれたぁ! ヤムチャの身体が浮き上がるように持ち上がり……!」


ヤムチャ「……ぐええええぇぇっ!」バターンッ

ディージェイ「……ワオっ!」


実況「そのままクルッと一回転して、前方へと倒れ込みますっ! 強烈な強烈な膝を貰ってしまったぁ!」

フェイロン「強烈ですね」

869: 名無しさん 2015/08/05(水) 22:23:12 ID:3U3lG6LY
ザワ……ザワ……

ヤムチャ「ガッ……ゴ、ゴホッ……やべぇ、息が出来ねぇ……」


実況「ヤムチャは腹部を抑えて、苦しんでいるっ! 悶えているっ!」

フェイロン「あ~、ちょっと呼吸止まってるんじゃないですかねぇ、今……」


ディージェイ「へ、ヘイ……Mr.ヤムチャ……大丈夫かい……? ミ、ミーはそこまで強く打ってないよ……?」

ヤムチャ「アピールでも、疲れてる振りでも、何でもいいよっ……! 棒立ちだけは勘弁してくれっ!」

ディージェイ「これは……ひょっとして……ミーの中の秘めたるパワーが目覚めちゃったのかな……? どうしよう、下手したらMr.ヤムチャを怪我させちゃう……」

ヤムチャ「安心しろっ……! 目覚めてはいないっ……! 普通に攻めなさいっ! バカっ……!」

872: 名無しさん 2015/08/05(水) 22:30:29 ID:3U3lG6LY
本田(また、ド派手な受け身をかましよったなぁ……ディージェイ相手にそこまでせんでもええんちゃうか……?)

ヤムチャー! シッカリシロー!

本田(せやけど……ヤムチャ君があそこまでやっとんねや……ほんなら、ワシも乗っておかなアカン……)


実況「ここでディージェイが形勢を変えてきたか……!? ヤムチャは動けないっ!」

フェイロン「いい感じでいけてたんですけどねぇ……」


本田「おい、コラっ! ディージェイっ! 何をボーっとしとんねやっ!?」

ディージェイ「……ん?」

本田「効いとるぞっ! 今の攻撃……効いとるぞっ! ホラホラ、いけいけっ!」パチパチ


実況「ここで、エプロンサイドの本田も大きく大きく手を叩き、場内を煽っていくっ! 再び、流れを引き寄せようとしているっ!」

873: 名無しさん 2015/08/05(水) 22:39:20 ID:3U3lG6LY
ダルシム「ヤムチャ君、しっかりしろっ! 立てっ! 立つんだっ!」バンバン


ヤムチャー! シッカリシロー!

実況「しかし、そうなってくるとダルシムも黙ってはいないか!? コーナーポストをバンバンと叩きながら、ヤムチャに声をかけているっ!」

フェイロン「流れを引き渡したくありませんからね。試合権がない二人もヒートアップしてきました」


本田「攻めろ攻めろっ! いけいけいけっ!」パチパチ

ダルシム「立てっ……! 立つんだ、ヤムチャ君っ……!」バンバン


ワー! ワーワー!

ディージェイ「ワーオっ! 凄~いっ! 何だか、コレ……ファンキーになってきたんじゃないの? ミーのニーアタックは一級品だね!」

ヤムチャ(ここからだぞ……ここからだ、ディージェイっ……! ディージェイも凄いんだな……なんて思われるような事……俺とお客さんに見せてみろっ……!)

874: 名無しさん 2015/08/05(水) 22:44:27 ID:3U3lG6LY
ディージェイ「よぉ~しっ……! そういう事ならっ……!」

ヤムチャ(何でもいいっ……! 何でも来いっ……! ディージェイっ!)

ディージェイ「見たかいっ!? 今のミーのファンキーな攻撃っ! イエーイっ!」ルンダルンダ


実況「すかさず、ディージェイはここで踊り始めるっ! 両手を振りながらっ! ステップを踏むっ! 勿論、アピールも忘れませんっ!」

フェイロン「まぁまぁ、あぁいう間の取り方がディージェイ選手のリズムなんでしょうかね?」


ディージェイ「秘めたるパワーを解放させちゃうよっ!」ルンダルンダ

ヤムチャ(今日はな……皆、アピールが多い試合……俺も、結構アピールしたからな……そう感じて貰えてたらいいんだけどな……でも、ちょっと早くしてかもしれない……)

ディージェイ「……イエーイっ!」ググッ

ヤムチャ「……ん?」


実況「お~っと、ディージェイはそのまま両腕を振りつつダンスをしながら……ヤムチャに向かって倒れ込んでいったぁ!」

877: 名無しさん 2015/08/05(水) 22:56:13 ID:3U3lG6LY
ディージェイ「イヤッホオオォォッ!」ドスッ

ヤムチャ「うおっ……このタイミングは……予想外っ……! ぐあっ……!」


実況「ディージェイはダンスをしつつ、その流れのままヤムチャに肘を落としていったぁ!」

フェイロン「あ~っと、アピールと攻撃……両方を兼ね備えていたんですね」

実況「ダンシング・エルボーとでも呼べばいいか!? 再び、ヤムチャの腹部に落としていきますっ!」


ヤムチャー! ヤムチャー!

本田「よっしゃ、いいぞっ! ディージェイっ! そのままいけいけっ!」

ディージェイ「任せておきなよっ! とうとう来たよっ! ファンキーな時間がね! イヤッホゥ!」ムクッ

ヤムチャ(まだ、ヤムチャコールだぞ、ディージェイ……この声援をディージェイにコールに変える何かを見せてみろよっ……! 俺は本田さん相手に、また戻してみせるからよぉ……!)


実況「ディージェイがリズムを掴んで来たかっ!? さぁ、すぐ様ディージェイが起き上がる」

フェイロン「その、常に違う意味でのリズムに乗っている選手ですからね……でも、多分これは本当に乗ってるんではないでしょうか? 試合のリズムも……踊りのリズムも……」

881: 名無しさん 2015/08/05(水) 23:04:42 ID:3U3lG6LY
ディージェイ「ヘイヘイ、Mr.ヤムチャ! 早く起きてっ! ファンキーな時間が終わっちゃうよっ!」ググッ

ヤムチャ「急かすなっ……! お前のタイミング……掴めねぇんだよっ……!」


実況「さぁさぁ、ここでディージェイがヤムチャの身体を引き起こしていくっ! 強引に引き起こしていくっ!」

フェイロン「攻めるなら、リズムに乗っている今ですね」


ディージェイ「イエーイっ!」ルンダルンダ

ヤムチャ「それでいいよ……もうっ……!」


実況「さぁさぁ、ヤムチャはまだ少し苦しんでいるか? 腹部を抑えていますっ! そして、そんなヤムチャの目の前で……ディージェイがまた踊るっ! 見せつけるかのごとく踊るっ!」

フェイロン「好きですねぇ」


ディージェイ「……ヒャッホゥっ!」ドスッ

ヤムチャ「……ぐっ!」

ディージェイ「……ワンモアっ!」ドスッ

ヤムチャ「……ガッ!」


実況「……と思ったら、即座に繰り出したぁ! クルッと回ってのソバットっ! さらにもう一回転しつつ、二発目っ! ここは得意のダブルローリングソバットっ!」

883: 名無しさん 2015/08/05(水) 23:12:55 ID:3U3lG6LY
本田「もうええ、もうええっ! とりあえず、それでええっ! とにかくいけいけいけっ!」パチパチ

ダルシム「くそっ……! ヤムチャ君、負けるなっ!」バンバン


ワー! ワーワー!

ディージェイ「乗ってきてるんじゃないかなぁ!? これ、乗って来てるじゃないかなぁ!? ねぇねぇねぇ!?」ルンダルンダ

ヤムチャ「ゴ、ゴホッ……腹ばかり狙いやがって、この野郎っ……!」


実況「ディージェイの回転ゴマぁ! お~っと、そして再びディージェイは踊り始めるっ!」

フェイロン「これは……タイミングをずらしているんでしょうね」


ディージェイ「イヤッホゥ!」ドスッ

ヤムチャ「……ぐっ!」

ディージェイ「……ワンモアっ!」ドスッ

ヤムチャ「……ガハっ!」


実況「ダンスで時間差を作りつつ……再び仕掛けてくるっ! ダブルローリングソバットっ! このディージェイっ! 独特のリズムを持っていますっ!」

887: 名無しさん 2015/08/05(水) 23:22:03 ID:3U3lG6LY
本田「なんか違う事してもええねんぞっ!? ないなら、もうそれでいけっ!」パチパチ

ダルシム「くそっ……ヤムチャ君、しっかりしろっ!」バンバン


ワー! ワーワー!

ディージェイ「乗ってきたよ、乗ってきたよっ! もう、ミーは止まらないよっ! イエーイっ!」ルンダルンダ

ヤムチャ「う~ん……大丈夫か……? コレっ……!?」


実況「再び、ディージェイはヤムチャの正面で踊る踊るっ! ディージェイの独特のリズムの攻撃っ!」

フェイロン「ヤムチャ選手……翻弄されてますね……」


ディージェイ「ンッ、ンッ、ンッ~! イエーイっ!」クルッ

ヤムチャ「……来るかっ!?」

ディージェイ「イエーイっ!」ルンダルンダ


実況「そして、ディージェイが再びを身体をクルッと回転させて……おっとおっとおっとっ! これは違う違うっ! これはただのターンだっ! 再びディージェイは踊ります!」

895: 名無しさん 2015/08/05(水) 23:30:20 ID:3U3lG6LY
ディージェイ「イヤッホオオォォッ!」クルッ

ヤムチャ「このタイミングかっ……!?」


実況「再び、ディージェイの身体が一回転っ! 来るかっ!?」


ディージェイ「イエーイ!」ルンダルンダ

ヤムチャ「おっ、おっ、おっ……あぁっ……」


実況「いやっ……! 来ないっ……! これはただのターンっ!」

フェイロン「フェイントですね。ヤムチャ選手、引っかかりました」


ディージェイ「イヤッホオオォォッ!」クルッ

ヤムチャ「これかっ……!?」


実況「再び、回転っ! 来るかっ……!?」


ディージェイ「……イエーイ!」ルンダルンダ

ヤムチャ「えぇ~い……こんにゃろ、コイツ……!」


実況「こ~な~いっ! これもフェイントっ! ただのターンですっ!」

フェイロン「どのタイミングで来るんでしょうかねぇ……?」

903: 名無しさん 2015/08/05(水) 23:42:21 ID:3U3lG6LY
ディージェイ「イヤッホオオォォッ!」ルンダルンダ

ヤムチャ「これで来なかったら反撃するぞっ……!? 来るなら来いやっ!」


実況「またも回転っ! 今度はどうだっ! 来るかっ!?」


ディージェイ「OK、わかったよっ……! ちょっと、乗りすぎちゃったかな? イヤッホゥ!」ドスッ

ヤムチャ「……ぐっ!」

ディージェイ「……ワンモアっ!」ドスッ

ヤムチャ「……がぁっ!」


実況「ここで来たぁ! ダブルローリングソバットっ! ターンと見せかけての得意ダブルローリングソバットをヤムチャの腹部へと打ち込んでいったぁ!」

フェイロン「なかなか読みにくい攻めを見せてくれましたね」


ディージェイ「イエーイ! まだまだいくよ!」ルンダルンダ

ヤムチャ(流石に、これは長ぇよ……もうお腹いっぱいだ……ダウンしておこう……)ドテッ


実況「ダンスとキックのコンビネーションをディージェイは見せつけていきますっ! ディージェイのリズムは止まらないっ!」

フェイロン「……独特ですねぇ」

実況「おっとおっと……そして、ヤムチャはスリップするように……ダウンしてしまったぁ!」

926: 名無しさん 2015/08/06(木) 22:02:38 ID:kZfTxDc6
本田「こりゃ、ワシの出番はもうあらへんかもなぁ~! ガーハッハッハ! ええぞええぞ!」

ダルシム「滑っただけだっ! まだいけるっ! 頑張れ、ヤムチャ君っ!」バンバン


ワー! ワーワー!

実況「さぁさぁ、ディージェイのトリッキー攻めで……ヤムチャはダウンさせられてしまいましたっ! ディージェイも一筋縄ではいかない男だぁ!」

フェイロン「来るのか来ないのか、わからないようなトリッキーな技でしたからね。ん……? 技……? 技かな……?」

実況「その辺りも含め……おそらく、技なのでしょう! アレは!」

フェイロン「あ、あぁ……そうですね……」


ディージェイ「イエーイっ! ミーは乗ってるよ~! さぁ、まだまだ……って、アレ……? Mr.ヤムチャ……何でダウンしてるんだよ……? 君がダウンしてちゃ攻撃出来ないよ?」ルンダルンダ

ヤムチャ(間にダンス挟んでたけど……本当に同じ技しかしねぇ奴だな……他にねぇのかよ……)


実況「まだまだ、踊っていくディージェイっ! ヤムチャが立っていようが、寝ていようが……ディージェイには関係ありませんっ!」

927: 名無しさん 2015/08/06(木) 22:09:32 ID:jttP3V1U
ディージェイ「さぁさぁ、ミーのファンキーな時間はまだまだ続くよ……? ホラ、Mr.ヤムチャも起きなきゃ……何してるの……?」ググッ

ヤムチャ「なぁ、ディージェイ……?」

ディージェイ「なんだよ、Mr.ヤムチャ……ほら、早く起きなきゃ……」


実況「おっと、ディージェイはここで踊りをストップして……ヤムチャの身体を引き起こしにかかりますっ!」

フェイロン「でも、起こしたら……また踊り出すんでしょうね?」

実況「ええ、そうです! 間違いありませんっ!」


ヤムチャ「え~っと……お前の違う技とかも、見てみたいなぁ……きっと、格好いいんだろうと、思うんだよなぁ……俺も、お客さんも……」

ディージェイ「オーウ! そうかい!? でも、早く起きなよ、ほらほら……」

ヤムチャ「なんか、他に技持ってねぇのかな……? 俺、見たいなぁ……な~んて……」

ディージェイ「……一応、ある事はあるんだけどねぇ。でも、早く起きなよ。ねぇ、早く立ってよ」

929: 名無しさん 2015/08/06(木) 22:24:26 ID:jttP3V1U
ヤムチャ「あるんだったらさぁ……? 他の技、見せてくれないかな……?」

ディージェイ「う~ん……ダメだね……早く起きなよ、ねぇねぇ……?」

ヤムチャ「……何でダメなんだよ!?」

ディージェイ「ミーはスーパースーパー強いから、ダブルローリングソバット以外の技は、相手に怪我をさせちゃうんだよ」

ヤムチャ「……あぁ?」

ディージェイ「ミーのファンキーなパンチは……Mr.ブランカに禁止されてるんだよ……そもそもMr.ヤムチャのせいなんだからね……?」

ヤムチャ「……なんで、俺が」

ディージェイ「だって、前のMr.ヤムチャとの試合の後に……もうパンチはするなって、ミーは言われたんだから……」

ヤムチャ「……なる程、そりゃ俺のせいだわ」

ディージェイ「……でしょ? というか、早く起きてよ」

ヤムチャ「……よ~し、わかったっ! 俺のせいで、お前はそうなったんだな? だったら、俺が責任を取ろう! 俺が取ってやろうっ!」

ディージェイ「……ん?」

930: 名無しさん 2015/08/06(木) 22:32:59 ID:jttP3V1U
ヤムチャ「ダブルローリングソバット以外オッケーっ! 今日の試合だけは……使ってよしっ……!」

ディージェイ「……本当かい!?」

ヤムチャ「そ、その代わり……ちゃんと加減して打てよ? 加減をしろよ……? 今日は相手にダメージを与えないようにする事の練習も兼ねてだよ……?」

ディージェイ「ミーはスーパースーパー強いからね! 難しいけどやってみるよ!」

ヤムチャ「前の試合みたいなさぁ……? 本気の殴り合いは俺、もうゴメンだからな……!?」

ディージェイ「わかってるわかってるよ! Mr.ヤムチャっ! そういう事だったら……ほら、早く起きなよっ!」

ヤムチャ「あっ、後……俺以外にするのも禁止な……? ダルシムさんには、ダブルローリングソバットでいけよ?」

ディージェイ「わかってるわかってるよ! Mr.ヤムチャ! 早く起きて早く起きて!」

ヤムチャ「よしよし……わかったわかった、起きるよ……」ムクッ

931: 名無しさん 2015/08/06(木) 22:45:08 ID:jttP3V1U
実況「さぁ、ここでディージェイが……ヤムチャの身体を引き起こしてきましたっ!」

フェイロン「踊ってのキックですかね?」


ディージェイ「それじゃあ、Mr.ヤムチャ……いくよ……?」ササッ

ヤムチャ(自分で言ったけど……あ~、何だろな……爆弾が突っ込んでくる気分……)


実況「おっと……!? ディージェイは、踊らないっ!」

フェイロン「あっ……変えてきましたねぇ?」

実況「ヤムチャを引き起こしたディージェイ……ヤムチャから、少し距離をとったぁ!」


ディージェイ「それじゃあ、いくよっ……! Mr.ヤムチャっ……! 怪我しないように気をつけてね!」ダダッ

ヤムチャ(怪我をするかしないかは、お前のサジ加減次第だってのっ……!)

ディージェイ「イヤッホオオォォッ!」ガスッ

ヤムチャ「……ぐがっ!」

932: 名無しさん 2015/08/06(木) 22:51:13 ID:jttP3V1U
実況「ディージェイは、そのままヤムチャに突っ込みつつ飛び込んでいったぁ! そして、膝をヤムチャの顎にぶつけていくっ!」

フェイロン「おっと……飛び込んできました」

実況「ここはニーショットか!? フライング・ニー・ショーットっ!」


ヤムチャ「ガッ……! これ……マジで痛いぞ……オイ……」フラッ

ディージェイ「……だから、言ったじゃないか? 大丈夫かい?」シュタ

ヤムチャ「くっ、大丈夫……俺は他と違って、頑丈だ……だから、打って来いっ!」

ディージェイ「……オーケーっ!」


実況「ヤムチャの身体がフラつくっ! ディージェイはそのままヤムチャの正面へと着地ィ!」

フェイロン「さぁ、どうするのか……」

933: 名無しさん 2015/08/06(木) 22:58:42 ID:jttP3V1U
ディージェイ「……シュッ、シュッ!」ガスガス

ヤムチャ「痛っ……! 痛っ……!」


実況「そのまま、ディージェイはヤムチャの顔面に打ち込んでいくっ! 右・左と交互にフックをお見舞いしていったぁ!」


ディージェイ「ガードが空いてるよ? ホラ、シュッ……シュッ……シュッ……シュッ……」バスバス

ヤムチャ「くっ、くっ……痛っ……うおっ……!」


オー、オーオー

実況「グラついたヤムチャの頭部へと……スナップを効かせたパンチを打ち込んでいくっ! 右手一本でディージェイがズバスバとリズムよく打ち込んでいくっ!」

フェイロン「ディージェイ選手も一気にきましたね?」

934: 名無しさん 2015/08/06(木) 23:06:11 ID:jttP3V1U
ディージェイ「シュッ……シュッ……シュッ……シュッ……」バスバス

ヤムチャ「だ、だから……もうちょっと加減しろって……強いぞコレ……」ググッ


実況「さぁさぁ、ディージェイがスナップを効かせたパンチを、ヤムチャの顔面に打ち込む打ち込む打ち込むっ!」

フェイロン「ヤムチャ選手もガードをあげてきました」

実況「ヤムチャは堪えていくっ! 両腕で顔面を覆う様にして、何とかコレを凌いでいく! 肉のカーテンっ!」


ディージェイ「……足ィ!」ガスッ

ヤムチャ「……ぐわっ」


実況「お~っと、しかしこれは、注意が上に行き過ぎたか? ディージェイはヤムチャの脛辺りを踏みつけるように蹴っていくっ!」

フェイロン「顔をガードしてるから、見えませんよね」


ダルシム(攻めを変えたディージェイ君……どっちだ……? ディージェイ君の判断か……それともヤムチャ君が何か言ったか……?)

937: 名無しさん 2015/08/06(木) 23:18:11 ID:jttP3V1U
ヤムチャ「ぐわっ、たっ……足かよ……これも強いぞっ……!」ヨロッ

ディージェイ「……ボディっ!」ドスッ

ヤムチャ「……ゴッ!」


実況「ガードを固められても、何処かが空いているっ! 今度はボディにいったぁ! 強烈な一撃を打ち込んでいったぁ!」

フェイロン「ディージェイ選手が……まさかまさかのヤムチャ選手を手玉に取ってますね?」


オー、ディージェイモ、アンガイ、ヤルンジャネェカ?

ディージェイ「……いくよっ!」クルッ

ヤムチャ「……んあっ?」

ディージェイ「イヤッホゥ!」ドスッ

ヤムチャ「……ぐっ!」

ディージェイ「……ワンモアっ!」ドスッ

ヤムチャ「うげっ……! これも、さっきより強いんじゃねぇかな……?」


実況「ボディが空いてるなら、そこを狙うのは当然だっ! ここで得意のダブルローリングソバットを打ち込んでいくっ!」

フェイロン「ラッシュの中に織り交ぜてきましたね」

941: 名無しさん 2015/08/06(木) 23:26:37 ID:jttP3V1U
ダルシム(一応、ダブルローリングソバットを入れて工夫しているようだが……)


ヤムチャ「ぐあっ……くあっ……」ヨロッ

ディージェイ「これが、ミーの必殺技パート2だっ! イヤッホゥ! マシンガンアッパーだよっ!」ドゴゴゴゴゴ

ヤムチャ「ぐ、ぐええっ……!」


オー、オーオー

実況「そして、ボディに連続で打ち込んでいくっ! ここでいったぁ! マシンガンアッパーカットっ!」

フェイロン「いやぁ、ラッシュラッシュですねぇ。踊る間もない程にラッシュを仕掛けています」


ダルシム(マシンガンアッパーカットも出してきたか……工夫はしてる……そこは、認める……だが……)

本田(お前が怪我すんのは勝手やけど、ヤムチャ君怪我させる事の意味……アイツ、わかっとんのか、ディージェイよ……? あ~、止めたいなぁ……)

ダルシム(これでは、完全に総合格闘技の攻防じゃないのか? わかってないのか……? ヤムチャ君……ディージェイ君……)

943: 名無しさん 2015/08/06(木) 23:40:35 ID:jttP3V1U
ヤムチャ「……くうううぅっ」ガクッ

ディージェイ「……そ~らっ!」ドスッ

ヤムチャ「……ぐえっ!」


実況「ヤムチャの身体が大きく前のめりになるっ! しかし、そうする事でまたも空いてる部分が生まれてしまうっ!」

フェイロン「ディージェイ選手、怒涛のラッシュですね……ヤムチャ選手が全く対応出来てません……」

実況「ディージェイは振り抜く様なパンチを、ヤムチャの後頭部に打ち下ろしていったぁっ!」


オー! オーオー!

ディージェイ「ホイホイホイホイ……ソレソレソレ……」ガスガス

ヤムチャ「ガッ……痛っ……! 痛っ……! 全部……全部痛いって……!」

ディージェイ「ソレソレよいしょよいしょ……ソレソレソレ……」ガスガス

ヤムチャ「痛い痛い痛いっ……! 痛いってのっ……! くそっ……!」ググッ


実況「たまらず、ここはクリンチに持ち込んでいく、ヤムチャっ!」

フェイロン「乗ってきたディージェイ選手は怖いですねぇ?」

944: 名無しさん 2015/08/06(木) 23:49:44 ID:jttP3V1U
ヤムチャ「よ~し、ディージェイっ! お前の攻撃……もうお終いっ……! もう、限界っ!」

ディージェイ「やっぱり、ミーのパワーに圧倒されちゃったのかい?」

ヤムチャ「そういう事じゃなくて……色んな意味で……ふんががががっ……!」ググッ

ディージェイ「おっ? おおっ……!?」


オー? オーオー?

実況「あっ、いやっ……! クリンチの体勢に持ち込んでいったヤムチャは、身体を捻らせつつ、強引にディージェイの身体を持ち上げていったぞ!?」

フェイロン「おっとっ……! これはっ……!」


ヤムチャ「しっかり受け身とれよっ……!? わかってんのかっ!?」ググッ

ディージェイ「ヘイヘイヘイっ!? Mr.ヤムチャっ……! Mr.ヤムチャっ……!?」

ヤムチャ「話を聞けぇっ! 受け身とらねぇと、お前が大怪我するんだよっ! わかってるのなら、返事をしろっ!」

ディージェイ「はいっ!」

946: 名無しさん 2015/08/06(木) 23:59:23 ID:jttP3V1U
ヤムチャ「よ~しっ! それじゃあ、落とすぜっ! せぇ~のっ! よいしょ~っ!」ドシーンッ

ディージェイ「……ぐわあああぁぁ!」


オー! オーオー!

実況「ヤムチャは、そのままバックドロップでディージェイの身体をマットへと叩きつけていったぁ!」

フェイロン「対応出来なかった……じゃなくて、この一手を待ってたんですね。そうですよね。だって空手軍団ですもんね。ヤムチャ選手は」


ディージェイ「あたたた……Mr.ヤムチャ……? 怒った……? 怒ったの……?」

ヤムチャ「あたたた……大丈夫、大丈夫……怒ってない、怒ってない……だけど、ここからは俺にやらせてくれよ……?」ムクッ


実況「ディージェイ大きくダウンっ! ヤムチャは上半身だけを起こし、フルフルと頭部を左右に振っている!」

フェイロン「投げに持ってはいけましたけど、結構打たれてましたからね」


ヤムチャ「手数だけが全てじゃねぇ……一撃でドカンと返す……ソイツが、プロレス……」ビシッ


ワー! ワーワー!

実況「まだまだヤムチャはいけるかっ!? 右腕を突き上げ、人差し指を立てますっ!」

引用元: ヤムチャ「プーアル! プロレス団体がピンチだぞ!」